JP6178548B2 - タイヤのシミュレーション方法及びシミュレーション装置 - Google Patents

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Description

本発明は、走行中のタイヤの固有振動数を計算しうるタイヤのシミュレーション方法及びシミュレーション装置に関する。
例えば、タイヤの騒音、乗り心地及び転がり抵抗等のタイヤ性能を評価する際の指標の一つとして、タイヤの固有振動数が挙げられる。近年、コンピュータを用いて、タイヤの固有振動数を計算するためのタイヤのシミュレーション方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
このシミュレーション方法では、先ず、内圧充填後のタイヤモデルを路面モデルに接地させる。次に、タイヤモデルに予め定められた荷重を定義して、接地後の変形形状を計算する。次に、荷重が定義されたタイヤモデルが路面モデルに接触している節点を拘束して、静止時のタイヤモデルの固有振動数を計算する。
特開2011−235758号公報
ところで、走行中のタイヤは、回転によって生じる遠心力の影響を受けて、タイヤ半径方向外側にせり出して変形する。しかしながら、上記のようなシミュレーション方法では、このような遠心力が考慮されていないため、走行中のタイヤの固有振動数を計算することができないという問題があった。
本発明は、以上のような実状に鑑み案出されたもので、予め定められた走行速度に基づいて計算された遠心力を、接地後のタイヤモデルの各要素に定義して、固有振動数を計算することを基本として、走行中のタイヤの固有振動数を計算しうるタイヤのシミュレーション方法及びシミュレーション装置を提供することを主たる目的としている。
本発明のうち請求項1記載の発明は、コンピュータを用いて、タイヤの固有振動数を計算するためのタイヤのシミュレーション方法であって、前記コンピュータに、前記タイヤを有限個の要素でモデル化したタイヤモデルを入力するステップ、前記コンピュータに、路面を有限個の要素でモデル化した路面モデルを入力するステップ、前記コンピュータが、予め定められた内圧条件に基づいて、前記タイヤモデルの内圧充填後の形状を計算するステップ、前記コンピュータが、前記内圧充填後のタイヤモデルを前記路面モデルに接地させて接地後の形状を計算する接地ステップ、前記コンピュータが、予め定められた走行速度に基づいて計算された遠心力を、前記接地後のタイヤモデルの前記各要素に定義して変形計算を行うことにより、変形タイヤモデルを得る遠心力設定ステップ、及び前記コンピュータが、前記変形タイヤモデルの固有振動数を計算するステップを含み、前記接地後のタイヤモデルの各要素Eiに定義される前記遠心力Fiは、下記式(1)で計算され、下記式(1)の前記タイヤの回転半径Rは、前記内圧充填後のタイヤモデルの回転軸から踏面までの最大半径であることを特徴とする。
Fi=mi×ri×(V/R) 2 …(1)
ここで、符号は次の通りである。
Fi:タイヤモデルの各要素Eiの遠心力
mi:タイヤモデルの各要素Eiの質量
ri:タイヤモデルの回転軸からタイヤモデルの各要素Eiまでの距離
V:走行速度
R:タイヤの回転半径
また、請求項2記載の発明は、タイヤの固有振動数を計算する演算処理装置を有するシミュレーション装置であって、前記演算処理装置は、前記タイヤを有限個の要素でモデル化したタイヤモデルが入力されるタイヤモデル入力部、路面を有限個の要素でモデル化した路面モデルが入力される路面モデル入力部、予め定められた内圧条件に基づいて、前記タイヤモデルの内圧充填後の形状を計算する内圧充填形状計算部、前記内圧充填後のタイヤモデルを前記路面モデルに接地させて接地後のタイヤモデルの形状を計算する接地後形状計算部、予め定められた走行速度に基づいて計算された遠心力を、前記接地後のタイヤモデルの前記各要素に定義して変形計算を行うことにより、変形タイヤモデルを得る遠心力計算部、及び前記変形タイヤモデルの固有振動数を計算する固有振動計算部を含み、前記接地後のタイヤモデルの各要素Eiに定義される前記遠心力Fiは、下記式(1)で計算され、下記式(1)の前記タイヤの回転半径Rは、前記内圧充填後のタイヤモデルの回転軸から踏面までの最大半径であることを特徴とする。
Fi=mi×ri×(V/R) 2 …(1)
