まず、本実施形態の遊技機の概要について説明する。
本実施形態の遊技機は、種々の図柄を変動表示する表示装置を備えた遊技機であって、所定の更新条件が満たされた場合に値を更新する複数のカウンタと、前記カウンタの値によって当り中の遊技における演出を選択する演出制御手段とを備え、前記カウンタは、当り中の第1期間に実行される演出を選択するために用いられる第1カウンタと、当り中の第2期間に実行される演出を選択するために用いられる第2カウンタとを有し、少なくとも当りが発生したことを条件として各カウンタの値が更新される。
本実施形態の第1カウンタ及び第2カウンタは、少なくとも当りが発生したことを条件としてカウンタの値を更新する。例えば、当りが発生したタイミングで各カウンタの値を一斉に更新する方法とすることができる。
演出制御手段は、第1カウンタ及び第2カウンタの値により、当り中の第1期間及び第2期間に実行される演出を選択し、それらを組み合わせて演出パターンを作成する。従って、簡易な方法で当り中の遊技における演出パターン作成することができ、遊技機の制御負担も軽減される。
また、本実施形態において、数種類の当り価値があり、前記第1カウンタ及び前記第2カウンタの各値の更新条件は、発生した当りの当り価値に応じて異なることが好ましい。
ここでいう「当り価値」には、例えば、ラウンド数の異なる当り、確変(確率変動)又は時短(時間短縮機能)付き当り、出玉の有無等がある。「発生した当りの当り価値に応じて異なる」とは、例えば、第1カウンタの更新条件は、出玉有の当り全てとし、第2カウンタの更新条件は、出玉有の15ラウンド当りとすることが挙げられる。このようにすると、第1カウンタと比較して第2カウンタの値が更新されにくくなり、第1カウンタと第2カウンタの値に差が生じる。
従って、第1カウンタ及び第2カウンタの値により、様々な演出パターンが作成されることになり、当り中に実行される演出パターンを充実させることができる。
また、本実施形態において、複数種類の遊技状態があり、前記第1カウンタ及び前記第2カウンタの各値の更新条件は、当りが発生した際の遊技状態に応じて異なることが好ましい。
ここでいう「遊技状態」には、例えば、通常状態、確変状態、時短状態等がある。「当りが発生した際の遊技状態に応じて異なる」とは、例えば、第1カウンタの更新条件は、あらゆる遊技状態での当りとし、第2カウンタの更新条件は、確変状態での当りのみとすることが挙げられる。このようにすると、第1カウンタと比較して第2カウンタの値は更新されにくくなり、第1カウンタと第2カウンタの値に差が生じる。
このような方法によっても、第1カウンタ及び第2カウンタの値により、様々な演出パターンが作成され、当り中に実行される演出パターンを充実させることができる。
また、本実施形態において、前記第1カウンタ及び前記第2カウンタの値は、当りを連続的にカウントすることが終了したことを条件として初期化されることが好ましい。
本実施形態の遊技機は、当りを連続的にカウントすることが終了したこと(例えば、時短状態から通常状態への移行)を条件として、第1カウンタ及び第2カウンタの値を初期化する。
このような初期化が行われない限り、少なくともカウンタの値を保持し、更新条件が満たされるとカウンタの値を更新していくので、例えば、連続的に当りが発生することによって物語やステージが進行するような演出が実行できる。また、当りが連続的にカウントされなくなった場合に、カウンタの値を初期化するので、進行していた物語が終了するようなわかりやすい演出が実行できる。
次に、図1を参照して、本実施形態のパチンコ遊技機を構成する部分について説明する。図1に示すように、パチンコ遊技機1は、矩形状の外枠2と、この外枠2に開閉可能に枢着された前面枠3および前扉5を備えている。
前面枠3は、額縁状であり開口部に遊技盤4(図3参照)が取付け可能となっている。また、前扉5の中央部にはガラス板6が嵌め込まれており、外部より遊技盤4が視認可能となっている。
前扉5の上部左右両側にはスピーカ7が設けられている。スピーカ7は、遊技に伴う演出効果音を外部に出力する音響出力部である。また、前扉5の左右両側および上部には枠装飾LED8が設けられている。枠装飾LED8は、遊技の演出に連動してLEDが発光、点滅する装飾部である。
前扉5の下側には前面板9があり、その左端部は前面枠3に開放可能に枢着されている。前面板9には、発射機構を作動させるための発射ハンドル10、遊技球を貯留する上貯留皿11、下貯留皿12等が設けられている。
また、上貯留皿11の表面部分には、内蔵ランプが点灯したとき操作が可能となる左演出ボタン13と、中央演出ボタン14が設けられている。演出ボタン13、14は、遊技中に操作の機会が与えられ、ボタンを押下することにより演出を変化させることができる。
図2は、本実施形態のパチンコ遊技機の背面側の斜視図である。図2に示すように、パチンコ遊技機1の背面には、遊技盤4を裏側から押さえる枠体状の裏機構盤16が取り付けられている。
この裏機構盤16の上部には、パチンコホール側島設備の遊技球補給装置(図示省略)から供給される遊技球を貯留する遊技球貯留タンク17が設けられている。
また、遊技球貯留タンク17から球を導出するタンクレール18の傾斜下端には、遊技球を払い出すための遊技球払出装置19が設けられている。さらに、裏機構盤16の隅部には、パチンコホールにある全遊技機を統括的に管理するホールコンピュータ(図4参照)に電気的に接続するための外部端子基板21が、端子基板ケース22に収納され、設けられている。
また、裏機構盤16の略中央には、遊技盤4の裏側に装着された透明の裏カバー23が備えられており、この裏カバー23内に、演出制御基板25を収納した透明の演出制御基板ケース25aと、液晶制御基板26を収納した透明の液晶制御基板ケース26aとが設けられている。
演出制御基板25と液晶制御基板26の中間部には、ボリュームスイッチ31が設けられている。つまみ部分を回転させることで10段階の音量設定が可能である。
液晶制御基板ケース26aの下方には、その内部に主制御基板24を収納した透明な主制御基板ケース24aが設けられている。主制御基板24は、パチンコ遊技機1の動作を統括的に制御するものである。主制御基板24は、各種スイッチやセンサと接続されているため、これらの検知信号を受信して各種処理を行う。
また、主制御基板24には、RAMクリアスイッチ27が設けられている。RAMクリアスイッチ27を押下げることによりRAM領域の記憶内容は消去され、パチンコ遊技機1は初期状態となる。
演出制御基板25は、主制御基板24から送信される各種制御コマンドを受信し、その制御コマンドに基づいて、例えば、盤面装飾LED35或いは液晶表示装置36による演出を制御する。なお、演出制御基板25は、本発明の演出制御手段に相当する。
主制御基板ケース24aの下方には、電源基板28を収めた透明な電源基板ケース28aと、払出制御基板29を収めた透明な払出制御基板ケース29aが配設されている。
さらに、発射ハンドル10に対応する位置には、遊技球を打撃する打撃槌やこれを駆動する発射モータを備えた遊技球発射装置(図示省略)の後側に発射制御基板30が設けられている。
次に、図3を参照して、本実施形態のパチンコ遊技機の遊技盤について説明する。
図3に示すように遊技盤4は、略正方形のパネルで形成され、その盤面上の遊技領域4aは、化粧板4bの前面にビス等で固定されるセンター飾り体34a、左部コーナー飾り体34b、右部コーナー飾り体34c等の部材によって区画形成されている。飾り体34a〜34cは、ポリカーボネート等の硬質樹脂材料を用いた射出成形によってそれぞれ一体成型で形成されている。
センター飾り体34aには、複数の盤面装飾LED35が配置されている。盤面装飾LED35は、各遊技における図柄の変動表示や予告表示に伴い発光色や発光態様を変化させ、演出を盛り上げる装飾部である。
遊技盤4の中央部には開口が形成され、この開口内に液晶表示装置36の表示画面が配置される。液晶表示装置36は、種々の数字、キャラクタ等が描かれた図柄や背景画像、リーチ等の各種演出を遊技に応じて表示する表示器である。液晶表示装置36は、本発明の「表示装置」に相当する。
センター飾り体34aの右側には、人形の腕の形状をした可動役物37aが配置されている。また、液晶表示装置36の前面下方には下駄の形状の可動役物37b配置されている。可動役物37a、37bは、いずれも遊技における演出や大当り期待度に応じて動作する。
液晶表示装置36の下方には、第1特別図柄始動口38aおよび第2特別図柄始動口38bからなる始動入賞装置38が配置されている。遊技領域4aを流下する遊技球が第1特別図柄始動口38a、または第2特別図柄始動口38bに入賞することにより抽選が行われ、後述する特別図柄表示装置43aにて特別図柄の変動表示がなされる。また、液晶表示装置36でも、特別図柄に対応した装飾図柄の変動表示が行われる。
第2特別図柄始動口38bは開閉部材を備えており、開閉部材が開放した場合、遊技球が入賞し易い状態となる。上記開閉部材は、後述する普通図柄の抽選に当選した場合に、所定回数、所定時間開放する。以下では、第2特別図柄始動口38bと開閉部材を合わせた装置を普通電動役物と称することがある。
