JP4777040B2 - タイヤの走行シミュレーション方法 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば砂漠のような砂で覆われた路面を走行するタイヤの評価が可能なタイヤの走行シミュレーション方法に関する。
従来、タイヤの開発は、試作品を作り、それを実際に実験し、実験結果から改良品をさらに試作するという繰り返し作業で行われている。しかし、この方法では、試作品の製造や実験に多くの費用と時間を要するため、開発効率の向上には限界がある。かかる問題点を克服するために、近年では有限要素法といった数値解析手法を用いたコンピュータシミュレーションにより、タイヤを試作しなくてもある程度の性能を予測・解析する方法が提案されている。
しかしながら、従来の提案では、タイヤを乾燥路面、水膜が存在するウエット路面又は雪ないし土のように変形後の体積変化が実質的に永続するような粘質路面でタイヤを走行させるシミュレーションに止まる(下記特許文献参照)。従って、例えば砂漠のように砂で覆われた路面での走行性能を評価しようとする場合、現実のテストを数多く実施する必要がある。
特許第3332370号公報
本発明は、以上のような問題点に鑑み案出なされたもので、タイヤを実際に試作することなく、砂で覆われた路面を走行するタイヤの評価を行いうるシミュレーション方法を提供することを主たる目的としている。
本発明のうち請求項1記載の発明は、コンピュータ装置を使用したタイヤの走行シミュレーション方法であって、
前記コンピュータ装置が、数値解析が可能な要素でタイヤをモデル化したタイヤモデルを、コンピュータ装置で取り扱いが可能な数値データとして受け取るステップと、
前記コンピュータ装置が、数値解析が可能な要素で砂の路面モデル化された砂路面モデルを受け取るステップと、
前記コンピュータ装置が、前記タイヤモデルと前記砂路面モデルとを接触させかつ前記タイヤモデルが前記砂路面モデルに対して転動する条件に基づいて、タイヤモデル及び砂路面モデルの変形計算を微小な時間増分毎に行うことによりタイヤの走行シミュレーションを行うシミュレーションステップとを含み、
前記砂路面モデルは、前記変形計算における変形挙動を表すものとして、応力状態に基づいて物理特性が異なる弾塑性特性が定義されており、かつ
前記弾塑性特性は、内部に流体が貯留された圧力室と、該圧力室の中に置かれかつ解析対象となる前記砂を封止した実質的に剛性を持たない柔軟な材料からなる円柱状のコンテナと、該コンテナの軸方向に荷重を負荷しうるアクチュエータとを含んで構成される三軸圧縮試験機を用いた三軸圧縮試験の結果に基づいて得られ、かつ、少なくとも2種類の拘束圧の下での前記砂の軸方向のひずみεaと軸方向の軸差応力(σa−σr)(ただし、σa:最大主応力、σr:最小主応力)との関係が異なる応力−ひずみの関係を含んでおり、
前記シミュレーションステップは、前記砂路面モデルの要素の変形が塑性域か弾性域かを判定する処理と、
前記塑性域と判断された場合、塑性ひずみの値を維持したまま、前記要素の応力を、そのときの要素の拘束圧での前記応力−ひずみの関係を示す曲線上の値まで減少させる処理を含むことを特徴とするタイヤの走行シミュレーション方法である。
また請求項2記載の発明は、前記弾塑性特性は、3種類の拘束圧の下での応力−ひずみの関係を含んでいる請求項1記載のタイヤの走行シミュレーション方法である。
また請求項3記載の発明は、前記応力−ひずみの関係は、応力の上昇に伴いひずみが0から降伏点まで滑らかに上昇する第1の変形領域と、この第1の変形領域に続くとともに応力のゆるやかな減少を伴いながら前記ひずみが前記降伏点から増加する第2の変形領域とを少なくとも含む請求項1又は2記載のタイヤの走行シミュレーション方法である。
砂が十分な厚さで堆積した路面でタイヤを走行させる場合、砂の物理特性は、タイヤから受ける圧力の状態に基づいて変わる。従って、砂路面を、応力状態に基づいて物理特性が異なる弾塑性特性を用いた砂路面モデルで定義することにより、精度の良いシミュレーション結果が得られる。
以下、本発明の実施の一形態を図面に基づき説明する。
本発明のタイヤの走行シミュレーション方法では、砂漠のように十分な砂の厚さを有する路面でタイヤを走行させる砂上走行シミュレーションを例に挙げ図面に基づき説明する。なお、本明細書において、砂とは、少なくともシルト(粒径:0.005〜0.075mm)、細砂(粒径:0.075〜0.250mm)、中砂(粒径:0.250〜0.850mm)、粗砂(粒径:0.850〜2.00mm)及び細礫(2.00mm〜4.75mm)の1種又は2種以上を含む混合物とする。つまり、本発明で対象とする砂とは、粒径が0.005〜4.75mmの粒子の集合体とする。特に好ましくは、前記粒径が0.005〜2mmの粒子の集合物である砂漠の砂を対象とするのが望ましい。
