JP6649678B2 - タイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、タイヤトレッド及びタイヤに関する。
従来、天然ゴム等のゴムを主材料としたタイヤトレッドにおいて、各種性能を高めるためにタイヤトレッド中に添加物を加えることが多くなされている。このようなタイヤトレッドを有するタイヤとしては、例えば、天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴム100質量部に対して、平均粒子径が10nm〜500nmの超微粒子粉末ゴムを2〜50質量部含むタイヤ用ゴム組成物を、トレッド部に用いたことを特徴とする空気入りタイヤが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−089552号公報
また、ゴムを主材料としたタイヤトレッドの代わりに、樹脂を主材料とした樹脂製のタイヤトレッドの開発が検討されている。樹脂製のタイヤトレッドは射出成形等によるタイヤ生産を可能とするため、生産効率の向上が期待される。しかし、樹脂製のタイヤトレッドはゴムトレッドと比較してグリップ性能を向上させることが難しく、樹脂製のタイヤトレッドのグリップ性能を向上させる技術の開発が望まれている。
本発明は、上記事実を考慮して、ドライグリップ性能が向上したタイヤトレッド及びタイヤを提供することを目的とする。
[1] 樹脂材料と、前記樹脂材料中に分散したゴム材料と、を含み、前記樹脂材料100質量部に対して、前記ゴム材料の含有量が5質量部〜50質量部であるタイヤトレッド。
[2] 前記ゴム材料の含有量が、前記樹脂材料100質量部に対して10質量部〜30質量部である[1]に記載のタイヤトレッド。
[3] 前記樹脂材料が、熱可塑性樹脂エラストマーを含む[1]又は[2]に記載のタイヤトレッド。
[4] 前記熱可塑性樹脂エラストマーがポリオレフィン系熱可塑性樹脂エラストマー又はポリアミド系熱可塑性樹脂エラストマーである[3]に記載のタイヤトレッド。
[5] 接着剤を更に含む[1]〜[4]のいずれか1つに記載のタイヤトレッド。
[6] 射出成形によって成形される[1]〜[5]のいずれか1つに記載のタイヤトレッド。
[7] [1]〜[6]のいずれか1つに記載のタイヤトレッドと、タイヤ骨格体と、を備えるタイヤ。
本発明によれば、ドライグリップ性能が向上したタイヤトレッド及びタイヤを提供することができる。
(A)は、第1実施形態に係るタイヤの一部の断面を示す斜視図であり、(B)は、リムに装着したビード部の断面図である。 第1実施形態のタイヤのタイヤケースのクラウン部に補強コードが埋設された状態を示すタイヤ回転軸に沿った断面図である。
<タイヤトレッド>
本発明のタイヤトレッドは、樹脂材料と、上記樹脂材料中に分散したゴム材料と、を含み、樹脂材料100質量部に対して、ゴム材料の含有量が5質量部〜50質量部である。
本発明のタイヤトレッドは、樹脂材料中に特定量のゴム材料が分散されて含まれている構成を有する。本発明のタイヤトレッドは、このような構成を有するため、走行時にタイヤトレッド表面に露出したゴム材料が路面に食い込み、単に樹脂を用いて作製したタイヤトレッドと比較してドライグリップ性能が向上するものと推察される。以下、樹脂製のタイヤトレッドを単に「樹脂トレッド」と称する場合がある。
また、樹脂材料の弾性率よりも小さいゴム材料を使用する場合、樹脂材料中に特定量のゴム材料が分散して存在することにより、タイヤトレッド全体の柔軟性が向上して路面との接触が向上し、ドライグリップ性能が向上するものと推察される。
また、本発明のタイヤトレッドは射出成形によって形成することができる。特に、タイヤ骨格体を構成する材料として熱可塑性樹脂エラストマーを用いた場合には、射出成形によってタイヤトレッドをタイヤ骨格体と一括して容易に形成することが可能であり、生産効率に優れる。更に、本発明のタイヤトレッドはタイヤ骨格体に樹脂を用いることで接着層を設けなくてもタイヤ骨格体に付着させることが可能である。このため、本発明のタイヤの製造過程においては接着層を塗布する工程を省略することもでき、生産効率に優れる。
本明細書において「樹脂」とは、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂を含む概念であるが、天然ゴムや合成ゴム等の加硫ゴムは含まれない。また、「ゴム」とは、弾性を有する高分子化合物を含む概念であるが、本明細書では、熱可塑性樹脂エラストマーとは区別される。また、「熱可塑性樹脂エラストマー」とは、弾性を有する高分子化合物であって、結晶性で融点の高いハードセグメント若しくは高い凝集力のハードセグメントを構成するポリマーと、非晶性でガラス転移温度の低いソフトセグメントを構成するポリマーとを有する共重合体からなる熱可塑性樹脂材料を意味する。また、熱可塑性樹脂エラストマーは、ハードセグメントが擬似的な架橋点として振る舞い弾性を発現する(所謂、物理的架橋)。一方、ゴムは分子鎖中に2重結合などを有しており、硫黄等を加えて架橋(加硫)することで、3次元の網目構造を生成し、弾性を発現する(化学的架橋)。その為、熱可塑性樹脂エラストマーは、加熱することでハードセグメントが溶融し、冷却することで再び擬似的な架橋点が形成されるため、再利用が可能である。
[樹脂材料]
本発明のタイヤトレッドは、樹脂材料を含む。ゴム材料との相性及び射出成形性等の観点から、樹脂材料が熱可塑性樹脂エラストマーを含むことが好ましい。熱可塑性樹脂エラストマーとしては、例えば、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂エラストマー、ポリアミド系熱可塑性樹脂エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性樹脂エラストマー、ポリエステル系熱可塑性樹脂エラストマーを用いることができる。ゴム材料との相性の観点から、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂又はポリアミド系熱可塑性樹脂エラストマーを用いることが好ましい。上記熱可塑性樹脂エラストマーは1種を単独で用いてもよいし、適宜2種以上を組み合わせて用いてもよい。
タイヤトレッド中の樹脂材料の含有率は、タイヤトレッドの弾性率や強度の観点から、65質量%〜95質量%であることが好ましく、75質量%〜95質量%であることが更に好ましく、80質量%〜95質量%であることが特に好ましい。
−ポリオレフィン系熱可塑性樹脂エラストマー−
上記ポリオレフィン系熱可塑性樹脂エラストマーは、少なくともポリオレフィンが結晶性で融点の高いハードセグメントを構成し、他のポリマー(例えば、上記ポリオレフィン、他のポリオレフィン、ポリビニル化合物)が非晶性でガラス転移温度の低いソフトセグメントを構成している材料を意味し、例えば、JIS K6418:2007に規定されるポリオレフィン系熱可塑性樹脂エラストマー(TPO)が挙げられる。
