JPH06192479A - ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ - Google Patents

ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ

Info

Publication number
JPH06192479A
JPH06192479A JP4344658A JP34465892A JPH06192479A JP H06192479 A JPH06192479 A JP H06192479A JP 4344658 A JP4344658 A JP 4344658A JP 34465892 A JP34465892 A JP 34465892A JP H06192479 A JPH06192479 A JP H06192479A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rubber
resin
rubber composition
weight
parts
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4344658A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Teratani
裕之 寺谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bridgestone Corp filed Critical Bridgestone Corp
Priority to JP4344658A priority Critical patent/JPH06192479A/ja
Publication of JPH06192479A publication Critical patent/JPH06192479A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/80Technologies aiming to reduce greenhouse gasses emissions common to all road transportation technologies
    • Y02T10/86Optimisation of rolling resistance, e.g. weight reduction 

Abstract

(57)【要約】 【目的】 タイヤのコードを劣化することなく、高弾性
率化(超硬質ゴム)、低ロス特性に優れたビードフィラ
ーゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤを提供す
る。 【構成】 (1)ナイロンのような熱可塑性ポリアミド
短繊維とジエン系ゴムとを化学結合してなるマスターバ
ッチゴムとジエン系ゴムとからなるブレンドゴム(2)
カーボンブラック及び(3)ヘキサメトキシメチルメラ
ミンのような樹脂硬化剤が内添加されたノボラック型オ
イル変性フェノール系樹脂等、を含有するビードフィラ
ーゴム組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なゴム組成物、特
にビードフィラーゴム組成物及びそれを用いた空気入り
タイヤに係り、より詳しくは、タイヤのコードを劣化す
ることなく、高弾性率化(超硬質ゴム)、低ロス特性に
優れたビードフィラーゴム組成物及びそれを用いた空気
入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】ラジアルタイヤのビード部構造は、タイ
ヤとして要求される運動性能と耐久性能を満足するため
に、種々の検討がなされている。また、近年の二酸化炭
素排出量の増加に伴う地球の温暖化現象が懸念され、自
動車及び自動車部品に対して燃費性向上を目的とした対
策が要求され、タイヤに対しても、転がり抵抗の低減に
よる燃費性能の向上が要請されている。
【0003】その対策として、ビード補強層をビード部
に配置することによって、タイヤの運動性能、耐久性能
を改善させる試みがなされているが、このようなものは
製造工程が多くなり、生産性が著しく劣るといった欠点
を有していた。
【0004】他の試みとして、超硬質ゴムをビード部に
配置することにより運動性能を改善することは、実公昭
47−16084号、仏国特許第1,260,138
号、米国特許第4,067,373号等に記載されてい
る。しかし、タイヤ走行中の複雑な入力下にあるビード
フィラーゴムとしての機能を十分に発揮させて、その上
でタイヤとして必要な耐久性等を持たせることについて
殆ど考慮されていない。
【0005】また、特公昭57−30856号に記載さ
れているように、天然ゴムやポリブタジエンゴム等とノ
ボラック型フェノール系樹脂及び/又はノボラック型変
性フェノール系樹脂及び樹脂硬化剤の系にカーボンブラ
