JP2017132901A - 洗濯前処理剤及び洗濯方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】布製品における特定の部分に対する、水洗による洗濯時の消臭効果を向上させることが可能な、洗濯前処理剤と洗濯方法を提供する。【解決手段】洗濯前処理剤は、水洗による洗濯の対象となる布製品における特定の部分に付着される。洗濯前処理剤は、消臭成分を含む。消臭成分は、布製品に付着した人の身体部分からの特定の臭気成分に対して消臭効果を有する。洗濯方法では、洗濯用洗剤が溶解した水によって布製品が水洗される。洗濯方法は、第一工程と第二工程を含む。第一工程では、洗濯前処理剤が、人の身体部分からの特定の臭気成分が付着した布製品の特定の部分に付着される。第二工程では、特定の部分に洗濯前処理剤を付着させた布製品が水洗される。【選択図】なし

Description

本発明は、水洗による洗濯の対象となる布製品における特定の部分に付着される洗濯前処理剤と、洗濯用洗剤が溶解した水によって布製品を水洗する洗濯方法に関する。
消臭に関する技術が提案されている。例えば、特許文献1には、発泡性洗浄剤が開示されている。発泡性洗浄剤は、汚染された衣類や寝具を覆う程の泡を発生させることができる。発泡性洗浄剤には、消臭剤と洗濯用洗浄剤が配合され、消臭剤と洗濯用洗浄剤は、噴霧された後、衣類等に染み込む。特許文献1では、放置する時間に汚染された部分に洗剤成分が染み込むことにより、洗剤に着け置きされた状態になり、汚れが落ち易くなる効果がある、とされている。泡で覆われた汚染衣類等は、そのまま洗濯機に投入され、洗濯される。洗濯後も消臭剤の一部を残存させることにより、衣類等を着用・使用時にも消臭効果を持続させることもできる。特許文献1では、消臭剤の成分としては、植物油や両性界面活性剤、植物エキス等、消泡し難い成分が好ましい、とされ、ベタイン化合物や緑茶抽出物、針葉樹抽出物、デキストリン系化合物、2価鉄塩化合物、大豆油誘導体、ヒノキ抽出物が例示されている。特許文献1では、洗浄剤中の消臭剤の含有量は、0.01重量%〜20重量%(固形分換算)が好ましい、とされている。特許文献1では、洗濯用洗浄剤成分としては、石鹸やノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤等が好ましい、とされている。
特開2006−328253号公報
個人の清潔志向の高まりと共に、自身の体臭を気にする者が多くなっている。例えば、体臭は、家庭内若しくは学校等の家庭外の複数人が集合する環境下において、他人に配慮すべき重要な要素になっている。体臭が発生する身体部分は、個人によって異なる。例えば、足指における体臭を気にする者もいれば、上半身又は腋の下における体臭を気にする者もいる。体臭の原因となる臭気成分は、身体部分によって異なる。発明者は、体臭の原因となる臭気は、複数の臭気成分が組み合わされた組成物である場合もあり、複数の臭気成分の混合割合は、個人によって異なっていることを、経験的に知っている。
現在、消臭成分を含む洗濯洗剤が、開発され販売されている。このような洗濯洗剤は、コンパクト型の洗濯洗剤と称され、市場に流通する洗濯洗剤の主流となっている。コンパクト型の洗濯洗剤では、界面活性剤を高濃度で配合する必要がある。公知のコンパクト型の洗濯洗剤における界面活性剤の含有率(配合率)は、少なくとも20質量%以上とされている。公知のコンパクト型の洗濯洗剤の中には、界面活性剤の含有率が、60質量%以上とされた洗濯洗剤もある。従って、コンパクト型の洗濯洗剤における消臭成分の含有率は、界面活性剤及び洗濯洗剤に含まれるその他の成分との関係を考慮した上で、その上限が決定される。
所定期間着用した布製品を洗濯する場合、コンパクト型の洗濯洗剤は、30Lの水に対して、10mL〜30mL程度使用される。例えば、30Lの水に30mLの洗濯洗剤を溶解させた水溶液における洗濯洗剤の濃度は、洗濯洗剤の比重を1と仮定した場合(洗濯洗剤30mL=0.03kg)、0.1%(0.03(kg)/30.03(kg)×100)となる。従って、仮に、洗濯洗剤が全て消臭成分によって組成されていたとしても、洗濯洗剤が溶解した水溶液における消臭成分の濃度は、極僅か(0.1%以下)となる。例えば、洗濯洗剤における消臭成分の含有率が1質量%であった場合、洗濯洗剤が溶解した水溶液における消臭成分の濃度は、約0.001%(0.0003(kg)/30.03(kg)×100)である。仮に、洗濯洗剤における消臭成分の含有率が10質量%であった場合、洗濯洗剤が溶解した水溶液における消臭成分の濃度は、約0.01%(0.003(kg)/30.03(kg)×100)である。なお、洗濯洗剤の使用量を30mLより少なくした場合、洗濯洗剤が溶解した水溶液における消臭成分の濃度は、前述した値より小さくなる。
発明者は、一般的なコンパクト型の洗濯洗剤を用いた水洗による洗濯では、十分な消臭効果を得ることができないことがあると考えた。即ち、発明者は、十分な消臭成分を用いた洗濯が可能でない場合、布製品に付着した臭気成分の除去は、本質的には消臭を目的としていない、次のような作用に頼ることになる、と考えた。発明者が考えた前述の作用は、油脂溶解能力を有する界面活性剤の働きと、水による溶解力及び加水分解能力と、洗濯機のドラム内で起こる布製品の擦過作用及び打撃作用である。その結果、発明者は、乾燥時又は収納後に臭気成分が布製品に残ることがあると考えた。更に、発明者は、臭気成分が残留した状態の布製品を使用した場合、布製品の温度が体温によって上昇することで、布製品から臭気が発するような事態が起こり得ると考えた。
本発明は、布製品における特定の部分に対する、水洗による洗濯時の消臭効果を向上させることが可能な、洗濯前処理剤と洗濯方法を提供することを目的とする。
本発明の一側面は、水洗による洗濯の対象となる布製品における特定の部分に付着される洗濯前処理剤であって、前記布製品に付着した人の身体部分からの特定の臭気成分に対して消臭効果を有する消臭成分を含む、洗濯前処理剤である。この場合、洗濯前処理剤は、前記消臭成分として、α−シクロデキストリン、メチル化シクロデキストリン、柿タンニン、ヒノキの植物精油、エタノールアミン、ベタイン系両性界面活性剤、及びポリアミン系界面活性剤のうちの2種以上を含む、ようにしてもよい。更に、洗濯前処理剤は、前記消臭成分として、α−シクロデキストリン、メチル化シクロデキストリン、柿タンニン、ヒノキの植物精油、エタノールアミン、及びポリアミン系界面活性剤のうちの1種以上と、ベタイン系両性界面活性剤と、を含む、ようにしてもよい。
このような洗濯前処理剤によれば、布製品の特定の部分に付着した特定の臭気を直に除去することができる。
洗濯前処理剤は、前記消臭成分として、ヒノキの植物精油と、ベタイン系両性界面活性剤と、を含む、ようにしてもよい。この構成によれば、例えば、10代後半から20代の健康な男女が発する汗臭を除去することができる。この他、人の足指から発せられる特有の臭いを除去することができる。
洗濯前処理剤は、前記消臭成分として、更に、柿タンニンを含む、ようにしてもよい。この構成によれば、例えば、スパイシー臭と称される腋臭に似た臭気を除去することができる。
洗濯前処理剤は、前記消臭成分として、更に、α−シクロデキストリンと、ポリアミン系界面活性剤と、を含む、ようにしてもよい。この構成によれば、例えば、30代の男性が発する世代臭と40代の男女が発する加齢臭を除去することができる。
洗濯前処理剤は、前記消臭成分として、柿タンニンと、エタノールアミンと、ベタイン系両性界面活性剤と、を含む、ようにしてもよい。この構成によれば、例えば、硫黄臭や腐敗臭が強い腋臭を除去することができる。
洗濯前処理剤は、前記消臭成分として、更に、メチル化シクロデキストリンを含む、ようにしてもよい。この構成によれば、例えば、腐敗臭、硫黄臭、スパイシー臭及び脂肪酸臭を伴う複合的な腋臭を除去することができる。
本発明の他の側面は、洗濯用洗剤が溶解した水によって布製品を水洗する洗濯方法であって、上記何れか1つの洗濯前処理剤を、人の身体部分からの特定の臭気成分が付着した前記布製品の特定の部分に付着させる第一工程と、前記特定の部分に前記洗濯前処理剤を付着させた前記布製品を、前記水によって水洗する第二工程と、を含む、洗濯方法である。この洗濯方法によれば、布製品の特定の部分に付着した特定の臭気を直に除去することができる。第二工程によって、消臭成分と関わり合った臭気成分を、布製品から洗い流すことができる。
本発明によれば、布製品における特定の部分に対する、水洗による洗濯時の消臭効果を向上させることが可能な、洗濯前処理剤と洗濯方法を得ることができる。
(A)は、6段階臭気強度表示法による評価基準を示す図である。(B)は、9段階快不快度表示法の評価基準を示す図である。
本発明を実施するための実施形態について、図面を用いて説明する。本発明は、以下に記載の構成に限定されるものではなく、同一の技術的思想において種々の構成を採用することができる。例えば、以下に示す構成の一部は、省略し又は他の構成等に置換してもよい。他の構成を含むようにしてもよい。
<洗濯前処理剤>
