JP6676366B2 - 耐空気透過性フィルム及び空気入りタイヤの製造方法 - Google Patents

耐空気透過性フィルム及び空気入りタイヤの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6676366B2
JP6676366B2 JP2015250047A JP2015250047A JP6676366B2 JP 6676366 B2 JP6676366 B2 JP 6676366B2 JP 2015250047 A JP2015250047 A JP 2015250047A JP 2015250047 A JP2015250047 A JP 2015250047A JP 6676366 B2 JP6676366 B2 JP 6676366B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thermoplastic resin
rubber composition
rubber
air
melt viscosity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2015250047A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017114974A (ja
Inventor
竜也 遠藤
竜也 遠藤
敏喜 清水
敏喜 清水
哲也 坪井
哲也 坪井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Tire Corp
Original Assignee
Toyo Tire Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Tire Corp filed Critical Toyo Tire Corp
Priority to JP2015250047A priority Critical patent/JP6676366B2/ja
Priority to PCT/JP2016/003628 priority patent/WO2017110012A1/ja
Publication of JP2017114974A publication Critical patent/JP2017114974A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6676366B2 publication Critical patent/JP6676366B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29DPRODUCING PARTICULAR ARTICLES FROM PLASTICS OR FROM SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE
    • B29D30/00Producing pneumatic or solid tyres or parts thereof
    • B29D30/06Pneumatic tyres or parts thereof (e.g. produced by casting, moulding, compression moulding, injection moulding, centrifugal casting)
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C5/00Inflatable pneumatic tyres or inner tubes
    • B60C5/12Inflatable pneumatic tyres or inner tubes without separate inflatable inserts, e.g. tubeless tyres with transverse section open to the rim
    • B60C5/14Inflatable pneumatic tyres or inner tubes without separate inflatable inserts, e.g. tubeless tyres with transverse section open to the rim with impervious liner or coating on the inner wall of the tyre
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J3/00Processes of treating or compounding macromolecular substances
    • C08J3/24Crosslinking, e.g. vulcanising, of macromolecules
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J5/00Manufacture of articles or shaped materials containing macromolecular substances
    • C08J5/18Manufacture of films or sheets
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L101/00Compositions of unspecified macromolecular compounds
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L21/00Compositions of unspecified rubbers

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Tires In General (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Tyre Moulding (AREA)
  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)

