まず、本実施形態の遊技機の概要について説明する。
本実施形態の遊技機は、所定の情報を記憶した記憶媒体を取り出すとき操作する操作手段を備えた遊技機であって、始動入賞を契機に種々の図柄を変動表示する表示手段と、前記図柄の組合せを当り態様とするか否かについての当否判定を行う抽選手段とを備え、当りと判定された場合に行われる当り遊技の終了後に、通常遊技状態と比較して当り発生頻度が高く、且つ通常遊技状態と比較して始動入賞が容易となる第1特別遊技状態に移行する第1当りと、通常遊技状態と比較して当り発生頻度が高く、且つ該第1特別遊技状態と比較して始動入賞が困難となる第2遊技状態に移行する第2当りとがあり、前記第1当りが発生した場合には、該第1当りの当り遊技の終了から前記図柄の変動表示が開始可能となるまでのインターバル期間に前記記憶媒体の取り忘れに関する注意喚起表示が行われ、前記第2当りが発生した場合には、前記注意喚起表示が行われない。
本実施形態の「記憶媒体」とは、例えば、プリペイドカードや会員カードであって、金額や貯玉等の所定の情報が記憶されている。遊技者は、記憶媒体により、例えば、遊技球やメダル(遊技媒体)を借りて遊技を行えるが、所定の操作により記憶媒体を取り出すことができる。
本実施形態では、当りと判定された場合に、当り遊技の終了後に第1特別遊技状態に移行する第1当りが発生する場合がある。第1特別遊技状態では、通常遊技状態と比較して当り発生頻度が高くなり(後述する確率変動状態)、例えば、開閉部材が動作することにより始動入賞も容易になる。
当り遊技が行われることで遊技媒体がある程度増え、第1特別遊技状態に移行した後は、遊技媒体の消費が抑えられるので、しばらくの間、記憶媒体を使用する必要がなくなる。従って、第1当りの当り遊技の終了から図柄の変動表示が開始可能となるまでのインターバル期間に、表示装置等で記憶媒体の取り忘れに関する注意喚起表示が行われる。これにより、簡単かつ確実に注意を喚起し、遊技者による記憶媒体の取り忘れを防止することができる。
一方、第2当りが発生した場合には、当り遊技の終了後に当り発生頻度は高いが、前記第1特別遊技状態と比較して始動入賞が困難となる第2特別遊技状態に移行する。第2特別遊技状態では、早い段階で当りが発生する可能性もあるが、遊技媒体の消費が比較的早いので、遊技者が再度、記憶媒体を使用しなければならない場合も生じる。従って、第2当りが発生した場合には、注意喚起表示が行われない。これにより、全ての当りで注意喚起表示が行われる煩わしさがなく、その分、インターバル期間に行われる演出の時間を長くすることができる。
次に、図1を参照して、本実施形態のパチンコ遊技機1の構成について説明する。図1に示すように、パチンコ遊技機1は、矩形状の外枠2と、この外枠2に開閉可能に枢着された前面枠3及び前扉5を備えている。
前面枠3は、額縁状であり開口部に遊技盤4(図3参照)が取付け可能となっている。また、前扉5の中央部にはガラス板6が嵌め込まれており、外部より遊技盤4が視認可能となっている。
前扉5の上部左右両側にはスピーカ7が設けられている。スピーカ7は、遊技に伴う演出効果音を外部に出力する音響出力部である。また、前扉5の左右両側及び上部には枠装飾LED8が設けられている。枠装飾LED8は、遊技の演出に連動してLEDが発光、点滅する装飾部である。
前扉5の下側には前面板9があり、その左端部は前面枠3に開放可能に枢着されている。前面板9には、発射機構を作動させるための発射ハンドル10、遊技球を貯留する上貯留皿11、下貯留皿12等が設けられている。
また、上貯留皿11の表面部分には、内蔵ランプが点灯したとき操作が可能となる左演出ボタン13と、中央演出ボタン14が設けられている。演出ボタン13、14は、操作が有効となったとき、遊技者がボタンを押下することにより演出を変化させることができる。
また、上貯留皿11の表面部分右側には、球貸ボタン15aと返却ボタン15bが設けられている。遊技者は、遊技球を借りる際、通常、パチンコ遊技機1の左側に設置された球貸機(図示省略)にプリペイドカードを挿入し、球貸ボタン15aを押下する。これにより、上貯留皿11に所定数の遊技球が排出され、遊技が行えるようになる。
また、遊技を終える際には、返却ボタン15bを押下することで、プリペイドカードが返却される。返却ボタン15bは、本発明の「操作手段」に相当する。
図2は、本実施形態のパチンコ遊技機1の背面側の斜視図である。図2に示すように、パチンコ遊技機1の背面には、遊技盤4を裏側から押さえる枠体状の裏機構盤16が取り付けられている。
この裏機構盤16の上部には、パチンコホール側島設備の遊技球補給装置(図示省略)から供給される遊技球を貯留する遊技球貯留タンク17が設けられている。
また、遊技球貯留タンク17から球を導出するタンクレール18の傾斜下端には、遊技球を払い出すための遊技球払出装置19が設けられている。さらに、裏機構盤16の隅部には、パチンコホールにある全遊技機を統括的に管理するホールコンピュータ(図4参照)に電気的に接続するための外部端子基板21が、端子基板ケース22に収納され、設けられている。
また、裏機構盤16の略中央には、遊技盤4の裏側に装着された透明の裏カバー23が備えられており、この裏カバー23内に、演出制御基板25を収納した透明の演出制御基板ケース25aと、液晶制御基板26を収納した透明の液晶制御基板ケース26aとが設けられている。
演出制御基板25と液晶制御基板26の中間部には、ボリュームスイッチ31が設けられている。つまみ部分を回転させることで10段階の音量設定が可能である。
液晶制御基板ケース26aの下方には、主制御基板24を収納した透明な主制御基板ケース24aが設けられている。主制御基板24は、パチンコ遊技機1の動作を統括的に制御するものである。主制御基板24は、各種スイッチやセンサと接続されているため、これらの検出信号を受信して各種処理を行う。
また、主制御基板24には、RAMクリアスイッチ27が設けられている。RAMクリアスイッチ27を押下しながら、電源を投入することによりRAM領域の記憶内容は消去され、パチンコ遊技機1は初期状態となる。
演出制御基板25は、主制御基板24から送信される各種制御コマンドを受信し、その制御コマンドに基づいて、例えば、盤面装飾LED35或いは液晶表示装置36による演出を制御する。
主制御基板ケース24aの下方には、電源基板28を収めた透明な電源基板ケース28aと、払出制御基板29を収めた透明な払出制御基板ケース29aが配設されている。
さらに、発射ハンドル10に対応する位置には、遊技球を打撃する打撃槌やこれを駆動する発射モータを備えた遊技球発射装置(図示省略)の後側に発射制御基板30が設けられている。
次に、図3を参照して、本実施形態のパチンコ遊技機1の遊技盤4について説明する。
図3に示すように遊技盤4は、略正方形のパネルで形成され、その盤面上の遊技領域4aは、化粧板4bの前面にビス等で固定されるセンター飾り体34a、左部コーナー飾り体34b、右部コーナー飾り体34c等の部材によって区画形成されている。飾り体34a〜34cは、ポリカーボネート等の硬質樹脂材料を用いた射出成形によってそれぞれ一体成型で形成されている。
センター飾り体34aには、複数の盤面装飾LED35が配置されている。盤面装飾LED35は、各遊技における図柄の変動表示や予告表示に伴い発光色や発光態様を変化させ、演出を盛り上げる装飾部である。
遊技盤4の中央部には開口が形成され、この開口内に液晶表示装置36の表示画面が配置される。液晶表示装置36は、種々の数字、キャラクタ等が描かれた図柄や背景画像、リーチ等の各種演出を遊技に応じて表示する表示器である。液晶表示装置36は、本発明の「表示手段」に相当する。
センター飾り体34aの右側には、人形の腕の形状をした可動役物37aが配置されている。また、液晶表示装置36の前面下方には下駄の形状の可動役物37b配置されている。可動役物37a、37bは、いずれも遊技における演出や大当り期待度に応じて動作する。
液晶表示装置36の下方には、第1特別図柄始動口38a及び第2特別図柄始動口38bからなる始動入賞装置38が配置されている。遊技領域4aを流下する遊技球が第1特別図柄始動口38a又は第2特別図柄始動口38bに入賞することにより抽選が行われ、後述する特別図柄表示装置43aにて特別図柄の変動表示がなされる。また、液晶表示装置36においても、特別図柄に対応した装飾図柄の変動表示が行われる。
第2特別図柄始動口38bは開閉部材を備えており、開閉部材が開放した場合、遊技球が入賞し易い状態となる。上記開閉部材は、後述する普通図柄の抽選に当選した場合に、所定回数、所定時間開放する。以下では、第2特別図柄始動口38bと開閉部材を合わせた装置を普通電動役物と称することがある。
始動入賞装置38の下方には、第1大入賞装置39aが配置されている。また、始動入賞装置38の右側には、第2大入賞装置39bが配置されている。大入賞装置39a、39bは、共に特別図柄の抽選に当選したとき、すなわち大当りとなったときに所定時間開放される入賞装置である。遊技球が大入賞装置39a、39bの内部にある大入賞口(図示省略)に入賞することにより、多くの賞球を獲得することが可能となる。
