JPH1055348A - 多成分系材料最適化解析装置および方法 - Google Patents

多成分系材料最適化解析装置および方法

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JPH1055348A
JPH1055348A JP22586396A JP22586396A JPH1055348A JP H1055348 A JPH1055348 A JP H1055348A JP 22586396 A JP22586396 A JP 22586396A JP 22586396 A JP22586396 A JP 22586396A JP H1055348 A JPH1055348 A JP H1055348A
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JP22586396A
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Yukio Nakajima
幸雄 中島
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    • G16CCOMPUTATIONAL CHEMISTRY; CHEMOINFORMATICS; COMPUTATIONAL MATERIALS SCIENCE
    • G16C60/00Computational materials science, i.e. ICT specially adapted for investigating the physical or chemical properties of materials or phenomena associated with their design, synthesis, processing, characterisation or utilisation
    • GPHYSICS
    • G16INFORMATION AND COMMUNICATION TECHNOLOGY [ICT] SPECIALLY ADAPTED FOR SPECIFIC APPLICATION FIELDS
    • G16CCOMPUTATIONAL CHEMISTRY; CHEMOINFORMATICS; COMPUTATIONAL MATERIALS SCIENCE
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 非線形化予測手法による学習で精度の良い材
料モデルを作成し、最適化計算と組み合わせて有効な最
適材料設計を可能とする。 【解決手段】 最適化項目入力装置1は多成分系材料の
材料設計の目的関数となる物理量と制約条件としての構
成成分の配合パラメータの範囲とを定め、実験データ入
力装置2は配合パラメータおよび制約条件とその物理量
の実験データを入力し、材料モデル計算装置3は非線形
化予測手法によって多成分系材料の構成成分の配合パラ
メータおよび制約条件とその物理量とを関係づける材料
モデルを計算し、最適化計算装置4は計算結果の材料モ
デルおよび入力された項目に基づいて最適化手法を用い
て目的にあった多成分系材料の構成成分の配合パラメー
タを計算し、最適化結果出力装置5は計算結果の最適配
合パラメータを材料最適化設計案として出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は多成分系材料最適化
解析装置および方法に関し、特に多成分から構成される
材料(以下、多成分系材料という)の設計、例えばタイ
ヤ用ゴム配合設計等に利用できる多成分系材料最適化解
析装置および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】材料設計は、目的とする材料の物理量
(物性値,特性値)を得るための構成成分の配合比率
(配合パラメータ)および制約条件(コスト,製造条件
等)を求めることである。従来は、経験的あるいは試行
錯誤的に配合パラメータおよび制約条件を求める場合が
多く、特に構成成分が3成分以上になると、その作業は
非常に困難となっていた。
【0003】このような従来の材料設計の改良法とし
て、階層型ニューラルネットワークを用いて材料特性を
