以下、発明の実施の形態例を、図面を参照して説明するにあたり、便宜上、「特別図柄」の文言については「特図」と省略し、「普通図柄」の文言については「普図」と省略することにする。また、特に断らない限り、「遊技」とは、第1始動入賞口(始動口)37aまたは第2始動入賞口(始動口)37bに遊技球が入賞することを契機に行われる遊技のことを指すものとする。
図1および図2に示すように、本発明の実施の形態例に係るパチンコ機Pは、遊技場の島設備に設置される縦長方形状の機枠1と、機枠1に扉状に開閉自在に取り付けられた本体枠2と、本体枠2の内側に収容される遊技盤3と、本体枠2の前面に扉状に開閉自在に取り付けられ、中央に大きく開口部8が形成されたガラス扉4と、このガラス扉4の開口部8に取り付けられた透明なガラス板10と、本体枠2の下側に開閉自在に配設され、遊技球を収容する受皿5を有する前面ボード6と、本体枠2の下部に設けられた発射装置9と、前面ボード6に取り付けられたハンドル7と、を具備している。さらに、ガラス扉4の上部にはスピーカ20が左右に1個ずつ取り付けられており、遊技に関する様々な効果音を発している。また、図3に示すように、このパチンコ機Pは、背面側に、主制御処理部100、払出・発射制御処理部105、サブ制御処理部200、賞球払出装置14等を備えている。続いて、図1〜図4を参照して、本実施形態に係るパチンコ機Pの構成を詳しく説明していくことにする。
遊技盤3は、図2に示すように、その盤面に遊技領域31を有しており、遊技領域31は、本体枠2に装着した後、ガラス板10を介して観察することができる。遊技領域31は、遊技球を滑走させるガイドレール32と遊技球規制レール33によって略円形状となるように区画形成されており、発射装置9によって遊技領域31の上部へ打ち出された遊技球はこの遊技領域31内を流下する。また、遊技領域31内には、演出図柄を変動および停止表示する演出表示装置34と、スルーチャッカ21と、電動チューリップ49と、ステージ36と、第1始動入賞口37aおよび第2始動入賞口37bと、一般入賞口38と、アウト口39と、遊技釘(図示せず)と、風車(図示せず)と、アタッカー装置41等が設けられている。また、遊技盤面の右下方の位置には、特図を変動および停止表示する特図表示装置17と、普図表示装置22とが設けられている。
なお、本実施形態では、第1始動入賞口37aと第2始動入賞口37bとは左右方向に間隔を空けて設けられており、発射装置9の発射強度が弱〜中のとき(所謂、ぶっこみ狙いで遊技球を発射した場合)には、基本的に遊技球は演出表示装置34の左側を流下することになる。この場合、打ち出された遊技球が第1始動入賞口37aに入賞する可能性はあるが、第2始動入賞口37bには入賞することがない、または第2始動入賞口37bに入賞が困難となるように設定されている。
それに対して、発射装置9の発射強度を強にして遊技球を発射する(所謂、右打ちを行う)と、遊技球を第2始動入賞口37bに入賞させることができるが、右打ちを行うと、遊技球を第1始動入賞口37aに入賞させることはない、または困難となるように設定されている。よって、右打ちを行っている場合には、殆ど第2始動入賞口37bにしか遊技球が入賞することはない。なお、第2始動入賞口37bは、電動チューリップ49が開放されない限り、その内部に遊技球が入賞することができない構成となっている。よって、遊技者は、通常、ぶっこみ狙いで遊技球を打ち出しながら遊技を進めることになる。
演出表示装置34は、遊技盤3の略中央部に設けられ、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞することを契機に行われる第1特図に係る電子抽選の結果、または第2始動入賞口37bに遊技球が入賞することを契機に行われる第2特図に係る電子抽選の結果に基づいて所定の演出態様を表示するものであって、本実施形態では液晶表示装置が用いられている。この演出表示装置34には、画面全体に背景画像が表示されるほか、所定の演出態様の一部として、特図表示装置17に変動表示される第1特図または第2特図と同期をとって演出図柄が変動表示されるようになっている。
なお、本実施形態では、演出図柄として1〜9までの数字が用いられており、3つの数字が同一の数字で変動停止すると電子抽選の結果が大当たりとなる。そして、2つの数字が同一の数字で変動を停止し、かつ、1つの数字が変動中である状態を「リーチ」と言う。
さらに、この演出表示装置34には、保留球乱数が保留球乱数記憶部(メモリ)115a、115bに記憶された場合に保留表示(保留球乱数が記憶された旨の表示)を行うための表示領域が演出図柄の表示を邪魔しないように区画形成されている。具体的には、演出表示装置34の左下側に第1特図用保留球乱数記憶部115aに保留球乱数が記憶されたことを表示する第1保留球表示領域34aが設けられ、右下側に第2特図用保留球乱数記憶部115bに保留球乱数が記憶されたことを表示する第2保留球表示領域34bが設けられている。第1始動入賞口37aまたは第2始動入賞口37bに遊技球が入賞し、当該入賞により取得した特図用乱数が保留球乱数として記憶されたときに主制御処理部100から出力されるコマンドを受けると、これらの保留球表示領域34a,bに保留球の表示がなされる(図4参照)。
特図表示装置17は、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞することを契機に行われる第1特図に係る電子抽選の結果、または第2始動入賞口37bに遊技球が入賞することを契機に行われる第2特図に係る電子抽選の結果を表示するためのものである。より具体的には、特図表示装置17は、特図に係る抽選結果を、第1特図あるいは第2特図(例えば、数字や絵柄)を変動させた後に停止させるといった態様で表示する。
本実施形態では、特図表示装置17として7セグメント表示器が用いられている。この特図表示装置17は、演出表示装置34を見ている遊技者の視界に同時に入らないように遊技盤3の右下部分に離れて設けられている。そして、7セグメント表示器を点滅表示させることにより特図が変動し、その点滅が停止して点灯表示に変わることで特図の変動が停止する。この点滅中の時間が、特図(第1特図、第2特図)の変動時間である。
なお、本実施形態では、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことに基づく遊技と第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことに基づく遊技とが同時に進行することはない。より詳しくは、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことに基づく遊技より、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことに基づく遊技の方を優先して実行するように構成されている。即ち、第1特図用保留球乱数記憶部115aと第2特図用保留球乱数記憶部115bの両方に保留球乱数が記憶されている場合には、主制御処理部100は、第2特図用保留球乱数記憶部115bに記憶されている保留球乱数の方を先に読み出して遊技に係る処理を実行する。そのため、第1始動入賞口37aと第2始動入賞口37bの両方の抽選結果を同時に表示することはない。よって、2つの始動入賞口37a、37bに遊技球が入賞したことに基づく抽選の結果を1つの特図表示装置17で表示している。勿論、特図表示装置17を別個に2つ設けることもできることは言うまでもない。
スルーチャッカ21は、遊技球が通過可能なゲート構造を成しており、その内部には遊技球が通過したことを検知する磁気センサタイプのスルーチャッカ検知センサ46が内蔵されている。また、このスルーチャッカ21を遊技球が通過したことを契機に行われる普図に係る電子抽選の結果を表示するための普図表示装置22が、特図表示装置17の隣に設けられている。この普図表示装置22は、本実施形態では、二つのLEDランプで構成されており、普図当たりのときに一方のLEDランプが点灯し、ハズレのときには他方のLEDランプが点灯するようになっている。なお、2つのLEDランプを交互に点滅表示させることにより普図が変動し、その点滅が停止して点灯表示に変わることで普図の変動が停止する。この点滅中の時間が、普図の変動時間である。
なお、特図表示装置17の表示制御は、主制御処理部100の第1特図表示制御部101aおよび第2特図表示制御部101bによって行われ、普図表示装置22の表示制御は、主制御処理部100の普図表示制御部102によって行われている(図4参照)。
電動チューリップ49は、第2始動入賞口37bの入口に設けられ、遊技盤3の面に直交する軸を中心に回動する一対の羽根部材を備えており、ソレノイドに通電がなされると一対の羽根部材が互いに離れる方向に回動して、第2始動入賞口37bの入口を拡大するようになっている。そして、電動チューリップ49が開放されない限り、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞することはない。なお、電動チューリップ49は、一対の羽根部材が開閉する構造のものに限らず、その他の構造、例えば、板状部材が手前側に倒れることにより第2始動入賞口37bが露呈され、板状部材の上に乗ったパチンコ球が、そのまま板状部材に案内されて第2始動入賞口37bに入賞するような構造のもの(所謂、ベロ式電チュー)を用いることもできる。
また、ステージ36は、演出表示装置34の下方に配置されており、遊技球が転動しながら一時的に滞在する構造物である。このステージ36の中央には溝が形成されており、この溝の真下の位置には第1始動入賞口37aが配されている。そのため、溝から落下した遊技球は、高い確率で第1始動入賞口37aへと導かれる。
アタッカー装置41は、第1始動入賞口37aおよび第2始動入賞口37bに遊技球が入賞することを契機に行われる特図に係る電子抽選の結果、大当たりとなって大当たり遊技に移行した場合に所定回数開放される装置である。このアタッカー装置41は、水平な軸を中心として前後方向に開閉する板状の蓋部材を備えており、図示しないソレノイドを駆動することにより蓋部材が水平軸回りに回動する構成となっている。そして、蓋部材が開いた状態では遊技領域31の下部に設けられた大入賞口42が露呈され、その大入賞口42に遊技球を入賞させることができる構成となっている。
つまり、アタッカー装置41は、常態では蓋部材が大入賞口42を閉じているため、大入賞口42に遊技球が入賞することはないが、上記したように、大当たり遊技に移行すると、蓋部材が開放されて大入賞口42が露呈されるため、遊技球を大入賞口42内に入賞させることが可能となるのである。そして、大入賞口42に遊技球が入賞すると、所定個数の遊技球が賞球として遊技者に払い出される。即ち、遊技者は、大入賞口42に遊技球を入賞させることによって出玉を獲得できるのである。なお、大入賞口42は、横長な長方形の開口であり、アタッカー装置41の蓋部材は、この大入賞口42の形状とほぼ同じ形状を成している。
また、第1始動入賞口37a、第2始動入賞口37b、一般入賞口38、およびアタッカー装置41に入らなかった遊技球は、アウト口39から回収される。なお、第1始動入賞口37a、第2始動入賞口37b、一般入賞口38、大入賞口42の内部にはそれぞれセンサ43a、43b、44、45(図4参照)が設けられ、遊技球が通過することでそれぞれの入賞口への入賞を検知している。各入賞口への入賞が検知されると、所定個数の遊技球が賞球として遊技者に払い出される。
