JP5651682B2 - 変化した特性を有するα−アミラーゼ変異体を含む組成物及び方法 - Google Patents

変化した特性を有するα−アミラーゼ変異体を含む組成物及び方法 Download PDF

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Description

優先権
本出願は、2009年4月1日に提出した米国仮出願シリアルNo.61/165,813に対する優先権を主張する。これによって該出願の全体がそのまま組み込まれている。
対照α−アミラーゼと比較して変化した生化学的特性と有利な性能特性とを有する変異体α−アミラーゼに関する組成物及び方法を記載する。この変異体は、デンプン変換、エタノール生産、洗濯、食器洗浄、パルプ及び紙の生産、繊維糊抜き、並びに/又は、甘味料生産のような様々な工業的用途に使用するに適している。
デンプンは、アミロース(15乃至30重量対重量%)とアミロペクチン(70乃至85重量対重量%)との混合物である。アミロースは、約60000乃至約800000の分子量(MW)を有するα−1,4−結合グルコース単位の直鎖からなる。アミロペクチンは、24個乃至30個のグルコース単位ごとにα−1,6分岐点を含む分枝状ポリマーである。その分子量は1億に達することもある。
濃縮デキストロースシロップの形態のデンプン由来の糖は、現在、
(1)α−アミラーゼによる固体デンプンの液化(又は粘度低下)による約7から約10の平均重合度を有するデキストリンの生成、及び、
(2)得られた液化デンプン(即ち、デンプン加水分解物)のアミログルコシダーゼ(グルコアミラーゼ又はGAとも呼ばれる)による糖化、
を含む酵素の触媒によるプロセスによって生産されている。その得られるシロップは高いグルコース含有量を有する。商業的に生産されるグルコースシロップの多くは、後で、イソシロップとして知られるデキストロース/フルクトース混合物へ酵素によって異性化される。
アルファ(α)−アミラーゼ(α−1,4−グルカン−4−グルカノヒドロラーゼ、E.C.3.2.1.1)は、内部のα−1,4−グルコシド結合を無作為に切断することによって、デンプン、グリコーゲン及び関連する多糖を加水分解する酵素群である。この酵素のクラスは、例えば、デンプン処理の最初の段階(液化)において、繊維の糊抜きにおいて、再生紙の脱インク処理において、製紙及びパルプ産業におけるデンプンの修飾において、浸漬穀物の粉砕において、アルコール生産において、甘味料(例えば、糖)の製造において、飲料産業において、醸造において、油田において、動物飼料において、及び、洗剤マトリクス中の洗浄剤として、数多くの重要な商業的用途がある。例えば、このような酵素は食器洗浄及び洗濯においてデンプン汚れを除去するために用いることができる。
α−アミラーゼは、広範囲の細菌類、真菌類、植物及び動物の供給源から単離される。産業的に、多くの重要なα−アミラーゼは、バチルス(Bacilli)から単離されたものである。ある特徴的なα−アミラーゼは、好アルカリ性バチルス属(Bacillus sp.)菌株TS−23α−アミラーゼであって、デンプン加水分解活性を有する少なくとも5種類の酵素を生産する(Lin et al., Biotechnol Appl Biochem, 28:61-68, 1998)。バチルス属番号TS−23のα−アミラーゼは、広いpH範囲(即ち、pH4.7からpH10.8)にわたって安定であが、最適pHが9である。この酵素は例えば15℃から20℃のような低い温度でも活性を有するが、最適温度は45℃である。
変化した生化学的特性を有し、工業的用途において向上した性能を与える変異体アミラーゼ(例えばα−アミラーゼ)の必要性が依然として存在する。
対照α−アミラーゼと比較して変化した生化学的特性及び有利な性能特性を有する変異体α−アミラーゼに関する組成物及び方法を記載する。この変異体は、デンプン変換、エタノール生産、洗濯、食器洗浄、パルプ及び紙の生産、繊維の糊抜き、及び/又は、甘味料の生産のような様々な工業的用途において使用するのに適している。
一態様において、単離されたα−アミラーゼ変異体を提供する。前記変異体は、アミラーゼ活性を有するα−アミラーゼの成熟形態であり、1、2、3、4、5、7、15、16、17、18、19、22、25、26、28、29、30、32、35、36、37、50、51、52、53、54、55、56、59、60、70、71、72、73、75、78、83、87、90、91、93、94、95、104、105、107、108、110、112、113、116、118、125、126、128、129、130、131、134、136、138、142、144、147、149、150、152、154、156、158、160、161、162、165、166、168、169、170、172、174、177、178、182、183、185、189、192、195、197、201、202、203、207、210、214、217、221、228、234、236、237、246、250、254、255、257、264、267、269、270、272、275、279、283、284、298、301、303、305、306、310、311、314、318、319、320、322、323、336、337、338、339、340、344、359、374、375、376、377、379、381、382、393、394、399、401、407、408、419、433、436、438、444、447、448、451、453、459、465、470、475、476、483及び484からなる群より選択される1つ又はそれ以上の位置における置換を含み、前記位置は配列番号2に記載されているアミノ酸配列中のアミノ酸残基に対応するものであり、異なるアミノ酸残基に対する1つ又はそれ以上の位置における天然アミノ酸残基の前記置換が、安定性の尺度について1.0を超える性能指数と、活性の尺度について1.0を超える性能指数とを有するα−アミラーゼ変異体を生じさせる。
いくつかの実施形態において、α−アミラーゼ変異体は、7、29、35、53、60、72、87、108、116、126、128、129、130、131、134、136、138、142、156、161、165、178、182、185、189、192、195、197、202、210、214、217、221、234、246、269、303、310、337、340、374、438からなる群より選択される1つ又はそれ以上の位置における置換を含み、異なるアミノ酸残基に対する天然アミノ酸残基の前記置換が、安定性の尺度について1.5を超える性能指数と、活性の尺度について1.0を超える性能指数とを有するα−アミラーゼ変異体を生じさせる。
いくつかの実施形態において、α−アミラーゼ変異体は、2、7、22、25、28、30、37、70、75、83、87、91、93、108、128、160、165、178、182、183、217、269、270、279、283、298、305、306、310、320、374、375、376、407、419、475及び476からなる群より選択される1つ又はそれ以上の位置における置換を含み、異なるアミノ酸残基に対する天然アミノ酸残基の前記置換が、安定性の尺度について1.5を超える性能指数と、活性の尺度について1.0を超える性能指数とを有するα−アミラーゼ変異体を生じさせる。
いくつかの実施形態において、α−アミラーゼ変異体は、83、125、128、131、160、178、182、183、185、189、279、305、319、320、379、407、433、453、475、476及び483からなる群より選択される1つ又はそれ以上の位置における置換を含む。
関連する一態様においては、単離されたα−アミラーゼ変異体であって、83、125、128、131、160、178、182、183、185、189、279、305、319、320、379、407、433、453、475、476及び483からなる群より選択される1つ又はそれ以上の位置における置換を含み、前記位置は、配列番号2に記載されているアミノ酸配列中のアミノ酸残基に対応するものであり、前記置換が、向上した洗浄性能、向上した洗剤安定性、向上した耐熱性、及び、向上したタンパク発現からなる群より選択される少なくとも1つの有益な効果を与えるα−アミラーゼ変異体を提供する。
他の関連する一態様においては、単離されたα−アミラーゼ変異体であって、アミラーゼ活性を有するα−アミラーゼの成熟形態であり、5、32、83、95、154、214、221、228、322、401、407、419、444、447、459、470、484からなる群より選択される1つ又はそれ以上の位置における置換を含み、前記位置が配列番号2に記載されているアミノ酸配列中のアミノ酸残基に対応し、異なるアミノ酸残基に対する天然アミノ酸残基の前記置換が、pH8における活性、pH10における活性、16℃における活性、及び、32℃における活性に関して0.5以上の性能指数値と、洗剤中の安定性に関して及び耐熱性に関して0.5以上の性能指数値を有するα−アミラーゼ変異体を生じさせるα−アミラーゼ変異体を提供する。
いくつかの実施形態において、その異なるアミノ酸残基は、その異なるアミノ酸残基が天然アミノ酸残基と異なるという条件で、A、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W及びYからなる群より選択される。
いくつかの実施形態において、α−アミラーゼ変異体は、配列番号2に記載されているアミノ酸配列に対応する位置243における置換をさらに含む。いくつかの実施形態において、前記α−アミラーゼ変異体のいずれかが、配列番号2に記載されているアミノ酸配列に対応する位置180及び/又は位置181における欠失をさらに含む。
いくつかの実施形態において、α−アミラーゼ変異体は、配列番号2、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13及び配列番号14からなる群より選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも75%同一のアミノ酸配列を有する親α−アミラーゼに由来する。
いくつかの実施形態において、α−アミラーゼ変異体は、配列番号2に記載されているアミノ酸配列に対して少なくとも75%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態において、α−アミラーゼ変異体は、配列番号2に記載されているアミノ酸配列に対して少なくとも80%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態において、α−アミラーゼ変異体は、配列番号2に記載されているアミノ酸配列に対して少なくとも90%の配列同一性を有する。
いくつかの実施形態において、α−アミラーゼ変異体は、配列番号2に記載されているアミノ酸配列に対応する128、178、182、185及び189からなる群より選択される1つ又はそれ以上の位置における置換を含み、前記置換は、向上した洗浄性能又は向上した洗剤安定性を与える。
いくつかの実施形態において、α−アミラーゼ変異体は、
(a)位置125におけるアラニン、
位置128におけるシステイン、
位置131におけるイソロイシン、
位置165におけるイソロイシン、
位置178におけるロイシン、
位置182におけるグリシン、
位置202におけるチロシン、
位置305におけるアルギニン、
位置319におけるトレオニン、若しくは、
位置475におけるアルギニン、
(b)S125A、T131I、T165I、F202Y、及び、D319Tからなる群より選択される少なくとも1つのさらなる置換、及び、N128C+K178L+T182G+Y305R+G475Kの置換、又は、
(c)置換N128C+K178L+T182G+F202Y+Y305R+D319T+G475K、S125A+N128C+K178L+T182G+Y305R+G475K、又は、S125A+N128C+T131I+T165I+K178L+T182G+Y305R+G475Kを含み、
前記変異体は、選択的に、位置243における置換、並びに/又は、位置180及び/若しくは位置181における欠失をさらに含み、
前記位置は、配列番号2に記載されているアミノ酸配列に対応する。
いくつかの実施形態において、α−アミラーゼ変異体は、位置475に置換を含む。いくつかの実施形態において、α−アミラーゼ変異体は、位置475にアルギニンを含む。いくつかの実施形態において、α−アミラーゼ変異体は、位置243における置換、並びに/又は、位置180及び/又は位置181における欠失をさらに含む。
他の一態様においては、単離されたα−アミラーゼ変異体であって、アミラーゼ活性を有する成熟形態であり、1、2、3、4、5、7、15、16、17、18、19、22、25、26、28、29、30、32、35、36、37、50、51、52、53、54、55、56、57、59、60、70、71、72、73、75、78、82、83、87、90、91、93、94、95、103、104、105、107、108、110、112、113、114、115、116、118、121、123、125、126、127、128、129、130、131、132、134、135、136、138、140、142、144、147、149、150、152、154、156、158、159、160、161、162、164、165、166、167、168、169、170、171、172、174、175、176、177、178、179、182、183、185、186、188、189、190、191、192、193、195、197、199、200、201、202、203、207、210、214、217、221、228、234、237、238、239、240、246、250、254、255、257、264、266、267、268、269、270、272、273、275、279、283、284、298、301、303、305、306、310、311、314、318、319、320、322、323、336、337、338、339、340、344、359、374、375、376、377、379、381、382、393、394、399、401、407、408、419、433、436、438、444、447、448、451、453、459、465、479、475、483及び484からなる群より選択される1つ又はそれ以上の位置における置換を含み、前記位置は、配列番号2として記載されている対照α−アミラーゼのアミノ酸配列との対応により番号付けられたα−アミラーゼ変異体を提供する。いくつかの実施形態において、1つ又はそれ以上の位置における置換は、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個又は10個の位置における置換である。
いくつかの実施形態において、α−アミラーゼ変異体は、BASE、ACE、ACE−Q及びACE−QKからなる群より選択される親α−アミラーゼに由来する。いくつかの実施形態において、α−アミラーゼ変異体は、配列番号2、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13及び配列番号14からなる群のいずれか1つに対して少なくとも75%同一のアミノ酸配列を有する親α−アミラーゼに由来する。
他の一態様において、α−アミラーゼ変異体をコードする単離された核酸を提供する。関連する一態様においては、単離された核酸を含む発現ベクターを、プロモータとの作用可能な組み合わせで提供する。更なる一態様において、その発現ベクターを含む宿主細胞を提供する。
他の一態様においては、α−アミラーゼ変異体を含む洗浄組成物を提供する。いくつかの実施形態において、この洗浄組成物は、プロテアーゼ、リパーゼ、クチナーゼ、カルボヒドラーゼ、セルラーゼ、ペクチナーゼ、マンナナーゼ、アラビナーゼ、ガラクタナーゼ、キシラナーゼ、オキシダーゼ、ペルヒドロラーゼ、ペクチン酸リアーゼ及びペルオキシダーゼからなる群より選択される少なくとも1つのさらなる酵素をさらに含む。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのさらなる酵素はプロテアーゼである。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのさらなる酵素はサブチリシンである。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのさらなる酵素はサブチリシンBPN′又はその変異体である。特定の実施形態において、少なくとも1つのさらなる酵素はサブチリシンBPN′Y217L又はその変異体である。
他の一態様において、布又は硬表面を洗浄する方法であって、布又は硬表面を上記洗浄組成物に接触させることを含む方法を提供する。いくつかの実施形態において、この洗浄組成物は少なくとも1つの界面活性剤をさらに含む。いくつかの実施形態において、この洗浄組成物は、プロテアーゼ、リパーゼ、クチナーゼ、カルボヒドラーゼ、セルラーゼ、ペクチナーゼ、マンナナーゼ、アラビナーゼ、ガラクタナーゼ、キシラナーゼ、オキシダーゼ、ペルヒドロラーゼ、ペクチン酸リアーゼ及びペルオキシダーゼからなる群より選択される少なくとも1つのさらなる酵素をさらに含む。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのさらなる酵素はプロテアーゼである。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのさらなる酵素はサブチリシンである。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのさらなる酵素はBPN′Y217Lサブチリシンである。
特定の実施形態において、α−アミラーゼ変異体は、N128C+K178L+T182G+F202Y+S243Q+Y305R+D319T+G475K、S125A+N128C+K178L+T182G+S243Q+Y305R+G475K、又は、S125A+N128C+T131I+T165I+K178L+T182G+S243Q+Y305R+G475Kの置換を含む。
いくつかの関連する実施形態において、本開示は、単離されたα−アミラーゼ変異体であって、アミラーゼ活性を有する成熟形態であり、1、2、3、4、5、7、15、16、17、18、19、22、25、26、28、29、30、32、35、36、37、50、51、52、53、54、55、56、57、59、60、70、71、72、73、75、78、82、83、87、90、91、93、94、95、103、104、105、107、108、110、112、113、114、115、116、118、121、123、125、126、127、128、129、130、131、132、134、135、136、138、140、142、144、147、149、150、152、154、156、158、159、160、161、162、164、165、166、167、168、169、170、171、172、174、175、176、177、178、179、182、183、185、186、188、189、190、191、192、193、195、197、199、200、201、202、203、207、210、214、217、221、228、234、237、238、239、240、243、246、250、254、255、257、264、266、267、268、269、270、272、273、275,279、283、284、298、301、303、305、306、310、311、314、318、319、320、322、323、336、337、338、339、340、344、359、374、375、376、377、379、381、382、393、394、399、401、407、408、419、433、436、438、444、447、448、451、453、459、465、479、475、483、及び、484からなる群より選択される1つ又はそれ以上の位置における(好ましくは、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個又は10個以上の)置換を含み、前記位置は、配列番号2として記載されている対照α−アミラーゼのアミノ酸配列との対応によって番号付けられたα−アミラーゼ変異体を提供する。一実施形態において、α−アミラーゼ変異体は、BASE、ACE、ACE−Q及びACE−QKからなる群より選択される親α−アミラーゼに由来する。他の一実施形態において、α−アミラーゼ変異体は、配列番号2、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13及び配列番号14からなる群のいずれかに対して少なくとも75%(好ましくは80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%)同一のアミノ酸配列を有する親α−アミラーゼに由来する。好ましい一実施形態において、前記位置は、1、2、3、4、5、7、16、17、18、19、22、25、26、28、29、30、32、35、36、37、57、60、70、71、72、73、75、78、82、83、87、90、91、93、94、95、103、104、105、108、112、114、115、116、118、121、123、125、126、128、129、130、131、132、134、135、136、138、140、142、144、147、149、150、152、154、156、158、159、160、161、162、164、165、166、167、168、169、171、172、174、175、176、177、178、179、182、183、185、186、189、190、191、192、193、195、197、199、202、207、214、217、221、228、234、237、238、243、246、250、254、255、257、264、266、267、268、269、270、272、273、275、279、283、284、298、301,303、305、306、310、311、318、319、320、322、323、336、337、338、339、340、344、359、374、375、376、377、379、381、382、393、394、399、401、407、408、419、433、436、438、447、451、453、459、465、479、483からなる群より選択され、前記位置は、配列番号2として記載されている対照α−アミラーゼのアミノ酸配列との対応によって番号付けられたものである。さらに別の実施形態においては、前記位置は、1、2、3、4、5、7、16、17、18、19、22、25、26、28、29、30、32、35、36、37、57、60、70、71、72、73、75、78、82、83、90、91、93、94、95、103、104、105、108、112、114、115、116、118、121、123、125、126、128、129、130、131、132、134、135、136、138、140、142、144、147、149、150、152、154、156、158、159、160、161、162、164、165、166、167、168、169、171、172、174、175、176、177、178、179、185、186、189、190、191、192、193、195、197、199、202、207、214、217、221、228、234、237、238、246、250、254、255、257、264、266、267、268、269、270、273、275,279、283、284、298、301,303、305、306,310、311、318、319、322、323、336、337、338、339、340、344、374、375、376、377、379、381、382、393、394、399、401、407、408、419、433、436、438、447、451、453、459、465、479、475及び483からなる群より選択され、これらの位置は、配列番号2として記載されている対照α−アミラーゼのアミノ酸配列との対応によって番号付けられたものである。好ましい一実施形態において、α−アミラーゼ変異体は、位置58のチロシン及び位置236のアラニンを含んでおり、これらの位置は、配列番号2として記載されている対照α−アミラーゼのアミノ酸配列との対応によって番号付けられたものである。他の一実施形態において、α−アミラーゼ変異体は、位置243のグルタミン及び位置475のリジンを含んでおり、これらの位置は、配列番号2として記載されている対照α−アミラーゼのアミノ酸配列との対応によって番号付けられたものである。
本開示は、単離されたα−アミラーゼ変異体であって、アミラーゼ活性を有する成熟形態であり、かつ、182、183、305、320、379、407、419及び475からなる群より選択される1個〜8個(例えば1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個又は8個)の位置における置換を含み、前記位置は、配列番号2として記載されている対照α−アミラーゼのアミノ酸配列との対応によって番号付けられたものであるα−アミラーゼ変異体をさらに提供する。他の一実施形態において、α−アミラーゼ変異体は、BASE、ACE、ACE−Q及びACE−QKからなる群より選択された親α−アミラーゼに由来する。他の一実施形態において、α−アミラーゼ変異体は、配列番号2、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13及び配列番号14からなる群の任意のものに対して少なくとも75%(好ましくは80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%)同一のアミノ酸配列を有する親α−アミラーゼに由来する。好ましい一実施形態において、置換は、X182N、X183N、X305Q、X320F、X379A、X407D、X419S及びX475Tからなる群の1個〜8個を含む。これらの実施形態の一部において、置換は、T182N、G183N、Y305Q、Q320F、P379A、Q407D、T419S及びG475Tからなる群の1個〜8個(例えば1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個又は8個)を含む。
本開示は、単離されたα−アミラーゼ変異体であって、アミラーゼ活性を有する成熟形態であり、160、182、183、189、305、379及び475からなる群より選択される1個〜7個の(例えば1個、2個、3個、4個、5個、6個又は7個)位置における置換を含み、これらの位置は、配列番号2として記載されている対照α−アミラーゼのアミノ酸配列との対応によって番号付けられたものであるα−アミラーゼ変異体を提供する。他の一実施形態において、このα−アミラーゼ変異体は、BASE、ACE、ACE−Q及びACE−QKからなる群より選択される親α−アミラーゼに由来する。好ましい一実施形態において、このα−アミラーゼ変異体は、配列番号2、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13及び配列番号14からなる群のいずれかに対して少なくとも75%(好ましくは80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%)同一のアミノ酸配列を有する親α−アミラーゼに由来する。他の好ましい一実施形態において、この置換は、X160E、X182G、X183N、X189P、X305G、X379E及びX475Tからなる群の1個〜7個を含む。これらの実施形態の一部において、この置換は、Y160E、T182G、G183N、E189P、Y305G、P379E及びG475Tからなる群の1個〜7個(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個又は7個)を含む。
本開示は、単離されたα−アミラーゼ変異体であって、アミラーゼ活性を有する成熟形態であり、かつ、125、182、214、279、305、319、320、475からなる群より選択される1個〜8個(例えば1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個又は8個)の位置における置換を含み、前記位置は、配列番号2として記載されている対照α−アミラーゼのアミノ酸配列との対応によって番号付けられたものである変異体をさらに提供する。他の一実施形態において、α−アミラーゼ変異体は、BASE、ACE、ACE−Q及びACE−QKからなる群より選択される親α−アミラーゼに由来する。好ましい一実施形態において、α−アミラーゼ変異体は、配列番号2、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13及び配列番号14からなる群の任意のものに対して少なくとも75%(好ましくは80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%)同一のアミノ酸配列を有する親α−アミラーゼに由来する。他の好ましい一実施形態において、置換は、X125A、X182A、X214Q、X279N、X305R、X319T、X320N及びX475Rからなる群の1個〜8個を含む。これらの実施形態の一部において、置換は、S125A、T182A、T214Q、T279N、Y305R、D319T、Q320N及びG475Rからなる群の1個〜8個(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個又は8個)を含む。
本開示は、他の単離されたα−アミラーゼ変異体であって、アミラーゼ活性を有する成熟形態であり、かつ、7、182、298、376、379、407、419、及び、453からなる群より選択された1個〜8個(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個又は8個)の位置における置換を含み、前記位置は、配列番号2として記載されている対照α−アミラーゼのアミノ酸配列との対応によって番号付けられたものである変異体を提供する。他の一実施形態において、α−アミラーゼ変異体は、BASE、ACE、ACE−Q及びACE−QKからなる群より選択される親α−アミラーゼに由来する。好ましい一実施形態において、α−アミラーゼ変異体は、配列番号2、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13及び配列番号14からなる群の任意のものに対して少なくとも75%(好ましくは80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%)同一のアミノ酸配列を有する親α−アミラーゼに由来する。他の好ましい一実施形態において、置換は、X7H、X182W、X298Q、X376R、X379K、X407W、X419S及びX453Wからなる群の1個〜8個を含む。これらの実施形態の一部において、置換は、E7H、T182W、T298Q、Y376R、P379K、Q407W、T419S及びL453Wからなる群の1個〜8個(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個又は8個)を含む。
本開示は、単離されたα−アミラーゼ変異体であって、アミラーゼ活性を有する成熟形態であり、かつ、128、178、182及び185からなる群より選択される1個〜4個(例えば、1個、2個、3個又は4個)の位置における置換を含み、前記α−アミラーゼ変異体は、位置243にセリン又はグルタミンを含み、前記位置は、配列番号2として記載されている対照α−アミラーゼのアミノ酸配列との対応によって番号付けられたものである変異体を提供する。一実施形態において、α−アミラーゼ変異体は、BASE、ACE、ACE−Q及びACE−QKからなる群より選択された親α−アミラーゼに由来する。好ましい一実施形態において、α−アミラーゼ変異体は、配列番号2、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13及び配列番号14からなる群の任意のものに対して少なくとも75%(好ましくは80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%)同一のアミノ酸配列を有する親α−アミラーゼに由来する。さらに別の一実施形態においては、置換は、N128C、K178L、T182G及びA185Dからなる群の1個〜4個(例えば、1個、2個、3個、又は4個)を含む。
本開示は、他の単離されたα−アミラーゼ変異体であって、アミラーゼ活性を有する成熟形態であり、かつ、125、182、183、189、279、305、319、379及び475からなる群より選択される1個〜9個(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個又は9個)の位置における置換を含み、前記α−アミラーゼ変異体は、位置320にグルタミン、フェニルアラニン又はアスパラギンを含み、前記位置は、配列番号2として記載されている対照α−アミラーゼのアミノ酸配列との対応によって番号に付けられたものである変異体を提供する。一実施形態において、α−アミラーゼ変異体は、BASE、ACE、ACE−Q及びACE−QKからなる群より選択される親α−アミラーゼに由来する。好ましい一実施形態において、α−アミラーゼ変異体は、配列番号2、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13及び配列番号14からなる群の任意のものに対して少なくとも75%(好ましくは80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%)同一のアミノ酸配列を有する親α−アミラーゼに由来する。他の一実施形態において、α−アミラーゼ変異体は、位置125のセリン又はアラニン、位置182のトレオニン、アスパラギン、グリシン又はアラニン、位置183のグリシン又はアスパラギン、位置189のグルタミン酸又はプロリン、位置279のトレオニン又はアスパラギン、位置305のチロシン、グルタミン、グリシン又はアルギニン、位置319のアスパラギン酸又はトレオニン、位置379のプロリン又はアラニン、及び、位置475のグリシン、トレオニン又はアルギニンを含み、前記位置は、配列番号2として記載されている対照α−アミラーゼのアミノ酸配列との対応によって番号に付けられたものである。
本開示は、単離されたα−アミラーゼ変異体であって、アミラーゼ活性を有する成熟形態であり、かつ、125、128、178、182、183、189、279、305、319、379、及び、475からなる群より選択される1個〜11個(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個又は11個)の位置における置換を含み、前記α−アミラーゼ変異体は、位置243のセリン又はグルタミンを含み、位置320のグルタミン、フェニルアラニン又はアスパラギンを含み、前記位置は、配列番号2として記載されている対照α−アミラーゼのアミノ酸配列との対応によって番号付けられたものである変異体をさらに提供する。一実施形態において、α−アミラーゼ変異体は、BASE、ACE、ACE−Q及びACE−QKからなる群より選択される親α−アミラーゼに由来する。好ましい一実施形態において、α−アミラーゼ変異体は、配列番号2、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13及び配列番号14からなる群の任意のものに対して少なくとも75%(好ましくは80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%)同一のアミノ酸配列を有する親α−アミラーゼに由来する。他の一実施形態において、α−アミラーゼ変異体は、位置125のセリン又はアラニン、位置128のアスパラギン又はシステイン、位置178のリジン又はロイシン、位置182のトレオニン、アスパラギン、グリシン又はアラニン、位置183のグリシン又はアスパラギン、位置189のグルタミン酸又はプロリン、位置279のトレオニン又はアスパラギン、位置305のチロシン、グルタミン、グリシン又はアルギニン、位置319のアスパラギン酸又はトレオニン、位置379のプロリン又はアラニン、及び、位置475のグリシン、トレオニン又はアルギニンを含み、前記位置は、配列番号2として記載されている対照α−アミラーゼのアミノ酸配列との対応によって番号付けられたものである。他の好ましい一実施形態において、置換は、N128C、T131I、T134P、Q138E、Y160I、T165I、T165V、K178L、T182A、T182C、T182D、T182M、T182F、T182N、T182G、T182P、T182Q、A185D、A185E、E189P、S243D、S243E及びS243Qからなる群より選択される。
以下に記載するアミノ酸変異は、例示的α−アミラーゼを出発点、つまり、「骨格」として用いて、作成及び試験したが、関連α−アミラーゼにおいて同等なアミノ酸変異を作成することができ、それらが同様の効果を生み、同様の利点を与えることが予想されることは理解されるであろう。本明細書において、骨格として使用される他の例示的α−アミラーゼは特定されたものに限定されない。
本開示は、前記のいずれかのα−アミラーゼ変異体をコードする単離された核酸をさらに提供する。一実施形態においては、単離された核酸を、プロモータとの作用可能な組み合わせにおいて含む発現ベクターが含まれる。他の一実施形態においては、発現ベクターを含む宿主細胞が含まれる。他の一実施形態は、α−アミラーゼ変異体を生産する方法であって、α−アミラーゼ変異体をコードする核酸を含む発現ベクターで宿主細胞を形質転換するステップと、α−アミラーゼ変異体の生産に適した条件下でその形質転換した宿主細胞をインキュベートするステップとを含む方法を提供する。他の一実施形態においては、前記方法が、生成されたα−アミラーゼ変異体を採取するステップをさらに含む繊維洗浄方法である。さらに別の一実施形態は、宿主細胞としてバチルス属を含み、また別の一実施形態においては、そのバチルス属がバチルスサブチリスである。
本開示は、前記のいずれかのα−アミラーゼ変異体を含む洗浄組成物であって、少なくとも1つのさらなる酵素をさらに含む洗浄組成物を提供する。一実施形態において、追加酵素は、プロテアーゼ(サブチリシン、中性メタロプロテアーゼ、アスパルチルプロテアーゼなどを含むがこれらに限定されない)、リパーゼ、クチナーゼ、カルボヒドラーゼ、セルラーゼ、ペクチナーゼ、マンナナーゼ、アラビナーゼ、ガラクタナーゼ、キシラナーゼ、オキシダーゼ、ペルヒドロラーゼ、ペクチン酸リアーゼ及びペルオキシダーゼからなる群より選択される。他の一実施形態において、この洗浄組成物は洗濯用洗剤であり、また別の一実施形態において、この洗浄組成物は食器用洗剤である。他の一実施形態において、この洗浄組成物は、漂白剤を含む洗濯用及び/又は食器用洗剤である。他の一実施形態において、この洗浄組成物は、例えば、洗浄前用途のような、布のための前処理剤である。他の一実施形態において、この洗浄組成物は、洗濯用洗剤又は食器用洗剤の添加剤である。本開示は、α−アミラーゼ変異体を含む洗浄組成物に布を含む表面及び/又は品物を接触させるステップを含む洗浄方法をさらに提供する。一実施形態において、この方法は、食器洗浄方法であって、以下のステップ:i)食器洗浄組成物及びii)洗浄を必要とする食器を提供するステップと、皿の洗浄を提供するのに有効な条件下で前記食器を前記食器洗浄組成物に接触させるステップとを含む。他の一実施形態において、この方法は、以下のステップ:i)布洗浄組成物及びii)洗浄を必要とする洗濯物を提供するステップと、洗濯物の洗浄を提供するのに有効な条件下で前記洗濯物を前記布洗浄組成物に接触させるステップとを含む。他の一実施形態において、この方法は、繊維糊抜きなどの場合において、織布中の糸に由来する材料を除去するステップを含む。
これらの組成物及び方法のこれらの態様及び他の態様並びに実施形態は、明細書を考慮して明らかにされる。
図1は、配列番号2及び配列番号5−14としてそれぞれ記載されている様々な対照アミラーゼの成熟形態の配列比較を提供する。配列は、MUSCLE3.7複数配列比較アルゴリズム(Edgar, Nucleic Acids Research, 32:1792-1797, 2004)を用いて整列した。
図2は、バチルスリケニフォルミスLATプロモータ(Plat)と、レプリカーゼ遺伝子(reppUB)、ネオマイシン/カナマイシン耐性遺伝子(neo)、及び、ブレオマイシン抵抗性マーカ(bleo)を含むpUB110(McKenzie et al., Plasmid, 15: 93-103, 1986)に由来するさらなるエレメントとを含むpHPLTベクターのマップを提供する。
図3は、pHPLT−BASEプラスミドのマップを提供する。
図4は、pHPLT−ACE−S243Qプラスミドのマップを提供する。
図5は、洗濯用洗剤用途における複数のα−アミラーゼの洗浄性能を示すグラフを与える。試験を行った酵素は、W9(BASE−S125A−N128C−K178L−T182G−S243Q−T279N−D319T−Q320N−G475R)、W10(BASE−N128C−K178L−T182G−S243Q−Y305R−D319T−G475R)、W11(BASE−S125A−N128C−K178L−T182G−S243Q−Y305R−G475R)、及び、ACE−S243Q−G475Kである。
図6は、洗濯用洗剤用途における複数のα−アミラーゼの洗浄性能を示すグラフを提供する。試験を行った酵素は、BASE−X8C、BASE−W10EK、ACE−QK、及び、コントロール(標準商用酵素)である。
図7Aは、ACEα−アミラーゼとBPN′Y217Lサブチリシンプロテアーゼとの間の洗濯用途における相乗作用を示すグラフを提供する。 図7Bは、ACE−S243Q−G475K(ACE−QK)α−アミラーゼとBPN′Y217Lサブチリシンプロテアーゼとの間の洗濯用途における相乗作用を示すグラフを提供する。
図8は、BASE−X8C(W11−T131I−T165I)α−アミラーゼとBPN′Y217Lサブチリシンプロテアーゼとの間の洗濯用途における相乗作用を示すグラフを提供する。
図9は、BASE W10EK(BASE−N128C−K178L−T182G−S243E−Y305R−D319T−G475K)α−アミラーゼとBPN′Y217Lサブチリシンプロテアーゼとの間の洗濯用途における相乗作用を示すグラフを提供する。
図10は、ACE−S243Q−G475K(ACE−QK)α−アミラーゼとBPN′Y217Lサブチリシンプロテアーゼとの間の洗濯用途における相乗作用を示すグラフを提供する。
アミラーゼ変異体、特にバチルスα−アミラーゼ変異体に関する組成物及び方法を記載する。本明細書に記載されているアミラーゼ変異体は、変化した生化学的特性を有し、様々な工業的用途(例えば、洗濯及び食器洗浄)において高い性能を示す。これらの変異体のこれらの特徴及び他の特徴、並びに、これらの変異体を使用する方法を詳細に説明する。
