JP6645116B2 - タイヤ性能予測方法 - Google Patents

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本発明は、計算に要する時間を短縮することができるタイヤ性能予測方法に関する。
従来、トレッド部を有するタイヤの性能を、コンピュータを用いて予測するためのタイヤ性能予測方法が知られている。例えば、下記特許文献1は、複数の要素に分割したタイヤモデルを設定し、タイヤモデルをコンピュータ上で走行させて歪み履歴を計算するタイヤ性能予測方法を提案している。
特開2012−078252号公報
上記特許文献1は、トレッドパターンの1ピッチに相当する回転角度だけタイヤモデルを回転させ、その時のタイヤ全周にわたる要素の計算をすることで、タイヤ1回転分に相当する計算を行う方法を提案している。この方法は、タイヤを1回転させて計算する方法に比べて、計算時間を短縮している。しかしながら、上記特許文献1では、タイヤモデル全体を回転させて計算していたので、計算する要素数が多く、回転角度を低減させていても、その計算時間が長いものとなっていた。
本発明は、以上のような実状に鑑み案出されたもので、タイヤモデルを、タイヤボディ部モデルにトレッドパターン部モデルを配して設定するとともに、トレッドパターン部モデルのみを回転させてタイヤモデルを走行させることを基本として、計算に要する時間を短縮することができるタイヤ性能予測方法を提供することを主たる目的としている。
本発明は、トレッド部を有するタイヤの性能を、コンピュータを用いて予測するためのタイヤ性能予測方法であって、前記コンピュータに、タイヤ子午線断面における断面形状がタイヤ周方向に同一であるタイヤボディ部モデルを設定するボディ部設定工程と、前記コンピュータに、前記トレッド部のトレッドパターンを含むトレッドパターン部モデルを設定するパターン部設定工程と、前記トレッドパターン部モデルを、前記タイヤボディ部モデルに配してタイヤモデルを設定するタイヤモデル設定工程と、前記コンピュータが、前記タイヤモデルを、予め定めた路面モデル上で走行させ、前記トレッド部のタイヤ性能を計算する計算工程とを含み、前記計算工程は、時間経過に対して共通の前記タイヤボディ部モデルを用い、かつ、前記時間経過とともに前記トレッドパターン部モデルのみを回転方向に変化させて前記タイヤモデルを走行させることを特徴とする。
本発明に係るタイヤ性能予測方法において、前記トレッド部の前記トレッドパターンは、タイヤ周方向に繰り返される単位パターンを含み、前記トレッドパターン部モデルは、前記トレッドパターンからなる第1トレッドパターン部モデルを含み、前記パターン部設定工程では、少なくとも前記単位パターンを含むタイヤ周方向の一部の前記トレッドパターンを前記第1トレッドパターン部モデルとして設定しているのが望ましい。
本発明に係るタイヤ性能予測方法において、記第1トレッドパターン部モデルのタイヤ周方向長さは、タイヤ接地長よりも長いのが望ましい。
本発明に係るタイヤ性能予測方法において、前記第1トレッドパターン部モデルのタイヤ周方向長さは、タイヤ接地長の2倍よりも長いのが望ましい。
本発明に係るタイヤ性能予測方法において、前記計算工程では、前記トレッドパターン部モデルが単位回転角度ずつ回転しており、前記第1トレッドパターン部モデルの離地時の前記単位回転角度は、前記第1トレッドパターン部モデルの接地時の前記単位回転角度よりも大きいのが望ましい。
本発明に係るタイヤ性能予測方法において、前記トレッドパターン部モデルは、リブパターンからなる第2トレッドパターン部モデルをさらに含むのが望ましい。
本発明に係るタイヤ性能予測方法において、前記タイヤボディ部モデルは、タイヤ全周にわたり有限個のボディ部要素に離散化されており、接地部から遠い部位の前記ボディ部要素は、接地部近傍部位の前記ボディ部要素よりも大きいのが望ましい。
本発明のタイヤ性能予測方法では、時間経過に対して共通のタイヤボディ部モデルを用い、かつ、前記時間経過とともにトレッドパターン部モデルのみを回転方向に変化させてタイヤモデルを走行させている。このようなタイヤ性能予測方法は、タイヤボディ部モデルの計算時間が大幅に短縮されるので、走行するタイヤモデルの計算時間を大幅に短縮することができる。
