以下、発明の実施の形態例を、図面を参照して説明するにあたり、便宜上、「特別図柄」の文言については「特図」と省略し、「普通図柄」の文言については「普図」と省略することにする。また、特に断らない限り、「遊技」とは、第1始動入賞口37aまたは第2始動入賞口37bに遊技球が入賞することを契機に行われる遊技のことを指すものとする。
図1および図2に示すように、本発明の第1の実施の形態例に係るパチンコ機Pは、遊技場の島設備に設置される縦長方形状の機枠1と、機枠1に扉状に開閉自在に取り付けられた本体枠2と、本体枠2の内側に収容される遊技盤3と、本体枠2の前面に扉状に開閉自在に取り付けられ、中央に大きく開口部8が形成されたガラス扉4と、このガラス扉4の開口部8に取り付けられた透明なガラス板10と、本体枠2の下側に開閉自在に配設され、遊技球を収容する受皿5を有する前面ボード6と、本体枠2の下部に設けられた発射装置9と、前面ボード6に取り付けられたハンドル7と、を具備している。さらに、ガラス扉4の上部にはスピーカ20が左右に1個ずつ取り付けられており、遊技に関する様々な効果音を発している。また、図3に示すように、このパチンコ機Pは、背面側に、主制御処理部100、払出・発射制御処理部105、サブ制御処理部(副制御処理部)200、賞球払出装置14等を備えている。続いて、図1〜図4を参照して、本実施形態に係るパチンコ機Pの構成を詳しく説明していくことにする。
遊技盤3は、図2に示すように、その盤面に遊技領域31を有しており、遊技領域31は、本体枠2に装着した後、ガラス板10を介して観察することができる。遊技領域31は、遊技球を滑走させるガイドレール32と遊技球規制レール33によって略円形状となるように区画形成されており、発射装置9によって遊技領域31の上部へ打ち出された遊技球はこの遊技領域31内を流下する。また、遊技領域31内には、演出図柄を変動および停止表示する演出表示装置34と、スルーチャッカ21と、電動チューリップ(普通電動役物)49と、ステージ36と、第1始動入賞口(始動口)37aおよび第2始動入賞口(始動口)37bと、一般入賞口38と、アウト口39と、遊技釘(図示せず)と、風車(図示せず)と、アタッカー装置41等が設けられている。また、遊技盤面の右下方の位置には、特図を変動および停止表示する特図表示装置17と、普図表示装置22とが設けられている。
なお、本実施形態では、第1始動入賞口37aと第2始動入賞口37bとは左右方向に間隔を空けて設けられており、発射装置9の発射強度が弱〜中のとき(所謂、ぶっこみ狙いで遊技球を発射した場合)には、遊技球は演出表示装置34の左側を流下して第1始動入賞口37aに入賞する可能性はあるが、第2始動入賞口37bには入賞することがない。
それに対して、発射装置9の発射強度を強にして遊技球を発射する(所謂、右打ちを行う)と、遊技球を第2始動入賞口37bに入賞させることができるが、右打ちを行うと、遊技球を第1始動入賞口37aに入賞させることは困難となるように設定されている。よって、右打ちを行っている場合には、殆ど第2始動入賞口37bにしか遊技球が入賞することはない。なお、第2始動入賞口37bは、電動チューリップ49が開放されない限り、その内部に遊技球が入賞することができない構成となっている。よって、遊技者は、通常、ぶっこみ狙いで遊技球を打ち出しながら遊技を進めることになる。
演出表示装置34は、遊技盤3の略中央部に設けられ、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞することを契機に行われる第1特図に係る電子抽選の結果、または第2始動入賞口37bに遊技球が入賞することを契機に行われる第2特図に係る電子抽選の結果に基づいて所定の演出態様を表示するものであって、本実施形態では液晶表示装置が用いられている。この演出表示装置34には、画面全体に背景画像が表示されるほか、所定の演出態様の一部として、特図表示装置17に変動表示される第1特図または第2特図と同期をとって演出図柄が変動表示されるようになっている。
さらに、この演出表示装置34には、保留球乱数が保留球乱数記憶部(メモリ)115a、115bに記憶された場合に保留表示(保留球乱数が記憶された旨の表示)を行うための表示領域が演出図柄の表示を邪魔しないように区画形成されている。具体的には、演出表示装置34の左下側に第1特図用保留球乱数記憶部115aに保留球乱数が記憶されたことを表示する第1保留球表示領域34aが設けられ、右下側に第2特図用保留球乱数記憶部115bに保留球乱数が記憶されたことを表示する第2保留球表示領域34bが設けられている。第1始動入賞口37aまたは第2始動入賞口37bに遊技球が入賞し、当該入賞により取得した特図用乱数が保留球乱数として記憶されたときに主制御処理部100から出力されるコマンドを受けると、これらの保留球表示領域34a,bに白色等の識別可能な色にて保留球の表示がなされる(図4参照)。
特図表示装置17は、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞することを契機に行われる第1特図に係る電子抽選の結果、または第2始動入賞口37bに遊技球が入賞することを契機に行われる第2特図に係る電子抽選の結果を表示するためのものである。より具体的には、特図表示装置17は、特図に係る抽選結果を、第1特図あるいは第2特図(例えば、数字や絵柄)を変動させた後に停止させるといった態様で表示する。
本実施形態では、特図表示装置17として7セグメント表示器が用いられている。この特図表示装置17は、演出表示装置34を見ている遊技者の視界に同時に入らないように遊技盤3の右下部分に離れて設けられている。そして、7セグメント表示器を点滅表示させることにより特図が変動し、その点滅が停止して点灯表示に変わることで特図の変動が停止する。この点滅中の時間が、特図(第1特図、第2特図)の変動時間である。
なお、本実施形態では、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことに基づく遊技と第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことに基づく遊技とが同時に進行することはない。より詳しくは、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことに基づく遊技より、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことに基づく遊技の方を優先して実行するように構成されている。即ち、第1特図用保留球乱数記憶部115aと第2特図用保留球乱数記憶部115bの両方に保留球乱数が記憶されている場合には、主制御処理部100は、第2特図用保留球乱数記憶部115bに記憶されている保留球乱数の方を先に読み出して遊技に係る処理を実行する。そのため、第1始動入賞口37aと第2始動入賞口37bの両方の抽選結果を同時に表示することはない。よって、2つの始動入賞口37a、37bに遊技球が入賞したことに基づく抽選の結果を1つの特図表示装置17で表示している。勿論、特図表示装置17を別個に2つ設けることもできることは言うまでもない。
スルーチャッカ21は、遊技球が通過可能なゲート構造を成しており、その内部には遊技球が通過したことを検知する磁気センサタイプのスルーチャッカ検知センサ46が内蔵されている。また、このスルーチャッカ21を遊技球が通過したことを契機に行われる普図に係る電子抽選の結果を表示するための普図表示装置22が、特図表示装置17の隣に設けられている。この普図表示装置22は、本実施形態では、二つのLEDランプで構成されており、普図当たりのときに一方のLEDランプが点灯し、ハズレのときには他方のLEDランプが点灯するようになっている。なお、2つのLEDランプを交互に点滅表示させることにより普図が変動し、その点滅が停止して点灯表示に変わることで普図の変動が停止する。この点滅中の時間が、普図の変動時間である。
なお、特図表示装置17の表示制御は、主制御処理部100の第1特図表示制御部101aおよび第2特図表示制御部101bによって行われ、普図表示装置22の表示制御は、主制御処理部100の普図表示制御部102によって行われている(図4参照)。
電動チューリップ49は、第2始動入賞口37bの入口に設けられ、遊技盤3の面に直交する軸を中心に回動する一対の羽根部材を備えており、ソレノイドに通電がなされると一対の羽根部材が互いに離れる方向に回動して、第2始動入賞口37bの入口を拡大するようになっている。そして、電動チューリップ49が開放されない限り、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞することはない。なお、電動チューリップ49は、一対の羽根部材が開閉する構造のものに限らず、その他の構造、例えば、板状部材が手前側に倒れることにより第2始動入賞口37bが露呈され、板状部材の上に乗ったパチンコ球が、そのまま板状部材に案内されて第2始動入賞口37bに入賞するような構造のもの(所謂、ベロ式電チュー)を用いることもできる。
また、ステージ36は、演出表示装置34の下方に配置されており、遊技球が転動しながら一時的に滞在する構造物である。このステージ36の中央には溝が形成されており、この溝の真下の位置には第1始動入賞口37aが配されている。そのため、溝から落下した遊技球は、高い確率で第1始動入賞口37aへと導かれる。
アタッカー装置41は、第1始動入賞口37aおよび第2始動入賞口37bに遊技球が入賞することを契機に行われる特図に係る電子抽選の結果、大当たり(特図当たり)となって大当たり遊技に移行した場合に所定回数開放される装置である。このアタッカー装置41は、水平な軸を中心として前後方向に開閉する板状の蓋部材を備えており、図示しないソレノイドを駆動することにより蓋部材が水平軸回りに回動する構成となっている。そして、蓋部材が開いた状態では遊技領域31の下部に設けられた大入賞口42が露呈され、その大入賞口42に遊技球を入賞させることができる構成となっている。
つまり、アタッカー装置41は、常態では蓋部材が大入賞口42を閉じているため、大入賞口42に遊技球が入賞することはないが、上記したように、大当たり遊技に移行すると、蓋部材が開放されて大入賞口42が露呈されるため、遊技球を大入賞口42内に入賞させることが可能となるのである。そして、大入賞口42に遊技球が入賞すると、所定個数の遊技球が賞球として遊技者に払い出される。即ち、遊技者は、大入賞口42に遊技球を入賞させることによって出玉を獲得できるのである。なお、大入賞口42は、横長な長方形の開口であり、アタッカー装置41の蓋部材は、この大入賞口42の形状とほぼ同じ形状を成している。
また、一般入賞口38に遊技球が入賞すると、所定個数の遊技球が賞球として遊技者に払い出される。そして、第1始動入賞口37a、第2始動入賞口37b、一般入賞口38、およびアタッカー装置41に入らなかった遊技球は、アウト口39から回収される。なお、第1始動入賞口37a、第2始動入賞口37b、一般入賞口38、大入賞口42の内部にはそれぞれ遊技球の通過を検知するためのセンサ43a、43b、44、45(図4参照)が設けられている。
前面ボード6には遊技球を収容するとともに、外部に排出可能な受皿5が取り付けられている。この受皿5は、遊技者が投入した遊技球を収容するだけでなく、賞球払出装置14から賞球として払い出された遊技球も収容可能となっている。また、遊技球を遊技領域31に向けて発射するための発射装置9が本体枠2の下部に取り付けられており、受皿5に収容されている遊技球がこの発射装置9に1個ずつ供給される。そして、前面ボード6の右下に取り付けられたハンドル7を回動させると、その回動量に応じた発射強度で発射装置9が遊技球を遊技領域31へと発射することができるようになっている。また、図1に示すように、受皿5の側部には、遊技者が押下操作する演出用タッチボタン60が設けられている。
また、パチンコ機Pは、図1に示すように、貨幣(紙幣)またはプリペイドカード(有価価値記憶媒体)に基づいて遊技球を貸出す台間機300と相互通信可能に接続されている。台間機300は、貨幣が挿入される貨幣挿入口310と、プリペイドカードが挿入され、あるいは挿入されたプリペイドカードが排出されるカード挿入・排出口320と、を備えている。なお、本実施形態では有価価値記憶媒体としてプリペイドカードを用いたが、これ以外にも例えばICカードや磁気カード等を使用可能である。また、有価価値記憶媒体の形状は、カードの形状に限られず、コイン(硬貨)の形状をしたプリペイドコインを有価価値記憶媒体として用いることも可能である。
さらに、パチンコ機Pは、カード挿入・排出口320にプリペイドカードが挿入されると、プリペイドカードに記憶された金額を度数として表示する度数表示装置71と、この度数表示装置71に度数を表示するように制御するCR基板(図示せず)と、台間機300に挿入されたプリペイドカードに基づいて遊技球を貸出す球貸スイッチ(球貸SW)72と、台間機300に挿入されたプリペイドカードをカード挿入・排出口320から排出させる返却スイッチ(返却SW)73とを備えている。なお、CR基板は、貨幣挿入口310に貨幣が挿入されると、プリペイドカードと同様に、挿入された貨幣の金額を度数として度数表示装置71に表示する。