1.α−アミラーゼ変異体用、定義及び命名法
本明細書において異なるように定義されていなければ、本明細書において使用されている技術用語及び科学用語のすべては、当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。「Singleton, et al., DICTIONARY OF MICROBIOLOGY AND MOLECULAR BIOLOGY, 2D ED., John Wiley and Sons, New York (1994)」及び「Hale & Markham, THE HARPER COLLINS DICTIONARY OF BIOLOGY, Harper Perennial, NY (1991)」は、本明細書において使用されている用語の多くの一般的辞書を当業者に提供する。
これらの組成物及び方法のいくつかの態様は、遺伝子工学及び分子生物学の分野において使用されるルーティーン的な技術及び方法に頼っている。以下の資料:Sambrook et al., MOLECULAR CLONING; A LABORATORY MANUAL (2nd Ed., 1989); Kreigler, GENE TRANSFER AND EXPRESSION; A LABORATORY MANUAL (1990)、及び、Ausubel et al., Eds. CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY (1994)は、本発明の組成物及び方法に従った有用な一般的方法論の説明を含む。これらの一般資料は、当業者に知られている定義及び方法を提供する。しかしながら、記載されている特定の技術、プロトコル及び試薬は変更してもよいので、本発明の組成物及び方法がこれらのいずれかに限定されることは意図されていない。本発明の組成物及び方法の実施又は試験においては、本明細書に記載されているものと類似又は均等のいかなる方法及び材料を使用することができるが、好ましい方法及び材料を記載する。
タンパク及びそれらのタンパクをコードする遺伝子を記載するときに、遺伝子の名前は一般にイタリック体にして大文字にせず、タンパクの名前は一般にイタリック体にせずに頭文字を大文字にする。
単数形の「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び、「その(the)」は、別段の定めがない限り、複数の指示対象を含む。従って、例えば、「酵素(an enzyme)」への言及は、複数のそのような酵素を含み、「配合物(the formulation)」への言及は、当業者に知られた1つ以上の配合物及びその均等物への言及などを含む。
本明細書で引用されている特許及び刊行物のすべては、そのような特許及び刊行物において開示されているすべての配列を含めて、参照することによって明示的に組み込まれている。
1.1 定義
明確性のために以下の用語を定義する。
本明細書において用いられているように、「デンプン」という用語は、Xが任意の数であり得る式(C10を有し、アミロースとアミロペクチンとで構成された、植物性複合多糖炭水化物で構成された任意の材料を表す。特に、この用語は、限定されるものではないが、穀類、草、塊茎及び根、特に、小麦、大麦、トウモロコシ、ライ麦、コウベイ、モロコシ、ふすま、カッサバ、ミレット、ジャガイモ、サツマイモ、及び、タピオカを含む任意の植物をベースとする材料を表す。
本明細書で用いられているように、「アミラーゼ」は、デンプンの分解を触媒することができる酵素を表す。一般に、α−アミラーゼ(EC3.2.1.1、α−D−(1→4)グルカングルカノヒドロラーゼ)は、デンプン分子中のα−D−(1→4)Oグリコシド結合をランダムな方法で開裂するエンド型酵素である。対照的に、β−アミラーゼ(EC3.2.1.2、α−D−(1→4)グルカンマルトヒドラーゼ)のようなエキソ型デンプン分解酵素、及び、マルトース生成型α−アミラーゼ(EC3.2.1.133)のようないくつかの生成物特異的アミラーゼは、基質の非還元性末端からデンプン分子を開裂する。β−アミラーゼ、α−グルコシダーゼ(EC3.2.1.20、α−D−グルコシドグルコヒドロラーゼ)、グルコアミラーゼ(EC3.2.1.3、α−D−(1→4)−グルカングルコヒドロラーゼ)、及び、生成物特異的アミラーゼは、デンプンから特定の長さのマルトオリゴ糖を生じさせることができる。本明細書で用いられているように、アミラーゼは、グルコアミラーゼ、α−アミラーゼ、β−アミラーゼ、及び、バチルス属(例えば、バチルスリケニフォルミス及びバチルスサチリス)等の野生型α−アミラーゼを含むあらゆる/すべてのアミラーゼを含む。一方で、α−アミラーゼは、これらの酵素の部分集合を含む。
本明細書で用いられているように、「バチルス種株TS−23α−α−アミラーゼ」及び同様のフレーズは、バチルス種に由来するα−アミラーゼを表す。α−アミラーゼをコードする遺伝子は、野生型遺伝子であってもよいし、又は、α−アミラーゼをコードするコドン最適化ポリヌクレオチドであってもよい。バチルス種株TS−23の成熟したα−アミラーゼは、以下(アミノ基からカルボキシ基方向)(配列番号1)の通りである。
NTAPINETMM QYFEWDLPND GTLWTKVKNE AANLSSLGIT ALWLPPAYKG 50
TSQSDVGYGV YDLYDLGEFN QKGTIRTKYG TKTQYIQAIQ AAKAAGMQVY 100
ADVVFNHKAG ADGTEFVDAV EVDPSNRNQE TSGTYQIQAW TKFDFPGRGN 150
TYSSFKWRWY HFDGTDWDES RKLNRIYKFR STGKAWDWEV DTENGNYDYL 200
MFADLDMDHP EVVTELKNWG TWYVNTTNID GFRLDAVKHI KYSFFPDWLT 250
YVRNQTGKNL FAVGEFWSYD VNKLHNYITK TNGSMSLFDA PLHNNFYTAS 300
KSSGYFDMRY LLNNTLMKDQ PSLAVTLVDN HDTQPGQSLQ SWVEPWFKPL 350
AYAFILTRQE GYPCVFYGDY YGIPKYNIPG LKSKIDPLLI ARRDYAYGTQ 400
RDYIDHQDII GWTREGIDTK PNSGLAALIT DGPGGSKWMY VGKKHAGKVF 450
YDLTGNRSDT VTINADGWGE FKVNGGSVSI WVAKTSNVTF TVNNATTTSG 500
QNVYVVANIP ELGNWNTANA IKMNPSSYPT WKATIALPQG KAIEFKFIKK 550
DQAGNVIWES TSNRTYTVPF SSTGSYTASW NVP 583
本明細書で用いられているように、「α−アミラーゼ変異体」及び同様のフレーズは、対照α−アミラーゼの変種/変異体であって、対照α−アミラーゼの親(野生型、対照)アミノ酸配列に対してアミノ酸の置換、挿入及び/又は欠失を含むものを表す。「変異体(variant)」という用語は、「変異体(mutant)」という用語と互いに区別なく使用される。変異体α−アミラーゼは、親シグナル配列に関してシグナル配列中に変異を含み得る。さらに、変異体α−アミラーゼは、バチルスリケニフォルミス(LAT)等に由来する異種起源α−アミラーゼシグナル配列を含む融合タンパクの形態であってもよい。
本明細書で用いられているように、「親バチルス種株TS−23 α−アミラーゼ」、「野生型バチルス種株TS−23 α−アミラーゼ」、「対照バチルス種株TS−23 α−アミラーゼ」、及び、同様のフレーズは、バチルス種株TS−23のポリペプチドを表す。この用語は、便宜上、「親酵素」、「野生型酵素」、「親ポリペプチド」、及び、「対照ポリペプチド」と略すことができる。親バチルス種株TS−23 α−アミラーゼは、親ポリペプチドのシグナル配列中に変異を含んでいてもよい。さらに、親バチルス種株TS−23 α−アミラーゼは、バチルスリケニフォルミス(LAT)等に由来する異種起源α−アミラーゼシグナル配列を含む融合タンパクの形態であってもよい。
本明細書で用いられているように、「親核酸/ポリヌクレオチド」、「野生型核酸/ポリヌクレオチド」又は「対照核酸/ポリヌクレオチド」は、親ポリペプチドをコードする核酸配列及びそれに対して相補的な核酸を表す。
本明細書で用いられているように、「変異体の核酸/ポリヌクレオチド」は、変異体ポリペプチドをコードする核酸配列若しくはそれに対して相補的な核酸、又は、親ポリヌクレオチド配列に対して少なくとも1つの塩基の置換、挿入又は欠失を有するポリヌクレオチド配列若しくはそれに対して相補的な核酸を表す。そのような核酸は、特定の場合には、対照配列に対して特定の程度の相同性を有するもの、又は、例えば、ストリンジェント条件[例えば、50℃及び0.2×SSC(1×SSC=0.15M NaCl、0.015M Naシトレート、pH7.0)]又は、高度なストリンジェント条件[例えば、65℃及び0.1×SSC(1×SSC=0.15M NaCl、0.015M Naシトレート、pH7.0)]において、対照配列に対してハイブリダイズできるものを含んでいてもよい。変異体核酸は、メチロトローフ酵母(例えば、ピチア、ハンゼヌラなど)若しくは糸状菌(例えばトリコデルマ(例えばトリコデルマリーゼイ)など)、又は、他の発現宿主(例えばバチルス、ストレプトミセスなど)のような特定の宿主生物のための好ましいコドン使用を考慮するように最適化されたものであってもよい。
本明細書で用いられているように、「組換」という用語は、対象の細胞、核酸、タンパク又はベクターについて使用されたときに、その対象が異種起源の核酸若しくはタンパクの導入によって又は天然の核酸若しくはタンパクの変性によって修飾されること、又は、その細胞がそのように修飾された細胞に由来することを表す。従って、例えば、組換細胞は、その細胞の天然(非組換)形態においてはみられない遺伝子を発現するか、又は、天然の遺伝子を過剰発現、過少発現若しくは全く発現しない。
本明細書で用いられているように、「回収された」、「単離された」、及び、「分離された」という用語は、化合物、タンパク、細胞、核酸又はアミノ酸であって、それらに天然に付随し、かつ、天然においてみられる少なくとも1つの成分から除去されたものを表す。
本明細書で用いられているように、「精製される」という用語は、相対的に純粋な状態、例えば、少なくとも約90%純粋、少なくとも約95%純粋、少なくとも約98%純粋、又は、少なくとも約99%純粋である材料(例えば、単離されたポリペプチド又はポリヌクレオチド)を表す。
本明細書で用いられているように、「熱安定性」及び「耐熱性」という用語は、酵素が高温への暴露の後に活性を保持する能力を表す。α−アミラーゼ酵素のような酵素の耐熱性は、定義された条件下で酵素活性の半分が失われる分、時間又は日数において与えられる半減期(t1/2)によって測定される。この半減期は、高温への暴露(すなわち、高温による試験)の後に残存α−アミラーゼ活性を測定することによって算出することができる。
本明細書で用いられているように、「pH領域」は、酵素が触媒能力を示すpHの範囲を表す。
本明細書で用いられているように、「pH安定」及び「pH安定性」という用語は、酵素が所定時間(例えば、15分、30分、1時間など)にわたって広範囲のpHで活性を保持する能力に関する。
本明細書で用いられているように、「アミノ酸配列」という用語は、「ポリペプチド」、「タンパク」及び「ペプチド」という用語と同義であり、互いに区別なく用いる。そのようなアミノ酸配列が活性を示す場合には、それらを「酵素」と称することができる。本明細書においては、アミノ酸残基のための従来の1文字又は3文字のコードを使用する。
本明細書で用いられているように、「核酸」という用語は、DNA、RNA、ヘテロ二本鎖、及び、ポリペプチドをコードすることができる合成分子を包含する。核酸は、一本鎖又は二本鎖であってもよく、化学修飾されたものであってもよい。「核酸」及び「ポリヌクレオチド」という用語は互いに区別なく用いる。遺伝子コードが縮退しているので、特定のアミノ酸をコードするために1つよりも多いコドンを使用することができ、本発明の組成物及び方法は、特定のアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を包含する。別段の定めがない限り、核酸は、左から右へ5′から3′の方向で記載されており、アミノ酸配列は、左から右へアミノからカルボキシへそれぞれ記載されている。
本明細書で用いられているように、「同族体(homologue)」という用語は、対照のアミノ酸又はヌクレオチド配列に対する特定程度の同一性又は他の特定の共通の構造的又は機能的特徴を有するアミノ酸又はヌクレオチド配列を表す。相同配列は、従来の配列比較手段(例えばClustal、BLASTなど)を用いて対象配列に対して少なくとも75%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一のアミノ酸配列を含むように理解される。一般に、同族体は、別段の定めがない限り、対象アミノ酸配列と同一の活性部位残基を含むであろう。
本明細書で用いられているように、「ハイブリダイゼーション」は、ブロットハイブリダイゼーション法及びPCR法の間に生じるような、核酸塩基の一本鎖が相補鎖とペアになるプロセスを表す。
本明細書で用いられているように、「合成」分子は、生物によってではなく、インビトロにおける化学的な又は酵素的な合成によって生じる。
本明細書で用いられているように、細胞に関して使用された「形質転換された」、「安定的に形質転換された」及び「トランスジェニック」という用語は、その細胞のゲノムへ統合された、又は、複数世代を経て維持されるエピゾームのプラスミドとして伝えられる非天然(例えば、異種起源)の核酸配列をその細胞が有することを意味する。
当業界において知られているように、細胞内に核酸配列を挿入するという文脈における「導入された」という用語は、「トランスフェクション」、「形質転換」又は「トランスダクション」を意味する。
本明細書で用いられているように「宿主株」又は「宿主細胞」という用語は、発現ベクター、ファージ、ウイルス、又は、対象のポリペプチド(例えば、変異体α−アミラーゼ)をコードするポリヌクレオチドを含む他のDNA構築物を導入した生物を表す。典型的な宿主株は細菌細胞である。「宿主細胞」という用語は、バチルス属等の細胞から生成された原形質体を含む。
本明細書で用いられているように、ポリヌクレオチド又はタンパクに関する「異種起源(heterologous)」という用語は、宿主細胞中に天然には生じないポリヌクレオチド又はタンパクを表す。
本明細書で用いられているように、ポリヌクレオチド又はタンパクに関する「内因性の(endogenous)」という用語は、宿主細胞中に天然に生じるポリヌクレオチド又はタンパクを表す。
本明細書で用いられているように、「発現(expression)」用語は、遺伝子の核酸配列に基づいてポリペプチドが生産されるプロセスを表す。このプロセスは転写及び翻訳の両方を含む。
本明細書で用いられているように、「選択マーカー(selective marker)」又は「選択可能なマーカー(selectable marker)」は、その遺伝子を有する宿主細胞の選択を容易にするように宿主において発現され得る遺伝子を表す。選択マーカーの例は、限定されるものではないが、抗菌剤(例えば、ヒグロマイシン、ブレオマイシン又はネオマイシン)、及び/又は、宿主細胞に栄養的優位のような代謝的優位を与える遺伝子を含む。
本明細書で用いられているように、「インキュベート(culturing)」は、液体又は固形の培地において適切な条件下で微生物細胞の個体群を育てることを表す。インキュベートは、(一般に管又は反応器の中で)粒状デンプンを含むデンプン基質の発酵による最終生成物への生物学的変換を含む。
本明細書で用いられているように、「発酵(fermentation)」は、微生物による有機物質の酵素的分解であって、より単純な有機化合物を生じる酵素的分解である。発酵は一般に嫌気条件下で生じるが、発酵は酸素の存在下においても生じるので、この用語が厳密な嫌気条件のみに限定されるようには意図されていない。
本明細書で用いられているように、「遺伝子(gene)」は、ポリペプチドの生産に関与し、かつ、コード領域、コード領域の前後の部位、及び、個々のコード断片(エキソン)間の介在配列(イントロン)を含むDNA断片を表す。
本明細書で用いられているように、「ベクター(vector)」は、1つ以上の細胞種の中へ核酸を導入するために設計されたポリヌクレオチド配列を表す。ベクターは、クローニングベクター、発現ベクター、シャトルベクター、プラスミド、ファージ粒子、及び、カセット等を含む。
本明細書で用いられているように、「発現ベクター(expression vector)」は、対象のポリペプチドをコードするDNA配列を含むDNA構築物であって、適切な宿主においてそのDNAの発現を可能にする適切な制御配列に作用可能な状態で結合したDNA構築物を表す。そのような制御配列は、転写を達成するためのプロモータ、転写を制御するための選択的なオペレーター配列、mRNA上の適切なリボソーム結合部位をコードする配列、並びに、転写及び翻訳の終了を制御するエンハンサ及び配列を含んでいてもよい。
本明細書で用いられているように、「プロモータ(promoter)」は、遺伝子の転写を開始させるためのRNAポリメラーゼの結合に関与する調節配列である。プロモータは、誘導可能なプロモータ又は常時発現のプロモータであってもよい。典型的なプロモータは、バチルスリケニフォルミスα−アミラーゼ(AmyL)プロモータである。
本明細書で用いられているように、「作用可能な状態で連結した(operably linked)」という用語は、特定の成分が意図された態様で機能できる関係(並置を含むが、これに限定されるものではない)にあることを意味する。例えば、調節配列は、コード配列の発現がその調節配列の制御下に置かれるように、そのコード配列に作用可能な状態で連結される。
本明細書で用いられているように、「転写制御下(under transcriptional control)」という用語は、ポリヌクレオチド配列(通常はDNA配列)の転写が、転写の開始に寄与する又は転写を促進する因子にその配列が作用可能な状態で連結されていることに依存することを意味する。
本明細書で用いられているように、「翻訳制御下(under translational control)」という用語は、ポリヌクレオチド配列(通常はRNA配列)からポリペプチドへの翻訳が、翻訳の開始に寄与する又は翻訳を促進する因子にその配列が作用可能な状態で結合していることに依存することを意味する。
本明細書で用いられているように、「シグナル配列(signal sequence)」は、タンパクのN末端部位に付着したアミノ酸の配列であって、細胞外へのそのタンパクの分泌を容易にする配列である。細胞外タンパクの成熟形態はシグナル配列を欠いており、そのシグナル配列は分泌プロセス中に切断される。
本明細書で用いられているように、「生物学的に活性である(biologically active)」は、酵素活性のような特定の生物学的活性を有する配列を表す。本発明のアミラーゼの場合、活性がα−アミラーゼ活性である。
本明細書で用いられているように、「水の硬度(water hardness)」は、水中に存在する無機質(例えばカルシウム及びマグネシウム)の量である。
本明細書で用いられているように、「冷水(cold water)」という用語は、温度が約25℃より低い水を表す。特定の場合、冷水は、温度が約20℃より低い水を表す。典型的な冷水の温度範囲は、約15℃から約25℃、及び、約15℃から約20℃である。
本明細書で用いられているように、「性能指数(performance index)(PI)」という用語は、親又は対照のアミラーゼに対する変異体の性能の比を表す。性能指数(すなわち特性)の測定値は、熱安定性、洗浄能力、及び、発現レベルなどを含むものであり、文脈から明らかにされる。
本明細書で用いられているように、性能を向上させる変異は、「上昇変異(up mutations)」として知られており、特定の特性についてPI>1を有する。「中間変異(Neutral mutations)」は、特定の特性についてPI>0.5を有する。「非有害変異(Non-deleterious mutations)」は、特定の特性についてPI>0.05を有する。「有害変異(Deleterious mutations)」は、特定の特性についてPI≦0.05を有する。「組み合わせ可能変異(Combinable mutations)」は、少なくとも1つの特性についてPI≧0.5を有し、すべての特性についてPI>0.05を有する。少なくとも1つの有益な特性を有する酵素を生産するために、同一の変異体中に、複数の組み合わせ可能な変異が同時に存在してもよい。
本明細書で用いられているように、「活性の測定値(measure of activity)」という用語は、本明細書に記載されているような酵素活性の測定値を表す。活性のそのような測定は、pH8における洗浄性能、pH10における洗浄性能、16℃における洗浄性能、32℃における洗浄性能、及び、合成基質を使用した活性を含む。
本明細書で用いられているように、「安定性の尺度(measure of stability)」という用語は、本明細書に記載されているような酵素の安定性の測定値を表す。安定性のそのような尺度には、洗剤及び耐熱性中の安定性が含まれる。
本明細書で用いられているように、「共配合(co-formulation)」という用語は、酵素のような対象成分が同一の液体、半固形又は乾燥組成物の中に一緒に存在することを意味する。
本明細書で用いられているように、「糖化(saccharification)」は、デンプンからグルコースへの酵素による変換を表す。
本明細書で用いられているように、「ゼラチン化(gelatinization)」は、粘性懸濁液を作成するための煮沸によるデンプン分子の可溶化を表す。
本明細書で用いられているように、「液化(liquefaction)」は、デンプン変換において、ゼラチン化されたデンプンを加水分解して低分子量の可溶性デキストリンを与える段階を表す。
本明細書で用いられているように、「第一の液化(primary liquefaction)」という用語は、スラリーの温度がそのゼラチン化温度に上昇したとき又はそのゼラチン化温度の近くに上昇したときの液化の1ステップを表す。温度の上昇の後に、スラリーは、200乃至300°F(例えば、220乃至235°F)の温度熱交換器又はジェットを通るように送られる。熱交換又はジェット温度への作用の後に、そのスラリーをその温度で3乃至10分間にわたって保持する。200乃至300°Fでスラリーを保持するこのステップが第一の液化である。
本明細書で用いられているように、「第2の液化(secondary liquefaction)」という用語は、第一の液化(200乃至300°Fに加熱)の後の液化ステップであって、スラリーを大気温度に冷ますときを表す。この冷却ステップは、30分乃至180分(3時間)、例えば、90分乃至120分(2時間)である。
本明細書で用いられているように、「第2の液化の分間(minutes of secondary liquefaction)」という用語は、第2の液化の開始からデキストロース当量を測定する時までに経過した時間を表す。
本明細書で用いられているように、「重合度(degree of polymerization)(DP)」という用語は、所定の糖類中のアンヒドログルコピラノース単位の数(n)を表す。DP1の例はグルコース及びフルクトースのような単糖類である。DP2の例はマルトース及びスクロースのような二糖類である。DP>3は、3を超える重合度を有するポリマーを表す。
デンプン変換に関して本明細書で用いられているように、「最終生成物(end-product)」及び「所望の最終生成物(desired end-product)」という用語は、特定の炭素源に由来する分子であって、デンプン基質から酵素によって変換された分子を表す。
本明細書で用いられているように、「乾燥固形分含量(dry solids content)(ds)」という用語は、乾燥重量%で表されたスラリー中の全固形物を表す。
本明細書で用いられているように、「スラリー(slurry)」という用語は、不溶性固体を含む水溶性混合物を表す。
本明細書で用いられているように、「残余デンプン(residual starch)」という用語は、デンプン含有基質の発酵又は酵素加水分解の後の組成物中の残りのデンプン(可溶性又は不溶性)を表す。
本明細書で用いられているように、「再利用するステップ(a recycling step)」は、マッシュ成分の再利用を表すものであり、マッシュ成分は、デンプンを含む基質を発酵させるための残余デンプン、酵素及び/又は微生物を含んでいる可能性がある。
本明細書で用いられているように、「マッシュ(mash)」という用語は、発酵可能な炭素源(例えば炭水化物)を含む水溶性混合物であって、アルコールなどの発酵した生成物を生産するために使用することができるものを表す。「ビール(beer)」及び「マッシュ(mash)」という用語は、互いに区別なく用いることができる。
本明細書で用いられているように、「蒸留廃液(stillage)」という用語は、発酵しなかった固体及び水分の混合物を表し、発酵液からアルコールを除去した後の残留物を表す。
本明細書で用いられているように、「蒸留乾燥穀類(distillers dried grain)(DDG)」、「可溶性物質を含む蒸留乾燥穀類(distillers dried grain with solubles)(DDGS)」という用語は、穀類発酵の有用な副産物を表す。
本明細書で用いられているように、「エタノール生産性微生物(ethanologenic microorganism)」は、糖又はオリゴ糖をエタノールに変換する能力を有する微生物を表す。エタノール生産性微生物は、糖を個別に又は一緒にエタノールに変換する1つ又はそれ以上の酵素を発現する能力によってエタノール生産性である。
本明細書で用いられているように、「エタノール生産者(ethanol producer)」又は「エタノールを生産する微生物(ethanol producing microorganism)」という用語は、ヘキソース又はペントースからエタノールを生産することができるあらゆる生物又は細胞を表す。一般に、エタノールを生産する細胞は、アルコールデヒドロゲナーゼ及びピルビン酸デカルボキシラーゼを含む。微生物を生産するエタノールの例には、酵母菌などの真菌性微生物が含まれる。好ましい酵母菌には、サッカロミセスの株、特にサッカロミセスセレビシエが含まれる。
アミラーゼ酵素及びそれらの基質に関して本明細書で用いられているように、「接触させる(contacting)」という用語は、酵素が基質を最終生成物に変換することを可能にするのに充分な程度に基質の近くに酵素を置くことを表す。この接触は混合を含んでいてもよい。
本明細書で用いられているように、「から由来する(derived from)」という用語は、文脈に応じて、「から生じた(originated from)」、「に基づいた(based on)」、「から得た(obtained from)」、「から入手可能(obtainable from)」、又は、「から単離された(isolated from)」を意味する。
本明細書で用いられているように、「酵素変換(enzymatic conversion)」という用語は、一般に、酵素活性(例えばアミラーゼ)による基質(例えばデンプン)の修飾を表す。
本明細書で用いられているように、「解体(disintegration)」という用語は、生物膜中の個々の微生物細胞を一緒に連結及び結合する生物膜マトリクス中の多糖類の加水分解であって、それによって生物膜から微生物細胞を解放及び除去できるものを表す。
本明細書で用いられているように、「サンプル(swatch)」は、布などの材料の一片であって、組成物の洗浄効率を評価するために染色を適用することができるものである。
本明細書で用いられているように、「比活性(specific activity)」という用語は、特定条件下において酵素製剤によって単位時間当たりに生成物に変換される基質のモル数を表す。比活性はタンパクの単位(U)/mgとして表される。
本明細書で用いられているように、「生産量(yield)」という用語は、プロセスによって生産される最終生成物の量を表すものであり、例えば、出発材料の濃度、体積、量、又は、パーセンテージで表される。
本明細書で用いられているように、「ATCC」は、マナッサス、バージニア州20108(ATCC)に位置する米国インキュベート菌保存施設(American Type Culture Collection)を表す。
本明細書で用いられているように、「NRRL」は、ピオリア、イリノイ州のAgricultural Research Service Culture Collection、National Center for Agricultural Utilization Research(USDA Northern Regional Research Laboratoryとして従来知られている)を表す。
数値範囲は、その範囲を定義する数を含む。
一般に、見出しは説明的なものであって、限定するものとして意図されていない。
1.2 命名法
本明細書及び特許請求の範囲においては、アミノ酸残基を表す従来の1文字及び3文字のコードを使用する。参照のし易さのために、本発明の組成物及び方法のα−アミラーゼ変異体を以下の命名法を使用することによって記載する。
元のアミノ酸:位置:置換したアミノ酸
この命名法によれば、例えば、位置242におけるアラニンによるセリンの置換は、Ser242Ala又はS242Aのように示される。位置30におけるアラニンの欠失は、Ala30*又はA30*、又は、ΔA30のように示される。リジンなどのさらなるアミノ酸残基の挿入は、Ala30AlaLys又はA30AKのように示される。
アミノ酸残基30−33のようなアミノ酸残基の連続した範囲の欠失は、(30−33)*又はΔ(A30−N33)又はΔ30−33として示される。アミノ酸残基R180−S181のような2つの連続したアミノ酸の欠失は、ΔRS又はΔ180−181として示される。
特定のα−アミラーゼが他のα−アミラーゼと比較して「欠失」を含んでおり、そのような位置に挿入がなされている場合、これは、位置36におけるアスパラギン酸の挿入について、*36Asp又は*36Dのように示される。
複数の変異はプラス又はマイナスの記号によって分離される。Ala30Asp+Glu34Ser又はA30N+E34S、Ala30Asp−Glu34Ser又はA30N−E34Sは、位置30及び34においてそれぞれアラニン及びグルタミン酸をアスパラギン及びセリンで置換する変異を表す。
所定位置の残基に代えて1つ以上の代替アミノ酸残基を用いることができるとき、それは、A30N,E、又は、A30N若しくはA30Eのように示される。
さらに、本明細書においていかなる特定の修飾も示唆されることなく修飾に適した位置が同定されているときは、その位置に存在するアミノ酸残基に代えてあらゆるアミノ酸残基を用いることができることは理解されるに違いない。したがって、例えば、位置30におけるアラニンの修飾が言及されているが、特定されていないときには、そのアラニンが削除されてもよいし、又は、他のあらゆるアミノ酸(すなわち、R、N、D、A、C、Q、E、G、H、I、L、K、M、F、P、S、T、W、Y、Vのいずれか1つ)で置換されてもよいことが理解されるに違いない。
さらに、「A30X」は、A30R、A30N、A30D、A30C、A30Q、A30E、A30G、A30H、A30I、A30L、A30K、A30M、A30F、A30P、A30S、A30T、A30W、A30Y若しくはA30V、又は、短く、A30R,N,D,C,Q,E,G,H,I,L,K,M,F,P,S,T,W,Y,Vの置換のいずれか1つを意味する。
不特定の親アミラーゼのある位置のアミノ酸残基であって、その位置が配列番号2として記載されている対照α−アミラーゼのアミノ酸配列との対応によって番号付けられている場合は、以下の命名法を使用する。例えば、N又はVの1つが変異体アミラーゼの位置30に存在し、20種の標準アミノ酸の1つが親アミラーゼ(例えば野性型又は変異体酵素)中に存在する場合には、「X30N」又は「X30N,V」である。
1.3 アミノ酸残基の特性
帯電した酸には、Asp、Glu、Arg、Lys、及び、Hisが含まれる。負に帯電したアミノ酸(最も負に帯電している残基は初めのものである)はAsp及びGluである。正に帯電したアミノ酸(最も正に帯電している残基は初めのものである)はArg、Lys及びHisである。
中性アミノ酸には、Gly、Ala、Val、Leu、lie、Phe、Tyr、Trp、Met、Cys、Asn、Gln、Ser、Thr、及び、Proが含まれる。
疎水性アミノ酸残基(最も疎水性の残基を最後に記載する)には、Gly、Ala、Val、Pro、Met、Leu、lie、Tyr、Phe、及び、Trpが含まれる。
親水性アミノ酸(最も親水性の残基を最後に記載する)には、Thr、Ser、Cys、Gln、及び、Asnが含まれる。
1.4 相同性(同一性)
他の配列との配列同一性の特定のパーセント(例えば75%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は、99%)を有するポリヌクレオチド又はポリペプチドは、位置合わせをしたときに、2つの配列の比較において塩基又はアミノ酸残基のパーセンテージが同じであることを意味する。この配列比較及び相同性又は同一性のパーセントは、当業界で知られているあらゆる適切なソフトウェアプログラム、例えば、CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY (F. M. Ausubel et al. (eds) 1987, Supplement 30, section 7.7.18)に記載されているものを使用して決定することができる。好ましいプログラムには、Vector NTI Advance(商標) 9.0 (Invitrogen社、カールズバッド、カリフォルニア州)、GCG Pileupプログラム、FASTA (Pearson et al. (1988) Proc. Natl, Acad. Sci USA 85:2444-2448)、及び、BLAST (BLAST Manual, Altschul et al., Natl Cent. Biotechnol. Inf., Natl Lib. Med. (NCIB NLM NIH), Bethesda, Md., and Altschul et al., (1997) NAR 25:3389-3402)が含まれる。他の好ましい配列比較プログラムはALIGN Plus(Scientific and Educational Software、ペンシルベニア州)であり、好ましくはデフォルトパラメータを使用する。使用できる他のシーケンスソフトプログラムは、シーケンスソフトウェアパッケージバージョン6.0(Genetics Computer Group、ウィスコンシン大学、マディソン、ウィスコンシン州)において利用可能なTFASTA Data Searching Programである。
相同性は、第1の配列が第2の配列から由来したことを示す2つの配列間の同一性の程度として決定することができる。相同性は、GCGプログラムパッケージ(上述)において提供されているGAPのような当業界に知られたコンピュータプログラムによって適切に決定することができる。したがって、GAP GCG v8は、同一性のためのデフォルトスコアリングマトリクス、及び、以下のデフォルトパラメータ:核酸配列比較のためにそれぞれ5.0のギャップクリエーションペナルティ及び0.3のギャップエクステンションペナルティ、及び、タンパク配列比較のためにそれぞれ3.0のギャップクリエーションペナルティ及び0.1のギャップエクステンションペナルティと共に使用することができる。GAPは、配列比較を行って同一性を算出するために、Needleman and Wunsch, (1970), J.Mol.Biol. 48:443-453の方法を使用する。
BASE(配列番号2)又はBASE変異体と、例えば他のα−アミラーゼとの間の構造的配列比較は、AmyTS23と、例えば、約75%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%の高い程度の相同性を有する他のα−アミラーゼにおける同等の/対応する位置を同定するために使用することができる。構造的配列比較を得る1つの方法は、ギャップペナルティのデフォルト値(すなわち、3.0のギャップクリエーションペナルティ及び0.1のギャップエクステンションペナルティ)を用いて、GCGパッケージから提供されるPile Upプログラムを使用することである。他の構造的配列比較方法には、疎水性クラスター分析(hydrophobic cluster analysis)(Gaboriaud et al., (1987), FEBS LETTERS 224, pp. 149-155)、及び、リバーススレッディング(Huber and Torda, PROTEIN SCIENCE Vol. 7, No.1 pp. 142-149 (1998)が含まれる。
様々な対照アミラーゼの成熟形態の典型的な配列比較を図1として与える。対照アミラーゼには:本明細書においてAmyTS23t又はBASEと称される、先端を切断したバチルス種TS−23 α−アミラーゼ、配列番号2(GENBANK登録番号AAA63900);本明細書においてAmyL又はLATと称される、バチルスリケニフォルミス(B. licheniformis)α−アミラーゼ、配列番号5(GENBANK登録番号AAA22240);ゲオバチルス(Geobacillus )(以前はバチルス)ステアロサーモフィルス(stearothermophilus)α−アミラーゼAmyS、配列番号6(GENBANK登録番号AAA22241)、バチルスアミロリクエファシエンス(B. amyloliquefaciens)α−アミラーゼBACAM、配列番号7(GENBANK登録番号AAA22191);本明細書においてAmyG6又はAmy#707と称される、バチルス種#707α−アミラーゼ、配列番号8(GENBANK登録番号AAA22231);バチルスメガテリウム(B. megaterium)α−アミラーゼ AmyG5又はAmyBm、配列番号9(GENBANK登録番号AAK00598);バチルス種α−アミラーゼALBA、配列番号10(GENBANK登録番号CAL48155及びWO2006/037484);バチルスハルマパルス(B. halmapalus)アミラーゼAmyBh、配列番号11(GENBANK登録番号AAE00432及び米国特許第5,856,164号);バチルス種アミラーゼAA560、配列番号12(GENBANK登録番号CAC16486及びWO2000/060060);バチルス種KSM−AP1378α−アミラーゼAmyKSM1378、配列番号13(GENBANK登録番号CAD35985及びEP1199356A);及び、バチルス種pHSP−K38アミラーゼAmyK38、配列番号14(GENBANK登録番号CAJ00040及びWO2005/045045)が含まれる。MUSCLE 3.7複数配列比較アルゴリズム(multiple sequence alignment algorithm)(Edgar, Nucleic Acids Research, 32:1792-1797, 2004)を用いて配列を比較した。図1の配列比較のα−アミラーゼのパーセント同一性を示すマトリクスを表1に与える。
表1 α−アミラーゼパーセント同一性マトリクス*
Figure 0005651682
1.5 ハイブリダイゼーション
前記AmyTS23の特性評価において使用されるオリゴヌクレオチドプローブは、問題のα−アミラーゼの完全な又は部分的なヌクレオチド又はアミノ酸配列に基づいて適切に調製することができる。
ハイブリダイゼーションを試験するのに適した条件は、5×SSCにあらかじめ浸すステップと、20%ホルムアミド、5×デンハルト溶液、50mMのリン酸ナトリウム(pH6.8)、及び、50mgの変性させた超音波処理された子ウシ胸腺DNAの溶液中で40℃で1時間予備ハイブリダイズさせるステップと、次いで、100mMのATPを追加した同じ溶液中において40℃での18時間のハイブリダイゼーションと、次いで、2×SSC、0.2%SDS中で40℃で30分間(低い厳格性)、より好ましくは50℃(中程度の厳格性)、さらに好ましくは65℃(高い厳格性)、さらに好ましくは75℃(非常に高い厳格性)でフィルタを3回洗浄するステップとを含む。ハイブリダイゼーション方法に関するさらなる詳細は、Sambrook et al., Molecular Cloning:A Laboratory Manual, 2nd Ed., Cold Spring Harbor, 1989において見つけることができる。
本明細書の文脈において、「から由来する(derived from)」は、問題の生物種によって生産される又は生産することができるα−アミラーゼだけでなく、そのような種から単離されたDNA配列によってコードされ、かつ、そのDNA配列で形質転換した宿主生物において生産されるα−アミラーゼも示すことが意図されている。最後に、この用語は、合成の及び/又はcDNA由来のDNA配列によってコードされ、かつ、問題のα−アミラーゼの同定特性を有するα−アミラーゼを示すように意図されている。また、この用語は、親α−アミラーゼが、天然に存在するα−アミラーゼの変異体、すなわち、天然に存在するα−アミラーゼの1つ又はそれ以上のアミノ酸残基の修飾(挿入、置換、欠失)の結果物である変異体であってもよいことも示すように意図されている。
当業者は、例示されている塩基配列(例えば配列番号4)とストリンジェントハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズする能力によって、本明細書の組成物及び方法によって包含される配列が定義されることを認識であろう。核酸の一本鎖の形態が適切な温度条件及び溶液イオン強度の下で他の核酸にアニールすることができるとき、核酸は他の核酸配列にハイブリダイズすることができる。ハイブリダイゼーション及び洗浄の条件は、当業界において広く知られている(例えば、Sambrook (1989) supra、特にチャプター9及び11を参照されたい)。いくつかの実施形態において、ストリンジェント条件は、65℃の温度及び0.1×SSC、0.1%SDSに相当する。
1.6 親α−アミラーゼ
本明細書の開示に従って、あらゆるα−アミラーゼを親α−アミラーゼ(すなわち、骨格)として使用することができる。好ましい一実施形態において、親α−アミラーゼは、配列番号2に示されているアミノ酸配列を有するBASE(AmyTS23t)である。
1.7 変化した特性
以下の段落は、本明細書に記載されている変異体アミラーゼ中に存在する変異と、その変異から生じ得る(親α−アミラーゼの特性と比較した)特性における所望の変化との関係を記載する。本発明の組成物及び方法によって包含される変異体は、明細書に詳細に記載されており、以下の段落は単なる概説である。