指定すると、多成分系材料の構成成分の配合パラメータ
が自動的に求められるようにした材料設計システムが提
案されている(尾田十八・岡田裕康「ニューラルネット
ワークを用いた多成分系材料の材料設計法」、日本機械
学会[No.940−25]第1回最適化シンポジウム
講演論文集[’94−7−8,9,東京]p57−62
参照)。
【0004】また、多成分系材料の構成成分の配合パラ
メータおよび制約条件とその物理量とを関係づける材料
モデルの作成に多項式を仮定して最小2乗法でその係数
を定める材料モデル計算と、最適化とを組み合わせた例
がある(岩崎学,「混合実験の計画と解析」,p105
〜117,サイエンティスト社,1994参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の階層型
ニューラルネットワークを用いた材料設計システムで
は、現実に存在する材料から少し外れた材料特性をイン
プットすると、マイナスの配合パラメータがアウトプッ
トされて活用が困難な場合もあるという問題点があっ
た。
【0006】また、多項式を仮定する材料モデル計算を
使用する場合には、多項式を仮定する際に任意性が入る
こと、3ケ以上の構成成分から成る場合に多項式をどう
仮定したならばよいかを決めることが難しいこと等の問
題点があり、材料モデルの精度が高くならなかった。そ
のため、その材料モデルに基づいて求めた材料設計案も
有効なものとはならなかった。
【0007】本発明の目的は、非線形化予測手法による
学習で精度の良い材料モデルを作成し、最適化計算手段
と組み合わせて有効な最適材料設計を可能とする多成分
系材料最適化解析装置を提供することにある。
【0008】また、本発明の他の目的は、非線形化予測
手法による学習で精度の良い材料モデルを作成し、最適
化計算ステップと組み合わせて有効な最適材料設計を可
能とする多成分系材料最適化解析方法を提供することに
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の多成分系材料最
適化解析装置は、材料設計の目的関数となる物理量と、
制約条件としての構成成分の配合パラメータの範囲とを
定める最適化項目入力手段と、非線形化予測手法によっ
て多成分系材料の構成成分の配合パラメータおよび制約
条件とその物理量とを関係づける材料モデルを計算する
材料モデル計算手段と、この材料モデル計算手段による
計算結果の材料モデルおよび前記最適化項目入力手段に
より入力された項目に基づいて最適化手法を用いて目的
にあった多成分系材料の構成成分の配合パラメータを計
算する最適化計算手段とを具備することを特徴とする。
【0010】また、本発明の多成分系材料最適化解析方
法は、材料設計の目的関数となる物理量と、制約条件と
しての構成成分の配合パラメータの範囲とを定める最適
化項目入力ステップと、非線形化予測手法によって多成
分系材料の構成成分の配合パラメータおよび制約条件と
その物理量とを関係づける材料モデルの計算ステップ
と、この材料モデル計算ステップによる計算結果の材料
モデルおよび前記最適化項目入力ステップにより入力さ
れた項目に基づいて最適化手法を用いて目的にあった多
成分系材料の構成成分の配合パラメータを計算する最適
化計算ステップとを含むことを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】次に、本発明について図面を参照
して詳細に説明する。
【0012】図1は、本発明の一実施の形態に係る多成
分系材料最適化解析装置の構成を示すブロック図であ
る。本実施の形態に係る多成分系材料最適化解析装置
は、最適化項目入力装置1と、実験データ入力装置2
と、材料モデル計算装置3と、最適化計算装置4と、最
適化結果出力装置5とから、その主要部が構成されてい
る。
【0013】最適化項目入力装置1は、最大化または
最小化すべき物理量(これを目的関数OBJという),
最大化または最小化するときに制約を設ける物理量,
多成分系材料の構成成分の配合パラメータXi (i=1
〜N)および製造条件(以下、これらを制約条件Gとい
う),多成分系材料の構成成分の配合パラメータXi
(i=1〜N)および制約条件Gのとりうる範囲,最
適化に関する手法の選択およびそのときのパラメータ等
を入力する。例えば、多成分系材料がゴムである場合、
