JP2019063281A - 遊技機 - Google Patents

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佑樹 浅井
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Abstract

【課題】遊技の興趣を向上できる遊技機を提供すること。【解決手段】演出実行手段により所定の優先順位に基づいて実行される演出の演出態様が演出態様設定手段により設定され、その設定された演出態様を示すための態様情報が、態様情報記憶手段により優先順位が異なる複数の記憶領域に記憶される。複数の記憶領域は、同一の前記優先順位を複数記憶可能に構成され、複数の前記同一の優先順位に記憶されている複数の態様情報に対応する演出を実行させるか否かが実行演出設定手段により設定されるため、実行演出設定手段の設定状況に応じて実行される演出を異ならせることができ、遊技の興趣を向上できる。【選択図】図99

Description

本発明は、パチンコ機などの遊技機に関するものである。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行されるものがある。そして、その抽選結果を示唆するための示唆演出を実行するものがある。
特開2012−217766号公報
しかしながら、更なる遊技の興趣向上が求められていた。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
この目的を達成するために請求項1記載の遊技機は、所定の優先順位に基づいて演出を実行する演出実行手段と、その演出実行手段により実行される前記演出の演出態様を設定する演出態様設定手段と、その演出態様設定手段により設定された前記演出態様を示すための態様情報を、前記優先順位が異なる複数の記憶領域に記憶させる態様情報記憶手段と、を有し、前記複数の記憶領域は、同一の前記優先順位を複数記憶可能に構成されるものであり、前記演出実行手段は、前記同一の優先順位に記憶されている複数の前記態様情報に対応する前記演出を実行可能とするものである。
請求項2記載の遊技機は、請求項1記載の遊技機において、前記態様情報記憶手段は、所定の移行条件が成立した場合に、特定の前記記憶領域に記憶されている前記態様情報を、前記特定の記憶領域以外の所定記憶領域へと移行記憶させるものである。
請求項3記載の遊技機は、請求項1または2記載の遊技機において、前記演出態様設定手段により、前記同一の優先順位に対して複数の前記演出態様が設定される場合に、前記複数の演出態様が設定された順序を判別可能な順序判別手段と、前記複数の記憶領域に記憶されている前記態様情報を消去する消去手段と、を有し、前記消去手段は、前記演出態様設定手段により前記同一の優先順位に対して設定される前記演出態様の数が、前記同一の優先順位に対応する前記記憶領域の数よりも多く設定された場合に、前記順序判別手段の判別結果に基づいて、前記態様情報記憶手段に記憶された順序が古い前記態様情報から順に消去するものである。
請求項4記載の遊技機は、請求項1から3のいずれかに記載の遊技機において、前記演出実行手段は、前記態様情報記憶手段の有する前記複数の記憶領域のうち、所定の第1記憶領域に第1態様情報が記憶され、前記特定の第1記憶領域とは異なる第2記憶領域に前記第1態様情報とは異なる特定の第2態様情報が記憶される場合に、特殊演出態様の演出を実行するものである。
請求項5記載の遊技機は、請求項1から4のいずれかに記載の遊技機において、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段に対して所定の操作が行われたことを判別する操作判別手段と、を有し、前記演出実行手段は、少なくとも、前記操作判別手段の判別結果に基づいて演出態様が可変される操作演出を実行可能とするものである。
請求項1記載の遊技機によれば、所定の優先順位に基づいて演出を実行する演出実行手段と、その演出実行手段により実行される前記演出の演出態様を設定する演出態様設定手段と、その演出態様設定手段により設定された前記演出態様を示すための態様情報を、前記優先順位が異なる複数の記憶領域に記憶させる態様情報記憶手段と、を有し、前記複数の記憶領域は、同一の前記優先順位を複数記憶可能に構成されるものであり、前記演出実行手段は、前記同一の優先順位に記憶されている複数の前記態様情報に対応する前記演出を実行可能とするものである。
よって、遊技の興趣を向上することができるという効果がある。
請求項2記載の遊技機によれば、請求項1記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記態様情報記憶手段は、所定の移行条件が成立した場合に、特定の前記記憶領域に記憶されている前記態様情報を、前記特定の記憶領域以外の所定記憶領域へと移行記憶させるものである。
よって、遊技の興趣を向上することができるという効果がある。
請求項3記載の遊技機によれば、請求項1または2記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記演出態様設定手段により、前記同一の優先順位に対して複数の前記演出態様が設定される場合に、前記複数の演出態様が設定された順序を判別可能な順序判別手段と、前記複数の記憶領域に記憶されている前記態様情報を消去する消去手段と、を有し、前記消去手段は、前記演出態様設定手段により前記同一の優先順位に対して設定される前記演出態様の数が、前記同一の優先順位に対応する前記記憶領域の数よりも多く設定された場合に、前記順序判別手段の判別結果に基づいて、前記態様情報記憶手段に記憶された順序が古い前記態様情報から順に消去するものである。
よって、遊技の興趣を向上することができるという効果がある。
請求項4記載の遊技機によれば、請求項1から3のいずれかに記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記演出実行手段は、前記態様情報記憶手段の有する前記複数の記憶領域のうち、所定の第1記憶領域に第1態様情報が記憶され、前記特定の第1記憶領域とは異なる第2記憶領域に前記第1態様情報とは異なる特定の第2態様情報が記憶される場合に、特殊演出態様の演出を実行するものである。
よって、遊技の興趣を向上することができるという効果がある。
請求項5記載の遊技機によれば、請求項1から4のいずれかに記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段に対して所定の操作が行われたことを判別する操作判別手段と、を有し、前記演出実行手段は、少なくとも、前記操作判別手段の判別結果に基づいて演出態様が可変される操作演出を実行可能とするものである。
よって、遊技の興趣を向上することができるという効果がある。
第1実施形態におけるパチンコ機の正面図である。 第1実施形態におけるパチンコ機の遊技盤の正面図である。 第1実施形態におけるパチンコ機の背面図である。 第1実施形態におけるパチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 (a)は、第1実施形態における第3図柄表示装置の表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図であり、(b)は、第1実施形態における第3図柄表示装置で表示される表示態様の一例を示した模式図である。 第1実施形態における各特別図柄変動に対応して実行されるボタン演出の流れを示したタイミングチャートである。 第1実施形態における各特別図柄変動に対応して実行されるボタン演出として、重複ボタン演出が実行される流れを示したタイミングチャートである。 第1実施形態におけるボタン演出期間の流れを示したタイミングチャートである。 (a)は、第1実施形態における第3図柄表示装置の表示画面にてボタン演出Aが開始された場合の表示内容の一例を示した図であり、(b)は、第1実施形態における第3図柄表示装置の表示画面にてボタン演出Aが成功した場合に表示される表示内容の一例を示した図である。 第1実施形態における第3図柄表示装置の表示画面にてボタン演出Aが失敗した場合に表示される表示内容の一例を示した図である。 (a)は、第1実施形態における第3図柄表示装置の表示画面にてボタン演出Bが開始された場合の表示内容の一例を示した図であり、(b)は、第1実施形態における第3図柄表示装置の表示画面にてボタン演出Bが終了した場合の表示内容の一例を示した図である。 (a)は、第1実施形態における第3図柄表示装置の表示画面にて重複ボタン演出であるボタン演出Cが開始された場合の表示内容の一例を示した図であり、(b)は、第1実施形態における第3図柄表示装置の表示画面にて重複ボタン演出であるボタン演出Cが終了した場合の表示内容の一例を示した図である。 第1実施形態における各種カウンタの構成を模式的に示した図である。 第1実施形態における主制御装置のROMの構成を示したブロック図である。 (a)は、第1実施形態における主制御装置のROMに設定された第1当たり乱数テーブルの内容を模式的に示した模式図であり、(b)は、第1実施形態における主制御装置のROMに設定された第2当たり乱数テーブルの内容を模式的に示した模式図である。 (a)は、第1実施形態における主制御装置のROMに設定された大当たり種別選択テーブルの構成を模式的に示した模式図であり、(b)は、第1実施形態における主制御装置のROMに設定された特図1用テーブルの内容を模式的に示した模式図であり、(c)は、第1実施形態における主制御装置のROMに設定された特図2用テーブルの内容を模式的に示した模式図である。 第1実施形態における主制御装置のROMに設定された変動パターン選択テーブルの構成を模式的に示した模式図である。 第1実施形態における主制御装置のROMに設定された通常用テーブルの内容を模式的に示した模式図である。 (a)は、第1実施形態における主制御装置のROMに設定された確変・時短用テーブルの内容を模式的に示した模式図であり、(b)は、第1実施形態における主制御装置のROMに設定された潜確用テーブルの内容を模式的に示した模式図である。 第1実施形態における主制御装置のROMに設定された普図変動パターンテーブルの内容を模式的に示した模式図である。 第1実施形態における主制御装置のRAMの構成を示したブロック図である。 (a)は、第1実施形態における音声ランプ制御装置のROMの構成を示したブロック図であり、(b)は、第1実施形態における音声ランプ制御装置のRAMの構成を示したブロック図である。 第1実施形態における音声ランプ制御装置のROMに設定された変動パターン選択テーブルの内容を模式的に示した模式図である。 第1実施形態における音声ランプ制御装置のROMに設定されたボタン演出選択テーブルの内容を模式的に示した模式図である。 第1実施形態における音声ランプ制御装置のRAMに設定されたボタン演出階層記憶エリアの内容を模式的に示した模式図である。 第1実施形態における表示制御装置の電気的構成を示したブロック図である。 (a)〜(c)は、電源投入時画像を説明する説明図である。 (a)は、背面Aを説明する説明図であり、(b)は、背面B〜Dを説明する説明図である。 (a)〜(c)は、背面Eを説明する説明図である。 表示データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。 転送データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。 描画リストの一例を模式的に示した模式図である。 主制御装置内のMPUにより実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される特別図柄変動処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される第1特別図柄変動開始処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される第1特別図柄大当たり判定処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される第1特別図柄変動パターン選択処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される第1特別図柄変動実行中処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される第1特別図柄変動停止処理を示すフローチャートである。 制御装置内のMPUにより実行される遊技回数更新処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される第2特別図柄変動開始処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される第2特別図柄大当たり判定処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される第2特別図柄変動パターン選択処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される第2特別図柄変動実行中処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される第2特別図柄変動停止処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される始動入賞処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される第1先読み処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される第2先読み処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される普通図柄変動処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行されるスルーゲート通過処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される大当たり制御処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される大当たり動作設定処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される大当たり終了処理を示すフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される特図1変動開始処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される特図2変動開始処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される停止種別コマンド受信処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される保留球数処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される状態コマンド受信処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される当たり関連処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される大当たり関連処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される変動表示設定処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される特図1ボタン演出設定処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される実行タイミング設定処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される特図2ボタン演出設定処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるボタン演出態様設定処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される枠ボタン入力監視・演出処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるボタン演出開始処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるボタン演出更新処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される第2枠ボタン設定処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるボタン押下処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行されるブート処理を示すフローチャートである。 (a)は、表示制御装置内のMPUにより実行されるコマンド割込処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行されるV割込処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理を示したフローチャートである。 (a)は、表示制御装置内のMPUにより実行される変動パターンコマンド処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行される停止種別コマンド処理を示したフローチャートである。 (a)は、表示制御装置内のMPUにより実行されるオープニングコマンド処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行されるラウンド数コマンド処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行されるエンディングコマンド処理を示したフローチャートである。 (a)は、表示制御装置内のMPUにより実行される変動停止コマンド処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行される報知コマンド処理を示したフローチャートである。 (a)は、表示制御装置内のMPUにより実行される背面画像変更コマンド処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行されるエラーコマンド処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行される表示設定処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行される警告画像設定処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行されるポインタ更新処理を示したフローチャートである。 (a)は、表示制御装置内のMPUにより実行される転送設定処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行される常駐画像転送設定処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行される通常画像転送設定処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行される描画処理を示したフローチャートである。 第2実施形態における第3図柄表示装置で表示される保留演出の流れを示したタイミングチャートである。 第2実施形態における第3図柄表示装置で表示される保留演出の流れを示したタイミングチャートである。 第2実施形態における第3図柄表示装置で表示される通常8個保留演出開始画面の表示内容の一例を示した図であり、(b)は、第2実施形態における第3図柄表示装置で表示される通常8個保留演出の演出結果の一例を示した図である。 (a)は、第2実施形態における第3図柄表示装置で表示されるスーパー保留演出が開始された場合の一例を示した図であり、(b)は、第2実施形態における第3図柄表示装置で表示されるスーパー保留演出の終了時に表示される表示内容の一例を示した図である。 (a)は、第2実施形態における音声ランプ制御装置のROMの構成を模式的に示した模式図であり、(b)は、第2実施形態における音声ランプ制御装置のRAMの構成を模式的に示した模式図である。 第2実施形態における音声ランプ制御装置のROMに構成される保留演出選択テーブルの内容を示した模式図である。 (a)は、第2実施形態における音声ランプ制御装置のRAMに構成される演出階層記憶エリアの構成を示した図であり、(b)は、第2実施形態における音声ランプ制御装置のRAMに設定された第1演出階層記憶エリア223の内容を模式図に示した模式図である。 各階層記憶エリアと、設定される演出情報との関連性を模式的に示した模式図である。 第2実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される特図1変動開始処理を示したフローチャートである。 第2実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される特図1変動開始処理2を示したフローチャートである。 第2実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される特図2変動開始処理2を示したフローチャートである。 第2実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される保留球数処理2を示したフローチャートである。 第2実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される特殊保留演出処理を示したフローチャートである。 第2実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される変動表示設定処理2を示したフローチャートである。 第2実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される演出態様設定処理を示したフローチャートである。 第2実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される関連演出設定処理を示したフローチャートである。 第2実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるボタン押下処理2を示したフローチャートである。 第2実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される演出レベル選択処理を示したフローチャートである。 第3実施形態におけるパチンコ機の遊技盤の正面図である。 第3実施形態における第3図柄表示装置で表示される演出の流れを示したタイミングチャートである。 (a)は、第3実施形態における第3図柄表示装置で表示されるバトル演出の一例を示した模式図であり、(b)は、第3実施形態における第3図柄表示装置で表示されるバトル演出で勝利した場合の一例を示した模式図である。 (a)は、第3実施形態における第3図柄表示装置で表示されるバトル演出で敗北した場合の一例を示した模式図であり、(b)は、第3実施形態における第3図柄表示装置で表示されるバトル演出で再戦となった場合の一例を示した模式図である。 (a)は、第3実施形態における第3図柄表示装置で表示されるバトル演出で敗北寸前である場合の一例を示した模式図であり、(b)は、第3実施形態における第3図柄表示装置で表示されるバトル演出が終了し、時短状態が報知される場合の一例を示した模式図である。 第3実施形態における主制御装置のROMの構成を示した模式図である。 第3実施形態における主制御装置のROMに設定された第1大当たり乱数2テーブルの内容を模式的に示した模式図である。 (a)は、第3実施形態における主制御装置のROMに設定された大当たり種別選択2テーブルの内容を模式的に示した模式図であり、(b)は、第3実施形態における主制御装置のROMに設定された特図1大当たり種別選択テーブルの内容を模式的に示した模式図であり、(c)は、第3実施形態における主制御装置のROMに設定された特図2大当たり種別選択テーブルの内容を模式的に示した模式図である。 第3実施形態における主制御装置のRAMの構成を示した模式図である。 第3実施形態における音声ランプ制御装置のRAMの構成を示した模式図である。 第3実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される特別図柄変動処理3を示すフローチャートである。 第3実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される第2特別図柄変動開始処理3を示すフローチャートである。 第3実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される第1特別図柄変動開始処理3を示すフローチャートである。 第3実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される遊技状態更新処理3を示すフローチャートである。 第3実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される大当たり終了処理2を示すフローチャートである。 第3実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される状態コマンド受信処理3を示したフローチャートである。 第3実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるバトル演出更新処理を示したフローチャートである。 第3実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される特図変動開始処理を示したフローチャートである。 第3実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される大当たり開始処理を示したフローチャートである。 第1変形例における第3図柄表示装置で表示される演出の流れを示したタイミングチャートである。 (a)は、第1変形例における第3図柄表示装置の表示内容を示した模式図であり、(b)は、第1変形例における第3図柄表示装置で表示される変動演出の一例を示した模式図である。 第1変形例における第3図柄表示装置で表示される変動演出の一例を示した模式図である。 (a),(b)は、第2変形例における第3図柄表示装置で表示されるマルチリーチ演出の一例を示した模式図である。 (a),(b)は、第2変形例における第3図柄表示装置で表示されるマルチリーチ演出の一例を示した模式図である。 (a),(b)は、入球ユニットの構成を模式的に示した模式図である。 (a),(b)は、第3変形例における第3図柄表示装置で表示されるマルチリーチ演出の一例を示した模式図である。 (a),(b)は、第3変形例における音声ランプ制御装置のRAMの構成を模式的に示した模式図である。 第3変形例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される小当たり終了処理4を示したフローチャートである。 第3変形例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるバトル演出更新処理4を示したフローチャートである。 第3変形例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される回数補正演出を示したフローチャートである。 第3変形例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される特図変動開始処理4を示したフローチャートである。 第3変形例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される補正回数対応処理を示したフローチャートである。 第4変形例における主制御装置のROMに設定された確変・時短用テーブルの内容を模式的に示した模式図である。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1から図91を参照し、第1実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の一実施形態について説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の後面図である。
図1に示すように、パチンコ機10は、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や球が入球可能な入球口63,64b1,64b2,640等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の正面を球(遊技球)が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の正面領域(遊技領域)に発射する球発射ユニット112a(図4参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の正面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。尚、遊技盤13に設けられた多数の入球口の内容については、図2を参照して後述する。
内枠12の正面側には、その正面上側を覆う正面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。正面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として正面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と正面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
正面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。正面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の正面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
正面枠14には、球を貯留する上皿17が正面側へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112a(図9参照)へと案内される。
正面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、正面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、正面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13正面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等がパチンコ機10の正面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の正面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設される。
操作ハンドル51の内部には、球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する発射停止スイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)などが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回動操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が回動操作量に対応して変化し、その可変抵抗器の抵抗値に対応した強さ(発射強度)で球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の正面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび発射停止スイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
また、下皿ユニット50には、遊技者が操作可能な操作手段として、第1枠ボタン22aと、第2枠ボタン22bとが設けられている。この第1枠ボタン22aと、第2枠ボタン22b(以下、両方の枠ボタンを示す場合には、枠ボタン22と称す。)は、例えば、第3図柄表示装置81(図2参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。本実施形態では、第1枠ボタン22aのほうが第2枠ボタン22bよりも操作頻度が高くなるように演出(ボタン演出)が設定されている。そして、操作頻度が高い第1枠ボタン22aのほうが第2枠ボタン22bよりも図1正面視で左側に配設されている。これにより、遊技者が右手で操作ハンドル51を操作している状態で実行されるボタン演出において、操作対象となり易い第1枠ボタン22aを左手で操作し易くすることができるため、ボタン演出が実行される毎に、遊技者が操作ハンドル51への操作(発射遊技)を止めてしまい遊技の稼働が低下してしまうことを抑制することができる。
尚、詳細な説明は後述するが、本実施形態では、遊技者に有利となる結果(例えば、大当たり)が報知される場合に実行されるボタン演出にて第2枠ボタン22bが操作対象となり易くなるように構成している。これにより、第2枠ボタン22bを操作対象とするボタン演出が実行されるだけで、つまり、第2枠ボタン22bに対して操作を行う前から遊技者に対して大当たりに当選したことを期待させることができる。
さらに、図1に示した通り、第2枠ボタン22bがパチンコ機10の略中央位置に配設されている。よって、第2枠ボタン22bを操作対象としたボタン演出が実行された場合に、遊技者に対して気合いを入れて第2枠ボタン22bを操作(例えば、両手を使った押下動作)させることができる。
また、図1に示した通り、操作頻度が高い第1枠ボタン22aのほうが第2枠ボタン22bよりも小さく構成されており、具体的には、第1枠ボタン22aは半径3センチメートル、第2枠ボタン22bは半径6センチメートルの円筒状に形成されている。これにより、操作頻度の低い(操作した場合に遊技者に特典が付与され易い)第2枠ボタン22bを目立たせることができる。
なお、本実施形態では、枠ボタン22の大きさを異ならせることにより、第1枠ボタン22aよりも第2枠ボタン22bのほうが目立つように構成しているが、ボタン演出において遊技者が第2枠ボタン22bを操作するタイミングにて、第1枠ボタン22aよりも第2枠ボタン22bのほうが目立つように構成されていれば良く、例えば、第2枠ボタン22bが可変動作するように構成し、ボタン演出が実行される場合に、第2枠ボタン22bを上方向(図1の視点で上方向)に突出させる可変動作を実行し得るように構成しても良い。この場合、ボタン演出が実行されていない場合は、第1枠ボタン22aのほうが第2枠ボタン22bよりも目立つように構成しても良い。これにより、ボタン演出が実行された場合に、第2枠ボタン22bが突然出現するような演出を実行することができるため、遊技者に意外性のある遊技を提供することができる。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車の他、レール61,62、一般入球口63、入球ユニット64(第1入球口64b1、左第2入球口64b2)、第2入球口640、可変入賞装置65、普通図柄始動口(スルーゲート)67、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12(図1参照)の裏面側に取り付けられる。ベース板60は光透過性の樹脂材料からなり、その正面側からベース板60の後面側に配設された各種構造体を遊技者に視認させることが可能に形成される。一般入球口63、入球ユニット64(第1入球口64b1、左第2入球口64b2)、第2入球口640、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の正面側からタッピングネジ等により固定されている。
遊技盤13の正面中央部分は、正面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の正面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の正面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の正面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の正面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の正面であって2本のレール61,62とレール間を繋ぐ樹脂製の外縁部材73とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図4参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。
返しゴム69の左上側には第1図柄表示装置37が設けられている。この第1図柄表示装置37は、透明の樹脂(例えば、ABS)にて形成されている遊技盤13の裏面(遊技領域を形成する面とは反対側の面)に覆われるように配設されており、発射された球が第1図柄表示装置37に衝突しないように構成している。
この第1図柄表示装置37には、発光手段である複数のLED及び7セグメント表示器を備える第1図柄表示装置37a,37bが配設されている。第1図柄表示装置37a,37bは、主制御装置110(図4参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。本実施形態では、第1図柄表示装置37a,37bは、球が、第1入球口64b1へ入球(入賞)したか、左第2入球口64b2、或いは第2入球口640へ入球(入賞)したかに応じて使い分けられるように構成されている。具体的には、球が、第1入球口64b1へ入球(入賞)した場合には、第1図柄表示装置37aが作動し、一方で、球が、左第2入球口64b2、或いは第2入球口640へ入球(入賞)した場合には、第1図柄表示装置37bが作動するように構成されている。つまり、第1図柄表示装置37aは、第1入球口64b1に球が入球した場合に実行される抽選(特図1抽選)の抽選結果を示すための表示手段であり、第1図柄表示装置37bは、左第2入球口64b2、或いは第2入球口640に球が入球した場合に実行される抽選(特図2抽選)の抽選結果を示すための表示手段となる。
また、第1図柄表示装置37a,37bは、LEDにより、パチンコ機10の遊技状態(確変状態、潜確状態、通常状態等)の何れであるかを点灯状態により示したり、第1図柄が変動中(抽選結果を示すための図柄の組み合わせを停止表示させるための動的表示中)であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が遊技者に有利な大当たりに対応した図柄か不利な大当たりに対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すと共に、7セグメント表示装置により、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行う。複数のLEDは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。なお、本実施形態では、発光手段(7セグメント表示装置)の発光色の組み合わせにより各種遊技状態を報知するように構成しているが、遊技者が各種遊技状態を識別可能な構成であれば良く、例えば、発光手段が点灯している期間と消灯している期間との長さ(点滅態様)を可変させることにより各種遊技状態を報知するように構成しても良い。
尚、本パチンコ機10では、第1入球口64b1、左第2入球口64b2、及び第2入球口640へ入球(入賞)があったことを契機として抽選(特別図柄の抽選)が行われる。そして、その特別図柄の抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行う。ここで、大当たりに当選したと判定されたことに基づいて、遊技者に有利な特典遊技状態となる大当たり遊技が実行される。
大当たり遊技が実行されると、可変入賞装置65の特定入賞口65aに球を容易に入賞させることが可能な開放状態となり、特定入賞口65aに球を入賞させることで多くの賞球を短期間で獲得可能な大当たり遊技が実行される。この大当たり遊技中は、特別図柄の抽選結果が停止表示(確定表示)された後に実行されるものであり、所定時間(例えば1秒)のオープニング期間(可変入賞装置65の特定入賞口65aに球を入球させ難い閉鎖状態が設定される期間)と、開放状態が設定されるラウンド遊技期間と、1のラウンド遊技期間が終了した後に、次のラウンド遊技が開始されるまでの所定期間(例えば、0.5秒)、閉鎖状態が設定されるインターバル期間と、最後のラウンド遊技期間が終了した後に、所定期間(例えば、2秒)の閉鎖状態が設定されるエンディング期間と、からなる大当たり遊技期間が設定される。
このように、大当たり当選を示す特別図柄の抽選結果が停止表示(確定表示)された後に、オープニング期間が設定することにより、大当たり遊技中における各入賞口が開放状態となるタイミングに合わせて球を任意の方向に向けて発射させる準備を行うことができるため、大当たり遊技を円滑に行わせることができる。また、このオープニング期間を、今回の大当たり遊技の遊技内容を遊技者に報知する期間として用いることができるため、分かり易い遊技を提供することができる。
また、大当たり遊技の最終期間としてエンディング期間を設定することにより、最後のラウンド遊技が終了した直後から、新たな特別図柄の抽選が実行されることを抑制することができるため、大当たり遊技の終了後に実行される遊技に向けて、球を任意の方向に向けて発射させる準備を行うことができるため、遊技の切り替えを円滑に行わせることができる。
さらに、大当たり抽選において大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。詳細な説明は後述するが、判定される大当たり種別としては、大当たり遊技のラウンド数が16ラウンドで、その大当たり遊技終了後に確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)が付与される16R確変大当たり、大当たり遊技のラウンド数が4ラウンドで、その大当たり遊技終了後に確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)が付与される4R確変大当たり、大当たり遊技のラウンド数が4ラウンドで、その大当たり遊技終了後に時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が付与される4R時短大当たりが用意されている。
つまり、本実施形態では、16R確変大当たりが最も遊技者に有利な特典(大当たり遊技中に付与され得る賞球数が最も多く、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態が遊技者に最も有利となる)が付与される大当たりとなり、次いで、4R確変大当たり、4R時短大当たりの順で有利度合いが下がるように構成されている。このように、特図抽選で大当たりに当選した場合においても、設定される大当たりの種別に応じて、遊技者に付与される特典の有利度合いを可変させることができるため、遊技者に対して、大当たり当選の有無だけでは無く、大当たり当選時に設定される大当たり種別についても興味を持たせることができる。
なお、本実施形態では、大当たり抽選で大当たりと外れの2種類の抽選結果が判定されるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、大当たり抽選の抽選結果として上述した大当たりでは無い外れと判定された場合の一部において、上述した大当たりよりも遊技者に付与される特典が少ない(例えば、1ラウンドのみ可変入賞装置65を開放させる特典)小当たりを判定可能に構成しても良い。これにより、遊技者に付与される特典量を多様化することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、第1図柄表示装置37a,37bには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否か(小当たり判定が可能なパチンコ機では小当たりであるか否か)が示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
本実施形態では、遊技状態として、「通常状態」、「時短状態」、「確変状態」の何れかが設定されるように構成している(図16参照)。通常状態は、特別図柄の大当たり確率が低確率(1/250)に設定され、普通図柄の当たり確率が低確率(11/233)に設定される遊技状態(以下、特別図柄:低確率状態、普通図柄:低確率状態と称す)であり、時短状態は、特別図柄の大当たり確率が低確率(1/250)に設定され、普通図柄の当たり確率が高確率(232/233)に設定される遊技状態(以下、特別図柄:低確率状態、普通図柄:高確率状態と称す)であり、確変状態は、特別図柄の大当たり確率が高確率(1/50)に設定され、普通図柄の当たり確率が高確率(232/233)に設定される遊技状態(以下、特別図柄:高確率状態、普通図柄:高確率状態と称す)である。
ここで、特別図柄の高確率状態とは、上述した通り、特別図柄の抽選において大当たりとなる確率が低確率状態よりも高くなる状態であり、本実施形態では、特別図柄の高確率状態が設定されると、特図1抽選の大当たり確率も、特図2抽選の大当たり確率も、同一の高確率値(1/50)となるように規定している。なお、これに限ること無く、例えば、特図1抽選の大当たり確率のみ高確率値が設定されたり、特図2抽選の大当たり確率のみ高確率値が設定されたりするように規定しても良いし、特別図柄の高確率状態が設定された場合における高確率値を、特図1抽選と、特図2抽選とで異ならせて規定しても良い。
次に、普通図柄の高確率状態とは、普通図柄の当たり確率が低確率状態よりも高くなる状態である。普通図柄の抽選(普図抽選)で当たりに当選すると、当たり遊技として電動役物640aが開放動作され、第2入球口640に球が入球し易い状態となる。
また、詳細な説明は後述するが、本実施形態では、特図1(第1特別図柄)の抽選で大当たりに当選した場合と、特図2(第2特別図柄)の抽選で大当たりに当選した場合と、で大当たり種別の設定割合が異なるように設定されており、特図1の抽選よりも特図2の抽選で大当たりに当選した場合のほうが、遊技者に有利な特典が付与される大当たり種別(例えば、16R確変大当たり)が設定され易くなるように構成している。このように構成することで、特図1抽選よりも特図2抽選のほうが遊技者に有利な抽選が実行されることになり、遊技者に対して特図2抽選が実行され易い遊技状態(時短状態、確変状態)が設定されることを期待しながら遊技者に遊技を行わせることができる。
