JP2004532054A5 - - Google Patents

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悪臭の予防及び中和のための大環状ムスク
本発明は、煙の悪臭、特に煙草の煙の悪臭を予防及び/又は中和する特定の香料成分の使用に関する。本発明は、また、そのような香料成分を含む香料及び製品に関する。
悪臭を予防及び/又は中和するという課題は長年にわたり認識されており、特定の悪臭に対処するための多数の方法及び製品が開発されてきた。一連の市販されている方法及び製品においては、近年、家庭における及び工業的な悪臭除去に使用するために開発されたいくつかの消費者製品が開発され、大量販売されるようになっている。
一般に香料(香水としても知られている)の一部としての芳香性材料が、最も普通に用いられている悪臭中和剤であろう。これらは、単独で又はその他の材料(抗菌剤又は吸着剤等)と共に用いられている。
例えば体臭などの各種悪臭に対して効果のある香料は公知であるが、煙の悪臭に対して活性であり、優れた効果を示す香料はまれである。
WO95/15186には、密閉空間における又は煙の悪臭が付着した基質における煙の悪臭を中和する、特定の芳香性アルデヒド又はそれらの混合物、及びこれらを含む香料の使用が記載されている。当該芳香性アルデヒドは、煙草の悪臭を効果的に中和すると説明されている。
FR2666510には、多くの異なる原因、例えば、動物、野菜、工業的生産工程、下水、及び煙草の燃焼による悪臭を中和するための消臭用組成物が開示されている。多くの芳香性アルデヒド、アルコール、エステルが、推奨添加量とともに詳述されており、なかでもシトラールとフェニルアセトアルデヒドが重要な成分である。“化学分子(chemical molecule)”と記載されている更なる成分(おそらく、香料に用いられている同様の材料は除外されている)の存在が必要とされ、好ましくは、それらは組成物の重量に基づいて少なくとも5重量%である。これらの唯一の例は、直鎖アルデヒドヘプタナールである。さらに、当該組成物は、嗅覚認識を均一にする試薬(例えば、キシレンムスク又はテトラリン)を0.5乃至10%を含む。発明の実施態様として、いくつかの空気清浄製品の形成が開示されている。
WO98/32820は、皮膚、毛髪、及び織物繊維を処理する香料及び製品に関するものであり、それは少なくとも2の大環状ムスク(すなわち、ヘキサデカノリド、シクロペンタデカノン、及びペンタデカノリド)の混合物を含む。WO98/32820の混合物は、セルロース系及びタンパク性の基質に対し優れた実用性(substantivity)を有し、さらに容易に生分解可能であると記載されている。従って、当該混合物は、優れた実用性を有するが生分解され難いTonalid(登録商標)等の多環状ムスクに対する有用な代替品であると記載されている。香料は、0.01重量%、好ましくは少なくとも0.1重量%、より好ましくは少なくとも0.5重量%以上の上記ムスク混合物を含むことができる。
本発明の1の観点では、シクロヘキサデカノリド、シクロペンタデカノン、又はシクロペンタデカノリドから選択される1以上の大環状ムスクを含む組成物を表面に用いることにより、表面における煙の悪臭を予防及び/又は中和する方法を提供するものである。
本発明の目的において、“表面における煙の悪臭を予防する”という表現は、本発明の1以上のムスクを煙の無い表面に用いることにより、典型的には、煙と接触した場合に当該表面から発生する煙の悪臭の嗅覚的検出を減少させ又は抑制することを意味する。
本発明の目的において、“表面における煙の悪臭を中和する”という表現は、本発明の1以上のムスクを煙の悪臭を放つ表面に用いることにより、典型的には、当該表面から発生する煙の悪臭の感知強度を減少させることを意味する。