砂の特徴の一つは、圧縮の負荷をかけた場合、見かけ上の体積が増すということである。これは、自然状態ではランダムな形状の粒子が互いにうまく噛み合い体積を最小としているのに対し、圧縮応力が負荷されることにより、粒子の並びや接触状態が変化して該粒子間に新たな隙間が形成されるためと考えられる。
図1には、本発明のシミュレーション方法を実施するためのコンピュータ装置1が示されている。前記コンピュータ装置1は、本体1a、キーボード1b、マウス1c及びディスプレイ装置1dを含んで構成される。前記本体1aには、演算処理装置(CPU)、ROM、作業用メモリー、磁気ディスクのような大容量記憶装置(いずれも図示せず。)、CD−ROMなどのドライブ装置1a1、1a2が設けられる。そして、前記大容量記憶装置には後述するシミュレーション方法を実行するために必要な処理手順(プログラム)が記憶される。
図2には、本発明のシミュレーション方法の手順の一実施形態が示される。先ず、数値解析が可能な要素でタイヤをモデリングしたタイヤモデルが設定される(ステップS1)。数値解析が可能とは、例えば有限要素法、有限体積法、差分法又は境界要素法といった数値解析法にて取り扱い可能なことを意味し、本例では有限要素法が採用される。
図3には、タイヤモデル2の一例が3次元上に視覚化して表されている。タイヤモデル2は、解析しようとするタイヤを有限個の小さな要素(ラグランジュ要素)2a、2b、2c…に分割(モデリング)される。これにより、タイヤモデル2は、前記コンピュータ装置1で取り扱いが可能な数値データとして与えられる。具体的には、各要素2a、2b、2c…の節点座標値、要素番号、形状及び材料特性(例えば密度、ヤング率及び/又は減衰係数等)が定義される。特に限定されないが、各要素2a、2b、2c…には、例えば2次元平面としての四辺形要素、3次元要素としては、複雑形状を表現するのに適した4面体ソリッド要素が好ましい。但し、これ以外にも5面体又は6面体ソリッド要素などでも良い。
タイヤを構成しているゴム部分は、主として3次元ソリッド要素でモデリングされる。図3の例では、トレッド表面の縦溝及び横溝を含んだトレッドパターン形状が忠実に再現されている。パターン以外の箇所を重点的に検討したい場合、タイヤモデル2は、前記トレッドパターンが省略されたスムーズモデルで設定されても良い。トレッドの接地圧力やせん断力の分布を十分に表現できるように、1要素の周方向長さは接地長さの25%以下が望ましい。また、トレッドの断面方向の円弧を滑らかに表現しうるよう、1要素のタイヤ軸方向の長さは20mm以下が望ましい。
また図4に示されるように、タイヤモデル2は、トレッドパターンを忠実にモデル化した詳細パターン部分Aと、トレッドパターンを簡略化してモデル化した簡易パターン部分Bとを含むものでも良い。詳細パターン部分Aは接地長さよりも大きい範囲で定められるが、前記簡易パターン部分Bよりも小さい長さで設けられる。これにより、タイヤモデル2のトータルでの要素数が少なくなり、計算時間の短縮が図られる。
またタイヤモデル2の内部は、タイヤの内部構造に基づいてモデリングされる。即ち、図5に示されるように、タイヤ内部のベルトやカーカスのコード配列体cは、四辺形膜要素5a、5bに、またコード配列体cを被覆するトッピングゴムtは、ソリッド要素5c〜5eにそれぞれモデル化されている。そして、これらは厚さ方向に順番に積層され、複合されたシェル要素5を構成する。前記四辺形膜要素5aは、コードの直径に等しい厚さ及びコードの配列方向に基づいた異方性が定義される。また前記ソリッド要素は、体積変化が生じない超粘弾性が定義される。
次に、数値解析が可能な要素で砂の路面をモデル化した砂路面モデルが設定される(ステップS2)。
図6には、粒径加積曲線が示される。粒径加積曲線は、砂の粒度分布をふるい通過の質量百分率で示したものである。本実施形態のシミュレーションでは、砂漠から採取された曲線aで特定される砂を含む砂路面モデルが設定される。また、符号bで表される曲線は、標準砂として良く知られている「豊浦標準砂」のものである。