主制御処理部100は、遊技盤3の裏面に支持部材等を介して設けられている。この主制御処理部100は、CPU、予め定められた制御プログラムを格納するROM、生成された処理情報の一時記憶および記憶した情報の削除を行うRAM(Random Access Memory)等により構成されている。このCPUがROMに格納された各種プログラムやデータを読み込んで実行することにより、遊技に関する主要な処理が行われる。
具体的には、図4に示すように、主制御処理部100は、始動入賞口37a、37bに遊技球が入賞したことを契機に特図に係る電子抽選を行う特図抽選処理部(特別図柄抽選手段)110と、この特図抽選処理部110が判定した抽選結果に応じて特図の種類を決定する特図種類決定処理部(特別図柄種類決定手段)120と、特図変動パターンコマンドを決定するための特図変動パターンコマンド決定部130と、所定条件が成立したことに基づいて遊技状態を所定の遊技状態へと移行させる遊技状態設定部(遊技状態設定手段)140と、特図抽選処理部110による抽選結果の判定が大当たりとなった場合にアタッカー装置41(のソレノイド)を作動させて大当たり遊技に移行する大当たり遊技制御部(大当たり遊技制御手段)160と、を備えている。
さらに、主制御処理部100は、スルーチャッカ21を遊技球が通過したことを契機に普図の当否に係る抽選を行う普図抽選処理部(普通図柄抽選手段)170と、普図の変動時間を決定する普図変動時間決定部190と、電動チューリップ49の作動を制御する電動チューリップ作動制御部180と、特図表示装置17の表示制御を行う第1特図表示制御部101aおよび第2特図表示制御部101bと、普図表示装置22の表示制御を行う普図表示制御部102と、を備えて構成されている。
特図抽選処理部110は、図5に示すように、周期的に入力されるクロック信号に基づいてカウンタの値を所定の範囲(例えば、0〜65535までの範囲)で1ずつ更新させることによりハードウェア乱数を生成する特図当否判定用乱数発生部111と、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことを契機に、第1特図の当否に係る抽選を行う第1特図当否抽選部119aと、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことを契機に、第2特図の当否に係る抽選を行う第2特図当否抽選部119bと、を備えて構成されている。即ち、本実施形態において、特図に係る抽選手段には、第1始動入賞口37aに入賞したことを契機に行うものと、第2始動入賞口37bに入賞したことを契機に行うものとの2つのものがある。
第1特図当否抽選部119aは、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことを契機に(第1始動入賞口検知センサ43aからの検知信号が主制御処理部100に入力されたタイミングで)、特図当否判定乱数発生部111で発生した特図当否判定用の乱数を1つ取得(ラッチ)する第1特図当否判定用乱数取得部112aと、この第1特図当否判定用乱数取得部112aが取得した乱数が大当たりであるか否かを、第1特図高確率判定テーブル116aまたは第1特図低確率判定テーブル117aを参照して決定する第1特図当否判定部113aと、第1特図当否判定用乱数取得部112aが乱数を取得したときに第1特図または第2特図が変動中である場合に、この取得した乱数を特図に係る保留球乱数として最大4個まで(別言すれば、所定個数である4個の上限まで)記憶する第1特図用保留球乱数記憶部115aと、を備えている。
ここで、図6に示すように、第1特図高確率判定テーブル116aは、特図低確率判定テーブル117aよりも、大当たりとなる確率が高くなっている。より詳しく言うと、第1特図高確率判定テーブル116aは、大当たりの当選確率が1/30、第1特図低確率判定テーブル117aは、大当たりの当選確率が1/300に設定されている。つまり、第1特図高確率判定テーブル116aの方が、第1特図低確率判定テーブル117aに比べて10倍大当たりに当選する確率が高くなるように設定されている。
より具体的には、第1特図の当否判定の結果は、第1特図低確率判定テーブル117aが参照される場合、特図当否決定用乱数の値が0〜217までのときに大当たりとなり、その値が218〜65535までのときにハズレとなる。また、第1特図高確率判定テーブル116aが参照される場合、その当否判定の結果は、特図当否決定用乱数の値が0〜2170までのときに大当たりとなり、その値が2171〜65535までのときにハズレとなる。
第2特図当否抽選部119bも第1特図当否抽選部119aと同様に、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことを契機に(第2始動入賞口検知センサ43bからの検知信号が主制御処理部100に入力されたタイミングで)、特図当否判定用乱数発生部111で発生した特図当否判定用の乱数を1つ取得(ラッチ)する第2特図当否判定用乱数取得部112bと、この第2特図当否判定用乱数取得部112bが取得した乱数が大当たりであるか否かを、第2特図高確率判定テーブル116bまたは第2特図低確率判定テーブル117bを参照して決定する第2特図当否判定部113bと、第2特図当否判定用乱数取得部112bが乱数を取得したときに第1特図または第2特図が変動中である場合に、この取得した乱数を特図に係る保留球乱数として最大4個まで(別言すれば、所定個数である4個の上限まで)記憶する第2特図用保留球乱数記憶部115bとを備えている(図4参照)。
ここで、図6に示すように、第2特図高確率判定テーブル116bは、第2特図低確率判定テーブル117bよりも大当たりとなる確率が高くなっており、より詳しく言うと、第2特図高確率判定テーブル116bは、大当たりの当選確率が1/30、第2特図低確率判定テーブル117bは、大当たりの当選確率が1/300に設定されている。つまり、第2特図高確率判定テーブル116bの方が、第2特図低確率判定テーブル117bに比べて10倍大当たりに当選する確率が高くなるように設定されている。
より具体的には、第2特図の当否判定の結果は、第2特図低確率判定テーブル117bが参照される場合、特図当否決定用乱数の値が0〜217までのときに大当たりとなり、その値が218〜65535までのときにハズレとなる。また、第2特図高確率判定テーブル116bが参照される場合、その当否判定の結果は、特図当否決定用乱数の値が0〜2170までのときに大当たりとなり、その値が2171〜65535までのときにハズレとなる。
なお、第1特図当否抽選部119aにおいて第1特図当否判定部113aが第1特図低確率判定テーブル117aを参照して当否を判定する構成、および第2特図当否抽選部119bにおいて第2特図当否判定部113bが第2特図低確率判定テーブル117bを参照して当否を判定する構成を特別図柄通常抽選手段と言う。また、第1特図当否判定部113aが第1特図高確率判定テーブル116aを参照して当否を判定する構成、および第2特図当否判定部113bが第2特図高確率判定テーブル116bを参照して当否を判定する構成を特別図柄高確率抽選手段と言う。
なお、第1特図当否抽選部119aが第1特図低確率判定テーブル117aを参照して第1特図の当否に係る抽選を行い、第2特図当否抽選部119bが第2特図低確率判定テーブル117bを参照して第2特図の当否に係る抽選を行う遊技状態を、以下、単に「特図低確(特図通常状態)」と言うことにし、第1特図当否抽選部119aが第1特図高確率判定テーブル116aを参照して第1特図の当否に係る抽選を行い、第2特図当否抽選部119bが第2特図高確率判定テーブル116bを参照して第2特図の当否に係る抽選を行う遊技状態を、以下、単に「特図高確(特図高確率状態)」と言うことにする。
先にも触れたが、第1特図用保留球乱数記憶部115aと第2特図用保留球乱数記憶部115bの両方に保留球乱数が記憶されている場合には、第2特図用保留球乱数記憶部115bに記憶されている方を優先的に読み出して大当たりであるか否かの判定が行なわれ、その判定に従って遊技が進行するような制御がなされている(特図2優先処理)。
次に、特図種類決定処理部120について説明する。上述した特図抽選処理部110が大当たりに当選しているか否かを決定するものであるのに対して、特図種類決定処理部120は、特図の種類を決定するためのものである。つまり、本実施形態では、特図に関する大当たりまたはハズレの決定は特図抽選処理部110によって行われるが、大当たりの内容(大当たり種別、大当たり遊技のラウンド数、アタッカー開放パターン、および電サポ回数)は特図種類決定処理部120によって決定される構成となっている。なお、上記した大当たりの内容についての詳細は後述する。
特図種類決定処理部120は、図7に示すように、周期的に(例えば4ミリ秒毎)入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲(例えば、0〜99までの範囲)で1ずつ更新させることによりソフトウェア乱数を生成する特図種類決定用乱数発生部121と、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことを契機に、抽選により第1特図の種類を決定するための第1特図種類抽選部129aと、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことを契機に、抽選により第2特図の種類を決定するための第2特図種類抽選部129bと、を備えている。本実施形態において、特図の種類の決定は、第1始動入賞口37aに入賞したことを契機に行うものと、第2始動入賞口37bに入賞したことを契機に行うものとの2つがある。
第1特図種類抽選部129aは、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことを契機に(第1始動入賞口検知センサ43aからの検知信号が主制御処理部100に入力されたタイミングで)、特図種類決定用乱数発生部121で発生した特図種類決定用の乱数を1つ取得する第1特図種類決定用乱数取得部122aと、この第1特図種類決定用乱数取得部122aが取得した乱数から、第1特図種類決定テーブル125aを参照して第1特図の種類を決定する第1特図種類決定部123aと、第1特図種類決定用乱数取得部122aが乱数を取得したときに第1特図または第2特図が変動中である場合に、この取得した乱数を最大4個まで(別言すれば、所定個数である4個の上限まで)記憶する第1特図種類決定用乱数記憶部124aと、を備えている。
第1特図種類決定テーブル125aは、図8(a)に示すように、特図種類決定用の乱数と第1特図の種類とが予め対応付けられたテーブル構成を成している。具体的には、15R通常時短有図柄、2R通常時短有図柄、15R特定時短有図柄、および2R特定時短無図柄の合計4種類の第1特図が第1特図種類決定テーブル125aに格納されており、これら4種類の第1特図のそれぞれに特図種類決定用乱数0〜99までの値が対応付けられている。そして、第1特図に割り当てられる特図種類決定用乱数値の範囲が異なるテーブル構成となっているから、第1特図のそれぞれが第1特図種類決定部123aによって選択される確率は異なるものとなる。
より詳細に説明すると、第1特図種類決定テーブル125aに格納された4種類の第1特図のうち、特図種類決定用乱数の値が0〜9までのものに対して「15R通常時短有図柄」が対応付けられており、当該乱数値が10〜27に対して「2R通常時短有図柄」が、当該乱数値が28〜32までのものに対して「15R特定時短有図柄」が、当該乱数値が33〜99までのものに対して「2R特定時短無図柄」が、それぞれ対応付けられている。
この図8(a)から明らかなように、「15R通常時短有図柄」に対応付けられた乱数の個数は、全体で100個の特図種類決定用乱数のうち10個であるから、「15R通常時短有図柄」が選択される確率は、10/100×100=10%である。その他の第1特図の選択確率についても同様にして求められ、「2R通常時短有図柄」の選択確率は18%、「15R特定時短有図柄」の選択確率は5%、「2R特定時短無図柄」の選択確率は67%となっている。
また、図7に示すように、第2特図種類抽選部129bも、同様に第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことを契機に、特図種類決定用乱数発生部121で発生した特図種類決定用の乱数を1つ取得する第2特図種類決定用乱数取得部122bと、この第2特図種類決定用乱数取得部122bが取得した乱数から、第2特図種類決定テーブル125bを参照して第2特図の種類を決定する第2特図種類決定部123bと、第2特図種類決定用乱数取得部122bが乱数を取得したときに第1特図または第2特図が変動中である場合に、この取得した乱数を最大4個まで(別言すれば、所定個数である4個の上限まで)記憶する第2特図種類決定用乱数記憶部124bと、を備えている。