洗濯前処理剤について説明する。洗濯前処理剤は、消臭成分を含む。実施形態では、洗濯前処理剤は、消臭成分が溶解した溶液である。洗濯前処理剤は、洗濯の対象となる布製品における特定の部分に対して付着される。消臭成分は、布製品に付着した人の身体部分からの特定の臭気成分に対して消臭効果を有する、所定の物質である。洗濯前処理剤は、2種以上の消臭成分を含む。臭気成分は、体臭の原因となる原因物質である。体臭は、複数の臭気成分が組み合わされた組成物が原因となることもある。臭気成分は、人が布製品を使用することで特定部分に付着する。消臭成分及び臭気成分に関するこの他の説明は、後述する。
洗濯前処理剤を用いる洗濯は、水洗による洗濯である。洗濯前処理剤は、水洗前の濡れていない状態の布製品の特定の部分に付着される。布製品としては、人が着用する衣服が例示される。この他、布製品としては、人の身体部分に触れた状態で使用される布製の製品が例示される。身体部分に触れた状態で使用される布製の製品としては、枕カバーと、洗顔後若しくは入浴後に肌に付着した水分を拭き取るタオルが例示される。実施形態では、洗濯前処理剤を付着させる布製品の特定の部分を、「特定部分」という。
特定部分は、人の身体部分から発生する臭気成分が付着する部分である。布製品がシャツ類である場合、特定部分としては、シャツ類の、腋の部分、襟の部分、胸の部分及び背中の部分が例示される。布製品が靴下である場合、特定部分としては、靴下の先端(爪先)の部分が例示される。布製品が枕カバーである場合、特定部分としては、頭部が載せ置かれる枕カバーの部分が例示される。
<洗濯方法>
洗濯方法について説明する。洗濯方法は、洗濯用洗剤が溶解した水によって布製品を水洗する方法である。洗濯方法は、第一工程と、第二工程を含む。第一工程は、特定部分に洗濯前処理剤を付着させる工程である。第一工程では、洗濯前処理剤は、所定の方法で特定部分に付着される。例えば、洗濯前処理剤は、特定部分に塗布又は噴霧される。所定の容器に貯留された洗濯前処理剤を、特定部分に直接垂すようにしてもよい。
第二工程は、特定部分に洗濯前処理剤を付着させた布製品を、水によって水洗する工程である。第二工程では、例えば、洗濯機が用いられる。布製品は、洗濯機のドラム内に収容される。洗濯の対象物が他にある場合、その対象物も、ドラム内に収容される。洗濯機のドラムには、衣類と共に洗濯洗剤が投入される。洗濯洗剤は、洗濯機内の水に溶解する。第二工程は、一般家庭で実施されている洗濯機を用いた公知の工程である。従って、第二工程に関するこの他の説明は、省略する。第二工程の終了に伴い、洗濯方法は、終了する。洗濯方法の終了後、布製品は、実施形態の洗濯前処理剤を用いない従来の洗濯と同様、脱水され、乾燥される。その後、布製品は、例えば、所定のケース又はタンス等に収納される。
<実施例>
発明者は、洗濯前処理剤を完成させるに当たり、各種の検討を行った。そこで、発明者が行った検討について説明する。
<臭気成分>
発明者は、体臭の原因について検討し、次の物質を臭気成分として特定した。即ち、発明者は、臭気成分として、酢酸、乳酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、2−ノネナール、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ジアセチル、アンモニア、トリメチルアミン、硫化水素、ジメチルスルフィド、メチルメルカプタン及び3−ヒドロキシ−3−メチルヘキサン酸を特定した。
次に、発明者は、上記の臭気成分を、例えば、組成、性質、体臭が発生する身体部分、年齢、臭気のタイプによって、次のグループA〜Jに分類した。
グループA:酢酸、乳酸、プロピオン酸
グループB:酪酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、カプロン酸
グループC:エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸
グループD:2−ノネナール
グループE:アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド
グループF:ジアセチル
グループG:アンモニア
グループH:トリメチルアミン
グループI:硫化水素、ジメチルスルフィド、メチルメルカプタン
グループJ:3−ヒドロキシ−3−メチルヘキサン酸
グループAは、炭素数が2〜3のカルボン酸のグループである。グループAに属する物質は、酸っぱさのある刺激的な臭気であり、水に容易に溶けるという共通の特徴を有する。
グループBは、炭素数が4〜6のカルボン酸のグループである。グループAに属する物質は、動物臭、銀杏臭又は乳製品臭等と表現される強烈な臭気を放ち、水に少し溶けるという共通の特徴を有する。
グループCは、炭素数7〜10のカルボン酸グループである。グループCに属する物質は、重苦しい油臭さのある臭気であり、水に殆ど溶けないという共通の特徴を有する。
グループDの2−ノネナールは、加齢臭の原因であると考えられ、カメムシ様の強い悪臭を持つ。
グループEは、2−ノネナール以外のアルデヒド類である。グループEに属する物質は、一様に刺激感を伴う甘酸っぱい油臭さ、焦げ臭さを持ち、生活習慣等の一定の条件を満たした場合に体臭として検知され易くなる。
グループFのジアセチルは、30代男性特有の世代臭の原因と考えられ、高濃度ではビタミン剤様の臭気、低濃度ではヨーグルトのホエー様の乳製品臭を放つ。
グループGのアンモニアは、独特の刺激臭を有し、揮発及び加水分解し易く、希薄な状態では検知され難い、各種の体臭の原因となっていると考えられる。
グループHのトリメチルアミンは、独特の生臭さ、魚の腐敗臭を放つ。トリメチルアミンは、疾病又は生活習慣等の一定の条件を満たす場合に体臭として感知されることが多い物質である。
グループIは、硫化化合物である。グループIに属する物質は、硫黄臭、タマネギ臭、腐敗臭等の独特の臭気と刺激感を持つものが多く、モワッとした質感のある体臭の原因となる場合が多い。
グループJの3−ヒドロキシ−3−メチルヘキサン酸は、スパイシー臭を伴う腋臭の原因と考えられる。
<消臭成分>
消臭方法としては、化学的消臭法と物理的消臭法と感覚的消臭法と生物的消臭法が知られている。発明者は、一般家庭で行われる公知の洗濯方法における水洗の工程と同様の第二工程を含む実施形態の洗濯方法が採用する消臭方法としては、前述した各消臭方法のうち、化学的消臭法と物理的消臭法が適していると考えた。化学的消臭法は、体臭の原因となる臭気成分を消臭成分の一部として取り込み、別の物質に変質させて消臭を行う消臭方法である。物理的消臭法は、臭気成分を消臭成分の構造内に閉じ込め、臭気が発散されなくする消臭方法である。
化学的消臭法と物理的消臭法を用いる場合の消臭成分としては、天然植物由来成分とアミノ酸と抗酸化物質と無機粒子と有機化合物と両性界面活性剤とポリアミン系界面活性剤が知られている。天然植物由来成分としては、シクロデキストリン、柿タンニン、ヒノキ抽出物、緑茶ポリフェノール、カタバミ抽出物、ツバキ抽出物、大麦抽出物、明日葉抽出物、アズキ抽出物、トウヒ抽出物、オウゴン抽出物、ウーロン茶抽出物、甜茶抽出物、ミント精油、レモン精油、酒粕エキス及び褐藻エキスが例示される。アミノ酸としては、グリシン及びシステインが例示される。抗酸化物質は、抗酸化作用によって消臭を行う物質であって、抗酸化物質としては、カロチン、トコフェロール及びフラボノイド類が例示される。無機粒子としては、酸化亜鉛、ケイ酸塩、酸化アルミニウム及びケイ酸マグネシウムが例示される。有機化合物としては、エタノールアミン及びアルキルジエタノールアミドが例示される。両性界面活性剤としては、ベタイン系両性界面活性剤が例示される。
発明者は、過去の経験及び実験結果等、発明者が有する知識に基づき、洗濯前処理剤に含ませる消臭成分として、次の物質を選定した。即ち、発明者は、洗濯前処理剤に含ませる消臭成分として、α−シクロデキストリン、メチル化シクロデキストリン、柿タンニン、ヒノキの植物精油、エタノールアミン、ベタイン系両性界面活性剤及びポリアミン系界面活性剤を選定した。なお、選定された前述の消臭成分は、市場における入手が容易で、且つコスト的にも安価であるとの利点も有する。
<実験1>
発明者は、実験1によって、上記で選定した各消臭成分による消臭効果を、上述したグループA〜Jの各グループに属する臭気成分を対象として確認した。以下、実験1について説明する。
<臭気試料>
実験1では、臭気試料A〜Jを作製した。
臭気試料Aは、グループAの臭気成分及び精製水を、次に示す比率で含有する溶液である。
臭気試料B1,B2は、グループBの臭気成分及びプロピレングリコールを、次に示す比率で含有する溶液である。臭気試料B1,B2では、イソ吉草酸とカプロン酸の含有率が相違する。
臭気試料Cは、グループCの臭気成分及びプロピレングリコールを、次に示す比率で含有する溶液である。
臭気試料Dは、グループDの臭気成分及びプロピレングリコールを、次に示す比率で含有する溶液である。
臭気試料Eは、グループEの臭気成分及びプロピレングリコールを、次に示す比率で含有する溶液である。
臭気試料Fは、グループFの臭気成分及びプロピレングリコールを、次に示す比率で含有する溶液である。
臭気試料Gは、グループGの臭気成分及び精製水を、次に示す比率で含有する溶液である。
臭気試料Hは、グループHの臭気成分及びプロピレングリコールを、次に示す比率で含有する溶液である。
臭気試料Iは、グループIの臭気成分及びプロピレングリコールを、次に示す比率で含有する溶液である。
臭気試料Jは、グループJの臭気成分及びプロピレングリコールを、次に示す比率で含有する溶液である。
