以下、発明の実施の形態例を、図面を参照して説明するが、その説明にあたり、便宜上、「特別図柄」の文言については「特図」と省略し、「普通図柄」の文言については「普図」と省略することにする。また、特に断らない限り、「遊技」とは、第1始動入賞口37aまたは第2始動入賞口37bに遊技球が入賞することを契機に行われる遊技のことを指すものとする。
図1および図2に示すように、本発明の第1の実施の形態例に係るパチンコ機Pは、遊技場の島設備に設置される縦長方形状の機枠1と、機枠1に扉状に開閉自在に取り付けられた本体枠2と、本体枠2の内側に収容される遊技盤3と、本体枠2の前面に扉状に開閉自在に取り付けられ、中央に大きく開口部8が形成されたガラス扉4と、このガラス扉4の開口部8に取り付けられた透明なガラス板10と、本体枠2の下側に開閉自在に配設され、遊技球を収容する受皿5を有する前面ボード6と、本体枠2の下部に設けられた発射装置9と、前面ボード6に取り付けられたハンドル7と、を具備している。さらに、ガラス扉4の上部にはスピーカ20が左右に1個ずつ取り付けられており、遊技に関する様々な効果音を発している。また、図3に示すように、このパチンコ機Pは、背面側に、主制御処理部100、払出・発射制御処理部105、サブ制御処理部200、賞球払出装置14等を備えている。続いて、図1〜図4を参照して、本実施形態に係るパチンコ機Pの構成を詳しく説明していくことにする。
遊技盤3は、図2に示すように、その盤面に遊技領域31を有しており、遊技領域31は、本体枠2に装着した後、ガラス板10を介して観察することができる。遊技領域31は、遊技球を滑走させるガイドレール32と遊技球規制レール33によって略円形状となるように区画形成されており、発射装置9によって打ち出された遊技球はこの遊技領域31内を流下する。また、遊技領域31内には、演出表示装置34と、スルーチャッカ21と、電動チューリップ(普通電動役物)49と、ステージ36と、第1始動入賞口(始動口)37aおよび第2始動入賞口(始動口)37bと、一般入賞口38と、アウト口39と、遊技釘(図示せず)と、風車(図示せず)と、アタッカー装置41等が設けられている。また、遊技盤面の右下方の位置には、特図表示装置17と、普図表示装置22とが設けられている。
なお、本実施形態では、第1始動入賞口37aと第2始動入賞口37bとは上下方向に間隔を空けて設けられており、発射装置9の発射強度が弱〜中のとき(所謂、ぶっこみ狙いで遊技球を発射した場合)には、遊技球は演出表示装置34の左側を流下して第1始動入賞口37aと第2始動入賞口37bの何れかに入賞する可能性はある。しかし、第2始動入賞口37bに電動チューリップ49が設けられているため、電動チューリップ49が開放されない限り、第2始動入賞口37bへの入賞は殆ど不可能である。
演出表示装置34は、遊技盤3の略中央部に設けられ、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞することを契機に行われる第1特図に係る電子抽選の結果、または第2始動入賞口37bに遊技球が入賞することを契機に行われる第2特図に係る電子抽選の結果に基づいて所定の演出態様を表示するものであって、本実施形態では液晶表示装置が用いられている。この演出表示装置34には、画面全体に背景画像が表示されるほか、所定の演出態様の一部として、特図表示装置17に変動表示される第1特図または第2特図と同期をとってダミー図柄(演出図柄)が変動表示されるようになっている。
なお、この演出表示装置34には、保留球乱数が保留球乱数記憶部(メモリ)115a、115bに記憶された場合に保留表示(保留球乱数が記憶された旨の表示)を行うための表示領域が区画形成されている。具体的には、演出表示装置34の左下側に第1特図用保留球乱数記憶部115aに保留球乱数が記憶されたことを表示する第1保留球表示領域34aが設けられ、右下側に第2特図用保留球乱数記憶部115bに保留球乱数が記憶されたことを表示する第2保留球表示領域34bが設けられている。第1始動入賞口37aまたは第2始動入賞口37bに遊技球が入賞し、当該入賞により取得した特図用乱数が保留球乱数として記憶されたときに主制御処理部100から出力されるコマンドを受けると、これらの保留球表示領域34a,bに白色で保留球の表示がなされる。
特図表示装置17は、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞することを契機に行われる第1特図に係る電子抽選の結果、または第2始動入賞口37bに遊技球が入賞することを契機に行われる第2特図に係る電子抽選の結果を表示するためのものである。より具体的には、特図表示装置17は、特図に係る抽選結果を、第1特図あるいは第2特図(例えば、数字や絵柄)を変動させた後に停止させるといった態様で表示する。本実施形態では、特図表示装置17として7セグメント表示器が用いられている。この特図表示装置17は、演出表示装置34を見ている遊技者の視界に同時に入らないように遊技盤3の右下部分に離れて設けられている。そして、7セグメント表示器を点滅表示させることにより特図が変動し、その点滅が停止して点灯表示に変わることで特図の変動が停止する。この点滅中の時間が、特図(第1特図、第2特図)の変動時間である。
なお、本実施形態では、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことに基づく遊技と、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことに基づく遊技との優先順位は、遊技球の入賞順である。例えば、先に第1始動入賞口37aに遊技球が入賞し、その次に第2始動入賞口37bに遊技球が入賞した場合には、まず第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことを契機に電子抽選を行い、その抽選結果に応じた遊技が実行され、その遊技結果が確定した後に第2始動入賞口37bへの遊技球の入賞に基づく遊技が実行されることになる。そのため、第1始動入賞口37aと第2始動入賞口37bの両方の抽選結果を同時に表示することはない。よって、2つの始動入賞口37a、37bに遊技球が入賞したことに基づく抽選の結果を1つの特図表示装置17で表示している。勿論、特図表示装置17を別個に2つ設けることもできることは言うまでもない。
スルーチャッカ21は、遊技球が通過可能なゲート構造を成しており、その内部には遊技球が通過したことを検知する磁気センサタイプのスルーチャッカ検知センサ46が内蔵されている。また、このスルーチャッカ21を遊技球が通過したことを契機に行われる普図に係る電子抽選の結果を表示するための普図表示装置22が、特図表示装置17の隣に設けられている。この普図表示装置22は、本実施形態では、二つのLEDランプで構成されており、普図当たりのときに一方のLEDランプが点灯し、ハズレのときには他方のLEDランプが点灯するようになっている。なお、2つのLEDランプを交互に点滅表示させることにより普図が変動し、その点滅が停止して点灯表示に変わることで普図の変動が停止する。この点滅中の時間が、普図の変動時間である。
なお、特図表示装置17の表示制御は、主制御処理部100の第1特図表示制御部101aおよび第2特図表示制御部101bによって行われ、普図表示装置22の表示制御は、主制御処理部100の普図表示制御部102によって行われている(図4参照)。
電動チューリップ(普通電動役物)49は、第2始動入賞口37bの入口に設けられ、遊技盤3の面に直交する軸を中心に回動する一対の羽根部材を備えており、ソレノイドに通電がなされると一対の羽根部材が互いに離れる方向に回動して、第2始動入賞口37bの入口を拡大するようになっている。そして、電動チューリップ49が開放されると、遊技球は容易に第2始動入賞口37bに入賞する。
また、ステージ36は、演出表示装置34の下方に配置されており、遊技球が転動しながら一時的に滞在する構造物である。このステージ36の中央には溝が形成されており、この溝の真下の位置には第1始動入賞口37aが配されている。そのため、溝から落下した遊技球は、高い確率で第1始動入賞口37aへと導かれる。
アタッカー装置41は、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞することを契機に行われる第1特図に係る電子抽選の結果、大当たり(特図当たり)となって大当たり遊技に移行した場合と、小当たりとなって小当たり遊技に移行した場合に所定回数開放される装置であると共に、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞することを契機に行われる第2特図に係る電子抽選の結果、大当たり(特図当たり)となって大当たり遊技に移行した場合にも所定回数開放される装置でもある。つまり、アタッカー装置41は、両始動入賞口37a,37bでの抽選結果に応じて作動する。
そして、このアタッカー装置41は、水平な軸を中心として前後方向に開閉する板状の蓋部材を備えており、図示しないソレノイドを駆動することにより蓋部材が水平軸回りに回動する構成となっている。そして、蓋部材が開いた状態では遊技領域31の下部に設けられた大入賞口42が露呈されるから、遊技者は、その大入賞口42に遊技球を入賞させることができる。
つまり、アタッカー装置41は、常態では蓋部材が大入賞口42を閉じているため、大入賞口42に遊技球が入賞することはないが、上記したように、大当たり遊技に移行すると、蓋部材が所定のラウンド数(16ラウンド)だけ開放されて大入賞口42が露呈されるため、遊技球を大入賞口42内に入賞させることが可能となるのである。そして、大入賞口42に遊技球が入賞すると、所定個数の遊技球が賞球として遊技者に払い出される。即ち、遊技者は、大入賞口42に遊技球を入賞させることによって出玉を獲得できるのである。一方、詳しくは後述するが、2ラウンド(R)の大当たり遊技に移行した場合と、小当たり遊技に移行した場合とでは、アタッカー装置41が2回(2ラウンド)開放するものの、その開放時間が短いため、大入賞口42内に遊技球が入賞することは極めて困難である。なお、大入賞口42は、横長な長方形の開口であり、アタッカー装置41の蓋部材は、この大入賞口42の形状とほぼ同じ形状を成している。
また、一般入賞口38に遊技球が入賞すると、所定個数の遊技球が賞球として遊技者に払い出される。そして、第1始動入賞口37a、第2始動入賞口37b、一般入賞口38、およびアタッカー装置41の何れにも入らなかった遊技球は、アウト口39から回収される。なお、第1始動入賞口37a、第2始動入賞口37b、一般入賞口38、大入賞口42の内部にはそれぞれ遊技球の通過を検知するためのセンサ43a,43b,44,45(図4参照)が設けられている。
前面ボード6には遊技球を収容するとともに、外部に排出可能な受皿5が取り付けられている。この受皿5は、遊技者が投入した遊技球を収容するだけでなく、賞球払出装置14から賞球として払い出された遊技球も収容可能となっている。また、遊技球を遊技領域31に向けて発射するための発射装置9が本体枠2の下部に取り付けられており、受皿5に収容されている遊技球がこの発射装置9に1個ずつ供給される。そして、前面ボード6の右下に取り付けられたハンドル7を回動させると、その回動量に応じた発射強度で発射装置9が遊技球を遊技領域31へと発射することができるようになっている。また、図1に示すように、受皿5の側部には、遊技者が押下操作する演出用タッチボタン60が設けられている。
また、パチンコ機Pは、図1に示すように、貨幣またはプリペイドカード(有価価値記憶媒体)に基づいて遊技球を貸出す台間機300が併設されていて、電気的に接続されている。台間機300は、貨幣が挿入される貨幣挿入口310と、プリペイドカードが挿入され、あるいは挿入されたプリペイドカードが排出されるカード挿入・排出口320と、を備えている。さらに、台間機300は、貨幣挿入口310に貨幣が挿入されると、挿入された貨幣の金額に応じたプリペイドカードを作成するプリペイドカード作成装置(図示せず)を内蔵している。
