以下、図面を用いて、本発明の一実施の形態に係る遊技台(例えば、パチンコ機100等の弾球遊技機やスロット機等の回胴遊技機)について詳細に説明する。まず、図1を用いて、本発明の実施形態に係るパチンコ機100の全体構成について説明する。なお、同図はパチンコ機100を正面側(遊技者側)から見た外観斜視図である。パチンコ機100は、外部的構造として、外枠102と、本体104と、前面枠扉106と、球貯留皿付扉108と、発射装置110と、遊技盤200と、をその前面に備える。
外枠102は、遊技機設置営業店に設けられた設置場所(島設備等)へと固定させるための縦長方形状からなる木製の枠部材である。本体104は、内枠と呼ばれ、外枠102の内部に備えられ、ヒンジ部112を介して外枠102に回動自在に装着された縦長方形状の遊技機基軸体となる部材である。また、本体104は、枠状に形成され、内側に空間部114を有している。また、本体104が開放された場合、本体104の開放を検出する不図示の内枠開放センサを備える。
前面枠扉106は、ロック機能付きで且つ開閉自在となるようにパチンコ機100の前面側となる本体104の前面に対しヒンジ部112を介して装着され、枠状に構成されることでその内側を開口部116とした扉部材である。なお、前面枠扉106には、開口部116にガラス製又は樹脂製の透明板部材118が設けられ、前面側には、スピーカ120や枠ランプ122が取り付けられている。前面枠扉106の後面と遊技盤200の前面とで遊技領域124を区画形成する。また、前面枠扉106が開放された場合、前面枠扉106の開放を検出する不図示の前面枠扉開放センサを備える。
球貯留皿付扉108は、パチンコ機100の前面において本体104の下側に対して、ロック機能付きで且つ開閉自在となるように装着された扉部材である。球貯留皿付扉108は、複数の遊技球(以下、単に「球」と称する場合がある)が貯留可能で且つ発射装置110へと遊技球を案内させる通路が設けられている上皿126と、上皿126に貯留しきれない遊技球を貯留する下皿128と、遊技者の操作によって上皿126に貯留された遊技球を下皿128へと排出させる球抜ボタン130と、遊技者の操作によって下皿128に貯留された遊技球を遊技球収集容器(俗称、ドル箱)へと排出させる球排出レバー132と、遊技者の操作によって発射装置110へと案内された遊技球を遊技盤200の遊技領域124へと打ち出す球発射ハンドル134と、遊技者の操作によって各種演出装置206の演出態様に変化を与えるチャンスボタン136と、チャンスボタン136を発光させるチャンスボタンランプ138と、遊技店に設置されたカードユニット(CRユニット)に対して球貸し指示を行う球貸操作ボタン140と、カードユニットに対して遊技者の残高の返却指示を行う返却操作ボタン142と、遊技者の残高やカードユニットの状態を表示する球貸表示部144と、を備える。また、下皿128が満タンであることを検出する不図示の下皿満タンセンサを備える。
発射装置110は、本体104の下方に取り付けられ、球発射ハンドル134が遊技者に操作されることによって回動する発射杆146と、遊技球を発射杆146の先端で打突する発射槌148と、を備える。
遊技盤200は、前面に遊技領域124を有し、本体104の空間部114に臨むように、所定の固定部材を用いて本体104に着脱自在に装着されている。なお、遊技領域124は、遊技盤200を本体104に装着した後、開口部116から観察することができる。
図2は、図1のパチンコ機100を背面側から見た外観図である。パチンコ機100の背面上部には、上方に開口した開口部を有し、遊技球を一時的に貯留するための球タンク150と、球タンク150の下方に位置し、球タンク150の底部に形成した連通孔を通過して落下する球を背面右側に位置する払出装置152に導くためのタンクレール154とを配設している。
払出装置152は、筒状の部材からなり、その内部には、不図示の払出モータとスプロケットと払出センサとを備えている。スプロケットは、払出モータによって回転可能に構成されており、タンクレール154を通過して払出装置152内に流下した遊技球を一時的に滞留させると共に、払出モータを駆動して所定角度だけ回転することにより、一時的に滞留した遊技球を払出装置152の下方へ1個ずつ送り出すように構成している。
払出センサは、スプロケットが送り出した遊技球の通過を検知するためのセンサであり、遊技球が通過しているときにハイまたはローの何れか一方の信号を、遊技球が通過していないときはハイまたはローの何れか他方の信号を払出制御部600へ出力する。なお、この払出センサを通過した遊技球は、不図示の球レールを通過してパチンコ機100の表側に配設した上皿126に到達するように構成しており、パチンコ機100は、この構成により遊技者に対して球の払い出しを行う。
払出装置152の図中左側には、遊技全般の制御処理を行う主制御部300を構成する主基板156を収納する主基板ケース158、主制御部300が生成した処理情報に基づいて演出に関する制御処理を行う第1副制御部400を構成する第1副基板160を収納する第1副基板ケース162、第1副制御部400が生成した処理情報に基づいて演出に関する制御処理を行う第2副制御部500を構成する第2副基板164を収納する第2副基板ケース166、遊技球の払出に関する制御処理を行う払出制御部600を構成するとともに遊技店員の操作によってエラーを解除するエラー解除スイッチ168を備える払出基板170を収納する払出基板ケース172、遊技球の発射に関する制御処理を行う発射制御部630を構成する発射基板174を収納する発射基板ケース176、各種電気的遊技機器に電源を供給する電源制御部660を構成するとともに遊技店員の操作によって電源をオンオフする電源スイッチ178と電源投入時に操作されることによってRWMクリア信号を主制御部300に出力するRWMクリアスイッチ180とを備える電源基板182を収納する電源基板ケース184、および払出制御部600とカードユニットとの信号の送受信を行うCRインタフェース部186を配設している。
図3は、遊技盤200を正面から見た略示正面図である。遊技盤200には、外レール202と内レール204とを配設し、遊技球が転動可能な遊技領域124を区画形成している。遊技領域124の略中央には、演出装置206を配設している。演出装置206には、略中央に装飾図柄表示装置208を配設し、その周囲に、普通図柄表示装置210と、第1特別図柄表示装置212と、第2特別図柄表示装置214と、普通図柄保留ランプ216と、第1特別図柄保留ランプ218と、第2特別図柄保留ランプ220と、高確中ランプ222を配設している。演出装置206は、演出可動体224を動作して演出を行うものであり、詳細については後述する。なお、以下、普通図柄を「普図」、特別図柄を「特図」、第1特別図柄を「特図1」、第2特別図柄を「特図2」と称する場合がある。
装飾図柄表示装置208は、装飾図柄ならびに演出に用いる様々な表示を行うための表示装置であり、本実施の形態では液晶表示装置(Liquid Crystal Display)によって構成する。装飾図柄表示装置208は、左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208b、右図柄表示領域208cおよび演出表示領域208dの4つの表示領域に分割し、左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208bおよび右図柄表示領域208cはそれぞれ異なった装飾図柄を表示し、演出表示領域208dは演出に用いる画像を表示する。さらに、各表示領域208a、208b、208c、208dの位置や大きさは、装飾図柄表示装置208の表示画面内で自由に変更することを可能としている。なお、装飾図柄表示装置208として液晶表示装置を採用しているが、液晶表示装置でなくとも、種々の演出や種々の遊技情報を表示可能に構成されていればよく、例えば、ドットマトリクス表示装置、7セグメント表示装置、有機EL(ElectroLuminescence)表示装置、リール(ドラム)式表示装置、リーフ式表示装置、プラズマディスプレイ、プロジェクタを含む他の表示デバイスを採用してもよい。
普図表示装置210は、普図の表示を行うための表示装置であり、本実施形態では7セグメントLEDによって構成する。特図1表示装置212および特図2表示装置214は、特図の表示を行うための表示装置であり、本実施形態では7セグメントLEDによって構成する。
普図保留ランプ216は、保留している普図変動遊技(詳細は後述)の数を示すためのランプであり、本実施形態では、普図変動遊技を所定数(例えば、2つ)まで保留することを可能としている。特図1保留ランプ218および特図2保留ランプ220は、保留している特図変動遊技(詳細は後述)の数を示すためのランプであり、本実施形態では、特図変動遊技を所定数(例えば、4つ)まで保留することを可能としている。高確中ランプ222は、遊技状態が大当りが発生し易い高確率状態であること、または高確率状態になることを示すためのランプであり、遊技状態を大当りが発生し難い低確率状態から高確率状態にする場合に点灯し、高確率状態から低確率状態にする場合に消灯する。
また、演出装置206の周囲には、所定の球進入口、例えば、一般入賞口226と、普図始動口228と、特図1始動口230と、特図2始動口232と、可変入賞口234を配設している。
一般入賞口226は、本実施形態では遊技盤200に複数配設しており、一般入賞口226への入球を所定の球検出センサ(図示省略)が検出した場合(一般入賞口226に入賞した場合)、払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、10個)の球を賞球として上皿126に排出する。上皿126に排出した球は遊技者が自由に取り出すことが可能であり、これらの構成により、入賞に基づいて賞球を遊技者に払い出すようにしている。なお、一般入賞口226に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。本実施形態では、遊技球には、入賞の対価として遊技者に払い出す球(以下、「賞球」と呼ぶ場合がある)と、遊技者に貸し出す球(以下、「貸球」呼ぶ場合がある)とが含まれる。
普図始動口228は、ゲートやスルーチャッカーと呼ばれる、遊技領域124の所定の領域を球が通過したか否かを判定するための装置で構成しており、本実施形態では遊技盤200の左側に1つ配設している。普図始動口228を通過した球は一般入賞口226に入球した球と違って、遊技島側に排出することはない。球が普図始動口228を通過したことを所定の球検出センサが検出した場合、パチンコ機100は、普図表示装置210による普図変動遊技を開始する。
特図1始動口230は、本実施形態では遊技盤200の中央に1つだけ配設している。特図1始動口230への入球を所定の球検出センサが検出した場合、後述する払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、3個)の球を賞球として上皿126に排出するとともに、特図1表示装置212による特図変動遊技を開始する。なお、特図1始動口230に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
特図2始動口232は、電動チューリップ(電チュー)と呼ばれ、本実施形態では特図1始動口230の真下に1つだけ配設している。特図2始動口232は、左右に開閉自在な羽根部材232aを備え、羽根部材232aの閉鎖中は球の入球が不可能であり、普図変動遊技に当選し、普図表示装置210が当り図柄を停止表示した場合に羽根部材232aが所定の時間間隔、所定の回数で開閉する。特図2始動口232への入球を所定の球検出センサが検出した場合、払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、4個)の球を賞球として上皿126に排出するとともに、特図2表示装置214による特図変動遊技を開始する。なお、特図2始動口232に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
可変入賞口234は、大入賞口またはアタッカと呼ばれ、本実施形態では遊技盤200の中央部下方に1つだけ配設している。可変入賞口234は、開閉自在な扉部材234aを備え、扉部材234aの閉鎖中は球の入球が不可能であり、特図変動遊技に当選して特図表示装置212、214が大当り図柄を停止表示した場合に扉部材234aが所定の時間間隔(例えば、開放時間25秒、閉鎖時間1.5秒)、所定の回数(例えば15回)で開閉する。可変入賞口234への入球を所定の球検出センサが検出した場合、払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、15個)の球を賞球として上皿126に排出する。なお、可変入賞口234に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
さらに、これらの入賞口や始動口の近傍には、風車と呼ばれる円盤状の打球方向変換部材236や、遊技釘238を複数個、配設していると共に、内レール204の最下部には、いずれの入賞口や始動口にも入賞しなかった球をパチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出するためのアウト口240を設けている。
パチンコ機100は、遊技者が上皿126に貯留している球を発射レールの発射位置に供給し、遊技者の操作ハンドルの操作量に応じた強度で発射モータを駆動し、発射杆146および発射槌148によって外レール202、内レール204を通過させて遊技領域124に打ち出す。そして、遊技領域124の上部に到達した球は、打球方向変換部材236や遊技釘238等によって進行方向を変えながら下方に落下し、入賞口(一般入賞口226、可変入賞口234)や始動口(特図1始動口230、特図2始動口232)に入賞するか、いずれの入賞口や始動口にも入賞することなく、または普図始動口228を通過するのみでアウト口240に到達する。
次に、パチンコ機100の演出装置206について説明する。演出装置206の前面側には、遊技球の転動可能な領域にワープ装置242およびステージ244を配設し、遊技球の転動不可能な領域に演出可動体224を配設している。また、演出装置206の背面側には、装飾図柄表示装置208および遮蔽装置246(以下、扉あるいはシャッタと称する場合がある)を配設している。すなわち、演出装置206において、装飾図柄表示装置208および遮蔽手段は、ワープ装置242、ステージ244、および演出可動体224の後方に位置することとなる。ワープ装置242は、演出装置206の左上方に設けたワープ入口242aに入った遊技球を演出装置206の前面下方のステージ244にワープ出口242bから排出する。ステージ244は、ワープ出口242bから排出された球や遊技盤200の釘などによって乗り上げた球などが転動可能であり、ステージ244の中央部には、通過した球が特図1始動口230へ入球し易くなるスペシャルルート244aを設けている。
演出可動体224は、本実施形態では人間の右腕の上腕と前腕を模した上腕部224aと前腕部224bとからなり、肩の位置に上腕部224aを回動させる不図示の上腕モータと肘の位置に前腕部224bを回動させる不図示の前腕モータを備える。演出可動体224は、上腕モータと前腕モータによって装飾図柄表示装置208の前方を移動する。
遮蔽装置246は、格子状の左扉246aおよび右扉246bからなり、装飾図柄表示装置208および前面ステージ244の間に配設する。左扉246aおよび右扉246bの上部には、不図示の2つのプーリに巻き回したベルトをそれぞれ固定している。すなわち、左扉246aおよび右扉246bは、モータによりプーリを介して駆動するベルトの動作に伴って左右にそれぞれ移動する。遮蔽手段は、左扉246aおよび右扉246bを閉じた状態ではそれぞれの内側端部が重なり、遊技者が装飾図柄表示装置208を視認し難いように遮蔽する。左扉246aおよび右扉246bを開いた状態ではそれぞれの内側端部が装飾図柄表示装置208の表示画面の外側端部と若干重なるが、遊技者は装飾図柄表示装置208の表示の全てを視認可能である。また、左扉246aおよび右扉246bは、それぞれ任意の位置で停止可能であり、例えば、表示した装飾図柄がどの装飾図柄であるかを遊技者が識別可能な程度に、装飾図柄の一部だけを遮蔽するようなことができる。なお、左扉246aおよび右扉246bは、格子の孔から後方の装飾図柄表示装置208の一部を視認可能にしてもよいし、格子の孔の障子部分を半透明のレンズ体で塞ぎ、後方の装飾図柄表示装置208による表示を漠然と遊技者に視認させるようにしてもよいし、格子の孔の障子部分を完全に塞ぎ(遮蔽し)、後方の装飾図柄表示装置208を全く視認不可にしてもよい。
次に、図4を用いて、パチンコ機100の制御部の回路構成について詳細に説明する。なお、同図は制御部の回路ブロック図を示したものである。パチンコ機100の制御部は、大別すると、遊技の中枢部分を制御する主制御部300と、主制御部300が送信するコマンド信号(以下、単に「コマンド」と呼ぶ)に応じて主に演出の制御を行う第1副制御部400と、第1副制御部400より送信されたコマンドに基づいて各種機器を制御する第2副制御部500と、主制御部300が送信するコマンドに応じて主に遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御部600と、遊技球の発射制御を行う発射制御部630と、パチンコ機100に供給される電源を制御する電源制御部660と、によって構成している。
まず、パチンコ機100の主制御部300について説明する。主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えており、基本回路302には、CPU304と、制御プログラムや各種データを記憶するためのROM306と、一時的にデータを記憶するためのRAM308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ312と、プログラム処理の異常を監視するWDT314を搭載している。なお、ROM306やRAM308については他の記憶装置を用いてもよく、この点は後述する第1副制御部400および第2副制御部500についても同様である。基本回路302のCPU304は、水晶発振器316bが出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。
また、基本回路302には、水晶発振器316aが出力するクロック信号を受信する度に0〜65535の範囲で数値を変動させるハードウェア乱数カウンタとして使用している乱数値生成回路318(この回路には2つのカウンタを内蔵しているものとする)と、所定の球検出センサ、例えば各始動口、入賞口、可変入賞口を通過する遊技球を検出するセンサや、前面枠扉開放センサや内枠開放センサや下皿満タンセンサを含む各種センサ320が出力する信号を受信し、増幅結果や基準電圧との比較結果を乱数値生成回路318および基本回路302に出力するためのセンサ回路322と、所定の図柄表示装置、例えば特図1表示装置212や特図2表示装置214の表示制御を行うための駆動回路324と、所定の図柄表示装置、例えば普図表示装置210の表示制御を行うための駆動回路326と、各種状態表示部328(例えば、普図保留ランプ216、特図1保留ランプ218、特図2保留ランプ220、高確中ランプ222等)の表示制御を行うための駆動回路330と、所定の可動部材、例えば特図2始動口232の羽根部材232aや可変入賞口234の扉部材234a等を開閉駆動する各種ソレノイド332を制御するための駆動回路334を接続している。
なお、特図1始動口230に球が入賞したことを球検出センサ320が検出した場合には、センサ回路322は球を検出したことを示す信号を乱数値生成回路318に出力する。この信号を受信した乱数値生成回路318は、特図1始動口230に対応するカウンタのそのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、特図1始動口230に対応する内蔵のカウンタ値記憶用レジスタに記憶する。また、乱数値生成回路318は、特図2始動口232に球が入賞したことを示す信号を受信した場合も同様に、特図2始動口232に対応するカウンタのそのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、特図2始動口232に対応する内蔵のカウンタ値記憶用レジスタに記憶する。
さらに、基本回路302には、情報出力回路336を接続しており、主制御部300は、情報出力回路336を介して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路350にパチンコ機100の遊技情報(例えば、遊技状態)を出力する。
また、主制御部300には、電源制御部660から主制御部300に供給している電源の電圧値を監視する電圧監視回路338を設けており、電圧監視回路338は、電源の電圧値が所定の値(本実施例では9V)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を基本回路302に出力する。
また、主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)340を設けており、CPU304は、起動信号出力回路340から起動信号を入力した場合に、遊技制御を開始する(後述する主制御部メイン処理を開始する)。
また、主制御部300は、第1副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェースと、払出制御部600にコマンドを送信するための出力インタフェースをそれぞれ備えており、この構成により、第1副制御部400および払出制御部600との通信を可能としている。なお、主制御部300と第1副制御部400および払出制御部600との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は第1副制御部400および払出制御部600にコマンド等の信号を送信できるように構成しているが、第1副制御部400および払出制御部600からは主制御部300にコマンド等の信号を送信できないように構成している。
次に、パチンコ機100の第1副制御部400について説明する。第1副制御部400は、主に主制御部300が送信したコマンド等に基づいて第1副制御部400の全体を制御する基本回路402を備えており、基本回路402には、CPU404と、一時的にデータを記憶するためのRAM408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O410と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ412を搭載している。基本回路402のCPU404は、水晶発振器414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。
また、基本回路402には、スピーカ120(およびアンプ)の制御を行うための音源IC416と、各種ランプ418(例えば、チャンスボタンランプ138)の制御を行うための駆動回路420と、遮蔽装置246の駆動制御を行うための駆動回路432と、遮蔽装置246の現在位置を検出する遮蔽装置センサ430と、チャンスボタン136の押下を検出するチャンスボタン検出センサ426と、遮蔽装置センサ430やチャンスボタン検出センサ426からの検出信号を基本回路402に出力するセンサ回路428と、制御プログラムや各種演出データを記憶するためのROM406と、CPU404からの信号に基づいてROM406に記憶された画像データ等を読み出してVRAM436のワークエリアを使用して表示画像を生成して装飾図柄表示装置208に画像を表示するVDP434(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサー)と、を接続している。なお、ROM406は、制御プログラムと各種演出データとを別々のROMに記憶させてもよい。
次に、パチンコ機100の第2副制御部500について説明する。第2副制御部500は、第1副制御部400が送信した制御コマンドを入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて第2副制御部500の全体を制御する基本回路502を備えており、基本回路502は、CPU504と、一時的にデータを記憶するためのRAM508と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O510と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ512を搭載している。基本回路502のCPU504は、水晶発振器514が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。
また、基本回路502には、第2副制御部500の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、画像表示用のデータ等が記憶されたROM506と、演出可動体224の駆動制御を行うための駆動回路516と、演出可動体224の現在位置を検出する演出可動体センサ424と、演出可動体センサ424からの検出信号を基本回路502に出力するセンサ回路518と、遊技盤用ランプ532の制御を行うための遊技盤用ランプ駆動回路530と、遊技台枠用ランプ542の制御を行うための遊技台枠用ランプ駆動回路540と、遊技盤用ランプ駆動回路530と遊技台枠用ランプ駆動回路540との間でシリアル通信による点灯制御を行うシリアル通信制御回路520と、を接続している。
次に、パチンコ機100の払出制御部600、発射制御部630、電源制御部660について説明する。払出制御部600は、主に主制御部300が送信したコマンド等の信号に基づいて払出装置152の払出モータ602を制御すると共に、払出センサ604が出力する制御信号に基づいて賞球または貸球の払い出しが完了したか否かを検出すると共に、インタフェース部606を介して、パチンコ機100とは別体で設けられたカードユニット608との通信を行う。
発射制御部630は、払出制御部600が出力する、発射許可または停止を指示する制御信号や、球発射ハンドル134内に設けた発射強度出力回路が出力する、遊技者による球発射ハンドル134の操作量に応じた発射強度を指示する制御信号に基づいて、発射杆146および発射槌148を駆動する発射モータ632の制御や、上皿126から発射装置110に球を供給する球送り装置634の制御を行う。
電源制御部660は、パチンコ機100に外部から供給される交流電源を直流化し、所定の電圧に変換して主制御部300、第1副制御部400等の各制御部や払出装置152等の各装置に供給する。さらに、電源制御部660は、外部からの電源が断たれた後も所定の部品(例えば主制御部300のRAM308等)に所定の期間(例えば10日間)電源を供給するための蓄電回路(例えば、コンデンサ)を備えている。なお、本実施形態では、電源制御部660から払出制御部600と第2副制御部500に所定電圧を供給し、払出制御部600から主制御部300と第2副制御部500と発射制御部630に所定電圧を供給しているが、各制御部や各装置に他の電源経路で所定電圧を供給してもよい。
次に、図5を用いて、パチンコ機100の特図1表示装置212、特図2表示装置214および装飾図柄表示装置208が停止表示する特図の種類について説明する。図5(a)は特図の停止図柄態様の一例を示したものである。特図1始動口230に球が入球したことを第1始動口センサが検出したことを条件として特図1変動遊技が開始され、特図2始動口232に球が入球したことを第2始動口センサが検出したことを条件として特図2変動遊技が開始される。特図1変動遊技が開始されると、特図1表示装置212は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「特図1の変動表示」を行う。また、特図2変動遊技が開始されると、特図2表示装置214は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「特図2の変動表示」を行う。これらの「特図1の変動表示」および「特図2の変動表示」が本実施形態にいう図柄の変動表示の一例に相当する。そして、特図1の変動開始前に決定した変動時間(本実施形態にいう変動時間が相当)が経過すると、特図1表示装置212は特図1の停止図柄態様を停止表示し、特図2の変動開始前に決定した変動時間(これも本実施形態にいう変動時間が相当)が経過すると、特図2表示装置214は特図2の停止図柄態様を停止表示する。したがって、「特図1の変動表示」を開始してから特図1の停止図柄態様を停止表示するまで、あるいは「特図2の変動表示」を開始してから特図2の停止図柄態様を停止表示するまでが本実施形態にいう図柄変動停止表示の一例に相当し、以下、この「特図1又は2の変動表示」を開始してから特図1又は2の停止図柄態様を停止表示するまでの一連の表示を図柄変動停止表示と称する。後述するように、図柄変動停止表示は複数回、連続して行われることがある。
図5(a)には、図柄変動停止表示における停止図柄態様として「特図A」から「特図M」までの13種類の特図が示されている。図5(a)においては、図中の白抜きの部分が消灯するセグメントの場所を示し、黒塗りの部分が点灯するセグメントの場所を示している。「特図A」は15ラウンド(15R)特別大当り図柄であり、「特図B」はラウンド昇格と称される15R大当り図柄である。「特図C」は実質8R特別ジャンプアップボーナス(JUB)と称される16R大当り図柄であり、「特図D」は16R3回開放ランクアップボーナス(RUB)と称される16R大当り図柄であり、「特図E」は16R2回開放RUBと称される16R大当り図柄であり、「特図F」は16R1回開放RUBと称される16R大当り図柄であり、「特図G」は16R通常大当りと称される16R大当り図柄であり、「特図H」は実質8R通常JUBと称される16R大当り図柄である。「特図I」は4R特別大当りと称される4R大当り図柄であり、「特図J」は潜伏確変と称される4R大当り図柄であり、「特図K」は4R通常大当りと称される4R大当り図柄である。