本発明のタイヤ性能予測方法により性能が予測される空気入りタイヤの一実施形態を示す展開図である。 図1のA−A線断面図である。 本発明のタイヤ性能予測方法の一実施形態を示すフローチャートである。 タイヤボディ部モデルを視覚化した斜視図である。 タイヤボディ部モデルを視覚化した側面図である。 トレッドパターン部モデルを視覚化した斜視図である。 タイヤモデルを視覚化した斜視図である。 計算工程のフローチャートである。
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図1は、本実施形態のタイヤ性能予測方法により性能が予測される空気入りタイヤ1のトレッド部2の展開図である。図1に示されるように、空気入りタイヤ1は、例えば、トレッド部2に、タイヤ周方向に連続してのびる複数の主溝3と、複数の主溝3により区分される複数の陸部4とが設けられている。各陸部4には、例えば、複数の横溝5とサイプ6とが設けられている。この空気入りタイヤ1は、例えば、乗用車用空気入りタイヤとして好適に利用され、車両への装着の向きが指定された非対称のトレッドパターンを備える。
空気入りタイヤ1のトレッド部2のトレッドパターンは、例えば、タイヤ周方向に繰り返される単位ピッチ毎の単位パターンPを含んでいる。理解し易いように、図1では、単位パターンPが薄く着色されている。このような空気入りタイヤ1は、タイヤ周方向に周期性を有し、タイヤ周方向の性能差を少なくすることができる。
図2は、図1のトレッド部2のA−A線断面図である。図2に示されるように、各主溝3の深さD1は、慣例に従って種々定めることができる。各主溝3の深さD1は、本実施形態の乗用車用タイヤの場合、例えば、5〜10mm程度とされている。
各横溝5の深さD2及び各サイプ6の深さD3は、各主溝3の深さD1よりも小さく構成されている。各横溝5の深さD2及び各サイプ6の深さD3は、例えば、各主溝3の深さD1の50%〜90%である。
空気入りタイヤ1は、各横溝5の溝底及び各サイプ6の最深部のうち、最も深い部分を滑らかにつないだ境界部7よりもタイヤ径方向の内側領域8と、境界部7よりもタイヤ径方向の外側領域9とに仮想的に区分することができる。内側領域8は、そのタイヤ子午線断面における断面形状がタイヤ周方向に同一である。
次に、このような空気入りタイヤ1の性能を、コンピュータを用いて予測するためのタイヤ性能予測方法が説明される。図3には、本実施形態のタイヤ性能予測方法のフローチャートが示されている。図3に示されるように、本実施形態のタイヤ性能予測方法では、まず、コンピュータに、空気入りタイヤ1の内側領域8をタイヤボディ部モデル10として設定するボディ部設定工程S1が行われる。
ボディ部設定工程S1では、空気入りタイヤ1に関する情報に基づいて、空気入りタイヤ1の内側領域8を数値解析法により取り扱い可能な有限個の小さなボディ部要素11に離散化している。なお、数値解析法としては、例えば有限要素法、有限体積法、差分法又は境界要素法が適宜採用できるが、本実施形態では有限要素法が採用される。
図4には、タイヤボディ部モデル10を視覚化した斜視図が示されている。図4に示されるように、タイヤボディ部モデル10は、例えば、空気入りタイヤ1の内側領域8(図2に示す)が、タイヤ全周にわたり有限個のボディ部要素11に離散化され、3次元的にモデル化されている。理解し易いように、図4では、ボディ部要素11の1つが薄く着色されている。
ボディ部要素11としては、例えば、4面体ソリッド要素、5面体ソリッド要素、又は6面体ソリッド要素等が用いられる。ボディ部要素11には、複数個の節点が設けられる。このような各ボディ部要素11には、要素番号、節点の番号、節点の座標値及び材料特性(例えば密度、ヤング率及び/又は減衰係数等)等の数値データが定義される。