ックを併用すると、耐久性に優れたビードフィラーゴム
組成物が得られることが知られているが、これらの技術
は、樹脂とゴムの混練物に樹脂硬化剤を配合しゴムの中
で硬化させるため、硬化効率が悪く更に相当量の樹脂が
未反応で残ってしまう。
【0006】そこで、ビードフィラーゴムとして所望の
硬度を得るためには、樹脂の配合量を多くするか又は樹
脂硬化剤を増量する必要がある。しかし、樹脂の配合量
を更に増加すれば所望の硬度を得られるが、これに伴っ
て未反応の樹脂も増加し、これら未反応樹脂は単なる異
物としてゴム組成物の機械的特性、特に疲労寿命やクリ
ープ性を低下させたり、発熱性が大きくなって、タイヤ
の破壊寿命が短くなるといった問題を有していた。一
方、硬化剤例えばヘキサメチレンテトラミンを増量する
と、タイヤ加硫中やタイヤ走行中にアンモニアが発生
し、隣接するカーカス層の補強コードとして広く用いら
れているポリエステル繊維のアミン劣化による強力低下
が起こり、特にタイヤを高温で加硫した場合に問題があ
った。
【0007】この問題を解決するために、ノボラック型
フェノール系樹脂を動植物油等のオイルで変性すると共
に、該樹脂に樹脂硬化剤として例えばヘキサメチレンテ
トラミンを内添加して自己硬化性を付与することにより
ゴムの補強硬化を高め、アンモニアの発生量を抑制し、
ポリエステル繊維のアミン劣化による強力低下を軽減す
る方法が特開平2−222432号に記載されている。
この方法では加硫時に発生するアンモニア量が抑制で
き、タイヤ性能の向上は認められるが、加硫における生
産性を向上させるために高温短時間の加硫を行うと、ア
ンモニア発生抑制効果が低下し、ポリエステル繊維が高
温加硫条件下で徐々に劣化してしまうという欠点も有し
ていた。
【0008】一方、高弾性率化された強化ゴム組成物を
得るために、加硫可能なゴムに短繊維を配合すること
は、従来より行われている。例えば特公平1−1749
4号には、ゴムとそれに埋封したナイロン繊維が、レゾ
ール型アルキルフェノールホルムアルデヒド系樹脂の初
期縮合物を介してグラフト結合している強化ゴムの記載
がある。しかし、この方法では、熱に対して反応性が高
いレゾール型アルキルフェノール樹脂を使用しているた
め、ナイロン繊維とゴムとのグラフト結合の調節が難し
く、使用できるゴムも限定され、そのうえ、ナイロン含
量の少ない強化ゴム組成物しか得ることができなかっ
た。
【0009】これを解決するために、特公平3−215
72号には、粘着付与剤を配合した合成ゴムに熱可塑性
ポリアミドの微細な繊維状物を分散させ、この界面にお
いて、該ポリアミドと合成ゴムとをノボラック型フェノ
ール樹脂を介してグラフト結合させる方法が記載されて
いるが、この方法ではゴム、ポリアミド及び樹脂の混練
物に樹脂硬化剤を配合し、ゴムの中で硬化させるため、
前記のような種々の問題があった。また、特公平3−4
9932号には、芳香族ポリアミドパルプとフェノール
系樹脂をゴムに混練することにより短繊維補強と樹脂補
強を行い、これらによって高弾性率化できることが記載
されている。しかし、この技術ではゴム分子とポリアミ
ドパルプ短繊維とが直接結合していないので、補強効率
が低く、更に短繊維自体がゴム中での破壊核として作用
し、ゴムの疲労耐久性とクリープ性を著しく低下させる
欠点を、またパルプ状の繊維をバンバリーミキサー等の
混練機を用いてゴム中に分散させるため、分散レベルが
極めて低く、ある量を越えると短繊維の配合量に対する
補強効果が低下し、更に増量されると、混練、押出しが
極めて困難となる欠点を、有している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、ビード
フィラーゴム組成物及びこれを用いた空気入りタイヤ
は、未だ問題を解決できないまま現在に至っている。
【0011】本発明は、タイヤコードを劣化することな
く、高弾性率化(超硬質ゴム)、低ロス特性に優れたゴ
ム組成物の提供が第1の目的である。更に、本発明はこ
のゴム組成物を用いて、操縦性、低転がり抵抗性(低燃
費性)、かつビードフィラー耐久性に優れた空気入りタ
イヤの提供が第2の目的である。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1記載のゴム組成
物は、(1)熱可塑性ポリアミド短繊維とジエン系ゴム
とを化学結合してなるマスターバッチゴムと、少なくと
も1種のジエン系ゴムとからなるブレンドゴムと、
(2)ブレンドゴム中のジエン系ゴム100重量部に対
し5〜90重量部の、カーボンブラックと、(3)該ジ
エン系ゴム100重量部に対し2〜25重量部の、樹脂
硬化剤を内添加したノボラック型変性フェノール系樹脂
と、を含有することを特徴とする。
【0013】請求項2記載のゴム組成物は、請求項1に
おいて、前記熱可塑性ポリアミド短繊維の配合量が、ブ
レンドゴム中のジエン系ゴム100重量部に対して2.