第2特図種類決定テーブル125bは、図8(b)に示すように、特図種類決定用の乱数と第2特図の種類とが予め対応付けられたテーブル構成を成している。特図の種類は、第1特図種類決定テーブル125aと異なり、15R通常時短有図柄、15R特定時短有図柄の合計2種類の第2特図が第2特図種類決定テーブル125bに格納されており、これら2種類の第2特図のそれぞれに特図種類決定用乱数0〜99までの値が対応付けられている。
より詳細に説明すると、第2特図種類決定テーブル125bに格納された2種類の第2特図のうち、特図種類決定用乱数の値が0〜27までのものに対して「15R通常時短有図柄」が対応付けられており、当該乱数値が28〜99に対して「15R特定時短有図柄」が、それぞれ対応付けられている。
この図8(b)から明らかなように、「15R通常時短有図柄」に対応付けられた乱数の個数は、全体で100個の特図種類決定用乱数のうち28個であるから、「15R通常時短有図柄」が選択される確率は、28/100×100=28%である。「15R特定時短有図柄」の選択確率も同様に求められ72%となっている。
以上のことから、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞して大当たりに当選した場合と第2始動入賞口37bに遊技球が入賞して大当たりに当選した場合とでは、「15R特定時短有図柄」が選択される確率が、一方は5%であるのに対して他方は72%と各段に差がある。さらに、「2R通常時短有図柄」は、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞しても選択されることはないが、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞すると、18%の確率で選択される。同様に、「2R特定時短無図柄」は、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞しても選択されることはないが、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞すると、67%の確率で選択される。詳しくは後述するが、「15R特定時短有図柄」は獲得できる賞球数がおよそ1500個であるのに対して、「2R通常時短有図柄」および「2R特定時短無図柄」は獲得できる賞球数が殆ど無いので、第2始動入賞口37bの方が、第1始動入賞口37aに比べて、賞球数(出球数)において遊技者に有利である。なお、何れの始動入賞口に遊技球が入賞しても、後に述べる「確変」となる確率、即ち、確変当たりとなる確率は72%である。
次に、普図抽選処理部170について説明する。普図抽選処理部170は、図9に示すように、周期的に入力されるクロック信号に基づいてカウンタの値を所定の範囲(例えば、0〜65535までの範囲)で1ずつ更新させることによりハードウェア乱数を生成する普図当否判定用乱数発生部171と、スルーチャッカ21を遊技球が通過したことを契機に(スルーチャッカ検知センサ46からの検知信号が主制御処理部100に入力されたタイミングで)普図に係る抽選を行って当否を判定するための普図当否抽選部177と、を備えて構成されている。
普図当否抽選部177は、スルーチャッカ21を遊技球が通過したことを契機に、普図当否判定用乱数発生部171で発生した普図当否判定用の乱数を1つ取得(ラッチ)する普図当否判定用乱数取得部172と、この普図当否判定用乱数取得部172が取得した乱数が普図当たりであるか否かを、判定テーブルを参照して決定する普図当否判定部173と、普図当否判定用乱数取得部172が乱数を取得したときに普図が変動中である場合に、この取得した乱数を上限4個まで普図に係る保留球乱数として記憶する普図用保留球乱数記憶部174と、判定テーブルとして、普図当たりに当選する確率が低い普図低確率判定テーブル176と、この普図低確率判定テーブル176よりも普図当たりに当選する確率が高い普図高確率判定テーブル175とを備えている。
図示はしないが、普図高確率判定テーブル175は、普図低確率判定テーブル176よりも普図当たりとなる確率が高くなっており、より詳しく言うと、普図高確率判定テーブル175は、普図当たりの当選確率が1/1.1、普図低確率判定テーブル176は、普図当たりの当選確率が1/20に設定されている。つまり、普図高確率判定テーブル175の方が、普図低確率判定テーブル176に比べて格段に普図当たりに当選する確率が高くなるように設定されている。そして、普図高確率判定テーブル175を参照して抽選が行われると、殆どの場合、普図当たりに当選することになる。
なお、普図当否抽選部177において普図当否判定部173が普図低確率判定テーブル176を参照して当否を判定する構成を普通図柄通常抽選手段と言い、普図当否判定部173が普図高確率判定テーブル175を参照して当否を判定する構成を普通図柄高確率抽選手段と言う。
また、普図当否抽選部177が普図低確率判定テーブル176を参照して普図に係る抽選を行う遊技状態を、以下、単に「普図低確(普図通常状態)」と言うことにし、普図当否抽選部177が普図高確率判定テーブル175を参照して普図に係る抽選を行う遊技状態を、以下、単に「普図高確(普図高確率状態)」と言うことにする。
次に、図4に示す電動チューリップ作動制御部180は、普図抽選処理部170による抽選で普図当たりに当選した結果に基づいて、電動チューリップ49のソレノイドに通電して開閉するように制御している。この電動チューリップ作動制御部180は、「普図高確」中は、1回の普図当たりに対して、電動チューリップ49を開放時間1.2秒(インターバル0.8秒)で2回開放するよう制御し、「普図低確」中は、1回の普図当たりに対して電動チューリップ49を開放時間0.2秒で1回開放するように制御している。よって、普図高確中は、上述したように、普図抽選処理部170による抽選が行われる度に、殆ど普図当たりに当選し、その当選により電動チューリップ49が1.2秒×2回開放されるため、遊技者は、普図高確中の場合、普図低確中よりも、電動チューリップ49内に遊技球を比較的容易に入賞させることができる。
次に、遊技状態について説明する。本実施形態に係るパチンコ機Pには、遊技状態として「低確」、「時短」、「確変」および「潜確」の4つの遊技状態が設けられている。「低確」とは、特図低確かつ普図低確となっている状態をいう。電源投入後の初期状態やRAMクリア時の遊技状態は「低確」である。また、「時短」とは、特図低確かつ普図高確となっている状態をいい、「確変」とは、特図高確かつ普図高確となっている状態をいう。そして、「潜確」とは、特図高確かつ普図低確となっている状態をいう。
なお、「低確」が本発明における「通常遊技状態」に相当し、「時短」が本発明における「時短遊技状態」に相当し、「確変」が本発明における「確変遊技状態」に相当し、「潜確」が本発明における「潜確遊技状態」に相当する。
本実施形態では、先に述べた特図の種類が決定されると、その特図の種類から、大当たり種別、ラウンド数(大当たりラウンド数)、アタッカー開放パターン、大当たり遊技後に設定される電サポ回数が決まるようになっている。これについて、図10を参照しながら、以下、詳しく説明を行っていくことにする。
図10に示すように、各特図の種類には、それぞれ、大当たり種別、ラウンド数、アタッカー開放パターン、大当たり遊技後に設定される電サポ回数を規定した大当たりの内容が予め対応付けられている。
「大当たり種別」とは、大当たり遊技後における特図に係る遊技状態を特図低確とする「通常当たり」と、大当たり遊技後における特図に係る遊技状態を特図高確とする「確変当たり」との何れにするかを定めたものである。通常当たりの場合には、その後の遊技状態が特図低確となるので、なかなか次の大当たりに当選しないが、確変当たりの場合、その後の遊技状態が特図高確となるので、直ぐに次の大当たりに当選する可能性が高い。
「ラウンド数」とは、大当たり遊技中にラウンド遊技が何回実行されるかを定めたものである。本実施形態では、大当たり遊技中のラウンド遊技の回数が15ラウンド(R)のものと、2ラウンド(R)のものとに定められている。
「アタッカー開放パターン」とは、出玉有りの大当たり遊技か出玉が殆ど無い大当たり遊技かを定めたものであり、「フル開放」は出玉有りの大当たり遊技を示し、「高速開放」は出玉が殆ど無い大当たり遊技を示している。
本実施形態の大当たり遊技は、アタッカー装置41が所定回数だけ開閉するラウンド遊技を複数回連続して行う構成となっている。1回のラウンド遊技は、ラウンド遊技開始後にアタッカー装置41が開き、露呈した大入賞口42に所定個数(例えば10個)の遊技球が入賞すること、またはラウンド遊技が開始されてから所定時間(例えば30秒)が経過したことの何れかの終了条件(ラウンド終了条件)が成立すると終了する。本実施形態では、「フル開放」では、1回のラウンド遊技でアタッカー装置41が1回開閉するように設定されているのに対して、「高速開放」では、1回のラウンド遊技でアタッカー装置41が1回開閉するようになっている点については「フル開放」と同じであるが、1回の開放時間が0.2秒と極端に短い時間となるように設定されている点で相違する。
そのため、「フル開放」では、ラウンド遊技が開始されてから所定時間経過するよりも先に大入賞口42に所定個数の遊技球が入賞することが多く、遊技者は、それに応じた賞球(およそ1500個)を獲得することができる。つまり、「フル開放」は、およそ1500個の出玉のある大当たり遊技である。これに対して、「高速開放」では、ラウンド遊技中にアタッカー装置41が開放される時間が短いため、露呈した大入賞口42に遊技球を入賞させることは非常に困難である。その結果、遊技球が大入賞口42に入賞することのないまま、所定時間が経過してラウンド遊技の終了条件が成立してしまう場合が殆どである。そのため、「高速開放」では、大当たり遊技中に出玉を殆ど見込めないということになる。
なお、このアタッカー装置41の作動を制御して、特図の種類に応じたアタッカー開放パターンで大当たり遊技を提供しているのが、大当たり遊技制御部160であるが、この大当たり遊技制御部160については後ほど説明する。
「電サポ回数」とは、電動チューリップ49によるサポートを受けながら遊技を行うことができる遊技回数のことであり、より詳しくは、普図に係る遊技状態が普図高確の状態で、特図抽選処理部110による抽選を行うことのできる回数(即ち、第1特図に係る遊技回数および第2特図に係る遊技回数)のことである。本実施形態では、電サポ回数は、0回、100回および10000回の合計3種類が設けられている。なお、設定された電サポ回数に到達する前に大当たりに当選すると、その時点で残りの電サポ回数は消滅し、そして新たに当選した際に決定した特図の種類に応じた電サポ回数が付与されるようになることは言うまでもない。
ここで、先に述べたように、特図高確での大当たりの当選確率は1/30であるから、今回の大当たり遊技後から次回の大当たりまでの特図に係る遊技回数が10000回を超えることは皆無であり、特図高確で10000回遊技を行えば、ほぼ間違いなく大当たりに当選する。つまり、電サポ回数が10000回とは、電サポ回数が「次回の大当たりまで」であることを意味している。よって、「15R特定時短有図柄」の場合、次回の大当たりまで電動チューリップ49によるサポートを受けながら遊技を行うことができるということになる。
なお、本明細書において、適宜、電サポ回数が付与されている遊技区間のことを「電サポ中」と言うことにする。電サポ中は、電動チューリップ49内に遊技球を比較的容易に入賞させることができるので、電サポ中以外の遊技区間よりも、遊技球(賞球)をあまり減らすことなく遊技を行うことができる。
以上のように、特図抽選処理部110による抽選で大当たりに当選した場合に、特図種類決定処理部120により、特図の種類が決定されると、その種類に応じた大当たりの内容に従って大当たり遊技の制御が行われることとなる。そして、大当たり遊技の終了後、所定の電サポ回数が付与され、遊技状態設定部140は、特図の種類に基づいて、大当たり遊技後の特図に係る遊技状態と普図に係る遊技状態とを設定するように制御している。なお、特図の種類と大当たりの内容との対応関係は以下の通りである。
「15R通常時短有図柄」は、大当たり種別が通常当たりであり、ラウンド数が15ラウンドで、大当たり遊技でのアタッカー開放のパターンがフル開放となり、1回の大当たり遊技でおよそ1500個の出玉のある大当たりの内容に対応している。大当たり遊技の終了後、電サポ回数は100回付与され、遊技状態は、大当たり遊技の終了後から遊技が100回行われるまで、時短(特図低確かつ普図高確)に設定され、101回目以降、低確(特図低確かつ普図低確)に設定される。
「2R通常時短有図柄」は、大当たり種別が通常当たりであり、ラウンド数が2ラウンドで、大当たり遊技でのアタッカー開放のパターンが「高速開放」となり、殆ど出玉の無い大当たりの内容に対応している。大当たり遊技の終了後、電サポ回数は100回付与され、遊技状態は、大当たり遊技の終了後から遊技が100回行われるまで、時短に設定され、101回目以降、低確に設定される。
