まず、本実施形態の遊技機の概要について説明する。
本実施形態の遊技機は、遊技の制御に関する複数種類の制御コマンドを送信する主制御手段と、前記制御コマンドを受信し、該制御コマンドに基づく制御を行う副制御手段と、図柄の変動表示と所定の演出が実行される表示手段と、遊技球の始動入賞を契機に当否の判定を行う当否判定手段と、前記所定の演出に登場する複数のキャラクタの中から1つを選択するキャラクタ選択手段と、を備えた遊技機であって、前記キャラクタ選択手段は、前記当否判定手段による当否の判定に基づいて前記キャラクタを選択し、前記副制御手段は、受信した前記制御コマンドに基づいてキャラクタが登場する演出を制御する場合に、前記キャラクタ選択手段により選択されたキャラクタを使用することを特徴とする。
この遊技機では、当否判定手段による当否の判定に基づいて、キャラクタ選択手段が複数のキャラクタの中から1つを選択する。そして、表示手段でキャラクタが登場する演出が制御される場合に、選択されたキャラクタを使用した演出が実行される。当否判定の度に新たなキャラクタが選択されるので、メニュー画面から遊技者がキャラクタを選択できる遊技機とは異なり、演出が1つのキャラクタに偏ってしまうことを防止することができる。
本実施形態の遊技機において、前記表示手段で前記図柄が停止して、前記当否判定手段による当選が報知された場合に、前記主制御手段は、前記当選により移行する遊技状態であって、遊技者にとって有利な特別遊技への移行に基づいて、前記キャラクタ選択手段により選択されたキャラクタに関するキャラクタコマンドを前記副制御手段に送信することが好ましい。
この構成によれば、図柄が揃うことで当選が報知された場合、主制御手段は、特別遊技への移行に基づいて、副制御手段に向けてキャラクタコマンドが送信される。これにより、特別遊技中のみならず、次回の当否判定が行われるまでの期間において同じキャラクタを使用した演出を行うことができる。
また、本実施形態の遊技機において、前記副制御手段は、前記キャラクタコマンドを受信した場合に、該キャラクタコマンドが記憶手段に記憶され、前記特別遊技の中で、前記選択されたキャラクタを登場させる特別遊技キャラクタ演出を実行することを特徴とするが好ましい。
この構成によれば、副制御手段がキャラクタコマンドを受信すると、該キャラクタコマンドが記憶手段に記憶され、特別遊技中に特別遊技キャラクタ演出が実行される。特別遊技中に行われる演出においても、今回の当否判定時に選択されたキャラクタを登場させることができるので、リーチ変動から一貫した演出を行うことができる。
また、本実施形態の遊技機において、前記キャラクタ選択手段により前記キャラクタが選択された後に所定のエラーが発生した場合には、該所定のエラーからの復帰後にも該選択されたキャラクタが保持されることが好ましい。
この構成によれば、キャラクタ選択手段によりキャラクタが選択された後には、所定のエラーが発生して、遊技の一時中断又は電源断から復帰した後にも、そのキャラクタが保持される。すなわち、エラーの前後においても、一貫した演出を実行することができる。
初めに、図1を参照して、本実施形態のパチンコ遊技機1の構成について説明する。
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、矩形状の外枠2、この外枠2に開閉可能に枢着された前面枠3及び前扉5を備えている。前面枠3は、額縁状であり開口部に遊技盤4(図3参照)が取付け可能となっている。また、前扉5の中央部にはガラス板6が嵌め込まれており、外部より遊技盤4が視認可能となっている。
前扉5の上部には、スピーカ7が2つ設けられている。スピーカ7は、遊技に伴う演出効果音を外部に出力する音響出力部である。また、前扉5の左右両側及び上部には枠装飾LED8が設けられている。枠装飾LED8は、演出に連動してLEDが発光、点滅する装飾部である。
前扉5の下側には前面板9があり、その左端部は、前面枠3に開放可能に枢着されている。前面板9には、発射機構を作動させるための発射ハンドル10、遊技球を貯留する上貯留皿11、下貯留皿12等が設けられている。
上貯留皿11の表面部分には、内蔵ランプが点灯したとき操作が有効となる操作ボタン13が設けられている。操作ボタン13は、操作有効時に遊技者がボタンを押下げることにより、演出態様を変化させることができる。また、遊技画面から各種設定を行うメニュー画面に切替える際にも操作ボタン13を用いる。
さらに、上貯留皿11の表面部分には、方向キー部14が設けられている。方向キー部14は、メニュー画面から何れかの設定項目を選択するとき、又は遊技中に音量やBGMを選択するときに用いられる。
前扉5の右上には、枠装飾LED8に隣接する形で、空気が送風されるファン15が設けられている。ファン15は、大当りの事前予告演出として遊技者に向けて送風することができる。
図2は、本実施形態のパチンコ遊技機1の背面側の斜視図である。
図2に示すように、パチンコ遊技機1の背面には、遊技盤4を裏側から押さえる枠体状の裏機構盤16が取り付けられている。この裏機構盤16の上部には、パチンコホール側島設備の遊技球補給装置(図示省略)から供給される遊技球を貯留する遊技球貯留タンク17が設けられている。
また、遊技球貯留タンク17から球を導出するタンクレール18の傾斜下端には、遊技球を払い出すための遊技球払出装置19が設けられている。さらに、裏機構盤16の隅部には、パチンコホールにある全遊技機を統括的に管理するホールコンピュータ(図4参照)に電気的に接続するための外部端子基板21が、端子基板ケース22に収納され、設けられている。
また、裏機構盤16の略中央には、遊技盤4の裏側に装着された透明の裏カバー23が備えられており、この裏カバー23内に、演出制御基板25を収納した透明の演出制御基板ケース25aと、液晶制御基板26を収納した透明の液晶制御基板ケース26aとが設けられている。
演出制御基板25と液晶制御基板26の中間部には、ボリュームスイッチ31が設けられている。つまみ部分を回転させることで10段階の音量設定が可能である。
液晶制御基板ケース26aの下方には、主制御基板24を収納した透明な主制御基板ケース24aが設けられている。主制御基板24は、パチンコ遊技機1の動作を統括的に制御するものである。主制御基板24は、各種スイッチやセンサと接続されているため、これらの検出信号を受信して各種処理を行う。
また、主制御基板24には、RAMクリアスイッチ27が設けられている。RAMクリアスイッチ27を押下しながら、電源を投入することによりRAM領域の記憶内容は消去され、パチンコ遊技機1は初期状態となる。
演出制御基板25は、主制御基板24から送信される各種制御コマンドを受信し、その制御コマンドに基づいて、例えば、盤面装飾LED35或いは液晶表示装置36による演出を制御する。
主制御基板ケース24aの下方には、電源基板28を収めた透明な電源基板ケース28aと、払出制御基板29を収めた透明な払出制御基板ケース29aが配設されている。
さらに、発射ハンドル10に対応する位置には、遊技球を打撃する打撃槌やこれを駆動する発射モータを備えた遊技球発射装置(図示省略)の後側に発射制御基板30が設けられている。
次に、図3を参照して、本実施形態のパチンコ遊技機1の遊技盤4について説明する。
図3に示すように、遊技盤4は略正方形のパネルで形成され、その盤面上の遊技領域4aは、化粧板4bの前面にビス等で固定されるセンター飾り体34a、左部コーナー飾り体34b、右部コーナー飾り体34c等の部材によって区画形成されている。飾り体34a〜34cは、ポリカーボネート等の硬質樹脂材料を用いた射出成形によってそれぞれ一体成型で形成されている。
センター飾り体34aには、盤面装飾LED35が設けられている。盤面装飾LED35は、各遊技における図柄の変動表示や予告表示に伴って発光色や発光態様を変化させ、演出を盛り上げる装飾部である。
遊技盤4の中央部には開口が形成され、この開口内に液晶表示装置36の表示画面が配置されている。液晶表示装置36は、種々の数字、キャラクタ等が描かれた図柄や背景画像、リーチ等の各種演出を遊技に応じて表示する表示器である。
また、液晶表示装置36の右側には、普通図柄用始動ゲート40が配置されている。普通図柄用始動ゲート40は、普通図柄の始動契機となる入賞装置である。遊技球が普通図柄用始動ゲート40を通過することにより抽選が行われ、後述する普通図柄表示装置43bにて、普通図柄が変動する。
液晶表示装置36の上側には手の形状をした可動役物37a,37bが配置されている。可動役物37a,37bは、遊技における演出や大当り期待度に応じて、個別的又は同時に動作する。パチンコ遊技機1には、可動役物37a,37b以外にも複数の可動役物が設けられているが、図面上省略している。
液晶表示装置36の下方には、ステージ部材33が配置されている。ここに誘導された遊技球は、ステージ中央部分を揺動した後に落下するが、中心にある溝を通過した遊技球は、後述する第1特別図柄始動口38aに入賞し易い構造となっている。
ステージ部材33の下方には、第1特別図柄始動口38a及び第2特別図柄始動口38bが配置されている。遊技領域4aを流下する遊技球が第1特別図柄始動口38a又は第2特別図柄始動口38bに入賞することにより抽選が行われ、後述する特別図柄表示装置43aにて特別図柄の変動表示が行われる。さらに、液晶表示装置36でも特別図柄に対応した装飾図柄の変動表示が行われる。
第2特別図柄始動口38bは前側に倒れる開閉部材を備えており、開閉部材が開放した場合に遊技球が入賞可能な状態となる。この開閉部材は、普通図柄の抽選に当選した場合に所定回数、所定期間開放する。以下では、第2特別図柄始動口38bと開閉部材を合わせた装置を普通電動役物と称することがある。
