JP2007223504A - タイヤ性能予測方法、装置、及び記憶媒体 - Google Patents

タイヤ性能予測方法、装置、及び記憶媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】有限要素法(FEM)等の数値解析手法によってパターン付きタイヤの性能を容易かつ短時間で解析する。
【解決手段】2次元パターン図から1ピッチ分のピッチパターンを設定し、それに含まれるブロックについて所定サイズでかつ縦横方向及び高さ方向に細分割し(ステップ200〜208)、壁面角度やサイプ深さに基づいて各高さにおける2次元パターン図を作成し(ステップ210)、ブロック内の3次元メッシュ要素である分割による形成された小六面体の各々がサイプなどの空間に含まれるときこれを消去してブロックのデータを生成し出力する(ステップ212〜220)。そして、ピッチモデルの変形計算結果からタイヤモデル全体のタイヤ性能を予測する。
【選択図】図4

Description

本発明は、タイヤ性能予測方法、装置、及び記憶媒体にかかり、特に、パターン付きタイヤの性能を使用状態で解析することができるタイヤ性能予測方法、装置、及び記憶媒体に関する。
タイヤ挙動についての解析は、実際に設計・製造したタイヤを計測したり自動車に装着して得た性能試験結果を用いたりしたものから、計算機(コンピュータ)環境の発達に伴って、計算機上でシミュレーションによって実現できるようになってきている。このタイヤ挙動をシミュレーションによって解析する主要な方法としては、有限要素法(FEM)等の数値解析手法が主に用いられている。FEMは、構造体を有限個の要素でモデル化して、コンピュータを用いて構造体の挙動を解析する手法であり、その特徴から構造体を有限個の要素に分割する(以下、メッシュ分割、または要素分割という。)ことが必要である。
従って、タイヤをFEMで解析する場合にはタイヤを要素分割する必要であるが、タイヤは円環状の形状であるために、タイヤの断面に対して2次元の要素分割を行い、これを円環状に360度展開して3次元モデル化するのが通常である。ところで、路面と直接接触することが想定されるタイヤのトレッド部分はタイヤの挙動を把握する上で重要である。例えば、パターン剛性や接地圧分布などのタイヤのトレッド部分のパターン性能がタイヤの挙動に影響する場合がある。このため、タイヤケース部の全周にわたってタイヤパターンを貼り付けて、メッシュ分割した後に、FEMによりタイヤ挙動をシミュレーションしてタイヤ性能をシミュレーションする技術が知られている(例えば、特許文献1乃至特許文献3参照)。
特開平11−153520号公報 特開2002−7489号公報 特開2003−72328号公報
しかしながら、タイヤ全体をモデル化すると、そのタイヤモデルの節点数および要素数が膨大になり、モデル化および転動解析計算に多大な労力と時間が必要になる。また、タイヤ性能は、例えば、パターン剛性や接地圧分布などのタイヤのトレッド部分のパターン性能が影響するが、タイヤケース部の一部または全周にわたってタイヤパターンを貼り付けたものを用い、タイヤに内圧を付与し、所定の荷重および摩擦係数で仮想路面に接地させ、転動解析を行うことにより予測する。従って、タイヤのトレッド部分のパターンを考慮するためには、複雑な形状のトレッドパターンを有したタイヤ全体をモデル化する必要があり、モデル化および転動解析計算に要する負荷はさらに増大する。特に、ボディー部を共用してパターン部のみの性能差を把握しようとする場合には、簡便で計算コストの低いシミュレーション方法が望まれていた。
本発明は、上記事実を考慮して、有限要素法(FEM)等の数値解析手法によってパターン付きタイヤの性能を容易かつ短時間で解析することができるタイヤ性能予測方法、装置、及び記憶媒体を得ることが目的である。
上記目的を達成するために請求項1の発明は、有限要素法(FEM)等の数値解析手法によるタイヤ解析等に用いられるタイヤモデルとして、タイヤ周方向の単位繰り返し長さ分だけ切り出した領域をモデル化し、その領域についての性能を求めてその積み重ねによってタイヤ全体としてのタイヤ性能を求めるものである。
すなわち、本発明は、使用状態でタイヤの挙動を模擬的に解析してタイヤ性能を予測するために、タイヤを数値計算モデルに対応させて計算するタイヤ性能予測方法に適用可能である。詳細には、請求項1に記載の発明は、内部構造を少なくとも含みかつ複数の陸部からなるパターンを備えたタイヤについてタイヤ周方向の単位繰り返し長さ分だけの領域を切出領域と設定しかつ該切出領域を有限個の多数要素に分割してピッチモデルを作成し、前記ピッチモデルを予め定めた路面モデルに接触させつつ該路面モデルとピッチモデルを相対移動させる転動計算を実行し、前記転動計算において生じた物理量により前記ピッチモデルの性能の計算を実行し、前記ピッチモデルの性能に基づいて前記タイヤモデルのタイヤ性能を予測する。