「15R特定時短有図柄」は、大当たり種別が確変当たりであり、ラウンド数が15ラウンドで、大当たり遊技でのアタッカー開放のパターンが「フル開放」となり、1回の大当たり遊技でおよそ1500個の出玉のある大当たりの内容に対応している。大当たり遊技の終了後、電サポ回数は10000回付与され、遊技状態は、次の大当たりまで確変(特図高確かつ普図高確)に設定される。
「2R特定時短無図柄」は、大当たり種別が確変当たりであり、ラウンド数が2ラウンドで、大当たり遊技でのアタッカー開放のパターンが「高速開放」となり、殆ど出玉の無い大当たりの内容に対応している。大当たり遊技の終了後、電サポ回数は付与されず(電サポ回数は0回付与され)、遊技状態は、次の大当たりまで潜確(特図高確かつ普図低確)に設定される。
なお、特図の種類のうち「15R通常時短有図柄」または「15R特定時短有図柄」が本発明における「第2図柄」(出玉有り図柄)に相当し、「2R通常時短有図柄」または「2R特定時短無図柄」が本発明における「第1図柄」(出玉無し図柄)に相当する。
なお、以下の説明をするにあたり、便宜上、15R通常時短有図柄のことを「15R通常図柄」と言うことにし、2R通常時短有図柄のことを「突時図柄」と言うことにし、15R特定時短有図柄のことを「15R確変図柄」と言うことにし、2R特定時短無図柄のことを「潜確図柄」と言うことにする。
なお、上記の特図の種類と大当たりの内容との対応関係については、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞した場合と第2始動入賞口37bに遊技球が入賞した場合とで同じである。即ち、何れの始動入賞口に遊技球が入賞しても、その入賞を契機に決定される特図の種類が同じであれば、それに対応する大当たりの内容も同じとなる。
次に、大当たり当選時に決定された特図の種類に基づいて大当たり遊技を提供する大当たり遊技制御部160について説明する。大当たり遊技制御部160は、図11に示すように、特図抽選処理部110による抽選で大当たりに当選した場合に、特図種類決定処理部120により、特図の種類が決定されると、この決定された特図の種類に応じたアタッカー開放パターンで大当たり遊技中のアタッカー装置41の開閉を制御するアタッカー装置開閉制御部161と、大当たり遊技中の演出に関するコマンドを所定のタイミングでサブ制御処理部200に備えられた演出制御処理部201に送信する大当たり演出パターンコマンド送信部(注意喚起画像指令手段)162と、今回の大当たりが「出玉有り初大当たり」であるか否かの判定を行う出玉有り初大当たり判定部169と、を備えて構成されている。
大当たり演出パターンコマンド送信部162は、大当たりに対応する特図の種類が決定されてから、この大当たりの当選に基づいて提供される大当たり遊技が終了するまでの期間において予め定められた指令タイミングで、大当たり情報(アタッカー開放パターン、ラウンド数等)、オープニング指定コマンド、ラウンド指定コマンド、インターバル指定コマンドおよびエンディング指定コマンドを演出制御処理部201に送信(出力)する。エンディング指定コマンドには、エンディング特殊コマンド(表示コマンド)とエンディング通常コマンドの2種類があり、大当たり演出パターンコマンド送信部162は、今回の大当たりが「出玉有り初大当たり」である場合には、エンディング特殊コマンドを送信する。大当たり演出パターンコマンド送信部162が大当たり情報および各コマンドをどのタイミングで演出制御処理部201に送信するかについては後ほど説明する。
出玉有り初大当たり判定部169は、大当たりに当選したことを契機として、報知フラグ1、報知フラグ2および報知フラグ3の何れか一つの報知フラグをオフからオンに設定する報知フラグ設定部163と、報知フラグ設定部163がオフからオンに設定した何れかの報知フラグを、所定の条件に基づいて報知フラグを解除する報知フラグ解除部164と、を備えて構成されている。
報知フラグ設定部163は、今回の大当たりが「出玉有り初大当たり」である場合には報知フラグ1をオフからオンに設定する一方、今回の大当たりが「出玉有り初大当たり」以外の大当たりである場合には、報知フラグ2または報知フラグ3をオフからオンに設定する。なお、今回の大当たりが「出玉有り初大当たり」であるかの判定については、後ほど詳しく説明する。
報知フラグ解除部164は、報知フラグ設定部163が一方の報知フラグをオンに設定した場合には、他方の報知フラグをオンからオフに設定し、遊技状態設定部140が普図の遊技状態を普図高確から普図低確に設定した場合には、全ての報知フラグをオフに設定する。
大当たり演出パターンコマンド送信部162は、報知フラグ1がオンに設定されている場合には、所定のタイミングで演出制御処理部201にエンディング特殊コマンドを送信し、報知フラグ2または報知フラグ3がオンに設定されている場合には、演出制御処理部201にエンディング通常コマンドを送信する。
次に、特図の変動時間を決定するための処理について説明する。特図の変動時間は、変動パターンコマンドというコマンドに含まれており、特図変動パターンコマンド決定部130が遊技の開始時に変動パターンコマンドを決定することにより、その遊技に係る特図の変動時間が決定されるようになっている。
特図変動パターンコマンド決定部130は、図12に示すように、変動パターンコマンドの決定に用いる変動パターン用乱数を発生させるための特図変動パターン用乱数発生部131と、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことに基づいて第1変動パターンコマンドを決定するための第1特図変動パターン抽選部130aと、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことに基づいて第2変動パターンコマンドを決定するための第2特図変動パターン抽選部130bと、を備えて構成されている。
特図変動パターン用乱数発生部131は、周期的(例えば4ミリ秒毎)に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲(例えば0〜179まで)で1ずつ更新させることによりソフトウェア乱数を生成するものである。
第1特図変動パターン抽選部130aは、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことを契機に、特図変動パターン用乱数発生部131にて発生した特図変動パターン用の乱数の中から1つの乱数を取得する第1特図変動パターン用乱数取得部132aと、この第1特図変動パターン用乱数取得部132aが取得した乱数から、特図共通変動パターンコマンドテーブル134を参照して第1変動パターンコマンドを決定する第1特図変動パターン決定部135aと、第1特図または第2特図が変動中の場合に、第1特図変動パターン用乱数取得部132aが取得した乱数を上限4個まで記憶する第1特図変動パターン用乱数記憶部133aと、を備えて構成されている。なお、第1特図変動パターン抽選部130aは、第1始動入賞口37aに遊技球が1個入賞すると、第1特図当否抽選部119aと同様に、その入賞につき1つの特図変動パターン用乱数を取得する。
第2特図変動パターン抽選部130bも第1特図変動パターン抽選部130aと同様に、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことを契機に、特図変動パターン用乱数発生部131にて発生した特図変動パターン用の乱数の中から1つの乱数を取得する第2特図変動パターン用乱数取得部132bと、この第2特図変動パターン用乱数取得部132bが取得した乱数から、特図共通変動パターンコマンドテーブル134を参照して第2変動パターンコマンドを決定する第2特図変動パターン決定部135bと、第1特図または第2特図が変動中の場合に、第2特図変動パターン用乱数取得部132bが取得した乱数を上限4個まで記憶する第2特図変動パターン用乱数記憶部133bと、を備えて構成されている。なお、第2特図変動パターン抽選部130bは、第2始動入賞口37bに遊技球が1個入賞すると、第2特図当否抽選部119bと同様に、その入賞につき1つの特図変動パターン用乱数を取得する。
特図共通変動パターンコマンドテーブル134は、第1特図変動パターン抽選部130aおよび第2特図変動パターン抽選部130bの両方の抽選部が共通で用いるテーブルであって、図13に示すように、通常変動パターンテーブル134a、短縮変動パターンテーブル134bの2つのテーブルを備えている。
通常変動パターンテーブル134aおよび短縮変動パターンテーブル134bの特徴について、図14を用いて説明する。なお、図中、「主要変動時間」とは、リーチが成立しない(または、リーチ扱いとならない)通常のハズレ変動時間のことである。また、図中、「特図1」は、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞した場合のことを、「特図2」は、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞した場合のことを、それぞれ示している。また、「保留記憶数」とは、保留球乱数として記憶されている個数のことであり、特図1についての保留記憶数は、第1特図用保留球乱数記憶部115aに記憶されている保留球乱数の個数のことを、特図2についての保留記憶数は、第2特図用保留球乱数記憶部115bに記憶されている保留球乱数の個数のことをそれぞれ指している。
通常変動パターンテーブル134aは、保留記憶数に応じて特図1の主要変動時間が異なるように設定されている。具体的には、第1特図用保留球乱数記憶部115aに記憶されている保留記憶数が0個と1個の場合、特図1の主要変動時間は12.5秒に設定され、保留記憶数が2個および3個の場合、特図1の主要変動時間は7秒に設定され、保留記憶数が4個の場合、特図1の主要変動時間は4秒に設定されている。つまり、保留記憶数が多くなると、主要変動時間は短くなるように設定されている。さらに、通常変動パターンテーブル134aには、特図2についての主要変動時間が特図1と全く同一の時間となるように規定されている。また、通常変動パターンテーブル134aは、リーチとなる確率が特図1、特図2共に1/20に設定され、さらに、リーチ時の変動時間が特図1、特図2共に20秒〜120秒に設定されている。
短縮変動パターンテーブル134bは、保留記憶数に応じて特図1の主要変動時間が異なるように設定されている。具体的には、第1特図用保留球乱数記憶部115aに記憶されている保留記憶数が0個と1個の場合、特図1の主要変動時間は7秒に設定され、保留記憶数が2個の場合、特図1の主要変動時間は4秒に設定され、保留記憶数が3個および4個の場合、特図1の主要変動時間は2秒に設定されている。つまり、保留記憶数が多くなると、主要変動時間は短くなるように設定されている。さらに、短縮変動パターンテーブル134bには、特図2についての主要変動時間が特図1と全く同一の時間となるように規定されている。また、短縮変動パターンテーブル134bは、リーチとなる確率が特図1、特図2共に1/30に設定され、さらに、リーチ時の変動時間が特図1、特図2共に60秒〜120秒に設定されている。なお、大当たりのときには、必ずリーチ時の変動時間が選択される。
ここで、変動パターンテーブル134a,134bによれば、特図の変動時間について次のことが言える。第1に、保留記憶数が0個〜4個の何れの場合においても、短縮変動パターンテーブル134bに規定されている主要変動時間より、通常変動パターンテーブル134aに規定されている主要変動時間の方が長い。第2に、短縮変動パターンテーブル134bより通常変動パターンテーブル134aの方がリーチとなる確率が高いことから、特図がリーチ時変動時間だけ変動する場合が多い。よって、短縮変動パターンテーブル134bを参照して決定される特図の変動時間より、通常変動パターンテーブル134aを参照して決定される特図の変動時間の方が相対的に長いということになる。
なお、本実施形態において、通常変動パターンテーブル134aは、遊技状態が「低確」(特図低確かつ普図低確)、あるいは「潜確」(特図高確かつ普図低確)の場合に参照される。短縮変動パターンテーブル134bは、遊技状態が「確変」(特図高確かつ普図高確)、あるいは「時短」(特図低確かつ普図高確)の場合に参照される。
上記のように構成された第1特図変動パターン抽選部130aは、第1特図に係る遊技の開始時に、第1特図当否抽選部119aによる当否抽選の結果と、第1特図用保留球乱数記憶部115aに現在記憶されている保留球乱数の記憶個数(保留記憶数)と、第1特図変動パターン用乱数取得部132aが取得した特図変動パターン用乱数とに基づき、通常変動パターンテーブル134aまたは短縮変動パターンテーブル134bを参照して第1変動パターンコマンドを決定している。また、第2特図変動パターン抽選部130bも同様にして、第2特図に係る遊技の開始時に第2変動パターンコマンドを決定している。
変動パターンコマンドの具体例を、図15を参照しながら以下に説明する。なお、図15中の「擬似連」とは、1回の遊技中に、複数の演出図柄を変動させた後にハズレを示す態様で仮停止させ、再び複数の演出図柄を変動させるといった演出表示を繰り返すことによって、実際には1回の遊技であるものの、擬似的に複数回の遊技を行っているかのように見せる演出のことであり、擬似連の回数とは、その擬似的に行う演出上(見せかけ)の遊技回数のことである。