この実施形態では、砂路面モデルは、有限体積法にて取り扱い可能なオイラー要素を用いて定義される。図7には砂路面モデル6を視覚化しその側面図を示す。砂路面モデル6は、平面剛要素7の上の空間に固定された格子状のメッシュ6aと、このメッシュ6aによって区切られる立方空間6bを移動可能な仮想の充填物6cとを含む。
前記砂路面モデル6において、一つの要素とは、前記一つの立方空間6bとその中に含まれる充填物6cとを含む概念である。
また、前記仮想の充填物6cは、砂に相当し、砂路面モデル6の上部を除き、底部及び周囲で閉じられている。つまり、充填物6cは、例えば上部が開放された箱の中に入れられた砂と等価である。前記充填物6cの厚さHは、現実の砂路面の砂厚さに相当するので、本実施形態では、剛要素7の影響を無視できるように十分な大きさが与えられる。
なお、砂路面モデル6は、タイヤモデル2の転動に必要な十分な幅及び長さMLが与えられている。また、タイヤモデルの転動とは、必要な解析を得るための転動を意味するもので、タイヤモデル2を必ずしも1回転させる必要はなく、それよりも小さい回転の場合もあり得る。
また、図8(A)、(B)に示されるように、砂路面モデル6は、タイヤモデル2の表面との接触が考慮される。タイヤモデル2及び砂路面モデル6の変形計算(後述)では、互いの位置情報から両者の交差部分Jが計算される。両モデル2及び6は、前記交差部分Jの境界JLを介して接触するように取り扱われる。即ち、砂路面モデル6は境界JLを介してタイヤモデル2に圧力を与え、逆にタイヤモデル2は、その表面を「壁」(カップリングサーフェース)のデータとして砂路面モデル6に与える。従って、交差部分Jに存在していた充填物6cを他の位置へと移動させることにより、砂路面モデル6を変形させる。
さらに、前記砂路面モデル6(詳しくは前記充填物6c)には、応力状態に基づいて物理特性が異なる弾塑性特性が定義される。発明者らの種々の実験の結果、砂漠の砂(例えば粒径が50μm〜0.8mm程度)を含め、前記した粒径の砂は、その応力状態によって自らの物理特性が異なる弾塑性特性を有することが判明した。従って、砂路面モデル6にこのような特性を定義することで、タイヤが砂漠地のような砂路面を走行するときの実際の状況に即してコンピュータシミュレーションが行われる。従って、精度の高いシミュレーション結果が得られる。
前記弾塑性特性は、好ましくは、解析対象となる実際の砂に応じて設定されることが望ましい。本実施形態では、このような要求を満たすために、解析対象となる砂の物理特性を三軸圧縮試験により調べ、それに基づいて砂路面モデルの弾塑性特性が設定される。
図9には、三軸圧縮試験機10の一例が示される。三軸圧縮試験機10は、内部に流体が貯留された圧力室11と、該圧力室11の中に置かれた砂Sを封止した円柱状のコンテナ12と、該コンテナ12の軸方向(垂直軸方向)に荷重を負荷しうるアクチュエータ14とを含んで構成される。
前記圧力室11は、円筒形の本体筒11aと、その上部を閉じる上蓋部11bと、前記本体筒11aの下部を閉じる下蓋部11cとを含み、内部には例えば水等の流体が封止される。圧力室11は、その中の流体の量を図示しない恒圧装置で調節することにより、内部の圧力(流体圧)を予め定めた値に保持できる。前記上蓋部11bには、例えば前記アクチュエータ14を気密に支持しうるガイド部11dが設けられ、また下蓋部11cには、例えば恒圧装置(図示省略)に接続される流路11e1や、コンテナ12の底部と圧力計とを結ぶ流路11e2などが設けられる。
前記コンテナ12は、例えば厚さが薄いゴムのように柔軟な材料から形成され、実質的な剛性を持たないものとする。本実施形態のコンテナ12は、直径5cmの円柱形で作られている。コンテナ12の中には、解析対象の砂Sが密に充填される。従って、前記砂Sはコンテナ12を介して流体からの圧力を受ける。また、円柱形のコンテナ12は、下面が下蓋部11cにより固定され、かつ、上面がアクチュエータ14に固定されたピストン13で保持される。これにより、砂Sは、コンテナ12の側面全周に圧力室11の流体圧(静水圧)の負荷を受ける。なお圧力室11の流体圧を本明細書では拘束圧と呼ぶ。
砂Sの物理特性は応力状態によって異なるので、これを特定するためには、少なくとも2種類、好ましくは3種類以上の拘束圧の下で三軸圧縮試験を行うことが望ましい。また、前記拘束圧は、タイヤの接地圧に近似した値を考慮して定められるのが望ましい。本実施形態では、拘束圧を0.5kgf/cm(49kPa)、1.0kgf/cm(98kPa)及び2.0kgf/cm(196kPa)の3種類として三軸圧縮試験が行われた。
