JP7242980B2 - タイヤのシミュレーション方法、その装置及びプログラム - Google Patents

タイヤのシミュレーション方法、その装置及びプログラム Download PDF

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Description

本発明は、水や雪、泥などの物体で覆われた路面を走行するタイヤの挙動を再現するタイヤのシミュレーション方法、その装置及びプログラムに関するものである。
水膜で覆われたウェット路面での空気入りタイヤの性能を予測するために、コンピュータを用いた数値解析法によるシミュレーション解析が行われている。ウェット路面上でのタイヤ性能としては、例えばハイドロプレーニング性能がある。ハイドロプレーニング性能とは、水の溜まった路面上をタイヤが走行するときに、タイヤと路面の間に水が入り込み、タイヤのグリップ力が低下し、最終的にタイヤが水膜上を滑るようになって制御が利かなくなるハイドロプレーニング現象に関する性能である。
このようなタイヤ性能を予測する際に、車両直進時だけでなく、車両旋回時におけるタイヤ性能を予測することが求められる場合がある。そのため、特許文献1では、タイヤの向きを考慮して排水性等のタイヤ性能を予測する方法として、タイヤにスリップ角を付与して動的解析を行うことが提案されている。しかしながら、流体モデルとしてのオイラー要素モデルをタイヤモデルとともに移動させることについても、また流体モデルにスリップ角を考慮した条件を付与することについても、特許文献1には記載されていない。
一方、特許文献2には、タイヤモデルを路面モデル上で転動させるとともに、流体モデルとしてのオイラー要素モデルをタイヤモデルの移動に応じて移動させて、動的解析を行うことが提案されている。しかしながら、特許文献2には車両旋回時のタイヤ性能を予測することについては記載されていない。
特開2007-210475号公報 特開2014-271373号公報
タイヤモデルとともにオイラー要素モデルを路面モデル上で移動させて動的解析を行う方法において、車両旋回時のタイヤ性能を予測するためにタイヤモデルにスリップ角を付与すると、オイラー要素モデルの要素数が増加し、計算コストが悪化してしまう。これは次の理由による。オイラー要素モデルはタイヤモデルと重なる領域が重要であるため、当該領域で要素を細分化したものが用いられている。ここにおいて、タイヤモデルにスリップ角を付与して、タイヤモデルの向きをオイラー要素モデルの向きに対して傾斜して配置すると、オイラー要素モデルにおいてタイヤモデルとの重なり領域の全体をカバーするために要素を細分化すべき領域が広くなる。そのため、オイラー要素モデルの要素数が増加し、計算コストが悪化する。
本発明の実施形態は、オイラー要素モデルの要素数の増加を抑えながら車両旋回時のタイヤ性能を解析することができる、タイヤのシミュレーション方法、その装置及びプログラムを提供することを目的とする。
本発明に係る第1の態様は、物体で覆われた路面を走行するタイヤの挙動を再現するタイヤのシミュレーション方法であって、; 数値解析が可能な有限個の要素でモデル化したタイヤモデルを設定するステップと、; 路面を再現した路面モデルを設定するステップと、; 前記路面を覆う物体を内部に配した解析モデルとして、前記タイヤモデルと重なる部分に要素が細分化された領域を持つオイラー要素モデルを設定するステップと、; 前記タイヤモデルを前記路面モデル上で転動させ、かつ転動する前記タイヤモデルの移動に応じて前記オイラー要素モデルを前記路面モデル上で移動させて動的解析を行うステップと、を含み、; 前記タイヤモデルと前記オイラー要素モデルの双方の向きを車両進行方向に対してスリップ角に相当する角度傾斜した方向にして、前記タイヤモデルと前記オイラー要素モデルを前記車両進行方向に移動させて前記動的解析を行う、ことを特徴とするタイヤのシミュレーション方法である。
本発明に係る第2の態様は、物体で覆われた路面を走行するタイヤの挙動を再現するタイヤのシミュレーション装置であって、; 数値解析が可能な有限個の要素でモデル化したタイヤモデルを設定するタイヤモデル設定部と、; 路面を再現した路面モデルを設定する路面モデル設定部と、; 前記路面を覆う物体を内部に配した解析モデルとして、前記タイヤモデルと重なる部分に要素が細分化された領域を持つオイラー要素モデルを設定するオイラー要素モデル設定部と、; 前記タイヤモデルを前記路面モデル上で転動させ、かつ転動する前記タイヤモデルの移動に応じて前記オイラー要素モデルを前記路面モデル上で移動させて動的解析を行う動的解析部と、を有し、; 前記動的解析部は、前記タイヤモデルと前記オイラー要素モデルの双方の向きを車両進行方向に対してスリップ角に相当する角度傾斜した方向にして、前記タイヤモデルと前記オイラー要素モデルを前記車両進行方向に移動させて前記動的解析を行う、ことを特徴とするタイヤのシミュレーション装置である。