遊技領域4aの右側下方には、特別図柄表示装置43a及び普通図柄表示装置43bが配置されている。特別図柄表示装置43aは、2個の7セグメントLED(左及び中)から構成され、特別図柄始動口38a、38bへの入賞を契機として特別図柄を変動させ、抽選結果を表示する。なお、残り1個は(右)、特別図柄及び普通図柄の保留球数や、時短遊技状態であることを表示する。
普通図柄表示装置43bは、複数のLEDからなる表示器であり、普通図柄用始動ゲート40aへの入賞を契機として普通図柄を始動させ、LEDの点灯により抽選結果を表示する。
遊技領域4aの左側には、普通図柄用始動ゲート40aや遊技球の流下方向を変化させる風車41、多数の遊技釘(図示省略)が配置されている。普通図柄用始動ゲート40aは、普通図柄の始動契機となる入賞装置である。遊技球が普通図柄用始動ゲート40aを通過することにより抽選が行われ、普通図柄表示装置43bにて、普通図柄が変動する。
また、第2大入賞装置39bの上方には、右普通図柄用始動ゲート40bが配置されている。これは、右打ちを行う遊技状態の場合の普通図柄用の始動ゲートであり、遊技者が右打ちをしているか否かを検知する役割も有する。
遊技領域4aの左側下方には、複数の一般入賞口42が配置されている。遊技球が一般入賞口42に入賞すると所定数の賞球の払出しが行われる。
遊技領域4aの最も左側には、発射機構により発射された遊技球を遊技領域4aに案内するため略上下方向に延びたガイドレール44が配置されている。ガイドレール44は、金属製の帯状の外内2本のガイドレール44a、44bで構成されている。
これら外内2本のガイドレール44a、44bの間で上下方向に延びた空間が、前記発射機構から発射された遊技球が通過する発射通路45を形成している。内側ガイドレール44bの上端には、発射球の発射方向(遊技領域4a側)への通過を許可すると共に戻り方向(発射通路45側)への通過を阻止する戻り球防止片46が配設されている。また、内側ガイドレール44bの最下部にはアウト球回収口47と、アウト球回収口47にアウト球を導入する球寄せ部48が形成されている。
図4は、パチンコ遊技機1の制御装置の構成を示すブロック図である。なお、図4では信号を中継する中継基板や、本発明に関係のない一部の部材の構成を省略した。
この制御装置は、パチンコ遊技機1の動作を統括的に制御する主制御基板24と、主制御基板24からコマンドを受けて演出の制御をする演出制御基板25を中心に構成される。電源基板28は、主制御基板24を初めとした各基板に接続され、外部電源から交流電圧24Vを受けて直流電圧に変換し、各基板に供給する。
主制御基板24は、その内部に、主制御基板側CPU241と、ROM242と、RAM243を備えている。主制御基板側CPU241は、いわゆるプロセッサ部であり、大当りを発生させるか否かの抽選処理、決定された変動パターンや停止図柄の情報から制御コマンドを作成し、演出制御基板25に送信する等の処理を行う。なお、CPU241は、本発明の「抽選手段」に相当する。
ROM242は、一連の遊技機制御手順を記述した制御プログラムや制御データ等を格納した記憶部である。また、RAM243は、主制御基板側CPU241の処理で設定されたデータを一時記憶するワークエリアを備えた記憶部である。
主制御基板24には、RAMクリアスイッチ27、始動入賞口センサ38c、大入賞口センサ39c、始動ゲート通過センサ40c、一般入賞口センサ42c、磁気センサ50、電波センサ51、振動センサ52が接続され、各センサの検出信号を受信可能となっている。
磁気センサ50は、パチンコ遊技機1に磁石等を近づけた場合に、磁気を検出するセンサである。また、電波センサ51は、パチンコ遊技機1に対し発せられた強い電波を検出するセンサであり、振動センサ52は、パチンコ遊技機1に対し与えられた強い振動を検出するセンサである。
また、主制御基板24には、特別図柄表示装置43a、普通図柄表示装置43bが接続され、主制御基板側CPU241が抽選処理により取得した乱数情報は、各図柄表示装置43a、43bに送信される。
さらに、主制御基板24には、パチンコ遊技機1の外部へ接続する端子を備えた外部端子基板21が接続されている。遊技における大当り、入賞数、ゲーム数等の各種情報は、主制御基板24から外部端子基板21を介してホールコンピュータに送信される。
さらに、主制御基板24には、払出制御基板29が接続されている。払出制御基板29には、下貯留皿満杯センサ12c及び扉開放センサ32が接続されているため、これらのセンサが異常を検出すると、検出信号は払出制御基板29から主制御基板24に送信される。なお、払出制御基板29には、遊技球払出装置19と、発射制御基板30(さらに発射装置10aと接続)が接続している。
次に、演出制御基板25は、その内部に、演出制御基板側CPU251と、ROM252と、RAM253を備えている。演出制御基板側CPU251はいわゆるプロセッサ部であり、主制御基板24から送信された制御コマンドを受信し、その制御コマンドに基づいた各種演出を制御する処理を行う。
ROM252は、一連の演出制御手順を記述した制御プログラムや演出データ等を格納した記憶部である。また、RAM253は、演出制御基板側CPU251の処理で設定されたデータを一時記憶するワークエリアを備えた記憶部である。
演出制御基板25には、スピーカ7、枠装飾LED8、盤面装飾LED35、ボリュームスイッチ31、左演出ボタン13、中央演出ボタン14が接続されている。これにより、演出制御基板25は、例えば、スピーカ7の効果音や各LED等の動作を制御し、演出効果を高めている。
演出ボタン13、14は、遊技者が有効期間にこれらを押下げることで、検出信号が演出制御基板25に送信され、液晶表示装置36に表示される演出が変化する。
演出制御基板25には、液晶制御基板26が接続されている。液晶制御基板26は、演出制御基板25からコマンドを受けて液晶表示装置36の表示制御を行うものである。
液晶制御基板26は、その内部に、液晶制御CPU261と、液晶制御ROM262と、液晶制御RAM263と、映像表示プロセッサVDP264と、画像データROM265と、VRAM266を備えている。
液晶制御CPU261は、いわゆるプロセッサ部であり、演出制御基板25から受信した液晶制御コマンドに基づいて表示制御を行うために必要な液晶制御データを生成する。また、そのデータを映像表示プロセッサVDP264に出力する。
液晶制御ROM262は、液晶制御CPU261の動作手順を記述したプログラムを格納した記憶部であり、液晶制御RAM263は、ワークエリアやバッファメモリとして機能する記憶部である。
映像表示プロセッサVDP264は、液晶表示装置36に表示する画像データの画像処理を行うプロセッサである。また、画像データROM265は、映像表示プロセッサVDP264が画像処理を行うために必要な画像データを格納した記憶部であり、VRAM266は、映像表示プロセッサVDP264が画像処理した画像データを一時記憶する記憶部である。
上記の構成により液晶制御基板26は、演出制御基板25から送信された液晶制御コマンドに基づき画像処理を行い、液晶表示装置36に演出画像や動画を表示している。
まず、図5を参照して、大当り種別と遊技状態について説明する。本実施形態の大当りには、大当り1〜4の4種類があり、それぞれ付与されるラウンド数や当り遊技終了後の遊技状態が異なっている。また、大当り終了インターバルの時間(大当り終了インターバル期間)やその際に行われる演出等の表示態様が異なっている。なお、表示態様の詳細は後述する。
まず、「大当り1」について説明する。これは、15ラウンドの確率変動(以下、確変ともいう)付き大当りである。当り遊技の終了後には、遊技状態が通常遊技状態より大当り確率の高い確変遊技状態に移行する(図5(a)参照)。また、普通電動役物の開放延長が行われるので(図5(b)参照)、遊技球が第2特別図柄始動口38bに入賞し易くなる。大当り1は、獲得できる出玉も多く、4種類の大当りのうち最も利益の高い大当りである。
大当り終了インターバルとは、大当りの終了(最終ラウンドの大入賞装置39の扉閉鎖)から、移行した遊技状態での遊技開始(図柄の変動開始)までの区間をいう。大当り1では、その時間が24.5秒に定められ、液晶表示装置36にて後述する表示態様1又は表示態様2が実行される(図6A、6B参照)。なお、制御コマンドは、主制御基板24から送信されるコマンドであり、大当り終了インターバルの時間によって決定する。この場合の制御コマンドは、「F401h」である。
次に、「大当り2」について説明する。これは、5ラウンドの確変付き大当りである。大当り1と比較して出玉は少ないが、当り遊技の終了後に確変遊技状態に移行し、普通電動役物の開放延長も行われる。大当り終了インターバルの時間、制御コマンドについては、大当り1の場合と同じであるが、表示態様2が実行される点は異なる。
次に、「大当り3」について説明する。これは、15ラウンドの通常大当り(非確変大当り)である。大当りラウンド数が15ラウンドであるため、遊技者は、大当り1と同等の出玉を獲得することができる。また、当り遊技の終了後には時短遊技状態に移行し、普通電動役物の開放延長も行われる。