本発明では、内部構造を少なくとも含みかつ複数の陸部からなるパターン(例えば、ラグ溝やサイプ)を備えたタイヤを、有限要素法(FEM)等の数値解析手法によるモデルで作成し、タイヤ性能を予測する。そもそも、タイヤパターンは1以上の繰り返し単位をもってその組合せとして表現されている。タイヤ全体をモデル化すると計算等に要する負荷が増大する。そこで、本発明では、タイヤ全体にわたるモデル化を避けるために、その繰り返し単位分のみのブロックパターン(陸部によるパターン)をモデル化し、タイヤケース部も省略することで計算に必要なリソースを大幅に軽減する。すなわち、タイヤ周方向の単位繰り返し長さ分だけの領域を切出領域と設定し、かつ切出領域を有限個の多数要素に分割してピッチモデルを作成する。ピッチモデルを予め定めた路面モデルに接触させつつ該路面モデルとピッチモデルを相対移動させる転動計算を実行する。そして、転動計算において生じた物理量によりピッチモデルの性能の計算を実行し、ピッチモデルの性能に基づいて前記タイヤモデルのタイヤ性能を予測する。このタイヤモデルのタイヤ性能予測は、タイヤ一周に存在する繰り返し単位の数に応じて得られた結果を足し合わせればよい。
請求項2の発明は、請求項1に記載のタイヤ性能予測方法であって、前記ピッチモデルは、タイヤ幅方向の複数の陸部について各々独立した領域を設定しかつ設定した独立領域の各々を有限個の多数要素に分割することを特徴とする。
タイヤは、幅方向について、その部位によって繰り返し単位が異なる場合が想定される。この場合には、設定された切出領域のピッチモデルをさらに幅方向に分割することによって、自由にピッチ展開計算することが可能である。なお、パターンに対称性がある場合には幅方向に分割されたブロック(陸部)すべてについて計算する必要はないので、計算コストを軽減できる。
請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載のタイヤ性能予測方法であって、前記領域を多数要素に分割するときに、各々断面形状が均一の小六面体が同一方向に複数配置されるように小六面体を要素として分割してピッチモデルを作成することを特徴とする。
本発明は、有限要素法(FEM)等の数値解析手法によるタイヤ解析等に用いられるタイヤモデルを、小六面体(所謂ボクセルメッシュ)の積み重ねによって簡単に作成することを可能としたものである。すなわち、タイヤの陸部についてモデル(ブロックモデル)を作成する方法の中でも、ボクセルメッシュ分割を用いることで、モデル化の労力を低減すると同時にさらに精密かつ簡便なシミュレーションが可能になる。これはすべての要素がほぼ同一の形状をなすようにメッシュ分割できることによる。
すなわち、FEMでタイヤをモデル化する場合、メッシュ分割するが、従来は2次元曲線または3次元曲線による外形となるパターン形状そのものを重視するために、三角錐形状等の多角形要素を含む多様な形状分割によるメッシュであり、複雑に分割されている。本発明では、小六面体を要素として分割するメッシュ(所謂ボクセルメッシュ)の積み重ねによってモデルを表現する。これにより、パターン形状の制約を受けずに、小六面体の配置のみにより簡単にモデルを作成することが可能となる。また、複数の小六面体の積み重ねでモデルを表現することにより、そのモデルを用いた有限要素法などの解析計算では、その計算の収束性が向上する。これは、タイヤブロック(タイヤの陸部)を表現するときに、タイヤブロック外縁部と中心部とを整合させるために、いびつな形状のメッシュ(分割要素)を作成して、そのいびつな形状のメッシュの計算をする必要がないためである。
前記小六面体は、前記断面形状のうちタイヤ周方向の縦横の長さが均一であると共に、タイヤ径方向の長さが異なるように分割することができる。小六面体は、立方体を含む直方体が好ましい。タイヤ挙動は、特にタイヤのトレッド部等のパターン付近において顕著に表れることが多い。このため、タイヤ周方向の縦横の長さが均一の小六面体を用いれば、タイヤ周方向についての計算負荷が軽減する。一方、タイヤは、荷重などを考慮すると、タイヤ径方向についてはタイヤ周方向と別個の計算を要する場合がある。そこで、小六面体を、タイヤ周方向の縦横の長さが均一であると共に、タイヤ径方向の長さが異なるように分割することで、解析計算などにおいて自由度を増加させることが可能となる。
前記ピッチモデルを作成するときには、タイヤの構造として含まれるサイプ、溝、及びブロック壁角度の少なくとも1つの形状を満たすように、前記小六面体を要素として分割することができる。タイヤは、トレッドパターンのように複雑なタイヤパターンを有し、単純形状で代替することは困難である。特に、構造として含まれるサイプ、溝、及びブロック壁角度の少なくとも1つを有する形状が多い。そこで、サイプ、溝、及び陸部の壁角度の少なくとも1つの形状を満たすように、小六面体を要素として分割することで、多種に亘るタイヤ形状を自在にモデル化することが可能となる。
また、前記ピッチモデルを作成するときには、タイヤパターンを表す2次元データと、2次元データによる点及び線によって形状を定めるための属性情報(各辺の深さ、角度、拘束)とを満たすように、前記小六面体を要素として分割することができる。タイヤパターンを表す2次元データには、形状の外形線、サイプ、そして溝の位置を示す線や点のデータがある。これらの点や線には、方向、3次元的な深さや角度、そして線や点の挙動を拘束する拘束条件等の形状を定めるための属性情報を有する場合がある。従って、タイヤモデルの一部であるピッチモデルを作成するときに、タイヤパターンを表す2次元データと、各辺の深さ、角度、拘束等の2次元データの属性情報とを満たすように、小六面体を要素として分割するようにすれば、2次元データで表現されたタイヤパターンであっても、タイヤに忠実なピッチモデルを作成することができる。