本実施形態のパチンコ機100では、後述するように、特図変動遊技における大当りか否かの決定はハードウェア乱数の抽選によって行い、図柄の決定はソフトウェア乱数の抽選によって行う。特別大当りおよびRUB大当りと通常大当りとの違い、および、特別JUB大当りと通常JUB大当りとの違いは、次回の特図変動遊技で、大当りに当選する確率が高い(特別大当り、RUB、特別JUB)か低い(通常大当り、通常JUB)かの違いである。以下、この大当りに当選する確率が高い状態のことを特図高確率状態と称し、その確率が低い状態のことを特図低確率状態と称する。以下、高確率状態のことを確変状態と称し、低確率状態のことを非確変状態と称する場合がある。また、15R特別大当り遊技終了後、15R大当り遊技終了後、16R大当り遊技終了後および特図Iまたは特図Kの停止表示後に開始される4R大当り遊技終了後はいずれも電サポ状態(時短状態という場合もある)に移行する。電サポ状態については詳しくは後述するが、電サポ状態に移行する状態のことを普図高確率状態と称し、電サポ状態に移行しない状態のことを普図低確率状態と称する。
15R特別大当り図柄である「特図A」、15R大当り図柄である「特図B」、16R大当り図柄(特別JUB)である「特図C」、16R大当り図柄(RUB)である「特図D」〜「特図F」および4R特別大当り図柄である「特図I」は、特図高確率普図高確率状態であり、16R通常大当り図柄である「特図G」、16R大当り図柄(通常JUB)である「特図H」および4R通常大当り図柄である「特図K」は、特図低確率普図高確率状態である。これらの「特図A」〜「特図I」および「特図K」は、遊技者に対する有利度が相対的に大きくなる図柄である。4R大当り図柄(潜伏確変)である「特図J」は、特図高確率普図低確率状態である。「特図J」は、4Rであるとともに、電サポ状態に移行しない状態である。
「特図L」は小当り図柄である。また、「特図M」ははずれ図柄であり、遊技者に対する有利度が相対的に小さくなる図柄である。なお、本実施形態のパチンコ機100には、15R特別大当り図柄として「特図A」以外の図柄も用意されており、15R大当り図柄等の他の図柄についても同様である。
図5(b)は装飾図柄の一例を示したものである。本実施形態の装飾図柄には、「装飾1」〜「装飾10」の10種類がある。特図1始動口230または特図2始動口232に球が入賞したこと、すなわち、特図1始動口230に球が入球したことを第1始動口センサが検出したこと、あるいは特図2始動口232に球が入球したことを第2始動口センサが検出したことを条件にして、装飾図柄表示装置208の左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208b、右図柄表示領域208cの各図柄表示領域に、「装飾1」→「装飾2」→「装飾3」→・・・・「装飾9」→「装飾10」→「装飾1」→・・・の順番で表示を切り替える「装飾図柄の変動表示」を行う。
そして、特別大当りを報知する場合には、図柄表示領域208a〜208cに同じ奇数の装飾図柄が3つ並んだ図柄組合せ(例えば「装飾1−装飾1−装飾1」や「装飾3−装飾3−装飾3」等)を停止表示する。「特図A」の15R特別大当りを明示的に報知する場合には、例えば「装飾7−装飾7−装飾7」を停止表示し、「特図I」の4R特別大当りを明示的に報知する場合には、同じ奇数(7を除く)の装飾図柄が3つ並んだ図柄組合せ(例えば「装飾1−装飾1−装飾1」や「装飾3−装飾3−装飾3」等)を停止表示する。
また、「特図B」のラウンド昇格大当り、「特図G」の16R通常大当りまたは「特図K」の4R通常大当りを報知する場合には、同じ偶数の装飾図柄が3つ並んだ図柄組合せ(例えば「装飾2−装飾2−装飾2」や「装飾4−装飾4−装飾4」等)を停止表示する。「特図C」および「特図H」のJUB大当り、「特図D」〜「特図G」のRUB大当り、「特図J」の潜伏確変および「特図L」の小当りを報知する場合には、例えば「装飾1−装飾2−装飾3」や「装飾1−装飾3−装飾5」を停止表示する。
一方、「特図M」のはずれを報知する場合には、図柄表示領域208a〜208cに図5(b)に示す図柄組合せ以外の図柄組合せを停止表示する。
図6は、特図が特図1表示装置212や特図2表示装置214に停止表示された後の遊技状態やその後の制御状態等を説明する図である。図6は、図中左から「特別図柄」、「アタッカー開放状態」、「獲得出玉」、「確変/非確変」および「電サポ」の6個の項目に分けられている。「特別図柄」は特図変動遊技後に特図1表示装置212や特図2表示装置214に停止表示される図柄を示し、「アタッカー開放状態」は特別遊技中の扉部材234aの開放状態を示し、「獲得出玉」は特別遊技中の出玉の獲得予測数を示し、「確変/非確変」は特別遊技後に移行する制御状態を示し、「電サポ」は特別遊技後の電サポの付与状態を示している。
図6に示すように、停止図柄が「特図A」または「特図B」の場合には、「アタッカー開放状態」は「全てのラウンド(15R)で25S×1」(15R全てのラウンドで扉部材234aが1ラウンド毎に25秒間1回だけ開放)となり、「獲得出玉」は「15R分」(1ラウンドの最大入球数は例えば10球であるため、最大で150球)となり、「確変/非確変」は「確変」(特別遊技(大当り遊技)後の制御状態は特図高確率状態)となり、「電サポ」は「次回まで」(次回の大当りまで電サポ状態が継続)となる。「特図B」は、「特図I」や「特図K」と大当り遊技の導入が同一になっており、6R開始時点で昇格演出が実行されるようになっている。特図先読みがし易いので、本実施の形態ではラウンド昇格が特図に割り当てられている。この昇格演出は例えば第1副制御部400によって制御されるようになっている。
停止図柄が「特図G」の場合には、「アタッカー開放状態」は「すべてのラウンドで25S×1」となり、「獲得出玉」は「16R分」(1ラウンドの最大入球数は例えば10球であるため、最大で160球)となり、「確変/非確変」は「非確変」(特別遊技(大当り遊技)後の制御状態は特図低確率状態)となり、「電サポ」は「100回」(特別遊技後の特図変動遊技が100回実行されるまで電サポ状態が継続)となる。
停止図柄が「特図C」の場合には、「アタッカー開放状態」は「1〜8Rは0.4S×1、9〜16Rは25S×1」(1〜8ラウンドでは扉部材234aが1ラウンド毎に0.4秒間1回だけ開放し、9〜16ラウンドでは扉部材234aが1ラウンド毎に25秒間1回だけ開放)となり、「獲得出玉」は「8R分」(入球可能な期間は実質的に9〜16Rの8R分であって1ラウンドの最大入球数は例えば10球であるため、最大で80球)となり、「確変/非確変」は「確変」となり、「電サポ」は「次回まで」となる。
停止図柄が「特図H」の場合には、「アタッカー開放状態」は「1〜8Rは0.4S×1、9〜16Rは25S×1」となり、「獲得出玉」は「8R分」となり、「確変/非確変」は「非確変」となり、「電サポ」は「100回」となる。
停止図柄が「特図D」の場合には、「アタッカー開放状態」は「全てのラウンド(16R)で4S×3」(16R全てのラウンドで扉部材234aが1ラウンド毎に4秒間3回開放)となり、「獲得出玉」は「16R分」(1ラウンドの最大入球数は例えば10球であるため、最大で160球)となり、「確変/非確変」は「確変」となり、「電サポ」は「次回まで」となる。本実施の形態によるパチンコ機100は、1ラウンド中に遊技球が最大入賞できる期間を確保するために、1ラウンド中に扉部材234aを4秒間で3回開放(合計12秒間の開放)するように設定されている。また、停止図柄が「特図D」の場合には、8Rおよび12R終了時に他のラウンド終了時よりも長い期間のインターバル期間が設けられている。
停止図柄が「特図E」の場合には、「アタッカー開放状態」は「全てのラウンド(16R)で4S×2」(16R全てのラウンドで扉部材234aが1ラウンド毎に4秒間2回開放)となり、「獲得出玉」は「約10R分(10.666R分)」(1ラウンドの最大入球数は例えば10球であるため、最大で100球)となり、「確変/非確変」は「確変」となり、「電サポ」は「次回まで」となる。停止図柄が「特図E」の場合には、「特図D」の場合と比較して、1ラウンド毎の開放時間が2/3となるので、「獲得出玉」は約10R(=16×2/3)分となる。また、停止図柄が「特図D」の場合には、12R終了時に他のラウンド終了時よりも長い期間のインターバル期間が設けられている。
停止図柄が「特図F」の場合には、「アタッカー開放状態」は「全てのラウンド(16R)で4S×1」(16R全てのラウンドで扉部材234aが1ラウンド毎に4秒間1回開放)となり、「獲得出玉」は「約5R分(5.333R分)」(1ラウンドの最大入球数は例えば10球であるため、最大で50球)となり、「確変/非確変」は「確変」となり、「電サポ」は「次回まで」となる。停止図柄が「特図F」の場合には、「特図D」の場合と比較して、1ラウンド毎の開放時間が1/3となるので、「獲得出玉」は約5R(=16×1/3)分となる。
JUB大当りである「特図C」および「特図H」やRUB大当りである「特図D」〜「特図F」では、大当り遊技開始時点で当該大当り遊技により与えられる利益が推測し難いため、本実施の形態では、複数の大当りが事前判定された場合、これらの停止図柄に係る大当りは特図先読み報知の対象外となっている(詳細は後述)。例えば、「特図D」〜「特図F」はいずれも16R大当りに係る図柄であるが、1ラウンド当りの扉部材234aの開放時間がそれぞれ異なるので入球率が変化して、遊技者に与える利益に差が生じてしまう。本実施の形態によるパチンコ機100は、ラウンド数が同一であるにも関わらず、遊技者に与える利益に差が生じてしまうような大当り(本例では、「特図C」、特図H)および「特図D」〜「特図F」)を特図先読み報知の対象外とするように設定されている。
パチンコ機100は、「特図C」〜「特図F」または「特図H」に係る大当りに当選すると、遊技者に対する有利度が第一の有利度であって可変入賞口234が非動作状態の第一の制御状態から、第一の有利度と有利度が異なる(有利度が高い)第二の有利度であって図6に示す態様で可変入賞口234が動作する大当り遊技状態の第二の制御状態に移行するようになっている。また、パチンコ機100は、「特図A」、「特図B」または「特図G」に係る大当りに当選すると、当該第一の制御状態から、第一および第二の有利度と有利度が異なる(有利度が高い)第三の有利度であって図6に示す態様で可変入賞口234が動作する大当り遊技状態の第三の制御状態に移行するようになっている。
停止図柄が「特図I」の場合には、「アタッカー開放状態」は「全てのラウンド(4R)で25S×1」(4R全てのラウンドで扉部材234aが1ラウンド毎に25秒間1回だけ開放)となり、「獲得出玉」は「4R分」(1ラウンドの最大入球数は例えば10球であるため、最大で40球)となり、「確変/非確変」は「確変」となり、「電サポ」は「次回まで」となる。
停止図柄が「特図K」の場合には、「アタッカー開放状態」は「全てのラウンド(4R)で25S×1」となり、「獲得出玉」は「4R分」となり、「確変/非確変」は「非確変」となり、「電サポ」は「100回」となる。
非電サポ中において停止図柄が「特図J」の場合には、「アタッカー開放状態」は「全てのラウンド(4R)で0.4S×1」となり、「獲得出玉」は「ほぼなし」(1回の開放0.4秒であり、この期間に入賞することはほとんどないため)となり、「確変/非確変」は「確変」となり、「電サポ」は「−」(現状の制御状態が維持されて変化なし)となる。電サポ中において停止図柄が「特図J」の場合には、「アタッカー開放状態」は「全てのラウンド(4R)で25S×1」となり、「獲得出玉」は「4R分」となり、「確変/非確変」は「確変」となり、「電サポ」は「次回まで」となる。本実施の形態によるパチンコ機100は、同一の図柄であっても遊技状態(特図抽選確率・普図抽選確率)に応じて特図性能(アタッカー開放状態等)を切り替えることが予め定められている。
停止図柄が「特図L」の場合には、「アタッカー開放状態」は「全てのラウンドで0.4S×1」となり、「獲得出玉」は「ほぼなし」となり、「確変/非確変」は「−」(現状が確変状態ならば確変状態を維持し、非確変状態ならば非確変状態を維持する)となり、「電サポ」は「−」(現状が電サポ状態ならば電サポ状態を維持し、非電サポ状態ならば非電サポ状態を維持する)となる。
停止図柄が「特図C」〜「特図F」および「特図H」の場合の「アタッカー開放状態」は、特図1および特図2で共通であっても異なっていてもよい。また、停止図柄が残余の図柄の場合の「アタッカー開放状態」は、特図1および特図2で共通になっている。
図7に示すデータテーブルは、例えば主制御部300のROM306に記憶されている。図7(a)および図7(b)は、後述の主制御部タイマ割込処理の特図2または特図1関連抽選処理(ステップS229、S231)における特図2または特図1の当否判定処理で用いられる当否判定用テーブルの一例を示している。図7(a)は、特図低確率中に用いられるテーブルを示し、図7(b)は、特図高確率中に用いられるテーブルを示している。図7(c)は、図柄変動終了後に停止表示される図柄を決定するために用いられる特図決定用テーブルを示している。
図7(a)および図7(b)に示す当否判定用テーブルは、左列に「特図確率」、中列に「乱数範囲」、右列に「当否結果」の項目で構成されている。図7(a)に示す左列の「特図確率」での「低確率」は当否判定時の制御状態が特図低確率状態であることを表している。中列の「乱数範囲」は、取得した当り判定用乱数値と比較する乱数の数値範囲(0〜65535)を示している。「乱数範囲」は、数値0〜10000、数値10001〜10663、数値10664〜35000、数値35001〜35663および数値35664〜65535の5つに区分されている。右列の「当否判定結果」は、「低確率」かつ数値0〜10000、数値10664〜35000および数値35664〜65535に対応して「はずれ」が割り当てられ、数値10001〜10663に対応して「大当り」が割り当てられ、数値35001〜35663に対応して「小当り」が割り当てられている。
図7(b)に示す左列の「特図確率」での「高確率」は当否判定時の制御状態が特図高確率状態であることを表している。中列の「乱数範囲」は、取得した当り判定用乱数値と比較する乱数の数値範囲(0〜65535)を示している。「乱数範囲」は、数値0〜10000、数値10001〜14370、数値14371〜35000、数値35001〜35663および数値35664〜65535の5つに区分されている。右列の「当否判定結果」は、「高確率」かつ数値0〜10000、数値14371〜35000および数値35664〜65535に対応して「はずれ」が割り当てられ、数値10001〜14370に対応して「大当り」が割り当てられ、数値35001〜35663に対応して「小当り」が割り当てられている。
主制御部300の基本回路302は、特図1または特図2の変動遊技の結果を当選(当り)とするか、不当選(はずれ)とするかを決定するために、取得した当り判定用乱数値に対して当否判定用テーブルを参照して当否判定を行う。例えば、当否判定時の制御状態が特図低確率状態である場合には、取得した当り判定用乱数値が10001〜10663の範囲内にあれば特図変動遊技を当選(大当り)と判定し、取得した当り判定用乱数値が35001〜35663の範囲内にあれば特図変動遊技を当選(小当り)と判定し、取得した当り判定用乱数値が0〜10000、10664〜35000および35664〜65535の範囲内にあれば非当選(はずれ)と判定する。
本例では、当り判定用乱数値の取り得る数値範囲は0〜65535(数値範囲の大きさは65536)である。図7(a)に示すように、特図低確率状態で大当りと判定される当り判定用乱数値の数値範囲は10001〜10663(数値範囲の大きさは663)であるから、特図低確率状態での特図変動遊技の大当りの当選確率は、約1/99(=663/65536)である。また、特図低確率状態で小当りと判定される当り判定用乱数値の数値範囲は35001〜35663(数値範囲の大きさは663)であるから、特図高確率状態での特図変動遊技の小当りの当選確率は、約1/99(=663/65536)である。
また、主制御部300の基本回路302は、例えば、当否判定時の制御状態が特図高確率状態である場合には、取得した当り判定用乱数値が10001〜14370の範囲内にあれば特図変動遊技を当選(大当り)と判定し、取得した当り判定用乱数値が35001〜35663の範囲内にあれば特図変動遊技を当選(小当り)と判定し、取得した当り判定用乱数値が0〜10000、14371〜35000および35664〜65535の範囲内にあれば非当選(はずれ)と判定する。
本例では、当り判定用乱数値の取り得る数値範囲は0〜65535(数値範囲の大きさは65536)である。図7(b)に示すように、特図低確率状態で大当りと判定される当り判定用乱数値の数値範囲は10001〜14370(数値範囲の大きさは4370)であるから、特図高確率状態での特図変動遊技の大当りの当選確率は、約15/(=4370/65536)である。また、特図高確率状態で小当りと判定される当り判定用乱数値の数値範囲は35001〜35663(数値範囲の大きさは663)であるから、特図高確率状態での特図変動遊技の小当りの当選確率は、約1/99(=663/65536)である。
このように特図変動遊技の大当り当選確率は、特図高確率状態よりも特図低確率状態の方が低くなり、特図変動遊技の小当り当選確率は、特図高確率状態と特図低確率状態とで同じになるように設定されている。また、本実施の形態によるパチンコ機100は、特図低確率状態および特図高確率状態のいずれも相対的に大当りになる確率が高く設定された、いわゆる甘デジである。
図7(c)は特図決定用テーブルを示している。特図決定用テーブルは、左列から「当否判定結果」、「図柄乱数の範囲」、「停止図柄」の項目で構成されている。左列の「当否判定結果」は「大当り」、「小当り」および「はずれ」に区分されている。「大当り」は図7(a)および図7(b)に示す特図当否判定用テーブルを用いた当否判定の結果、「大当り」と判定された場合を示し、「小当り」は特図当否判定用テーブルを用いた当否判定の結果、「小当り」と判定された場合を示し、「はずれ」は特図当否判定用テーブルを用いた当否判定の結果、「はずれ」と判定された場合を示している。
図7(c)に示すテーブルの中列の項目「図柄乱数の範囲」は、取得した当り時用特図決定用乱数値またははずれ図柄決定用乱数値と比較する乱数の数値範囲を示している。「図柄乱数の範囲」は、左列「当否判定結果」の項目「大当り」に対応して、数値0、数値1、数値2〜3、数値4、数値5〜6、数値7〜9、数値10〜39、数値40〜79、数値80、数値81〜82、および数値83〜99の11個に区分され、「小当り」および「はずれ」はそれぞれ数値0〜99に対応しており区分されていない。
図7(c)に示すテーブルの右列の項目「停止図柄」は、特図1変動遊技または特図2変動遊技における停止図柄を表している。「停止図柄」は、「大当り」かつ図柄乱数の範囲が数値0に対応して「特図A」、数値1に対応して「特図B」、数値2〜3に対応して「特図C」、数値4に対応して「特図D」、数値5〜6に対応して「特図E」、数値7〜9に対応して「特図F」、数値10〜39に対応して「特図I」、数値40〜79に対応して「特図J」、数値80に対応して「特図G」、数値81〜82に対応して「特図H」および数値83〜99に対応して「特図K」の停止図柄態様がそれぞれ割り当てられている。また、「停止図柄」は、「小当り」かつ図柄乱数の範囲が数値0〜99に対応して「特図L」の停止図柄態様が割り当てられている。さらに、「停止図柄」は、「はずれ」かつ図柄乱数の範囲が数値0〜99に対応して「特図M」の停止図柄態様が割り当てられている。
主制御部300の基本回路302は、特図1始動口230または特図2始動口232への入球に基づく当否判定結果が大当りの場合、特図1表示装置212または特図2表示装置214に特図A〜特図Kのいずれの停止図柄態様を停止表示させるかを、取得した当り時用特図決定用乱数値に対して特図決定用テーブルを参照して決定する。当り時用特図決定用乱数値の数値範囲は0〜99(数値範囲の大きさは100)であるから、特図変動遊技が大当りに当選する場合の特図A、特図B、特図Dまたは特図Gが選択される確率はそれぞれ1/100(=1/100)、特図C、特図Eまたは特図Hが選択される確率はそれぞれ1/50(=2/100)、特図Fが選択される確率は約1/33(=3/100)、特図Iが選択される確率は約1/3.3(=30/100)、特図Jが選択される確率は1/2.5(=40/100)、特図Kが選択される確率は約1/6(=17/100)である。特図A〜特図F、特図Iおよび特図Jに係る大当り遊技終了後の制御状態は確変状態になり、特図G、特図Hおよび特図Kに係る大当り遊技終了後の制御状態は非確変状態になる。このため、大当り遊技終了後に確変状態になる確率は80%(=80/100)であり、非確変状態になる確率は20%(=20/100)である。
主制御部300の基本回路302は、特図1始動口230または特図2始動口232への入球に基づく当否判定結果が小当りの場合、図柄決定用テーブルの図柄乱数の範囲が振り分けられていないので、取得した当り時用特図決定用乱数値に関わらず、特図1表示装置212または特図2表示装置214に特図Lを停止表示するようになっている。
主制御部300の基本回路302は、特図1始動口230または特図2始動口232への入球に基づく当否判定結果がはずれの場合、図柄決定用テーブルの図柄乱数の範囲が振り分けられていないので、取得した当り時用特図決定用乱数値に関わらず、特図1表示装置212または特図2表示装置214に特図Mを停止表示するようになっている。
図8は、普図の停止表示図柄の一例および例えば主制御部300のROM306に記憶されている普図当否判定等に用いる各種テーブルを示している。図8(a)に示すように、本実施形態の普図の停止表示態様には、第1当り図柄である「普図A」と、第2当り図柄である「普図B」と、はずれ図柄である「普図C」の3種類がある。普図始動口228を球が通過したことを上述のゲートセンサが検出したことに基づいて、普図表示装置210は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「普図の変動表示」を行う。そして、普図変動遊技の当選を報知する場合には「普図A」または「普図B」を停止表示し、普図変動遊技のはずれを報知する場合には「普図C」を停止表示する。図8(a)においても、図中の白抜きの部分が消灯するセグメントの場所を示し、黒塗りの部分が点灯するセグメントの場所を示している。
図8(b)は、後述の主制御部タイマ割込処理の普図関連抽選処理(ステップS223)における普図の当否判定処理で用いられる当否判定用テーブルの一例を示している。図8(c)は、図柄変動終了後に停止表示される図柄を決定するために用いられる普図決定テーブルを示している。図8(d)は、図柄変動時間を決定するために用いられる普図変動時間決定テーブルを示している。
図8(b)に示す普図当否判定用テーブルは、左列に「低確率時乱数選択範囲」、中列に「高確率時乱数選択範囲」、右列に「当否結果」の項目で構成されている。図8(b)に示す左列の「低確率時乱数選択範囲」は、制御状態が普図低確率状態において取得した普図当選乱数値と比較する乱数の数値範囲(0〜4095)を示し、数値0〜4093および数値4094〜4095の2つに区分されている。中列の「高確率時乱数選択範囲」は、制御状態が普図高確率状態において取得した普図当選乱数値と比較する乱数の数値範囲(0〜4095)を示し、数値0〜4094および数値4095の2つに区分されている。右列の「当否結果」は、普図低確率状態かつ数値0〜4093に対応して「当り」が割り当てられ、数値4094〜4095に対応して「はずれ」が割り当てられ、普図高確率状態かつ数値0〜4094に対応して「当り」が割り当てられ、数値4095に対応して「はずれ」が割り当てられている。
主制御部300の基本回路302は、普図変動遊技の結果を当選(当り)とするか、不当選(はずれ)とするかを決定するために、取得した普図当選乱数値に対して普図当否判定テーブルを参照して当否判定を行う。例えば、当否判定時の制御状態が普図低確率状態である場合には、取得した普図当選乱数値が0〜4093の範囲内にあれば普図変動遊技を当選(当り)と判定し、取得した普図当選乱数値が4094〜4095の範囲内にあれば普図変動遊技を非当選(はずれ)と判定する。
本例では、普図当選乱数値の取り得る数値範囲は0〜4095(数値範囲の大きさは4096)である。図8(b)に示すように、普図低確率状態で当りと判定される普図当選乱数値の数値範囲は0〜4093(数値範囲の大きさは4093)であるから、普図低確率状態での普図変動遊技の当りの当選確率は、4093/4095である。
また、主制御部300の基本回路302は、例えば、当否判定時の制御状態が普図高確率状態である場合には、取得した普図当選乱数値が0〜4094の範囲内にあれば普図変動遊技を当選(当り)と判定し、取得した普図当選乱数値が4095であれば非当選(はずれ)と判定する。
本例では、普図当選乱数値の取り得る数値範囲は0〜4095(数値範囲の大きさは4096)である。図8(b)に示すように、普図高確率状態で当りと判定される普図当選乱数値の数値範囲は0〜4094(数値範囲の大きさは4094)であるから、普図低確率状態での普図変動遊技の当りの当選確率は、4094/4095である。
図8(c)は普図決定テーブルを示している。普図決定テーブルは、左列から「当否結果」、「低確率時乱数選択範囲」、「高確率時乱数選択範囲」、「停止図柄」の項目で構成されている。左列の「当否結果」は「当り」および「はずれ」に区分されている。「当り」は図8(b)に示す普図当否判定テーブルを用いた当否判定の結果、「当り」と判定された場合を示し、「はずれ」は普図当否判定テーブルを用いた当否判定の結果、「はずれ」と判定された場合を示している。
図8(c)示すテーブルの項目「低確率時乱数選択範囲」および「高確率時乱数選択範囲」は、取得した普図決定用乱数値と比較する乱数の数値範囲(乱数範囲は256)をそれぞれ示している。「当否結果」が当りの場合、「低確率時乱数選択範囲」および「高確率時乱数選択範囲」は、右列「停止図柄」の項目「普図A」および「普図B」に対応して振り分けられている。「低確率時乱数選択範囲」では、乱数の数値範囲は「普図B」のみに振り分けられ、「高確率時乱数選択範囲」では、乱数の数値範囲は「普図A」のみに振り分けられている。「当否結果」がはずれの場合には、「低確率時乱数選択範囲」および「高確率時乱数選択範囲」のいずれの場合も、取得した普図決定用乱数値に関わらず常に「普図C」が選択される。
図8(d)は普図変動時間決定テーブルを示している。普図変動時間決定テーブルは、左列から「低確率時乱数選択範囲」、「高確率時乱数選択範囲」、「普図変動時間」の項目で構成されている。普図変動時間決定テーブルは、普図A〜Cで共通して用いられるようになっている。普図低確率状態では、取得された普図タイマ乱数値に関わらず、15000msが選択され、普図低確率状態では、取得された普図タイマ乱数値に関わらず、3000msが選択されるようになっている。
本実施の形態では、制御状態に応じて普図の当選確率を異ならせているが、制御状態に関わらず普図の当選確率は一定であってもよい。また、パチンコ機100は、普図始動口228を遊技球が通過すると必ず当りと判定される、すなわち、図8(b)に示すテーブルを用いる当否判定をしないようになっていてもよい。この場合、普図決定は、例えば特図の状態に合わせて調整するようになっている。
次に、図9を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部メイン処理について説明する。なお、同図は主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。上述したように、主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)340を設けている。この起動信号を入力した基本回路302のCPU304は、リセット割込によりリセットスタートしてROM306に予め記憶している制御プログラムに従って図9に示す主制御部メイン処理を実行する。
ステップS101では、初期設定1を行う。初期設定1では、CPU304のスタックポインタ(SP)へのスタック初期値の設定(仮設定)、割込マスクの設定、I/O310の初期設定、RAM308に記憶する各種変数の初期設定、WDT314への動作許可及び初期値の設定等を行う。なお、本実施形態では、WDT314に、初期値として32.8msに相当する数値を設定する。
ステップS101の次のステップS103では、WDT314のカウンタの値をクリアし、WDT314による時間計測を再始動する。ステップS103の次のステップS105では、低電圧信号がオンであるか否か、すなわち、電圧監視回路338が、電源制御部660から主制御部300に供給している電源の電圧値が所定の値(本実施形態では9V)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を出力しているか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(CPU304が電源の遮断を検知した場合)にはステップS103に戻り、低電圧信号がオフの場合(CPU304が電源の遮断を検知していない場合)にはステップS107に進む。なお、電源が投入された直後で未だ上記所定の値(9V)に達しない場合にもステップS103に戻り、供給電圧がその所定の値以上になるまで、ステップS105は繰り返し実行される。
ステップS107では、初期設定2を行う。初期設定2では、後述する主制御部タイマ割込処理を定期毎に実行するための周期を決める数値をカウンタタイマ312に設定する処理、I/O310の所定のポート(例えば試験用出力ポート、第1副制御部400への出力ポート)からクリア信号を出力する処理、RAM308への書き込みを許可する設定等を行う。
ステップS107の次のステップS109では、電源の遮断前(電断前)の状態に復帰するか否かの判定を行い、電断前の状態に復帰しない場合(主制御部300の基本回路302を初期状態にする場合)には初期化処理(ステップS113)に進む。具体的には、最初に、電源基板に設けたRWMクリアスイッチ180を遊技店の店員などが操作した場合に送信されるRAMクリア信号がオン(操作があったことを示す)であるか否か、すなわちRAMクリアが必要であるか否かを判定し、RAMクリア信号がオンの場合(RAMクリアが必要な場合)には、基本回路302を初期状態にすべくステップS113に進む。一方、RAMクリア信号がオフの場合(RAMクリアが必要でない場合)には、RAM308に設けた電源ステータス記憶領域に記憶した電源ステータスの情報を読み出し、この電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報であるか否かを判定する。そして、電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報でない場合には、基本回路302を初期状態にすべくステップS113に進み、電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報である場合には、RAM308の所定の領域(例えば全ての領域)に記憶している1バイトデータを初期値が0である1バイト構成のレジスタに全て加算することによりチェックサムを算出し、算出したチェックサムの結果が特定の値(例えば0)であるか否か(チェックサムの結果が正常であるか否か)を判定する。そして、チェックサムの結果が特定の値(例えば0)の場合(チェックサムの結果が正常である場合)には電断前の状態に復帰すべくステップS111に進み、チェックサムの結果が特定の値(例えば0)以外である場合(チェックサムの結果が異常である場合)には、パチンコ機100を初期状態にすべくステップS113に進む。同様に電源ステータスの情報が「サスペンド」以外の情報を示している場合にもステップS113に進む。