ここで、符号は次の通りである。
Fi:タイヤモデルの各要素Eiの遠心力
mi:タイヤモデルの各要素Eiの質量
ri:タイヤモデルの回転軸からタイヤモデルの各要素Eiまでの距離
V:走行速度
R:タイヤの回転半径
本発明のタイヤのシミュレーション方法は、予め定められた走行速度に基づいて計算された遠心力を、接地後のタイヤモデルの各要素に定義して変形計算を行うことにより、変形タイヤモデルを得る遠心力設定ステップと、この変形タイヤモデルの固有振動数を計算するステップとを含む。
このような方法では、タイヤモデルの各要素に定義された遠心力により、該タイヤモデルを、走行中のタイヤと同様に、変形させることができる。そして、この変形タイヤモデルに基づいて固有振動数が計算されることにより、走行中のタイヤの固有振動数を計算することができる。
本実施形態のシミュレーション装置のブロック図である。 モデル化されるタイヤの断面図である。 本実施形態のタイヤのシミュレーション方法のフローチャートである。 二次元のタイヤモデル及びリムモデルの断面図である。 内圧充填後のタイヤモデルの断面図である。 三次元モデルの部分斜視図である 接地後のタイヤモデルの斜視図である。 (a)は図7のタイヤモデルの部分断面図、(b)は変形タイヤモデルの断面図である。 変形タイヤモデルの接地面形状図である。 他の実施形態の接地ステップを説明する斜視図である。
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図1に示されるように、本実施形態のタイヤのシミュレーション方法(以下、単に「シミュレーション方法」ということがある)は、タイヤの固有振動数を、コンピュータ1を用いて計算するための方法である。
図1に示されるように、前記コンピュータ1は、入力デバイスとしての入力部9、出力デバイスとしての出力部10及びタイヤの固有振動数を計算する演算処理装置11を有するシミュレーション装置1Aとして構成される。
前記入力部9には、例えば、キーボード、又はマウス等が用いられる。また、前記出力部10には、例えば、ディスプレイ装置、又はプリンタ等が用いられる。
前記演算処理装置11は、各種の演算を行う演算部(CPU)12、予め定められたデータ及びプログラム等が記憶される記憶部13、並びに作業用メモリ14を含む。
前記記憶部13は、例えば磁気ディスク、光ディスク又はSSD等からなる不揮発性の情報記憶装置である。この記憶部13には、シミュレーション方法を実行する上で必要となるデータ等が記憶されるデータ部13Aと、シミュレーション方法の手順等が記憶されるプログラム部13Bとが設けられる。
前記データ部13Aには、後述する初期データ部24、タイヤモデル入力部25、リムモデル入力部26及び路面モデル入力部27が含まれる。前記初期データ部24には、図2に示される評価対象のタイヤ2、リム16及び路面に関する情報(例えば、CADデータ等)が記憶されている。
前記プログラム部13Bには、後述する内圧充填形状計算部28、三次元モデル計算部29、接地後形状計算部30、遠心力計算部31及び固有振動計算部32が含まれる。これらの各計算部28〜32は、演算部12によって実行されるプログラムからなる。
図2に示されるように、解析対象となるタイヤ2は、例えば、トレッド部2aからサイドウォール部2bを経てビード部2cのビードコア5に至るカーカス6と、このカーカス6のタイヤ半径方向外側かつトレッド部2aの内部に配されたベルト層7とを具えた乗用車用のラジアルタイヤとして構成されている。このタイヤ2のビード部2cには、リム16が嵌合される。
また、前記ビード部2cには、半径方向内面であるビード底面17a、及び該ビード底面17aのヒール側に連なってタイヤ半径方向外側にのびるビード側面17bが設けられる。
前記カーカス6は、少なくとも1枚以上、本実施形態では1枚のカーカスプライ6Aで構成される。このカーカスプライ6Aは、トレッド部2aからサイドウォール部2bを経てビード部2cのビードコア5に至る本体部6aと、この本体部6aに連なりビードコア5の廻りをタイヤ軸方向内側から外側に折り返された折返し部6bとを含む。この本体部6aと折返し部6bとの間には、ビードコア5からタイヤ半径方向外側にのびるビードエーペックスゴム8が配される。また、カーカスプライ6Aは、タイヤ赤道Cに対して、例えば75〜90度の角度で配列されたカーカスコードを有する。