上述したように、組成物及び方法の態様は、親アミラーゼと比較して変化した特性を有する変種/変異体を含むバチルス種株のα−アミラーゼから由来する又は由来し得るα−アミラーゼに関する。親アミラーゼは、上記親α−アミラーゼ、並びに、成熟ポリペプチドのアミノ酸配列などのα−アミラーゼの少なくとも一部を含むハイブリッドのアミラーゼ若しくはキメラのアミラーゼである。
BASEα−アミラーゼ(配列番号2)は変異体アミラーゼについての検討のための出発点として用いられているが、このBASEα−アミラーゼに対して高い程度の相同性を有する他のバチルスα−アミラーゼが、組成物及び方法の範囲を無効化することなく、親アミラーゼとしての役割を果たすことができることは理解されるに違いない。このことは、本開示の主題である、置換、欠失又は挿入を含まないBASEα−アミラーゼと比較してわずかな配列の相違のみを含む他の天然バチルスα−アミラーゼに特に当てはまる。
本発明の組成物及び方法の第1の態様において、親バチルス種α−アミラーゼの変異体を提供する。いくつかの実施形態において、このα−アミラーゼ変異体は、アミラーゼ活性を有し、かつ、1、2、3、4、5、7、15、16、17、18、19、22、25、26、28、29、30、32、35、36、37、50、51、52、53、54、55、56、57、59、60、70、71、72、73、75、78、82、83、87、90,91、93、94、95、103、104、105、107、108、110、112、113、114、115、116、118、121、123、125、126、127、128、129、130、131、132、134、135、136、138、140、142、144、147、149、150、152、154、156、158、159,160、161、162、164、165、166、167、168、169、170、171、172、174、175、176、177、178、179、182、183、185、186、188、189、190、191、192、193,195、197、199、200、201、202、203、207、210、214、217、221、228、234、237、238、239、240、243、246、250、254、255、257、264、266、267、268、269、270、272、273、275,279、283、284、298、301、303、305、306、310,311、314、318、319、320、322、323、336、337、338、339、340、344、359、374、375、376、377、379、381、382、393、394、399、401、407、408、419、433、436、438、444、447、448、451、453、459、465、479、475、483、及び、484からなる群より選択される1つ又はそれ以上(好ましくは、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個又は10個以上)の位置における置換を含む成熟形態である。別段の定めがなければ、これらの位置は、配列番号2(BASE)として記載されている対照α−アミラーゼのアミノ酸配列との対応(例えば、図1に提供されているそのようなα−アミラーゼ配列の配列比較における同じ位置)によって番号付けられたものである。いくつかの好ましい実施形態において、α−アミラーゼ変異体は、BASE、ACE、ACE−Q及びACE−QKからなる群より選択される親α−アミラーゼに由来する。他の好ましい実施形態において、α−アミラーゼ変異体は、配列番号2、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13及び配列番号14からなる群の任意のものに対して少なくとも75%(好ましくは80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%)同一のアミノ酸配列を有する親α−アミラーゼから由来する。いくつかの実施形態において、このα−アミラーゼ変異体は、位置58のチロシン及び位置236のアラニンを含む。いくつかの実施形態において、このα−アミラーゼ変異体は、位置243のグルタミン及び位置475のリジンを含む。
また、単離されたα−アミラーゼ変異体であって、アミラーゼ活性を有する成熟形態であり、かつ、182、183、305、320、379、407、419、及び、475からなる群より選択される1個〜8個(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個又は8個)の位置における置換を含む変異体を提供する。いくつかの好ましい実施形態において、このα−アミラーゼ変異体は、BASE、ACE、ACE−Q及びACE−QKからなる群より選択される親α−アミラーゼに由来するものであり、及び/又は、その置換が、T182N、G183N、Y305Q、Q320F、P379A、Q407D、T419S及びG475Tからなる群の1個〜8個(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個又は8個)を含む(例えば、BASEコンビナトリアルライブラリ1の変異体)。
さらに、本明細書の開示は、単離されたα−アミラーゼ変異体であって、アミラーゼ活性を有し、かつ、160、182、183、189、305、379、及び、475からなる群より選択される1個〜7個(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個又は7個)の位置における置換を含む成熟形態である変異体を提供する。いくつかの好ましい実施形態おいて、このα−アミラーゼ変異体は、BASE、ACE、ACE−Q及びACE−QKからなる群より選択される親α−アミラーゼから由来するものであり、及び/又は、その置換が、Y160E、T182G、G183N、E189P、Y305G、P379E、及び、G475Tからなる群の1個〜7個(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個又は7個)を含む(例えば、BASEコンビナトリアルライブラリ2の変異体)。
本明細書の開示は、単離されたα−アミラーゼ変異体であって、アミラーゼ活性を有し、かつ、125、182、214、279、305、319、320、及び、475からなる群より選択される1個〜8個(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個又は8個)の位置における置換を含む成熟形態である変異体を提供する。いくつかの好ましい実施形態において、このα−アミラーゼ変異体は、BASE、ACE、ACE−Q及びACE−QKからなる群より選択される親α−アミラーゼから由来するものであり、及び/又は、その置換が、S125A、T182A、T214Q、T279N、Y305R、D319T、Q320N、及び、G475Rからなる群の1個〜8個(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個又は8個)を含む(例えば、BASEコンビナトリアルライブラリ3の変異体)。
さらに、本明細書の開示は、単離されたα−アミラーゼ変異体であって、アミラーゼ活性を有し、かつ、7、182、298、376、379、407、419、及び、453からなる群より選択される1個〜8個(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個又は8個)の位置における置換を含む成熟形態である変異体を提供する。いくつかの好ましい実施形態において、このα−アミラーゼ変異体は、BASE、ACE、ACE−Q及びACE−QKからなる群より選択される親α−アミラーゼに由来するものであり、及び/又は、その置換が、E7H、T182W、T298Q、Y376R、P379K、Q407W、T419S、及び、L453Wからなる群の1個〜8個(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個又は8個)を含む(例えば、BASEコンビナトリアルライブラリ4の変異体)。
本明細書の開示は、単離されたα−アミラーゼ変異体であって、アミラーゼ活性を有し、かつ、128、178、182、及び、185からなる群より選択される1個〜4個(例えば、1個、2個、3個又は4個)の位置における置換を含む成熟形態であり、また、位置243にセリン又はグルタミンを含むα−アミラーゼ変異体を提供する。いくつかの好ましい実施形態において、このα−アミラーゼ変異体は、BASE、ACE、ACE−Q及びACE−QKからなる群より選択される親α−アミラーゼから由来するものであり、及び/又は、その置換が、N128C、K178L、T182G及びA185Dからなる群の1個〜4個(例えば、1個、2個、3個又は4個)を含む(例えば、BASE−S1乃至BASE−S32変異体)。
さらなる実施形態において、本明細書の開示は、単離されたα−アミラーゼ変異体であって、アミラーゼ活性を有し、かつ、125、182、183、189、279、305、319、379、及び、475からなる群より選択される1個〜9個(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個又は9個)の位置における置換を含む成熟形態であり、位置320にグルタミン、フェニルアラニン又はアスパラギンを含むα−アミラーゼ変異体を提供する。いくつかの好ましい実施形態において、このα−アミラーゼ変異体は、BASE、ACE、ACE−Q及びACE−QKからなる群より選択される親α−アミラーゼに由来する。いくつかの好ましい実施形態において、このα−アミラーゼ変異体は、位置125のセリン又はアラニン;位置182のトレオニン、アスパラギン、グリシン又はアラニン;位置183のグリシン又はアスパラギン;位置189のグルタミン酸又はプロリン;位置279のトレオニン又はアスパラギン;位置305のチロシン、グルタミン、グリシン又はアルギニン;位置319のアスパラギン酸又はトレオニン;位置379のプロリン又はアラニン;及び、位置475のグリシン、トレオニン又はアルギニンを含む(例えば、BASE−P1乃至BASE−P12変異体)。
また、本明細書の開示は、単離されたα−アミラーゼ変異体であって、アミラーゼ活性を有し、かつ、125、128、178、182、183、189、279、305、319、379、及び、475からなる群より選択される1個〜11個(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個又は11個)の位置における置換を含む成熟形態であり、位置243のグルタミン又はセリン、並びに、位置320のグルタミン、フェニルアラニン又はアスパラギンを含むα−アミラーゼ変異体を提供する。いくつかの好ましい実施形態において、このα−アミラーゼ変異体は、BASE、ACE、ACE−Q及びACE−QKからなる群より選択される親α−アミラーゼに由来する。いくつかの好ましい実施形態において、このα−アミラーゼ変異体は、位置125のセリン又はアラニン;位置128のアスパラギン又はシステイン;位置178のリジン又はロイシン;位置182のトレオニン、アスパラギン、グリシン又はアラニン;位置183のグリシン又はアスパラギン;位置189のグルタミン酸又はプロリン;位置279のトレオニン又はアスパラギン;位置305のチロシン、グルタミン、グリシン又はアルギニン;位置319のアスパラギン酸又はトレオニン;位置379のプロリン又はアラニン;及び、位置475のグリシン、トレオニン又はアルギニンを含む(例えば、BASE−W1乃至BASE−W13変異体)。特許請求の範囲に記載されている組成物及び方法に使用するための多数の典型的なα−アミラーゼ変異体が開示されている。次のα−アミラーゼ変異体:BASE SEL変異体、ACE−Q SEL変異体、BASEコンビナトリアルライブラリ1変異体、BASEコンビナトリアルライブラリ2変異体、BASEコンビナトリアルライブラリ3変異体、BASEコンビナトリアルライブラリ4変異体、BASE−S1乃至S32組み合わせ変異体、BASE−P1乃至P12コンビナトリアル変異体、BASE−W1乃至W13コンビナトリアル変異体、及び、ACE−QK変異体は、典型的なα−アミラーゼ変異体である。しかしながら、本明細書の開示のα−アミラーゼ変異体は、典型的な変異体に限定されるものではなく、対応する位置に置換を有する他のバチルス種親α−アミラーゼの変異体を含む。本明細書で提供されている配列比較及び他のデータに基づいて他のα−アミラーゼポリペプチドの中に(つまり、他の「骨格」の中に)対応する置換を作成することができること、及び、得られるアミラーゼ変異体が例示されているものと同様の特性を有すると予想されることは、理解されるに違いない。
1.7.1 安定性
本明細書に記載されている変異体の文脈において、変化した(つまり、より高い又はより低い)安定性、特に、特別に高い温度(すなわち、70℃乃至120℃)及び/又は極端なpH(すなわち、低い又は高いpH、すなわち、それぞれ、pH4乃至6、pH8乃至11)、特に、遊離した(すなわち、結合していない、従って溶液中の)60ppm未満のカルシウム濃度における向上した安定性の達成に関して重要な変異(アミノ酸置換及び欠失を含む)は、本明細書に記載されている変異のあらゆるものを含む。下記「方法」のセクションに記載されているように安定性を測定することができる。
1.7.2 Ca2+安定性
変化したCa2+安定性は、Ca2+枯渇条件下における酵素の安定性が向上したこと、すなわち、より高い又はより低い安定性を意味する。本明細書に記載されている変異体の文脈において、変化したCa2+安定性の達成、つまり、より高い又はより低い安定性の達成、特に、高いpH(すなわちpH8乃至10.5)における安定性の達成に関して重要な変異(アミノ酸置換及び欠失を含む)は、本明細書に記載されている変異のあらゆるものを含む。
1.7.3 比活性
さらなる一態様において、変化した比活性を示す変異体、特に10乃至60℃、好ましくは20乃至50℃、特に30乃至40℃の温度において上昇した又は低下した比活性を示す変異体を得ることに関して重要な変異(アミノ酸の置換及び欠失を含む)は、本明細書に記載されている変異のあらゆるものを含む。下記「方法」のセクションに記載されているように比活性を決定することができる。
1.7.4 酸化安定性
記載されている変異体は、親α−アミラーゼと比較して変化した酸化安定性(特に、より高い酸化安定性)を有する可能性がある。向上した酸化安定性は、例えば、界面活性剤組成物において有利であり、低下した酸化安定性は、デンプン液化用組成物において有利である可能性がある。下記「方法」のセクションに記載されているように酸化安定性を測定することができる。
1.7.5 変化したpHプロファイル
変化したpHプロファイルを有する変異体、特に、高pH(すなわち、pH8乃至10.5)又は低pH(すなわち、pH4乃至6)において向上した活性を有する変異体を得ることに関しての重要な位置及び変異は、活性部位残基に接近するアミノ残基の変異を含む。好ましい変異は本明細書に記載されている変異である。適切な分析方法は、以下の「方法」セクションに記載されている。
1.7.6 洗浄性能
特に高いpH(すなわちpH8.5乃至11)において向上した洗剤性能を有する変異体を得ることに関して重要な位置及び変異は、本明細書に記載されている特定の変異を含む。「方法」セクションにおいて後述されているように洗剤性能を試験することができる。
2. α−アミラーゼ変異体を調製する方法
本発明の組成物及び方法の一態様は、特定の置換、欠失、トランスバージョン、挿入、及び、これらの組み合わせを有する本発明のα−アミラーゼ変異体を調製する方法である。これらの変異体は、向上したpH安定性、向上した温度安定性、Ca2+に対する低減された要件、向上した比活性、向上した食器洗浄又は洗濯性能、向上した溶解度、向上した貯蔵安定性、又は、これらの組み合わせなどの有利な特徴を有する可能性がある。
遺伝子に変異を導入し、それらの遺伝子によってコードされる変異したポリペプチドを発現させるいくつかの方法は、当業界において知られている。α−アミラーゼをコードするDNA配列のクローニングの簡単な検討の後に、α−アミラーゼをコードする配列中の特定部位に変異を生じさせる方法を検討する。
2.1 α−アミラーゼをコードするDNA配列をクローニング
親α−アミラーゼをコードするDNA配列は、当業界で広く知られた様々な方法を使用して、問題のα−アミラーゼを生産するあらゆる細胞又は微生物から単離することができる。最初に、研究しようとするα−アミラーゼを生産する生物から得た染色体DNA又はメッセンジャーRNAを使用して、ゲノムDNA及び/又はcDNAライブラリを構築することができる。次に、α−アミラーゼのアミノ酸配列がわかっていれば、ラベルされた相同なオリゴヌクレオチドプローブを合成し、問題の生物から調製したゲノムライブラリからα−アミラーゼをコードするクローンを同定するためにそのプローブを使用することができる。あるいは、より低い厳格性のハイブリダイゼーション及び洗浄の条件を使用して、α−アミラーゼをコードするクローンを特定するためのプローブとして、既知のα−アミラーゼ遺伝子に相同な配列を含むラベルされたオリゴヌクレオチドプローブを使用することができる。
α−アミラーゼをコードするクローンを特定するためのさらに別の方法は、プラスミドなどの発現ベクターにゲノムDNAの断片を挿入ステップと、得られたゲノムDNAライブラリでα−アミラーゼ陰性細菌を形質転換するステップと、次に、α−アミラーゼのための基質を含む寒天の上に形質転換された細菌に被覆させ、それによってα−アミラーゼを発現するクローンが特定されることを可能にするステップとを含む。
あるいは、この酵素をコードするDNA配列を、確立された標準分析法、例えば、S.L.Beaucage及びM.H.Caruthers(1981)によって記載された亜リン酸アミダイト法又はMatthes et al.(1984)によって記載された方法によって合成的に調製することができる。亜リン酸アミダイト法において、オリゴヌクレオチドは、例えば、自動DNA合成装置内で合成され、精製、アニーリング、及び、リゲートされ、適切なベクター中にクローンされる。
最後に、そのDNA配列は、ゲノム由来と合成由来との混合物、合成由来とcDNA由来との混合物、又は、ゲノム由来とcDNA由来との混合物であって、標準的技術に従って、合成由来、ゲノム由来、又は、cDNA由来の断片(必要に応じて全DNA配列の様々な部分に対応する断片)をリゲートすることによって調製されたものであってもよい。DNA配列は、例えば、米国特許第4683202号又はR.K.Saiki et al.(1988)に記載されているように特異的プライマーを使用して、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって調製することもできる。
2.2 部位特異的な変異誘発
α−アミラーゼをコードするDNA配列を単離し、変異のための所望の部位を特定すれば、合成オリゴヌクレオチドを使用して変異を導入することができる。これらのオリゴヌクレオチドは、所望の変異部位に隣接するヌクレオチド配列を含んでおり、変異体ヌクレオチドはオリゴヌクレオチドの合成中に挿入される。特定の方法においては、α−アミラーゼ遺伝子を運ぶベクターの中に、α−アミラーゼをコードする配列にわたるDNA一本鎖ギャップを作成する。その後、一本鎖DNAの相同部分に、所望の変異を有する合成ヌクレオチドをアニーリングする。その後、DNAポリメラーゼI(Klenow断片)で残りのギャップを埋め、T4リガーゼを使用してその構築物をリゲートする。この方法の特定の例は、Morinaga et al.(1984)に記載されている。米国特許第4760025号は、カセットのわずかな変更を実行することによって複数の変異をコードするオリゴヌクレオチドの導入を開示する。しかしながら、様々な長さの多数のオリゴヌクレオチドを導入することができるので、Morinagaの方法によっていつでもさらに多様な変異を導入することができる。
α−アミラーゼをコードするDNA配列に変異を導入する他の方法は、Nelson and Long(1989)に記載されている。この方法は、PCR反応におけるプライマーの1つとして化学的に合成されたDNA鎖を使用することによって導入された所望の変異を含むPCR断片の3ステップの生成を含む。PCRで生成された断片から、変異を運ぶDNA断片を、制限酵素を用いた開裂によって分離し、発現プラスミド中に再挿入することができる。
変異体を提供するための他の方法には、例えばWO95/22625(Affymax Technologies N.V.から)又はWO96/00343(Novo Nordisk A/S)などの遺伝子シャフリング、又は、例えば置換及び/又は欠損などの問題の変異を含むハイブリッド酵素が得られる他の対応する技術が含まれる。
2.3 α−アミラーゼ変異体の発現
上記方法又は当業界において知られているあらゆる方法によって生産されるα−アミラーゼ変異体をコードするDNA配列は、一般にプロモータ、オペレータ、リボソーム結合部位、翻訳開始シグナル、並びに、選択的に、抑制遺伝子又は様々なアクチベータ遺伝子などの制御配列を含む発現ベクターを使用して、変異体α−アミラーゼ(すなわち酵素)を発現させるために使用することができる。
α−アミラーゼ変異体をコードするDNA配列を運ぶ組み換え発現ベクターは、組換DNA手法に簡易に供することができるあらゆるベクターであり得る。また、ベクターの選択は、多くの場合、そのベクターを導入しようとする宿主細胞に依存する。したがって、ベクターは、自律的に複製するベクター、すなわち、染色体外存在物として存在するベクターであって、その複製が、例えば、プラスミド、バクテリオファージ、染色体外因子、微小染色体、又は、人工染色体などの染色体の複製に依存しないベクターであってもよい。あるいは、ベクターは、宿主細胞内に導入されたときに、宿主細胞ゲノムに組み込まれて、組み込まれたその染色体と一緒に複製されるものであってもよい。
ベクターにおいて、DNA配列は、適切なプロモータ配列に作用可能な状態で連結されるべきである。プロモータは、最適な宿主細胞において転写活性を示すあらゆるDNA配列であってもよく、また、宿主細胞に対して相同な又は非相同なタンパクをコードする遺伝子に由来するものであってもよい。特に細菌宿主において、本発明の組成物及び方法のα−アミラーゼ変異体をコードするDNA配列の転写を指令する適切なプロモータの例は、大腸菌のラックオペロンのプロモータ、ストレプトマイセスセリカラー・アガラーゼ遺伝子dagAプロモータ、バチルス・リケニフォルミス・α−アミラーゼ遺伝子(amyL)のプロモータ、ゲオバチルス・ステアロサーモフィルスマルトース生成型アミラーゼ遺伝子(amyM)のプロモータ、バチルス・アミロリケファシエンス・α−アミラーゼ(amyQ)のプロモータ、並びに、バチルス・サチリスxylA及びxylB遺伝子などのプロモータである。真菌性宿主における転写について、有用なプロモータの例は、アスペルギルス・オリザエTAKAアミラーゼ、リゾムコール・ミエヘイ・アスパラギン酸プロテイナーゼ、アスぺルギルスニガー中性α−アミラーゼ、アスぺルギルスニガー酸安定α−アミラーゼ、アスぺルギルスニガーグルコアミラーゼ、リゾムコール・ミエヘイ・リパーゼ、アスペルギルス・オリザエ・アルカリプロテアーゼ、アスペルギルス・オリザエ・トリオースリン酸イソメラーゼ又はアスペルギルス・ニデュランス・アセタミダーゼをコードする遺伝子に由来するものである。
この発現ベクターは、本発明の組成物及び方法のα−アミラーゼ変異体をコードするDNA配列に作用可能な状態で連結された適切な転写終結因子、及び、真核生物においてはポリアデニル化配列をさらに含んでいてもよい。終止配列及びポリアデニル化配列は、プロモータと同じ源から適切に由来するものであってもよい。
ベクターは、そのベクターが問題の宿主細胞において複製できるようにするDNA配列をさらに含んでいてもよい。そのような配列の例は、プラスミドpUC19、プラスミドpACYC177、プラスミドpUB110、プラスミドpE194、プラスミドpAMB1及びプラスミドpIJ702の複製起点である。
ベクターは、選択可能なマーカー、例えば、バチルスサブチリス若しくはバチルスリケニフォルミスに由来するdal遺伝子などのようにその遺伝子の産物が宿主細胞において欠損を補う遺伝子、又は、アンピシリン耐性、カナマイシン耐性、ネオマイシン耐性若しくはテトラサイクリン耐性などの抗生物質耐性を与える遺伝子を含んでいてもよい。さらに、ベクターは、amdS、argB、niaD及びsCなどのアスペルギルス選択マーカー、若しくは、ヒグロマイシン耐性を生じさせるマーカーを含んでいてもよいし、又は、例えばWO91/17243に記載されているような同時形質転換によって選択を実行することもできる。
いくつかの点において細胞内発現が有利であるが、例えば宿主細胞として特定の細菌を使用する場合には、一般に発現が細胞外であることが好ましい。一般に、本明細書において言及されているバチルスα−アミラーゼは、培地中に発現されたプロテアーゼの分泌を可能にする前領域又はシグナル配列含む。必要に応じて、この前領域は、異なる前領域又はシグナル配列によって置換されてもよく、その置換は、各前領域をコードするDNA配列の置換によって簡易に達成される。
α−アミラーゼ変異体、プロモータ、ターミネータ及び他の因子をコードするDNA構築物をそれぞれリゲートするために、及び、複製に必要な情報を含む適切なベクターにそれらを挿入するために使用される方法は、当業者に広く知られている(例えば、Sambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 2nd Ed., Cold Spring Harbor, 1989参照)。
DNA構築物又は発現ベクターを含む細胞は、α−アミラーゼ変異体の組換え体製造において宿主細胞として好適に使用される。宿主染色体にDNA構築物(1つ又はそれ以上のコピー)を組み込むことによって簡単に、本発明の組成物及び方法の変異体をコードするDNA構築物で細胞を形質転換することができる。この組み込みは、DNA配列が細胞内においておそらくより安定に維持されるので、一般に有利であると考えられる。宿主染色体中へのDNA構築物の組み込みは、従来の方法によって(例えば、相同組み換え又は、非相同組み換えよって)実行することができる。あるいは、異なる種類の宿主細胞に関しては、上述されているような発現ベクターで細胞を形質転換することができる。細胞は、哺乳動物のような高等生物又は昆虫の細胞であってもよいが、微生物細胞(例えば、細菌性細胞、真菌性細胞(酵母菌を含む))であることが好ましい。
適切な細菌の例は、バチルス・サチリス(Bacillus subtilis)、バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)、バチルス・レンタス(Bacillus lentus)、バチルス・ブレビス(Bacillus brevis)、ゲオバチルス・ステアロサーモフィルス(Geobacillus stearothermophilus)、バチルス・アルカロフィルス(Bacillus alkalophilus)、バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)、バチルス・コアグランス(Bacillus coagulans)、バチルス・シルクランス(Bacillus circulans)、バチルス・ラウタス(Bacillus lautus)、バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)、バチルス・スリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)、又は、ストレプトミセス・リビダンス(Streptomyces lividans)若しくはストレプトミセス・ミュリナス(Streptomyces murinus)などのグラム陽性菌、又は、大腸菌などのグラム陰性菌である。細菌の形質転換は、例えば、原形質体形質転換によって、又は、それ自体は公知の方法で受容細胞を使用することによって達成することができる。
酵母生物は、例えばサッカロマイセスセレヴィシエなどのサッカロミケス又はシゾサッカロミセスの1種から好適に選択されるものであってもよい。糸状菌は、例えば、アスペル・ギルスオリゼー(Aspergillus oryzae)、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)などのように、アスペルギルスの1種に属するものであることが好ましい。真菌性細胞は、原形質体形成及びその原形質体の形質転換とその後の公知の方法による細胞壁の再生とを含むプロセスによって形質転換することができる。アスペルギルス宿主細胞の形質転換のための適切な方法は、EP238023に記載されている。
細胞をインキュベートするために使用する培地は、問題の宿主細胞を育成すること、また、α−アミラーゼ変異体の発現を得ることに適したあらゆる従来の培地であり得る。適切な溶剤は、商業的供給業者から入手することもできるし、又は、公表されている製法によって(例えば、米国インキュベート菌保存施設(American Type Culture Collection)のカタログに記載されているように)調製することもできる。
宿主細胞から分泌されたα−アミラーゼ変異体は、遠心分離又は濾過によって培地から細胞を分離すること、硫酸アンモニウムなどの塩を使用して培地のタンパク成分を沈殿させること、及び、その後にイオン交換クロマトグラフィ及び親和性クロマトグラフィなどのクロマトグラフィ手段を使用することを含む、周知の方法によって培地から簡便に回収することができる。
3.工業的利用
本発明のα−アミラーゼ変異体は、様々な工業的利用を可能にする有利な特性を有する。特に、酵素変異体は、洗濯用組成物、食器洗浄用組成物、及び、硬表面洗浄用組成物中の成分として利用することができる。
この変異体は、デンプン処理、特に、デンプン変換、とりわけ、デンプンの液化のために使用することができる(例えば、米国特許第3912590号、欧州特許出願第252730号及び第63909号、並びに、WO99/19467及びWO96/28567を参照されたい。また、これによってすべての参考文献は参照することによって組み込まれている。)。デンプン変換目的のための組成物も意図されており、本発明の組成物及び方法の変異体は、グルコアミラーゼ、プルラナーゼ及び他のα−アミラーゼをさらに含んでいてもよい。
変異体は、例えばデンプン又は全穀粒から、甘味料、並びに、燃料又は飲料用/工業用エタノールなどのエタノールを生産する(例えば、参照することによって本明細書に組み込まれている米国特許第5231017号参照)ために使用することができる。一例はビールの製造時又は醸造時である。
変異体は、繊維、布及び衣服の糊抜き(例えば、参照することによって組み込まれているWO95/21247、米国特許第4643736号、及び、EP119920参照)のために、パルプの生産において、及び、紙の生産において使用することもできる。
3.1 デンプン変換
液化プロセス及び糖化プロセスなどの従来のデンプン変換プロセスは、例えば、参照することによって組み込まれれている米国特許第3912590号、欧州特許公報第252730号及び第63909号に記載されている。デンプンを糖又は脂肪代替素材などの低分子量炭水化物成分に分解するデンプン変換プロセスは、脱分岐させるステップを含む。
3.2 デンプンから糖への変換
デンプンを糖に変換する場合、デンプンが解重合される。そのような解重合プロセスは、前処理ステップと、液化プロセス、糖化プロセス、及び、(所望の最終生成物に依存して)選択的な異性化プロセスなどの2つ又は3つの連続的な生産工程とからなるものであってもよい。
3.3 天然デンプンの前処理
天然のデンプンは、室温で水に溶けない顕微鏡的顆粒からなる。水溶性デンプンスラリーを加熱すると、その顆粒が膨張して最後には破裂し、デンプン分子を溶液中に分散させる。この「ゼラチン化」プロセス中に、粘度が劇的に上昇する。典型的な工業的プロセスにおいて固形分濃度が30乃至40%であるときには、処理することができるようにデンプンを希釈又は「液化」しなければならない。この粘度の低減は、現在、主として酵素による分解によって達成されている。
3.4 液化
液化ステップ中に、長鎖のデンプン分子は、α−アミラーゼによってより短い分岐した分子及び直線分子(マルトデキストリン)に分解される。一般に、液化プロセスは、pH5.5〜6.2において、105℃乃至110℃で5分間〜10分間実行し、その後に、95℃で1乃至2時間実行する。これらの条件下において最適な酵素安定性を確保するために、一般に1mMのカルシウム(40ppmの遊離カルシウムイオン)を加える。この処理の後に、液化されたデンプンは、約10乃至約15「デキストロース当量」(DE)を有するであろう。
3.5 糖化
液化プロセスの後に、マルトデキストリンは、グルコアミラーゼ(例えば、OPTIDEX(登録商標)L−400)、並びに、イソアミラーゼ(米国特許第4335208号)又はプルラナーゼなどの脱分枝酵素の添加によってデキストロースに変換される。このステップの前に、α−アミラーゼの液化を不活性化するための高温(95℃超)を維持しながらpHを4.5より低い値にし、それによって、脱分枝酵素によって適切に加水分解することができない「パノース前駆体」と呼ばれる短いオリゴ糖の生成を低減する。温度を60℃に低下させ、グルコアミラーゼ及び脱分枝酵素を加える。この糖化プロセスを24時間〜72時間続ける。
通常、液化ステップの後にα−アミラーゼを変性させるときに、糖化産物の約0.2%〜約0.5%は、分岐した三糖類Glcpα1−6Glcpα1−4Glc(パノース)であり、これはプルラナーゼによって分解することができない。液化ステップに由来する活性アミラーゼが糖化中に存在する(すなわち、変性させない)場合には、このレベルが1%−2%になることがあり、それは糖化生成率を著しく低下させるので、極めて望ましくない。
3.6 異性化
例えば所望の最終糖産物が高フルクトースシロップであるとき、デキストロースシロップをフルクトースに変換することができる。糖化プロセスの後に、pHを6乃至8の範囲内の値に、好ましくはpH7.5に上昇させ、イオン交換によってカルシウムを除去する。その後、例えば、固定したグルコースイソメラーゼ(GENSWEET(登録商標)IGI−HF等)を使用してデキストロースシロップを高フルクトースシロップに変換する。
3.7 エタノール生産
全穀粒からのアルコール(エタノール)の生産は、一般に、粉砕、液化、糖化、及び、発酵の4つの主たるステップに分けることができる。
3.7.1 粉砕
粒子は、その構造を開いてさらなる処理を可能にするために粉砕される。使用する2つのプロセスは湿式粉砕又は乾式粉砕である。乾式粉砕において、全穀粒は、粉砕されて処理の残りの部分において使用される。湿式粉砕は、胚と粉末と(デンプン粒子とタンパクと)を非常によく分離することができ、若干の例外はあるものの、シロップの平行的生産が存在する位置において利用される。
3.7.2 液化
液化プロセスにおいて、デンプン粒子は、加水分解することによって主として4を超える重合度のマルトデキストリンにして可溶性される。加水分解は、酸処理によって又はα−アミラーゼによって酵素的に実行することができる。酸加水分解は限られた回数で使用される。原料は、粉砕された全穀粒であってもよいし又はデンプン処理に由来する副流(side stream)であってもよい。
酵素の液化は、一般に、3つのステップの高温スラリープロセスとして実行される。スラリーを60℃〜95℃、好ましくは80℃〜85℃に加熱し、酵素を加える。その後、スラリーを95℃〜140℃、好ましくは105℃〜125℃でジェットクックし、60℃〜95℃に冷まし、最終加水分解物を得るためにさらに酵素を加える。液化プロセスは、pH4.5乃至pH6.5において、典型的には5乃至6のpHにおいて実行される。粉砕及び液化された粒子はマッシュとしても知られている。
3.7.3 糖化
酵母によって代謝されることが可能な低分子の糖(重合度1乃至3)を生産するために、液化から得たマルトデキストリンをさらに加水分解しなければならない。加水分解は、典型的にはグルコアミラーゼによって酵素的に実行されるが、α−グルコシダーゼ又は酸性α−アミラーゼを使用することもできる。完全な糖化ステップは最大72時間続くこともあるが、通常は、40分乃至90分の予備糖化を行い、その後、発酵中に糖化を完結させること(SSF)が一般的である。糖化は、一般に30℃乃至65℃の温度で、典型的には約60℃でpH4.5において実行する。
3.7.4 発酵
一般にはサッカロミケス種に由来する酵母をマッシュに加え、24時間乃至96時間、典型的には35時間乃至60時間にわたって発酵を継続する。温度は、26℃乃至34℃、典型的には約32℃であり、pHは、pH3乃至6、好ましくはおよそpH4乃至5である。
最も広く使用されているプロセスが、糖化のための保持段階がない同時の糖化及び発酵(SSF)プロセスであり、酵母と酵素とを一緒に加えることを意味することに留意されたい。SSFを行うときは、発酵の直前に、50℃超の温度における予備糖化ステップを導入することが一般的である。
糖化工程及び醗酵工程は同時に又は別々に実行することができる。
3.8 蒸留
発酵の後に、エタノールを抽出するためにマッシュを蒸留する。このプロセスによって得られるエタノールは、例えば、燃料エタノール;飲料エタノール、すなわち、飲用ニュートラルスピリッツ;又は、工業用エタノールとして使用することができる。
3.9 副産物
発酵に由来する残留物は、一般に飼料中において液体の形態で又は乾燥して使用される。液化、糖化、発酵、蒸留、及び、エタノールの回収を実行する方法についてのさらなる詳細は、当業者に広く知られている。
3.10 パルプ及び紙の生産
特に、7を超えるpHにおいて再パルプ化が生じる場合、及び、アミラーゼが補強デンプンの分解を通じて廃棄物の分解を容易にする場合には、本発明のα−アミラーゼは、デンプン補強された廃紙及び厚紙から、パルプ、紙及び厚紙などのリグノセルロース材料を生産することに使用可能である。このα−アミラーゼは、デンプンをコーティングした印刷用紙から製紙用パルプを生産するプロセスにおいて特に有用である。このプロセスは、WO95/14807に記載されているように、下記工程:a)パルプを生産するために紙を分解するステップと、b)ステップaの前、ステップaの間又はステップaの後にデンプン分解酵素を用いて処理を行うステップと、c)ステップa及びbの後にパルプからインク粒子を分離するステップとを含むように実行することができる。
製紙において炭酸カルシウム、カオリン及び粘土などのアルカリ性充填材と共に、酵素修飾されたデンプンを使用する場合に、デンプンを修正するためにα−アミラーゼを使用することができる。本発明の組成物及び方法のα−アミラーゼを用いれば、充填材の存在下でデンプンを修正することを可能にし、従って、より簡単な総合プロセスを可能にする。
3.11 繊維、布及び衣服の糊抜き
本発明のα−アミラーゼは、繊維、布又は衣服の糊抜きにおいても非常に有用であり得る。繊維加工産業において、製織中に横糸の保護コーティングとして機能するデンプン含有糊剤の除去を容易にするために、α−アミラーゼは、糊抜きプロセスにおいて補助剤として伝統的に使用されている。糊剤コーティングの製織後の完全な除去は、布を洗浄、漂白及び染色するその後の工程において最適な結果を保証するために重要である。酵素のデンプン分解は、繊維材料に対する悪影響を伴わないので好ましい。処理コストを低減し、かつ、工場の生産量を増加させるために、糊抜処理は、洗浄ステップ及び漂白ステップと時折一体化される。そのような場合、従来のα−アミラーゼは高いpHレベル及び漂白剤とあまり相性がよくないので、デンプンを分解するために、アルカリ剤又は酸化剤などの非酵素性補助剤が一般に使用される。デンプン糊剤の非酵素的分解は、使用されるやや腐食性の化学物質のせいで、ある程度は線維にダメージを与える。従って、アルカリ性溶液中で向上した性能を有するので、本発明の組成物及び方法のα−アミラーゼを使用することが望ましい。セルロースを含む布又は繊維を糊抜きするときに、α−アミラーゼは、単独で又はセルラーゼと組み合わせて使用することができる。
糊抜プロセス及び漂白プロセスは当業界において広く知られている。例えば、そのようなプロセスは、WO95/21247、米国特許第4643736号、EP119920に記載されており、これらの文献はこれによって参照することによって組み込まれている。また、糊抜用の市販製品には、Genencor社のOPTISIZE(登録商標)FLEXが含まれる。
本発明のα−アミラーゼ変異体の1つ以上を使用して布を処理する(例えば、繊維を糊抜きする)組成物及び方法も意図されている。当業界において公知のあらゆる布処理方法(例えば米国特許第6077316号参照)においてこの酵素を使用することができる。例えば、一態様において、布の手触り及び外観は、溶液中で布をα−アミラーゼに接触させるステップを含む方法によって向上する。一態様において、布は、加圧条件下で溶液を用いて処理される。
一態様において、酵素は、繊維の製織の間に若しくはその後に、又は、糊抜段階中に若しくは1つ以上のさらなる布処理ステップ中に、利用される。繊維の製織中に、糸は相当な機械的歪みに晒される。機械の織機で織る前に、縦糸は、引張強度を高めて破損を防止するために、多くの場合、糊付けデンプン又はデンプン誘導体でコーティングされる。これらの酵素は、これらの糊付けデンプン又はデンプン誘導体を除去するために利用することができる。繊維を織った後に、糊抜段階に布を移すことができる。この後に1つ以上のさらなる布処理ステップを続けることができる。糊抜きは繊維から糊剤を除去する行為である。製織の後に、均質な洗浄耐性の結果を保証するために、布をさらに処理する前に糊剤コーティングを除去しなければならない。α−アミラーゼの作用によって糊剤を酵素的に加水分解するステップを含む糊抜方法を提供する。
これらの酵素は、単独で、又は、他の糊抜化学物質及び/若しくは糊抜酵素と共に、例えば水性組成物中で、洗剤添加剤として、綿を含む布を含む生地を糊抜きするために使用することができる。α−アミラーゼは、藍染めしたデニムの生地及び衣類にストーンウォッシュした外観を与えるための組成物及び方法において使用することができる。衣類の生産に関して、生地は、切断し、縫合して衣服又は衣類にすることができ、これらは後で仕上げされる。特に、デニムジーンズの生産については、様々な酵素による仕上げ方法が開発されてきた。一般に、デニム衣類の仕上は、生地に柔軟性を与え、かつ、綿をその後の酵素による仕上げステップに使用できるようにするために、衣類をデンプン分解酵素の作用に供する、酵素による糊抜きステップで開始される。これらの酵素は、デニム衣類の仕上げ(例えば、「バイオストーニングプロセス」)、生地の酵素による糊抜き及び生地への柔軟性の提供、並びに及び/又は、仕上げプロセスの方法において使用することができる。アミラーゼの量はプロセスの種類に応じて変わる。少ない量は、多量の同じ酵素よりもさらに長い時間を必要とするであろう。しかしながら、溶液の物理的制限によって規定される以外には、糊抜アミラーゼの量に対する上限は存在しない。したがって、酵素の限界は、溶液中に溶解できる量となり得る。一般に、α−アミラーゼなどの糊抜酵素は、処理組成物中に、生地の重量で約0.00001%乃至約2%の酵素タンパク;又は、生地の重量で約0.0001%乃至約1%の酵素タンパク;又は、生地の重量で約0.001%乃至約0.5%の酵素タンパク;また、他の実施例においては、生地の重量で約0.01%乃至約0.2%の酵素タンパクの量で含まれる。