ステップS111では、復電時処理を行う。この復電時処理では、電断時にRAM308に設けられたスタックポインタ退避領域に記憶しておいたスタックポインタの値を読み出し、スタックポインタに再設定(本設定)する。また、電断時にRAM308に設けられたレジスタ退避領域に記憶しておいた各レジスタの値を読み出し、各レジスタに再設定した後、割込許可の設定を行う。以降、CPU304が、再設定後のスタックポインタやレジスタに基づいて制御プログラムを実行する結果、パチンコ機100は電源断時の状態に復帰する。すなわち、電断直前にタイマ割込処理(後述)に分岐する直前に行った(ステップS115内の所定の)命令の次の命令から処理を再開する。また、図4に示す主制御部300における基本回路302に搭載されているRAM308には、送信情報記憶領域が設けられている。このステップS111では、その送信情報記憶領域に、復電コマンドをセットする。この復電コマンドは、電源断時の状態に復帰したことを表すコマンドであり、後述する、主制御部300のタイマ割込処理におけるステップS233において、第1副制御部400へ送信される。
ステップS113では、初期化処理を行う。この初期化処理では、割込禁止の設定、スタックポインタへのスタック初期値の設定(本設定)、RAM308の全ての記憶領域の初期化などを行う。さらにここで、主制御部300のRAM308に設けられた送信情報記憶領域に正常復帰コマンドをセットする。この正常復帰コマンドは、主制御部300の初期化処理(ステップS113)が行われたことを表すコマンドであり、復電コマンドと同じく、主制御部300のタイマ割込処理におけるステップS233において、第1副制御部400へ送信される。
ステップS113の次のステップS115では、割込禁止の設定を行った後、基本乱数初期値更新処理を行う。この基本乱数初期値更新処理では、大当りか否かの当否判定で大当りと判定された場合に、特図変動遊技での停止図柄を決定する抽選に用いる当り時用特図決定用乱数値を生成する当り時用特図決定用乱数カウンタの初期値を生成するための初期値生成用乱数カウンタ(以下、「当り時用特図決定用乱数カウンタに対応する初期値生成用乱数カウンタ」と称する。)を更新する。また、普図変動遊技の当否判定に用いる普図当選乱数値を生成する普図当選乱数カウンタの初期値を生成するための初期値生成用乱数カウンタ(以下、「普図当選乱数カウンタに対応する初期値生成用乱数カウンタ」という。)を更新する。さらに、普図変動遊技での停止図柄を決定する抽選に用いる普図決定用乱数値を生成する普図決定用乱数カウンタの初期値を生成するための初期値生成用乱数カウンタ(以下、「普図決定用乱数カウンタに対応する初期値生成用乱数カウンタ」と称する。)を更新する。例えば、当り時用特図決定用乱数値として取り得る数値範囲が0〜99とすると、RAM308に設けた当り時用特図決定用乱数カウンタに対応する初期値生成用乱数カウンタ記憶領域から値を取得し、取得した値に1を加算してから元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。このとき、取得した値に1を加算した結果が100であれば0を元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。普図当選乱数カウンタに対応する初期値生成用乱数カウンタも同様に更新する。なお、当り時用特図決定用乱数カウンタ、普図当選乱数カウンタおよび普図決定用乱数カウンタに対応するそれぞれの初期値生成用乱数カウンタは、後述するステップS207でも更新する。主制御部300は、所定の周期ごとに開始するタイマ割込処理を行っている間を除いて、ステップS115の処理を繰り返し実行する。
次に、図10を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部タイマ割込処理について説明する。なお、同図は主制御部タイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。主制御部300は、所定の周期(本実施形態では約2msに1回)でタイマ割込信号を発生するカウンタタイマ312を備えており、このタイマ割込信号を契機として主制御部タイマ割込処理を所定の周期で開始する。
ステップS201では、タイマ割込開始処理を行う。このタイマ割込開始処理では、CPU304の各レジスタの値をスタック領域に一時的に退避する処理などを行う。ステップS201の次のステップS203では、WDT314のカウント値が初期設定値(本実施形態では32.8ms)を超えてWDT割込が発生しないように(処理の異常を検出しないように)、WDTを定期的に(本実施形態では、主制御部タイマ割込の周期である約2msに1回)リスタートを行う。
ステップS203の次のステップS205では、入力ポート状態更新処理を行う。この入力ポート状態更新処理では、I/O310の入力ポートを介して、上述の前面枠扉開放センサや内枠開放センサや下皿満タンセンサ、各種の球検出センサを含む各種センサ320の検出信号を入力して検出信号の有無を監視し、RAM308に各種センサ320ごとに区画して設けた信号状態記憶領域に記憶する。球検出センサの検出信号を例にして説明すれば、前々回のタイマ割込処理(約4ms前)で検出した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を、RAM308に各々の球検出センサごとに区画して設けた前回検出信号記憶領域から読み出し、この情報をRAM308に各々の球検出センサごとに区画して設けた前々回検出信号記憶領域に記憶し、前回のタイマ割込処理(約2ms前)で検出した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を、RAM308に各々の球検出センサごとに区画して設けた今回検出信号記憶領域から読み出し、この情報を上述の前回検出信号記憶領域に記憶する。また、今回検出した各々の球検出センサの検出信号を、上述の今回検出信号記憶領域に記憶する。
また、ステップS205では、上述の前々回検出信号記憶領域、前回検出信号記憶領域、および今回検出信号記領域の各記憶領域に記憶した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を比較し、各々の球検出センサにおける過去3回分の検出信号の有無の情報が入賞判定パターン情報と一致するか否かを判定する。一個の遊技球が一つの球検出センサを通過する間に、約2msという非常に短い間隔で起動を繰り返すこの主制御部タイマ割込処理は何回か起動する。このため、主制御部タイマ割込処理が起動する度に、ステップS205では、同じ遊技球が同じ球検出センサを通過したことを表す検出信号を確認することになる。この結果、上述の前々回検出信号記憶領域、前回検出信号記憶領域、および今回検出信号記領域それぞれに、同じ遊技球が同じ球検出センサを通過したことを表す検出信号が記憶される。すなわち、遊技球が球検出センサを通過し始めたときには、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りになる。本実施形態では、球検出センサの誤検出やノイズを考慮して、検出信号無しの後に検出信号が連続して2回記憶されている場合には、入賞があったと判定する。図4に示す主制御部300のROM306には、入賞判定パターン情報(本実施形態では、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りであることを示す情報)が記憶されている。ステップS205では、各々の球検出センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が、予め定めた入賞判定パターン情報(本実施形態では、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りであることを示す情報)と一致した場合に、一般入賞口226、可変入賞口234、特図1始動口230、および特図2始動口232への入球、または普図始動口228の通過があったと判定する。すなわち、これらの入賞口226、234やこれらの始動口230、232、228への入賞があったと判定する。例えば、一般入賞口226への入球を検出する一般入賞口センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が上述の入賞判定パターン情報と一致した場合には、一般入賞口226へ入賞があったと判定し、以降の一般入賞口226への入賞に伴う処理を行うが、過去3回分の検出信号の有無の情報が上述の入賞判定パターン情報と一致しなかった場合には、以降の一般入賞口226への入賞に伴う処理を行わずに後続の処理に分岐する。なお、主制御部300のROM306には、入賞判定クリアパターン情報(本実施形態では、前々回検出信号有り、前回検出信号無し、今回検出信号無しであることを示す情報)が記憶されている。入賞が一度あったと判定した後は、各々の球検出センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が、その入賞判定クリアパターン情報に一致するまで入賞があったとは判定せず、入賞判定クリアパターン情報に一致すれば、次からは上記入賞判定パターン情報に一致するか否かの判定を行う。
ステップS205の次のステップS207およびその次のステップS209では、基本乱数初期値更新処理および基本乱数更新処理を行う。ステップS207の基本乱数初期値更新処理では、上記ステップS115で行った、当り時用特図決定用乱数カウンタおよび普図当選乱数カウンタにそれぞれ対応する初期値生成用乱数カウンタの更新を行い、次のステップS209の基本乱数更新処理では、主制御部300で使用する、当り時用特図決定用乱数カウンタおよび普図当選乱数カウンタが更新される。例えば、当り時用特図決定用乱数値として取り得る数値範囲が0〜99とすると、当り時用特図決定用乱数値を生成するためにRAM308に設けた当り時用特図決定用乱数カウンタから値を取得し、取得した値に1を加算してから元の当り時用特図決定用乱数カウンタに記憶する。このとき、取得した値に1を加算した結果が100であれば0を元の当り時用特図決定用乱数カウンタに記憶する。また、取得した値に1を加算した結果、当り時用特図決定用乱数カウンタが一周していると判定した場合には当り時用特図決定用乱数カウンタに対応する初期値生成用乱数カウンタの値を取得し、当り時用特図決定用乱数カウンタにセットする。例えば、0〜99の数値範囲で変動する当り時用特図決定用乱数カウンタから値を取得し、取得した値に1を加算した結果が、RAM308に設けた所定の初期値記憶領域に記憶している前回設定した初期値と等しい値(例えば7)である場合に、当り時用特図決定用乱数カウンタに対応する初期値生成用乱数カウンタから値を初期値として取得し、当り時用特図決定用乱数カウンタにセットすると共に、当り時用特図決定用乱数カウンタが次に1周したことを判定するために、今回設定した初期値を上述の初期値記憶領域に記憶しておく。
また、当り時用特図決定用乱数カウンタが次に1周したことを判定するための上述の初期値記憶領域とは別に、普図当選乱数カウンタが1周したことを判定するための初期値記憶領域をRAM308に設けている。当り時用特図決定用乱数カウンタは、特図1用の乱数値を取得するためのカウンタと特図2用の乱数値を取得するためのカウンタとを別に設けてもよいし、あるいは、同一のカウンタを用いてもよい。
ステップS209の次のステップS211では、演出乱数更新処理を行う。この演出乱数更新処理では、主制御部300で使用する演出用乱数値を生成するための乱数カウンタを更新する。具体的には、特図変動遊技での図柄変動時間を決めるための特図タイマ番号決定用乱数値を生成する特図タイマ番号決定用乱数カウンタを更新する。また、普図変動遊技での図柄変動時間を決めるための普図タイマ番号決定用乱数値を生成する普図タイマ番号決定用乱数カウンタを更新する。
ステップS211の次のステップS213では、タイマ更新処理を行う。このタイマ更新処理では、普図表示装置210に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための普図表示図柄更新タイマ、特図1表示装置212に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための特図1表示図柄更新タイマ、特図2表示装置214に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための特図2表示図柄更新タイマ、所定の入賞演出時間、所定の開放時間、所定の閉鎖時間、所定の終了演出期間などを計時するためのタイマなどを含む各種タイマを更新する。
ステップS213の次のステップS215では、入賞口カウンタ更新処理を行う。この入賞口カウンタ更新処理では、入賞口226、234や始動口230、232、228に入賞があった場合に、RAM308に各入賞口ごと、あるいは各始動口ごとに設けた賞球数記憶領域の値を読み出し、1を加算して、元の賞球数記憶領域に設定する。
また、ステップS215の次のステップS217では、入賞受付処理を行う。この入賞受付処理では、特図1始動口230、特図2始動口232、普図始動口228および可変入賞口234への入賞があったか否かを判定する。ここでは、ステップS205における入賞判定パターン情報と一致するか否かの判定結果を用いて判定する。
特図1始動口230へ入賞があった場合且つRAM308に設けた対応する特図1保留数記憶領域が満タン(本例では、保留数4で満タンとなる)でない場合、乱数値生成回路(ハード乱数回路)318の特図1始動口230に対応する内蔵のカウンタ値記憶用レジスタに記憶された値に所定の加工を施して生成した当り判定用乱数値を特図1用当り判定用乱数値として取得するとともに、RAM308に設けた当り時用特図決定用乱数カウンタから当り時用特図決定用乱数値を特図1用当り時用特図決定用乱数値として取得して特図1乱数値記憶領域に取得順に格納する。特図1乱数値記憶領域内の特図1用当り判定用乱数値および特図1用当り時用特図決定用乱数値の組(以下、「特図1乱数値の組」と略称する)は、特図1保留数記憶領域に記憶された特図1保留数と同数分だけ格納される。特図1乱数値記憶領域内では、特図1保留数が1つ減るごとに保留順位が最上位(最先であり最も過去に記憶されている)の特図1乱数値の組のデータが消去されるとともに、残余の特図1乱数値の組のデータの保留順位が1ずつ繰り上がるように処理される。また、特図1保留数が1つ増えるごとに、保留順位が最下位(最後)の特図1乱数値の組のデータの次の保留順位に新たな特図1乱数値の組のデータが書き込まれる。
特図2始動口232へ入賞があった場合且つRAM308に設けた対応する特図2保留数記憶領域が満タン(本例では、保留数4で満タンとなる)でない場合、乱数値生成回路318の特図2始動口232に対応する内蔵のカウンタ値記憶用レジスタに記憶された値に所定の加工を施して生成した当り判定用乱数値を特図2用当り判定用乱数値として取得するとともに、RAM308に設けた当り時用特図決定用乱数カウンタから当り時用特図決定用乱数値を特図2用当り時用特図決定用乱数値として取得して特図2乱数値記憶領域に取得順に格納する。特図2乱数値記憶領域内の特図2用当り判定用乱数値および特図2用当り時用特図決定用乱数値の組(以下、「特図2乱数値の組」と略称する)は、特図2保留数記憶領域に記憶された特図2保留数と同数分だけ格納される。特図2乱数値記憶領域内では、特図2保留数が1つ減るごとに保留順位が最上位の特図2乱数値の組のデータが消去されるとともに、残余の特図2乱数値の組のデータの保留順位が1ずつ繰り上がるように処理される。また、特図2保留数が1つ増えるごとに、保留順位が最下位の特図2乱数値の組のデータの次の保留順位に新たな特図2乱数値の組のデータが書き込まれる。
普図始動口228へ入賞があった場合且つRAM308に設けた対応する保留数記憶領域が満タンでない場合、普図当選乱数値生成用乱数カウンタから値を普図当選乱数値として取得して対応する普図乱数値記憶領域に格納する。可変入賞口234へ入賞があった場合には、可変入賞口用の入賞記憶領域に、可変入賞口234に球が入球したことを示す情報を格納する。
ステップS217の次のステップS219では、払出要求数送信処理を行う。なお、払出制御部600に出力する出力予定情報および払出要求情報は、例えば1バイトで構成しており、ビット7にストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット6に電源投入情報(オンの場合、電源投入後一回目のコマンド送信であることを示す)、ビット4〜5に暗号化のための今回加工種別(0〜3)、およびビット0〜3に暗号化加工後の払出要求数を示すようにしている。
ステップS219の次のステップS221では、普図状態更新処理を行う。この普図状態更新処理は、普図の状態に対応する複数の処理のうちの1つの処理を行う。例えば、普図変動表示の途中(上述する普図表示図柄更新タイマの値が1以上)における普図状態更新処理では、普図表示装置210を構成する7セグメントLEDの点灯と消灯を繰り返す点灯・消灯駆動制御を行う。この制御を行うことで、普図表示装置210は普図の変動表示(普図変動遊技)を行う。
また、普図変動表示時間が経過したタイミング(普図表示図柄更新タイマの値が1から0になったタイミング)における普図状態更新処理では、普図当りフラグがオンの場合には、当り図柄の表示態様となるように普図表示装置210を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行い、普図当りフラグがオフの場合には、はずれ図柄の表示態様となるように普図表示装置210を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行う。また、主制御部300のRAM308には、普図状態更新処理に限らず各種の処理において各種の設定を行う設定領域が用意されている。ここでは、上記点灯・消灯駆動制御を行うとともに、その設定領域に普図停止表示中であることを示す設定を行う。この制御を行うことで、普図表示装置210は、当り図柄(図8(a)に示す普図Aまたは普図B)およびはずれ図柄(図8(a)に示す普図C)いずれか一方の図柄の確定表示を行う。さらにその後、所定の停止表示期間(例えば500ミリ秒(ms)間)、その表示を維持するためにRAM308に設けた普図停止時間管理用タイマの記憶領域に停止期間を示す情報を設定する。この設定により、確定表示された図柄が所定期間停止表示され、普図変動遊技の結果が遊技者に報知される。
また、普図変動遊技の結果が当りであれば、後述するように、普図当りフラグがオンにされる。この普図当りフラグがオンの場合には、所定の停止表示期間が終了したタイミング(普図停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における普図状態更新処理では、RAM308の設定領域に普図作動中を設定するとともに、所定の開放期間(例えば2秒間)、特図2始動口232の羽根部材232aの開閉駆動用のソレノイド(各種ソレノイド332の一部)に、羽根部材232aを開放状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた羽根開放時間管理用タイマの記憶領域に開放期間を示す情報を設定する。
また、所定の開放期間が終了したタイミング(羽根開放時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する普図状態更新処理では、所定の閉鎖期間(例えば500m秒間)、羽根部材の開閉駆動用のソレノイド332に、羽根部材を閉鎖状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた羽根閉鎖時間管理用タイマの記憶領域に閉鎖期間を示す情報を設定する。
また、所定の閉鎖期間が終了したタイミング(羽根閉鎖時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する普図状態更新処理では、RAM308の設定領域に普図非作動中を設定する。さらに、普図変動遊技の結果がはずれであれば、後述するように、普図当りフラグがオフにされる。この普図当りフラグがオフの場合には、上述した所定の停止表示期間が終了したタイミング(普図停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における普図状態更新処理でも、RAM308の設定領域に普図非作動中を設定する。普図非作動中の場合における普図状態更新処理では、何もせずに次のステップS223に移行するようにしている。
ステップS223では、普図関連抽選処理を行う。この普図関連抽選処理では、普図変動遊技および特図2始動口232の開閉制御を行っておらず(普図の状態が非作動中)、且つ、保留している普図変動遊技の数が1以上である場合に、上述の乱数値記憶領域に記憶している普図当選乱数値に基づいた乱数抽選により普図変動遊技の結果を当選とするか、不当選とするかを決定する当り判定を行い、当選とする場合にはRAM308に設けた普図当りフラグにオンを設定するとともに、停止図柄を決定する。不当選の場合には、普図当りフラグにオフを設定する。また、当り判定の結果に関わらず、次に上述の普図タイマ乱数値生成用の乱数カウンタの値を普図タイマ乱数値として取得し、取得した普図タイマ乱数値に基づいて例えば2つの変動時間のうちから普図表示装置210に普図を変動表示する時間を1つ選択し、この変動表示時間を、普図変動表示時間として、RAM308に設けた普図変動時間記憶領域に記憶する。なお、保留している普図変動遊技の数は、RAM308に設けた普図保留数記憶領域に記憶するようにしており、当り判定をするたびに、保留している普図変動遊技の数から1を減算した値を、この普図保留数記憶領域に記憶し直すようにしている。また当り判定に使用した乱数値を消去する。
ステップS223の次のステップS224では、特図先読み処理を行う。特図先読み処理の詳細については後述する。
次いで、特図1および特図2それぞれについての特図状態更新処理を行うが、最初に、特図2についての特図状態更新処理(特図2状態更新処理)を行う(ステップS225)。この特図2状態更新処理は、特図2の状態に応じて、次の複数(本例では9つ)の処理のうちの1つの処理を行う。
例えば、特図2変動開始のタイミングにおける特図2状態更新処理では、RAM308に設けた特図2保留数記憶領域に記憶された特図2保留数の値を1だけ減算した値を特図2保留数記憶領域に記憶し直す。それとともに、特図2保留ランプ220の点滅を制御する。例えば、図3の特図2保留ランプ220の4つのLEDを図左から右に向かって順にLED番号1−4とすると、LED番号の若い方から順に特図2保留数分のLEDを例えば赤色に点灯させ、他を消灯させる。
また例えば、特図2変動表示の途中(上述の特図2表示図柄更新タイマの値が1以上)における特図2状態更新処理では、特図2表示装置214を構成する7セグメントLEDの点灯と消灯を繰り返す点灯・消灯駆動制御を行う。この制御を行うことで、特図2表示装置214は特図2の変動表示(特図2変動遊技)を行う。また、コマンド設定送信処理(ステップS233)で回転開始設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶してから処理を終了する。
また、主制御部300のRAM308には、特図Aフラグ〜特図Mフラグ、特図確率変動フラグ、および普図確率変動フラグそれぞれのフラグが用意されている。特図2変動表示時間が経過したタイミング(特図2表示図柄更新タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、特図Aフラグがオンの場合には図5(a)に示す特図A、特図Bフラグがオンの場合には特図B、特図Cフラグがオンの場合には特図C、特図Dフラグがオンの場合には特図D、特図Eフラグがオンの場合には特図E、特図Fフラグがオンの場合には特図F、特図Gフラグがオンの場合には特図G、特図Hフラグがオンの場合には特図H、特図Iフラグがオンの場合には特図I、特図Jフラグがオンの場合には特図J、特図Hフラグがオンの場合には特図H、特図Kフラグがオンの場合には特図K、特図Lフラグがオンの場合には特図L、特図Mフラグがオンの場合には特図Mそれぞれの態様となるように、特図2表示装置214を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行い、RAM308の設定領域に特図2停止表示中であることを表す設定を行う。この制御を行うことで、特図2表示装置214は、特図A〜特図Mのいずれか一つの図柄の確定表示を行う。さらにその後、所定の停止表示期間(例えば500ms間)その表示を維持するためにRAM308に設けた特図2停止時間管理用タイマの記憶領域に停止期間を示す情報を設定する。この設定により、確定表示された特図2が所定期間停止表示され、特図2変動遊技の結果が遊技者に報知される。また、RAM308に設けられた電サポ(詳細は後述)回数記憶部に記憶された電サポ回数が1以上であれば、その電サポ回数から1を減算し、減算結果が1から0となった場合は、特図確率変動中(詳細は後述)でなければ、時短フラグをオフにする。さらに、大当り遊技中(特別遊技状態中)にも、時短フラグをオフにする。また、コマンド設定送信処理(ステップS233)で回転停止設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶するとともに、変動表示を停止する図柄が特図2であることを示す特図2識別情報を、後述するコマンドデータに含める情報としてRAM308に追加記憶してから処理を終了する。
また、特図2変動遊技の結果が大当りであれば、後述するように、大当りフラグがオンにされる。この大当りフラグがオンの場合には、所定の停止表示期間が終了したタイミング(特図2停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における特図2状態更新処理では、RAM308の設定領域に特図2作動中を設定するとともに、所定の入賞演出期間(例えば3秒間)すなわち装飾図柄表示装置208による大当りを開始することを遊技者に報知する画像を表示している期間待機するためにRAM308に設けた特図2待機時間管理用タイマの記憶領域に入賞演出期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS233)で入賞演出設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶する。
また、所定の入賞演出期間が終了したタイミング(特図2待機時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、所定の開放期間(例えば25秒間、または可変入賞口234に所定球数(例えば10球)の遊技球の入賞を検出するまで)可変入賞口234の扉部材234aの開閉駆動用のソレノイド(各種ソレノイド332の一部)に、扉部材234aを開放状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた扉開放時間管理用タイマの記憶領域に開放期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS233)で大入賞口開放設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶する。
また、所定の開放期間が終了したタイミング(扉開放時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、所定の閉鎖期間(例えば1.5秒間)可変入賞口234の扉部材234aの開閉駆動用のソレノイド(各種ソレノイド332の一部)に、扉部材234aを閉鎖状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた扉閉鎖時間管理用タイマの記憶領域に閉鎖期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS233)で大入賞口閉鎖設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶する。
また、この扉部材の開放・閉鎖制御を所定回数(本実施形態では15ラウンドか2ラウンド)繰り返し、終了したタイミングで開始する特図2状態更新処理では、所定の終了演出期間(例えば3秒間)すなわち装飾図柄表示装置208による大当りを終了することを遊技者に報知する画像を表示している期間待機するように設定するためにRAM308に設けた演出待機時間管理用タイマの記憶領域に演出待機期間を示す情報を設定する。また、普図確率変動フラグがオンに設定されていれば、この大当り遊技の終了と同時に、RAM308に設けられた電サポ回数記憶部に電サポ回数(例えば、100回)をセットするともに、RAM308に設けられた時短フラグをオンにする。なお、その普図確率変動フラグがオフに設定されていれば、電サポ回数記憶部に電サポ回数をセットすることもなく、また時短フラグをオンにすることもない。ここでの電サポ状態とは、特図変動遊技における大当りを終了してから、次の大当りを開始するまでの時間を短くするため、パチンコ機が遊技者にとって有利な状態になることをいう。この時短フラグがオンに設定されていると、普図高確率(普図確変)状態である。普図高確率状態では普図低確率状態に比べて、普図変動遊技で当りになる確率が高い。また、普図高確率状態の方が、普図低確率状態に比べて普図変動遊技の変動時間および特図変動遊技の変動時間は短くなる(普図変短)。さらに、普図高確率状態では普図低確率状態に比べて、特図2始動口232の一対の羽根部材232aの1回の開放における開放時間が長くなり易い(電チュー開延)。加えて、普図高確率状態では普図低確率状態に比べて、一対の羽根部材232aは多く開き易い。これらの普図確変、普図変短、電チュー開延による制御状態をまとめて、電サポ(電動チューリップによる始動口入賞サポート)状態と呼ぶ。