前面ボード6には遊技球を収容するとともに、外部に排出可能な受皿5が取り付けられている。この受皿5は、遊技者が投入した遊技球を収容するだけでなく、賞球払出装置14から賞球および貸球として払い出された遊技球も収容可能となっている。また、遊技球を遊技領域31に向けて発射するための発射装置9が本体枠2の下部に取り付けられており、受皿5に収容されている遊技球がこの発射装置9に1個ずつ供給される。そして、前面ボード6の右下に取り付けられたハンドル7を回動させると、その回動量に応じた発射強度で発射装置9が遊技球を遊技領域31へと発射することができるようになっている。また、図1に示すように、受皿5の側部には、遊技者が押下操作する演出用タッチボタン(操作部)60が設けられている。本実施形態例に係るパチンコ機Pは、この演出用タッチボタン60を操作して、所定の演出の内容を変更することが可能となっている。
主制御処理部100は、遊技盤3の裏面に支持部材等を介して設けられている。この主制御処理部100は、CPU、予め定められた制御プログラムを格納するROM、生成された処理情報の一時記憶および記憶した情報の削除を行うRAM(Random Access Memory)等により構成されている。このCPUがROMに格納された各種プログラムやデータを読み込んで実行することにより、遊技に関する主要な処理が行われる。
具体的には、図4に示すように、主制御処理部100は、始動入賞口37a,bに遊技球が入賞したことを契機に特図に係る電子抽選(特図抽選)を行う特図抽選処理部(特別図柄抽選手段)110と、この特図抽選処理部110が判定した抽選結果に応じて特図の種類を決定する特図種類決定処理部120と、特図変動パターン(変動パターン)を決定するための特図変動パターン決定部(変動パターン決定手段)130と、所定条件が成立したことに基づいて遊技状態を所定の遊技状態へと移行させる遊技状態設定部140と、特図抽選処理部110による抽選結果の判定が大当たりとなった場合に大当たり遊技としてアタッカー装置41(のソレノイド)を作動させて大当たり遊技に移行する(遊技者に有利状態を設定する)大当たり遊技制御部(有利状態設定手段)160と、を備えている。
さらに、主制御処理部100は、スルーチャッカ21を遊技球が通過したことを契機に普図の当否に係る抽選を行う普図抽選処理部170と、普図の変動時間を決定する普図変動時間決定部190と、電動チューリップ49の作動を制御する電動チューリップ作動制御部180と、特図表示装置17の表示制御を行う第1特図表示制御部101aおよび第2特図表示制御部101bと、普図表示装置22の表示制御を行う普図表示制御部102と、を備えて構成されている。
特図抽選処理部110は、図5に示すように、周期的に入力されるクロック信号に基づいてカウンタの値を所定の範囲(例えば、0〜65535までの範囲)で1ずつ更新させることによりハードウェア乱数を生成する特図当否判定用乱数発生部111と、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことを契機に、第1特図の当否に係る抽選を行う第1特図当否抽選部119aと、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことを契機に、第2特図の当否に係る抽選を行う第2特図当否抽選部119bと、を備えて構成されている。即ち、本実施形態において、特図に係る抽選手段には、第1始動入賞口37aに入賞したことを契機に行うものと、第2始動入賞口37bに入賞したことを契機に行うものとの2つのものがある。
第1特図当否抽選部119aは、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことを契機に(第1始動入賞口検知センサ43aからの検知信号が主制御処理部100に入力されたタイミングで)、特図当否判定用乱数発生部111で発生した特図当否判定用の乱数を1つ取得(ラッチ)する第1特図当否判定用乱数取得部112aと、この第1特図当否判定用乱数取得部112aが取得した乱数が大当たりであるか否かを判定する際の遊技状態が高確率状態または低確率状態かによって、第1特図高確率判定テーブル116aまたは第1特図低確率判定テーブル117aを参照して決定する第1特図当否判定部113aと、第1特図当否判定用乱数取得部112aが乱数を取得したときに、この取得した乱数を特図に係る保留球乱数として記憶するとともに、第1特図または第2特図が変動中や大当たり遊技中等の記憶した保留球乱数に基づく変動開始を行うことが出来ない場合に、最大4個まで(別言すれば、所定個数である4個の上限まで)記憶することが可能な第1特図用保留球乱数記憶部115aとを備えている。
ここで、図6に示すように、第1特図高確率判定テーブル116aは、第1特図低確率判定テーブル117aよりも、大当たりとなる確率が高くなっている。より詳しく言うと、第1特図高確率判定テーブル116aは、大当たりの当選確率が1/30、第1特図低確率判定テーブル117aは、大当たりの当選確率が1/300に設定されている。つまり、第1特図高確率判定テーブル116aの方が、第1特図低確率判定テーブル117aに比べて10倍大当たりに当選する確率が高くなるように設定されている。
より具体的には、第1特図の当否判定の結果は、第1特図低確率判定テーブル117aが参照される場合、特図当否決定用乱数の値が0〜217までのときに大当たりとなり、その値が218〜65535までのときにハズレとなる。また、第1特図高確率判定テーブル116aが参照される場合、その当否判定の結果は、特図当否決定用乱数の値が0〜2170までのときに大当たりとなり、その値が2171〜65535までのときにハズレとなる。
第2特図当否抽選部119bも第1特図当否抽選部119aと同様に、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことを契機に(第2始動入賞口検知センサ43bからの検知信号が主制御処理部100に入力されたタイミングで)、特図当否判定用乱数発生部111で発生した特図当否判定用の乱数を1つ取得(ラッチ)する第2特図当否判定用乱数取得部112bと、この第2特図当否判定用乱数取得部112bが取得した乱数が大当たりであるか否かを判定する際の遊技状態が高確率状態または低確率状態かによって、第2特図高確率判定テーブル116bまたは第2特図低確率判定テーブル117bを参照して決定する第2特図当否判定部113bと、第2特図当否判定用乱数取得部112bが乱数を取得したときに、この取得した乱数を特図に係る保留球乱数として記憶するとともに、第1特図または第2特図が変動中や大当たり遊技中等の記憶した保留球乱数に基づく変動開始を行うことが出来ない場合に、最大4個まで(別言すれば、所定個数である4個の上限まで)記憶することが可能な第2特図用保留球乱数記憶部115bと、を備えている(図4参照)。
ここで、図6に示すように、第2特図高確率判定テーブル116bは、第2特図低確率判定テーブル117bよりも大当たりとなる確率が高くなっており、より詳しく言うと、第2特図高確率判定テーブル116bは、大当たりの当選確率が1/30、第2特図低確率判定テーブル117bは、大当たりの当選確率が1/300に設定されている。つまり、第2特図高確率判定テーブル116bの方が、第2特図低確率判定テーブル117bに比べて10倍大当たりに当選する確率が高くなるように設定されている。
より具体的には、第2特図の当否判定の結果は、第2特図低確率判定テーブル117bが参照される場合、特図当否決定用乱数の値が0〜217までのときに大当たりとなり、その値が218〜65535までのときにハズレとなる。また、第2特図高確率判定テーブル116bが参照される場合、その当否判定の結果は、特図当否決定用乱数の値が0〜2170までのときに大当たりとなり、その値が2171〜65535までのときにハズレとなる。
なお、上述のように、第1特図高確率判定テーブル116aと第2特図高確率判定テーブル116bとの判定する値が共通であり、第1特図低確率判定テーブル117aと第2特図低確率判定テーブル117bの判定する値が共通であるため、特図抽選処理部110が、第1特図高確率判定テーブル116aと第2特図高確率判定テーブル116bとを共通とする特図高確率判定テーブル116、第1特図低確率判定テーブル117aと第2特図低確率判定テーブル117bとを共通とする特図低確率判定テーブル117、とを設ける構成としても良い。
なお、第1特図当否抽選部119aが第1特図低確率判定テーブル117aを参照して第1特図の当否に係る抽選を行い、第2特図当否抽選部119bが第2特図低確率判定テーブル117bを参照して第2特図の当否に係る抽選を行う遊技状態を、単に「特図低確」と言うことにし、第1特図当否抽選部119aが第1特図高確率判定テーブル116aを参照して第1特図の当否に係る抽選を行い、第2特図当否抽選部119bが第2特図高確率判定テーブル116bを参照して第2特図の当否に係る抽選を行う遊技状態を、以下、単に「特図高確」と言うことにする。
先にも触れたが、第1特図用保留球乱数記憶部115aと第2特図用保留球乱数記憶部115bの両方に保留球乱数が記憶されている場合には、第2特図用保留球乱数記憶部115bに記憶されている方を優先的に読み出して大当たりであるか否かの判定が行なわれ、その判定に従って遊技が進行するような制御がなされている(特図2優先処理)。
次に、特図種類決定処理部120について説明する。上述した特図抽選処理部110が大当たりに当選しているか否かを決定するものであるのに対して、特図種類決定処理部120は、特図の種類を決定するためのものである。つまり、本実施形態では、特図に関する大当たりまたはハズレの決定は特図抽選処理部110によって行われるが、大当たりの内容(大当たり種別、大当たり遊技のラウンド数、アタッカー開放パターン、および電サポ回数)は特図種類決定処理部120によって決定される構成となっている。なお、上記した大当たりの内容についての詳細は後述する。
特図種類決定処理部120は、図7に示すように、周期的に(例えば4ミリ秒毎)入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲(例えば、0〜99までの範囲)で1ずつ更新させることによりソフトウェア乱数を生成する特図種類決定用乱数発生部121と、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことを契機に、抽選により第1特図の種類を決定するための第1特図種類抽選部129aと、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことを契機に、抽選により第2特図の種類を決定するための第2特図種類抽選部129bと、を備えている。本実施形態において、特図の種類の決定は、第1始動入賞口37aに入賞したことを契機に行うものと、第2始動入賞口37bに入賞したことを契機に行うものとの2つがある。
第1特図種類抽選部129aは、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことを契機に(第1始動入賞口検知センサ43aからの検知信号が主制御処理部100に入力されたタイミングで)、特図種類決定用乱数発生部121で発生した特図種類決定用の乱数を1つ取得する第1特図種類決定用乱数取得部122aと、この第1特図種類決定用乱数取得部122aが取得した乱数から、第1特図種類決定テーブル125aを参照して第1特図の種類を決定する第1特図種類決定部123aと、第1特図種類決定用乱数取得部122aが乱数を取得したときに、この取得した乱数を記憶するとともに、第1特図または第2特図が変動中や大当たり遊技中等の記憶した乱数に基づく変動開始を行うことが出来ない場合に、最大4個まで(別言すれば、所定個数である4個の上限まで)記憶することが可能な第1特図種類決定用乱数記憶部124aと、を備えている。
第1特図種類決定テーブル125aは、図8(a)に示すように、特図種類決定用の乱数と第1特図の種類とが予め対応付けられたテーブル構成を成している。具体的には、15R通常時短有図柄、2R通常時短有図柄、15R特定時短有図柄、および2R特定時短有図柄の合計4種類の第1特図が第1特図種類決定テーブル125aに格納されており、これら4種類の第1特図のそれぞれに特図種類決定用乱数0〜99までの値が対応付けられている。そして、第1特図に割り当てられる特図種類決定用乱数値の範囲が異なるテーブル構成となっているから、第1特図のそれぞれが第1特図種類決定部123aによって選択される確率は異なるものとなる。
