JP2021026739A - 物性データ予測方法及び装置物性データ予測装置 - Google Patents

物性データ予測方法及び装置物性データ予測装置 Download PDF

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Abstract

【課題】複数の原材料を組み合わせて配合した未加硫ゴム組成物から作製される加硫ゴム組成物の物性データの値を、原材料の配合比率の値を用いて精度よく予測する。【解決手段】加硫ゴム組成物に関する物性データの値を学習用出力データとし、前記加硫ゴム組成物における前記原材料の前記配合比率の情報と、前記加硫ゴム組成物の加工条件の情報と、を学習用入力データとして用いてコンピュータ内の予測モデルに機械学習させる。学習用入力データとして用いる配合比率の値は、用意された学習用オリジナルデータ中の前記原材料の配合比率の値を、前記原材料毎に、前記複数の加硫ゴム組成物における該原材料の配合比率のうちの最大配合比率と最小配合比率との間で規格化した値である。予測モデルを用いて予測対象加硫ゴム組成物の物性データの値を予測する時に用いる構成原材料の配合比率の値も、前記最大配合比率と前記最小配合比率とを用いて規格化した値である。【選択図】図1

Description

本発明は、加硫ゴム組成物の物性データの値を予測する物性データ予測方法及び装置物性データ予測装置に関する。
近年、コンピュータに機械学習をさせて、入力されたデータから種々の予測を行う技術が活発に提案されている。複数のゴム材料、充填材、及びオイル等を原材料として配合して作製される加硫ゴム組成物についても、その物性データの値を予測することを、上記技術に適用することが考えられる。
従来より、複数のゴム材料、充填材、及びオイル等を試行錯誤により配合して加硫ゴム組成物を試作して物性データを実験して計測することが行われている。このため、加硫ゴム組成物の配合情報と物性データの値とを紐付けたデータが多数蓄積されている。この蓄積データを活用して、コンピュータに機械学習させて、物性データの値を予測することができる。
例えば、ニューラルネットワークの手法を用いて、設計・配合等の実験データの要因群と特性群との写像関係を学習し、要因条件から特性値を推定するとともに、任意の特性データに対して、それを作り出す要因データの最適値を効率的にかつ容易に求める方法を提供する技術が知られている(特許文献1)。
特開2003−58582号公報
この技術におけるニューラルネットワークの学習では、用意した学習用オリジナルデータを全て一律に読み取って複数の学習データに用いる。例えば、複数の学習データとして、加硫ゴム組成物の原材料の配合比率の情報と物性データの値とを紐付けた多数の蓄積された実験データが用いられる。
蓄積される加硫ゴム組成物における配合比率は、加硫ゴム組成物の全質量に対して、ゴム材料のように配合比率が数10%となるような原材料の他、加硫促進剤やオイル等の可塑剤のように配合比率が1%未満となるような原材料も含まれる。実際に、配合比率が1%未満となるような原材料であっても、物性データの値に大きく貢献する場合もある。機械学習をした予測モデルでは、配合比率が低い原材料であっても、物性データの値に大きく貢献して、物性データの値を予測することが期待される。
しかし、実際にオリジナルデータを学習用データとして機械学習させた予測モデルでは、上記期待に十分に応えることはできず、依然として、配合比率が低い原材料の物性データの値に対する寄与は小さくなるように学習される場合が多い。
そこで、本発明は、予め設定された複数の原材料を組み合わせて配合した未加硫ゴム組成物から作製される加硫ゴム組成物の物性データの値を、コンピュータに予測させる際に、精度よく加硫ゴム組成物の物性データの値を予測させることができる物性データ予測方法及び物性データ予測装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、予め設定された複数の原材料を組み合わせて配合した未加硫ゴム組成物から作製される加硫ゴム組成物の物性データの値を、コンピュータに予測させる物性データ予測方法である。当該予測方法は、