時短遊技とは、図柄の変動時間を短縮した遊技である。また、この状態における大当り確率は低確率、すなわち通常遊技状態と同じ確率である(図5(b)参照)。大当り終了インターバルの時間、制御コマンドについては、大当り1の場合と同じであるが、表示態様3が実行される点は異なる。
最後に、「大当り4」について説明する。これは、2ラウンドの潜伏確変付き大当りである。潜伏確変とは、確変遊技状態であることを外見上分からなくするものである。大当り4の当り遊技では、大入賞装置39の扉開放時間が1秒未満と短く、出玉がほとんど獲得できない。また、普通電動役物の開放延長も行われない(図5(b)参照)。大当り終了インターバルの時間は10秒、制御コマンドは「F402h」であり、表示態様4が実行される。
大当り1、2、4の当り遊技の終了後は、大当り確率の点で通常遊技状態より有利な確変遊技状態となる。大当り2、4の終了後に注意喚起表示が行われるようにすることもできる。しかし、本実施形態では、多くの出玉が獲得できる上、有利な遊技状態に移行して、遊技者がしばらくの間、遊技球を借りる必要がなくなる大当り1の終了後に、注意喚起表示が行われる。
次に、図6A、6Bを参照して、大当り終了インターバル期間の表示(パターン1、2)のタイミングチャートについて説明する。大当り種別や初回当りか否かによって選択される演出等の表示態様が異なることが特徴である。
まず、図6Aを参照して、パターン1の表示を説明する。「表示態様1」は、大当り1(初回のみ)の終了インターバル期間に実行される表示態様である。具体的には、当り遊技の終了から、終了インターバル演出1として「○○モード突入」という表示が行われ、これが13秒間継続する。
ここで、当り遊技の終了とは、最終ラウンドの大入賞装置39の扉閉鎖のタイミングをいうが、最終ラウンド用の演出終了のタイミングであってもよい。なお、「○○モード」とは、機種によって異なる確変遊技状態の名称である。
その後、企業ロゴ表示、注意喚起表示が行われる。企業ロゴ表示は、企業ロゴが徐々に画面中央に現れる動画となっている(図7A(a)参照)。企業ロゴ表示は、5秒間行われる。一方、注意喚起表示は、球貸機に挿入されたプリペイドカードが排出される様子を示す動画となっている(図7A(b)参照)。プリペイドカードの絵と共に、「プリペイドカードの取り忘れにご注意ください!」との文字情報を表示する。注意喚起表示も5秒間行われる。
遊技者は、遊技を終える際、球貸機に挿入したプリペイドカードを取り忘れることがあるので、これを防止すべく遊技の途中で上記の注意喚起表示が行われる。上述の通り、本実施形態で注意喚起表示が行われるのは、大当り1の当り遊技終了後のみである。
注意喚起表示は、返却ボタン15b(図1参照)の操作を促す画像又は動画であってもよく、画像又は動画と共にスピーカ7から警告音を出力するようにしてもよい。また、注意喚起表示は、プリペイドカードが玉貸機に挿入されているかを確認することなく行われる。
注意喚起表示の表示期間が終了すると、確変遊技状態である「○○モード」の遊技に移行する。初めの1.5秒間は、装飾図柄が停止した状態で表示されるが、その後、図柄の変動が開始する。当り遊技の終了から図柄の変動が開始するまでの期間が大当り終了インターバル期間であり、表示態様1の場合、その合計時間は24.5秒である。
次に、「表示態様2」について説明する。これは、大当り1又は大当り2の終了インターバル期間に実行される表示態様である。当り遊技の終了から、終了インターバル演出2として「○○モード突入」という表示が行われ、これが23秒間継続する。大当り1又は大当り2が2回目以降の大当りとして発生した場合には、「○○モード継続」という表示となる。
その後、企業ロゴ表示、注意喚起表示は行われず、確変遊技状態である「○○モード」の遊技に移行する。これ以降の装飾図柄の表示は、表示態様1の場合と同じである。また、大当り終了インターバル期間も24.5秒である。ここでは、企業ロゴ表示、注意喚起表示が行われない分、演出表示の時間が長く設定されている。
次に、「表示態様3」について説明する。これは、大当り3の終了インターバル期間に実行される表示態様である。当り遊技の終了から、終了インターバル演出3として「△△モード突入」という表示が行われ、これが23秒間継続する。なお、「△△モード」とは、機種によって異なる時短遊技状態の名称である。
その後、企業ロゴ表示、注意喚起表示は行われず、時短遊技状態である「△△モード」の遊技に移行する。これ以降の装飾図柄の表示は、表示態様1、2の場合と同じである。ここでも、大当り終了インターバル期間は24.5秒であり、演出表示の時間が長く設定されている。
最後に、「表示態様4」について説明する。これは、大当り4の終了インターバル期間に実行される表示態様である。当り遊技の終了から、終了インターバル演出4として「××モード突入」という表示が行われ、これが8秒間継続する。「××モード」とは、出玉がほとんど獲得できない2ラウンド潜伏確変付き大当り(大当り4)から移行する確変遊技状態の名称である。
その後、企業ロゴ表示、注意喚起表示は行われず、確変遊技状態である「××モード」の遊技に移行する。初めの2秒間は、装飾図柄が停止した状態で表示され、その後、図柄の変動が開始する。この場合の大当り終了インターバル期間は、10秒である。このように、大当り種別によって、大当り終了インターバル期間で異なる表示が行われるようになっている。
次に、図6Bを参照して、大当り終了インターバル期間の表示のパターン2を、パターン1と異なる「表示態様1」を中心に説明する。
「表示態様1」は、大当り1(初回のみ)の終了インターバル期間に実行される表示態様であり、当り遊技の終了から、終了インターバル演出1として「○○モード突入」という表示が行われ、これが18秒間継続する。
また、終了インターバル演出1の開始から12秒経過したとき、注意喚起表示を画面中に出現させる(図7B(b)参照)。注意喚起表示は、「○○モード突入」という文字や画像の主要部分と重ならない位置に、6秒間表示される。このように注意喚起表示を表示することでも、遊技者が球貸機に挿入したプリペイドカードを取り忘れてしまうのを防止することができる。
その後、企業ロゴ表示が行われる。この企業ロゴ表示は、パターン1と同じ表示であり、5秒間行われる。企業ロゴ表示の表示期間が終了すると、確変遊技状態である「○○モード」の遊技に移行する。初めの1.5秒間は、装飾図柄が停止した状態で表示されるが、その後、図柄の変動が開始する。表示態様1の大当り終了インターバル期間は、24.5秒である。
表示態様2〜4は、パターン1と同じであるので、説明を省略する。パターン2の場合も、注意喚起表示が行われるのは、大当り1の当り遊技終了後のみである。すなわち、時短遊技状態や潜伏確変状態に移行する大当り、ある程度出玉のある大当りであっても、2回目以降の大当りでは、注意喚起表示が行われない。また、開閉扉が極めて短時間の開閉動作を繰り返す突然確変当りのように出玉がほとんど獲得できない大当りでも、注意喚起表示は行われない。
注意喚起表示は、表示の大小、時間の長短、効果音の有無等、予め複数のバージョンを用意しておいてもよい。例えば、初回の当り遊技の終了後に派手で目立つ態様の注意喚起表示が行われ、2回目以降の当り遊技の終了後に地味で目立たない態様の注意喚起表示が行われるようにすれば、全ての当り遊技終了後に注意喚起表示を行うことができる。
同様に、確変付き大当りの当り遊技終了後には、目立つ態様の注意喚起表示が行われ、通常大当りの遊技の終了後には、目立たない態様の注意喚起表示が行われるようにすることができる。
次に、図7A、7Bを参照して、企業ロゴ表示、注意喚起表示及び大当り終了インターバル期間の表示例について説明する。
図7A(a)に示す企業ロゴ表示は、上記パターン1、2の「表示態様1」において行われるものであり、5秒間表示される。上述した通り、企業ロゴが徐々に画面中央に現れる動画となっている。また、動画と共に効果音も出力される。
図7A(b)に示す注意喚起表示は、パターン1の「表示態様1」において行われる表示であり、同じく5秒間表示される。上述した通り、球貸機に挿入されたプリペイドカードが排出される様子を示す動画となっており、動画の最後に「プリペイドカードの取り忘れにご注意ください!」との文字が表示、点滅する。
パターン1(表示態様1)の大当り終了インターバル期間の各種表示を通して行うと、図7B(a)のようになる。図7B(a)の左は、終了インターバル演出1の例であり、機種特有のキャラクタと「○○モード突入」の文字が表示される。その後、企業ロゴ表示(中央)、注意喚起表示(右)の順に表示された後、「○○モード」の遊技が開始する(画像省略)。
また、本実施形態では、「○○モード」において、遊技者が遊技盤4の右側に遊技球を打ち出す必要がある「右打ち仕様」になっている。従って、大当り終了インターバル期間に右打ちマーク(矢印)が表示される。矢印の近くに「右打ち」の文字を併せて表示してもよい。これにより、遊技者が「○○モード」における操作を誤って、不利益を受けることがなくなる。なお、右打ちマークは、終了インターバル演出1から表示してもよい。
