JP3305705B1 - タイヤの走行シミュレーション方法 - Google Patents
タイヤの走行シミュレーション方法Info
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Abstract
行う。 【解決手段】 数値解析が可能な要素でタイヤをモデル
化したタイヤモデルを設定するステップS1と、数値解
析が可能かつ圧縮による体積変化を表現できしかもこの
体積変化が実質的に永続する要素で路面形成物をモデル
化した路面形成物モデルを有する路面モデルを設定する
ステップS2と、前記路面モデルを空間上に固定すると
ともに回転速度と並進速度とをもった前記タイヤモデル
を前記路面モデル上で転動させる条件を与え、タイヤモ
デル、路面形成物モデルの変形計算を微小な時間増分毎
に行うことによりタイヤの走行シミュレーションを行う
ステップS3ないしS5とを含むことを特徴とするタイ
ヤの走行シミュレーション方法。
Description
ように圧縮されることによって固まる特性を具えた路面
形成物上でのシミュレーションの予測精度を高めつつ計
算時間を短縮化しうるタイヤの走行シミュレーション方
法に関する。
タイヤの開発は、試作品を作り、それを実際に実験し、
実験結果から改良品をさらに試作するという繰り返し作
業で行われていた。しかし、この方法では、試作品の製
造や実験に多くの費用と時間を要するため、開発効率の
向上には限界があった。かかる問題点を克服するため
に、近年では有限要素法といった数値解析手法を用いた
コンピューターシミュレーションにより、タイヤを試作
しなくてもある程度の性能を予測・解析する方法が提案
されている。
舗装路面或いは水膜が存在する路面上で走行させるシミ
ュレーションに止まる。水は、解析モデルでは一般に非
圧縮性の完全流体として取り扱われる。一方、圧縮によ
り押し固められて硬化しかつその体積変化を永続させる
例えば雪、土などで覆われた路面をタイヤが走行する場
合の具体的なシミュレーションには、上記従来の提案で
は具体的に開示がなされていない。
可能でかつ圧縮による体積変化を表現できしかもこの体
積変化が実質的に永続する要素で路面形成物をモデル化
し路面モデルとして設定することにより、雪、土といっ
た圧縮性の路面形成物を好適に解析上に取り込みうるこ
とを見出した。そしてさらに研究を重ねたところ、この
ような路面モデルとタイヤモデルとを用いて走行(転
動)シミュレーションを行う場合、境界条件などを最適
に設定することによって、計算結果の振動を防いで信頼
性を向上でき、しかも計算時間を短縮化しうることを見
出した。
路面形成物上をタイヤで走行したときのシミュレーショ
ンの予測精度を高めかつ計算時間を短縮化しうるタイヤ
のシミュレーション方法を提供することを目的としてい
る。
載の発明は、数値解析が可能な要素でタイヤをモデル化
したタイヤモデルを設定するステップと、数値解析が可
能かつ圧縮による体積変化を表現できしかもこの体積変
化が実質的に永続する要素で路面形成物をモデル化した
路面形成物モデルを有する路面モデルを設定するステッ
プと、前記路面モデルを空間上に固定するとともに前記
タイヤモデルを前記路面モデル上で転動させる条件を与
え、タイヤモデル、路面形成物モデルの変形計算を微小
な時間増分毎に行うことによりタイヤの走行シミュレー
ションを行うステップとを含むことを特徴とするタイヤ
の走行シミュレーション方法である。
物が雪であり、路面形成物モデルが雪モデルであること
を特徴とする請求項1記載のタイヤの走行シミュレーシ
ョン方法である。
ルは、前記タイヤモデルが最初に走行する第1の走行部
と、この第1の走行部の後方に連なる第2の走行部とが
設定され、前記第1の走行部は、前記雪モデルを有しな
い剛表面要素からなり、かつ前記第2の走行部は、少な
くともその走行面に前記雪モデルが配されてなることを
特徴とする請求項2記載のタイヤの走行シミュレーショ
ン方法である。
行部は、前記タイヤモデルが設定された評価速度まで加
速するのに必要な長さで形成されることを特徴とする請
求項3記載のタイヤの走行シミュレーション方法であ
る。
行部は、底面をなす剛表面要素と、その上に配された前
記雪モデルとからなることを特徴とする請求項3又は4
記載のタイヤの走行シミュレーション方法である。
行部は、少なくとも底面において雪の流入及び流出を禁
止する条件が与えられた雪モデルからなることを特徴と
する請求項3又は4記載のタイヤの走行シミュレーショ
ン方法である。
行部の雪モデルの底面は、前記第1の走行部の剛表面要
素の走行面よりも低い位置に設定されたことを特徴とす
る請求項3乃至6のいずれかに記載のタイヤの走行シミ
ュレーション方法である。
行部の雪モデルの走行面は、前記第1の走行部の剛表面
要素の走行面よりも高い位置に設定されるとともに、前
記第2の走行部の雪モデルの走行面と前記第1の走行部
の剛表面要素の走行面との差が、前記タイヤモデルに設
けられたトレッド溝の溝深さ以下であることを特徴とす
る請求項3乃至7のいずれかに記載のタイヤの走行シミ
ュレーション方法である。
と前記タイヤモデルとの間に摩擦係数を定義したことを
特徴とする請求項2乃至8のいずれかに記載のタイヤの
走行シミュレーション方法である。
上でタイヤを走行させる雪上走行シミュレーションを例
に挙げ図面に基づき説明する。図1には、本発明のシミ
ュレーション方法を実施するためのコンピュータ装置1