タイヤボディ部モデル10は、内側領域8(図2に示す)と同様に、タイヤ子午線断面における断面形状がタイヤ周方向に同一である。このようなタイヤボディ部モデル10は、後述するように、コンピュータを用いて計算される際に、時間経過に対して共通のタイヤボディ部モデル10を用いることができる。すなわち、タイヤボディ部モデル10は、各節点の座標値等の位置情報を、モデルが回転した場合の時間情報に対応させて計算することができる。このため、タイヤボディ部モデル10は、モデルを時間経過とともに単位回転角度ずつ回転方向に変化させて、その都度計算する必要がなく、計算時間を大幅に短縮することができる。
図5には、タイヤボディ部モデル10を視覚化した側面図が示されている。図5に示されるように、本実施形態のタイヤボディ部モデル10は、計算される際に時間経過に対して共通であるので、接地部は常に同一である。このため、タイヤボディ部モデル10は、接地部近傍の第1部位R1と、第1部位R1の両側に位置する第2部位R2と、接地部から遠い第3部位R3とに区分することができる。
本実施形態の第1部位R1のタイヤ周方向の領域角度θ1は、接地部中心を中心として、40〜70度であるのが好ましい。第1部位R1のタイヤ周方向の分割角度は、好ましくは、1〜2度である。このような第1部位R1のボディ部要素11は、比較的小さいものであるので、タイヤ接地時の変形の影響をより正確に再現することができ、ひいては、計算精度を向上させることができる。
本実施形態の第2部位R2のタイヤ周方向の領域角度θ2は、0〜20度であるのが好ましい。第1部位R1内でタイヤ接地時の変形の影響が十分再現される場合、第2部位R2は、0度、すなわち、設定しなくてもよい。第2部位R2が設定される場合、第2部位R2のタイヤ周方向の分割角度は、好ましくは、3〜5度である。このような第2部位R2のボディ部要素11は、第1部位R1のボディ部要素11よりも大きいので、タイヤ接地時の変形の影響が再現可能であるとともに、要素数を低減することができ、ひいては、計算精度の向上と計算時間の短縮とを両立させることができる。
本実施形態の第3部位R3のタイヤ周方向の領域角度θ3は、250〜300度であるのが好ましい。第3部位R3のタイヤ周方向の分割角度は、好ましくは、6〜25度である。このような第3部位R3のボディ部要素11は、第1部位R1及び第2部位R2のボディ部要素11よりも大きいので、要素数を少なくすることができ、ひいては、計算時間を短縮することができる。
図3に示されるように、本実施形態のタイヤ性能予測方法では、次に、コンピュータに、トレッド部2のトレッドパターンを含むトレッドパターン部モデル12を設定するパターン部設定工程S2が行われる。パターン部設定工程S2では、空気入りタイヤ1に関する情報に基づいて、空気入りタイヤ1の外側領域9を数値解析法(本実施形態では、有限要素法)により取り扱い可能な有限個の小さなトレッドパターン部モデル12に離散化している。
図6には、トレッドパターン部モデル12を視覚化した斜視図が示されている。図6に示されるように、トレッドパターン部モデル12は、例えば、空気入りタイヤ1の外側領域9(図2に示す)が、タイヤ全周にわたり有限個のパターン部要素13に離散化されている。
パターン部要素13としては、ボディ部要素11と同様に、例えば、4面体ソリッド要素、5面体ソリッド要素、又は6面体ソリッド要素等が用いられる。パターン部要素13にも、複数個の節点が設けられる。このような各パターン部要素13にも、要素番号、節点の番号、節点の座標値及び材料特性(例えば密度、ヤング率及び/又は減衰係数等)等の数値データが定義される。
トレッドパターン部モデル12は、タイヤ全周又はタイヤ周方向の一部のトレッドパターンを設定した第1トレッドパターン部モデル14を含んでいる。第1トレッドパターン部モデル14がタイヤ周方向の一部のトレッドパターンを設定している場合、トレッドパターン部モデル12の残りの部分には、例えば、タイヤ周方向に連続するリブパターンを設定した第2トレッドパターン部モデル15をさらに含んでいてもよい。
第1トレッドパターン部モデル14は、少なくとも単位パターンPを含んでいる。理解し易いように、図6では、単位パターンPが薄く着色されている。第1トレッドパターン部モデル14は、好ましくは、複数の単位パターンPが配列されている。このとき、第1トレッドパターン部モデル14は、評価対象となる単位パターンPを中心に、タイヤ周方向の両側に複数の単位パターンPが連なる態様であるのが望ましい。このような第1トレッドパターン部モデル14は、接地時の変形の影響をより正確に再現することができる。
