JP6032636B2 - ゴム−ポリオレフィン複合体の製造方法 - Google Patents

ゴム−ポリオレフィン複合体の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6032636B2
JP6032636B2 JP2012111021A JP2012111021A JP6032636B2 JP 6032636 B2 JP6032636 B2 JP 6032636B2 JP 2012111021 A JP2012111021 A JP 2012111021A JP 2012111021 A JP2012111021 A JP 2012111021A JP 6032636 B2 JP6032636 B2 JP 6032636B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rubber
component
composite
polyolefin
stress
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012111021A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013237760A (ja
Inventor
聡悟 飯森
聡悟 飯森
拓 斎藤
拓 斎藤
昇 大坂
昇 大坂
河原 成元
成元 河原
浩 由井
浩 由井
雅夫 住田
雅夫 住田
忠基 酒井
忠基 酒井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NATIONAL UNIVERSITY CORPORATION TOKYO UNIVERSITY OF AGRICULUTURE & TECHNOLOGY
Original Assignee
NATIONAL UNIVERSITY CORPORATION TOKYO UNIVERSITY OF AGRICULUTURE & TECHNOLOGY
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NATIONAL UNIVERSITY CORPORATION TOKYO UNIVERSITY OF AGRICULUTURE & TECHNOLOGY filed Critical NATIONAL UNIVERSITY CORPORATION TOKYO UNIVERSITY OF AGRICULUTURE & TECHNOLOGY
Priority to JP2012111021A priority Critical patent/JP6032636B2/ja
Publication of JP2013237760A publication Critical patent/JP2013237760A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6032636B2 publication Critical patent/JP6032636B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

