JP2014113982A - タイヤのシミュレーション装置、その方法及びプログラム - Google Patents

タイヤのシミュレーション装置、その方法及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】オイラー要素モデルの外側まで水が伝播してしまうことを防止して、タイヤのウェット性能を精度良く解析する。
【解決手段】水膜で覆われた路面を走行するタイヤの挙動を再現するシミュレーションにおいて、内部に流体物質60を配した流体解析モデルとしてオイラー要素モデル54を作成し、動的解析において、タイヤモデル50を路面モデル52上で転動させ、かつ該タイヤモデルの移動に応じてオイラー要素モデル54を移動させて、タイヤモデルの変形計算とオイラー要素モデル内の流体物質の流れ計算を、所定以上の解析時間で行う。オイラー要素モデルを作成する際に、タイヤモデル50の接地部58よりもタイヤ進行方向前方S側のオイラー要素モデル54の長さLを、動的解析におけるタイヤモデルの加速度をα、Aを定数、kを1以上の数として、L=kA/αにより算出する。
【選択図】図3

Description

本発明は、水膜で覆われた路面を走行するタイヤの挙動を再現するタイヤのシミュレーション装置、その方法及びプログラムに関するものである。
水膜で覆われたウェット路面での空気入りタイヤの性能を評価するために、コンピュータを用いた、有限要素法や有限体積法といった数値解析法によるシミュレーション解析が行われている。ウェット路面上でのタイヤ性能として、例えば、ハイドロプレーニング性能がある。ハイドロプレーニング性能とは、水の溜まった路面上をタイヤが走行するときに、タイヤと路面の間に水が入り込み、タイヤのグリップ力が低下し、最終的にタイヤが水膜上を滑るようになって制御が利かなくなるハイドロプレーニング現象に関する性能である。
従来、このようなウェット性能を評価するため、特許文献1には、有限要素モデルのタイヤモデルとオイラー要素モデルの流体モデルを用いて、タイヤモデルと流体モデルの境界条件を更新しながら、タイヤモデルの変形計算と流体モデルの流動計算を行うシミュレーション方法が開示されている。この文献では、流体モデルであるオイラー要素モデルは移動させず、タイヤモデルを転動させて動的解析(ハイドロプレーニング解析)を行っている。そのため、オイラー要素モデルは、タイヤモデルが移動する長い領域に設定されており、具体的には、オイラー要素モデルのタイヤ進行方向における長さは2m以上(タイヤ1回転以上)とされている。しかしながら、このようにオイラー要素モデルの長さが大きすぎると、動的解析に要する計算時間が膨大となってしまう。
そこで、特許文献2では、タイヤモデルを路面モデル上で転動させるとともに、流体モデルであるオイラー要素モデルもタイヤモデルの移動に応じて移動させて、動的解析を行うことが提案されている。そして、この文献では、オイラー要素モデルの進行方向における長さは、タイヤモデルの最大接触長さの0.5倍以上4倍以下に設定されている。
特開2000−141509号公報 特開2004−338660号公報
ハイドロプレーニング解析において重要となるのは、タイヤモデル前方の水の挙動である。これは、タイヤが前方に弾いた水を再度乗り越えないといけないためである。一方で、解析精度を良くするためには、動的解析における解析時間を長くすればよい。解析時間は、動的解析においてタイヤモデルが最終速度に加速するまでの時間であり、従って、解析時間を長くするとタイヤモデルの加速度が小さくなる。そのため、特許文献2のようにオイラー要素モデルの長さが小さいと、解析精度を良くするために解析時間を例えば100msec以上と長くしたときに、オイラー要素モデルの外側まで水が伝播して(飛び跳ねて)しまい、本来は前方に存在するはずの水がオイラー要素モデルの外側となって考慮できなくなり、解析精度が低下してしまうことが判明した。
本発明は、以上の点に鑑み、オイラー要素モデルの外側まで水が伝播してしまうことを防止して、タイヤのウェット性能を精度良く解析することができるタイヤのシミュレーション装置、その方法及びプログラムを提供することを目的とする。
本発明に係る第1の態様は、水膜で覆われた路面を走行するタイヤの挙動を再現するタイヤのシミュレーション装置であって、; 数値解析が可能な有限個の要素でモデル化したタイヤモデルを設定するタイヤモデル設定部と、; 路面を再現した路面モデルを設定する路面モデル設定部と、; 内部に流体物質を配した流体解析モデルとしてオイラー要素モデルを作成するオイラー要素モデル作成部と、; 前記タイヤモデルを前記路面モデル上で転動させ、かつ転動する前記タイヤモデルの移動に応じて前記オイラー要素モデルを前記路面モデル上で移動させる動的状態において、前記タイヤモデルの変形計算と前記オイラー要素モデル内の流体物質の流れ計算による動的解析を、所定以上の解析時間で行う動的解析部と、を有し、; 前記オイラー要素モデル作成部は、タイヤ進行方向における前記オイラー要素モデルの長さを算出するモデル長さ算出部を有し、前記モデル長さ算出部が、前記路面モデルに対する前記タイヤモデルの接地部よりもタイヤ進行方向前方側の前記オイラー要素モデルの長さLを、前記動的解析部における前記タイヤモデルの加速度をα、Aを定数、kを1以上の数として、L=kA/αにより算出することを特徴とするタイヤのシミュレーション装置である。