Description

本発明は、耐空気透過性フィルム、及びそれを用いた空気入りタイヤに関するものである。
空気入りタイヤの内側面には、タイヤの空気圧を一定に保持するために空気透過抑制層としてインナーライナーが設けられている。タイヤの軽量化等を目的として、インナーライナーの薄肉化を図るべく、例えば、特許文献1には、連続相である熱可塑性樹脂と分散相であるエラストマーとの動的架橋体からなる耐空気透過性フィルムが提案されている。
この種の耐空気透過性フィルム、とりわけインナーライナーに用いられるフィルムにおいては、耐久性を向上することが求められる。
そこで、特許文献2では、熱可塑性樹脂とゴムの溶融粘度を近づけてゴムを微分散化させるとともに、ゴム配合量を増加させて弾性率を低減することで、耐疲労性を向上することが開示されており、そのために、ゴムに充填剤等を加えて粘度を増加させるとともに、熱可塑性樹脂に低粘度成分を適量ブレンドすることが提案されている。しかしながら、熱可塑性樹脂に低粘度成分を添加することによる強度低下や、ゴムに充填剤を添加することによる亀裂発生の要因となることが考えられる。
一方、特許文献3には、連続相を構成する樹脂として変性エチレンビニルアルコール共重合体を用い、これにモジュラスの低い粘弾性体としてゴムを高分散化させて、耐久性を向上することが開示されているが、特定のポリマーにしか適用できない。
特開平08−259741号公報 特開2003−026931号公報 特開2009−263653号公報
本発明の実施形態は、耐久性に優れた耐空気透過性フィルムを提供することを目的とする。
本実施形態に係る耐空気透過性フィルムの製造方法は、熱可塑性樹脂と、前記熱可塑性樹脂よりも230℃での溶融粘度が低くかつ200℃での加硫速度が0.70dN・m/分以上であるゴム組成物と、を溶融混練し動的架橋させることにより、前記熱可塑性樹脂を連続相とし、前記ゴム組成物を分散相とした動的架橋体を得ることを含むものである。ここで、ゴム組成物の溶融粘度は、架橋剤を除いて測定される溶融粘度である。
本実施形態に係る空気入りタイヤの製造方法は、該製造方法により得られた耐空気透過性フィルムを、インナーライナー又はその他の空気透過抑制層として用いるものである。
本実施形態によれば、ゴム組成物よりも高い溶融粘度を持つ熱可塑性樹脂と、加硫速度の速いゴム組成物と、を組み合わせることにより、耐久性に優れた耐空気透過性フィルムを得ることができる。
一実施形態に係る空気入りタイヤの断面図である。
以下、本発明の実施に関連する事項について詳細に説明する。
本実施形態に係る耐空気透過性フィルムは、熱可塑性樹脂を連続相(マトリックス相)とし、ゴム組成物を分散相(ドメイン相)とした海島構造を持つ動的架橋体からなるものであり、該熱可塑性樹脂として、ゴム組成物よりも230℃での溶融粘度が高い高粘度の樹脂を使用するとともに、ゴム組成物として、200℃での加硫速度が0.70dN・m/分以上と従来よりも速いものを用いることを特徴とする。
これにより、耐空気透過性フィルムの耐久性を向上することができるが、その理由は次のように考えられる。すなわち、熱可塑性樹脂の溶融粘度がゴム組成物よりも低い場合、熱可塑性樹脂を連続相とし、ゴム組成物を分散相とすることができるものの、熱可塑性樹脂が低粘度であるが故に一般に耐久性が低く、高耐久な耐空気透過性フィルムにはならない。耐久性を向上するために、ゴム組成物よりも溶融粘度の大きな熱可塑性樹脂を使用した場合において、ゴム組成物として加硫速度の遅い汎用のゴム組成物を用いると、熱可塑性樹脂との混合初期にゴム組成物が連続相となり、高分散に必要な高いせん断力が得られない。また、この場合、加硫によるゴム組成物の粘度上昇が遅いため、連続相と分散相の反転が起こりにくく、できあがった複合体においてゴム組成物が連続相となりやすい。ゴム組成物が連続相では、フィルムとしての成形が難しく、耐空気透過性に劣るものになってしまう。これに対し、本実施形態によれば、高粘度の熱可塑性樹脂を用いながら加硫速度の速いゴム組成物を用いることにより、混合初期にゴム組成物の粘度を上昇させて、高粘度の熱可塑性樹脂を連続相にすることができ、これによりゴム組成物にも十分なせん断力を与えることができ、ゴム分散相を微細化することができる。このように、ゴム分散相を高分散としつつ、連続相に従来よりも高粘度(高耐久)の熱可塑性樹脂を用いることができるので、高い耐久性を発現することができる。
