本発明に係る遊技機を実施するための形態の一例を実施の形態に基づいて以下に説明する。先ずは遊技機がスロットマシンである場合の実施形態を説明する。
[スロットマシンの構成]
本実施の形態のスロットマシン1は、図1に示すように、前面が開口する筐体1aと、この筐体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bとから構成されている。前面扉1bは、筐体1aに対して回動することによって、筐体1aの開口された前面側を開閉することができる。
本実施の形態のスロットマシン1の筐体1aの内部には、図2に示すように、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リールともいう)が水平方向に並設されており、図1に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1bに設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
リール2L、2C、2Rの外周部各々には、たとえば、「黒7」、「網7」、「白7」、「BAR」、「リプレイ」、「スイカ」、「白チェリー」、および「ベル」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で21個ずつ描かれている。リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、透視窓3において各々上中下三段に表示される。
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられリールモータ32L、32C、32R(図4参照)によって回転させることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール2L、2C、2Rの回転を停止させることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示される。
リール2L、2C、2Rの内側には、リール2L、2C、2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33L、33C、33Rと、リール2L、2C、2Rを背面から照射するリールLED55とが設けられている。リールLED55は、リール2L、2C、2Rの連続する3つの図柄に対応する12のLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。
前面扉1bの各リール2L、2C、2Rの手前側(遊技者側)の位置には、液晶表示器51(図1参照)の表示領域51aが配置されている。遊技者は、表示領域51aの透視窓3に対応する透過領域51bおよび透視窓3を介して各リール2L、2C、2Rを視認できる。
前面扉1bには、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(賭数の設定に使用可能な遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いてメダル1枚分の賭数を設定する際に操作される1枚BETスイッチ5と、クレジットを用いてその範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数のうち最大の賭数(本実施の形態では遊技状態がRB(BB)の場合には2、通常遊技状態では3)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6と、クレジットとして記憶されているメダルおよび賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジットおよび賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10と、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7と、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8Rとが遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
本実施の形態においては、1枚BETスイッチ5と、ストップスイッチ8L、8C、8Rとが、前面扉1bを構成する操作パネルの前面、つまり同一面上に設けられている。
前面扉1bには、遊技中の演出態様の設定を行うための遊技者側設定スイッチ70が設けられている。遊技者側設定スイッチ70は、前面扉1bの前面側(つまり、前面扉1bの外側)に設けられているため、前面扉1bが閉鎖されたときにはスロットマシン1の前面側に位置することになる。このため、該スロットマシン1で遊技する遊技者によって操作されるなど、外部からの操作が可能である。遊技者は、遊技者側設定スイッチ70を操作することによって、遊技中の演出における音量および光量を設定することができる。
前面扉1bには、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11と、BB中のメダルの獲得枚数やメダル投入部4へ正規メダル以外の異物が投入されるなどのエラー発生時にその内容を示すエラーコードが表示される遊技補助表示器12とが設けられている。
前面扉1bには、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14と、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15と、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16と、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17と、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18と、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19と、リプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20とが設けられている。リプレイゲームとは、賭数が自動設定された上で開始されたゲームをいう。
MAXBETスイッチ6の内部には、1枚BETスイッチ5およびMAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21が設けられている。ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22Rがそれぞれ設けられている。
前面扉1bの内側には、所定のキー操作によりエラー状態および打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23と、設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24とが設けられている。
前面扉1bの内側には、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体1a内部に設けられたホッパータンク34a(図2参照)側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク34a側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ(流路切替ソレノイド30よりもホッパータンク34a側に配置)を有するメダルセレクタ(図示略)が設けられている。
前面扉1bの内側には、遊技中の演出態様の基準となる設定を行うための店側設定スイッチ60が設けられている。店員は、前面扉1bを開放するための鍵を所有するため、前面扉1bを開放することによって、店側設定スイッチ60を外部から操作可能である。一方、遊技者などの店員以外の者は、前面扉1bを開放することができないため、店側設定スイッチ60を操作できない。つまり、店側設定スイッチ60は、スロットマシン1が設置される遊技店用の操作手段である。店員は、店側設定スイッチ60を操作することによって、遊技中の演出における音量および光量の基準となる設定をすることができる。
店側設定スイッチ60は、図3に示すように、「0」〜「F」までの計16個のチャンネルを切り替えるスイッチである。店員は、ツマミ61を回動操作することで、これらチャンネルを切り替えることができる。各チャンネル「0」〜「F」に対しては、演出における音量および光量の大きさが段階分けされている。チャンネル「0」〜「F」に対応する音量の段階を第1音量段階と称し、チャンネル「0」〜「F」に対応する光量の段階を第1光量段階とも称する。たとえば、チャンネルが「0」であれば、最小の音量に設定される第1音量段階と最小の光量に設定される第1光量段階とに設定される。チャンネルが「F」であれば、最大の音量に設定される第1音量段階と最大の光量に設定される第1光量段階とに設定される。
なお、店側設定スイッチ60の操作に基づき店員が設定する音量および光量の大きさに対する段階を第1音量段階および第1光量段階と称するのに対して、遊技者側設定スイッチ70を操作することによって、遊技者が設定可能な音量および光量の大きさに対する段階を第2音量段階および第2光量段階とも称する。
筐体1aの内部には、リール2L、2C、2Rと、リールモータ32L、32C、32Rと、各リール2L、2C、2Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33L、33C、33R(図4参照)とからなるリールユニット2が設けられている。筐体1aの内部には、外部出力信号を出力するための外部出力基板1000と、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク34aと、ホッパータンク34aに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34bと、ホッパーモータ34bの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ34cとからなるホッパーユニット34が設けられている。
ホッパーユニット34の側部には、ホッパータンク34aから溢れたメダルが貯留されるオーバーフロータンク35が設けられている。オーバーフロータンク35の内部には、貯留された所定量のメダルを検出可能な高さに設けられた左右に離間する一対の導電部材からなる満タンセンサ35aが設けられている。満タンセンサ35aは、導電部材がオーバーフロータンク35内に貯留されたメダルを介して接触することにより導電したときに内部に貯留されたメダル貯留量が所定量以上となったこと、すなわちオーバーフロータンクが満タン状態となったことを検出する。
筐体1aの内部には、電源ボックス100が設けられている。電源ボックス100の前面には、BB終了時やAT(Assist Time)の終了時に打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36aが設けられている。ATとは、所定の入賞を発生させるためにストップスイッチ8L、8C、8Rの押し順が遊技者に報知されるナビ演出が実行される期間である。AT制御の権利となるナビストックを保有していることを条件にATに制御される。ATは、保有するナビストックの数に基づき所定ゲーム数(本実施の形態では1セット50ゲーム)にわたり制御される。このため、ナビストック数は、ATに制御される権利の数を示すことになり、このナビストック数を多く保有すればするほど、長い期間に亘りATに制御される。
さらに、電源ボックス100の前面には、BB終了時に自動精算処理(クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず精算(返却)する処理)に制御する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ36bと、電源投入時(起動時)に設定変更状態および設定確認状態に切り替えるための設定キースイッチ37と、通常時においてはエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更状態においては内部抽選の当選確率(払出率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38と、電源をON/OFFする際に操作される電源スイッチ39とが設けられている。
電源ボックス100には、設定値を変更する際に操作される設定キースイッチ37と、リセット/設定スイッチ38と、電源スイッチ39とが搭載されている。
店員は、前面扉1bを開放することによって、設定キースイッチ37を外部から操作可能である。一方、遊技者などの店員以外の者は、前面扉1bを開放することができないため、設定キースイッチ37を操作できない。つまり、設定キースイッチ37は、スロットマシン1が設置される遊技店用の操作手段である。
電源ボックス100が設けられた側面と対向する側面の上方位置には、前面扉1bの開閉を検出するためのドア開放検出スイッチ25が設けられている。ドア開放検出スイッチ25は、前面扉1bが筐体1aの開口された前面側を閉鎖しているときにはON状態になる一方で、前面扉1bが筐体1aの開口された前面側を開放しているときにはOFF状態になる。
本実施の形態のスロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、もしくはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するには1枚BETスイッチ5またはMAXBETスイッチ6を操作すればよい。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数(たとえば3)が設定されると、入賞ラインL1〜L5(図1参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、つまり、ゲームが開始可能な状態となる。遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
入賞ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが特定の図柄の組合せであるか否かを判定するために設定されるラインである。なお、本実施の形態においては、これらの役を「入賞役」や「入賞」とも称し、いずれかの役を構成する図柄の組合せが入賞ライン上に停止することを、入賞する、入賞が発生するなどともいう。たとえば、再遊技役を構成する図柄組合せが入賞ライン上に導出されたときには、遊技者がメダルを用いて賭数を設定することなく次のゲームを行うことが可能なリプレイゲームが作動する。再遊技役を構成する図柄組合せが入賞ライン上に導出されることを再遊技入賞(リプレイ入賞)が発生するともいう。
本実施の形態では、図1に示すように、各リール2L、2C、2Rの中段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL1、各リール2L、2C、2Rの上段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL2、各リール2L、2C、2Rの下段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL3、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち右下がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL4、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわち右上がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL5の5種類が入賞ラインとして定められている。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
全てのリール2L、2C、2Rが停止されたときにおいて、有効化された入賞ラインL1〜L5のいずれにも小役を発生させる図柄の組合せが停止していないときには、当該停止時に1ゲームが終了する。一方、有効化された入賞ラインL1〜L5のいずれかに小役を発生させる図柄の組合せが停止しているときには、その小役の入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与(クレジット加算、クレジットが上限数(本実施の形態では50)に達した場合にはメダル払出口9(図1参照)からメダルが排出)されて、1ゲームが終了する。
図4に示すように、スロットマシン1には、遊技制御基板40と、演出制御基板90と、電源基板101とが設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
電源基板101には、ホッパーモータ34bと、払出センサ34cと、満タンセンサ35aと、打止スイッチ36aと、自動精算スイッチ36bと、設定キースイッチ37と、リセット/設定スイッチ38と、電源スイッチ39とが接続されている。
遊技制御基板40には、1枚BETスイッチ5と、MAXBETスイッチ6と、スタートスイッチ7と、ストップスイッチ8L、8C、8Rと、精算スイッチ10と、リセットスイッチ23と、ドア開放検出スイッチ25と、リールセンサ33L、33C、33Rとが接続されているとともに、電源基板101を介して払出センサ34cと、満タンセンサ35aと、打止スイッチ36aと、自動精算スイッチ36bと、設定キースイッチ37と、リセット/設定スイッチ38とが接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力される。
遊技制御基板40には、クレジット表示器11と、遊技補助表示器12と、ペイアウト表示器13と、1〜3BETLED14〜16と、投入要求LED17と、スタート有効LED18と、ウェイト中LED19と、リプレイ中LED20と、BETスイッチ有効LED21と、左、中、右停止有効LED22L、22C、22Rと、設定値表示器24と、流路切替ソレノイド30と、リールモータ32L、32C、32Rとが接続されているとともに、電源基板101を介してホッパーモータ34bが接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載されたメイン制御部41の制御に基づいて駆動される。
遊技制御基板40には、遊技の制御を行うメイン制御部41が搭載されている。メイン制御部41は、メインCPU41aと、ROM41bと、RAM41cと、I/Oポート41dとを備えたマイクロコンピュータからなる。
遊技制御基板40には、所定範囲(本実施の形態では0〜65535)の乱数を発生させる乱数回路42と、一定周波数のクロック信号を乱数回路42に供給するパルス発振器43と、遊技制御基板40に直接または電源基板101を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路44と、リールモータ32L、32C、32Rの駆動制御を行うモータ駆動回路45と、流路切替ソレノイド30の駆動制御を行うソレノイド駆動回路46と、遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDの駆動制御を行うLED駆動回路47と、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する電断検出回路48と、電源投入時またはメインCPU41aからの初期化命令が入力されないときにメインCPU41aにリセット信号を与えるリセット回路49と、その他各種デバイスおよび回路とが搭載されている。
メインCPU41aは、計時機能、タイマ割込などの割込機能(割込禁止機能を含む)を備え、ROM41bに記憶されたプログラムを実行して、遊技の進行に関する処理を行うとともに、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。ROM41bは、メインCPU41aが実行するプログラムや各種テーブルなどの固定的なデータを記憶する。RAM41cは、メインCPU41aがプログラムを実行する際のワーク領域などとして使用される。I/Oポート41dは、メイン制御部41が備える信号入出力端子を介して接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
メインCPU41aは、I/Oポート41dを介して演出制御基板90に各種のコマンドを送信する。ここで、遊技制御基板40から演出制御基板90へは、たとえば、ダイオードやトランジスタなどの単方向性回路などを用いて、一方向(遊技制御基板40から演出制御基板90への方向)のみにしか信号が通過できないように構成されている。そのため、遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドは一方向のみで送信され、演出制御基板90から遊技制御基板40へ向けてコマンドが送信されることはない。
演出制御基板90には、演出用スイッチ56と、店側設定スイッチ60と、遊技者側設定スイッチ70とが接続されており、これらスイッチの検出信号が入力される。
演出制御基板90には、スロットマシン1の前面扉1bに配置された液晶表示器51(図2参照)、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55などの演出装置が接続されており、これら演出装置は、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91による制御に基づいて駆動される。
たとえば、店側設定スイッチ60のチャンネルが「0」に切り替えられたときには、サブ制御部91は、「0」の第1音量段階に合わせて、最小の音量で音声を出力するようにスピーカ53、54を制御するとともに、「0」の第1光量段階に合わせて、最小の光量で光を出力するように液晶表示器51や演出効果LED52などを制御する。
演出制御基板90には、演出の制御を行うサブ制御部91と、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の表示制御を行う表示制御回路92と、演出効果LED52およびリールLED55の駆動制御を行うLED駆動回路93と、スピーカ53、54からの音声出力制御を行う音声出力回路94と、電源投入時またはサブCPU91aからの初期化命令が一定時間入力されないときにサブCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95と、演出制御基板90に接続された演出用スイッチ56から入力された検出信号を検出するスイッチ回路96と、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブCPU91aに対して出力する電断検出回路98とが搭載されている。
サブ制御部91は、サブCPU91aと、ROM91bと、RAM91cと、I/Oポート91dとを備えたマイクロコンピュータにて構成されている。サブCPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行うための各種の制御を行うとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
サブ制御部91は、メイン制御部41と同様に、割込機能を備えており、メイン制御部41からのコマンド受信時に割込を発生させて、メイン制御部41から送信されたコマンドを取得し、バッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。サブ制御部91は、システムクロックの入力数が一定数に到達するごと、すなわち一定間隔ごとに割込を発生させてタイマ割込処理(サブ)を実行する。
サブ制御部91は、メイン制御部41とは異なり、コマンドの受信に基づいて割込が発生した場合には、タイマ割込処理(サブ)の実行中であっても、当該処理に割り込んでコマンド受信割込処理を実行し、タイマ割込処理(サブ)の契機となる割込が同時に発生してもコマンド受信割込処理を最優先で実行する。
[払出率の設定]
本実施の形態のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率(賭数設定に用いたメダルの総数と、入賞によって払い出されたメダルの総数との比率)が変わる。詳しくは、内部抽選などにおいて設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わる。設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。払出率の点からでは、設定値として6が設定されているときが遊技者にとって最も遊技に関する有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど遊技に関する有利度が段階的に低くなる。
払出率の設定値を変更するためには、前面扉1bを開放させ、筐体1a内に設けられている電源ボックス100の電源スイッチ39を操作して、スロットマシン1の電源がON状態である場合には一旦OFF状態にし、さらに、設定キースイッチ37を操作して、設定キースイッチ37をON状態にしてから、スロットマシン1の電源をONする必要がある。設定キースイッチ37をON状態にしてスロットマシン1の電源をON状態にすると、遊技の進行が不可能な状態である設定変更状態に移行して、設定値表示器24にRAM41cから読み出された設定値が表示値として表示される。
設定変更状態においては、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値表示器24に表示された表示値が1ずつ更新されていく(設定6からさらに操作されたときは、設定1に戻る)。その後、スタートスイッチ7が操作されると、表示値を設定値として確定する。設定キースイッチ37がOFF状態にされると、確定した表示値(設定値)がRAM41cに格納され、遊技の進行が可能な状態に移行する。なお、電源スイッチ39を一旦OFF状態にし、設定キースイッチ37をON状態として電源スイッチ39をONさせる操作を行うことにより、設定変更状態に移行されるため、該操作をまとめて設定変更操作ともいう。
設定値を確認するためには、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で設定キースイッチ37をON状態とすればよい。このような状況で設定キースイッチ37をON状態とすると、設定値表示器24にRAM41cから読み出された設定値が表示されることで設定値を確認可能な設定確認状態に移行する。設定確認状態においては、ゲームの進行が不能であり、設定キースイッチ37をOFF状態とすることで、設定確認状態が終了し、ゲームの進行が可能な状態に復帰する。
[内部抽選]
本実施の形態のスロットマシン1は、遊技状態に応じて設定可能な賭数の規定数が定められており、遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されたことを条件にゲームを開始させることが可能となる。
本実施の形態では、遊技状態として、レギュラーボーナス(以下ではRBと称す)、ビッグボーナス(以下ではBBと称す)、通常遊技状態があり、このうちRBやBBでは賭数の規定数(上限数)として2が定められており、通常遊技状態では賭数の規定数(上限数)として3が定められている。このため、遊技状態がRBやBBであれば、賭数として2が設定されるとゲームを開始させることが可能となり、通常遊技状態であれば、賭数として3が設定されるとゲームを開始させることが可能となる。
本実施の形態のスロットマシン1は、全てのリール2L、2C、2Rが停止した際に、有効化された入賞ライン(本実施の形態の場合、常に全ての入賞ラインが有効化されるため、以下では、有効化された入賞ラインを単に入賞ラインという)上に役と呼ばれる図柄の組合せが揃うと入賞となる。役は、同一図柄の組合せ(たとえば、「リプレイ−リプレイ−リプレイ」)であってもよいし、異なる図柄を含む組合せ(たとえば、「BAR−リプレイ−リプレイ」)であってもよい。
役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大別すると、メダルの払い出しを伴う小役と、遊技用価値を用いた賭数の設定を行わずとも入賞したゲームで設定されていた賭数を自動設定させることにより次のゲームを開始可能となる再遊技役(リプレイ)と、遊技状態の移行を伴う特別役(BB、RB)とがある。本実施の形態においては、これらの役を「入賞役」や「入賞」ともいい、いずれかの役を構成する図柄の組合せが入賞ラインL1〜L5のいずれかに停止することを、入賞する、入賞が発生するなどともいう。小役と再遊技役をまとめて一般役とも呼ぶ。
遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがRAM41cに設定されている必要がある。なお、これら各役の当選フラグのうち、小役および再遊技役の当選フラグは、当該フラグが設定されたゲームにおいてのみ有効とされ、次のゲームでは無効となるが、特別役の当選フラグは、当該フラグにより許容された役の組合せが揃うまで有効とされ、許容された役の組合せが揃ったゲームにおいて無効となる。特別役の当選フラグが一度当選すると、例え、当該フラグにより許容された役の組合せを揃えることができなかった場合にも、その当選フラグは無効とされずに、次のゲームへ持ち越される。
スロットマシン1における役としては、図5に示すように、特別役としてビッグボーナス(BB)、レギュラーボーナス(RB)が、小役としてスイカ、チェリー、ベルが、再遊技役としてリプレイが定められている。
チェリーは、いずれの遊技状態においても右リールについて入賞ラインのいずれかに「白チェリー」の図柄が導出されたときに入賞となり、いずれの遊技状態においても1枚のメダルが払い出される。なお、「白チェリー」の図柄が右リールの上段または下段に停止した場合には、入賞ラインL2、L5または入賞ラインL3、L4の2本の入賞ラインにチェリーの組合せが揃い、2本の入賞ライン上でチェリーに入賞するため、2枚のメダルが払い出される。
スイカは、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「スイカ−スイカ−スイカ」の組合せまたは「スイカ−スイカ−BAR」の組合せが揃ったときに入賞となり、RBやBBでは15枚のメダルが払い出され、通常遊技状態では12枚のメダルが払い出される。ベルは、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「ベル−ベル−ベル」の組合せが揃ったときに入賞となり、RBやBBでは15枚のメダルが払い出され、通常遊技状態では10枚のメダルが払い出される。
リプレイとしては、第1〜第3のリプレイが設けられている。第1のリプレイは、通常遊技状態において入賞ラインのいずれかに「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の組合せが揃ったときに入賞となる。第2のリプレイは、「BAR−リプレイ−リプレイ」の組合せが揃ったときに入賞となる。第3のリプレイは、「黒7−リプレイ−リプレイ」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプレイが入賞したときには、メダルの払い出しはないが次のゲームを改めて賭数を設定することなく開始できるので、次のゲームで設定不要となった賭数に対応した3枚のメダルが払い出されるのと実質的には同じである。
RBは、通常遊技状態において入賞ラインのいずれかに「網7−網7−黒7」の組合せが揃ったときに入賞となり、遊技状態がRBに移行する。RBは、小役、特にベルの当選確率が高まることによって他の遊技状態よりも遊技者にとって有利となる遊技状態であり、RBが開始した後、12ゲームを消化したとき、または8ゲーム入賞(役の種類は、いずれでも可)したときのいずれか早いほうで終了する。
BBは、通常遊技状態において入賞ラインのいずれかに「黒7−黒7−黒7」の組合せ、「網7−網7−網7」の組合せ、または「白7−白7−白7」の組合せが揃ったときに入賞となる。BBが入賞すると、遊技状態がBBに移行するとともに同時にRBに移行し、RBが終了した際に、BBが終了していなければ、再度RBに移行し、BBが終了するまで繰り返しRBに制御される。BB中は、常にRBに制御される。そして、BBは、当該BB中において遊技者に払い出したメダルの総数が465枚を超えたときに終了する。BBの終了時には、RBの終了条件が成立しているか否かにかかわらずRBも終了する。
内部抽選は、上記した各役への入賞を許容するか否かを、全てのリール2L、2C、2Rの表示結果が導出表示される以前に(実際には、スタートスイッチ7の検出時)決定する。内部抽選では、まず、スタートスイッチ7の検出時に内部抽選用の乱数値(0〜65535の整数)を取得する。そして、遊技状態および特別役の持ち越しの有無に応じて定められた各役について、抽選用ワークに格納された数値データと、遊技状態、賭数および設定値に応じて定められた各役の判定値数に応じて行われる。
本実施の形態では、図5に示すように、遊技状態が、通常遊技状態であるか、RBやBBであるかによって内部抽選の対象となる役が異なる。さらに遊技状態が通常遊技状態においては、特別役の持越中であるか否かによっても内部抽選の対象となる役が異なる。遊技状態が通常遊技状態であり、いずれの特別役も持ち越されていない状態では、BB、RB、リプレイ、スイカ、チェリー、ベルが内部抽選の対象役として順に読み出される。遊技状態が通常遊技状態であり、いずれかの特別役が持ち越されている状態では、リプレイ、スイカ、チェリー、ベルが内部抽選の対象役として順に読み出される。遊技状態がRB(BB中を含む)では、スイカ、チェリー、ベルが内部抽選の対象役として順に読み出される。
なお、本実施の形態においては、BBに対応する図柄組合せが3種類、リプレイに対応する図柄組合せが3種類、スイカに対応する図柄組合せが2種類定められている例について説明したが、内部抽選では、図柄組合せごとに対象役として読み出される。たとえば、BBについては、「黒7−黒7−黒7」の組合せ、「網7−網7−網7」の組合せ、「白7−白7−白7」の組合せが内部抽選の対象役として順に読み出される。リプレイについても、第1〜第3のリプレイが、内部抽選の対象役として順に読み出される。スイカについても、図柄組合せごとに、対象役として順に読み出される。
なお、BBに対応する図柄組合せが3種類、リプレイに対応する図柄組合せが3種類、スイカに対応する図柄組合せが2種類については、各々、図柄組合せごとに対象役として読み出されるものに限らず、複数種類の図柄組合せ全てが一つの対象役として読み出されるようにしてもよい。たとえば、リプレイが対象役として読み出されて当選した場合には、第1〜第3のリプレイのいずれもが入賞ライン上に停止することが許容されるようにしてもよい。
内部抽選で用いられる判定値数は、設定値1〜6に対応して、図柄組合せごとに定められている。当選率は、設定値1〜6に対応して、図柄組合せごとに定められている。このため、内部抽選においては、設定値に対応して図柄組合せごとに定められた当選率にしたがって、図柄組合せの導出(発生)が許容される。
内部抽選では、内部抽選の対象となる役、現在の遊技状態および設定値に対応して定められた判定値数を、内部抽選用の乱数値(抽選用ワークの値)に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、当該役に当選したものと判定される。このため、判定値数の大小に応じた確率(判定値数/65536)で役が当選する。
[リールの停止制御]
次に、リール2L、2C、2Rの停止制御について説明する。
本実施の形態では、いずれかの役に当選している場合には、当選役を入賞ライン上に4コマの範囲で最大限引き込み、当選していない役が入賞ライン上に揃わないように引き込む滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う一方、いずれの役にも当選していない場合には、いずれの役も揃わない滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う。これにより、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、最大4コマの引込範囲で揃えずに停止させる制御が行われる。
特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で小役が当選した場合など、特別役と小役が同時に当選している場合には、特別役よりも小役を入賞ライン上に揃える制御を優先し、小役を引き込めない場合にのみ、特別役を入賞させることが可能となる。なお、特別役と小役を同時に引き込める場合には、小役のみを引き込み、特別役と同時に小役が入賞ライン上に揃わない。
なお、特別役と小役が同時に当選している場合に、小役よりも特別役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、特別役を引き込めない場合にのみ、小役を入賞ライン上に揃える制御を行ってもよい。
特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で再遊技役が当選した場合など、特別役と再遊技役が同時に当選している場合には、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で再遊技役の図柄を揃えて停止させる制御を行う。この場合、再遊技役を構成する図柄または同時当選する再遊技役を構成する図柄は、リール2L、2C、2Rのいずれについても5図柄以内、すなわち4コマ以内の間隔で配置されており、4コマの引込範囲で必ず任意の位置に停止させることができるので、特別役と再遊技役が同時に当選している場合には、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングにかかわらずに、必ず再遊技役が揃って入賞する。このような場合には、特別役よりも再遊技役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、必ず再遊技役が入賞する。なお、特別役と再遊技役を同時に引き込める場合には、再遊技役のみを引き込み、再遊技役と同時に特別役が入賞ライン上に揃わない。
本実施の形態において、メイン制御部41は、停止操作に伴い、全てのリール2L、2C、2Rが停止した際に、有効化された入賞ライン上に入賞に対応する役が揃ったか否かを判定し、いずれかの入賞に対応する役が揃っていると判定した場合には、入賞時の制御を行う。たとえば、小役が揃っている場合には、揃った小役に応じたメダルを付与する制御を行い、再遊技役が揃っている場合には、リプレイゲームを付与する制御などを行う。
[コマンド]
次に、メイン制御部41がサブ制御部91に対して送信するコマンドについて説明する。
本実施の形態では、メイン制御部41が演出制御基板90に対して、BETコマンド、クレジットコマンド、内部当選コマンド、リール回転開始コマンド、リール停止コマンド、入賞判定コマンド、払出開始コマンド、払出終了コマンド、遊技状態コマンド、設定開始コマンド、確認開始コマンド、設定終了コマンド、モード選択開始コマンド、モード特定コマンド、モード選択終了コマンドなどを含む複数種類のコマンドを送信する。
BETコマンドは、メダルの投入枚数(賭数の設定に使用されたメダル枚数)、およびBET音の出力の有無を特定可能なコマンドである。BETコマンドは、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、規定数の賭数が設定されていない状態において、メダルが投入されるか、1枚BETスイッチ5またはMAXBETスイッチ6が操作されて賭数が設定されたときに送信される。
クレジットコマンドは、クレジットとして記憶されているメダル枚数、および出力する音の種類(BET音かクレジット音)を特定可能なコマンドである。クレジットコマンドは、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、規定数の賭数が設定されている状態において、メダルが投入されてクレジットが加算されたときに送信される。
内部当選コマンドは、内部抽選結果を特定可能なコマンドである。内部当選コマンドは、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときに送信される。
リール回転開始コマンドは、リールの回転の開始を通知するコマンドである。リール回転開始コマンドは、リール2L、2C、2Rの回転が開始されたときに送信される。
リール停止コマンドは、停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれかであるか、該当するリールの停止操作位置の領域番号、該当するリールの停止位置の領域番号、を特定可能なコマンドである。リール停止コマンドは、各リールの停止操作に伴う停止制御が行われるごとに送信される。
入賞判定コマンドは、入賞の有無、並びに入賞の種類、入賞時のメダルの払出枚数を特定可能なコマンドである。入賞判定コマンドは、全リールが停止して入賞判定が行われた後に送信される。
払出開始コマンドは、メダルの払出開始を通知するコマンドである。払出開始コマンドは、入賞やクレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払い出しが開始されたときに送信される。
払出終了コマンドは、メダルの払出終了を通知するコマンドである。払出終了コマンドは、入賞およびクレジットの精算によるメダルの払い出しが終了したときに送信される。
遊技状態コマンドは、現在の遊技状態(通常遊技状態、当選中、RB)を特定可能なコマンドである。遊技状態コマンドは、ゲームの終了時に送信される。
設定開始コマンドは、払出率を設定するための設定変更操作がされて設定変更状態に移行することを特定可能なコマンドであり、設定変更状態に移行する際に送信される。
確認開始コマンドは、設定確認状態に移行することを特定可能なコマンドであり、設定確認状態に移行する際に送信される。
設定終了コマンドは、設定変更状態を終了することを特定可能なコマンドであり、設定変更状態を終了する際に送信される。
モード選択開始コマンドは、消費電力を抑えるための節電モードに設定するか否かのモード選択状態に移行することを特定可能なコマンドであり、モード選択状態に移行する際に送信される。
モード特定コマンドは、選択されたモードを特定可能なコマンドであり、モード選択状態において節電モードに設定するか否かの選択が行われたときに送信される。
モード選択終了コマンドは、モード選択状態を終了することを特定可能なコマンドであり、モード選択状態を終了する際に送信される。
サブ制御部91は、あるコマンドの受信を契機とする演出の実行中に、新たにコマンドを受信した場合には、実行中の制御パターンに基づく演出を中止し、新たに受信したコマンドに対応する制御パターンに基づく演出を実行する。演出が最後まで終了していない状態でも、新たにコマンドを受信すると、実行していた演出はキャンセルされて新たなコマンドに基づく演出が実行される。
特に、本実施の形態では、演出の実行中に賭数の設定操作がなされたとき、すなわちサブ制御部91が、BETコマンドのうちのBETコマンド(BET音あり)を受信したときに実行中の演出を中止する。このため、遊技者が、演出を最後まで見るよりも次のゲームを進めたい場合には、演出をキャンセルすることができる。これにより、演出よりも次のゲームに早く進みたい遊技者に対して煩わしい思いをさせることがない。サブ制御部91は、BETコマンドのうちのBETコマンド(BET音あり)を受信したときに、賭数に応じた回数分、所定のBET音(たとえば「ピッ!」という効果音)をスピーカ53、54から出力させる。
一方、サブ制御部91は、BETコマンドのうちのBETコマンド(BET音なし)を受信したときには、BET音をスピーカ53、54から出力させることなく、かつ実行中の演出を中止することなく継続させる。なお、BETコマンドを受信したときには、その種類にかかわらず、実行中の演出をキャンセルさせるとともに、BET音を出力させるようにしてもよい。
サブ制御部91は、クレジットコマンドのうちのクレジットコマンド(通常)を受信したときに、所定のクレジット音(たとえば「ダ!」という効果音)をスピーカ53、54から出力させる。これにより、クレジットされたことを気付かせやすくすることができる。
サブ制御部91は、クレジットコマンドのうちのクレジットコマンド(BET音あり)を受信したときには、BET音と同じ音(たとえば「ピッ!」という効果音)をスピーカ53、54から出力させる。
演出の実行中にクレジットまたは賭数の精算操作がなされたとき、すなわちサブ制御部91が、精算を通知する払出開始コマンドを受信した場合には、原則として、実行中の演出を中止して、演出状態(液晶表示器51の表示状態、スピーカ53、54からの効果音など)を客待ち状態にする。クレジットや賭数の精算を行うのは遊技を終了する場合であり、このような場合に実行中の演出を終了させることで、遊技を終了する意志があるのに、不要に演出が継続してしまわないようになっている。
しかし、精算を通知する払出開始コマンドのうち、リプレイゲームにおけるクレジット精算を通知する払出開始コマンドを受信したときには、リプレイ入賞により設定された賭数が残存しており、以降において少なくとも1ゲームが行われるため、実行中の演出をその後も継続する(客待ち状態にもならない)。
次に、本実施の形態のメイン制御部41が実行する各種制御内容を以下に説明する。 [ゲーム処理]
図7は、メイン制御部41が設定変更の後に実行するゲーム処理の制御内容を示すフローチャートである。ゲーム処理では、BET処理(S1)、内部抽選処理(S2)、リール回転処理(S3)、入賞判定処理(S4)、払出処理(S5)、ゲーム終了時処理(S6)を順に実行し、ゲーム終了時処理が終了すると、再びBET処理に戻る。
S1におけるBET処理では、メイン制御部41は、賭数を設定可能な状態で待機し、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定され、スタートスイッチ7が操作された時点でゲームを開始させる処理を実行する。メイン制御部41は、ゲームを開始させる処理として、スタートスイッチ7が操作された時点で、設定された賭数に用いられたメダル数分のメダルIN信号の出力を命令する出力命令をRAM41cに設定する。
S2における内部抽選処理では、メイン制御部41は、S1におけるスタートスイッチ7の検出によるゲーム開始と同時にラッチされた内部抽選用の乱数値に基づいて各役への入賞を許容するか否かを決定する処理を行う。この内部抽選処理では、それぞれの抽選結果に基づいて、RAM41cに当選フラグが設定される。
S3におけるリール回転処理では、メイン制御部41は、各リール2L、2C、2Rを回転させる処理、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことに応じて対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる処理を実行する。
S4における入賞判定処理では、メイン制御部41は、各リール2L、2C、2Rに導出された表示結果に応じて入賞が発生したか否かを判定する処理を実行する。
S5における払出処理では、メイン制御部41は、S4において入賞の発生が判定された場合に、その入賞が小役の場合には該小役の種類に応じた払出枚数に基づきクレジットの加算ならびにメダルの払い出しなどの処理を行い、再遊技役の場合には再遊技役の種類を特定可能なリプレイゲームフラグをRAM41cに設定してリプレイゲームを付与可能にする処理などを行う。払出処理では、メイン制御部41は、クレジットの加算ならびにメダルの払い出しにより遊技者に対して付与されたメダル数分のメダルOUT信号の出力を命令する出力命令をRAM41cに設定する。
S6におけるゲーム終了時処理では、メイン制御部41は、次のゲームに備えて遊技状態を設定する処理を実行する。ゲーム終了時処理では、ゲームの進行制御に応じてコマンドを生成し、通常コマンド送信用バッファに設定することで、その後のタイマ割込処理(メイン)においてサブ制御部91に対して設定されたコマンドが送信される。
[BET処理]
次に、メイン制御部41がゲーム処理のS1で実行するBET処理について説明する。図7〜図9は、メイン制御部41が実行するBET処理の制御内容を示すフローチャートである。
BET処理では、メイン制御部41は、まず、RAM41cの所定領域において賭数の値が格納されるBETカウンタの値をクリアし(S10)、遊技状態に応じた規定数をRAM41cに設定し(S11)、RAM41cにリプレイゲームである旨を示すリプレイゲームフラグが設定されているか否かに基づいて次のゲーム(今から開始されるゲーム)がリプレイゲームであるか否かを判定する(S12)。
メイン制御部41は、次のゲーム(今から開始されるゲーム)がリプレイゲームであると判定した場合には(S12でY)、前回ゲームにおいて入賞した再遊技役が、第1のリプレイであったか否かを判定する(S13)。第1のリプレイであったか否かは、設定されているリプレイゲームフラグから特定される。
メイン制御部41は、第1のリプレイであったと判定したときには(S13でY)、賭数が3(リプレイ当選可能な状態は3枚賭けであるため)加算される旨、および、サブ制御部91によりBET音を出力させる旨のBET音ありを示すBETコマンド(S14では便宜上、“BETコマンド(BET音あり)”と示している。以下同様)を通常コマンド用送信バッファに設定する(S14)。
一方、メイン制御部41は、第1のリプレイではなかったと判定したとき、つまり第2または第3のリプレイであったときには(S13でN)、賭数が3加算される旨、およびサブ制御部91によりBET音を出力させない旨のBET音なしを示すBETコマンド(S15では便宜上、“BETコマンド(BET音なし)”と示している。)を通常コマンド用送信バッファに設定する(S15)。設定されたBETコマンドは、その後のタイマ割込処理(メイン)でサブ制御部91に対して送信される。
これにより、サブ制御部91側においては、第1のリプレイ入賞後において賭数が設定されるごとにBET音を出力するのに対し、第2または第3のリプレイ入賞後において賭数が設定される際にはBET音を出力させない。これにより、第1のリプレイ入賞を遊技者に気付かせやすくすることができるのに対し、第2または第3のリプレイ入賞を遊技者に気付かせ難くすることができる。
次に、メイン制御部41は、BETカウンタの値を1加算し(S16)、RAM41cに設定された賭数の規定数を参照し、BETカウンタの値が規定数(ここでは3)であるか否か、すなわちゲームの開始条件となる賭数が設定されているか否かを判定し(S17)、BETカウンタの値が規定数でなければ(S17でN)、S16に戻る。
メイン制御部41は、BETカウンタの値が規定数となりリプレイ入賞による賭数の設定が完了すると(S17でY)、S18へ移行する。メイン制御部41は、BETカウンタの値が加算された後に、BETカウンタの値に応じて、1BETLED14、2BETLED15、3BETLED16を順番に点灯させる処理を実行する。メイン制御部41は、リプレイ入賞後における賭数の設定が完了した後に、リプレイ中LED20、およびスタート有効LED18(ウェイト中はウェイト中LED19)を点灯させる処理を実行する。
メイン制御部41は、RAM41cの所定領域において格納されるクレジットの値であるクレジットカウンタの値が上限値である50であるか否かを判定する(S18)。上限値であると判定されたときには(S18でY)、投入不可フラグをRAM41cに設定し(S19)、S21に進む。投入不可フラグが設定されると、投入要求LED17およびBETスイッチ有効LED21を消灯させるための処理が行われる。なお、BETカウンタが第2または第3のリプレイ入賞により規定数に設定されたときには、投入要求LED17およびBETスイッチ有効LED21を消灯させずに、たとえば、S37でYと判定された後や、3BET分に相当するクレジットコマンド(BET音あり)が出力された後に、投入要求LED17およびBETスイッチ有効LED21を消灯させる。
メイン制御部41は、上限値でないと判定したとき、つまりクレジット投入が可能であると判定したときには(S18でN)、S20に進む。なお、メイン制御部41は、リプレイゲームでないと判定した場合には(S12でN)、そのままS20に進む。
メイン制御部41は、S20においては、投入待ち前の設定を行ってS21に進む。投入待ち前の設定では、RAM41cに投入不可フラグが設定されている場合は投入不可フラグをクリアし、メダルの投入が可能な状態とする。このため、リプレイ入賞後においては、賭数の設定が完了する前であって投入待ち前の設定が未だ行われていないときに投入されたメダルを受け付けず、賭数の設定が完了して投入待ち前の設定が行われてから投入されたメダルを有効に受け付けてクレジット加算される。
メイン制御部41は、投入待ち前の設定が行われて投入不可フラグをクリアされた後に、投入要求LED17を点灯させ、賭数を設定することが可能な場合にはBETスイッチ有効LED21を点灯させる処理を実行する。なお、メイン制御部41は、BETカウンタが第1のリプレイ入賞により規定数に設定されたときには、S20において投入要求LED17のみを点灯させる。メイン制御部41は、BETカウンタが第2または第3のリプレイ入賞により規定数に設定されたときには、S20において投入要求LED17およびBETスイッチ有効LED21を点灯させ、たとえば、S37でYと判定された後や、3BET分に相当するクレジットコマンド(BET音あり)が出力された後に、投入要求LED17およびBETスイッチ有効LED21を消灯させる。
メイン制御部41は、投入不可フラグが設定されているか否かに基づいてメダルの投入が可能な状態か否かを判定する(S21)。メイン制御部41は、メダルの投入が可能な状態であると判定した場合には(S21でY)、流路切替ソレノイド30の電源をONの状態とし、メダルの流路をホッパータンク側の経路としてメダルの投入が可能な状態とし(S22)、S24に進む。メイン制御部41は、メダルの投入が可能な状態でないと判定した場合には(S21でN)、流路切替ソレノイド30の電源をOFFの状態とし、メダルの流路をメダル払出口9側の経路として新たなメダルの投入を禁止し(S23)、S24に進む。
メイン制御部41は、設定キースイッチ37がONの状態であるか否かを判定し、設定キースイッチ37がONであれば(S24でY)、BETカウンタの値が0か否かを判定する(S25)。メイン制御部41は、BETカウンタの値が0であれば(S25でY)、確認開始コマンドを通常コマンド送信用バッファに設定し(S26)、設定確認処理(S27)、すなわち設定確認状態に移行する。S26で設定された確認開始コマンドは、その後のタイマ割込処理(メイン)でサブ制御部91に対して送信される。メイン制御部41は、S27における設定確認処理が終了した後は、S21に戻る。メイン制御部41は、設定キースイッチ37がONではない場合(S24でN)またはBETカウンタの値が0ではない場合には(S25でN)、S30に進む。
メイン制御部41は、投入メダルセンサ31による検出結果が適正な検出結果となり投入メダルの通過が検出されたか否か、すなわち投入メダルの通過が検出された旨を示す投入メダルフラグの有無を判定する(S30)。メイン制御部41は、投入メダルの通過が検出されていなければ(S30でN)、S45に進み、投入メダルの通過が検出されていれば(S30でY)、投入メダルフラグをクリアし(S31)、RAM41cに投入不可フラグが設定されているか否かに基づいてメダルの投入が可能な状態か否かを判定する(S32)。メイン制御部41は。メダルの投入が可能な状態でなければ(S32でN)、S45に進む。
メイン制御部41は、メダルの投入が可能な状態であれば(S32でY)、RAM41cに設定された賭数の規定数を参照し、BETカウンタの値が規定数であるか否を判定する(S33)。メイン制御部41は、BETカウンタの値が規定数でなければ(S33でN)、賭数が1加算される旨、および、サブ制御部91によりBET音を出力させる旨のBET音ありを示すBETコマンド(BET音あり)を通常コマンド送信用バッファに設定し(S34)、BETカウンタの値を1加算し(S35)、S21に戻る。S34で設定されたBETコマンドは、その後のタイマ割込処理(メイン)でサブ制御部91に対して送信される。これにより、メダル投入により賭数が設定される際には、サブ制御部91側において、BET音が出力される。
メイン制御部41は、BETカウンタの値が規定数であれば(S33でY)、前回ゲームにおいて第2または第3のリプレイが入賞していたか否かを判定する(S36)。第2または第3のリプレイであったか否かは、リプレイゲームフラグから特定される。メイン制御部41は、前回ゲームにおいて第2または第3のリプレイが入賞していなかったと判定したときには(S36でN)、1加算後のクレジットカウンタの値を示すとともにサブ制御部91によりクレジット音を出力させる旨を示すクレジットコマンド(S38では便宜上、“クレジットコマンド(通常)”と示している。以下同様)を通常コマンド送信用バッファに設定し(S38)、RAM41cにおいてクレジットの値が格納されるクレジットカウンタの値を1加算する(S40)。S38で設定されたクレジットコマンドは、その後のタイマ割込処理(メイン)でサブ制御部91に対して送信される。