3.12 ビール製造
上で検討されているように、本発明のα−アミラーゼは、糖化プロセス中に酵素を加えるビール生産プロセスにおいても有用であり得る。
3.13 界面活性剤成分
本発明のα−アミラーゼは、界面活性剤中に加えることもでき、従って、界面活性剤成分の一成分になり得る。この界面活性剤組成物は、手動若しくは機械の洗濯用洗剤組成物、着色した生地の前処理に適した洗濯添加剤組成物、リンスを追加した生地柔軟剤組成物、一般家庭用硬表面洗浄のための界面活性剤成分、又は、手動若しくは機械の食器洗浄組成物として配合することができる。
一実施形態において、本明細書に記載されている変異体酵素を含む洗剤添加剤を提供する。洗剤添加剤及び界面活性剤組成物は、プロテアーゼ、リパーゼ、ペルオキシダーゼ、他のデンプン分解酵素(例えば、他のα−アミラーゼ、グルコアミラーゼ、マルトース生成型アミラーゼ、CGTアーゼ及び/又はセルロース)、マンナナーゼ(Danisco U.S.A.社、Genencor Division社製のMANNASTAR(商標)等)、ペクチナーゼ、ペクチンリアーゼ、クチナーゼ、及び/又は、ラッカーゼなどの1つ以上の他の酵素を含んでいてもよい。
一般に、選択した酵素の特性は、選択した洗剤と両立するもの(すなわち、pH最適条件、他の酵素成分及び非酵素成分等との両立性)であるべきであり、また、酵素は有効な量で存在すべきである。
プロテアーゼ:適切なプロテアーゼは、動物、植物又は微生物由来のものが含まれる。微生物由来のものが好ましい。化学的に修飾された又はタンパク工学により作成された変異体が含まれる。プロテアーゼは、セリンプロテアーゼ又はメタロプロテアーゼであってもよく、好ましくは、アルカリ性の微生物プロテアーゼ又はトリプシン様プロテアーゼ又はキモトリプシン様プロテアーゼであってもよい。アルカリ性プロテアーゼの例は、サブチリシンであり、特にバチルス、例えば、サブチリシンレンタス(subtilisin lentus)、サブチリシンアミロリクエファシエンス(subtilisin amyloliquefaciens)、サブチリシンノボ(subtilisin Novo)、サブチリシンカールスバーグ(subtilisin Carlsberg)、サブチリシン309、サブチリシン147及びサブチリシン168(WO89/06279に記載されている)に由来するものである。トリプシン様プロテアーゼの例は、(例えば、ブタ又はウシ由来の)トリプシン、及び、WO89/06270及びWO94/25583に記載されているフザリウムプロテアーゼ(Fusarium protease)である。
有用なプロテアーゼの例は、限定されるものではないが、米国特許RE34606、5801039、5340735、5500364、5855625、5955340、5700676、6312936、及び、6482628、米国特許公開公報第2008/0090747号、並びに、国際公開公報WO98/23732、WO99/20770、WO92/19729、WO98/20115、WO98/20116、WO98/34946、WO95/23221、WO92/21760及びWO89/06270に記載されている変異体、特に27、36、57、76、87、97、101、104、120、123、167、170、194、206、218、222、224、235及び274の位置に1つ又はそれ以上の置換を有する変異体を含む。
典型的な市販のプロテアーゼ酵素は、ALCALASE(登録商標)、SAVINASE(登録商標)、PRIMASE(登録商標)、DURALASE(登録商標)、ESPERASE(登録商標)、DURAZYM(商標)、POLARZYME(登録商標)、OVOZYME(登録商標)、LIQUANASE(登録商標)、NEUTRASE(登録商標)、RELASE(登録商標)及びKANNASE(登録商標)(Novozymes A/S社製)、MAXATASE(登録商標)、MAXACAL、MAXAPEM(登録商標)、PROPERASE(登録商標)、PURAFECT(登録商標)、PURAFECT OXP(登録商標)、FN2(登録商標)、FN3(登録商標)及びFN4(登録商標)、OPTICLEAN(登録商標)、OPTIMASE(登録商標)、PURAMAX(商標)、EXCELLASE(商標)及びPURAFAST(商標)(Genencor社製)、並びに、BLAP(商標)(Henkel Kommanditgesellschaft auf Aktien、デュッセルドルフ、ドイツ)を含む。
いくつかのさらなる実施形態においては、限定されるものではないが、WO07/044993に記載されている中性メタロプロテアーゼを含むメタロプロテアーゼは、本発明において用途がみいだされる。
リパーゼ:適切なリパーゼには、細菌由来又は真菌由来のものが含まれる。化学修飾された又はタンパク工学により作成された変異体が含まれる。有用なリパーゼの例は、限定されるものではないが、例えばEP258068及びEP305216に記載されているようなH.ラヌギノサ(H. lanuginosa)(T.ラヌギノサス(T. lanuginosus))に由来する又はWO96/13580に記載されているようなH.インソレンズ(H. insolens)に由来するフミコラ(Humicola)(別名サーモミセス)から得られるリパーゼ、例えばP.アルカリゲネス(P. alcaligenes)又はP.シュードアルカリゲネス(P. pseudoalcaligenes)(EP218272)等に由来するシュードモナス・リパーゼ、P.セパシア(P. cepacia)(EP331376)、P.スツッツェリ(P.stutzeri)(GB1372034)、P.フルオレッセンス(P. fluorescens)、シュードモナス種株SD705(WO95/06720及びWO96/27002)、P.ウィスコンシネンシス(P. wisconsinensis)(WO96/12012)、バチルス・リパーゼ(例えば、バチルス・サチリスに由来するもの(Dartois et al. (1993), Biochemica et Biophysica Acta, 1131, 253-360))、B.ステアロサーモフィルス(B. stearothermophilus)(JP64/744992)、又は、B.プミルス(B. pumilus)(WO91/16422)を含む。配合物中で使用するように意図されているさらなる典型的なリパーゼ変異体には、WO92/05249、WO94/01541、EP407225、EP260105、WO95/35381、WO96/00292、WO95/30744、WO94/25578、WO95/14783、WO95/22615、WO97/04079及びWO97/07202に記載されているものが含まれる。商業的に入手可能なリパーゼ酵素には、LIPOLASE(商標)及びLIPOLASE ULTRA(商標)(Novozymes A/S社製)が含まれる。
ポリエステラーゼ:適切なポリエステラーゼは組成物中に含まれていてもよい。適切なポリエステラーゼには、例えば、WO01/34899及びWO01/14629に記載されているものが含まれる。
アミラーゼ:(本明細書に記載されている変異体アミラーゼに加えて)1つ又はそれ以上のさらなるアミラーゼがさらに含まれていてもよい。適切なアミラーゼ(α及び/又はβ)には、細菌由来又は真菌由来のものが含まれる。化学修飾された又はタンパク工学により作成された変異体が含まれる。アミラーゼには、例えば、バチルス、例えば、GB1296839により詳細に記載されているバチルス・リケニフォルミスの特別な株から得られるα−アミラーゼが含まれる。有用なα−アミラーゼの例は、WO94/18314、WO96/39528、WO94/02597、WO94/18314、WO96/23873及びWO97/43424に記載されている変異体、特に15、23、105、106、124、128、133、154、156、181、188、190、197、202、208、209、243、264、304、305、391、408、及び、444の位置の1つ以上に置換を有する変異体である。商業的に入手可能なα−アミラーゼは、DURAMYL(商標)、LIQUEZYME(商標)、TERMAMYL(商標)、NATALASE(商標)、STAINZYME(商標)PLUS、STAINZYME(商標)ULTRA、FUNGAMYL(商標)及びBAN(商標)(Novozymes A/S社製)、RAPIDASE(商標)及びPURASTAR(商標)(Genencor社製)である。
セルラーゼ:セルラーゼを組成物中に加えることができる。適切なセルラーゼには、細菌由来又は真菌由来のものが含まれる。化学修飾された又はタンパク工学により作成された変異体が含まれる。適切なセルラーゼは、限定されるものではないが、例えば、米国特許第4435307号、米国特許第5648263号、米国特許第5691178号、米国特許第5776757号及びWO89/09259に開示されているフミコラインソレンズ(Humicola insolens)、ミセリオフトラ・サーモフィリア(Myceliophthora thermophila)及びフザリウム・オキシスポルム(Fusarium oxysporum)から生産される真菌性セルラーゼ等のような、バチルス(Bacillus)、シュードモナス(Pseudomonas)、トリコデルマ(Trichoderma)、フミコラ(Humicola)、フザリウム(Fusarium)、チエラビア(Thielavia)、アクレモニウム(Acremonium)種に由来するセルラーゼを含む。典型的なトリコデルマリーゼイセルラーゼは、米国特許第4689297号、米国特許第5814501号、米国特許第5324649、WO92/06221及びWO92/06165に開示されている。典型的なバチルスセルラーゼは米国特許第6562612号に開示されている。商業的に入手可能なセルラーゼには、CELLUZYME(登録商標)及びCAREZYME(登録商標)(Novozymes A/S社製)、CLAZINASE(登録商標)及びPURADAX HA(登録商標)(Genencorインターナショナル社)、並びに、KAC−500(B)(登録商標)(Kao株式会社)が含まれる。
ペルオキシダーゼ/オキシダーゼ:適切なペルオキシダーゼ/オキシダーゼには、植物由来、細菌由来又は真菌由来のものが含まれる。化学修飾された又はタンパク工学により作成された変異体が含まれる。有用なペルオキシダーゼの例は、WO93/24618、WO95/10602及びWO98/15257に記載されているもののような、コプリナス(例えばC.シネレウス(C. cinereus))に由来するペルオキシダーゼ及びその変異体が含まれる。商業的に入手可能なペルオキシダーゼにはGUARDZYME(登録商標)(Novozymes A/S社製)が含まれる。
洗浄酵素は、1つ又はそれ以上の酵素を含む別々の添加剤を加えることによって、又は、これらの酵素のすべてを含む混合添加剤を加えることによって、界面活性剤組成物中に含まれていてもよい。本発明の組成物及び方法の洗剤添加剤(すなわち、別々の添加剤又は混合した添加剤)は、例えば、顆粒、液体、スラリーなどの製剤形態であってもよい。好ましい洗剤添加剤の製剤形態は、顆粒であり、特に非粉塵性顆粒、液体であり、特に、安定化された液体又はスラリーである。
非粉塵性顆粒は、例えば、米国特許第4106991号及び第4661452号に開示されているように生産することができ、また、選択的に、当業界で知られている方法によってコーティングされたものであってもよい。ワックスコーティング材料の例は、1000〜20000の平均分子量を有するポリ(エチレンオキシド)産物(ポリエチレングリコール、PEG);16個〜50個のエチレンオキシド単位を有するエトキシ化されたノニルフェノール;アルコールが12〜20の炭素原子を含み、かつ、15個〜80個のエチレンオキシド単位が存在するエトキシ化された脂肪族アルコール;脂肪族アルコール;脂肪酸;並びに、脂肪酸のモノグリセリド、脂肪酸のジグリセリド、及び、脂肪酸のトリグリセリドである。流動層技術による応用に適したフィルム形成用コーティング材料の例は、GB1483591に与えられている。液体の酵素製剤は、例えば、プロピレングリコール等の多価アルコール、糖若しくは糖アルコール、乳酸又はホウ酸の添加によって確立された方法に従って安定化することができる。保護された酵素は、EP238216に開示されている方法によって調製することができる。
一般に、洗剤組成物は、都合のよいあらゆる形態(例えば、固体、錠剤、粉末、顆粒、ペースト、液体)で存在してもよい。液体洗剤は、水性であってもよく、一般に、最大約70%の水分と0%乃至約30%の有機溶媒とを含む。圧縮洗剤ゲルは、例えば約30%以下の水分を含んでいた。
パーシル(Persil)、タイド(TIDE)(登録商標)2×コールドウォータ−、及び、アリエール(Ariel)洗剤は、典型的なα−アミラーゼ変異体を試験するために本明細書において使用されている典型的な洗剤である。本発明のα−アミラーゼ変異体は、一般的に用いられる広範な洗浄組成物の存在下で実用的であるように意図されているので、典型的な組成物に限定されない。
洗剤組成物は1つ又はそれ以上の界面活性剤を含み、その界面活性剤は、半極性を含む非イオン、及び/又は、陰イオン性、及び/又は、陽イオン性、及び/又は、双性イオン性であってもよい。この界面活性剤は一般に0.1重量%乃至60重量%の濃度で存在する。典型的なα−アミラーゼ変異体を、陰イオン性界面活性剤と非イオン性界面活性剤とを含む洗剤組成物中で試験した。本明細書に記載されているα−アミラーゼ変異体は、洗剤中で一般に用いられる他の界面活性剤を含む組成物中において活性であるように意図されている。
この洗剤は、含まれている場合には、通常、直鎖アルキルベンゼンスルホネート、α−オレフィンスルホネート、アルキルスルフェート(脂肪族アルコールスルフェート)、アルコールエトキシスルフェート、第2級アルカンスルフォナート、α−スルフォ脂肪酸メチルエステル、コハク酸アルキル若しくはコハク酸アルケニル、又は、石鹸などの約1%乃至約40%の陰イオン性界面活性剤を含むであろう。
この洗剤は、含まれる場合、通常、アルコールエトキシレート、ノニルフェノールエトキシレート、アルキルポリグリコシド、アルキルジメチルアミン酸化物、エトキシ化脂肪酸モノエタノールアミド、脂肪酸モノエタノールアミド、ポリヒドロキシアルキル脂肪酸アミド、又は、グルコサミン(「グルカミド」)のN−アシルN−アルキル誘導体等の約0.2%乃至約40%の非イオン性界面活性剤を含むであろう。
この洗剤は、ゼオライト、ジホスフェート、トリホスフェート、ホスフォネート、カーボネート、シトレート、ニトリロ三酢酸、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、コハク酸アルキル若しくはコハク酸アルケニル、可溶性シリケート、又は、階層状のシリケート(例えば、Hoechst社のSKS-6)等の0%乃至65%の洗剤ビルダ又は錯化剤を含んでいてもよい。
この洗剤は1つ又はそれ以上のポリマーを含んでいてもよい。具体例は、カルボキシメチルセルロース、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルピリジン−N−オキシド)、ポリ(ビニルイミダゾール)、ポリアクリレート等のポリカルボキシラート、マレイン酸/アクリル酸コポリマー、及び、メタクリル酸ラウリル/アクリル酸コポリマーである。
この洗剤は、過酸素酸を生成する漂白剤アクチベータ(例えば、テトラアセチルエチレンジアミン又はノナノイルオキシベンゼンスルフォナート)と混合させることができる過ホウ酸塩又は過炭酸塩等のH源で構成され得る漂白系を含んでいてもよい。あるいは、この漂白系は、ペルオキソ酸(例えば、アミド、イミド又はスルホンタイプのペルオキソ酸)で構成されたものであってもよい。また、この漂白系は酵素による漂白系であってもよい。例えば、WO05/056782を参照されたい。
本発明の組成物及び方法の洗剤組成物の酵素は、例えば、プロピレングリコール又はグリセロール等の多価アルコール、糖若しくは糖アルコール、乳酸、ホウ酸、又は、例えば芳香族ホウ酸エステル若しくは4−ホルミルフェニルホウ酸のようなフェニルホウ酸誘導体等のホウ酸誘導体等の従来の安定化剤を用いて安定化されたものであってもよい。前記組成物は、例えば、WO92/19709及びWO92/19708に記載されているように製剤することができる。
この洗剤は、例えば、粘土、起泡力増進剤、泡抑制剤、耐腐食剤、汚れ懸濁剤(soil-suspending agents)、汚れ再付着防止剤(anti-soil re-deposition agents)、染料、殺菌剤、蛍光増白剤、ヒドロトロープ、変色防止剤、又は、香料を含む仕上げ剤等の他の従来の洗剤成分をさらに含んでいてもよい。
本発明のα−アミラーゼは、洗浄液1リットル当たり約0.01mg乃至約100mgの酵素タンパク、例えば、洗浄液1リットル当たり約0.05mg乃至約5.0mgの酵素タンパク、又は、洗浄液1リットル当たり約0.1mg乃至約1.0mgの酵素タンパクに対応する量で加えることができる。
本発明のα−アミラーゼは、WO97/07202に開示されている洗浄製剤中にさらに組み入まれてもよい。これによってこの文献は参照として組み込まれる。
4.組成物及び使用
本発明のα−アミラーゼは、洗剤組成物及び洗浄に関する方法において、特に、洗濯用洗剤組成物、食器用洗剤組成物、硬表面洗浄組成物、繊維、布又は衣類を糊抜きするための組成物、パルプ及び紙を生産するための組成物、ビール生産、エタノール生産、及び、デンプン変換等において使用することができる。
4.1 洗濯用洗剤組成物及び使用
本発明のα−アミラーゼの組成物及び方法の一実施形態は、洗濯用洗剤組成物及びその使用方法である。この洗剤組成物は、非粉塵性顆粒、安定化された液体、又は、保護された酵素の形態であり得る。乾燥製剤は顆粒又は微小顆粒の形態であり得る。この非粉塵性顆粒は、例えば、米国特許第4106991号及び第4661452号に開示されているように生産することができ、また、選択的に当業界で知られている方法によってコーティングすることができる。ワックスコーティング材料の例は、1000〜20000の平均分子量を有するポリ(エチレンオキシド)産物(ポリエチレングリコール、PEG);16個〜50個のエチレンオキシド単位を有するエトキシ化されたノニルフェノール;アルコールが12〜20の炭素原子を含み、かつ、15個〜80個のエチレンオキシド単位が存在するエトキシ化脂肪族アルコール;脂肪族アルコール;脂肪酸;並びに、脂肪酸のモノグリセリド、脂肪酸のジグリセリド及び脂肪酸のトリグリセリドである。流動層技術による利用に適したフィルム形成用コーティング材料の例は、例えば、GB特許第1483591号に与えられている。液体の酵素製剤は、例えば、プロピレングリコール等の多価アルコール、糖若しくは糖アルコール、乳酸、又は、ホウ酸等の添加によって、確立された方法に従って安定化することができる。他の酵素安定剤は当業界で広く知られている。保護された酵素は、例えば、欧州特許出願第238216号に開示されている方法に従って調製することができる。長い間、多価アルコールは、タンパクの溶解度を向上させるだけでなく、タンパクの安定化剤として認められている。例えば、J. K. Kaushik et al.# J. Biol.Chem. 278: 26458-65 (2003)及びこの文献で引用されている文献、並びに、Monica Conti et al.# J. Chromatography 757: 237-245(1997)を参照されたい。
この組成物は、主たる酵素成分、例えば、単一成分の組成物として本発明のアミラーゼの1つ以上を含んでいてもよい。あるいは、この組成物は、以下に検討されている他の酵素のみならず、アミノペプチダーゼ、アミラーゼ、カルボヒドラーゼ、カルボキシペプチダーゼ、カタラーゼ、セルラーゼ、キチナーゼ、クチナーゼ、シクロデキストリングリコシル移転酵素、デオキシリボヌクレアーゼ、エステラーゼ、α−ガラクトシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、グルコアミラーゼ、α−グルコシダーゼ、β−グルコシダーゼ、ハロペルオキシダーゼ、インベルターゼ、ラッカーゼ、リパーゼ、マンノシダーゼ、オキシダーゼ、ペクチン分解酵素、ペプチドグルタミナーゼ、ペルオキシダーゼ、フィターゼ、ポリフェノールオキシダーゼ、タンパク分解酵素、リボヌクレアーゼ、トランスグルタミナーゼ、又は、キシラナーゼ等の複数の酵素活性で構成されたものであってもよい。このさらなる酵素は、アスペルギルス、トリコデルマ、フミコラ(例えば、H.インソレンズ)及びフザリウムの種に属する微生物によって生産可能なものであってもよい。アスペルギルス種の典型的なものには、アスペルギルス・アクレアタス(Aspergillus aculeatus)、アスペルギルス・アワモリ(Aspergillus awamori)、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)又はアスペルギルス・オリゼー(Aspergillus oryzae)が含まれる。フザリウム種の典型的なものには、フザリウム・バクトリディオイデス(Fusarium bactridioides)、フザリウム・セレアリス(Fusarium cerealis)、フザリウム・クルックウェルエンス(Fusarium crookwellense)、フザリウム・カルモラム(Fusarium culmorum)、フザリウム・グラミニアラム(Fusarium graminearum)、フザリウム・グラミナム(Fusarium graminum)、フザリウム・ヘテロスポラム(Fusarium heterosporum)、フザリウム・ネグンディニス(Fusarium negundinis)、フザリウム・オキシスポルム(Fusarium oxysporum)、フザリウム・レチクラタム(Fusarium reticulatum)、フザリウム・ロセウム(Fusarium roseum)、フザリウム・サムブシヌム(Fusarium sambucinum)、フザリウム・サルコクロウム(Fusarium sarcochroum)、フザリウム・スルフレウム(Fusarium sulphureum)、フザリウム・トルロスム(Fusarium torulosum)、フザリウム・トリコセシオイズ(Fusarium trichothecioides)、及び、フザリウム・ベネナツム(Fusarium venenatum)が含まれる。
この洗剤組成物は、あらゆる有用な形態、例えば、粉末、顆粒、ペースト、液体で存在してもよい。液体洗剤は、水溶性であってもよく、一般的に最大約70%の水分と0%乃至約30%の有機溶媒とを含んでいてもよい。この洗剤組成物は、約30%のみの水分を含む圧縮ゲルタイプの形態で存在してもよい。酵素は、その酵素の安定性と両立するあらゆる洗剤組成物中で使用することができる。一般に、酵素は、例えば、顆粒化又はヒドロゲル中における隔離等のようなカプセル化の既知の形態によって有害な成分から保護されるようにすることができる。酵素、特にα−アミラーゼは、洗濯及び食器洗浄の用途に限定されないが、表面洗浄剤、デンプンからのエタノール生産、又は、バイオマスにおいて使用可能である。
洗剤組成物は1つ又はそれ以上の界面活性剤を含み、その各界面活性剤は、陰イオン性、非イオン、陽イオン性又は両性イオン性であり得る。この洗剤は、通常、直鎖アルキルベンゼンスルフォネート(LAS);α−オレフィンスルフォネート(AOS);アルキルスルフェート(脂肪族アルコールスルフェート)(AS);アルコールエトキシスルフェート(AEOS又はAES);第2級アルカンスルフォネート(SAS);α−スルフォ脂肪酸メチルエステル;コハク酸アルキル若しくはコハク酸アルケニル;又は、石鹸等の陰イオン性界面活性剤を0%乃至約50%含むであろう。この組成物は、アルコールエトキシレート(AEO又はAE)、カルボキシル基が導入されたアルコールエトキシレート、ノニルフェノールエトキシレート、アルキルポリグリコシド、アルキルジメチルアミンオキシド、エトキシ基が導入された脂肪酸モノエタノールアミド、脂肪酸モノエタノールアミド、又は、ポリヒドロキシアルキル脂肪酸アミド(例えば、WO92/06154に記載されている)等の非イオン性界面活性剤を0%乃至約40%を含んでいてもよい。
この洗剤組成物は、リパーゼ、クチナーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、ペルオキシダーゼ、及び/又は、ラッカーゼ等の他の酵素の1つ又はそれ以上をあらゆる組み合わせでさらに含んでいてもよい。上記を参照されたい。
この洗剤は、選択的に、ゼオライト、ジフォスフェート、トリフォスフェート、フォスフォネート、シトレート、ニトリロ三酢酸(NTA)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTMPA)、コハク酸アルキル若しくはコハク酸アルケニル、可溶性シリケート、又は、階層状シリケート(例えば、Hoechst社製のSKS-6)等の洗剤ビルダー又は錯化剤を約1%乃至約65%含んでいてもよい。この洗剤は、助剤が加えられていないもの、つまり、洗剤ビルダーを実質的に含まないものであってもよい。
この洗剤は選択的に1つ又はそれ以上のポリマーを含んでいてもよい。具体例には、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリ(ビニルピロリドン)(PVP)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリ(ビニルアルコール)(PVA)、並びに、ポリアクリレート、マレイン酸/アクリル酸共重合体、及び、メタクリル酸ラウリル/アクリル酸共重合体等のポリカルボキシレートが含まれる。
この洗剤は選択的に漂白系を含んでいてもよく、その漂白系は過ホウ酸塩又は過炭酸塩等のH源であって、テトラアセチルエチレンジアミン(TAED)又はノナノイルオキシベンゼンスルフォナート(NOBS)等のように過酸を生じさせる漂白剤アクチベータと混合することができるものを含んでいてもよい。あるいは、この漂白系は、例えば、アミド、イミド又はスルホンタイプのペルオキシ酸を含んでいてもよい。この漂白系は、例えば、WO2005/056783に記載されているように、酵素による漂白系であって、ペルヒドロラーゼが過酸化物を活性化する漂白系であってもよい。
この洗剤組成物の酵素は、例えば、プロピレングリコール若しくはグリセロール等の多価アルコール;糖若しくは糖アルコール;乳酸;ホウ酸、若しくは、例えば芳香族ホウ酸エステル等のホウ酸誘導体;等の従来の安定化剤を使用して安定化されたものであってもよい。この組成物を例えばWO92/19709及びWO92/19708に記載されているように配合することができる。
この洗剤は、例えば、粘土、起泡力増進剤、泡抑制剤、耐腐食剤、汚れ懸濁化剤、汚れ再析出防止剤、染料、殺菌剤、蛍光増白剤、又は、香料を含む仕上げ剤等の他の従来の洗剤成分をさらに含んでいてもよい。
pH(使用濃度の水溶液中で測定される)は、通常、中性又はアルカリ性(例えば、pH約7.0乃至約11.0)である。
上記α−アミラーゼ変異体を含む洗剤組成物の特定の形態は、下記1)乃至19)を含むように製剤されたものであってもよい。
1)少なくとも600g/Lのかさ密度を有する顆粒として配合された洗剤組成物であって、(酸として計算して)約7%乃至約12%の直鎖アルキルベンゼンスルフォネート;約1%〜約4%のアルコールエトキシスルフェート(例えば、C12〜18のアルコール、1個〜2個のエチレンオキシド(EO))又はアルキルスルフェート(例えば、C16−18);約5%〜約9%のアルコールエトキシレート(例えば、C14−15のアルコール(7EO);約14%〜約20%の炭酸ナトリウム(例えば、NaCO);約2%〜約6%の可溶性シリケート(例えば、NaO、2SiO);約15%〜約22%のゼオライト(例えば、NaA1SiO);0%〜約6%の硫酸ナトリウム(例えば、NaSO);約0%〜約15%のクエン酸ナトリウム/クエン酸(例えば、CNa/C);約11%〜約18%の過ホウ酸ナトリウム(例えば、NaBOO);約2%〜約6%のTAED;0%〜約2%のカルボキシメチルセルロース(CMC);0%〜3%のポリマー(例えば、マレイン酸/アクリル酸共重合体、PVP、PEG);(純粋な酵素として計算して)0.0001%〜0.1%の酵素タンパク;及び、0%〜5%の少量成分(例えば、泡抑制剤、香料、蛍光増白剤、光退色剤)含む洗剤組成物。
2)少なくとも600g/Lのかさ密度を有する顆粒として配合された洗剤組成物であって、(酸として計算して)約6%〜約11%の直鎖アルキルベンゼンスルフォネート;約1%〜約3%のアルコールエトキシスルフェート(例えば、C12〜18のアルコール、1〜2EO)又はアルキルスルフェート(例えば、C16〜18);約5%〜約9%のアルコールエトキシレート(例えば、炭素数14〜15のアルコール、7EO);約15%〜約21%の炭酸ナトリウム(例えば、NaCO);約1%〜約4%の可溶性シリケート(例えば、NaO、2SiO);約24%〜約34%のゼオライト(例えば、NaA1SiO);約4%〜約10%の硫酸ナトリウム(例えば、NaSO);0%〜約15%のクエン酸ナトリウム/クエン酸(例えば、CNa/C);0%〜約2%のカルボキシメチルセルロース(CMC);1%〜6%のポリマー(例えば、マレイン酸/アクリル酸共重合体、PVP、PEG);(純粋な酵素タンパクとして計算して)0.0001%〜0.1%の酵素;0%〜5%の少量成分(例えば、泡抑制剤、香料)を含む洗剤組成物。
3)少なくとも600g/Lのかさ密度を有する顆粒として配合された洗剤組成物であって、(酸として計算して)約5%〜約9%の直鎖アルキルベンゼンスルフォネート;約7%〜約14%のアルコールエトキシレート(例えば、C12〜15のアルコール、7EO);約1%〜約3%の脂肪酸(例えば、C16〜22の脂肪酸)等の石鹸;約10%〜約17%の炭酸ナトリウム(NaCO等);約3%〜約9%の可溶性シリケート(例えば、NaO、2SiO);約23%〜約33%のゼオライト(NaAlSiO等);0%〜約4%の硫酸ナトリウム(例えば、NaSO);約8%〜約16%の過ホウ酸ナトリウム(例えば、NaBOO);約2%〜約8%のTAED;0%〜約1%のフォスフォネート(例えば、EDTMPA);0%〜約2%のカルボキシメチルセルロース(CMC);0%〜3%のポリマー(例えば、マレイン酸/アクリル酸共重合体、PVP、PEG);(純粋なタンパクとして計算して)0.0001%〜0.1%の酵素;0%〜5%の少量成分(例えば、泡抑制剤、香料、蛍光増白剤)含む洗剤組成物。
4)少なくとも600g/Lのかさ密度を有する顆粒として配合された洗剤組成物であって、(酸として計算して)約8%〜約12%の直鎖アルキルベンゼンスルフォネート;約10%〜約25%のアルコールエトキシレート(例えば、C12〜15のアルコール、7EO);約14%〜約22%の炭酸ナトリウム(NaCO等);約1%〜約5%の可溶性シリケート(例えば、NaO、2SiO);約25%〜約35%のゼオライト(例えば、NaAlSiO);0%〜約10%の硫酸ナトリウム(例えば、NaSO);0%〜約2%のカルボキシメチルセルロース(CMC);1%〜3%のポリマー(例えば、マレイン酸/アクリル酸重合体、PVP、PEG);(純粋な酵素タンパクとして計算して)0.0001%〜0.1%の酵素;及び、0%〜5%の少量成分(例えば、泡抑制剤、香料)を含む洗剤組成物。
5)水性液洗剤組成物であって、(酸として計算して)約15%〜約21%の直鎖アルキルベンゼンスルフォネート;約12%〜約18%のアルコールエトキシレート(例えば、C12〜15のアルコール、7EO)又はC12〜15のアルコール、5EO);約3%〜約13%の脂肪酸(例えば、オレイン酸)等の石けん;0%〜約13%のコハク酸アルケニル(C12−14);約8%〜約18%のアミノエタノール;約2%〜約8%のクエン酸;0%〜約3%のフォスフォネート;0%〜約3%のポリマー(例えば、PVP、PEG);0%〜約2%のホウ酸塩(例えばB);0%〜約3%のエタノール;約8%〜約14%のプロピレングリコール;(純粋な酵素タンパクとして計算して)0.0001%〜0.1%の酵素;及び、0%〜5%の少量成分(例えば、分散剤、泡抑制剤、香料、蛍光増白剤)を含む水性液洗剤組成物。
6)構造化された水性液体洗浄組成物であって、(酸として計算して)約15%〜約21%の直鎖アルキルベンゼンスルフォネート;3%〜9%のアルコールエトキシレート(例えば、C12〜15のアルコール、7EO)又はC12〜15のアルコール、5EO);約3%〜約10%の脂肪酸(例えば、オレイン酸)等の石鹸;約14%〜約22%のゼオライト(NaAlSiO等);約9%〜約18%のクエン酸カリウム;0%〜約2%のホウ酸塩(例えばB);0%〜約2%のカルボキシメチルセルロース(CMC);0%〜約3%のポリマー(例えば、PEG、PVP);例えばメタクリル酸ラウリル/アクリル酸共重合体等の0%〜約3%の固着ポリマー、モル比25:1、MW3800;0%〜約5%のグリセロール;(純粋な酵素タンパクとして計算して)0.0001%〜0.1%の酵素;及び、0%〜5%の少量成分(例えば、分散剤、泡抑制剤、香料、蛍光増白剤)を含む組成物。
7)少なくとも600g/Lのかさ密度を有する顆粒として配合された洗剤組成物であって、約5%から約10%の脂肪族アルコールスルフェート;約3%〜約9%のエトキシ化された脂肪酸モノエタノールアミド;0%〜3%の脂肪酸等の石鹸;約5%〜約10%の炭酸ナトリウム(例えば、NaCO);約1%〜約4%の可溶性シリケート(例えば、NaO、2SiO);約20%〜約40%のゼオライト(例えば、NaAlSiO);約2%〜約8%の硫酸ナトリウム(例えば、NaSO);約12%〜約18%の過ホウ酸ナトリウム(例えば、NaBOO);約2%〜約7%のTAED;約1%〜約5%のポリマー(例えば、マレイン酸/アクリル酸共重合体、PEG);(純粋な酵素タンパクとして計算して)0.0001%〜0.1%の酵素;及び、0%〜5%の少量成分(例えば蛍光増白剤、泡抑制剤、香料)を含む洗剤組成物。
8)顆粒として配合された洗剤組成物であって、(酸として計算して)約8%〜約14%の直鎖アルキルベンゼンスルフォネート;約5%〜約11%のエトキシ化された脂肪酸モノエタノールアミド;0%〜約3%の脂肪酸等の石鹸;約4%〜約10%の炭酸ナトリウム(例えば、NaCO);約1%〜約4%の可溶性シリケート(NaO、2SiO);約30%〜約50%のゼオライト(例えば、NaAlSiO);約3%〜約11%の硫酸ナトリウム(例えば、NaSO);約5%〜約12%のクエン酸ナトリウム(例えば、CNa);約1%〜約5%のポリマー(例えば、PVP、マレイン酸/アクリル酸共重合体、PEG);(純粋な酵素タンパクとして計算して)0.0001%〜0.1%の酵素;及び、0%〜5%の少量成分(例えば、泡抑制剤、香料)を含む洗剤組成物。
9)顆粒として配合された洗剤組成物であって、(酸として計算して)約6%〜約12%の直鎖アルキルベンゼンスルフォネート;約1%〜約4%の非イオン性界面活性剤;脂肪酸等の約2%〜約6%の石鹸;約14%〜約22%の炭酸ナトリウム(例えば、NaCO);約18%〜約32%のゼオライト(例えば、NaAlSiO);約5%〜約20%の硫酸ナトリウム(例えば、NaSO);約3%〜約8%のクエン酸ナトリウム(例えば、CNa);約4%〜約9%の過ホウ酸ナトリウム(例えば、NaBOO);約1%〜約5%の漂白剤アクチベータ(例えば、NOBS又はTAED);0%〜約2%のカルボキシメチルセルロース(CMC);約1%〜約5%のポリマー(例えば、ポリカルボキシレート又はPEG);(純粋な酵素タンパクとして計算して)0.0001%〜0.1%の酵素;及び、0%〜5%の少量成分(例えば、蛍光増白剤、香料)を含む洗剤組成物。
10)水性液体洗剤組成物であって、(酸として計算して)約15%〜約23%の直鎖アルキルベンゼンスルフォネート;約8%〜約15%のアルコールエトキシスルフェート(例えば、C12〜15のアルコール、2〜3EO);約3%〜約9%のアルコールエトキシレート(例えば、C12〜15のアルコール、7EO、又は、C12〜15のアルコール、5EO);0%〜約3%の脂肪酸(例えば、ラウリン酸)等の石鹸;約1%〜約5%のアミノエタノール;約5%〜約10%のクエン酸ナトリウム;約2%〜約6%のヒドロトロープ(例えば、トルエンスルホン酸ナトリウム);0%〜約2%のホウ酸塩(例えば、B);0%〜約1%のカルボキシメチルセルロース;約1%〜約3%のエタノール;約2%〜約5%のプロピレングリコール;(純粋な酵素タンパクとして計算して)0.0001%〜0.1%の酵素;及び、0%〜5%の少量成分(例えば、ポリマー、分散剤、香料、蛍光増白剤)を含む水性液体洗剤組成物。
11)水性液体洗剤組成物であって、(酸として計算して)約20%〜約32%の直鎖アルキルベンゼンスルフォネート;6%〜12%のアルコールエトキシレート(例えば、C12〜15のアルコール、7EO、又は、C12〜15のアルコール、5EO);約2%〜約6%のアミノエタノール;約8%〜約14%のクエン酸;約1%の約3%のホウ酸塩(例えば、B);0%〜約3%のポリマー(例えば、マレイン酸/アクリル酸共重合体、及び、例えば、メタクリル酸ラウリル/アクリル酸共重合体等の固着ポリマー);約3%〜約8%のグリセロール;(純粋な酵素タンパクとして計算して)0.0001%〜0.1%の酵素;及び、0%〜5%の少量成分(例えば、ヒドロトロープ、分散剤、香料、蛍光増白剤)を含む水性液体洗剤組成物。
12)少なくとも600g/Lのかさ密度を有する顆粒として配合された洗剤組成物であって、約25%〜約40%の陰イオン性界面活性剤(直鎖アルキルベンゼンスルフォネート、アルキルスルフェート、α−オレフィンスルフォネート、α−スルフォ脂肪酸メチルエステル、アルカンスルフォネート、石鹸);約1%〜約10%の非イオン性界面活性剤(例えば、アルコールエトキシレート);約8%〜約25%の炭酸ナトリウム(例えば、NaCO);約5%〜約15%の可溶性シリケート(例えば、NaO、2SiO);0%〜約5%の硫酸ナトリウム(例えば、NaSO);約15%〜約28%のゼオライト(NaAlSiO);0%〜約20%の過ホウ酸ナトリウム(例えば、NaBO・4HO);約0%〜約5%の漂白剤アクチベータ(TAED又はNOBS);(純粋な酵素タンパクとして計算して)0.0001%〜0.1%の酵素;0%〜3%の少量成分(例えば、香料、蛍光増白剤)を含む洗剤組成物。
13)上記1)〜12)に記載されている洗剤組成物であって、直鎖アルキルベンゼンスルフォネートのすべて又は一部がアルキルスルフェート(C12−C18)で置き換えられた洗剤組成物。
14)少なくとも600g/Lのかさ密度を有する顆粒として配合された洗剤組成物であって、約9%〜約15%のアルキルスルフェート(C12−C18);約3%〜約6%のアルコールエトキシレート;約1%〜約5%のポリヒドロキシアルキル脂肪酸アミド;約10%〜約20%のゼオライト(例えば、NaAlSiO);10%〜約20の層状二珪酸塩(例えば、Hoechst社製のSK56);約3%〜約12%の炭酸ナトリウム(例えば、NaCO);0%〜約6%の可溶性シリケート(例えば、NaO、2SiO);約4%〜約8%のクエン酸ナトリウム;約13%〜約22%の過炭酸ナトリウム;約3%〜約8%のTAED;0%〜約5%のポリマー(例えば、ポリカルボキシレート及びPVP);(純粋な酵素タンパクとして計算して)0.0001%〜0.1%の酵素;及び、0%〜5%の少量成分(例えば、蛍光増白剤、光退色剤、香料、泡抑制剤)を含む洗剤組成物。
15)少なくとも600g/Lのかさ密度を有する顆粒として配合された洗剤組成物であって、約4%〜約8%のアルキルスルフェート(C12−C18);約11%〜約15%のアルコールエトキシレート;約1%〜約4%の石鹸;約35%〜約45%のゼオライトMAP又はゼオライトA;約2%〜約8%の炭酸ナトリウム(NaCO等);0%〜約4%の可溶性シリケート(例えば、NaO、2SiO);約13%〜約22%の過炭酸ナトリウム;1%〜8%のTAED;0%〜約3%のカルボキシメチルセルロース(CMC);0%〜約3%のポリマー(例えば、ポリカルボキシレート及びPVP);(純粋な酵素タンパクとして計算して)0.0001%〜0.1%の酵素;及び、0%〜3%の少量成分(例えば、蛍光増白剤、フォスフォネート、香料)を含む洗剤組成物。
16)上記1)〜15)に記載されている洗剤製剤であって、さらなる一成分として、又は、既に特定された漂白剤系の代替として、安定化された又はカプセル化された過酸素酸を含む洗剤製剤。
17)上記1)、3)、7)、9)及び12)に記載されている洗剤組成物であって、過ホウ酸塩を過炭酸塩で置き換えた洗剤組成物。
18)上記1)、3)、7)、9)、12)、14)及び15)に記載されている洗剤組成物であって、マンガン触媒をさらに含む洗剤組成物。マンガン触媒は、例えば、Hage et al., Nature 369:637-639(1994)に記載されている化合物の1つである。
19)非水性の洗剤液として配合された洗剤組成物であって、例えば、直鎖のアルコキシル化された第1級アルコール、ビルダー系(例えば、ホスフェート)、酵素、及び、アルカリ等の液体の非イオン性界面活性剤を含む洗剤組成物。この洗剤は、陰イオン性界面活性剤及び/又は漂白剤系をさらに含んでいてもよい。
本発明のα−アミラーゼの1つ以上は、洗剤中で従来用いられる濃度で組み入むことができる。洗剤組成物中に、(純粋な酵素タンパクとして計算して)洗剤液1リットル当たり0.00001mg〜1.0mgの酵素に対応する量でα−アミラーゼ又はその変異体を加えることができることが本発明において意図されている。
他の一実施形態において、2,6−β−D−フルクタンヒドロラーゼは、洗剤組成物中に組み入んで、家庭及び/又は産業の生地/洗濯物に存在する生物膜の除去/洗浄に使用することができる。
例えば、この洗剤組成物は、着色した布の前処理に適した洗濯添加剤組成物、及び、洗い流し液を加えた布柔軟仕上げ剤組成物を含む手動又は機械による洗濯の洗剤組成物として配合されたものであってもよいし、又は、一般家庭用硬表面洗浄作業において使用される洗剤組成物として配合されたものであってもよいし、又は、手動又は機械による洗濯作業のために配合されたものであってもよい。
特定の態様において、この洗剤組成物は、2,6−β−D−フルクタンヒドロラーゼと、本発明のα−アミラーゼ変異体の1つ又はそれ以上に加えて1つ又はそれ以上のさらなるα−アミラーゼと、プロテアーゼ、リパーゼ、クチナーゼ、カルボヒドラーゼ、セルラーゼ、ペクチナーゼ、マンナナーゼ、アラビナーゼ、ガラクタナーゼ、キシラナーゼ、オキシダーゼ、ラッカーゼ、及び/若しくは、ペルオキシダーゼ等の1つ又はそれ以上の他の洗浄酵素と、並びに/又は、これらの組み合わせをさらに含んでいてもよい。