前記ベルト層7は、ベルトコードを、タイヤ周方向に対して、例えば10〜35度の角度で傾けて配列した2枚のベルトプライ7A、7Bを、ベルトコードが互いに交差する向きに重ね合わせて構成される。
前記リム16は、リム組時にビード部2cを落とし込むためのウェル部(図示省略)と、このウェル部のタイヤ軸方向両外側に配置される一対のリム片16A、16Aとを含む。この一対のリム片16A、16Aは、ビード底面17aに接触するリムシート面18aと、ビード側面17bに接触するフランジ面18bとを有する。
図3には、本実施形態のシミュレーション方法の具体的な処理手順が示される。
本実施形態では、先ず、コンピュータ1に、図2に示したタイヤ2をモデル化したタイヤモデル3が入力される(ステップS1)。
このステップS1では、先ず、図1に示した初期データ部24に記憶されるタイヤ2に関する情報が、作業用メモリ14に入力される。この情報をもとに、演算部12が、タイヤ2を、数値解析法により取り扱い可能な有限個の要素でモデル化(離散化)する。これにより、図4に示されるタイヤモデル3が設定される。この数値解析法としては、例えば有限要素法、有限体積法、差分法、又は境界要素法が適宜採用できるが、本実施形態では有限要素法が採用される。
ステップS1でのタイヤモデル3は、タイヤ子午線断面の二次元モデルからなる。本実施形態では、図2に示したタイヤ2のビード部2c等を含むゴム部分2g、ビードコア5、カーカスプライ6A及びベルトプライ7A、7Bが、二次元の要素Bi(i=1、2、…)でそれぞれ分割される。また、タイヤモデル3のビード部20には、タイヤ2のビード底面17a及びビード側面17bが再現されたビード底面21及びビード側面22が設定される。そして、このようなタイヤモデル3は、図1に示したタイヤモデル入力部25に入力される。
前記二次元の要素Biとしては、例えば、複雑な形状を表現するのに適した四辺形要素が好ましいが、これに限定されることはない。また、各要素Biには、要素番号、節点番号、節点座標値及び材料特性(例えば密度、ヤング率、又は減衰係数等)などの数値データが定義される。
次に、本実施形態では、コンピュータ1に、図2に示した前記リム16をモデル化したリムモデルが入力される(ステップS2)。このステップS2では、先ず、リム16に関する情報が、図1に示した前記初期データ部24から作業用メモリ14に入力される。この情報をもとに、演算部12が、リム16を二次元の輪郭で定義することにより、図4に示したリムモデル35が設定される。
このリムモデル35は、図2に示した一対のリム片16A、16Aをモデル化した一対のリム片35A、35Aから構成される。各リム片35A、35Aは、タイヤモデル3のビード底面21に接触するリムシート面33及びビード側面22に接触するフランジ面34を含む。また、各リム片35Aは、図2に示した実際のリム16の変形が微小であることに鑑み、例えば、変化しない剛体表面として条件付けられる。
このように、リムモデル35は、図2に示したリム片16Aのリムシート面18a及びフランジ面18bの輪郭形状に基づいて、該輪郭形状を特定する関数等を定義するだけで足りる。このため、本実施形態のリムモデル35では、従来のように、多数の微小要素でリムを分割・離散化する必要がないため、計算時間を大幅に短縮しうる。このようなリムモデル35は、図1に示した記憶部13のリムモデル入力部26に入力される。
次に、予め定められた内圧条件に基づいて、タイヤモデルの内圧充填後の形状が計算される(ステップS3)。このステップS3では、図5に示されるように、先ず、演算部12によって、図1に示したタイヤモデル入力部25に入力されているタイヤモデル3及びリムモデル入力部26に入力されているリムモデル35が、作業用メモリ14に読み込まれる。さらに、内圧充填形状計算部28が、作業用メモリ14に読み込まれ、演算部12によって実行される。
前記内圧充填形状計算部28の実行により、タイヤモデル3のビード部20の幅W1及びタイヤモデル3の回転軸(図示省略)とビード底面21とのタイヤ半径方向の距離Rsが、リムモデル35のリム幅及びリム径に等しくなるように、ビード部20が強制変位される。さらに、タイヤモデル3の内腔面の全体に、内圧条件に相当する等分布荷重wが設定され、内圧充填後のタイヤモデル36が計算される。前記内圧には、例えば、タイヤ2が基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧が設定されるのが望ましい。
