JP4272317B2 - タイヤ設計方法、タイヤ用加硫金型設計方法、タイヤ用加硫金型製造方法、空気入りタイヤの製造方法、タイヤ設計プログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

タイヤ設計方法、タイヤ用加硫金型設計方法、タイヤ用加硫金型製造方法、空気入りタイヤの製造方法、タイヤ設計プログラムを記録した記録媒体 Download PDF

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  • Tyre Moulding (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、タイヤ設計方法、タイヤ用加硫金型設計方法、タイヤ用加硫金型製造方法、空気入りタイヤの製造方法、タイヤ設計プログラムを記録した記録媒体にかかり、自動車等に使用される空気入りタイヤの性能、特に、排水性、雪上性能、騒音性能等の流体を介するタイヤ性能を考慮しつつタイヤを設計するタイヤ設計方法、タイヤを製造するための加硫金型を設計するタイヤ用加硫金型設計方法、タイヤ用加硫金型製造方法、空気入りタイヤの製造方法、タイヤ設計プログラムを記録した記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、空気入りタイヤ開発において、タイヤ性能は実際にタイヤを設計・製造し、自動車に装着して性能試験を行うことにより得られるものであり、性能試験の結果に満足できなければ設計・製造からやり直す、という手順を踏んできた。最近では、有限要素法等の数値解析手法や計算機環境の発達により、タイヤ内圧充填状態やタイヤ非転動時の荷重負荷状態等が計算機で予測できるようになり、この予測から幾つかの性能予測が行えるようになってきたが、排水性や雪上性能、及び騒音性能等のように、流体の挙動からタイヤ性能が定まるものについては、これまで計算を行うことができなかった。このため、タイヤ性能予測が行えず、タイヤ開発を効率的に行うことができないのが現状である。
【0003】
計算機を用いて、タイヤの排水性、特にハイドロプレーニングに関して、スムースタイヤ(溝無しタイヤ)と周方向溝のみを配置したタイヤについて解析を試みた技術文献がある("Tire Science and Technology, TSTCA, Vol.25, No.4, October-December, 1997, pp.265-287")。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の技術文献は、スムースタイヤと周方向溝のみを配置したタイヤについてのみ解析を試みたものであり、実際のタイヤにおいて排水性に大きく関与しているタイヤ周方向と交差する傾斜溝を有するパターン付きタイヤについて、また、タイヤ接地時及び回転時の流体をどのように流動状態に近づけ、過渡的解析を可能にするかについては言及されていない。すなわち、実際のタイヤ に対して実際の環境を想定した解析への考慮がなされていない。
【0005】
本発明は、上記事実を考慮して、排水性、雪上性能、騒音性能等のように、流体を介する実際に使用するタイヤ性能を考慮しつつ、タイヤ開発を効率化し、良好な性能のタイヤを得ることができるタイヤ設計方法、タイヤ用加硫金型設計方法、タイヤ用加硫金型製造方法、空気入りタイヤの製造方法、タイヤ設計プログラムを記録した記録媒体を得ることが目的である。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、排水性、雪上性能、騒音性能など流体を介する実際に使用するタイヤ性能を予測し、特にタイヤ接地時及び回転時の流体をどのように流動状態に近づけ、過渡的解析を可能し、また、タイヤ開発を効率化し、良好な性能のタイヤの提供を容易にしたものである。
【0007】
具体的には、本発明のタイヤ設計方法は、
(a)接地及び転動の少なくとも一方により変形を与えることが可能でかつパターン形状を有しないタイヤモデルと、流体で一部または全部が満たされかつ前記タイヤモデルの少なくとも一部と接触する流体モデルと、を定めるステップ、
(b)前記タイヤモデルの変形計算を実行するステップ、
(c)前記流体モデルの流動計算を実行するステップ、
(d)前記ステップ(b)での変形計算後のタイヤモデルと、前記ステップ(c)での流動計算後の流体モデルとの境界面を認識し、認識した境界面に関する境界条件をタイヤモデル及び流体モデルに付与しかつ、境界条件を付与した後のタイヤモデル及び流体モデルについて前記タイヤモデルの変形計算及び前記流体モデルの流動計算を予め定めた時間繰り返して計算させ、前記流体モデルを擬似流動状態とするステップ、
(e)前記ステップ(c)またはステップ(d)におけるタイヤモデル及び流体モデルの少なくとも一方のモデルに生じる物理量を求めるステップ、
(f)前記物理量により前記流体モデルの挙動を予測するステップ、
(g)前記流体モデルの挙動に基づいて、全流体モデルの流線の方向に溝を設けるように前記タイヤモデルのパターン形状を設計するステップ、
を含んでいる。
【0009】
前記タイヤ設計方法で、前記ステップ(g)において、前記流体モデルの圧力の高い箇所に溝を設けることができる。
【0010】
前記タイヤ設計方法では、前記ステップ(g)において、前記流体モデルの圧力の高い箇所にタイヤ周方向に沿った直線性が高い溝を設けることができる。
【0011】
前記タイヤ設計方法では、前記ステップ(g)において、前記流体モデルの圧力の高い箇所に他の部分より大きい溝体積を有する溝を設けることができる。
【0012】
前記タイヤ設計方法では、前記ステップ(g)において、設計されたパターンタイヤモデルを用いて前記流動計算をさらに実行し、前記流体モデルの圧力の高い箇所に切り欠き及びサイプの少なくとも一方をさらに設けることができる。
【0015】
前記タイヤ設計方法では、前記ステップ(a)は、流体モデルと接する路面モデルをさらに定めたことを特徴とする。
【0016】
前記タイヤ設計方法では、前記ステップ(b)は所定時間だけ繰返し計算することができる。
【0017】
前記タイヤ設計方法では、前記所定時間は、10msec以下であることを特徴とする。
【0018】
前記タイヤ設計方法では、前記ステップ(c)は、一定時間だけ繰返し計算することができる。
【0019】
前記タイヤ設計方法では、前記一定時間は、10msec以下であることを特徴とする。
【0021】
前記タイヤ設計方法では、前記予め定めた時間は、10msec以下であることを特徴とする。
【0022】
前記タイヤ設計方法では、前記タイヤモデルを転動させる場合には前記ステップ(a)において、内圧充填時及び荷重計算時の計算を施すと共に、回転変位または速度或いは直進変位を付与したタイヤモデルを定めることができる。
【0023】
前記タイヤ設計方法では、前記タイヤモデルを転動させる場合には、前記ステップ(a)において、前記流体モデルの上面では流体が自由に流出しかつ、前記流体モデルの上面以外の他面では流体が流入及び流出しないことを表す流入流出条件を前記流体モデルに付与することができる。
【0024】
前記タイヤ設計方法では、前記タイヤモデルを転動させない場合には、前記ステップ(a)において、内圧充填時の計算を施すと共に、該計算後に荷重計算を施したタイヤモデルを定めることができる。
【0025】
前記タイヤ設計方法では、前記タイヤモデルを転動させない場合には、前記ステップ(a)において、前記流体モデルの前面では流体が進行速度で流入し、前記流体モデルの後面及び上面では流体が自由に流出し、前記流体モデルの側面及び下面では流体が流入及び流出しないことを表す流入流出条件を前記流体モデルに付与することができる。
【0026】
前記タイヤ設計方法では、前記路面モデルは、DRY、WET、氷上、雪上、及び非舗装の少なくとも1つの路面状態を表す摩擦係数μを選択することによって路面状態を定めることができる。
【0027】
前記タイヤ設計方法では、前記ステップ(d)において、前記タイヤモデルと流体モデルの干渉部分を生じさせ、当該干渉部分を認識し、タイヤモデル表面を境界面として、前記流体モデルを流体要素で分割することができる。
【0028】
前記タイヤ設計方法では、前記流体モデルは、少なくとも水を含み、前記物理量として流体モデルの圧力、流量、及び流速の少なくとも1つを用い、前記流体モデルの挙動を予測することができる。
【0029】
