JPH11269330A - 高耐熱熱可塑性エラストマー組成物 - Google Patents

高耐熱熱可塑性エラストマー組成物

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JPH11269330A
JPH11269330A JP7258998A JP7258998A JPH11269330A JP H11269330 A JPH11269330 A JP H11269330A JP 7258998 A JP7258998 A JP 7258998A JP 7258998 A JP7258998 A JP 7258998A JP H11269330 A JPH11269330 A JP H11269330A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性に優れており、150℃以上の高温下
でも反発弾性および引張特性に優れ、しかも柔軟性およ
び成形性に優れ、かつ熱融着も可能な高耐熱熱可塑性エ
ラストマー組成物を提供する。 【解決手段】 4−メチル−1−ペンテン系重合体
(A)20〜95重量%、および平均粒径100μm以
下の架橋ゴム(B)5〜80重量%を含む組成物であっ
て、4−メチル−1−ペンテン系重合体(A)中に架橋
ゴム(B)粒子が分散している高耐熱熱可塑性エラスト
マー組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、重合体中に架橋ゴ
ム粒子が分散している高耐熱熱可塑性エラストマー組成
物に関する。さらに詳細には、4−メチル−1−ペンテ
ン系重合体の特徴である耐熱性、離型性を備え、かつ柔
軟性にも優れた高耐熱熱可塑性エラストマー組成物に関
する。
【0002】
【従来の技術】架橋ゴムは優れた柔軟性と耐熱性を備え
ているが、成形性に問題があり、例えば射出成形する場
合、ゴムに添加剤を配合、混練し、金型内に供給後、架
橋する必要があるため、特殊な成形機を必要とし、成形
サイクル時間が長くかつ工程が煩雑であるという問題が
ある。押出成形においても同様な問題があり、架橋ゴム
製品を大量生産する上での問題となっている。また架橋
ゴムはいったん成形、架橋した後は、加熱しても溶融し
ないため、融着して接合するなどの後加工ができないと
いう問題点もある。
【0003】例えば、ゴムホースの製造時にホース内面
の真円度、寸法精度を高めるために使用されるマンドレ
ル(円棒、心材)は、ホースの製造工程中にドラムに巻
くために柔軟性が必要であるとともに、ホースの架橋工
程で150℃以上、望ましくは160〜180℃の高温
に曝されても変形しない耐熱性が要求される。またホー
スを架橋した後に切断したマンドレルを再使用するため
には、マンドレル同士を融着して接合する必要がある。
【0004】従来のマンドレルの素材としてはポリアミ
ド、ポリエチレンテレフタレート、4−メチル−1−ペ
ンテン系重合体などの高融点樹脂、エチレン・プロピレ
ンゴムなどの架橋ゴムが使用されているが、従来の高融
点樹脂は硬いため、直径20mm程度以上の径の太いマ
ンドレルの素材としては使用できない。一方、エチレン
・プロピレンゴムなどの架橋ゴムは柔軟性、耐熱性は優
れているが、マンドレル同士を融着によって接合するこ
とができず、再利用が困難であるほか、寸法精度が悪い
などの欠点がある。
【0005】高融点樹脂の柔軟性を改良するため、軟化
剤のブレンドが検討された。例えば、4−メチル−1−
ペンテン系重合体にオイルをブレンドすると柔軟性は向
上するが、オイルがマンドレル表面にブリードアウトし
てゴムホースの内面を汚染するという問題がある。
【0006】また架橋しないで成形でき、かつ架橋ゴム
類似の性能を有する素材によるゴム代替が検討されてき
た。このような性能を有する素材の中で軟質塩化ビニル
樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合体、低密度ポリエチ
レン等の軟質プラスチックは成形性が良好であり、かつ