一般に、選択した酵素の特性は、選択した洗剤(例えば、pH最適条件、他の酵素成分及び非酵素成分との適合性等)と適合性であるべきであり、また、その酵素が有効な量で存在すべきである。
4.2 食器用洗剤組成物
本発明のα−アミラーゼは、下記のものを含む食器用洗剤組成物中で使用することもできる。
1)粉末自動食器洗浄組成物
非イオン性界面活性剤 0.4%−2.5%
メタ珪酸ナトリウム 0%−20%
二珪酸ナトリウム 3%−20%
三リン酸ナトリウム 20%−40%
炭酸ナトリウム 0%−20%
過ホウ酸ナトリウム 2%−9%
テトラアセチルエチレンジアミン(TAED) 1%−4%
硫酸ナトリウム 5%−33%
酵素 0.0001%−0.1%
2)粉末自動食器洗浄組成物
非イオン性界面活性剤 1%−2%
(例えば、アルコールエトキシレート)
二珪酸ナトリウム 2%−30%
炭酸ナトリウム 10%−50%
フォスフォン酸ナトリウム 0%−5%
クエン酸三ナトリウム二水和物 9%−30%
ニトリロトリナトリウムアセテート(NTA) 0%−20%
過ホウ酸ナトリウム一水和物 5%−10%
テトラアセチルエチレンジアミン(TAED) 1%−2%
ポリアクリレートポリマー 6%−25%
(例えば、マレイン酸/アクリル酸共重合体)
酵素 0.0001%−0.1%
香料 0.1%−0.5%
水 5%−10%
3)粉末自動食器洗浄組成物
非イオン性界面活性剤 0.5%−2.0%
二珪酸ナトリウム 25%−40%
クエン酸ナトリウム 30%−55%
炭酸ナトリウム 0%−29%
重炭酸ナトリウム 0%−20%
過ホウ酸ナトリウム一水和物 0%−15%
テトラアセチルエチレンジアミン(TAED) 0%−6%
マレイン酸/アクリル酸共重合体 0%−5%
粘土 1%−3%
ポリアミノ酸 0%−20%
ポリアクリル酸ナトリウム 0%−8%
酵素 0.0001%−0.1%
4)粉末自動食器洗浄組成物
非イオン性界面活性剤 1%−2%
ゼオライトMAP 15%−42%
二珪酸ナトリウム 30%−34%
クエン酸ナトリウム 0%−12%
炭酸ナトリウム 0%−20%
過ホウ酸ナトリウム一水和物 7%−15%
テトラアセチルエチレン 0%−3%
ジアミン(TAED)ポリマー 0%−4%
マレイン酸/アクリル酸共重合体 0%−5%
有機ホスホン酸塩 0%−4%
粘土 1%−2%
酵素 0.0001%−0.1%
硫酸ナトリウム 残り
5)粉末自動食器洗浄組成物
非イオン性界面活性剤 1%−7%
二珪酸ナトリウム 18%−30%
クエン酸三ナトリウム 10%−24%
炭酸ナトリウム 12%−20%
モノ過硫酸塩 15%−21%
(2KHSO、KHSO、KSO
漂白剤安定化剤 0.1%−2%
マレイン酸/アクリル酸共重合体 0%−6%
ジエチレントリアミン五酢酸五ナトリウム 0%−2.5%
酵素 0.0001%−0.1%
硫酸ナトリウム、水 残り
6)洗浄界面活性剤系を有する粉末及び液体の食器洗浄組成物
非イオン性界面活性剤 0%−1.5%
オクタデシルジメチルアミンN−オキシド二水和物 0%−5%
オクタデシルジメチルアミンN−オキシド二水和物と
ヘキサデシルジメチルアミンN−オキシド二水和物と
の80重量:20重量のC18/C16混合物 0%−4%
オクタデシルビス(ヒドロキシエチル)アミンN−オキシド無水物と
ヘキサデシルビス(ヒドロキシエチル)アミンN−オキシド無水物と
の70重量:30重量のC18/C16混合物 0%−5%
3の平均エトキシ化度のを有する
13−C15アルキルエトキシスルフェート 0%−10%
3の平均エトキシ化度を有する 0%−5%
12−C15アルキルエトキシスルフェート
12の平均エトキシ化度を有する 0%−5%
エトキシ化されたC13−C15アルコール
9の平均エトキシ化度を有する 0%−6.5%
エトキシ化されたC12−C15アルコールの混合物
30の平均エトキシ化度を有する
エトキシ化されたC13−C15アルコールの混合物 0%−4%
二珪酸ナトリウム 0%−33%
三リン酸ナトリウム 0%−46%
クエン酸ナトリウム 0%−28%
クエン酸 0%−29%
炭酸ナトリウム 0%−20%の
過ホウ酸ナトリウム一水和物 0%−11.5%
テトラアセチルエチレンジアミン(TAED) 0%−4%
マレイン酸/アクリル酸共重合体 0%−7.5%
硫酸ナトリウム 0%−12.5%
酵素 0.0001%−0.1%
7)非水性液体自動食器洗浄組成物
液体の非イオン性界面活性剤 2.0%−10.0%
(例えば、アルコールエトキシレート)
アルカリ金属ケイ酸塩 3.0%−15.0%
アルカリ金属リン酸塩 20.0%−40.0%
高級のグリコール、ポリグリコール、ポリオキシド、グリコールエーテルから選択される液体担体 25.0%−45.0%
安定剤 0.5%−7.0%
(例えば、リン酸とC16−C18アルカノールとの部分エステル)
泡抑制剤(例えば、シリコン) 0%−1.5%
酵素 0.0001%−0.1%
8)非水性液体食器洗浄組成物
液体の非イオン性界面活性剤 2.0%−10.0%
(例えば、アルコールエトキシレート)
ケイ酸ナトリウム 3.0%−15.0%
アルカリ金属炭酸塩 7.0%−20.0%
クエン酸ナトリウム 0.0%−1.5%
安定剤系 0.5%−7.0%
(例えば、細かく分離したシリコンと低分子量のジアルキルポリグリコールエーテルとの混合物)
低分子重量ポリアクリレートポリマー 5.0%−15.0%
粘土ゲル増粘剤(例えば、ベントナイト) 0.0%−10.0%
ヒドロキシプロピルセルロースポリマー 0.0%−0.6%
酵素 0.0001%−0.1%
高級のグリコール、ポリグリコール、ポリオキシド、グリコールエーテルから選択される液体担体 残り
9)チキソトロピー性の液体自動食器洗浄組成物
12−C14脂肪酸 0%−0.5%
ブロック共重合体界面活性剤 1.5%−15.0%
クエン酸ナトリウム 0%−12%
三燐酸ナトリウム 0%−15%
炭酸ナトリウム 0%−8%
トリスステアリン酸アルミニウム 0−0.1%
クメンスルホン酸ナトリウム 0%−1.7%
ポリアクリレート増粘剤 1.32%−2.5%
ポリアクリル酸ナトリウム 2.4%−6.0%
ホウ酸 0%−4.0%
ギ酸ナトリウム 0%−0.45%
カルシウム蟻酸塩 0%−0.2%
n−デシルジフェニルオキシドジスルホン酸ナトリウム 0%−4.0%
モノエタノールアミン(MEA) 0%−1.86%
水酸化ナトリウム(50%) 1.9%−9.3%
1,2−プロパンジオール 0%−9.4%
酵素 0.0001%−0.1%
泡抑制剤、染料、香料、水 残り
10)液体の自動食器洗浄組成物
アルコールエトキシレート 0%−20%
脂肪酸エステルスルフォネート 0%−30%
ドデシル硫酸ナトリウム 0%−20%
アルキルポリグリコシド 0%−21%
オレイン酸 0%−10%
二珪酸ナトリウム一水和物 18%−33%
クエン酸ナトリウム二水和物 18%−33%
ステアリン酸ナトリウム 0%−2.5%
過ホウ酸ナトリウム一水和物 0%−13%
テトラアセチルエチレンジアミン(TAED) 0%−8%
マレイン酸/アクリル酸共重合体 4%−8%
酵素 0.0001%−0.1%
水 残り
11)保護された漂白剤粒子を含む液体自動食器洗浄組成物
ケイ酸ナトリウム 5%−10%
ピロリン酸四カリウム 15%−25%
三リン酸ナトリウム 0%−2%
炭酸カリウム 4%−8%
保護された漂白剤粒子、例えば、塩素 5%−10%
重合体増粘剤 0.7%−1.5%
水酸化カリウム 0%−2%
酵素 0.0001%−0.1%
水 残り
11)上記1)、2)、3)、4)、6)及び10)に記載されているような自動食器洗浄組成物であって、過ホウ酸塩が過炭酸塩で置き換えられたもの。
12)上記1)−6)に記載されているような自動食器洗浄組成物であって、マンガン触媒をさらに含むもの。このマンガン触媒は、例えば、Hage et al., Nature 369:637-639(1994)に記載されている化合物の1つであってもよい。
4.3 生物膜除去組成物及び使用
他の一実施形態において、生物膜を除去又は分解するための組成物であって、本発明のα−アミラーゼの1つ又はそれ以上を含む組成物を提供する。この組成物は、唯一の酵素活性として本発明のα−アミラーゼの1つ又はそれ以上を含んでいてもよく、それによって生物膜を除去又は分解に使用するための単一成分組成物となる。代替的に、この組成物は、複数のアミラーゼ等の複数の酵素活性を含むものであってもよいし、又は、下記:アミノペプチダーゼ、アミラーゼ(β又はα又はグルコ−アミラーゼ)、カルボヒドラーゼ、カルボキシペプチダーゼ、カタラーゼ、セルラーゼ、キチナーゼ、クチナーゼ、シクロデキストリングリコシル移転酵素、デオキシリボヌクレアーゼ、エステラーゼ、α−ガラクトシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、グルコアミラーゼ、α−グルコシダーゼ、β−グルコシダーゼ、ハロペルオキシダーゼ、インベルターゼ、ラッカーゼ、リパーゼ、マンノシダーゼ、オキシダーゼ、ペクチン分解酵素、ペプチドグルタミナーゼ、ペルオキシダーゼ、フィターゼ、ポリフェノールオキシダーゼ、タンパク分解酵素、リボヌクレアーゼ、トランスグルタミナーゼ、及び/若しくは、キシラナーゼのあらゆる組み合わせを含む酵素の混合物であってもよいし、又は、生物膜を除去するためのこれらのあらゆる組み合わせであり得る。特別な酵素は、2,6−β−D−フルクタンヒドロラーゼである。追加酵素は、アスペルギルス、トリコデルマ、フミコラ(例えばH.インソレンズ)及びフザリウムの種に属する微生物によって生産可能なものであってもよい。アスペルギルスの典型的なものには、A.アクレアタス(Aspergillus aculeatus)、A.アワモリ( A. awamori)、A.ニガー(A. niger)及びA.オリザエ(A. oryzae)が含まれる。フザリウム種の典型的なものには、フザリウム・バクトリディオイデス(Fusarium bactridioides)、フザリウム・セレアリス(Fusarium cerealis)、フザリウム・クルックウェルエンス(Fusarium crookwellense)、フザリウム・カルモラム(Fusarium culmorum)、フザリウム・グラミニアラム(Fusarium graminearum)、フザリウム・グラミナム(Fusarium graminum)、フザリウム・ヘテロスポラム(Fusarium heterosporum)、フザリウム・ネグンディニス(Fusarium negundinis)、フザリウム・オキシスポルム(Fusarium oxysporum)、フザリウム・レチクラタム(Fusarium reticulatum)、フザリウム・ロセウム(Fusarium roseum)、フザリウム・サムブシヌム(Fusarium sambucinum)、フザリウム・サルコクロウム(Fusarium sarcochroum)、フザリウム・スルフレウム(Fusarium sulphureum)、フザリウム・トルロスム(Fusarium torulosum)、フザリウム・トリコセシオイズ(Fusarium trichothecioides)、及び、フザリウム・ベネナツム(Fusarium venenatum)が含まれる。
生物膜を除去又は分解する組成物は、液体の又は乾燥した組成物の形態であってもよい。α−アミラーゼは、例えば、顆粒又は微小顆粒の形態で存在していてもよいし、又は、当業界で知られている方法に従って安定化されたものであってもよい。生物膜は一般に表面に存在しており、生物膜の分解は、例えば、本発明のα−アミラーゼの1つ又はそれ以上を含む水性媒体でその表面を浸漬、被覆、又は、噴射することによって、その表面を接触するようにさせることによって達成することができる。この組成物は、例えば、パルプ化及び製紙業における白濁水等の粘液を加水分解するために使用することができる。
α−アミラーゼは、0.0001〜10000mg/L、0.001−1000mg/L、0.01−100mg/L、又は、0.1−10mg/Lの量で存在することができる。さらなる酵素及び酵素変異体は、同様の量又はそれより少ない量で存在することができる。
このプロセスは、おおよそ環境温度から約70℃までの温度で適切に実行することができる。典型的な温度範囲には、約30℃乃至約60℃、例えば、約40℃乃至約50℃が含まれる。
生物膜を加水分解するのに適したpHは、約3.5〜約8.5に存在する。典型的なpH範囲には、約5.5〜約8、例えば、約6.5〜約7.5が含まれる。生物膜を有効に除去するための酵素の接触時間又は反応時間は、生物膜の特性、及び、酵素単独で又は他の生物膜分解酵素と組み合わせで表面を処理する頻度に応じて、かなり変化する可能性がある。典型的な反応時間には、約0.25時間乃至約25時間、約1間乃至約10時間、例えば約2時間が含まれる。
α−アミラーゼは、酵素又は非酵素の生物致死剤等の抗生剤とさらに組み合わされてもよい。例えば、酵素の生物致死剤は、例えば、PCT出願WO97/42825及びDK97/1273に記載されているように、酸化還元酵素(例えば、ラッカーゼ、ペルオキシダーゼ、特にハロペルオキシダーゼ)、及び、選択的にアルキルシリンゲート等の促進剤を含む組成物である。
例えば生物膜を除去/又は剥離する対象となり得る表面は、定義上は微生物に対して実質的に非浸透性のあらゆる表面に関連する硬表面である。表面の例は、例えばステンレススチール合金等の金属、プラスチック/合成高分子、ゴム、ボード、ガラス、木、紙、繊維、コンクリート、岩、大理石、セッコウ、及び、セラミックの材料から作られた表面であり、該表面は、選択的に、例えば、塗料、エナメル、及び、ポリマー等でコーティングされたものであってもよい。従って、この表面は、給水設備、食品加工設備、冷却設備、化学処理設備又は製薬処理設備等のように、水溶液を保持、輸送、処理する設備、又は、水溶液に接触する設備の構成部材であってもよい。この組成物、並びに、パルプ産業及び/又は製紙産業等の木材産業における生物膜の除去のための該組成物の使用方法。従って、上記酵素及び上記酵素を含む組成物は、従来の定置洗浄(C-I-P)設備において有用である。この表面は、パイプ、タンク、ポンプ、膜、フィルタ、熱交換器、遠心機、蒸発装置、ミキサー、噴霧塔、バルブ及び反応装置等の設備単位の構成部材であってもよい。また、この表面は、汚染した内視鏡、人工器官又は医療用インプラント等のような医学及び産業において使用される器具であってもよいし、又は、該器具の一部分であってもよい。
生物膜を除去するための組成物は、金属表面(例えば配水管)が微生物の生物膜によって攻撃されるときに生じるいわゆる生物腐食を防ぐこと、すなわち、生物膜を分解することによって、その生物膜の微生物細胞が、その細胞が付着した金属表面を腐食する生物膜環境を構築するのを防ぐことも意図されている。
抗生物膜組成物のための他の一用途は口腔ケアである。しかしながら、表面は、粘膜、皮膚、歯、毛、爪などのような生物由来のものであってもよい。
歯垢が付着した歯(例えば、練り歯磨きに酵素を混合することによって)及び汚れたコンタクトレンズは、表面として包含される。従って、本発明のα−アミラーゼの1つ以上は、人間又は動物の歯に存在する歯垢を分解するための薬剤を作成するための組成物及びプロセスに使用可能である。さらなる使用は、嚢胞性繊維症を患う患者の肺内の生物膜等のような、粘膜に由来する生物膜の分解である。
従って、さらに別の一態様は、あらゆる活性汚染物質が実質的に含まれない精製された酵素などのように、組み換え酵素を含む口腔ケア組成物に関する。口腔ケア組成物は、所定量の組み換え酵素を適切に含んでいてもよい。
他の生物膜を分解する酵素であって、口腔ケア組成物に使用するための酵素は、口腔ケア組成物中の2,6−β−D−フルクタンヒドロラーゼ活性を含むが、これに限定されない。意図されている酵素活性は、デキストラナーゼ;ミュータン分解酵素;グルコースオキシダーゼ及びL−アミノ酸オキシダーゼ等のオキシダーゼ、例えばWO95/10602に記載されているコプリナス種のペルオキシダーゼ若しくはラクトペルオキシダーゼ等のペルオキシダーゼ、ハロペルオキシダーゼ、特に、クルブラリア(Curvularia)種、特にC.バールキュロサ(C.verruculosa)及びC.イナエクアリアス(C.inaequalis)に由来するハロペルオキシダーゼ;ラッカーゼ;パパイン等のプロテアーゼ、酸性プロテアーゼ(例えば、WO95/02044に記載されている酸性プロテアーゼ)、エンドクロコシダーゼ、リパーゼ、AMG(Novo Nordisk A/S社製)等のアミログルコシダーゼを含むアミラーゼ;抗微生物酵素、及び、これらの混合物を含む酵素の群に由来する活性を含む。
口腔ケア組成物は、あらゆる適切な物理的形態(すなわち、粉末、ペースト、ゲル、液体、軟膏、錠剤等)を有し得る。「口腔ケア組成物」には、歯垢及び歯石の形成を予防し、歯垢及び歯石を除去し、歯の病気を予防及び/又は治療することなどによって、人間及び動物の口内において口腔衛生を維持又は向上するために使用することができる組成物が含まれる。少なくとも本文脈において、口腔ケア組成物には、義歯、人工歯等を洗浄するための製品が含まれる。そのような口腔ケア組成物の例には、練り歯磨き、デンタルクリーム、ゲル若しくは歯磨き粉、歯骨口内洗剤、ブラッシング前用の又はブラッシング後用の洗浄配合物、チューインガム、ロゼンジ、及び、キャンディが含まれる。練り歯磨き及び歯磨きジェルには、一般に、研磨性の磨き剤、発泡剤、香料、保湿剤、バインダ、増粘剤、甘味料、白色化/漂白/着色除去の薬剤、水、及び、選択的にさらなる酵素及び酵素の組み合わせが含まれる。
歯垢除去液を含む口内洗浄液は、一般に、水/アルコール溶液、香味、保湿剤、甘味料、発泡剤、着色剤、及び、選択的にさらなる酵素若しくは酵素の組み合わせを含む。
歯磨剤等のような研磨性磨き材料を口腔ケア組成物中に組み込むこともできる。研磨性の磨き剤には、αアルミナ三水和物等のようなアルミナ及びその水化物;三ケイ酸マグネシウム;炭酸マグネシウム;カオリン;焼成された珪酸アルミニウム及び珪酸アルミニウム等のアルミノシリケート;炭酸カルシウム;ケイ酸ジルコニウム;ポリ塩化ビニル等の粉末プラスチック;ポリアミド;ポリメタクリル酸メチル;ポリスチレン;フェノール・ホルムアルデヒド樹脂;メラミン・ホルムアルデヒド樹脂;尿素・ホルムアルデヒド樹脂;エポキシ樹脂;粉末ポリエチレン;シリカキセロゲル;ヒドロゲル、及び、エーロゲル等が含まれる。ピロリン酸カルシウム;不水溶性のアルカリメタリン酸塩;リン酸カルシウム及び/又はその二水和物、第二リン酸カルシウム;リン酸三カルシウム;及び、粒子状のハイドロキシアパタイト等も研磨剤として適切である。これらの物質の混合物を使用することもできる。
口腔ケア組成物に応じて、研磨性生成物は、約0重量%乃至約70重量%、又は、約1重量%乃至約70重量%存在していてもよい。練り歯磨きに関して、研磨性材料の含有量は、練り歯磨きの最終製品の重量を基準として、一般に10重量%乃至70重量%の範囲内である。
保湿剤は、例えば練り歯磨き等から水分が失われるのを防ぐために使用される。口腔ケア組成物中で使用されるのに適した保湿剤には、グリセロール、多価アルコール、ソルビトール、ポリエチレングリコール(PEG)、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、及び、水素化されて部分的に加水分解された多糖類等の化合物、並びに、これらの混合物が含まれる。保湿剤は、一般に、練り歯磨き中の重量で0%乃至約80%、又は、約5%乃至約70%の量で存在する。
シリカ、デンプン、トラガカントガム、キサンタンガム、アイルランドゴケの抽出物、アルギネート、ペクチン、(ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシルメチルセルロースナトリウム及びヒドロキシプロピルセルロース)等のセルロース誘導体、ポリアクリル酸及びその塩、並びに、ポリビニルピロリドンは、歯みがき製品を安定化させることを助ける適切な増粘剤及びバインダの例として挙げることができる。最終製品の重量によって、増粘剤は約0.1%乃至約20%の量で、バインダは約0.01%乃至約10%の量で、練り歯磨きのクリーム及びゲル中に存在することができる。
陰イオン性の界面活性剤、陽イオン性の界面活性剤、非イオン性の界面活性剤、双性イオン性の界面活性剤、及び/又は、両性イオン性の界面活性剤は、発泡剤石鹸として使用することができる。これらは、最終生産物の重量によって、0%乃至約15%、約0.1%乃至約13%、又は、約0.25%乃至約10%の水準で存在することができる。
界面活性剤は、α−アミラーゼに対する不活性化効果を発揮しない程度までの量であれば適切である。界面活性剤には、脂肪族アルコールスルフェート、10個〜20個の炭素原子を有するスルホン化されたグリセリド又は脂肪酸の塩、脂肪酸卵白縮合物、脂肪酸アミドとタウリンとの塩、及び/又は、イセチオン酸の脂肪酸エステルの塩が含まれる。
適切な甘味料には、製剤における使用のためのサッカリンが含まれる。スペアミント等の香味料は、通常、重量によって、約0.01%乃至約5%、特に約0.1%乃至約5%のような少ない量で存在する。白化剤/白色化剤は、Hを含んでおり、最終生産物の重量で計算して、約5%より少ない量、又は、約0.25%乃至約4%の量で加えるようにすることができる。白化剤/白色化剤は、酸素還元酵素のような酵素であってもよい。歯の適切な白色化酵素の具体例はWO97/06775に記載されているようなものである。
通常、水分は、例えば、練り歯磨きに流動できる形態を与える量で加えられる。クロルヘキシジンジグルコン酸塩、ヘキセチジン、アレキシジン、トリクロサン(登録商標)等のさらなる水溶性抗細菌剤、第四級アンモニウム抗細菌性化合物、並びに、亜鉛、銅、銀及び錫等の特定の金属イオンの水溶性供給源(例えば、塩化亜鉛、塩化銅、及び、塩化錫、及び、硝酸銀)がさらに含まれていてもよい。
フッ化物供給源、染料/着色剤、保存剤、ビタミン、pH調節剤、虫歯予防薬、及び、減感色素等として使用することができる化合物の添加も意図されている。
口腔の洗浄に用いられる場合、生物膜分解酵素はいくつかの利点を有している。プロテアーゼは、歯の表面に吸着されてプラークの第1層である薄膜を形成する唾液タンパクを分解する。プロテアーゼは、リパーゼと共に、細菌の細胞壁及び細胞膜の構造部材を形成するタンパク及び脂質を溶解させることによって細菌を破壊する。
デキストラナーゼ、及び、2,6−β−D−フルクタンヒドロラーゼ等の他のカルボヒドラーゼは、細菌付着のためのマトリクスを形成する細菌によって生産される有機骨格構造を分解する。プロテアーゼ及びアミラーゼは、カルシウムに結合する炭水化物タンパク複合体を分解することによって、プラーク形成を防ぐだけでなく、歯石の成長を防ぎ、石灰化を防止することができる。
一般に、練り歯磨きは、練り歯磨き組成物の最終産物の重量%で、最大の約70%の研磨材、0%〜約80%の保湿剤、約0.1%〜約20%の増粘剤、約0.01%〜約10%のバインダ、約0.1%〜約5%の甘味料、0%〜約15%の発泡剤、0%〜約5%の白色化剤、及び、約0.0001%〜約20%の酵素の成分を含むことができる。
特定の実施形態において、練り歯磨きは、約6.0〜約8.0の範囲内のpHを有し、以下:a)約10%〜約70%の研磨材;b)0%〜約80%の保湿剤;c)0.1%〜約20%の増粘剤;d)0.01%〜約10%のバインダ;e)約0.1%〜約5%の甘味料;f)0%〜約15%の発泡剤;g)0%〜約5%の白色化剤;i)約0.0001%〜約20%の酵素を含む。
以下で言及されている酵素は、i)α−アミラーゼ変異体のみを含むか、又は、2,6−β−D−フルクタンヒドロラーゼ等の他の生物膜分解酵素と組み合わせでα−アミラーゼ変異体を含んでおり、また、選択的に、練り歯磨き中で使用されることが知られている上述の他の種類の酵素等を含む。
口内洗浄液は、一般に、(口内洗浄液組成物の最終製品の重量%で)以下の成分:0%〜約20%の保湿剤;0%〜約2%の界面活性剤;0%〜約5%の酵素;0%〜約20%のエタノール;0%〜約2%の他の成分(例えば、香味料、フッ化物等の甘味料有効成分)を含んでいてもよい。この組成物は約0%〜約70%の水分を含んでいてもよい。
この口内洗浄液組成物は、適切な緩衝剤(例えば、クエン酸ナトリウム又はリン酸ナトリウム、pH約6.0〜約7.5の範囲内)で緩衝されたものであってもよい。この口内洗浄液は、希釈されていない(すなわち、使用前に希釈が必要な)形態で存在することができる。
口腔ケア組成物は、口腔ケア分野の当業者に知られている従来のあらゆる方法を使用して生産することができる。
4.4 デンプン加工組成物及び使用
他の一態様において、本発明のα−アミラーゼを含む組成物は、デンプンの液化又は糖化のために利用することができる。
一実施形態において、上記組成物はデンプンから甘味料を生産するために使用される。デンプンをフルクトースシロップに変換するための「伝統的」プロセスは、通常、3つの連続した酵素によるプロセス、すなわち、液化プロセスと、その後の糖化プロセス及び異性化プロセスとからなる。液化プロセス中に、デンプンは、pH約5.5〜約6.2及び約95℃〜約160℃の温度で約2時間にわたって、α−アミラーゼによってデキストリンに分解される。これらの条件下において最善の酵素安定性を確保するために、1mMのカルシウム(40ppmの遊離カルシウムイオン)を加える。デンプン加工は、アルコールの生産(例えば、燃料及び飲用アルコールのための穀物液化、アルコール醸造)、甘味料生産のためのデンプン液化、サトウキビ糖の加工、及び、他の食料関連デンプンの加工の目的に有用である。別のα−アミラーゼ又はその変異体には他の条件を用いることができる。
液化プロセスの後に、デキストリンは、グルコアミラーゼ(例えば、AMG(商標))、及び、イソアミラーゼ又はプルラナーゼ(例えば、PROMOZYME(商標))等の脱分枝酵素の添加によってデキストロースに変換される。このステップの前に、pHを約4.5より低い値にし、高温(95℃超)を維持して、α−アミラーゼを液化する活性を変性させる。温度を60℃に下げ、グルコアミラーゼ及び脱分枝酵素を加えることができる。この糖化プロセスは一般に約24時間〜約72時間にわたって続ける。
糖化プロセスの後に、pHを約6.0〜約8.0の範囲内の値(例えば、pH7.5)に上昇させ、また、イオン交換によってカルシウムを除去する。その後、デキストロースシロップは、例えば、固定化されたグルコースイソメラーゼ(Sweetzyme(登録商標)等)を使用して、高フルクトースシロップに変換される。
いくつかの実施形態において、上記組成物及び方法は、液化を行うα−アミラーゼのカルシウム依存性が低減されている。α−アミラーゼの安定性を充分に確保するために遊離カルシウムの添加が必要とされるが、遊離カルシウムはグルコースイソメラーゼの活性を強く抑制するので、高価なユニット作業によって遊離カルシウムの濃度を3乃至5ppm未満程度に減らす必要がある。そのような操作を回避することができれば、コストを削減することができ、遊離カルシウムイオンを添加することなく液化プロセスを実行することができる。
低減されたカルシウム依存性を有するα−アミラーゼであって、遊離カルシウムの低濃度条件(<40ppm)において安定かつ活性であるα−アミラーゼは、上記組成物及び方法において利用することができる。そのようなα−アミラーゼ又はその変異体は、約4.5〜約6.5の範囲内、又は、約4.5〜約5.5の範囲内のpHにおいてpH最適条件を有するはずである。
本発明のα−アミラーゼの1つ又はそれ以上は、様々な目的のためにデンプン又はあらゆるマルトデキストリン含有化合物を加水分解するための研究装置及び工業装置において使用することができる。このα−アミラーゼは、特定の加水分解を提供するために単独で使用されてもよいし、又は、「混合物」に広範囲の活性を与えるために他のアミラーゼと組み合わされてもよい。典型的な用途には、生物学的サンプル、食料サンプル、飼料サンプル、薬剤サンプル、又は、工業サンプルからの、デンプン又はあらゆるマルトデキストリン含有化合物の除去又は部分的な若しくは完全な加水分解が含まれる。
本発明のα−アミラーゼの1つ又はそれ以上は、酵母菌等の発酵生物による発酵生産物に変換するのに適したグルコース及び/又はマルトースを、デンプン基質を液化及び/又は糖化することによって生産する発酵プロセスにおいて使用することができる。そのような発酵プロセスには、燃料用エタノール又は飲料用エタノール(飲用アルコール)を生産するプロセス、飲料を生産するプロセス、並びに、所望の有機化合物(例えば、クエン酸、イタコン酸、乳酸、グルコン酸、グルコン酸ナトリウム、グルコン酸カルシウム、グルコン酸カリウム、グルコノデルタラクトン、又は、エリトルビン酸ナトリウム等)、ケトン、アミノ酸(グルタミン酸、モノグルタミン酸ナトリウム等)、合成的に生産するのが難しいより複雑な化合物(例えば、ペニシリン、テトラサイクリン等の抗生物質)、酵素、ビタミン(例えば、リボフラビン、ビタミンB12、β−カロテン)、及び、ホルモンを生産するプロセスが含まれる。
加工するデンプンは、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%又は少なくとも99.5%の純度のように高度に精製されたデンプン品質であり得る。あるいは、このデンプンは、より多くの天然デンプンを含む材料であって、胚残留物及び線維等の非デンプン画分を含む粉砕された全穀粒を含む材料であってもよい。全穀粒等の原料は、構造を広げてさらに加工できるようにするために粉砕されたものである。湿式粉砕及び乾式粉砕の2つの粉砕プロセスを使用することができる。粉砕されたコーングリット等のコーングリットを利用することができる。
乾式粉砕した穀物は、デンプンに加えて、かなり多量の非デンプン炭水化物化合物を含むであろう。そのような不均一材料をジェットクッキングによって処理する場合には、デンプンの部分的なゼラチン化のみが達成される。本発明のα−アミラーゼは、ゼラチン化されていないデンプンに対して高い活性を有するので、ジェットクッキングした乾式粉砕デンプンの液化及び/又は糖化を伴うプロセスにおいて有利に利用される。
さらに、本発明のα−アミラーゼの優れた加水分解活性により、非常に低いレベルのグルコアミラーゼ活性において糖化を実行することが可能になるので、糖化ステップにおけるグルコアミラーゼの必要性が大幅に低下する。グルコアミラーゼ活性は、全く存在しないか、又は、デンプン基質の0.5AGU/g DS以下若しくは未満、0.4AGU/g DS以下若しくは未満、0.3AGU/g DS以下若しくは未満、0.1AGU/g DS以下若しくは未満(約0.05AGU/g DS以下若しくは未満等)の量で存在する。「DS」は、乾燥した固体基質1グラム当たりに加える酵素の単位である。酵素タンパクをmgで表せば、グルコアミラーゼ活性を有する酵素は、存在しないか、又は、約0.5mg EP/g DS以下若しくは未満、約0.4mg EP/g DS以下若しくは未満、約0.3mg EP/g DS以下若しくは未満、約0.1mg EP/g DS以下若しくは未満(例えば、約0.05mg EP/g DS以下若しくは未満、又は、約0.02mg EP/g DS以下若しくは未満)の量で存在する。グルコアミラーゼは、アスペルギルス(Aspergillus)種、タラロミセス(Talaromyces)種、パチキトスポラ(Pachykytospora)種、又は、トラメテス(Trametes)種に由来するものであってもよく、典型例は、アスペルギルスニガー(Aspergillus niger)、タラロミセスエマーソニイ(Talaromyces emersonii)、トラメテスシングラタ(Trametes cingulata)、及び、パチキトスポラパピラセア(Pachykytospora papyracea)である。
上記プロセスは、a)例えば第1態様のポリペプチド等のような、α−アミラーゼ活性を有する触媒単位と炭水化物結合単位とを含む本発明のα−アミラーゼの1つ又はそれ以上にデンプン基質を接触させるステップと、b)少なくとも90重量%、少なくとも91重量%、少なくとも92重量%、少なくとも93重量%、少なくとも94重量%、少なくとも95重量%、少なくとも96重量%、少なくとも97重量%、少なくとも98重量%、少なくとも99重量%、又は、少なくとも99.5重量%のデンプン基質を発酵性糖に変換することを達成するのに充分な時間及び温度で、前記デンプン基質を前記酵素と共にインキュベート(定温放置)するステップと、c)発酵生成物を生産するために発酵するステップと、d)選択的に発酵生成物を回収するステップとを含んでいてもよい。上記工程b)及び/又はc)において、グルコアミラーゼ活性を有する酵素は、存在しないか、又は、0.001〜2.0AGU/g DS、0.01〜1.5AGU/g DS、0.05〜1.0AGU/g DS、若しくは、0.01〜0.5AGU/g DSの量で存在する。グルコアミラーゼ活性を有する酵素は、存在しなくてもよいし、又は、0.5AGU/g DS以下若しくは未満、0.4AGU/g DS以下若しくは未満、0.3AGU/g DS以下若しくは未満、又は、0.1AGU/g DS以下若しくは未満(例えば、デンプン基質1DS当たり0.05AGU/g以下若しくは未満)の量で存在することもできる。酵素タンパクをmgで表せば、グルコアミラーゼ活性を有する酵素は、存在しないか、又は、0.5mg EP/g DS以下若しくは未満、0.4mg EP/g DS以下若しくは未満、0.3mg EP/g DS以下若しくは未満、若しくは、0.1mg EP/g DS以下若しくは未満(例えば、デンプン基質1DS当たり0.05mg EP/g以下若しくは未満若しくは0.02mg EP/g以下若しくは未満)の量で存在する。上記工程a)、b)、c)及び/又はd)は別々に又は同時に実行することができる。
いくつかの実施形態において、上記プロセスは、a)デンプン基質を、α−アミラーゼ活性を有する触媒単位と炭水化物結合単位とを含む本発明のα−アミラーゼの1つ又はそれ以上を発現するように形質転換された酵母細胞に接触させるステップと、b)前記デンプン基質を、少なくとも90重量%のデンプン基質を発酵性糖に変換することを達成するのに充分な時間及び温度で前記酵母と共にインキュベートするステップと、c)エタノールを生産するために発酵させるステップと、d)選択的にエタノールを回収するステップとを含む。上記工程a)、b)及びc)は別々に又は同時に実行することができる。
いくつかの実施形態において、上記プロセスは、ゼラチン化された又は粒状のデンプンのスラリーの加水分解、特に、粒状デンプンの初期ゼラチン化温度より低い温度で粒状デンプンを可溶性デンプン加水分解物に加水分解するステップを含む。α−アミラーゼ活性を有する触媒単位と炭水化物結合単位とを含むポリペプチドに接触させステップに加えて、デンプンを、真菌性α−アミラーゼ(EC3.2.1.1)のいずれか1つ又はそれ以上に、並びに、β−アミラーゼ(EC3.2.1.2)及びグルコアミラーゼ(EC3.2.1.3)の1つ又はそれ以上に接触させることができる。更なる一態様においては、イソアミラーゼ(EC3.2.1.68)又はプルラナーゼ(EC3.2.1.41)等の他のデンプン分解酵素又は脱分枝酵素を、本発明のα−アミラーゼと組み合わせることができる。
いくつかの実施形態において、上記プロセスは、初期ゼラチン化温度より低い温度で行う。そのようなプロセスは、多くの場合、少なくとも30℃、少なくとも31℃、少なくとも32℃、少なくとも33℃、少なくとも34℃、少なくとも35℃、少なくとも36℃、少なくとも37℃、少なくとも38℃、少なくとも39℃、少なくとも40℃、少なくとも41℃、少なくとも42℃、少なくとも43℃、少なくとも44℃、少なくとも45℃、少なくとも46℃、少なくとも47℃、少なくとも48℃、少なくとも49℃、少なくとも50℃、少なくとも51℃、少なくとも52℃、少なくとも53℃、少なくとも54℃、少なくとも55℃、少なくとも56℃、少なくとも57℃、少なくとも58℃、少なくとも59℃、又は、少なくとも60℃で行う。このプロセスが行われるpHは、約3.0〜約7.0、約3.5〜約6.0、又は、約4.0〜約5.0の範囲内である。一態様は、例えばエタノールを生産するための酵母菌を用いて、例えば30℃乃至35℃等のように約32℃の温度における発酵を含むプロセスを意図するものである。
他の一態様において、上記プロセスは、例えば約32℃のように30℃乃至35℃の温度において、例えばエタノールを生産するための酵母又は所望の有機化合物を生産するための他の適切な発酵生物を用いた同時の糖化及び発酵を含む。
上記発酵プロセスにおいて、エタノール含有量は、少なくとも約7%、少なくとも約8%、少なくとも約9%、少なくとも約10%、少なくとも約11%、少なくとも約12%、少なくとも約13%、少なくとも約14%、少なくとも約15%、例えば、少なくとも約16%のエタノールに達する。
上記態様のいずれかにおいて使用されるデンプンスラリーは、約20%〜約55%の乾燥固体粒状デンプン、約25%〜約40%の乾燥固体粒状デンプン、又は、約30%〜約35%の乾燥固体粒状デンプンを有していてもよい。α−アミラーゼに接触させた後に、酵素は、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%又は少なくとも99%の量で、可溶性デンプンを、粒状デンプンの可溶性デンプン加水分解産物に変換する。
他の一実施形態において、α−アミラーゼは、α−アミラーゼ活性を有する触媒単位と炭水化物結合単位とを含んでおり、ゼラチン化されたデンプンの液化及び糖化のためのプロセス、例えば、限定されるものではないが、ジェットクッキングによるゼラチン化において使用される。このプロセスには、発酵生産物(例えばエタノール)を生産するための発酵が含まれてもよい。デンプン含有材料から発酵によってエタノールを生産するためのそのようなプロセスは、(i)α−アミラーゼ活性を有する触媒単位と炭水化物結合単位とを含むポリペプチド(例えば第1態様のポリペプチド)を用いてデンプン含有材料を液化するステップと、(ii)液化して得られたマッシュを糖化するステップと、(iii)ステップ(ii)において得られた材料を発酵生物の存在下で発酵させるステップとを含む。選択的に、上記プロセスは、エタノール回収をさらに含む。上記糖化プロセス及び上記発酵プロセスは、同時の糖化と発酵のプロセス(SSFプロセス)として実行することもできる。発酵中に、エタノール含有量は、少なくとも約7%、少なくとも約8%、少なくとも約9%、少なくとも約10%、例えば、少なくとも約11%、少なくとも約12%、少なくとも約13%、少なくとも約14%、少なくとも15%、例えば、少なくとも16%のエタノールに達する。
上記態様のプロセスにおいて加工されるデンプンは、特に、塊茎、根、茎、豆果、穀物又は全穀粒から得ることができる。より詳細には、粒状デンプンは、コーン、トウモロコシの穂軸、小麦、大麦、ライ麦、マイロ、サゴ、カッサバ、タピオカ、モロコシ、コメ、エンドウ、豆、バナナ又はイモから得ることができる。コーン及び大麦の油性タイプ又は非油性タイプも意図されている。
上記組成物は、ゼラチン化された若しくは粒状のデンプン及び部分的にゼラチン化されたデンプンを液化及び/又は糖化するために使用することができる。部分的にゼラチン化されたデンプンとは、ある程度がゼラチン化されたデンプン、すなわち、デンプンの一部が不可逆的に膨張してゼラチン化し、また、デンプンの一部が粒状のまま存在するデンプンである。
上記組成物は、0.01〜10.0AFAU/g DS、0.1〜5.0AFAU/g DS、0.5〜3.0AFAU/g DS、又は、0.3〜2.0AFAU/g DSの量で存在する酸性のα−アミラーゼ変異体を含んでいてもよい。上記組成物は上記デンプン処理のあらゆるものにおいて利用できる。
β−アミラーゼ(EC3.2.1.2)、すなわち、エキソ型マルトース生成アミラーゼ)は、アミロース、アミロペクチン、及び、関連グルコースポリマー中の1,4−αグルコシド結合の加水分解を触媒することによってマルトースを放出させるために加えられてもよい。β−アミラーゼは、様々な植物及び微生物から単離される(W. M. Fogarty and C. T. Kelly, PROGRESS IN INDUSTRIAL MICROBIOLOGY, vol. 15, pp. 112-115, 1979)。これらのβ−アミラーゼは、40℃〜65℃の範囲内の最適温度及び約4.5〜約7.0に範囲内の最適pHを有することを特徴とする。以下に限定されるものではないが、意図されているβ−アミラーゼには、大麦SPEZYME(登録商標)BBA1500、SPEZYME(商標)DBA、OPTIMALT(商標)ME、OPTIMALT(商標)BBA(Genencor International社)、及び、NOVOZYM(商標)WBA(Novozymes A/S)に由来するβ−アミラーゼが含まれる。
グルコアミラーゼ(EC3.2.1.3)も組成物中に含まれていてもよい。このグルコアミラーゼは微生物又は植物に由来するものであってもよい。典型的なグルコアミラーゼは真菌又は細菌に由来するものである。典型的な真菌グルコアミラーゼは、アスペルギルス・グルコアミラーゼ、特に、アスペルギルスG1又はG2グルコアミラーゼ(Boel et al., EMBO J. 3(5):1097-1102(1984)又はその変異体であってWO92/00381及びWO00/04136に開示されているもの等;A.アワモリ・グルコアミラーゼ(WO84/02921);A.オリゼー(Agric. Biol. Chem., 55(4): 941-949 (1991))又はその変異体若しくは断片である。
他のアスペルギルス・グルコアミラーゼ変異体は、熱安定性を向上するための変異体:G137A及びG139A(Chen et al., Prot. Eng. 9: 499-505 (1996)); D257E及びD293E/Q(Chen et al., Prot. Eng. 8: 575-582(1995)); N182(Chen et al., Biochem. J. 301: 275-281(1994)); ジスルフィド結合、A246C (Fierobe et al., Biochemistry, 35: 8698-8704(1996)); 並びに、位置A435及び位置S436におけるプロリン残基の導入(Li et al., Protein Eng. 10: 1199-1204(1997))を含む。意図されている他のグルコアミラーゼには、タラロミセス・グルコアミラーゼ、特に、タラロミセス・エマーソニイ(Talaromyces emersonii)(WO99/28448)、タラロミセス・レイセタヌス(Talaromyces leycettanus)(米国特許No. RE32153)、タラロミセス・デュポンティ(Talaromyces duponti)、タラロミセス・サーモフィラ(米国特許第4587215号)に由来するものが含まれる。