本実施形態において、熱可塑性樹脂としては、例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン6/66共重合体、ナイロン6/66/610共重合体、ナイロンMXD6、ナイロン6T、ナイロン6/6T共重合体などの脂肪族ポリアミド系樹脂(ナイロン樹脂); エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、酢酸ビニル(EVA)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリ塩化ビニル(PVC)などのポリビニル系樹脂; ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンイソフタレート(PEI)、ポリアリレート(PAR)、ポリブチレンナフタレート(PBN)などのポリエステル系樹脂; ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメタクリロニトリル、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS)などのポリニトリル系樹脂; 酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロースなどのセルロース系樹脂; ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリクロルフルオロエチレン(PCTFE)などのフッ素系樹脂; 芳香族ポリイミド(PI)などのイミド系樹脂が挙げられ、これらはそれぞれ単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。一実施形態において、熱可塑性樹脂としては、脂肪族ポリアミド系樹脂及びポリビニル系樹脂からなる群から選択される少なくとも一種でもよく、脂肪族ポリアミド系樹脂及びエチレン−ビニルアルコール共重合体からなる群から選択される少なくとも一種でもよい。
熱可塑性樹脂としては、80℃での空気透過係数が5×1013fm2/Pa・s以下である耐空気透過性熱可塑性樹脂を用いることが好ましく、フィルムに優れた耐空気透過性を付与することができる。熱可塑性樹脂の空気透過係数は、0.05×1013〜2×1013fm2/Pa・sでもよい。空気透過係数は、JIS K7126−1「プラスチック−フィルム及びシート−ガス透過度試験方法−第1部:差圧法」に準じて、試験気体:空気、試験温度:80℃にて測定される値である。
連続相を形成する熱可塑性樹脂には、本実施形態による効果を損なわない限り、可塑剤、軟化剤、充填剤、補強剤、加工助剤、安定剤、酸化防止剤などの添加剤を必要に応じて適宜配合してもよい。
本実施形態において、分散相に用いられる未架橋のゴム組成物に含まれるゴム成分としては、一般に架橋(加硫)して使用される各種の未架橋(未加硫)ゴムポリマーが用いられ、例えば、天然ゴム(NR)、エポキシ化天然ゴム(ENR)、イソプレンゴム(IR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、ニトリルゴム(NBR)、水素化ニトリルゴム(H−NBR)、水素化スチレンブタジエンゴムなどのジエン系ゴム及びその水素添加ゴム; エチレンプロピレンゴム(EPDM)、マレイン酸変性エチレンプロピレンゴム、マレイン酸変性エチレンブチレンゴム、ブチルゴム(IIR)、アクリルゴム(ACM)などのオレフィン系ゴム; ハロゲン化ブチルゴム(例えば、臭素化ブチルゴム(Br−IIR)、塩素化ブチルゴム(Cl−IIR))、クロロプレンゴム(CR)、クロロスルホン化ポリエチレンなどの含ハロゲンゴム; その他、シリコンゴム、フッ素ゴム、ポリスルフィドゴムなどが挙げられる。これらはいずれか1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、耐空気透過性の点から、ブチルゴム(IIR)、臭素化ブチルゴム(Br−IIR)などのハロゲン化ブチルゴム、ニトリルゴム(NBR)及び水素化ニトリルゴム(H−NBR)から選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。
分散相を形成するゴム組成物には、上記ゴム成分を動的架橋するための架橋剤が配合される。すなわち、該ゴム組成物は、少なくともゴム成分と架橋剤を含むものである。架橋剤としては、硫黄や硫黄含有化合物等などの加硫剤、加硫促進剤の他、フェノール樹脂などが挙げられる。好ましくは、耐熱性等の点から、フェノール樹脂を用いることである。フェノール樹脂としては、フェノール類とホルムアルデヒドとの縮合反応により得られる樹脂が挙げられ、例えば、アルキルフェノール−ホルムアルデヒド樹脂が挙げられる。また、加硫速度を速くすることができる点から、臭素化アルキルフェノール−ホルムアルデヒド樹脂などのハロゲン化フェノール樹脂を用いることが好ましい。架橋剤の配合量は、ゴム成分を適切に架橋できるものであれば、特に限定されないが、ゴム成分100質量部に対して、0.1〜10質量部でもよく、0.5〜5質量部でもよい。