加硫ゴム組成物に用いる複数の原材料を、配合比率を変更することにより作製される複数の加硫ゴム組成物に関する物性データの値を学習用出力データとし、前記加硫ゴム組成物における前記原材料それぞれの前記配合比率の情報と、加硫ゴム組成物を作製するときの加工条件の情報と、を学習用入力データとする学習データを用いて、前記物性データの値と前記配合比率の情報及び前記加工条件の情報との間の関係をコンピュータ内の予測モデルに機械学習させるステップと、
予測対象加硫ゴム組成物の加硫前の未加硫ゴム組成物を構成する構成原材料の配合比率の情報と、前記予測対象加硫ゴム組成物を作製するときの加工条件の情報の入力を受け、入力された前記配合比率の情報及び前記加工条件の情報を用いて前記予測対象加硫ゴム組成物の物性データの値を前記予測モデルに予測させるステップと、を備える。
前記学習用入力データとして用いる前記配合比率の情報は、予め用意された学習用オリジナルデータ中の前記原材料の配合比率を、前記原材料毎に、前記複数の加硫ゴム組成物における該原材料の配合比率のうちの最大配合比率と最小配合比率との間で規格化した値であり、
前記予測対象加硫ゴム組成物の物性データの値を予測する時に用いる前記構成原材料の配合比率の情報も、前記最大配合比率と前記最小配合比率との間で規格化した値である。
前記複数の加硫ゴム組成物は、前記学習用オリジナルデータ中の同じ加硫ゴム組成物内における原材料の配合比率の最小値が、前記原材料の配合比率の最大値の10%以下となる配合比率を有する加硫ゴム組成物を少なくとも1つ含む、ことが好ましい。
前記学習用入力データ及び前記学習用オリジナルデータは、原材料の名称毎の配合比率の情報を備え、
前記学習用入力データで定められる前記原材料の名称の少なくとも1つは、前記学習用オリジナルデータで定められている複数の原材料の名称を、原材料の材料特性が同一である条件を満足するか否かの判定に基づいて1つの名称に統合した名称であり、前記原材料の名称の前記少なくとも1つにおける配合比率の値は、統合した複数の原材料の名称に対応する配合比率の値の合算値であり、
前記構成原材料の名称の少なくとも1つは、複数の構成原材料の名称を、構成原材料の材料特性が前記条件を満足するか否かに基づいて1つの名称に統合した名称であり、前記構成原材料の名称の前記少なくとも1つにおける配合比率の値は、統合した複数の構成原材料の配合比率の値の合算値である、ことが好ましい。
前記原材料特性は、異なる複数種類の原材料物性値を含み、
前記条件は、前記原材料あるいは前記構成原材料における前記原材料物性値の近似度が所定の値以上であることを含む、ことが好ましい。
前記学習用オリジナルデータに用いた前記原材料、及び前記予測対象加硫ゴム組成物における前記構成原材料は、複数の化学組成物の混合物であり、
前記原材料特性は、化学組成物の組成比率であり、
前記条件は、前記原材料あるいは前記構成原材料における前記組成比率の近似度が所定の値以上であることを含む、ことが好ましい。
本発明の一態様は、予め設定された複数の原材料を組み合わせて配合した未加硫ゴム組成物から作製される加硫ゴム組成物の物性データの値を予測する、コンピュータで構成された物性データ予測装置である。当該物性データ予測装置は、
加硫ゴム組成物に用いる複数の原材料を、配合比率を変更することにより作製される複数の加硫ゴム組成物に関する物性データの値を学習用出力データとし、前記加硫ゴム組成物における前記原材料それぞれの前記配合比率の情報と、加硫ゴム組成物を作製するときの加工条件の情報と、を学習用入力データとする学習データを用いて、前記物性データの値と前記配合比率の情報及び前記加工条件の情報との間の関係を予測モデルに機械学習させる機械学習部と、