なお、本実施形態では、普通図柄の高確率状態中(普図高確中)を、第2入球口640に球が入球し易い状態とするために、普通図柄の低確率中状態中に対して、普通図柄の当たり確率を高確率にする第1態様と、1回の当たり遊技に対する電動役物640aの開放時間や開放回数を増やす第2態様と、第2図柄の変動時間として短い変動時間が設定され易くする第3態様とを実行するように構成しているが、普通図柄の高確率状態のほうが、普通図柄の低確率状態よりも第2入球口640に球が入球し易い状態となるように構成されていれば良く、上述した3つの態様のうち、少なくとも一の態様を設定するように構成すれば良い。また、普通図柄の高確率状態のほうが、普通図柄の低確率状態よりも第2入球口640に球が入球し易い状態となるように構成されていれば、上述した3つの態様のうち、何れかの態様が普通図柄の低確率状態よりも、普通図柄の高確率状態のほうが第2入球口640に球が入球し難い態様となるように構成しても良い。
図2に戻り説明を続ける。遊技盤13の表面には発射された球が流下可能な遊技領域が形成されており、可変表示ユニット80によって遊技領域が区画形成されている。具体的には、可変表示ユニット80の左側に形成される左遊技領域と、可変表示ユニット80の右側に形成される右遊技領域と、に区画形成され、所定の第1発射強度で発射された球が左遊技領域を流下し、第1発射強度よりも強い発射強度である第2発射強度で発射された球が右遊技領域を流下する。なお、以降、発射された球が左遊技領域を流下するように操作ハンドル51を操作する遊技を左打ち遊技(通常遊技)と称し、発射された球が右遊技領域を流下するように操作ハンドル51を操作する遊技を右打ち遊技と称して説明をする。
左遊技領域には、球が入球することにより10個の球が賞球として払い出される一般入球口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入球口64b1、左第2入球口64b2、及び第2入球口640への入球(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37a,37bにおける変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、普通図柄始動口(スルーゲート)67への球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置(図示せず)とが設けられている。また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は15インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置114(図4参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中及び下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110(図4参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37a,37bで行われるのに対して、その第1図柄表示装置37a,37bの表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
第2図柄表示装置は、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過する毎に表示図柄(第2図柄(図示せず))としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機10では、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過したことが検出されると、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置において、第3図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。
パチンコ機10は、第2図柄表示装置における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入球口640に付随された電動役物640aが所定時間だけ作動状態(開放状態)となるよう構成されている。
普通図柄始動口(スルーゲート)67は、右遊技領域にて遊技盤13に組み付けられ、遊技盤に発射された球のうち、右側領域を流下する球の一部(約50%)が通過可能に構成されている。普通図柄始動口(スルーゲート)67を球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。当たり抽選の後、第2図柄表示装置にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。
球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過した回数は、合計で最大4回まで保留され、その保留球数(普図保留数)が第2図柄保留ランプ(図示せず)において表示される。第2図柄保留ランプは、最大保留数分の4つ設けられている。
なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37a,37b及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプの点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、普通図柄始動口(スルーゲート)67の球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、普通図柄始動口(スルーゲート)67の組み付け数は1つに限定されるものではなく、複数(例えば、2つ)であっても良い。また、普通図柄始動口(スルーゲート)67の組み付け位置は可変表示装置ユニット80の右側(右遊技領域)に限定されるものではなく、例えば、可変表示装置ユニット80の左側(左遊技領域)でも良い。また、第1図柄表示装置37a,37bにより保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプにより点灯表示を行わないものとしてもよい。
図2に示した通り、可変表示装置ユニット80の下方には、左遊技領域と右遊技領域とが連通する下遊技領域が形成されており、その下遊技領域の略中央部に球が入球し得る入球ユニット64が配設されている。この入球ユニット64について詳細な構成は後述するが、入球ユニット64の内部には、第1入球口64b1と、左第2入球口64b2と、球が入球可能な開口部から入球した球を、第1入球口64b1と、左第2入球口64b2とに交互に振り分けるための振分手段が内設されている。
第1入球口64b1へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で大当たりの抽選(特図1抽選)がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37aで示される。また、左第2入球口64b2へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第2入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110で大当たりの抽選(特図2抽選)がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37bで示される。
なお、本実施形態では、下遊技領域の略中央部に入球ユニット64を配設しているが、左打ち遊技を行い、左遊技領域を流下した球のほうが、右打ち遊技を行い、右遊技領域を流下した球よりも、入球ユニット64の開口部へ入球し易くなるように構成している。具体的には、遊技盤13に植設されている遊技釘(球誘導部材)によって左遊技領域から下遊技領域を経て入球ユニット64に臨む経路のほうが、右遊技領域から下遊技領域を経て入球ユニット64に臨む経路よりも、球が流下し易くなるように構成している。
よって、普通図柄の低確率状態が設定され、電動役物640aが開放し難い遊技状態である通常状態中は、左打ち遊技が適正な遊技方法となる。このように適正な遊技方法を規定することにより、通常状態中に右打ち遊技が行われたことを判別した場合(右側領域を流下した球のみが通過し得る領域(例えば、スルーゲート67)を球が通過したことを判別した場合)に、適正な遊技方法とは異なる遊技が行われている旨を遊技者に報知することができる。
次に、図2を参照して、右遊技領域の構成について説明をする。右遊技領域には、上述したスルーゲート67が配設されており、その下流側に第2入球口640と、その第2入球口640に付随する電動役物640aが配設されている。右遊技領域は、左打ち遊技によって発射され左遊技領域を流下する球が流下し得ない領域であるため、左打ち遊技によってスルーゲート67や第2入球口640に球が到達することが無い。これにより、通常状態中に、適正な遊技方法である左打ち遊技を行っているにもかかわらず、右遊技領域内のスルーゲート67を球が通過したり、第2入球口640に球が入球したりする事態を抑制することができる。よって、適正な遊技方法で遊技を行っている遊技者に対して、不適切な遊技方法(通常状態で右打ち遊技を行う遊技方法)が行われていると誤って判定され、遊技方法を変更させるための報知が実行されてしまい遊技意欲が低下してしまうという問題を解決することができる。
第2入球口640の下方(下遊技領域の一部)には、可変入賞装置65が配設されている。この可変入賞装置65は、特図抽選において大当たりに当選した場合に実行される大当たり遊技中に開放動作されるものであり、1個の球が入賞した場合に払い出される球数(賞球数)が15個となるように構成している。
ここで、本実施形態では、左打ち遊技よりも右打ち遊技のほうが可変入賞装置65に球を到達させ易くなるように構成しており、遊技者に対して有利な遊技状態(時短状態、確変状態)に加え、大当たり遊技中も右打ち遊技を実行させるように構成している。これにより、遊技者に有利な遊技状態中の遊技と大当たり遊技とが交互に実行される場合において、同一の遊技方法(右打ち遊技)を継続するだけで良く、遊技者に対して遊技方法を煩雑に変更させる必要を無くすることができる。
次に、図3に示すように、パチンコ機10の後面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図4参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図4参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図4を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図4は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。主制御装置110では、MPU201によって、大当たり抽選や第1図柄表示装置37a,37b及び第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。
なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
RAM203は、各種エリア、カウンタ、フラグのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図示せず)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図示せず)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37a,37b、第2図柄表示装置、第2図柄保留ランプ、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として正面側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群およびスライド位置検出センサSや回転位置検出センサRを含むセンサ群などからなる各種スイッチ208、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回動操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための発射停止スイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、その他装置228、第1枠ボタン22a、第2枠ボタン22bなどがそれぞれ接続されている。その他装置228には、パチンコ機10に設けられる演出用の駆動役物を動作させるための各種駆動モータが含まれる。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて、第3図柄表示装置81の表示態様を決定し、決定した表示態様をコマンド(表示用変動パターンコマンド、表示用停止種別コマンド等)によって表示制御装置114へ通知する。また、音声ランプ制御装置113は、第1枠ボタン22a、第2枠ボタン22bからの入力を監視し、遊技者によって第1枠ボタン22a、第2枠ボタン22bが操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた後面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた後面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、後面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の後面側に表示される画像のことである。表示制御装置114は、この音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに従って、第3図柄表示装置81に各種の画像を表示する。
なお、遊技者によって第1枠ボタン22a、第2枠ボタン22bが操作された場合に、図示しない演出用の役物を駆動させるためにその他装置228へ役物駆動コマンドを送信したり、第1枠ボタン22a、第2枠ボタン22bへの操作内容に対応した音声を音声出力装置226に出力させるための音声出力コマンドを設定したり、枠ボタン22への操作内容に対応した発光態様でランプ表示装置227を発光させるためのランプ出力コマンドを設定したりするように構成しても良い。
また、音声ランプ制御装置113は、表示制御装置114から第3図柄表示装置81の表示内容を表すコマンド(表示コマンド)を受信する。音声ランプ制御装置113では、表示制御装置114から受信した表示コマンドに基づき、第3図柄表示装置81の表示内容に合わせて、その表示内容に対応する音声を音声出力装置226から出力し、また、その表示内容に対応させてランプ表示装置227の点灯および消灯を制御する。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動演出などの表示を制御するものである。また、表示制御装置114は、第3図柄表示装置81の表示内容を通知する表示コマンドを適宜音声ランプ制御装置113へ送信する。音声ランプ制御装置113は、この表示コマンドによって示される表示内容にあわせて音声出力装置226から音声を出力することで、第3図柄表示装置81の表示と音声出力装置226からの音声出力とをあわせることができる。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図4参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図示せず)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図4参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次に、本実施形態における第3図柄表示装置81の表示内容について図5〜図7(a)を参照して説明する。図5(a)および(b)は本実施形態における第3図柄表示装置81の表示内容を模式的に示した模式図である。第3図柄表示装置81は、15インチサイズの液晶ディスプレイで構成されるものであり、後述する表示制御装置114によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中及び下の3つの図柄列(L1〜L3)が表示される(図5(a)参照)。第3図柄表示装置81の表示画面に表示される第3図柄(第1特別図柄(特図1)または第2特別図柄(特図2)の変動表示に対応して変動する装飾図柄)は、「0」から「9」の数字を模した識別情報が付された10種類の主図柄によりそれぞれ構成されている。
本実施形態のパチンコ機10では、主図柄が数字を模した識別情報毎に異なる種類のキャラクタ(動物等)を用いて形成されている。このように、各識別情報に対応させたキャラクタを用いることで、遊技者に対して特別図柄の抽選結果を視覚的に報知することができるため分かり易い遊技を行わせることができる。また、本実施形態のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110による抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う(例えば「777」)変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。つまり、第3図柄は、主制御装置110による特別図柄の抽選結果を示すための図柄として第3図柄表示装置81に表示されるものである。
主表示領域Dmは、上・中・下のそれぞれ3つの図柄列L1,L2,L3が表示される。各図柄列L1〜L3には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列L1〜L3には、数字の昇順または降順に主図柄が配列され、図柄列L1〜L3毎に周期性をもって左右方向へスクロールして変動表示が行われる。
具体的には、上図柄列L1と中図柄列L2は右から左に向かって数字が昇順となるように図柄列が形成され、右から左へとスクロールして変動表示されるように構成されており、下図柄列L3は左から右に向かって数字が昇順となるように図柄列が形成され、右から左へとスクロールして変動表示されるように構成されている。さらに、各図柄列は、主図柄の間に特別図柄の抽選結果を示さない副図柄(ブランク図柄)が形成されている。
そして、図5(a)に示した通り、主表示領域Dmは、上下方向に形成される3つの有効ラインV1〜V3、及び、斜め方向に形成される2つの有効ラインV4,V5を有しており、各図柄列L1〜L3が停止表示された状態で、第3図柄が有効ライン上に大当たり図柄の組合せ(本第1実施形態では、同一の主図柄の組合せ)で揃って停止されれば、大当たりとして大当たり動画が表示される。
図5(a)に示した通り、本第1実施形態では、各有効ライン(V1〜V5)が、各図柄列L1〜L3の図柄表示位置を含むように形成されているため、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmに表示される各図柄列L1〜L3の全てが停止表示されるまで、対応する特別図柄の抽選結果を分かり難くすることができる。よって、最後の図柄列(本実施形態では、中図柄列L2)が停止表示されるまでの間、主表示領域Dmにて実行される第3図柄の変動表示に興味を持たせることができる。
なお、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動表示の態様は、上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。また、第3図柄表示装置81にて変動表示される図柄は上記に限られることはなく、例えば図形やキャラクタ等の画像と数字とを組み合わせた図柄を第3図柄として構成してもよい。さらに、第3図柄が変動表示される領域を可変させる構成にしてもよく、例えば、第3図柄表示装置81の表示画面上で特定の演出が実行される場合は、第3図柄の変動表示領域を小さくしたり、変動表示領域を遊技者が視認し難い位置(例えば、表示画面の隅部)へと移動させたりすることで、第3図柄が変動しているか否かを遊技者が分かり難くするようにしてもよい。また、特別図柄が変動している期間中に、第3図柄の変動を一旦停止(仮停止)させ、再度変動させるように構成してもよい。
さらに、本実施形態では、第1特別図柄の変動に対応した第3図柄の表示態様と、第2特別図柄の変動に対応した第3図柄の表示態様とが同一(遊技者が識別困難な程度の相違も含む)となるように構成しているが、変動している特別図柄の種別に対応するように第3図柄の表示態様や表示領域を異ならせても良い。
次に、第3図柄表示装置81に実際に表示される内容について図5(b)を参照して説明をする。図5(b)に示した通り、主表示領域Dmにおける正面視右上には、小表示領域Dm1,Dm2が形成されている。この小表示領域Dm1,Dm2は、特別図柄の抽選状況(抽選中(変動中)であるか否か、及び、抽選結果)を示すための識別情報(第4図柄)が表示される領域であって、第1特別図柄(特図1)の抽選状況を示すための第4図柄(特図1第4図柄)が小表示領域Dm1に表示され、第2特別図柄(特図2)の抽選状況を示すための第4図柄(特図2第4図柄)が小表示領域Dm2に表示されるように構成している。
このように小表示領域Dm1,Dm2を設けることにより、特図1と特図2とが同時に変動可能なパチンコ機10において、特別図柄の抽選状況を遊技者に報知することができる。なお、詳細は後述するが、本実施形態のパチンコ機10では、第4図柄を、数字を用いた表示態様で示しており、小表示領域Dm1,Dm2にて第4図柄を変動表示させることで(図9(a)参照)、特別図柄が変動している状況を示し、小表示領域Dm1,Dm2にて第4図柄を停止表示させることで(図10参照)、特別図柄の抽選結果を示すように構成しているが、これに限ること無く、例えば、第4図柄として図形を模した表示態様や、複数の色を示す表示態様を用いて、図形を変形させる表示態様や、色を可変させる表示態様によって特別図柄が変動していることを示し、特定の図柄や色を示す表示態様を停止表示させることで、特別図柄の抽選結果を示すように構成しても良い。
さらに、本実施形態では、第4図柄を用いて、特別図柄の抽選状況(抽選中(変動中)であるか否か、及び、抽選結果)を示すように構成しているが、これに限ること無く、特別図柄が抽選中(変動中)であるか否かのみを報知するように構成しても良い。また、図5(b)に示した通り、本実施形態では、特別図柄の抽選状況を示すための第4図柄が表示される第4図柄表示領域(小表示領域Dm1,Dm2)を、主表示領域Dmの右上側に形成する例を示しているが、この第4図柄表示領域が形成される位置や、大きさを、主表示領域Dmの中央部分で実行される変動演出の演出態様に応じて異ならせても良い。
このように構成することで、第4図柄表示領域によって、変動演出が実行される領域が制限されてしまい、演出効果が低下してしまうことを抑制することができる。なお、この場合、第4図柄表示領域を第3図柄表示装置81の主表示領域Dmから削除し、可変表示装置ユニット80に設けられた発光手段(LED等)を用いて第4図柄の変動表示を実行するように構成すると良い。
さらに、小表示領域Dm1の近傍(左側)には小表示領域Dm1aが形成され、特図1の保留球数を示す表示態様が表示される。また、小表示領域Dm2の近傍(左側)には小表示領域Dm2aが形成され、特図2の保留球数を示す表示態様が表示される。なお、本実施形態では、後述する図9(a)に示した通り、保留数表示領域(小表示領域Dm1a,Dm1b)にて、各特図の保留球数を、数字を用いた表示態様で表示するように構成しているが、これに限ること無く、獲得図の保留球数が識別できるような色や記号を用いた表示態様を表示するように構成しても良い。
主表示領域Dmにおける正面視左上には、小表示領域Dm3が形成されている。この小表示領域Dm3は、遊技者に対して球を発射させる方向(遊技方向)を案内するための案内表示態様が表示される(図5(b)参照)。
本実施形態では、小表示領域Dm3を案内表示領域として用いている。このように構成することで、遊技者は案内表示領域に表示されている案内表示態様を視認するだけで、遊技盤のどの領域に向けて球を発射すれば良いのかを容易に把握することができるため、遊技者に分かり易い遊技機を提供することができる。
この案内表示領域(小表示領域Dm3)には、遊技者に対して右打ち遊技を行わせることを案内するための「右打ち」の表示態様と、遊技者に対して左打ち遊技を行わせることを案内するための「左打ち」の表示態様と、が表示されるように構成されており、「右打ち」の表示態様は、右打ち遊技が遊技者にとって有利となる遊技状態、即ち、時短状態中、確変状態中、及び、大当たり遊技中に表示され、「左打ち」の表示態様は、右打ち遊技が終了してから所定期間(例えば、10秒間)表示されるように構成している。また、左打ち遊技が遊技者にとって有利となる遊技状態、即ち、通常状態中に右打ち遊技が実行されていることを検知した場合にも、所定期間(例えば、10秒間)「左打ち」の表示態様が表示されるように構成している。
図5(b)に戻り説明を続ける。第4図柄表示領域(小表示領域Dm1,Dm2)の左方には、小表示領域Dm1a,Dm2aが形成されている。この小表示領域Dm1a,Dm2aは、各特別図柄の保留球数を示すための保留数表示態様が表示される領域であって、小表示領域Dm1aには、第1特別図柄の保留球数(保留記憶数)を示すための特図1保留情報が表示され、小表示領域Dm2aには、第2特別図柄の保留球数(保留記憶数)を示すための特図2保留情報が表示される。
詳細な説明は省略するが、小表示領域Dm1a,Dm2aは、対応する特別図柄の保留球数を示すための値以外に、保留記憶されている入賞情報を事前に判別した結果(先読み結果)を遊技者に示唆報知可能な表示態様を表示するように構成している。このように構成することで、遊技者に対して今後実行される遊技(保留記憶されている特別図柄の抽選結果)に対して期待を持たせながら遊技を行わせることができる。
さらに、主表示領域Dmの下方には、副表示領域Dsが形成される。この副表示領域Dsは、図9(a)に示す通り、実行中の遊技内容に対するコメントが表示されるように構成されている。このように構成することで、遊技者に対して分かり易い遊技を提供することができる。なお、副表示領域Dsを別の目的に用いても良く、例えば、小表示領域Dm1a,Dm2aに示した各特別図柄の保留球数を示すための情報を、副表示領域Dsに表示するように構成しても良い。
この場合、例えば、副表示領域Dsに、各特別図柄の保留球数を個々に示すための保留表示態様(例えば、円形からなる保留図柄表示態様)を表示するように構成すると良い。そして、保留表示態様の表示数によって、現在の特別図柄の保留球数を遊技者が把握できるように構成すると良い。さらに、保留記憶されている各特別図柄に対応する入賞情報を事前に判別し、その判別結果に基づいて、対応する保留表示態様を可変させるように構成すると良い。
このように構成することで、複数存在し得る保留図柄のうち、表示態様が可変された保留図柄に対応する特別図柄の抽選にて、大当たりに当選するのではと期待を持たせながら遊技を行わせることができる。さらに、本実施形態とは異なり、個々の保留記憶数に対応する保留図柄表示するように構成しているため、複数ある保留図柄のうち、遊技者に有利となり得る遊技結果を示すための表示態様に可変された保留図柄表示を容易に表示する結果表示を設定することができる。
さらに、本実施形態では、その他に、遊技者に対して遊技結果(各図柄の抽選結果)を示唆するための遊技結果示唆態様や、主表示領域Dmにて実行されている演出表示の内容を説明するための演出説明態様や、枠ボタン22を操作するタイミングや操作した結果を示すための枠ボタン関連表示態様や、大当たり遊技に関する情報が表示される当たり関連情報表示態様が副表示領域Dsに表示されるように構成されており、副表示領域Dsに表示する内容によって、主表示領域Dmと副表示領域Dsとの表示領域の割合が異なるように設定されている。
また、停止表示された第3図柄の組み合わせが外れに対応する組み合わせであって、保留球が存在する場合は、抽選結果が外れであることを示す表示態様で第3図柄を1秒間停止表示させた後に確定表示し、その後、保留球に基づく抽選に対応する変動表示が開始される。なお、複数の保留球が存在する場合は、時間的に最も古い入球に対応する保留球に基づいて抽選が実行される。
一方、保留球が存在しない状態で、特別図柄の外れに対応する組み合わせの第3図柄が1秒間停止表示された場合は、その後も第3図柄が停止表示された状態が継続する。この状態は、所定時間(例えば、30秒)が経過するか、または、第1入球口64b1、左第2入球口64b2、或いは第2入球口640に対して新たに球が入球するまで継続する。そして、第3図柄が停止表示されてから所定時間(例えば、30秒)が経過した場合は、遊技が実行されていないことを示すデモ演出が表示される。遊技者が球を所定時間(例えば、30秒)連続して発射させているにも関わらず、第1入球口64b1、左第2入球口64b2、第2入球口640のいずれにも入球が無いという状況は稀であり、第3図柄が停止表示された状態が所定時間(例えば、30秒)継続する場合の多くは、遊技者が遊技を辞めたことで、パチンコ機10による遊技が全く行われていないことに起因する。
よって、本実施形態のパチンコ機10では、第3図柄が停止表示されてから所定時間(例えば、30秒)が経過した時点で、遊技者が遊技を行っていないと判断し、デモ演出を開始する。これにより、遊技を開始するためにパチンコ機10を選択しようとしている遊技者が、デモ演出の表示の有無に基づいて遊技が行われているか否かを容易に判断することができる。一方、所定時間(例えば、30秒)が経過する前に第1入球口64b1、左第2入球口64b2、第2入球口640のいずれかに対して新たに球が入球した場合は、その新たな入球に対応する第3図柄の変動表示が実行される。
<第1実施形態における演出内容について>
次に、図6〜図12を参照して本実施形態のパチンコ機10における第3図柄表示装置81にて表示される演出内容について説明をする。本実施形態のパチンコ機10は、特図1と特図2とが並行して特図抽選を実行する遊技仕様(所謂、同時変動機)で構成されており、さらに、通常状態中に球を流入させる入球ユニット64は、特図1の抽選契機となる第1入球口64b1と、特図2の抽選契機となる左第2入球口640と、に交互に球が入球するように構成されている。このように構成されたパチンコ機10において、第3図柄表示装置81で、特図1抽選の結果を示すための第3図柄の変動表示演出と、特図2抽選の結果を示すための第3図柄の変動表示演出と、を同時に実行してしまうと、複数の第3図柄の変動表示が混在してしまい各特図の抽選結果が分かり難くなるという問題があった。さらに、限られた領域である第3図柄表示装置81の表示画面を分割して各特図に対応する第3図柄の変動表示を実行する必要があるため、各特図に対応する第3図柄の表示領域が小さくなってしまい遊技者に分かり難い変動表示が実行されてしまうという問題があった。
加えて、特図1抽選の結果を示す第3図柄の変動表示演出と、特図2抽選の結果を示す第3図柄の変動表示演出と、を同時に実行してしまうと、例えば、各変動表示演出にて遊技者に対して枠ボタン22(第1枠ボタン22a、第2枠ボタン22b)を操作させる演出(ボタン演出)を実行可能にし、特図1抽選の結果を示す第3図柄の変動表示演出として実行されるボタン演出(特図1ボタン演出)の実行タイミングと、特図2抽選の結果を示す第3図柄の変動表示演出として実行されるボタン演出(特図2ボタン演出)の実行タイミングと、が重複した場合に、どのボタン演出に対して枠ボタン22を操作したのかを遊技者が把握し難くなり、遊技者に分かり難い演出が実行されてしまうという問題があった。
また、本実施形態のように特図1抽選と特図2抽選とが独立(並行)して実行される同時変動機において、特図1ボタン演出と特図2ボタン演出とが重複して実行されないように制限を掛けようとする場合には、各特図の変動開始タイミングが不定であることから、必要以上にボタン演出を設定(実行)できない期間(禁則期間)を設けてしまい、ボタン演出が実行され難くなるという問題があった。
これに対して、本実施形態では、第3図柄表示装置81の表示画面で複数の特図のうち、一方の特図((特図1)主変動図柄)の抽選結果を示す第3図柄のみ変動表示(主変動表示)させるように構成している。これにより、第3図柄表示装置81の表示画面全体を用いて主変動図柄の抽選結果を示す第3図柄を変動表示させることができるため、遊技者に分かり易い変動表示演出を実行することができる。
さらに、本実施形態では、第3図柄表示装置81の表示画面にて変動表示されない他方の特図((特図2)副変動図柄)の抽選結果が大当たりである場合には、第3図柄表示装置81の表示画面にて変動表示される第3図柄の対象を切り替えるように構成している。これにより、第3図柄が変動表示中(特図1に対応する第3図柄が変動表示中)にも関わらず、急に大当たり遊技(特図2抽選で大当たりに当選したことに基づいて実行される大当たり遊技)が実行されてしまうことを抑制することができる。
加えて、特図1に対応する変動表示演出にてボタン演出が実行されている最中に、特図2の大当たり当選に対応する変動表示演出としてボタン演出が実行される場合には、各特図に対して実行されるボタン演出を融合させた特殊ボタン演出を実行するように構成している。これにより、複数のボタン演出が重複して個々に実行されてしまい遊技者に分かり難い演出を提供してしまうことを抑制することができる。また、特殊ボタン演出を実行することにより、特図1に対応する第3図柄の変動表示を、特図2に対応する第3図柄の変動表示へと遊技者に違和感を与えること無く切り替えることができる。
なお、本実施形態では、第3図柄表示装置81の表示画面にて変動表示されない副変動図柄の抽選結果が大当たりである場合に、第3図柄の対象を主変動図柄から副変動図柄へと切り替えるように構成しているが、これに限ること無く、副変動図柄の抽選結果が外れである場合に設定される外れ変動の一部(例えば、大当たり当選時に選択される変動時間と同一の変動時間が設定される外れ変動)においても第3図柄の対象を主変動図柄から副変動図柄へと切り替える処理を実行するように構成すると良い。これにより、第3図柄の対象を主変動図柄から副変動図柄へと切り替える演出(例えば、特殊ボタン演出)が実行された場合に、大当たりに当選することを期待しながら、第3図柄表示装置81の表示画面にて実行される変動表示演出に最後まで興味を持たせることができる。
ここで、図6及び図7を参照して、本実施形態における各特図変動と、実行される演出の内容について説明をする。図6は、特図1(主変動図柄)の変動表示演出としてボタン演出(ボタン演出A)と、特図2(副変動図柄)の変動表示演出としてボタン演出(ボタン演出B)と、が異なるタイミングで実行される場合の演出の流れを示したタイミングチャートであり、図7は、特図1(主変動図柄)の変動表示演出としてボタン演出(ボタン演出A)と、特図2(副変動図柄)の変動表示演出としてボタン演出(ボタン演出B)と、が重複したタイミングで実行される場合の演出の流れを示したタイミングチャートである。
ここで、まず、図8を参照して、ボタン演出の具体的な流れについて説明をする。図8は、ボタン演出の流れを示したタイミングチャートである。図8に示した通り、遊技者に対して操作手段を操作させるボタン演出が実行される演出期間(ボタン演出期間)は、遊技者に対して枠ボタン22(操作手段)に対する操作が有効になることを報知するための準備期間t1と、枠ボタン22(操作手段)に対する操作が有効に判別される(遊技者が枠ボタン22を操作可能な)実行期間t2と、実行期間中の枠ボタン22への操作結果に基づいた演出が実行される結果報知期間t3と、から形成されている。また、実行期間中において、遊技者が枠ボタン22を操作した場合に、枠ボタン22が操作された旨を報知する操作期間t4が設定される。
準備期間t1中は、第3図柄表示装置81の表示画面に実行期間中に表示される演出内容を説明する表示態様が表示される。具体的には、例えば、実行期間中に、図9(a)に示した演出が実行される場合には、「寝ているウサギを起こす演出が始まるよ」のコメントが表示されると共に、操作有効期間を示す有効期間ゲージ812aを表示すること無く、第1枠ボタン22aを模したボタン812が表示される。これにより、後に実行される演出の内容を遊技者に報知すると共に、後に実行される演出が第1枠ボタン22aを操作するボタン演出であることが予め遊技者に報知される。
この準備期間t1を設けることにより、遊技者に対して枠ボタン22(操作手段)を操作するための準備をさせることができ、実行期間t2中に円滑に枠ボタン22(操作手段)を操作させることができる。
実行期間t2中は、遊技者に枠ボタン22(操作手段)を操作させることを促すための演出が実行される(図9(a)参照)。ここで、図9(a)を参照して、ボタン演出の実行期間t2中に実行される演出内容について説明をする。図9(a)は、ボタン演出の実行期間t2中に実行される演出内容の一例を示した模式図である。
図9(a)に示した通り、ボタン演出(ボタン演出A)の実行期間t2が設定されると、主表示領域Dmにウサギを模したキャラクタ811が寝ている表示態様で表示され、副表示領域Dsに、今回のボタン演出の演出内容(遊技内容)を説明するための「起こして」のコメントが表示される。そして、今回のボタン演出の操作対象となる第1枠ボタン22aを模したボタン812と、第1枠ボタン22aの操作有効期間t5を示す有効期間ゲージ812aが表示される。
この有効期間ゲージ812aは、設定される操作有効期間t5の全体の長さを外枠(長方形)の長さで示し、その中を操作有効期間t5の残期間を示すための残期間態様(図9(a)にて斜線で示した態様)が、右から左へとその残期間態様の表示領域が減少するように可変表示される。これにより、有効期間ゲージ812aのうち、残期間態様が表示されていない表示領域(図9(a)にて空白で示した態様)が、操作有効期間t5の経過期間を示すための経過期間態様とすることができる。
このように、操作有効期間t5の全体の長さに対して、操作有効期間t5の残期間の長さを相対的に表示することで、操作有効期間t5の残期間を具体的に時間で示さなくても、遊技者に把握させることができる。また、異なる操作有効期間t5が設定される場合においても、有効期間ゲージ812aの外枠(長方形)の長さを一定にし、残期間態様が可変表示される速度を変更するだけで、設定されている操作有効期間t5を遊技者に分かり易く報知することができる。
なお、本実施形態では、上述した有効期間ゲージ812aを用いて、ボタン演出における操作有効期間t5を遊技者に報知するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、設定される操作有効期間t5の長さや、操作有効期間t5の残期間を具体的な数値(例えば、秒数)で報知するように構成しても良い。また、本実施形態では、有効期間ゲージ812aの表示態様を直線状に形成した例を示したが、これに限ること無く、有効期間ゲージ812aを円形に形成し、残期間態様が有効期間ゲージ812aを時計回りに可変表示されるように構成し、残期間態様が有効期間ゲージ812aを一周した場合に、操作有効期間t5が終了することを示すように構成しても良い。このように構成することで、設定された操作有効期間t5に対する残期間を相対的に把握させ易くすることができ、遊技者に分かり易く報知することができる。加えて、残期間態様が可変表示される開始位置(例えば、円形に形成された有効期間ゲージ812aの12時を示す位置)と、残期間態様が可変表示される終了位置(例えば、円形に形成された有効期間ゲージ812aの12時を示す位置)とを、同一にすることができるため、操作有効期間t5が残期間態様の可変表示一周分の演出パターンと、可変表示二周分の演出パターンを設けることにより、遊技者に対して意外性のある演出を設定することができる。
図8に戻り説明を続ける。図9(a)にて例示した演出が実行される実行期間t2中において、遊技者が今回の操作対象となる第1枠ボタン22aを操作すると、第1枠ボタン22aが押下されたことを示すための演出が実行される操作期間t4が設定される。この操作期間t4中には、第3図柄表示装置の表示画面に表示されたボタン812の表示態様が押下後表示態様(図9(a)に示した表示態様よりも、ボタン812の厚みが薄くなる表示態様)として表示される。
このように、操作期間t4を設定し、押下後表示態様を表示するように構成することで、遊技者に対して今回のボタン演出の操作対象となる操作手段(第1枠ボタン22a)が操作(押下)されたことを確実に報知することができる。なお、遊技者に対して操作対象となる操作手段が操作されたことを報知するための報知態様としては、上述した押下後表示態様を表示させる構成以外を用いても良く、例えば、音声出力装置226から操作手段(枠ボタン22)が操作(押下)されたことを示すための押下音声を出力するように構成しても良いし、操作手段(枠ボタン22)に発光手段を設け、その発光手段の発光態様(発光色)によって、操作済か否かを判別することができるように構成しても良い。
また、上述した構成に加え、今回のボタン演出の操作対象となる操作手段(第1枠ボタン22a)とは異なる操作手段(第2枠ボタン22b)が、実行期間中に操作された場合に、操作した操作手段が操作対象では無いことを示すための注意喚起報知を実行するように構成しても良い。これにより、複数の操作手段を有する遊技機において、遊技者が誤った操作手段を操作してしまった場合に、適正な操作を分かり易く案内することができる。
ボタン演出期間のうち、実行期間t2が終了すると、実行期間中の操作結果に基づく演出が実行される結果報知期間t3が設定される。ここで、図9(b)、図10を参照して、結果報知期間t3中に実行される演出内容について説明をする。図9(b)は、ボタン演出の結果報知期間t3中に表示される演出内容の一例として、実行期間t2中に操作条件(例えば、実行期間t2中に第1枠ボタン22aを2回の押下)が成立した場合の表示態様の一例を示した模式図で、図10は、ボタン演出の結果報知期間t3中に表示される演出内容の一例として、実行期間t2中に操作条件(例えば、実行期間t2中に第1枠ボタン22aを2回の押下)が成立しなかった場合の表示態様の一例を示した模式図である。
図9(b)に示した通り、実行期間t2中に操作条件が成立すると、実行期間t2中に寝ていたキャラクタ811が起き上がり、後に実行される演出態様を示唆する「SPリーチ」のコメントが表示される。また、副表示領域Dsには、実行期間t2中の第1枠ボタン22aに対する操作が適正であったことを示す「成功」のコメントが表示される。
一方、実行期間t2中に操作条件が成立しなかった場合、例えば、実行期間t2中に遊技者が第1枠ボタン22aを操作しなかった場合は、図10に示した通り、寝たままのキャラクタ811が表示され、後に実行される演出態様を示唆するコメントが表示されない。そして、副表示領域Dsには、実行期間t2中の第1枠ボタン22aに対する操作が適正ではなかったことを示す「残念」のコメントが表示される。
このように、ボタン演出の実行期間t2中における操作手段への操作に基づいて、結果報知期間t3中の表示態様を可変させることにより、今回のボタン演出中の操作が適正であったか否か(成功したか否か)を遊技者に分かり易く報知することができる。
なお、詳細な説明は省略するが、本実施形態では、ボタン演出期間の経過後に実行される演出態様(例えば、リーチ期間中に表示される演出態様)を、ボタン演出の演出結果に応じて可変させるように構成している。具体的には、ボタン演出の演出結果が「成功」である場合のほうが、「残念」である場合よりも、実行頻度が低い演出態様が設定され易くなるように構成している。これにより、実行頻度が低い演出態様の演出が実行されることを期待させながら遊技者を積極的にボタン演出に参加させることができる。
図8に戻り、説明を続ける。ボタン演出期間のうち、枠ボタン22(操作手段)に対する操作が有効に判別される(遊技者が枠ボタン22を操作可能な)実行期間t2が設定された時点では、実行期間t2に対応させて操作有効期間t5が設定されているが(図8では点線で表示)、実行期間t2中に遊技者が枠ボタン22(操作手段)を操作し、操作条件を満たすと、その時点で操作有効期間t5が終了する(図8では実線で表示)。そして、実行期間t2と操作有効期間t5の差分期間において、操作条件が成立したことを示す表示態様として操作条件成立態様(例えば、「操作完了」のコメント)が表示される。
なお、操作条件成立態様が表示される期間は、操作条件が成立したタイミングによって可変されるため、例えば、操作条件成立態様を、その表示期間の長さに応じて可変設定するように構成しても良く、操作条件成立態様の表示期間が第1期間(例えば、3秒)よりも長い場合は、「操作完了、お見事」のように、遊技者が素早く操作を行ったことを祝福する表示態様を設定し、第1期間(例えば、3秒)よりも短い場合は、「操作完了、ギリギリだね」のように、遊技者が素早く操作を行わなかったことを示す表示態様を設定するように構成すると良い、加えて、操作条件成立態様の表示期間が第1期間(例えば、3秒)よりも長い場合にのみ、遊技者に有利となる情報(例えば、実行中の特図抽選の結果を示唆する情報、現在設定されている遊技状態を示唆する情報、遊技者が体験し難い特殊映像)を報知するように構成しても良い。これにより、遊技者に対して、いち早く操作条件が成立するように意欲的に操作手段を操作させることができる。
また、実行期間t2のうち操作条件が成立したタイミング(操作有効期間t5が終了するタイミング)に応じて、後に実行される演出態様(例えば、結果報知期間t3中に実行される結果報知演出の演出態様や、その後のリーチ期間中に実行されるリーチ演出の演出態様)を可変させるように構成しても良い。
なお、本実施形態では、操作条件が成立した場合であっても、予め定められた実行期間t2が終了(経過)するまでは、結果報知期間t3が設定されないように構成しているが、これに限ること無く、操作条件が成立したタイミングで、操作有効期間t5、及び実行期間t2を終了させ、直ちに結果報知期間t3が設定されるように構成しても良い。これにより、ボタン演出を迅速に実行させることができ、演出効果を高めることができる。
上述した通り、図8に示した例によれば、時間の経過に基づいて移行条件が成立した場合に、ボタン演出期間として予め設定された各期間(準備期間t1、実行期間t2、結果報知期間t3)を移行するように構成しているが、時間の経過以外の移行条件を設定しても良く、例えば、実行期間中において操作条件が成立したことを移行条件に設定し、予め定められた長さの実行期間t2が経過する前に、結果報知期間t3へと移行するように構成しても良い。これにより、遊技者が行う操作手段(枠ボタン22)に対する操作に対応させて結果報知期間t3を設定することができるため、遊技者に対して違和感の無い演出を提供することができる。
また、この場合、結果報知期間t3の開始タイミングのみを早めて、終了タイミングは予め定められたタイミングのままとなるように設定すると良い。これにより、実行期間t2中にいち早く操作条件を成立させた場合には、結果報知期間中t3の表示態様が表示される期間(結果報知演出が実行される期間)を長くすることができる。よって、今回のボタン演出の演出結果を遊技者に分かり易く報知することができる。加えて、ボタン演出期間の終了タイミングが可変されないため、ボタン演出期間終了後に実行される演出(リーチ演出)の演出態様(演出期間)を可変させる必要が無く、音声ランプ制御装置113の処理負荷を軽減させることができる。
