以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。第1実施形態では、遊技機の一例として弾球遊技機の一種であるパチンコ機、特に、第1種パチンコ遊技機を用いて説明する。なお、本発明を第2種パチンコ遊技機や第3種パチンコ遊技機や他の遊技機に用いることは、当然に可能である。
図1は、第1実施例のパチンコ機1の正面図である。パチンコ機1の左方には、カード読取ユニット(CRユニット)18が並設されている。パチンコ機1の前面(図1の紙面に対して手前側)には遊技盤2が配設されている。
遊技盤2の前面には略円弧状の外レール3が植立され、その外レール3の内側位置には円弧状の内レール4が植立されている。この内レール4および外レール3により囲まれた遊技盤2の前面には、球(打球)Pが打ち込まれる遊技領域5が形成されており、遊技領域5の周囲には、球Pが入賞することにより所定数(例えば、5個)の球Pが賞球として払い出される複数の普通入賞口6が配設されている。この複数の普通入賞口6が配設された遊技領域5の略中央部分には、複数種類の識別情報としての図柄等を表示する液晶ディスプレイ(LCD)7を備えた可変表示装置8が配設されている。なお、液晶ディスプレイ7に代えて、例えば、リール等を用いて可変表示装置を構成するようにしても良い。
遊技盤2の右斜め上方向には、パチンコ機1で発生した異常等を遊技者に示唆するためのエラー報知ランプ46が配設されている。このエラー報知ランプ46は、後述する払出カウントスイッチ66のカウント異常(エラー)や、同じく後述する払出用モータ62の駆動異常等が発生した場合に点灯されるランプである。遊技者は、このエラー報知ランプ46が点灯していることを認識することによって、パチンコ機1において何かしらの異常が発生していることを察知させることができる。従って、エラー報知ランプ46が点灯していた場合、遊技者は遊技を停止すると共に遊技場の従業員等に呼び掛け、その異常を解消させ得ることができる。
可変表示装置8の下方には、図柄作動ゲート(第1種始動口)9が配設されている。図柄作動ゲート9を球Pが通過することにより、第1種始動口スイッチ39(図2参照)がオンして、上述した可変表示装置8の変動表示が開始されると共に、所定数の球Pが賞球として払い出される。また、図柄作動ゲート9の下方には可変入賞装置10が配設されており、この可変入賞装置10の略中央部分には大入賞口の開口10aが穿設されている。この大入賞口の開口10aは、可変表示装置8の変動後の表示結果が予め定められた図柄の組み合わせ(大当たり表示)の1つと一致する場合に、球Pが入賞し易いように所定時間(例えば、30秒)経過するまで、又は、所定個数(例えば、10個)の球Pが大入賞口の開口10aへ入賞するまで、開放されるものである。この大入賞口の開口10aの開閉動作の行われ得る状態が、いわゆる所定の遊技価値が付与された状態(特別遊技状態、通称、「大当たり」状態)である。
可変入賞装置10の下方であって上述した遊技領域5外には前面扉板(腰板)11が配設され、この前面扉板11の前面には、球Pを貯留し、かつ、遊技領域5内に球Pを打ち込む球発射装置(図示せず)へ球Pを供給する上皿12が配設されている。上皿12の下方であって、パチンコ機1の下側部分には上皿12に貯留しきれなかった球Pを貯留するための下皿13が配設されている。上皿12の上方における前面扉板11の上部中央には、後述するカード読取ユニット(CRユニット)18により読み取られたカードの残高金額を表示するために、7セグメントLEDにより構成された残高表示器14が配設されている。この残高表示器14の右側には、後述するカード読取ユニット18のカード挿入口19に挿入されたカードを取り出す場合に押下される返却ボタン15が配設される一方、残高表示器14の左側には、貸球の払い出し(貸出)を開始する際に押下される貸出ボタン16が配設されている。また、貸出ボタン16の左側上方には貸出ボタン16が押下可能か否かを報知する貸出ボタンランプ17が配設されており、この貸出ボタンランプ17は、貸出ボタン16が押下可能な状態である場合に点灯される一方、貸出ボタン16が押下不可能な状態である場合に消灯される。よって、遊技者は、この貸出ボタンランプ17を視認することにより、貸出ボタン16が押下可能であるか、否かを判断することができる。