なお、本実施形態では有価価値記憶媒体としてプリペイドカードを用いたが、プリペイドカードのようなカードの形状に限られず、コイン(硬貨)の形状をしたプリペイドコインを有価価値記憶媒体として用いることも可能である。プリペイドコインを用いる場合には、台間機300には、カード挿入・排出口320に替わって、プリペイドコインを台間機300に挿入および排出可能なプリペイドコイン挿入・排出口を備える構成にすれば良い。
さらに、パチンコ機Pは、台間機300に備えられた貨幣挿入口310に貨幣が挿入されプリペイドカードが作成されると、あるいはプリペイドカードがカード挿入・排出口320に挿入されると、プリペイドカードに記憶された金額に応じた度数を度数表示装置71に表示するように制御するCR基板(図示せず)と、台間機300から遊技球を貸出す球貸スイッチ(球貸SW)72と、挿入されたプリペイドカードをカード挿入・排出口320から排出させる返却スイッチ(返却SW)73とを備えている。
主制御処理部100は、遊技盤3の裏面に支持部材等を介して設けられている。この主制御処理部100は、CPU(Central Processing Unit)、予め定められた制御プログラムを格納するROM(Read Only Memory)、生成された処理情報の一時記憶及び記憶した情報の削除を行うRAM(Random Access Memory)等により構成されている。このCPUがROMに格納された各種プログラムやデータを読み込んで実行することにより、遊技に関する主要な処理が行われる。
具体的には、図4に示すように、主制御処理部100は、始動入賞口37a,37bに遊技球が入賞したことを契機に特図の当否に係る抽選を行う特図抽選処理部(特別図柄抽選手段)110と、この特図抽選処理部110による抽選で大当たりに当選した場合に、その当選に係る特図の種類を抽選で決定する特図種類決定処理部(特別図柄種類決定手段)120と、特図の変動時間に関する情報を含むコマンドである変動パターンコマンドを決定するための特図変動パターンコマンド決定部(変動パターンコマンド決定手段)130と、所定条件が成立したことに基づいて、特図に係る遊技状態および普図に係る遊技状態をそれぞれ設定する遊技状態設定部(遊技状態設定手段)140と、特図抽選処理部110による抽選結果の判定が大当たりとなった場合に、特図種類決定処理部120で決定した特図の種類に応じてアタッカー装置41(のソレノイド)を作動させて大当たり遊技に移行する大当たり遊技制御部(大当たり遊技制御手段)160とを備えている。この大当たり遊技制御部160は、小当たりに当選した場合にも、アタッカー装置41を所定の態様で作動させるよう制御している。
さらに、主制御処理部100は、スルーチャッカ21を遊技球が通過したことを契機に普図の当否に係る抽選を行う普図抽選処理部170と、普図の変動時間を決定するための普図変動時間決定部190と、電動チューリップ49の作動を制御する電動チューリップ作動制御部180と、第1特図表示装置17aの表示制御を行う第1特図表示制御部101aと、第2特図表示装置17bの表示制御を行う第2特図表示制御部101bと、普図表示装置22の表示制御を行う普図表示制御部102と、を備えて構成されている。
特図抽選処理部110は、図5に示すように、周期的に入力されるクロック信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲(例えば、0〜65535までの範囲)で1ずつ更新させることによりハードウェア乱数を生成する特図当否判定用乱数発生部111と、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことを契機に、第1特図の当否に係る抽選を行う第1特図当否抽選部119aと、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことを契機に、第2特図の当否に係る抽選を行う第2特図当否抽選部119bとを備えて構成されている。
なお、本実施形態において、ハードウェア乱数の乱数生成に係る更新速度は、後述のソフトウェア乱数の更新速度と比較して速くしており、抽出されるカウンタ値(所謂、擬似乱数)のランダム性を向上させている。
第1特図当否抽選部119aは、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことを契機に(始動入賞口検知センサ43aからの検知信号が主制御処理部100に入力されたタイミングで)、特図当否判定用乱数発生部111で発生した特図当否判定用の乱数を1つ取得(ラッチ)する第1特図当否判定用乱数取得部112aと、この第1特図当否判定用乱数取得部112aが取得した乱数が大当たりあるいは小当たり(何れも特図当たり)であるか否かを、第1特図高確率判定テーブル116aまたは第1特図低確率判定テーブル117aを参照して決定する第1特図当否判定部113aと、第1特図当否判定用乱数取得部112aが乱数を取得したときに第1特図または第2特図が変動中である場合に、この取得した乱数を第1特図に係る保留球乱数として最大4個まで(別言すれば、所定個数である4個の上限まで)記憶する第1特図用保留球乱数記憶部(保留球乱数記憶部)115aとを備えている。
ここで、第1特図高確率判定テーブル116aは、第1特図低確率判定テーブル117aよりも大当たりとなる確率が高くなっており、より詳しく言うと、第1特図高確率判定テーブル116aは、大当たりの当選確率がおよそ1/30、第1特図低確率判定テーブル117aは、大当たりの当選確率がおよそ1/300に設定されている。つまり、第1特図高確率判定テーブル116aの方が、第1特図低確率判定テーブル117aに比べて10倍大当たりに当選する確率が高くなるように設定されている。
より具体的には、図6に示すように、第1特図の当否判定の結果は、第1特図低確率判定テーブル117aが参照される場合、特図当否決定用乱数の値が0〜217までのときに大当たりとなり、その値が218〜65000までのときにハズレとなり、その値が65001〜65535までのときに小当たりとなる。また、第1特図高確率判定テーブル116aが参照される場合、その当否判定の結果は、特図当否決定用乱数の値が0〜2170までのときに大当たりとなり、その値が2171〜65000までのときにハズレとなり、その値が65001〜65535までのときに小当たりとなる。つまり、第1特図の当否判定では、大当たり、小当たり、またはハズレの何れかとなる。なお、小当たりの確率は、第1特図高確率判定テーブル116aと第1特図低確率判定テーブル117aとで同じである。
第2特図当否抽選部119bも第1特図当否抽選部119aと同様に、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことを契機に(始動入賞口検知センサ43bからの検知信号が主制御処理部100に入力されたタイミングで)、特図当否判定用乱数発生部111で発生した特図当否判定用の乱数を1つ取得(ラッチ)する第2特図当否判定用乱数取得部112bと、この第2特図当否判定用乱数取得部112bが取得した乱数が大当たり(特図当たり)であるか否かを、第2特図高確率判定テーブル116bまたは第2特図低確率判定テーブル117bを参照して決定する第2特図当否判定部113bと、第2特図当否判定用乱数取得部112bが乱数を取得したときに第1特図または第2特図が変動中である場合に、この取得した乱数を第2特図に係る保留球乱数として最大4個まで(別言すれば、所定個数である4個の上限まで)記憶する第2特図用保留球乱数記憶部(保留球乱数記憶部)115bとを備えている。
ここで、第2特図高確率判定テーブル116bは、第2特図低確率判定テーブル117bよりも大当たりとなる確率が高くなっており、より詳しく言うと、第2特図高確率判定テーブル116bは、大当たりの当選確率がおよそ1/30、第2特図低確率判定テーブル117bは、大当たりの当選確率がおよそ1/300に設定されている。つまり、第2特図高確率判定テーブル116bの方が、第2特図低確率判定テーブル117bに比べて10倍大当たりに当選する確率が高くなるように設定されている。なお、第2特図高確率判定テーブル116bと第2特図低確率判定テーブル117bの構成は、それぞれ第1特図高確率判定テーブル116aと第1特図低確率判定テーブル117aと同じであるため、各テーブルの詳細についての説明は省略する。
また、説明の便宜上、これ以降の説明において、第1特図当否抽選部119aが第1特図低確率判定テーブル117aを参照して第1特図の当否に係る抽選を行い、第2特図当否抽選部119bが第2特図低確率判定テーブル117bを参照して第2特図の当否に係る抽選を行う遊技状態のことを、単に「特図低確」といい、第1特図当否抽選部119aが第1特図高確率判定テーブル116aを参照して第1特図の当否に係る抽選を行い、第2特図当否抽選部119bが第2特図高確率判定テーブル116bを参照して第2特図の当否に係る抽選を行う遊技状態のことを、単に「特図高確」ということにする。
なお、本実施形態において、第1特図低確率判定テーブル117aを参照して第1特図の当否に係る抽選を行う第1特図当否抽選部119aと、第2特図低確率判定テーブル117bを参照して第2特図の当否に係る抽選を行う第2特図当否抽選部119bとが、本発明の「特別図柄通常抽選手段」に相当し、第1特図高確率判定テーブル116aを参照して第1特図の当否に係る抽選を行う第1特図当否抽選部119aと、第2特図高確率判定テーブル116bを参照して第2特図の当否に係る抽選を行う第2特図当否抽選部119bとが、本発明の「特別図柄高確率抽選手段」に相当する。また、本実施形態では、第1特図用保留球乱数記憶部115aと第2特図用保留球乱数記憶部115bにそれぞれ最大4個ずつの保留球乱数を記憶できるから、本実施形態は、本発明におけるM=4+4=8の場合を例示しているということになる。
次に、特図種類決定処理部120について説明する。上述した特図抽選処理部110が大当たり(または小当たり)に当選しているか否か(特図の当否)を決定するものであるのに対して、特図種類決定処理部120は、特図の種類を決定するためのものである。つまり、本実施形態では、特図に関する大当たり/小当たり/ハズレの決定は特図抽選処理部110によって行われるが、大当たりの内容(種別、ラウンド数、電サポ回数、アタッカー開放パターン)は特図種類決定処理部120によって決定される構成となっている。なお、上記した大当たりの内容についての詳細は後述する。
特図種類決定処理部120は、図7に示すように、周期的(例えば4ミリ秒毎)に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲(例えば、0〜399までの範囲)で1ずつ更新させることによりソフトウェア乱数を生成する特図種類決定用乱数発生部121と、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことを契機に、抽選により第1特図の種類を決定するための第1特図種類抽選部129aと、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことを契機に、抽選により第2特図の種類を決定するための第2特図種類抽選部129bと、を備えて構成されている。
第1特図種類抽選部129aは、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことを契機に(始動入賞口検知センサ43aからの検知信号が主制御処理部100に入力されたタイミングで)、特図種類決定用乱数発生部121で発生した特図種類決定用の乱数を1つ取得(ラッチ)する第1特図種類決定用乱数取得部122aと、この第1特図種類決定用乱数取得部122aが取得した乱数から、第1特図種類決定テーブル125aを参照して第1特図の種類を決定する第1特図種類決定部123aと、第1特図種類決定用乱数取得部122aが乱数を取得したときに第1特図または第2特図が変動中である場合に、この取得した乱数を最大4個まで(別言すれば、所定個数である4個の上限まで)記憶する第1特図種類決定用乱数記憶部124aと、を備えている。