第1特別図柄始動口38aの右側には、大入賞装置39が配置されている。大入賞装置39には、前側に倒れたとき遊技球が入球可能な開閉扉がある。詳細は後述するが、大入賞装置39は、特別図柄の抽選に当選したとき、すなわち大当りにより発生する特別遊技で所定期間開放される入賞装置である。遊技球が大入賞装置39の内部にある大入賞口(図示省略)に入賞することにより、多くの賞球を獲得することが可能となる。
遊技領域4aの右側上方には、特別図柄表示装置43a及び普通図柄表示装置43bが配置されている。特別図柄表示装置43aは、2個の7セグメントLED(左及び中)から構成され、特別図柄始動口38a,38bへの入賞を契機として特別図柄を変動させ、抽選結果を表示する。なお、残り1個の7セグメントLED(右)は、特別図柄及び普通図柄の保留球数や、時短状態であることを表示する。
普通図柄表示装置43bは、複数のLEDからなる表示器であり、普通図柄用始動ゲート40への入賞を契機として普通図柄を始動させ、LEDの点灯により抽選結果を表示する。
遊技領域4aの左側には、遊技球の流下方向を変化させる風車41、多数の遊技釘(図示省略)が配置されている。また、遊技領域4aの下方には、複数の一般入賞口42が配置されている。遊技球が一般入賞口42に入賞すると所定数の賞球が払い出される。
遊技領域4aの最も左側には、発射機構により発射された遊技球を遊技領域4aに案内するため略上下方向に延びたガイドレール44が配置されている。ガイドレール44は、金属製の帯状の外内2本のガイドレール44a,44bで構成されている。
これら外内2本のガイドレール44a,44bの間で上下方向に延びた空間が、前記発射機構から発射された遊技球が通過する発射通路45を形成している。内側ガイドレール44bの上端には、発射球の発射方向(遊技領域4a側)への通過を許可すると共に戻り方向(発射通路45側)への通過を阻止する戻り球防止片46が配設されている。また、内側ガイドレール44bの最下部にはアウト球回収口47と、アウト球回収口47にアウト球を導入する球寄せ部48が形成されている。
図4は、パチンコ遊技機1の制御装置の構成を示すブロック図である。なお、図4では信号を中継する中継基板や、本発明に関係のない一部の部材の構成を省略した。
この制御装置は、パチンコ遊技機1の動作を統括的に制御する主制御基板24と、主制御基板24からコマンドを受けて演出の制御をする演出制御基板25を中心に構成される。電源基板28は、主制御基板24を初めとした各基板に接続され、外部電源から交流電圧24Vを受けて直流電圧に変換し、各基板に供給する。
主制御基板24は、その内部に、主制御基板側CPU241と、ROM242と、RAM243とを備えている。主制御基板側CPU241は、いわゆるプロセッサ部であり、大当りを発生させるか否かの抽選処理、決定された変動パターンや停止図柄の情報から制御コマンドを作成し、演出制御基板25に送信する等の処理を行う。
ROM242は、一連の遊技機制御手順を記述した制御プログラムや制御データ等を格納した記憶部である。また、RAM243は、主制御基板側CPU241の処理で設定されたデータを一時記憶するワークエリアを備えた記憶部である。
主制御基板24には、RAMクリアスイッチ27、第1始動入賞口センサ38c、第2始動入賞口センサ38d、大入賞口センサ39c、始動ゲート通過センサ40c、一般入賞口センサ42c、磁気センサ50、電波センサ51及び振動センサ52が接続され、各センサの検出信号を受信可能となっている。
磁気センサ50は、パチンコ遊技機1に磁石等を近づけた場合に、磁気を検出するセンサである。また、電波センサ51は、パチンコ遊技機1に対し発せられた強い電波を検出するセンサであり、振動センサ52は、パチンコ遊技機1に対し与えられた強い振動を検出するセンサである。
主制御基板24には、特別図柄表示装置43a及び普通図柄表示装置43bが接続され、主制御基板側CPU241が抽選処理により取得した乱数情報は、各図柄表示装置43a,43bに送信される。
また、主制御基板24には、パチンコ遊技機1の外部へ接続する端子を備えた外部端子基板21が接続されている。遊技における大当り、入賞数、ゲーム数等の各種情報は、主制御基板24から外部端子基板21を介してホールコンピュータに送信される。
さらに、主制御基板24には、払出制御基板29が接続されている。払出制御基板29には、下貯留皿満杯センサ12c及び前扉開放センサ20が接続されているため、これらのセンサが異常を検出すると、検出信号は払出制御基板29から主制御基板24に送信される。なお、払出制御基板29には、遊技球払出装置19と、発射制御基板30(さらに発射装置10aと接続)が接続している。
次に、演出制御基板25は、その内部に、演出制御基板側CPU251と、ROM252と、RAM253とを備えている。演出制御基板側CPU251は、いわゆるプロセッサ部であり、主制御基板24から送信された制御コマンドを受信し、その制御コマンドに基づいた各種演出を制御する処理を行う。
ROM252は、一連の演出制御手順を記述した制御プログラムや演出データ等を格納した記憶部である。また、RAM253は、演出制御基板側CPU251の処理で設定されたデータを一時記憶するワークエリアを備えた記憶部である。
演出制御基板25には、スピーカ7、枠装飾LED8及び盤面装飾LED35が接続されている。演出制御基板25は、スピーカ7の効果音や各LED等の発光動作を制御し、演出効果を高めている。
また、演出制御基板25には、操作ボタン13、方向キー部14及びファン15が接続されている。演出制御基板25は、操作ボタン13の有効期間に、操作ボタン13に対して内蔵ランプを点灯させる信号を送信する。そして、有効期間に遊技者が操作ボタン13を押下することで、検知信号が演出制御基板25に送信され、液晶表示装置36に表示された演出等が変化する。
方向キー部14は、上方向キー、右方向キー、下方向キー及び左方向キーで構成されている(図1参照)。方向キー部14についても、操作された場合に、その検知信号が演出制御基板25に送信される。
さらに、演出制御基板25には、液晶制御基板26が接続されている。液晶制御基板26は、演出制御基板25からコマンドを受けて液晶表示装置36の表示制御を行うものである。
液晶制御基板26は、その内部に、液晶制御CPU261と、液晶制御ROM262と、液晶制御RAM263と、映像表示プロセッサVDP264と、画像データROM265と、VRAM266とを備えている。
液晶制御CPU261は、いわゆるプロセッサ部であり、演出制御基板25から受信した液晶制御コマンドに基づいて表示制御を行うために必要な液晶制御データを生成する。また、そのデータを映像表示プロセッサVDP264に出力する。
液晶制御ROM262は、液晶制御CPU261の動作手順を記述したプログラムを格納した記憶部であり、液晶制御RAM263は、ワークエリアやバッファメモリとして機能する記憶部である。
映像表示プロセッサVDP264は、液晶表示装置36に表示する画像データの画像処理を行うプロセッサである。また、画像データROM265は、映像表示プロセッサVDP264が画像処理を行うために必要な画像データを格納した記憶部であり、VRAM266は、映像表示プロセッサVDP264が画像処理した画像データを一時記憶する記憶部である。
上記の構成により液晶制御基板26は、演出制御基板25から送信された液晶制御コマンドに基づき画像処理を行い、液晶表示装置36に演出画像や動画を表示している。
次に、図5を参照して、パチンコ遊技機1の大当り種別と、大当り遊技(特別遊技)の終了時に設定される各種フラグについて説明する。
パチンコ遊技機1には、例えば「1」〜「9」の装飾図柄のうち、確変図柄(例えば、「3」と「7」の装飾図柄)による大当りと、非確変図柄(例えば、「3」、「7」以外の装飾図柄)による大当りの2種類がある。各図柄は3列(左列、中央列、右列)で変動表示され、3列で同じ図柄が揃う(例えば、「777」)と大当りとなる。変動表示する3列の図柄は、左列、右列、中央列の順で停止し、左右列が同じ図柄で揃って停止し、中央列の図柄が変動表示している状態がリーチ変動となる。
本実施形態のパチンコ遊技機1では、通常モード、時短モード及び確率変動モードの何れかの遊技状態で遊技が行われる。通常モードは、低確率(例えば、大当り確率が1/330)で大当り抽選(当否判定)が行われる。
時短モードは、通常モードと同じ大当り確率であるが、図柄の変動表示の時間を短縮した遊技状態であり、通常モードより普通電動役物の開閉部材が頻繁に開放され(電チューサポート有りの状態)、遊技球が始動入賞し易い。また、確率変動モードは、通常モード及び時短モードよりも高確率(例えば、大当り確率が1/9.1)で大当り抽選が行われ、電チューサポート有りの状態である。
確変図柄当りによる特別遊技は、全15ラウンドで構成され、非確変図柄当りによる特別遊技は、これより少ないラウンドで構成される(詳細は後述する)。確変図柄当りの場合、特別遊技の終了後に、遊技状態が確率変動モードに移行する。確率変動モードは、100回の遊技が行われると終了する。図示していないが、50回の遊技が行われると確率変動モードが終了する確変図柄当りもある。
次に、非確変図柄当りについて、確変図柄当りと異なる部分を中心に説明する。非確変図柄当りによる特別遊技は、例えば、全10ラウンドで構成される。また、その終了後には、遊技状態が時短モードとなる。本実施形態の時短モードは、50回の遊技が行われると終了する。