また、上述のごとく、時短フラグは、大当り遊技中(特別遊技状態中)にはオフに設定される。したがって、大当り遊技中には、普図低確率状態が維持される。これは、大当り遊技中に普図高確率状態であると、大当り遊技中に可変入賞口234に所定の個数、遊技球が入球するまでの間に特図2始動口232に多くの遊技球が入球し、大当り中に獲得することができる遊技球の数が多くなってしまい射幸性が高まってしまうという問題があり、これを解決するためのものである。
さらに、コマンド設定送信処理(ステップS233)で終了演出設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶する。
また、所定の終了演出期間が終了したタイミング(演出待機時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、RAM308の設定領域に特図2非作動中を設定する。さらに、特図2変動遊技の結果がはずれであれば、後述するように、はずれフラグがオンにされる。このはずれフラグがオンの場合には、上述した所定の停止表示期間が終了したタイミング(特図2停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における特図2状態更新処理でも、RAM308の設定領域に特図2非作動中を設定する。特図2非作動中の場合における特図2状態更新処理では、何もせずに次のステップS227に移行するようにしている。
続いて、特図1についての特図状態更新処理(特図1状態更新処理)を行う(ステップS227)。この特図1状態更新処理では、特図1の状態に応じて、上述の特図2状態更新処理で説明した各処理を行う。この特図1状態更新処理で行う各処理は、上述の特図2状態更新処理で説明した内容の「特図2」を「特図1」と読み替えた処理と同一であるため、その説明は省略する。なお、特図2状態更新処理と特図1状態更新処理の順番は逆でもよい。
ステップS225およびステップS227における特図状態更新処理が終了すると、今度は、特図1および特図2それぞれについての特図関連抽選処理を行う。ここでも先に、特図2についての特図関連抽選処理(特図2関連抽選処理)を行い(ステップS229)、その後で、特図1についての特図関連抽選処理(特図1関連抽選処理)を行う(ステップS231)。特図2関連抽選処理は、特図1および2の変動遊技を行っておらず特図1および2の状態がいずれも非作動中であり、かつ保留している特図2変動遊技の数が1以上であることを開始条件として、特図2乱数値記憶領域内の最先の特図2乱数値の組を用いて実行される。特図1関連抽選処理は、特図1および2の変動遊技を行っておらず特図1および2の状態がいずれも非作動中であり、かつ保留している特図1変動遊技の数が1以上であることを開始条件として、特図1乱数値記憶領域内の最先の特図1乱数値の組を用いて実行される。
これらの特図関連抽選処理についても、主制御部300が特図2関連抽選処理を特図1関連抽選処理よりも先に行うことで、特図2変動遊技の開始条件と、特図1変動遊技の開始条件が同時に成立した場合でも、特図2変動遊技が先に変動中となるため、特図1変動遊技は変動を開始しない。また、装飾図柄表示装置208による、特図変動遊技の大当り判定の結果の報知は、第1副制御部400によって行われ、特図2始動口232への入賞に基づく抽選の抽選結果の報知が、特図1始動口230への入賞に基づく抽選の抽選結果の報知よりも優先して行われる。
特図2関連抽選処理(ステップS229)の場合には、特図2乱数値記憶領域内の最先の(最も過去に記憶された)保留位置から特図2乱数値の組を取得し、取得した特図2乱数値の組のうちの当り判定用乱数値に対して図7(a)または図7(b)に示す当否判定用テーブルを参照して、大当りとするか、小当りとするか、はずれとするかの決定を行う。また、取得した特図タイマ番号決定用乱数値と、不図示の特図2変動表示時間決定テーブルとを用いて特図変動遊技の変動時間(特図タイマ番号)を決定する。次いで主制御部300は、当否判定結果が大当りまたは小当りの場合は、取得した特図2乱数値記憶領域内の当り時用特図決定用乱数値に対して図7(c)に示す特図決定用テーブルを参照して特図2の変動表示後に停止表示する図柄(停止図柄)の決定を行う。当否判定結果がはずれの場合は、はずれ図柄決定用乱数値を別途取得し、当該乱数値に対して図7(c)に示す特図決定用テーブルを参照して停止図柄を決定する。特図2乱数値記憶領域から最先の特図2乱数値の組を取り出した後、特図2乱数値記憶領域における当該特図2乱数値の組の記憶はクリアされるとともに、特図2保留数を1減算する。このとき特図2乱数値記憶領域から取り出した特図2乱数値の組をRAM308に設けた一時領域に当該特図2乱数値の組を記憶し、この一時領域に記憶している当該特図2乱数値の組に基づいて上述の決定を行うようにしてもよい。
さらに、主制御部300は、当該特図2乱数値の組を特図2乱数値記憶領域から消去するのに同期して、対応する特図2先読み結果(後述)を特図2用先読み結果記憶部から消去し、特図2先読み数記憶領域の特図2先読み数を1減算する。
以上のような特図2関連抽選処理(ステップS229)の後に、特図1関連抽選処理(ステップS231)が実行されるが、特図1関連抽選処理(ステップS231)の場合も、特図2関連抽選処理(ステップS229)と同様であるのでその説明は省略する。
ステップS231の次のステップS233では、コマンド設定送信処理を行い、各種のコマンドが第1副制御部400に送信される。なお、第1副制御部400に送信する出力予定情報は例えば16ビットで構成しており、ビット15はストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット11〜14はコマンド種別(本実施形態では、基本コマンド、図柄変動開始コマンド、図柄変動停止コマンド、入賞演出開始コマンド、終了演出開始コマンド、大当りラウンド数指定コマンド、復電コマンド、FRAMクリアコマンド、先読み結果情報コマンドなどコマンドの種類を特定可能な情報)、ビット0〜10はコマンドデータ(コマンド種別に対応する所定の情報)で構成している。
具体的には、ストローブ情報は上述のコマンド送信処理でオンまたはオフになるようにしている。また、コマンド種別が図柄変動開始コマンドの場合であればコマンドデータに、主制御部300のRAM308に格納されている特図Aフラグ〜特図Mフラグの値、特図確率変動フラグの値、特図関連抽選処理で選択した特図タイマ番号を含み、図柄変動停止コマンドの場合であれば、特図Aフラグ〜特図Mフラグの値、特図確率変動フラグの値などを含み、入賞演出コマンドおよび終了演出開始コマンドの場合であれば、特図確率変動フラグの値などを含み、大当りラウンド数指定コマンドの場合であれば特図確率変動フラグの値、大当りラウンド数などを含むようにしている。コマンド種別が基本コマンドを示す場合は、コマンドデータにデバイス情報、特図1始動口230への入賞の有無、特図2始動口232への入賞の有無、可変入賞口234への入賞の有無などを含む。先読み結果情報コマンドの場合であれば、特図1および2の種別、先読み数記憶領域に記憶された先読み数、先読み結果記憶部に記憶された停止図柄等の情報をコマンドデータに含む。
また、上述の回転開始設定送信処理では、コマンドデータにRAM308に記憶している、特図Aフラグ〜特図Mフラグの値、特図確率変動フラグの値、特図1関連抽選処理および特図2関連抽選処理で選択した特図タイマ番号、保留している特図1変動遊技または特図2変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の回転停止設定送信処理では、コマンドデータにRAM308に記憶している、特図Aフラグ〜特図Mフラグの値、特図確率変動フラグの値などを示す情報を設定する。上述の入賞演出設定送信処理では、コマンドデータに、RAM308に記憶している、入賞演出期間中に装飾図柄表示装置208・各種ランプ418・スピーカ120に出力する演出制御情報、特図確率変動フラグの値、保留している特図1変動遊技または特図2変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の終了演出設定送信処理では、コマンドデータに、RAM308に記憶している、演出待機期間中に装飾図柄表示装置208・各種ランプ418・スピーカ120に出力する演出制御情報、特図確率変動フラグの値、保留している特図1変動遊技または特図2変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の大入賞口開放設定送信処理では、コマンドデータにRAM308に記憶している大当りラウンド数、特図確率変動フラグの値、保留している特図1変動遊技または特図2変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の大入賞口閉鎖設定送信処理では、コマンドデータにRAM308に記憶している大当りラウンド数、特図確率変動フラグの値、保留している特図1変動遊技または特図2変動遊技の数などを示す情報を設定する。また、このステップS233では一般コマンド特図保留増加処理も行われる。この一般コマンド特図保留増加処理では、コマンドデータにRAM308の送信用情報記憶領域に記憶している特図識別情報(特図1または特図2を示す情報)、予告情報(事前予告情報、偽事前予告情報、または事前予告無情報のいずれか)を設定する。第1副制御部400では、受信した出力予定情報に含まれるコマンド種別により、主制御部300における遊技制御の変化に応じた演出制御の決定が可能になるとともに、出力予定情報に含まれているコマンドデータの情報に基づいて、演出制御内容を決定することができるようになる。
ステップS233の次のステップS235では、外部出力信号設定処理を行う。この外部出力信号設定処理では、RAM308に記憶している遊技情報を、情報出力回路336を介してパチンコ機100とは別体の情報入力回路350に出力する。
ステップS235の次のステップS237では、デバイス監視処理を行う。このデバイス監視処理では、ステップS205において信号状態記憶領域に記憶した各種センサの信号状態を読み出して、所定のエラーの有無、例えば前面枠扉開放エラーの有無または下皿満タンエラーの有無などを監視し、前面枠扉開放エラーまたは下皿満タンエラーを検出した場合に、第1副制御部400に送信すべき送信情報に、前面枠扉開放エラーの有無または下皿満タンエラーの有無を示すデバイス情報を設定する。また、各種ソレノイド332を駆動して特図2始動口232や、可変入賞口234の開閉を制御したり、駆動回路324、326、330を介して普図表示装置210、特図1表示装置212、特図2表示装置214、各種状態表示部328などに出力する表示データを、I/O310の出力ポートに設定する。また、払出要求数送信処理(ステップS219)で設定した出力予定情報を出力ポート(I/O310)を介して第1副制御部400に出力する。
ステップS237の次のステップS239では、低電圧信号がオンであるか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(電源の遮断を検知した場合)にはステップS243に進み、低電圧信号がオフの場合(電源の遮断を検知していない場合)にはステップS241に進む。ステップS241では、タイマ割込終了処理を行う。このタイマ割込終了処理では、ステップS201で一時的に退避した各レジスタの値を元の各レジスタに設定したり、割込許可の設定などを行い、その後、図9に示す主制御部メイン処理に復帰する。一方、ステップS243では、復電時に電断時の状態に復帰するための特定の変数やスタックポインタを復帰データとしてRAM308の所定の領域に退避し、入出力ポートの初期化等の電断処理を行い、その後、図9に示す主制御部メイン処理に復帰する。
図11は、特図先読み処理(ステップS224)の流れを示すフローチャートである。特図先読み処理では、主制御部300は、特図1および特図2のそれぞれにおいて増加した始動情報を先読みして、後述する当否判定処理よりも前に停止図柄を事前判定し、事前判定結果(特図先読み結果)をRAM308内の先読み結果記憶部に記憶する。
ここで、RAM308内には、特図1の先読み結果を記憶する特図1用先読み結果記憶部と、特図1用先読み結果記憶部に記憶されている特図1先読み結果の数を特図1先読み数として記憶する特図1先読み数記憶領域とが設けられている。特図1用先読み結果記憶部は、本例では4個まで先読み結果を格納できるようになっている。特図1用先読み結果記憶部では、特図1先読み数が1つ減るごとに順位が最上位(最先)の特図1先読み結果のデータが消去されるとともに、残余の特図1先読み結果のデータの順位が1ずつ繰り上がるように処理される。また、特図1先読み数が1つ増えるごとに、順位が最下位(最後)の特図1先読み結果のデータの次の順位に新たな特図1先読み結果のデータが書き込まれる。
またRAM308内には、特図2の先読み結果を記憶する特図2用先読み結果記憶部と、特図2用先読み結果記憶部に記憶されている特図2先読み結果の数を特図2先読み数として記憶する特図2先読み数記憶領域とが設けられている。特図2用先読み結果記憶部は、本例では4個まで先読み結果を格納できるようになっている。特図2用先読み結果記憶部では、特図2先読み数が1つ減るごとに順位が最上位の特図2先読み結果のデータが消去されるとともに、残余の特図2先読み結果のデータの順位が1ずつ繰り上がるように処理される。また、特図2先読み数が1つ増えるごとに、順位が最下位の特図2先読み結果のデータの次の順位に新たな特図2先読み結果のデータが書き込まれる。
特図先読み処理において、まず主制御部300は、特図2の始動情報が増加しているか否かを判断する(ステップS301)。特図2の始動情報が増加しているか否かの判断は、例えば、特図2保留数記憶領域に記憶されている特図2保留数と、特図2先読み数記憶領域に記憶されている特図2先読み数とを比較して行う。主制御部300は、特図2保留数が特図2先読み数よりも大きい場合には特図2の始動情報が増加していると判断し、特図2保留数が特図2先読み数と等しい場合には特図2の始動情報は増加していないと判断する。特図2の始動情報が増加していると判断した場合には、増加した始動情報を特図2乱数値記憶領域から先読みし、図7に示す当否判定時に用いる当否決定用テーブルおよび特図決定用テーブルを参照して、当該始動情報に係る特図2変動遊技の停止図柄を事前判定する(ステップS302)。ステップS302では、増加した始動情報を特図2乱数値記憶領域から先読みする前半の処理と、当該始動情報に係る特図2変動遊技の停止図柄を事前判定する後半の処理とが実行される。
次に、事前判定で得られた特図2先読み結果としての停止図柄情報をRAM308内の特図2用先読み結果記憶部の最先の空き領域に記憶して(ステップS303)、ステップS304に移行する。ステップS301において、特図2の始動情報が増加していないと判断した場合には、ステップS302、S303を実行せずにステップS304へ移行する。
ステップS304では、主制御部300は、特図1の始動情報が増加しているか否かを判断する。特図1の始動情報が増加しているか否かの判断は、例えば特図2と同様に、特図1保留数記憶領域に記憶されている特図1保留数と、特図1先読み数記憶領域に記憶されている特図1先読み数とを比較して行う。特図1の始動情報が増加していると判断した場合にはステップS305に進み、特図1の始動情報が増加していないと判断した場合には後述のステップS305およびステップS306を実行せずに特図先読み処理を終了する。
ステップS305では、増加した特図1の始動情報を特図1乱数値記憶領域から先読みし、図7に示す当否判定時に用いる当否決定用テーブルおよび特図決定用テーブルを参照して、当該始動情報に係る特図1変動遊技の停止図柄を事前判定する。ステップS305ではステップS302と同様に、増加した始動情報を特図1乱数値記憶領域から先読みする前半の処理と、当該始動情報に係る特図1変動遊技の停止図柄を事前判定する後半の処理とが実行される。
次に、事前判定で得られた特図1先読み結果としての停止図柄情報をRAM308内の特図1用先読み結果記憶部の最先の空き領域に記憶して(ステップS306)、特図先読み処理を終了する。
本例では、増加した始動情報のみを先読みして事前判定しているが、全ての始動情報を先読みして事前判定するようにしてもよい。また、上述のコマンド設定送信処理(ステップS233)において、増加分の始動情報の先読み結果のみを第1副制御部400に送信してもよいし、特図1用および特図2用先読み結果記憶部内の全ての先読み結果を第1副制御部400に送信してもよい。さらに本例では、当否判定時に用いるテーブルを参照して事前判定処理を行っているが、当否判定用とは別の事前判定用のテーブルを用いて事前判定処理を行ってもよい。また本例では、特図停止図柄のみを先読みして事前判定しているが、特図タイマ番号を事前判定してもよい。
図12は、先読み結果記憶部に先読み結果情報が記憶された状態を例示している。図12(a)は、特図1用先読み結果記憶部に特図1先読み結果情報が記憶された状態を例示しており、図12(b)は、特図2用先読み結果記憶部に特図2先読み結果情報が記憶された状態を例示している。図12(c)は、本実施の形態によるパチンコ機100において特図先読み報知が実行される場合の特図2用先読み結果記憶部に特図2先読み結果情報が記憶された状態を例示している。
図12(a)に示すように、特図1用先読み結果記憶部は、例えば特図1変動遊技の保留可能数と同数(本実施の形態では、4つ)の記憶領域「先読み結果1」〜「先読み結果4」を有している。記憶領域「先読み結果1」〜「先読み結果4」は特図1乱数値記憶領域の保留順序に対応付けられている。各記憶領域のそれぞれには、特図停止図柄の情報が記憶されるようになっている。図12(a)に示す例において、記憶領域「先読み結果1」、「先読み結果2」、「先読み結果3」および「先読み結果4」のそれぞれには、特図停止図柄情報として「はずれ図柄(特図M)」、「はずれ図柄(特図M)」、「小当り図柄(特図L)」および「15R大当り図柄(特図A)」が記憶されている。
図12(b)に示すように、特図2用先読み結果記憶部は、例えば特図2変動遊技の保留可能数と同数(本実施の形態では、4つ)の記憶領域「先読み結果1」〜「先読み結果4」を有している。記憶領域「先読み結果1」〜「先読み結果4」は特図2乱数値記憶領域の保留順序に対応付けられている。図12(b)に示す例において、記憶領域「先読み結果1」および「先読み結果2」のそれぞれには、特図停止図柄情報として「はずれ図柄(特図M)」が記憶されている。記憶領域「先読み結果3」および「先読み結果4」には、特図停止図柄情報が記憶されていない。なお、図12(b)において、特図停止図柄情報が記憶領域に記憶されていない状態を「なし」と表記している。
図12(c)に示す例において、記憶領域「先読み結果1」、「先読み結果2」、「先読み結果3」および「先読み結果4」のそれぞれには、特図停止図柄情報として「はずれ図柄(特図M)」、「RUB16R大当り図柄(特図F)」、「15R特別大当り図柄(特図A)」および「はずれ図柄(特図M)」が記憶されている。図12(c)に示すように先読み結果情報が先読み結果記憶部に記憶されていると、後述の図16に示す特図変動遊技が実行される。詳細は後述するが、記憶領域「先読み結果2」に記憶されたRUB16R大当り図柄(特図F)の特図先読み報知は実行されないが、当該大当り図柄の大当り遊技中に記憶領域「先読み結果3」に記憶された15R特別大当り図柄(特図A)の特図先読み報知が実行される。
なお、特図停止図柄に加えて特図タイマ番号が事前判定された場合、各記憶領域のそれぞれには、特図停止図柄および特図タイマ番号の情報が記憶されてもよい。
次に、図13を用いて、第1副制御部400の処理について説明する。なお、同図(a)は、第1副制御部400のCPU404が実行するメイン処理のフローチャートである。同図(b)は、第1副制御部400のコマンド受信割込処理(ストローブ割込み処理)のフローチャートである。同図(c)は、第1副制御部400のタイマ変数更新割込処理のフローチャートである。同図(d)は、第1副制御部400の画像制御処理のフローチャートである。
まず、同図(a)のステップS401では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、まずステップS401で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポートの初期設定や、RAM408内の記憶領域の初期化処理等を行う。この初期化処理は、例えば約30秒の時間を要する。
ステップS401の次のステップS403では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップS405の処理に移行する。ステップS405では、タイマ変数に0を代入する。
ステップS405の次のステップS407では、コマンド処理を行う。第1副制御部400のCPU404は、主制御部300からコマンドを受信したか否かを判別する。
ステップS407の次のステップS409では、演出制御処理を行う。例えば、ステップS407で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する演出データをROM406から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行う。
ステップS409の次のステップS411では、チャンスボタンの押下を検出していた場合、ステップS409で更新した演出データをチャンスボタンの押下に応じた演出データに変更する処理を行う。
ステップS411の次のステップS413では、ステップS409で読み出した演出データの中にVDP434への命令がある場合には、この命令をVDP434に出力する(詳細は後述)。
ステップS413の次のステップS415では、ステップS409で読み出した演出データの中に音源IC416への命令がある場合には、この命令を音源IC416に出力する。
ステップS415の次のステップS417では、ステップS409で読み出した演出データの中に各種ランプ418への命令がある場合には、この命令を駆動回路420に出力する。
ステップS417の次のステップS419では、ステップS409で読み出した演出データの中に遮蔽装置246への命令がある場合には、この命令を駆動回路432に出力する。
ステップS419の次のステップS421では、ステップS409で読み出した演出データの中に第2副制御部500に送信する制御コマンドがある場合には、この制御コマンドを出力する設定を行い、ステップS403へ戻る。
次に、同図(b)を用いて、第1副制御部400のコマンド受信割込処理について説明する。このコマンド受信割込処理は、第1副制御部400が、主制御部300が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のステップS401では、主制御部300が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM408に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
次に、同図(c)を用いて、第1副制御部400のCPU404によって実行する第1副制御部タイマ割込処理について説明する。第1副制御部400は、所定の周期(本実施例では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。第1副制御部タイマ割込処理のステップS601では、図13(a)に示す第1副制御部メイン処理におけるステップS403において説明したRAM408のタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップS403において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。
ステップS601の次のステップS603では、第1副制御部400のメイン処理におけるステップS421で設定された第2副制御部500への制御コマンドの送信やその他演出用乱数値の更新処理等を行う。
次に、同図(d)を用いて、第1副制御部400のメイン処理におけるステップS413の画像制御処理について説明する。同図は、画像制御処理の流れを示すフローチャートを示した図である。
ステップS701では、画像データの転送指示を行う。ここでは、CPU404は、まず、VRAM436の表示領域Aと表示領域Bの描画領域の指定をスワップする。これにより、描画領域に指定されていない表示領域に記憶された1フレームの画像が装飾図柄表示装置208に表示される。次に、CPU404は、VDP434のアトリビュートレジスタに、位置情報等テーブルに基づいてROM座標(ROM406の転送元アドレス)、VRAM座標(VRAM436の転送先アドレス)などを設定した後、ROM406からVRAM436への画像データの転送開始を指示する命令を設定する。VDP434は、アトリビュートレジスタに設定された命令に基づいて画像データをROM406からVRAM436に転送する。その後、VDP436は、転送終了割込信号をCPU404に対して出力する。
ステップS701の次のステップS703では、VDP434からの転送終了割込信号が入力されたか否かを判定し、転送終了割込信号が入力された場合はステップS705に進み、そうでない場合は転送終了割込信号が入力されるのを待つ。ステップS705では、演出シナリオ構成テーブルおよびアトリビュートデータなどに基づいて、パラメータ設定を行う。ここでは、CPU404は、ステップS701でVRAM436に転送した画像データに基づいてVRAM436の表示領域AまたはBに表示画像を形成するために、表示画像を構成する画像データの情報(VRAM436の座標軸、画像サイズ、VRAM座標(配置座標)など)をVDP434に指示する。VDP434はアトリビュートレジスタに格納された命令に基づいてアトリビュートに従ったパラメータ設定を行う。
ステップS705の次のステップS707では、描画指示を行う。この描画指示では、CPU404は、VDP434に画像の描画開始を指示する。VDP434は、CPU404の指示に従ってフレームバッファにおける画像描画を開始する。
ステップS707の次のステップS709では、画像の描画終了に基づくVDP434からの生成終了割込み信号が入力されたか否かを判定し、生成終了割込み信号が入力された場合はステップS611に進み、そうでない場合は生成終了割込み信号が入力されるのを待つ。ステップS611では、RAM408の所定の領域に設定され、何シーンの画像を生成したかをカウントするシーン表示カウンタをインクリメント(+1)して処理を終了する。
図14は、本実施の形態によるパチンコ機100における第1副制御部メイン処理の演出制御処理(ステップS409)の流れの一例を示すフローチャートである。まず、パチンコ機100が特図始動情報の入賞順に消化する入賞順変動の遊技台である場合の演出制御処理の流れについて説明する。演出制御処理のステップS801ではまず、特図先読み報知演出が実行可能な契機か否かが判定される。例えば第1副制御部400は、主制御部300から送信されたコマンドに図柄変動開始、特図1保留数および特図2保留数の少なくともいずれかの増加、大当り遊技中の特定ラウンド開始等の情報が含まれていると判定したら特図先読み報知演出が実行可能な契機であると判断してステップS803に移行し、当該情報が含まれていないと判定したら特図先読み報知演出が実行可能な契機でないと判断して後述のステップS803〜ステップS823を実行せずにステップS825に移行する。
ステップS801の次のステップS803では、特図保留数が1以上であるか否かが判断される。例えば第1副制御部400は、RAM408の所定の記憶領域に記憶された特図1保留数および特図2保留数の値をそれぞれ読み出して、少なくともいずれかの当該値が1以上であればステップS805に移行し、いずれの当該値も0であれば後述のステップS805〜ステップS823を実行せずにステップS825に移行する。
ステップS803の次のステップS805では、ステップS803において1以上と判定された特図保留数に対応する特図先読み結果情報が読み出される。第1副制御部400のRAM408内には、主制御部RAM308内に設けられた特図1用先読み結果記憶部と特図2用先読み結果記憶部のそれぞれに対応付けられた特図1用先読み結果記憶部と特図2用先読み結果記憶部とが設けられている。RAM408内の特図1用先読み結果記憶部と特図2用先読み結果記憶部に記憶されているデータは、RAM308の特図1用先読み結果記憶部と特図2用先読み結果記憶部に記憶されているデータが更新されることに基づいて、更新された内容と同内容となるように更新されるようになっている。第1副制御部400は、ステップS803において例えば特図1保留数および特図2保留数の合計が1以上と判定した場合には、特図1用先読み結果記憶部に記憶された特図1先読み結果情報および特図2用先読み結果記憶部に記憶された特図2先読み結果情報を全て読み出し、ステップS807に移行する。
ステップS805の次のステップS807では、保留内に複数の特図先読み対象の図柄(例えば特図A〜特図K)が存在するか否かが判定される。例えば第1副制御部400は、ステップS805において読み出した特図1先読み結果情報および特図2先読み結果情報の全体で複数の特図先読み対象の図柄が存在すると判定したらステップS809に移行し、特図1先読み結果情報および特図2先読み結果情報の全体で複数の特図先読み対象の図柄が存在しないと判定したらステップS823に移行する。特図先読み報知の実行可否を決定する処理は常時行われているため、特図先読み結果記憶部内に複数の大当りに係る停止図柄が格納された時点で、既に先に取得された始動情報の事前判定結果に基づく特図先読み報知が行われていることがある。そのような場合に、本実施の形態を適用することはできないため、大当りに係る始動情報の取得順に順次特図先読み報知を複数回行ってもよいし、先に取得された始動情報に基づく特図先読み報知のみを行ってもよい。
ステップS807の次のステップS809では、特図先読み報知対象に対する特定処理が実行される。当該特定処理は、予め定められた条件に基づいて、第一の事前予告報知を規制するか否か、すなわち第一の事前予告報知を実行しないか否かを決定する。第一の事前予告報知は、第一の始動情報の先読み結果である第一の事前判定結果を報知するようになっている。第一の事前予告報知は、第一の事前判定結果を報知することにより、第一の始動情報に基づく第一の当否判定結果が導出されることを事前予告するようになっている。入賞順変動のパチンコ機100は、事前判定された特図停止図柄とともに入賞順位も特図1および特図2用先読み結果記憶部の記憶領域に記憶されるようになっている。第一の事前判定結果は、特図1または特図2先読み結果記憶部に記憶されて入賞順位が最も小さい特図先読み対象の図柄である。