始動入賞装置38の下方には、第1大入賞装置39aが配置されている。また、始動入賞装置38の右側には、第2大入賞装置39bが配置されている。大入賞装置39a、39bは、共に特別図柄の抽選に当選したとき、すなわち大当りとなったときに所定時間開放される入賞装置である。遊技球が大入賞装置39a、39bの内部にある大入賞口(図示省略)に入賞することにより、多くの賞球を獲得することが可能となる。
遊技領域4aの右側下方には、特別図柄表示装置43aおよび普通図柄表示装置43bが配置されている。特別図柄表示装置43aは、2個の7セグメントLED(左及び中)から構成され、特別図柄始動口38a、38bへの入賞を契機として特別図柄を変動させ、抽選結果を表示する。なお、残り1個は(右)、特別図柄及び普通図柄の保留球数や、時短状態であることを表示する。
普通図柄表示装置43bは、複数のLEDからなる表示器であり、普通図柄用始動ゲート40aへの入賞を契機として普通図柄を始動させ、LEDの点灯により抽選結果を表示する。
遊技領域4aの左側には、普通図柄用始動ゲート40aや遊技球の流下方向を変化させる風車41、多数の遊技釘(図示省略)が配置されている。普通図柄用始動ゲート40aは、普通図柄の始動契機となる入賞装置である。遊技球が普通図柄用始動ゲート40aを通過することにより抽選が行われ、普通図柄表示装置43bにて、普通図柄が変動する。
また、第2大入賞装置39bの上方には、右普通図柄用始動ゲート40bが配置されている。これは、右打ちを行う遊技状態の場合の普通図柄用の始動ゲートであり、遊技者が右打ちをしているか否かを検知する役割も有する。
遊技領域4aの左側下方には、複数の一般入賞口42が配置されている。遊技球が一般入賞口42に入賞すると所定数の賞球の払出しが行われる。
遊技領域4aの最も左側には、発射機構により発射された遊技球を遊技領域4aに案内するため略上下方向に延びたガイドレール44が配置されている。ガイドレール44は、金属製の帯状の外内2本のガイドレール44a、44bで構成されている。
これら外内2本のガイドレール44a、44bの間で上下方向に延びた空間が、前記発射機構から発射された遊技球が通過する発射通路45を形成している。内側ガイドレール44bの上端には、発射球の発射方向(遊技領域4a側)への通過を許可すると共に戻り方向(発射通路45側)への通過を阻止する戻り球防止片46が配設されている。また、内側ガイドレール44bの最下部にはアウト球回収口47と、アウト球回収口47にアウト球を導入する球寄せ部48が形成されている。
図4は、パチンコ遊技機の制御装置の構成を示すブロック図である。なお、図4では信号を中継する中継基板や、本発明に関係のない一部の部材の構成を省略した。
この制御装置は、パチンコ遊技機1の動作を統括的に制御する主制御基板24と、主制御基板24からコマンド受けて演出の制御をする演出制御基板25を中心に構成される。電源基板28は、主制御基板24を初めとした各基板に接続され、外部電源から交流電圧24Vを受けて直流電圧に変換し、各基板に供給する。
主制御基板24は、その内部に、主制御基板側CPU241と、ROM242と、RAM243を備えている。主制御基板側CPU241は、いわゆるプロセッサ部であり、大当りを発生させるか否かの抽選処理、決定された変動パターンや停止図柄の情報から制御コマンド作成し、演出制御基板25に送信する等の処理を行う。
ROM242は、一連の遊技機制御手順を記述した制御プログラムや制御データ等を格納した記憶部である。また、RAM243は、主制御基板側CPU241の処理で設定されたデータを一時記憶するワークエリアを備えた記憶部である。
主制御基板24には、RAMクリアスイッチ27、始動入賞口センサ38c、大入賞口センサ39c、始動ゲート通過センサ40c、一般入賞口センサ42c、磁気センサ50、電波センサ51、振動センサ52が接続され、各検知信号を受信可能となっている。
磁気センサ50は、パチンコ遊技機1に磁石等を近づけた場合に、異常を検知するセンサである。また、電波センサ51は、パチンコ遊技機1に対し強い電波が発せられた場合に異常を検知するセンサであり、振動センサ52は、パチンコ遊技機1に対し強い振動が与えられた場合に異常を検知するセンサである。
また、主制御基板24には、特別図柄表示装置43a、普通図柄表示装置43bが接続され、主制御基板側CPU241が抽選処理により取得した乱数情報は、各図柄表示装置43a、43bに送信される。
さらに、主制御基板24には、パチンコ遊技機1の外部へ接続する端子を備えた外部端子基板21が接続されている。遊技における大当り、入賞数、ゲーム数等の各種情報は、主制御基板24から外部端子基板21を介してホールコンピュータに送信される。
さらに、主制御基板24には、払出制御基板29が接続されている。払出制御基板29には、下貯留皿満杯センサ12cおよび扉開放センサ32が接続されているため、これらのセンサが異常を検知すると、検知信号は払出制御基板29から主制御基板24に送信される。なお、払出制御基板29には、遊技球払出装置19と、発射制御基板30(さらに発射装置10aと接続)が接続している。
次に、演出制御基板25は、その内部に、演出制御基板側CPU251と、ROM252と、RAM253を備えている。演出制御基板側CPU251はいわゆるプロセッサ部であり、主制御基板24から送信された制御コマンドを受信し、その制御コマンドに基づいた各種演出を制御する処理を行う。
ROM252は、一連の演出制御手順を記述した制御プログラムや演出データ等を格納した記憶部である。また、RAM253は、演出制御基板側CPU251の処理で設定されたデータを一時記憶するワークエリアを備えた記憶部である。
演出制御基板25には、スピーカ7、枠装飾LED8、盤面装飾LED35、ボリュームスイッチ31、左演出ボタン13、中央演出ボタン14が接続されている。これにより、演出制御基板25は、例えば、スピーカ7の効果音や各LED等の動作を制御し、演出効果を高めている。
演出ボタン13、14は、遊技者が有効期間にこれらを押下げることで、検知信号が演出制御基板25に送信され、液晶表示装置36に表示される演出が変化する。
演出制御基板25には、液晶制御基板26が接続されている。液晶制御基板26は、演出制御基板25からコマンドを受けて液晶表示装置36の表示制御を行うものである。
液晶制御基板26は、その内部に、液晶制御CPU261と、液晶制御ROM262と、液晶制御RAM263と、映像表示プロセッサVDP264と、画像データROM265と、VRAM266を備えている。
液晶制御CPU261は、いわゆるプロセッサ部であり、演出制御基板25から受信した液晶制御コマンドに基づいて表示制御を行うために必要な液晶制御データを生成する。また、そのデータを映像表示プロセッサVDP264に出力する。
液晶制御ROM262は、液晶制御CPU261の動作手順を記述したプログラムを格納した記憶部であり、液晶制御RAM263は、ワークエリアやバッファメモリとして機能する記憶部である。
映像表示プロセッサVDP264は、液晶表示装置36に表示する画像データの画像処理を行うプロセッサである。また、画像データROM265は、映像表示プロセッサVDP264が画像処理を行うために必要な画像データを格納した記憶部であり、VRAM266は、映像表示プロセッサVDP264が画像処理した画像データを一時記憶する記憶部である。
上記の構成により液晶制御基板26は、演出制御基板25から送信された液晶制御コマンドに基づき画像処理を行い、液晶表示装置36に演出画像や動画を表示している。
次に、図5を参照して、パチンコ遊技機の大当り中の演出を決定する演出用カウンタの概要について説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機1には、ラウンド数の異なる複数種別の大当りがあり、特別図柄の抽選に当選したとき、何れか1つの大当りが発生する。例えば、演出用カウンタが更新され、大当り中に様々な演出が行われるのは、15ラウンド大当りである。
まず、図5の(a)大当り中の演出構成について説明する。これは、上述の15ラウンド大当り中に行われる演出内容とその構成を示している。大当りの開始時には、演出用カウンタ1(以下、カウンタ1という)を用いて、「連荘回数」の演出が選択される。以下、演出の内容については、図7A〜7Eで詳細を説明する。
ここで、「連荘」とは、所定の期間内に大当りが連続的に発生することである。「所定の期間」とは、例えば、特定の遊技状態(確変状態、時短状態)にいる期間、前回の大当りから特別図柄の変動が所定回数(例えば、100回)行われるまでの期間、時短状態が終了してから特別図柄の変動が所定回数(例えば、50回)行われるまでの期間等、機種の仕様により異なる。
次に、第1ラウンドの開始時には、演出用カウンタ2(以下、カウンタ2という)を用いて、「楽曲選択」に関する演出が選択される。同様に、第3ラウンドの開始時に演出用カウンタ3(以下、カウンタ3という)を用いて、「ストーリー」の演出が選択され、第7ラウンドの開始時に演出用カウンタ4(以下、カウンタ4という)を用いて、「キャラ(キャラクタ)紹介」が選択される。