第1特図種類決定テーブル125aは、図8(a)に示すように、特図種類決定用の乱数と第1特図の種類とが予め対応付けられたテーブル構成を成している。具体的には、2R特定時短有図柄、16R特定時短有図柄1、16R特定時短有図柄2、2R通常時短有図柄、16R通常時短有図柄1、および16R通常時短有図柄2の合計6種類の第1特図が第1特図種類決定テーブル125aに格納されており、これら6種類の第1特図のそれぞれに特図種類決定用乱数0〜399までの値が対応付けられている。そして、各第1特図に割り当てられる特図種類決定用乱数値の範囲が異なるテーブル構成となっているから、第1特図のそれぞれが第1特図種類決定部123aによって選択される確率は異なるものとなる。
より詳細に説明すると、第1特図種類決定テーブル125aに格納された6種類の第1特図のうち、特図種類決定用乱数の値が0〜19までのものに対して「2R特定時短有図柄」が対応付けられており、当該乱数値が20〜119に対して「16R特定時短有図柄1」が、当該乱数値が120〜199までのものに対して「16R特定時短有図柄2」が、当該乱数値が200〜219までのものに対して「2R通常時短無図柄」が、当該乱数値が220〜319に対して「16R通常時短有図柄1」が、当該乱数値が320〜399までのものに対して「16R通常時短有図柄2」が、それぞれ対応付けられている。
なお、詳しくは後述するが、特図の種類のうち、「2R」は大当たり遊技のラウンド数が2ラウンドであることを、「16R」は大当たり遊技のラウンド数が16ラウンドであることを、「特定」は所謂、確変当たり(潜伏確変を含む)を、「通常」は所謂、通常当たりを、「時短有」は、電動チューリップ49が高確率で開放される遊技状態(所謂、電サポ)が所定の遊技回数に亘って付与されること、「時短無」は、前記電サポが付与されないこと、をそれぞれ示している。なお、「時短有」の意味は、普図高確及び/又は1ゲームあたりの図柄変動時間の短縮化などに基づいて行われる電動チューリップの開放サポート遊技が付与されることであると言うこともできる。
この図8(a)から明らかなように、「2R特定時短有図柄」に対応付けられた乱数の個数は、全体で400個の特図種類決定用乱数のうち20個であるから、「2R特定時短有図柄」が選択される確率は、20/400x100=5%である。その他の第1特図の選択確率についても同様にして求められ、「16R特定時短有図柄1」の選択確率は25%、「16R特定時短有図柄2」の選択確率は20%、「2R通常時短無図柄」の選択確率は5%、「16R通常時短有図柄1」の選択確率は25%、「16R通常時短有図柄2」の選択確率は20%となっている。
また、第2特図種類抽選部129bも第1特図種類抽選部129aと同様に、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことを契機に(始動入賞口検知センサ43bからの検知信号が主制御処理部100に入力されたタイミングで)、特図種類決定用乱数発生部121で発生した特図種類決定用の乱数を1つ取得(ラッチ)する第2特図種類決定用乱数取得部122bと、この第2特図種類決定用乱数取得部122bが取得した乱数から、第2特図種類決定テーブル125bを参照して第2特図の種類を決定する第2特図種類決定部123bと、第2特図種類決定用乱数取得部122bが乱数を取得したときに第1特図または第2特図が変動中である場合に、この取得した乱数を最大4個まで(別言すれば、所定個数である4個の上限まで)記憶する第2特図種類決定用乱数記憶部124bと、を備えている。
第2特図種類決定テーブル125bは、図8(b)に示すように、特図種類決定用の乱数と第2特図の種類とが予め対応付けられたテーブル構成を成しているが、その構成は第1特図種類決定テーブル125aと同じであるため、ここでの説明は省略する。
次に、普図抽選処理部170について説明する。この普図抽選処理部170は、図9に示すように、乱数を発生させる普図当否判定用乱数発生部171と、スルーチャッカ21を遊技球が通過したことを契機に普図に係る抽選を行って当否を判定するための普図当否抽選部177とを備えて構成されている。普図当否判定用乱数発生部171は、特図当否判定用乱数発生部111と同じ構成から成るものである。また、普図当否抽選部177は、スルーチャッカ21を遊技球が通過したことを契機に(スルーチャッカ検知センサ46からの検知信号が主制御処理部100に入力されたタイミングで)、普図当否判定用乱数発生部171で発生した普図当否判定用の乱数を1つ取得(ラッチ)する普図当否判定用乱数取得部172と、この普図当否判定用乱数取得部172が取得した乱数が普図当たりであるか否かを、判定テーブルを参照して決定する普図当否判定部173と、普図当否判定用乱数取得部172が乱数を取得したときに普図が変動中である場合に、この取得した乱数を上限4個まで普図に係る保留球乱数として記憶する普図用保留球乱数記憶部174と、判定テーブルとして、普図当たりに当選する確率が低い普図低確率判定テーブル176と、この普図低確率判定テーブル176よりも普図当たりに当選する確率が高い普図高確率判定テーブル175とを備えている。
ここで、普図高確率判定テーブル175は、普図低確率判定テーブル176よりも普図当たりとなる確率が高くなっており、より詳しく言うと、普図高確率判定テーブル175は、普図当たりの当選確率が1/1.1、普図低確率判定テーブル176は、普図当たりの当選確率が1/20に設定されている。つまり、普図高確率判定テーブル175の方が、普図低確率判定テーブル176に比べて格段に普図当たりに当選する確率が高くなるように設定されている。そして、普図高確率判定テーブル175を参照して抽選が行われると、殆どの場合、普図当たりに当選することになる。
また、説明の便宜上、これ以降の説明において、普図当否抽選部177が普図低確率判定テーブル176を参照して普図に係る抽選を行う遊技状態のことを、単に「普図低確」といい、普図当否抽選部177が普図高確率判定テーブル175を参照して普図に係る抽選を行う遊技状態のことを、単に「普図高確」ということにする。
なお、本実施形態において、普図低確率判定テーブル176を参照して普図の当否に係る抽選を行う普図当否抽選部177が、本発明の「普通図柄通常抽選手段」に相当し、普図高確率判定テーブル175を参照して普図の当否に係る抽選を行う普図当否抽選部177が、本発明の「普通図柄高確率抽選手段」に相当する。
次に、図4に示す電動チューリップ作動制御部180は、普図抽選処理部170による抽選で普図当たりに当選した結果に基づいて、電動チューリップ49のソレノイドに通電して開閉するよう制御している。この電動チューリップ作動制御部180は、普図高確中は、1回の普図当たりに対して、電動チューリップ49を開放時間1.2秒(インターバル0.8秒)で2回開放する(つまり、1.2秒開放→0.8秒閉鎖→1.2秒開放の順となる)よう制御し、普図低確中は、1回の普図当たりに対して、電動チューリップ49を開放時間0.2秒で1回開放するよう制御している。よって、普図高確中は、上述したように、普図抽選処理部170による抽選が行われる度に、殆ど普図当たりに当選し、その当選により電動チューリップ49が1.2秒x2回開放されるため、遊技者は、電動チューリップ49内に遊技球を比較的容易に入賞させることができる。従って、普図高確中は、遊技球をあまり減らすことなく遊技を行うことができる。
さて、本実施形態に係るパチンコ機Pは、遊技状態として、「低確」、「内確」、「時短」、「確変」の3つの状態が予め用意されている。「低確」は、特図低確および普図低確の遊技状態から成り、「内確」は、特図高確および普図低確の遊技状態から成り、「時短」は、特図低確および普図高確の遊技状態から成り、「確変」は、特図高確および普図高確の遊技状態から成るものである。なお、「低確」は本発明の「通常遊技状態」に相当し、「内確」は本発明の「潜確遊技状態」に相当し、「時短」は本発明の「時短遊技状態」に相当し、「確変」は本発明の「確変遊技状態」に相当する。
本実施形態では、先に述べた特図(第1特図または第2特図)の種類が決定されると、その特図と上記の各遊技状態とから、大当たり種別、ラウンド数、電サポ回数(時短回数)、および、アタッカー開放パターンが決まるようになっている。これについて、図10を参照しながら、以下、詳しく説明を行っていくことにする。
図10に示すように、各特図の種類には、それぞれ、大当たり種別、ラウンド数、電サポ回数、およびアタッカー開放パターンを規定した大当たりパターンが予め対応付けられている。
ここで、「大当たり種別」とは、大当たり遊技後の特図に係る遊技状態を特図低確とする「通常当たり」と、特図高確とする「確変当たり」との何れにするかを定めたものである。通常当たりの場合には、その後の遊技状態が特図低確となるので、なかなか次の大当たりに当選しないが、確変当たりの場合、その後の遊技状態が次回の大当たりまで(即ち、大当たり後の遊技回数が10000回に到達するまで)特図高確となるので、直ぐに次の大当たりに当選する可能性が高い。
「ラウンド数」とは、大当たり遊技中にラウンド遊技が何回実行されるかを定めたものである。本実施形態では、大当たり遊技中のラウンド遊技の回数が2ラウンド(R)または16ラウンド(R)に定められているが、以下に説明するように、同じ16ラウンドであっても、アタッカー開放パターンが異なるため、獲得できる賞球数に差がある。
「アタッカー開放パターン」とは、大当たり遊技中のアタッカー装置41の開放パターンを定めたものであり、「フル開放」はアタッカー装置41が16ラウンド分長時間開放されるパターンであるのに対して、「一部高速開放」はアタッカー装置41が4ラウンド分は長時間開放されるものの、残りの12ラウンド分は短時間しか開放されないパターンである。また、「高速開放」はアタッカー装置41が2ラウンド分短時間での開放が行われるパターンである。
この点について、具体的に説明すると、「フル開放」では、1回のラウンド遊技が、ラウンド遊技開始後にアタッカー装置41が1回開き、露呈した大入賞口72に10個(所定個数)の遊技球が入賞すること、またはラウンド遊技が開始されてから30秒が経過したことの何れかの終了条件(ラウンド終了条件)が成立すると終了するという内容となっており、このラウンド遊技が16回(ラウンド)行われる。よって、遊技者は、多くの賞球の獲得が可能である。
「一部高速開放」では、ラウンド遊技が16回(ラウンド)行われる点では、「フル開放」と同じであるが、1〜4ラウンド目までと5〜16ラウンド目までとでは、ラウンド遊技の終了条件が異なっている。詳細に説明すると、1〜4ラウンド目は、「フル開放」と同じように、ラウンド遊技開始後にアタッカー装置41が1回開き、露呈した大入賞口72に10個の遊技球が入賞すること、またはラウンド遊技が開始されてから30秒が経過したことの何れかの終了条件(ラウンド終了条件)が成立すると終了するという内容となっている。
これに対して、5〜16ラウンド目までは、ラウンド遊技開始後にアタッカー装置41が1回開き、露呈した大入賞口72に10個の遊技球が入賞すること、またはラウンド遊技が開始されてから0.2秒が経過したことの何れかの終了条件(ラウンド終了条件)が成立すると終了するという内容になっている。つまり、高速開放の場合、1〜4ラウンド目までは多少の賞球の獲得が見込めるが、5〜16ラウンド目までは、アタッカー装置41が1ラウンドで最大0.2秒間しか開放されないため、賞球の獲得が見込めない。
また、「高速開放」は、ラウンド遊技開始後にアタッカー装置41が1回開き、露呈した大入賞口72に10個の遊技球が入賞すること、またはラウンド遊技が開始されてから0.2秒が経過したことの何れかの終了条件(ラウンド終了条件)が成立すると終了するという内容になっており、このラウンド遊技が2回(ラウンド)行われる。よって、高速開放の場合、2回のラウンドにおいて殆ど賞球が見込めない。