また、パターン2(表示態様1)の大当り終了インターバル期間の各種表示を通して行うと、図7B(b)のようになる。終了インターバル演出1が開始し(図7B(b)の左)、12秒経過したとき注意喚起表示が画面上方に追加される(中央)。注意喚起表示は、「○○モード突入」の文字やキャラクタの画像の主要部分と重ならない位置であれば、どこに表示してもよい。
そして、企業ロゴ表示(右)が表示された後、「○○モード」の遊技が開始する(画像省略)。なお、ここでも、大当り終了インターバル期間に右打ちマーク(矢印)を表示する。
以上、表示態様1の大当り終了インターバル期間の表示例について説明したが、表示態様2の「終了インターバル演出2」、表示態様3の「終了インターバル演出3」の中で右打ちマーク(矢印)を表示してもよい。確変遊技状態だけでなく、時短遊技状態でも「右打ち」が必要となる機種が多いためである。
以下では、図8を参照して、主制御側で行われる遊技管理処理について説明する。以下で説明する遊技管理処理は、電源投入処理が正常に終了した場合に、主制御側のメインループに対して実行されるタイマ割込み処理である。
まず、主制御手段(主制御基板24)は、タイマ管理処理を行う(ステップS10)。パチンコ遊技機1には、後述する特別図柄役物動作タイマの他、普図及び特図役物動作タイマ等の多数のタイマが用意されており、それぞれ遊技に関する時間を計時している。
主制御手段は、処理状態に応じて各種タイマを更新(タイマを減算)していくことで、多数のタイマを管理する。その後、ステップS20に進む。
ステップS20では、主制御手段は、賞球管理処理を行う。これは、遊技盤4の遊技領域を流下する遊技球が、第1特別図柄始動口38aや一般入賞口42に入賞した場合に行われる処理である。例えば、一般入賞口42の内部にある一般入賞口センサ42cが遊技球を検知し、球検知信号を主制御手段に送信する。
主制御手段は、上記信号を受信すると、払出制御基板29(更には、遊技球払出装置19)に向けて所定個数の賞球の払出しを行うための制御信号を送信する。遊技球払出装置19は、上記制御信号を受信した後に、上貯留皿11(上貯留皿11が満杯である場合には、下貯留皿12)に所定個数の賞球を払出す。その後、ステップS30に進む。
ステップS30では、主制御手段は、普通図柄管理処理を行う。これは、遊技盤4の遊技領域を流下する遊技球が、普通図柄用始動ゲート40a又は右普通図柄用始動ゲート40bを通過した場合に行われる処理である。具体的には、始動ゲート40a、40bの内部にある始動ゲート通過センサ40cがゲートを通過した遊技球を検知して、球検知信号を主制御手段に送信する。
主制御手段は、上記信号を受信すると、普通図柄の抽選乱数を取得する。この抽選乱数は最大4個まで記憶可能であり、記憶した順に上記抽選乱数の当否を抽選する。
また、主制御手段は、普通図柄表示装置43bに制御信号を送信する。普通図柄表示装置43bでは、LEDの点滅による普通図柄の変動が行われ、普通図柄は、所定時間の経過後、抽選結果に応じて当り又は外れの態様を表示して停止する。その後、ステップS40に進む。
ステップS40では、主制御手段は、普通電動役物管理処理を行う。これは、普通図柄の抽選結果により普通電動役物の動作を制御する処理である。普通図柄管理処理(ステップS30)にて、普通図柄が当り態様で停止した場合には、主制御手段は、普通電動役物用ソレノイドに制御信号を送信し、所定時間、第2特別図柄始動口38bの開閉部材を開放する。
主制御手段は、上記所定時間が経過した場合、又は所定時間経過前に第2特別図柄始動口38bに予め定められた上限数の遊技球が入賞した場合に、上記開閉部材を閉鎖するための制御信号を普通電動役物用ソレノイドに送信する。これにより、上記開閉部材は閉鎖する。その後、ステップS50に進む。
なお、普通図柄管理処理(ステップS30)にて、普通図柄が外れ態様で停止した場合には、上記開閉部材を開放することはなく、主制御手段は、何もせず普通電動役物遊技処理を終了する。
ステップS50では、主制御手段は、特別図柄管理処理を行う。これは、遊技盤4の遊技領域を流下する遊技球が、第1特別図柄始動口38a又は第2特別図柄始動口38bに入賞した場合に行われる処理である。始動入賞口センサ38cが遊技球を検知すると、始動入賞口センサ38cが球検知信号を主制御手段に送信し、主制御手段では特別図柄の抽選が行われる。
主制御手段は、特別図柄表示装置43aに制御信号を送信する。特別図柄表示装置43aでは、7セグメントLEDによる特別図柄の変動が行われ、特別図柄が所定時間の経過後に抽選結果に応じて当り又は外れの態様で停止する。また、特別図柄の変動は、液晶表示装置36においても遊技者に確実に認識可能な装飾図柄で表示される。その後、ステップS60に進む。
最後に、ステップS60では、主制御手段は、特別電動役物管理処理を行う。これは、特別図柄の抽選結果により特別電動役物(大入賞装置39a、39b)の動作を制御する処理である。
詳細は後述するが、特別図柄が当り態様で停止した場合には、いわゆる大当りとなり、所定ラウンド数の大当り遊技が遊技者に付与される。後述するが、特別図柄管理処理(ステップS50)にて、特別図柄が外れ態様で停止した場合には、直ちに特別電動役物管理処理が終了となる。特別電動役物管理処理が終了すると、遊技管理処理も終了となる。
次に、図9を参照して、遊技管理処理の中で行われる特別電動役物管理処理について説明する。特別電動役物管理処理(図8:ステップS60)において、主制御手段は、後述する特別電動役物動作ステータス(大当り開始処理、特別電動役物作動開始処理、特別電動役物作動中処理、特別電動役物作動継続判定処理、大当り終了処理)を判定し、それぞれの処理を管理する。
まず、主制御手段は、小当りフラグがONしているか否かを判定する(ステップS601)。小当りが発生して小当りフラグがONしている場合には、「YES」の判定となり、ステップS602に進む。一方、小当りフラグがONしていない場合には、「NO」の判定となり、ステップS603に進む。
ステップS601の判定が「YES」である場合、主制御手段は、小当り処理を行う(ステップS602)。具体的には、入賞数をカウントしつつ、後述する特別電動役物作動開始処理や特別電動役物作動中処理を行って、上限ラウンドまで大入賞装置39の開閉扉の動作を制御する。
なお、本実施形態の大当り2(5ラウンド確変付き大当り)、大当り4(2ラウンド潜伏確変付き大当り)は、小当りには分類されない。小当り処理が終了すると、特別電動役物管理処理も終了となる。
ステップS601の判定が「NO」である場合、主制御手段は、条件装置作動フラグがONか否かを判定する(ステップS603)。条件装置作動フラグがONしている場合には、「YES」の判定となり、ステップS604に進む。一方、条件装置作動フラグがONしていない場合には、「NO」の判定となり、この処理を終了する。すなわち、ステップS604以降は、大当りが発生した場合の処理となる。
ステップS603の判定が「YES」である場合、主制御手段は、特別電動役物動作ステータス判定を行う(ステップS604)。特別電動役物動作ステータス(以下、特電動作ステータスともいう)が00Hに設定されている場合は、「大当り開始」時であることを意味するので、ステップS605に進む。
また、特電動作ステータスが01Hに設定されている場合は、「特電作動開始中」であることを意味するので、ステップS606に進む。同様に、特電動作ステータスが02Hに設定されている場合は、「特電作動中」であることを意味するので、ステップS607に進む。
さらに、特電動作ステータスが03Hに設定されている場合は、「特電作動継続判定中」であることを意味するので、ステップS608に進み、特電動作ステータスが04Hに設定されている場合は、「大当り終了中」であることを意味するので、ステップS609に進む。
ステップS605〜S609の処理の内容については、以下で詳細を述べる。また、これらの処理が終了した後、主制御手段は、特別電動役物管理処理を終了する。
次に、図10を参照して、特別電動役物管理処理の中で行われる大当り開始処理について説明する。
まず、主制御手段は、大当り開始時の各種設定を行う(ステップS101)。具体的には、役物連続作動装置作動フラグをONとし、連続回数カウンタを01Hにセットする。連続回数カウンタは、後述する特別電動役物作動継続判定処理の中でラウンド数をカウントするために用いられるものであり、01Hは、「第1ラウンド」を意味する。
また、特別電動役物動作ステータスを01H(特電作動開始中)にセットするので、次回の特別電動役物動作ステータス判定(図9:ステップS604)では、特別電動役物作動開始処理(図9:ステップS606)に進むようになる。大当り開始時の各種設定が終了した後、ステップS102に進む。
ステップS102では、主制御手段は、特別図柄判定データの値に応じて各データをRAMに格納する。具体的には、最大ラウンド数(2R、5R、15R)、ラウンド表示LED番号、大当り開始インターバル時間、コマンドデータをRAM243に格納する。大当り開始インターバル時間は、後述する特別電動役物作動開始処理の中で利用する。その後、ステップS103に進む。
