JP5568713B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、弾球式の遊技機に関するものであり、特に、併設されたカードユニットに、球貸し料となる代金が記録されたカードを挿入して球貸しを受ける遊技機に関するものである。
通常、遊技機のカードユニットは、その遊技機の左側に設けられており、これに有効残高のあるカードを挿入し、遊技機に設けられた球貸スイッチを操作することで、カードユニットと遊技機の払出制御装置とが双方向通信を行い、度数1(例えば100円分)を貸し出す処理を設定回数または有効残高に応じて行なうように構成されている(例えば特許文献1)。
ところで、こうした遊技機では、条件を満たすことにより大当たり状態に移行し、遊技者は多くの遊技球が得られる(特許文献2)。大当たり状態の終了後も、こうして獲得した遊技球を用いて、遊技を可能にしている遊技施設が主流である。
大当たり状態によって多くの遊技球を得られ、この遊技球を用いて遊技することが可能となることにより、カードに対する遊技者の意識が低下し、一時的な離席や退席の際にカードをカードユニットから抜き忘れることがある。これにより、カードが盗難にあったり、完全に退席したにも関わらずカードがカードユニットに挿入されているのを見た他の遊技者が、この遊技機は誰かが占有していると勘違いして遊技せず、稼働率が低下するという問題点がある。そこで、こうしたカードの抜き忘れを防止する発明も提案されている(特許文献3)。なお、貸出料の残高を、メダル状の記録媒体に記録して遊技者に付与する装置も存在するが、ここではこうしたメダル状の記録媒体もカードと呼ぶこととする。
特開2001−347054 特開平10−52559 特開平5−84355
しかしながら、特許文献3に係る発明では、遊技の終了を検出する必要があり、このために発射装置の稼動状態や玉箱が置かれているか否かなどから判断しているが、いずれも遊技の終了を検出する方法として不確実である。仮に遊技の終了を検出できたとしても、その時はカードは盗難にあった後かもしれない。
本発明は係る課題に鑑みなされたものであり、遊技者がカードをカードユニットから排出し忘れるのを防止することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた請求項1記載の本発明は、遊技域に始動口を備え、該始動口に入球すると乱数値を発生させ、該乱数値により当否を判定し、当たりと判定した場合には、遊技者に有利な大当り遊技状態を発生させる遊技機において、前記大当たり状態は、前記遊技域に形成された大入賞口を入球可能な状態にすることにより、前記大当たり状態ではない状態よりも、遊技者が賞球を容易に得られる状態であり、当該遊技機にて使用される遊技球の貸出料となる代金が記録されたカードを挿入可能なカードユニットと、該カードユニットから前記カードを排出する際に操作するための排出指示手段と、該カードユニットに前記カードが挿入されているか否かを判定するカード有無判定手段と、当該遊技機が前記大当たり遊技状態にある場合に、前記カード有無判定手段が、前記カードユニットに前記カードが挿入されていると判定すると、前記排出指示手段を操作する旨を遊技者に促す報知動作を行なう排出報知手段と、前記排出報知手段が前記報知動作を行なう際には、前記賞球の遊技者への払出を中断させる賞球停止手段とを備えたことを特徴とする。
ここで、報知動作としては、遊技機の備える液晶画面に報知のための画像を表示したり、遊技機の備えるスピーカーから報知のための音声を出力したり、遊技機に設けられた可動体を動かしたりすることが考えられる。
請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の遊技機において、前記排出報知手段は、1回の前記大当たり状態において複数回、前記報知動作を行なうものであることを特徴とする。
なお、排出報知手段は、カードユニットにカードが挿入されていると判定すると、報知動作を行なうものであるから、1回目の報知動作で遊技者が排出指示手段を操作して、カードをカードユニットから排出させた場合には、2回目以降の報知動作を行なわないことになる。また、1回目の報知動作が行なわれる前にカードがカードユニットから排出された場合には、1回も報知動作が行なわれないことになる。
請求項1に記載の遊技機において、「排出報知手段が前記報知動作を行なう際、前記賞球の遊技者への払出を中断させる」とは、報知動作を行なっていない状況では賞球の払出を中断しない、という意味ではない。特に請求項2に記載の遊技機のように、1回の大当たり状態において複数回、報知動作を行なう構成とした場合には、「報知動作を行なう際には賞球の払出を必ず中断する」という意味でもない。例えば、1回の報知動作ごとに賞球の払出を賞球停止手段が中断させ、報知動作が終了するごとに払出を再開するように構成してもよいが、複数回の報知動作の内の少なくとも1回において、賞球の払出を賞球停止手段が中断させるように構成してもよい。また、1回目の報知動作で排出指示手段が操作されなかった場合には、2回目の報知動作が行なわれるまでの間も、賞球の払出を停止する構成としても良い。なお、賞球停止手段は、大当たり状態に係る賞球を停止するだけでなく、それ以外の賞球も停止するように構成しても構わない。要するに、排出報知手段による報知動作が行なわれているにも拘らず、遊技者がカードを排出させないと、遊技者が大当たり状態に係る賞球を一時的に得られなくなるという状況が発生すればよい。
請求項に記載の本発明は、請求項1または2に記載の遊技機において、1回の前記大当たり状態において、前記排出報知手段による最後の前記報知動作が行なわれてから予め定められた期間が経過すると、前記カードの排出を行なうカード排出手段を備えたことを特徴とする。
ここで「最後の前記報知動作」とは、1回の大当たり状態において報知動作が1回しか行なわれない構成においては、その1回の報知動作を指すものとする。
請求項に記載の本発明は、請求項に記載の遊技機において、前記カードユニットに挿入された前記カードに記録された前記代金に基づき、遊技球の貸し出しを受けるために遊技者が操作する球貸指示手段を備え、1回の前記大当たり状態において、前記排出報知手段による最後の前記報知動作が行なわれると、前記球貸指示手段による操作を無効とする球貸禁止手段を備えたことを特徴とする。