このようにアタッカー開放パターンが「フル開放」と「一部高速開放」と「高速開放」とで異なっているため、「フル開放」では、約1600個の賞球を獲得できるが、「一部高速開放」では約400個しか賞球を獲得できず、「高速開放」では賞球の獲得は約0個である。
なお、このアタッカー装置41の作動を制御して、特図の種類に応じたアタッカー開放パターンで大当たり遊技を提供しているのが、大当たり遊技制御部160である。ちなみに、この大当たり遊技制御部160は、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことを契機に行われる抽選で小当たりに当選した場合には、小当たり遊技を提供する制御も行っている。具体的には、小当たり遊技に移行すると、1回のラウンド中に、アタッカー装置41を0.2秒間開放する動作を2回繰り返して行うよう制御している。
なお、小当たり遊技の終了後において、その小当たりに当選したときの遊技状態を引き継ぐ当該終了後の遊技状態となるようにしてもよい。この場合は、殆ど賞球が見込めないアタッカー装置41の開放となるため、実質的にハズレの扱いとする制御となる。
また、「電サポ回数」とは、電動チューリップ49によるサポートを受けながら遊技を行うことができる遊技回数のことであり、より詳しくは、遊技状態が普図高確の状態で、特図抽選処理部110による抽選を行うことのできる回数(遊技回数)のことである。なお、本実施形態では、電サポ回数は、0回(電サポが付与されない)、30回、100回、および10000回(次回まで)の4種類が設けられているが、設定された電サポ回数に到達する前に大当たりに当選すると、その時点で残りの電サポ回数は消滅し、そして新たに当選した際に決定した特図の種類に応じた電サポ回数が付与されるようになることは言うまでもない。
ここで、本実施形態では、特図低確時の当選確率が1/300であり、特図高確時の当選確率が1/30となっているから、10000回も遊技を行う間には、ほぼ間違いなく大当たりに当選する。つまり、次回の大当たりに当選するまでの遊技回数が10000回を超えることは皆無である。よって、電サポ回数が10000回付与されるということは、次回の大当たり当選まで「普図高確」が継続することと等しいと言えるものである。そして、電サポ回数が10000回に決定されると、遊技球をあまり減らすことなく大当たりが連荘することが実質上、確定することになる。
このように、大当たりパターンは、大当たり種別と、ラウンド数と、アタッカー開放パターンと、電サポ回数とが規定された内容で構成されており、特図の種類が決定されると、その種類に応じた大当たりパターンに従って遊技の制御が行われることとなる。なお、特図の種類と大当たりパターンの対応関係は以下の通りである。
「2R特定時短有図柄」は、確変当たりであり、大当たり時の遊技状態が「低確」の場合、電サポ回数が0回となり、大当たり時の遊技状態が「内確」、「時短」、「確変」の場合には電サポ回数が10000回(次回まで)となり、ラウンド数が2ラウンドで、大当たり遊技でのアタッカー開放のパターンが「高速開放」となり、1回の大当たり遊技で獲得できる賞球はおよそ0個(出玉なし)の大当たりパターンに対応している。
そのため、遊技状態が「低確」中に大当たりに当選し、その当選時の特図の種類が「2R特定時短有図柄」の場合、大当たり遊技後の遊技状態が特図高確に移行されるものの、電サポが付与されないため、見た目には遊技状態が特図低確と特図高確の何れであるのかを遊技者は識別できない。よって、「2R特定時短有図柄」は、低確中の場合には、潜伏確変となる図柄である。
なお、「2R特定時短有図柄」は、本発明の「第2出玉無し図柄」および「第4出玉無し図柄」に相当する。そして、「2R特定時短有図柄」は、次回の大当たりまで遊技状態が特図高確となる確変当たりであるから、本実施形態は、本発明のN=Nd=10000、N=Ng=10000の場合を例示しているということになる。
「16R特定時短有図柄1」は、確変当たりであり、大当たり時の遊技状態が「低確」、「内確」、「時短」、「確変」の何れの場合においても電サポ回数が10000回(次回まで)となり、ラウンド数が16ラウンド(実質4ラウンド)で、大当たり遊技でのアタッカー開放のパターンが「一部高速開放」となり、1回の大当たり遊技でおよそ400個の出玉のある大当たりパターンに対応している。
「16R特定時短有図柄2」は、確変当たりであり、大当たり時の遊技状態が「低確」、「内確」、「時短」、「確変」の何れの場合においても電サポ回数が10000回(次回まで)となり、ラウンド数が16ラウンドで、大当たり遊技でのアタッカー開放のパターンが「フル開放」となり、1回の大当たり遊技でおよそ1600個の出玉のある大当たりパターンに対応している。
なお、「16R特定時短有図柄2」は、本発明の「第2出玉有り図柄」に相当する。さらに、「16R特定時短有図柄1」は、「16R特定時短有図柄2」の賞球数である1600個の1/4にあたる400個の賞球数を見込めるものであるから、「16R特定時短有図柄2」と同様に、本発明の「第2出玉有り図柄」に相当する。そして、「16R特定時短有図柄1」および「16R特定時短有図柄2」は、それぞれ次回の大当たりまで遊技状態が特図高確となる確変当たりであるから、本実施形態は、本発明のN=Nb=10000の場合を例示しているということになる。
「2R通常時短無図柄」は、通常当たりであり、大当たり時の遊技状態が「低確」、「内確」、「時短」、「確変」の何れの場合においても電サポ回数が0回となり、ラウンド数が2ラウンドで、大当たり遊技でのアタッカー開放のパターンが「高速開放」となり、1回の大当たり遊技で獲得できる賞球はおよそ0個(出玉なし)の大当たりパターンに対応している。よって、特図の種類が「2R特定時短有図柄」の場合、大当たり遊技後に有利な特典が付与されることなく遊技状態が低確に転落することになる。
なお、「2R通常時短無図柄」は、本発明の「第1出玉無し図柄」に相当する。そして、「2R通常時短無図柄」は、大当たり遊技後の遊技状態が低確になる図柄(電サポが付与されない図柄)であるため、本実施形態は、本発明のN=Nc=0の場合を例示しているということになる。
「16R通常時短有図柄1」は、通常当たりであり、大当たり時の遊技状態が「低確」、「内確」、「時短」、「確変」の何れの場合においても電サポ回数が30回となり、ラウンド数が16ラウンドで、大当たり遊技でのアタッカー開放のパターンが「一部高速開放」となり、1回の大当たり遊技でおよそ400個(実質4ラウンド分)の出玉のある大当たりパターンに対応している。
「16R通常時短有図柄2」は、通常当たりであり、大当たり時の遊技状態が「低確」、「内確」、「時短」、「確変」の何れの場合においても電サポ回数が100回となり、ラウンド数が16ラウンドで、大当たり遊技でのアタッカー開放のパターンが「フル開放」となり、1回の大当たり遊技でおよそ1600個の出玉のある大当たりパターンに対応している。
なお、「16R通常時短有図柄2」は、本発明の「第1出玉有り図柄」に相当する。さらに、「16R通常時短有図柄1」は、「16R通常時短有図柄2」の賞球数である1600個の1/4にあたる400個の賞球数を見込めるものであるから、「16R通常時短有図柄2」と同様に、本発明の「第1出玉有り図柄」に相当する。そして、「16R通常時短有図柄1」は大当たり遊技後の電サポが30回付与され、「16R通常時短有図柄2」は大当たり遊技後の電サポが100回付与されるから、本実施形態は、本発明のN=Na=30の場合と、N=Na=100の場合の2通りを例示しているということになる。
ここで、上記の特図の種類と大当たりパターンとの対応関係については、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞した場合と第2始動入賞口37bに遊技球が入賞した場合とで同じである。即ち、何れの始動入賞口に遊技球が入賞しても、その入賞を契機に決定される特図の種類が同じであれば、それに対応する大当たりパターンも同じとなる。
次に、特図の変動時間を決定するための処理について説明する。特図の変動時間は、変動パターンコマンドというコマンドに含まれており、特図変動パターンコマンド決定部130が遊技の開始時に変動パターンコマンドを決定することにより、その遊技に係る特図の変動時間が決定されるようになっている。
特図変動パターンコマンド決定部130は、図11に示すように、変動パターンコマンドの決定に用いる変動パターン用乱数を発生させるための特図変動パターン用乱数発生部131と、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことに基づいて第1変動パターンコマンドを決定するための第1特図変動パターン抽選部130aと、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことに基づいて第2変動パターンコマンドを決定するための第2特図変動パターン抽選部130bと、を備えて構成されている。
特図変動パターン用乱数発生部131は、周期的(例えば4ミリ秒毎)に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲(例えば0〜199まで)で1ずつ更新させることによりソフトウェア乱数を生成するものである。
第1特図変動パターン抽選部130aは、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことを契機に、特図変動パターン用乱数発生部131にて発生した特図変動パターン用の乱数の中から1つの乱数を取得する第1特図変動パターン用乱数取得部132aと、この第1特図変動パターン用乱数取得部132aが取得した乱数から、特図共通変動パターンコマンドテーブル134を参照して第1変動パターンコマンドを決定する第1特図変動パターン決定部135aと、第1特図または第2特図が変動中の場合に、第1特図変動パターン用乱数取得部132aが取得した乱数を上限4個まで記憶する第1特図変動パターン用乱数記憶部133aと、を備えて構成されている。なお、第1特図変動パターン抽選部130aは、第1始動入賞口37aに遊技球が1個入賞すると、第1特図当否抽選部119aと同様に、その入賞につき1つの特図変動パターン用乱数を取得する。
第2特図変動パターン抽選部130bも第1特図変動パターン抽選部130aと同様に、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことを契機に、特図変動パターン用乱数発生部131にて発生した特図変動パターン用の乱数の中から1つの乱数を取得する第2特図変動パターン用乱数取得部132bと、この第2特図変動パターン用乱数取得部132bが取得した乱数から、特図共通変動パターンコマンドテーブル134を参照して第2変動パターンコマンドを決定する第2特図変動パターン決定部135bと、第1特図または第2特図が変動中の場合に、第2特図変動パターン用乱数取得部132bが取得した乱数を上限4個まで記憶する第2特図変動パターン用乱数記憶部133bと、を備えて構成されている。なお、第2特図変動パターン抽選部130bは、第2始動入賞口37bに遊技球が1個入賞すると、第2特図当否抽選部119bと同様に、その入賞につき1つの特図変動パターン用乱数を取得する。
特図共通変動パターンコマンドテーブル134は、第1特図変動パターン抽選部130aおよび第2特図変動パターン抽選部130bの両方の抽選部が共通で用いるテーブルであって、図12に示すように、通常変動パターンテーブル134a、短縮変動パターンテーブル134b、特殊変動パターンテーブル(特殊変動テーブル)134cの合計3つのテーブルを備えている。
変動パターンテーブル134a〜cは、特図1(第1特図)および特図2(第2特図)の変動時間が規定されている(つまり、第1特図の変動時間に関するテーブルと第2特図の変動時間に関するテーブルとを有している)と共に、特図1と特図2とがそれぞれ特有の変動時間となるよう設定されている。そこで、以下、各テーブルの変動時間の特徴について、図13を用いて説明することにする。