図15(a)は、第2特図当否抽選部119bによる当否判定の結果が「ハズレ」の場合において、短縮変動パターンテーブル134bを参照した場合の特図変動パターン用乱数の値と第2変動パターンコマンドとの関係、および変動パターンコマンドの内容について示したものである。また、図15(b)は、第2特図当否抽選部119bによる当否判定の結果が「大当たり」の場合において、短縮変動パターンテーブル134bを参照した場合の特図変動パターン用乱数の値と第2変動パターンコマンドとの関係、および変動パターンコマンドの内容について示したものである。
図15(a)に示すように、ハズレのときに短縮変動パターンテーブル134bが参照される場合においては、特図変動パターン用乱数の値が0〜5までの何れかであるとき、それらに対応する第2変動パターンコマンドは、変動パターンNo.B31〜B36の何れかとなる。これら変動パターンNo.B31〜B36には、変動時間が60秒〜120秒までの何れかのリーチ変動時間が規定されている。よって、特図変動パターン用乱数の値が0〜5までの場合、保留記憶数とは関係なく、変動パターンNo.に規定されているリーチ変動時間となる。なお、前述したように、短縮変動パターンテーブル134bのリーチ確率は1/30であるため、リーチとなる特図変動パターン用乱数の個数は、合計180個のうち6個となっている。
これに対して、特図変動パターン用乱数の値が6〜179までの何れかであるとき、それらに対応する第2変動パターンコマンドは、保留記憶数に応じて変動パターンNo.B37〜B39の何れかとなる。具体的には、第2変動パターンコマンドは、保留記憶数が0〜1個のとき変動時間7秒の変動パターンNo.B37となり、保留記憶数が2個のとき変動時間4秒の変動パターンNo.B38となり、保留記憶数が3〜4個のとき変動時間2秒の変動パターンNo.B39となる。
また、図14(b)に示すように、大当たりのときに短縮変動パターンテーブル134bが参照される場合においては、特図変動パターン用乱数の値が0〜179の何れの値であっても、必ずリーチとなる変動パターンコマンドが決定される。具体的には、第2変動パターンコマンドは、特図変動パターン用乱数の値が0〜19までの場合に変動パターンNo.B41となり、当該乱数値が20〜49の場合に変動パターンNo.B42となり、当該乱数値が50〜89の場合に変動パターンNo.B43となり、当該乱数値が90〜129の場合に変動パターンNo.B44となり、当該乱数値が130〜159の場合に変動パターンNo.B45となり、当該乱数値が160〜179の場合に変動パターンNo.B46となる。
なお、図14から明らかなように、変動パターンの番号がB31〜B39までの場合はハズレであり、B41〜B46までの場合は大当たりであることが分かる。つまり、変動パターンの番号に基づいて大当たりまたはハズレが判別できるということになる。
次に、払出・発射制御処理部105について説明する。払出・発射制御処理部105は、図4に示すように、主制御処理部100と相互通信可能に接続されているうえ、台間機300とも中継基板を介して相互通信可能に接続されており、賞球払出装置14の払出モータの駆動を制御することにより、所定個数の賞球や貸球を払い出したり、発射ボリュームの値に応じて発射装置9の発射用モータ(発射用ロータリーソレノイドが用いられることもある)の駆動を制御することにより、所定の発射強度で遊技球を発射できるようにしたり、整流器の球送りソレノイドの駆動を制御することにより、遊技球を1個ずつ発射装置9に送り出すようにする等の処理を担っている。なお、台間機300が払出・発射制御処理部105と電気的に接続されていない場合には、発射装置9から遊技球が発射されることはないように制御されている。
台間機300に備えられた貨幣挿入口310に貨幣が挿入されると、CR基板は、挿入された紙幣の金額に応じた度数を度数表示装置71に表示する。また、遊技者が所有等しているプリペイドカードがカード挿入・排出口320に挿入されると、CR基板は、プリペイドカードに記憶された金額に応じた度数を度数表示装置71に表示する。本実施形態では、金額が百円に対し「1度数」が度数表示装置71に表示されるようになっている。
例えば、遊技者が、貨幣挿入口310に千円の紙幣を挿入すると、CR基板は、度数表示装置71に10度数を表示するよう制御する。そして、パチンコ機Pに備えられた球貸スイッチ72が1回操作されると、賞球払出装置14は、125個の貸球(遊技球)を受皿5に排出し、CR基板は、プリペイドカードに記憶された度数を5度数減算して、度数表示装置71に10度数―5度数=5度数を表示する。プリペイドカードに記憶された度数が「0度数」となると、これ以上、球貸スイッチ72を操作しても、賞球払出装置14は、遊技球を受皿5に排出しない。なお、プリペイドカードを遊技場に設置された精算機に挿入すると、プリペイドカードに記憶されている度数に応じた貨幣(紙幣)が精算機から払い戻されるようになっている。
ここまで、主に主制御処理部100が行う各処理について説明したが、ここからは、主制御処理部100からコマンドを受けて各種演出を行うためのサブ制御処理部200について説明する。図4に示すように、サブ制御処理部200は、演出制御処理部201と、枠ランプや盤面ランプ等の各種ランプの制御を行うためのランプ制御処理部202と、スピーカ20やサウンドプロセッサ等の制御を行うための音声制御処理部203と、を備えて構成され、図3に示すように遊技盤3の裏面に支持部材等を介して設けられている。
演出制御処理部201は、図16に示すように、処理部として、遊技中または大当たり遊技中に用いる演出態様を決定する演出態様決定部210と、演出態様決定部210が決定した演出態様を演出表示装置34に表示するよう制御する演出表示制御部220と、保留球演出表示制御手段表示領域34a,bに保留球を表示する制御を行う保留球表示制御部230と、を備えている。
演出態様決定部210は、特図に係る変動パターンコマンドに基づいて今回の遊技に用いる演出態様を決定する。また、演出態様決定部210は、大当たり演出パターンコマンド送信部162から送信される大当たり情報に基づいて今回の大当たり遊技に用いる演出態様を決定する。
演出表示制御部220は、演出態様決定部210が決定した大当たり遊技に用いる演出態様(大当たり演出画像)を、所定のタイミングで演出表示装置34に表示するよう制御する。演出表示制御部220が大当たり演出画像を演出表示装置34に表示する様子については詳しく後述する。
さらに、演出制御処理部201は、記憶部として、演出態様記憶部260を備えている。この演出態様記憶部260には、遊技中に演出表示装置34に表示させる演出態様を記憶した通常演出テーブル261aおよび短縮演出テーブル261bと、大当たり遊技中に演出表示装置34に表示させる演出態様を記憶した大当たり演出テーブル262と、が格納されている。
各演出テーブル261a、bには、変動パターンコマンドに対応する演出態様(演出画像データ)が複数記憶されており、より詳細に言えば、特図の変動時間毎に、リーチ内容の異なる演出画像データが複数記憶されている。例えば、変動時間60秒の演出画像データとして対決系リーチA、変動時間90秒の演出画像データとして対決系リーチB、ストーリー系リーチA、実写系リーチA、変動時間120秒の演出画像データとして、ストーリー系リーチB、実写系リーチB、といった種類の画像データが用意されている。そして、演出態様決定部210は、遊技開始時に第1または第2変動パターンコマンドが送られてくると、その変動パターンコマンドに規定されている変動時間およびリーチ内容に対応する演出画像データの中から1つを抽選で選択する。こうして、今回の第1特図に係る遊技または第2特図に係る遊技に用いる演出態様が決定されることになる。
なお、変動パターンNo.に規定された変動時間と演出態様として規定されている演出時間とが同じ時間となるように両者が予め対応付けられているから、特図表示装置17に表示させる特図の変動開始および停止と、演出表示装置34に表示させる演出図柄の変動開始および停止とを同期して表示させることができるのである。
大当たり演出テーブル262には、図17に示すように、大当たり遊技中のラウンド遊技回数が15ラウンドの場合に用いられる15R通常大当たり演出画像262aおよび15R特殊大当たり演出画像262bと、ラウンド遊技回数が2ラウンドの場合に用いられる2R大当たり演出画像262cと、が予め記憶されている。
15R通常大当たり演出画像262aおよび15R特殊大当たり演出画像262bは、オープニング用画像、各ラウンド遊技用画像、各インターバル用画像およびエンディング用画像(大当たり遊技終了画像)で構成されている。2R大当たり演出画像262cは、オープニング用画像およびエンディング用画像のみで構成されており、各ラウンド遊技用画像および各インターバル用画像は含まれていない。
オープニング用画像は、1回目のラウンド遊技が開始される前の6秒間に演出表示装置34に表示される画像であり、大当たり遊技が開始したことを遊技者に報知するための画像である。15R通常大当たり演出画像262aおよび15R特殊大当たり演出画像262bには、オープニング用画像として15Rオープニング用画像が記憶され、2R大当たり演出画像262cには、2Rオープニング用画像が記憶されている。なお、オープニング用画像が演出表示装置34に表示されている区間のことを、以下「オープニング区間」と言うことにする。
ラウンド遊技用画像は、ラウンド遊技が行われている間(アタッカー装置41が開いてからラウンド終了条件が成立してアタッカー装置41が閉じるまでの間)に演出表示装置34に表示される画像である。15R通常大当たり演出画像262aおよび15R特殊大当たり演出画像262bには、各ラウンド遊技用画像として1R遊技用画像〜15R遊技用画像が記憶されている。1R遊技用画像は1回目のラウンド遊技に、2R遊技用画像は2回目のラウンド遊技に表示される画像であり、各ラウンド遊技用画像は、対応する各ラウンド遊技に表示されるようになっている。本実施形態例では、各ラウンド遊技用画像は、それぞれ異なる画像となっているので、遊技者が各ラウンド遊技用画像を見ると現在行われているラウンド遊技が何回目であるかを判別できるようになっている。
インターバル用画像は、ラウンド遊技と次のラウンド遊技の間の4秒間に演出表示装置34に表示される画像である。15R通常大当たり演出画像262aおよび15R特殊大当たり演出画像262bには、各インターバル用画像として1Rインターバル用画像〜14Rインターバル用画像が記憶されている。例えば、1Rインターバル用画像は、1回目のラウンド遊技が終了してから2回目のラウンド遊技が開始されるまでの区間に表示される画像である。また、14Rインターバル用画像は、14回目のラウンド遊技が終了してから15回目のラウンド遊技が開始されるまでに表示される画像であり、次の15回目のラウンド遊技が最後のラウンド遊技であることを遊技者に報知する画像となっている。なお、1R遊技用画像の表示が開始してから15R遊技用画像の表示が終了するまでの区間のことを、以下「ラウンド遊技区間」と言うことにする。このラウンド遊技区間が本発明の「複数回のラウンド遊技が行われる区間」に相当する。
エンディング用画像は、最終ラウンド遊技終了後〜大当たり遊技後の1回目の遊技が開始される前までの区間(大当たり遊技終了区間)に演出表示装置34に表示される画像であり、大当たり遊技が終了することを遊技者に報知するための画像である。15R通常大当たり演出画像262aには通常エンディング用画像が、15R特殊大当たり演出画像262bには特殊エンディング用画像が、2R大当たり演出画像262cには、2Rエンディング用画像が記憶されており、これらのエンディング用画像はそれぞれ異なる画像となっている。なお、エンディング用画像が演出表示装置34に表示されている区間のことを、以下「エンディング区間」と言うことにする。このエンディング区間が本発明の「大当たり遊技終了区間」に相当する。
通常エンディング用画像は、14秒間の画像データで構成されており、特殊エンディング用画像は、この14秒間の通常エンディング用画像と2秒間の注意喚起画像263で構成されている。この注意喚起画像263は、図18に示すように、プリペイドカードを台間機300から排出することを促す画像である。なお、2R大当たり演出画像262cには、この注意喚起画像263は記憶されていない。
このように、演出態様決定部210は、大当たり演出パターンコマンド送信部162から送信される大当たり情報に基づいて、今回の大当たり遊技に用いる演出態様を、15R通常大当たり演出画像262a、15R特殊大当たり演出画像262bおよび2R大当たり演出画像262cの中から決定する。そして、注意喚起画像263は、15R特殊大当たり演出画像262bにのみ記憶されている。なお、演出態様決定部210が大当たり演出画像を決定する処理については後述する。