柔軟性に富んでいるが、反発弾性が劣り、また130℃
以上の高温下では溶融してしまうなどの欠点がある。そ
こで、架橋ゴムと軟質プラスチックの中間の性能を有す
る素材としていわゆる熱可塑性エラストマーの開発が進
められてきた。
【0007】このような熱可塑性エラストマーの例とし
て、特公昭56−15741号には、(a)ペルオキシ
ド架橋型オレフィン系共重合体ゴム90〜40重量部、
(b)ペルオキシド分解型オレフィン系プラステイック1
0〜60重量部(ここで(a)+(b)は100重量部
になるように選ぶ)、ならびに(c)ペルオキシド非架
橋型炭化水素系ゴム状物質および/または(d)鉱油系
軟化剤5〜100重量部からなる混合物を、有機ペルオ
キシドの存在下で動的に熱処理して得られる部分的に架
橋された熱可塑性エラストマー組成物が記載されてい
る。しかし、上記従来の熱可塑性エラストマー組成物は
150℃以下では柔軟性、反発弾性、引張特性に優れ、
良好な成形性も備えているが、150℃を越える高温下
では溶融するため、使用できないなど、耐熱性に問題が
ある。
【0008】したがって、柔軟でかつ150℃以上の高
温下で使用可能であり、しかも一般の樹脂のように熱融
着可能で、さらに軟化剤などの添加剤のブリードアウト
の無い素材、すなわち耐熱性の優れた熱可塑性エラスト
マーが望まれている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、耐熱
性に優れており、150℃以上の高温下でも反発弾性お
よび引張特性に優れ、しかも柔軟性および成形性に優
れ、かつ熱融着も可能な高耐熱熱可塑性エラストマー組
成物を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記高耐熱熱可塑性エラ
ストマーを得るため鋭意検討した結果、4−メチル−1
−ペンテン系重合体中に特定粒径の架橋ゴム粒子を特定
量分散させてなる熱可塑性エラストマー組成物は、15
0℃以上の高温下で使用可能な優れた耐熱性と柔軟性を
併せ持つことを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0011】すなわち、本発明は次の高耐熱熱可塑性エ
ラストマー組成物である。 (1)(A)4−メチル−1−ペンテン系重合体20〜
95重量%、および(B)平均粒径100μm以下の架
橋ゴム5〜80重量%を含む組成物であって、4−メチ
ル−1−ペンテン系重合体(A)中に架橋ゴム(B)粒
子が分散している高耐熱熱可塑性エラストマー組成物。 (2)4−メチル−1−ペンテン系重合体(A)が、4
−メチル−1−ペンテン含有量80〜99.9重量%、
炭素数2〜20のα−オレフィン含有量0.1〜20重
量%の4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィンラン
ダム共重合体である上記(1)記載の高耐熱熱可塑性エ
ラストマー組成物。 (3)α−オレフィンが、1−デセン、1−ドデセン、
1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセ
ンおよび1−エイコセンからなる群から選ばれる少なく
とも1種のα−オレフィンである上記(2)記載の高耐
熱熱可塑性エラストマー組成物。 (4)架橋ゴム(B)がエチレン・プロピレン・非共役
ポリエン共重合体ゴム、エチレン・プロピレンゴム、イ
ソプレンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、ブタジエン
ゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、アクリロニトリ
ル・ブタジエンゴム、塩素化ポリエチレンゴム、クロロ
スルホン化ポリエチレンゴム、アクリルゴム、エピクロ
ルヒドリンゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム、多硫化
ゴムおよびウレタンゴムからなる群から選ばれる少なく