前記小六面体のサイズには、前記タイヤパターンに含まれるサイプの幅以下を採用することが好ましい。タイヤの特徴的な形状としてサイプがある。このサイプは、計算上空間に相当するが、計算上では空間を設けなければならない。そこで、サイプの幅以下に小六面体のサイズを設定することによって、小六面体を配列すれば容易にサイプを表現することができる。これによって、サイプとして予め幅を有する2次元データなどの図面を用意する必要はない。
また、前記小六面体は、前記断面形状のうちタイヤ周方向の縦横の長さに対して、タイヤ径方向の長さを長くすることができる。タイヤパターンは、タイヤ周方向の縦横方向の構造に比べ、タイヤ径方向である深さ方向の構造は複雑ではないことが一般的である。このため、タイヤ周方向の縦横の長さに対し、タイヤ径方向である深さ方向の長さを長くしてメッシュ分割しても、解析計算などの精度に対する影響が少ない。従って、小六面体として、断面形状のうちタイヤ周方向の縦横の長さに対してタイヤ径方向の長さを長くすることにより、作成したタイヤモデルによって解析などの計算負荷を軽減でき、必要とする計算コストを抑制することができる。
請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のタイヤ性能予測方法であって、前記ピッチモデルを作成するときに、前記タイヤに対して切出領域を設定するにあたり、前記切出領域の境界部分が前記タイヤのタイヤ周方向に連続した踏面を含む場合、前記境界部分に連続した踏面であることを表す拘束条件を付与しかつ前記拘束条件を考慮しながら前記転動計算を実行することを特徴とする。
タイヤパターンによっては接触部分が周方向に連続するリブを持つものがあるが、このようなパターンの場合は繰り返し単位に切り出した後に本来連続しているべき断面同士を周方向の拘束条件にて自由度制限することにより、あたかも連続した陸部のような挙動を予測することが可能である。すなわち前記切出領域の境界部分が前記タイヤのタイヤ周方向に連続した踏面を含む場合、前記境界部分に連続した踏面であることを表す拘束条件を付与しかつ前記拘束条件を考慮しながら前記転動計算を実行する。周方向の拘束条件は計算プログラムにより設定が異なるが、それぞれのプログラムに応じた適切な設定により簡便に行うことができる。
請求項5の発明は、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のタイヤ性能予測方法であって、前記ピッチモデルを作成するときに、前記タイヤに対して切出領域を設定するにあたり、前記切出領域の境界部分が前記タイヤのラグ溝を含む場合、前記境界部分にラグ溝の変位量を表す拘束条件を付与しかつ前記拘束条件を考慮しながら前記転動計算を実行することを特徴とする。
タイヤの接触部分が周方向に連続するリブを有するものと同様な形態として、接触部分ではないが溝底より深さの浅くなった部分(底上げ部)が周方向に連続している場合がある。そこで、切出領域の境界部分がタイヤのラグ溝を含む場合、境界部分にラグ溝の変位量を表す拘束条件を付与しかつ拘束条件を考慮しながら転動計算を実行する。このようにすることで、あたかも底上げ部が周方向に連続しているかのように振舞うための周方向の拘束条件を付与して計算することができ、ピッチモデルによるシミュレーションが可能となる。
請求項6の発明は、前記方法を実現するために、使用状態でタイヤの挙動を模擬的に解析してタイヤ性能を予測するために、タイヤを数値計算モデルに対応させて計算するタイヤ性能予測装置に適用したものである。
詳細には、内部構造を少なくとも含みかつ複数の陸部からなるパターンを備えたタイヤについてタイヤ周方向の単位繰り返し長さ分だけの領域を切出領域と設定しかつ該切出領域を有限個の多数要素に分割して作成したピッチモデル、及び該ピッチモデルに接触させるための路面モデルを記憶したモデル記憶手段と、ピッチモデルを路面モデルに接触させつつ該路面モデルとピッチモデルを相対移動させる転動計算を実行し、前記転動計算において生じた物理量により前記ピッチモデルの性能の計算を実行し、前記ピッチモデルの性能に基づいて前記タイヤモデルのタイヤ性能を予測するためのプログラムを記憶したプログラム記憶手段と、前記モデル記憶手段に記憶されたピッチモデルと路面モデルを用い、前記プログラムに応じてタイヤ性能を予測する予測手段と、を備えている。
請求項7の発明は、前記方法をコンピュータを利用して実行するために、使用状態でタイヤの挙動を模擬的に解析してタイヤ性能を予測するために、タイヤを数値計算モデルに対応させて計算するタイヤ性能予測プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に適用したものである。
詳細には、内部構造を少なくとも含みかつ複数の陸部からなるパターンを備えたタイヤについてタイヤ周方向の単位繰り返し長さ分だけの領域を切出領域と設定しかつ該切出領域を有限個の多数要素に分割して作成したピッチモデルと、ピッチモデルに接触させるための路面モデルと、ピッチモデルを路面モデルに接触させつつ該路面モデルとピッチモデルを相対移動させる転動計算を実行し、前記転動計算において生じた物理量により前記ピッチモデルの性能の計算を実行し、前記ピッチモデルの性能に基づいて前記タイヤモデルのタイヤ性能を予測するためのプログラムと、を記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体である。