本発明に係る第2の態様は、水膜で覆われた路面を走行するタイヤの挙動を再現するタイヤのシミュレーション方法であって、; 数値解析が可能な有限個の要素でモデル化したタイヤモデルを設定するタイヤモデル設定ステップと、; 路面を再現した路面モデルを設定する路面モデル設定ステップと、; 内部に流体物質を配した流体解析モデルとしてオイラー要素モデルを作成するオイラー要素モデル作成ステップと、; 前記タイヤモデルを前記路面モデル上で転動させ、かつ転動する前記タイヤモデルの移動に応じて前記オイラー要素モデルを前記路面モデル上で移動させる動的状態において、前記タイヤモデルの変形計算と前記オイラー要素モデル内の流体物質の流れ計算による動的解析を、所定以上の解析時間で行う動的解析ステップと、を有し、; 前記オイラー要素モデル作成ステップは、タイヤ進行方向における前記オイラー要素モデルの長さを算出するモデル長さ算出ステップを含み、前記モデル長さ算出ステップにおいて、前記路面モデルに対する前記タイヤモデルの接地部よりもタイヤ進行方向前方側の前記オイラー要素モデルの長さLを、前記動的解析における前記タイヤモデルの加速度をα、Aを定数、kを1以上の数として、L=kA/αにより算出することを特徴とするタイヤのシミュレーション方法である。
本発明に係る第3の態様は、水膜で覆われた路面を走行するタイヤの挙動を再現するためのプログラムであって、コンピュータに、; 数値解析が可能な有限個の要素でモデル化したタイヤモデルを設定するタイヤモデル設定機能と、; 路面を再現した路面モデルを設定する路面モデル設定機能と、; 内部に流体物質を配した流体解析モデルとしてオイラー要素モデルを作成するオイラー要素モデル作成機能と、; 前記タイヤモデルを前記路面モデル上で転動させ、かつ転動する前記タイヤモデルの移動に応じて前記オイラー要素モデルを前記路面モデル上で移動させる動的状態において、前記タイヤモデルの変形計算と前記オイラー要素モデル内の流体物質の流れ計算による動的解析を、所定以上の解析時間で行う動的解析機能と、; 前記オイラー要素モデルを作成するに際し、前記路面モデルに対する前記タイヤモデルの接地部よりもタイヤ進行方向前方側の前記オイラー要素モデルの長さLを、前記動的解析における前記タイヤモデルの加速度をα、Aを定数、kを1以上の数として、L=kA/αにより算出することにより、タイヤ進行方向における前記オイラー要素モデルの長さを算出するモデル長さ算出機能と、を実現させるためのタイヤシミュレーションプログラムである。
本発明に係る第4の態様は、水膜で覆われた路面を走行するタイヤの挙動を再現するタイヤのシミュレーション装置であって、; 数値解析が可能な有限個の要素でモデル化したタイヤモデルを設定するタイヤモデル設定部と、; 路面を再現した路面モデルを設定する路面モデル設定部と、; 内部に流体物質を配した流体解析モデルとしてオイラー要素モデルを作成するオイラー要素モデル作成部と、; 前記タイヤモデルを前記路面モデル上で転動させ、かつ転動する前記タイヤモデルの移動に応じて前記オイラー要素モデルを前記路面モデル上で移動させる動的状態において、前記タイヤモデルの変形計算と前記オイラー要素モデル内の流体物質の流れ計算による動的解析を、所定以上の解析時間で行う動的解析部と、を有し、; 前記オイラー要素モデル作成部は、前記動的解析部における前記タイヤモデルの加速度をα[mm/s]として、前記路面モデルに対する前記タイヤモデルの接地部よりもタイヤ進行方向前方側の前記オイラー要素モデルの長さが9.0×10/α[mm]以上であるオイラー要素モデルを作成することを特徴とするタイヤのシミュレーション装置である。
本発明によれば、タイヤモデルの加速度に応じて、タイヤ進行方向のオイラー要素モデルの長さを適切に定義することにより、オイラー要素モデルの外側まで水が伝播してしまうことを防ぐことができる。そのため、解析精度を向上することができる。
実施形態に係るシミュレーション装置のブロック図である。 同シミュレーション装置のフローチャートである。 オイラー要素モデル作成部のフローチャートである。 動的解析部のフローチャートである。 タイヤモデルと路面モデルとオイラー要素モデルの組み合わせ状態を示す斜視図である。 同組み合わせ状態のうちタイヤモデルとオイラー要素モデルを拡大して示す斜視図である。 動的解析時におけるタイヤモデルと流体物質である水との関係を示す説明図である。 オイラー要素モデルの平面図である。
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
一実施形態に係るタイヤのシミュレーション装置10は、水膜で覆われた路面を走行する空気入りタイヤの挙動を再現するシミュレーション装置であって、図1に示すように、入力部12、タイヤモデル設定部14、路面モデル設定部16、オイラー要素モデル作成部18、静的解析部30、動的解析部32、評価値取得部34、タイヤ性能評価部36、及び出力部38を有する。また、オイラー要素モデル作成部18は、加速度算出部20、モデル長さ算出部22、メッシュ生成部24、流体物質配置部26、及び境界条件設定部28を有する。