細菌グルコアミラーゼには、クロストリジウム属に由来するグルコアミラーゼ、特に、C.サーモアミロリチカム(C. thermoamylolyticum)(EP135138)、及び、C.サーモヒドロスルフリクム(C. thermohydro sulfuricum)(WO86/01831)が含まれる。さらに意図されている市販のグルコアミラーゼは、AMG200L; AMG300L; SAN(商標)SUPER及びAMG(商標)E (Novozymes社製); OPTIDEX(商標)300 (Genencor International社製); AMIGASE(商標)及びAMIGASE(商標)PLUS (DSM社製); G-ZYME(商標) G900 (Enzyme Bio-Systems社製); G-ZYME(商標)G990ZR (A.ニガーグルコアミラーゼ及び低プロテアーゼ含有量)である。
いくつかの実施形態において、グルコアミラーゼは、0.02〜2.0AGU/g DS又は0.1〜1.0AGU/g DS、例えば、0.2AGU/g DS等の量で加えられてもよい。
選択的に加えることができる他の酵素は、イソアミラーゼ(EC3.2.1.68)又はプルラナーゼ(EC3.2.1.41)等の脱分枝酵素である。イソアミラーゼは、アミロペクチン及びβリミットデキストリン中のα−1,6−D−グルコシド分岐結合を加水分解するものであり、イソアミラーゼにプルランを攻撃する能力がないこと及びαリミットデキストリンに対する作用が限定されていることによってプルラナーゼと区別され得る。脱分岐酵素は、当業者に広く知られている有効な量で加えることができる。
上記プロセスの生成物の正確な組成は、利用する酵素の組み合わせ及び加工する粒状デンプンの種類によって左右される。例えば、可溶性の加水分解産物は、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95.0%、少なくとも約95.5%、少なくとも約96.0%、少なくとも約96.5%、少なくとも約97.0%、少なくとも約97.5%、少なくとも約98.0%、少なくとも約98.5%、少なくとも約99.0%又は少なくとも約99.5%の純度を有するマルトースであり得る。あるいは、可溶性のデンプン加水分解産物がグルコースであることもあり得るし、又は、デンプン加水分解物が、少なくとも94.5%、少なくとも95.0%、少なくとも95.5%、少なくとも96.0%、少なくとも96.5%、少なくとも97.0%、少なくとも97.5%、少なくとも98.0%、少なくとも98.5%、少なくとも99.0%若しくは少なくとも99.5%のDX(可溶性された全固形分のグルコース百分率)を有する。上記プロセスは、グルコース、マルトース、DP3及びDPnの混合物を含む特殊シロップ等のように、アイスクリーム、ケーキ、キャンディ、缶詰め果物の生産において使用するための特殊シロップである生成物を含み得る。
2つの粉砕プロセスは湿式粉砕及び乾式粉砕である。湿式粉砕においては全穀粒を粉砕して使用する。湿式粉砕は、胚と穀粉(デンプン粒子とタンパク)の優れた分離を与えるものであり、若干の例外はあるものの、シロップの生産においてデンプン加水分解物を使用する位置において利用される。乾式粉砕及び湿式粉砕の両方は、デンプン加工の業界において広く知られてており、本明細書に開示されている組成物及び方法と共に使用されるように同等に意図されている。酵素、未加工デンプン及び水の存在下で濃縮水を再循環下に保持し、かつ、浸透液が可溶性デンプン加水分解物である限外濾過システムにおいて上記プロセスを実行することができる。同等に意図されているのは、限外濾過膜を有する連続膜反応装置中で実行されるプロセスであって、酵素、未加工デンプン及び水の存在下で濃縮水を再循環下に保持し、かつ、浸透液が可溶性デンプン加水分解物であるプロセスである。精密ろ過膜を有する連続膜反応装置中で実行されるプロセスであって、酵素、未加工デンプン及び水の存在下で濃縮水を再循環下に保持し、かつ、浸透液が可溶性デンプン水解物であるプロセスも意図されている。
いくつかの実施形態において、上記プロセスの可溶性のデンプン加水分解物は、高フルクトースコーンシロップ(HFCS)等の高フルクトースデンプンベースシロップ(HFSS)への変換に供される。この変換は、グルコースイソメラーゼを使用して、固体支持体上に支持された固定されたグルコースイソメラーゼによって達成することができる。典型的なイソメラーゼには、市販製品であるSweetzyme(登録商標)、IT(Novozymes A/S)、G-ZYME(商標)IMGI及びG-ZYME(商標)G993、KETOMAX(商標)、G-ZYME(登録商標)G993(Rhodia);G-ZYME(商標)G993液、GENSWEET(商標)IGI(Genencor International社)が含まれる。
他の実施形態においては、これらの方法によって生産された可溶性デンプン水解物を、燃料用又は飲料用のエタノールの生産において使用することができる。発酵は、加水分解に対して同時に又は別々に/連続的に実行することができる。発酵を加水分解と同時に実行する場合には、温度は30℃〜35℃又は31℃〜34℃である。酵素、未加工デンプン、酵母、酵母栄養素及び水の存在下で濃縮水を再循環下で保持し、かつ、浸透液がエタノール含有液である限外濾過システムにおいて上記プロセスを実行することができる。限外濾過膜を有する連続膜反応装置であって、酵素、未加工デンプン、酵母、酵母栄養素及び水の存在下で濃縮水を再循環下に保持し、かつ、浸透液がエタノール含有液である装置中で上記プロセスを実行することもできる。
上記プロセスの可溶性のデンプン加水分解物水解物は、加工されたデンプンを、クエン酸、グルタミン酸ナトリウム、グルコン酸、グルコン酸ナトリウム、グルコン酸カルシウム、グルコン酸カリウム、グルコノデルタラクトン、又は、エリトルビン酸ナトリウム等の発酵産物に発酵させるステップを含む発酵産物の生産のために使用することができる。
本発明の1つ又はそれ以上のα−アミラーゼのデンプン分解活性は、ジャガイモデンプンを基質として使用して決定することができる。この方法は、酵素によって変性されたジャガイモデンプンの分解に基づくものであり、反応は、デンプン/酵素溶液のサンプルをヨウ素液と混合した後に生じる。まず、黒みを帯びた青色が形成されるが、デンプンの分解中に、青色が弱くなり、徐々に赤茶色に変わる。これを色ガラス標準と比較する。
5. 方法
5.1 フィルタ選抜分析
以下に検討されている分析は、高い若しくは低いpHにおいて及び/又はCa2+枯渇条件下において親α−アミラーゼ又は対照α−アミラーゼと比較して変化した安定性を有する変異体を同定するための本発明のα−アミラーゼの選抜において使用することができる。
5.2 高pHフィルタ分析
10μg/mlのカナマイシンを含むTY寒天プレート上で、酢酸セルロース(OE 67、Schleicher & Schuell、Dassel、ドイツ)とニトロセルロースフィルタ(Protran-Ba 85、Schleicher & Schuell、Dassel、ドイツ)とのサンドイッチの表面に、バチルスライブラリを、37℃で少なくとも21時間にわたって被覆させる。酢酸セルロース層をTY寒天プレート上に置く。
フィルタ上で陽性の変異体の場所がわかるようにするために、それぞれのフィルタサンドイッチを、被覆後かつインキュベート前に針で特異的に標識する。また、結合した変異体を有するニトロセルロースフィルタを、pH8.6−10.6のグリシン−NaOHバッファを含む容器内に移し、室温(10℃乃至60℃に変化してもよい)で15分間インキュベートする。コロニーを有する酢酸セルロースフィルタは、使用時までTYプレート上で室温で保管する。インキュベート後に、残存活性は、pH8.6〜10.6のグリシン−NaOHバッファ中に1%アガロース、0.2%デンプンを含むプレート上で検出される。ニトロセルロースフィルタを有する分析プレートを、フィルタサンドイッチと同じ方法で標識し、室温で2時間インキュベートする。フィルタを除去した後に、分析プレートを10%のルゴール液で染色する。デンプンを分解する変異体は、濃紺色のバックグラウンド上の白いスポットとして検出され、次に、保管プレート上で識別される。第1の選抜と同じ条件下で陽性の変異体を再び選抜する。
5.3 低カルシウムフィルタ分析
例えばカナマイシン又はネオマイシン等の適切な抗生物質を含むTY寒天プレート上で、酢酸セルロース(OE 67、Schleicher & Schuell、Dassel、ドイツ)とニトロセルロースフィルタ(Protran-Ba 85、Schleicher & Schuell、Dassel、ドイツ)のサンドイッチの表面に、バチルスライブラリを、37℃で少なくとも21時間にわたって被覆させる。酢酸セルロース層をTY寒天プレート上に置く。
フィルタ上で陽性の変異体の場所がわかるようにするために、それぞれのフィルタサンドイッチを、被覆後かつインキュベート前に針で特異的に標識する。また、結合した変異体を有するニトロセルロースフィルタを、pH8.5〜10の炭酸塩/重炭酸ソーダバッファを有し、かつ、様々なEDTA濃度(0.001mM〜100mM)を有する容器内に移す。このフィルタを室温で1時間インキュベートする。コロニーを有する酢酸セルロースフィルタは、使用時までTYプレート上において室温で保管する。インキュベート後に、残存活性は、pH8.5〜10の炭酸塩/重炭酸ソーダバッファ中に1%アガロース、0.2%デンプンを含むプレート上で検出される。ニトロセルロースフィルタを有する分析プレートを、フィルタサンドイッチと同じ方法で標識し、室温で2時間インキュベートする。フィルタを除去した後に、分析プレートを10%のルゴール液で染色する。デンプンを分解する変異体は、濃紺色のバックグラウンド上の白いスポットとして検出され、次に、保管プレート上で識別される。第1の選抜と同じ条件下で陽性の変異体を再び選抜する。
5.4 低pHフィルタ分析
10μg/mlのネオマイシンを含むTY寒天プレート上で、酢酸セルロース(OE 67、Schleicher & Schuell、Dassel、ドイツ)とニトロセルロースフィルタ(Protran-Ba 85、Schleicher & Schuell、Dassel、ドイツ)のサンドイッチの表面に、バチルスライブラリを、37℃で少なくとも21時間にわたって被覆させる。酢酸セルロース層をTY寒天プレートに置く。
フィルタ上で陽性の変異体の場所がわかるようにするために、それぞれのフィルタサンドイッチを、被覆後かつインキュベート前に針で特異的に標識する。また、結合した変異体を有するニトロセルロースフィルタを、pH4.5のシトレートバッファを含む容器内に移し、(野性型骨格中の変異を選別する場合には)80℃で20分間又は(親α−アミラーゼの変異を選別する場合には)85℃で60分間インキュベートする。コロニーを有する酢酸セルロースフィルタは、使用時までTYプレート上において室温で保管する。インキュベートの後、残存活性は、pH6.0のシトレートバッファ中に1%アガロース、0.2%デンプンを含む分析プレートの上で検出する。ニトロセルロースフィルタを有する分析プレートを、フィルタサンドイッチと同じ方法で標識し、50℃で2時間インキュベートする。フィルタを除去した後に、分析プレートを10%のルゴール液で染色する。デンプンを分解する変異体は、濃紺色のバックグラウンド上の白いスポットとして検出され、次に、保管プレート上で識別される。第1の選抜と同じ条件下で陽性の変異体を再び選抜する。
5.5 第2の選抜
再選別後の陽性の形質転換体を、保管プレートから採取し、第2のプレート分析において試験する。5mlのLB+ネオマイシンの中で陽性の形質転換体を37℃で22時間にわたってインキュベートする。各陽性形質転換体のバチルスインキュベート液、及び、コントロールとして、対応する骨格を発現するクローンを、pH4.5のシトレートバッファ中で90℃インキュベートし、0分、10分、20分、30分、40分、60分、及び、80分にサンプルを得た。3マイクロリットルのサンプルを分析プレート上にスポットする。分析プレートを10%のルゴール液で染色する。改良された変異体は、その骨格より高い残存活性を有する変異体とみなされる(分析プレート上の輪として検出される)。改良された変異体をヌクレオチド配列決定によって決定する。
5.6 未精製変異体の安定性分析
変異体の安定性を以下のように分析することができる。分析しようとする変異体を発現するバチルスインキュベート液を、10mlのLB+ネオマイシンの中で37℃で21時間インキュベートする。800マイクロリットルのインキュベート液を、200μLのpH4.5のシトレートバッファと混ぜる。サンプルの時間点の数に対応する複数の70μL分割量をPCRチューブ中に作成し、その分割量をPCR装置内で様々な時間(一般に、5分、10分、15分、20分、25分及び30分)わたって70℃又は90℃でインキュベートする。0分のサンプルは高温でインキュベートしない。サンプル中の活性は、「α−アミラーゼ活性の分析」以下に後述されているように、20μL〜200μLのα−アミラーゼPNP−G7基質MPR3(Boehringer Mannheimカタログ番号1660730)を移すことによって測定される。結果は、時間に対する(0の時点に対する)百分率の活性としてプロットされているか、又は、インキュベート後の特定時間にわたる百分率の残存活性として記載されている。
5.7 α−アミラーゼ変異体の発酵及び精製
適切な発現プラスミドを有するバチルスサチリス株を以下のように発酵及び精製することができる。この株を、−80℃の貯蔵物から得て、10μg/mlカナマイシンを含むLB寒天プレートの上に縞状に塗布し、37℃で一晩インキュベートする。そのコロニーを、500mlの振とうフラスコ中の、10μg/mlネオマイシンを加えた100mlのPS−1インキュベート液の中に移す。
PS−1インキュベート液の組成:
パール糖 100g/l
ダイズ粉末 40g/l
NaHPO、12HO 10g/l
プルロニック(Pluronic)(商標)PE6100 0.1g/l
CaCO 5g/l
このインキュベート液を37℃、270rpmで5日間にわたって振とうする。4500rpmで20分〜25分間遠心分離することによって、インキュベート液から細胞及び細胞破片を除去する。その後に、完全に透明な溶液を得るためにその上澄みをろ過する。その濾液を、濃縮し、UFフィルタ(10000MW分離膜)で洗浄し、さらに、バッファを20mMの酢酸(pH5.5)に変更する。そのUF濾液をS−セファロースF.F.に投入し、同一バッファ内で0.2MのNaClを用いた段階溶出によって溶出を実行する。この溶出液をpH9.0の10mMトリスに対して透析し、Q−セファロースF.F.に投入し、0〜0.3MのNaClの直線濃度勾配を用いて6カラム体積を溶出させた。(フェイドバス分析によって測定される)活性を含む画分を貯めて、pHをpH7.5に調節し、0.5%W/Volの活性炭を用いた5分間の処理によって残存する色を除去した。
5.8 比活性測定
比活性は、PHADEBAS(商標)分析(Pharmacia)を使用して酵素1mg当たりの活性として測定する。製造業者の指示書は下記の通りである(「α−アミラーゼ活性のための分析」も参照されたい)。
5.9 等電点の試験
pIは等電点電気泳動(例えば、Pharmacia、Ampholine、pH3.5-9.3)によって決定する。
5.10 加速した安定性分析
50mlのプロピレンチューブ中に、対象の10mlの洗剤を加えた。洗剤を含む別々のチューブの中にピペットを用いて計測した180ppmの各α−アミラーゼが入るように、適切な希釈物を作成した。各α−アミラーゼを含む洗剤を30秒間ボルテックスで攪拌し、次に、RotaMix(ATR RKVSモデル)の上に10分間置いた。変異体酵素を含む洗剤100μLをピペットで測り取り、1:651に希釈した。変異体の初期活性は、Konelabモデル20XTにおいて、ブロックされたP−ニトロ−フェニル−マルトヘプタオース(ブロックされたPBNPG7)基質を使用して分析した。その後、37℃に設定した定温インキュベータ内で、それらの洗剤サンプルをインキュベートした。1日、2日、4日、7日及び17日にサンプルを移し、酵素活性を分析した。
5.11 α−アミラーゼ活性についての分析
5.11.1 フェイドバス分析
基質としてPHADEBAS(登録商標)錠剤を用いた方法によってα−アミラーゼ活性を決定する。フェイドバス錠剤(Pharmacia Diagnosticによって供給されるPHADEBAS(商標)アミラーゼ試験)は、架橋された青色の不溶性デンプンポリマーを含んでおり、該ポリマーは、ウシ血清アルブミン及び緩衝物質と混合されて錠剤化されている。
1つずつの測定について、5mlの50mMブリットン・ロビンソンバッファ50mM酢酸、50mMリン酸、50mMホウ酸、0.1mM CaCl、NaOHで対象の値に調節したpH)を含むチューブに1個の錠剤を懸濁する。この試験は、興味の対象となる温度の水槽中で実行する。試験されるα−アミラーゼは、xmlの50mMブリットン・ロビンソンバッファの中で希釈する。このα−アミラーゼ溶液1mlを、5mlの50mMブリットン・ロビンソンバッファに加える。デンプンはα−アミラーゼによって加水分解されて可溶性の青色の断片が与えられる。620nmにおいて分光測光法で測定される得られた青色溶液の吸光度は、α−アミラーゼ活性の作用である。
10分間又は15分間のインキュベート(試験時間)の後に620nmにおいて測定される吸光度が、620nmにおいて0.2〜2.0の吸光度単位の範囲内であることが重要である。この吸光度範囲においては、活性と吸光度との間に直線性がある(ランベルトベール法則)。従って、この基準に適合するように酵素の希釈倍率を調節しなければならない。特定の条件群(温度、pH、反応時間、バッファ条件)においては、所定のα−アミラーゼ1mgが特定量の基質を加水分解して青色を生じる。色彩強度は620nmにおいて測定する。測定される吸光度は、所定の条件群において対象のα−アミラーゼの比活性(純粋なα−アミラーゼタンパク1mg当たりの活性)に正比例する。
5.11.2 代替的方法
α−アミラーゼ活性は、p−ニトロフェニル−α−D−マルトヘプタオシド(PNP−G)基質を用いた方法によって測定する。この基質は、エンド型アミラーゼによって開裂され得るブロックされたオリゴ糖である。開裂の後に、キットに含まれるα−グルコシダーゼは、基質を消化し、遊離したPNP分子を解放する。PNP分子は、黄色を有し、従って、λ=405nm(400〜420nm)において可視分光光度計によって測定することができる。PNP−G基質及びα−グルコシダーゼを含むキットは、Boehringer-Mannheim社(カタログ番号1054635)によって製造されている。
試薬溶液10mlを作成するために、製造業者によって推奨されているように、50mlの酵素/バッファ溶液に基質/バッファ溶液を加える。20μLのサンプルを96ウェルの微量定量プレートに移して25℃でインキュベートすることによって分析を実行する。あらかじめ25℃に合わせた200μLの試薬溶液を加える。この溶液を混ぜて1分間予備インキュベートし、ELISAリーダで光学密度405nmにおいて吸光度を30秒ごとに4分間測定する。
時間依存的な吸収曲線の傾きは、所定の条件群における対象のα−アミラーゼの活性に正比例する。
5.12 洗剤組成物中における酵素性能の試験
5.12.1 米国条件
米国における典型的な洗浄条件をシミュレートするために、Terg-o-tometer(米国試験、Hoboken、ニュージャージー州)を使用した。用量効果曲線(DEC)は、蛍光増白剤を含まない液体AATCC2003及び/又は粉末AATCC1993(American Association of Textile Chemists and Colorists)等の標準洗剤を使用して20℃において実施した。その後、本発明の変異体酵素の汚れ除去性能を比較するために、比較用のα−アミラーゼの相当するDECを実施した。このプロセスを40℃において繰り返した。一般的に、1リットルの脱イオン水及び1.5gの液体AATCCで満たされたTerg-o-tometerのスチール容器内に、CS-28コメデンプン汚れ(オランダのCFT)の4個のサンプルを置いた。粉末AATCCを使用した場合は、化学天秤(モデルPM4800、Mettler Instrument社、Highstown、ニュージャージー州08520)を用いて1.5gの洗剤粉末を測り取り、それをTerg-o-tometerに加えた。2回の重複試験を同時に実行した。別段の定めがない限り、この試験を12分間実行し、3分間すすいだ。洗浄した後に、サンプルを空気乾燥し、サンプルの反射率を、コニカミノルタ社によって製造された色度メーター・モデルCR−410を用いて測定した。収集したデータを適切な統計分析によって処理した。
5.12.2 ヨーロッパ条件
ヨーロッパにおける典型的な洗浄条件をシミュレートするために、ローンダOメータ(Launder-O-meter)(アトラス社、Atlanta、Georgia)を使用した。対象の変異体酵素の用量効果曲線(DEC)は、標準的なヨーロッパの試験用洗剤であるIEC A、及び、漂白剤(TAED、テトラアセチルエチレンジアミン酢酸)と過ホウ酸ナトリウムとを含むIEC Aを使用して40℃において実施した。その後、本発明の変異体酵素の汚れ除去性能を比較するために、比較用の変異体酵素の相当するDEC曲線を実施した。望ましい場合には、より高い洗浄温度でこのプロセスを繰り返した。一般的に、6.8g/LのIEC A洗剤、又は、漂白洗剤を含む8.0g/LのIEC Aを含む250mlの脱イオン水を有するスチール容器内に、EMPA 161の4個のサンプル、トウモロコシデンプン(EMPA、スイス)を置いた。2回の重複試験を同時に実行した。別段の定めがない限り、この試験を45分間実行し、5分間すすいだ。洗浄した後に、サンプルを空気乾燥し、この試験のサンプルの反射率を色度メーター・モデルCR−410を用いて測定した。収集したデータを適切な統計分析で処理した。
5.12.3 洗剤組成物評価の微量サンプル法(microswatch method)
数多くのα−アミラーゼ洗浄試験が当業界において知られている。典型的な洗浄試験はサンプルを必要とするものであり、サンプルは汚れを塗布することができる布等の材料片である。この材料は、例えば、綿、ポリエステル、又は、天然繊維と合成繊維との混合物から作られた布であってもよい。サンプルは、濾紙若しくはニトロセルロース等の紙であってもよいし、又は、セラミック、金属若しくはガラス等の硬質材料の一片であってもよい。アミラーゼについては、汚れはデンプンをベースとするものであるが、血液、ミルク、インク、草、茶、ワイン、ホウレンソウ、肉汁、チョコレート、卵子、チーズ、粘土、色素、油、又は、これらの化合物の混合物を含んでいてもよい。
いくつかの試験は、より大きいサンプルを1穴の穴開け装置で切断した又は特注の96穴の穴あけ装置で切断したより小さい部分を使用することができる。その複数穴の穴あけ装置のパターンが標準的な96ウェルの微量定量プレートに一致するものであるか、又は、そうでなければサンプルから断片を取得する。サンプルは、繊維、紙、金属又は他の適切な材料であってもよい。このより小さいサンプルは、24ウェル、48ウェル又は96ウェルの微量定量プレートのウェルの中に入れる前又は後に付けた汚れを有していてもよい。このより小さいサンプルは、材料の小片に汚れを付けることによって作成することもできる。より小さいサンプルは、例えば、直径が5/8"又は0.25"の染色された一片の布であってもよい。上記の特注穴あけ装置は、96ウェルプレートのすべてのウェルに96個のサンプルを同時に届けるように設計されている。この装置は、同じ96ウェルプレートに単純に複数回装填することによって、1ウェル当たり1個よりも多いサンプルを届けることができる。マルチ穴あけ装置は、限定されるものではないが、24ウェル、48ウェル及び96ウェルのプレートを含むあらゆる型のプレートにサンプルを同時に届けることができると考えることができる。考えられる他の方法において、汚れを付ける試験試料台は、金属、プラスチック、ガラス、セラミック、又は、繊維以外の材料用の洗浄組成物の試験における使用のための汚れ物質で被覆された他の適切な材料で作られたビーズであってもよい。次に、1個以上の被覆されたビーズを、適切なバッファ及び酵素を含む96ウェル、48ウェル若しくは24ウェル又はさらに大きい型のプレートのウェルの中に入れる。この場合、放出された汚れについて、直接的な吸光度測定によって又は二次発色反応の後に上澄みを試験することができる。放出された汚れの分析は、質量スペクトル分析によって得ることもできる。さらなるマイクロスクリーニング試験は、マルチウェルプレートのウェルに、例えば、藍染めしたデニム等のサンプルを届けて固定すること、砂又は例えば粒子6〜8又は9規格を含むようにふるいにかけたガーネットのようなより大きい粒子等の粒子を追加すること、及び、加えた粒子によってサンプルの研磨が生じるようにプレートを撹拌することであってもよい。この分析は、ストーンウォッシュ用途おけるセルラーゼの評価において用途が見いだされた。酵素の有効性は、反応バッファへの色の放出(例えば、放出された藍をジメチルスルホキシドに溶解し、A600nmの吸光度を測定する)、又は、研磨したサンプルの反射率測定によって判断することができる。
例えば、未処理のBMI(血液/ミルク/インク)サンプルを、漂白剤を含まない洗剤で洗浄する場合、プロテアーゼの補助がなくても大部分のインクが放出される。プロテアーゼを加えることによって放出されるインクはわずかに増加するので、多量のバックグラウンドに対して定量することが難しいこともある。一態様は、汚れの固着の程度を制御することを可能にする処理プロトコルを提供する。結果として、試験を行う酵素の非存在下において洗浄された場合に、例えば、放出する汚れの量が変化するサンプルを生産することが可能である。固着したサンプルの使用は、洗浄試験におけるシグナル対ノイズ比の劇的に改善することができる。更に、固着の程度を変化させることによって、様々な洗浄条件下において最適の結果を与える汚れを作ることができる。
様々な種類の材料に対して既知の「強度」の汚れを有するサンプルは、購入することもできる(EMPA, St. Gallen, Switzerland; wfk--Testgewebe GmbH, Krefeld Germany; or Center for Test Materials, Vlaardingen, The Netherlands)し、及び/又は、実行者によって作ることもできる(Morris and Prato, Textile Research Journal 52(4): 280 286 (1982))。以下に限定されるものではないが、他の試験サンプルには、綿を含む布に付着した血液/ミルク/インク(BMI)の汚れ、綿を含む布に付着したホウレンソウの汚れ、若しくは、綿を含む布に付着した草、並びに、綿を含む布に付着したチョコレート/ミルク/すすが含まれる。
0.0003%〜0.3%の過酸化水素を用いて、BMIの汚れを綿に固着することができる。他の組み合わせには、0.001%〜1%のグルタルアルデヒドを用いて固着させた草若しくはホウレンソウ、0.001%〜1%のグルタルアルデヒドを用いて固着させたゼラチンとクーマシーブリリアントブルー染色、又は、0.001%〜1%のグルタルアルデヒドを用いて固着させたチョコレートとミルクとすすが含まれる。
酵素及び/又は洗剤配合物と共にインキュベートする間にサンプルを攪拌することができる。洗浄性能データは、ウェル中の、特に96ウェルプレート中のサンプルの方向(水平対垂直)によって左右される。これは、インキュベート中の混合が不十分であったことを示す。インキュベート中に充分な攪拌を確保するための方法は多数存在するが、2枚のアルミニウムプレートの間に微量定量プレートを挟み込むプレートホルダーを構築することができる。これは、例えば、粘着性のプレート密着材をウェルの上に配置し、次に、任意の種類の適切な市販の締め具によって96ウェルプレートに2枚のアルミプレートを固定する程度の単純なものであってもよい。その後、それを市販のインキュベータ振盪機に乗せることができる。振盪機を約400rpmに設定することは、ホルダーによって漏れや相互汚染を効果的に防ぎながら、混合を非常に効率的にする。
洗剤液中のアミノ基の濃度を定量するためにトリニトロベンゼンスルホン酸(TNBS)を使用することができる。これは、サンプルから取り除かれたタンパクの量の基準としての役割を果たすことができる(例えば、Cayot and Tainturier, Anal. Biochem. 249: 184-200(1997)参照)。しかしながら、(例えば、サンプル中のペプチダーゼの存在に起因して)洗剤又は酵素サンプルが異常に小さいペプチド断片を生成する場合には、より大きいTNBSシグナル(すなわち、より多くの「ノイズ」)が得られるであろう。
血液/ミルク/インク又は他の染色の洗浄性能を測定する他の手段は、インク放出をベースとするものである。サンプル表面のタンパクの分解によって、洗剤液の吸光度を測定することによって定量することができるインク粒子が放出される。吸光度は、350nm乃至800nmの間のあらゆる波長において測定することができる。波長は410nm又は620nmにおいて測定する。草、ホウレンソウ、ゼラチン、又は、クーマシーブリリアントブルー染色を含む汚れに対する洗剤性能を測定するために洗剤液を試験することもできる。これらの汚れのための典型的な波長には、ホウレンソウ若しくは草のための670nm、並びに、ゼラチン若しくはクーマシーブリリアントブルーのための620nmが含まれる。例えば、一定量の洗剤液(一般的には、例えば、96ウェルマイクロプレートから100μL〜150μL)を取り出し、キュベット又はマルチウェルマイクロプレートの中に置く。次に、これを分光光度計の中に置き、吸光度を適切な波長において測定する。
この系は、布地、プラスチック、又は、セラミック等の適切な支持体に対して、例えば、血液/ミルク/インキ染色を使用して、改良された酵素及び/又は食器洗浄用洗剤組成物を測定するために使用することができる。
一態様において、0.3%の過酸化水素をBMI/綿サンプルに25℃において30分間適用することによって、又は、0.03%の過酸化水素をBMI/綿サンプルに60℃において30分間適用することによって、BMI染色を綿に固着させる。そのBMI/綿サンプルから約0.25インチの小さいサンプルを切り出し、それを96ウェル微量定量プレートのウェルの中に入れる。各ウェルの中に、洗剤組成物と変異体タンパク等の酵素との既知の混合物を入れる。微量定量プレートの上面に粘着性プレートシーラーを配置した後に、その微量定量プレートをアルミプレートに固定し、オービタルシェイカーの上で約250rpmで約10分〜約60分間攪拌する。この時間の終わりに、上澄みを新しい微量定量プレートの中のウェルに移し、620nmでインクの吸光度を測定する。これは、ホウレンソウ/綿サンプル又は草/綿サンプルに対して0.01%のグルタルアルデヒドを25℃で30分間適用することによって綿に固着させたホウレンソウ汚れ又は草汚れを用いて同様に試験することができる。チョコレート、ミルク及び/又はすす汚れを用いて同様に実行することができる。血液/ミルク/インクによるさらなる試験及び条件は、米国特許第7122334号(Genencor International社)において提供されている。
5.13 LAS感度の試験
様々な濃度のLAS(直鎖アルキルベンゼンスルフォネート、Nansa 1169/P)と共に、変異体を40℃において10分間インキュベートする。フェイドバス(商標)アッセイ法又はPNP−G7基質を使用した別法を使用して残存活性を測定する。0.1Mのリン酸塩緩衝液(pH7.5)の中でLASを希釈する。500ppm、250ppm、100ppm、50ppm、25ppm、及び、10ppmの濃度を使用するか、又は、LASが全く含まれない。
異なるLASバッファの中に10mlの全体積中に0.01mg/l〜5mg/lの濃度となるように変異体を希釈し、それを温度管理水槽中で10分間インキュベートする。少ない分量を冷却した試験バッファの中に移すことによってインキュベートを停止させる。活性測定に影響しないようにするためには、活性測定中にLAS濃度が1ppm未満であることが重要である。
次に、上述されているPHADEBAS(商標)分析又は別法を使用して、残存活性を二回反復して測定する。ブランクの減算の後に活性が測定される。LASを全く含まない活性は100%である。
本出願は、読みやすくするためにいくつかのセクションに整理されているが、読者は、あるセクションに記載されている陳述を他のセクションに当てはめることができることを認識するであろう。このように、本開示の様々なセクションにおいて使用されている見出しは、限定するものとして解釈してはならない。
本発明の組成物及び方法並びにそれらの長所をさらに説明するために以下の特定の実施例を与える。以下の実施例は、本発明の組成物及び方法を説明するために提供されており、あらゆる態様において本発明の範囲を限定するものとして解釈してはならない。
実験
本開示は以下の実施例においてさらに詳細に説明されている。以下の実施例は、特許請求の範囲に記載されているような開示の範囲をいかなる態様においても限定するように意図したものではない。
本開示の全体にわたって以下の略語:AE(アルコールエトキシレート);AEO(アルコールエトキシレート);AEOS(アルコールエトキシスルフェート);AES(アルコールエトキシスルフェート);AFAU(真菌性酸性α−アミラーゼ単位、acid fungal alphaamylase units);AGU(グルコアミラーゼ活性単位);AOS(α−オレフィンスルフォネート);AS(アルコールスルフェート);BAA(バチルス・アミロリケファシエンス・α−アミラーゼ);BLA(バチルスリケニフォルミス又はLAT);BPNPG7(p−ニトロフェニルマルトヘプタオシド);BSA(ウシ血清アルブミン);cDNA(相補DNA);CMC(カルボキシメチルセルロース);DNA(デオキシリボ核酸);DP3(3個のサブユニットを有する重合度);DPn(n個のサブユニットを有する重合度);DTMPA(ジエチルトリアミンペンタ酢酸);EC(酵素分類のための酵素委員会);EDTA(エチレンジアミン四酢酸);EO(エチレンオキシド);F&HC(布用及び家庭用ケア);FAU(真菌性アミラーゼ単位);GA(グルコアミラーゼ);gpg(1ガロン当たりのグレイン、grains per gallon);HFCS(高フルクトースコーンシロップ);HFSS(高フルクトースデンプンをベースとするシロップ);IPTG(イソプロピルβ−D−1−チオガラクトピラノシド);LAS(直鎖アルキルベンゼンスルフォネート);LOM(ラウンダ−O−メータ、LAUNDER-O-METER);LU(リキホン単位);MTP(微量定量プレート);MW(分子量);MWU(修飾されたウォルゲムス単位);NOBS(ノナノイルオキシベンゼンスルフォネート);NTA(ニトリロ三酢酸);PCR(ポリメラーゼ連鎖反応);PEG(ポリエチレングリコール);PI(性能指数);PVA(ポリ(ビニルアルコール));PVP(ポリ(ビニルピロリドン));RNA(リボ核酸);SAS(第2級アルカンスルフォネート);SEL(部位評価ライブラリ);TAED(テトラアセチルエチレンジアミン);TCA(トリクロロ酢酸);TSB(トリプシン大豆培養液);UFC(限外濾過濃縮物);℃(摂氏温度);HO(水);dHO又はDI(脱イオン水);dIHO(脱イオン水、ミリQ濾過)
;ETOH(エタノール);eq(均等物);N(通常);DS(固形分);g又はgm(グラム);μg(マイクログラム);mg(ミリグラム);kg(キログラム);μL及びμl(マイクロリットル);mL及びml(ミリリットル);mm(ミリメートル);μm(マイクロメートル);M(モル);mM(ミリモル);μM(マイクロモル);U(ユニット);sec(秒);min(s)(分);hr(s)(時間);DO(溶解酸素);WT%(重量パーセント);W/V(体積に対する重量);W/W(重量に対する重量);V/V(体積に対する体積);GENEART(GENEART GmbH、Regensburg、ドイツ);及び、Genencor(Danisco US社、Genencor部門、パロアルト、カリフォルニア州)を適用する。
実施例1
分析
以下の実施例においては、読みやすさのために以下に記載されていように、様々な分析を使用した。以下に提供されているプロトコルから得たすべての偏差を示す。これらの試験においては、反応の完了後に生じた生成物の吸光度を測定するために分光光度計を使用した。
A.タンパク含有量分析
この分析は、80%の湿度において300rpmで振動させて37℃において3日間培養した微量定量プレート(MTP)から得た培養上清を濾過したものを使用して実行した。高速液体クロマトグラフィ法によるタンパク分析のために、1ウェル当たり50μlの上澄みを含む底部が平坦な96ウェルの未使用のMTPを使用した。5%のアセトニトリルと10%の塩化ナトリウムとを含む10mMのリン酸カリウムバッファ(pH7.25)によって上澄液を3倍に希釈し、その希釈した各10μlのサンプルを分析した。SwiftTM RP-all PN 68-1030-041(Teledyne Isco社)カラムを装着したAgilent 1100(Hewlet Packard社)HPLCを使用した。溶剤系は、水相中の0.1%のトリフルオロ酢酸と、アセトニトリル中の0.07%のトリフルオロ酢酸とからなるものであった。222nmにおいて吸光度を測定し、精製したBASE(AmyTS23t)タンパクの標準曲線に基づいてサンプルのタンパク濃度を決定した。
B.セラルファアミラーゼ分析(Ceralpha Amylase Assay)
このα−アミラーゼ分析の原理は、グルコース及び遊離p−ニトロフェノールに対して過剰なレベルの耐熱性α−グルコシダーゼの存在下における所定のオリゴ糖(BPNPG7)の加水分解に基づいている。400nmにおける吸光度を測定する。これは分析したサンプル中の活性アミラーゼのレベルに直接的に比例する。
使用した装置は、Biomek FXロボット(Beckman Coulter)、SpectraMAX MTPリーダ(タイプ340−Molecular Devices)、及び、iEMSインキュベータ/振盪機(Thermo/Labsystems)である。この分析系において、使用した試薬及び溶液は、1)p−ニトロフェニル・マルトヘプタオシド(BPNPG7)基質(Megazyme HR kit)、2)50mMのMOPS、50mMのNaCl、0.1mMのCaCl、0.005%のTWEEN(商標)80バッファ、pH7.15、及び、3)pH10.2の200mMのホウ酸/NaOHバッファ(STOPバッファ)である。
10mlのミリQ水中に54.5mgのBPNPG7基質を含むバイアルを溶解させた。アミラーゼサンプル(発酵上澄液)をMOPSバッファ中に希釈した。この希釈したアミラーゼ溶液25μlをMTPのウェルの中に加え、次に、5.45mg/mlのBPNPG7基質溶液25μlを加えることによって分析を実行した。この溶液を混合し、微量定量プレートをプレートシールで密閉して、25℃及び900rpmのインキュベータ/振盪機(iEMS- Thermo/Labsystems)の中に30分間置いた。50μlのSTOPバッファを加えることによってこの反応を停止させ、波長400nmにおける吸光度をMTPリーダで測定した。バックグラウンド吸光度の値を補正するために非酵素の対照を使用した。
C.CS−28コメデンプン微量サンプル分析(Microswatch Assay)
このα−アミラーゼ分析の原理は、微量サンプルの中に組み入んだコメデンプンの加水分解に起因するオレンジ色素の遊離に基づいている。488nmにおける吸光度を測定する。これは、所望の条件(pH、温度及びバッファ)における分析したサンプル中のアミラーゼ活性のレベルと比例する。
使用した装置は、Biomek FXロボット(Beckman Coulter)、SpectraMAX MTPリーダ(タイプ340−Molecular Devices)、及び、iEMSインキュベータ/振盪機(Thermo/Labsystems)であった。この分析系において、使用した試薬及び溶液は、1)CS−28微量サンプル(コメデンプン、有色)、2)25mMのHEPES、2mMのCaCl、0.005%のTWEEN80バッファ(pH8.0)、3)25mMのCAPS、2mMのCaCl、0.005%のTWEEN80バッファ(pH10.0)、及び、4)10mMのNaCl、0.1mMのCaCl、0.005%のTWEEN80(希釈バッファ)である。
円の直径が1/4インチのCS−28微量サンプルは、センター・フォー・テストマテリアル(Center for Testmaterials、CFT、フラールディンゲン、オランダ)から得た。全表面積を暴露させるために、96ウェル微量定量プレートの各ウェルの中で2個の微量サンプルを直立に(例えば、ウェルの底に対して水平でないように)配置した。10mMのNaCl,0.1mMのCaCl,0.005%のTWEEN(商標)80溶液によってあらかじめ希釈したいくつかの条件における適切な濃度:1)pH8(25mMのHEPESバッファ)及び16℃;分析における最終アミラーゼ濃度<0.025μg/ml;2)pH8(25mMのHEPESバッファ)及び32℃;分析における最終アミラーゼ濃度<0.012μg/ml;3)pH10(25mMのCAPSバッファ)及び32℃;分析における最終アミラーゼ濃度<0.025μg/ml;並びに、4)pH10(25mMのCAPSバッファ)及び50℃;分析における最終アミラーゼ濃度<0.012μg/mlにおいて、アミラーゼサンプル(発酵上澄液)を試験した。
インキュベータ/振盪機は、望ましい温度、16℃(冷蔵貯蔵室又は冷蔵庫)、32℃、又は、50℃に設定した。微量サンプルを96ウェルMTPのウェルの中に入れた。その培養上澄液のサンプルを、10mMのNaCl,0.1mMのCaCl,0.005%TWEEN(商標)80によって所望の最終濃度になるように20倍に希釈した。微量サンプル−MTPの各ウェルにHEPESバッファ又はCAPSバッファのいずれかを190μl加え、続いて、各ウェルに10μlの酵素溶液を加えて、1ウェル当たりの全体積を200μlとした。MTPをプレートシールで密閉し、インキュベータ/振盪機の中に置き、求められる温度(16℃、32℃又は50℃)において1150rpmで60分間インキュベートした。適切な条件下でのインキュベートの後に、各ウェルから100μlの溶液を未使用のMTPに移し、MTP分光光度計を使用して488nmにおける吸光度を測定した。バックグラウンドを除去するために、2個の微量サンプルとバッファとを含むが、酵素を含まない対照を含めた。
得られた吸光度をブランク値(酵素の非存在下における微量サンプルのインキュベートの後に得られた値)に対して補正した。その得られた吸光度が加水分解活性の尺度である。各サンプル(変異体)について性能指数(PI)を算出した。この性能指数は、同じタンパク濃度において変異体の性能(実際の値)と対照酵素の性能(理論値)とを比較するものである。理論値は、対照酵素のラングミュア式のパラメータを使用して算出することができる。1を超えるPI(PI>1)は、(対照酵素又は標準酵素[例えば、野生型]と比べて)より優れた変異体を特定する。一方で、PIが1である(PI=1)ことは、標準のものと性能が同じ変異体を特定する。また、1未満のPI(PI<1)は、標準のものより性能が劣る変異体を特定する。したがって、PIは、特定の状況下で使用するための、優れたものだけでなく、それほど望ましくない変異体も特定する。