前記三軸圧縮試験では、圧力室11の内部の流体圧(拘束圧)を設定した後、前記アクチュエータ13を一定の速度で押し下げ、コンテナ12の軸方向の圧縮荷重を増しながら各種の力、変位、体積変化等が測定される。この状態では、コンテナ12の内部の砂Sには、X及びY方向には拘束圧が、Z方向には拘束圧及び圧縮荷重がそれぞれ作用する三軸応力状態が得られる。砂Sは、圧縮荷重の増加によって降伏して滑りが発生し、ついにはコンテナ12とともに軸方向と直角方向(円柱の半径方向)に膨らむ。本実施形態では、図10に示されるように、砂Sの軸方向のひずみと軸方向の応力との関係が得られる。
図10において、横軸はコンテナ12で包まれた砂Sの軸方向のひずみεを示し、縦軸は前記砂Sに作用する軸方向の軸差応力(σ−σ)である。これらは、それぞれ次の式で計算されるものとする。
<軸方向のひずみ>
ε=ΔL/L
:コンテナで包まれた円柱状の砂の初期の軸方向長さ
ΔL:その軸方向の変位量
<軸方向の軸差応力>
(σ−σ
σ:最大主応力(軸方向応力で、シリンダの押圧力をコンテナで包まれた円柱状の砂の断面積で除した値)
σ:最小主応力(拘束圧)
図10において、拘束圧(応力状態)を変えると、前記軸方向のひずみεと軸方向の軸差応力(σ−σ)との関係が異なることが理解される。つまり、砂Sは、弾塑性特性を有する。また、各曲線において、砂を圧縮し始めると、軸方向の応力は上昇する。これは、砂Sの各粒子間の摩擦によって引き起こされた粒子の滑りに対する抵抗によるものと考えられる。また、砂への圧縮荷重がさらに大きくなると、前記粒子間の接触圧が小さい箇所から順番に徐々に滑りが導入され応力の上昇が緩慢になる。この現象は、各曲線で表される軸方向の軸差応力のピークで完全な滑りが生じるまで続く。そして、その滑りは、軸方向の軸差応力のピークの後にも継続し、該応力はほぼ一定の値に飽和するようゆっくりと減少する。
また、前記拘束圧が大きいほど、砂Sには大きい軸方向の軸差応力が生じている。従って、タイヤのトレッドの下にある砂を十分に捕捉することは、砂の圧力を高め、その砂の流れ(変形)を小さくできるという作用が得られることが分かる。
本実施形態では、図10に示される3本の曲線、つまり3種類の拘束圧での応力−ひずみの関係が、砂路面モデル6の弾塑性特性として定義される。言い換えると、砂路面モデル6の各要素は、コンピュータシミュレーションにおいて、図10の関係で表されるような変形挙動を見せる。また、コンピュータ装置1には、図10に示される曲線を再現する材料モデルが記憶される。例えば、前記曲線を関数又は近似曲線等で置き換えて記憶させることができる。このようにして砂路面モデル6の弾塑性特性が設定される。
コンピュータシミュレーションにおいて、土や雪のような材料モデルでは、降伏条件を規定するために、Drucker-PragerモデルやMohr-Coulombモデル等が知られている。これらのモデルは、特に構造の基礎や地震工学の分析等のシミュレーションで用いられる。しかしながら、先述の材料試験結果から明らかなように、砂Sは、これらの材料モデルとは明らかに異なる特性がある。
例えば図10で示した拘束圧2.0kgf/cm の曲線を例に挙げると、砂路面モデル6の応力−ひずみの関係は、応力の上昇に伴いひずみが0から降伏点まで滑らかに上昇する第1の変形領域S1と、この第1の変形領域S1に続くとともに応力の減少を伴いながら前記ひずみが前記降伏点から増加する第2の変形領域S2とを少なくとも含む。他の拘束圧においても、このような第1及び第2の変形領域S1、S2が見られる。ピーク応力後の強度低下は、滑りが連続するために砂の各粒子の並びが良くなり、またいくつかの粒子の角が破損してより滑りやすくなるのが原因と考えられる。しかしながら、従来の材料モデルはこのような特性、特に第2の変形領域S2を有していない。
また、本実施形態では、図11に示されるように、砂路面モデルの要素には、実験により得られた砂Sの塑性ひずみεpと、この塑性ひずみに基づく体積ひずみεvsとの関係が定義される。砂Sにおける全体の体積ひずみεv(=(V−V0)/V0であり、Vは変形後の体積、V0は初期の体積である。)は、2つの成分に分けることができる。一つは、前記塑性ひずみにより生じる体積ひずみεvsである。もう一つは、圧力により生じる体積ひずみεvpである。これらは、下式(1)のように表すことができる。
εv=εvp+εvs …(1)