このシミュレーション装置10は、例えば、マウスとキーボードを有する汎用のコンピュータを基本ハードウェアとして用いることでも実現することが可能である。すなわち、入力部12、タイヤモデル設定部14、路面モデル設定部16、オイラー要素モデル作成部18(詳細には、加速度算出部20、モデル長さ算出部22、メッシュ生成部24、流体物質配置部26及び境界条件設定部28)、静的解析部30、動的解析部32、評価値取得部34、タイヤ性能評価部36、及び出力部38は、上記のコンピュータに搭載されたプロセッサにプログラムを実行させることにより実現することができる。このとき、シミュレーション装置10は、上記のプログラムをコンピュータに予めインストールすることで実現してもよいし、CD−ROM等の記憶媒体に記憶して、又はネットワークを介して上記のプログラムを配布して、このプログラムをコンピュータに適宜インストールすることで実現してもよい。
以下、上記各部の構成と機能について順番に説明する。
[1]入力部12
入力部12は、解析対象となる空気入りタイヤ、路面及び流体である水膜をそれぞれモデル化するために必要なモデル作成条件と、これらのモデルを用いて解析を行うための解析条件を取得する。
モデル作成条件としては、モデルの形状、メッシュ分割数等が挙げられ、例えば、タイヤモデルの作成条件としては、タイヤ断面形状を含めたタイヤについての種々のデータ(タイヤ設計情報)が挙げられ、具体的には、タイヤの外形形状や内部構造等の各寸法諸元、タイヤを構成するトレッド、ベルト、カーカスなどの各部材についてヤング率、ポアソン比や比重などの材料特性などが入力される。
解析条件としては、リムモデルに装着されたタイヤモデルに対する内圧や荷重、タイヤモデルの動的状態を定める、並進速度(即ち、走行速度、特には、タイヤモデルの最終速度)、タイヤモデルと路面モデルとの摩擦係数などのタイヤモデルの運動や接地に関する条件の他、動的解析における解析時間、路面上の水膜の厚みなどが入力される。
これらの情報の入力は、キーボードを用いたり、CD−ROM等の記録媒体やネットワーク等を通じて行われてもよい。
[2]タイヤモデル設定部14
タイヤモデル設定部14は、数値解析が可能な有限個の要素でモデル化したタイヤモデルを設定する。この実施形態では、入力部12で入力されたモデル作成条件に基づいて、トレッドパターンを持つタイヤについて、有限要素モデルを作成する。詳細には、自然平衡状態のタイヤ形状を基準形状とし、この基準形状をFEMによりモデル化して、メッシュ分割によって多数の有限要素に分割された三次元のタイヤモデルを作成する。かかる要素としては、4面体ソリッド要素、5面体ソリッド要素、6面体ソリッド要素などが挙げられ、これらの要素は三次元座標(例えば、タイヤ進行方向をX軸、タイヤ幅方向をY軸、上下方向をZ軸とするX−Y−Z座標)を用いて逐一特定される。このようなタイヤモデルの作成方法自体は公知であり、かかる公知の方法を用いてモデル化することができる。なお、予め作成されたタイヤモデルを入力部12から入力してもよく、その場合、タイヤモデル設定部14は、入力されたタイヤモデルを解析対象として設定する。
図6には、解析対象となる三次元のタイヤモデル50の一例が示されている(なお、図6では、後述するオイラー要素モデル54と組み合わせた状態が示されているが、この段階ではオイラー要素モデル54は存在しない)。
[3]路面モデル設定部16
路面モデル設定部16は、路面を再現した路面モデルを設定する。この実施形態では、入力部12で入力されたモデル作成条件に基づいて、道路の表面を数値解析が可能な要素に置き換えた路面モデルを作成する。図5に一例を示すように、路面モデル52は、外力が作用しても変形しない平坦な四角形状の剛表面要素により構成されるが、凹凸を有するものを路面モデルとして定義してもよい。路面モデルには、アスファルト路面とほぼ同様の表面摩擦係数が境界条件として定義される。なお、予め作成された路面モデルを入力部12から入力してもよく、その場合、路面モデル設定部16は、入力された路面モデルを解析対象として設定する。また、ハードディスクなどの記憶手段に1又は複数の路面モデルを予め記憶させておき、マウスやキーボードなどを介して選択された路面モデルを、解析対象として設定してもよい。
[4]オイラー要素モデル作成部18
オイラー要素モデル作成部18は、内部に流体物質を配した流体解析モデルとしてオイラー要素モデルを作成する。オイラー要素モデル54は、その一例を図5,6に示すように、路面モデル52上の一部の空間領域を8節点のオイラーメッシュで分割して得られた複数の直方体要素からなるものであり、全体として直方体の形状を有し、その内部に所定の高さで流体物質60が配されている。オイラー要素モデル54では、要素の形状は変化することなく、流体物質60が空間内を移動する。流体物質60は、密度、体積弾性率、粘性係数、動粘度などで特徴付けられるものであり、本実施形態では、水に相当する密度と粘性係数で特徴付けられた流体物質60がオイラー要素モデル54内に配される。
本実施形態では、オイラー要素モデル54を作成するに際し、そのタイヤ進行方向における長さを、動的解析におけるタイヤモデル50の加速度に応じて適切に定義する。そこで、まず、かかる長さの定義について説明する。