5〜50重量部であることを特徴とする。
【0014】請求項3記載のゴム組成物は、請求項1に
おいて、前記ノボラック型変性フェノール系樹脂が、変
性剤としてロジン油、トール油、カシュー油、リノール
酸、キシレン、メシチレン、ニトリルゴムから選ばれた
少なくとも1種により変性された樹脂であることを特徴
とする。
【0015】請求項4記載のゴム組成物は、請求項1に
おいて、前記樹脂硬化剤が、ヘキサメチレンテトラミ
ン、パラホルムアルデヒド、ヘキサメトキシメチルメラ
ミン、アセトアルデヒドアンモニア、α−ポリオキシメ
チレン、多価メチロールメラミン誘導体、オキサゾリジ
ン誘導体、多価メチロール化アセチレン尿素から選ばれ
た少なくとも1種であることを特徴とする。
【0016】請求項5記載のゴム組成物は、請求項5に
おいて、前記マスターバッチのジエン系ゴムが、天然ゴ
ム、合成イソプレンゴム、ブチルゴム、エチレン−プロ
ピレンゴムから選ばれた少なくとも1種であることを特
徴とする。
【0017】請求項6記載の空気入りタイヤは、請求項
1に記載のゴム組成物をビードフィラーゴムとして用い
たことを特徴とする。
【0018】請求項7記載の空気入りタイヤは、請求項
6において、カーカス用コードがポリエステル繊維であ
ることを特徴とする。
【0019】本発明者らは短繊維補強ゴム、フェノール
系樹脂及び樹脂硬化剤の性質、及びこれらの反応性等に
着目し鋭意検討を重ねた結果、ゴム分子とポリアミドと
が化学的に結合した短繊維補強ゴムマスターバッチ、カ
ーボンブラック及びフェノール系樹脂を組み合わせるこ
とにより、タイヤコードを劣化することなく、高弾性率
化と低ロス特性を両立でき、極めて優れたビードフィラ
ーゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤが得られ
ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0020】特に、ジエン系ゴムの中に分散している熱
可塑性ポリアミドがゴム分子とグラフト結合等をしてい
る短繊維補強ゴムマスターバッチ、カーボンブラック及
び、硬化剤を内添加したノボラック型変性フェノール系
樹脂から成る組成によって、硬化反応効率を向上させ、
アンモニアの発生を抑えることができ、このビードフィ
ラーゴム組成物を用いることによって、軽量性、操縦
性、低転がり抵抗性(低燃費性)、かつ、ビードフィラ
ー耐久性に優れたタイヤを得ることができる。
【0021】以下に本発明を詳細に説明する。本発明で
は、熱可塑性ポリアミド短繊維とジエン系ゴムとを化学
結合してなるマスターバッチと、少なくとも1種のジエ
ン系ゴムとからなるブレンドゴムが用いられ、そのジエ
ン系ゴムには、例えば、天然ゴム(NR)、合成イソプ
レンゴム(IR)、ポリブタジエンゴム(BR)、スチ
レン−ブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム
(CR)、ブチルゴム(IIR)、塩素化ブチルゴム
(CIIR)、臭素化ブチルゴム(BIIR)及びエチ
レン−プロピレンゴム(EPDM)等が挙げられる。
【0022】前記熱可塑性ポリアミドとしては、例えば
融点が190〜235℃、好ましくは190〜225
℃、より好ましくは200〜220℃のポリアミドが用
いられ、例えばナイロン6、ナイロン610、ナイロン
12、ナイロン611、ナイロン612等のナイロンを
挙げることができる。このポリアミドの量は、マスター
バッチであるポリアミド補強ゴムにジエン系ゴムを更に
混練することにより、適宜調整することができる。ま
た、本発明のゴム組成物の中で、熱可塑性ポリアミドは
短繊維の形で含まれる。物性面及び加工面より、短繊維
としてのポリアミドの量という見方が必要で、ゴム組成
物中の短繊維量は、組成物中のジエン系ゴム100重量
部に対して、2.5〜50重量部、好ましくは、5〜3
0重量部である。2.5重量部未満では、短繊維補強の
効果がゴム組成物の物性に現れず、50重量部を越える
と、ゴム組成物製造上、混練り及び押出しが困難となる
ため好ましくない。
【0023】本発明のゴム組成物中における熱可塑性ポ
リアミド短繊維は、ゴム分子と何らかの結合状態であれ
ばよいが、例えばグラフト結合等、化学的に結合してい
ることが好ましい。この短繊維は、その断面が円形であ
り、平均径は0.05〜0.8μmで、かつ、その90
重量%以上が1μm以下であり、その繊維長は10μm
以上で、かつ、その90重量%以上が1000μm以下
のものが好ましい。