予測対象加硫ゴム組成物の加硫前の未加硫ゴム組成物を構成する構成原材料の配合比率の情報と、前記予測対象加硫ゴム組成物を作製するときの加工条件の情報の入力を受け、入力された前記配合比率の情報及び前記加工条件の情報を用いて前記予測対象加硫ゴム組成物の物性データの値を前記予測モデルに予測させる予測部と、
予め用意された学習用オリジナルデータ中の前記原材料の配合比率を、前記原材料毎に、前記複数の加硫ゴム組成物における該原材料の配合比率のうちの最大配合比率と最小配合比率との間で規格化した値を前記学習用入力データの前記配合比率の情報として作成し、さらに、入力された前記構成原材料の配合比率を、前記最大配合比率と前記最小配合比率とを用いて規格化した値を、前記構成原材料の配合比率の情報として作成する前処理部と、
を備える。
上述の物性データ予測方法及び物性データ予測装置によれば、加硫ゴム組成物の物性データの値を、コンピュータに精度よく予測させることができる。
一実施形態のコンピュータによる物性データ予測方法の一例を示す図である。 一実施形態の物性データ予測装置の主な構成の一例を説明する図である。 一実施形態の物性データ予測方法で用いる規格化前の原材料の配合比率の例を示す図である。 図3に示す配合比率を規格化した結果の例を示す図である。 一実施形態の物性データ予測方法で用いる予測対象加硫ゴム組成物における構成原材料の組成と、学習用オリジナルデータで用いる原材料の組成の一例を示す図である。
以下、一実施形態の物性データ予測方法及び装置物性データ予測装置について詳細に説明する。
一実施形態の物性データ予測方法は、コンピュータに、複数の加硫ゴム組成物に関する物性データの値と要因データとの関連付けを機械学習させ、機械学習したコンピュータの予測モデルを用いて、予測対象加硫ゴム組成物の物性データの値を予測する方法である。
図1は、コンピュータの物性データ予測方法の一例を示す図である。図2は、物性データ予測方法を行う一実施形態の物性データ予測装置の主な構成の一例を示す図である。物性データ予測装置100は、CPU102及びメモリ104を備えるコンピュータで構成される。物性データ予測装置100は、メモリ104に記憶するプログラムを起動することにより、機能を発揮する前処理部106、機械学習部108、及び予測部110をソフトウェアモジュールとして少なくとも形成する。物性データ予測装置100は、図示されないディスプレイと接続され、さらに、マウス及びキーボードを含む入力操作デバイスと接続されている。
物性データ予測装置100の前処理部106は、機械学習のために、図1に示すように、加硫ゴム組成物の物性データの値と、加硫ゴム組成物を構成する原材料それぞれの配合比率の情報及び硫ゴム組成物を作製するときの加工条件の情報とを組として、複数の加硫ゴム組成物の組を含んだ学習用オリジナルデータを取得する(図1 ST10)。すなわち、学習用オリジナルデータは、加硫ゴム組成物に用いる複数の原材料を、配合比率を変更することにより作製される複数の加硫ゴム組成物に関する物性データの値と、この加硫ゴム組成物における原材料それぞれの配合比率の情報と、この加硫ゴム組成物を作製するときの加工条件の情報と、を組として多数含むデータである。このような学習用オリジナルデータは、メモリ104に記憶保持されている。あるいは、学習用オリジナルデータは、加硫ゴム組成物の情報(配合比率及び加工条件)と対応させて、実験により得られた物性データの値を含む実験データを多数蓄積保存したデータライブラリから、物性データ予測装置100に転送されたものであってもよい。