D.耐熱性分析−初期活性及び残存活性の測定
対照アミラーゼと比較したアミラーゼ変異体の耐熱性は、定められた条件下においてMOPSバッファ(pH7.15)の中でアミラーゼサンプルをインキュベートすることによって決定した。対照アミラーゼの初期活性が約70%失われるように、インキュベートの温度を選択した。セラルファ(Ceralpha)法を使用してアミラーゼの初期活性及び残存活性を測定した。
使用した装置は、Biomek FXロボット(Beckman Coulter)、SpectraMAX MTPリーダ(タイプ340−Molecular Devices)、及び、iEMSインキュベータ/振盪機(Thermo/Labsystems)であった。この分析系において、使用した試薬溶液は:1)p−ニトロフェニル・マルトヘプタオシド(BPNPG7)基質(Megazyme HR kit);2)10mMのNaCl,10mMのCaCl,0.005%のTWEEN(商標)80バッファ(希釈バッファ);3)50mMのMOPS,50mMのNaCl,0.1mMのCaCl、0.005%のTWEEN(商標)80バッファ(pH7.15);4)200mMのホウ酸/NaOHバッファ(pH10.2)(STOPバッファ);及び、5)50〜150μg/mlのタンパクを含むアミラーゼインキュベート上澄液であった。
「マスター希釈」プレートは、インキュベート上澄液を、10mMのNaCl,0.1mMのCaCl,0.005%TWEEN(商標)80バッファによって20倍に希釈し、次に、MOPSバッファによって42倍に希釈するステップによって調製する。アミラーゼの初期活性を決定するために25μlのマスター希釈液を使用し、ヒートインキュベートのために100μlを使用した。100μlのサンプルをMTP(Greiner 655.101)の中に入れ、それをアルミニウムテープで密閉し、iEMSインキュベータの中で900rpmで攪拌しながら65.5℃で60分間インキュベートした。インキュベートの後に、アミラーゼの残存活性を測定する前にMTPを氷水の上で冷ました。初期活性(t00)及び残存活性(t60)を測定するために、1ウェル当たり25μlのBPNPG7溶液を含む未使用のMTPの中に25μlのサンプルを移し、25℃で30分間インキュベートした。セクションBにおいて上述されているようにセラルファアミラーゼ分析を実行した。
耐熱性=[t−60値]/[t−00値]のように耐熱性を算出するために、アミラーゼの残存活性と初期活性との比を使用した。また、各変異体について、変異体の耐熱性を対照(標準)酵素と比較した性能指数を算出した。1を超える(PI>1)性能指数(PI)は、(対照又は標準[例えば、野生型又は骨格]と比較して)より優れた変異体を特定する。一方で、PIが1である(PI=1)ことは、標準と同じくらい安定な変異体を特定する。また、1未満のPI(PI<1)は、標準よりも安定性が劣る変異体を特定する。したがって、PIは、特定の状況下で使用するための、優れたものだけでなく、それほど望ましくない変異体も特定する。
E.耐熱性分析−T50値の測定
セクションDに上述されている耐熱性分析は、所定の条件下において活性を失う変異体をランク付けすることしかできない。所定の条件下において100%安定な変異体は、互いに違いを見分けられることができない。従って、T50値の測定、すなわち、初期活性の50%を失わせるインキュベート温度は、著しく向上した耐熱性を有する変異体をランクづけるためにより適切な分析である。
使用した装置は、Biomek FXロボット(Beckman Coulter);SpectraMAX MTPリーダ(タイプ340−Molecular Devices)、及び、エッペンドルフマスターサイクラ(Eppendorf Mastercycler)であった。アミラーゼ変異体を含む培養上澄液をMOPSバッファで1000倍に希釈し、セクションBに上述されているセラルファアミラーゼ分析を使用してアミラーゼの初期活性を決定した。希釈したアミラーゼサンプルを使用して、100μl/ウェルを含むPCRプレートを調製した。このプレートを、60℃〜80℃(単一部位の変異体)又は60℃〜100℃(コンビナトリアル変異体)に及ぶ温度勾配によってエッペンドルフマスターサイクラの上で60分間インキュベートした。インキュベートの後、残存アミラーゼ活性を測定する前にMTPを4℃に冷却した。
アミラーゼの残存活性と初期活性との比をインキュベート温度に対してプロットし、方程式:y=a+a/(1+(x/aa3)を使用してデータに合わせた。次に、各アミラーゼ変異体についてT50値を算出した(例えば、残存活性が50%である温度)。したがって、T50値は、変異体の耐熱性に関する尺度であり、対照アミラーゼ及びその他の変異体との関連で変異体をランク付けすることができる。
F.10%洗剤安定性分析
10%洗剤(業務用洗剤、熱不活性化されたもの)の存在下における定められた条件下でのインキュベート後に、対照アミラーゼ及びその変異体の安定性を測定し、セラルファアミラーゼ分析を使用してアミラーゼの初期活性及び残存活性を決定した。
使用した装置は、Biomek FXロボット(Beckman Coulter);SpectraMAX MTPリーダ(タイプ340−Molecular Devices)、及び、iEMSインキュベータ/振盪機(Thermo/Labsystems)であった。この分析系において、使用した試薬溶液は:1)p−ニトロフェニル・マルトヘプタオシド(BPNPG7)基質(Megazyme HR kit);2)液体洗剤(HDL商品、不活性化酵素、95℃で2時間);3)25mMのHEPESバッファ(pH8.0)中の10.5%洗剤;4)50mMのMOPS,50mMのNaCl,0.1mMのCaCl,0.005%TWEEN(商標)80バッファ,pH7.15;5)200mMのホウ酸/NaOHバッファ,pH10.2(STOPバッファ);及び、6)50〜150μg/mlのタンパクを含むアミラーゼ培養上澄液であった。
簡潔に説明すると、95μlの10.5%洗剤液を微量定量プレート(MTP)に移し、5μlの培養上澄液と混合した。アミラーゼの初期活性を測定するために3μlの分割量を取得した。iEMSインキュベータの中で、MTPを900rpmで攪拌しながら40℃(又は、より高い安定性を有するBASEコンビナトリアル変異体の場合には50℃)で30分間インキュベートした。インキュベートの後に、洗剤と酵素との混合物3μlを使用して、アミラーゼの残存活性を測定した。アミラーゼの初期活性(t)及び残存活性(t30):3μlの「洗剤及び酵素」の混合物を122μlのMOPSバッファで希釈し、次に、上述されているセラルファアミラーゼ分析を使用してアミラーゼ活性を測定するために、そのうちの25μlを使用した。
「10%洗剤」の安定性を算出するために、安定性=[t30値]/[t値]のようにしてアミラーゼの残存活性と初期活性との比を使用した。また、各変異体について性能指数を算出した。この性能指数は、アミラーゼ変異体の10%洗剤の安定性をBASEアミラーゼと比較するものである。1を超える(PI>1)性能指数(PI)は、(対照又は標準[例えば、野生型]と比較して)より優れた安定性の変異体を特定する。一方で、PIが1である(PI=1)ことは、標準と同程度に安定な変異体を特定する。また、1未満(PI<1)のPIは、標準より安定性が劣る変異体を特定する。したがって、PIは、特定の状況下で使用するための、優れたものだけでなく、それほど望ましくない変異体も特定する。
G.100%洗剤安定性分析−温度勾配曲線
100%の洗剤(業務用洗剤、酵素不活性化されたもの)の存在下における定められた条件下でのインキュベートの後にBASE骨格及びBASE変異体のHDL洗剤安定性を測定した。また、セラルファアミラーゼ分析を使用してアミラーゼの初期活性及び残存活性を測定した。
使用した装置は、Biomek FXロボット(Beckman Coulter);SpectraMAX MTPリーダ(タイプ340−Molecular Devices);エッペンドルフマスターサイクラ、及び、iEMSインキュベータ/振盪機(Thermo/Labsystems)であった。この分析系において、使用した試薬溶液は:1)p−ニトロフェニル・マルトヘプタオシド(BPNPG7)基質(Megazyme HR kit);2)液体洗剤(HDL商品−95℃で2時間加熱することによって不活性化されたもの);3)50mMのMOPS,50mMのNaCl,0.1mMのCaCl、0.005%TWEEN(商標)80バッファ,pH7.15;4)200mMのホウ酸/NaOHバッファ,pH10.2(STOPバッファ);及び、5)50−150μg/mlのタンパクを含むアミラーゼ培養上澄液であった。
アミラーゼ培養上澄液をHDL洗剤の中に20倍に希釈して完全に混合した。セクションBに記載されているセラルファアミラーゼ分析を使用してアミラーゼの初期活性を決定した。希釈したアミラーゼHDLサンプルを使用して、100μl/ウェルを含むPCRプレートを調製した。このプレートを、エッペンドルフ・マスター・サイクラの上で、30℃〜70℃に及ぶ温度勾配によって30分間インキュベートした。インキュベートの後に、上述されているようにアミラーゼの残存活性を測定する前に、MTPを4℃に冷却した。
HDL T50値を算出するために、アミラーゼの残存活性と初期活性との比をインキュベート温度に対してプロットし、y=a+a/(1+(x/aa3)の方程式を使用してそのデータに合わせた。次に、各BASE変異体についてT50値を算出した(例えば、残存活性が50%である温度)。したがって、T50値は、変異体の耐熱性の尺度であり、対照アミラーゼ及びその他の変異体との関連で変異体をランクづけることができる。
H.AAPFプロテアーゼ
本明細書に開示されているサブチリシンプロテアーゼのプロテアーゼ活性を測定するために、N−スクシニル−L−アラニル−L−アラニル−L−プロリル−L−フェニル−p−ニトロアニリド(AAPF)の加水分解を測定した。使用した試薬溶液は:
1)0.005%のTWEEN(登録商標)80を含む100mMのトリス/HCl,pH8.6(トリス希釈バッファ);
2)10mMのCaClと0.005%のTWEEN(登録商標)80とを含む100mMのトリス緩衝液,pH8.6(トリス/Caバッファ);
3)160mMのsuc−AAPF−pNAを含むDMSO溶液(suc−AAPF−pNAストック溶液)(シグマ:S−7388)であった。
suc−AAPF−pNA希釈標準溶液を調製するために、1mlのAAPFストックを100mlのトリス/Caバッファに加え、少なくとも10秒間充分に混合した。希釈したプロテアーゼ溶液10μlを各ウェルに加え、直後に1mg/mlのAAPF希釈標準溶液190μlを加えることによってこの分析を実行した。この溶液を5秒間混合し、25℃においてMTPリーダの中で410nmにおいて吸光度変化を動的モード(5分間に20回測定)で測定した。プロテアーゼ活性は、AU(活性=OD・min−1 ml−1)として表されている。
実施例2
BASE(AmyTS23t)及びその変異体を発現するバチルスサチリス株の生成
この実施例においては、BASE(バチルス株TS−23 α−アミラーゼ又はAmyTS23tの短縮された形態)及びその変異体を発現するバチルスサチリス株の構築を記載する。BASE、すなわち、切断されたアミラーゼの成熟形態は、好アルカリ性及び好熱性のバチルス株TS−23のTS−23 α−アミラーゼ(AmyTS23)に由来するものであった(Lin et al., J Appl Microbiol, 82:325-334, 1997)。
AmyTS23の成熟形態のアミノ酸配列は、配列番号1:
NTAPINETMMQYFEWDLPNDGTLWTKVKNEAANLSSLGITALWLPPAYKGTSQ
SDVGYGVYDLYDLGEFNQKGTIRTKYGTKTQYIQAIQAAKAAGMQVYADVVFN
HKAGADGTEFVDAVEVDPSNRNQETSGTYQIQAWTKFDFPGRGNTYSSFKWRW
YHFDGTDWDESRKLNRIYKFRSTGKAWDWEVDTENGNYDYLMFADLDMDHPEV
VTELKNWGTWYVNTTNIDGFRLDAVKHIKYSFFPDWLTYVRNQTGKNLFAVGE
FWSYDVNKLHNYITKTNGSMSLFDAPLHNNFYTASKSSGYFDMRYLLNNTLMK
DQPSLAVTLVDNHDTQPGQSLQSWVEPWFKPLAYAFILTRQEGYPCVFYGDYY
GIPKYNIPGLKSKIDPLLIARRDYAYGTQRDYIDHQDIIGWTREGIDTKPNSG
LAALITDGPGGSKWMYVGKKHAGKVFYDLTGNRSDTVTINADGWGEFKVNGGS
VSIWVAKTSNVTFTVNNATTTSGQNVYVVANIPELGNWNTANAIKMNPSSYPT
WKATIALPQGKAIEFKFIKKDQAGNVIWESTSNRTYTVPFSSTGSYTASWNVP
として記載されている。
AmyTS23の成熟形態をコードする核酸配列であって、コドンを変更した核酸配列は、配列番号3:
aatacggcgccgatcaacgaaacgatgatgcagtattttgaatgggatctgccgaatg
atggaacgctgtggacgaaagtcaaaaacgaagcggcgaatcttagcagcctgggaat
cacagcactttggcttccgccggcatataaaggaacgagccaaagcgatgtcggctat
ggcgtctatgatctgtatgacctgggcgaatttaaccaaaaaggcacgatccggacga
aatatggcacgaaaacacagtatatccaagcgatccaggcagcaaaagcagcaggcat
gcaagtctatgccgacgtcgtctttaatcataaagcgggagcggatggcacagaattt
gtcgatgccgtcgaagttgatccgagcaacagaaaccaagaaacgagcggcacgtatc
aaatccaagcgtggacgaaatttgattttccgggcagaggcaatacgtatagcagctt
taaatggcgctggtatcattttgacggcacggattgggatgaaagcagaaaactgaac
cggatctataaatttcggagcacgggcaaagcatgggattgggaagtcgatacggaaa
acggcaactatgactatctgatgtttgccgatctggatatggatcatccggaagtcgt
cacggaactgaaaaattggggcacgtggtatgttaatacgacgaacatcgatggcttt
agactggatgccgtcaaacatatcaaatatagcttttttccggactggctgacgtatg
tcagaaaccagacgggcaaaaacctttttgccgtcggcgaattttggagctatgacgt
caacaaacttcataactatatcacgaaaacgaacggcagcatgagcctttttgatgcc
ccgcttcataacaacttttatacggcgagcaaaagctcaggctattttgatatgagat
atctgctgaacaacacgctgatgaaagatcaaccgagcctggcagtcacactggtcga
taaccatgatacacaaccgggccaaagccttcaaagctgggtcgaaccgtggtttaaa
ccgctggcgtatgcctttatcctgacgagacaagaagggtatccttgcgtcttttatg
gcgactattatggcatcccgaaatataatatcccgggcctgaaaagcaaaatcgatcc
gctgctgatcgccagacgggattatgcctatggcacacagcgggattatatcgaccat
caggacatcatcggctggacaagagaaggcatcgatacgaaaccgaatagcggactgg
cagcactgattacagatggaccgggcggaagcaaatggatgtatgtcggcaaaaaaca
tgccggcaaagtcttttatgatctgacgggcaacagaagcgatacggtcacgatcaat
gctgatggctggggagaatttaaagtcaatggcggcagcgtttcaatctgggtcgcca
aaacgagcaatgtcacgtttacggtcaacaatgccacgacaacgagcggccaaaatgt
ctatgtcgtcgccaatatcccggaactgggcaattggaatacggcgaacgcaatcaaa
atgaacccgagcagctatccgacatggaaagcgacaatcgctctgccgcaaggaaaag
cgatcgaatttaaatttatcaaaaaagaccaggcgggcaatgttatttgggaaagcac
gagcaatagaacgtatacggtcccgtttagcagcacaggaagctatacagcgagctgg
aatgttccgtga
として記載されている。
BASEは、シグナルペプチドをコードする5’配列領域の最初の90bp、及び、酵素のカルボキシル末端をコードする3’配列の297bpの両方を除去することによって生成されるものであり、それによって短縮されたα−アミラーゼが生成される。BASEの成熟形態(AmyTS23t)のアミノ酸配列は、配列番号2:
NTAPINETMMQYFEWDLPNDGTLWTKVKNEAANLSSLGITALWLPPAYKGTSQ
SDVGYGVYDLYDLGEFNQKGTIRTKYGTKTQYIQAIQAAKAAGMQVYADVVFN
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LAALITDGPGGSKWMYVGKKHAGKVFYDLTGNRSDTVTINADGWGEFKVNGGS
VSIWVAK
として記載されている。
GENEARTによって生産され、かつ、バチルスサチリスにおける発現のためにコドンを変更したBASE遺伝子を含む合成DNA断片(0723013)は、BASE及びその変異体を発現するバチルスサチリス株の構築のためのテンプレートDNA(配列番号4)としての役割を果たした。BASEを発現させるために、ユニークなPstI及びHpaI制限部位を使用して、GENEARTによってpHPLTベクターの中にBASE DNA断片をクローンした(Solingen et al., Extremophiles 5:333-341, 2001)。pHPLT発現ベクターは、バチルスリケニフォルミスLATプロモータ(Plat)と、レプリカーゼ遺伝子(reppUB)、ネオマイシン/カナマイシン耐性遺伝子(neo)及びブレオマイシン抵抗性マーカ(bleo)を含むpUB110(McKenzie et al., Plasmid, 15: 93-103, 1986)に由来するさらなる因子とを含む。
LATシグナルペプチドのためのコード領域は配列番号15:atgaaacaacaaaaacggctttacgcccgattgctgacgctgttatttgcgctcatcttcttgctgcctcattctgcagcttcagcaとして記載されている。
LATシグナルペプチドのアミノ酸配列は配列番号16:MKQQKRLYARLLTLLFALIFLLPHSAASAとして記載されている。
pHPLT発現ベクターのマップを図2に示し、BASE遺伝子を含むpHPLTベクターのマップを図3に示す。GENEARTによって生産されたコドン変更核酸配列であって、BASEの成熟形態(AmyTS23t)をコードする核酸配列は、配列番号4:
1 tctgcagct tcagcaaac accgcgccg attaacgaa accatgatg cagtatttc gaatgggat ctgccgaac
73 gatggcacc ctgtggacc aaagtgaaa aacgaagcg gcgaacctg agcagcctg ggcattacc gcgctgtgg
145 ctgccgccg gcatataaa ggcaccagc cagagcgat gtgggctat ggcgtgtat gatctgtac gatctgggc
217 gaatttaac cagaaaggc accattcgt accaaatat ggcaccaaa acccagtat attcaggcg atccaggcg
289 gcgaaagcg gcgggtatg caggtgtat gcggatgtg gtgtttaac cataaagcg ggtgcggat ggcaccgaa
361 tttgtggat gcggtggaa gtggatccg agcaaccgt aaccaggaa accagcggc acctatcag attcaggcg
433 tggaccaaa tttgatttt cccggccgt ggcaacacc tatagcagc tttaaatgg cgctggtat cattttgat
505 ggcaccgat tgggatgaa agccgtaaa ctgaaccgc atctataaa tttcgtagc accggcaaa gcgtgggat
577 tgggaagtg gataccgaa aacggcaac tatgattac ctgatgttc gcagacctg gatatggat catccggaa
649 gtggtgacc gaactgaaa aactggggc acctggtat gtgaacacc accaacatt gatggcttt cgtctggat
721 gcggtgaaa cacatcaaa tacagcttt tttccggat tggctgacc tatgtgcgt aaccagacc ggcaaaaac
793 ctgtttgcg gtgggcgaa ttttggagc tatgatgtg aacaaactg cacaactac atcaccaaa accaacggc
865 agcatgagc ctgtttgat gcgccgctg cataacaac ttttatacc gcgagcaaa agcagcggc tattttgat
937 atgcgttat ctgctgaac aacaccctg atgaaagat cagccgagc ctggccgtg accctggtg gataaccat
1009 gatacccag ccgggccag agcctgcaa agctgggtg gaaccgtgg tttaaaccg ctggcctac gcgtttatt
1081 ctgacccgt caagagggc tatccgtgc gttttttat ggcgattat tacggcatc ccgaaatat aacattccg
1153 ggcctgaaa agcaaaatt gatccgctg ctgattgcg cgtcgtgat tatgcgtat ggcacccag cgtgattat
1225 attgatcac caggatatt attggctgg acccgtgaa ggcattgat accaaaccg aacagcggc ctggccgcg
1297 ctgattacc gatggcccg ggtggcagc aaatggatg tatgtgggc aaaaaacat gcgggcaaa gtgttttat
1369 gatctgacc ggcaaccgt agcgatacc gtgaccatt aacgcggat ggctggggt gagtttaaa gtgaacggc
1441 ggcagcgtg agcatttgg gtggcgaaa taagttaac aga
として記載されている。N001・N末端コドン及びK484・C末端コドンは下線で示されている。
GENEARTは、pHPLT−BASEベクターDNAを使用して、バチルスサチリス株(遺伝子型:ΔaprE、ΔnprE、Δepr、ΔispA、Δbpr)及び(degUHy32、oppA、ΔspoIIE3501、amyE::xylRPxylAcomK−ermC)を形質転換した。当業界で知られているように(WO02/14490)バチルスサチリスの形質転換を実行した。ハートインフュージョン寒天培地(Difco、カタログ番号244400)と、10mg/Lの硫酸ネオマイシン(Sigma、カタログ番号N−1876、1mg当たり732μgのネオマイシンを含むもの)と含む寒天プレートの上で、バチルスサチリス形質転換体を選択した。pHPLT-BASE GENEARTベクターを有するバチルスサチリス形質転換体の選択的増殖は、MBD培地(MOPSをベースとした特定の培地)、5mMのCaCl及び10mg/Lのネオマイシンを含む振盪フラスコの中で実行した。NHCl、FeSO及びCaClを基礎培地から省略し、3mMのKHPOを使用し、60mMの尿素、75g/lのグルコース及び1%のソイトン(Soytone)を基礎培地に追加した以外は、当業界で知られているように(Neidhardt et al., J Bacteriol, 119: 736-747, 1974)、基本的にMBD培地を作成した。1リットル中に、400mgのFeSO・7HO、100mgのMnSO・HO、100mgのZnSO・7HO、50mgのCuCl・2HO、100mgのCoCl・6HO、100mgのNaMoO・2HO、100mgのNa・10HO、10mlの1M CaCl、及び、10mlの0.5M クエン酸ナトリウムを含む100倍原液として微量栄養素を作成した。増殖によって、デンプン加水分解活性を有する分泌されたBASEアミラーゼが生じた。
実施例3
BASE(AmyTS23t)部位評価ライブラリの生成
部位評価ライブラリ(SEL)の生産は、特許プロセス(WO2004/059556A3)を使用してGENEART社が実行した。PCRによるタンパクの発現の目的のためにヌクレオチド配列を最適化するための方法及び装置、並びに、DNA分子の生産は、GENEART社が所有する又は同社にライセンスされた技術(欧州特許第0200362及び第0201184号、並びに、米国特許第4683195号、第4683202号及び第6472184号)を利用した。この実施例に記載されているBASE SELの構築は、独占的なGENEART社のノウハウ及び/又は知的財産に従って、遺伝子最適化、遺伝子合成及びライブラリ生成のための同社の技術土台を使用して、GENEART社によって実行された。GENEARTの連続する置換アプローチはSELを生産するために、会社のウェブサイトに全般的に記載されている。
pHPLT−BASEプラスミドDNAは、SELを生産するためのテンプレートとしての役割を果たした。発明者らがあらかじめ選択した位置(表3−1)において、BASE SELをGENEART社が生産した。(あり得る19個の中から)少なくとも16個の異なるアミノ酸に対するコドンによって、対応するDNAコドンのそれぞれを置換した。BASE SELを作成するために、当業界で知られている(WO2002/014490)ように、形質転換受容性を有するバチルスサチリス細胞(遺伝子型:ΔaprE、ΔnprE、oppA、ΔspoIIE、degUHy32、ΔamyE::[xylR、pxylA−comK])を形質転換するために、コドンを変異させたpHPLT−BASE混合液を使用した。10mg/Lの硫酸ネオマイシンを含むHI寒天プレート(ハートインフュージョン寒天培地)の表面に形質転換混合液を被覆させた。各ライブラリについて1個のコロニーを採取し、その後のDNA抽出及び遺伝子配列分析のために、それらをTSB(トリプトン及び大豆ベース培養液)液体培地において10mg/mlのネオマイシン選抜を行いながら増殖させた。配列分析データによって、1個のライブラリにつき最高19個のBASE成熟変異体が明らかになった。BASE SELにおいて特定されたBASE変異体を表3−2に一覧する。生化学的特性評価のためのBASE及びBASE変異体酵素サンプルを生成するために、96ウェルMTPにおいてMBD培地中でBASE SEL変異体の選択的増殖を37℃で68時間実行した。
Figure 0005651682
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Figure 0005651682
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Figure 0005651682
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実施例4
BASE(AmyTS23t)コンビナトリアルライブラリの生成
合成BASEコンビナトリアルライブラリは、成熟配列の選択した2個以上のコドンを特定のDNA配列で置換した合成BASE遺伝子混合物を含む。独占的なGENEART社のノウハウ又は知的財産に従って、Genencor社との契約により、遺伝子最適化、遺伝子合成及びライブラリ生成のためのGENEART社の技術土台を使用して、GENEART社が4個の合成BASEコンビナトリアルライブラリを作成した。コンビナトリアルライブラリを作成するためのGENEART社の先進的な変異生成アプローチは、同社のウェブサイトに全般的に記載されている。
表4−1〜表4−4は、合成BASEのコンビナトリアルライブラリのいくつかに存在し得る置換を一覧する(配列番号2のBASE成熟アミノ酸配列に従って番号付けた)。各ライブラリにおいて、対象とされているBASEの複数の位置は、野性型(wt)のままである可能性、又は、表4−1〜表4−4に一覧されている特定のアミノ酸で置換される可能性が等しい。pHPLT−BASEプラスミドDNAの変異体を作成するために、変異させたBASE遺伝子をpHPLTベクターの中にクローンし、次に、バチルスサチリス細胞を形質転換することによって、BASEコンビナトリアルライブラリを作成した。10mg/Lの硫酸ネオマイシン及び0.5%のRBBデンプン(Sigma-Aldrich商品番号S7629、レマゾールブリリアントブルーRと共有結合したジャガイモデンプン)を含むHI寒天プレート(ハートインフュージョン寒天培地)の上に形質転換混合液を被覆させた。各ライブラリについて、透明帯を生成する1個のコロニーを採取し、それを10mg/mlのネオマイシンを含むTSB(トリプトン及び大豆ベース培養液)液体培地において増殖させた。生化学的特性評価のためのBASEコンビナトリアルライブラリ変異体酵素サンプルを生成するために、96ウェルMTPにおいてMBD培地中で、BASEコンビナトリアルライブラリのいくつかの選択的増殖を37℃で68時間実行した。
Figure 0005651682
Figure 0005651682
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実施例5
BASEコンビナトリアル変異体の生成
この実施例において、BASEコンビナトリアル変異体を発現するバチルスサチリス株の構築を記載する。BASE組み合わせ変異体を発現させるために、ユニークなPstI及びHindIII制限部位を使用することによって、BASE変異体のDNA断片をpHPLTベクターの中にクローンし、次に、バチルスサチリス株の中に導入した。BASE DNA変異体の断片を以下に説明するように構築した。表5−1(S1〜S32)に一覧されている各BASEコンビナトリアル変異体について、表5−2及び表5−3に一覧されているプライマーを使用してPCR反応を行った。
以下に記載されているPCR反応のために、最終濃度0.2μMのDNAプライマー及び0.1〜10ナノグラムのプラスミドDNAテンプレートを使用した。表5−2は、各変異体を構築するために使用した特定のpDNAテンプレート及びプライマーペアを一覧する。さらに、すべてのPCR反応は、Finnzymes社(Finnzymes OY、エスポー、フィンランド)のPhusion High-Fidelity DNAポリメラーゼ(カタログ番号F−530L)を使用して、50μLの体積中で完結させた。すべてのPCR反応混合液は、50μLの全容積に対して、10μLの5X Phusion HFバッファ、1μLの10mMのdNTP混合液、0.75μLのPhusion DNAポリメラーゼ(2単位/μL)、1μLの100%DMSO、及び、オートクレーブ滅菌した脱イオン化水を含んでいた。MJ Research PTC-200 Peltierサーマルサイクラ(MJ Research社、ウォルサム、マサチューセッツ州)を使用して、98℃で30秒間、25サイクル(98℃で10秒間、55℃で20秒間、72℃で25秒間)、最後に72℃で5分間として、PCRプログラムを実行した。
BASEコンビナトリアル変異体S1〜S16について、PCR1によって生成された増幅DNA断片とPCR2によって生成された増幅DNA断片とを、3回目のPCRによって融合させた。プライマーPstI−FW及びプライマーHindIII−RVを含む第3の反応混合液に、PCR1及びPCR2の両方の増幅DNA断片を0.5μL加えた。増幅させた1.5kbの線状DNA断片を精製し(Qiagen(商標)Qiaquick PCR精製キット、カタログ番号28106)、PstI制限酵素及びHindIII制限酵素を用いて消化した。次に、BASEコンビナトリアル変異体DNA断片S1〜S16及びpHPLT pDNA(PstI制限酵素及びHindIII制限酵素で消化した50ng/μL)を精製し(Qiagen(商標)Qiaquick PCR精製キット カタログ番号28106)、これらを連結した。その反応条件は、PstI及びHpaIによって消化して精製したBASE変異体断片4μL、PstI及びHindIIIによって消化して精製したpHPLT DNA断片2μL、T4DNAリガーゼバッファ8μL(Invitrogen社(商標)カタログ番号46300-018)、脱イオン化してオートクレーブ滅菌した水25μL、及び、T4DNAリガーゼ1μL(1単位/μL(Invitrogen社(商標)カタログ番号15224-017)であった。連結反応を20℃で16〜20時間実行した。
バチルスサチリス細胞中に連結反応混合液をそのまま導入して形質転換するために、連結したpHPLT−BASE変異体DNAを、TempliPhiキット(Amershamカタログ番号25−6400)を使用して増幅した。この目的のために、連結反応混合液1μLを、TempliPhiキットによって提供されるサンプルバッファ5μLと混ぜて、それを、DNAを変性させるために95℃で3分間加熱した。その反応混合液を2分間氷上に置いて冷却し、簡単に遠心分離した。次に、TempliPhiキットによって提供される反応バッファ5μL及びphi29ポリメラーゼ0.2μLを加え、この反応を、MJ Research PCR機器中で30℃で4時間にわたってインキュベートした。65℃で10分間インキュベートすることによってphi29酵素を熱不活性化した。
バチルスサチリスの中にBASE変異体を導入するために、0.1μLのTempliPhi増幅反応生成物を、500μLの形質転換受容性バチルスサチリス細胞[(遺伝子型:ΔaprE、ΔnprE、oppAΔspoIIE、degUHy32、ΔamyE::(xylR、pxylA−comK)]と混ぜて、次に、及び37℃で1時間にわたって強く攪拌し、10mg/Lの硫酸ネオマイシン及び0.5%のRBBデンプンを含むハートインフュージョン寒天培地(Difco、カタログ番号244400)プレートの上に100μL及び500μLを被覆させた。各変異体について、透明帯を生成する1個のコロニーを採取し、その後のプラスミドDNA単離及び遺伝子配列分析のために、それらをTSB(トリプトン及び大豆ベース培養液)液体培地において10mg/mlのネオマイシン選抜を行いながら増殖させた。配列分析によってBASEコンビナトリアル変異体の同一性を測定した。本明細書に記載されているように、pHPLT−BASE S1〜S16プラスミドDNAは、BASEコンビナトリアル変異体S17〜S32を構築するためのテンプレートDNAとしての役割を果たした。生化学的特性評価のためのBASEコンビナトリアル変異体酵素サンプルを生成するために、96MTPにおいてMBD培地中でBASEコンビナトリアル変異体を37℃で68時間にわたって増殖させた。
表5−1
Figure 0005651682
表5−2
Figure 0005651682
表5−3
Figure 0005651682
BASEコンビナトリアル変異体W1〜W13を使用してBASEコンビナトリアル変異体P1〜P12を構築した。実施例4に記載されているBASEコンビナトリアルライブラリ1−4から表5−4のP1−P12変異体を選択した。表5−5に一覧されている各BASEコンビナトリアル変異体(W1〜W32)について、表5−6に一覧されているプライマーを使用してPCR反応を行った。PCR反応条件のすべては、BASEコンビナトリアル変異体S1〜S32を作成するために使用した上記プロトコルと類似したものであった。
表5−4
Figure 0005651682
表5−5
Figure 0005651682
表5−6
Figure 0005651682
BASEコンビナトリアル変異体W1〜W13を構築するためのPCRの構成を表5−7及び表5−8に示す。変異体生産は、5つのPCR反応(シリーズA〜E)から始まり、2つの融合PCR反応(シリーズF及びG)を続ける。Qiagen(商標)Qiaquick PCR精製キット(カタログ番号28106)を使用してすべてのPCR断片を精製した。変異体S1〜S32の構築について記載されているように、PCR G1〜G13の融合DNA断片をPstI及びHindIIIで消化し、それを、PstI及びHindIIIで消化したpHPLTベクターDNAと連結した。次に、phi29ポリメラーゼで増幅させた連結反応混合物をバチルスサチリスの中に導入した。各変異体について、透明帯を生成する1個のコロニーを採取し、その後のプラスミドDNA単離及び遺伝子配列分析のために、10mg/Lのネオマイシンを含むTSB液体培地(トリプトン及び大豆ベース培養液)において増殖させた。配列分析によってBASEコンビナトリアル変異体の同一性を確認した。生化学的特性評価のためのコンビナトリアル変異体W1〜W13の酵素サンプルを生成するために、96ウェルMTPにおいてMBD培地中でBASEコンビナトリアル変異体の選択的増殖を37℃で68時間実行した。
表5−7
Figure 0005651682
表5−8
Figure 0005651682
実施例6
ACE(AmyTS23tΔRS)部位評価ライブラリの生成
この実施例には、BASE変異体:BASE−ΔR180―ΔS181(AmyTS23tΔRS又はACEとしても知られている);及び、BASE−ΔR180―ΔS181S243Q(ACE−S243Q又はACE−Qと命名されたAmyTS23tΔRSS243Qとしても知られている)を発現するバチルスサチリス株の構築が記載されている。さらに、ACE−Q部位評価ライブラリ(SEL)の生成が記載されている。
DNAコドンを変更したBASE遺伝子を含む合成DNA断片056426(ドイツ、レーゲンスブルクのGeneart社によって生産されたもの)がテンプレートDNAとしての役割を果たした。ユニークなPstI制限部位及びHpaI制限部位を使用して、このBASE DNA断片をpHPLTベクター(Solingen et al., Extremophiles, 5:333-341, 2001)の中にクローンした。pHPLT発現ベクターは、BASEをクローンするためのPstI制限部位及びHpaI制限部位を後に伴うバチルス・リケニフォルミスLATプロモータ(Plat)、及び、レプリカーゼ遺伝子(reppUB)、ネオマイシン/カナマイシン耐性遺伝子(neo)及びブレオマイシン抵抗性マーカ(bleo)を含むpUB110由来因子(McKenzie et al., Plasmid, 15: 93-103, 1986)を含む。pHPLT−BASEプラスミドのマップを図3に示す。テンプレートDNAとしてpHPLT−BASEを使用し、かつ、表6−1に一覧されているDNAプライマーを使用して、コドン180(CGG)及びコドン181(AGC)を削除したBASE DNA(BASE−ΔR180―ΔS181、ACEとも称する)を生成した。シグマ社(Sigma-Aldrich Chemie B.V、Zwijndrecht、オランダ)がDNAプライマーを合成及び脱塩した。
プライマーペアTS-delRS-FW/pHPLT-HpaI-RV及びTS-delRS-RV/pHPLT-PstI-FWを使用して、pHPLT−BASEテンプレートDNAを使用して2つのPCR反応を実行した。PCRによって生じた2つの断片を融合させるために、プライマーpHPLT-PstI-FW及びプライマーpHPLT-HpaI-RVを加える第3のPCR反応に、両方の反応から未精製のPCR混合液1μlを加えた。増幅した1.5kbの線状DNA断片を精製し(Qiagen(商標)Qiaquick PCR精製キット、カタログ番号28106)、PstI制限酵素及びHpaI制限酵素で消化した。
記載されているすべてのPCR反応について、最終濃度が0.2μMのDNAプライマーを使用し、0.1〜10ナノグラムのDNAテンプレートを使用した。さらに、Finnzymes社(Finnzymes OY、エスポー、フィンランド)のPhusion High-Fidelity DNA ポリメラーゼ(カタログ番号F-530L)を使用して、すべてのPCR反応を50μlの体積中で完結させた。また、すべてのPCR反応混合液は、10μLの5×Phusion HFバッファ、1μLの10mM dNTP、0.75μLのPhusion DNAポリメラーゼ(2単位/μL)、1μLの100%DMSO、及び、最終体積を50μLとするための、脱イオン化してオートクレーブ滅菌した水を含む。MJ Research PTC-200 Peltierサーマルサイクラー(MJ Research、ウォルサム、マサチューセッツ州)を使用して、Finnzymes社によって説明されているように(98℃で30秒間、30サイクル[98℃で10秒間、55℃で20秒間、72℃で22秒/kb]、及び、72℃で5分間の最終ステップ)、PCRプログラムを実行した。
次に、BASE−ΔR180―ΔS181 DNA断片及びpHPLTプラスミドDNA(50ng/μL、PstI制限酵素及びHpaI制限酵素で消化したもの)の両方を(Qiagen(商標)Qiaquick PCR精製キット、カタログ番号28106を使用して)精製した。次に、それらを、以下の反応条件:PstI及びHpaIで消化して精製したBASE−ΔR180−ΔS181 DNA断片4μL、PstI及びHpaIで消化して精製したpHPLT DNA断片2μL、T4DNAリガーゼバッファ8μL(Invitrogen社(商標)カタログ番号46300-018)、脱イオン化してオートクレーブ滅菌した水25μl、及び、T4DNAリガーゼ1μL(1単位/μL(Invitrogen社(商標)カタログ番号15224-017)を使用して、PstI末端及びHpaI末端で連結した。連結反応を20℃で16〜20時間実行した。