分散相を形成するゴム組成物は、上記のゴム成分及び架橋剤のみを含むものでもよいが、これらに加えて、充填剤や軟化剤、老化防止剤、加工助剤などの一般にゴム組成物に配合される各種添加剤を配合してもよい。なお、充填剤は、亀裂発生の要因を極力排除する趣旨より配合しないことが好ましく、例えば、ゴム成分100質量部に対して20質量部以下であることが好ましく、より好ましくは10質量部以下であり、更に好ましくは5質量部以下である。
本実施形態に係る耐空気透過性フィルムにおいて、上記の熱可塑性樹脂とゴム組成物との配合比(添加剤を除いたポリマーとしての比率)は、特に限定されず、例えば、質量比(熱可塑性樹脂/ゴム組成物)で、90/10〜30/70でもよく、70/30〜40/60でもよく、60/40〜40/60でもよい。
本実施形態では、上記のように、熱可塑性樹脂として、ゴム組成物よりも230℃での溶融粘度が高い高粘度の樹脂を使用する。すなわち、熱可塑性樹脂の230℃での溶融粘度をη1とし、ゴム組成物の230℃での溶融粘度をη2として、η1>η2を満足する熱可塑性樹脂及びゴム組成物を用いる。より好ましくは、これら溶融粘度の比がη1/η2≧1.20を満足すること、即ち、比η1/η2が1.20以上であり、更に好ましくは、比η1/η2が1.40以上であり、1.50以上でもよい。一般に、熱可塑性樹脂は溶融粘度が高いほど耐久性に優れるので、溶融粘度の高い熱可塑性樹脂を用いることにより、耐空気透過性フィルムの耐久性を向上することができる。なお、溶融粘度の比η1/η2の上限は、特に限定されず、例えば10.0以下でもよく、7.0以下でもよい。
熱可塑性樹脂の溶融粘度η1は、特に限定されないが、耐久性の観点より、70〜400Pa・sであることが好ましく、より好ましくは100〜300Pa・sであり、更に好ましくは150〜300Pa・sである。ゴム組成物の溶融粘度η2は、熱可塑性樹脂の溶融粘度η1よりも小さい限り、特に限定されず、例えば、40〜250Pa・sでもよく、50〜170Pa・sでもよい。
ここで、溶融粘度は、キャピラリーレオメータを用いて、シリンダー温度230℃、押出速度800s-1で測定される値である。なお、熱可塑性樹脂の溶融粘度η1は、上記のように熱可塑性樹脂に添加剤が配合される場合、添加剤を含んだものについて測定される値である。但し、該添加剤には、後述する相溶化剤は含まれない。また、ゴム組成物の溶融粘度η2は、架橋剤を除いて測定される値である。
本実施形態では、また、上記のように、ゴム組成物として、200℃での加硫速度(架橋速度とも称される。)が0.70dN・m/分以上であるものを用いる。ゴム組成物の加硫速度は、より好ましくは0.80dN・m/分以上である。ゴム組成物の加硫速度の上限は、特に限定されず、例えば2.5dN・m/分以下でもよく、1.7dN・m/分以下でもよい。
ここで、ゴム組成物の加硫速度は、レオメータを用いて試験温度200℃で粘度を測定し、最低粘度MLから1分間のトルク上昇の傾きにより求められる値である。
本実施形態においては、熱可塑性樹脂及びゴム組成物とともに、相溶化剤を配合してもよい。相溶化剤は、熱可塑性樹脂とゴム組成物との界面張力を低下させて、両者を相溶化させるものである。相溶化剤としては、一実施形態として、エチレン−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体(即ち、エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体、及び/又は、エチレン−グリシジルアクリレート共重合体)を用いてもよい。該相溶化剤の配合量は特に限定されないが、熱可塑性樹脂とゴム組成物(添加剤を除いたポリマーとしての量)の合計量100質量部に対して0.5〜10質量部でもよく、0.5〜5質量部でもよい。
本実施形態において、耐空気透過性フィルムを製造するに際しては、上記熱可塑性樹脂とゴム組成物とを溶融混練し、架橋剤でゴム組成物を動的架橋(TPV)させる。これらの樹脂組成物及びゴム組成物への上記各種添加剤(例えば、充填剤、架橋剤等)の添加時期は、例えば、該溶融混練前に予め添加混合しておいてもよく、該溶融混練中に添加してもよい。一実施形態として、ゴム成分に架橋剤等を添加してゴム組成物(マスターバッチ)のペレットを作製し、該ペレットを熱可塑性樹脂及び相溶化剤とともに混練機に投入し、溶融混練して動的架橋することにより動的架橋体のペレットを得てもよい。