臭気試料A〜Jの作製に際し、グループA〜Jの各グループの臭気成分の含有率は、臭気試料A〜Jのそれぞれからの臭気が、6段階臭気強度表示法(図1(A)参照)において「臭気強度:5(強烈な臭い)」で、且つ9段階快不快度表示法(図1(B)参照)において「快・不快度:−4(極端に不快)」となる状態とした。
[臭気試料A]
酢酸:10質量ppm、乳酸:10質量%、プロピオン酸:10質量ppm、精製水:残部
[臭気試料B1]
酪酸:2質量ppm、イソ酪酸:2質量ppm、吉草酸:2質量ppm、イソ吉草酸:2質量ppm、カプロン酸:2質量ppm、プロピレングリコール:残部
[臭気試料B2]
酪酸:2質量ppm、イソ酪酸:2質量ppm、吉草酸:2質量ppm、イソ吉草酸:1質量ppm、カプロン酸:4質量ppm、プロピレングリコール:残部
[臭気試料C]
エナント酸:4質量ppm、カプリル酸:4質量ppm、ペラルゴン酸:4質量ppm、カプリン酸:10質量ppm、プロピレングリコール:残部
[臭気試料D]
2−ノネナール:0.1質量ppm、プロピレングリコール:残部
[臭気試料E]
アセトアルデヒド:10質量ppm、プロピオンアルデヒド:10質量ppm、プロピレングリコール:残部
[臭気試料F]
ジアセチル:0.4質量ppm、プロピレングリコール:残部
[臭気試料G]
アンモニア:40質量ppm、精製水:残部
[臭気試料H]
トリメチルアミン:2質量ppm、プロピレングリコール:残部
[臭気試料I]
硫化水素:20質量ppm、ジメチルスルフィド:0.02質量ppm、メチルメルカプタン:2質量ppm、プロピレングリコール:残部
[臭気試料J]
3−ヒドロキシ−3−メチルヘキサン酸:30質量ppm、プロピレングリコール:残部
<消臭試料>
実験1では、消臭試料1〜7を作製した。
消臭試料1は、α−シクロデキストリンを5質量%含有する溶液である。
消臭試料2は、メチル化シクロデキストリンを5質量%含有する溶液である。
消臭試料3は、柿タンニンを0.15質量%含有する溶液である。
消臭試料4は、ヒノキの植物精油を0.5質量%含有する溶液である。
消臭試料5は、エタノールアミンを0.45質量%含有する溶液である。
消臭試料6は、ベタイン系両性界面活性剤を0.15質量%含有する溶液である。
消臭試料7は、ポリアミン系界面活性剤を0.15質量%含有する溶液である。
消臭試料1〜7における消臭成分の含有率(濃度)は、諸条件を考慮して決定した。例えば、消臭試料1〜7における消臭成分の含有率(濃度)の決定には、洗濯前処理剤の製造時の水溶の度合いを考慮した。消臭試料1〜7の溶液における主たる溶媒は、水である。
<評価方法>
実験1では、臭気試料A〜Jをそれぞれ滴下した縦2cm×横2cmの布片に、消臭試料1〜7をそれぞれ噴霧し、各布片を対象として、噴霧直後、噴霧から10分後及び24時間後の3回、官能テストを行い、その結果を、6段階臭気強度表示法に従い評価した。1枚の布片に対して滴下した臭気試料及び噴霧した消臭試料は、各1種類であり、臭気試料と消臭試料の組み合わせは、合計77種類(臭気試料×消臭試料=11×7(種類))となる。
1枚の布片に対する臭気試料A〜Jの滴下量と消臭試料1〜7の噴霧量は、「滴下量:噴霧量=1:25」とした。具体的な量としては、臭気試料の滴下量10μL又は20μLに対して、消臭試料の噴霧量を0.25mL(滴下量10μLの場合)又は0.50mL(滴下量20μLの場合)とした。絶対的な滴下量及び噴霧量は、臭気試料及び/又は消臭試料の揮発性等の特性に応じた影響を考慮して、臭気試料A〜J及び消臭試料1〜7の各組み合わせに応じて適宜設定した。消臭試料1〜7の噴霧は、1回の噴霧量が0.25mLである所定のスプレー装置を用いて行った。前述の噴霧量は、噴霧回数に基づく値である。
上述した官能テストは、3人の判定者がそれぞれ2回実施した。従って、官能テストは、臭気試料及び消臭試料の組み合わせ1種類に対して、合計6回行った。噴霧直後、噴霧から10分経過後及び24時間経過後の各タイミングにおける臭気強度は、各タイミングでの6回の平均値を、有効桁数を1桁とした1桁の整数となるように切り上げた値である。例えば、臭気試料Aと消臭試料1の組み合わせにおける噴霧から24時間経過後の臭気強度が、6回のうち5回が0で、残りの1回が1であったとする。この場合、平均値は、0.17(1/6)であるが、小数点以下を切り上げて「臭気強度:1」とした。「臭気強度:0」は、6回の評価全てが「臭気強度:0」であったことを示す。
官能テストの実施タイミングについて、噴霧直後に加え、噴霧から10分後及び24時間後としたが、これは、次の理由からである。即ち、噴霧から10分後の評価は、実施形態の洗濯方法の第一工程で、特定部分に洗濯前処理剤が付着された後、洗濯前処理剤における消臭成分が消臭効果を発揮するのに要する時間を考慮したものである。更に、噴霧から10分後の評価は、実施形態の洗濯方法が一般家庭において行われた場合、第一工程後、洗濯機に水が注入され、第二工程が開始されるまでのタイムラグを考慮したものである。噴霧から24時間後の評価は、実施形態の洗濯方法が終了後、脱水等を経て洗濯された布製品(例えば、衣類)が完全に乾燥するまでに要する時間を考慮したものである。噴霧から24時間後の各布片は、乾燥した状態である。
<評価結果>
実験1の評価結果を、表1に示す。表1において、臭気試料A〜J及び消臭試料1〜7の各組み合わせにおいて、並んで示す3個の臭気強度は、「噴霧直後」、「噴霧から10分後」及び「噴霧から24時間後」の各臭気強度である。
表1の評価結果に基づけば、例えば、臭気試料Aに対しては、消臭試料6,7が、噴霧直後から24時間後まで継続して、高い消臭効果を有することが理解できる。即ち、ベタイン系両性界面活性剤とポリアミン系界面活性剤は、炭素数が2〜3のカルボン酸に対して、噴霧直後から継続して高い消臭効果を有していると認められる。
表1の評価結果に基づけば、消臭試料1〜7の中には、臭気試料A〜Jの全てに対して、噴霧直後から継続して消臭効果を有する消臭試料が存在しないことが理解される。換言すれば、洗濯前処理剤に含ませる消臭成分を、α−シクロデキストリン、メチル化シクロデキストリン、柿タンニン、ヒノキの植物精油、エタノールアミン、ベタイン系両性界面活性剤及びポリアミン系界面活性剤のうちの2種以上とすることで、各種の消臭に対して対応可能といった汎用性を、洗濯前処理剤に付加できると考えられる。
Figure 2017132901
<実験2>
実験2について説明する。実験2は、実験1の結果に基づいた実験である。実験2では、人の足指からの体臭に有効な洗濯前処理剤に含有させる消臭試料を、消臭試料1〜7から選定し、選定された消臭試料の洗濯前処理剤における好適な含有率を特定する。実験1での臭気試料A〜Jを適宜混合させることで、人が発する体臭により近い臭気の組成物とすることができる。実験2は、このような人工的に作製された組成物を対象とした実験である(後述する実験3〜10において同じ)。実施形態では、臭気試料A〜Jを適宜混合させて人工的に作製された、人が発する体臭により近い臭気の組成物を、「体臭試料」という。実験2の説明では、実験1と共通する部分についての説明は、省略する(実験3〜10において同じ)。
<体臭試料>
実験2では、人の足指からの体臭に近い臭気を発する体臭試料Kを作製した。体臭試料Kは、臭気試料Aを30質量%、臭気試料B1を30質量%、及び臭気試料Gを40質量%の比率で混合させた溶液である。作製された体臭試料Kからは、人の足指から発せられる特有の臭いに近い臭気が発せられることが確認された。
<消臭試料の選定>
体臭試料Kに対して有効な消臭試料の選定は、実験1の評価結果(表1参照)に基づき、次のようにして行われる。即ち、消臭試料1〜7のうち、例えば、体臭試料Kに含まれる臭気試料A,Gに対して、噴霧直後と噴霧から10分後及び24時間後の各タイミングで臭気強度が0である消臭試料6が選定される。消臭試料6は、臭気試料A,Gに含まれる臭気成分に対して消臭効果を有する消臭成分を含む。但し、消臭試料6では、噴霧から10分後の臭気強度が、臭気試料B1に対して0ではない。そこで、噴霧から10分後の臭気強度が、臭気試料B1に対して0である消臭試料4が選定される。
消臭試料1〜7から複数の消臭試料が選定された場合、選定された消臭試料に対して優先順位が付けられる。優先順位付けは、例えば、次のように行われる。即ち、実施形態では、選定された各消臭試料を対象として、消臭対象の体臭試料(実験2では、体臭試料K)に含まれる臭気試料に対する消臭強度が、次の基準と、この体臭試料における臭気試料の含有率に従い点数付けされ、消臭試料毎に合算された消臭強度の総点数が高い順に、各消臭試料の優先順位が決定される。表1の評価結果と次の基準に基づけば、臭気試料A(体臭試料Kでの含有率:30質量%)に対する、消臭試料4の点数は0.75(点数=(1+1+0.5)×0.3)となり、消臭試料6の点数は0.9(点数=(1+1+1)×0.3)となる。臭気試料B1(体臭試料Kでの含有率:30質量%)に対する、消臭試料4の点数は0.6(点数=(1+1+0)×0.3)となり、消臭試料6の点数は0.75(点数=(1+0.5+1)×0.3)となる。臭気試料G(体臭試料Kでの含有率:40質量%)に対する、消臭試料4の点数は1.2(点数=(1+1+1)×0.4)となり、消臭試料6の点数は1.2(点数=(1+1+1)×0,4)となる。この結果、臭気試料A,B1,Gに対する、消臭試料4の総点数は2.55(総点数=0.75+0.6+1.2)となり、消臭試料6の総点数は2.85(総点数=0.9+0.75+1.2)となる。従って、消臭試料6の優先順位が1位に決定され、消臭試料4の優先順位が2位に決定される。