本実施の形態によるパチンコ機100は、例えば第一の事前判定結果および第二の事前判定結果が特定の抽選結果に該当していることを予め定められた条件として設定している。第二の事前判定結果は、第二の始動情報の先読み結果であり、第二の事前予告報知により報知される。第二の事前予告報知は、第二の事前判定結果を報知することにより、第二の始動情報に基づく第二の当否判定結果が導出されることを事前予告するようになっている。第二の事前判定結果は、特図1または特図2先読み結果記憶部に記憶されて入賞順位が第一の事前判定結果の入賞順位よりも大きい特図先読み対象の図柄である。入賞順位に関連付けて、以下、第一の事前判定結果を「手前側の大当り」と称し、第二の事前判定結果を「奥の大当り」と称する場合がある。
本実施の形態によるパチンコ機100は、取得した始動情報(特図1または特図2乱数値の組)とともに入賞順位も特図1または特図2乱数値記憶領域に記憶するようになっている。入賞順位が1に対応する特図1または特図2乱数値の組が最先に消化されるようになっている。第一の始動情報は第二の始動情報よりも小さい値の入賞順位に対応付けられることにより、第一の始動情報は第二の始動情報よりも先に当否判定が行われるように特図乱数値記憶領域に記憶されるようになる。
例えば第1副制御部400は、ステップS807で保留内に複数の特図先読み報知対象の図柄があると判定された特図1および/または特図2先読み結果記憶部に、大当り遊技開始時点で利益の推測が不能な大当り(例えば特図C〜特図Fまたは特図H)が手前側の大当りとして記憶され、大当り遊技開始時点で利益の推測が可能な大当り(例えば、特図A、特図Bおよび特図G)が奥の大当りとして記憶されている場合には特定の抽選結果に該当して予め定められた条件を充足していると判定する。次いで第1副制御部400は、例えばRAM408に設けられた特図先読み報知規制フラグをオン状態(例えば当該フラグの値を「1」)に設定する。一方、第1副制御部400は、奥の大当りが例えば特図A、特図Bおよび特図Gに係る大当りでないため特定の抽選結果に該当せず予め定められた条件を充足していないと判定すると、特図先読み報知規制フラグをオフ状態(例えば当該フラグの値を「0」)に設定する。第1副制御部400は、特図先読み報知規制フラグをオン状態またはオフ状態に設定するとステップS811に移行する。本実施の形態では、第一の始動情報が第二の始動情報よりも先に当否判定が行われるように特図1または特図2乱数値記憶領域に記憶されていることは、特図先読み結果情報に基づいて判定するようになっている。また、パチンコ機100は、当該条件に加えてあるいは当該条件に代えて、手前側の大当りの図柄に関わらず奥の大当りが大当り遊技開始時点で利益の推測が可能な大当り(例えば、特図A、特図Bおよび特図G)に該当すれば予め定められた条件を充足していると判定するようになっていてもよい。また、本実施の形態では、例えば既に手前側の大当りについて特図先読み報知が行われていることを予め定められた条件と設定してもよい。
ステップS809の次のステップS811では、奥の保留(奥の大当り)に基づく特図先読み報知を実行するか否かが判定される。例えば、第1副制御部400は、特図先読み報知規制フラグの値が1であって、手前側の大当りは特図先読み報知をせずに奥の大当りの特図先読み報知を実行すると判定したらステップS813に移行し、当該値が0であって手前側の特図先読み報知を実行して奥の大当りの特図先読み報知を実行しないと判定したらステップS823に移行する。
ステップS811の次のステップS813では、現在の制御状態が特定遊技状態か否かが判定される。例えば第1副制御部400は、現在の制御状態が例えば特図確変中(特図高確率状態中)であって特定遊技状態であると判定するとステップS815に移行し、特図非確変中(特図低確率状態中)であって特定遊技状態でないと判定するとステップS819に移行する。第1副制御部400は、主制御部300から送信された現在の制御状態に関する情報を例えばRAM408の所定の記憶領域に記憶するようになっており、RAM408に記憶された当該制御状態に基づいてステップS813での判定を実行するようになっている。
ステップS813の次のステップS815では、特図先読み報知対象の図柄に特定特図1があるか否かが判断される。例えば第1副制御部400は、奥の大当りが特図1先読み結果記憶部に記憶されており、当該奥の大当りが確変付き大当り(大当り遊技終了後に制御状態が特図確変状態になる大当りであり、例えば、特図Aまたは特図B)であれば特定特図1が存在すると判断してステップS817に移行し、当該奥の大当りが確変付き大当りでなく(大当り遊技終了後に制御状態が特図確変状態にならない大当りであり、例えば、特図G)、特定特図1が存在しないと判断したら後述のステップS817を実行せずにステップS825に移行する。
ステップS815の次のステップS817では、特図先読み演出が実行される。例えば、第1副制御部400は、奥の大当りに関して特図1先読み報知の演出態様を決定するとともに、当該演出態様による特図1先読み報知を実行するために、例えば装飾図柄表示装置208や後述の特図予告報知用役物720(詳細は後述)等を制御し、ステップS825に移行する。また、第1副制御部400は、特図1先読み報知を実行するとともに、特図先読み報知規制フラグを非設定状態に設定(例えば、当該フラグの値を「2」に設定)する。
ステップS813〜ステップS817においてパチンコ機100は、現在の制御状態が例えば特図確変状態であると判定し(ステップS815のYes)、次いで奥の大当りが確変付き大当りであると判定すると(ステップS817のYes)、特図1先読み報知を実行するようになっている。これにより、現在の制御状態が特図確変中には確変付き大当りのみが特図先読み報知の対象に選択できるようになる。このように、パチンコ機100は、特図確変中では確変付き大当りの特図先読み報知を実行し、確変付きでない大当りの特図先読み報知を実行しないといった特図先読み報知対象の切り替えができるようになっている。すなわち、パチンコ機100は、現在の制御状態に対して、大当り遊技後に現状維持または現状よりもよい制御状態(例えば、遊技状態の上昇や出球利益の取得等の出球利益に対する期待値が高い状態)に移行する大当りしか報知しないようになっている。また、パチンコ機100は、大当り遊技終了後の制御状態が現在の制御状態よりも不利になる(例えば、大当り遊技前後で制御状態が特図確変状態から特図非確変状態に移行する)大当りについては、特図先読み報知を実行しないようになっている。
ステップS813の次のステップS819では、特図先読み報知対象の図柄に特定特図2があるか否かが判断される。例えば第1副制御部400は、奥の大当りが特図2先読み結果記憶部に記憶されており、当該奥の大当りが確変付き大当り(例えば、特図Aまたは特図B)であれば特定特図2が存在すると判断してステップS821に移行し、当該奥の大当りが確変付き大当りでない(例えば、特図G)と特定特図2が存在しないと判断して後述のステップS821を実行せずにステップS825に移行する。パチンコ機100は、RUB大当りやJUB大当り等の大当り遊技開始時点で遊技者が利益の推測が不能な大当りについては特図先読み報知を実行しないようになっている。また、パチンコ機100は、ラウンド昇格大当り(特図B)も特図先読み報知を実行しない図柄と設定されていてもよい。
ステップS819の次のステップS821では、特図先読み演出が実行される。例えば、第1副制御部400は、奥の大当りに関して特図2先読み報知の演出態様を決定するとともに、当該演出態様による特図2先読み報知を実行するために、例えば装飾図柄表示装置208や後述の特図予告報知用役物720を制御し、ステップS825に移行する。また、第1副制御部400は、特図1先読み報知を実行するとともに、特図先読み報知規制フラグを非設定状態に設定(例えば、当該フラグの値を「2」に設定)する。
ステップS813〜ステップS821では、現在の制御状態が例えば特図確変状態でないと判定され(ステップS815のNo)、次いで奥の大当りが確変付き大当りであると判定されると(ステップS819のYes)、特図2先読み報知が実行されるようになっている。これにより、現在の制御状態が特図確変中でない場合には確変付き大当りのみが特図先読み報知の対象に選択できるようになる。このように、パチンコ機100は、特図確変中でない場合には確変付き大当りの特図先読み報知を実行し、確変付きでない大当りの特図先読み報知を実行しないといった特図先読み報知対象の切り替えができるようになっている。すなわち、パチンコ機100は、現在の制御状態に対して、大当り遊技後に現状維持または現状よりもよい制御状態(例えば、遊技状態の上昇や出球利益の取得等の出球利益に対する期待値が高い状態)に移行する大当りしか報知しないようになっている。また、パチンコ機100は、大当り遊技の前後で制御状態が変わらない(例えば、大当り遊技前後で制御状態が特図非確変状態で変わらない)大当りについては、特図先読み報知を実行しないようになっている。
ステップS807またはステップS811の次のステップS823では、特図先読み演出が実行される。ステップS807に次いでステップS823の処理が実行されるのは、特図1および特図2先読み結果記憶部の全体で特図停止図柄が1個記憶されている場合である。第1副制御部400は、当該特図停止図柄についての通常の特図先読み報知を実行するために、例えば装飾図柄表示装置208を制御し、ステップS825に移行する。
ステップS811の次のステップS823では、第1副制御部400は、手前側の大当りについての通常の特図先読み報知を実行するために、例えば装飾図柄表示装置208を制御し、ステップS825に移行する。
ステップS801、ステップS803またはステップS815〜ステップ823の次のステップS825では、その他演出制御処理が実行される。例えば第1副制御部400は、特図先読み報知演出以外の所定の演出についての制御処理を実行して第1副制御部演出制御処理を終了する。
パチンコ機100は、特図1乱数値記憶領域に特図1乱数値の組が記憶され、かつ特図2乱数値記憶領域に特図2乱数値の組が記憶されている場合には、特図2乱数値記憶領域から特図2乱数値の組を取得し、特図1乱数値記憶領域または特図2乱数値記憶領域のいずれか一方に乱数値の組が記憶されている場合には、乱数値の組が記憶されている特図1または特図2乱数値記憶領域から乱数値の組を取得するように構成されていると、特図2の保留を特図1の保留よりも優先して消化する特図2優先変動の遊技台となる。パチンコ機100が、特図2優先変動の遊技台である場合には、入賞順変動の場合と比較して、ステップS813の処理が異なっている。例えばステップS813では、電サポ中か否かが判断される。特図2優先変動の場合には、電サポ中に特図1先読み報知を実行してはいけないので、第1副制御部400は、非電サポ中であると判断するとステップS815に移行し、非電サポ中でないと判断するとステップS819に移行するようになっている。
図15を用いて、第2副制御部500の処理について説明する。なお、同図(a)は、第2副制御部500のCPU504が実行するメイン処理のフローチャートである。同図(b)は、第2副制御部500のコマンド受信割込処理のフローチャートである。同図(c)は、第2副制御部500のタイマ割込処理のフローチャートである。
まず、同図(a)のステップS901では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、まずステップS901で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポートの初期設定や、RAM508内の記憶領域の初期化処理等を行う。
ステップS901の次のステップS903では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップS905の処理に移行する。ステップS905では、タイマ変数に0を代入する。
ステップS905の次のステップS907では、コマンド処理を行う。第2副制御部500のCPU504は、第1副制御部400のCPU404からコマンドを受信したか否かを判別する。
ステップS907の次のステップS909では、演出制御処理を行う。例えば、ステップS907で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する演出データをROM506から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行う。
ステップS909の次のステップS911では、第1副制御部400からの遊技盤用ランプ532や遊技台枠用ランプ542への命令がある場合には、この命令をシリアル通信制御回路520に出力する。
ステップS911の次のステップS913では、第1副制御部400からの演出可動体224や特図予告報知用役物720への命令がある場合には、この命令を駆動回路516に出力し、ステップS903に戻る。
次に、同図(b)を用いて、第2副制御部500のコマンド受信割込処理について説明する。このコマンド受信割込処理は、第2副制御部500が、第1副制御部400が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のステップS1001では、第1副制御部400が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM508に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
次に、同図(c)を用いて、第2副制御部500のCPU504によって実行する第2副制御部タイマ割込処理について説明する。第2副制御部500は、所定の周期(本実施例では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。第2副制御部タイマ割込処理のステップS1101では、図15(a)に示す第2副制御部メイン処理におけるステップS903において説明したRAM508のタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップS903において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。第2副制御部タイマ割込処理のステップS1003では、演出用乱数値の更新処理等を行う。
次に、本実施の形態のパチンコ機100における特図変動遊技について図14を参照しつつ図16乃至図24を用いて説明する。まず、本実施の形態の実施例1によるパチンコ機100について図14および図16を用いて説明する。本実施例によるパチンコ機100は入賞順変動の遊技台である。上記図3および図12を用いて説明したパチンコ機100は、特図1および特図2のそれぞれについて、1個の特図乱数値記憶領域と特図先読み結果記憶部と特図表示装置とを有している。これに対し、本実施例によるパチンコ機100は、特図1および特図2で共用される、最大4個の始動情報(特図乱数値の組)を記憶可能な特図乱数値記憶領域と、最大4個の事前判定結果を記憶可能な特図先読み結果記憶部と、特図表示装置とを有している。特図先読み結果記憶部はRAM308およびRAM408のそれぞれに1個設けられている。
図16は、本実施例によるパチンコ機100の特図変動遊技の一例を示している。図16(a)〜図16(k)は、本実施例によるパチンコ機100での特図変動遊技における装飾図柄表示装置208の表示状態等を図上方から下方への時系列でそれぞれ示している。また、図16(a)〜図16(k)には、装飾図柄表示装置208、特図変動遊技の保留状態を示す特図保留ランプ250および特図変動遊技を表示する特図表示装置252が示されている。特図保留ランプ250および特図表示装置252は、特図1および特図2で共用される点を除いて、特図1保留ランプ218および特図1表示装置212と同様の機能・作用をそれぞれ奏するため、説明は省略する。図16(a)〜図16(k)にはそれぞれ、中央に装飾図柄表示装置208が示され、装飾図柄表示装置208の左下方に特図保留ランプ250が示され、その下方に特図表示装置252が示されている。
また、特図保留ランプ250は、入賞順に特図変動遊技の保留状態を最大4つまで表示できるように4個のLEDで構成されている。特図保留ランプ250の4個のLEDは、図左から右に向かって順に、入賞順位の早い特図変動遊技に対応している。特図保留ランプ250は、4個のLEDの左から順に特図変動遊技の保留数分のLEDを例えば赤色に点灯させ、他を消灯させるようになっている。なお、図において、特図変動遊技が保留されている状態を薄墨色の丸で表し、保留されていない状態を白丸で表している。
図16(a)に示すように、制御状態が非電サポ状態および特図確変状態において、特図表示装置252には前回の特図変動遊技の当否判定結果である特図Mが停止表示されている。また、装飾図柄表示装置208の左中右図柄表示領域208a〜208cには、「装飾2−装飾7−装飾3」が停止表示され、特図変動遊技がはずれであることが報知されている。
また、前回の特図変動遊技中に例えば4個の始動情報が取得されたことに基づいて、特図保留ランプ250の4個のLEDは赤色に発光して特図変動遊技が4個保留されていることが報知されている。図16(a)に示す時点において、保留された特図変動遊技の全ての特図先読み処理は終了しており、特図先読み結果記憶部の記憶領域には、例えば図12(c)に示すように特図停止図柄が記憶されている。
また、現時点において図14に示す第1副制御部演出制御処理は終了しており、第1副制御部400は、特図保留数が増加して特図先読み報知演出の実行可能な契機となり(ステップS801のYes)、特図保留数が4個であって1以上であり(ステップS803のYes)、読み出した特図先読み結果情報に特図Fおよび特図Aが存在して複数の特図先読み報知対象の図柄があり(ステップS805〜ステップS807のYes)、手前側の大当りが特図F、奥の大当りが特図Aであるため、手前側の大当りに基づく特図先読み報知を規制するとともに奥の大当りに基づく特図先読み報知を実行すると判定し(ステップS809〜ステップS811のYes)、現在の制御状態は特図確変状態であって特定遊技状態であると判定し(ステップS813のYes)、例えば奥の大当りは特図1始動情報に基づく事前判定結果であって特定特図1が存在すると判定し(ステップS815のYes)、特図予告報知用役物720およびスピーカ120を用いる特図先読み報知を設定する(ステップS817)。
パチンコ機100の主制御部300は、特図表示装置252に特図Mを停止表示してから所定時間の経過後に、保留順位1に対応付けられた特図乱数値の組を特図乱数値記憶領域から読み出して当否判定するとともに(例えば、はずれ(停止図柄は「特図M」))、図16(b)に示すように、特図変動遊技を開始するように特図表示装置252を制御する。このとき、特図保留数が1つ減るので、主制御部300は、保留順位1に対応付けられた特図乱数値の組のデータを消去し、残余の特図乱数値の組の保留順位が1ずつ繰り上がるように処理する。この結果、特図保留ランプ250の右端のLEDが消灯する。これに同期して、主制御部300は、特図先読み結果記憶部の記憶領域「先読み結果1」に記憶されたデータを消去するとともに、残余の特図先読み結果のデータの順位が1ずつ繰り上がるように処理する。
また主制御部300はこれに同期して、特図変動遊技の開始、当否判定結果および特図変動遊技の保留数等の情報を含むコマンドを第1副制御部400に送信する。これにより、図16(b)に示すように、装飾図柄表示装置208の左中右図柄表示領域208a〜208cの各領域には、装飾図柄が図中の下向きの矢印に示す方向に順次回転移動する装飾図柄変動表示が開始される。
特図変動遊技を開始してから所定時間経過後に、第1副制御部400は、ステップS817において設定した内容で特図先読み報知を実行するために、特図予告報知用役物720およびスピーカ120を制御する。これにより、図16(c)に示すように、特図予告報知用役物720が装飾図柄表示装置208の上方から前面に降りてきて、中図柄表示領域208bの手前で停止するとともにスピーカ120から「キーン」という音声を出力する特図先読み報知を実行する。特図予告報知用役物720は家紋を表した役物である。第1副制御部400は、第2副制御部500を介して特図予告報知用役物720を制御するようになっている。
当該特図先読み報知後の大当り遊技中に特図先読み報知を煽る演出が行われる可能性がある場合、当該大当り遊技を煽る特図先読み報知演出の報知態様は、対象となる保留を特定させない態様で行うことが好ましい。これにより、大当り遊技を跨いだ後の保留に対しても大当りとなる期待感を維持させることができる場合がある。このため、本実施例では、当該特図先読み報知は、遊技者が報知対象となる保留を特定できない演出態様で実行されている。また、パチンコ機100は、当該特図先読み報知の実行前に特図先読み報知演出に関する説明を行うように構成されていてもよい。例えば、装飾図柄表示装置208の演出表示領域208dに「家紋が落下すれば保留内大当り確定!」という画像を表示してもよい。また、特図先読み報知は、大当り確定演出ではなく、保留内に大当りがある可能性が高いことを示す演出であってもよい。
第1副制御部400は所定時間の経過後に当該特図先読み報知を終了する。また、当該特図先読み報知が終了してから所定時間の経過後に、図16(d)に示すように、特図表示装置252には、特図Mが停止表示され、左中右図柄表示領域208a、208b、208cには、「装飾3−装飾1−装飾5」が停止表示され、当該特図変動遊技がはずれであることが報知される。
パチンコ機100の主制御部300は、特図表示装置252に特図Mを停止表示してから所定時間の経過後に、保留順位1に対応付けられた特図乱数値の組を特図乱数値記憶領域から読み出して当否判定するとともに(例えば、RUB大当り(停止図柄は「特図F」、手前側の大当り))、図16(e)に示すように、特図変動遊技を開始するように特図表示装置252を制御する。このとき、特図保留数が1つ減るので、主制御部300は、保留順位1に対応付けられた特図乱数値の組のデータを消去するとともに、残余の特図乱数値の組の保留順位が1ずつ繰り上がるように処理する。この結果、特図保留ランプ250の左から3番目のLEDが消灯する。これに同期して、主制御部300は、特図先読み結果記憶部の記憶領域「先読み結果1」に記憶されたデータを消去するとともに、残余の特図先読み結果のデータの順位が1ずつ繰り上がるように処理する。
また主制御部300はこれに同期して、特図変動遊技の開始、当否判定結果および特図変動遊技の保留数等の情報を含むコマンドを第1副制御部400に送信する。これにより、図16(e)に示すように、装飾図柄表示装置208の左中右図柄表示領域208a〜208cの各領域には、装飾図柄が図中の下向きの矢印に示す方向に順次回転移動する装飾図柄変動表示が開始される。
所定時間の経過後に、図16(f)に示すように、特図表示装置252には、特図Fが停止表示され、左中右図柄表示領域208a、208b、208cには、「装飾1−装飾2−装飾3」が停止表示され、当該特図変動遊技がRUB16R大当りであることが報知される。この大当りの報知時には、図16(c)に示す特図先読み報知の対象である奥の大当りに係る特図変動遊技が保留されているものの、当該特図先読み報知は、報知対象となる保留を特定させない態様で実行されたので、図16(f)に示す大当りの特図先読み報知であると遊技者に勘違いさせることができる場合がある。
特図表示装置252に特図Fが停止表示されてから所定時間の経過後に、主制御部300は大当り遊技を開始するとともに、入賞演出コマンドを第1副制御部400に送信する。図16(g)に示すように、当該コマンドを受信した第1副制御部400は、ランクアップボーナスに係る演出を実行する。第1副制御部400は、例えば演出表示領域208dに、「失格しなければラウンド継続!」という文字画像と、その下でカラオケをしている吉宗の画像と、その左隣にカラオケの得点ボードの画像とを表示するように装飾図柄表示装置208を制御する。また、第1副制御部400は、大当り遊技中にRUB16R大当り(特図F)に当選したことを明示しておくために、左中右図柄表示領域208a、208b、208cに「装飾1−装飾2−装飾3」の停止表示を継続するように装飾図柄表示装置208を制御する。
本実施の形態では、RUB大当りは、図6に示すように、その種類(特図D〜特図F)によって出球が3段階に分けられているため、一概に有利な大当りとはならない。特に、本実施例では、RUB大当りの直後にRUB大当りよりも出球利益が大きくなり易い15R特別大当り(奥の大当り)があるため、RUB大当りについては特図先読み報知を行わない方が遊技者の期待をむやみに煽らない場合がある。
その後、大当り遊技は継続され、第1副制御部400は、大当り遊技のラウンド数が16Rであるという情報を含むコマンドを受信すると、図16(h)に示すように、演出表示領域208dに「確変突入」という文字画像を表示するように装飾図柄表示装置208を制御する。これにより、大当り遊技終了後に制御状態が確変状態に移行することが報知される。
「確変突入」という文字が演出表示領域208dに表示されてから所定時間の経過後に、図16(i)に示すように、第1副制御部400は、図16(c)に示すのと同様の報知態様により特図先読み報知を実行する。特図保留数が増加せずに先程と同一態様の特図先読み報知が行われることで、遊技者は、先に実行された特図先読み報知の対象となる保留がまだ残っていることを知ることができる場合がある。遊技者は、図16(f)に示す大当りはおまけ的に与えられたものであることが分かるため喜びが大きくなる場合がある。特図先読み報知態様を複数備えている場合、手前で行った報知演出の種別を所定の領域に記憶し、報知態様を決定する際に再度同一態様が選択されるようにすることにより、同一態様の特図先読み報知を容易に実行できるとともに、第1副制御部400の制御負担が軽減する場合がある。
パチンコ機100の主制御部300は、特図先読み報知および大当り遊技が終了してから所定期間の経過後に、保留順位1に対応付けられた特図乱数値の組を特図乱数値記憶領域から読み出して当否判定するとともに(例えば、15R特別大当り(停止図柄は「特図A」、奥の大当り))、図16(j)に示すように、特図変動遊技を開始するように特図表示装置252を制御する。このとき、特図保留数が1つ減るので、主制御部300は、保留順位1に対応付けられた特図乱数値の組のデータを消去するとともに、残余の特図乱数値の組の保留順位が1ずつ繰り上がるように処理する。この結果、特図保留ランプ250の左から2番目のLEDが消灯する。これに同期して、主制御部300は、特図先読み結果記憶部の記憶領域「先読み結果1」に記憶されたデータを消去するとともに、残余の特図先読み結果のデータの順位が1ずつ繰り上がるように処理する。
また主制御部300はこれに同期して、特図変動遊技の開始、当否判定結果および特図変動遊技の保留数等の情報を含むコマンドを第1副制御部400に送信する。これにより、図16(j)に示すように、装飾図柄表示装置208の左中右図柄表示領域208a〜208cの各領域には、装飾図柄が図中の下向きの矢印に示す方向に順次回転移動する装飾図柄変動表示が開始される。
所定時間の経過後に、図16(k)に示すように、特図表示装置252には、特図Aが停止表示され、左中右図柄表示領域208a、208b、208cには、「装飾7−装飾7−装飾7」が停止表示され、当該特図変動遊技が15R特別大当りであることが報知される。本実施例によるパチンコ機100は、特図変動遊技が大当りに当選したことの報知回数と、特図先読み報知の実行回数とが同数になるため、遊技者の違和感を防止できるようになっている。
本実施例によるパチンコ機100は、第二の始動情報に基づく特図先読み報知(奥の大当りに基づく特図先読み報知)が第一の始動情報に基づく大当りの報知(手前側の大当りに基づく当否判定結果の報知)を挟んで複数回(本例では、2回)実行するようになっている。パチンコ機100は、図16(e)に示す特図変動遊技の契機となる手前側の大当りについての当否判定(第一の始動情報に基づく当否判定の一例)が行われるよりも前に、図16(c)に示す奥の大当りの特図先読み報知(第二の事前予告報知の一例)を行うようになっている。パチンコ機100は、手前側の大当りについての当否判定後であって図16(j)に示す特図変動遊技の契機となる奥の大当りについての当否判定(第二の始動情報に基づく当否判定の一例)が行われるよりも前に、図16(i)に示す奥の大当りの特図先読み報知を行うようになっている。また、パチンコ機100は、複数回実行される特図先読み報知を同一の報知態様で行うようになっている。例えばパチンコ機100は、特図予告報知用役物720およびスピーカ120を用いた同一の報知態様で、図16(c)に示す特図先読み報知と、図16(i)に示す特図先読み報知との両方を実行するようになっている。
次に、本実施の形態の実施例2によるパチンコ機100について図14を参照しつつ図17および図18を用いて説明する。本実施例によるパチンコ機100は入賞順変動の遊技台である。図3および図12を用いて説明したパチンコ機100と同様に、本実施例によるパチンコ機100は、特図1および特図2のそれぞれについて、1個の特図乱数値記憶領域と特図先読み結果記憶部と特図表示装置とを有している。本実施例によるパチンコ機100は、特図1乱数値記憶領域および特図2乱数値記憶領域のそれぞれに特図変動遊技を4個ずつ保留できるので、保留上限数は8個となる。
図17および図18は、本実施例によるパチンコ機100の特図変動遊技の一例を示している。図17(a)〜図18(d)は、本実施例によるパチンコ機100での特図変動遊技における装飾図柄表示装置208の表示状態等を図上方から下方への時系列でそれぞれ示している。また、図17(a)〜図18(d)には、装飾図柄表示装置208、特図1変動遊技の保留状態を示す特図1保留ランプ218および特図1変動遊技を表示する特図1表示装置212並びに特図2変動遊技の保留状態を示す特図2保留ランプ220および特図2変動遊技を表示する特図2表示装置214が示されている。図17(a)〜図18(d)にはそれぞれ、中央に装飾図柄表示装置208が示され、装飾図柄表示装置208の左下方に特図1保留ランプ218および特図2保留ランプ220が並んで示され、その下方に特図1表示装置212および特図2表示装置214が並んで示されている。