最後に、主制御手段は、大当り開始インターバルコマンドを送信する(ステップS103)。具体的には、主制御手段(主制御基板24)は、副制御手段(演出制御基板25)に向けて「大当り開始インターバル(ファンファーレ)コマンド」を送信する。後述するが、演出制御基板25は、このコマンドを受信すると、「大当り開始時設定処理」を行う(図16参照)。その後、大当り開始処理を終了する。
次に、図11を参照して、特別電動役物管理処理の中で行われる特別電動役物作動開始処理について説明する。
まず、主制御手段は、特別図柄役物動作タイマが0であるか否かを判定する(ステップS111)。具体的には、大当り開始インターバル時間が経過したか否か、又は後述するラウンド間インターバル時間が経過したか否かを判定する。
特別図柄役物動作タイマが0となった場合には、「YES」の判定となり、ステップS112に進む。一方、特別図柄役物動作タイマがまだ0となっていない場合には、「NO」の判定となり、特別電動役物作動開始処理を終了する。
ステップS111の判定が「YES」である場合、主制御手段は、大入賞口開放コマンドを送信する(ステップS112)。具体的には、主制御手段(主制御基板24)は、副制御手段(演出制御基板25)に向けて「大入賞口開放コマンド」を送信する。その後、ステップS113に進む。
ステップS113では、主制御手段は、大当り種別とラウンド数に応じた特別電動役物作動時間を特別図柄役物動作タイマに格納する。例えば、今回当選した当りが、「15ラウンド(確変付き)大当り」であった場合には、15の各ラウンドの特別電動役物作動時間を特別図柄役物動作タイマにセットする。その後、ステップS114に進む。
ステップS114では、主制御手段は、開放動作開始時の各種設定を行う。具体的には、大入賞口入賞数カウンタを00Hにセットする。「00H」は、入賞数が「0個」の意味である。
また、特別電動役物動作ステータスを02H(特電作動中)にセットするので、次回の特別電動役物動作ステータス判定(図9:ステップS604)では、特別電動役物作動中処理(図9:ステップS607)に進むようになる。その後、ステップS115に進む。
最後に、主制御手段は、大入賞口開閉動作設定を行う(ステップS115)。具体的には、大当り種別とラウンド数に応じた大入賞口開閉動作設定テーブルと、特別電動役物作動タイマの値とを取得し、大入賞装置39の開閉扉の動作を設定する。その後、特別電動役物作動開始処理を終了する。
次に、図12を参照して、特別電動役物管理処理の中で行われる特別電動役物動作中処理について説明する。
まず、主制御手段は、大入賞口最大入賞数チェックを行う(ステップS121)。具体的には、大入賞装置39の大入賞口に入賞があった場合に、大入賞口カウンタを加算し、最大入賞数に到達した場合に、上述の特別図柄役物動作タイマをゼロクリアする処理となる。その後、ステップS122に進む。
ステップS122では、主制御手段は、大入賞口開閉動作設定を行う。上述の図11のステップS115と同じ処理であるので、詳細は省略する。その後、ステップS123に進む。
次に、主制御手段は、特別図柄役物動作タイマが0であるか否かを判定する(ステップS123)。ここでは、特別電動役物作動時間が経過したか否かを判定する。特別図柄役物動作タイマが0となった場合には、「YES」の判定となり、ステップS124に進む。一方、特別図柄役物動作タイマがまだ0となっていない場合には、「NO」の判定となり、特別電動役物作動中処理を終了する。
ステップS123の判定が「YES」である場合、主制御手段は、ラウンド間インターバルコマンドを送信する(ステップS124)。具体的には、主制御手段(主制御基板24)は、副制御手段(演出制御基板25)に向けて「ラウンド間インターバルコマンド」を送信する。なお、「ラウンド間インターバルコマンド」とは、例えば、第1ラウンドと第2ラウンドのインターバルに移行することを知らせるコマンドである。その後、ステップS125に進む。
最後に、主制御手段は、開閉動作終了時の各種設定を行う(ステップS125)。具体的には、特別図柄役物動作タイマを1980msにセットする。これは、残存球の排出時間に相当する。また、特別電動役物動作ステータスを03H(特電作動継続判定中)にセットするので、次回の特別電動役物動作ステータス判定処理(図9:ステップS604)では、特別電動役物作動継続判定処理(図9:ステップS608)に進むようになる。その後、特別電動役物動作中処理を終了する。
次に、図13を参照して、特別電動役物管理処理の中で行われる特別電動役物作動継続判定処理について説明する。
まず、主制御手段は、特別図柄役物動作タイマが0であるか否かを判定する(ステップS131)。ここでは、残存球の排出時間が経過したか否かを判定する。特別図柄役物動作タイマが0となった場合には、「YES」の判定となり、ステップS132に進む。一方、特別図柄役物動作タイマがまだ0となっていない場合には、「NO」の判定となり、特別電動役物作動継続判定処理を終了する。
ステップS131の判定が「YES」である場合、主制御手段は、ラウンド数は最大か否かを判定する(ステップS132)。例えば、15ラウンド大当りの場合、最大の第15ラウンドとなった場合に、「YES」の判定となり、ステップS136に進む。一方、第14ラウンドまでは、「NO」の判定となり、ステップS133に進む。
ステップS132の判定が「NO」である場合、主制御手段は、連続回数カウンタを1インクリメントする(ステップS133)。主制御手段は、本ステップにより大当りのラウンド数をカウントする。その後、ステップS134に進む。
ステップS134では、主制御手段は、大当り種別に応じたラウンド間インターバル時間を特別図柄役物動作タイマに格納する。ラウンド間インターバル時間は、特別電動役物作動開始処理(図11参照)に戻った場合に、この処理の中で利用する。その後、ステップS135に進む。
ステップS135では、主制御手段は、継続時の各種設定を行う。具体的には、特別電動役物1作動フラグと特別電動役物2作動フラグを、共に00Hに設定する。特別電動役物作動フラグが00Hに設定されるのは、大当りラウンドの「開始」、「ラウンド間」又は「終了」の何れかの場合であるが、ここでは「ラウンド間」である。
また、特別電動役物動作ステータスを01H(特電作動開始中)にセットするので、次回の特別電動役物動作ステータス判定(図9:ステップS604)では、特別電動役物作動開始処理(図9:ステップS606)に進むようになる。その後、特別電動役物作動継続判定処理を終了する。
次に、ステップS132の判定が「YES」である場合、主制御手段は、終了時の各種設定を行う(ステップS136)。具体的には、特別電動役物1作動フラグと特別電動役物2作動フラグを、共に00Hに設定する。特別電動役物作動フラグを00Hに設定するのは、大当りラウンドが「終了」となるためである。
また、特電動作ステータスを04H(大当り終了中)にセットするので、次回の特別電動役物動作ステータス判定(図9:ステップS604)では、大当り終了処理(図9:ステップS609)に進むようになる。その後、ステップS137進む。
ステップS137では、主制御手段は、大当り種別に応じた終了インターバル時間を特別図柄役物動作タイマに格納する。終了インターバル時間は、後述する大当り終了処理の中で利用する。その後、ステップS138に進む。
最後に、主制御手段は、大当り終了インターバルコマンドを送信する(ステップS138)。具体的には、主制御手段(主制御基板24)は、副制御手段(演出制御基板25)に向けて「大当り終了インターバル(ファンファーレ)コマンド」を送信する。後述するが、演出制御基板25は、このコマンドを受信すると、「大当り終了時設定処理」を行う(図16参照)。その後、特別電動役物作動継続判定処理を終了する。
次に、図14を参照して、特別電動役物管理処理の中で行われる大当り終了処理について説明する。
まず、主制御手段は、特別図柄役物動作タイマが0であるか否かを判定する(ステップS141)。ここでは、終了インターバル時間が経過したか否かを判定する。特別図柄役物動作タイマが0となった場合には、「YES」の判定となり、ステップS142に進む。一方、特別図柄役物動作タイマがまだ0となっていない場合には、「NO」の判定となり、大当り終了処理を終了する。
ステップS141の判定が「YES」である場合、主制御手段は、各移行状態バッファの値を各状態フラグに格納する(ステップS142)。具体的には、大当りの終了後に移行する確変遊技状態等の情報を情報フラグに格納する。その後、ステップS143に進む。
ステップS143では、主制御手段は、大当り終了時の各種設定を行う。具体的には、特別電動役物管理処理中の各ステップで使用した条件装置作動フラグ、連続回数カウンタ、最大連続回数バッファ等を全て0クリアする。また、特別電動役物動作ステータスを00H(大当り開始)にセットする。その後、ステップS144進む。