物理量として、硬さ,引張強さ,伸び,圧縮永久ひず
み,引張強さ変化率,伸び変化率,硬さ変化,体積変化
率,コスト等があり、構成成分として、天然ゴム,合成
ゴム,カーボンブラック,加硫剤,加硫促進剤,老化防
止剤,コスト等がある。
【0014】実験データ入力装置2は、多成分系材料の
構成成分の配合パラメータXi (i=1〜N)および制
約条件Gとその物理量との実験データを入力する。
【0015】材料モデル計算装置3は、非線形化予測手
法の1つであるニューラルネットワークによって多成分
系材料の構成成分の配合パラメータXi (i=1〜N)
および制約条件Gとその物理量とを関係づける材料モデ
ルを計算する。
【0016】図2は、材料モデル計算装置3の一例を示
す模式図である。この材料モデル計算装置3は、入力
層,中間層および出力層からなる3層のニューラルネッ
トワークで構成され、入力Ii (i=1〜N)が配合パ
ラメータXi (i=1〜N)、出力Ok が物理量になる
ように設定されている。例えば、多成分系材料がゴムで
ある場合、入力層として10個程度のPE(Proce
ssing Element)数、中間層として30個
程度のPE数、出力層として10個程度のPE数とする
ことができる。なお、入力Ii と出力Ok との間には、
数1のような関係がある。
【0017】
【数1】
【0018】ただし、Wjiは入力層と中間層との間の結
合係数、Vkjは中間層と出力層との間の結合係数、f
(x)={1+tanh(x/u0 )}(u0 は定
数)、θjは中間層のオフセット、γk は出力層のオフ
セット、Nは入力層のPE数(配合パラメータの数と等
しい)、mは中間層のPE数を示す。
【0019】最適化計算装置4は、最適化項目入力装置
1で入力した目的関数OBJを最適化する配合パラメー
タXi (i=1〜N)(以下、最適配合パラメータXi
(i=1〜N)と記述する)を計算する。ここでは、数
理計画法,遺伝的アルゴリズム等の最適化手法を用い
る。
【0020】最適化結果出力装置5は、最適化計算の結
果として、最適化項目入力装置1で入力された項目を満
足するように最適化された多成分系材料の構成成分の最
適配合パラメータXi OPT (i=1〜N)および制約条
件GOPT を出力する。
【0021】図3を参照すると、本発明の一実施の形態
に係る多成分系材料最適化解析方法の手順は、配合パラ
メータ,目的関数および最大実験回数設定ステップ10
1と、配合パラメータ範囲設定ステップ102と、カウ
ンタ初期化ステップ103と、過去実験データ利用可能
判定ステップ104と、実験計画ステップ105と、物
理量実験ステップ106と、ニューラルネットワーク学
習ステップ107と、最適化計算ステップ108と、実
験回数カウンタ加算ステップ109と、最大実験回数到
達判定ステップ110と、ループカウンタインクリメン
トステップ111と、配合パラメータ範囲再設定ステッ
プ112と、最適配合パラメータ出力ステップ113
と、同一配合有無判定ステップ114と、物理量実験お
よびデータベース登録ステップ115と、過去配合パラ
メータおよび物理量読込みステップ116と、ニューラ
ルネットワーク学習ステップ117と、全実験回数0設
定ステップ118とを含んでいる。
【0022】図4を参照すると、材料モデル計算装置3
の処理は、学習データおよびテストデータ読込みステッ
プ201と、結合係数およびオフセット初期化ステップ
202と、学習データのニューラルネットワークへの入
力ステップ203と、中間層および出力層誤差計算ステ
ップ204と、結合係数およびオフセット更新ステップ
205と、テストデータによる学習結果テストステップ
206と、収束判定および繰り返し回数判定ステップ2
07とからなる。
【0023】図5を参照すると、最適化計算装置4の処
理は、配合パラメータ初期値設定ステップ301と、目
的関数および制約条件の初期値演算ステップ302と、
配合パラメータカウンタ初期化ステップ303と、配合
パラメータ変化ステップ304と、目的関数および制約
条件演算ステップ305と、感度演算ステップ306
と、配合パラメータカウンタインクリメントステップ3
07と、全配合パラメータ終了判定ステップ308と、
配合パラメータ変化量予測ステップ309と、配合パラ