なお、これに限ること無く、ボタン演出期間における実行期間t2の長さを操作手段に対する操作内容に応じて可変可能に構成した場合に、結果報知期間t3の終了タイミング(ボタン演出期間の終了タイミング)を、予め定められた終了タイミングと異ならせるように構成しても良い。この場合、例えば、実行期間t2の長さが短くなるように可変された場合には、結果報知期間t3の終了タイミング(ボタン演出期間の終了タイミング)が、予め定められた終了タイミングよりも早く到来するように構成すると良い。このように構成することで、ボタン演出期間終了後の演出期間を長く設定することができるため、通常とは異なる演出を実行することが可能となり、演出効果を高めることができる。
ここで、図6、図7を参照して、図8を用いて説明をしたボタン演出が実行される流れについて説明をする。図6は、特図1変動の変動演出として設定されるボタン演出(ボタン演出A)と、特図2変動の変動演出として設定されるボタン演出(ボタン演出B)と、が異なるタイミングで実行される場合の流れを示している。本実施形態では、遊技状態として通常状態が設定されている場合に、第1特別図柄(特図1)の抽選結果を示すための変動演出(特図1変動演出)が主として第3図柄表示装置81の表示画面に表示されるように構成されており、第2特別図柄(特図2)の抽選結果が大当たりである場合、或いは、大当たりの期待度が高い変動パターン(例えば、60秒の変動時間が設定される変動パターン)選択された場合の一部において、特図2の抽選結果を示すための変動演出が第3図柄表示装置81の表示画面に表示されるように構成されている。
よって、図6に示した通り、特図1の変動演出としてボタン演出Aが設定された状態で抽選結果が外れである特図2変動が実行されている場合は、ボタン演出A(操作対象となる操作ボタンが第1枠ボタン22a)が第3図柄表示装置81の表示画面に表示され、特図2変動の第2変動(当たり)の変動演出としてボタン演出B(操作対象となる操作ボタンが第1枠ボタン22a)が設定された場合は、ボタン演出Bが第3図柄表示装置81の表示画面に表示される。
ここで、図11を参照して、図6に示した特図2変動の第2変動の変動演出として設定されるボタン演出Bの演出内容について説明をする。図11(a)は、ボタン演出Bが実行された場合に表示される表示内容の一例を示した模式図であり、図11(b)は、ボタン演出Bの終了時に表示される表示内容の一例を示した模式図である。このボタン演出Bは、図6を参照して上述した通り、特図2変動に対応して設定され得るボタン演出である。
図11(a)に示した通り、ボタン演出Bが実行されると、第3図柄表示装置81の表示画面の主表示領域Dmにてウサギを模したキャラクタ811と、カメを模したキャラクタ813とが競争をする演出が表示され、今回のボタン演出(ボタン演出B)の操作対象となる操作手段(第1枠ボタン22a)を模したボタン812と、有効期間ゲージ812aが表示される。そして、副表示領域Dsには、ボタン演出Bの演出内容を示すための「ボタンを連打しGOALを目指せ」のコメントが表示される。なお、図11(a)に示した例では、ボタン812の表示態様として、今回のボタン演出(ボタン演出B)が第1枠ボタン22aを多数回操作(押下)する必要がある連打演出であることを示す連打演出態様(図11(a)では、3つの矢印で表示)で表示される。
このように、ボタン演出中に操作すべき操作手段及び操作内容を示した表示態様(ボタン812)を表示することにより、遊技者に対してボタン演出の遊技性を視覚的に分かり易く報知することができる。さらに、図示は省略するが、ボタン演出Bの操作有効期間中(有効期間ゲージ812aの残期間表示態様が表示されている間)の第1枠ボタン22aへの操作態様に応じて、キャラクタ811の表示態様やボタン812の表示態様を可変させるように構成している。このように構成することで、操作有効期間中において実行される個々の操作に対して実行中のボタン演出の演出態様(表示態様)を可変させることができ、遊技者に操作感を提供することが出来る。
そして、ボタン演出Bの操作有効期間が経過すると、図11(b)に示した通り、キャラクタ811とキャラクタ813との競争演出の結果が表示される。図11(b)に示した例では、キャラクタ811が先にゴール814を通過した演出結果を表示している。そして、ゴール814には、ボタン演出Bの対象となる特図抽選(特図2抽選)の抽選結果が大当たりである期待度を示す表示態様として「ゲキアツ」のコメントが表示されると共に、今後実行される演出内容を示唆するための「SPリーチ」のコメントが付された賞品をキャラクタ811が獲得した演出が表示される。また、副表示領域Dsには、ボタン演出Bが終了したことを示すための「GOAL」の文字が表示される。
ここで、図8を参照して説明をしたボタン演出期間に設定される各期間と、ボタン演出Bの演出態様との関係について説明をすると、ボタン演出期間のうち、準備期間t1中は、キャラクタ811とキャラクタ813とがスタート位置でスタンバイしている演出が主表示領域Dmに表示され、副表示領域Dsに、ボタン演出Bの演出内容を示す「GOALを目指せ」のコメントが表示される(図示せず)。この準備期間t1中は、操作有効期間t5が設定されていない状態であるため、有効期間ゲージ812aは表示されないが、ボタン演出Bの操作対象(第1ボタン22a)と操作内容(連打)とを示す表示態様でボタン812が表示される。
そして、実行期間t2中は図11(a)に示した演出が表示され、操作手段(第1枠ボタン22a)を操作した場合に設定される操作期間t4中は、第1枠ボタン22aへの操作態様に応じて、キャラクタ811の表示態様やボタン812の表示態様を可変させる演出が表示される。最後に、結果報知期間t3中は図11(b)に示した演出が表示される。
図7に戻り説明を続ける。上述した図6では、特図1の抽選結果を示すための変動演出であるボタン演出Aと、特図2の抽選結果を示すための変動演出であるボタン演出Bと、が異なるタイミングで実行される場合の流れを説明したのに対し、図7では、特図1の抽選結果を示すための変動演出であるボタン演出Aと、特図2の抽選結果を示すための変動演出であるボタン演出Bと、が重複するタイミングで実行される場合の流れを示している。
図7に示した通り、特図1変動の第1変動(外れ)の変動演出としてボタン演出Aが実行されている最中に、特図2変動の第2変動(外れ)が実行され、その特図2変動の第2変動(外れ)の変動演出としてボタン演出Bが設定された場合は、ボタン演出Bの開始タイミングに合わせて、実行中のボタン演出Aの演出態様が、重複演出であるボタン演出Cの演出態様に切り替わって実行される。そして、ボタン演出Aとボタン演出Bの重複期間が経過すると、ボタン演出Bが実行される。
本実施形態では、第1特別図柄(特図1)の抽選(変動)と、第2特別図柄(特図2)の抽選(変動)と、を同時に(並行して)実行可能に構成しているため、特図1の変動表示と、特図2の変動表示とが同時(並行して)に実行される。そして、特図1変動の変動時間と、特図2変動の変動時間とはそれぞれ独立して設定されることから、特図1変動の開始タイミングと、特図2変動の開始タイミングとは関連性を持つことが無い。よって、第3図柄表示装置81の表示画面に表示される特図1変動の変動演出(ボタン演出)の演出期間と、第3図柄表示装置81の表示画面に表示される特図2変動の変動表示(ボタン演出)の演出期間とが重複する場合がある。
このように、実行期間が重複するように複数のボタン演出を設定してしまうと、遊技者が実行する操作手段(枠ボタン22a)への操作が、どのボタン演出に対応するのかを遊技者が判別し難くなり、遊技者に分かり難い演出が実行されることになる。また、このような問題を解決するために、実行中のボタン演出を強制的に終了させ、新たなボタン演出を実行するように構成すると、実行中のボタン演出に対して積極的に操作手段を操作していた遊技者に対して不満感を与えてしまい、遊技意欲が低下してしまうという問題があった。
また、ボタン演出の実行中に、他のボタン演出が実行されないように構成すると、例えば、実行中のボタン演出が大当たり期待度の低い(演出効果の低い)ボタン演出であって、そのボタン演出の実行中に大当たり期待度の高い(演出効果の高い)ボタン演出が設定されたとしても、大当たり期待度の高い(演出効果の高い)ボタン演出が実行されず、演出効果が低下してしまうという問題があった。
これに対して、本実施形態では、図7に示した通り、ボタン演出Aの実行中に、そのボタン演出Aと重複するようにボタン演出Bが設定された場合に、重複ボタン演出であるボタン演出Cを実行するように構成し、複数のボタン演出が重複して設定されたとしても遊技者に違和感を与えること無くボタン演出を実行させるように構成している。
ここで、図12を参照して、重複ボタン演出であるボタン演出Cの演出内容について説明をする。図12(a)は、ボタン演出Cが実行された場合に表示される表示内容の一例を示した模式図であり、図12(b)は、ボタン演出Cの終了時に表示される表示内容の一例を示した模式図である。このボタン演出Cは、図7を参照して上述した通り、ボタン演出Aの実行中に、ボタン演出Bの実行条件が成立した場合に実行される重複(融合)演出である。
図12(a)に示した通り、ボタン演出Cが設定されると、主表示領域Dmに、ウサギを模したキャラクタ811がトレーニングを実行する演出が表示され、キャラクタ811が岩を模した障害物対応を飛び越える演出が実行される。副表示領域Dsに、今回のボタン演出(ボタン演出C)の演出内容を示す「トレーニング中、ボタンを押して岩を越えろ」もコメントが表示される。さらに、主表示領域Dmには、今回の操作対象が第2枠ボタン22bであることを示すために、第2枠ボタン22bを模したボタン818と、今回のボタン演出(ボタン演出C)の操作有効期間t5、及び操作有効期間の残期間を示す有効期間ゲージ818aが表示される。
ここで、第3図柄表示装置81bの主表示領域Dmに表示される第2枠ボタン22bを模したボタン818は、第1枠ボタン22aを模したボタン812(図11(a)参照)よりも大きな表示態様で表示される。このように、操作対象となる操作手段毎に表示画面に表示される表示態様を可変させることにより、遊技者に対して今回の操作対象が何であるかを分かり易く報知することができる。
そして、ボタン演出Cが終了すると、図12(b)に示した通り、トレーニングに成功したことを示す表示態様でキャラクタ811が表示され、ボタン演出Cの後にボタン演出Bが設定されることを示す「トレーニング成功、レース出場決定」のコメントが副表示領域Dsに表示される。なお、図示は省略するが、ボタン演出Cの操作有効期間中における第2枠ボタン22bに対する操作内容に応じて、ボタン演出Cの終了画面における表示態様を可変させるように構成しており、例えば、ボタン演出Cの対象となる特図抽選(特図2)の抽選結果を示唆する示唆態様を表示するか否かをボタン演出C中の操作内容に応じて決定している。これにより、いち早く特図抽選の結果を把握したい遊技者をボタン演出に対して意欲的に参加させることができる。
以上、図9〜図12を参照して、本実施形態のパチンコ機10にて実行されるボタン演出(ボタン演出A〜ボタン演出C)の演出態様を説明したが、本実施形態では、重複演出(ボタン演出C)の演出態様として、先に実行されるボタン演出(ボタン演出A)の演出態様と、後に実行されるボタン演出(ボタン演出B)の演出態様と、の中間態様が設定されるように構成している。具体的には、ボタン演出Aでは、キャラクタ811を起こす演出態様が設定され(図9(a)参照)、ボタン演出Bでは、キャラクタ811がレールを行う演出態様が設定される(図11(a)参照)。そして、ボタン演出Cでは、その中間態様として、起きたキャラクタ811が、レースに向けてトレーニングを行う演出態様が設定される(図12(a)参照)。
このように、複数のボタン演出が重複する際に設定される重複ボタン演出の演出態様として、中間態様を設定することにより、ボタン演出Aの演出態様を遊技者に違和感を与えること無くボタン演出Bへと移行させることができ、演出効果を高めることができる。なお、図7に示した演出の流れでは、ボタン演出Aとボタン演出Bとの重複期間経過後におけるボタン演出Bの残期間が、ボタン演出Bの演出態様を実行可能な第1期間(例えば、5秒)以上である場合を示しているため、ボタン演出Cを実行した後に、再度ボタン演出Bが実行されるように構成しているが、例えば、ボタン演出Aとボタン演出Bとの重複期間経過後におけるボタン演出Bの残期間が、ボタン演出Bの演出態様を実行可能な第1期間(例えば、5秒)未満である場合には、ボタン演出Bを実行すること無く、ボタン演出Bとして設定されたボタン演出期間の間、ボタン演出Cを実行し、ボタン演出Cの演出結果として、後に実行される演出を示唆する態様を表示するように構成すると良い。
このように構成することで、遊技者が識別困難な程度の残期間のみでボタン演出Bが実行されてしまい、遊技者に分かり難い演出が提供されてしまうことを抑制することができる。
さらに、本実施形態では、重複ボタン演出であるボタン演出Cの操作対象(第2枠ボタン22b)を、単独のボタン演出として実行されるボタン演出A、ボタン演出Bの操作対象(第1枠ボタン22a)とは異ならせるように構成している。これにより、ボタン演出Cの特別感を遊技者に分かり易く報知することができる。
また、本実施形態では、特図1の変動演出としてボタン演出Aを設定し、特図2の変動演出としてボタン演出Bを設定するように構成しているが、これに限らず、特図1の変動演出として第1ボタン演出を設定し、特図2の変動演出として第2ボタン演出を設定し、第1ボタン演出と第2ボタン演出のうち、先に実行されるボタン演出の演出態様としてボタン演出Aを設定し、後に実行されるボタン演出の演出態様としてボタン演出Bを設定するように構成しても良い。このように構成することで、特図2の変動演出として設定されるボタン演出のほうが、特図1の変動演出として設定されるボタン演出よりも先に実行される場合であっても、複数のボタン演出の演出態様を時系列的に設定することができるため、遊技者に違和感を与えることの無い演出を実行することができる。
本実施形態では、ボタン演出Aとボタン演出Bとが重複して設定される場合に、重複ボタン演出としてボタン演出Cを設定するように構成しているが、これに加え、単独で設定されるボタン演出の演出態様として、ボタン演出Aからボタン演出Cへと移行する演出態様を設定可能に構成すると良い。これにより、ボタン演出Cに対応する演出が実行された場合に、今回の演出が重複ボタン演出であるか否かを分かり難くすることができるため、ボタン演出Cの後にボタン演出Bが実行されることを期待しながら遊技者に遊技を行わせることができる。
また、特図1変動の変動演出としてボタン演出Aを設定し、特図2変動の変動演出としてボタン演出Bを設定し、ボタン演出Aとボタン演出Bの重複期間においてボタン演出Cを設定するパチンコ機10において、ボタン演出の演出態様を切り替えるタイミング(ボタン演出Aからボタン演出Cへと移行するタイミング、ボタン演出Cからボタン演出Bへと移行するタイミング)を、特図変動が停止するタイミングと異ならせるように設定すると良い。
具体的には、ボタン演出Aの対象となる特図1変動の停止タイミングを跨ぐように、ボタン演出Cの操作有効期間やボタン演出Bの操作有効期間(図7参照)が設定されるように構成すると良い。このように構成することで、ボタン演出A,C,Bの順で実行される一連のボタン演出の最中にボタン演出の対象となる特図変動が切り替わったことを遊技者に把握させ難くすることができ、あたかも、一つの特図変動に対して予め定められた所定のボタン演出が実行されているかのような違和感の無いボタン演出を実行することができる。
<第1実施形態におけるパチンコ機10の電気的構成について>
次に、図4を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図4は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
主制御装置110では、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。そして、RAM203には、これらの処理を制御するための各種カウンタが設けられている。ここで、図13を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。図13は、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等を模式的に示した模式図である。これらのカウンタ等は、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置(図示せず)における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
特別図柄の抽選や、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定には、特別図柄の抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、特別図柄の大当たり種別を選択するために使用する第1当たり種別カウンタC2と、特別図柄における外れの停止種別を選択するために使用する停止種別選択カウンタ(図示せず)と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1と、が用いられる。
また、普通図柄の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2と、普通図柄の変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1と、が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度、前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図33参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(図53参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM203には、4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる第1入球口64b1への入球に対応する第1特別図柄保留球格納エリア203aと、4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる左第2入球口64b2、及び第2入球口640への入球に対応する第2特別図柄保留球格納エリア203bと、が設けられており、第1特別図柄保留球格納エリア203aには、第1入球口64b1への入球タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、及び変動種別カウンタCS1の各値がそれぞれ格納される。
そして、第1特別図柄(特図1)の始動条件(変動条件)が成立した場合に、第1特別図柄保留球格納エリア203aの保留第1エリアに格納されている各種値を第1特別図柄実行エリアへシフトし、格納されている各種値に基づいた特別図柄変動が開始される。
同様に、第2特別図柄保留球格納エリア203bには、左第2入球口64b2、及び第2入球口640への入球タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、及び変動種別カウンタCS1の各値がそれぞれ格納される。
そして、第2特別図柄の始動条件(変動条件)が成立した場合に、第2特別図柄保留球格納エリア203bの保留第1エリアに格納されている各種値を第2特別図柄実行エリアへシフトし、格納されている各種値に基づいた特別図柄変動が開始される。
以上、説明をした通り、本実施形態のパチンコ機10は、第1特別図柄の抽選と、第2特別図柄の抽選とを同時に(並行して)実行可能に構成されているため、各特別図柄保留球格納エリア(第1特別図柄保留球格納エリア203a、第2特別図柄保留球格納エリア203b)がそれぞれ実行エリアを有するように構成している。これにより、各特別図柄の始動条件が成立した場合に、速やかに次の特別図柄変動を実行させることができる。
さらに、本実施形態のRAM203には、上述した特別図柄と同様に4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)からなるスルーゲート67への入球(球の通過)に対応する普通図柄保留球格納エリア203cが設けられており、普通図柄保留球格納エリア203cには、スルーゲート67への入球タイミングに合わせて、第2当たり乱数カウンタC4、及び普図変動種別カウンタCS2の各値がそれぞれ格納される。
そして、普通図柄の始動条件(変動条件)が成立した場合に、普通図柄保留球格納エリア203cの保留第1エリアに格納されている各種値を普通図柄実行エリアへシフトし、格納されている各種値に基づいた普通図柄変動が開始される。
なお、本実施形態では左第2入球口64b2、及び第2入球口640への入球に基づいて取得した各カウンタ値(特図2抽選に関する各カウンタ値)を保留して格納する構成、および、スルーゲート67を球が通過したことに基づいて取得した各カウンタ値を保留して格納する構成を有しているが、これに限ること無く、各図柄(特別図柄、普通図柄)に対して取得した各カウンタ値を格納する機能(保留記憶機能)を設けないように構成しても良い。
このように構成することで、設定される遊技状態に応じて一の特別図柄種別の抽選として遊技者に有利となる抽選と、不利となる抽選とが切り替わる遊技機において、有利抽選を実行させるために一の特別図柄の保留記憶を多く獲得した状態で、異なる遊技状態が設定され、一の特別図柄にて不利抽選が実行されてしまう事態を抑制することができる。
次に、図13を参照して、各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、0〜499)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜499の値を取り得るカウンタの場合は499)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。
また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、第1当たり乱数カウンタC1が0〜499の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、0〜499の範囲のループカウンタである。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図33参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図53参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64b1または左第2入球口64b2、及び第2入球口640に入球したタイミングでRAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203aや、第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納される。そして、特別図柄の大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される第1当たり乱数テーブル202aによって設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値が、第1当たり乱数テーブル202aによって設定された大当たりとなる乱数の値と一致する場合に、特別図柄の大当たりと判定する。
ここで、図15(a)を参照して、第1当たり乱数テーブル202aについて説明する。図15(a)は、第1当たり乱数テーブル202aに規定されている内容を模式的に示した模式図である。この第1当たり乱数テーブル202aは、第1特別図柄(特図1)または第2特別図柄(特図2)の抽選において、大当たりと判定される乱数値(判定値)が規定されたテーブルである。
具体的には、第1当たり乱数テーブル202aには、大当たりと判定される判定値が特別図柄の種別(第1特別図柄、第2特別図柄)に対して共通に規定されており、特別図柄の状態(低確率状態、高確率状態)に対応させて所定範囲の判定値が規定されている。図15(a)に示した通り、特別図柄の低確率状態(通常状態)が設定されている場合は、第1当たり乱数カウンタC1の値のうち「0,1」が大当たり判定値として規定されており、それ以外の値が大当たり以外(即ち、外れ)の判定値として規定されている。
また、特別図柄の高確率状態(確変状態、潜確状態)が設定されている場合は、第1当たり乱数カウンタC1の値のうち「0〜9」が大当たり判定値として規定されており、それ以外の値が大当たり以外(即ち、外れ)の判定値として規定されている。つまり、本実施形態では、特別図柄の低確率状態が設定されている場合は、2/500の確率(1/250)で大当たりに当選するように規定されており、特別図柄の高確率状態が設定されている場合は、10/500の確率(1/50)で大当たりに当選するように規定されている。よって、特別図柄の低確率状態よりも高確率状態のほうが大当たりに当選し易い遊技状態となる。
なお、本実施形態では、大当たりに当選する確率を第1特別図柄の抽選と、第2特別図柄の抽選とで、同一の確率となるように構成しているが、これに限ること無く、特別図柄の種別に応じて大当たり確率が異なる様に構成しても良く、例えば、第1特別図柄よりも第2特別図柄のほうが大当たり確率を低くするように構成しても良い。また、本実施形態では、特別図柄の大当たり確率を、高確率状態と低確率状態の2種類用意しているが、1種類にしても良いし、3種類以上にしても良い。この場合、例えば、特別図柄の状態と、普通図柄の状態と、を組み合わせることによって設定される最大で4種類の遊技状態毎に特別図柄の大当たり確率を異ならせるように構成しても良いし、単純に、特別図柄の状態を高確率状態、通常確率状態、低確率状態のように3種類以上設定可能にし、各状態に対して異なる大当たり確率を設定するように構成しても良い。
また、本実施形態では、特別図柄の抽選結果として大当たり、或いは、外れの何れかに判定されるように構成しているが、これに限ること無く、抽選結果が大当たりでは無い(外れである)場合の一部において、大当たりよりも遊技者に付与され得る特典(例えば、当たり遊技中に付与され得る賞球数)が少ない小当たりに当選するように構成しても良い。この場合、例えば、第1当たり乱数カウンタC1の値を、特別図柄の抽選結果が小当たりに当選しているかを判別する際にも参照されるようするとよい。特別図柄の小当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される小当たり乱数テーブルによって設定し、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が、小当たり乱数テーブルに規定された小当たりとなる乱数の値と一致する場合に、特別図柄の小当たりと判定する。
さらに、大当たりに当選する第1当たり乱数カウンタC1値と、小当たりに当選する第1当たり乱数カウンタC1値とが異なるように構成し、特別図柄の抽選を実行する1回の処理(当たりの有無を判別する処理)において、大当たりの当否判定と小当たりの当否判定とを連続して(同時に)実行するように構成する。
このように構成することで、取得した1つのカウンタ値(第1当たり乱数カウンタC1値)に対して、予め規定されている確率で大当たり、或いは小当たりの抽選を実行することができる。
なお、特別図柄の抽選結果として小当たりを設けた遊技機において、当選第1特別図柄の抽選と第2特別図柄の抽選とで、小当たりに当選する確率を異ならせて規定するように構成しても良い。これにより、第1特別図柄の抽選と、第2特別図柄の抽選とで、遊技者に付与する特典を異ならせることができる。また、遊技者に対して、より有利となる特別図柄の抽選をより多く実行しようと意欲的に遊技を行わせることができる。
また、上述したように、大当たり抽選を実行する際に参照されるテーブル(第1当たり乱数テーブル202a)と、小当たり抽選を実行する際に参照されるテーブル(小当たり乱数テーブル)と、を別々に構成しても良いし、1つのテーブル(例えば、第1当たり乱数テーブル202a)を用いて、大当たり抽選と、小当たり抽選とを実行するように構成しても良い。この場合、例えば、第1当たり乱数テーブル202aに、小当たり当選するカウンタ値の範囲を特別図柄の種別毎に規定するように構成すれば良い。このように構成することで、主制御装置110のROM202が有するデータテーブルの数を削減することができる。
以上、説明をしたとおり、本実施形態では、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値と、特別図柄の種別と、に応じて予め規定されている判定値に応じて大当たり当選の判定を実行するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、設定されている遊技状態に応じて異なる判定値を用いて大当たり当選の判定を実行しても良いし、所定条件が成立するまでの特定期間内における大当たり当選回数に応じて、大当たり当選として規定されている第1当たり乱数カウンタC1値を可変させるように構成しても良いし、所定の異常条件が成立している状態において実行される大当たり抽選において参照される異常時用のデータテーブルとして、大当たりに対応する判定値が規定されていないデータテーブルを設けても良い。
また、詳細は後述するが、本実施形態のパチンコ機10は、第1特別図柄の抽選(変動)と第2特別図柄の抽選(変動)とを同時に(並行して)実行可能に構成し、且つ、両方の特別図柄抽選に基づいて同時に(並行して)大当たり遊技が実行されないように制御している。具体的には、各特別図柄が重複して大当たり変動を実行している場合には、先に大当たりを示す表示態様で特別図柄が停止表示された一方の大当たり当選を有効にし、他方の大当たり当選を破棄(消去)するように構成している。
なお、各特別図柄の抽選結果に基づいて重複して大当たり遊技が実行されないようにする構成は、本実施形態の構成に限ること無く、例えば、一方の特別図柄の抽選で大当たりに当選し、その大当たり当選に対応する大当たり遊技が実行されるまでの期間中は、他方の特別図柄の抽選で大当たりに当選することが無いように、大当たりに対応する判定値を規定せず、小当たりに対応する判定値のみを規定させた専用のデータテーブルを参照して特別図柄の抽選を実行するように構成しても良い。
第1当たり種別カウンタC2は、特別図柄の大当たりとなった場合に、第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0〜99)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜99の値を取り得るカウンタの場合は99)に達した後0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64b1、または左第2入球口64b2、及び第2入球口640に入球したタイミングでRAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納される。
本実施形態のパチンコ機10における第1当たり種別カウンタC2の値は、0〜99の範囲のループカウンタとして構成されている。本実施形態では取得した第1当たり種別カウンタC2の値を用いて、大当たり種別選択テーブル202dを参照して大当たりに当選した場合の大当たり種別を判別するように構成している。
ここで、図16を参照して、大当たり種別選択テーブル202dの詳細について説明する。この大当たり種別選択テーブル202dは、上述した通り、取得した第1当たり種別カウンタC2の値を用いて、大当たりに当選した場合の大当たり種別を判別する乱数値が規定されている。
図16(a)に示した通り、大当たり種別選択テーブル202dは、第1特別図柄(特図1)の抽選において大当たり種別を決定する特図1用テーブル202d1と、第2特別図柄(特図2)の抽選において大当たり種別を決定する特図2用テーブル202d2とが少なくとも含まれる。
まず、図16(b)を参照して、特図1用テーブル202d1に規定されている内容を模式的に示した模式図である。特図1用テーブル202d1は、第1特別図柄の抽選において参照されるテーブルである。図16(b)に示した通り、この特図1用テーブル202d1は、取得した第1当たり種別カウンタC2の値とに、対応づけて複数の大当たり種別が規定されている。
具体的には、特別図柄の図柄種別が第1特別図柄(特図1)であって、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜19」の範囲には、「大当たりA」が規定されており、「20〜79」の範囲には、「大当たりB」が規定されており、「80〜99」の範囲には、「大当たりC」が規定されている。
ここで、各大当たり種別に対応した大当たり遊技中の開放動作について説明をする。本実施形態では、大当たり種別に応じて実行される開放動作内容(ラウンド遊技内容)、即ち、大当たり遊技中に実行される複数の可動部材(可変入賞装置65の開閉扉65bや)に対する動作内容(タイミング、回数)を時系列に規定した開放動作シナリオとして主制御装置110のROM202に予め記憶している。
そして、大当たりに当選した場合に設定された大当たり種別に対応する開放動作シナリオが読み出され、主制御装置110のRAM203内の実行中シナリオ格納エリア(図示せず)に格納される。開放動作シナリオが実行中シナリオ格納エリア(図示せず)に格納されると、主制御装置110のメイン処理(図53参照)が実行される毎(4ミリ秒毎)に、シナリオ内容が更新され、大当たり遊技中の制御を実行する大当たり制御処理(図54のS2404参照)において、現在のシナリオ内容を判別し、その判別結果に基づいた処理を実行するように構成している。
このように、可動部材を可動させる大当たり遊技中における可動部材の動作内容を時系列に規定した開放動作シナリオを用いることで、可動部材に対する動作制御を一元管理することができる。なお、本実施形態では、大当たり遊技として開放動作される可動部材が一つ(可変入賞装置65)の構成を用いているが、これに限ること無く、一回の大当たり遊技中に複数の可動部材(可変入賞装置65、第2可変入賞装置)に対して開放動作を実行するように構成しても良い。この場合、上述した通り、開放動作シナリオを設定し、各可動部材に対する動作制御を一元管理することにより、例えば、各可動部材に対して別個に動作制御を実行する場合に比べて、各可動部材の動作タイミングを適正に設定することができるとともに、一つの可動部材に不具合が生じた場合における他の可動部材に対する動作処理を円滑に実行することができる。
「大当たりA」は、大当たり遊技としてラウンド数(ラウンド遊技が実行される回数)が16ラウンドで、可変入賞装置(第1アタッカ)65が開放動作される大当たり遊技が実行される大当たり種別である。このラウンド遊技とは、球が10球入賞する、或いは、開放期間が30秒を経過するまでの間、可変入賞装置(第1アタッカ)65を継続して開放させる遊技のことである。
また、大当たり種別として「大当たりA」が設定された場合は、大当たり遊技終了後に普通図柄の高確率状態が設定(時短カウンタ203hが70に設定)され、特別図柄の高確率状態が設定される(確変カウンタ203gが70に設定)。つまり、「大当たりA」に基づく大当たり遊技が実行された後は、確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)が、特別図柄変動が70回実行される、或いは、特別図柄変動が70回実行されるまでに大当たりに当選するまで設定される。
「大当たりB」は、大当たり遊技としてラウンド数(ラウンド遊技が実行される回数)が4ラウンドで、可変入賞装置(第1アタッカ)65を開放動作する大当たり遊技が実行される。「大当たりB」に基づく大当たり遊技が実行された場合は、大当たり遊技終了後に普通図柄の高確率状態が設定(時短カウンタ203hが70に設定)され、特別図柄の高確率状態が設定される(確変カウンタ203gが70に設定)。つまり、「大当たりB」に基づく大当たり遊技が実行された後は、確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)が、特別図柄変動が70回実行される、或いは、特別図柄変動が70回実行されるまでに大当たりに当選するまで設定される。なお、「大当たりB」は、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態は、「大当たりA」と同一だが、ラウンド数(ラウンド遊技数)が少ないため、「大当たりA」と比べた場合、遊技者に不利となる大当たり遊技となる。
「大当たりC」は、大当たり遊技としてラウンド数(ラウンド遊技が実行される回数)が4ラウンドで、第1アタッカ(左可変入賞装置)65が開放動作されるラウンド遊技1の大当たり遊技が実行される大当たり種別である。「大当たりC」に基づく大当たり遊技が実行された場合は、大当たり遊技終了後に普通図柄の高確率状態が設定(時短カウンタ203hが70に設定)され、特別図柄の低確率状態が設定される(確変カウンタ203gが0に設定)。つまり、「大当たりC」に基づく大当たり遊技が実行された後は、時短状態(特別図柄の低高確率状態、普通図柄の高確率状態)が、特別図柄変動が70回実行される、或いは、特別図柄変動が70回実行されるまでに大当たりに当選するまで設定される。よって、「大当たりA」或いは「大当たりB」と比べた場合、遊技者に不利となる大当たり遊技となる。
なお、本実施形態では、大当たりに当選した場合には、どの大当たり種別に当選しても可変入賞装置(第1アタッカ)65をその大当たり種別に応じたラウンド数分開放動作させる大当たり遊技が実行されるように構成しているが、これに限ることなく、可変入賞装置を複数設け、当選した大当たり種別ごとに決められた可変入賞装置がラウンド数分開放動作させるよう構成しても良い。このように構成することで、多様な遊技性を遊技者に提供することができる。
以上説明をした通り、本実施形態では、大当たりに当選した特別図柄の種別に応じて、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を設定するように構成しているため、遊技者に対して、大当たりに当選することに期待させて遊技を行わせるだけでは無く、大当たりに当選した場合に設定される大当たり種別に対しても興味を持たせることができる。
本実施形態では、大当たりの種類は3種類としたが、それに限らず、2種類以下でもよいし、4種類以上設けるように構成してもよい。また、当選時の遊技状態に応じて同じ第1当たり種別カウンタC2の値であっても、異なる大当たり種別が選択されるように構成してもよい。このように構成することで、例えば、当選時の遊技状態が確変状態で大当たりした場合に、よりラウンド数が多く実行される大当たり種別を設定しておくことで、確変状態での当たりをより遊技者に期待させることができる。よって、高確率遊技状態での当たりをより遊技者に有利にすることができ、高確率状態中における遊技の趣向性を向上させることができる。従って、高確率状態へ移行させたいと遊技者に強く思わせることができ、より長く遊技を行わせることができる。
また、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とで選択される大当たり種別の種類と、各大当たり種別の選択率(振分率)を同一にし、各大当たり種別に対応させる第1当たり種別カウンタC2の範囲のみを異ならせるように構成しているが、これに限ること無く、第1特別図柄と第2特別図柄とで選択される大当たり種別を異ならせても良い。これにより特定のカウンタ値を狙って第1当たり種別カウンタC2の値を取得する不正行為が第1特別図柄と第2特別図柄との両方で実行されることを抑制することができる。
次に、図16(c)を参照して、特図2用テーブル202d2に規定されている内容について説明する。図16(c)は、特図2用テーブル202d2に規定されている内容を模式的に示した模式図である。特図2用テーブル202d2は、第2特別図柄の抽選において参照されるテーブルである。図16(c)に示した通り、この特図2用テーブル202d2は、取得した第1当たり種別カウンタC2の値に、対応づけて複数の大当たり種別が規定されている。
特図2用テーブル202d2は、特図1用テーブル202d1に対して、第2特別図柄の抽選において参照される点で相違し、また、特別図柄の図柄種別が第2特別図柄(特図2)であって、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜49」の範囲には、「大当たりA」が規定されており、「50〜79」の範囲には、「大当たりB」が規定されており、「80〜99」の範囲には、「大当たりC」が規定されている点で相違する。
つまり、本実施形態では、特図1で大当たりに当選した場合よりも、特図2で大当たりに当選した場合のほうが、遊技者に最も有利な「大当たりA」が選択され易くなるように構成している。これにより、特図1抽選と特図2抽選とを並行して実行可能であり、且つ、通常状態において、両方の特図抽選を均等に実行可能なパチンコ機10において、各特図抽選の有利度合いを異ならせることができる。よって、大当たりに当選したことを示す表示態様が停止表示された場合に、大当たり当選した特図種別が特図1なのか特図2なのかについて興味を持たせることができる。
図13に戻り説明を続ける。変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1によって、いわゆる短時間外れ、長時間外れ、ノーマルリーチ、スーパーリーチ等の大まかな表示態様が決定される。表示態様の決定は、具体的には、図柄変動の変動時間の決定である。変動種別カウンタCS1により決定された変動時間に基づいて、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114により第3図柄表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様が決定される。変動種別カウンタCS1の値は、後述するメイン処理(図53参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。尚、変動種別カウンタCS1の値(乱数値)から、図柄変動の変動時間を一つ決定する乱数値を格納した変動パターン選択テーブル202e(図17参照)は、主制御装置110のROM202内に設けられている。
ここで、図17を参照して変動パターン選択テーブル202eの内容について説明をする。図17は変動パターン選択テーブル202eに規定されている内容を模式的に示した模式図である。図17に示した通り、変動パターン選択テーブル202eには、遊技状態として通常状態を設定している状態で用いられる通常用テーブル202e1と、確変状態、或いは時短状態を設定している状態で用いられる確変・潜確用テーブル202e2とが規定されている。詳細については後述するが、本実施形態では遊技状態に応じて変動パターンを選択するために用いるデータテーブルを異ならせているため、遊技状態に応じて選択される変動パターン(変動時間)を異ならせることができる。
次に、変動パターン選択テーブル202eに規定されている各テーブルの詳細な内容について、図18及び図19を参照して説明をする。図18は通常用テーブル202e1に規定されている内容を模式図に示した模式図である。この通常用テーブル202e1は、遊技状態として通常状態が設定されている場合に参照されるデータテーブルであって、第1特別図柄の抽選に対して設定される変動時間に対して、第2特別図柄の抽選に対して設定される変動時間が長くなるように規定されている。
具体的には、図18に示した通り、図柄種別が第1特別図柄(特図1)、抽選結果が「大当たり(当たり)」であって、変動種別カウンタCS1の値が「0〜50」の範囲に変動時間が30秒のノーマル大当たり変動パターンAが対応付けて規定され、「51〜100」の範囲に変動時間が60秒のスーパーリーチ大当たり変動パターンAが対応付けて規定され、「101〜150」の範囲に変動時間が60秒のスーパーリーチ大当たり変動パターンBが対応付けて規定され、「151〜198」の範囲に変動時間が60秒のスーパーリーチ大当たり変動パターンCが対応付けて規定されている。
なお、詳細な説明は後述するが、本実施形態では、抽選結果が「大当たり(当たり)」で、変動時間が60秒の変動パターンの種別を3種類(スーパーリーチ大当たり変動パターンA,B,C)設けている。これは、各種別を示すコマンドを音声ランプ制御装置113が受信した場合に、受信したコマンドが示す変動パターン種別に応じて、変動演出の演出態様を異ならせて設定させるためである。このように、本実施形態では、抽選結果、および変動時間が同一の特図抽選において、複数種類の変動パターン種別を主制御装置110側で設定可能に構成し、設定された変動パターン種別に基づいて音声ランプ制御装置113側で変動演出の演出態様を設定するように構成している。これにより、複数のパラメータの組合せによって変動演出の演出態様を設定することができるため、より多彩な演出態様を設定することができ、演出効果を高めることができるという効果がある。
また、抽選結果が「外れ」で、保留個数が0〜2個の範囲内である場合には変動種別カウンタCS1の値が「0〜70」の範囲に変動時間が20秒の長時間外れ変動パターンが対応付けて規定され、「71〜150」の範囲に変動時間が30秒のノーマルリーチ外れ変動パターンが対応付けて規定され、「151〜198」の範囲に変動時間が60秒のスーパーリーチ外れ変動パターンが対応付けて規定されている。
一方、抽選結果が「外れ」で、保留個数が3個である場合には変動種別カウンタCS1の値が「0〜70」の範囲に変動時間が10秒の短時間外れ変動パターンが対応付けて規定され、「71〜130」の範囲に変動時間が20秒の長時間外れ変動パターンが対応付けて規定され、「131〜170」の範囲に変動時間が30秒のノーマルリーチ外れ変動パターンが対応付けて規定され、「171〜198」の範囲に変動時間が60秒のスーパーリーチ外れ変動パターンが対応付けて規定されている。
上述したように、本実施形態では、抽選結果が「外れ」である場合に同じ変動種別カウンタCS1の値を取得した場合でも、異なる変動パターンが選ばれるよう構成している。具体的には、保留個数が少ない場合は保留個数が多い場合に比べ、変動時間の長い変動パターンが選ばれやすいよう規定されており、保留個数が多い場合には保留個数が短い場合に比べ、変動時間の短いものが選ばれやすいよう規定されている。このように構成することで、保留球数が少ない場合には、保留球数がすぐに消化され、抽選が実行されていない期間が多くなり遊技者が早期に遊技に飽きてしまうことを防ぐことができる。また、保留球数が多い場合には、保留球数が上限値に達しにくいようになり、連続して遊技者は球を発射する機会が多くなり、早期に遊技に飽きてしまうことを防ぐことができる。
なお、本実施形態では当選した大当たり種別に関わらず、同一の変動パターンテーブルを用いる構成としているが、これに限ること無く、大当たり種別が遊技者に有利となる大当たり(例えば、大当たりA)を示す大当たり種別である場合と、それ以外の大当たり(大当たりB)を示す大当たり種別である場合とで、異なる変動パターンテーブルを用いる構成としても良い。この場合、例えば、有利大当たり(大当たりA)を示す大当たり種別に当選した場合に用いられる変動パターンテーブルよりも、それ以外の大当たりを示す大当たり種別に当選した場合に用いられる変動パターンテーブルのほうが短い変動時間の変動パターンが選択され易くなるように構成すると良い。これにより、実行される変動パターンに設定される変動時間が長ければ長いほど遊技者に有利となる遊技結果に期待することができるため、遊技者に対して特別図柄の変動時間に興味を持たせることができる。
