JP2545059B2 - 短繊維補強ゴムにより耐久性の改善された空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

短繊維補強ゴムにより耐久性の改善された空気入りラジアルタイヤ

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    • B60C5/12Inflatable pneumatic tyres or inner tubes without separate inflatable inserts, e.g. tubeless tyres with transverse section open to the rim
    • B60C5/14Inflatable pneumatic tyres or inner tubes without separate inflatable inserts, e.g. tubeless tyres with transverse section open to the rim with impervious liner or coating on the inner wall of the tyre

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、カーカスプライとインナーライナーの間に
カーカスプライのコードの配列方向に対して比較的大き
な角度を持って配向している短繊維補強ゴムを設けるこ
とによって、『コード出』を防ぎ、結果としてインナー
ライナー、チューブの耐久性を著しく向上させた空気入
りラジアルタイヤを提供することである。
(従来の技術) 従来の構造のタイヤにおいては、カースプライの内側
に直接にインナーライナーが配置されている。しかしな
がら加硫する段階において、インナーライナーゴムが埋
設ゴムでコーティングされたカーカスプライのコード間
に流れ込み、所望された設計通りのカーカスライン上に
カーカスプライコードを配列できないことがしばしばあ
った。これは、加硫の際にプラダーによるタイヤ内に加
印される圧力の増加に伴い、インナーライナーゴムは張
力を受けると同時にカーカスプライコード及び埋設ゴム
に強く押えつけられ、カーカスプライコードの間にイン
ナーライナーゴムが押し込まれ、この結果プライコーデ
ィングゴムのコードからの離脱がおこり、プライセパレ
ーションの原因となる。
また、使用末期に於いて、最も繰り返し歪がかかる部
分であるショルダー部のインナーライナーがコードの上
でさらに薄くなる現象が起こり易く、このようになると
一見、カーカスプライのコードが出て来たように見える
ので、これを『コード出』と呼んでいる。
このようになるとチューブレスタイヤにおいては、当
然のことながらインナーライナーの薄くなった所では、
空気の透過量が多くなるので好ましくなく、チューブを
使用するタイヤにおいては、チューブがタイヤの内面に
浮き出たコードによって局部的に歪を受けるので比較的
早い時期に破れてしまう問題点があった。
上記問題点を解決するために多くの対策が考えられて
来た。例えば、インナーライナーを厚くする方法であ
る。しかし、この方法では、大きな欠点が2つある。1
つは、厚くする分だけコストアップになり、タイヤの価
格が上昇するのでユーザーに対して余分な負担を掛ける
ことになるからである。もう1つは、厚くする分だけタ
イヤの重量が増えるので燃費がその分増えるという欠点
である。チューブレスタイヤに於いては、インナーライ
ナーに空気透過性の極めて低いハロゲン化ブチルゴムを
使用するが、このゴムはエネルギーロスが非常に大きい
為、低燃費性に与える影響は極めて大きいといえる。
他にインナーライナーとカーカスプライの間に緩衝的
なゴム層を設けるという方法も考えられた。全面的にゴ
ム層を入れる場合と部分的に入れる場合と両方あるが、
本来『コード出』は、タイヤショルダー部にしか起こら
ないので部分的に対処する方が優れている。しかし、充
分な効果が期待できる程度にする為には、挿入するゴム
層を厚くする必要があり、そのようにするとタイヤ内面
の形状が変わってしまうので、空気の圧力容器たるタイ
ヤの内面形状として好ましくなくなってしまうという欠
点があった。インナーライナーとカーカスプライの間に
全面的にゴム層を設けるのでは、前に示した例と同じ欠
点を持つことになり、好ましくない。
他の対策として、インナーライナーとカーカスプライ
の間にゴムコーテッドコードを互いにコードの角度が30
度以上になるようにして配置する考え方も提唱された
が、確かに、『コード出』に対しては、効果があった
が、コードの配列方向に対して弾性率が高過ぎるので、
本来のラジアルタイヤの特徴を消す方向に働き、好まし
くなかった。従って現在のところ、タイヤの本来の性能
を損なうことなく、『コード出』を有効に防止する方法
が見つかっていないのが現状である。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明の目的はカーカスプライのコードの配列方向に
対して比較的大きな角度を持って配向している短繊維補
強ゴムをタイヤのショルダー部のカーカスプライとイン
ナーライナーの間に設けることによって、本来のタイヤ
性能を何ら損なうことなく、『コード出』と言う現象が
有効に防止出来、結果としてインナーライナー、チュー
ブの耐久性を著しく向上させた空気入りラジアルタイヤ
を提供することにある。
(問題点を解決するための手段) 上記目的を達成するため、本発明による短繊維補強ゴ
ムにより耐久性の改善された空気入りラジアルタイヤ
は、 多数のコードが平行に配列されたゴム引きコード層か
ら成るカーカスプライと、このカーカスプライの両端部
をビード部で折り返し、係止した空気入りラジアルタイ
ヤに於いて、 少なくともタイヤのショルダー部区域のカーカスプラ
イとインナーライナーの間に平均径1μm以下、平均長
さ(L)と平均径(D)の比(L/D)が8以上である短
繊維を5重量部以上含有するゴム組成物から成る厚さ0.