[消臭強度の点数付け基準]
消臭強度0 :1点
消臭強度1 :0.5点
消臭強度2〜5:0点
<評価方法>
実験2では、上述したようにして選定された消臭試料6,4の含有率を適宜変更させた、洗濯前処理剤としての評価試料11〜19を対象として、実験1と同様の評価方法で官能テストを行い、6段階臭気強度表示法に従い評価した。判定者の人数(3人)及び実施回数(2回/人)についても、実験1と同様とした。但し、評価のタイミングは、噴霧から10分後及び24時間後を省略し、噴霧直後とした。
評価試料11は、消臭試料6を5質量%、消臭試料4を5質量%、及び出願人製造の液状洗濯洗剤を40質量%含有し、残部が精製水である溶液である。出願人製造の液状洗濯洗剤は、ノニオン系界面活性剤を20.0質量%、キレート剤を0.1質量%、植物性脂肪酸を0.8質量%、98%苛性カリを0.2質量%、酵素(タンパク質分解酵素)を1.0質量%、及びカチオン系界面活性剤(第四級アンモニウム)を0.4質量%含有し、残部が精製水である溶液である。実施形態では、出願人製造の液状洗濯洗剤を、「出願人洗剤」という。
評価試料12〜18は、優先順位の順で消臭試料6,4の含有率を交互に1質量%ずつ増加させた溶液である(表2参照)。実施形態では、前述したように、選定された消臭試料の含有率を交互に1質量%ずつ増加させていき、臭気強度が0となった消臭試料の組み合わせが特定される。その後、優先順位が低い消臭試料から順にその含有率を1質量%ずつ減少させる(表2参照 後述する実験5〜10において同じ(表5,7,9,11,13,15参照))。その結果、臭気強度が0で、且つ選定された消臭試料の含有率の合計が最小となる各消臭試料の含有率を、最終的な消臭試料の含有率として特定する。評価試料19は、評価試料18に対して、優先順位が2位の消臭試料4の含有率を1質量%減少させ7質量%とした溶液である(表2参照)。評価試料12〜19では、出願人洗剤の含有率を、評価試料11と同じ40質量%とし、残部を精製水とした。
<評価結果>
実験2の評価結果を、表2に示す。表2で臭気強度として示す各値は、実験1と同様、合計6回の平均値を、有効桁数を1桁とした1桁の整数となるように切り上げた値である。評価試料18で、臭気強度が0となった。評価試料18は、消臭試料6を9質量%、消臭試料4を8質量%、及び出願人製造の液状洗濯洗剤を40質量%含有し、残部が精製水である溶液である。評価試料19では、臭気強度が1となった。この結果、体臭試料Kに対する有効な洗濯前処理剤として、消臭試料6の含有率が8質量%で消臭試料4の含有率が9質量%である評価試料18が特定される。
Figure 2017132901
<実験3>
実験3について説明する。実験3は、実験2の評価結果(評価試料18)に基づいた実験である。実験3では、評価試料18の有効性を、更に確認する。
<体臭試料>
体臭試料は、実験2と同じ、体臭試料Kとした。
<評価試料>
評価試料は、実験2で好適な結果が得られた評価試料18と、次に記載の評価試料21,22とした。
評価試料21は、溶質(精製水)30Lに対して出願人洗剤を50mLの比率で含有し、残部が精製水である溶液である。出願人洗剤の推奨される使用量は、水30Lに対して50mLである。評価試料21における出願人洗剤の濃度は、この推奨される使用量に対応させた値である。
評価試料22は、溶質(精製水)30Lに対して市販されている一般的な公知の洗濯洗剤を24mLの比率で含有し、残部が精製水である溶液である。評価試料22における公知の洗濯剤は、界面活性剤を24質量%含有する、僅かに石鹸様の香りを有する中性の洗濯洗剤である。評価試料22における公知の洗濯洗剤の濃度は、使用した公知の洗濯洗剤で推奨される使用量に対応させた値である。
<評価方法>
実験3では、実験1と同様の評価方法で官能テストを行い、6段階臭気強度表示法及び9段階快不快度表示法に従い評価した。縦2cm×横2cmの布片に対する、体臭試料Kの滴下量は10μLとし、評価試料18,21,22の噴霧量は0.25mLとした。噴霧から24時間後の官能テストは、所定のガラス容器に、噴霧から24時間後の乾燥した布片を密閉し、容器内部の温度が40℃となるように容器全体を加熱した後の容器内の臭気を対象として行った。このような設定は、例えば、評価の環境を、布製品としての衣類が実際に着用されている状態に近づけるためである。この他の評価条件は、実験1と同様とした。
<評価結果>
実験3の評価結果を、表3に示す。表3のNo.1〜6の各行に示す各値は、次の通りである。No.1は、第一判定者の1回目の官能テストの「臭気強度(快・不快度)」を示す。No.2は、第二判定者の1回目の官能テストの「臭気強度(快・不快度)」を示す。No.3は、第三判定者の1回目の官能テストの「臭気強度(快・不快度)」を示す。No.4は、第一判定者の2回目の官能テストの「臭気強度(快・不快度)」を示す。No.5は、第二判定者の2回目の官能テストの「臭気強度(快・不快度)」を示す。No.6は、第三判定者の2回目の官能テストの「臭気強度(快・不快度)」を示す。表3の各枠内の2個の数値のうち、括弧外の値は、前述の記載から明らかな通り、6段階臭気強度表示法による臭気強度を示し、括弧内の値は、9段階快不快度表示法による快・不快度を示す(図1参照)。
評価試料18では、噴霧直後と噴霧から10分後及び24時間後のどのタイミングでも、体臭試料Kによる臭気を感じることはなかった。これに対して、評価試料21,22では、全てのタイミングで、体臭試料Kによる臭気の残存が確認された。
なお、評価試料22について、噴霧直後には、僅かな石鹸臭によって若干のマスキング効果が得られるといった評価を行う判定者がいる一方、石鹸臭を発する香料と、カルボン酸のうち、吉草酸及びイソ吉草酸(共に体臭試料Kの臭気試料B−1)の混合臭気が、臭気成分が単体である状態よりも、不快度が上がると評価する判定者もいた。
Figure 2017132901
<実験4>
実験4について説明する。実験4では、洗濯前処理剤による消臭後の、臭気成分の残留量を確認する。
<体臭試料>
体臭試料は、実験2,3と同じ、体臭試料Kとした。
<評価試料>
評価試料は、実験3と同じ、評価試料18,21,22とした。
<評価方法>
実験4では、体臭試料Kを5mLと評価試料18,21,22の各評価試料を125mLを混合(混合比=1:25)させ、内容量が230mLのガラス容器にそれぞれ密閉させた。体臭試料Kと評価試料18を混合させた溶液が密閉されたガラス容器と、体臭試料Kと評価試料21を混合させた溶液が密閉されたガラス容器と、体臭試料Kと評価試料22を混合させた溶液が密閉されたガラス容器を、室温で24時間静置した。24時間経過後、各ガラス容器の内部が40℃となるまで加熱し、その後、25℃で安定させた気体(容積:100mL)に対して、ガス検知管法を実施した。
体臭試料K及び評価試料18,21,22の混合比は、消臭効果が確認された実験1における「滴下量:噴霧量=1:25」に一致させ「体臭試料:評価試料=1:25」に設定した。その上で、ガス検知管法では、実験4で用いる後述の検知管の検知能力の度合いから、より多くの臭気成分を揮発させる必要があるため、今回、体臭試料K及び評価試料18の各量を上記の通りに設定した。実験4の説明では、体臭試料Kと評価試料18の混合試料を、「混合試料18K」といい、体臭試料Kと評価試料21の混合試料を、「混合試料21K」といい、体臭試料Kと評価試料22の混合試料を、「混合試料22K」という。
ガス検知管法では、光明理化学株式会社製の北川式ガス検知管216Sと北川式ガス検知管105SEを用いた。北川式ガス検知管216Sでは、酢酸、n−酪酸、イソ酪酸、n−吉草酸、イソ吉草酸、プロピオン酸が検知される。北川式ガス検知管105SEでは、アンモニアが検知される。
参考のため、5mLの体臭試料Kを内容量が100mLのガラス容器に密閉し、上記同様の処理(室温で24時間静置及び40℃加熱)を施した上で、25℃で安定させた気体(容積:100mL)に対して、ガス検知管法を実施した。
<評価結果>
実験4の評価結果を、表4に示す。表4に示す混合試料21K,22K及び体臭試料Kの測定値に関し、北川式ガス検知管216Sでの測定値(ppm)は、採取量を100mLとした場合の換算値である。
混合試料18Kからは、北川式ガス検知管216S及び105SEの両方において、体臭試料Kの臭気試料A,B1,Gに含有される上記の臭気成分を含む所定の成分は、全く検知されなかった。これに対して、混合試料21Kからは、北川式ガス検知管216Sで、0.2ppmの所定の成分が検知され、混合試料22Kでは、北川式ガス検知管216Sで、0.5ppmの所定の成分が検知された。混合試料21K,22Kからは、北川式ガス検知管105SEで、アンモニアは検知されなかった。
体臭試料Kから検知されたアンモニアが、混合試料18K,21K,22Kから未検出となった理由としては、次のことが考えられる。即ち、これは、体臭試料Kの臭気試料Gに含有されるアンモニアが、評価試料18,21,22に多く含有される精製水によって加水分解されたためであると考えられる。なお、体臭試料Kからは、北川式ガス検知管105SEの測定範囲の上限値100ppmを超えたアンモニアが検知された。