より詳細に説明すると、第1特図種類決定テーブル125aに格納された4種類の第1特図のうち、特図種類決定用乱数の値が0〜9までのものに対して「15R通常時短有図柄」が対応付けられており、当該乱数値が10〜27に対して「2R通常時短有図柄」が、当該乱数値が28〜32までのものに対して「15R特定時短有図柄」が、当該乱数値が33〜99までのものに対して「2R特定時短有図柄」が、それぞれ対応付けられている。
この図8(a)から明らかなように、「15R通常時短有図柄」に対応付けられた乱数の個数は、全体で100個の特図種類決定用乱数のうち10個であるから、「15R通常時短有図柄」が選択される確率は、10/100×100=10%である。その他の第1特図の選択確率についても同様にして求められ、「2R通常時短有図柄」の選択確率は18%、「15R特定時短有図柄」の選択確率は5%、「2R特定時短有図柄」の選択確率は67%となっている。
また、図7に示すように、第2特図種類抽選部129bも、同様に第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことを契機に、特図種類決定用乱数発生部121で発生した特図種類決定用の乱数を1つ取得する第2特図種類決定用乱数取得部122bと、この第2特図種類決定用乱数取得部122bが取得した乱数から、第2特図種類決定テーブル125bを参照して第2特図の種類を決定する第2特図種類決定部123bと、第2特図種類決定用乱数取得部122bが乱数を取得したときに、この取得した乱数を記憶するとともに、第1特図または第2特図が変動中や大当たり遊技中等の記憶した乱数に基づく変動開始を行うことが出来ない場合に、最大4個まで(別言すれば、所定個数である4個の上限まで)記憶することが可能な第2特図種類決定用乱数記憶部124bと、を備えている。
第2特図種類決定テーブル125bは、図8(b)に示すように、特図種類決定用の乱数と第2特図の種類とが予め対応付けられたテーブル構成を成している。特図の種類は、第1特図種類決定テーブル125aと異なり、15R通常時短有図柄、15R特定時短有図柄の合計2種類の第2特図が第2特図種類決定テーブル125bに格納されており、これら2種類の第2特図のそれぞれに特図種類決定用乱数0〜99までの値が対応付けられている。
より詳細に説明すると、第2特図種類決定テーブル125bに格納された2種類の第2特図のうち、特図種類決定用乱数の値が0〜27までのものに対して「15R通常時短有図柄」が対応付けられており、当該乱数値が28〜99に対して「15R特定時短有図柄」が、それぞれ対応付けられている。
この図8(b)から明らかなように、「15R通常時短有図柄」に対応付けられた乱数の個数は、全体で100個の特図種類決定用乱数のうち28個であるから、「15R通常時短有図柄」が選択される確率は、28/100×100=28%である。「15R特定時短有図柄」の選択確率も同様に求められ72%となっている。
主制御処理部100は、特図抽選処理部110による抽選が当選である場合には、第1特図種類決定部123aまたは第2特図種類決定部123bが決定した特図の種類を、「図柄指定コマンド」としてサブ制御処理部200に送信する一方、特図抽選処理部110による抽選がハズレである場合には、ハズレ図柄の情報が含まれた図柄指定コマンドをサブ制御処理部200に送信する。なお、サブ制御処理部200は、図柄指定コマンドに基づいて、演出表示装置34に表示する演出図柄を決定する。
次に、普図抽選処理部170について説明する。普図抽選処理部170は、図9に示すように、周期的に入力されるクロック信号に基づいてカウンタの値を所定の範囲(例えば、0〜65535までの範囲)で1ずつ更新させることによりハードウェア乱数を生成する普図当否判定用乱数発生部171と、スルーチャッカ21を遊技球が通過したことを契機に(スルーチャッカ検知センサ46からの検知信号が主制御処理部100に入力されたタイミングで)普図に係る抽選を行って当否を判定するための普図当否抽選部177とを備えて構成されている。
普図当否抽選部177は、スルーチャッカ21を遊技球が通過したことを契機に、普図当否判定用乱数発生部171で発生した普図当否判定用の乱数を1つ取得(ラッチ)する普図当否判定用乱数取得部172と、この普図当否判定用乱数取得部172が取得した乱数が普図当たりであるか否かを、判定テーブルを参照して決定する普図当否判定部173と、普図当否判定用乱数取得部172が乱数を取得したときに、この取得した乱数を記憶するとともに、普図が変動中等の記憶した乱数に基づく変動開始を行うことが出来ない場合に、上限4個まで普図に係る保留球乱数として記憶することが可能な普図用保留球乱数記憶部174と、判定テーブルとして、判定する際の遊技状態が低確率状態または高確率状態かによって選択される判定テーブルが異なる普図当たりに当選する確率が低い普図低確率判定テーブル176と、この普図低確率判定テーブル176よりも普図当たりに当選する確率が高い普図高確率判定テーブル175と、を備えている。
図示はしないが、普図高確率判定テーブル175は、普図低確率判定テーブル176よりも普図当たりとなる確率が高くなっており、より詳しく言うと、普図高確率判定テーブル175は、普図当たりの当選確率が1/1.1、普図低確率判定テーブル176は、普図当たりの当選確率が1/20に設定されている。つまり、普図高確率判定テーブル175の方が、普図低確率判定テーブル176に比べて格段に普図当たりに当選する確率が高くなるように設定されている。そして、普図高確率判定テーブル175を参照して抽選が行われると、殆どの場合、普図当たりに当選することになる。
なお、普図当否抽選部177が普図低確率判定テーブル176を参照して普図に係る抽選を行う遊技状態を、以下の説明において、単に「普図低確」と言い、普図当否抽選部177が普図高確率判定テーブル175を参照して普図に係る抽選を行う遊技状態を、以下の説明において、単に「普図高確」と言う。
次に、図4に示す電動チューリップ作動制御部180は、普図抽選処理部170による抽選で普図当たりに当選した結果に基づいて、電動チューリップ49のソレノイドに通電して開閉するように制御している。この電動チューリップ作動制御部180は、「普図高確」中は、1回の普図当たりに対して、電動チューリップ49を開放時間1.2秒(インターバル0.8秒)で2回開放するよう制御し、「普図低確」中は、1回の普図当たりに対して電動チューリップ49を開放時間0.2秒で1回開放するように制御している。よって、普図高確中は、上述したように、普図抽選処理部170による抽選が行われる度に、殆ど普図当たりに当選し、その当選により電動チューリップ49が1.2秒×2回開放されるため、遊技者は、普図高確中の場合、普図低確中よりも、電動チューリップ49内に遊技球を比較的容易に入賞させることができる。
次に、遊技状態について説明する。本実施形態に係るパチンコ機Pには、遊技状態として「低確」、「時短」、「確変」の3つの遊技状態が設けられている。「低確」とは、特図低確かつ普図低確となっている状態をいう。電源投入後の初期状態やRAMクリア時の遊技状態は「低確」である。また、「時短」とは、特図低確かつ普図高確となっている状態をいい、「確変」とは、特図高確かつ普図高確となっている状態をいう。
本実施形態では、先に述べた特図の種類が決定されると、その特図の種類から、大当たり種別、ラウンド数(大当たりラウンド数)、アタッカー開放パターン、大当たり遊技後に設定される電サポ回数が決まるようになっている。これについて、図10を参照しながら、以下、詳しく説明を行っていくことにする。
図10に示すように、各特図の種類には、それぞれ、大当たり種別、ラウンド数、アタッカー開放パターン、大当たり遊技後に設定される電サポ回数を規定した大当たりの内容が予め対応付けられている。
「大当たり種別」とは、大当たり遊技後における遊技状態を特図低確とする「通常当たり」と、大当たり遊技後における遊技状態を特図高確とする「確変当たり」との何れにするかを定めたものである。通常当たりの場合には、その後の遊技状態が特図低確となるので、なかなか次の大当たりに当選しないが、確変当たりの場合、その後の遊技状態が特図高確となるので、直ぐに次の大当たりに当選する可能性が高い。
「ラウンド数」とは、大当たり遊技中にラウンド遊技が何回実行されるかを定めたものである。本実施形態では、大当たり遊技中のラウンド遊技の回数が15ラウンド(R)のものと、2ラウンド(R)のものとに定められている。
「アタッカー開放パターン」とは、出玉有りの大当たり遊技か出玉が殆ど無い大当たり遊技かを定めたものであり、「フル開放」は出玉有りの大当たり遊技を示し、「高速開放」は出玉が殆ど無い大当たり遊技を示している。
本実施形態の大当たり遊技は、アタッカー装置41が所定回数だけ開閉するラウンド遊技を複数回連続して行う構成となっている。1回のラウンド遊技は、ラウンド遊技開始後にアタッカー装置41が開き、露呈した大入賞口42に所定個数(例えば10個)の遊技球が入賞すること、またはラウンド遊技が開始されてから所定時間(例えば30秒)が経過したことの何れかの終了条件(ラウンド終了条件)が成立すると終了する。そして、本実施形態では、「フル開放」、「高速開放」共に、1回のラウンド遊技で1回開閉するようになっており、1回の開放時間が「フル開放」では、30秒に設定されているのに対して、「高速開放」では、0.2秒と極端に短い時間となるように設定されている点で相違する。
そのため、「フル開放」では、ラウンド遊技が開始されてから所定時間経過するよりも先に大入賞口42に所定個数の遊技球が入賞することが多く、遊技者は、それに応じた賞球(およそ1500個)を獲得することができる。つまり、「フル開放」は、およそ1500個の出玉のある大当たり遊技である。これに対して、「高速開放」では、ラウンド遊技中にアタッカー装置41が開放される時間が短いため、露呈した大入賞口42に遊技球を入賞させることは非常に困難である。その結果、遊技球が大入賞口42に入賞することのないまま、所定時間が経過してラウンド遊技の終了条件が成立してしまう場合が殆どである。そのため、「高速開放」では、大当たり遊技中に出玉を殆ど見込めないということになる。
なお、このアタッカー装置41の作動を制御して、特図の種類に応じたアタッカー開放パターンで大当たり遊技を提供しているのが、大当たり遊技制御部160である(図4参照)。
「電サポ回数」とは、電動チューリップ49によるサポートを受けながら遊技を行うことができる遊技回数のことであり、より詳しくは、遊技状態が普図高確の状態で、特図抽選処理部110による抽選を行うことのできる回数(即ち、第1特図に係る遊技回数および第2特図に係る遊技回数)のことである。本実施形態では、電サポ回数は、100回および10000回の合計2種類が設けられている。なお、設定された電サポ回数に到達する前に大当たりに当選すると、その時点で残りの電サポ回数は消滅し、そして新たに当選した際に決定した特図の種類に応じた電サポ回数が付与されるようになることは言うまでもない。
ここで、先に述べたように、特図高確での大当たりの当選確率は1/30であるから、次回の大当たりまでの特図に係る遊技回数が10000回を超えることは皆無であり、特図高確で10000回遊技を行えば、ほぼ間違いなく大当たりに当選する。つまり、電サポ回数が10000回とは、電サポ回数が「次回の大当たりまで」であることを意味している。よって、「15R特定時短有図柄」および「2R特定時短有図柄」の場合、次回の大当たりまで電動チューリップ49によるサポートを受けながら遊技を行うことができるということになる。
