JP2540124B2 - 耐久性の改善された空気入りタイヤ - Google Patents

耐久性の改善された空気入りタイヤ

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JP2540124B2 JP59240951A JP24095184A JP2540124B2 JP 2540124 B2 JP2540124 B2 JP 2540124B2 JP 59240951 A JP59240951 A JP 59240951A JP 24095184 A JP24095184 A JP 24095184A JP 2540124 B2 JP2540124 B2 JP 2540124B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、耐久性の改善された空気入りタイヤ、例え
ば、ベルトを構成するベルトコーティングゴムまたはベ
ルトの端部を被覆するベルトエンドゴムに短繊維を含む
ゴムを用いることにより耐久性を著しく改良した空気入
りタイヤに関する。
(従来技術) タイヤの耐久性は、バイアス構造タイヤからラジアル
構造タイヤになることによって大巾に改良されたが、自
動車の性能および高速道路の充実により、タイヤの高速
性能、特に耐久性はさらにあるレベルにまで高める必要
がある。従来の耐久性の優れた空気入りラジアルタイヤ
としては、例えば、第4図のようなものがある。第4図
において、31は従来の空気入りラジアルタイヤであり、
空気入りラジアルタイヤ31はビード部32、カーカスプラ
イ33、ベルト34およびトレッド35を有している。
耐久性に優れたラジアルタイヤ31は、各種工夫が行わ
れて例えば、ベルト34のベルトコード36はナイロン、ポ
リエステル等のテキスタイルコードからスチールコード
へ、また、さらにスチールコードから軽量化を狙ったケ
ブラーコードへの変化している。また構造面において
も、ベルト34を構成するベルト層34a、34b、34c、34d間
に生ずる層間剪断歪を小さくする工夫がなされている。
この層間剪断歪は、ベルト34の端部34fで大きくなり、
剥離故障の原因となる。これは、ベルト34の端部34fの
ベルトコード36のヤング率とベルトゴム37のヤング率が
大きく異なるためであり、この剪断歪によって大きな応
力集中が起こり、この端部34fから剥離破壊が起こる。
したがって、剪断応力を緩和するため、第4図の番号38
で示すように端部34fのベルト層34a、34b、34c、34dの
相互の距離を離す等の対策が講じられている。
しかしながら、このような対策が講じられても、耐久
性は十分ではなく、現在最も進んだタイヤに於いては、
ベルト34の端部34fに周方向に対して低角度(例えば5
度)で配列させた補強層39を配置して、この高速耐久性
を出すようにしている。
しかしながら、この場合、コードの配列方向の弾性率
が高過ぎて振動乗心地性能を大きく低下させるばかり
か、低速走行時の操縦安定性も悪くなるという問題点が
ある。
(発明の目的) そこで、本発明は、タイヤの空気圧、重荷重負荷およ
び長期間の高速走行によって、タイヤのベルトの内部お
よびベルト端部の近傍に起こる剪断応力および剪断歪を
減少し、特に、ベルトのタガとしての剛性を変化させる
ことなく、ベルト層の層間に起こる面内剪断歪を極力小
さくして、ベルトの耐久性を向上し、耐久性の改善され
た空気入りタイヤを提供することを目的とする。
(発明の構成) 本発明に係る耐久性の改善された空気入りタイヤは、
ビード部に位置するビードワイヤと、多数のコードが平
行に配置されたゴム引きコード層から成り、両端部がビ
ード部で折り返してビードワイヤに係止されたカーカス
プライと、カーカスプライの外周面に位置し、複数の層
からなり、各層が所定の角度で配列されたベルトコード
を有し、このベルトコードをベルトコーティングゴムに
より被覆し、かつベルトコーティングゴムの軸方向両端
部をベルトエンドゴムにより被覆したベルトと、ベルト
の外周面に位置するトレッドと、を備えた空気入りタイ
ヤにおいて、前記ベルトが下記A乃至Dの項目のすべて
を満たしていることを特徴としている。