以上説明したように本発明によれば、タイヤ周方向の単位繰り返し長さ分だけの切出領域を有限個の多数要素に分割したピッチモデルによりタイヤ性能を予測するので、解析等の計算負荷を軽減させて効率的なタイヤ開発を実現できる、という効果がある。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。本実施の形態は、タイヤ性能を予測するためにタイヤの挙動シミュレーションに本発明を適用したものである。
図1には本発明のタイヤ性能予測方法を実施するためのパーソナルコンピュータの概略が示されている。このパーソナルコンピュータは、データ等を入力するためのキーボード10、予め記憶された処理プログラムに従ってタイヤの挙動をシミュレーションしつつタイヤの性能を予測するコンピュータ本体12、及びコンピュータ本体12の演算結果等を表示するCRT14から構成されている。
なお、コンピュータ本体12には、記録媒体としてのフレキシブルディスク(FD)が挿抜可能なフレキシブルディスクユニット(FDU)を備えている。なお、後述する処理ルーチン等は、FDUを用いてフレキシブルディスクFDに対して読み書き可能である。従って、後述する処理ルーチンは、予めFDに記録しておき、FDUを介してFDに記録された処理プログラムを実行してもよい。また、コンピュータ本体12にハードディスク装置等の大容量記憶装置(図示省略)を接続し、FDに記録された処理プログラムを大容量記憶装置(図示省略)へ格納(インストール)して実行するようにしてもよい。また、記録媒体としては、CD−ROMやDVD等の光ディスクや、MD,MO等の光磁気ディスクがあり、これらを用いるときには、上記FDUに代えてまたはさらに、対応する装置を用いればよい。また、パーソナルコンピュータの他に、ワークステーションやスーパーコンピュータを用いてもよいことは勿論である。
図2は、本実施の形態にかかるタイヤの性能予測プログラムの処理ルーチンを示すものである。なお、本実施形態では、タイヤ性能予測時の計算負荷軽減のために、タイヤにおいて繰り返し単位分のみをモデル化しまたタイヤケース部も省略してモデル化したピッチモデルを採用する。このピッチモデルの性能からタイヤモデルのタイヤ性能を予測する。
まず、ステップ100では、タイヤ性能予測の対象となるタイヤの設計案(タイヤ形状、構造、材料など)を定める。次のステップ102では、タイヤ設計案を数値解析上のモデルに落とし込むためのタイヤのタイヤモデルを作成する。このタイヤモデルの作成は、用いる数値解析手法により若干異なる。本実施の形態では数値解析手法として有限要素法(FEM)を用いるものとする。従って、上記ステップ102で作成するタイヤモデルは、有限要素法(FEM)に対応した要素分割(所謂メッシュ分割)によって複数の要素に分割され、タイヤを数値的・解析的手法に基づいて作成されたコンピュータプログラムヘのインプットデータ形式に数値化したものをいう。要素分割とはタイヤ、及び路面等の対象物を小さな幾つかの(有限の)小部分である要素に分割することをいう。この要素ごとに計算を行い全ての要素について計算した後、全部の要素を足し合わせることにより全体の応答を得ることができる。詳細は後述するが、本実施の形態では、要素分割するときの要素として、小六面体(ボクセル)を採用する。すなわち、所謂ボクセルメッシュ分割によってタイヤモデルを作成する。なお、小六面体による分割にあたっては、小六面体の配列などについて許容範囲を設定している。
上記ステップ102のタイヤモデルの作成では、図3に示すタイヤモデル作成ルーチンが実行される。なお、本実施の形態では、タイヤケース部分にタイヤパターンを貼り付けてタイヤモデルを形成する場合を説明する。
まず、ステップ140において、タイヤ径方向断面のモデル(すなわちタイヤ断面データ)を作成する。ここでは、タイヤパターンを考慮しない。また、タイヤ断面データは、タイヤ外形をレーザー形状測定器等で計測した値を用いることができる。また、タイヤ内部の構造は設計図面および実際のタイヤ断面データ等の正確な値を用いることができる。また、タイヤ断面内のゴム、補教材(ベルト、プライ等、鉄・有機繊維等でできた補強コードをシート状に束ねたもの)をそれぞれ有限要素法のモデル化手法に応じてモデル化する。なお、ここでは、タイヤケース部分の構造が把握できる程度のモデル化でよい。これは詳細を後述するように、タイヤ性能予測時の計算負荷軽減のために、タイヤ性能予測のための最終的なタイヤモデルに、タイヤにおいて繰り返し単位分のみをモデル化しまたタイヤケース部も省略してモデル化したピッチモデルを採用するためである。
次のステップ142では、2次元データであるタイヤ断面データ(タイヤ径方向断面のモデル)を周方向に一周分(360度)展開し、タイヤの3次元(3D)モデルを作成する。この周方向に一周分(360度)展開するときに、メッシュ分割する。この場合のメッシュ分割は、所定サイズの小六面体で分割(ボクセルメッシュ分割)してもよく、従来法による要素分割何れでも良い。また、ここでも、後述するようにピッチモデルを採用するために詳細なメッシュ分割は不要であり、メッシュ分割自体を不要としてもよい。