が示されている。このコンピュータ装置1は、本体1a
と、入力手段としてのキーボード1b、マウス1cと、
出力手段としてのディスプレイ装置1dとから構成され
ている。本体1aには、図示していないが、演算処理装
置(CPU)、ROM、作業用メモリー、磁気ディスク
などの大容量記憶装置、CD−ROMやフレキシブルデ
ィスクのドライブ1a1、1a2などの記憶装置を適宜
具えている。そして、前記大容量記憶装置には後述する
シミュレーション方法を実行するための処理手順(プロ
グラム)が記憶されている。
の処理手順の一例が示されており、以下順に説明する。
先ず本実施形態では、数値解析が可能な要素でタイヤを
モデル化したタイヤモデルを設定する(ステップS
1)。数値解析が可能とは、例えば有限要素法、有限体
積法、差分法又は境界要素法といった数値解析法にて取
り扱い可能なことを意味し、本例では有限要素法を採用
する。
に視覚化して表したものである。タイヤモデル2は、解
析しようとするタイヤを有限個の小さな要素2a、2
b、2c…に分割してモデル化されることにより、前記
コンピュータ装置1にて取り扱い可能な数値データとな
る。具体的には、各要素2a、2b、2c…の節点座標
値、形状、材料特性、例えば密度、ヤング率、減衰係数
などが定義される。特に限定はされないが、各要素2
a、2b、2c…には、例えば2次元平面としての四辺
形要素、3次元要素としては、複雑形状を表現するのに
適した4面体ソリッド要素が好ましい。但し、これ以外
にも5面体ソリッド要素、6面体ソリッド要素などを用
いることもでき、いずれもコンピュータで処理可能な要
素が用いられる。
主に3次元ソリッド要素が好適に用いられる。図3のも
のではトレッド表面の縦溝、横溝といったトレッド溝を
含んだパターン形状も忠実に再現している。但し、パタ
ーン以外の検討を重点的に行いたい場合にはトレッド表
面からトレッド溝を簡略化ないし省略化したスムーズモ
デルとすることもできる。なおトレッド接地部の圧力や
せん断力の分布を表現できるように、1要素の周方向長
さを接地長さの25%以下とすることが望ましく、また
トレッドの断面方向の円弧を滑らかに表現しうるよう、
1要素のタイヤ軸方向の長さは20mm以下とすることが
望ましい。
にモデル化した詳細パターン部分Aと、トレッド面を簡
略化してモデル化した簡易パターン部分Bとを具えたタ
イヤモデル2とすることもできる。詳細パターン部分A
は接地長さよりも大きい範囲で定められるが、前記簡易
パターン部分Bよりも小領域とすることにより、タイヤ
モデルのトータルでの要素数を減じ計算時間を短縮化す
るのに役立つ。またシミュレーション結果は、好ましく
はこの詳細パターン部分Aが雪モデルと接地したときに
得られるように各種条件を設定するのが望ましい。
ベルトプライやカーカスプライは図5に示すように、コ
ード配列体cを四辺形膜要素5a、5bに、またコード
配列体を被覆しているトッピングゴムtについてはソリ
ッド要素5c〜5eにそれぞれモデル化し、これらを厚
さ方向に順番に積層した複合シェル要素5としてモデル
化している。四辺形膜要素には、例えばコードc1の直
径に等しい厚さと、コードc1の配列方向とこれと直交
する方向とにおいて剛性の異なる異方性とを定義するこ
とができる。またゴムを分割している各ソリッド要素に
ついては、例えば超粘弾性材料として定義して取り扱う
ことができる。なおこのようなタイヤモデル2は、タイ
ヤの回転軸を含む子午線断面において先に2次元形状を
特定し、これを仮想のタイヤ回転軸の回りに周方向に回
転させ所定の周方向長さで単位化して要素分割すること
により、比較的簡単にモデリングを行うこともできる。
また3次元CADのデータを利用して精度良く分割する
こともできる。なおタイヤモデル2の設定方法は、上記
の方法に限定されるものではない。
面モデル8を設定する処理を行う(ステップS2)。路
面モデル8は、数値解析が可能かつ圧縮による体積変化
を表現できしかもこの体積変化が実質的に永続する要素
で路面形成物をモデル化した路面形成物モデルを有し、
本例ではこの路面形成物モデルが雪をモデル化した雪モ
デル(路面形成物モデル)6からなる。
イヤモデル2が最初に走行することとなる第1の走行部
8Aと、この第1の走行部8Aの進行方向の後方に途切
れることなく連なる第2の走行部8Bとが設定されたも
のを示す。前記第1の走行部8Aは、前記雪モデル6を
有しない剛表面要素7のみで形成される。一方、第2の
走行部8Bは、例えば底面をなす前記剛表面要素7と、
その上に所定の厚さHで配された前記雪モデル6とから
構成されている。このような路面モデル8とした理由
は、後述のシミュレーションのステップにおいて詳細に
述べることとする。
六面体ソリッド要素または厚さを有しない膜要素、平面
要素などいずれを用いても良いが、その表面が変形しな
い特性、すなわち、剛体特性が定義される。また前記雪
モデル6には、図7に示すように、雪モデル6の体積と
この雪モデル6に作用する圧縮力(静水圧圧縮応力)と
の関係が定義される。図から明らかなように、雪モデル
6は、実線で示す如く圧縮力が大きくなるとこれに比例
して体積が減少する圧縮性を有する。また圧縮力を取り
除くと、鎖線で示す如く弾性歪分が回復され塑性歪だけ
が永続する弾性も有している(弾塑性体)。鎖線は、図
では3本示されるが、いずれも平行であり、これは体積
弾性率が一定であることを示している。ただし、体積弾