図11の関係は、上記三軸圧縮試験から得られる。正確には、軸ひずみと体積ひずみの関係が得られ、それを再現するような塑性ひずみと、塑性ひずみに伴う体積ひずみとの関係が定義できる。
次に本実施形態のシミュレーション方法では、境界条件等が設定される(ステップS3)。設定される条件としては、例えばタイヤモデル2が装着されるリム、内圧、砂路面モデル6とタイヤモデル2との間の摩擦係数、タイヤモデル2に負荷される軸荷重、転動時のスリップ角、キャンバー角、走行速度(本例では砂路面モデル6に接触したタイヤモデル2に所定の並進速度及び回転速度が与えられる。)、タイヤモデル2や砂路面モデル6の変形計算時の初期の時間増分及び両モデル2、6の初期位置などの条件を含む。
前記リム組みをタイヤモデル2に適用するためには、例えば図12に示されるように、タイヤモデル2のリム接触域2r、2rを変位不能に拘束してタイヤモデル2のビード部の巾Wをリム巾に等しく強制変位させるとともに、仮想のタイヤモデル2の回転軸CLと前記拘束域bとのタイヤ半径方向距離rとが常にリム半径と等しくなるように条件を設定(定義)すれば良い。また内圧をタイヤモデル2に適用するためには、図12のように、タイヤモデル2のタイヤ内側面に内圧に相当する等分布荷重ωを与えて変形計算を行えば良い。
次に、タイヤモデル2が砂路面モデル6と接触しかつ転動する様子(タイヤモデル2及び砂路面モデル6の変形)がコンピュータ装置1を用いて微小な時間増分毎に計算される(ステップS4〜S8)。
本実施形態において、各々のモデル2、6の変形計算は、陽解法で計算される。陽解法は、各モデル2、6に荷重等が作用した瞬間を時刻0とし、設定された時間増分ごとに時間を区切り、各時刻でのモデル2、6の変位が求められる。このため、収束計算は必要ないが、計算を安定させるために、前記時間増分がクーラン(Courant)条件を満たす必要がある。具体的には、前記タイヤモデル2及び砂路面モデル6の変形計算における初期の時間増分△tは、下記式(2)を満たすように設定される。
△t<Lmin /C …(2)
ここで、Lmin は各モデル2、6を構成する要素の中で最も小さな要素の代表的な長さ、Cは要素中を伝播する応力波の伝達速度であり、√(E/ρ)で得られる(E:ヤング率、ρ:密度)。クーラン条件を満足するよう時間増分を定めることにより、図13に示されるように、例えば要素e1に外力Fが作用したときに、この外力Fが要素e1に隣り合う要素e2に伝達される前に要素e1の変形状態を計算できる。
また本実施形態では、前記式に基づき、全ての要素の応力波伝達時間が計算されるとともに、該応力波伝達時間の最小値に安全係数を乗じて初期の時間増分が設定される。このため、全ての要素について最適な変形計算が保証される。前記安全係数としては、例えば0.66以上かつ1.0未満とするのが望ましい。そして、タイヤモデル2及び砂路面モデル6の初期の時間増分は、それぞれ0.1〜5μsec 、より好ましくは0.3〜3μsec 、さらに好ましくは0.5〜2μsec が望ましい。
また、図2のステップS4〜S8に示されるように、タイヤモデルの2の変形計算と砂路面モデル6の変形計算とは個別に行われる。そして、タイヤモデル2の変形計算で得られた該タイヤモデル2の位置、形状、速度データが砂路面モデル6の変形計算時の境界条件として与えられる(ステップS8)。逆に、砂路面モデル6の変形計算で得られた形状、速度及び圧力データがタイヤモデル2の変形計算時の境界条件として与えられる(ステップS7)。
図14には、タイヤモデル2の変形計算の具体的な処理手順の一例が示される。そこでは、先ず時間増分(△t)後のタイヤモデル2の変形計算が行われる(ステップS41)。変形計算には本例では有限要素法が用いられ、前記コンピュータ装置1によって適宜の運動方程式を解くことによって行われる。
次に、本実施形態では、変形後のタイヤモデル2の各要素について、その大きさ、密度及び/又は硬さを用いて応力波伝達時間が再度計算されるとともに(ステップS42)、該応力波伝達時間に基づいて、クーラン条件を満たすように次回の変形計算に適切な時間増分が設定される(ステップS43)。応力波伝達時間は、前記の如く、要素の大きさ及び密度の関数であるため、要素の変形毎に変化するので、変形状況に合わせてその都度最適な時間増分を計算することは、より正確なタイヤモデル2の変形計算を行う上で役に立つ。
次に、予め指定(定義)された時間が経過しているか否かを調べ(ステップS44)、経過していない場合には、ステップS41に戻り、新たに計算された時間増分後のタイヤモデルの変形計算が再び行われる。また、所定の時間が経過している場合(ステップS4でY)、タイヤモデル2の変形計算を終えてステップS6に移る。