次のステップ144では、所定サイズの小六面体で分割(ボクセルメッシュ分割)したタイヤパターンのモデル化を実行する。すなわち、タイヤ全体にわたる詳細なモデル化を回避するために、タイヤにおいて繰り返し単位分のみのブロックパターン(陸部によるパターン)をピッチモデルとしてモデル化する。この処理では、図4の処理ルーチンが実行される。
図4のステップ200では、タイヤパターンを示す2次元パターン図(2次元パターンデータ)を読み取ると共に、読み取った2次元パターン図から1ピッチ分すなわち繰り返し単位分のみのパターン(陸部によるパターンであり、以下ピッチパターンという)を設定する。この設定は、2次元パターン図内で繰り返し単位分の領域を選択することにより設定すればよい。図5には、トレッドパターンの一例を示し、図6には、そのトレッドパターンから1ピッチ分を切り出したピッチパターンを示した。図の例では、ピッチパターンは、ブロックのパターン22A,22B,22C,22D,22Eの5個のパターンから構成されている。なお、以下の説明では、ブロックのパターン22A〜22Eをブロック22A〜22Eと称する場合もある。
次のステップ201では、上記ステップ200で設定したタイヤパターンを示す2次元パターン図に含まれるピッチパターン(一例として図6に示す)から任意のブロックを選択する。この選択は、ピッチパターン内で1閉領域を選択すればよい。図6の例では、ブロック22A〜22Eの何れか1つを選択する。次のステップ202では、ピッチパターンから、上記選択したブロック上の主要点(なお、主要線を含んでも良い)を入力する。この主要点は、ブロック形成上及びFEM計算に必要な節点として機能する角や変曲点などのブロックの特徴を表すものである。この主要点の入力によりブロックとしてピッチパターンの点と線からなる2次元データを形成することができる。
なお、図6の例では、ブロック22A〜22Eのうち、ブロック22A及び22Bと、ブロック22D及び22Eは、対称形状である。この場合、以下の処理は対称形状の何れか1つのブロックを処理すれば座標変換等により処理を簡略化できる。そこで、ステップ201で選択したブロックが、既に処理済みのブロックと同一または対象形状であるときは、座標変換等の処理を施してステップ220へ進むことで、以下の計算を省略することができる(図7参照)。
上記ブロックの2次元パターン図は、そのブロックが有する形状の特徴を含む。すなわち、外形、グルーブ(溝)、サイプ、これらの深さ、及び壁面角度などの形状的な特徴が2次元パターン図の線分に属する。そこで、ステップ204では、2次元パターン図により形成されたブロックの各線分について属性情報を入力する。この属性情報は、ブロックの外形、グルーブ(溝)、サイプ、深さ、及び壁面角度等の形状的な特徴を表すために、該当する線分に属したデータである。なお、属性情報の入力は、キーボードによる手作業によって入力してもよいし、2次元パターン図に予め設定されている線分毎の属性データを読み取ることによって入手しても良い。
これまでの処理によって、タイヤパターンにおけるブロックの2次元パターン図と、そのブロックを形成するために必要な3次元データを得ることができる。
次のステップ206では、タイヤ径方向であるZ方向(高さ方向)についての分割設定を行う。この分割設定では、ブロック内の全てのグルーブ及び全てのサイプの深さのデータを読み取り、分割数を定める。この分割数は、1グルーブ及び1サイプを独立して扱うことを可能とするために、最小深さより小さい長さとなる分割数や分割後の長さを設定することが好ましい。また、ブロックの最大高さの1/5以下の長さとなるように分割することがさらに好ましいという実験結果も得ている。さらに、上記分割設定及び後述する縦横分割により形成されるメッシュ(小六面体)を想定した場合、後述する縦横分割により形成されるメッシュのサイズより本ステップの高さ分割によるメッシュのサイズを大きくすることが好ましい。このステップ206の分割設定は、分割によるメッシュ(小六面体)のタイヤ径方向であるZ方向(高さ方向)についてのサイズを設定することに相当する。この高さ方向の設定によって高さ方向の分割(高さ分割)が可能となる。
次のステップ208では、2次元パターン図における該当ブロックを包含する縦横領域(XYエリア)を設定すると共に、所定サイズに分割する。図8には、縦横領域(XYエリア)を設定した2次元パターン20の一例を示した。2次元パターン20には、ブロック22Bが含まれており、そのブロック22Bにはサイプ部24が設けられている。
上記XYエリアを設定した後の所定サイズ分割は、タイヤ周方向の断面形状が均一であると共に、縦横同一方向に要素が配置されるようにして行われる。すなわち、2次元的に碁盤目状(格子状)に各マス(要素)が縦横に並ぶように分割される。また、分割では、分割によるメッシュの1辺の長さがサイプ幅と同一またはサイプ幅以下となるように分割数や分割後の長さを設定することが好ましい。このように設定することで、タイヤ固有のサイプ形状を表現することが可能となる。また、ブロックの長辺の長さの1/50以下の長さとなるように分割することがさらに好ましいという実験結果も得ている。このステップ208における分割は、分割によるメッシュ(小六面体)のタイヤ周方向(やタイヤ幅方向)であるXY方向(縦横方向)についてのサイズを設定して分割(縦横分割)することに相当する。なお、このステップ208における分割は、転動解析時のせん断変形方向を考慮して、分割したときの何れか1辺がせん断変形方向と平行になるようにすることが好ましい。これは、平行にすることによって、分割により生成される要素の角によりギザギザ形状になり、その影響を排除したタイヤモデルを提供することを可能とするためである。