本発明は、ゴム−ポリオレフィン複合体の製造方法に関する。さらに詳しくは、機械的強度に優れるゴム製品を簡便な操作で製造可能なゴム−ポリオレフィン複合体の製造方法に関する。
ゴム製品の高強度化の検討に際して、従来、ゴムの引張強度を向上させるために、硫黄等の架橋剤や、亜鉛等の架橋促進剤やカーボンブラックなどの充填剤を加える方法が用いられていた(例えば、非特許文献1を参照。)一方、架橋剤として硫黄を用いた場合にあっては、得られるゴムの強度は不十分であった。また、架橋促進剤添加剤のうち亜鉛の使用は環境負荷が考慮されるため、亜鉛を添加することは問題があった。
また、タイヤや免震ゴムを製造する場合に、ゴムにカーボンブラックを充填剤として添加することがある(例えば、特許文献1及び特許文献2を参照。)。しかし、一般的なカーボンブラック添加量は、例えば、質量比としてゴム成分100に対してカーボンブラック成分を50以上添加する必要があるため、大量のゴム成分により得られたゴム製品が黒色化してしまうという問題があった。
一方、かかる黒色化の問題を克服するために、カーボンブラック以外の充填剤としてシリカが用いられており、これによって着色性が向上し、カラータイヤの生産が可能となった(例えば、非特許文献1及び特許文献3を参照。)。しかしながら、ゴム製品の強度を比較するとシリカはカーボンブラックには劣るものであった。
近年、前記したカーボンブラックやシリカだけではなく、ゴムにポリオレフィンを添加して高強度化する検討が行われている(例えば、特許文献4を参照。)。ここでは主にポリプロピレンを質量比としてゴム100に対して2程度添加して、さらに相溶剤を加えて溶融混練してタイヤ等に適用するようにしている。
特開平11−323042号公報 特開2006−137893号公報 特開2005−325307号公報 特開2011−225889号公報
「編集 日本ゴム協会 ゴム工業便覧」第4版 日本ゴム協会(1994)p.59−p.67、p.78−p.81)
しかしながら、前記したポリオレフィンの添加により得られたゴム製品の引張強さは、従来のカーボンブラックを充填したゴム製品に劣るものであったため、着色性にも問題がないとともに、機械的強度に優れるゴム製品を簡便な操作で得ることができる技術の提供が求められていた。
本発明の目的は、前記の課題に鑑みてなされたものであり、着色性にも問題がないとともに、機械的強度に優れるゴム製品を簡便な操作で製造可能なゴム−ポリオレフィン複合体の製造方法を提供することにある。
前記の課題を解決するために、本発明に係るゴム−ポリオレフィン複合体の製造方法は、主成分となるゴム成分とポリオレフィン成分を有機過酸化物系架橋剤とともに溶融混練し、ゴム成分が海、ポリオレフィン成分が島の海島構造の相状態を発現するように成形するに際し、前記成形が、下記(1)〜(3)の工程を含んで行われ、
(1)ゴム成分とポリオレフィン成分を、ポリオレフィン成分の溶融温度〜175℃で加熱して溶融混練する第1工程
(2)第1工程の後、架橋剤を添加してさらに100〜130℃で加熱して溶融混練する
第2工程
(3)第2工程で得られた溶融混練物を140〜175℃の温度で加熱保持し、冷却して成形体とする第3工程
得られた前記成形体について延伸させた後、応力がゼロになるまで回復させることを特徴とする。
本発明に係るゴム−ポリオレフィン複合体の製造方法は、前記した本発明の構成において、前記延伸における延伸倍率が100%を超えて800%以下であることを特徴とする。
本発明に係るゴム−ポリオレフィン複合体の製造方法は、前記した本発明の構成において、前記ゴム成分と前記ポリオレフィン成分の組成比がゴム/ポリオレフィン=85/15〜50/50の範囲内であることを特徴とする。
本発明に係るゴム−ポリオレフィン複合体の製造方法は、簡便な操作で、延伸−回復操作により優れた機械的強度を有するゴム製品を提供することができ、得られた複合体も、カーボンブラック等の着色成分を使用しないため、着色性にも問題がなく、カラーバリエーションを有し、環境にも優しいゴム製品となる。
実施例3で得られた複合体(複合体1)のTEM観察像を示した図である。 実施例3で得られた複合体(複合体2)のTEM観察像を示した図である。 図1及び図2のTEM観察像の拡大図である。 実施例3の複合体1、複合体2、天然ゴム(NR)単体と直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)単体の応力−歪み曲線を示した図である。 実施例3で得られた複合体について、複合体2とする過程及び再度の延伸−破断での応力の立ち上がりを比較した図である。 天然ゴム(NR)単体について、複合体2とする過程及び再度の延伸−破断での応力の立ち上がりを比較した図である。 実施例3の複合体(複合体2)及び天然ゴム(NR)単体の変形−回復過程を観察した図である。 広角X線回折(WARD)の測定結果を示した図である。 試験例3における複合体2とする過程で応力の立ち上がりを比較した図である。 試験例3における再度の延伸−破断での応力の立ち上がりを比較した図である。 試験例4における複合体2とする過程で応力の立ち上がりを観察した図である。 試験例4における再度の延伸−破断での応力の立ち上がりを観察した図である。 試験例5における複合体2とする過程で応力の立ち上がりを比較した図である。 試験例5における再度の延伸−破断(点b→点c)での応力の立ち上がりを比較した図である。 実施例6で得られた複合体について、複合体2とする過程及び再度の延伸−破断での応力の立ち上がりを観察した図である。 再度の延伸−破断での応力について、実施例6と実施例2を比較した図である、
以下、本発明の一態様を説明する。本発明のゴム−ポリオレフィン複合体の製造方法(以下、単に「本発明の製造方法」とする場合もある。)は、主成分となるゴム成分とポリオレフィン成分を有機過酸化物系架橋剤とともに溶融混練し、ゴム成分が海、ポリオレフィン成分が島の海島構造の相状態を発現するように成形するものである。なお、本発明において、「主成分」とは、樹脂成分全体の50%以上を示す成分となることを意味する。ゴム成分は、樹脂成分全体の50%を超えるようにすることが望ましい。
本発明の製造方法では、ゴム成分とポリオレフィン成分をブレンドして複合材料とする。使用可能なゴム成分としては、有機過酸化物により架橋が可能なゴムが好ましく、例えば、天然ゴム(NR)のほか、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンアクリロニトリルゴム(NBR)等が挙げられる。これらのゴム成分は、その1種を単独で使用してもよく、その2種以上を組み合わせて使用するようにしてもよい。
また、ポリオレフィンは、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂や、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−メチルアクリレート共重合体などのエチレン系共重合体等が挙げられる。中でも、熱収縮率と成形性との観点から、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、またはこれらの混合物を用いることが好ましい。