とも1種のゴムの架橋物である上記(1)ないし(3)
のいずれかに記載の高耐熱熱可塑性エラストマー組成
物。
【0012】本発明で用いられる4−メチル−1−ペン
テン系重合体(A)は、4−メチル−1−ペンテンの単
独重合体、または4−メチル−1−ペンテンと他のα−
オレフィン、例えばエチレン、プロピレン、1−ブテ
ン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ド
デセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オ
クタデセン、1−エイコセン等の炭素数2〜20のα−
オレフィンとのランダム共重合体である。好ましい共重
合成分は、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセ
ン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセンまたは1−エ
イコセン等の炭素数10〜20のα−オレフィンであ
る。4−メチル−1−ペンテンと共重合するα−オレフ
ィンは二種類以上の混合物であってもよい。
【0013】4−メチル−1−ペンテン系重合体(A)
が共重合体の場合、4−メチル−1−ペンテンの含有量
が80〜99.9重量%、好ましくは90〜99.9重
量%、共重合成分の含有量が0.1〜20重量%、好ま
しくは0.1〜10重量%である4−メチル−1−ペン
テンを主体とした共重合体が好ましい。共重合成分の含
有量が上記範囲にある場合、より耐熱性に優れた組成物
が得られる。4−メチル−1−ペンテン系重合体(A)
としては4−メチル−1−ペンテンと炭素数10〜20
のα−オレフィンとのランダム共重合体が好ましい。
【0014】4−メチル−1−ペンテン系重合体(A)
は、ASTM D 1238に準じ荷重:5.0Kg、温
度:260℃の条件で測定したメルトフローレート(M
FR)が0.1〜200g/10分、好ましくは1〜1
50g/10分の範囲にあるものが望ましい。
【0015】4−メチル−1−ペンテン系重合体(A)
としては市販品を使用することもできる。具体的には、
三井化学(株)製のTPX MX001、MX002、
MX004、MX021、MX321、RT18または
DX845(いずれも商標)などがあげられる。また、
その他のメーカー製でも上記の要件を満たす4−メチル
−1−ペンテン系重合体であれば、好ましく使用可能で
ある。4−メチル−1−ペンテン系重合体(A)は1種
単独で使用することもできるし、2種以上を組み合せて
使用することもできる。
【0016】本発明で用いられる架橋ゴム(B)は平均
粒径100μm以下、好ましくは0.1〜50μmの架
橋されたゴムである。具体的な架橋ゴム(B)として
は、エチレン・プロピレン・非共役ポリエン共重合体ゴ
ム、エチレン・プロピレンゴム、イソプレンゴム、スチ
レン・ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレン
ゴム、ブチルゴム、アクリロニトリル・ブタジエンゴ
ム、塩素化ポリエチレンゴム、クロロスルホン化ポリエ
チレンゴム、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、
フッ素ゴム、シリコーンゴム、多硫化ゴムおよびウレタ
ンゴムからなる群から選ばれる少なくとも1種のゴムの
架橋物などがあげられる。これらの中ではエチレン・プ
ロピレン・非共役ポリエン共重合体ゴムまたはシリコー
ンゴムの架橋物が好ましい。架橋ゴム(B)は1種単独
で使用することもできるし、2種以上を組み合せて使用
することもできる。
【0017】本発明で用いられる架橋ゴム(B)は未加
硫のゴムを加硫などの方法により架橋した架橋ゴムであ
る。架橋するために用いる架橋剤としては公知の加硫剤
が使用でき、例えばイオウ、有機ペルオキシド、ポリア
ミン、ポリオール、シラン化合物、金属酸化物などがあ
げられる。架橋剤の使用量は未加硫のゴム100gに対
して通常0.001〜1モル程度であるが、架橋ゴムの