上記ハードセグメントを形成するポリオレフィンとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、アイソタクチックポリプロピレン、ポリブテン等が挙げられる。また、上記ポリオレフィン系熱可塑性樹脂エラストマーのソフトセグメントとしては、ポリオレフィンやポリビニル化合物が挙げられるが、例えば、エチレンとプロピレンとのゴム状共重合体(EPM)やエチレンとプロピレンとジエン化合物とのゴム状共重合体(EPDM)等のエチレンプロピレンゴムをソフトセグメントとして用いてもよい。
上記ポリオレフィン系熱可塑性樹脂エラストマーとしては、オレフィン−α−オレフィンランダム共重合体、オレフィンブロック共重合体等が挙げられ、例えば、プロピレンブロック共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、プロピレン−1−ヘキセン共重合体、プロピレン−4−メチル−1ペンテン共重合体、プロピレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−4−メチル−ペンテン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、1−ブテン−1−ヘキセン共重合体、1−ブテン−4−メチル−ペンテン、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−メタクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、エチレン−メチルアクリレート共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−ブチルアクリレート共重合体、プロピレン−メタクリル酸共重合体、プロピレン−メタクリル酸メチル共重合体、プロピレン−メタクリル酸エチル共重合体、プロピレン−メタクリル酸ブチル共重合体、プロピレン−メチルアクリレート共重合体、プロピレン−エチルアクリレート共重合体、プロピレン−ブチルアクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、プロピレン−酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。
上記ポリオレフィン系熱可塑性樹脂エラストマー中のポリオレフィン含有率は、50質量%以上100質量%以下であることが好ましい。
上記ポリオレフィン系熱可塑性樹脂エラストマーとしては、ポリプロピレン又はポリエチレンのホモポリマー、又は、ポリプロピレンとポリエチレンとの共重合体(エチレン−プロピレン共重合体)であることが好ましい。上記ポリプロピレンとポリエチレンとの共重合体としては、ランダム共重合体又はブロック共重合体が挙げられる。
上記ポリオレフィン系熱可塑性樹脂エラストマーの数平均分子量としては、5,000〜10,000,000であることが好ましい。ポリオレフィン系熱可塑性樹脂エラストマーの数平均分子量が5,000〜10,000,000であると、タイヤトレッドの機械的物性が十分であり、タイヤトレッドを作製する際の加工性にも優れる。同様の観点から、上記ポリオレフィン系熱可塑性樹脂エラストマーの数平均分子量は、7,000〜1,000,000であることが更に好ましく、10,000〜1,000,000が特に好ましい。これにより、熱可塑性樹脂材料の機械的物性及び加工性を更に向上させることができる。
上記ポリオレフィン系熱可塑性樹脂エラストマーにおける、ハードセグメント(x)とソフトセグメント(y)との質量比(x:y)は、成形性の観点から、50:50〜95:5が好ましく、50:50〜90:10が更に好ましい。
上記ポリオレフィン系熱可塑性樹脂エラストマーは、公知の方法によって共重合することで合成することができる。
上記ポリオレフィン系熱可塑性樹脂エラストマーとしては、例えば、市販品のダウコーニング製の「INFUSE」シリーズ(例えば、9507)、三井化学社製の「タフマー」シリーズ(例えば、A0550S、A1050S、A4050S、A1070S、A4070S、A35070S、A1085S、A4085S、A7090、A70090、MH7007、MH7010、XM−7070、XM−7080、BL4000、BL2481、BL3110、BL3450、P−0275、P−0375、P−0775、P−0180、P−0280、P−0480、P−0680)、三井・デュポンポリケミカル(株)「ニュクレル」シリーズ(例えば、AN4214C、AN4225C、AN42115C、N0903HC、N0908C、AN42012C、N410、N1050H、N1108C、N1110H、N1207C、N1214、AN4221C、N1525、N1560、N0200H、AN4228C、AN4213C、N035C、「エルバロイAC」シリーズ(例えば、1125AC、1209AC、1218AC、1609AC、1820AC、1913AC、2112AC、2116AC、2615AC、2715AC、3117AC、3427AC、3717AC)、住友化学(株)「アクリフト」シリーズ、「エバテート」シリーズ、東ソー(株)「ウルトラセン」シリーズ等を用いることができる。
更に、上記ポリオレフィン系熱可塑性樹脂エラストマーとしては、例えば、市販品の(株)プライムポリマー製の「プライムTPO」シリーズ(例えば、E−2900H、F-3900H、E−2900、F−3900、J−5710、J−5900、E−2910、F−3910、J−5910、E−2710、F−3710、J−5910、E−2740、F−3740、R110MP、R110E、T310E、M142E等)等も用いることができる。
−ポリオレフィン系熱可塑性樹脂エラストマーの酸変性−
上記ポリオレフィン系熱可塑性樹脂エラストマーとしては、例えば、酸性基を有するポリオレフィン系熱可塑性樹脂エラストマー(酸変性ポリオレフィン系熱可塑性樹脂エラストマー)を用いることもできる。
上記酸変性ポリオレフィン系熱可塑性樹脂エラストマーが有する酸性基としては、熱可塑性樹脂材料の劣化を抑制する観点から、例えば、弱酸基であるカルボン酸基、硫酸基、燐酸基が挙げられ、カルボン酸基が特に好ましい。
ここで「酸変性」とはカルボン酸基、硫酸基、燐酸基等の酸性基を有する不飽和化合物をオレフィン系熱可塑性樹脂エラストマーに結合させることをいう。例えば、酸性基を有する不飽和化合物として、不飽和カルボン酸(一般的には、無水マレイン酸)を用いるとき、オレフィン系熱可塑性樹脂エラストマーに、不飽和カルボン酸の不飽和結合部位を結合(例えば、グラフト重合)させることが挙げられる。
通常、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂エラストマーの酸変性は2軸押出機等を用い、オレフィン系熱可塑性樹脂エラストマーと、酸性基を有する不飽和化合物(例えば、不飽和カルボン酸)と有機過酸化物とを混練してグラフト共重合させることで行うことができる。上記酸性基を有する不飽和化合物の添加量は、上記オレフィン系熱可塑性樹脂エラストマー100質量部に対し、0.1質量部〜20質量部が好ましく、更に0.5質量部〜10質量部が好ましい。