本発明の製造方法で用いられるポリエチレン系樹脂としては、一般に、密度が0.94g/cmを超える高密度ポリエチレン(HDPE)、密度が0.92〜0.94g/cmの中密度ポリエチレン樹脂(MDPE)、密度が0.92g/cm未満の低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)及び直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)等が挙げられ、中密度ポリエチレン樹脂(MDPE)、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)及び直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)を使用することが好ましい。また、この中でも、延伸性、耐衝撃性、透明性等の観点からは、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)を使用することが特に好ましい。
前記した直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)としては、エチレンと炭素数3以上20以下、好ましくは炭素数4以上12以下のα−オレフィンとの共重合体が挙げられる。α−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−へキセン、1−へプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン等が例示される。この中でも1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンが好適に用いられる。また、共重合するα−オレフィンは、その1種のみを単独で使用してもよく、また、2種以上を組み合わせて使用するようにしてもよい。
また、ポリプロピレン系樹脂としては、例えば、プロピレンの単独重合体(ポリプロピレン)、プロピレンを主成分とする、プロピレンと他のモノマーとの共重合体などが挙げられ、単独で用いられても、2種以上が併用されてもよい。なお、プロピレンを主成分とする、プロピレンと他のモノマーとの共重合体は、ブロック共重合体、ランダム共重合体、ランダムブロック共重合体の何れであってもよい。
前記したプロピレンを主成分とする、プロピレンと他のモノマーとの共重合体としては、プロピレン−α−オレフィン共重合体が好適に用いられる。なお、α−オレフィンとしては、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテンなどが挙げられ、エチレンが好ましい。
使用されるポリオレフィンの重量平均分子量は、例えば、50000〜1000000g/molとすることが好ましく、100000〜700000g/molとすることが特に好ましい。
使用されるゴム成分とポリオレフィン成分の配合比としては、ゴム成分を主成分として、ゴム/ポリオレフィン=85/15〜50/50の範囲内とすることが好ましい。ゴム成分とポリオレフィン成分をかかる範囲内とすることにより、ゴム成分が海、ポリオレフィン成分が島の海島構造の相状態を効率よく発現する。一方、ポリオレフィン成分の成分比が15より小さいと高強度化の発現が困難であり、ポリオレフィン成分の成分比が50を超えると変形回復性の発現が困難となる。ゴム成分とポリオレフィン成分の配合比としては、ゴム/ポリオレフィン=80/20〜70/30の範囲内とすることが特に好ましい。
本発明の製造方法にあって、かかるゴム成分とポリオレフィン成分は、有機過酸化物系架橋剤の存在により架橋される。架橋剤として有機過酸化物系のものを使用することにより、機械的強度に優れる複合体を提供可能となる一方、硫黄等を架橋剤として使用した場合は、有機過酸化物系架橋剤を使用した場合と比較して、機械的強度に劣るものとなる。有機過酸化物系架橋剤(以下、単に「架橋剤」とする場合もある。)としては、例えば、1,3−ビス(第3ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル2,5(第3ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、ジクミルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、1,1−ジテレブチルパーオキシ3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル2,5−ジベンゾイルパーオキシヘキサン、n−ブチル4,4−ジテレブチルパーオキシバレレート、テレブチルパーオキシベンゾエイト、ジテレブチルパーオキシジイソプロピルベンゼン、テレブチルクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル2,5−ジテレブチルパーオキシヘキサン、ジテレブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル2,5−ジテレブチルパーオキシヘキシン3等が挙げられる。これらの架橋剤は、その1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
有機過酸化物系架橋剤の添加量は、ゴム成分の100質量部に対して1.0〜5.0質量部となるよう添加することが好ましい。添加量が1.0質量部よりも少ない場合には、ゴム分子間の架橋が不十分となる場合があり、5.0質量部を超えると、弾性が低下し、ゴム状とならないおそれがある。また、架橋に使用されず残留した架橋剤によるブルームが発生する場合がある。有機過酸化物系架橋剤の添加量は、ゴム成分の100質量部に対して1.0〜3.0質量部となるよう添加することが特に好ましい。
また、本発明の製造方法にあっては、前記した有機過酸化物系架橋剤の架橋効率を向上させるために、必要により架橋助剤(架橋促進剤)を用いることが好ましい。架橋助剤は、架橋剤とともに作用して、少量で架橋速度を増進させるものである。架橋助剤としては、例えば、ステアリン酸、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)、トリメタリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、N,N−m−フェニレンジマレイミド、ビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン、2,2−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン、N,N’−(4,4’−ジフェニルメタン)ビスマレイミド等が挙げられる。これらの架橋助剤は、その1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。架橋助剤の添加量は、ゴム成分の100質量部に対して、0.5〜5.0質量部となるよう添加することが好ましく、1.0〜3.0質量部となるよう添加することが特に好ましい。
また、ゴムとポリオレフィンには、本発明の目的及び効果を妨げない範囲において、従来公知の添加剤を添加するようにしてもよい。使用可能な添加剤としては、例えば、顔料、紫外線吸収剤、安定化剤、分散剤、酸化防止剤、艶消し剤、界面活性剤、帯電防止剤、シリカ、アルミナといった充填材、表面改質剤及び加工助剤等の各種添加剤が挙げられ、それらの分散性が損なわれない範囲において添加することができる。