次に、確変図柄当り、非確変図柄当りの何れの特別遊技の終了後にも設定される各種フラグについて説明する。図5に示すように、普電開放延長状態フラグ、普図時短移行状態フラグ、普図確率変動移行状態フラグ及び特図時短移行状態フラグに「5AH」がセットされる。「5AH」とは、フラグがオンの意味である。
確変図柄当りの場合は、特図確率変動移行状態フラグに「5AH」がセットされる。一方、非確変図柄当りの場合は、特別遊技の終了後に確率変動モードに移行しないので、特図確率変動移行状態フラグに「00H」がセットされる。「00H」とは、フラグがオフの意味である。
なお、非確変図柄当りの場合でも、電チューサポート有り状態となる。従って、上述の普図確率変動移行状態フラグは、確変図柄、非確変図柄に関わらず、「5AH」がセットされる。
また、確変図柄当りの場合は、特図時短回数カウンタ及び特図確率変動回数カウンタに「100」がセットされ、非確変図柄当りの場合は、特図時短回数カウンタに「50」がセットされ、特図確率変動回数カウンタに「0」がセットされる。ここで、「100」、「50」とは、100回、50回の遊技を意味し、「0」は、特図確率変動での遊技が0回、すなわち、行われないことを意味する。
特図時短回数カウンタ及び特図確率変動回数カウンタの値は、変更することができる。例えば、確変図柄当りの場合、特図時短回数カウンタ及び特図確率変動回数カウンタに「100」をセットすると、特別遊技の終了後、100回の確率変動モードに移行する。
次に、図6を参照して、パチンコ遊技機1の演出を選択する際に参照される各種演出情報テーブルについて説明する。
(a)演出情報テーブル(キャラクタ)
「キャラクタ」とは、主にパチンコ遊技機1のコンテンツに登場する登場人物であり、当否判定の際に1つが選択される。キャラクタの種類としては、「ヒロイン」、「仲間」、「姉妹」、「ライバルA」及び「ライバルB」の5種類があり、それぞれのキャラクタに「コマンドC」が対応付けられている。
(b)演出情報テーブル(ファンファーレ)
「ファンファーレ」とは、特別遊技の開始を報知する演出表示であり、開始インターバル(開始INT)ともいう。パチンコ遊技機1の当りには、上述の大当り種別で説明した大当り(確変図柄当り及び非確変図柄当り)の他、出玉のない小当りがある。
大当り名は、「Climax Bonus」、「Special Bonus」、「Challenge Bonus」及び「Normal Bonus」の4種類があり、特別遊技は10ラウンド又は15ラウンドで構成される。大当りの「ファンファーレ」期間には、演出として、上述の大当り名の報知と特別遊技中の操作を説明する「右打ち報知」とが行われる。
また、小当りは2種類あり、小当り名は何れも「Small Bonus」であって、特別遊技は2ラウンドで構成される。一方は、特別遊技の終了後に確率変動モード(50回)に移行し、他方は、時短モード(50回)に移行する。小当りの「ファンファーレ」期間には、演出として、上述の小当り名の報知が行われる。
小当りの特別遊技(2ラウンド)では、大入賞装置39の開閉扉が極めて短期間しか開放せず、遊技者が遊技球を打ち出してもほとんど入賞することがない。従って、小当りの場合には「右打ち報知」が行われない。なお、ファンファーレ時の演出のそれぞれに「コマンドF」が対応付けられている。
(c)演出情報テーブル(特別遊技ラウンド)
「特別遊技ラウンド」とは、特別遊技を構成する各ラウンドのことであり、ファンファーレ、エンディングを除くラウンド間インターバルも含む概念である。ここで、「Special Bonus」、「Challenge Bonus」及び「Normal Bonus」は、「Climax Bonus」と比較して利益が小さい当りであるから、何れか又は複数のラウンド中に、大当りの価値を昇格させる演出(成功)と、昇格させない演出(失敗)とが用意されている。
「Small Bonus」は、上述した通り特別遊技の期間が短いため、当りの価値を昇格させる演出を実行することなく終了する。なお、特別遊技ラウンド時の演出のそれぞれに「コマンドR」が対応付けられている。
(d)演出情報テーブル(エンディング)
「エンディング」とは、特別遊技の終了を報知する表示であり、終了インターバル(終了INT)ともいう。「Climax Bonus」、「Special Bonus」及び「Challenge Bonus」は、特別遊技の終了後に確率変動モードに移行するため、そのモード名を含む「Fantasy Time突入」との表示が行われる。また、この表示の終了後、「カードの取り忘れにご注意ください!」等の注意喚起表示と企業ロゴ表示とが行われる。
「Normal Bonus」は、特別遊技の終了後に時短モードに移行するため、そのモード名を含む「Another World突入」との表示が行われる。
また、「Small Bonus」は、大入賞装置39の開閉扉の動作態様だけでは、特別遊技の終了後、確率変動モードに移行するか又は時短モードに移行するかが判別できないようになっている。そこで、何れのモードに移行しても矛盾がないように、「Mystery Zone突入」との表示が行われる。なお、エンディング時の演出のそれぞれに「コマンドE」が対応付けられている。
次に、図7Aを参照して、今回の図柄の変動が大当りとなる場合の主制御基板24、演出制御基板25及び液晶制御基板26の制御コマンドの通信について説明する。
主制御基板24は、当否判定の際、上述した演出情報テーブル(キャラクタ)から1つのキャラクタを選択し、演出制御基板25に向けて演出コマンドを送信する。演出コマンドは、今回の図柄の変動が大当りとなるか否かに関わらず、主制御基板24から演出制御基板25に送信される。
さらに、液晶制御基板26は、演出制御基板25から送信された、キャラクタ情報を含む制御コマンドに基づいて、液晶表示装置36にて各種演出を実行する。この点も、今回の図柄の変動が大当りとなるか否かに関わらず同じである。
その後、液晶表示装置36では、図柄の通常変動(図中の左側の「A」)が開始し、さらに、2つの図柄が揃ったリーチ変動(図中の「B」)に移行する。図示していないが、リーチ変動が発展したスペシャルリーチ変動(以下、SPリーチ変動)に移行する場合もある。なお、リーチ変動以降の演出では、キャラクタ情報に基づいて選択されたキャラクタが登場する。
その後、3つの図柄が揃った大当りの態様が表示される。特別遊技の開始直前に、主制御基板24は、演出制御基板25に向けて「キャラクタコマンド」を送信する。「キャラクタコマンド」は、リーチ変動で登場したキャラクタを、この先の特別遊技ラウンドにおける演出で使用していくため、このタイミングで送信され、RAM253に記憶される。
その後、特別遊技に移行する。まず、液晶表示装置36にてファンファーレ演出(図中の「C」)が実行される。ファンファーレ演出の例は後述するが、演出時間は5〜10秒と比較的短く、大当り種別の報知や特別遊技中の操作説明を行う。
ファンファーレ演出が終了すると、特別遊技ラウンド(図中の「D」)に移行する。ここでは、特別遊技において遊技者が賞球を獲得できる10ラウンド又は15ラウンドの場合を示している。実際は、各ラウンドの間に数秒のインターバル期間があるが、図面上省略している。
特別遊技ラウンドが終了すると、液晶表示装置36にてエンディング演出(図中の「E」)が実行される。エンディング演出の例は後述するが、演出時間は5〜10秒と比較的短く、この後、移行する遊技状態の種類やその回数を報知する。
特別遊技が全て終了すると、その後に移行した遊技状態にて、再び通常変動(図中の右側の「A」)が開始される。この際、主制御基板24は、演出制御基板25に向けて、新たな演出コマンドを送信する。
次に、図7Bを参照して、遊技中、特に特別遊技ラウンドにおいて、電源断が発生した場合の処理を、タイミングチャートを用いて説明する。
上述したように、特別遊技においては、ファンファーレ演出(図中の「C」)を経て、特別遊技ラウンド(図中の「D」)に移行し、全ラウンドの遊技が終了すると、エンディング演出(図中の「E」)に移行する。
図7Bは、特別遊技ラウンドの終盤で電源断が発生した場合を示している。通常、どのようなタイミングで電源断が発生しても電源断時の状態が維持される。このため、「復帰後の処理」のリターンが選択されて、電源断時に戻って特別遊技ラウンド(図中の「D」)における演出から再開される。
一方、電源断時が、特別遊技の最終ラウンド、かつ規定の入賞上限数に到達していたような場合には、「復帰後の処理」のスキップを選択して、電断復帰後に特別遊技のエンディング演出に移行してもよい。
その演出例は後述するが、電源断時に選択されたキャラクタによる演出(キャラクタ演出)が実行されていた場合、「スキップ」の場合であっても、RAM253に記憶されたキャラクタ情報を元に、同じキャラクタが登場する演出が実行される。
次に、図8A,8Bを参照して、リーチ変動から特別遊技の終了までにパチンコ遊技機1で実行されるキャラクタ演出について説明する。
上述したように、パチンコ遊技機1は、当否判定の際、演出情報テーブル(キャラクタ)を参照して、キャラクタを1つ選択する。以下では、キャラクタ「ヒロイン」が選択された場合の一連の演出を例に説明する。
図8A(a)に示されるように、液晶表示装置36において、2つの「7」の装飾図柄58L,58Rが停止すると、これ以降、リーチ変動用の演出が実行される。図8A(a)は、表示画面の左端からヒロイン60が登場した様子を示している。なお、表示画面下方の「XXX Mode」は、現在の遊技状態(通常モード)の名称を示している。
リーチ変動の状態で暫く演出が行われた後、SPリーチ変動に発展する。図8A(b)は、SPリーチ変動の演出を示している。ここでは、ヒロイン60がより大きく、表示画面の略中央に表示されて、中央の装飾図柄58Cを1つずつ停止させる演出を示している。