以上のようにすることで、縦横分割及び高さ分割によって、所定サイズのメッシュ(小六面体)が形成される。
なお、タイヤパターンは、タイヤ周方向の縦横方向の構造に比べ、タイヤ径方向である深さ方向の構造は複雑ではないことが一般的であるため、タイヤ周方向の縦横の長さに対し、タイヤ径方向である深さ方向の長さを長くしてメッシュ分割しても、解析計算などの精度に対する影響が少ない。従って、小六面体として、縦横分割によるサイズ(長さ)に対して高さ分割によるサイズ(長さ)を長くすることにより、作成したモデルによって解析などの計算負荷を軽減でき、必要とする計算コストを抑制することができる。
次のステップ210では、壁面角度、及びグルーブやサイプの深さを示すデータを傾斜・深さ情報としてこの傾斜・深さ情報に基づいて、分割されたZ方向の各ステージにおける2次元パターン図を設定する。ここでは、上記ステップ206におけるZ方向の分割設定により分割される複数の断面に相当する面の各々をステージとする。上記2次元パターン図に傾斜・深さ情報を適用することで、各ステージに到達する、壁面、グルーブ及びサイプの到達位置を計算することができる。この到達位置により各ステージ(Z方向に分割された各高さにおける面)の2次元パターン図を生成することが可能となる。
次のステップ212では、Z方向に分割した各ステージにおいてXY面で分割されたメッシュ要素がブロック内部に有るか否かを判定する。この判定は、各ステージ上のメッシュ分割された各メッシュ要素について行われる。つまり、ステップ201で選択したブロックの位置で指定される領域内に、メッシュ要素が存在するか否かを判別することによって判定することができる。
同様に、次のステップ214では、Z方向に分割した各ステージにおいてXY面で分割されたメッシュ要素がグループに含まれるか否かを判定する。ここでの判定は、選択ブロックのグルーブ領域内に、メッシュ要素が存在するか否かを判別することによって判定することができる。また、次のステップ216では、Z方向に分割した各ステージにおいてXY面で分割されたメッシュ要素がサイプ部に当たるか否かを判定する。ここでの判定は、選択ブロックのサイプ部に、メッシュ要素の一部が存在するか否かを判別することによって判定することができる。
上記ステップ212乃至216の判定が終了すると、選択ブロックについて、タイヤ性能予測に不要と考えられる、ブロックの外部、グルーブ内部、及びサイプ部の何れかに該当するメッシュ要素を判別できる。そこで、次のステップ218では、これらブロックの外部、グルーブ内部、及びサイプ部の何れかに該当するメッシュ要素についてのデータを消去することで空間とした処理を行い、残存したメッシュ要素のデータを生成する。
図9は、図8に示した2次元パターン20の一例におけるブロック22について、上記ステップ218で生成される残存メッシュ要素のデータによるボクセルメッシュのブロック22を示したものである。図9から理解されるように、メッシュは、同一断面形状でかつ同一方向に配置された小六面体(ボクセル)を積み重ねてまたは並べられてブロックが形成される。また、サイプ部は、小六面体が消去された形状で提供される。
ここで、ブロックの一例として、ブロック22Cは、タイヤのタイヤ周方向に連続した踏面を含むパターンから切り出したものである。例えば、タイヤパターンによっては接触部分が周方向に連続するリブを持つものがある。この場合は繰り返し単位に切り出した後に本来連続しているべき断面同士を考慮することが好ましい。このためには、その境界部分に、周方向の拘束条件にて自由度制限することにより、あたかも連続した陸部のような挙動を予測することが可能である。そこで、次のステップ219では、ピッチパターンのブロックの境界部分がタイヤのタイヤ周方向に連続した踏面を含む場合、その境界部分に連続した踏面であることを表す拘束条件を付与する。図6及び図7の例では、ブロック22Cが相当する。なお、図では、説明の便宜上、境界部分から離間した位置に周方向の拘束条件を付与することをイメージとして示したが、拘束条件を付与するのは、境界部分である。従って、ステップ219では、ピッチパターンのブロックの境界部分がタイヤのタイヤ周方向に連続した踏面を含む場合、上記ステップ218で生成したメッシュ要素のデータに拘束条件を付与して出力する。これによって、ブロックのグルーブ、サイプ部、壁面、そして外形を考慮したボクセルメッシュによるタイヤモデル(ピッチモデル)のデータを出力することができる。
次のステップ220では2次元パターン図上で設定したピッチパターンの全てのブロックについて上記処理が終了したか否かを判断する。否定判断の場合は、ステップ201へ戻り残存するブロックについて上記処理を行い、肯定判断の場合、ピッチモデルの作成が終了したとして本処理ルーチンを終了する。