A. 少なくとも隣接する2つのベルトコーティングゴム
と少なくとも隣接する2つのベルトエンドゴムとが平均
径1μm以下、平均長さLと平均径Dの比(L/D)が8
以上である短繊維を5重量部以上含有するゴム組成物か
らなる。
B. ベルトコーティングゴム中の短繊維の配向方向とベ
ルトコードとのなす角度が0〜30度である。
C. ベルトエンドゴム中の短繊維の配向方向とベルトコ
ードとのなす角度が45〜90度である。
D. ベルトエンドゴム中の短繊維の配向方向とベルトエ
ンドゴムに隣接するベルトコーティングゴム中の短繊維
の配向方向とのなす角度が45〜90度である。
E. 短繊維が、アミド基を有する熱可塑性ポリマーから
成るとともに、フェノールホルムアルデヒド系樹脂の縮
合物を介してゴムの部分とグラフトしている。
また、加硫後の短繊維の補強層に於いて、短繊維の配
列方向に引っ張った50%歪時の弾性率M1と、短繊維の配
列方向と直角の方向に引っ張った50%歪時の弾性率M2の
比(M1/M2)が2.5以上であることが好ましい。
本発明において、短繊維の平均径を1μm以下に限定
したのは、次のような理由による。本来、短繊維に歪
(応力)がかかった場合、短繊維の両末端に大きな剪断
応力がかかり、その剪断応力によって、短繊維の両末端
から亀裂が発生、成長して短繊維補強ゴム組成物に特有
の大きなクリープを生じる傾向が強かった。その剪断応
力は、短繊維の形状に大きく依存していることが分かっ
ており、当然のことながら短繊維が小さければ小さい
程、短繊維の両末端にかかる歪も小さくなるので剪断応
力も小さくなる。短繊維が小さくなれば短繊維1個当た
りの補強効果も小さくなるが個数が多くなるので全体と
して見れば、短繊維が入ることによって耐疲労性、特に
繰り返し歪を受けた後のクリープが大きくなるのを防ぐ
ことができる。さらにまた、短繊維補強の目的である高
い弾性率、優れた耐カット性、および本発明に利用して
いる高い異方性を発現させことが出来るのである。
前記の短繊維補強のメリットを出させるためには、ア
スペクト比(L/D)が8以上であることが必要であり、
このアスペクト比を8以上に保って短繊維の両末端にか
かる剪断応力を問題にならないレベルまで下げるには、
短繊維の平均径を1μm以下にしなければならない。
本発明に於いて、短繊維の量を5重量部以上に限定し
た理由は、5重量部よりも少ないと本発明の目的である
短繊維補強の効果が期待出来ないからである。(本発明
では短繊維の配向と短繊維の配列とは同じことを意味し
ている)。
本発明に於いては、ベルトコーティングゴム中の短繊
維の配向方向とベルトコードとの角度は0〜30度であ
り、同様にベルトエンドゴム中の短繊維の配向方向とベ
ルトコードとのなす角度は45〜90度である。また、ベル
トエンドゴム中の短繊維の配向方向とベルトエンドゴム
に隣接するベルトコーティングゴム中の短繊維の配向方
向との角度は45〜90度であるが、これはこの角度θの範
囲で短繊維補強の効果が最も発揮出来るからである。ベ
ルトコードの配列方向と短繊維補強ゴム中の短繊維の配
向方向との角度θは「鋭角」の方を測定している。
本発明に於いては、加硫後の短繊維補強ゴムに於いて
短繊維の配列方向に引っ張った50%歪時の弾性率M1と、
短繊維の配列方向と直角の方向に引っ張った50%歪時の
弾性率M2の比(M1/M2)が2.5以上であることが好ましい
が、このことは短繊維の配向の程度を示しており、この
程度に配向させた短繊維を含有する短繊維補強ゴム組成
物を前述したようにベルトコード方向とベルトエンドゴ
ム中の短繊維の配列方向との角度θを45度〜90度にした
時に最も大きな効果を生み出す。
本発明に於いては、短繊維の材料としてアミド基を有
する熱可塑性ポリマーを採用したのは、アミド基を有す
るポリマーが結晶し易く、かつ結晶の配向が比較的容易
で球晶等を作り難いので短繊維の耐疲労性が優れている
ためである。また、アミド基を有するポリマーの結晶融
点は、通常200℃以上であり、耐熱性の点からも問題が
ないからである。
本発明に於いて、短繊維とゴムの部分はフェノールホ
ルムアルデヒド系樹脂の縮合物を介してグラフトしてい
るが、これは短繊維とゴム部分の接着強力を増加させる