そして、3つの「7」の装飾図柄58L,58C,58Rが揃って停止すると大当りとなり、間もなく、特別遊技に移行する。図8A(c)は、特別遊技のファンファーレ演出を示している。ここでは、再度、同じヒロイン60が出現すると共に、遊技者に特別遊技の情報を報知する。
表示画面上方のウィンドウ62では、今回の当りが上述した「Special Bonus」であることが報知される。これにより、遊技に詳しい遊技者は、10ラウンドで構成される特別遊技を行った後、確率変動モードに移行することを認識する。なお、表示画面中段のウィンドウ63には、今回の当り図柄が表示されている。
また、ファンファーレ演出では、ヒロイン60が「Magical Time中は右打ちしてね!」という遊技説明、すなわち、右打ち報知を行う。この表示に合わせて、スピーカ7から同じ音声を出力したり、遊技者の注意を引く効果音を出力して画面の表示に注目させたりしてもよい。
このように、リーチ変動時に登場したヒロイン60がSPリーチ変動の演出、そして、ファンファーレ演出でも登場することで、1つのキャラクタによるストーリー性のある演出を実行している。
ここでは、ヒロイン60による演出であったが、当否判定の際に、「仲間」が選択された場合、「仲間」による一連の演出が行われる。当否判定の際、抽選によって5つのキャラクタが均等に選択されることが期待される。このため、常に同じキャラクタが登場して、遊技者が遊技に飽きてしまうことを抑止することができる。
キャラクタは、5つに限られない。10以上のキャラクタを用意した方が、より特定のキャラクタに偏る可能性が少なくなる。また、キャラクタによって多少選択率を異ならせたり、大当り期待度が高いときに選択され易いキャラクタを1つ用意しておいてもよい。
ファンファーレ演出の後、特別遊技ラウンドに移行する。図8B(a)は、特別遊技ラウンドにおける演出を示している。これは、表示画面右上方のウィンドウ64に「Round 09」と示されているように、特別遊技の第9ラウンドの様子である。また、「GET 0700」とは、今回の特別遊技で遊技者がこれまでに獲得した賞球数が700球であることを意味する。なお、表示画面左下方のウィンドウ65には、今回の当り図柄が表示されている。
特別遊技ラウンドにおいても、ヒロイン60が登場する演出が行われる。ヒロイン60は、毎ラウンド登場させる必要はなく、ラウンド間のインターバルに登場してもよい。ヒロイン60を登場させることで、特別遊技ラウンドにおいても、リーチ変動から開始した一連の演出が継続することになる。なお、表示画面下方の「Magical Time」は、現在の遊技状態(特別遊技)の名称を示している。
特別遊技ラウンドが終了すると、図8B(b)に示す特別遊技のエンディング演出が行われる。ここでも、同じヒロイン60が登場して、遊技者に特別遊技の終了後に移行する遊技状態の情報を報知する。
ウィンドウ62に「Fantasy Time突入!」と表示されているように、この後移行する遊技状態が確率変動モードであることを示している。また、ウィンドウ63には、「0850 GET」と表示され、先の特別遊技で遊技者が獲得した遊技球の合計が850球であることが報知されている。
さらに、ヒロイン60が「Fantasy Timeは100回だよ!」と報知も行う。これにより、遊技者は、この後、確率変動モードの遊技が100回行えることを認識する。なお、図示していないが、エンディング演出の後には、注意喚起表示と企業ロゴ表示が行われる。
その後、特別遊技が終了して、確率変動モードの遊技が開始する。図8B(c)において、表示画面下方の「Fantasy Time」は、現在の遊技状態(確率変動モード)の名称を示している。確率変動モードでは、通常遊技モード(「XXX Mode」)と背景表示を異なっている。
確率変動モードにおいては、時短状態となるので、装飾図柄が停止するまでの時間が短くなる。また、今回の図柄の変動開始により、新たな当否判定が行われるので、再度、キャラクタの選択が行われる。これにより、これまで継続して行われていたヒロイン60による一連のキャラクタ演出は中止される。
なお、「Fantasy Time」の遊技回数は100回であるが、ウィンドウ64でゲーム数をカウントダウン方式でカウントする。そして、残りゲーム数が0となったとき、「Fantasy Time」が終了して、通常モードに戻る。もちろん、確率変動モードは、通常モードと比較して大当り確率が高くなるので、遊技者は再度の大当りを期待して遊技することができる。
ヒロイン60によるキャラクタ演出をまとめると、図9のようになる。図柄の変動開始(当否判定)の際、キャラクタが1つ選択され、通常変動が開始する。通常変動がリーチ変動となり、さらにSPリーチ変動に発展するが、何れかの演出の際、ヒロイン60が初めて登場する(図9(a)参照)。
その後、図柄が当りの態様で変動停止すると、演出制御基板25にキャラクタコマンドが送信され、記憶されるので、特別遊技に移行した後においても、ヒロイン60が登場するストーリー性のある演出が展開される。
演出制御基板25が記憶されたキャラクタコマンドを読み込んだ後、特別遊技のファンファーレではファンファーレ演出が行われる。ここでは、ヒロイン60が特別遊技中の遊技者の操作について説明する(図9(b)参照)。その後、特別遊技ラウンドに移行すると、特別遊技ラウンドの演出が行われる。ここでも、各ラウンド又はインターバル期間にヒロイン60が登場する(図9(c)参照)。例えば、より価値の大きな大当りに昇格させる昇格演出にヒロイン60が登場して、遊技者に操作ボタン13を操作させる演出を行ってもよい。
特別遊技ラウンドが全て終了すると、特別遊技のエンディングに移行するので、エンディング演出が行われる。ここでは、ヒロイン60が、特別遊技の終了後に移行する遊技状態やその遊技回数を報知する(図9(d)参照)。これにより、一連のキャラクタ演出が終了する。
以上は、図柄の変動が大当りとなる場合であったが、通常はハズレが大半を占める。図9(e)は、図柄の変動開始の際、キャラクタ「仲間」が選択され、SPリーチ変動の演出に登場した例を示している。特に、仲間60’により装飾図柄を1つずつ停止させていく演出が行われ、最終的にハズレの態様で停止した状態である。
このとき、新たな図柄の変動が開始されるので、再びキャラクタの選択が行われる。次回の図柄変動では、同じキャラクタ「仲間」が選択されることもあるし、他のキャラクタが選択されることもある。なお、遊技者は、リーチ変動又はSPリーチ変動まで発展すれば、今回選択されたキャラクタを確認することができるが、その前段階で図柄がハズレの態様で停止してしまった場合には、今回選択されたキャラクタを知り得ない。
図7Bの電源断は、図9においては、×印で示す特別遊技ラウンドの終盤で発生した場合である。この場合、RAM253に記憶されたキャラクタコマンドが読み込まれることで、電源断の前後で同じキャラクタ、すなわち、ヒロイン60による演出が行われる。以下では、図10を参照して、電源断の前後の演出例を説明する。
図10(a)は、特別遊技ラウンドにおける演出を示している。特に、ウィンドウ64に「Round Final」と示されているように、最終ラウンドの演出である。なお、ウィンドウ64の「GET 840」は、今回の特別遊技で遊技者がこれまでに獲得した賞球数を示し、ウィンドウ65は、大当り図柄を示している。
その後、停電等により電源断が発生して(図10(b))、電源断から復帰したとする。通常、電源断時の遊技状態や演出が維持されるので、図10(c)に示すような電源断時の演出に戻る。このとき、ヒロイン60は、位置が多少移動していることはあっても、キャラクタはそのまま維持される。
また、電源断時の直前に最終ラウンドにおける大入賞装置39への規定の入賞上限数に到達する場合もある。このような場合には、図10(c)の表示(通常、約1〜2秒)の演出をスキップして、図10(d)の表示に移行する。
図10(d)は、特別遊技のエンディング演出であるが、電源断から復帰した場合にも、やはり同じヒロイン60による演出となっている。このように、電源断が生じてもキャラクタコマンドの情報が保存されていることで、一連のキャラクタ演出を継続させることができる。
SPリーチ変動中に電源断により遊技が一時中断した場合には、記憶された演出コマンドに基づいて、電源断前の演出のキャラクタを再度、登場させる。すなわち、常に電源断の前後でキャラクタが入れ替わったり、登場しなくなったりすることはないので、首尾一貫した演出を実行することができる。
なお、パチンコ遊技機1に生じるエラーの種類は、不正入賞や電波異常、振動異常、扉開放等があり、遊技が一時中断するいかなるエラーであっても、電源断時と同様に上記の演出処理が行われる。
次に、図11を参照して、主制御側で行われる遊技管理処理について説明する。以下で説明する遊技管理処理は、電源投入処理が正常に終了した場合に、主制御側のメインループに対して実行されるタイマ割込処理である。
まず、主制御基板24は、タイマ管理処理を行う(ステップS10)。パチンコ遊技機1には、特別図柄役物動作タイマ等の複数のタイマが用意されており、それぞれ遊技に関する時間を計時している。
主制御基板24は、処理状態に応じて各種タイマを更新(タイマを減算)していくことで、多数のタイマを管理する。その後、ステップS20に進む。
ステップS20では、主制御基板24は、賞球管理処理を行う。これは、遊技盤4の遊技領域を流下する遊技球が、第1、第2特別図柄始動口38a,38bや一般入賞口42に入賞した場合に行われる処理である。例えば、一般入賞口42の内部にある一般入賞口センサ42cが遊技球を検知し、球検知信号を主制御基板24に送信する。
主制御基板24は、上記信号を受信すると、払出制御基板29(更には、遊技球払出装置19)に向けて所定個数の賞球の払出しを行うための制御信号を送信する。遊技球払出装置19は、上記制御信号を受信した後に、上貯留皿11(上貯留皿11が満杯である場合には、下貯留皿12)に所定個数の賞球を払出す。その後、ステップS30に進む。
ステップS30では、主制御基板24は、普通図柄管理処理を行う。これは、遊技盤4の遊技領域を流下する遊技球が、普通図柄用始動ゲート40を通過した場合に行われる処理である。具体的には、普通図柄用始動ゲート40の内部にある始動ゲート通過センサ40cがゲートを通過した遊技球を検知して、球検知信号を主制御基板24に送信する。
主制御基板24は、上記信号を受信すると、普通図柄の乱数値を取得する。この抽選した乱数値は最大4個まで記憶可能であり、記憶した順に上記乱数値の当否抽選を行う。
また、主制御基板24は、普通図柄表示装置43bに制御信号を送信する。普通図柄表示装置43bでは、LEDの点滅による普通図柄の変動が行われ、普通図柄は、所定時間の経過後、抽選結果に応じて当り又は外れの態様を表示して停止する。その後、ステップS40に進む。
ステップS40では、主制御基板24は、普通電動役物管理処理を行う。これは、普通図柄の抽選結果により普通電動役物の動作を制御する処理である。普通図柄管理処理(ステップS30)にて、普通図柄が当り態様で停止した場合には、主制御基板24は、普通電動役物用ソレノイドに制御信号を送信し、所定時間、第2特別図柄始動口38bの開閉部材を開放する。
主制御基板24は、上記所定時間が経過した場合、又は所定時間経過前に第2特別図柄始動口38bに予め定められた上限数の遊技球が入賞した場合に、上記開閉部材を閉鎖するための制御信号を普通電動役物用ソレノイドに送信する。これにより、上記開閉部材は閉鎖する。その後、ステップS50に進む。
なお、普通図柄管理処理(ステップS30)にて、普通図柄が外れ態様で停止した場合には、上記開閉部材を開放することはなく、主制御基板24は、何もせず普通電動役物遊技処理を終了する。
ステップS50では、主制御基板24は、特別図柄管理処理を行う。これは、遊技盤4の遊技領域を流下する遊技球が、第1特別図柄始動口38a又は第2特別図柄始動口38bに入賞した場合に行われる処理である。
詳細は後述するが、始動入賞口センサ38c,38dが遊技球を検出すると、始動入賞口センサ38c,38dは、球検出信号を主制御基板24に送信し、主制御基板24は、球検出信号を受けて、例えば600個の乱数値の中から1個の乱数値を取得し(特別図柄の抽選)、この取得した乱数値に対する演出態様を決定する。
主制御基板24は、特別図柄表示装置43aに演出コマンドを送信する。特別図柄表示装置43aでは、7セグメントLEDによる特別図柄の変動が行われ、特別図柄が所定時間の経過後に抽選結果に応じて当り又は外れの態様で停止する。また、特別図柄の変動は、液晶表示装置36においても遊技者に確実に認識可能な装飾図柄で表示される。その後、ステップS60に進む。
最後に、ステップS60では、主制御基板24は、特別電動役物管理処理を行う。これは、特別図柄の抽選結果により大入賞装置39(以下、特別電動役物とも称する)の動作を制御する処理である。
詳細は後述するが、特別図柄が当り態様で停止した場合には、いわゆる大当りとなり、所定ラウンド数の特別遊技が遊技者に付与される。特別図柄管理処理(ステップS50)にて、特別図柄が外れ態様で停止した場合には、直ちに特別電動役物管理処理が終了となる。特別電動役物管理処理が終了すると、遊技管理処理も終了となる。
次に、図12を参照して、遊技管理処理の中で行われる特別図柄管理処理について説明する。特別図柄管理処理(図11:ステップS50)では、主制御基板24は、後述する特別図柄動作ステータス(変動待機中、変動中)を判定し、それぞれの処理を管理する。
まず、主制御基板24は、始動口チェック処理1を行う(ステップS51)。これは、第1特別図柄始動口38aへの遊技球の入賞の有無を判断する。第1特別図柄始動口38aへの遊技球の入賞があった場合には、主制御基板側CPU241は、第1始動入賞口センサ38cから送られる球検出信号に基づいて、200個の乱数値の中から1個の乱数値を取得する。
ROM242には、演出情報テーブルが格納されている。主制御基板側CPU241は、取得した乱数値に対応した演出態様を、演出情報テーブルから読み込む。また、主制御基板側CPU241は、乱数値に基づいて大当り判定フラグを取得して、ワークエリアへ格納する処理も行う。
特別図柄の変動表示中に、遊技球が第1特別図柄始動口38aに入賞すると、主制御基板側CPU241は、乱数値(抽選結果)、演出態様を含む演出コマンドを、RAM243の保留記憶エリアに記憶する。また、主制御基板側CPU241は、演出制御基板25を介して液晶制御基板26の液晶制御CPU261に演出コマンドを送る。液晶制御CPU261は、この演出コマンドを、保留情報として液晶制御RAM263に記憶する。液晶制御RAM263に記憶される保留情報は、例えば最大4個である。
ステップS52では、主制御基板24は、始動口チェック処理2を行う。第2特別図柄始動口38bへの遊技球の入賞の有無を判断し、始動口チェック処理1と同様の処理を行う。その後、ステップS53に進む。
次に、主制御基板24は、条件装置作動フラグが5AHであるか否かを判定する(ステップS53)。条件装置とは、大当り発生時に大当りを継続する条件が成立した場合に作動する装置であり、条件装置作動フラグがオンしたか否かの判定となる。条件装置作動フラグがオンである場合には、「YES」の判定となり、ステップS58に進む。
一方、条件装置作動フラグがオンしていない場合には、「NO」の判定となり、ステップS54に進む。すなわち、ステップS54〜S57は、大当りが発生していない通常遊技モードの場合の処理となる。
ステップS53の判定が「NO」である場合、主制御基板24は、特別図柄動作ステータス判定を行う(ステップS54)。特別図柄動作ステータス(以下、特図動作ステータスともいう)が「00H」、「01H」に設定されている場合は、特別図柄が「変動待機中」であるので、ステップS55に進む。
また、特図動作ステータスが「02H」に設定されている場合は、特別図柄が「変動中」であるので、ステップS56に進む。さらに、特図動作ステータスが「03H」に設定されている場合は、特別図柄の「確認時間中」であるので、ステップS57に進む。以下、各特図動作ステータスにおける処理について説明する。
まず、図13A、図13Bを参照して、特別図柄管理処理の中で行われる特別図柄変動開始処理(ステップS55)について説明する。
まず、図13Aにおいて、主制御基板側CPU241は、特図保留球数が0であるか否かを判定する(ステップS71)。特図の保留球数が0である場合には、「YES」の判定となり、ステップS72に進む。一方、特図の保留球数が0でない場合には、「NO」の判定となり、ステップS76に進む(図13B参照)。
ステップS72では、第1特別図柄始動口38a又は第2特別図柄始動口38bへの遊技球の入賞の有無を判定する。ステップS72の判定が「YES」である場合には、乱数値を取得し、ステップS79に進む。
ステップS72の判定が「NO」である場合には、主制御基板24は、特図動作ステータスが00Hであるか否かを判定する(ステップS73)。後述するが、特別図柄確認時間中処理(図12:ステップS57)が実行された直後は、特図動作ステータスとして「01H」がセットされている。
特図動作ステータスが「00H」である場合には、「YES」の判定となり、特別図柄変動開始処理を終了する。一方、特図動作ステータスが「00H」でない場合(「01H」である場合)には、「NO」の判定となり、ステップS74に進む。
ステップS74では、主制御基板24は、客待ちデモコマンドを送信する。「客待ちデモコマンド」は、特図の保留球数が0、かつ特図動作ステータスが「01H」の場合に、主制御基板24から演出制御基板25に向けて送信される。その後、ステップS75に進む。
ステップS75では、主制御基板24は、特図動作ステータスに00Hをセットする。このセットにより特別図柄変動開始処理は終了となるが、これ以後、特別図柄変動開始処理では、保留情報や始動口入賞が発生しない限り、ステップS73の判定で「YES」となる処理を繰り返す。
ステップS71の判定が「NO」である場合、主制御基板24は、特図の保留球数を1減算する(図13B:ステップS76)。その後、ステップS77に進む。
ステップS77では、主制御基板24は、演出制御基板25に向けて保留減算コマンドを送信する。これにより、特別図柄表示装置43a(右側の7セグメントLED)の保留表示及び液晶表示装置36に表示された保留表示が1減算される。その後、ステップS78に進む。
ステップS78では、主制御基板24は、保留記憶エリアをシフトする。最大保留数と同数ある保留記憶エリア1〜4は、保留球数の減算に伴い1だけシフトする。このとき、最新の保留情報が記憶される保留記憶エリア4については0をセットする。その後、ステップS79に進む。
ステップS79では、主制御基板側CPU241は、特別電動役物作動判定用乱数判定処理を行う。これは、取得した乱数値に基づいた特図の当り判定処理である。また、大当り判定フラグをワークエリアへ格納する処理も行う。
本実施形態では、通常モード及び時短モードと、確率変動モードとで大当り確率が異なるため、「大当り」となる乱数値の数が異なる。なお、乱数値の数や、「大当り」、「リーチ」となる乱数値等は、適宜変更可能である。
ステップS80では、主制御基板24は、遊技状態移行準備処理を行う。ここでは、大当り判定フラグがオンの場合に、大当り種別に応じた遊技状態移行テーブルを選択し、これを参照して各種バッファに値を格納する。その後、ステップS81に進む。
ステップS81では、主制御基板24は、特図の変動中フラグを5AHにセットする。その後、ステップS82に進む。
ステップS82では、主制御基板側CPU241は、取得した乱数値に対応した演出態様を、演出情報テーブルから読み込み、乱数値及び演出態様を含む演出コマンドを特別図柄表示装置43aに送り、演出コマンド又は演出実行コマンドを演出制御基板25に送る。主制御基板側CPU241は、保留情報が記憶されていない場合には演出コマンドを、保留情報が記憶されている場合には演出実行コマンドを演出制御基板25に送る。その後、ステップS83に進む。
最後に、主制御基板24は、変動開始時の各種設定を行う(ステップS83)。具体的には、乱数記憶エリア0に「00H」(消去)をセットする。また、特図動作ステータスを「02H」(変動中)にセットするので、次回の特別図柄管理処理では、特別図柄動作ステータス判定(図12:ステップS54)にて、後述する特別図柄変動中処理(図12:ステップS56)に分岐するようになる。その後、特別図柄変動開始処理を終了する。図12に戻り、その後、後述するステップS58に進む。
次に、特別図柄の変動表示処理、演出画像の表示処理について説明する。特別図柄表示装置43aは、主制御基板側CPU241から送られた演出コマンドの演出態様に基づいて、特別図柄の変動表示を行う。また、演出画像には、変動表示する装飾図柄も含まれる。
演出制御基板側CPU251は、保留情報が記憶されていない場合には、主制御基板側CPU241から送られた演出コマンドに基づいてスピーカ7の効果音や各LED等の動作を制御して演出を行い、保留情報が記憶され、演出実行コマンドを受信した場合には、液晶制御RAM263に記憶された保留情報(演出コマンド)に基づいて演出を行う。また、演出制御基板側CPU251は、保留情報が記憶されていない場合には、演出コマンドを液晶制御基板26に送り、保留情報が記憶されている場合には、演出実行コマンドを液晶制御基板26に送る。
液晶制御基板26の映像表示プロセッサVDP264は、演出コマンドを受信した場合には受信した演出コマンドの演出態様に基づいて、演出実行コマンドを受信した場合には液晶制御RAM263に記憶された保留情報の演出態様に基づいて、液晶表示装置36に表示する演出の画像データの画像処理を行う。
液晶制御CPU261は、画像処理された画像データを液晶表示装置36に表示することで、主制御基板側CPU241で決定された演出態様での演出を行う。液晶制御CPU261は、保留情報による演出を開始するのに合わせて、その保留情報を消去する。
次に、特別図柄管理処理の中で行われる特別図柄変動中処理(ステップS56)について簡単に説明する。主制御基板24は、特別図柄動作ステータス判定(図12:ステップS54)にて、特図動作ステータスが「02H」(変動中)と判断された場合、この処理を行う。
主制御基板24は、特図の変動時間に関するタイマである特別図柄役物動作タイマが0であるか否かを判定し、このタイマが0となった場合に、「変動停止コマンド」を送信する。また、変動停止時の各種設定を行うが、特別図柄動作ステータスを「03H」(確認時間中)にセットするので、次回の特別図柄管理処理では、特別図柄動作ステータス判定(図12:ステップS54)にて、後述する特別図柄確認時間中処理(図12:ステップS57)に分岐するようになる。その後、特別図柄変動中処理を終了する。
次に、図14A、図14Bを参照して、特別図柄管理処理の中で行われる特別図柄確認時間中処理(ステップS57)について説明する。
まず、図14Aにおいて、主制御基板24は、特別図柄役物動作タイマが0であるか否かを判定する(ステップS111)。ここでは、特図の確定表示の時間が経過したか否かの判定となる。特別図柄役物動作タイマが0となった場合には、「YES」の判定となり、ステップS112に進む。一方、まだ特別図柄役物動作タイマが0となっていない場合には、「NO」の判定となり、特別図柄確認時間中処理を終了する(図14B参照)。
ステップS111の判定が「YES」である場合、主制御基板24は、特図動作ステータスを「01H」にセットする(ステップS112)。特図動作ステータスを「01H」(変動待機中)にセットするので、次回の特別図柄管理処理では、特別図柄動作ステータス判定にて、特別図柄変動開始処理(図12:ステップS55)に分岐するようになる。その後、ステップS113に進む。
次に、主制御基板24は、大当りフラグが5AHであるか否かを判定する(ステップS113)。これは、大当りフラグがオンであるか否かの判定である。大当りフラグがオンである場合には、「YES」の判定となり、ステップS114に進む。一方、大当りフラグがオンしていない場合には、「NO」の判定となり、ステップS115に進む。
ステップS113の判定が「YES」である場合、主制御基板24は、大当り図柄停止時の各種設定を行う(ステップS114)。例えば、大当り判定フラグを「00H」に戻し、条件装置作動フラグを「5AH」に設定する。その後、特別図柄確認時間中処理を終了する。
また、ステップS113の判定が「NO」である場合、主制御基板24は、特図時短回数カウンタが0であるか否かを判定する(ステップS115)。特図時短回数カウンタは、時短モードの回数をカウントするカウンタであり、例えば、通常モード中は、0が設定されている。
特図時短回数カウンタが0である場合には、「YES」の判定となり、ステップS119に進む(図14B参照)。一方、特図時短回数カウンタが0でない場合には、「NO」の判定となり、ステップS116に進む。
ステップS115の判定が「NO」である場合、主制御基板24は、特図時短回数カウンタを1減算する(ステップS116)。以下のステップS116〜S118は、時短回数の減算に関する処理となる。
次に、主制御基板24は、特図時短回数カウンタが0であるか否かを判定する(ステップS117)。特図時短回数カウンタが0である場合には、「YES」の判定となり、ステップS118に進む。一方、特図時短回数カウンタが0でない場合には、「NO」の判定となり、ステップS119に進む(図14B参照)。
ステップS117の判定が「YES」である場合、主制御基板24は、時短終了時の各種設定を行う(ステップS118)。例えば、普図時短状態フラグ、特図時短状態フラグをそれぞれ「00H」に設定する。その後、ステップS119に進む(図14B参照)。
次に、図14Bにおいて、主制御基板24は、特図確変回数カウンタが0であるか否かを判定する(ステップS119)。本実施形態の確率変動モードは、回数限定であり、特図確変回数カウンタにより、確率変動モードの残り回数がカウントされる。
特図確変回数カウンタが0である場合には、「YES」の判定となり、特別図柄確認時間中処理を終了する。一方、特図確変回数カウンタが0でない場合には、「NO」の判定となり、ステップS120に進む。
ステップS119の判定が「NO」である場合、主制御基板24は、特図確変回数カウンタを1減算する(ステップS120)。以下のステップS120〜S122は、確変回数の減算に関する処理となる。
次に、主制御基板24は、特図確変回数カウンタが0であるか否かを判定する(ステップS121)。特図確変回数カウンタが0である場合には、「YES」の判定となり、ステップS122に進む。一方、特図確変回数カウンタが0でない場合には、「NO」の判定となり、特別図柄確認時間中処理を終了する。
ステップS121の判定が「YES」である場合、主制御基板24は、確変終了時の各種設定を行う(ステップS122)。例えば、普図確変状態フラグ、特図確変状態フラグをそれぞれ「00H」に設定し、特別図柄確認時間中処理を終了する。その後、特別図柄確認時間中処理を終了する。特別図柄確認時間中処理の終了後には、図12のステップS58に進む。
最後に、主制御基板24は、特別図柄表示データを更新する(ステップS58)。具体的には、特別図柄表示装置43aの特別図柄を更新する。その後、特別図柄管理処理を終了する。
次に、図15を参照して、遊技管理処理の中で行われる特別電動役物管理処理について説明する。特別電動役物管理処理(図11:ステップS60)において、主制御基板24は、後述する特別電動役物動作ステータス(大当り開始処理、特別電動役物作動開始処理、特別電動役物作動中処理、特別電動役物作動継続判定処理、大当り終了処理)を判定し、それぞれの処理を管理する。
まず、主制御基板24は、条件装置作動フラグが5AH(ON)であるか否かを判定する(ステップS61)。条件装置作動フラグが5AHの場合には、「YES」の判定となり、ステップS62に進む。一方、条件装置作動フラグがオンでない場合には、「NO」の判定となり、この処理を終了する。すなわち、ステップS62以降は、大当りが発生した場合の処理となる。
ステップS61の判定が「YES」である場合、主制御基板24は、特別電動役物動作ステータス判定を行う(ステップS62)。特別電動役物動作ステータス(以下、特電動作ステータスともいう)が「00H」に設定されている場合は、「大当り開始」時であるので、ステップS63に進む。
また、特電動作ステータスが「01H」に設定されている場合は、「特電作動開始中」であるので、ステップS64に進む。同様に、特電動作ステータスが「02H」に設定されている場合は、「特電作動中」であるので、ステップS65に進む。
さらに、特電動作ステータスが「03H」に設定されている場合は、「特電作動継続判定中」であるので、ステップS66に進み、特電動作ステータスが「04H」に設定されている場合は、「大当り終了中」であるので、ステップS67に進む。
ステップS63〜S67の処理の内容については、以下で詳細を説明する。また、これらの処理が終了した後、主制御基板24は、特別電動役物管理処理を終了する。
次に、図16を参照して、特別電動役物管理処理の中で行われる大当り開始処理(ステップS63)について説明する。
まず、主制御基板24は、キャラクタコマンドを送信する(ステップS131)。これにより、図柄の変動開始時に選択されたキャラクタを特別遊技の演出の中で使用することができる。その後、ステップS132に進む。
ステップS132では、主制御基板24は、大当り開始時の各種設定を行う。具体的には、役物連続作動装置作動フラグをオンとし、連続回数カウンタに「01H」をセットする。連続回数カウンタは、後述する特別電動役物作動継続判定処理の中でラウンド数をカウントするために用いられ(図19参照)、「01H」は第1ラウンドを意味する。
また、特別電動役物動作ステータスを「01H」(特電作動開始中)にセットするので、次回の特別電動役物動作ステータス判定(図15:ステップS62)では、特別電動役物作動開始処理(図15:ステップS64)に進むようになる。大当り開始時の各種設定が終了した後、ステップS133に進む。
ステップS133では、主制御基板24は、大当り種別に応じて各種データをセットする。具体的には、最大ラウンド数、ラウンド表示LED番号をRAM243に、大当り開始インターバル時間を特別図柄役物動作タイマに、それぞれ格納する。大当り開始インターバル時間は、後述する特別電動役物作動開始処理の中で利用する(図17参照)。その後、ステップS134に進む。
最後に、主制御基板24は、大当り開始インターバルコマンドを送信する(ステップS134)。具体的には、主制御基板24は、演出制御基板25に向けて「大当り開始インターバル(ファンファーレ)コマンド」を送信する。その後、大当り開始処理を終了する。
次に、図17を参照して、特別電動役物管理処理の中で行われる特別電動役物作動開始処理(ステップS64)について説明する。
まず、主制御基板24は、特別図柄役物動作タイマが0であるか否かを判定する(ステップS141)。具体的には、大当り開始インターバル時間が経過したか否か、又は後述するラウンド間インターバル時間が経過したか否かを判定する。
特別図柄役物動作タイマが0となった場合には、「YES」の判定となり、ステップS142に進む。一方、まだ特別図柄役物動作タイマが0となっていない場合には、「NO」の判定となり、特別電動役物作動開始処理を終了する。
ステップS141の判定が「YES」である場合、主制御基板24は、大入賞口開放コマンドを送信する(ステップS142)。具体的には、主制御基板24は、演出制御基板25に向けて「大入賞口開放コマンド」を送信する。その後、ステップS143に進む。
ステップS143では、主制御基板24は、大当り種別とラウンド数に応じた特別電動役物作動時間を特別図柄役物動作タイマに格納する。例えば、今回、確変図柄当りに当選した場合には、10の各ラウンドの特別電動役物作動時間を特別図柄役物動作タイマにセットする。その後、ステップS144に進む。
ステップS144では、主制御基板24は、開放動作開始時の各種設定を行う。具体的には、大入賞口入賞数カウンタを「00H」にセットする。「00H」は、入賞数が「0個」であることを意味する。
また、特別電動役物動作ステータスを「02H」(特電作動中)にセットするので、次回の特別電動役物動作ステータス判定(図15:ステップS62)では、特別電動役物作動中処理(図15:ステップS65)に進むようになる。その後、ステップS145に進む。
最後に、主制御基板24は、大入賞口開閉動作設定処理を行う(ステップS145)。この大入賞口開閉動作設定処理では、主制御基板24は、大当り種別、ラウンド数、特別図柄役物動作タイマ、ソレノイド動作パターンに基づいて、ソレノイドのON/OFFを設定する。ここでいうソレノイドは、大入賞装置39の開閉扉を駆動するソレノイドである。その後、大入賞口開閉動作設定処理を終了する。これにより、特別電動役物作動開始処理を終了する。
次に、図18を参照して、特別電動役物管理処理の中で行われる特別電動役物作動中処理(ステップS65)について説明する。
まず、主制御基板24は、大入賞口への入賞があったか否かを判定する(ステップS151)。大入賞口の大入賞口センサにより入賞が検出される。大入賞口への入賞があった場合には、「YES」の判定となり、ステップS152に進む。一方、入賞がなかった場合には、「NO」の判定となり、ステップS155に進む。
ステップS151の判定が「YES」である場合、主制御基板24は、入賞数を1加算する(ステップS152)。すなわち、大入賞口センサが大入賞口に入賞する規定の入賞数をカウントする処理となる。その後、ステップS153に進む。
次に、主制御基板24は、最大入賞数に達したか否かを判定する(ステップS153)。最大入賞数に達した場合には、「YES」の判定となり、ステップS154に進む。一方、まだ最大入賞数に達していない場合には、「NO」の判定となり、ステップS155に進む。なお、最大入賞数を大当り種別により異ならせてもよい。
ステップS153の判定が「YES」である場合、主制御基板24は、特別図柄役物動作タイマをクリアする(ステップS154)。特別図柄役物動作タイマをクリアすることにより、1回のラウンド遊技が終了した場合の処理に進むようになる(ステップS156/YES)。その後、ステップS155に進む。
ステップS155では、主制御基板24は、大入賞口開閉動作設定処理を行う。大入賞口開閉動作設定処理の詳細は、図17のステップS145で説明したので、ここでは説明を省略する。その後、ステップS156に進む。
次に、主制御基板24は、特別図柄役物動作タイマが0であるか否かを判定する(ステップS156)。ここでは、特別電動役物作動時間が経過したか否かを判定する。特別図柄役物動作タイマが0となった場合には、「YES」の判定となり、ステップS157に進む。一方、まだ特別図柄役物動作タイマが0となっていない場合には、「NO」の判定となり、特別電動役物作動中処理を終了する。
ステップS156の判定が「YES」である場合、主制御基板24は、ラウンド間インターバルコマンドを送信する(ステップS157)。具体的には、主制御基板24は、演出制御基板25に向けて「ラウンド間インターバルコマンド」を送信する。「ラウンド間インターバルコマンド」とは、例えば、第1ラウンドと第2ラウンドのインターバルに移行することを知らせるコマンドである。その後、ステップS158に進む。
ステップS158では、主制御基板24は、開放動作終了時の各種設定1を行う。具体的には、特別電動役物動作ステータスを「03H」(特電作動継続判定中)にセットする。これにより、次回の特別電動役物動作ステータス判定処理(図15:ステップS62)では、特別電動役物作動継続判定処理(図15:ステップS66)に進むようになる。主制御基板24は、開放動作終了時の各種設定2を行う(ステップS159)。ここでは、特別図柄役物動作タイマを1980msにセットする。これは、通常ラウンドの残存球排出時間に相当する。その後、特別電動役物作動中処理を終了する。
次に、図19を参照して、特別電動役物管理処理の中で行われる特別電動役物作動継続判定処理(ステップS66)について説明する。
まず、主制御基板24は、大入賞口入賞数チェック処理を行う(ステップS161)。大入賞口入賞数チェック処理の詳細は、図18のステップS151〜S154で説明した処理と同じであるので、ここでは説明を省略する。その後、ステップS162に進む。
ステップS162では、主制御基板24は、大入賞口開閉動作設定処理を行う。大入賞口開閉動作設定処理の詳細は、図17のステップS145で説明した通りであるので、ここでは説明を省略する。その後、ステップS163に進む。
次に、主制御基板24は、特別図柄役物動作タイマが0であるか否かを判定する(ステップS163)。ここでは、残存球排出時間が経過したか否かを判定する。特別図柄役物動作タイマが0となった場合には、「YES」の判定となり、ステップS164に進む。一方、まだ特別図柄役物動作タイマが0となっていない場合には、「NO」の判定となり、特別電動役物作動継続判定処理を終了する。
ステップS163の判定が「YES」である場合、主制御基板24は、最大ラウンド数に達したか否かを判定する(ステップS164)。本実施形態では、最大の第15ラウンド、第10ラウンド(大当り)、又は第2ラウンド(小当り)に達した場合に「YES」の判定となり、ステップS168に進む。一方、第14ラウンド又は第9ラウンド(大当り)、又は第1ラウンド(小当り)までは、「NO」の判定となり、ステップS165に進む。
ステップS164の判定が「NO」である場合、主制御基板24は、連続回数カウンタを1加算する(ステップS165)。すなわち、特別遊技のラウンド数をカウントする処理となる。その後、ステップS166に進む。
ステップS166では、主制御基板24は、ラウンド間インターバル時間を特別図柄役物動作タイマに格納する。ラウンド間インターバル時間は、特別電動役物作動開始処理に戻った場合、その処理の中で利用する(図17参照)。その後、ステップS167に進む。
ステップS167では、主制御基板24は、継続時の各種設定を行う。具体的には、特別電動役物作動フラグが「00H」にセットされる。特別電動役物作動フラグが「00H」に設定されるのは、大当りラウンドの「開始」、「ラウンド間」又は「終了」の何れかの場合であるが、ここでは「ラウンド間」である。
また、特別電動役物動作ステータスを「01H」(特電作動開始中)にセットするので、次回の特別電動役物動作ステータス判定(図15:ステップS62)では、特別電動役物作動開始処理(図15:ステップS64)に進むようになる。その後、特別電動役物作動継続判定処理を終了する。
次に、ステップS164の判定が「YES」である場合、主制御基板24は、終了時の各種設定を行う(ステップS168)。具体的には、特別電動役物作動フラグが「00H」にセットされる。特別電動役物作動フラグを「00H」とするのは、大当りラウンドが「終了」となるためである。
また、特電動作ステータスを「04H」(大当り終了中)にセットするので、次回の特別電動役物動作ステータス判定(図15:ステップS62)では、大当り終了処理(図15:ステップS67)に進むようになる。その後、ステップS169進む。
ステップS169では、主制御基板24は、終了インターバル時間を特別図柄役物動作タイマに格納する。終了インターバル時間は、後述する大当り終了処理の中で利用する(図20参照)。その後、ステップS170に進む。
最後に、主制御基板24は、大当り終了インターバルコマンドを送信する(ステップS170)。具体的には、主制御基板24は、演出制御基板25に向けて「大当り終了インターバル(ファンファーレ)コマンド」を送信する。その後、特別電動役物作動継続判定処理を終了する。
次に、図20を参照して、特別電動役物管理処理の中で行われる大当り終了処理(ステップS67)について説明する。
まず、主制御基板24は、特別図柄役物動作タイマが0であるか否かを判定する(ステップS171)。ここでは、終了インターバル時間が経過したか否かを判定する。特別図柄役物動作タイマが0となった場合には、「YES」の判定となり、ステップS172に進む。一方、まだ特別図柄役物動作タイマが0となっていない場合には、「NO」の判定となり、大当り終了処理を終了する。
ステップS171の判定が「YES」である場合、主制御基板24は、大当り終了時の各種設定1を行う(ステップS172)。具体的には、特別電動役物管理処理中の各ステップで使用した条件装置作動フラグ、連続回数カウンタ、最大連続回数バッファ等を全てクリアする。その後、ステップS173に進む。
ステップS173では、主制御基板24は、大当り終了時の各種設定2を行う。設定の詳細は、図5で説明した通りである。その後、ステップS174に進む。
ステップS174では、主制御基板24は、大当り終了時の各種設定3を行う。具体的には、特電動作ステータスを「00H」(大当り開始)にセットするので、次回の特別電動役物動作ステータス判定(図15:ステップS62)では、大当り開始処理(図15:ステップS63)に進むようになる。その後、ステップS175進む。
最後に、主制御基板24は、遊技状態報知情報を更新する(ステップS175)。例えば、この後に時短遊技状態に移行する場合には、時短中報知ランプをオンする。その後、大当り終了処理を終了する。以上、主制御基板24が行う処理について説明した。
以下では、図21を参照して、副制御側で行われるメイン処理について説明する。このメイン処理には、演出制御基板25の起動時に行われる初期化処理が含まれる。
まず、演出制御基板25は、初期化処理を行う(ステップS181)。これは、主に、演出制御基板25の各種初期設定を行うものであり、起動時に一度だけ行われる。その後、ステップS182に進む。
次に、演出制御基板25は、メインループ更新周期となったか否かを判定する(ステップS182)。メインループとは、後述するステップS184〜S189までの処理であるが、その更新周期は16msである。
ステップS182に進んだとき更新周期の16msが経過すると、「YES」の判定となり、ステップS184に進む。一方、16ms経過する前の状態では、更新周期となっていないので、「NO」の判定となる。この場合には、ステップS183に進む。
ステップS182の判定が「NO」である場合、演出制御基板25は、各種ソフト乱数の更新処理を行う(ステップS183)。その後、更新周期となるまでステップS182、S183の処理を繰り返す。このループの期間に、1ms周期のタイマ割込処理(図22参照)が実行されるが、演出制御基板25は、この割込処理回数をカウントして、上記の16msが経過したか否かを判定する。
ステップS182の判定が「YES」である場合、演出制御基板25は、LEDデータ更新処理を行う(ステップS184)。上述の通り、ステップS184〜S189はメインループの処理となるが、ここでは、枠装飾LED8、盤面装飾LED35のデータを更新することで、装飾LEDの発光態様を変化させる。その後、ステップS185に進む。
ステップS185では、演出制御基板25は、受信コマンド解析処理を行う。これは、演出制御基板25が受信、記憶した制御コマンド(演出コマンド、キャラクタコマンド等)の種別を解析し、それに応じた各種設定を行うものである。例えば、大当り開始処理(図16参照)の中で送信される「大当り開始インターバルコマンド」を受信した場合には、演出制御基板25は、開始インターバルを設定する。その後、ステップS186に進む。
ステップS186では、演出制御基板25は、メインシナリオ更新処理を行う。具体的には、受信した制御コマンドに応じて演出の更新を行うものである。その後、ステップS187に進む。
ステップS187では、演出制御基板25は、サウンド出力処理を行う。具体的には、シナリオに応じてスピーカ7からサウンドを出力させる。その後、ステップS188に進む。
ステップS188では、演出制御基板25は、ソレノイド更新処理を行う。具体的には、可動役物に用いられているソレノイドの詳細な動作を設定する。その後、ステップS189に進む。
最後に、演出制御基板25は、ノイズ対策用処理を行う(ステップS189)。具体的には、周辺LSIがノイズの影響を受けていないかチェックする。この処理が終了すると、ステップS182に戻り、以降の処理を継続して実行する。
次に、図22を参照して、副制御側のタイマ割込処理について説明する。これは、上述の副制御側メイン処理(図21参照)に対して、1ms周期で実行される割込処理である。
まず、演出制御基板25は、CPUレジスタの初期設定をする(ステップS191)。具体的には、ポートのリフレッシュ初期値の設定を行う。その後、ステップS192に進む。
ステップS192では、演出制御基板25は、出力処理を行う。具体的には、可動役物に用いられているソレノイドやモータの出力処理を行う。その後、ステップS193に進む。
ステップS193では、演出制御基板25は、操作ボタン入力状態更新処理を行う。演出制御基板25は、操作ボタン13の操作がされた場合に、入力状態を更新する。その後、ステップS194に進む。
ステップS194では、演出制御基板25は、スイッチ入力状態更新処理を行う。具体的には、ボリュームスイッチ31等の入力情報を確認し、その情報に応じた処理を行う。その後、ステップS195に進む。
ステップS195では、演出制御基板25は、液晶制御コマンド送信処理を行う。演出制御基板25は、例えば、演出用カウンタによって選択された演出コマンドを液晶制御基板26に向けて送信する。その後、ステップS196に進む。
ステップS196では、演出制御基板25は、モータ更新処理を行う。具体的には、可動役物に用いられているモータの詳細な動作設定をする。その後、ステップS197に進む。
ステップS197では、演出制御基板25は、LEDデータ出力処理を行う。具体的には、必要なタイミングで枠装飾LED8、盤面装飾LED35を点灯、点滅させるLEDデータ出力を行う。その後、ステップS198に進む。
最後に、演出制御基板25は、メインループ更新周期用ワークを1インクリメントする(ステップS198)。これは、メインループ処理(図21:ステップS184〜S189)の更新周期である16msをカウントするため、メインループ更新周期用ワークを1だけインクリメントする処理である。その後、タイマ割込処理を終了する。以上、本実施形態のパチンコ遊技機1の一連の動作を説明した。
上記のように、このパチンコ遊技機1では、当否の判定に基づいて複数のキャラクタの中から1つを選択し、キャラクタが登場するリーチ変動、SPリーチ変動の演出が実行される場合に、選択されたキャラクタが使用される。その後、大当りとなった場合には、特別遊技の演出においても選択されたキャラクタを使用できるように、キャラクタコマンドが演出制御側に送信される。これにより、偏りなくキャラクタが登場するようになり、しかも一連のキャラクタ演出を長期間に亘り実行することができるので、遊技者の興趣を高く維持することができる。
以上の説明では、演出情報テーブルを参照して、当否判定の際、1つのキャラクタを選択していたが、リーチ変動の態様で停止する装飾図柄に描かれているキャラクタが選択されるようにしてもよい。
例えば、装飾図柄に描かれているキャラクタが数字や文字の部分から分離して飛び出してくるような演出としてもよい。このようにすることで、リーチ変動となったタイミングからキャラクタ演出を開始することができる。
選択されたキャラクタは、液晶表示装置36での演出表示に限られず、そのキャラクタの音声であってもよい。また、そのキャラクタに関する可動役物や装飾LEDが配置されている場合には、それを動作させるようにしてもよい。
また、リーチ変動中に、遊技者に操作ボタン13を操作させるボタン演出があるが、このとき初めて選択されたキャラクタを登場させてもよい。また、特別遊技中の何れかのタイミングで行われる昇格演出や、エンディング演出で行われることがある保留内大当り予告にて選択されたキャラクタを登場させてもよい。また、上述した複数の演出を組み合わせて行ってもよい。
以上、本実施形態としてパチンコ遊技機について説明したが、本発明は弾球遊技機に限らず、回胴式遊技機、雀球式遊技機、アレンジボール機、封入式遊技機等にも適用可能である。