性率を異ならせることもできる。また、図7に示す雪モ
デル6と圧縮力との関係は雪質等に応じて種々の特性が
設定できるのは言うまでもない。
では有限体積法にて取り扱い可能な要素として6面体の
オイラー要素でモデル化されたものを例示している。図
8には雪モデル6の側面図を例示する。例えば前記第2
の走行部8Bにおいては、雪モデル6は、前記剛表面要
素7の上の空間に固定された多数の格子状のメッシュ6
aと、このメッシュ6aによって区切られる立方空間6
bに満たされかつ図7の特性を定義された雪に相当する
仮想の充填物6c(ハッチングを付す)とで構成され
る。充填物6cの厚さHは、解析しようとする雪路の雪
厚さに相当させる。なおメッシュ6aは、充填物6cの
上部に空隙を有しているため、充填物6cの盛り上がり
などを表現しうる。また雪モデル6は、タイヤモデル2
の転動に必要な幅と長さとが与えられる。
は、前記剛表面要素7によって充填物6cの流出入が規
制される。なお雪モデル6の左右の側面Se1、Se
2、タイヤモデルが最初に衝突する前の側面Se3、及
び図示しない後の側面について、いずれも充填物6cの
外部からの流入、同流出を禁止する条件を与えることも
できる。その場合においても、それ以外のメッシュ6a
間では充填物6cの流出入が可能に設定される。
に、例えば雪モデル6とタイヤモデル2のトレッドブロ
ック9とが接触した場合、雪モデル6の変形計算におい
てはトレッドブロック9が位置する部分の雪を表す前記
充填物6cが押しのけられ、図9(B)のように、トレ
ッドブロック9の表面を境界としてその外側だけに充填
物6cが残る。そして、取り除かれた充填物6cは、各
立方空間内に圧縮されたものとして計算される。また雪
の体積変化は、後述の如く雪モデル6の変形計算を行う
時間増分(計算ステップ)の前後における各立方空間6
bの充填物6cの体積を比較することにより、各要素毎
に計算しうる。
の立方空間6bには初期状態でその100%の体積V1
(=L1×L2×L3)の前記充填物6cが満たされて
いるが、タイヤモデル2のトレッドブロックの表面9A
がこの立方空間に進入すると、変化後の充填物6cの体
積V2は{(L1−L4)×L2×L3}となる。そし
て、変化前後の充填物6cの体積比(V2/V1)によ
り、充填物6c(すなわち雪)の体積歪が得られる。体
積歪は、除荷後に変形が0となる弾性体積歪と、除荷後
においても歪が残存する塑性体積歪との和であるが、図
7に鎖線で示したように前者は後者に比して非常に小さ
い。従って、前記充填物6cは、構造物が取り除かれた
場合、図9(B)に示したように塑性体積歪が残る。
て、雪の体積変化とそれに伴う圧縮力とがコンピュータ
上の計算ないしシミュレーションに的確に取り込みでき
る。また本例のように雪モデル6をオイラー要素とした
場合、構造物に適したラグランジェ要素を用いた場合に
比べ、材料の変形が大きくなったときのメッシュのくず
れや要素のネガティブボリューム化等の不具合を回避で
きる点でも好ましい。ただし、雪モデル6を、オイラー
要素に限定する趣旨ではない。
る(ステップS3)。設定される条件としては、例えば
タイヤモデル2のリム組み条件、内圧充填条件、雪モデ
ル6とタイヤモデル2との間の摩擦係数(即ち、タイヤ
モデル2と雪モデル6との間には摩擦が考慮され
る。)、タイヤモデル2、雪モデル6の変形計算時の初
期の時間増分、雪モデルの体積弾性率、タイヤモデル2
と路面モデル8との相対的な評価速度ないしその設定方
法などを含むことができる。
するためには、例えば図14に示すように、タイヤモデ
ル2のリム接触域b、bを拘束してタイヤモデル2のビ
ード部の巾Wをリム巾に等しく強制変位させるととも
に、仮想のタイヤモデル2の回転軸CLと前記拘束域b
とのタイヤ半径方向距離rを常にリム径と等しく設定し
ておく。また前記内圧充填条件をタイヤモデル2に設定
するためには、タイヤモデル2のタイヤ内腔側の内側面
にタイヤ内圧に相当する等分布荷重wを作用させること
により設定できる。
陽解法を採用する。陽解法は、収束計算を行うことなく
各モデルに荷重等が作用した瞬間を時刻0とし、設定さ
れた時間増分ごとに時間を区切って、各時刻でのモデル
の変位を求める。そして、この時間増分は、計算を安定
して行うためにクーラン(Courant)条件を満たすよう設
定される。具体的には、前記タイヤモデル2、雪モデル
6の変形計算時における初期の時間増分△tは、下記式
を満たす値に設定される。 △t<Lmin /C
要素の中で最も小さな要素の代表的な長さ、“C”は構
造物中を伝播する応力波の伝達速度で√(E/ρ)で求
めうる(E:ヤング率、ρ:質量密度)。このようにク
ーラン条件を満足するよう時間増分を定めることによ
り、図17に示すように、例えば要素e1に外力Fが作
用したときに、この外力Fが要素e1に隣り合う要素e
2に伝達される前の要素e1の変形状態を計算すること
ができる。
素の大きさ、密度から応力波伝達時間を計算するととも
に、本例では該応力波伝達時間の最小値に安全係数をか
けて初期の時間増分を設定する。このため、全ての要素
について最適な変形計算が可能となる。前記安全係数と
しては、例えば0.8以上かつ1.0未満とするのが望
ましい。そして、この初期の時間増分は、具体的にはタ
イヤモデル2、雪モデル6、夫々0.1〜5μsec 、よ
り好ましくは0.3〜3μsec 、さらに好ましくは0.