図7に示すように、動的解析において、タイヤモデル50が転動して並進運動する際における、流体物質である水56の挙動を考える。ある時点でのタイヤモデル50の速度をVとし、その時点からタイヤモデル50の最終速度Vに達するまでの残りの解析時間をtとし、残りの解析時間tに達するまでのタイヤモデル50の移動距離をL、水56の移動距離をLとし、タイヤ進行方向における水56の速度をVとし、タイヤモデル50の加速度をαとする。すると、タイヤモデル50と水56が接触する部分からタイヤ進行方向前方側においてオイラー要素モデル54に必要な長さLは、
=L−L
で表される。ここで、L=Vt、かつ、L=Vt+α/2なので、上記長さLは次のようになる。
ここで、t=(V−V)/αなので、下記式(2)で表されるAを定数として、上記長さLは下記式(1)で表される。
よって、タイヤモデル50と流体物質である水56とが接触する部分(詳細には、路面モデル52に対するタイヤモデル50の接地部)よりもタイヤ進行方向前方側のオイラー要素モデル54の長さLは、L以上に設定すればよく、すなわち、kを1以上の数として、L=kA/αにより、タイヤ進行方向前方側のオイラー要素モデル54の長さLを算出することができる。
上記定数Aの具体的な値は、次のようにして決定することができる。ハイドロプレーニング性能は、上記特許文献2に記載されているように、例えば80〜100km/h時の並進運動の動的状態を再現しなければならないので、タイヤモデル50の最終速度Vを100km/hとする。一方、80〜100km/hでのハイドロプレーニング性能を解析するために、その手前の速度であるV=70km/hでのタイヤ進行方向における水の移動速度Vを解析により求めたところ、V=3.5×10[mm/s]であった。なお、解析は、図6に示すトレッド幅方向を横断するV字状溝をタイヤ周方向に所定間隔で有するトレッドパターンを持つタイヤモデルについて、汎用解析プログラムを用い、解析条件は水膜の厚みを8mmとして、タイヤ進行方向における水の速度分布を求め、最大の移動速度を算出した。なお、汎用解析プログラムとしては、ダッソー・システムズ株式会社製のAbaqusや、MSC Software Corporation社製のDytranなどが挙げられる。
このようにして算出したV=70[km/h]及びV=3.5×10[mm/s]を上記式(2)に代入すると、A=9.5×10[mm/s]となる。そのため、上記の必要な長さL[mm]が9.5×10[mm/s]/α[mm/s]となる。但し、図6に示すV字状溝のトレッドパターンは、特にタイヤ進行方向前方Sに水が伝播しやすいものであり、実際のトレッドパターンにおけるタイヤ進行方向前方Sへの水の伝播は通常これよりも小さい。そのため、実際のトレッドパターンを考慮すれば、Aの下限は9.0×10[mm/s]に設定することができる。その一方で、図6に示すトレッドパターンよりもタイヤ進行方向前方Sに水が伝播しやすいものも皆無とはいえないので、安全をみれば、Aの上限は1.0×10[mm/s]であることが好ましい。従って、Aは9.0×10〜1.0×10[mm/s]の範囲内から設定されることが好ましい。以上より、タイヤ進行方向前方側のオイラー要素モデル54の長さLは、L=kA/αを用いることにより、加速度に応じて適切に定義することができる。
オイラー要素モデル作成部18は、上記のように、加速度算出部20と、モデル長さ算出部22と、メッシュ生成部24と、流体物質配置部26と、境界条件設定部28とを有するので、以下順番に説明する。
[5]加速度算出部20
加速度算出部20は、入力部12で入力された動的解析における解析時間tとタイヤモデル50の最終速度Vから、動的解析におけるタイヤモデル50の加速度αを算出する。動的解析においてタイヤモデル50を静止状態から最終速度Vまで加速させて解析する場合、上記加速度αは、α=V/tにより算出することができる。ここで、解析時間tは、100msec以上であることが好ましい。また、最終速度Vは、80〜100km/hの範囲内で設定されることが好ましい。更に、タイヤモデル50の加速度αは、9.26×10〜2.78×10[mm/s]の間であることが好ましい。加速度αが9.26×10mm/s以上であることにより、計算時間の膨大を抑えることができ、また2.78×10mm/s以下であることにより、解析精度を維持しやすい。
[6]モデル長さ算出部22
モデル長さ算出部22は、タイヤ進行方向におけるオイラー要素モデル54の長さを算出する。その際、モデル長さ算出部22は、上記で算出したタイヤモデル50の加速度αを用いて、路面モデル52に対するタイヤモデル50の接地部58(詳細には、接地部58の前縁58F)よりもタイヤ進行方向前方側のオイラー要素モデル54の長さL(図8参照)を、Aを定数、kを1以上の数として、L=kA/αにより算出する。
ここで、Aは、上記のように9.0×10〜1.0×10[mm/s]の範囲内から予め設定されていることが好ましく、より好ましくはA=9.5×10[mm/s]である。
一方、kについては、予め1以上の数で固定しておくこともできるが、要求される解析精度や許容可能な計算時間などに鑑みてタイヤ進行方向前方側のオイラー要素モデル54の長さLを定義できるように、入力部12においてkを設定できるようにしてもよい。その際、計算時間短縮のためには、タイヤ進行方向前方側のオイラー要素モデル54の長さLが大きすぎないようにすべきであり、すなわちkの上限は1.5以下であることが好ましい。よって、kは1.0〜1.5の範囲内から選択されることが好ましい。