また、確変大当たりを示す大当たり種別に当選した場合に用いられる変動パターンテーブルよりも、通常大当たりを示す大当たり種別に当選した場合に用いられる変動パターンテーブルのほうが長い変動時間の変動パターンが選択され易くなるように構成しても良い、これにより、短い変動時間で大当たりに当選した場合に、遊技者に意外性のある遊技結果を提供することができ、短い変動時間が選択された場合であっても、最後まで期待を持たせることができる。
次に、図19を参照して変動パターン選択テーブル202eに設けられた確変・時短用テーブル202e2の内容について説明をする。図19は確変用テーブル202e2に規定された内容を模式的に示した模式図である。図19に示した通り、確変・時短用テーブル202e2には、図柄種別、抽選結果、および変動種別カウンタCS1の値の範囲と、変動パターンとが対応付けて規定されている。
具体的には、図19に示した通り、図柄種別が第1特別図柄(特図1)、抽選結果が「当たり(大当たり)」である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0〜198」の範囲即ち、全範囲に変動時間が30秒のノーマル大当たり変動パターンAが規定されている。また、「外れ」である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0〜79」の範囲に変動時間が30秒のショート外れ変動パターンが規定され、「80〜198」の範囲に変動時間が180秒のロング外れ変動パターンが対応付けて規定されている。
一方、図柄種別が第2特別図柄(特図2)、抽選結果が「当たり(大当たり)」である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0〜149」の範囲に変動時間が5秒のショート大当たり変動パターンが規定され、「150〜198」の範囲に変動時間が30秒のスーパーリーチ大当たり変動パターンBが対応付けて規定されている。また、「外れ」である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0〜179」の範囲に変動時間が5秒のショート外れ変動パターンが規定され、「180〜198」の範囲に変動時間が30秒のスーパーリーチ外れ変動パターンが対応付けて規定されている。
上述した通り、確変状態中、或いは、時短状態中(右打ち遊技中)は、通常状態中(左打ち遊技中)よりも第2特別図柄の変動時間として短い変動時間が設定され易くなるように構成されている。さらに、確変状態中、或いは時短状態中は、普通図柄の高確率状態であることから電動役物640aが開放動作され易く、新たな特図2保留を取得し易い遊技状態となる。よって、時短状態中は、特図2保留を貯めやすく、且つ、特図2変動の変動時間として短い変動時間が設定され易い遊技状態となり、効率良く特図2変動を実行させることができる。
また、第1特別図柄の変動パターンとして設定可能な変動時間が、通常状態中の第1特別図柄の変動パターンとして設定可能な変動時間と全て重複するように構成し、第1特別図柄の変動時間を把握することにより、現在の遊技状態が通常状態であるか確変状態であるかを容易に判別できないようにしてもよい。なお、これに限らず、何れの遊技状態が設定されているのかを遊技者が判別可能な変動時間が設定されるように構成しても良い。
図13に戻り説明を続ける。第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜232の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり232)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本実施形態ではタイマ割込処理(図32参照)毎に、例えば定期的に更新され、球が普通始動口(スルーゲート)67を通過したことが検知された時に取得され、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203cに格納される。
そして、普通図柄の当たりとなる乱数の値は、主制御装置のROM202に格納される第2当たり乱数テーブル202cによって設定されており、第2当たり乱数カウンタC4の値が、第2当たり乱数テーブル202cによって設定された当たりとなる乱数の値と一致する場合に、普通図柄(第2図柄)の当たりと判定する。また、この第2当たり乱数テーブル202cは、普通図柄の低確率時用と、その低確率時より普通図柄の当たりとなる確率の高い高確率時用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている。このように、当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、普通図柄の低確率時と普通図柄の高確率時とで、当たりとなる確率が変更される。
この第2当たり乱数テーブル202cに規定されている内容について、図15(b)を参照して説明をする。図15(b)は、第2当たり乱数テーブル202cに規定されている内容を模式的に示した模式図である。図15(b)に示した通り、普通図柄の低確率状態である場合は、取得した第2当たり乱数カウンタC4が「0〜10」の範囲に普図当たりが規定され、普通図柄の高確率状態である場合は、取得した第2当たり乱数カウンタC4が「0〜231」の範囲に普図当たりが規定されている。
第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜232)、タイマ割込処理(図32参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図52参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
このように、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
普図変動種別カウンタCS2は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。この普図変動種別カウンタCS2の値は、後述するメイン処理(図52参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、普図変動種別カウンタCS2の値によって、普通図柄の変動時間が決定される。具体的には、取得した普図変動種別カウンタCS2の値を用いて、主制御装置110のROM202内に設けられている普図変動パターンテーブル202fを参照して普通図柄の変動時間が決定されるように構成している。
次に、図20を参照して、普図変動パターンテーブル202fに規定している内容について説明をする。図20は、普図変動パターンテーブル202fに規定されている内容を模式的に示した模式図である。図20に示した通り、普通図柄の低確率状態が設定されている場合は、取得した普図変動種別カウンタCS2の値が「0〜198」の範囲である場合に30秒の変動時間が設定される。そして、普通図柄の高確率状態が設定され、取得した普図変動種別カウンタCS2の値が「0〜198」の範囲である場合には、0.5秒の変動時間が設定されるように規定している。
以上、説明をした通り、本実施形態では、普通図柄の変動時間を、普通図柄の遊技状態と、普図変動種別カウンタCS2の値とに基づいて可変させるように構成しており、設定される変動時間によって、第2入球口640への球の入球のし易さを異ならせるように構成している。これにより、各遊技状態において、遊技者に有利となる抽選結果を得やすい第2特別図柄の抽選行為を制限することができるため、遊技者に過剰な特典が付与されてしまうことを抑制することができる。
図4に戻り、説明を続ける。RAM203は、図4に図示した各種カウンタのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。
なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図53参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図52参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図51参照)が即座に実行される。
また、RAM203は、図21に示すように、第1特別図柄保留球格納エリア203a、第2特別図柄保留球格納エリア203b、普通図柄保留球格納エリア203c、第1特別図柄保留球数カウンタ203d、第2特別図柄保留球数カウンタ203e、普通図柄保留球数カウンタ203f、確変カウンタ203g、時短カウンタ203h、特図1大当たりフラグ203i、特図2大当たりフラグ203j、遊技状態格納エリア203k、特図2変動停止フラグ203o、特図1変動時間カウンタ203r、特図2変動時間カウンタ203s、その他メモリエリア203zを有している。
第1特別図柄保留球格納エリア203aは、上限個数(本実施形態では、4個)まで、第1入球口64b1に球が入球(始動入賞)したことに基づいて取得された各種カウンタ値を記憶するための記憶エリアである。また、第2特別図柄保留球格納エリア203bは、上限個数(本実施形態では、4個)まで、遊技球が左第2入球口64b2、或いは第2入球口640に球が入球(始動入賞)したことに基づいて取得された各種カウンタ値を記憶するための記憶エリアである。
第1特別図柄保留球実行エリア(図示せず)は、第1特別図柄を変動表示開始するための各種カウンタ値が格納される記憶エリアであり、第1特別図柄が変動表示停止した場合に、第1特別図柄保留球格納エリア203aに各種カウンタ値が記憶されている場合に、その各種カウンタ値がシフトして記憶される記憶エリアである。第2特別図柄保留球実行エリア(図示せず)は、第2特別図柄を変動表示開始するための各種カウンタ値が格納される記憶エリアであり、詳細については第1特別図柄保留球実行エリア(図示せず)と同様である。
第1特別図柄保留球格納エリア203a、第2特別図柄保留球格納エリア203b、第1特別図柄保留球実行エリア(図示せず)、第2特別図柄保留球実行エリア(図示せず)は、始動入賞の検出に伴ってカウンタ用バッファ(図13参照)より取得した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、変動種別カウンタCS1の各値がそれぞれ記憶される。MPU201は、タイマ割込処理(図33参照)の中で、球が第1入球口64b1へ球が入球(始動入賞)したことを検出すると、カウンタ用バッファから各カウンタC1〜C2,CS1の値を取得し、第1特別図柄保留球格納エリア203aにそれぞれ格納する。一方、球が左第2入球口64b2、或いは第2入球口640へ入球(始動入賞)したことを検出すると、第1特別図柄保留球格納エリア203aと同様に、カウンタ用バッファから各カウンタC1〜C2,CS1の値を取得し、各対応するエリア(図示せず)にそれぞれ同様に記憶される。
MPU201は、特別図柄変動(抽選)の実行開始タイミングであることを検出すると、大当たり抽選や、第1図柄表示装置37または第3図柄表示装置81の表示の設定等の処理を実行するために、上述した第1特別図柄保留球格納エリア203a、第2特別図柄保留球格納エリア203bに記憶されている各始動入賞に対応するデータ(カウンタC1〜C2,CS1の各値)のうち、一の始動入賞に対応するデータを、この特別図柄保留球実行エリアへシフトする。なお、本実施形態におけるシフトとは、一の領域に記憶されているデータを別の領域へ移動させることを示す。
普通図柄保留球格納エリア203cはスルーゲート67への球の通過(始動入賞)検出に伴ってカウンタ用バッファ(図13参照)より取得した第2当たり乱数カウンタC4、普図変動種別カウンタCS2の各値が記憶される記憶エリアである。主制御装置110のMPU201は、タイマ割込処理(図33参照)の中で、球がスルーゲート67を通過(始動入賞)したことを検出すると、カウンタ用バッファから第2当たり乱数カウンタC4の値、普図変動種別カウンタCS2の値を取得し、普通図柄保留球格納エリア203cに格納する。普通図柄保留球格納エリア203cは、一の始動入賞に対応するデータ(カウンタC4,CS2の値)が、最大4回分まで記憶(保留)できるように、4つの保留エリアを有している。普通図柄保留球格納エリア203cには、スルーゲート67へ通過(始動入賞)した順に保留球のデータが、データが空いている保留エリアの内、消化される順序の早い保留エリアから順に記憶される。
また、普通図柄保留球実行エリア(図示せず)は、始動入賞に基づいて、普通図柄の変動表示演出の実行開始タイミングであることを検出すると、各カウンタ値が格納され、普通図柄の当たり抽選や、第1図柄表示装置37または第3図柄表示装置81の表示(変動パターン)の設定等の処理において参照すべきデータ(カウンタC4,CS2の値)を記憶するためのメモリである。
なお、MPU201は、普通図柄の変動表示演出の実行開始タイミングであることを検出すると、当たり抽選や、第2図柄表示装置の表示の設定等の処理を実行するために、上述した普通図柄保留球格納エリア203cに記憶されている各始動入賞に対応するデータ(第2当たり乱数カウンタC4の値、普図変動種別カウンタCS2の値)のうち、一の始動入賞に対応するデータを、この普通図柄保留球実行エリア(図示せず)へシフトする。なお、本実施形態におけるシフトとは、一の領域に記憶されているデータを別の領域へ移動させることを示す。
第1特別図柄保留球数カウンタ203d、第2特別図柄保留球数カウンタ203eは、2ミリ秒毎に定期的に実行されるタイマ割込処理(図33参照)の中で検出される第1入球口64b1、または左第2入球口64b2、或いは第2入球口640への入球に基づいて、第1図柄表示装置37で行われる変動表示演出(第3図柄表示装置81で行われる変動表示演出)の保留球数(待機回数)をそれぞれ最大4回まで計数するカウンタである。第1特別図柄保留球数カウンタ203d、第2特別図柄保留球数カウンタ203eは、電源投入後のRAM203の初期設定処理(図52のS2301参照)によって、初期値としてゼロが設定される。そして、始動入賞が検出されて変動表示の保留球数が増加する毎に、それぞれ最大値4まで1加算される。一方、第1特別図柄保留球数カウンタ203a、第2特別図柄保留球数カウンタ203bは、変動表示演出が実行される毎に1減算される。
また、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(即ち、保留球数)は、第1入球口64b1に球が入球(始動入賞)したことに基づいて、第1特別図柄保留球格納エリア203aにカウンタ値が格納された場合に、主制御装置110から出力される第1特別図柄保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される。第1特別図柄保留球数コマンドは、始動入賞が検出されて第1特別図柄保留球数カウンタ203dが1加算される毎に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
また、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(即ち、保留球数)は、左第2入球口64b2、第2入球口640に球が入球(始動入賞)したことに基づいて、第2特別図柄保留球格納エリア203bにカウンタ値が格納された場合に、主制御装置110から出力される第2特別図柄保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される。第2特別図柄保留球数コマンドは、始動入賞が検出されて第2特別図柄保留球数カウンタ203eが1加算される毎に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
MPU201は、第1特別図柄保留球実行エリア(図示せず)または第2特別図柄保留球実行エリア(図示せず)にカウンタ用バッファから取得される上記カウンタC1〜C2,CS1の各値がそれぞれ記憶された場合には、第1特別図柄保留球実行エリア(図示せず)または第2特別図柄保留球実行エリア(図示せず)に格納されたデータを、第1特別図柄変動開始処理(図35のS207参照)または第2特別図柄変動開始処理(図41のS209)において参照し、その参照データに基づいて大当たり抽選を行うと共に、その抽選結果に対応する変動パターン及び停止種別を決定する。第1図柄表示装置37では、主制御装置110の制御により、この決定された変動パターンおよび停止種別に基づいて、変動表示が行われる。
また、ここで決定された変動パターン及び停止種別は、第1または特図2変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドによって、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114へ通知される。そして、表示制御装置114の制御によって、第3図柄表示装置81では、変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドにより通知された変動パターンおよび停止種別に基づいて、変動表示演出が行われる。
普通図柄保留球数カウンタ203fは、2ミリ秒毎に定期的に実行されるタイマ割込処理(図33参照)の中で検出されるスルーゲート67を球が通過(以下「始動入賞」と称す)したことに基づいて、第2図柄表示装置83で行われる変動表示の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この普通図柄保留球数カウンタ203fは、スルーゲート67を球が通過したことに基づいて記憶される保留球数の合計を記憶するカウンタである。電源投入後のRAM203の初期設定処理(図52のS2301参照)によって、初期値としてゼロが設定される。そして、始動入賞が検出されて変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図46のS1704参照)。一方、普通図柄保留球数カウンタ203fは、普通図柄の変動表示が実行される毎に1減算される(図49のS2005参照)。
確変カウンタ203gは、確変状態における残りの特別図柄の変動回数をカウントするためのカウンタである。この、確変カウンタ203gには、大当たり終了後に当選した大当たりの種別に対応した値が設定される。そしてこの確変カウンタ203gの値は、第1特別図柄変動開始処理(図35のS207)、或いは、第2特別図柄変動開始処理(図41のS209)の遊技状態更新処理(図40のS308(S910))で減算される。この確変カウンタ203gの値が1以上であれば、特別図柄の高確率状態(確変状態)であると判別され、高確率時用のテーブルを参照して特別図柄の当否判定が実行される。一方、確変カウンタ203gの値が0であれば、特別図柄の通常状態(低確率状態)と判別され、低確率時用のテーブルを参照して特別図柄の当否判定が実行される。
時短カウンタ203fは、普通図柄の高確率状態(時短状態、確変状態)における残りの特別図柄の変動回数をカウントするためのカウンタである。この時短カウンタ203fには、大当たり終了後に、当選した大当たり種別に対応した値が設定される。そして、時短カウンタ203fは、第1特別図柄、または第2特別図柄の変動表示の開始を設定した直後に実行される遊技状態更新処理の中で1ずつ減算される(図40のS308参照)。普通図柄の抽選を行う場合に、この時短カウンタ203fの値が1以上であれば、普通図柄の高確率状態と判別され、高確率時用のテーブルを参照して普通図柄の当否判定が実行される。一方、時短カウンタ203fの値が0であれば、普通図柄の低確率状態と判別され、低確率時用のテーブルを参照して普通図柄の当否判定が実行される。
特図1大当たりフラグ203iは第1入球口64b1に入球したことに基づいて取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が、変動開始時に大当たり判定値と一致すると判定された場合に、オンに設定されるフラグである(図36のS406参照)。この特図1大当たりフラグ203iは、大当たりに対応する停止図柄の表示を設定する場合にオフに設定される(図39のS811)。
この特図1大当たりフラグ203iがオンの状態で、第1特別図柄の変動表示の変動時間が終了すると、第2特別図柄を外れ図柄で強制停止させる処理が実行される(図39のS805参照)。これにより、第1特別図柄と第2特別図柄とで、一方の大当たり遊技中に他方の大当たり遊技が実行されてしまう不具合を防止することができる。
特図2大当たりフラグ203jは左第2入球口64b2、或いは第2入球口640に入球したことに基づいて取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が、大当たり判定値と一致すると判定された場合に、オンに設定されるフラグである(図42のS1006参照)。この特図2大当たりフラグ203jは、大当たりに対応する停止図柄の表示を設定する際にオフに設定される(図45のS1510)。
この特図2大当たりフラグ203jがオンの状態で、第2特別図柄の変動表示の変動時間が終了すると、第1特別図柄を外れ図柄で強制停止させる処理が実行される(図45のS1504参照)。これにより、第1特別図柄と第2特別図柄とで、一方の大当たり遊技中に他方の大当たり遊技が実行されてしまう不具合を防止することができる。
遊技状態格納エリア203kは、現在設定されている遊技状態を一時的に格納するための記憶領域であって、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態(確変カウンタ203g、及び時短カウンタ203hの設定状況)に対応した遊技状態が記憶される。具体的には確変カウンタ203gの値が0、時短カウンタ203hの値が0に設定されている場合に通常状態が記憶され、確変カウンタ203gの値が1以上、且つ時短カウンタ203hの値が1以上に設定されている場合に確変状態が記憶され、確変カウンタ203gの値が0、時短カウンタ203hの値が1以上に設定されている場合に時短状態が記憶される。
さらに、大当たり遊技が実行されている状態では、大当たり遊技が実行されている状態であることを示す大当たり遊技状態と、実行されている大当たり遊技に対応する大当たり種別を示す種別情報も記憶されるように構成されている。
そして、遊技状態格納エリア203kに格納(記憶)された情報に基づいて、状態コマンドが設定され、その状態コマンドが音声ランプ制御装置113へと出力される。音声ランプ制御装置113では出力された状態コマンドを受信し、従状態設定エリア223kに一時的に記憶する。
この遊技状態格納エリア203kに記憶された情報は、パチンコ機10の電源が断された場合であっても、その情報を保持可能に構成されており、パチンコ機10の電源を入れた際に実行される立ち上げ処理(図52参照)において、遊技状態格納エリア203kに記憶されている情報に対応する状態コマンドを設定するように構成している。これにより、停電等によりパチンコ機10の電源が断された場合であっても、現在の遊技状態を音声ランプ制御装置113側が判別可能にすることができる。
なお、本実施形態では、特図1が大当たり変動中であることを示すためのフラグ(特図1大当たりフラグ203i)と、特図2が大当たり変動中であることを示すためのフラグ(特図2大当たりフラグ203j)と、を別に構成しているが、これに限ること無く、第1特別図柄と第2特別図柄とのどちらの図柄に対応した大当たり変動が実行されているかが識別可能な一つのフラグ(例えば、大当たりフラグ)で構成しても良い。具体的には、フラグを2ビットで構成し、「10」で第1特別図柄(特図1)が大当たり変動中であることを示し、「01」で、第2特別図柄(特図2)が大当たり変動中であることを示し、「00」で何れの特別図柄も大当たり変動中では無いことを示すように。2ビットの値を設定するように構成すれば良い。
詳細な説明は省略するが、本実施形態では、第1特別図柄の抽選と、第2特別図柄の抽選とを同時に(並行して)実行可能に構成しており、両方の特別図柄が大当たりに当選した場合には、先に特別図柄変動が停止(特別図柄の確定表示)された側の特別図柄の抽選結果に基づく大当たり遊技を実行し、先に特別図柄変動が停止(特別図柄の確定表示)した時点で大当たり種別によっては、他方の特別図柄変動を抽選結果が外れであることを示す表示態様で強制的に停止表示するように構成している。
このように構成することで、複数の特別図柄種別の抽選を同時に(並行して)実行可能なパチンコ機10において各特別図柄の抽選で大当たりに当選してしまい、遊技者に対して同時に過剰な特典(大当たり遊技)が付与されてしまう事態の発生を抑制することができる。
さらに、一方の特別図柄抽選で遊技者に不利となる大当たりに当選したとしても、その当選結果が停止表示(確定表示)されるまでに、他方の特別図柄抽選で遊技者に有利となる大当たりに当選させることが可能となる。この場合、特別図柄の抽選結果が停止表示されるまでの変動時間を用いて、遊技者に不利当たりに当選したことを示唆する変動演出を実行すると良い。これにより、遊技者に対して不利当たりに当選したのではと思わせることができるため、その変動時間中に他方の特別図柄抽選を意欲的に実行させることができる。
加えて、遊技者に不利となる大当たりに当選した場合よりも、遊技者に有利となる大当たりに当選したほうが、短い変動時間が設定され易くなるように構成しても良い。これにより、不利当たりに当選した一方の特別図柄の変動中に他方の特別図柄抽選で有利当たりに当選させ、その当選結果を不利当たりの当選結果よりも先に停止表示(確定表示)させることができる。
なお、本実施形態では、第1特別図柄の抽選結果(当たり当選)と第2特別図柄の抽選結果(当たり当選)とを別々に記憶可能な大当たりフラグとして特図1大当たりフラグ203iと、特図2大当たりフラグ203jを用いているが、これに限ること無く、第1特別図柄と第2特別図柄とで共通の大当たりフラグを設け、第1特別図柄の抽選と第2特別図柄の抽選とのうち、一方で大当たりに当選した場合に大当たりフラグをオンに設定し、大当たりフラグがオンに設定された状態で実行される他方の特別図柄抽選では大当たりに当選しないように構成しても良い。
特図2変動停止フラグ203oは、第2特別図柄の変動表示中に、第1特別図柄の大当たり遊技が実行されることを示すためのフラグであって、第2特別図柄の変動表示中に、第1特別図柄の大当たり遊技が実行される場合にオンに設定されるものである。この特図2変動停止フラグ203oは、主制御装置110のMPU201が実行する第1特別図柄変動停止処理(図39のS206参照)において、特図1大当たりフラグ203iがオンに設定されており(図39のS801:Yes)、特図2変動中であると判別した場合に(図39のS802:Yes)、オンに設定される(S803参照)。また、第2特別図柄変動開始処理(図41のS209参照)のS902の処理において、オフに設定される。
この特図2変動停止フラグ203oを用いることで、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選し、その大当たり図柄が停止表示された時点で、強制的に外れ図柄で停止表示させた第2特別図柄に対して再度抽選が実行されてしまうことを防止することができる。
なお、本実施形態のパチンコ機10の主制御装置110では、1回の特別図柄変動処理(図34のS104参照)内で、第1特別図柄に関する処理を実行した後に、第2特別図柄に関する処理を実行するように構成することで、各特別図柄に対する変動処理を遅滞なく実行するように構成している。
そして、特別図柄変動処理(図34のS104参照)において、何れかの特別図柄が大当たりを示す表示態様で停止表示されると、主制御装置110のメイン処理(図53参照)にて大当たり制御処理(図54のS2404)が実行されるように構成している。加えて、特別図柄変動処理(図34のS104参照)は、現在が大当たり状態である場合(図34のS201:Yes)には、特別図柄変動処理(図34のS203〜S212)をスキップするように構成している。
つまり、本実施形態では、特別図柄の抽選結果に基づいて大当たり遊技が実行されている間は、新たな特別図柄変動(抽選)が実行されないように構成しているが、特別図柄変動処理(図34のS104参照)において先に実行される第1特別図柄に対する変動処理によって、抽選結果が大当たりであることを示すための表示態様で第1特別図柄が停止表示された場合に、その特別図柄変動処理(図34のS104参照)内で第2特別図柄に対する新たな変動処理が行われるように構成している。
このように構成された本実施形態において、特図2変動停止フラグ203oを用いることで、抽選結果が大当たりであることを示すための表示態様で第1特別図柄が停止表示された場合に、その特別図柄変動処理(図34のS104参照)内で第2特別図柄に対する新たな変動処理が実行されてしまうことを抑制することができる。
特図1変動時間カウンタ203rは、第1特別図柄の変動時間を計測するためのカウンタであって、第1特別図柄変動パターン選択処理(図37のS307参照)にて選択された変動パターンに対応する変動時間を示す値がセットされる(図37のS509参照)。そして、第1特別図柄変動実行中処理(図38のS204参照)が実行される毎に値が更新(減算)され、特別図柄変動処理(図34のS104参照)にて値が0であるかが判別される(図34のS205参照)。ここで、特図1変動時間カウンタ203rの値が0であると判別されると(図34のS205:Yes)、変動中の第1特別図柄を停止させるための第1特別図柄変動停止処理(図39のS206参照)が実行される。
さらに、この特図1変動時間カウンタ203rの値は、第2特別図柄が大当たりを示す表示態様で停止表示された場合に、その値が0にクリアされる(図45のS1505参照)。これにより、第2特別図柄の大当たり停止表示時に第1特別図柄を、外れを示す表示態様で強制的に停止表示した場合に、特図1変動時間カウンタ203rの値が残ってしまい、強制的に停止表示した後に、特図2変動時間カウンタ203sに残された値に基づいて再度第1特別図柄の変動が再開されてしまうことを抑制することができる。
特図2変動時間カウンタ203sは、第2特別図柄の変動時間を計測するためのカウンタであって、第2特別図柄変動パターン選択処理(図43のS906参照)にて選択された変動パターンに対応する変動時間を示す値がセットされる(図43のS1209参照)。そして、第2特別図柄変動実行中処理(図44のS210参照)が実行される毎に値が更新(減算)され、特別図柄変動処理(図34のS104参照)にて値が0であるかが判別される(図34のS211参照)。ここで、特図2変動時間カウンタ203sの値が0であると判別されると(図34のS211:Yes)、変動中の第2特別図柄を停止させるための第2特別図柄変動停止処理(図45のS212参照)が実行される。
さらに、この特図2変動時間カウンタ203sの値は、第1特別図柄が大当たりを示す表示態様で停止表示された場合に、その値が0にクリアされる(図39のS806参照)。これにより、第1特別図柄の大当たり停止表示時に第2特別図柄を、外れを示す表示態様で強制的に停止表示した場合に、特図2変動時間カウンタ203sの値が残ってしまい、強制的に停止表示した後に、特図2変動時間カウンタ203sに残された値に基づいて再度第2特別図柄の変動が再開されてしまうことを抑制することができる。
その他メモリエリア203zは、遊技に必要なその他のデータや、カウンタ、フラグ等が設定(記憶)される。
図4に戻って説明を続ける。主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置、第2図柄保留ランプ、特定入賞口65aの開閉板65bの下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドを含むその他ソレノイド209zなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図51参照)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22(第1枠ボタン22a、第2枠ボタン22b)からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22(第1枠ボタン22a、第2枠ボタン22b)が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、音声出力装置226、ランプ表示装置227を制御し、また、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110からのコマンドや、音声ランプ制御装置113に接続された各種装置等の状況に応じてエラーを判定し、そのエラーの種別を含めてエラーコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114では、受信したエラーコマンドによって示されるエラー種別(例えば、振動エラー)に応じたエラーメッセージ画像を第3図柄表示装置81に遅滞無く表示させる制御が行われる。
音声ランプ制御装置113のROM222には、図22(a)に示すように、変動パターン選択テーブル222aとボタン演出選択テーブル222bとが少なくとも記憶されている。
変動パターン選択テーブル222aは、図示しない変動パターン選択用のカウンタ値に各変動パターンの種別(ど外れ、リーチ外れ、リーチ各種等)の変動パターンがそれぞれ設定されている。音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別、当否判定結果、取得した選択用のカウンタ値に基づいて、詳細な変動パターンを選択する。これにより、変動時間や変動パターンの種別等の大まかな情報は厳守しつつ、音声ランプ制御装置113が多種多様の変動態様を選択することができる。よって、同じ変動表示態様等が頻繁に表示されることが防止でき、遊技者が早期に飽きてしまう不具合を抑制できる。
ここで、変動パターン選択テーブル222aに規定されている内容の一部について図23を参照して説明をする。図23は、変動パターン選択テーブル222aの一部内容を模式的に示した模式図である。図23に示した通り、変動パターン選択テーブル222aでは、主制御装置110から出力された変動パターンコマンドに含まれる情報(変動時間、当否判定結果)と、取得した演出カウンタ223uの値とに対応させて、第3図柄表示装置81の表示画面で実行される第3図柄の変動演出の演出内容(演出パターン)が規定されている。
具体的には、音声ランプ制御装置113が受信した変動パターンコマンドに含まれる情報が、ノーマルリーチ(30秒)であって、当否判定結果が当たりである場合には、第1演出カウンタ223uの値が「0〜49」の範囲に「演出A」が、「50〜89」の範囲に「演出B」が、「90〜99」の範囲に「演出C」が規定されており、当否判定結果が外れである場合には、第1演出カウンタ223uの値が「0〜79」の範囲に「演出A」が、「80〜94」の範囲に「演出B」が、「95〜99」の範囲に「演出C」が規定されている。
また、音声ランプ制御装置113が受信した変動パターンコマンドに含まれる情報が、スーパーリーチ(60秒)であって、当否判定結果が当たりである場合には、第1演出カウンタ223uの値が「0〜29」の範囲に「スーパー演出A」が、「30〜79」の範囲に「スーパー演出B」が、「80〜99」の範囲に「スーパー演出C」が規定されており、当否判定結果が外れである場合には、第1演出カウンタ223uの値が「0〜49」の範囲に「スーパー演出A」が、「50〜89」の範囲に「スーパー演出B」が、「90〜99」の範囲に「スーパー演出C」が規定されている。
最後に、音声ランプ制御装置113が受信した変動パターンコマンドに含まれる情報が、長時間外れである場合には、第1演出カウンタ223uの値が「0〜89」の範囲に「外れ演出A」が、「90〜99」の範囲に「外れ演出B」が規定されている。
以上、説明をした通り、変動パターン選択テーブル222aは、主制御装置110から出力された変動パターンコマンドに含まれる変動時間を示す情報が同一である場合には、当否判定結果にかかわらず、同一種類の演出パターンが選択されるように規定しており、当否判定結果に基づいて、各演出パターンの選択割合を異ならせるように構成している。これにより、選択される演出パターンの種別によって、大当たり当選の期待度を異ならせることができる。よって、遊技者に対して、実行される第3図柄の変動演出の演出内容がどの演出パターンに基づくものであるかを注視させることができ、演出効果を高めることができる。
ここで、変動パターン選択テーブル222aに規定されている各演出パターン(「演出A」、「演出B」、「演出C」・・・)には、実行される予告演出の種別や、枠ボタン22を操作させる操作演出(ボタン演出)の有無や、リーチ演出の演出態様が対応付けて設定されている。なお、本実施形態では、変動パターン選択テーブル222aの内容を、後述するボタン演出選択テーブル222bの内容を説明するために必要とする一部分のみを図23を参照して説明しているが、実際の変動パターン選択テーブル222aは、受信した変動パターンコマンドに対応させてより細分化された演出パターンが選択可能に規定されており、その説明を省略している。
ボタン演出選択テーブル222bは、今回の抽選の当否判定結果や変動パターン種別に応じて、ボタン演出の内容を規定するテーブルである。ここで、図24を参照して、ボタン演出選択テーブル222bの規定されている内容について説明する。図24は、ボタン演出選択テーブル222bに規定されている内容を模式的に示した模式図である。
図24に示した通り、ボタン演出選択テーブル222bには、変動パターン選択テーブル222aを参照して選択した演出パターン(演出種別)に対応させて様々なボタン演出を示すボタン演出情報が格納されている。ボタン演出情報としては、特図変動が開始されてからボタン演出に対応する操作有効期間(ボタン有効期間)が設定されるまでの期間を示すボタン有効期間開始タイミング情報と、ボタン演出中に設定される操作有効期間(ボタン有効期間)の長さを示す有効期間情報と、ボタン演出の実行優先度を示すための優先度情報と、ボタン演出の演出内容(態様)を示すボタン演出情報と、が各演出種別に対して規定されている。
具体的には、変動パターン選択テーブル222aを参照して選択された演出種別(演出パターン)が「演出A」、「スーパー演出A」、「外れ演出A」である場合には、ボタン演出情報が無く、ボタン演出が実行されないように規定されている。演出種別が「演出B」である場合には、ボタン有効期間開始タイミングとして「10秒」、有効期間として「5秒」、優先度として「2」、ボタン演出の演出態様として「A」が規定されている。
ここで、ボタン演出の優先度について簡単に説明をする。本実施形態は、上述した通り、第1特別図柄(特図1)の抽選と、第2特別図柄(特図2)の抽選と、を同時に(並行して)実行可能に構成しており、それぞれの特図変動に対応して変動演出を設定可能に構成している。このように構成された遊技機では、複数の異なる契機(特図1変動の変動演出を設定する契機、特図2変動の変動演出を設定する契機)によって複数のボタン演出が設定されることになり、場合によっては、複数のボタン演出が重複して実行されてしまい、操作手段(枠ボタン22)を操作した場合に、どのボタン演出に対応したのかが分かり難くなり遊技意欲が低下してしまうという問題があった。
また、上述した問題を解決するために、実行タイミングを重複させること無く複数のボタン演出を設定するには、異なる契機で設定される複数のボタン演出を一元管理する必要があり、音声ランプ制御装置113の処理負荷が増加してしまうという問題があった。
これに対して、本実施形態では、実行されるボタン演出に優先度を付与するようにし、複数のボタン演出が重複して設定された場合に、優先度の高いボタン演出を実行するように構成している。これにより、実行タイミングが重複するようにボタン演出が設定されたとしても、実際には優先度の高いボタン演出のみが実行されるため、遊技者に対して分かり易い演出を提供することができる。また、異なる契機で設定される複数のボタン演出の設定を一元管理する必要も無いので、音声ランプ制御装置113の処理負荷が増加してしまうという問題も解決することができる。
さらに、本実施形態では、同時に実行されても問題の無いボタン演出に対しては、予め同一の優先度を付与しておき、同一の優先度のボタン演出を複数個記憶することができるように構成している。これにより、重複可能なボタン演出に対しては実行タイミングを重複させることができるため、遊技者に対して意外性のある斬新な演出を提供することができ演出効果を高めることができる。
ここで、同一の優先度が付与されるボタン演出の内容について説明をする。本実施形態では、ボタン演出の演出態様として、第3図柄表示装置81の表示画面におけるボタン演出の表示範囲と、操作対象(第1枠ボタン22a、第2枠ボタン22b)と、操作内容(一回押し、連打、長押し)と、に応じて、同時に(重複して)実行可能なボタン演出を規定し、同時に(重複して)実行可能なボタン演出に対して同一の優先度を設定するように構成している。
具体的には、第3図柄表示装置81の表示画面の表示領域のうち、主表示領域Dm(図5参照)を表示領域とし、第1枠ボタン22aを操作対象としているボタン演出と、副表示領域Ds(図5参照)を表示領域として用いるボタン演出とは、重複して実行されたとしても、遊技者が各ボタン演出の内容を把握しながら、各ボタン演出の操作対象となる操作手段(枠ボタン22)を操作することが可能となるため、重複可能なボタン演出となる。
また、表示領域が異なり、操作対象が同一の各ボタン演出については、操作内容が同一であれば、操作対象に対して同一の操作(例えば、連打操作)を行うことにより、異なる表示領域に表示された各ボタン演出を進展させることが可能となるため、重複可能なボタン演出となる。一方、表示領域が異なり、操作対象が同一であって、操作内容が異なる各ボタン演出は、遊技者が、各ボタン演出に対する操作手段への操作を行うことができないため、重複不可能(困難)なボタン演出となる。また、表示領域が重複する場合も、遊技者に各ボタン演出の演出態様(表示内容)を把握させ難い演出となるため、重複不可能(困難)なボタン演出となる。
なお、上述した重複可能なボタン演出の組合せの全てに対して、同一の優先度を設定する必要は無く、例えば、ボタン演出が実行されることにより提供される付加特典(例えば、パチンコ機10に設けられ、所定の第1位置から第2位置へと可変(移動)可能な装飾可変部材を可変動作させる特典や、第3図柄表示装置81の表示画面に表示される表示内容が示す特典)に応じて、重複可能なボタン演出であっても優先度を付与するように構成しても良い。
加えて、本実施形態では、一の契機(例えば、特図1の変動演出を設定する契機)に基づいて設定される複数のボタン演出が重複し得るように構成し、その複数のボタン演出のうち、先に実行される第1ボタン演出のほうが、後に実行される第2ボタン演出よりも優先度が高くなるように構成している。そして、上述した第1ボタン演出は、遊技者が操作手段を積極的に(早期に)操作することにより、上述した第2ボタン演出の開始タイミングよりも前に終了させることができるように構成している。
このように構成することで、第2ボタン演出の開始タイミングにおいて、優先度の高い第1ボタン演出が実行中であれば第2ボタン演出が実行されず、優先度の高い第1ボタン演出が実行中でなければ第2ボタン演出が実行されるようにすることができる。よって、一のボタン演出の操作内容によって、他のボタン演出の実行の有無が可変することになるため、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
なお、このような構成を用いる場合は、優先度の低い第2ボタン演出のほうが、優先度の高い第1ボタン演出よりも、遊技者に対して価値のある特典(例えば、通常では見ることの出来ない特典映像が再生されたり、現在の遊技状態を報知したり、実行中の特図変動の結果を報知したりする特典)が付与され得るように構成すると良い。このように、実行される優先度が低いボタン演出として、遊技者に対して価値のある特典が付与され得る特典ボタン演出を設定することにより、他のボタン演出と実行期間が重複してしまい、特典ボタン演出が実行されなくなることを抑制すること目指して、他のボタン演出の実行中に意欲的に枠ボタン22を操作させることができる。
加えて、特典ボタン演出が内部的に設定されたことを、その特典ボタン演出の実行タイミングが到来するまでに遊技者に示唆(報知)可能な示唆(報知)手段を設けると良い。このように構成することで、示唆(報知)手段により、特典ボタン演出が設定されたことが示唆(報知)されることで、他のボタン演出と実行タイミングが重複しない限り、所定のタイミングで特典ボタン演出が実行されることを容易に把握させることができる。また、報知された後に実行される他のボタン演出の実行期間が極力短くなるように積極的に枠ボタン22を操作させることができる。
図24に戻り、引き続きボタン演出選択テーブル222bに規定されている具体的な内容について説明をする。演出種別(演出パターン)が「演出C」である場合には、複数のボタン演出が規定されており、先に実行される第1ボタン演出には、ボタン有効期間開始タイミングとして「10秒」、有効期間として「5秒」、優先度として「1」、ボタン演出の演出態様として「A」が規定され、後に実行される第2ボタン演出には、ボタン有効期間開始タイミングとして「14秒」、有効期間として「3秒」、優先度として「2」、ボタン演出の演出態様として「C」が規定されている。
ここで、演出種別「演出C」に対応して規定されているボタン演出について説明をする。この「演出C」には、上述した通り、複数のボタン演出が規定されており、先に実行される第1ボタン演出の開始タイミングと、後に実行される第2ボタン演出の開始タイミングとの差が4秒となるように規定されている。そして、第1ボタン演出の有効期間が「5秒」に規定されていることから、第1ボタン演出が実行された状態で枠ボタン22を操作せず、有効期間の経過を待って第1ボタン演出を終了させる場合には、第2ボタン演出の開始タイミングにて、第1ボタン演出が実行していることになる。つまり、第2ボタン演出の開始タイミングに、優先度の高い第1ボタン演出が実行されているため、第2ボタン演出が実行されないことになる。
一方、第1ボタン演出の実行中に、枠ボタン22を操作することで第1ボタン演出を早期(例えば、ボタン有効期間開始タイミングから2秒経過した時点、即ち、変動開始から12秒後)に終了させた場合には、第2ボタン演出の開始タイミング(変動開始から14秒の時点)において、優先度の高い第1ボタン演出が終了しているため、第2ボタン演出が実行されることになる。このように構成することで、第2ボタン演出が実行されることを期待しながら、第1ボタン演出に対して積極的に枠ボタン22を操作させることができる。
次に、変動パターン選択テーブル222aを参照して選択された演出種別(演出パターン)が「スーパー演出B」である場合には、上述した「演出B」と同様に、複数のボタン演出が規定されており、先に実行される第1ボタン演出には、ボタン有効期間開始タイミングとして「10秒」、有効期間として「5秒」、優先度として「2」、ボタン演出の演出態様として「A」が規定され、後に実行される第2ボタン演出には、ボタン有効期間開始タイミングとして「14秒」、有効期間として「3秒」、優先度として「1」、ボタン演出の演出態様として「C」が規定されている。
