JP2006232138A - タイヤ挙動シミュレーション方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】タイヤの製造時における各部材の歪みや応力の状態を加味した、高精度な性能シミュレーションを実施する。
【解決手段】
シミュレーション対象タイヤの特定構成部材の歪み、またはこの特定構成部材にかかる応力の少なくともいずれか一方の情報に基づき、シミュレーション対象タイヤにおける特定構成部材の特性値を算出し、算出した特定構成部材の特性値に基づき、タイヤを再現するタイヤモデルを作成し、この作成したタイヤモデルを用い、所定の条件下におけるタイヤ挙動を予測算出する。
【選択図】図2

Description

本発明は、複数の構成部材が一体化されて製造された、空気入りタイヤの挙動をシミュレーションする方法に関する。
従来より、タイヤを再現する有限要素モデルを用いた、タイヤの挙動シミュレーションが行なわれている。従来のタイヤの挙動シミュレーションでは、製品タイヤの形状や物性値、または、タイヤを構成する各構成部材の形状や物性値に基づいて、タイヤを再現する有限要素モデルを作成し、この有限要素モデルを用いてタイヤの挙動を再現するシミュレーションが行なわれている。
このような従来のタイヤ性能のシミュレーション方法が、例えば、下記特許文献1に記載されている。下記特許文献1では、有限要素モデルとして、カーカス部材、ベルト部材を含むコード補強材と、サイドウォールゴム、ビードゴムを含むゴム部と、ビードコアとがタイヤ周方向に同一断面形状で連続するタイヤボディ部を再現するタイヤボディ部モデルと、このタイヤボディ部モデルの外周面に配されたトレッドパターンを再現するトレッドパターンモデルとで構成されたタイヤモデルを用いて、タイヤ性能の予測シミュレーションを行なっている。このタイヤモデルにおいて、タイヤボディ部モデルは、コード補強材を構成するコード材(カーカスコードやベルトコード)とこれを被覆するトッピングゴムとをそれぞれモデル化したコード補強材要素モデルと、ゴム部をモデル化したゴムモデルと、ビードコアをモデル化したビードコアモデルとを含んでいる。図10は、特許文献1に示されるコード補強材モデルについて説明する図である。カーカスやベルトなどのコード補強材Fのうち、コード材cは、四辺形膜要素105a105bにてモデル化され、また、トッピングゴムについては、四辺形膜要素105aまたは105bを覆う六面体ソリッド要素105c、105d、105eでモデル化している。
特許文献1では、コード材をモデル化した四辺体膜要素105aまたは105bを、モデルの厚さを例えばコード材の直径とし、コード材の配列方向と、これと直交する方向とにおいて剛性の異なる異方性材料であり、各方向の剛性は均質化しているものとして定義して取り扱っている。そして、コード補強材のトッピングゴムを表す六面体ソリッド要素105c、105d、105eを、超粘弾性材料として定義して取り扱っている。特許文献1では、このように、コード材およびトッピングゴムを、それぞれ材質の特性に応じてモデル化し、このモデルを用いてタイヤの挙動を再現するシミュレーションを行うことで、実際の製品により近いタイヤ性能シミュレーションを可能としている。
特開平11−201874号公報
ところで、空気入りタイヤの製造は、一般に、図11(a),(b)に示すように、カーカス部材P、1対のビードコア部材Bd、1対のビードフィラー部材Bおよび1対のサイドトレッド部材Sを有する、回転体形状の生タイヤケーシング100を成形する第1成形工程と、トレッド部材Tおよびベルト部材Bを有する回転体形状のトレッド/ベルト部106を成形し、この成形されたトレッド/ベルト部106の内周面側に回転体の中心軸を一致させるようにして生タイヤケーシング100を配し、この状態で生タイヤケーシング100を膨張させて上記生タイヤケーシング100をトレッド/ベルト部106の内周面に圧着させて完成生タイヤ108(グリーンタイヤ)を成形する(図11(b)破線参照)第2成形工程と、このグリーンタイヤ108を加硫用金型(モールド)内に入れて、グリーンタイヤ108の内周面側から伸縮自在な加硫用ブラダー(図示されない)を膨張させて、グリーンタイヤ108を加硫用モールドの内表面の形状に沿わせるように拡張し、その後、加硫用モールドおよび加硫用ブラダーを昇温して、拡張したグリーンタイヤ108を加硫する加硫工程を有する。ここで、第2成形工程では、予め設けられたトレッド/ベルト部106の内周面に生タイヤケーシング100を圧着してグリーンタイヤ108が成形できるように、タイヤケーシング100を膨張させるとともに、加硫工程では、加硫用ブラダーを用いてグリーンタイヤ108の内周面側から圧力を加えてグリーンタイヤ108を拡張させる。空気入りタイヤは、一般的に、このような工程を経て製造される。
