JP2012003714A - シミュレーション方法、及びシミュレーション装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】発泡ゴムが用いられたゴム製品について、演算量を大幅に増加させることなく、精度の良い評価値を得ることができるシミュレーション方法、及びシミュレーション装置を提供する。
【解決手段】複数の空隙が形成された発泡ゴムが用いられたゴム製品の性能を示す評価値を算出するシミュレーション方法であって、ゴム製品を有限個の要素に分割したゴム製品モデルを設定するモデル設定ステップと、ゴム製品モデルに対してゴム製品の物性値を設定する物性値設定ステップと、を有し、物性値設定ステップにおいて、物性値には、ポアソン比νが含まれ、発泡ゴムに対応する要素について、ポアソン比νを発泡率Pによって補正し、補正後のポアソン比をゴム製品モデルに対して設定し、発泡率Pは、発泡ゴムの単位体積当たりの空隙容積比である。
【選択図】図3

Description

本発明は、発泡ゴムが用いられたゴム製品の性能を示す評価値を算出するシミュレーション方法、及びシミュレーション方法を実行するシミュレーション装置に関する。
タイヤの開発において、有限要素法などのシミュレーション方法や計算機環境の発達により、実際にタイヤを製造し、自動車に装着して荷重試験や走行試験を行わなくても、新たに設計したタイヤの物理量を算出して、タイヤの変形の様子を可視化したり、タイヤ性能の評価値を算出したりすることが可能になった(例えば、特許文献1参照)。
トレッド部に、複数の空隙が形成された発泡ゴムが用いられたタイヤ(例えば、特許文献2参照)についても、シミュレーション方法を用いて、性能が評価されている。
特開2006−76404号公報 特開2009−173840号公報
発泡ゴムが用いられたタイヤを有限個の要素に分割してシミュレーションする方法では、気泡も考慮した要素サイズを定義すれば、実際のタイヤに近い評価値が算出できる。具体的には、要素に気泡の特性を表す物性値を入力するため、気泡を構成する要素も含むように、タイヤを有限個の要素に分割する。ただし、気泡を考慮すると、要素サイズを極端に小さくしなければならないため、演算量が大幅に増加する。このため、発泡ゴムが用いられていない通常のタイヤと同様の数の要素に分割してシミュレーションが行われていた。
しかしながら、気泡が考慮されていないため、発泡ゴムが用いられたタイヤは、通常のタイヤと比較して、実際のタイヤを用いた試験から得られた評価値とシミュレーションして得られた評価値とのズレが大きかった。これは、タイヤに限らず、発泡ゴムが用いられた他のゴム製品でも同様の問題が生じていた。
そこで、本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、発泡ゴムが用いられたゴム製品について、演算量を大幅に増加させることなく、精度の良い評価値を得られるシミュレーション方法、及びシミュレーション装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するため、本発明は、次のような特徴を有している。本発明の特徴は、複数の空隙が形成された発泡ゴムが用いられたゴム製品の性能を示す評価値を算出するシミュレーション方法であって、前記ゴム製品を有限個の要素に分割したゴム製品モデルを設定するモデル設定ステップと、前記ゴム製品モデルに対してゴム製品の物性値を設定する物性値設定ステップと、を有し、前記物性値設定ステップにおいて、前記物性値には、ポアソン比νが含まれ、前記発泡ゴムに対応する前記要素について、前記ポアソン比νを発泡率Pによって補正し、補正後のポアソン比を前記ゴム製品モデルに対して設定し、前記発泡率Pは、前記発泡ゴムの単位体積当たりの空隙容積比であることを要旨とする。
本発明の他の特徴は、前記補正後のポアソン比νを補正ポアソン比ν’とすると、前記物性値設定ステップでは、ν’=ν(1−P)を用いて、前記ポアソン比νを補正することを要旨とする。
本発明の他の特徴は、複数の空隙が形成された発泡ゴムが用いられたゴム製品の性能を示す評価値を算出するシミュレーション方法であって、前記ゴム製品を有限個の要素に分割したゴム製品モデルを設定するモデル設定ステップと、前記ゴム製品モデルに対してゴム製品の物性値を設定する物性値設定ステップと、を有し、前記物性値設定ステップにおいて、前記物性値には、体積Vが含まれ、前記発泡ゴムに対応する前記要素について、前記体積Vを発泡率Pによって補正し、補正後の体積Vを前記ゴム製品モデルに対して設定し、前記発泡率Pは、前記発泡ゴムの単位体積当たりの空隙容積比であることを要旨とする。
本発明の他の特徴は、前記補正後の体積Vを補正体積V’とすると、前記物性値設定ステップでは、V’=V(1−P)を用いて、前記体積Vを補正することを要旨とする。