ことによって短繊維補強ゴムの耐疲労性を向上させるこ
とが出来るからである。
しかしながら、短繊維の材質としては、本実施例に限
定されるものではなく、シンジオタクティック−1、2
−ポリブタジエンまたは、アイソタクティックポリブロ
ピレン等の熱可塑性ポリマーであってもよい。
以下、実施例でより詳細に説明する。
(実施例1〜5) 実施例1では本発明の空気入りタイヤが従来のタイヤ
に比べて、耐久性能に於いて著しく改良されていること
を示す。
(1) 強化ゴム組成物の製法 温度、150℃でロータの回転数、100rpmに調節したOOC
バンバリーミキサー(神戸製鋼製)の中に、100℃のム
ーニー粘度が25である天然ゴム1400g、及びN−(3メ
タクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)−N′
−フェニル−P−フェニレンジアミン〔ノクラックG−
1、大内新興製〕14g、を投入し、1分間素練した。次
いで、6−ナイロン(商品名:1030B、宇部興産(株)
製、融点221℃、分子量30000)700gを投入し、7分間混
練りした。この間にバンバリーミキサー内の温度は232
℃まで上昇し、6−ナイロンは溶融した。次いで、ノボ
ラック型フェノールホルムアルデヒド初期縮合物(明和
化成(株)製、商品名550PL)30gを投入し、7分間混練
りした後、ヘキサメチレンテトラミン3gを投入し、2.5
分間混練りして(この間バンバリーミキサーの打身の温
度は230℃)グラフト反応させた後、バンバリーミキサ
ーの下方に落下し取り出した。
次いで、得られた混練り物は、ノズルの内径2mm、長
さと内径との比(L/D)が2の円形ダイを有する30mmφ
押出機(池貝社製)を用いて、ダイ設定温度235℃で紐
状に押出し、この押出物を0℃の冷却水で冷却固化し、
ついで、ガイドロールを経てボビンにドラフト比9で35
m/分の速度で巻き取った。この巻取物を一昼夜室温で真
空乾燥し、付着水を除いた後、この巻取物約500本を束
ねてシート状(厚さ2mm、巾150mm)として、このシート
状物をロール間隙0.2mm、温度60℃を一対の圧延ロール
で約10倍にロール圧延して、ナイロン短繊維で強化した
強化ゴム組成物(試料1)を得た。
(2) 短繊維補強ゴムおよびゴムシート層F(補正
層)の製法 前記の強化ゴム組成物は表1に示すような配合成分の
配合比率で表1中天然ゴムからリターダーまでの各成分
と配合され、温度70℃、ロータの回転数70r.p.mに調節
したOCCバンバリーミキサー(神戸製鋼製)で混練りし
て短繊維補強ゴムより成るゴム組成物1を作成した。ま
た比較のために、前記強化ゴム組成物を含まない表1に
示す配合成分と配合比率で、他は同じ製造によってゴム
組成物2およびゴム組成物3を作成した。さらにこれら
のゴム組成物1乃至ゴム組成物3は通常のゴムロールを
用いて所定の厚さのゴムシート層から成る補強層に作成
された。ゴム組成物1は短繊維を所定量だけ含有してい
るのでゴムロールの引出し方向に短繊維が配向した本発
明のゴムシート層Fとなる。
(a)液状IRはクラレイソプレンケミカル(株)製LIR
−50である。
(b)ノボラック型カシュー変性フェノール樹脂はフェ
ノール100重量部に対してカシュー油40重量部で変性し
たノボラック型フェノール樹脂である。
(c)老化防止剤は大内新興化学工業(株)製ノクラッ
ク810−NAである。
(d)Nobsは大内新興化学工業(株)製ノクセラーMSA
−Gである。
(e)短繊維の量(重量部)は試料1の中の短繊維の量
をゴム組成中のゴム、100重量部当りに含まれている短
繊維の量で示したものである。
(3) タイヤの構造 以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
第1図は本発明に係る耐久性の改善された空気入りタ
イヤである。
まず、構成について説明する。本発明に係る空気入り
タイヤ1は第1図に示すように、ビード部2に位置する
ビードワイヤ3と、多数のコードが平行に配置されたゴ
ム引きコード層5aからなり、両端部5bがビード部2が折
り返してビードワイヤ3に係止されたカーカスプライ5
と、カーカスプライ5の外周面に位置し、複数の層(実