次に、砂路面モデル6の変形計算の具体例を図15に基づき説明する。先ず、時間増分後の砂路面モデル6の変形計算が行われる(ステップS51)。
この変形計算では、例えば砂路面モデル6の各要素について、現在の密度ρが計算される。
次に、前回の計算ステップ(前回の計算値)で得られた塑性ひずみεpと予め定義された図11の関係とに基づいて、塑性ひずみによる体積ひずみεvsが求められる。
次に、時間増分後の「圧力による体積ひずみεvp」が計算される。この体積ひずみεvpは、前記式(1)より、次式(3)で求めることができる。
εvp=εv−εvs …(3)
ここで、体積ひずみεvは、一般式より、予め求められた前記密度を用いて次式(4)で求めることができる(ただし、引張を正、圧縮を負とする。)。
εv=1−(ρ/ρ0) …(4)
ただし、ρは要素の現在の密度、ρ0は要素の初期(圧力=0のとき)の密度である。
次に、時間増分後の各要素の圧力(ここで言う圧力とは各要素に作用する3軸の応力成分の平均値とする。)Pは、下記式(5)で求めることができる。
P=aμ+aμ …(5)
ここで、a、aは砂に関する材料定数、μは圧力による体積圧縮率(圧縮を正とする)で下記式(6)により得られるものとする。
μ=−εvp=−εv+εvs=(ρ/ρ0)−1+εvs …(6)
次に、砂路面モデル6の各要素について時間増分後の応力計算が行われる(ステップS52)。ここでは、各要素について、偏差応力の二次不変量Jがそれぞれ計算される。先ず、X、Y及びZの各方向の偏差応力σx ’、σy ’及びσz ’は、各方向の垂直応力σx、σy及びσz それぞれから静水圧成分(これは、前記圧力Pである。)を差し引いたもので、下記式(7)〜(9)で計算される。
σx'=σx−P …(7)
σy'=σ−P …(8)
σz'=σ−P …(9)
そして、偏差応力の2次不変量J は、上記偏差応力σx '、σy ’及びσz ’等を用いて下記式(10)により求めることができる。
=σx'・σy'+σy'・σz'+σz'・σx'−τxy −τyz −τzx …(10)
ただし、τxy、τyz、τzxはそれぞれ、せん断応力である。
従って、このステップでは、砂路面モデル6の各要素のひずみ増分は、全て弾性とみなしてそれらの応力が計算される。
次に、砂路面モデル6の各要素について、時間増分後の応力−塑性ひずみ曲線が計算される。砂路面モデル6の各要素についての圧力Pは既にステップS51で計算されているので、予め設定された弾塑性特性(図10)から、現在の圧力Pに対応した応力−塑性ひずみ曲線が求められる(ステップS53)。これは、先に述べたように、砂の降伏を規定する条件となる。なお図10の弾塑性特性では、3種類の拘束圧しか定められていないので、これらとは異なる圧力Pの応力−ひずみの関係は、適宜、補間されて求められることになる。
次に、砂路面モデル6の各要素について、現在の応力状態が、前記応力−塑性ひずみ曲線を越えているか否かが判断される(ステップS54)。ここで、図16を用いて、砂路面モデル6の任意の要素についての例を挙げる。図16は、縦軸が二次不変量Jを用いた値{√(3J)}、横軸がせん断塑性ひずみεpであるグラフであり、前記要素の応力状態がZ及び応力−塑性ひずみ曲線がf’の場合を考える。応力状態Zは応力−塑性ひずみ曲線f’を上側に超えており、塑性域に存在していることが分かる。この場合には、応力緩和処理が行われる(ステップS55)。なお、塑性ひずみεpは、慣例に従い応力-ひずみマトリックスDと応力、ひずみの関係:Δσ=D・Δεから求めることができる。
前記応力緩和処理は、種々の方法で行うことができるが、本実施形態では、各要素についてその応力状態が応力−塑性ひずみ曲線上に位置するまでイタレーションを行う。具体的には、先ず応力状態Zにおける塑性ひずみの値εp1を維持したまま応力を応力−塑性ひずみ曲線f’上の位置Z’まで引き戻す。
次に、当該要素について、応力状態ZからZ’に減少した応力は塑性成分であるとみなして、新たな塑性ひずみεp2”が求められる。
次に、当該要素について、新たに求められた応力状態Z’などを用いて新たに圧力Pが計算される。また新たに計算された圧力Pと前記図10の関係とに基づいて、新たな応力−塑性ひずみ曲線f”が計算される。そして、該曲線f”上で塑性ひずみがεp2”となる応力状態Z”が求められる。さらにここで、塑性ひずみと圧力とが再計算され、その応力状態が応力−塑性ひずみ曲線上に一致するまで、前記処理が繰り返される。このようにして、応力状態Zは最終的に応力状態を応力−塑性ひずみ曲線f上の応力状態Zまで引き戻しされる。