本発明に係る製造方法では、樹脂成分であるゴム成分とポリオレフィン成分、及び有機過酸化物系架橋剤、並びに必要により架橋助剤や各種添加剤を溶融混練して、ゴム成分が海、ポリオレフィン成分が島の海島構造の相状態を発現するように成形する。このように、ゴム成分が海、ポリオレフィン成分が島の海島構造の相状態を発現するように成形するには、例えば、下記の(1)〜(3)の工程を含んだ工程で溶融混練を行うようにすればよい。
(1)樹脂成分の溶融混練工程(第1工程):
第1工程では、ゴム成分とポリオレフィン成分を、ポリオレフィン成分の溶融温度付近で加熱して溶融混練する。これにより、2つの成分(樹脂成分)が良好に溶融混練される。溶融混練するための加熱温度は、ポリオレフィン成分の溶融温度〜170℃とすることが好ましい、ポリオレフィン成分の溶融温度より低いと、ポリオレフィン成分が溶融状態とならず、2つの成分が良好に溶融混練されない場合がある。一方、170℃を超えると、ゴム成分が焼けてしまい、外観に悪影響を及ぼす場合があり、また、それにより着色性も悪くなる。加熱温度は、120〜160℃とすることが特に好ましい。第1工程における加熱時間は、特に制限はないが、概ね、5〜30分とすることが好ましく、10〜20分とすることが特に好ましい。なお、グレード等により多少異なるが、前記したポリオレフィン成分のうち、一般に、ポリエチレンは110〜120℃、直鎖状低密度ポリエチレンは115〜125℃、ポリプロピレンは160〜170℃が溶融温度とされている。
(2)架橋剤の添加及び溶融混練工程(第2工程):
第2工程では、前記した第1工程の後、有機過酸化物系架橋剤及び必要により架橋助剤を添加してさらにポリオレフィン成分の溶融温度付近で加熱して溶融混練する。これにより、溶融混練状態のゴム成分とポリオレフィン成分に架橋剤等が溶融混練される。本工程にあっては、溶融混練状態の両成分に架橋剤を積極的に反応させるというよりは、混練してなじませる意味合いであるため、溶融混練するための温度は、100〜130℃とすることが好ましい。温度が100℃より低いと2つの成分が良好に溶融混練されない場合がある。一方、130℃を超えると、この工程で架橋剤が過度に反応して、架橋が必要以上に進んでしまい、ゴム成分が海、ポリオレフィン成分が島の海島構造の相状態を発現することに悪影響を及ぼす場合がある。加熱温度は、110〜120℃とすることが特に好ましい。なお、加熱時間は、特に制限はないが、概ね、5〜30分とすることが好ましく、10〜20分とすることが特に好ましい。
なお、任意成分を添加する工程については、特に制限はなく、溶融混練を実施する工程(第1工程、第2工程等)で添加するようにすればよい。また、後記する、第2工程と第3工程の間の工程で添加するようにしてもよい。
(3)架橋剤反応工程:
第3工程では、第2工程で得られた溶融混練物を加熱保持成形し、冷却して成形体とする。本工程では、樹脂成分及び有機過酸化物系架橋剤等を溶融混練した混合物を、例えば、熱板プレス等で挟み込んで静的に加熱保持することにより、架橋反応を効率よく進行させ、ゴム成分とポリオレフィン成分を強固に結合させることができ、ゴム成分が海、ポリオレフィン成分が島の海島構造の相状態を確実に発現するようにする。溶融混練するための温度は、有機過酸化物系架橋剤が十分に反応する温度で実施すればよいが、140〜170℃とすることが好ましい。温度が140℃より低いと有機過酸化物系架橋剤の反応に時間がかかる場合がある一方、170℃を超えると、前記した第1工程と同様、ゴム成分が焼けてしまい、外観に悪影響を及ぼす場合があり、また、それにより着色性も悪くなる。加熱温度は、150〜160℃とすることが特に好ましい。なお、加熱時間は、架橋剤が樹脂成分と反応するために十分な時間であれば特に制限はないが、概ね、30〜90分とすることが好ましく、50〜70分とすることが特に好ましい。
次に、本発明の製造方法で発現される海島構造について説明する。一般に、ゴム成分の粘度と体積分率をη、φとし、ポリオレフィン(プラスチック)成分の粘度と体積分率をη、φとすると、式(I)が1を超えると、ポリオレフィン成分が海、ゴム成分が島の海島構造、1より小さいとゴム成分が海、ポリオレフィン成分が島の海島構造の相状態を発現することになり(なお、式(I)=0の場合は相互連結構造とよばれる、海相(分散相)同士で結合し始める構造となる。)、かかる式(I)からどちらの成分が海(分散)相あるいは島相となるのかが判断できる。
通常のゴム−ポリオレフィン複合体にあっては、式(I)>1であり、ポリオレフィン成分が海、ゴム成分が島の海島構造の相状態を発現する。両成分について架橋剤を用いて溶融混練した場合には、溶融混練初期には、樹脂成分全体に対して質量比が高いマトリックス相(海)がゴム成分、分散相(島)がポリオレフィン(プラスチック)成分の相状態となり、架橋剤を添加することにより、ゴム成分が凝集し、ポリオレフィン成分が結合し始めることになる。そして、架橋剤の投入後は温度を架橋温度まで上昇させたうえで溶融混練を行うことにより、ゴムの粘度ηが増加する。また、バンバリーミキサーによる高剪断場ではプラスチック成分の鎖は機械的に切断され、ηが減少するため、式(I)>1となる。挙動的には、ゴムの粘度が増加してゴム成分はさらに凝集し、また、ポリオレフィン成分がさらに結合して広がり、相反転が起こり、マトリックス相(海)がポリオレフィン成分、分散相(島)がゴム成分の相状態となる。
一方、前記した(1)〜(3)の工程では、(1)主成分であるゴムは質量比が高いため、海相を形成し、(2)架橋剤の反応性が低い温度下で、かつ一軸剪断による低剪断場での混練によって、ゴムの粘度(粘性)が向上せず(2成分の粘度差が生じず)、(3)溶融混練を実施せず、プレス加熱等により加熱して架橋反応を静的に行うことで、相反転が起こらず、通常とは逆の、ゴム成分が海、ポリオレフィン成分が島の海島構造の相状態を発現することになる。
成形されるゴム−ポリオレフィン混合体の形状については特に制限はないが、後工程で延伸させる場合があることを考慮すれば、延伸しやすいフィルム状に成形することが好ましい。フィルムの厚さは、100〜3000μmとすることが好ましく、800〜1200μmとすることが特に好ましい。なお、本発明において、「フィルム」は、「シート」を含むものとする。
なお、必要により、前記の第2工程と第3工程の間に、前記した第2工程よりも高い加熱温度(例えば130〜140℃)で溶融混練する工程を設けるようにしてもよい。加熱時間は、30秒〜5分とすることが好ましく、1分〜3分とすることが特に好ましい。
得られたゴム−ポリオレフィン複合体は、ゴム成分が海、ポリオレフィン成分が島となる海島構造を発現するが、かかる複合体を延伸させた後、応力がゼロになるまで回復させることにより、引っ張り強度等の機械的強度が向上し、優れた機械的強度を有するゴム−ポリオレフィン複合体(ゴム製品)となる。
延伸は、一軸、二軸、同時、逐次等公知の延伸処理を用いることができる。延伸倍率は、100%を超えて800%以下の範囲内とすることが好ましい。延伸倍率が100%を下回ると、前記した機械的強度の向上が発現しない場合があり、延伸倍率が800%を超えると、倍率が高すぎて複合体が破断等する場合がある。延伸倍率は、150〜600%の範囲内とすることがさらに好ましく、200〜500%の範囲内とすることが特に好ましい。
