JP5893440B2 - タイヤおよびタイヤの製造方法 - Google Patents
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近年では、軽量化や、成形の容易さ、リサイクルのしやすさから、樹脂材料、特に熱可塑性樹脂や熱可塑性エラストマーなどをタイヤ材料として用いることが検討されている。
例えば、特許文献1には、熱可塑性の高分子材料を用いて成形された空気入りタイヤが開示されている。
操縦安定性の高いタイヤを得るためには、一般に、熱可塑性樹脂材料にカーボン等の充填剤を添加することにより、熱可塑性樹脂材料の引張弾性率を上げることが行われているが、充填剤の添加によりタイヤの転がり摩擦抵抗が大きくなり易い。このため、タイヤの転がり摩擦抵抗の低下と、操縦安定性の向上を両立することが難しかった。
また、「ポリアミド系熱可塑性エラストマー」とは、結晶性で融点の高いハードセグメントを構成するポリマーと非晶性でガラス転移温度の低いソフトセグメントを構成するポリマーとを有する共重合体からなる熱可塑性樹脂材料であって、ハードセグメントを構成するポリマーの主鎖にアミド結合(−CONH−)を有するものを意味する。
タイヤ骨格体が、ポリアミド系熱可塑性エラストマー及び特定化合物を含有する熱可塑性樹脂材料で形成されていることで、タイヤ骨格体の引張弾性率が高くなる。
ここで、引張弾性率は、タイヤ骨格体の強度や操縦安定性の指標となり、引張弾性率が大きいほど、タイヤ骨格体の強度が大きくなり、タイヤの変形が小さくなるため、操縦安定性が向上する。
すなわち、本発明のタイヤが上記構成であることで、操縦安定性に優れる。
この理由は定かではないが、次の作用によるものと推定される。
特定化合物は、炭素数が3以上であることから、ポリアミド系熱可塑性エラストマーの非晶部の引張弾性率を上げ、結果的に、ポリアミド系熱可塑性エラストマーを含有するタイヤ骨格体の引張弾性率を上げるものと考えられる。
特に、エラストマーのアミド結合と特定化合物とが水素結合で結ばれているために、エラストマーの非晶部に入り込んだ特定化合物は、非晶部から容易には脱離しにくいと考えられる。したがって、タイヤ骨格体が外的負荷を受けても、タイヤ骨格体の引張弾性率を維持し得ると考えられる。
(2)前記水素結合を結合し得る基が、アミノ基およびカルボキシ基の少なくとも一方である前記(1)に記載のタイヤ。
分子内に水素結合を結合し得る基を有し、且つ、炭素数が3以上のガラス転移温度を有しない低分子量化合物(特定化合物)が分子内に有する水素結合を結合し得る基は、アミノ基およびカルボキシ基の少なくとも一方であることが好ましい。すなわち、特定化合物は、アミノ基を有するアミノ化合物、カルボキシル基を有するカルボン酸、または、アミノ基とカルボキシ基の両方を有するアミノ酸であることが好ましい。
特定化合物がアミノ化合物、カルボン酸、またはアミノ酸であることで、タイヤ骨格体の引張弾性率が向上し易い。
特定化合物がアミノ化合物、カルボン酸、またはアミノ酸であることで、タイヤ骨格体の引張弾性率が向上し得る理由は定かではないが、特定化合物がアミノ基およびカルボキシ基は、他の官能基に比べ、アミド結合と相性がよく、特定化合物とポリアミド系熱可塑性エラストマーの非晶部との親和性が高まり、非晶部から特定化合物が離脱しにくいためと考えられる。
特定化合物の重量平均分子量(以下、単に「分子量」または「Mw」とも称する)は、85〜2200であることが好ましい。特定化合物の分子量が85以上であることで、タイヤ骨格体の引張弾性率を向上させやすく、2200以下であることで、タイヤ骨格体が硬くなりすぎない。
特定化合物の量が、ポリアミド系熱可塑性エラストマーの全質量に対して、5質量%以上であることで、タイヤ骨格体の引張弾性率を向上させ易く、40質量%以下であることで、タイヤ骨格体が硬くなりすぎない。
前記熱可塑性樹脂材料を含む材料を用いて、環状のタイヤ骨格体を成形するタイヤ骨格体成形工程と
を含む。
ポリアミド系熱可塑性エラストマーと、特定化合物とを混合して熱可塑性樹脂材料を得た上でタイヤ骨格体を成形することで、ポリアミド系熱可塑性エラストマーのみを用いてタイヤ骨格体を成形する場合に比べ、タイヤ骨格体の力学的損失係数(転がり係数:tanδ)に変化を与えずに、引張弾性率を向上することができる。