上記酸性基を有する不飽和化合物添加量が過少であるとオレフィン系熱可塑性樹脂エラストマーへのグラフト量が低下する。また、添加量が過多になると樹脂中の未反応の不飽和カルボン酸が多くなり、十分な接着強度が得られず、加工性が悪化する。
上記有機過酸化物の添加量はグラフト反応を行うのに十分な量が添加されればよく、例えば、0.01重量部〜5重量部が好ましく、0.03重量部〜1重量部が更に好ましい。
上記有機過酸化物としては、例えば、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン,t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート,t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート,t−ブチルパーオキシラウレート,2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブテン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、n−ブチル−4,4−ビス(t−ペルオキシ)バレラート、ジ−t−ブチルペルオキシイソフタレート、ジクミルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシジイソプロピル)ベンゼン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ジ−3−メトキシブチル パーオキシジカルボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカルボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカルボネート、ジイソプロピルパーオキシジカルボネート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジミリスチルパーオキシカルボネート、1,1,3,3−テトラメチルブチルネオデカノエート、α−クミルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート等が挙げられ、これらを単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
また、上記酸変性ポリオレフィン系熱可塑性樹脂エラストマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等をオレフィン系熱可塑性樹脂エラストマーにグラフト重合させたものが挙げられ、特に無水マレイン酸を用いることが好ましい。
上記酸変性ポリオレフィン系熱可塑性樹脂エラストマーとしては、例えば、市販品の三井化学社製の「タフマー」シリーズ(MA8510、MH7007、MH7010、MA7020、MP0610、MP0620等)、同社の「アドマー」シリーズ(例えば、LB548、QB510、QF500、QF551、QE060、QE840、NE065等)を用いることができる。
−ポリアミド系熱可塑性エラストマー−
ポリアミド系熱可塑性エラストマーとは、弾性を有する高分子化合物であり、結晶性で融点の高いハードセグメントを構成するポリマーと非晶性でガラス転移温度の低いソフトセグメントを構成するポリマーとを有する共重合体からなる熱可塑性樹脂材料であって、ハードセグメントを構成するポリマーの主鎖にアミド結合(−CONH−)を有するものを意味する。ポリアミド系熱可塑性エラストマーとしては、例えば、JIS K6418:2007に規定されるアミド系熱可塑性エラストマー(TPA)等や、特開2004−346273号公報に記載のポリアミド系熱可塑性エラストマー等を挙げることができる。
ポリアミド系熱可塑性エラストマーは、少なくともポリアミドが結晶性で融点の高いハードセグメントを構成し、他のポリマー(例えば、ポリエステル又はポリエーテル等)が非晶性でガラス転移温度の低いソフトセグメントを構成している材料が挙げられる。また、ポリアミド系熱可塑性エラストマーはハードセグメント及びソフトセグメントの他に、ジカルボン酸等の鎖長延長剤を用いてもよい。上記ハードセグメントを形成するポリアミドとしては、例えば、下記一般式(1)又は一般式(2)で表されるモノマーによって生成されるポリアミドを挙げることができる。
一般式(1)中、Rは、炭素数2〜20の炭化水素の分子鎖、又は、炭素数2〜20のアルキレン基を表す。

一般式(2)中、Rは、炭素数3〜20の炭化水素の分子鎖、又は、炭素数3〜20のアルキレン基を表す。
一般式(1)中、Rとしては、炭素数3〜18の炭化水素の分子鎖又は炭素数3〜18のアルキレン基が好ましく、炭素数4〜15の炭化水素の分子鎖又は炭素数4〜15のアルキレン基が更に好ましく、炭素数10〜15の炭化水素の分子鎖又は炭素数10〜15のアルキレン基が特に好ましい。また、一般式(2)中、Rとしては、炭素数3〜18の炭化水素の分子鎖又は炭素数3〜18のアルキレン基が好ましく、炭素数4〜15の炭化水素の分子鎖又は炭素数4〜15のアルキレン基が更に好ましく、炭素数10〜15の炭化水素の分子鎖又は炭素数10〜15のアルキレン基が特に好ましい。
上記一般式(1)又は一般式(2)で表されるモノマーとしては、ω−アミノカルボン酸やラクタムが挙げられる。また、上記ハードセグメントを形成するポリアミドとしては、これらω−アミノカルボン酸やラクタムの重縮合体や、ジアミンとジカルボン酸との共縮重合体等が挙げられる。
ω−アミノカルボン酸としては、6−アミノカプロン酸、7−アミノヘプタン酸、8−アミノオクタン酸、10−アミノカプリン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸などの炭素数5〜20の脂肪族ω−アミノカルボン酸等を挙げることができる。また、ラクタムとしては、ラウリルラクタム、ε−カプロラクタム、ウデカンラクタム、ω−エナントラクタム、2−ピロリドンなどの炭素数5〜20の脂肪族ラクタムなどを挙げることができる。
ジアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、3−メチルペンタメチレンジアミン、メタキシレンジアミンなどの炭素数2〜20の脂肪族ジアミンなどのジアミン化合物を挙げることができる。また、ジカルボン酸は、HOOC−(R−COOH(R:炭素数3〜20の炭化水素の分子鎖、m:0又は1)で表すことができ、例えば、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸などの炭素数2〜20の脂肪族ジカルボン酸を挙げることができる。
上記ハードセグメントを形成するポリアミドとしては、ラウリルラクタム、ε−カプロラクタム又はウデカンラクタムを開環重縮合したポリアミドを好ましく用いることができる。