本発明は、シクロヘキサデカノリド、シクロペンタデカノン、又はシクロペンタデカノリドから選択される1以上の生分解性大環状ムスクは、表面における煙の悪臭(特に、煙草の悪臭)を予防及び/又は中和するための、費用効率が高くかつ驚くべきほど有効な方法を都合良く提供するために用いられ得る。有利なことに、当該ムスクは、特に、繊維の表面(例えば、布)における煙の悪臭を予防及び/又は中和するの効果的である。さらに、比較的高い濃度でムスクを含む香料又はそれらの混合物は、表面で感知された煙の悪臭を、対照実験に比べて少なくとも3倍減少させるであろう。また、1以上の上記大環状ムスクによる実体的性質に起因して、特定のムスク又はムスク混合物のおいて観測される、煙の悪臭に対する中和及び/又は予防の効果は、有益なことに、短命(ephemeral)ではなく長期間持続し得る。
当該組成物は、任意に、更なる賦形剤(excipient)と混合され得る。好ましくは、組成物は香料の形式である。本発明の目的では、“香料”は、シクロヘキサデカノリド、シクロペンタデカノン、又はシクロペンタデカノリドから選択される1以上の大環状ムスクに加えて、1以上の更なる香料成分(所望ならば、適切な溶媒と混合される)を含むものとして定義される。
本明細書で定義する1以上の大環状ムスクが煙の悪臭を予防及び/又は中和する場合につての可能なメカニズムは、多数存在する。例えば、1以上のムスクは、煙の悪臭の嗅覚的感知を部分的に中和することができ、この効果は、一つには、空間的及び/又は時間的フィルタリングの現象から生じる。空間的フィルタリングにおいては、1以上の大環状ムスクは、嗅上皮(olfactory epithelium)における臭い受容部位又は細胞に対し煙の悪臭をもたらす分子と競合すること、又は、嗅覚刺激の間に起こる伝達プロセスを阻害し得る細胞間効果を誘引することが可能である。或いは、時間的フィルタリング工程を経て、鼻において生じる神経メッセージの大きさ及び量(content)が、1以上の大環状ムスクの存在による嗅球(olfactory bulb)及びその他の中枢構造における阻害を経て減少し得る。
大環状ムスク
上記のように、煙の悪臭(特に、煙草の臭い)を予防及び/又は中和する組成物において有効であることが判明した大環状ムスクは、シクロヘキサデカノリド、シクロペンタデカノン、又はシクロペンタデカノリドから選択される1以上の大環状ムスクである。
本発明における使用では、シクロヘキサデカノリド、シクロペンタデカノン、及びシクロペンタデカノリドのうちの少なくとも2の混合物を含む組成物が好ましい。シクロヘキサデカノリドとシクロペンタデカノンを含む混合物が、より好ましい。
典型的には、そのような混合物におけるシクロヘキサデカノリド対シクロペンタデカノンの重量比は、約1:3乃至約10:1であり、好ましくは約1:1である。
好ましくは、本発明において有用な組成物は、1以上の更なる香料成分を付加的に含む。
本発明の好ましい実施態様では、シクロヘキサデカノリド、シクロペンタデカノン、及びシクロペンタデカノリドのうちの少なくとも2の混合物を含む組成物が煙の悪臭を放つ表面に用いられる場合、当該混合物はセルロース系及びタンパク性の表面に対し実用性を有し、それは、かかる表面に対してシクロヘキサデカノリド、シクロペンタデカノン、及びシクロペンタデカノリドを個々に用いたときと、少なくとも同程度(ほとんどの場合、著しく優れた)実用性であることが明らかになった。これは、そのような混合物の実用性を潜在的に向上させ、更なる利益をもたらす。さらに、前述した大環状ムスクのうちの少なくとも2の混合物を含む組成物は、煙の悪臭の予防及び/又は中和において特に有効であることが判明し、任意の特定の理論に制限されることなく、特定の混合物の有効性は、当該大環状ムスクの間で生じる相乗効果に起因すると考えられる。
本発明において有用な組成物は、上記で定義したような香料であることができ、又は、例えば、その他の賦形剤(例えば、適切な相溶性溶媒、洗浄剤、又は保湿剤など)とさらに混合された香料を含む製品であることもできる。