【0024】本発明におけるカーボンブラックの配合量
は、前記ジエン系ゴム100重量部に対して、5〜90
重量部、好ましくは10〜70重量部、更に好ましくは
20〜60重量部である。5重量部未満では、補強効果
を与えるのに必要な量のフェノール系樹脂を均一に分散
させるのに不十分で、一方、90重量部を越えるとゴム
が脆くなり、ゴム組成物の耐久性が極端に悪化するため
好ましくない。
【0025】カーボンブラックの作用について付言すれ
ば、ジエン系ゴムとノボラック型変性フェノール系樹脂
は非相溶で海島状の大きな相分離状態となるが、これに
カーボンブラックを併用していくと、通常のゴム混練り
方法にて、ゴム中で樹脂は大きな相分離状態から、通常
のゴムとカーボンブラック系に見られるようなカーボン
ブラックの分散状態に近い領域まで均質に分散されるよ
うになり、従来の樹脂補強ゴムには見られなかった耐久
性に優れた超硬質ゴム組成物が得られる。このような意
味からも、カーボンブラックは本発明に不可欠の要素で
ある。
【0026】前記ノボラック型変性フェノール系樹脂と
しては、ノボラック型フェノール−ホルムアルデヒド縮
合物、ノボラック型置換フェノール−ホルムアルデヒド
縮合物を基本として変性したものが含まれる。
【0027】上記樹脂に対して用いる変性剤としては、
ロジン油、トール油、カシュー油、リノール酸、オレイ
ン酸、リノレン酸等のオイル、キシレン、メシチレン等
の芳香族炭化水素及びニトリルゴム等のゴムの中、少な
くとも1種を用いることができる。この中では、カシュ
ー油が好ましい。これらの樹脂の量は、組成物中の全ジ
エン系ゴム100重量部に対し、2〜25重量部、好ま
しくは5〜20重量部である。樹脂の量が2重量部未満
では樹脂を添加した効果が殆ど得られず補強効果は期待
できない。また25重量部を越えると過剰の樹脂が凝集
体を形成し相分離を起こし、ゴム組成物の物性を著しく
低下させるため好ましくない。
【0028】前記ノボラック型変性フェノール系樹脂に
内添加される樹脂硬化剤としては、加熱によりホルムア
ルデヒドを発生するホルムアルデヒド供与体が使用され
る。例えば、ヘキサメチレンテトラミン、パラホルムア
ルデヒド、ヘキサメトキシメチルメラミン、アセトアル
デヒドアンモニア、α−ポリオキシメチレン、多価メチ
ロールメラミン誘導体、オキサゾリジン誘導体、多価メ
チロール化アセチレン尿素等が挙げられ、好適にはヘキ
サメチレンテトラミン及びヘキサメトキシメチルメラミ
ンが使用される。特に好ましくは、ヘキサメトキシメチ
ルメラミンである。
【0029】また、前記ポリアミド短繊維とのマスター
バッチであるジエン系ゴムに対して粘着付与の効果を有
する粘着付与剤を、この系に添加してもよく、粘着付与
剤としては、前記ジエン系ゴムに対して相溶性に優れ、
非反応性ないしは極めて反応性が低く、加熱によっては
ジエン系ゴムと実質的に反応しないものを使用すること
ができる。例えば、クマロンインデン樹脂等のクマロン
樹脂、非反応性フェノール樹脂等の非反応性フェノール
ホルムアルデヒド樹脂、アルキルフェノールアセチレン
樹脂、テルペン・フェノール樹脂、ポリテルペン樹脂、
炭化水素系粘着化樹脂やポリブテン等の石油系炭化水素
樹脂、樹脂酸亜鉛等のロジン誘導体及びこれらの混合物
を挙げることができる。
【0030】次に本発明におけるゴム組成物の製造方法
について述べる。ここで用いる材料及びその量は前記し
た通りである。ジエン系ゴム、熱可塑性ポリアミド及び
粘着付与剤(必要に応じて)を熱可塑性ポリアミドの融
点〜270℃の温度で、混練りし、押出し、次に巻き取
れば、短繊維補強ゴムマスターバッチが得られるが、そ
の後、これを熱可塑性ポリアミドの融点以下で圧延又は
延伸してもよい。
【0031】更に得られたマスターバッチ(グラフト結
合により、ジエン系ゴムを熱可塑性ポリアミド繊維状物
で補強したもの)に対し、配合物中のポリアミド繊維配
合量を目的量に調節するため、ジエン系ゴムを適宜追加
し、これとカーボンブラック、及び樹脂硬化剤を内添加
したノボラック型変性フェノール系樹脂等の配合物をバ
ンバリーミキサーにて混練りし、目的のゴム組成物を得
ることができる。
【0032】本発明では、前記以外にもゴム工業で通常
使用されている硫黄、加硫剤、加硫促進剤、老化防止
剤、カーボンブラック以外の例えばシリカ等の充填剤、
プロセスオイル等を適宜添加してもよい。
【0033】ここで、本発明のゴム組成物の加硫物物性
について述べれば、ポリアミド短繊維の配向方向におけ
る動的弾性率E’が、20.0×108 以上であり、ま