配合比率の情報は、加硫ゴム組成物における原材料それぞれの名称と、原材料それぞれの配合比率の値を含む。加工条件とは、例えば、未加硫ゴムを含む原材料を混ぜる混合機械装置の種類、混合する際の温度、混合する機械の混合回転数、混合圧力、及び、混合する機械への原材料の投入量合計量、を少なくとも1つ含む混合処理条件、あるいは、混合した未加硫ゴムを加硫するときの加硫温度、加硫時間、を少なくとも1つ含む加硫条件を含む。加硫ゴム組成物に関する物性データは、例えば、ゴム弾性、tanδ、比重、ムーニービス粘度、ムーニースコーチ、レオメータ測定結果、リュプケJIS硬度、モジュラス、破断強度、破断エネルギ、フィラー分散度、反撥弾性係数、定歪試験結果、摩耗試験結果、疲労試験結果、及びクラック成長特性の少なくとも1つを含む。
次に、前処理部106は、上記学習用オリジナルデータの各原材料の配合比率を、原材料毎に、複数の加硫ゴム組成物における原材料の配合比率のうちの最大配合比率と最小配合比率との間で規格化し、この規格化した値を含む原材料の情報と、加工条件の情報と、物性データの値を組とした学習用データを作成する(図1 ST12)。
図3は、一実施形態の物性データ予測方法で用いる規格化前の原材料の配合比率の例を示す図である。図4は、図3に示す配合比率を規格化した結果の例を示す図である。図3、図4では、加工条件の情報及び物性データの値の情報は示されていない。
図3及び図4において、加硫ゴム組成物は、原材料A〜Hで構成されている。原材料Aは例えばSBR(スチレンブタジエンゴム)、原材料Bは例えばカーボンブラック、原材料Cは例えば亜鉛華、原材料Dは例えばステアリン酸、原材料Eは例えば老化防止剤、原材料F例えばはプロセスオイル、配合剤Gは例えば硫黄、配合剤Hは例えば加硫促進剤である。
このように、複数の加硫ゴム組成物の原材料の配合比率は、原材料ごとに、最大配合比率と最小配合比率によって規格化されるので、最大配合比率の値を規格化により1とし、最小配合比率の値を規格化により0とした場合、配合比率の値は0〜1の範囲に設定される。このため、1つの加硫ゴム組成物の配合比率の中で、他の原材料の配合比率に比べて極端に小さい配合比率であっても、その値は大きくなる。
次に、機械学習部108は、加硫ゴム組成物に関する物性データの値を学習用出力データとし、加硫ゴム組成物における原材料それぞれの配合比率の値を規格化した配合比率の情報と、加工条件それぞれの情報と、を学習用入力データとする学習データを用いて、配合比率の情報及び加工条件の情報と、物性データの値との間の関係を、コンピュータ内の予測部110内にある予測モデルに機械学習させる(図1 ST14)。予測モデルの機械学習として、例えば、ニューラルネットワークによる深層学習(ディープラーニング)が用いられる。また、木構造を利用したランダムフォレストを用いることができる。モデルは、畳み込むニューラルネットワーク、スタッグドオートエンコーダ等、公知のモデルを用いることができる。こうして、予測モデルの機械学習は完了する。
前処理部106は、予測対象加硫ゴム組成物の加硫前の未加硫ゴム組成物を構成する構成原材料の配合比率の情報と、予測対象加硫ゴム組成物を作製するための加工における加工条件の情報の入力を受けると、予測対象加硫ゴム組成物の構成原材料の配合比率を、上述の原材料毎の規格化の処理にしたがって規格化する(図1 ST16)。すなわち、予測対象加硫ゴム組成物の構成原材料の配合比率の値も、上記最大配合比率と上記最小配合比率とを用いて規格化される。構成原材料の配合比率の値は、上述の最大配合比率及び最小配合比率の値の範囲から外れる場合もある。この場合、規格化した配合比率の値は、1より大きく、また、0より小さい値になる。しかし、このような値であっても、予測モデルは、物性データの値を予測することができる。
次に、予測部110は、予測対象加硫ゴム組成物の構成原材料の規格化した配合比率の値と、予測対象加硫ゴム組成物を作製するための加工条件と、を用いて、予測対象加硫ゴム組成物の物性データの値を予測モデルに予測させる(図1 ST18)。