混練に使用する混練機としては、特に限定されず、例えば、二軸押出機、スクリュー押出機、ニーダー、バンバリーミキサーなどが挙げられる。混練温度は、熱可塑性樹脂が溶融する温度以上であればよい。
このようにして得られた動的架橋体をフィルム化することにより、耐空気透過性フィルムが得られる。動的架橋体のペレットをフィルム化する方法は特に限定されず、例えば押し出し成形やカレンダー成形など、通常の熱可塑性樹脂をフィルム化する方法を用いることができる。
本実施形態に係る耐空気透過性フィルムは、80℃での空気透過係数が5×1013fm2/Pa・s以下であることが好ましく、インナーライナーの薄肉化によるタイヤの軽量化を図ることができる。該空気透過係数は、0.1×1013〜4×1013fm2/Pa・sでもよく、0.1×1013〜1.0×1013fm2/Pa・sでもよい。
耐空気透過性フィルムの厚みは、特に限定されず、例えば、0.02〜1.0mmでもよく、0.05〜0.5mmでもよく、0.1〜0.3mmでもよい。
本実施形態に係る耐空気透過性フィルムは、例えば、乗用車用タイヤ、トラックやバスなどの重荷重用タイヤを含む各種の自動車用タイヤ、また自転車を含む二輪車用タイヤなど、各種の空気入りタイヤに適用することができる。
図1は、一実施形態に係る空気入りタイヤ1の断面図である。図示するように、空気入りタイヤ1は、リム組みされる一対のビード部2,2と、該ビード部2からタイヤ径方向外側に延びる一対のサイドウォール部3,3と、該一対のサイドウォール部3,3間に設けられた路面に接地するトレッド部4とから構成される。一対のビード部2,2には、それぞれリング状のビードコア5が埋設されている。有機繊維コードを用いたカーカスプライ6が、ビードコア5,5の周りを折り返して係止されるとともに、左右のビード部2,2間に架け渡して設けられている。また、カーカスプライ6のトレッド部4における外周側には、スチールコードなどのタイヤコードを用いた2枚のベルトプライからなるベルト7が設けられている。
カーカスプライ6の内側にはタイヤ内面の全体にわたってインナーライナー8が設けられている。本実施形態では、このインナーライナー8として上記耐空気透過性フィルムが用いられている。インナーライナー8は、図1中の拡大図に示すように、タイヤ内面側のゴム層であるカーカスプライ6の内面に貼り合わされており、より詳細には、カーカスプライ6のコードを被覆するトッピングゴム層の内面に貼り合わされている。
かかる空気入りタイヤの製造方法としては、例えば、耐空気透過性フィルムをインナーライナーとして用いて、成形ドラムの外周にインナーライナーを筒状に装着し、その上にカーカスプライを貼り付け、更にベルト、トレッドゴム及びサイドウォールゴムなどの各タイヤ部材を貼り重ね、インフレートすることによりグリーンタイヤ(未加硫タイヤ)が作製され、該グリーンタイヤをモールド内で加硫成形することにより、空気入りタイヤが得られる。なお、図1に示す例では、耐空気透過性フィルムをカーカスプライの内面側に設けたが、タイヤ内部からの空気の透過を防止して、タイヤの空気圧を保持することができる態様、即ち内圧保持のための空気透過抑制層として設けられるものであれば、例えば、カーカスプライの外面側などの種々の位置に設けることができ、特に限定されない。
以下に、本発明を実施例に基づき具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
[使用原材料]
以下の実施例で使用した原材料の詳細は以下の通りである。
・IIR:ブチルゴム、エクソンモービルケミカル社製「IIR268」
・NBR:ニトリルゴム、JSR(株)製「JSR N230S」
・ナイロン−A:ナイロン6/66共重合体、DSM社製「Novamid 2010J」
・ナイロン−B:ナイロン6/66共重合体、DSM社製「Novamid 2020J」
・ナイロン−C:ナイロン6/66共重合体、東レ(株)製「アミランCM6041XF」
・ナイロン−D:50質量部のナイロン−Aのペレットと50質量部のナイロン−Bのペレットをドライブレンドし、220℃に設定した2軸押出機((株)プラスチック工学研究所)にて溶融混練しペレット化したもの(ナイロンブレンド50/50)
・ナイロン−E:25質量部のナイロン−Aのペレットと75質量部のナイロン−Bのペレットをドライブレンドし、220℃に設定した2軸押出機((株)プラスチック工学研究所)にて溶融混練しペレット化したもの(ナイロンブレンド25/75)