例えば、1以上の大環状ムスクは、ムスクの香りを除くその他多くの所望の嗅覚的特性を香料に付与する最終的な香料の一部であることができる。
本発明において有用な、悪臭を中和する香料は、一般に、1以上の大環状ムスクの香料を少なくとも3重量%、好ましくは少なくとも10重量%、より好ましくは少なくとも15重量%、さらにより好ましくは少なくとも20重量%含む。
香料において、1以上の大環状ムスクは、ムスクの香りを一面とする全体に調和の取れた香りを得るために、当該技術分野において公知のその他多くの香料成分とブレンドされ得る。それゆえ、典型的には、香料は、組合せにより人間の鼻にとって心地良い種々の香り特性を示す揮発性物質の混合物である。
従って、更なる一面において、本発明は、少なくとも3重量%、好ましくは少なくとも10重量%、より好ましくは少なくとも15重量%、さらにより好ましくは少なくとも20重量%のシクロヘキサデカノリド、シクロペンタデカノン、又はシクロペンタデカノリドから選択される1以上の大環状ムスク、及び、1以上の更なる香料成分を含む香料を提供するものである。
香料において、本発明の大環状ムスク又はそれらの混合物と有益に結合され得るその他の香料成分は、例えば、特定の天然エキス、エッセンシャルオイル、アブソリュート、レジノイド、樹脂、コンクリート、さらに、飽和及び不飽和化合物、脂肪族、炭素環式、及びヘテロ環式化合物を含む、炭化水素、アルコール、アルデヒド、ケトン、エーテル、酸、エステル、アセタール、ケタール、ニトリル等の合成物である。
そのような香料成分は、例えば、S.Arctander、Perfume and Flavor Chemicals(Montclair、N.J.、1969年)、S.Arctander、Perfume and Flavor Materials of Natural Origin(Elizabeth、N.J.、1960年)、及び“Flavor and Fragrence Materials−1997”、Allured Publishing Co.Wheaton、Ill.USA(又は、毎年刊行される当該刊行物のこれまでのもの)に記載されている。
本発明の1以上の大環状ムスクと組合せて用いることができる香料成分の例は、ゲラニオール、酢酸ゲラニル、リナロール、酢酸リナリル、テトラヒドロリナロール、シトロネロール、酢酸シトロネリル、“CITRALVA”の登録商標の下で市販されているゲラニルニトリル、ジヒドロミルセノール、酢酸ジヒドロミルセニル、テトラヒドロミルセノール、テルピネオール、酢酸テルピニル、ノポール、酢酸ノピル、2−フェニルエタノール、酢酸2−フェニルエチル、ベンジルアルコール、酢酸ベンジル、サリチル酸ベンジル、酢酸スリラリル、安息香酸ベンジル、サリチル酸アミル、ジメチルベンジルカルビノール、酢酸トリクロロメチルフェニルカルビニル、酢酸p−tert−ブチル−シクロヘキシル、酢酸イソノニル、酢酸ベチベリル、ベチベロール、α−ヘキシル桂皮アルデヒド、2−メチル−3−(p−tert−ブチルフェニル)プロパナール、2−メチル−3−(p−イソプロピルフェニル)プロパナール、3−(p−tert−ブチルフェニル)プロパナール、2,4−ジメチルシクロヘキシ−3−エニル−カルボキシアルデヒド、酢酸トリシクロデセニル、プロピオン酸トリシクロデセニル、4−(4−ヒドロキシ−4−メチルペンチル)−3−シクロヘキセンカルボキシアルデヒド、4−(4−メチル−3−ペンチル)−3−シクロヘキセンカルボキシアルデヒド、4−アセトキシ−3−ペンチル−テトラヒドロピラン、3−カルボキシメチル−2−ペンチルシクロペンタン、2−n−ヘプチル−シクロペンタノン、3−メチル−2−ペンチル−2−シクロペンタノン、n−デカナール、n−ドデカナール、9−デセン−1−オール、イソ酪酸フェノキシエチル、フェニルアセトアルデヒドジメチルアセタール、フェニルアセトアルデヒドジエチルアセタール、シトロネリルニトリル、酢酸セドリル、3−イソカンフィルシクロヘキサノール、セドリルメチルエーテル、オランシオン(aurantion)、“BANGALOL”の登録商標の下で市販されている2−エチル−4(2’,2’,3’−トリメチルシクロペンテン−3’−イル)ブテン−2−オール、イソロンギホラノン、オーベピンニトリル、オーベピン、ヘリオトロピン、クマリン、オイゲノール、エチルバニリン、バニリン、ジフェニルオキシド、ヒドロキシシトロネラール、イオノン、メチルイオノン、イソメチルイオノン、イロン、“JASMACYCLENE”の登録商標の下で市販されている酢酸3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−4,7−メタノ−1(3)H−インデン−6−イル、ラバンジングロッソ(lavandin grosso)、リリーアルデヒド、リキセトン(lixetone)、メチルナフチルケトン、モスオークモス(moss oak moss)、オレンジ油、パチョリ酸(patchouli acid)、プチグレン油、ローズオキシド、“RHUBAFURAN”の登録商標の下で市販されている2,4−ジメチル−4−フェニルテトラヒドロフラン、“PIVACYCLENE”の登録商標の下で市販されているピバリン酸ジシクロペンテニル、シス−3−ヘキサノール及びそのエステル、インダンムスク、テトラリンムスク、イソクロマンムスクである。
本発明における組成物又は香料は、典型的には、溶媒を含み、それにより、1以上の大環状ムスク及び/又は更なる香料成分が希釈される。本発明における使用に適切な溶媒は、1以上の大環状ムスクと相性が良く、さらに、当該1以上の大環状ムスクが用いられる表面とも相性が良い溶媒である。本発明において有用な溶媒の適切な例には、ミリスチン酸イソプロピルが含まれる。
本発明の方法を実施する場合、当該組成物は、煙の悪臭を中和するために当該煙の悪臭を示している表面に用いられるか、或いは、主に煙の悪臭が生じることを予防するために煙の悪臭がしない表面に用いられる。当該表面には、皮膚、毛髪、塗装面(hard surface)、衣類、床材、又は壁紙が含まれる。当該組成物は、噴霧(例えば、エアゾールとして)により、又は、ポンプ作用により、(例えば、含浸布を用いて)拭くこと、注ぐこと等により用いられ得る。
本発明の香料は、既に煙と接触しており煙の悪臭が生じている表面、又は、煙の悪臭と接触する恐れがある表面への用途に適切な製品において用いることができ、これにより表面から煙の悪臭が生じることを防止できる。それゆえ、更なる観点において、本発明は、本発明の香料を含む製品を提供するものである。
適切な製品には、例えば、塗装面洗浄剤、洗濯用洗剤(液体、粉状、及びタブレットの形状を含む)、衣類用柔軟剤、リンスコンディショナー、衣類清浄(fabric refresher)製品(例えば、スプレー、洗濯のりスプレー、アイロン用スプレー、及び染み取りスプレー)を含む衣類処理製品、シャンプー、コンディショナー、ムース、ヘアスプレー、ヘアリフレッシュ用スプレー及びローション及びその類似製品、クリーム、ローション、顔用又は全身用スプリッツァー(spritzer)、ジェル、入浴用及びシャワー用製品、洗顔料、洗顔水及びその類似物。好ましい製品は、衣類清浄製品である。
更なる観点において、本発明は、表面における煙の悪臭を予防及び/又は中和するための(好ましくは、表面における煙の悪臭を中和するための)組成物における、シクロヘキサデカノリド、シクロペンタデカノン、又はシクロペンタデカノリドから選択される1以上の大環状ムスクの使用を提供するものである。
以下の非限定的な実施例により、本発明を説明する。
特に示さない限り、全てのパーセンテージは、重量パーセントである。
簡潔のために、実施例では、大環状ムスクであるシクロヘキサデカノリド及びシクロペンタデカノリドは、それぞれ、香料業界において通常用いている省略用語である“ヘキサデカノリド”及び“ペンタデカノリド”と記載する。