前記タイヤ設計方法では、前記流体モデルは、水及び雪の少なくとも1つを含み、前記物理量としてタイヤモデルの氷路面及び雪路面の少なくとも一方の路面での接地面積、接地圧、及び剪断力の少なくとも1つを用い、前記流体モデルの挙動を予測することができる。
【0030】
前記タイヤ設計方法では、前記流体モデルは、水及び雪の少なくとも1つを含み、前記物理量としてタイヤモデルの氷路面及び雪路面の少なくとも一方の路面での接地面積、接地圧、及び剪断力の少なくとも1つを用い、前記流体モデルの挙動を予測することができる。
【0031】
前記タイヤ設計方法では、前記流体モデルは、水及び雪の少なくとも1つを含み、前記物理量として流体モデルの氷路面及び雪路面の少なくとも一方での流体モデルの圧力、流量、及び流速の少なくとも1つを用い、前記流体モデルの挙動を予測することができる。
【0032】
前記タイヤ設計方法では、前記流体モデルは、少なくとも空気を含み、前記物理量として流体モデルの圧力、流量、流れ速度、エネルギー、及びエネルギー密度の少なくとも1つを用い、前記流体モデルの挙動を予測することができる。
【0033】
本発明のタイヤ用加硫金型設計方法は、
(α)接地及び転動の少なくとも一方により変形を与えることが可能でかつパターン形状を有しないタイヤモデルと、流体で一部または全部が満たされかつ前記タイヤモデルの少なくとも一部と接触する流体モデルと、を定めるステップ、
(β)前記タイヤモデルの変形計算を実行するステップ、
(γ)前記流体モデルの流動計算を実行するステップ、
(δ)前記ステップ(β)での変形計算後のタイヤモデルと、前記ステップ(γ)での流動計算後の流体モデルとの境界面を認識し、認識した境界面に関する境界条件をタイヤモデル及び流体モデルに付与しかつ、境界条件を付与した後のタイヤモデル及び流体モデルについて前記タイヤモデルの変形計算及び前記流体モデルの流動計算を予め定めた時間繰り返して計算させ、前記流体モデルを擬似流動状態とするステップ、
(ε)前記ステップ(γ)またはステップ(δ)におけるタイヤモデル及び流体モデルの少なくとも一方のモデルに生じる物理量を求めるステップ、
(ζ)前記物理量により前記流体モデルの挙動を予測するステップ。
(η)前記流体モデルの挙動に基づいて、全流体モデルの流線の方向に溝を設けるようにパターン形状を設計したタイヤモデルに基づいてタイヤ用加硫金型を設計するステップ、
を含んでいる。
【0034】
発明のタイヤ用加硫金型製造方法は、前記タイヤ用加硫金型設計方法により設計した空気入りタイヤの加硫金型を製造することができる。
【0035】
発明の空気入りタイヤの製造方法は、前記タイヤ用加硫金型設計方法により設計した空気入りタイヤの加硫金型を製作し、該加硫金型を用いて空気入りタイヤを製造することができる。
【0036】
本発明の空気入りタイヤの製造方法は、
(1)接地及び転動の少なくとも一方により変形を与えることが可能でかつパターン形状を有しないタイヤモデルと、流体で一部または全部が満たされかつ前記タイヤモデルの少なくとも一部と接触する流体モデルと、を定めるステップ、
(2)前記タイヤモデルの変形計算を実行するステップ、
(3)前記流体モデルの流動計算を実行するステップ、
(4)前記ステップ(2)での変形計算後のタイヤモデルと、前記ステップ(3)での流動計算後の流体モデルとの境界面を認識し、認識した境界面に関する境界条件をタイヤモデル及び流体モデルに付与しかつ、境界条件を付与した後のタイヤモデル及び流体モデルについて前記タイヤモデルの変形計算及び前記流体モデルの流動計算を予め定めた時間繰り返して計算させ、前記流体モデルを擬似流動状態とするステップ、
(5)前記ステップ(3)またはステップ(4)におけるタイヤモデル及びタイヤモデルに対する流体モデルの少なくとも一方のモデルに生じる物理量を求めるステップ、
(6)前記物理量により前記流体モデルの挙動を予測するステップ、
(7)前記流体モデルの挙動に基づいて、全流体モデルの流線の方向に溝を設けるようにパターン形状を設計したタイヤモデルに基づいてタイヤを製造するステップ、
を含んでいる。
【0037】
本発明の記録媒体は、コンピュータによってタイヤ設計をするためのタイヤ設計プログラムを記録した記録媒体であって、
(A)接地及び転動の少なくとも一方により変形を与えることが可能でかつパターン形状を有しないタイヤモデルと、流体で一部または全部が満たされかつ前記タイヤモデルの少なくとも一部と接触する流体モデルと、を定めるステップ、
(B)前記タイヤモデルの変形計算を実行するステップ、
(C)前記流体モデルの流動計算を実行するステップ、
(D)前記ステップ(B)での変形計算後のタイヤモデルと、前記ステップ(C)での流動計算後の流体モデルとの境界面を認識し、認識した境界面に関する境界条件をタイヤモデル及び流体モデルに付与しかつ、境界条件を付与した後のタイヤモデル及び流体モデルについて前記タイヤモデルの変形計算及び前記流体モデルの流動計算を予め定めた時間繰り返して計算させ、前記流体モデルを擬似流動状態とするステップ、
(E)前記ステップ(C)またはステップ(D)におけるタイヤモデル及びタイヤモデルに対する流体モデルの少なくとも一方のモデルに生じる物理量を求めるステップ、
(F)前記物理量により前記流体モデルの挙動を予測するステップ、
(G)前記流体モデルの挙動に基づいて、全流体モデルの流線の方向に溝を設けるように前記タイヤモデルのパターン形状を設計するステップ、
の各ステップを含むことを特徴とする。
【0038】
本発明では、まず、これから評価するタイヤの設計案(タイヤ形状・構造・材料・パターンの変更など)の性能を予測するため、タイヤ設計案を数値解析上のモデルに落とし込む。すなわち、数値解析が可能なタイヤモデル(数値解析モデル)を作成する。本発明では、このタイヤモデルにパターンを有しない所謂スムースタイヤのモデルを用いる。更に、目標性能に関わる流体及び路面のモデル化を行い、流体モデル及び路面モデル(数値解析モデル)を作成し、タイヤ、流体、路面の3 者を同時に考慮した数値解析を行い、目標性能について数値予測する。この予測結果からタイヤ設計案の可否を判定し、結果良好なら設計案を採用、もしくは更にこの設計案のタイヤを製造し、性能評価を行い、この結果まで良好なら設計案を採用する。設計案による予測性能(またはは実測性能)が不十分であれば、設計案の一部または全部を修正し、数値解析モデルの作成から再度実行する。これらの手順であれば、タイヤを製造して性能評価をする回数が極めて少なくなるため、タイヤ開発を効率化できる。
【0039】
従って、性能予測に基づくタイヤ開発を行うためには、効率良く、精度の良いタイヤ性能予測のための数値解析モデルが不可欠である。そこで、本発明では、タイヤ性能を予測するため、ステップ(a)において、接地及び転動の少なくとも一方により変形を与えることが可能でかつパターン形状を有しないタイヤモデルと、流体で満たされかつ前記タイヤモデルの少なくとも一部と接触する流体モデルを定める。なお、路面モデルをさらに定めることもできる。ステップ(b)では、タイヤモデルの変形計算を実行し、ステップ(c)では、流体モデルの流動計算を実行する。ステップ(d)では、ステップ(b)での変形計算後のタイヤモデルと、ステップ(c)での流動計算後の流体モデルとの境界面を認識し、認識した境界面に関する境界条件をタイヤモデル及び流体モデルに付与しかつ、前記流体モデルが擬似流動状態となるまで計算させる。ステップ(e)では、ステップ(c)またはステップ(d)におけるタイヤモデル及び流体モデルの少なくとも一方のモデルに生じる物理量を求め、ステップ(f)では、物理量により流体モデルの挙動を予測する。この流体モデルの挙動には、流体が変形するときの稜線や一部の流体が飛翔するときの軌跡等の流線があり、ステップ(f)ではこの流線を予測する。次のステップ(g)では、流体モデルの挙動に基づいてタイヤモデルのパターン形状を設計する。このステップ(g)では、ステップ(f)で予測した流線に沿うようにパターンにおける溝が位置するように設計することができる。このように設計することで、流体の推移する方向や量に応じて、タイヤモデルに通路を形成できる。
【0040】
前記ステップ(g)では、全流体モデルの流線の方向に溝を設けることができる。また、前記ステップ(g)では、前記流体モデルの圧力の高い箇所に溝を設けることができる。また、前記前記ステップ(g)では、前記流体モデルの圧力の高い箇所にタイヤ周方向に沿った直線性が高い溝を設けることができる。また、前記ステップ(g)では、前記流体モデルの圧力の高い箇所に他の部分より大きい溝体積を有する溝を設けることができる。また、前記ステップ(g)では、設計されたパターンタイヤモデルを用いて前記流動計算をさらに実行し、前記流体モデルの圧力の高い箇所に切り欠き及びサイプの少なくとも一方をさらに設けることができる。