・EVOH−A:エチレン−ビニルアルコール共重合体、日本合成化学工業(株)製「ソアノール3203RB」
・EVOH−B:エチレン−ビニルアルコール共重合体、日本合成化学工業(株)製「ソアノール3212B」
・相溶化剤:住友化学(株)製「ボンドファーストE」、エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体
・カーボンブラック:東海カーボン(株)製「シースト3」
・亜鉛華:三井金属鉱業(株)製「亜鉛華3号」
・ステアリン酸:花王(株)製「ルナックS−20」
・硫黄:鶴見化学工業(株)製「粉末硫黄」
・加硫促進剤:住友化学(株)製「ソクシノールCZ」
・架橋剤−1:アルキルフェノール−ホルムアルデヒド樹脂、田岡化学工業(株)製「タッキロール201」
・架橋剤−2:臭素化アルキルフェノール−ホルムアルデヒド樹脂、田岡化学工業(株)製「タッキロール201−III」
・リターダー:協和化学工業(株)製「キョウワマグ150」
[評価測定方法]
以下の実施例での評価測定方法は以下の通りである。
・溶融粘度:キャピラリーレオメータ((株)安田精機製作所製)を用い、シリンダー温度=230℃、押出速度=800s-1、ダイ径=1mm、ダイ長=1cmでの溶融粘度を算出した。
・加硫速度:ラボプラストミル((株)東洋精機製作所製)にて混合したゴム組成物をレオメータ「MDR2000」(アルファテクノロジー社製)を用いて200℃60分で試験した。加硫速度は、最低粘度MLから1分間のトルク上昇の傾きより求めた。
・耐久性:JIS K6270を参考にして、耐空気透過性フィルムを配向方向に打ち抜き試験片(ダンベル状3号形試験片)を作製し、引張試験機を用いて、試験片をチャック間3cmにて挟み込み、雰囲気温度40℃にて、5Hzの振動数で50%の繰り返し伸張をかけた。試験片の数は10個とし、50%伸張を100万回繰り返し、フィルムの破断が起こったものが3個以下の場合を合格「○」とし、4個以上の場合を不合格「×」とした。
・耐空気透過性:JIS K7126−1「プラスチック−フィルム及びシート−ガス透過度試験方法−第1部:差圧法」に準じて、試験気体:空気、試験温度:80℃にて空気透過係数を測定した。数値が小さいほど、空気が透過しにくく、耐空気透過性に優れる。
[熱可塑性樹脂及びゴム成分の溶融粘度]
熱可塑性樹脂及びゴム成分の230℃での溶融粘度、及び熱可塑性樹脂の空気透過係数は表1に示す通りであった。なお、熱可塑性樹脂の空気透過係数は、厚み0.2mmに成形したフィルムについて測定した値である。
Figure 0006676366
[耐空気透過性フィルムの作製・評価]
下記表2〜4に示す配合(質量部)に従い、熱可塑性樹脂と相溶化剤をドライブレンドしたものと、予めマスターバッチ化したゴム組成物のペレットとを、220℃に設定した2軸押出機((株)プラスチック工学研究所製)にて溶融混練し、動的架橋体のペレットを作製した。得られた動的架橋体ペレットを単軸押出機にて幅14cm×厚み0.2mmに成形し、得られたフィルムの耐久性及び耐空気透過性を評価した。結果を表2〜4に示す。なお、表2〜4には、各耐空気透過性フィルムの作製に用いたゴム組成物の加硫速度も示す。
表2〜4に示すように、ゴム組成物の溶融粘度よりも熱可塑性樹脂の溶融粘度が低い場合(比較例1〜3、17〜19及び21〜23)、耐空気透過性フィルムの耐久性が低かった。また、ゴム組成物の溶融粘度よりも熱可塑性樹脂の溶融粘度が高い場合において、ゴム組成物の初期の加硫速度が0.70dN・m/分未満である場合、比較例9〜16のようにゴム組成物が連続相となってフィルム成形が困難となり、均一なフィルムは作製できなかった。そのため、比較例9〜16では耐久性と耐空気透過性は評価しなかった。また、比較例4〜8,20及び24のように、均一なフィルムが成形できた場合でも、耐久性に劣っていた。
これに対し、ゴム組成物の溶融粘度よりも熱可塑性樹脂の溶融粘度が高く(η1/η2>1)、かつゴム組成物の初期の加硫速度が0.70dN・m/分以上である実施例1〜13では、耐空気透過性に優れ、かつ高耐久性のフィルムが得られた。なお、実施例2のフィルムについて、SPM(走査型プローブ顕微鏡)により位相像を確認したところ、熱可塑性樹脂を連続相とし、架橋(加硫)されたゴム組成物を分散相とする海島構造であり、比較例5よりも分散相が微細化されていた。
Figure 0006676366
Figure 0006676366
Figure 0006676366
1…空気入りタイヤ、6…カーカスプライ、8…インナーライナー