施例では4層)からなり、各層が所定の角度で配列され
たベルトコード6(例えばスチールコード)を有し、こ
のベルトコード6をベルトコーティングゴム7により被
覆し、かつベルトコーティングゴム7の軸方向両端部7a
をベルトエンドゴム8によって被覆したベルト10と、ベ
ルト10の外周面に位置するトレッド11と、を有する。ベ
ルト10は4層のベルト層からなり、各ベルト層はカーカ
スプライ5の外周面側から放射外方に第1ベルト層10
a、第2ベルト層10b、第3ベルト層10cおよび第4ベル
ト層10dの順序で設けられている。ベルトコーティング
ゴム7とベルトエンドゴム8とは平均1μm以下、平均
長さLと平均径Dの比(L/D)が8以上である短繊維を
5重量部以上含有するゴム組成物からなるゴムシート層
Fを用いている。ベルトコーティングゴム7中の短繊維
の配向方向とベルトコード6とのなす角度が0〜30度で
あり、また、ベルトエンドゴム8中の短繊維の配向方向
とベルトコード6とのなす角度が45〜90度であり、ま
た、ベルトエンドゴム8中の短繊維の配向方向とベルト
エンドゴム8に隣接するベルトコーティングゴム7中の
短繊維の配向方向とのなす角度が45〜90度である。ま
た、加硫後の短繊維の補強層(すなわち、ゴムシート層
F)に於いて短繊維の配列方向に引っ張った50%歪時の
弾性率M1と、短繊維の配列方向と直角の方向に引っ張っ
た50%歪時の弾性率M2の比(M1/M2)が2.5以上である。
また、前記短繊維がアミド基を有する熱可塑性ポリマー
から成っており、ゴムの部分とフェノールホルムアルデ
ヒド系樹脂の縮合物を介してグラフトしている。
(4) タイヤの製造と性能試験結果(作用) 前述のゴムシート層Fを用いてチューブレスのラジア
ルタイヤを製造する場合、先ず、部材として、ビードワ
イヤ3、ステイフナー、ゴム引きコード層5a、ベルトコ
ード6、ベルトコーティングゴム7、ベルトエンドゴム
8、トレッド11用ゴムおよびサイドウォールを準備す
る。ここに、ベルトコーティングゴム7およびベルトエ
ンドゴム8は表2−1および表2−2の実施例1に示す
ベルト10の構成になるようにする。次いで、前述の短繊
維を含むゴム組成物のゴムシート層Fを、短繊維に所定
の配向性を有するよう造る。次いで、配向したベルトコ
ーティングゴム7はロールを用いて平行に配列したベル
トコード6の両面に、かつ短繊維の配向方向とベルトコ
ード6とのなす角が0〜30度になるよう作成し、ベルト
層を造る。次いで、ベルト層の両端部における、ベルト
コード6が露出した部分に1所定の幅の配向したベルト
エンドゴム8を張り付けたベルト層10a、10b、10c、10d
を造る。この際、短繊維の配向方向とベルトコード6の
配列方向とのなす角度が45〜90度になるようにする。次
いで、前述の部材を所定のタイヤ成形機を用いて、所定
の順序で張り付け、いわゆるグリーンケースを製造す
る。ここに、張り付けの際、前述の短繊維を含有するベ
ルトコーティングゴム7およびベルトエンドゴム8を用
いたベルト層10a、10b、10c、10dはカーカスプライ5の
外周面から放射外方に第1ベルト層10a、第2ベルト層1
0b、第3ベルト層10cおよび第4ベルト層10dの順序で、
かつ、ベルトエンドゴム8中の短繊維の配向方向が隣接
するベルトコーティングゴム7の短繊維の配向方向との
なす角度が45〜90度になるように張り付ける。次いで、
グリーンケースは加硫機中で加圧加熱して製品タイヤを
製造する。
また、上記短繊維を含有するゴム組成物1からなるゴ
ムシート層と、短繊維を含有しないゴム組成物2および
3からなるゴムシート層とを用いて、実施例1と同様な
方法で、実施例および比較例のタイヤを製造する。
これらの実施例および比較列のタイヤは所定の空気圧
の空気を充填し、所定の負荷荷重が加えられ、次いで、
長期間連続走行試験(スリップアングル耐久ドラム試
験、以下、単に耐久試験という)と路面上において悪路
走行後亀裂試験(以下、単に亀裂試験という)とを実施
する。(以下、前述の2つの試験を合わせて単に性能試
験という)これらの試験結果は表2−1、表2−2、お
よび表3−1、表3−2に示してある。
タイヤに空気が所定の空気圧(約7kg/cm2)まで充填