また、特図1保留ランプ218は、特図1変動遊技の保留状態を最大4つまで表示できるように4個のLEDで構成されている。特図1保留ランプ218の4個のLEDは、図左から右に向かって順に、保留順序の早い特図1変動遊技に対応している。特図1保留ランプ218は、4個のLEDの左から順に特図1変動遊技の保留数分のLEDを例えば赤色に点灯させ、他を消灯させるようになっている。なお、図において、特図1変動遊技が保留されている状態を薄墨色の丸で表し、保留されていない状態を白丸で表している。
また、特図2保留ランプ220は、特図2変動遊技の保留状態を最大4つまで表示できるように4個のLEDで構成されている。特図2保留ランプ220の4個のLEDは、図左から右に向かって順に、保留順序の早い特図2変動遊技に対応している。特図2保留ランプ220は、4個のLEDの左から順に特図2変動遊技の保留数分のLEDを例えば赤色に点灯させ、他を消灯させるようになっている。なお、図において、特図2変動遊技が保留されている状態を薄墨色の丸で表し、保留されていない状態を白丸で表している。
図17(a)に示すように、制御状態が電サポ状態および特図確変状態において、特図1表示装置212には前回の特図1変動遊技の当否判定結果である特図Mが停止表示され、装飾図柄表示装置208の左中右図柄表示領域208a〜208cには、「装飾7−装飾8−装飾3」が停止表示され、当該特図1変動遊技がはずれであることが報知されている。また、特図2表示装置214には前回の特図1変動遊技よりも前に実行された特図2変動遊技の当否判定結果である特図Mが停止表示されている。
また、前回の特図変動遊技中に例えば入賞順位が1および2の特図2始動情報(特図2乱数値の組)が取得され、入賞順位が3乃至5の特図1始動情報(特図1乱数値の組)が取得されたことに基づいて、特図2保留ランプ220の左から2個のLEDは赤色に発光して特図2変動遊技が2個保留されていることが報知され、特図1保留ランプ218の左から3個のLEDは赤色に発光して特図1変動遊技が3個保留されていることが報知されている。装飾図柄表示装置208の演出表示領域208d内には、特図1変動遊技の保留状態を表示する特図1用保留表示領域801と、特図2変動遊技の保留状態を表示する特図2用保留表示領域802とが設けられている。特図1用保留表示領域801は、装飾図柄表示装置208の表示画面内の左下方に配置され、特図2用保留表示領域802は、当該表示画面内の右下方に配置されている。演出表示領域208d内であって特図1用および特図2用保留表示領域801、802の間には、保留消化演出表示領域803(詳細は後述)が設けられている。
特図2用保留表示領域802には、保留順位が1および2の特図2始動情報が取得されたことに基づいて、保留表示画像702a、702bが表示されている。図17(a)において、保留表示画像702aは保留順位1の特図2始動情報を表示しており、保留表示画像702bは保留順位2の特図2始動情報を表示している。保留順位の早い特図2始動情報に対応する保留表示画像は、特図2用保留表示領域802内で相対的に左側に表示されるようになっている。特図1用保留表示領域801には、保留順位が3乃至5の特図1始動情報が取得されたことに基づいて、保留表示画像701a〜701cが表示されている。図17(a)において、保留表示画像701aは保留順位3の特図1始動情報を表示しており、保留表示画像701bは保留順位4の特図1始動情報を表示しており、保留表示画像702cは保留順位5の特図1始動情報を表示している。保留順位の早い特図1始動情報に対応する保留表示画像は、特図1用保留表示領域801内で相対的に右側に表示されるようになっている。本実施例によるパチンコ機100は、入賞順位と対応付けて特図1および特図2始動情報を特図1および特図2保留領域にそれぞれ記憶するようになっている。
図17(a)に示す時点において、保留された特図1および特図2変動遊技の全ての特図先読み処理は終了している。例えば、特図2用先読み結果記憶部の記憶領域「先読み結果1」には「はずれ図柄(特図M)、保留順位1」が記憶され、記憶領域「先読み結果2」には「16R大当り図柄(特図G)、保留順位2」が記憶され、記憶領域「先読み結果3」および「先読み結果4」には特図停止図柄は記憶されていない。また例えば、特図1用先読み結果記憶部の記憶領域「先読み結果1」には「15R特別大当り図柄(特図A)、保留順位3」が記憶され、記憶領域「先読み結果2」には「はずれ図柄(特図M)、保留順位4」が記憶され、記憶領域「先読み結果3」には「はずれ図柄(特図M)、保留順位5」が記憶され、記憶領域「先読み結果4」には特図停止図柄は記憶されていない。このように、パチンコ機100は、特図1および特図2先読み結果記憶部に、事前判定された特図停止図柄の他に保留順位も記憶するようになっている。
また、現時点において図14に示す第1副制御部演出制御処理は終了しており、第1副制御部400は、特図保留数が増加して特図先読み報知演出の実行可能な契機となり(ステップS801のYes)、特図保留数が5個であって1以上であり(ステップS803のYes)、読み出した特図先読み結果情報に特図Gおよび特図Aが存在して複数の特図先読み報知対象の図柄があり(ステップS805〜ステップS807のYes)、手前側の大当りが特図G、奥の大当りが特図Aであるため、手前側の大当りに基づく特図先読み報知を規制するとともに奥の大当りに基づく特図先読み報知を実行すると判定し(ステップS809〜ステップS811のYes)、現在の制御状態は特図確変状態であって特定遊技状態であると判定し(ステップS813のYes)、奥の大当りは特図1始動情報に基づく事前判定結果であって特定特図1が存在すると判定し(ステップS815のYes)、保留表示画像を用いる特図先読み報知演出を設定する(ステップS817)。
これにより、図17(a)に示すように、第1副制御部400は、保留順位3の特図1始動情報を対応する保留表示画像701aに「熱」の文字画像を表示して特図先読み報知を実行するように装飾図柄表示装置208を制御する。本例の特図先読み報知には保留表示画像が用いられているので、遊技者は大当りに係る特図変動遊技がどこに保留されているのかを特定可能になっている。
パチンコ機100の主制御部300は、特図1表示装置212に特図Mを停止表示してから所定時間の経過後に、保留順位1に対応付けられた特図2乱数値の組を特図2乱数値記憶領域から読み出して当否判定するとともに(例えば、はずれ(停止図柄は「特図M」))、図17(b)に示すように、特図2変動遊技を開始するように特図2表示装置214を制御する。このとき、特図2保留数が1つ減るので、主制御部300は、保留順位1に対応付けられた特図2乱数値の組のデータを消去し、残余の特図1および特図2乱数値の組の保留順位が1ずつ繰り上がるように処理する。この結果、特図保留ランプ220の左から2番目のLEDが消灯する。これに同期して、主制御部300は、特図2用先読み結果記憶部の記憶領域「先読み結果1」に記憶されたデータを消去するとともに、残余の特図先読み結果のデータの順位が1ずつ繰り上がるように処理する。例えば、主制御部300は、特図2用先読み結果記憶部の記憶領域「先読み結果1」には、「16R大当り図柄(特図G)、保留順位1」を記憶し、記憶領域「先読み結果2」乃至「先読み結果4」には特図停止図柄を記憶せず、特図1用先読み結果記憶部の記憶領域「先読み結果1」には「15R特別大当り図柄(特図A)、保留順位2」を記憶し、記憶領域「先読み結果2」には「はずれ図柄(特図M)、保留順位3」を記憶し、記憶領域「先読み結果3」には「はずれ図柄(特図M)、保留順位4」を記憶し、記憶領域「先読み結果4」には特図停止図柄を記憶しないようにRAM308のデータを記憶し直す。
また主制御部300はこれに同期して、特図2変動遊技の開始、当否判定結果および特図1および特図2変動遊技の保留数等の情報を含むコマンドを第1副制御部400に送信する。これにより、図17(b)に示すように、装飾図柄表示装置208の左中右図柄表示領域208a〜208cの各領域には、装飾図柄が図中の下向きの矢印に示す方向に順次回転移動する装飾図柄変動表示が開始される。また、第1副制御部400は、特図2保留数が1減少していることに基づいて、演出表示領域208dに保留消化演出を実行するように装飾図柄表示装置208を制御する。図17(b)に示すように、保留消化演出は、例えば特図2用保留表示領域802に表示中の保留表示画像702aが保留消化演出表示領域803に移動し、保留表示画像702bが保留表示画像702aの表示されていた領域に移動することから開始される。
特図2変動遊技が開始されてから所定時間の経過後に、図17(c)に示すように、特図2表示装置214には、特図Mが停止表示され、左中右図柄表示領域208a、208b、208cには、「装飾4−装飾1−装飾8」が停止表示され、当該特図2変動遊技がはずれであることが報知される。また、第1副制御部400は、左中右図柄表示領域208a、208b、208cには、「装飾4−装飾1−装飾8」が停止表示するのに同期させて、保留消化演出表示領域803に移動した保留表示画像702aを消去して、図17(b)において開始した保留消化演出を終了する。これにより、パチンコ機100は、1個目の特図2始動情報が消化されたことを明示的に遊技者に報知することができるようになっている。
パチンコ機100の主制御部300は、特図2表示装置214に特図Mを停止表示してから所定時間の経過後に、保留順位1に対応付けられた特図2乱数値の組を特図2乱数値記憶領域から読み出して当否判定するとともに(例えば、16R通常大当り(停止図柄は「特図G」、手前側の大当り))、図17(d)に示すように、特図2変動遊技を開始するように特図2表示装置214を制御する。このとき、特図2保留数が1つ減るので、主制御部300は、保留順位1に対応付けられた特図2乱数値の組のデータを消去し、残余の特図1乱数値の組の保留順位が1ずつ繰り上がるように処理する。この結果、特図保留ランプ220の左端のLEDが消灯する。これに同期して、主制御部300は、特図2用先読み結果記憶部の記憶領域「先読み結果1」に記憶されたデータを消去するとともに、残余の特図先読み結果のデータの順位が1ずつ繰り上がるように処理する。例えば、主制御部300は、特図2用先読み結果記憶部の記憶領域「先読み結果1」乃至「先読み結果4」には特図停止図柄を記憶せず、特図1用先読み結果記憶部の記憶領域「先読み結果1」には「15R特別大当り図柄(特図A)、保留順位1」を記憶し、記憶領域「先読み結果2」には「はずれ図柄(特図M)、保留順位2」を記憶し、記憶領域「先読み結果3」には「はずれ図柄(特図M)、保留順位3」を記憶し、記憶領域「先読み結果4」には特図停止図柄を記憶しないようにRAM308のデータを記憶し直す。
また主制御部300はこれに同期して、特図2変動遊技の開始、当否判定結果および特図1および特図2変動遊技の保留数等の情報を含むコマンドを第1副制御部400に送信する。これにより、図17(d)に示すように、装飾図柄表示装置208の左中右図柄表示領域208a〜208cの各領域には、装飾図柄が図中の下向きの矢印に示す方向に順次回転移動する装飾図柄変動表示が開始される。また、第1副制御部400は、特図2保留数が1減少していることに基づいて、演出表示領域208dに保留消化演出を実行し、特図2用保留表示領域802に表示中の保留表示画像702bが保留消化演出表示領域803へ移動を開始し、図17(e)に示すように、保留表示画像702bが保留消化演出表示領域803内に収まる演出を実行するように装飾図柄表示装置208を制御する。
当該特図2変動遊技を開始してから所定時間の経過後に、第1副制御部400は、演出表示領域208dにおいて当該特図2変動遊技の当否判定結果を予告するための予告演出を表示するように装飾図柄表示装置208を制御する。これにより、図17(f)に示すように、装飾図柄表示装置208は、「大盤振舞」の文字画像を演出表示領域208dに表示する。
当該予告演出を開始してから所定時間の経過後に、図17(g)に示すように、特図2表示装置214には、特図Gが停止表示され、左中右図柄表示領域208a、208b、208cには、「装飾6−装飾6−装飾6」が停止表示され、当該特図2変動遊技が16R通常大当りに当選したことが報知される。また、第1副制御部400は、左中右図柄表示領域208a、208b、208cには、「装飾6−装飾6−装飾6」が停止表示するのに同期させて、保留消化演出表示領域803に収まっている保留表示画像702bを消去して、図17(d)において開始した保留消化演出を終了する。これにより、パチンコ機100は、2個目の特図2始動情報が消化されたことを明示的に遊技者に報知することができるようになっている。
特図2表示装置214に特図Gが停止表示されてから所定時間の経過後に、主制御部300は大当り遊技を開始するとともに、入賞演出コマンドを第1副制御部400に送信する。図17(h)に示すように、当該コマンドを受信した第1副制御部400は、16R通常大当りに係る演出を実行する。第1副制御部400は、例えば演出表示領域208d内の左上に1ラウンド目の大当り遊技であることを報知するために「1R」の文字画像を表示し、表示領域内の中央で吉宗がカラオケをしている画像を表示するように装飾図柄表示装置208を制御する。また、第1副制御部400は、保留表示画像701a〜701cおよび保留消化演出表示領域803を非表示状態とするように装飾図柄表示装置208を制御する。
また、第1副制御部400は、例えば大当り遊技の開始コマンドを受信したら、保留表示画像701aにより報知されている奥の大当りの2回目の特図先読み報知を例えば特図予告報知用役物720およびスピーカ120を用いる報知態様に設定する。
その後、大当り遊技は継続され、第1副制御部400は、大当り遊技のラウンド数が16Rであるという情報を含むコマンドを受信すると、図18(a)に示すように、大当り遊技終了演出を実行するように装飾図柄表示装置208を制御する。例えば、装飾図柄表示装置208は、「時短突入またね!」という文字画像と、その右隣で手を振る吉宗の画像と演出表示領域208dに表示する。これにより、パチンコ機100は、大当り遊技終了後に制御状態が時短状態に移行することを報知するようになっている。
大当り遊技終了演出が開始されてから所定時間の経過後に、図18(b)に示すように、第1副制御部400は、特図予告報知用役物720が装飾図柄表示装置208の上方から前面に降りてきて、「時短突入またね!」という文字画像の手前で停止するとともに、特図予告報知用役物720の降下に驚く吉宗の画像を演出表示領域208dに表示する。さらに、第1副制御部400は、スピーカ120から「キーン」という音声を出力する。これにより、第1副制御部400は、特図先読み報知を実行するようになっている。本実施例によるパチンコ機100は、図17(a)に示す時点において大当りの期待できる保留を明示する報知態様で特図先読み報知を実行し、大当り遊技終了後に再度行われる特図先読み報知態様については特図先読み対象を特定させないような報知態様で行う。このように、パチンコ機100は、2回目の報知対象を特定不能な態様とすることにより、さらに大当りに係る特図変動遊技が保留されているかも知れないという遊技者の期待感を高めることができる場合がある。
主制御部300は、特図先読み報知および大当り遊技が終了してから所定期間の経過後に、保留順位1に対応付けられた特図1乱数値の組を特図1乱数値記憶領域から読み出して当否判定するとともに(例えば、15R特別大当り(停止図柄は「特図A」、奥の大当り)、図18(c)に示すように、特図1変動遊技を開始するように特図1表示装置212を制御する。このとき、特図1保留数が1つ減るので、主制御部300は、保留順位1に対応付けられた特図1乱数値の組のデータを消去し、残余の特図1乱数値の組の保留順位が1ずつ繰り上がるように処理する。この結果、特図1保留ランプ218の左から3番目のLEDが消灯する。これに同期して、主制御部300は、特図1用先読み結果記憶部の記憶領域「先読み結果1」に記憶されたデータを消去するとともに、残余の特図先読み結果のデータの順位が1ずつ繰り上がるように処理する。例えば、主制御部300は、特図1用先読み結果記憶部の記憶領域「先読み結果1」には「はずれ図柄(特図M)、保留順位1」を記憶し、記憶領域「先読み結果2」には「はずれ図柄(特図M)、保留順位2」を記憶し、記憶領域「先読み結果3」および「記憶領域4」には特図停止図柄を記憶しないようにRAM308のデータを記憶し直す。
また主制御部300はこれに同期して、特図1変動遊技の開始、当否判定結果および特図1および特図2変動遊技の保留数等の情報を含むコマンドを第1副制御部400に送信する。これにより、図18(c)に示すように、装飾図柄表示装置208の左中右図柄表示領域208a〜208cの各領域には、装飾図柄が図中の下向きの矢印に示す方向に順次回転移動する装飾図柄変動表示が開始される。また、第1副制御部400は、特図1保留数が1減少していることに基づいて、演出表示領域208dに保留消化演出を実行し、特図1用保留表示領域801に表示中の保留表示画像701aが保留消化演出表示領域803へ移動する演出を開始する。第1副制御部400は、大当り遊技終了コマンドの受信に基づいて、保留表示画像701aに表示されていた「熱」の文字画像を消去し、保留表示画像701aをデフォルト表示である白丸の画像に戻すように装飾図柄表示装置208を制御する。パチンコ機100は、特図先読み報知を行っている保留表示画像701aをデフォルト表示に戻すことにより、「他にも期待できる保留があるのでは?」と遊技者に期待を持たせることができる場合がある。また、図18(c)に示すように、パチンコ機100は、当該特図1変動遊技中に特図2始動情報が2個取得されたことに基づいて、特図2保留ランプ220の左から2つのLEDを赤色に点灯するとともに、特図2保留表示領域802に保留表示画像702a、702bを表示する。
当該特図1変動遊技を開始してから所定時間の経過後に、図18(d)に示すように、特図1表示装置212には、特図Aが停止表示され、左中右図柄表示領域208a、208b、208cには、「装飾7−装飾7−装飾7」が停止表示され、当該特図1変動遊技が15R特別大当りに当選したことが報知される。また、第1副制御部400は、左中右図柄表示領域208a、208b、208cに「装飾7−装飾7−装飾7」を停止表示するのに同期させて、保留消化演出表示領域803に収まっている保留表示画像701aを消去して、図18(c)において開始した保留消化演出を終了する。これにより、パチンコ機100は、1個目の特図1始動情報が消化されたことを明示的に遊技者に報知することができるようになっている。
本実施例によるパチンコ機100は、同一の大当りに対し、報知対象が特定可能な態様で1回目の特図先読み報知を実行し、当該報知対象が特定不能な態様で2回目の特図先読み報知を実行するようになっている。パチンコ機100は、2回目の特図先読み報知対象の保留を不明瞭にすることにより他の保留に対する遊技者の期待感を向上させることができる場合がある。また、パチンコ機100は、手前側の大当りについてはあえて特図先読み報知を実行せずに奥の大当りを特定可能な態様で特図先読み報知を実行するようになっている。これにより、遊技者は、奥の大当りの特図先読み報知に注目するとともにそれ以前に保留された特図変動遊技に対して余り期待しなくなるので、手前側の大当りが報知されたことによる驚きや喜びが大きくなる場合がある。
図19は、パチンコ機100が特図2優先変動の遊技台である場合の特図2の図柄決定用テーブルを示している。なお、パチンコ機100が特図2優先変動の遊技台である場合の特図1の図柄決定用テーブルは図7(c)に示すテーブルが用いられる。図19に示すように特図2の図柄決定用テーブルは、左列から「当否判定結果」、「図柄乱数の範囲」、「停止図柄」の項目で構成されている。左列の「当否判定結果」は「大当り」および「はずれ」に区分されている。「大当り」は図7(a)および図7(b)に示す特図当否判定用テーブルを用いた当否判定の結果、「大当り」と判定された場合を示し、「はずれ」は特図当否判定用テーブルを用いた当否判定の結果、「はずれ」と判定された場合を示している。
図19示すテーブルの中列の項目「図柄乱数の範囲」は、取得した当り時用特図決定用乱数値またははずれ図柄決定用乱数値と比較する乱数の数値範囲を示している。「図柄乱数の範囲」は、左列「当否判定結果」の項目「大当り」に対応して、数値0〜49、数値50〜59、数値60〜69、数値70〜79および数値80〜99の5個に区分され、「はずれ」は数値0〜99に対応して区分されていない。
図19に示すテーブルの右列の項目「停止図柄」は、特図2変動遊技における停止図柄を表している。「停止図柄」は、「大当り」かつ図柄乱数の範囲が数値0〜49に対応して「特図A」、数値50〜59に対応して「特図D」、数値60〜69に対応して「特図E」、数値70〜79に対応して「特図F」、数値80〜99に対応して「特図G」の停止図柄態様がそれぞれ割り当てられている。また、「停止図柄」は、「はずれ」かつ図柄乱数の範囲が数値0〜99に対応して「特図M」の停止図柄態様が割り当てられている。
主制御部300の基本回路302は、特図2始動口232への入球に基づく当否判定結果が大当りの場合、特図2表示装置214に特図Aおよび特図D〜特図Gのいずれの停止図柄態様を停止表示させるかを、取得した当り時用特図決定用乱数値に対して特図決定用テーブルを参照して決定する。当り時用特図決定用乱数値の数値範囲は0〜99(数値範囲の大きさは100)であるから、特図変動遊技が大当りに当選する場合の特図Aが選択される確率は1/2(=50/100)、特図D〜特図Fが選択される確率は1/10(=10/100)、特図Gが選択される確率は1/5(=20/100)である。パチンコ機100が特図2優先変動の遊技台である場合には、小当り、JUB、ラウンド昇格および4R大当りが特図2の停止図柄として選択されないようになっている。このため、パチンコ機100は特図2が特図1よりも確実に有利となるように設定されている。
主制御部300の基本回路302は、特図2始動口232への入球に基づく当否判定結果がはずれの場合、図柄決定用テーブルの図柄乱数の範囲が振り分けられていないので、取得した当り時用特図決定用乱数値に関わらず、特図2表示装置214に特図Mを停止表示するようになっている。
次に、本実施の形態の実施例3によるパチンコ機100について図14を参照しつつ図20および図21を用いて説明する。本実施例によるパチンコ機100は特図2優先変動の遊技台である。図3および図12を用いて説明したパチンコ機100と同様に、本実施例によるパチンコ機100は、特図1および特図2のそれぞれについて、1個の特図乱数値記憶領域と特図先読み結果記憶部と特図表示装置とを有している。本実施例によるパチンコ機100は、特図1乱数値記憶領域および特図2乱数値記憶領域のそれぞれに特図変動遊技を4個ずつ保留できるので、保留上限数は8個となる。
図20および図21は、本実施例によるパチンコ機100の特図変動遊技の一例を示している。図20(a)〜図21(d)は、本実施例によるパチンコ機100での特図変動遊技における装飾図柄表示装置208の表示状態等を図上方から下方への時系列でそれぞれ示している。また、図20(a)〜図21(d)には、装飾図柄表示装置208、特図1変動遊技の保留状態を示す特図1保留ランプ218および特図1変動遊技を表示する特図1表示装置212並びに特図2変動遊技の保留状態を示す特図2保留ランプ220および特図2変動遊技を表示する特図2表示装置214が示されている。図20(a)〜図21(d)にはそれぞれ、中央に装飾図柄表示装置208が示され、装飾図柄表示装置208の左下方に特図1保留ランプ218および特図2保留ランプ220が並んで示され、その下方に特図1表示装置212および特図2表示装置214が並んで示されている。
また、特図1保留ランプ218は、特図1変動遊技の保留状態を最大4つまで表示できるように4個のLEDで構成されている。特図1保留ランプ218の4個のLEDは、図左から右に向かって順に、保留順序の早い特図1変動遊技に対応している。特図1保留ランプ218は、4個のLEDの左から順に特図1変動遊技の保留数分のLEDを例えば赤色に点灯させ、他を消灯させるようになっている。なお、図において、特図1変動遊技が保留されている状態を薄墨色の丸で表し、保留されていない状態を白丸で表している。
また、特図2保留ランプ220は、特図2変動遊技の保留状態を最大4つまで表示できるように4個のLEDで構成されている。特図2保留ランプ220の4個のLEDは、図左から右に向かって順に、保留順序の早い特図2変動遊技に対応している。特図2保留ランプ220は、4個のLEDの左から順に特図2変動遊技の保留数分のLEDを例えば赤色に点灯させ、他を消灯させるようになっている。なお、図において、特図2変動遊技が保留されている状態を薄墨色の丸で表し、保留されていない状態を白丸で表している。
図20(a)に示すように、特図2表示装置214が特図2変動遊技を実行するとともに、装飾図柄表示装置208の左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208b、右図柄表示領域208cの各領域には装飾図柄が図中の下向きの矢印に示す方向に順次回転移動する装飾図柄変動表示が実行されている。特図1表示装置212には、以前に実行された特図1変動遊技に係る停止図柄「特図M」の停止表示が維持されている。また、このとき、特図1保留ランプ218の4個のLEDが消灯状態であって特図1変動遊技が保留されていない。一方、特図2保留ランプ220の4個のLEDが点灯状態であって特図2変動遊技が4つ保留されている。
装飾図柄表示装置208の演出表示領域208d内の左側には、特図1変動遊技の保留状態を表示する特図1用保留表示領域801と、特図2変動遊技の保留状態を表示する特図2用保留表示領域802とが並んで設けられている。特図1用保留表示領域801は、縦長長方形画像と、当該縦長長方形画像の最下端に備えられ特図1の保留であることを明示するための「1」の文字画像とを有している。特図2用保留表示領域802は、縦長長方形画像と、当該縦長長方形画像の最下端に備えられ特図2の保留であることを明示するための「2」の文字画像とを有している。特図2変動遊技は4個保留されているので、特図2用保留表示領域802には、保留表示画像702a〜702dが表示されている。図20(a)では、保留表示画像702a〜702dは例えばデフォルト表示の円形の画像で表されている。保留順位が早い保留は特図2用保留表示領域802内の下側に表示されるようになっている。したがって、保留表示画像702aが最も早く保留された特図2変動遊技を表し、保留表示画像702dが最も遅く保留された特図2変動遊技を表している。
図20(a)に示す時点において、保留された特図2変動遊技の全ての特図先読み処理は終了している。例えば、特図2用先読み結果記憶部の記憶領域「先読み結果1」には「はずれ図柄(特図M)」が記憶され、記憶領域「先読み結果2」には「15R特別大当り図柄(特図A)」が記憶され、記憶領域「先読み結果3」には「15R特別大当り図柄(特図A)」が記憶され、「先読み結果4」には「はずれ図柄(特図M)」が記憶されている。
また、現時点において図14に示す第1副制御部演出制御処理は終了しており、第1副制御部400は、特図2保留数が増加して特図先読み報知演出の実行可能な契機となり(ステップS801のYes)、特図2保留数が4個であって1以上であり(ステップS803のYes)、読み出した特図先読み結果情報に特図Aが2つ存在して複数の特図先読み報知対象の図柄があり(ステップS805〜ステップS807のYes)、手前側の大当りが特図A、奥の大当りも特図Aであるため、手前側の大当りに基づく特図先読み報知を規制するとともに奥の大当りに基づく特図先読み報知を実行すると判定し(ステップS809〜ステップS811のYes)、現在の制御状態は電サポ中であると判定し(ステップS813のNo)、例えば奥の大当りは特図2始動情報に基づく事前判定結果であって特定特図2が存在すると判定し(ステップS819のYes)、装飾図柄表示装置208を用いる特図先読み報知を設定する(ステップS821)。
特図2変動遊技が開始されてから所定時間の経過後に、図21(b)に示すように、特図2表示装置214には、特図Mが停止表示され、左中右図柄表示領域208a、208b、208cには、「装飾6−装飾7−装飾1」が停止表示され、当該特図2変動遊技がはずれであることが報知される。
パチンコ機100の主制御部300は、特図2表示装置214に特図Mを停止表示してから所定時間の経過後に、最先に取得された特図2乱数値の組を特図2乱数値記憶領域から読み出して当否判定するとともに(例えば、はずれ(停止図柄は「特図M」))、図20(c)に示すように、特図2変動遊技を開始するように特図2表示装置214を制御する。このとき、特図2保留数が1つ減るので、主制御部300は、最先に取得された特図2乱数値の組のデータを消去し、残余の特図2乱数値の組の保留順位が1ずつ繰り上がるように処理する。この結果、特図保留ランプ220の右端のLEDが消灯する。これに同期して、主制御部300は、特図2用先読み結果記憶部の記憶領域「先読み結果1」に記憶されたデータを消去するとともに、残余の特図先読み結果のデータの順位が1ずつ繰り上がるように処理する。例えば、主制御部300は、特図2用先読み結果記憶部の記憶領域「先読み結果1」および「先読み結果2」には「15R特別大当り図柄(特図A)」をそれぞれ記憶し、記憶領域「先読み結果3」には「はずれ図柄(特図M)を記憶し、「先読み結果4」には特図停止図柄を記憶しないようにRAM308のデータを記憶し直す。
また主制御部300はこれに同期して、特図2変動遊技の開始、当否判定結果および特図1および特図2変動遊技の保留数等の情報を含むコマンドを第1副制御部400に送信する。これにより、図20(c)に示すように、装飾図柄表示装置208の左中右図柄表示領域208a〜208cの各領域には、装飾図柄が図中の下向きの矢印に示す方向に順次回転移動する装飾図柄変動表示が開始される。また、第1副制御部400は、特図2保留数が1減少していることに基づいて、保留表示画像702dを非表示状態とするように装飾図柄表示装置208を制御する。さらに第1副制御部400は、姫様と長方形枠内に「チャンス!」という文字とを表した画像を演出表示領域208dに表示するように装飾図柄表示装置208を制御する。
特図2変動遊技が開始されてから所定時間の経過後に、図20(d)に示すように、特図2表示装置214には、特図Mが停止表示され、左中右図柄表示領域208a、208b、208cには、「装飾7−装飾1−装飾1」が停止表示され、当該特図2変動遊技がはずれであることが報知される。本実施例では、装飾図柄の「装飾7−装飾1−装飾1」の組合せは前兆図柄であって、これ自体が特図先読み報知である。当該特図先読み報知は、保留全体を対象としており報知対象を特定しない態様になっている。