請求項1に記載の遊技機によれば、大当たり状態において、カード有無判定手段によってカードユニットにカードが挿入されていると判定すると、排出指示手段を操作することを遊技者に促す報知動作が排出報知手段により行なわれるので、遊技者がカードを取り忘れるのを防止することができる。特に、ほぼ確実にカードから遊技球を借りていた状態の直後から、遊技者が確実に着席している大当たり状態までの間に報知動作を行なうことになるので、この間にカードが盗難にあう可能性が極めて低い。なお、大当たり状態を通じて得た遊技球や他の遊技機にて獲得した遊技球を当該遊技機に持ち込んで(移動させて)大当たり状態を得た場合には、カードを用いていないと考えられるので、カードが盗難にあう可能性はやはり低い。前者の場合は、本発明に係る遊技機によれば、最初の大当たり状態において、報知動作を受け、カードをカードユニットから排出させている筈である。後者の場合は、現在の遊技機ではカードを用いていないことになるし、移動元の遊技機が本発明に係る遊技機であって、その遊技機で大当たり状態を得たのであれば、その移動元で報知動作を受けて、カードをカードユニットから排出させている筈だからである。
請求項2に記載の遊技機によれば、大当たり状態において、排出報知手段が複数回、報知動作を行なうので、遊技者がカードを排出し忘れる可能性を一層低くすることができる。
なお、請求項に記載の遊技機によれば、大当たり遊技状態において、排出報知手段が報知動作を行なう際に、賞球停止手段が賞球の遊技者への払出を中断する。このため、遊技者は報知動作を停止させない限り賞球を得られないこととなり、カードの排出を遊技者に強く喚起することができる。なお、賞球停止手段により中断された賞球の払出は、遊技者が排出指示手段を操作すると、再開されるようにするのが好適である。あるいは、遊技者が排出指示手段を操作し、これによりカードが実際に排出されたことがカード有無判定手段によって判定された場合に、賞球の払出が再開されるようにしても良い。
また、賞球を得るのが困難な大当たり状態(例えば、ラウンド数が少ないとか、大入賞口が短時間しか開かない等)においても、前記報知動作を行なって、カードの排出を促す構成とすると、持ち球が少ない状況において、こうした大当たり状態になり、報知動作にしたがってカードを排出する場合に、その後なおも遊技を続行するには、再びカードをカードユニットに挿入して球貸しを受ける必要が生じ、煩わしい。そこで、大当たり状態を、大入賞口を入球可能な状態にすることにより、非大当たり状態よりも、遊技者が賞球を容易に得られる状態とすれば、報知動作にしたがってカードをカードユニットから排出させても、その賞球を用いて遊技を続行することができる。
請求項に記載の遊技機によれば、カード排出手段が、排出報知手段による最後の報知動作が行なわれてから予め定められた期間が経過すると、カードの排出を行なうため、カードがカードユニットに挿入されたままにされるという事態を確実に防止できる。
請求項に記載の遊技機においては、遊技者が球貸指示手段を操作することにより、カードに記録された代金に基づいて、遊技球の貸し出しが行なわれる。そして最後の報知動作(報知動作が1回しか行なわれない場合は、その報知動作)が行なわれると、球貸禁止手段が球貸指示手段による操作を無効とする。この結果、最後の報知動作から所定時間が経過して、カード排出手段によりカードがいわば強制的にカードユニットから排出される場合の状況を一定とすることができる。例えば、遊技者の指示に基づいて球貸しを行なっているがためにカードを排出できないといった事態が発生しない。
パチンコ遊技機50の正面図。 パチンコ遊技機50の遊技盤1の正面図。 パチンコ遊技機50の裏面図。 パチンコ遊技機50の電気ブロック図。 CRユニット56にて実行されるカード処理のフローチャート。 払出制御装置81にて実行される払出カード処理のフローチャート。 払出制御装置81にて実行されるカード払出要求処理のフローチャート。 払出制御装置81にて実行される賞球制御処理のフローチャート。 主制御装置80にて実行される特別遊技処理のフローチャート1。 主制御装置80にて実行される特別遊技処理のフローチャート2。 主制御装置80にて実行される主カード処理のフローチャート。 主制御装置80にて実行される大入賞口開放設定処理のフローチャート。 主制御装置80にて実行される大入賞口閉鎖設定処理のフローチャート。 主制御装置80にて実行される大当たり終了演出処理のフローチャート。 サブ制御装置83にて実行されるカード排出報知処理のフローチャート。 カードがCRユニット56に挿入された際の各信号のタイミングチャート。 カードがCRユニット56から排出される際の各信号のタイミングチャート。 球貸し禁止設定が行なわれる際の各信号のタイミングチャート。 主制御装置80からカード排出信号を払出制御装置81が受信した際の各信号のタイミングチャート。 画面6aに表示される報知画像を例示する説明図。 実施例2の払出制御装置81にて実行されるカード有無処理のフローチャート。 実施例2の払出制御装置81にて実行される払出カード処理のフローチャート。 実施例2の主制御装置80にて実行される大入賞口開放設定処理のフローチャート。 実施例2の主制御装置80にて実行される大当たり終了演出処理のフローチャート。
以下に本発明の好適な実施形態について説明する。尚、本発明の実施の形態は下記の実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する種々の形態を採ることができ、各実施例に記載された内容を適宜組み合わせることが可能なことはいうまでもない。
[実施例1]
図1に示すように、弾球遊技機の一種であるパチンコ機50は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠51にて構成の各部を保持する構造である。
外枠51の左側上下には、ヒンジ53が設けられており、該ヒンジ53の他方側には図3に記載する内枠70が取り付けられており、内枠70は外枠51に対して開閉可能な構成になっている。
前枠52には、板ガラス61が取り外し自在に設けられており、板ガラス61の奥には図2に記載する遊技盤1が内枠70に取り付けられている。
前枠52の上側左右及び外枠下側左右には、スピーカ66が設けられており、パチンコ機50から発生する遊技音が出力され、遊技者の趣向性を向上させる。また、遊技者の趣向性を向上させるために前枠52に遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ65も複数設けられている。
前枠52の下方には、上皿55と下皿63が一体に形成されている。下皿63の右側には発射ハンドル64が取り付けられており、該発射ハンドル64を時計回りに回動操作することによって発射装置(図示省略)が可動して、上皿55から供給された遊技球が遊技盤1に向けて発射される。
下皿63の左側には、遊技者が操作可能な演出ボタン67が備えられており、遊技者が所定期間中に、該演出ボタン67を操作することで後述する演出図柄表示装置6に表示される内容が変化したり、スピーカ66より出力される遊技音が変化したりする。
また、このパチンコ機50はいわゆるCR機であって、プリペイドカード(以下、単にカードともいう)の読み書き等を行うためのプリペイドカードユニット(CRユニット)56が付属しており、パチンコ機50には、貸出ボタン57、精算ボタン58及び残高表示器59を有するCR精算表示装置が備わっている。