2〜2.0mmの加硫可能なゴムシート層を備え、 カーカスプライのコードの配列方向とゴムシート層中
における短繊維の配向方向との交角が30度〜90度であ
り、 かつ上記短繊維が、 を有する熱可塑性ポリマーから成っており、ゴムの部分
とフェノールホルムアルデヒド系樹脂の縮合物を介して
反応していることを特徴とする。
ここにゴムシート層の短繊維の配向方向に引張った15
0%歪時の弾性率(M1)と、短繊維の配向方向と直角の
方向に引張った150%歪時の弾性率(M2)の比(M1/M2)
が2.5以上であること、 タイヤ断面のカーカスプライに沿う計測にてタイヤシ
ョルダー部区域内面を形成する円弧のうち最小の曲率半
径をもつ円弧部分と、該円弧部分の両側終端からそれぞ
れ外向きに測って1cm以上にわたる円弧部分の両部分と
を合わせたカーカスプライ区域をゴムシート層で覆って
成ること がそれぞれ好ましい。
(作用) 本発明で、短繊維の平均径を1μm以下に限定したの
は、次のような理由による。
本来、短繊維に歪(応力)がかかった場合、短繊維の
両末端に大きな剪断応力がかかり、その剪断応力によっ
て、短繊維の両末端から亀裂が発生、成長して短繊維補
強ゴム組成物特有の大きなクリープを生じる傾向が強か
った。その剪断応力は短繊維の形状に大きく依存してい
ることが分かっており、当然のことながら短繊維が小さ
ければ小さい程、短繊維の両末端にかかる歪も小さくな
るので剪断応力も小さくなる。短繊維1個当たりの補強
効果も小さくなるが、個数が多くなるので全体として見
れば、短繊維が入ることによって耐疲労性、特に繰り返
し歪を受けた後のクリープが大きくなるのを防ぎ、短繊
維補強の目的である高弾性率、優れた耐カット性および
本発明に利用している構造粘性を発現させることが出来
るのである。
上記短繊維補強メリットを出させる為には、アスペク
ト比(L/D)が8以上であることが必要であり、このア
スペクト比を8以上に保って短繊維両末端にかかる剪断
応力を問題にならないレベルまで下げるには、短繊維の
平均径を1μm以下にしなければならない。
本発明中、短繊維の量を5重量部以上に限定したの
は、5重量部よりも少ないと本発明の目的である構造粘
性が小さく、効果が期待出来ないからである。本発明で
問題となる構造粘性とは、低い歪速度領域では、極めて
高い粘度を示すが、高い歪速度領域では逆に低い粘度を
示す性質のことであり、本発明では、後述するように短
繊維を極力配向させ、その配向方向とコードの配列方向
との角度差をコントロールすることによって、構造粘性
の効果を最大に使い、加硫時の短繊維補強ゴム層のゴム
流れを防ぐことが出来るので設計通りのタイヤを得るこ
とが可能となる。
本発明中、短繊維を含有するゴム組成物ゴムシートの
厚さを0.2〜2.0mmに限定したのは、2.0mmよりも薄いゴ
ムシートを工業的に生産するのは困難であるし、また、
本発明の目的がカーカスプライコード間にインナーライ
ナーが食い込んで行くのを防ぐ為に、このような現象が
もっとも起こり易いショルダー部(特にタイヤ断面のカ
ーカスプライのコードに沿って計測した場合、ショルダ
ー部区域内面を形成する円弧のうち最小の曲率半径をも
つ円弧部分と、この部分の両端終端からそれぞれ外向き
に測って1cm以上にわたる円弧部分の両部分とを合わせ
たカーカスプライ区域)に上記シートを適用してカーカ
スプライとインナーライナーを離すと長期間使用して
も、ゴム流れ(クリープ)が少なく、『コード』が有効
に防止される「短繊維を含有するゴム組成物」を配置す
る技術に関するものであるので0.2mmよりも薄いと効果
が期待出来ず、逆に2.0mmを超えると、カーカス形状が
空気の圧力容器たるタイヤに相応しくないものとなる
し、それを防止する為、カーカスプライとインナーライ
ナーの全面に「短繊維を含有するゴム組成物」を配置す
るのでは、タイヤの重量が必要以上に増加するのみなら