メイン制御部41は、前回ゲームにおいて第2または第3のリプレイが入賞していたと判定したときには(S36でY)、規定数分のBET音が出力されたか否かを判定する(S37)。具体的には、メイン制御部41は、S39に示すクレジットコマンドが規定数分の3回出力されたか否かを判定する。第2または第3のリプレイ入賞後において賭数が設定される際には、S15で示したようにBETコマンド(BET音なし)が出力されるため、サブ制御部91においてBET音が出力されない。このため、第2または第3のリプレイ入賞後、賭数が設定された後において、メダルが投入されてクレジットされる際に、BET音を規定数回まで出力させるための処理が行われる。
メイン制御部41は、規定数分のBET音が出力されていないときには(S37でN)、1加算後のクレジットカウンタの値を示すとともにサブ制御部91によりクレジット音を出力させる旨を示すクレジットコマンド(S39では便宜上、“クレジットコマンド(BET音あり)”と示している。以下同様)を通常コマンド送信用バッファに設定し(S39)、RAM41cにおいてクレジットの値が格納されるクレジットカウンタの値を1加算する(S40)。S39で設定されたクレジットコマンドは、その後のタイマ割込処理(メイン)でサブ制御部91に対して送信される。
一方、メイン制御部41は、規定数分のBET音が既に出力されているときには(S37でY)、クレジットコマンド(通常)を通常コマンド送信用バッファに設定する(S38)。これにより、第2または第3のリプレイ入賞後のメダル投入によるクレジット加算の際には、サブ制御部91側において、3枚目までについてはBET音が出力され、4枚目以降についてはクレジット音が出力される。一方、第2または第3のリプレイ入賞後でないときのメダル投入によるクレジット加算の際には、サブ制御部91側において、1枚目からクレジット音が出力される。
なお、S36およびS37の次のステップとして、S40を実行した後に、対応するS38またはS39の処理を行うことにより、クレジットカウンタの値としてS40により加算された後にあたる現在の値を示すクレジットコマンドをS38またはS39において設定するようにしてもよい。
メイン制御部41は、クレジットカウンタの値が上限値である50であるか否かを判定する(S41)。メイン制御部41は、クレジットカウンタの値が50でなければ(S41でN)、S21に戻り、クレジットカウンタの値が50であれば(S41でY)、投入不可フラグをRAM41cに設定し(S42)、S21に戻る。
メイン制御部41は、スタートスイッチ7の操作が検出されているか否か、すなわちスタートスイッチ7の立ち上がりを示す立上りエッジが設定されているか否かを判定する(S45)。さらに立上りエッジは、いずれかのスイッチがONに変化し、かつ全てのスイッチがOFFである場合にのみ設定されるので、S45では、いずれかのスイッチがONに変化したか否かに加えて他のスイッチがOFFであるかどうかについても判定される。
メイン制御部41は、スタートスイッチ7の操作が検出されていないと判定した場合(S45でN)、またはスタートスイッチ7が操作されたものの他のスイッチも操作されている場合には、S50に進み、スタートスイッチ7の操作が有効に検出されていれば(S45でY)、S46に進み、立上りエッジをクリアする。メイン制御部41は、RAM41cに設定された賭数の規定数を参照し、BETカウンタの値が規定数であるか、すなわちゲームの開始条件となる賭数が設定されているか否かを判定する(S47)。
メイン制御部41は、BETカウンタの値が規定数でなければ(S47でN)、S21に戻り、BETカウンタの値が規定数であれば(S47でY)、投入不可フラグをRAM41cに設定するとともに、流路切替ソレノイド30の電源をOFFの状態とし(S48)、メダルの流路をメダル払出口9側の経路として新たなメダルの投入を禁止し、ゲーム開始時の設定を行う(S49)。これにより、ゲームが開始されてから当該ゲームが終了して、次のゲーム以降のBET処理におけるS20において投入待ち前の設定が行われるまではメダルを投入しても受け付けられず、メダル払出口9から払い出される。S49の後、BET処理を終了して図6のS2に進む。
メイン制御部41は、1枚BETスイッチ5の操作が検出されているか否か、すなわち1枚BETスイッチ5の立ち上がりを示す立上りエッジが設定されているか否かを判定する(S50)。メイン制御部41は、1枚BETスイッチ5の操作が検出されていなければ(S50でN)、S51に進み、1枚BETスイッチ5の操作が検出されていれば(S50でY)、図9のS65に進み、立上りエッジをクリアする。
メイン制御部41は、RAM41cに設定された賭数の規定数を参照し、BETカウンタの値が規定数であるか否かを判定する(S66)。メイン制御部41は、BETカウンタの値が規定数であれば(S66でY)、S21に戻り、BETカウンタの値が規定数でなければ(S66でN)、クレジットカウンタの値が0であるか否かを判定する(S67)。メイン制御部41は、クレジットカウンタの値が0であれば(S67でY)、S21に戻る。クレジットカウンタの値が0でなければ(S67でN)、賭数が1加算される旨、および、サブ制御部91によりBET音を出力させる旨のBET音ありを示すBETコマンド(BET音あり)を通常コマンド送信用バッファに設定する(S68)。
メイン制御部41は、クレジットカウンタの値を1減算し(S69)、BETカウンタの値を1加算して(S70)、S21に戻る。S68で設定されたBETコマンドは、その後のタイマ割込処理(メイン)でサブ制御部91に対して送信される。これにより、1枚BETスイッチ5の操作により賭数が設定される際には、サブ制御部91側において、BET音が出力される。なお、第2または第3のリプレイ入賞後において、S66でYと判定されたときには、S37と同様の判定を行い、規定数分、BET音が出力されていないときには、S39と同様の処理を行うようにして、BET音を出力させるようにしてもよい。
メイン制御部41は、MAXBETスイッチ6の操作が検出されているか否か、すなわちMAXBETスイッチ6の立ち上がり示す立上りエッジが設定されているか否かを判定する(S51)。メイン制御部41は、MAXBETスイッチ6の操作が検出されていなければ(S51でN)、S52に進み、MAXBETスイッチ6の操作が検出されていれば(S51でY)、図9のS75に進み、立上りエッジをクリアする。
メイン制御部41は、RAM41cに設定された賭数の規定数を参照し、BETカウンタの値が規定数であるか否かを判定する(S76)。メイン制御部41は、BETカウンタの値が規定数であれば(S76でY)、S80に進み、BETカウンタの値が規定数でなければ(S76でN)、クレジットカウンタの値が0であるか否かを判定する(S77)。メイン制御部41は、クレジットカウンタの値が0であれば(S77でY)、S80に進む。メイン制御部41は、クレジットカウンタの値が0でなければ(S77でN)、S78において、クレジットカウンタの値を1減算し、S79において、BETカウンタの値を1加算して、S76に戻る。
メイン制御部41は、BETカウンタが加算されたか否かを判定し(S80)、BETカウンタが加算されていなければ(S80でN)、S21に戻る。一方、メイン制御部41は、BETカウンタが加算されていれば(S80でY)、加算された数分賭数が加算された旨、および、サブ制御部91によりBET音を出力させる旨のBET音ありを示すBETコマンド(BET音あり)を通常コマンド送信用バッファに設定し(S81)、S21に進む。S81で設定されたBETコマンドは、その後のタイマ割込処理(メイン)でサブ制御部91に対して送信される。これにより、MAXBETスイッチ6の操作により賭数が設定される際には、サブ制御部91側において、設定された賭数分だけBET音が出力される。
メイン制御部41は、精算スイッチ10の操作が検出されているか否か、すなわち精算スイッチ10の立ち上がりを示す立上りエッジが設定されているか否かを判定する(S52)。メイン制御部41は、精算スイッチ10の操作が検出されていなければ(S52でN)、S21に戻り、精算スイッチ10の操作が検出されていれば(S52でY)、S53に進み、立上りエッジをクリアする。メイン制御部41は、RAM41cにリプレイゲームフラグが設定されているか否かに基づいて次のゲームがリプレイゲームであるか否かを判定する(S54)。
メイン制御部41は、リプレイゲームであると判定しなかったときには(S54でN)、BETカウンタの値が0か否かを判定し(S56)、BETカウンタの値が0でなければ(S56でN)、S57に進み、ホッパーモータ34bを駆動してBETカウンタに格納された値分のメダルを払い出す制御(賭数の設定に用いられたメダルを返却するとともにBETカウンタの値を0にする制御)が行われるとともに、メダルの払出開始および賭数精算を通知する払出開始コマンドを通常コマンド送信用バッファに設定するための賭数精算処理を行う。S57における賭数精算処理の後、メイン制御部41は、RAM41cに設定されている投入不可フラグをクリアして(S58)、S21に戻る。これにより、リプレイ入賞後ではなく賭数が設定されている状態で精算スイッチ10の操作により賭数精算が行われる際には、サブ制御部91側において、賭数精算中である旨が表示されるとともに、賭数精算に対応する音が出力される。
これに対し、S54においてメイン制御部41は、リプレイゲームであると判定したときや、S56においてBETカウンタの値が0であると判定したときには、S59において、ホッパーモータ34bを駆動してクレジットカウンタに格納された値分のメダルを払い出す制御(クレジットとして記憶されているメダルを返却するとともにクレジットカウンタの値を0にする制御)を行うとともに、メダルの払出開始を通知するとともに、リプレイゲームにおけるクレジット精算であるか賭数が設定されていないときにおけるクレジット精算であるかを通知する払出開始コマンドを通常コマンド送信用バッファに設定するための賭数精算処理を行う。
S57における賭数精算処理の後、メイン制御部41は、RAM41cに設定されている投入不可フラグをクリアして(S58)、S22に戻る。これにより、リプレイ入賞において精算スイッチ10の操作により精算が行われる際には、賭数精算が行われることなくクレジット精算のみが行われ、かつ、サブ制御部91側においては、リプレイ入賞後におけるクレジット精算中である旨が表示されるとともに、リプレイ入賞後におけるクレジット精算に対応する音が出力される。BETカウンタの値が0であるときにおける精算スイッチ10の操作により精算が行われる際には、サブ制御部91側において、BETカウンタの値が0であるときのクレジット精算中である旨が表示されるとともに、BETカウンタの値が0であるときのクレジット精算に対応する音が出力される。
[ゲーム終了後においてメダルの投入または精算が許容されるタイミング]
次に、ゲーム終了後においてメダルの投入または精算が許容されるタイミングについて説明する。図10(a)〜(d)は、図7〜図9に示したBET処理が実行されることにより、ゲーム終了後においてメダルの投入または精算が許容されるタイミングの一例を説明するための図である。
図10(a)は、小役入賞せずにメダル払い出しがなかった後においてメダルの投入または精算が許容されるタイミングを説明するための図である。小役入賞が発生していない場合には、払い出しが行われることなくゲームが終了し、その後、図6のS6の処理や、次のゲームのためのS1の処理、図7のS10〜S12の処理が実行された後において、S20以降の処理が実行されることにより、図10(a)に示されるようにメダルの投入または精算が許容される。
図10(b)は、小役入賞してメダル払い出しが行われた後においてメダルの投入または精算が許容されるタイミングを説明するための図である。小役入賞が発生している場合には、払い出しが行われた後にゲームが終了し、その後、図6のS6の処理や、次のゲームのためのS1の処理、図7のS10〜S12の処理が実行された後において、S20以降の処理が実行されることにより、図10(b)に示されるようにメダルの投入または精算が許容される。
図10(c)は、リプレイ入賞した後においてメダルの投入または精算が許容されるタイミングを説明するための図である。リプレイ入賞が発生している場合には、払い出しが行われることなくゲームが終了し、その後、図6のS6の処理や、次のゲームのためのS1の処理、図7のS10〜S12の処理に加えて、さらに賭数設定が完了したタイミング以降(つまり、賭数設定が完了したタイミング、または当該タイミングより後)であってS19においてクレジット可能であると判定された後において、S20以降の処理が実行されることにより、図10(c)に示されるようにメダルの投入または精算が許容される。
以上、図7のS12〜S20や図10(c)で示したように、リプレイ入賞が発生した後であってリプレイゲームが開始(リール回転開始)されるまでの間に投入されたメダルであっても、リプレイ入賞による賭数設定(自動BET)がされて次のリプレイゲームが開始可能な状態となってから後に検出されたメダルである場合には、メダルの検出に応じて図8のS36〜S40が行われて、クレジットに加算させることができる。このため、リプレイ入賞が発生した後におけるクレジット加算が賭数設定よりも先に行われてしまうことを防止できる。その結果、違和感を抱かせることなく、リプレイ入賞が発生した後における遊技者の利便性を向上させることができる。
図8のS52〜S59に示されるように、精算スイッチ10への操作に応じて、賭数が設定されている場合には当該賭数を精算する賭数精算処理を実行し、賭数が設定されていない場合にはクレジットを精算するクレジット精算処理を実行可能としつつ、設定されている賭数がリプレイ入賞により自動BETされた賭数である場合には、賭数精算処理を実行せずにクレジット精算処理を実行する。これにより、メダルを払い出すのではなくリプレイゲーム(1ゲーム)を付与するというリプレイの機能そのものを残してリプレイの存在意義を維持する一方、クレジットについてはリプレイ入賞後であっても精算操作に応じて払出可能としたことにより、リプレイ入賞後における遊技者の利便性をさらに向上させることができる。
本実施の形態におけるスロットマシン1によれば、以下の課題を解決することができる。従来のスロットマシンにおいては、一般的に、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作から対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間が、所定時間(たとえば190ms(ミリ秒))に制限されている。このため、操作タイミングにかかわらず取りこぼしが発生しない入賞役を設ける場合には、各リールにおいて、所定時間内で引き込み可能な範囲内(本実施の形態では、5コマ以内)に、当該入賞役を構成する図柄を配置する必要がある。その結果、取りこぼしが発生しない入賞役の数が多くなるほど、入賞役各々を構成する専用図柄として数多くの種類を要する。
一方、複数(通常は3つ)のリールに描かれる識別情報としての図柄については、無限に設けることができるものではなく、ある程度の制限が科される。たとえば、3つのリール各々に描かれる図柄の数は、1リールに対して最大21個に制限されており、さらに3つのリールに描かれる図柄の種類は全部で最大10種類に制限されている。
このような従来のスロットマシンを背景とした場合、たとえば入賞役について同一の図柄により構成しようとした場合、専用図柄を用意する必要がある。このため、図柄の数や種類の制限範囲内で移行役のための専用図柄を設けることが設計上困難となる虞があった。ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作手順(押し順、操作タイミングなど)にかかわらずリプレイ入賞し得るように構成する場合においては、所定時間内で引き込み可能な範囲内に当該リプレイを構成する専用図柄を配置する必要があり、専用図柄の数を多くせざるを得なくなり、益々設計が困難になってしまう虞があった。
このような課題を解決するために、本実施の形態のスロットマシン1においては、再遊技役に、外形が同一の図柄のみから構成される「リプレイ−リプレイ−リプレイ」が入賞ラインに停止されることにより発生する第1のリプレイと、外形が同一または類似とはいえない図柄を含む「BAR−リプレイ−リプレイ」や「黒7−リプレイ−リプレイ」が入賞ラインに停止されることにより発生する第2および第3のリプレイとを設けた。これにより、リプレイのための専用図柄を必ずしも複数設ける必要がなく、図柄の数と種類を増大させてしまうことを回避でき、図柄の数、種類、および配置の制限内で、リプレイの種類(バリエーション)を豊富にすることができる。一方、第2または第3のリプレイ入賞が発生した場合には、外形が同一または類似とはいえない図柄を含む組合せが停止されるため、第1のリプレイ入賞が発生した場合よりもリプレイ入賞の発生に気付かずに、メダルを投入してしまう可能性が高まるが、検出されたメダルに応じてクレジット加算させることができるために、投入したメダルが受け入れられないなどといった煩わしさを遊技者に感じさせることなく遊技を進行させることができる。
本実施の形態における第3のリプレイを構成する図柄には、リプレイとは異なるBBを構成する「黒7」が含まれる。このため、たとえばBB入賞しなかったといった残念感などが生じることに起因して、第3のリプレイ入賞の発生に気付かずにメダルを投入してしまう可能性がより一層高まるが、検出されたメダルに応じてクレジット加算させることができるために、投入したメダルが受け入れられないなどといった煩わしさを遊技者に感じさせることなく遊技を進行させることができる。
図7のS13〜S15で示したように、第1のリプレイ入賞が発生した後においてはBETコマンド(BET音あり)が設定されて出力されるため、サブ制御部91側によりBET音が出力される。一方、第2または第3のリプレイ入賞が発生した後においてはBETコマンド(BET音なし)が設定されて出力されるため、サブ制御部91側によりBET音が出力されることがない。これにより、第2または第3のリプレイ入賞が発生して賭数設定が完了していることに気付かずにメダルを投入してしまう可能性がより一層高まるが、検出されたメダルに応じてクレジット加算させることができ、投入したメダルが受け入れられないなどといった煩わしさを遊技者に感じさせることなく遊技を進行させることができる。
図8のS36〜S39で示したように、BET音を出力させない第2または第3のリプレイ入賞が発生して賭数設定が完了していることに気付かずにメダルを投入してクレジット加算された場合でも、賭数の上限数に相当する3回まではBET音と同じ音が出力される。このため、遊技者の勘違いでメダルを投入して賭数を設定しているつもりであるにもかかわらずBET音が出力されないことにより、不信感や違和感を抱かせてしまうことを防止することができる。
なお、本実施の形態では、図10(c)で示したように、リプレイ入賞後において投入(クレジット)・精算が許容されるタイミングが、リプレイ入賞による自動BETの完了時である例について説明したが、これに限らず、リプレイ入賞後において投入(クレジット)・精算が許容されるタイミングは、リプレイ入賞による自動BETが開始される(または開始された)ときであってもよい。
図10(d)は、ゲーム終了後においてメダルの投入または精算が許容されるタイミングについての変形例を説明するための図である。図10(d)に示すように、リプレイ入賞が発生している場合には、払い出しが行われることなくゲームが終了し、その後、図6のS6の処理や、次のゲームのためのS1の処理、図7のS10〜S12の処理が行われた後に、自動BETの処理(S16、S17)が開始される。つまり、図7のS10〜S12の処理が行われた後は、自動BETの処理(S16、S17)の開始が確定するため、自動BETの処理が開始されるといえる。よって、図10(d)に示すように、自動BETの処理が開始される(または開始された)ときに、メダルの投入または精算を許容するようにしてもよい。
第1の例として、たとえば、図7のS12においてYと判定された場合にS18と同様の処理を行ってクレジットカウンタの値が50であるか否かの判定を行った後に、自動BETの処理(S16、S17と同様の処理)が開始されるようにするとともにクレジットカウンタの値が50でないと判定された後においては、その後に開始される自動BETの処理の完了を待つことなく、S20と同様の処理を行った以降において投入されたメダルを検出したときにクレジット加算されるとともに精算スイッチ10への操作を検出したときにクレジット精算されるようにしてもよい。一方、S18と同様の処理を行ってクレジットカウンタの値が50であると判定された後は、S19以降の処理と同様の処理を行うようにしてもよい。
第2の例として、たとえば、メダルの投入または精算を行うための割込処理を実行可能とし、第1の例におけるクレジットカウンタの値が50でないと判定されたとき、または、クレジットカウンタの値が50でないと判定された後において1回目のS16に相当する処理が実行されてからゲーム開始までの間において、上記割込処理の割込みを許可するようにして、所定期間(2msec)ごとに当該割込処理を実行するようにして、自動BETの処理が開始される(または開始された)ときに、メダルの投入または精算を許容するようにしてもよい。
このように構成した場合であっても、リプレイ入賞が発生した後であってリプレイゲームが開始(リール回転開始)されるまでの間に投入されたメダルであっても、リプレイ入賞による賭数設定(自動BET)が開始されてから後に検出されたメダルである場合には、メダルの検出に応じてクレジット加算させることができる。このため、リプレイ入賞が発生した後におけるクレジット加算が賭数設定の開始よりも先に行われてしまうことを防止できる。その結果、違和感を抱かせることなく、リプレイ入賞が発生した後における遊技者の利便性を向上させることができる。メダルを払い出すのではなくリプレイゲーム(1ゲーム)を付与するというリプレイの機能そのものを残してリプレイの存在意義を維持する一方、クレジットについてはリプレイ入賞後であっても精算操作に応じて払出可能としたことにより、リプレイ入賞後における遊技者の利便性をさらに向上させることができる。
[店側払出率設定処理]
図11を参照しながら、メイン制御部41が実行する店側払出率設定処理について説明する。店側払出率設定処理は、店員が払出率の設定値を変更する際に実行される処理である。
メイン制御部41は、設定キースイッチ37がON状態にされたか否かを判定する(S110)。つまり、メイン制御部41は、スロットマシン1の電源がOFF状態からON状態に切り替わったときに、設定キースイッチ37がON状態になっているか否かを判定する。もしくは、メイン制御部41は、スロットマシン1の電源がON状態において設定キースイッチ37がON状態に切り替わったか否かを判定する。メイン制御部41は、設定キースイッチ37がOFF状態であると判定したときには(S110でN)、店側払出率設定処理を終了する。
一方、メイン制御部41は、設定キースイッチ37がON状態であると判定したときには(S110でY)、ドア開放検出スイッチ25がON状態であるか否かを判定する(S111)。つまり、メイン制御部41は、前面扉1bが筐体1aの開口された前面側を閉鎖しているか否かを判定する。メイン制御部41は、ドア開放検出スイッチ25がON状態である、つまり前面扉1bが閉鎖していると判定したときには(S111でY)、店側払出率設定処理を終了する。
一方、メイン制御部41は、ドア開放検出スイッチ25がOFF状態である、つまり前面扉1bが開放していると判定したときには(S111でN)、サブ制御部91に対して設定変更状態に移行することを特定可能な設定開始コマンドを送信する(S112)。その後、メイン制御部41は、設定変更状態に移行する(S113)。
設定変更状態において、メイン制御部41は、RAM41cから現在の設定値を読み出し、読み出した設定値を表示値に変換し(S114)、変換した表示値を設定値表示器24に表示する(S115)。その後、メイン制御部41は、店員によってリセット/設定スイッチ38が操作されたか否かを判定する(S116)。メイン制御部41は、所定期間内にリセット/設定スイッチ38が操作されたと判定したときには(S116でY)、表示値を1更新し(S117)、更新後の表示値を設定値表示器24に表示する(S115)。
一方、メイン制御部41は、所定期間内にリセット/設定スイッチ38が操作されなかったと判定したときには(S116でN)、スタートスイッチ7が操作されたか否かを判定する(S118)。メイン制御部41は、所定期間内にスタートスイッチ7が操作されなかったと判定したときには(S118でN)、S116の処理に戻る。
一方、メイン制御部41は、所定期間内にスタートスイッチ7が操作されたと判定したときには(S118でY)、設定値表示器24に表示された表示値を設定値に変換して、RAM41cに記憶する(S119)。
次に、メイン制御部41は、サブ制御部91に対して設定変更状態を終了することを特定可能な設定終了コマンドを送信する(S120)。その後、メイン制御部41は、定変更状態を終了し(S121)、店側払出率設定処理を終了する。
このように、店員のみが前面扉1bを開放することができるため、店員以外の者が操作できない設定キースイッチ37を店員が操作することによって、遊技に関する有利度に大きく影響する払出率の設定をすることができる。つまり、スロットマシン1の電源がON状態であり、かつ前面扉1bが開放され、かつ設定キースイッチ37が操作されたことを条件に、払出率の設定が可能である。
ここで、前面扉1bが閉鎖していても、たとえば、針金などの細い器具を筐体1aと前面扉1bの隙間から通すことによって設定キースイッチ37が操作されたり、筐体1aと前面扉1bの隙間を工具でこじ開けて特殊な機械を用いて設定キースイッチ37が操作されたことと同じ状況が作り出されたりする虞がある。
しかし、本実施の形態においては、これらのような不正行為によって設定キースイッチ37が操作されたとしても、前面扉1bが閉鎖しているときには払出率の設定が禁止されるため、払出率の設定が不正に行われてしまうことを防止することができる。
[店側演出設定処理]
図12を参照しながら、メイン制御部41が実行する店側演出設定処理について説明する。店側演出設定処理は、店員が遊技中の演出態様の基準となる設定を変更する際に実行される処理である。店側演出設定処理が実行されることによって、店員は、演出における音量の基準となる大きさ(第1音量段階)と、演出における光量の基準となる大きさ(第1光量段階)とを設定することができる。さらに、店側演出設定処理が実行されることによって、店員は、非節電状態となる通常モードまたは節電状態となる節電モードを設定することができる。
メイン制御部41は、店側設定スイッチ60のチャンネルが切り替えられたか否かを判定する(S130)。メイン制御部41は、店側設定スイッチ60のチャンネルが切り替えられたと判定したときには(S130でY)、ドア開放検出スイッチ25がON状態であるか否かを判定する(S131)。メイン制御部41は、ドア開放検出スイッチ25がON状態である、つまり前面扉1bが閉鎖していると判定したときには(S131でY)、店側演出設定処理を終了する。
一方、メイン制御部41は、ドア開放検出スイッチ25がOFF状態である、つまり前面扉1bが開放していると判定したときには(S131でN)、演出における音量および光量の基準となる大きさを、切り替え後のチャンネル設定に対応する第1音量段階および第1光量段階に設定する(S132)。なお、このとき設定された第1音量段階および第1光量段階は、即座に演出の音量および光量に反映されず、その後、遊技者によって遊技者側設定スイッチ70が操作されたときに設定画面が表示されたときに反映される。その後、メイン制御部41は、店側演出設定処理を終了する。
このように、店員のみが前面扉1bを開放することができるため、店員以外の者が操作できない店側設定スイッチ60を店員が操作することによって、遊技中の演出における音量および光量の基準となる大きさを設定することができる。つまり、スロットマシン1の電源がON状態であり、かつ前面扉1bが開放され、かつ店側設定スイッチ60が操作されたことを条件に、音量および光量の基準設定が可能である。
ここで、前面扉1bが閉鎖していても、たとえば、針金などの細い器具を筐体1aと前面扉1bの隙間から通すことによって店側設定スイッチ60が操作されたり、筐体1aと前面扉1bの隙間を工具でこじ開けて特殊な機械を用いて店側設定スイッチ60が操作されたことと同じ状況が作り出されたりする虞がある。
しかし、本実施の形態においては、これらのような不正行為によって店側設定スイッチ60が操作されたとしても、前面扉1bが閉鎖しているときには音量および光量の基準設定が禁止されるため、音量および光量の基準設定が不正に行われてしまうことを防止することができるとともに、店員が意図しない内容で音量および光量の基準設定が行われてしまうことを防止することができる。
メイン制御部41は、店側設定スイッチ60のチャンネルが切り替えられていないと判定したときには(S130でN)、全てのストップスイッチが同時に長押しされたか否かを判定する(S133)。メイン制御部41は、全てのストップスイッチが同時に長押しされなかったと判定したときには(S133でN)、店側演出設定処理を終了する。
一方、メイン制御部41は、全てのストップスイッチが同時に長押しされたと判定したときには(S133でY)、ドア開放検出スイッチ25がON状態であるか否かを判定する(S134)。メイン制御部41は、ドア開放検出スイッチ25がON状態である、つまり前面扉1bが閉鎖していると判定したときには(S134でY)、店側演出設定処理を終了する。
一方、メイン制御部41は、ドア開放検出スイッチ25がOFF状態である、つまり前面扉1bが開放していると判定したときには(S134でN)、サブ制御部91に対してモード選択状態に移行することを特定可能なモード選択開始コマンドを送信する(S135)。
モード選択状態において、メイン制御部41は、店員によって通常モードまたは節電モードが選択されたか否かを判定する(S136)。メイン制御部41は、所定期間内にいずれかのモードが選択されたと判定したときには(S136でY)、選択されたモードを設定する(S137)。その後、メイン制御部41は、サブ制御部91に対して選択されたモードを特定可能なモード特定コマンドを送信する(S138)。これにより、サブ制御部91は、選択されたモードに応じて各種の演出手段を制御する。たとえば、節電モードに設定されたときには、通常モード時に比べて、演出に用いるLEDの数を減らしたり、LEDの光量を下げたりといった制御を行う。
一方、メイン制御部41は、所定期間内にいずれのモードも選択されなかったと判定したとき(S136でN)、またはモード特定コマンドを送信した後には、終了操作されたか否かを判定する(S139)。この終了操作は、スタートスイッチ7を長押しすることによって行われる。メイン制御部41は、所定期間内に終了操作されなかったと判定したときには(S139でN)、S136の処理に戻る。
一方、メイン制御部41は、所定期間内にスタートスイッチ7が長押しされたと判定したときには(S139でY)、サブ制御部91に対してモード選択状態を終了することを特定可能なモード選択終了コマンドを送信し(S140)、店側演出設定処理を終了する。
このように、全てのストップスイッチを店員が同時に長押しすることによって、節電モードの設定をすることができる。つまり、スロットマシン1の電源がON状態であり、かつ前面扉1bが開放され、かつ全てのストップスイッチが同時に長押しされたことを条件に、節電モードの設定が可能である。
ここで、ストップスイッチは、前面扉1bの外側に配置されるため、たとえば、店員以外の遊技者であっても操作することが可能である。このため、遊技中に遊技者が不意に全てのストップスイッチを同時に長押ししてしまって、節電モードの設定がされてしまう虞がある。
しかし、本実施の形態においては、全てのストップスイッチが同時に長押しされたとしても、前面扉1bが閉鎖しているときには節電モードの設定が禁止されるため、店員が意図しないときに節電モードの設定が行われてしまうことを防止することができる。
[音量および光量の設定画面]
図13を参照しながら、音量および光量の設定画面について説明する。
図13に示すように、本実施の形態においては、遊技者が遊技者側設定スイッチ70を操作することによって、液晶表示器51の画面上に音量および光量を調整するための設定画面が表示される。
設定画面では、音量設定領域52aにおいて、遊技者が設定可能な音量の段階(第2音量段階)に対応する「2」〜「14」の数字(数字が大きい方が音量が大きい)が表示される。これを音量表示ともいう。さらに、「2」〜「14」の数字のうち、現在設定されている音量に対応する数字が強調表示(点滅表示、選択項目の色を変化させる表示など)される。遊技者は、所定の変更操作を行うことによって強調表示を移動させ、第2音量段階を変更することができる。たとえば、遊技者は、ストップスイッチ8Rを操作することによって強調表示を右に移動させて第2音量段階を上げることができる一方で、ストップスイッチ8Lを操作することによって強調表示を左に移動させて第2音量段階を下げることができる。
設定画面では、光量設定領域52bにおいて、遊技者が設定可能な光量の段階(第2光量段階)に対応する「50%」、「75%」、および「100%」の数字(数字が大きい方が光量が大きい)が表示される。これを光量表示ともいう。さらに、「50%」、「75%」、および「100%」の数字のうち、現在設定されている光量に対応する数字が強調表示(点滅表示、選択項目の色を変化させる表示など)される。遊技者は、所定の変更操作を行うことによって強調表示を移動させ、第2光量段階を変更することができる。たとえば、遊技者は、ストップスイッチ8Rを操作することによって強調表示を右に移動させて第2光量段階を上げることができる一方で、ストップスイッチ8Lを操作することによって強調表示を左に移動させて第2光量段階を下げることができる。
なお、第2音量段階と第2音量段階の切り替えは、ストップスイッチ8Cの操作によって可能である。
さらに、設定画面では、キャラクタ演出領域52cにおいて、遊技中に実際に用いられる演出画面の一部である、味方キャラクタと敵キャラクタのバトル演出の画面が表示される。本実施の形態においては、このバトル演出をサンプルに用いて、遊技者が音量および光量を設定することができる。具体的には、遊技者が第2音量段階を上げれば、味方キャラクタの音声(図14の例では、「参ったか!!」の音声)の音量が上がり、遊技者が第2音量段階を下げれば、味方キャラクタの音声の音量が下がる。また、遊技者が第2光量段階を上げれば、バトル演出の画面の光量が上がって明るくなり、遊技者が第2光量段階を下げれば、バトル演出の画面の光量が下がって暗くなる。
このように、遊技中の実際の演出を例にして演出中の音量および光量の設定を行うことができるため、遊技者が容易に設定を行いやすい。
[店側設定スイッチの状態と音量および光量との関係]
図14を参照しながら、店側設定スイッチ60の状態(すなわち設定されているチャンネル)と、音量および光量との関係を説明する。
店側設定スイッチ60のチャンネルは、「0」〜「F」の16段階に分かれている。つまり、店員が設定する音量および光量の段階(第1音量段階、第1光量段階に対応)は、16段階に分かれている。さらに、店側設定スイッチ60のチャンネルに対して、設定画面が表示されたときに最初に強調表示(初期表示ともいう)される数字が対応づけられている。
たとえば、店側設定スイッチ60のチャンネルが「0」に切り替えられた場合は、音量の初期表示が「2」になり、光量の初期表示が「30%」になる。店側設定スイッチ60のチャンネルが「9」に切り替えられた場合は、音量の初期表示が「14」になり、光量の初期表示が「100%」になる。遊技者は、初期表示の画面(強調表示された数字)を確認することによって、現在の音量および光量を認識することができる。
なお、店側設定スイッチ60のチャンネルが「A」〜「F」の範囲内で設定されたときには、第2音量段階および第2光量段階の設定が禁止されており、設定画面が表示されない。このため、店側設定スイッチ60のチャンネルが「A」〜「F」の範囲内で設定されたときには、初期表示は対応付けられていない。
店側設定スイッチ60のチャンネルに対しては、実際の音量範囲が対応付けられている。なお、図14における実際の音量範囲の欄における括弧内の数字は、遊技者が設定する第2音量段階に対応する音量表示である。つまり、図13の音量設定領域52aにおける数字に対応している。なお、実際の音量範囲の値は大きいほど、音量が大きくなる。
たとえば、店側設定スイッチ60のチャンネルが「0」〜「4」の範囲内で設定されたときには、実際の音量は「2」〜「14」の範囲内で設定され、さらに、そのときの音量表示は「2」〜「14」となる。店側設定スイッチ60のチャンネルが「5」〜「9」の範囲内で設定されたときには、実際の音量は「10」〜「22」の範囲内で設定され、さらに、そのときの音量表示は「2」〜「14」となる。よって、店側設定スイッチ60のチャンネルが「0」〜「4」の範囲内で設定されているときに、遊技者の操作によって第2音量段階が「2」、「3」、「4」・・・「14」と上がっていくと、それに従って実際の音量も「2」、「3」、「4」・・・「14」と上がっていく。また、店側設定スイッチ60のチャンネルが「5」〜「9」の範囲内で設定されているときに、遊技者の操作によって第2音量段階が「2」、「3」、「4」・・・「14」と上がっていくと、それに従って実際の音量も「10」、「11」、「12」・・・「22」と上がっていく。
店側設定スイッチ60のチャンネルが「A」〜「F」の範囲内で設定されたときには、実際の音量が固定値となる。たとえば、店側設定スイッチ60のチャンネルが「A」に設定されたときには、実際の音量は「2」に固定され、「B」に設定されたときには、実際の音量は「4」に固定され、「C」に設定されたときには、実際の音量は「7」に固定され、「D」に設定されたときには、実際の音量は「10」に固定され、「E」に設定されたときには、実際の音量は「15」に固定され、「F」に設定されたときには、実際の音量は「22」に固定される。
また、店側設定スイッチ60のチャンネルに対しては、実際の光量範囲が対応付けられている。なお、実際の光量範囲は、遊技者が設定する第2光量段階に対応する光量表示の範囲と一致する。つまり、図13の光量設定領域52bにおける数字に対応している。なお、実際の光量範囲の値は大きいほど、光量が大きくなる。
たとえば、店側設定スイッチ60のチャンネルが「0」〜「3」の範囲内で設定されたときには、実際の光量は「30%」、「65%」、および「100%」のいずれかに設定され、そのときの光量表示は「30%」、「65%」、「100%」となる。店側設定スイッチ60のチャンネルが「4」〜「9」の範囲内で設定されたときには、実際の光量は「50%」、「75%」、および「100%」のいずれかに設定され、そのときの光量表示は「50%」、「75%」、「100%」となる。よって、店側設定スイッチ60のチャンネルが「0」〜「3」の範囲内で設定されているときに、遊技者の操作によって第2光量段階が「30%」、「65%」、および「100%」のいずれかに設定されると、それに従って実際の光量も「30%」、「65%」、および「100%」のいずれかに設定される。また、店側設定スイッチ60のチャンネルが「4」〜「9」の範囲内で設定されているときに、遊技者の操作によって、第2光量段階が「50%」、「75%」、および「100%」のいずれかに設定されると、それに従って実際の光量も「50%」、「75%」、および「100%」のいずれかに設定される。
店側設定スイッチ60のチャンネルが「A」〜「F」の範囲内で設定されたときには、実際の光量が固定値となる。たとえば、店側設定スイッチ60のチャンネルが「A」または「B」に設定されたときには、実際の音量は「30%」に固定され、「C」または「D」に設定されたときには、実際の音量は「75%」に固定され、「E」または「F」に設定されたときには、実際の音量は「100%」に固定される。
[遊技者側演出設定処理]
図15を参照しながら、サブ制御部91が実行する遊技者側演出設定処理について説明する。遊技者側演出設定処理は、遊技者が遊技中の演出態様の設定を変更する際に実行される処理である。遊技者側演出設定処理が実行されることによって、遊技者は、演出における音量の大きさ(第2音量段階)と、演出における光量の大きさ(第2光量段階)とを設定することができる。
サブ制御部91は、遊技者側設定スイッチ70が操作されたか否かを判定する(S150)。サブ制御部91は、遊技者側設定スイッチ70が操作されなかったと判定したときには(S150でN)、遊技者側演出設定処理を終了する。
一方、サブ制御部91は、遊技者側設定スイッチ70が操作されたと判定したときには(S150でY)、ドア開放検出スイッチ25がON状態であるか否かを判定する(S151)。サブ制御部91は、ドア開放検出スイッチ25がOFF状態である、つまり前面扉1bが開放していると判定したときには(S151でN)、遊技者側演出設定処理を終了する。
一方、サブ制御部91は、ドア開放検出スイッチ25がON状態である、つまり前面扉1bが閉鎖していると判定したときには(S151でY)、店側設定スイッチ60のチャンネル設定が「A」〜「F」の範囲内であるか否かを判定する(S152)。サブ制御部91は、店側設定スイッチ60のチャンネル設定が「A」〜「F」の範囲内であると判定したときには(S152でY)、遊技者による第2音量段階および第2光量段階の設定を制限(禁止)するため、遊技者側演出設定処理を終了する。この場合、音量および光量は、遊技者側設定スイッチ70のチャンネル設定(つまり、第1音量段階および第1光量段階)に基づいて設定される。
一方、サブ制御部91は、店側設定スイッチ60のチャンネル設定が「A」〜「F」の範囲内ではないと判定したときには(S152でN)、図13に示した設定画面を液晶表示器51に表示するとともに、店側設定スイッチ60のチャンネル設定に応じて初期表示を行う(S153)。
たとえば、図13は、店側設定スイッチ60のチャンネル設定が「4」〜「9」の範囲内である場合の設定画面の一例が示されている。この場合、音量設定領域52aにおいては、「2」〜「14」の音量表示が行われるとともに、光量設定領域52bにおいては、「50%」、「75%」、および「100%」の光量表示が行われる。さらに、音量設定領域52aにおいては、「10」が強調表示される初期表示が行われるとともに、光量設定領域52bにおいては、「75%」が強調表示される初期表示が行われる。
なお、本実施の形態においては、前面扉1bが閉鎖しているときに遊技者側設定スイッチ70が操作されることによって設定画面が表示されるが、その後、前面扉1bが開放した後にも継続して設定画面が表示される。このため、再び前面扉1bが閉鎖した後には、開放前の設定画面が引き続き表示されることになる。つまり、一旦設定画面が表示されると、前面扉1bが開放しても設定画面が表示し続ける。
設定画面を表示した後、サブ制御部91は、遊技者のストップスイッチを用いた変更操作に基づき、音量または光量が変更されたか否かを判定する(S154)。サブ制御部91は、所定期間内に音量または光量が変更されなかったと判定したときには(S154でN)、S159の処理に移行する。
一方、サブ制御部91は、音量または光量が変更されたと判定したときには(S154でY)、店側設定スイッチ60のチャンネル設定が「A」〜「F」の範囲内であるか否かを判定する(S155)。サブ制御部91は、店側設定スイッチ60のチャンネル設定が「A」〜「F」の範囲内であると判定したときには(S155でY)、遊技者による第2音量段階および第2光量段階の設定を制限(禁止)するため、S159の処理に移行する。
一方、サブ制御部91は、店側設定スイッチ60のチャンネル設定が「A」〜「F」の範囲内ではないと判定したときには(S155でN)、変更された対象が音量であったか否かを判定する(S156)。サブ制御部91は、変更された対象が音量ではなく光量であったと判定したときには(S156でN)、演出における光量の大きさを、店側設定スイッチ60のチャンネル設定に基づく基準設定と遊技者が選択した光量設定とに応じた光量に設定する(S158)。なお、図13の光量設定領域52bにおいては、選択された光量に基づき強調表示が移動するとともに、キャラクタ演出領域52cにおいては、選択された光量に基づきバトル演出の画面の光量が変化する。その後、サブ制御部91は、S159の処理に移行する。
一方、サブ制御部91は、変更された対象が音量であったと判定したときには(S156でY)、音量変更操作処理を実行し(S157)、その後、S159の処理に移行する。
サブ制御部91は、S159の処理において、終了操作されたか否かを判定するS159)。この終了操作は、遊技者側設定スイッチ70を長押しすることによって行われる。
サブ制御部91は、所定期間内に終了操作されなかったと判定したときには(S159でN)、S154の処理に戻る。一方、サブ制御部91は、終了操作されたと判定したときには(S159でY)、設定画面の表示を終了し(S160)、遊技者側演出設定処理を終了する。遊技者側演出設定処理が終了したときには、第1音量段階および第2音量段階に基づき設定された音量と、第1光量段階および第2光量段階に基づき設定された光量とが、演出に反映される。
[音量変更操作処理]
図16を参照しながら、図15のS157でサブ制御部91が実行する音量変更操作処理について説明する。
サブ制御部91は、確認音出力中タイマのカウント中であるか否かを判定する(S170)。本実施の形態においては、遊技者の変更操作によって音量が変更されたときには、図13の音量設定領域52aにおいて、選択された音量に基づき強調表示が移動する。さらに、音量設定領域52aにおいて行われるバトル演出を利用して確認音が出力される。たとえば、図13の例に示すように、「参ったか!!」の音声が確認音として出力される。確認音が出力されることによって、遊技者が変更後の音量を確認することができる。確認音出力中タイマは、確認音の出力時間に合わせてカウントし、カウント値が所定値に達するとタイマアップとなり、カウントを停止する。
サブ制御部91は、確認音出力中タイマのカウント中でないと判定したときには(S170でN)、遊技者が第2音量段階で変更可能な最大の音量へ変更操作したか否かを判定する(S171)。サブ制御部91は、最大の音量へ変更操作されたと判定したときには(S171でY)、すでに最大の音量に変更済みであるか否かを判定する(S172)。
サブ制御部91は、未だ最大の音量に変更済みではないと判定したときには(S172でN)、演出における音量の大きさを、店側設定スイッチ60のチャンネル設定に基づく基準設定と遊技者が選択した音量設定とに応じた音量に設定する(S177)。その後、サブ制御部91は、S177の処理で設定した音量の確認音をスピーカ53、54から出力し(S178)、S179の処理に移行する。
一方、サブ制御部91は、すでに最大の音量に変更済みであると判定したときには(S172でY)、店側設定スイッチ60のチャンネル設定に基づく基準設定と現在選択されている最大の音量設定とに応じた音量の確認音、つまり店側設定スイッチ60のチャンネル設定に対応した最大音量の確認音をスピーカ53、54から出力し(S178)、S179の処理に移行する。
サブ制御部91は、S171の処理において、最大の音量へ変更操作されていないと判定したときには(S171でN)、遊技者が第2音量段階で変更可能な最小の音量へ変更操作したか否かを判定する(S171)。サブ制御部91は、最小の音量へ変更操作されたと判定したときには(S174でY)、すでに最小の音量に変更済みであるか否かを判定する(S175)。
サブ制御部91は、すでに最小の音量に変更済みであると判定したときには(S175でY)、店側設定スイッチ60のチャンネル設定に基づく基準設定と現在選択されている最小の音量設定とに応じた音量の確認音、つまり店側設定スイッチ60のチャンネル設定に対応した最小音量の確認音をスピーカ53、54から出力し(S176)、S179の処理に移行する。
一方、サブ制御部91は、最小の音量へ変更操作されていないと判定したとき(S174でN)、もしくは未だ最小の音量に変更済みではないと判定したときには(S175でN)、S177の処理に移行する。
サブ制御部91は、S179の処理において、確認音出力中タイマのカウントを開始し(S179)、音量変更操作処理を終了する。
一方、サブ制御部91は、S170の処理において、確認音出力中タイマのカウント中であると判定したときには(S170でY)、確認音出力中タイマのカウントを1減算する(S180)。その後、サブ制御部91は、確認音出力中タイマのカウント値が所定値に達することによってタイマアップしたか否かを判定する(S181)。サブ制御部91は、タイマアップしていないと判定したときには(S181でN)、音量変更操作処理を終了する。一方、サブ制御部91は、タイマアップしたと判定したときには(S181でY)、確認音の出力を終了し(S182)、音量変更操作処理を終了する。
このように、遊技者側設定スイッチ70を遊技者が操作することによって、遊技中の演出における音量および光量の大きさを設定することができる。つまり、スロットマシン1の電源がON状態であり、かつ前面扉1bが閉鎖され、かつ遊技者側設定スイッチ70が操作されたことを条件に、設定画面が表示されて音量および光量の設定が可能である。
ここで、前面扉1bが開放したときには、該前面扉1bの外側が隣接するスロットマシンまで近寄る場合がある。このような場合、遊技者以外の他人、たとえば隣に座る遊技者が遊技者側設定スイッチ70に触れて操作してしまう虞がある。また、前面扉1bを開放しながらのメダル詰まりの解消作業や、払出率の設定値の変更作業をしているときに、店員が気づかずに遊技者側設定スイッチ70に触れて操作してしまう虞もある。
しかし、本実施の形態においては、スロットマシン1で遊技する遊技者以外の者によって遊技者側設定スイッチ70が操作されたとしても、前面扉1bが開放しているときには音量および光量の設定が禁止されるため、遊技者が意図しない内容で音量および光量の設定が行われてしまうことを防止することができる。
さらに、前面扉1bが閉鎖されているときに設定画面が表示された状態で一旦前面扉1bが開放しても、設定画面を表示し続ける。このため、遊技者が設定中にメダル詰まりなどの解消作業によって一旦前面扉1bが開放しても、その後、再び前面扉1bが閉鎖されたときには継続してその続きから音量および光量の設定を行うことができる。よって、遊技者の利便性が向上して不満を感じさせることがない。
本実施の形態においては、音量および光量の初期表示、つまり設定画面が表示されたときに最初に強調表示される音量および光量が、店側設定スイッチ60のチャンネル設定の状態(第1音量段階、第1光量段階)に応じて異なる。たとえば、図14に示すように、店側設定スイッチ60のチャンネル設定が「1」から「3」に変更すれば、音量の初期表示も「3」から「6」に変更し、光量の初期表示も「30%」から「60%」に変更する。仮に、店側設定スイッチ60のチャンネル設定の状態にかかわらず、音量および光量の初期表示が一定であれば、遊技者は実際の音量および光量を誤認してしまう。たとえば、店側設定スイッチ60のチャンネル設定が「1」および「3」のいずれにおいても、音量の初期表示が常に「2」であれば、遊技者は実際の音量を誤認してしまう。
しかし、音量および光量の初期表示が、店側設定スイッチ60のチャンネル設定の状態(第1音量段階、第1光量段階)に応じて変化するため、遊技者は、店側設定スイッチ60のチャンネル設定の状態を把握しやすく、実際の音量を誤認してしまうことがない。これにより、遊技者は、好適に音量および光量の設定を行うことができる。
さらに、第1音量段階や第1光量段階が最高段階であるときと最低段階であるときとで、音量および光量の初期表示が異なるため、実際の音量や光量が誤認されにくく、遊技者は、好適に音量および光量の設定を行うことができる。
音量および光量の初期表示が、第1音量段階や第1光量段階が最高段階以外であるときには、最高段階以外の第2音量段階(「2」〜「13」)や第2光量段階(「30%」、「65%」、「50%」、「75%」)となり、かつ、第1音量段階や第1光量段階が最高段階であるときには最高段階である第2音量段階(「14」)や第2光量段階(「100%」)となる。このため、実際の音量や光量が誤認されにくく、遊技者は、好適に音量や光量を調整できる。さらに、音量や光量が遊技店側の設定よりも大きくなることがない。このため、遊技店側は、第1音量段階や第1光量段階を最高にしておくことで、意図しない大きな音の出力や明るい光での点灯などを防止することができる。
店側設定スイッチ60のチャンネル設定が変更された場合、第1音量段階や第1光量段階は、設定画面の表示時に初めて設定(変更)され、実際の音量や光量が反映される。つまり、店員が店側設定スイッチ60のチャンネル設定を変更しても、そのときには音量や光量に反映されず、その後、遊技者が遊技者側設定スイッチ70を操作して設定画面が表示されて、該設定画面の表示が終了したときに初めて音量や光量に反映される。たとえば、通常、遊技者は、第1音量段階や第1光量段階を設定することができないため、第1音量段階や第1光量段階が変更されても遊技者にとっては変更前の音量や光量を望むことがあるが、このような場合であっても、設定画面の表示によって遊技者は音量や光量の変更を認識することができる。このため、遊技者の意図しないタイミングで音量や光量が変更されることを防止することができる。
第2音量段階の設定時においては、バトル演出の音声を用いた確認音が出力されるため、実際の演出音を聞きながらでも音量の設定を確認でき、遊技者は、容易に音量を設定することができる。さらに、第2光量段階の設定時においては、バトル演出の画面の光量が変更するため、実際の演出画面を見ながらでも光量の設定を確認でき、遊技者は、容易に光量を設定することができる。
店側設定スイッチ60のチャンネルとして、遊技者による音量や光量の調整を制限する「A」〜「F」が用意されているため、遊技者側の音量設定や光量設定を制限でき、遊技店が意図しない音量および光量での設定を防止することができる。
音量変更操作処理では、始めに確認音出力中タイマがカウント中であるか否かを判定することにより、確認音の出力中では、音量の変更操作を無効にすることができる。このため、遊技者が短期間に連続して変更操作したとしても、遊技者が意図しない音量調整が行われることを防止することができる。
さらに、現在が最小の音量であるにもかかわらず、遊技者が音量をさらに下げようとした場合には、最小の音量の確認音が出力される。また、現在が最大の音量であるにもかかわらず、遊技者が音量をさらに上げようとした場合には、最大の音量の確認音が出力される。このため、遊技者に音量が設定できる範囲を超えて操作をしていることを認識させることができ、注意を促すことができる。
[変形例]
以上、本発明における主な実施の形態を説明してきたが、本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態の変形例について説明する。
[店側の設定について]
本実施の形態においては、店員は、遊技に関する設定として、払出率の設定、演出の音量設定、演出の光量設定、および節電モードの設定をすることができた。しかし、店員は、メイン側(メイン制御部41など遊技制御基板40に含まれる構成、および遊技制御基板40に接続される構成など)の設定、およびサブ側(サブ制御部91など演出制御基板90に含まれる構成、および演出制御基板90に接続される構成など)の設定に限らず、その他の設定ができるものであってもよい。
たとえば、店員は、メイン側の設定として、スタートスイッチ7やストップスイッチ8L、8C、8Rなどの各種操作手段を操作するときの圧力(押圧)や固さを設定できるものであってもよいし、投入要求LED17やスタート有効LEDなどの各種点灯手段の点灯および消灯制御とその点灯具合を設定できるものであってもよい。
たとえば、店員は、サブ側の設定として、演出用スイッチ56などの各種操作手段を操作するときの圧力や固さを設定できるものであってもよい。時刻を計時するRTC( )を備えたスロットマシンであれば、店員は、サブ側の設定として、RTCにおける時刻を設定できるものであってもよい。複数種類の演出モード(たとえば、キャラクタAが主役の演出モードとキャラクタBが主役の演出モードなど)に制御可能なスロットマシンであれば、店員は、サブ側の設定として、演出モードを設定できるものであってもよい。店員は、サブ側の設定として、メダル詰まり時や不正行為時、もしくは推奨手順でストップスイッチが操作されなかったときに実行されるエラー報知の態様や実行頻度を設定できるものであってもよい。さらに、店員は、サブ側の設定として、遊技履歴(たとえば、ゲーム回数、ボーナス入賞回数、払出枚数など)の削除や表示有無などを設定できるものであってもよい。