上記のようにしてタイヤモデルとして1ピッチのピッチパターンをモデル化したピッチモデルの作成が終了した後には、図2のステップ104へ進み、路面の設定すなわち路面モデルの作成と共に路面状態の入力がなされる。このステップ104では、路面をモデル化し、そのモデル化した路面を実際の路面状態に設定するために入力するものである。路面のモデル化は、路面形状を要素分割してモデル化し、路面の摩擦係数μを選択設定することで路面状態を入力する。例えば、路面状態により乾燥(DRY)、濡れ(WET)、氷上、雪上、非舗装等に対応する路面の摩擦係数μが存在するので、摩擦係数μについて適正な値を選択することで、実際の路面状態を再現させることができる。
なお、流体モデルを作成して、路面とタイヤモデル(ピッチモデル)の間に設けても良い。流体モデルは、タイヤの一部(または全部)および接地面、タイヤが移動・変形する領域を含む流体領域を分割し、モデル化するものであり、タイヤモデルと流体モデルは一部重なって定義されることが好ましい。
このようにして、路面状態の入力がなされると、次のステップ106において、境界条件の設定がなされる。この境界条件とは、タイヤモデルの1ピッチがモデル化されたピッチモデルに解析上すなわちタイヤ性能を予測する上で必要なものであり、タイヤモデル(ピッチモデル)に付与する各種条件である。
上記ステップ106の境界条件の設定では、図10に示す境界条件設定ルーチンが実行される。まず、ステップ152ではタイヤモデルには内圧を与え、次のステップ154ではタイヤモデルに回転変位及び直進変位(変位は力、速度でも良い)の少なくとも一方と、予め定めた負荷荷重とを与える。ここでは、タイヤモデルとして、1ピッチ分がモデル化されたピッチモデルを採用しているので、内圧や荷重等はピッチモデルに反映される。なお、路面との摩擦を考慮する場合は、回転変位(または力、速度でもよい)もしくは直進変位(または力、速度でもよい)のどちらか一方のみでよい。
次に、ステップ106までに作成されたり設定されたりした数値モデルをもとに、ピッチパターンによるタイヤモデルの変形計算を行う。すなわち、上記ステップ106で境界条件の設定が終了すると、ステップ108へ進み、ピッチパターンのみがボクセルメッシュ分割されたタイヤモデルの変形計算を行う。変形計算は、変形時のせん断変形量やせん断応力分布などを求めることを採用できる。このステップ108では、ピッチモデルおよび与えた境界条件より、有限要素法に基づいて1ピッチ分のタイヤモデル(ピッチモデル)の変形計算を行う。この変形計算は、タイヤ転動時の状態を得るために(過渡的な状態を得るために)、タイヤモデル(ピッチモデル)の変形計算を繰り返し(例えば1msec以内の計算を繰り返して行い)、その度に境界条件を更新するようにしてもよい。また、変形計算は、その変形が定常状態となることを想定した予め定めた計算時間を採用することができる。
ステップ108においてピッチモデルの変形計算が終了すると、次のステップ109においてピッチモデルの変形計算結果からタイヤモデルのタイヤ性能を予測する。本実施形態では、タイヤ性能予測時の計算負荷軽減のために、タイヤにおいて繰り返し単位分のみをモデル化しまたタイヤケース部も省略してモデル化したピッチモデルを採用した。これは、タイヤ性能予測時の計算負荷軽減のためであり、ピッチモデルの計算結果からタイヤモデルのタイヤ性能予測するには、ピッチモデルの計算結果を、タイヤ一周に存在する繰り返し単位の数だけ足し合わせればよい。このようにすることで、ピッチモデルの性能からタイヤモデルのタイヤ性能を予測する。次のステップ110では、ステップ109の計算結果を出力する。この計算結果とは、変形時のせん断変形量やせん断応力分布などの物理量を採用することができる。
このように、本実施の形態では、タイヤモデルを用いたFEMによる解析を行う場合に、タイヤにおいて繰り返し単位分のみのブロックパターン(陸部によるパターン)をモデル化(ピッチモデルを作成)し、タイヤケース部も省略することで計算に必要なリソースを大幅に軽減することができる。また、要素に分割するときには、小六面体がメッシュ要素(ボクセルメッシュ)となるように分割することにより、タイヤモデルの作成を簡単に行うことができる。従って、タイヤ全体にわたる詳細なモデル化を回避することで計算に必要なリソースを大幅に軽減しつつ、そのピッチモデルについて性能を求め、タイヤ全体を予測するので、計算負荷を軽減でき、迅速にタイヤ性能を予測ことができる。
次に、本発明の実施例を詳細に説明する。本実施例は、図11に示す5種類のタイヤパターンの各々について、タイヤ全体を詳細にメッシュ分割してタイヤモデルを作成しタイヤ性能を予測した場合と、本発明によるピッチモデルを基にタイヤ性能を予測した場合の各々を比較、そして計算の所要時間を比較したものである。
本実施例としてモデル化したタイヤは、タイヤサイズはPSR195/65R15、リム幅6Jのタイヤを採用した。このタイヤについて、図11に示す5種類のタイヤパターンの各パターン種について、次の試験条件、計算内容、及び比較例により実験を行い、表1の結果を得た。
試験条件:平均接地圧200kPaにて路面モデルに平押し、
前後方向に1mmせん断
計算内容:各パターン種のパターン剛性値をパターンA(図11(A)参照)
の値を100として指数を算出。
比較例 :タイヤケース部が同一であり、上記5種類のパターン種による
モデルを外面に有するタイヤモデルを作成。
内圧200kPa、荷重4kNで接地後、
前後方向にせん断変形したときのパターン剛性を
パターンAを100としたときの指数で算出。
Figure 2007223504