5〜2μsec 程度とするのが望ましい。
ル2に作用する軸荷重条件、転動時のスリップ角、キャ
ンバー角、評価速度、前記第1の走行部8Aの剛表面要
素7とタイヤモデル2との間の摩擦係数などを含むこと
ができる。また本発明では、前記路面モデル8を空間上
に固定するとともに前記タイヤモデル2をこの路面モデ
ル8上で転動させる条件を与える。
走行(転動)シミュレーションを行う場合、大きく分け
て2つの方法が考えられる。一つは、タイヤ台上試験の
ように、タイヤモデル2の仮想の回転軸を空間(ここで
言う「空間」とは、解析をとり行う「全体座標系」を意
味している。)に回転可能に固定し、路面モデル8をタ
イヤモデル2と接触させかつ前方から後方に向けて移動
させる方法であり、もう一つはタイヤが走行するときの
ように、タイヤモデル2を空間に固定された路面モデル
2の上で転がしながら前方に移動させる方法である。
を用いたシミュレーションの場合、前者の方法のように
路面モデル8を移動させると、例えばタイヤモデル2か
ら得られる路面反力、接地圧などの計算結果に振動が発
生し易いことが判明した。前者の方法では、路面モデル
を構成する剛表面要素7と、その上に設定された雪モデ
ル6との双方に速度を与え、両者の相対速度を0とする
条件設定が必要となるが、雪モデル6は水などの非圧縮
性の流体とは異なり、圧縮性を有する弾塑性体のため、
このような速度を与えることで計算結果に振動が生じ易
くなるものと推察される。そこで、本発明では、前記路
面モデル8を空間上に固定するとともに回転速度と並進
速度とをもった前記タイヤモデル2がこの路面モデル8
上を転動しうるように条件を与えてシミュレーションを
行うことにより、計算結果に振動が生じるのを効果的に
防止している。
モデル6の変形計算を微小な時間増分毎に行うことによ
り、タイヤの走行シミュレーションを行う(ステップS
4、S5)。
モデル2が雪モデル6の上を評価速度で走行していると
きの路面からの反力、前後力などの物理量が評価値とし
て計算される。一方、タイヤモデル2は、通常、初期の
状態として回転していない静止状態でモデル化される。
従って、より正確なシミュレーションを行うためには、
前記評価速度におけるタイヤモデル2の形状、内部応力
分布等を知る必要があり、そのためには、初期状態のタ
イヤモデル2を加速走行させ前記評価速度に等しい状態
とする加速シミュレーションを行うことが望ましい。
に、タイヤモデル2が評価速度と等しい状態に至るまで
の加速シミュレーションを雪モデル6が配されていない
前記第1の走行部8Aで行うこととしている。このた
め、前記第1の走行部8Aは、前記タイヤモデル2が設
定された評価速度まで加速するのに必要な長さで形成さ
れる。具体的には、第1の走行部8Aの長さは、前記評
価速度、加速シミュレーションを行う際の加速度、剛表
面要素7とタイヤモデル2との間の摩擦係数、タイヤモ
デル2の径などによって適宜決定される。
おいては、雪モデル6を有していない剛表面要素7のみ
からなる第1の走行部8Aで加速シミュレーションを行
うことにより、圧縮力によって時々刻々と変化する雪モ
デル6からの反力などを考慮する必要が無いため、タイ
ヤモデル2の変形計算をより単純化でき加速シミュレー
ションに要する時間を大幅に短縮化しうる。そして、評
価速度まで加速されたタイヤモデル2は、この第1の走
行部8Aの進行方向の後方に連なる第2の走行部8Bへ
乗り移り、雪モデル6との接触が開始される。
2の走行部8Bの剛表面要素7の走行面7Bは、前記第
1の走行部8Aの剛表面要素の走行面7Aよりもh1だ
け低い位置に設定する。評価速度に達したタイヤモデル
2は、第1の走行部8Aから雪モデル6を有する第2の
走行部8Bへと乗り移る。このとき、図11のように、
第2の走行部8Bの剛表面要素7の前記走行面7aが、
第1の走行部8Aの剛表面要素7の走行面7Aと面一で
あると、雪モデル6の厚さHに相当する高さで段差が生
じる。このような路面モデル8では、タイヤモデル2と
雪モデル6との初期接触によって大きな前後力が生じ、
タイヤモデル2に大きな振動が生じやすい。
の厚さHを減じること、より具体的にはタイヤモデル2
のトレッド溝の溝深さ以下とすることにより、雪モデル
6からの反力がタイヤモデル2に極力作用しないように
構成することもできる。しかしながら、タイヤモデル2
の溝深さはせいぜい10mm程度であるため、雪モデル6
の厚さHをこれ以下に設定したのでは、タイヤモデルの
現実的な雪上走行性能の評価が困難になる。
に、前記第2の走行部8Bの、前記剛表面要素7の走行
面7Bを、第1の走行部8Aの剛表面要素7の走行面7
Aよりもh1(≠0)だけ低く設定することにより、前