モデル長さ算出部22は、上記で算出したタイヤ進行方向前方側の長さLに、接地部58の長さLg、更には接地部58よりもタイヤ進行方向後方側の長さLrを付加して、タイヤ進行方向におけるオイラー要素モデル54の長さLaを算出する(図8参照)。なお、この算出段階で静的解析を行っていない場合、路面モデル52に対するタイヤモデル50の接地部58の長さは厳密には分からないが、タイヤサイズなどに応じて接地長のおおよその値は分かるので、モデル長さ算出の際に使用する接地部58の長さを、例えばタイヤサイズ毎に予め記憶しておき、この長さを接地部58の長さLgとして算出すればよい。また、タイヤ進行方向後方側の長さLrについては、オイラー要素モデル54がタイヤモデル50と干渉しない領域をタイヤ進行方向後方に確保しながら、計算時間短縮のためできるだけ短く設定することが好ましく、例えば、接地長58と同じ長さに設定してもよい。一方、先に静的解析を実施してからオイラー要素モデル54を作成してもよく、その場合は、該静的解析により算出される接地長に基づき、オイラー要素モデル54の長さを算出することができる。
[7]メッシュ生成部24
メッシュ生成部24は、モデル長さ算出部22で算出したタイヤ進行方向におけるオイラー要素モデル54の長さLaと、タイヤサイズ等に応じて予め定められたオイラー要素モデル54の幅寸法に基づき、空間領域を8節点のオイラーメッシュで分割してなる直方体形状のオイラー要素モデル54を作成する。
図6及び図8に示すように、オイラー要素モデル54は、タイヤ軸方向に沿った複数の垂直面と、タイヤ進行方向に沿った複数の垂直面と、高さが異なる複数の水平面とで複数の直方体要素に区画されている。該直方体要素は、路面モデル52に接し配されるオイラー要素モデル54の下面から高さ方向に離れるに従い、その体積が大きくなるように生成されている。
また、タイヤモデル50の接地部58に相当する部分で、直方体要素の体積が小さくなるように、接地部58ではメッシュ分割が密に設定されている。また、タイヤ進行方向において接地部58から離れるに従い直方体要素の体積が大きくなるように、かつ、タイヤ幅方向において接地部58から離れるに従い直方体要素の体積が大きくなるように、上記垂直面のメッシュ分割が設定されている。その際、上記L、Lg及びLrの寸法に基づいて、接地部58を定義するようにメッシュ分割を行う。
[8]流体物質配置部26
流体物質配置部26は、メッシュ生成部24で生成したオイラー要素モデル54の内部に流体物質60を配置する(図6)。流体物質60は、オイラー要素モデル54における路面モデル52と接する下面領域全面に一様な厚さ(高さ)で配置されており、この例では、最下段から2段目の要素の位置まで流体物質60(図6において灰色で示す。)が充填されている。本実施形態において、流体物質60は、水に相当する密度と粘性係数で特徴付けられており、また重力加速度が作用するように定義されている。なお、オイラー要素モデル54における流体物質60が充填された領域よりも上には、流体物質60が流入し得る空間領域が確保されている。
[9]境界条件設定部28
境界条件設定部28は、流体物質60が配置されたオイラー要素モデル54における境界条件を設定する。詳細には、オイラー要素モデル54の境界面のうち、タイヤ進行方向における前端面54Aには、流体物質60の流入だけが許容されて流体物質60が補充されるように境界条件が付与される。また、前端面54Aとは反対側に位置するタイヤ進行方向における後端面54Bには、流体物質60の流出だけが許容されるように境界条件が付与される。オイラー要素モデル54の左右両側面54C,54C及び下面54Dには、流体物質60の流入及び流出を禁止する境界条件を付与してもよい。なお、オイラー要素モデル54の上面54Eでは流体物質60の流入及び流出は禁止されない。以上より、内部に流体物質60を配しかつ境界条件が設定されたオイラー要素モデル54が得られる。
[10]静的解析部30
静的解析部30は、タイヤモデル設定部14で得られたタイヤモデル50をリムモデル(不図示)に装着した上で、有限要素解析法による静的解析を行う。すなわち、タイヤモデル50に所定の内圧を充填しながらタイヤモデル50の変形計算を行う内圧充填処理と、タイヤモデル50を回転させることなく静止した状態で、路面モデル52に対して所定の荷重で接地させながら、タイヤモデル50の変形計算を行う接地解析処理とを行う。
[11]動的解析部32
動的解析部32は、タイヤモデル50を路面モデル52上で転動させ、かつ転動するタイヤモデル50の移動に応じてオイラー要素モデル54を路面モデル52上で移動させる動的状態において、タイヤモデル50の変形計算とオイラー要素モデル54内の流体物質の流れ計算による動的解析(詳細には、ハイドロプレーニング解析)を行う。
そのため、動的解析部32は、まず、モデル結合部が、上記接地処理の施されたタイヤモデル50に対して、オイラー要素モデル54を所定位置に配置し結合させて、タイヤモデル50とオイラー要素モデル54を組み合わせる(図5及び図6参照)。その際、路面モデル52に対するタイヤモデル50の接地部の前縁と、オイラー要素モデル54における上記接地部58の前縁58Fとが一致するように、両モデル50,54を組み合わせることにより、当該前縁58Fよりもタイヤ進行方向前方Sにおけるオイラー要素モデル54の長さLを、上記の設定通りに確保することができる。