また、第10ラウンドの開始時には、演出ムービーが開始し、第15ラウンドの終了まで継続する。ここでは、演出が選択されるのではなく、全ての15ラウンド大当りで共通の遊技に関する動画が実行される。
第15ラウンドが終了した後には、演出用カウンタ5(以下、カウンタ5という)を用いて、「エンディング」の演出が選択される。このように、各演出用カウンタの値によって、様々な演出が選択され、大当り中に遊技者を飽きさせないようにしている。
なお、「連荘回数」、「楽曲選択」等の演出が実行される期間が本発明の「第1期間」、又は「第2期間」に相当する。例えば、カウンタ2が本発明の「第1カウンタ」に相当する場合、第1、第2ラウンドの期間が本発明の「第1期間」に相当する。
次に、図5の(b)演出用カウンタについて説明する。上述の通り、演出用カウンタは、全部で5種類あり、それぞれ大当り中のラウンド開始時に演出を選択するために用いられている。
「カウンタ1」は、「連荘回数」に関する演出用カウンタである。カウント範囲は、1〜30であり、最大値である「30」に到達した場合には、「30」で固定となる。
ここで、カウンタ値の更新条件には、「当り価値」と「遊技状態」の2つの要素がある。「カウンタ1」は、「当り価値」の更新条件が「出玉あり大当り」、「遊技状態」の更新条件が「全状態」となっている。「全状態」とは、確率変動遊技である「確変中」、時間短縮遊技である「時短中」、通常遊技である「通常中」の全ての状態をいう。
ここで、後述する「2R大当り」は、各ラウンドで大入賞装置39の開閉扉を短時間(1秒未満)開放するだけであり、出玉がほとんどない。従って、更新条件の「出玉あり大当り」には含まれない。また、「小当り」についても、「2R大当り」と同様に出玉がほとんどない当りであるため、更新条件の「出玉あり大当り」には含まれない。
「カウンタ2」は、「楽曲選択」に関する演出用カウンタである。カウント範囲は、1〜14であり、最大値である「14」に到達した場合には、「14」で固定となる。「カウンタ2」は、「当り価値」の更新条件が「15R大当り」、「遊技状態」の更新条件が「確変中及び時短中」となっている。なお、「15R大当り」となっているが、実際には、これよりも価値の高い「16R大当り」を含む。
「カウンタ3」は、「ストーリー」に関する演出用カウンタである。カウント範囲は、1〜12であり、最大値である「12」に到達した場合には、「1」に変更する。「カウンタ3」は、「当り価値」の更新条件が「15R大当り」、「遊技状態」の更新条件が「確変中及び時短中」となっている。
「カウンタ4」は、「キャラ紹介」に関する演出用カウンタである。カウント範囲は、1〜8であり、最大値である「8」に到達した場合には、「1」に変更する。「カウンタ4」は、「当り価値」の更新条件が「15R大当り」、「遊技状態」の更新条件が「確変中及び時短中」となっている。
「カウンタ5」は、「エンディング」に関する演出用カウンタである。カウント範囲は、1〜21であり、最大値である「21」に到達した場合には、「13」に変更する。「カウンタ5」は、「当り価値」の更新条件が「15R大当り」、「遊技状態」の更新条件が「確変中」となっている。
各演出用カウンタの値は、時短状態(時短モード)が終了して、連荘がストップしたときに、全てクリアされ、初期値に戻る。なお、15ラウンド大当りの次に2ラウンド大当りのような演出用カウンタの更新条件とならない大当りが発生した場合には、カウンタ値をクリアせず、現在のカウンタ値を保持する。
次に、図6を参照して、大当りの種類と演出用カウンタの更新について説明する。
まず、図6中の「名称」には、「はずれ」、「小当り」及び「大当り」からなる抽選結果が示されている。例えば、「No.8」の「大当り1」は、大当りの種類が「潜確」となっている。「潜確」とは、潜伏確変大当りの略称であり、確変状態となったことが潜んでおり、見た目には確変状態にあることが分からない大当りをいう。「実R」は、実質の大当りラウンド数を意味し、この場合、「2R(2ラウンド)」である。また、「出玉ありR」は、出玉のあるラウンド数を意味する。
また、図6中の「特別図柄指定」は、「特図1」と「特図2」に分割され、抽選結果に応じて「01H」等の記号が付されている。「特図1」は、特別図柄1のことであり、遊技球が第1特別図柄始動口38aに入賞した場合に、特別図柄表示装置43aで変動する図柄である。図6に示す通り、「特図1」の抽選では、「No.1〜20」の何れかが選択される。
同様に、「特図2」は、特別図柄2のことであり、遊技球が第2特別図柄始動口38bに入賞した場合に、特別図柄表示装置43aで変動する図柄である。「特図2」の抽選では、「No.1〜3、10、21〜26」の何れかが選択される。
「大当り1」の例に戻ると、これは「特図1」の抽選でのみ選択される大当りである。また、「大当り1」に当選した場合、「カウンタ1」〜「カウンタ5」は、何れも「変化なし」となっている。これは、何れの演出用カウンタも、「大当り1」の当選によって、値が更新されないことを意味する。
「No.11〜20、26」に対応する「大当り4〜13、19」は、「出玉ありR」が「6R」、「15R」、「16R」の「出玉あり大当り」であり、これら大当りに当選した場合には、「カウンタ1」が「+1」される。「通常」、「確変」とは、それぞれ通常大当り、確変大当りを意味する。
「No.20」に対応する「大当り13」は、「出玉ありR」が「15R」であるから15ラウンド大当りであり、「カウンタ1」及び「カウンタ5」が「+1」される。「大当り13」は、確変大当りであるが、大当り終了後に時短遊技は付与されない。
「No.26」に対応する「大当り19」は、「出玉ありR」が「16R」であるから16ラウンド大当りである。図5(b)で示した「15R大当り」には、16ラウンド大当りが含まれ、さらに「大当り19」は、時短付き確変大当りであるから、「カウンタ1」〜「カウンタ5」の全てが「+1」となる。
次に、図7A〜7Eを参照して、大当り中の演出を選択する演出用カウンタの詳細について説明する。
まず、図7Aにカウンタ1の詳細を示す。上述の通り、カウンタ1のカウント範囲は「1」〜「30」であり、カウンタ値が最大値である「30」に到達した場合には、カウントをストップする。すなわち、その後にカウンタ1の更新条件が満たされた場合にも、値は「30」で固定される。なお、連荘終了(時短モード終了)により、カウンタ1の値をクリアする。
カウンタ1に関連する演出は、「連荘回数」であるので、カウンタ値が「1」であるとき、大当り回数を意味する「1回目」という表示がなされる。以後、カウンタ値が増加するにつれて「2回目」、「3回目」、・・・「29回目」という表示となる。そして、カウンタ値が「30」となると、「大爆発」という表示となり、その後、カウンタ1の更新条件が満たされた場合にも、「大爆発」という表示を継続する。
次に、図7Bにカウンタ2の詳細を示す。上述の通り、カウンタ2のカウント範囲は「1」〜「14」であり、カウンタ値が最大値である「14」に到達した場合には、カウントをストップする。すなわち、その後にカウンタ2の更新条件が満たされた場合にも、「14」で固定される。また、連荘終了により、カウンタ2の値をクリアする。
カウンタ2に関連する演出は、「楽曲選択」であるので、カウンタ値が「1」であるとき、「カムイ」、「レンゲ」、「VS土蜘蛛」及び「VSオロチ」の4つが選択可能な楽曲として表示される。
第1ラウンドの開始時にその選択が可能となるが、選択画面の初期位置である「デフォルト位置」には、楽曲「カムイ」が配置される。楽曲は、例えば、左演出ボタン13により遊技者が好みのものを選択できるようになっている。
カウンタ値が「2」となると、「カムイ」、「レンゲ」、「VS土蜘蛛」、「VSオロチ」及び「トウヤ」の5つの楽曲が選択可能となる。その際、楽曲「トウヤ」は、カウンタ値が「2」となったことで新たに加わったものであるから、「new」の文字を同時に表示し、さらにデフォルト位置に配置する。
これ以後、カウンタ値が増加するにつれて選択可能な楽曲が1曲ずつ加わる。カウンタ値が「13」となると、合計16の楽曲から1つを選択できるようになる。そして、カウンタ値が「14」となると、その後、カウンタ2の更新条件が満たされた場合にも、合計16の楽曲が選択対象の状態が継続する。
次に、図7Cにカウンタ3の詳細を示す。上述の通り、カウンタ3のカウント範囲は「1」〜「12」であり、カウンタ値が最大値である「12」に到達した場合には、次回、カウント値を「1」に変更する。すなわち、カウンタ3は、カウンタ値「1」〜「12」の範囲をループする。また、連荘終了により、カウンタ3の値をクリアする。
カウンタ3に関連する演出は、「ストーリー」であるので、カウンタ値が「1」であるとき、最初のストーリーを意味する「第1話」という表示がなされる。以後、カウンタ値が増加するにつれて「第2話」、「第3話」、・・・「第12話」という表示となる。そして、「第12話」を表示した後、カウンタ3の更新条件が満たされた場合には、「第1話」の表示に戻る。