本発明の他の特徴は、複数の空隙が形成された発泡ゴムが用いられたゴム製品の性能を示す評価値を算出するシミュレーション方法であって、前記ゴム製品を有限個の要素に分割したゴム製品モデルを設定するモデル設定ステップと、前記ゴム製品モデルに対してゴム製品の物性値を設定する物性値設定ステップと、を有し、前記物性値設定ステップにおいて、前記物性値には、正接損失であるtanδが含まれ、前記発泡ゴムに対応する前記要素について、前記tanδを発泡率Pによって補正し、補正後のtanδを前記ゴム製品モデルに対して設定し、前記発泡率Pは、前記発泡ゴムの単位体積当たりの空隙容積比であることを要旨とする。
本発明の他の特徴は、前記補正後のtanδを補正tanδ’とすると、前記物性値設定ステップでは、tanδ’=tanδ(1−P)を用いて、前記tanδを補正することを要旨とする。
本発明の他の特徴は、前記ゴム製品は、タイヤであることを要旨とする。
本発明の他の特徴は、前記性能は、転がり抵抗であることを要旨とする。
本発明の他の特徴は、請求項1から8の何れか1項に記載のシミュレーション方法を実行するシミュレーション装置であることを要旨とする。
本発明に係るシミュレーション方法、及びシミュレーション装置によれば、発泡ゴムが用いられたゴム製品について、演算量を大幅に増加させることなく、精度の良い評価値を得ることができる。
図1は、本実施形態に係るタイヤ10のトレッド幅方向とタイヤ径方向に沿った断面図である。 図2は、本実施形態に係るシミュレーション装置500の構成を示す図である。 図3は、本実施形態に係るシミュレーション方法を説明するフローチャートである。 図4は、本実施形態に係るタイヤモデル100を表す斜視図である。 図5は、本実施形態に係るタイヤモデル100、ホイールモデル200及び路面モデル300を表す斜視図である。
本発明に係るシミュレーション方法、及びシミュレーション装置500の一例について、図面を参照しながら説明する。具体的には、(1)タイヤ10の概略構成、(2)シミュレーション装置500の構成、(3)シミュレーション方法、(4)比較評価、(5)作用・効果、(6)その他実施形態、について説明する。
以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。図面は模式的なのものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることを留意すべきである。従って、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきものである。図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
(1)タイヤ10の概略構成
本実施形態に係るタイヤ10の概略構成について、図1を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係るタイヤ10のトレッド幅方向とタイヤ径方向に沿った断面図である。
図1に示されるように、タイヤ10は、トレッド部20、ビード部30、カーカス40及びベルト50を備える。トレッド部20は、溝で区画された陸部を有する。トレッド部20において、路面と接する部分は、発泡ゴム層25によって形成される。発泡ゴム層25とは、複数の空隙が形成された発泡ゴムによって形成される。複数の空隙は、極端な偏りなく、発泡ゴム層25に形成されている。ビード部30は、ビードコア32とビードフィラー35とを有する。ビードコア32は、ビードワイヤー(不図示)によって構成される。ビードフィラー35は、ビード部30の剛性を高めるために設けられる。カーカス40は、一対のビード部30の間を跨るように配置される。カーカス40は、一対のビード部30をそれぞれ包み込んでいる。ベルト50は、複数の並列するコードをゴムで被覆したものである。ベルト50は、トレッド部20とカーカス40との間に位置する。
(2)シミュレーション装置500の構成
本実施形態に係るシミュレーション装置500の構成について、図2を参照しながら説明する。図2は、本実施形態に係るシミュレーション装置500の構成を示す図である。
図2に示されるように、シミュレーション装置500は、入力部510と、記憶部520と、処理部530と、表示部540とを備える。入力部510は、後述するタイヤモデル100の挙動をシミュレーションするのに必要な値の入力を促す。必要に応じて、後述するホイールモデル200や路面モデル300等の値の入力を促しても良い。記憶部520は、処理部530による処理を実行するためのプログラム等を記憶する。処理部530は、入力部510により入力された値及び記憶部520に記憶された値に基づいて、有限要素法等の有限個の要素に分割して解析する手法により、タイヤモデル100の挙動を解析する。表示部540は、処理部530により解析された挙動の結果を表示する。シミュレーション装置500は、本実施形態に係るシミュレーション方法を実行する。