【0041】
なお、前記タイヤ設計方法では、前記ステップ(b)での変形計算後のタイヤモデルと、前記ステップ(c)での流動計算後の流体モデルとの境界面を認識し、認識した境界面に関する境界条件をタイヤモデル及び流体モデルに付与しかつ、前記流体モデルが擬似流動状態となるまで計算させるステップ(d)を含むことなく構成してもよい。
【0042】
また、前記タイヤ設計方法では、前記ステップ(c)またはステップ(d)におけるタイヤモデル及び流体モデルの少なくとも一方のモデルに生じる物理量を求めるステップ(e)と、前記物理量により前記流体モデルの挙動を予測するステップ(f)とをさらに含むことなく構成してもよい。
【0043】
このように、タイヤ設計するようにすることで、タイヤまわりの流体の流れを考慮し、流れのスムーズさ、乱れの発生を予測し、タイヤ性能を予測しつつ設計に役立てることができる。
【0044】
前記ステップ(b)のタイヤモデルの変形計算は、接地及び転動の少なくとも一方により変形が与えられたときの変形計算を実行することができる。この場合、入力として、接地及び転動の少なくとも一方を定めれば良い。
【0045】
また、認識した境界面に関する境界条件をタイヤモデル及び流体モデルに付与するとき、境界面より路面モデル側に流体が存在するように流体モデルを定めることができる。
【0046】
なお、前記タイヤモデルの変形計算及び流動計算の少なくとも一方では繰返し計算を行うことができる。タイヤモデルの変形計算では、繰返し計算を行う所定時間の経過時間を、10msec以下を採用することができ、好ましくは1msec以下、更に好ましくは1μ・sec以下を採用することができる。また、流動計算では、繰返し計算を行う一定時間の経過時間を、10msec以下を採用することができ、好ましくは1msec以下、更に好ましくは1μ・sec以下を採用することができる。この経過時間が長すぎると、流体モデル中の流体がタイヤの挙動に合った擬似流動状態とならず、数値モデルとしての精度が悪化する。このため、経過時間は適正な値を採用する必要がある。
【0047】
また、流体モデルが擬似流動状態になるまでの計算でも、繰返し計算を行うことができる。この計算では、繰返し計算を行う所定時間の経過時間を、10msec以下を採用することができ、好ましくは1msec以下、更に好ましくは1μ・sec以下を採用することができる。
【0048】
前記タイヤモデルは、部分的にパターンを有するものであっても良い。また、前記路面モデルは、路面状態によりDRY、WET、氷上、雪上、非舗装などにより摩擦係数μを適正な値に選択することで、実際の路面状態を再現させることができる。
【0049】
前記境界条件を付与するとき、流体モデルにタイヤモデル表面を流体の境界面として認識させることが重要であるが、流体モデルを構成する微小要素をタイヤモデルに対して常に十分小さく取ることで流体モデルの構成要素を増加させることは計算時間の増大を招き、困難である。そこで、流体モデルを構成する微小要素で、ある程度大きく取って計算時間の増大を防ぎ、かつタイヤモデルと流体モデルとに干渉部分を有(オーバーラップ)させ、その干渉部分を認識し、タイヤモデル表面を境界面として、前記流体モデルを分割することでタイヤモデルと流体モデルの境界面を精度よく認識させることが好ましい。
【0050】
なお、前記流体モデルが少なくとも水を含み、タイヤモデル接地面積、接地圧を物理量とすればタイヤWET性能を予測することができる。また、前記流体モデルが少なくとも水を含み、流体モデルの圧力、流量、流れ速度、を物理量としても流体モデルの挙動を予測することができる。
【0051】
また、前記流体モデルが水及び雪の少なくとも一方を含み、タイヤモデルの氷路面及び雪路面の少なくとも一方の路面での接地面積、接地圧、及び剪断力の少なくとも1つを物理量として用いれば、タイヤ氷雪上性能を考慮した流体モデルの挙動を予測することができる。また、前記流体モデルが水及び雪の少なくとも一方を含み、流体モデルの氷路面及び雪路面の少なくとも一方の路面での流体モデルの圧力、流量、及び流速の少なくとも1つを物理量として用いても、タイヤ氷雪上性能を考慮した流体モデルの挙動を予測することができる。
【0052】
さらに、前記流体モデルが少なくとも空気を含み、流体モデルの圧力、流量、流れ速度、エネルギー、及びエネルギー密度の少なくとも1つを物理量として用いれば、タイヤ騒音性能を考慮した流体モデルの挙動を予測することができる。
【0053】
また、タイヤを製造するためのタイヤ用加硫金型を設計する場合、ステップ(α)で接地及び転動の少なくとも一方により変形を与えることが可能でかつパターン形状を有しないタイヤモデルと、流体で一部または全部が満たされかつ前記タイヤモデルの少なくとも一部と接触する流体モデルとを定め、ステップ(β)で前記タイヤモデルの変形計算を実行し、ステップ(γ)で前記流体モデルの流動計算を実行し、ステップ(δ)で前記ステップ(β)での変形計算後のタイヤモデルと、前記ステップ(γ)での流動計算後の流体モデルとの境界面を認識し、認識した境界面に関する境界条件をタイヤモデル及び流体モデルに付与しかつ、前記流体モデルが擬似流動状態となるまで計算させ、ステップ(ε)で前記ステップ(γ)またはステップ(δ)におけるタイヤモデル及び流体モデルの少なくとも一方のモデルに生じる物理量を求め、ステップ(ζ)で前記物理量により前記流体モデルの挙動を予測し、ステップ(η)で前記流体モデルの挙動パターン形状を設計したタイヤモデルに基づいてタイヤ用加硫金型を設計するようにすることで、製造されるべきタイヤまわりの流体の流れ、すなわち流れのスムーズさ、乱れの発生を予測し、タイヤ性能を予測しつつタイヤ製造のための金型設計に役立てることができる。
【0054】
このようにして設計されたタイヤ用加硫金型を製造すれば、予測した流体モデルの挙動を考慮したタイヤの製造が容易となる。また、このタイヤ用加硫金型を製造し、それを用いてタイヤを製造すれば、流体の流れに対する評価や、流れのスムーズさ、乱れの発生等を考慮したタイヤを得ることができる。
【0055】
また、タイヤを製造する場合、ステップ(1)で接地及び転動の少なくとも一方により変形を与えることが可能でかつパターン形状を有しない複数のタイヤモデルと、流体で一部または全部が満たされかつ前記タイヤモデルの少なくとも一部と接触する流体モデルとを定め、ステップ(2)で前記タイヤモデルの変形計算を実行し、ステップ(3)で前記流体モデルの流動計算を実行し、ステップ(4)で前記ステップ(2)での変形計算後のタイヤモデルと、前記ステップ(3)での流動計算後の流体モデルとの境界面を認識し、認識した境界面に関する境界条件を各タイヤモデル及び流体モデルに付与しかつ、前記流体モデルが擬似流動状態となるまで計算させ、ステップ(5)で前記ステップ(3)またはステップ(4)におけるタイヤモデル及びタイヤモデルに対する流体モデルの少なくとも一方のモデルに生じる物理量を求め、ステップ(6)で前記物理量により流体モデルの挙動を予測し、ステップ(7)で前記流体モデルの挙動に基づいてパターン形状を設計したタイヤモデルのタイヤを製造するようにすれば、流体の流れに対する評価や、流れのスムーズさ、乱れの発生等を考慮したタイヤを得ることができる。
【0056】
さらに、コンピュータによってタイヤ設計する場合、ステップ(A)で接地及び転動の少なくとも一方により変形を与えることが可能でかつパターン形状を有しないタイヤモデルと、流体で一部または全部が満たされかつ前記タイヤモデルの少なくとも一部と接触する流体モデルとを定めさせ、ステップ(B)で前記タイヤモデルの変形計算を実行させ、ステップ(C)で前記流体モデルの流動計算を実行させ、ステップ(D)で前記ステップ(B)での変形計算後のタイヤモデルと、前記ステップ(C)での流動計算後の流体モデルとの境界面を認識し、認識した境界面に関する境界条件をタイヤモデル及び流体モデルに付与させかつ、前記流体モデルが擬似流動状態となるまで計算させ、ステップ(E)で前記ステップ(C)またはステップ(D)におけるタイヤモデル及びタイヤモデルに対する流体モデルの少なくとも一方のモデルに生じる物理量を求めさせ、ステップ(F)で前記物理量により前記流体モデルの挙動を予測させ、ステップ(G)で前記流体モデルの挙動に基づいて前記タイヤモデルのパターン形状を設計させる各ステップを含むタイヤ設計プログラムを記憶媒体に記憶するようにし実行させ、データ収集するようにすれば、流体の挙動が反映されたタイヤ設計が可能となる。