すなわち、本発明のタイヤの製造方法によれば、タイヤの発熱性を低く抑えたまま、操縦安定性を向上することができる。
本発明のタイヤ製造方法に用いる特定化合物は、分子内にアミノ基およびカルボキシ基の少なくとも一方を有し、炭素数が3以上のガラス転移温度を有しない低分子量化合物であることが好ましい。
特定化合物が、アミノ化合物、カルボン酸、またはアミノ酸であることで、ポリアミド系熱可塑性エラストマーの非晶部のアミド結合と特定化合物との親和性が高まると考えられる。その結果、特定化合物がエラストマーの非晶部に入り込んだときに、水素結合と親和力により特定化合物が非晶部から離脱しにくく、タイヤ骨格体が外的負荷を受けた場合にも優れた引張弾性率を維持し易いタイヤを製造することができると考えられる。
特定化合物の分子量を上記範囲とすることで、操縦安定性により優れたタイヤを製造することができる。
特定化合物を、ポリアミド系熱可塑性エラストマーの全質量に対して、上記範囲で混合することで、操縦安定性により優れたタイヤを製造することができる。
以下、本発明におけるタイヤ骨格体を構成する樹脂材料について説明し、続いて本発明のタイヤの具体的な実施形態について図を用いて説明する。
したがって、熱可塑性樹脂材料が、ポリアミド系熱可塑性エラストマーと特定化合物とを含有することで、タイヤ骨格体の引張弾性率が適度に向上し、操縦安定性に優れると考えられる。
前記タイヤ骨格体を構成する熱可塑性樹脂材料には、少なくともポリアミド系熱可塑性エラストマーおよび特定化合物が含まれるが、本発明の効果を損なわない限度において、さらに、ポリエステル系熱可塑性エラストマー等の他のエラストマーや添加剤が含まれていてもよい。
本発明において、
ここで、「ポリアミド系熱可塑性エラストマー」とは、結晶性で融点の高いハードセグメントを構成するポリマーと非晶性でガラス転移温度の低いソフトセグメントを構成するポリマーとを有する共重合体からなる熱可塑性樹脂材料であって、ハードセグメントを構成するポリマーの主鎖にアミド結合(−CONH−)を有するものを意味する。ポリアミド系熱可塑性エラストマーとしては、例えば、JIS K6418:2007に規定されるアミド系熱可塑性エラストマー(TPA)等や、特開2004−346273号公報に記載のポリアミド系エラストマー等を挙げることができる。
前記一般式(1)または一般式(2)で表されるモノマーとしては、ω−アミノカルボン酸やラクタムが挙げられる。また、前記ハードセグメントを形成するポリアミドとしては、これらω−アミノカルボン酸やラクタムの重縮合体や、ジアミンとジカルボン酸との共縮重合体等が挙げられる。
前記ジアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、3−メチルペンタメチレンジアミン、メタキシレンジアミンなどの炭素数2〜20の脂肪族ジアミンなどのジアミン化合物を挙げることができる。また、ジカルボン酸は、HOOC−(R3)m−COOH(R3:炭素数3〜20の炭化水素の分子鎖、m:0または1)で表すことができ、例えば、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸などの炭素数2〜20の脂肪族ジカルボン酸を挙げることができる。
前記ハードセグメントを形成するポリアミドとしては、ラウリルラクタム、ε−カプロラクタムまたはウデカンラクタムを開環重縮合したポリアミドを好ましく用いることができる。
ここで、「ABA型トリブロックポリエーテル」とは、下記一般式(3)に示されるポリエーテルを意味する。
前記ポリウレタン系熱可塑性樹脂組成物としては、例えば、市販品のBASF社製の「エラストラン」シリーズ(例えば、ET680、ET880、ET690、ET890、C80A、S80A)等を用いることができる。
前記ポリスチレン系熱可塑性エラストマーとしては、例えば、市販品の旭化成社製の「タフテック」シリーズ(例えば、H1031、H1041、H1043、H1051、H1052,H1053,H1082、H1141、H1221、H1272)等を用いることができる。