また、上記ソフトセグメントを形成するポリマーとしては、例えば、ポリエステル、ポリエーテルが挙げられ、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ABA型トリブロックポリエーテル等が挙げられ、これらを単独で又は2種以上を用いることができる。また、ポリエーテルの末端にアンモニア等を反応させることによって得られるポリエーテルジアミン等を用いることができる。
ここで、「ABA型トリブロックポリエーテル」とは、下記一般式(3)に示されるポリエーテルを意味する。

一般式(3)中、x及びzは、1〜20の整数を表す。yは、4〜50の整数を表す。
上記一般式(3)において、x及びzとしては、それぞれ、1〜18の整数が好ましく、1〜16の整数が更に好ましく、1〜14の整数が特に好ましく、1〜12の整数が最も好ましい。また、上記一般式(3)において、yとしては、それぞれ、5〜45の整数が好ましく、6〜40の整数が更に好ましく、7〜35の整数が特に好ましく、8〜30の整数が最も好ましい。
ハードセグメントとソフトセグメントとの組合せとしては、上述したハードセグメントとソフトセグメントとのそれぞれの組合せを挙げることができる。この中でも、ラウリルラクタムの開環重縮合体/ポリエチレングリコールの組合せ、ラウリルラクタムの開環重縮合体/ポリプロピレングリコールの組合せ、ラウリルラクタムの開環重縮合体/ポリテトラメチレンエーテルグリコールの組合せ、ラウリルラクタムの開環重縮合体/ABA型トリブロックポリエーテルの組合せ、が好ましく、ラウリルラクタムの開環重縮合体/ABA型トリブロックポリエーテルの組合せが特に好ましい。
ハードセグメントを構成するポリマー(ポリアミド)の数平均分子量としては、溶融成形性の観点から、300〜15000が好ましい。また、ソフトセグメントを構成するポリマーの数平均分子量としては、強靱性及び低温柔軟性の観点から、200〜6000が好ましい。更に、上記ハードセグメント(Ha)及びソフトセグメント(Sa)との質量比(Ha:Sa)は、成形性の観点から、50:50〜90:10が好ましく、50:50〜80:20が更に好ましい。
上記ポリアミド系熱可塑性エラストマーは、上記ハードセグメントを形成するポリマー及びソフトセグメントを形成するポリマーを公知の方法によって共重合することで合成することができる。
上記ポリアミド系熱可塑性エラストマーとしては、例えば、市販品の宇部興産(株)の「UBESTA XPA」シリーズ(例えば、XPA9063X1、XPA9055X1、XPA9048X2、XPA9048X1、XPA9040X1、XPA9040X2等)、ダイセル・エポニック(株)の「ベスタミド」シリーズ(例えば、E40−S3、E47−S1、E47−S3、E55−S1、E55−S3、EX9200、E50−R2)等を用いることができる。
[ゴム材料]
本発明のタイヤトレッドはゴム材料を含む。本発明のタイヤトレッドは、連続相を形成する樹脂材料のマトリックス中にゴム材料が分散相(ドメイン)として分散した所謂海島構造を有する。上述のように、タイヤトレッドにおいて樹脂材料がマトリックス(連続相)を形成し、ゴム材料がドメイン(分散相)となる海島構造を有していると、マトリックス表面にドメインが分散して露出し、路面に食い込むことでドライグリップ性能を向上させることができると思われる。また、樹脂材料と比較して柔らかい傾向にあるゴム材料が樹脂材料中に分散して存在することにより、タイヤトレッド全体の柔軟性が向上して路面との接触が向上し、ドライグリップ性能を向上させることができると思われる。
ゴム材料が樹脂材料中に分散していることは、SEM(走査型電子顕微鏡、scanning electron microscope)を用いた写真観察から確認することができる。
ゴム材料の種類としては特に限定されるものではないが、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)等のジエン系ゴムが挙げられる。
ジエン系ゴムは、加硫された加硫ゴムであってもよい。ゴムの加硫は、公知の方法で行なえばよく、例えば、特開平11−048264号公報、特開平11−029658号公報、特開2003−238744号公報等に記載される方法で行なうことができる。ゴムの加硫は、上記ゴムに、例えば、カーボンブラック等の補強材、充填剤、加硫剤、加硫促進剤、脂肪酸又はその塩、金属酸化物、プロセスオイル、老化防止剤等を適宜配合し、バンバリーミキサーを用いて混練した後、加熱することで行うことができる。
また、ゴム材料としては、エチレンプロピレンゴムであってもよい。エチレンプロピレンゴムには、エチレンとプロピレンとジエン化合物とのゴム状共重合体(EPDM)又はエチレンとプロピレンとのゴム状共重合体(EPM)が含まれ、更に、その変性物(例えば、マレイン酸変性エチレンプロピレンゴム)も含まれる。
EPDMに含まれるジエン化合物としては、例えば、エチリデンノルボルネン(ENB)、1,4ヘキサジエン(1,4−HD)、ジシクロペンタジエン(DCP)等が挙げられる。また、前記変性エチレンプロピレンゴムとしては、例えば、マレイン酸変性EPDM等が挙げられる。前記マレイン酸変性EPDMは、EPDMを無水マレイン酸で処理することで得ることができる。
上記エチレンプロピレンゴムとしては、加硫によって強度を高めやすい観点から、EPDM又はその変性物が好ましい。
上記エチレンプロピレンゴムとしては、特に限定はないが、例えば、三井化学(株)の市販品「EPT X−3012P」等を用いることができる。
上記ゴムの数平均分子量としては、射出成形性の観点から、10万〜30万が好ましく、12万〜16万が更に好ましい。
また、ゴム材料は、加硫ゴム製品を物理的及び/又は化学的処理することにより得られる再生ゴムであってもよい。再生ゴムとしては、加硫ゴム製品を粉砕することにより得られるゴム粒子(粉末ゴム)や、加硫ゴム製品を化学的処理することにより可塑性及び粘着性を付与されたリクレイムゴム等が挙げられる。
タイヤトレッドに含まれるゴム材料は、1種を単独で用いてもよいし、適宜2種以上を組み合わせて用いてもよい。但し、タイヤトレッドに含まれるゴム材料は、上述の樹脂材料との相性の観点から適宜選定されることが好ましい。
ゴム材料は、ゴム粒子自体であってもよく、ゴム組成物の分散体であってもよい。
ゴム材料がゴム粒子である場合、ドライグリップ性能の向上及び射出成形性の向上の観点から、ゴム粒子の平均粒径は0.01mm〜1mmであることが好ましく、0.01mm〜0.1mmであることが更に好ましい。尚、ゴム粒子の平均粒径は、大塚電子(株)製、光散乱光度計「DLS−7000DL」等の粒度分布計で測定することができる。
ゴム粒子としては、例えば、村岡ゴム工業(株)製の市販品「TB30」や「TB200」等を用いることができる。
ゴム材料がゴム組成物の分散体である場合、例えば、上記ゴムを含むゴム組成物を上記樹脂材料と混練することにより、樹脂材料からなる連続相中にゴム組成物を分散させて分散体とすることができる。