記雪モデル6の厚さHを必要量(溝深さよりも十分に大
きく)確保しつつ第1の走行部8Aの走行面7Aから突
出する雪モデル6の段差を減じることによって振動を抑
制している。
デル6の厚さ等に応じて種々定めることができる。例え
ば図12に示すように、前記高さの差h1と、雪モデル
6の厚さHとを等しく設定することもできる。これによ
り、雪モデル6の走行面6Bが第1の走行部8Aの走行
面7Aと実質的に面一となるため、タイヤモデル2と雪
モデル6との初期接触による前後力を緩和でき、タイヤ
モデル2への振動抑制に効果がある。
記第2の走行部8Bの雪モデル6の走行面6Bは、前記
第1の走行部8Aの剛表面要素7の走行面7Aよりもh
2(≠0)だけ高い位置に設定し、この高さの差h2
を、前記タイヤモデル2にモデル化された溝深さd以
下、より好ましくは溝深さdよりも小とすることが望ま
しい。
タイヤモデル2の振動をさらに緩和しうる。しかし、図
12の態様では、雪モデル6がタイヤモデル6によって
圧縮されるため、その走行面6Bが降下しこれに伴いタ
イヤモデル2に上下方向の距離Dの落ち込みが生じる。
このようなタイヤモデル2の落ち込みにより、該タイヤ
モデル2に上下方向の振動が生じやすくなる。このよう
な落ち込みを、前記初期接触による前後力を増大させる
ことなく減じるためには、図13に示すように、第2の
走行部8Bの雪モデル6の走行面6Bを、前記第1の走
行部8Aの剛表面要素7の走行面7Aよりもh2だけ高
い位置に設定し、しかもこのh2をタイヤモデル2のト
レッド溝の溝深さd以下とするのが効果的となる。
さd以下であれば、タイヤモデル2と路面モデル6との
初期接触によって生じる前後力、及び雪モデル6の圧縮
に伴うタイヤモデル2の下方への落ち込み量がともにバ
ランス良く緩和できる。このためタイヤモデル2に大き
な振動を生じさせることなく、雪モデル6との接触を開
始でき、計算結果をより信頼性の高いものとしうる。
剛表面要素7と、その上に配された雪モデル6とからな
るものを示したが、例えば図14に示すように、第2の
走行部8Bを底面に剛表面要素7を用いることなく雪モ
デル6だけで構成することもできる。このとき、例えば
雪モデル6は、少なくとも底面Se5に充填物6cの流
入流出を禁止する境界条件を与えることによって図11
〜13で示したものと同じ機能の路面モデルを設定でき
る。なお必要に応じて左右の両側面Se1、Se2及び
前後の側面Se3、Se4に、充填物6cの流入、流出
を禁止する境界条件を与えることも可能である。
触が開始された場合の変形計算について説明する。図2
において、ステップS4ないしS8から明らかなよう
に、本実施形態では、タイヤモデルの2の変形計算と雪
モデル6の変形計算とを個別に行うとともに、タイヤモ
デル2の変形計算で得られた該タイヤモデル2の形状、
速度データを雪モデル6の変形計算時の境界条件として
与え(ステップS8)、雪モデル6の変形計算で得られ
た形状、速度、反力をタイヤモデル2の変形計算時の境
界条件として与える(ステップS7)ものを例示する。
以下、詳細に説明する。
具体的な処理手順の一例を示す。タイヤモデル2の変形
計算は、先ず時間増分△t後の変形計算を行う(ステッ
プS41)。変形計算には本例では有限要素法が用いら
れ、下記式で示される運動方程式が用いられる。またこ
のような計算は、前記コンピュータ装置1によって計算
される。
デル2の各要素についてその大きさ、密度により応力波
伝達時間を再度計算するとともに(ステップS42)、
本例では該応力波伝達時間の最小値から計算される時間
増分を次回の時間増分として設定する(ステップS4
3)。応力波伝達時間は、前記の如く、要素の大きさ、
密度の関数であるため、要素の変形の都度変化する。本
例では、要素の変形状況に合わせてその都度最適な時間
増分を計算するステップを含むため、より正確なタイヤ
モデル2の変形計算を行うことができ、精度の高いシミ
ュレーション結果を得るのに役立つ。
しているか否かを調べ(ステップS44)、経過してい
ない場合には、ステップS41に戻り、新たに計算され
た時間増分を加算し再度計算を行う。所定の時間が経過
している場合(ステップS4でY)、タイヤモデル2の
変形計算を終えステップS6に戻る。
的な処理手順の一例を示す。ステップS51では、時間
増分後の雪モデル6の各要素について変形計算を行う。
変形計算には本例では下記式で示される方程式が用いら
れ、各要素の変形後の体積が求められる。具体的にはタ
イヤモデルの境界条件から、雪モデルへの圧力Pが計算
され、下記式から変形後の雪モデルの各要素の体積が求
まり、その変形状態を特定しうる。このような計算は、
前記コンピュータ装置1によって計算される。