保留球表示制御部230は、主制御処理部100から保留球乱数が記憶された旨のコマンドを受信すると、それに従って、第1保留球表示領域34aまたは第2保留球表示領域34bに白色の保留球を表示するよう制御している。
次に、本発明の第1の実施の形態例に係るパチンコ機Pにおける遊技の処理の手順について図19を参照して説明するが、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞した場合の第1特図に係る遊技処理と第2始動入賞口37bに遊技球が入賞した場合の第2特図に係る遊技処理とは同じであるため、以下では、第1特図に係る遊技処理についてのみ説明する。
図19に示すように、遊技球が第1始動入賞口37aに入賞したか否かを主制御処理部100は判断する(ステップS1)。入賞した場合(ステップS1でYes)には、第1特図当否判定用乱数取得部112aは特図当否判定用の乱数を取得し、第1特図種類決定用乱数取得部122aは特図種類決定用の乱数を取得し、第1特図変動パターン用乱数取得部132aは特図変動パターン用の乱数を取得する(ステップS2)。
第1特図または第2特図が変動中の場合(ステップS3でYes)には、ステップS2で取得した特図当否判定用乱数を第1特図用保留球乱数記憶部115aに、特図種類決定用乱数を第1特図種類決定用乱数記憶部124aに、特図変動パターン用乱数を第1特図変動パターン用乱数記憶部133aに、それぞれ記憶する(ステップS4)。このとき、保留球表示制御部230が白色の保留球を第1保留球表示領域34aに表示する。そして、ステップS3の手前に戻って、今回の入賞に係る遊技の順番が来るまで待機する。なお、既に第1特図用保留球乱数記憶部115aに、上限である4個の保留球乱数が記憶されている場合には、ステップS4の処理は行われないということは言うまでもない。
一方、第1特図および第2特図の何れも変動していない場合、即ち、遊技の順番が来た場合(ステップS3でNo)には、ステップS5にて大当たり判定処理が行われる。つまり、ステップS2で取得した特図当否判定用乱数が大当たりであるか否かを第1特図当否判定部113aが判断する。
次いで、ステップS6にて、特図種類決定処理が行われる。具体的には、ステップS5での大当たり判定処理の結果、大当たりと判定された場合には、第1特図種類決定部124aが、ステップS2で取得した特図種類決定用乱数に基づいて、その大当たりに対する特図の種類を決定する。即ち、図8(a)を参照して、「15R通常図柄」、「突時図柄」、「15R確変図柄」および「潜確図柄」の中から1つの第1特図の種類を、このステップS6で決定する。この決定された第1特図の種類に応じて、今回の大当たりが確変当たりと通常当たりの何れであるか、大当たり遊技におけるラウンド数が何回であるか、アタッカー開放パターンがフル開放と高速開放の何れであるか、および、大当たり遊技終了後の電サポ回数が何回であるかが決定されることになる。一方、ステップS5でハズレと判定された場合には、図8(a)が参照されることなくハズレに対する第1特図が決定されてステップS6の処理は終了する。
なお、ステップS6にて、大当たりに対応する特図の種類が決定されると、大当たり演出パターンコマンド送信部162は、大当たり情報(アタッカー開放パターン、ラウンド数等)を演出制御処理部201に送信する。
次いで、ステップS7にて、特図変動パターンコマンド決定処理が行われる。この特図変動パターンコマンド決定処理では、ステップS2で取得した特図変動パターン用乱数に基づいて、第1特図変動パターン決定部135aは、通常変動パターンテーブル134a、短縮変動パターンテーブル134bのうち何れかを参照して第1変動パターンコマンドを決定する。
次いで、ステップS8にて、演出態様決定処理が行われる。この演出態様決定処理では、演出態様決定部210が、各演出テーブル261a,bを参照して、入力された第1変動パターンコマンドに基づいて今回の遊技に用いる演出態様を決定する。
次いで、ステップS9にて、第1特図表示制御部101aが特図表示装置17に第1特図の変動表示を開始させ、演出表示制御部220が演出表示装置34にステップS8で決定された演出態様の表示を開始する。
次いで、ステップS10で、第1特図表示制御部101aが特図表示装置17に第1特図を停止表示させる。このとき、特図表示装置17に停止表示される図柄は、ステップS5で大当たりと判定された場合には、ステップS6にて決定された第1特図の種類に対応した当たり図柄となるが、ステップS5でハズレと判定された場合には、ハズレに対応したハズレ図柄となる。
次いで、停止した第1特図が大当たりの組合せで確定している場合(ステップS11でYes)は、大当たり遊技制御部160は、第1特図の種類に応じた所定のアタッカー開放パターンでアタッカー装置41を開放して大当たり遊技を提供する(ステップS12)。この大当たり遊技の処理手順についてはこの後詳しく説明する。
大当たり遊技処理が終了すると、ステップS13に進む。遊技状態設定処理として、遊技状態設定部140は、次の遊技における特図の遊技状態を特図低確または特図高確に設定すると共に、普図の遊技状態を普図高確または普図低確に設定する。
なお、ステップS11でYesの場合、即ち、今回の遊技にて大当たりに当選した場合には、ステップS6にて決定された特図の種類に基づいて遊技状態設定部140は、次の遊技における遊技状態を設定する。ステップS11でNoの場合、即ち、今回の遊技にて大当たりに当選しなかった場合には、前回の大当たり遊技の終了後に設定された電サポ回数に応じて、普図に係る遊技状態を普図高確または普図低確に設定する。
例えば、前回の大当たり遊技の終了後に設定された電サポ回数が100回であったとすると、今回の遊技が前回の大当たり遊技後から100回目の遊技に該当する場合には、ステップS13にて遊技状態設定部140は、普図に係る遊技状態を普図高確から普図低確に設定する。今回の遊技が前回の大当たり遊技後から99回目以内の遊技に該当する場合には、ステップS13にて遊技状態設定部140は、普図に係る遊技状態を普図高確に設定する。また、今回の遊技が前回の大当たり遊技後から101回目以降の遊技に該当する場合には、ステップS13にて遊技状態設定部140は、普図に係る遊技状態を普図低確に設定する。
このステップS13で、次回の遊技における遊技状態が設定されると、1回の第1特図に係る遊技処理が終了する。また、ステップS11でNoの場合は、大当たり遊技が提供されることなくステップS13に進んで、次遊技の遊技状態が設定される。なお、ステップS1でNoの場合は遊技が行われることなく終了となる。
次に、ステップS12で行われる大当たり遊技処理について、図20を用いて説明する。大当たり遊技制御部160は、大当たり遊技を開始させる前に、ステップS21にて、出玉有り初大当たり判定処理を行う。出玉有り初大当たり判定処理については詳しく後述するが、報知フラグ設定部163は、今回の大当たりが「出玉有り初大当たり」である場合には報知フラグ1をオンに設定し、今回の大当たりが「出玉有り初大当たり」以外の大当たりである場合には、報知フラグ2または報知フラグ3をオンに設定する。
ステップS22にて、大当たり演出パターンコマンド送信部162は、大当たり情報およびオープニング指定コマンドを演出制御処理部201に送信する。この大当たり情報には、大当たり種別の情報、ラウンド数の情報、アタッカー開放パターンの情報、出玉有り初大当たり判定処理によって何れの報知フラグがオンに設定されているかの情報等、今回の大当たりに関する情報が含まれている。
ステップS22にて送信された大当たり情報を演出制御処理部201が受信すると、演出制御処理部201は、この大当たり情報に基づいて大当たり演出決定処理を行う。この大当たり演出決定処理について、図21を用いて説明する。
ステップS31にて、演出態様決定部210は、ラウンド数の情報が15R(ラウンド)であるかを判断し、15Rである場合には(Yes)、ステップS32に進む。
ステップS32にて、演出態様決定部210は、報知フラグ1がオンに設定されている情報であるかを判断して、報知フラグ1がオンに設定されている情報である場合には(Yes)、大当たり演出テーブル262の中から今回の大当たり遊技中に使用する演出用の画像を、「15R特殊大当たり演出画像262b」に決定し(ステップS33)、大当たり演出決定処理を終了する。
一方、ステップS32でNoの場合、即ち、報知フラグ2がオンに設定されている情報である場合には、演出態様決定部210は、今回の大当たり遊技中に使用する演出用の画像を、「15R通常大当たり演出画像262a」に決定し(ステップS34)、大当たり演出決定処理を終了する。
なお、ステップS31でNoの場合、即ち、ラウンド数の情報が2Rである場合には、演出態様決定部210は、今回の大当たり遊技中に使用する演出用の画像を「2R大当たり演出画像262c」に決定し(ステップS35)、大当たり演出決定処理を終了する。
このように、演出態様決定部210は、大当たり遊技制御部160から送信された大当たり情報に基づいて、今回の大当たり遊技中に使用する演出用の画像を、大当たり演出テーブル262に記憶されている各大当たり演出画像262a〜cの中から決定する。
図20に説明を戻し、ステップS23にて、大当たり遊技制御部160は、大当たり演出パターンコマンド送信部162がオープニング指定コマンドを送信してから6秒が経過したかを判断し、6秒が経過している場合には(Yes)、ステップS24に進む。6秒が経過していない場合には(No)、6秒が経過するまでステップS23が繰り返し行われる。なお、演出制御処理部201がオープニング指定コマンドを受信してから6秒間は、オープニング用画像が演出表示装置34に表示されている。
ステップS24にて、大当たり演出パターンコマンド送信部162は、演出制御処理部201に1ラウンド指定コマンドを送信し、アタッカー装置開閉制御部161は、アタッカー装置41が開放されるように制御する。これにより1回目のラウンド遊技が開始される。
ステップS25にて、大当たり遊技制御部160は、アタッカー装置41が開放されているかを判断し、開放されていない場合には(No)、ステップS26に進み、開放されている場合には(Yes)、アタッカー閉鎖処理を開始する。以下、アタッカー閉鎖処理について図22を用いて説明する。
ステップS41にて、アタッカー装置開閉制御部161は、アタッカー開放パターンが「フル開放」であるかを判断し、フル開放である場合には(Yes)、ステップS42に進む。
ステップS42にて、アタッカー装置開閉制御部161は、大入賞口42内に遊技球が10個入賞したかを判断し、10個入賞していない場合には(No)、ステップS43に進む。
ステップS43にて、アタッカー装置開閉制御部161は、アタッカー装置41が開放されてから30秒経過したかを判断し、30秒経過していない場合には(No)、ステップS42の手前に戻り、ステップS42およびステップS43が繰り返し行われる。
ステップS42でYesの場合、即ち、大入賞口42内に遊技球が10個入賞した場合、またはステップS43でYesの場合、即ち、アタッカー装置41が開放されてから30秒経過した場合には、ステップS44に進む。
ステップS44にて、アタッカー装置開閉制御部161は、アタッカー装置41を閉鎖し、大当たり演出パターンコマンド送信部162は、演出制御処理部201に今回のラウンド遊技に対応した各インターバル指定コマンドを送信してアタッカー閉鎖処理を終了する。アタッカー装置41が閉鎖されることにより1回のラウンド遊技が終了となる。
このように、アタッカー開放パターンがフル開放の場合には、ラウンド終了条件成立(ステップS42でYesまたはステップS43でYes)まで大入賞口42が露呈するので、遊技者は大入賞口42内に遊技球を入賞させることが可能となる。そして、大入賞口42に遊技球が入賞すると、所定個数の遊技球が賞球として遊技者に払い出される。
一方、ステップS41にて、Noの場合、即ち、フル開放でない場合(高速開放の場合)には、ステップS45に進み、アタッカー装置開閉制御部161は、大入賞口42内に遊技球が10個入賞したかを判断し、10個入賞していない場合には(No)、ステップS46に進む。アタッカー装置41が開放されてから0.2秒経過したかを判断し、0.2秒経過していない場合には(ステップS46でNo)、ステップS45の手前に戻り、ステップS45およびステップS46が繰り返し行われる。
ステップS46でYesの場合、即ち、大入賞口42内に遊技球が10個入賞した場合、またはステップS46でYesの場合、即ち、アタッカー装置41が開放されてから0.2秒経過した場合には、ステップS47に進む。
ステップS47にて、アタッカー装置開閉制御部161は、アタッカー装置41を閉鎖して、アタッカー閉鎖処理を終了する。なお、アタッカー開放パターンが「フル開放」の場合と異なり、「高速開放」の場合には、ステップS47にて、大当たり演出パターンコマンド送信部162は、演出制御処理部201にインターバル指定コマンドを送信しない。これは、本実施形態例において、アタッカー開放パターンが「高速開放」の場合は、ラウンド数が2Rとなるので(図10参照)、大当たり演出決定処理にて、大当たり遊技中に用いられる演出(画像)は「2R大当たり演出画像262c」に決定されるが、「2R大当たり演出画像262c」には、インターバル用の画像が記憶されていないためである。なお、各インターバル指定コマンドを演出制御処理部201が受信すると、演出表示制御部220は、各インターバル指定コマンドに対応した各インターバル用の画像を演出表示装置34に表示する。