さらに、上述したようなメイン側の設定とサブ側の設定とを切り替える手段を備えるものであってもよい。たとえば、図17は、変形例における店側の設定画面を示す図である。図17を参照しながら、メイン側の設定とサブ側の設定との切り替えについて説明する。
スロットマシン1の電源がON状態であり、かつ前面扉1bが開放され、かつ店側の設定画面を表示するための呼出操作が店員によってされたときには、図17(a)に示す設定画面であるホールメニュー画面が表示される。ホールメニュー画面では、メイン側の設定を行うためのモードと、サブ側の設定を行うためのモードとのうちのいずれかを選択することができる。
メイン側設定モードが選択されたときには、図17(b)に示すように、メイン側の設定の一例である、払出率の設定と、スイッチの押圧設定とのうちのいずれか選択可能な画面が表示される。払出率設定が選択されたときには、図17(c)に示すように、1〜6のうちのいずれかの設定値を選択可能な画面が表示される。
一方、サブ側設定モードが選択されたときには、図17(d)に示すように、サブ側の設定の一例である、音量の設定と、光量の設定と、節電モードの設定とのうちのいずれか選択可能な画面が表示される。音量設定が選択されたときには、図17(e)に示すように、0〜Fのうちのいずれかの段階を選択可能な画面が表示される。
このように、店員は、メイン側の設定とサブ側の設定とを選択的に切り替えることができるため、容易に遊技に関する設定を行うことができる。また、1つの操作(たとえば、呼出操作)に基づいて液晶表示器51の画面上にメイン側の設定とサブ側の設定とを切り替えるための設定画面(たとえば、ホールメニュー画面)が表示されるため、より分かりやすく、かつ容易に遊技に関する設定を行うことができる。
[遊技者側の設定について]
本実施の形態においては、遊技者は、遊技に関する設定として、演出の音量設定および演出の光量設定をすることができた。しかし、遊技者は、メイン側(メイン制御部41など遊技制御基板40に含まれる構成、および遊技制御基板40に接続される構成など)の設定、およびサブ側(サブ制御部91など演出制御基板90に含まれる構成、および演出制御基板90に接続される構成など)の設定に限らず、その他の設定ができるものであってもよい。
たとえば、遊技者は、メイン側の設定として、スタートスイッチ7やストップスイッチ8L、8C、8Rなどの各種操作手段を操作するときの圧力(押圧)や固さを設定できるものであってもよいし、投入要求LED17やスタート有効LEDなどの各種点灯手段の点灯および消灯制御とその点灯具合を設定できるものであってもよい。
たとえば、遊技者は、サブ側の設定として、演出用スイッチ56などの各種操作手段を操作するときの圧力や固さを設定できるものであってもよい。遊技者は、サブ側の設定として、演出モードを設定できるものであってもよいし、設定した演出モードに登場するキャラクタや音楽などを設定できるものであってもよい。遊技者は、サブ側の設定として、節電モードに設定できるものであってもよい。遊技者は、サブ側の設定として、遊技履歴(たとえば、ゲーム回数、ボーナス入賞回数、払出枚数など)の削除や表示有無などを設定できるものであってもよい。遊技者は、サブ側の設定として、携帯端末などでインターネットを介して外部サーバに通信することによって遊技履歴の管理などを行うためのパスワードの表示や、該パスワードの入力ができるものであってもよい。
[店側の設定操作について]
本実施の形態においては、店員が払出率の設定をするためには、筐体1a内部の電源ボックス100の前面に設けられた設定キースイッチ37を操作することが条件であった。また、音量や光量の基準設定をするためには、前面扉1bの内側に設けられた店側設定スイッチ60を操作することが条件であった。このため、前面扉1bを開放することができる店員のみが設定キースイッチ37を操作して払出率の設定をすることができ、同様に、前面扉1bを開放することができる店員のみが店側設定スイッチ60を操作して音量や光量の基準設定をすることができた。
しかし、設定時に店員が操作する操作手段は、筐体1aの内部や前面扉1bの内側のいずれの箇所に設けられていてもよいし、筐体1aの外部や前面扉1bの外側に設けられていてもよい。たとえば、前面扉1bの外側に店員のみが解除することができる鍵がかけられた操作手段が設けられていてもよい。
本実施の形態においては、仮に、操作手段が筐体1aの外部や前面扉1bの外側に設けられており、店員以外の者が操作手段を操作できたとしても、前面扉1bを開放しない限りは払出率の設定や量および光量の基準設定をすることができない。このため、遊技に関する設定が不正に行われてしまうことを防止することができる。なお、店員のみが前面扉1bを開放できる点からすると、店員のみが操作可能な操作手段は、筐体1aの内部や前面扉1bの内側に設けられていることが好ましい。
さらに、設定時に店員のみが操作可能な操作手段は、節電モードの設定と同様に、遊技中などで遊技者が操作する操作手段を利用したものであってもよい。たとえば、ストップスイッチ8L、8C、8Rを店員のみが知っている特殊な順番で操作することによって、遊技に関する設定をすることができるものであってもよい。
なお、節電モードを設定するための操作手段も、筐体1aの内部や前面扉1bの内側のいずれの箇所に設けられていてもよい。
払出率の設定をするための操作手段と、音量および光量の基準設定をするための操作手段と、節電モードを設定するための操作手段とは、本実施の形態のように異なる手段であってもよいし、これら全て、もしくは一部が共通する手段であってもよい。
[遊技者側の設定操作について]
本実施の形態においては、遊技者が音量および光量の設定をするためには、前面扉1bの外側に設けられた遊技者側設定スイッチ70を操作することが条件であった。
しかし、設定時に遊技者が操作可能な操作手段は、前面扉1bの外側に限らず、筐体1aの側面や上面など、操作することが困難な筐体1aの外部に設けられていてもよい。このようにすれば、前面扉1bが開放したときでも、隣に座る遊技者や店員が操作手段に触れて操作してしまう虞がない。
遊技者が操作可能な操作手段は、筐体1aの内部や前面扉1bの内側に設けられていてもよい。この場合、前面扉1bに穴が形成されているなど、操作手段が外部に露出することによって、遊技者が操作可能になっていればよい。
さらに、遊技者が操作可能な操作手段は、遊技中などで遊技者が操作する操作手段を利用したものであってもよい。たとえば、ストップスイッチ8L、8C、8Rを特殊な順番で操作することによって、音量および光量の設定をすることができるものであってもよい。
遊技者が操作可能な操作手段は、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(たとえば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)にトリガボタンが設けられたスティックコントローラであってもよい。遊技者は、操作桿を倒すことによって画面上に表示されたアイコンを移動させて項目を選択することができ、トリガボタンを押圧することによって、選択した項目を決定することができるものであってもよい。もしくは、遊技者が操作可能な操作手段は、ジョグダイヤルや十字キーなどであってもよい。
[店側の設定を禁止する手段について]
本実施の形態においては、操作手段が操作されたとしても、前面扉1bが閉鎖しているときには遊技に関する設定が禁止されるものであった。たとえば、設定キースイッチ37が操作されたとしても、前面扉1bが閉鎖しているときには払出率の設定が禁止されるものであった。店側設定スイッチ60が操作されたとしても、前面扉1bが閉鎖しているときには音量および光量の基準設定が禁止されるものであった。全てのストップスイッチが長押しされたとしても、前面扉1bが閉鎖しているときには遊技に関する設定が禁止されるものであった。
しかし、このような方法に限らず、その他の方法で遊技に関する設定を禁止するものであってもよい。たとえば、前面扉1bが閉鎖しているときには、操作手段の操作自体ができないものであってもよい。たとえば、前面扉1bが閉鎖しているときには、操作手段の操作ができたとしても、該操作による入力信号がメイン制御部41やサブ制御部91に有効に受け付けられないものであってもよい。たとえば、前面扉1bが閉鎖しているときには、操作手段の操作に基づく入力信号がメイン制御部41やサブ制御部91に有効に受け付けられたとしても、該入力信号に基づく処理が実行されないものであってもよい。
さらに、図17に示すような液晶表示器51の画面上に設定画面が表示されることで、遊技に関する設定が可能なものであれば、前面扉1bが閉鎖しているときには、設定画面が表示されないものであってもよい。もしくは、前面扉1bが閉鎖しているときには、設定画面が表示されても、遊技に関する設定ができないものであってもよい。
[遊技者側の設定を禁止する手段について]
本実施の形態においては、操作手段が操作されたとしても、前面扉1bが開放しているときには遊技に関する設定が禁止されるものであった。たとえば、遊技者側設定スイッチ70が操作されたとしても、前面扉1bが開放しているときには音量および光量の設定が禁止されるものであった。
しかし、このような方法に限らず、その他の方法で遊技に関する設定を禁止するものであってもよい。たとえば、前面扉1bが開放しているときには、操作手段の操作自体ができないものであってもよい。たとえば、前面扉1bが開放しているときには、操作手段の操作ができたとしても、該操作による入力信号がメイン制御部41やサブ制御部91に有効に受け付けられないものであってもよい。たとえば、前面扉1bが開放しているときには、操作手段の操作に基づく入力信号がメイン制御部41やサブ制御部91に有効に受け付けられたとしても、該入力信号に基づく処理が実行されないものであってもよい。
さらに、図17に示すような液晶表示器51の画面上に設定画面が表示されることで、遊技に関する設定が可能なものであれば、前面扉1bが開放しているときには、設定画面が表示されないものであってもよい。もしくは、前面扉1bが開放しているときには、設定画面が表示されても、遊技に関する設定ができないものであってもよい。
[音量および光量の設定について]
本実施の形態においては、店員が店側設定スイッチ60を操作することによって、音量および光量の基準設定(第1音量段階、第1光量段階の設定)をすることができた。また、遊技者が遊技者側設定スイッチ70を操作することによって、音量および光量の設定(第2音量段階、第2光量段階の設定)をすることができた。さらに、音量の設定に関しては、現在が音量の最大または最小であるにもかかわらず、遊技者がさらに音量の限界値を超えて設定しようとした場合には、限界値の音量(最大の音量、最小の音量)の確認音が出力されるものであった。しかし、このような音量および光量の設定においては、本実施の形態の例に限らず、その他の例であってもよい。
たとえば、店員による第1音量段階の設定および遊技者による第2音量段階の設定のうち、いずれかの設定ができないものであってもよい。店員による第1光量段階の設定および遊技者による第2光量段階の設定のうち、いずれかの設定ができないものであってもよい。
音量の設定がされたときに確認音が出力されるものに限らず、演出効果LED52などの点灯手段が確認点灯してもよい。確認音と確認点灯が同時に行われてもよい。現在が音量の最大または最小であるにもかかわらず、遊技者がさらに音量の限界値を超えて設定しようとした場合にのみ、確認音に代わって確認点灯が行われてもよい。現在が音量の最大または最小であるにもかかわらず、遊技者がさらに音量の限界値を超えて設定しようとした場合にのみ、確認音に加えて確認点灯が行われてもよい。現在が音量の最大または最小であるにもかかわらず、遊技者がさらに音量の限界値を超えて設定しようとした場合にのみ、確認音の音色が変わってもよい。現在が音量の最大または最小であるにもかかわらず、遊技者がさらに音量の限界値を超えて設定しようとした場合にのみ、確認点灯が点滅に変わってもよい。現在が音量の最大または最小であるにもかかわらず、遊技者がさらに音量の限界値を超えて設定しようとした場合に、確認音が出力されないものであってもよい。
一の操作が行われてから他の操作が行われるまでの操作間隔が、一の操作に対応する確認音を出力する時間よりも短いときに、他の操作による音量に変更し、他の操作により設定された音量に応じた音量の確認音を出力しないようにしてもよい。さらに、確認音を出力しないことが複数回あるときに、一の操作に対応する確認音を出力した後に、最新の操作により設定された音量に応じた音量の確認音を出力してもよい。
音量の設定に限らず、光量の設定に対しても、本実施の形態や変形例のように、現在が光量の最大または最小であるにもかかわらず、遊技者がさらに光量の限界値を超えて設定しようとした場合に、特殊な制御(たとえば、確認点灯の光量が最大や最小になるなどの制御)が行われるものであってもよい。
第2音量段階および第2光量段階を示す表示は、図13に示す例に限らない。たとえば、図18に示すように、第2音量段階に応じた数の四角形で第2音量段階をバー表示するものであってもよい。この場合、デモ中の最初に音量調整ボタンなどの操作手段が操作されると、まず、初期表示としてバーが表示され、その後の音量調整ボタンの操作(図18では、音量つまり第2音量段階を下げる操作)に応じて四角形の数を増減させる(図18では1つ減らす)ようにしてもよい。
たとえば、図19に示すように、第2音量段階に応じた数の四角形で第2音量段階をバー表示し、デモ中の最初に音量調整ボタンなどの操作手段が操作されると、音量調整ボタンの操作(図19では、音量つまり第2音量段階を下げる操作)に応じて四角形の数を増減させたバーを最初に表示するようにしてもよい。この場合、増減させる前の仮想的なバーを初期表示とすればよい。このように、初期表示は、第1操作が行われた後かつ第2操作が行われる前に第1音量段階に応じた音量段階を示すものであってもよく、実際に表示されていないものであってもよい。
たとえば、第2音量段階は、第1音量段階が一段階変化するごとに一段階ずつ変化するものに限らず、第1音量段階が複数段階変化したときに一段階変化するものなどであってもよい。つまり、第1音量段階と第2音量段階とは、一対一で変化するものでなくてもよい。
本実施の形態においては、遊技者による音量や光量の調整を制限する「A」〜「F」が用意されているため、遊技者側の音量設定や光量設定を制限できるが、遊技者側の音量設定のみを制限するもの、もしくは遊技者側の光量設定のみを制限するものであってもよい。
ストップスイッチによる変更操作によって強調表示する音量や光量が変化して、終了操作されたときに設定内容が演出に反映されたが、これに限らない。たとえば、変更操作によって強調表示する音量や光量が変化するごとに設定内容が演出に反映されてもよい。第1音量段階および第1光量段階は、設定画面が表示されたときに反映されるものに限らず、設定画面の表示開始時では反映されず、遊技者による変更操作があったときに、第1音量段階および第1光量段階の設定を行ってもよい。もしくは、第1音量段階および第1光量段階は、設定画面の表示前に設定しておき(たとえば、店側設定スイッチ60のチャンネル設定時)、遊技者による変更操作時に、第1音量段階や第1光量段階に基づく音量の変更や光量の変更の設定が行われてもよい。
図16の音量変更操作処理では、始めに確認音出力中タイマがカウント中であるか否かを判定することにより、確認音の出力中では、音量の変更操作を無効にしているが、これに限らない。たとえば、確認音が出力中に行われた音量の変更操作を有効にするとともに、新たに音量が設定されたときに、その確認音の出力は、先の確認音が終了した後に出力されるようになっていてもよい。これにより、遊技者が短期間に連続して変更操作したときに、確認音が連続して出力されてしまい、遊技者が確認音の認識に誤認を生じる虞がなくなり、現在設定された音量がいずれの音量であるかを把握しやすくできる。さらに、先の確認音が出力中に新たに音量が設定されたときに、この新たな設定に基づく確認音は出力しないようにしてもよい。
[設定画面の表示について]
本実施の形態においては、前面扉1bが閉鎖しているときに設定画面が表示された状態で前面扉1bが開放したときには、継続して設定画面が表示されるものであったが、これに限らない。たとえば、前面扉1bが閉鎖しているときに設定画面が表示された状態で前面扉1bが開放したときには一旦設定画面の表示を止め、その後、再び前面扉1bが開放した後に開放前の設定画面を再表示するものであってもよい。このようにしても、設定中に一旦前面扉1bが開放しても、開放前の続きから設定を行うことができ、遊技者の利便性が向上して不満を感じさせることがない。
設定画面を表示可能な期間が定められてもよい。たとえば、前面扉1bが閉鎖しているか否かにかかわらず、設定画面が表示されてから10分経過したときには当該設定画面の表示を止めるものであってもよい。さらに、前面扉1bが開放しているときに限り、設定画面を表示可能な期間が定められてもよい。たとえば、前面扉1bの閉鎖中に10分経過しても設定画面は表示し続けるが、前面扉1bの開放中に10分経過すると設定画面は表示されなくなるものであってもよい。
設定画面を表示可能な期間が過ぎて、設定画面が表示されなった後には、デモ画面などの設定画面以外の所定の画面に切り替わるものであってよい。
設定画面の表示は、遊技者の終了操作に基づき終了するものであってもよいし、時間の経過で終了するものであってもよい。さらに、設定画面の表示は、遊技者の終了操作および時間の経過のいずれによっても終了するものであってもよい。
[リプレイ入賞後における投入・精算の許容タイミングについて]
リプレイ入賞後において投入(クレジット)が許容されるタイミングをリプレイ入賞による自動BETが開始されるときにした場合であっても、リプレイ入賞後において精算が許容されるタイミングについてはリプレイ入賞による自動BETの完了時となるようにしてもよい。
本実施の形態においては、図10(c)および(d)で示したように、リプレイ入賞後において投入(クレジット)・精算が許容されるタイミングが、リプレイ入賞による自動BETの開始時あるいは完了時である例について説明したが、これに限らず、リプレイ入賞による自動BETの開始後あるいは完了後において所定条件が成立したタイミングであってもよい。所定条件は、所定時間経過することにより成立するものや、所定の処理が終了することにより成立するものであってもよい。リプレイ入賞による自動BETの完了後において所定条件が所定時間経過することにより成立する例として、たとえば、図7のS14で設定されたBETコマンド(BET音あり)がサブ制御部91に出力されて当該コマンドに基づいて3回目のBET音の出力が完了するまでに要する平均的な時間を時間Aとした場合に、所定条件がS17でYと判定されてから時間Aが経過したときに成立するものであってもよく、図7のS15で設定されたBETコマンド(BET音なし)がサブ制御部91に出力されて受信されるまでに要する平均的な時間を時間Bとした場合に、所定条件がS17でYと判定されてから時間Bが経過したときに成立するものであってもよい。S17においてYと判定された後、所定条件が成立したときに、S20に移行可能となるようにしてもよい。
本実施の形態においては、再遊技役の種類として、第1のリプレイ、第2のリプレイ、および第3のリプレイが設けられている例について説明したが、これに限らず、再遊技役の種類としては、いずれかの再遊技役のみが設けられているものであってもよい。
本実施の形態においては、再遊技役の種類にかかわらず、リプレイ入賞後における投入が許容される例について説明したが、これに限らず、再遊技役の種類に応じてリプレイ入賞後における投入が許容されるように構成してもよい。たとえば、第1のリプレイ入賞後においては投入が許容されないのに対し、第2または第3のリプレイ入賞後においてのみ投入が許容されるようにしてもよい。つまり、再遊技表示結果が導出されたことに気付き難いときにのみ投入が許容されるようにして、遊技者に煩わしさを抱かせることなく利便性を向上させるようにしてもよい。
本実施の形態においては、再遊技役の種類にかかわらず、リプレイ入賞後における精算が許容される例について説明したが、これに限らず、再遊技役の種類に応じてリプレイ入賞後における精算が許容されるように構成してもよい。たとえば、第1のリプレイ入賞後においては精算が許容されないのに対し、第2または第3のリプレイ入賞後においてのみ精算が許容されるようにしてもよい。つまり、再遊技表示結果が導出されたことに気付き難いときにのみ精算が許容されるようにして、遊技者に煩わしさを抱かせることなく利便性を向上させるようにしてもよい。
[リプレイの図柄組合せについて]
本実施の形態においては、第1のリプレイの図柄組合せが、同一の図柄(「リプレイ」)のみから構成される例について説明したが、これに限らず、一の図柄と、当該一の図柄と外形が類似する図柄とから構成されるように構成してもよい。外形が類似の図柄とは、外形が共通しているために、需要者である遊技者の視覚を通じて起こさせる美感(印象)が共通する図柄をいい、その結果、観念的に同じ図柄であると認識できる(異なる図柄であると認識し難い)図柄をいう。たとえば、一の図柄が「REPLAY」という文字が楕円で囲まれた形状の図柄である場合に、「REPLAY」という文字に下線が引かれておりそれらが楕円で囲まれた形状の図柄が一の図柄と形状が類似の図柄であるといえる。
本実施の形態においては、第3のリプレイの図柄組合せが、第1のリプレイの図柄と同一の図柄(「リプレイ」)と、当該図柄とは外形が同一でも類似でもない異なる図柄(「黒7」)とから構成される例について説明したが、これに限らず、第1のリプレイの図柄と類似の図柄を含むものであってもよく、第1のリプレイの図柄と同一でも類似でもない異なる図柄のみから構成されるものであってもよい。この場合における、異なる図柄は、リプレイ以外の入賞の図柄組合せのいずれにも含まれていない図柄(たとえば、スターマークが付された図柄)であってもよく、リプレイ以外の入賞の図柄組合せに含まれている図柄(たとえば、「黒7」)であってもよい。
本実施の形態においては、スイカの図柄組合せとして2種類示したが、このうち一方の「スイカ−スイカ−BAR」のみをスイカの図柄組合せとし、他方の「スイカ−スイカ−スイカ」を第3のリプレイの図柄組合せとしてもよい。これにより、第3のリプレイの図柄組合せは、第1のリプレイの図柄と同一でも類似でもない異なる図柄のみから構成され、当該異なる図柄がリプレイ以外のスイカ入賞の図柄組合せに含まれている図柄となる。その結果、第3のリプレイが入賞したときに、スイカが入賞したかのような印象を遊技者に抱かせるとともに、次のゲームを開始するためには賭数を設定する必要があるといった印象を遊技者に抱かせることができる。
リプレイに関する図柄組合せ(たとえば、「リプレイ−リプレイ−リプレイ」、「黒7−リプレイ−リプレイ」、「スイカ−スイカ−スイカ」など)は、いずれも、入賞ライン上に停止されることによりリプレイ入賞となる例について説明したが、これに限らず、たとえば、リプレイ入賞を発生させる図柄組合せとして上記図柄組合せとは異なる所定図柄組合せが定められており、当該所定図柄組合せが入賞ライン上に停止されたときに、入賞ラインとは異なる無効ライン上に上記図柄組合せが停止されるように構成されているものであってもよい。具体的には、入賞ラインL1〜L5のうち、入賞ラインをL1のみとし、入賞ラインL2〜L5は、入賞を発生させる所定図柄組合せが停止されたとしてもその入賞を発生させることのない無効ラインとして定め、リプレイを発生させる所定図柄組合せが入賞ラインL1上に停止されたときに、無効ラインL2〜L5のいずれかに上記図柄組合せが停止されるように構成してもよい。この場合でも、リプレイ入賞は所定図柄組合せが入賞ライン上に停止されることにより発生しているのであるが、無効ライン上に上記図柄組合せが停止されることにより発生しているように見せることができる。
さらに、このように構成する場合には、スイカの図柄組合せとして示した2種類はそのままスイカ入賞を発生させる図柄組合せとし、第3のリプレイの図柄組合せを、スイカの図柄組合せのうち「スイカ−スイカ−スイカ」が無効ライン上に停止するときに入賞ライン上に停止する図柄組合せとしてもよい。これにより、「スイカ−スイカ−スイカ」が直線上に停止されたときにスイカ入賞したと思わせることができるとともに、次のゲームを開始するためには賭数を設定する必要があるといった印象を遊技者に抱かせることができる。
[リプレイ入賞後のフリーズについて]
リプレイ入賞後にゲームの進行を所定の解除条件が成立するまで遅延させる制御(いわゆるフリーズ)を行うようにしてもよい。たとえば、図7のS18においてNOと判定されて、クレジット可能である場合に、所定の解除条件が成立するまでS20に移行させないようにしてもよい。所定の解除条件は、所定期間が経過することにより成立するものであってもよく、所定の操作が検出されたことにより成立するものであってもよい。
メダル投入部4から投入されたメダルの流路には、流路切替ソレノイド30が設けられているが、この流路切替ソレノイド30よりメダル投入部4側(上流側)にメダルを検知するフリーズ解除用センサAを設け、フリーズ中においてフリーズ解除用センサAによりメダルが検出されたときに所定の解除条件を成立させるようにしてもよい。ゲーム開始されるときには図8のS48で示したように流路切替ソレノイドがOFFとなるため、ゲーム終了後のS20における処理が行われるまでは、リプレイ入賞時を含むゲーム終了時にもその状態が維持されており、仮にメダルが投入されてもメダル払出口9から排出される。
しかし、リプレイ入賞後において発生させるフリーズ中においてメダルを投入した場合には、そのメダルがフリーズ解除用センサAにより検出されることによりフリーズが解除され、S20の処理が行われて、S22により流路切替ソレノイドがONとなり、当該メダルが流路切替ソレノイドよりも下流側に配置されている投入メダルセンサ31により検出されて、メダル払出口9から排出されることなくS40によりクレジット加算される。これにより、リプレイ入賞後においても(クレジットカウンタが50に達していないときには)、小役入賞時やはずれ時と同様に、メダルを投入しなければ、次のゲームを開始させることができないようにすることができる。このように構成する場合で、さらに、[リプレイの図柄組合せについて]欄で示したようにスイカ入賞と思わせる「スイカ−スイカ−スイカ」が入賞ラインあるいは無効ラインに停止されたときに第3のリプレイ入賞が発生するように構成した場合には、ゲーム終了時の図柄組合せからもスイカ入賞したと遊技者に思わせることができ、次のゲームを開始するためには賭数を設定する必要があるといった印象を遊技者に抱かせることができる。投入されたメダルによりフリーズが解除されるが、当該フリーズを解除させる契機となったメダルはメダル払出口9から排出されることなくクレジット加算されるため、遊技者に煩わしさを感じさせることなく利便性を向上させることができる。
[リプレイ入賞後における投入・精算の許容タイミングについて]欄で説明したように、リプレイ入賞後において投入(クレジット)・精算が許容されるタイミングをリプレイ入賞による自動BETが開始される(あるいは開始された)ときとする場合であっても、上記の例と同様にゲームの進行を所定の解除条件が成立するまで遅延させる制御(いわゆるフリーズ)を行うようにしてもよい。第1の例においては、たとえば、賭数設定が開始するタイミング(クレジットカウンタの値が50でないと判定された後)で、第2の例においては、たとえば、割込処理の割込みを許可するタイミングで、各々、フリーズを発生させるようにしてもよく、これにより上記した例と同様の効果を奏する。
なお、リプレイ入賞後においてフリーズを発生させる場合には、当該フリーズが解除された後に、リプレイ入賞による1BETLED14、2BETLED15、3BETLED16を順番に点灯させる処理や、リプレイ中LED20、および、スタート有効LED18(ウェイト中はウェイト中LED19)を点灯させる処理を行う。上記の例では、フリーズの解除条件が、フリーズ解除用センサAによりメダルが検出されることにより成立する例について説明したが、これに限らず、これに加えて、1枚BETスイッチ5やMAXBETスイッチ6への操作によっても成立するように構成してもよい。
[精算処理について]
本実施の形態においては、精算処理に関して、メダル投入あるいは1枚BETスイッチ5かMAXBETスイッチ6が操作されることにより賭数が設定されている状態において、精算スイッチ10が操作されると、図8のS56でNOと判定されてS57において賭数精算処理を行い、その後、再び精算スイッチ10が操作されると、S56でYと判定されてS59においてクレジット精算処理を行う例、つまり最初の精算操作で賭数精算を行い、次の精算操作でクレジット精算を行う例について説明した。しかし、精算処理は、このようなパターンで行うものに限らず、以下のようなパターンで行うものであってもよい。
パターンa:最初の精算操作でクレジット精算を行い、次の精算操作で賭数精算を行うものであってもよい。たとえば、S56においてクレジットカウンタの値が0であるか否かを判定し、クレジットカウンタの値が0でないと判定されたときにS59に進んでクレジット精算を行い、クレジットカウンタの値が0であると判定されたときにS57に進んで賭数精算を行うようにしてもよい。
パターンb:最初の精算操作で賭数分をクレジット加算することにより賭数精算を行い、次の精算操作でクレジット精算を行うものであってもよい。たとえば、設定されている賭数が3でクレジットが40である場合、最初の精算操作で賭数分の3をクレジット加算してクレジットを43とすることにより賭数精算を行い、次の精算操作で43枚メダルを払出すことによりクレジット精算を行うものであってもよい。この場合において、最初の精算操作による賭数精算が行われることにより、クレジットカウンタの値が50を超えてしまう場合も考えられる。この場合には、クレジットカウンタの値が50を超えた値に設定されるようにしてもよく、50を超えた分のメダルに関して賭数精算時に払出すようにしてもよい。
パターンc:1回の精算操作で、まず賭数精算を行い、その後に引き続いてクレジット精算を行うものであってもよい。たとえば、S56でNOと判定されたときには、賭数精算を行った後に引き続いてクレジット精算を行い、S56でYと判定されたときには、クレジット精算を行うようにしてもよい。
パターンd:1回の精算操作で、まずクレジット精算を行い、その後に引き続いて賭数精算を行うものであってもよい。たとえば、S56においてクレジットカウンタの値が0であるか否かを判定し、クレジットカウンタの値が0でないと判定されたときにはクレジット精算を行った後に引き続いて賭数精算を行い、クレジットカウンタの値が0であると判定されたときには賭数精算を行うようにしてもよい。
パターンe:1回の精算操作で、まず賭数分をクレジット加算することにより賭数精算を行い、その後に引き続いてクレジット精算を行うものであってもよい。たとえば、設定されている賭数が3でクレジットが40である場合に精算操作が行われることにより、賭数分の3をクレジット加算してクレジットを43とすることにより賭数精算を行い、その後に引き続いて43枚メダルを払出すことによりクレジット精算を行うものであってもよい。この場合において、精算操作による賭数精算が行われることにより、クレジットカウンタの値が50を超えてしまう場合も考えられる。この場合には、クレジットカウンタの値が50を超えた値に設定されるようにしてもよく、50を超えた分のメダルに関して賭数精算時に払出すようにしてもよい。
[BET音について]
本実施の形態においては、第1のリプレイ入賞後において自動BETされたときにはBET音を出力させ、第2または第3のリプレイ入賞後において自動BETされたときにはBET音を出力させない例について説明した。しかし、入賞したリプレイの種類にかかわらず、自動BETされたときにはBET音を出力させないようにしてもよく、逆に自動BETされたときにはBET音を出力させるようにしてもよい。
本実施の形態においては、BET音の有無について、BETコマンドの種類によって判別する例について説明したが、これに限らず、入賞判定コマンドにより入賞していた再遊技役の種類を判別することにより、BET音の有無を判別するようにしてもよい。
本実施の形態においては、入賞した再遊技役の種類にかかわらず、BETカウンタの値が加算された後に、BETカウンタの値に応じて、1BETLED14、2BETLED15、3BETLED16を順番に点灯させる処理を行う例について説明したが、これに限らず、第1のリプレイ入賞後において自動BETされた後においてのみ1BETLED14、2BETLED15、3BETLED16を順番に点灯させる処理を行い、第2または第3のリプレイ入賞後において自動BETされた後においては当該処理を行わないようにしてもよい。
本実施の形態においては、第2または第3のリプレイ入賞後においてメダルが投入された際に、S39においてクレジットコマンド(BET音あり)が出力されて、BET音を出力させる例について説明したが、これに限らず、入賞したリプレイの種類にかかわらずBET音を出力させるようにしてもよい。たとえば、S36では、リプレイ入賞であったか否かを判定するようにしてもよい。
本実施の形態においては、リプレイ入賞後においてクレジット加算された場合に、規定数分までBET音を出力させる例について説明したが、クレジット加算された場合に限らず、たとえば、1枚BETスイッチ5やMAXBETスイッチ6が操作された場合にも、操作に応じて規定数分までBET音を出力させるようにしてもよい。
[パチンコ遊技機について]
以上、本実施の形態および変形例においては、スロットマシン1について説明したが、スロットマシンは、以下で説明するパチンコ遊技機200に置き換えてもよい。パチンコ遊技機200は、スロットマシン1と同一の構成を一部含んでおり、同一の構成・処理について説明を省略し、異なる構成・処理について説明する。
パチンコ遊技機200の遊技領域の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置が設けられている。遊技球が所定の入賞口に入賞すると、特別変動表示装置が特別第1特別図柄および第2特別図柄のうち少なくとも一方を変動表示させるとともに、演出表示装置では、第1特別図柄および第2特別図柄のうち少なくとも一方の変動表示に同期した演出図柄(飾り図柄)の変動表示(可変表示、更新表示、または、巡回表示ともいう)が行われる。演出図柄の変動表示は、スクロール表示などの各種の変動態様で実行される。演出表示装置では、表示画面上で演出図柄を表示する演出図柄表示領域が設けられており、当該演出図柄表示領域に、たとえば「左」、「中」、「右」の3つ(複数)の演出図柄を変動表示する表示領域としての図柄表示エリアがある。
パチンコ遊技機200は、遊技球が所定の入賞口に入賞したが、所定の開始条件(大当り遊技中でなくかつ先に始動入賞した保留記憶に起因する可変表示が終了しているとき)が成立していないときには、所定の上限数の範囲内(たとえば、4個)で保留記憶情報として記憶する。保留記憶情報とは、たとえば、特定遊技状態(たとえば、大当り状態)に制御するか否かなどを特定するための情報である。
パチンコ遊技機200は、保留記憶に起因する可変表示において、演出図柄が特定の図柄組合せ(大当り図柄組合せ)で停止表示されれば「大当り」となり、特定遊技状態に制御される。
このようなパチンコ遊技機200は、図20に示すように、額縁状の外枠100aに対して、前枠(セルともいう)100bとガラス扉100cとがその左側縁を揺動中心として開閉可能に設けられている。
前枠100bにおける揺動中心とは反対側の端縁付近には、上下1対の係合突起104、106が設けられている。この係合突起104、106は、図示しないばねによって下方向に押圧されている。一方、外枠100aの係合突起104、106に対向する位置に、係合受け片105、107が設けられている。開放状態の前枠100bを外枠100aに押付けることにより係合突起104、106が係合受け片105、107を乗越え、乗越えた状態でばねの付勢力により係合突起104、106が下方に移動し、ロックされる。このようにして、外枠100aに対して、前枠100bを閉鎖することができる。
店員は、鍵を図示しない鍵穴に挿入して解除操作(たとえば時計回りに回転させる)することにより、ばねの付勢力に抗して上下1対の係合突起104、106が上方に押上げられ、その結果係合受け片105、107に対する係合突起104、106の係合が解除されてロック解除することができる。このようにして、外枠100aに対して、前枠100bを開放することができる。
さらに、前枠100bにはガラス扉100c用の係合突起103も設けられており、その係合突起103に対向するガラス扉100c部分には、係合穴102が設けられている。係合突起103は、図示しないばねによって下方に押圧されており、開放状態のガラス扉100cを前枠100bに押付けることにより係合穴102の下縁部分によって係合突起103が押上げられて乗越えることにより、ばねの付勢力により係合突起103が押下げられ、係合突起103と係合穴102とが係合されてロックされる。このようにして、前枠100bに対して、ガラス扉100cを閉鎖することができる。
店員は、鍵を図示しない鍵穴に挿入して解除操作(たとえば反時計回りに回転させる)することにより、ばねの付勢力に抗して係合突起103が引上げられ、係合突起103と係合穴102との係合が解除されてロック解除することができる。このようにして、前枠100bに対して、ガラス扉100cを開放することができる。
このようなパチンコ遊技機200においても、スロットマシン1と同様に以下のような構成を備えていてもよい。
たとえば、外枠100aの内部には、遊技中の演出態様の基準設定を行うための店側設定スイッチ160が設けられていてもよい。通常、外枠100aに対しては、前枠100bが閉鎖しているため、前枠100bを開放するための鍵を所有しない店員以外の者は、店側設定スイッチ160を操作することができない。店員は、店側設定スイッチ160を操作することによって、音量の基準設定(第1音量段階)と光量の基準設定(第1光量段階)をすることができる。
さらに、パチンコ遊技機200では、図12に示す店側演出設定処理と同様に、パチンコ遊技機200の電源がON状態であり、かつ前枠100bが開放され、かつ店側設定スイッチ160が操作されたことを条件に、音量および光量の基準設定(第1音量段階および第1光量段階の設定)が可能であってもよい。これにより、パチンコ遊技機200においても、不正行為によって店側設定スイッチが操作されたとしても、前枠100bが閉鎖しているときには音量および光量の基準設定が禁止されるため、音量および光量の基準設定が不正に行われてしまうことを防止することができるとともに、店員が意図しない内容で音量および光量の基準設定が行われてしまうことを防止することができる。
たとえば、前枠100bの外側(図21に示す前枠100bの下方部など)には、遊技中の演出態様の設定を行うための遊技者側設定スイッチ170が設けられていてもよい。遊技者側設定スイッチ170は、前枠100bが閉鎖されたときにはパチンコ遊技機200の前面側に位置することになるため、該パチンコ遊技機200で遊技する遊技者によって操作されるなど、外部からの操作が可能である。遊技者は、遊技者側設定スイッチ170を操作することによって、音量の設定(第2音量段階)と光量の設定(第2光量段階)をすることができる。
さらに、パチンコ遊技機200では、図15に示す遊技者側演出設定処理と同様に、パチンコ遊技機200の電源がON状態であり、かつ前枠100bが閉鎖され、かつ遊技者側設定スイッチ170が操作されたことを条件に、図13に示すような設定画面が表示されて音量および光量の設定(第2音量段階および第2光量段階の設定)が可能であってもよい。これにより、パチンコ遊技機200においても、遊技者以外の者によって遊技者側設定スイッチ170が操作されたとしても、前枠100bが開放しているときには音量および光量の設定が禁止されるため、遊技者が意図しない内容で音量および光量の設定が行われてしまうことを防止することができる。
なお、パチンコ遊技機200における店側演出設定処理および遊技者側演出設定処理では、前枠100bが開放しているか否かを判定し、該判定結果に応じて、遊技に関する設定を禁止するものであった。しかし、これに限らず、前枠100bに加えてガラス扉100cが開放しているか否かも判定し、該判定結果に応じて、遊技に関する設定を禁止するものであってもよい。
[遊技システムについて]
本実施の形態におけるスロットマシン1およびパチンコ遊技機200を用いて、図21に示すような遊技システムを構築してもよい。なお、図21では、パチンコ遊技機200を用いた遊技システムの例である。
たとえば、パチンコ遊技機200は、遊技を終了させる操作がされたときに、液晶画面上に2次元コードを表示する。図22に示すように、2次元コードには、今回の遊技における大当たり回数やリーチ回数、遊技中に実行されるミッションをクリアした回数、現在設定されている音量のデータや光量のデータなどの遊技履歴の情報が付加される。携帯端末901は、2次元コードを読み取ることができるとともに、インターネット網を介して管理サーバ900に接続して情報のやり取りを行うことができる。このようにして、遊技者は、遊技履歴の情報を管理サーバ900に蓄積して記憶させることができる。
さらに、管理サーバ900に蓄積記憶された遊技履歴をポイントに交換して、該ポイントによって様々な特典が得られるものであってもよい。たとえば、ポイントを消費して音楽データ、映像データ、アプリケーションなどを携帯端末901にダウンロードできるものであってもよい。
なお、2次元コードに加えて、または2次元コードの代わりに、遊技履歴の情報に対応したパスワードが表示されるものであってもよい。遊技者は、パスワードを次回の遊技開始時に、スロットマシン1やパチンコ遊技機200に入力することによって、前回の遊技履歴を引き継いで遊技することができるものであってもよい。
さらに、遊技者は、遊技者側設定スイッチ70、170を操作することによって、上記で説明した2次元コードやパスワードを表示させるものであってもよい。ここで、2次元コードやパスワードは、一旦表示されてしまうと、その後一切、同じ情報を含む2次元コードやパスワードが表示されないものであれば、遊技者以外の他人が遊技者側設定スイッチ70、170に触れて操作してしまうと、遊技者がこれまで遊技したことが無駄になってしまう。しかし、スロットマシン1(パチンコ遊技機200)の電源がON状態であり、かつ前面扉1b(前枠100b)が閉鎖され、かつ遊技者側設定スイッチ70(170)が操作されたことを条件に、2次元コードやパスワードが表示されるもの、つまり、遊技者側設定スイッチ70(70)が操作されたとしても、前面扉1b(前枠100b)が開放しているときには2次元コードやパスワードの表示が禁止されるものにすれば、遊技者が意図しないときに2次元コードやパスワードが表示されてしまうことを防止することができる。
また、遊技者側設定スイッチ70、170を操作することによって、パスワードを入力するための入力画面が表示されたり、パスワードを入力することができたりするものであってもよい。その上で、スロットマシン1(パチンコ遊技機200)の電源がON状態であり、かつ前面扉1b(前枠100b)が閉鎖され、かつ遊技者側設定スイッチ70(170)が操作されたことを条件に、パスワードを入力するための入力画面が表示されたり、パスワードを入力することができたりするものであってもよい。
[その他の変形例]
上述した実施形態では、3つのリール2L、2C、2Rを有する可変表示装置を備え、全てのリールが停止した時点で1ゲームが終了し、3つのリールに導出された表示結果の組合せに応じて入賞が発生するスロットマシンについて説明した。すなわち、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な複数の可変表示領域のそれぞれに表示結果を導出させることが可能な可変表示装置を備え、遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、前記複数の可変表示領域の全てに前記表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、1ゲームの結果として前記複数の可変表示領域のそれぞれに導出された前記表示結果の組合せに応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンについて説明した。しかし、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであれば、3つのリールを有する可変表示装置を備えるものに限らず、1のリールしか有しないものや、3以外の複数のリールを有する可変表示装置を備えるスロットマシンであってもよい。
上記の実施の形態では、メダル並びにクレジットを用いて賭数を設定するスロットマシンを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技用価値として遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、遊技用価値としてクレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンであってもよい。遊技球を遊技用価値として用いる場合には、たとえば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、上記実施の形態で賭数として3を設定する場合は15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。さらに、メダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値のうち何れか1種類のみを用いるものに限定されるものではなく、たとえば、メダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値を併用できるものであってもよい。すなわち、メダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値の何れを用いても賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、かつ入賞によってメダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値の何れをも払い出し得るスロットマシンであってもよい。
本実施の形態として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すスロットマシンを説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式のスロットマシンを採用してもよい。基盤とドラムとが流通可能で、筐体が共通なもので基盤のみあるいは基盤とドラムとを遊技機と称する。
本実施の形態では、「割合(比率、確率)」を例示したが、「割合(比率、確率)」は、これに限るものではなく、たとえば0%〜100%の範囲内の値のうち、0%を含む値や、100%を含む値、0%および100%を含まない値であってもよい。
次に、遊技機がパチンコ遊技機である場合における本発明の実施形態を詳細に説明する。以下で説明するパチンコ遊技機は、図20で説明したパチンコ遊技機200に対して、他の実施形態を説明するパチンコ遊技機01を例示するものである。したがって、パチンコ遊技機01の詳細には、パチンコ遊技機200の詳細に付した符号とは別の符号を付して説明する。
図23は、本発明の実施形態によるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)01は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)02と、遊技盤02を支持固定する遊技機用枠(台枠)03とから構成されている。遊技盤02には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打込まれる。
遊技盤02における遊技領域の下側部分には、普通入賞球装置06Aと普通可変入賞球装置06Bとが設けられている。普通入賞球装置06Aは、例えば所定の玉受部材により常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置06Bは、図24に示す普通電動役物用となるソレノイド081により、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動領域(第2始動領域)第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置06Bでは、普通電動役物用のソレノイド081がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置06Bでは、普通電動役物用のソレノイド081がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすい拡大開放状態となる。なお、普通可変入賞球装置06Bは、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置06Bは、通常開放状態において、例えば第2始動入賞口を閉鎖すること等により、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。このように、第2始動領域としての第2始動入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすい拡大開放状態と、遊技球が通過(進入)しにくいまたは通過(進入)できない通常開放状態とに変化する。
普通入賞球装置06Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図24に示す第1始動口スイッチ022Aにより検出される。普通可変入賞球装置06Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図24に示す第2始動口スイッチ022Bにより検出される。第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ022Aにより検出されることによる入賞を第1始動入賞と称する。また、第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ022Bにより検出されることによる入賞を第2始動入賞と称する。
第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ022Aにより検出されたことに基づいて(第1始動入賞の発生に基づいて)、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払出されるとともに、第1特図保留記憶数(後述)が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1特別図柄表示装置04Aにおいて実行される第1特図ゲーム(後述)や画像表示装置05において実行される飾り図柄の可変表示(後述)といった可変表示ゲームを実行するための第1始動条件(第1実行条件とも称する)が成立する。また、第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ022Bにより検出されたことに基づいて(第2始動入賞の発生に基づいて)、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払出されるとともに、第2特図保留記憶数(後述)が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2特別図柄表示装置04Bにおいて実行される第2特図ゲーム(後述)や画像表示装置05において実行される飾り図柄の可変表示(後述)といった可変表示ゲームを実行するための第2始動条件(第2実行条件とも称する)が成立する。なお、第1始動入賞に基づいて払出される賞球の個数と、第2始動入賞に基づいて払出される賞球の個数とは、互いに同一の個数でもよく、異なる個数でもよい。
第1特図保留記憶数とは、第1始動入賞の発生時には直ちに実行されずに実行が一旦保留されている可変表示ゲーム(第1始動入賞の発生による可変表示ゲーム)の数である。第1始動入賞の発生によって、第1特図ゲーム(後述)や飾り図柄の可変表示(後述)といった可変表示ゲームを実行するための第1始動条件は成立した場合であっても、第1始動入賞の発生による上述の可変表示ゲームの開始を許容する第1開始条件が成立していない場合(例えば、先に成立した第1開始条件又は第2開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機01が大当り遊技状態に制御されている場合)には、当該可変表示ゲームの実行は保留される(当該可変表示ゲームは実行待ちの状態となる)。つまり、第1特図保留記憶数とは、実行待ちの状態となった第1始動入賞の発生による可変表示ゲームのゲーム数である。第1特図保留記憶数は、第1開始条件が1つ成立する毎に1つずつ減少する。
ある第1始動入賞による第1始動条件は成立したが、当該第1始動入賞による可変表示ゲームの開始を許容する第1開始条件が成立していない当該第1始動入賞に対応する可変表示に関する情報は、当該第1始動入賞による可変表示ゲームの開始を許容する第1開始条件が成立する迄、保留データ(第1特図保留情報)として記憶(保留)される。換言すれば、保留されていた第1特図保留情報は第1開始条件が成立する毎に1つずつ消化され、消化される第1特図保留情報に基づく可変表示ゲームが実行される。
第2特図保留記憶数とは、第2始動入賞の発生時には直ちに実行されずに実行が一旦保留されている可変表示ゲーム(第2始動入賞の発生による可変表示ゲーム)の数である。第2始動入賞の発生によって、第2特図ゲーム(後述)や飾り図柄の可変表示(後述)といった可変表示ゲームを実行するための第2始動条件は成立した場合であっても、第2始動入賞の発生による上述の可変表示ゲームの開始を許容する第2開始条件が成立していない場合(例えば、先に成立した第1開始条件又は第2開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機01が大当り遊技状態に制御されている場合)には、当該可変表示ゲームの実行は保留される(当該可変表示ゲームは実行待ちの状態となる)。つまり、第2特図保留記憶数とは、実行待ちの状態となった第2始動入賞の発生による可変表示ゲームのゲーム数である。第2特図保留記憶数は、第2開始条件が1つ成立する毎に1つずつ減少する。
ある第2始動入賞による第2始動条件は成立したが、当該第2始動入賞による可変表示ゲームの開始を許容する第2開始条件が成立していない当該第2始動入賞に対応する可変表示に関する情報は、当該第2始動入賞による可変表示ゲームの開始を許容する第2開始条件が成立する迄、保留データ(第2特図保留情報)として記憶(保留)される。換言すれば、保留されていた第2特図保留情報は第2開始条件が成立する毎に1つずつ消化され、消化される第2特図保留情報に基づく可変表示ゲームが実行される。
第1始動入賞口と、第2始動入賞口とを特に区別しない場合には、単に「始動入賞口」とも称する。また、第1始動入賞と、第2始動入賞とを特に区別しない場合には、単に「始動入賞」とも称する。また、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した保留記憶数を「合計保留記憶数」と称する。第1特図保留記憶数と、第2特図保留記憶数と、合計保留記憶数とを特に区別しない場合には、通常、単に「特図保留記憶数」と称するが、単に「特図保留記憶数」と称した場合に、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数、合計保留記憶数の何れか1つ又は2つを指すこともあるものとする。また、第1始動条件と、第2始動条件とを特に区別しない場合には、単に「始動条件」又は「実行条件」とも称する。また、第1開始条件と、第2開始条件とを特に区別しない場合には、単に「開始条件」とも称する。また、第1特図保留情報と、第2特図保留情報とを、特に区別しない場合には、単に「特図保留情報」とも称する。
遊技盤02における遊技領域の下側部分(普通入賞球装置06Aと普通可変入賞球装置06Bの下方)には、特別可変入賞球装置07が設けられている。特別可変入賞球装置07は、図24に示す大入賞口扉用となるソレノイド082により開閉駆動される大入賞口扉を備え、大入賞口扉により開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置07では、大入賞口扉用のソレノイド082がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置07では、大入賞口扉用のソレノイド082がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすくする。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