ず、燃費を増加させたり、高速耐久性を著しく低下させ
るので好ましくない。
本発明中、カーカスプライのコードの配列方向とゴム
シート層中の短繊維の配向方向との交角は30度〜90度と
する必要があり、これはこの交角の範囲で短繊維補強の
構造粘性が最も発揮出来るからである。また加硫後のゴ
ムに於いても、この交角の範囲で最も有効に『コード
出』を防ぐことが出来る。
この交角よりも小さい範囲で短繊維を配置させるなら
ば、短繊維は無配向にした方が好ましい。カーカスプラ
イのコード配列方向と短繊維補強ゴム中の短繊維の配向
方向との交角は『鋭角』の方を測定している。
本発明中、短繊維の材料として を有する熱可塑性ポリマーであることを要し、これは、
アミド基を有するポリマーが結晶し易く、かつ結晶の配
向が比較的容易で球晶等を作り難いので短繊維の耐疲労
度が優れている為である。また、アミド基を有するポリ
マーの結晶融点は、通常200℃以上であり、特にタイヤ
の加硫成形時における耐熱性の点で優れているからであ
る。
本発明において、短繊維とゴムの部分とは、フェノー
ルホルムアルデヒド系樹脂の縮合物を介して反応してい
ることが必要であり、これは、短繊維とゴム部分との間
の接着力を増加させることによって耐疲労性を向上させ
ることが出来るからである。
本発明に於いては、ゴムシート層つまり短繊維補強ゴ
ムに於いて短繊維の配向方向に引張った150%歪時の弾
性率(M1)と、短繊維の配向方向と直角の方向に引張っ
た150%歪時の弾性率(M2)の比(M1/M2)が2.5以上で
あることが好ましいが、この指標は、短繊維の配向の程
度を示しており、この程度に配向させた短繊維を含有す
るゴム組成物を上述のようにカーカスプライのコードの
配列方向と短繊維補強ゴム中の短繊維の配向方向との交
角を30度〜90度にした時に最も大きな効果を生み出す。
なお、本発明の短繊維補強ゴムはタイヤショルダー部
区域にのみ配置するか、もしくは、カーカスに沿って一
方のビード部から他方のビード部にわたって配置しても
よい。
(実施例) (実施例1〜5) 実施例1〜5では本発明のタイヤが従来のタイヤに比
べて、耐久性に於いて著しく改良されていることを示
す。
(1)短繊維入りゴムマスターバッチの製法 150℃、100rpmにセットしたOOCバンバリーミキサー
(神戸製鋼等)に100℃のムーニー粘度が25の天然ゴム1
400g、及びN−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒド
ロキシプロピル)−N′−フェニル−P−フェニレンジ
アミン[ノクラックG−1、大内新興製]14gを投入
し、1分間素練後、6−ナイロン(商品名:1030B、宇部
興産(株)製、融点221℃、分子量30000)700gを投入
し、7分間混練りした。この間にミキサー内の温度は23
2℃まで上昇し、6−ナイロンは溶融した。
ついで、ノボラック型フェノールホルムアルデヒド初
期縮合物(明和化成(株)製、商品550PL)30gを投入
し、7分間混練り後、ヘキサメチレンテトラミン3gを投
入し、2.5分間混練りして(この間にミキサー自身の温
度は230℃)反応させた後、ダンピングした。得られた
混練のものをノズルの内径2mm、長さと内径の比(L/D)
が2の円形ダイを有する30mmφ押出機(池貝社製)を用
いてダイ設定温度235℃で紐状に押出し、押出物を0℃
の冷却水で冷却固化し、ついでガイドロールを経てボビ
ンにドラフト比9で35m/分の速度で巻き取った。この巻
き取り物を一昼夜室温で真空乾燥し、付着水を除いた
後、この巻き取り物約500本を束ねてシート状(厚さ2m
m、幅150mm)とし、このシート状物をロール間隙0.2m
m、温度60℃の一対の圧延ロールで約10倍にロール圧延
して、強化ゴム組成物(マスターバッチ)(試料1)を
得た。
(2)分別、反応率測定 実施例1で得られた強化ゴム組成物2gをベンゼン200m