この連結反応混合物をWO02/14490に記載されているようにバチルスサチリス株(遺伝子型:ΔaprE、ΔnprE、Δepr、ΔispA、Δbpr)及び(degUHy32、oppA、ΔspoIIE3501、amyE::xylRPxylAcomK−ermC(Δvpr、ΔwprA、ΔmprybfJ、ΔnprB))に導入して形質転換した。WO02/14490は、細菌形質転換の教示として本明細書に組み込まれている。ハートインフュージョン寒天培地(Difco、カタログ番号244400)と10mg/Lのネオマイシンとを含む寒天プレート上でバチルスサチリス形質転換体を選択した。25mlのMBD培地(MOPSをベースとした特定の培地)と10mg/Lのネオマイシンとを含む振盪フラスコの中で、pHPLT−BASE−ΔR180―ΔS181プラスミドを有するバチルスサチリス形質転換体の選択的増殖を実行した。これによって、デンプン加水分解活性を有するBASE−ΔR180―ΔS181アミラーゼの分泌型が生産される。本明細書においてpHPLT−BASE−ΔR180―ΔS181プラスミドをpHPLT−ACEと称することもある。
BASE−ΔR180−ΔS181−S243Qアミラーゼを発現するバチルスサチリス株を生成するために同様のプロトコルを使用した。最初の2つのPCR反応は、プライマーACE-S243Q-FW及びプライマーpHPLT-HpaI-RV、プライマーACE-S243Q-RV及びプライマーpHPLT-PstI-FW、並びに、pHPLT−ACEテンプレートDNAを使用して実行した。プライマー配列を表6−1に一覧する。pHPLT−BASE−ΔR180―ΔS181−S243Qを有するバチルスサチリス形質転換体は、デンプン加水分解活性を有するBASE−ΔR180−ΔS181−S234Qアミラーゼを生産及び分泌した。pHPLT−ACE−S243Qとも称される、pHPLT−BASE−ΔR180―ΔS181−S243Qプラスミドのマップは、図4に示されている。
表6−1
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pHPLT−ACE−S243QプラスミドDNAは、部位評価ライブラリ(SEL)を生産するためのテンプレートとしての役割を果たした。ACE−Q SELのために選択したアミノ酸位置は、成熟BASEアミノ酸配列(配列番号2)に従って番号付けたものであり、その位置には、以下のもの:R127、Y305、Q320、P379、T419、L453及びG475が含まれる。対応する各DNAコドンは、最大20個の異なるアミノ酸をコードする変更したコドンで置換した。このpHPLT−ACE−S243QプラスミドはユニークなBglII制限部位を含んでいた。これをSEL構築時に利用した。ライブラリを作成するために使用したプライマー(商用に合成及び脱塩したもの)の配列は、表6−2に一覧されている。
ACE−Q SELを構築するために、3つの反応:変更した対象コドンをACE−Q DNA配列中に導入するための2つの変異生成反応、及び、2つのPCR断片を融合させる第3の反応を実行した。この変異生成の方法はコドン特異的変異アプローチに基づくものである。この方法においては、変異させるコドンの配列に対応し、かつ、対象コドンにおけるヌクレオチドのランダムな組み込みを保証する特別に設計されたトリプレットDNA配列NNS((A、C、T又はG)、(A、C、T又はG)、(C又はG))をコードする順方向及び逆方向のオリゴヌクレオチドプライマーを使用して、特定のDNAトリプレットにおいて可能なすべての変異の生成を実行した。表6−2のプライマー名に一覧されている数字は、特定のACE−Qコドン位置(成熟BASEアミノ酸配列の番号付けに基づいたもの)に一致する。SELを構築するために使用した2つのさらなるオリゴヌクレオチドプライマーは、ユニークなBglII制限部位、及び、そのBglII制限部位に隣接するpHPLT DNA配列をコードする。
表6−2
Figure 0005651682
各SELの構築は、2つの一次増幅反応:pHPLT−BglII−FWプライマーと、特定のACE−Q逆方向変異生成プライマーとを使用した第1のPCR;及び、pHPLT−BglII−RVプライマーと、特定のACE−Q順方向変異生成プライマーとを使用した第2のPCRから開始した。成熟ACE−Q配列における変異の導入は、Finnzymes Phusion High-Fidelity DNA ポリメラーゼ(Finnzymes OY社、エスポー、フィンランド)(カタログ番号F-530L)を使用して実行した。すべての反応を製造業者によって供給されているプロトコルに従って実行した。主要な反応に関するPCR条件は以下のとおりであった。
一次PCR1:pHPLT−BglII−FWプライマーと特定のACE−Q逆方向変異生成プライマー、両者とも1μL(10μM)、0.1〜10ナノグラムのDNAテンプレート(pHPLT−ACE−S243Q)、5×Phusion HFバッファ10μL、10mMのdNTP混合液1μL、Phusion DNAポリメラーゼ0.75μL(2単位/μL)、100%DMSO1μL、及び、最終体積が50μLとなる量の脱イオン化及びオートクレーブ滅菌した水。
一次PCR2:pHPLT−BglII−RVプライマーと特定のACE−Q順方向変異生成プライマー、両者とも1μL(10μM)、0.1〜10ナノグラムのDNAテンプレート(pHPLT−ACE−S243Q)、5×Phusion HFバッファ10μL、10mMのdNTP混合液1μL、Phusion DNAポリメラーゼ(2単位/μL)0.75μL、100%DMSO1μL、及び、最終体積が50μLとなる量の脱イオン化及びオートクレーブ滅菌した水。
下記プログラム:98℃で30秒間、30サイクル(98℃で10秒間、55℃で20秒間、72℃で1分間)、及び、72℃で5分間を用いて、PTC−200Peltierサーマルサイクラー(MJ Research社、ウォルサム、マサチューセッツ州)を使用した。各SEL一次増幅反応について、対象のACE−Qコドンの周囲に約30個のヌクレオチド重複を有する約2〜3kbの2つのDNA断片を生産した。2つのDNA断片を融合させるために、プライマーpHPLT−BglII−FWとプライマーpHPLT−BglII−RVとを加える第3の増幅反応に対して、両方の反応から未精製のPCR反応混合液1μLを加えた。増幅した5.2kbの線状DNA断片を精製し(Qiagen(商標)Qiaquick PCR精製キット、カタログ番号28106)、それを、融合断片の両側に付着末端を作成するために、BglII制限酵素を用いて消化した。この制限酵素消化液は、30℃で1時間インキュベートしたときに、35μLの精製された線状DNA断片、4μLのREACT(商標)3バッファ(Invitrogen社、Paisley PA4 9RF、英国)、及び、1μLのBglII、10単位/ml(Invitrogen社、Paisley PA4 9RF、英国)を含んでいた。
ACE−Q SELを作成するために、WO2002/014490に記載されているように、形質転換受容性を有するバチルスサチリス細胞(遺伝子型:ΔaprE、ΔnprE、oppA、ΔspoIIE、degUHy32、ΔamyE::[xylR、pxylA−comK])を形質転換するために、コドンを変異させたpHPLT−ACE−S243Q連結反応混合液を使用した。10mg/mlの硫酸ネオマイシン(Sigma社、カタログ番号N-1876、1mg当たり732μgのネオマイシンを含む)を含むHI寒天プレート(ハートインフュージョン寒天培地)の表面に、この形質転換混合液を被覆させた。各ライブラリについて1個のコロニーを採取し、それを、その後のプラスミドDNA単離及びACE−Q遺伝子変異体のDNA配列分析のために、10mg/mlのネオマイシン選択下においてトリプトン及び大豆ベース培養液体培地中で培養した。BaseClear B.V.(Leiden社、オランダ)によってDNA配列分析を実行した。配列分析データによって、1個のライブラリ当たり最大18個のACE−Q変異体が明らかになった。7個のACE−Q SELにおいて特定されたすべてのACE−Q変異体が表6−3に一覧されている。生化学的特性評価のためのACE−Q変異体酵素サンプルを作成するために、96ウェルのMTPにおいてMBD培地(MOPSをベースとした特定の培地)中で、ACE−Q SELのいくつかの選択的増殖を37℃で68時間にわたって実行した。
表6−3
Figure 0005651682
実施例7
BASE変異体についての性能指数値
この実施例には、BASE及びその変異体の洗浄性能(pH10/32℃、pH10/50℃、pH8/16℃、及び、pH8/32℃におけるCS−28微量サンプル分析)、洗剤安定性、耐熱性、BPNPG7アミラーゼ活性、及び、HPLCタンパク濃度(対象特性の試験)を測定するために実行した試験の結果が記載されている。実施例1の方法を使用してこれらの結果を得た。終始記載されているように、BASE変異体の機能性を性能指数(PI)として定量した。この性能指数は親タンパクに対する変異体の性能の比である。表10−1は、試験した特性についての多数のBASE変異体のPI値を示している。多様なアミノ酸位置に導入した変異が示されている。0.05以下の性能指数を0.05とした。0.05以下のHPLCタンパクPIを有するすべての変異体について、すべての値を0.05とした。また、2つの安定性測定値について、安定性分析における初期活性のPIが0.05以下である場合には、それに関連する安定性PIを0.05とした。表7−1は、組み込み可能な変異を有するBASE変異体の性能指数を与える。本明細書において、この組み込み可能な変異は、少なくとも1つの特性についてPI値≧0.5であり、かつ、すべての特性について0.05>PI値を有する変異体中の変異として定義される。
表7−1
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表3−2には存在するが、表7−1には存在しないBASE SELのその他の821個の変異は、親α−アミラーゼのコンビナトリアル変異体に含ませるのにあまり適していないものである。同様に、配列番号2に対応する位置の天然由来α−アミラーゼの残基であって、821個の組み込み不可能な変異と同一である残基は、性能が低い天然由来α−アミラーゼ中に存在すると考えられ、したがって、変異生成のための候補である。そのため、本明細書の開示は、特性の所望の組み合わせを有する変異体α−アミラーゼを生産するための詳細な製法を提供する。
実施例8
α−アミラーゼ中の制限的位置及び非制限的位置
BASE及びその変異体の洗浄性能(pH10/32℃、pH10/50℃、pH8/16℃、及び、pH8/32℃におけるCS−28微量サンプル分析)、洗剤安定性、耐熱性、BPNPG7アミラーゼ活性、及び、HPLCタンパク濃度(対象特性の試験)を測定するために実行した試験の結果を記載する。実施例1に記載されている方法を使用してこれらの結果を得た。終始記載されているように、BASE変異体の機能性を性能指数(PI)として定量した。性能指数は、親アミラーゼ又は対照アミラーゼに対する変異体の性能の比である。下記様々な用語は、変異を説明するために使用されている。上昇変異はPI>1を有し、中間的変異はPI>0.5を有し、非有害変異はPI>0.05を有し、有害変異はPI≦0.05を有し、組み込み可能な変異は、変異体が少なくとも1つの特性についてPI≧0.5を有し、かつ、すべての特性についてPI>0.05を有するようになる変異である。組み込み可能な変異は、1つ又はそれ以上の所望の特性について適切なPIを有するタンパクを届けるために組み込むことができる変異である。
変異が生じる位置を以下のように分類する。非制限的位置は、少なくとも1つの特性について中間的変異を20%以上にし、制限的位置は、活性及び安定性について中間的変異を20%未満にする。表8−1は、活性及び安定性について20%未満の中間的変異(PI>0.5)が検出された制限的位置を示す。表8−2は、試験した少なくとも1つの特性について20%の中間的変異(PI>0.5)が検知された非制限的位置を示す。上記%は、中間的変異の定義を満たすと評価される変異体のパーセントである。
表8−1
Figure 0005651682
表8−2
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制限的位置は、これらの制限的位置にはあらゆる特性について中間的である置換がほとんど存在しないので、一般に変異させるべきではない。これらの位置を変更しなければならない場合、これらの位置はアミノ酸置換が保存的置換であることを必要とする。例えば、位置58における2つの変異、すなわち、A58G及びA58Tは、組み込み可能であり、また、位置236における2つの変異、すなわち、Y236F及びY236Wは、組み込み可能である。多数の組み込み可能な変異が存在するので、非制限的位置は、コンビナトリアルライブラリを構築する際の使用に最も適した位置である。相同タンパクは同じ構造を共有しており、制限的位置はそのタンパクの構造及び/又は機能にとって重要であるので、制限的位置はすべての相同アミラーゼにおいて制限的である。本明細書の開示において実証されているように、あり得るアミノ酸変異を試験し、それらのタンパク(例えば、α−アミラーゼ)の1個の特性を測定することによってのみ、制限的位置を特定することができる。図1の配列比較表において2つの制限的位置が保存されているが、保存それ自体が、ある位置が制限的であるという指標ではないことに留意されたい。例えば、Q71、K72及びG73は、配列比較表のすべてにおいて保存されているが、3つの位置のすべては、活性、安定性、又は、両方について親より優れたいくつかの変異が存在する。各特性について中間的変異が20%超になる非限定的位置は、一般に、コンビナトリアル変異のための非常によい選択である。α−アミラーゼ中の試験した198個の位置のうち、この条件を満たす115個の位置が存在する。
実施例9
ACE−Qアミラーゼ変異体の洗剤安定性
10%洗剤(業務用洗剤、不活性化されたもの)の存在下における70℃での定められ条件下でのインキュベートの後にACE−Q(ACE−S243Q)アミラーゼ変異体の洗剤安定性を測定し、実施例1に記載されているセラルファ法(BPNPG7)を使用してアミラーゼの初期活性及び残存活性を測定した。アミノ酸残基の番号付けは、BASEα−アミラーゼの番号付けに対応する。下記表9−1中の結果は、ACE α−アミラーゼと比較した各変異体の性能指数(PI)として示されている。
表9−1
PIが0.5以上であるACE−Q変異体の洗剤安定性
Figure 0005651682
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示されている変異体は、SELデータにおいて特定された組み込み可能な変異である。PI≧0.5を有する変異体だけが示されている。安定性と活性との所望の組み合わせを与えるためにこれらの変異を組み込むことができる。
実施例10
ACE−Q変異体の洗浄性能
実施例1に記載されているように、4つの異なる条件、pH8/16℃、pH8/32℃、pH10/32℃及びpH10/50℃の下で、CS28微量サンプルを使用して、ACE−Q(ACE−S243Q)アミラーゼ変異体の洗剤性能を測定した。アミノ酸残基の番号付けは、BASE α−アミラーゼの番号付けに対応する。下記の表10−1〜表10−4の結果は、ACEα−アミラーゼと比較した各変異体の性能指数(PI)として示されている。
表10−1
CS−28、pH8、16℃における洗浄性能についてのPIが0.5以上であるACE−Q変異体(118個)
Figure 0005651682
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表10−2
CS−28、pH8、32℃における洗浄性能についてのPIが0.5であるACE−Q変異体(118個)
Figure 0005651682
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表10−3
CS−28、pH10、32℃における洗浄性能についてのPIが0.5であるACE−Q変異体(87個)
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表10−4
CS−28、pH10、50℃における洗浄性能についてのPIが0.5であるACE−Q変異体(73個)
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実施例11
BASE単一変異変異体の耐熱性
熱不活性化した100%Persil(Henkel)HDL中での精密なT50%試験のために、SELスクリーンから1個の変異を有する23個のBASEの変異体を選択した。業務用洗剤の熱不活性化は、非酵素成分の特性を保持しながら、あらゆる酵素成分の活性を破壊する役目を果たす。SELスクリーンにおいて行われるように、選択は、耐熱性及び10%Persil HDL安定性における向上した性能指数に基づいている。100%Persil HDLにおいてそれぞれのT50%値を有する選択された変異体が表11−1に一覧されている。
表11−1
Figure 0005651682
実施例12
BASEコンビナトリアル変異体の耐熱性
実施例5に記載されているコンビナトリアルライブラリを構築するために、BASE対照アミラーゼの5つの位置(N128C、K178L、T182G、A185D及びS243Q)を選択した。このコンビナトリアルライブラリの可能な32個の変異体(BASE−S1〜BASE−S32)のうち、30個の変異体を、熱不活性化したPersil HDL中における安定性について分析した。それらの変異体、それらの変異体のそれぞれの変異、及び、Persil HDL中で測定したT50%は、野生型(WT)BASE(対照アミラーゼ)、ACE及びACE−S243Qアミラーゼ変異体と比較して、表12−1に一覧されている。
表12−1
Figure 0005651682
この結果は、ACE及びACE−S243QがWT BASEと比較して著しく向上した耐熱性を有していることを示している。さらに、いくつかコンビナトリアル変異体も著しく向上した増加した耐熱性を示した。6個の変異体(BASE−S26、BASE−S20、BASE−S31、BASE−S12、BASE−S27、BASE−S28)は、安定性の上昇が50%を超えた。
実施例13
BASEコンビナトリアル変異体の洗浄性能及び耐熱性
性能を向上させる変異と安定性を向上させる変異とを組み込んで、実施例5に記載されているように13個のコンビナトリアルBASE変異体を構築した。表13−1に示されているように、2つの異なる条件(pH8、16℃及びpH8、32℃)下におけるCS28微量サンプルに対する洗浄性能(PI又は性能指数)、並びに、MOPSバッファ中における耐熱性及び100%Persil HDL中における耐熱性(T50%)について、α−アミラーゼ変異体BASE−W1〜BASE−W13を分析した。
表13−1
Figure 0005651682
*BASE−W10変異体はF202Y置換をさらに含む。
これらの結果は、いくつかコンビナトリアル変異体がWT BASEと比較して著しく向上した洗浄性能及び洗剤安定性を示すことを示している。3個の変異体、BASE−W9、BASE−W10及びBASE−W11は、低温洗浄において3倍超の向上を示し、同時に1.75倍超の向上した洗剤安定性を示す。
実施例14
BASE変異体W9、W10、W11及びACE−QKの洗浄性能
BASE変異体W9、W10及びW11及びACE−QKの洗剤性能を洗濯用洗剤用途において試験した。地元のスーパーマーケットから購入して熱不活性化したアリエール(Ariel)洗剤(Proctor and Gamble社)を使用して、ラウンダ−o−メータ試験において、綿表面のCFT CS-28コメデンプン(Center for Testmaterials BV社、Vlaardingen、オランダ)、及び、綿表面のEMPA161デンプン(Test materials AG社、St. Gallen、スイス)に対する汚れ除去を測定した。アリエール洗剤をBrother社の高速電子レンジにおいて90℃〜100℃で8分間不活性化した。この洗剤を50℃未満に冷まし、次に、電子レンジにおいて7分間再び加熱した。このステップを1回繰り返した。
処理の前後に、三刺激値ミノルタメータCR-400を使用した光反射率によってEMPAサンプルを測定した。CIE-LAB色空間によって定義されているように、L値、a値、b値の差を全色差(dE)に変換した。汚れの洗浄は、洗浄の前と後の色差の比を取得し、それを、汚していない布に対する未洗浄汚染(洗浄前)の差と比較することによって得られるパーセントによる汚れ除去指数(%SRI)として表される。
ラウンダ−o−メータにおいて30℃で洗浄処理を実施した。洗浄時間は、45分間(30℃に到達するまでの15分間、及び、30℃で30分間)と、冷たい水道水による5分間のすすぎ時間であった。水の硬度を8.5°GHに調節し、熱不活性化したアリエールを4.5ml/Lで使用した。汚れの投入は、1個のビーカー当たり各2個のEMPA161及び2個のCFT CS−28サンプルと、6個のスチールボールとからなるものであった。洗浄処理の後に、すべてのサンプルを遠心力で脱水し、空気乾燥し、上記光反射率を測定した。対照は、ベンチマーク商用酵素からなるものであった。これらの結果を図5に示す。
約0.05ppm〜約0.5ppmの量でのBASE変異体の存在は、一般に、コントロールと比較して性能を向上させた。BASE変異体の相対的性能は、W10>W11>W9>ACE−Qであった。
実施例15
BASE変異体X8C、W10EK及びACE−QKの洗浄性能
洗濯用洗剤の用途において、Terg−o−tometerを使用して、さらなるBASE変異体BASE−X8C(すなわち、W11−T131I−T165I)、BASE−W10EK(すなわち、BASE−N128C−K178L−T182G−S243E−Y305R−D319T−G475K)、及び、ACE−S243Q−G475K(すなわち、ACE−QK)の洗浄性能を試験した。16℃において性能評価を実施した。汚れの投入量は、1Lの脱イオン水で満たしたTerg−o−tometerのビーカー当たり、各2個のCS-28コメデンプン(Center for Testmaterials BV、Vlaardingen、オランダ)、各2個のAS−10色素オイルミルク(オランダのCFT)、各2個のEMPA161トウモロコシデンプン、各2個のEMPA160チョコレートクリーム、及び、各2個のEMPA163ポリッジ(EMPA Testmaterials AG社、St. Gallen、スイス)サンプルからなっていた。水の硬度を1ガロン当たり6グレインに調節し、熱不活性化したグレインバリュー(Great Value)(Walmart社)洗剤を1.0ml/Lで使用した。洗浄時間は15分であった。洗浄処理の後にすべてのサンプルを遠心脱水して空気乾燥した。
D65(6500°K)標準光源にセットしたミノルタ反射測定色度メータモデルCR-410(コニカミノルタ社)を使用し、処理の前後におけるそれぞれの汚れを光反射率によって測定した。CIE-LAB色空間によって定義されているように、L値、a値、b値の差を全色差(dE)に変換した。汚れの洗浄は、洗浄前後の色差の比を取得することによって、汚れ除去指数(SRI)として表されている。EMPA160サンプルの洗浄についての結果は図6に示されている。試験したすべてのBASE変異体は、対照と比較して効果的な洗浄を示した。
実施例16
BASE変異体とサブチリシンプロテアーゼとの間の洗濯利用における相乗作用
原寸大の洗濯用途において、チョコレートクリームで汚したEMPA160サンプル、及び、ポリッジで汚したEMPA163サンプルを用いて、汚れ除去に関するBASEとサブチリシンプロテアーゼ(バチルスアミロイケファシエンスサブチリシンBPN'-Y217L; BPNのSwissprot Accession Number P00782)との間の相乗作用を測定した。pH8.0の5mM HEPES(Sigma、H4034)、及び、熱不活性化したTIDE(商標)2×冷水洗剤(Proctor & Gamble社、Cincinnati、オハイオ州)の中で、EMPA160サンプル及びEMPA163サンプルからの汚れ除去を試験した。業務用洗剤の熱不活性化は、非酵素成分の特性を保持しながら、酵素成分の活性を破壊する役目を果たす。予め重さを測った(ガラスボトル中の)液体洗剤を95℃の水槽中に2時間にわたって置くことによって熱不活性化を実行した。地元のスーパーマーケットから洗剤を購入した。不活性化されたパーセンテージを正確に測定するために、洗剤の溶解から5分以内に、加熱していない洗剤及び加熱した洗剤の両方を分析した。AAPF分析及びセラルファ分析によって酵素活性を測定した。
D65(6500°K)標準光源にセットしたミノルタ反射率計CR−410を使用して、処理の前と後にEMPAサンプルを光反射率によって測定した。CIE-LAB色空間によって定義されているように、L値、a値、b値の差を全色差(dE)に変換した。汚れの洗浄は、洗浄前後の色差の比を取得し、それを、汚していない生地に対する未洗浄の汚れ(洗浄前)の差と比較することによって、汚れ除去指数(SRI)として表される。Kenmore洗濯機において44Lで洗浄処理を実施した。「コールド・オート・テンパラチャ(Cold Auto Temperature)」設定を使用して洗濯機に水を満たし、15000gpgの水硬度原液(Ca:Mg=3:1)を使用して水の硬度を6gpgに調節した。不活性化したTIDE(商標)冷水用洗剤(43.12g)を加え、温度を32℃に調節した。0.6ppmの最終濃度でサブチリシンプロテアーゼを加え、0.1ppm.の最終濃度でACEアミラーゼを加えた。洗浄条件当たり4個のサンプルを使用し、漂白した綿両面編みニット生地をバラストとして加えることによって全生地投入量を40g/Lとした。洗剤条件は、通常サイクル(15.5分)及びその後のすすぎ(3分)、89.6°F/32℃の洗浄/すすぎ温度、速いかき混ぜ(fast agitation)及び速い回転(fast spin)であった。洗浄の後に、サンプルを低熱で機械乾燥し、さらに、上述されているように光反射率によって測定した。
図7Aに示されているように、ACE α−アミラーゼとBPN′Y217Lサブチリシンプロテアーゼとは、洗濯に利用したときに相乗的な洗浄効果を発揮した。ACE−S243Q−G475K(ACE−QK)α−アミラーゼとサブチリシンプロテアーゼ(バチルス・アミロリケファシエンス・サブチリシンBPN′Y217L変異体)とを用いて洗濯利用における同様の相乗効果試験を実施した。図7Bに示されているように、ACE−S243Q−G475K(ACE−QK)α−アミラーゼとBPN′Y217Lサブチリシンプロテアーゼとは、洗濯用途において相乗的な洗浄効果を発揮した。このことは、洗濯用途におけるより優れた洗浄のためにBASE変異体とプロテアーゼとを併用することができることを示唆している。
実施例17
BASE変異体及びサブチリシンプロテアーゼの用量効果
Terg−o−tometerを使用して、選択した濃度のACE−S243Q及びサブチリシンプロテアーゼ(バチルス・アミロリケファシエンス・サブチリシンBPN′Y217L;BPN' Swissprot Accession Number P00782)の用量効果曲線を作成した。20℃及び40℃の両方において性能評価を実施した。1Lの脱イオン水と、1.0gの市販品WISK(商標)(Sun Products社、米国で購入)洗濯用洗剤又は4.5gのOMOTM(Unilever社、デンマークで購入)洗濯用洗剤とで満たしたTerg−o−tometerのスチール容器中に、通常、CS−28コメデンプン(Center for Testmaterials BV、Vlaardingen、オランダ)、AS−10色素オイルミルク(オランダのCFT)、EMPA161トウモロコシデンプン、EMPA160チョコレートクリーム、及び、EMPAポリッジ(EMPA Testmaterials AG、St. Gallen、スイス)のサンプル各2個を入れた。2回の重複測定を同時に実行した。別段の定めがない限り、試験を12分間行い、サンプルを3分間すすいだ。洗浄の後にサンプルを空気乾燥した。
D65(6500°K)標準光源にセットしたミノルタ反射率計色度メータ・モデルCR−410(コニカミノルタ社)を使用して、処理の前後にそれぞれの汚れを光反射率によって測定した。CIE-LAB色空間によって定義されているように、L値、a値、b値の差を全色差(dE)に変換した。汚れの洗浄は、洗浄前後の色差の比を取得することによって、汚れ除去指数(SRI)として表されている。
表17−1に示されている結果は、BASE変異体とプロテアーゼとの組み合わせが、いくつかの工業用洗浄汚れに対して著しい洗浄的効用を生じることを実証している。これらのデータは、BASE変異体をプロテアーゼと組み合わせて使用することによって、固有の洗浄的効用が得られることを実証している。
表17−1
プロテアーゼと併用したACE−S243Qの洗浄性能
Figure 0005651682
Figure 0005651682
Figure 0005651682
さらなるBASE変異体[すなわち、BASE−X8C(すなわち、W11−T131I−T165I)、BASE W10EK(すなわち、BASE−N128C−K178L−T182G−S243E−Y305R−D319T−G475K)及びACE−S243Q−G475K(すなわち、ACE−QK)と、BPN′Y217Lサブチリシンプロテアーゼとの組み合わせにおける洗濯用途における相乗効果を、上述されているように、EMPA160及びEMPA163サンプルを用いてさらに試験した。それらの結果を図8(BASE−X8C)、図9(BASE W10EK)及び図10(ACE−QK)に示す。これらのデータは、BASE変異体をプロテアーゼと組み合わせて使用することによって、固有の洗浄的効用が得られることを実証している。
明細書で言及されている特許及び刊行物のすべては、その開示が属する分野の当業者のレベルを示している。当業者は、対象を実行し、言及されている結果と長所及び固有のものとを得るために、本開示が適切に適合されることを容易に認識する。本明細書に記載されている組成物及び方法は、好ましい実施形態の代表であって、典型的なものであり、本開示の範囲に対する限定として意図されるものではない。本明細書に開示されている内容にその開示の範囲及び精神から外れることなく様々な置換及び修正を加えてもよいことは、当業者に明らかである。
本明細書において説明的に適切に記載されている開示は、本明細書に明示的に開示されていないあらゆる要素又は限定の1つ又は複数が存在しない状態で実施されてもよい。使用されている用語及び表現は、説明の用語として使用されており、限定の用語ではなく、また、そのような用語及び表現の使用においては、示されている特徴及び記載されている特徴又はそれらの一部分のあらゆる均等物を除外する意図は存在しないが、特許請求の範囲の開示の範囲内で様々な修正があり得ることが認識されている。従って、本明細書の開示は好ましい実施形態及び選択的特徴によって具体的に開示されているものの、修正及び変形が本明細書に定義されている開示の範囲内であると考えられるように、当業者が本明細書に開示されている概念の修正及び変形を用いることができることは理解されるに違いない。
本明細書の開示は広くかつ一般的に記載されている。総称的開示に含まれるより狭い属種及び亜属種のグループのそれぞれも本明細書の開示の一部を形成する。これには、除外される材料が本明細書に具体的に列挙されているか否かに関わらず、属から任意の主題を除外する条件又は否定的限定を伴う開示の総括的記載が含まれる。

Claims (28)

  1. 単離されたα−アミラーゼ変異体であって、
    前記変異体は、アミラーゼ活性を有するα−アミラーゼの成熟形態であり、かつ、1、2、3、4、5、7、15、16、17、18、19、22、25、26、28、29、30、32、35、36、37、50、51、52、53、54、55、56、59、60、70、71、72、73、75、78、83、87、90、91、93、94、95、104、105、107、108、110、112、113、116、118、125、126、128、129、130、131、134、136、138、142、144、147、149、150、152、154、156、158、160、161、162、165、166、168、169、170、172、174、177、178、182、183、185、189、192、195、197、201、202、203、207、210、214、217、221、228、234、236、237、246、250、254、255、257、264、267、269、270、272、275、279、283、284、298、301、303、305、306、310、311、314、318、319、320、322、323、336、337、338、339、340、344、359、374、375、376、377、379、381、382、393、394、399、401、407、408、419、433、436、438、444、447、448、451、453、459、465、470、475、476、483、及び、484からなる群より選択される1つ又はそれ以上の位置における置換を含み、
    前記単離されたα−アミラーゼ変異体は、位置243に置換をさらに含み、
    前記位置は、配列番号2に記載されているアミノ酸配列中のアミノ酸残基に対応するものであり、
    前記α−アミラーゼ変異体は、配列番号2に記載されているアミノ酸配列と少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、
    異なるアミノ酸残基による1つ又はそれ以上の位置における天然由来アミノ酸残基の前記置換は、安定性の尺度について1.4以上の性能指数を有し、かつ、活性の尺度について1.0を超える性能指数を有するα−アミラーゼ変異体を生じさせることを特徴とする単離されたα−アミラーゼ変異体。
  2. 請求項1に記載の単離されたα−アミラーゼ変異体であって、
    前記変異体は、2、7、22、25、28、30、37、70、75、83、87、91、93、108、128、160、165、178、182、183、217、269、270、279、283、298、305、306、310、320、374、375、376、407、419、475、及び、476からなる群より選択される1つ又はそれ以上の位置における置換を含み、
    異なるアミノ酸残基による天然由来アミノ酸残基の前記置換は、安定性の尺度について1.5を超える性能指数を有し、かつ、活性の尺度について1.0を超える性能指数を有するα−アミラーゼ変異体を生じさせることを特徴とする単離されたα−アミラーゼ変異体。
  3. 請求項1に記載の単離されたα−アミラーゼ変異体であって、
    83、125、128、131、160、178、182、183、185、189、279、305、319、320、379、407、433、453、475、476、及び、483からなる群より選択される1つ又はそれ以上の位置における置換を含むことを特徴とする単離されたα−アミラーゼ変異体。
  4. 請求項1に記載の単離されたα−アミラーゼ変異体であって、
    前記変異体は、83、125、128、131、160、178、182、183、185、189、279、305、319、320、379、407、433、453、475、476、及び、483からなる群より選択される1つ又はそれ以上の位置における置換を含み、
    前記位置は、配列番号2に記載されているアミノ酸配列中のアミノ酸残基に対応するものであり、
    前記置換は、向上した洗浄性能、向上した洗剤安定性、向上した耐熱性、及び、向上したタンパク発現からなる群より選択される少なくとも1つの有益な効果を与えることを特徴とする単離されたα−アミラーゼ変異体。
  5. 請求項1に記載の単離されたα−アミラーゼ変異体であって、
    前記変異体は、アミラーゼ活性を有するα−アミラーゼの成熟形態であり、かつ、5、32、83、95、154、214、221、228、322、401、407、419、444、447、459、470、483、及び、484からなる群より選択される1つ又はそれ以上の位置における置換を含み、
    前記位置は、配列番号2に記載されているアミノ酸配列中のアミノ酸残基に対応するものであり、
    異なるアミノ酸残基による天然由来アミノ酸残基の前記置換は、pH8における活性、pH10における活性、16℃における活性、及び、32℃における活性について0.5以上の性能指数値と、洗剤中の安定性及び耐熱性について0.5以上の性能指数値とを有するα−アミラーゼ変異体を生じさせることを特徴とする単離されたα−アミラーゼ変異体。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載の単離されたα−アミラーゼ変異体であって、
    前記異なるアミノ酸残基は、前記異なるアミノ酸残基が天然由来アミノ酸残基とは異なるという条件で、A、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、及び、Yからなる群より選択されることを特徴とする単離されたα−アミラーゼ変異体。
  7. 請求項1〜のいずれか1項に記載の単離されたα−アミラーゼ変異体であって、
    配列番号2に記載されているアミノ酸配列に対応する位置180及び/又は位置181に欠失を含むことを特徴とする単離されたα−アミラーゼ変異体。
  8. 請求項1〜のいずれか1項に記載の単離されたα−アミラーゼ変異体であって、
    前記変異体は、配列番号2に記載されているアミノ酸配列に対応する位置128、178、182、185及び189からなる群より選択される1つ又はそれ以上の位置における置換を含み、
    前記置換によって向上した洗浄性能又は向上した洗剤安定性が与えられたものであることを特徴とする単離されたα−アミラーゼ変異体。
  9. 請求項1に記載のα−アミラーゼ変異体であって、
    前記α−アミラーゼ変異体は、
    (a)位置125のアラニン、位置128のシステイン、位置131のイソロイシン、位置165のイソロイシン、位置178のロイシン、位置182のグリシン、位置202のチロシン、位置305のアルギニン、位置319のトレオニン、若しくは、位置475のアルギニン、
    (b)置換N128C+K178L+T182G+Y305R+G475Kと、S125A、T131I、T165I、F202Y、及び、D319Tからなる群より選択される少なくとも1つのさらなる置換、又は、
    (c)置換N128C+K178L+T182G+F202Y+Y305R+D319T+G475K、置換S125A+N128C+K178L+T182G+Y305R+G475K、又は、置換S125A+N128C+T131I+T165I+K178L+T182G+Y305R+G475Kを含み、
    前記変異体は、位置180及び/若しくは位置181の欠失を選択的にさらに含み、
    前記位置は、配列番号2に記載されているアミノ酸配列に対応することを特徴とする単離されたα−アミラーゼ変異体。
  10. 請求項1に記載のα−アミラーゼ変異体であって、
    位置475の置換を含むことを特徴とする単離されたα−アミラーゼ変異体。
  11. 請求項10に記載のα−アミラーゼ変異体であって、
    前記α−アミラーゼ変異体は位置475のアルギニンを含むことを特徴とする単離されたα−アミラーゼ変異体。
  12. 請求項10又は11に記載のα−アミラーゼ変異体であって、
    位置180及び/又は位置181の欠失をさらに含むことを特徴とする単離されたα−アミラーゼ変異体。
  13. 請求項1〜12のいずれかのα−アミラーゼ変異体をコードすることを特徴とする単離された核酸。
  14. プロモータとの作用可能な組み合わせで請求項13に記載の単離された核酸を含むことを特徴とする発現ベクター。
  15. 請求項14に記載の発現ベクターを含むことを特徴とする宿主細胞。
  16. 請求項1〜12のいずれかに記載のα−アミラーゼ変異体を含むことを特徴とする洗浄組成物。
  17. 請求項16に記載の洗浄組成物であって、
    プロテアーゼ、リパーゼ、クチナーゼ、カルボヒドラーゼ、セルラーゼ、ペクチナーゼ、マンナナーゼ、アラビナーゼ、ガラクタナーゼ、キシラナーゼ、オキシダーゼ、ペルヒドロラーゼ、ペクチン酸リアーゼ、及び、ペルオキシダーゼからなる群より選択される少なくとも1つのさらなる酵素をさらに含むことを特徴とする洗浄組成物。
  18. 請求項17に記載の洗浄組成物であって、
    前記少なくとも1つのさらなる酵素がプロテアーゼであることを特徴とする洗浄組成物。
  19. 請求項18に記載の洗浄組成物であって、
    前記少なくとも1つのさらなる酵素がサブチリシンであることを特徴とする洗浄組成物。
  20. 請求項19に記載の洗浄組成物であって、
    前記少なくとも1つのさらなる酵素がサブチリシンBPN′又はその変異体であることを特徴とする洗浄組成物。
  21. 請求項20に記載の洗浄組成物であって、
    前記少なくとも1つのさらなる酵素がサブチリシンBPN′Y217L又はその変異体であることを特徴とする洗浄組成物。
  22. 布又は硬表面を洗浄する方法であって、
    布又は硬表面を請求項16に記載の洗浄組成物に接触させることを含むことを特徴とする方法。
  23. 請求項22に記載の方法であって、
    前記洗浄組成物が少なくとも1つの界面活性剤をさらに含むことを特徴とする方法。
  24. 請求項22又は23に記載の方法であって、
    前記洗浄組成物が、プロテアーゼ、リパーゼ、クチナーゼ、カルボヒドラーゼ、セルラーゼ、ペクチナーゼ、マンナナーゼ、アラビナーゼ、ガラクタナーゼ、キシラナーゼ、オキシダーゼ、ペルヒドロラーゼ、ペクチン酸リアーゼ、及び、ペルオキシダーゼからなる群より選択される少なくとも1つのさらなる酵素をさらに含むことを特徴とする方法。
  25. 請求項24に記載の方法であって、
    前記少なくとも1つのさらなる酵素がプロテアーゼであることを特徴とする方法。
  26. 請求項25に記載の方法であって、
    前記少なくとも1つのさらなる酵素がサブチリシンであることを特徴とする方法。
  27. 請求項26に記載の方法であって、
    前記少なくとも1つのさらなる酵素がBPN′Y217Lサブチリシンであることを特徴とする方法。
  28. 請求項27に記載の方法であって、
    前記α−アミラーゼ変異体が、
    置換N128C+K178L+T182G+F202Y+S243Q+Y305R+D319T+G475K、
    置換S125A+N128C+K178L+T182G+S243Q+Y305R+G475K、又は、
    置換S125A+N128C+T131I+T165I+K178L+T182G+S243Q+Y305R+G475Kを含むことを特徴とする方法。
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