図2に示すように遊技盤1には、公知のガイドレール2a、2bによって囲まれた略円形の遊技領域3が設けられている。この遊技領域3には多数の図示しない遊技釘が打ち付けられている。
遊技領域3のほぼ中央部には、センターケース5が配されている。センターケース5は、公知のものと同様に、ワープ入口、ワープ通路、ステージ、演出図柄表示装置6(液晶表示装置であり疑似図柄を表示する。)の画面6aを臨ませる窓5a等を備えている。
窓5aの上側にはドットマトリクスの普通図柄表示装置7及び7セグメントの特別図柄表示装置9と4個のLEDからなる普通図柄保留記憶表示装置8が設置され、下側には特別図柄保留記憶表示装置10が設置されている。
センターケース5の向かって左横には普通図柄作動ゲート17が配置されている。センターケース5の下方には、第1始動口11と第2始動口12とがユニット化された複合入賞装置13が配置されている。第1始動口11は、いわゆるチャッカーであり、常時入球可能である。
第2始動口12は電動チューリップであり、周知の電動チューリップと同様に開閉変化するが、上方に第1始動口11があるために図示の閉鎖状態では遊技球を入球させることができない。しかし、遊技球が普通図柄作動ゲート17を通過すると行われる普通図柄抽選で当り、普通図柄表示装置7に当りの普通図柄が確定表示されると、第2始動口12は開放されて入球容易になる。
複合入賞装置13の下方にはアタッカー式の大入賞口14が配置され、その下方にはアウト穴15が設けられている。また、複合入賞装置13の左側には第1左入賞口31と第2左入賞口32が、右側には第1右入賞口33と第2右入賞口34がガイドレール2bに沿うように設けられている。なお、この第1左入賞口31、第2左入賞口32、第1右入賞口33、第2右入賞口34が、常時、入球率が変化しない普通入賞口である。
図3に示すように、パチンコ機50の裏側は、前述した遊技盤1を脱着可能に取り付ける内枠70が前述した外枠51に収納されている。この内枠70には、上方から、球タンク71、タンクレール72及び払出装置73が設けられている。この構成により、遊技盤1上の入賞口に遊技球の入賞があれば球タンク71からタンクレール72を介して所定個数の遊技球を払出装置73により前述した上皿55に排出することができる。
また、パチンコ機50の裏側には(図4も参照のこと)、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83、発射制御装置84、電源基板85が設けられている。
主制御装置80、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83は遊技盤1に設けられており、払出制御装置81、発射制御装置84、電源基板85が内枠70に設けられている。なお、図3では、発射制御装置84が描かれていないが、発射制御装置84は払出制御装置81の下に設けられている。
また、球タンク71の右側には、外部接続端子板78が設けられており、この外部接続端子板78より、遊技状態や遊技結果を示す信号が図示しないホールコンピュータ87に送られる。なお、従来はホールコンピュータ87へ信号を送信するための外部接続端子板には、盤用(遊技盤側から出力される信号をホールコンピュータ87へ出力するための端子)と枠用((枠側(前枠52、内枠70、外枠51)から出力される信号をホールコンピュータ87へ出力するための端子)の2種類を用いているが、本実施例では、一つの外部接続端子板78を介してホールコンピュータ87へ遊技状態や遊技結果を示す信号を送信している。
このパチンコ機50の電気的構成は、図4のブロック図に示すとおり、主制御装置80を中心にして構成されている。なお、このブロック図には電源回路は記載していない。また、詳細の図示は省略するが、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83のいずれもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備えているが、本実施例では発射制御装置84、電源基板85にはCPU、ROM、RAMは設けられていない。しかし、これに限るわけではなく、発射制御装置84にCPU、ROM、RAM等を設けてもよい。
主制御装置80には、第1始動口11に入球した遊技球を検出する第1始動口スイッチ11a、第2始動口12に入球した遊技球を検出する第2始動口スイッチ12a、普通図柄作動ゲート17に進入した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ17a、大入賞口14に入球した遊技球を計数するためのカウントスイッチ14a、第1左入賞口31および第2左入賞口32に入球した遊技球を検出する左入賞口スイッチ31a、第1右入賞口33および第2右入賞口34に入球した遊技球を検出する右入賞口スイッチ33aなどの検出信号が遊技盤中継端子板74を介して入力される。
主制御装置80は搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成して払出制御装置81及びサブ統合制御装置83に出力する。
また主制御装置80は、図柄表示装置中継端子板90を介して接続されている特別図柄表示装置9及び普通図柄表示装置7の表示、特別図柄保留記憶表示装置10及び普通図柄保留記憶表示装置8の点灯を制御する。
更に、主制御装置80は、遊技盤中継端子板74を介して大入賞口ソレノイド14bを制御することで大入賞口14の開閉を制御し、普電役物ソレノイド12bを制御することで第2始動口12の開閉を制御する。なお、普電役物とは普通電動役物を示す。
主制御装置80からの出力信号は、上記のほかにも試験信号端子や、図柄変動や大当たり等の管理用の信号が外部接続端子板78に出力されてホールメインコンピュータに送られる。
主制御装置80と払出制御装置81とは双方向通信が可能である。
払出制御装置81は、主制御装置80から送られてくるコマンドに応じて払出モータ20を稼働させて賞球を払い出させる。図4の構成では、払出制御装置81は裏配線中継端子板75と払出中継端子板76を介して払出モータ20を制御する構成である。また、本実施例においては、賞球として払い出される遊技球を計数するための払出スイッチ21の検出信号は払出制御装置81に入力され、払出制御装置81で賞球の計数が行われる構成を用いる。この他にも主制御装置80と払出制御装置81に払出スイッチ21の検出信号が入力され、主制御装置80と払出制御装置81の双方で賞球の計数を行う構成を用いることも考えられる。