次に、図7Dにカウンタ4の詳細を示す。上述の通り、カウンタ4のカウント範囲は「1」〜「8」であり、カウンタ値が最大値である「8」に到達した場合には、次回、カウント値を「1」に変更する。すなわち、カウンタ4は、カウンタ値「1」〜「8」の範囲をループする。また、連荘終了により、カウンタ4の値をクリアする。
カウンタ4に関連する演出は、「キャラ選択」であるので、カウンタ値が「1」であるとき、最初のキャラクタ群を意味する「グループ1」という表示がなされる。以後、カウンタ値が増加するにつれて「グループ2」、「グループ3」、・・・「グループ8」という表示となる。そして、「グループ8」を表示した後、カウンタ4の更新条件が満たされた場合には、「グループ1」の表示に戻る。
最後に、図7Eにカウンタ5の詳細を示す。まず、(a)疾走モード中大当り時について説明する。「疾走モード」とは、パチンコ遊技機1のコンテンツに対応させた確変状態の名称である。
上述の通り、カウンタ5のカウント範囲は「1」〜「21」であり、カウンタ値が最大値である「21」に到達した場合には、次回、カウント値を「13」に変更する。すなわち、カウンタ5は、カウンタ値「21」に到達した後、カウント値「13」〜「21」の範囲をループする。また、連荘終了により、カウンタ5の値をクリアする。
カウンタ5に関連する演出は、「エンディング」であり、例えば、カウンタ値が「2」であるとき、「疾走モード」中のステージである「カグツチステージ」から「カグツチ対峙」に移行する演出が行われる。なお、ステージが移行しない場合であっても、「見取り図」に示されている「宝珠1個破壊」のように、演出内容はそれぞれ異なっている。
以後、カウンタ値が増加するにつれて「アヤメステージ」、「アヤメ対峙」、・・・「影対峙」とステージが進行する演出となる。そして、カウンタ値「21」の「影対峙」のステージに移行した後、カウンタ5の更新条件が満たされた場合には、カウンタ値「13」の「影対峙」の表示に戻る。
次に、(b)時短モード中大当り時について説明する。「時短モード」は、上述の「疾走モード(確変状態)」の終了後に移行する時短状態のことである。
「エンディング」の演出を選択する点、カウント範囲が「1」〜「21」である点、カウンタ値が最大値である「21」に到達した場合には、次回、カウント値を「13」に変更する点は、(a)疾走モード中大当り時と同じである。
相違点としては、滞在ステージが常に「時短背景」となる点である。例えば、10連荘(カウンタ5の値が「10」)の後に時短モードに移行した場合には、「確変中」でないので「15R大当り」を引き戻しても、カウンタ5の値が更新されない(図5(b)参照)。しかし、時短モード中は、まだ連荘が終了しておらず、カウンタ値はクリアされない。
この場合には、ステージは「時短背景」から「アシュラ対峙」に移行し、次回「15R大当り」が発生した場合に、カウンタ値が「11」となってステージが「アシュラ対峙」から「玉梓対峙」に移行する。すなわち、連荘が終了してカウンタ値がクリアされない限り、大当り中の演出は継続していく。以上、演出用カウンタについて説明した。
以下では、図8を参照して、主制御側で行われる遊技管理処理について説明する。以下で説明する遊技管理処理は、電源投入処理が正常に終了した場合に、主制御側のメインループに対して実行されるタイマ割込み処理である。
まず、主制御手段(主制御基板24)は、タイマ管理処理を行う(ステップS10)。パチンコ遊技機1には、後述する特別図柄役物動作タイマの他、普図及び特図役物動作タイマ等の多数のタイマが用意されており、それぞれ遊技に関する時間を計時している。
主制御手段は、処理状態に応じて各種タイマを更新(タイマを減算)していくことで、多数のタイマを管理する。その後、ステップ20に進む。
ステップS20では、主制御手段は、賞球管理処理を行う。これは、遊技盤4の遊技領域を流下する遊技球が、第1特別図柄始動口38aや一般入賞口42に入賞した場合に行われる処理である。例えば、一般入賞口42の内部にある一般入賞口センサ42cが遊技球を検出し、球検出信号を主制御手段に送信する。
主制御手段は、上記信号を受信すると、払出制御基板29(更には、遊技球払出装置19)に向けて所定個数の賞球の払出しを行うための制御信号を送信する。遊技球払出装置19は、上記制御信号を受信した後に、上貯留皿11(上貯留皿11が満杯である場合には、下貯留皿12)に所定個数の賞球を払出す。その後、ステップS30に進む。
ステップS30では、主制御手段は、普通図柄管理処理を行う。これは、遊技盤4の遊技領域を流下する遊技球が、普通図柄用始動ゲート40a、または右普通図柄用始動ゲート40bを通過した場合に行われる処理である。具体的には、始動ゲート40a、40bの内部にある始動ゲート通過センサ40cは、ゲートを通過した遊技球を検出して、球検出信号を主制御手段に送信する。
主制御手段は、上記信号を受信すると、普通図柄の抽選乱数を取得する。この抽選乱数は最大4個まで記憶可能であり、記憶した順に上記抽選乱数の当否を抽選する。
また、主制御手段は、普通図柄表示装置43bに制御信号を送信する。普通図柄表示装置43bでは、LEDの点滅による普通図柄の変動が行われ、普通図柄は、所定時間の経過後、抽選結果に応じて当り又は外れの態様を表示して停止する。その後、ステップS40に進む。
ステップS40では、主制御手段は、普通電動役物管理処理を行う。これは、普通図柄の抽選結果により普通電動役物の動作を制御する処理である。普通図柄管理処理(ステップS30)にて、普通図柄が当り態様で停止した場合には、主制御手段は、普通電動役物用ソレノイドに制御信号を送信し、所定時間、第2特別図柄始動口38bの開閉部材を開放する。
主制御手段は、上記所定時間が経過した場合、または所定時間経過前に第2特別図柄始動口38bに予め定められた上限数の遊技球が入賞した場合に、上記開閉部材を閉鎖するための制御信号を普通電動役物用ソレノイドに送信する。これにより、上記開閉部材は閉鎖する。その後、ステップS50に進む。
なお、普通図柄管理処理(ステップS30)にて、普通図柄が外れ態様で停止した場合には、上記開閉部材を開放することはなく、主制御手段は、何もせず普通電動役物遊技処理を終了する。
ステップS50では、主制御手段は、特別図柄管理処理を行う。これは、遊技盤4の遊技領域を流下する遊技球が、第1特別図柄始動口38a、または第2特別図柄始動口38bに入賞した場合に行われる処理である。
詳細は後述するが、始動入賞口センサ38cが遊技球を検出すると、始動入賞口センサ38cは、球検出信号を主制御手段に送信し、主制御手段では特別図柄の抽選が行われる。
主制御手段は、特別図柄表示装置43aに制御信号を送信する。特別図柄表示装置43aでは、7セグメントLEDによる特別図柄の変動が行われ、特別図柄は、所定時間の経過後に抽選結果に応じて当り又は外れの態様を表示して停止する。また、特別図柄の変動は、液晶表示装置36においても遊技者に確実に認識可能な装飾図柄で表示される。その後、ステップS60に進む。
最後に、ステップS60では、主制御手段は、特別電動役物管理処理を行う。これは、特別図柄の抽選結果により特別電動役物(大入賞装置39a、39b)の動作を制御する処理である。
詳細は後述するが、特別図柄が当り態様で停止した場合には、いわゆる大当りが発生し、所定のラウンド数の特別遊技が遊技者に付与される。特別図柄管理処理(ステップS50)にて、特別図柄が外れ態様で停止した場合には、主制御手段は、何もせず特別電動役物管理処理を終了する。特別電動役物管理処理が終了すると、遊技管理処理も終了となる。
次に、図9を参照して、遊技管理処理の中で行われる特別図柄管理処理について説明する。特別図柄管理処理(図8:ステップS50)において、主制御手段は、後述する特別図柄の動作ステータス(変動待機中、変動中、確認時間中)を判定し、それぞれの処理を管理する。
まず、主制御手段は、始動口チェック処理1を行う(ステップS501)。これは、第1特別図柄始動口38aへの遊技球の入賞を判断し、大当り判定用乱数等を保留記憶エリアに格納し、必要に応じて保留先読みコマンドの作成等を行うものである。なお、大当り判定用乱数等の保留記憶エリアは、主制御基板24のRAM243である。その後、ステップS502に進む。
ステップS502では、主制御手段は、始動口チェック処理2を行う。第2特別図柄始動口38bへの遊技球の入賞について、始動口チェック処理1と同様の処理を行う。その後、ステップS503に進む。
次に、主制御手段は、小当りフラグがONしているか否かを判定する(ステップS503)。小当りが発生して小当りフラグがONしている場合には、「YES」の判定となり、ステップS509に進む。一方、小当りフラグがONしていない場合には、「NO」の判定となり、ステップS504に進む。
ステップS503の判定が「NO」である場合、主制御手段は、条件装置作動フラグがONしているか否かを判定する(ステップS504)。条件装置とは、大当り発生時に大当りを継続する条件が成立した場合に作動する装置である。条件装置作動フラグがONしている場合には、「YES」の判定となり、ステップS509に進む。