特別可変入賞球装置07が形成する大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図24に示すカウントスイッチ023により検出される。カウントスイッチ023により遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払出される。こうして、特別可変入賞球装置07において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払出される。従って、特別可変入賞球装置07において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置07において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能、又は、困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤02における遊技領域の右側部分には、第1特別図柄表示装置04Aと、第2特別図柄表示装置04Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置04Aは、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成される。第2特別図柄表示装置04Bについても同様である。第1特別図柄表示装置04Aは、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)を変動可能に表示(変動表示または可変表示と呼ぶ)する。第2特別図柄表示装置04Bについても同様である。なお、第1特別図柄表示装置04Aにおいて可変表示される特別図柄(特図)を「第1特図」とも称し、第2特別図柄表示装置04Bにおいて可変表示される特別図柄(特図)を「第2特図」とも称する。また、識別情報の可変表示を伴って実行するゲーム(若しくは、識別情報の可変表示自体)を可変表示ゲームと称する。特に、第1特別図柄表示装置04Aが実行する可変表示ゲーム(第1特図を可変表示させる可変表示ゲーム)を第1特図ゲームとも称し、第2特別図柄表示装置04Bが実行する可変表示ゲーム(第2特図を可変表示させる可変表示ゲーム)を第2特図ゲームとも称する。また、第1特図ゲームと、第2特図ゲームとを区別しない場合には、単に「特図ゲーム」とも称する。
第1特別図柄表示装置04A(第2特別図柄表示装置04Bも同様)は、特図ゲームとして、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。夫々の特別図柄には、夫々に対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す各数字には「0」〜「9」の各図柄番号が付され、「−」を示す記号には「10」の図柄番号が付されればよい。なお、特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されない。例えば、7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターン(例えば、アルファベットのLやEのような点灯パターン)を予め設定しておき、特別図柄として表示してもよい。
遊技盤02における遊技領域の右側部分(第1特別図柄表示装置04Aと第2特別図柄表示装置04Bの上部)には、第1保留表示器025Aと第2保留表示器025Bとが設けられている。第1保留表示器025Aは、例えば4個のLEDを含んで構成され、保留データ(第1特図保留情報)に基づく第1特図保留記憶数(第1特図ゲームの保留数)を特定可能に表示する第1保留表示が行われる。例えば、第1保留表示器025Aは、点灯させるLEDの数によって、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。例えば、新たな第1始動条件の成立によって第1特図ゲームの保留数が1つ増加した場合には点灯数を1つ増やし、新たな第1開始条件の成立によって第1特図ゲームの保留数が1つ減少した場合には点灯数を1つ減らせばよい。第2保留表示器025Bは、例えば4個のLEDを含んで構成され、保留データ(第2特図保留情報)に基づく第2特図保留記憶数(第2特図ゲームの保留数)を特定可能に表示する第2保留表示が行われる。例えば、第2保留表示器025Bは、点灯させるLEDの数により、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。例えば、新たな第2始動条件の成立によって第2特図ゲームの保留数が1つ増加した場合には点灯数を1つ増やし、新たな第2開始条件の成立によって第2特図ゲームの保留数が1つ減少した場合には点灯数を1つ減らせばよい。
遊技盤02における遊技領域の左側部分には、通過ゲート041と、普通図柄表示器020と、普図保留表示器0205Cとが設けられている。通過ゲート041を通過した遊技球は、例えば図24に示すゲートスイッチ021により検出される。通過ゲート041を通過した遊技球がゲートスイッチ021により検出されたことに基づいて、普図保留記憶数(後述)が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、普通図柄表示器020において実行される普図ゲーム(後述)を実行するための普図始動条件が成立する。
普通図柄表示器020は、第1特別図柄表示装置04Aや第2特別図柄表示装置04Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成される。普通図柄表示器020は、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。普通図柄を可変表示させる可変表示ゲームを普図ゲーム(又は「普通図ゲーム」)とも称する。普図始動条件は成立したが普図開始条件(後述)が成立していない普図ゲームに関する情報は、保留データ(普図保留情報)として記憶(保留)される。
普図保留表示器0205Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、例えば点灯させるLEDの数により、保留データ(普図保留情報)に基づく普図保留記憶数を表示する。普図保留記憶数とは、通過ゲート041を通過した遊技球がゲートスイッチ021により検出されたときには直ちに実行されずに実行が一旦保留されている普図ゲームの数である。ゲートスイッチ021による遊技球の検出により、普図ゲームを実行するための普図始動条件は成立した場合であっても、普図ゲームの開始を許容する普図開始条件が成立していない場合(例えば、先に成立した普図ゲームが実行中である場合)には、当該普図ゲームの実行は保留される(当該普図ゲームは実行待ちの状態となる)。つまり、普図保留記憶数とは、実行待ちの状態となった普図ゲームのゲーム数である。普図保留記憶数は、普図開始条件が1つ成立する毎に1つずつ減少する。
遊技盤02における遊技領域の中央付近には、画像表示装置05が設けられている。画像表示装置05は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。
画像表示装置05の表示領域には、飾り図柄表示エリアが配置される。飾り図柄表示エリアでは、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示(変動表示とも呼ぶ)される。装飾識別情報(飾り図柄)の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。画像表示装置05は、第1特別図柄表示装置04Aが実行する第1特図ゲーム(第1特図を用いた特図ゲーム)、又は、第2特別図柄表示装置04Bが実行する第2特図ゲーム(第2特図を用いた特図ゲーム)に対応して、表示領域(飾り図柄表示エリア)において、複数種類の飾り図柄の可変表示を実行する。
一例として図23に示すように、画像表示装置05の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア05L、05C、05Rが配置される。第1特図ゲーム又は第2特図ゲームのうち何れかの特図ゲームの開始に対応して、即ち、第1特図又は第2特図のうち何れかの特図の変動の開始に対応して、飾り図柄表示エリア05L、05C、05Rの夫々において、飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームの終了に対応して、即ち、特図の停止表示に対応して、飾り図柄表示エリア05L、05C、05Rの夫々において、可変表示結果となる飾り図柄(確定飾り図柄、最終停止図柄とも称する)が停止表示される。つまり、画像表示装置05の表示領域(飾り図柄表示エリア05L、05C、05R)では、第1特図ゲーム(又は第2特図ゲーム)と連動(対応)して飾り図柄の変動が開始され、確定飾り図柄(最終停止図柄とも称する)が停止表示される。
飾り図柄は、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せ等であればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字等の記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい)で構成される。夫々の飾り図柄には、夫々に対応する図柄番号が付される。一例として「1」〜「8」を示す各英数字には「1」〜「8」の各図柄番号が付されればよい。なお、飾り図柄は8種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せ等適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類でもよい(例えば7種類や9種類等)。
特別図柄の可変表示結果(特図表示結果とも称する)である確定特別図柄を停止表示して当該可変表示を終了させる停止表示や、飾り図柄の可変表示結果である確定飾り図柄(最終停止図柄)を停止表示して当該可変表示を終了させる停止表示や、普通図柄の可変表示結果(普図表示結果とも称する)である確定普通図柄を停止表示して当該可変表示を終了させる停止表示を、完全停止表示、最終停止表示、又は、導出表示(又は、単に「導出」)とも称する。なお、飾り図柄の変動開始タイミング及び変動終了タイミングは特別図柄の変動開始タイミング及び変動終了タイミングと必ずしも一致していなくてもよく、特別図柄の変動時間(特図変動時間)内に、飾り図柄の変動時間が収まればよい。
即ち、飾り図柄の変動開始タイミングが特別図柄の変動開始タイミングよりも遅くてもよく、特別図柄の変動終了タイミング(確定特別図柄の停止表示タイミング)が飾り図柄の変動終了タイミング(確定飾り図柄の停止表示タイミング)よりも遅くてもよい。例えば、確定飾り図柄の停止表示後に所定演出の実行を開始し、当該所定演出の実行の終了時に確定特別図柄を停止表示させてもよい。上記所定演出の一例は、保留演出(後述)の一態様である単純保留演出(後述)である。
また、完全停止表示(最終停止表示、導出表示)とは異なる停止表示を行ってもよい。例えば、飾り図柄の可変表示を開始してから確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中に飾り図柄を仮停止表示させてもよい。なお、仮停止表示には、変動速度が「0」となった飾り図柄が、例えば微少な揺れや伸縮等を生じさせつつ停留して表示させるものや、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間、微少な揺れや伸縮等も生じさせずに停止表示させるもの等が含まれる。
また、画像表示装置05の表示領域には、第1始動入賞記憶表示エリア05HL、及び、第2始動入賞記憶表示エリア05HRが配置される。第1始動入賞記憶表示エリア05HLでは、第1保留表示器025Aと同様、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する第1保留表示が行われる。つまり、現在、実行が保留されている第1特図ゲームの数を特定可能に表示する。第1始動入賞記憶表示エリア05HLでは、第2保留表示器025Bと同様、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する第2保留表示が行われる。つまり、現在、実行が保留されている第2特図ゲームの数を特定可能に表示する。
なお、第1始動入賞記憶表示エリア05HLでは、例えば右詰めで、第1保留表示が行われてもよい。つまり、新たな第1始動条件の成立によって第1特図ゲームの保留数が増加したときは、第1始動入賞記憶表示エリア05HLに他の第1保留表示がなければ、第1始動入賞記憶表示エリア05HLの右側(画像表示装置05の表示領域の中央側)に増加分の第1特図保留情報に対応する保留表示として新たな第1保留表示を追加し、第1始動入賞記憶表示エリア05HLに他の第1保留表示があれば、当該他の第1保留表示の左側(複数の他の第1保留表示があれば最も左側の第1保留表示の更に左側)に上記新たな第1保留表示を追加してもよい。また、第1始動入賞記憶表示エリア05HLに複数の第1保留表示がある場合に、新たな第1開始条件の成立によって第1特図ゲームの保留数が減少したときは、減少分の第1特図保留情報に対応する保留表示に相当する第1始動入賞記憶表示エリア05HLの最も右側に表示されている第1保留表示(一番古くから表示されている第1保留表示)を消去し、他の第1保留表示の夫々を、消去した第1保留表示側(右側)に移動(シフト)する。
また、第2始動入賞記憶表示エリア05HRでは、例えば左詰めで、第2保留表示が行われてもよい。つまり、新たな第2始動条件の成立によって第2特図ゲームの保留数が増加したときは、第2始動入賞記憶表示エリア05HRに他の第2保留表示がなければ、第2始動入賞記憶表示エリア05HRの左側(画像表示装置05の表示領域の中央側)に増加分の第2特図保留情報に対応する保留表示として新たな第2保留表示を追加し、第2始動入賞記憶表示エリア05HRに他の第2保留表示があれば、当該他の第2保留表示の右側(複数の他の第2保留表示があれば最も右側の第2保留表示の更に右側)に上記新たな第2保留表示を追加してもよい。
また、第2始動入賞記憶表示エリア05HRに複数の第2保留表示がある場合に、新たな第2開始条件の成立によって第2特図ゲームの保留数が減少したときは、減少分の第2特図保留情報に対応する保留表示に相当する第2始動入賞記憶表示エリア05HRの最も左側に表示されている第2保留表示(一番古くから表示されている第2保留表示)を消去し、他の第2保留表示の夫々を、消去した第2保留表示側(左側)に移動(シフト)する。なお、第1始動入賞記憶表示エリア05HLと第2始動入賞記憶表示エリア05HRとを特に区別しない場合には、単に、「始動入賞記憶表示エリア05H」とも称する。
また、画像表示装置05の表示領域には、保留表示のエリアとして、第1始動入賞記憶表示エリア05HLや第2始動入賞記憶表示エリア05HRの他に、第1始動入賞記憶表示エリア05HLや第2始動入賞記憶表示エリア05HRから消去された(移動された)保留表示(即ち、第1開始条件の成立によって消化される第1特図保留情報や、第2開始条件の成立によって消化される第2特図保留情報に基づき実行される飾り図柄の可変表示に対応する保留表示に応じたアクティブ表示(変動対応表示、消化時表示、今回表示等とも称する)を含む情報を表した特別画像を表示するアクティブ表示エリアAHA(変動対応表示領域、消化時表示領域、消化時表示エリア、今回保留表示領域、今回保留表示エリア、アクティブ保留表示領域、アクティブ保留表示エリア、アクティブ表示領域、今回表示領域、今回表示エリア、消化時表示部等とも称する。)が、例えば、第1始動入賞記憶表示エリア05HLと第2始動入賞記憶表示エリア05HRとの間に配置されている。
本実施形態におけるパチンコ遊技機01では、図23に示すように、第1始動入賞記憶表示エリア05HLと第2始動入賞記憶表示エリア05HRとの間にアクティブ表示エリアAHAを配置しているが、アクティブ表示エリアAHAは、画像表示装置05の表示領域の何れかの位置に配置されればよい。また、本実施形態におけるパチンコ遊技機01では、アクティブ表示のほかには、アクティブ表示を囲うアクティブ表示枠、アクティブ表示またはアクティブ表示周囲やアクティブ表示枠の周囲に表示される文字や画像等のアクティブ表示に応じた情報等が特別画像により表示される。
遊技盤02における遊技領域には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材により常に一定の開放状態に保たれる単一又は複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口の何れかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチにより検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠03の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等により操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられればよい。
遊技領域の下方における遊技機用枠03の所定位置には、賞球として払出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠03の下部には、上皿から溢れた余剰球等を、パチンコ遊技機01の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられる。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)等に、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ031Aが取付けられている。スティックコントローラ031Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置等)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ031Aの操作桿を操作手(例えば左手等)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指等)で押引操作すること等により所定の指示操作ができるように構成されればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作等による所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されればよい。
スティックコントローラ031Aの下部における下皿の本体内部等には、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットが設けられればよい。例えば、傾倒方向センサユニットは、パチンコ遊技機01と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤02の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤02の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組合せた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ031Aの上方)等に、遊技者が押下操作等により所定の指示操作を可能なプッシュボタン031Bが設けられている。プッシュボタン031Bは、遊技者からの押下操作等による所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されればよい。プッシュボタン031Bの設置位置における上皿の本体内部等には、プッシュボタン031Bに対してされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサが設けられればよい。
遊技機用枠03の遊技領域の周辺部には、音声出力部材が設けられている。図23に示した一例では、遊技機用枠03の左右上部位置に、スピーカ08UL、スピーカ08URを設置し、上皿の左右斜下部(下皿の左右斜上部)に、スピーカ08LL、スピーカ08LRを設置している。以下、スピーカ08UL、08UR、08LL、08LRの夫々を特に区別しない場合には、単に、スピーカ08と称する。スピーカ08は、音声(音及び声)を出力(再生)する。例えば、スピーカ08は、遊技機01の遊技の進行状況に応じて演出音(効果音とも称する)を出力し、遊技機01の状況に応じて警告音を出力する。
演出音には、音楽、検出音、応答音、報知音等が含まれる。演出音における音楽とは、例えば、遊技の進行状況に応じて出力されるBGM、歌等である。演出音における検出音とは、例えば、スイッチやセンサによる検出結果(例えば、第1始動入賞口等への入賞の検出等)に応じて出力される音、声(セリフ、メッセージ)等である。演出音における応答音とは、例えば、プッシュボタン031Bへの操作行為に応じて出力される音、声等である。プッシュボタン031Bへの操作行為は、プッシュセンサにより検出されるものでもあるため、プッシュボタン031Bへの操作行為に応じて出力される応答音は検出音でもある。演出音における報知音とは、例えば、プッシュボタン031Bへの操作行為を要求するために報知する音、声や、リーチ状態(後述)の移行時にリーチ状態に移行する旨を報知する音、声や、大当り遊技状態への移行前に大当り遊技状態に移行する旨を予告又は示唆する音、声等である。
警告音の一例は、遊技球が下皿に過剰に保持(貯留)されているときに出力される警告音、ガラス扉(非図示)が開放しているときに出力される警告音等である。
遊技機用枠03の遊技領域の内部及び周辺部には、演出又は装飾として発光する発光部(発光体)が設けられている。図23において、発光部は、画像表示装置05の上部位置に発光部材09CC、画像表示装置05の左右位置に発光部材09CL、発光部材09CRを設置し、遊技機用枠03の上部位置に発光部材09U、遊技機用枠03の左右位置に発光部材09SL、発光部材09SRを設置する場合を例示している。以下、発光部材09CC、09CL、09CR、09U、09SL、09SRの夫々を特に区別しない場合には、総称してランプ09と称する。ランプ09は、例えば、1以上のLEDから構成されたものでもよく、フラッシュランプから構成されるものでもよい。ランプ09は、ランプ09を点灯する点灯演出において、ランプ制御用データに基づき1又は複数のランプが選択されて、所定の点灯パターンにおいて点灯制御がされるものとする。発光部材09Uは、回転部を有する回転灯(例えばパトランプ)でもよい。また、発光部は、上記以外にも、例えば、遊技領域における各構造物(例えば、特別可変入賞球装置07等)の周囲等に、種々の発光部材を設置してもよい。
画像表示装置05、スピーカ08、ランプ09等は演出を実行する演出装置であるが、遊技機01は、演出装置として、駆動部を有する可動役物等他の演出装置を備えてもよい。
なお、各構成の配置位置(設置位置)は、一例であって、他の位置に配置されてもよい。例えば、第1特別図柄表示装置04A、第2特別図柄表示装置04B、普通図柄表示器020が、遊技領域の同一側(右側部分又は左側部分)に設けられてもよい。また例えば、第1保留表示器025A、第2保留表示器025B、普図保留表示器0205Cが、遊技領域の同一側(右側部分又は左側部分)に設けられてもよい。
次に、パチンコ遊技機01における遊技の進行を概略的に説明する。 パチンコ遊技機01では、普図始動条件が成立した後に普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器020による普図ゲームが開始される。普図ゲームでは、普通図柄の可変表示を開始させた後(普通図柄の変動を開始させた後)、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置06Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
パチンコ遊技機01では、第1始動条件が成立した後に第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置04Aによる特図ゲーム(第1特図ゲーム)が開始され、第2始動条件が成立した後に第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置04Bによる特図ゲーム(第2特図ゲーム)が開始される。特図ゲームでは、特別図柄の可変表示を開始させた後(特別図柄の変動を開始させた後)、特図変動時間としての可変表示時間が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されれば、所定表示結果としての「小当り」となる。また、大当り図柄や小当り図柄とは異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示されれば「ハズレ」となる。
特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。特図ゲームでの可変表示結果が「小当り」になった後には、大当り遊技状態とは異なる特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。
本実施形態におけるパチンコ遊技機01では、一例として、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「2」の数字を示す特別図柄を小当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄としている。なお、第1特別図柄表示装置04Aによる第1特図ゲームにおける大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置04Bによる第2特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となってもよく、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄としてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「大当り」となった後、大当り遊技状態において、特別可変入賞球装置07の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間や0.1秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間で、大入賞口を開放状態とする。これにより、特別可変入賞球装置07を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とするラウンドが実行される。
ラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤02の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置07を遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(例えば「15」等)に達するまで、繰返し実行可能である。なお、ラウンドの実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立(例えば大入賞口に遊技球が入賞しなかったこと等)により、ラウンドの実行が終了してもよい。
大当り遊技状態におけるラウンドのうち、特別可変入賞球装置07を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に長い時間(例えば29秒等)となるラウンドは、通常開放ラウンドともいう。一方、特別可変入賞球装置07を第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に短い時間(例えば0.1秒等)となるラウンドは、短期開放ラウンドともいう。
大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「3」、「7」の数字を示す特別図柄は通常開放ラウンド大当り図柄となり、「5」の数字を示す特別図柄は短期開放ラウンド大当り図柄となる。特図ゲームにおける確定特別図柄として通常開放ラウンド大当り図柄が導出された後に制御される通常開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態(通常開放大当り状態)では、特別可変入賞球装置07の大入賞口扉が、第1期間となる所定の上限時間(例えば29秒間)が経過するまでの期間、あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間で大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置07を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが実行される。通常開放大当り状態は、第1特定遊技状態ともいう。
特図ゲームにおける確定特別図柄として短期開放ラウンド大当り図柄が導出された後に制御される短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態(短期開放大当り状態)では、各ラウンドで特別可変入賞球装置07を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる上限時間(大入賞口扉により大入賞口を開放状態とする期間の上限)が、通常開放大当り状態における第1期間よりも短い第2期間(例えば0.1秒間)となる。なお、短期開放大当り状態では、大入賞口の開放期間が第2期間となるように制御されればよく、それ以外の制御は通常開放大当り状態と同様に行われてもよい。あるいは、短期開放大当り状態では、ラウンドの実行回数が、通常開放大当り状態における第1ラウンド数(例えば「15」)よりも少ない第2ラウンド数(例えば「2」)となってもよい。
このような短期開放大当り状態では、大入賞口に遊技球が入賞すれば所定個数(例えば15個)の出玉(賞球)が得られる。しかし、大入賞口の開放期間は第2期間(0.1秒間等)であって非常に短い。そのため、短期開放大当り状態は実質的には出玉(賞球)が得られない大当り遊技状態である。短期開放大当り状態は、第2特定遊技状態ともいう。
また、短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態は、通常開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態に比べて、大入賞口の開放期間が短いものに限定されず、例えば大入賞口の開放期間(上限時間)は短期開放ラウンド特定遊技状態と通常開放ラウンド特定遊技状態とで同一である一方で、短期開放ラウンド特定遊技状態では大入賞口を開放状態とする上限回数(例えば2回)が通常開放ラウンド特定遊技状態での上限回数(例えば15回)に比べて少なくなるものでもよい。即ち、短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態は、各ラウンドで大入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい第1状態に変化させる期間が通常開放ラウンド特定遊技状態における第1期間よりも短い第2期間となることと、ラウンドの実行回数が通常開放ラウンド特定遊技状態における第1ラウンド数よりも少ない第2ラウンド数となることのうち、少なくとも何れか一方となるものであればよい。
このように大当り遊技状態は、遊技者にとって有利となる有利状態である。遊技者にとって有利な有利状態としては、前述した大当り遊技状態の他に、確変状態(高確率状態)、時短状態、および、高ベース状態等のその他の有利状態が含まれてもよい。
小当り図柄となる「2」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として導出された後には、特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。この小当り遊技状態では、短期開放大当り状態と同様に特別可変入賞球装置07において大入賞口を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させる可変入賞動作が行われる。即ち、小当り遊技状態では、例えば特別可変入賞球装置07を第2期間にわたり第1状態(開放状態)とする動作が繰返し実行される。
画像表示装置05の表示領域に配置されている飾り図柄表示エリア05L、05C、05Rでは、第1特別図柄表示装置04Aによる第1特図ゲームと、第2特別図柄表示装置04Bによる第2特図ゲームとのうち、何れかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄表示エリア05L、05C、05Rでは、飾り図柄の可変表示が開始されてから確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間に、飾り図柄の可変表示状態が特定の可変表示の組合せの一部を構成する所定のリーチ状態となることがある。
リーチ状態とは、画像表示装置05の表示領域で停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部又は一部の飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。なお、以下の説明において、リーチ状態となることをリーチが成立(リーチ成立)するとも称する。
また、リーチ状態となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置05の表示領域に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出(又はリーチ演出表示)という。なお、リーチ演出には、画像表示装置05における表示動作のみならず、スピーカ08による音声出力動作や、ランプ09等の発光動作(点灯動作、点滅動作、消灯動作)等を、リーチ状態となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが含まれてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されればよい。そして、演出パターンに応じて、リーチ演出後に大当り組合せ等が最終停止表示される可能性(「大当り期待度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)を異ならせてもよい。これにより、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、即ち、いずれのリーチ演出を出現させるかに応じて、大当り期待度を異ならせることができる。一例として、本実施形態では、ノーマルリーチのリーチ態様と、ノーマルリーチに比べて大当り期待度が高いスーパーリーチのリーチ態様とを予め設定(用意)している。
大当り期待度は、例えば、(大当り時にその演出が実行される確率)×(大当りになる確率)/{(大当り時にその演出が実行される確率)×(大当りになる確率)+(大当り時以外にその演出が実行される確率)×(大当りにならない確率)}により算出される(大当り期待度が「1」になる場合には、可変表示結果は必ず「大当り」になる)。
また、飾り図柄の可変表示中には、可変表示演出の一態様として、飾り図柄等の可変表示動作により実現される滑り演出や擬似連演出等が実行可能である。滑り演出では、飾り図柄表示エリア05L、05C、05Rにおける全部で飾り図柄を変動させてから、複数の飾り図柄表示エリア(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア05L、05R等)で飾り図柄を仮停止表示させた後、その仮停止表示した飾り図柄表示エリアのうち所定数(例えば「1」又は「2」)の飾り図柄表示エリア(例えば「左」の飾り図柄表示エリア05Lと「右」の飾り図柄表示エリア05Rの何れか一方又は双方)で飾り図柄を再び変動させた後に停止表示させることで、停止表示する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。こうして、滑り演出では、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに複数の飾り図柄を仮停止表示させた後、所定数の飾り図柄について可変表示を再度実行することにより、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態になるときと、リーチ状態とはならずに非リーチ組合せを構成する飾り図柄が停止表示されるときとがある。
擬似連演出では、特図ゲームの第1開始条件と第2開始条件の何れか一方が1回成立したことに対応して、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、飾り図柄表示エリア05L、05C、05Rにおける全部で飾り図柄(例えば予め定められた擬似連チャンス目等が飾り図柄表示エリア05L、05C、05Rのいずれか一部または全部に表示される)を一旦仮停止表示させた後、飾り図柄表示エリア05L、05C、05Rで、再び、全部の飾り図柄の可変表示を開始させる演出表示である再可変表示を、所定回(例えば最大4回まで)行うことができる。
本実施形態において、擬似連演出における再可変表示の回数(再可変表示回数)は、飾り図柄表示エリア05L、05C、05Rにおける、全部の飾り図柄が最初に仮停止するまでの可変表示(初回可変表示)の回数(1回)と、全部の飾り図柄が最後に仮停止した後の再可変表示(最終可変表示)の回数(1回)と、初回可変表示と最終可変表示の間の再可変表示の回数X(Xは0又は1以上)と、を合算した回数(X+2)よりも1回少ない回数(X+1)として把握される。また、再可変表示回数は、飾り図柄表示エリア05L、05C、05Rにおいて全部の飾り図柄が仮停止表示される回数(仮停止回数)と同数となる。初回可変表示〜1回目の仮停止表示を1回目の擬似連とも称し、2回目の可変表示(1回目の再可変表示)〜2回目の仮停止表示を2回目の擬似連とも称し、3回目の可変表示(2回目の再可変表示)〜3回目の仮停止表示を3回目の擬似連とも称し、4回目の可変表示(3回目の再可変表示)〜4回目の仮停止表示を4回目の擬似連とも称する。また、擬似連演出における擬似連の回数を擬似連変動回数(又は、擬似連回数)とも称する。つまり、擬似連変動回数と再可変表示回数と仮停止回数は同数となる。1回目、2回目、3回目、…と擬似連の回数が増えることを「擬似連が継続する」とも称する。
「擬似連」の可変表示演出において、再可変表示(再変動)が1回〜4回行われることにより、第1開始条件あるいは第2開始条件が1回成立したことに基づき、飾り図柄の可変表示があたかも2回〜5回続けて開始されたかのように見せることができる。
なお、擬似連演出は、当該変動においてリーチが成立する前(リーチ状態となる前に)に、飾り図柄表示エリア05L、05C、05Rのいずれか一部または全部に擬似連チャンス目が仮停止表示されるように、全ての飾り図柄表示エリア05L、05C、05Rにおける飾り図柄を一旦仮停止させてもよく、リーチが成立した後に、飾り図柄表示エリア05L、05C、05Rのいずれか一部に擬似連チャンス目が仮停止表示されるように、全ての飾り図柄表示エリア05L、05C、05Rにおける飾り図柄を一旦仮停止してもよい。つまり、擬似連演出における仮停止表示の演出態様には、少なくとも、リーチ状態となる前に仮停止表示させる演出態様と、リーチと状態となった後にチャンス図柄を仮停止表示させる演出態様とがあってもよい。
滑り演出(擬似連演出も同様)は、何れかのリーチ演出、若しくはあるリーチ演出が実行される可能性があることや大当り期待度が高いこと等を、遊技者に予告又は示唆するものでもよい。以下、何れかのリーチ演出若しくはあるリーチ演出が実行される可能性があることや大当り期待度が高いこと等を、遊技者に予告又は示唆するための演出を予告演出と総称する場合がある。予告演出には、滑り演出や擬似連演出の他にも、滑り演出や擬似連演出とは異なる可変表示動作を利用するものがあってもよく、例えば、背景画像の表示、メッセージウィンドウの表示、保留表示、音声出力、発光(点灯、点滅、消灯)等のように可変表示演出とは異なる演出動作を利用するものがあってもよい。
本実施形態では、予告演出として、当該変動に対応する保留表示に応じたアクティブ表示を含む情報を表した特別画像の表示態様を変化させるときと、特別画像の表示態様を変化させないときとで共通で実行される共通演出が含まれる。また、予告演出には、共通演出を実行した後に特別画像の表示態様を変化させる成功演出、および共通演出を実行した後に特別画像の表示態様を変化させない失敗演出が含まれる。なお、予告演出には、共通演出を示唆する示唆演出が含まれてもよい。また、示唆演出は、共通演出と同様に、特別画像の表示態様を変化させるときと、特別画像の表示態様を変化させないときとで共通で実行される演出でもよい。換言すれば、共通演出が実行されることを示唆する演出を示唆演出と称する場合と、成功演出または失敗演出のいずれかが実行されることを示唆する演出(共通演出、または、共通演出とは別の演出)を示唆演出と称する場合とがある。
なお、予告演出は、当該予告演出が予告又は示唆する内容が実現されるか否かを遊技者が判別(実際に確認)できるよりも前に実行(開始)されればよい。例えば、ある遊技球の入賞による飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることを遊技者に予告又は示唆する予告演出は、少なくとも当該遊技球の入賞による飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態(又は、非リーチ状態)となるより前に実行(開始)されればよい。また、ある遊技球の入賞による可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを遊技者に予告又は示唆する予告演出は、少なくとも当該遊技球の入賞による確定飾り図柄が停止表示されるよりも前に実行(開始)されればよい。
予告演出のうちには、先読予告演出(「事前判定予告演出」ともいう)となるものが含まれればよい。先読予告演出は、当該予告対象となる可変表示を開始するより前に、当該可変表示を可変表示結果が「大当り」となるか否か等を特図ゲームの保留情報等に基づいて判定し(先読みし)、当該判定結果に基づいて実行する予告演出である。以下の説明において、先読予告演出の対象とする保留情報をターゲットの保留情報と称し、ターゲットの保留情報に対応する第1保留表示をターゲットの第1保留表示と称し、ターゲットの保留情報に対応する第2保留表示をターゲットの第2保留表示と称し、ターゲットの保留情報に対応する可変表示をターゲットの可変表示とも称する。また、先読予告演出は、ターゲットの保留情報の消化中に実行する場合(ターゲットの可変表示中を含むターゲットの保留情報の消化処理中に実行する場合)と、ターゲットの保留情報よりも前の保留情報の消化中に実行する場合と、ターゲットの保留情報の消化中、及びターゲットの保留情報よりも前の保留情報の消化中に実行する場合とがある。
ある遊技球の入賞による先読予告演出となる演出動作は、当該遊技球の入賞後(始動条件の成立後)、当該先読予告演出が予告する内容が実現されるか否かを遊技者が判別できるよりも前に実行(開始)されればよい。例えば、ある遊技球の入賞による、リーチ状態となる可能性があることを遊技者に予め報知(示唆)するための先読予告演出となる演出動作は、少なくとも当該遊技球の入賞による飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態(又は非リーチ状態)となるより前に実行(開始)されればよい。また、ある遊技球の入賞による、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを遊技者に予め報知(示唆)するための先読予告演出となる演出動作は、少なくとも当該遊技球の入賞による確定飾り図柄が停止表示されるよりも前に実行(開始)されればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「非リーチ」(「通常ハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後等に、所定のリーチハズレ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示結果は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、通常開放ラウンド大当り図柄となる特別図柄のうち、「3」の数字を示す特別図柄といった通常大当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後等に、複数種類の大当り組合せのうち、所定の通常大当り組合せ(「非確変大当り組合せ」とも称する)となる確定飾り図柄が停止表示される。所定の通常大当り組合せとは、例えば、飾り図柄表示エリア05L、05C、05Rにより形成される所定の有効ライン(例えば、横に一直線)上に同一種類の通常図柄(「非確変図柄」とも称する)が揃って最終停止表示する組合せである。通常図柄の一例は、図柄番号が「1」〜「8」の8種類の飾り図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」の4種類の飾り図柄である。
特図ゲームにおける確定特別図柄が通常大当り図柄となることに対応して、所定のリーチ演出が実行された後等に、通常大当り組合せの確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「非確変」(「通常大当り」ともいう)の可変表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。「非確変」の大当り種別で可変表示結果が「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時間短縮制御(時短制御)が行われる。
時短制御が行われることにより、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示時間(特図変動時間)は、通常状態に比べて短縮される。通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態等とは異なる通常遊技状態であり、パチンコ遊技機01の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短制御は、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることのうち、何れかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、通常開放ラウンド大当り図柄となる特別図柄のうち、「7」の数字を示す特別図柄といった確変大当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、飾り図柄の可変表示態様が「通常」である場合と同様のリーチ演出が実行された後等に、複数種類の大当り組合せのうち、所定の確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。換言すれば、特図ゲームにおいて確変大当り図柄が最終停止表示される場合には、所定の確変大当り組合せとなる飾り図柄が最終停止される場合と、所定の通常大当り組合せとなる飾り図柄が停止表示される場合とがある。所定の確変大当り組合せとは、例えば、上記有効ライン上に同一種類の確変図柄が揃って最終停止表示する組合せである。確変図柄の一例は、図柄番号が「1」〜「8」の8種類の飾り図柄のうち、図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」の4種類の飾り図柄である。
確定飾り図柄が通常大当り組合せであるか確変大当り組合せであるかにかかわらず、特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「確変」の可変表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。「確変」の大当り種別で可変表示結果が「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確率変動制御(確変制御)が行われる。確変制御が行われることにより、各回の特図ゲームにおいて可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」となる確率は、通常状態に比べて高くなるように向上する。確変制御は、大当り遊技状態の終了後に可変表示結果が「大当り」となって再び大当り遊技状態に制御されるという条件が成立したときに、終了すればよい。なお、時短制御と同様に、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されたときに、確変制御を終了してもよい。また、大当り遊技状態の終了後に特図ゲームが開始されるごとに実行される確変転落抽選で確変制御を終了させる「確変転落あり」の決定がされたときに、確変制御を終了してもよい。
時短制御が行われるときには、普通図柄表示器020による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置06Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)し易くして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。このように、時短制御に伴い第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御としては、これらの制御の何れか1つが行われてもよく、複数の制御が組合せられて行われてもよい。
高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。従って、第2特別図柄表示装置04Bによる第2特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、第2特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、時短制御が行われる期間と同一であればよい。
時短制御と高開放制御がともに行われる遊技状態は、時短状態あるいは高ベース状態ともいう。また、確変制御が行われる遊技状態は、確変状態あるいは高確状態ともいう。確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態は、高確高ベース状態とも称される。確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態は、高確低ベース状態とも称される。なお、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態のみを、特に「確変状態」ということもあり、高確低ベース状態とは区別するために、時短付確変状態ということもある。一方、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態(高確低ベース状態)は、高確高ベース状態と区別するために、時短なし確変状態ということもある。確変制御が行われずに時短制御や高開放制御が行われる時短状態は、低確高ベース状態とも称される。確変制御や時短制御、及び、高開放制御がいずれも行われない通常状態は、低確低ベース状態とも称される。通常状態以外の遊技状態において時短制御や確変制御の少なくとも何れかが行われるときには、特図ゲーム(第2特図ゲーム)が頻繁に実行可能となることや、各回の特図ゲーム(第1特図ゲーム、第2特図ゲーム)における可変表示結果が「大当り」となる確率が高められることにより、遊技者にとって有利な状態となる。大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な遊技状態は、特別遊技状態とも称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、「5」の数字を示す特別図柄といった短期開放ラウンド大当り図柄が停止表示される場合や、「2」の数字を示す特別図柄といった小当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、開放チャンス目として予め定められた複数種類の確定飾り図柄の組合せの何れかが停止表示されることがある。また、特図ゲームにおける確定特別図柄として、短期開放ラウンド大当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後等に、所定のリーチ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることもある。
特図ゲームにおける確定特別図柄が短期開放ラウンド大当り図柄となることに対応して、各種の確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「突確」(「突確大当り」あるいは「突然確変大当り」ともいう)の可変表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。「突確」の大当り種別で可変表示結果が「大当り」となったことに基づいて、短期開放大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確変制御が行われればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、「2」の数字を示す特別図柄といった小当り図柄が停止表示されて可変表示結果が「小当り」となったことに基づいて、小当り遊技状態に制御され、その終了後には、遊技状態の変更が行われず、可変表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御される。但し、可変表示結果が「小当り」となる特図ゲームが実行されたときに、特別遊技状態における特図ゲームの実行回数が所定回数に達していれば、小当り遊技状態の終了後には、特別遊技状態が終了して通常状態となることがある。
確定飾り図柄が非確変大当り組合せや確変大当り組合せとなる飾り図柄の可変表示中には、再抽選演出が実行されることがある。例えば、再抽選演出として、飾り図柄表示エリア05L、05C、05Rにおいて、通常大当り組合せとなる飾り図柄を仮停止表示させた後に、同一の飾り図柄が揃った状態で再び変動させ、確変大当り組合せとなる飾り図柄(確変図柄)と、通常大当り組合せとなる飾り図柄(通常図柄)のうち何れかを、確定飾り図柄として最終停止表示されてもよい。
通常大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示された後には、大当り遊技状態の開始時や大当り遊技状態におけるラウンドの実行中、大当り遊技状態において何れかのラウンドが終了してから次のラウンドが開始されるまでの期間、大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから次の可変表示ゲームが開始されるまでの期間等で、確変状態に制御するか否かの確変報知演出となる大当り中昇格演出が実行されてもよい。なお、大当り中昇格演出と同様の報知演出が、大当り遊技状態の終了後における最初の可変表示ゲーム中等で実行されてもよい。大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから実行される大当り中昇格演出を、特に「エンディング昇格演出」ということもある。
パチンコ遊技機01には、例えば図24に示すような主基板011、演出制御基板012、音声制御基板013、ランプ制御基板014といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機01には、主基板011と演出制御基板012との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板015等も搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機01における遊技盤02等の背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板等といった、各種の基板が配置されている。
主基板011は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機01における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板011は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板012等からなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能等を備えている。また、主基板011は、第1特別図柄表示装置04Aと第2特別図柄表示装置04Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)等の点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器020の点灯/消灯/発色制御等を行って普通図柄表示器020による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の識別情報の可変表示を制御する機能も備えている。