次に、本実施形態では、タイヤモデル2の場合と同様に、変形後の砂路面モデル6の各要素について応力波伝達時間が再度計算され、例えば該応力波伝達時間の最小値に安全率を掛けた値が次回の時間増分として設定される(ステップS56)。
次に、予め指定(定義)された時間が経過しているか否かを調べ(ステップS57)、経過していない場合には、ステップS51に戻り、新たに計算された時間増分で再度砂路面モデル6の変形計算が繰り返し行われる。また、所定の時間が経過しているときには(ステップS57でY)、砂路面モデル6の変形計算を終えステップS6に移る。
ステップS7、S8では、それぞれ別々に独立させて計算されたタイヤモデル2と砂路面モデル6との変形計算結果から、お互いに必要なデータを受け渡しさせ両モデルを連成させる。先に述べたように、次回のタイヤモデル2の変形計算には、砂路面モデル6の圧力データが境界条件として与えられる。他方、砂路面モデル6の次回の変形計算には、タイヤモデル2の位置及び形状が壁としての条件として与えられるとともに、速度データ等が与えられる。
従って、砂路面モデル6には、タイヤモデル2の位置等の変化に伴って、移動ないし変形が生じるほか、圧力が変化する。また、タイヤモデル2には、砂路面モデル6から受ける反力によってその変形が再現される。そして、このような計算を繰り返すことによって、砂の圧縮特性とタイヤモデル2と砂路面モデル6との相互作用が考慮されながら、タイヤモデル2及び砂路面モデル6の時々刻々と変化する接触状態がシミュレートされる。
また、ステップS6では、計算終了となる予め指定された時間が経過したかが判断され、ステップS6でYと判断された場合、所定の計算結果が出力され(ステップS9)、処理を終える。なおステップS6での計算を終える時間は、実行するシミュレーションに応じ安定した計算結果が得られるように種々定められる。
計算結果の出力には種々のデータを含むことができる。例えば、砂路面モデルの応力分布、塑性ひずみの分布、タイヤモデル2の前後方向力、タイヤモデル2に生じる横力等を出力することにより、砂上でのタイヤの運動性能を十分に評価することができる。出力されるデータは、これらの値に限定されず、必要に応じて種々のものを出力することができる。
そして、これらの出力結果から、必要なタイヤの内部構造、プロファイルの変更、パターンの改良、内圧又はゴム材の改良などが行われる。さらにはサイピングの形状、深さ、厚さなどを変えることができる。また、好適なシミュレーション結果が得られたタイヤモデルに基づいて、実際にタイヤを試作することができる。これにより、例えば砂漠走行用のタイヤの開発期間を大幅に短縮できるとともに、開発コストを低減できる。そして、試作タイヤについても実車評価などを行い、良好な結果が得られたタイヤを製造することができる。実車評価がシミュレーション結果と一致しない場合には、シミュレーションのソフトウエアにこの結果を反映させる修正を行うことが望ましい。
図17には、本発明の走行シミュレーション結果として、タイヤモデル2と砂路面モデル6との接触部の応力分布を拡大して視覚化した図が示される。また、タイヤモデル2は、トレッドの変形が十分に理解できるように、トレッドの赤道位置で切断されている。タイヤサイズは265/70R16、内圧220kPa、1輪当たりの荷重6.37kN及び走行速度は50km/Hとした。図において白っぽく表示されている部分は応力が高いことを示している。図から明らかなように、回転方向の先着側でトレッドに踏み固められている砂に大きな応力が生じている。この圧力の高い砂は、トレッド部を内側に変形させ、走行抵抗になっている。
図18、図19には同様のシミュレーション結果が視覚化して示されている。この図では、砂路面モデル6の塑性ひずみの大きさが明度情報として表現されており、白っぽい部分が塑性ひずみの大きな領域を示す。図18のタイヤモデル2の内圧は150kPaであり、図19では220kPaである。図から明らかなように、内圧を低下させた図18の結果では、トレッド部の変形量が大きくなっており、その分、砂路面モデル6の塑性ひずみは小さく抑えられているので走行抵抗は小さいことが分かる。これは、砂漠等を走行する際、内圧を低くした方が車両の走行性能が良いという経験則や実験結果とも符合している。