第1トレッドパターン部モデル14は、好ましくは、タイヤ接地長よりも長いタイヤ周方向長さを有する。第1トレッドパターン部モデル14は、より好ましくは、タイヤ接地長の2倍よりも長いタイヤ周方向長さを有する。このような第1トレッドパターン部モデル14は、接地時の変形の影響をより精度よく再現することができる。
第1トレッドパターン部モデル14は、サイプ6(図1に示す)の形状を再現できる程度に小さいパターン部要素13に離散化されているのが望ましい。このような第1トレッドパターン部モデル14は、サイプ6を含むトレッドパターンの形状を精度良く再現することができる。
本実施形態のトレッドパターン部モデル12は、第1トレッドパターン部モデル14と第2トレッドパターン部モデル15とを含んでいる。第2トレッドパターン部モデル15は、トレッド部2のトレッドパターンから横溝5及びサイプ6(図1に示す)を除いたリブパターンとして設定されている。第2トレッドパターン部モデル15のパターン部要素13は、第1トレッドパターン部モデル14のパターン部要素13よりも大きいのが望ましい。このような第2トレッドパターン部モデル15は、計算時間の短縮に貢献し得る。
図3に示されるように、本実施形態のタイヤ性能予測方法では、次に、トレッドパターン部モデル12を、タイヤボディ部モデル10に配してタイヤモデル16を設定するタイヤモデル設定工程S3が行われる。これにより、トレッド部2を含む空気入りタイヤ1が3次元的にモデル化されたタイヤモデル16が設定される。
本実施形態のタイヤモデル16は、後述する計算工程S5において、時間経過とともに位置が変化するトレッドパターン部モデル12を、共通のタイヤボディ部モデル10に配することで、単位回転角度毎に1つのタイヤモデル16が設定されている。すなわち、本実施形態では、時間経過とともにトレッドパターン部モデル12のみを回転方向に変化させた複数のタイヤモデル16を設定することで、タイヤモデル16が走行することを再現している。
ここで、単位回転角度は、評価対象である単位パターンPを含む第1トレッドパターン部モデル14の接地時と離地時とで、異なる角度としてもよい。第1トレッドパターン部モデル14の離地時の単位回転角度は、第1トレッドパターン部モデル14の接地時の単位回転角度よりも大きいのが望ましい。このような単位回転角度は、変形の少ない離地時の計算回数を減少させることができるので、計算時間が短縮され得る。第1トレッドパターン部モデル14の接地時の単位回転角度は、好ましくは、1〜3度であり、第1トレッドパターン部モデル14の離地時の単位回転角度は、好ましくは、10〜50度である。
図7には、タイヤモデル16の一例を視覚化した斜視図が示されている。図7に示されるように、このタイヤモデル16は、タイヤボディ部モデル10とトレッドパターン部モデル12とが、境界面で定義上、移動不能に設定されている。境界面では、例えば、タイヤボディ部モデル10とトレッドパターン部モデル12との共通する節点を固定して設定されている。
図3に示されるように、本実施形態のタイヤ性能予測方法では、次に、単位回転角度毎に設定された各タイヤモデル16等の初期設定を行う初期設定工程S4が実行される。初期設定工程S4では、例えば、路面モデルの設定、境界条件の設定及びタイヤモデル16の内圧付加等が行われる。
路面モデルの設定は、例えば、タイヤモデル16と同様に、評価対象となる路面に関する情報に基づいて、路面を数値解析法(本実施形態では、有限要素法)により取り扱い可能な有限個の路面要素に離散化している。路面モデルとしては、平滑な表面を有するものであるのが望ましいが、アスファルト路面のような微小凹凸、不規則な段差、窪み、うねり又は轍等の実走行路面に近似した凹凸等が設けられていても良い。
