JP2012521320A - タイヤトレッドブロック組成物 - Google Patents
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Abstract
本発明は、硬化エラストマーと、エラストマー100重量部につき0.1〜10部の割合の1dtexあたり少なくとも6グラムの強度および1dtexあたり少なくとも200グラムのモジュラスを有することを特徴とする繊維とを含む、複合トレッドブロックを有するタイヤに関する。前記繊維の主要部分は、道路表面と接触するタイヤトレッドから発生する騒音が低減されるような方向に方向づけされている。
Description
本発明は、タイヤの騒音を低減するトレッドブロック組成物に関する。
乗用車およびトラックのタイヤの性能を改善する必要性は変わることなく存在している。主要な性能属性としては騒音、操舵性、摩耗、転がり抵抗そして乗心地が含まれる。タイヤ会社は自動車およびトラックのタイヤが発する騒音を低減するよう懸命に努力していることから、タイヤ騒音の低減は、業界の関心の的となりつつある。例えば欧州連合は、タイヤからの通過騒音を有意に低減するための法制を整備しつつある。
高性能タイヤの生産には或る種の繊維が利用されてきた。米国特許出願公開第2002/0069948号明細書は、タイヤ表面に対し概ね垂直である角度で短繊維を使用することを教示している。この構成の目的は、操舵性および/または加速性の改善にあると言われている。米国特許出願公開第2007/0221303号明細書は、トレッドの方向剛性を増強する構成の中で短繊維を使用している。これらの繊維は、トレッドの長手方向、円周方向に対し幾分か垂直に整列させられていると言われる。米国特許第4,871,004号明細書は、フィブリル化した不連続なアラミド短繊維をゴム中に分散させたアラミド補強エラストマーについて開示している。この特許で開示されている配置は、側方(軸方向または円周方向)剛性とモジュラスを最大にすると言われている。しかしながら、これらの配置は、騒音低減にとって有益であるとは教示されていない。
本発明は、トレッドブロック内部において制御された方向性角度で互いに実質的に平行に整列された補強用繊維を含む少なくとも1つの層を有するタイヤトレッドブロックであって、方向性が、道路表面と接触するタイヤトレッドの作用によって発生する騒音を低減させるように選択されているタイヤトレッドブロックに関する。本発明はさらに、タイヤトレッドが発生させる騒音を、(a)騒音を発生させる1つまたは複数の機序を特定することと、(b)タイヤトレッド配合物を提供すること、および(c)ステップ(a)で特定された機序に基づいて、タイヤトレッドの騒音を低減するように適合された方向性を有する補強用繊維をタイヤトレッド内に導入することによって低減させる方法に関する。
車両のタイヤの騒音は数多くの騒音源から発生する。図1A、1Bおよび2は、この騒音がいかにして発生するかを説明する上で一助となる。図1Aは全体として10という番号で表わしたトレッドブロック20を有するタイヤと、このタイヤに関連する主要座標軸を示している。トレッドブロックは図1Aで示されているように矩形であり得、あるいは(図1Bに示されているように)角度の付いた形状を有することもできる。円周方向は、走行方向Xである。軸方向は、Yとして示され、半径方向はZとして示されている。空間的関係を明確にするポイントとして、道路表面はXY平面内にある。タイヤは同様にサブトレッド28と呼ばれる構成要素を使用し、これはトレッドブロック20に対する支持を提供し図2に全体として示されている。サブトレッド28は、トレッドブロックと、オーバーレイ(キャッププライ)、ベルトまたはブレーカ30のいずれかである第1の補強層との間にある。トレッドブロック20およびサブトレッド28はキャビティ27を形成する。
騒音発生機序の1つは、エアーポンピングと呼ばれる。エアーポンピングは、トレッドブロックが道路表面と接触している間に軸方向または円周方向に拡張して周囲の空気を移動させる時に起こる。主たる発生経路は、道路表面と接触した時点でブロックおよびサブトレッドが拡張するにつれて、2つの隣接する(並列または縦列の)トレッドブロック、キャビティの最上部にあるサブトレッドそして道路の間に形成されたキャビティ容積から空気を圧出させることにある。さらなる1つの経路は、単に空気が単一のトレッドブロックの側方(軸方向または円周方向)の運動によって圧送されることである。図1Bに示されているようにブロックが角度のあるトレッドパターンを特徴として有する場合、空気を円周方向または軸方向または軸外方向のいずれかに圧出することができる。ヘルムホルツ共鳴と呼ばれる第2の主要騒音源が、同様にトレッドブロックと道路の界面の領域内で発生する。ヘルムホルツ共鳴は、隣接する(前後の)トレッドブロックにより形成された空気キャビティ内の圧力の増大そしてその後の圧力除去により生成される。キャビティに隣接するトレッドブロックがタイヤの接地面に達する直前にキャビティ容積が減少するにつれて、圧力は上昇する。ヘルムホルツ騒音は、トレッドブロックがキャビティを閉鎖する直前に小さい間隙を通してこの高圧空気が放出される時に生成される。ホルムヘルツ騒音は、円周方向および軸方向の両方で発生する。こうして、これら2つの騒音タイプは、以下の通りの走行中の4つの騒音源を創出する:
1. 軸方向でのエアーポンピング、
2. 円周方向でのエアーポンピング、
3. 軸方向でのヘルムホルツ騒音、
4. 円周方向でのヘルムホルツ騒音、
各々の騒音源は、キャビティ内のパイプ共鳴およびホーン効果によりさらに深刻化し得る。
1. 軸方向でのエアーポンピング、
2. 円周方向でのエアーポンピング、
3. 軸方向でのヘルムホルツ騒音、
4. 円周方向でのヘルムホルツ騒音、
各々の騒音源は、キャビティ内のパイプ共鳴およびホーン効果によりさらに深刻化し得る。
トレッドブロックまたはサブトレッド内の層の繊維の方向性および平面配置を賢明に選択することにより、特定の騒音低減課題に対処するようにトレッドブロックおよびサブトレッドをカスタマイズすることが可能である。一部のタイヤ構成において、繊維は、トレッドブロック層の少なくとも1つの内部において実質的に軸方向に整列されている。一部のタイヤでは、トレッドブロック層の少なくとも1層内で、繊維は実質的に円周方向で互いに実質的に整列させられている。一部のタイヤでは、トレッドブロック層の少なくとも1層内において、繊維は実質的に半径方向で互いに実質的に整列させられている。実質的にとは、1層の内部の矩繊維の50%超が1方向に方向づけされていることを意味する。より好ましくは、1層内の短繊維の70%超が一方向に方向づけされている。最も好ましくは、1層内の短繊維の85%超が一方向に方向づけされている。整列されているあるいは方向づけされているとは、繊維の長寸法が整列方向に方向づけされるような形で繊維が配置されていることを意味する。この繊維整列は、硬化したトレッドブロックに対して異方性機械的剛性特性を提供する。同様にサブトレッドは、トレッドブロックと一致して作用してさらに騒音発生を最小限におさえるように或る方向性で整列された繊維を含むことができる。このことは、一部の場合において、サブトレッドが、トレッドブロックの騒音低減に対する効果の約3分の1に等しい効果をもたらし得ることを理由として、有意であり得る。