メータ更新および目的関数演算ステップ310と、目的
関数収束判定ステップ311と、最適配合パラメータ決
定ステップ312とを含んでいる。
【0024】次に、このように構成された本実施の形態
に係る多成分系材料最適化解析装置の動作について、多
成分系材料最適化解析方法とともに説明する。
【0025】まず、設計者は、最適化項目入力装置1を
用いて、多成分系材料のどの構成成分の配合パラメータ
i (i=1〜N)を変化させて、どのような物理量を
目的関数OBJとして、どの程度の実験回数(最大実験
回数Mmax )以内で最適配合パラメータXi OPT (i=
1〜N)を決定したいかを設定する(ステップ10
1)。最大実験回数Mmax は、実験にかかる費用および
最適配合を求めるのに要する期間等によって定められる
定数である。
【0026】次に、設計者は、最適化項目入力装置1を
用いて、ステップ101で設定した配合パラメータXi
(i=1〜N)のとりうる範囲Xi L ≦Xi ≦X
i U (i=1〜N)を設定する(ステップ102)。な
お、目的関数OBJに設定した物理量以外の物理量のと
りうる範囲を必要に応じて任意に設定することもでき
る。
【0027】続いて、設計者は、実験回数カウンタMを
0、ループカウンタhを1に初期化した後に(ステップ
103)、ステップ101で設定した配合パラメータX
i (i=1〜N)および目的関数OBJに選ぶ物理量に
関して過去の実験データを利用できるかどうかをデータ
ベース(図示せず)を参照して判断する(ステップ10
4)。
【0028】過去の実験データを利用できない場合、設
計者は、ステップ105に制御を移し、過去の実験デー
タを利用できる場合はステップ116に制御を移す。
【0029】ステップ105では、設計者は、実験デー
タ入力装置2を用いて、各配合パラメータXi (i=1
〜N)をどのように変化させて実験を行うかを実験計画
する。このときに、直交表または最適実験計画を用いて
実験に用いる構成成分の配合パラメータXi (i=1〜
N)を決定する(Box and Draper;”E
mprical Model Building an
d ResponseSurfaces”,p105〜
127およびp477〜501,JhonWiley
& Sons,1987参照)。
【0030】次に、設計者は、実験データ入力装置2を
用いて、ステップ106で決定した実験計画に沿って多
成分系材料の各構成成分を配合し、得られた多成分系材
料の物理量を測定する実験を行う(ステップ106)。
このときの全実験回数をnh回であるとする。例えば、
直交表L27の場合は、nh =27回の実験が必要にな
り、最適実験計画の場合は、nh を任意に選ぶことがで
きる。
【0031】続いて、設計者は、材料モデル計算装置3
を用いて、入力層を多成分系材料の各構成成分の配合パ
ラメータXi (i=1〜N)、出力層を多成分系材料の
物理量として、ニューラルネットワークでの学習を行う
(ステップ107)。
【0032】詳しくは、材料モデル計算装置3は、多成
分系材料の各構成成分の種類,各構成成分の配合パラメ
ータXi (i=1〜N)および物理量(実験値)からな
る数百ないしは数千件の学習データおよびテストデータ
を読み込む(ステップ201)。また、材料モデル計算
装置3は、ニューラルネットワークの結合係数Wji,V
kjおよびオフセットθj ,γk を初期化する(ステップ
202)。
【0033】次に、材料モデル計算装置3は、1件の学
習データの配合パラメータXi (i=1〜N)をニュー
ラルネットワークに入力し(ステップ203)、当該学
習データの物理量を参照してニューラルネットワークの
中間層および出力層における誤差を計算し(ステップ2
04)、学習データの物理量に近い出力Ok が得られる
ように結合係数Wji,Vkjおよびオフセットθj ,γk
を更新する(ステップ205)。
【0034】続いて、材料モデル計算装置3は、テスト
データの配合パラメータXi (i=1〜N)をニューラ
ルネットワークに入力して学習結果のテストを行う(ス
テップ206)。
【0035】次に、材料モデル計算装置3は、ニューラ
ルネットワークの出力Ok にテストデータの物理量に近
い物理量が得られるかどうかの収束判定を行うとともに
繰り返し回数を判定し(ステップ207)、収束してお