以上説明したように、本発明に係るゴム−ポリオレフィン複合体の製造方法によれば、ゴム成分とポリオレフィン成分を有機過酸化物系架橋剤とともに溶融混練し、ゴム成分が海、ポリオレフィン成分が島の海島構造の相状態を発現するように成形するという簡便な操作で、延伸−回復操作により優れた機械的強度を有するゴム製品を提供することができる。また、本発明の製造方法で得られた複合体は、カーボンブラック等の着色成分を使用しないため、着色性にも問題がなく、カラーバリエーションを有し、環境にも優しいゴム製品となる。
なお、本発明に係る製造方法で得られたゴム−ポリオレフィン複合体は、前記したように、延伸させた後、回復させることにより引っ張り強度等の機械的強度が向上し、優れた機械的強度を有することになるが、得られた複合体を延伸−回復することで、島部分のポリオレフィン成分の縮れが伸び、ポリオレフィン成分の島相が配向することで、延伸時の島相へのより強い応力集中が可能となり、機械的強度が向上し、優れた機械的特性を示すことになる。
以下、実施例に基づき本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例に何ら限定されるものではない。
[実施例1〜実施例5]
ゴム−ポリオレフィン複合体の製造(1):
ゴム成分として天然ゴム(NR、化学式:(CH−CCH=CH−CH)、ポリオレフィン成分として直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE、化学式:(CH2−CH2)n)を用い、下記の方法を用いてゴム−ポリオレフィン複合体を製造した。使用したゴム成分、ポリオレフィン成分に加えて、有機過酸化物系架橋剤、架橋助剤の成分組成比を表1に示す。表1中、天然ゴム(NR)と直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)は、両者の合計を100とした場合に対する含有量(質量%)、有機過酸化物系架橋剤であるジクミルパーオキサイド(DCP)及び架橋助剤であるトリアリルイソシアヌレート(TAIC)は、ゴム成分(天然ゴム(NR))を100質量部とした場合の質量部、をそれぞれ示す。
(成分組成比)
なお、使用した材料のうち、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)は、ウルトゼックス UZ15220L(重量平均分子量 300000g/mol、(株)プライムポリマー製)、ジクミルパーオキサイドはパークミルD−40(日本油脂(株)製)、トリアリルイソシアヌレートは、タイク(登録商標)(日本化成(株)製)をそれぞれ使用し、天然ゴムは、市販の高アンモニア天然ゴム(HANR)ラテックスを使用した。また、材料を溶融混練する装置として、微量混練射出形成機(IMC−18DE(株)井元製作所製)(以下、「混練機」とする場合もある。)、溶融混練した混合物をフィルム状にするために市販の加熱プレス機を使用した。
(1)溶融混練及びフィルム化:
混練機に天然ゴムと直鎖状低密度ポリエチレンを投入し、直鎖状低密度ポリエチレンが溶融する温度である120℃で20分間溶融混練を行った(回転数 80rpm)。次に、有機過酸化物系架橋剤であるジクミルパーオキサイド(DCP)及び架橋助剤であるトリアリルイソシアヌレート(TAIC)を入れて、120℃で20分間溶融混練した。さらに、140℃まで上昇させ、3分間の溶融混練を行った後、得られた溶融混練物を、設定温度を160℃とした熱プレスの天板で挟んで1時間加熱押圧して、厚さが約1000μmのフィルム状のゴム−ポリオレフィン複合体(複合体1)を製造した。
(TEMによる観察)
得られたフィルム状のゴム−ポリオレフィン複合体(以下、単に「複合体」とする場合もある。)を透過型電子顕微鏡(TEM)により観察した。図1は、実施例3で得られた複合体(複合体1)のTEM観察像を示した図である。なお、成分高分子のうちゴム成分(天然ゴム)のみを黒く染色している(以下のTEM観察像について同じ。)。図1に示すように、複合体1は、ゴム成分(天然ゴム)を海相、ポリオレフィン成分(直鎖状低密度ポリエチレン)を島相とした海島構造を形成していることが確認できた。
(2)延伸−回復工程
(1)で得られたフィルム状のゴム−オレフィン複合体を、JIS K6251−7号に準拠してダンベル状の試料とした。この試料を市販の引張試験機に取り付け、引張速度を10mm/分として、500%延伸させた後(一軸方向。以下、延伸について同じ。)に応力がゼロに戻るまで変形を戻して複合体2とした。
図2は、実施例3で得られた複合体(複合体2)のTEM観察像を示した図である。図2に示すように、延伸−回復させた複合体は、複合体1と同様、ゴム成分(天然ゴム)を海相、ポリオレフィン成分(直鎖状低密度ポリエチレン)を島相とした海島構造を形成していることが確認できた。また、図2により、複合体1を延伸−回復することで得られた複合体2にあっては、ポリオレフィン成分(直鎖状低密度ポリエチレン)の島相が配向していることが確認できた。さらに、延伸過程があるにもかかわらず複合体2ではゴム成分とポリオレフィン成分との剥離が全く確認できなかった。これは、有機過酸化物系架橋剤を用いたことによって、両成分間が強固に結合しているものと考えられる。
また、図3は、図1及び図2のTEM観察像の拡大図である。延伸により島部分の直鎖状低密度ポリエチレンの縮れが伸びていることが確認できた。なお、図1ないし図3に示した、ゴム成分(天然ゴム)を海相、ポリオレフィン成分(直鎖状低密度ポリエチレン)を島相とした海島構造は、他の実施例でも形成していた。
[試験例1]
応力−歪み曲線の作成:
図4は、実施例3の複合体1、複合体2、ゴム成分である天然ゴム(NR)単体とポリオレフィン成分である直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)単体の応力−歪み曲線を示した図である。複合体1はNR単体以上の破断応力を示したのに対し、延伸−回復工程を施した複合体2はLLDPE単体に匹敵する破断応力を示した。
[試験例2]
延伸−回復過程の観察(1):
実施例3で得られた複合体について、延伸−回復前の複合体(複合体1)に対して、複合体1を500%延伸させ(後記する図5の延伸前→点a)、応力がゼロになるまで回復させて複合体2として(図5の点a→点b)、及び複合体2を破断するまで延伸させた(図5の矢印c)場合における延伸−回復過程を観察した。結果を図5に示す。
図5は、実施例3で得られた複合体について、複合体2とする過程(延伸前→点a→点b)及び再度の延伸−破断(矢印c)での応力の立ち上がりを比較した図である。図5に示すように、複合体2とする過程(延伸前→点a→点b)で応力の立ち上がりが確認でき、また、複合体2を延伸する再度の延伸−破断(矢印c)でも立ち上がりが確認でき、再度の延伸−破断での立ち上がりの方が大きかった。一方、図6は、同様な操作をゴム成分である天然ゴム(NR)単体で行った結果である。図6に示すように、かかる応力の立ち上がりはなく、実施例3で得られた複合体特有のものであることが確認できた。
図7は、実施例3の複合体(複合体2)及びゴム成分である天然ゴム(NR)単体を500%延伸させて、応力がゼロになるまで回復させた場合における変形−回復過程を観察した図である。図7に示すように、複合体2を延伸−回復させた場合における歪みに着目すると、NR単体と同様に優れた変形回復性を持つことが示された。