本発明に係る第3の態様は、物体で覆われた路面を走行するタイヤの挙動を再現するためのプログラムであって、コンピュータに、; 数値解析が可能な有限個の要素でモデル化したタイヤモデルを設定するタイヤモデル設定機能と、; 路面を再現した路面モデルを設定する路面モデル設定機能と、; 前記路面を覆う物体を内部に配した解析モデルとして、前記タイヤモデルと重なる部分に要素が細分化された領域を持つオイラー要素モデルを設定するオイラー要素モデル設定機能と、; 前記タイヤモデルを前記路面モデル上で転動させ、かつ転動する前記タイヤモデルの移動に応じて前記オイラー要素モデルを前記路面モデル上で移動させて動的解析を行う動的解析機能であって、前記タイヤモデルと前記オイラー要素モデルの双方の向きを車両進行方向に対してスリップ角に相当する角度傾斜した方向にして、前記タイヤモデルと前記オイラー要素モデルを前記車両進行方向に移動させて前記動的解析を行う動的解析機能と、; を実現させるためのタイヤシミュレーションプログラムである。
本発明の実施形態によれば、オイラー要素モデルの要素数の増加を抑えながら車両旋回時のタイヤ性能を解析することができる。
一実施形態に係るシミュレーション装置のブロック図である。 同シミュレーション装置のフローチャートである。 動的解析部のフローチャートである。 タイヤモデルとオイラー要素モデルを結合させた状態を示す斜視図である。 タイヤモデルと路面モデルとオイラー要素モデルの組み合わせ状態を示す斜視図である。 第1実施形態におけるタイヤモデルとオイラー要素モデルの路面モデル上での動きを示す平面図である(但しタイヤモデルは省略)。 第2実施形態におけるタイヤモデルとオイラー要素モデルの路面モデル上での動きを示す平面図である(但しタイヤモデルは省略)。 比較例1(車両直進時)におけるタイヤモデルとオイラー要素モデルの路面モデル上での動きを示す平面図である(但しタイヤモデルは省略)。 比較例2(車両旋回時)におけるタイヤモデルとオイラー要素モデルの路面モデル上での動きを示す平面図である(但し、タイヤモデルは省略)。
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
一実施形態に係るタイヤのシミュレーション装置10は、物体で覆われた路面を走行する空気入りタイヤの挙動を再現するシミュレーション装置であって、図1に示すように、入力部12、タイヤモデル設定部14、路面モデル設定部16、オイラー要素モデル設定部18、静的解析部20、動的解析部22、評価値取得部24、タイヤ性能予測部26、及び出力部28を有する。
このシミュレーション装置10は、例えば、マウスとキーボードを有する汎用のコンピュータを基本ハードウェアとして用いることでも実現することが可能である。すなわち、入力部12、タイヤモデル設定部14、路面モデル設定部16、オイラー要素モデル設定部18、静的解析部20、動的解析部22、評価値取得部24、タイヤ性能予測部26、及び出力部28は、上記のコンピュータに搭載されたプロセッサにプログラムを実行させることにより実現することができる。このとき、シミュレーション装置10は、上記のプログラムをコンピュータに予めインストールすることで実現してもよいし、CD-ROM等の記憶媒体に記憶して、又はネットワークを介して上記のプログラムを配布して、このプログラムをコンピュータに適宜インストールすることで実現してもよい。
[第1実施形態]
第1実施形態として、水膜で覆われた路面を走行するタイヤの挙動を再現する場合について説明する。この場合、路面を覆う物体は、流体、詳細には液体としての水である。上記各部の構成と機能について順番に説明する。
[1]入力部12
入力部12は、解析対象となる空気入りタイヤ、路面、及び流体である水膜をそれぞれモデル化するために必要なモデル作成条件と、これらのモデルを用いて解析を行うための解析条件を取得する。
モデル作成条件としては、モデルの形状、メッシュ分割数等が挙げられ、例えば、タイヤモデルの作成条件としては、タイヤ断面形状を含めたタイヤについての種々のデータ(タイヤ設計情報)が挙げられ、具体的には、タイヤの外形形状や内部構造等の各寸法諸元、タイヤを構成するトレッド、ベルト、カーカスなどの各部材についてヤング率、ポアソン比や比重などの材料特性などが入力される。
解析条件としては、リムモデルに装着されたタイヤモデルに対する内圧や荷重、タイヤモデルの動的状態を定める、並進速度(即ち、走行速度、特には、タイヤモデルの最終速度)、スリップ角、タイヤモデルと路面モデルとの摩擦係数などのタイヤモデルの運動や接地に関する条件の他、動的解析における解析時間、路面上の水膜の厚みなどが入力される。
これらの情報の入力は、キーボードを用いて行われてもよく、CD-ROM等の記録媒体やネットワーク等を通じて行われてもよい。
[2]タイヤモデル設定部14