実験4の評価結果から、消臭試料6,4を含有する評価試料18について、次のような有用性が確認された。即ち、洗濯洗剤だけでは、24時間後にも脂肪酸の残留を原因とする臭気の発生が起こるが、評価試料18を使用することで、脂肪酸そのものの揮発も検知されないことが確認された。臭気という側面からだけではなく、洗濯に関わる所定の成分の残留という観点からも、評価試料18は、有用であると認められる。
Figure 2017132901
<実験5>
実験5について説明する。実験5は、実験1の結果に基づいた実験である。実験5では、10代後半から20代の健康な男女が発する汗臭に有効な洗濯前処理剤に含有させる消臭試料を、消臭試料1〜7から選定し、選定された消臭試料の洗濯前処理剤における好適な含有率を特定する。
<体臭試料>
実験5では、10代後半から20代の健康な男女が発する汗臭を発する体臭試料Lを作製した。体臭試料Lは、臭気試料Aを40質量%、臭気試料B2を20質量%、及び臭気試料Gを40質量%の比率で混合させた溶液である。作製された体臭試料Lからは、10代後半から20代の健康な男女が発する汗臭に近い臭気が発せられることが確認された。
<消臭試料の選定>
体臭試料Lに対して有効な消臭試料の選定は、実験1の評価結果(表1参照)に基づき、次のようにして行われる。即ち、消臭試料1〜7のうち、例えば、体臭試料Lに含まれる臭気試料A,Gに対して、噴霧直後と噴霧から10分後及び24時間後の各タイミングで臭気強度が0である消臭試料6が選定される。消臭試料6は、臭気試料A,Gに含まれる臭気成分に対して消臭効果を有する消臭成分を含む。但し、消臭試料6では、噴霧から10分後の臭気強度が、臭気試料B2に対して0ではない。そこで、噴霧から10分後の臭気強度が、臭気試料B2に対して0である消臭試料4が選定される。
上記のようにして選定された消臭試料4,6に対する優先順位付けは、実験2に関連した手法に準じて行われる。即ち、上述した「消臭強度の点数付け基準」に従った総点数に関し、消臭試料4は2.6点となり、消臭試料6は2.9点となる。この結果、実験5では、消臭試料6の優先順位が1位に決定され、消臭試料4の優先順位が2位に決定される。
なお、臭気試料A,B2,Gに対して、噴霧直後と噴霧から10分後及び24時間後の各タイミングで臭気強度を0とすることが可能な消臭試料の組み合わせとしては、消臭試料6,4の組み合わせとは異なる組み合わせも存在する。但し、実施形態では、このような場合、例えば、消臭試料の数が少なくなるような、簡便な組み合わせが適宜選定される(実験5と同様の他の実験についても同じ)。
<評価方法>
実験5では、上述したようにして選定された消臭試料6,4の含有率を適宜変更させた、洗濯前処理剤としての評価試料31〜38を対象として、実験2(実験1)と同様の評価方法で官能テストを行い、6段階臭気強度表示法に従い評価した。実験5の説明では、前述の評価を、「第一評価」という。第一評価では、評価条件は、実験2と同様とした。
評価試料31は、消臭試料6を5質量%、消臭試料4を5質量%、及び出願人洗剤を40質量%含有し、残部が精製水である溶液である(表5参照)。詳細は省略するが、評価試料32〜38は、実験2の評価方法で説明した通りの手法によって、消臭試料6,4の含有率を適宜設定した溶液である(表5参照)。
更に、実験5では、体臭試料Lと第一評価に基づき特定される評価試料を対象として、実験3(実験1)と同様の評価方法で官能テストを行い、6段階臭気強度表示法及び9段階快不快度表示法に従い評価した。実験5の説明では、前述の評価を、「第二評価」という。第二評価では、評価条件は、実験3と同様とした。
<評価結果>
<第一評価>
第一評価の評価結果を、表5に示す。表5で臭気強度として示す各値は、実験2(実験1)と同様、合計6回の平均値を、有効桁数を1桁とした1桁の整数となるように切り上げた値である。消臭試料6が8質量%で消臭試料4が7質量%である評価試料36で、臭気強度が0となった。優先順位が2位の消臭試料4の含有率を1質量%減少させ6質量%とした評価試料37でも、臭気強度が0となった。但し、消臭試料4の含有率を更に1質量%減少させ5質量%とした評価試料38では、臭気強度が1となった。この結果、体臭試料Lに対する有効な洗濯前処理剤として、消臭試料6の含有率が8質量%で消臭試料4の含有率が6質量%である評価試料37が特定される。
Figure 2017132901
<第二評価>
第二評価の評価結果を、表6に示す。表6のNo.1〜6の各行に示す各値は、実験3の表3に関連して説明した通りである。従って、これに関する説明は、省略する。評価試料37では、噴霧直後と噴霧から10分後及び24時間後のどのタイミングでも、体臭試料Lによる臭気を感じることはなかった。
Figure 2017132901
<実験6>
実験6について説明する。実験6は、実験1の結果に基づいた実験である。実験6では、30代の男性が発する世代臭に有効な洗濯前処理剤に含有させる消臭試料を、消臭試料1〜7から選定し、選定された消臭試料の洗濯前処理剤における好適な含有率を特定する。
<体臭試料>
実験6では、30代の男性が発する世代臭を発する体臭試料Mを作製した。体臭試料Mは、臭気試料Aを19.5質量%、臭気試料B2を39質量%、臭気試料Cを9.75質量%、臭気試料Dを9.75質量%、臭気試料Eを2質量%、臭気試料Fを0.5質量%、及び臭気試料Gを19.5質量%の比率で混合させた溶液である。作製された体臭試料Mからは、30代の男性が発する世代臭に近い臭気が発せられることが確認された。
<消臭試料の選定>
体臭試料Mに対して有効な消臭試料の選定は、実験1の評価結果(表1参照)に基づき、次のようにして行われる。即ち、消臭試料1〜7のうち、例えば、体臭試料Mに含まれる臭気試料A,Gに対して、噴霧直後と噴霧から10分後及び24時間後の各タイミングで臭気強度が0である消臭試料6が選定される。消臭試料6は、臭気試料A,Gに含まれる臭気成分に対して消臭効果を有する消臭成分を含む。但し、消臭試料6では、噴霧直後と噴霧から10分後及び24時間後の何れかのタイミングの臭気強度が、臭気試料B2,C,D,E,Fに対して0ではない。そこで、消臭試料6で噴霧直後と噴霧から10分後及び24時間後の臭気強度が0でない所定のタイミングにおける臭気強度が、臭気試料B2,C,D,E,Fに対して0である消臭試料1,3,4,7が適宜選定される。
上記のようにして選定された消臭試料1,3,4,6,7に対する優先順位付けは、実験2に関連した手法に準じて行われる。即ち、上述した「消臭強度の点数付け基準」に従った総点数に関し、消臭試料1は1.33点となり、消臭試料3は1.97点となり、消臭試料4は2.19点となり、消臭試料6は2.49点となり、消臭試料7は1.85点となる。この結果、実験6では、消臭試料6の優先順位が1位に決定され、消臭試料4の優先順位が2位に決定され、消臭試料3の優先順位が3位に決定され、消臭試料7の優先順位が4位に決定され、消臭試料1の優先順位が5位に決定される。
<評価方法>
実験6では、上述したようにして選定された消臭試料6,4,3,7,1の含有率を適宜変更させた、洗濯前処理剤としての評価試料41〜50を対象として、実験2(実験1)と同様の評価方法で官能テストを行い、6段階臭気強度表示法に従い評価した。実験6の説明では、前述の評価を、「第三評価」という。第三評価では、評価条件は、実験2と同様とした。
評価試料41は、消臭試料6を5質量%、消臭試料4を5質量%、消臭試料3を5質量%、消臭試料7を5質量%、消臭試料1を5質量%、及び出願人洗剤を40質量%含有し、残部が精製水である溶液である(表7参照)。詳細は省略するが、評価試料42〜50は、実験2の評価方法で説明した通りの手法によって、消臭試料6,4,3,7,1の含有率を適宜設定した溶液である(表7参照)。
更に、実験6では、体臭試料Mと第三評価に基づき特定される評価試料を対象として、実験3(実験1)と同様の評価方法で官能テストを行い、6段階臭気強度表示法及び9段階快不快度表示法に従い評価した。実験6の説明では、前述の評価を、「第四評価」という。第四評価では、評価条件は、実験3と同様とした。
<評価結果>
<第三評価>
第三評価の評価結果を、表7に示す。表7で臭気強度として示す各値は、実験2(実験1)と同様、合計6回の平均値を、有効桁数を1桁とした1桁の整数となるように切り上げた値である。消臭試料6が6質量%で消臭試料4が5質量%で消臭試料3が5質量%で消臭試料7が5質量%で消臭試料1が5質量%である評価試料42で、臭気強度が0となった。優先順位が5位の消臭試料1の含有率を1質量%減少させ4質量%とした評価試料43と、更に1質量%減少させ3質量%とした評価試料44でも、臭気強度が0となった。但し、消臭試料1の含有率を更にまた1質量%減少させ2質量%とした評価試料45では、臭気強度が1となった。