ここで、上述した「演出B」に規定されている内容と、「スーパー演出B」に規定されている内容との相違点について説明をする。上述した「演出B」では、後に実行される第2ボタン演出のほうが先に実行される第1ボタン演出よりも優先度が低くなるように規定されており、第2ボタン演出の開始タイミングにて第1ボタン演出が実行中である場合には、第2ボタン演出が実行されないように構成していた。
これに対して、「スーパー演出B」は、後に実行される第2ボタン演出のほうが先に実行される第1ボタン演出よりも優先度が高くなるように規定している。よって、「スーパー演出B」では、第1ボタン演出が実行されている最中であっても、第1ボタン演出を終了させ、第2ボタン演出が実行される。そして、先に実行される第1ボタン演出の演出態様は、「演出B」と「スーパー演出B」とで同一の演出態様となるように規定されている。
つまり、遊技者は、第1ボタン演出が実行された場合に、今回の第1ボタン演出が「演出B」に対応して設定された第1ボタン演出なのか、「スーパー演出B」に対応して設定された第1ボタン演出なのかを判別することができないまま第1ボタン演出が進行することになる。そして、第1ボタン演出を第2ボタン演出の開始タイミングよりも前に終了させるように枠ボタン22を操作すると、「演出B」、「スーパー演出B」の何れにおいても第2ボタン演出が実行され、複数のボタン演出を体験することができるが、今回実行されているボタン演出が「演出B」に対応したものなのか、「演出B」よりも大当たり当選の期待度が高い「スーパー演出B」に対応したものなのかを第2ボタン演出の実行の有無で判別することができないことになる。
一方、第2ボタン演出の開始タイミングにおいて第1ボタン演出が実行中となるように、第1ボタン演出中に枠ボタン22を操作した場合には、「演出B」の場合には、第2ボタン演出が実行されず、「スーパー演出B」の場合には、第2ボタン演出が実行されることになる。つまり、この場合、第2ボタン演出の実行の有無に応じて、今回実行されているボタン演出が「演出B」に対応したものなのか、「演出B」よりも大当たり当選の期待度が高い「スーパー演出B」に対応したものなのかを判別することができるが、「演出B」である場合には、第2ボタン演出が実行されず、複数のボタン演出を体験することができないことになる。
このように、本実施形態では、今回実行されるボタン演出がどの演出種別(演出パターン)に対応して設定されたボタン演出なのかを予測し、その予測結果に基づいて各ボタン演出中の枠ボタン操作内容を遊技者自ら選択する楽しみを提供することができる。
次に、変動パターン選択テーブル222aを参照して選択された演出種別(演出パターン)が「スーパー演出C」である場合には、ボタン有効期間開始タイミングとして「10秒」、有効期間として「10秒」、優先度として「2」、ボタン演出の演出態様として「B」が規定され、「外れ演出B」である場合には、ボタン有効期間開始タイミングとして「10秒」、有効期間として「5秒」、優先度として「3」、ボタン演出の演出態様として「A」が規定されている。
以上説明をした通り、本実施形態では、変動パターン選択テーブル222aを参照して選択された演出種別(演出パターン)に応じて様々なボタン演出を設定することができるため、演出効果を高めることができる。また、大当たり期待度が異なる変動パターンに基づいて選択された各演出種別(演出パターン)であっても、ボタン演出のボタン有効期間開始タイミングを統一したため、ボタン有効期間開始タイミングによって、今回の演出種別が何であるのかが事前に判別されてしまい、後に実行されるボタン演出の演出効果が低下してしまうことを抑制することができる。
また、「演出B」のように複数のボタン演出を、実行期間が重複し得るタイミングで設定し、先に実行されるボタン演出(第1ボタン演出)における操作内容に応じて、後に実行され得るボタン演出(第2ボタン演出)の実行の有無を可変させるように構成しているため、遊技者をボタン演出に対して積極的に参加させることができる。
加えて、「演出B」と「スーパー演出B」のように、実行されるボタン演出の内容を統一させる一方で、各ボタン演出の優先度を異ならせるだけで、後に実行され得るボタン演出(第2ボタン演出)の実行の有無を異ならせることができ、今回の演出種別を遊技者に予測させる楽しみを提供することができる。
次に、図22(b)を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221のRAM223について説明する。図22(b)に示すように、音声ランプ制御装置113のRAM223には、コマンド記憶領域223a、入賞情報格納エリア223b、第1特別図柄保留球数カウンタ223c、第2特別図柄保留球数カウンタ223d、特図1変動開始フラグ223e、特図2変動開始フラグ223f、特図1停止種別選択フラグ223g、特図2停止種別選択フラグ223i、保留演出カウンタ223j、従状態設定エリア223k、ボタン演出階層記憶エリア223m、ボタン有効タイマ223n、特図1ボタン演出フラグ223p、特図2ボタン演出フラグ223q、第2枠ボタン有効フラグ223r、操作済フラグ223s、押下カウンタ223t、第1演出カウンタ223u、第2演出カウンタ223v、その他メモリエリア223zが少なくとも設けられている。
コマンド記憶領域223aは、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ出力された各種コマンドがそのコマンドに対する処理が実行されるまで一時的に記憶され領域である。詳細には、リングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。音声ランプ処理装置113のコマンド判定処理(図59参照)が実行されると、コマンド記憶領域223aに記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。
入賞情報格納エリア223bは、1つの実行エリアと、4つのエリア(第1エリア〜第4エリア)とを第1特別図柄と第2特別図柄に対してそれぞれ有しており、これらの各エリアには、入賞情報がそれぞれ格納される。この入賞情報格納エリア223bに格納される情報により、保留球の抽選結果等が変動開始前に音声ランプ制御装置113により判別できる。
第1特別図柄保留球数カウンタ223cは、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203dと同様に、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる変動演出(変動表示)であって、主制御装置110において保留されている変動演出の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。即ち、第1特別図柄に対応する保留球の数が、主制御装置110より出力される保留球数コマンドに基づいて設定される。
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信される保留球数コマンドに基づいて保留球数をカウントし、第1特別図柄保留球数カウンタ223cにて、その保留球数を管理するようになっている。
具体的には、主制御装置110では、第1入球口64b1への入球によって変動表示の保留球数が加算された場合、又は、主制御装置110において特別図柄における変動表示が実行されて保留球数が減算された場合に、加算後または減算後の第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値を示す保留球数コマンドを、音声ランプ制御装置113へ送信する。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より送信される保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値を取得して、第1特別図柄保留球数カウンタ223cに格納する。このように、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信される保留球数コマンドに従って、第1特別図柄保留球数カウンタ223cの値を更新するので、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203dと同期させながら、その値を更新することができる。
第1特別図柄保留球数カウンタ223cの値は、第3図柄表示装置81における保留球数図柄の表示に用いられる。即ち、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドの受信に応じて、そのコマンドにより示される保留球数を第1特別図柄保留球数カウンタ223cに格納すると共に、格納後の第1特別図柄保留球数カウンタ223cの値を表示制御装置114に通知するべく、表示用保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信する。
表示制御装置114では、この表示用保留球数コマンドを受信すると、そのコマンドにより示される保留球数の値、即ち、音声ランプ制御装置113の第1特別図柄保留球数カウンタ223cの値分の保留球数を第3図柄表示装置81の小領域Dm1a(図5(b)参照)に表示するように、画像の描画を制御する。上述したように、第1特別図柄保留球数カウンタ223cは、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203aと同期しながら、その値が変更される。従って、第3図柄表示装置81に表示される保留球数図柄の数も、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203aの値に同期させながら、変化させることができる。よって、第3図柄表示装置81には、変動表示が保留されている保留球の数を正確に表示させることができる。
第2特別図柄保留球数カウンタ223dは、第1特別図柄保留球数カウンタ223cに対して、第2特別図柄に対応する保留球の数が主制御装置110から出力される保留球数コマンドに基づいて記憶される点で異なるのみであるので、その詳細な説明については省略する。
特図1変動開始フラグ223eは、電源投入時に初期値としてオフに設定され、主制御装置110から出力された第1特別図柄の変動パターンを通知する特図1変動パターンコマンドを受信した場合にオンに設定される。一方、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる。
特図2変動開始フラグ223fは、電源投入時に初期値としてオフに設定され、主制御装置110から出力された第2特別図柄の変動パターンを通知する特図2変動パターンコマンドを受信した場合にオンに設定される。一方、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる。
特図1停止種別選択フラグ223gは、主制御装置110から出力される第1特別図柄の変動停止種別を通知する第1停止種別コマンドを受信した場合にオンに設定される。一方、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる。
特図2停止種別選択フラグ223iは、主制御装置110から出力される第2特別図柄の変動停止種別を通知する第2停止種別コマンドを受信した場合にオンに設定される。一方、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる。
保留演出カウンタ223jは、保留演出で用いる残りの保留球数をカウントするためのカウンタである。保留演出カウンタ223jは、保留球数処理(図63のS4208)で、保留球数が上限値であると判別し(図63のS4503:Yes)、保留演出を実行すると判別した場合に(S4504:Yes)、その値が8にセットされ(S4506)、保留演出カウンタ223jの値が0よりも大きい状態で特図変動が開始される(保留記憶が減少する)毎にその値が1減少される。この保留演出カウンタ223jの値が0になるまで保留演出が実行される。
従状態設定エリア223kは、主制御装置110から出力される状態コマンドに対応したデータが設定される。従状態設定エリア223kに設定されるデータにより、現在の遊技状態を音声ランプ制御装置113でも判別することができる。なお、状態設定コマンドは、電源投入時にも主制御装置110より出力されて、バックアップされた遊技状態が音声ランプ制御装置113により判別可能に構成されている。
ボタン演出階層記憶エリア223mは、設定されるボタン演出を同時に複数記憶するための記憶エリアであり、複数の記憶領域を有するものである。このボタン演出階層記憶エリア223mには、設定されたボタン演出の開始時間や後述するボタン有効タイマ223nの設定値などボタン演出の情報が、設定されたボタン演出の優先度に対応した記憶領域に記憶される。このボタン演出階層記憶エリア223mの詳細については、図25を参照して後述する。
ここで、図25を参照してボタン演出階層記憶エリア223mの内容について説明をする。図25はボタン演出階層記憶エリア223mの内容を模式的に示した模式図である。図25に示した通り、ボタン演出階層記憶エリア223mは、4つの記憶エリア(階層エリア)から形成されており、演出が実行される優先度として「優先度1」〜「優先度3」が設定されている。
具体的には、最も優先的に演出が実行される優先度1が設定されている第1階層エリア223m1と、優先度1の次に優先して演出が実行される優先度2が設定されている第2階層エリア223m2と、第3階層エリア223m3と、最も優先順位が低い優先度3が設定されている第4階層エリア223m4と、から形成されている。
ここで、本実施形態では、ボタン演出を実行する際に、優先度の高い階層エリアから順に記憶情報を読み出し、ボタン演出を実行するように構成している。そして、ボタン演出の実行タイミングとなった場合に、今回実行タイミングが到来したボタン演出に対応する優先度よりも高い優先度のボタン演出が実行されているかを判別し、高い優先度のボタン演出が実行されていない場合に新たなボタン演出を実行するように構成している。また、今回実行タイミングが到来したボタン演出よりも優先度が低いボタン演出が実行されている場合は、その優先度が低いボタン演出を強制的に終了させ、新たなボタン演出を実行するように構成している。
加えて、本実施形態では同一の優先度(優先度2)が設定される記憶エリアとして、第2階層エリア223m2、第3階層エリア223m3を有しており、この第2階層エリア223m2と、第3階層エリア223m3と、に記憶されているボタン演出は、実行タイミングが重複しても同時に実行される。本実施形態は異なる契機でボタン演出が設定されるように構成しており、最初に優先度2が付されたボタン演出が設定されると、そのボタン演出を示す情報が第2階層エリア223m2に記憶され、次に優先度2が付されたボタン演出が設定されると、既に第2階層エリア223m2に記憶されているボタン演出を示す情報が、第3階層エリア223m3へとシフトし、次に設定された優先度2が付されたボタン演出を示す情報が第2階層エリア223m2に記憶される。
そして、また新たに優先度2が付されたボタン演出が設定されると、同様に記憶エリアがシフトし、第3階層エリア223m3に記憶されていた情報が消去される。このように、同一優先度(優先度2)のボタン演出を所定個数記憶可能に構成した場合において、同一優先度のボタン演出がその所定個数以上に設定されると、最も古いボタン演出が破棄されるように構成することで、直近に設定されたボタン演出が実行され易くすることができる。
なお、本実施形態では、同一優先度(優先度2)のボタン演出を所定個数記憶可能に構成し、同一優先度のボタン演出がその所定個数以上に設定された場合に、最古のボタン演出を破棄するように構成しているが、これに限ること無く、最新のボタン演出を新たに記憶しないように構成しても良い。このように構成することで、記憶エリアに記憶されているボタン演出の実行タイミングと、消去タイミングとの管理を行う必要が無くなるため、制御処理を簡素化することができる。
ボタン有効タイマ223nは、枠ボタン22(第1枠ボタン22a、第2枠ボタン22b)の操作有効期間を計測するためのタイマであって、設定される操作有効期間の長さに対応した値が設定される。そして、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図58参照)で1ミリ秒毎に実行される枠ボタン入力監視・演出処理(図72のS4107参照)におけるボタン演出更新処理(図74のS5802参照)にてボタン有効タイマ223nの値が1減算される(S6003)。なお、このボタン有効タイマ223は、複数の操作有効期間を同時に計測可能に構成されている。これにより、重複してボタン演出が実行された場合であっても各ボタン演出に対応する操作有効期間を適正に計測することができる。
特図1ボタン演出フラグ223pは、第1特別図柄(特図1)の変動演出としてボタン演出が設定されているかどうかを示すためのフラグであって、特図1のボタン演出が設定されている場合にオンに設定されるものである。この特図1ボタン演出フラグ223pは、特図1ボタン演出設定処理(図68のS5303)において、ボタン演出が設定され、実行タイミング設定処理(図69のS5405)において、設定されたボタン演出の実行タイミングを設定した場合にオンに設定され(図69のS5509参照)、特図2のボタン演出を設定するための特図2ボタン演出設定処理(図70のS5309参照)において、特図1のボタン演出設定状況を判別する際に参照される(図70のS5602)。そして、対応するボタン演出を示す情報がボタン演出階層記憶エリアから消去された場合、即ち、対応するボタン演出が実行された場合、或いは、優先度の高いボタン演出の実行により対応するボタン演出の実行が破棄された場合にオフに設定される(図73のS5907)。
本実施形態では、特図1抽選に基づく変動表示を、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmの全面を用いて表示(主変動表示)するように構成し、特図2抽選に基づく第3図柄の変動表示を実行しない、或いは、主変動表示よりも目立たないように変動表示(副変動表示)するように構成している。そして、特図2抽選の結果が所定結果である場合(例えば、大当たりに当選した場合や、外れのうち変動時間が長い変動パターンが選ばれた場合)に、特図2抽選に基づく変動表示を副変動表示から主変動表示へと切り替えて表示するように構成している。
特図2ボタン演出フラグ223qは、第2特別図柄(特図2)の変動演出においてボタン演出が設定されているかどうかを示すためのフラグであって、特図2のボタン演出が設定されている場合にオンに設定されるものである。
第2枠ボタン有効フラグ223rは、第2枠ボタン22bに対する操作を有効に判別する操作有効期間(第2操作有効期間)が設定されていることを示すためのフラグであって、第2操作有効期間が設定される場合にオンに設定されるものである。
操作済フラグ223sは、操作手段に対する操作内容が所定の操作条件を満たしていることを示すためのフラグであって、操作内容が所定の操作条件を満たしている場合にオンに設定されるものである。この操作済フラグ223sは、ボタン演出の実行期間t2(図8参照)が経過したタイミングで判別され、その判別結果(操作済フラグ223sの設定状況)に応じて結果報知期間t3(図8参照)中の演出態様(成功演出、失敗演出)が設定される。
押下カウンタ223tは、1回の操作有効期間中に操作手段(枠ボタン22)が操作された回数を計測するためのカウンタであって、操作有効期間中に操作対象となる操作手段(第1枠ボタン22a、或いは第2枠ボタン22b)が操作される毎に、その値が1加算され、操作有効期間が終了した場合に、その値が0にリセットされる。そして、操作有効期間中、或いは、操作有効期間終了時における押下カウンタ223tの値は所定条件を満たしているかが判別され、所定条件を満たしていると判別した場合に操作済フラグ223sがオンに設定される。
なお、本実施形態では、操作有効期間中の操作内容として押下カウンタ223tを用いて操作回数(押下回数)を計測するように構成しているが、操作有効期間中の操作内容として操作回数(押下回数)以外の操作内容を判別できるように構成し、その判別結果に基づいて所定条件の成立の有無を判定し、所定条件が成立していると判定した場合に操作済フラグ223sをオンに設定するように構成しても良く、例えば、操作手段(枠ボタン22)を連続して押下している期間(長押し期間)の長さを計測する手段や、複数の操作手段を有する場合には、各操作手段を押下した順序や回数を計測する手段や、操作手段を押下する際の押下力を計測する手段等を用いても良い。
第1演出カウンタ223u、及び第2演出カウンタ223vは、変動パターンの選択や、各種演出の選択等に使用されるカウンタである。この演出カウンタ223hは、0から198の範囲で更新される1バイトのループカウンタで構成されており、例えば、メイン処理(図59参照)が実行される毎に、値が1ずつ加算されて更新される。
その他メモリエリア223zは上述したデータ以外のデータを格納する領域として設けられており、音声ランプ制御装置113のMPU221が使用するその他カウンタ値などを一時的に記憶しておくための領域である。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動表示(変動演出)や予告演出を制御するものである。この表示制御装置114の詳細については、詳細について後述する。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図4参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図51参照)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図4参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
<第1実施形態における表示制御装置の電気的構成について>
次に、図26〜図32を参照して、本第1制御例における表示制御装置114の電気的構成について説明する。図26は、表示制御装置114の電気的構成を示すブロック図である。表示制御装置114は、MPU231と、ワークRAM233と、キャラクタROM234と、常駐用ビデオRAM235と、通常用ビデオRAM236と、画像コントローラ237と、入力ポート238と、出力ポート239と、バスライン240,241とを有している。
入力ポート238の入力側には音声ランプ制御装置113の出力側が接続され、入力ポート238の出力側には、MPU231、ワークRAM233、キャラクタROM234、画像コントローラ237がバスライン240を介して接続されている。画像コントローラ237には、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が接続されると共に、バスライン241を介して出力ポート239が接続されている。また、出力ポート239の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。
なお、パチンコ機10は、特別図柄の大当たりとなる抽選確率や、1回の特別図柄の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、表示制御装置114は共通部品化されコスト低減が図られている。
以下では、先にMPU231、キャラクタROM234、画像コントローラ237、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236について説明し、次いで、ワークRAM233について説明する。
まず、MPU231は、主制御装置110の変動パターンコマンドに基づく音声ランプ制御装置113から出力された表示用変動パターンコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の表示内容を制御するものである。MPU231は、命令ポインタ231aを内蔵しており、命令ポインタ231aで示されるアドレスに格納された命令コードを読み出してフェッチし、その命令コードに従って各種処理を実行する。MPU231には、電源投入(停電からの復電を含む。以下、同じ。)直後に、電源装置115からシステムリセットがかけられるようになっており、そのシステムリセットが解除されると、命令ポインタ231aは、MPU231のハードウェアによって自動的に「0000H」に設定される。そして、命令コードがフェッチされる度に、命令ポインタ231aは、その値が1ずつ加算される。また、MPU231が命令ポインタの設定命令を実行した場合は、その設定命令により指示されたポインタの値が命令ポインタ231aにセットされる。
なお、詳細については後述するが、本実施形態において、MPU231によって実行される制御プログラムや、その制御プログラムで使用される各種の固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。
詳細については後述するが、キャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されている。これにより、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる。そして、キャラクタROM234に制御プログラム等を記憶させておけば、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方で、一般的にNAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅くなるという問題点がある。例えば、複数のページに連続して並んだデータの読み出しを行う場合において、2ページ目以降のデータは高速読み出しが可能であるが、最初の1ページ目のデータの読み出しには、アドレスが指定されてからデータが出力されるまでに大きな時間を要する。また、連続していないデータを読み出す場合は、そのデータを読み出す度に大きな時間を要する。このように、NAND型フラッシュメモリは、その読み出しに係る速度が遅いため、MPU231が直接キャラクタROM234から制御プログラムを読み出して各種処理を実行するように構成すると、制御プログラムを構成する命令の読み出しに時間がかかる場合が発生し、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。
そこで、本実施形態では、MPU231のシステムリセットが解除されると、まず、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに記憶されている制御プログラムを、各種データの一時記憶用に設けたワークRAM233に転送して格納する。そして、MPU231はワークRAM233に格納された制御プログラムに従って、各種処理を実行する。ワークRAM233は、後述するようにDRAM(Dynamic RAM)によって構成され、高速でデータの読み書きが行われるので、MPU231は遅滞なく制御プログラムを構成する命令の読み出しを行うことができる。よって、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
キャラクタROM234は、MPU231において実行される制御プログラムや、第3図柄表示装置81に表示される画像のデータを記憶したメモリであり、MPU231とバスライン240を介して接続されている。MPU231は、バスライン240を介してシステムリセット解除後にキャラクタROM234に直接アクセスし、そのキャラクタROM234の後述する第2プログラム記憶エリア234a1に記憶された制御プログラムを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aへ転送する。また、バスライン240には画像コントローラ237も接続されており、画像コントローラ237はキャラクタROM234の後述するキャラクタ記憶エリア234a2に格納された画像データを、画像コントローラ237に接続されている常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236へ転送する。
このキャラクタROM234は、NAND型フラッシュメモリ234a、ROMコントローラ234b、バッファRAM234c、NOR型ROM234dをモジュール化して構成されている。
NAND型フラッシュメモリ234aは、キャラクタROM234におけるメインの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、MPU231によって実行される制御プログラムの大部分や第3図柄表示装置81を駆動させるための固定値データを記憶する第2プログラム記憶エリア234a1と、第3図柄表示装置81に表示させる画像(キャラクタ等)のデータを格納するキャラクタ記憶エリア234a2とを少なくとも有する。
ここで、NAND型フラッシュメモリは、小さな面積で大きな記憶容量が得られる特徴を有しており、キャラクタROM234を容易に大容量化することができる。これにより、本パチンコ機において、例えば2ギガバイトの容量を持つNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより、第3図柄表示装置81に表示させる画像として、多くの画像をキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させることができる。よって、遊技者の興趣をより高めるために、第3図柄表示装置81に表示される画像を多様化、複雑化することができる。
また、NAND型フラッシュメモリ234aは、多くの画像データをキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させた状態で、更に、制御プログラムや固定値データも第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させることができる。このように、制御プログラムや固定値データを、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させることなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させることができるので、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
ROMコントローラ234bは、キャラクタROM234の動作を制御するためのコントローラであり、例えば、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237から伝達されたアドレスに基づいて、NAND型フラッシュメモリ234a等から該当するデータを読み出し、バスライン240を介してMPU231又は画像コントローラ237へ出力する。
ここで、NAND型フラッシュメモリ234aは、その性質上、データの書き込み時にエラービット(誤ったデータが書き込まれたビット)が比較的多く発生したり、データを書き込むことができない不良データブロックが発生したりする。そこで、ROMコントローラ234bは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータに対して公知の誤り訂正を施し、また、不良データブロックを避けてNAND型フラッシュメモリ234aへのデータの読み書きが行われるように公知のデータアドレスの変換を実行する。
このROMコントローラ234bにより、エラービットを含むNAND型フラッシュメモリ234aから読み出されたデータに対して誤り訂正が行われるので、キャラクタROM234としてNAND型フラッシュメモリ234aを用いたとしても、誤ったデータに基づいてMPU231が処理を行ったり、画像コントローラ237が各種画像を生成したりすることを抑制することができる。
また、ROMコントローラ234bによってNAND型フラッシュメモリ234aの不良データブロックが解析され、その不良データブロックへのアクセスが回避されるので、MPU231や画像コントローラ237は、個々のNAND型フラッシュメモリ234aで異なる不良データブロックのアドレス位置を考慮することなく、キャラクタROM234へのアクセスを容易に行うことができる。よって、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタROM234へのアクセス制御が複雑化することを抑制することができる。
バッファRAM234cは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータを一時的に記憶するバッファとして用いられるメモリである。MPU231や画像コントローラ237からバスライン240を介してキャラクタROM234に割り振られたアドレスが指定されると、ROMコントローラ234bは、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータがバッファRAM234cにセットされているか否かを判断する。そして、セットされていなければ、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータをNAND型フラッシュメモリ234a(またはNOR型ROM234d)より読み出してバッファRAM234cに一旦セットする。そして、ROMコントローラ234bは、公知の誤り訂正処理を施した上で、指定されたアドレスに対応するデータを、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237に出力する。
このバッファRAM234cは、2バンクで構成されており、1バンク当たりNAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分のデータがセットできるようになっている。これにより、ROMコントローラ234bは、例えば、一方のバンクにデータをセットした状態のまま他方のバンクを使用して、NAND型フラッシュメモリ234aのデータを外部に出力したり、MPU231や画像コントローラ237より指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから一方のバンクに転送してセットする処理と、MPU231や画像コントローラ237によって指定されたアドレスに対応するデータを他方のバンクから読み出してMPU231や画像コントローラ237に対して出力する処理とを、並列して処理したりすることができる。よって、キャラクタROM234の読み出しにおける応答性を向上させることができる。
NOR型ROM234dは、キャラクタROM234におけるサブの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、NAND型フラッシュメモリ234aを補完することを目的にそのNAND型フラッシュメモリ234aよりも極めて小容量(例えば、2キロバイト)に構成されている。このNOR型ROM234dには、キャラクタROM234に記憶される制御プログラムのうち、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されていないプログラム、具体的には、MPU231においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納する第1プログラム記憶エリア234d1が少なくとも設けられている。
ブートプログラムは、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動するための制御プログラムであり、システムリセット解除後にMPU231が先ずこのブートプログラムを実行する。これにより、表示制御装置114において各種制御が実行可能に状態とすることができる。第1プログラム記憶エリア234d1は、このブートプログラムのうち、バッファRAM234cの1バンク分(即ち、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分)の容量の範囲で、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令(例えば、1ページの容量が2キロバイトであれば、1024ワード(1ワード=2バイト)分の命令)を格納する。なお、第1プログラム記憶エリア234d1に格納されるブートプログラムの命令数は、バッファRAM234cの1バンク分の容量以下に収まっていればよく、表示制御装置114の仕様に合わせて適宜設定されるものであってもよい。
MPU231は、システムリセットが解除されると、ハードウェアによって命令ポインタ231aの値を「0000H」に設定すると共に、バスライン240に対して命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」を指定するように構成されている。一方、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240にアドレス「0000H」が指定されたことを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cの一方のバンクにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。
MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチすると、そのフェッチした命令コードに従って各種処理を実行するとともに、命令ポインタ231aを1だけ加算し、命令ポインタ231aにて示されるアドレスをバスライン240に対して指定する。そして、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240によって指定されたアドレスがNOR型ROM234dに記憶されたプログラムを指し示すアドレスである間、先にNOR型ROM234dからバッファRAM234cにセットされたプログラムの中から、対応するアドレスの命令コードをバッファRAM234cより読み出して、MPU231に対して出力する。
ここで、本実施形態において、制御プログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに格納するのではなく、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納するのは、次の理由による。即ち、NAND型フラッシュメモリ234aは、上述したように、最初の1ページ目のデータの読み出しにおいて、アドレスを指定してからデータが出力されるまでに大きな時間を要する、というNAND型フラッシュメモリ特有の問題がある。
このようなNAND型フラッシュメモリ234aに対して制御プログラムを全て格納すると、システムリセット解除後にMPU231が最初に実行すべき命令コードをフェッチするためにMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定された場合、キャラクタROM234はアドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならい。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要することになるので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費する。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるので、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納することによって、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができ、MPU231の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
さて、ブートプログラムは、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム、即ち、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムを除く制御プログラムや、その制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を、所定量(例えば、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分の容量)ずつワークRAM233のプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送するようにプログラミングされている。そして、MPU231は、まず、システムリセット解除後に第1プログラム記憶エリア234d1から読み出したブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがセットされているバッファRAM234cのバンクとは異なるバンクを使用しながら、所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、格納する。
ここで、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、上述したように、バッファRAM234cの1バンク分に相当する容量で構成されているので、内部バスのアドレスが「0000H」に指定されたことを受けて第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがバッファRAM234cにセットされる場合、そのブートプログラムはバッファRAM234cの一方のバンクにのみセットされる。よって、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムをプログラム格納エリア233aに転送する場合は、バッファRAM234cの一方のバンクにセットされた第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを残したまま、他方のバンクを使用してその転送処理を実行することができる。従って、その転送処理後に、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを再度バッファRAM234cにセットし直すといった処理が不要であるので、ブート処理に係る時間を短くすることができる。
第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送すると、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第1の所定番地に設定するようにプログラミングされている。これにより、システムリセット解除後、MPU231によって第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムが所定量だけプログラム格納エリア233aに転送されると、命令ポインタ231aがプログラム格納エリア233aの第1の所定番地に設定される。
よって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち所定量のプログラムがプログラム格納エリア233aに格納されると、MPU231は、そのプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出して、各種処理を実行することができる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行することになる。後述するように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
ここで、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれている。一方、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに所定量だけ第2プログラム記憶エリア234a1から転送される制御プログラムの中に、その残りのブートプログラムが含まれるようにプログラミングされていると共に、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを第1の所定番地として命令ポインタ231aを設定するようにプログラミングされている。
これにより、MPU231は、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送した後、その転送した制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムを実行する。
この残りのブートプログラムでは、プログラム格納エリア233aに転送されていない残りの制御プログラムやその制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を全て第2プログラム記憶エリア234a1から所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送する処理を実行する。また、ブートプログラムの最後で、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第2の所定番地に設定する。具体的には、この第2の所定番地として、プログラム格納エリア233aに格納された、ブートプログラムによるブート処理(図78のS8001参照)の終了後に実行される初期設定処理(図773のS8002参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定する。
MPU231は、この残りのブートプログラムを実行することによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムや固定値データが全てプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送される。そして、ブートプログラムがMPU231により最後まで実行されると、命令ポインタ231aが第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムをワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムを読み出して各種制御を行うことができる。従って、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
また、上述したように、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
画像コントローラ237は、画像を描画し、その描画した画像を所定のタイミングで第3図柄表示装置81に表示させるデジタル信号プロセッサ(DSP)である。画像コントローラ237は、MPU231から送信される後述の描画リスト(図32参照)に基づき1フレーム分の画像を描画して、後述する第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに描画した画像を展開すると共に、他方のフレームバッファにおいて先に展開された1フレーム分の画像情報を第3図柄表示装置81へ出力することによって、第3図柄表示装置81に画像を表示させる。画像コントローラ237は、この1フレーム分の画像の描画処理と1フレーム分の画像の表示処理とを、第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)の中で並列処理する。