主基板011には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ0100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取込んで遊技制御用マイクロコンピュータ0100に伝送するスイッチ回路0110、遊技制御用マイクロコンピュータ0100からのソレノイド駆動信号をソレノイド081、082に伝送するソレノイド回路0111等が搭載されている。
演出制御基板012は、主基板011とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板015を介して主基板011から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置05、スピーカ08及びランプ09といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。即ち、演出制御基板012は、画像表示装置05における表示動作や、スピーカ08からの音声出力動作の全部又は一部、ランプ09等における点灯/消灯動作の全部又は一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板013は、演出制御基板012とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板012からの指令や制御データ等に基づき、スピーカ08から音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路等が搭載されている。ランプ制御基板014は、演出制御基板012とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板012からの指令や制御データ等に基づき、ランプ09等における点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路等が搭載されている。
図24に示すように、主基板011には、ゲートスイッチ021、第1始動口スイッチ022A、第2始動口スイッチ022B、カウントスイッチ023からの検出信号を伝送する配線が接続されている。ゲートスイッチ021、第1始動口スイッチ022A、第2始動口スイッチ022B、カウントスイッチ023は、例えばセンサと称されるもの等のように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。なお、遊技機01は、ゲートスイッチ021、第1始動口スイッチ022A、第2始動口スイッチ022B、カウントスイッチ023に加え、同様に主基板011に接続する他のスイッチ(例えば、ガラス扉(非図示)の開閉状態を検知するスイッチ、遊技盤02自体の開閉状態を検知するスイッチ、不正な振動を検知するためのスイッチ、不正な電磁波を検知するためのスイッチ)を備えてもよい。また、主基板011には、第1特別図柄表示装置04A、第2特別図柄表示装置04B、普通図柄表示器020、第1保留表示器025A、第2保留表示器025B、普図保留表示器0205C等の表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板011から演出制御基板012に向けて伝送される制御信号は、中継基板015により中継される。中継基板015を介して主基板011から演出制御基板012に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。
図25(A)は、本実施形態で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。なお、図25(A)に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1でもよく、3以上の複数でもよい。
図25(A)に示す例において、コマンド8001Hは、第1特別図柄表示装置04Aによる第1特図ゲームにおける変動開始を指定する第1変動開始コマンドである。コマンド8002Hは、第2特別図柄表示装置04Bによる第2特図ゲームにおける変動開始を指定する第2変動開始コマンドである。コマンド81XXHは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して各飾り図柄表示エリア05L、05C、05Rで可変表示される飾り図柄等の変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドである。ここで、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。変動パターン指定コマンドでは、指定する変動パターン等に応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンド8CXXHは、特別図柄や飾り図柄等の可変表示結果を指定する可変表示結果通知コマンドである。可変表示結果通知コマンドでは、例えば図25(B)に示すように、可変表示結果が「ハズレ」であるか「大当り」であるかの決定結果や大当り種別の決定結果に応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンド8F00Hは、各飾り図柄表示エリア05L、05C、05Rにおける、最終停止図柄を指定する図柄確定コマンドである。コマンド95XXHは、パチンコ遊技機01における現在の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドである。遊技状態指定コマンドでは、例えばパチンコ遊技機01における現在の遊技状態に応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。客待ちデモ指定コマンドは、第1特図保留記憶数及び第2特図保留記憶数が共に0になってから所定時間(例えば、30秒間)が経過することにより、主基板011から演出制御基板012に送信される。待ちデモ指定コマンドを受信した演出制御基板012の演出制御用CPU0120は、画像表示装置05に所定の客待ちデモ画面を表示する。遊技者はデモ画面表示中にプッシュボタン031B等の操作部に対して所定の操作を行うことにより、画像表示装置05にメニュー項目を表示させて、例えば、画像表示装置05の表示画面の調整、スピーカ08から出力される音量の調整、遊技履歴に係るパスワードの入力、遊技履歴に係る2次元コードの表示等のメニュー項目を実施することができる。
デモ画面が表示されるまでの所定時間は、電源投入後等において遊技者が不在であると想定されるときに経過する。一方、デモ画面が表示されるまでの所定時間は、特別図柄の可変表示が終了してから遊技者がメニュー項目の表示をさせるために明示的に遊技を中断することによっても経過する。演出制御用CPU0120は、客待ちデモ指定コマンドを受信したときに、遊技機の状態(例えば、電源投入直後であるか否か)によってデモ画面の表示等の演出態様を変更してもよい。
コマンドA0XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)である。コマンドA1XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態において、大入賞口が開放状態となっている期間であることを通知する大入賞口開放中通知コマンドである。コマンドA2XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態において、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であることを通知する大入賞口開放後通知コマンドである。コマンドA3XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態の終了時における演出画像の表示を指定する当り終了指定コマンドである。
当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、例えば可変表示結果通知コマンドと同様のEXTデータが設定されること等により、事前決定結果や大当り種別決定結果に応じて異なるEXTデータが設定されてもよい。あるいは、当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、事前決定結果及び大当り種別決定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、可変表示結果通知コマンドにおける対応関係とは異ならせてもよい。大入賞口開放中通知コマンドや大入賞口開放後通知コマンドでは、例えば通常開放大当り状態や短期開放大当り状態におけるラウンドの実行回数(例えば「1」〜「15」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。
コマンドB100Hは、普通入賞球装置06Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ022Aにより検出されて第1始動入賞が発生したことに基づき、第1特別図柄表示装置04Aによる第1特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドである。
コマンドB200Hは、普通可変入賞球装置06Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ022Bにより検出されて第2始動入賞が発生したことに基づき、第2特別図柄表示装置04Bによる第2特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドである。
コマンドC1XXHは、第1始動入賞記憶表示エリア05HL等で第1特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第1特図保留記憶数を通知する第1保留記憶数通知コマンドである。コマンドC2XXHは、第2始動入賞記憶表示エリア05HR等で特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第2特図保留記憶数を通知する第2保留記憶数通知コマンドである。
本実施形態では、保留記憶情報として、第1始動入賞口に始動入賞したか、第2始動入賞口に始動入賞したかを指定する第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドを送信するとともに、第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数を指定する第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドを送信する。なお、保留記憶数が増加したときに、第1特図保留記憶数又は第2特図保留記憶数が増加したことを示す保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンド又は第2保留記憶数加算指定コマンド)を送信する一方、保留記憶数が減少したときに、第1特図保留記憶数又は第2特図保留記憶数が減少したことを示す保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンド又は第2保留記憶数減算指定コマンド)を送信してもよい。
第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドに代えて、合計保留記憶数を通知する合計保留記憶数通知コマンドを送信してもよい。また、合計保留記憶数の増加(又は減少)を通知するための合計保留記憶数加算指定コマンド(合計保留記憶数減算指定コマンド)を送信してもよい。
コマンドC4XXH及びコマンドC6XXHは、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。このうち、コマンドC4XXHは、入賞時判定結果として、可変表示結果が「大当り」となるか否かや「小当り」となるか否かの判定結果、大当り種別の判定結果を示す図柄指定コマンドである。また、コマンドC6XXHは、入賞時判定結果として、変動カテゴリ(「変動パターン種別」とも称する)の判定結果を示す変動カテゴリコマンドである。変動カテゴリとは、飾り図柄の変動パターンを種類別に分類(集約)したときの名称である。換言すれば、変動カテゴリとは、共通のグループにカテゴライズされる1以上の飾り図柄の変動パターンを含む、各グループのグループ名である。コマンドC8XXHは、エラーの発生とその内容(種類)を示す演出制御コマンド(エラー指定コマンド)である。コマンドC8XXHは、エラーの種類に応じて、異なるEXTデータが設定される。
本実施形態では、入賞時乱数値判定処理(図37(A)参照)において、始動入賞の発生時に、特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて可変表示結果が「大当り」に決定されるか否かや「小当り」に決定されるか否かを判定し、「大当り」に決定された場合には大当り種別決定用の乱数値MR2に基づいて大当りの種別を判定し、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3に基づいて変動カテゴリ(変動パターン種別)を判定する。そして、図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドのEXTデータに、その判定結果に対応する値を設定し、演出制御基板012に対して送信する制御を行う。演出制御基板012に搭載された演出制御用CPU0120は、図柄指定コマンドに設定されている値に基づいて、可変表示結果が「大当り」や「小当り」に決定されるか否かや大当り種別を認識できるとともに、変動カテゴリコマンドに設定されている値に基づいて変動カテゴリを認識できる。
変動パターン指定コマンドや可変表示結果通知コマンド等の演出制御コマンドは、演出制御用CPU0120が、1以上の演出装置(画像表示装置05、スピーカ08、ランプ09等)を制御する際に用いられる。以下、画像表示装置05における画像表示動作の制御に用いられる演出制御コマンドを表示制御コマンド、スピーカ08からの音声出力を制御するために用いられる演出制御コマンドを音声制御コマンド、ランプ09の発光動作(点灯動作、点滅動作、消灯動作)を制御するために用いられる演出制御コマンドをランプ制御コマンドとも称する。なお、演出制御コマンドのうちには、表示制御コマンド、かつ、音声制御コマンド、かつ、ランプ制御コマンドであるものが存在してもよい。
主基板011に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ0100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)0101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)0102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)0103と、CPU0103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路0104と、I/O(Input/Output port)0105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ0100では、CPU0103がROM0101から読出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機01における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU0103がROM0101から固定データを読出す固定データ読出動作や、CPU0103がRAM0102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU0103がRAM0102に一時記憶されている各種の変動データを読出す変動データ読出動作、CPU0103がI/O0105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ0100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU0103がI/O0105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ0100の外部へと各種信号を出力する送信動作等も行われる。
図26は、主基板011の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。図26に示すように、本実施形態では、主基板011の側において、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3、普図表示結果決定用の乱数値MR4、変動パターン決定用の乱数値MR5のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。なお、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。
乱数回路0104は、これらの乱数値MR1〜MR5の一部又は全部を示す数値データをカウントするものであればよい。CPU0103は、例えば図30に示す遊技制御カウンタ設定部0154に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路0104とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアにより各種の数値データを更新することで、乱数値MR1〜MR5の一部を示す数値データをカウントしてもよい。
続いて、飾り図柄の変動パターンについて説明する。以下、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に対応した変動パターンを「ハズレ変動パターン」と称する。ハズレ変動パターンには、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」となる場合に対応した「非リーチ変動パターン(「非リーチハズレ変動パターン」「非リーチ(ハズレ)変動パターン」とも称する)」や、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち飾り図柄の可変表示態様が「リーチ」となる場合に対応した「リーチ変動パターン(「リーチハズレ変動パターン」とも称する)」が含まれる。
また、可変表示結果が「大当り」又は「小当り」となる場合に対応した変動パターンを「当たり変動パターン」と称する。当たり変動パターンには、可変表示結果が「大当り」である場合に対応した「大当り変動パターン」や、可変表示結果が「小当り」である場合に対応した「小当り変動パターン」が含まれる。大当り変動パターンとして、大当り種別の夫々に対応した複数の変動パターンを用意してもよい。
非リーチ変動パターンには、合計保留記憶数が多い場合や、遊技状態が確変状態や時短状態である場合に実行される時短制御に対応し、変動時間が異なる複数の変動パターンを用意しておくとよい。これにより、合計保留記憶数や遊技状態に応じて、何れかの変動パターンが選択されることで、合計保留記憶数や遊技状態に応じて変動時間を短縮する制御が可能になる。
大当り変動パターンやリーチ変動パターン等のようにリーチ演出を含む変動パターンには、夫々のリーチ演出のリーチ態様に応じた変動パターンが用意されている。なお、ノーマルリーチのリーチ演出が実行される変動パターンを「ノーマルリーチ変動パターン」と称し、スーパーリーチのリーチ演出が実行される変動パターンを「スーパーリーチ変動パターン」と称する。
図27は、本実施形態における変動カテゴリ及び変動パターンの具体例を示している。図27において、変動カテゴリ「PA1」は、短縮・非リーチ(ハズレ)変動カテゴリである。変動カテゴリ「PA1」には、変動パターン「PA1−1」が属している。変動カテゴリ「PA2」は、非リーチ(ハズレ)変動カテゴリである。変動カテゴリ「PA2」には、変動パターン「PA2−1」〜「PA2−3」が属している。変動カテゴリ「PA3」は、ノーマルリーチ(ハズレ)変動カテゴリである。変動カテゴリ「PA3」には、変動パターン「PA3−1」と「PA3−2」とが属している。変動カテゴリ「PA4」は、スーパーリーチα(ハズレ)変動カテゴリである。変動カテゴリ「PA4」には、変動パターン「PA4−1」〜「PA4−4」が属している。変動カテゴリ「PA5」は、スーパーリーチβ(ハズレ)変動カテゴリである。変動カテゴリ「PA5」には、変動パターン「PA5−1」〜「PA5−4」が属している。変動カテゴリ「PB3」は、ノーマルリーチ(大当り)変動カテゴリである。変動カテゴリ「PB3」には、変動パターン「PB3−1」と「PB3−2」とが属している。変動カテゴリ「PB4」は、スーパーリーチα(大当り)変動カテゴリである。変動カテゴリ「PB4」には、変動パターン「PB4−1」〜「PB4−4」が属している。変動カテゴリ「PB5」は、スーパーリーチβ(大当り)変動カテゴリである。変動カテゴリ「PB5」には、変動パターン「PB5−1」〜「PB5−4」が属している。
変動カテゴリ「PA2」に属する変動パターン「PA2−1」は、非リーチ(ハズレ)として特図変動時間が通常の長さである非リーチ(ハズレ)変動パターンである。変動パターン「PA2−2」は、滑り演出が実行される非リーチ(ハズレ)変動パターンである。変動パターン「PA2−2」の特図変動時間は、滑り演出が実行されるため、変動パターン「PA2−1」の特図変動時間よりも長くなっている。滑り演出が実行される他の変動パターンについても同様である。また、変動パターン「PA2−3」は、擬似連変動(演出)が1回実行される非リーチ(ハズレ)変動パターンである。変動パターン「PA2−3」の特図変動時間は、擬似連変動(演出)が実行されるため、変動パターン「PA2−1」のの特図変動時間よりも長くなっている。擬似連変動(演出)が実行される他の変動パターンについても同様である。変動カテゴリ「PA1」に属する変動パターン「PA1−1」は、変動パターン「PA2−1」よりも特図変動時間が短縮された非リーチ(ハズレ)変動パターンである。
変動カテゴリ「PA3」に属する変動パターン「PA3−1」は、ノーマルリーチ(ハズレ)として特図変動時間が通常の長さであるノーマルリーチ(ハズレ)変動パターンである。また、変動パターン「PA3−2」は、擬似連変動(演出)が1回実行されるノーマルリーチ(ハズレ)変動パターンである。変動カテゴリ「PA4」に属する変動パターン「PA4−1」は、スーパーリーチα(ハズレ)として特図変動時間が通常の長さであるスーパーリーチα(ハズレ)変動パターンである。変動パターン「PA4−2」は、ガセとして擬似連変動(演出)が実行されるスーパーリーチα(ハズレ)変動パターンである。なお、変動パターン「PA4−2」の特図変動時間は、ガセとして擬似連変動(演出)が実行されるため、変動パターン「PA4−1」の特図変動時間よりも長くなっている。ガセとして擬似連変動(演出)が実行される他の変動パターンについても同様である。変動パターン「PA4−3」は、擬似連変動(演出)が1回実行されるスーパーリーチα(ハズレ)変動パターンである。また、変動パターン「PA4−4」は、擬似連変動(演出)が2回実行されるスーパーリーチα(ハズレ)変動パターンである。
変動カテゴリ「PA5」に属する変動パターン「PA5−1」は、スーパーリーチβ(ハズレ)として特図変動時間が通常の長さであるスーパーリーチβ(ハズレ)変動パターンである。変動パターン「PA5−2」は、ガセとして擬似連変動(演出)が実行されるスーパーリーチβ(ハズレ)変動パターンである。変動パターン「PA5−3」は、擬似連変動(演出)が1回実行されるスーパーリーチβ(ハズレ)変動パターンである。また、変動パターン「PA5−4」は、擬似連変動(演出)が2回実行されるスーパーリーチβ(ハズレ)変動パターンである。
変動カテゴリ「PB3」に属する変動パターン「PB3−1」は、ノーマルリーチ(大当り)として特図変動時間が通常の長さであるノーマルリーチ(大当り)変動パターンである。また、変動パターン「PB3−2」は、擬似連変動(演出)が1回実行されるノーマルリーチ(大当り)変動パターンである。変動カテゴリ「PB4」に属する変動パターン「PB4−1」は、スーパーリーチα(大当り)として特図変動時間が通常の長さであるスーパーリーチα(大当り)変動パターンである。変動パターン「PB4−2」は、ガセとして擬似連変動(演出)が実行されるスーパーリーチα(大当り)変動パターンである。変動パターン「PB4−3」は、擬似連変動(演出)が1回実行されるスーパーリーチα(大当り)変動パターンである。また、変動パターン「PB4−4」は、擬似連変動(演出)が2回実行されるスーパーリーチα(大当り)変動パターンである。
変動カテゴリ「PB5」に属する変動パターン「PB5−1」は、スーパーリーチβ(大当り)として特図変動時間が通常の長さであるスーパーリーチβ(大当り)変動パターンである。変動パターン「PB5−2」は、ガセとして擬似連変動(演出)が実行されるスーパーリーチβ(大当り)変動パターンである。変動パターン「PB5−3」は、擬似連変動(演出)が1回実行されるスーパーリーチβ(大当り)変動パターンである。また、変動パターン「PB5−4」は、擬似連変動(演出)が2回実行されるスーパーリーチβ(大当り)変動パターンである。
なお、図27において、小当り変動パターン、大当り変動パターンのうちの大当り種別が突確である場合の変動パターンに関する説明は省略しているが、同図において説明したハズレ変動パターン(非リーチ変動パターン、リーチハズレ変動パターン)や、大当り変動パターン(大当り種別が突確である場合を除く)と同様である。
図24に示す遊技制御用マイクロコンピュータ0100が備えるROM0101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種のデータが格納されている。例えば、ROM0101には、CPU0103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブル等を構成するデータが記憶されている。また、ROM0101には、CPU0103が主基板011から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するデータ(例えば、制御コマンドの内容を特定する情報)や、図27に示すようなテーブルを構成するデータ等が記憶されている。
図28は、ROM0101に記憶される特図表示結果決定テーブルの構成例を示している。本実施形態では、特図表示結果決定テーブルとして、図28(A)に示す第1特図表示結果決定テーブル0130Aと、図28(B)に示す第2特図表示結果決定テーブル0130Bとが予め用意されている。第1特図表示結果決定テーブル0130Aは、第1特別図柄表示装置04Aによる第1特図ゲーム(第1特図を用いた特図ゲーム)において可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。第2特図表示結果決定テーブル0130Bは、第2特別図柄表示装置04Bによる第2特図ゲーム(第2特図を用いた特図ゲーム)において可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。
第1特図表示結果決定テーブル0130Aでは、パチンコ遊技機01における遊技状態が通常状態又は時短状態(低確状態)であるか、確変状態(高確状態)であるかに応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、「大当り」や「小当り」、「ハズレ」の特図表示結果に割当てられている。第2特図表示結果決定テーブル0130Bでは、遊技状態が通常状態又は時短状態(低確状態)であるか、確変状態(高確状態)であるかに応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、「大当り」や「ハズレ」の特図表示結果に割当てられている。
第1特図表示結果決定テーブル0130Aと第2特図表示結果決定テーブル0130Bの夫々では、遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態又は時短状態(低確状態)であるときよりも多くの決定値が、「大当り」の特図表示結果に割当てられている。これにより、パチンコ遊技機01において確変制御が行われる確変状態(高確状態)では、通常状態又は時短状態(低確状態)であるときに比べて、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなる。
第1特図表示結果決定テーブル0130Aの設定例では、所定範囲の決定値(「30000」〜「30350」の範囲の値)が「小当り」の特図表示結果に割当てられている。その一方で、第2特図表示結果決定テーブル0130Bの設定例では、「小当り」の特図表示結果に決定値が割当てられていない。このような設定より、第2特図ゲームでは「小当り」とならないので、例えば時短状態(低確高ベース状態)や確変状態(高確高ベース状態)といった、普通可変入賞球装置06Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい遊技状態において、賞球を得ることが困難な「小当り」の発生を回避して、遊技の間延びによる遊技興趣の低下を防止することができる。
なお、第2特図表示結果決定テーブル0130Bと、第1特図表示結果決定テーブル0130Aとで、異なる所定範囲の決定値が「小当り」の特図表示結果に割当てられてもよい。例えば、第2特図表示結果決定テーブル0130Bでは、第1特図表示結果決定テーブル0130Aに比べて少ない決定値が「小当り」の特図表示結果に割当てられてもよい。これにより、普通可変入賞球装置06Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい遊技状態における「小当り」の頻発を回避することができる。あるいは、第1特図ゲームと第2特図ゲームとで、共通の特図表示結果決定テーブルを参照して、特図表示結果の決定を行ってもよい。
図29は、ROM0101に記憶される大当り種別決定テーブル0131の構成例を示している。大当り種別決定テーブル0131は、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定されたときに、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づき、大当り種別を複数種類の何れかに決定するために参照されるテーブルである。大当り種別決定テーブル0131では、第1特別図柄表示装置04Aによる第1特図ゲーム(第1特図を用いた特図ゲーム)を実行するか、第2特別図柄表示装置04Bによる第2特図ゲーム(第2特図を用いた特図ゲーム)を実行するかに応じて、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、「非確変」や「確変」、「突確」といった複数種類の大当り種別に割当てられている。
大当り種別決定テーブル0131の設定例では、第1特図ゲームを実行する場合、即ち、変動させる特図(変動特図とも称する)が第1特図である場合には、所定範囲の決定値(「82」〜「99」の範囲の値)が「突確」の大当り種別に割当てられている一方、第2特図ゲームを実行する場合、変動特図が第2特図である場合には、「突確」の大当り種別に対して決定値が割当てられていない。このような設定により、第2特図ゲームでは「突確」とならないので、普通可変入賞球装置06Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい遊技状態において、賞球を得ることが困難な「突確」の発生を回避して、遊技の間延びによる遊技興趣の低下を防止することができる。
なお、変動特図が第1特図である場合と、変動特図が第2特図である場合とで、異なる所定範囲の決定値が「突確」の大当り種別に割当てられてもよい。例えば、変動特図が第2特図である場合には、変動特図が第1特図である場合に比べて少ない決定値が「突確」の大当り種別に割当てられてもよい。これにより、普通可変入賞球装置06Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい遊技状態における「突確」の頻発を回避することができる。あるいは、変動特図が、第1特図である場合と第2特図である場合とで、共通のテーブルデータを参照して、大当り種別の決定を行ってもよい。
また、ROM0101には、変動カテゴリを複数種類のうちの何れかに決定するために参照される変動カテゴリ決定テーブルが記憶されている。具体的には、ROM0101には、当該変動カテゴリ決定テーブルにおいて決定され得る変動カテゴリの種類や夫々の決定割合等が互いに異なる複数の変動カテゴリ決定テーブルが記憶されている。変動カテゴリ決定テーブルには、変動カテゴリの夫々に、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が割当てられている。つまり、ROM0101には、複数種類の変動カテゴリのうち少なくとも1つの変動カテゴリに割当てられている上記決定値(例えば、決定値の範囲や個数等)が互いに異なる複数の変動カテゴリ決定テーブルが記憶されている。なお、複数の変動カテゴリ決定テーブルに代えて、全部の変動カテゴリ決定テーブルの情報を含む1つの大きな変動カテゴリ決定テーブルをROM0101に記憶してもよい。
また、ROM0101には、変動パターンを複数種類のうちの何れかに決定するために参照される変動パターン決定テーブルが記憶されている。具体的には、ROM0101には、当該変動パターン決定テーブルにおいて決定され得る変動パターンの種類や夫々の決定割合等が互いに異なる複数の変動パターン決定テーブルが記憶されている。変動パターン決定テーブルには、変動パターンの夫々に、変動パターン決定用の乱数値MR5と比較される数値(決定値)が割当てられている。つまり、ROM0101には、複数種類の変動パターンのうち少なくとも1つの変動パターンに割当てられている上記決定値(例えば、決定値の範囲や個数等)が互いに異なる複数の変動パターン決定テーブルが記憶されている。なお、複数の変動パターン決定テーブルに代えて、夫々の変動パターン決定テーブルの情報を含む1つの大きな変動パターン決定テーブルをROM0101に記憶してもよい。
図24に示す遊技制御用マイクロコンピュータ0100が備えるRAM0102は、その一部又は全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によりバックアップされているバックアップRAMであればよい。即ち、パチンコ遊技機01に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM0102の一部又は全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態即ち遊技制御手段の制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータ(例えば特図プロセスフラグ等)である。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。
このようなRAM0102には、パチンコ遊技機01における遊技の進行等を制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば図30に示すような遊技制御用データ保持エリア0150が設けられている。図30に示す遊技制御用データ保持エリア0150は、第1特図保留記憶部0151Aと、第2特図保留記憶部0151Bと、普図保留記憶部0151Cと、遊技制御フラグ設定部0152と、遊技制御タイマ設定部0153と、遊技制御カウンタ設定部0154と、遊技制御バッファ設定部0155と、を備えている。
第1特図保留記憶部0151Aは、普通入賞球装置06Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動入賞が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置04Aによる第1特図ゲーム)の保留データ(第1特図保留情報)を記憶する。一例として、第1特図保留記憶部0151Aは、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)に基づいてCPU0103により乱数回路0104等から抽出された乱数値MR1〜MR3を示す数値データ等を保留データ(第1特図保留情報)として、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
第2特図保留記憶部0151Bは、普通可変入賞球装置06Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2始動入賞が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置04Bによる第2特図ゲーム)の保留データ(第2特図保留情報)を記憶する。一例として、第2特図保留記憶部0151Bは、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)に基づいてCPU0103により乱数回路0104等から抽出された乱数値MR1〜MR3を示す数値データ等を保留データ(第2特図保留情報)として、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
なお、第1特別図柄表示装置04Aによる第1特図ゲームの保留データ(第1始動条件の成立に基づく第1特図保留情報)と、第2特別図柄表示装置04Bによる第2特図ゲームの保留データ(第2始動入賞の成立に基づく第2特図保留情報)とを、共通の保留記憶部で保留番号と対応付けて記憶してもよい。
普図保留記憶部0151Cは、通過ゲート041を通過した遊技球がゲートスイッチ021により検出されたにもかかわらず、未だ普通図柄表示器020により開始されていない普図ゲームに関する保留データ(普図保留情報)を記憶する。例えば、普図保留記憶部0151Cは、遊技球が通過ゲート041を通過した順に保留番号と対応付けて、その遊技球の通過に基づいてCPU0103により乱数回路0104等から抽出された普図表示結果決定用の乱数値MR4を示す数値データ等を保留データ(普図保留情報)として、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
遊技制御フラグ設定部0152には、パチンコ遊技機01における遊技の進行状況等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、遊技制御フラグ設定部0152には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
遊技制御タイマ設定部0153には、パチンコ遊技機01における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。例えば、遊技制御タイマ設定部0153には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
遊技制御カウンタ設定部0154には、パチンコ遊技機01における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するためのカウンタが複数種類設けられている。例えば、遊技制御カウンタ設定部0154には、第1特図保留記憶数を計数するための第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値、第2特図保留記憶数を計数するための第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値、合計保留記憶数を計数するための合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値等が記憶される。
遊技制御バッファ設定部0155には、パチンコ遊技機01における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、遊技制御バッファ設定部0155には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
図24に示す遊技制御用マイクロコンピュータ0100が備えるI/O0105は、遊技制御用マイクロコンピュータ0100に伝送された各種信号を取込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ0100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
図24に示すように、演出制御基板012には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU0120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM0121と、演出制御用CPU0120のワークエリアを提供するRAM0122と、画像表示装置05における表示動作の制御内容を決定するための処理等を実行する表示制御部0123と、演出制御用CPU0120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路0124と、I/O0125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板012では、演出制御用CPU0120がROM0121から読出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU0120がROM0121から固定データを読出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU0120がRAM0122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU0120がRAM0122に一時記憶されている各種の変動データを読出す変動データ読出動作、演出制御用CPU0120がI/O0125を介して演出制御基板012の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU0120がI/O0125を介して演出制御基板012の外部へと各種信号を出力する送信動作等も行われる。
演出制御用CPU0120、ROM0121、RAM0122は、演出制御基板012に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。
演出制御基板012には、画像表示装置05に対する演出画像を示す情報信号(映像信号)を伝送するための配線や、音声制御基板013に対する指令を示す情報信号(演出音信号)を伝送するための配線、ランプ制御基板014に対する指令を示す情報信号(電飾信号)を伝送するための配線等が接続されている。さらに、演出制御基板012には、スティックコントローラ031Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号(操作検出信号)を、コントローラセンサユニット035Aから伝送するための配線や、プッシュボタン031Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号(操作検出信号)を、プッシュセンサ035Bから伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板012では、例えば乱数回路0124等により、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図24に示す演出制御基板012に搭載されたROM0121には、演出制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種のデータが格納されている。例えば、ROM0121には、演出制御用CPU0120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブル等を構成するデータが記憶されている。
例えば、ROM0121には、第1始動入賞記憶表示エリア05HLに表示される第1保留表示の表示態様を複数種類のうちの何れかに決定するために参照される保留表示態様決定テーブルが記憶されている。具体的には、ROM0121には、当該保留表示態様決定テーブルにおいて決定され得る表示態様の種類や夫々の決定割合等が互いに異なる複数の保留表示態様決定テーブルが記憶されている。保留表示態様決定テーブルには、第1保留表示の表示態様の夫々に、第1保留表示の表示態様決定用の乱数値MR6(非図示)と比較される数値(決定値)が割当てられている。なお、複数の保留表示態様決定テーブルに代えて、全部の保留表示態様決定テーブルの情報を含む1つの大きな保留表示態様決定テーブルをROM0121に記憶してもよい。
また、例えば、ROM0121には、第2始動入賞記憶表示エリア05HRに表示される第2保留表示の表示態様を複数種類のうちの何れかに決定するために参照される保留表示態様決定テーブルが記憶されている。具体的には、ROM0121には、当該保留表示態様決定テーブルにおいて決定され得る表示態様の種類や夫々の決定割合等が互いに異なる複数の保留表示態様決定テーブルが記憶されている。保留表示態様決定テーブルには、第2保留表示の表示態様の夫々に、第2保留表示の表示態様決定用の乱数値MR6(非図示)と比較される数値(決定値)が割当てられている。なお、複数の保留表示態様決定テーブルに代えて、全部の保留表示態様決定テーブルの情報を含む1つの大きな保留表示態様決定テーブルをROM0121に記憶してもよい。
また、ROM0121には、保留演出(作用演出、保留変化演出とも称する)の実行有無を決定するために参照される保留演出実行有無決定テーブルが記憶されている。具体的に、保留演出実行有無決定テーブルには、保留演出の実行なし及び実行ありの夫々に、保留演出の実行有無決定用の乱数値MR7(非図示)と比較される数値(決定値)が割当てられている。本実施形態において、保留演出とは、第1始動入賞記憶表示エリア05HLに表示されている保留表示の表示態様を予告態様に変化させる先読予告演出と、第2始動入賞記憶表示エリア05HRに表示されている保留表示の表示態様を予告態様に変化させる先読予告演出とである。なお、保留演出には複数種類が存在し、画像表示装置05の表示領域においてキャラクタ等が保留表示に作用して保留表示の表示態様を変化させる保留変化演出も存在する。当該保留変化演出には、画像表示装置05の表示領域においてキャラクタ等が保留表示に作用するが保留表示の表示態様を変化させない保留変化ガセ演出も存在する。
また、ROM0121には、アクティブ表示を含む特別画像を変化させるアクティブ表示変化演出(成功演出)の実行有無を決定するために参照されるアクティブ表示変化演出実行有無決定テーブルが記憶されている。具体的には、アクティブ表示変化実行有無決定テーブルには、アクティブ表示変化演出の実行なし及び実行ありの夫々に、アクティブ表示変化演出の実行有無決定用の乱数値MR7(非図示)と比較される数値(決定値)が割当てられている。
本実施形態において、アクティブ表示変化演出とは、特別画像を予告態様に変化させる演出(主予告演出)である。つまり、アクティブ表示や、アクティブ表示を囲うアクティブ表示枠や、アクティブ表示に応じた情報(例えば、アクティブ表示またはアクティブ表示周囲やアクティブ表示枠の周囲に表示される文字や画像等)等を予告態様に変化させる演出(主予告演出)である。アクティブ表示変化演出には、上述の如く、共通演出と、共通演出を実行した後に特別画像を変化させるときに実行される成功演出(アクティブ表示変化演出とも称される)と、共通演出を実行した後に特別画像を変化させないときに実行される失敗演出(アクティブ表示変化ガセ演出とも称される)とが含まれる。成功演出は、画像表示装置05の表示領域において特別画像に作用して特別画像の表示態様を変化させる演出である。一方、失敗演出は、画像表示装置05の表示領域において特別画像に作用しないことにより特別画像の表示態様を変化させない演出、または、画像表示装置05の表示領域において特別画像に作用するが特別画像の表示態様を変化させない演出である。
また、ROM0121には、演出制御用CPU0120が各種の演出装置(例えば画像表示装置05、スピーカ08、ランプ09、演出用模型等)による演出動作を制御するために用いられる複数の演出制御パターンを構成するデータ等が記憶されている。演出制御パターンがセットされることにより、飾り図柄等の種々の可変表示動作や予告演出(先読予告演出を含む)等が実現される。
各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機01における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。例えば、演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、特図ゲームにおいて特別図柄の変動が開始されてから特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、飾り図柄の可変表示動作やリーチ演出、再抽選演出等における演出動作、あるいは、飾り図柄の可変表示を伴わない各種の演出動作(例えば、第1始動入賞記憶表示エリア05HLにおける保留表示の表示態様に対する保留演出や、第2始動入賞記憶表示エリア05HRにおける保留表示の表示態様に対する保留演出等)といった、様々な演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。
図31(A)は、演出制御パターンの構成例を示している。演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値、表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御用データ、操作検出制御データ、終了コードといった、各種の演出動作を制御するための制御データから構成され、時系列的に、各種の演出制御の内容や、演出制御の切換タイミング等が設定されればよい。その他にも、演出制御パターンには、例えば遊技領域の内部又は外部に設けられた可動部材における動作制御の内容等を指定する可動部材制御データ等が、含まれてもよい。演出制御プロセスタイマ判定値は、演出制御用CPU0120に内蔵された演出制御用RAMの所定領域に設けられた演出制御プロセスタイマの値(演出制御プロセスタイマ値)と比較される値(判定値)であって、各演出動作の実行時間(演出時間)に対応した判定値が予め設定されている。なお、演出制御プロセスタイマ判定値に代えて、例えば主基板011から所定の演出制御コマンドを受信したことや、演出制御用CPU0120において演出動作を制御するための処理として所定の処理が実行されたことといった、所定の制御内容や処理内容に対応して、演出制御の切換タイミング等を示すデータが設定されてもよい。
表示制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における各飾り図柄の変動態様を示すデータといった、画像表示装置05の表示領域における演出画像の表示態様を示すデータが含まれている。即ち、表示制御データは、画像表示装置05の表示領域における演出画像の表示動作を指定するデータである。音声制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における飾り図柄の可変表示動作に連動した演出音等の出力態様を示すデータといった、スピーカ08からの音声出力態様を示すデータが含まれている。即ち、音声制御データは、スピーカ08からの音声出力動作を指定するデータである。ランプ制御用データには、例えばランプ09(発光体)の発光動作態様を示すデータが含まれている。即ち、ランプ制御用データは、ランプ09の発光動作(点灯動作、点滅動作、消灯動作)を指定するデータである。操作検出制御データには、例えばプッシュボタン031Bといった操作部に対する操作を有効に検出する期間や、有効に検出した場合における演出動作の制御内容等を示すデータが含まれている。即ち、操作検出制御データは、操作部に対する操作に応じた演出動作を指定するデータである。なお、これらの制御データは、全ての演出制御パターンに含まれなければならないものではなく、各演出制御パターンによる演出動作の内容に応じて、一部の制御データを含んで構成される演出制御パターンがあってもよい。
図31(B)は、演出制御パターンの内容に従って実行される各種の演出動作を説明するための図である。演出制御用CPU0120は、演出制御パターンに含まれる各種の制御データに従って、演出動作の制御内容を決定する。例えば、演出制御プロセスタイマ値が演出制御プロセスタイマ判定値の何れかと合致したときには、その演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた表示制御データにより指定される態様で飾り図柄を表示させるとともに、キャラクタ画像や背景画像といった演出画像を画像表示装置05の画面上に表示させる制御を行う。また、音声制御データにより指定される態様でスピーカ08から音声を出力させる制御を行うとともに、ランプ制御用データにより指定される態様でランプ09を発光させる制御を行い、操作検出制御データにより指定される操作有効期間でスティックコントローラ031Aやプッシュボタン031Bに対する操作を受け付けて演出内容を決定する制御を行う。なお、演出制御プロセスタイマ判定値と対応していても制御対象にならない演出用部品に対応するデータには、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されてもよい。
図31(B)に示す演出動作は、飾り図柄の変動が開始されてから最終停止するまでの期間全体に対応しているが、これに限定されるものではなく、飾り図柄の可変表示中における一部の期間(例えば予告演出を実行する期間等)に対応して演出動作を実行するための演出制御パターンが設けられてもよい。あるいは、飾り図柄の可変表示中以外の所定期間(例えば大当り遊技状態においてラウンドを実行中の期間や、大当り遊技状態の終了時にエンディング演出を実行する期間等)に対応して演出動作を実行するための演出制御パターンが設けられてもよい。
演出制御パターンをセットする際には、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータを、ROM0121から読出してRAM0122の所定領域に一時記憶させてもよく、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータのROM0121における記憶アドレスを、RAM0122の所定領域に一時記憶させて、ROM0121における記憶データの読出位置を指定するだけでもよい。その後、演出制御プロセスタイマ値が更新されるごとに、演出制御プロセスタイマ判定値の何れかと合致したか否かの判定を行い、合致した場合には、対応する各種の制御データに応じた演出動作の制御を行う。このように、演出制御用CPU0120は、演出制御パターンに含まれるプロセスデータ#1〜プロセスデータ#n(nは任意の整数)の内容に従って、演出装置(画像表示装置05、スピーカ08、ランプ09、演出用模型が備える可動部材等)の制御を進行させる。なお、各プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、演出制御プロセスタイマ判定値#1〜#nと対応付けられた表示制御データ#1〜表示制御データ#n、音声制御データ#1〜音声制御データ#n、ランプ制御用データ#1〜ランプ制御用データ#n、操作検出制御データ#1〜操作検出制御データ#nは、演出装置における演出動作の制御内容を示し、演出制御の実行を指定する演出制御実行データ#1〜演出制御実行データ#nを構成する。
こうしてセットした演出制御パターンに従った指令が、演出制御用CPU0120から表示制御部0123、音声制御基板013、ランプ制御基板014等に対して出力される。演出制御用CPU0120からの指令を受けた表示制御部0123では、例えば所定のVDP等がその指令に示される画像データをCGROM等の画像データメモリから読出してVRAMに一時記憶させること等により展開させる。また、演出制御用CPU0120からの指令を受けた音声制御基板013では、例えば音声合成用ICがその指令に示される音声データを音声データROMから読出して音声RAM等に一時記憶させること等により展開させる。