た、この配向方向に対して垂直方向におけるtanδ
が、0.20以下であり、更に、この配向方向のE'pと
垂直方向のE'vとの比E'p/E'vが1.5/1〜3.0
/1であることが、タイヤ性能を一層向上する観点で好
ましい。
【0034】本発明のゴム組成物は、高弾性率化(超硬
質ゴム)、低ロス特性に優れているので、これをタイヤ
用ビードフィラーゴムとして用いると、軽量性、操縦安
定性、低転がり抵抗性(低燃費性)かつビードフィラー
耐久性に優れた空気入りタイヤが得られる。この特徴
は、特にカーカス層の補強コードとしてポリエステル繊
維を用いる空気入りタイヤにおいて顕著である。このゴ
ム組成物は、タイヤ以外の超硬質ゴムを要求する製品例
えばベルト補強用等にも好適に使用できる。
【0035】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、本発明の主旨を越えないかぎり本実施例に
限定されるものではない。
【0036】本発明においては、短繊維補強マスターバ
ッチ、樹脂硬化剤内添加ノボラック型オイル変性フェノ
ール系樹脂に関して以下のものを用いた。 1.短繊維補強マスターバッチ UBE−FRR−NR〔商品名:宇部興産(株)〕 配合 天然ゴム 100重量部 6−ナイロン1) 50重量部 粘着性付与剤2) 2重量部 1)融点:221℃、分子量:3×104 2)非反応性フェノール・ホルムアルデヒド樹脂 なお、本マスターバッチは、バンバリーミキサーにて他
のジエン系ゴムと混練りすることにより、ポリアミド
(6−ナイロン)の配合量を適宜調節することができ
る。 2.硬化剤内添加ノボラック型オイル変性フェノール系
樹脂 下記に合成例を示した。
【0037】〔合成例1〕1リットルのガラス製フラス
コにカシュー油で変性したノボラック型フェノール系樹
脂(融点80℃)200g、水150g及びアラビアゴ
ム4gを仕込み、攪拌しながら内容物を95℃に昇温し
た。ヘキサメチレンテトラミン20gを水150gに溶
解した液をこれに加え、攪拌しながら15分間かけて液
温を95℃に保持して反応を行った。次に、内容物を3
0℃に低下せしめ、500gの水を添加した後、ろ紙に
よるろ過により、固液を分離し、水洗いを行い、樹脂粒
子を得た。この樹脂を減圧(5mmHg以下)下で35℃、
24時間の乾燥を行い、樹脂硬化剤内添加ノボラック型
変性フェノール系樹脂粒子として樹脂Aを得た。
【0038】〔合成例2〕ヘキサメチレンテトラミンの
代わりに、ヘキサメトキシメチルメラミンを用いた以外
は、合成例1と同様にして、樹脂硬化剤内添加ノボラッ
ク型変性フェノール系樹脂粒子として樹脂Bを得た。
【0039】〔実施例1〜6及び比較例1〜5〕表1に
示した配合内容による各種ゴム組成物を作成し、動的弾
性率E’、動的損失係数tanδ及びポリエチレンテレ
フタレート(PET)の強力保持率(ポリエステル繊維
コードへの影響)を測定した。結果を表2に示した。
【0040】次にタイヤへの効果を検討するため、図1
に示すタイヤ、即ちベルト層として2プライのスチール
コード層と、カーカス層として1500d/2のPET
繊維からなる層の1プライを備えたサイズ165SR1
3のタイヤであり、カーカスプライの折り返しをリムフ
ランジの近傍の低い位置に留めた供試空気入りタイヤ1
0において、ビードフィラー14のゴム組成物として、
表1に示す実施例1〜6、比較例1〜5の配合ゴムを用
いて短繊維の配向方向16をビードワイヤー12に平行
としたタイヤを作成し、転がり抵抗性(RR)、操縦性
及び特殊耐久ドラム試験(PET強力保持率)を行っ
た。結果を表2に示した。
【0041】なお、各種の評価方法は以下の通りであ
る。 (1)動的弾性率E’、動的損失係数tanδ 岩本製作所の粘弾性スペクトロメーター(VES・Fタ
イプ)を用いて、試料片厚さ2mm、幅4.7mm、長
さ20mm、静的に5%伸長させた状態での動的歪み1
%、周波数50Hzの条件により室温にて測定した。 (2)PET強力保持率 ポリエステル繊維コードへの影響を検討するため、PE
T繊維コードを、ゴム組成物中に埋設し、160℃90
分の条件で加硫後、コードを取り出し、コード強力を測
定し、オリジナル(加硫前)のコード強力と対比してP
ET強力保持率を求めた。 (3)操縦性(コーナリングパワー(CP)指数) 外径3000mmのドラム上に内圧2.0kg/cm2
に充填した供試タイヤを設置し、荷重300kgfを負
荷させた後、30km/hの速度で30分間予備走行さ
せ、無負荷状態で、内圧2.0kg/cm2 に再調整