されると、ベルト10内のスチールコード6には大きな張
力が加わり、かつ、スチールコード6は角度の変化を起
こす。このスチールコード6の角度変化はベルト層10a
〜dによりその変化方向と変化の量に差がある。したが
って、ベルト10を構成するベルト層10a〜dの内部、お
よびこれらの層間には剪断応力および剪断歪が起こる。
第2図はベルト10の第2〜3ベルト層の一部拡大断面図
であり、その内部に起こる剪断歪の大きさの分布を層内
の位置との関係で横軸方向(R)に示したものである。
ベルト10の内部の剪断応力および剪断歪はタイヤへの
負荷荷重によっても起こり、また高速走行時においても
前述のように起こる。しかしながら、本発明の空気入り
タイヤにおいては、第2図に示すように、ベルトコーテ
ィングゴム7およびベルトエンドゴム8に、短繊維を含
むゴムシート層Fが設けられている。したがって、ベル
ト層10a〜dの間に起こる剪断歪の大きさは最大So(矢
印Bで示されている)であり、従来の空気入りタイヤの
場合(第5図)のS1に比較してきわめて小さく、かつベ
ルト層の間の剪断歪の分布も隣接する2つのベルトコー
ティングの境界で谷状に小さくなっている。これは、短
繊維を含むベルトコーティングゴム層の面内剪断歪を緩
和する効果が極めて大きいことを示している。
また、第3図はベルトエンドゴム8とベルトコーティ
ングゴム7との間およびベルトエンドゴム8の近傍の剪
断歪の大きさの分布を第2図と同様に示したものであ
る。第3図に示すように、短繊維を含有するゴムシート
層Fを用いて造ったベルトエンドゴム8を有するベルト
10の場合、ベルトエンドゴム8の近傍の剪断歪が極めて
小さい。
実施例1のタイヤは、第2図および第3図を用いて説
明したように、ベルトコーティングゴム7およびベルト
エンドゴム8の近傍の剪断歪は極めて小さいので、後述
のように、性能試験の結果は比較例に比べて極めて大巾
に性能が向上しており、短繊維を含むゴムシート層Fの
効果が極めて大きいことが分かる。
表2−1、表2−2および表3−1、表3−2に於い
て、実施例1〜4および比較例1〜8のタイヤの性能試
験を実施した。性能試験の結果は各表の下部に示されて
いる。耐久試験の数値は大きい程良いことを示し、亀裂
試験の結果の数値は小さい程良いことを示す。
実施例1の結果は、ゴムシート層Fを用いない比較例
1、2の性能試験結果に比べて極めて優れている。ま
た、実施例2も同様な優れた結果を示している。
以上の結果から次のことが言える。本発明の短繊維補
強ゴム(すなわち、ゴムシート層F)を使用すれば、ベ
ルト10の内部の剪断応力および層内剪断歪を緩和し、か
つ、ベルト10の近傍においても剪断歪を緩和することが
できる。また、ベルトコーティングゴム7とベルトエン
ドゴム8とに同時にゴムシート層Fを用いると、一方に
のみ用いるよりも大幅に剪断歪が低くなる相乗効果もあ
り、性能は極めて大幅に向上することがわかる。
(a)A11において、Aはコーティングゴムを、1は第
1ベルトを、1は短繊維の配向方向とコードの配列方向
との角度を示している。
(b)A12において、Aはコーティングゴムを、1は第
1ベルトを、2は短繊維の配向方向の周方向に対する角
度を示している。
(c)B33において、Bはエンドゴムを、3は第3ベル
トを、3はエンドゴムと第2ベルトのコーティングゴム
中の短繊維の配向方向との角度を示している。
(d)B43において、Bはエンドゴムを、4は第4ベル
トを、3はエンドゴムと第3ベルトのコーティングゴム
中の短繊維の配向方向との角度を示している。
(e)実施例5の数値は示されていない。
(実施例6〜8) 実施例6〜8では本発明に使用する短繊維の平均径が
1μm以下に限定されることを示す。
前述の強化ゴム組成物(試料1)の製法に準じて使用
するナイロン樹脂の粉末の平均粒径を変えた強化ゴム組
成物(試料2〜6)が製造された。試料1〜6の短繊維
の平均径と物性を表4に示してある。
(a)グラフト率の測定及び算出は下記によって行っ
た。
実施例で得られた強化ゴム組成物2gをベンゼン200ml
の中に室温で添加し、強化ゴム組成物中のゴム分を溶解
させ、得られたスラリーを室温で遠心分離して溶液部分