このように、予測モデルが機械学習をするときの学習用データは、学習用オリジナルデータそのものではなく、学習用入力データとして用いる配合比率の値は、予め用意されたオリジナルデータ中の原材料の配合比率を、原材料毎に、複数の加硫ゴム組成物における原材料の配合比率のうちの最大配合比率と最小配合比率との間で規格化した値である。また、予測対象加硫ゴム組成物の物性データの値を予測する時に用いる構成原材料の配合比率の値も、上記最大配合比率と上記最小配合比率とを用いて規格化した値である。このため、物性データの値に大きく貢献する原材料の配合比率が低くても、原材料の配合比率を同じ原材料で規格化することにより、規格後の配合比率の値を大きく設定することができ、物性データの値を精度よく予測することができる。
一実施形態によれば、学習用オリジナルデータに用いられる複数の加硫ゴム組成物は、学習用オリジナルデータ中の同じ加硫ゴム組成物内における原材料の配合比率の最小値が、原材料の配合比率の最大値の10%以下、さらには、1%以下となる配合比率を有する加硫ゴム組成物を少なくとも1つ含んでもよい。このような場合でも、原材料の配合比率の最小値を、規格化により大きな値に設定することができるので、物性データの値を精度よく予測することができる。
上記実施形態では、同じ原材料内で配合比率の値を規格化するので、異なる原材料とされているものが本来同一の原材料であるとみなすべきか否かを判定し、同じ原材料であると判定する場合、原材料を1つに統合することが好ましい。したがって、一実施形態によれば、学習用入力データ及び学習用オリジナルデータが、原材料の名称毎の配合比率の情報を備える場合、学習用入力データで定められる原材料の名称の少なくとも1つは、学習用オリジナルデータで定められている複数の原材料の名称を、原材料の材料特性が同一である条件を満足するか否かの判定に基づいて1つの名称に統合した名称であり、原材料の名称の少なくとも1つにおける配合比率の値は、統合した複数の原材料の名称に対応する配合比率の値の合算値であることが好ましい。この場合、予測対象加硫ゴム組成物における構成原材料の名称の少なくとも1つも、複数の構成原材料の名称を、構成原材料の材料特性が上述の条件を満足するか否かに基づいて1つの名称に統合した名称であり、構成原材料の名称の少なくとも1つにおける配合比率の値は、統合した複数の構成原材料の名称に対応する配合比率の値の合算値である、ことが好ましい。
上述の原材料特性が異なる複数種類の原材料物性値を含む場合、一実施形態によれば、上述の同一である条件は、原材料あるいは構成原材料における原材料物性値の近似度が所定の値以上であることを含むことが好ましい。近似度が所定の値以上であることは、例えば、同一か否かを比較する比較対象の原材料物性値同士の比が所定の閾値以上であることを含み、複数の原材料物性値がある場合、同一か否かを比較する比較対象の原材料物性値毎の比がいずれも所定の閾値以上であることを含み、さらに、上記比に代えて、相関係数が所定の閾値以上であることも含む。
また、学習用オリジナルデータに用いた原材料、及び予測対象加硫ゴム組成物における構成原材料が、複数の化学組成物の混合物である場合、原材料特性は、化学組成物の組成比率であってもよい。この場合、上述の同一である条件は、原材料あるいは構成原材料における組成比率の近似度が所定の値以上であることを含む、ことが好ましい。近似度が所定の値以上であることは、例えば、同一か否かを比較する比較対象の組成比率同士の比が所定の閾値以上であることを含み、複数の原材料物性値がある場合、同一か否かを比較する比較対象の組成比率同士の比がいずれも所定の閾値以上であることを含み、さらに、上記比に代えて、相関係数が所定の閾値以上であることを含む。
図5は、予測対象加硫ゴム組成物における構成原材料Aの組成と、学習用オリジナルデータで用いる原材料B,Cの組成の一例を示す図である。このとき、構成原材料Aと原材料Bの組成比率の相関係数は、(a1・b1+a2・b2+a3・b3+a4・b4)/{(a1+a2+a3+a4(1/2)・(b1+b2+b3+b4(1/2)}であり、構成原材料Aと原材料Cの組成比率の相関係数は、(a1・c1+a2・c2+a3・c3+a4・c4)/{(a1+a2+a3+a4(1/2)・(c1+c2+c3+c4(1/2)}である。構成原材料Aと原材料Bの組成比率の相関係数が、構成原材料Aと原材料Cの組成比率の相関係数に比べて大きく、その値が所定の閾値以上である場合、構成材料Aの名称を原材料Bの名称とする。このように近似度を用いて分類することにより、精度のよい分類ができ、ひいては、加硫ゴム組成物の物性データの値を精度よく予測することができる。