らずかつ繰り返し回数に到達していなければステップ2
03に制御を戻し、収束するかまたは繰り返し回数に達
していれば処理を終了する。
【0036】ニューラルネットワークでの学習が終了す
ると、設計者は、最適化計算装置4を用いて、目的関数
OBJを最適化する最適配合パラメータXi OPT (i=
1〜N)の計算を行う(ステップ108)。
【0037】詳しくは、最適化計算装置4は、配合パラ
メータXi (i=1〜N)の初期値を設定する(ステッ
プ301)。
【0038】続いて、最適化計算装置4は、ステップ3
01で初期値として設定した配合パラメータXi (i=
1〜N)を入力としてニューラルネットワークで計算さ
れた材料モデルによる想起を実行し、配合パラメータX
i (i=1〜N)に対応した物理量を予測し、その結果
を用いて目的関数OBJの初期値および制約条件Gの初
期値を演算する(ステップ302)。
【0039】次に、最適化計算装置4は、配合パラメー
タカウンタiを1に初期化した後(ステップ303)、
ステップ301で設定された配合パラメータXi を各々
ΔXi ずつ変化させる(ステップ304)。
【0040】続いて、最適化計算装置4は、配合パラメ
ータXi をΔXi 変化させた後の目的関数OBJおよび
制約条件Gをニューラルネットワークで計算された材料
モデルによる想起を実行して演算する(ステップ30
5)。
【0041】次に、最適化計算装置4は、数2および数
3に従って、配合パラメータXi の単位変化量に対する
目的関数OBJの変化量の割合である目的関数OBJの
感度dOBJ/dXi および配合パラメータXi の単位
変化量に対する制約条件Gの変化量の割合である制約条
件Gの感度dG/dXi をニューラルネットワークで計
算された材料モデルによる想起を実行して各配合パラメ
ータXi 毎に演算する(ステップ306)。
【0042】
【数2】
【0043】
【数3】
【0044】これらの感度dOBJ/dXi およびdG
/dXi によって、配合パラメータXi をΔXi 変化さ
せたときに目的関数OBJがどの程度変化するかを予測
することができる。
【0045】次に、最適化計算装置4は、配合パラメー
タカウンタiを1つインクリメントした後(ステップ3
07)、全ての配合パラメータXi (i=1〜N)につ
いて演算が終了したか否かを判断し(ステップ30
8)、全ての配合パラメータXi(i=1〜N)につい
て演算が終了していない場合には、ステップ304から
ステップ308を繰り返し実行する。
【0046】全ての配合パラメータXi (i=1〜N)
について演算が終了すると、最適化計算装置4は、ニュ
ーラルネットワークで計算された材料モデルによる想起
を実行して求めた感度dOBJ/dXi (i=1〜N)
および感度dG/dXi (i=1〜N)を用いて、数理
計画法等の最適化手法により制約条件Gを満たしながら
目的関数OBJを最小にする配合パラメータXi (i=
1〜N)の変化量を予測する(ステップ309)。
【0047】次に、最適化計算装置4は、予測された配
合パラメータXi (i=1〜N)の変化量を用いて、各
配合パラメータXi (i=1〜N)を更新するととも
に、更新した配合パラメータXi (i=1〜N)を入力
としてニューラルネットワークで計算された材料モデル
による想起を実行して目的関数OBJを演算する(ステ
ップ310)。
【0048】続いて、最適化計算装置4は、ステップ3
10で演算した目的関数OBJとステップ302で演算
した目的関数OBJとの差と、あらかじめインプットさ
れたしきい値とを比較することで目的関数OBJが収束
したか否かを判定し(ステップ311)、目的関数OB
Jが収束していない場合にはステップ309で予測され
た変化量を加味した配合パラメータXi (i=1〜N)
をあらたな初期値として、ステップ303からステップ
311を繰り返し実行する。
【0049】ステップ311で目的関数OBJが収束し
たと判断されたときには、最適化計算装置4は、ステッ
プ302で初期値として設定した配合パラメータXi
ら出発して制約条件Gを満たしながら目的関数OBJを
最適化する最適配合パラメータXi OPT (i=1〜N)
を決定する(ステップ312)。なお、最適配合パラメ
ータXi OPT (i=1〜N)は、次の2点を考慮して求