一方、条件装置作動フラグがONしていない場合には、「NO」の判定となり、ステップS505に進む。すなわち、ステップS505以降は、小当りや大当りが発生していない通常遊技の場合の処理となる。
ステップS504の判定が「NO」である場合、主制御手段は、特別図柄動作ステータス判定を行う(ステップS505)。特別図柄動作ステータス(以下、特図動作ステータスともいう)が00H、01Hに設定されている場合は、特別図柄が「変動待機中」であることを意味するので、ステップS506に進む。
また、特図動作ステータスが02Hに設定されている場合は、特別図柄が「変動中」であることを意味するので、ステップS507に進む。さらに、特図動作ステータスが03Hに設定されている場合は、特別図柄の「確認時間中」であることを意味するので、ステップS508に進む。以下、各特図動作ステータスにおける処理ついて説明する。
まず、図10A、Bを参照して、特別図柄管理処理の中で行われる特別図柄変動開始処理について説明する。上述の通り、主制御手段は、特別図柄動作ステータス判定(図9:ステップS505)にて、特図動作ステータスが00H、01H(共に変動待機中)と判断された場合、この処理を行う。
まず、主制御手段は、特図2保留球数が0であるか否かを判定する(ステップS71)。特図2の保留球数が0である場合には、「YES」の判定となり、ステップS72に進む。一方、特図2の保留球数が0でない場合には、「NO」の判定となり、ステップS76(図10B参照)に進む。
ステップS71の判定が「YES」である場合、主制御手段は、特図1の保留球数が0であるか否かを判定する(ステップS72)。特図1の保留球数が0である場合には、「YES」の判定となり、ステップS73に進む。一方、特図1の保留球数が0でない場合には、「NO」の判定となり、ステップS76に進む。
ステップS72の判定が「YES」である場合、主制御手段は、特別図柄動作ステータスが00Hであるか否かを判定する(ステップS73)。後述するが、特別図柄確認時間中処理(図9:ステップS508)が実行された直後は、特図動作ステータスとして01Hがセットされている。
特図動作ステータスが00Hである場合には、「YES」の判定となり、特別図柄変動開始処理を終了する。一方、特図動作ステータスが00Hでない場合(01Hである場合)には、「NO」の判定となり、ステップS74に進む。
ステップS73の判定が「NO」である場合、主制御手段は、客待ちデモコマンドを送信する(ステップS74)。「客待ちデモコマンド」は、特図1、特図2の保留球がなく、特図動作ステータスが01Hという条件の場合に、主制御手段(主制御基板24)から副制御手段(演出制御基板25)に向けて送信される。その後、ステップS75に進む。
ステップS75では、主制御手段は、特別図柄動作ステータスに00Hをセットする。これで特別図柄変動開始処理は終了となるが、これ以後、特別図柄変動開始処理では、保留球が発生しない限り、ステップS73の判定で「YES」となる処理を繰り返す。
ステップS71、ステップS72の判定が「NO」である場合、主制御手段は、特図1又は特図2の保留球数を1デクリメントする(ステップS76)。その後、ステップS77に進む。
ステップS77では、主制御手段は、保留減算コマンドを送信する。主制御手段は、副制御手段に向けて「保留減算コマンド」を送信するので、特別図柄表示装置43a(右側の7セグメントLED)の保留表示及び液晶表示装置36に表示された保留表示が1減算される。その後、ステップS78に進む。
ステップS78では、主制御手段は、特別図柄動作確認データをセットする。具体的には、特図1が変動を開始する場合は特別図柄動作確認データとして00Hを、特図2が変動を開始する場合は01Hをセットする。その後、ステップS79に進む。
ステップS79では、主制御手段は、保留記憶エリアをシフトする。保留記憶エリア1〜4は、保留球数の減算に伴い1だけシフトする。このとき、保留記憶エリア4については0をセットする。その後、ステップS80に進む。
ステップS80では、主制御手段は、特別電動役物作動判定用乱数判定処理を行う。これは、特図に対応した当り乱数判定用テーブルを決定して乱数判定処理を行う、いわゆる、特図の抽選処理である。大当り、小当り判定フラグをワークエリアへ格納する処理も行う。その後、ステップS81に進む。
ステップS81では、主制御手段は、特別停止図柄作成処理を行う。ここでは、特図に対応した図柄テーブル選択テーブルを選択し、図柄判定用乱数値、大当り、小当り判定フラグを取得して特図の停止図柄を作成する。その後、ステップS82に進む。
ステップS82では、主制御手段は、遊技状態移行準備処理を行う。ここでは、大当り判定フラグがONしている場合に、大当り種別に応じた遊技状態移行テーブルを選択し、これを参照して各種バッファに値を格納する。その後、ステップS83に進む。
ステップS83では、主制御手段は、特図変動パターン作成処理を行う。これは、変動パターン振分けテーブルを選択し、変動パターン用乱数に基づいて特図の変動パターンを作成する処理である。また、変動時間テーブルを参照し、特図の変動時間を特別図柄役物動作タイマに格納する。その後、ステップS84に進む。
ステップS84では、主制御手段は、特図1又は特図2の変動中フラグをONにセットする。具体的には、これから変動することになる一方の特図の変動中フラグをONとする。その後、ステップS85に進む。
ステップS85では、主制御手段は、装飾図柄指定コマンドを送信する。装飾図柄とは、液晶表示装置36で変動表示する図柄のことである。主制御手段(主制御基板24)は、「装飾図柄指定コマンド」を作成し、副制御手段(演出制御基板25)に向けて送信する。その後、ステップS86に進む。
最後に、ステップS86では、主制御手段は、変動開始時の各種設定を行う。具体的には、乱数記憶エリアに00H(消去)をセットする。また、特別図柄動作ステータスを02H(変動中)にセットするので、次回の特別図柄管理処理では、特別図柄動作ステータス判定(図9:ステップS505)にて、後述する特別図柄変動中処理(図9:ステップS507)に分岐するようになる。その後、特別図柄変動開始処理を終了する。図9に戻るが、その後、ステップS509に進む。
次に、図11を参照して、特別図柄管理処理の中で行われる特別図柄変動中処理について説明する。上述の通り、主制御手段は、特別図柄動作ステータス判定(図9:ステップS505)にて、特図動作ステータスが02H(変動中)と判断された場合、この処理を行う。
まず、主制御手段は、特別図柄役物動作タイマが0であるか否かを判定する(ステップS91)。特別図柄役物動作タイマは、特図の変動時間に関するタイマである。特別図柄役物動作タイマが0である場合には、「YES」の判定となり、ステップS92に進む。一方、特別図柄役物動作タイマがまだ0となっていない場合には、「NO」の判定となり、特別図柄変動中処理を終了する。
ステップS91の判定が「YES」である場合、主制御手段は、変動停止コマンドを送信する(ステップS92)。主制御手段(主制御基板24)は、副制御手段(演出制御基板25)に向けて「変動停止コマンド」を送信するので、特別図柄表示装置43aで変動中の特別図柄が当り又は外れの態様で停止する。その後、ステップS93に進む。
ステップS93では、主制御手段は、変動停止時の各種設定を行う。具体的には、特別図柄確定タイマを100msに、特別図柄役物動作タイマを500msに、特図1又は特図2の変動中フラグをOFFにセットする。
また、特別図柄動作ステータスを03H(確認時間中)にセットするので、次回の特別図柄管理処理では、特別図柄動作ステータス判定(図9:ステップS505)にて、後述する特別図柄確認時間中処理(図9:ステップS508)に分岐するようになる。その後、特別図柄変動中処理を終了する。図9に戻るが、その後、ステップS509に進む。
主制御手段は、特別図柄動作ステータス判定(ステップS505)にて、特図動作ステータスが03H(確認時間中)と判断された場合、特別図柄確認時間中処理(ステップS508)を行う。
特別図柄確認時間中処理は、特別図柄の変動が停止したときに、大当り又は小当り時の設定、時短回数の減算、回数限定の確率変動であるST回数の減算等を行う処理である。
特別図柄役物時間タイマが0となった場合、特図動作ステータスを01H(変動待機中)にセットするので、次回の特別図柄管理処理では、特別図柄動作ステータス判定(ステップS505)にて、特別図柄変動開始処理(ステップS506)に分岐するようになる。その後、ステップS509に進む。
最後に、ステップS509では、主制御手段は、特別図柄表示データを更新する。具体的には、特別図柄表示装置43aの特別図柄を更新する。その後、特別図柄管理処理を終了する。
次に、図12を参照して、遊技管理処理の中で行われる特別電動役物管理処理の内容について説明する。特別電動役物管理処理(図8:ステップS60)において、主制御手段は、後述する特別電動役物動作ステータス(大当り開始処理、特別電動役物作動開始処理、特別電動役物作動中処理、特別電動役物作動継続判定処理、大当り終了処理)を判定し、それぞれの処理を管理する。