本発明の1以上の大環状ムスクを含む配合物の適用の後における、煙の悪臭を放つ表面から検知される煙の悪臭の強度の減少を、以下に示すように、標準的な感知手順を用いて実証した。
それぞれ種々の大環状及び多環状ムスクを添加した中核芳香基剤(core fragrance base)を含む香料(A−F)を、以下の表に示す比率で調製した。

中核芳香基剤
成分 重量%
オランシオン(Q) 0.4
Bangalol(Q) 2
酢酸ベンジルExtra(Q) 0.6
サリチル酸ベンジル(Q) 16
Citralva(IFF) 0.2
精製シトロネロール 4
ジフェニルオキシド 0.6
ジプロピレングリコール 2.3
エチルバニリン 0.4
精留オイゲノール 0.6
酢酸ゲラニル 0.6
ヘキシル桂皮アルデヒド 10
Jasmacyclene(Q) 2
ラバンジングロッソ 5
リリーアルデヒド 12
リナロール 1.4
バルク(bulked)リキセトン(Q) 16
メチルナフチルケトン 1.2
合成モスオークモス 0.4
オレンジ油 0.8
精製パチョリ酸(Q) 5.6
プチグレンパラグアイ 1.2
Pivacyclene(Q) 0.2
DPG中10%のRhubafuran(Q) 0.4
ローズオキシドのラセミ体 0.1
・ (Q)で特定される香料成分は、Quest International(Ashford、Kent、英国)より市販されているものである。
・(IFF)で特定される香料成分は、International Fragrances and Flavourings(New York City、米国)より市販されているものである。
Figure 2004532054
1.MIX−Sは、ヘキサデカノリドを35%、シクロペンタデカノンを35%、及びミリスチン酸イソプロピルを30%含む混合物である。
2.Tonalidは、PFW Aoma Chemicals B.V.(オランダ)より市販されている多環状ムスクについての登録商標である。
3.Habanolideは、Firmenich S.A.(Geneva、スイス)より市販されているマクロライドムスクについての登録商標である。
上記の香料A、B、C、D、E、又はFのうちの1を含む6つの衣類清浄スプレーを、以下の示すように調製した。
衣類清浄スプレー
成分 重量%
香料(A、B、C、D、E、又はF) 0.05
可溶化剤 0.15
所望される防腐剤
精製水 100未満
4.BASF AGより市販されているCremaphor RH40
正方形のテリー織りのタオル地(10cm x 10cm)7枚にラベルを貼り、煙草(Marlboro)が2本入っている、煙が充満したキャビネット(内部寸法は、37x48x59cm)の中に20分間置き、その後、当該布をキャビネットから除去した。これらの布のうち6枚には、それぞれ、上記6つの衣類洗浄スプレーのうちの1つを噴霧し、放置して2時間乾燥させた。対照のための布サンプルも同様に試験し、こちらには香料を含まない衣類清浄スプレーを噴霧した。これらの布を、それぞれ無臭のビニール袋に入れ、3桁の任意の数字をラベルして、評価に備えた。
官能パネル(sensory panel)
布の臭気強度を評価するために、感覚の鋭さに基づいて選択した評価者(assessor)よるなる熟練した官能パネルを用いた。パネリスト達は、実施される試験の前に6ヶ月間訓練を受け、彼らが感知する臭気強度を正確にかつ再現性をもって記録する能力を向上させた。訓練が成功裡に終了した後、彼らを非常勤で定期採用し、官能評価を行った。
布サンプルは、無作為の順番でパネリストに提示した。各評価者は、“Sensory Evaluation Techniques”(Meilgaard,Civille及びCarr、CRC出版、1991)の55頁及び引用文献に記載されているマグニチュード推定尺度構成法(magnitude estimation scaling tecnique)を用いて、それぞれの布について感知した煙の臭いの強度を個別に記録した。個々のパネリストのスコアは、標準的な統計的Analysis of Variance and Multiple Comparison試験を用いて規格化及び解析し、平均悪臭強度のスコアを得た。