【0057】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0058】
〔第1実施の形態〕
本実施の形態は、空気入りタイヤの設計方法に本発明を適用したものである。図1には本発明の空気入りタイヤの設計方法を実施するためのパーソナルコンピュータの概略が示されている。このパーソナルコンピュータは、データ等を入力するためのキーボード10、予め記憶された処理プログラムに従ってタイヤの性能を予測するコンピュータ本体12、及びコンピュータ本体12の演算結果等を表示するCRT14から構成されている。
【0059】
なお、コンピュータ本体12には、記録媒体としてのフロッピーディスク(FD)が挿抜可能なフロッピーディスクユニット(FDU)を備えている。なお、後述する処理ルーチン等は、FDUを用いてフロッピーディスクFDに対して読み書き可能である。従って、後述する処理ルーチンは、予めFDに記録しておき、FDUを介してFDに記録された処理プログラムを実行してもよい。また、コンピュータ本体12にハードディスク装置等の大容量記憶装置(図示省略)を接続し、FDに記録された処理プログラムを大容量記憶装置(図示省略)へ格納(インストール)して実行するようにしてもよい。また、記録媒体としては、CD−ROM等の光ディスクや、MD,MO等の光磁気ディスクがあり、これらを用いるときには、上記FDUに代えてまたはさらにCD−ROM装置、MD装置、MO装置等を用いればよい。
【0060】
図2は、本実施の形態にかかる設計プログラムの処理ルーチンを示すものである。ステップ100では、タイヤの設計案(タイヤ形状、構造、材料など)を定める。次のステップ102では、タイヤ設計案を数値解析上のモデルに落とし込むため、パターンを有していないスムースタイヤのタイヤモデルを作成する。このタイヤモデルの作成は、用いる数値解析手法により若干異なる。本実施の形態では数値解析手法として有限要素法(FEM)を用いるものとする。従って、上記ステップ102で作成するタイヤモデルは、有限要素法(FEM)に対応した要素分割、例えば、メッシュ分割によって複数の要素に分割され、タイヤを数値的・解析的手法に基づいて作成されたコンピュータプログラムヘのインプットデータ形式に数値化したものをいう。この要素分割とはタイヤ、流体、及び路面等の対象物を小さな幾つかの(有限の)小部分に分割することをいう。この小部分ごとに計算を行い全ての小部分について計算した後、全部の小部分を足し合わせることにより全体の応答を得ることができる。なお、数値解析手法には差分法や有限体積法を用いても良い。
【0061】
上記ステップ102のタイヤモデルの作成では、図3に示すタイヤモデル作成ルーチンが実行される。まず、ステップ140において、タイヤ径方向断面のモデルを作成する。すなわちタイヤ断面データを作成する。このタイヤ断面データは、タイヤ外形をレーザー形状測定器等で計測し値を採取する。また、タイヤ内部の構造は設計図面および実際のタイヤ断面データ等から正確なものを採取する。タイヤ断面内のゴム、補教材(ベルト、プライ等、鉄・有機繊維等でできた補強コードをシート状に束ねたもの)をそれぞれ有限要素法のモデル化手法に応じてモデル化する。次のステップ142では、2次元データであるタイヤ断面データ(タイヤ径方向断面のモデル)を周方向に一周分展開し、タイヤの3次元(3D)モデルを作成する。この場合、ゴム部は8節点ソリッド要素、補教材は角度を表現できる異方性シェル要素でモデル化することが望ましい。例えば、ゴム部分は、図7(A)に示すように、8節点ソリッド要素で扱うことができ、補強材(ベルト、プライ)の扱いは、図7(B)に示すように、シェル要素として2次元的に補強材の角度θを考慮することができる。この結果、図17に示すタイヤモデルが作成される。また、図18には、後述する流体モデルにタイヤモデルを載せた状態を示した。
【0062】
上記のようにしてタイヤモデルを作成した後には、図2のステップ104へ進み、流体モデルを作成する。このステップ104では、図8の処理ルーチンが実行される。図8のステップ300では、タイヤの一部(または全部)および接地面、タイヤが移動・変形する領域を含む流体領域を分割し、モデル化する。流体領域は直方体で分割することが好ましく、この分割する直方体である流体要素は8節点のオイラーメッシュで分割することが望ましい。また、タイヤモデルと流体モデルは一部重なって定義されている。タイヤモデルはパターン部分が複雑な表面形状をしており、この表面形状にあわせて流体メッシュを定義しないで済むことは、流体モデルのモデル化の手間を大幅に削減でき、性能予測を効率的に行う上で重要である。
【0063】
なお、流体モデルとなる流体領域はタイヤが移動する領域を含むため、タイヤモデルを転動させない(以下、タイヤ非転動という)状態のモデル化では進行方向に接地長の5倍以上、幅方向は接地幅の3倍以上、深さ方向は例えば30mm以上の領域をモデル化する。タイヤモデルを転動させる(以下、タイヤ転動という)状態のモデル化では進行方向に例えば2m以上(タイヤ一回転分以上)の流体領域をモデル化する。このようにしてモデル化した流体モデルを図9に示す。図9(A)は流体モデルの斜視図であり、図9(B)は流体モデルの平面図である。
【0064】
上記のようにして、流体モデルの作成が終了すると、図2のステップ106へ進み、路面モデルの作成と共に路面状態の入力がなされる。このステップ106は、路面をモデル化し、そのモデル化した路面を実際の路面状態に設定するために入力するものである。路面のモデル化は、路面形状を要素分割してモデル化し、路面の摩擦係数μを選択設定することで路面状態を入力する。すなわち、路面状態により乾燥(DRY)、濡れ(WET)、氷上、雪上、非舗装等に対応する路面の摩擦係数μが存在するので、摩擦係数μについて適正な値を選択することで、実際の路面状態を再現させることができる。また、路面モデルは,前記流体モデルの少なくとも一部と接していれば良く,流体モデル内部に配置することも可能である。
【0065】
このようにして、路面状態の入力がなされると、次のステップ108において、境界条件の設定がなされる。すなわち、タイヤモデルの一部は流体モデルの一部に介在することになるので、流体モデルおよびタイヤモデルに解析上の境界条件を与えてタイヤおよび流体の挙動をシミュレートする必要がある。この手順は、タイヤ転動時とタイヤ非転動時の場合で異なることになる。このタイヤ転動時とタイヤ非転動時の選択は、予め入力するようにしてもよく、また本処理の実行当初に選択しても良く、さらに双方を実行し、各々について求めた後に選択するようにしても良い。
【0066】
ステップ108における、タイヤ転動時における境界条件の設定では、図10の処理ルーチンが実行される。まず、ステップ150へ進み、流体モデル(流体領域)20に流入・流出に関する境界条件を与える。この流入・流出に関する境界条件は図12に示すように、流体モデル(流体領域)20の上面20Aは自由に流体が流出し、その他の前面20B、後面20C、側面20D、下面20Eは壁(流入・流出なし)として扱う。次のステップ152ではタイヤモデルには内圧を与え、次のステップ154ではタイヤモデルに回転変位及び直進変位(変位は力、速度でも良い)の少なくとも一方と、予め定めた負荷荷重とを与える。なお、路面との摩擦を考慮する場合は、回転変位(または力、速度でもよい)もしくは直進変位(または力、速度でもよい)のどちらか一方のみでよい。
【0067】
また、ステップ108における、タイヤ非転動時における境界条件の設定では、図11の処理ルーチンが実行される。まず、ステップ160において、流体モデルに流入・流出に関する境界条件を与える。ここでは、解析を定常状態で行うため、タイヤモデルは進行方向に静止し、流体が進行速度でタイヤモデルに向かって流れる流体モデルを考える。すなわち、ステップ162において流体モデル(流体領域)内の流体に流速を与える。流入・流出に関する境界条件は図13に示すように、流体モデル(流体領域)20の前面は進行速度で流入、後面は流出とし、上面、側面、下面は転動時と同様である。そして、ステップ164においてタイヤモデルには内圧を与え、次のステップ166においてタイヤモデルに負荷荷重を与える。
【0068】