最後に、主制御手段は、遊技状態報知情報を更新する(ステップS144)。例えば、この後に時短遊技状態に移行する場合には、時短中報知ランプをオンする。その後、大当り終了処理を終了する。以上、主制御手段で行われる処理について説明した。
以下では、図15を参照して、副制御側で行われるメイン処理について説明する。このメイン処理には、副制御手段(演出制御基板25)の起動時に行われる初期化処理が含まれる。
まず、副制御手段は、初期化処理を行う(ステップS151)。これは、主に、副制御手段の各種初期設定を行うものであり、起動時に一度だけ行われる。その後、ステップS152に進む。
次に、副制御手段は、メインループ更新周期となったか否かを判定する(ステップS152)。メインループとは、後述するステップS154〜S159までの処理であるが、その更新周期は16msである。
ステップS152に進んだとき更新周期の16msが経過すると、「YES」の判定となり、ステップS154に進む。一方、16ms経過する前の状態では、更新周期となっていないので、「NO」の判定となる。この場合には、ステップS153に進む。
ステップS152の判定が「NO」である場合、副制御手段は、各種ソフト乱数の更新処理を行う(ステップS153)。その後、ステップS152の判定が「YES」となるまでステップS152、S153の処理を繰り返す。このループの期間に、1ms周期のタイマ割込み処理(図19参照)が実行されるが、副制御手段は、この割込み処理回数をカウントして、上記の16msが経過したか否かを判定する。
ステップS152の判定が「YES」である場合、副制御手段は、LEDデータ更新処理を行う(ステップS154)。上述の通り、ステップS154〜S159はメインループの処理となるが、ここでは、枠装飾LED8、盤面装飾LED35のデータを更新することで、装飾LEDの発光態様を変化させる。その後、ステップS155に進む。
ステップS155では、副制御手段は、受信コマンド解析処理を行う。詳細は後述するが、これは、受信した制御コマンドの種別を解析し、それに応じた各種設定を行うものである。その後、ステップS156に進む。
ステップS156では、副制御手段は、メインシナリオ更新処理を行う。具体的には、制御コマンドに応じた演出の各種設定を行うものである。その後、ステップS157に進む。
ステップS157では、副制御手段は、サウンド出力処理を行う。具体的には、シナリオに応じてスピーカ7からサウンドを出力させる。その後、ステップS158に進む。
ステップS158では、副制御手段は、ソレノイド更新処理を行う。具体的には、大入賞装置39等に用いられているソレノイドの詳細な動作を設定する。その後、ステップS159に進む。
最後に、副制御手段は、ノイズ対策用処理を行う(ステップS159)。具体的には、周辺LSIがノイズの影響を受けていないかチェックする。この処理が終了すると、ステップS152に戻り、以降の処理を継続して実行する。
次に、図16を参照して、副制御側メイン処理の中で行われる受信コマンド解析処理について説明する。
まず、副制御手段は、受信コマンドが正常であるか否かを判定する(ステップS161)。受信コマンドが正常である場合には、「YES」の判定となり、ステップS162に進む。一方、受信コマンドが正常でない場合には、「NO」の判定となり、受信コマンド解析処理を終了する。
ステップS161の判定が「YES」である場合、副制御手段は、受信コマンドが大当り開始インターバルコマンドであるか否かを判定する(ステップS162)。「大当り開始インターバルコマンド」は、大当り開始処理の中で、主制御基板24から演出制御基板25に向けて送信される制御コマンドである(図10参照)。
受信コマンドが「大当り開始インターバルコマンド」である場合には、「YES」の判定となり、ステップS163に進む。一方、「大当り開始インターバルコマンド」でない場合には、「NO」の判定となり、ステップS164に進む。
ステップS162の判定が「YES」である場合、副制御手段は、大当り開始時設定処理を行う(ステップS163)。以下、図17を参照して、受信コマンド解析処理の中で行われる大当り開始時設定処理について説明する。
まず、副制御手段は、大当り開始前の遊技状態を記憶する(ステップS171)。遊技状態には、通常遊技状態、確変遊技状態(潜伏確変を含む)、時短遊技状態があるが、大当り遊技の開始前に、何れの遊技状態であったかを記憶領域に記憶する。その後、ステップS172に進む。
ステップS172では、副制御手段は、大当り種別を記憶する。大当り種別には、大当り1〜4があるが、抽選により当選した大当り種別を記憶領域に記憶する。その後、ステップS173に進む。
最後に、副制御手段は、大当り開始時の各種設定を行う(ステップS173)。具体的には、大当り開始時のファンファーレやオープニング演出が設定される。その後、大当り開始時設定処理を終了する。これにより、受信コマンド解析処理も終了となる。
図16に戻って、ステップS162の判定が「NO」である場合、副制御手段は、受信コマンドが大当り終了インターバルコマンドであるか否かを判定する(ステップS164)。「大当り終了インターバルコマンド」は、特別電動役物作動継続判定処理の中で、主制御基板24から演出制御基板25に向けて送信される制御コマンドである(図13参照)。
受信コマンドが「大当り終了インターバルコマンド」である場合には、「YES」の判定となり、ステップS165に進む。一方、「大当り終了インターバルコマンド」でない場合には、「NO」の判定となり、ステップS166に進む。
ステップS164の判定が「YES」である場合、副制御手段は、大当り終了時設定処理を行う(ステップS165)。以下、図18を参照して、受信コマンド解析処理の中で行われる大当り終了時設定処理について説明する。
まず、副制御手段は、大当り種別が大当り1であるか否かを判定する(ステップS181)。大当り種別が大当り1である場合には、「YES」の判定となり、ステップS182に進む。一方、大当り1でない場合(大当り2〜4の場合)には、「NO」の判定となり、ステップS186に進む。
ステップS181の判定が「YES」である場合、副制御手段は、表示済フラグがONか否かを判定する(ステップS182)。表示済フラグの詳細は後述する。現在、表示済フラグがONである場合には、今回の大当りは、大当り1の連続当りであり、注意喚起表示は既に行われている。この場合、「YES」の判定となり、ステップS185に進む。一方、表示済フラグがONでない場合には、今回、初めて大当り1に当選したことになる。この場合、「NO」の判定となり、ステップS183に進む。
ステップS182の判定が「NO」である場合から説明する。この場合、副制御手段は、終了表示を設定する(ステップS183)。具体的には、終了表示として表示態様1が設定される。例えば、大当り4に当選した後に大当り1に当選した場合には、既に確変遊技状態に移行しているものの、初回の大当り1の当選であるので、注意喚起表示を含む表示態様1が選択される。その後、ステップS184に進む。
ステップS184では、副制御手段は、企業ロゴ表示、注意喚起表示の表示済フラグをONする。表示済フラグとは、企業ロゴ表示と注意喚起表示が既に表示されたことを意味するフラグである。なお、図示しないが、表示済フラグは、時短遊技状態が終了して通常遊技状態に戻ったときにOFFされる。その後、大当り終了時設定処理を終了する。
次に、ステップS182の判定が「YES」である場合を説明する。この場合、副制御手段は、終了表示を設定する(ステップS185)。これは、注意喚起表示が既に行われている場合であるので、終了表示として表示態様2が選択される。その後、大当り終了時設定処理を終了する。
最後に、ステップS181の判定が「NO」である場合を説明する。この場合、副制御手段は、大当り種別に応じて終了表示を設定する(ステップS186)。具体的には、大当り種別が大当り2である場合、終了表示として表示態様2が選択される。また、大当り種別が大当り3である場合、終了表示として表示態様3が選択され、大当り種別が大当り4である場合、表示態様4が選択される。その後、大当り終了時設定処理を終了する。これにより、受信コマンド解析処理も終了となる。
図16に戻って、ステップS164の判定が「NO」である場合、副制御手段は、受信コマンドに応じた処理をセットする(ステップS166)。例えば、受信コマンドが「大入賞口開放コマンド」であった場合には、各ラウンドで行われる演出表示等をセットする。その後、受信コマンド解析処理を終了する。
次に、図19を参照して、副制御側のタイマ割込み処理について説明する。このタイマ割込み処理は、上述の副制御側メイン処理(図15参照)に対して、1ms周期で実行される処理である。
まず、副制御手段は、CPUレジスタの初期設定をする(ステップS191)。具体的には、ポートのリフレッシュ初期値の設定を行う。その後、ステップS192に進む。
ステップS192では、副制御手段は、出力処理を行う。具体的には、可動役物37に用いられているソレノイドやモータの出力処理を行う。その後、ステップS193に進む。