上記タイヤトレッド中のゴム材料の含有量は、樹脂材料100質量部に対して5質量部〜50質量部である。また、タイヤトレッドの弾性率の観点から、上記タイヤトレッド中のゴム材料の含有量は、樹脂材料100質量部に対して10質量部〜30質量部であることが好ましく、10質量部〜25質量部であることが更に好ましく、15質量部〜25質量部であることが特に好ましい。
ドライグリップ性能の向上及び耐摩耗性の向上の観点から、ゴム材料の弾性率が樹脂材料の弾性率よりも小さいことが好ましい。
本発明における弾性率は、JIS K6251:2010に則った手法で実施しており、ダンベル5号のサイズのサンプル片を引張り速度100mm/minで引っ張る測定条件で測定した引張り弾性率(20Nと40Nの傾きより算出)である。
[その他の成分]
本発明のタイヤトレッドは、上記樹脂材料と上記ゴム材料との接着性を向上させる観点から、接着剤を更に含んでいてもよい。接着剤としては特に限定されず、当該技術分野で公知の接着剤を使用することができる。例えば、樹脂材料、ゴム材料及び接着剤を混練することにより、連続相である樹脂材料と分散相であるゴム材料との間に接着剤を介在させることができる。
また、タイヤトレッドとその他のタイヤ部材との接着性を向上させるために、タイヤトレッド表面に接着剤を付与してもよい。
また、タイヤトレッドには、使用する材料に応じて、各種充填剤(例えば、シリカ、炭酸カルシウム、クレイ)、老化防止剤、加硫剤、加硫促進剤、金属酸化物、プロセスオイル、可塑剤、着色剤、耐候剤、補強材等の各種添加剤を含有させてもよい。上記添加剤のタイヤトレッド中の含有量は特に限定はなく、本発明の効果を損なわない範囲で適宜用いることができる。
上述の各種添加剤のうち幾つかの具体例を挙げると、上記老化防止剤としては、例えば、国際公開WO2005/063482号公報に記載の老化防止剤が挙げられる。具体的には、例えばフェニル−2−ナフチルアミン、フェニル−1−ナフチルアミン等のナフチルアミン系、4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、p−(p−トルエンスルホニルアミド)ジフェニルアミン等のジフェニルアミン系、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン等のp−フェニレンジアミン系などのアミン系老化防止剤や、これらの誘導体若しくは混合物などが挙げられる。
また、上記加硫剤としては、公知の加硫剤、例えば硫黄、有機過酸化物、樹脂加硫剤などを用いることができる。上記加硫促進剤としては、公知の加硫促進剤、例えばアルデヒド類、アンモニア類、アミン類、グアニジン類、チオウレア類、チアゾール類、スルフェンアミド類、チウラム類、ジチオカーバメイト類、キサンテート類などを用いることができる。上記脂肪酸としては、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸などが挙げられ、また、これらはステアリン酸亜鉛のように塩の状態で配合されてもよい。これらの中でも、ステアリン酸が好ましい。また、金属酸化物としては、亜鉛華(ZnO)、酸化鉄、酸化マグネシウムなどが挙げられ、中でも亜鉛華が好ましい。上記プロセスオイルは、アロマティック系、ナフテン系、パラフィン系のいずれを用いてもよい。
[タイヤトレッドの製造方法]
本発明のタイヤトレッドは、上述の樹脂材料及びゴム材料、並びに所望によりその他の成分を含むトレッド用組成物を混練して成形することにより製造することができる。各材料の混練は公知の手法を用いることができる。当該混練に用いることのできる混練機としては、例えば、スクリュー押出機、ニーダー、バンバリーミキサー、2軸混練押出機等が挙げられる。成形方法は特に限定されないが、生産性の向上の観点からは、射出成形を使用することが好ましい。本発明では、樹脂材料を含んでいるため、容易に射出成形することができる傾向にある。また、ゴム材料の材料として未加硫ゴムを使用する場合、射出成形する際に加熱することによりゴム材料を加硫することも可能である。
例えば、本発明のタイヤトレッドを形成する場合には、路面との接地面に複数の溝からなるトレッドパターンを有する帯状のトレッド部材を射出成形で形成することができる。この場合、トレッド部材1周分をタイヤ骨格体に巻き付け、ホットランナー等を用いてタイヤ骨格体側の温度よりもトレッド部材側の温度を高く設定し、加熱によってタイヤ骨格体のクラウン部表面にトレッド部材を溶着させることができる。これにより、タイヤ骨格体のクラウン部表面にトレッド部が溶着されたタイヤを形成することができる。その他、タイヤ骨格体を形成した後、当該タイヤ骨格体を金型に設置し、金型中に樹脂材料やゴム材料を含む組成物を注入し、その後冷却して、タイヤ骨格体のクラウン部表面にトレッド部が溶着されたタイヤを形成してもよい。但し、本発明のタイヤトレッドの製造方法はこれら方法に限定されるものではなく、公知の方法を適宜組み合わせて利用することができる。
<タイヤ>
本発明のタイヤは、上述の本発明のタイヤトレッドと、タイヤ骨格体と、を備える。本発明のタイヤは、上述の本発明のタイヤトレッドを備えるため、優れたドライグリップ性能を有する。
[タイヤ骨格体]
本発明におけるタイヤ骨格体の材料は特に限定されず、ゴム又は樹脂のいずれでもよいが、タイヤトレッドとの相性等の観点からは、タイヤ骨格体は、樹脂で形成されたタイヤ骨格体(以下、単に「樹脂骨格体」と称することがある)であることが好ましい。樹脂骨格体に使用される樹脂材料としては、本発明のタイヤトレッドに含まれる樹脂材料と同じ樹脂が挙げられる。タイヤ骨格体及びタイヤトレッドに含まれる樹脂材料は同種でも異なっていてもよいが、成形性の向上や生産効率の向上等の観点からは、同種であることが好ましい。また、タイヤトレッドとタイヤ骨格体とは、直接接着していてもよいし、接着層等を介していてもよい。
上記酸変性ポリオレフィン系熱可塑性樹脂エラストマーを用いてタイヤ骨格体を形成すると、補強コードがタイヤ骨格体の外周部に直接巻回されている場合や、補強コード層が補強コードをタイヤ骨格体の外周部に埋設して形成されている場合に、補強コードとの密着性を向上させることができる。
[タイヤの製造方法]
本発明のタイヤの製造方法は特に限定されず、公知の製造方法を使用することができる。例えば、本発明のタイヤトレッドと別途製造されたタイヤ骨格体とを熱融着してもよく、又は接着層を介して接着してもよい。また、生産性の向上の観点からは、本発明のタイヤトレッドとタイヤ骨格体とを一括して形成することも可能である。この場合、例えば、タイヤトレッドの連続相である樹脂材料と同種の樹脂材料をタイヤ骨格体に使用して、射出成形することによって、タイヤを製造することができる。
[第1の実施形態]
以下に、図面に従って本発明のタイヤの第1の実施形態に係るタイヤを説明する。
本実施形態のタイヤ10について説明する。図1(A)は、第1実施形態に係るタイヤの一部の断面を示す斜視図である。図1(B)は、リムに装着したビード部の断面図である。図1に示すように、本実施形態のタイヤ10は、従来一般のゴム製の空気入りタイヤと略同様の断面形状を呈している。