結果を以下の表に示す。
Figure 2004532054
上記の表に示した結果から、試験に用いた全ての香料は、対照に比べると、感知される煙の悪臭の強度における減少に効果があるが、さらに、1以上の生分解性大環状ムスクを含む香料を含有する衣類清浄スプレーは、香料工業において生産量の多いムスクであるTonalid(登録商標、香料A)又はマクロライドムスクであるHabanolide(登録商標、香料F)のいずれかを含有する香料を含む衣類清浄スプレーと比較して、煙の悪臭に対する大幅に改善された中和特性を示すということが分かる。
ヘキサデカノリドとシクロペンタデカノンを含む大環状ムスク混合物の煙の悪臭に対する中和特性は、以下に詳述するように、香料におけるムスク混合物濃度によって変化する。
等量のヘキサデカノリドとシクロペンタデカノンの70%ミリスチン酸イソプロピル溶液(すなわち、35%のヘキサデカノリド、35%のシクロペンタデカノン、30%のミリスチン酸イソプロピル)を含み、さらに、(実施例1で示したのと同じ組成の)種々の比率の中核芳香基剤を混合した香料(G−I)を、以下の表に従って調製した。
香料 G H I
中核芳香基剤 70% 84% 95%
ムスク混合物 30% 16% 5%
当該混合物の内訳は、
ヘキサデカノリド/シクロペンタデカノン 21% 11.2% 3.5%
ミリスチン酸イソプロピル 70% 4.8% 1.5%
香料G、H、Iのうちの1を含む3つの衣類清浄スプレーを、以下のように調製した。
衣類清浄スプレー
成分 重量%
香料(G、H、又はI) 0.03
可溶化剤(上記実施例1と同じ) 0.15
所望される防腐剤
精製水 100未満
正方形のテリー織りのタオル地(10cm x 10cm)4枚にラベルを貼り、煙草(Marlboro)が2本入っている、煙が充満したキャビネット(内部寸法は、37x48x59cm)の中に20分間置き、その後、当該布をキャビネットから除去した。3枚の布には、それぞれ、上記3つの衣類洗浄スプレーのうちの1つを噴霧し、放置して2時間乾燥させた。残りの布サンプルを対照として用い、未処理のままにした。これらの布を、それぞれ無臭のビニール袋に入れ、評価に備えてラベルを貼った。
実施例1に記載した手順により、布サンプルについて感知された煙の悪臭の強度を評価した。
結果を以下の表に示す。
Figure 2004532054
この結果から、比較的高い濃度で大環状ムスク(ヘキサデカノリドとシクロペンタデカノン)の混合物を含む香料は、煙の悪臭に対する優れた中和特性を示すことが示唆される。
以下の実施例は、異なる比率のヘキサデカノリド、シクロペンタデカノン、及びミリスチン酸イソプロピルを含有する大環状ムスク混合物の香料を含む衣類清浄スプレーについて観測された、煙の悪臭に対する中和特性の変化を示すものである。
84%の(実施例1に記載した)中核芳香基剤、及び、30%のミリスチン酸イソプロピル中における16%乃至70%の範囲のヘキサデカノリドとシクロペンタデカノンを含む香料J、H、及びKを、以下に示すように調製した。
Figure 2004532054
香料J、H、又はKのうちの1を含む3つの衣類清浄スプレーを、実施例2に示した基剤組成に従って調製した。その後、それぞれの衣類清浄スプレーを、煙の悪臭を放つ正方形の布に噴霧した。実施例2と同様に、未処理のままの、煙の悪臭を放つ正方形の布も評価対象に含めた。その後、実施例2に記載した手順により、布サンプルについて感知された煙の悪臭の強度を評価した。
結果を以下の表に示す。
Figure 2004532054
この結果は、煙の悪臭に対する中和特性の利益は、異なる比率のムスク混合物を含む香料に起因することを示唆するものである。
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