前記ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーとしては、例えば、市販品の三井化学社製の「タフマー」シリーズ(例えば、A0550S、A1050S、A4050S、A1070S、A4070S,A35070S、A1085S、A4085S、A7090、A70090、MH7007、MH7010、P275)等を用いることができる。
前記ポリエステル系熱可塑性エラストマーとしては、例えば、市販品の東レ・デュポン製の「ハイトレル」シリーズ(例えば、3046,5557,6347,4047,4767等)、東洋紡社製「ベルプレン」シリーズ(P30B、P40B、P40H、P55B、P70B、P150B、P280B、P450B、P150M、S1001、S2001、S5001、S6001、S9001等)、三菱化学社製「プリマロイA」シリーズ(A1500N、A1600N、A1700N、A1800N、A1900N等)を用いることができる。
熱可塑性樹脂材料には、分子内に水素結合を結合し得る基を有し、且つ、炭素数が3以上のガラス転移温度を有しない低分子量化合物(特定化合物)が含まれる。
特定化合物は、分子内に、水素結合を結合し得る基を1つのみ有していても、2つ以上を有していてもよい。また、水素結合を結合し得る基は1種のみ有していてもよいし、2種以上を有していてもよい。
すなわち、特定化合物は、アミノ基を有するアミノ化合物、カルボキシル基を有するカルボン酸、または、アミノ基とカルボキシ基の両方を有するアミノ酸であることが好ましい。特定化合物がアミノ化合物、カルボン酸、またはアミノ酸であることで、タイヤ骨格体の引張弾性率が向上し易い。
既述のように、特定化合物は、分子内に存在する水素結合を結び得る基により、ポリアミド系熱可塑性エラストマーのアミド結合と水素結合を結ぶため、エラストマーの引張弾性率を高くし、その結果、熱可塑性樹脂材料ならびにタイヤ骨格体の引張弾性率を向上する。このとき、特定化合物が、アミド結合を構成するアミノ基ないしカルボキシ基を有することで、アミド結合と特定化合物との親和性が高まり、特定化合物とアミド結合との結びつきが高くなると考えられる。したがって、タイヤ骨格体が外部から物理的な負荷を受けても、アミド結合と特定化合物とが離れにくく、安定した引張弾性率を維持することができると考えられる。
カルボン酸としては、R1−COOH〔一般式(C−1);R1は、炭素数3以上の置換基〕で表されるモノカルボン酸、HOOC−R2−COOH〔一般式(C−1);R2は、炭素数3以上の2価の連結基〕で表されるジカルボン酸等が挙げられる。特定化合物は3つ以上のカルボキシ基を有するポリカルボン酸でもよい。
アミノ酸としては、HOOC−R2−NH2〔一般式(AC−1);R2は、炭素数3以上の2価の連結基〕が挙げられる。
R1として表される炭素数3以上の置換基としては、炭素数3以上のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基等の炭化水素基が挙げられる。アルキル基、アルケニル基、及びアルキニル基は、直鎖状でも、分岐状でも、環状でもよい。
アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、及びアリーレン基としては、R1として説明したアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、及びアリール基から、それぞれ水素原子を1つ取り除いた基が挙げられる。例えば、アルキレン基としては、ドデシレン基(−C12H24−)、アリーレン基としては、フェニレン基(−C6H4−)が挙げられる。
中でも、熱可塑性樹脂材料の引張弾性率の観点から、アルキレン基またはフェニレン基が好ましく、アルキレン基がより好ましい。
また、特定化合物は、常温(例えば、30℃)で固体であることが好ましい。特定化合物が固体であると、熱可塑性樹脂材料の引張弾性率を向上し易い。
特定化合物の量が、ポリアミド系熱可塑性エラストマーの全質量に対して、5質量%以上であることで、タイヤ骨格体の引張弾性率を向上し易く、40質量%以下であることで、タイヤ骨格体が硬くなりすぎないため、優れた操縦安定性を実現することができる。特定化合物の分子量は、ポリアミド系熱可塑性エラストマーの全質量に対して5質量%〜20質量%であることがより好ましい。
以下に、図面に従って本発明のタイヤの本実施形態に係るタイヤを説明する。