以上のように、特図抽選処理部110による抽選で大当たりに当選した場合に、特図種類決定処理部120により、特図の種類が決定されると、その種類に応じた大当たりの内容に従って大当たり遊技の制御が行われることとなる。そして、大当たり遊技の終了後、所定の電サポ回数が付与され、遊技状態設定部140は、特図の種類に基づいて、大当たり遊技後の特図に係る遊技状態と普図に係る遊技状態とを設定するように制御している。なお、特図の種類と大当たりの内容との対応関係は以下の通りである。
「15R通常時短有図柄」は、大当たり種別が通常当たりであり、ラウンド数が15ラウンドで、大当たり遊技でのアタッカー開放のパターンが「フル開放」となり、1回の大当たり遊技でおよそ1500個の出玉のある大当たりの内容に対応している。大当たり遊技の終了後、電サポ回数は100回付与され、遊技状態は、大当たり遊技の終了後から遊技が100回行われるまで、遊技状態は時短(特図低確かつ普図高確)に設定され、101回目以降、遊技状態は低確(特図低確かつ普図低確)に設定される。
「2R通常時短有図柄」は、大当たり種別が通常当たりであり、ラウンド数が2ラウンドで、大当たり遊技でのアタッカー開放のパターンが「高速開放」となり、殆ど出玉の無い大当たり(実質0ラウンド)の内容に対応している。大当たり遊技の終了後、電サポ回数は100回付与され、遊技状態は、大当たり遊技の終了後から遊技が100回行われるまで、遊技状態は時短に設定され、101回目以降、遊技状態は低確に設定される。
「15R特定時短有図柄」は、大当たり種別が確変当たりであり、ラウンド数が15ラウンドで、大当たり遊技でのアタッカー開放のパターンが「フル開放」となり、1回の大当たり遊技でおよそ1500個の出玉のある大当たりの内容に対応している。大当たり遊技の終了後、電サポ回数は10000回付与され、遊技状態は、次の大当たりまで確変(特図高確かつ普図高確)に設定される。
「2R特定時短有図柄」は、大当たり種別が確変当たりであり、ラウンド数が2ラウンドで、大当たり遊技でのアタッカー開放のパターンが「高速開放」となり、殆ど出玉の無い大当たり(実質0ラウンド)の内容に対応している。大当たり遊技の終了後、電サポ回数は10000回付与され、遊技状態は、次の大当たりまで確変に設定される。
なお、主制御処理部100は、遊技状態設定部140が普図に係る遊技状態を普図高確から普図低確に設定した時に、「電サポ終了コマンド」(例えば、電サポ回数の情報が0回の情報)をサブ制御処理部200に送信する。詳しくは後述するが、サブ制御処理部200がこの電サポ終了コマンドを受信すると、演出制御処理部201に備えられた特殊リーチ処理部240は、レベル記憶部241が記憶している各特殊リーチのレベル分布が「レベル1×5個」となるように設定する。
なお、大当たり当選時の遊技状態が確変、時短であるか、および、大当たり当選時の特図の種類に関係なく、大当たり遊技中の遊技状態は低確(特図低確かつ普図低確)になる。そのため、特図に関しては、大当たり遊技中に当否抽選を行うことはないので低確による影響はないが、普図に関しては、大当たり遊技中に普図に係る当否抽選を行う時には低確として抽選処理を行うことになる。
なお、上記の特図の種類と大当たりの内容との対応関係については、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞した場合と第2始動入賞口37bに遊技球が入賞した場合とで同じである。即ち、何れの始動入賞口に遊技球が入賞しても、その入賞を契機に決定される特図の種類が同じであれば、それに対応する大当たりの内容も同じとなる。
次に、特図の変動時間を決定するための処理について説明する。特図の変動時間は、変動パターンに含まれており、特図変動パターン決定部130が遊技の開始時に変動パターンを決定することにより、その遊技に係る特図の変動時間が決定されるようになっている。
特図変動パターン決定部130は、図11に示すように、変動パターンの決定に用いる変動パターン用乱数を発生させるための特図変動パターン用乱数発生部131と、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことに基づいて第1変動パターンを決定するための第1特図変動パターン抽選部130aと、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことに基づいて第2変動パターンを決定するための第2特図変動パターン抽選部130bと、を備えて構成されている。
特図変動パターン用乱数発生部131は、周期的(例えば4ミリ秒毎)に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲(例えば0〜2999まで)で1ずつ更新させることによりソフトウェア乱数を生成するものである。
第1特図変動パターン抽選部130aは、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことを契機に、特図変動パターン用乱数発生部131にて発生した特図変動パターン用の乱数の中から1つの乱数を取得する第1特図変動パターン用乱数取得部132aと、この第1特図変動パターン用乱数取得部132aが取得した乱数から、特図共通変動パターンテーブル134の中の所定の変動パターンテーブルを参照して第1変動パターンを決定する第1特図変動パターン決定部135aと、第1特図変動パターン用乱数取得部132aが乱数を取得したときに、この取得した乱数を記憶するとともに、第1特図または第2特図が変動中や大当たり遊技中等の記憶した乱数に基づく変動開始を行うことが出来ない場合に、上限4個まで記憶することが可能な第1特図変動パターン用乱数記憶部133aと、を備えて構成されている。なお、第1特図変動パターン抽選部130aは、第1始動入賞口37aに遊技球が1個入賞すると、第1特図当否抽選部119aと同様に、その入賞につき1つの特図変動パターン用乱数を取得する。
第2特図変動パターン抽選部130bも第1特図変動パターン抽選部130aと同様に、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことを契機に、特図変動パターン用乱数発生部131にて発生した特図変動パターン用の乱数の中から1つの乱数を取得する第2特図変動パターン用乱数取得部132bと、この第2特図変動パターン用乱数取得部132bが取得した乱数から、特図共通変動パターンテーブル134の中の所定の変動パターンテーブルを参照して第2変動パターンを決定する第2特図変動パターン決定部135bと、第2特図変動パターン用乱数取得部132bが乱数を取得したときに、この取得した乱数を記憶するとともに、第1特図または第2特図が変動中や大当たり遊技中等の記憶した乱数に基づく変動開始を行うことが出来ない場合に、上限4個まで記憶することが可能な第2特図変動パターン用乱数記憶部133bと、を備えて構成されている。なお、第2特図変動パターン抽選部130bは、第2始動入賞口37bに遊技球が1個入賞すると、第2特図当否抽選部119bと同様に、その入賞につき1つの特図変動パターン用乱数を取得する。
特図共通変動パターンテーブル134は、第1特図変動パターン抽選部130aおよび第2特図変動パターン抽選部130bの両方の抽選部が共通で用いるテーブルであって、図12に示すように、通常変動パターンテーブル134a、短縮変動パターンテーブル134bの2つのテーブルを備えている。
各変動パターンテーブル134a、bにはそれぞれ複数の変動パターンテーブルが格納されており、特図変動パターン決定部135は、遊技開始時に特図当否抽選部119による当否抽選の結果と、特図種類抽選部129で決定された特図の種類と、変動パターン決定時の遊技状態と、特図用保留球乱数記憶部115に現在記憶されている保留球乱数の保留記憶数と、に基づいて、各変動パターンテーブル134a、bに格納された複数の変動パターンテーブルの中から参照する変動パターンテーブルを選択する。
図13に示す変動パターンテーブル選択表は、特図変動パターン決定部135が変動パターンテーブルを選択する条件をまとめた表である。例えば、特図抽選の結果がハズレ、決定された特図の種類がハズレ図柄、変動パターン決定時の遊技状態が低確、保留記憶数が0個の場合には、特図変動パターン決定部135は、通常変動パターンテーブル134a−1を選択する。また、例えば、特図抽選の結果が大当たり、決定された特図の種類が15R通常時短有図柄、変動パターン決定時の遊技状態が低確の場合には、特図変動パターン決定部135は、通常変動パターンテーブル134a−4を選択する。
変動パターンの具体例を、図14を参照しながら以下に説明する。なお、選択された変動パターンテーブルが通常変動パターンテーブル134aである場合の変動パターンについて説明を行う。短縮変動パターンテーブル134bについては、通常変動パターンテーブル134aと変動パターンNo.および変動パターンに違いはあるが構成は同様であるため、図面およびその説明を省略する。
図14(1)に示すように、通常変動パターンテーブル134a−1が参照される場合には、特図変動パターン用乱数の値が0〜2849までの何れかであるとき、それらに対応する第1変動パターンは、変動パターンの内容がリーチ無しで変動時間が12.5秒の変動パターンNo.1となる。また、特図変動パターン用乱数の値が2850〜2999までの何れかであるとき、それらに対応する第1変動パターンは、変動パターンNo.2〜31の何れかとなり、変動パターンの内容がリーチ有りとなる。これらの変動パターンには、変動時間が20秒〜90秒までの何れかの変動時間が規定されている。例えば、変動パターンNo.2は、変動パターンの内容がノーマル系リーチで変動時間が20秒、変動パターンNo.12は、変動パターンの内容が対決系リーチで変動時間が60秒、変動パターンNo.22は、変動パターンの内容が特殊系リーチで変動時間が85秒となる。よって、特図変動パターン用乱数の値が2850〜2999までの場合、保留記憶数が0個〜1個に拘わらず変動パターンNo.に規定されているリーチ変動時間となる。なお、リーチとなる特図変動パターン用乱数の個数は、合計3000個のうち150個となっているので、リーチ確率は1/20となる。
通常変動パターンテーブル134a−2、134a−3は、通常変動パターンテーブル134a−1と同様の構成であるため図面およびその説明を省略する。なお、通常変動パターンテーブル134a−2が参照されて、変動パターンの内容がリーチ無しの場合には、変動時間が7秒となり、通常変動パターンテーブル134a−3が参照されて、変動パターンの内容がリーチ無しの場合には、変動時間が4秒となる。つまり、通常変動パターンテーブル134a−1〜134a−3が参照される場合であって、第1変動パターンの内容がリーチ無しの場合には、保留記憶数に応じて特図の変動時間が異なるように設定されており、保留記憶数が多くなると変動時間が短くなるように設定されている。
また、図14(2)に示すように、通常変動パターンテーブル134a−4が参照される場合には、特図変動パターン用乱数の値が0〜2999の何れの値であっても、必ずリーチとなる第1変動パターンが決定される。具体的には、第1変動パターンは、特図変動パターン用乱数の値が0〜99の場合に変動パターンNo.121〜No.130となり、当該乱数値が100〜1999の場合に変動パターンNo.131〜No.140となり、当該乱数値が2000〜2999の場合に変動パターンNo.141〜No.150となる。なお、通常変動パターンテーブル134a−5は、通常変動パターンテーブル134a−4と同様の構成をしているため図面およびその説明を省略する。
図14(2)から明らかなように、第1特図当否抽選部119aによる当否判定の結果が「大当たり」の場合には、特図変動パターン用乱数の値が何れの場合であっても、変動パターンNo.に規定されている変動時間となる。