柔軟性および耐熱性からは0.005〜0.5モル程度
が好ましい。
【0018】架橋に際しては架橋速度を上げるため、あ
るいは架橋の効率を上げるために架橋助剤、架橋促進剤
を使用することもできる。架橋助剤、架橋促進剤の例と
しては、ジフェニルグアニジン等のアミン類;メルカプ
トベンゾチアゾール、テトラメチルチウラムジスルフィ
ド、N−シクロヘキシル−2−べンゾチアゾールスルフ
ェンアミド等のイオウ系化合物;トリアリルイソシアヌ
レート等の多官能モノマーなどがあげられる。
【0019】本発明で用いられる架橋ゴム(B)には通
常のゴムに添加されるカーボンブラック、シリカ、クレ
ー、タルクなどの補強剤または充填剤を配合しても良
い。補強剤または充填剤の配合量はゴム100重量部に
対して通常0〜500重量部程度であるが、柔軟性の点
から300重量部以下が好ましい。
【0020】また本発明で用いられる架橋ゴム(B)に
は通常のゴムに添加される鉱油、エステル系可塑剤、ワ
ックス、植物油、合成油などの軟化剤を配合しても良
い。軟化剤の配合量はゴム100重量部に対して通常0
〜300重量部程度であるが、耐熱性の点から200重
量部以下、さらに好ましくは100重量部以下が望まし
い。また本発明で用いられる架橋ゴム(B)には通常の
ゴムに添加される老化防止剤、抗酸化剤を配合しても良
い。さらにポリプロピレンなどのポリオレフィンを配合
してもよい。
【0021】本発明の高耐熱熱可塑性エラストマー組成
物中の4−メチル−1−ペンテン系重合体(A)の含有
量は20〜95重量%、好ましくは50〜90重量%、
架橋ゴム(B)の含有量は5〜80重量%、好ましくは
10〜50重量%である。
【0022】本発明の高耐熱熱可塑性エラストマー組成
物には、本発明の目的を損なわない範囲で、他の樹脂、
軟化剤、耐候安定剤、耐熱安定剤、スリップ剤、核剤、
顔料、染料、補強剤、充填剤、老化防止剤、抗酸化剤な
ど、通常ポリオレフィンまたはゴムに添加して使用され
る各種配合剤を他の成分として添加してもよい。
【0023】本発明の高耐熱熱可塑性エラストマー組成
物は、前記4−メチル−1−ペンテン系重合体(A)中
に前記架橋ゴム(B)の粒子が均一に分散している組成
物である。このため本発明の高耐熱熱可塑性エラストマ
ー組成物は耐熱性に優れており、150℃以上の高温下
でも反発弾性および引張特性に優れ、しかも柔軟性に優
ている。4−メチル−1−ペンテン系重合体(A)と前
記架橋ゴム(B)とが相溶している場合では、このよう
な特性は得られない。
【0024】本発明の高耐熱熱可塑性エラストマー組成
物は、前記4−メチル−1−ペンテン系重合体(A)中
に前記架橋ゴム(B)の粒子を均一に分散させることに
より製造することができる。4−メチル−1−ペンテン
系重合体(A)中に架橋ゴム(B)の粒子を均一に分散
させる方法としては、予め架橋した架橋ゴム(B)を調
製して平均粒径が100μm以下となるように粉砕した
後、この粒子を二軸押出機、バンバリーミキサーなどに
より4−メチル−1−ペンテン系重合体(A)と混練す
る方法;4−メチル−1−ペンテン系重合体(A)と未
架橋のゴム、架橋剤、その他の配合剤をブレンドした
後、二軸押出機、バンバリーミキサーなどにより高温で
ゴムを動的架橋するとともに平均粒径が100μm以下
となるように混練する方法などがあげられる。もちろ
ん、本発明の高耐熱熱可塑性エラストマー組成物の製造
方法が上述の方法に限定されるわけではない。
【0025】本発明の高耐熱熱可塑性エラストマー組成
物は、柔軟性に優れるとともに高い耐熱性を有してお
り、150℃以上の高温下でも反発弾性および引張特性
に優れている。このため、このような特性を必要とする
エラストマー素材として利用することができる。例え
ば、ゴムホースの加硫の際に使用するマンドレルの素材
として有用である。特に20mm以上の太い径のゴムホ
ースの加硫の際に使用するマンドレルの素材として有用
である。本発明の高耐熱熱可塑性エラストマー組成物か
らなるマンドレルは、20mm以上の太い径の場合で