(3)シミュレーション方法
本実施形態に係るシミュレーション方法について、図3から図5を参照しながら説明する。図3は、本実施形態に係るシミュレーション方法を説明するフローチャートである。図4は、本実施形態に係るタイヤモデル100を表す斜視図である。図5は、本実施形態に係るタイヤモデル100、ホイールモデル200及び路面モデル300を表す斜視図である。
(3.1)ステップS1
ステップS1は、モデル設定ステップである。ステップS1では、タイヤ10を有限個の要素に分割したタイヤモデル100を設定する。具体的には、図4に示されるように、タイヤモデル100を構成する要素の各々に対して、節点座標値及び形状が定義される。例えば、タイヤモデル100において、トレッド部20を形成する発泡ゴム層25、ビード部30、その他内部ゴムは、ソリッド要素としてモデル化されても良い。カーカス40及びベルト50は、シェル要素、膜要素又はリバー要素としてモデル化されても良い。節点座標値及び形状の定義は、入力部510を通じて入力される。
なお、タイヤモデル100は、有限要素法(FEM:Fenite Element Method)に対応した要素分割、すなわち、メッシュ分割によってタイヤを複数の要素に分割することによって、コンピュータ装置によって取り扱い可能な形式に数値化されたものである。
タイヤモデル100だけでなく、図5に示すように、ホイールを有限個の要素に分割したホイールモデル200や、路面を有限個の要素に分割した路面モデル300等を設定しても良い。
(3.2)ステップS2
ステップS2は、物性値設定ステップである。ステップS2では、タイヤモデル100に対してタイヤ10の物性値を設定する。タイヤモデル100を構成する要素の各々に対して、物性値が定義される。物性値には、弾性定数、ポアソン比、密度、体積、tanδ等が挙げられる。本実施形態において、ステップS2は、ステップS22、ステップS24及びステップS26から構成される。
物性値は、入力部510によって、各要素に入力される(ステップS22)。発泡ゴム層25に対応する要素に、ポアソン比νが入力された場合、入力されたポアソン比νは、発泡率Pによって補正される(ステップS24)。発泡率Pは、発泡ゴムの単位体積当たりの空隙容積比である。すなわち、発泡率Pは、以下の式1を用いて表される。
P=Vporous/Vbulk・・・式1
porousは、発泡ゴムの単位体積に含まれる空隙の容積を表す。Vbulkは、発泡ゴムの単位体積を表す。
発泡ゴム層25に対応する要素にポアソン比νが入力された場合は、例えば、以下の式2を用いて補正される。
ν’=ν(1−P)・・・式2
ν’は、補正後のポアソン比(以下、補正ポアソン比と略す)である。
補正ポアソン比ν’は、発泡ゴム層25に対応する要素に設定される(ステップ26)。
発泡ゴムは、空隙を有しているため、通常のゴム(すなわち、空隙がなくゴムが密に充填されているゴム)に比べて、挙動が異なってくる。このため、発泡率Pによって、ポアソン比νを補正することにより、実際のタイヤに近い評価値が算出できる。発泡率Pによって、ポアソン比νを補正する方法は、気泡を構成する要素も含むように、タイヤを有限個の要素に分割するタイヤモデルを作成し、シミュレーションする方法に比べると、演算量は極めて少ない。
同様にして、発泡ゴム層25に対応する要素に、体積Vが入力された場合、入力された体積Vは、発泡率Pによって補正される(ステップS24)。
発泡ゴム層25に対応する要素に体積Vが入力された場合は、例えば、以下の式2を用いて補正される。
V’=V(1−P)・・・式3
V’は、補正後の体積(以下、補正体積と略す)である。
補正体積V’は、発泡ゴム層25に対応する要素に設定される(ステップ26)。
同様にして、発泡ゴム層25に対応する要素に、tanδ(すなわち、正接損失)が入力された場合、入力されたtanδは、発泡率Pによって補正される(ステップS24)。
発泡ゴム層25に対応する要素にtanδが入力された場合は、例えば、以下の式2を用いて補正される。
tanδ’=tanδ(1−P)・・・式4
tanδ’は、補正後のtanδ(以下、補正tanδ’と略す)である。
補正tanδ’は、発泡ゴム層25に対応する要素に設定される(ステップ26)。
評価値に転がり抵抗が含まれる場合、補正体積V’又は/及び補正tanδ’を用いるのが好ましい。転がり抵抗は、タイヤの変形に起因する歪みエネルギー損失が原因の1つである。発泡ゴムが用いられたタイヤ10では、発泡ゴムが用いられていないタイヤ10に比べて、空隙の分だけ、歪みエネルギー損失が少なくなる。従って、発泡率Pを用いて、体積V又は/及びtanδを補正することにより、実際のタイヤに近い評価値が算出できる。