境界条件の設定は、例えば、タイヤモデル16の内圧条件、負荷荷重条件、キャンバー角及びタイヤモデル16と路面モデルとの摩擦係数等が設定される。さらに、境界条件としては、走行速度に対応する角速度、並進速度、及び、横力等が設定される。
タイヤモデル16の内圧付加では、例えば、内圧条件の基づいて内圧が充填された後のタイヤモデル16が、各タイヤモデル16毎に計算される。内圧は、例えば、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格が定めている空気圧が設定されるのが望ましい。
本実施形態のタイヤ性能予測方法では、次に、コンピュータが、タイヤモデル16を、初期設定工程S4で予め定めた路面モデル上で走行させ、トレッド部2のタイヤ性能を計算する計算工程S5が行われる。計算工程S5では、評価対象となる単位パターンPのタイヤ性能が計算され、タイヤ周方向に展開されることにより、空気入りタイヤ1のタイヤ性能が計算される。本実施形態では、タイヤ性能として、転がり抵抗が計算されている。
転がり抵抗は、例えば、タイヤモデル16が路面モデル上を1回転することに相当する歪み履歴として計算される。本実施形態では、単位回転角度毎に設定された各タイヤモデル16から歪み履歴が計算され、転がり抵抗が計算される。
図8には、本実施形態の計算工程S5のフローチャートが示されている。図8に示されるように、本実施形態の計算工程S5では、まず、初期設定工程S4で計算されたタイヤモデル16の変形に基づいて、タイヤボディ部モデル10の変形を計算するボディ部変形工程S51が行われる。ボディ部変形工程S51では、例えば、単位回転角度毎に設定された各タイヤモデル16と路面モデルとが接地され、負荷荷重条件、キャンバー角及び摩擦係数等に基づいて、共通のタイヤボディ部モデル10の変形が計算される。
計算工程S5では、次に、各トレッドパターン部モデル12の変形を計算するパターン部変形工程S52が行われる。パターン部変形工程S52では、例えば、単位回転角度毎に設定された各タイヤモデル16と路面モデルとの接地に伴う各トレッドパターン部モデル12の変形が計算される。
計算工程S5では、次に、共通のタイヤボディ部モデル10の変形計算結果と各トレッドパターン部モデル12の変形計算結果とに基づいて、単位回転角度毎に設定された各タイヤモデル16の単位パターンPの単位性能を計算する単位パターン計算工程S53が行われる。本実施形態の単位パターン計算工程S53では、例えば、各タイヤモデル16の単位パターンPの歪がそれぞれ計算され、コンピュータに記憶される。
計算工程S5は、次に、タイヤ性能を計算する性能計算工程S54が行われる。性能計算工程S54は、単位パターンPの単位性能に基づいて、タイヤ全体の性能が計算される。本実施形態の性能計算工程S54では、単位パターンPのタイヤ1回転分に相当する歪み履歴が計算され、転がり抵抗が計算される。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施し得る。
例えば、上述の実施形態では、主にトレッドパターンの一部を第1トレッドパターン部モデル14として設定する態様が説明されたが、トレッドパターンの全周をトレッドパターン部モデル12として設定してもよい。この場合、例えば、単位パターンPに相当する角度分だけトレッドパターン部モデル12を回転させることで、タイヤモデル16の1回転分に相当するタイヤモデル16の歪み履歴を計算してもよい。
また、上述の実施形態では、複数のタイヤモデル16を設定していたが、1つのタイヤモデル16を設定し、タイヤボディ部モデル10とトレッドパターン部モデル12との共通する節点の固定を解除することで、タイヤボディ部モデル10とトレッドパターン部モデル12とが相対回転可能に支持されていてもよい。
この場合、計算工程S5では、時間経過に対してタイヤボディ部モデル10を回転させず、時間経過とともにトレッドパターン部モデル12のみを単位回転角度ずつ回転させてタイヤモデル16を走行させる回転工程が行われるのが望ましい。このような回転工程でも、タイヤボディ部モデル10は回転しないので、ボディ部変形工程S51で計算された共通のタイヤボディ部モデル10の変形計算結果を用いることができる。