含有率の変更対象を、優先順位が4位の消臭試料7とした。このとき、消臭試料1の含有率は、3質量%とした。消臭試料7の含有率を1質量%減少させ4質量%とした評価試料46で、臭気強度が0となった。但し、消臭試料7の含有率を更に1質量%減少させ3質量%とした評価試料47では、臭気強度が1となった。含有率の変更対象を、優先順位が3位の消臭試料3とした。このとき、消臭試料1の含有率は、3質量%とした。消臭試料7の含有率は、4質量%とした。消臭試料3の含有率を1質量%減少させ4質量%とした評価試料48では、臭気強度が1となった。含有率の変更対象を、優先順位が2位の消臭試料4とした。このとき、消臭試料1の含有率は、3質量%とした。消臭試料7の含有率は、4質量%とした。消臭試料3の含有率は、5質量%とした。消臭試料4の含有率を1質量%減少させ4質量%とした評価試料49では、臭気強度が1となった。含有率の変更対象を、優先順位が1位の消臭試料6とした。このとき、消臭試料1の含有率は、3質量%とした。消臭試料7の含有率は、4質量%とした。消臭試料3の含有率は、5質量%とした。消臭試料4の含有率は、5質量%とした。消臭試料6の含有率を1質量%減少させ5質量%とした評価試料50では、臭気強度が1となった。
この結果、体臭試料Mに対する有効な洗濯前処理剤として、消臭試料6の含有率が6質量%で消臭試料4の含有率が5質量%で消臭試料3の含有率が5質量%で消臭試料7の含有率が4質量%で消臭試料1の含有率が3質量%である評価試料46が特定される。
Figure 2017132901
<第四評価>
第四評価の評価結果を、表8に示す。表8のNo.1〜6の各行に示す各値は、実験3の表3に関連して説明した通りである。従って、これに関する説明は、省略する。評価試料46では、噴霧直後と噴霧から10分後及び24時間後のどのタイミングでも、体臭試料Mによる臭気を感じることはなかった。
Figure 2017132901
<実験7>
実験7について説明する。実験7は、実験1の結果に基づいた実験である。実験7では、40代の男女が発する加齢臭に有効な洗濯前処理剤に含有させる消臭試料を、消臭試料1〜7から選定し、選定された消臭試料の洗濯前処理剤における好適な含有率を特定する。
<体臭試料>
実験7では、40代の男女が発する加齢臭を発する体臭試料Nを作製した。体臭試料Nは、臭気試料B2を30質量%、臭気試料Cを40質量%、臭気試料Dを10質量%、臭気試料Eを10質量%、臭気試料Fを0.2質量%、及び臭気試料Gを9.8質量%の比率で混合させた溶液である。作製された体臭試料Nからは、40代の男女が発する加齢臭に近い臭気が発せられることが確認された。
<消臭試料の選定>
体臭試料Nに対して有効な消臭試料の選定は、実験1の評価結果(表1参照)に基づき、次のようにして行われる。即ち、消臭試料1〜7のうち、例えば、体臭試料Nに含まれる臭気試料C,Dに対して、噴霧直後と噴霧から10分後及び24時間後の各タイミングで臭気強度が0である消臭試料3が選定される。消臭試料3は、臭気試料C,Dに含まれる臭気成分に対して消臭効果を有する消臭成分を含む。但し、消臭試料3では、噴霧直後と噴霧から10分後及び24時間後の何れかのタイミングの臭気強度が、臭気試料B2,E,F,Gに対して0ではない。そこで、消臭試料3で噴霧直後と噴霧から10分後及び24時間後の臭気強度が0でない所定のタイミングにおける臭気強度が、臭気試料B2,E,F,Gに対して0である消臭試料1,4,6,7が適宜選定される。
上記のようにして選定された消臭試料1,3,4,6,7に対する優先順位付けは、実験2に関連した手法に準じて行われる。即ち、上述した「消臭強度の点数付け基準」に従った総点数に関し、消臭試料1は1.25点となり、消臭試料3は2.10点となり、消臭試料4は1.80点となり、消臭試料6は2.00点となり、消臭試料7は2.05点となる。この結果、実験7では、消臭試料3の優先順位が1位に決定され、消臭試料7の優先順位が2位に決定され、消臭試料6の優先順位が3位に決定され、消臭試料4の優先順位が4位に決定され、消臭試料1の優先順位が5位に決定される。
<評価方法>
実験7では、上述したようにして選定された消臭試料3,7,6,4,1の含有率を適宜変更させた、洗濯前処理剤としての評価試料51〜59を対象として、実験2(実験1)と同様の評価方法で官能テストを行い、6段階臭気強度表示法に従い評価した。実験7の説明では、前述の評価を、「第五評価」という。第五評価では、評価条件は、実験2と同様とした。
評価試料51は、消臭試料3を5質量%、消臭試料7を5質量%、消臭試料6を5質量%、消臭試料4を5質量%、消臭試料1を5質量%、及び出願人洗剤を40質量%含有し、残部が精製水である溶液である(表9参照)。詳細は省略するが、評価試料51〜59は、実験2の評価方法で説明した通りの手法によって、消臭試料3,7,6,4,1の含有率を適宜設定した溶液である(表9参照)。
更に、実験7では、体臭試料Nと第五評価に基づき特定される評価試料を対象として、実験3(実験1)と同様の評価方法で官能テストを行い、6段階臭気強度表示法及び9段階快不快度表示法に従い評価した。実験7の説明では、前述の評価を、「第六評価」という。第六評価では、評価条件は、実験3と同様とした。
<評価結果>
<第五評価>
第五評価の評価結果を、表9に示す。表9で臭気強度として示す各値は、実験2(実験1)と同様、合計6回の平均値を、有効桁数を1桁とした1桁の整数となるように切り上げた値である。実験7では、評価試料51で、臭気強度が0となった。優先順位が5位の消臭試料1の含有率を1質量%減少させ4質量%とした評価試料52と、更に1質量%減少させ3質量%とした評価試料53と、更にまた1質量%減少させ2質量%とした評価試料54でも、臭気強度が0となった。但し、消臭試料1の含有率を更にまた1質量%減少させ1質量%とした評価試料55では、臭気強度が1となった。
含有率の変更対象を、優先順位が4位の消臭試料4とした。このとき、消臭試料1の含有率は、2質量%とした。消臭試料4の含有率を1質量%減少させ4質量%とした評価試料56では、臭気強度が1となった。含有率の変更対象を、優先順位が3位の消臭試料6とした。このとき、消臭試料1の含有率は、2質量%とした。消臭試料4の含有率は、5質量%とした。消臭試料6の含有率を1質量%減少させ4質量%とした評価試料57では、臭気強度が1となった。含有率の変更対象を、優先順位が2位の消臭試料7とした。このとき、消臭試料1の含有率は、2質量%とした。消臭試料4の含有率は、5質量%とした。消臭試料6の含有率は、5質量%とした。消臭試料7の含有率を1質量%減少させ4質量%とした評価試料58では、臭気強度が2となった。含有率の変更対象を、優先順位が1位の消臭試料3とした。このとき、消臭試料1の含有率は、2質量%とした。消臭試料4の含有率は、5質量%とした。消臭試料6の含有率は、5質量%とした。消臭試料7の含有率は、5質量%とした。消臭試料3の含有率を1質量%減少させ4質量%とした評価試料59では、臭気強度が2となった。
この結果、体臭試料Nに対する有効な洗濯前処理剤として、消臭試料3の含有率が5質量%で消臭試料7の含有率が5質量%で消臭試料6の含有率が5質量%で消臭試料4の含有率が5質量%で消臭試料1の含有率が2質量%である評価試料54が特定される。
Figure 2017132901
<第六評価>
第六評価の評価結果を、表10に示す。表10のNo.1〜6の各行に示す各値は、実験3の表3に関連して説明した通りである。従って、これに関する説明は、省略する。評価試料54では、噴霧直後と噴霧から10分後及び24時間後のどのタイミングでも、体臭試料Nによる臭気を感じることはなかった。
Figure 2017132901
<実験8>
実験8について説明する。実験8は、実験1の結果に基づいた実験である。実験8では、スパイシー臭と称される刺激感を伴った腋臭に有効な洗濯前処理剤に含有させる消臭試料を、消臭試料1〜7から選定し、選定された消臭試料の洗濯前処理剤における好適な含有率を特定する。
<体臭試料>
実験8では、スパイシー臭と称される刺激感を伴った腋臭を発する体臭試料Oを作製した。体臭試料Oは、臭気試料B2を31.5質量%、臭気試料Cを31.5質量%、臭気試料Gを5.5質量%、及び臭気試料Jを31.5質量%の比率で混合させた溶液である。作製された体臭試料Oからは、スパイシー臭と称される腋臭に近い臭気が発せられることが確認された。
<消臭試料の選定>
体臭試料Oに対して有効な消臭試料の選定は、実験1の評価結果(表1参照)に基づき、次のようにして行われる。即ち、消臭試料1〜7のうち、例えば、体臭試料Oに含まれる臭気試料G,Jに対して、噴霧直後と噴霧から10分後及び24時間後の各タイミングで臭気強度が0である消臭試料6が選定される。消臭試料6は、臭気試料G,Jに含まれる臭気成分に対して消臭効果を有する消臭成分を含む。但し、消臭試料6では、噴霧直後と噴霧から10分後及び24時間後の何れかのタイミングの臭気強度が、臭気試料B2,Cに対して0ではない。そこで、消臭試料6で噴霧直後と噴霧から10分後及び24時間後の臭気強度が0でない所定のタイミングにおける臭気強度が、臭気試料B2,Cに対して0である消臭試料3,4が適宜選定される。
上記のようにして選定された消臭試料3,4,6に対する優先順位付けは、実験2に関連した手法に準じて行われる。即ち、上述した「消臭強度の点数付け基準」に従った総点数に関し、消臭試料3は2.03点となり、消臭試料4は1.74点となり、消臭試料6は2.37点となる。この結果、実験8では、消臭試料6の優先順位が1位に決定され、消臭試料3の優先順位が2位に決定され、消臭試料4の優先順位が3位に決定される。
<評価方法>
実験8では、上述したようにして選定された消臭試料6,3,4の含有率を適宜変更させた、洗濯前処理剤としての評価試料61〜70を対象として、実験2(実験1)と同様の評価方法で官能テストを行い、6段階臭気強度表示法に従い評価した。実験8の説明では、前述の評価を、「第七評価」という。第七評価では、評価条件は、実験2と同様とした。