このような空気入りタイヤの製造工程では、上記膨張や拡張によって、カーカス部材やベルト部材を構成する、予め所定の傾斜角度で配置されたコード材(有機繊維の線材やスチール線材)に、角度変化や歪みが生じ、しかも応力(圧縮応力や引張応力)が発生する。このようなコード材の角度変化や歪みや応力は、カーカス部材やベルト部材に分布をもって発生する。このような角度変化や歪みの方向や大きさ、また応力の方向(引張または圧縮)や大きさ、およびその分布の状態は、カーカス部材やベルト部材などのコード材の物性(上記剛性など)に大きな影響を与え、タイヤの諸性能(タイヤ振動性能、操縦安定性能、耐久性能、磨耗性能)にも多大に影響する。
上記特許文献1記載のタイヤ性能のシミュレーション方法では、タイヤの加硫成型工程において発生する、コード材の角度変化や歪みや応力、およびその分布の状態について一切考慮されていない。そもそも、各方向の剛性を均質化した異方性材料と定義してコード材モデルを取り扱う、上記特許文献1記載のタイヤ性能のミュレーション方法では、タイヤの加硫成型工程において発生する、コード材の角度変化や歪みや応力、特にその分布の状態を正確に再現することはできず、タイヤの製造時における各部材の歪みや応力の状態を加味した、高精度な性能シミュレーションを実施することはできない。
そこで、本発明は、上記問題点を解消するために、タイヤの製造時における各部材の歪みや応力の状態を加味した、高精度な性能シミュレーションを実施するタイヤ挙動シミュレーション方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、タイヤの挙動をシミュレートするシミュレーション方法であって、前記タイヤにおける、前記タイヤの特定構成部材の歪み、またはこの特定構成部材にかかる応力の少なくともいずれか一方の情報に基づき、前記タイヤにおける前記特定構成部材の特性値を算出する特性値算出ステップと、算出された前記特定構成部材の特性値に基づき、前記タイヤを再現するタイヤモデルを作成するタイヤモデル作成ステップと、前記タイヤモデルを用い、所定の条件下におけるタイヤ挙動を予測算出する挙動予測ステップとを有することを特徴とするタイヤ挙動シミュレーション方法を提供する。
また、前記特定構成部材は、前記タイヤのカーカスコードであることが好ましく、この場合、前記特性値は、前記タイヤのカーカスコードの粘弾性特性を表す特性値であることが好ましい。
また、前記特性値算出ステップは、前記タイヤにおける前記カーカスコードの歪み、または前記タイヤのカーカスコードにかかる応力の少なくともいずれか一方の情報に基づき、前記カーカスコードの応力−ひずみ曲線に応じて前記特性値を算出することが好ましい。
なお、前記特性値算出ステップで用いる前記情報は、前記タイヤの複数の構成部材をそれぞれ再現する構成部材モデルを用い、この構成部材モデルを一体化させてタイヤ形状に成型することで、前記タイヤを再現するタイヤモデルを作成するタイヤ製造工程シミュレーションの結果に基づいて算出された情報であればよい。
また、前記タイヤは、実際に複数の構成部材が一体化されることで作製された製品タイヤであり、前記特性値算出ステップで用いる前記情報は、この製品タイヤにおける前記特定構成部材の測定結果により得られた歪み情報であることが好ましい。
本発明の加硫条件の決定方法によると、タイヤの加硫成型工程において発生する、コード材の角度変化や歪みや応力、また、その分布の状態を正確に再現し、タイヤの製造時における各部材の歪みや応力の状態を加味した、高精度な性能シミュレーションを実施することができる。したがって、タイヤ製造工程中の各種パラメータをタイヤ諸性能と関連付けることができ、タイヤの形状や物性値の設計パラメータに加え、所望のタイヤ性能を得るためのタイヤ製造工程パラメータを探索することもできる。
以下、本発明のタイヤ挙動シミュレーション方法について、添付の図面に示される好適実施例を基に詳細に説明する。
本発明のタイヤ挙動シミュレーションは、コンピュータを用いた演算装置によって実行される。図1は、タイヤ挙動シミュレーション演算を行なって、実際の製品タイヤの性能予測を行なう演算装置10のブロック図である。演算装置10は、条件設定部12、特性値算出部14、タイヤモデル作成部16(モデル作成部16)、シミュレーション演算部18および性能予測部20が、それぞれサブルーチンとしてモジュール化されて構成されている。この他、上記各部分の処理を実質的に行なうCPU22および各部分で得られた処理結果を記憶するメモリ24を有する。
条件設定部12は、図示されないキーボードやマウスから入力された条件に応じてタイヤ挙動シミュレーションモデルの作成条件やシミュレーション演算の条件、予測する性能等各種の条件を設定する部分である。例えば、タイヤ挙動シミュレーションに用いるタイヤモデルの作成条件としては、製品タイヤの各構成部材の形状パラメータや各構成部材の形状を表す特徴量のパラメータの値、および製品タイヤの各構成部材の物性値や各構成部材の物性値を表す特徴量の値が設定される。ここで設定される形状パラメータや物性パラメータの値は、製品タイヤに加工される前段階の、各構成部材自体の材料特性に基づく値であり、製造過程における材料特性の変化の影響は加味されていない。そもそも、製造過程における材料特性の変化は非常に予測が難しいため、条件設定部12において、製造過程における材料特性の変化の影響を予め考慮して設定することは困難である。