次に、本実施形態では、図5に示した内圧充填後のタイヤモデル36及びリムモデル35をタイヤ周方向に展開複写することにより、三次元モデル37が作成される(ステップS4)。このステップS4では、先ず、図1に示した三次元モデル計算部29が作業用メモリ14に読み込まれ、演算部12に実行される。
前記三次元モデル計算部29の実行により、図6に示されるように、内圧充填後のタイヤモデル36の各節点36tが、タイヤ周方向に小角度θきざみで展開複写されて相互に連結される。これにより、三次元の要素Ei(i=1、2…)で構成された三次元のタイヤモデル38が設定される。また、リムモデル35も同様に、三次元のリムモデル39へと設定される。これにより、タイヤモデル38がリムモデル39に嵌合され、かつ前記内圧が充填された三次元モデル37を、容易かつ短時間に設定することができる。
次に、図1に示したデータ部13Aの路面モデル入力部27に、タイヤ2が転動する路面をモデル化した路面モデルが入力される(ステップS5)。このステップS5では、先ず、図1に示した前記初期データ部24に記憶されている路面に関する情報が、作業用メモリ14に入力される。この情報をもとに、演算部12が、路面を、数値解析法により取り扱い可能な有限個の要素Gi(i=1、2、…)でモデル化する。これにより、図7に示されるような路面モデル19が設定される。
路面モデル19の要素Giは、変形不能に設定された剛平面要素からなり、要素番号や、節点座標値等の数値データが定義される。このような路面モデル19は、演算部12によって、図1に示した路面モデル入力部27に入力される。
次に、内圧充填後の三次元のタイヤモデル38を、路面モデル19に接地させる(接地ステップS6)。この接地ステップS6では、先ず、演算部12によって、路面モデル入力部27から路面モデル19が、作業用メモリ14に読み込まれる。さらに、接地後形状計算部30が作業用メモリ14に読み込まれ、演算部12によって実行される。
接地後形状計算部30の実行により、図7に示されるように、内圧充填後の三次元のタイヤモデル38が、前記路面モデル19に接地され、かつ該タイヤモデル38に予め定められた荷重Tが定義される。これにより、接地後のタイヤモデル40が計算される。なお、荷重Tには、例えば、タイヤ2が基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている荷重が設定されるのが望ましい。
次に、予め定められた走行速度Vに基づいて計算された遠心力を、接地後のタイヤモデル40の各要素Eiに定義して変形計算を行う遠心力設定ステップS7が行われる。この遠心力設定ステップS7では、先ず、図1に示した遠心力計算部31が、作業用メモリ14に読み込まれ、演算部12によって実行される。
遠心力計算部31の実行により、図8(a)に示されるように、接地後のタイヤモデル40の各要素Eiに、下記式(1)で計算される遠心力Fi(i=1、2、…)が定義される。
Fi=mi×ri×(V/R)2 …(1)
ここで、符号は次の通りである。
Fi:タイヤモデルの各要素Eiの遠心力
mi:タイヤモデルの各要素Eiの質量
ri:タイヤモデルの回転軸からタイヤモデルの各要素Eiまでの距離
V:走行速度
R:タイヤの回転半径
上記式(1)において、本実施形態のタイヤの回転半径Rには、接地後のタイヤモデル40の回転軸40sから路面モデル19までの最短距離(静荷重半径)L1(図7に示す)が設定される。なお、この静荷重半径L1は、本シミュレーションとは別に行われる実験等で求めることができる。また、上記比(V/R)では、内圧充填後のタイヤモデル40が走行速度Vで回転する際の角速度が計算される。この角速度V/Rの二乗に、各要素Eiの質量mi及びタイヤモデル40の回転軸40sから各要素Eiまでの距離riを乗じることにより、走行速度Vで転動するタイヤモデル40の各要素Eiの遠心力Fiが計算される。
このように、タイヤモデル40の各要素Eiに、遠心力Fiが定義されることによって、図8(b)に示されるように、走行中のタイヤと同様に変形した変形タイヤモデル41を計算し、得ることができる。しかも、本実施形態では、接地後のタイヤモデル40を路面モデル19上で回転させる転動計算を実際にすることなく、変形タイヤモデル41を得ることができるため、計算時間を短縮しうる。