次に、ステップ108までに作成されたり設定されたりした数値モデルをもとに、以下に詳述する解析Aとしてのタイヤモデルの変形計算及び解析Bとしての流体計算(流動計算)を行う。過渡的な状態を得るために、タイヤモデルの変形計算及び流体モデルの流体計算をそれぞれ1msec以内で単独計算を行い、1msec毎に両者の境界条件を更新する。
【0069】
すなわち、上記ステップ108で境界条件の設定が終了すると、ステップ110へ進み、タイヤモデルの変形計算を行い、次のステップ112で経過時間が1msec以内か否かを判断する。ステップ112で肯定されるとステップ110へ戻り、再度タイヤモデルの変形計算を行い、ステップ112で否定されると、ステップ114へ進み流体計算を行う。次のステップ116では経過時間が1msec以内か否かを判断し、肯定されるとステップ114へ戻り、再度流体計算を行い、ステップ116で否定されると、ステップ118へ進む。
【0070】
(解析A)タイヤモデルの変形計算
タイヤモデルおよび与えた境界条件より、有限要素法に基づいてタイヤモデルの変形計算を行う。過渡的な状態を得るために、経過時間(単独経過時間)が1msec以下の間はタイヤモデルの変形計算を繰り返し、1msec経過したら次の計算(流体)に移る。
【0071】
(解析B)流体計算
流体モデル及び与えた境界条件より、有限要素法に基づいて流体計算を行う。過渡的な状態を得るために、経過時間(単独経過時間)が1msec以下の間は流体計算を繰り返し、1msec経過したら次の計算(タイヤモデルの変形)に移る。
【0072】
なお、(解析A)と(解析B)はどちらを先に計算しても良いし、また並行して計算しても良い。すなわち、ステップ110、112と、ステップ114、116とは交換した順序であってもよい。
【0073】
また、上記の計算(解析Aと解析B)では、経過時間(単独経過時間)が1msec以下の間の好ましい経過時間の間で繰返し計算を行う場合を説明したが、本発明で経過時間を1msecに限定するものではなく、10msec以下の経過時間を採用することができ、好ましくは1msec以下であり、更に好ましくは1μ・sec以下の経過時間を採用することができる。また、この経過時間は、解析Aと解析Bとで異なる時間を定めても良い。
【0074】
次のステップ118では、タイヤモデルの変形計算および流体計算それぞれ単独の計算を1msecづつ行った後、これらを連成させるため、タイヤモデルの変形に応じて流体モデルの境界面を認識し、境界条件を更新させる(詳細は後述)。このステップ118では、境界条件更新の後に、タイヤモデルに流体計算で計算した圧力をタイヤモデルの境界条件(表面力)として付加し、流体力によるタイヤモデルの変形を次のタイヤモデルの変形計算(解析A)で計算させるようにする。すなわち、流体側は変形後のタイヤモデルの表面形状を新たな壁として境界条件に取り入れ、タイヤモデル側は流体の圧力をタイヤモデルにかかる表面力として境界条件に取り入れる。これを1msecごとに繰り返すことにより、タイヤ性能予測に関わる過渡的な流れを擬似的に作り出すことができる。ここで1msecとは接地面内のパターンがタイヤ転動により変形していく過程を十分に表現できる時間である。
【0075】
なお、上記では境界条件に取り入れる繰り返しの時間(単独経過時間)を1msecに定めたが、本発明は1msecに限定するものではなく、10msec以下の時間を採用することができ、好ましくは1msec以下であり、更に好ましくは1μ・sec以下の時間を採用することができる。
【0076】
次のステップ120では、計算終了か否かを判断し、ステップ120で肯定されるとステップ122へ進み、ステップ120で否定されると、ステップ110へ戻り、再度タイヤモデルの変形計算および流体計算それぞれ単独の計算を1msecづつ行う。なお、具体的な判断方法としては、次の例がある。
【0077】
▲1▼タイヤモデルが、非転動モデルの場合には、対象とする物理量(流体反力、圧力、流速等)が定常状態とみなせる(以前に計算した物理量と同じとみなせる状態)まで繰り返し計算し、計算が終了した場合には肯定判断とする。または、タイヤモデルの変形が定常状態とみなせるようになるまで繰り返す。さらに、所定時間になったら終了させることも可能である。この場合の所定時間は、好ましくは100msec以上、さらに好ましくは300msec以上である。
【0078】
▲2▼タイヤモデルが、転動モデルの場合には、解析対象となる部分の変形が終了するまで繰り返し計算し、計算終了とした場合には肯定判断とする。部分の変形とは、転動によりスムースタイヤのトレッド部分が路面モデルに接触後に路面モデルから離れるまでの間、もしくは転動により流体モデルに接触後に路面モデルに接触するまでの間の変形を指す。この変形は、タイヤが1回転以上転動した後に前記各モデルに接触するときからを対象としてもよい。さらに、所定時間になったら終了させることも可能である。この場合の所定時間は好ましくは100msec以上、さらに好ましくは300msec以上である。
【0079】
ここで、ステップ118の詳細を説明する。ステップ118における、タイヤモデル変形に応じて流体の境界面を認識し、境界条件を付加する処理は、図14の処理ルーチンが実行される。まず、ステップ170において、流体モデル(流体領域)20のどの部分がタイヤモデル30に隠れているのか判定するため、流体モデル20とタイヤモデル30の干渉部分40を計算する。これは流体モデル20すなわち流体領域を小部分に分割した要素(流体要素)全てについて行う(図15参照)。
【0080】
次のステップ172では、流体要素がタイヤモデルに完全に隠れているか否かを判断し、流体要素がタイヤモデルに完全に隠れている場合はステップ172で肯定され、ステップ174へ進み、この要素はタイヤモデル内部にあり、流体の流入・流出は行われないため壁としての境界条件を付加する。
【0081】
一方、ステップ172で否定されると、ステップ176へ進み、タイヤモデルに流体要素の一部が隠れているか否かを判断する。タイヤモデルに流体要素の一部が隠れている場合は、ステップ176で肯定され、次のステップ178において、タイヤモデル30の表面32で流体要素を2分する面である切断面を計算し(図16参照)、次のステップ180でこの切断面で流体要素22を更に分割する。次のステップ182では、上記分割した流体要素のうちタイヤモデルに隠れていない領域22Aを、新たに流体モデル(流体領域)として定義し、この部分を流体計算に用いるものとする。また、新たな流体要素の切断面に対応する面は、タイヤモデルと接しているため壁としての境界条件を付加する。
【0082】
なお、分割した流体要素を更に細かく分割していくのは計算時間の増大につながり好ましくないため、流体要素の分割には制限(この場合は、一度分割した要素は分割しないという制限)を設けることが好ましい。
【0083】
次のステップ184では、上記の処理が全ての流体要素についてなされたか否かを判断し、未処理の流体要素が残存する場合、ステップ184で否定され、ステップ170へ戻る。一方、全ての流体要素について上記処理が終了した場合には,本ルーチンを終了する。これによって、タイヤモデルの表面形状を境界条件として流体計算に取り込むことができる。
【0084】
このように、タイヤモデルと流体モデルを一部重ねて定義できる手法は計算モデル作成の手間を大幅に減らすことができる。更にタイヤモデルに一部隠れる流体要素を2分することによって初期の流体メッシュを大きく取ることができ、流体要素が増えて計算時間が増大することを防ぐことができ、性能予測を効率的に行える。
【0085】
このようにして、解析A、解析B、および両者の連成のための境界条件変更を行った後、解析Aに戻り、変更した境界条件で計算を行う。これを計算終了まで繰り返し、計算が終了した場合には、ステップ120で肯定され、ステップ122へ進み、計算結果を予測結果として出力し、予測結果の評価を行う。
【0086】
なお、上記では、解析A、解析B、及び境界条件変更を繰り返し、計算が終了すると、計算結果を出力し、予測結果を評価する場合を説明したが,繰り返し計算中に、その時点における計算結果を出力し、その出力について評価したり、逐次評価したりしてもよい。すなわち、計算中に出力・評価してもよい。
【0087】
本実施の形態では、予測結果の出力として、流体の主要移動路、すなわち流線を採用する。流線は、タイヤモデルの転動により流体モデルが変形して一部の流体が飛翔したり、圧力をもって推移したりする移動路の代表線である。具体的な予測結果の出力の一例を、図19に示した。図から理解されるように、スムースタイヤをモデル化したタイヤモデルの接地範囲から進行方向(図19の矢印Aに示す方向)に向かって流線が放射状に発生している。