タイヤモデル設定部14は、数値解析が可能な有限個の要素でモデル化したタイヤモデルを設定する。例えば、入力部12で入力されたモデル作成条件に基づいて、トレッドパターンを持つタイヤについて、有限要素モデルを作成する。詳細には、自然平衡状態のタイヤ形状を基準形状とし、この基準形状をFEMによりモデル化して、メッシュ分割によって多数の有限要素に分割された三次元のタイヤモデルを作成する。かかる要素としては、4面体ソリッド要素、5面体ソリッド要素、6面体ソリッド要素などが挙げられ、これらの要素は三次元座標を用いて逐一特定される。図4において符号50としてタイヤモデルの一例を示す。
このようなタイヤモデルの作成方法自体は公知であり、かかる公知の方法を用いてタイヤをモデル化することができる。なお、予め作成されたタイヤモデルを入力部12から入力してもよく、その場合、タイヤモデル設定部14は、入力されたタイヤモデルを解析対象として設定する。
[3]路面モデル設定部16
路面モデル設定部16は、路面を再現した路面モデルを設定する。詳細には、入力部12で入力されたモデル作成条件に基づいて、道路の表面を数値解析が可能な要素に置き換えた路面モデルを作成する。図5に一例を示すように、路面モデル52は、外力が作用しても変形しない平坦な四角形状の剛表面要素により構成されるが、凹凸を有するものを路面モデルとして定義してもよい。一例として、路面モデルには、アスファルト路面とほぼ同様の表面摩擦係数が境界条件として定義される。
なお、予め作成された路面モデルを入力部12から入力してもよく、その場合、路面モデル設定部16は、入力された路面モデルを解析対象として設定する。また、ハードディスクなどの記憶手段に1又は複数の路面モデルを予め記憶させておき、マウスやキーボードなどを介して選択された路面モデルを、解析対象として設定してもよい。
[4]オイラー要素モデル設定部18
オイラー要素モデル設定部18は、入力部12で入力されたモデル作成条件に基づいて、路面を覆う物体を内部に配した解析モデルとしてオイラー要素モデルを作成する。ここでは、内部に流体物質(水)を配した流体解析モデルとしてオイラー要素モデルを作成する。オイラー要素モデル54は、その一例を図4,5に示すように、路面モデル52上の一部の空間領域を8節点のオイラーメッシュで分割して得られた複数の直方体要素からなるものであり、全体として直方体の形状を有し、その内部に所定の高さで流体物質56が配されている。オイラー要素モデル54では、要素の形状は変化することなく、流体物質56が空間内を移動する。流体物質56は、密度、体積弾性率、粘性係数、動粘度などで特徴付けられるものであり、本実施形態では、水に相当する密度と粘性係数で特徴付けられた流体物質56がオイラー要素モデル54内に配される。
図4に示すように、オイラー要素モデル54は、タイヤモデル50との重なり部とその近傍周辺部を含む範囲で作成される。オイラー要素モデル54のタイヤ前後方向及び軸方向における大きさは特に限定されない。例えば、タイヤ前後方向における大きさは、前方側の長さが後方側の長さよりも大きく形成され、その前方側の長さは、特許文献2に記載のように、路面モデル52に対するタイヤモデル50の接地部よりも前方側のオイラー要素モデル54の長さL(図6参照)を、L=kA/αに設定してもよい(ここで、k=1.0~1.5、A=9.0×10~1.0×10[mm/s]。α:動的解析部におけるタイヤモデルの加速度[mm/s])。
図4及び図6に示すように、オイラー要素モデル54は、タイヤ軸方向に平行な複数の垂直面と、タイヤ前後方向に平行な複数の垂直面と、高さが異なる複数の水平面とで複数の直方体要素に区画されている。該直方体要素は、路面モデル52に接し配されるオイラー要素モデル54の下面から高さ方向に離れるに従い、その体積が大きくなるように生成されている。
また、オイラー要素モデル54は、タイヤモデル50と重なる部分に要素が細分化された領域58を持つ。詳細には、図6に示すように、タイヤモデル50の接地部60及びその近傍に相当する領域58は、その周りの領域よりも直方体要素の体積が小さく、よって領域58ではメッシュ分割が密に設定されている。タイヤ前後方向に平行な複数の垂直面の配設間隔が接地部60及びその近傍においてその両側での配設間隔よりも狭く設定され、また、タイヤ軸方向に平行な複数の垂直面の配設間隔が接地部60及びその近傍においてその両側での配設間隔よりも狭く設定されており、これら配設間隔が狭いもの同士が交わる十字状の交差部が上記領域58として形成されている。そのため、領域58は図6に示すように平面視矩形状の領域である。タイヤ前後方向に平行な複数の垂直面の配設間隔は領域58の両側において領域58から離れるほど大きくなっており、そのため、タイヤ軸方向において領域58から離れるに従い直方体要素の体積が大きくなっている。また、タイヤ軸方向に平行な複数の垂直面の配設間隔は領域58の両側において領域58から離れるほど大きくなっており、そのため、タイヤ前後方向において領域58から離れるに従い直方体要素の体積が大きくなっている。