さらに、トレッドブロックまたはサブトレッドは、隣接する層内で異なる繊維方向性を有する複数の層を含んでいてよい。整列した繊維を含む層は同様に異なる平面配置で方向づけされ得る。例えば図3は、層のXY平面方向性を表わしている。これらの層は、軸方向(Y)に方向づけされた繊維、円周方向(X)に方向づけされた繊維または軸方向(Y)と円周方向(X)の方向性の間で交番するように配置された繊維を含むことができると考えられる。繊維の方向性は、同様に、図4で示されているように異なる平面方向性を有する層について異なるものであり得る。例えばXZ平面内で、繊維は円周方向(X)または半径方向(Z)であり得、一方XY平面内で、繊維は円周方向(X)または軸方向(Y)であり得る。YZ平面内において繊維は軸方向(Y)または半径方向(Z)であり得ると考えられる。車両上に使用される実際のタイヤからの騒音発生には、トレッドブロックおよび溝のさまざまな形態があると思われることが認識されている。しかしながら、本発明の利点は、さほど複雑でない表現を用いて説明できる。トレッドブロックとサブトレッドを1つの騒音低減構造として合わせて考慮した場合、繊維方向性の配置は数多く存在する可能性がある。例えば、トレッドブロック内で軸方向および円周方向に方向づけされた繊維およびサブトレッド内で半径方向に方向づけされた繊維は、騒音低減において非常に有効であることが分かっている。その一方で、サブトレッドおよびトレッドブロックの両方の中で繊維を円周方向に方向づけすることは、実現が最も容易であるかもしれないが、騒音低減におけるメリットは比較的小さい。これら2つの状況の間に、サブトレッド/トレッドブロック構造内で考えられる多数の繊維方向性が存在する。例えば、さらに図4を参照すると、サブトレッドのXZ平面内の繊維を、円周方向(X)および半径方向(Z)の間で幾分か角度をつけて方向づけすることができると考えられる。同様に、サブトレッドのXY平面内の繊維は、円周方向(X)と軸方向(Y)の間で幾分かの角度をつけて方向づけされ得る。押出しダイを含めた成形用具および製造システムを適切に選択すると、押出し加工された各サブトレッドのプロファイル内に繊維の所望の方向性が結果として得られることになる。
図1Bに示されているようにタイヤ内にオフセット角でトレッドブロックが配置された場合、繊維の整列は当初のX、YおよびZ方向にとどまることができ、あるいはトレッドブロックと同じ直交方向にオフセットされ得る。例えばトレッドブロックが図1BからわかるようにY方向との関係において幾分かの角度「a」をつけてオフセットされている場合、補強用繊維は当初のX、Y、Z座標方向にとどまることもでき、あるいは、Y方向との関係において「a」の角度をつけて類似の要領で方向づけされていてもよい。繊維の対応する方向性と共にトレッドブロックの方向性は、X方向に関しても同様に適用され得る。さらに、トレッドブロックの方向性はZ方向に関しても同様に、特にタイヤの側面上でクラウンとカーカスの界面をトレッドが包み込む時点で適用され得る。一般的な場合において、トレッドブロックはX、YおよびZ方向で、そしてタイヤの表面全体にわたって変化する他の数多くの角度のついた方向性で、タイヤの形に成形される。製造上の考慮事項から、タイヤの形に構築されるゴム配合物はトレッドブロックの角度のついた方向性とは無関係に均一の方向性を有することが求められる。こうして、補強材は、それらがX、YおよびZ方向に整列されているか、あるいはオフセット角で整列されているかに関わらず有効であるように設計される。
XY、YZまたはXZ平面内の層における繊維方向性は直交することが好ましいが、繊維を円周方向、軸方向、または半径方向のいずれかに対し5〜85度の角度で直交せずに整列させてもよい。より好ましくは、繊維は15〜70度の間の角度で整列される。このようなバイアス角方向性は、2方向にエラストマシートを圧延することによって達成できる。
本発明の別の態様は、本明細書中で記述されている複合トレッドブロックまたはサブトレッドを生産するための方法であって、エラストマーおよび補強用繊維の混合物を圧延または押出し加工することによって1つ以上の層を生産するステップを含む方法に関する。一部の実施形態において、方法はさらに複数の層を固結するステップを含む。
したがって、エラストマー中の繊維が制御された方向性を有する本発明は、無作為のまたは等方性の補強を示しかつ側方(軸方向および/または円周方向)剛性と共に半径方向剛性が増大した場合の有害なトレッドブロック硬化の悪影響を受けるカーボンブラックまたは他の微粒子補強ゴム配合物と異なるものである。軸方向補強は、短繊維、フロックまたはパルプを用いて追加される。一部の実施形態において、短繊維またはパルプのモジュラスが高くなればなるほど、得られる性能は良くなる。したがって、トレッドブロックおよびサブトレッドの平面内にアラミド繊維およびパルプなどの高モジュラスの繊維を入れると有利である。しかしながら、アラミドに加えて、軸方向トレッドブロック剛性を増大させるあらゆる短繊維またはパルプが同程度の働きを発揮するという点も指摘しておくべきである。このような繊維は、繊維の配合中に直接使用されてもよいし、あるいはプレミックスまたはマスターバッチとして添加されてもよく、この場合、繊維はエラストマーのいくつかと濃縮物の形で予めブレンドされている。
本発明のトレッドブロックまたはサブトレッドは、エラストマー100重量部あたり0.1〜10部の短繊維、フロックまたはパルプを有する硬化エラストマーを含む。繊維は、1dtexあたり少なくとも6グラムの強度と1dtexあたり少なくとも200グラムのモジュラスを有する。短繊維は、フロック、パルプまたは他の刻んだ繊維形態を形成するための連続繊維から生産されてよく、本明細書中で論述されているように別段階の指摘のないかぎり、これらの形態のいずれでも、繊維とみなしてよい。一部の繊維は、5〜10,000、より好ましくは10〜5000の長さ対直径比を有する。本発明に関して本明細書中に論述されている15マイクロメートル未満の直径を有する短繊維には、パルプおよびフロックとして公知の繊維が含まれる。フロックは、約0.1〜8ミリメートル、より好ましくは約0.1〜6ミリメートルの短い長さに連続繊維を切断することによって作られる。このような繊維の製造は当業者にとって周知である。接着促進剤でコーティングされたものを含めた、これらの繊維のいくつかは市販されている。
本発明において使用される一部の繊維は、パルプの形をしている。パルプには、一部の場合より長い繊維を刻むことによって生産されるフィブリル化繊維が含まれる。例えばアラミドパルプは、アラミド繊維をリファイニングすることによって製造することができ、一部の実施形態では最長約8ミリメートルの長さ分布を有し、平均長さは約0.1〜4ミリメートルである。市販のアラミドパルプには、E.I.du Pont de Nemours and Company(DuPont)(Wilmington、DE)製のKevlar(登録商標)パルプおよびテイジン(商標)トワロン(登録商標)パルプが含まれる。
マイクロパルプとして公知である別の形態のパルプは、米国特許出願公開第2003/0114641号明細書にしたがって生産され得る。このパルプでは0.01マイクロメートルから100マイクロメートルの範囲の体積平均長さと、1グラムあたり25〜500平方メートルの範囲内の平均表面積を有する。本明細書中で使用する体積平均長とは、次のことを意味する:
Σ(所与の長さの繊維の数)×(各繊維の長さ)4/Σ(所与の長さの繊維の数)×(各繊維の長さ)3
Σ(所与の長さの繊維の数)×(各繊維の長さ)4/Σ(所与の長さの繊維の数)×(各繊維の長さ)3
繊維ポリマー
本明細書中で使用される繊維およびパルプは、例えば芳香族または脂肪族ポリアミド類、芳香族または脂肪族ポリエステル類、ポリアクリロニトル類、ポリオレフィン類、セルロース、ポリアゾール類およびこれらの混合物を含めた、高強度繊維を生産するあらゆるポリマーから製造可能である。
本明細書中で使用される繊維およびパルプは、例えば芳香族または脂肪族ポリアミド類、芳香族または脂肪族ポリエステル類、ポリアクリロニトル類、ポリオレフィン類、セルロース、ポリアゾール類およびこれらの混合物を含めた、高強度繊維を生産するあらゆるポリマーから製造可能である。