と沈澱部分とに分けた。沈澱部分について前記の操作を
7回繰り返し行った後、沈澱部分を乾燥してナイロン繊
維を得た。このナイロン繊維をフェノールとオルソジク
ロルベンゼンの1:3(重量比)の混合溶媒に溶解させ、
水素原子核Hを用いる核磁気共鳴スペクトル(NMR)で
分析(内部標準:テトラメチルシラン)し、NMRチャー
トから天然ゴムに起因するメチル基及びメチレン基、6
−ナイロンに起因するCO基に隣接したメチレン基、NH基
に隣接したメチレン基及び他の3個のメチレン基の各々
のピークについて、切取り面積法により6−ナイロンと
天然ゴムとのモル比を求めて、グラフト率を算出した。
また前記のナイロン繊維の形状を繊維約200本について
1万倍の倍率で走査型電子顕微鏡を用いて測定した。繊
維は断面が円形の極めて細い短繊維であった。試料3は
短繊維の平均径が1.1μmで本発明の平均径の限界1μ
mを超えたものである。また、表4によって得られた強
化ゴム組成物(試料2〜6)を用いて、(実施例1〜
4)の(2)短繊維補強ゴムおよびゴムシート層の製法
に準じてゴム組成物4〜8を製造し、さらに、各ゴム組
成物を用いて、それぞれ補強層を製造した。ここに、ゴ
ム組成物4〜8の配合成分は表5に示されており、ゴム
組成物5は、試料3を用いており、短繊維の平均径1.0
μm超えたゴム組成物である。
次に、表6に示すように、前述のゴム組成物4〜8の
補強層を用いて、実施例6〜8および比較例9、10のタ
イヤが前述した(実施例1)のタイヤ製造と性能試験に
準じて製造され、次いで、性能試験が実施された。性能
試験結果が表6に示されている。
表6に於いて、実施例6〜8は共に短繊維の平均径1
μm以下の表4中の試料2、試料4および試料6を用い
ており、このタイヤの性能試験の結果は良い結果を示し
ている。
一方、比較例9のタイヤはゴム組成物に短繊維の平均
径が1.0μmを超えゴム組成物5を用いており、性能試
験の結果は悪い。すなわち、短繊維の平均径が1μmを
超えるとゴムの補強効果が少ない。以上説明したことか
ら、短繊維の平均径は1μm以下に限定される。
また、比較例10のタイヤには、表4の試料5が用いら
れており、短繊維の平均径は0.2μmであり、1μm以
下ではあるが、アスペクト比は7.8のものが用いられて
いる。この場合、補強効果が十分でない。このことか
ら、短繊維のアスペクト比(L/D)は8以上であること
が必要である。
(実施例9、10) 実施例9〜10では、短繊維補強ゴム中の短繊維の量が
5重量部以上に限定されることを示す。
短繊維補強ゴム中の短繊維の量が5重量部以上になる
よう、前述の強化ゴム組成物(試料1)を用い、かつ、
表8の配合成分によって、実施例1と同様にゴム組成物
9〜11が製造された。短繊維の量(重量部)はゴム組成
物9では3、ゴム組成物10および11では、それぞれ5、
10重量部である。これらゴム組成物を用いて、実施例1
と同様にして、厚さ0.6mmのゴムシート層Fが製造され
た。このゴムシート層Fを用いて、表9の実施例9、10
および比較例11のタイヤが実施例1と同様にして製造さ
れた。比較例11のタイヤは性能試験の結果が大幅に低下
している。このことから、短繊維の量は5重量部以上が
必要であることがわかる。
(実施例11〜13) 実施例11〜13では、M1/M2が2.5以上が好ましいことを
示す。ゴム組成物No.1の配向度を変化させて作成した。
無配向はプレスして面配向させた。したがって、M1/M
2=0である。
なお、特開昭57−10632号公報で開示されるiso−ポリ
プロピレン短繊維を本発明の本質的要件の「高い異方
性」を出すようにアレンジすれば充分に可能である。
又、特公昭57−4527号公報、特公昭57−4530号公報、特
公昭57−30662号公報で開示されたsyn−1、2−ポリブ
タジエン短繊維についても同様に使用可能である。しか
しながら、最も好ましいのは、本発明に用いたナイロン
短繊維である。
また、本発明は前記実施例によって縛られるものでは
なく、有機繊維をベルトに使用したラジアルタイヤ、ベ
ルトを有したバイアスタイヤ(ベルテッドバイアスタイ
ヤ)およびバイアスタイヤ等に使用可能であるし、乗用