なお、短縮変動パターンテーブル134b−1が参照され、変動パターンの内容がリーチ無しの場合には変動時間が7秒となり、短縮変動パターンテーブル134b−2が参照され、変動パターンの内容がリーチ無しの場合には変動時間が4秒となり、短縮変動パターンテーブル134b−3が参照されて、変動パターンの内容がリーチ無しの場合には変動時間が2秒となる。つまり、変動パターンの内容がリーチ無しの場合には、短縮変動パターンテーブル134bが参照されて特図の変動時間が決定される場合よりも、通常変動パターンテーブル134aが参照されて特図の変動時間が決定される場合の方が、特図の変動時間が相対的に長いということになる。
主制御処理部100は、第1特図変動パターン決定部135aが決定した変動パターンを「第1変動パターンコマンド」として、第2特図変動パターン決定部135bが決定した変動パターンを「第2変動パターンコマンド」として、第1特図または第2特図に係る遊技の開始時に、サブ制御処理部200に送信する。
なお、本実施形態例では、主制御処理部100から送信されたコマンドが変動パターンコマンドであることをサブ制御処理部200が識別するために、主制御処理部100は、変動パターンNo.に識別情報「A0」を付与した変動パターンコマンドをサブ制御処理部200に送信している。サブ制御処理部200は、今回の遊技に用いる演出を変動パターンNo.に対応する変動パターンに基づいて抽選により決定する。
なお、変動パターンの内容が特殊系リーチとなっている変動パターンコマンドのことをこれ以降の説明において、「特殊リーチコマンド」と言うことにする。
次に、大当たり当選時に決定された特図の種類に基づいて大当たり遊技を提供する大当たり遊技制御部160について説明する。大当たり遊技制御部160は、図15に示すように、特図抽選処理部110による抽選結果が大当たりである場合に、特図種類決定処理部120により決定された特図の種類に応じたアタッカー開放パターンで大当たり遊技中のアタッカー装置41の開閉を制御するアタッカー装置開閉制御部161と、大当たり遊技中の演出に関するコマンドを所定のタイミングでサブ制御処理部200に送信する大当たり演出パターンコマンド送信部162と、を備えて構成されている。なお、サブ制御処理部200が大当たり演出パターンコマンド送信部162からコマンドを受信すると、演出表示制御部220は、大当たり演出用テーブル262に格納された各種演出を演出表示装置34に表示するよう制御する。
大当たり演出パターンコマンド送信部162は、7回目のラウンド遊技が開始するタイミングで「7R指定コマンド」をサブ制御処理部200に送信する。この7R指定コマンドをサブ制御処理部200が受信すると、演出表示制御部220は、期待値変更画像263を演出表示装置34に表示するように制御する。期待値変更画像263については後述する。
次に、払出・発射制御処理部105について説明する。払出・発射制御処理部105は、図4に示すように、主制御処理部100と相互通信可能に接続されているうえ、CRユニット50とも中継基板106を介して相互通信可能に接続されており、各入賞口(第1始動入賞口検知センサ43a、第2始動入賞口検知センサ43b、一般入賞口検知センサ44、大入賞口検知センサ45)への球の入賞を契機に主制御処理部100から送信される所定個数(第1始動入賞口検知センサ43aと第2始動入賞口検知センサ43bは例えば3個、一般入賞口検知センサ44は例えば10個、大入賞口検知センサ45は例えば10個)を示す賞球指示コマンドや球貸スイッチ(SW)の操作を契機にCRユニット50から送信される所定個数(例えば25個)を示す球貸指示信号に従って賞球払出装置14の払出モータの駆動を制御することにより、所定個数の賞球や貸球を払い出したり、発射ボリュームの値に応じて発射装置9の発射用モータ(発射用ロータリーソレノイドが用いられることもある)の駆動を制御することにより、所定の発射強度で遊技球を発射できるようにしたり、整流器の球送りソレノイドの駆動を制御することにより、遊技球を1個ずつ発射装置9に送り出すようにする等の処理を担っている。なお、CRユニット50が払出・発射制御処理部105と電気的に接続されていない場合には、発射装置9から遊技球が発射されることはないように制御されている。
ここまで、主に主制御処理部100が行う各処理について説明したが、ここからは、主制御処理部100からコマンド(指令)を受けて各種演出を行うためのサブ制御処理部200について説明する。図4に示すように、サブ制御処理部200は、演出制御処理部201と、枠ランプや盤面ランプ等の各種ランプの制御を行うためのランプ制御処理部202と、サウンドプロセッサを用いてスピーカ20の制御を行うための音声制御処理部203と、を備えて構成され、図3に示すように遊技盤3の裏面に支持部材等を介して設けられている。
演出制御処理部201は、図16に示すように、処理部として、変動パターンコマンドに基づいて今回の遊技に用いる演出を決定する演出態様決定部210と、演出態様決定部210が決定した演出を演出表示装置34に表示するよう制御する演出表示制御部(演出表示制御手段)220と、保留球表示領域34a,bに保留球を表示する制御を行う保留球表示制御部230と、演出用タッチボタン60が操作されたことに基づいて特殊リーチに関する処理を行う特殊リーチ処理部240と、を備えて構成されている。
さらに、演出制御処理部201は、記憶部として、演出態様記憶部260を備えている。この演出態様記憶部260には、遊技中に演出表示装置34に表示させる演出を記憶した演出態様テーブル261と、大当たり遊技中に演出表示装置34に表示させる演出を記憶した大当たり演出用テーブル262と、が格納されている。
演出態様テーブル261には、通常演出用テーブル261aと短縮演出用テーブル261bが格納されており、各演出用テーブル261a,bには、変動パターンに対応する演出(演出画像データ)が複数記憶されている。例えば、変動時間が20秒である第1変動パターンNo.2に対応する演出としてノーマルリーチA、ノーマルリーチBおよびノーマルリーチC、変動時間が60秒である第1変動パターンNo.12に対応する演出として対決リーチA、対決リーチBおよび対決リーチC、といった演出がそれぞれ用意されている。
さらに、演出態様テーブル261a,bには、例えば、変動時間が85秒である第1変動パターンNo.22およびNo.141に対応する演出として演出上のカテゴリがそれぞれ異なる特殊リーチA、特殊リーチB、特殊リーチC、特殊リーチDおよび特殊リーチEが用意されている。
特殊リーチA〜Eには、図17に示すように、互いに演出上の関連性を有する3種類のキャラクタ(表示態様)がそれぞれ属している。各特殊演出に属している各キャラクタは演出上の関連性に応じてそれぞれレベル1〜3の何れかに割り当てられている。特殊リーチAにはキャラクタA1、A2およびA3が属しており、レベル1にキャラクタA1、レベル2にキャラクタA2、レベル3にキャラクタA3が、それぞれ割り当てられている。特殊リーチB〜Eも、特殊リーチAと同様に、レベル1にキャラクタB1、C1、D1、E1が、レベル2にキャラクタB2、C2、D2、E2が、レベル3にキャラクタB3、C3、D3、E3が、それぞれ割り当てられている。
本実施形態例では、特殊リーチAにはキャラクタA1としてネズミ、A2としてネコ、A3としてライオンの3種類の動物のキャラクタが属しており、特殊リーチBにはキャラクタB1として係長の人物B、B2として課長の人物B、B3として部長の人物Bの3種類の役職の異なる人物Bが属している。また、特殊リーチA、Bと同様に、特殊リーチCにはC1として幼虫、C2としてさなぎ、C3として蝶々が、特殊リーチDにはD1として赤ちゃん、D2として子供、D3として大人が、特殊リーチEにはE1として巫女、E2として神主、E3として祈祷師がそれぞれ属している。
このように、特殊リーチAに属している3種類のキャラクタは、レベル1、2、3の順序に従って強い動物が割り当てられていることになり、レベルが高くなるに従いキャラクタが強くなるという演出上の関連性を有している。特殊リーチBに属している3種類のキャラクタは、レベル1、2、3の順序に従って役職の高い人物Bが割り当てられていることになり、レベルが高くなるに従いキャラクタの役職が昇進するという演出上の関連性を有している。また、特殊リーチC、D、Eについても特殊リーチA、Bと同様にレベルが高くなるに従い所定の演出上の関連性を有している。
本実施形態例では、後述するように、遊技者が大当たり遊技中に演出用タッチボタン60を操作することで、各特殊リーチのレベルを1から3に1段階ずつレベルを上げて各特殊リーチに登場するキャラクタを変更することができようになっている。即ち、各特殊リーチに属する3種類のキャラクタは、演出上の関連性に応じた演出表示装置34への表示順序が予め定められており、演出用タッチボタン60が操作される毎に、この表示順序に従って各特殊リーチのキャラクタが順次変更されるようになっている。
なお、本実施形態例における「特殊リーチ」が本発明の「演出系統」に相当し、本実施形態例における「キャラクタ」が本発明における「表示態様」に相当し、本実施形態例における「レベル」が本発明の「表示順序」に相当する。
大当たり演出用テーブル262には、大当たり遊技中に演出表示装置34に表示される演出(画像)が複数種類用意されている。例えば、1回目のラウンド遊技が開始される前の所定時間(例えば、6秒間)に表示されるオープニング画像、各ラウンド遊技中に表示されるラウンド遊技画像、ラウンド遊技と次のラウンド遊技の間の所定時間(例えば、4秒間)に表示されるインターバル画像、大当たり遊技が終了する際に表示されるエンディング画像がある。本実施形態例では、ラウンド遊技画像には、7回目のラウンド遊技中に表示される画像として期待値変更画像263が用意されている。
期待値変更画像263は、図18に示すように、矢印61、画像62〜66、および演出用タッチボタン60の操作を遊技者に促す文章により構成されている。画像62には、特殊リーチAのキャラクタA1〜A3の何れかが表示されるようになっている。また、画像62と同様に、画像63〜66には特殊リーチB〜Eの各キャラクタが表示されるようになっている。図18は、特殊リーチA〜Eのレベルが全て1の状態であることを示した期待値変更画像263の例であり、画像62にはキャラクタA1、画像63にはキャラクタB1、画像64にはキャラクタC1、画像65にはキャラクタD1、画像66にはキャラクタE1が、それぞれ表示されている。
本実施形態例では、7回目のラウンド遊技が開始してから終了するまでの間に限り、遊技者は演出用タッチボタン60を操作することができる。演出用タッチボタン60が左右に押下操作されると、これに応じて矢印61が左右に動くようになっている。7回目のラウンド遊技中に遊技者の操作により画像62〜66の中から1つの画像が選択されると、何れの特殊リーチで何れのキャラクタが選択されたかの情報がサブ制御処理部200に送信される。
サブ制御処理部200が演出用タッチボタン60からの操作信号を受信すると、特殊リーチ処理部240が特殊リーチに関する処理を行う。
演出態様決定部210が今回の遊技に用いる演出を特殊リーチA〜Eの中から決定する場合には、演出態様決定部210は、特殊リーチ選択テーブル243の中から所定の特殊リーチ選択テーブルを参照して抽選により決定する。この演出態様決定部210が参照する特殊リーチ選択テーブルを決定するための処理を行うのが特殊リーチ処理部240である。
先に述べたように、特殊リーチA〜Eにはレベルが1〜3まで3段階設けられている。特殊リーチ処理部240は、各特殊リーチのレベルがそれぞれ何レベルであるかを記憶すると共に、レベル1となっている特殊リーチの数、レベル2となっている特殊リーチの数およびレベル3となっている特殊リーチの数を、「特殊リーチのレベル分布」として記憶する。特殊リーチ処理部240は、この「特殊リーチのレベル分布」に基づいて、特殊リーチ選択テーブル243の中から所定の特殊リーチ選択テーブルを決定しているのである。なお、電源投入後の初期状態やRAMクリア時の各特殊リーチのレベルは全て1となっている。この場合、特殊リーチのレベル分布は「レベル1×5個」となる。
特殊リーチ処理部240は、図16に示すように、各特殊リーチのレベルおよび特殊リーチのレベル分布を記憶するレベル記憶部241と、演出用タッチボタン60から送信される操作信号に基づいてレベル記憶部241が記憶している各特殊リーチのレベルおよび特殊リーチのレベル分布を更新するレベル更新部242と、レベル記憶部241が記憶している特殊リーチのレベル分布に基づいて、特殊リーチ選択テーブル243の中から1つの特殊リーチ選択テーブルを決定する特殊リーチ選択テーブル決定部245と、を備えて構成されている。なお、これ以降の説明において、便宜上、「特殊リーチのレベル分布」を「レベル分布」と省略することにする。
レベル更新部242は、サブ制御処理部200が演出用タッチボタン60からの操作信号を受信すると、遊技者の操作により選択された画像に対応する特殊リーチのレベルを1段階上げると共にレベル分布を更新する。
サブ制御処理部200が「電サポ終了コマンド」を受信すると、レベル更新部242は、レベル記憶部241が記憶している各特殊リーチのレベルが全て1となるように更新(リセット)すると共に、レベル記憶部241が記憶しているレベル分布が「レベル1×5個」となるように更新(リセット)する。
特殊リーチ選択テーブル243には特殊リーチ選択テーブル243−1〜243−15が格納されており、特殊リーチ選択テーブル決定部245は、特殊リーチ選択テーブル管理表244を参照することにより、レベル記憶部241が記憶しているレベル分布に対応する特殊リーチ選択テーブルを特殊リーチ選択テーブル243の中から決定する。
図19に示す特殊リーチ選択テーブル管理表244には、特殊リーチ選択テーブル243−1〜243−15とレベル分布とが予め対応付けられている。例えば、レベル記憶部241が記憶しているレベル分布が「レベル1×5個」である場合には、特殊リーチ選択テーブル決定部245は、「レベル1×5個」に対応している特殊リーチ選択テーブル243−1を決定する。これと同様に、レベル記憶部241が記憶しているレベル分布が「レベル1×4個、レベル2×1個」である場合には、特殊リーチ選択テーブル決定部245は、「レベル1×4個、レベル2×1個」に対応している特殊リーチ選択テーブル243−2を決定し、レベル記憶部241が記憶しているレベル分布が「レベル1×1個、レベル2×3個、レベル3×1個」である場合には、「レベル1×1個、レベル2×3個、レベル3×1個」に対応している特殊リーチ選択テーブル243−13を決定する。
特殊リーチ選択テーブルの代表的な具体例を、図20を参照しながら説明する。図中、「大当たり選択確率」とは、特図抽選処理部110による抽選結果が大当たりの場合に演出態様決定部210により選択される確率のことを、「ハズレ選択確率」とは、特図抽選処理部110による抽選結果がハズレの場合に演出態様決定部210により選択される確率のことを、「期待値」とは、演出表示装置34に表示された場合に特図抽選処理部110による抽選結果が大当たりである可能性がどの程度であるかを遊技者に示唆する値のことをそれぞれ示している。
特殊リーチの期待値は、当該特殊リーチの選択確率(大当たり選択確率およびハズレ選択確率)に基づいて定められる値であり、期待値が高いほど大当たりである可能性が高いことを示している。特殊リーチA〜Eの選択確率は相対的な関係にあるので、各特殊リーチの大当たり選択確率を合計すると100%となり、各特殊リーチのハズレ選択確率を合計すると100%となるが、各特殊リーチの期待値は特殊リーチの選択確率に基づいて定められる値であるので、各特殊リーチの期待値を合計しても100%とはならない場合がある。
特殊リーチ選択テーブル243−1(図20(1))が参照される場合には、レベル1の特殊リーチの大当たり選択確率およびハズレ選択確率は何れも20%となっている。また、レベル1の特殊リーチの期待値は20%となっている。5つの特殊リーチA〜E全てのレベルが1である場合には、図20(1)に示すレベル分布の内訳となる。
特殊リーチ選択テーブル243−2(図20(2))が参照される場合には、レベル1の特殊リーチの大当たり選択確率が19%、ハズレ選択確率が23.5%となっており、レベル2の特殊リーチの大当たり選択確率が24%、ハズレ選択確率が6%となっている。また、レベル1の特殊リーチの期待値が17%となっており、レベル2の特殊リーチの期待値が50%となっている。例えば、5つの特殊リーチのうち特殊リーチAのレベルが2であり、特殊リーチB〜Eのレベルが1である場合には、図20(2)に示すレベル分布の内訳となる。
特殊リーチ選択テーブル243−13(図20(3))が参照される場合には、レベル1の特殊リーチの大当たり選択確率が12%、ハズレ選択確率が79%となっており、レベル2の特殊リーチの大当たり選択確率が28%、ハズレ選択確率が7%となっており、レベル3の特殊リーチの大当たり選択確率が4%、ハズレ選択確率が0%となっている。また、レベル1の特殊リーチの期待値が17%、レベル2の特殊リーチの期待値が50%、レベル3の特殊リーチの期待値が100%となっている。例えば、5つの特殊リーチのうち特殊リーチAのレベルが3であり、特殊リーチBのレベルが2であり、特殊リーチC〜Eのレベルが1である場合には、図20(3)に示すレベル分布の内訳となる。
図20(1)(2)から明らかなように、5つの特殊リーチのうち1つの特殊リーチのレベルが1から2へと変更されると、レベル2に変更された特殊リーチの期待値は20%から50%へと高く変更され、変更されなかったレベル1の特殊リーチの期待値は20%から17%へと低く変更されていることが分かる。これは、レベル2に変更された特殊リーチの大当たり選択確率が20%から24%へ、ハズレ選択確率が20%から6%へと変更され、変更されなかったレベル1の特殊リーチの大当たり選択確率が20%から19%へ、ハズレ選択確率が20%から23.5%へと相対的に変更されたことによる。
このように、本実施形態例では、遊技者の操作により、レベル記憶部241が記憶しているレベル分布が変更されると、演出態様決定部210が参照する特殊リーチ選択テーブルが変更される。このため、本実施形態例に係るパチンコ機Pは、遊技者の操作により、特殊リーチの選択確率と、その特殊リーチに対応する演出において用いられるキャラクタとの両方の変更が可能となっている。
なお、本実施形態例では、特殊リーチのレベル分布が「レベル1×0個、レベル2×N個、レベル3×M個」(本実施形態例ではN+M=5)、「レベル2×5個」および「レベル3×5個」に対応する特殊リーチ選択テーブルは設けられていない。そして、特殊リーチA〜Eのうち何れか1つの特殊リーチのみがレベル1となっている場合には、期待値変更画像263に表示されている当該レベル1の特殊リーチに対応する画像を遊技者が操作により選択することを禁止しており、仮に選択されても選択を無効としている。この理由については後述する。
以上のように、7回目のラウンド遊技中に遊技者が演出用タッチボタン60を操作して期待値変更画像263に表示されている画像62〜66から1つの画像を選択すると、操作信号がサブ制御処理部200に送信され、レベル更新部242は、遊技者の操作により選択された画像に対応する特殊リーチのレベルを1段階上げると共に、レベル記憶部241が記憶しているレベル分布を更新する。特殊リーチ選択テーブル決定部245は、特殊リーチ選択テーブル管理表244を参照して、レベル記憶部241が記憶しているレベル分布に対応する特殊リーチ選択テーブルを決定する。
演出態様決定部210は、遊技開始時に第1または第2変動パターンコマンドが送られてくると、演出態様テーブル261を参照して、その変動パターンコマンドの変動パターンNo.に対応する複数の演出の中から1つを抽選で決定する。そして、サブ制御処理部200が特殊リーチコマンドを受信した場合には、演出態様決定部210は、特殊リーチ処理部240により決定されている特殊リーチ選択テーブルに基づいて今回の遊技に用いる演出を特殊リーチA〜Eの中から1つを抽選により決定する。このため、決定された特殊リーチ選択テーブルが何れであるかによって、即ち、レベル記憶部241が記憶しているレベル分布が何れであるかによって、各特殊リーチが演出表示装置34に表示される割合が異なることになる。
演出表示制御部220は、今回の遊技に用いる演出が特殊リーチである場合には、レベル記憶部241が記憶している特殊リーチのレベルに対応するキャラクタを用いて、決定された特殊リーチを演出表示装置34に表示するように制御する。
なお、変動パターンNo.に規定された変動時間と演出として規定されている演出時間とが同じ時間となるように両者が予め対応付けられているから、特図表示装置17に表示させる特図の変動開始および停止と、演出表示装置34に表示させる演出図柄の変動開始および停止とを同期して表示させることができるのである。
なお、本実施形態例における演出態様決定部210が本発明の「演出系統決定手段」に相当し、本実施形態例における特殊リーチ選択テーブル243が本発明における「演出系統選択テーブル」に相当し、本実施形態例における特殊リーチ選択テーブル決定部245が本発明の「表示態様決定手段」に相当する。また、本実施形態例における「演出用タッチボタン60の操作により選択された画像に対応する特殊リーチ」のことを「対象演出系統」とも言う。
なお、サブ制御処理部200は、主制御処理部100から送信される「図柄指定コマンド」に基づいて今回の遊技で演出表示装置34に表示する演出図柄を決定する。例えば、「15R特定時短有図柄」に対応する演出図柄を「3−3−3」、「7−7−7」とした場合には、サブ制御処理部200は、「15R特定時短有図柄」を特定する図柄指定コマンドに基づいて、「3−3−3」、「7−7−7」の何れを表示させるかを抽選で決定する。
次に、本発明の実施の形態例に係るパチンコ機Pにおける遊技の処理の手順について図21および図22を参照して説明するが、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞した場合の第1特図に係る遊技処理と第2始動入賞口37bに遊技球が入賞した場合の第2特図に係る遊技処理とは同じであるため、以下では、第1特図に係る遊技処理についてのみ説明する。なお、図21および図22に示す一連の処理は、周期的(例えば、4ミリ秒毎)に行われている。
図21に示すように、主制御処理部100は、遊技球が第1始動入賞口37aに入賞したかを判断し(ステップS1)、入賞した場合には(ステップS1でYes)、第1特図当否判定用乱数取得部112aは特図当否判定用の乱数を取得し、第1特図種類決定用乱数取得部122aは特図種類決定用の乱数を取得し、第1特図変動パターン用乱数取得部132aは特図変動パターン用の乱数を取得する(ステップS2)。一方、ステップS1にてNoの場合、即ち、遊技球が第1始動入賞口37aに入賞していない場合には、ステップS5に進む。
ステップS3では、ステップS2で取得された各乱数が記憶される。即ち、第1特図当否抽選部119aは、ステップS2で取得した特図当否判定用乱数を保留球乱数として第1特図用保留球乱数記憶部115aに記憶し、第1特図種類抽選部129aは、特図種類決定用乱数を第1特図種類決定用乱数記憶部124aに記憶し、第1特図変動パターン抽選部130aは、特図変動パターン用乱数を第1特図変動パターン用乱数記憶部133aに記憶する。なお、既に第1特図用保留球乱数記憶部115aに、上限である4個の保留球乱数が記憶されている場合には、遊技球が第1始動入賞口37aに入賞した場合(ステップS1でYes)であっても、ステップS3の処理は行われない。
次いで、ステップS4に進み、保留数増加表示処理が行われる。主制御処理部100は、第1特図用保留球乱数記憶部115aに保留球乱数が記憶されると、サブ制御処理部200に「保留メモリ増コマンド」を送信する。また、主制御処理部100は、主制御処理部100と接続される特図保留メモリ表示装置(図示せず)に保留球乱数が記憶された旨の表示を行う。サブ制御処理部200が「保留メモリ増コマンド」を受信すると、保留球表示制御部230は、第1保留球表示領域34aに所定の色の保留球を表示するように制御する。勿論、保留球の表示タイミングは、遊技球が第1始動入賞口37aに入賞したタイミングと殆ど一致している。
次いで、ステップ5にて、主制御処理部100は、第1特図または第2特図が変動中であるかを判断し、変動中でない場合(No)には、ステップS6に進む。ステップS5でYesの場合、即ち、特図が変動中の場合には、ステップS15に進む。
ステップS6では、主制御処理部100によって大当たり遊技中であるかが判断される。大当たり遊技中でない場合(No)にはステップS7に進む。ステップS6でYesの場合、即ち、大当たり遊技中である場合には、ステップS19に進む。
ステップS7では、主制御処理部100によって、第1特図用保留球乱数記憶部115aに保留球乱数が1個以上記憶されているか否かが判断される。保留球乱数が1個以上記憶されている場合(Yes)には、次のステップS8に進む。一方、ステップS7にてNoの場合、即ち、第1特図用保留球乱数記憶部115aが保留球乱数を記憶していない場合には、1回の第1特図に係る遊技処理が終了する(図22参照)。
次いで、ステップS8にて、大当たり判定処理が行われる。つまり、第1特図用保留球乱数記憶部115aが記憶している保留球乱数のうち最も先に記憶されている保留球乱数(以下、「最先の保留球乱数」と言う。)が大当たりであるか否かを第1特図当否判定部113aが判断する。また、大当たり判定処理が行われる毎に、第1特図用保留球乱数記憶部115aに記憶されている最先の保留球乱数が消去される。
ステップS9では、特図種類決定処理が行われる。具体的には、ステップS8での大当たり判定処理の結果、大当たりと判定された場合には、第1特図種類決定部123aは、最先の保留球乱数に対応する特図種類決定用乱数に基づいて、その大当たりに対する特図の種類を決定する(図8(a)参照)。このステップS9における決定により、今回の大当たりが確変当たりと通常当たりの何れであるか、大当たり遊技におけるラウンド数が何回であるか、アタッカー開放パターンがフル開放と高速開放の何れであるか、および、大当たり遊技終了後の電サポ回数が10000回と100回の何れであるかが決定されることになる。一方、ステップS8でハズレと判定された場合には、第1特図の種類がハズレ図柄に決定される。
そして、主制御処理部100は、大当たりの場合には第1特図種類決定部123aにて決定された特図の種類に係る情報を、ハズレの場合にはハズレ図柄に係る情報を、それぞれ図柄指定コマンドとしてサブ制御処理部200に送信する。なお、特図種類決定処理が行われる毎に、第1特図種類決定用乱数記憶部124aに記憶されている、最先の保留球乱数に対応する特図種類決定用乱数が消去される。
ステップS10では、特図変動パターン決定処理が行われる。この特図変動パターン決定処理では、ステップS8の大当たり判定処理の判定結果と、最先の保留球乱数に対応する特図変動パターン用乱数と、現在の遊技状態(低確、時短、確変)とに基づき、さらに特図変動パターン用乱数の値次第では第1特図用保留球乱数記憶部115aが記憶している保留球乱数の記憶数とにも基づいて、第1特図変動パターン決定部135aが、通常変動パターンテーブル134aを構成する5つのテーブル134a−1〜134a−5の何れか、あるいは、短縮変動パターンテーブル134bを構成する5つのテーブル134b−1〜134b−5の何れかを参照して第1変動パターンコマンドを決定する。
なお、特図変動パターン決定処理が行われる毎に、第1特図変動パターン用乱数記憶部133aに記憶されている、最先の保留球乱数に対応する特図変動パターン用乱数が消去される。
次いで、ステップS11にて、コマンド送信処理が行われる。具体的には、主制御処理部100は、サブ制御処理部200に対して、ステップS9で決定された特図の種類を図柄指定コマンドとして送信すると共に、ステップS10で決定された変動パターンNo.を第1変動パターンコマンド(A0+変動パターンNo.)として送信する。さらに、ステップS11において、主制御処理部100は、サブ制御処理部200に対して、「保留メモリ減コマンド」を送信する。
次いで、図22のステップS12に進む。このステップS12において、演出態様決定処理が行われる。具体的には、入力された第1変動パターンコマンドが特殊リーチコマンドでない場合には、演出態様決定部210は、入力された第1変動パターンコマンドと遊技状態とに基づき、所定の演出態様テーブル261を参照して今回の遊技に用いる演出を決定する。一方、入力された第1変動パターンコマンドの変動パターンコマンドが特殊リーチコマンドである場合には、演出態様決定部210は、特殊リーチ選択テーブル決定部245が決定している特殊リーチ選択テーブルを参照して、今回の遊技に用いる演出を決定する。
例えば、今回の遊技開始時に第1変動パターンコマンド「A0+No.2」がサブ制御処理部200に送られてきた場合には、演出態様決定部210は、通常演出用テーブル261aを参照して、今回の演出として変動時間が20秒のノーマル系リーチに対応するノーマルリーチA、BおよびCの中から抽選で決定する。一方、今回の遊技開始時に第1変動パターンコマンド「A0+No.22」(特殊リーチコマンド)がサブ制御処理部200に送られてきた場合には、演出態様決定部210は、決定されている特殊リーチ選択テーブルを参照して、今回の演出として変動時間が85秒の特殊系リーチに対応する特殊リーチA〜Eの中から抽選で決定する。また、サブ制御処理部200は、受信した図柄指定コマンドに基づいて今回の遊技で表示する演出図柄を決定する。例えば、大当たりの場合には「7−7−7」、ハズレの場合には「7−6−7」という演出図柄の組合せが決定される。
ステップS13では、保留数減少表示処理が行われる。主制御処理部100は、保留数減少表示処理として、特図保留メモリ表示装置(図示せず)に表示されている最先の保留球乱数に対応する保留表示を消化した旨を表示する。また、ステップS11にて送られてきた保留メモリ減コマンドに基づいて、保留球表示制御部230が、第1保留球表示領域34aに表示されている保留球のうち最先の保留球乱数に対応する保留表示を消去するよう制御する。こうして、遊技者に、最先の保留球乱数に基づく第1特図の遊技が開始することを知らせる。
ステップS14では、第1特図表示制御部101aが特図表示装置17に第1特図の変動表示を開始させる。このとき、演出表示制御部220は、演出表示装置34に各種演出の表示を開始させる。具体的には、演出表示制御部220は、ステップS12で決定された演出の表示、演出図柄の変動表示を開始する。ステップS14の処理が行われると、遊技者は、実際に遊技が開始したことを視覚的に認識することができる。
次いで、ステップS15において、第1特図の変動開始から所定時間経過したか否かが判断される。勿論、ここでの所定時間とは、ステップS10で決定された変動パターンに対応する変動時間のことである。ステップS15でYesの場合にはステップS16に進むが、ステップS15でNoの場合、即ち、特図の変動時間が経過していない場合には、1回の第1特図に係る遊技処理が終了する。
ステップS16では、第1特図表示制御部101aが特図表示装置17に第1特図を停止表示させる。特図表示装置17に停止表示される図柄は、大当たりの場合には、ステップS9にて決定された第1特図の種類に応じた当たり図柄となるが、ハズレの場合にはハズレ図柄となる。また、主制御処理部100がサブ制御処理部200に演出図柄等停止コマンドを送信し、演出表示制御部220は、第1特図の変動停止と同期するように演出態様の表示を停止すると共に、変動表示中の演出図柄をステップS12で決定された演出図柄の組合せとなるよう停止表示する。
次いで、ステップS17にて、停止した第1特図が大当たりの組合せで確定しているか否かが判断される。大当たりの場合(ステップS17でYes)には、ステップS18に進んで、大当たり遊技制御部160が、ステップS9にて決定された第1特図の種類に応じた所定のアタッカー開放パターンでアタッカー装置41を開放して大当たり遊技を開始する。なお、大当たり演出パターンコマンド送信部162が「7R指定コマンド」をサブ制御処理部200に送信すると、演出表示制御部220が期待値変更画像263を演出表示装置34に表示する。なお、ステップS17にてNoの場合、即ち、停止した第1特図がハズレの場合には、ステップS21に進む。
ステップS19では、大当たり遊技制御部160によって、大当たり遊技の終了条件が成立しているか否かが判断される。大当たり遊技の終了条件が成立している場合(ステップS19でYes)にはステップS20に進み、大当たり遊技制御部160が大当たり遊技を終了する。一方、ステップS19にてNoの場合には、1回の第1特図に係る遊技処理が終了する。
ステップS21では、遊技状態設定等処理が行われる。具体的には、遊技状態設定部140が、図10に示す大当たり種別と大当たり遊技後に設定される電サポ回数に従い、次の遊技における特図の遊技状態を特図低確または特図高確に設定すると共に、普図の遊技状態を普図高確または普図低確に設定する処理を行う。こうして、1回の第1特図に係る遊技処理が終了する。
このステップS21で、次回の遊技における遊技状態が設定されると、1回の第1特図に係る遊技処理が終了する。
次に、大当たり遊技中に演出表示装置34に期待値変更画像263が表示される様子について図23および図24を参照しながら説明する。なお、以下の説明は、大当たりに連続して5回当選した場合の例であって、1回目の大当たりに当選する前の時点でレベル記憶部241が記憶している各特殊リーチのレベル分布が「レベル1×5個」となっていた場合の例である。なお、図23中の「特殊遊技区間」とは、遊技状態が低確(特図低確かつ普図低確)に設定されている間に大当たり(1回目の大当たり)に当選し、この1回目の大当たりに基づく大当たり遊技後に普図に係る遊技状態が普図高確に設定されてから普図低確に再び戻るまでの遊技区間のことを言う。また、図中、「遊技区間1」は、遊技者が遊技を開始してから1回目の大当たり(所謂、初当たり)に当選するまでの遊技区間のことを、「遊技区間2」は、1回目の大当たり遊技終了後〜2回目の大当たり遊技開始前までの遊技区間のことを、「遊技区間6」は、5回目の大当たり遊技終了後〜特殊遊技区間が終了するまでの遊技区間のことである。また、大当たり遊技が行われている区間のことを大当たり遊技区間と言う。
遊技区間1:
遊技区間1では、特殊リーチのレベル分布が「レベル1×5個」となっているので、特殊リーチ選択テーブル決定部245が特殊リーチ選択テーブル管理表244を参照して特殊リーチ選択テーブル243−1を決定している。サブ制御処理部200が特殊リーチコマンドを受信すると、演出態様決定部210は、特殊リーチ選択テーブル243−1を参照して特殊リーチを抽選により決定する。特殊リーチ選択テーブル243−1(図20(1))によると、各特殊リーチの選択確率および期待値は同じであるため、何れの特殊リーチが演出表示装置34に表示されても大当たりの可能性は同じである。
1回目の大当たり遊技区間:
図24(1)に示すように、7回目のラウンド遊技が開始されると期待値変更画像263が演出表示装置34に表示される。遊技者が演出用タッチボタン60を操作して画像62を選択すると、特殊リーチAのキャラクタA1が選択された旨の情報がサブ制御処理部200に操作信号として送信される。
サブ制御処理部200が操作信号を受信すると、レベル更新部242は、レベル記憶部241が記憶している特殊リーチAのレベルを1段階上げる。このため、レベル記憶部241が記憶している特殊リーチのレベル分布は、「レベル1×4個、レベル2×1個」に更新される。特殊リーチ選択テーブル決定部245が特殊リーチ選択テーブル管理表244を参照して特殊リーチ選択テーブル243−2を決定する(図19)。