特性値算出部14は、予めメモリ24に記憶された、製品タイヤの特定構成部材の歪分布、応力分布、歪エネルギー分布等などのタイヤ製品情報を呼び出し、このタイヤ内部情報から、製品タイヤにおける特定構成部材の物性値を算出する。物性値の算出は、例えば、予めタイヤの構成材料の応力と歪の対応関係を表す、応力−ひずみ曲線の情報をデータベースとして記憶しておき、予めメモリ24に記憶した歪分布の情報から、製品タイヤにおける構成部材の粘弾性やモジュラスなどの特性値の情報を算出する。
モデル作成部16は、特性値算出部14で算出された特定構成部材の特性値に応じて、条件設定部12において予め設定されたタイヤモデルの作成条件のうち、特定構成部材に対応する物性値など、必要に応じてタイヤ作成パラメータを修正したうえ、この修正後のタイヤモデルの作成条件に基づき、有限要素モデルであるタイヤ挙動シミュレーションモデル40(シミュレーションモデル40)(図6参照)を作成する。モデルの作成によって、シミュレーションモデル40節点の位置座標、各有限要素を構成する番号化された節点の番号の組、各有限要素毎の材料定数等が少なくとも1つのファイルとなってメモリ24に記憶される。
シミュレーション演算部18は、作成されたタイヤのシミュレーションモデル40を、条件設定部12で設定されたシミュレーション演算の条件に従ってシミュレーション演算を行なう部分である。例えば、タイヤのシミュレーションモデル40に別途作成した図示されないリムモデルを装着し、シミュレーションモデル40の内周面に一定の荷重を負荷することによって内圧充填を再現するように内圧充填処理を施す。さらに、この内圧充填処理後のシミュレーションモデル40を、図示しない剛体の路面モデルに設定された負荷荷重で接地させ、接地状態のシミュレーションモデル40を作成する。さらに、この接地状態のシミュレーションモデル10に並進速度と回転角速度を付与して路面上をタイヤが走行する状態を再現した走行状態のシミュレーションモデル40を作成する。
このような状態はドライ路面状態を再現しており、この状態を利用してシミュレーション演算を行なう。シミュレーション演算は、特に制限されず、公知の演算であればよい。例えば、キャンバ角やスリップ角が付いたコーナリング時のドライ性能やタイヤ回転軸に制動トルクや駆動トルクを付与した時の制駆動性能を再現するように、シミュレーションモデル40にキャンバ角、スリップ角、制動トルク、駆動トルクを与える。また、所定の走行速度におけるシミュレーションモデル40の応力・歪み解析を行なう。また、表面に凸状部(非平坦部)を備えた路面モデルを作成し、シミュレーションモデル40が、この凸状部を通過する際の、シミュレーションモデル40の振動特性の解析を行なう。また、ウェット路面を再現した流体モデルを備えた路面モデルを別途作成し、シミュレーションモデル40が路面モデル上に作成された流体モデルを踏み込みながら通過するシミュレーション演算を行なう。
このようにシミュレーション演算では、タイヤが使用されるときの使用条件を模擬した条件(負荷荷重、内圧、走行速度、路面の状態等の各種の条件)を用いる。さらに、シミュレーション演算では、接地状態にあるタイヤの固有振動数を求める固有値解析を行なってもよい。また、タイヤの一部分で発熱した熱の伝導の様子を再現するために、温度の初期条件や境界条件を与えて熱伝導解析を行なってもよい。この場合、材料定数として熱伝導率等が付与される。
性能予測部20は、転動状態のタイヤのシミュレーションモデル40と、ドライ路面を再現した路面モデル、あるいは、ウェット路面を再現した流体モデルを備えた路面モデルとを用いて、ドライ路面やウェット路面を走行する動的状態のタイヤの挙動を再現するシミュレーション演算結果に基づいて、動的状態のシミュレーションモデル40の特性物理量を算出する部分である。
例えば、路面の凸状部を通過した際の製品タイヤの振動特性(動荷重半径の減衰比など)や、キャンバ角やスリップ角が付いたコーナリング時のドライ性能やタイヤ回転軸に制動トルクや駆動トルクを付与した時の制駆動性能が挙げられる。算出された特性物理量は、図示されないディスプレイやプリンタに出力される。
図2は、このような演算装置10において実行されるタイヤ挙動のシミュレーション方法のフローチャート図の一例である。以下、図2に示すフローチャートに従い、本発明のタイヤ挙動シミュレーション方法の一実施形態について説明する。本実施形態では、製品タイヤにおけるカーカスコードの歪分布の情報に基づいたシミュレーションモデル40を用いて、タイヤ挙動シミュレーションを行なう。まず、オペレータによる操作に応じて、条件設定部12において、タイヤ挙動シミュレーションモデルの作成条件やシミュレーション演算の条件、予測する性能等各種の条件が設定される(ステップS112)。ここで設定される形状パラメータや物性パラメータの値は、上述のように、製品タイヤに加工される前段階の、各構成部材自体の材料特性に基づく値であり、製造過程における材料特性の変化の影響は加味されていない。