オイラー要素モデル54の内部には流体物質56が配置される。流体物質56は、オイラー要素モデル54における路面モデル52と接する下面領域全面に一様な厚さ(高さ)で配置されており、この例では、最下段から2段目の要素の位置まで流体物質56(図4において灰色で示す。)が充填されている。流体物質56は、水に相当する密度と粘性係数で特徴付けられており、また重力加速度が作用するように定義されている。なお、オイラー要素モデル54における流体物質56が充填された領域よりも上には、流体物質56が流入し得る空間領域が確保されている。
オイラー要素モデル54の境界面のうち、タイヤ前後方向における前端面54Aには、流体物質56の流入だけが許容されて流体物質56が補充されるように境界条件が付与される。また、前端面54Aとは反対側に位置するタイヤ前後方向における後端面54Bには、流体物質56の流出だけが許容されるように境界条件が付与される。
オイラー要素モデル54の左右両側面54C,54Dについては、流体物質56の流入及び流出を禁止する境界条件を付与してもよい。但し、本実施形態では、後述するようにオイラー要素モデル54の向きを車両進行方向Tに対して傾斜した方向として移動させるので、前端面54Aとともに前方側に向く側面54Cについては流体物質56の流入だけが許容され、後端面54Bとともに後方側に向く側面54Dについては流体物質56の排出だけが許容されるように境界条件を付与してもよい。なお、オイラー要素モデル54の下面54Eには、流体物質56の流入及び流出を禁止する境界条件を付与してもよい。オイラー要素モデル54の上面54Fでは流体物質56の流入及び流出は禁止されない。
[5]静的解析部20
静的解析部20は、タイヤモデル設定部14で得られたタイヤモデル50をリムモデル(不図示)に装着した上で、有限要素解析法による静的解析を行う。すなわち、タイヤモデル50に所定の内圧を充填しながらタイヤモデル50の変形計算を行う内圧充填処理と、タイヤモデル50を回転させることなく静止した状態で、路面モデル52に対して所定の荷重で接地させながら、タイヤモデル50の変形計算を行う接地解析処理とを行う。
[6]動的解析部22
動的解析部22は、タイヤモデル50を路面モデル52上で転動させ、かつ転動するタイヤモデル50の移動に応じてオイラー要素モデル54を路面モデル52上で移動させる動的状態において、タイヤモデル50の変形計算とオイラー要素モデル54内の流体物質の流れ計算による動的解析(詳細には、ハイドロプレーニング解析)を行う。
そのため、動的解析部22は、まず、モデル結合部が、上記接地処理の施されたタイヤモデル50に対して、オイラー要素モデル54を所定位置に配置し結合させて、タイヤモデル50とオイラー要素モデル54を組み合わせる(図4及び図5参照)。その際、路面モデル52に対するタイヤモデル50の接地部の前縁と、オイラー要素モデル54における接地部60の前縁60Aとが一致するように、両モデル50,54を組み合わせる。
このようにして組み合わせた後、動的解析部22は、タイヤモデル50を所定の加速度αで並進するように転動(即ち、回転)させるとともに、そのタイヤモデル50の移動に伴って同じ加速度αでオイラー要素モデル54を移動させながら、上記変形計算及び流れ計算を行う動的解析を実行する。その際、タイヤモデル50とオイラー要素モデル54は、入力部12で入力された解析時間にて、静止状態から最終速度(目標とする並進速度)まで、所定の加速度αで移動する。なお、このように所定の加速度αを与えて最終速度まで徐々に並進速度を増加させる代わりに、目標とする並進速度を瞬時に入力して所望の動的状態としてもよい。このように移動させながら、動的状態のタイヤモデル50とオイラー要素モデル54内の流体物質56との境界条件を設定し、設定された境界条件に基づいて、上記変形計算及び流れ計算が行われる。かかる変形計算及び流れ計算自体は公知であり、例えば、上記特許文献2および特開2004-338660号公報に記載の方法に基づき行うことができる。
本実施形態では、動的解析部22は、図5及び図6に示すように、タイヤモデル50とオイラー要素モデル54の双方の向きを車両進行方向Tに対してスリップ角θに相当する角度傾斜した方向にして、タイヤモデル50とオイラー要素モデル54を車両進行方向Tに移動させて動的解析を行う。より詳細には、第1実施形態では、タイヤモデル50とオイラー要素モデル54の双方の向きを路面モデル52に定義された全体座標系XYの向きと一致させたまま、全体座標系XYの向きに対してスリップ角θに相当する角度傾斜した方向を車両進行方向Tとしてタイヤモデル50とオイラー要素モデル54を当該車両進行方向Tに移動させて動的解析を行う。
ここで、タイヤモデル50の向きとは、タイヤ前後方向(即ち、水平面上でタイヤ回転軸に垂直な方向)であり、図において符号D1で示す。オイラー要素モデル54の向きとは、上記オイラーメッシュを区画するタイヤ前後方向に平行な複数の垂直面と水平面との交線に沿う方向であり、図において符号D2で示す。全体座標系XYとは、車両直進状態で動的解析する場合におけるタイヤ進行方向をX軸とし、タイヤ幅方向をY軸とする水平面上の座標系であり、路面モデル52を基準に定義される。全体座標系XYの向きとは、そのX軸の向きである。