上記表1からも理解されるように、本発明の実施の形態によるタイヤモデルの一部としてピッチモデルを作成して、そのピッチモデルによる性能を求め、タイヤ全体のタイヤ性能を予測することで、計算結果の精度を大きく犠牲にすることなく計算時間を大幅に短縮することが可能である、という結果を得ることができた。
本発明の実施の形態にかかる、タイヤ性能予測方法を実施するためのパーソナルコンピュータの概略図である。 本発明の実施の形態にかかる、タイヤの性能予測プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。 タイヤモデル作成処理の流れを示すフローチャートである。 ピッチパターンでメッシュ分割してモデルを作成する処理の流れを示すフローチャートである。 トレッドパターンの一例を示すイメージ図である。 トレッドパターンから1ピッチ分を切り出したピッチパターンを示すイメージ図である。 ピッチパターンに含まれるブロックについて計算負荷軽減するための説明図である。 ブロック22Bの2次元パターン図を示す線図である。 本発明の実施の形態によりモデル化したパターンAについてボクセルメッシュで分割したブロックを示すイメージ図である。 境界条件の設定処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の実施例にかかる、トレッドパターンの一例を示すイメージ図である。
符号の説明
10 キーボード
12 コンピュータ本体
14 CRT
FD フレキシブルディスク(記録媒体)

Claims (7)

  1. 内部構造を少なくとも含みかつ複数の陸部からなるパターンを備えたタイヤについてタイヤ周方向の単位繰り返し長さ分だけの領域を切出領域と設定しかつ該切出領域を有限個の多数要素に分割してピッチモデルを作成し、
    前記ピッチモデルを予め定めた路面モデルに接触させつつ該路面モデルとピッチモデルを相対移動させる転動計算を実行し、
    前記転動計算において生じた物理量により前記ピッチモデルの性能の計算を実行し、
    前記ピッチモデルの性能に基づいて前記タイヤモデルのタイヤ性能を予測する
    タイヤ性能予測方法。
  2. 前記ピッチモデルは、タイヤ幅方向の複数の陸部について各々独立した領域を設定しかつ設定した独立領域の各々を有限個の多数要素に分割することを特徴とする請求項1に記載のタイヤ性能予測方法。
  3. 前記領域を多数要素に分割するときに、各々断面形状が均一の小六面体が同一方向に複数配置されるように小六面体を要素として分割してピッチモデルを作成することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のタイヤ性能予測方法。
  4. 前記ピッチモデルを作成するときに、前記タイヤに対して切出領域を設定するにあたり、前記切出領域の境界部分が前記タイヤのタイヤ周方向に連続した踏面を含む場合、前記境界部分に連続した踏面であることを表す拘束条件を付与しかつ前記拘束条件を考慮しながら前記転動計算を実行することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のタイヤ性能予測方法。
  5. 前記ピッチモデルを作成するときに、前記タイヤに対して切出領域を設定するにあたり、前記切出領域の境界部分が前記タイヤのラグ溝を含む場合、前記境界部分にラグ溝の変位量を表す拘束条件を付与しかつ前記拘束条件を考慮しながら前記転動計算を実行することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のタイヤ性能予測方法。
  6. 内部構造を少なくとも含みかつ複数の陸部からなるパターンを備えたタイヤについてタイヤ周方向の単位繰り返し長さ分だけの領域を切出領域と設定しかつ該切出領域を有限個の多数要素に分割して作成したピッチモデル、及び該ピッチモデルに接触させるための路面モデルを記憶したモデル記憶手段と、
    ピッチモデルを路面モデルに接触させつつ該路面モデルとピッチモデルを相対移動させる転動計算を実行し、前記転動計算において生じた物理量により前記ピッチモデルの性能の計算を実行し、前記ピッチモデルの性能に基づいて前記タイヤモデルのタイヤ性能を予測するためのプログラムを記憶したプログラム記憶手段と、
    前記モデル記憶手段に記憶されたピッチモデルと路面モデルを用い、前記プログラムに応じてタイヤ性能を予測する予測手段と、
    を備えたタイヤ性能予測装置。
  7. 内部構造を少なくとも含みかつ複数の陸部からなるパターンを備えたタイヤについてタイヤ周方向の単位繰り返し長さ分だけの領域を切出領域と設定しかつ該切出領域を有限個の多数要素に分割して作成したピッチモデルと、
    ピッチモデルに接触させるための路面モデルと、
    ピッチモデルを路面モデルに接触させつつ該路面モデルとピッチモデルを相対移動させる転動計算を実行し、前記転動計算において生じた物理量により前記ピッチモデルの性能の計算を実行し、前記ピッチモデルの性能に基づいて前記タイヤモデルのタイヤ性能を予測するためのプログラムと、
    を記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。

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