遊技区間2:
サブ制御処理部200が特殊リーチコマンドを受信すると、演出態様決定部210は、特殊リーチ選択テーブル243−2を参照して特殊リーチを抽選により決定する。このため、遊技区間1で見ることができなかったキャラクタA2が遊技区間2では演出表示装置34に表示される場合がある。特殊リーチ選択テーブル243−2(図20(2))によると、レベル2の特殊リーチの期待値が50%となっているので、演出態様決定部210がレベル2の特殊リーチを選択して、演出表示装置34にキャラクタA2が表示されると、遊技者は今回の遊技が大当たりであるかもしれないとの期待感を抱くことになる。
2回目の大当たり遊技区間:
図24(2)に示すように、遊技者が演出用タッチボタン60を操作して画像63を選択すると、特殊リーチBのキャラクタB1が選択された旨の情報がサブ制御処理部200に操作信号として送信される。サブ制御処理部200が当該操作信号を受信すると、レベル更新部242は、レベル記憶部241が記憶している特殊リーチBのレベルを1段階上げる。このため、レベル記憶部241が記憶している特殊リーチのレベル分布が、「レベル1×3個、レベル2×2個」に更新される。特殊リーチ選択テーブル決定部245が特殊リーチ選択テーブル管理表244を参照して特殊リーチ選択テーブル243−4を決定する(図19)。
5回目の大当たり遊技区間:
図24(3)に示すように、遊技者が演出用タッチボタン60を操作して画像65を選択すると、レベル更新部242は、レベル記憶部241が記憶している特殊リーチDのレベルを1段階上げて、レベル記憶部241が記憶している特殊リーチのレベル分布が、「レベル1×1個、レベル2×3個、レベル3×1個」となるように更新する。特殊リーチ選択テーブル決定部245が特殊リーチ選択テーブル管理表244を参照して特殊リーチ選択テーブル243−13を決定する(図19)。なお、レベルが最大となっている特殊リーチAのリーチアクションA3に対応している画像62は、遊技者の操作により選択できないようになっている。
遊技区間6:
演出態様決定部210は、サブ制御処理部200が特殊リーチコマンドを受信すると、特殊リーチ選択テーブル243−13を参照して特殊リーチを抽選により決定する。このため、特殊リーチAが選択された場合にはキャラクタA3が、特殊リーチBが選択された場合にはキャラクタB1が、特殊リーチCが選択された場合にはキャラクタC2が、特殊リーチDが選択された場合にはキャラクタD2が、特殊リーチEが選択された場合にはキャラクタE2が、演出表示装置34に表示される。レベル3の特殊リーチのハズレ選択確率は0%となっているので(図20(3))、特図抽選処理部110の抽選結果がハズレの場合には、演出態様決定部210がレベル3の特殊リーチAを選択することはない。このため、キャラクタA3が表示されると、今回の遊技で大当たりとなることが確定するので、遊技者を高揚させることができる。
特殊遊技区間の終了:
大当たり連続回数が5回目の大当たり当選時に選択された第2特図の種類が「15R通常時短有図柄」であると、5回目の大当たり遊技終了後の遊技状態は時短(特図低確かつ普図高確)となる。5回目の大当たり遊技終了後から遊技回数が100回経過すると、普図に係る遊技状態は普図高確から普図低確に移行され、電サポが付与された遊技が終了し(図10参照)、大当たりの連荘が終了となる(図23)。サブ制御処理部200が「電サポ終了コマンド」を主制御処理部100から受信すると、特殊リーチ処理部240は、レベル記憶部241が記憶している特殊リーチのレベル分布を「レベル1×5個」となるように更新(リセット)する。このため、今回の特殊遊技区間が終了してから次の大当たりに当選するまでの間に、サブ制御処理部200が特殊リーチコマンドを受信すると、演出態様決定部210は特殊リーチ選択テーブル243−1を参照して特殊リーチを抽選により決定することになる。
本実施形態例によると、1回の大当たり遊技につき1つの特殊リーチのレベルを上げることができるようになっている。また、特殊リーチのレベルが高くなるに従い特殊リーチに登場するキャラクタが例えば強くなるという演出上の関連性を有している。このため、遊技者の1回の操作によりキャラクタがいきなり強くなって不自然な演出が行われることがない。また、特殊リーチのレベルが高くなるに従って期待値が高くなっているので、遊技者の特殊リーチに対する関心をより一層高めることができる。このように、演出上の関連性を担保しつつ、遊技者の操作を介して特殊リーチの期待値が高められていくので、本実施形態例に係るパチンコ機Pは、演出面において遊技者を飽きさせることはない。
遊技者の操作により容易に特殊リーチのキャラクタおよび期待値を変更可能とすると、却って演出に飽きを生じる虞があるが、本実施形態例に係るパチンコ機Pは、大当たり遊技中に限り演出用タッチボタン60の操作が可能となる。このため、容易に特殊リーチのキャラクタおよび期待値を変更できないので、より飽きの生じにくい演出を遊技者に提供することができる。また、パチンコ機の本来の楽しみは、特図抽選処理部110の抽選結果が大当たりとなって遊技者に大当たり遊技が提供されることにあるが、本実施形態例に係るパチンコ機Pは、遊技者の操作を大当たり遊技中に制限したことにより、パチンコ機本来の遊技性と遊技者の操作をリンクさせることが可能となり、大当たり遊技の興趣を向上することができる。
また、本実施形態例に係るパチンコ機Pによれば、特殊遊技区間では、大当たり遊技の度に次から次へとキャラクタを育成しているかのような楽しみがあり、それに伴って特殊リーチの期待値を変化させるといった楽しみがある。一方、本実施形態例では、特殊遊技区間が終了すると、特殊リーチ処理部240は、レベル記憶部241が記憶しているレベル分布を「レベル1×5個」となるように更新(リセット)するので、後から遊技を行う者が、先に遊技を行っていた者の好みのキャラクタにより演出が行われるという不合理を回避することができる。
また、特殊遊技区間が終了すると、特殊リーチのレベル分布がリセットされるので、用意された全ての特殊リーチのキャラクタを遊技者が見ることは容易ではない。このため、本実施形態例に係るパチンコ機Pは、より飽きの生じにくい演出を遊技者に提供することができる。
なお、本実施形態例では、特殊リーチA〜Eのうち何れか1つの特殊リーチのみがレベル1となっている場合には、当該レベル1の特殊リーチに対応する画像を遊技者が操作により選択することを禁止しており、仮に当該画像が選択されてもこの選択を無効としている。この理由について以下に説明する。
例えば、特殊リーチA〜Eのうち特殊リーチA〜Dの期待値が最大のレベル3、特殊リーチEの期待値がレベル1となっているとする。特殊リーチEの期待値をレベル2に上げるためには、特殊リーチEの期待値が高くなるように特殊リーチEの選択確率を変更しなければならない。特殊リーチA〜Eの選択確率は相対的な関係にあるので、特殊リーチEの選択確率を変更すると、特殊リーチA〜Dのうち少なくとも何れか1つの特殊リーチの選択確率を相対的に変更する必要がある。このように、特殊リーチの選択確率と期待値とは密接な関係にあるため、選択確率の変更に何ら制限を設けないとすると、演出上、特殊リーチA〜Dの期待値をレベル3からレベル2または1に下げたくない場合であっても、特殊リーチEの選択確率の変更に伴って、特殊リーチA〜Dの期待値が遊技者の意図しないレベルに変更されてしまう場合がある。
このため、本実施形態例では、上述するような場合には、遊技者の操作を禁止または無効とすることで、特殊リーチの期待値が遊技者の意図しないレベルに変更されてしまうことを防止している。ただし、特殊リーチA〜Eの期待値が全てレベル2以上となったとしても、上記したような不具合が生じない場合には、特殊リーチのレベル分布が「レベル1×0個、レベル2×N個、レベル3×M個」に対応する特殊リーチ選択テーブルを設けて、特殊リーチA〜Eのレベルが全て2以上となるような遊技者の操作を可能とする構成としても良い。
また、本実施形態例において、特殊リーチのレベル分布が「レベル2×5個」および「レベル3×5個」に対応する特殊リーチ選択テーブル243は設けられていない(図19参照)。特殊リーチのレベル分布が「レベル1×5個」、「レベル2×5個」および「レベル3×5個」では、各特殊リーチの期待値が相対的に何ら変わらないためである。また、仮に全ての特殊リーチの期待値を最大であるレベル3に出来るとすると、特図抽選処理部110の抽選結果がハズレの場合、演出表示装置34に表示された特殊リーチが当該特殊リーチの期待値通りに大当たりの可能性を遊技者に示唆できないという不具合を生じる虞があるからである。
なお、本実施形態例では、7回目のラウンド遊技中に期待値変更画像263が表示されるが、7回目のラウンド遊技中でなくとも大当たり遊技が提供されている間に期待値変更画像263が表示されても良い。また、本実施形態例では、1回の大当たり遊技につき1つの特殊リーチのレベルを1段階上げることができるようになっているが、1つに限られず複数の特殊リーチのレベルを1段階上げることができるようにしても良い。また、本実施形態例では、遊技者の好みで特殊リーチのレベルを1段階上げることが可能となっているが、遊技者が所定の操作を行うと演出制御処理部201がランダムで1つの特殊リーチを選択して、選択した特殊リーチのレベルを1段階上げるようにしても良い。このようにすると、本実施形態例とは興趣の異なる演出を遊技者に提供することができる。
なお、本実施形態例では、各特殊リーチの最大レベルをレベル3としているが、勿論、これに限られず、例えば最大レベルをレベル10としても良い。また、本実施形態例では、レベルが高くなる毎にキャラクタが進化するようになっているが、例えば、レベルが高くなる毎に演出の背景(演出ステージ)が変化するような構成であっても良いし、レベルが高くなる毎に演出に使用されている音楽(音声)が変化するような構成であっても良い。
なお、本実施形態例では、大当たり遊技中に限り特殊リーチのレベルを上げることができるようになっているが、例えば、遊技が行われていないとき(例えば、客待ち中)に特殊リーチのレベルを上げることができるようにしても良い。このようにすると、用意された特殊リーチのキャラクタを容易に見ることが可能となるが、本実施形態例に係るパチンコ機Pは、遊技者の操作により、特殊リーチが選択される確率と、その特殊リーチに登場するキャラクタとの両方の変更が可能であるので、飽きの生じにくい演出を行うことができる。
なお、本実施形態例では、特殊リーチのキャラクタを変更すると、変更された特殊リーチの期待値が上がるようになっているが、キャラクタが変更された特殊リーチの期待値が下がっても良いし、キャラクタが変更された特殊リーチ以外の特殊リーチの期待値が下がっても良い。また、キャラクタが変更された当該特殊リーチの期待値がランダムに上がったり下がったりしても良い。
なお、本実施形態例では、サブ制御処理部200が「電サポ終了コマンド」を受信すると、レベル記憶部241が記憶している各特殊リーチのレベル分布が「レベル1×5個」となるように構成されているが、遊技者の所定の操作によりレベル記憶部241が記憶している各特殊リーチのレベル分布が「レベル1×5個」となるように構成されても良い。例えば、パチンコ機Pと携帯通信端末と外部装置(例えば、サーバコンピュータ)を用いた遊技システムを利用して、レベル記憶部241が記憶しているレベル分布を外部装置の記憶領域に保存できるようにしたとする。そうすると、遊技者が遊技を終了する際に、所定の操作を行ってレベル分布を「レベル1×5個」とリセットしても、後日、外部装置に保存されたレベル分布を読み出して遊技を再開することができるので、遊技者が特殊リーチ(例えば、特殊リーチに登場するキャラクタ)を育成する楽しみを長期にわたって行うことが可能となる。
本発明は、メダルを用いて遊技を行うスロットマシン、あるいは、遊技球を用いて遊技を行うスロットマシン(所謂、パロット)にも適用可能であることは言うまでもない。