ポリマーがポリアミドである場合、一部の実施形態においてアラミドが好ましい。「アラミド」という用語は、ポリアミドを意味し、ここで、アミド(−CONH−)結合の少なくとも85%が2つの芳香族環に直接付着させられている。適切なアラミド繊維としては、全てテイジン・アラミド社から入手可能であるトワロン(登録商標)、サルフロン(登録商標)、テクノーラ(登録商標)、Kolon Industries Inc製Heracon(商標)またはDupont社から入手可能であるKevlar(登録商標)が含まれる。アラミド繊維は、W.Blackら、によるInterscience Publishers、1968刊の「Man−Made Fibres − Science and Technology」、第2巻297頁、「Fibre−Forming Aromatic Polyamides」という表題の節中に記述されている。アラミド繊維およびその生産については、同様に、米国特許第3,767,756号明細書;同4,172,938号明細書;同3,869,429号明細書;同3,869,430号明細書;同3,819,587号明細書;同3,673,143号明細書;同3,354,127号明細書;および同3,094,511号明細書中でも開示されている。
一部の実施形態において、好ましいアラミドはパラアラミドである。1つの好ましいパラアラミドは、PPD−Tと呼ばれるポリ(p−フェニレンテレフタルアミド)である。PPD−Tとは、p−フェニレンジアミンと塩化テレフタロイルのモル対モル重合の結果として得られるホモポリマーであり、同じくp−フェニレンジアミンに伴う少量の他のジアミン類の取込みおよび塩化テレフタロイルに伴う少量の他塩化二酸類の取込みの結果として得られるコポリマーも意味する。一般に、他のジアミン類および他の塩化二酸類は、重合反応と干渉する反応基を全く有していないことだけを条件として、p−フェニレンジアミンまたは塩化テレフタロイルの最高約10モルパーセント程度のまた恐らくはそれよりやや高いモルパーセントの量で使用され得る。PPD−Tはまた、例えば2,6−ナフタロイルクロリドまたはクロロ−またはジクロロテレフタロイルクロリドまたは3,4’−ジアミノジフェニルエーテルなどの他の芳香族ジアミン類および他の芳香族塩化二酸類の取込みの結果として得られるコポリマーも意味している。
アラミドと共に添加剤を使用することができ、最高10重量パーセント以上と同程度の他のポリマー材料をアラミドとブレンドできることが発見された。アラミドのジアミンと置換される10パーセント以上程度の他のジアミンまたは塩化二酸またはアラミドと置換される10パーセント以上程度の他の塩化二酸を有するコポリマーを使用することができる。
ポリマーがポリオレフィンである場合、一部の実施形態においてポリエチレンまたはポリプロピレンが好ましい。ポリオレフィン繊維は、繊維およびエラストマーを配合して配合物を圧延するかまたは押出し加工するため、またはタイヤアセンブリ内で配合物を硬化させるために必要とされる加工温度がポリオレフィンの融点よりも低い場合にのみ使用できる。「ポリエチレン」という用語は、好ましくは100万超の分子量の主に線状のポリエチレン材料を意味し、100主鎖炭素原子あたり5修飾単位を超えないわずかな量の連鎖分岐またはコモノマーを含んでいてよくかつ同様に混和された状態で約50重量パーセント以下の1つ以上の一般的に取込まれるポリマー添加剤例えばアルケン−1−ポリマー、詳細には低密度ポリエチレン、プロピレンなど、または低分子量の添加剤例えば酸化防止剤、潤滑剤、紫外線スクリーニング剤、着色剤なども含んでいてよい。このようなものは、拡大連鎖ポリエチレン(ECPE)または超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)として一般に公知である。ポリエチレン繊維の調製は、米国特許第4,478,083号明細書、同4,228,118号明細書、同4,276,348号明細書および同4,344,908号明細書中で論述されている。高分子量の線状ポリオレフィン繊維は、市販されている。ポリオレフィン繊維の調製は米国特許第4,457,985号明細書中で論述されている。
一部の好ましい実施形態において、ポリアゾール類はポリアレナゾール類、例えばポリベンザゾール類およびポリピリダゾール類である。適切なポリアゾール類にはホモポリマーと同様にコポリマーも含まれる。ポリアゾール類と共に添加剤を使用することができ、最高10重量パーセント程度の他のポリマー材料もポリアゾール類とブレンドすることができる。同様に、ポリアゾール類のモノマーと置換される10パーセント以上程度の他のモノマーを有するコポリマーを使用することもできる。米国特許第4,533,693号明細書、同4,703,103号明細書、同5,089,591号明細書、同4,772,678号明細書、同4,847,350号明細書および同5,276,128号明細書中に記載されているまたはこれらから導出された手順などの公知の手順により適切なポリアゾールホモポリマーおよびコポリマーを製造することができる。
好ましいポリベンザゾール類としては、ポリベンズイミダゾール類、ポリベンゾチアゾール類およびポリベンズオキサゾール類、そしてより好ましくは1デニールあたり30グラム(gpd)以上のヤーン強度を有する繊維を形成できるポリマーが含まれる。一部の実施形態においては、ポリベンザゾールがポリベンゾチアゾールである場合、好ましくはそれはポリ(p−フェニレンベンゾビスチアゾール)である。一部の実施形態において、ポリベンザゾールがポリベンゾキサゾールである場合、それは、ポリ(p−フェニレンベンゾビスオキサゾール)、およびより好ましくはPBOと呼ばれるポリ(p−フェニレン−2,6−ベンゾビスオキサゾールであることが好ましい。
好ましいポリピリダゾール類としては、ポリピリドイミダゾール類、ポリピリドチアゾール類及びポリピリドオキサゾール類、そしてより好ましくは30gpd以上のヤーン強度を有する繊維を形成できるポリマーが含まれる。一部の実施形態において、好ましいポリピリダゾールは、ポリピリドビスアゾールである。1つの好ましいポリ(ピリドビスオキサゾール(pyridobisozazole))は、PIPDと呼ばれるポリ(1,4−(2,5−ジヒドロキシ)フェニレン−2,6−ピリド[2,3−d:5,6−d’]ビスイミダゾールである。ポリピリドビスアゾール類を含めた適切なポリピリダゾール類は、公知の手順、例えば米国特許第5,674,969号明細書中に記載されているものなどによって製造できる。
本明細書中で使用される「ポリエステル」という用語は、くり返し単位の少なくとも85%が、ジカルボン酸とジヒドロキシアルコールの縮合生成物であり、エステル単位の形成によって連鎖が作り出されているポリマーを包含するように意図されている。これには、芳香族、脂肪族、飽和および不飽和二酸およびジアルコールが含まれる。本明細書中で使用される「ポリエステル」という用語は、コポリマー(例えばブロック、グラフト、ランダムおよび交互コポリマーなど)、それらのブレンドおよび修飾をも含んでいる。一部の実施形態において、好ましいポリエステル類には、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(エチレンナフタレート)、および液晶ポリエステル類が含まれる。ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)は、ジエチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、ポリ(エチレングリコール)、グルタル酸、アゼライン酸、セバシン酸、イソフタル酸などを含めたさまざまなコモノマーを含むことができる。これらのコモノマーに加えて、トリメシン酸、ピロメリット酸、トリメチロールプロパンおよびトリメチロロエタン、およびペンタエリスリトールのような分岐剤も使用してよい。チレフタル酸またはその低級アルキルエステル(例えばジメチルテレフタレート)およびエチレングリコールまたはそのブレンドまたは混合物から、公知の重合技術によりをポリ(エチレンテレフタレート)得ることができる。別の潜在的に有用なポリエステルは、ポリ(エチレンナフタレート)(PEN)である。PENは2,6ナフタレンジカルボン酸およびエチレングリコールから公知の重合技術により得ることができる。