なお、払出制御装置81は満杯スイッチ22、球切れスイッチ23からの信号が入力される構成で、満杯スイッチ22により下皿63が満タンであることを示す信号が入力された場合及び球切れスイッチ23により球タンク71に遊技球が少ないあるいは無いことを示す信号が入力されると払出モータ20を停止させ、賞球の払出動作を停止させる。なお、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23も、その状態が解消されるまで信号を出力し続ける構成になっており、払出制御装置81は、その信号が出力されなくなることに起因して払出モータ20の駆動を再開させる。
また、払出制御装置81はCRユニット端子板24を介してCRユニット56と交信することで払出モータ20を作動させ、貸し球を排出する。払出された貸し球は払出スイッチ21に検出され、検出信号は払出制御装置81に入力される。なお、CRユニット端子板24は精算表示装置25とも双方向通信可能に接続されており、精算表示装置25には、遊技球の貸出しを要求するための球貸スイッチ57、精算を要求するための返却スイッチ58が接続されている。
また、払出制御装置81は、外部接続端子板78を介して賞球に関する情報、枠(内枠70、前枠52)の開閉状態を示す情報などをホールコンピュータ87に送信するほか、発射制御装置84に対して発射停止信号を送信する。なお、枠の開閉状態は、扉枠開放スイッチ18により検出される。
発射制御装置84は発射モータ30を制御して、遊技球を遊技領域3に遊技球を発射させる。
なお、発射制御装置84には払出制御装置81以外に発射ハンドル64からの回動量信号、タッチスイッチ28からのタッチ信号、発射停止スイッチ29から発射停止スイッチ信号が入力される。
回動量信号は、遊技者が発射ハンドル64を操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドル64を触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止スイッチ29を押すことで出力される。なお、タッチ信号が発射制御装置84に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドル64を触っていても遊技球は発射出来ないようになっている。
サブ統合制御装置83は、主制御装置80から送信されてくるデータ及びコマンドを受信し、それらを演出表示制御用、音制御用及びランプ制御用のデータに振り分けて、演出表示制御用のコマンド等は演出図柄制御装置82に送信し、音制御用及びランプ制御用は自身に含まれている各制御部位(音声制御装置及びランプ制御装置としての機能部)に分配する。そして、音声制御装置としての機能部は、音声制御用のデータに基づいて音LSIを作動させることによってスピーカ66からの音声出力を制御し、ランプ制御装置としての機能部はランプ制御用のデータに基づいてランプドライバを作動させることによって各種LEDや各種ランプを制御する。なお、音声出力に関しては、音量調整スイッチ83aにて音量を調節することができる。
また、サブ統合制御装置83には、演出ボタン67が接続されており、遊技者が演出ボタン67を操作した際には、その信号がサブ統合制御装置83に入力される。
サブ統合制御装置83と演出図柄制御装置82とは双方向通信が可能である。
演出図柄制御装置82は、サブ統合制御装置83から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置80から送信されてきたものとサブ統合制御装置83が生成したものとがある)に基づいて演出図柄表示装置6を制御して、疑似図柄等の演出画像を画面6aに表示させる。
図5に、CRユニット56の備えるCPUが実行するカード処理のフローチャートを示す。本処理が起動すると、まずS5にて、CRユニット56が払出制御装置81に対して送信している貸出動作信号BRDYがH(High。ハイレベルともいう)か否かを判定する。貸出動作信号BRDYとは、CRユニット56が貸出の処理中であることを伝達するもので、これがL(Low。ロウレベルともいう)の場合は(S5:no)、本処理を終了(リターン)する。貸出動作信号BRDYがHのときは(S5:yes)、S10に進み、CRユニット56が払出制御装置81に対して送信している貸出要求信号BRQがHか否かを判定する。貸出要求信号BRQは、CRユニット56が基本単位分の貸出要望と貸出指示を伝達するもので、これがL(Low。ロウレベルともいう)の場合は(S10:no)、本処理を終了する。
貸出要求信号BRQがHのときは(S10:yes)、S15に進み、CRユニット56にプリペイドカードが差し込まれていないか否かを判定する。差し込まれていない場合(S15:yes)はS20に進み、プリペイドカードが挿入されたか否かを判定する。カードが挿入されなかった場合(S20:no)は、本処理を終了する。カードが挿入された場合(S20:yes)は、S25に移行し、カードを当該CRユニット56に引き込むためのモータを駆動する。そしてカードが挿入されたことを示すランプを点灯させ(S30)、挿入信号1を払出制御装置81に送信する処理(挿入信号1送信処理)を実行する(S35)。そしてS40にて、挿入されたカードが正常か否かを判定し、正常であれば(S40:yes)、本処理を終了する。
S15でno、つまりカードがあると判定された場合は、S45に進み、精算ボタン58が押下されたか否かを判定する。精算ボタン58が押下されたと判定され場合(S45:yes)は、S50に進み、カード挿入ランプを消灯させ、モータを駆動してカードをCRユニット56から排出させ(S55)、排出信号1を払出制御装置81に送信する処理(排出信号1送信処理)を実行(S60)した上で本処理を終了する。S45で精算ボタン58が押下されていないと判定された場合(S45:no)は、S65に進み、払出制御装置81からカード排出要求信号2を受信したか否かを判定し、受信している場合(S65:yes)はS50に移行し、受信していない場合は(S65:no)、本処理を終了する。なお、S40の処理でカードが正常ではないと判定された場合(S40:no)もS50に移行する。
つまりカード処理によれば、貸出動作信号BRDY、貸出要求信号BRQが共にHの状態において、カードが挿入されるのを待ち、カードが挿入されると払出制御装置81に挿入信号1を送信し、一方、既にカードが挿入されている場合は、精算ボタン58が押されるか又はカード排出要求信号2を受信するのを待ってカードを排出し、払出制御装置81に排出信号1を送信する処理となっている。