パチンコ機100の主制御部300は、特図2表示装置214に特図Mを停止表示してから所定時間の経過後に、最先に記憶された特図2乱数値の組を特図2乱数値記憶領域から読み出して当否判定するとともに(例えば、15R特別大当り(停止図柄は「特図A」、手前側の大当り))、図20(e)に示すように、特図2変動遊技を開始するように特図2表示装置214を制御する。このとき、特図2保留数が1つ減るので、主制御部300は、最先に記憶された特図2乱数値の組のデータを消去し、残余の特図2乱数値の組の保留順位が1ずつ繰り上がるように処理する。この結果、特図保留ランプ220の左から3番目のLEDが消灯する。これに同期して、主制御部300は、特図2用先読み結果記憶部の記憶領域「先読み結果1」に記憶されたデータを消去するとともに、残余の特図先読み結果のデータの順位が1ずつ繰り上がるように処理する。例えば、主制御部300は、特図2用先読み結果記憶部の記憶領域「先読み結果1」には「15R特別大当り図柄(特図A)」を記憶し、記憶領域「先読み結果2」には「はずれ図柄(特図M)」を記憶し、「記憶領域「先読み結果3」および「先読み結果4」には特図停止図柄を記憶しないようにRAM308のデータを記憶し直す。
また主制御部300はこれに同期して、特図2変動遊技の開始、当否判定結果および特図1および特図2変動遊技の保留数等の情報を含むコマンドを第1副制御部400に送信する。これにより、図20(e)に示すように、装飾図柄表示装置208の左中右図柄表示領域208a〜208cの各領域には、装飾図柄が図中の下向きの矢印に示す方向に順次回転移動する装飾図柄変動表示が開始される。また、第1副制御部400は、特図2保留数が1減少していることに基づいて、保留表示画像702cを非表示状態とするように装飾図柄表示装置208を制御する。さらに第1副制御部400は、吉宗の顔を表した画像を演出表示領域208dに表示するように装飾図柄表示装置208を制御する。
当該特図2変動遊技を開始してから所定時間の経過後に、図20(f)に示すように、特図2表示装置214には、特図Aが停止表示され、左中右図柄表示領域208a、208b、208cには、「装飾7−装飾7−装飾7」が停止表示され、当該特図2変動遊技が15R特別大当りに当選したことが報知される。また、第1副制御部400は、演出表示領域208dに、「装飾7−装飾7−装飾7」が表示されたことに気付く吉宗の顔を表した画像を表示するように装飾図柄表示装置208を制御する。その後、演出表示領域208dには、「大当り」という文字画像と、その下で万歳をする吉宗を表した画像とを表示して、当該特図2変動遊技が15R特別大当りに当選したことを示す演出が実行される。パチンコ機100は、図20(d)において実行した特図先読み報知が当該大当りを対象としており奥の大当りを対象としているとは遊技者に気付かせないようになっている。
特図2表示装置214に特図Aが停止表示されてから所定時間の経過後に、主制御部300は、大当り遊技を開始するとともに、入賞演出コマンドを第1副制御部400に送信する。図20(h)に示すように、当該コマンドを受信した第1副制御部400は、15R特別大当りに係る演出を実行する。第1副制御部400は、例えば演出表示領域208d内の左上に1ラウンド目の大当り遊技であることを報知するための「1R」の文字画像と、その右隣の「吉宗が100点をとると…?」の文字画像と、その下側でカラオケをしている吉宗の画像と、その左隣の得点ボートの画像とを表示するように装飾図柄表示装置208を制御する。大当り遊技中に実行される吉宗がカラオケをしている演出は、後程実行される奥の大当りに基づく特図先読み報知の煽り演出である。この煽り演出は大当り遊技中に必ず実行されるようになっていてもよいし、例えば所定の抽選により実行されるようになっていてもよい。すでに特図先読み報知が実行済みであり、当該報知が複数回実行されない限り、遊技者は、その特図先読み報知後に保留の増加がなければ再度行われた特図先読み報知演出に期待し難い。本実施例によるパチンコ機100は、大当り遊技中の煽り演出により特図先読み報知が再度成功する可能性を高めることができるので、残りの保留に対する遊技者の期待を維持することができる場合がある。
図21(a)に示すように、その後大当り遊技は継続され、大当り遊技のラウンド数が15Rになると、得点ボードに「100」が表され、吉宗が万歳をし、さらに千両箱を表示して吉宗がカラオケで100点をとったことを報知する煽り演出が実行される。
図21(b)に示すように、第1副制御部400は、大当り終了コマンドを受信すると、「大当り終了またね!」の文字画像と、吉宗が手を振る画像とを演出表示領域208dに表示するように装飾図柄表示装置208を制御する。これにより、大当り遊技が終了することを遊技者に報知できる。また、第1副制御部400は、保留表示画像702aを白丸の画像から千両箱の画像に変更するように装飾図柄表示装置208を制御する。これにより、パチンコ機100は、報知対象を明示した態様で特図先読み報知を実行するようになっている。本実施例によるパチンコ機100は、奥の大当りに対して実行する1回目の特図先読み報知を保留全体を対象とする態様(報知対象を特定不能な態様)で実行し、2回目の特図先読み報知を一の保留に報知対象を絞った態様(報知対象を特定可能な態様)で実行するようになっている。このように、報知対象を段階的に明らかにすることにより、パチンコ機100は遊技者の期待感を当該保留の特図2変動遊技に集中させることができる場合がある。
主制御部300は、大当り遊技を終了してから所定時間の経過後に、最先に記憶された特図2乱数値の組を特図2乱数値記憶領域から読み出して当否判定するとともに(例えば、15R特別大当り(停止図柄は「特図A」、奥の大当り))、図21(c)に示すように、特図2変動遊技を開始するように特図2表示装置214を制御する。このとき、特図2保留数が1つ減るので、主制御部300は、最先に記憶された特図2乱数値の組のデータを消去し、残余の特図2乱数値の組の保留順位が1ずつ繰り上がるように処理する。この結果、特図2保留ランプ220の左から2番目のLEDが消灯する。これに同期して、主制御部300は、特図2用先読み結果記憶部の記憶領域「先読み結果1」に記憶されたデータを消去するとともに、残余の特図先読み結果のデータの順位が1ずつ繰り上がるように処理する。例えば、主制御部300は、特図2用先読み結果記憶部の記憶領域「先読み結果1」には「はずれ図柄(特図M)」を記憶し、記憶領域「先読み結果2」乃至「記憶領域4」には特図停止図柄を記憶しないようにRAM308のデータを記憶し直す。
また主制御部300はこれに同期して、特図2変動遊技の開始、当否判定結果および特図1および特図2変動遊技の保留数等の情報を含むコマンドを第1副制御部400に送信する。これにより、図21(c)に示すように、装飾図柄表示装置208の左中右図柄表示領域208a〜208cの各領域には、装飾図柄が図中の下向きの矢印に示す方向に順次回転移動する装飾図柄変動表示が開始される。また、第1副制御部400は、特図2保留数が1減少していることに基づいて、保留表示画像702bを非表示状態とするとともに、保留表示画像702aを千両箱の画像から白丸の画像に変更するように装飾図柄表示装置208を制御する。
当該特図2変動遊技を開始してから所定時間の経過後に、図21(d)に示すように、特図2表示装置214には、特図Aが停止表示され、左中右図柄表示領域208a、208b、208cには、「装飾7−装飾7−装飾7」が停止表示され、当該特図2変動遊技が15R特別大当りに当選したことが報知される。
以上説明したように、パチンコ機100が特図2優先変動の遊技台の場合には、事前予告手段は、特図2乱数値記憶領域に、第一の始動情報(手前側の大当り)および第二の始動情報(奥の大当り)が記憶され、かつ第一の始動情報が第二の始動情報よりも先に当否判定手段による当否判定が行われるよう記憶されている場合に、手前側の大当りについての特図先読み報知を行わずに、奥の大当りについての特図先読み報知を行うようになっている。
次に、本実施の形態の実施例4によるパチンコ機100について図14を参照しつつ図22および図23を用いて説明する。本実施例によるパチンコ機100は特図2優先変動の遊技台である。実施例3によるパチンコ機100と同様に、本実施例によるパチンコ機100は、特図1および特図2のそれぞれについて、1個の特図乱数値記憶領域と特図先読み結果記憶部と特図表示装置とを有している。本実施例によるパチンコ機100は、特図1乱数値記憶領域および特図2乱数値記憶領域のそれぞれに特図変動遊技を4個ずつ保留できるので、保留上限数は8個となる。
図22および図23は、本実施例によるパチンコ機100の特図変動遊技の一例を示している。図22(a)〜図23(c)は、本実施例によるパチンコ機100での特図変動遊技における装飾図柄表示装置208の表示状態等を図上方から下方への時系列でそれぞれ示している。また、図22(a)〜図23(c)には、装飾図柄表示装置208、特図1変動遊技の保留状態を示す特図1保留ランプ218および特図1変動遊技を表示する特図1表示装置212並びに特図2変動遊技の保留状態を示す特図2保留ランプ220および特図2変動遊技を表示する特図2表示装置214が示されている。図22(a)〜図23(c)にはそれぞれ、中央に装飾図柄表示装置208が示され、装飾図柄表示装置208の左下方に特図1保留ランプ218および特図2保留ランプ220が並んで示され、その下方に特図1表示装置212および特図2表示装置214が並んで示されている。
また、特図1保留ランプ218は、特図1変動遊技の保留状態を最大4つまで表示できるように4個のLEDで構成されている。特図1保留ランプ218の4個のLEDは、図左から右に向かって順に、保留順序の早い特図1変動遊技に対応している。特図1保留ランプ218は、4個のLEDの左から順に特図1変動遊技の保留数分のLEDを例えば赤色に点灯させ、他を消灯させるようになっている。なお、図において、特図1変動遊技が保留されている状態を薄墨色の丸で表し、保留されていない状態を白丸で表している。
また、特図2保留ランプ220は、特図2変動遊技の保留状態を最大4つまで表示できるように4個のLEDで構成されている。特図2保留ランプ220の4個のLEDは、図左から右に向かって順に、保留順序の早い特図2変動遊技に対応している。特図2保留ランプ220は、4個のLEDの左から順に特図2変動遊技の保留数分のLEDを例えば赤色に点灯させ、他を消灯させるようになっている。なお、図において、特図2変動遊技が保留されている状態を薄墨色の丸で表し、保留されていない状態を白丸で表している。
図22(a)に示すように、特図2表示装置214が特図2変動遊技を実行するとともに、装飾図柄表示装置208の左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208b、右図柄表示領域208cの各領域には装飾図柄が図中の下向きの矢印に示す方向に順次回転移動する装飾図柄変動表示が実行されている。特図1表示装置212には、以前に実行された特図1変動遊技に係る停止図柄「特図M」の停止表示が維持されている。また、このとき、特図1保留ランプ218の2個のLEDが点灯状態であって特図1変動遊技が2つ保留されている。特図2保留ランプ220の3個のLEDが点灯状態であって特図2変動遊技が3つ保留されている。
装飾図柄表示装置208の演出表示領域208d内の左側には、上記実施例3によるパチンコ機100と同じ表示態様の特図1用保留表示領域801と、特図2用保留表示領域802とが並んで設けられている。特図1用保留表示領域801には、保留表示画像701a、701bが表示されて特図1変動遊技が2個保留されていることが示されている。特図2用保留表示領域802には、保留表示画像702a〜702cが表示されて特図2変動遊技が3個保留されていることが示されている。図22(a)では、保留表示画像701a、701b、702a〜702cは例えばデフォルト表示の円形の画像で表されている。保留順位が早い保留は特図1用保留表示領域801内および特図2用保留表示領域802内の下側にそれぞれ表示されるようになっている。したがって、保留表示画像701aが最も早く保留された特図1変動遊技を表し、保留表示画像701bが最も遅く保留された特図1変動遊技を表している。また、保留表示画像702aが最も早く保留された特図2変動遊技を表し、保留表示画像702cが最も遅く保留された特図2変動遊技を表している。
図22(b)に示すように、当該特図2変動遊技の実行期間中に特図2始動情報が取得され、特図2用保留表示領域802には、保留表示画像702dが表示されている。図22(b)に示す時点において、保留された特図1および特図2変動遊技の全ての特図先読み処理は終了している。例えば、特図1用先読み結果記憶部の記憶領域「先読み結果1」および「先読み結果2」には「はずれ図柄(特図M)」がそれぞれ記憶され、記憶領域「先読み結果3」および「先読み結果4」には特図停止図柄が記憶されていない。特図2用先読み結果記憶部の記憶領域「先読み結果1」には「15R特別大当り図柄(特図A)」が記憶され、記憶領域「先読み結果2」および「先読み結果3」には「はずれ図柄(特図M)」が記憶され、「先読み結果4」には「15R特別大当り図柄(特図A)」が記憶されている。
また、現時点において図14に示す第1副制御部演出制御処理は終了しており、第1副制御部400は、特図2保留数が増加して特図先読み報知演出の実行可能な契機となり(ステップS801のYes)、特図1および特図2保留数の合計が6個であって1以上であり(ステップS803のYes)、読み出した特図先読み結果情報に特図Aが2つ存在して複数の特図先読み報知対象の図柄があり(ステップS805〜ステップS807のYes)、手前側の大当りが特図A、奥の大当りも特図Aであるため、手前側の大当りに基づく特図先読み報知を規制するとともに奥の大当りに基づく特図先読み報知を実行すると判定し(ステップS809〜ステップS811のYes)、現在の制御状態は電サポ中であると判定し(ステップS813のNo)、例えば奥の大当りは特図2始動情報に基づく事前判定結果であって特定特図2が存在すると判定し(ステップS819のYes)、装飾図柄表示装置208を用いる特図先読み報知を設定する(ステップS821)。これにより、図22(b)に示すように、第1副制御部400は、奥の大当り(特図2用先読み結果記憶領域の記憶領域「先読み結果4」に記憶された特図A)を報知対象とする特図先読み報知を実行するために、保留表示画像702dの表示態様が白丸のデフォルト表示から白丸の中に「熱」の文字画像が表示されるように装飾図柄表示装置208を制御する。この「熱」の文字を用いる特図先読み報知は、4個目に保留されている特図2変動遊技が大当りを期待させることを示しており、大当り確定を示していない。
特図2変動遊技が開始されてから所定時間の経過後に、図22(c)に示すように、特図2表示装置214には、特図Mが停止表示され、左中右図柄表示領域208a、208b、208cには、「装飾4−装飾1−装飾7」が停止表示され、当該特図2変動遊技がはずれであることが報知される。
パチンコ機100の主制御部300は、特図2表示装置214に特図Mを停止表示してから所定時間の経過後に、最先に取得された特図2乱数値の組を特図2乱数値記憶領域から読み出して当否判定するとともに(例えば、手前側の大当り(停止図柄は「特図A」))、図22(d)に示すように、特図2変動遊技を開始するように特図2表示装置214を制御する。このとき、特図2保留数が1つ減るので、主制御部300は、最先に取得された特図2乱数値の組のデータを消去し、残余の特図2乱数値の組の保留順位が1ずつ繰り上がるように処理する。この結果、特図保留ランプ220の右端のLEDが消灯する。これに同期して、主制御部300は、特図2用先読み結果記憶部の記憶領域「先読み結果1」に記憶されたデータを消去するとともに、残余の特図先読み結果のデータの順位が1ずつ繰り上がるように処理する。例えば、主制御部300は、特図2用先読み結果記憶部の記憶領域「先読み結果1」および「先読み結果2」には「はずれ図柄(特図M)」をそれぞれ記憶し、記憶領域「先読み結果3」には「15R特別大当り図柄(特図A)」を記憶し、「先読み結果4」には特図停止図柄を記憶しないようにRAM308のデータを記憶し直す。
また主制御部300はこれに同期して、特図2変動遊技の開始、当否判定結果および特図1および特図2変動遊技の保留数等の情報を含むコマンドを第1副制御部400に送信する。これにより、図22(d)に示すように、装飾図柄表示装置208の左中右図柄表示領域208a〜208cの各領域には、装飾図柄が図中の下向きの矢印に示す方向に順次回転移動する装飾図柄変動表示が開始される。また、第1副制御部400は、特図2保留数が1減少していることに基づいて、保留表示画像702dを非表示状態とするとともに、保留表示画像702cに「熱」の文字画像を表示するように装飾図柄表示装置208を制御する。さらに第1副制御部400は、当該特図2変動遊技の予告演出を実行するために、吉宗の顔を表した画像を演出表示領域208dに表示するように装飾図柄表示装置208を制御する。
当該特図2変動遊技を開始してから所定時間の経過後に、図22(e)に示すように、特図2表示装置214には、特図Aが停止表示され、左中右図柄表示領域208a、208b、208cには、「装飾7−装飾7−装飾7」が停止表示され、当該特図2変動遊技が15R特別大当りに当選したことが報知される。また、第1副制御部400は、演出表示領域208dに、「装飾7−装飾7−装飾7」が表示されたことに気付く吉宗の顔を表した画像を表示するように装飾図柄表示装置208を制御する。
特図2表示装置214に特図Aが停止表示されてから所定時間の経過後に、主制御部300は、大当り遊技を開始するとともに、入賞演出コマンドを第1副制御部400に送信する。図22(f)に示すように、当該コマンドを受信した第1副制御部400は、15R特別大当りに係る演出を実行する。第1副制御部400は、例えば演出表示領域208dに「大当り」の文字画像を表示し、保留表示画像701a、701b、702a〜702cおよび特図1用および特図2用保留表示領域801、802を非表示とするように装飾図柄表示装置208を制御する。
その後大当り遊技が継続して実行され、例えば5R目になると、図22(g)に示すように、第1副制御部400は、例えば演出表示領域208d内の左上に5ラウンド目の大当り遊技であることを報知するための「5R」の文字画像と、ほぼ中央に「大盤振舞チャンス!」の文字画像とを表示するように装飾図柄表示装置208を制御する。さらに、第1副制御部400は、保留表示画像701a、701b、702a〜702cおよび特図1用および特図2用保留表示領域801、802を再表示するように装飾図柄表示装置208を制御する。「大盤振舞チャンス!」を表示する演出は、大当り遊技中に実行され、保留内に大当りが存在すると所定の確率で実行されるようになっている。
さらに所定時間が経過すると、図22(h)に示すように、第1副制御部400は、「大盤振舞チャンス!」を「大盤振舞で保留を書きかえろ!」に変更するように装飾図柄表示装置208を制御する。また、大当り遊技中に特図2始動情報が取得されたことに基づいて、特図2保留ランプ220の右端のLEDが点灯状態となり、特図2用保留表示領域802には保留表示画像702dが表示されている。
その後大当り遊技が継続して実行され、例えば6R目になると、図23(a)に示すように、第1副制御部400は、例えば演出表示領域208d内の左上に6R目の大当り遊技であることを報知するための「6R」の文字画像と、ほぼ中央に吉宗が千両箱を投げて大盤振舞をしている画像とを表示するように装飾図柄表示装置208を制御する。図23(b)に示すように、その後、第1副制御部400は、保留表示画像701a、701b、702a〜702dおよび特図1用および特図2用保留表示領域801、802を非表示にするとともに、刻み目枠内に「ドカーン」の文字を表した画像を表示するように装飾図柄表示装置208を制御する。
その後大当り遊技が継続して実行され、例えば7R目になると、図23(c)に示すように、第1副制御部400は、例えば演出表示領域208d内の左上に7R目の大当り遊技であることを報知するための「7R」の文字画像と、ほぼ中央に親指を立ててガッツポーズをする吉宗の画像とを表示するように装飾図柄表示装置208を制御する。さらに、第1副制御部400は、保留表示画像701a、701b、702a〜702dおよび特図1用および特図2用保留表示領域801、802を再表示するするように装飾図柄表示装置208を制御する。第1副制御部400は、保留表示画像702cを再表示する際に、白丸の画像および「熱」の文字画像から大当り確定を示唆する家紋の画像に変更するように装飾図柄表示装置208を制御する。このように、本実施例によるパチンコ機100は、大当りの期待度が高いことを示唆する表示態様から大当り確定を示唆する表示態様に特図先読み報知を変更するようになっている。また、パチンコ機100は、大当りの期待度が高いことを示唆する表示態様から大当りの期待度が低いことを示唆する表示態様に特図先読み報知を変更してもよい。この場合、大当りの期待度が低いことを示唆していても、大当りに当選するようにしてももちろんよい。
本実施例によるパチンコ機100は、1回目および2回目の特図先読み報知を報知対象が特定可能な態様で実行するようになっている。さらに、パチンコ機100は、1回目の特図先読み報知により期待させていた保留の抽選結果を2回目の特図先読み報知により大当り確定であることを明確に報知するようになっている。
大当り遊技の前後で同一の保留に対する特図先読み報知を行う場合、当該大当りに基づいて制御状態が変化することがあるので、変更後の制御状態に基づく特図先読み報知を行うことで、正しく遊技者を期待させることができる。確変中に報知された期待度の高い特図先読み報知は、通常大当りに基づいて期待度の低い特図先読み報知態様に変更されたり、低確率時に報知された期待度の低い特図先読み報知は、確変大当りに基づいて期待度の高い特図先読み報知態様に変更されてもよい。
次に、本実施の形態の実施例5によるパチンコ機100について図14を参照しつつ図24を用いて説明する。本実施例によるパチンコ機100は入賞順変動の遊技台である。本実施例によるパチンコ機100は、上記実施例1によるパチンコ機100と同様に、特図1および特図2で共用される、最大4個の始動情報(特図乱数値の組)を記憶可能な特図乱数値記憶領域と、最大4個の事前判定結果を記憶可能な特図先読み結果記憶部と、特図表示装置とを有している。特図先読み結果記憶部はRAM308およびRAM408のそれぞれに1個設けられている。
図24は、本実施例によるパチンコ機100の特図変動遊技の一例を示している。図24(a)〜図24(l)は、本実施例によるパチンコ機100での特図変動遊技における装飾図柄表示装置208の表示状態等を図上方から下方への時系列でそれぞれ示している。また、図24(a)〜図24(l)には、装飾図柄表示装置208、特図1および特図2変動遊技の保留状態を示す特図保留ランプ250および特図1および特図2変動遊技を表示する特図表示装置252が示されている。図24(a)〜図24(l)にはそれぞれ、中央に装飾図柄表示装置208が示され、装飾図柄表示装置208の左下方に特図保留ランプ250が示され、その下方に特図表示装置252が示されている。
また、特図保留ランプ250は、入賞順に特図変動遊技の保留状態を最大4つまで表示できるように4個のLEDで構成されている。特図保留ランプ250の4個のLEDは、図左から右に向かって順に、入賞順位の早い特図変動遊技に対応している。特図保留ランプ250は、4個のLEDの左から順に特図変動遊技の保留数分のLEDを例えば赤色に点灯させ、他を消灯させるようになっている。なお、図において、特図変動遊技が保留されている状態を薄墨色の丸で表し、保留されていない状態を白丸で表している。
図24(a)に示すように、特図表示装置252が特図変動遊技を実行するとともに、装飾図柄表示装置208の左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208b、右図柄表示領域208cの各領域には装飾図柄が図中の下向きの矢印に示す方向に順次回転移動する装飾図柄変動表示が実行されている。また、このとき、特図保留ランプ250の4個のLEDが点灯状態であって特図変動遊技が4つ保留されている。
装飾図柄表示装置208の演出表示領域208d内の左側には、特図変動遊技の保留状態を表示する特図保留表示領域800が設けられている。特図保留表示領域800は、縦長長方形画像を有している。特図変動遊技は4個保留されているので、特図保留表示領域800の長方形画像内には、保留表示画像700a〜700dが表示されている。保留順位が早い保留は特図保留表示領域802内の下側に表示されるようになっている。したがって、保留表示画像700aが最も早く保留された特図変動遊技を表し、保留表示画像700dが最も遅く保留された特図変動遊技を表している。
図24(a)に示す時点において、保留された特図変動遊技の全ての特図先読み処理は終了している。例えば、特図先読み結果記憶部の記憶領域「先読み結果1」および「先読み結果2」には「15R特別大当り図柄(特図A)」がそれぞれ記憶され、記憶領域「先読み結果3」および「先読み結果4」には「はずれ図柄(特図M)」がそれぞれ記憶されている。
また、現時点において図14に示す第1副制御部演出制御処理は終了しており、第1副制御部400は、特図保留数が増加して特図先読み報知演出の実行可能な契機となり(ステップS801のYes)、特図保留数が4個であって1以上であり(ステップS803のYes)、読み出した特図先読み結果情報に2つの特図Aが存在して複数の特図先読み報知対象の図柄があり(ステップS805〜ステップS807のYes)、手前側の大当りが特図A、奥の大当りも特図Aであるため、手前側の大当りに基づく特図先読み報知を規制するとともに奥の大当りに基づく特図先読み報知を実行すると判定し(ステップS809〜ステップS811のYes)、現在の制御状態は特図確変状態であって特定遊技状態であると判定し(ステップS813のNo)、例えば奥の大当りは特図1始動情報に基づく事前判定結果であって特定特図1が存在すると判定し(ステップS815のYes)、装飾図柄表示装置208を用いる特図先読み報知を設定する(ステップS817)。これにより、図24(a)に示すように、第1副制御部400は、奥の大当り(特図先読み結果記憶領域の記憶領域「先読み結果2」に記憶された特図A)を報知対象とする特図先読み報知を実行するために、保留表示画像700bを白丸のデフォルト表示から千両箱の画像に変更するように装飾図柄表示装置208を制御する。また、保留表示画像700a、700c、700dは白丸のデフォルト表示が維持される。
特図変動遊技が開始されてから所定時間の経過後に、図24(b)に示すように、特図表示装置252には、特図Mが停止表示され、左中右図柄表示領域208a、208b、208cには、「装飾3−装飾3−装飾1」が停止表示され、当該特図変動遊技がはずれであることが報知される。
パチンコ機100の主制御部300は、特図表示装置252に特図Mを停止表示してから所定時間の経過後に、保留順位1に対応付けられた特図乱数値の組を特図乱数値記憶領域から読み出して当否判定するとともに(例えば、大当り(停止図柄は「特図A」))、図24(c)に示すように、特図変動遊技を開始するように特図表示装置252を制御する。このとき、特図保留数が1つ減るので、主制御部300は、保留順位1に対応付けられた特図乱数値の組のデータを消去し、残余の特図乱数値の組の保留順位が1ずつ繰り上がるように処理する。この結果、特図保留ランプ250の右端のLEDが消灯する。これに同期して、主制御部300は、特図先読み結果記憶部の記憶領域「先読み結果1」に記憶されたデータを消去するとともに、残余の特図先読み結果のデータの順位が1ずつ繰り上がるように処理する。例えば、主制御部300は、特図先読み結果記憶部の記憶領域「先読み結果1」には「15R特別大当り図柄(特図A)」を記憶し、記憶領域「先読み結果2」および「先読み結果3」には「はずれ図柄(特図M)を記憶し、「先読み結果4」には特図停止図柄を記憶しないようにRAM308のデータを記憶し直す。
また主制御部300はこれに同期して、特図変動遊技の開始、当否判定結果および特図1および特図2変動遊技の保留数等の情報を含むコマンドを第1副制御部400に送信する。これにより、図24(c)に示すように、装飾図柄表示装置208の左中右図柄表示領域208a〜208cの各領域には、装飾図柄が図中の下向きの矢印に示す方向に順次回転移動する装飾図柄変動表示が開始される。また、第1副制御部400は、特図保留数が1減少していることに基づいて、保留表示画像700dを非表示状態にするとともに、保留表示画像700aを白丸の画像から千両箱の画像に変更するように装飾図柄表示装置208を制御する。さらに第1副制御部400は、当該特図変動遊技の当否判定結果を予告する予告演出を実行するために、吉宗の顔を表した画像を演出表示領域208dに表示するように装飾図柄表示装置208を制御する。
当該特図変動遊技を開始してから所定時間の経過後に、図24(d)に示すように、特図表示装置252には、特図Aが停止表示され、左中右図柄表示領域208a、208b、208cには、「装飾7−装飾7−装飾7」が停止表示され、当該特図変動遊技が15R特別大当りに当選したことが報知される。また、第1副制御部400は、演出表示領域208dに「装飾7−装飾7−装飾7」が表示されたことに気付く吉宗の顔の画像を表示するように装飾図柄表示装置208を制御する。
特図表示装置252に特図Aが停止表示されてから所定時間の経過後に、主制御部300は、大当り遊技を開始するとともに、入賞演出コマンドを第1副制御部400に送信する。図24(e)に示すように、当該コマンドを受信した第1副制御部400は、15R特別大当りに係る演出を実行する。第1副制御部400は、例えば演出表示領域208dに「大当り」の文字画像を表示し、保留表示画像700a〜700cおよび特図保留表示領域800を非表示とするように装飾図柄表示装置208を制御する。
大当り遊技に係る演出を開始してから所定時間の経過後に、図24(f)に示すように、第1副制御部400は、演出表示領域208d内の左上に1R目の大当り遊技であることを報知するための「1R」の文字画像と、吉宗および爺の画像とを表示するように装飾図柄表示装置208を制御する。
その後、15R目の大当り遊技が終了すると、図24(g)に示すように、例えば演出表示領域208dに「大当り終了」の文字画像を表示するように装飾図柄表示装置208を制御する。大当り遊技中に特図始動情報が取得されたことに基づいて、特図保留ランプ250の右端のLEDが点灯状態になっている。