まず、主制御手段は、小当りフラグがONしているか否かを判定する(ステップS601)。小当りが発生して小当りフラグがONしている場合には、「YES」の判定となり、ステップS602に進む。一方、小当りフラグがONしていない場合には、「NO」の判定となり、ステップS603に進む。
ステップS601の判定が「YES」である場合、主制御手段は、小当り処理を行う(ステップS602)。具体的には、入賞数をカウントしつつ、後述する特別電動役物作動開始処理や特別電動役物作動中処理を行って、上限ラウンドまで大入賞装置39の開閉扉の動作を制御する。小当り処理が終了すると、特別電動役物管理処理も終了となる。
ステップS601の判定が「NO」である場合、主制御手段は、条件装置作動フラグがONか否かを判定する(ステップS603)。条件装置作動フラグがONしている場合には、「YES」の判定となり、ステップS604に進む。一方、条件装置作動フラグがONしていない場合には、「NO」の判定となり、この処理を終了する。すなわち、ステップS604以降は、大当りが発生した場合の処理となる。
ステップS603の判定が「YES」である場合、主制御手段は、特別電動役物動作ステータス判定を行う(ステップS604)。特別電動役物動作ステータス(以下、特電動作ステータスともいう)が00Hに設定されている場合は、「大当り開始」時であることを意味するので、ステップS605に進む。
また、特電動作ステータスが01Hに設定されている場合は、「特電作動開始中」であることを意味するので、ステップS606に進む。同様に、特電動作ステータスが02Hに設定されている場合は、「特電作動中」であることを意味するので、ステップS607に進む。
さらに、特電動作ステータスが03Hに設定されている場合は、「特電作動継続判定中」であることを意味するので、ステップS608に進み、特電動作ステータスが04Hに設定されている場合は、「大当り終了中」であることを意味するので、ステップS609に進む。
ステップS605〜S609の処理の内容については、以下で詳細を述べる。また、これらの処理が終了した後、主制御手段は、特別電動役物管理処理を終了する。
次に、図13を参照して、特別電動役物管理処理の中で行われる大当り開始処理の内容について説明する。上述の通り、主制御手段は、特別電動役物動作ステータス判定(図12:ステップS604)にて、特電動作ステータスが00H(大当り開始)と判断された場合、この処理を行う。
まず、主制御手段は、大当り開始時の各種設定を行う(ステップS101)。具体的には、役物連続作動装置作動フラグをONとし、連続回数カウンタを01Hにセットする。連続回数カウンタは、後述する特別電動役物作動継続判定処理の中でラウンド数をカウントするために用いられるものであり、01Hは、「第1ラウンド」を意味する。
また、特別電動役物動作ステータスを01H(特電作動開始処理)にセットするので、次回の特別電動役物動作ステータス判定(図12:ステップS604)では、特別電動役物作動開始処理(図12:ステップS606)に進むようになる。大当り開始時の各種設定が終了した後、ステップS102に進む。
ステップS102では、主制御手段は、特別図柄判定データの値に応じて各データをRAMに格納する。具体的には、最大ラウンド数(2R、6R、15R、16R)、ラウンド表示LED番号、大当り開始インターバル時間、コマンドデータをRAM243に格納する。大当り開始インターバル時間は、後述する特別電動役物作動開始処理の中で利用する。その後、ステップS103に進む。
最後に、ステップS103では、主制御手段は、大当り開始インターバルコマンドを送信する。具体的には、主制御手段(主制御基板24)は、副制御手段(演出制御基板25)に向けて「大当り開始インターバル(ファンファーレ)コマンド」を送信する。後述するが、演出制御基板25は、このコマンドを受信すると、「大当り開始演出処理」を実行する(図19参照)。その後、大当り開始処理を終了する。
次に、図14を参照して、特別電動役物管理処理の中で行われる特別電動役物作動開始処理の内容について説明する。上述の通り、主制御手段は、特別電動役物動作ステータス判定(図12:ステップS604)にて、特電動作ステータスが01H(特電作動開始中)と判断された場合、この処理を行う。
まず、主制御手段は、特別図柄役物動作タイマが0であるか否かを判定する(ステップS111)。具体的には、大当り開始インターバル時間が経過したか否か又は後述するラウンド間インターバル時間が経過したか否かを判定する。
特別図柄役物動作タイマが0となった場合には、「YES」の判定となり、ステップS112に進む。一方、特別図柄役物動作タイマがまだ0となっていない場合には、「NO」の判定となり、特別電動役物作動開始処理を終了する。
ステップS111の判定が「YES」である場合、主制御手段は、大入賞口開放コマンドを送信する(ステップS112)。具体的には、主制御手段(主制御基板24)は、副制御手段(演出制御基板25)に向けて「大入賞口開放コマンド」を送信する。後述するが、演出制御基板25は、このコマンドを受信すると、「大当りラウンド開始演出処理」を実行する(図19参照)。その後、ステップS113に進む。
ステップS113では、主制御手段は、大当り種別とラウンド数に応じた特別電動役物作動時間を特別図柄役物動作タイマに格納する。例えば、今回当選した当りが、「確変15R大当り」であった場合には、15の各ラウンドの特別電動役物作動時間を特別図柄役物動作タイマにセットする。その後、ステップS114に進む。
ステップS114では、主制御手段は、開放動作開始時の各種設定を行う。具体的には、大入賞口入賞数カウンタを00Hにセットする。「00H」は、入賞数が「0個」の意味である。
また、特別電動役物動作ステータスを02H(特電作動中)にセットするので、次回の特別電動役物動作ステータス判定(図12:ステップS604)では、特別電動役物作動中処理(図12:ステップS607)に進むようになる。その後、ステップS115に進む。
最後に、ステップS115では、主制御手段は、大入賞口開閉動作設定を行う。具体的には、大当り種別とラウンド数に応じた大入賞口開閉動作設定テーブルと、特別電動役物作動タイマの値とを取得し、大入賞装置39の開閉扉の動作を設定する。その後、特別電動役物作動開始処理を終了する。
次に、図15を参照して、特別電動役物管理処理の中で行われる特別電動役物動作中処理の内容について説明する。上述の通り、主制御手段は、特別電動役物動作ステータス判定(図12:ステップS604)にて、特電動作ステータスが02H(特電作動中)と判断された場合、この処理を行う。
まず、主制御手段は、大入賞口最大入賞数チェックを行う(ステップS121)。具体的には、大入賞装置39の大入賞口に入賞があった場合に、大入賞口カウンタを加算し、最大入賞数に到達した場合に、上述の特別図柄役物動作タイマをゼロクリアする処理となる。その後、ステップS122に進む。
ステップS122では、主制御手段は、大入賞口開閉動作設定を行う。上述の図14のステップS115と同じ処理であるので、詳細は省略する。その後、ステップS123に進む。
次に、主制御手段は、特別図柄役物動作タイマが0であるか否かを判定する(ステップS123)。ここでは、特別電動役物作動時間が経過したか否かを判定する。特別図柄役物動作タイマが0となった場合には、「YES」の判定となり、ステップS124に進む。一方、特別図柄役物動作タイマがまだ0となっていない場合には、「NO」の判定となり、特別電動役物作動中処理を終了する。
ステップS123の判定が「YES」である場合、主制御手段は、ラウンド間インターバルコマンドを送信する(ステップS124)。具体的には、主制御手段(主制御基板24)は、副制御手段(演出制御基板25)に向けて「ラウンド間インターバルコマンド」を送信する。なお、「ラウンド間インターバルコマンド」とは、例えば、第1ラウンドと第2ラウンドのインターバル期間に移行することを知らせるコマンドである。その後、ステップS125に進む。
最後に、ステップS125では、主制御手段は、開閉動作終了時の各種設定を行う。具体的には、特別図柄役物動作タイマを1980msにセットする。これは、残存球の排出時間に相当する。また、特別電動役物動作ステータスを03H(特電作動継続判定中)にセットするので、次回の特別電動役物動作ステータス判定処理(図12:ステップS604)では、特別電動役物作動継続判定処理(図12:ステップS608)に進むようになる。その後、特別電動役物動作中処理を終了する。
次に、図16を参照して、特別電動役物管理処理の中で行われる特別電動役物作動継続判定処理の内容について説明する。上述の通り、主制御手段は、特別電動役物動作ステータス判定(図12:ステップS604)にて、特電動作ステータスが03H(特電作動中)と判断された場合、この処理を行う。
まず、主制御手段は、特別図柄役物動作タイマが0であるか否かを判定する(ステップS131)。ここでは、残存球の排出時間が経過したか否かを判定する。特別図柄役物動作タイマが0となった場合には、「YES」の判定となり、ステップS132に進む。一方、特別図柄役物動作タイマがまだ0となっていない場合には、「NO」の判定となり、特別電動役物作動継続判定処理を終了する。