次に、特性値算出部14において、メモリ14に予め記憶された、製品タイヤのカーカスコードの歪み分布の情報に基づき、製品タイヤにおけるカーカス部材の材料定数が算出される(ステップS114)。ここで、メモリ14に予め記憶されたカーカスコードの歪み分布の情報は、例えば、下記の製造工程のシミュレーションを行なうことで求めればよい。カーカスコードの歪み分布の情報が求められる、このような製造工程のシミュレーションについて説明する。
図3(a)および(b)は、カーカスコードの歪み分布情報を取得するために、上述の製造工程シミュレーションにおいて用いられるモデルを示す図である。
製造工程のシミュレーションでは、まず、図3(a)に示すように、タイヤに加工する前段階の、タイヤの各構成部材を再現するモデルを作成する。例えば、上述の図11(a)に示すような、トレッド部材Tおよびベルト部材Bを有して形成されるトレッド/ベルト部106と、カーカス部材P、ビードコア部材Bd、ビードフィラー部材Bfおよびサイドトレッド部材Sを有して形成され、トレッド/ベルト部106の内周面側に配される生タイヤケーシング100と、生タイヤケーシング100とトレッド/ベルト部106を結合して一体化されたグリーンタイヤ108を加硫するために、生タイヤケーシング100の内周面側に配される加硫用ブラダーと、グリーンタイヤ108を加硫するために、グリーンタイヤ108の外周面側に配される加硫用モールドとを、それぞれ有限要素モデルにモデル化して(以上、図11参照)、図3(a)に示すような、トレッド/ベルトモデル32と生タイヤケーシングモデル30とブラダーモデル34と加硫用モールドモデル38とを生成する。これらのモデルは、図3(a)に示すように、タイヤの幅方向に平行で、タイヤ回転軸を通る平面で切断した二次元モデルである。
そして、このモデルについて、生タイヤケーシングの内周面に対応する、生タイヤケーシングモデル30の内周面に圧力を付与して、生タイヤケーシングモデル30を膨張させ、トレッド/ベルトモデル32に圧着させて、グリーンタイヤモデル36を作成する。そして、このグリーンタイヤモデル36について、ブラダーモデル34の内周面に圧力を付与し、設定された加硫用モールドモデル38の内表面の形状を拡張限界としてグリーンタイヤ36を拡張させるグリーンタイヤモデル拡張シミュレーションを実行する。そして、この拡張シミュレーション結果から、拡張したグリーンタイヤモデル36における複数の有限要素に発生する歪み、応力および張力のうち少なくとも1つの物理量を算出する。このような、タイヤ製造工程のシミュレーションについて、例えば、特開2003−225952号公報に詳述されている。
図3(b)および(c)は、上述のシミュレーションを行なった際の、グリーンタイヤモデル36の変形状態を示す図である、図3(a)に示すモデルの各要素形状は、上述のシミュレーションを行うことで変形しており、カーカス部材Pの各要素の節点の相互距離も、モデル内で様々に分布していることがわかる。このことは、グリーンタイヤの形成、および、このグリーンタイヤの加硫用ブラダーへの押し当てにおいて、カーカス部材Pの内部で様々な応力が生じてカーカス部材が変形したこと、すなわち、カーカス部材を構成するカーカスコードにも様々な応力が生じて、カーカスコードの位置が様々に変位した(歪みが生じた)ことを示している。本実施形態では、上述の製造工程シミュレーションによって、このように、タイヤの製造工程におけるカーカスコードの歪み分布を詳細に求める。
タイヤの成型においては、タイヤの幅方向に平行で、タイヤ回転軸を通る平面で切断した二次元断面に平行な方向に、内周側から内圧がかけられて湾曲されるとともに、ブラダーによって形状が規定される。すなわち、タイヤの成形工程においては、タイヤの各構成部材に、この二次元断面に平行な方向に押圧力が加わり、グリーンタイヤは径方向に拡張される。この際、例えば、カーカス部材Pを構成するカーカスコードなど、タイヤの周方向に対して角度が付与されて配列されているコードには、引張応力が加わることになる。本実施形態では、各構成部材を詳細に再現する二次元モデルを用いて、上述の製造シミュレーションを行なう。そして、このような、シミュレーション結果から、タイヤの周方向に対して角度が付与されて配列されているコードにかかる、タイヤ周方向の応力も正確に算出する。これにより、製造タイヤにおける、構成部材の歪み分布や応力分布、詳しくはカーカスコードの歪分布や応力分布を、タイヤの断面方向やタイヤの周方向について、高精度かつ高効率に導出することができる。なお、このようなタイヤ製造工程シミュレーションにおいて用いるタイヤモデルは、2次元モデルに限定されず、製品タイヤおよび構成部材の形状や物性値をより正確に再現する3次元モデルを用いてもよい。
また、このようなタイヤ成型時の各構成部材の状態を再現する製造工程シミュレーションに加え、タイヤ加硫時、またはタイヤ加硫後の各構成部材の状態を再現する製造工程シミュレーションを行ってもよい。このシミュレーション結果に基づいて、上述の成型工程を再現する製造工程シミュレーションによって求めた、タイヤ内部のカーカスコードの歪み分布や応力分布などの情報を補正することができる(実際のタイヤにおけるカーカスコードなどの構成部材にさらに近づけることができる)。例えば、加硫工程における熱伝導状態、および加硫状態を再現するシミュレーションを行なったり、加硫工程後にタイヤをモールドから取り出した状態での、温度低下によるカーカスコードの熱収縮を再現するシミュレーションなどが挙げられる。
なお、本発明において、製品タイヤの構成部材における歪み分布や応力分布は、タイヤ製造工程のシミュレーションを行なうことで導出した情報であることに限定されない。本発明では、例えば、以下のように評価対象とする製品タイヤのカーカスコードを測定し、この測定結果から、カーカスコードの歪み分布を求めてもよい。まず、製品タイヤのライナ部分を取り除き、製品タイヤに配列されたカーカスコードをむき出しの状態にする。この状態では、カーカスコードには、タイヤの製造工程において与えられた応力が残留したままとなっている。この状態で、むき出しとなったカーカスコードに所定間隔(例えば、5〜30mm間隔)で、識別可能な印をつける(マーキングを行なう)。そして、例えば、非伸縮テープを用いて、実際にカーカスコードにつけた印を転写する。この非伸縮テープに転写した印の間隔(L)は、カーカスコードに応力が残留した状態で、カーカスコードにつけた印の間隔である。次に、製品タイヤから、マーキングしたカーカスコードを、余分な応力を加えないようにして抜き取り、抜き取ったカーカスコードにおける上記マーキングでつけた印の間隔(L’)を測定する。この抜き取ったカーカスコードからは、上記製造工程で加わった圧力が除去されている。仮に、製造工程で圧力が加わる前に上記間隔(L’)でカーカスコードに印をつけていた場合、製造工程において応力が加わることで、この間隔(L’)は、上記非伸縮テープに転写した印の間隔(L)となる。上記のような手法で、間隔(L)および間隔(L’)を求め、下記式(1)により、製品タイヤにおけるカーカスコードの歪みεを求めることができる。
ε=(L−L’)/L’ (1)
この歪みを、複数のカーカスコードそれぞれについて、また、1つのカーカスコードにマーキングされた印の各間隔それぞれについて測定することで、製品タイヤにおける歪み分布を算出することができる。
図5は、上述のように、実際の製品タイヤのカーカスコードにマーキングをして、カーカスコードの歪みを測定することで得られた、製品タイヤにおけるカーカスコードの歪み分布の測定結果の概略を示す図である。図5のグラフは、製品タイヤのカーカスコードに生じている歪みの大きさ(絶対値)を、上述の方法によって測定して得られたグラフの一例である。図5のグラフでは、タイヤ幅方向に平行でタイヤ回転軸を通る平面で切断した二次元断面において、一方のビード部から他方のビード部にかけて、カーカスコードに生じている歪み分布を示している。図5に示すように、カーカスコードにかかる歪みは、ベルト端からビード部にかかる領域において大きくなっており、特に、ショルダー部からサイドウォール部にかけての湾曲部において大きくなっていることがわかる。このような測定方法で取得された歪み分布の情報は、実際の製品タイヤにおける歪み分布を高精度に表しているといえる。
ステップ114では、このようにして求められたカーカスコードの歪み分布の情報から、製品タイヤにおけるカーカス部材の材料定数の値を算出する(ステップS114)。具体的には、上述のカーカスコードの歪み分布の情報から、カーカス部材の材料定数(ヤング率やポアソン比等)を算出する。具体的には、例えば、カーカスコードにかかる応力とひずみ量との対応関係を表す、図4に示すような応力−ひずみ曲線の情報をデータベースとして記憶しておき、上述の歪分布の情報から、製品タイヤにおけるカーカスコードの粘弾性やモジュラスなどの物性値(特性値)の情報を算出する。そして、さらに、カーカスコードを備えて構成される複合材料であるカーカス部材の材料定数を算出する。本実施形態における製品タイヤは、一般的な乗用車用タイヤであり、カーカスコードは有機繊維である。本実施形態の製品タイヤのカーカスコードは、図4に示すような応力−ひずみ特性を有している。図4に示す応力ーひずみ曲線の所定点における傾き(すなわち所定点を通る曲線の接線の傾き)は、カーカスコードの特定方向(引張り方向、または圧縮方向)への粘弾性を表している。カーカスコードの粘弾性やモジュラスは、カーカスコードに圧縮応力がかかっているか、引張応力がかかっているか、どの程度の歪みが発生しているかで大きく異なる。ステップ114では、このような応力−ひずみ曲線を用いて、上述の歪分布や応力分布からカーカスコードの材料定数を求める。
次に、条件設定部12において設定したタイヤモデルの設計パラメータの値、および、特性値算出部14で算出したカーカスコードの材料定数に基づき、タイヤモデル作成部16において、図6に示すような、シミュレーションモデルを作成する(ステップS116)。ここでは、特性値算出部14で算出されたカーカス部材の材料定数の値に応じて、条件設定部12において予め設定されたタイヤモデルの作成条件のうち、カーカス部材に対応する物性値の条件などを修正し、この修正後のタイヤモデルの作成条件に基づき、シミュレーションモデル40を作成する。カーカスコードの材料定数からカーカス部材の材料定数を算出するには、複合工学に基づいた公知の計算手法を用いればよい。
図6に示すシミュレーションモデル40は、ケース本体モデル44とトレッドモデル42とが、接合・一体化されて構成されている。図7(a)および(b)は、ケース本体モデル44の一部を拡大して表す図であり、(a)は概略斜視図を、(b)は概略断面図を示す。ケース本体モデル44は、図7(b)に示すように、ベルト間ゴム部材、サイドゴム部材およびフィラーゴム部材等のゴム部材を、ベルト間ゴム部材モデル44a、サイドゴム部材モデル44b、ビードフィラーゴム部材モデル44cといった、それぞれソリッド要素の有限要素で再現する。そして、カーカス部材やベルト部材を、それぞれカーカス部材モデル44dやベルト部材モデル44eといった、それぞれシェル要素や膜要素等の有限要素で再現している。カーカス部材やベルト部材は、上述したように、コード材(カーカスコードやベルトコード)とこれを被覆するトッピングゴムとで構成された複合材料である。本実施形態では、カーカス部材モデル44dの材料定数を、特性値算出部14で算出された、製品タイヤにおけるコード材の材料定数に基づいて設定する。
後述するタイヤ挙動シミュレーションにおいては、タイヤの転動状態におけるタイヤの挙動についてシミュレーションを行なう。このようなタイヤの挙動シミュレーションにおいては、3次元モデルを用いる必要がある。このようなタイヤの3次元モデルは、例えば、上述の製造工程シミュレーションで用いた2次元断面モデルを、タイヤの回転軸を中心軸として周方向に展開して作成することができる。3次元モデルを用いたタイヤ挙動シミュレーショを効率良く行なうためには、3次元モデルにおける要素数を、必要なシミュレーション結果が確保できる範囲で、なるべく少なく設定する必要がある。このため、図3(a)および(b)に示すような2次元断面モデルに比べ、図7(b)に示すシミュレーションモデルの2次元断面は、要素数が少なくなっている。このように、タイヤの挙動シミュレーションを高精度かつ高効率に行なうには、タイヤ挙動シミュレーションに用いるシミュレーションモデルは要素分割数を最適な数に設定しておく必要があり、例えば、タイヤの製造工程シミュレーションにおける2次元断面タイヤモデルを、そのまま用いることはできない。すなわち、タイヤの製造工程シミュレーションにおける、カーカス部材などの変位の情報を、そのままタイヤ挙動シミュレーションにおいて用いる(反映させる)ことはできない。本発明のタイヤ挙動シミュレーション方法では、タイヤ挙動シミュレーショを高精度かつ高効率に実施することを可能とするシミュレーションモデル(タイヤモデル)に、実際のタイヤにおけるカーカスコードの歪み分布の影響を忠実に反映させることができる。
トレッドモデル42は、トレッドパターンを備えるトレッド部をソリッド要素で再現したモデルである。タイヤモデル作成部16では、このようなケース本体モデル44とトレッドモデル42をそれぞれ作成し、作成されたトレッドモデル42を、ケース本体モデル44の外周表面に重ね合わせて配置し、シミュレーションモデル40を作成する。作成されたタイヤのシミュレーションモデルは以下に示すようなタイヤのシミュレーション演算に利用される。例えば、作成されたタイヤのシミュレーションモデル40に対して、設定されたシミュレーション演算の条件に従ってシミュレーション演算が行なわれる。より具体的には、タイヤのシミュレーションモデル40に別途作成した図示されないリムモデルが装着され、シミュレーションモデル40の内周面に一定の荷重を負荷することによって内圧充填を再現するように内圧充填処理が施される。さらに、この内圧充填処理後のシミュレーションモデル40は、図示されない剛体の路面モデルに設定された負荷荷重で接地され、接地状態のシミュレーションモデル40が作成される。さらに、この接地状態のシミュレーションモデル40に並進速度と回転角速度を付与して路面上をタイヤが走行する状態を再現した走行状態のシミュレーションモデル40が作成される。
次に、このシミュレーション演算部18において、シミュレーションモデル40を用いたタイヤ挙動シミュレーションが行なわれる。シミュレーション演算は、特に制限されず、公知の演算が行なわれる。例えば、上述のように、キャンバ角やスリップ角が付いたコーナリング時のドライ性能やタイヤ回転軸に制動トルや駆動トルクを付与した時の制駆動性能を再現するように、シミュレーションモデル10にキャンバ角、スリップ角、制動トルク、駆動トルクが与えられる。また、所定の走行速度におけるシミュレーションモデル14の応力・歪み解析が行なわれる。また、表面に凸状部(非平坦部)を備えた路面モデルを作成し、シミュレーションモデル40が、この凸状部を通過する際の、シミュレーションモデル40の振動特性の解析を行なう。また、ウェット路面を再現した流体モデルを備えた路面モデルを別途作成し、シミュレーションモデル10が路面モデル上に作成された流体モデルを踏み込みながら通過するシミュレーション演算が行なわれる。すなわち、タイヤが路面である固体や水膜や空気のような流体の少なくとも1つと接触してタイヤが固体あるいは液体の影響を受けるときのタイヤの挙動が演算される。シミュレーションモデル40は、上述のように、製品タイヤにおけるカーカスコードの歪み分布の影響に応じ、材料定数が設定されたシミュレーションモデルであり、カーカスコードの歪み分布の影響を忠実に再現している。このようなシミュレーションモデル40を用いてタイヤの挙動シミュレーションを実施することで、実際の製品タイヤの挙動を忠実に再現することができる。
なお、本発明のタイヤ挙動シミュレーションでは、製品タイヤを再現するシミュレーションモデルに加えて、例えば、タイヤが装着されるサスペンションを再現するサスペンションモデルを作成して、サスペンションの影響も加味したタイヤ挙動のシミュレーション演算を実施してもよい。さらに、サスペンションモデルに加え、このサスペンションが備えられる4輪車両や2輪車両を再現する車両モデルを作成して、この車両モデルの影響も加味したタイヤ挙動のシミュレーションを実施してもよい。例えば、機構解析プログラムADAMS(Mechanical Dynamics Inc社製)を用い、車両モデルやサスペンションモデルを作成して、シミュレーションを行なえばよい。シミュレーションは限定されない。
次に、性能予測部20において、タイヤ挙動のシミュレーション結果から、動的状態のシミュレーションモデル40の特性物理量を算出する(ステップS120)。例えば、路面の凸状部を通過した際の製品タイヤの振動特性(動荷重半径の減衰比など)や、キャンバ角やスリップ角が付いたコーナリング時のドライ性能やタイヤ回転軸に制動トルクや駆動トルクを付与した時の制駆動性能を算出する。算出した特性物理量は、図示されないディスプレイやプリンタに出力される。本発明のタイヤ挙動シミュレーションは、以上のように実施される。
本実施形態においては、タイヤの特定構成部材として、カーカスコードに着目し、このカーカスコードの製品タイヤにおける歪み分布の情報に基づいたタイヤモデルを用い、このタイヤモデルを用いてタイヤ挙動のシミュレーションを実施した。本発明において、タイヤの特定構成部材は、カーカスコードに限定されず、例えばベルト部材のベルトコードであってもよい。また、サイドゴムやトレッドゴムなどのゴム部材であってもよく、特に限定されない。
図8(a)は、本発明のタイヤ挙動シミュレーションによって求められた、路面の凸状部を通過した際の、製品タイヤの動荷重半径の時系列変化を示すグラフであり、図8(b)は、従来のタイヤ挙動シミュレーション(すなわち、実際の製造工程において発生するタイヤ構成部材の歪み分布を考慮しないタイヤモデルを用いた、タイヤ挙動シミュレーション)によって求められた、路面の凸状部を通過した際の、製品タイヤの動荷重半径の時系列変化を示すグラフである。なお、図8(a)および下記図9におけるシミュレーションに用いたモデルは、実際の製品タイヤのカーカスコードがタイヤ各部で受けている歪みを測定して得られた、カーカスコードの歪み分布データに基づいて作成されたタイヤモデルを用いている。図8(a)および(b)ともに、同一形状のタイヤモデル、および同一の路面モデル(表面に凸状部(非平坦部)を備えた路面モデル)を用い、同一の走行条件下(同一速度、同一荷重)、凸状部分通過直後[タイヤモデルの外周面と、凸状部とが接触した瞬間を0(s)としている]からの、動荷重半径の時系列変化を示している。なお、図8(a)および(b)に示す破線は、動荷重半径の上側ピーク値および下側ピーク値それぞれについての近似曲線である。図8(a)および(b)のシミュレーション条件の違いは、タイヤモデルのカーカス部材モデルの材料特性について、製品タイヤにおけるカーカスコードの歪分布の状態を反映させたか否かのみである。図8(a)および(b)に示すように、製品タイヤにおけるカーカスコードの歪分布の状態を反映させたか否かの違いにより、路面の凸状部を通過した際の、製品タイヤの動荷重半径の時系列変化のシミュレーション結果は、顕著に異なっている。図8(a)および(b)の2つのグラフでは、図8(a)に示すグラフの方が、実際の製品タイヤの振動特性を精度良く表していることが、本願発明者によって確認されている。本願発明のタイヤ挙動シミュレーション方法によると、製品タイヤの振動特性を高精度に求めることができる。
また、図9は、本発明のタイヤ挙動シミュレーションによって求められた、製品タイヤに対して特定のスリップ角変化を与えた際の、製品タイヤに発生するコーナリングフォースの時系列変化を示すグラフである。図9には、従来のタイヤ挙動シミュレーションによって求められた、製品タイヤに発生するコーナリングフォースを示すグラフも併せて示している。図8(a)および(b)に示すグラフ同様、図9に示す2つのシミュレーション結果の違いは、タイヤモデルのカーカス部材モデルの材料特性について、製品タイヤにおけるカーカスコードの歪分布の状態を反映させたか否かのみである。図9に示すように、製品タイヤにおけるカーカスコードの歪分布の状態を反映させたか否かの違いにより、コーナリングフォースの時系列変化のシミュレーション結果は、顕著に異なっている。図9に示す2つのグラフにおいても、製品タイヤにおけるカーカスコードの歪分布の状態を反映させた場合のグラフの方が、実際の製品タイヤにおけるコーナリングフォースを精度良く表していることが、本願発明者によって確認されている。本発明のタイヤ挙動シミュレーション方法により、製品タイヤに発生するコーナリングフォースを高精度に求めることができる。
以上、本発明のタイヤ挙動のシミュレーション方法について詳細に説明したが、本発明は上記実施例に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良および変更を行ってもよいのはもちろんである。
本発明のタイヤ挙動シミュレーション方法を実施する、演算装置の構成の概略を示すブロック図である。 本発明のタイヤ挙動のシミュレーション方法の一例のフローチャート図である。 (a)および(b)は、タイヤの構成部材の歪みまたは応力の情報を取得するための製造工程シミュレーションにおいて用いられる、各モデルを示す図である。 タイヤのカーカスコードの応力−ひずみ曲線の一例である。 製品タイヤを測定することで得られた、製品タイヤにおけるカーカスコードの歪み分布の測定結果の一例を示すグラフである。 本発明のタイヤ挙動シミュレーション方法において用いる、タイヤ挙動シミュレーションモデルの一例である。 (a)および(b)は、図6に示すタイヤ挙動シミュレーションモデルのうち、ケース本体モデルの一部を拡大して表す図であり、(a)は概略斜視図を、(b)は概略断面図を示す。 (a)は、本発明のタイヤ挙動シミュレーション結果の一例について説明する図で、(b)は、従来のタイヤ挙動シミュレーション結果の一例について説明する図である。 本発明のタイヤ挙動シミュレーション結果の他の例について説明する図である。 従来のタイヤ性能シミュレーションモデルに用いられるタイヤモデルの一例について説明する図である。 (a)および(b)は、空気入りタイヤの製造工程について説明する図である。
符号の説明
10 演算装置
12 条件設定部
14 特性値算出部
16 タイヤモデル作成部
18 シミュレーション演算部
20 性能予測部
22 CPU
24 メモリ
30 生タイヤケーシングモデル
32 トレッド/ベルトモデル
34 ブラダーモデル
36 グリーンタイヤモデル
38 加硫用モールドモデル
40 タイヤ挙動シミュレーションモデル
42 トレッドモデル
44 ケース本体モデル
100 生タイヤケーシング
105a、105b 四辺形膜要素
105c、105d、105e 六面体ソリッド要素
106 トレッド/ベルト部
108 完成生タイヤ

Claims (6)

  1. タイヤの挙動をシミュレートするシミュレーション方法であって、
    シミュレーション対象タイヤの特定構成部材の歪み、またはこの特定構成部材にかかる応力の少なくともいずれか一方の情報に基づき、前記タイヤにおける前記特定構成部材の特性値を算出する特性値算出ステップと、
    算出された前記特定構成部材の特性値に基づき、前記タイヤを再現するタイヤモデルを作成するタイヤモデル作成ステップと、
    前記タイヤモデルを用い、所定の条件下におけるタイヤ挙動を予測算出する挙動予測ステップとを有することを特徴とするタイヤ挙動シミュレーション方法。
  2. 前記特定構成部材は、前記タイヤのカーカスコードであることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ挙動シミュレーション方法。
  3. 前記特性値は、前記タイヤのカーカスコードの粘弾性特性を表す特性値であることを特徴とする請求項2に記載のタイヤ挙動シミュレーション方法。
  4. 前記特性値算出ステップは、前記タイヤにおける前記カーカスコードの歪み、または前記タイヤのカーカスコードにかかる応力の少なくともいずれか一方の情報に基づき、前記カーカスコードの応力−ひずみ曲線に応じて前記特性値を算出することを特徴とする請求項2または3に記載のタイヤ挙動シミュレーション方法。
  5. 前記特性値算出ステップで用いる前記情報は、前記タイヤの製造過程を再現するタイヤ製造工程シミュレーションの結果に基づいて算出された情報であり、前記タイヤ製造工程シミュレーションは、前記タイヤの複数の構成部材をそれぞれ再現する構成部材モデルを用い、この構成部材モデルを一体化させてタイヤ形状に成型する工程を再現するシミュレーションであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のタイヤ挙動シミュレーション方法。
  6. 前記タイヤは、複数の構成部材が一体化された製品タイヤであり、前記特性値算出ステップで用いる前記情報は、この製品タイヤにおける前記特定構成部材の測定により得られた歪み情報であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のタイヤ挙動シミュレーション方法。
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