上記のように構成されたパチンコ機1の左側には、正面視長方形状のカード読取ユニット18が並設されている。カード読取ユニット18はカードに記憶された残高金額のデータを読み取るためのものであり、その上下方向における略中央部分には、金銭と同様の有価価値を有するカードを挿入するためのカード挿入口19が配設されている。このカード挿入口19の上方であって、カード読取ユニット18の上部にはカード利用可能ランプ20が配設されており、このカード利用可能ランプ20は、例えば、カード挿入口19へカードが挿入可能である場合に点灯される一方、カード挿入口19へカードが挿入不可能である場合に消灯される。よって、遊技者は、このカード利用可能ランプ20を視認することにより、カード読取ユニット18が使用可能であるか否かを判断することができる。
カード挿入口19とカード利用可能ランプ20との間部分であって、カード読取ユニット18の上側位置には、カードに記録された残高金額のデータに基づいて貸出金額を設定するための金額設定ボタン21が配設されており、この金額設定ボタン21を押下することにより貸出金額を100円、200円、300円又は500円に設定することができる。なお、通常、貸出金額は500円に設定されており、100円分の貸球(例えば、25球)に相当する球Pの払い出しを計5回(例えば、125球)行うものである。
金額設定ボタン21の下側には、端数表示ボタン22が配設されている。この端数表示ボタン22は、カードに記憶された残高金額が貸出金額の最低額(例えば、100円)に満たない場合に、その端数を残高表示器14に表示する際に押下されるものである。
端数表示ボタン22の下側には、略三角形状に形成された上下一対の連結台方向表示ランプ23が配設されている。この一対の連結台方向表示ランプ23は、カード読取ユニット18が接続されているパチンコ機1の配設(並設)方向を示すためのものであり、その内部にそれぞれ1つずつLEDが内蔵されている。よって、例えば、カード読取ユニット18が左側に並設されるパチンコ機(図示せず)に接続される場合には上側のLEDが点灯されるのである。この連結台方向表示ランプ23の下側には、1つのLEDで構成されたカード挿入中ランプ24が配設されており、このカード挿入中ランプ24は、カードがカード挿入口19に挿入されている場合に点灯される一方、カードがカード挿入口19に挿入されていない場合に消灯される。尚、カード利用可能ランプ20および連結台方向表示ランプ23は、カード読取ユニット18の電源投入とともに点灯される。
図2(a)は、パチンコ機1の電気的構成を示したブロック図である。特に、パチンコ機1の遊技内容の制御を行う主制御装置201と、主制御装置201からの制御信号に基づいて、賞球や貸球の払出制御を行う払出制御装置202、LCD7の表示制御や、スピーカ77の音声制御等を行う音声ランプ制御装置203、払出制御装置202に対して遊技球の貸し出しに関する制御信号を出力するカード読取ユニット18との電気的構成を示したブロック図である。
パチンコ機1の主制御装置201は、演算装置であるMPUと、そのMPUにより実行される各種の制御プログラムや固定値データ等を記憶したROMと、ワークメモリ等として使用されるRAMとを備えている。主制御装置201のMPUが実行する制御プログラムは、ROMに記憶されている。
主制御装置201のMPUは、普通入賞口6や図柄作動ゲート9等への入賞に基づいて、払出制御装置202に対して賞球を払い出すための賞球コマンドを生成して、出力する処理や、遊技の進行に基づいて、音声ランプ制御装置203に対して、LCD7に表示させる内容を指示する表示用コマンドや、スピーカ77等の音声制御を指示する音声用コマンド等が生成されて、出力する処理が実行される。
主制御装置201は、払出制御装置202と互いに制御信号を送受信可能にそれぞれ接続されている。また、主制御装置201から音声ランプ制御装置203に対しては、制御信号を一方向にのみ送信可能に接続されている。
払出制御装置202のMPUは、カード読取ユニット18と互いに制御信号を送受信可能にそれぞれ接続されている。払出制御装置202のMPUは、主制御装置201から出力される賞球コマンドを受信すると、その賞球コマンドに応じて、球排出装置を作動させて、遊技者に賞球を払い出す処理を実行する。