本実施形態のタイヤ10について説明する。図1(A)は、本発明の一実施形態に係るタイヤの一部の断面を示す斜視図である。図1(B)は、リムに装着したビード部の断面図である。図1に示すように、本実施形態のタイヤ10は、従来一般のゴム製の空気入りタイヤと略同様の断面形状を呈している。
また、本実施形態では、タイヤケース半体17Aは左右対称形状、即ち、一方のタイヤケース半体17Aと他方のタイヤケース半体17Aとが同一形状とされているので、タイヤケース半体17Aを成形する金型が1種類で済むメリットもある。
以下、本発明のタイヤの製造方法について説明する。
本発明のタイヤの製造方法は、ポリアミド系熱可塑性エラストマーと、分子内に水素結合を結合し得る基を有し、且つ、炭素数が3以上のガラス転移温度を有しない低分子量化合物とを混合して熱可塑性樹脂材料を得る混合工程と、前記熱可塑性樹脂材料を含む材料を用いて、環状のタイヤ骨格体を成形するタイヤ骨格体成形工程とを含む。
本発明のタイヤの製造方法は、さらに、補強コード部材巻回工程を含んでいてもよい。
混合工程では、ポリアミド系熱可塑性エラストマーと、分子内に水素結合を結合し得る基を有し、且つ、炭素数が3以上のガラス転移温度を有しない低分子量化合物とを混合して熱可塑性樹脂材料を得る。
混合工程で用いるポリアミド系熱可塑性エラストマーおよび特定化合物の詳細は、記述のとおりであり、特定化合物の好ましい態様も同様である。
タイヤ骨格体成形工程では、混合工程で得られた熱可塑性樹脂材料を含む材料を用いて、環状のタイヤ骨格体(タイヤケース)を成形する。
具体的には、次のように行うことが好ましい。
まず、薄い金属の支持リングに支持されたタイヤケース半体同士を互いに向かい合わせる。次いで、タイヤケース半体の突き当て部分の外周面と接するように図を省略する接合金型を設置する。ここで、前記接合金型はタイヤケース半体Aの接合部(突き当て部分)周辺を所定の圧力で押圧するように構成されている。次いで、タイヤケース半体の接合部周辺を、タイヤケースを構成する熱可塑性樹脂材料の融点(または軟化点)以上で押圧する。タイヤケース半体の接合部が接合金型によって加熱・加圧されると、前記接合部が溶融しタイヤケース半体同士が融着しこれら部材が一体となってタイヤケース17が形成される。尚、本実施形態においては接合金型を用いてタイヤケース半体の接合部を加熱したが、本発明はこれに限定されず、例えば、別に設けた高周波加熱機等によって前記接合部を加熱したり、予め熱風、赤外線の照射等によって軟化または溶融させ、接合金型によって加圧して。タイヤケース半体を接合させてもよい。
なお、tanδは、30℃,20Hz,せん断歪み1%における貯蔵剪断弾性率(G’)と損失剪断弾性率(G”)との比(G”/G‘)から算出される値であり、材料が変形する際にその材料がどの程度のエネルギーを吸収するか(熱に変わるか)を示す値である。Tanδは、値が大きい程エネルギーを吸収するため、タイヤとしての転がり抵抗が増大し、結果としてタイヤの燃費性能低下の要因となる。
熱可塑性樹脂材料およびタイヤ骨格体のtanδは、動的粘弾性測定装置(Dynamic−Mechanical Analysis:DMA)で測定することができる。
これを、図4を用いて説明する。
なお、いずれも、ポリアミド系エラストマーとして、宇部興産製の「ウベスタXPA9048X1(Tg−20℃)」を用いた。
曲線(1)における曲線A〜曲線C、ならびに、曲線(2)における曲線A〜曲線Cは、いずれも、横軸は温度(Temp.)〔℃〕であり、共通する。
−30℃〜0℃に極大を有する曲線(2)は、右側の縦軸(tanδ)を適用する。つまり、曲線(2)は、タイヤの転がり摩擦抵抗の指標となる力学的損失係数(転がり係数:tanδ)の温度変化を表すグラフである。
また、曲線Aで、曲線Cのごとき30℃〜60℃で、tanδの副分散の極大が無いのは、アミノドデカン酸が、ポリマー(ポリアミド12)に比べ、非常に結晶性が高く、非晶部を形成しないためとも考えられる。