Claims (3)

  1. 熱可塑性樹脂と、前記熱可塑性樹脂よりも230℃での溶融粘度が低くかつ200℃での加硫速度が0.70dN・m/分以上であるゴム組成物と、を溶融混練し動的架橋させることにより、前記熱可塑性樹脂を連続相とし、前記ゴム組成物を分散相とした動的架橋体を得ることを含む、
    耐空気透過性フィルムの製造方法。
  2. 前記熱可塑性樹脂の230℃での溶融粘度η1と前記ゴム組成物の230℃での溶融粘度η2の比が、η1/η2≧1.20を満足する、
    請求項1記載の耐空気透過性フィルムの製造方法。
  3. 熱可塑性樹脂と、前記熱可塑性樹脂よりも230℃での溶融粘度が低くかつ200℃での加硫速度が0.70dN・m/分以上であるゴム組成物と、を溶融混練し動的架橋させることにより、前記熱可塑性樹脂を連続相とし、前記ゴム組成物を分散相とした動的架橋体を得ること、
    前記動的架橋体をフィルム化して耐空気透過性フィルムを得ること、及び、
    前記耐空気透過性フィルムを、インナーライナー又はその他の空気透過抑制層として用いて空気入りタイヤを製造すること、
    を含む、空気入りタイヤの製造方法。
JP2015250047A 2015-12-22 2015-12-22 耐空気透過性フィルム及び空気入りタイヤの製造方法 Expired - Fee Related JP6676366B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015250047A JP6676366B2 (ja) 2015-12-22 2015-12-22 耐空気透過性フィルム及び空気入りタイヤの製造方法
PCT/JP2016/003628 WO2017110012A1 (ja) 2015-12-22 2016-08-05 耐空気透過性フィルム及び空気入りタイヤの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015250047A JP6676366B2 (ja) 2015-12-22 2015-12-22 耐空気透過性フィルム及び空気入りタイヤの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017114974A JP2017114974A (ja) 2017-06-29
JP6676366B2 true JP6676366B2 (ja) 2020-04-08