ステップS193では、副制御手段は、演出ボタン入力状態更新処理を行う。副制御手段は、演出ボタン13、14の操作がされた場合に、入力状態を更新する。その後、ステップS194に進む。
ステップS194では、副制御手段は、スイッチ入力状態更新処理を行う。具体的には、ボリュームスイッチ31等の入力情報を確認し、その情報に応じた処理を行う。その後、ステップS195に進む。
ステップS195では、副制御手段は、液晶制御コマンド送信処理を行う。演出制御基板25は、例えば、演出用カウンタによって選択された演出用コマンドを液晶制御基板26に向けて送信する。その後、ステップS196に進む。
ステップS196では、副制御手段は、モータ更新処理を行う。具体的には、可動役物37等に用いられているモータの詳細な動作設定をする。その後、ステップS197に進む。
ステップS197では、副制御手段は、LEDデータ出力処理を行う。具体的には、必要なタイミングで枠装飾LED8、盤面装飾LED35を点灯、点滅させるLEDデータ出力を行う。その後、ステップS198に進む。
最後に、副制御手段は、メインループ更新周期用ワークを1インクリメントする(ステップS198)。これは、メインループ処理(図15:ステップS154〜S159)の更新周期である16msをカウントするため、メインループ更新周期用ワークを1だけインクリメントする処理である。その後、タイマ割込み処理を終了する。以上、本実施形態のパチンコ遊技機1の一連の動作を説明した。
上記のように、このパチンコ遊技機は、出玉が多く、当り遊技の終了後に確変遊技状態に移行する当り(大当り1)が発生したとき、注意喚起表示の表示済フラグの状態を判断する。まだ注意喚起表示が行われていない場合には、大当り終了後インターバル期間に注意喚起表示が行われる。これにより、遊技者がプリペイドカードを取り忘れてしまうのを防止することができる。
[実施例]
次に、本発明の実施例について説明する。実施例では、上記実施形態と異なる観点で注意喚起表示を行うか否かを決定する。以下では、上記実施形態と異なる部分を中心に説明する。
まず、図20を参照して、実施例の大当り種別と遊技状態について説明する。実施例の大当り1〜4は、上記実施形態と同じものであるが、大当り終了インターバル期間の表示態様が一部異なる。
まず、「大当り1」について説明する。これは、15ラウンドの確変付き大当りである。当り遊技の終了後には、遊技状態が確変遊技状態に移行し、普通電動役物の開放延長も行われる。
大当り1では、大当り終了インターバルの時間が24.5秒に定められ、液晶表示装置36にて表示態様1又は表示態様2が実行される(図20(a)参照)。なお、主制御基板24から送信される制御コマンドは、「F401h」である。
次に、「大当り2」について説明する。これは、5ラウンドの確変付き大当りである。大当り1と比較して出玉は少ないが、当り遊技の終了後に確変遊技状態に移行し、普通電動役物の開放延長も行われる。ここでは、上記実施形態と異なり、大当り終了インターバル期間に表示態様1又は表示態様2が実行される。
次に、「大当り3」について説明する。これは、15ラウンドの通常大当りである。大当りラウンド数が15ラウンドであるため、遊技者は、大当り1と同等の出玉を獲得することができる。また、当り遊技の終了後には時短遊技状態に移行し、普通電動役物の開放延長も行われる。大当り終了インターバルの時間、制御コマンド、表示態様3が実行される点は、上記実施形態と同じである。
最後に、「大当り4」について説明する。これは、2ラウンドの潜伏確変付き大当りである。潜伏確変では、普通電動役物の開放延長が行われない(図20(b)参照)。大当り終了インターバルの時間は10秒、制御コマンドは「F402h」であり、表示態様4が実行される。
大当り1、2、4の当り遊技の終了後は、大当り確率の点で通常遊技状態より有利な確変遊技状態となる。ここで、大当り4の終了後に注意喚起表示が行われるようにすることもできる。しかし、本実施例では、ある程度の出玉が手元に残る上、有利な遊技状態に移行して、遊技者がしばらくの間、遊技球を借りることがなくなる大当り1、2の終了後に注意喚起表示が行われる。
まず、単純に大当り種別で注意喚起表示を行うか否かを決定することができる。例えば、当り遊技の終了後に開放延長のある確変遊技状態(本発明の「第1特別遊技状態」)に移行する大当り1、2(本発明の「第1当り」)の大当り終了インターバル期間に、注意喚起表示が行われるようにする(表示態様1)。なお、大当り1、2が2回目以降の当りの場合には、注意喚起表示が行われないようにしてもよい(表示態様2)。
ここでも、大当り終了インターバル期間の適切なタイミングで右打ちマークを表示することができる。これにより、確率変動状態(「○○モード」)において、遊技者が操作を誤って、不利益を受けることがなくなる。
また、当り遊技の終了後に時短遊技状態に移行する大当り3と、当り遊技の終了後に開放延長のない確変遊技状態(本発明の「第2特別遊技状態」)に移行する大当り4(本発明の「第2当り」)の大当り終了インターバル期間には、注意喚起表示が行われないようにする(それぞれ表示態様3、4)。
特に、大当り2の当り遊技は、出玉がそれ程多いわけではないが、当り遊技の終了後に普通電動役物が開放延長されることから、遊技球を消費するペースが遅くなる。従って、遊技者がしばらくの間、遊技球を借りることがなくなることから、注意喚起表示を行う必要がある。これにより、遊技者による記憶媒体の取り忘れを防止することができる。なお、大当り終了インターバル期間の表示は、上記実施形態(図6A、6B参照)と同じである。
また、大当り種別だけでなく、大当り発生時の遊技状態を考慮して、注意喚起表示を行うか否かを決定することもできる。以下、図21を参照して、この場合の受信コマンド解析処理の中で行われる大当り終了時設定処理について説明する。
まず、副制御手段は、大当り種別が大当り1又は大当り2であるか否かを判定する(ステップS201)。大当り種別が大当り1又は大当り2である場合には、「YES」の判定となり、ステップS202に進む。一方、何れでもない場合(大当り3、4の場合)には、「NO」の判定となり、ステップS206に進む。
ステップS201の判定が「YES」である場合、副制御手段は、大当り発生時は開放延長中であったか否かを判定する(ステップS202)。普通電動役物の開放延長が行われるのは、潜伏確変を除く確変遊技状態と時短遊技状態の場合である。
大当り発生時に開放延長中であった場合には、今回、大当り1又は大当り2が2回目以降の当りとして発生したことになる。この場合、「YES」の判定となり、ステップS204に進む。一方、開放延長中でなかった場合には、今回、初めて大当り1又は大当り2に当選したことになる。この場合、「NO」の判定となり、ステップS203に進む。
ステップS202の判定が「YES」である場合、副制御手段は、前回の大当り種別が大当り3であるか否かを判定する(ステップS204)。前回の大当りが大当り3である場合には、まだ注意喚起表示が行われていない。この場合、「YES」の判定となり、ステップS203に進む。
一方、前回の大当りが大当り3でない場合、例えば、大当り1に連続して当選したような場合には、既に注意喚起表示が行われている。この場合、「NO」の判定となり、ステップS205に進む。
次に、ステップS204の判定が「YES」である場合、又はステップS202の判定が「NO」である場合、副制御手段は、終了表示を設定する(ステップS203)。具体的には、終了表示として表示態様1が選択される。すなわち、まだ注意喚起表示が行われていない場合であるので、注意喚起表示を含む表示態様1が選択される。その後、大当り終了時設定処理を終了する。
また、ステップS204の判定が「NO」である場合、副制御手段は、終了表示を設定する(ステップS205)。これは、注意喚起表示が既に行われている場合であるので、終了表示として表示態様2が選択される。その後、大当り終了時設定処理を終了する。
最後に、ステップS201の判定が「NO」である場合を説明する。この場合、副制御手段は、大当り種別に応じて終了表示を設定する(ステップS206)。具体的には、大当り種別が大当り3である場合、終了表示として表示態様3が選択される。また、大当り種別が大当り4である場合、終了表示として表示態様4が選択される。その後、大当り終了時設定処理を終了する。
上記実施形態では、大当り種別と表示済フラグの有無が注意喚起表示を行う条件であったが、本実施例では、大当り種別、又は大当り種別と大当り発生時の遊技状態(開放延長中か否か)を条件とした。
上記のように、実施例のパチンコ遊技機では、当り遊技の終了後に確変遊技状態に移行する第1当り(大当り1、2)と、潜伏確変遊技状態に移行する第2当り(大当り4)が発生可能である。第1当りが発生した場合には、当り遊技終了後のインターバル期間に記憶媒体の取り忘れに関する注意喚起表示が行われるので、遊技者がプリペイドカードを取り忘れてしまうのを防止することができる。また、第2当りが発生した場合には、注意喚起表示が行われないので、全ての当りで注意喚起表示が行われる煩わしさがない。
[参考例]