次に、変形タイヤモデル41の固有振動数が計算される(ステップS8)。このステップS8では、先ず、図1に示した固有振動計算部32が、作業用メモリ14に読み込まれ、演算部12によって実行される。
固有振動計算部32の実行により、図9に示されるように、先ず、変形タイヤモデル41(図8(b)に示す)と路面モデル19との接地面42が検出される。次に、変形タイヤモデルの各要素Eiのうち、接地面42内の要素43の節点43nのみが拘束され、変形タイヤモデル41の固有振動数が計算される。このように、接地面42内の要素の節点43nのみが拘束されることにより、実際の使用条件である路面に接地した状態を表現でき、接地時の変形タイヤモデル41の固有振動数を正確に計算できる。なお、節点43nの拘束は、該節点43nの変位をゼロに設定することにより定義される。
また、固有振動数としては、例えば、周方向1次の共振周波数、周方向2次の共振周波数、又は断面2次(径方向)の共振周波数が含まれ、固有振動計算部32の各種のソフトウエアで準備されている関数(プロシージャ)を利用して行うことができる。このソフトウエアとしては、例えば、解析アプリケーションソフト(「ABAQUS」)等)が用いられる。
このように、本発明では、遠心力Fiによって変形計算された変形タイヤモデル41に基づいて、固有振動数が計算されることにより、実際の走行中のタイヤの固有振動数を計算することができる。従って、本発明では、タイヤ2の騒音、乗り心地及び転がり抵抗等のタイヤ性能の評価精度を向上することができる。
次に、固有振動数が許容範囲内、即ちタイヤの騒音、乗り心地及び転がり抵抗等のタイヤ性能が所望する範囲であるかを判断する(ステップS9)。このステップS9では、固有振動数が許容範囲内である場合、上記タイヤモデル3に基づいてタイヤ2を設計するステップS10が行われる。一方、固有振動数が許容範囲内でない場合は、タイヤモデル3の設計を変更して(ステップS11)、再度シミュレーションが行われる(ステップS1〜S8)。このように、本実施形態では、固有振動数が許容範囲内になるまで、タイヤモデル3が設計変更されるため、タイヤの騒音、乗り心地及び転がり抵抗等の性能の優れたタイヤを効率良く設計することができる。
本実施形態では、上記式(1)の前記タイヤの回転半径Rに、静荷重半径L1が定義されるものが例示されたが、このような態様に限定されるわけではない。例えば、タイヤの回転半径Rには、図6に示した内圧充填後のタイヤモデル38の回転軸38sから踏面38tまでの最大半径L2が設定されてもよい。これにより、この実施形態では、静荷重半径L1を実験等で予め求めておく必要がないため、計算時間を短縮することができる。
さらに、図10に示されるように、接地ステップS6において、接地後のタイヤモデル40に、走行速度Vに対応する角速度ωを定義して転動計算することにより、タイヤの回転半径Rに設定されてもよい。このタイヤの回転半径Rには、転動するタイヤモデル40の回転軸40sから路面モデル19までの最短距離(動荷重半径)L3が設定される。この動荷重半径L3も、実験等で予め求めることができる。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
図2に示すタイヤ(実験例)が製造された。このタイヤをリムにリム組みし、内圧210kPa充填して、各走行速度(50、100、150、200km)における固有振動数(周方向2次の共振周波数)が測定された。なお、タイヤサイズ及びリムサイズは次の通りである。
タイヤサイズ:225/60R18
リムサイズ:7.0J×18
また、実験例のタイヤが、図3に示す処理手順に従ってモデル化された実施例のタイヤモデルが作成された。この実施例のタイヤモデルの各要素に、下記条件の下で、上記式(1)を用いて遠心力が定義される変形タイヤモデル(実施例1)について、固有振動数が計算された。
タイヤの回転半径R(内圧充填後のタイヤモデルの最大半径L2)
各走行速度V:0、50、100、150、200km