なお、補正体積V’及び補正tanδ’は、評価値が転がり抵抗の場合だけでなく、他の評価値の算出に用いられてももちろん良い。
発泡ゴム層25に対応しない要素(例えば、ビード部30、カーカス40、ベルト50及びその他内部ゴムに対応する要素)に入力された物性値は、そのまま各要素に設定される。また、発泡ゴム層25に対応する要素に入力される物性値であっても、ポアソン比ν、体積V、tanδでなければ、入力された物性値は、そのまま各要素に設定される。
ポアソン比ν、体積V、tanδを予め記憶部520に記憶させ、該当する物性値が入力されれば、処理部530が、入力された物性値を補正するように設定しておくことができる。
(3.3)ステップS3
ステップS3では、境界条件が設定される。境界条件には、空気圧、荷重、スリップ角、速度、又はリム幅などのタイヤ10の使用条件が挙げられる。なお、ステップS3は、ステップS2の後に必ずしも行われる必要はなく、ステップ3の後に、ステップ2が行われても良い。
(3.4)ステップS4
ステップ4では、ステップS1からステップS3による設定に基づいて解析が行われる。具体的には、処理部530が、記憶部520に記憶されている各要素の座標データと、ステップ2及びステップ3により入力された値とに基づいて有限要素法解析により、各要素の歪、応力などを解析する。なお、有限要素法解析などによる数値解析は一般的であるため、詳細な説明は省略する。これにより、タイヤ10の性能を示す評価値が算出される。
(3.5)ステップS5
ステップ5では、ステップ4により、処理部530によって解析された結果を表示する。具体的には、表示部540に、解析された結果を表示する。
(4)比較評価
本発明の効果を確かめるため、発泡率Pによって補正した物性値(ポアソン比ν、体積V、tanδ)に基づいたシミュレーション方法(実施例)と、補正していない物性値に基づいたシミュレーション方法(比較例)とを比較評価した。具体的には、以下の通りである。
発泡ゴムが用いられたタイヤを実際に用いて、タイヤの性能(接地長、転がり抵抗)を示す評価値を測定した。発泡ゴムが用いられたタイヤについて、有限要素法に基づくシミュレーション方法により、タイヤの性能を示す評価値を算出した。実施例では、発泡率Pを用いて、ポアソン比ν、体積V及び、正接損失(tanδ)を補正した。具体的には、接地長を示す評価値を算出するときには、式2を用いて、ポアソン比νを補正した。転がり抵抗を示す評価値を算出するときには、式2、式3及び式4を用いて、体積V及び正接損失を補正した。比較例では、補正を行わなかった。
また、発泡ゴムを用いていないタイヤを実際に用いて、タイヤの性能(接地長、転がり抵抗)を示す評価値を測定した。この評価値を100として、その他の評価値を相対的に表した結果を表1に示す。予測は、シミュレーション方法を用いて得られた評価値であり、実測は、実際のタイヤを用いて測定した評価値である。
なお、参考として、発泡ゴムを用いていないタイヤについて、有限要素法に基づくシミュレーション方法により、タイヤの性能を示す評価値も算出した。
Figure 2012003714
表1に示されるように、発泡ゴムを用いていないタイヤにおいて、接地長及び転がり抵抗は、実測と予測とが一致している。
発泡ゴムが用いられたタイヤでは、実測と予測が、実施例及び比較例いずれも一致してはいないが、比較例に比べると実施例の方が、実測に近い値が得られている。従って、発泡率Pによって、補正を行うことにより、比較例よりも精度の良い評価値を得られることが明らかになった。
(5)作用・効果
本実施形態に係るシミュレーション方法によれば、発泡ゴムに対応する要素について、ポアソン比νを発泡率Pによって補正し、補正後のポアソン比をゴム製品モデルに対して設定する。また、本実施形態に係るシミュレーション方法によれば、発泡ゴムに対応する要素について、体積Vを発泡率Pによって補正し、補正後の体積Vをゴム製品モデルに対して設定する。また、本実施形態に係るシミュレーション方法によれば、発泡ゴムに対応する要素について、tanδを発泡率Pによって補正し、補正後のtanδをゴム製品モデルに対して設定する。
発泡ゴムは、空隙を有しているため、通常のゴム(すなわち、空隙がなくゴムが密に充填されているゴム)に比べて、挙動が異なってくる。この挙動の異なる原因となるポアソン比ν、体積V、tanδを、実際の挙動に適合するように補正することによって、実際のタイヤに近い評価値が算出できる。発泡率Pによって、ポアソン比νを補正する方法は、気泡を構成する要素も含むように、タイヤを有限個の要素に分割するタイヤモデルを作成し、シミュレーションする方法に比べると、演算量は極めて少ないため、演算時間が大幅にかかることもない。