める。目的関数OBJが小さい値を有する(目的関数
OBJに選んだ物理量が小さい方が良いように設定、大
きい方が良い場合にはマイナスの符号を付けて対応す
る)。求められた配合の囲りで配合パラメータXi
少し動かしても目的関数OBJおよび制約条件Gが余り
変化しない。
【0050】最適化計算装置4による最適化計算が終了
すると、設計者は、実験回数カウンタMにステップ10
6で行った全実験回数nh を加えた後(ステップ10
9)、実験回数カウンタMがステップ101で設定した
最大実験回数Mmax より小さいかどうかを判定する(ス
テップ110)。実験回数カウンタMが最大実験回数M
max より小さい場合には、設計者は、ループカウンタh
を1つインクリメントした後(ステップ111)、最適
化項目入力装置1を用いて、配合パラメータXi(i=
1〜N)のとりうる範囲Xi L ≦Xi ≦Xi U (i=1
〜N)を再設定し(ステップ112)、ステップ105
に制御を戻す。もっと実験点を増やすことが可能な場合
には、設計者は、ステップ108で求められた最適配合
パラメータXi OPT (i=1〜N)の周囲で配合パラメ
ータXi (i=1〜N)のとりうる範囲Xi L ≦Xi
i U を狭めた領域で再実験の実験計画を行い(ステッ
プ106)、最終的に、決定される最適配合パラメータ
i OPT (i=1〜N)の精度を向上させることができ
る。
【0051】一方、ステップ110で実験回数カウンタ
Mが最大実験回数Mmax 以上の場合、設計者は、最適化
結果出力装置5を用いて、最後に得られた最適配合パラ
メータXi OPT (i=1〜N)を出力する(ステップ1
13)。
【0052】次に、設計者は、最適化結果出力装置5を
用いて、データベースを参照して過去の実験データ内に
同様な配合パラメータXi (i=1〜N)があるかどう
かを判断し(ステップ114)、あった場合には、ただ
ちに処理を終了し、ない場合には、最適配合パラメータ
i OPT (i=1〜N)となるように各構成成分を配合
し、得られた多成分系材料の物理量を測定する実験を行
い、実験データをデータベースに登録する(ステップ1
15)。
【0053】他方、ステップ104で過去の実験データ
を利用できる場合には、設計者は、実験データ入力装置
2を用いて、ステップ101で設定した配合パラメータ
i(i=1〜N)および目的関数OBJに関連した過
去の配合パラメータXi (i=1〜N)および物理量の
実験データを読み込む(ステップ116)。
【0054】次に、設計者は、ステップ107と同様
に、材料モデル計算装置3を用いて、入力層を多成分系
材料の各構成成分の配合パラメータXi (i=1〜
N)、出力層を多成分系材料の物理量としてニューラル
ネットワークでの学習を行う(ステップ117)。
【0055】ニューラルネットワークでの学習が終了す
ると、設計者は、全実験回数nh を0とした後(ステッ
プ118)、ステップ108に制御を移す。
【0056】以下、ステップ104で過去の実験データ
を利用できない場合と同様に処理が行われる。
【0057】なお、上記実施の形態では、非線形化予測
手法としてニューラルネットワークを用いて材料モデル
を作成したが、ファジィ等の他の非線形化予測手法を用
いるようにすることもできる。
【0058】また、上記実施の形態では、多成分系材料
の最適配合を直接的に生成するようにしたが、多成分系
材料の構成成分の粒径,粒径比等のさらに抽象的な情報
が得られるようにすることもできる。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の多成分系
材料最適化解析装置によれば、関数型を仮定することな
しに、3ケ以上の構成成分の配合パラメータおよび制約
条件と多成分系材料の物理量とに関する実験データを学
習しながら相互の関係を見出すことができる非線形化予
測手法による材料モデル計算手段と、材料モデル計算手
段で計算された材料モデルに基づいて最適化手法を用い
て目的にあった多成分系材料の構成成分の配合パラメー
タを計算する最適化計算手段とを組み合わせて材料最適
設計案を出力するようにしたので、3ケ以上の構成成分
の配合パラメータおよび制約条件と多成分系材料の物理
量との関係を容易に見出すことができるとともに、材料
モデルの精度が良く、有効性のある材料最適化設計案が