図24に示す演出制御基板012に搭載されたRAM0122には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、例えば図32(A)に示すような演出制御用データ保持エリア0190が設けられている。図32(A)に示す演出制御用データ保持エリア0190は、演出制御フラグ設定部0191と、演出制御タイマ設定部0192と、演出制御カウンタ設定部0193と、演出制御バッファ設定部0194とを備えている。
演出制御フラグ設定部0191には、例えば画像表示装置05の画面上における演出画像の表示状態等といった演出動作状態や主基板011から伝送された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、演出制御フラグ設定部0191には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
演出制御タイマ設定部0192には、例えば画像表示装置05の画面上における演出画像の表示動作等といった各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。例えば、演出制御タイマ設定部0192には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
演出制御カウンタ設定部0193には、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。例えば、演出制御カウンタ設定部0193には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。
演出制御バッファ設定部0194には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、演出制御バッファ設定部0194には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
本実施形態では、図32(B)に示すような第1始動入賞時受信コマンドバッファ0194Aを構成するデータが、演出制御バッファ設定部0194の所定領域に記憶される。第1始動入賞時受信コマンドバッファ0194Aには、合計保留記憶数の最大値(例えば「4」)に対応した格納領域(バッファ番号「1」〜「4」に対応した領域)が設けられている。第1始動入賞口への始動入賞があったときには、始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンド)、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンド)という4つのコマンドを1セットとして、主基板011から演出制御基板012へと送信される。第1始動入賞時受信コマンドバッファ0194Aには、これらのコマンドのうち、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、第1保留記憶数通知コマンドを対応付けて格納できるように記憶領域が確保されている。
演出制御用CPU0120は、第1始動入賞時に受信した順番でコマンドを第1始動入賞時受信コマンドバッファ0194Aの空き領域における先頭から格納していく。第1始動入賞時には、第1始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、第1保留記憶数通知コマンドの順にコマンド送信が行われる。従って、コマンド受信が正常に行われれば、図32(B)に示すように、バッファ番号「1」〜「4」のそれぞれに対応する格納領域に、始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、第1保留記憶数通知コマンドの順に格納されていくことになる。なお、図32(B)では、バッファ番号「1」〜「3」に対応する格納領域でコマンドが格納されている。
図32(B)に示す第1始動入賞時受信コマンドバッファ0194Aに格納されているコマンドは、第1特図ゲームに同期して飾り図柄の可変表示が開始されるごとに1つずつ削除され、バッファ番号(コマンド同士の入賞順)を維持しつつ、以降のコマンドがシフトされる。具体的には、第1特図ゲームに連動して飾り図柄の可変表示が開始されるときには、第1始動口入賞指定コマンドに対応付けられたコマンドのうち最も小さいバッファ番号に対応した領域に格納されたコマンド(1セット)が1つ削除され、削除されたコマンドのバッファ番号よりも大きいバッファ番号に対応した領域に格納されているコマンド(第1始動口入賞指定コマンドに対応付けられたコマンド)が、入賞順(バッファ番号の大小関係)を維持しつつシフトされる。
例えば、図32(B)に示す格納状態において第1特図ゲームに同期して飾り図柄の可変表示が開始されるときには、バッファ番号「1」に対応した領域に格納されているコマンドが削除され、バッファ番号「2」に対応した領域に格納されているコマンドがバッファ番号「1」にシフトされ、バッファ番号「3」に対応した領域に格納されている各コマンドが、バッファ番号「2」にシフトされる。
また、本実施形態では、図32(C)に示すような第2始動入賞時受信コマンドバッファ0194Bを構成するデータが、演出制御バッファ設定部0194の所定領域に記憶される。第2始動入賞時受信コマンドバッファ0194Bには、合計保留記憶数の最大値(例えば「4」)に対応した格納領域(バッファ番号「1」〜「4」に対応した領域)が設けられている。第2始動入賞口への始動入賞があったときには、始動口入賞指定コマンド(第2始動口入賞指定コマンド)、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンド(第2保留記憶数通知コマンド)という4つのコマンドを1セットとして、主基板011から演出制御基板012へと送信される。第2始動入賞時受信コマンドバッファ0194Bには、これらのコマンドのうち、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンドを対応付けて格納できるように記憶領域が確保されている。
演出制御用CPU0120は、第2始動入賞時に受信した順番でコマンドを第2始動入賞時受信コマンドバッファ0194Bの空き領域における先頭から格納していく。第2始動入賞時には、第2始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンドの順にコマンド送信が行われる。従って、コマンド受信が正常に行われれば、図32(C)に示すように、バッファ番号「1」〜「4」のそれぞれに対応する格納領域に、第2始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンドの順に格納されていくことになる。なお、図32(C)では、バッファ番号「1」〜「2」に対応する格納領域でコマンドが格納されている。
図32(C)に示す第2始動入賞時受信コマンドバッファ0194Bに格納されているコマンドは、第2特図ゲームに同期して飾り図柄の可変表示が開始されるごとに1つずつ削除され、バッファ番号(コマンド同士の入賞順)を維持しつつ、以降のコマンドがシフトされる。具体的には、第2特図ゲームに連動して飾り図柄の可変表示が開始されるときには、第2始動口入賞指定コマンドに対応付けられたコマンドのうち最も小さいバッファ番号に対応した領域に格納されたコマンド(1セット)が1つ削除され、削除されたコマンドのバッファ番号よりも大きいバッファ番号に対応した領域に格納されているコマンド(第2始動口入賞指定コマンドに対応付けられたコマンド)が、入賞順(バッファ番号の大小関係)を維持しつつシフトされる。
例えば、図32(C)に示す格納状態において第2特図ゲームに同期して飾り図柄の可変表示が開始されるときには、バッファ番号「1」に対応した領域に格納されているコマンドが削除され、バッファ番号「2」に対応した領域に格納されているコマンドがバッファ番号「1」にシフトされる。
また、本実施形態では、図32(D)に示すような第1先読予告バッファ0194Cを構成するデータが、演出制御バッファ設定部0194の所定領域に記憶される。第1先読予告バッファ0194Cには、第1始動入賞時受信コマンドバッファ0194Aを構成する各データに対応した格納領域(バッファ番号「1」〜「4」に対応した領域)が設けられている。即ち、第1先読予告バッファ0194Cには、演出制御用CPU0120等により決定された夫々の保留情報に関する先読予告演出に関する決定内容等が、バッファ番号「1」〜「4」に対応付けて記憶される。飾り図柄の可変表示の開始等により、図32(B)の第1始動入賞時受信コマンドバッファ0194Aにおいて、あるバッファ番号に対応付けられた保留データ(1セットのコマンド)が削除されるときには、第1先読予告バッファ0194Cにおいて、当該バッファ番号に対応付けられた内容も削除される。また、飾り図柄の可変表示の開始等により、図32(B)の第1始動入賞時受信コマンドバッファ0194Aにおいて、あるバッファ番号に対応付けられた保留データ(1セットのコマンド)が他のバッファ番号にシフトされるときには、第1先読予告バッファ0194Cにおいて、当該バッファ番号に対応付けられた内容も当該他のバッファ番号にシフトされる。
また、本実施形態では、図32(E)に示すような第2先読予告バッファ0194Dを構成するデータが、演出制御バッファ設定部0194の所定領域に記憶される。第2先読予告バッファ0194Dには、第2始動入賞時受信コマンドバッファ0194Bを構成する各データに対応した格納領域(バッファ番号「1」〜「4」に対応した領域)が設けられている。即ち、第2先読予告バッファ0194Dには、演出制御用CPU0120等により決定された夫々の保留情報に関する先読予告演出に関する決定内容等が、バッファ番号「1」〜「4」に対応付けて記憶される。飾り図柄の可変表示の開始等により、図32(C)の第2始動入賞時受信コマンドバッファ0194Bにおいて、あるバッファ番号に対応付けられた保留データ(1セットのコマンド)が削除されるときには、第2先読予告バッファ0194Dにおいて、当該バッファ番号に対応付けられた内容も削除される。また、飾り図柄の可変表示の開始等により、図32(C)の第2始動入賞時受信コマンドバッファ0194Bにおいて、あるバッファ番号に対応付けられた保留データ(1セットのコマンド)が他のバッファ番号にシフトされるときには、第2先読予告バッファ0194Dにおいて、当該バッファ番号に対応付けられた内容も当該他のバッファ番号にシフトされる。
次に、本実施形態におけるパチンコ遊技機01の動作(作用)を説明する。主基板011では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ0100が起動し、CPU0103により遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU0103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM0102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ0100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU0103へ送出され、CPU0103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機01の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入ってもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU0103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図33のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図33に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU0103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路0110を介してゲートスイッチ021、第1始動口スイッチ022A、第2始動口スイッチ022B、カウントスイッチ023といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(S011)。以下、Sは単にSと称する。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機01の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(S012)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機01の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する(S013)。
情報出力処理に続いて、主基板011の側で用いられる乱数値MR1〜MR5といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(S014)。この後、CPU0103は、特別図柄プロセス処理を実行する(S015)。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部0152に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機01における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置04Aや第2特別図柄表示装置04Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置07における大入賞口の開閉動作設定等を、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(S016)。CPU0103は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示器020における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯等)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置06Bにおける可動翼片の傾動動作設定等を可能にする。
普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU0103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板011から演出制御基板012等のサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(S017)。一例として、コマンド制御処理では、遊技制御バッファ設定部0155に設けられた送信コマンドバッファの値により指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O0105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板012に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすること等により、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図34は、特別図柄プロセス処理として、図33に示すS015で実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU0103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(S0101)。図35は、始動入賞判定処理として、図34のS0101で実行される処理の一例を示すフローチャートである。図36は、始動入賞時処理として、図35のS0208、S0211で実行される処理の一例を示すフローチャートである。図37(A)は、入賞時乱数値判定処理として、図36のS0220で実行される処理の一例を示すフローチャートである。
図35に示す特別図柄プロセス処理における始動入賞判定処理において、CPU0103は、まず、普通入賞球装置06Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ022Aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ022Aがオンであるか否かを判定する(S0201)。このとき、第1始動口スイッチ022Aがオンであれば(S0201;YES)、第1特図保留記憶数(第1特図ゲームの保留数)が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)であるか否かを判定する(S0202)。CPU0103は、例えば遊技制御カウンタ設定部0154に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。S0202で第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(S0202;NO)、例えば遊技制御バッファ設定部0155に設けられた始動口バッファの格納値を、「1」に設定する(S0207)。
S0201で第1始動口スイッチ022Aがオフであるときや(S0201;NO)、S0202で第1特図保留記憶数が上限値に達しているときや(S0202;YES)、S0209の処理を実行した後には、普通可変入賞球装置06Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ022Bからの検出信号に基づき、第2始動口スイッチ022Bがオンであるか否かを判定する(S0203)。このとき、第2始動口スイッチ022Bがオンであれば(S0203;YES)、第2特図保留記憶数(第2特図ゲームの保留数)が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)であるか否かを判定する(S0204)。CPU0103は、例えば遊技制御カウンタ設定部0154に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。S0204で第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(S0204;NO)、例えば遊技制御バッファ設定部0155に設けられた始動口バッファの格納値を、「2」に設定する(S0210)。
S0207の処理を実行した後には、始動入賞時処理(図36)を実行し(S0208)、始動口バッファの格納値を「0(初期化)」し(S0209)、S0203の処理に進む。S0210の処理を実行した後には、始動入賞時処理(図36)を実行し(S0211)、始動口バッファの格納値を「0(初期化)」し(S0212)、始動入賞判定処理を終了する。これにより、第1始動口スイッチ022Aと第2始動口スイッチ022Bとにおいて、遊技球の始動入賞を同時に検出した場合であっても、それぞれの検出に基づく処理を完了させることができる。
CPU0103は、始動入賞時処理(S0208、S0211)として、始動口バッファの格納値である始動口バッファ値に応じた特図保留記憶数を1加算するように更新する(図36のS0215)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。S0215の処理に続いて、合計保留記憶数を1加算するように更新する(S0216)。例えば、遊技制御カウンタ設定部0154に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新すればよい。
S0216の処理を実行した後に、CPU0103は、乱数回路0104や遊技制御カウンタ設定部0154のランダムカウンタにより更新されている数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3を示す数値データを抽出する(S0217)。こうして抽出した各乱数値を示す数値データは、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部0151における空きエントリの先頭に、保留情報としてセットされることで記憶される(S0218)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、第1特図保留記憶部0151Aに乱数値MR1〜MR3を示す数値データがセットされる一方、始動口バッファ値が「2」であるときには、第2特図保留記憶部0151Bに乱数値MR1〜MR3を示す数値データがセットされる。
S0218の処理に続いて、始動口バッファ値に応じた始動口入賞指定コマンドの送信設定が行われる(S0219)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときにはROM0101における第1始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタにより指定されたバッファ領域に格納すること等により、演出制御基板012に対して第1始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときにはROM0101における第2始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファのバッファ領域に格納すること等により、演出制御基板012に対して第2始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。こうして設定された始動口入賞指定コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図33に示すS017のコマンド制御処理が実行されること等により、主基板011から演出制御基板012に対して伝送される。
S0219の処理に続いて、入賞時乱数値判定処理を実行する(S0220)。その後、例えばROM0101における保留記憶数通知コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタにより指定されたバッファ領域に格納すること等により、演出制御基板012に対して保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う(S0221)。こうして設定された保留記憶数通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図33に示すS017のコマンド制御処理が実行されること等により、主基板011から演出制御基板012に対して伝送される。
CPU0103は、入賞時乱数値判定処理(S0220)として、例えば遊技制御フラグ設定部0152等に設けられた時短フラグや確変フラグの状態を確認すること等により、パチンコ遊技機01における現在の遊技状態を特定する(図37(A)のS0401)。CPU0103は、確変フラグがオンであるときには確変状態であることを特定し、確変フラグがオフで時短フラグがオンであるときには時短状態であることを特定し、確変フラグと時短フラグがともにオフであるときには通常状態であることを特定すればよい。
S0401の処理に続いて、第1特図表示結果決定テーブル0130A又は第2特図表示結果決定テーブル0130Bを構成するテーブルデータから、始動口バッファ値(「1」又は「2」)や現在の遊技状態に対応して特図表示結果の決定に用いられる特図表示結果決定用テーブルデータを選択する(S0402)。例えば、始動口バッファ値が「1」である場合には第1特図表示結果決定テーブル0130Aを使用テーブルにセットする。一方、始動口バッファ値が「2」である場合には第2特図表示結果決定テーブル0130Bを使用テーブルにセットする。その後、図36のS0217で抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データが所定の大当り判定範囲内であるか否かを判定する(S0403)。大当り判定範囲には、S0402の処理により選択された特図表示結果決定用テーブルデータにおいて「大当り」の特図表示結果に割当てられた個々の決定値が設定され、CPU0103が乱数値MR1と各決定値とを逐一比較することにより、乱数値MR1と合致する決定値の有無を判定できればよい。あるいは、大当り判定範囲に含まれる決定値の最小値(下限値)と最大値(上限値)とを示す数値を設定して、CPU0103が乱数値MR1と大当り判定範囲の最小値や最大値とを比較することにより、乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であるか否かを判定できればよい。このとき、乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であると判定されることにより、その乱数値MR1を含む保留データに基づく可変表示結果が「大当り」に決定されると判定(大当り始動判定)できる。
S0403で大当り判定範囲内ではないと判定された場合には(S0403;NO)、その乱数値MR1を示す数値データが所定の小当り判定範囲内であるか否かを判定する(S0404)。CPU0103は、S0402の処理により選択された特図表示結果決定用テーブルデータにおいて「小当り」の特図表示結果に割当てられた決定値について、大当り判定範囲の場合と同様の処理を実行することにより、乱数値MR1が小当り判定範囲の範囲内であるか否かを判定できればよい。S0404で小当り判定範囲内ではないと判定された場合には(S0404;NO)、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に応じた図柄指定コマンドを、演出制御基板012に対して送信するための設定を行う(S0405)。
S0404で小当り判定範囲内であると判定された場合には(S0404;YES)、可変表示結果が「小当り」となる場合に応じた図柄指定コマンドを、演出制御基板012に対して送信するための設定を行う(S0407)。
S0403で大当り判定範囲内であると判定された場合には(S0403;YES)、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づいて、大当り種別を判定する(S0409)。このとき、CPU0103は、始動口バッファ値に対応して特定される変動特図(「1」に対応する「第1特図」又は「2」に対応する「第2特図」)に応じて、大当り種別決定テーブル0131を構成するテーブルデータから大当り種別決定用テーブルデータを選択する。そして、選択した大当り種別決定用テーブルデータを参照することにより、大当り種別が複数種別のいずれに決定されるかを判定する。こうしたS0409の処理による判定結果に応じた図柄指定コマンドを、演出制御基板012に対して送信するための設定が行われる(S0410)。
S0405、S0407、S0410の処理の何れかを実行した後には、変動カテゴリを判定する(S0412)。即ち、変動カテゴリを図27に示す複数種類の何れかに決定する。S0412の処理では、CPU0103は、ROM0101に記憶されている複数の変動カテゴリ決定テーブル(当該変動カテゴリ決定テーブルにおいて決定され得る変動カテゴリの種類や夫々の決定割合等が互いに異なる複数種類の変動カテゴリ決定テーブル)のなかから使用テーブルとしてセットする何れかの変動カテゴリ決定テーブルを選択する。
具体的には、CPU0103は、特図表示結果(例えば、S0403やS0404の判定結果等)や、保留記憶数(例えば、遊技制御カウンタ設定部0154に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値等)に基づいて使用テーブルとしてセットする何れかの変動カテゴリ決定テーブルを選択する。続いて、CPU0103は、使用テーブルとしてセットされた変動カテゴリ決定テーブルと、例えば乱数回路0104や遊技制御カウンタ設定部0154のランダムカウンタ等から抽出した変動カテゴリ決定用の乱数値MR3を示す数値データとに基づいて、複数種類の変動カテゴリのなかから何れかの変動カテゴリを決定する。
図38は、変動カテゴリ決定テーブルの選択例を示す図である。図39は、変動カテゴリ決定テーブルの構成例を示す図である。この変動カテゴリ決定テーブルの構成例は、変動カテゴリを複数種類のいずれかに決定するために参照される4種類の変動カテゴリテーブル。図39(A)は、上述の4種類のうちのある変動カテゴリ決定テーブルによる変動カテゴリ決定テーブルの構成例(図中の「C−TBL1」と表記)である。図39(B)は、他の変動カテゴリ決定テーブルによる変動カテゴリ決定テーブルの構成例(図中の「C−TBL2」と表記)である。図39(C)は、更に他の変動カテゴリ決定テーブルによる変動カテゴリ決定テーブルの構成例(図中の「C−TBL3」と表記)である。図39(C)は、更に他の変動カテゴリ決定テーブルによる変動カテゴリ決定テーブルの構成例(図中の「C−TBL4」と表記)である。なお、説明の簡略化のため、図39(A)のような決定割合を設定した変動カテゴリ決定テーブルを、単に図39(A)の変動カテゴリ決定テーブルと称する場合がある。図39(B)〜図39(D)、及び、変動パターン決定テーブル等の他の決定テーブルについても同様である。図38は、図39(A)〜図39(D)の4種類(設定「C−TBL1」〜設定「C−TBL4」)のなかから何れかの設定を選択する選択例、即ち、上述の4種類の変動カテゴリ決定テーブルのなかから何れかの変動カテゴリ決定テーブルを選択する選択例である。
図39(A)の変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL1」(図39(B)の変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL2」、図39(C)の変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL3」、図39(D)の変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL4」も同様)は、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、複数種類の変動カテゴリに割当てられている。
図39(A)の変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL1」の設定例では、乱数値MR3の決定値の100個(「0」〜「99」の範囲の値)のうち、0個が変動カテゴリ「PA1」に割当てられ、70個(「0」〜「69」の範囲の値)が変動カテゴリ「PA2」に割当てられ、27個(「70」〜「96」の範囲の値)が変動カテゴリ「PA3」に割当てられ、2個(「97」〜「98」の範囲の値)が変動カテゴリ「PA4」に割当てられ、1個(値「99」)が変動カテゴリ「PA5」に割当てられている。つまり、図39(A)の変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL1」の設定例では、変動カテゴリ「PA1」が0%(0÷100)、変動カテゴリ「PA2」が70%(70÷100)、変動カテゴリ「PA3」が27%(27÷100)、変動カテゴリ「PA4」が2%(2÷100)、変動カテゴリ「PA5」が1%(1÷100)の割合で決定される。
図39(B)の変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL2」の設定例では、乱数値MR3の決定値の100個(「0」〜「99」の範囲の値)のうち、4個(「0」〜「3」の範囲の値)が変動カテゴリ「PA1」に割当てられ、85個(「4」〜「88」の範囲の値)が変動カテゴリ「PA2」に割当てられ、8個(「89」〜「96」の範囲の値)が変動カテゴリ「PA3」に割当てられ、2個(「97」〜「98」の範囲の値)が変動カテゴリ「PA4」に割当てられ、1個(値「99」)が変動カテゴリ「PA5」に割当てられている。つまり、図39(B)の変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL2」の設定例では、変動カテゴリ「PA1」が4%(4÷100)、変動カテゴリ「PA2」が85%(85÷100)、変動カテゴリ「PA3」が8%(8÷100)、変動カテゴリ「PA4」が2%(2÷100)、変動カテゴリ「PA5」が1%(1÷100)の割合で決定される。
図39(C)の変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL3」の設定例では、乱数値MR3の決定値の100個(「0」〜「99」の範囲の値)のうち、64個(「0」〜「63」の範囲の値)が変動カテゴリ「PA1」に割当てられ、25個(「64」〜「88」の範囲の値)が変動カテゴリ「PA2」に割当てられ、8個(「89」〜「96」の範囲の値)が変動カテゴリ「PA3」に割当てられ、2個(「97」〜「98」の範囲の値)が変動カテゴリ「PA4」に割当てられ、1個(値「99」)が変動カテゴリ「PA5」に割当てられている。つまり、図39(C)の変動カテゴリ決定テーブル「CTBL3」の設定例では、変動カテゴリ「PA1」が64%(64÷100)、変動カテゴリ「PA2」が25%(25÷100)、変動カテゴリ「PA3」が8%(8÷100)、変動カテゴリ「PA4」が2%(2÷100)、変動カテゴリ「PA5」が1%(1÷100)の割合で決定される。
図39(D)の変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL4」の設定例では、乱数値MR3の決定値の100個(「0」〜「99」の範囲の値)のうち、20個(「0」〜「19」の範囲の値)が変動カテゴリ「PB3」に割当てられ、40個(「20」〜「59」の範囲の値)が変動カテゴリ「PB4」に割当てられ、40個(「60」〜「99」の範囲の値)が変動カテゴリ「PB5」に割当てられている。つまり、図39(D)の変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL4」の設定例では、変動カテゴリ「PB3」が20%(20÷100)、変動カテゴリ「PB4」が40%(40÷100)、変動カテゴリ「PB5」が40%(40÷100)の割合で決定される。
図39(A)〜図39(C)の設定例では、特図表示結果が「ハズレ」である場合、保留記憶数が多いときには、保留記憶数が少ないときに比べて、短縮・非リーチ(ハズレ)変動カテゴリ(変動カテゴリ「PA1」)の決定割合を高くしている。具体的には、特図表示結果が「ハズレ」であって保留記憶数「4」のときに選択される変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL3」における変動カテゴリ「PA1」の決定割合「64%」>特図表示結果が「ハズレ」であって保留記憶数「3」又「2」のときに選択される変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL2」における変動カテゴリ「PA1」の決定割合「4%」>特図表示結果が「ハズレ」であって保留記憶数「1」のときに選択される変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL1」における変動カテゴリ「PA1」の決定割合「0%」としている。
また、図39(A)〜図39(C)の設定例では、特図表示結果が「ハズレ」である場合、保留記憶数が多くても少くても、スーパーリーチ(ハズレ)の変動カテゴリ(変動カテゴリ「PA4」又は変動カテゴリ「PA5」)の決定割合を一定にしている。具体的には、変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL1」、変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL2」、変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL3」のいずれであっても、変動カテゴリ「PA5」の決定割合「1%」とし、変動カテゴリ「PA4」の決定割合「2%」としている。
また、図39(A)〜図39(C)の設定例では、変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL1」、変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL2」、変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL3」のいずれであっても、同一(共通)の変動カテゴリに対応する(同一の変動カテゴリが決定される)、乱数値MR3の決定値が存在するようにしている。つまり、乱数値MR3の決定値が、ある値であれば、変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL1」、変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL2」、変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL3」のいずれであっても、同一の変動カテゴリが決定されるようにしている。例えば、乱数値MR3の決定値が「99」であるときには、変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL1」、変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL2」、変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL3」のいずれであっても、変動カテゴリ「PA5」が決定されるようにしている。また、乱数値MR3の決定値が「97」〜「98」の範囲の値であるときには、上記いずれの変動カテゴリ決定テーブルであっても、変動カテゴリ「PA4」が決定されるようにしている。
また、乱数値MR3の決定値が「89」〜「96」の範囲の値であるときには、上記いずれの変動カテゴリ決定テーブルであっても、変動カテゴリ「PA3」が決定されるようにしている。また、乱数値MR3の決定値が「64」〜「69」の範囲の値であるときには、上記いずれの変動カテゴリ決定テーブルであっても、変動カテゴリ「PA2」が決定されるようにしている。これにより、乱数値MR3の決定値がある値(上述の各範囲の値)であれば、リーチとなることや、スーパーリーチとなることや、スーパーリーチαやスーパーリーチβとなることを、あらかじめ容易に判定することができる。従って、その始動入賞に対応した可変表示よりも以前に、それらを報知すること等もでき、遊技に対する興趣を向上させることができる。なお、図39(A)〜図39(C)の設定例では、乱数値MR3の決定値が「0」〜「69」の範囲の値であるときには、変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL1」、変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL2」、変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL3」のいずれであっても、変動カテゴリ「PA1」又は「PA2」が決定されるようにしている。これにより、少なくともリーチとならないを、あらかじめ容易に判定することもできる。
その後、S0412の処理による判定結果(決定結果)に応じて、図37(B)に示す変動カテゴリコマンドの何れかを、演出制御基板012に対して送信するための設定を行ってから(S0413)、入賞時乱数値判定処理を終了する。
図34のS0101で始動入賞判定処理を実行した後、CPU0103は、遊技制御フラグ設定部0152に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、S0110〜S0120の処理の何れかを選択して実行する。
S0110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」又は「小当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)等が行われる。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。特別図柄通常処理については後述する。
S0111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、変動パターンを図27に示す複数種類の何れかに決定する処理や、第1変動開始コマンド(又は第2変動開始コマンド)、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド等を送信するための送信設定処理等が含まれている。変動パターン設定処理が実行されて特別図柄の可変表示が開始されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。変動パターンの設定については後述する。
S0112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置04Aや第2特別図柄表示装置04Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理等が含まれている。例えば、S0112の特別図柄変動処理が実行されるごとに、遊技制御タイマ設定部0153に設けられた特図変動タイマにおける格納値である特図変動タイマ値を1減算あるいは1加算して、第1特別図柄表示装置04Aによる第1特図ゲーム(第1特図を用いた特図ゲーム)であるか、第2特別図柄表示装置04Bによる第2特図ゲーム(第2特図を用いた特図ゲーム)であるかにかかわらず、共通のタイマにより経過時間の測定が行われる。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。このように、S0112の特別図柄変動処理は、第1特図ゲームや第2特図ゲームにおける特別図柄の変動を、共通の処理ルーチンにより制御する処理となっればよい。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
S0113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置04Aや第2特別図柄表示装置04Bで特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、遊技制御フラグ設定部0152に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定等が行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフであり、小当りフラグがオンである場合には、特図プロセスフラグの値が“8”に更新される。また、大当りフラグと小当りフラグがともにオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
S0114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったこと等に基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理等が含まれている。このときには、例えば大当り種別が「非確変」、「確変」、「突確」のいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定してもよい。一例として、大当り種別が「非確変」又は「確変」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「15回」に設定することにより、通常開放大当り状態とする設定が行われればよい。一方、大当り種別が「突確」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.1秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「15回」に設定することにより、短期開放大当り状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
S0115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ023により検出された遊技球の個数等に基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理等が含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド082に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理等を実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
S0116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に大当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う処理等が含まれている。そして、ラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、大入賞口開放回数最大値に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
S0117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、画像表示装置05やスピーカ08、ランプ09等といった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定を行う処理等が含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
S0118の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この小当り開放前処理には、可変表示結果が「小当り」となったことに基づき、小当り遊技状態において大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理等が含まれている。一例として、可変表示結果が「小当り」となったときには、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となったときと同様に、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.1秒」に設定するとともに、大入賞口の開放回数を「15回」に設定することにより、小当り遊技状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“9”に更新される。
S0119の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この小当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間等に基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理等が含まれている。大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド082に対する駆動信号の供給を停止させる処理等が実行されればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“10”に更新される。
S0120の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“10”のときに実行される。この小当り終了処理には、画像表示装置05やスピーカ08、ランプ09等といった演出装置により、小当り遊技状態の終了を報知する演出動作が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理等が含まれている。ここで、小当り遊技状態が終了するときには、確変フラグや時短フラグの状態を変更しないようにして、小当り遊技状態となる以前のパチンコ遊技機01における遊技状態を継続させる。小当り遊技状態の終了時における待ち時間が経過したときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
図40は、特別図柄通常処理として、図34のS0110で実行される処理の一例を示すフローチャートである。図40に示す特別図柄通常処理において、CPU0103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(S0231)。即ち、CPU0103は、第2特図ゲームが保留されているか否かを判定する。例えば、S0231の処理では、遊技制御カウンタ設定部0154に記憶されている第2保留記憶数カウント値を読出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
S0231で第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(S0231;NO)、第2特図保留記憶部0151Bで保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2をそれぞれ読出す(S0232)。このとき読出された数値データは、例えば変動用乱数バッファ等に格納されて、一時記憶されればよい。
S0232の処理に続いて、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算して更新すること等により、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部0151Bで保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(S0233)。また、S0233の処理では、遊技制御カウンタ設定部0154で合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「2」に更新する(S0234)。
S0231で第2特図保留記憶数が「0」であるときには(S0231;YES)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(S0235)。即ち、CPU0103は、第1特図ゲームが保留されているか否かを判定する。例えば、S0235の処理では、遊技制御カウンタ設定部0154で第1保留記憶数カウンタが記憶する第1保留記憶数カウント値を読出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
このように、S0235の処理を、S0231で第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行するようにしているため、第1特図ゲームと第2特図ゲームとが保留されている場合に、第2特図ゲームが第1特図ゲームよりも優先して実行されることになる。なお、第2特図ゲームが第1特図ゲームよりも優先して実行される態様に限定されず、始動入賞口(第1始動入賞口、第2始動入賞口)を遊技球が進入(通過)して始動入賞(第1始動入賞、第2始動入賞)が発生した順に、特図ゲーム(第1特図ゲーム、第2特図ゲーム)が実行されてもよい。この場合には、始動入賞が発生した順番を特定可能なデータを記憶するテーブルを設けて、その記憶データから第1特図ゲームと第2特図ゲームのいずれを実行するかが決定できればよい。
S0235で第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(S0235;NO)、第1特図保留記憶部0151Aで保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データをそれぞれ読出す(S0236)。このとき読出された数値データは、例えば変動用乱数バッファ等に格納されて、一時記憶されればよい。
S0236の処理に続いて、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新すること等により、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部0151Aで保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(S0237)。また、S0237の処理では、遊技制御カウンタ設定部0154で合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(S0238)。
S0234、S0238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかを決定するための使用テーブルとして、図37(A)に示すS0402の処理と同様に、特図表示結果決定用テーブルデータを選択する(S0239)。即ち、S0402の処理では、始動口バッファ値(「1」又は「2」)に応じて第1特図表示結果決定テーブル0130A又は第2特図表示結果決定テーブル0130Bを使用テーブルにセットしたが、S0239の処理では、変動特図指定バッファ値が「1」である場合には第1特図表示結果決定テーブル0130Aを使用テーブルにセットし、変動特図指定バッファ値が「2」である場合には第2特図表示結果決定テーブル0130Bを使用テーブルにセットすればよい。続いて、変動用乱数バッファに格納された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データを、「大当り」や「小当り」、「ハズレ」の各特図表示結果に割当てられた決定値と比較して、特図表示結果を「大当り」と「小当り」と「ハズレ」のいずれとするかを決定する(S0240)。
S0240で特図表示結果を決定した後には、その特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(S0241)。そして、「大当り」であると判定された場合には(S0241;YES)、遊技制御フラグ設定部0152に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(S0242)。このときには、大当り種別を複数種類の何れかに決定するための使用テーブルとして、大当り種別決定テーブル0131を選択してセットする(S0243)。こうしてセットされた大当り種別決定テーブル0131を参照することにより、変動用乱数バッファに格納された大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データを、「非確変」、「確変」、「突確」の各大当り種別に割当てられた決定値のいずれと合致するかに応じて、大当り種別を複数種別のいずれとするかを決定する(S0244)。
こうして決定された大当り種別に対応して、例えば遊技制御バッファ設定部0155に設けられた大当り種別バッファの格納値である大当り種別バッファ値を設定すること等により(S0245)、決定された大当り種別を記憶させる。一例として、大当り種別が「非確変」であれば大当り種別バッファ値を「0」とし、「確変」であれば「1」とし、「突確」であれば「2」とすればよい。
S0241で「大当り」ではないと判定された場合には(S0241;NO)、その特図表示結果が「小当り」であるか否かを判定する(S0246)。そして、「小当り」であると判定されたときには(S0246;YES)、遊技制御フラグ設定部0152に設けられた小当りフラグをオン状態にセットする(S0247)。
S0246で「小当り」ではないと判定された場合や(S0246;NO)、S0245、S0247の処理のいずれかを実行した後には、大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御するか否かの事前決定結果、さらには、大当り遊技状態とする場合における大当り種別の決定結果に対応して、確定特別図柄を設定する(S0248)。
S0248で確定特別図柄を設定した後には、特図プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値である“1”に更新してから(S0249)、特別図柄通常処理を終了する。S0235で第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(S0235;YES)、所定のデモ表示設定を行ってから(S0250)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置05において所定の演出画像を表示すること等によるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板011から演出制御基板012に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