【0088】
次に、ステップ124では、上記の予測結果からトレッド部分のパターンを導出する。このステップ124では、上記で求めた流線に沿う方向に溝を形成する。これは、流線の方向が流体(例えば水)の流れることが予測される方向であり、この方向に溝を形成することで、より水はけ等の流体の移動が良好なパターンを形成するためである。このパターンの導出は、スムースタイヤに新規に溝を形成してもよく、予め求めてある標準パターンや他の設計パターンに、上記予想結果から求めた流線に沿う方向の溝を追加してもよい。このようにして導出したパターンを図21に示した。また、図20には、図21のパターンを、上記予測結果の出力である流線に重ね合わせたイメージを示した。この図から理解されるように、タイヤモデルの溝は、流線に概ね沿った形状となっている。
【0089】
次のステップ126では、上記導出したパターンを、タイヤ周方向に展開し、パターン付のタイヤモデルを作成する。これにより、流線に沿う方向に溝が形成され、より水はけ等の流体の移動が良好なパターンを有するタイヤモデルを形成できる。
【0090】
次のステップ128では、上記パターン付のタイヤモデルの性能評価する。このステップ128では、上記で説明したタイヤモデルの転動及び非転動によるタイヤモデルの変形等を加味して、タイヤ性能を予測し、結果を出力する。具体的には、図2のステップ102乃至122の処理を行う。なお、ここでは、タイヤモデルはパターンを有しているため、ステップ102の処理は、パターンもモデル化する。この処理は上記図3に示した処理と同様であり、このようにして3次元的にモデル化した3Dモデルを図5に示した。そして、次に、パターンをモデル化する。このパターンのモデル化は次の手順▲1▼、▲2▼の何れかで行う。この手順▲1▼または手順▲2▼によって、パターンをモデル化したものを図6に示した。
手順▲1▼:パターンの一部または全部を別個にモデル化し、上記タイヤモデルにトレッド部分として貼りつける。
手順▲2▼:タイヤ断面データを周方向に展開する際にリブ・ラグ成分を考慮してパターンを作成する。
【0091】
このようにしてタイヤモデルを作成した後には、上記と同様にステップ104から同様に実行される。
【0092】
次に、上記ステップ122と同様に予測結果が出力される。本実施の形態では、流体の圧力分布を採用する。この圧力分布を評価(例えば、予め定めた値以下の圧力であるか否かの判定を)することで、上記形成した溝が適正に作用しているか否かを判別できる。図22には、予測結果である圧力分布のうち、予め定めた圧力より高い流体の圧力(水圧)を示す部位P1,P2,P3を示した。
【0093】
なお、予測結果の出力は流体力、流れ速度、流量、圧力、エネルギー等の値もしくは分布を採用することができる。予測結果の出力の具体的な一例として、流体反力の出力、流体の流れの出力と可視化、及び水圧分布の出力と可視化がある。流体反力は、流体(例えば,水)がタイヤを上方へ押し上げる力である。流体の流れは、流体の速度ベクトルから計算することができ、その流れとタイヤモデル周辺やパターン周辺とを共に線図等で表せば、可視化することができる。流体の水圧分布の可視化は、タイヤモデル周辺やパターン周辺を線図として作成し、その図形上に水圧値を色や模様に対応させて表示させればよい(図20参照)。
【0094】
また、評価は、主観評価(全体的に、スムーズに流れているか、流れの方向による乱れの判断等)、圧力・エネルギーが局所的に上昇していないか、必要な流量が得られているか、流体力が上昇していないか、流れが停滞していないか等を採用することができる。また、パターンの場合、溝内を流れているかを採用することもできる。また、タイヤモデルの場合、タイヤが回転することにより、接地面及び接地面近傍でタイヤが水等の流体を挟み込み、前方に押し出す前方スプレーの量が多いか、路面内では横に流れているか、を採用することができる。
【0095】
なお、予測結果の評価は、予測結果の出力値や出力値の分布を用いて、予め定めた許容値や許容特性を各出力値や出力値の分布にどの程度適合するかを数値的に表現することによって、評価値を定めることができる。
【0096】
次に、ステップ130では、上記予測結果の評価すなわち圧力分布から、溝が適正に作用しているか否かを判別し(予測性能が良好であるか否かを判定し)、圧力分布に高い値を示す位置が存在するときには、その周辺のブロックにサイプまたは切り欠きを設けてタイヤモデルを修正する。このタイヤモデルの修正後には、上記ステップ128の処理を行って再度評価及び修正してもよい。なお、上記の判別はキーボードによるユーザ指示でもよくまた、上記評価値に、許容範囲を予め定めておき、予測結果の評価値が許容範囲内に存在するときに、予測性能が良好であると判断するようにしてもよい。
【0097】
図22に示した例では、部位P1,P2,P3は、流体の圧力が高い。従って、図23に示すように、流体の圧力が高い部位P1,P2,P3に対応するブロックB1,B2,B3にサイプまたは切り欠きを設けて、修正したタイヤモデルを作成する。これにより、圧力分布が均一化される。
【0098】
次のステップ132では、修正されたタイヤモデルを設計案として採用し、本ルーチンを終了する。ステップ132の設計案の採用は、その設計案が良好な性能であることを出力(表示したり、印刷したり)すると共に、その設計案のデータを記憶するようにしてもよい。
【0099】
〔第2実施の形態〕
本実施の形態は、上記実施の形態と同様の構成のため、同一部分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。また、本実施の形態では、流体として水を採用している。
【0100】
上記実施の形態では、流線に沿う方向に溝を形成することで流体の推移を容易とするタイヤを設計する例を説明したが、本実施の形態では流体の圧力分布をより均質化するすなわち高圧力の部位を優先的に解消するものである。言いかえれば、水圧の分布に着目し、タイヤの排水性を考慮したタイヤ設計をするものである。
【0101】
次に、本実施の形態の作用を説明する。まず、本実施の形態では、図24の処理ルーチンが実行され、ステップ200において、上記実施の形態と同様にして、スムースタイヤの解析が行われる。詳細には、まず、タイヤモデル、流体モデルを作成し、路面モデルの作成と共に摩擦係数μの選択により路面状態を入力する(図2のステップ100〜106)。この場合、タイヤモデルは、スムースタイヤモデルである。また、パターンモデルとパターンに貼りつける部分のベルトモデルも作成する。なお、本実施の形態では、図25に示すように、タイヤが車両に取り付けられる状態に則したり操舵によって変化したりするキャンバー角を考慮して、タイヤモデルに所定のキャンバー角を付与している。次に、タイヤ転動時またはタイヤ非転動時の境界条件を設定してタイヤモデルの変形計算及び流体計算等を行う(図2のステップ108〜120)。
【0102】
次に、ステップ202では、スムースタイヤモデルの解析結果を出力する。このステップ202は、水圧分布を解析結果として出力する。次のステップ204では、高水圧の部位を抽出する。図26には、タイヤの接地形状に合わせての水圧分布を示した。図から理解されるように、水圧が最も高い部位は、タイヤの中心部からタイヤが傾倒された方向へずれている。すなわち、キャンバー角によりずれた部位が高水圧部位になっている。
【0103】
次のステップ206では、上記ステップ204の結果(高水圧の部位)から、パターンを導出する。すなわち、図27に示すように、水圧が高い部位にストレート溝を形成する。このストレート溝は、タイヤ周方向に連続する溝であり、解析結果から得られる高水圧の部位に対応したタイヤ幅方向の位置に形成される。そして、形成したストレート溝にタイヤパターンを重ねてパターンを導出する(図28参照)。
【0104】
次のステップ208では、形成されたパターンにより上記実施の形態と同様にして、タイヤモデルを作成する。
【0105】
このように、本実施の形態では、スムースタイヤモデルを基本とし、水圧が高くなることが予測される部位に、ストレート溝を形成したので、高い水圧による水の貯留が抑制され、排水性を向上させることができる。
【0106】
〔第3実施の形態〕