次に、本発明と関連する参考例について説明する。参考例では、上記実施形態及び実施例と異なる観点で、注意喚起表示を行うか否かを決定する。以下では、上記実施形態又は実施例と異なる部分を中心に説明する。
まず、図22を参照して、参考例の大当り種別と遊技状態について説明する。参考例の大当り1〜4は、実施例と同じであるが、大当り終了インターバル期間の表示態様が一部異なる。
まず、「大当り1」について説明する。これは、15ラウンドの確変付き大当りである。当り遊技の終了後には、遊技状態が確変遊技状態に移行し、普通電動役物の開放延長も行われる。
大当り1では、大当り終了インターバルの時間が24.5秒に定められ、液晶表示装置36にて表示態様1又は表示態様2が実行される(図22(a)参照)。なお、主制御基板24から送信される制御コマンドは、「F401h」である。
次に、「大当り2」について説明する。これは、5ラウンドの確変付き大当りである。大当り1と比較して出玉は少ないが、当り遊技の終了後に確変遊技状態に移行し、普通電動役物の開放延長も行われる。大当り終了インターバルの時間、制御コマンド、表示態様1又は表示態様2が実行される点は、実施例と同じである。
次に、「大当り3」について説明する。これは、15ラウンドの通常大当りである。大当りラウンド数が15ラウンドであるため、遊技者は、大当り1と同等の出玉を獲得することができる。また、当り遊技の終了後には時短遊技状態に移行し、普通電動役物の開放延長も行われる。大当り終了インターバルの時間、制御コマンドについては実施例と同じであるが、表示態様3又は表示態様3’が実行される点は異なる。
最後に、「大当り4」について説明する。これは、2ラウンドの潜伏確変付き大当りである。潜伏確変では、普通電動役物の開放延長が行われない(図22(b)参照)。大当り終了インターバルの時間は10秒、制御コマンドは「F402h」であり、表示態様4が実行される。
次に、図23A、23Bを参照して、大当り終了インターバル期間の表示(パターン1、2)のタイミングチャートについて説明する。
まず、図23Aを参照して、パターン1の表示を説明する。「表示態様1」、「表示態様2」、「表示態様4」は、上記実施形態(図6A参照)と同じであるので説明を省略し、「表示態様3」及び「表示態様3’」について説明する。
まず、図中段の「表示態様3’」は、大当り3(初回のみ)の終了インターバル期間に実行される表示態様である。具体的には、当り遊技の終了から終了インターバル演出3(ショート1)として「△△モード突入」という表示が行われ、これが13秒間継続する。なお、終了インターバル演出3(ショート1)は、図6Aに示した終了インターバル演出3から一部の画像を削除して時間短縮したものである。
その後、企業ロゴ表示、注意喚起表示が行われる。企業ロゴ表示、注意喚起表示の内容は、上記実施形態(図7A)と同じである。また、それぞれの表示が5秒間行われるので、大当り終了インターバルの合計時間は24.5秒である。注意喚起表示の表示期間が終了すると、時短遊技状態である「△△モード」の遊技に移行する。
次に、「表示態様3」は、大当り3(2回目以降)の終了インターバル期間に実行される表示態様である。終了インターバル演出3は、上記実施形態と同じものであるが、2回目以降の当りの場合であるため、「△△モード継続」という表示となる。終了インターバル演出3は、当り遊技の終了から23秒間継続する。その後、企業ロゴ表示、注意喚起表示は行われず、時短遊技状態である「△△モード」の遊技に移行する。
「大当り3」の当り遊技では、多くの出玉が獲得でき、当り遊技の終了後に普通電動役物が開放延長される。すなわち、遊技球を消費するペースが遅くなり、遊技者がしばらくの間、遊技球を借りることがなくなることから、注意喚起表示を行う必要がある。これにより、遊技者による記憶媒体の取り忘れを防止することができる。
なお、ここでも、大当り終了インターバル期間の適切なタイミングで右打ちマークを表示することができる。これにより、遊技者が時短変動状態(「△△モード」)において、操作を誤って、不利益を受けることがなくなる。
次に、図23Bを参照して、大当り終了インターバル期間の表示のパターン2、特に、パターン1と異なる「表示態様3’」について説明する。
「表示態様3’」は、大当り3(初回のみ)の終了インターバル期間に実行される表示態様である。当り遊技の終了から終了インターバル演出3(ショート2)として「△△モード突入」という表示が行われ、これが18秒間継続する。なお、終了インターバル演出3(ショート2)は、終了インターバル演出3(ショート1)と同様の演出であり、時間を少し長くしたものである。
また、終了インターバル演出3(ショート2)の開始から12秒経過したとき、注意喚起表示を画面中に出現させる。注意喚起表示は、「△△モード突入」という文字や画像の主要部分と重ならない位置に、6秒間表示される。このように注意喚起表示を表示することでも、遊技者が球貸機に挿入したプリペイドカードを取り忘れるのを防止することができる。
その後、企業ロゴ表示が行われる。企業ロゴ表示は、パターン1と同じ表示であり、5秒間行われる。企業ロゴ表示の表示期間が終了すると、時短遊技状態である「△△モード」の遊技に移行する。
このように、当り遊技の終了後に開放延長のある遊技状態に移行する大当り1〜3の大当り終了インターバル期間に、注意喚起表示が行われるようにする(表示態様1又は3’)。ただし、大当り1〜3が2回目以降の当りの場合には、注意喚起表示が行われないようにしてもよい(表示態様2又は3)。また、当り遊技の終了後に開放延長のない遊技状態に移行する大当り4の大当り終了インターバル期間には、注意喚起表示が行われないようにする(表示態様4)。
上記実施例では、大当り種別、又は大当り種別と大当り発生時の遊技状態が注意喚起表示を行う条件であったが、参考例では、大当り種別(当り遊技の終了後の開放延長の有無)を条件とした。
上記のように、参考例のパチンコ遊技機では、当り遊技の終了後に開放延長のある遊技状態に移行する大当り(大当り1〜3)と、開放延長のない遊技状態に移行する大当り(大当り4)が発生可能である。初めて大当り1〜3が発生した場合には、当り遊技終了後のインターバル期間に記憶媒体の取り忘れに関する注意喚起表示が行われるので、遊技者がプリペイドカードを取り忘れてしまうのを防止することができる。また、大当り4が発生した場合には、注意喚起表示が行われないので、全ての当りで注意喚起表示が行われる煩わしさがない。
上記の実施例は、本発明の一例であり、これ以外にも種々の変形例が考えられる。
実施例の注意喚起表示は、液晶表示装置に表示され、文字情報と図形情報で構成されていたが、これに限られるものではない。表示のタイミングでスピーカにより警告音を出力させてもよい。また、表示態様は、カード返却ボタンの操作を指示するものや、プリペイドカードの挿入された方向を矢印で指示するものであってもよい。
また、パチンコ遊技機は、注意喚起表示を行うための副表示装置を備えていてもよい。これにより、大当り終了インターバル期間の演出時間が削減されなくなる。
最初の実施形態において注意喚起表示が行われるのは、当り遊技の終了後に確変遊技状態に移行する出玉のある大当りの後であったが、出玉の量に関係なく注意喚起表示を行うようにしてもよい。第1特別遊技状態の例として確変遊技状態を示したが、次回の当りまで継続する確率変動、回数限定の確率変動の両方が含まれる。
大当り終了インターバル期間は、少なくとも2秒以上の注意喚起表示が含まれていれば、任意の時間とすることができる。企業ロゴ表示は、注意喚起表示と同じ時間表示する必要はなく、企業ロゴの代わりの他の演出表示を行ってもよい。また、注意喚起表示と企業ロゴ表示を略同一時間にして、大当り種別に応じて注意喚起表示と企業ロゴ表示の何れか一方を表示するようにしてもよい。
また、注意喚起表示は、当り遊技の開始インターバル期間(大入賞装置の扉開放前)や、当り遊技期間中に行うこともできる。例えば、15ラウンド大当りの場合、第5ラウンドの終了インターバル期間と、第10ラウンドの終了インターバル期間で注意喚起表示を短時間行ってもよい。
当り遊技の終了後、確変遊技状態に移行するか否かを報知しない、いわゆる非報知タイプのパチンコ遊技機では、当り遊技の終了後に内部的に確変遊技状態となる場合には、注意喚起表示を行わないようにしてもよい。
当り遊技の終了時に保留されている始動記憶に当りが含まれる場合、大当り終了インターバル期間にその報知を行う先読み報知手段を備えていてもよい。先読み報知手段は、注意喚起表示が行われている期間には、当りが含まれることを報知しない。これにより、遊技者が報知演出に注目して注意喚起表示を見落としてしまうことがなくなる。
以上、本実施形態としてパチンコ遊技機について説明したが、本発明は、これに限らず、雀球式遊技機、アレンジボール機、封入式遊技機、回胴式遊技機、遊技球が遊技媒体となる回胴式遊技機(いわゆる、パロット機)等にも適用可能である。
例えば、回胴式遊技機の場合には、ボーナス遊技の後にRT(リプレイタイム)遊技やART(アシストリプレイタイム)遊技が付与される機種があるので、ボーナス遊技終了後に注意喚起表示を行うようにしてもよい。