この場合、図6に示すように、タイヤモデル50の向きD1とオイラー要素モデル54の向きD2は、ともに全体座標系XYのX軸の向きに一致する。車両進行方向Tは、X軸に対してスリップ角θに相当する角度傾斜した方向X’である。タイヤモデル50とオイラー要素モデル54に付与する境界条件は、車両進行速度をVとして、以下の通りである。
・タイヤモデル及びオイラー要素モデルの並進
X軸:Vcosθ
Y軸:Vsinθ
(即ち、並進速度=Vcosθ+Vsinθ)
・タイヤモデルの回転
回転軸:Y軸
[7]評価値取得部24
評価値取得部24は、上記動的解析から、ウェット性能(詳細にはハイドロプレーニング性能)を評価するための評価値を取得する。例えば、タイヤモデル50が路面モデル52から受ける路面反力; タイヤモデル50の路面モデル52に対する接地形状、接地面積、接地圧分布など; オイラー要素モデル54内の各要素に含まれる流体物質56の体積含有率、流体物質56の流体反力、流速、流量など; タイヤモデル50の軸力などを評価値として取得する。
[8]タイヤ性能予測部26
タイヤ性能予測部26は、評価値取得部24で得られた評価値に基づいて、ウェット性能の良否を評価する。例えば、路面モデル52に対するタイヤモデル50の接地力に基づいてハイドロプレーニング現象の発生速度を予測することができる。
[9]出力部28
出力部28は、上記により得られたタイヤ性能の予測結果を出力する。出力は、ディスプレイによって表示したり、プリンタによって印刷したりすることにより行うことができる。
次に、本実施形態に係るシミュレーション方法について、図2,3のフローチャートに基づいて説明する。
ステップS1において、入力部12から入力されたモデル作成条件に基づき、タイヤモデル設定部14がタイヤモデル50を作成する。予め作成されたタイヤモデル50を入力部12から入力し、入力されたタイヤモデルを解析対象として設定してもよい。そして、ステップS2に進む。
ステップS2において、入力部12から入力されたモデル作成条件に基づき、路面モデル設定部16が路面モデル52を作成する。予め作成された路面モデル52を入力部12から入力し、入力された路面モデルを解析対象として設定してもよい。そして、ステップS3に進む。
ステップS3において、入力部12から入力されたモデル作成条件に基づき、オイラー要素モデル設定部18が、流体解析モデルであるオイラー要素モデル54を作成する。詳細には、メッシュ生成部により、路面上の空間領域を8節点のオイラーメッシュで分割してなるオイラー要素モデル54を作成する。その際、タイヤモデル50と重なる領域で要素を細分化することにより、当該細分化された領域58を持つオイラー要素モデル54を作成する。次いで、流体物質配置部により、オイラー要素モデル54の内部に、水に相当する密度と粘性係数で特徴付けられた流体物質56を配置する。また、条件設定部により、流体物質56には重力加速度が作用するように定義するとともに、オイラー要素モデル54の各境界面に流体物質56の流入及び流出に関する条件を設定する。そして、ステップS4に進む。
ステップS4において、静的解析部20が、ステップS1で得られたタイヤモデル50と、ステップS2で得られた路面モデル52を用いて、有限要素解析法による静的解析を行い、タイヤモデル50を路面モデル52に接地させる。そして、ステップS5に進む。
ステップS5において、動的解析部22が、接地状態のタイヤモデル50とオイラー要素モデル54を用いて、動的解析(詳細には、ハイドロプレーニング解析)を行う。詳細には、図3に示すように、まず、ステップS51において、路面モデル52に接地されたタイヤモデル50に対して、オイラー要素モデル54を所定位置に配置し結合させる(図4及び図5参照)。
次いで、ステップS52~S59において、動的解析の計算が行われる。動的解析の計算では、流体物質56がタイヤモデル50に与える境界条件に基づいて、所定の時間の刻み幅で、タイヤモデル50の変形計算が逐次行われるとともに、タイヤモデル50がオイラー要素モデル54内の流体物質56に与える境界条件に基づいて、所定の時間の刻み幅で流体物質56の流れ計算が逐次行われる。より詳細には、まず、ステップS52において、タイヤモデル50とオイラー要素モデル54を所定の時間の刻み幅で移動させ、ステップS53において、タイヤモデル50とオイラー要素モデル54内の流体物質56との境界面を計算する。次いで、ステップS54において、オイラー要素モデル54内の流体物質56からタイヤモデル50へ作用する力が境界条件として設定され、ステップS55において、これに基づいて転動するタイヤモデル50の変形計算が行われ、タイヤモデル50の変位や応力が算出される。一方、ステップS56において、タイヤモデル50の変形と転動に伴う速度成分が流体物質56への境界条件として設定され、ステップS57において、これに基づいて流体物質56の流れ計算が行われ、オイラー要素モデル54における流体物質56の流体圧力、流速及び体積含有率等が算出される。次いで、ステップS58において、オイラー要素モデル54内の流体物質56の物理量(流体物理量)のマッピング処理が行われる。その後、ステップS59において、所定の解析時間が経過した否かを判定し、経過していなければ、ステップS52に戻り、ステップS52~S59が行われる。こうして解析時間が経過するまで、ステップS52~S59が繰り返し行われ、ステップS59で所定の解析時間が経過したと判定されれば、動的解析を終了する。