本実施の形態は、上記実施の形態と同様の構成のため、同一部分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。また、本実施の形態では、流体として水を採用している。
【0107】
上記実施の形態では、流線に沿う方向に溝を形成することで流体の推移を容易とするタイヤを設計する例、及び水圧が高い部位にストレート溝を形成したタイヤを設計する例を説明したが、本実施の形態ではこれらを組み合わせて排水性が向上されたタイヤを設計するものである。
【0108】
次に、本実施の形態の作用を説明する。まず、本実施の形態では、図29の処理ルーチンが実行され、上記実施の形態と同様にしてスムースタイヤの解析が行われる(ステップ200)。そして、タイヤモデルの変形計算及び流体計算等をした後に、ステップ210において、スムースタイヤモデルの解析結果を出力する。このステップ210は、流線及び水圧分布を解析結果として出力する。次のステップ212では、解析結果に基づいて溝を形成する。すなわち、予測結果の出力で、流体の主要移動路である流線(図19参照)に沿うように、溝を形成する。これは、上記説明したように、流線の方向が流体(例えば水)の流れることが予測される方向であり、この方向に溝を形成することで、より水はけ等の流体の移動が良好なパターンを形成するためである。次のステップ214では、高水圧の部位を抽出する。この抽出した高水圧の部位付近に位置する溝を、次のステップ216において修正する。すなわち、水圧が最も高い部位には、水が貯留し排水性の悪化を招く。このため、高水圧の部位付近に位置する溝は、他の部位の溝より、溝の体積を大きくする。例えば、溝幅及び溝深さの少なくとも一方を多きkうする。この溝の体積は、水圧に対応して大きさを決定することが好ましい。
【0109】
このようにして決定された溝(流線に沿いかつ高水圧の部位で体積が大きくされた溝)に応じて、パターンを導出してパターン付タイヤモデルを作成する(ステップ126)。
【0110】
次に、上記パターン付のタイヤモデルの性能評価する(ステップ128)。ここでは、上記で説明したタイヤモデルの転動及び非転動によるタイヤモデルの変形等を加味して、タイヤ性能を予測し、結果を出力する(図2のステップ102乃至122の処理)。なお、ここでは、タイヤモデルはパターンを有しているため、パターンもモデル化する。
【0111】
次に、(ステップ130)上記予測結果の評価すなわち圧力分布から、溝が適正に作用しているか否かを判別し(予測性能が良好であるか否かを判定し)、流線の溝が沿わなかったり圧力分布に高い値を示す位置が存在するときには、溝幅や溝深さを修正したりその周辺のブロックにサイプまたは切り欠きを設けてタイヤモデルを修正する。このタイヤモデルの修正後に、再度評価及び修正してもよい。次のステップ132では、修正されたタイヤモデルを設計案として採用し、本ルーチンを終了する。
【0112】
このように、本実施の形態では、スムースタイヤモデルを基本とし、流線に沿う溝を形成すると共に、水圧が高くなることが予測される部位の溝について体積を大きくすることで、高い水圧による水の貯留を抑制しているので、排水性を向上させることができる。
【0113】
【実施例】
以下、本発明の実施の形態により設計したタイヤを実際に製造し、性能を計測した実験結果を実施例として示す。
【0114】
図30(A)は、実施例1であり、通常の設計によるタイヤすなわち流線に沿う方向に溝が存在しない(流線と溝が一致していない)タイヤを示したものである。図30(B)は、実施例2であり、流線に沿う方向に溝を位置させるタイヤ設計方法により得たタイヤを示したものである。図30(C)は、実施例3であり、流線に沿う方向に溝が位置すると共に、水圧の高い部位の溝体積を大きくするタイヤ設計方法により得たタイヤを示したものである。
【0115】
〔ハイプレ指数〕
実施例1 100
実施例2 55
実施例3 50
【0116】
このように、実施例1、実施例2、実施例3の順に、ハイプレ指数が減少し、ハイドロプレーニング性能が向上すなわち排水性が向上されていることが理解される。
【0117】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、排水性、雪上性能、騒音性能等のように流体を介して実際に使用する環境下における流体の挙動を考慮してタイヤ設計することができ、タイヤ開発の効率を向上できると共に、良好な性能のタイヤを得ることができる、という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかる、タイヤ設計方法を実施するためのパーソナルコンピュータの概略図である。
【図2】本発明の第1実施の形態にかかる、空気入りタイヤの設計プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図3】タイヤモデル作成処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】タイヤ径方向断面モデルを示す斜視図である。
【図5】タイヤの3次元モデルを示す斜視図である。
【図6】パターンをモデル化したイメージを示す斜視図である。
【図7】モデル化するときの要素を説明するためのイメージ図であり、(A)はゴム部の扱いを説明するためのイメージ図、(B)補強材の扱いを説明するためのイメージ図である。
【図8】流体モデル作成処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】流体モデルを示す線図であり、(A)は斜視図、(B)は平面図である。
【図10】転動時の境界条件設定処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】非転動時の境界条件設定処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】転動時の境界条件の設定を説明するための説明図である。
【図13】非転動時の境界条件の設定を説明するための説明図である。
【図14】境界条件付加処理の流れを示すフローチャートである。
【図15】タイヤモデルと流体モデルとの干渉領域を示す線図である。
【図16】流体要素を分割することを説明するための説明図であり、(A)は分割前、(B)は分割後の流体側を示している。
【図17】スムースタイヤモデルを示す線図である。
【図18】スムースタイヤモデルと流体モデルとを示す線図である。
【図19】スムースタイヤによる流線を示す線図である。
【図20】スムースタイヤの流線とパターンとを重ねあわせた状態を示す線図である。
【図21】パターンを示す線図である。
【図22】高水圧の位置を説明するための説明図である。
【図23】高水圧付近のブロックを修正することを説明するための説明図である。
【図24】本発明の第2実施の形態にかかる、空気入りタイヤの設計プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図25】タイヤモデルを傾倒した状態を示す線図である。
【図26】タイヤの接地付近の水圧分布を示す線図である。
【図27】タイヤに形成する溝の位置関係を示す線図である。
【図28】タイヤに形成した溝を含むパターンを示す線図である。
【図29】本発明の第3実施の形態にかかる、空気入りタイヤの設計プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図30】本発明の実施例を示し、(A)は実施例1の従来の設計方法による溝形状を示し、(B)実施例2の流線に沿う溝形状を示し、(C)実施例3の流線に沿い水圧に応じた体積の溝を示す線図である。
【符号の説明】
10 キーボード
12 コンピュータ本体
14 CRT
20 流体モデル
30 タイヤモデル
FD フロッピーディスク(記録媒体)

Claims (16)

  1. 次の各ステップを含むタイヤ設計方法。
    (a)接地及び転動の少なくとも一方により変形を与えることが可能でかつパターン形状を有しないタイヤモデルと、流体で一部または全部が満たされかつ前記タイヤモデルの少なくとも一部と接触する流体モデルと、を定めるステップ。
    (b)前記タイヤモデルの変形計算を実行するステップ。
    (c)前記流体モデルの流動計算を実行するステップ。
    (d)前記ステップ(b)での変形計算後のタイヤモデルと、前記ステップ(c)での流動計算後の流体モデルとの境界面を認識し、認識した境界面に関する境界条件をタイヤモデル及び流体モデルに付与しかつ、境界条件を付与した後のタイヤモデル及び流体モデルについて前記タイヤモデルの変形計算及び前記流体モデルの流動計算を予め定めた時間繰り返して計算させ、前記流体モデルを擬似流動状態とするステップ。