図1(A)に示すように、タイヤ10は、図1(B)に示すリム20のビードシート21及びリムフランジ22に接触する1対のビード部12と、ビード部12からタイヤ径方向外側に延びるサイド部14と、一方のサイド部14のタイヤ径方向外側端と他方のサイド部14のタイヤ径方向外側端とを連結するクラウン部16(外周部)と、からなるタイヤケース17を備えている。
ここで、本実施形態のタイヤケース17は、樹脂材料として、例えば、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂エラストマーを含有した樹脂組成物に各添加剤を含めたものを用いることができる。
本実施形態においてタイヤケース17は、単一の樹脂材料で形成されているが、本発明はこの構成に限定されず、従来一般のゴム製の空気入りタイヤと同様に、タイヤケース17の各部位毎(サイド部14、クラウン部16、ビード部12など)に異なる特徴を有する熱可塑性樹脂材料を用いてもよい。また、タイヤケース17(例えば、ビード部12、サイド部14、クラウン部16等)に、補強材(高分子材料や金属製の繊維、コード、不織布、織布等)を埋設配置し、補強材でタイヤケース17を補強してもよい。
本実施形態においては、タイヤ骨格体が単一の樹脂材料で形成されているが、本発明におけるタイヤ骨格体のクラウン部、サイド部などについて複数の素材を組み合わせてタイヤ骨格体を構成することもできる。
この際、タイヤ骨格体の上記クラウン部の厚みは、タイヤの弾性率を調整するために適宜選択できるものであるが、タイヤ重量等を考慮すると、0.5mm〜10mmが好ましく、1mm〜5mmが更に好ましく、1mm〜4mmが特に好ましい。同様にタイヤ骨格体の上記サイド部の厚みは、0.5mm〜10mmが更に好ましく、1mm〜5mmが特に好ましい。これらタイヤ骨格体のクラウン部及びサイド部の厚みについては、上記弾性率を測定する際の試験片の平均厚さを基準とすることができる。尚、タイヤ骨格体の厚さは公知の方法及び装置を用いて適宜測定してもよい。
本実施形態のタイヤケース17は、樹脂材料で形成された一対のタイヤケース半体(タイヤ骨格片)17A同士を接合させたものである。タイヤケース半体17Aは、一つのビード部12と一つのサイド部14と半幅のクラウン部16とを一体として射出成形等で成形された同一形状の円環状のタイヤケース半体17Aを互いに向かい合わせてタイヤ赤道面部分で接合することで形成されている。尚、タイヤケース17は、2つの部材を接合して形成するものに限らず、3以上の部材を接合して形成してもよい。
上記樹脂材料で形成されるタイヤケース半体17Aは、例えば、真空成形、圧空成形、インジェクション成形、メルトキャスティング等で成形することができる。このため、従来のようにゴムでタイヤケースを成形する場合に比較して、加硫を行う必要がなく、製造工程を大幅に簡略化でき、成形時間を省略することができる。
また、本実施形態では、タイヤケース半体17Aは左右対称形状、即ち、一方のタイヤケース半体17Aと他方のタイヤケース半体17Aとが同一形状とされているので、タイヤケース半体17Aを成形する金型が1種類で済むメリットもある。
本実施形態において、図1(B)に示すようにビード部12には、従来一般の空気入りタイヤと同様の、スチールコードからなる円環状のビードコア18が埋設されている。しかし、本発明はこの構成に限定されず、ビード部12の剛性が確保され、リム20との嵌合に問題なければ、ビードコア18を省略することもできる。尚、スチールコード以外に、有機繊維コード、樹脂被覆した有機繊維コード、又は硬質樹脂などで形成されていてもよい。
本実施形態では、ビード部12のリム20と接触する部分や、少なくともリム20のリムフランジ22と接触する部分に、タイヤケース17を構成する樹脂材料よりもシール性に優れた材料、例えば、ゴムからなる円環状のシール層24が形成されている。このシール層24はタイヤケース17(ビード部12)とビードシート21とが接触する部分にも形成されていてもよい。タイヤケース17を構成する樹脂材料よりもシール性に優れた材料としては、タイヤケース17を構成する樹脂材料に比して軟質な材料を用いることができる。シール層24に用いることのできるゴムとしては、従来一般のゴム製の空気入りタイヤのビード部外面に用いられているゴムと同種のゴムを用いることが好ましい。また、タイヤケース17を形成する樹脂材料のみでリム20との間のシール性が確保できれば、ゴムのシール層24は省略してもよく、上記樹脂材料よりもシール性に優れる他の熱可塑性樹脂(熱可塑性樹脂エラストマー)を用いてもよい。このような他の熱可塑性樹脂としては、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系熱可塑性樹脂、ポリエステル樹脂等の樹脂やこれら樹脂とゴム若しくはエラストマーとのブレンド物等が挙げられる。また、熱可塑性樹脂エラストマーを用いることもでき、例えば、ポリエステル系熱可塑性樹脂エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性樹脂エラストマー、ポリスチレン系熱可塑性樹脂エラストマー、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂エラストマー、又は、これらエラストマー同士の組み合わせや、ゴムとのブレンド物等が挙げられる。
図1に示すように、クラウン部16には、タイヤケース17を構成する樹脂材料よりも剛性が高い補強コード26がタイヤケース17の周方向に巻回されている。補強コード26は、タイヤケース17の軸方向に沿った断面視で、少なくとも一部がクラウン部16に埋設された状態で螺旋状に巻回されており、補強コード層28を形成している。補強コード層28のタイヤ径方向外周側には、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂エラストマー中にゴム材料が分散したトレッド30が配置されている。
図2を用いて補強コード26によって形成される補強コード層28について説明する。図2は、第1実施形態のタイヤのタイヤケースのクラウン部に補強コードが埋設された状態を示すタイヤ回転軸に沿った断面図である。図2に示されるように、補強コード26は、タイヤケース17の軸方向に沿った断面視で、少なくとも一部がクラウン部16に埋設された状態で螺旋状に巻回されており、タイヤケース17の外周部の一部と共に図2において破線部で示される補強コード層28を形成している。補強コード26のクラウン部16に埋設された部分は、クラウン部16(タイヤケース17)を構成する樹脂材料と密着した状態となっている。補強コード26としては、金属繊維や有機繊維等のモノフィラメント(単線)、又は、スチール繊維を撚ったスチールコードなどこれら繊維を撚ったマルチフィラメント(撚り線)などを用いることができる。尚、本実施形態において補強コード26としては、スチールコードが用いられている。