かかる動的解析において、本実施形態では、図5及び図6に示すように、タイヤモデル50とオイラー要素モデル54の双方の向きD1,D2を車両進行方向Tに対してスリップ角θに相当する角度傾斜した方向として、タイヤモデル50とオイラー要素モデル54を車両進行方向Tに移動させて動的解析を行う。詳細には、タイヤモデル50の向きD1とオイラー要素モデル54の向きD2を、ともに全体座標系XYのX軸の向きに一致させたまま、X軸に対して角度θをなす方向X’を車両進行方向Tとして、タイヤモデル50とオイラー要素モデル54を当該車両進行方向Tに路面モデル52上で移動させる。すなわち、車両進行速度をVとして、タイヤモデル50とオイラー要素モデル54に以下の境界条件を付与して動的解析を行う。
・タイヤモデル及びオイラー要素モデルの並進
X軸:Vcosθ, Y軸:Vsinθ
・タイヤモデルの回転
回転軸:Y軸
このようにして動的解析が終了した後、ステップS6において、評価値取得部24が、動的解析の結果から、ウェット性能を評価するための評価値を取得する。そして、ステップS7に進む。
ステップS7において、タイヤ性能予測部26が、ステップS6で得られた評価値に基づいてウェット性能の良否を予測し、出力部28がその結果を出力する。
[作用・効果]
本実施形態によれば、タイヤモデル50とオイラー要素モデル54の双方にスリップ角を考慮した境界条件を付与して動的解析することにより、オイラー要素モデル54の要素数の増加を抑えながら(即ち、計算コストを悪化させずに)、車両旋回時でのタイヤ性能の解析精度を維持することができる。詳細には以下の通りである。
図8は、比較例1に係る車両直進時の動的解析条件を示した図である。比較例1では、タイヤモデル50とオイラー要素モデル54については実施形態と同じものを用いており、スリップ角を考慮した境界条件を付与していない点で実施形態と異なる。この場合、タイヤモデル50の向きとオイラー要素モデル54の向きはともに全体座標系XYのX軸の向きに一致しており、この状態でX軸を車両進行方向Tとしてタイヤモデル50とオイラー要素モデル54を路面モデル52上で移動させる。そのため、タイヤモデル50とオイラー要素モデル54に付与する境界条件は以下の通りである。
・タイヤモデル及びオイラー要素モデルの並進
X軸:V
・タイヤモデルの回転
回転軸:Y軸
図9は、比較例2に係る車両旋回時の動的解析条件を示した図である。比較例2では、車両旋回状態を再現するためにタイヤモデル50にスリップ角θを付与しているが、オイラー要素モデル54’にはスリップ角を考慮した境界条件を付与していない。そのため、オイラー要素モデル54’の向きは全体座標系XYのX軸の向きと一致しているが、タイヤモデル50の向きはスリップ角θに相当する角度傾斜しており、この状態でX軸を車両進行方向Tとしてタイヤモデル50とオイラー要素モデル54’を路面モデル52上で移動させる。タイヤモデル50とオイラー要素モデル54’に付与する境界条件は以下の通りである。
・タイヤモデル及びオイラー要素モデルの並進
X軸:V
・タイヤモデルの回転
回転軸:Y’軸(Y軸に対する傾斜角度はθ)
オイラー要素モデルはタイヤモデルと重なる領域が重要であり、計算精度を高めるためには当該領域において要素を細分化する必要がある。比較例2のようにタイヤモデル50にスリップ角θを付与すると、オイラー要素モデル54’の向きに対してタイヤモデル50の向きが傾斜して配置される。この場合に、計算精度を維持するために、オイラー要素モデル54’においてタイヤモデル50との重なり領域58’の全体を細分化すると、X軸方向およびY軸方向ともに細分化すべき幅が大きくなり、細分化すべき領域が広がってしまうので、オイラー要素モデル54’の要素数が増加する。一例として、比較例2では比較例1に対してオイラー要素モデルの要素数が1.1倍になることがあり、その分、計算コストが上昇する。
これに対し、本実施形態によれば、タイヤモデル50とオイラー要素モデル54の双方についてスリップ角θを用いて並進に関する境界条件を設定することにより、タイヤモデル50とオイラー要素モデル54との重なり領域58が比較例1とは変わらないので、オイラー要素モデル54の要素数が増加せず、よって、計算コストを悪化させずに、計算精度を維持しながら、車両旋回時におけるタイヤ性能の予測を行うことができる。