複合体の成分であるゴム成分とポリオレフィン成分が延伸時の応力に対してどの様に依存しているのかを確認するために、実施例3で得られた複合体1、複合体2、ゴム成分である天然ゴム(NR)単体、及びポリオレフィン成分である直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)単体を300%で延伸した状態における広角X線回折(WARD)を測定した。WARDの測定結果を図8に示す。
図8に示すように、複合体1(図8(a))及び複合体2(同(b))の像はともにNR単体(同(c))及びLLDPE単体(同(d))の像におけるパターンを有しているが、複合体2の像にはLLDPE単体のパターンがより強く現われている。なお、図8(e)は500%で延伸されたNR単体の像であるが、複合体2は300%で延伸されたNR単体では現れない、500%で延伸されたNR単体で現われる外径上のスポットが確認された。以上より、図5における複合体2とすることの応力上昇は、配向した島相へより大きな応力が集中し、その界面のゴム成分がその応力をより受けることにより発現されたものと考えられる。
[試験例3]
延伸−回復過程の観察(2):
次に、延伸倍率と高強度化の発現との関係を確認するため、実施例3で得られたゴム−ポリオレフィン複合体について、前記した試験例2と同様に、延伸−回復前の複合体(複合体1)について、複合体1を400%、500%、600%、800%延伸させ(図5の延伸前→点aと同様)、応力がゼロになるまで回復させて複合体2として(図5の点a→点bと同様)、及び複合体2を破断するまで延伸させた(図5の矢印cと同様)場合の延伸−回復過程を観察した。結果を図9及び図10に示す。
図9は、複合体2とする過程(図5における延伸前→点a→点bと同様。以下、「複合体2とする過程」について同じ。)で応力の立ち上がりを比較した図、図10は、再度の延伸−破断(図5における矢印cと同様。以下、「再度の延伸−破断」について同じ。)での応力の立ち上がりを比較した図である。複合体2とする過程での応力の立ち上がり、及びそれよりも大きい再度の延伸−破断での応力の立ち上がりは、図5に示したと同様な状態で全ての延伸倍率について観察され、複合体2とすることによる応力上昇が確認できた。また、図9に示すように、複合体2とする過程で応力の立ち上がりは、延伸倍率が高いほど大きかった。同様に、図10に示すように、再度の延伸−破断での応力の立ち上がりも、延伸倍率が高いほど大きかった。
[試験例4]
延伸−回復過程の観察(3):
また、実施例5で得られたゴム−ポリオレフィン複合体について、延伸−回復前の複合体(複合体1)に対して、前記した方法と同様に、複合体1を200%延伸させ(図5の延伸前→点aと同様)、応力がゼロになるまで回復させて複合体2として(図5の点a→点bと同様)、及び複合体2を破断するまで延伸させた(図5の矢印cと同様)場合の延伸−回復過程を観察した。結果を図11及び図12に示す。
図11は、複合体2とする過程で応力の立ち上がり及び再度の延伸−破断での応力の立ち上がりを比較した図である。図11に示すように、複合体2とする過程での応力の複合体2とする過程での応力の立ち上がり、及びそれよりも大きい再度の延伸−破断での応力の立ち上がりを確認した。また、図12は、複合体1と複合体2について破断するまで延伸した場合での応力の立ち上がりを観察した図である。図12に示すように、立ち上がり応力は、複合体2の方が大きかった。
[試験例5]
延伸−回復過程の観察(4):
次に、ゴム成分/ポリオレフィン成分の組成比と高強度化の発現との関係を確認するため、実施例1ないし実施例5で得られたゴム−ポリオレフィン複合体について、前記した試験例2と同様に、延伸−回復前の複合体(複合体1)に対して、複合体1を500%延伸させ(図5の延伸前→点aと同様)、応力がゼロになるまで回復させて複合体2として(図5の点a→点bと同様)、及び複合体2を破断するまで延伸させた(図5の矢印cと同様)場合の結果である。結果を図13及び図14に示す。
図13は、複合体2とする過程で応力の立ち上がりを比較した図、図14は、再度の延伸−破断での応力の立ち上がりを比較した図である。図13に示すように、試験した範囲では、複合体2とする過程応力の立ち上がり、及びそれよりも大きい再度の延伸−破断での応力の立ち上がりは、図5に示したと同様な状態で、組成比についてポリオレフィン成分が15以上(実施例2〜実施例5)について観察され、複合体2とすることによる応力上昇が確認できた。また、図13に示すように、複合体2とする過程で応力の立ち上がりは、ポリオレフィンの組成比が大きいほど大きかった。同様に、図14に示すように、再度の延伸−破断での応力の立ち上がりも、ポリオレフィンの組成比が大きいほど大きかった。
[実施例6]
ゴム−ポリオレフィン複合体の製造(2):
ポリオレフィン成分として直鎖状低密度ポリエチレンの代わりにポリプロピレン(PP、化学式:(CH−CCH=CH−CH)とした以外は、実施例2と同じ組成で、下記の方法によりゴム−ポリオレフィン複合体を製造した。
混練機に天然ゴムとポリプロピレンを投入し、ポリプロピレンが溶融する温度である175℃で10分間溶融混練を行った(回転数 80rpm)。次に、有機過酸化物系架橋剤であるジクミルパーオキサイド(DCP)及び架橋助剤であるトリアリルイソシアヌレート(TAIC)を入れて、120℃で10分間溶融混練した。さらに、140℃まで上昇させ、3分間の溶融混練を行った後、得られた溶融混練物を、設定温度を175℃とした熱プレスの天板で挟んで10分間加熱押圧して、厚さが約1000μmのフィルム状のゴム−ポリオレフィン複合体を製造した。実施例6で得られた複合体は、ゴム成分(天然ゴム)を海相、ポリオレフィン成分(ポリプロピレン)を島相とした海島構造を形成していた。
[試験例6]
延伸−回復過程の観察(5):
実施例6で得られたゴム−ポリオレフィン複合体について、前記した試験例2と同様に、延伸−回復前の複合体(複合体1)に対して、複合体1を500%延伸させ(図5の延伸前→点aと同様)、応力がゼロになるまで回復させて複合体2として(図5の点a→点bと同様)、及び複合体2を破断するまで延伸させた(図5の矢印cと同様)場合の延伸−回復過程を観察した。結果を図15に示す。
図15は、実施例6で得られたゴム−ポリオレフィン複合体について、複合体2とする過程及び再度の延伸−破断での応力の立ち上がりを観察した図である。図15に示すように、複合体2とする過程で応力の立ち上がりが確認でき、また、再度の延伸−破断ではそれよりも大きい応力の立ち上がりが確認できた。
また、図16は、再度の延伸−破断での応力について、同じ配合比でポリオレフィン成分が直鎖状低密度ポリエチレンである実施例2と比較した図である、図16に示すように、再度の延伸−破断への立ち上がり応力は、ポリオレフィン成分をポリプロピレンとした実施例6の方が大きかった。
なお、実施例6で得られた複合体にあっては、外観が若干茶色くなっていた。これは、溶融混練等における温度が175℃であったため、NRが分解したためによるものと考えられる。
本発明は、高い機械的強度を有するとともに、低コスト、多彩なカラーバリエーション及び環境性に優れたゴム製品を製造する方法として有利に使用することができる。