このようにして組み合わせた後、動的解析部32は、タイヤモデル50を所定の加速度αで並進運動するように転動させるとともに、そのタイヤモデル50の移動に伴って同じ加速度αでオイラー要素モデル54を移動させながら、上記変形計算及び流れ計算を行う動的解析を実行する。その際、タイヤモデル50とオイラー要素モデル54は、入力部12で入力された解析時間tにて、静止状態から最終速度Vまで、所定の加速度αで移動する。このように移動させながら、動的状態のタイヤモデル50とオイラー要素モデル54内の流体物質60との境界条件を設定し、設定された境界条件に基づいて、上記変形計算及び流れ計算が行われる。このような動的解析自体は公知であり、例えば、上記特許文献2に記載の方法に基づき行うことができる。
[12]評価値取得部34
評価値取得部34は、上記動的解析から、ウェット性能(詳細にはハイドロプレーニング性能)を評価するための評価値を取得する。例えば、流体物質60がタイヤモデル50に作用する浮力、タイヤモデル50が路面モデル52から受ける路面反力、オイラー要素モデル54内の各要素に含まれる流体物質の体積含有率、流体物質の流体圧力、流速、流量、エネルギー密度、またはエネルギーの各種分布、また、タイヤモデル50の路面モデル52に対する接地形状、接地面積、接地圧分布などを評価値として取得する。
[13]タイヤ性能評価部36
タイヤ性能評価部36は、評価値取得部34で得られた評価値に基づいて、ウェット性能の良否を評価する。例えば、路面モデル52に対するタイヤモデル50の接地力に基づいてハイドロプレーニング現象の発生速度を予測することができる。
[14]出力部38
出力部38は、上記により得られたタイヤ性能の評価結果を出力する。出力は、ディスプレイによって表示したり、プリンタによって印刷したりすることにより行うことができる。
次に、本実施形態に係るシミュレーション装置10の動作状態について、図2〜4のフローチャートに基づいて説明する。
ステップS1において、入力部12から入力されたモデル作成条件に基づき、タイヤモデル設定部14がタイヤモデル50を作成するとともに、路面モデル設定部16が路面モデル52を作成する。そして、ステップS2に進む。
ステップS2において、オイラー要素モデル作成部18が、流体解析モデルであるオイラー要素モデル54を作成する。詳細には、図3に示すように、まず、ステップS21において、加速度算出部20が、入力部12で入力された解析時間tとタイヤモデル50の最終速度Vから、動的解析におけるタイヤモデル50の加速度αを算出する。そして、ステップS22に進む。
ステップS22において、モデル長さ算出部22が、ステップ21で算出したタイヤモデル50の加速度αを用いて、タイヤモデル50の接地部58よりもタイヤ進行方向前方側のオイラー要素モデル54の長さLを、L=kA/αにより算出する。また、この長さLに接地部58の長さLg及び接地部58よりもタイヤ進行方向後方側の長さLrを加えて、タイヤ進行方向におけるオイラー要素モデル54の長さLaを算出する。そして、ステップS23に進む。
ステップS23において、メッシュ生成部24が、算出したオイラー要素モデル54の長さLaに基づき、空間領域をオイラーメッシュで分割してなるオイラー要素モデル54を作成する。そして、ステップS24に進む。
ステップS24において、流体物質配置部26が、メッシュ生成により得られたオイラー要素モデル54の内部に流動物質60を配置し、次いで、ステップS25において、境界条件設定部28が、オイラー要素モデル54における境界条件を設定する。これにより、内部に流体物質60を配しかつ境界条件が設定されたオイラー要素モデル54が得られる。そして、ステップS3に進む。
ステップS3において、静的解析部30が、ステップS1で得られたタイヤモデル50と路面モデル52を用いて、有限要素解析法による静的解析を行い、タイヤモデル50を路面モデル52に接地させる。そして、ステップS4に進む。
ステップS4において、動的解析部32が、ステップS3で得られた接地状態のタイヤモデル50とオイラー要素モデル54を用いて、動的解析(詳細には、ハイドロプレーニング解析)を行う。詳細には、図4に示すように、まず、ステップS41において、路面モデル52に接地されたタイヤモデル50に対して、オイラー要素モデル54を所定位置に配置し結合させる(図5及び図6参照)。
次いで、ステップS42〜S49において、動的解析の計算が行われる。動的解析の計算では、流動物質60がタイヤモデル50に与える境界条件に基づいて、所定の時間の刻み幅で、タイヤモデル50の変形計算が逐次行われるとともに、タイヤモデル50がオイラー要素モデル54内の流動物質60に与える境界条件に基づいて、所定の時間の刻み幅で流体物質60の流れ計算が逐次行われる。より詳細には、まず、ステップS42において、タイヤモデル50とオイラー要素モデル54を所定の時間の刻み幅で移動させ、ステップS43において、タイヤモデル50とオイラー要素モデル54内の流動物質60との境界面を計算する。次いで、ステップS44において、オイラー要素モデル54内の流体物質60からタイヤモデル50へ作用する力が境界条件として設定され、ステップS45において、これに基づいて転動するタイヤモデル50の変形計算が行われ、タイヤモデル50の変位や応力が算出される。