車用タイヤのみならず、大型タイヤにもまた適用可能で
ある。
(発明の効果) 以上説明したように、本発明によれば、隣接する少な
くとも2つのベルトコーティングゴムと隣接する少なく
とも2つのベルトエンドゴムとを、それぞれ平均径1μ
m以下、アスペクト比8以上のアミド基を有する熱可塑
性ポリマーからなる短繊維を5重量部以上含有させたゴ
ム組成物とし、該短繊維の配向方向をコードとの関係に
おいて特定するとともに、該短繊維をフェノールホルム
アルデヒド系の縮合物を介してゴムの部分とグラフトさ
せるようにしているので、ゴム部分の弾性を損ずること
なく短繊維をゴム部分に十分な結合強度で結合させ、ベ
ルトエンドゴムおよびベルトコーティングゴムの剪断歪
を抑制してこれらゴムの耐疲労性を高めることができ、
ベルトのタガ剛性を変化させることなくベルト層間の面
内剪断歪を十分に抑えることができる。その結果、タイ
ヤの耐久性を大幅に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図乃至第3図は本発明に係る耐久性を改善した空気
入りタイヤの一実施例を示す図であり、第1図はその断
面図、第2図は第1図のベルトに起こる剪断歪を説明す
る要部拡大断面図、第3図は第1図のベルトの端部に起
こる剪断歪を説明する要部拡大断面図、第4図および第
5図は従来の空気入りタイヤを示す図であり、第4図は
その断面図、第5図は第4図のベルトの剪断歪を示す要
部拡大断面図である。 1……空気入りタイヤ、 2……ビード部、 3……ビードワイヤ、 5……カーカスプライ、 6……ベルトコード、 7……ベルトコーティングゴム、 8……ベルトエンドゴム、 10……ベルト。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭48−62103(JP,A) 特開 昭55−152610(JP,A) 特公 昭54−34961(JP,B2)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ビード部に位置するビードワイヤと、多数
    のコードが平行に配置されたゴム引きコード層から成
    り、両端部がビード部で折り返してビードワイヤに係止
    されたカーカスプライと、カーカスプライの外周面に位
    置し、複数の層からなり、各層が所定の角度で配列され
    たベルトコードを有し、このベルトコードをベルトコー
    ティングゴムにより被覆し、かつベルトコーティングゴ
    ムの軸方向両端部をベルトエンドゴムにより被覆したベ
    ルトと、ベルトの外周面に位置するトレッドと、を備え
    た空気入りタイヤにおいて、前記ベルトが下記A乃至D
    の項目のすべてを満たしていることを特徴とする耐久性
    の改善された空気入りタイヤ。 A.少なくとも隣接する2つのベルトコーティングゴムと
    少なくとも隣接する2つのベルトエンドゴムとが平均径
    1μm以下、平均長さLと平均径Dの比(L/D)が8以
    上である短繊維を5重量部以上含有するゴム組成物から
    なる。 B.ベルトコーティングゴム中の短繊維の配向方向とベル
    トコードとのなす角度が0〜30度である。 C.ベルトエンドゴム中の短繊維の配向方向とベルトコー
    ドとのなす角度が45〜90度である。 D.ベルトエンドゴム中の短繊維の配向方向とベルトエン
    ドゴムに隣接するベルトコーティングゴム中の短繊維の
    配向方向とのなす角度が45〜90度である。 E.前記短繊維が、アミド基を有する熱可塑性ポリマーか
    ら成るとともに、フェノールホルムアルデヒド系樹脂の
    縮合物を介してゴムの部分とグラフトしている。
  2. 【請求項2】加硫後の短繊維の補強層に於いて短繊維の
    配向方向に引っ張った50%歪時の弾性率M1と、短繊維の
    配列方向と直角の方向に引っ張った50%歪時の弾性率M2
    の比(M1/M2)が2.5以上であることを特徴とする特許請
    求の範囲第1項記載の耐久性の改善された空気入りタイ
    ヤ。
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