増分後の応力計算が行われる(ステップS52)。この
応力計算では、雪モデル6の各要素について応力の第1
の不変量I1 、偏差応力の2次不変量J2 がそれぞれ計
算される。これら応力の第1の不変量I1 、偏差応力の
2次不変量J2 は、いずれも雪モデル6の降伏条件を決
定するパラメータとなる。応力の第1の不変量I1 は、
主応力σ1 、σ2 及びσ3 の和で計算される。また偏差
応力は、各軸についての垂直応力σx 、σy 、σz それ
ぞれから静水圧成分(σm ={(σx +σy +σz )/
3})を差し引いたもので各偏差応力σx ’、σy ’、
σz ’は下記式で計算される。 σx'=σx −σm 、 σy'=σy −σm 、 σz'=σ
z −σm
差応力から下記式により計算することができる。 J2 =σx'・σy'+σy'・σz'+σz'・σx'−τxy2 −
τyz2 −τzx2 ただし、τxy、τyz、τzxはそれぞれ、せん断応力であ
る。
についての硬化係数qを計算する(ステップS53)。
硬化係数qも、雪モデルの要素の降伏条件を決定するパ
ラメータの一つである。この硬化係数qは、種々の実験
の結果によって得られた例えば下記の実験式(1)及び
(2)を用いて計算することができる。
では、硬化係数qは、2種類用意され、雪モデル6の要
素の圧縮が進むほど硬化が進む(硬くなる)ように定め
られる。なお硬化係数は、このような実験式に限定され
るものではなく、種々変更しうるのは言うまでもない。
“f”は、例えば1より小で1に近い数、例えば0.9
0〜0.99程度が好適である。
素の変形が塑性域か弾性域かを降伏条件により判定する
(ステップS54)。降伏条件は、前記応力の第1の不
変量I1 、偏差応力の2次不変量J2 、及び硬化係数q
を用いて設定される。図19は、縦軸に雪モデルの要素
の偏差応力の2次不変量J2 の平方根、横軸に応力の第
1の不変量I1 をとったグラフである。
は、ドラッカープラガーの損傷面( Drucker-Prager fa
ilure surface )として知られている。また雪モデルの
降伏条件(「降伏面」とも呼ばれる。)は横向きの滴状
の曲線f1 、f2 、f3 …として与えられる。雪モデル
の要素の状態が、この境界条件fの内側にあれば弾性域
であり、同外側にあれば塑性域となる(例えば降伏条件
f1 における弾性域をハッチングにて示す。)。この降
伏条件は、下記式で与えられる。
J2 は偏差応力の2次不変量、Tは雪の結合力に関する
パラメータ、qは前記硬化係数、kは摩擦角と関係する
材料パラメータ、添え字cは圧縮時、添え字tは引張時
のものを示す。このように、雪モデルの降伏条件は、応
力の第1の不変量I1 、偏差応力の2次不変量J2 及び
硬化係数qの関数となり、これらのパラメータに応じて
図19のように形状が変化しうる。
ては、前記応力の第1の不変量I1、偏差応力の2次不
変量J2 、硬化係数qが特定され、かつこれらを用いて
前記数4から一の降伏条件fが設定される。そして、応
力の第1の不変量I1 、偏差応力の2次不変量J2 とで
プロットされる座標が、前記境界条件fのどちらの側に
位置しているかによって変形が弾性域か或いは塑性域か
を判定しうる。
の要素の変形が塑性域と判定された場合、応力を緩和す
る処理を行う(ステップS55)。物体の変形をシミュ
レーションする場合、弾性変形は応力と歪とが比例する
ため、比較的容易にシミュレーションを行うことができ
る。しかし、本例のように、殆どが塑性変形である雪モ
デル6を用いたシミュレーションにおいては、雪モデル
6が塑性変形しているときの応力を安定した解として得
ることは容易ではない。そこで、本例では、雪モデル6
の変形が塑性域と判定し得た場合には、弾性限度内で各
要素が実際に負担しうる応力値へと引き戻すこと(応力
の緩和)により、擬似的に安定したシミュレーションを
可能としている。
にあっては、雪モデル6の要素がタイヤモデル2によっ
て押し固められたときの変形が塑性域か弾性域かを調べ
かつ、雪モデルの要素の変形が塑性域と判断された場合
には、該要素の応力を降伏条件に基づいて減少させるこ
とができる。これにより、実際の雪の上をタイヤが走行
するときに、タイヤによって雪が押し固められる塑性変
形、またこの塑性変形がタイヤの走行に及ぼす影響とい
ったタイヤ、雪の相互作用をコンピュータ上に適切に取
り込むことができ、より実車走行に近い精度の高いシミ
ュレーションを行うことができる。具体的には、例えば
ステップtでの降伏条件が図18のf3であるとき、ス
テップ(t+1)で計算された降伏条件がf4 、応力状
態がZ1であるような場合、応力状態を降伏条件f4 上