次に、補強コード巻回工程について図3を用いて説明する。図3は、コード加熱装置、およびローラ類を用いてタイヤケースのクラウン部に補強コードを埋設する動作を説明するための説明図である。図3において、コード供給装置56は、補強コード26を巻き付けたリール58と、リール58のコード搬送方向下流側に配置されたコード加熱装置59と、補強コード26の搬送方向下流側に配置された第1のローラ60と、第1のローラ60をタイヤ外周面に対して接離する方向に移動する第1のシリンダ装置62と、第1のローラ60の補強コード26の搬送方向下流側に配置される第2のローラ64と、および第2のローラ64をタイヤ外周面に対して接離する方向に移動する第2のシリンダ装置66と、を備えている。第2のローラ64は、金属製の冷却用ローラとして利用することができる。また、本実施形態において、第1のローラ60または第2のローラ64の表面は、溶融または軟化した樹脂材料の付着を抑制するためにフッ素樹脂(本実施形態では、テフロン(登録商標))でコーティングされている。なお、本実施形態では、コード供給装置56は、第1のローラ60または第2のローラ64の2つのローラを有する構成としているが、本発明はこの構成に限定されず、何れか一方のローラのみ(即ち、ローラ1個)を有している構成でもよい。
更に、補強コード26がスチールコードの場合に、タイヤ処分時に補強コード26を加熱によって樹脂材料から容易に分離・回収が可能であるため、タイヤ10のリサイクル性の点で有利である。また、樹脂材料は加硫ゴムに比して損失係数(Tanδ)が低いため、補強コード層28が樹脂材料を多く含んでいると、タイヤの転がり性を向上させることができる。更には、樹脂材料は加硫ゴムに比して、面内せん断剛性が大きく、タイヤ走行時の操安性や耐摩耗性にも優れるといった利点がある。
さらに、ビード部12には、金属材料からなる環状のビードコア18が埋設されていることから、従来のゴム製の空気入りタイヤと同様に、リム20に対してタイヤケース17、すなわちタイヤ10が強固に保持される。
まず、上述の本実施形態に従って、実施例および比較例のタイヤを成形した。この際、タイヤケースを形成する材料については下記の材料を用いた。また、各実施例および比較例について、材料の物性評価およびタイヤ性能の評価を下記に従っておこなった。
宇部興産社製、「ウベスタXPA9048X1」(下記表1中、「PA」と記載)
2.特定化合物
アミノドデカン酸 (下記表1中、「ADA」と記載)
〔一般式(AC−1)において、R2が直鎖状のアルキレン基であるアミノ酸〕
3.Tgを有する化合物(ポリマー)
ポリアミド12(宇部興産社製、「3012U」(下記表1中、「PA12」と記載)
表1に示すポリアミド系熱可塑性エラストマー、アミノ酸、及びポリマーを用いて、表1に示す組成で混合し、混合物を得た。得られた混合物を、住友重工社製、SE30Dを用い、射出成形を行い、成形温度180℃〜260℃、金型温度50℃〜70℃とし、100mm×30mm、厚さ2.0mmのサンプルを得た。
各サンプルを打ち抜き、JISK6251:1993に規定されるダンベル状試料片(5号形試料片)を作製した。
12 ビード部
16 クラウン部(外周部)
18 ビードコア
20 リム
21 ビードシート
22 リムフランジ
17 タイヤケース(タイヤ骨格体)
24 シール層(シール部)
26 補強コード(補強コード部材)
28 補強コード層
30 トレッド
D 補強コードの直径(補強コード部材の直径)
L 補強コードの埋設量(補強コード部材の埋設量)
Claims (4)
- ポリアミド系熱可塑性エラストマーと、アミノ基及びカルボキシル基の少なくとも一方を含み、炭素数が3以上のガラス転移温度を有しない重量平均分子量が85〜2200の低分子量化合物とを含有する熱可塑性樹脂材料で形成された環状のタイヤ骨格体を有するタイヤ。
- 前記低分子量化合物の含有量が、ポリアミド系熱可塑性エラストマーの全質量に対して、5質量%〜40質量%である請求項1に記載のタイヤ。
- ポリアミド系熱可塑性エラストマーと、アミノ基及びカルボキシル基の少なくとも一方を含み、炭素数が3以上のガラス転移温度を有しない重量平均分子量が85〜2200の低分子量化合物とを混合して熱可塑性樹脂材料を得る混合工程と、
前記熱可塑性樹脂材料を含む材料を用いて、環状のタイヤ骨格体を成形するタイヤ骨格体成形工程と
を含むタイヤの製造方法。 - 前記低分子量化合物を、ポリアミド系熱可塑性エラストマーの全質量に対して、5質量%〜40質量%混合する請求項3に記載のタイヤの製造方法。
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