し、再度300kgfの荷重を負荷し、同一直径の前記
ドラム上でスリップアングルを、最大±14°まで正負
連続してつけ、正負各角度でのコーナリングフォース
(CF)を測定し、次式でコーナリングパワー(CP)
を決めた。操縦性はコントロールタイヤ(比較例1)に
対するCP指数で表されており、指数の大きい方が良い
と判断する。
【0042】CP(kg/deg)={CF(1°)+CF(2°)/2 +CF
(3°)/3 +CF(4°)/4 }/4 (4)転がり抵抗指数(RRC指数) 外径1708mmのドラム上に内圧2.0kg/cm2
に充填した供試タイヤを設置し、荷重300kgfを負
荷させた後、80km/hの速度で30分間予備走行さ
せ、空気圧を再調整し、200km/hの速度までドラ
ム回転速度を上昇させた後、ドラムを惰行させ、185
km/hから20km/hまでドラム回転速度が低下す
るまでの慣性モーメントから算出した。
【0043】(タイヤの転がり抵抗)=〔−ds/dt
(Id/Rd2 +It/Rt2 )−(ドラム単体の抵
抗)〕 式中、Idはドラムの慣性モーメント、Itはタイヤの
慣性モーメント、Rdはドラム半径、Rtはタイヤ半径
である。
【0044】上記の式にて求めた50km/h時の転が
り抵抗値を代表値として求めた。なお、測定は24±2
℃にコントロールされた室内で実施した。指数化は下記
式の値の小数点以下を四捨五入して表した。
【0045】(転がり抵抗指数)=〔(テストタイヤ代
表値)/(コントロールタイヤ代表値)〕×100 この結果、転がり抵抗指数が小さい方が良好な燃費性で
あることを示すことになる。
【0046】転がり抵抗指数の測定時の荷重は300k
gfであり、転がり抵抗指数の測定法は一軸惰行式であ
る。 (5)特殊耐久ドラム試験とタイヤでのPET強力保持
率 タイヤを、41/2 Jリムに組み、カーカスプライの折り
返し端部に集中する歪エネルギーが実車通常走行時の約
4倍となるような過荷重、過内圧の条件で直径17mの
金属ドラム上に圧着して60km/hの速度で走行さ
せ、カーカスプライ折り返し端部に故障が発生するまで
の走行距離で示し、30000kmまで走行すれば合格
とした。また、その時のタイヤからPETコードを取り
出し、コード強力を測定して走行前後のレベルをオリジ
ナルのコード強力と対比してPET強力保持率を求め
た。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】表2から明らかなように、本発明のゴム組
成物は比較例と比べて、高動的弾性率、低動的損失係数
を同時に満足し、PET強力保持率の値から、ポリエス
テル繊維コードへの影響も良好であることがわかる。こ
のことは高弾性率、低ロス特性つまり低燃費性等に優れ
た、バランスのとれたゴム組成物であることを示してい
る。また、本発明のゴム組成物をビードフィラーゴムと
して用いたタイヤは、表2にからわかるように、低転が
り抵抗性つまり低燃費性に優れ、しかも操縦性を向上さ
せ、かつPET劣化によるビードフィラー耐久性をも満
足していることがわかる。
【0050】
【発明の効果】本発明のゴム組成物は上記構成としたの
で、タイヤコードを劣化することなく高弾性率化、低ロ
ス特性に優れた効果を有し、また、このゴム組成物を用
いた空気入りタイヤは操縦性、低転がり抵抗性(低燃費
性)、かつビードフィラー耐久性に優れた効果を有す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る、空気入りタイヤのビー
ド周りの斜視図である。
【符号の説明】
10 空気入りタイヤ 12 ビードワイヤー 14 ビードフィラー 16 短繊維の配向方向(ビードワイヤーに平行)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)熱可塑性ポリアミド短繊維とジエ
    ン系ゴムとを化学結合してなるマスターバッチゴムと、
    少なくとも1種のジエン系ゴムとからなるブレンドゴム
    と、(2)ブレンドゴム中のジエン系ゴム100重量部
    に対し5〜90重量部の、カーボンブラックと、(3)
    該ジエン系ゴム100重量部に対し2〜25重量部の、
    樹脂硬化剤を内添加したノボラック型変性フェノール系
    樹脂と、を含有することを特徴とするゴム組成物。
  2. 【請求項2】 前記熱可塑性ポリアミド短繊維の配合量
    が、ブレンドゴム中のジエン系ゴム100重量部に対し
    て2.5〜50重量部であることを特徴とする請求項1
    に記載のゴム組成物。