のZ2 へと引き戻し応力を緩和させうる。この引き戻す
方法は、種々の方法が採用できるが、例えばラジアルラ
ンナウト法などが好適である。
合と同様に、変形後の雪モデル6の各要素について応力
波伝達時間を再度計算するとともに、本例では該応力波
伝達時間の最小値を次回の時間増分として設定する(ス
テップS56)。
しているか否かを調べ(ステップS57)、経過してい
ない場合には、ステップS52に戻り、新たに計算され
た時間増分で再度計算を行う。所定の時間が経過してい
るときには(ステップS57でY)、雪モデル6の変形
計算を終え、ステップS6に戻る。
独立させて計算されたタイヤモデル2と雪モデル6との
変形計算結果から、お互いに必要なデータを受け渡しさ
せ両モデルを連成させる。例えば次回のタイヤモデル2
の変形計算には、雪モデル6の形状、速度、圧力データ
が条件として与えられる。他方、雪モデル6の次回の変
形計算には、タイヤモデル2の形状、速度が条件として
与えられる。なおこの連成は、同時刻におけるタイヤモ
デル2、雪モデル6の状態で行われる。
の位置の変化に伴う新たな圧縮力の変化が再現でき、他
方、タイヤモデル2については、雪モデル6から受ける
反力によってその変形が再現される。そして、このよう
な計算を繰り返すことによって、雪の圧縮特性とタイヤ
モデル2と雪モデル6と相互作用とを考慮に入れつつ、
タイヤモデル2、雪モデル6の時々刻々と変化する変形
状態を達成させて計算できる。なおこれらの連成処理な
どはコンピュータにより行われ、その計算手順は例えば
一般に知られている有限要素法解析プログラムなどを用
いて自動計算しうる。なおステップS6では、計算終了
となる予め指定した時間が経過したかを判断し、ステッ
プS6でYと判断された場合、計算結果を出力し(ステ
ップS9)、処理を終える。なおタイヤモデル2と雪モ
デル6との連成(ステップS7ないし8)は、両モデル
が同時刻となるように設定される。なおステップS6で
の計算を終える時間は、実行するシミュレーションに応
じ安定した計算結果が得られるよう種々定めることがで
きる。
ができる。例えば、タイヤモデル2に駆動力(又は制動
力)を与えた場合、そのときに雪モデル6へと伝えられ
る前後方向の力である前後力を取り出すことにより、雪
道におけるタイヤの駆動性能(又は制動性能)を評価、
改善するのに役立つ。またタイヤモデル2にスリップ角
を与えて雪モデル上を走行させた場合、タイヤモデル2
に生じる横力を出力することにより、雪上でのタイヤの
コーナリング性能を評価、解析することができる。なお
出力する情報は、これらの値に限定されず、必要に応じ
て種々のものを出力することができる。
イヤの内部構造、プロファイルの変更、パターンの改
良、又はゴム材の改良などを行い、さらにはサイピング
の形状、深さ、厚さなどを変え、好適なシミュレーショ
ン結果が得られたタイヤを実際に試作することができ
る。これにより、例えば冬用のタイヤの開発期間を大幅
に短縮するとともに開発コストを低減できる。そして、
試作タイヤについても実車評価などを行い、良好な結果
が得られたタイヤを製造することができる。実車評価が
シミュレーション結果と一致しない場合には、シミュレ
ーションのソフトウエアにこの結果を反映させる修正を
行うことが望ましい。
ンを視覚化した一例を示す。雪モデルには、タイヤモデ
ル2が走行したときに生じる轍10が形成される。
ンにおけるタイヤモデルの前後力、上下力及び時間との
関係を示している。シミュレーションでは、走行後開始
後約0.06秒後から安定した計算結果が得られている
ことが判る。一方、図22に示すものは、タイヤモデル
2の仮想のタイヤ軸を空間上に可回転に固定し、路面モ
デル8を移動させて同様のシミュレーションを行った計
算結果を示す。図22のものでは計算結果に大きな振動
成分が含まれており、両者の間には精度の差が明りょう
に表れている。
発明は種々の変形が可能である。例えば上記実施形態で
は雪モデルをオイラー要素でモデル化したものを例示す
るが、これ以外にも一般に構造物をモデル化するのに多
用されるラグランジュ要素でモデル化することもでき
る。ラグランジュ要素は、従来では大きな変形が生じた
場合、図23(A)から(B)に示すように、要素がネ
ガティブボリュームとなるなど要素破壊が生じ計算でき
ないものと考えられていた。しかし、例えば図22
(C)のように、大きな変形が生じた場合には、要素の
辺と節点との接触が生じないように考慮することによ
り、また例えば膜状に変形させ、隣り合う次の要素に力
だけを伝達するように定義付けすることによって、ラグ
ランジュ要素であっても雪の特性を再現することも可能
となる。