図6に、払出制御装置81の備えるCPUが実行する払出カード処理のフローチャートを示す。本処理は払出制御装置81が、CRユニット56から挿入信号1(S35参照)または排出信号1(S60参照)を受信すると起動する。払出制御装置81が挿入信号1を受信した場合(S100:yes)は、挿入信号2を主制御装置80に送信する処理を行なって本処理を終了(リターン)する。払出制御装置81が排出信号1を受信した場合(S110:yes)は、排出信号2を主制御装置80に送信する処理を行ない(S115)、球貸し禁止設定がされているか否かを判定する(S120)。球貸し禁止設定については後述する。球貸し禁止設定がされている場合(S120:yes)は、球貸し禁止設定を解除する処理を行い(S125)、本処理を終了する。球貸し禁止設定がされていない場合(S120:no)は、そのまま本処理を終了する。
つまり払出カード処理によれば、CRユニット56から挿入信号1を受信した場合には、主制御装置80に挿入信号2を送信し、CRユニット56から排出信号1を受信した場合には、主制御装置80に排出信号2を送信する処理となっている。また、排出信号1を受信した場合において、球貸し禁止設定が行なわれていれば、その設定の解除も行なう。
図7に、払出制御装置81の備えるCPUが実行するカード排出要求処理のフローチャートを示す。本処理は払出制御装置81が、主制御装置80からカード排出要求信号1(後述するS605を参照)または球貸し禁止信号(後述するS530参照)を受信すると起動する。払出制御装置81がカード排出要求信号1を受信した場合(S150:yes)は、カード排出要求信号2をCRユニット56に送信する処理を行なって(S155)、本処理を終了(リターン)する。払出制御装置81が球貸し禁止信号を受信した場合(S160:yes)は、球貸し禁止設定処理を行なって(S165)、本処理を終了する。
つまりカード排出要求処理によれば、主制御装置80からカード排出要求信号1を受信した場合には、CRユニット56にカード排出要求信号2を送信し、主制御装置80から球貸し禁止信号を受信した場合には、球貸し禁止設定処理を行う処理となっている。
図8に、払出制御装置81のCPUにより実行される賞球制御処理のフローチャートを示す。本処理は主制御装置80から賞球の払出要求信号を受信すると起動する。本処理が起動されると、S200にて未払いの賞球があるか否かを判定する。未払いの賞球があると判定すると(S200:yes)、S205にて球貸し禁止設定中か否かを判定する。球貸し禁止中であると判定された場合(S205:yes)は、本処理を終了(リターン)する。
球貸し禁止中でないと判定された場合(S205:no)は、S210の払出開始処理を行なう。続くS215では、未払い分の賞球の払出が未完了か否かを判定する。未払い分の賞球の払出が完了している場合(S215:no)は、本処理を終了する。未払い分の賞球の払出が完了していない場合(S215:no)は、S220でリトライカウンタに3をセットし、S225にて払出リトライ処理を行なう。続くS230で不足分の払出が完了したか否かを判定し、完了している場合(S230:yes)は本処理を終了する。不足分の払出が完了していない場合(S230:no)は、リトライカウンタを−1し(S235)、S240にてリトライカウンタが0になったか否かを判定する。0になっていない場合(S240:no)はS225に戻り、再度、払出リトライ処理を行なう。リトライカウンタが0になった場合(S240:yes)は、S245で払出不足エラー処理を行い、本処理を終了する。
つまり、賞球制御処理のS220〜S240の処理は、未払いの賞球がある場合に、3回まで払出のリトライを行ない、それでも払出を完了できない場合は、S245にて払出不足エラーを設定する処理となっている。またS205の処理により、球貸し禁止設定が行なわれている場合には、未払い賞球があっても球の払出を行なわない処理となっている。
図9〜10に、主制御装置80のCPUにより実行される特別遊技処理のフローチャートを示す。本処理が起動されると、S300にて役物連続作動装置が作動中か否かを判定する。役物連続作動装置が作動していない場合(S300:no)は、本処理を終了(リターン)する。役物連続作動装置が作動している場合(S300:yes)は、大入賞口14が開放中か否かを判定する(S305)。大入賞口14が開放中であれば(S305:yes)、S330に移行し、大入賞口14に10個入賞したか否かを判定する。大入賞口14に10個入賞していない場合(S330:no)は、S335にて大入賞口14の開放時間が終了したか否かを判定し、終了していない場合(S335:no)は、本処理を終了する。大入賞口14に10個入賞している場合(S330:yes)または大入賞口14の開放時間が終了している場合(S335:yes)は、S340に進み、大入賞口14の閉鎖を設定する処理を行い(S340)、大当たりインターバル処理(S345)を実行して本処理を終了する。
S305において、大入賞口14が開放中ではないと判定された場合(S305:no)は、S310に移行し、インターバル中か否かを判定し、インターバル中ではない場合(S310:no)は、大当たり終了演出中か否かを判定する(S315)。大当たり終了演出中でない場合(S315:no)は、大当たり開始演出時間が経過したか否かを判定する(S320)。大当たり開始演出時間が経過した場合(S320:yes)は、大入賞口14の開放を設定する処理を実行(S325)して本処理を終了する。大当たり開始演出時間が経過していない場合(S320:no)は、そのまま本処理を終了する。
S310でインターバル中であると判定された場合には、S350に移行して、大当たりインターバル時間が経過したか否かを判定する。経過していない場合(S350:no)は本処理を終了し、経過した場合(S350:yes)は、S355に進み、最終ラウンドか否かを判定する。最終ラウンドであれば(S355:yes)、S360にて大当たり終了演出処理を行なって、本処理を終了する。最終ラウンドでなければ(S355:no)、S365にて大入賞口開放処理を行なって、本処理を終了する。
S315で大当たり終了演出中と判定された場合(S315:yes)には、図10のS400に移行して、大当たり終了演出時間が経過したか否かを判定し、経過していない場合(S400:no)は本処理を終了する。大当たり終了演出時間が経過している場合は、役物連続作動装置の作動を停止する処理を実行(S405)し、条件装置の作動を停止する処理を実行(S410)する。
そして続くS415にて確率変動状態(確変)を付与するか否かを判定し、付与する場合(S420:yes)は、確変回数設定処理を実行し、確変フラグを1にセットし、S430に移行する。確変を付与しない場合(S415:no)は、S430に直行する。S430では時短回数を設定する処理を実行し、続くS435にて時短フラグを1にセットし、更にS440にて大当たり終了コマンドを送信する処理を実行して、特別遊技処理を終了する。
つまりこの特別遊技処理によれば、表面上、通常の遊技機において特別遊技中に行なわれる処理と同様の処理を行なっている。ただし、S325の大入賞口開放設定処理、S345の大入賞口閉鎖設定処理、S360の大当たり終了演出処理の各処理内が、本発明に係る内容となっている。