lに室温で添加し、強化ゴム組成物のゴム分を溶解さ
せ、得られたスラリーを室温で遠心分離して溶液部分と
沈殿部分とに分けた。沈殿部分について前記の操作を7
回繰り返し行なった後、沈殿部分を乾燥してナイロン繊
維を得た。このナイロン繊維をフェノールとオルソジク
ロルベンゼン1:3(重量比)の混合溶媒に溶解させ、H
の核磁気共鳴スペクトル(NMR)で分析(内部標準:テ
トラメチルシラン)し、NMRチャートから天然ゴムに起
因するメチル基及びメチレン基、6−ナイロンに起因す
るCO基に隣接したメチレン基、NH基に隣接したメチレン
基及び他の3個のメチレン基の各々のピークについて、
切り取り面積法により6−ナイロンと天然ゴムとのモル
比を求めて、反応率を算出した。また前記のナイロン繊
維の形状を繊維約200本について1万倍の倍率で走査型
電子顕微鏡を用いて測定した。繊維は断面が円形の極め
て細かい短繊維であった。結果を第3表に示す。
実施例1〜5のビードフィラー用ゴム組成物は第1表
の配合成分を70℃、70rpmにセットしたOOCバンバリーミ
キサー(神戸製鋼製)で混練りして作成した。(1)コ
ード出の有無:内圧8.0kg/cm2で5万km実車走行させ、
コード出の有無を確認した。
(2)θ:カーカスプライコードの配列方向と短繊維補
強ゴムの短繊維の配向方向との交角。
(3)カーカスプライコードとインナーライナーの内側
までの距離(理論値:mm) →カーカスプライコード表面から、タイヤの最も内側
(インナーライナーの表面)までの距離。
具体的には、コーディングゴムの厚さとインナーライ
ナーのゴムの厚さを加えたもの。
(4)カーカスプライコードとインナーライナーの内側
までの距離(実測値:mm) →カーカスプライコードとタイヤの最も内側までの距
離。
(5)カーカスプライコードとインナーライナーの内側
までの距離の測定値 →カーカスプライのコードにそって計測した場合、最も
曲率の小さい部分を含み、その両端1cmで最も薄い部分
を計測した。
(6)タイヤサイズ →11R22.5:タイヤ総幅→11インチ、偏平率→90、リム径
→22.5インチのラジアルタイヤ 以上の結果から次のことが言える。
本発明に従い上述の短繊維補強ゴムを使用すれば、加
硫工程でのゴム流れが少なく、カーカスプライコードの
上のゴムコーティング、インナーライナーの厚さをほぼ
設計通りに、設計出来ることが分かる。
また、短繊維補強になるゴムシート層を設けると、例
えば、実施例3ではゴムシート層は0.4mmであり、カー
カスプライコードの上にあるべきゴムの厚さは、3.2mm
であり、しかるに加硫後も理論値のゴム厚さを殆ど保っ
ていた。もし、この0.4mmのゴムシート層を取除けば、
比較例1になり加硫後のゴムの厚さは1.4mmとなってし
まう。これを考えれば、一見、短繊維補強ゴムを設けた
為に周囲のゴムまで流動し難くなったように見える。し
かし、そんなことが起こるはずはなく、短繊維補強ゴム
が殆ど流動しない為に流動バリアー層となって他のゴム
の流動を妨げたものであり、短繊維補強ゴムと隣接ゴム
との層間においてゴム流動を抑止する相互作用があった
ものと考えられる。さらに、カーカスプライコードの配
列方向と短繊維補強ゴムの短繊維の配向方向との交角は
30〜90度が適合することが分かる。
ここで、コード出のメジャーとして加硫後のカーカス
プライコードの上のゴムの厚さと5万km走行後のコード
出の有無で評価した。
(実施例4〜6) 実施例4〜6では本発明に使用する短繊維の平均径が
1μm以下及びアスペクト比(L/D)が8以上に限定さ
れることを示す。
試料1の製法に準じて使用するナイロン樹脂の粉末の
平均粒径を変化させて、短繊維の平均径を代えて第3表
に示す試料を作成した。
以下、実施例に基づきさらに説明する。
本発明の効果が明確になるように第2表のようなラジ
アルタイヤ(チューブレス)を試作し、テスト結果を同
時に示す。