まず、通常変動パターンテーブル134aは、保留記憶数(保留球乱数の記憶数)に応じて特図1の主要変動時間が異なるように設定されている。具体的には、第1特図用保留球乱数記憶部115aに記憶されている保留記憶数が0個と1個の場合、特図1の主要変動時間は12.5秒に設定され、保留記憶数が2個の場合、特図1の主要変動時間は12.5秒に設定され、保留記憶数が3個の場合、特図1の主要変動時間は7秒に設定され、保留記憶数が4個の場合、特図1の主要変動時間は4秒に設定されている。つまり、保留記憶数が多くなると、主要変動時間は短くなるように設定されている。さらに、通常変動パターンテーブル134aには、特図2についての主要変動時間が特図1と全く同一の時間となるように規定されている。なお、この主要変動時間とは、リーチが成立しない(または、リーチ扱いとならない)通常のハズレ変動時間のことである。
また、この通常変動パターンテーブル134aは、リーチとなる確率が特図1、特図2共に1/15に設定され、さらに、リーチ時の変動時間が特図1、特図2共に20秒〜120秒に設定されている。なお、大当たりのときには、必ずリーチ時の変動時間が選択される。
短縮変動パターンテーブル134bは、保留記憶数に応じて特図1の主要変動時間が異なるように設定されている。具体的には、第1特図用保留球乱数記憶部115aに記憶されている保留記憶数が0個と1個の場合、特図1の主要変動時間は7秒に設定され、保留記憶数が2個の場合、特図1の主要変動時間は4秒に設定され、保留記憶数が3個および4個の場合、特図1の主要変動時間は2秒に設定されている。短縮変動パターンテーブル134bにおいても、保留記憶数が多くなると、主要変動時間は短くなるように設定されている。さらに、短縮変動パターンテーブル134bには、特図2についての主要変動時間が特図1と全く同一の時間となるように規定されている。
また、この短縮変動パターンテーブル134bは、リーチとなる確率が特図1、特図2共に1/20に設定され、さらに、リーチ時の変動時間が特図1、特図2共に60秒〜120秒に設定されている。なお、大当たりのときには、必ずリーチ時の変動時間が選択される。
一方、特殊変動パターンテーブル134cは、上記した通常変動パターンテーブル134aおよび短縮変動パターンテーブル134bと趣の異なるテーブル構成を成しており、具体的には、特図1の場合と特図2の場合の両方において、保留記憶数に拘らず主要変動時間が3秒に設定されている。よって、1回の遊技に要する時間は3秒ということになる。なお、特殊変動パターンテーブル134cが参照される場合において、リーチが発生するときは大当たりに当選した時のみであり、その際のリーチ時変動時間は30秒である。このように、特殊変動パターンテーブル134cを参照して遊技が進められる場合には、リーチが発生する場合を除いて、1回の遊技が3秒で終了することになる。
ここで、特殊変動パターンテーブル134cにおいて、主要変動時間を3秒としたのは、後述するカード取り忘れ防止のための注意喚起画像(図18参照)が2秒間(予め定めた報知時間)に亘って表示されることを考慮したためである。即ち、注意喚起画像の表示時間より、その表示が行われる遊技での所要時間を長くすることで、注意喚起画像の表示を確実に1回の遊技中に行うことができるようにしているのである。そして、詳しくは後述するが、本実施形態では、特殊変動パターンテーブル134cが参照されるときのみ、注意喚起画像が演出表示装置34に表示されるようになっている。
次に、特図の種類と、参照される各変動パターンテーブル134a〜cとの関係について、図14を参照しながら説明する。まず、今回の大当たりが低確中の大当たり(即ち、初当たり)の場合における、特図の種類と変動パターンテーブル134a〜cとの関係について、図14(a)を参照しながら説明する。なお、図示していないが、電源投入後の初期状態やRAMクリア時は、通常変動パターンテーブル134aが参照されるように設定されている。
初当たり時の特図の種類が「2R特定時短有図柄」の場合、大当たり遊技後の遊技回数が何回であるかに拘らず、次の大当たり当選時まで通常変動パターンテーブル134aが参照される。つまり、確変当たりであることを遊技者に分からせないようにするために、低確の場合と同じように通常変動パターンテーブル134aが参照される。また、この場合は出玉がないため、カードを使用しながらの遊技が行われるはずである。そのため、大当たり遊技後に特殊変動パターンテーブル134cが参照されないようにして、注意喚起画像の表示が行われないようにしている。
初当たり時の特図の種類が「16R特定時短有図柄1」および「16R特定時短有図柄2」の場合、大当たり遊技後の遊技回数が何回であるかに拘らず、次の大当たり当選時まで短縮変動パターンテーブル134bが参照される。即ち、特殊変動パターンテーブル134cは参照されず、注意喚起画像は表示されない。これは、次回の大当たり(連荘)が確定しているため、遊技者は遊技を途中でやめることなく継続するはずであり、遊技が継続される以上、連荘時に注意喚起画像の表示を行えば十分だからである。
初当たり時の特図の種類が「2R通常時短無図柄」の場合、大当たり遊技後は遊技状態が低確になるため、遊技回数が何回であるかに拘らず、次の大当たり当選時まで通常変動パターンテーブル134aが参照される。この場合は出玉がないため、カードを使用しながらの遊技が行われるはずである。そのため、特殊変動パターンテーブル134cが参照されないようにして、注意喚起画像の表示が行われないようにしている。
初当たり時の特図の種類が「16R通常時短有図柄1」の場合、大当たり遊技後の遊技回数が1回目〜29回目までの間は、短縮変動パターンテーブル134bが参照され、30回目(即ち、電サポ回数と同じ遊技回数に到達したとき)の遊技では特殊変動パターンテーブル134cが参照され、31回目以降の遊技では遊技状態が低確になることに伴って通常変動パターンテーブル134aが参照されるようになっている。よって、大当たり遊技後の遊技が30回目のときに、特殊変動パターンテーブル134cが参照されることにより、注意喚起画像が演出表装置34に表示される。ここで、30回目の遊技中に注意喚起画像を表示するようにしたのは、遊技者は、電サポが終了するタイミングで遊技を止める場合があるため、そのタイミングでカードの取り忘れを防止するための報知を行うことは効果的だからである。本実施形態は、本発明のTa=30(=Na)の場合を例示している。
なお、30回目の遊技より前に大当たりに当選した場合には、注意喚起が表示されることはない。そして、その大当たり当選時の特図の種類に応じて、大当たり遊技後に参照される変動パターンテーブルが新たに決められることになる。
初当たり時の特図の種類が「16R通常時短有図柄2」の場合、大当たり遊技後の遊技回数が1回目〜99回目までの間は、短縮変動パターンテーブル134bが参照され、100回目(即ち、電サポ回数と同じ遊技回数に到達したとき)の遊技では特殊変動パターンテーブル134cが参照され、101回目以降の遊技では遊技状態が低確になることに伴って通常変動パターンテーブル134aが参照されるようになっている。よって、大当たり遊技後の遊技が100回目のときに、特殊変動パターンテーブル134cが参照されることにより、注意喚起画像が演出表装置34に表示される。ここで、100回目の遊技中に注意喚起画像を表示するようにしたのは、遊技者は電サポが終了するタイミングで遊技を止める場合があるため、そのタイミングでカードの取り忘れを防止するための報知を行うことは効果的だからである。本実施形態は、本発明のTa=100(=Na)の場合を例示している。
なお、100回目の遊技より前に大当たりに当選した場合には、注意喚起が表示されることはない。そして、その大当たり当選時の特図の種類に応じて、大当たり遊技後に参照される変動パターンテーブルが新たに決められることになる。
次に、今回の大当たりが低確以外の状態で大当たりに当選した場合(即ち、連荘時)における、特図の種類と変動パターンテーブル134a〜cとの関係について、図14(b)を参照しながら説明する。
連荘時の特図の種類が「2R特定時短有図柄」、「16R特定時短有図柄1」、および「16特定時短有図柄2」の場合、大当たり遊技後の遊技回数が何回であるかに拘らず、次の大当たり当選時まで短縮変動パターンテーブル134bが参照される。これらの場合は、次回の大当たりが確定しているため、次回の大当たりまで遊技が継続される可能性が高い。そのため、大当たり遊技後に特殊変動パターンテーブル134cが参照されないようにして、注意喚起画像の表示が行われないようにしている。
連荘時の特図の種類が「2R通常時短無図柄」の場合、大当たり遊技後の1回目の遊技で特殊変動テーブル134cが参照される。よって、大当たり遊技後の1回目の遊技が開始されると、注意喚起画像が演出表示装置34に表示されることになる。なお、大当たり遊技後の2回目の遊技以降は、低確になっているため、次の大当たり当選時まで通常変動パターンテーブル134aが参照される。本実施形態は、本発明のTc=1の場合を例示している。
連荘時の特図の種類が「16R通常時短有図柄1」の場合、大当たり遊技後の遊技回数が1回目〜29回目までの間は、短縮変動パターンテーブル134bが参照され、30回目(即ち、電サポ回数と同じ遊技回数に到達したとき)の遊技では特殊変動パターンテーブル134cが参照され、31回目以降の遊技では遊技状態が低確になることに伴って通常変動パターンテーブル134aが参照されるようになっている。よって、大当たり遊技後の遊技が30回目のときに、特殊変動パターンテーブル134cが参照されることにより、注意喚起画像が演出表装置34に表示される。ここで、30回目の遊技中に注意喚起画像を表示するようにしたのは、電サポが終了するタイミングで遊技を止める場合があるため、そのタイミングでカードの取り忘れを防止するための報知を行うことは効果的だからである。
なお、30回目の遊技より前に大当たりに当選した場合には、注意喚起が表示されることはない。そして、その大当たり当選時の特図の種類に応じて、大当たり遊技後に参照される変動パターンテーブルが新たに決められることになる。
連荘時の特図の種類が「16R通常時短有図柄2」の場合、大当たり遊技後の遊技回数が1回目〜99回目までの間は、短縮変動パターンテーブル134bが参照され、100回目(即ち、電サポ回数と同じ遊技回数に到達したとき)の遊技では特殊変動パターンテーブル134cが参照され、101回目以降の遊技では遊技状態が低確になることに伴って通常変動パターンテーブル134aが参照される。よって、大当たり遊技後の遊技が100回目のときに、特殊変動パターンテーブル134cが参照されることにより、注意喚起画像が演出表装置34に表示される。ここで、100回目の遊技中に注意喚起画像を表示するようにしたのは、電サポが終了するタイミングで遊技を止める場合があるため、そのタイミングでカードの取り忘れを防止するための報知を行うことは効果的だからである。
なお、100回目の遊技より前に大当たりに当選した場合には、注意喚起が表示されることはない。そして、その大当たり当選時の特図の種類に応じて、大当たり遊技後に参照される変動パターンテーブルが新たに決められることになる。
このように、本実施形態は、カードを使う必要がなく、かつ、遊技を中止する可能性が高いときに限って注意喚起画像が表示されるため、カードの取り忘れの防止に寄与するだけでなく、遊技性を損なわないという点においても優れている。
次に、変動パターンコマンドの具体例を、図15を参照しながら以下に説明する。なお、図15中の「擬似連」とは、1回の遊技中に、複数の演出図柄を変動させた後にハズレを示す態様で仮停止させ、再び複数の演出図柄を変動させるといった演出表示を繰り返すことによって、実際には1回の遊技であるものの、擬似的に複数回の遊技を行っているかのように見せる演出のことであり、擬似連の回数とは、その擬似的に行う演出上(見せかけ)の遊技回数のことである。
図15(a)は、第2特図当否抽選部119bによる当否判定の結果がハズレの場合において、短縮変動パターンテーブル134bを参照した場合の特図変動パターン用乱数の値と第2変動パターンコマンドとの関係、および変動パターンコマンドの内容について示したものである。また、図15(b)は、第2特図当否抽選部119bによる当否判定の結果がハズレの場合において、特殊変動パターンテーブル134cを参照した場合の特図変動パターン用乱数の値と第2変動パターンコマンドとの関係、および変動パターンコマンドの内容について示したものである。
図15(a)から明らかなように、短縮変動パターンテーブル134bが参照される場合においては、特図変動パターン用乱数の値が0〜9までの何れかであるとき、それらに対応する第2変動パターンコマンドは、変動パターンNo.B31〜B36の何れかとなる。これら変動パターンNo.B31〜B36には、変動時間が60秒〜120秒までの何れかのリーチ変動時間が規定されている。よって、特図変動パターン用乱数の値が0〜9までの場合、保留記憶数とは関係なく、変動パターンNo.に規定されているリーチ変動時間となる。なお、前述したように、短縮変動パターンテーブル134bのリーチ確率は1/20であるため、リーチとなる特図変動パターン用乱数の個数は、合計200個のうち10個となっている。
これに対して、特図変動パターン用乱数の値が10〜199までの何れかであるとき、それらに対応する第2変動パターンコマンドは、保留記憶数に応じて変動パターンNo.B37〜B39の何れかとなる。具体的には、第2変動パターンコマンドは、保留記憶数が0〜1個のとき変動時間7秒の変動パターンNo.B37となり、保留記憶数が2個のとき変動時間4秒の変動パターンNo.B38となり、保留記憶数が3〜4個のとき変動時間2秒の変動パターンNo.B39となる。
また、図15(b)から明らかなように、特殊変動パターンテーブル134cが参照される場合においては、特図変動パターン用乱数の値が0〜199の何れの値になっても、第2変動パターンコマンドは、保留記憶数とは関係なく、必ず変動パターンNo.B51となる。この変動パターンNo.B51には、変動時間が3秒と規定されている。よって、ハズレの場合であって、特殊変動パターンテーブル134cが参照されるときは、必ず第2特図の変動時間は3秒となる。なお、図示しないが、大当たりと判定された場合に参照される特殊変動パターンテーブル134cには、特図変動パターン用乱数の値が何れの場合であっても、リーチ変動時間30秒の変動パターンNo.が選択されるように構成されている。
図4に戻って、普図変動時間決定部190は、普図の変動開始時における普図の遊技状態が普図高確と普図低確の何れであるかを判断し、その判断結果に応じて予め定めた普図の変動時間を決定する。具体的には、普図高確の場合、普図変動時間決定部190は、普図に係る変動時間を2秒に決定し、普図低確の場合、普図変動時間決定部190は、普図に係る変動時間を30秒に決定する。
次に、払出・発射制御処理部105について説明する。払出・発射制御処理部105は、図4に示すように、主制御処理部100と相互通信可能に接続されているうえ、台間機300とも中継基板を介して相互通信可能に接続されている。払出・発射制御処理部105は、賞球払出装置14の払出モータの駆動を制御することにより、所定個数の賞球や貸球を払い出したり、発射ボリュームの値に応じて発射装置9の発射用モータ(発射用ロータリーソレノイドが用いられることもある)の駆動を制御することにより、所定の発射強度で遊技球を発射できるようにしたり、整流器の球送りソレノイドの駆動を制御することにより、遊技球を1個ずつ発射装置9に送り出すようにする等の処理を担っている。なお、台間機300が払出・発射制御処理部105と電気的に接続されていない場合には、発射装置9から遊技球が発射されることはないように制御されている。
台間機300に備えられた貨幣挿入口310に貨幣が挿入されると、プリペイドカード作成装置は、挿入された貨幣に応じた度数が記憶されたプリペイドカードを作成し、CR基板は、プリペイドカードに記憶された金額に応じた度数を度数表示装置71に表示する。また、遊技者が所有等していたプリペイドカード(有価価値記憶媒体)がカード挿入・排出口320に挿入されると、CR基板は、プリペイドカードに記憶された金額に応じた度数を度数表示装置71に表示する。本実施形態では、金額が百円に対し「1度数」が度数表示装置71に表示されるようになっている。
例えば、遊技者が、貨幣挿入口310に千円の紙幣を挿入すると、CR基板は、度数表示装置71に10度数を表示するよう制御する。そして、パチンコ機Pに備えられた球貸スイッチ72が1回操作されると、賞球払出装置14は、125個(5百円分)の遊技球を受皿5に排出して、遊技者に遊技球を貸出し、CR基板は、プリペイドカードに記憶された度数を5度数減算し、度数表示装置71には10度―5度=5度を表示する。プリペイドカードに記憶された度数が「0度数」となると、度数表示装置71には0度数が表示され、これ以上、球貸スイッチ72を操作しても、賞球払出装置14は、遊技球を受皿5に排出しない。
なお、プリペイドカードを遊技場に設置された精算機に挿入すると、プリペイドカードに記憶されている度数に応じた貨幣が精算機から払い戻されるようになっている。
ここまで、主に主制御処理部100が行う各処理について説明したが、ここからは、主制御処理部100から指令を受けて各種演出を行うためのサブ制御処理部200について説明する。サブ制御処理部200は、演出制御処理部201(詳しくは後述)と、枠ランプや盤面ランプ等の各種ランプの制御を行うためのランプ制御処理部202と、スピーカ20やサウンドプロセッサ等の制御を行うための音声制御処理部203と、を備えて構成され、図3に示すように遊技盤3の裏面に支持部材等を介して設けられている。
演出制御処理部201は、図16に示すように、処理部として、演出態様を決定するための演出態様決定部210と、演出態様決定部210が決定した演出態様を演出表示装置34に表示するよう制御する演出表示制御部220と、保留球表示領域34a,34bに保留球を表示する制御を行う保留球表示制御部230と、を備えている。
さらに、演出制御処理部201は、記憶部として、演出態様記憶部260を備えている。この演出態様記憶部260には、複数種類の演出態様(演出画像データ)261a〜cを記憶した演出パターンテーブル261と、プリペイドカードの取り忘れを防止するために遊技者に注意を喚起するための注意喚起画像270と、が格納されている。
演出態様決定部210は、遊技の開始時に送られてきた第1変動パターンコマンドまたは第2変動パターンコマンドに基づいて、演出態様記憶部260に記憶されている演出テーブル261a〜cの何れかのテーブルを参照しながら、今回用いる演出態様(使用する演出画像データ)を決定する。なお、通常演出テーブル261aは、通常変動パターンテーブル134aが参照される場合に参照され、短縮演出テーブル261bは、短縮変動パターンテーブル134bが参照される場合に参照され、特殊演出テーブル261cは、特殊変動パターンテーブル134cが参照される場合に参照される。即ち、それぞれの変動パターンテーブルに応じて演出テーブルが用意されている。
詳しくは図示しないが、各演出テーブル261a〜cには、変動パターンコマンドに対応する演出画像データが複数記憶されており、より詳細に言えば、変動時間毎に、リーチ内容の異なる演出画像データが複数記憶されている。例えば、変動時間90秒の演出画像データとして、対決系リーチA、対決系リーチB、ストーリー系リーチA、ストーリー系リーチB、ストーリー系リーチCといった種類の画像データが用意されている。そして、演出態様決定部210は、遊技開始時に第1または第2変動パターンコマンドが送られてくると、その変動パターンコマンドに規定されている変動時間およびリーチ内容に対応する演出画像データの中から1つを抽選で選択する。こうして、今回の遊技に用いる演出態様が決定されることになる。
演出表示制御部220は、演出態様決定部210にて決定された演出パターンを演出表示装置34に表示するよう制御している。さらに、演出表示制御部220は、特殊変動パターンテーブル134cを参照して生成された変動パターンコマンド(例えば、図15(b)の変動パターンNo.B51)が送られてきた場合には、遊技開始のタイミングで注意喚起画像270を演出表示装置34に2秒間表示するよう制御している。この注意喚起画像270は、図18に示すように、「プリペイドカードの取り忘れや盗難にご注意ください。」というメッセージと、プリペイドカードを取り出すことを促すデザイン画とで構成された画像である。
また、保留球表示制御部230は、主制御処理部100から保留球乱数が記憶された旨のコマンドを受信すると、それに従って、第1保留球表示領域34aまたは第2保留球表示領域34bに白色の保留球を表示するよう制御している。
次に、本発明の第1の実施の形態例に係るパチンコ機Pの遊技処理の手順について図17を参照して説明するが、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞した場合の遊技処理と第2始動入賞口37bに遊技球が入賞した場合の遊技処理とは同じである。よって、以下では、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞した場合についての遊技処理について説明を行い、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞した場合についての説明は省略する。
図17に示すように、遊技球が第2始動入賞口37bに入賞したか否かを主制御処理部100は判断する(ステップS1)。入賞した場合(ステップS1でYes)には、第2特図当否判定用乱数取得部112bは特図当否判定用の乱数を取得し、第2特図種類決定用乱数取得部122bは特図種類決定用の乱数を取得し、第2特図変動パターン用乱数取得部132bは特図変動パターン用の乱数を取得する(ステップS2)。
第1特図または第2特図が変動中の場合(ステップS3でYes)には、ステップS2で取得した特図当否判定用乱数を第2特図用保留球乱数記憶部115bに、特図種類決定用乱数を第2特図種類決定用乱数記憶部124bに、特図変動パターン用乱数を第2特図変動パターン用乱数記憶部133bに、それぞれ記憶する(ステップS4)。このとき、保留球表示制御部230が白色の保留球を第2保留球表示領域34bに表示する。そして、ステップS3の手前に戻って、今回の入賞に係る遊技の順番が来るまで待機する。なお、既に第2特図用保留球乱数記憶部115bに、上限である4個の保留球乱数が記憶されている場合には、ステップS4の処理は行われないということは言うまでもない。
一方、第1特図および第2特図の何れも変動していない場合、即ち、遊技の順番が来た場合(ステップS3でNo)には、ステップS5にて特図当たり判定処理が行われる。つまり、ステップS2で取得した特図当否判定用乱数が大当たり/小当たり/ハズレの何れであるか否かを第2特図当否判定部113bが判断する。
次いで、ステップS6にて、特図種類決定処理が行われる。具体的には、ステップS5での特図当たり判定処理の結果、大当たりと判定された場合には、第2特図種類決定部124bが、ステップS2で取得した特図種類決定用乱数に基づいて、その大当たりに対する特図の種類を決定する。即ち、図8を参照して、「2R特定時短有図柄」〜「16R通常時短有図柄2」までの6種類の中から1つを、このステップS6で決定する。一方、ステップS5でハズレと判定された場合には、第2特図の種類を決定することなくステップS6の処理は終了する。なお、小当たりの場合、小当たりに対応する特図の種類が決定される。
次いで、ステップS7にて特図変動パターンコマンド決定処理が行われる。この特図変動パターンコマンド決定処理では、ステップS2で取得した特図変動パターン用乱数に基づいて、第2特図変動パターン決定部135bが、変動パターンテーブル134a、134b、134cのうち何れかを参照して第2変動パターンコマンドを決定する。
次いで、ステップS8にて、演出態様決定処理が行われる。この演出態様決定処理では、演出態様決定部210が、演出パターンテーブル261a〜cの何れかを参照して、第2変動パターンコマンドに対応する演出パターンを今回の遊技に用いる演出パターンに決定する。