一方、ステップS46において、タイヤモデル50の変形と転動に伴う速度成分が流動物質60への境界条件として設定され、ステップS47において、これに基づいて流体物質60の流れ計算が行われ、オイラー要素モデル54における流体物質60の流体圧力、流速及び体積含有率等が算出される。次いで、ステップS48において、オイラー要素モデル54内の流体物質60の物理量(流体物理量)のマッピング処理が行われる。その後、ステップS49において、所定の解析時間tが経過した否かを判定し、経過していなければ、ステップS42に戻り、ステップS42〜S49が行われる。こうして解析時間tが経過するまで、ステップS42〜S49が繰り返し行われ、ステップS49で所定の解析時間tが経過したと判定されれば、動的解析を終了する。以上の動的解析における各ステップの詳細方法については、公知の方法を用いることができ、例えば、上記特許文献2に記載の方法を採用することができる。
このようにして動的解析が終了した後、ステップS5において、評価値取得部34が、動的解析の結果から、ウェット性能を評価するための評価値を取得する。そして、ステップS6に進む。
ステップS6において、タイヤ性能評価部36が、ステップS5で得られた評価値に基づいてウェット性能の良否を評価し、出力部38がその結果を出力する。
以上よりなる本実施形態によれば、動的解析におけるタイヤモデル50の加速度αに応じて、タイヤ進行方向前方Sのオイラー要素モデル54の長さLを適切に定義するようにしたので、オイラー要素モデル54の外側まで水が伝播してしまうことを防ぐことができる。そのため、解析精度を向上することができ、また計算時間と両立させて、計算コストを削減することができる。
なお、上記実施形態では、オイラー要素モデル作成部18が、モデル長さ算出部22において、タイヤ進行方向前方側のオイラー要素モデル54の長さLを、L=kA/αにより算出するように構成したが、このような計算を行うことなく、タイヤ進行方向前方側のオイラー要素モデルの長さが9.0×10/α[mm]以上(但し、α=9.26×10〜2.78×10[mm/s])となるように予め設定された値を持つオイラー要素モデルを、オイラー要素モデル作成部が作成するように構成してもよい。
上記実施形態に係るシミュレーションの効果を確認するために、図5及び図6に示すモデルを用いて、動的解析におけるタイヤモデル50の加速度αと、タイヤ進行方向前方側のオイラー要素モデル54の長さLを代えて、ハイドロプレーニング性能の解析精度と動的解析に要した計算時間を評価した。実施例及び比較例における加速度α及び長さLと、解析結果を表1に示す。該シミュレーションにおけるタイヤサイズは195/65R15とし、水膜の厚みは8mmとした。解析精度の評価は、ハイドロプレーニング発生速度について、実測値との速度差の逆数を、比較例1を100とした指数で示した。また、計算時間は、比較例1の計算時間を100とした指数で示した。
比較例1は、解析時間t=150msec、最終速度V=110km/hとしており、そのため、加速度α=2.04×10[mm/s]である。この場合、タイヤ進行方向前方側においてオイラー要素モデルに必要な長さLは、L=9.0×10/α=441[mm]であるが、比較例1では、タイヤ進行方向前方側のオイラー要素モデルの長さLを300mmとしており、オイラー要素モデルの長さが足らず、解析精度が不十分であった。
これに対し、実施例1では、解析時間tと最終速度Vは比較例1と同じであるが、タイヤ進行方向前方側のオイラー要素モデルの長さLを500mmとして、上記L=441[mm]よりも大きく設定したため、比較例1に対して解析精度が大きく改善されていた。
実施例2では、解析時間t=100msec、最終速度V=100km/hとしており、そのため、加速度α=2.78×10[mm/s]である。この場合、タイヤ進行方向前方側においてオイラー要素モデルに必要な長さLは、L=9.0×10/α=324[mm]であり、実施例2では、タイヤ進行方向前方側のオイラー要素モデルの長さLを、これよりも大きい500mmとした。そのため、実施例2であると、実施例1に対して解析精度を十分に保ったまま、加速度を上げたため、計算時間を短縮することができ、解析精度と計算時間の両立化が図られていた。
実施例3では、タイヤ進行方向前方側のオイラー要素モデルの長さLを400mmとして、実施例2に対してより適切に該長さLを定義したので、解析精度を保ったまま、計算時間を更に短縮することができた。
上記では本発明の一実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の主旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10…シミュレーション装置 14…タイヤモデル設定部 16…路面モデル設定部
18…オイラー要素モデル作成部 22…モデル長さ算出部 32…動的解析部
50…タイヤモデル 52…路面モデル 54…オイラー要素モデル
58…接地部 60…流体物質

Claims (6)

  1. 水膜で覆われた路面を走行するタイヤの挙動を再現するタイヤのシミュレーション装置であって、
    数値解析が可能な有限個の要素でモデル化したタイヤモデルを設定するタイヤモデル設定部と、