また、図2において埋設量Lは、タイヤケース17(クラウン部16)に対する補強コード26のタイヤ回転軸方向への埋設量を示す。補強コード26のクラウン部16に対する埋設量Lは、補強コード26の直径Dの1/5以上であれば好ましく、1/2を超えることがさらに好ましい。そして、補強コード26全体がクラウン部16に埋設されることが最も好ましい。補強コード26の埋設量Lが、補強コード26の直径Dの1/2を超えると、補強コード26の寸法上、埋設部から飛び出し難くなる。また、補強コード26全体がクラウン部16に埋設されると、表面(外周面)がフラットになり、補強コード26が埋設されたクラウン部16上に部材が載置されても補強コード周辺部に空気が入るのを抑制することができる。尚、補強コード層28は、従来のゴム製の空気入りタイヤのカーカスの外周面に配置されるベルトに相当するものである。
また、補強コード層28のタイヤ径方向外周側にはトレッド30が配置されている。トレッド30にはゴム材料が分散したポリオレフィン系熱可塑性樹脂エラストマーが用いられている。図2に示すように、本実施形態においてトレッド30はタイヤケース17のクラウン部16において直接接している。トレッド30とクラウン部16とはその界面において溶着されている。トレッド30としては、タイヤケース17を構成する樹脂材料よりも耐摩耗性に優れることが好ましい。また、トレッド30には、従来のゴム製の空気入りタイヤと同様に、路面との接地面に複数の溝からなるトレッドパターンが形成されている。
以下、本実施形態のタイヤの製造方法について説明する。
(タイヤケース成形工程)
まず、上述のようにポリオレフィン系熱可塑性樹脂エラストマーを含む樹脂材料を用いて、タイヤケース半体を形成する。これらタイヤケースの形成は、射出成形で行うことが好ましい。次に、薄い金属の支持リングに支持されたタイヤケース半体同士を互いに向かい合わせる。次いで、タイヤケース半体の突き当て部分の外周面と接するように図を省略する接合金型を設置する。ここで、上記接合金型はタイヤケース半体17Aの接合部(突き当て部分)周辺を所定の圧力で押圧するように構成されている。次いで、タイヤケース半体の接合部周辺を、タイヤケースを構成する樹脂材料の融点(又は軟化点)以上で押圧する。タイヤケース半体の接合部が接合金型によって加熱や加圧されると、上記接合部が溶融しタイヤケース半体同士が融着しこれら部材が一体となってタイヤケース17が形成される。尚、本実施形態においては接合金型を用いてタイヤケース半体の接合部を加熱したが、本発明はこれに限定されず、例えば、別に設けた高周波加熱機等によって上記接合部を加熱したり、予め熱風、赤外線の照射等によって軟化又は溶融させ、接合金型によって加圧して、タイヤケース半体を接合させてもよい。
(補強コード部材巻回工程)
次に、図を省略するが、補強コード26を巻き付けたリール、コード加熱装置、各種ローラ等を備えたコード供給装置を用い、加熱した補強コード26をクラウン部16の外周面に埋設しながら巻き付けることで、タイヤケース17のクラウン部16の外周側に補強コード層28を形成することができる。
(外装用部材設置工程)
次に、タイヤケース17の外周面にトレッド30が設置される。トレッド30の形成方法やタイヤケース17への装着方法については特に限定はないが、例えば、予め射出成形によって路面との接地面に複数の溝からなるトレッドパターンを有する帯状のトレッド30を形成し、トレッド30の1周分をタイヤケース17に巻き付け、ホットランナー等を用いてトレッド30を加熱することでタイヤケース17の外周面にトレッド30を溶着させることができる。トレッド30は、射出形成後に加硫されていてもよい。
そして、タイヤケース17のビード部12に、加硫済みのゴムからなるシール層24を、接着剤等を用いて接着すれば、タイヤ10の完成となる。
(作用)
本実施形態のタイヤ10では、タイヤケース17が、樹脂材料によって形成され、更にトレッド30が、ゴム材料が分散したポリオレフィン系熱可塑性樹脂エラストマーを用いて形成されているため、タイヤトレッドのドライグリップ性能が向上する。また、タイヤ10は従来のゴム製のタイヤに比して構造が簡易であるため重量が軽い。更に、タイヤケース17及びトレッド30を射出成形でき、更に、トレッド30をタイヤケース17に直接溶着させていることから、トレッド30をタイヤケース17に装着する際に接着剤を塗布する工程を省略することができる。このため、本実施形態のタイヤ10は生産性にも非常に優れる。
また、本実施形態のタイヤ10では、樹脂材料で形成されたタイヤケース17のクラウン部16の外周面に上記樹脂材料よりも剛性が高い補強コード26が周方向へ螺旋状に巻回されていることから耐パンク性、耐カット性、及びタイヤ10の周方向剛性が向上する。尚、タイヤ10の周方向剛性が向上することで、樹脂材料で形成されたタイヤケース17のクリープが防止される。
また、タイヤケース17の軸方向に沿った断面視(図1に示される断面)で、樹脂材料で形成されたタイヤケース17のクラウン部16の外周面に補強コード26の少なくとも一部が埋設され且つ樹脂材料に密着していることから、製造時のエア入りが抑制されており、走行時の入力などによって補強コード26が動くのが抑制される。これにより、補強コード26、タイヤケース17、及びトレッド30に剥離などが生じるのが抑制され、タイヤ10の耐久性が向上する。
そして、図2に示すように、補強コード26の埋設量Lが直径Dの1/5以上となっていることから、製造時のエア入りが効果的に抑制されており、走行時の入力などによって補強コード26が動くのがさらに抑制される。
さらに、ビード部12には、金属材料からなる環状のビードコア18が埋設されていることから、従来のゴム製の空気入りタイヤと同様に、リム20に対してタイヤケース17、すなわちタイヤ10が強固に保持される。
またさらに、ビード部12のリム20と接触する部分に、タイヤケース17を構成する樹脂材料よりもシール性のあるゴム材からなるシール層24が設けられていることから、タイヤ10とリム20との間のシール性が向上する。このため、リム20とタイヤケース17を構成する樹脂材料のみとでシールする場合と比較して、タイヤ内の空気漏れがより一層抑制される。また、シール層24を設けることでリムフィット性も向上する。
また、第1実施形態では、補強コード26を加熱する構成としたが、例えば、補強コード26の外周をタイヤケース17と同じ樹脂材料で被覆する構成としてもよく、この場合には、被覆補強コードをタイヤケース17のクラウン部16に巻き付ける際に、補強コード26と共に被覆した樹脂材料も加熱することで、クラウン部16への埋設時におけるエア入りを効果的に抑制することができる。
また、補強コード26は螺旋巻きするのが製造上は容易だが、幅方向で補強コード26を不連続とする方法等も考えられる。
第1実施形態のタイヤ10は、ビード部12をリム20に装着することで、タイヤ10とリム20との間で空気室を形成する、所謂チューブレスタイヤであるが、本発明はこの構成に限定されず、完全なチューブ形状であってもよい。