また、第1実施形態であると、タイヤモデル50とオイラー要素モデル54の双方の向きを全体座標系XYの向きと一致させたまま、これら両モデル50,54を全体座標系XYに対してスリップ角θに相当する角度傾斜した方向に移動させるので、タイヤモデル50とオイラー要素モデル54に付与する境界条件を、上記の通り一つの座標系XYで表現することができるという利点もある。
[第2実施形態]
第2実施形態は、全体座標系XYに対するタイヤモデル50とオイラー要素モデル54の配置及び移動方向が第1実施形態とは異なる。すなわち、第2実施形態では、図7に示すように、動的解析部22は、タイヤモデル50とオイラー要素モデル54の双方の向きD1,D2を路面モデル52に定義された全体座標系XYの向きに対してスリップ角θに相当する角度傾斜させて配置し、全体座標系XYの向きを車両進行方向Tにしてタイヤモデル50とオイラー要素モデル54を当該車両進行方向Tに移動させて動的解析を行う。
そのため、タイヤモデル50の向きD1とオイラー要素モデル54の向きD2は、ともに全体座標系XYのX軸に対して角度θをなす方向X’である。車両進行方向Tは、全体座標系XYのX軸の向きに一致する。なお、方向X’をX’軸とする水平面上の座標系を、X’Y’座標系とする。タイヤモデル50とオイラー要素モデル54に付与する境界条件は、車両進行速度をVとして、以下の通りである。
・タイヤモデル及びオイラー要素モデルの並進
X軸:V
・タイヤモデルの回転
回転軸:Y’軸
このように第2実施形態では、タイヤモデル50とオイラー要素モデル54を移動させる車両進行方向Tは、図8に示す車両直進時の動的解析及び図9に示す比較例2の動的解析と同様、全体座標系XYの向きと一致するが、タイヤモデル50だけでなくオイラー要素モデル54についてもスリップ角θに相当する角度傾斜させて配置する。そのため、タイヤモデル50とオイラー要素モデル54の双方についてスリップ角θを用いた境界条件が設定されるので、第1実施形態と同様に、タイヤモデル50とオイラー要素モデル54との重なり領域58が比較例1とは変わらず、オイラー要素モデル54の要素数が増加しない。よって、計算コストを悪化させずに、計算精度を維持しながら、車両旋回時におけるタイヤ性能の予測を行うことができる。
なお、第2実施形態では、タイヤモデル50及びオイラー要素モデル54の並進についての全体座標系XYと、タイヤモデル50の回転についてのX’Y’座標系との2つの座標系が必要である。第2実施形態について、その他の構成及び作用効果については、第1実施形態と同様であり、説明は省略する。
[その他の実施形態]
上記実施形態では、水膜で覆われた路面を走行するタイヤの挙動を再現する場合について説明した。すなわち、上記実施形態では、路面を覆う物体を水等の流体とし、オイラー要素モデルとして内部に流体物質を配した流体解析モデルを作成し、動的解析においてオイラー要素モデル内の流体物質の流れ計算を行うものとした。しかしながら、路面を覆う物体としては、水等の流体には限定されず、例えば、雪や泥であってもよい。
例えば、オイラー要素モデルとして、内部に雪を配した解析モデル(雪モデル)を作成し、雪路面を走行するタイヤの旋回時の挙動をシミュレーションするようにしてもよい。また、オイラー要素モデルとして、内部に泥を配した解析モデル(泥モデル)を作成し、泥路面を走行するタイヤの旋回時の挙動をシミュレーションするようにしてもよい。
雪や泥の場合も、水の場合と同様に、上記オイラー要素モデル設定部によりオイラー要素モデルを作成することができる。すなわち、オイラー要素モデルは、路面モデル上の一部の空間領域を8節点のオイラーメッシュで分割して得られた複数の直方体要素からなるものとして形成され、その内部に所定の高さで雪や泥の物体が配され、要素の形状は変化することなく、雪や泥の物体が空間内を移動する。
雪モデル又は泥モデルの場合、上記物体は、例えば、密度、弾性特性、塑性域を表現する降伏関数及び硬化則などで特徴付けられ、これらの特性で特徴付けられた物体がオイラー要素モデル内に配される。
動的解析については、動的解析部が、上記流体解析モデルに対して水と空気との界面の移動を計算により求める流れ計算を行う代わりに、雪モデル又は泥モデルに対して雪や泥などの物体と空気との界面の移動を計算により求める。但し、物体を特徴付ける上記特性が異なるだけであり、計算手法としては同じ手法を用いることができる。
評価値としては、雪モデルについては、評価値取得部が、例えば、タイヤモデルのオイラー要素モデルに対する接地形状、接地面積、接地圧分布など; オイラー要素モデルの各要素に含まれる雪物質の体積含有率、反力など; タイヤモデルの軸力などを評価値として取得する。泥モデルについては、評価値取得部が、例えば、タイヤモデルのオイラー要素モデルに対する接地形状、接地面積、接地圧分布、沈下量など; オイラー要素モデルの各要素に含まれる泥物質の体積含有率、反力など; タイヤモデルの軸力などを評価値として取得する。