    路面を再現した路面モデルを設定する路面モデル設定部と、
    内部に流体物質を配した流体解析モデルとしてオイラー要素モデルを作成するオイラー要素モデル作成部と、
    前記タイヤモデルを前記路面モデル上で転動させ、かつ転動する前記タイヤモデルの移動に応じて前記オイラー要素モデルを前記路面モデル上で移動させる動的状態において、前記タイヤモデルの変形計算と前記オイラー要素モデル内の流体物質の流れ計算による動的解析を、所定以上の解析時間で行う動的解析部と、を有し、
    前記オイラー要素モデル作成部は、タイヤ進行方向における前記オイラー要素モデルの長さを算出するモデル長さ算出部を有し、前記モデル長さ算出部が、前記路面モデルに対する前記タイヤモデルの接地部よりもタイヤ進行方向前方側の前記オイラー要素モデルの長さLを、前記動的解析部における前記タイヤモデルの加速度をα、Aを定数、kを1以上の数として、L=kA/αにより算出する
    ことを特徴とするタイヤのシミュレーション装置。
  2. 前記モデル長さ算出部は、前記長さLを、前記動的解析部における前記タイヤモデルの加速度をα[mm/s]、A=9.0×10〜1.0×10[mm/s]、k=1.0〜1.5として、L[mm]=kA/αにより算出する、ことを特徴とする請求項1記載のタイヤのシミュレーション装置。
  3. 前記タイヤモデルの加速度αが、9.26×10〜2.78×10[mm/s]である、ことを特徴とする請求項1又は2記載のタイヤのシミュレーション装置。
  4. 水膜で覆われた路面を走行するタイヤの挙動を再現するタイヤのシミュレーション方法であって、
    数値解析が可能な有限個の要素でモデル化したタイヤモデルを設定するタイヤモデル設定ステップと、
    路面を再現した路面モデルを設定する路面モデル設定ステップと、
    内部に流体物質を配した流体解析モデルとしてオイラー要素モデルを作成するオイラー要素モデル作成ステップと、
    前記タイヤモデルを前記路面モデル上で転動させ、かつ転動する前記タイヤモデルの移動に応じて前記オイラー要素モデルを前記路面モデル上で移動させる動的状態において、前記タイヤモデルの変形計算と前記オイラー要素モデル内の流体物質の流れ計算による動的解析を、所定以上の解析時間で行う動的解析ステップと、を有し、
    前記オイラー要素モデル作成ステップは、タイヤ進行方向における前記オイラー要素モデルの長さを算出するモデル長さ算出ステップを含み、前記モデル長さ算出ステップにおいて、前記路面モデルに対する前記タイヤモデルの接地部よりもタイヤ進行方向前方側の前記オイラー要素モデルの長さLを、前記動的解析における前記タイヤモデルの加速度をα、Aを定数、kを1以上の数として、L=kA/αにより算出する
    ことを特徴とするタイヤのシミュレーション方法。
  5. 水膜で覆われた路面を走行するタイヤの挙動を再現するためのプログラムであって、
    コンピュータに、
    数値解析が可能な有限個の要素でモデル化したタイヤモデルを設定するタイヤモデル設定機能と、
    路面を再現した路面モデルを設定する路面モデル設定機能と、
    内部に流体物質を配した流体解析モデルとしてオイラー要素モデルを作成するオイラー要素モデル作成機能と、
    前記タイヤモデルを前記路面モデル上で転動させ、かつ転動する前記タイヤモデルの移動に応じて前記オイラー要素モデルを前記路面モデル上で移動させる動的状態において、前記タイヤモデルの変形計算と前記オイラー要素モデル内の流体物質の流れ計算による動的解析を、所定以上の解析時間で行う動的解析機能と、
    前記オイラー要素モデルを作成するに際し、前記路面モデルに対する前記タイヤモデルの接地部よりもタイヤ進行方向前方側の前記オイラー要素モデルの長さLを、前記動的解析における前記タイヤモデルの加速度をα、Aを定数、kを1以上の数として、L=kA/αにより算出することにより、タイヤ進行方向における前記オイラー要素モデルの長さを算出するモデル長さ算出機能と、
    を実現させるためのタイヤシミュレーションプログラム。
  6. 水膜で覆われた路面を走行するタイヤの挙動を再現するタイヤのシミュレーション装置であって、
    数値解析が可能な有限個の要素でモデル化したタイヤモデルを設定するタイヤモデル設定部と、
    路面を再現した路面モデルを設定する路面モデル設定部と、
    内部に流体物質を配した流体解析モデルとしてオイラー要素モデルを作成するオイラー要素モデル作成部と、
    前記タイヤモデルを前記路面モデル上で転動させ、かつ転動する前記タイヤモデルの移動に応じて前記オイラー要素モデルを前記路面モデル上で移動させる動的状態において、前記タイヤモデルの変形計算と前記オイラー要素モデル内の流体物質の流れ計算による動的解析を、所定以上の解析時間で行う動的解析部と、を有し、
    前記オイラー要素モデル作成部は、前記動的解析部における前記タイヤモデルの加速度をα[mm/s]として、前記路面モデルに対する前記タイヤモデルの接地部よりもタイヤ進行方向前方側の前記オイラー要素モデルの長さが9.0×10/α[mm]以上であるオイラー要素モデルを作成する
    ことを特徴とするタイヤのシミュレーション装置。
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