S0111の変動パターン設定処理では、CPU0103は、乱数回路0104や遊技制御カウンタ設定部0154のランダムカウンタにより更新されている数値データのうちから、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3、変動パターン決定用の乱数値MR5を示す数値データを抽出する。
上述したように、保留記憶数に応じた夫々の変動カテゴリ決定テーブルの何れにおいても同一の変動カテゴリに対応する乱数値MR3の判定値が存在する場合において、当該同一の変動カテゴリに対応する当該判定値に一致する乱数値MR3が入賞時に抽出されたときは、入賞時乱数値判定処理(S0220)の実行時と当該変動パターン設定処理(S0111)の実行時とで保留記憶数が大きく異なっていたとしても、変動パターン設定処理では入賞時乱数値判定処理と同一の変動カテゴリが決定される。例えば、上述した、変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL1」〜「C−TBL3」の具体例では、入賞時に抽出された乱数値MR3が例えば「99」であれば、保留記憶数に関係なく、入賞時乱数値判定処理でも変動パターン設定処理でも、変動カテゴリ「PA5」が決定される。入賞時に抽出された乱数値MR3が例えば「97」〜「98」の範囲であれば、保留記憶数に関係なく、入賞時乱数値判定処理でも変動パターン設定処理でも、変動カテゴリ「PA4」が決定される。なお、S0261の処理では、保留データとして記憶されている変動カテゴリ決定用の乱数値MR3を用いて変動カテゴリを判定することが好ましいが、CPU0103は、新たに変動カテゴリ決定用の乱数値MR3を抽出し、新たに抽出した変動カテゴリ決定用の乱数値MR3を用いて変動カテゴリを決定してもよい。
続いて、CPU0103は、新たに抽出した変動カテゴリ決定用の乱数値MR3を用いて、S0412と同様、変動カテゴリを判定する。即ち、図38の示すように特図表示結果と保留記憶数とに基づき、図39の示した複数の変動カテゴリ決定テーブルのなかから使用する変動カテゴリ決定テーブルを選択し、選択した変動カテゴリ決定テーブルと変動カテゴリ決定用の乱数値MR3とに基づいて変動カテゴリを判定する。続いて、CPU0103は、判定結果である変動カテゴリに基づいて、ROM0101に記憶されている複数の変動パターン決定テーブルのなかから使用テーブルとしてセットする何れかの変動パターン決定テーブルを選択する。続いて、CPU0103は、使用テーブルとしてセットされた変動パターン決定テーブルと、上述の変動パターン決定用の乱数値MR5を示す数値データとに基づき、複数種類の変動パターンの中から何れかの変動パターンを決定する。
図41は、変動パターンの決定割合の設定例を示す図である。なお、ROM0101には、変動カテゴリに応じた8種類の変動パターン決定テーブルが記憶されているものとする。図41(A)は、上述の8種類のうち、変動カテゴリ「PA1(短縮・非リーチハズレ)」であるときに選択される変動パターン決定テーブルによる変動パターンの決定割合の設定例である。図41(B)は、上述の8種類のうち、変動カテゴリ「PA2(非リーチ(ハズレ))」であるときに選択される変動パターン決定テーブルによる変動パターンの決定割合の設定例である。図41(C)は、上述の8種類のうち、変動カテゴリ「PA3(ノーマルリーチ(ハズレ))」であるときに選択される変動パターン決定テーブルによる変動パターンの決定割合の設定例である。以下、図41(D)〜図41(H)についても同様である。
以上のように、主基板011では、S0101の始動入賞判定処理において、演出制御基板012に対して、始動口バッファ値に応じた始動口入賞指定コマンドを送信するための送信設定が行われ(S0219)、S0403、S0404、S0409等において判定された特図表示結果に応じた図柄指定コマンドを送信するための送信設定が行われ(S0405、S0407、S0410)、S0412において決定された変動カテゴリに応じた変動カテゴリコマンドを送信するための送信設定(S0413)が行われ、保留記憶数通知コマンドを送信するための送信設定が行われる(S0221)。
これらの処理が実行されてから、図33に示すS017のコマンド制御処理を実行することにより、始動入賞口(第1始動入賞口、第2始動入賞口)を遊技球が通過(進入)して第1始動条件や第2始動条件が成立したときには、始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンド又は第2始動口入賞指定コマンド)、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンド又は第2保留記憶数通知コマンド)という4つのコマンドが1セットとして、1タイマ割込内に一括して送信される。
また、主基板011では、S0110の特別図柄通常処理において、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2等を用いて特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄が決定され、S0111の変動パターン設定処理において、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3や変動パターン決定用の乱数値MR5等を用いて飾り図柄の変動パターンが決定される。
更に、S0111の変動パターン設定処理では、上述の如く決定された確定特別図柄を指定する可変表示結果通知コマンドや上述の如く決定された飾り図柄の変動パターンを指定する変動パターン指定コマンド等を、演出制御基板012に対して送信するための送信設定が行われる。これらの処理が実行されてから、図33に示すS017のコマンド制御処理を実行することにより、可変表示を開始するときには、可変表示結果通知コマンドや変動パターン指定コマンド等が、1タイマ割込内に一括して送信される。なお、1タイマ割込内に一括して送信されるものに限定されず、タイマ割込毎にS017のコマンド制御処理により1つずつコマンドが順次に送信されてもよい。
つまり、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるタイミングで、特別図柄通常処理(S0110)で特図表示結果(特別図柄の可変表示結果)を「大当り」や「小当り」として大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御するか否かの決定が行われ、変動パターン設定処理(S0111)で飾り図柄の具体的な可変表示態様(変動パターン)の決定等が行われ、夫々の演出制御コマンドにより決定された内容が演出制御基板012に送信される。また、これに先立って、遊技球が始動入賞口(第1始動入賞口、第2始動入賞口)で検出されたタイミングで、入賞時乱数値判定処理(S0220)により、「大当り」や「小当り」として大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御されるか否かの判定や、飾り図柄の大まかな可変表示態様(変動カテゴリ)の判定等が行われ、夫々の演出制御コマンドにより決定された内容が演出制御基板012に送信される。
次に、演出制御基板012における動作を説明する。 演出制御基板012では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU0120が起動して、図42のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図42に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU0120は、まず、所定の初期化処理を実行して(S071)、RAM0122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板012に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(S072)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(S072;NO)、S072の処理を繰返し実行して待機する。
また、演出制御基板012の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板011から演出制御コマンド等を受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板011からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU0120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU0120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O0125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板015を介して主基板011から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンド等となる制御信号を取込む。
このとき取込まれた演出制御コマンドは、例えば演出制御バッファ設定部0194に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。一例として、演出制御コマンドが2バイト構成である場合には、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)を順次に受信して演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU0120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
S072でタイマ割込みフラグがオンである場合には(S072;YES)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(S073)、コマンド解析処理を実行する(S074)。S074で実行されるコマンド解析処理では、例えば主基板011の遊技制御用マイクロコンピュータ0100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読出した後に、その読出された演出制御コマンドに対応した設定や制御等が行われる。
S074でコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(S075)。S075の演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置05の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ08からの音声出力動作、ランプ09における発光動作、演出用模型における駆動動作といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板011から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定等が行われる。
S075の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(S076)、演出制御に用いる各種の乱数値として、演出制御カウンタ設定部0193のランダムカウンタによりカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。その後、S072の処理に戻る。S076で更新され、演出制御に用いられる各種の乱数値としては、後述する確定図柄決定用の乱数値の他、MR6〜MR12等の各種乱数値が含まれる。
図43は、コマンド解析処理として、図42のS074で実行される処理の一例を示すフローチャートである。図43に示すコマンド解析処理において、演出制御用CPU0120は、まず、演出制御コマンド受信用バッファの記憶内容を確認すること等により、中継基板015を介して伝送された主基板011からの受信コマンドがあるか否かを判定する(S0501)。このとき、受信コマンドがなければ(S0501;NO)、コマンド解析処理を終了する。
S0501で受信コマンドがある場合には(S0501;YES)、例えば受信コマンドのMODEデータを確認すること等により、その受信コマンドが第1始動口入賞指定コマンドであるか否かを判定する(S0502)。そして、第1始動口入賞指定コマンドであるときには(S0502;YES)、第1保留記憶数通知待ち時間を設定する(S0503)。例えば、S0503の処理では、第1保留記憶数通知コマンドの受信待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が、演出制御タイマ設定部0192に設けられたコマンド受信制御タイマにセットされればよい。
S0502で受信コマンドが第1始動口入賞指定コマンドではない場合には(S0502;NO)、その受信コマンドは第2始動口入賞指定コマンドであるか否かを判定する(S0504)。そして、第2始動口入賞指定コマンドであるときには(S0504;YES)、第2保留記憶数通知待ち時間を設定する(S0505)。例えば、S0505の処理では、第2保留記憶数通知コマンドの受信待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が、コマンド受信制御タイマにセットされればよい。
S0504で受信コマンドが第2始動口入賞指定コマンドではない場合には(S0504;NO)、その受信コマンドは図柄指定コマンドであるか否かを判定する(S0506)。S0506で受信コマンドが図柄指定コマンドではない場合には(S0506;NO)、その受信コマンドは変動カテゴリコマンドであるか否かを判定する(S0507)。S0507で受信コマンドが変動カテゴリコマンドではない場合には(S0507;NO)、その受信コマンドは第1保留記憶数通知コマンドであるか否かを判定する(S0508)。そして、第1保留記憶数通知コマンドであるときには(S0508;YES)、例えばコマンド受信制御タイマによる計時動作を初期化すること等により、第1保留記憶数通知待ち時間をクリアする(S0509)。
S0508で受信コマンドが第1保留記憶数通知コマンドではない場合には(S0508;NO)、その受信コマンドは第2保留記憶数通知コマンドであるか否かを判定する(S0510)。そして、第2保留記憶数通知コマンドであるときには(S0510;YES)、例えばコマンド受信制御タイマによる計時動作を初期化すること等により、第2保留記憶数通知待ち時間をクリアする(S0511)。
S0506で受信コマンドが図柄指定コマンドである場合や(S0506;YES)、S0507で受信コマンドが変動カテゴリコマンドである場合(S0507;YES)、あるいはS0503、S0505、S0509、S0511の処理の何れかを実行した後には、当該受信コマンドの1つ前に受信した受信コマンドに対するS0503の処理において、第1保留記憶数通知待ち時間が設定されている場合、当該受信コマンドを第1始動入賞時受信コマンドバッファ0194Aにおける空き領域の先頭に格納してから(S0512)、S0501の処理に戻る。
また、S0506で受信コマンドが図柄指定コマンドである場合や(S0506;YES)、S0507で受信コマンドが変動カテゴリコマンドである場合(S0507;YES)、あるいはS0503、S0505、S0509、S0511の処理の何れかを実行した後には、当該受信コマンドの1つ前に受信した受信コマンドに対するS0503の処理において、第2保留記憶数通知待ち時間が設定されている場合、当該受信コマンドを第2始動入賞時受信コマンドバッファ0194Bにおける空き領域の先頭に格納してから(S0512)、S0501の処理に戻る。
なお、第1変動開始コマンドとともに第1保留記憶数通知コマンドを受信した場合には、保留記憶数通知コマンドを第1始動入賞時受信コマンドバッファ0194Aに格納しなくてもよい。即ち、始動入賞の発生に対応して受信した演出制御コマンドを、第1始動入賞時受信コマンドバッファ0194Aにおける空き領域の先頭から順次に格納することができればよい。
また、第2変動開始コマンドとともに第2保留記憶数通知コマンドを受信した場合には、保留記憶数通知コマンドを第2始動入賞時受信コマンドバッファ0194Bに格納しなくてもよい。即ち、始動入賞の発生に対応して受信した演出制御コマンドを、第2始動入賞時受信コマンドバッファ0194Bにおける空き領域の先頭から順次に格納することができればよい。
S0510で受信コマンドが第2保留記憶数通知コマンドではない場合には(S0510;NO)、受信コマンドがエラー指定コマンドであるか否かを判定する(S0513)。受信コマンドがエラー指定コマンドである場合(S0513;YES)、エラー指定コマンド処理を実行する(S0514)。エラー指定コマンド処理は、受信したエラー指定コマンドを、例えば図32で説明した演出制御用データ保持エリア0190に設けられるエラー指定コマンドを格納するエラー指定コマンドバッファに格納する。エラー指定コマンドバッファに格納したエラーコマンドは、EXTデータを解析することにより、発生したエラーの種類を特定することができる。演出制御用CPU0120は、エラーの種類に応じたエラー報知を行うようにしてもよい。本実施形態では、S0514の処理において、図47を用いて後述する制御用データ領域のレイヤ5にエラーの種類に応じた制御用データを格納して、ランプ09を点灯制御する。S0514の処理を実行した後、S0501の処理に戻る。
一方、受信コマンドがエラー指定コマンドでない場合(S0513;YES)、その他の受信コマンドに応じた設定を行ってから(S0515)、S0501の処理に戻る。例えば、受信コマンドが遊技状態指定コマンドである場合、その遊技状態指定コマンドを解析して、現在の遊技状態を特定する。また、例えば、受信コマンドが当り終了指定コマンドである場合、その当り終了指定コマンドを解析して、時短であるか否かを特定する。
始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンド又は第2始動口入賞指定コマンド)、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンド、第2保留記憶数通知コマンド)のように、始動入賞が発生したときに主基板011から受信する演出制御コマンドは、始動入賞時のコマンドともいう。また、第1保留記憶数通知コマンド、第2保留記憶数通知コマンドや第1始動口入賞指定コマンド、第2始動口入賞指定コマンドは、保留記憶情報ともいう。また、図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドは、判定結果情報ともいう。
なお、第1始動入賞時受信コマンドバッファ0194Aにおける空き領域の先頭から順次に受信コマンドを格納するときには、受信コマンドが図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、第1保留記憶数通知コマンドのいずれであるかを区別せずに格納してもよく、各受信コマンドを区別して、対応する格納領域における空き領域の先頭に格納してもよい。
また、第2始動入賞時受信コマンドバッファ0194Bにおける空き領域の先頭から順次に受信コマンドを格納するときには、受信コマンドが図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、第2保留記憶数通知コマンドのいずれであるかを区別せずに格納してもよく、各受信コマンドを区別して、対応する格納領域における空き領域の先頭に格納してもよい。
図44は、演出制御プロセス処理として、図42のS075で実行される処理の一例を示すフローチャートである。図44に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU0120は、まず、入賞時演出決定処理を実行する(S0150)。図45は、入賞時演出決定処理として、図44のS0150で実行される処理の一例を示すフローチャートである。
図45に示す入賞時演出決定処理において、演出制御用CPU0120は、まず、始動入賞時受信コマンドバッファ(第1始動入賞時受信コマンドバッファ0194A又は第2始動入賞時受信コマンドバッファ0194B)における記憶内容をチェックし(S0151)、新たな受信コマンドとして、第1始動口入賞指定コマンドを受信しているか否かを判定する(S0152)。S0152で第1始動口入賞指定コマンドを受信していないと判定したときは(S0152;NO)、第2始動入賞時受信コマンドバッファ0194Bにおける記憶内容をチェックし(S0153)、新たな受信コマンドとして、第2始動口入賞指定コマンドを受信しているか否かを判定する(S0153)。S0154で第2始動口入賞指定コマンドを受信していないと判定したときは(S0154;NO)、入賞時演出決定処理を終了する。
S0152において第1始動口入賞指定コマンドを受信していると判定したときは(S0152;YES)、図43のコマンド解析処理におけるS0513の処理において時短ではないことが特定されている場合には(S0155:NO)、第1保留演出決定処理を実行する(S0160)。第1保留演出決定処理には、第1始動入賞記憶表示エリア05HLに追加表示させる際の保留表示の表示態様(追加時表示態様とも称する)を決定する処理が含まれている。
第1保留演出決定処理(S0160)を実行した後には、演出制御用CPU0120は、第1保留演出決定処理の決定結果に基づいて第1保留演出決定処理の決定内容を記憶する(S0161)。具体的には、例えば、演出制御用CPU0120は、第1保留演出決定処理において保留表示の表示態様を、第1始動入賞時受信コマンドバッファ0194Aにおける当該第1始動入賞のバッファ番号に対応する第1先読予告バッファ0194Cのバッファ番号に対応付けて、第1保留演出決定処理の決定内容(追加時表示態様)を記憶する。
S0161の処理を実行した後には、演出制御用CPU0120は、第1保留演出決定処理(S0160)において決定した保留表示の表示態様(第1始動入賞時受信コマンドバッファ0194Aにおける当該第1始動入賞のバッファ番号に対応する第1先読予告バッファ0194Cのバッファ番号に対応付けて記憶された追加時表示態様)に基づいて、第1始動入賞記憶表示エリア05HLに新たな保留表示を追加する第1保留追加処理を実行する(S0162)。より詳細には、演出制御用CPU0120は、上述の第1先読予告バッファ0194Cのバッファ番号に対応付けて記憶された追加時表示態様による保留表示を第1始動入賞記憶表示エリア05HLに表示させる演出制御パターンを使用パターンとしてセットするとともに、セットされた演出制御パターンに含まれる、表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部0123のVDP等に対して伝送させること等により、第1保留演出決定処理において決定した追加時表示態様による保留表示を第1始動入賞記憶表示エリア05HLに追加する。そして、入賞時演出決定処理を終了する。
S0154において第2始動口入賞指定コマンドを受信していると判定し(S0154;YES)、図43のコマンド解析処理におけるS0513の処理において時短であることが特定されている場合には(S0156:YES)、第2保留演出決定処理を実行する(S0163)。第2保留演出決定処理には、第2始動入賞記憶表示エリア05HRに追加表示させる際の保留表示の表示態様(追加時表示態様とも称する)を決定する処理が含まれている。
なお、第2始動口入賞に係るS0163、S0164、S0165の夫々の処理は、第1始動口入賞に係るS0160、S0161、S0162の夫々の処理に係る処理と同様であり、各ステップにおける「第1」を「第2」と読み替え、当該読み替えに対応して符号を読み替えることが可能であるため、説明を省略する。
S0152で第1始動口入賞指定コマンドを受信していると判定し(S0152;YES)、図43のコマンド解析処理におけるS0513の処理において時短であることが特定されている場合(S0155:YES)、演出制御用CPU0120は、第1始動入賞記憶表示エリア05HLに追加表示させる第1保留表示の表示態様を、第1始動入賞時受信コマンドバッファ0194Aにおける当該記憶内容に対応するバッファ番号と同一のバッファ番号に対応付けて、第1保留表示を第1始動入賞記憶表示エリア05HLに追加する(S0166)。そして、入賞時演出決定処理を終了する。
また、S0154で第2始動口入賞指定コマンドを受信していると判定し(S0154;YES)、図43のコマンド解析処理におけるS0513の処理において時短ではないことが特定されている場合(S0156:YES)、演出制御用CPU0120は、第2始動入賞記憶表示エリア05HRに追加表示させる第2保留表示の表示態様を、通常表示(白色の玉)に決定し、第2始動入賞時受信コマンドバッファ0194Bにおける当該記憶内容に対応するバッファ番号と同一のバッファ番号に対応付けて、通常表示(白色の玉)の表示態様の第2保留表示を第2始動入賞記憶表示エリア05HRに追加する(S0166)。そして、入賞時演出決定処理を終了する。
図44及び図45に示したS0150の入賞時演出決定処理を実行した後には、例えば演出制御フラグ設定部0191等に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなS0170〜177の処理の何れかを選択して実行する。
S0170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が初期値である“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板011から伝送された第1変動開始コマンド(又は第2変動開始コマンド)、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド等を受信したか否かに基づき、画像表示装置05における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理等を含んでいる。飾り図柄の可変表示を開始すると判定したときには、演出プロセスフラグの値を“1”に更新する。
S0171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置04Aや第2特別図柄表示装置04Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、画像表示装置05における飾り図柄の可変表示やその他の各種演出動作を行うために特別図柄の変動パターンや表示結果の種類等に応じた確定飾り図柄を決定する処理や、第1保留表示又は第2保留表示をシフトさせてアクティブ表示エリアAHAに第1保留表示または第2保留表示に対応するアクティブ表示に応じた情報を表す特別画像を表示する処理、各種の演出や各種演出の演出態様(例えば、主予告演出であるアクティブ表示変化演出や、当該アクティブ表示変化演出の演出態様)を決定する処理等を含んでいる。その後、演出プロセスフラグの値を“2”に更新する。
S0172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU0120は、演出制御タイマ設定部0192に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、可変表示開始設定処理において決定された演出制御パターンに基づいて、各種の制御データを読出し、各種の演出制御(例えば、飾り図柄の可変表示中における飾り図柄の可変表示制御)を行う。具体的には、演出制御用CPU0120は、読出した制御データに基づき、映像信号(演出画像)を画像表示装置05に出力して画面上に表示させる制御、演出音信号を音声制御基板013に出力してスピーカ08から演出音を出力させる制御、電飾信号をランプ制御基板014に出力してランプ09を点灯/消灯/点滅させる制御といった各種の演出制御を実行する。
こうした演出制御を行った後、例えば演出制御パターンから飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読出されたこと、あるいは、主基板011から伝送される図柄確定コマンドを受信したこと等に対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示させる。演出制御パターンから終了コードが読出されたことに対応して確定飾り図柄を完全停止表示させるようにすれば、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応する可変表示時間が経過したときに、主基板011からの演出制御コマンドによらなくても、演出制御基板012の側で自律的に確定飾り図柄を導出表示して可変表示結果を確定させることができる。確定飾り図柄を完全停止表示したときには、演出プロセスフラグの値を“3”に更新する。
S0173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU0120は、主基板011から伝送された当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、当り開始指定コマンドを受信したきに、その当り開始指定コマンドが大当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を大当り中演出処理に対応した値である“6”に更新する。これに対して、当り開始指定コマンドを受信したときに、その当り開始指定コマンドが小当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を小当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。また、当り開始指定コマンドを受信せずに、演出制御プロセスタイマがタイムアウトしたときには、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判定して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
S0174の小当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この小当り中演出処理において、演出制御用CPU0120は、例えば小当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づいて、各種の制御データを読出し、S0172の可変表示中演出処理と同様に、映像信号や演出音信号や電飾信号等を出力する等して、小当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、小当り中演出処理では、例えば主基板011からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値を小当り終了演出に対応した値である“5”に更新する。
S0175の小当り終了演出処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この小当り終了演出処理において、演出制御用CPU0120は、例えば小当り遊技状態の終了等に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づいて、各種の制御データを読出し、S0172の可変表示中演出処理と同様に、映像信号や演出音信号や電飾信号等を出力する等して、小当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
S0176の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU0120は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づいて、各種の制御データを読出し、S0172の可変表示中演出処理と同様に、映像信号や演出音信号や電飾信号等を出力する等して、大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、例えば主基板011からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“7”に更新する。
S0177のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU0120は、例えば大当り遊技状態の終了等に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づいて、各種の制御データを読出し、S0172の可変表示中演出処理と同様に、映像信号や演出音信号や電飾信号等を出力する等して、大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
図46は、可変表示開始設定処理として、図44のS0171で実行される処理の一例を示すフローチャートである。図46に示す可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU0120は、まず、例えば主基板011から伝送された可変表示結果通知コマンドにおけるEXTデータを読み取ること等により、特図表示結果が「ハズレ」となるか否かを判定する(S0522)。特図表示結果が「ハズレ」となる旨の判定がされたときには(S0522;YES)、例えば主基板011から伝送された変動パターン指定コマンドにおけるEXTデータを読み取ること等により、指定された変動パターンが飾り図柄の可変表示態様を「非リーチ」とする場合に対応した非リーチ変動パターン(即ち、図27の「PA1−1」「PA2−1」「PA2−2」「PA2−3」)であるか否かを判定する(S0523)。
S0523で非リーチ変動パターンであると判定された場合には(S0523;YES)、非リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(S0524)。一例として、S0524の処理では、まず、演出制御カウンタ設定部0193に設けられたランダムカウンタ等により更新される左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM0121等に予め記憶された所定の左確定図柄決定テーブルを参照すること等により、確定飾り図柄のうち画像表示装置05の表示領域における「左」の飾り図柄表示エリア05Lに停止表示される左確定飾り図柄を決定する。
次に、演出制御カウンタ設定部0193に設けられたランダムカウンタ等により更新される右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM0121等に予め記憶された所定の右確定図柄決定テーブルを参照すること等により、確定飾り図柄のうち画像表示装置05の表示領域における「右」の飾り図柄表示エリア05Rに停止表示される右確定飾り図柄を決定する。このときは、右確定図柄決定テーブルにおける設定等により、右確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄の図柄番号とは異なるように決定されるとよい。続いて、演出制御カウンタ設定部0193に設けられたランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM0121等に予め記憶された所定の中確定図柄決定テーブルを参照すること等により、確定飾り図柄のうち画像表示装置05の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア05Cに停止表示される中確定飾り図柄を決定する。なお、S0524の処理では、変動図柄予告を実行中である場合に対応して、所定のチャンス目図柄となる非リーチ組合せの確定飾り図柄を決定すればよい。
S0523で非リーチ変動パターンではないと判定された場合には(S0523;NO)、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(S0525)。一例として、S0525の処理では、まず、演出制御カウンタ設定部0193に設けられたランダムカウンタ等により更新される左右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM0121等に予め記憶された所定の左右確定図柄決定テーブルを参照すること等により、確定飾り図柄のうち画像表示装置05の表示領域における「左」と「右」の飾り図柄表示エリア05L、05Rで揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。さらに、演出制御カウンタ設定部0193に設けられたランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM0121等に予め記憶された所定の中確定図柄決定テーブルを参照すること等により、確定飾り図柄のうち画像表示装置05の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア05Cで停止表示される中確定飾り図柄を決定する。
ここで、例えば中確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号と同一になる場合のように、確定飾り図柄が大当り組合せとなってしまう場合には、任意の値(例えば「1」)を中確定飾り図柄の図柄番号に加算又は減算すること等により、確定飾り図柄が大当り組合せとはならずにリーチ組合せとすればよい。あるいは、中確定飾り図柄を決定するときには、左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号との差分(図柄差)を決定し、その図柄差に対応する中確定飾り図柄を設定してもよい。
S0522で特図表示結果が「ハズレ」ではないと判定されたときには(S0522;NO)、特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」である場合、又は、特図表示結果が「小当り」である場合であるか、これら以外の場合であるかを判定する(S0526)。「突確」又は「小当り」であると判定されたときには(S0526;YES)、例えば開放チャンス目といった、「突確」の場合や「小当り」の場合に対応した最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(S0527)。この場合には、演出制御カウンタ設定部0193に設けられたランダムカウンタ等により更新されるチャンス目決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM0121等に予め記憶された所定のチャンス目決定テーブルを参照すること等により、開放チャンス目の何れかを構成する確定飾り図柄の組合せを決定すればよい。
S0526で「突確」又は「小当り」以外の「非確変」又は「確変」であると判定されたときには(S0526;NO)、大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(S0528)。一例として、S0528の処理では、まず、演出制御カウンタ設定部0193のランダムカウンタ等により更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、続いてROM0121等に予め記憶された所定の大当り確定図柄決定テーブルを参照すること等により、画像表示装置05の画面上で「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア05L、05C、05Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。このときには、大当り種別が「非確変」、「確変」のいずれであるかや、大当り中における昇格演出の有無等に応じて、異なる飾り図柄を確定飾り図柄とする決定が行われてもよい。
具体的な一例として、大当り種別が「非確変」である場合には、複数種類の通常図柄のうち何れか1つの飾り図柄を選択して、非確変大当り組合せを構成する確定飾り図柄に決定すればよい。また、大当り種別が「確変」である場合には、複数種類の通常図柄又は確変図柄のうちから何れか1つの飾り図柄を選択して、非確変大当り組合せ又は確変大当り組合せを構成する確定飾り図柄に決定すればよい。このとき、非確変大当り組合せの確定飾り図柄に決定された場合には、可変表示中の再抽選演出において確変状態に制御される旨の報知が行われず、大当り遊技状態に対応して実行される大当り中昇格演出等により確変状態に制御される旨が報知されればよい。他方、確変大当り組合せの確定飾り図柄に決定された場合には、可変表示中の再抽選演出において、あるいは再抽選演出を実行することなく、確変状態に制御される旨の報知が行われる。
図43のコマンド解析処理におけるS0513の処理において時短ではないことが特定されている場合(S0155:NO)、S0524、S0525、S0527、S0528の処理の何れかを実行した後には、保留消化処理を実行する(S0531)。具体的には、当該変動に対応するアクティブ表示をアクティブ表示エリアAHAに表示させる(換言すれば、当該変動に対応するアクティブ表示を含む特別画像を表示させる)。例えば、第1特図ゲームと連動して飾り図柄の変動を開始するときには(今回の飾り図柄の可変表示が第1特図ゲームに連動したものであるときは)、第1始動入賞記憶表示エリア05HLの右端に表示されている保留表示に対応するアクティブ表示をアクティブ表示エリアAHAに表示させる(第1始動入賞記憶表示エリア05HLの右端に表示されている保留表示に対応するアクティブ表示を含む特別画像を表示させる)。より詳細には、演出制御用CPU0120は、第1始動入賞記憶表示エリア05HLの右端に表示されている保留表示に対応するアクティブ表示をアクティブ表示エリアAHAに移動させてアクティブ表示を表示させる演出制御パターンを使用パターンとしてセットするとともに、セットされた演出制御パターンに含まれる、表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部0123のVDP等に対して伝送させること等により、第1始動入賞記憶表示エリア05HLの右端に表示されている保留表示に対応するアクティブ表示をアクティブ表示エリアAHAに表示させる。なお、アクティブ表示エリアAHAにおけるアクティブ表示は、保留表示と同じ態様で表示してもよく、保留表示に対応するが保留表示とは異なる表示態様で表示されてもよい。第2特図ゲームと連動して飾り図柄の変動を開始するときも同様である。
また、S0531の処理では、演出制御用CPU0120は、第1始動入賞記憶表示エリア05HLにおいて、消化する保留表示(アクティブ表示)の他に保留表示があるときは、当該他の保留表示を第1始動入賞記憶表示エリア05HLにおいてシフトし、第2始動入賞記憶表示エリア05HRにおいて、アクティブ表示の他に保留表示があるときは、当該他の保留表示を第2始動入賞記憶表示エリア05HRにおいてシフトする。
S0531の処理を実行した後には、演出実行設定処理を実行する(S0532)。演出実行設定処理(S0532)には、当該変動に対応するアクティブ表示に対するアクティブ表示変化演出を実行するか否かを決定する処理、実行するときのアクティブ表示変化演出の種類を決定する処理、実行するときのアクティブ表示変化演出の演出態様を決定する処理、実行するときのアクティブ表示変化演出の実行タイミングを決定する処理、および、これらの処理結果に基づいて演出制御パターンを設定(又は、再設定)する処理等が含まれている。
また、演出制御パターンの設定には、後述する制御用データ領域への制御用データの設定を含んでいてもよい。すなわち、演出制御パターンの設定において、発光部の発光動作を制御する制御データを所定のレイヤの制御用データ領域に設定するようにしてもよい。
S0532の処理を実行した後には、その他の可変表示中における演出の実行設定を行う(S0533)。一例として、S0533の処理では、大当り告知音や大当り告知発光によって可変表示結果が「大当り」となることを直ちに告知(確定的に報知)する「一発告知演出」の実行設定を行ってもよい。大当り告知音の一例は、アラーム音、チャイム音、サイレン音等である。大当り告知発光の一例は、発光部材09CCを構成するフラッシュランプの発光等である。また、S0533の処理では、可変表示結果が「大当り」となるか否かにかかわらず、例えば賑やかしのために所定態様の演出が実行されるように設定してもよい。例えば、所定のランプ09(例えば、発光部材09SL、09SR)が発光するような態様の演出が実行されるように設定してもよい。
S0533の処理を実行した後には、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、演出制御タイマ設定部0192に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(S0534)。続いて、画像表示装置05における飾り図柄等の変動を開始させるための設定を行う変動表示等開始設定処理を実行する(S0535)。例えば、S0532の演出実行設定処理において使用パターンとしてセットされた演出制御パターンに含まれる、表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部0123のVDP等に対して伝送させること等により画像表示装置05の画面上で飾り図柄の変動を開始させるための設定や、上記演出制御パターンに含まれる音声制御データが指定する演出音信号を音声制御基板013に伝送すること等によりスピーカ08における音声出力を開始させるための設定や、上記演出制御パターンに含まれるランプ制御用データが指定する電飾信号をランプ制御基板014に対して伝送させること等によりランプ09における発光を開始させるための設定を行う。
S0535の処理を実行した後には、第1始動入賞時受信コマンドバッファ0194Aまたは第2始動入賞時受信コマンドバッファ0194Bに格納されているコマンドを消化する(S0536)。具体的には、演出制御用CPU0120は、第1特図ゲームに連動して飾り図柄の可変表示が開始されるときには、第1始動入賞時受信コマンドバッファ0194Aに対応付けられたコマンドのうち最も小さいバッファ番号に対応した領域に格納されたコマンド(1セット)を削除するとともに、削除されたコマンドのバッファ番号よりも大きいバッファ番号に対応した領域に格納されているコマンド(第1始動口入賞指定コマンドに対応付けられたコマンドを、入賞順を維持しつつシフトする。第2特図ゲームに連動して飾り図柄の可変表示が開始されるときには、第2始動入賞時受信コマンドバッファに格納されているコマンドのうち最も小さいバッファ番号に対応した領域に格納されたコマンド(1セット)を削除するとともに、削除されたコマンドのバッファ番号よりも大きいバッファ番号に対応した領域に格納されているコマンドを、入賞順を維持しつつシフトする。
また、S0536の処理では、コマンドの削除やシフトに応じて、RAM0122等に設けられる第1先読予告バッファ0194Cまたは第2先読予告バッファ0194Dに格納されている情報の削除やシフトも行われる。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(S0537)、可変表示開始設定処理を終了する。
演出制御用CPU0120は、主基板011から伝送された変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに基づいて決定したアクティブ表示変化演出の実行有無、アクティブ表示変化演出を実行する場合には、アクティブ表示変化演出の演出パターン、アクティブ表示変化演出の実行タイミングを演出制御パターンとして設定する。具体的には、演出制御用CPU0120は、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応する演出制御パターンを演出制御パターンとしてセットするとともに、選択されたアクティブ表示変化演出の演出態様に対応する演出パターンを演出制御パターンとしてセットする。なお、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応する演出制御パターンが複数用意されている場合には、何れかを選択して演出制御パターンとしてセットする。そして、演出実行設定処理(S0532)を終了する。
次に、図47(A)を用いて、制御用データ領域を説明する。図47(A)は、遊技状態に対応して優先順位が設定される制御用データ領域の一例を示す図である。制御用データ領域は、ランプ09の発光を制御する制御用データを記憶(格納)する領域である。演出制御用CPU0120は、演出態様に応じて制御用データ領域に制御用データを適宜記憶して、記憶した制御用データを適宜実行する。
図47(A)において、制御用データ領域には、優先順位を設定できるものとする。図47(A)は、制御用データ領域に5つの優先順位を設定する場合を例示している。具体的には、優先順位の低いものから順に、レイヤ1、レイヤ2、レイヤ3、レイヤ4、及びレイヤ5の5つのレイヤが設定される。ここで、レイヤに付される数字(1〜5)は、レイヤの番号(レイヤ番号)である。すなわち、レイヤ番号が小さいと優先度が低く、レイヤ番号が高いと優先度が高くなる。
本実施形態における制御用データ領域の優先順位とは、ランプ09を点灯制御するときに実行される制御用データの実行の優先順位である。演出制御用CPU0120は、所定の優先順位の制御用データ領域に設定する制御用データを、所定の優先順位より低い優先順位の制御用データ領域に設定する制御用データよりも優先して実行する。一方、演出制御用CPU0120は、所定の優先順位より高い優先順位の制御用データ領域に設定する制御用データを、所定の優先順位の制御用データ領域に設定する制御用データよりも優先して実行する。たとえば、レイヤ1〜レイヤ5の5つの領域の全てに制御用データが設定されている場合にはレイヤ5の領域に設定された制御用データが優先して実行される。また例えば、レイヤ1、レイヤ2、レイヤ4の3つの領域に制御用データが設定されている場合にはレイヤ4の領域に設定された制御用データが優先して実行される。、また例えば、レイヤ2、レイヤ3の2つの領域に制御用データが設定されている場合にはレイヤ3の領域に設定された制御用データ等。なお、1つのレイヤの領域のみに制御用データが設定されている場合には当該1つのレイヤの領域に設定された制御用データが実行される。
ここで、演出制御用CPU0120が制御用データを優先して実行するとは、優先する制御用データ領域の制御用データのみを実行するようにしてもよい。例えば、演出Aに係るランプ演出を実行する制御用データの制御用データ領域が演出Bに係るランプ演出を実行する制御用データの制御用データ領域より優先順位が高い場合、演出制御用CPU0120は、演出Aに係るランプ演出のみを実行してもよい。
また、演出制御用CPU0120が制御用データを優先して実行するとは、優先する制御用データ領域の制御用データを優先される制御用データ領域の制御用データに比べて視認しやすく実行するようにしてもよい。例えば、演出Aに係るランプ演出を実行する制御用データの制御用データ領域が演出Bに係るランプ演出を実行する制御用データの制御用データ領域より優先順位が高い場合、演出制御用CPU0120は、演出Aに係るランプ演出を演出Bに係るランプ演出より視認しやすいように、演出Aにおけるランプの輝度を演出Bにおけるランプの輝度より高くしたり、演出Aにおけるランプの点灯時間を演出Bにおけるランプの点灯時間より長くして実行してもよい。
上記のように、遊技機01において、演出制御用CPU0120は、複数の制御用データ領域(例えば、図47(A)に示す、レイヤ1〜レイヤ5の領域等)に設定された制御用データ(例えば、ランプ09の点灯制御を実行するためのデータ等)の中で優先順位(例えば、図47(A)に示す、レイヤ1〜レイヤ5に付けられた、レイヤの番号が大きくなると順位が高くなる優先順位等)が最も高い制御用データ領域に設定された制御用データ(たとえば、レイヤ1〜レイヤ5の5つの領域の全てに制御用データが設定されている場合にはレイヤ5の領域に設定された制御用データ。また例えば、レイヤ1、レイヤ2、レイヤ4の3つの領域に制御用データが設定されている場合にはレイヤ4の領域に設定された制御用データ、また例えば、レイヤ2、レイヤ3の2つの領域に制御用データが設定されている場合にはレイヤ3の領域に設定された制御用データ等。なお、1つのレイヤの領域のみに制御用データが設定されている場合には当該1つのレイヤの領域に設定された制御用データ)に基づき発光部の発光を制御する。
また、上記遊技機01は、変動表示を行ない、遊技者にとって有利な有利状態(大当り遊技状態等)に制御可能な遊技機であって、未だ開始されていない変動表示について、保留記憶として記憶する保留記憶手段(第1特図保留記憶部0151A、第2特図保留記憶部0151B、第1始動入賞時受信コマンドバッファ0194A、第2始動入賞時受信コマンドバッファ0194B等)と、保留記憶手段が記憶する保留記憶を保留表示(保留表示等)として表示可能な保留表示手段(画像表示装置05、RAM0102、第1始動入賞記憶表示エリア05HL、第2始動入賞記憶表示エリア05HR等)と、変動表示の実行中に、当該変動表示に対応する変動対応表示(アクティブ表示等)を行なうことが可能な変動対応表示手段(演出制御用CPU0120、図46のS0532等)と、対象となる保留記憶の変動表示が実行される以前に保留表示の態様を変化させる保留表示態様変化(図43の保留表示中変化)と、当該変動表示の実行中に変動対応表示の態様を変化させる変動対応表示態様変化(図44のアクティブ表示中変化)との少なくともいずれかの表示態様変化を、対象となる保留記憶に対応する保留表示期間および変動表示期間の期間中における複数のタイミングのうちのいずれかのタイミングで実行させることが可能な表示態様変更手段(演出制御用CPU0120、図46のS0532、図45のアイコン演出設定処理、図44のS0172等)と、発光部(例えば、図23に示す、発光部材09CC、09CL、09CR、09U、09SL、09SR等を総称したランプ09等)と、を備える場合を例示する。
このような構成によれば、保留表示態様変化と変動対応表示態様変化とについて、変化対象の表示の種別および表示態様変化のタイミングに遊技者を注目させることができ、保留表示の態様の変化に対応して発光部の発光が変化することにより遊技の興趣を向上させることができる。
本実施形態では、図48〜図53において後述するように、演出制御用CPU0120が優先する制御用データ領域の制御用データのみを実行する場合を例示する。例えば、演出制御用CPU0120は、所定の優先順位の制御用データ領域の制御用データを実行しているときには、実行中の制御用データ領域の優先順位より低い優先順位の制御用データ領域の制御用データを実行しない場合を例示する。一方、演出制御用CPU0120は、所定の優先順位の制御用データ領域の制御用データを実行しているときに実行中の制御用データ領域の優先順位より高い優先順位の制御用データ領域を設定するときには、実行中の制御用データの実行を中断又は中止して、設定した優先順位が高い制御用データ領域の制御用データを実行する場合を例示する。
なお、本実施形態では、最大5つの優先順位に分類される5つのレイヤに制御用データ領域が設定される場合を例示するが、優先順位の分類の個数は5つには限定されない。優先順位の分類の個数は、例えば、2−4、又は6以上であってもよい。また、優先順位の分類の個数は、後述する遊技状態にかかわらず5つの固定値である場合を例示するが、優先順位の分類の個数は、遊技状態等によって変動するものであってもよい。
図47(A)において、制御用データ領域は、遊技機の状態に応じてそれぞれ異なる優先順位で設定される場合を例示している。本実施形態では、遊技状態として、低ベース状態、高ベース状態、及び大当り状態(本実施形態では、「大当り遊技状態」を「大当り状態」と省略する場合がある。)の3つの遊技状態を例示して、それぞれの遊技状態における制御用データ領域の優先順位(レイヤ)を例示している。例えば、遊技状態が低ベース状態であるときには、レイヤ1に「BGM(通常変動、リーチ)」、レイヤ2に「予告B」、レイヤ3に「予告A」、レイヤ4に「確定報知」、及びレイヤ5に「エラー」の制御用データが設定される場合を例示している。また、遊技状態が高ベース状態において、レイヤ1に「BGM(通常変動)」、レイヤ2に「BGM(リーチ変動)」、レイヤ3に「予告(全て)」、レイヤ4に「確定報知」、及びレイヤ5に「エラー」の制御用データが設定される場合を例示している。また、遊技状態が大当り状態において、レイヤ1に「BGM(大当り)」、レイヤ2に「予告(保留連、昇格)」、レイヤ3に「大入賞口入賞」、レイヤ4に「確変入賞」、及びレイヤ5に「エラー」の制御用データが設定される場合を例示している。図47(A)の制御用データ領域に設定される制御用データは、それぞれの演出内容を示している。例えば、遊技状態が低ベース状態であるときには、レイヤ1に「BGM(通常変動、リーチ)」の演出に対応したランプ09の点灯制御を行う制御用データが設定されることを例示している。演出制御用CPU0120は、レイヤ1の制御用データ領域に設定される制御用データに基づき、BGM(通常変動、リーチ)の演出に応じた枠LED28等の点灯制御を行う。