画像コントローラ237は、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231に対して垂直同期割込信号(以下、「V割込信号」と称す)を送信する。MPU231は、このV割込信号を検出する度に、V割込処理(図79(b)参照)を実行し、画像コントローラ237に対して、次の1フレーム分の画像の描画を指示する。この指示により、画像コントローラ237は、次の1フレーム分の画像の描画処理を実行すると共に、先に描画によって展開された画像を第3図柄表示装置81に表示させる処理を実行する。
このように、MPU231は、画像コントローラ237からのV割込信号に伴ってV割込処理を実行し、画像コントローラ237に対して描画指示を行うので、画像コントローラ237は、画像の描画処理および表示処理間隔(20ミリ秒)毎に、画像の描画指示をMPU231より受け取ることができる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
画像コントローラ237は、また、MPU231からの転送指示や、描画リストに含まれる転送データ情報に基づいて、画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236に転送する処理も実行する。
なお、画像の描画は、常駐用ビデオRAM235および通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて行われる。即ち、描画の際に必要となる画像データは、その描画が行われる前に、MPU231からの指示に基づき、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236へ転送される。
ここで、一般的にNAND型フラッシュメモリは、ROMの大容量化を容易にする一方、読み出し速度がその他のROM(マスクROMやEEPROMなど)と比して遅い。これに対し、表示制御装置114では、MPU231が、キャラクタROM234に格納されている画像データのうち一部の画像データを電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送するように、画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。そして、後述するように、常駐用ビデオRAM235に格納された画像データは、上書きされることなく常駐されるように制御される。
これにより、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データの転送が終了した後は、常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。よって、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110または表示制御装置114によって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
また、表示制御装置114は、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データを用いて画像の描画を行う場合は、その描画が行われる前に、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して描画に必要な画像データを転送するように、MPU231が画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。後述するように、通常用ビデオRAM236に転送された画像データは、画像の描画に用いられた後、上書きによって削除される可能性はあるものの、画像描画時には、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がなく、その読み出しにかかる時間を省略できるので、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
また、通常用ビデオRAM236にも画像データを格納することによって、全ての画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておく必要がないため、大容量の常駐用ビデオRAM235を用意する必要がない。よって、常駐用ビデオRAM235を設けたことによるコスト増大を抑えることができる。
画像コントローラ237は、NAND型フラッシュメモリ234aの1ブロック分の容量である132キロバイトのSRAMによって構成されたバッファRAM237aを有している。
MPU231が、転送指示や描画リストの転送データ情報によって画像コントローラ237に対して行う画像データの転送指示には、転送すべき画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、転送先の情報(常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236のいずれに転送するかを示す情報)、及び転送先(常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。なお、格納元最終アドレスに代えて、転送すべき画像データのデータサイズを含めてもよい。
画像コントローラ237は、この転送指示の各種情報に従って、キャラクタROM234の所定アドレスから1ブロック分のデータを読み出して一旦バッファRAM237aに格納し、常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236の未使用時に、バッファRAM237aに格納された画像データを常駐RAM235または通常用ビデオRAM236に転送する。そして、転送指示により示された格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスに格納された画像データが全て転送されるまで、その処理を繰り返し実行する。
これにより、キャラクタROM234から時間をかけて読み出された画像データを一旦そのバッファRAM237aに格納し、その後、その画像データをバッファRAM237aから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ短時間で転送することができる。よって、キャラクタROM234から画像データが常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ転送される間に、常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236が、その画像データの転送で長時間占有されるのを防止することができる。従って、画像データの転送により常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236が占有されることで、画像の描画処理にそれらのビデオRAM235,236が使用できず、結果として必要な時間までに画像の描画や、第3図柄表示装置81への表示が間に合わないことを防止することができる。
また、バッファRAM234cから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236への画像データへの転送は、画像コントローラ237によって行われるので、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が画像の描画処理や第3図柄表示装置81への表示処理に未使用である期間を容易に判定することができ、処理の単純化を図ることができる。
常駐用ビデオRAM235は、キャラクタROM234より転送された画像データが、電源投入中、上書きされることがなく保持され続けるように用いられ、電源投入時主画像エリア235a、背面画像エリア235c、キャラクタ図柄エリア235e、エラーメッセージ画像エリア235fが設けられているほか、電源投入時変動画像エリア235b、第3図柄エリア235dが少なくとも設けられている。
電源投入時主画像エリア235aは、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが格納されるまでの間に第3図柄表示装置81に表示する電源投入時主画像に対応するデータを格納する領域である。また、電源投入時変動画像エリア235bは、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示されている間に遊技者によって遊技が開始され、上第1入球口64b1、または下第1入球口64b1b2への入球が検出された場合に、主制御装置110において行われた抽選結果を変動演出によって表示する電源投入時変動画像に対応する画像データを格納する領域である。
MPU231は、電源部251から電源供給が開始されたときに、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237へ転送指示を送信する(図77のS8003,S8004参照)。
ここで、図27を参照して、電源投入時変動画像について説明する。図27は、表示制御装置114が電源投入直後において、常駐用ビデオRAM235に対して格納すべき画像データをキャラクタROM234から転送している間に、第3図柄表示装置81にて表示される電源投入時画像を説明する説明図である。
表示制御装置114は、電源投入直後に、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを、電源投入時主画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bへ転送すると、続いて、常駐用ビデオRAM235に格納すべき残りの画像データを、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送する。この残りの画像データの転送が行われている間、表示制御装置114は、先に電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて、図27(a)に示す電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させる。
このとき、変動開始の指示コマンドである主制御装置110からの変動パターンコマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドを受信すると、表示制御装置114は、図27(b)に示すように、電源投入時主画像の表示画面上に、画面に向かって右下の位置に「○」図柄の電源投入時変動画像と、図27(c)に示すように、「○」図柄と同位置に「×」図柄の電源投入時変動画像とを、変動期間中、交互に繰り返して表示する。そして、主制御装置110からの変動パターンコマンドや停止種別コマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドから、主制御装置110にて行われた抽選の結果を判断し、「特別図柄の大当たり」である場合は図27(b)に示す画像を変動演出の停止後に一定期間表示させ、「特別図柄の外れ」である場合は図27(c)に示す画像を変動演出の停止後に一定期間表示させる。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に対して転送されるまで、画像コントローラ237に対し、電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて電源投入時主画像の描画を行うよう指示する。これにより、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。また、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、常駐用ビデオRAM235への画像データの転送が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、更に、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始し、第1入球口64b1、または左第2入球口64b2、第2入球口640への入球が検出された場合は、電源投入時変動画像エリア235bに常駐された電源投入時変動画像に対応する画像データを用いて電源投入時変動画像が描画され、図27(b)及び(c)に示す画像が交互に第3図柄表示装置81に表示されるように、MPU231から画像コントローラ237に対して指示される。これにより、電源投入時変動画像を用いて簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示される段階で、すでに電源投入時変動演出画像に対応する画像データが電源投入時変動画像エリア235bに常駐されているので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に第1入球口64b1、または左第2入球口64b2、第2入球口640への入球が検出された場合は、対応する変動演出を第3図柄表示装置81に即座に表示させることができる。
図26に戻って、説明を続ける。背面画像エリア235cは、第3図柄表示装置81に表示される背面画像に対応する画像データを格納する領域である。ここで、図28を参照して、背面画像と、その背面画像のうち、背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲について説明する。図28は、4種類の背面画像と、各背面画像に対して常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲を説明する説明図であり、図28(a)は、「街中ステージ」に対応する背面Aに対して、図28(b)は、「森ステージ」、「川ステージ」、および「空ステージ」に対応する背面B〜Dに対してそれぞれ示したものである。また、図29は、「島ステージ」に対応する背面Eに対して示したものである。
各背面A〜Dに対応する背面画像は、図28に示すように、いずれも第3図柄表示装置81において表示される表示領域よりも水平方向に長い画像が、キャラクタROM234に用意されている。画像コントローラ237は、その画像を水平方向に左から右へスクロールさせながら背面画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、画像の描画をおこなう。
各背面A〜Dに用意された画像(以下、「スクロール用画像」と称す。)は、いずれも位置aおよび位置cのところで背面画像が連続するように画像が構成されている。そして、位置cから位置dの間の画像および位置aから位置a’の間の画像は、表示領域の水平方向の幅分の画像によって構成されており、位置cから位置dの間にある画像が表示領域として第3図柄表示装置81に表示された後に、位置aから位置a’の間にある画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示させると、第3図柄表示装置81にスムーズなつながりで背面画像がスクロール表示されるようになっている。
背面種別選択テーブル(図示せず)に基づいて背面種別の変更が決定され、ステージが「街中ステージ」、「森ステージ」、「川ステージ」、または「空ステージ」に変更されると、MPU231は、対応する背面画像のまず位置aから位置a’の間を表示領域の初期位置として設定し、その初期位置の画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、画像コントローラ237を制御する。そして、時間の経過とともに、表示領域をスクロール用画像に対して左から右に移動させ、順次その表示領域が第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御し、更に、表示領域が位置cから位置dの間の画像に到達した場合、再び表示領域を位置aから位置a’の画像として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御する。よって、第3図柄表示装置81には、位置a〜位置cの間の画像を、左方向に向かって流れるように、スムーズなつながりで繰り返しスクロールされて表示させることができる。
一方、背面Eにおける背面画像は、図29に示すように、時間の経過とともに、図29の(a)→(b)→(c)→(a)→・・・の順で、第3図柄表示装置81に表示される。具体的には、背面Eは、島にそびえる山の画像と、山のふもとに広がる砂浜の画像と、島を囲む海の画像とが、その表示される位置が固定された状態で第3図柄表示装置81に表示される。一方、山の上に広がる空の画像は、その色調が時間経過とともに変化する。
ステージが「島ステージ」に変更されると、背面Eの初期背面画像として、図29(a)に示す背面画像が表示される。この図29(a)に示す背面画像では、朝やけを示すオレンジ色の空が表示される。そして、時間の経過とともに空の色調がオレンジ色から徐々に鮮やかな青色に変化して、所定時間経過後、図29(b)に示す背面画像が表示される。図29(b)に示す背面画像では、昼を示す鮮やかな青色の空が表示される。次に、時間の経過とともに空の色調が鮮やかな青色から徐々に黒色に変化して、所定時間経過後、図29(c)に示す背面画像が表示される。図29(c)に示す背面画像では、夜を示す黒色の空が表示される。その後、時間の経過とともに空の色調が黒色から徐々に白みはじめ更にオレンジ色に変化する。そして、所定時間経過後、図29(a)に示す背面画像に戻って、再び図29(a)〜(c)の背面画像が第3図柄表示装置81に表示される。
次いで、各背面画像において、背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲について説明する。初期ステージである街中ステージに対応する背面Aは、図28(a)に示すように、その背面Aの全範囲、即ち、位置aから位置dに対応する画像データが全て常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される。通常、初期ステージである「街中ステージ」を表示させたまま、ステージを変更せずに遊技が行われる場合が多いので、多頻度で表示される「街中ステージ」に対応する背面Aの画像データを全て背面画像エリア235cに常駐させておくことで、キャラクタROM234へのデータアクセス回数を減らすことができる。よって、表示制御装置114にかかる処理負荷を軽減することができる。
一方、「森ステージ」に対応する背面B、「川ステージ」に対応する背面C、および「空ステージ」に対応する背面Dは、図28(b)に示すように、その背面の一部領域、即ち、位置aから位置bの間の画像に対応する画像データだけが常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される。また、島ステージに対応する背面Eは、図29(a)を含み、図29(b)を除く図29(a)〜(c)の間の背面画像に対応する画像データが、電源投入後の立ち上げ処理の中で常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納され、常駐される。
ここで、即座に背面画像を変更するためには、全ての背面画像について全範囲の画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておくことが理想的であるが、そのようにすると常駐用ビデオRAM235として非常に大きな容量のRAMを用いなければならず、コストの増大につながるおそれがある。
これに対し、本パチンコ機10では、ステージが変更された場合に最初に表示される背面画像の初期位置を、位置aから位置a’の範囲(または図29(a)〜(b)の範囲)に固定し、その初期位置を含む位置aから位置bの間の画像(または図29(a)〜(b)の間の画像)に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納しておく構成としているので、キャラクタROM234を読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、変動開始時の抽選によりステージの変更が決定された場合に、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されている画像データを用いることによって、即座にその背面B〜Dの初期位置を第3図柄表示装置81に表示させることができ、また、時間経過とともにスクロール表示または色調を変化させながら表示させることができる。また、背面B〜Dについては、一部範囲の画像に対応する画像データだけを格納するので、常駐用ビデオRAM235の記憶容量の増大を抑制でき、コストの増大を抑えることができる。
また、背面B〜Dは、初期位置の画像が表示された後、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐された画像データを用いて位置aから位置bの範囲を左から右に向けてスクロールさせている間に、位置b’から位置dの画像に対応する画像データをキャラクタROM234から通常用RAM236へ転送完了できるように、その位置aから位置bの範囲が設定されている。これにより、位置aから位置bの範囲をスクロールさせる間に位置b’から位置dの画像データを通常用ビデオRAM236へ転送できるので、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納された画像データを用いて位置aから位置bの範囲をスクロールさせた後、遅滞なく通常用ビデオRAM236に格納された背面画像に対応する画像データを用いて、位置b’から位置dの範囲をスクロールさせて第3図柄表示装置81に表示させることができる。
同様に、背面Eは、初期位置の画像が表示された後、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐された画像データを用いて図29(a)〜(b)の画像を表示させている間に、図29(b)〜(c)および図29(c)〜(a)に対応する画像の画像データがキャラクタROM234から通常用RAM236へ転送が完了できるように、図29(a)〜(b)の範囲が設定されている。これにより、図29(a)〜(b)の画像を表示させている間に図29(b)〜(c)および図29(c)〜(a)の画像に対応する画像データを通常用ビデオRAM236へ転送できるので、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐された画像データを用いて図29(a)〜(b)の画像を表示させた後、遅滞なく通常用ビデオRAM236に格納された背面画像に対応する画像データを用いて、図29(b)〜(c)および図29(c)〜(a)の画像を時間経過とともに、順次、第3図柄表示装置81に表示させることができる。
なお、背面B〜Eにおいて、通常用ビデオRAM236に格納される画像データは、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236a(図26参照)に設けられた背面画像専用のサブエリアに格納される。これにより、背面画像専用のサブエリアに格納された背面画像データが、他の画像データによって上書きされることがないので、背面画像を確実に表示させることができる。
また、背面B〜Dにおいて、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される画像データと、通常用ビデオRAM236に格納される画像データとでは、位置b’から位置bの間の画像に対応する画像データが重複して格納される。そして、MPU231による画像コントローラ237の制御により、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納された画像データを用いて位置bまでの画像を第3図柄表示装置81に表示させ、次いで、通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて位置b’からの画像を第3図柄表示装置81に表示させることで、第3図柄表示装置81にスムーズなつながりで背面画像がスクロール表示されるようになっている。
更に、MPU231は、通常用ビデオRAM236の画像データを用いて、位置cから位置dの間の画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御すると、次いで、MPU231は、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cの画像データを用いて、位置aから位置a’の間の画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御する。これにより、第3図柄表示装置81には、位置a〜位置cの間の画像が、左方向に向かって流れるように、スムーズなつながりで繰り返しスクロールされて表示させることができる。
図26に戻って、説明を続ける。第3図柄エリア235dは、第3図柄表示装置81に表示される変動演出において使用される第3図柄を常駐するためのエリアである。即ち、第3図柄エリア235dには、第3図柄である「0」から「9」の数字を付した上述の10種類の主図柄に対応する画像データが常駐される。これにより、第3図柄表示装置81にて変動演出を行う場合、逐一キャラクタROM234から画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、第3図柄表示装置81において素早く変動演出を開始することができる。よって、第1入球口64b1、または左第2入球口64b2、第2入球口640への入球が発生してから、第1図柄表示装置37では変動演出が開始されているにも関わらず、第3図柄表示装置81において変動演出が即座に開始されないような状態が発生するのを抑制することができる。
また、第3図柄エリア235dには、「0」から「9」の数字が付されていない主図柄として、動物のキャラクタを模した主図柄や、所定のマーク(例えば、三角印)を模した付属図柄(ブランク図柄)とからなる主図柄に対応する画像データも常駐される。これらの画像データは、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示されるデモ演出に用いられる。これにより、デモ演出が第3図柄表示装置81に表示されると、そのデモ演出において、第3図柄として数字の付されていない主図柄が表示される。よって、遊技者は、数字の付されていない主図柄を第3図柄表示装置81の表示画像から視認することによって、当該パチンコ機10がデモ状態にあることを容易に認識することができる。
キャラクタ図柄エリア235eは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出で使用されるキャラクタ図柄に対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、「少年」や「老人」、「少女」、「怪獣」、「ウサギ」、「カメ」をはじめとする様々なキャラクタが各種演出にあわせて表示されるようになっており、これらに対応するデータがキャラクタ図柄エリア235eに常駐されることにより、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容に基づいてキャラクタ図柄を変更する場合、キャラクタROM234から対応の画像データを新たに読み出すのではなく、常駐用ビデオRAM235のキャラクタ図柄エリア235eに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて所定の画像を描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から対応の画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタ図柄を即座に変更することができる。
エラーメッセージ画像エリア235fは、パチンコ機10内にエラーが発生した場合に表示されるエラーメッセージに対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、例えば、遊技盤13の裏面に取り付けられた振動センサ(図示せず)の出力から、音声ランプ制御装置113によって振動を検出すると、音声ランプ制御装置113は振動エラーの発生をエラーコマンドによって表示制御装置114に通知する。また、音声ランプ制御装置113により、その他のエラーの発生が検出された場合にも、音声ランプ制御装置113は、エラーコマンドによって、そのエラーの発生をそのエラー種別と共に表示制御装置114へ通知する。表示制御装置114では、エラーコマンドを受信すると、その受信したエラーに対応するエラーメッセージを第3図柄表示装置81に表示させるように構成されている。
ここで、エラーメッセージは、遊技者の不正防止やエラーに対する遊技者の保護の観点から、エラーの発生とほぼ同時に表示されることが求められる。本パチンコ機10では、エラーメッセージ画像エリア235fに、各種エラーメッセージに対応する画像データが予め常駐されているので、表示制御装置114は、受信したエラーコマンドに基づいて、常駐用ビデオRAM235のエラーメッセージ画像エリア235fに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて各エラーメッセージ画像を即座に描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から逐次エラーメッセージに対応する画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、エラーコマンドを受信してから対応するエラーメッセージを即座に表示させることができる。
通常用ビデオRAM236は、データが随時上書きされ更新されるように用いられるもので、画像格納エリア236a、第1フレームバッファ236b、第2フレームバッファ236cが少なくとも設けられている。
画像格納エリア236aは、第3図柄表示装置81に表示させる画像の描画に必要な画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを格納するためのエリアである。画像格納エリア236aは、複数のサブエリアに分割されており、サブエリア毎に、そのサブエリアに格納される画像データの種別が予め定められている。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データのうち、その後の画像の描画で必要となる画像データを、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリアのうち、その画像データの種別を格納すべき所定のサブエリアに転送するように、画像コントローラ237に対して指示をする。これにより画像コントローラ237は、MPU231により指示された画像データをキャラクタROM234から読み出し、バッファRAM237aを介して、画像格納エリア236aの指定された所定のサブエリアにその読み出した画像データを転送する。
なお、画像データの転送指示は、MPU231が画像コントローラ237に対して画像の描画を指示する後述の描画リストの中に、転送データ情報を含めることによって行われる。これにより、MPU231は、画像の描画指示と、画像データの転送指示とを、描画リストを画像コントローラ237に送信するだけで行うことができるので、処理負荷を低減することができる。
第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cは、第3図柄表示装置81に表示すべき画像を展開するためのバッファである。画像コントローラ237は、MPU231からの指示に従って描画した1フレーム分の画像を、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに書き込むことによって、そのフレームバッファに1フレーム分の画像を展開すると共に、その一方のフレームバッファに画像を展開している間、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対してその画像情報を送信することによって、第3図柄表示装置81に、その1フレーム分の画像を表示させる処理を実行する。
このように、フレームバッファとして、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cの2つを設けることによって、画像コントローラ237は、一方のフレームバッファに描画した1フレーム分の画像を展開しながら、同時に、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像を読み出して、第3図柄表示装置81にその読み出した1フレーム分の画像を表示させることができる。
そして、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、第3図柄表示装置81に画像を表示させるために1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとは、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231によって、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかが交互に入れ替えて指定される。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
ワークRAM233は、キャラクタROM234に記憶された制御プログラムや固定値データを格納したり、MPU231による各種制御プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリであり、DRAMによって構成される。このワークRAM233は、プログラム格納エリア233a、データテーブル格納エリア233b、簡易画像表示フラグ233c、表示データテーブルバッファ233d、転送データテーブルバッファ233e、ポインタ233f、描画リストエリア233g、計時カウンタ233h、格納画像データ判別フラグ233i、描画対象バッファフラグ233j、背面画像変更フラグ233w、背面画像判別フラグ233x、デモ表示フラグ233y、確定表示フラグ233zを少なくとも有している。
プログラム格納エリア233aは、MPU231によって実行される制御プログラムを格納するためのエリアである。MPU231は、システムリセットが解除されると、キャラクタROM234から制御プログラムを読み出してワークRAM233へ転送し、このプログラム格納エリア233aに格納する。そして、全ての制御プログラムをプログラム格納エリア233aに格納すると、以後、MPU231はプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを用いて各種制御を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
データテーブル格納エリア233bは、主制御装置110からのコマンドに基づき表示させる一の演出に対し、時間経過に伴い第3図柄表示装置81に表示すべき表示内容を記載した表示データテーブルと、表示データテーブルにより表示される一の演出において使用される画像データのうち常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データの転送データ情報ならびに転送タイミングを規定した転送データテーブルとが格納される領域である。
これらのデータテーブルは、通常、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに設けられた第2プログラム記憶エリア234a1に固定値データの一種として記憶されており、システムリセット解除後にMPU231によって実行されるブートプログラムに従って、これらのデータテーブルがキャラクタROM234からワークRAM233へ転送され、このデータテーブル格納エリア233bに格納される。そして、全てのデータテーブルがデータテーブル格納エリア233bに格納されると、以後、MPU231は、データテーブル格納エリア233bに格納されたデータテーブルを用いて第3図柄表示装置81の表示を制御する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、各種データテーブルを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
ここで、各種データテーブルの詳細について説明する。まず、表示データテーブルは、主制御装置110からのコマンドに基づいて第3図柄表示装置81に表示される各演出の演出態様毎に1つずつ用意されるもので、例えば、変動演出、オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出、デモ演出に対応する表示データテーブルが用意されている。
変動演出は、音声ランプ制御装置113からの表示用変動パターンコマンドを受信した場合に、第3図柄表示装置81おいて開始される演出である。なお、表示用変動パターンコマンドが受信される場合には、変動演出の停止種別を示す表示用停止種別コマンドも受信される。例えば、変動演出が開始された場合に、その変動演出の停止種別が外れであれば、外れを示す停止図柄が最終的に停止表示される一方、その変動演出の停止種別が大当たりA、大当たりBのいずれかであれば、それぞれの大当たり示す停止図柄が最終的に停止表示される。遊技者は、この変動演出における停止図柄を視認することで大当たり種別を認識でき、大当たり種別に応じて付与される遊技価値を容易に判断することができる。
オープニング演出は、これからパチンコ機10が特別遊技状態へ移行して、通常時には閉鎖されている大開放口が繰り返し開放されることを遊技者に報知するための演出であり、ラウンド演出は、これから開始されるラウンド数を遊技者に報知するための演出である。エンディング演出は、特別遊技状態の終了を遊技者に報知するための演出である。
なお、デモ演出は、上述したように、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示される演出であり、「0」から「9」の数字が付されていない主図柄からなる第3図柄が停止表示されると共に、背面画像のみが変化する。第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されていれば、遊技者やホール関係者が、当該パチンコ機10において遊技が行われていないことを認識することができる。
データテーブル格納エリア233bには、オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出およびデモ演出に対応する表示データテーブルをそれぞれ1つずつ格納する。また、変動演出用の表示データテーブルである変動表示データテーブルは、設定される変動演出パターンが32パターンあれば、1変動演出パターンに1テーブル、合計で32テーブルが用意される。
ここで、図30を参照して、表示データテーブルの詳細について説明する。図30は、表示データテーブルのうち、変動表示データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。表示データテーブルは、第3図柄表示装置81において1フレーム分の画像が表示される時間(本実施形態では、20ミリ秒)を1単位として表したアドレスに対応させて、その時間に表示すべき1フレーム分の画像の内容(描画内容)を詳細に規定したものである。
描画内容には、1フレーム分の画像を構成する表示物であるスプライト毎に、そのスプライトの種別を規定すると共に、そのスプライトの種別に応じて、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報といった、スプライトを第3図柄表示装置81に描画させるための描画情報が規定されている。
スプライトの種別は、表示すべきスプライトを特定するための情報である。表示位置座標は、そのスプライトを表示すべき第3図柄表示装置81上の座標を特定するための情報である。拡大率は、そのスプライトに対して予め設定された標準的な表示サイズに対する拡大率を指定するための情報で、その拡大率に従って表示されるスプライトの大きさが特定される。なお、拡大率が100%より大きい場合は、そのスプライトが標準的な大きさよりも拡大されて表示され、拡大率が100%未満の場合は、そのスプライトが標準的な大きさもよりも縮小されて表示される。
回転角度は、スプライトを回転させて表示させる場合の回転角度を特定するための情報である。半透明値は、スプライト全体の透明度を特定するためのものであり、半透明値が高いほど、スプライトの背面側に表示される画像が透けて見えるように画像が表示される。αブレンディング情報は、他のスプライトとの重ね合わせ処理を行う場合に用いられる既知のαブレンディング係数を特定するための情報である。色情報は、表示すべきスプライトの色調を指定するための情報である。そして、フィルタ指定情報は、指定されたスプライトを描画する場合に、そのスプライトに対して施すべき画像フィルタを指定するための情報である。
変動表示データテーブルでは、各アドレスに対応して規定される1フレーム分の描画内容として、1つの背面画像、9個の第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、その画像において光の差し込みなどを表現するエフェクト、少年画像や文字などの各種演出に用いられるキャラクタといった各スプライトに対する描画情報が、アドレス毎に規定されている。なお、エフェクトやキャラクタに関する情報は、そのフレームに表示すべき内容に合わせて、1つ又は複数規定される。
ここで、背面画像は、表示位置は第3図柄表示装置81の画面全体に固定され、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報は、時間経過に対して一定とされるので、変動表示データテーブルでは、背面画像の種別を特定するための情報である背面種別のみが規定されている。この背面種別は、遊技者によって選択されているステージ(「街中ステージ」、「森ステージ」、「川ステージ」、「空ステージ」、「島ステージ」のいずれか)に対応する背面A〜Eのいずれかを表示させるか、背面A〜Eとは異なる背面画像を表示させるかを特定する情報が記載されている。また、背面種別は、背面A〜Eとは異なる背面画像を表示させることを特定する場合、どの背面画像を表示させるかを特定する情報も合わせて記載されている。
MPU231は、この背面種別によって、背面A〜Eのいずれかを表示させることが特定される場合は、背面A〜Eのうち抽選により決定されたステージに対応する背面画像を描画対象として特定し、また、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定する。一方、背面A〜Eとは異なる背面画像を表示させることが特定される場合は、背面種別から表示させるべき背面画像を特定する。
なお、本実施形態では、表示データテーブルにおいて、背面画像の描画内容として背面種別のみを規定する場合について説明するが、これに代えて、背面種別と、その背面種別に対応する背面画像のどの範囲を表示すべきかを示す位置情報とを規定するようにしてもよい。この位置情報は、例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、位置情報により示される初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間に基づいて特定する。
また、位置情報は、この表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、表示用データベースに基づき画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始された段階で表示されていた背面画像の位置と、位置情報により示される該画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間とに基づいて特定する。
更に、位置情報は、背面種別に応じて、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報および表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報のいずれかを示すものであってもよいし、背面種別および位置情報とともに、その位置情報の種別情報(例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であるか、表示用データベースに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であるかを示す情報)を、背面画像の描画内容として規定してもよい。その他、位置情報は、経過時間を示す情報ではなく、表示すべき背面画像の範囲が格納されたアドレスを示す情報であってもよい。
第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)は、表示すべき第3図柄を特定するための図柄種別情報として、図柄種別オフセット情報が記載されている。このオフセット情報は、各第3図柄に付された数字の差分を表す情報である。第3図柄の種別を直接特定するのではなく、オフセット情報を特定するのは、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄および今回行われる変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動が開始されてから所定時間経過するまでの図柄オフセット情報では、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、変動が開始されてから所定時間経過後は、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より受信した停止種別コマンド(表示用停止種別コマンド)に応じて設定される停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、変動演出を、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄で停止させることができる。
なお、各第3図柄には固有の数字が付されているので、1つ前の変動演出における変動図柄や、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄を、その第3図柄に付された数字で管理し、また、オフセット情報を、各第3図柄に付された数字の差分で表すことにより、そのオフセット情報から容易に表示すべき第3図柄を特定することができる。
また、図柄オフセット情報において、1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えられる所定時間は、第3図柄が高速に変動表示されている時間となるように設定されている。第3図柄が高速に変動表示されている間は、その第3図柄が遊技者に視認不能な状態であるので、その間に、図柄オフセット情報を1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えることによって、第3図柄の数字の連続性が途切れても、その数字の連続性の途切れを遊技者に認識させないようにすることができる。
表示データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、表示データテーブルの最終アドレス(図30の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その表示データテーブルで規定すべき演出態様に対応させた描画内容が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定し、その選定した表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに格納すると共に、ポインタ233fを初期化する。そして、1フレーム分の描画処理が完了する度にポインタ233fを1加算し、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容に基づき、次に描画すべき画像内容を特定して後述する描画リスト(図32参照)を作成する。この描画リストを画像コントローラ237に送信することで、その画像の描画指示を行う。これにより、ポインタ233fの更新に従って、表示データテーブルで規定された順に描画内容が特定されるので、その表示データテーブルで規定された通りの画像が第3図柄表示装置81に表示される。
このように、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、MPU231により実行すべきプログラムを変更するのではなく、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができる。
ここで、従来のパチンコ機のように、第3図柄表示装置81に表示させる演出画像を変更する度にMPU231で実行されるプログラムを起動するように構成した場合、演出画像の多種多様化に伴って複雑かつ膨大化するプログラムの起動や実行の処理に多大な負荷がかかるため、表示制御装置114における処理能力が制限となって、制御可能な演出画像の多様化に限界が生じてしまうおそれがあった。これに対し、本パチンコ機10では、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができるので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種多様な演出画像を第3図柄表示装置81に表示させることができる。
また、このように各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成することができるのは、パチンコ機10では、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づいて、予め第3図柄表示装置81に表示させる演出が決定されるためである。これに対し、パチンコ機といった遊技機を除くゲーム機などでは、ユーザの操作に基づいてその場その場で表示内容が変わるため、表示内容を予測することができず、よって、上述したような各演出態様に対応する表示データテーブルを持たせることはできない。このように、各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成する構成は、パチンコ機10が、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づき予め第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を決定する構成であることに基づいて初めて実現できるものである。
次いで、図31を参照して、転送データテーブルの詳細について説明する。図31は、転送データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。転送データテーブルは、演出毎に用意された表示データテーブルに対応して用意されるもので、上述したように、表示データテーブルで規定されている演出において使用されるスプライトの画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送するための転送データ情報ならびにその転送タイミングが規定されている。
なお、表示データテーブルに規定された演出において使用されるスプライトの画像データが、全て常駐用ビデオRAM235に格納されていれば、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルは用意されていない。これにより、データテーブル格納エリア233bの容量増大を抑制することができる。
転送データテーブルは、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべきスプライトの画像データ(以下、「転送対象画像データ」と称す)の転送データ情報が記載されている(図31のアドレス「0001H」及び「0097H」が該当)。ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、その転送対象画像データの転送開始タイミングが設定されており、転送データテーブルでは、その転送開始タイミングに対応するアドレスに対応させて、転送対象画像データの転送データ情報が規定される。
一方、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスで示される時間に、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しない場合は、そのアドレスに対応して転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータが規定される(図31のアドレス「0002H」が該当)。
転送データ情報としては、その転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。
なお、転送データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、表示データテーブルと同様に、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、転送データテーブルの最終アドレス(図31の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その転送データテーブルで規定すべき転送対象画像データの転送データ情報が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定すると、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが存在する場合は、その転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、後述するワークRAM233の転送データテーブルバッファ233eに格納する。そして、ポインタ233fの更新毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図32参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
例えば、図31の例では、ポインタ233fが「0001H」や「0097H」となった場合に、MPU231は、転送データテーブルの当該アドレスに規定された転送データ情報を、表示データテーブルに基づいて作成した描画リストに追加して、その追加後の描画リストを画像コントローラ237へ送信する。一方、ポインタ233fが「0002H」である場合、転送データテーブルのアドレス「0002H」には、Nullデータが規定されているので、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないと判断し、生成した描画リストに転送データ情報を追加せずに、描画リストを画像コントローラ237へ送信する。
そして、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。
ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。そして、その画像格納エリア236aに格納された画像データを用いて、表示データテーブルに基づき、所定のスプライトの描画を行うことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定されるので、その表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
また、転送データテーブルは、表示データテーブルと同様のデータ構造を有し、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべき転送対象画像データの転送データ情報が規定されているので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルに基づいて所定のスプライトの画像データが用いられる前に、確実にその画像データが通常用ビデオRAM236へ格納されるように、転送開始のタイミングを指示することができるので、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、多種多様な演出画像を容易に第3図柄表示装置81に表示させることができる。
簡易画像表示フラグ233cは、第3図柄表示装置81に、図27(a)〜(c)に示す電源投入時画像(電源投入時主画像および電源投入時変動画像)を表示するか否かを示すフラグである。この簡易画像表示フラグ233cは、電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データが常駐用ビデオRAMの電源投入時主画像エリア235a又は電源投入時変動画像エリア235bに転送された後に、MPU231により実行されるメイン処理(図77参照)の中でオンに設定される(図77のS8005参照)。そして、画像転送処理の常駐画像転送処理によって、全ての常駐対象画像データが常駐用ビデオRAM235に格納された段階で、第3図柄表示装置81に電源投入時画像以外の画像を表示させるために、オフに設定される(図89(b)のS9605参照)。
この簡易画像表示フラグ233cは、画像コントローラ237から送信されるV割込信号を検出する毎にMPU231によって実行されるV割込処理の中で参照され(図79(b)のS8301参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、電源投入時画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、簡易コマンド判定処理(図79(b)のS8308参照)および簡易表示設定処理(図79(b)のS8309参照)が実行される。一方、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに応じて、種々の画像が表示されるように、コマンド判定処理(図80〜図85参照)および表示設定処理(図86〜図88参照)が実行される。
また、簡易画像表示フラグ233cは、V割込処理の中でMPU231により実行される転送設定処理の中で参照され(図89(a)のS9501参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、常駐用ビデオRAM235に格納されていない常駐対象画像データが存在するため、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送する常駐画像転送設定処理(図89(b)参照)を実行し、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、描画処理に必要な画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する通常画像転送設定処理(図90参照)を実行する。
表示データテーブルバッファ233dは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて第3図柄表示装置81に表示させる演出態様に対応する表示データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、その音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に基づいて、第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を判断し、その演出態様に対応する表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに格納する。そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図32参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が表示される。
MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図32参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルに対応する演出が表示される。
転送データテーブルバッファ233eは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに格納する。なお、表示データテーブルバッファ233dに格納される表示データテーブルにおいて用いられるスプライトの画像データが全て常駐用ビデオRAM235に格納されている場合は、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが用意されていないので、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする。
そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された転送対象画像データの転送データ情報が規定されていれば(即ち、Nullデータが記載されていなければ)、1フレーム毎に生成される画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図32参照)に、その転送データ情報を追加する。
これにより、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されている。よって、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ポインタ233fは、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するためのものである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルが格納されるのに合わせて、ポインタ233fを一旦0に初期化する。そして、画像コントローラ237から1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒ごとに送信されるV割込信号に基づいてMPU231により実行されるV割込処理の表示設定処理(図79(b)のS8303参照)の中で、ポインタ更新処理(図88のS9205参照)が実行され、ポインタ233fの値が1ずつ加算される。
MPU231は、このようなポインタ233fの更新が行われる毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図32参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が第3図柄表示装置81に表示される。よって、表示データテーブルバッファ233dに格納する表示データテーブルを変更するだけで、容易に第3図柄表示装置81に表示させる演出を変更することができる。従って、表示制御装置114の処理能力に関わらず、多種多様な演出を表示させることができる。
また、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルが格納されている場合は、その転送データテーブルに基づいて、対応する表示データテーブルによって所定のスプライトの描画が開始されるまでに、そのスプライトの描画で用いられる常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
描画リストエリア233gは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブル、及び、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルに基づいて生成される、1フレーム分の画像の描画を画像コントローラ237に指示する描画リストを格納するためのエリアである。
ここで、図32を参照して、描画リストの詳細について説明する。図32は、描画リストの内容を模式的に示した模式図である。描画リストは、画像コントローラ237に対して、1フレーム分の画像の描画を指示する指示表であり、図32に示すように、1フレームの画像で使用する背面画像、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)といったスプライト毎に、そのスプライトの詳細な描画情報(詳細情報)を記述したものである。また、描画リストには、画像コントローラ237に対して所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送させるための転送データ情報もあわせて記述される。
各スプライトの詳細な描画情報(詳細情報)には、対応するスプライト(表示物)の画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)を示す情報と、そのアドレスとが記述されており、画像コントローラ237は、そのRAM種別およびアドレスによって指定されるメモリ領域から、当該スプライトの画像データを取得する。また、その詳細な描画情報(詳細情報)には、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報が含まれており、画像コントローラ237は、各種ビデオRAMより読み出した当該スプライトの画像データにより生成される標準的な画像に対し、拡大率に応じて拡大縮小処理を施し、回転角度に応じて回転処理を施し、半透明値に応じて半透明化処理を施し、αブレンディング情報に応じて他のスプライトとの合成処理を施し、色情報に応じて色調補正処理を施し、フィルタ指定情報に応じてその情報により指定された方法でフィルタリング処理を施した上で、表示位置座標に示される表示位置に各種処理を施して得られた画像を描画する。そして、描画した画像は、画像コントローラ237によって、描画対象バッファフラグ233jで指定される第1フレームバッファ236b又は第2フレームバッファ236cのいずれかに展開される。
MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに規定された描画内容と、その他の描画すべき画像の内容(例えば、保留球数図柄を表示する保留画像や、エラーの発生を通知する警告画像など)とに基づき、1フレーム分の画像の描画に用いられる全スプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を生成すると共に、その詳細情報をスプライト毎に並び替えることによって描画リストを作成する。
ここで、各スプライトの詳細情報のうち、スプライト(表示物)のデータの格納RAM種別とアドレスとは、表示データテーブルに規定されるスプライト種別や、その他の画像の内容から特定されるスプライト種別に応じて生成される。即ち、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
また、MPU231は、各スプライトの詳細情報のうち、その他の情報(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報)について、表示データテーブルに規定されるそれらの情報をそのままコピーする。
また、MPU231は、描画リストを生成するにあたり、1フレーム分の画像の中で、最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えて、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を記述する。即ち、描画リストでは、最初に背面画像に対応する詳細情報が記述され、次いで、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)の順に、それぞれのスプライトに対応する詳細情報が記述される。
画像コントローラ237では、描画リストに記述された順番に従って、各スプライトの描画処理を実行し、フレームバッファにその描画されたスプライトを上書きによって展開していく。従って、描画リストによって生成した1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができるのである。
また、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに転送データ情報が記載されている場合、その転送データ情報(転送対象画像データが格納されたキャラクタROM234における格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスと、その転送対象画像データを格納すべき画像格納エリア236aに設けられたサブエリアの格納先先頭アドレス)を、描画リストの最後に追加する。画像コントローラ237は、描画リストにこの転送データ情報が含まれていれば、その転送データ情報に基づいて、キャラクタROM234の所定の領域(格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスによって示される領域)から画像データを読み出して、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられた所定のサブエリア(格納先アドレス)に、転送対象となる画像データを転送する。
計時カウンタ233hは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより第3図柄表示装置81にて表示される演出の演出時間をカウントするカウンタである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに一の表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに基づいて表示される演出の演出時間を示す時間データを設定する。この時間データは、演出時間を第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)で割った値である。
そして、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図79(b)参照)の表示設定処理が実行される度に、計時カウンタ233hが1ずつ減算される(図86のS9207参照)。その結果、計時カウンタ233hの値が0以下となった場合、MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより表示される演出が終了したことを判断し、演出終了に合わせて行うべき種々の処理を実行する。
格納画像データ判別フラグ233iは、対応する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されない全てのスプライトに対して、それぞれ、そのスプライトに対応する画像データが通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されているか否かを表す格納状態を示すフラグである。
この格納画像データ判別フラグ233iは、電源投入時にメイン処理の中でMPU231により実行される初期設定処理(図77のS8002参照)によって生成される。ここで生成される格納画像データ判別フラグ233iは、全てのスプライトに対する格納状態が、画像格納エリア236aに格納されていないことを示す「オフ」に設定される。
そして、格納画像データ判別フラグ233iの更新は、MPU231により実行される通常画像転送設定処理(図90参照)の中で、一のスプライトに対応する転送対象画像データの転送指示を設定した場合に行われる。この更新では、転送指示が設定された一のスプライトに対応する格納状態を、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていることを示す「オン」に設定する。また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトの画像データは、一のスプライトの画像データが格納されることによって必ず未格納状態となるので、その他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定する。
また、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に画像データが常駐されていないスプライトの画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する際に、格納画像データ判別フラグ233iを参照し、転送対象のスプライトの画像データが、既に通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されているか否かを判断する(図90のS9713参照)。そして、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オフ」であり、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていなければ、その画像データの転送指示を設定し(図90のS9714参照)、画像コントローラ237に対して、その画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定サブエリアに転送させる。一方、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オン」であれば、既に対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されているので、その画像データの転送処理を中止する。これにより、無駄にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
描画対象バッファフラグ233jは、2つのフレームバッファ(第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236c)の中から、画像コントローラ237によって描画された画像を展開するフレームバッファ(以下、「描画対象バッファ」と称す)を指定するためのフラグで、描画対象バッファフラグ233jが0である場合は描画対象バッファとして第1フレームバッファ236bを指定し、1である場合は第2フレームバッファ236cを指定する。そして、この指定された描画対象バッファの情報は、描画リストと共に画像コントローラ237に送信される(図92のS9802参照)。
これにより、画像コントローラ237は、描画リストに基づいて描画した画像を、指定された描画対象バッファ上に展開する描画処理を実行する。また、画像コントローラ237は、描画処理と同時並列的に、描画対象バッファとは異なるフレームバッファから先に展開済みの描画画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対して、その画像情報を転送することで、第3図柄表示装置81に画像を表示させる表示処理を実行する。
描画対象バッファフラグ233jは、描画対象バッファ情報が描画リストと共に画像コントローラ237に対して送信されるのに合わせて、更新される。この更新は、描画対象バッファフラグ233jの値を反転させることにより、即ち、その値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。また、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理の描画処理(図79(b)のS8306参照)が実行される度に行われる。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
背面画像変更フラグ233wは、第3図柄表示装置81に表示される背面画像の種別を変更するか否かを判別するためのフラグである。この背面画像変更フラグ233wがオンであれば、背面画像の種別を変更することを意味し、オフであれば変更を行わないことを意味する。背面画像変更フラグ233wは、音声ランプ制御装置113から送信される背面画像変更コマンドを受信した場合にオンに設定される(図85(a)のS9001参照)。また、この背面画像変更フラグ233wは、通常画像転送設定処理において参照され(図90のS9709参照)、背面画像の変更処理が実行される際にオフに設定される(図90のS9710参照)。これにより、音声ランプ制御装置113から受信した背面画像変更コマンドや演出モード変更コマンドに対応した背面画像を表示することができる。
背面画像判別フラグ233xは、設定されている背面画像種別を示すフラグである。このフラグは、例えば1バイトで構成されており、各ビットに対して各背面種別が対応付けられている。この背面画像判別フラグ233xのうち、いずれかのビットがオンであれば、そのオンのビットに対応する背面種別が現在の背面種別として設定されていることを意味する。例えば、背面画像判別フラグ233xの0ビット目がオンであれば、背面Aが設定されていることを意味する。この背面画像判別フラグ233xは、音声ランプ制御装置113から送信される背面画像変更コマンドを受信した場合に、そのコマンドにより通知された背面画像に対応するビットがオンに設定される(図85(a)のS9002参照)。この際、他のビットは全てオフに設定される。この背面画像判別フラグ233xにより、容易に現在設定されている背面種別を特定することができる。
デモ表示フラグ233yは、デモ演出中であるか否かを示すフラグである。このデモ表示フラグ233yがオンであればデモ演出中であることを意味し、オフであればデモ演出中でないことを意味する。このデモ表示フラグ233yは、表示設定処理(図86参照)において、デモ用表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定した場合にオンに設定され(図86のS9221参照)、デモ用表示データテーブル以外の他の表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに対して設定された場合にオフに設定される(図81(a)のS8505、図82(a)のS8705、図82(b)のS8805、図83のS8905参照)。このデモ表示フラグ233yにより、現在がデモ演出中であるか否かを容易に判別することができる。
確定表示フラグ233zは、確定表示演出の実行中であるか否かを示すフラグである。ここで、確定表示演出とは、変動パターン後に停止図柄を所定期間(例えば、1秒)停止表示(確定表示)する演出を示す。この確定表示フラグ233zがオンであれば、確定表示演出中であることを意味し、オフであれば、確定表示演出中でないことを意味する。確定表示フラグ233zは、表示設定処理(図86参照)の中で、確定表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定した場合にオンに設定され(図86のS9214)、確定表示データテーブル以外の他の表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに対して設定された場合にオフに設定される(図81(a)のS8505、図82(a)のS8705、図82(b)のS8805、図83のS8905参照)。この確定表示フラグ233zにより、現在が確定表示演出中であるか否かを容易に判別することができる。
<第1実施形態における主制御装置により実行される制御処理について>
次に、図33から図57のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2m秒間隔で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後、立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
図33は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば2ミリ秒毎に実行される定期処理である。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S101)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S102)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では479)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では232)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するバッファ領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S103)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、479,99,239,232)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
次に、第1図柄表示装置37a,37bにおいて表示を行うための処理であると共に、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する特別図柄変動処理を実行する(S104)。その後、第1入球口64b1への球の入球(始動入賞)や第2入球口640への球の入球(始動入賞)に伴う始動入賞処理を実行する(S105)。尚、特別図柄変動処理、始動入賞処理の詳細は、図34〜図48を参照して後述する。
始動入賞処理を実行した後は、第2図柄表示装置において表示を行うための処理である普通図柄変動処理を実行し(S106)、普通図柄始動口(スルーゲート)67における球の通過に伴うスルーゲート通過処理を実行する(S107)。尚、普通図柄変動処理、及び、スルーゲート通過処理の詳細は、図48および図49を参照して後述する。スルーゲート通過処理を実行した後は、次いで、発射制御処理を実行し(S108)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S109)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための発射停止スイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
次に、図34を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理の一処理である特別図柄変動処理(S104)を説明する。図34は、この特別図柄変動処理(S104)を示すフローチャートである。特別図柄変動処理(図34、S104)は、第1特別図柄と第2特別図柄とを、取得した各カウンタ値に基づいて、各種判定(当否判定)や決定を行い、所定の制御によりその決定された変動表示態様で、第1図柄表示装置37に変動表示を可能に制御したり、第3図柄表示装置81にて第3図柄、第4図柄の変動表示演出を実行させるための各種コマンドを設定したり、判定結果(当否判定結果)を示す表示態様で停止表示させるための制御が実行される。以下、特別図柄変動処理(図34、S104)について説明する。
特別図柄変動処理(図34、S104)では、まず、大当たり遊技中(大当たり中)であるかを判別する(S201)。ここでは、遊技状態格納エリア203kに記憶されている情報に基づいて現在が大当たり遊技中(大当たり中)、或いは小当たり遊技中(小当たり中)であるかが判別される。S201の処理において、大当たり中であると判別した場合には(S201:Yes)、第1図柄表示装置37の表示を更新し(S202)、本処理を終了する。
一方、S201の処理において、現在が大当たり中では無いと判別した場合には(S201:No)、特図1変動時間カウンタ203rの値が0よりも大きいか、即ち、第1特別図柄が変動表示中であるかを判別する(S203)。第1特別図柄の変動表示中である(特図1変動時間カウンタ203rの値が0よりも大きい)と判別した場合には(S203:Yes)、第1特別図柄変動実行中処理を実行する(S204)。
この第1特別図柄変動実行中処理(S204)では、第1特別図柄が変動している期間中に第1図柄表示装置37に表示されている特別図柄の変動表示態様を可変(更新)するための処理が実行される。そして、S204の処理を終えると、次に、第1特別図柄変動実行中処理(S204)にて更新された特図1変動時間カウンタ203rの値が0であるかを判別し(S205)、S205の処理にて特図1変動時間カウンタ203rが0であると判別した場合は(S205:Yes)、第1特別図柄変動停止処理を実行し(S206)、後述するS208の処理へ移行する。
第1特別図柄変動停止処理(S206)では、変動表示中の第1特別図柄に規定されている変動時間が経過した場合に、第1特別図柄の抽選結果を示す図柄で変動表示を停止する処理が実行される。また、第1特別図柄変動停止処理(S206)では、第1特別図柄の抽選結果が大当たりである場合に、実行中の第2特別図柄を、強制的に外れを示す表示態様で停止表示させる処理が実行される。さらに、実行中の第2特別図柄が大当たりに当選している場合にはその大当たりに関する情報を消去するための処理が実行される。この第1特別図柄変動停止処理(S206)の詳細については、図39を参照して後述する。また、S205の処理にて特図1変動時間カウンタ203rが0では無いと判別した場合は(S205:No)、S206の処理をスキップしてS208の処理へ移行する。
一方、S203の処理において特図1変動時間カウンタ203rが0よりも大きくない(0である)と判別した場合は(S203:No)、即ち、現在が特図1変動中では無いと判別した場合は、次に、第1特別図柄変動開始処理を実行する(S207)。この第1特別図柄変動開始処理(S207)では、第1特別図柄の新たな抽選(変動)を実行するための処理が行われるものであり、新たな抽選(変動)を実行可能な状態であるかの判別と、新たな抽選(変動)を実行可能な状態である場合には、新たな抽選(変動)を行う処理が実行される。この第1特別図柄変動開始処理(S207)については、図35から図37を参照して詳しく後述する。
第1特別図柄変動開始処理(S207)を実行した後、S205の処理で特図1の変動中であると判別(S205:No)した後、或いは、第1特別図柄変動停止処理(S206)を実行した後には、次に、第2特別図柄に関する変動処理(S208〜S212)を実行する。
まず、特図2変動時間カウンタ203sの値が0よりも大きいかを判別する(S208)。即ち、現在が第2特別図柄(特図2)の変動表示中であるかを判別する。S208の処理において特図2変動時間カウンタ203sの値が0よりも大きくない(0である)と判別した場合は(S208:No)、現在が特図2変動中では無い場合であるため、次に、第2特別図柄の新たな抽選(変動)を実行するための第2特別図柄変動開始処理を実行し(S209)、本処理を終了する。
第2特別図柄変動開始処理(S209)では、第2特別図柄保留球数格納エリア203bに保留データ(各種カウンタ値)が記憶されていれば、その保留データに基づいた大当たり判定や変動パターンの選択処理が実行される。また、第2特別図柄変動開始処理(S209)では、抽選結果が大当たりとなる場合には、特図2大当たりフラグ203jをオンに設定する。
一方で、S208の処理において、特図2変動時間カウンタ203sの値が0よりも大きい、即ち、現在が特図2変動中であると判別した場合は(S208:Yes)、次に、第2特別図柄変動実行中処理を実行する(S210)。この第2特別図柄変動実行中処理(S210)の内容については、図44を参照して後述するが、上述した第1特別図柄変動実行中処理(S204)と同様の内容の処理を、処理対象を第1特別図柄から第2特別図柄へと変更して実行するものである。
そして、第2特別図柄変動実行中処理(S210)を終えると、現在の特図2変動時間カウンタ203sの値が0であるかを判別し(S211)、0であると判別した場合は(S211:Yes)、第2特別図柄変動停止処理を実行し(S212)、その後本処理を終了する。一方、S211の処理において特図2変動時間カウンタ203sの値が0では無いと判別した場合は(S211:No)、S212の処理をスキップして本処理を終了する。
第2特別図柄変動停止処理(S212)については、図45を参照して後述するが、第1特別図柄変動停止処理(S206)と同様に、変動表示中の第2特別図柄に規定されている変動時間が経過した場合に、第2特別図柄の抽選結果を示す図柄で変動表示を停止する処理が実行される。
以上、図34を参照して説明をした通り、本実施形態では第1特別図柄の抽選(変動)と、第2特別図柄の抽選(変動)と、を同時に(並行して)実行可能な構成において、1回の特別図柄変動処理内で第1特別図柄に関する変動処理(S203〜S207)と、第2特別図柄に関する変動処理(S208〜S212)と、を実行するように構成している。よって、各特別図柄に対して新たな抽選(変動)の実行が可能となった場合に遅滞なく変動処理を実行することができ、円滑な遊技を提供することができる。
また、本実施形態では、1回の特別図柄変動処理において、第1特別図柄に関する変動処理を第2特別図柄に関する変動処理よりも先に(優先して)実行するように構成している。このように、各特別図柄の処理順位を明確に設定することにより、たとえ、第1特別図柄の変動停止タイミングと第2特別図柄の変動停止タイミングとが同一となったとしても、優先して第1特別図柄の変動停止処理が実行されることになる。
なお、本実施形態では、第1特別図柄に関する変動処理を、第2特別図柄に関する変動処理よりも優先して実行するように構成しているが、これに限ること無く、第2特別図柄に関する変動処理を、第1特別図柄に関する変動処理よりも優先して実行するように構成してもよい。
また、設定されている遊技状態において遊技者に有利となる抽選が実行される特別図柄種別に対する変動処理を優先して実行するように構成しても良く、設定される遊技状態に応じて遊技者に有利となる抽選が実行される特別図柄種別が切り替わるパチンコ機10であれば、変動処理を実行する特別図柄種別の順番を切り替える手段を設けると良い。このように構成することで、遊技者に有利となる抽選の抽選結果が、遊技者に不利となる抽選結果によって消滅(破棄)されてしまうことを抑制することができる。
次に、図35を参照して、特別図柄変動処理(図34のS104)の一処理である第1特別図柄変動開始処理(S207)について説明する。図35は、この第1特別図柄変動開始処理(S207)を示すフローチャートである。
第1特別図柄変動開始処理(図35のS207)では、まず、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)を取得し(S301)、取得した第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が0より大きいかを判別する(S302)。第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が0より大きいと判別した場合には(S302:Yes)、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)を1減算する(S303)。
そして、減算後の保留球数を示した保留球数コマンドを設定し(S304)、第1特別図柄保留球数格納エリア203aの保留エリア1〜保留エリア4に格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う(S305)。より具体的には、保留エリア1→実行エリア、保留エリア2→保留エリア1、保留エリア3→保留エリア2、保留エリア4→保留エリア3といった具合に各エリア内のデータをシフトする。
次に、第1特別図柄大当たり判定処理を実行する(S306)。第1特別図柄大当たり判定処理(図35のS306)については、詳しく後述するが、第1特別図柄保留球実行エリア(図示せず)にシフトされた第1当たり乱数カウンタC1の値を用いて、設定されている遊技状態に基づいて、大当たりか否かの大当たり判定を実行する。
次に、第1特別図柄変動パターン選択処理が実行される(S307)。第1特別図柄変動パターン選択処理(S307)は、詳しく後述するが、第1特別図柄保留球実行エリア(図示せず)に格納された変動種別カウンタCS2の値に基づいた当否判定の結果に基づいて、変動パターンを各カウンタ値に基づいて選択するための処理である。そして、遊技回数更新処理(S308)を実行し、本処理を終了する。遊技回数更新処理(S308)は、詳しくは後述するが、確変カウンタ203gや時短カウンタ203hの値を減算し、遊技状態を更新するための処理が実行される。
次に、図36を参照して、第1特別図柄変動開始処理(図35のS207)の一処理である第1特別図柄大当たり判定処理(S306)について説明する。図36は、この第1特別図柄大当たり判定処理(S306)を示すフローチャートである。
第1特別図柄大当たり判定処理(図36のS306)では、まず、第1特別図柄保留球実行エリア(図示せず)に記憶されている各カウンタ値を取得する(S401)。そして、現在の遊技状態が特別図柄の高確率状態(確変状態、潜確状態)であるか否かを判別するために、確変カウンタ203gの値が0より大きい値であるかどうかを判別する(S402)。確変カウンタ203gの値が0より大きい(即ち、特別図柄の高確率状態である)と判別した場合には(S402:Yes)、第1当たり乱数テーブル202a(図15(a)参照)に基づいて、S401の処理で取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が高確率状態の大当たり判定値と一致するか否かを判定し、その抽選結果(判定結果)を取得する(S403)。
一方、確変カウンタ203gの値が0である(即ち、特別図柄の低確率状態である)と判別した場合には(S402:No)、第1当たり乱数テーブル202a(図15(a)参照)に基づいて、第1当たり乱数カウンタC1の値が低確率状態の大当たり判定値と一致するか否を判定し、その抽選結果(判定結果)を取得する(S404)。
S403またはS404の処理を終えると、次に、今回の抽選結果が大当たりであるかを判別し(S405)、大当たりであると判別した場合は(S405:Yes)、第1特別図柄の大当たり当選を示すように大当たりフラグ203nをオンに設定する(S406)。本実施形態では大当たりフラグ203nが、大当たり当選の有無を示す情報に加え、大当たり当選した特別図柄の種別を示す情報も記憶(設定)することが可能に構成されており、具体的には、特別図柄種別毎に大当たりの有無を示す情報を設定可能に構成している。よって、S406の処理では、大当たりフラグ203nのうち、第1特別図柄に対応する領域に対して大当たりを示す情報が設定される。