(実施例、比較例)
タイヤに用いるトレッドゴムを加硫ゴム組成物として、上述の物性データ予測方法を行って、その効果を確認した。
トレッドゴムの学習用オリジナルデータの配合比率は、ゴム原材料としてSBRの配合比率、フィラー原材料として1種類のカーボンブラックの配合比率、この他に亜鉛華、ステアリン酸、老化防止剤、プロセスオイル、硫黄、促進剤の配合比率を含んでいる。
学習用オリジナルデータは、加硫ゴム組成物の配合比率の情報及び加工条件の情報と物性データの値との組を1000組含んでいる。
物性データは、20℃における2%伸張時の弾性率、及び20℃における周波数20Hzのtanδ(損失正接)である。
実施例として、配合比率の値を規格化した学習用入力データを作成して、予測モデルに機械学習させた。機械学習した予測モデルに、2つの加硫ゴム組成物の配合比率の情報と加工条件の情報を与えて、物性データの予測値を算出させた。
一方、比較例として、配合比率を規格化することなく、学習用オリジナルデータをそのまま学習用入力データとして、予測モデルに機械学習させた。機械学習した予測モデルに、実施例において用いた2つの予測対象加硫ゴム組成物の配合比率の情報と加工条件の情報を与えて、物性データの予測値を算出させた。物性データの予測値の評価については、予測値の、実験により得られた物性データの実験値に対する比の値で評価した。物性データは、弾性率及びtanδを含むので、弾性率の比及びtanδの比のうち、値が1から大きく離れている方の比を評価値とした。
上述の2つの予測対象加硫ゴム組成物を用いた実施例の評価値は、0.90、0.91であった。一方、上述の2つの予測対象加硫ゴム組成物を用いた比較例の評価値は、0.85、0.88であった。
これより、上述の物性データ予測方法では、精度よく加硫ゴム組成物の物性データの値を予測させることができることがわかる。
以上、本発明の物性データ予測方法及び物性データ予測装置について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更してもよいのはもちろんである。
100 物性データ予測装置
102 CPU
104 メモリ
106 前処理部
108 機械学習部
110 予測部

Claims (6)

  1. 予め設定された複数の原材料を組み合わせて配合した未加硫ゴム組成物から作製される加硫ゴム組成物の物性データの値を、コンピュータに予測させる物性データ予測方法であって、
    加硫ゴム組成物に用いる複数の原材料を、配合比率を変更することにより作製される複数の加硫ゴム組成物に関する物性データの値を学習用出力データとし、前記加硫ゴム組成物における前記原材料それぞれの前記配合比率の情報と、加硫ゴム組成物を作製するときの加工条件の情報と、を学習用入力データとする学習データを用いて、前記物性データの値と前記配合比率の情報及び前記加工条件の情報との間の関係をコンピュータ内の予測モデルに機械学習させるステップと、
    予測対象加硫ゴム組成物の加硫前の未加硫ゴム組成物を構成する構成原材料の配合比率の情報と、前記予測対象加硫ゴム組成物を作製するときの加工条件の情報の入力を受け、入力された前記配合比率の情報及び前記加工条件の情報を用いて前記予測対象加硫ゴム組成物の物性データの値を前記予測モデルに予測させるステップと、を備え、
    前記学習用入力データとして用いる前記配合比率の値は、予め用意された学習用オリジナルデータ中の前記原材料の配合比率を、前記原材料毎に、前記複数の加硫ゴム組成物における該原材料の配合比率のうちの最大配合比率と最小配合比率との間で規格化した値であり、