も、柔軟性に優れているためドラムに容易に巻くことが
でき、しかもホースの架橋工程の温度、例えば150〜
180℃の高温に曝されても変形せず、さらに切断され
たマンドレルは融着して接合することにより再利用する
ことができるほか、ホースの内面を汚染することもな
い。
【0026】
【発明の効果】本発明の高耐熱熱可塑性エラストマー組
成物は、4−メチル−1−ペンテン系重合体中に特定の
平均粒径を有する架橋ゴムの粒子が特定量分散している
ので、耐熱性に優れており、150℃以上の高温下でも
反発弾性および引張特性に優れ、しかも柔軟性および成
形性に優れ、かつ熱融着も可能である。
【0027】
【発明の実施の形態】以下本発明の高耐熱熱可塑性エラ
ストマー組成物について実施例で説明するが、本発明は
これらの実施例になんら限定されるものではない。実施
例で使用した熱可塑性エラストマー組成物は下記の条件
で作製した。また実施例に示した物性の測定方法および
条件は下記の通りである。
【0028】《熱可塑性エラストマー組成物中の架橋ゴ
ムの粒径測定》電子顕微鏡により、熱可塑性エラストマ
ー組成物の断面を5000倍に拡大した写真を撮影し、
画像解析により、分散した架橋ゴム成分の平均粒径を測
定した。 《曲げ弾性率の測定》ASTM D790により、熱可
塑エラストマー組成物の厚さ2mmのシートの曲げ弾性
率を測定した。 《たわみ量(熱たわみ試験)》図1に示すように、厚さ
2mm、長さ120mm、幅20mmの試験片1の一方
の端部2を、固定台3とクランプ4とで挟持し、170
℃で5時間保持した後、試験片1の他方の端部5のたわ
み量D(mm)を測定した。
【0029】《高温圧縮歪み(熱クリープ試験)》作製
した直径20mmのマンドレルを長さ15mmに切断
し、170℃、10kg荷重で5時間圧縮した時の歪み
率(歪み/15mm×100%)を測定した。 《マンドレルの融着試験》特開平8−336845号の
図1〜3に記載されているマンドレル融着用のバット融
着機を用いて、同公報に記載されている融着方法(バッ
ト融着)に従って、作製した直径20mmのマンドレル
同士を融着し、融着後のマンドレルの融着部を曲げて割
れが発生するかどうかを目視で調べた。すなわち、端部
が楔状の凸状形状のマンドレルと、端部がV溝状の凹状
形状のマンドレルとを、凸部と凹部とを嵌合させて融着
し、融着後のマンドレルの融着部を曲げて割れが発生す
るかどうかを目視で調べた。 《ブリードアウト試験》作製したマンドレルの表面に軟
化剤がブリードアウトするかどうかを目視で調べた。
【0030】製造例1 微粒子架橋EPDMマスターバッチの作製 エチレン含有率70モル%、ヨウ素価15、ムーニー粘
度〔ML1+4(100℃)〕60のエチレン・プロピレ
ン・エチリデンノルボルネン共重合体ゴム(以下、EP
DMと略す)60重量部、メルトフローレート(AST
M−D−1238−65T、230℃)13g/10
分、密度0.91g/cm3のポリプロピレン30重量
部、およびナフテン系プロセスオイル10重量部をバン
バリーミキサーにより窒素雰囲気中、180℃で5分間
混練したのちロールを通し、シートカッターにより未加
硫ゴムのペレットを製造した。
【0031】次にこのペレットと、1,3−ビス(tert
−ブチルオキシイソプロピル)ベンゼン0.3重量部を
ジビニルベンゼン0.5重量部に溶解分散させた溶液と
をタンブラーブレンダーにより混合し、溶液をペレット
表面に均一に付着させた。次いで、このペレットを押出
機で窒素雰囲気下において210℃で押し出すことによ
り、ポリプロピレンを基質として、その中に、EPDM
が架橋した架橋ゴムが分散した架橋ゴム組成物のペレッ
ト(以下、微粒子架橋EPDMマスターバッチと略す)
を得た。
【0032】実施例1 4−メチル−1−ペンテン系重合体〔商品名:TPX
MX002(三井化学(株)製、ASTM D 1238
に準じ荷重5.0Kg、温度260℃の条件で測定した
MFR:23g/10分、4−メチル−1−ペンテン含
有量:93重量%、炭素数16,18のオレフィンの混