その後、図24(h)に示すように、第1副制御部400は、「装飾7−装飾7−装飾7」と、保留表示画像700a〜700cと、特図保留表示領域800と、大当り遊技中に取得された特図始動情報に基づく保留表示画像700dとを表示するように装飾図柄表示装置208を制御する。特図保留表示領域800は、再表示される際に表示態様が変更される。特図保留表示領域800は、「装飾7−装飾7−装飾7」の下方に表示され、横長長方形画像を有している。また、特図先読み報知を実行している保留表示画像700aは、特図保留表示領域800の表示態様の変更に応じて変更される。保留表示画像700aは千両箱から家紋の画像に変更される。このように、特図先読み報知の表示態様を変更することにより、パチンコ機100は、遊技者に2回の特図先読み報知が実行されたかのように見せることができる。特図先読み報知の変更後の表示態様は、大当り遊技終了時に決定されるようになっている。
パチンコ機100の主制御部300は、大当り遊技を終了してから所定時間の経過後に、保留順位1に対応付けられた特図乱数値の組を特図乱数値記憶領域から読み出して当否判定するとともに(例えば、大当り(停止図柄は「特図A」))、図24(i)に示すように、特図変動遊技を開始するように特図表示装置252を制御する。このとき、特図保留数が1つ減るので、主制御部300は、保留順位1に対応付けられた特図乱数値の組のデータを消去し、残余の特図乱数値の組の保留順位が1ずつ繰り上がるように処理する。この結果、特図保留ランプ250の右端のLEDが消灯する。これに同期して、主制御部300は、特図先読み結果記憶部の記憶領域「先読み結果1」に記憶されたデータを消去するとともに、残余の特図先読み結果のデータの順位が1ずつ繰り上がるように処理する。例えば、主制御部300は、特図先読み結果記憶部の記憶領域「先読み結果1」乃至「先読み結果3」には「はずれ図柄(特図M)」を記憶し、「先読み結果4」には特図停止図柄を記憶しないようにRAM308のデータを記憶し直す。
また主制御部300はこれに同期して、特図変動遊技の開始、当否判定結果および特図変動遊技の保留数等の情報を含むコマンドを第1副制御部400に送信する。これにより、図24(i)に示すように、装飾図柄表示装置208の左中右図柄表示領域208a〜208cの各領域には、装飾図柄が図中の下向きの矢印に示す方向に順次回転移動する装飾図柄変動表示が開始される。また、第1副制御部400は、特図保留数が1減少していることに基づいて、保留表示画像700dを非表示状態にするとともに、保留表示画像700aを家紋から白丸の画像に変更するように装飾図柄表示装置208を制御する。
図24(j)に示すように、第1副制御部400は、当該特図変動遊技の当否判定結果を予告する予告演出を実行するために、第1副制御部400は、特図予告報知用役物720が装飾図柄表示装置208の上方から前面に降りてくる演出を実行する。第1副制御部400は、第2副制御部500を介して特図予告報知用役物720を制御するようになっている。
当該予告演出を実行してから所定時間の経過後に、図24(k)に示すように、特図表示装置252には、特図Aが停止表示され、左中右図柄表示領域208a、208b、208cには、「装飾7−装飾7−装飾7」が停止表示され、当該特図変動遊技が15R特別大当りに当選したことが報知される。
特図表示装置252に特図Aが停止表示されてから所定時間の経過後に、主制御部300は、大当り遊技を開始するとともに、入賞演出コマンドを第1副制御部400に送信する。図24(l)に示すように、当該コマンドを受信した第1副制御部400は、15R特別大当りに係る演出を実行する。第1副制御部400は、例えば演出表示領域208dに「大当り」の文字画像を表示するように装飾図柄表示装置208を制御する。
多くの遊技機は大当り遊技前に変化させていた保留表示態様を大当り遊技終了時にデフォルトの表示態様に変化させるようになっているのに対し、本実施例によるパチンコ機100は、大当り遊技を挟むと保留表示態様がデフォルト表示態様でない別の表示態様に変化するようになっている。本実施例によるパチンコ機100は、保留表示態様の変化を隠蔽しつつ、大当り遊技を跨ぐ大当りとなる保留に対する特図先読み報知を行うことができる。手前側の大当りに対する特図先読み報知を行っていると、「どうせ保留表示態様が変化するんだから後ろ側の特図先読み報知に意味はないな」と遊技者に思われ、遊技者の期待を維持できない可能性がある。本実施例によるパチンコ機100は、保留表示態様を変更して2回の特図先読み報知が実行されているかのように遊技者に見せることができるので、遊技者の期待を維持できる場合がある。
次に、本実施の形態によるパチンコ機100のROM406に記憶された特図先読み報知態様の選択テーブルについて図25を用いて説明する。図25は、特図先読み報知態様の選択テーブルの一例を示している。図25に示すように、特図先読み報知態様選択テーブルは、「特図」および「特図先読み報知態様」に大別されている。「特図」は先読みして事前判定された特図停止図柄を示している。「特図」は、「特図A・特図B」、「特図C」、「特図D・特図E・特図F」、「特図I・特図J」および「特図M(はずれ)」の項目に区分されている。
「特図先読み報知態様」は、特図先読み報知の演出態様を示している。「特図先読み報知態様」は、「白」、「熱」、「千両箱」および「家紋」の4項目に区分されている。「白」は白丸の画像のデフォルト表示(例えば、図23(a)に示す保留表示画像701a、701b、702a、702b、702d参照)を用いる演出態様を示し、「熱」は「熱」の文字画像(例えば、図23(a)に示す保留表示画像702c参照)を用いる演出態様を示し、「千両箱」は千両箱の画像(例えば、図21(b)に示す保留表示画像702a参照)を用いる演出態様を示し、「家紋」は家紋の画像(例えば、図23(c)に示す保留表示画像702c参照)を示している。
「白」、「熱」、「千両箱」および「家紋」は、取得した特図先読み報知態様決定用乱数値と比較する乱数の数値範囲(0〜127)が「特図」の項目毎に振り分けられている。特図先読み報知態様決定用乱数値は、例えばRAM408に設けられた特図先読み報知態様決定用乱数カウンタから取得される。「特図」が「特図A・特図B」の場合に取得された特図先読み報知態様決定用乱数値が、数値0〜31であれば「白」が選択され、数値32〜47であれば「熱」が選択され、数値48〜111であれば「千両箱」が選択され、数値112〜127であれば「家紋」が選択される。また、「特図」が「特図C」の場合に取得された特図先読み報知態様決定用乱数値が、数値0〜31であれば「白」が選択され、数値32〜79であれば「熱」が選択され、数値80〜127であれば「千両箱」が選択され、「家紋」は非選択になっている。図25では、非選択は「−」と表記されている。
また、「特図」が「特図D・特図E・特図F」の場合に取得された特図先読み報知態様決定用乱数値が、数値0〜63であれば「白」が選択され、数値64〜95であれば「熱」が選択され、数値96〜127であれば「千両箱」が選択され、「家紋」は非選択になっている。また、「特図」が「特図I・特図J」の場合に取得された特図先読み報知態様決定用乱数値が、数値0〜63であれば「白」が選択され、数値64〜127であれば「熱」が選択され、「千両箱」および「家紋」は非選択になっている。さらに、「特図」が「特図M」の場合に取得された特図先読み報知態様決定用乱数値が、数値0〜63であれば「白」が選択され、数値64〜111であれば「熱」が選択され、数値112〜127であれば「千両箱」が選択され、「家紋」は非選択になっている。「家紋」は、「特図」が「特図M(はずれ)」では選択されないため、「家紋」を用いる演出が実行されると大当り確定となる。
特図先読み報知態様決定用乱数値の数値範囲は0〜127(数値範囲の大きさは128)であるから、「特図」が「特図A・特図B」の場合に、「白」が選択される確率は25%(=32/128)であり、「熱」が選択される確率は12.5%(=16/128)であり、「千両箱」が選択される確率は50%(=64/128)であり、「家紋」が選択される確率は12.5%(=16/128)である。「特図」が「特図C」の場合に、「白」が選択される確率は25%(=32/128)であり、「熱」が選択される確率は37.5%(=48/128)であり、「千両箱」が選択される確率は37.5%(=48/128)であり、「家紋」が選択される確率は0%(=0/128)である。「特図」が「特図D・特図E・特図F」の場合に、「白」が選択される確率は50%(=64/128)であり、「熱」が選択される確率は25%(=32/128)であり、「千両箱」が選択される確率は25%(=32/128)であり、「家紋」が選択される確率は0%(=0/128)である。「特図」が「特図I・特図J」の場合に、「白」が選択される確率は50%(=64/128)であり、「熱」が選択される確率は50%(=64/128)であり、「千両箱」が選択される確率は0%(=0/128)であり、「家紋」が選択される確率は0%(=0/128)である。「特図」が「特図M」の場合に、「白」が選択される確率は50%(=64/128)であり、「熱」が選択される確率は37.5%(=48/128)であり、「千両箱」が選択される確率は12.5%(=16/128)であり、「家紋」が選択される確率は0%(=0/128)である。
本実施の形態によるパチンコ機100は、例えば先読みした特図の有利度に応じて特図先読み報知態様の各項目の選択確率が異なるように設定されている。ここでいう有利度とは、大当り遊技中に得られる出玉やその後に付与される特図確変および電サポ等の総合的な利益のことをいう。図6に示すように、特図Aおよび特図Bは、「獲得出玉」が「15R分」、「確変/非確変」が「確変」および「電サポ」が「次回まで」というように、相対的に有利度が高く設定されている。このため、図25に示すように、「特図」が「特図A・特図B」の場合には、「千両箱」や「家紋」を用いる演出が選択され易くなっている(選択確率62.5%)。特に、「特図」が「特図A・特図B」の場合のみに「家紋」が選択されて大当り確定が報知されるようになっている。
図6に示すように、「特図」が「特図C」の場合には、「特図A・特図B」と比較して「獲得出玉」が「8R分」と少ない。このため、図25に示すように、この場合には、「家紋」が選択されず、かつ「千両箱」の選択される確率が低く設定されている(選択確率37.5%)。また、特図D〜特図Fは、大当り遊技開始時点で当該大当りによって遊技者に与えられる利益量が特定困難であるため、図25に示すように、「特図」が「特図D・特図E・特図F」の場合には、「特図C」よりも「千両箱」の選択される確率が低く設定されている(選択確率25%)。特図Iおよび特図Jは、4R大当りであって獲得出玉がさらに少ないため、図25に示すように、「特図」が「特図I・特図J」の場合には、「千両箱」が選択されないようになっている。
本実施の形態では、特図G、特図Hおよび特図Kは、図25に示すテーブルにおいて設定されていない。先読みして事前判定された停止図柄が特図G、特図Hおよび特図Kであっても特図先読み報知が実行されないようになっている。これらの図柄は、大当り遊技終了後に制御状態を非確変状態に移行させてしまうため、大当り遊技開始前の確変状態を終了させてしまう恐れがある。本実施の形態によるパチンコ機100は、事前判定結果が特図G、特図Hおよび特図Kの場合には、特図先読み報知を実行しないようになっている。
また、本実施の形態によるパチンコ機100は、事前判定結果が特図G、特図Hおよび特図Kの場合にも特図先読み報知が実行されるようになっていてもよい。例えば、特図Gは特図Dと対応関係にあり、特図Hは特図Cと対応関係にあり、特図Kは特図Iと対応関係にあるため。このため、特図Gは特図Dよりも、特図Hは特図Cよりも、特図Kは特図Iよりも特図先読み報知が実行され難いように数値範囲が設定される。例えば、特図G、特図Hおよび特図Kの場合には「千両箱」および「家紋」は実行されないようになっており、かつ「白」の選択確率が例えば50%よりも高い確率となるように設定される。
次に、以上説明した本実施の形態によるパチンコ機100の特徴的構成について再度図1乃至図24を参照しつつ説明する。
(1)本実施の形態によるパチンコ機100は、
遊技球が始動領域(例えば、特図1始動口230や特図2始動口232)に進入したことに基づいて、始動情報(例えば、特図1乱数値の組や特図2乱数値の組)を導出する始動情報導出手段(例えば、乱数値生成回路318や入賞受付処理(ステップS217))と、
前記導出した始動情報を所定の上限数(例えば、8個)まで記憶可能な始動情報記憶手段と、
前記始動情報記憶手段から始動情報を取得する始動情報取得手段(例えば、RAM308に設けられた特図1乱数値記憶領域や特図2乱数値記憶領域)と、
前記取得した始動情報に基づいて当否判定を行う当否判定手段(例えば、特図2関連抽選処理(ステップS229)や特図1関連抽選処理(ステップS231))と、
前記当否判定の結果が特定の当否判定結果(例えば、当り)である場合に、制御状態を移行させる制御状態移行手段(例えば、特図2状態更新処理(ステップS225)や特図1状態更新処理(ステップS227))と、
図柄を変動表示させた後、前記当否判定の結果に対応した図柄態様を停止表示する図柄変動停止表示を行う図柄表示手段(例えば、特図1表示装置212、特図2表示装置214や装飾図柄表示装置208)と、
前記始動情報記憶手段に記憶されている所定の始動情報に基づく当否判定が前記当否判定手段によって行われるよりも前に、前記始動情報記憶手段に記憶されている該所定の始動情報を先読みし、前記特定の当否判定結果を導出するかどうかを事前判定する事前判定手段(例えば、主制御部300のCPU304や特図先読み処理のステップS305)と、
前記事前判定結果に基づいて、前記当否判定手段が前記特定の当否判定結果を導出するかどうかを事前予告するための事前予告報知を、前記当否判定手段が当否判定を行うよりも前に行う事前予告手段(例えば、装飾図柄表示装置208、特図予告報知用役物720、スピーカ120)と、
を備え、
前記特定の当否判定結果は、第一の当否判定結果(例えば、第二の当否判定結果よりも前に報知される当否判定結果。例えば、図16(f)に示す特図F)と、第二の当否判定結果(例えば、第一の当否判定結果よりも後に報知される当否判定結果。例えば、図17(c)に示す特図A)と、を含み、
前記始動情報は、記当否判定手段により前記第一の当否判定結果が導出される第一の始動情報と、前記当否判定手段により前記第二の当否判定結果が導出される第二の始動情報と、を含み、
前記事前予告手段は、前記事前判定手段により前記当否判定手段が前記第一の当否判定結果を導出することを事前予告するための第一の事前予告報知を、前記当否判定手段が前記第一の始動情報に基づく当否判定を行うよりも前に行い、前記事前判定手段により前記当否判定手段が前記第二の当否判定結果を導出することを事前予告するための第二の事前予告報知を、前記当否判定手段が前記第二の始動情報に基づく当否判定を行うよりも前に行い、
前記制御状態移行手段は、前記当否判定の結果が前記第一の当否判定結果である場合に、遊技者に対する有利度が第一の有利度である第一の制御状態(例えば、可変入賞口234が非動作状態(扉部材234aが閉状態))から該第一の有利度と有利度が異なる第二の有利度である第二の制御状態(例えば、可変入賞口234が動作状態(扉部材234aが開状態)であって、特図C〜特図Fまたは特図Hに係る大当り遊技状態)に制御状態を移行させ、前記当否判定の結果が前記第二の当否判定結果である場合に、前記第一の制御状態から前記第一及び第二の有利度と有利度が異なる第三の有利度である第三の制御状態(例えば、可変入賞口234が動作状態(扉部材234aが開状態)であって、特図Aまたは特図Bに係る大当り遊技状態)に制御状態を移行させる遊技台であって、
前記事前予告手段は、前記始動情報記憶手段に、前記第一および第二の始動情報が記憶され、且つ前記第一の始動情報(例えば、第二の始動情報よりも前に導出された始動情報。例えば、図16(b)に示す特図保留ランプ250の左端のLEDに対応する始動情報)が前記第二の始動情報(例えば、第一の始動情報よりも後に導出された始動情報。例えば、図16(b)に示す特図保留ランプ250の左から2番目のLEDに対応する始動情報)よりも先に前記当否判定手段による当否判定が行われる(例えば、図16(f)に示す当否判定結果の報知)よう記憶されていることに基づいて、第一の事前予告報知を行わずに、第二の事前予告報知(例えば、図16(c)に示す特図先読み報知)を行うこと
を特徴とする。
上記パチンコ機100は、手前側の保留に対する特図先読み報知を意図的に行わずに、奥の保留に対する特図先読み報知を行うことができる場合がある。また、上記パチンコ機100は、多彩な態様で事前予告報知演出を行うことが可能となり、興趣の向上を図ることができる場合がある。上記パチンコ機100によれば、奥の大当りに対して期待している最中に手前の特図変動遊技で大当りが発生することにより遊技者を驚かすことができる場合がある。
従来のパチンコ機では特図先読み報知が実行されている保留よりも手前の保留については期待し難かったのに対し、上記パチンコ機100によれば、特図先読み報知がされている保留よりも手前の保留に対しても遊技者が期待感を持つことができる場合がある。
大当りの特図先読み報知を複数回行うと、遊技者は、最大限の利益付与を期待してしまい、実際に付与された利益が想像していた利益よりも少ないと、落胆してしまう恐れがある。上記パチンコ機100によれば、1の大当りに対する特図先読み報知を行いつつ、当該報知の実行後であって、かつ報知対象の大当りが実行されるよりも前に、特図先読み報知がされていない大当りを発生させることができるので、特図先読み報知によって遊技者が想像している利益よりも大きな利益を確実に与えることができる場合がある。また、上記パチンコ機100によれば、大当りにより与えられる利益の大きさに関わらず、少なくとも複数の大当りに係る特図変動遊技を保留できる場合がある。
上記パチンコ機100によれば、手前の大当りに基づく特図先読み報知を行った場合よりも、遊技者の期待感を長期間維持することができる場合がある。また、上記パチンコ機100によれば、長い期間期待できること自体への期待感を高めることにより興趣を向上させることができる場合がある。また、長い時間ドキドキできること自体が遊技者にとっては嬉しいので、上記パチンコ機100は興趣の向上を図ることができる場合がある。
対象保留を明確にしない報知態様であっても、熟練度の高い遊技者であれば、結果として、どの保留が先読み報知の対象なのかを知ることができる場合がある。例えば、特図先読み報知の開始契機が変動開始になっている場合(例えば装飾図柄表示装置208で演出ステージを変更する場合)には、実際の入球から特図先読み報知が開始されるまでにタイムラグが生じてしまう。しかし、少なくとも手前側の保留に基づく変動開始から次の変動開始までの間に取得された始動情報に基づいて特図先読み報知が行われたことがわかってしまうため、手前側の変動開始以前に存在していた保留に対しては結果として期待を持てなくなってしまう。
(2)上記パチンコ機100であって、
前記事前予告手段は、前記第一の始動情報に基づく当否判定が行われる(例えば、図16(f)に示す当否判定結果の報知)よりも前に前記第二の事前予告報知を行い(例えば、図16(e)に示す特図変動遊技の開始)、前記第一の始動情報に基づく当否判定が行われるよりも後であって、且つ前記第二の始動情報に基づく当否判定が行われる(例えば、図16(j)に示す特図変動遊技の開始)よりも前に前記第二の事前予告報知を行う(例えば、図16(i)に示す特図先読み報知)こと
を特徴とする。
上記パチンコ機100は、第二の始動情報に基づく特図先読み報知を手前側の大当りを挟んで複数回行うことができる。また、上記パチンコ機100によれば、特図先読み報知の回数が大当りの回数を下回ることがないので、特図先読み報知の回数が大当りの回数を下回る場合に遊技者が感じる不満を軽減することができる場合がある。
(3)上記パチンコ機100であって、
所定の第一の進入率制御状態(例えば、羽根部材232aが閉状態)と該第一の進入率制御状態よりも遊技球が前記始動領域のうち第二の始動領域(例えば、特図2始動口232)に進入し易い第二の進入率制御状態(例えば、羽根部材232aが閉状態)の一方から他方に前記第二の始動領域への遊技球の進入のし易さを変化させる進入率変化手段(例えば、普図状態更新処理、普図関連抽選処理および羽根部材232a)を備え、
前記始動情報記憶手段は、前記始動領域のうち第一の始動領域(例えば、特図1始動口230)に遊技球が進入したことに基づいて、前記導出した始動情報を所定の上限数(例えば、4個)まで記憶可能な第一の始動情報記憶手段(例えば、RAM308に設けられた特図1乱数値記憶領域)と、前記第二の始動領域に遊技球が進入したことに基づいて、前記導出した始動情報を所定の上限数(例えば、4個)まで記憶可能な第二の始動情報記憶手段(例えば、RAM308に設けられた特図2乱数値記憶領域や特図2乱数値記憶領域)と、を含み、
前記始動情報取得手段は、前記第一の始動情報記憶手段および前記第二の始動情報記憶手段のうちの両方に前記始動情報が記憶されている場合には、前記第二の始動情報記憶手段から始動情報を取得し、前記第一の始動情報記憶手段および前記第二の始動情報記憶手段のうちの一方に前記始動情報が記憶されている場合には、前記始動情報が記憶されている始動情報記憶手段から始動情報を取得するように構成されており、
前記事前予告手段は、前記第二の始動情報記憶手段に、前記第一および第二の始動情報が記憶され(例えば、図20(c)に示す特図2保留ランプ220の左端および左から2番目のLEDにそれぞれ対応する始動情報)、且つ前記第一の始動情報が前記第二の始動情報よりも先に前記当否判定手段による当否判定が行われるよう記憶されている場合に、第一の事前予告報知を行わずに、第二の事前予告報知(例えば、図20(d)に示す特図先読み報知)を行うこと
を特徴とする。
上記パチンコ機100が特図2優先変動機の場合には、特図2変動遊技のみで特図先読み報知を実行するので特図の割り込みが発生しないため、整合性の高い特図先読み報知演出の実行が可能になるとともに、大当りに関する特図先読み報知を複数回行った場合であっても大当りをストックすることができなくなり遊技の公平性を保つことが可能になる場合がある。
(4)上記パチンコ機100であって、
前記第一の始動情報に基づく事前判定が行われるよりも前に行われる前記事前予告手段による前記第二の事前予告報知は、前記始動情報記憶手段に記憶される複数の前記始動情報のなかから報知の対象となる前記始動情報を特定可能な態様(例えば、図17(a)に示す保留表示画像に「熱」の文字画像を表示する態様)で行われること
を特徴とする。
上記パチンコ機100によれば、第二の事前予告報知は対象保留を特定可能な態様で行われるようになる。上記パチンコ機100によれば、特図先読み報知が対象を特定していない場合には、手前側の大当り遊技中に奥の大当りに対応する保留を特定する態様で特図先読み報知が行われるため、特図先読み対象が徐々に限定される態様となり、遊技者をより驚かせることができる場合がある。
大当りに基づいて遊技状態を変更する場合に、当該遊技状態の変更を明確にするために表示画面態様を切り替える場合がある。従来の遊技台においては、該表示画面態様の切替により手前で行われていた特図先読み報知もリセット(例えば、デフォルト表示に戻す)されていたが、上記パチンコ機100であれば、改めて奥の大当りに対する特図先読み報知を行うことができるため、遊技者に不信感を与えることがない。
(5)上記パチンコ機100であって、
前記事前予告手段は、前記第一の始動情報に基づく当否判定が行われるよりも前に行われる前記第二の事前予告報知(例えば、図16(c)に示す特図予告報知用役物720およびスピーカ120を用いる特図先読み報知)と、前記第一の始動情報に基づく当否判定が行われた後であって、且つ前記第二の始動情報に基づく当否判定が行われるよりも前に行われる前記第二の事前予告報知(例えば、図16(i)に示す特図予告報知用役物720およびスピーカ120を用いる特図先読み報知)を同一の報知態様で行うこと
を特徴とする。
上記パチンコ機100によれば、複数回の特図先読み報知は同一の態様で行われるようになる。上記パチンコ機100によれば、同一態様の特図先読み報知が継続して行われるため、特図先読み報知の間に大当り遊技を挟んでも特図先読み報知が未だ継続して行われていることを遊技者に分かり易く示すことができ、長時間期待感を持続させることができる場合がある。
(6)上記パチンコ機100であって、
前記事前予告手段は、前記第一の当否判定結果が前記第一の制御状態から前記第二の制御状態に前記制御状態を移行させる当否判定結果であることに基づいて、前記第一の事前予告報知を非実行に設定すること
を特徴とする。
上記パチンコ機100によれば、第一の当否判定結果は大当り遊技開始時に与えられる利益の推測が困難な図柄に対応する。大当りの開始時点で当該大当りによって遊技者に与えられる利益量が特定困難な大当り(例えばRUBやJUB)は、遊技者が想像していたよりも与えられる利益が少ない場合がある。大当りを特図先読み報知したにも関わらず、当該大当りにより与えられる利益が少ない場合には遊技者が不満に感じる恐れがあるため、上記パチンコ機100では、当該大当りについては特図先読み報知を行わないことで遊技者に不満を感じさせない場合がある。
本発明は、上記実施の形態に限らず、種々の変形が可能である。
特図先読み報知は、保留消化に応じてその報知態様を徐々に変化させてもよい。この構成により、変動開始までの時間が長い保留に対する期待感を上昇させることができる場合がある。
大当りに関する特図先読み報知を行う場合には、報知が行われる契機と同一またはそれ以上の利益が付与される場合にのみ特図先読み報知を行うようにしてもよい。大当りの中でも有利なもののみ特図先読み報知を行うようにしてもよい。例えば15R大当りでは、確変付き大当りのみを報知し、確変付きでない大当り等は報知しないようにしてもよい。
上記実施例2〜5のように、特図先読み報知態様が複数ある場合、保留内に複数の大当りがあることに基づいてそれぞれの特図先読み報知態様が決定されてもよいし、手前側の特図先読み報知態様が抽選により決定され、当該特図先読み報知態様に基づいて奥の先読み報知態様を決定してもよいし、両方の特図先読み報知態様をそれぞれ抽選により決定してもよい。
上記実施の形態では、遊技台の例としてパチンコ機を用いたが本発明はこれに限られない。本発明は、図26に示すようなスロットマシン1000にも適用可能である。
本発明に係る遊技台は、図26に示す「複数種類の図柄が施され、回転駆動される複数のリール1002と、リールの回転を指示するためのスタートレバー1004と、各々のリールに対応して設けられ、リールの回転を個別に停止させるための停止ボタン1006と、複数種類の役の内部当選の当否を抽選により判定する抽選手段(入賞役内部抽選)と、抽選手段の抽選結果に基づいてリールの回転の停止に関する停止制御を行うリール停止制御手段(リール停止制御処理)と、抽選手段の抽選結果に基づいて停止されたリールによって表示される図柄組合せが、内部当選した役に対応して予め定めた図柄組合せであるか否かの判定をする判定手段(入賞判定処理)と、図柄の停止態様が所定の入賞態様である場合、所定の入賞態様に対応する遊技媒体を払出す遊技媒体払出処理を行う払出制御手段(メダル払出処理1008)と、に加え、抽選手段の抽選結果に基づいて演出を実行する演出手段1010を備え、この演出手段が、所定の遊技領域1012に球を発射する発射装置1014と、発射装置から発射された球を入球可能に構成された入賞口1016と、入賞口1016に入球した球を検知する検知手段1018と、検知手段1018が球を検知した場合に球を払出す払出手段1020と、所定の図柄(識別情報)を変動表示する可変表示装置1022と、可変表示装置1022を遮蔽する位置に移動可能なシャッタ1024と、所定動作態様で動作する可動体1026と、を備え、入賞口に遊技球が入って入賞することを契機として、可変表示装置1022が図柄を変動させた後に停止表示させて、遊技を演出するような演出装置1010、であるスロットマシン1000」にも好適である。
本発明に係る遊技台は図27(a)に示す、「紙幣投入口2002に紙幣を投入し、ベット2004およびスタート2006操作に基づいて抽選を実行し、抽選結果を抽選結果表示装置2008で表示し、当選時には特典コイン数を残クレジット数に加算し、キャッシュアウト2009が選択された場合には、レシート発行機2010から残クレジット数に対応するコードが記載されたレシートを発行するカジノマシン2000」であってもよい。
さらには、同図(b)に示すように、本発明を実現する電子データを記憶する記憶部を備えている携帯電話機3000、同図(c)に示すように、本発明を実現する電子データを記憶する記憶部を備えているポータブルゲーム機4000、本発明を実現する電子データを記憶する記憶部を備えている家庭用テレビゲーム機5000、に適用してもよい。
より具体的には、同図(b)における携帯電話機3000は、遊技者によって操作される操作部と、ゲームに関するデータを携帯電話回線を通じで取得するデータ取得部と、取得したゲームに関するデータ(本発明を実現する電子データ)を記憶する記憶部と、記憶部に記憶したデータと操作部の操作とに基づいてゲームの制御を行う制御部を備えている。
同図(c)におけるポータブルゲーム機4000は、遊技者によって操作される操作部と、ゲームに関するデータを所定の記憶媒体(DVD等)から取得するデータ取得部と、取得したゲームに関するデータ(本発明を実現する電子データ)を記憶する記憶部と、記憶部に記憶したデータと操作部の操作とに基づいてゲームの制御を行う制御部を備えている。同図(d)における家庭用テレビゲーム機5000は、遊技者によって操作される操作部と、ゲームに関するデータを所定の記憶媒体(DVD等)から取得するデータ取得部と、取得したゲームに関するデータ(本発明を実現する電子データ)を記憶する記憶部と、記憶部に記憶したデータと操作部の操作とに基づいてゲームの制御を行う制御部を備えている。
さらには、同図(e)に示すように、本発明を実現する電子データを記憶したデータサーバ6000に適用してもよい。このデータサーバ6000からインタネット回線を介して同図(d)に示す家庭用テレビゲーム機5000に本発明を実現する電子データをダウンロードするような場合がある。
また、パチンコ機等の実機の動作を家庭用ゲーム機用として擬似的に実行するようなゲームプログラムにおいても、本発明を適用してゲームを実行することができる。その場合、ゲームプログラムを記録する記録媒体は、DVD−ROM、CD−ROM、FD(フレキシブルディスク)、その他任意の記録媒体を利用できる。
さらに、本発明は、遊技台としてパチンコ機およびスロットマシンを例にあげたが、これに限るものではなく、アレンジボール遊技機や、じゃん球遊技機、スマートボール等に適用してもよい。