  3. 【請求項3】 前記ノボラック型変性フェノール系樹脂
    が、変性剤としてロジン油、トール油、カシュー油、リ
    ノール酸、キシレン、メシチレン、ニトリルゴムから選
    ばれた少なくとも1種により変性された樹脂であること
    を特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
  4. 【請求項4】 前記樹脂硬化剤が、ヘキサメチレンテト
    ラミン、パラホルムアルデヒド、ヘキサメトキシメチル
    メラミン、アセトアルデヒドアンモニア、α−ポリオキ
    シメチレン、多価メチロールメラミン誘導体、オキサゾ
    リジン誘導体、多価メチロール化アセチレン尿素から選
    ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項1
    に記載のゴム組成物。
  5. 【請求項5】 前記マスターバッチのジエン系ゴムが、
    天然ゴム、合成イソプレンゴム、ブチルゴム、エチレン
    −プロピレンゴムから選ばれた少なくとも1種であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載のゴム組成物をビードフ
    ィラーゴムとして用いたことを特徴とする空気入りタイ
    ヤ。
  7. 【請求項7】 カーカス用コードがポリエステル繊維で
    あることを特徴とする請求項6に記載の空気入りタイ
    ヤ。
JP4344658A 1992-12-24 1992-12-24 ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ Pending JPH06192479A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4344658A JPH06192479A (ja) 1992-12-24 1992-12-24 ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4344658A JPH06192479A (ja) 1992-12-24 1992-12-24 ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06192479A true JPH06192479A (ja) 1994-07-12

Family

ID=18370979

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4344658A Pending JPH06192479A (ja) 1992-12-24 1992-12-24 ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06192479A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002080641A (ja) * 2000-09-06 2002-03-19 Bridgestone Corp ビードフィラーゴム組成物及びこれを用いた空気入りタイヤ
JP2002080635A (ja) * 2000-09-06 2002-03-19 Bridgestone Corp ビードフィラーゴム組成物及びこれを用いた空気入りタイヤ
JP2006057009A (ja) * 2004-08-20 2006-03-02 Sumitomo Rubber Ind Ltd ゴム組成物の製造方法
JP2006509100A (ja) * 2002-12-04 2006-03-16 アンガス ケミカル カンパニー 新規フェノール樹脂
JP2007099932A (ja) * 2005-10-05 2007-04-19 Yokohama Rubber Co Ltd:The タイヤトレッド用ゴム組成物
JP2007533819A (ja) * 2004-04-23 2007-11-22 アンガス ケミカル カンパニー フェノール樹脂
JP2008189911A (ja) * 2007-01-11 2008-08-21 Bridgestone Corp タイヤ用ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ
KR101488329B1 (ko) * 2013-09-06 2015-01-30 현대자동차주식회사 타이어 트레드 고무 조성물 및 이의 제조방법