Family

ID=59089842

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015250047A Expired - Fee Related JP6676366B2 (ja) 2015-12-22 2015-12-22 耐空気透過性フィルム及び空気入りタイヤの製造方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP6676366B2 (ja)
WO (1) WO2017110012A1 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6996902B2 (ja) * 2017-08-17 2022-01-17 Toyo Tire株式会社 熱可塑性エラストマー組成物の製造方法、タイヤ用耐空気透過性フィルムの製造方法、及び空気入りタイヤの製造方法
JP6909097B2 (ja) * 2017-08-17 2021-07-28 Toyo Tire株式会社 熱可塑性エラストマー組成物、タイヤ用耐空気透過性フィルム、及びこれを用いた空気入りタイヤ
JP7353844B2 (ja) * 2019-07-23 2023-10-02 古河電気工業株式会社 ゴム組成物

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06240010A (ja) * 1993-02-19 1994-08-30 Mitsubishi Petrochem Co Ltd ポリアミド樹脂組成物の調製方法
KR100898213B1 (ko) * 2004-11-26 2009-05-18 다이킨 고교 가부시키가이샤 열가소성 중합체 조성물
CN102675662B (zh) * 2006-03-03 2014-08-20 横滨橡胶株式会社 弹性体组合物和其制造方法、及使用该弹性体组合物的充气轮胎
JP5573033B2 (ja) * 2009-07-17 2014-08-20 横浜ゴム株式会社 熱可塑性エラストマー組成物の製造方法
JP6032636B2 (ja) * 2012-05-14 2016-11-30 国立大学法人東京農工大学 ゴム−ポリオレフィン複合体の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017114974A (ja) 2017-06-29
WO2017110012A1 (ja) 2017-06-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7019063B2 (en) Rubber composition for inner liner
JP4525824B2 (ja) 熱可塑性を示さないエラストマー組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ
JP4862954B1 (ja) 熱可塑性樹脂組成物の製造方法
JP2007098764A (ja) ゴム積層体及びそれを用いた空気入りタイヤ
WO2015072489A1 (ja) フィルムとゴム組成物との積層体、及びそれを含むタイヤ
JP5663956B2 (ja) 熱可塑性エラストマー組成物およびその製造方法
CN102463845B (zh) 具有粘结层的充气轮胎及其制造方法
JP2006315339A (ja) 熱可塑性エラストマーフィルム
JP2004506540A (ja) 配向性熱可塑性加硫ゴム
JP6676366B2 (ja) 耐空気透過性フィルム及び空気入りタイヤの製造方法
JP2013189526A (ja) 熱可塑性エラストマー組成物
JP4524965B2 (ja) 熱可塑性エラストマー組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ
JP6996902B2 (ja) 熱可塑性エラストマー組成物の製造方法、タイヤ用耐空気透過性フィルムの製造方法、及び空気入りタイヤの製造方法
JP6076776B2 (ja) タイヤ
JP4156565B2 (ja) 自動車部品用熱可塑性樹脂組成物
JP3622470B2 (ja) ポリアミド繊維強化ゴム組成物とその製造法
JPH1036571A (ja) 機能性熱可塑性エラストマー組成物及びその製造方法
JP2003128844A (ja) ビードフィラーゴム組成物及びこれを用いた空気入りタイヤ
JP6694079B2 (ja) タイヤ用耐空気透過性フィルム
JP6909097B2 (ja) 熱可塑性エラストマー組成物、タイヤ用耐空気透過性フィルム、及びこれを用いた空気入りタイヤ
JP6747071B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP6837830B2 (ja) 動的架橋物の製造方法
JP6813352B2 (ja) ポリアミド系樹脂部材とゴム部材との加硫接着体及びその製造方法
JP7017339B2 (ja) 熱可塑性エラストマー組成物及びその製造方法
JP2018104574A (ja) 動的架橋物の製造方法、及びタイヤ用耐空気透過性フィルムの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181128

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191112

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191220

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200310

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200312

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6676366

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees