以下、発明の実施の形態例を、図面を参照して説明するにあたり、便宜上、「特別図柄」の文言については「特図」と省略し、「普通図柄」の文言については「普図」と省略することにする。また、特に断らない限り、「遊技」とは、第1始動入賞口37aまたは第2始動入賞口37bに遊技球が入賞することを契機に行われる遊技のことを指すものとする。
図1および図2に示すように、本発明の第1の実施の形態例に係るパチンコ機Pは、遊技場の島設備に設置される縦長方形状の機枠1と、機枠1に扉状に開閉自在に取り付けられた本体枠2と、本体枠2の内側に収容される遊技盤3と、本体枠2の前面に扉状に開閉自在に取り付けられ、中央に大きく開口部8が形成されたガラス扉4と、このガラス扉4の開口部8に取り付けられた透明なガラス板10と、本体枠2の下側に開閉自在に配設され、遊技球を収容する受皿5を有する前面ボード6と、本体枠2の下部に設けられた発射装置9と、前面ボード6に取り付けられたハンドル7と、を具備している。さらに、ガラス扉4の上部にはスピーカ20が左右に1個ずつ取り付けられており、遊技に関する様々な効果音を発している。また、図3に示すように、このパチンコ機Pは、背面側に、主制御処理部100、払出・発射制御処理部105、サブ制御処理部200、賞球払出装置14等を備えている。続いて、図1〜図4を参照して、本実施形態に係るパチンコ機Pの構成を詳しく説明していくことにする。
遊技盤3は、図2に示すように、その盤面に遊技領域31を有しており、遊技領域31は、本体枠2に装着した後、ガラス板10を介して観察することができる。遊技領域31は、遊技球を滑走させるガイドレール32と遊技球規制レール33によって略円形状となるように区画形成されており、発射装置9によって遊技領域31の上部へ打ち出された遊技球はこの遊技領域31内を流下する。また、遊技領域31内には、演出図柄を変動および停止表示する演出表示装置34と、スルーチャッカ21と、電動チューリップ(普通電動役物)49と、ステージ36と、第1始動入賞口(始動口)37aおよび第2始動入賞口(始動口)37bと、一般入賞口38と、アウト口39と、遊技釘(図示せず)と、風車(図示せず)と、アタッカー装置41等が設けられている。また、遊技盤面の右下方の位置には、特図を変動および停止表示する特図表示装置17と、普図表示装置22とが設けられている。
なお、本実施形態では、第1始動入賞口37aと第2始動入賞口37bとは左右方向に間隔を空けて設けられており、発射装置9の発射強度が弱〜中のとき(所謂、ぶっこみ狙いで遊技球を発射した場合)には、遊技球は演出表示装置34の左側を流下して第1始動入賞口37aに入賞する可能性はあるが、第2始動入賞口37bには入賞することがない。
それに対して、発射装置9の発射強度を強にして遊技球を発射する(所謂、右打ちを行う)と、遊技球を第2始動入賞口37bに入賞させることができるが、右打ちを行うと、遊技球を第1始動入賞口37aに入賞させることは困難となるように設定されている。よって、右打ちを行っている場合には、殆ど第2始動入賞口37bにしか遊技球が入賞することはない。なお、第2始動入賞口37bは、電動チューリップ49が開放されない限り、その内部に遊技球が入賞することができない構成となっている。よって、遊技者は、通常、ぶっこみ狙いで遊技球を打ち出しながら遊技を進めることになる。
演出表示装置34は、遊技盤3の略中央部に設けられ、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞することを契機に行われる第1特図に係る電子抽選の結果、または第2始動入賞口37bに遊技球が入賞することを契機に行われる第2特図に係る電子抽選の結果に基づいて所定の演出態様を表示するものであって、本実施形態では液晶表示装置が用いられている。この演出表示装置34には、画面全体に背景画像が表示されるほか、所定の演出態様の一部として、特図表示装置17に変動表示される第1特図または第2特図と同期をとって演出図柄が変動表示されるようになっている。
さらに、この演出表示装置34には、保留球乱数が保留球乱数記憶部(メモリ)115a、115bに記憶された場合に保留表示(保留球乱数が記憶された旨の表示)を行うための表示領域が演出図柄の表示を邪魔しないように区画形成されている。具体的には、演出表示装置34の左下側に第1特図用保留球乱数記憶部115aに保留球乱数が記憶されたことを表示する第1保留球表示領域34aが設けられ、右下側に第2特図用保留球乱数記憶部115bに保留球乱数が記憶されたことを表示する第2保留球表示領域34bが設けられている。第1始動入賞口37aまたは第2始動入賞口37bに遊技球が入賞し、当該入賞により取得した特図用乱数が保留球乱数として記憶されたときに主制御処理部100から出力されるコマンドを受けると、これらの保留球表示領域34a,bに白色等の識別可能な色にて保留球の表示がなされる(図4参照)。
特図表示装置17は、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞することを契機に行われる第1特図に係る電子抽選の結果、または第2始動入賞口37bに遊技球が入賞することを契機に行われる第2特図に係る電子抽選の結果を表示するためのものである。より具体的には、特図表示装置17は、特図に係る抽選結果を、第1特図あるいは第2特図(例えば、数字や絵柄)を変動させた後に停止させるといった態様で表示する。
本実施形態では、特図表示装置17として7セグメント表示器が用いられている。この特図表示装置17は、演出表示装置34を見ている遊技者の視界に同時に入らないように遊技盤3の右下部分に離れて設けられている。そして、7セグメント表示器を点滅表示させることにより特図が変動し、その点滅が停止して点灯表示に変わることで特図の変動が停止する。この点滅中の時間が、特図(第1特図、第2特図)の変動時間である。
なお、本実施形態では、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことに基づく遊技と第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことに基づく遊技とが同時に進行することはない。より詳しくは、第1始動入賞口(他の始動口)37aに遊技球が入賞したことに基づく遊技より、第2始動入賞口(特定始動口)37bに遊技球が入賞したことに基づく遊技の方を優先して実行するように構成されている。即ち、第1特図用保留球乱数記憶部115aと第2特図用保留球乱数記憶部115bの両方に保留球乱数が記憶されている場合には、主制御処理部100は、第2特図用保留球乱数記憶部115bに記憶されている保留球乱数の方を先に読み出して遊技に係る処理を実行する。そのため、第1始動入賞口37aと第2始動入賞口37bの両方の抽選結果を同時に表示することはない。よって、2つの始動入賞口37a、37bに遊技球が入賞したことに基づく抽選の結果を1つの特図表示装置17で表示している。勿論、特図表示装置17を別個に2つ設けることもできることは言うまでもない。
スルーチャッカ21は、遊技球が通過可能なゲート構造を成しており、その内部には遊技球が通過したことを検知する磁気センサタイプのスルーチャッカ検知センサ46が内蔵されている。また、このスルーチャッカ21を遊技球が通過したことを契機に行われる普図に係る電子抽選の結果を表示するための普図表示装置22が、特図表示装置17の隣に設けられている。この普図表示装置22は、本実施形態では、二つのLEDランプで構成されており、普図当たりのときに一方のLEDランプが点灯し、ハズレのときには他方のLEDランプが点灯するようになっている。なお、2つのLEDランプを交互に点滅表示させることにより普図が変動し、その点滅が停止して点灯表示に変わることで普図の変動が停止する。この点滅中の時間が、普図の変動時間である。
なお、特図表示装置17の表示制御は、主制御処理部100の第1特図表示制御部101aおよび第2特図表示制御部101bによって行われ、普図表示装置22の表示制御は、主制御処理部100の普図表示制御部102によって行われている(図4参照)。
電動チューリップ49は、第2始動入賞口37bの入口に設けられ、遊技盤3の面に直交する軸を中心に回動する一対の羽根部材を備えており、ソレノイドに通電がなされると一対の羽根部材が互いに離れる方向に回動して、第2始動入賞口37bの入口を拡大するようになっている。そして、電動チューリップ49が開放されない限り、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞することはない。なお、電動チューリップ49は、一対の羽根部材が開閉する構造のものに限らず、その他の構造、例えば、板状部材が手前側に倒れることにより第2始動入賞口37bが露呈され、板状部材の上に乗ったパチンコ球が、そのまま板状部材に案内されて第2始動入賞口37bに入賞するような構造のもの(所謂、ベロ式電チュー)を用いることもできる。
また、ステージ36は、演出表示装置34の下方に配置されており、遊技球が転動しながら一時的に滞在する構造物である。このステージ36の中央には溝が形成されており、この溝の真下の位置には第1始動入賞口37aが配されている。そのため、溝から落下した遊技球は、高い確率で第1始動入賞口37aへと導かれる。
アタッカー装置41は、第1始動入賞口37aおよび第2始動入賞口37bに遊技球が入賞することを契機に行われる特図に係る電子抽選の結果、大当たりとなって大当たり遊技に移行した場合に所定回数開放される装置である。このアタッカー装置41は、水平な軸を中心として前後方向に開閉する板状の蓋部材を備えており、図示しないソレノイドを駆動することにより蓋部材が水平軸回りに回動する構成となっている。そして、蓋部材が開いた状態では遊技領域31の下部に設けられた大入賞口42が露呈され、その大入賞口42に遊技球を入賞させることができる構成となっている。
つまり、アタッカー装置41は、常態では蓋部材が大入賞口42を閉じているため、大入賞口42に遊技球が入賞することはないが、上記したように、大当たり遊技に移行すると、蓋部材が開放されて大入賞口42が露呈されるため、遊技球を大入賞口42内に入賞させることが可能となるのである。そして、大入賞口42に遊技球が入賞すると、所定個数の遊技球が賞球として遊技者に払い出される。即ち、遊技者は、大入賞口42に遊技球を入賞させることによって出玉を獲得できるのである。なお、大入賞口42は、横長な長方形の開口であり、アタッカー装置41の蓋部材は、この大入賞口42の形状とほぼ同じ形状を成している。
また、一般入賞口38に遊技球が入賞すると、所定個数の遊技球が賞球として遊技者に払い出される。そして、第1始動入賞口37a、第2始動入賞口37b、一般入賞口38、およびアタッカー装置41に入らなかった遊技球は、アウト口39から回収される。なお、第1始動入賞口37a、第2始動入賞口37b、一般入賞口38、大入賞口42の内部にはそれぞれ遊技球の通過を検知するためのセンサ43a、43b、44、45(図4参照)が設けられている。
前面ボード6には遊技球を収容するとともに、外部に排出可能な受皿5が取り付けられている。この受皿5は、遊技者が投入した遊技球を収容するだけでなく、賞球払出装置14から賞球として払い出された遊技球も収容可能となっている。また、遊技球を遊技領域31に向けて発射するための発射装置9が本体枠2の下部に取り付けられており、受皿5に収容されている遊技球がこの発射装置9に1個ずつ供給される。そして、前面ボード6の右下に取り付けられたハンドル7を回動させると、その回動量に応じた発射強度で発射装置9が遊技球を遊技領域31へと発射することができるようになっている。また、図1に示すように、受皿5の側部には、遊技者が押下操作する演出用タッチボタン60が設けられている。
また、パチンコ機Pは、図1に示すように、貨幣(紙幣)またはプリペイドカード(有価価値記憶媒体)に基づいて遊技球を貸出す台間機300と相互通信可能に接続されている。台間機300は、貨幣が挿入される貨幣挿入口310と、プリペイドカードが挿入され、あるいは挿入されたプリペイドカードが排出されるカード挿入・排出口320と、を備えている。なお、本実施形態では有価価値記憶媒体としてプリペイドカードを用いたが、これ以外にも例えばICカードや磁気カード等を使用可能である。また、有価価値記憶媒体の形状は、カードの形状に限られず、コイン(硬貨)の形状をしたプリペイドコインを有価価値記憶媒体として用いることも可能である。
さらに、パチンコ機Pは、カード挿入・排出口320にプリペイドカードが挿入されると、プリペイドカードに記憶された金額を度数として表示する度数表示装置71と、この度数表示装置71に度数を表示するように制御するCR基板(図示せず)と、台間機300に挿入されたプリペイドカードに基づいて遊技球を貸出す球貸スイッチ(球貸SW)72と、台間機300に挿入されたプリペイドカードをカード挿入・排出口320から排出させる返却スイッチ(返却SW)73とを備えている。なお、CR基板は、貨幣挿入口310に貨幣が挿入されると、プリペイドカードと同様に、挿入された貨幣の金額を度数として度数表示装置71に表示する。
主制御処理部100は、遊技盤3の裏面に支持部材等を介して設けられている。この主制御処理部100は、CPU、予め定められた制御プログラムを格納するROM、生成された処理情報の一時記憶および記憶した情報の削除を行うRAM(Random Access Memory)等により構成されている。このCPUがROMに格納された各種プログラムやデータを読み込んで実行することにより、遊技に関する主要な処理が行われる。
具体的には、図4に示すように、主制御処理部100は、始動入賞口37a、37bに遊技球が入賞したことを契機に特図に係る電子抽選を行う特図抽選処理部(特別図柄抽選手段)110と、この特図抽選処理部110が判定した抽選結果に応じて特図の種類を決定する特図種類決定処理部120と、特図変動パターンコマンドを決定するための特図変動パターンコマンド決定部130と、所定条件が成立したことに基づいて遊技状態を所定の遊技状態へと移行させる遊技状態設定部140と、特図抽選処理部110による抽選結果の判定が大当たりとなった場合にアタッカー装置41(のソレノイド)を作動させて大当たり遊技に移行する大当たり遊技制御部(大当たり遊技制御手段)160と、を備えている。
さらに、主制御処理部100は、スルーチャッカ21を遊技球が通過したことを契機に普図の当否に係る抽選を行う普図抽選処理部(普通図柄抽選手段)170と、普図の変動時間を決定する普図変動時間決定部190と、電動チューリップ49の作動を制御する電動チューリップ作動制御部180と、特図表示装置17の表示制御を行う第1特図表示制御部101aおよび第2特図表示制御部101bと、普図表示装置22の表示制御を行う普図表示制御部102と、を備えて構成されている。
特図抽選処理部110は、図5に示すように、周期的に入力されるクロック信号に基づいてカウンタの値を所定の範囲(例えば、0〜65535までの範囲)で1ずつ更新させることによりハードウェア乱数を生成する特図当否判定用乱数発生部111と、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことを契機に、第1特図の当否に係る抽選を行う第1特図当否抽選部119aと、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことを契機に、第2特図の当否に係る抽選を行う第2特図当否抽選部119bと、を備えて構成されている。即ち、本実施形態において、特図に係る抽選手段には、第1始動入賞口37aに入賞したことを契機に行うものと、第2始動入賞口37bに入賞したことを契機に行うものとの2つのものがある。
第1特図当否抽選部119aは、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことを契機に(第1始動入賞口検知センサ43aからの検知信号が主制御処理部100に入力されたタイミングで)、特図当否判定乱数発生部111で発生した特図当否判定用の乱数を1つ取得(ラッチ)する第1特図当否判定用乱数取得部112aと、この第1特図当否判定用乱数取得部112aが取得した乱数が大当たりであるか否かを、第1特図高確率判定テーブル116aまたは第1特図低確率判定テーブル117aを参照して決定する第1特図当否判定部113aと、第1特図当否判定用乱数取得部112aが乱数を取得したときに第1特図または第2特図が変動中である場合に、この取得した乱数を特図に係る保留球乱数として最大4個まで(別言すれば、所定個数である4個の上限まで)記憶する第1特図用保留球乱数記憶部115aと、を備えている。
ここで、図6に示すように、第1特図高確率判定テーブル116aは、特図低確率判定テーブル117aよりも、大当たりとなる確率が高くなっている。より詳しく言うと、第1特図高確判定テーブル116aは、大当たりの当選確率が1/30、第1特図低確率判定テーブル117aは、大当たりの当選確率が1/300に設定されている。つまり、第1特図高確率判定テーブル116aの方が、第1特図低確率判定テーブル117aに比べて10倍大当たりに当選する確率が高くなるように設定されている。
より具体的には、第1特図の当否判定の結果は、第1特図低確率判定テーブル117aが参照される場合、特図当否決定用乱数の値が0〜217までのときに大当たりとなり、その値が218〜65535までのときにハズレとなる。また、第1特図高確率判定テーブル116aが参照される場合、その当否判定の結果は、特図当否決定用乱数の値が0〜2170までのときに大当たりとなり、その値が2171〜65535までのときにハズレとなる。
第2特図当否抽選部119bも第1特図当否抽選部119aと同様に、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことを契機に(第2始動入賞口検知センサ43bからの検知信号が主制御処理部100に入力されたタイミングで)、特図当否判定用乱数発生部111で発生した特図当否判定用の乱数を1つ取得(ラッチ)する第2特図当否判定用乱数取得部112bと、この第2特図当否判定用乱数取得部112bが取得した乱数が大当たりであるか否かを、第2特図高確率判定テーブル116bまたは第2特図低確率判定テーブル117bを参照して決定する第2特図当否判定部113bと、第2特図当否判定用乱数取得部112bが乱数を取得したときに第1特図または第2特図が変動中である場合に、この取得した乱数を特図に係る保留球乱数として最大4個まで(別言すれば、所定個数である4個の上限まで)記憶する第2特図用保留球乱数記憶部115bとを備えている(図4参照)。
ここで、図6に示すように、第2特図高確率判定テーブル116bは、第2特図低確率判定テーブル117bよりも大当たりとなる確率が高くなっており、より詳しく言うと、第2特図高確率判定テーブル116bは、大当たりの当選確率が1/30、第2特図低確率判定テーブル117bは、大当たりの当選確率が1/300に設定されている。つまり、第2特図高確率判定テーブル116bの方が、第2特図低確率判定テーブル117bに比べて10倍大当たりに当選する確率が高くなるように設定されている。
より具体的には、第2特図の当否判定の結果は、第2特図低確率判定テーブル117bが参照される場合、特図当否決定用乱数の値が0〜217までのときに大当たりとなり、その値が218〜65535までのときにハズレとなる。また、第2特図高確率判定テーブル116bが参照される場合、その当否判定の結果は、特図当否決定用乱数の値が0〜2170までのときに大当たりとなり、その値が2171〜65535までのときにハズレとなる。
なお、第1特図当否抽選部119aが第1特図低確率判定テーブル117aを参照して第1特図の当否に係る抽選を行い、第2特図当否抽選部119bが第2特図低確率判定テーブル117bを参照して第2特図の当否に係る抽選を行う遊技状態を、単に「特図低確(特図通常状態)」と言うことにし、第1特図当否抽選部119aが第1特図高確率判定テーブル116aを参照して第1特図の当否に係る抽選を行い、第2特図当否抽選部119bが第2特図高確率判定テーブル116bを参照して第2特図の当否に係る抽選を行う遊技状態を、以下、単に「特図高確(特図高確率状態)」と言うことにする。
先にも触れたが、第1特図用保留球乱数記憶部115aと第2特図用保留球乱数記憶部115bの両方に保留球乱数が記憶されている場合には、第2特図用保留球乱数記憶部115bに記憶されている方を優先的に読み出して大当たりであるか否かの判定が行なわれ、その判定に従って遊技が進行するような制御がなされている(特図2優先処理)。
次に、特図種類決定処理部120について説明する。上述した特図抽選処理部110が大当たりに当選しているか否かを決定するものであるのに対して、特図種類決定処理部120は、特図の種類を決定するためのものである。つまり、本実施形態では、特図に関する大当たりまたはハズレの決定は特図抽選処理部110によって行われるが、大当たりの内容(大当たり種別、大当たり遊技のラウンド数、アタッカー開放パターン、および電サポ回数)は特図種類決定処理部120によって決定される構成となっている。なお、上記した大当たりの内容についての詳細は後述する。
特図種類決定処理部120は、図7に示すように、周期的に(例えば4ミリ秒毎)入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲(例えば、0〜99までの範囲)で1ずつ更新させることによりソフトウェア乱数を生成する特図種類決定用乱数発生部121と、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことを契機に、抽選により第1特図の種類を決定するための第1特図種類抽選部129aと、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことを契機に、抽選により第2特図の種類を決定するための第2特図種類抽選部129bと、を備えている。本実施形態において、特図の種類の決定は、第1始動入賞口37aに入賞したことを契機に行うものと、第2始動入賞口37bに入賞したことを契機に行うものとの2つがある。
第1特図種類抽選部129aは、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことを契機に(第1始動入賞口検知センサ43aからの検知信号が主制御処理部100に入力されたタイミングで)、特図種類決定用乱数発生部121で発生した特図種類決定用の乱数を1つ取得する第1特図種類決定用乱数取得部122aと、この第1特図種類決定用乱数取得部122aが取得した乱数から、第1特図種類決定テーブル125aを参照して第1特図の種類を決定する第1特図種類決定部123aと、第1特図種類決定用乱数取得部122aが乱数を取得したときに第1特図または第2特図が変動中である場合に、この取得した乱数を最大4個まで(別言すれば、所定個数である4個の上限まで)記憶する第1特図種類決定用乱数記憶部124aと、を備えている。
第1特図種類決定テーブル125aは、図8(a)に示すように、特図種類決定用の乱数と第1特図の種類とが予め対応付けられたテーブル構成を成している。具体的には、15R通常時短有図柄、2R通常時短有図柄、15R特定時短有図柄、および2R特定時短無図柄の合計4種類の第1特図が第1特図種類決定テーブル125aに格納されており、これら4種類の第1特図のそれぞれに特図種類決定用乱数0〜99までの値が対応付けられている。そして、第1特図に割り当てられる特図種類決定用乱数値の範囲が異なるテーブル構成となっているから、第1特図のそれぞれが第1特図種類決定部123aによって選択される確率は異なるものとなる。
より詳細に説明すると、第1特図種類決定テーブル125aに格納された4種類の第1特図のうち、特図種類決定用乱数の値が0〜9までのものに対して「15R通常時短有図柄」が対応付けられており、当該乱数値が10〜27に対して「2R通常時短有図柄」が、当該乱数値が28〜32までのものに対して「15R特定時短有図柄」が、当該乱数値が33〜99までのものに対して「2R特定時短無図柄」が、それぞれ対応付けられている。
この図8(a)から明らかなように、「15R通常時短有図柄」に対応付けられた乱数の個数は、全体で100個の特図種類決定用乱数のうち10個であるから、「15R通常時短有図柄」が選択される確率は、10/100×100=10%である。その他の第1特図の選択確率についても同様にして求められ、「2R通常時短有図柄」の選択確率は18%、「15R特定時短有図柄」の選択確率は5%、「2R特定時短無図柄」の選択確率は67%となっている。
また、図7に示すように、第2特図種類抽選部129bも、同様に第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことを契機に、特図種類決定用乱数発生部121で発生した特図種類決定用の乱数を1つ取得する第2特図種類決定用乱数取得部122bと、この第2特図種類決定用乱数取得部122bが取得した乱数から、第2特図種類決定テーブル125bを参照して第2特図の種類を決定する第2特図種類決定部123bと、第2特図種類決定用乱数取得部122bが乱数を取得したときに第1特図または第2特図が変動中である場合に、この取得した乱数を最大4個まで(別言すれば、所定個数である4個の上限まで)記憶する第2特図種類決定用乱数記憶部124bと、を備えている。
第2特図種類決定テーブル125bは、図8(b)に示すように、特図種類決定用の乱数と第2特図の種類とが予め対応付けられたテーブル構成を成している。特図の種類は、第1特図種類決定テーブル125aと異なり、15R通常時短有図柄、15R特定時短有図柄の合計2種類の第2特図が第2特図種類決定テーブル125bに格納されており、これら2種類の第2特図のそれぞれに特図種類決定用乱数0〜99までの値が対応付けられている。
より詳細に説明すると、第2特図種類決定テーブル125bに格納された2種類の第2特図のうち、特図種類決定用乱数の値が0〜27までのものに対して「15R通常時短有図柄」が対応付けられており、当該乱数値が28〜99に対して「15R特定時短有図柄」が、それぞれ対応付けられている。
この図8(b)から明らかなように、「15R通常時短有図柄」に対応付けられた乱数の個数は、全体で100個の特図種類決定用乱数のうち28個であるから、「15R通常時短有図柄」が選択される確率は、28/100×100=28%である。「15R特定時短有図柄」の選択確率も同様に求められ72%となっている。
以上のことから、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞して大当たりに当選した場合と第2始動入賞口37bに遊技球が入賞して大当たりに当選した場合とでは、「15R特定時短有図柄」が選択される確率が、一方は5%であるのに対して他方は72%と各段に差がある。さらに、「2R特定時短無図柄」は、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞しても選択されることはないが、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞すると、67%の確率で選択される。詳しくは後述するが、「15R特定時短有図柄」は獲得できる賞球数がおよそ1500個であるのに対して、「2R特定時短無図柄」は獲得できる賞球数が殆ど無いので、第2始動入賞口37bの方が、第1始動入賞口37aに比べて、賞球数(出球数)において遊技者に有利である。なお、何れの始動入賞口に遊技球が入賞しても、後に述べる「確変」となる確率、即ち、確変当たりとなる確率は72%である。
次に、普図抽選処理部170について説明する。普図抽選処理部170は、図9に示すように、周期的に入力されるクロック信号に基づいてカウンタの値を所定の範囲(例えば、0〜65535までの範囲)で1ずつ更新させることによりハードウェア乱数を生成する普図当否判定用乱数発生部171と、スルーチャッカ21を遊技球が通過したことを契機に(スルーチャッカ検知センサ46からの検知信号が主制御処理部100に入力されたタイミングで)普図に係る抽選を行って当否を判定するための普図当否抽選部177と、を備えて構成されている。
普図当否抽選部177は、スルーチャッカ21を遊技球が通過したことを契機に、普図当否判定用乱数発生部171で発生した普図当否判定用の乱数を1つ取得(ラッチ)する普図当否判定用乱数取得部172と、この普図当否判定用乱数取得部172が取得した乱数が普図当たりであるか否かを、判定テーブルを参照して決定する普図当否判定部173と、普図当否判定用乱数取得部172が乱数を取得したときに普図が変動中である場合に、この取得した乱数を上限4個まで普図に係る保留球乱数として記憶する普図用保留球乱数記憶部174と、判定テーブルとして、普図当たりに当選する確率が低い普図低確率判定テーブル176と、この普図低確率判定テーブル176よりも普図当たりに当選する確率が高い普図高確率判定テーブル175とを備えている。
図示はしないが、普図高確率判定テーブル175は、普図低確率判定テーブル176よりも普図当たりとなる確率が高くなっており、より詳しく言うと、普図高確率判定テーブル175は、普図当たりの当選確率が1/1.1、普図低確率判定テーブル176は、普図当たりの当選確率が1/20に設定されている。つまり、普図高確率判定テーブル175の方が、普図低確率判定テーブル176に比べて格段に普図当たりに当選する確率が高くなるように設定されている。そして、普図高確率判定テーブル175を参照して抽選が行われると、殆どの場合、普図当たりに当選することになる。
なお、普図当否抽選部177が普図低確率判定テーブル176を参照して普図に係る抽選を行う遊技状態を単に「普図低確(普図通常状態)」と言うことにし、普図当否抽選部177が普図高確率判定テーブル175を参照して普図に係る抽選を行う遊技状態を単に「普図高確(普図高確率状態)」と言うことにする。
次に、図4に示す電動チューリップ作動制御部180は、普図抽選処理部170による抽選で普図当たりに当選した結果に基づいて、電動チューリップ49のソレノイドに通電して開閉するように制御している。この電動チューリップ作動制御部180は、「普図高確」中は、1回の普図当たりに対して、電動チューリップ49を開放時間1.2秒(インターバル0.8秒)で2回開放するよう制御し、「普図低確」中は、1回の普図当たりに対して電動チューリップ49を開放時間0.2秒で1回開放するように制御している。よって、普図高確中は、上述したように、普図抽選処理部170による抽選が行われる度に、殆ど普図当たりに当選し、その当選により電動チューリップ49が1.2秒×2回開放されるため、遊技者は、普図高確中の場合、普図低確中よりも、電動チューリップ49内に遊技球を比較的容易に入賞させることができる。
次に、遊技状態について説明する。本実施形態に係るパチンコ機Pには、遊技状態として「低確(通常遊技状態)」、「時短(時短遊技状態)」、「確変(確変遊技状態)」および「潜伏(潜伏遊技状態)」の4つの遊技状態が設けられている。「低確」とは、特図低確かつ普図低確となっている状態をいう。電源投入後の初期状態やRAMクリア時の遊技状態は「低確」である。また、「時短」とは、特図低確かつ普図高確となっている状態をいい、「確変」とは、特図高確かつ普図高確となっている状態をいう。そして、「潜伏」とは、特図高確かつ普図低確となっている状態をいう。
本実施形態では、先に述べた特図の種類が決定されると、その特図の種類から、大当たり種別、ラウンド数(大当たりラウンド数)、アタッカー開放パターン、大当たり遊技後に設定される電サポ回数が決まるようになっている。これについて、図10を参照しながら、以下、詳しく説明を行っていくことにする。
図10に示すように、各特図の種類には、それぞれ、大当たり種別、ラウンド数、アタッカー開放パターン、大当たり遊技後に設定される電サポ回数を規定した大当たりの内容が予め対応付けられている。
「大当たり種別」とは、大当たり遊技後における遊技状態を特図低確とする「通常当たり」と、大当たり遊技後における遊技状態を特図高確とする「確変当たり」との何れにするかを定めたものである。通常当たりの場合には、その後の遊技状態が特図低確となるので、なかなか次の大当たりに当選しないが、確変当たりの場合、その後の遊技状態が特図高確となるので、直ぐに次の大当たりに当選する可能性が高い。
「ラウンド数」とは、大当たり遊技中にラウンド遊技が何回実行されるかを定めたものである。本実施形態では、大当たり遊技中のラウンド遊技の回数が15ラウンド(R)のものと、2ラウンド(R)のものとに定められている。
「アタッカー開放パターン」とは、出玉有りの大当たり遊技(第2大当たり遊技)か出玉が殆ど無い大当たり遊技(第1大当たり遊技)かを定めたものであり、「フル開放」は出玉有りの大当たり遊技を示し、「高速開放」は出玉が殆ど無い大当たり遊技を示している。
本実施形態の大当たり遊技は、アタッカー装置41が所定回数だけ開閉するラウンド遊技を複数回連続して行う構成となっている。1回のラウンド遊技は、ラウンド遊技開始後にアタッカー装置41が開き、露呈した大入賞口42に所定個数(例えば10個)の遊技球が入賞すること、またはラウンド遊技が開始されてから所定時間(例えば30秒)が経過したことの何れかの終了条件(ラウンド終了条件)が成立すると終了する。そして、本実施形態では、「フル開放」では、1回のラウンド遊技でアタッカー装置41が1回開閉するように設定されているのに対して、「高速開放」では、1回のラウンド遊技で1回開閉するようになっており、しかも1回の開放時間も0.2秒と極端に短い時間となるように設定されている点で相違する。
そのため、「フル開放」では、ラウンド遊技が開始されてから所定時間経過するよりも先に大入賞口42に所定個数の遊技球が入賞することが多く、遊技者は、それに応じた賞球(およそ1500個)を獲得することができる。つまり、「フル開放」は、およそ1500個の出玉のある大当たり遊技である。これに対して、「高速開放」では、ラウンド遊技中にアタッカー装置41が開放される時間が短いため、露呈した大入賞口42に遊技球を入賞させることは非常に困難である。その結果、遊技球が大入賞口42に入賞することのないまま、所定時間が経過してラウンド遊技の終了条件が成立してしまう場合が殆どである。そのため、「高速開放」では、大当たり遊技中に出玉を殆ど見込めないということになる。
なお、このアタッカー装置41の作動を制御して、特図の種類に応じたアタッカー開放パターンで大当たり遊技を提供しているのが、大当たり遊技制御部160である(図4参照)。
「電サポ回数」とは、電動チューリップ49によるサポートを受けながら遊技を行うことができる遊技回数のことであり、より詳しくは、普図に係る遊技状態が普図高確の状態で、特図抽選処理部110による抽選を行うことのできる回数(即ち、第1特図に係る遊技回数および第2特図に係る遊技回数)のことである。本実施形態では、電サポ回数は、0回、100回および10000回の合計3種類が設けられている。なお、設定された電サポ回数に到達する前に大当たりに当選すると、その時点で残りの電サポ回数は消滅し、そして新たに当選した際に決定した特図の種類に応じた電サポ回数が付与されるようになることは言うまでもない。
ここで、先に述べたように、特図高確での大当たりの当選確率は1/30であるから、今回の大当たり遊技後から次回の大当たりまでの特図に係る遊技回数が10000回を超えることは皆無であり、特図高確で10000回遊技を行えば、ほぼ間違いなく大当たりに当選する。つまり、電サポ回数が10000回とは、電サポ回数が「次回の大当たりまで」であることを意味している。よって、「15R特定時短有図柄」の場合、次回の大当たりまで電動チューリップ49によるサポートを受けながら遊技を行うことができるということになる。
なお、本明細書において、適宜、電動チューリップ49によるサポートを受けながら遊技を継続していることを、「電サポ中」と言うことにする。電サポ中は、電動チューリップ49内に遊技球を比較的容易に入賞させることができるので、電サポが付与されていない遊技中よりも、遊技球(賞球)をあまり減らすことなく遊技を行うことができる。
以上のように、特図抽選処理部110による抽選で大当たりに当選した場合に、特図種類決定処理部120により、特図の種類が決定されると、その種類に応じた大当たりの内容に従って大当たり遊技の制御が行われることとなる(即ち、決定された特図の種類に基づいて大当たり遊技が提供される)。そして、大当たり遊技の終了後、所定の電サポ回数が付与され、遊技状態設定部140は、特図の種類に基づいて、大当たり遊技後の特図に係る遊技状態と普図に係る遊技状態とを設定するように制御している。なお、特図の種類と大当たりの内容との対応関係は以下の通りである。
「15R通常時短有図柄」は、大当たり種別が通常当たりであり、ラウンド数が15ラウンドで、大当たり遊技でのアタッカー開放のパターンが「フル開放」となり、1回の大当たり遊技でおよそ1500個の出玉のある大当たりの内容に対応している。大当たり遊技の終了後、電サポ回数は100回付与され、遊技状態は、大当たり遊技の終了後から遊技が100回行われるまで、時短(特図低確かつ普図高確)に設定され、101回目以降、低確(特図低確かつ普図低確)に設定される。
「2R通常時短有図柄」は、大当たり種別が通常当たりであり、ラウンド数が2ラウンドで、大当たり遊技でのアタッカー開放のパターンが「高速開放」となり、殆ど出玉の無い大当たりの内容に対応している。大当たり遊技の終了後、電サポ回数は100回付与され、遊技状態は、大当たり遊技の終了後から遊技が100回行われるまで、時短に設定され、101回目以降、低確に設定される。
「15R特定時短有図柄」は、大当たり種別が確変当たりであり、ラウンド数が15ラウンドで、大当たり遊技でのアタッカー開放のパターンが「フル開放」となり、1回の大当たり遊技でおよそ1500個の出玉のある大当たりの内容に対応している。大当たり遊技の終了後、電サポ回数は10000回付与され、遊技状態は、次の大当たりまで確変(特図高確かつ普図高確)に設定される。
「2R特定時短無図柄」は、大当たり種別が確変当たりであり、ラウンド数が2ラウンドで、大当たり遊技でのアタッカー開放のパターンが「高速開放」となり、殆ど出玉の無い大当たりの内容に対応している。大当たり遊技の終了後、電サポ回数は付与されず(電サポ回数は0回付与され)、遊技状態は、次の大当たりまで潜伏(特図高確かつ普図低確)に設定される。
なお、特図の種類のうち「15R通常時短有図柄」または「15R特定時短有図柄」を出玉有り図柄と言うことにし、「2R通常時短有図柄」または「2R特定時短無図柄」を出玉無し図柄と言うことにする。また、15R通常時短有図柄のことを「15R通常図柄」と言うことにし、2R通常時短有図柄のことを「突時図柄」と言うことにし、15R特定時短有図柄のことを「15R確変図柄」と言うことにし、2R特定時短無図柄のことを「潜伏図柄」と言うことにする。
なお、上記の特図の種類と大当たりの内容との対応関係については、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞した場合と第2始動入賞口37bに遊技球が入賞した場合とで同じである。即ち、何れの始動入賞口に遊技球が入賞しても、その入賞を契機に決定される特図の種類が同じであれば、それに対応する大当たりの内容も同じとなる。
次に、特図の変動時間を決定するための処理について説明する。特図の変動時間は、変動パターンコマンドというコマンドに含まれており、特図変動パターンコマンド決定部130が遊技の開始時に変動パターンコマンドを決定することにより、その遊技に係る特図の変動時間が決定されるようになっている。
特図変動パターンコマンド決定部130は、図11に示すように、変動パターンコマンドの決定に用いる変動パターン用乱数を発生させるための特図変動パターン用乱数発生部131と、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことに基づいて第1変動パターンコマンドを決定するための第1特図変動パターン抽選部130aと、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことに基づいて第2変動パターンコマンドを決定するための第2特図変動パターン抽選部130bと、を備えて構成されている。
特図変動パターン用乱数発生部131は、周期的(例えば4ミリ秒毎)に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲(例えば0〜179まで)で1ずつ更新させることによりソフトウェア乱数を生成するものである。
第1特図変動パターン抽選部130aは、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことを契機に、特図変動パターン用乱数発生部131にて発生した特図変動パターン用の乱数の中から1つの乱数を取得する第1特図変動パターン用乱数取得部132aと、この第1特図変動パターン用乱数取得部132aが取得した乱数から、特図共通変動パターンコマンドテーブル134を参照して第1変動パターンコマンドを決定する第1特図変動パターン決定部135aと、第1特図または第2特図が変動中の場合に、第1特図変動パターン用乱数取得部132aが取得した乱数を上限4個まで記憶する第1特図変動パターン用乱数記憶部133aと、を備えて構成されている。なお、第1特図変動パターン抽選部130aは、第1始動入賞口37aに遊技球が1個入賞すると、第1特図当否抽選部119aと同様に、その入賞につき1つの特図変動パターン用乱数を取得する。
第2特図変動パターン抽選部130bも第1特図変動パターン抽選部130aと同様に、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことを契機に、特図変動パターン用乱数発生部131にて発生した特図変動パターン用の乱数の中から1つの乱数を取得する第2特図変動パターン用乱数取得部132bと、この第2特図変動パターン用乱数取得部132bが取得した乱数から、特図共通変動パターンコマンドテーブル134を参照して第2変動パターンコマンドを決定する第2特図変動パターン決定部135bと、第1特図または第2特図が変動中の場合に、第2特図変動パターン用乱数取得部132bが取得した乱数を上限4個まで記憶する第2特図変動パターン用乱数記憶部133bと、を備えて構成されている。なお、第2特図変動パターン抽選部130bは、第2始動入賞口37bに遊技球が1個入賞すると、第2特図当否抽選部119bと同様に、その入賞につき1つの特図変動パターン用乱数を取得する。
特図共通変動パターンコマンドテーブル134は、第1特図変動パターン抽選部130aおよび第2特図変動パターン抽選部130bの両方の抽選部が共通で用いるテーブルであって、図12に示すように、通常変動パターンテーブル134a、短縮変動パターンテーブル134bの2つのテーブルを備えている。
通常変動パターンテーブル134aおよび短縮変動パターンテーブル134bの特徴について、図13を用いて説明する。なお、図中、「主要変動時間」とは、リーチが成立しない(または、リーチ扱いとならない)通常のハズレ変動時間のことである。また、図中、「特図1」は、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞した場合のことを、「特図2」は、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞した場合のことを、それぞれ示している。また、「保留記憶数」とは、保留球乱数として記憶されている個数のことであり、特図1についての保留記憶数は、第1特図用保留球乱数記憶部115aに記憶されている保留球乱数の個数のことを、特図2についての保留記憶数は、第2特図用保留球乱数記憶部115bに記憶されている保留球乱数の個数のことをそれぞれ指している。
通常変動パターンテーブル134aは、保留記憶数に応じて特図1の主要変動時間が異なるように設定されている。具体的には、第1特図用保留球乱数記憶部115aに記憶されている保留記憶数が0個と1個の場合、特図1の主要変動時間は12.5秒に設定され、保留記憶数が2個および3個の場合、特図1の主要変動時間は7秒に設定され、保留記憶数が4個の場合、特図1の主要変動時間は4秒に設定されている。つまり、保留記憶数が多くなると、主要変動時間は短くなるように設定されている。さらに、通常変動パターンテーブル134aには、特図2についての主要変動時間が特図1と全く同一の時間となるように規定されている。また、通常変動パターンテーブル134aは、リーチとなる確率が特図1、特図2共に1/20に設定され、さらに、リーチ時の変動時間が特図1、特図2共に20秒〜120秒に設定されている。
短縮変動パターンテーブル134bは、保留記憶数に応じて特図1の主要変動時間が異なるように設定されている。具体的には、第1特図用保留球乱数記憶部115aに記憶されている保留記憶数が0個と1個の場合、特図1の主要変動時間は7秒に設定され、保留記憶数が2個の場合、特図1の主要変動時間は4秒に設定され、保留記憶数が3個および4個の場合、特図1の主要変動時間は2秒に設定されている。つまり、保留記憶数が多くなると、主要変動時間は短くなるように設定されている。さらに、短縮変動パターンテーブル134bには、特図2についての主要変動時間が特図1と全く同一の時間となるように規定されている。また、短縮変動パターンテーブル134bは、リーチとなる確率が特図1、特図2共に1/30に設定され、さらに、リーチ時の変動時間が特図1、特図2共に60秒〜120秒に設定されている。なお、大当たりのときには、必ずリーチ時の変動時間が選択される。
ここで、変動パターンテーブル134a,134bによれば、特図の変動時間について次のことが言える。第1に、保留記憶数が0個〜4個の何れの場合においても、短縮変動パターンテーブル134bに規定されている主要変動時間より、通常変動パターンテーブル134aに規定されている主要変動時間の方が長い。第2に、短縮変動パターンテーブル134bより通常変動パターンテーブル134aの方がリーチとなる確率が高いことから、特図がリーチ時変動時間だけ変動する場合が多い。よって、短縮変動パターンテーブル134bを参照して決定される特図の変動時間より、通常変動パターンテーブル134aを参照して決定される特図の変動時間の方が相対的に長いということになる。
なお、本実施形態において、通常変動パターンテーブル134aは、遊技状態が「低確」(特図低確かつ普図低確)、あるいは「潜伏」(特図高確かつ普図低確)の場合に参照される。短縮変動パターンテーブル134bは、遊技状態が「確変」(特図高確かつ普図高確)、あるいは「時短」(特図低確かつ普図高確)の場合に参照される。
上記のように構成された第1特図変動パターン抽選部130aは、第1特図に係る遊技の開始時に、第1特図当否抽選部119aによる当否抽選の結果と、第1特図用保留球乱数記憶部115aに現在記憶されている保留球乱数の記憶個数(保留記憶数)と、第1特図変動パターン用乱数取得部132aが取得した特図変動パターン用乱数とに基づき、通常変動パターンテーブル134aまたは短縮変動パターンテーブル134bを参照して第1変動パターンコマンドを決定している。また、第2特図変動パターン抽選部130bも同様にして、第2特図に係る遊技の開始時に第2変動パターンコマンドを決定している。
変動パターンコマンドの具体例を、図14を参照しながら以下に説明する。なお、図14中の「擬似連」とは、1回の遊技中に、複数の演出図柄を変動させた後にハズレを示す態様で仮停止させ、再び複数の演出図柄を変動させるといった演出表示を繰り返すことによって、実際には1回の遊技であるものの、擬似的に複数回の遊技を行っているかのように見せる演出のことであり、擬似連の回数とは、その擬似的に行う演出上(見せかけ)の遊技回数のことである。
図14(a)は、第2特図当否抽選部119bによる当否判定の結果が「ハズレ」の場合において、短縮変動パターンテーブル134bを参照した場合の特図変動パターン用乱数の値と第2変動パターンコマンドとの関係、および変動パターンコマンドの内容について示したものである。また、図14(b)は、第2特図当否抽選部119bによる当否判定の結果が「大当たり」の場合において、短縮変動パターンテーブル134bを参照した場合の特図変動パターン用乱数の値と第2変動パターンコマンドとの関係、および変動パターンコマンドの内容について示したものである。
図14(a)に示すように、ハズレのときに短縮変動パターンテーブル134bが参照される場合においては、特図変動パターン用乱数の値が0〜5までの何れかであるとき、それらに対応する第2変動パターンコマンドは、変動パターンNo.B31〜B36の何れかとなる。これら変動パターンNo.B31〜B36には、変動時間が60秒〜120秒までの何れかのリーチ変動時間が規定されている。よって、特図変動パターン用乱数の値が0〜5までの場合、保留記憶数とは関係なく、変動パターンNo.に規定されているリーチ変動時間となる。なお、前述したように、短縮変動パターンテーブル134bのリーチ確率は1/30であるため、リーチとなる特図変動パターン用乱数の個数は、合計180個のうち6個となっている。
これに対して、特図変動パターン用乱数の値が6〜179までの何れかであるとき、それらに対応する第2変動パターンコマンドは、保留記憶数に応じて変動パターンNo.B37〜B39の何れかとなる。具体的には、第2変動パターンコマンドは、保留記憶数が0〜1個のとき変動時間7秒の変動パターンNo.B37となり、保留記憶数が2個のとき変動時間4秒の変動パターンNo.B38となり、保留記憶数が3〜4個のとき変動時間2秒の変動パターンNo.B39となる。
また、図14(b)に示すように、大当たりのときに短縮変動パターンテーブル134bが参照される場合においては、特図変動パターン用乱数の値が0〜179の何れの値であっても、必ずリーチとなる変動パターンコマンドが決定される。具体的には、第2変動パターンコマンドは、特図変動パターン用乱数の値が0〜19までの場合に変動パターンNo.B41となり、当該乱数値が20〜49の場合に変動パターンNo.B42となり、当該乱数値が50〜89の場合に変動パターンNo.B43となり、当該乱数値が90〜129の場合に変動パターンNo.B44となり、当該乱数値が130〜159の場合に変動パターンNo.B45となり、当該乱数値が160〜179の場合に変動パターンNo.B46となる。
なお、図14から明らかなように、変動パターンの番号がB31〜B39までの場合はハズレであり、B41〜B46までの場合は大当たりであることが分かる。つまり、変動パターンの番号に基づいて大当たりまたはハズレが判別できるということになる。
次に、払出・発射制御処理部105について説明する。払出・発射制御処理部105は、図4に示すように、主制御処理部100と相互通信可能に接続されているうえ、台間機300とも中継基板を介して相互通信可能に接続されており、賞球払出装置14の払出モータの駆動を制御することにより、所定個数の賞球や貸球を払い出したり、発射ボリュームの値に応じて発射装置9の発射用モータ(発射用ロータリーソレノイドが用いられることもある)の駆動を制御することにより、所定の発射強度で遊技球を発射できるようにしたり、整流器の球送りソレノイドの駆動を制御することにより、遊技球を1個ずつ発射装置9に送り出すようにする等の処理を担っている。なお、台間機300が払出・発射制御処理部105と電気的に接続されていない場合には、発射装置9から遊技球が発射されることはないように制御されている。
台間機300に備えられた貨幣挿入口310に貨幣が挿入されると、CR基板は、挿入された紙幣の金額に応じた度数を度数表示装置71に表示する。また、遊技者が所有等していたプリペイドカードがカード挿入・排出口320に挿入されると、CR基板は、プリペイドカードに記憶された金額に応じた度数を度数表示装置71に表示する。本実施形態では、金額が百円に対し「1度数」が度数表示装置71に表示されるようになっている。
例えば、遊技者が、貨幣挿入口310に千円の紙幣を挿入すると、CR基板は、度数表示装置71に10度数を表示するよう制御する。そして、パチンコ機Pに備えられた球貸スイッチ72が1回操作されると、賞球払出装置14は、125個の貸球(遊技球)を受皿5に排出し、CR基板は、プリペイドカードに記憶された度数を5度数減算して、度数表示装置71に10度数―5度数=5度数を表示する。プリペイドカードに記憶された度数が「0度数」となると、これ以上、球貸スイッチ72を操作しても、賞球払出装置14は、遊技球を受皿5に排出しない。なお、プリペイドカードを遊技場に設置された精算機に挿入すると、プリペイドカードに記憶されている度数に応じた貨幣(紙幣)が精算機から払い戻されるようになっている。
ここまで、主に主制御処理部100が行う各処理について説明したが、ここからは、主制御処理部100から指令を受けて各種演出を行うためのサブ制御処理部200について説明する。図4に示すように、サブ制御処理部200は、演出制御処理部201と、枠ランプや盤面ランプ等の各種ランプの制御を行うためのランプ制御処理部202と、スピーカ20やサウンドプロセッサ等の制御を行うための音声制御処理部203と、を備えて構成され、図3に示すように遊技盤3の裏面に支持部材等を介して設けられている。
演出制御処理部201は、図15に示すように、処理部として、特図に係る変動パターンコマンドに基づいて今回の遊技に用いる演出態様を決定する演出態様決定部210と、演出態様決定部210が決定した演出態様を演出表示装置34に表示するよう制御する演出表示制御部220と、保留球演出表示制御手段表示領域34a,bに保留球を表示する制御を行う保留球表示制御部230と、注意喚起画像262に関する処理を行う注意喚起画像表示処理部400と、を備えている。
さらに、演出制御処理部201は、記憶部として、演出態様記憶部260を備えている。この演出態様記憶部260には、遊技中に演出表示装置34に表示させる演出態様を記憶した通常演出テーブル261a、短縮演出テーブル261bと、遊技者が台間機300からプリペイドカードを取り出すことを忘れないようにするための注意喚起画像262と、が格納されている。
各演出テーブル261a、bには、変動パターンコマンドに対応する演出態様(演出画像データ)が複数記憶されており、より詳細に言えば、特図の変動時間毎に、リーチ内容の異なる演出画像データが複数記憶されている。例えば、変動時間60秒の演出画像データとして対決系リーチA、変動時間90秒の演出画像データとして対決系リーチB、ストーリー系リーチA、実写系リーチA、変動時間120秒の演出画像データとして、ストーリー系リーチB、実写系リーチB、といった種類の画像データが用意されている。そして、演出態様決定部210は、遊技開始時に第1または第2変動パターンコマンドが送られてくると、その変動パターンコマンドに規定されている変動時間およびリーチ内容に対応する演出画像データの中から1つを抽選で選択する。こうして、今回の第1特図に係る遊技または第2特図に係る遊技に用いる演出態様が決定されることになる。
なお、変動パターンNo.に規定された変動時間と演出態様として規定されている演出時間とが同じ時間となるように両者が予め対応付けられているから、特図表示装置17に表示させる特図の変動開始および停止と、演出表示装置34に表示させる演出図柄の変動開始および停止とを同期して表示させることができるのである。
なお、図示はしないが、演出態様記憶部260には、大当たり遊技で行われるラウンド遊技の15回目が終了した後の演出画像データとしてエンディング画像が記憶されている。演出表示制御部220は、ラウンド遊技の15回目が終了すると、このエンディング画像を演出表示装置34に表示するように制御する。
注意喚起画像262は、図16に示すように、プリペイドカードの取り忘れや盗難への注意を喚起する文章とプリペイドカードを台間機300から排出することを促す画像によって構成されている。なお、演出表示制御部220は、この後に述べる注意喚起画像表示処理部400が行う事前の決定に基づいて、注意喚起画像262を演出表示装置34に表示するよう、あるいは表示しないように制御する。
保留球表示制御部230は、主制御処理部100から保留球乱数が記憶された旨のコマンドを受信すると、それに従って、第1保留球表示領域34aまたは第2保留球表示領域34bに白色の保留球を表示するよう制御している。
次に、注意喚起画像表示処理部400は、図15に示すように、所定の条件を満たした大当たりに当選したことを契機として、報知フラグ1、報知フラグ2および報知フラグ3の何れか一つの報知フラグをオフからオンに設定する報知フラグ設定部401と、報知フラグ設定部401がオフからオンに設定した何れかの報知フラグを、所定の条件に基づいてオンからオフに設定する報知フラグ解除部402と、を備えて構成されている。
報知フラグ設定部401は、今回の大当たりが「出玉有り初大当たり」である場合には報知フラグ1をオフからオンに設定する一方、今回の大当たりが「出玉有り初大当たり」以外の大当たりである場合には、報知フラグ2または報知フラグ3をオフからオンに設定する。なお、今回の大当たりが「出玉有り初大当たり」であるかの判定については、後ほど詳しく説明する。
報知フラグ解除部402は、報知フラグ設定部401が一方の報知フラグをオンに設定した場合には、他方の報知フラグをオンからオフに設定し、遊技状態設定部140が普図の遊技状態を普図高確から普図低確に設定した場合には、全ての報知フラグをオンからオフに設定する。
演出表示制御部(注意喚起画像表示制御手段)220は、報知フラグ1がオンに設定されている場合には、エンディング画像を演出表示装置34に表示し終えた後〜大当たり遊技後の1回目の遊技が開始される前までの区間(以下、「大当たり遊技終了の際」と言う)に注意喚起画像262を、演出表示装置34に2秒間表示するように制御する。一方、報知フラグ2または報知フラグ3がオンに設定されている場合には、演出表示制御部220は、大当たり遊技終了の際に注意喚起画像262を演出表示装置34に表示しないように制御する。
なお、第1の実施の形態例に係るパチンコ機Pの大当たり遊技は、複数のラウンド遊技が行われる区間と大当たり遊技終了区間と、で構成されている。大当たり遊技終了区間は、「15R通常図柄」または「15R確変図柄」に基づく大当たり遊技の場合には、15回目のラウンド遊技が終了してから大当たり遊技後の1回目の遊技が開始される前までの区間となり、「突時図柄」または「潜伏図柄」に基づく大当たり遊技の場合には、2回目のラウンド遊技が終了してから大当たり遊技後の1回目の遊技が開始される前までの区間となる。演出表示制御部220は、報知フラグ1がオンに設定されている場合には、大当たり遊技区間でエンディング画像を演出表示装置34に表示し終えた後に注意喚起画像262を表示する。
なお、演出表示制御部220は、報知フラグ1がオンに設定されている場合には、大当たり遊技終了後の1回目の遊技中(報知タイミング)に、注意喚起画像262を、演出や遊技の邪魔とならないように演出表示装置34に表示するようにしても良いし、大当たり遊技後の1回目の遊技中に限らず、物語性のある演出が一通り表示された後や、普図に係る遊技状態が普図高確から普図低確に移行した時などに表示するようにしても良い。このようにすると、大当たり遊技中の演出を邪魔することなく、注意喚起画像262を演出表示装置34に表示することができる。また、演出表示制御部220は、報知フラグ1がオンに設定されている場合には、大当たり遊技終了の際(報知タイミング)に限らず、ラウンド遊技が行われる区間(報知タイミング)で遊技の邪魔とならないように、注意喚起画像262を演出表示装置34に表示するようにしても良い。
なお、演出表示制御部220は、報知フラグ1がオンに設定されている場合には、特図抽選処理部110による抽選が大当たりとなった遊技中であって、演出表示装置34にて表示されている演出図柄が変動を停止した後〜特図表示装置17にて特図の変動が停止するまでの間など演出や遊技の妨げとならない場面で、注意喚起画像262を演出表示装置34に表示するようにしても良い。このようにすると、大当たり遊技が開始される前に、注意喚起画像262を演出表示装置34に表示することができるので、大当たり遊技中の演出を邪魔することなく、遊技者に台間機300からプリペイドカードの取り出しを忘れないように促すことができる。
次に、本発明の第1の実施の形態例に係るパチンコ機Pにおける遊技の処理の手順について図17を参照して説明するが、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞した場合の第1特図に係る遊技処理と第2始動入賞口37bに遊技球が入賞した場合の第2特図に係る遊技処理とは同じであるため、以下では、第1特図に係る遊技処理についてのみ説明する。
図17に示すように、遊技球が第1始動入賞口37aに入賞したか否かを主制御処理部100は判断する(ステップS1)。入賞した場合(ステップS1でYes)には、第1特図当否判定用乱数取得部112aは特図当否判定用の乱数を取得し、第1特図種類決定用乱数取得部122aは特図種類決定用の乱数を取得し、第1特図変動パターン用乱数取得部132aは特図変動パターン用の乱数を取得する(ステップS2)。
第1特図または第2特図が変動中の場合(ステップS3でYes)には、ステップS2で取得した特図当否判定用乱数を第1特図用保留球乱数記憶部115aに、特図種類決定用乱数を第1特図種類決定用乱数記憶部124aに、特図変動パターン用乱数を第1特図変動パターン用乱数記憶部133aに、それぞれ記憶する(ステップS4)。このとき、保留球表示制御部230が白色の保留球を第1保留球表示領域34aに表示する。そして、ステップS3の手前に戻って、今回の入賞に係る遊技の順番が来るまで待機する。なお、既に第1特図用保留球乱数記憶部115aに、上限である4個の保留球乱数が記憶されている場合には、ステップS4の処理は行われないということは言うまでもない。
一方、第1特図および第2特図の何れも変動していない場合、即ち、遊技の順番が来た場合(ステップS3でNo)には、ステップS5にて大当たり判定処理が行われる。つまり、ステップS2で取得した特図当否判定用乱数が大当たりであるか否かを第1特図当否判定部113aが判断する。
次いで、ステップS6にて、特図種類決定処理が行われる。具体的には、ステップS5での大当たり判定処理の結果、大当たりと判定された場合には、第1特図種類決定部124aが、ステップS2で取得した特図種類決定用乱数に基づいて、その大当たりに対する特図の種類を決定する。即ち、図8(a)を参照して、「15R通常図柄」、「突時図柄」、「15R確変図柄」および「潜伏図柄」の中から1つの第1特図の種類を、このステップS6で決定する。この決定された第1特図の種類に応じて、今回の大当たりが確変当たりと通常当たりの何れであるか、大当たり遊技におけるラウンド数が何回であるか(大当たり遊技で獲得できる賞球の数がどの程度であるか)、アタッカー開放パターンがフル開放と高速開放の何れであるか、および、大当たり遊技終了後の電サポ回数が何回であるかが決定されることになる。一方、ステップS5でハズレと判定された場合には、図8(a)が参照されることなくハズレに対する第1特図を決定してS6の処理は終了する。
次いで、ステップS7にて、特図変動パターンコマンド決定処理が行われる。この特図変動パターンコマンド決定処理では、ステップS2で取得した特図変動パターン用乱数に基づいて、第1特図変動パターン決定部135aは、通常変動パターンテーブル134a、短縮変動パターンテーブル134bのうち何れかを参照して第1変動パターンコマンドを決定する。
次いで、ステップS8にて、演出態様決定処理が行われる。この演出態様決定処理では、演出態様決定部210が、各演出テーブル261a,bを参照して、入力された第1変動パターンコマンドに基づいて今回の遊技に用いる演出態様を決定する。
次いで、ステップS9にて、第1特図表示制御部101aが特図表示装置17に第1特図の変動表示を開始させ、演出表示制御部220が演出表示装置34にステップS8で決定された演出態様の表示を開始する。
次いで、ステップS10で、第1特図表示制御部101aが特図表示装置17に第1特図を停止表示させる。このとき、特図表示装置17に停止表示される図柄は、ステップS5で大当たりと判定された場合には、ステップS6にて決定された第1特図の種類に対応した当たり図柄となるが、ステップS5でハズレと判定された場合には、ハズレに対応したハズレ図柄となる。
次いで、停止した第1特図が大当たりの組合せで確定している場合(ステップS11でYes)は、大当たり遊技制御部160は、第1特図の種類に応じた所定のアタッカー開放パターンでアタッカー装置41を開放して大当たり遊技を提供する(ステップS12)。
また、ステップS12にて、注意喚起画像262を演出表示装置34に表示するか否かの処理に係る注意喚起画像処理が行われる。ここで、図18を用いて、注意喚起画像の処理手順について説明をする。ステップS21にて、出玉有り初大当たり判定処理が行われる。出玉有り初大当たり判定処理については詳しく後述するが、報知フラグ設定部401は、出玉有り初大当たり判定処理にて、各報知フラグのうち何れか一つの報知フラグをオンに設定し、報知フラグ解除部402は、ステップS21にて報知フラグ設定部401がオンに設定した報知フラグ以外の報知フラグ(他方の報知フラグ)をオフに設定する。
ステップS22にて、演出表示制御部220は、報知フラグ1がオンに設定されているかを判断し、オンに設定されている場合には、ステップS23にて今回の大当たり遊技終了の際に注意喚起画像262を演出表示装置34に表示するように制御し、注意喚起画像処理が終了する。一方、ステップS22にてNoの場合、即ち、報知フラグ2または報知フラグ3がオンに設定されている場合には、演出表示制御部220は、今回の大当たり遊技終了の際に注意喚起画像262を表示しないように制御し、注意喚起画像処理が終了する。
図17に説明を戻し、注意喚起画像処理が終了すると、ステップS13に進む。遊技状態設定処理として、遊技状態設定部140は、次の遊技における特図の遊技状態を特図低確または特図高確に設定すると共に、普図の遊技状態を普図高確または普図低確に設定する。
なお、ステップS11でYesの場合、即ち、今回の遊技にて大当たりに当選した場合には、ステップS6にて決定された特図の種類に基づいて遊技状態設定部140は、次の遊技における遊技状態を設定する。ステップS11でNoの場合、即ち、今回の遊技にて大当たりに当選しなかった場合には、前回の大当たり遊技の終了後に設定された電サポ回数に応じて、普図に係る遊技状態を普図高確あるいは普図低確に設定する。
ステップS11でNoの場合についてより詳しく説明する。前回の大当たり遊技の終了後に電サポ回数が100回に設定されていたとすると、前回の大当たり遊技後から100回の遊技が行われるまで電サポ中となる。今回の遊技が前回の大当たり遊技後の1回目の遊技から数えて100回目に該当する場合には、ステップS13にて遊技状態設定部140は、普図に係る遊技状態を普図高確から普図低確に設定する。一方、今回の遊技が前回の大当たり遊技後の1回目の遊技から数えて99回目以内である場合には、ステップS13にて遊技状態設定部140は、普図に係る遊技状態を普図高確に設定する。また、今回の遊技が前回の大当たり遊技後の1回目の遊技から数えて101回目以降である場合には、ステップS13にて遊技状態設定部140は、普図に係る遊技状態を普図低確に設定する。
このステップS13で、次回の遊技における遊技状態が設定されると、1回の第1特図に係る遊技処理が終了する。また、ステップS11でNoの場合は、大当たり遊技が提供されることなくステップS13に進んで、次遊技の遊技状態が設定される。なお、ステップS1でNoの場合は遊技が行われることなく終了となる。
次に、ステップS6にて、大当たりに対する特図の種類が決定された場合に、注意喚起画像表示処理部400が行う出玉有り初大当たり判定処理の手順について図19を参照しながら説明する。なお、これ以降の説明するにあたり、特図抽選処理部110による抽選で大当たりに当選し、特図種類決定処理部120が特図の種類を「15R通常図柄」または「15R確変図柄」に決定した場合の大当たりのことを、「出玉有り大当たり」と言うことにし、特図種類決定処理部120が特図の種類を「突時図柄」または「潜伏図柄」に決定した場合の大当たりのことを、「出玉無し大当たり」と言うことにする。
ステップS31にて、報知フラグ設定部401は、今回の大当たりが「出玉有り大当たり」であるかを判断し、「出玉有り大当たり」である場合には(ステップS31でYes)、ステップS32に進む。
次いで、報知フラグ設定部401は、普図に係る遊技状態が普図低確の状態で出玉有り大当たりに当選したかを判断し、普図低確の状態で当選した場合には(ステップS32でYes)、ステップS38に進む。なお、報知フラグ解除部402は、遊技状態設定部140が普図の遊技状態を普図高確から普図低確に設定した場合には、全ての報知フラグをオンからオフに設定するので、ステップS32にて、普図に係る遊技状態が普図低確であるということは、全ての報知フラグ(報知フラグ1〜3)がオフに設定されているということになる。
一方、ステップS32でNoの場合、即ち、普図に係る遊技状態が普図高確の状態で出玉有り大当たりに当選した場合には、ステップS33に進む。なお、普図に係る遊技状態が普図高確であるということは、各報知フラグのうち何れか1つの報知フラグがオンに設定されているということになる。
次いで、ステップS33にて、報知フラグ設定部401は、報知フラグ3がオンに設定されているかを判断し、オンに設定されている場合には(ステップS33でYes)、ステップS38に進む。後ほど詳しく説明するが、報知フラグ3がオンに設定されているということは、前回の大当たりが「出玉無し大当たり」であり、前回の大当たり遊技が「突時図柄」または「潜伏図柄」に基づく大当たり遊技であったということになるが、先に述べたように「潜伏図柄」に基づく大当たり遊技後は、普図に係る遊技状態が「普図低確」となるので、前回の大当たり遊技が「潜伏図柄」に基づく大当たり遊技であれば、ステップS32でNoとなることはない。したがって、ステップS32でNo、かつ、ステップS33でYesである場合は、前回の大当たり遊技が「突時図柄」に基づいた大当たり遊技であることが判別できる。
ステップS38にて、報知フラグ設定部401は、報知フラグ1をオフからオンに設定する。ステップS38で報知フラグ1がオンに設定されたことにより、報知フラグ解除部402は、報知フラグ3がオンに設定されていた場合(ステップS33でYesの場合)には、報知フラグ3をオンからオフに設定し、出玉有り初大当たり判定処理が終了する。以上のことから、報知フラグ設定部401が、報知フラグ1をオフからオンに設定するケースには、次の3つのケースがある。
1つ目のケースは、前回の大当たり遊技が「15R通常図柄」に基づく大当たり遊技(第2大当たり遊技)であって、普図低確の状態で今回の出玉有り大当たりに当選した場合である(ステップS32でYes)。前回の大当たり遊技後から100回の遊技を行うまでは電サポ中であるので、前回の大当たり遊技で獲得したおよそ1500個の賞球をあまり減らすことなく、遊技を続けることが可能であるが、遊技回数が101回目以降は、獲得した賞球を減らしながら遊技を継続しなければならない。このため、このような場合には、前回の大当たり遊技で獲得した賞球をすべて使い切り、プリペイドカードから遊技球を借りて遊技を継続し、今回の「出玉有り大当たり」に当選した可能性がある。
2つ目のケースは、前回の大当たり遊技が「潜伏図柄」に基づく大当たり遊技(第1大当たり遊技)であって(ただし、報知フラグ3がオンに設定されている場合に限る)、普図低確の状態で今回の出玉有り大当たりに当選した場合である(ステップS32でYes)。前回の大当たり遊技が「潜伏図柄」に基づく大当たり遊技であった場合には、この大当たり遊技では殆ど賞球を獲得することができないので、この大当たり遊技後に、プリペイドカードから遊技球を借りて、遊技を継続している可能性が高い。なお、前回の大当たり遊技後に設定される普図の遊技状態は普図低確であるため、プリペイドカードから借りた遊技球を減らしながら遊技を継続し、今回の「出玉有り大当たり」に当選した可能性がある。なお、報知フラグ3がオンに設定されている場合については後述する。
3つ目のケースは、前回の大当たり遊技が「突時図柄」に基づく大当たり遊技(第1大当たり遊技)であって(ただし、報知フラグ3がオンに設定されている場合に限る)、前回の大当たり遊技後に電サポ回数が100回設定され、この電サポ中に出玉有り大当たりに当選した場合(ステップS33でYes)、あるいはこの電サポ中に大当たりに当選することなく、普図低確の状態で今回の出玉有り大当たりに当選した場合である(ステップS32でYes)。前回の大当たり遊技が「突時図柄」に基づく大当たり遊技であった場合には、この大当たり遊技では殆ど賞球を獲得することができないので、この大当たり遊技後に、プリペイドカードから遊技球を借りて、遊技を継続している可能性が高い。
このように、報知フラグ設定部401が報知フラグ1をオンに設定する場合とは、遊技者がプリペイドカードから遊技球を借りて遊技を行っている間に、今回の出玉有り大当たりに当選した可能性が高い場合である。また、今回の大当たり遊技ではおよそ1500個の賞球を獲得可能であるため、今回の大当たり遊技終了後に、プリペイドカードから遊技球を借りなくても、獲得した賞球を用いて遊技を継続することが可能となる場合である。なお、以下の説明を行うにあたり、報知フラグ1をオフからオンに設定する契機となった大当たりのことを「出玉有り初大当たり」と言うことにする。
一方、ステップS31でNoの場合、即ち、今回の大当たりが「出玉無し大当たり」である場合には、ステップS34に進む。ステップS34にて、報知フラグ設定部401は、報知フラグ1がオンに設定されているかを判断し、オンに設定されていない場合には(ステップS34でNo)、ステップS35に進む。
ステップS35にて、報知フラグ設定部401は、報知フラグ2がオンに設定されているかを判断し、オンに設定されていない場合には(ステップS35でNo)、ステップS36に進む。なお、報知フラグ1および報知フラグ2がオンに設定されていないということは(ステップS34でNo、ステップS35でNo)、普図低確の状態で今回の出玉無し大当たりに当選した、あるいは報知フラグ3がオンの状態で今回の出玉無し大当たりに当選したということになる。
ステップS36にて、報知フラグ設定部401は、報知フラグ3をオフからオンに設定し、あるいは引き続き報知フラグ3をオンに設定した状態を保持して、出玉有り初大当たり処理が終了する。以上のことから、報知フラグ3がオンに設定されるケースには、次の2つのケースがある。
1つ目のケースは、普図低確の状態で(ステップS34でNo、ステップS35でNo)、出玉無し大当たりに当選した場合である。普図低確の状態で大当たりに当選した場合には、プリペイドカードから遊技球を借りて今回の大当たりに当選した可能性が高く、この大当たり遊技では殆ど賞球を獲得することができないので、この大当たり遊技後に、プリペイドカードから遊技球を借りて、遊技を継続する必要が高い。
2つ目のケースは、報知フラグ3がオンに設定された状態で今回の「出玉無し大当たり」に当選した場合である。報知フラグ3がオンに設定されている状態で出玉無し大当たりに当選したということは、前回の大当たりも「出玉無し大当たり」であったということである。このため、今回の出玉無し大当たり当選時に、遊技者がプリペイドカードから遊技球を借りて遊技を行っていた可能性が高い。
このように、報知フラグ3がオンに設定されている場合とは、今回の大当たり遊技で獲得できる賞球が殆ど無く、今回の大当たり遊技後も引き続きプリペイドカードから遊技球を借りて遊技を行う可能性が高い場合である。
一方、ステップS34でYesの場合、即ち、報知フラグ1がオンに設定されている場合、あるいはステップS35でYesの場合、即ち、報知フラグ2がオンに設定されている場合には、ステップS37に進む。なお、報知フラグ1または報知フラグ2がオンに設定されているということは、報知フラグ3がオフの状態でかつ普図高確の状態で今回の出玉無し大当たりに当選したということになる。
ステップS37にて、報知フラグ設定部401は、報知フラグ2をオフからオンに設定し、あるいは引き続き報知フラグ2をオンに設定する。報知フラグ解除部402は、報知フラグ1がオンの場合(ステップS34でYesの場合)には、報知フラグ1をオンからオフに設定し、出玉有り初大当たり判定処理が終了する。
また、ステップS33にて、Noの場合、即ち、報知フラグ3がオンに設定されていない場合には、ステップS37に進み、報知フラグ設定部401は、報知フラグ2をオフからオンに設定する。報知フラグ解除部402は、報知フラグ1がオンに設定されていた場合には、報知フラグ1をオンからオフに設定し、出玉有り初大当たり判定処理が終了する。以上のことから、報知フラグ設定部401が、報知フラグ2をオフからオンに設定するケースには、次の2つのケースがある。
1つ目のケースは、前回の大当たりが「出玉有り大当たり」であって(ステップS33でNo)、前回の大当たり遊技後に設定された電サポ回数100回の電サポ中(ステップS32でNo)に、再び「出玉有り大当たり」に当選した場合(ステップS31でYes)である。
2つ目のケースは、前回の大当たりが「出玉有り大当たり」であって(ステップS34でYesまたはステップS35でYes)、前回の大当たり遊技後に設定された電サポ回数100回の電サポ中に、今回の出玉無し大当たりに当選した場合(ステップS31でNo)である。
このように、報知フラグ2がオンに設定される場合は、今回の「出玉有り大当たり」に当選するまで、あるいは今回の「出玉無し大当たり」に当選するまでは、遊技者が前回の大当たり遊技で獲得した賞球を用いて遊技を行っていた可能性が高い場合であり、所謂、大当たりが連荘している場合である。
以上のように、出玉有り初大当たり判定処理では、今回の大当たりが「出玉有り初大当たり」であるかを判定し、出玉有り初大当たりであると判定した場合には、報知フラグ設定部401は、報知フラグ1をオフからオンに設定する。
第1の実施の形態例に係るパチンコ機Pは、遊技者がプリペイドカードから遊技球を借りて遊技を行っている間に、今回の出玉有り大当たりに当選した可能性が高い場合であって、今回の大当たり遊技終了後に、プリペイドカードから遊技球を借りなくても、獲得した賞球を用いて遊技を継続することが可能となる場合には、大当たり終了の際に、注意喚起画像262を演出表示装置34に表示する。大当たり遊技でおよそ1500個の賞球を獲得すると、プリペイドカードから遊技球を借りなくても遊技を続けることができるので、台間機300にプリペイドカードが挿入されていることを忘れやすいが、このような場合には、第1の実施の形態例に係るパチンコ機Pは、大当たり終了の際に、注意喚起画像262を演出表示装置34に表示するので、遊技者に台間機300からプリペイドカードの取り出しを忘れないように促すことができる。
一方、第1の実施の形態例に係るパチンコ機Pは、今回の大当たり遊技で獲得できる賞球が殆ど無く、今回の大当たり遊技後も引き続きプリペイドカードから遊技球を借りて遊技を行う可能性が高い場合には、報知フラグ3をオンに設定し、注意喚起画像262を演出表示装置34に表示しないので、注意喚起画像262が遊技の邪魔となることを低減できる。
さらに、第1の実施の形態例に係るパチンコ機Pは、出玉有り初大当たりを契機として大当たりが連荘している状態では報知フラグ2をオンに設定し、今回の大当たりが出玉有り大当たりであっても、演出表示制御部220は、注意喚起画像262を演出表示装置34に表示しない。大当たりが連荘している状態で、注意喚起画像262が出玉有り大当たりの度に演出表示装置34に表示されると煩わしく、大当たりの連荘を楽しむ遊技者の興趣を低下させる虞がある。このような場合には、注意喚起画像262が演出表示装置34に表示されないので、注意喚起画像262が遊技の邪魔となることを低減できる。
また、第1の実施の形態例に係るパチンコ機Pは、台間機300にプリペイドカードが挿入されていることを判断するために、台間機300からパチンコ機Pにプリペイドカードの有無の信号等を送信する必要がないため、制御が簡単である。また、台間機300からの信号をパチンコ機Pの主制御処理部100に備えられたCPUに送信できるような通信ルートを設けるとすると、当該通信ルートを利用して不正な信号が入力される虞があり、不正な信号が当該CPUに入力されることを未然に防止する必要が生じるので、パチンコ機を製作・開発等する者の負担も生じることになるが、第1の実施の形態例に係るパチンコ機Pはこのような負担も生じない。
続いて、本発明の第2の実施の形態例に係るパチンコ機について説明する。第2の実施の形態例に係るパチンコ機は、第1の実施の形態例に係るパチンコ機Pと比較して、注意喚起画像表示処理部400が所要遊技回数設定処理部419を備える点において相違する。以下に、第1の実施の形態例と異なる部分について説明を行い、第1の実施の形態例と共通する部分については説明を省略する。
注意喚起画像表示処理部400は、図20に示すように、報知フラグ設定部401と、報知フラグ解除部402と、今回の大当たり遊技後の1回目の遊技から次回の大当たりに当選するまでに要した遊技回数に関する処理を行う所要遊技回数設定処理部419と、を備えて構成されている。
所要遊技回数設定処理部419は、特図抽選処理部110による抽選で大当たりに当選した場合に、特図種類決定処理部120により決定された特図の種類が「15R通常図柄」である場合に所要遊技回数を220回に設定する所要遊技回数設定部413と、所要遊技回数設定部413が設定した所要遊技回数を記憶する所要遊技回数記憶部414と、を備えて構成されている。
所要遊技回数設定処理部419は、所要遊技回数記憶部414が所要遊技回数を記憶している場合には、今回の大当たり遊技後の1回目の遊技から、特図が1回変動する毎に所要遊技回数記憶部414が記憶している所要遊技回数を1回減算し、記憶された所要遊技回数が0回になると、所要遊技回数の減算処理を終了する。また、所要遊技回数設定処理部419は、次回の大当たり当選後に行われる「出玉有り初大当たり判定処理」が終了すると、所要遊技回数記憶部414が記憶している所要遊技回数をクリア(記憶のない状態に消去)する。
報知フラグ設定部401は、今回の大当たり当選時に所要遊技回数記憶部414が記憶している所要遊技回数に基づいて、今回の大当たりが「出玉有り初大当たり」であるか否かを判定し、出玉有り初大当たりである場合には報知フラグ1をオフからオンに設定する。なお、今回の大当たりが「出玉有り初大当たり」であるかの判定については、後ほど説明する。
ここで、所要遊技回数設定部413が所要遊技回数を220回に設定することについて説明をする。第2の実施の形態例に係るパチンコ機は、遊技球125個を用いると平均して10回の遊技を行うことができるパチンコ機であることを前提とする。そうすると、遊技球(賞球)1500個を用いると、平均して120回の遊技を行うことができる。
一方、「15R通常図柄」に基づいて大当たり遊技が提供される場合には、大当たり遊技の終了後から100回の遊技が行われるまでは、電サポが付与されるので、あまり遊技球を減らすことなく遊技を行うことができる。仮に、電サポ中は、遊技球を減らすことなく遊技を行うことができるものとするならば、「15R通常図柄」に基づいて大当たり遊技が提供された場合には、この大当たり遊技で獲得したおよそ1500個の賞球を用いると、遊技者は、大当たり遊技後に付与される電サポ回数100回に120回を加算したおよそ220回の遊技を行うことができるものと予測できる。
以上のことから、「15R通常図柄」に基づく大当たり遊技後の1回目の遊技から遊技回数が220回を超過した場合には、遊技者がこの大当たり遊技で獲得した1500個の賞球を全て使い切り、プリペイドカードから遊技球を借りて遊技を行っている可能性が高い。これにより、所要遊技回数設定部413は、所要遊技回数を220回に設定し、第2の実施の形態例に係るパチンコ機は、所要遊技回数記憶部414が記憶している所要遊技回数に基づいて、今回の大当たりが「出玉有り初大当たり」であるか否かを判定する。なお、「15R確変図柄」に基づいて大当たり遊技が提供された場合には、この大当たり遊技後に、電サポ回数が10000回付与されるので、所要遊技回数を設定する必要がない。
次に、所要遊技回数設定処理部419が所要遊技回数の設定を行う処理について説明する。図示はしないが、所要遊技回数設定処理部419は、特図抽選処理部110による抽選で大当たりに当選した場合に、特図種類決定処理部120が決定した特図の種類が「15R通常図柄」であるかを判断する。「15R通常図柄」である場合には、所要遊技回数設定部413は、所要遊技回数を220回に設定し、所要遊技回数記憶部414は、この所要遊技回数220回を記憶して、所要遊技回数の設定処理を終了する。
次に、所要遊技回数の減算処理について図21を用いて説明する。ステップS41にて、所要遊技回数設定処理部419は、所要遊技回数設定部413が所要遊技回数を設定したかを判断し、設定している場合には(ステップS41でYes)、ステップS42に進む。所要遊技回数が設定されていない場合には(ステップS41にてNo)、所要遊技回数設定処理部419は、所要遊技回数の減算処理を開始することなく終了する。
ステップS42にて、特図の変動が開始されると(ステップS42でYes)、ステップS43に進む。変動が開始されない場合には(ステップS42でNo)変動が開始されるまでステップS42が繰り返し行われる。
ステップS43にて、所要遊技回数設定処理部419は、所要遊技回数記憶部414が記憶している所要遊技回数が1回以上であるかを判断し、1回以上である場合には(ステップS43でYes)、ステップS44に進む。一方、所要遊技回数記憶部414が記憶している所要遊技回数が0回である場合には(ステップS43にてNo)、所要遊技回数設定処理部419は、所要遊技回数の減算処理を終了する。
ステップS44にて、所要遊技回数設定処理部419は、所要遊技回数記憶部414が記憶している所要遊技回数から1回を減算して、ステップS45に進む。
ステップS45にて、所要遊技回数設定処理部419は、大当たりに当選したかを判断し、大当たりに当選した場合には(ステップS45でYes)、所要遊技回数の減算処理を終了する。一方、大当たりに当選していない場合には(ステップS45でNo)、大当たりに当選するまでステップS42〜ステップS45の各ステップが繰り返し行われる。
以上のように、所要遊技回数設定処理部419は、所要遊技回数が設定されている場合には、特図の変動が開始される毎に所要遊技回数記憶部414が記憶している所要遊技回数から1回の減算処理を行い、大当たりに当選するとこの減算処理を終了する。注意喚起画像表示処理部400は、大当たり当選時に所要遊技回数記憶部414が記憶している所要遊技回数に基づいてこの後に述べる出玉有り初大当たり判定処理を行う。
次に、第2の実施の形態例に係る出玉有り初大当たり判定処理について、図22を用いて説明するが、ステップS131〜ステップS137は第1の実施の形態例と同様の処理を行うため、第1の実施の形態例に係る出玉有り初大当たり判定処理と相違する部分について説明を行う。
ステップS51にて、注意喚起画像表示処理部400は、所要遊技回数設定部413が所要遊技回数を設定したかを判断し、設定されている場合には(ステップS51でYes)、ステップS52に進む。所要遊技回数を設定していない場合には(ステップS51にてNo)、ステップS138に進む。
ステップS52にて、注意喚起画像表示処理部400は、所要遊技回数記憶部414が記憶している所要遊技回数が0回の状態で今回の大当たりに当選したかを判断し、0回である場合には(ステップS52でYes)、ステップS138に進む。
ステップS138にて、報知フラグ設定部401は、報知フラグ1をオフからオンに設定し、出玉有り初大当たり判定処理が終了する。なお、前回の大当たり遊技が「15R通常図柄」に基づく大当たり遊技でない場合には、ステップS51でNoとなる。
一方、ステップS52にてNoの場合、即ち、所要遊技回数が0回でない場合(所要遊技回数記憶部414が記憶している遊技回数が1回以上の場合)には、ステップS137に進んで、報知フラグ設定部401は、報知フラグ2をオフからオンに設定し、出玉有り初大当たり判定処理は終了する。
このように、第2の実施の形態例に係る出玉有り初大当たり判定処理は、第1の実施の形態例に係る出玉有り初大当たり判定処理と異なり、今回の大当たりが出玉有り大当たりであって(ステップS131でYes)、普図低確の状態で大当たりに当選した場合(ステップS132でYes)であっても、報知フラグ設定部401は、報知フラグ1をオフからオンに設定しない場合(ステップS52でNo)、即ち、「出玉有り初大当たり」と判定しない場合がある。つまり、第2の実施の形態例に係る出玉有り初大当たり判定処理は、所要遊技回数記憶部414に記憶された所要遊技回数が1回以上記憶されている状態で「出玉有り大当たり」に当選した場合には、前回の大当たり遊技(「15R通常図柄」に基づく大当たり遊技)で獲得した賞球に基づいて遊技を行っている可能性が高いものとして、このような「出玉有り大当たり」を「出玉有り初大当たり」と判定しない。
以上のように、第2の実施の形態例に係るパチンコ機によれば、今回の大当たり遊技が、「15R通常図柄」に基づく大当たり遊技である場合には、所要遊技回数設定部413は、220回の所要遊技回数を設定する。今回の大当たり遊技後の1回目の遊技から次回の出玉有り大当たりに当選するまでの遊技回数が220回以上である場合には、次回の大当たりが「出玉有り初大当たり」であるものとみなして、演出制御処理部220は、次回の大当たり遊技終了の際に、注意喚起画像262を演出表示装置34に表示する。一方、今回の大当たり遊技終了後の1回目の遊技から次回の大当たりに当選するまでの遊技回数が220回以内である場合には、次回の大当たりが「出玉有り初大当たり」でないものとみなして、即ち、大当たりが連荘しているものとみなして、演出制御処理部220は、次回の大当たり遊技終了の際に、注意喚起画像262を演出表示装置34に表示しないので、第1の実施の形態例に係るパチンコ機Pよりも、注意喚起画像262が遊技の邪魔とならないにすることができる。
続いて、本発明の第3の実施の形態例に係るパチンコ機について説明する。第3の実施の形態例に係るパチンコ機は、第2の実施の形態例に係るパチンコ機と比較すると、注意喚起画像表示処理部400が備える所要遊技回数設定処理部419に替えて、所要遊技時間設定処理部429を備える点において相違する。以下に、第1および第2の実施の形態例と異なる部分について説明を行い、第1および第2の実施の形態例と共通する部分については説明を省略する。
注意喚起画像表示処理部400は、図23に示すように、報知フラグ設定部401と、報知フラグ解除部402と、大当たり遊技終了直後から次の大当たりに当選するまでに要した時間に関する処理を行う所要遊技時間設定処理部429と、を備えて構成されている。
所要遊技時間設定処理部429は、特図抽選処理部110による抽選で大当たりに当選した場合に、特図種類決定処理部120により決定された特図の種類が「15R通常図柄」である場合に所要遊技時間を33分に設定する所要遊技時間設定部423と、所要遊技時間設定部423が設定した所要遊技時間を記憶する所要遊技時間記憶部424と、を備えて構成されている。
所要遊技時間設定処理部429は、所要遊技時間設定部423が所要遊技時間を設定した場合に、大当たり遊技終了直後から1分の時間の経過と共に所要遊技時間記憶部424が記憶している所要遊技時間を1分減算し、記憶された所要遊技時間が0分になると、所要遊技時間の減算処理を終了する。また、所要遊技時間設定処理部429は、次の大当たり当選後に行われる「出玉有り初大当たり判定処理」が終了すると、所要遊技時間記憶部424が記憶している所要遊技時間をクリア(記憶のない状態に消去)する。
報知フラグ設定部401は、所要遊技時間設定部423が設定した所要遊技時間に基づいて、今回の大当たりが「出玉有り初大当たり」であるか否かを判定し、「出玉有り初大当たり」である場合には報知フラグ1をオフからオンに設定する。なお、今回の大当たりが「出玉有り初大当たり」であるかの判定については、後ほど説明する。
ここで、所要遊技時間設定部423が所要遊技時間を33分に設定することについて説明をする。ただし、第2の実施の形態例に係るパチンコ機同様、第3の実施の形態例に係るパチンコ機は、遊技球125個を用いると平均して10回の遊技を行うことができるパチンコ機であることを前提とする。
「15R通常図柄」に基づいて大当たり遊技が提供されると大当たり遊技後に、電サポ回数が100回設定されるので、この大当たり遊技後から遊技回数が100回までは、遊技球を第2始動入賞口37bに比較的容易に入賞させることができる。このため、電サポ中の第2特図用保留球乱数記憶部115bが記憶している保留記憶数は、3個または4個の状態に成りやすい。電サポ中は、短縮変動パターンテーブル134bが参照されて特図の変動時間が決定されるので、保留記憶数が3個および4個の場合、第2特図の主要変動時間は2秒となる(図13参照)。したがって、大当たり遊技後から電サポ回数100回までに要する時間は、主要変動時間のみを考慮すると、およそ200秒(2秒×100回)であると予測できる。
また、短縮変動パターンテーブル134bは、リーチとなる確率が1/30に設定されているので、電サポ回数100回の間には、リーチが平均して4回ほど成立するものとする。リーチ時の変動時間は60秒〜120秒であるので(図13参照)、1回のリーチ時変動時間が平均しておよそ80秒であると仮定するならば、電サポ回数100回の間に要するリーチ時変動時間は、およそ320秒(80秒×4回)となる。このため、大当たり遊技後から電サポ回数100回までに要する時間は、およそ520秒(200秒+320秒)であると予測できる。
一方、大当たり遊技後から101回目以降の遊技で1500個の遊技球をどの程度の時間で使い切るかについて説明する。なお、第2の実施の形態例と同様に、電サポ中は、遊技球を減らすことなく遊技を行うことができるものとし、遊技者は、101回目以降の遊技において、継続して遊技球を遊技領域31に発射したとする。「15R通常図柄」に基づく大当たり遊技後から遊技回数が101回目以降は、遊技状態は低確に設定されるので、第1特図の変動時間は、通常変動パターンテーブル134aが参照されて決定される。第1特図用保留球乱数記憶部115aの最大保留記憶数は4個であるので、保留記憶数の数が0個の場合の変動時間も含めて第1特図の主要変動時間の平均を計算すると、(12.5+12.5+7+7+4)÷5=8.6秒となる。このため101回目以降の遊技において、1回の遊技に要する主要変動時間はおよそ8.6秒となる。ここで、第3の実施の形態例に係るパチンコ機は、遊技球125個を用いると平均して10回の遊技を行うことができることを前提としているので、遊技球125個を用いて遊技可能な時間は、およそ86秒(8.6秒×10個)となる。したがって、101回目以降の遊技で、遊技球1500個を用いて遊技可能な時間は、およそ1032秒(1500個÷125個×86秒)となる。
また、遊技球1500個を用いるとおよそ120回の遊技を行うことができ、通常変動パターンテーブル134aは、リーチとなる確率が1/20に設定されているので、101回目以降の遊技では、遊技球1500個を用いるとおよそ6回(120回÷20回)リーチとなるとする。リーチ時の変動時間は20秒〜120秒であるので(図13参照)、1回のリーチ時変動時間が平均しておよそ70秒であるとする。そうすると、遊技回数120回の間に要するリーチ時変動時間は、およそ420秒(70秒×6回)となる。このため、101回目以降の遊技で1500個の遊技球を使い切るのに要する時間は、およそ1432秒(1032秒+420秒)となる。したがって、「15R通常図柄」に基づいて大当たり遊技が提供されてからこの大当たり遊技で獲得したおよそ1500個の遊技球を使い切る目安となる時間は、520秒+1432秒=1952秒(およそ33分)となる。
以上のことから、「15R通常図柄」に基づく大当たり遊技直後からの遊技時間が33分を超過した場合には、遊技者がこの大当たり遊技で獲得した1500個の賞球を全て使い切り、プリペイドカードから遊技球を借りて遊技を行っている可能性が高い。これにより、所要遊技時間設定部423は、所要遊技時間を33分に設定し、第3の実施の形態例に係るパチンコ機は、所要遊技時間記憶部424が記憶している所要遊技時間に基づいて、今回の大当たりが「出玉有り初大当たり」であるか否かを判定する。
なお、遊技者が一時的な離席により遊技を行わない時間等を考慮して、所要遊技時間を定めるようにしても良い。
次に、所要遊技時間設定処理部429が所要遊技時間の設定を行う処理について説明する。図示はしないが、所要遊技時間設定処理部429は、特図抽選処理部110による抽選で大当たりに当選した場合に、特図種類決定処理部120が決定した特図の種類が「15R通常図柄」であるかを判断する。「15R通常図柄」である場合には、所要遊技時間設定部423は、所要遊技時間を33分に設定し、所要遊技時間記憶部424は、この所要遊技時間33分を記憶して、所要遊技時間の設定処理を終了する。
次に、所要遊技時間の減算処理について図24を用いて説明する。ステップS61にて、所要遊技時間設定処理部429は、大当たり遊技が終了したかを判断し、終了した場合には(ステップS61でYes)、ステップS62に進む。一方、大当たり遊技が終了していない場合には(ステップS61でNo)、所要遊技時間の減算処理が開始されることはない。
ステップS62にて、所要遊技時間設定処理部429は、所要遊技時間設定部423が所要遊技時間を設定したかを判断し、設定している場合には(ステップS62でYes)、ステップS63に進む。一方、所要遊技時間が設定されていない場合には(ステップS62にてNo)、所要遊技時間設定処理部429は、所要遊技時間の減算処理を開始することなく終了する。
ステップS63にて、所要遊技時間設定処理部429は、今回の大当たり遊技終了直後から1分の時間の経過と共に所要遊技時間記憶部424が記憶している所要遊技時間を1分減算する処理を開始してステップS64に進む。
ステップS64にて、所要遊技時間設定処理部429は、所要遊技時間記憶部424が記憶している所要遊技時間が0分であるかを判断し、0分でない場合には(ステップS64でNo)、ステップS65に進む。一方、0分の場合には(ステップS64でYes)、所要遊技時間の減算処理を終了する。
ステップS65にて、特図の変動が開始されると(ステップS65でYes)、ステップS66に進む。変動が開始されない場合には(ステップS65でNo)、変動が開始されるまでステップS64およびステップS65が繰り返し行われる。
ステップS66にて、所要遊技時間設定処理部429は、大当たりに当選したかを判断し、大当たりに当選した場合には(ステップS66でYes)、所要遊技時間設定処理部429は、所要遊技時間の減算処理を終了する。一方、大当たりに当選していない場合には、大当たりに当選するまでステップS64〜ステップS66の各ステップが繰り返し行われる。
以上のように、所要遊技時間設定処理部429は、所要遊技時間が設定されている場合には、大当たり遊技直後から所要遊技時間の減算処理を開始して、大当たりに当選するとこの減算処理を終了する。注意喚起画像表示処理部400は、大当たり当選時に所要遊技時間記憶部424が記憶している所要遊技時間に基づいてこの後に述べる出玉有り初大当たり判定処理を行う。
次に、第3の実施の形態例に係る出玉有り初大当たり判定処理について、図25を用いて説明するが、ステップS231〜ステップS237は第1および第2の実施の形態例と同様の処理を行うため、第1および第2の実施の形態例に係る出玉有り初大当たり判定処理と相違する部分について説明を行う。
ステップS71にて、注意喚起画像表示処理部400は、所要遊技時間設定部423が所要遊技時間を設定したかを判断し、設定している場合には(ステップS71でYes)、ステップS72に進む。所要遊技時間が設定されていない場合には(ステップS71でNo)、ステップS238に進む。
ステップS72にて、注意喚起画像表示処理部400は、所要遊技時間記憶部424が記憶している所要遊技時間が0分の状態で今回の大当たりに当選したかを判断し、所要遊技時間が0分である場合には(ステップS72でYes)、ステップS238に進む。
ステップS238にて、報知フラグ設定部401は、報知フラグ1をオフからオンに設定し、出玉有り初大当たり判定処理が終了する。なお、前回の大当たり遊技が「15R通常図柄」に基づく大当たり遊技でない場合には、ステップS71でNoとなる。
一方、ステップS72にてNoの場合、即ち、所要遊技時間が0分でない場合(記憶された所要遊技時間が1分以上の場合)には、ステップS237に進んで、報知フラグ設定部401は、報知フラグ2をオフからオンに設定し、出玉有り初大当たり判定処理が終了する。
このように、第3の実施の形態例に係る出玉有り初大当たり判定処理は、第2の実施の形態例に係る出玉有り初大当たり判定処理と異なり、所要遊技時間記憶部424に記憶された所要遊技時間が1分以上の状態(ステップS72でNo)で「出玉有り大当たり」に当選した場合には、前回の大当たり遊技(「15R通常図柄」に基づく大当たり遊技)で獲得した賞球を用いて遊技を行っている可能性が高いものとして、今回の出玉有り大当たりを「出玉有り初大当たり」と判定しない。
前回の「15R通常図柄」に基づく大当たり遊技終了直後から今回の出玉有り大当たりに当選するまでの時間が33分以上である場合には、前回の大当たり遊技で獲得した遊技球を全て使い切り、台間機300に挿入されたプリペイドカードから遊技球を借りて遊技を行っている可能性が高い。第3の実施の形態例に係るパチンコ機によれば、所要遊技時間記憶部424に記憶された所要遊技時間が1分以上の状態で、今回の出玉有り大当たりに当選した場合には、今回の大当たりを「出玉有り初大当たり」とみなして、演出制御処理部220は、今回の大当たり遊技終了の際に、注意喚起画像262を演出表示装置34に表示する。一方、前回の「15R通常図柄」に基づく大当たり遊技終了直後から今回の出玉有り大当たりに当選するまでの時間が33分以内である場合には、前回の大当たり遊技で獲得した賞球を用いて行われた遊技で今回の出玉有り大当たりに当選した可能性が高い。このような場合には、大当たりが連荘しているものとみなして、第3の実施の形態例に係るパチンコ機は、今回の大当たり遊技終了の際に、注意喚起画像262を演出表示装置34に表示しないので、本発明の第2の実施の形態例に係るパチンコ機のように特図が変動を開始する度に遊技回数をカウントすることなく、注意喚起画像262が遊技の邪魔とならないにすることができる。
続いて、本発明の第4の実施の形態例に係るパチンコ機について説明する。第4の実施の形態例に係るパチンコ機は、第1〜第3の実施の形態例に係るパチンコ機と比較すると、注意喚起画像表示処理部400が獲得賞球数設定処理部439を備える点において相違する。以下に、第1〜第3の実施の形態例と異なる部分について説明を行い、第1〜第3の実施の形態例と共通する部分については説明を省略する。
注意喚起画像表示処理部400は、図26に示すように、報知フラグ設定部401と、報知フラグ解除部402と、大当たり遊技直後から次の大当たりに当選するまでに要した遊技球の数に関する処理を行う獲得賞球数設定処理部439と、を備えて構成されている。
獲得賞球数設定処理部439は、特図抽選処理部110による抽選で大当たりに当選し、特図種類決定処理部120により決定された特図の種類が「15R通常図柄」である場合に、この大当たり遊技で獲得する賞球の数をカウントする獲得賞球カウント部433と、獲得賞球カウント部433がカウントした賞球の数を記憶する獲得賞球記憶部434と、を備えて構成されている。
獲得賞球数設定処理部439は、獲得賞球カウント部433が大当たり遊技で獲得した賞球の数をカウントした場合に、大当たり遊技終了直後から次の大当たりに当選するまでの間、アウト口39を1個の遊技球が通過する毎に、獲得賞球記憶部434が記憶している獲得賞球の数を1個減算する。なお、獲得賞球数設定処理部439は、次の大当たり当選後に行われる「出玉有り初大当たり判定処理」が終了すると、獲得賞球記憶部434が記憶している獲得賞球の数をクリア(記憶のない状態に消去)する。
第4の実施の形態例に係るパチンコ機に設けられた大入賞口検知センサ45は、第1〜第3の実施の形態例に係るパチンコ機と異なり、大入賞口42を1個の遊技球が通過する毎に、賞球検知信号を獲得賞球カウント部433に送信する。獲得賞球カウント部433は、大入賞口検知センサ45から賞球検知信号を1回受信すると、賞球の数を10個としてカウントする。つまり、第4の実施の形態例に係るパチンコ機は、大当たり遊技中に、大入賞口42に1個の遊技球が入賞すると10個の賞球を遊技者に払い出す。
また、第4の実施の形態例に係るパチンコ機は、アウト口39の内部に遊技球の通過を検知するためのアウト口検知センサ(図示せず)を設けており、アウト口検知センサは、アウト口39の内部を1個の遊技球が通過する毎に、獲得賞球数設定処理部439にアウト検知信号を送信する。獲得賞球数設定処理部439は、獲得賞球記憶部434が記憶している獲得賞球の数が1個以上である場合には、アウト口検知センサからアウト検知信号を1回受信する毎に、獲得賞球記憶部434が記憶している獲得賞球の数を1個減算する。
なお、例えば、ガイドレール32と遊技球規制レール33の間であって、遊技球規制レール33の先端に設けられた球戻り防止部材を遊技球が通過したことを検知可能な検知センサを設けて、獲得賞球数設定処理部439は、獲得賞球記憶部434が記憶している獲得賞球の数を減算するようにしても良い。
報知フラグ設定部401は、獲得賞球記憶部434が記憶している獲得賞球の数に基づいて、今回の大当たりが「出玉有り初大当たり」であるか否かを判定し、「出玉有り初大当たり」である場合には報知フラグ1をオフからオンに設定する。
次に、獲得賞球数の減算処理について図27を用いて説明する。ステップS81にて、獲得賞球数設定処理部439は、大当たり遊技が終了したかを判断し、終了した場合には(ステップS81でYes)、ステップS82に進む。大当たり遊技が終了していない場合には(ステップS81でNo)、記憶された獲得賞球数の減算処理が開始されることはない。
ステップS82にて、獲得賞球数設定処理部439は、獲得賞球カウント部433が獲得賞球のカウントを行ったかを判断し、カウントしている場合には(ステップS82でYes)、ステップS83に進む。一方、カウントしていない場合には(ステップS82にてNo)、獲得賞球数設定処理部439は、記憶された獲得賞球数の減算処理を開始することなく終了する。
ステップS83にて、獲得賞球数設定処理部439は、大当たり遊技終了直後からアウト口検知センサからのアウト検知信号を1回受信する毎に、獲得賞球記憶部434が記憶している獲得賞球数を1個減算する処理を開始してステップS84に進む。
ステップS84にて、獲得賞球数設定処理部439は、獲得賞球記憶部434が記憶している獲得賞球が0個であるかを判断し、0個でない場合には(ステップS84でNo)、ステップS85に進む。一方、0個の場合には(ステップS84でYes)、獲得賞球数の減算処理を終了する。
ステップS85にて、特図の変動が開始されると(ステップS85でYes)、ステップS86に進む。変動が開始されない場合には(ステップS85でNo)変動が開始されるまでステップS84およびステップS85が繰り返し行われる。
ステップS86にて、獲得賞球数設定処理部439は、大当たりに当選したかを判断し、大当たりに当選した場合には(ステップS86でYes)、所獲得賞球数設定処理部439は、獲得賞球数の減算処理を終了する。大当たりに当選していない場合には(ステップS86でNo)、ステップS84〜ステップS86の各ステップが繰り返し行われる。
以上のように、獲得賞球数設定処理部439は、獲得賞球カウント部433が獲得賞球数をカウントしている場合には、大当たり遊技終了直後から獲得賞球記憶部434が記憶している獲得賞球数の減算処理を開始して、大当たりに当選するとこの減算処理を終了する。注意喚起画像表示処理部400は、大当たり当選時に獲得賞球記憶部434が記憶している獲得賞球数に基づいてこの後に述べる出玉有り初大当たり判定処理を行う。
次に、第4の実施の形態例に係る出玉有り初大当たり判定処理について、図28を用いて説明するが、ステップS331〜ステップS337は第1の実施の形態例〜第3の実施の形態例と同一の処理を行うため、第1の実施の形態例〜第3の実施の形態例に係る出玉有り初大当たり判定処理と相違する部分について説明を行う。
ステップS91にて、獲得賞球数設定処理部439は、獲得賞球カウント部433が獲得賞球数をカウントしているかを判断し、カウントしている場合には(ステップS91でYes)、ステップS92に進む。一方、カウントしていない場合にはステップS91にてNo、ステップS338に進む。
ステップS92にて、獲得賞球数設定処理部439は、獲得賞球記憶部434が記憶している獲得賞球数が0個の状態で今回の大当たりに当選したかを判断し、獲得賞球数が0個である場合には(ステップS92でYes)、ステップS338に進む。
ステップS338にて、報知フラグ設定部401は、報知フラグ1をオフからオンに設定し、出玉有り初大当たり判定処理が終了する。なお、前回の大当たり遊技が「15R通常図柄」に基づく大当たり遊技でない場合には、ステップS91でNoとなる。
一方、ステップS92にてNoの場合、即ち、獲得賞球数が0個でない場合(記憶されている獲得賞球数が1個以上の場合)には、ステップS337に進んで、報知フラグ設定部401は、報知フラグ2をオフからオンに設定し、出玉有り初大当たり判定処理は終了する。
このように、第4の実施の形態例に係る出玉有り初大当たり判定処理は、獲得賞球記憶部434に記憶された獲得賞球数が1個以上記憶されている状態(ステップS92でNo)で今回の出玉有り大当たりに当選した場合には、前回の大当たり遊技(「15R通常図柄」に基づく大当たり遊技)で獲得した賞球に基づいて遊技を行っている可能性が極めて高いものとして、今回の大当たりを「出玉有り初大当たり」と判定しない。
今回の大当たりが出玉有り大当たりであっても、前回の「15R通常図柄」に基づく大当たり遊技終了後から今回の出玉有り大当たりに当選するまでの区間中にアウト口39の内部を通過した遊技球の数が、前回の大当たり遊技で獲得した賞球の数よりも少ない状態で今回の出玉有り大当たりに当選した場合には、遊技者が前回の大当たり遊技で獲得した賞球を使い切る前に今回の出玉有り大当たりに当選した可能性が極めて高い。第4の実施の形態例に係るパチンコ機によると、このような場合には、大当たりが連荘しているものとみなして、注意喚起画像262が演出表示装置に表示されないので、注意喚起画像262が遊技の邪魔になることをより低減できる。
また、上記の変形実施例として、第1始動入賞口37aと第2始動入賞口37bを設け、第1始動入賞口37aに入賞し大当たりに当選した場合には、出玉有り図柄(「15R通常図柄」または「15R確変図柄」)よりも、出玉無し図柄(「突時図柄」または「潜伏図柄」)の方が選択される確率が高く設定され、第2始動入賞口37bに入賞し大当たりに当選した場合には、出玉無し図柄(「突時図柄」または「潜伏図柄」)よりも、出玉有り図柄(「15R通常図柄」または「15R確変図柄」)の方が選択される確率が高く設定されているパチンコ機である場合には、演出表示制御部220は、第2始動入賞口37bに入賞し大当たりに当選した場合には、報知タイミング(例えば、大当たり遊技終了の際)で注意喚起画像262を演出表示装置34に表示するように制御する一方、第1始動入賞口37aに入賞し大当たりに当選した場合には、報知タイミングで注意喚起画像262を演出表示装置34に表示しないようにすることを特徴とするパチンコ機であっても良い。このようにすると、何れの始動入賞口に入賞して大当たりに当選したかによって、注意喚起画像262を表示しあるいは表示しないようにすることができるので、第1〜第4の実施の形態例に係るパチンコ機よりも制御が簡単である。
また、本発明は、メダルを用いて遊技を行うスロットマシン、あるいは、遊技球を用いて遊技を行うスロットマシン(所謂、パロット)にも適用可能であることは言うまでもない。