の雪質の違いは、例えば雪モデルの要素の体積弾性率、
摩擦係数などを違えることによって概ね表現することが
できる。また上記実施形態では、路面形成物として雪を
例に挙げて説明したが、路面形成物として圧縮性材料で
ある土なども採用できる。土をモデル化する場合、要素
の体積弾性率を雪とは違えて設定すれば、他は雪と実質
的に同様に定義することができる。
ーション方法にあっては、タイヤを実際に試作しなくと
も、例えば雪上での走行性能を大凡知ることができる。
従ってタイヤの開発期間、コストを低減できる。また本
発明のシミュレーション方法にあっては、例えば雪モデ
ルの要素がタイヤモデルにより押し固められたときの変
形が塑性域か弾性域かを降伏条件により判定する処理を
含むことにより、実際の雪と近似した圧縮特性をコンピ
ュータシミュレーション上に好適に取り込むことがで
き、より精度の高いシミュレーションを行うことが可能
になる。そして、シミュレーションを行う条件を適切に
設定したことにより、雪、土等のように圧縮されること
によって固まる特性を具えた路面形成物上でのシミュレ
ーションの予測精度を高めつつ計算時間を短縮化しう
る。
のコンピュータ装置の構成図である。
例を示すフローチャートである。
である。
る。
ある。
図である。
デルと路面モデルとの側面図である。
デルと路面モデルとの側面図である。
デルと路面モデルとの側面図である。
デルと路面モデルとの側面図である。
図である。
ーチャートである。
ャートである。
である。
グラフである。
シミュレーションの結果を示すグラフである。
る線図である。
Claims (9)
- 【請求項1】数値解析が可能な要素でタイヤをモデル化
したタイヤモデルを設定するステップと、 数値解析が可能かつ圧縮による体積変化を表現できしか
もこの体積変化が実質的に永続する要素で路面形成物を
モデル化した路面形成物モデルを有する路面モデルを設
定するステップと、 前記路面モデルを空間上に固定するとともに前記タイヤ
モデルを前記路面モデル上で転動させる条件を与え、タ
イヤモデル、路面形成物モデルの変形計算を微小な時間
増分毎に行うことによりタイヤの走行シミュレーション
を行うステップとを含むことを特徴とするタイヤの走行
シミュレーション方法。 - 【請求項2】前記路面形成物が雪であり、路面形成物モ
デルが雪モデルであることを特徴とする請求項1記載の
タイヤの走行シミュレーション方法。 - 【請求項3】前記路面モデルは、前記タイヤモデルが最
初に走行する第1の走行部と、この第1の走行部の後方
に連なる第2の走行部とが設定され、 前記第1の走行部は、前記雪モデルを有しない剛表面要
素からなり、かつ前記第2の走行部は、少なくともその
走行面に前記雪モデルが配されてなることを特徴とする
請求項2記載のタイヤの走行シミュレーション方法。 - 【請求項4】前記第1の走行部は、前記タイヤモデルが
設定された評価速度まで加速するのに必要な長さで形成
されることを特徴とする請求項3記載のタイヤの走行シ
ミュレーション方法。 - 【請求項5】前記第2の走行部は、底面をなす剛表面要
素と、その上に配された前記雪モデルとからなることを
特徴とする請求項3又は4記載のタイヤの走行シミュレ
ーション方法。 - 【請求項6】前記第2の走行部は、少なくとも底面にお
いて雪の流入及び流出を禁止する条件が与えられた雪モ
デルからなることを特徴とする請求項3又は4記載のタ
イヤの走行シミュレーション方法。 - 【請求項7】前記第2の走行部の雪モデルの底面は、前
記第1の走行部の剛表面要素の走行面よりも低い位置に
設定されたことを特徴とする請求項3乃至6のいずれか
に記載のタイヤの走行シミュレーション方法。 - 【請求項8】前記第2の走行部の雪モデルの走行面は、
前記第1の走行部の剛表面要素の走行面よりも高い位置
に設定されるとともに、 前記第2の走行部の雪モデルの走行面と前記第1の走行
部の剛表面要素の走行面との差が、前記タイヤモデルに
設けられたトレッド溝の溝深さ以下であることを特徴と
する請求項3乃至7のいずれかに記載のタイヤの走行シ
ミュレーション方法。 - 【請求項9】前記雪モデルと前記タイヤモデルとの間に
摩擦係数を定義したことを特徴とする請求項2乃至8の
いずれかに記載のタイヤの走行シミュレーション方法。
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CN114636496A (zh) * | 2022-02-24 | 2022-06-17 | 华南理工大学 | 地基沉降作用下天然气站场埋地管道应力监测及预警方法 |
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