図11に、主制御装置80のCPUにより実行される主カード処理のフローチャートを示す。本処理は主制御装置80が、払出制御装置81から挿入信号2(S105参照)または排出信号2(S115参照)を受信すると起動する。主制御装置80が挿入信号2を受信した場合(S450:yes)は、カードフラグを1にセットし、本処理を終了(リターン)する。排出信号2を受信した場合(S460:yes)は、S465にてカード排出要求フラグが1か否かを判定し、1であれば(S465:yes)、排出要求の報知を終了させる信号をサブ制御装置83に送信する処理を実行し(S470)、カード排出要求フラグを0にリセットし(S475)、更にカードフラグを0にリセットして(S480)、本処理を終了する。S465でカード排出要求フラグが1ではないと判定された場合はS480に直行する。
つまり主カード処理によれば、払出制御装置81から挿入信号2を受信した場合には、カードフラグを1とし、払出制御装置81から排出信号2を受信した場合には、カードフラグを0とする処理となっている。特に後者の場合、カード排出要求フラグが1であれば、サブ制御装置83に排出要求の報知をやめる旨を指示する信号を送信し、カード排出要求フラグを0にする処理となっている。
図12に、S325の大入賞口開放設定処理のフローチャートを示す。本処理が起動されると、S500にてラウンドカウンタを+1する。続いて現在が5ラウンド目か10ラウンド目かを判定し、いずれかに該当すれば(S505:yes)、S510にてカードフラグが1か否かを判定する。カードフラグが1であればS515にてカード排出要求フラグを1にセットし、S520にて排出要求を報知する信号をサブ制御装置83に送信する処理を実行する。この信号を受信したサブ制御装置83は、図15の説明で後述する報知画像を画面6aに出力する。
図12に戻る。続くS525にて現在が10ラウンド目か否かを判定し、10ラウンド目であれば(S525:yes)、球貸し禁止信号を払出制御装置81に送信する処理を実行し(S530)、大入賞口開放処理を実行して(S535)、本処理を終了(リターン)する。なお、S505で5ラウンド目か10ラウンド目のいずれでもないと判定された場合、S510でカードフラグが1ではないと判定された場合、又はS525で10ラウンド目でないと判定された場合は、大入賞口開放処理を実行して(S535)、本処理を終了する。
つまり大入賞口開放設定処理によれば、大当たり中の5ラウンドまたは10ラウンドにおいて、カードが挿入された状態であれば、それぞれサブ制御装置83に排出要求報知信号を送信し、カード排出要求フラグを1にする。特に10ラウンドにおいては、球貸し禁止信号を払出制御装置81に送信する。なお、5ラウンド目で6aに出力された報知画像を見るなどして遊技者がカードを排出させた場合には、カードフラグが0となる(S480参照)ため、S510が否定判定され、10ラウンド目で排出要求報知信号はサブ制御装置83に送信されない。つまり報知画像は出力されない。略同じ理由により、5ラウンド目に到達する以前に(例えば大当たり遊技になったと同時に)遊技者がカードを排出させた場合にも、S480の処理によりカードフラグが0となるため、5ラウンドに到達してもS510が否定判定されて、報知画像は出力されず、当然10ラウンド目でも報知画像は出力されない。それ以外は従前の大入賞口開放設定処理と同様である。
図13に、S340の大入賞口閉鎖設定処理のフローチャートを示す。本処理が起動されると、S550にてカード排出要求フラグが1か否かを判定する。カード排出要求フラグが1であれば(S550:yes)、S555にてカード排出要求フラグを0にリセットし、S560にて大入賞口閉鎖処理を実行して、本処理を終了(リターン)する。カード排出要求フラグが1でなければ(S550:no)、大入賞口閉鎖処理を実行して、本処理を終了する。
つまり大入賞口閉鎖設定処理は、大入賞口14の閉鎖時に、カード排出要求フラグを0にする処理となっている。大入賞口閉鎖設定処理の後に実行される大当たりインターバル処理(図9のS345参照)によりインターバルコマンドがサブ制御装置83に送信され、後述する排出要求終了処理(図15のS660)により排出要求報知動作が終了されるので、排出要求の報知動作は1ラウンド分で一旦終了することになる。それ以外は従前の大入賞口閉鎖設定処理と同様である。
図14に、S360の大当たり終了演出処理のフローチャートを示す。本処理が起動されると、S600にてカードフラグが1か否かを判定する。カードフラグが1であれば(S600:yes)、S605にてカード排出要求信号1を払出制御装置81に送信する処理を行い、S610にてカード排出を報知する信号をサブ制御装置83に送信する処理を行い、S615にて大当たり終了演出開始処理を実行して、本処理を終了(リターン)する。カードフラグが1でなければ(S600:no)、S615に直行して大当たり終了演出開始処理を実行して、本処理を終了する。
つまり大当たり終了演出処理によれば、カードフラグが1(CRユニット56にカードが挿入されている状態)の場合に、カード排出を払出制御装置81に要求し、カード排出を報知する要求をサブ制御装置83に送信する処理となっている。それ以外は従前の大当たり終了演出処理と同様である。
図15に、サブ制御装置83のCPUにより実行されるカード排出報知処理のフローチャートを示す。本処理はタイマ割り込みにより繰り返し起動される。本処理が起動されると、まずS650にて、排出要求を報知中か否かを判定し、報知中であれば(S650:yes)、S655にて排出要求報知終了信号を受信したか否かを判定する。排出要求報知終了信号とは図11の主カード処理のS470で主制御装置80から送信される信号である。排出要求報知終了信号を受信した場合(S655:yes)は、排出要求終了処理を実行(S660)し、本処理を終了(リターン)する。排出要求報知終了信号を受信していない場合(S655:no)は、S665に移行し、インターバルコマンドを受信したか否かを判定する。インターバルコマンドとは図9の特別遊技処理のS345で主制御装置80から送信される信号である。インターバルコマンドを受信した場合(S665:yes)は、排出要求終了処理(S660)を実行してから、本処理を終了する。インターバルコマンドを受信していない場合(S665:no)は、そのまま本処理を終了する。