Claims (3)

  1. 主成分となるゴム成分とポリオレフィン成分を有機過酸化物系架橋剤とともに溶融混練し、ゴム成分が海、ポリオレフィン成分が島の海島構造の相状態を発現するように成形するに際し、前記成形が、下記(1)〜(3)の工程を含んで行われ、
    (1)ゴム成分とポリオレフィン成分を、ポリオレフィン成分の溶融温度〜175℃で加熱して溶融混練する第1工程
    (2)第1工程の後、架橋剤を添加してさらに100〜130℃で加熱して溶融混練する
    第2工程
    (3)第2工程で得られた溶融混練物を140〜175℃の温度で加熱保持し、冷却して成形体とする第3工程
    得られた前記成形体について延伸させた後、応力がゼロになるまで回復させることを特徴とするゴム−ポリオレフィン複合体の製造方法。
  2. 前記延伸における延伸倍率が100%を超えて800%以下であることを特徴とする請
    求項に記載のゴム−ポリオレフィン複合体の製造方法。
  3. 前記ゴム成分と前記ポリオレフィン成分の組成比がゴム/ポリオレフィン=85/15〜50/50の範囲内であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のゴム−ポリオレフィン複合体の製造方法。
JP2012111021A 2012-05-14 2012-05-14 ゴム−ポリオレフィン複合体の製造方法 Active JP6032636B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012111021A JP6032636B2 (ja) 2012-05-14 2012-05-14 ゴム−ポリオレフィン複合体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012111021A JP6032636B2 (ja) 2012-05-14 2012-05-14 ゴム−ポリオレフィン複合体の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013237760A JP2013237760A (ja) 2013-11-28
JP6032636B2 true JP6032636B2 (ja) 2016-11-30