このように、アタッカー開放パターンが「高速開放」の場合には、上述したラウンド終了条件成立(ステップS45でYesまたはステップS46でYes)となるので、露呈した大入賞口42に遊技球を入賞させることは非常に困難である。このため、大当たりに対応した特図の種類が「突時図柄」および「潜確図柄」である場合には、大当たり遊技中に出玉を殆ど見込めないということになる。
図20に説明を戻し、ステップS26にて、大当たり遊技制御部160は、インターバル中であるかを判断し、インターバル中でない場合には(No)、ステップS27に進み、インターバル中である場合には(Yes)、アタッカー開放処理を開始する。以下、アタッカー開放処理について図23を用いて説明する。
大当たり遊技制御部160はアタッカー装置開閉制御部161がアタッカー装置41を閉鎖してから4秒が経過したかを判断し、4秒が経過した場合には(ステップS51でYes)、ステップS52に進む。4秒が経過していない場合には(ステップS51でNo)、4秒が経過するまでステップS51が繰り返し行われる。
ステップS52にて、大当たり遊技制御部160は、大当たり遊技中のラウンド遊技の回数が15Rであるかを判断し、15Rである場合には(Yes)、ステップS53に進む。
ステップS53にて、アタッカー装置開閉制御部161は、アタッカー装置41を開放し、大当たり演出パターンコマンド送信部162は、次に行われるラウンド遊技の回数に対応するラウンド指定コマンドを演出制御処理部201に送信し、アタッカー開放処理を終了する。アタッカー装置41が再び開放されると(次のラウンド遊技が開始されると)、遊技者は、露呈された大入賞口42内に遊技球を入賞させることが可能となる。
一方、ステップS52でNoの場合、即ち、ラウンド遊技回数が15Rでない場合(2Rの場合)には、アタッカー装置開閉制御部161は、アタッカー装置41を開放し、アタッカー開放処理を終了する。なお、ラウンド遊技回数が「15R」の場合と異なり、「2R」の場合には、ステップS54にて、大当たり演出パターンコマンド送信部162は、演出制御処理部201にラウンド指定コマンドを送信しない。これは、本実施形態例において、ラウンド遊技回数が「2R」の場合は、大当たり演出決定処理にて、大当たり遊技中の演出は「2R大当たり演出画像262c」に決定されるが、「2R大当たり演出画像262c」には、ラウンド遊技用の画像が記憶されていないためである。なお、各ラウンド指定コマンドを演出制御処理部201が受信すると、演出表示制御部220は、各ラウンド指定コマンドに対応した各ラウンド遊技用の画像を演出表示装置34に表示する。
図20に説明を戻し、ステップS27にて、大当たり遊技制御部160は、最終ラウンド遊技が終了したかを判断し、最終ラウンド遊技が終了している場合には(Yes)、ステップS28に進む。最終ラウンド遊技が終了していない場合には(No)、ステップS25の手前に戻り、最終ラウンド遊技が終了するまで、ステップS25〜ステップS27の各ステップが繰り返し行われる。なお、ラウンド遊技回数が15Rの場合には、最終ラウンド遊技は15回目のラウンド遊技となり、ラウンド遊技回数が2Rの場合には、最終ラウンド遊技は2回目のラウンド遊技となる。
ステップS28にて、大当たり演出パターンコマンド送信部162は、エンディング指定コマンドを、演出制御処理部201に送信して、大当たり遊技処理を終了する。大当たり演出パターンコマンド送信部162は、今回の大当たり遊技中に行われるラウンド遊技の回数が15Rである場合には、エンディング指定コマンドとしてエンディング特殊コマンドまたはエンディング通常コマンドを演出制御処理部報知201に送信し、2Rである場合には、2Rエンディングコマンドを演出制御処理部201に送信する。大当たり演出パターンコマンド送信部162は、報知フラグ1がオンに設定されている場合には、エンディング特殊コマンドを送信する。
このように、大当たり遊技制御部160は、大当たりに対応する特図の種類に基づいてアタッカー装置41の開放と閉鎖の制御を行うと共に、大当たり情報、オープニング指定コマンド、ラウンド指定コマンド、インターバル指定コマンド、エンディング指定コマンドを、上記したタイミングで演出制御処理部201に送信する。
次に、出玉有り初大当たり判定処理部169が行う出玉有り初大当たり判定処理の手順について図24を参照しながら説明する。なお、これ以降の説明をするにあたり、特図抽選処理部110による抽選で大当たりに当選し、特図種類決定処理部120が特図の種類を「15R通常図柄」または「15R確変図柄」に決定した場合の大当たりのことを、「出玉有り大当たり」と言うことにし、特図種類決定処理部120が特図の種類を「突時図柄」または「潜確図柄」に決定した場合の大当たりのことを、「出玉無し大当たり」と言うことにする。
ステップS61にて、報知フラグ設定部401は、今回の大当たりが「出玉有り大当たり」であるかを判断し、「出玉有り大当たり」である場合には(Yes)、ステップS62に進む。
次いで、報知フラグ設定部401は、普図に係る遊技状態が普図低確の状態で今回の出玉有り大当たりに当選したかを判断し、普図低確の状態で当選した場合には(ステップS62でYes)、ステップS68に進む。
一方、ステップS62でNoの場合、即ち、普図高確の状態で今回の出玉有り大当たりに当選した場合には、ステップS63に進む。なお、普図高確であるということは、各報知フラグのうち何れか1つの報知フラグがオンに設定されているということになる。
次いで、ステップS63にて、報知フラグ設定部401は、報知フラグ3がオンに設定されているかを判断し、オンに設定されている場合には(ステップS63でYes)、ステップS68に進む。後ほど詳しく説明するが、報知フラグ3がオンに設定されているということは、前回の大当たり遊技が「突時図柄」または「潜確図柄」に基づく大当たり遊技であったということになるが、先に述べたように「潜確図柄」に基づく大当たり遊技後は、普図に係る遊技状態が普図低確となるので、前回の大当たり遊技が「潜確図柄」に基づく大当たり遊技であれば、ステップS62でNoとなることはない。したがって、ステップS63でYesである場合は、前回の大当たり遊技が「突時図柄」に基づく大当たり遊技であったことが判別できる。
ステップS68にて、報知フラグ設定部401は、報知フラグ1をオフからオンに設定する。ステップS68で報知フラグ1がオンに設定されたことにより、報知フラグ解除部402は、報知フラグ3がオンに設定されていた場合には、報知フラグ3をオンからオフに設定し、出玉有り初大当たり判定処理が終了する。以上のことから、報知フラグ設定部401が、報知フラグ1をオフからオンに設定するケースには、例えば、次の3つのケースがある。
1つ目のケースは、遊技者が遊技を開始して初めて大当たりに当選し、初めての大当たりが「出玉有り大当たり」であった場合である。初めての大当たりであるため、遊技状態が低確(特図低確かつ普図低確)の状態で今回の出玉有り大当たりに当選したことになる。このため、1つ目のケースは、プリペイドカードから遊技球を借りて遊技を行っている状態で、今回の「出玉有り大当たり」に当選したと言える。
2つ目のケースは、前回の大当たり遊技が「15R通常図柄」に基づく大当たり遊技であって、遊技状態が低確の状態で今回の出玉有り大当たりに当選した場合である(ステップS62でYes)。「15R通常図柄」に基づく大当たり遊技が提供されると100回の電サポ回数が設定されるが(図10参照)、この電サポ中は、大当たり遊技で獲得したおよそ1500個の賞球をあまり減らすことなく、遊技を続けることが可能である。しかし、この大当たり遊技後の遊技回数が101回目以降は、獲得した賞球を減らしながら遊技を継続しなければならず、しかも、特図に係る遊技状態は特図低確であるので(大当たりの当選確率は1/300)なかなか次の大当たりに当選しない。このため、2つ目のケースは、前回の大当たり遊技で獲得した賞球をすべて使い切り、プリペイドカードから遊技球を借りて遊技を行っている状態で、今回の「出玉有り大当たり」に当選した可能性が高い場合である。
3つ目のケースは、前回の大当たりが出玉無し大当たりで、その当選時の遊技状態が低確に設定されていた場合であって、前回の大当たり遊技後に遊技状態が時短(特図低確かつ普図高確)または潜確(特図高確かつ普図低確)に設定され、その時短状態(ステップS63でYes)または潜確状態(ステップS62でYes)で、今回の出玉有り大当たりに当選した場合である。このような場合には、前回の大当たり遊技で賞球を殆ど獲得できないので、前回の大当たり遊技後にプリペイドカードから遊技球を借りて遊技を行っている状態で今回の「出玉有り大当たり」に当選した可能性が高い。
このように、報知フラグ設定部401が報知フラグ1をオンに設定する場合とは、遊技者がプリペイドカードから遊技球を借りて遊技を行っている状態で、今回の出玉有り大当たりに当選した、あるいは今回の出玉有り大当たりに当選した可能性が高い場合である。また、今回の大当たり遊技ではおよそ1500個の賞球を獲得可能であるため、今回の大当たり遊技終了後に、プリペイドカードから遊技球を借りなくても、今回の大当たり遊技で獲得した賞球を用いて遊技を継続することが可能となる場合である。なお、報知フラグ1をオフからオンに設定する契機となった大当たりのことを「出玉有り初大当たり」と言うことにする。
一方、ステップS61でNoの場合、即ち、今回の大当たりが「出玉無し大当たり」である場合には、ステップS64に進む。報知フラグ設定部401は、報知フラグ1がオンに設定されているかを判断し、オンに設定されていない場合には(ステップS64でNo)、ステップS65に進む。
ステップS65にて、報知フラグ設定部401は、報知フラグ2がオンに設定されているかを判断し、オンに設定されていない場合には(No)、ステップS66に進む。なお、報知フラグ1および報知フラグ2がオンに設定されていないということは(ステップS65でNo)、全ての報知フラグがオフに設定された状態(普図低確の状態)で今回の出玉無し大当たりに当選した、あるいは報知フラグ3がオンの状態で今回の出玉無し大当たりに当選したということになる。
ステップS66にて、報知フラグ設定部401は、報知フラグ3をオフからオンに設定し、あるいは引き続き報知フラグ3をオンに設定して、出玉有り初大当たり判定処理が終了する。以上のことから、報知フラグ3がオンに設定されるケースには、例えば、次の2つのケースがある。
1つ目のケースは、普図低確の状態で(ステップS65でNo)、今回の出玉無し大当たりに当選した場合である。普図低確の状態で大当たりに当選した場合には、プリペイドカードから遊技球を借りて遊技を行っている状態で、今回の出玉無し大当たりに当選した可能性が高く、さらに、今回の大当たり遊技では殆ど賞球を獲得することができない。このため、今回の大当たり遊技後も引き続きプリペイドカードから遊技球を借りて遊技を行う必要性が高い。
2つ目のケースは、報知フラグ3がオンに設定された状態で今回の「出玉無し大当たり」に当選した場合である。報知フラグ3がオンに設定された状態で出玉無し大当たりに当選したということは、今回だけでなく前回の大当たりも「出玉無し大当たり」であったということである。具体例として、前回の大当たりが低確(特図低確かつ普図低確)に設定されている間に行われた遊技で当選したものであって、その当選時に決定された特図の種類が「潜確図柄」であり、その前回の大当たり遊技後に遊技状態が潜確(特図高確かつ普図低確)に移行して、この潜確状態(ステップS65でNo)で、今回の出玉無し大当たりに当選した場合である。このような場合には、前回および今回の大当たり遊技で賞球を殆ど獲得できないので、今回の大当たり遊技後にプリペイドカードから遊技球を借りて遊技を行う必要性が高い。
このように、報知フラグ3がオンに設定されている場合とは、今回の大当たり遊技で獲得できる賞球が殆ど無く、今回の大当たり遊技後も引き続きプリペイドカードから遊技球を借りて遊技を行う必要性が高い場合である。
一方、ステップS64でYesの場合、即ち、報知フラグ1がオンに設定されている場合、あるいはステップS65でYesの場合、即ち、報知フラグ2がオンに設定されている場合には、ステップS67に進む。
ステップS67にて、報知フラグ設定部401は、報知フラグ2をオフからオンに設定し、あるいは引き続き報知フラグ2をオンに設定する。報知フラグ解除部402は、報知フラグ2以外の報知フラグがオンの場合には、報知フラグ2以外の報知フラグをオフに設定し、出玉有り初大当たり判定処理が終了する。