予測タイヤ性能としては、雪モデルについては、タイヤ性能予測部が、例えば、雪路面における旋回性能を予測する。泥モデルについては、タイヤ性能予測部が、例えば、泥路面における旋回性能を予測する。
雪路面及び泥路面のシミュレーションについて、その他の構成及び作用効果については、上記第1及び第2実施形態と同様であり、説明は省略する。
上記では本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の主旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10…シミュレーション装置、14…タイヤモデル設定部、16…路面モデル設定部、18…オイラー要素モデル設定部、22…動的解析部、50…タイヤモデル、52…路面モデル、54…オイラー要素モデル、56…流体物質、58…要素が細分化された領域

Claims (6)

  1. 物体で覆われた路面を走行するタイヤの挙動を再現するタイヤのシミュレーション方法であって、
    数値解析が可能な有限個の要素でモデル化したタイヤモデルを設定するステップと、
    路面を再現した路面モデルを設定するステップと、
    前記路面を覆う物体を内部に配した解析モデルとして、前記タイヤモデルと重なる部分に要素が細分化された領域を持つオイラー要素モデルを設定するステップと、
    前記タイヤモデルを前記路面モデル上で転動させ、かつ転動する前記タイヤモデルの移動に応じて前記オイラー要素モデルを前記路面モデル上で移動させて動的解析を行うステップと、を含み、
    前記タイヤモデルと前記オイラー要素モデルの双方の向きを車両進行方向に対してスリップ角に相当する角度傾斜した方向にして、前記タイヤモデルと前記オイラー要素モデルを前記車両進行方向に移動させて前記動的解析を行う、
    ことを特徴とするタイヤのシミュレーション方法。
  2. 前記タイヤモデルと前記オイラー要素モデルの双方の向きを前記路面モデルに定義された全体座標系の向きと一致させたまま、前記全体座標系の向きに対してスリップ角に相当する角度傾斜した方向を車両進行方向にして前記タイヤモデルと前記オイラー要素モデルを当該車両進行方向に移動させて前記動的解析を行う、請求項1に記載のタイヤのシミュレーション方法。
  3. 前記タイヤモデルと前記オイラー要素モデルの双方の向きを前記路面モデルに定義された全体座標系の向きに対してスリップ角に相当する角度傾斜させて配置し、前記全体座標系の向きを車両進行方向にして前記タイヤモデルと前記オイラー要素モデルを当該車両進行方向に移動させて前記動的解析を行う、請求項1に記載のタイヤのシミュレーション方法。
  4. 前記路面を覆う前記物体が水、雪または泥である、請求項1~3のいずれか1項に記載のタイヤのシミュレーション方法。
  5. 物体で覆われた路面を走行するタイヤの挙動を再現するタイヤのシミュレーション装置であって、
    数値解析が可能な有限個の要素でモデル化したタイヤモデルを設定するタイヤモデル設定部と、
    路面を再現した路面モデルを設定する路面モデル設定部と、
    前記路面を覆う物体を内部に配した解析モデルとして、前記タイヤモデルと重なる部分に要素が細分化された領域を持つオイラー要素モデルを設定するオイラー要素モデル設定部と、
    前記タイヤモデルを前記路面モデル上で転動させ、かつ転動する前記タイヤモデルの移動に応じて前記オイラー要素モデルを前記路面モデル上で移動させて動的解析を行う動的解析部と、を有し、
    前記動的解析部は、前記タイヤモデルと前記オイラー要素モデルの双方の向きを車両進行方向に対してスリップ角に相当する角度傾斜した方向にして、前記タイヤモデルと前記オイラー要素モデルを前記車両進行方向に移動させて前記動的解析を行う、
    ことを特徴とするタイヤのシミュレーション装置。
  6. 物体で覆われた路面を走行するタイヤの挙動を再現するためのプログラムであって、
    コンピュータに、
    数値解析が可能な有限個の要素でモデル化したタイヤモデルを設定するタイヤモデル設定機能と、
    路面を再現した路面モデルを設定する路面モデル設定機能と、
    前記路面を覆う物体を内部に配した解析モデルとして、前記タイヤモデルと重なる部分に要素が細分化された領域を持つオイラー要素モデルを設定するオイラー要素モデル設定機能と、
    前記タイヤモデルを前記路面モデル上で転動させ、かつ転動する前記タイヤモデルの移動に応じて前記オイラー要素モデルを前記路面モデル上で移動させて動的解析を行う動的解析機能であって、前記タイヤモデルと前記オイラー要素モデルの双方の向きを車両進行方向に対してスリップ角に相当する角度傾斜した方向にして、前記タイヤモデルと前記オイラー要素モデルを前記車両進行方向に移動させて前記動的解析を行う動的解析機能と、
    を実現させるためのタイヤシミュレーションプログラム。
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