S650にて、排出要求を報知中ではないと判定された際(S650:no)には、S670にて排出要求報知信号を受信したか否かを判定する。排出要求報知信号とは図12の大入賞口開放設定処理のS520で主制御装置80から送信される信号である。排出要求報知信号を受信した場合(S670:yes)は、排出要求報知処理を実行(S675)し、本処理を終了する。排出要求報知処理では、図20(a)に示すような画像が画面6aに出力される。図20(a)の画像では、画像の右上部にウインドウ96が開き、「カードを排出してください。」という、カードの排出を遊技者に促すメッセージが表示される。これを見た遊技者が、精算ボタン58を押すと、カードが排出される。前後するが、排出要求終了処理(S660)では、この画像の出力が停止される。
排出要求報知信号を受信していない場合(S670:no)は、S680に移行し、カード排出報知信号を受信したか否かを判定する。カード排出報知信号とは図14の大当たり終了演出処理のS610で主制御装置80から送信される信号である。カード排出報知信号を受信した場合(S680:yes)は、排出報知処理を実行(S685)してから、本処理を終了する。排出報知処理では、図20(b)に示すような画像が画面6aに出力される。カード排出報知信号を受信していない場合(S680:no)は、そのまま本処理を終了する。
つまりカード排出報知処理によれば、主制御装置80からの信号に基づいて、カードの排出を報知する画像(図20(b))を画面6aに出力したり(S685)、カードの排出を促す画像(図20(a))を画面6aに出力したり(S675)、該画像の出力を停止させたり(S660)する処理となっている。また、図20(a)は5ラウンド目で表示される画像となっており、10ラウンド目で表示される画像では左上に「ラウンド10」と表示される。
図16に、カードがCRユニット56に挿入された際の各信号のタイミングチャートを示す。カードが挿入されていない状態においては貸出動作信号BRDY(以下、単にBRDYともいう)、貸出要求信号BRQ(以下、単にBRQともいう)が共にHとなっており、CRユニット56に払い出し動作が可能であることを払出制御装置81が伝達するための信号PRDYがL、CRユニット56に球貸し払い出しの要望了解と貸出完了を払出制御装置81が伝達する信号EXSはHとなっている。また、貸出ボタン57と精算ボタン58の出力はL(受付禁止)となっている。
時点Aにおいてカードが挿入が開始されると、BRQがLに立ち下がる(CRユニット56から払出制御装置81への挿入信号1の送信)。時点Bにおいてカードの挿入が完了すると、BRQが立ち上がり、貸出ボタン57、精算ボタン58の出力が共にHに立ち上がる。これにより、貸出ボタン57、精算ボタン58がいずれも受付可能な状態となる。なお、AB間は90〜110ms程度となっている。
図17に、カードがCRユニット56から排出される際の上記各信号のタイミングチャートを示す。カードが挿入されている状態においては、図16の初期状態に比べ、貸出ボタン57と精算ボタン58の出力がH(受付可能)となっている点が異なる。時点Aにおいてカードの排出が連絡(精算ボタン58が押されるか、払出制御装置81からカード排出要求信号2を受信)されると、BRDYがLに立下り、貸出ボタン57、精算ボタン58がいずれもL(受付禁止)の状態となる。時点Bにおいてカードの排出が完了すると、BRDYが立ち上がり、排出信号1がCRユニット56から払出制御装置81に送信される。なお、AB間は90〜110ms程度となっている。
図18に、球貸し禁止設定が行なわれる際の上記各信号のタイミングチャートを示す。球貸し禁止設定が行なわれるのはカードが挿入されている状態であるから、各信号の状態は図17の初期状態と同じである。時点Aにおいて払出制御装置81が主制御装置80から球貸し禁止信号を受信すると、球貸し禁止設定が行なわれ、PRDYが立ち上がる。また、貸出ボタン57の出力信号がHからLに立ち下がる。
図19に、主制御装置80からカード排出信号を払出制御装置81が受信した際の上記各信号のタイミングチャートを示す。ここでは、大当たり遊技の10ラウンド目に至っても精算ボタン58が押されず、最終ラウンドが終了したものとする。つまりカードはCRユニット56に挿入されたまま10ラウンド目を経ており、この結果、S530の処理により球貸し禁止信号が送信されている。したがって、本図の初期状態は図18の最終状態と同じとなっている。この状態から時点Cにおいて、払出制御装置81が主制御装置80からカード排出要求信号1を受信すると、信号EXSがHからLに立ち下がる(払出制御装置81からCRユニット56へのカード排出要求信号2の送信)。これを受信したCR払出制御装置81は、時点AにおいてBRDYをHからLに立ち下げ、カードの排出を開始する(CRユニット56から払出制御装置81への排出信号1の送信)。また同じ時点において精算ボタン58の信号をHからLに立ち下げて精算ボタン58の受付を禁止する。CA間は40〜60msとなっている。時点Bにおいてカードの排出が完了すると、信号BRDYを立ち上げる。この信号を受信した払出制御装置81は、時点Dにおいて信号PRDYを立ち下げ、信号EXSを立ち上げる。BD間は40〜60msとなっている。
以上、説明したパチンコ機50によれば、大当たり遊技中にカードの排出を促す報知画像(図20(a)参照)を画面6aに出力するので、遊技者がカードを取り忘れるのを防止することができる。しかも、5ラウンド目と10ラウンド目の2回、報知画像が表示されるので、遊技者に対する報知効果が一層高いものとなっている。特に、10ラウンド目における報知画像を出力した場合(つまり5ラウンド目における報知画像を見ても遊技者がカードを排出しなかった場合)には、球貸し禁止信号を払出制御装置81に送信することにより、賞球の払い出しを中断させるため、カードの排出を遊技者に強く喚起することができる。
また、カードの排出を促す報知画像を出力した際に、球貸スイッチ57の操作を無効としているので、強制的なカード排出時の状況を一定とすることができ、処理を簡素化することができる。
ここで本実施例の構成・状態と、本発明の構成要件との対応関係を示す。CRユニット56が本発明の「カードユニット」に相当し、精算ボタン58が本発明の「排出指示手段」に相当し、図6の払出カード処理が本発明の「カード有無判定手段」に相当し、S520およびS675の処理が本発明の「排出報知手段」に相当し、S530の処理が本発明の「賞球停止手段」に相当し、球貸スイッチ57が本発明の「球貸指示手段」に相当する。
[実施例2]
本発明の第2実施例を、図21〜図24を用いて説明する。なお、本実施例は実施例1と共通点が多いため、処理上の相違点を重点的に説明する。
図21に示すのは、実施例2の払出制御装置81にて実行されるカード有無処理のフローチャートである。本処理は、払出制御装置81が挿入信号1または排出信号1を受信すると起動される。すなわち、払出制御装置81が挿入信号1を受信すると(S700:yes)、カード有無フラグを1にして(S705)、払出カード処理に移行する。S705払出制御装置81が排出信号1を受信すると(S710:yes)、カード有無フラグを0にして(S715)、払出カード処理に移行する。いずれの信号も受信できなかった場合(S710:no)は、そのまま払出カード処理に移行する。つまりカード有無フラグが1であることは、直前に払出制御装置81が受信した信号が挿入信号1であったことを意味し、カード有無フラグが0であることは、直前に払出制御装置81が受信した信号が排出信号1であったことを意味する。