また、ステップS63にて、Noの場合、即ち、報知フラグ3がオンに設定されていない場合には、ステップS67に進み、報知フラグ設定部401は、報知フラグ2をオフからオンに設定する。なお、ステップS63にて報知フラグ3がオンに設定されていないということは、報知フラグ1または報知フラグ2がオンに設定されているということである。報知フラグ解除部402は、報知フラグ1がオンに設定されていた場合には、報知フラグ1をオンからオフに設定し、出玉有り初大当たり判定処理が終了する。以上のことから、報知フラグ設定部401が、報知フラグ2をオフからオンに設定するケースには、例えば、次の2つのケースがある。
1つ目のケースは、前回の大当たりが「出玉有り大当たり」であって(ステップS63でNo)、前回の大当たり遊技後の電サポ中(ステップS62でNo)に、再び「出玉有り大当たり」に当選した場合(ステップS61でYes)である。
2つ目のケースは、前回の大当たりが「出玉有り大当たり」であって(ステップS64でYesまたはステップS65でYes)、前回の大当たり遊技後の電サポ中に、今回の出玉無し大当たりに当選した場合(ステップS61でNo)である。
このように、報知フラグ2がオンに設定される場合とは、遊技者が前回までの大当たり遊技で獲得した賞球を用いて遊技を行っている状態で今回の大当たりに当選した可能性が高い場合であり、出玉有り初大当たりに当選したことを契機として、大当たりが連荘している場合である。
以上のように、出玉有り初大当たり判定処理では、今回の大当たりが「出玉有り初大当たり」であるかを判定し、出玉有り初大当たりであると判定した場合には、報知フラグ設定部401は、報知フラグ1をオフからオンに設定する。
次に、今回の大当たりに対応する特図の種類が「15R通常図柄」であった場合に、大当たり遊技中に演出表示装置34に表示される大当たり演出画像の様子について、出玉有り初大当たり判定処理にて報知フラグ1がオンに設定された場合と、報知フラグ2がオンに設定された場合とに分けて説明をする。図25は、報知フラグ1がオンに設定された場合を表わした図である。なお、今回の大当たりが「15R通常図柄」である場合(ステップS61でYes)には、報知フラグ3がオンに設定されることはない。
報知フラグ1がオンに設定された場合
大当たり遊技開始前:
大当たりに対応する特図の種類が決定されると、大当たり演出パターンコマンド送信部162は、大当たり情報を演出制御処理部201に送信する(ステップS22)。この大当たり情報には、大当たり種別が「通常当たり」、ラウンド数が「15R」、アタッカー開放パターンが「フル開放」、出玉有り初大当たり判定処理の判定が「報知フラグ1がオン」の情報が含まれている。
演出制御処理部201がこの大当たり情報を受信すると、大当たり演出決定処理が行われる。ラウンド数が15R(ステップS31でYes)、報知フラグ1がオン(ステップS32でYes)であるので、演出態様決定部210は、今回の大当たり遊技中に使用する演出用の画像を、「15R特殊大当たり演出画像262b」に決定する(図21参照)。
オープニング区間:
大当たり演出パターンコマンド送信部162は、大当たり遊技開始前に大当たり情報と共にオープニング指定コマンドを演出制御処理部201に送信する(ステップS22)。演出制御処理部201が、このオープニング指定コマンドを受信すると、演出表示制御部220は、15Rオープニング用画像を、演出表示装置34に表示する(図17参照)。この15Rオープニング用画像が表示されると、大当たり遊技が開始される。
ラウンド遊技区間:
大当たり演出パターンコマンド送信部162は、オープニング指定コマンドを送信してから6秒が経過すると、演出制御処理部201に1ラウンド指定コマンドを送信する。演出制御処理部201が、この1ラウンド指定コマンドを受信すると、演出表示制御部220は、15Rオープニング用画像の表示を終了して、1R遊技用画像を、演出表示装置34に表示する。1R遊技用画像が表示されると、1回目のラウンド遊技が開始され、アタッカー装置41が開放される。
1回目のラウンド遊技に係るラウンド終了条件が成立すると(ステップS42でYesまたはステップS43でYes)、大当たり演出パターンコマンド送信部162は、演出制御処理部201に1Rインターバル指定コマンドを送信する(ステップS44)。演出制御処理部201が1Rインターバル指定コマンドを受信すると、演出表示制御部220は1R遊技用画像の表示を終了して、1Rインターバル用画像を、演出表示装置34に表示する。1Rインターバル用画像の表示と同期して、1回目のラウンド遊技が終了し、アタッカー装置41が閉鎖される。
大当たり演出パターンコマンド送信部162は、アタッカー装置41が閉鎖してから4秒が経過した場合には(ステップS51でYes)、2ラウンド指定コマンドを演出制御処理部201に送信する(ステップS53)。演出表示制御部220は、演出制御処理部201が2ラウンド指定コマンドを受信すると、1Rインターバル用画像の表示を終了して、2R遊技用画像を、演出表示装置34に表示する。15回目のラウンド遊技が終了するまで、演出表示装置34には各ラウンド遊技用画像と各インターバル用画像とが交互に繰り返し表示される。
エンディング区間:
15回目のラウンド遊技が終了すると(ステップS27でYes)、大当たり演出パターンコマンド送信部162は、エンディング指定コマンドとしてエンディング特殊コマンドを、演出制御処理部201に送信する(ステップS28)。演出表示制御部220は、15R遊技用画像の表示を終了して、14秒間に亘り通常エンディング用画像を演出表示装置34に表示した後、2秒間に亘り注意喚起画像263を表示する。演出表示制御部220が、この16秒間に亘る特殊エンディング用画像を表示し終えると、「15R通常図柄」に基づく大当たり遊技が終了する。
報知フラグ2がオンに設定された場合
15回目のラウンド遊技が終了するまでは報知フラグ1がオンに設定された場合と同じである。15回目のラウンド遊技が終了すると、大当たり演出パターンコマンド送信部162は、エンディング指定コマンドとしてエンディング通常コマンドを、演出制御処理部201に送信する(ステップS28)。演出表示制御部220は、15R遊技用画像の表示を終了して、通常エンディング用画像を演出表示装置34に表示する。演出表示制御部220が、14秒間に亘り通常エンディング用画像を表示し終えると、「15R通常図柄」に基づく大当たり遊技が終了する。
なお、特殊エンディング用画像は、12秒に亘り表示されるエンディング画像と2秒に亘り表示される注意喚起画像263と、で構成されていても良い。このようにすると、報知フラグ1がオンに設定された場合のエンディング区間と報知フラグ2がオンに設定された場合のエンディング区間の所要時間を同じ14秒にすることができる。また、注意喚起画像263は、大当たり遊技中に行われる各ラウンド遊技および大当たり演出画像の邪魔とならないことを前提として、2秒より長い時間表示される画像データであっても良いし、遊技者が視認可能であることを前提として、2秒より短い時間表示される画像データであっても良い。
「出玉有り大当たり」に当選した場合には、遊技者は、大当たり遊技中におよそ1500個の賞球を獲得できるので、台間機300からプリペイドカードを取り出すことを忘れやすい。本実施形態例によると、遊技状態が低確(特図低確かつ普図低確)のもとで行われた遊技で出玉有り大当たりに当選した場合には(ステップS62でYes)、報知フラグ設定部163は、報知フラグ1をオンに設定し、大当たり演出パターンコマンド送信部162は、大当たり遊技開始前に演出制御処理部201に報知フラグ1がオンである旨の情報が含まれた大当たり情報を送信する。そして、大当たり演出パターンコマンド送信部162は、最終ラウンドが終了するとエンディング特殊コマンドを演出制御処理部201に送信し、演出表示制御部220は、このエンディング特殊コマンドに基づいて、エンディング区間中に注意喚起画像263の含まれた特殊エンディング用画像を演出表示装置34に表示する。したがって、本実施形態例に係るパチンコ機Pは、遊技者が台間機300からプリペイドカードを取り出すことを促すことができる。
また、遊技状態が「低確」以外の遊技状態(時短、潜確)のもとで今回の出玉有り大当たりに当選した場合(ステップS63でYes)であっても、前回の大当たりが低確のもとで当選した出玉無し大当たりである場合には、遊技者が台間機300に挿入されたプリペイドカードから遊技球を借りて行った遊技で今回の出玉有り大当たりに当選した可能性が高い。本実施形態例によると、このような場合にも、報知フラグ1がオンに設定され、エンディング区間中に注意喚起画像263が演出表示装置34に表示されるので、遊技者がプリペイドカードから遊技球を借りて遊技を行う必要がない場面で、台間機300からプリペイドカードの取り出し忘れを報知することができる。
なお、大当たり種別が確変当たりであり、ラウンド数が2ラウンドで、大当たり遊技でのアタッカー開放のパターンが「高速開放」となり、大当たり遊技の終了後、電サポ回数が10000回付与され、遊技状態が次の大当たりまで確変(特図高確かつ普図高確)に設定される「突確図柄」が第1特図の種類として用意されている場合には、遊技状態が確変のもとで行われた遊技で今回の出玉有り大当たりに当選した場合であっても、前回の大当たりが低確のもとで当選し、その当選時に決定された特図の種類が「突確図柄」である場合には、前回の大当たり遊技では殆ど賞球を獲得できないので、遊技者が台間機300に挿入されたプリペイドカードから遊技球を借りて行った遊技で今回の出玉有り大当たりに当選した可能性が高い。このような場合にも、報知フラグ1がオンに設定されて、エンディング区間中に注意喚起画像263が演出表示装置34に表示されるようにすると、遊技者がプリペイドカードから遊技球を借りて遊技を行う必要がない場面で、台間機300からプリペイドカードの取り出し忘れを報知することができる。
また、大当たりの度に注意喚起画像263が演出表示装置34に表示されると遊技者にとって煩わしいが、本実施形態例によると、今回の大当たりが「出玉無し大当たり」である場合には、出玉無し大当たり当選時の報知フラグの設定状態および遊技状態がいずれであるかに拘わらず、報知フラグ1がオンに設定されることはないので、注意喚起画像263が演出表示装置34に表示されることはない。このため、注意喚起画像263が煩わしいものとなることを低減できる。
前回の大当たりが出玉有り大当たりであって、その前回の大当たり遊技後に遊技状態が時短または確変に移行して、その移行した遊技状態(普図に係る遊技状態が普図高確)のもとで今回の出玉有り大当たりに当選した場合(ステップS63でNo)には、前回の大当たり遊技で獲得した賞球をあまり減らすことなく今回の出玉有り大当たりに当選したと言えるので、大当たりが連荘している状態である。大当たり連荘中に注意喚起画像263が演出表示装置34に表示されると、注意喚起画像263が煩わしいものとなる虞があるが、本実施形態例によると、このような場合には、報知フラグ2がオンに設定され、エンディング区間中に注意喚起画像263が演出表示装置34に表示されない。したがって、注意喚起画像263が大当たりの連荘を楽しむ遊技者の興趣を低下させることを防止することができる。
また、本実施形態によると、主制御処理部100(大当たり遊技制御部160)が出玉有り初大当たり判定処理を行い、この判定に基づいてサブ制御処理部200(演出制御処理部201)が注意喚起画像263を演出表示装置34に表示し、または表示しないので、サブ制御処理部200に負荷がかかることなく、台間機300からプリペイドカードの取り出し忘れを報知することができる。
また、本実施形態によると、通常エンディング用画像が表示された後に注意喚起画像263は演出表示装置34に表示されるので、大当たり遊技中に行われる各ラウンド遊技および大当たり遊技中の演出画像(エンディング画像等)の邪魔とならないように台間機300からプリペイドカードの取り出し忘れを報知することができる。
なお、注意喚起画像263は、オープニング用画像、各ラウンド遊技用画像、各インターバル用画像の何れかに含まれていても良い。例えば、1回目のラウンド遊技から7回目のラウンド遊技まで、一連の物語が演出表示装置34に表示されるような大当たり演出画像が用意されていたとすると、7回目のラウンド遊技終了後から8回目のラウンド遊技開始前のインターバル中に、注意喚起画像263が演出表示装置34に表示されるような構成であっても良い。このようにすると、大当たり遊技中に行われる各ラウンド遊技およびエンディング画像の邪魔とならないように台間機300からプリペイドカードの取り出し忘れを報知することができる。
また、本実施形態に係るパチンコ機Pは、台間機300にプリペイドカードが挿入されていることを判定するために、台間機300からパチンコ機Pにプリペイドカードの有無の信号等を送信する必要がないため、制御が簡単である。また、台間機300からの信号をパチンコ機Pの主制御処理部100に備えられたCPUに送信できるような通信ルートを設けると、当該通信ルートを利用して不正な信号が入力される虞があり、不正な信号が当該CPUに入力されることを未然に防止する必要が生じるので、パチンコ機を製作・開発等する者の負担も生じることになるが、本実施形態に係るパチンコ機Pは、このような負担も生じない。
また、本発明は、メダルを用いて遊技を行うスロットマシン、あるいは、遊技球を用いて遊技を行うスロットマシン(所謂、パロット)にも適用可能であることは言うまでもない。