本実施形態に係るシミュレーション方法によれば、式2を用いて、ポアソン比を補正する。また、本実施形態に係るシミュレーション方法によれば、式3を用いて、体積Vを補正する。また、本実施形態に係るシミュレーション方法によれば、式4を用いて、tanδを補正する。これによれば、簡単な式を用いて補正するため、補正に必要な演算量を極めて少なくすることができる。
(6)その他実施形態
本発明の実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。
例えば、本実施形態に係るシミュレーション方法において、擬似転動解析が行われても良い。擬似転動解析は、タイヤモデル100を回転させることなくタイヤモデル100の定常状態における力の釣り合いを直接求める。これにより、解析時間を短縮することができる。
また、本実施形態において、タイヤ10に係るシミュレーション方法を説明したが、これに限られず、発泡ゴムが用いられた他のゴム製品に係るシミュレーションであっても良い。
上記の通り、本発明はここでは記載していない様々な実施形態を含む。従って、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
10…タイヤ、 20…トレッド部、 25…発泡ゴム層、 30…ビード部、 32…ビードコア、 35…ビードフィラー、 40…カーカス、 50…ベルト、 100…タイヤモデル、 200…ホイールモデル、 300…路面モデル、 500…シミュレーション装置、 510…入力部、 520…記憶部、 530…処理部、 540…表示部

Claims (9)

  1. 複数の空隙が形成された発泡ゴムが用いられたゴム製品の性能を示す評価値を算出するシミュレーション方法であって、
    前記ゴム製品を有限個の要素に分割したゴム製品モデルを設定するモデル設定ステップと、
    前記ゴム製品モデルに対してゴム製品の物性値を設定する物性値設定ステップと、を有し、
    前記物性値設定ステップにおいて、
    前記物性値には、ポアソン比νが含まれ、
    前記発泡ゴムに対応する前記要素について、前記ポアソン比νを発泡率Pによって補正し、補正後のポアソン比を前記ゴム製品モデルに対して設定し、
    前記発泡率Pは、前記発泡ゴムの単位体積当たりの空隙容積比であるシミュレーション方法。
  2. 前記補正後のポアソン比νを補正ポアソン比ν’とすると、
    前記物性値設定ステップでは、ν’=ν(1−P)を用いて、前記ポアソン比νを補正する請求項1に記載のシミュレーション方法。
  3. 複数の空隙が形成された発泡ゴムが用いられたゴム製品の性能を示す評価値を算出するシミュレーション方法であって、
    前記ゴム製品を有限個の要素に分割したゴム製品モデルを設定するモデル設定ステップと、
    前記ゴム製品モデルに対してゴム製品の物性値を設定する物性値設定ステップと、を有し、
    前記物性値設定ステップにおいて、
    前記物性値には、体積Vが含まれ、
    前記発泡ゴムに対応する前記要素について、前記体積Vを発泡率Pによって補正し、補正後の体積Vを前記ゴム製品モデルに対して設定し、
    前記発泡率Pは、前記発泡ゴムの単位体積当たりの空隙容積比であるシミュレーション方法。
  4. 前記補正後の体積Vを補正体積V’とすると、
    前記物性値設定ステップでは、V’=V(1−P)を用いて、前記体積Vを補正する請求項3に記載のシミュレーション方法。
  5. 複数の空隙が形成された発泡ゴムが用いられたゴム製品の性能を示す評価値を算出するシミュレーション方法であって、
    前記ゴム製品を有限個の要素に分割したゴム製品モデルを設定するモデル設定ステップと、
    前記ゴム製品モデルに対してゴム製品の物性値を設定する物性値設定ステップと、を有し、
    前記物性値設定ステップにおいて、
    前記物性値には、正接損失であるtanδが含まれ、
    前記発泡ゴムに対応する前記要素について、前記tanδを発泡率Pによって補正し、補正後のtanδを前記ゴム製品モデルに対して設定し、
    前記発泡率Pは、前記発泡ゴムの単位体積当たりの空隙容積比であるシミュレーション方法。
  6. 前記補正後のtanδを補正tanδ’とすると、
    前記物性値設定ステップでは、tanδ’=tanδ(1−P)を用いて、前記tanδを補正する請求項5に記載のシミュレーション方法。
  7. 前記ゴム製品は、タイヤである請求項1から6の何れか1項に記載のシミュレーション方法。
  8. 前記性能は、転がり抵抗である請求項3から6の何れか1項に記載のシミュレーション方法。
  9. 請求項1から8の何れか1項に記載のシミュレーション方法を実行するシミュレーション装置。
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