評価試料61は、消臭試料6を5質量%、消臭試料3を5質量%、消臭試料4を5質量%、及び出願人洗剤を40質量%含有し、残部が精製水である溶液である(表11参照)。詳細は省略するが、評価試料62〜70は、実験2の評価方法で説明した通りの手法によって、消臭試料6,3,4の含有率を適宜設定した溶液である(表11参照)。但し、実験8の説明では、臭気強度が0に至るまでの評価溶液は、実施した全ての評価溶液のうちの一部の評価溶液を例示する。
更に、実験8では、体臭試料Oと第七評価に基づき特定される評価試料を対象として、実験3(実験1)と同様の評価方法で官能テストを行い、6段階臭気強度表示法及び9段階快不快度表示法に従い評価した。実験8の説明では、前述の評価を、「第八評価」という。第八評価では、評価条件は、実験3と同様とした。
<評価結果>
<第七評価>
第七評価の評価結果を、表11に示す。表11で臭気強度として示す各値は、実験2(実験1)と同様、合計6回の平均値を、有効桁数を1桁とした1桁の整数となるように切り上げた値である。消臭試料6が8質量%で消臭試料3が8質量%で消臭試料4が8質量%である評価試料64で、臭気強度が0となった。優先順位が3位の消臭試料4の含有率を1質量%減少させ7質量%とした評価試料65と、更に1質量%減少させ6質量%とした評価試料66と、更にまた1質量%減少させ5質量%とした評価試料67でも、臭気強度が0となった。但し、消臭試料4の含有率を更にまた1質量%減少させ4質量%とした評価試料68では、臭気強度が1となった。
含有率の変更対象を、優先順位が2位の消臭試料3とした。このとき、消臭試料4の含有率は、5質量%とした。消臭試料3の含有率を1質量%減少させ7質量%とした評価試料69では、臭気強度が1となった。含有率の変更対象を、優先順位が1位の消臭試料6とした。このとき、消臭試料4の含有率は、5質量%とした。消臭試料3の含有率は、8質量%とした。消臭試料6の含有率を1質量%減少させ7質量%とした評価試料70では、臭気強度が1となった。
この結果、体臭試料Oに対する有効な洗濯前処理剤として、消臭試料6の含有率が8質量%で消臭試料3の含有率が8質量%で消臭試料4の含有率が5質量%である評価試料67が特定される。
Figure 2017132901
<第八評価>
第八評価の評価結果を、表12に示す。表12のNo.1〜6の各行に示す各値は、実験3の表3に関連して説明した通りである。従って、これに関する説明は、省略する。評価試料67では、噴霧直後と噴霧から10分後及び24時間後のどのタイミングでも、体臭試料Oによる臭気を感じることはなかった。
Figure 2017132901
<実験9>
実験9について説明する。実験9は、実験1の結果に基づいた実験である。実験9では、硫黄臭や腐敗臭が強い腋臭に有効な洗濯前処理剤に含有させる消臭試料を、消臭試料1〜7から選定し、選定された消臭試料の洗濯前処理剤における好適な含有率を特定する。前述したような腋臭は、モワッとした質感を伴うことがある。
<体臭試料>
実験9では、硫黄臭や腐敗臭が強い腋臭を発する体臭試料Pを作製した。体臭試料Pは、臭気試料Aを14質量%、臭気試料Cを14質量%、臭気試料Gを14質量%、臭気試料Iを48質量%、及び臭気試料Jを10質量%の比率で混合させた溶液である。作製された体臭試料Pからは、硫黄臭や腐敗臭が強い腋臭に近い臭気が発せられることが確認された。
<消臭試料の選定>
体臭試料Pに対して有効な消臭試料の選定は、実験1の評価結果(表1参照)に基づき、次のようにして行われる。即ち、消臭試料1〜7のうち、例えば、体臭試料Pに含まれる臭気試料A,G,Jに対して、噴霧直後と噴霧から10分後及び24時間後の各タイミングで臭気強度が0である消臭試料6が選定される。消臭試料6は、臭気試料A,G,Jに含まれる臭気成分に対して消臭効果を有する消臭成分を含む。但し、消臭試料6では、噴霧直後と噴霧から10分後及び24時間後の何れかのタイミングの臭気強度が、臭気試料C,Iに対して0ではない。そこで、消臭試料6で噴霧直後と噴霧から10分後及び24時間後の臭気強度が0でない所定のタイミングにおける臭気強度が、臭気試料C,Iに対して0である消臭試料3,5が適宜選定される。
上記のようにして選定された消臭試料3,5,6に対する優先順位付けは、実験2に関連した手法に準じて行われる。即ち、上述した「消臭強度の点数付け基準」に従った総点数に関し、消臭試料3は1.80点となり、消臭試料5は1.79点となり、消臭試料6は2.07点となる。この結果、実験9では、消臭試料6の優先順位が1位に決定され、消臭試料3の優先順位が2位に決定され、消臭試料5の優先順位が3位に決定される。
<評価方法>
実験9では、上述したようにして選定された消臭試料6,3,5の含有率を適宜変更させた、洗濯前処理剤としての評価試料71〜78を対象として、実験2(実験1)と同様の評価方法で官能テストを行い、6段階臭気強度表示法に従い評価した。実験9の説明では、前述の評価を、「第九評価」という。第九評価では、評価条件は、実験2と同様とした。
評価試料71は、消臭試料6を5質量%、消臭試料3を5質量%、消臭試料5を5質量%、及び出願人洗剤を40質量%含有し、残部が精製水である溶液である(表13参照)。詳細は省略するが、評価試料72〜78は、実験2の評価方法で説明した通りの手法によって、消臭試料6,3,5の含有率を適宜設定した溶液である(表13参照)。但し、実験9の説明では、臭気強度が0に至るまでの評価溶液は、実施した全ての評価溶液のうちの一部の評価溶液を例示する。
更に、実験9では、体臭試料Pと第九評価に基づき特定される評価試料を対象として、実験3(実験1)と同様の評価方法で官能テストを行い、6段階臭気強度表示法及び9段階快不快度表示法に従い評価した。実験9の説明では、前述の評価を、「第十評価」という。第十評価では、評価条件は、実験3と同様とした。
<評価結果>
<第九評価>
第九評価の評価結果を、表13に示す。表13で臭気強度として示す各値は、実験2(実験1)と同様、合計6回の平均値を、有効桁数を1桁とした1桁の整数となるように切り上げた値である。消臭試料6が8質量%で消臭試料3が8質量%で消臭試料5が8質量%である評価試料74で、臭気強度が0となった。優先順位が3位の消臭試料5の含有率を1質量%減少させ7質量%とした評価試料75でも、臭気強度が0となった。但し、消臭試料5の含有率を更に1質量%減少させ6質量%とした評価試料76では、臭気強度が1となった。
含有率の変更対象を、優先順位が2位の消臭試料3とした。このとき、消臭試料5の含有率は、7質量%とした。消臭試料3の含有率を1質量%減少させ7質量%とした評価試料77では、臭気強度が0となった。但し、消臭試料5の含有率を更に1質量%減少させ6質量%とした評価試料78では、臭気強度が1となった。
この結果、体臭試料Pに対する有効な洗濯前処理剤として、消臭試料6の含有率が8質量%で消臭試料3の含有率が7質量%で消臭試料5の含有率が7質量%である評価試料77が特定される。
Figure 2017132901
<第十評価>
第十評価の評価結果を、表14に示す。表14のNo.1〜6の各行に示す各値は、実験3の表3に関連して説明した通りである。従って、これに関する説明は、省略する。評価試料77では、噴霧直後と噴霧から10分後及び24時間後のどのタイミングでも、体臭試料Pによる臭気を感じることはなかった。
Figure 2017132901
<実験10>
実験10について説明する。実験10は、実験1の結果に基づいた実験である。実験10では、腐敗臭、硫黄臭、スパイシー臭及び脂肪酸臭を伴う複合的な腋臭に有効な洗濯前処理剤に含有させる消臭試料を、消臭試料1〜7から選定し、選定された消臭試料の洗濯前処理剤における好適な含有率を特定する。
<体臭試料>
実験10では、腐敗臭、硫黄臭、スパイシー臭及び脂肪酸臭を伴う複合的な腋臭を発する体臭試料Qを作製した。体臭試料Qは、臭気試料B2を18.75質量%、臭気試料Cを18.75質量%、臭気試料Gを6.25質量%、臭気試料Hを18.75質量%、臭気試料Iを18.75質量%、及び臭気試料Jを18.75質量%の比率で混合させた溶液である。作製された体臭試料Qからは、腐敗臭、硫黄臭、スパイシー臭及び脂肪酸臭を伴う複合的な腋臭に近い臭気が発せられることが確認された。
<消臭試料の選定>
体臭試料Qに対して有効な消臭試料の選定は、実験1の評価結果(表1参照)に基づき、次のようにして行われる。即ち、消臭試料1〜7のうち、例えば、体臭試料Qに含まれる臭気試料G,Jに対して、噴霧直後と噴霧から10分後及び24時間後の各タイミングで臭気強度が0である消臭試料6が選定される。消臭試料6は、臭気試料G,Jに含まれる臭気成分に対して消臭効果を有する消臭成分を含む。但し、消臭試料6では、噴霧直後と噴霧から10分後及び24時間後の何れかのタイミングの臭気強度が、臭気試料B2,C,H,Iに対して0ではない。そこで、消臭試料6で噴霧直後と噴霧から10分後及び24時間後の臭気強度が0でない所定のタイミングにおける臭気強度が、臭気試料B2,C,H,Iに対して0である消臭試料2,3,5が適宜選定される。
実験10では、実験2で関連して説明した上記の手法は用いず、消臭試料6の優先順位を1位とし、消臭試料3の優先順位を2位とし、消臭試料5の優先順位を3位とし、消臭試料2の優先順位を4位とした。なお、実験2に関連した手法にて優先順位を決定した場合は、次の通りとなる。即ち、上述した「消臭強度の点数付け基準」に従った総点数に関し、消臭試料2は1.44点となり、消臭試料3は1.66点となり、消臭試料5は1.38点となり、消臭試料6は2.06点となる。この結果、実験10では、消臭試料6の優先順位が1位に決定され、消臭試料3の優先順位が2位に決定され、消臭試料2の優先順位が3位に決定され、消臭試料5の優先順位が4位に決定される。
<評価方法>
実験10では、上述したようにして選定された消臭試料6,3,5,2の含有率を適宜変更させた、洗濯前処理剤としての評価試料81〜95を対象として、実験2(実験1)と同様の評価方法で官能テストを行い、6段階臭気強度表示法に従い評価した。実験10の説明では、前述の評価を、「第十一評価」という。第十一評価では、評価条件は、実験2と同様とした。
評価試料81は、消臭試料6を5質量%、消臭試料3を5質量%、消臭試料5を5質量%、消臭試料2を5質量%、及び出願人洗剤を40質量%含有し、残部が精製水である溶液である(表15参照)。詳細は省略するが、評価試料82〜95は、実験2の評価方法で説明した通りの手法によって、消臭試料6,3,5,2の含有率を適宜設定した溶液である(表15参照)。但し、実験10の説明では、臭気強度が0に至るまでの評価溶液は、実施した全ての評価溶液のうちの一部の評価溶液を例示する。
更に、実験10では、体臭試料Qと第十一評価に基づき特定される評価試料を対象として、実験3(実験1)と同様の評価方法で官能テストを行い、6段階臭気強度表示法及び9段階快不快度表示法に従い評価した。実験10の説明では、前述の評価を、「第十二評価」という。第十二評価では、評価条件は、実験3と同様とした。
<評価結果>
<第十一評価>
第十一評価の評価結果を、表15に示す。表15で臭気強度として示す各値は、実験2(実験1)と同様、合計6回の平均値を、有効桁数を1桁とした1桁の整数となるように切り上げた値である。消臭試料6が8質量%で消臭試料3が8質量%で消臭試料5が8質量%で消臭試料2が8質量%である評価試料84で、臭気強度が0となった。優先順位が4位の消臭試料2の含有率を1質量%減少させ7質量%とした評価試料85と、更に1質量%減少させ6質量%とした評価試料86と、更にまた1質量%減少させ5質量%とした評価試料87でも、臭気強度が0となった。但し、消臭試料2の含有率を更にまた1質量%減少させ4質量%とした評価試料88では、臭気強度が1となった。
含有率の変更対象を、優先順位が3位の消臭試料5とした。このとき、消臭試料2の含有率は、5質量%とした。消臭試料5の含有率を1質量%減少させ7質量%とした評価試料89と、更に1質量%減少させ6質量%とした評価試料90と、更にまた1質量%減少させ5質量%とした評価試料91でも、臭気強度が0となった。但し、消臭試料5の含有率を更にまた1質量%減少させ4質量%とした評価試料92では、臭気強度が1となった。含有率の変更対象を、優先順位が2位の消臭試料3とした。このとき、消臭試料2の含有率は、5質量%とした。消臭試料5の含有率は、5質量%とした。消臭試料3の含有率を1質量%減少させ7質量%とした評価試料93では、臭気強度が0となった。但し、消臭試料3の含有率を更に1質量%減少させ6質量%とした評価試料94では、臭気強度が1となった。含有率の変更対象を、優先順位が1位の消臭試料6とした。このとき、消臭試料2の含有率は、5質量%とした。消臭試料5の含有率は、5質量%とした。消臭試料3の含有率は、7質量%とした。消臭試料6の含有率を1質量%減少させ7質量%とした評価試料95では、臭気強度が1となった。
この結果、体臭試料Qに対する有効な洗濯前処理剤として、消臭試料6の含有率が8質量%で消臭試料3の含有率が7質量%で消臭試料5の含有率が5質量%で消臭試料2の含有率が5質量%である評価試料93が特定される。
Figure 2017132901
<第十二評価>
第十二評価の評価結果を、表16に示す。表16のNo.1〜6の各行に示す各値は、実験3の表3に関連して説明した通りである。従って、これに関する説明は、省略する。評価試料93では、噴霧直後と噴霧から10分後及び24時間後のどのタイミングでも、体臭試料Qによる臭気を感じることはなかった。
Figure 2017132901
<実施形態の効果>
実施形態によれば、次のような効果を得ることができる。
(1)洗濯前処理剤には、水洗による洗濯の対象となる布製品に付着した人の身体部分からの特定の臭気成分に対して消臭効果を有する消臭成分が含められる。洗濯前処理剤は、臭気成分が付着した布製品の特定の部分に付着される。そのため、布製品の特定の部分に付着した臭気を直に除去することができる。
(2)洗濯方法は、第一工程と第二工程を含む。第一工程では、洗濯前処理剤が、特定の臭気成分が付着した布製品の特定の部分に付着される。第二工程では、特定の部分に洗濯前処理剤を付着させた布製品が、洗濯洗剤が溶解した水によって水洗される。そのため、洗濯前処理剤によって変質又は包含された臭気成分を洗い流すことができる。消臭成分が化学的消臭法による消臭効果を有する物質である場合、第二工程によって、変質した臭気成分を洗い流すことができる。消臭成分が物理的消臭法による消臭効果を有する物質である場合、第二工程によって、臭気成分を包含した消臭成分を洗い流すことができる。
(3)洗濯前処理剤に含ませる消臭成分の選定に際し、臭気試料A〜Jを設定し、臭気試料A〜Jのそれぞれに対する、消臭試料1〜7の各消臭試料による消臭効果が体系化される(表1参照)。そのため、容易に、洗濯前処理剤に含ませる消臭成分を選定することができる。消臭試料1〜7のうちの複数の消臭試料が混合した組成物からの臭気であっても、表1のように体系化されたデータベースに従い、好適な消臭試料(消臭成分)を選定することができる。
<変形例>
実施形態は、次のようにすることもできる。以下に示す変形例のうちの幾つかの構成は、適宜組み合わせて採用することもできる。以下では上記とは異なる点を説明することとし、同様の点についての説明は、適宜省略する。
(1)上記では、洗濯前処理剤は、消臭成分を含む。洗濯前処理剤には、更に、抗菌成分を含ませるようにしてもよい。これによれば、布製品における雑菌の繁殖を抑制することができる。洗濯前処理剤によって得られた消臭効果を、より長い期間維持させることが可能となる。例えば、洗濯後、布製品が長期間保管される場合、又は、再度、布製品が使用される場合にも、消臭効果の維持が期待できる。抗菌成分としては、塩化ベンザルコ二ウム及び塩化ベンゼトニウム等の第四級アンモニウムが例示される。
(2)上記では、各種の臭気成分を、グループA〜Jに分類し、これに対応させた臭気試料として、臭気試料A〜Jを例示した。洗濯前処理剤を作製する場合、臭気成分としては、上述した各物質以外の物質を消臭対象として含めるようにしてもよい。消臭対象とする臭気成分の特定は、諸条件を考慮して適宜行われる。臭気成分のグループ分けは、上記とは異なる視点に基づき行うようにしてもよい。臭気成分のグループ分けは、諸条件を考慮して適宜行われる。消臭成分についても、上述した各物質以外の物質を、洗濯前処理剤に含ませる成分として選定するようにしてもよい。消臭成分の選定は、諸条件を考慮して適宜行われる。

Claims (9)

  1. 水洗による洗濯の対象となる布製品における特定の部分に付着される洗濯前処理剤であって、
    前記布製品に付着した人の身体部分からの特定の臭気成分に対して消臭効果を有する消臭成分を含む、洗濯前処理剤。
  2. 前記消臭成分として、α−シクロデキストリン、メチル化シクロデキストリン、柿タンニン、ヒノキの植物精油、エタノールアミン、ベタイン系両性界面活性剤、及びポリアミン系界面活性剤のうちの2種以上を含む、請求項1に記載の洗濯前処理剤。
  3. 前記消臭成分として、
    α−シクロデキストリン、メチル化シクロデキストリン、柿タンニン、ヒノキの植物精油、エタノールアミン、及びポリアミン系界面活性剤のうちの1種以上と、
    ベタイン系両性界面活性剤と、を含む、請求項2に記載の洗濯前処理剤。
  4. 前記消臭成分として、
    ヒノキの植物精油と、
    ベタイン系両性界面活性剤と、を含む、請求項3に記載の洗濯前処理剤。
  5. 前記消臭成分として、更に、柿タンニンを含む、請求項4に記載の洗濯前処理剤。
  6. 前記消臭成分として、更に、
    α−シクロデキストリンと、
    ポリアミン系界面活性剤と、を含む、請求項5に記載の洗濯前処理剤。
  7. 前記消臭成分として、
    柿タンニンと、
    エタノールアミンと、
    ベタイン系両性界面活性剤と、を含む、請求項3に記載の洗濯前処理剤。
  8. 前記消臭成分として、更に、メチル化シクロデキストリンを含む、請求項7に記載の洗濯前処理剤。
  9. 洗濯用洗剤が溶解した水によって布製品を水洗する洗濯方法であって、
    請求項1から請求項8の何れか1項に記載の洗濯前処理剤を、人の身体部分からの特定の臭気成分が付着した前記布製品の特定の部分に付着させる第一工程と、
    前記特定の部分に前記洗濯前処理剤を付着させた前記布製品を、前記水によって水洗する第二工程と、を含む、洗濯方法。
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