前実施例と同様に、第4表に示す各ゴム組成物を用い
て第5表のようなラジアルタイヤ(チューブレス)を試
作し、テスト結果を示す。
(実施例7〜8) 実施例7〜8は、カーカスプライとインナーライナー
間に設置する短繊維補強ゴム層の厚さが0.2mm〜2.0mmに
限定されることを示す。結果を第6表に示す。
(実施例9〜10) 実施例9〜10では、短繊維補強ゴム中の短繊維の量が
5重量部以上に限定されることを示す。第7表の各ゴム
組成物を用いて、第8表に示すようなタイヤを前記と同
様に試作した。テスト結果を示す。
(実施例11〜12) 実施例11〜12では、加硫後の短繊維補強ゴムにおいて
短繊維の配向方向に引張った50%歪時の弾性率(M1)
と、短繊維の配向方向と直角の方向に引張った50%歪時
の弾性率(M2)の比(M1/M2)が2.5以上であることが好
ましいことを示す。
ゴム組成物1中の短繊維の配向の程度をロールとプレ
スを組合わせて変化させた。
例えば、プレスのみを使用してゴムシートを作成すれ
ば、M1/M2=1.0となる。ロールの間隔を狭くすればM1/M
2は大きくなる。結果を第9表に示す。
本発明は上記実施例によって縛られるものではなく、
有機繊維をベルトに使用したラジアルタイヤに使用可能
であるし、乗用車用タイヤのみならず、大型タイヤにも
当然適用可能である。
(発明の効果) 以上各実施例により、本発明のミクロな短繊維で補強
されたゴム組成物をタイヤのショルダー部区域のカーカ
スプライとインナーライナーの間に配置することによ
り、ゴム流が主として起因するゴード出を抑制すること
ができ、耐久性に優れる空気入りタイヤを提供できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−20704(JP,A) 特開 昭55−152606(JP,A) 特開 昭48−62103(JP,A) 特公 昭54−34961(JP,B2)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多数のコードが平行に配列されたゴム引き
    コード層から成るカーカスプライと、このカーカスプラ
    イの両端部をビード部で折り返し、係止した空気入りラ
    ジアルタイヤに於いて、 少なくともタイヤのショルダー部区域のカーカスプライ
    とインナーライナーの間に平均径1μm以下、平均長さ
    (L)と平均径(D)の比(L/D)が8以上である短繊
    維を5重量部以上含有するゴム組成物から成る厚さ0.2
    〜2.0mmのゴムシート層を備え、 カーカスプライのコードの配列方向とゴムシート層中に
    おける短繊維の配向方向との交角が30度〜90度であり、 かつ上記短繊維が、 を有する熱可塑性ポリマーから成っており、ゴムの部分
    とフェノールホルムアルデヒド系樹脂の縮合物を介して
    反応していることを特徴とする短繊維補強ゴムにより耐
    久性の改善された空気入りラジアルタイヤ。
  2. 【請求項2】ゴムシート層の短繊維の配向方向に引張っ
    た150%歪時の弾性率(M1)と、短繊維の配向方向と直
    角の方向に引張った150%歪時の弾性率(M2)の比(M1/
    M2)が2.5以上であることを特徴とする特許請求の範囲
    第1項記載の空気入りラジアルタイヤ。
  3. 【請求項3】タイヤ断面のカーカスプライに沿う計測に
    てタイヤショルダー部区域内面を形成する円弧のうち最
    小の曲率半径をもつ円弧部分と、該円弧部分の両側終端
    からそれぞれ外向きに測って1cm以上にわたる円弧部分
    の両部分とを合わせたカーカスプライ区域をゴムシート
    層で覆って成ることを特徴とする特許請求の範囲第1項
    記載の空気入りラジアルタイヤ。
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