ここで、第2変動パターンコマンドが特殊変動パターンテーブル134cを参照して決定されたもの(図15(b)参照)である場合、演出態様決定部210は、遊技の開始時に注意喚起画像270を演出表示装置34に表示することを決定する。
次いで、ステップS9で、第2特図表示制御部101bが特図表示装置17に第2特図の変動表示を開始させ、演出表示制御部220が演出表示装置34にステップS8で決定された演出パターンの表示を開始する。
このとき、ステップS8で注意喚起画像270を表示することが決定している場合、演出表示制御部220が、図18に示すように注意喚起画像270を演出表示装置34に表示するよう制御する。より詳細に説明すると、図18(a)に示すように、演出表示制御部220は、遊技の開始に合せて、注意喚起画像270を演出表示装置34の中央に大きく表示する。
なお、注意喚起画像270が表示される場合は、図14に示すように、大当たり遊技後の遊技回数が1回目の場合(図14(b)の「2R通常時短無図柄」を参照)、30回目の場合(図14(a),(b)の「16R通常時短有図柄1」を参照)、または100回目の場合(図14(a),(b)の「16R通常時短有図柄2」を参照)である。
注意喚起画像270が表示されると、その表示の邪魔にならないようにするために、演出表示制御部220は、第2特図と同期して変動を開始する演出図柄を演出表示装置34の右下隅に小さく変動表示する。なお、右下隅以外の隅部に小さく演出図柄を表示しても良いし、また、演出表示装置34とは別の装置に表示するようにしても良い。
そして、図18(b)に示すように、演出表示制御部220は、遊技開始から2秒経過した後に、注意喚起画像270の表示を中止し、画面の右下隅に小さく変動表示していた演出図柄を、画面中央に大きく表示するよう制御する。
図17に戻り、次いで、ステップS10で、第2特図表示制御部101bが特図表示装置17に第2特図を停止表示させる。このとき、特図表示装置17に停止表示される図柄は、ステップS5で大当たりと判定された場合には、ステップS6にて決定された第2特図の種類に対応した当たり図柄となるが、ステップS5でハズレと判定された場合には、ハズレに対応したハズレ図柄、小当たりの場合小当たりに対応した小当たり図柄となる。また、ステップS10では、第2特図の変動停止と同期して、演出パターンの表示が停止され、所定の演出図柄が演出表示装置34に停止表示される。
次いで、停止した第2特図が大当たりの組合せで確定している場合(ステップS11でYes)は、大当たり遊技制御部160は、第2特図の種類に応じた所定のアタッカー開放パターン(図10参照)でアタッカー装置41を開放して大当たり遊技を提供する(ステップS12)。なお、小当たりに当選した場合には、このステップS12において小当たり遊技が行われてアタッカー装置41が2回開閉動作することになる。次いで、ステップS13にて、遊技状態設定部140は、次の遊技における特図および普図の遊技状態を高確率状態または低確率状態に設定する。
このステップS13で、次回の遊技における遊技状態が設定されると、1回の遊技に係る処理が終了する。また、ステップS11でNoの場合は、大当たり遊技が提供されることなくステップS13に進んで、次遊技の遊技状態が設定される。なお、ステップS1でNoの場合は遊技が行われることなく終了となる。
以上、説明したように、第1の実施の形態例に係るパチンコ機によれば、初当たり時に賞球数が1600個の大当たり遊技が行われ、かつ、大当たり種別が通常当たりの場合(16R通常時短有図柄1、16R通常時短有図柄2)には、電サポが終了する遊技(30回目または100回目)において注意喚起画像270が表示されるため、遊技者はその表示を見て、プリペイドカードを取り忘れないよう意識する。よって、本実施形態は、プリペイドカードの取り忘れを防止することができる。
一方、初当たり時の賞球数が1600個の大当たり遊技が行われ、かつ、大当たり種別が確変当たりの場合(16R特定時短有図柄1、16R特定時短有図柄2)には、次回の大当たりが確定しているため、遊技者は、次回の大当たり当選まで遊技を続行するはずである。この場合、連荘が終了してから注意喚起画像270を表示すれば十分である。そこで、本実施形態では、初当たり時に出玉があり、かつ、連荘が確定している場合には、注意喚起画像270を表示しない構成にして、遊技性が低下しないようにしている。
また、初当たり時の賞球数が0個の大当たり遊技が行われた場合(2R特定時短有図柄、2R通常時短無図柄)には、遊技者は遊技を止める場合もある。また、賞球数が0個の場合には、そのまま遊技を継続しようとすれば、プリペイドカードの使用が必要となるはずである。このような場合に、本実施形態では、注意喚起画像270の表示は行わない構成としているので、不必要なときに注意喚起画像270を行って、遊技性を低下させ、あるいは、遊技者を不快にさせるといったことはない。
また、連荘時には、既に遊技者は多くの賞球を獲得しているとみなすことができる。そこで、本実施形態では、次回の大当たりが確定している場合(2R特定時短有図柄、16R特定時短有図柄1、16R特定時短有図柄2)には、注意喚起画像270を表示しない構成にして、遊技性が低下しないようにしている。
一方、連荘時の特図の種類が2R通常時短有図柄の場合、初当たり時に獲得した賞球を持ったまま、連荘中の大当たり遊技後に直ぐ遊技を中止する可能性がある。また、連荘時の特図の種類が16R通常時短有図柄1および16R通常時短有図柄2の場合、初当たり時に獲得した賞球および今回の大当たり遊技で獲得した賞球を持ったまま、電サポ回数の遊技が行われた後に遊技を中止する可能性がある。この場合、プリペイドカードを取り忘れる可能性があるが、本実施形態では、電サポ回数の遊技が行われたとき、即ち、大当たり遊技後の1回目、30回目、または100回目の遊技において注意喚起画像270が表示されるので、遊技者にプリペイドカードを取り忘れることのないよう注意を促すことができる。
勿論、本実施形態において、注意喚起画像270が表示されるタイミングは、何れの場合も大当たり遊技後であるため、注意喚起画像270が大当たり遊技中の演出の妨げとなることはない。なお、本実施形態では、注意喚起画像270を表示するにあたり、台間機300にプリペイドカードが挿入されているかの判断が不要であるため、注意喚起画像270の表示を行うに際して、制御が簡単であるといった利点もある。
ここで、上記の例では、大当たり遊技後の遊技回数が電サポ回数に到達したときに、注意喚起画像270を表示する構成であったが、第1の実施の形態例を以下に示す変形例1の構成に変形することもできる。以下、この変形例1について、図19を用いて説明する。
変形例1は、注意喚起画像270を表示する遊技が、電サポ回数に到達した遊技の次の遊技にした点に特徴がある。より詳細に説明すると、変形例1は、初当たり時および連荘時に「16R通常時短有図柄1」の場合、電サポ回数である30回の次のゲーム、即ち、大当たり遊技後の31回目の遊技において、注意喚起画像270が表示され、「16R通常時短有図柄2」の場合、電サポ回数である100回の次のゲーム、即ち、大当たり遊技後の101回目の遊技において、注意喚起画像270が表示されるように構成されている。
注意喚起画像270が表示される遊技は、特殊変動パターンテーブル134cが参照されるため、ハズレの場合の変動時間は3秒となる。そのため、上記した第1の実施の形態例では、大当たり遊技後の遊技回数が30回目または100回目における特図の変動時間は3秒となる。これに対して、変形例1では、大当たり遊技後の遊技回数が30回目または100回目における特図の変動時間は、短縮変動パターンテーブル134bが参照されるため、保留記憶数が3個または4個の場合、2秒となる(図13参照)。よって、変形例1では、30回目または100回目の変動時間が1秒ほど短くなり、遊技の消化時間が早まる。
しかも、30回目または100回目の遊技中は、普図高確中であることから、電動チューリップ49が開いているが、30回目または100回目の遊技を早めることができると、普通図柄に係る遊技状態を少しでも早く普図低確にすることができるので、出玉を抑えることができるといった利点もある。なお、変形例1では、大当たり遊技後の遊技回数が、電サポ回数+1ゲーム目のときに注意喚起画像270を表示する構成であるが、注意喚起画像270を表示するゲーム数は、電サポ回数+8ゲーム(保留記憶数の上限)の範囲で適宜決定することができる。この範囲であれば、遊技者が遊技を中止するタイミングで、注意喚起画像270を表示することができるため、プリペイドカードの取り忘れを防止するという効果は担保される。
続いて、本発明の第2の実施の形態例に係るパチンコ機について説明するが、第2の実施の形態例に係るパチンコ機は、第1の実施の形態例に係るパチンコ機と比べて、大当たり種別の仕様が異なる点(第2の実施の形態例は、所謂ST機である点)が主に相違するものの、それ以外の構成は殆ど同じである。そこで、以下では、主にこの相違部分について図20〜図21を用いて説明することとし、それ以外の部分については、説明を省略する。なお、第2の実施の形態例に係るパチンコ機は、大当たりに当選すると、必ず大当たり遊技後の遊技が70回だけ特図高確の状態で行われる仕様、即ち、回数切り確変機(ST機とも称される)である。
第2の実施の形態例に係るパチンコ機では、特図の種類と、その特図の種類に対応する大当たりパターンは、図20に示すように構成されている。
即ち、「2R確変図柄」は、確変当たりであり、大当たり時の遊技状態が「低確」の場合、電サポ回数が0回となり、大当たり時の遊技状態が「内確」、「時短」、「確変」の場合には電サポ回数が70回となり、ラウンド数が2ラウンドで、大当たり遊技でのアタッカー開放のパターンが「高速開放」となり、1回の大当たり遊技で獲得できる賞球はおよそ0個(出玉なし)の大当たりパターンに対応している。
そのため、遊技状態が「低確」中に大当たりに当選し、その当選時の特図の種類が「2R確変図柄」の場合、大当たり遊技後の遊技状態が特図高確に移行されるものの、電サポが付与されないため、見た目には遊技状態が特図低確と特図高確の何れであるのかを遊技者は識別できない。よって、「2R確変図柄」は、低確中の場合には、潜伏確変となる図柄である。
なお、「2R確変図柄」は、本発明の「第4出玉無し図柄」に相当する。そして、「2R確変図柄」は、70回だけ遊技状態が特図高確となる確変当たりであるから、第2の実施形態は、本発明のN=Ng=70の場合を例示しているということになる。
「16R確変図柄1」は、確変当たりであり、大当たり時の遊技状態が「低確」、「内確」、「時短」、「確変」の何れの場合においても電サポ回数が70回となり、ラウンド数が16ラウンド(実質3ラウンド)で、大当たり遊技でのアタッカー開放のパターンが「一部高速開放」となり、1回の大当たり遊技でおよそ300個の出玉のある大当たりパターンに対応している。
なお、「16R確変図柄1」における「一部高速開放」では、ラウンド遊技が1〜3ラウンド目まではフル開放、4〜16ラウンド目までは高速開放となっており、賞球の獲得がおよそ300個しか見込めない。この賞球数300個は、後述する「16R確変図柄3」の賞球数1600個と比べて1/4未満である。よって、「16R確変図柄1」は、本発明の「第3出玉無し図柄」に相当する。そして、「16R確変図柄1」は、70回だけ遊技状態が特図高確となる確変当たりであるから、第2の実施形態は、本発明のN=Nf=70の場合を例示しているということになる。
「16R確変図柄2」は、確変当たりであり、大当たり時の遊技状態が「低確」、「内確」、「時短」、「確変」の何れの場合においても電サポ回数が70回となり、ラウンド数が16ラウンド(実質5ラウンド)で、大当たり遊技でのアタッカー開放のパターンが「一部高速開放」となり、1回の大当たり遊技でおよそ500個の出玉のある大当たりパターンに対応している。