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002080641A (ja) * 2000-09-06 2002-03-19 Bridgestone Corp ビードフィラーゴム組成物及びこれを用いた空気入りタイヤ
JP2002080635A (ja) * 2000-09-06 2002-03-19 Bridgestone Corp ビードフィラーゴム組成物及びこれを用いた空気入りタイヤ
JP2006509100A (ja) * 2002-12-04 2006-03-16 アンガス ケミカル カンパニー 新規フェノール樹脂
JP2007533819A (ja) * 2004-04-23 2007-11-22 アンガス ケミカル カンパニー フェノール樹脂
JP2006057009A (ja) * 2004-08-20 2006-03-02 Sumitomo Rubber Ind Ltd ゴム組成物の製造方法
JP4523361B2 (ja) * 2004-08-20 2010-08-11 住友ゴム工業株式会社 ゴム組成物の製造方法
JP2007099932A (ja) * 2005-10-05 2007-04-19 Yokohama Rubber Co Ltd:The タイヤトレッド用ゴム組成物
JP2008189911A (ja) * 2007-01-11 2008-08-21 Bridgestone Corp タイヤ用ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ
KR101488329B1 (ko) * 2013-09-06 2015-01-30 현대자동차주식회사 타이어 트레드 고무 조성물 및 이의 제조방법

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5049610A (en) Fiber-reinforced rubber composition and production process and use thereof
JP5466667B2 (ja) タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP5149780B2 (ja) ランフラットタイヤに使用するケースおよび/またはブレーカーのトッピング用ゴム組成物およびそれを用いたランフラットタイヤ
JP7328086B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP5346357B2 (ja) サイドウォール用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
EP1923233A1 (en) Tire having a sidewall component containing a dispersion of adhesive coated short carbon fiber reinforcement
JPH075790B2 (ja) ゴム組成物
JP3790462B2 (ja) インシトゥー生成樹脂を含有するアペックスゴムコンパウンドを用いたタイヤ
JPH06192479A (ja) ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ
JP2021167409A (ja) ゴム組成物およびゴム製品
US8962719B2 (en) Rubber composition with encapsulated resin and pneumatic tire
CN113166494B (zh) 轮胎和含交联酚醛树脂的用于轮胎的弹性体胶料
JPH07315014A (ja) 空気入りタイヤ
JPH07315015A (ja) 空気入りタイヤ
JP2540124B2 (ja) 耐久性の改善された空気入りタイヤ
JPS59204635A (ja) ビ−ドフイラ−ゴム組成物
JPS62299412A (ja) ラジアルタイヤ
JPH0551487A (ja) ゴム組成物
CN111607133A (zh) 一种轮胎胎圈钢丝胶及其制备方法
JPS61119405A (ja) 耐久性の改善された空気入りタイヤ
EP4335661A1 (en) Tire
JPH0718121A (ja) 短繊維補強ゴム組成物
JP7462801B2 (ja) 軽量化されたゴム補強材、その製造方法およびそれを含むタイヤ
JPS61119407A (ja) 空気入りタイヤ
EP4338983A1 (en) Tire