出力できるという効果がある。
【0060】また、本発明の多成分系材料最適化解析方
法によれば、関数型を仮定することなしに、3ケ以上の
構成成分の配合パラメータおよび制約条件と多成分系材
料の物理量とに関する実験データを学習しながら相互の
関係を見出すことができる非線形化予測手法による材料
モデル計算ステップと、材料モデル計算ステップで計算
された材料モデルに基づいて最適化手法を用いて目的に
あった多成分系材料の構成成分の配合パラメータを計算
する最適化計算ステップとを組み合わせて材料最適設計
案を出力するようにしたので、3ケ以上の構成成分の配
合パラメータおよび制約条件と多成分系材料の物理量と
の関係を容易に見出すことができるとともに、材料モデ
ルの精度が良く、有効性のある材料最適化設計案が出力
できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る多成分系材料最適
化解析装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1中の材料モデル計算装置の構成を説明する
模式図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係る多成分系材料最適
化解析方法の手順を示すフローチャートである。
【図4】図1中の材料モデル計算装置における処理を示
すフローチャートである。
【図5】図1中の最適化計算装置における処理を示すフ
ローチャートである。
【符号の説明】
1 最適化項目入力装置 2 実験データ入力装置 3 材料モデル計算装置 4 最適化計算装置 5 最適化結果出力装置 101 配合パラメータ,目的関数および最大実験回数
設定ステップ 102 配合パラメータ範囲設定ステップ 103 カウンタ初期化ステップ 104 過去実験データ利用可能判定ステップ 105 実験計画ステップ 106 物理量実験ステップ 107 ニューラルネットワーク学習ステップ 108 最適化計算ステップ 109 実験回数カウンタ加算ステップ 110 最大実験回数到達判定ステップ 111 ループカウンタインクリメントステップ 112 配合パラメータ範囲再設定ステップ 113 最適配合パラメータ出力ステップ 114 同一配合有無判定ステップ 115 物理量実験およびデータベース登録ステップ 116 過去配合パラメータおよび物理量読込みステッ
プ 117 ニューラルネットワーク学習ステップ 118 全実験回数0設定ステップ
【数4】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 材料設計の目的関数となる物理量と、制
    約条件としての構成成分の配合パラメータの範囲とを定
    める最適化項目入力手段と、 非線形化予測手法によって多成分系材料の構成成分の配
    合パラメータおよび制約条件とその物理量とを関係づけ
    る材料モデルを計算する材料モデル計算手段と、 この材料モデル計算手段による計算結果の材料モデルお
    よび前記最適化項目入力手段により入力された項目に基
    づいて最適化手法を用いて目的にあった多成分系材料の
    構成成分の配合パラメータを計算する最適化計算手段と
    を具備することを特徴とする多成分系材料最適化解析装
    置。
  2. 【請求項2】 材料設計の目的関数となる物理量と、制
    約条件としての構成成分の配合パラメータの範囲とを定
    める最適化項目入力ステップと、 非線形化予測手法によって多成分系材料の構成成分の配
    合パラメータおよび制約条件とその物理量とを関係づけ
    る材料モデルの計算ステップと、 この材料モデル計算ステップによる計算結果の材料モデ
    ルおよび前記最適化項目入力ステップにより入力された
    項目に基づいて最適化手法を用いて目的にあった多成分
    系材料の構成成分の配合パラメータを計算する最適化計
    算ステップとを含むことを特徴とする多成分系材料最適
    化解析方法。
JP22586396A 1996-08-08 1996-08-08 多成分系材料最適化解析装置および方法 Pending JPH1055348A (ja)

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