なお、「16R確変図柄2」における「一部高速開放」では、ラウンド遊技が1〜5ラウンド目まではフル開放、6〜16ラウンド目までは高速開放となっており、賞球の獲得がおよそ500個見込める。この賞球数500個は、後述する「16R確変図柄3」の賞球数1600個と比べて1/4以上である。よって、「16R確変図柄2」は、本発明の「第3出玉有り図柄」に相当する。
「16R確変図柄3」は、確変当たりであり、大当たり時の遊技状態が「低確」、「内確」、「時短」、「確変」の何れの場合においても電サポ回数が70回となり、ラウンド数が16ラウンドで、大当たり遊技でのアタッカー開放のパターンが「フル開放」となり、1回の大当たり遊技でおよそ1600個の出玉のある大当たりパターンに対応している。よって、「16R確変図柄3」も、「16R確変図柄2」と同様に、本発明の「第3出玉有り図柄」に相当する。
そして、「16R確変図柄2」および「16R確変図柄3」は、それぞれ70回だけ遊技状態が特図高確となる確変当たりであるから、第2の実施形態は、本発明のN=Ne=70の場合を例示しているということになる。
次に、特図の種類と、参照される各変動パターンテーブル134a〜cとの関係について、図21を参照しながら説明する。まず、今回の大当たりが低確中の大当たり(即ち、初当たり)の場合における、特図の種類と変動パターンテーブル134a〜cとの関係について、図21(a)を参照しながら説明する。なお、図示していないが、電源投入後の初期状態やRAMクリア時は、通常変動パターンテーブル134aが参照されるように設定されている。
初当たり時の特図の種類が「2R確変図柄」の場合、大当たり遊技後の遊技回数が何回であるかに拘らず、次の大当たり当選時まで通常変動パターンテーブル134aが参照される。つまり、確変当たりであることを遊技者に分からせないようにするために、低確の場合と同じように通常変動パターンテーブル134aが参照される。また、この場合は出玉がないため、カードを使用しながらの遊技が行われるはずである。そのため、大当たり遊技後に特殊変動パターンテーブル134cが参照されないようにして、注意喚起画像の表示が行われないようにしている。
初当たり時の特図の種類が「16R確変図柄1」の場合、大当たり遊技後の遊技回数が70回目までは短縮変動パターンテーブル134bが参照される。そして、71回目の遊技から、遊技状態が低確に転落するので、これに伴って、参照されるテーブルが通常変動パターンテーブル134aとなる。よって、この場合、注意喚起画像は表示されない。なお、初当たりで「16R確変図柄1」となった場合、賞球がおよそ300個と少なく、獲得した賞球だけで遊技を続行することが厳しいため、注意喚起画像が表示されると却って遊技者は不快になることから、第2実施形態では注意を喚起しないようにしている。
初当たり時の特図の種類が「16R確変図柄2」および「16R確変図柄3」の場合、大当たり遊技後の遊技回数が1回目〜69回目までの間は、短縮変動パターンテーブル134bが参照され、70回目(即ち、確変が終了する遊技回数に到達したとき)の遊技では特殊変動パターンテーブル134cが参照され、71回目以降の遊技では遊技状態が低確になることに伴って通常変動パターンテーブル134aが参照されるようになっている。よって、大当たり遊技後の遊技が70回目のときに、特殊変動パターンテーブル134cが参照されることにより、注意喚起画像が演出表装置34に表示される。ここで、70回目の遊技中に注意喚起画像を表示するようにしたのは、遊技者は、確変状態が終了するタイミングで遊技を止める場合があるため、そのタイミングでカードの取り忘れを防止するための報知を行うことは効果的だからである。第2実施形態は、本発明のTe=70(=Ne)の場合を例示している。
なお、70回目の遊技より前に大当たりに当選した場合には、注意喚起が表示されることはない。そして、その大当たり当選時の特図の種類に応じて、大当たり遊技後に参照される変動パターンテーブルが新たに決められることになる。
次に、今回の大当たりが低確以外の状態で大当たりに当選した場合(即ち、連荘時)における、特図の種類と変動パターンテーブル134a〜cとの関係について、図21(b)を参照しながら説明する。
連荘時は、特図の種類が「2R確変図柄」、「16R確変図柄1」、「16R確変図柄2」、および「16R確変図柄3」の何れの場合であっても、大当たり遊技後の遊技回数が1回目〜69回目までの間は、短縮変動パターンテーブル134bが参照され、70回目(即ち、確変が終了する遊技回数に到達したとき)の遊技では特殊変動パターンテーブル134cが参照され、71回目以降の遊技では遊技状態が低確になることに伴って通常変動パターンテーブル134aが参照されるようになっている。よって、大当たり遊技後の遊技が70回目のときに、特殊変動パターンテーブル134cが参照されることにより、注意喚起画像が演出表装置34に表示される。ここで、70回目の遊技中に注意喚起画像を表示するようにしたのは、遊技者は、確変状態が終了するタイミングで遊技を止める場合があるため、そのタイミングでカードの取り忘れを防止するための報知を行うことは効果的だからである。
なお、連荘時も同様に、70回目の遊技より前に大当たりに当選した場合には、注意喚起が表示されることはない。そして、その大当たり当選時の特図の種類に応じて、大当たり遊技後に参照される変動パターンテーブルが新たに決められることになる。
このように、第2の実施の形態例においても、第1の実施の形態例と同様の効果を奏し得る。即ち、プリペイドカードを使う必要がなく、かつ、遊技を中止する可能性が高いときに限って注意喚起画像が表示されるため、プリペイドカードの取り忘れの防止に寄与するだけでなく、遊技性を損なわないという点においても優れている。
なお、第2の実施の形態例において、大当たり遊技後に注意喚起画像270を表示する遊技の回数は、70回目だけでなく、70回に保留記憶数の上限である8個を加えた78回目までの範囲であれば、適宜決定することができる。
また、出玉無し図柄に比べて多くの賞球の獲得が見込める大当たり遊技後の遊技状態N回が「0回」であって、大当たり遊技後に時短遊技状態または確変遊技状態が設定されずに通常遊技状態とさせる「出玉有り図柄」となる場合、大当たり遊技後の1回目(T回目)の特図の変動遊技において特殊変動テーブルを参照させて変動パターンコマンドを決定させるだけでなく、大当たり遊技終了迄に保留球乱数記憶部へ保留球乱数の記憶を可能とさせる保留記憶数の上限8個に対応する8回目迄の特図の変動遊技の範囲であれば、適宜T回目を決定することができる。
また、上記の実施の形態例において、特別図柄の種類の数、大当たり種別、電サポ回数、アタッカー開放パターンなどは、パチンコ機の仕様等に応じて適宜決定することができることは言うまでもない。
また、上記した第1および第2の実施の形態例では、注意喚起画像270が表示される特定の条件(例えば、初当たり時に賞球数が1600個の大当たり遊技が行われ、かつ、大当たり種別が通常当たりの場合)が成立している場合に限って、大当たり遊技後の遊技回数が予め設定された回数(例えば、100回目)に到達したときの遊技で、特図変動パターンコマンド決定部130が特殊変動パターンテーブル134cを参照して変動パターンコマンドを決定し、その決定に係る変動パターンコマンドの入力に基づいて、演出表示制御部220が演出表示装置34に注意喚起画像270を表示する構成を挙げたが、この構成以外にも、本発明は、以下のような構成を採用することができる。
即ち、本発明は、特図変動パターンコマンド決定部130は、大当たり遊技後の遊技回数が予め設定された回数に到達した場合には、その到達時の遊技では常に特殊変動パターンテーブル134cを参照して変動パターンコマンドを決定するようにする。そして、演出表示制御部220は、特殊変動パターンテーブル134cを参照して決定された変動パターンコマンドが入力された場合に、注意喚起画像270を表示すべきか否かを判断し、表示すべきと判断した場合に限って注意喚起画像270を表示するように制御する構成としても実施可能である。
さらに詳しく言えば、第1および第2の実施の形態例では、特図変動パターンコマンド決定部130が、図14に示すように、大当たり当選時の特図の種類と大当たり遊技後の遊技回数とから何れの変動パターンテーブルを参照するかを決定し、その決定に従って、特図変動パターンコマンド決定部130が変動パターンコマンドを決定する構成としたので、例えば大当たり遊技後の100ゲーム目に、特殊変動パターンテーブル134cを参照して変動パターンコマンドが決定される場合と、そうでない場合とがあり、演出表示制御部220は、入力された変動パターンコマンドに従って、注意喚起画像270を表示するかしないかの制御を行う構成であった。
これに代えて、特図変動パターンコマンド決定部130は、例えばT回目の遊技では、必ず特殊変動パターンテーブル134cを参照して変動パターンコマンドを決定するようにしておき、演出表示制御部220が、T回目の遊技で注意喚起画像270を表示すべきか否かを、大当たり当選時の遊技状態とその大当たり当選時に決定された特別図柄の種類とに関する情報が入っている遊技コマンドに基づいて判断し、その判断に基づいて演出表示装置34に注意喚起画像270を表示する構成としても良い。この構成によれば、主制御処理部100側の処理負担が軽減されるという点でメリットがある。
また、上記した実施の形態例において、特図の変動開始のタイミングで注意喚起画像を表示する演出パターンと、特図の変動開始からやや遅れて注意喚起画像を表示する演出パターンとを備えておき、注意喚起画像の表示を何れのパターンにするかを、入力された変動パターンコマンドの種類に応じて選択するような構成を採用しても良い。この場合、注意喚起画像の表示がバリエーションに富んだものとなり、遊技性が向上する。
また、本発明は、通常遊技状態のもとで行われた遊技で特図当たりに当選し、その当選時に決定された特図の種類が第2出玉有り図柄(大当たり遊技後の遊技状態が最大でNb回だけ確変遊技状態となる(請求項4))である場合には、大当たり遊技が終了したときから数えてNa+Mの範囲内で予め定めたTa回目において、演出表示制御部220が、注意喚起画像270を演出表示装置34に表示しないように制御する構成としても実施可能である。
なお、本発明は、特殊変動パターンテーブル134cを用いることにより決定される特図の変動時間において、当該変動時間は同じであっても、特図の変動時間(動画処理)途中で注意喚起画像270を表示させる第1演出パターン、および特図の変動途中で注意喚起画像270を表示させない第2演出パターンを設け、演出表示制御部220により、特図の種類に応じさせて、第1演出パターンまたは第2演出パターンのどちらかを選択的に表示制御させることにより、注意喚起画像270を演出表示装置34に表示するか否かを制御させる構成としても実施可能である。
また、本発明は、通常遊技状態以外の遊技状態のもとで行われた遊技で特図当たりに当選し、その当選時に決定された特図の種類が第2出玉無し図柄(大当たり遊技後の遊技状態が最大でNd回だけ確変遊技状態となる(請求項5))である場合には、大当たり遊技が終了したときから数えてNc+Mの範囲内で予め定めたTc回目において、演出表示制御部220が、注意喚起画像270を演出表示装置34に表示しないように制御する構成としても実施可能である。
また、本発明は、通常遊技状態のもとで行われた遊技で特図当たりに当選し、その当選時に決定された特図の種類が第3出玉無し図柄(大当たり遊技後の遊技状態が最大でNf回だけ確変遊技状態となる(請求項6))である場合には、大当たり遊技が終了したときから数えてNe+Mの範囲内で予め定めたTe回目において、演出表示制御部220が、注意喚起画像270を演出表示装置34に表示しないように制御する構成としても実施可能である。
また、本発明は、通常遊技状態のもとで行われた遊技で特図当たりに当選し、その当選時に決定された特図の種類が第4出玉無し図柄(大当たり遊技後の遊技状態が最大でNg回だけ潜確遊技状態に設定される(請求項7))である場合には、演出表示制御部220が、注意喚起画像270を演出表示装置34に表示しないように制御する構成としても実施可能である。