ステップS131の判定が「YES」である場合、主制御手段は、ラウンド数は最大か否かを判定する(ステップS132)。例えば、15ラウンド大当りの場合、最大の第15ラウンドとなった場合に、「YES」の判定となり、ステップS136に進む。一方、第14ラウンドまでは、「NO」の判定となり、ステップS133に進む。
ステップS132の判定が「NO」である場合、主制御手段は、連続カウンタを1インクリメントする(ステップS133)。主制御手段は、本ステップにより大当りのラウンド数をカウントする。その後、ステップS134に進む。
ステップS134では、主制御手段は、大当り種別に応じたラウンド間インターバル時間を特別図柄役物動作タイマに格納する。ラウンド間インターバル時間は、特別電動役物作動開始処理(図14参照)に戻った場合に、この処理の中で利用する。その後、ステップS135に進む。
ステップS135では、主制御手段は、継続時の各種設定を行う。具体的には、特別電動役物1作動フラグと特別電動役物2作動フラグを、共に00Hに設定する。特別電動役物作動フラグが00Hに設定されるのは、大当りラウンドの「開始」、「ラウンド間」又は「終了」の何れかの場合であるが、ここでは「ラウンド間」である。
また、特別電動役物動作ステータスを01H(特電作動開始中)にセットするので、次回の特別電動役物動作ステータス判定(図12:ステップS604)では、特別電動役物作動開始処理(図12:ステップS606)に進むようになる。その後、特別電動役物作動継続判定処理を終了する。
次に、ステップS132の判定が「YES」である場合、主制御手段は、終了時の各種設定を行う(ステップS136)。具体的には、特別電動役物1作動フラグと特別電動役物2作動フラグを、共に00Hに設定する。特別電動役物作動フラグを00Hに設定するのは、大当りラウンドの「終了」となるためである。
また、特電動作ステータスを04H(大当り終了中)にセットするので、次回の特別電動役物動作ステータス判定(図12:ステップS604)では、大当り終了処理(図12:ステップS609)に進むようになる。その後、ステップS137進む。
ステップS137では、主制御手段は、大当り種別に応じた終了インターバル時間を特別図柄役物動作タイマに格納する。終了インターバル時間は、後述する大当り終了処理の中で利用する。その後、ステップS138に進む。
ステップS138では、主制御手段は、大当り終了インターバルコマンドを送信する。具体的には、主制御手段(主制御基板24)は、副制御手段(演出制御基板25)に向けて「大当り終了インターバル(ファンファーレ)コマンド」を送信する。後述するが、演出制御基板25は、このコマンドを受信すると、「大当り終了演出処理」を実行する(図19参照)。その後、特別電動役物作動継続判定処理を終了する。
次に、図17を参照して、特別電動役物管理処理の中で行われる大当り終了処理の内容について説明する。上述の通り、主制御手段は、特別電動役物動作ステータス判定(図12:ステップS604)にて、特電動作ステータスが04H(大当り終了中)と判断された場合、この処理を行う。
まず、主制御手段は、特別図柄役物動作タイマが0であるか否かを判定する(ステップS141)。ここでは、終了インターバル時間が経過したか否かを判定する。特別図柄役物動作タイマが0となった場合には、「YES」の判定となり、ステップS142に進む。一方、特別図柄役物動作タイマがまだ0となっていない場合には、「NO」の判定となり、大当り終了処理を終了する。
ステップS141の判定が「YES」である場合、主制御手段は、各移行状態バッファの値を各状態フラグに格納する(ステップS142)。具体的には、大当りの終了後に移行する通常状態、確変状態等の情報を情報フラグに格納する。その後、ステップS143に進む。
ステップS143では、主制御手段は、大当り終了時の各種設定を行う。具体的には、特別電動役物管理処理中の各ステップで使用した条件装置作動フラグ、連続回数カウンタ、最大連続回数バッファ等を全て0クリアする。また、特別電動役物動作ステータスを00H(大当り開始)にセットする。その後、ステップS144進む。
最後に、ステップS144では、主制御手段は、遊技状態報知情報を更新する。例えば、この後に時短状態に移行する場合には、時短中報知ランプをオンする。その後、大当り終了処理を終了する。以上、主制御手段で行われる処理について説明した。
以下では、図18を参照して、副制御側で行われるメイン処理について説明する。このメイン処理には、副制御手段(演出制御基板25)の起動時に行われる初期化処理が含まれる。
まず、副制御手段は、初期化処理を行う(ステップS151)。これは、主に、副制御手段の各種初期設定を行うものであり、起動時に一度だけ行われる。その後、ステップS152に進む。
次に、副制御手段は、メインループ更新周期となったか否かを判定する(ステップS152)。メインループとは、後述するステップS154〜S159までの処理であるが、その更新周期は16msである。
ステップS152に進んだとき更新周期の16msが経過すると、「YES」の判定となり、ステップS154に進む。一方、16ms経過する前の状態では、更新周期となっていないので、「NO」の判定となる。この場合には、ステップS153に進む。
ステップS152の判定が「NO」である場合、副制御手段は、各種ソフト乱数の更新処理を行う(ステップS153)。その後、ステップS152の判定が「YES」となるまでステップS152、S153の処理を繰り返す。このループの期間に、1ms周期のタイマ割込み処理(図23参照)が実行されるが、副制御手段は、この割込み処理回数をカウントして、上記の16msが経過したか否かを判定する。
ステップS152の判定が「YES」である場合、副制御手段は、LEDデータ更新処理を行う(ステップS154)。上述の通り、ステップS154〜S159はメインループの処理となるが、ここでは、枠装飾LED8、盤面装飾LED35のデータを更新することで、装飾LEDの発光態様を変化させる。その後、ステップS155に進む。
ステップS155では、副制御手段は、受信コマンド解析処理を行う。詳細は後述するが、これは、受信した制御コマンドの種別を解析し、それに応じた各種設定を行うものである。その後、ステップS156に進む。
ステップS156では、副制御手段は、メインシナリオ更新処理を行う。具体的には、制御コマンドに応じた演出の各種設定を行うものである。その後、ステップS157に進む。
ステップS157では、副制御手段は、サウンド出力処理を行う。具体的には、シナリオに応じてスピーカ7からサウンドを出力させる。その後、ステップS158に進む。
ステップS158では、副制御手段は、ソレノイド更新処理を行う。具体的には、大入賞装置39等に用いられているソレノイドの詳細な動作を設定する。その後、ステップS159に進む。
ステップS159では、副制御手段は、ノイズ対策用処理を行う。具体的には、周辺LSIがノイズの影響を受けていないかチェックする。この処理が終了すると、ステップS152に戻り、以降の処理を継続して実行する。
次に、図19を参照して、副制御側メイン処理の中で行われる受信コマンド解析処理について説明する。
まず、副制御手段は、受信コマンドが正常であるか否かを判定する(ステップS161)。受信コマンドが正常である場合には、「YES」の判定となり、ステップS162に進む。一方、受信コマンドが正常でない場合には、「NO」の判定となり、受信コマンド解析処理を終了する。
ステップS161の判定が「YES」である場合、副制御手段は、受信コマンドが大当り開始インターバルコマンドであるか否かを判定する(ステップS162)。「大当り開始インターバルコマンド」は、大当り開始処理の中で、主制御基板24から演出制御基板25に向けて送信される制御コマンドである(図13参照)。
受信コマンドが「大当り開始インターバルコマンド」である場合には、「YES」の判定となり、ステップS163に進む。一方、「大当り開始インターバルコマンド」でない場合には、「NO」の判定となり、ステップS164に進む。
ステップS162の判定が「YES」である場合、副制御手段は、大当り開始演出処理を行う(ステップS163)。
ここで、図20を参照して、受信コマンド解析処理の中で行われる大当り開始演出処理の詳細を説明する。
まず、副制御手段は、大当り開始時の遊技状態及び大当り種別に応じて各演出用カウンタを更新する(ステップS171)。演出用カウンタ1〜5は、カウンタ値の更新条件がそれぞれ異なっているので、更新されるもの、更新されないものがある。その後、ステップS172に進む。
ステップS172では、副制御手段は、演出用カウンタ1に対応する演出(連荘回数)を選択する。例えば、カウンタ1の値が「1」である場合には、「1回目」の表示を選択する(図7A参照)。その後、ステップS173に進む。
ステップS173では、副制御手段は、選択された演出を出力する。具体的には、演出制御基板25が液晶制御基板26に制御コマンドを送信し、選択された演出が行われるように制御する。その後、大当り開始演出処理を終了する。図19に戻るが、大当り開始演出処理が終了すると、受信コマンド解析処理も終了する。