本発明においては、液晶ポリエステルも使用してよい。本明細書中「液晶ポリエステル」(LCP)とは、TOT試験または米国特許第4,118,372号明細書中で記述されているようなその任意の適当な変形形態を用いて試験した場合に異方性であるポリエステルのことである。液晶ポリエステルの1つの好ましい形態は「全芳香族」形態である。すなわちポリマー主鎖内の基は全てが(エステル基などの結合基を除いて)芳香族であるが、芳香族でない側基が存在してもよい。
E−ガラスは、市販の低アルカリガラスである。1つの典型的な組成物は、54重量%のSiO2、14重量%のAl2O3、22重量%のCaO/MgO、10重量%のB2O3そして2重量%未満のNa2O/K2Oで構成されている。いくつかの他の材料も同様に不純物レベルで存在する場合がある。
S−ガラスは、市販のマグネシア−アルミナ−ケイ酸塩ガラスである。この組成物は、E−ガラスに比べ剛性が高く、強く、高価であり、ポリマーマトリクス複合材中で一般的に使用されている。
炭素繊維は市販されており、当業者にとっては周知のものである。一部の実施形態において、これらの繊維は直径が約0.005〜0.010mmであり、主として炭素原子で構成されている。
セルロース繊維は、セルロースエステル(ホルメートおよびアセテート)の液晶溶液を紡糸しその後ケン化して再生セルロース繊維を生成することによって製造可能である。
エラストマー
本明細書中で使用される「ゴム」および「エラストマー」という用語は、別段の定めのないかぎり互換的に使用されてよい。「ゴム組成物」、「配合ゴム」および「ゴム配合物」という用語は、互換的に使用されて「さまざまな成分および材料とブレンドまたは混合されたゴム」を意味し、このような用語は、ゴム混合またはゴム配合技術の当業者にとっては周知のものである。「硬化する」および「加硫する」という用語は、別段の定めのないかぎり互換的に使用されてよい。本発明の記述において、「phr」という用語は、ゴムまたはエラストマー100重量部あたりのそれぞれの材料の部分量を意味する。
本明細書中で使用される「ゴム」および「エラストマー」という用語は、別段の定めのないかぎり互換的に使用されてよい。「ゴム組成物」、「配合ゴム」および「ゴム配合物」という用語は、互換的に使用されて「さまざまな成分および材料とブレンドまたは混合されたゴム」を意味し、このような用語は、ゴム混合またはゴム配合技術の当業者にとっては周知のものである。「硬化する」および「加硫する」という用語は、別段の定めのないかぎり互換的に使用されてよい。本発明の記述において、「phr」という用語は、ゴムまたはエラストマー100重量部あたりのそれぞれの材料の部分量を意味する。
本発明のエラストマー類には、天然ゴム、合成天然ゴムおよび合成ゴムの両方が含まれる。合成ゴム配合物は、一般的な有機溶剤により溶解させられる任意のものであってよく、他の多くの合成ゴム配合物の中でもポリクロロプレンおよび硫黄修飾クロロプレン、炭化水素ゴム類、ブタジエン−アクリロニトリルコポリマー、スチレンブタジエンゴム類、クロロスルホン化ポリエチレン、フルオロエラストマ−類、ポリブタジエンゴム類、ポリイソプレンゴム類、ブチル及びはハロブチルゴム類などを含むことができる。天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、ポリイソプレンゴムおよびポリブタジエンゴムが好ましい。ゴム混合物を使用してもよい。
タイヤブロック層およびタイヤの生産
一部の態様において、本発明は、本明細書中に記載されている複合トレッドブロックおよび/またはサブトレッドを生産するための方法であって、エラストマーと補強用繊維の混合物を圧延または押出し加工することによって1つ以上の層を生産するステップを含む方法に関する。この方法は、複数の層を固結させるステップをさらに含むことができる。異なる層が同じ繊維方向性を有していてもいなくてもよい。層を圧延、押出し加工および固結する方法は、当業者にとって周知であり、以下で記述される。サブトレッドは、当業者にとって周知の手段により形成され得る。トレッドは当業者にとって周知の手段によりトレッドブロック内で形成され得る。業界では、路面グリップ、特に漏れた表面、雪または氷で覆われた表面での路面グリップを改善するためにさまざまな溝および設計が使用されている。タイヤに対するトレッドブロックの取付けも、当業者にとって周知の方法により実施可能である。
一部の態様において、本発明は、本明細書中に記載されている複合トレッドブロックおよび/またはサブトレッドを生産するための方法であって、エラストマーと補強用繊維の混合物を圧延または押出し加工することによって1つ以上の層を生産するステップを含む方法に関する。この方法は、複数の層を固結させるステップをさらに含むことができる。異なる層が同じ繊維方向性を有していてもいなくてもよい。層を圧延、押出し加工および固結する方法は、当業者にとって周知であり、以下で記述される。サブトレッドは、当業者にとって周知の手段により形成され得る。トレッドは当業者にとって周知の手段によりトレッドブロック内で形成され得る。業界では、路面グリップ、特に漏れた表面、雪または氷で覆われた表面での路面グリップを改善するためにさまざまな溝および設計が使用されている。タイヤに対するトレッドブロックの取付けも、当業者にとって周知の方法により実施可能である。
繊維の整列は、複数の周知の方法により達成されてよい。1つの方法には、エラストマーを配合するための原料(ポリマー、繊維および他の添加剤)の高せん断混合ステップとそれに続くロール練りおよび/または圧延ステップが関与する。高せん断混合は、繊維と他の添加剤がエラストマー中に均一に分散することを保証する。この段階においてエラストマー内部の繊維は、無作為に方向づけされている。配合プロセスの第1段階には、ポリマーの素練りまたは分解が関与する。天然ゴムは開放形練りロール機上で分解されてよいが、バンバリーまたはショーミキサーなどの逆方向に回転する羽根を有する高せん断ミキサーを使用するのがより一般的な実践方法である。場合によって別個の予備素練りステップを使用してよい。合成ゴムについては、配合物がポリマーブレンドを含む場合にのみ、予備素練りが必要である。この後には、成分の大部分がゴム中に取込まれた時点での親練りステップが続く。こうして、ゴム中で成分が徹底的にかつ均一に分散していることが保証される。混合プロセスの間、温度をできるだけ低く保つことが重要である。このステップに含まれない成分は、硬化系を構成する成分である。これらは通常最終ステップにおいて、普通はさらに低い温度で添加される。
典型的な混合プロセスの一例は次の通りである。これは、エラストマー(Kevlar(登録商標)工学処理済みエラストマー(Kevlar(登録商標)EE)中に分散されたKevlar(登録商標)パルプをネオプレンタイプのゴム中へ混合する2段階混合向けである。
第1段階
ネオプレンの半分、次にKevlar(登録商標)EEそして最後に残りのネオプレンと酸化マグネシウムを、混合しながら連続して添加する。
1〜1.5分間効率的に混合する。
ばら繊維(あれば)を添加する。
少なくとも30秒間混合する。
充填剤、可塑化剤、酸化防止剤および他の添加剤を添加する。
必要に応じてミキサー速度を加速して、繊維の優れた分散が得られるまで混合し続ける。
105〜110℃を超えないダンピング温度(dumping temperature)で第1段階配合物を分出して、冷却させる。
ネオプレンの半分、次にKevlar(登録商標)EEそして最後に残りのネオプレンと酸化マグネシウムを、混合しながら連続して添加する。
1〜1.5分間効率的に混合する。