合物(商品名:ダイヤレンD−168)の含有量:7重
量%〕90重量部と、合成油(商品名:ルーカントHC
−20(三井化学(株)製、粘度=20cps)10重
量部とをブレンドし、合成油含有TPXを得た。この合
成油含有TPXの80重量部と、製造例1で作製した微
粒子架橋EPDMマスターバッチ20重量部とをブレン
ドし、二軸押出機により260℃で溶融混練して押し出
すことにより、平均粒径20μmのEPDM架橋ゴム1
4重量%が4−メチル−1−ペンテン系重合体中に平均
粒径17μmで分散する目的とする熱可塑性エラストマ
ー組成物のペレットを得た。
【0033】得られた熱可塑性エラストマー組成物を2
80℃でプレス成形し、厚さ2mmのシートを作製し
た。また得られた熱可塑性エラストマー組成物を45m
mの押出機(設定温度:280℃)で押出断面が20m
mφの円形のダイを通して押出して、マンドレルを作製
した。得られたシートおよびマンドレルを用いて曲げ弾
性率の測定、熱たわみ試験、熱クリープ試験、マンドレ
ルの融着試験、ブリードアウト試験を行った。結果を表
1に示す。
【0034】実施例2 配合比を、合成油含有TPX60重量部、微粒子架橋E
PDMマスターバッチ40重量部に変更した以外は実施
例1と同様に行った。結果を表1に示す。なお得られた
熱可塑性エラストマー組成物ペレット中の架橋ゴム含有
量は28重量%、平均粒径は19μmであった。
【0035】実施例3 配合比を、合成油含有TPX40重量部、微粒子架橋E
PDMマスターバッチ60重量部に変更した以外は実施
例1と同様に行った。結果を表1に示す。なお得られた
熱可塑性エラストマー組成物ペレット中の架橋ゴム含有
量は42重量%、平均粒径は21μmであった。
【0036】実施例4 実施例1で用いたものと同じ4−メチル−1−ペンテン
系重合体80重量部と、粉末状架橋シリコーンゴム(商
品名:トレフィルR−900、平均粒径20μm、トー
レシリコーン社製)20重量部とをブレンドし、二軸押
出機により260℃で溶融混練して押し出すことによ
り、4−メチル−1−ペンテン系重合体中に平均粒径1
8μmの粉末状架橋シリコーンゴムが20重量%分散す
る目的とする熱可塑性エラストマー組成物のペレットを
得た。この熱可塑性エラストマー組成物のペレットを用
いて、実施例1と同様にして厚さ2mmのシートおよび
直径20mmφのマンドレルを作製し、物性を測定し
た。結果を表1に示す。
【0037】実施例5 配合比を、4−メチル−1−ペンテン系重合体60重量
部、粉末状架橋シリコーンゴム40重量部に変更した以
外は実施例4と同様に行った。結果を表2に示す。なお
得られた熱可塑性エラストマー組成物ペレット中の架橋
ゴム含有量は40重量%、平均粒径は19μmであっ
た。
【0038】実施例6 配合比を、4−メチル−1−ペンテン系重合体40重量
部、粉末状架橋シリコーンゴム60重量部に変更した以
外は実施例4と同様に行った。結果を表2に示す。なお
得られた熱可塑性エラストマー組成物ペレット中の架橋
ゴム含有量は60重量%、平均粒径は18μmであっ
た。
【0039】実施例7 実施例6において、トレフィルR−900の代わりに、
別の粉末状架橋シリコーンゴム(商品名:トレフィルE
−850、平均粒径70μm、トーレシリコーン社製)
を用いた以外は実施例6と同様に行った。結果を表2に
示す。なお得られた熱可塑性エラストマー組成物ペレッ
ト中の架橋ゴム含有量は60重量%、平均粒径は65μ
mであった
【0040】比較例1 4−メチル−1−ペンテン系重合体(商品名:TPX
MX002(三井化学(株)製、MFR:23)を単独
で用いた以外は実施例1と同様に行った。結果を表3に
示す。
【0041】比較例2 4−メチル−1−ペンテン系重合体(商品名:TPX
MX002(三井化学(株)製、MFR:23g/10
分)90重量部と、合成油(商品名:ルーカントHC−
20(三井化学(株)製、粘度=20cps)10重量
部とをブレンドした合成油含有TPXを用いた以外は実
施例1と同様に行った。結果を表3に示す。