    (e)前記ステップ(c)またはステップ(d)におけるタイヤモデル及び流体モデルの少なくとも一方のモデルに生じる物理量を求めるステップ。
    (f)前記物理量により前記流体モデルの挙動を予測するステップ。
    (g)前記流体モデルの挙動に基づいて、全流体モデルの流線の方向に溝を設けるように前記タイヤモデルのパターン形状を設計するステップ。
  2. 前記ステップ(g)において、前記流体モデルの圧力の高い箇所に溝を設けることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ設計方法。
  3. 前記ステップ(g)において、設計されたパターンタイヤモデルを用いて前記流動計算をさらに実行し、前記流体モデルの圧力の高い箇所に切り欠き及びサイプの少なくとも一方をさらに設けることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のタイヤ設計方法。
  4. 前記ステップ(a)は、流体モデルと接する路面モデルをさらに定めたことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のタイヤ設計方法。
  5. 前記ステップ(b)は、所定時間だけ繰返し計算することを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載のタイヤ設計方法。
  6. 前記ステップ(c)は、一定時間だけ繰返し計算することを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載のタイヤ設計方法。
  7. 前記タイヤモデルを転動させる場合には、前記ステップ(a)において、内圧充填時及び荷重計算時の計算を施すと共に、回転変位または速度或いは直進変位を付与したタイヤモデルを定めることを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載のタイヤ設計方法。
  8. 前記タイヤモデルを転動させる場合には、前記ステップ(a)において、前記流体モデルの上面では流体が自由に流出しかつ、前記流体モデルの上面以外の他面では流体が流入及び流出しないことを表す流入流出条件を前記流体モデルに付与することを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載のタイヤ設計方法。
  9. 前記タイヤモデルを転動させない場合には、前記ステップ(a)において、内圧充填時の計算を施すと共に、該計算後に荷重計算を施したタイヤモデルを定めることを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れか1項に記載のタイヤ設計方法。
  10. 前記路面モデルは、DRY、WET、氷上、雪上、及び非舗装の少なくとも1つの路面状態を表す摩擦係数μを選択することによって路面状態を定めることを特徴とする請求項1乃至請求項9の何れか1項に記載のタイヤ設計方法。
  11. 前記ステップ(d)において、前記タイヤモデルと流体モデルの干渉部分を生じさせ、当該干渉部分を認識し、タイヤモデル表面を境界面として、前記流体モデルを流体要素で分割することを特徴とする請求項1乃至請求項10の何れか1項に記載のタイヤ設計方法。
  12. 前記流体モデルは、水及び雪の少なくとも1つを含み、前記物理量としてタイヤモデルの氷路面及び雪路面の少なくとも一方の路面での接地面積、接地圧、及び剪断力の少なくとも1つを用い、前記流体モデルの挙動を予測することを特徴とする請求項1乃至請求項11の何れか1項に記載のタイヤ設計方法。
  13. 前記流体モデルは、水及び雪の少なくとも1つを含み、前記物理量として流体モデルの氷路面及び雪路面の少なくとも一方での流体モデルの圧力、流量、及び流速の少なくとも1つを用い、前記流体モデルの挙動を予測することを特徴とする請求項1乃至請求項12の何れか1項に記載のタイヤ設計方法。
  14. 次の各ステップを含むタイヤ用加硫金型設計方法。
    (α)接地及び転動の少なくとも一方により変形を与えることが可能でかつパターン形状を有しないタイヤモデルと、流体で一部または全部が満たされかつ前記タイヤモデルの少なくとも一部と接触する流体モデルと、を定めるステップ。
    (β)前記タイヤモデルの変形計算を実行するステップ。
    (γ)前記流体モデルの流動計算を実行するステップ。
    (δ)前記ステップ(β)での変形計算後のタイヤモデルと、前記ステップ(γ)での流動計算後の流体モデルとの境界面を認識し、認識した境界面に関する境界条件をタイヤモデル及び流体モデルに付与しかつ、境界条件を付与した後のタイヤモデル及び流体モデルについて前記タイヤモデルの変形計算及び前記流体モデルの流動計算を予め定めた時間繰り返して計算させ、前記流体モデルを擬似流動状態とするステップ。
    (ε)前記ステップ(γ)またはステップ(δ)におけるタイヤモデル及び流体モデルの少なくとも一方のモデルに生じる物理量を求めるステップ。
    (ζ)前記物理量により前記流体モデルの挙動を予測するステップ。
    (η)前記流体モデルの挙動に基づいて、全流体モデルの流線の方向に溝を設けるようにパターン形状を設計したタイヤモデルに基づいてタイヤ用加硫金型を設計するステップ。
  15. 次の各ステップを含む空気入りタイヤの製造方法。
    (1)接地及び転動の少なくとも一方により変形を与えることが可能でかつパターン形状を有しないタイヤモデルと、流体で一部または全部が満たされかつ前記タイヤモデルの少なくとも一部と接触する流体モデルと、を定めるステップ。
    (2)前記タイヤモデルの変形計算を実行するステップ。
    (3)前記流体モデルの流動計算を実行するステップ。
    (4)前記ステップ(2)での変形計算後のタイヤモデルと、前記ステップ(3)での流動計算後の流体モデルとの境界面を認識し、認識した境界面に関する境界条件をタイヤモデル及び流体モデルに付与しかつ、境界条件を付与した後のタイヤモデル及び流体モデルについて前記タイヤモデルの変形計算及び前記流体モデルの流動計算を予め定めた時間繰り返して計算させ、前記流体モデルを擬似流動状態とするステップ。
    (5)前記ステップ(3)またはステップ(4)におけるタイヤモデル及びタイヤモデルに対する流体モデルの少なくとも一方のモデルに生じる物理量を求めるステップ。
    (6)前記物理量により前記流体モデルの挙動を予測するステップ。
    (7)前記流体モデルの挙動に基づいて、全流体モデルの流線の方向に溝を設けるようにパターン形状を設計したタイヤモデルに基づいてタイヤを製造するステップ。
  16. コンピュータによってタイヤ設計するためのタイヤ設計プログラムを記録した記録媒体であって、次の各ステップを含むことを特徴とするタイヤ設計プログラムを記録した記録媒体。
    (A)接地及び転動の少なくとも一方により変形を与えることが可能でかつパターン形状を有しないタイヤモデルと、流体で一部または全部が満たされかつ前記タイヤモデルの少なくとも一部と接触する流体モデルと、を定めるステップ。
    (B)前記タイヤモデルの変形計算を実行するステップ。
    (C)前記流体モデルの流動計算を実行するステップ。
    (D)前記ステップ(B)での変形計算後のタイヤモデルと、前記ステップ(C)での流動計算後の流体モデルとの境界面を認識し、認識した境界面に関する境界条件をタイヤモデル及び流体モデルに付与しかつ、境界条件を付与した後のタイヤモデル及び流体モデルについて前記タイヤモデルの変形計算及び前記流体モデルの流動計算を予め定めた時間繰り返して計算させ、前記流体モデルを擬似流動状態とするステップ。
    (E)前記ステップ(C)またはステップ(D)におけるタイヤモデル及びタイヤモデルに対する流体モデルの少なくとも一方のモデルに生じる物理量を求めるステップ。
    (F)前記物理量により前記流体モデルの挙動を予測するステップ。
    (G)前記流体モデルの挙動に基づいて、全流体モデルの流線の方向に溝を設けるように前記タイヤモデルのパターン形状を設計するステップ。
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