ばら繊維(あれば)を添加する。
少なくとも30秒間混合する。
充填剤、可塑化剤、酸化防止剤および他の添加剤を添加する。
必要に応じてミキサー速度を加速して、繊維の優れた分散が得られるまで混合し続ける。
105〜110℃を超えないダンピング温度(dumping temperature)で第1段階配合物を分出して、冷却させる。
第2段階
冷却した第1段階配合物の半分とそれに続いて酸化亜鉛、硬化剤および第1パスのミックスの残りを連続して添加する。
100〜105℃で分出ロール機(sheeting mill)内にダンプする。
冷却した第1段階配合物の半分とそれに続いて酸化亜鉛、硬化剤および第1パスのミックスの残りを連続して添加する。
100〜105℃で分出ロール機(sheeting mill)内にダンプする。
エラストマーの配合についてのさらなる情報は、「The Vanderbilt Rubber Handbook」、Thirteenth Edition、R.T.Vanderbilt Company Inc.(Norwalk、CT)の496〜507頁および米国特許第5,331,053号明細書;同5,391,623号明細書;同5,480,941号明細書および同5,830,395号明細書中に含まれている。
一部の状況において成分の混合は、ロール練りによっても達成できる。繊維の整列は、熱および圧力下で実施される圧延および/または練りプロセス中に達成される。カレンダーは、ゴム配合物を薄いシートへと絞る、多数の大直径ロールのセットである。
別のアプローチは、単一のプロセスにおいて原料が混合され押出し加工される押出し加工プロセスを使用することである。押出し機は、スクリューとバレル、スクリュー駆動装置、ヒーターおよびダイで構成されている。押出し機は配合物に熱と圧力を加える。押出しダイアプローチの設計および幾何形状を適切に選択することにより、トレッド内の円周方向、軸方向および半径方向に対応する押出し物内のX、YまたはZ方向に繊維を整列させてよい。収束ダイにおいては、アプローチの厚みはダイ出口に向かって減少して、その結果繊維は縦方向(押出されたシートの平面内の円周方向)に整列させる。ダイアセンブリ内にじゃま板を挿入すると、繊維は押出されたシートの平面内で横方向に整列する結果となる。アプローチ開口部の厚みがダイの出口面に向かって増大するダイ設計が、押出されたシートの平面に対して垂直な方向性を繊維に与えるものである。タイヤトレッド用では、ダイの断面プロファイルは、所望のトレッド設計に適合され、トレッドは一体で押出し加工することができる。このようなトレッドにおいては、全ての繊維は、選択されたダイが支配する方向に整列させる。トレッドを横断して異なる区分またはゾーン内で繊維に異なる方向性が所望される場合には、多数のダイヘッドが必要とされ、各ダイはそのゾーンに適した所望の方向性を繊維に与えるように選択される。
タイヤの生産には、3つの主要な段階、すなわち構成要素の組立て、プレス加工および硬化が存在する。構成要素の組立て段階においては、ドラムまたはシリンダーが工具として使用され、その上にさまざまな構成要素が置かれる。組立て中、さまざまな構成要素はスプライスされるかまたは接着剤で接着される。タイヤ構成要素をレイアップするための典型的な順序では、最初にゴムシートインナーライナーを位置づけする。このようなライナーは接着剤と配合され、その結果通気性は低くなる。こうして、タイヤ内の空気を密封することが可能になる。第2の構成要素は、ゴムおよび接着促進剤でコーティングされた圧延ボディプライファブリックまたはコードの層である。1層または複数のボディプライはドラムの縁部で下に折り返される。鋼ビードが適用されライナープライは上に折り返される。ビードは、ゴム配合物中に包埋された高引張り強度鋼のバンドであり、ホイールにタイヤを機械的に嵌合させるための強度を提供する。ビードゴムは、強度および靭性を最大限にするための添加剤を含んでいる。次にアペックスが位置づけされる。アペックスは、ビードと係合して剛性ビードと可撓性のインナーライナーおよびボディプライのアセンブリとの間にクッションを提供する三角形の押出し加工されたプロファイルである。この後に一対のチェーファーストリップおよびサイドウォールが続く。これらは、車両に取付けられた時点でホイールリムからのチェーファリングに耐える。その後ドラムは折畳まれ、第1段階のアセンブリは、第2の構成要素組立て段階への準備ができた状態となる。
第2段階の組立ては、鋼リング上に取付けられた可膨張ブラダー上で行なわれる。未加硫の第1段階アセンブリをリング全体に嵌め込み、ブラダーがそれをベルトガイドアセンブリーまで膨張させる。耐パンク性を提供するためのスチールベルトが次に所定の位置に設置される。ベルトは、ゴム層、密に間隔取りされたスチールコードおよび第2のゴム層で構成された圧延シートである。スチールコードは、ラジアルタイヤ構造では半径方向に、またバイアスタイヤ構造では対角で方向づけされる。乗用車用タイヤは通常2本または3本のベルトで作られる。最終的構成要素、つまりサブトレッドとトレッドブロック層のトレッドゴムプロファイルがその後適用される。これらのプロファイルストリップは、本発明の方向づけされた繊維を含んでいる。トレッドアセンブリをベルトに対して固結させるようにロール掛けし、仕上ったアセンブリ(グリーンカバー)はその後機械から離脱させられる。多くの高性能タイヤがベルトパッケージとトレッドの間に任意の押出し加工されたクッション構成要素を含み、スチールベルトに由来する機械的摩耗からトレッドを隔離している。所望される場合、タイヤ構築プロセスを自動化して、一定数の組立ポイントに沿って別個に各構成要素を適用することができる。
レイアップに続いてアセンブリをプレス加工して全ての構成要素をタイヤの最終的寸法に非常に近い形状へと固結させる。
最終的なタイヤ形状へのエラストマーの硬化または加硫は、加熱金型内で行なわれる。金型にはタイヤトレッドパターンが彫刻されている。未加硫タイヤアセンブリは、下部金型ビードシート上に設置され、ゴムブラダーが未加硫タイヤ内に挿入され、ブラダーが約25kgf/cm2の圧力まで膨張する一方で金型は閉じられる。こうして未加硫タイヤは金型内に流入し、トレッドパターンを有するようになる。ブラダーには、蒸気、熱湯または不活性ガスなどの再循環する熱媒体が充填される。硬化温度および硬化時間は異なるタイヤタイプおよびエラストマー調合物について変動するものであるが、典型的な値は、硬化時間が約12〜25分で硬化温度が摂氏約150〜180度である。大型タイヤについては、硬化時間ははるかに長いものであり得る。硬化の終了時に排気して圧力を下げ、金型を開放し、タイヤを金型から剥ぎ取る。タイヤは、後硬化インフレータ上に置いてよく、これが、冷却中タイヤを充分に膨張された状態に保持する。
タイヤの場合の繊維の整列の代表的利点
本発明の別の態様は、本明細書中に記載されている複合トレッドブロックまたはサブトレッドの生産方法であって、エラストマーと補強用繊維の混合物を圧送することにより1つ以上の層を生産するステップを含む方法に関する。一部の実施形態において、この方法はさらに、複数の層を固結するステップを含む。エラストマー中で繊維を整列させるための技術は、混合/配合ステップ中にせん断条件を発生させる方法である。このような方法には練り、圧延、射出成形および押出し加工が含まれる。これらの技術の例は、米国特許第6,106,752号明細書(射出成形)、6,899,782号明細書(押出し加工)および7,005,022号明細書(押出し加工およびニードリング)中に見出すことができる。