次に、図19のステップS162の判定が「NO」である場合、副制御手段は、受信コマンドが大入賞口開放コマンドであるか否かを判定する(ステップS164)。「大入賞口開放コマンド」は、特別電動役物作動開始処理の中で、主制御基板24から演出制御基板25に向けて送信される制御コマンドである(図14参照)。
受信コマンドが「大入賞口開放コマンド」である場合には、「YES」の判定となり、ステップS165に進む。一方、「大入賞口開放コマンド」でない場合には、「NO」の判定となり、ステップS166に進む。
ステップS164の判定が「YES」である場合、副制御手段は、大当りラウンド開始演出処理を行う(ステップS165)。
ここで、図21を参照して、受信コマンド解析処理の中で行われる大当りラウンド開始演出処理の詳細を説明する。
まず、副制御手段は、第1ラウンドの開始か否かを判定する(ステップS181)。現在、第1ラウンドの開始時である場合には、「YES」の判定となり、ステップS182に進む。一方、第1ラウンドの開始時でない場合には、「NO」の判定となり、ステップS183に進む。
ステップS181の判定が「YES」である場合、副制御手段は、演出用カウンタ2に対応する演出(楽曲選択)を選択する(ステップS182)。例えば、カウンタ2の値が「1」である場合には、「カムイ」、「レンゲ」、「VS土蜘蛛」及び「VSオロチ」の4つの楽曲を含む表示を選択する(図7B参照)。その後、ステップS189に進む。
ステップS181の判定が「NO」である場合、副制御手段は、第3ラウンドの開始か否かを判定する(ステップS183)。現在、第3ラウンドの開始時である場合には、「YES」の判定となり、ステップS184に進む。一方、第3ラウンドの開始時でない場合には、「NO」の判定となり、ステップS185に進む。
ステップS183の判定が「YES」である場合、副制御手段は、演出用カウンタ3に対応する演出(ストーリー)を選択する(ステップS184)。例えば、カウンタ3の値が「1」である場合には、「第1話」を選択する(図7C参照)。その後、ステップS189に進む。
ステップS183の判定が「NO」である場合、副制御手段は、第7ラウンドの開始か否かを判定する(ステップS185)。現在、第7ラウンドの開始時である場合には、「YES」の判定となり、ステップS186に進む。一方、第7ラウンドの開始時でない場合には、「NO」の判定となり、ステップS187に進む。
ステップS185の判定が「YES」である場合、副制御手段は、演出用カウンタ4に対応する演出(キャラ紹介)を選択する(ステップS186)。例えば、カウンタ4の値が「1」である場合には、「グループ1」を選択する(図7D参照)。その後、ステップS189に進む。
ステップS189では、副制御手段は、選択された演出を出力する。その後、大当りラウンド開始演出処理を終了する。
ステップS185の判定が「NO」である場合、副制御手段は、第10ラウンドの開始か否かを判定する(ステップS187)。現在、第10ラウンドの開始時である場合には、「YES」の判定となり、ステップS188に進む。一方、第10ラウンドの開始時でない場合には、「NO」の判定となり、大当りラウンド開始演出処理を終了する。なお、第2ラウンドや第4ラウンドの開始時には、特に演出の選択を行わないため、ステップS187の判定で「NO」となる。
ステップS187の判定が「YES」である場合、副制御手段は、演出ムービーを出力する(ステップS188)。演出ムービーは、全大当りで共通となっているため、演出制御基板25は、これが行われるように液晶制御基板26に制御コマンドを送信する。その後、大当りラウンド開始演出処理を終了する。図19に戻るが、大当りラウンド開始演出処理が終了すると、受信コマンド解析処理も終了となる。
次に、図19のステップS164の判定が「NO」である場合、副制御手段は、受信コマンドが大当り終了インターバルコマンドであるか否かを判定する(ステップS166)。「大当り終了インターバルコマンド」は、特別電動役物作動継続判定処理の中で、主制御基板24から演出制御基板25に向けて送信される制御コマンドである(図16参照)。
受信コマンドが「大当り終了インターバルコマンド」である場合には、「YES」の判定となり、ステップS167に進む。一方、「大入賞口開放コマンド」でない場合には、「NO」の判定となり、ステップS168に進む。
ステップS166の判定が「YES」である場合、副制御手段は、大当り終了演出処理を行う(ステップS167)。
ここで、図22を参照して、受信コマンド解析処理の中で行われる大当り終了演出処理の詳細を説明する。
まず、副制御手段は、演出用カウンタ5に対応する演出(エンディング)を選択する(ステップS191)。例えば、カウンタ5の値が「1」である場合には、「カグツチステージ」の表示を選択する(図7E参照)。その後、ステップS192に進む。
ステップS192では、副制御手段は、選択された演出を出力する。その後、大当り終了演出処理を終了する。大当りラウンド開始演出処理が終了すると、受信コマンド解析処理も終了となる。
図19に戻るが、ステップS166の判定が「NO」である場合、副制御手段は、受信コマンドに応じた処理をセットする(ステップS168)。例えば、受信コマンドが「変動停止コマンド」であった場合には、図柄の変動停止に関する処理をセットする。その後、受信コマンド解析処理を終了する。
次に、図23を参照して、副制御側のタイマ割込み処理について説明する。このタイマ割込み処理は、上述の副制御側メイン処理(図18参照)に対して、1ms周期で実行される処理である。
まず、副制御手段は、CPUレジスタの初期設定をする(ステップS201)。具体的には、ポートのリフレッシュ初期値の設定を行う。その後、ステップS202に進む。
ステップS202では、副制御手段は、出力処理を行う。具体的には、可動役物37に用いられているソレノイドやモータの出力処理を行う。その後、ステップS203に進む。
ステップS203では、副制御手段は、演出ボタン入力状態更新処理を行う。副制御手段は、演出ボタン13、14の操作がされた場合に、入力状態を更新する。その後、ステップS204に進む。
ステップS204では、副制御手段は、スイッチ入力状態更新処理を行う。具体的には、ボリュームスイッチ31等の入力情報を確認し、その情報に応じた処理を行う。その後、ステップS205に進む。
ステップS205では、副制御手段は、液晶制御コマンド送信処理を行う。演出制御基板25は、例えば、演出用カウンタによって選択された演出用コマンドを液晶制御基板26に向けて送信する。その後、ステップS206に進む。
ステップS206では、副制御手段は、モータ更新処理を行う。具体的には、可動役物37等に用いられているモータの詳細な動作設定をする。その後、ステップS207に進む。
ステップS207では、副制御手段は、LEDデータ出力処理を行う。具体的には、必要なタイミングで枠装飾LED8、盤面装飾LED35を点灯、点滅させるLEDデータ出力を行う。その後、ステップS208に進む。
最後に、副制御手段は、メインループ更新周期用ワークを1インクリメントする(ステップS208)。これは、メインループ処理(図18:ステップS154〜S159)の更新周期である16msをカウントするため、メインループ更新周期用ワークを1だけインクリメントする処理である。その後、タイマ割込み処理を終了する。以上、パチンコ遊技機1の一連の動作を説明した。
上記のように、本実施形態の遊技機は、大当り中の演出を選択するための演出用カウンタを複数設け、選択された演出を組み合わせることにより、制御負担を軽減しつつ、大当り中の演出パターンを作成することができる。また、演出用カウンタ毎にカウンタ値の更新条件が異なるので、演出パターンを数多く作成することができる。
上記の実施形態は、本発明の一例であり、これ以外にも本発明を実施することができる種々の変形例が考えられる。
演出用カウンタは、複数個であれば何個設けてもよい。例えば、上限の大当りラウンド数と同じ数だけ演出用カウンタを設けることにより、より多くの演出パターンを作成することができる。また、1つの演出用カウンタに基づいて、複数の演出が選択されるようにしてもよい。
演出用カウンタの更新条件は、当りの種別や当り時の遊技状態に限られるものではない。例えば、連荘回数が10回目、20回目などの区切りの回数のときに更新される演出用カウンタであってもよい。
大当り中の演出は、楽曲選択やストーリー表示に限られるものではない。例えば、特定の大当りラウンドでミニゲームを行うものや、そのミニゲームの結果によって確変大当りに昇格させる演出等を設けてもよい。
以上、本実施形態としてパチンコ遊技機について説明したが、本発明は、これに限らず、雀球式遊技機、アレンジボール機、封入式遊技機、回胴式遊技機、遊技球が遊技媒体となる回胴式遊技機(いわゆる、パロット機)等の大当り中演出にも適用可能である。例えば、回胴式遊技機のボーナスゲーム中の演出を所定の期間で区切れば、本発明の演出用カウンタを用いて複数の演出パターンを作成することができる。