図22に、払出制御装置81にて実行される払出カード処理のフローチャートを示す。本処理が起動されると、まずS750にて、カード有無要求信号を主制御装置80から受信したか否かを判定し、受信した場合(S750:yes)には、S755にてカード有無フラグが1か否かを判定する。カード有無フラグが1である場合には、カード有信号を主制御装置80に送信し、本処理を終了(リターン)する。カード有無フラグが1ではない場合は、S765に進み、カード無信号を主制御装置80に送信し、本処理を終了する。なお、カード有無要求信号を受信していない場合(S750:no)は、そのまま本処理を終了する。
つまりカード有無処理および払出カード処理によれば、CRユニット56から受信した挿入信号1または排出信号1に基づいてカード有無フラグを変更し(または結果としてカード有無フラグを維持し)、主制御装置80からカードの有無の問い合わせがあった際(S750:yes)には、カード有無フラグの値に基づいてカード有信号またはカード無信号を主制御装置80に送信する処理となっている。
この結果、大入賞口開放設定処理は図23のように変化する。第1実施例の大入賞口開放設定処理との違いは、まず第1に、S805にて現在が5ラウンド目か10ラウンド目かを判定した後、カード有無確認処理(S810)を行なう点である。カード有無確認処理は、払出制御装置81にカード有無要求信号(図22のS750参照)を送信し、払出制御装置81からカード有信号(図22のS760参照)またはカード無信号(図22のS765参照)を受信する処理である。そして第2に、第1実施例の大入賞口開放設定処理ではカードフラグに基づいてカードの有無を判定していた(図12のS510参照)のに対して、図23の大入賞口開放設定処理では、カード有無確認処理(S810)で払出制御装置81から受信したのがカード有信号であったかカード無信号であったかに応じてカードの有無を判定(S815)する点である。
大当たり終了演出処理も同様に変化する。すなわち、まずカード有無確認処理(S850。内容は図23のS810の処理と同様)を行ない、S855にて、払出制御装置81から受信したのがカード有信号であったかカード無信号であったかに応じてカードの有無を判定(S855)する。
以上のように構成された第2実施例によっても、第1実施例に記載した遊技機と同様の効果を奏するものとなる。
[他の実施例]
CRユニット56が扱うカードはプリペイドカードではなくICカードなどの他のカードを扱う構成としても良い。
また、前記実施例では、報知画像を出力するのは、5ラウンド目と10ラウンド目であったが、これ以外のラウンドにおいても報知画像を出力する構成としても良い。報知画像を出力するラウンドを2以上に増やしたり、逆に1ラウンドのみ(5ラウンド目、10ラウンド目に限らない)に報知画像を出力するように構成してもよい。また、ラウンドという区切りにとらわれずに報知動作を行なっても(例えば、大当たり遊技中、継続的に報知画像を出力しても)よい。
前記実施例では、最後の報知画像を出力する10ラウンド目において、球貸禁止信号送信処理(S530,S835)を実行することにより賞球の払出を中断したが、中断した分の賞球を未払い分として記憶しておき、精算ボタン58が押されたり、実際にカードが排出されたりした際に、その未払い分を払い出す構成としてもよい。
また、最後の報知画像の出力から所定時間経過したら強制的にカードをCRユニット56から排出する構成としても良い。この構成が本発明の「カード排出手段」に相当する。このように強制的にカードを排出する場合は、球貸スイッチ57を無効とするとよい。こうすれば、遊技者の指示に基づいて球貸しを行なっているがためにカードを排出できないといった事態が発生しない。
カードの排出を促す報知動作を、画像以外の態様によって行なう構成としても良い。例えば、スピーカ66から音声で「カードを排出してください」などと出力してカードの排出を促してもよい。
1 : 遊技盤 、 6 : 演出図柄表示装置
50 : パチンコ機 、 80 : 主制御装置
57 : 球貸スイッチ 、 58 : 精算ボタン
81 : 払出制御装置 、 83 : サブ統合制御装置

Claims (4)

  1. 遊技域に始動口を備え、該始動口に入球すると乱数値を発生させ、該乱数値により当否を判定し、当たりと判定した場合には、遊技者に有利な大当り遊技状態を発生させる遊技機において、
    前記大当たり状態は、前記遊技域に形成された大入賞口を入球可能な状態にすることにより、前記大当たり状態ではない状態よりも、遊技者が賞球を容易に得られる状態であり、
    当該遊技機にて使用される遊技球の貸出料となる代金が記録されたカードを挿入可能なカードユニットと、
    該カードユニットから前記カードを排出する際に操作するための排出指示手段と、
    該カードユニットに前記カードが挿入されているか否かを判定するカード有無判定手段と、
    当該遊技機が前記大当たり遊技状態にある場合に、前記カード有無判定手段が、前記カードユニットに前記カードが挿入されていると判定すると、前記排出指示手段を操作する旨を遊技者に促す報知動作を行なう排出報知手段と
    該排出報知手段が前記報知動作を行なう際には、前記賞球の遊技者への払出を中断させる賞球停止手段と、
    を備えたことを特徴とする遊技機。
  2. 前記排出報知手段は、1回の前記大当たり状態において複数回、前記報知動作を行なうものであることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
  3. 1回の前記大当たり状態において、前記排出報知手段による最後の前記報知動作が行なわれてから予め定められた期間が経過すると、前記カードの排出を行なうカード排出手段
    を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の遊技機。
  4. 前記カードユニットに挿入された前記カードに記録された前記代金に基づき、遊技球の貸し出しを受けるために遊技者が操作する球貸指示手段
    を備え、1回の前記大当たり状態において、前記排出報知手段による最後の前記報知動作が行なわれると、前記球貸指示手段による操作を無効とする球貸禁止手段
    を備えたことを特徴とする請求項に記載の遊技機。
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