このような回転工程では、まず、タイヤモデル16と路面モデルとの接地が解除される。次に、タイヤモデル設定工程S3で固定されたタイヤボディ部モデル10とトレッドパターン部モデル12との境界面の固定が解除され、トレッドパターン部モデル12のみを単位回転角度だけ回転させる。さらに、タイヤボディ部モデル10とトレッドパターン部モデル12との境界面が固定され、その後、タイヤモデル16と路面モデルとの接地が行われる。このようにして、タイヤ1回転分の歪み履歴が計算されてもよい。
さらに、この回転工程においては、タイヤボディ部モデル10とトレッドパターン部モデル12との境界面の境界条件を設定することで、タイヤモデル16が接地したままトレッドパターン部モデル12を回転するようにしてもよい。
図1の基本トレッドパターンを有する空気入りタイヤのタイヤモデルが表1の仕様に基づき設定され、転がり抵抗を求めるまでの計算時間が評価された。
テストの結果が表1に示される。計算時間は、比較例を100として、指数化されている。数値が小さい程、計算時間は短い。
Figure 0006645116
表1から明らかなように、実施例のタイヤモデルは、比較例に比べて計算時間を大幅に短縮していることが確認された。
2 トレッド部
10 タイヤボディ部モデル
12 トレッドパターン部モデル
16 タイヤモデル

Claims (7)

  1. トレッド部を有するタイヤの性能を、コンピュータを用いて予測するためのタイヤ性能予測方法であって、
    前記コンピュータに、タイヤ子午線断面における断面形状がタイヤ周方向に同一であるタイヤボディ部モデルを設定するボディ部設定工程と、
    前記コンピュータに、前記トレッド部のトレッドパターンを含むトレッドパターン部モデルを設定するパターン部設定工程と、
    前記トレッドパターン部モデルを、前記タイヤボディ部モデルに配してタイヤモデルを設定するタイヤモデル設定工程と、
    前記コンピュータが、前記タイヤモデル予め定めた路面モデルとを用いて、前記トレッド部のタイヤ性能として転がり抵抗を計算する計算工程とを含み、
    前記計算工程は、時間経過に対して共通の前記タイヤボディ部モデルを用い、かつ、前記時間経過とともに前記トレッドパターン部モデルのみを回転方向に変化させて前記タイヤモデル走行することを再現させることを特徴とするタイヤ性能予測方法。
  2. 前記トレッド部の前記トレッドパターンは、タイヤ周方向に繰り返される単位パターンを含み、
    前記トレッドパターン部モデルは、前記トレッドパターンからなる第1トレッドパターン部モデルを含み、
    前記パターン部設定工程では、少なくとも前記単位パターンを含むタイヤ周方向の一部の前記トレッドパターンを前記第1トレッドパターン部モデルとして設定している請求項1に記載のタイヤ性能予測方法。
  3. 前記第1トレッドパターン部モデルのタイヤ周方向長さは、タイヤ接地長よりも長い請求項2に記載のタイヤ性能予測方法。
  4. 前記第1トレッドパターン部モデルのタイヤ周方向長さは、タイヤ接地長の2倍よりも長い請求項2に記載のタイヤ性能予測方法。
  5. 前記計算工程では、前記トレッドパターン部モデルが単位回転角度ずつ変化しており、
    前記第1トレッドパターン部モデルの離地時の前記単位回転角度は、前記第1トレッドパターン部モデルの接地時の前記単位回転角度よりも大きい請求項2乃至4のいずれかに記載のタイヤ性能予測方法。
  6. 前記トレッドパターン部モデルは、リブパターンからなる第2トレッドパターン部モデルをさらに含む請求項2乃至5のいずれかに記載のタイヤ性能予測方法。
  7. 前記タイヤボディ部モデルは、タイヤ全周にわたり有限個のボディ部要素に離散化されており、
    前記タイヤボディ部モデルは、接地部近傍の第1部位と、前記第1部位の両側に位置する第2部位と、接地部から遠い第3部位とに区分され、
    前記第3部位の前記ボディ部要素は、前記第1部位の前記ボディ部要素よりも大きい請求項1乃至6のいずれかに記載のタイヤ性能予測方法。
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