カード読取ユニット18からの貸し出し球の払出要求に応じて、球排出装置を作動させて、遊技者に貸球を払い出す処理を実行する。また、遊技者がカード読取ユニット18に挿入したカードの残高が表示される残高表示器14にカード読取ユニット18から出力されている信号を、後述するフォトトランジスタDGa〜DGcにより抽出(分岐)した信号が払出制御装置202に入力されている。
フォトトランジスタDGaは、後述する残高表示器14の百の位を示す7セグメントLED14a(7つのLED)を、それぞれ個別に点灯させるための各信号(7つのセグメント点灯信号)を、それぞれ個別に抽出(分岐)するものであり、7つのフォトトランジスタで構成されている。7つのフォトトランジスタDGaは、それぞれの信号を抽出(分岐)して、払出制御装置202へそれぞれ出力する構成となっている。なお、図3および図4には、7つあるフォトトランジスタDGaの1つを図示している。
フォトトランジスタDGbは、残高表示器14の十の位を示す7セグメントLED14bを、フォトトランジスタDGcは、残高表示器14の一の位を示す7セグメントLED14cを、それぞれフォトトランジスタDGaと同様の構成で抽出(分岐)する構成となっている。
払出制御装置202は、フォトトランジスタDGa〜DGcより出力された信号を受信すると、主制御装置201に対してその信号を示す信号を出力する。なお、本実施形態では、払出制御装置202は、フォトトランジスタDGa〜DGcより受信した信号に対して、特別な制御をすることなく、主制御装置201に出力する構成としたが、それに限られず、フォトトランジスタDGa〜DGcの信号を受信すると、払出制御装置202のMPUによりその信号が示す金額情報を判別して、その金額情報に基づく信号を主制御装置201へ出力するように構成してもよい。
また、金額情報によって、最小金額以上(本実施形態では、100円以上)であれば、カード読取ユニット18にカードが挿入されている状態であると判別して、その情報を主制御装置201に出力するように構成してもよい。このように構成することで、主制御装置201は、受信した金額情報を認識する処理を軽減することができる。
フォトトランジスタDGa〜DGcが出力した信号をそのまま、払出制御装置202を介して、主制御装置201に入力されるように構成してもよい。このように構成することで、払出制御装置202のMPUが行う処理を軽減できる。
なお、主制御装置201のMPUは、払出制御装置202からフォトトランジスタDGa〜DGcが出力した信号に基づく信号を受信すると、その信号より残高表示器14に表示されている残高を認識する処理を実行する。ここで、主制御装置201のMPUは、残高が最小金額以上(本実施形態では、100円以上)であれば、カード読取ユニット18に残高の残ったカードが挿入されている状態であると認識する。詳細については、後述するが、主制御装置201のMPUは、残高の残ったカードがカード読取ユニット18に挿入されていると判別した場合には、図5(a)示すように「カードが入っています!!」という文字や、図5(b)に示すように、「カードの残高は5000円です。」という判別したカード残高を遊技者に報知する文字を表示させるための表示用コマンドを音声ランプ制御装置203に出力するための処理を実行する。
カード読取ユニット18は、挿入されたカード情報を読み取って球貸に関する制御を実行するMPUとそのMPUが実行する制御処理に関するプログラムや各種データが記憶されたROM、各種制御データ等を一時的に記憶するためのRAMが設けられている。カード読取ユニット18の各種制御の詳細は、すでに公知のものであるので詳細な説明は省略する。
図3は、カード読取ユニット18とパチンコ機1との電気的な接続を示したブロック図である。カード読取ユニット18は、残高表示器14の7セグメントLED14a〜14cをそれぞれ点灯させるための信号を、3個のフォトトランジスタS1と、7個のフォトトランジスタS2とを介してパチンコ機1側に所定周期毎(例えば、1ms毎)に出力する。例えば、貸出ボタン16が操作されて、500円分の貸球が払い出された場合には、払出完了と共に、残高表示を500円減算した表示で点灯するように信号を切り替える。
3個のフォトトランジスタS1は、残高表示器14の百の位、十の位、一の位の3つの7セグメントLED14a〜14cに、それぞれ1つずつ対応して設けられている。また、7個のフォトトランジスタS2は、7セグメントLED14a〜14cを構成する、7つのセグメントSEGa〜SEGgに、それぞれ1つずつ対応して設けられている。
例えば、残高表示器14の百の位の7セグメントLED14aに対応するフォトトランジスタS1がオンした状態で、セグメントSEGdに対応するフォトトランジスタS2がオンすれば、残高表示器14の百の位のセグメントSEGdのLEDが点灯する。即ち、残高表示器14の百の位に「−」が表示される(図6参照)。また、残高表示器14の十の位の7セグメントLED14bに対応するフォトトランジスタS1がオンした状態で、7個のフォトトランジスタS2がすべてオンすれば、残高表示器14の十の位の7つのセグメントSEGa〜SEGgがすべて点灯して、十の位に「8」が表示される。
図4は、図3における、残高表示器14の7セグメントLED14a〜14cを点灯させるために、カード読取ユニット18から出力されている信号を、フォトトランジスタDGa〜DGcで抽出(分岐)して、払出制御装置202に出力する構成を示したブロック図である。ここで用いられるフォトトランジスタDGa〜DGcは、コレクタ側に抵抗が設けられており。コレクタからエミッタに流れる電流が大きくなりすぎてショートしてしまう不具合を防止している。また、エミッタ側はグランドに接続されている。また、本実施形態では、エミッタ側はグランドに接続することで、電流を引き込むことで、信号をアクティブにする構成としたが、図4のフォトトランジスタDGa〜DGcの変形例として示すように、払出制御装置202側に電流を流し込む構成とすることで、信号をアクティブにする構成としても良い。
フォトトランジスタDGaは、残高表示器14の7セグメントLED14aの各セグメントSEGa〜SEGgを点灯させるための信号を、それぞれ抽出(分岐)するためのものであり、7つのセグメントSEGa〜SEGgのそれぞれに対応して、1個ずつ、合計で7個設けられている。
また、フォトトランジスタDGbは、7セグメントLED14bの7つのセグメントSEGa〜SEGgに対応して、フォトトランジスタDGcは、7セグメントLED14cの7つのセグメントSEGa〜SEGgに対応して、それぞれフォトトランジスタDGaと同様に、合計で7個ずつ設けられている。なお、このフォトトランジスタDGa〜DGbは、残高表示器14の7セグメントLED14a〜14bが設けられているLED基板にそれぞれ設けられている。
このようにフォトトランジスタDGa〜DGcで、各セグメントSEGa〜SEGgの点灯信号を抽出(分岐)することで、カード読取ユニット18を介して、不正な電気的な信号をパチンコ機1側に出力することが防止できる。フォトトランジスタDGa〜DGcは、光で信号を伝えるので、電気的な配線が無いからである。よって、電気的な配線を不正に変更してなされる不正行為による被害を低減できる。なお、カード読取ユニット18とパチンコ機1との接続(信号の送受信)は、フォトダイオードを介して行っており、カード読取ユニット18から不正な電気的な信号が送受信されない構成となっている。
音声ランプ制御装置203は、主制御装置201から表示用コマンドや音声コマンド等の制御コマンドを受信可能に電気的に接続されている。なお、音声ランプ制御装置203から主制御装置201へはコマンドを送信できない、一方向への通信構成となっている。音声ランプ制御装置203には、LCD7やスピーカ77(音声出力装置)が電気的に接続されており、主制御装置201から受信したコマンドに基づいて、それぞれ各種コマンドを生成して出力することにより制御が実行される。
残高表示器14は、現在のカード残高が表示される7セグメントLED14a〜14cが3つ横に並べられて構成されている。残高の単位は100円単位となっており、例えば、百の位を示す7セグメントLED14aが0、十の位を示す7セグメントLED14bが5、一の位を示す7セグメントLED14cが0であれば、カードの残高が「5000円」であることを遊技者に示すこととなる。遊技球は、最低100円単位で遊技者に貸し出されるので、一の位を示す7セグメントLED14cに1が表示され、百の位の7セグメントLED14aと十の位の7セグメントLED14bとに0が表示される状態が最小の金額の表示となる。また、本実施形態では、カード読取ユニット18には1万円札が入金可能となっており、その残高を使い切るまでは、次の入金ができない構成となっている。よって、残高表示器14に表示される最大の残高は「100」である10000円を示す値となっている。
なお、本実施形態では、残高表示器14に表示される最低額を100円、最高額を10000円としたが、それに限るものではなく適宜、設定するように構成しても当然良い。
なお、カード読取ユニット18にカードが挿入されていない状態では、カード読取ユニット18は、残高表示器14の7セグメントLED14a〜14cにそれぞれ「−」を表示した「−−−」を表示する構成である。主制御装置201は、残高表示器14にこの「−−−」が表示されていると、払出制御装置202から出力されたフォトトランジスタDGa〜DGcの信号を示すコマンドより判別した場合には、カード読取ユニット18にカードが挿入されていない状態であると判別する。
また、主制御装置201は、払出制御装置202から出力されたフォトトランジスタDGa〜DGcの信号を示すコマンドから、カード残高が所定残高(例えば、1000円)以上あると判別した場合には、LCD7に表示する図5(a)、図5(b)の表示を赤い文字等のフォントの大きな目立つ文字(例えば、後述する残高が所定残高未満の時の、2倍のフォント)で表示して、さらに、スピーカ77より、その文字を音声で表した内容を出力するコマンドを生成して、音声ランプ制御装置203に対して出力する。
一方、残高が所定残高(本実施形態では、1000円)未満であると判別された場合には、図5(a)、図5(b)の表示は、白い文字等の、フォントの小さな文字(例えば、残高が所定残高以上の時の1/2のフォント)で表示され、スピーカ77からの文字の内容を示す報知はなされない。主制御装置201は、かかるコマンドを生成して、音声ランプ制御装置203に対して出力する。
このように構成することで、常に、大きな文字や、音声で報知されることで、遊技者にしつこく思われたり、同じ報知態様で報知されることで、慣れてしまい、報知内容に気づかなくなってしまうことを抑制できる。さらに、残高金額の大きい時には、報知態様が変化するので、遊技者に多大な損害が発生してしまうことを抑制できる。
また、残高表示器14には、パチンコ機1側またはカード読取ユニット18側の異常についても、エラーを表示する表示態様(本実施形態では、7セグメントLED14a〜14cのすべてのセグメントを点灯と消灯を繰り返す点滅表示態様)で表示する。主制御装置201は、残高表示器14にエラーを示す表示態様が表示されていると、払出制御装置202から出力されたフォトトランジスタDGa〜DGcの信号を示すコマンドより判別した場合には、図5(a)に示す表示態様のみを、所定残高以上の場合の表示態様で表示する。なお、この場合に、音声の表示はなされない。このように構成することで、カード読取ユニット18にカードの挿入状況や金額情報が認識できない状態でも、遊技者にカードの取り忘れを意識させることができ、遊技者のカードの取り忘れを防止できる。また、音声は出力しないことで、遊技者に長時間、カード報知の音声が出力されて、遊技者に不快な思いを抱かせることを防止できる。
なお、本実施形態では、残高表示器14にエラーが表示されている場合には、所定残高以上の時の表示をするように構成したが、それに限らず、エラーを示す報知態様を文字で表示するように構成してもよい。また、音声についても、所定時間の間だけ、報知するように構成してもよい。このように構成することで、遊技者に、長時間、同じ音声が出力されて、不快な思いをさせてしまうのを防止できる。
本実施形態では、カード読取ユニット18にカードが挿入されている信号について、7セグメントLED14a〜14cを点灯させる信号から抽出(分岐)した。しかし、それに限らず、カード読取ユニット18に残高の残っているカードが挿入されて、パチンコ機1側からも貸球の払出が可能な状態であることを示す遊技機レディー信号(PRDY)より抽出(分岐)するように構成してもよい。また、その遊技機レディー信号(PRDY)を受信した場合にカード読取ユニット18より出力される球貸可LED信号(TDLO)より抽出(分岐)するように構成してもよい。
なお、この球貸可LED信号(TDLO)は貸出ボタンランプ17を点灯させるための信号であり、この貸出ボタンランプ17が点灯することにより、遊技者は、貸出ボタン16が押下可能な状態であることが識別できる。このように構成することで、少ない信号線で、カード読取ユニット18に残高のあるカードが挿入されているか判別することができる。よって、パチンコ機1のハード構成を容易で安価なもので構成することができる。その他、カード読取ユニット18に残高のあるカードが挿入された場合に、信号を変化(アクティブまたはローアクティブに変化)する信号より抽出(分岐)するように構成してもよい。
また、カード読取ユニット18よりカードが挿入された場合にアクティブとなる専用の信号を払出制御装置202に出力する構成としてもよい。このように構成することで、常時、カード読取ユニット18にカードが挿入されたことを識別することができる。
また、フォトトランジスタDGa〜DGcから出力される信号に基づいて認識したカード情報に基づいて、LCD7で表示される抽選遊技の判別結果を示す特別図柄の変動表示態様(動的表示態様)の種別を選択するように構成してもよい。具体的には、カード残高が少ないときに、保留(図柄作動ゲート9を遊技球が通過したものの、特別図柄の作動中で直ぐに抽選遊技の結果について変動表示されないものを一時的に記憶する)に抽選結果が当たりとなる判定結果が記憶された場合には、「ギリギリで当たるね!!」という文字をLCD7に表示させることで、遊技者の状態に合わせた演出を行うことができる。なお、この演出は特別図柄の演出だけに限られず、図柄作動ゲート9に設けられた普通電動役物の羽根が開放すると判別された場合に、残り残高が少なければ、追加入金の準備を報知したり、また、第2種のパチンコ機で当たりとなった場合にも残り残高に基づいて、同様の報知をしてもよい。また、当たりとなった場合に、カード情報を判別して、カードを抜き取るように報知するように構成してもよい。このようにすることで、球貸の必要がなくなった場合に、速やかに遊技者にカードを抜き取るように告知でき、カードの抜き忘れ等を防止出来る。
また、遊技球が所定時間発射されなくなった場合や、操作ハンドルから遊技者が手を離した場合に、カード情報に基づいて、カードが挿入された状態であれば、抜き忘れを報知するように構成してもよい。このように構成することで、遊技者のカード抜き忘れを防止できる。操作ハンドルから遊技者が手を離したか否かは、操作ハンドルに設けたセンサーで検出できるし、遊技球が所定時間発射されなくなったことは、入賞口や図柄作動口などへの入賞または通過が所定時間以上ないことにより検出できる。更にはアウト口へセンサを設け、そのセンサがアウト球を所定時間以上検出できない場合に、遊技球が所定時間発射されなくなったことを検出できる。かかる場合に、カードが挿入されていれば、その旨を遊技者へ報知する。
更に、遊技者を検知する人感センサーをパチンコ機1に設けて、人感センサーがオフになった場合に、カードが挿入されていれば、抜き忘れを報知するように構成しても良い。このように構成することで、より確実に抜き忘れを報知できる。
また、本実施形態では、フォトトランジスタDGa〜DGcから払出制御装置202へは、それぞれ7本の信号線が接続されて、合計21本の信号線が接続される構成としたが、それに限らず、フォトトランジスタDGa〜DGc毎に出力される信号が入力されるICを設けて、払出制御装置202にその各ICから共通に出力される7本の信号線を接続する。払出制御装置202には、そのICを指定するチップセレクターを設けておき、そのチップセレクターから各ICに接続される3本の信号線が接続されている。よって、ICから払出制御装置202には10本の信号線が接続されることとなり、払出制御装置202に接続される信号線の本数を減らすことができる。ICは、中継基板等に設けるように構成しても良いし、残高表示器14の基板に設けるように構成してもよい。残高表示器14の基板に設ける場合には、プリント線により各ICへ接続することが可能となり、ハーネスの接続等の手間を減らすことができる。また、ICを払出制御装置202に設けて、主制御装置201と払出制御装置202との間のハーネスの本数を減らすように構成してもよい。
図2(b)は、第1実施形態の変形例1におけるパチンコ機1の電気的構成を示した図である。第1実施形態では、カード読取ユニット18にカードが挿入されているか、カード残高についての情報を、残高表示器14の7セグメントLED14a〜14cを点灯させる為の信号を抽出して、払出制御装置202に出力する構成とした。これに代えて変形例1では、該信号が主制御装置201に出力される構成となっている。また、カード読取ユニット18から出力される球貸に関する制御信号も主制御装置201と払出制御装置202とに出力する構成となっている。主制御装置201のMPUは、払出制御装置202から出力される制御信号によって、球貸が可能な状態であるか判断して、カード読取ユニット18に遊技機側レディ信号(PRDY)等を出力する構成となっている。また、主制御装置201のMPUは、カード読取ユニット18から制御信号を受信すると、その信号に対応した信号を払出制御装置202に出力する。
また、主制御装置201のMPUは、フォトトランジスタDGa〜DGcより出力された信号を抽出した信号に基づいて、残高のあるカードがカード読取ユニット18に挿入されているか、カードの残高情報について判別する。そして、その判別した情報に基づいて、第1実施形態と同様の報知をする処理が実行される。このように構成することで、カードの挿入情報や、カード残高情報が主制御装置201に直接入力されるので、制御を敏速に行うことができる。
なお、本実施形態では、カード読取ユニット18が出力する球貸に関する制御信号は、主制御装置201に出力する構成としたが、第1実施形態のように払出制御装置202に出力して、フォトトランジスタDGa〜DGcから出力される信号のみを主制御装置201に出力するように構成してもよい。このように構成することで、球貸に関する制御は、払出制御装置202が主制御装置201の指示に関わらず行うことができ、主制御装置201の制御負荷を軽減することができる。
次に、図2(c)は、第1実施形態の変形例2におけるパチンコ機1の電気的構成を示した図である。変形例2では、カード読取ユニット18から出力される球貸に関する制御信号が払出制御装置202と音声ランプ制御装置203とに出力され、フォトトランジスタDGa〜DGcから出力された信号を抽出した信号が音声ランプ制御装置203に対して出力される点で第1実施形態と相違する。このように構成することで、フォトトランジスタDGa〜DGcから出力される信号を音声ランプ制御装置203が直接受信しして、音声ランプ制御装置203のMPUがその受信した信号が示す、カード情報に基づいて、第1実施形態と同様の報知を行うことで、主制御装置201は報知をするための制御をする必要がなく、主制御装置201の制御負荷を軽減できる。また、音声ランプ制御装置203から主制御装置201に対しては、制御信号が出力されない構成であるので、カード読取ユニット18から出力される信号が主制御装置201に出力されないので、不正を低減できる。
なお、本実施形態では、カード読取ユニット18から出力される球貸に関する制御信号は、音声ランプ制御装置203に出力する構成としたが、球貸に関する信号は第1実施形態と同様に払出制御装置202に出力する構成として、フォトトランジスタDGa〜DGcから出力される信号のみが音声ランプ制御装置203に出力される構成としてもよい。このように構成することで、音声ランプ制御装置203は、払出制御装置202に対して、貸球に関する制御信号を出力する必要がなくなり、音声ランプ制御装置203の制御負荷を軽減することができる。
次に、図2(d)は、第1実施形態の変形例3におけるパチンコ機1の電気的構成を示した図である。変形例3では、フォトトランジスタDGa〜DGcから出力される信号が払出制御装置202に出力された後、払出制御装置202から音声ランプ制御装置203に対してフォトトランジスタDGa〜DGcから出力された信号を示す信号が出力される点で第1実施形態と相違する。このように構成することで、払出制御装置202から出力された信号が主制御装置201に出力されないので、主制御装置201に対する不正を抑制できる。また、主制御装置201を介さずに、フォトトランジスタDGa〜DGcから出力される信号を示す信号が音声ランプ制御装置203に出力され、音声ランプ制御装置203によりカード情報が判別されて、第1実施形態と同様の報知が実行されるので、主制御装置201の制御負荷を軽減することができる。