Family

ID=49763071

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012111021A Active JP6032636B2 (ja) 2012-05-14 2012-05-14 ゴム−ポリオレフィン複合体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6032636B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6676366B2 (ja) * 2015-12-22 2020-04-08 Toyo Tire株式会社 耐空気透過性フィルム及び空気入りタイヤの製造方法
JP7276761B2 (ja) * 2018-05-17 2023-05-18 国立大学法人 熊本大学 硬質・軟質積層構造材料及びその製造方法

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5796032A (en) * 1980-12-05 1982-06-15 Nippon Zeon Co Ltd Oil- and ozone-resistant rubber composition
JP3002004B2 (ja) * 1990-08-31 2000-01-24 株式会社ブリヂストン 空気入りタイヤ
JPH04164940A (ja) * 1990-10-29 1992-06-10 Toyoda Gosei Co Ltd ゴム組成物
JP3601569B2 (ja) * 1997-03-26 2004-12-15 株式会社ブリヂストン 樹脂強化エラストマー、その製造方法、及びそれを用いた空気入りタイヤ
US5939464A (en) * 1997-05-02 1999-08-17 Advanced Elastomer Systems, L.P. High elasticity foams
JP3999117B2 (ja) * 2001-12-20 2007-10-31 株式会社クラレ ゴム組成物、架橋性ゴム組成物および架橋物

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013237760A (ja) 2013-11-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TW464672B (en) Foamable olefin thermoplastic elastomer compositions
Svoboda et al. Elastic properties of polypropylene/ethylene–octene copolymer blends
Khodabandelou et al. Effect of localization of carbon nanotubes on fracture behavior of un-vulcanized and dynamically vulcanized PP/EPDM/MWCNT blend-nanocomposites
Mészáros et al. EB-promoted recycling of waste tire rubber with polyolefins
ES2748018T3 (es) Composición de elastómero termoplástico hecho de un elastómero, una poliolefina no elastomérica y un elastómero termoplástico a base de copolímero en bloque de poliolefina
CN106317901A (zh) 一种改性纳米复合硅胶密封圈及其制备
JP6824936B2 (ja) 組成物、組成物から生産された熱可塑性加硫物および組成物から生産された物
US10442879B2 (en) Propylene-based impact copolymers
Cañavate et al. Formulations for thermoplastic vulcanizates based on high density polyethylene, ethylene-propylene-diene monomer, and ground tyre rubber
WO2015016266A1 (ja) 熱可塑性樹脂組成物並びにそれを用いたタイヤ及びホース
CN105694224A (zh) 耐热性热塑性弹性体及其制备方法
JP6032636B2 (ja) ゴム−ポリオレフィン複合体の製造方法
Munusamy et al. Ethylenevinyl acetate/natural rubber/organoclay nanocomposites: effect of sulfur and peroxide vulcanization
WO2014136642A1 (ja) 樹脂複合材料の製造方法及び樹脂複合材料
JPWO2014181696A1 (ja) 合成樹脂系延伸フィルム
CN107345027A (zh) 一种超高抗冲强度聚丙烯复合材料及其制备方法
JP2011513545A (ja) 合成樹脂材料の配合方法、合成樹脂材料
JP5259384B2 (ja) 熱可塑性エラストマー組成物、その製造方法および成形体
JP2016520685A (ja) ポリ塩化ビニルをベースとする熱可塑性プラスチックを含み、かつヒドロキシ基で変性された、架橋されたnbrミクロゲルを含む組成物
JP3757608B2 (ja) 高耐熱熱可塑性エラストマー組成物
KR101256857B1 (ko) 재생 폴리프로필렌을 사용한 고무복합체 방수시트
Prut et al. The role of functional polymers in rubber powder/thermoplastic composites
CN109640727B (zh) 外底及鞋
JP3910313B2 (ja) 表皮部材用樹脂組成物及びその積層体
JP2006265367A (ja) 防水シート

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150422

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160229

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160322

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160519

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20161012

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20161017

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6032636

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250