本発明の別の態様は、本明細書中に記載されている複合トレッドブロックまたはサブトレッドの生産方法であって、エラストマーと補強用繊維の混合物を圧送することにより1つ以上の層を生産するステップを含む方法に関する。一部の実施形態において、この方法はさらに、複数の層を固結するステップを含む。エラストマー中で繊維を整列させるための技術は、混合/配合ステップ中にせん断条件を発生させる方法である。このような方法には練り、圧延、射出成形および押出し加工が含まれる。これらの技術の例は、米国特許第6,106,752号明細書(射出成形)、6,899,782号明細書(押出し加工)および7,005,022号明細書(押出し加工およびニードリング)中に見出すことができる。
本発明は、限定的な意味の全くない例示を目的としたものとして設計されている以下の実施例によって示されており、ここで、全ての部、割合および百分率は別段の指示のないかぎり重量によるものである。
実験的プロセスには、ゴム配合物の調合ステップ、ゴムスラブの形成ステップと、トレッドブロックまたはサブトレッドのいずれかを表わす試験片の切断ステップと、試験片を変形試験に付すステップと、変形を測定するステップと、測定した変形を有限要素解析に入力して実際の機械的モジュラスおよびポリソン比特性を測定データから演繹するステップと、さらにこれらの特性を用いてタイヤ、トレッドブロックおよびサブトレッドの変形をモデリングしてトレッドブロックおよびサブトレッドの変形を予測し最終的にトレッドブロックまたはサブトレッド設計に起因する騒音低減を予測するステップとが含まれていた。
以下の実施例では、騒音低減を予測する目的で、組成および寸法に関して同一である供試体を使用してトレッドブロックおよびサブトレッドを代表させた。従来のタイヤの構造においては、サブトレッドおよびトレッドブロックのために異なる組成が使用されてよい。
試験方法
繊維強度は、ASTM D7269に準じて決定されており、これは単位断面積あたりの力として表現される繊維の最大または破壊応力である。強度は、Instron Engineering Corp.(Canton、MA)から入手可能なInstron 1130型上で測定されており、デニールあたりのグラム(dtexあたりのグラム)として報告されている。
繊維強度は、ASTM D7269に準じて決定されており、これは単位断面積あたりの力として表現される繊維の最大または破壊応力である。強度は、Instron Engineering Corp.(Canton、MA)から入手可能なInstron 1130型上で測定されており、デニールあたりのグラム(dtexあたりのグラム)として報告されている。
繊維モジュラスは、ASTM D7269に準じて決定されており、これは応力ひずみ曲線の初期直線部分に対する接線の勾配に100を乗じ接着剤無しのデニールで除したものである。モジュラスは一般に2%未満のひずみで記録される。モジュラスは、MA、CantonのInstron Engineering Corp.(Canton、Massachusetts)から入手可能なInstron 1130型上で測定された応力ひずみ曲線から計算され、デニールあたりのグラム(dtexあたりのグラム)として報告される。
ゴムブロック変形は、ASTM575−91に準じて試験された。
以下の実施例では、繊維の量は、配合ゴム中の100部のゴム(phr)あたりゼロ部、2部または6部のいずれかで存在している。繊維は77%のTSR20天然ゴム中の23%のアラミド繊維のプレミックスとして添加された。プレミックスは、以下Kevlar(登録商標)EEと呼ばれる場合もあるmerge 1F722として同定された。
配合ゴムは、以下の材料を使用して調製した:
ISP Elastomers LP.(Port Nechas、TX.)製、スチレンブタジエンゴムタイプ1502、
Akrochem Corporation(Akron、OH.)製、天然ゴムタイプSMR CV(60)、
DuPontより入手可能なアラミド繊維エラストマ−分散merge 1F722、
Columbian Chemicals Co.(Marietta、GA.)製、カーボンブラックタイプN−299
Sunoco(Philadelphia、PA)製、芳香油Sundex オイルグレード790、
Zinc Corp. of America(Monica、PA.)製、酸化亜鉛、
Crompton Corp.(Greenwich、CT.)製、ステアリン酸、
R.T.Vanderbilt(Norwalk、CT.)製、光安定剤、Vanwax H Special
R.T.Vanderbilt(Norwalk、CT.)製、酸化防止剤、Antozite 67P、
R.T.Vanderbilt(Norwalk、CT.)製、Vanox 02、酸化防止剤(Agerite樹脂D)、
R.T.Vanderbilt(Norwalk、CT.)製、硬化促進剤、Amax、
R.T.Vanderbilt(Norwalk、CT.)製、二次促進剤、Vanax DPG、
S.F.Sulfur Corp.(Valdosta、GA.)製、硫黄
ISP Elastomers LP.(Port Nechas、TX.)製、スチレンブタジエンゴムタイプ1502、
Akrochem Corporation(Akron、OH.)製、天然ゴムタイプSMR CV(60)、
DuPontより入手可能なアラミド繊維エラストマ−分散merge 1F722、
Columbian Chemicals Co.(Marietta、GA.)製、カーボンブラックタイプN−299
Sunoco(Philadelphia、PA)製、芳香油Sundex オイルグレード790、
Zinc Corp. of America(Monica、PA.)製、酸化亜鉛、
Crompton Corp.(Greenwich、CT.)製、ステアリン酸、
R.T.Vanderbilt(Norwalk、CT.)製、光安定剤、Vanwax H Special
R.T.Vanderbilt(Norwalk、CT.)製、酸化防止剤、Antozite 67P、
R.T.Vanderbilt(Norwalk、CT.)製、Vanox 02、酸化防止剤(Agerite樹脂D)、
R.T.Vanderbilt(Norwalk、CT.)製、硬化促進剤、Amax、
R.T.Vanderbilt(Norwalk、CT.)製、二次促進剤、Vanax DPG、
S.F.Sulfur Corp.(Valdosta、GA.)製、硫黄
表1の通りの調合にしたがって、配合ゴム試料を調製した。
バンバリーミキサー内でゴムを配合した。半量のゴムポリマーに対してアラミド分散を添加し40秒間混合することによってプレミックスを調製した。その後、ゴムポリマーの残りの半量を添加し、ミキサーを閉鎖し、1分間混合を続けた。全ての乾燥成分を、カーボンブラック、Sundex790、VanwaxH、Antozite67P、Agerite樹脂およびステアリン酸の順で添加した。ミキサーを閉鎖し、74℃の温度に達するまで混合を続けた。その後、ミキサーのラム部分およびスロート部分を清掃し、ミキサーからプレミックスを除去した。
半量のプレミックスとそれに続いて硬化剤成分Amax、Vanax DPG、硫黄および酸化亜鉛を添加することにより、最終的ミックスを調製した。最後に残りの半量のプレミックスを添加し、ラムとスロートを清掃し、温度を99℃未満に維持しながら40秒間混合を続行した。仕上った配合ゴムを次にミキサーから取り出した。
配合ゴムをその後3.5mmの厚みまで圧延した。繊維の方向性は、この圧延プロセス中に発生する。
152mm×90mm×厚み25mmの公称寸法を有する部片にシートを切断しプレス金型内に8層のシートを積層することにより、以上で調製した配合された圧延シートからトレッドブロックを調製した。その後、プレス内に金型を置き、試料を60分間160℃で硬化させた。実施例C1は配合物Aから作製されており、これは対照である。実施例3、5、7、8〜10、11〜14そして18〜26は全て配合物1で作られた。実施例2、4、6は配合物2から作製された。実施例15〜17は、配合物2で作製されたトレッドブロックと配合物1で作製されたサブトレッドを特徴としていた。
次に、エラストマーの硬化スラブを公称25.4mmの立方体に水ジェット切断した。これらの立方体は、サブトレッドおよびトレッドブロックを代表するものである。立方体のXY、XZおよびYZ面を、ASTM575−91に準じて圧縮試験した。試験に先立ち、立方体の各面を20回にわたり7.62mm圧縮することによって立方体を予め条件づけした。予め条件づけしたブロックを次に25mmから17.38mmの厚みまで、2.54mm/分の速度でInstron万能試験機の中で圧縮した。各試験に先立ち、ゲージスタンドに取付けたミツトヨインジケータを使用して、供試体ブロックの寸法を測定した。各面の4つのコーナーの各々および中心で測定を行なった。測定値の平均を供試体の寸法とみなした。テスト装置内にブロックを設置する前に、圧縮取付プレートと接触すると考えられるブロックの表面に、真空グレードのグリースを軽く塗りつけた。圧縮荷重下でのブロック面のたわみをGOM Optical Measuring Techniques(Braunschweig、Germany)より入手可能な、「Aramis Model 3D Deformation Noncontact Dual Image Correlation Analyzer」を用いて測定した。ブロックのさまざまな面を圧縮することによって、ブロック内部での繊維方向性の影響を観察することができる。
ABAQUSリリース6.91ソフトウェアに基づいて有限要素解析モデルに測定した変形データを入力して、トレッドブロックおよびサブトレッド材料の実際の機械的特性を予測した。次に有限要素解析を用いて、車道と接触した時点での実際のタイヤ、トレッドブロックおよびサブトレッドの変形をシミュレーションした。トレッドブロックおよびサブトレッドの変形予測を今度は音響コンピュータプログラム、Virtual.Lab Rev.8A−SL1に入力して、結果として得られる騒音を予測した。
表2〜6中に示された結果は、或る方向での繊維の方向づけがトレッドブロックおよび/またはサブトレッドのたわみの削減を提供し、このたわみの削減自体はタイヤから発生される騒音の減少に対応する、ということを実証している。こうして、具体的な騒音の問題に対処するべく、繊維の方向性、特にタイヤトレッドおよび/またはサブトレッドの設計の調整が可能となる。表2はさらに発見事実をまとめたものである。
この表中、「有意な改善」とは、荷重下のトレッドブロックの側方(円周方向または軸方向)のたわみが、繊維補強材無しのブロックに比べて35%以上削減されることを意味する。「幾分かの改善」とは、荷重下のトレッドブロック側方たわみが、繊維補強材無しのブロックに比べて1%〜35%だけ削減されることを意味する。これにより、トレッド/道路界面により発生する騒音の低減が得られる。こうして自動車またはトラックなどの移動車両の運転者または同乗者のいずれかに聞こえる内部騒音は低減される。同様に、車両の外側で聞かれる通過騒音も低減される。
表2から、本発明の有利な効果は、さまざまな繊維方向性の賢明な選択によって実証可能である。例えば、Y方向(軸方向)に一次補強材がある状態でXY平面内にアラミド繊維が導入された場合には、多くのメリットがあると考えられるということがわかる。円周方向たわみによりひき起こされるヘルムホルツおよびエアーポンピング騒音は、未補強トレッドブロックを使用した場合、たわみがその量だけ削減するために、当初の値の85%まで15%だけ減少すると考えられる。さらに印象深いことに、軸方向たわみによりひき起こされるエアーポンピングおよびヘルムホルツ騒音は、未補強トレッドブロックを使用した場合、たわみがその量だけ減少するために、当初の値のわずか51%まで49%だけ減少すると考えられる。ここでもまた、表より、一次補強材がX方向(円周方向)にある状態でXY平面中にアラミド繊維が導入された場合、多くのメリットが存在すると考えられることがわかる。軸方向たわみによりひき起こされるヘルムホルツおよびエアーポンピング騒音は、未補強トレッドブロックを使用した場合、たわみがその量だけ減少するために、当初の値の85%まで減少すると考えられる。さらに印象深いことに、円周方向たわみによりひき起こされるヘルムホルツおよびエアーポンピング騒音は、未補強トレッドブロックを用いると、たわみがその量だけ減少するために、当初の値のわずか51%まで減少すると考えられる。ここでもまた、表より、一次補強材がX方向(円周方向)にある状態でXZ平面中にアラミド繊維が導入された場合、円周方向のみに主要なメリットが存在するものの、それは大きいものであると考えられることがわかる。すなわち円周方向たわみによりひき起こされるヘルムホルツおよびエアーポンピング騒音は、未補強トレッドブロックを用いると、たわみがその量だけ減少するために、当初の値の48%まで減少すると考えられる。
表3、4、5および6は、タイヤについての実際の音響予測を示している。表3は、サブトレッド内に非補強ゴム配合物を伴うモノリシックKevlar(登録商標)EEトレッドブロックを示している。ここで使用される「モノリシック」という用語は、路面により近いトレッドブロック材料の部分が、サブトレッドにより近いトレッドブロック材料の部分と同じであることを意味し、一方非モノリシックというのは、これらの部分が異なる方向性であることを意味している。表4は、非補強モノリシック等方性ゴムトレッドブロックおよびKevlar(登録商標)EE補強サブトレッドを示す。表5は、非モノリシックKevlar(登録商標)EE補強ゴムトレッドブロックおよび等方性非補強サブトレッドを示す。表6は、モノリシックKevlar(登録商標)EE補強ゴムトレッドブロックおよびKevlar(登録商標)EE補強サブトレッドを示す。
表3には、トレッドブロックが補強されているがサブトレッドが未補強ゴム配合物で作られている場合の、トレッドブロック材料としてKevlar(登録商標)EEを使用することの音響的メリットが示されている。詳細には、2phrのKevlar(登録商標)EEおよび6phrのKevlar(登録商標)EEを用いることの音響的メリットが、未補強トレッドブロック配合物を用いた実際のタイヤの状態と共に提示されている。全てのモデルはタイヤの前方の騒音についてのものである。実施例2においては、Y方向または軸方向の方向性で2phrのKevlar(登録商標)EEトレッドブロックが使用される場合、音響的メリットは、騒音レベルを1.4dBだけ低下させることにある。X方向かまたは円周方向で補強されている場合、音響的メリットは、騒音レベルを1.0dB低下させることにある。Z方向または半径方向に補強されている場合、音響的メリットは、騒音レベルを2.9dB低下させることにある。Y方向、Z方向またはX方向で6phrのKevlar(登録商標)EEを使用する場合、音響的メリットは改善し、騒音レベルはそれぞれ4.1dB、7.1dBおよび2.9dBだけ降下する。
表4中では、各実施例においてトレッドブロックが未補強ゴム配合物で作製された場合の、サブトレッド中に、Kevlar(登録商標)EEを使用することのメリットが示されている。表4の各実施例において、サブトレッドは6phrのKevlar(登録商標)EEで補強されている。Y−軸方向、Z−半径方向またはX−円周方向での補強材については、音響的メリットは、それぞれ0.8dB、1.4dBおよび0.6dBだけ騒音が減少することにある。
表5では、サブトレッドが未補強ゴムで作製されている場合の複合トレッドブロックのメリットが示されている。この表については、トレッドブロックは、一方向では道路の近くにそして別の方向ではサブトレッドの近くに補強材を有することから、複合トレッドブロックと呼ばれる。実施例11では、上部(サブトレッド近くの)トレッドブロック補強材は、Y−軸方向であり、下部(道路近くの)トレッドブロック補強材は、X−円周方向である。その実施例では、音響的メリットは、3.7dBである。実施例12では、上部(サブトレッド近くの)トレッドブロック補強材は、Y−軸方向であるが、下部(道路近くの)トレッドブロック補強材はZ−半径方向である。その実施例では、音響的メリットは5.4dBである。実施例13では、上部(サブトレッド近くの)トレッドブロック補強材は、X−円周方向であり、下部(道路近くの)トレッドブロック補強材は、Y−軸方向である。その実施例では、音響的メリットは、3.6dBである。実施例14では、上部(サブトレッド近くの)トレッドブロック補強材は、X−円周方向であり、下部(道路近くの)トレッドブロック補強材はZ−半径方向である。その場合、音響的メリットは4.6dBである。
表6は、より複雑な補強材モチーフの音響的メリットを示している。詳細には、トレッドブロックおよびサブトレッドの両方が補強されていることから、これらは補強材の最も一般的なケースである。これらは同じまたは異なる補強材を有し得る。実施例15は、トレッドブロックがY−軸方向で2phrのKevlar(登録商標)EEを用いて補強されサブトレッドが軸方向で6phrのKevlar(登録商標)EEで補強されている場合の音響的メリットを示しており、音の減少は2.3dBである。実施例16は、トレッドブロックがX−円周方向で2phrのKevlar(登録商標)EEを用いて補強されサブトレッドがY−軸方向で6phrのKevlar(登録商標)EEで補強されている場合の音響的メリットを示しており、音の減少は1.8dBである。実施例17は、トレッドブロックがZ−半径方向で2phrのKevlar(登録商標)EEを用いて補強されサブトレッドが軸方向で6phrのKevlar(登録商標)EEで補強されている場合の音響的メリットを示しており、音の減少は3.9dBである。数多くの他の実施例が示されている。「サブトレッド補強材方向性」という表題の欄は、Y−軸方向、X−円周方向およびZ−半径方向を含めたサブトレッド補強材についての全ての方向が考慮されたことを示している。サブトレッドの6phrのY−軸方向補強材(実施例18、19および20)については、トレッドブロックはY−軸方向、X−円周方向そしてZ−半径方向で方向づけされている。音響メリットはそれぞれ5.3dB、4.0dBおよび8.3dBである。サブトレッドの6phrのX−円周方向補強材(実施例21、22および23)については、トレッドブロックはY−軸方向、X−円周方向およびZ−半径方向で方向づけされており、音響的メリットはそれぞれ5.3dB、3.6dBおよび7.8dBである。サブトレッドの6phrのZ−軸方向補強材(実施例24、25および26)については、トレッドブロックはY−軸方向、X−円周方向そしてZ−半径方向で方向づけされており、音響的メリットはそれぞれ5.8dB、4.4dBおよび8.6dBである。
Claims (19)
- トレッドブロック内部において制御された方向性角度で互いに実質的に平行に整列された補強用繊維を含む少なくとも1つの層を有するタイヤトレッドブロックであって、前記方向性が、タイヤトレッド騒音を低減させるように選択されているタイヤトレッドブロック。
- 前記補強用繊維が、円周方向、軸方向、半径方向およびそれらの組合せからなる群から選択された方向性にある、請求項1に記載のタイヤトレッドブロック。
- 硬化エラストマーと、1dtexあたり少なくとも6.3グラムの強度および1dtexあたり少なくとも200グラムのモジュラスを有する、エラストマー100部につき0.25〜6部の前記補強用繊維とを含む、請求項1に記載のタイヤトレッドブロック。
- 前記繊維が、芳香族ポリアミド類、脂肪族ポリアミド類、ポリエステル類、ポリオレフィン類、ポリアゾール類およびそれらの混合物からなる群から選択されたポリマーで製造されている、請求項1に記載のタイヤトレッドブロック。
- 芳香族ポリアミドがp−アラミドである、請求項4に記載のタイヤトレッドブロック。
- 前記硬化エラストマーが、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴムおよびそれらの混合物からなる群から選択されている、請求項1に記載のタイヤトレッドブロック。
- 少なくとも1つのXYまたはXZ層内の前記補強用繊維が円周方向の方向性にある、請求項1に記載のタイヤトレッドブロック。
- 少なくとも1つのXYまたはYZ層内の前記補強用繊維が軸方向の方向性にある、請求項1に記載のタイヤトレッドブロック。
- 少なくとも1つのXZまたはYZ層内の前記補強用繊維が半径方向の方向性にある、請求項1に記載のタイヤトレッドブロック。
- 複数の層を含み、隣接する層内の前記繊維が互いに実質的に垂直な方向性にある、請求項1に記載のタイヤトレッドブロック。
- 前記補強用繊維は、少なくとも1つのXY、XZまたはYZ層内において、前記繊維が前記層内で直交して整列されることがないような形で整列されている、請求項1に記載のタイヤトレッドブロック。
- サブトレッドが付着されており、前記サブトレッドが、前記サブトレッド内部において制御された方向性角度で互いに実質的に平行に整列された補強用繊維を含み、前記方向性はタイヤ騒音を低減させるように選択されている、請求項1に記載のタイヤトレッドブロック。
- 前記サブトレッドが少なくとも1つのXYまたはXZ層内に円周方向の方向性で補強用繊維を含んでいる、請求項12に記載のタイヤトレッドブロック。
- 前記サブトレッドが少なくとも1つのXYまたはYZ層内に軸方向の方向性で補強用繊維を含んでいる、請求項12に記載のタイヤトレッドブロック。
- 前記サブトレッドが少なくとも1つのXZまたはYZ層内に半径方向の方向性で補強用繊維を含んでいる、請求項12に記載のタイヤトレッドブロック。
- 前記サブトレッドは、少なくとも1つのXY、YZまたはYZ層内において、前記繊維が前記層内で直交して整列されることがないような形で整列されている補強用繊維を含んでいる、請求項12に記載のタイヤトレッドブロック。
- タイヤトレッドブロックまたはサブトレッドによって発生する騒音を低減させる方法であって、
(a) 前記騒音を発生させる機序を特定するステップと、
(b) タイヤトレッドブロックまたはサブトレッド配合物を提供するステップと、
(c) ステップ(a)で特定された機序に基づいて、タイヤトレッドブロックまたはサブトレッドの騒音を低減するように適合された方向性を有する補強用繊維を、前記タイヤトレッドブロックまたはサブトレッド配合物中に導入するステップと、
を含む方法。 - 複合タイヤトレッドブロックまたはサブトレッドを含むタイヤを生産するための方法であって、前記複合材がさらに、
− 硬化エラストマーと;
− 前記エラストマー100重量部あたり0.1〜10部の繊維と;
を含み、前記繊維は1dtexあたり少なくとも6グラムの強度と1dtexあたり少なくとも200グラムのモジュラスを有することを特徴としており、
前記繊維の主要部分が、1つ以上の層内において前記道路接触表面に対して実質的に平行であるかまたは直交する平面内で実質的に方向づけされており;
(a) 高せん断ミキサー、練りロール機または押出し機内で、短繊維、エラストマーおよび他の添加剤を含む未硬化エラストマーを配合するステップと;
(b) 前記未硬化エラストマーを、前記所望の方向に前記繊維が整列されているタイヤトレッドブロックサブトレッドプロファイルを有する1つ以上の層またはシートの形に圧延または押出し加工するステップと;
(c) ドラム上でタイヤアセンブリの第1段階構成要素を順次組立てるステップと;
(d) ブラダープレスツール上に順次、前記サブトレッドおよびトレッドブロックプロファイルを含むタイヤアセンブリの第2段階構成要素を組立てるステップと;
(e) 金型内に前記タイヤアセンブリを設置し、熱と圧力で前記エラストマー配合物を硬化させるステップと、
を含む方法。 - 複数の前記層を圧密させるステップを含む、請求項18に記載の方法。
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