    前記予測対象加硫ゴム組成物の物性データの値を予測する時に用いる前記構成原材料の配合比率の値も、前記最大配合比率と前記最小配合比率とを用いて規格化した値である、ことを特徴とする物性データ予測方法。
  2. 前記複数の加硫ゴム組成物は、前記学習用オリジナルデータ中の同じ加硫ゴム組成物内における原材料の配合比率の最小値が、前記原材料の配合比率の最大値の10%以下となる配合比率を有する加硫ゴム組成物を少なくとも1つ含む、請求項1に記載の物性データ予測方法。
  3. 前記学習用入力データ及び前記学習用オリジナルデータは、原材料の名称毎の配合比率の情報を備え、
    前記学習用入力データで定められる前記原材料の名称の少なくとも1つは、前記学習用オリジナルデータで定められている複数の原材料の名称を、原材料の材料特性が同一である条件を満足するか否かの判定に基づいて1つの名称に統合した名称であり、前記原材料の名称の前記少なくとも1つにおける配合比率の値は、統合した複数の原材料の名称に対応する配合比率の値の合算値であり、
    前記構成原材料の名称の少なくとも1つは、複数の構成原材料の名称を、構成原材料の材料特性が前記条件を満足するか否かに基づいて1つの名称に統合した名称であり、前記構成原材料の名称の前記少なくとも1つにおける配合比率の値は、統合した複数の構成原材料の名称に対応する配合比率の値の合算値である、請求項1又は2に記載の物性データ予測方法。
  4. 前記原材料特性は、異なる複数種類の原材料物性値を含み、
    前記条件は、前記原材料あるいは前記構成原材料における前記原材料物性値の近似度が所定の値以上であることを含む、請求項3に記載の物性データ予測方法。
  5. 前記学習用オリジナルデータに用いた前記原材料、及び前記予測対象加硫ゴム組成物における前記構成原材料は、複数の化学組成物の混合物であり、
    前記原材料特性は、化学組成物の組成比率であり、
    前記条件は、前記原材料あるいは前記構成原材料における前記組成比率の近似度が所定の値以上であることを含む、請求項3または4に記載の物性データ予測方法。
  6. 予め設定された複数の原材料を組み合わせて配合した未加硫ゴム組成物から作製される加硫ゴム組成物の物性データの値を予測する、コンピュータで構成された物性データ予測装置であって、
    加硫ゴム組成物に用いる複数の原材料を、配合比率を変更することにより作製される複数の加硫ゴム組成物に関する物性データの値を学習用出力データとし、前記加硫ゴム組成物における前記原材料それぞれの前記配合比率の情報と、加硫ゴム組成物を作製するときの加工条件の情報と、を学習用入力データとする学習データを用いて、前記物性データの値と前記配合比率の情報及び前記加工条件の情報との間の関係を予測モデルに機械学習させる機械学習部と、
    予測対象加硫ゴム組成物の加硫前の未加硫ゴム組成物を構成する構成原材料の配合比率の情報と、前記予測対象加硫ゴム組成物を作製するときの加工条件の情報の入力を受け、入力された前記配合比率の情報及び前記加工条件の情報を用いて前記予測対象加硫ゴム組成物の物性データの値を前記予測モデルに予測させる予測部と、
    予め用意された学習用オリジナルデータ中の前記原材料の配合比率を、前記原材料毎に、前記複数の加硫ゴム組成物における該原材料の配合比率のうちの最大配合比率と最小配合比率との間で規格化した値を前記学習用入力データの前記配合比率の情報として作成し、さらに、入力された前記構成原材料の配合比率を、前記最大配合比率と前記最小配合比率とを用いて規格化した値を、前記構成原材料の配合比率の情報として作成する前処理部と、
    を備える、ことを特徴とする物性データ予測装置。

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