以上本発明について説明したが、また上記実施形態ではタイヤモデル2を固定された砂路面モデル6の上で走行させているが、これとは逆にタイヤモデル2の回転軸を自由回転のみ許容して固定するとともに、タイヤモデル2と接触している砂路面モデル6を移動させることにより、その摩擦力でタイヤモデルの転動状態を再現することもできる。この場合、砂路面モデル6について一定の長さを定めておき、その前縁から順次砂路面モデルが追加されるとともに、後縁からは砂路面モデルが削除されていくよう設定することができる。
本発明のシミュレーション方法を実施するためのコンピュータ装置の構成図である。 本発明のシミュレーション方法の処理手順の一例を示すフローチャートである。 タイヤモデルを視覚化して示す斜視図である。 他の形態のタイヤモデルを視覚化して示す側面図である。 コード補強材の要素モデル化を示す概念図である。 砂の粒径加積曲線を示すグラフである。 砂路面モデルを視覚化して示す側面図である。 (A)、(B)は砂路面モデルの変形を例示する線図である。 三軸圧縮試験の一例を示す断面図である。 三軸圧縮試験により得られた軸方向の軸差応力と軸方向のひずみとの関係を示すグラフである。 塑性ひずみと塑性ひずみに基づく体積ひずみとの関係を示すグラフである。 タイヤモデルにリム組み条件を与える断面図である。 要素の斜視図である。 タイヤモデルの変形計算の一例を示すフローチャートである。 砂路面モデルの変形計算の一例を示すフローチャートである。 応力緩和処理を説明する偏差応力の二次不変量と塑性ひずみとの関係を示すグラフである。 走行シミュレーションの結果を視覚化して示す応力分布図である。 走行シミュレーションの結果を視覚化して示すタイヤモデルの内圧を150kPaとしたときの塑性ひずみ分布図である。 走行シミュレーションの結果を視覚化して示すタイヤモデルの内圧を220kPaとしたときの塑性ひずみ分布図である。
符号の説明
2 タイヤモデル
6 砂路面モデル

Claims (3)

  1. コンピュータ装置を使用したタイヤの走行シミュレーション方法であって、
    前記コンピュータ装置が、数値解析が可能な要素でタイヤをモデル化したタイヤモデルを、コンピュータ装置で取り扱いが可能な数値データとして受け取るステップと、
    前記コンピュータ装置が、数値解析が可能な要素で砂の路面モデル化された砂路面モデルを受け取るステップと、
    前記コンピュータ装置が、前記タイヤモデルと前記砂路面モデルとを接触させかつ前記タイヤモデルが前記砂路面モデルに対して転動する条件に基づいて、タイヤモデル及び砂路面モデルの変形計算を微小な時間増分毎に行うことによりタイヤの走行シミュレーションを行うシミュレーションステップとを含み、
    前記砂路面モデルは、前記変形計算における変形挙動を表すものとして、応力状態に基づいて物理特性が異なる弾塑性特性が定義されており、かつ
    前記弾塑性特性は、内部に流体が貯留された圧力室と、該圧力室の中に置かれかつ解析対象となる前記砂を封止した実質的に剛性を持たない柔軟な材料からなる円柱状のコンテナと、該コンテナの軸方向に荷重を負荷しうるアクチュエータとを含んで構成される三軸圧縮試験機を用いた三軸圧縮試験の結果に基づいて得られ、かつ、少なくとも2種類の拘束圧の下での前記砂の軸方向のひずみεaと軸方向の軸差応力(σa−σr)(ただし、σa:最大主応力、σr:最小主応力)との関係が異なる応力−ひずみの関係を含んでおり、
    前記シミュレーションステップは、前記砂路面モデルの要素の変形が塑性域か弾性域かを判定する処理と、
    前記塑性域と判断された場合、塑性ひずみの値を維持したまま、前記要素の応力を、そのときの要素の拘束圧での前記応力−ひずみの関係を示す曲線上の値まで減少させる処理を含むことを特徴とするタイヤの走行シミュレーション方法。
  2. 前記弾塑性特性は、3種類の拘束圧の下での応力−ひずみの関係を含んでいる請求項1記載のタイヤの走行シミュレーション方法。
  3. 前記応力−ひずみの関係は、応力の上昇に伴いひずみが0から降伏点まで滑らかに上昇する第1の変形領域と、
    この第1の変形領域に続くとともに応力のゆるやかな減少を伴いながら前記ひずみが前記降伏点から増加する第2の変形領域とを少なくとも含む請求項1又は2記載のタイヤの走行シミュレーション方法。
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