【0042】比較例3 市販の熱可塑性エラストマー(商品名:ミラストマーM
2400B(三井化学(株)製、MFR:23g/10
分)90重量部と、合成油(商品名:ルーカントHC−
20(三井化学(株)製、粘度=20cps)10重量
部とをブレンドしたものを用いた以外は実施例1と同様
に行った。結果を表3に示す。
【0043】比較例4 実施例1で用いた合成油含有TPXの60重量部と、製
造例1で得た未加硫ゴムのペレット40重量部とをブレ
ンドし、二軸押出機により260℃で溶融混練して押し
出すことにより、平均粒径20μmの未架橋EPDM2
8重量%が4−メチル−1−ペンテン系重合体中に平均
粒径16μmで分散する熱可塑性エラストマー組成物の
ペレットを得た。この熱可塑性エラストマー組成物のペ
レットを用いて、実施例1と同様にして厚さ2mmのシ
ートおよび直径20mmφのマンドレルを作製し、物性
を測定した。結果を表3に示す。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】
【表3】
【0047】表1〜表3の結果から明らかなように、各
実施例の熱可塑性エラストマー組成物は柔軟性に優れる
とともに従来の熱可塑性エラストマーが溶融する170
℃の高温化でも優れた耐歪み性を維持している。また、
軟化剤のブリードアウトも無く、融着も容易であり、ゴ
ムホース用のマンドレルの素材などに適している。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例において用いた熱たわみ試験用のたわみ
試験装置の一部の側面図である。
【符号の説明】
1 試験片 2、5 端部 3 固定台 4 クランプ D たわみ量

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)4−メチル−1−ペンテン系重合
    体20〜95重量%、および(B)平均粒径100μm
    以下の架橋ゴム5〜80重量%を含む組成物であって、
    4−メチル−1−ペンテン系重合体(A)中に架橋ゴム
    (B)粒子が分散している高耐熱熱可塑性エラストマー
    組成物。
  2. 【請求項2】 4−メチル−1−ペンテン系重合体
    (A)が、4−メチル−1−ペンテン含有量80〜9
    9.9重量%、炭素数2〜20のα−オレフィン含有量
    0.1〜20重量%の4−メチル−1−ペンテン・α−
    オレフィンランダム共重合体である請求項1記載の高耐
    熱熱可塑性エラストマー組成物。
  3. 【請求項3】 α−オレフィンが、1−デセン、1−ド
    デセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オ
    クタデセンおよび1−エイコセンからなる群から選ばれ
    る少なくとも1種のα−オレフィンである請求項2記載
    の高耐熱熱可塑性エラストマー組成物。
  4. 【請求項4】 架橋ゴム(B)がエチレン・プロピレン
    ・非共役ポリエン共重合体ゴム、エチレン・プロピレン
    ゴム、イソプレンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、ブ
    タジエンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、アクリ
    ロニトリル・ブタジエンゴム、塩素化ポリエチレンゴ
    ム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、アクリルゴ
    ム、エピクロルヒドリンゴム、フッ素ゴム、シリコーン
    ゴム、多硫化ゴムおよびウレタンゴムからなる群から選
    ばれる少なくとも1種のゴムの架橋物である請求項1な
    いし3のいずれかに記載の高耐熱熱可塑性エラストマー
    組成物。
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