なお、第1実施形態および第1実施形態の変形例1〜3においては、封入式パチンコ機(遊技球が遊技者に直接払い出されず、遊技機内に収められた遊技球で遊技を行うパチンコ機)についても、用いることができる。封入式パチンコ機では、遊技機がカード読取ユニット18のカード情報を抽出して、報知や演出に用いるだけでなく、ホールコンピュータや管理コンピュータにも出力する構成が考えられる。
なお、第1実施形態および第1実施形態の変形例1〜3においては、カードを用いるカード読取ユニット18を用いる構成としたが、それに限らず、金額情報(有価価値)が記憶されたプリペイド媒体(有価価値記憶媒体)である例えば、ICチップの内蔵されたコインや、スティック等を用いる読取ユニットを用いることができる。
また、第1実施形態および第1実施形態の変形例1〜3においては、カード読取ユニット18を用いることで、メダルを貸し出すスロット遊技機(回動式遊技機)に対しても用いることが可能である。
また、その他の構成として、残高表示器14の7セグメントLEDの光量を検出する光センサーをパチンコ機1の枠体に設けて、その光センサーの信号を音声ランプ制御装置203に入力することで、カード情報の報知を行うように構成してもよい。カード情報の残高情報は、光量の大きさを残高表示に対応させて予め記憶しておき、検出した光量に基づいて、残高を判別したり、光センサーを画像認識センサーに変更して、画像認識により、残高表示を認識することで、カードの残高を検出するように構成してもよい。このように構成することで、パチンコ機1に不正を行うための信号がカード読取ユニット18を介して出力されるのを防止できる。また、実際に表示されている情報に基づいて、制御を実行することができるので、より正確な報知を行うことができる。また、残高表示の検出としては、LED表示の背面側や上面側、または周囲より検出することで、前面側にセンサーが配置されないので、遊技者の残高表示の視認性を損なってしまうことを防止できる。
<その他>
従来の遊技機には、遊技球等の遊技媒体の貸出を行うために、カードやコイン等の媒体を利用して遊技機に遊技媒体の貸出をさせる貸出用ユニット(カード読取ユニット)を遊技機に装着させるものが提案されていた(例えば、特許文献1:特開平11−221336号公報)。
しかしながら、かかる遊技機では、貸出用ユニット(カード読取ユニット)側からの指令により遊技機は遊技媒体を払いだす制御を行うのみであり、遊技機側では、貸出用ユニットの制御を行わない。よって、遊技機としては、貸出用ユニットにカードやコイン等が挿入された状態であるか判別ができなかった。このため、かかる遊技機では、遊技者にカードやコイン等の抜き忘れ等を知らせる制御を行えず、遊技者がカードやコイン等を抜き忘れてしまい、盗難や紛失の被害に遭うという問題点があった。
本技術的思想は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技者が遊技媒体の貸出用ユニット(カード読取ユニット)にカードやコイン等を抜き忘れることによる、遊技者の不利益を低減させる遊技機を提供することを目的としている。
<手段>
この目的を達成するために技術的思想1の遊技機は、有価価値情報が記録された記録媒体の情報に基づいて、遊技媒体の貸出を行う貸出制御信号を出力する貸出手段により、遊技機に設けられた表示手段に前記記録媒体の情報を表示するための信号が出力される。その信号が抽出手段により抽出されて、その抽出した信号に基づいて、前記記録媒体の情報に基づいた態様で遊技者に報知する。
<効果>
本技術的思想1の遊技機によれば、有価価値情報が記録された記録媒体の情報に基づいて、遊技媒体の貸出を行う貸出制御信号を出力する貸出手段により、遊技機に設けられた表示手段に前記記録媒体の情報を表示するための信号が出力される。その信号が抽出手段により抽出されて、その抽出した信号に基づいて、前記記録媒体の情報に基づいた態様で遊技者に報知するという効果がある。