さらに、実施例のタイヤモデルの各要素に、上記走行速度V及びタイヤの回転半径R(静荷重半径L1)の条件の下で、上記式(1)を用いて遠心力が定義される変形タイヤモデル(実施例2)について、固有振動数が計算された。また、実施例のタイヤモデルの各要素に、上記走行速度V及びタイヤの回転半径R(動荷重半径L3)の条件の下で、上記式(1)を用いて遠心力が定義された変形タイヤモデル(実施例3)について、固有振動数(周方向2次の共振周波数)が計算された。
さらに、比較として、実験例のタイヤが、遠心力設定ステップを含まない従来の処理手順に従ってモデル化されたタイヤモデル(比較例)が作成された。そして、比較例のタイヤモデルの固有振動数が計算された。
各固有振動数の測定結果及び計算結果を、表1に示す。なお、表1における固有振動数(周方向2次の共振周波数)は、実験例の共振周波数を100とする指数で示している。
表1に示されるように実施例のタイヤモデルの固有振動数は、各走行速度において、実験例のタイヤの固有振動数に近似することができ、走行中のタイヤの固有振動数を計算しうることが確認できた。
1 コンピュータ
2 タイヤ
40 接地後のタイヤモデル
41 変形タイヤモデル
S7 遠心力設定ステップ
S8 固有振動数を計算するステップ

Claims (2)

  1. コンピュータを用いて、タイヤの固有振動数を計算するためのタイヤのシミュレーション方法であって、
    前記コンピュータに、前記タイヤを有限個の要素でモデル化したタイヤモデルを入力するステップ、
    前記コンピュータに、路面を有限個の要素でモデル化した路面モデルを入力するステップ、
    前記コンピュータが、予め定められた内圧条件に基づいて、前記タイヤモデルの内圧充填後の形状を計算するステップ、
    前記コンピュータが、前記内圧充填後のタイヤモデルを前記路面モデルに接地させて接地後の形状を計算する接地ステップ、
    前記コンピュータが、予め定められた走行速度に基づいて計算された遠心力を、前記接地後のタイヤモデルの前記各要素に定義して変形計算を行うことにより、変形タイヤモデルを得る遠心力設定ステップ、及び
    前記コンピュータが、前記変形タイヤモデルの固有振動数を計算するステップを含み、
    前記接地後のタイヤモデルの各要素Eiに定義される前記遠心力Fiは、下記式(1)で計算され、
    下記式(1)の前記タイヤの回転半径Rは、前記内圧充填後のタイヤモデルの回転軸から踏面までの最大半径であることを特徴とするタイヤのシミュレーション方法。
    Fi=mi×ri×(V/R) 2 …(1)
    ここで、符号は次の通りである。
    Fi:タイヤモデルの各要素Eiの遠心力
    mi:タイヤモデルの各要素Eiの質量
    ri:タイヤモデルの回転軸からタイヤモデルの各要素Eiまでの距離
    V:走行速度
    R:タイヤの回転半径
  2. タイヤの固有振動数を計算する演算処理装置を有するシミュレーション装置であって、
    前記演算処理装置は、前記タイヤを有限個の要素でモデル化したタイヤモデルが入力されるタイヤモデル入力部、
    路面を有限個の要素でモデル化した路面モデルが入力される路面モデル入力部、
    予め定められた内圧条件に基づいて、前記タイヤモデルの内圧充填後の形状を計算する内圧充填形状計算部、
    前記内圧充填後のタイヤモデルを前記路面モデルに接地させて接地後のタイヤモデルの形状を計算する接地後形状計算部、
    予め定められた走行速度に基づいて計算された遠心力を、前記接地後のタイヤモデルの前記各要素に定義して変形計算を行うことにより、変形タイヤモデルを得る遠心力計算部、及び
    前記変形タイヤモデルの固有振動数を計算する固有振動計算部を含み、
    前記接地後のタイヤモデルの各要素Eiに定義される前記遠心力Fiは、下記式(1)で計算され、
    下記式(1)の前記タイヤの回転半径Rは、前記内圧充填後のタイヤモデルの回転軸から踏面までの最大半径であることを特徴とするシミュレーション装置。
    Fi=mi×ri×(V/R) 2 …(1)
    ここで、符号は次の通りである。
    Fi:タイヤモデルの各要素Eiの遠心力
    mi:タイヤモデルの各要素Eiの質量
    ri:タイヤモデルの回転軸からタイヤモデルの各要素Eiまでの距離
    V:走行速度
    R:タイヤの回転半径
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