以上、実施形態を挙げて本発明の実施の形態を説明したが、これらの実施形態は一例であり、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施できる。また、本発明の権利範囲がこれらの実施形態に限定されないことは言うまでもない。
以下、本発明について実施例を用いてより具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
まず、下記表1に記載の連続相及び分散相の材料をラボプラストミル装置((株)東洋精機製)で5分間混練してトレッド用組成物を作製した。
上記トレッド用組成物を用いて、射出成型によってタイヤトレッドとタイヤ骨格体とを備える図1に示す構造を有するタイヤを製造した。
上記タイヤ骨格体の材料として、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー(プライムポリマー(株)製「プライムTPO F−3740」;エチレン−プロピレン共重合体)を使用した。また、補強コードとしてのスチールコードを、酸変性ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー(三井化学(株)製「アドマーQE060」、エチレン−プロピレン共重合体の酸変性体)を用いてタイヤ骨格体に溶着させた。
[ドライグリップ性の評価]
製造したタイヤのドライグリップ性を、室内のドラム試験機を用いて評価した。
ドラム試験機では、ドラム試験機に装着された試験タイヤを一定速度で転動させ、徐々にスリップ角を与えて車を操縦している状態でのフロントタイヤをシュミレートし、この時に試験タイヤから発生するサイドフォースを測定した。また、試験タイヤの装着された車を、乾燥状態とされた一定の真円コースを旋回走行させ、コーナーリングできる最大の横加速度(G)を測定した。尚、試験結果は、比較例1の樹脂トレッドを備えるタイヤを100とする指数表示とした指数表示とし、数値の大きい程良好であることを示す。結果を表1に示す。
[耐摩耗性の評価]
耐摩耗性は、ランボーン型摩耗試験機を用い、室温におけるスリップ率25%の摩耗量を測定し、その逆数の値を用いて、比較例1における値を100とした指数で表示した。従って数値が大きい程、耐摩耗性は良好であることを表す。結果を表1に示す。
[射出成形性の評価]
実施例及び比較例を通じて射出成形によってタイヤトレッドを作製できたものを「A」、射出成形によってタイヤトレッドを作製できなかったものを「C」として射出成形性を評価した。結果を表1に示す。
(低ロス性の評価)
粘弾性測定装置(レオメトリックス社製)を使用し、温度60℃、歪み0.3%、周波数35Hzで損失正接(tanδ)を測定し、以下の基準で評価した。なお、tanδが小さい程、低ロス性(低転がり抵抗性)に優れている。
A:tanδが0.12以下
B:tanδが0.12より大きく0.15以下
C:tanδが0.15より大きい
また、上記測定方法で得られた低ロス性の実測値に対して、最も低ロス材料であった比較例2の実測値(tanδC2)が100となるように、下記式に従って計算を行い、換算値を求めた。併せて表1に示す。なお、この換算値が大きいほど低ロス性に優れている。
式:換算値=(tanδC2/tanδ)×100
<実施例2〜4>
分散相の種類又は含有量を表1に示す通り変更したこと以外は実施例1と同様にしてタイヤを製造し、ドライグリップ性、耐摩耗性及び射出成形性を評価した。結果を表1に示す。
<実施例5>
トレッド用組成物に、接着剤(東亞合成製(株)、「アロンメルトPPET」)を表1に示す含有量で更に添加したこと以外は実施例2と同様にしてタイヤを製造し、ドライグリップ性、耐摩耗性及び射出成形性を評価した。結果を表1に示す。
<比較例1>
タイヤトレッドを表1に示すゴムAを用いて形成したこと以外は実施例1と同様にしてタイヤを製造し、ドライグリップ性、耐摩耗性及び射出成形性を評価した。結果を表1に示す。
<比較例2>
タイヤトレッドを表1に示す樹脂Aを用いて形成したこと以外は実施例1と同様にしてタイヤを製造し、ドライグリップ性、耐摩耗性及び射出成形性を評価した。結果を表1に示す。
<比較例3〜4>
分散相に使用されるゴム粒子Aの含有量を表1に示す通り変更したこと以外は実施例1と同様にしてタイヤを製造し、ドライグリップ性、耐摩耗性及び射出成形性を評価した。結果を表1に示す。
<比較例5>
連続相を表1に示すゴムAに変更したこと以外は実施例1と同様にしてタイヤを製造し、ドライグリップ性、耐摩耗性及び射出成形性を評価した。結果を表1に示す。
表1中の略称は以下を意味する。尚、表1において、各成分を示す数値は「質量部」を意味する。
・樹脂A:オレフィンブロックコポリマー樹脂、ダウコーニング製(製品名「INFUSE 9507」)
・ゴムA:下記の配合処方で作製したゴム組成物
*1:「#1500」、JSR(株)製
*2:「ニプシールAQ」、東ソー・シリカ(株)製
*3:デグッサ社製、商標「Si69」、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド
*4:N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン
*5:N,N’−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド
*6:ジフェニルグアニジン
*7:ジベンゾチアジルジスルフィド
・ゴム粒子A:村岡ゴム工業(株)製(商品名「TB30」)
・リクレイムゴムA:村岡ゴム工業(株)製(商品名「タイヤリク白線」)
10 タイヤ、12 ビード部、14 サイド部、16 クラウン部(外周部)、17 タイヤケース(タイヤ骨格体)、18 ビードコア、20 リム、21 ビードシート、22 リムフランジ、24 シール層(シール部)、26 補強コード(補強コード部材)、28 補強コード層、30 トレッド、D 補強コードの直径(補強コード部材の直径)、L 補強コードの埋設量(補強コード部材の埋設量)

Claims (5)

  1. 樹脂材料及び前記樹脂材料中に分散したゴム材料を含み、前記樹脂材料100質量部に対して、前記ゴム材料の含有量が10質量部〜30質量部であるタイヤトレッドと、
    樹脂で形成されたタイヤ骨格体と、を備えるタイヤ。
  2. 前記樹脂材料が、熱可塑性樹脂エラストマーを含む請求項1に記載のタイヤ。
  3. 前記熱可塑性樹脂エラストマーが、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂エラストマー又はポリアミド系熱可塑性樹脂エラストマーである請求項2に記載のタイヤ。
  4. 接着剤を前記タイヤトレッドに更に含む請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のタイヤ。
  5. 前記タイヤトレッドを射出成形によって成形される請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のタイヤ。
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