なお、図47(A)で例示するそれぞれの遊技状態において各レイヤに設定される制御用データ領域はこれに限定されない。例えば、遊技状態が低ベース状態であるときに、レイヤ2に「予告B」(予告Bの演出を行う制御用データ領域)を設定する代わりに、予告B又は予告C(予告Cの演出を行う制御用データ領域)のいずれかを設定する「予告B、C」の制御用データ領域を設定してもよい。
また、本実施形態では、制御用データ領域を設定する遊技状態として、低ベース状態、高ベース状態、及び大当り状態の3つの遊技状態を例示したが、遊技状態はこれに限定されない。例えば、遊技状態が低確状態か高確状態かによって、制御用データ領域を分類してもよい。
また、本実施形態では、後述する遊技状態として、低ベース状態、高ベース状態、及び大当り状態の3つの遊技状態においてそれぞれ5つの優先順位を設定する場合を例示するが、優先順位の個数や個数の固定/変動の設定はそれぞれの遊技状態においてそれぞれ設定するものであってもよい。
制御用データ領域に設定される制御用データに基づくランプ09の点灯演出は、音声制御データに基づきスピーカ08から出力される音演出や表示制御データに基づき画像表示装置05に表示される表示演出と対応させて演出を行うことができる。例えば、音演出に対応して点灯演出を行う場合、音声制御データに基づく音演出が変更されるときに、制御用データを変更させ、ランプの点灯パターン等の点灯演出を変更するようにしてもよい。
また、エラー指定コマンドに基づき実行されるエラー音やエラー表示を出力するエラー報知において、エラー音を出力するための音声制御データやエラー表示を出力するための表示制御データの変更に対応してランプ09の点灯パターンを変更するようにしてもよい。
なお、音演出には、無音の演出を含んでいてもよく、表示演出には無表示の演出を含んでいてもよく、点灯演出には無点灯の演出を含んでいてもよい。
また、制御用データは、音声制御データや表示制御データに対応させる場合には限定されず、音声制御データや表示制御データとは対応しないで設定されてもよい。例えば、BGM演出に係る音演出を実行中に遊技者がプッシュボタン031B等の操作部を操作したときに、操作部の操作に対応させて制御用データを変更するようにしてもよい。
また、図47(A)は全ての優先順位のレイヤに1つの制御用データ領域が設定されている場合を例示したが、同じ優先順位のレイヤに2つ以上の制御用データ領域を設定してもよい。例えば、遊技状態が高ベース状態である場合に、優先順位が同じレイヤ3に予告に係る演出の制御用データ領域が複数設定されてもよい。また、各レイヤに設定されるそれぞれの制御用データ領域は、それぞれ所定のタイミングで設定される。したがって、同時に設定される制御用データ領域の数は任意である。
以上説明した制御用データ領域に設定される制御用データは、ランプ09の発光を制御するための実データである場合を例示した。しかし、制御用データ領域に設定される制御用データは、実データが記録された記録先を間接的に示すアドレス等であってもよい。例えば、演出制御用CPU0120は、制御用データ領域に設定されたアドレスで示される記録先に記録されている実データを実行するようにしてもよい。
図47(A)に示される制御用データ領域への設定は、原則として一の変動が終了するたびにリセット(消去)される。変動が終了するたびに制御用データ領域をリセットすることにより、不要な制御用データが制御用データ領域に残留してしまうことを防止することができる。なお、例外的に複数の変動に跨って行われる演出に対応する点灯演出の制御用データの設定は、変動の終了によりリセットされないようにしてもよい。
次に、図47(A)に示される各演出について説明する。本実施形態におけるランプ制御は、図47(A)に示される各演出における音演出に対応しているものとする。以下の説明では、各演出において発光するランプ09は、制御用データに基づき、1又は複数のランプが点灯制御されるものとする。例えば、確定報知演出では発光部材09Uが発光されるとともに、発光部材09CC等他のランプも発光されてもよい。
図47(A)において、「エラー」は、全ての遊技状態において、エラー報知を実行する制御用データである。「エラー」の制御用データは、優先順位が一番高いレイヤ5の制御用データ領域に設定される。エラー報知は、主基板011から送信されたエラー指定コマンドに対応して、画像表示装置05の表示領域にエラー画像を表示させ、スピーカ08からのエラー音声を出力させ、さらにランプ09にエラー点灯をさせて、エラーを報知する演出(エラー演出)である。演出制御用CPU0120は、レイヤ5のエラーの制御用データが設定されたときには、他の点灯演出に優先させてエラー点灯を実行する。
「確定報知」は、低ベース状態及び高ベース状態において、確定報知演出を実行する、レイヤ4の優先順位の制御用データ領域に設定される制御用データである。確定報知演出は、例えば、大当りが確定したことを報知する演出である。確定報知演出においては、V字状のランプまたはV字が描かれたランプが点滅したり、画像表示装置05の表示領域にV字状の図柄が表示されたりする演出を実行してもよい。
「確変入賞」は、大当り状態において、確変入賞演出を実行する、レイヤ4の優先順位の制御用データ領域に設定される制御用データである。ここで、確変入賞演出には、2つの種類の演出があるものとする。1つは、飾り図柄が揃い、その後役物内の所定の入賞口に入賞すると大当りとなる遊技機において、所定の入賞口に入賞した際に行われる演出である。もう1つは、例えば、特別可変入賞球装置07(若しくは特別可変入賞球装置07内に設けられた所定領域(大入賞口)。以下、特別可変入賞球装置07等と言う)の入賞の有無により大当りの種類を確定させる態様の遊技機において、特別可変入賞球装置07等に入賞した際に行われる演出である。特別可変入賞球装置07等に入賞した場合、大当りの種類を確変大当りとし、特別可変入賞球装置07等に入賞しなかった場合、大当りの種類を通常大当りとしてもよい。本実施形態での確変入賞演出は、例えば特別可変入賞球装置07内に上記所定領域を設け、その所定領域へ入賞した際に所定の発光部材を発光させる演出を行うものとする。
「予告A」は、低ベース状態において、予告A演出を実行する、レイヤ3の優先順位の制御用データ領域に設定される制御用データである。また、「予告B」は、低ベース状態において、予告B演出を実行する、レイヤ2の優先順位の制御用データ領域に設定される制御用データである。予告A演出、及び予告B演出は、本実施形態では、いずれの演出も発光部材09CC、09CR、09CLが発光するとともに、画像表示装置05に予告A演出及び予告B演出に対応した画像が表示されるものとする。例えば、予告A演出においては、キャラクタAの画像が表示される。また、予告B演出においては、キャラクタBの画像が表示されてもよい。
「予告(全て)」は、高ベース状態において、予告A演出及び予告B演出を含む全ての予告演出を実行する、レイヤ3の優先順位の制御用データ領域に設定される制御用データである。低ベース状態においては、予告A演出はレイヤ3の優先順位の制御用データ領域に設定され、予告B演出はレイヤ2の優先順位の制御用データ領域に設定されるのに対して、高ベース状態においては、全ての予告演出が同じ優先順位の制御用データ領域に設定される。なお、同一の優先順位において複数の予告演出の制御用データが設定された場合の点灯制御については、図51を用いて後述する。
「大入賞口入賞」は、大当り状態において、大入賞口入賞演出を実行する、レイヤ3の優先順位の制御用データ領域に設定される制御用データである。大入賞口入賞演出は、例えば、特別可変入賞球装置07へ賞球が入賞したときに行われる演出である。本実施形態での大入賞口入賞演出は、特別可変入賞球装置07へ賞球が入賞するたびにランプ09が発光する。なお、大入賞口入賞演出において、所謂オーバー入賞が発生したときには特定の演出を実行するようにしてもよい。
「予告(保留連、昇格)」は、大当り状態において、予告(保留連)演出、又は、予告(昇格)演出を実行する、レイヤ2の優先順位の制御用データ領域に設定される制御用データである。
予告(保留連)における「保留連(保留内連チャンともいう)」とは、当該大当りの終了後に消化される保留記憶(当該大当り状態に制御される前に記憶された保留記憶、又は、当該大当り状態に制御されているときに記憶された保留記憶)に基づいて大当りとなることである。また、上記に加え、当該大当りの終了後の所定回数内の可変表示において消化される保留記憶(当該大当り状態の終了後の1回目の可変表示が行われた後に新たに記憶された保留記憶であってもよい)に基づいて大当りとなる場合も、保留連と称する場合がある。また、上述の所定回数は、保留可能な最大数(合算保留記憶数。8個)と同数(例えば、8回)であってもよい。予告(保留連)演出は、保留連となる保留記憶(大当りとなる保留記憶)が存在する場合に、保留連となる旨を予告する演出である。予告(保留連)演出の開始タイミングは、少なくとも保留連となることを遊技者が認識できるよりも前(大当り図柄となる演出図柄が停止する前)のタイミングであればよい。例えば、当該大当り状態に制御される前に記憶された保留記憶が保留連となる保留記憶であるときには、ファンファーレ画面の表示中やラウンド遊技中やエンディング画面の表示中などにおいて予告(保留連)演出を開始してもよい。また、当該大当り状態に制御されているときに記憶された保留記憶が保留連となる保留記憶であるときには、ラウンド遊技中(保留連となる保留記憶が記憶された後のラウンド遊技中)やエンディング画面の表示中などにおいて予告(保留連)演出を開始してもよい。また、当該大当り状態の終了後の1回目の可変表示が行われた後に新たに記憶された保留記憶が保留連となる保留記憶であるときには、保留連となる保留記憶が記憶されたときに予告(保留連)演出を開始してもよい。
予告(昇格)における「昇格」とは、確変昇格(確変大当りとなったときに確変大当りよりも下位の通常大当りとなったように見せ、後に確変大当りに昇格したように見せること)や、ラウンド数昇格(例えば、15ラウンド大当りとなったときに15ラウンド大当りよりも下位の8ラウンド大当りとなったように見せ、後に15ラウンド大当りに昇格したように見せること等)である(確変昇格、ラウンド数昇格のうち少なくとも一方を含むものであればよい)。予告(昇格)演出は、昇格を報知する昇格演出(確変昇格演出、ラウンド数昇格演出)、又は、昇格演出の実行を予告する演出である。予告(確変昇格)演出の開始タイミングは、当該大当りの終了後の1回目の可変表示が開始される前迄のいずれかのタイミングであればよい。例えば、ファンファーレ画面の表示中やラウンド遊技中やエンディング画面の表示中などにおいて予告(確変昇格)演出を開始してもよい。予告(ラウンド数昇格)演出の開始タイミングは、昇格前の最終ラウンド(例えば、8ラウンド大当りにおける8ラウンド目)が終了する前迄のいずれかのタイミングであればよい。例えば、ファンファーレ画面の表示中やラウンド遊技中(昇格前の最終ラウンド迄のラウンド遊技中)などにおいて予告(ラウンド数昇格)演出を開始してもよい。
「BGM(通常変動、リーチ変動)」は、低ベース状態において、BGM(通常変動)演出又はBGM(リーチ変動)演出を実行する、レイヤ1の優先順位の制御用データ領域に設定される制御用データである。BGM(通常変動)演出は、例えば、変動カテゴリがPA2における非リーチ(ハズレ)の場合に実行される演出である。また、BGM(リーチ変動)演出は、例えば、変動カテゴリがPA3〜PA5、PB3〜PB5におけるリーチ(ノーマルリーチ又はスーパーリーチ)の場合に実行される演出である。低ベースにおいては、BGM(通常変動)演出及びBGM(リーチ変動)演出は、同じ優先順位のレイヤ1に設定される。
一方、高ベースにおける「BGM(通常変動)」は、レイヤ1の優先順位の制御用データ領域に設定される制御用データであり、BGM(リーチ変動)演出は、レイヤ2の優先順位の制御用データ領域に設定される制御用データである。高ベース状態におけるリーチ演出を、低ベース状態におけるリーチ演出より優先順位を高くすることにより、興趣の向上を図ることが可能となる。
なお、図47(A)を用いて説明した演出において設定される各演出を実行するための制御用データ領域の優先順位は、以下の理由によって設定されるものとする。
BGM演出の優先順位は、BGMの性質上、いずれの遊技状態においても最も低く設定される。
低ベース状態において、予告A演出は予告B演出より優先順位が高い。例えば、予告A演出が予告B演出より大当りの期待度の高い演出であるためである。さらに低ベース状態において、確定報知演出は予告A演出よりも優先順位が高い。例えば、確定報知演出が大当り確定を示す演出であるためである。
高ベース状態において、BGM(リーチ)演出は、BGM(通常)演出より優先順位が高い。例えば、BGM(リーチ)演出がBGM(通常)演出より大当りの期待度の高い演出であるためである。
高ベース状態において、予告(全て)演出は、BGM(リーチ)演出より優先順位が高い。例えば、予告(全て)演出がBGM(リーチ)演出より大当りの期待度の高い演出であるためである。
高ベース状態において、確定報知演出は、予告(全て)演出より優先順位が高い。例えば、確定報知演出が予告(全て)演出より大当りの期待度の高い演出であるためである。
大当り状態において、予告(保留連、昇格)演出は、BGM(大当り)演出より優先順位が高い。例えば、予告(保留連、昇格)がBGM(大当り)演出より遊技者にとって重要な演出であるためである。
大当り状態において、大入賞口入賞演出は、予告(保留連、昇格)演出より優先順位が高い。例えば、大入賞口入賞演出は入賞するたびに行われるものであり、予告(保留連、昇格)演出は一般的に画像表示装置05の表示領域において大入賞口入賞演出よりも比較的長く行われる演出であるところ、大入賞口入賞演出を予告(保留連、昇格)演出より優先順位を高くした場合には、いずれの演出も遊技者に告知可能であるが、予告(保留連、昇格)演出を大入賞口入賞演出よりも優先順位を高くした場合には、予告(保留連、昇格)演出のみが行われ、大入賞口入賞演出が行われなくなるためである。また、上述したように、大入賞口入賞演出ではオーバー入賞時の演出が行われることが一般的であり、オーバー入賞は遊技者にとって本来であれば得られない利益のため、演出の重要性が高いためでもある。
ところで、上記で説明した各演出の制御用データの設定は、BGM演出及び複数の遊技に跨って行われる演出の制御用データを除き、演出ごとに定められた時間が経過するとリセットされる。例えば、予告A演出が終了すると、予告A演出の制御用データの設定はリセットされる。一般的なパチンコ遊技機においては所定の条件によって演出が変更されるが、演出が変更されたときには制御用データの設定はリセットされる。例えば、遊技機においては、演出が2つ以上に分岐して実行される場合がある。図29Bに示した演出では、「極太」など、特別画像の表示態様を変化させる演出は所定の条件で変化させない演出と分岐して実行される。また、画像表示装置05においてキャラクタ同士が対決する対決演出においても、所定の条件によって勝利する演出と敗北する演出と分岐して実行される。演出が複数に分岐する場合は、分岐するときに対応する演出の制御用データをリセットして再設定するようにしてもよい。
以上で、図47(A)を用いた、制御用データ領域の説明を終了する。
次に、図47(B)を用いて、遊技状態に応じて制御用データ領域の優先順位が変更される場合を説明する。図47(B)は、遊技状態に応じて優先順位が変更される制御用データ領域の一例を示す図である。
図47(B)は、図47(A)に示す高ベース状態の制御用データ領域の優先順位に代わって設定される制御用データ領域の優先順位である。すなわち、図47(A)に示す低ベース状態の制御用データ領域の優先順位は、高ベース状態になることにより、図47(B)に示す制御用データ領域の優先順位に変更される。
図47(A)においては、レイヤ3が予告A演出であり、レイヤ2が予告B演出であるのに対して、図47(B)においては、予告B演出がレイヤ3の優先順位に、予告A演出がレイヤ2の優先順位に、優先順位が変更される。すなわち、レイヤ3とレイヤ2の演出の優先順位が入れ替わり、逆転することになる。例えば、低ベース状態においては予告A演出の方が予告B演出に比べて大当りの期待度の高い演出であり、高ベース状態においては予告B演出の方が予告A演出に比べて大当りの期待度の高い演出になる場合である。
本実施形態では、レイヤ2とレイヤ3の2つのレイヤの演出の優先順位を入れ替えることにより、優先順位を変更する場合を例示したが、例えば、レイヤ2〜レイヤ4の3つのレイヤの優先順位を変更するようにしてもよい。また、所定のレイヤに含まれる特定の演出のみの優先順位を変更するようにしてもよい。また、本実施形態では、遊技状態が低ベース状態と高ベース状態で演出の優先順位(レイヤ)を変更する場合を例示したが、優先順位を変更するのは他の遊技状態の場合であってもよい。例えば、高ベース状態と大当り状態で演出の優先順位を変更するようにしてもよい。また、遊技状態に応じて優先順位が変更されるとは、友情状態に加えて他の条件(例えば、操作部に対する遊技者の操作の有無等)が満たされる場合を含んでいてもよい。
遊技状態に応じて演出の優先順位を変更することにより、遊技の興趣を向上することができる。
以上で、図47(B)を用いた、遊技状態に応じて制御用データ領域の優先順位が変更される場合の説明を終了する。
次に、図48〜図53を用いて、所定の遊技状態におけるランプ制御を例示する。なお、図48〜図53に示すランプ制御は、演出制御用CPU0120によって、制御用データ領域に制御用データが設定されて、設定された制御データに基づきランプ09の点灯制御が実行される場合を例示する。但し、制御用データ領域への制御用データの設定、及びランプ09の点灯制御を実行する制御部は、演出制御用CPU0120には限定されず、他の制御部によって実行されてもよい。
先ずは、図48を用いて、低ベース状態におけるランプ制御の一例を説明する。図48は、低ベース状態におけるランプ制御の一例を示すタイムチャートである。
図48に示す縦軸のレイヤ1〜レイヤ5には、図47(A)で示した遊技状態が低ベース状態におけるランプ09の点灯演出を実行する制御用データが設定され得るものとする。また、図48に示す横軸は時間軸である。図48の最上部には、各レイヤの制御用データ領域に制御データが設定されたときにランプ09で実際に点灯表示される制御用データのレイヤ番号を示す。
図48において、T01より前には、全てのレイヤにおいて制御用データは設定されていないものとする。制御用データが設定されていないときには、ランプ09は点灯されない点灯制御がされる。
T01において、レイヤ1のBGM演出を行うためのランプ制御用データ(BGMランプ制御用データ)が設定されてオン状態となると、他のレイヤには制御用データが設定されていないため、ランプ09は、レイヤ1のBGMランプ制御用データに基づき点灯制御される。
T02において、レイヤ2の予告B演出を行うためのランプ制御用データ(予告Bランプ制御用データ)が設定されてオン状態になると、ランプ09は、レイヤ1のBGMランプ制御用データより優先順位が高い予告Bランプ制御用データに基づき点灯制御される。
T03において、レイヤ2の予告Bランプ制御用データに基づく演出が終了すると、レイヤ2の制御用データ領域はリセットされてオフ状態となり、レイヤ1より優先順位が高いレイヤの制御用データがなくなるため、ランプ09は、再びオン状態のレイヤ1のBGMランプ制御用データに基づき点灯制御される。
T04において、再びレイヤ2の予告Bランプ制御用データが設定されてオン状態となると、ランプ09は、再びレイヤ1のBGMランプ制御用データより優先順位が高い予告Bランプ制御用データに基づき点灯制御される。
T05において、レイヤ3の予告A演出を行うためのランプ制御用データ(予告Aランプ制御用データ)が設定されてオン状態となると、ランプ09は、レイヤ1のBGMランプ制御用データ及びレイヤ2の予告Bランプ制御用データより優先順位が高い予告Aランプ制御用データに基づき点灯制御される。
T06においてレイヤ2の予告Bランプ制御用データがリセットされてオフ状態になり、さらにT07においてレイヤ2の予告Bランプ制御用データが設定されてオン状態となる。しかし、T05において設定されたレイヤ3の予告Aランプ制御用データがオン状態を維持しているため、ランプ09は、レイヤ3より優先順位が低いレイヤ2の予告Bランプ制御用データに基づき点灯制御されない。
T08において、レイヤ5のエラー演出を行うためのランプ制御用データ(エラーランプ制御用データ)が設定されてオン状態となると、ランプ09は、レイヤ1のBGMランプ制御用データ、レイヤ2の予告Bランプ制御用データ、及びレイヤ3の予告Aランプ制御用データより優先順位が高いエラーランプ制御用データに基づき点灯制御される。
なお、レイヤ2の予告Bランプ制御用データに基づく予告B演出は、予告B演出の演出時間を制御する演出制御プロセスタイマによって、T03、T06、及びT09でオフ状態となるものとする。
また、図48においては、レイヤ4の確定報知演出を行うための制御用データ(確定報知ランプ制御用データ)は設定されない場合を例示したが、レイヤ4の確定報知ランプ制御用データが設定されたときには、レイヤ4より優先順位が低いレイヤ1〜3のランプ制御用データに優先して確定報知ランプ制御用データに基づき点灯制御がされることとなる。また、レイヤ4より優先順位が高いレイヤ5のエラーランプ制御用データが設定された場合は、確定報知ランプ制御用データに優先してエラーランプ制御用データに基づき点灯制御がされる。
以上で、図48を用いた、低ベース状態におけるランプ制御の一例の説明を終了する。
次に、図49を用いて、高ベース状態におけるランプ制御の一例を説明する。図49は、高ベース状態におけるランプ制御の一例を示すタイムチャートである。
図49に示す縦軸のレイヤ1〜レイヤ5には、図47(A)で示した遊技状態が高ベース状態におけるランプ09の点灯演出を実行する制御用データが設定され得るものとする。また、図49に示す横軸は時間軸である。図49の最上部には、図48と同様に、各レイヤの制御用データ領域に制御データが設定されたときにランプ09で実際に点灯表示される制御用データのレイヤ番号を示す。
図49において、T11より前には、全てのレイヤにおいて制御用データは設定されていないものとする。制御用データが設定されていないときには、ランプ09は点灯されない点灯制御がされる。
T11において、レイヤ1の通常BGMランプ制御用データが設定されてオン状態となると、他のレイヤには制御用データが設定されていないため、ランプ09は、レイヤ1の通常BGMランプ制御用データに基づき点灯制御される。
T12において、レイヤ3の予告A又は予告Bの予告演出を行うためのランプ制御用データ(予告ランプ制御用データ)が設定されてオン状態になると、ランプ09は、レイヤ1の通常BGMランプ制御用データより優先順位が高い予告ランプ制御用データに基づき点灯制御される。
T13においてレイヤ2のリーチBGM演出を行うためのランプ制御用データ(リーチBGMランプ制御用データ)が設定されてオン状態になっても、レイヤ3の予告ランプ制御用データがオン状態を維持しているため、ランプ09は、レイヤ3より優先順位が低いレイヤ2のリーチBGMランプ制御用データに基づき点灯制御されない。
T14において、レイヤ3の予告ランプ制御用データがリセットされてオフ状態になると、ランプ09は、オン状態である、レイヤ2のリーチBGMランプ制御用データとレイヤ1の通常BGMランプ制御用データの内で優先順位が高いレイヤ2のリーチBGMランプ制御用データに基づき点灯制御される。
T15において、レイヤ2のリーチBGMランプ制御用データがリセットされてオフ状態になると、ランプ09は、オン状態であるレイヤ1の通常BGMランプ制御用データに基づき点灯制御される。
T16において、レイヤ4の確定報知演出を行うためのランプ制御用データ(確定報知ランプ制御用データ)が設定されてオン状態になると、ランプ09は、レイヤ1の通常BGMランプ制御用データより優先順位が高い確定報知ランプ制御用データに基づき点灯制御される。
T17において、レイヤ4の確定報知ランプ制御用データがリセットされてオフ状態になると、ランプ09は、オン状態であるレイヤ1の通常BGMランプ制御用データに基づき点灯制御される。
なお、レイヤ2のリーチBGMランプ制御用データに基づくリーチBGMランプ演出は、リーチBGMランプ演出の演出時間を制御する演出制御プロセスタイマによってT15においてオフ状態となるものとする。また、レイヤ3の予告ランプ制御用データに基づく予告ランプ演出は、予告ランプ演出の演出時間を制御する演出制御プロセスタイマによってT14においてオフ状態となるものとする。
以上で、図49を用いた、高ベース状態におけるランプ制御の一例の説明を終了する。
次に、図50を用いて、大当り状態におけるランプ制御の一例を説明する。図50は、大当り状態におけるランプ制御の一例を示すタイムチャートである。
図50に示す縦軸のレイヤ1〜レイヤ5には、図47(A)で示した遊技状態が大当り状態におけるランプ09の点灯演出を実行する制御用データが設定され得るものとする。また、図50に示す横軸は時間軸である。図50の最上部には、図48と同様に、各レイヤの制御用データ領域に制御データが設定されたときにランプ09で実際に点灯表示される制御用データのレイヤ番号を示す。
図50において、レイヤ1のBGMランプ制御用データは、常時オン状態であるものとする。したがって、他のレイヤに制御用データが設定されていないときには、ランプ09は、レイヤ1のBGMランプ制御用データに基づき点灯制御される。
T21において、レイヤ3の大入賞口入賞カウント演出を行うためのランプ制御用データ(入賞カウントランプ制御用データ)が設定されてオン状態になると、ランプ09は、レイヤ1の通常BGMランプ制御用データより優先順位が高い入賞カウントランプ制御用データに基づき点灯制御される。
大入賞口入賞カウント演出は、賞球入賞がカウントされてからタイマで計時された所定の時間が経過したときに終了する。大入賞口入賞カウント演出が終了して、入賞カウントランプ制御用データがリセットされてオフ状態になると、ランプ09は、レイヤ1のBGMランプ制御用データに基づき点灯制御される。
T22において、レイヤ3の入賞カウントランプ制御用データが再び設定されてオン状態になると、ランプ09は入賞カウントランプ制御用データに基づき点灯制御される。賞球入賞がカウントされてから所定の時間が経過し、大入賞口入賞カウント演出が終了して、入賞カウントランプ制御用データがリセットされてオフ状態になると、ランプ09は、レイヤ1のBGMランプ制御用データに基づき点灯制御される。
T23において、レイヤ2の予告ランプ制御用データが設定されてオン状態になると、ランプ09は、レイヤ1のBGMランプ制御用データより優先順位が高いレイヤ2の予告ランプ制御用データに基づき点灯制御される。
T24において、レイヤ3の入賞カウントランプ制御用データが再び設定されてオン状態になると、ランプ09は入賞カウントランプ制御用データに基づき点灯制御される。賞球入賞がカウントされてから所定の時間が経過し、大入賞口入賞カウント演出が終了して、入賞カウントランプ制御用データがリセットされてオフ状態になると、ランプ09は、オン状態のレイヤ2の予告ランプ制御用データに基づき点灯制御される。
T25において、T24と同様に、レイヤ3の入賞カウントランプ制御用データが再び設定されてオン状態になると、ランプ09は入賞カウントランプ制御用データに基づき点灯制御される。賞球入賞がカウントされてから所定の時間が経過し、大入賞口入賞カウント演出が終了して、入賞カウントランプ制御用データがリセットされてオフ状態になると、ランプ09は、オン状態のレイヤ2の予告ランプ制御用データに基づき点灯制御される。
T26において、レイヤ2の予告ランプ制御用データがリセットされてオフ状態になると、ランプ09は、オン状態であるレイヤ1のBGMランプ制御用データに基づき点灯制御される。
T27において、レイヤ4の確定入賞演出を行うためのランプ制御用データ(確定入賞ランプ制御用データ)とレイヤ3の入賞カウントランプ制御用データが設定されてオン状態になると、ランプ09は、レイヤ1のBGMランプ制御用データ及びレイヤ3の入賞カウントランプ制御用データより優先順位が高いレイヤ4の確定入賞ランプ制御用データに基づき点灯制御される。入賞カウントランプ制御用データは、賞球入賞がカウントされてから所定の時間が経過すると、大入賞口入賞カウント演出が終了してリセットされてオフ状態になる。
T28、及びT29において、レイヤ3の入賞カウントランプ制御用データが設定されてオン状態になっても、レイヤ3よりも優先順位が高いレイヤ4の確定入賞ランプ制御用データがオン状態のままであるため、ランプ09は、レイヤ4の確定入賞ランプ制御用データに基づき点灯制御される。
T30において、レイヤ4の確定入賞ランプ制御用データは、ラウンド終了にてリセットされてオン状態になる。レイヤ4の確定入賞ランプ制御用データがオフ状態になると、ランプ09は、オン状態であるレイヤ1のBGMランプ制御用データに基づき点灯制御される。
なお、上述のとおり、図50に示すレイヤ3の入賞カウントランプ制御用データは、タイマで計時された所定の時間でオフ状態になるのに対して、レイヤ4の確定入賞ランプ制御用データは、ラウンド終了にてオフ状態になる。すなわち、制御用データ領域は、ラウンドが終了したときに発光部の発光を終了する制御用データが設定される制御用データ領域(レイヤ4の確変入賞ランプ制御用データが設定される制御用データ領域)と、発光部の発光が所定時間経過したときに発光部の発光を終了する制御用データが設定される制御用データ領域(レイヤ3の入賞カウントランプ制御用データが設定される制御用データ領域)とを有する。
このような構成により、制御用データ領域毎に好適な点灯演出を実行する制御用データを設定することができる。
以上で、図50を用いた、大当り状態におけるランプ制御の一例の説明を終了する。
次に、図51を用いて、同一レイヤの制御用データ領域に係るランプ制御の一例を説明する。図51は、同一レイヤの制御用データ領域に係るランプ制御の一例を示すタイムチャートである。
図51に示す縦軸のレイヤ1及びレイヤ3には、図47(A)で示した遊技状態が高ベース状態におけるランプ09の点灯演出を実行する制御用データが設定され得るものとする。また、図51に示す横軸は時間軸である。図51の最上部には、図48と同様に、各レイヤの制御用データ領域に制御データが設定されたときにランプ09で実際に点灯表示される制御用データのレイヤ番号を示す。図51では、同一の優先順位であるレイヤ3に、予告Aランプ制御用データが設定される制御用データ領域と予告Bランプ制御用データが設定される制御用データ領域が設定される場合のランプ09の点灯制御を例示する。
図51において、T31より前には、全てのレイヤにおいて制御用データは設定されていないものとする。制御用データが設定されていないときには、ランプ09は点灯されない点灯制御がされる。
T31において、レイヤ1の通常BGMランプ制御用データが設定されてオン状態となると、他のレイヤには制御用データが設定されていないため、ランプ09は、レイヤ1の通常BGMランプ制御用データに基づき点灯制御される。
T32において、レイヤ3の予告Aランプ制御用データが設定されてオン状態になると、ランプ09は、レイヤ1の通常BGMランプ制御用データより優先順位が高い予告Aランプ制御用データに基づき点灯制御される。
また、T32において、レイヤ3の予告Aランプ制御用データが設定されてオン状態になると、優先フラグがオン状態になる。ここで優先フラグとは、優先フラグがオン状態のときに、同じ優先順位のレイヤにおける他の演出の制御用データを排他的に設定させないためのものである。
T33において、レイヤ3の予告Bランプ制御用データを設定しようとする場合、優先フラグがオフ状態である場合は、図51の破線で示すように予告Bランプ制御用データがT33〜T55において設定される。しかし、優先フラグがオン状態である場合は、予告Bランプ制御用データは設定できない。
T34において、レイヤ3の予告Aランプ制御用データがリセットされてオフ状態になると、ランプ09は、オン状態である、レイヤ1の通常BGMランプ制御用データに基づき点灯制御される。すなわち、T33において予告Bランプ制御用データを設定していないため、予告Aランプ制御用データがリセットされてオフ状態になっても、ランプ09は、予告Bランプ制御用データに基づき点灯制御されることはない。同じ優先順位の予告演出を排他的に実施することにより同じ優先順位の予告演出が途中から実行されることを防止することができる。
以上で、図51を用いた、同一レイヤの制御用データ領域に係るランプ制御の一例の説明を終了する。
次に、52図を用いて、発光終了に係るランプ制御の一例を説明する。図52は、発光終了に係るランプ制御の一例を示すタイムチャートである。
図52に示す縦軸のレイヤ1及びレイヤ3には、図47(A)で示した遊技状態が高ベース状態におけるランプ09の点灯演出を実行する制御用データが設定され得るものとする。また、図52に示す横軸は時間軸である。図52の最上部には、図48と同様に、各レイヤの制御用データ領域に制御データが設定されたときにランプ09で実際に点灯表示される制御用データのレイヤ番号を示す。図52では、可変表示の期間を同一の時間軸で表している。可変表示がオンの状態は、可変表示中であることを示す。図52においては、レイヤ1の通常BGMランプ制御用データとレイヤ3の予告Aランプ制御用データのリセットのタイミングと発光終了に係るオフ状態のタイミングについて説明する。
T41において、レイヤ1の通常BGMランプ制御用データが設定されてオン状態となると、他のレイヤには制御用データが設定されていないため、ランプ09は、レイヤ1の通常BGMランプ制御用データに基づき点灯制御される。
T42において、可変表示がオン状態、すなわち可変表示中になると、BGMが変更される。T42における通常BGMランプ制御用データのタイムチャートに示す縦線は、BGMが変更(リセット後に設定)されたことを示す。本実施形態では、レイヤ1の通常BGMランプ制御用データが変更された場合には、レイヤ1より優先順位が高い上位のレイヤであるレイヤ2〜5に設定される制御用データは一旦リセットされる場合を例示する。なお、T42においては、レイヤ2〜5には制御用データが設定されていないため、2〜5に設定される制御用データのリセットは行わなくてもよい。
T43において、レイヤ3の予告Aランプ制御用データが設定されてオン状態になると、ランプ09は、レイヤ1の通常BGMランプ制御用データより優先順位が高い予告Aランプ制御用データに基づき点灯制御される。
T44において、可変表示が終了すると、レイヤ3の予告Aランプ制御用データの実行は終了し、予告Aランプ制御用データに基づくランプ09の点灯制御が終了する。一方、可変表示が終了してもレイヤ1の通常BGMランプ制御用データの実行は継続してオン状態のままとなる。すなわち、制御用データ領域は、変動表示が終了したときに発光部(ランプ09)の発光が継続される制御用データが設定される制御用データ領域(レイヤ1の通常BGMランプ制御用データが設定される制御用データ領域)と、変動表示が終了したときに発光部の発光が継続されない制御用データが設定される制御用データ領域(レイヤ3の予告Aランプ制御用データが設定される制御用データ領域)とを有するものであってもよい。
このような構成によれば、制御用データ領域毎に好適な点灯演出を行うことができる。
なお、T44において可変表示が終了されたことに伴ってレイヤ1のBGMランプ制御用データを変更するようにしてもよい。レイヤ1のBGMランプ制御用データを変更することにともなって、レイヤ1より上位のレイヤをリセットするようにしてもよい。
T45において、遊技機が客待ちデモ演出が実行される状態になったときに、レイヤ1のBGMランプ制御用データをリセットして、BGMランプ演出を終了する。T45において遊技機が客待ちデモ演出が実行される状態になるのは、前述のとおり、第1特図保留記憶数及び第2特図保留記憶数が共に0になってから所定時間(例えば、30秒間)が経過することにより、主基板011から送信された客待ちデモ指定コマンド(9F00(H))を演出制御基板012が受信したときである。本実施形態では、第1特図保留記憶数及び第2特図保留記憶数が共に0になったときにレイヤ1のBGMランプ制御用データを変更するものとする。すなわち、ランプ9の発光は、BGMランプ制御用データが変更されてからタイマで計時された所定の時間が経過したときに終了することになる。制御用データ領域は、変動表示が終了したとき(可変表示が終了するT44のとき)に発光部の発光を終了する制御用データが設定される制御用データ領域(予告Aランプ制御用データを設定するレイヤ3の制御用データ領域)と、発光部の発光が所定時間経過したときに発光部の発光を終了する制御用データが設定される制御用データ領域(タイマで計時された所定の時間が経過したときに発光を終了する通常BGMランプ制御用データを設定するレイヤ3の制御用データ領域)とを有することになる。このような構成によれば、制御用データ領域毎に好適な点灯演出を実行する制御用データを設定することができる。
なお、図52では、同じ遊技状態(高ベース状態)において、変動表示が終了したときに発光部の発光を終了する制御用データが設定される制御用データ領域と、発光部の発光が所定時間経過したときに発光部の発光を終了する制御用データが設定される制御用データ領域とを有する場合を説明した。しかし、例えば、図50のタイマで計時された所定の時間が経過したときに発光を終了する入賞カウントランプ制御用データを設定するレイヤ3の制御用データ領域のように異なった遊技状態(大当り状態)において、変動表示が終了したときに発光部の発光を終了する制御用データが設定される制御用データ領域と、発光部の発光が所定時間経過したときに発光部の発光を終了する制御用データが設定される制御用データ領域とを有するものであってもよい。
以上で、52図を用いた、発光終了に係るランプ制御の一例の説明を終了する。
次に、図53を用いて、同一の演出制御コマンドに係るランプ制御の一例を説明する。図53は、同一の演出制御コマンドに係るランプ制御の一例を示すタイムチャートである。
図53に示す縦軸のレイヤ1には、図47(A)で示した遊技状態が低ベース状態におけるランプ09の点灯演出を実行する制御用データが設定され得るものとする。また、図53に示す横軸は時間軸である。図53の最上部には、図48と同様に、各レイヤの制御用データ領域に制御データが設定されたときにランプ09で実際に点灯表示される制御用データのレイヤ番号を示す。
図53では、初期化指定コマンドと客待ちデモ指定コマンドの受信を同一の時間軸で表している。客待ちAのBGM演出は、初期化指定コマンドを受信後、図示する所定時間t1以内に客待ちデモ指定コマンドを受信したときのランプ09の点灯演出である。また、客待ちBのBGM演出は、初期化指定コマンドを受信後、所定時間t1以内に客待ちデモ指定コマンドを受信したときのランプ09の点灯演出である。すなわち、図53において、客待ちAのBGM演出と客待ちBのBGM演出は、同じ客待ちデモ指定コマンドを受信した場合であっても、異なる態様でランプ09の点灯演出を実行する場合を例示する。
T51において、初期化指定コマンドを受信する。初期化してコマンドは、遊技機が電源投入等により初期化されたときに送信される演出制御コマンドである。したがって、T51より前には、全てのレイヤにおいて制御用データは設定されていない。制御用データが設定されていないときには、ランプ09は点灯されない点灯制御がされる。
T52において、客待ちデモ指定コマンドを受信する。客待ちデモ指定コマンドを受信するT52は、初期化指定コマンドを受信したT51から所定時間t1内であるとする。初期化指定コマンドを受信したT51から所定時間t1を経過した後に客待ちデモ指定コマンドを受信した場合、客待ちA BGM演出を実行する客待ちAのBGMランプ制御用データがレイヤ1の制御用データ領域に設定される。
T53において、客待ちAのBGMランプ制御用データがリセットされて、オフ状態となる。
一方、T54において、客待ちデモ指定コマンドを受信する。客待ちデモ指定コマンドを受信するT54は、初期化指定コマンドを受信したT51から所定時間t1を経過した後であるとする。初期化指定コマンドを受信したT51から所定時間t1を経過した後に客待ちデモ指定コマンドを受信した場合、客待ちB BGM演出を実行する客待ちBのBGMランプ制御用データがレイヤ1の制御用データ領域に設定される。
T55において、客待ちBのBGMランプ制御用データがリセットされて、オフ状態となる。
すなわち、図53で説明した本実施形態では、演出制御に係る演出制御コマンド(例えば、客待ちデモ指定コマンド)に対応して発光部(ランプ09等)の発光を制御するものであって、遊技機の状態(例えば、初期化指定コマンドを受信してから所定の時間内であるかどうか)が異なるときには同一の演出制御コマンドに対応して異なる態様(客待ちA BGM演出、又は客待ちBのBGM演出)で発光部の発光を制御するものである。
このような構成によれば、遊技機の状態に応じた演出を実行することができる。
以上で、図53を用いた、同一の演出制御コマンドに係るランプ制御の一例の説明を終了する。
次に、図54及び図55を用いて、図46の可変表示開始設定処理(S0171)における演出実行設定処理(S0532)の詳細を説明する。図54及び図55は、演出実行設定処理の一例を示すフローチャートである。
図54に示す演出実行設定処理において、演出制御用CPU0120は、遊技状態が高ベース状態か否かの判定を行う(S0902)。遊技状態が高ベース状態の場合には(S0902;YES)、演出制御用CPU0120は、変動パターンがリーチ変動パターンか否かの判定を行う(S0903)。変動パターンがリーチ変動パターンの場合には(S0903;YES)、演出制御用CPU0120は、BGM(リーチ変動)演出の制御用データをレイヤ2に設定し(S0904)、S0906に進む。一方、変動パターンがリーチ変動パターンではない場合には(S0903;NO)、演出制御用CPU0120は、BGM(通常変動)演出の制御用データをレイヤ1に設定し(S0905)、S0906に進む。
次いで、演出制御用CPU0120は、予告演出を実行するか決定するための予告決定処理を行う(S0906)。ここでは、変動パターンや乱数値MR10を用いて決定される。例えば、変動パターンがスーパーリーチα、βを示している場合に乱数値MR10を用いて決定される。演出制御用CPU0120は、予告決定処理の決定結果から、予告演出を実行するか否かの判定を行う(S0907)。予告演出を実行しない場合には(S0907;NO)、S0909に進む。一方、予告演出を実行する場合には(S0907;YES)、演出制御用CPU0120は、予告演出の制御用データをレイヤ3に設定する(S0908)。
次いで、演出制御用CPU0120は、確定報知演出を実行するか否かを決定するための確定報知決定処理を行う(S0909)。演出制御用CPU0120は、変動パターンが大当りを示している場合に、確定報知演出を実行するか否かを、変動パターンや乱数値MR11を用いて決定する。演出制御用CPU0120は、S0909の確定報知決定処理の決定結果から、確定報知演出を実行するか否かの判定を行う(S0910)。確定報知演出を実行しない場合には(S0910;NO)、S0912に進む。一方、確定報知演出を実行する場合には(S0910;YES)、演出制御用CPU0120は、確定報知演出の制御用データをレイヤ4に設定する(S0911)。次いで、演出制御用CPU0120は、各決定処理で決定された各演出制御パターンを選択し(S0912)、S0532演出実行設定処理を終了する。
S0902の処理に戻り、遊技状態が低ベース状態の場合には(S0902;NO)、結合子Aに示す図55のS0913に進む。演出制御用CPU0120は、変動パターンがリーチ変動パターンか否かの判定を行う(S0913)。変動パターンがリーチ変動パターンの場合には(S0913;YES)、演出制御用CPU0120は、BGM(リーチ変動)演出の制御用データをレイヤ1に設定し(S0914)、S0916に進む。変動パターンがリーチ変動パターンではない場合には(S0913;NO)、演出制御用CPU0120は、BGM(通常変動)演出の制御用データをレイヤ1に設定し(S0915)、S0916に進む。
次いで、演出制御用CPU0120は、予告B演出を実行するか決定するための予告B決定処理を行う(S0916)。ここでは、変動パターンや乱数値MR10を用いて決定される。例えば、変動パターンがスーパーリーチα、βを示している場合に乱数値MR10を用いて決定される。演出制御用CPU0120は、予告B決定処理の決定結果から、予告B演出を実行するか否かの判定を行う(S0917)。予告B演出を実行しない場合には(S0917;NO)、S0919に進む。予告B演出を実行する場合には(S0917;YES)、演出制御用CPU0120は、予告B演出の制御用データをレイヤ2に設定する(S0918)。
次いで、演出制御用CPU0120は、予告A演出を実行するか決定するための予告A決定処理を行う(S0919)。ここでは、変動パターンや乱数値MR12を用いて決定される。例えば、変動パターンがスーパーリーチα、βを示している場合に乱数値MR12を用いて決定される。演出制御用CPU0120は、予告A決定処理の決定結果から、予告A演出を実行するか否かの判定を行う(S0920)。予告A演出を実行しない場合には(S0920;NO)、S0922に進む。予告A演出を実行する場合には(S0920;YES)、演出制御用CPU0120は、予告A演出の制御用データをレイヤ3に設定する(S0921)。
次いで、演出制御用CPU0120は、確定報知演出を実行するか決定するための確定報知決定処理を行う(S0922)。ここでは、変動パターンや乱数値MR11を用いて決定される。例えば、変動パターンが大当りを示している場合に乱数値MR11を用いて決定される。演出制御用CPU0120は、確定報知決定処理の決定結果から、確定報知演出を実行するか否かの判定を行う(S0923)。確定報知演出を実行しない場合には(S0923;NO)、S0912に進む。一方、確定報知演出を実行する場合には(S0923;YES)、演出制御用CPU0120は、確定報知演出の制御用データをレイヤ4に設定し(S0924)、接合子Bに示す図54のS0912の処理を実行する。
以上で、図54及び図55を用いた、演出実行設定処理(S0532)の詳細の説明を終了する。
なお、図48〜図53で説明したタイムチャートは、それぞれのレイヤの制御用データ領域に設定される制御用データは、それぞれ独立してオン状態となり、優先順位が一番高い制御用データ領域に設定される制御用データに基づき点灯表示される場合を例示した。しかし、複数のレイヤの制御用データ領域が設定されるときに、優先順位が一番高い制御用データ領域の制御用データのみがオン状態となるようにしてオン状態の制御用データに基づき点灯表示するようにしてもよい。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) 以上、本発明の実施形態について説明したが、パチンコ遊技機01の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置05の表示領域における演出画像の表示動作を含めた各種の演出動作等は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
(2) アクティブ表示エリアAHAに表示されたアクティブ表示の表示態様が特殊態様であるときに、始動入賞記憶表示エリア05Hに表示された保留表示のいずれかに対して、保留変化演出を実行してもよく、始動入賞記憶表示エリア05Hに表示された保留表示のいずれかに特殊態様で表示される保留表示がある場合、始動入賞記憶表示エリア05Hに表示された保留表示のいずれか、またはアクティブ表示に対して保留変化演出またはアクティブ表示変化演出を実行してもよい。
(3) アクティブ表示エリアAHAに表示された特別画像に含まれるアクティブ表示の色によって、成功演出が実行される期待度が異なるように、例えば、アクティブ表示の色ごとに図27(A)〜図27(C)のように設定された演出態様の決定割合の設定例を用いてもよく、アクティブ表示エリアAHAに表示された特別画像に含まれるアクティブ表示の色によって、アクティブ表示に対する成功演出を実行した後のアクティブ表示の色等のアクティブ表示の表示態様の決定割合が異なるように設定された表示態様の決定割合の設定例を用いてもよい。
(4) 確変制御において、大入賞口内に予め特定領域を設け、この特定領域を遊技球が通過したことに基づいて、確変状態に制御する遊技機でもよい。例えば、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づき、「非確変」や「確変」、「突確」といった複数種類の大当り種別に割当てられたことにより、大入賞口内の特定領域に遊技球が進入しやすい遊技状態に制御し、この特定領域を遊技球が通過したことに基づいて、確変状態に制御する遊技機でもよい。
(5) その他にも、パチンコ遊技機01の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置05の表示領域における演出画像の表示動作を含めた各種の演出動作等は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変更及び修正が可能である。
(6) プリペイドカードや会員カード等の遊技用記録媒体の記録情報より特定される大きさの遊技価値である度数を使用して、遊技に使用するための遊技得点を付与するとともに、付与された遊技得点又は遊技による入賞により付与された遊技得点を使用して遊技機内に封入された遊技球を遊技領域に打込んで遊技者が遊技を行う遊技機にも本発明を適用することができる。
即ち、遊技領域に設けられた始動領域を遊技媒体が通過したことに基づいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報の可変表示を行い表示結果を導出表示する可変表示手段を備え、当該可変表示手段に予め定められた特定表示結果が導出表示されたときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機であるが、遊技得点が0でないときに遊技得点を使用して遊技機内に封入された遊技球を遊技領域に打込んで遊技が行われ、遊技球の打込みに応じて遊技得点を減算し、遊技領域に設けられた入賞領域に遊技球が入賞することに応じて遊技得点を加算する遊技機にも本発明を適用できる。そのような遊技機は、遊技得点の加算に使用可能な遊技用価値の大きさを特定可能な情報が記録された遊技用記録媒体を挿入するための遊技用記録媒体挿入口と、遊技用記録媒体挿入口に挿入された遊技用記録媒体に記録されている記録情報の読出しを行う遊技用記録媒体処理手段を備えてもよい。
(7) 上記説明では、変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御マイクロコンピュータ(演出制御用CPU0120)に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御マイクロコンピュータに通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ0100(CPU0103)は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御マイクロコンピュータは2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間に基づいて変動表示における演出制御を行う様にすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ0100の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御マイクロコンピュータの方で選択を行う様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定時間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
(8) 本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機01に含まれるコンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
(9) そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
(10) 前述した実施の形態では「割合(比率、確率)」を例示したが、「割合(比率、確率)」は、これに限るものではなく、例えば0%〜100%の範囲内の値のうち、0%を含む値、100%を含む値、0%および100%を含まない値でもよい。
(11) 前述した実施の形態では、確変大当りとして、変動表示結果が導出表示された後、大当り遊技状態の終了後に、無条件で確変状態に制御される確変状態制御例を示した。しかし、これに限らず、特別可変入賞球装置07における大入賞口内に設けられた特定領域を遊技球が通過したことが検出手段により検出されたときに、確変状態に制御される、確変判定装置タイプの確変状態制御が実行されるようにしてもよい。
(12) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
また、上記実施形態では、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等の複数種類の特別図柄を可変表示させ表示結果を導出表示させる態様を示したが、当該可変表示は、そのような態様に限定されない。例えば、可変表示させる特別図柄と、可変表示結果として導出表示される特別図柄とが異なっていてもよい。換言すれば、変動する複数種類の特別図柄に含まれない特別図柄が可変表示結果として導出表示されてもよいし、変動する複数種類の特別図柄の中には可変表示結果として導出表示されないものが含まれていてもよい。また、必ずしも複数種類の特別図柄を可変表示させる必要はなく、1種類の特別図柄のみを用いて可変表示を実行する態様であってもよい。1種類の特別図柄を用いた可変表示として、例えば、当該1種類の特別図柄を点滅させてもよい(交互に点灯/消灯を繰返してもよい)。即ち、点灯、消灯の繰返しを可変表示としてもよい。そして、この場合であっても、当該1種類の特別図柄が最後に導出表示(点灯)されるものであってもよいし、当該1種類の図柄とは異なる図柄が最後に導出表示されるものであってもよい。また、他の図柄(例えば、普通図柄、飾り図柄等)の可変表示についても同様である。
また、各乱数の更新タイミングを異ならせたり、各乱数の更新範囲を異ならせたりすることによって、各乱数が同期しないようにしてもよい。
また、上記実施形態では、遊技機としてパチンコ機を示したが、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるゲームを実行可能なスロットマシン(例えば、ビッグボーナス(BB)、レギュラーボーナス(RB)、RT、AT、ART、CZ(以下、ボーナス等)のうち1以上を搭載するスロットマシン)にも本発明を適用可能である。
例えば、本発明に係る遊技機は、上述のようなスロットマシンとして、所定の遊技を行う遊技機(たとえば、スロットマシン1)であって、前面側を開閉可能な開閉部材(たとえば、前面扉1b)と、前記開閉部材の開閉を検出する開閉検出手段(たとえば、図15のS151の処理)と、外部からの操作を受け付ける操作受付手段(たとえば、遊技者側設定スイッチ70、170)と、前記操作受付手段により受け付けられた操作に基づき遊技に関する設定(たとえば、音量および光量の設定等)を行うことが可能な設定手段(たとえば、図15のS158の処理、図16のS177の処理)と、前記開閉検出手段により前記開閉部材の開放が検出されているときに、前記設定手段による設定を禁止する禁止手段(たとえば、図15のS151でNと判定したときには遊技者側演出設定処理を終了する部分)と、発光部(たとえば、当該スロットマシンが備える図4に示す演出効果LED52)と、複数の制御用データ領域(たとえば、図47(A)に示す、レイヤ1〜レイヤ5の領域)に設定された制御用データ(たとえば、ランプ09等の点灯制御を実行するためのデータ)の中で優先順位(たとえば、図47(A)に示す、レイヤ1〜レイヤ5に付けられた、レイヤの番号が大きくなると順位が高くなる優先順位等)が最も高い前記制御用データ領域に設定された制御用データに基づき前記発光部の発光を制御する発光制御部(たとえば、図54及び図55に示すS0532の演出実行設定処理を実行する、サブCPU91a)とを備えるスロットマシンであってもよい。なお、スロットマシンにおいて、制御用データ領域に設定された制御用データの一例は、エラー(例えば、扉オープン、ホッパー空/満タン等)を報知するエラー報知に係る制御用データ、ボーナス等の確定報知に係る制御用データ、特定小役(チェリー、スイカ、特殊リプレイ等)の成立の予告(報知)に係る制御用データ、BGMに係る制御用データなどである。なお、スロットマシンにおいて、スロットマシンにおける遊技状態としては、通常状態、BB、RB、RT、AT、ART、CZ等の種々の状態に応じて、制御用データを設定してもよい。