そして、第1特別図柄の抽選結果を大当たりに設定し(S407)、取得した当たり種別カウンタC2の値に基づいて、第1図柄表示装置37に表示する第1特別図柄の大当たり図柄をセットし(S408)、本処理を終了する。一方、S405の処理において今回の抽選結果が大当たりでは無いと判別した場合は(S405:No)、第1図柄表示装置37に第1特別図柄の外れ図柄をセットし(S409)、本処理を終了する。
次に、図37を参照して、第1特別図柄変動開始処理(図35のS207)の一処理である第1特別図柄変動パターン選択処理(S307)について説明する。図37はこの第1特別図柄変動パターン選択処理(S307)を示すフローチャートである。
第1特別図柄変動パターン選択処理(図37のS307)では、まず、第1特別図柄大当たり判定処理(図36のS306)において、第1特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否か、即ち、第1特別図柄の大当たりが設定されているか否かを判別する(S501)。ここで、大当たりであるか否かの判定は、第1特別図柄に対して第1大当たりフラグ203iがオンに設定されているかで判別される。この第1大当たりフラグ203iは、上述した第1特別図柄大当たり判定処理(図36参照)におけるS406の処理でオンに設定されるものである。
第1特別図柄の抽選結果が大当たりであると判別した場合(S501:Yes)、特図1用テーブル202d1より大当たり種別を決定し(S502)、S503の処理に移行する。一方、S501の処理において、今回の特図1抽選結果は大当たりではないと判別した場合には(S501:No)、S502の処理をスキップし、S503の処理に移行する。
S501,S502のいずれかの処理が終了した後、次に、第1特別図柄実行エリアに格納されている変動種別カウンタCS2の値を取得し(S503)、遊技状態格納エリア203kに記憶されている情報に対応する現在の遊技状態(通常状態、時短状態、確変状態)に対応した変動パターン選択テーブル202eを読み出す(S504)。
そして、S503の処理で取得した変動種別カウンタCS2の値と、S504の処理で読み出した変動パターン選択テーブル202eとに基づいて変動パターンを選択し(S505)、S505の処理で選択した変動パターンに基づいて、特図1変動パターンコマンドを設定する(S506)。
次に、第1特別図柄の停止図柄を示す特図1停止種別コマンドを設定し(S507)、第1図柄表示装置37で第1特別図柄の変動開始を設定し(S508)、選択した変動パターンの変動時間を示す値を特図1変動時間カウンタ203rの値にセットし(S509)、本処理を終了する。
次に、図38を参照して、特別図柄変動処理(図34のS104)の一処理である第1特別図柄変動実行中処理(S204)について説明をする。図38は第1特別図柄変動実行中処理(S204)を示すフローチャートである。この第1特別図柄変動実行中処理(S207)では、変動中の第1特別図柄の変動時間や表示を更新する。
第1特別図柄変動実行中処理(S204)では、まず、特図1変動時間カウンタ203rの値を減算して更新し(S701)、第1図柄表示装置37の第1特別図柄の表示を更新し(S702)、本処理を終了する。
本実施形態では、2ミリ秒毎に実行されるタイマ割込処理(図33参照)にて実行される特別図柄変動処理(図34のS104参照)内で、第1特別図柄変動実行中処理(図38のS204参照)を実行するように構成しており、その第1特別図柄変動実行中処理(図38のS204参照)内で特図1変動時間カウンタ203rの値を更新(1減算)するように構成している。よって、例えば、第1特別図柄の変動時間として30秒の変動時間が設定された場合には、特図1変動時間カウンタ203rの値として「15000」が設定され、2ミリ秒毎に値が1減算されるように構成している。
次に、図39を参照して、特別図柄変動処理(図34のS104)の一処理である第1特別図柄変動停止処理(S206)について説明する。図39はこの第1特別図柄変動停止処理(S206)を示すフローチャートである。この第1特別図柄変動停止処理(S206)は、現在が特図1変動時間カウンタ203rの値が「0」であると判別した場合、即ち、第1特別図柄(特図1)の変動時間が経過した場合に実行される処理である。
第1特別図柄変動停止処理(図39のS206)を実行すると、まず、特図1大当たりフラグ203iがオンに設定されているかを判別する(S801)。第1特別図柄に対して特図1大当たりフラグ203iがオンに設定されていると判別した場合には(S801:Yes)、特図2変動時間カウンタ203sの値が、0より大きい値であるかどうか判別する(S802)。特図2変動時間カウンタ203sの値が0より大きい値であると判別した場合には(S802:Yes)、特図2変動停止フラグ203oをオンに設定し(S803)、特図2変動停止フラグ203oがオンになったことを示す特図2変動停止コマンドを設定する(S804)。
次に、第1図柄表示装置37の第2特別図柄を外れ図柄で停止表示し(S805)、特図2変動時間カウンタ203sの値を0に設置する(S806)。これにより、第1特別図柄が大当たりを示す表示態様で停止表示された場合に、実行中の第2特別図柄(特図2)の変動表示を、外れを示す表示態様(外れ図柄)で停止表示(確定表示)することができる。
S806の処理を終えると、次に、特図2大当たりフラグ203jがオンに設定されているかを判別し(S807)、特図2大当たりフラグ203jがオンに設定されていると判別した場合は(S807:Yes)、上述したS805の処理にて強制的に外れで停止表示された第2特別図柄に対して第2特別図柄の抽選結果を適応させるために、特図2大当たりフラグ203jをオフに設定し(S808)、特図2大当たりに対する記憶情報を削除し(S809)、S810の処理へ移行する。一方で、S807の処理において、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選していないと判別した場合は(S807:No)、S808,S809の処理をスキップして、S810の処理へ移行する。
S810の処理では、まず、今回の特別図柄変動で当選した大当たりシナリオを設定し(S810)、次いで、特図1大当たりフラグ203iをオフに設定し、確変カウンタ203g、時短カウンタ203hの値を0にセットし(S811)、遊技状態格納エリア203kに現在の遊技状態が大当たり中(大当たり遊技中)であることを示す情報を記憶する(S812)。遊技状態格納エリア203kは、抽選遊技に関する遊技状態(通常状態、確変状態、時短状態)と、当たり遊技に関する遊技状態(大当たり中)とを分けて記憶することができるように構成しており、S811の処理を実行することにより、大当たり当選したタイミングにおける抽選遊技に関する遊技状態(通常状態、確変状態、時短状態)と、大当たり中であることを示す遊技状態とが記憶される。
このように構成することで、大当たり遊技終了時点で、大当たりに当選したタイミングで設定されていた遊技状態を判別することができる。
S812の処理を終えると、次に、第1特別図柄を確定停止することを音声ランプ制御装置113に対して指示するための特図1確定コマンドを設定し(S813)、第1特別図柄表示装置37で変動表示している第1特別図柄の変動表示を停止する処理を実行し(S814)、本処理を終了する。
一方、S801の処理において、第1特別図柄に対して大当たりフラグ203nがオンに設定されていないと判別した場合には(S801:No)、S802〜S812の処理をスキップして、上述したS813の処理へ移行する。
このように、第1特別図柄変動停止処理(S206)では、第1特別図柄の抽選(第1抽選遊技)結果を示す図柄で変動表示を停止する処理(S810〜S814)が実行される。また、今回の抽選結果が大当たりである場合には(S801:Yes)、変動中の第2特別図柄が、抽選結果が外れとなるように強制的に停止表示される(S805)。このように、一方の特別図柄を、大当たりを示す図柄で停止表示(確定表示)させる処理において、変動中の他方の特別図柄を強制的に停止させる処理を実行するように構成することで、同時に実行される複数の特別図柄変動に対して適正な処理を実行することができる。
つまり、本実施形態のパチンコ機10のように、第1特別図柄に関する変動処理と、第2特別図柄に関する変動処理とを順に実行する構成において、第1特別図柄の抽選結果に基づいて実行される第2特別図柄の変動処理(強制停止処理)を、第1特別図柄に関する変動処理内で実行することにより、第2特別図柄に関する変動処理が実行されていないタイミングで第2特別図柄を強制停止することができるため、第2特別図柄に関する処理が重複してしまうことを防ぐことができスムーズに処理を実行することができる。
なお、本実施形態では一方の特別図柄が大当たりを示す図柄で停止表示したタイミングで他方の特別図柄を、外れを示す図柄で強制的に停止させる処理を実行するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、一方の特別図柄が大当たりに当選したと判別した場合、即ち、第1特別図柄大当たり判定処理(図36のS306)において今回の抽選結果が大当たりであると判別した場合(図36のS405:Yes)に、他方の特別図柄の変動を強制的に外れ図柄で停止させるように構成しても良い。この場合、強制的に外れ停止された他方の特別図柄に対して、一方の特別図柄の大当たり変動が終了するまでの期間、大当たりに当選することのない特殊変動を実行させるように構成すると良い。このように構成することで、一方の特別図柄で大当たりに当選した際に強制的に他方の特別図柄変動を停止させたことを遊技者が気づき難くすることができる。よって、他方の特別図柄変動が強制的に停止表示されたことを判別し、大当たり当選の有無を遊技者が把握してしまうことを抑制することができる。
加えて、一方の特別図柄の抽選結果に基づいて、実行中の他方の特別図柄変動を制御する場合に、実行中の他方の特別図柄の抽選結果に応じて変動制御内容を異ならせるように構成しても良く、例えば、第1特別図柄が大当たり図柄で停止表示したタイミングで、第2特別図柄の抽選が外れであることを示すための変動(外れ変動)中である場合には、その抽選結果を破棄し、且つ、その外れ変動を強制停止させる強制停止処理を実行し、第2特別図柄の抽選結果が大当たりであることを示すための変動(当たり変動)中である場合には、第1特別図柄の大当たり遊技が終了した後に、第2特別図柄の変動が再開できるように中断処理を実行するように構成しても良い。
この場合、第1特別図柄の大当たり遊技が終了した後に、新たな第2特別図柄変動が実行されるのか、中断中の第2特別図柄変動が再開されるのかについて遊技者に興味を持たせながら遊技を行わせることができる。さらに、このような構成を用いた場合は、第1特別図柄の大当たり遊技中における第2特別図柄の状況(中断中か否か)を遊技者に示唆するための示唆演出を実行するように構成すると良い。
次に、図40を参照して、第1特別図柄変動開始処理(図35のS210)の一処理であり、後述する第2特別図柄変動開始処理(図41のS209)の一処理でもある遊技回数更新処理(S308)について説明する。図40はこの遊技回数更新処理(S308)を示すフローチャートである。
遊技回数更新処理(S308)では、まず、時短カウンタ203hの値が0以上であるか、即ち、遊技状態は時短状態であるかどうか判別する(S851)。時短カウンタ203hの値が0以上であると判別した場合には(S851:Yes)、時短カウンタ203hの値を1減算する(S852)。そして、S852の処理において減算した時短カウンタ203hの値が0であるかどうか判別する(S853)。減算した時短カウンタ203hの値が0であると判別した場合には(S853:Yes)、時短状態の終了のタイミングであるため、遊技状態格納エリア203kに対応する遊技状態を設定し(S854)、S855の処理に移行する。一方、S851の処理において、時短カウンタ203hの値が0以上ではない(即ち、0である)と判別した場合には(S851:No)、時短カウンタ203hの値を減算する必要がないため、S852〜S854の処理をスキップし、S855の処理に移行する。
S851、或いは、S854の処理が終了した後、次に、確変カウンタ203gの値が0以上であるか、即ち、遊技状態は確変状態であるか判別する(S855)。確変カウンタ203gの値が0以上であると判別した場合には(S855:Yes)、確変カウンタ203gの値を1減算する(S856)。そして、次に、S856の処理で減算した確変カウンタ203gの値が0であるかどうか判別する(S857)。減算した確変カウンタ203gの値が0であると判別した場合には、確変状態の終了タイミングであるため、遊技状態格納エリア203kに対応する遊技状態を設定し(S858)、S859の処理に移行する。
一方、S855の処理において確変カウンタ203gの値が0以上ではない場合(S855:No)、或いは、S857の処理において、確変カウンタ203gの値が0ではないと判別した場合には(S857:No)、S859の処理に移行する。S859の処理では、時短カウンタ203hの値と確変カウンタ203gの値とそして設定中の遊技状態とを示す状態コマンドを設定し(S859)、本処理を終了する。
次に、図41を参照して、特別図柄変動処理(図34のS104)の一処理である第2特別図柄変動開始処理(S209)について説明する。図41はこの第2特別図柄変動開始処理(S209)を示すフローチャートである。
第2特別図柄変動開始処理(S209)が実行されると、まず、特図2変動停止フラグ203oがオンに設定されているかを判別する(S901)。即ち、本処理が実行される直前に(同一の特別図柄変動処理(図34のS104参照)内で)実行された第1特別図柄の抽選(第1特別図柄大当たり判定処理(図36のS306参照))にて大当たりに当選したか否かを判別する。
S901の処理において、特図2変動停止フラグ203oがオンに設定されていると判別した場合は(S901:Yes)、第2特別図柄の変動を開始するための各種処理をスキップし、特図2変動停止フラグ203oをオフに設定し(S902)、本処理を終了する。つまり、本実施形態では、特図2変動停止フラグ203oを用いることで、第1特別図柄大当たり判定処理(図36のS306参照)において、第1特別図柄を大当たり図柄で停止表示すると共に、第2特別図柄を外れ図柄で強制的に停止表示させた後に、新たな第2特別図柄変動が実行されることを禁止している。これにより、第1特別図柄に関する変動処理内で第2特別図柄を強制的に停止表示させたとしても不具合が生じること無く制御処理を実行することができる。
本実施形態では、S901の処理において特図2変動停止フラグ203oがオンに設定されていると判別すると(S901:Yes)、特図2変動停止フラグ203oをオフに設定するように構成しているため、特図2変動停止フラグ203oを設定することで、第2特別図柄変動開始処理(図41のS212)を1回だけスキップすることができるように構成している。
これは、第2特別図柄変動開始処理(S209)が実行される直前に(同一の特別図柄変動処理(図34のS104参照)内で)実行された第1特別図柄の抽選(第1特別図柄大当たり判定処理(図36のS306参照))にて大当たりに当選した場合のみ、直後に実行される第2特別図柄変動開始処理(図41のS209)をスキップすれば、その後、第1特別図柄大当たり判定処理(図36のS306参照)にて設定された大当たり情報(大当たりシナリオ)に基づいて大当たり遊技が開始され、特別図柄変動処理(図34のS104参照)のS201の処理によって、大当たり遊技が終了するまで、第2特別図柄変動開始処理(図41のS209)が実行されないように構成されているためである。
このように構成することで、一方の特別図柄の抽選結果に基づいて、他方の特別図柄の変動処理をスキップする処理を簡素化することができるため、主制御装置110にて実行される制御処理の処理負荷を軽減させることができる。
なお、本実施形態では、一方の特別図柄の抽選結果が所定の抽選結果(大当たり当選)である場合に、他方の特別図柄を強制的に停止表示(外れ図柄で停止表示)させ、一方の特別図柄の抽選結果に基づく大当たり遊技が実行されるまで、他方の特別図柄の新たな変動(抽選)が実行されないようにするために特図2変動停止フラグ203oを設定し他方の特別図柄の変動処理を1回スキップさせる構成を用いているが、これ以外の構成を用いても良い。
つまり、一方の特別図柄の抽選結果が所定の抽選結果(大当たり当選)である場合に、その大当たり当選に基づく大当たり遊技が終了するまで、他方の特別図柄抽選(変動)で大当たりに当選しないように構成すれば良く、例えば、後述する主制御装置110のメイン処理(図53参照)にて大当たり遊技を実行するための大当たり制御処理(図54のS2404参照)が実行される場合に、特図2変動停止フラグ203oをオフに設定するように構成しても良い。
このように構成することで、特図2変動停止フラグ203oをオンにするタイミングを第1特別図柄が大当たり図柄で停止表示されるタイミングよりも前に設定したとしても、大当たり遊技が実行されるまで新たな第2特別図柄の変動(抽選)が実行されることを禁止することができる。
また、本実施形態では、特図2変動停止フラグ203oがオンに設定されている状態で第2特別図柄変動開始処理(図41のS209参照)が実行された場合に、第2特別図柄の変動処理をスキップする、即ち、新たな変動を開始しない(第2特別図柄を停止させたままにする)ように構成しているが、これに限ること無く、特図2変動停止フラグ203oがオンに設定されている場合専用の第2特別図柄の変動表示を実行するように構成しても良い。
この場合、大当たりに当選しない特殊抽選を用いて第2特別図柄の抽選を行い、その特殊抽選の結果に基づいて決定した変動パターンに対応する期間、第2特別図柄の変動表示を実行するように構成しても良いし、第2特別図柄の抽選を実行すること無く、第1特別図柄の大当たり当選に基づく大当たり遊技が実行されるまでの期間、大当たり遊技中の特定タイミングに到達するまでの期間、或いは、大当たり遊技が終了するまでの期間、第2特別図柄を変動表示するように構成しても良い。これにより、遊技者に対して、特別図柄変動を強制停止させたことを分かり難くすることができる。
なお、上述した各特別図柄に関する変動処理の内容は、その内容を示すコマンドを設定することにより、適宜、音声ランプ制御装置113側へと出力されるように構成されており、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmに表示される第3図柄、第4図柄の変動表示を上述した第1図柄表示装置37に表示される各特別図柄の表示態様と同期させることができるように構成しているが、第1図柄表示装置37に表示される第2特別図柄を強制停止させている間、第2特別図柄が強制的に停止表示されたことを示すコマンドを音声ランプ制御装置113側で受信した場合に、第3図柄表示装置81にて変動表示される第2特別図柄に対応する第3図柄、或いは、第4図柄を用いて、強制停止中の変動演出を実行するように構成しても良い。
このように、遊技者が視認し易い第3図柄表示装置81に特別図柄の変動表示と同期させて変動表示される各図柄(第3図柄、第4図柄)を用いて、実際の第2特別図柄が強制停止中に変動演出を実行するように構成した場合であっても、遊技者に対して、特別図柄変動を強制停止させたことを分かり難くすることができる。
S901の処理において、特図2変動停止フラグ203oがオンに設定されていない、即ち、第1特別図柄が大当たり図柄で停止表示されていないと判別した場合は(S901:No)は、S903〜S910の処理を実行し、本処理を終了する。このS903〜S910の処理は、上記した第1特別図柄変動開始処理(図35のS210)のS301〜S308までの各処理に対して、第1特別図柄保留球数カウンタ203d、第1特別図柄保留球数カウンタの値(N1)、第1特別図柄保留球格納エリア203a、第1特別図柄大当たり判定処理(S306)、第1特別図柄変動パターン選択処理(S307)を、第2特別図柄保留球数カウンタ203e、第2特別図柄保留球数カウンタの値(N2)、第2特別図柄保留球格納エリア203b、第2特別図柄大当たり判定処理(S908)、第2特別図柄変動パターン選択処理(S909)に変更した点を除いては同一であるので、その説明は省略する。
次に、図42を参照して、第2特別図柄変動開始処理(図41のS209)の一処理である第2特別図柄大当たり判定処理(S908)について説明する。図42は、第2特別図柄大当たり判定処理(S908)を示すフローチャートである。この第2特別図柄大当たり判定処理(S908)は、上述した第1特別図柄大当たり判定処理(図36のS306)に対して、対象となる特別図柄の種別を第1特別図柄から第2特別図柄へと変更し、その他、一部処理を追加したものである。
第2特別図柄大当たり判定処理(図42のS908)では、上記した第1特別図柄大当たり判定処理(図36のS306)に対して、次の点で相違する。即ち、S401の処理に対応するS1001の処理で、第1特別図柄保留球実行エリア(図示せず)を、第2特別図柄保留球実行エリア(図示せず)に変更した点と、S406〜S409の処理に対応するS1006〜S1009の処理で、対象を特図1(第1特別図柄)から特図2(第2特別図柄)に変更した点で相違する。その他の処理については同一であるので、その説明は省略する。
次に、図43を参照して、第2特別図柄変動開始処理(図41のS209)の一処理である第2特別図柄変動パターン選択処理(S906)について説明する。図43はこの第2特別図柄変動パターン選択処理(S906)を示すフローチャートである。
第2特別図柄変動パターン選択処理(図43のS906)では、上記した第1特別図柄変動パターン選択処理(図37のS307)に対して、次の点で相違する。S501の処理に対応するS1201の処理で、特図1抽選結果(第1特別図柄の抽選結果)が特図2抽選結果(第2特別図柄の抽選結果)に変更される点と、S506〜S507までの各処理に対応するS1206〜S1207の各処理で、特図1変動パターンコマンド(第1特別図柄の変動パターンコマンド)が特図2変動パターンコマンドに変更される点でそれぞれ相違する。その他の点は同一であるので、詳細な説明は省略する。
次に、図44を参照して、特別図柄変動処理(図34のS104)の一処理である第2特別図柄変動実行中処理(S210)の内容について説明をする。図44は、第2特別図柄変動実行中処理(S210)を示したフローチャートである。第2特別図柄変動実行中処理(S210)は、上述した第1特別図柄変動実行中処理(図38のS204)に対して、S701〜S702の処理に対応するS1401〜S1402の各処理で、更新される対象が第1特別図柄から第2特別図柄に、特図1変動時間カウンタ203rから特図2変動時間カウンタ203sに変更される点で相違する。その他の処理は同一であるので、詳細な説明は省略する。
次に、図45を参照して、特別図柄変動処理(図34のS104)の一処理である第2特別図柄変動停止処理(S212)について説明する。図45はこの第2特別図柄変動停止処理(S212)を示すフローチャートである。第2特別図柄変動停止処理(S212)では、上記した第1特別図柄変動停止処理(図39のS206参照)に対して、処理の対象を第1特別図柄から第2特別図柄に変更した点で相違する。その他の点は同一であるので、詳細な説明は省略する。
以上、説明をした通り、本実施形態のパチンコ機10では、第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示の制御はそれぞれ独立して並行して実行可能に構成されているので、第1特別図柄と第2特別図柄とを同時に変動表示させることができる。よって、所定時間内に、より多くの特別図柄の抽選遊技を実行させることができ、遊技者に大当たりが所定時間内に付与される確率が高くできる。従って、遊技者は、効率よく遊技を行うことができる。
また、第1特別図柄と第2特別図柄が同時に変動表示して抽選遊技が実行される構成であっても、第1または第2特別図柄の一方で大当たり遊技が発生した場合には、他方の特別図柄の変動表示が停止されるので、遊技者は、大当たり遊技に集中して遊技を行うことができる。
次に、図46を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理(図33)の一処理である始動入賞処理(S105)を説明する。図46は、この始動入賞処理(S105)を示すフローチャートである。始動入賞処理(図45のS105)は、第1入球口64b1、左第2入球口64b2、第2入球口640のいずれに球が入球(始動入賞)したか判別して、始動入賞した場合には、保留上限個数(第1入球口64b1で最大4個、左第2入球口64b2、第2入球口640で合わせて最大4個)まで、取得した各カウンタ値を第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bにそれぞれ格納する処理である。
また、保留球に基づいて取得された各カウンタ値が、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bにそれぞれ記憶されると、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bのそれぞれに記憶されている各カウンタ値に基づいて、事前に当否判定結果や選択される変動パターン等を予測する処理(所謂、先読み処理)が実行される。以下、始動入賞処理(図46のS105)について説明する。
始動入賞処理(図46のS105)では、まず、球が第1始動口である第1入球口64b1に入球(始動入賞)したか否かを判別する(S1701)。ここでは、第1入球口64b1内に設けられた球検知スイッチ(図示せず)への球の入球を検出する。球が第1入球口64b1に入球した(始動入賞があった)と判別する(S1701:Yes)、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)を取得し(S1702)、その取得した値(N1)が4未満であるかを判別する(S1703)。
つまり、現時点で第1入球口64b1に対する保留個数が上限値である4個よりも少ない状態であるか(即ち、保留個数が上限値まで記憶されていないか)が判別される。取得した値(N1)が4未満であると判別した場合には(S1703:Yes)、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)を1加算し(1704)、音声ランプ制御装置113に対して第1始動口の保留個数(第1特別図柄の抽選権利保留数)を通知するための保留球数コマンドを設定する(S1705)。
そして、各種カウンタ値(第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、変動種別カウンタCS1)の各値をカウンタ用バッファから読み出し(取得して)、RAM203の第1特別図柄保留球実行エリア203aの対応する保留球数の記憶エリアに各々保留(格納)する(S1706)。
次に、第1先読み処理を実行する(S1707)。この第1先読み処理(S1707)については、図47を参照して後述するが、新たに第1特別図柄保留球格納エリア203aに記憶された各カウンタ値から当否判定結果や、決定される変動パターン、停止種別等を判別する処理が実行される。なお、本実施形態では、新たに記憶された各カウンタ値に基づいて当否判定結果や、決定される変動パターン、停止種別等を判別する処理を実行するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、新たな始動入賞があった場合に、第1特別図柄保留球格納エリア203aに記憶(格納)されている全ての保留記憶に対して当否判定結果や、決定される変動パターン、停止種別等を判別する処理を実行するように構成しても良い。
また、本実施形態では、第1特別図柄保留球格納エリア203aに新たな情報(入賞情報)を格納する場合、即ち、第1特別図柄の抽選権利を新たに獲得した場合に、第1特別図柄の抽選権利(入賞情報)の内容を事前に判別する構成としているが、これに限ること無く、第1特別図柄の抽選権利を新たに獲得した場合に、第2特別図柄の抽選権利(入賞情報)の内容を事前に判別するように構成しても良い。
そして、S1707の処理を実行すると、次にS1708の処理を実行する。また、S1701の処理で球が第1入球口64b1に入球していないと判別した場合(S1701:No)、或いは、S1703の処理で、現時点で第1入球口64b1に対する保留個数が上限値であると判別した場合(S1703:No)は、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)を加算する処理をスキップして、S1708の処理へ移行する。
上述した通り、本実施形態では、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)を加算した場合に、加算された入賞に関する情報(入賞情報)に基づいた第1先読み処理(S1707)を実行するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、S1703の処理で第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が上限数(4)であると判別した場合(S1703:No)、即ち、第1特別図柄の保留球数が上限に到達している状態で第1入球口64b1に球を入球させた場合に第1先読み処理(S1707)を実行することができるように構成しても良い。これにより、第1特別図柄の保留球数が上限に到達している状態においても、先読み処理を実行させるために遊技者に継続して遊技を行わせることができる。また、第1特別図柄の保留球数が上限に到達している状態で第1入球口64b1に球を入球させた場合に付加価値を付与することができるため、第1特別図柄の保留球数が上限に到達している状態で第1入球口64b1に球が入球した際に遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
次に、S1708〜S1714までの各処理については、S1701〜S1707までの各処理で実行された第1始動口(第1入球口64b1)への球の入賞に対して行われた処理と同様の処理が、第2入球口(左第2入球口64b2、第2入球口640)に対して実行される処理であることが相違するのみであるので、詳細な説明は省略する。
次に、図47を参照して、始動入賞処理(図46のS105)の一処理である第1先読み処理(S1707)について説明する。図47は、この第1先読み処理(S1707)を示すフローチャートである。
第1先読み処理(図47のS1707)では、まず、新たに第1特別図柄保留格納エリア203aに記憶された格納エリアから各種カウンタ値である、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、変動種別カウンタCS1の各値を読み出す(S1821)。そして、読み出したデータを先読み保留記憶エリアの空いている記憶エリアのうち、入賞順序がもっとも小さいエリアに記憶する(S1822)。
そして、S1823の処理における判別結果が大当たりである(低確率状態のみ大当たり、高確率状態のみ大当たり、低確率状態、高確率状態の何れも大当たり)と判別した場合は(S1823:Yes)、大当たり種別を示す情報と、変動パターンを示す情報とを含む第1入賞コマンドを設定し(S1824)、本処理を終了する。一方、S1823の処理における判別結果が大当たりでは無い(特別図柄が高確率状態でも、低確率状態でも外れである)と判別した場合は(S1823:No)、外れを示す情報と、変動パターンを示す情報とを含む第1入賞コマンドを設定し(S1825)、本処理を終了する。
ここで、S1824、或いはS1825の処理で設定された第1入賞コマンドは、上述した当否判定結果を示すための情報(当否判定結果に基づいて異なる意味を持たせる情報)に加え、共通情報として、S1821の処理によって読み出された各種カウンタ値の値を示すための情報も含んで設定される。そして、本処理で設定された入賞コマンドが主制御装置110のメイン処理(図53参照)にて実行される外部出力処理(S2401)によって音声ランプ制御装置113に対して出力される。
音声ランプ制御装置113側では、入賞コマンドを受信した場合に、入賞コマンドに含まれる各種情報に基づいて、保留球の表示態様を可変させて(例えば、保留球の色を通常とは異なる色で可変して)表示させたり、変動開始前に予告図柄等を表示して遊技者に当否判定結果を示唆したりする演出(先読み演出)を実行できる。
なお、本実施形態では、先読み処理を実行する場合に、特別図柄の高確率状態の場合の当否判定結果と、特別図柄の低確率状態の場合の当否判定結果とを判別し、各判別の結果に基づいた入賞コマンドを設定するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、特別図柄が高確率状態であっても、低確率状態であっても大当たりと判定される判定値(第1当たり乱数カウンタC1の値)を規定し、その判定値を読み出した場合のみ特別図柄の大当たりを示す入賞コマンドを設定するように構成しても良い。
このように構成することで、音声ランプ制御装置113側に対して、特定の大当たりであることを事前判別した場合のみ大当たりを示す入賞コマンドを出力することになるため、先読み演出が実行されない特別図柄変動に対して、大当たり当選の期待感を持たせることができる。
さらに、第1特別図柄保留格納エリア203aに格納(記憶)されている保留記憶(入賞情報)に基づく特別図柄の抽選が行われる際の遊技状態を正確に判別して、その遊技状態に基づいて当否判定を実行するように構成してもよい。この場合には、変動パターンの選択を保留球数によって可変するのではなく、変動開始時の保留球数に関わらず一定の変動パターンを選択するように構成することで判別が可能となる。先読みを実行する場合に、その保留球が変動開始されるまでの変動順序を保留記憶されている情報に基づいて判別することで変動開始時の遊技状態を判別できる。
また、本実施形態では、第1特別図柄保留格納エリア203aに新たな保留記憶(入賞情報)が格納(記憶)された場合に、その入賞情報に基づく先読み処理を実行し、その先読み処理の中で当否判定を事前に予測する構成を用いているが、これに限ること無く、主制御装置110の先読み処理において、第1特別図柄保留格納エリア203aに新たに格納(記憶)された入賞情報(保留記憶)の内容(各カウンタ値)を示す情報を入賞コマンドとして設定し、音声ランプ制御装置113側で受信した入賞コマンドに含まれる情報に基づいて当否判定結果を予測するように構成しても良い。
このように構成することで、主制御装置110の処理負荷を軽減することができる。また、音声ランプ制御装置113側で、先読み演出を実行するか否かを判別する処理を実行し、先読み演出を実行すると判別した場合に、主制御装置110から受信した入賞コマンドに含まれる情報を解析(当否判定結果の予測)するように構成すると良い。これにより、先読み演出を実行しない場合には、具体的な先読み処理(当否判定結果の予測)が実行されないため、パチンコ機10にて無駄な制御が実行されることを抑制することができる。また、無題に実行された先読み処理の結果を遊技者に不正に取得されてしまう不具合を抑制することができる。
さらに、本実施形態では、第1特別図柄保留格納エリア203aに新たな保留記憶(入賞情報)が格納(記憶)された場合に、その入賞情報に基づく先読み処理を実行し、その先読み処理の中で当否判定を事前に予測する構成を用いているが、これに限ること無く、本実施形態では、第1特別図柄保留格納エリア203aに新たな保留記憶(入賞情報)が格納(記憶)されたことを起因に第1特別図柄保留格納エリア203aに格納(記憶)されている全ての入賞情報に基づく先読み結果を示す情報を第1入賞コマンドとして設定しても良い。
次に、図48を参照して、始動入賞処理(図46のS105)の一処理である第2先読み処理(S1714)について説明する。図48は、この第2先読み処理(S1714)を示すフローチャートである。第2先読み処理(図48のS1714)は、上記した第1先読み処理(図47のS1707)が第1始動口(第1入球口64b1)に球が入球(始動入賞)したことに基づく保留データ(入賞情報)を事前に判別(先読み)して、各種判定を行う処理であるのに対して、判定を行う対象を第1始動口に始動入賞したことに基づく入賞情報から第2始動口(左第2入球口64b2、第2入球口640)に始動入賞したことに基づく入賞情報へと変更した点でなるのみであり、その他は同一の処理が実行されるため、詳細な説明は省略する。
次に、図49を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理の一処理である普通図柄変動処理(S106)について説明する。図49は、この普通図柄変動処理(S106)を示すフローチャートである。普通図柄変動処理(S106)は、第2図柄(普通図柄)の変動表示や、電動役物64aの開放時間などを制御するための処理である。
この普通図柄変動処理(図49のS106)では、まず、今現在が、普通図柄(第2図柄)の当たり中であるかを判別する(S2001)。普通図柄(第2図柄)の当たり中としては、第2図柄表示装置83において当たりを示す表示がなされてから(当たり図柄が停止表示してから)電動役物64aの開閉制御がなされている最中まで(当たり遊技が終了するまで)が含まれる。普通図柄(第2図柄)の当たり中であると判別した場合には(S2001:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、普通図柄(第2図柄)の当たり中でないと判別した場合には(S2001:No)、第2図柄表示装置83の普通図柄が変動表示中であるかを判別する(S2002)。普通図柄の変動中では無い、即ち、現在が新たな普通図柄変動(抽選)を実行可能な状態であると判別した場合は(S2002:No)、次に、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)を取得し(S2003)、その値が0よりも大きいかを判別する(S2004)。
S2004の処理で普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が0であると判別された場合には(S2004:No)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄保留球数カウンタ203fの値が0よりも大きいと判別した場合は(S2004:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)を1減算する(S2005)。つまり、S2004の処理において新たな普通図柄変動を実行するための条件(普通図柄変動に用いるための入賞情報が保留記憶されていること)が成立していると判別された場合は、保留記憶されている入賞情報を用いて普通図柄変動を実行するため、普通図柄保留球数カウンタ203fの値を1減算する。
次に、普通図柄保留球格納エリア203cに格納されたデータをシフトする(S2006)。S2006の処理では、普通図柄保留球格納エリア203cの普通図柄保留1〜普通図柄保留4に格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、普通図柄保留1→実行エリア、普通図柄保留2→普通図柄保留1、普通図柄保留3→普通図柄保留2、普通図柄保留4→普通図柄保留4といった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、普通図柄保留球実行エリア(図示せず)に格納されている第2当たり乱数カウンタC4の値を取得する(S2007)。
次に、時短カウンタ203hの値が0より大きい値であるかどうか、即ち、現在が普通図柄の高確率状態であるか否かを判別し(S2008)、時短カウンタ203hの値が0よりも大きいと判別した場合には(S2008:Yes)、高確率時用の第2当たり乱数テーブル202c(図15(b)参照)の当たり判定値に基づいて当否判定結果(抽選結果)を取得し(S2009)、S2011の処理へ移行する。一方、時短カウンタ203hの値が0より大きい値ではない(即ち、0である)、即ち、普通図柄の低確率状態であると判別した場合は(S2008:No)、低確率時用の第2当たり乱数テーブル202c(図15(b)参照)の当たり判定値に基づいて、当否判定結果を取得し(S2010)、S2011の処理へ移行する。
S2011の処理では、今回の普通図柄変動(抽選)が当たりであるかを判別し(S2011)、当たりであると判別した場合は(S2011:Yes)、当たり時の表示態様である「○」の表示態様を設定し(S2012)、普図変動種別カウンタの値を用いて普図変動パターンに基づいて普通図柄の変動時間を決定する(S2014)。一方、S2011の処理で、今回の普通図柄変動(抽選)が当たりでは無い(外れである)と判別した場合は(S2011:No)、外れ時の表示態様である「×」の表示態様を設定し(S2013)、上述したS2014の処理へ移行する。
ここで、普通図柄の変動時間を決定するための処理(S2014の処理)について、普図変動パターンテーブル202f(図20参照)に規定されている内容を用いて説明をする。本実施形態では、普通図柄変動の変動時間を、設定されている普通図柄の確率状態(高確率状態、低確率状態)と、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(普図保留数)と、に基づいて可変設定するように構成している。そして、設定された普通図柄の変動時間によって、第2入球口640への球の入球のし易さ(単位時間当たりにおける電動役物640aの開放期間の長さ)が異なるように構成している。
上述した通り、普図変動パターンテーブル202f(図20参照)には、普通図柄の低確率状態が設定されている場合に30秒の変動時間が規定されている。そして、普通図柄の高確率状態が設定されている場合には、0.1秒間の閉鎖期間(オープニング期間)を経て0.7秒間の開放期間が設定される開放パターンに基づいた当たり遊技(普図当たり遊技)が実行される。よって、普通図柄の高確率状態が設定されている場合は、スルーゲート67を通過した球が第2入球口640に到達するまでに、普図当たり遊技が終了してしまうため、その球が第2入球口640に入球し得ないように構成している。
そして、普通図柄の低確率状態が設定されている場合には、0.1秒間の閉鎖期間(オープニング期間)を経て0.7秒間の開放期間が設定される開放パターンに基づいた当たり遊技(普図当たり遊技)が実行される。よって、普通図柄の低確率状態が設定されている場合は、スルーゲート67を通過した球が第2入球口640に到達した時点(スルーゲート67を通過してから1.6秒後)で普通図柄の変動(30秒変動)が実行されている最中であるため、その球が第2入球口640に入球し得ないように構成されており、普通図柄の低確率状態が設定されている場合は、スルーゲート67を通過した球が第2入球口640に到達した時点(スルーゲート67を通過してから1.6秒後)では普図当たり遊技が実行されているため、その球が第2入球口640に入球し得るように構成されている。
このように、設定される普通図柄の変動時間の長さに応じて、第2入球口640への球の入球具合を可変させるように構成することで、第2入球口640への球の入球のし易さを遊技状態に応じて容易に可変することができるため、様々な遊技性を創り出すことができる。
また、上述した通り、普通図柄の変動時間を適正範囲よりも短くした場合であっても、長くした場合であっても、球が第2入球口640に入球し難くなるように構成することができるため、例えば、普通図柄の変動時間を短縮する必要がある遊技状態(例えば、確変状態)においても、球が第2入球口640に入球し難くすることができる。
なお、本実施形態では、普通図柄の遊技状態、及び、普通図柄の保留球数に応じて、普通図柄の変動パターンを設定するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、取得した普図変動種別カウンタCS2の値に基づいて異なる変動時間が設定されるように構成しても良い。
一方、S2002の処理において、普通図柄(第2図柄)が変動中であると判別した場合には(S2002:No)、第2図柄表示装置83において実行している普通図柄の変動時間が経過したかを判別し(S2015)、変動時間が経過していないと判別した場合は(S2015:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S2015の処理において変動時間が経過していると判別した場合は(S2015:Yes)、次に、第2図柄表示装置83の停止表示を設定する(S2016)。S2016の処理では、今回の普通図柄の抽選が当たりである場合には、第2図柄表示装置83には「○」図柄が停止表示(点灯表示)されるように設定する。一方、普通図柄の抽選が外れである場合には、第2図柄表示装置83には「×」図柄が停止表示(点灯表示)される。つまり、上述したS2012、或いはS2013の処理で設定された表示態様を停止表示させるための設定が行われる。
S2016の処理により、停止表示を設定すると、第2図柄表示装置83における変動表示が終了し、S2012の処理、或いはS2013の処理で設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)が第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)される。
次に、今回の普通図柄の抽選結果は当たりであるかを判別する(S2017)。今回の普通図柄の抽選結果は当たりであると判別した場合には(S2017:Yes)、電動役物640aの開閉制御態様(開放パターン)を設定するための処理が実行される。一方、今回の普通図柄の抽選結果が当たりでは無い(外れである)と判別した場合は(S2017:No)、そのまま本処理を終了する。
次に、本実施形態における電動役物640aの開閉制御態様(開放パターン)について説明をする。本実施形態のパチンコ機10では、普通図柄の当否判定を行うタイミング(S2008〜S2011の処理を行うタイミング)にて設定されている普通図柄の確率状態(高確率状態、低確率状態)に基づいて普通図柄の当否判定を実行し、電動役物640aの開放制御態様(開放パターン)を設定するタイミング(S2015の処理で変動時間が経過したと判別したタイミング)にて設定されている普通図柄の確率状態(高確率状態、低確率状態)に基づいて電動役物640aの開放制御態様(開放パターン)を設定するように構成している。
即ち、本実施形態では、普通図柄に関する変動処理(抽選処理)と、特別図柄に関する変動処理(抽選処理)とが独立して実行されるように構成されており、さらに、特別図柄に関する変動処理(抽選処理)の結果に基づいて普通図柄の確率状態(高確率状態、低確率状態)が可変するように構成している。よって、普通図柄に関する変動処理(抽選処理)が実行されている期間中に並行して実行される特別図柄に関する変動処理(抽選処理)の結果によっては、普通図柄の当否判定を行うタイミングでは普通図柄の高確率状態が設定され、電動役物640aの開放制御態様(開放パターン)を設定するタイミングでは普通図柄の低確率状態が設定される場合が発生する。
このような状況において、例えば、普通図柄の当否判定を行うタイミングにて設定されている普通図柄の確率状態(高確率状態、低確率状態)に基づいて、電動役物640aの開放制御態様(開放パターン)を設定してしまうと、普通図柄の低確率状態が設定されている状態で、電動役物640aがロング開放(普通図柄の高確率状態中が設定されている場合に実行される開放パターン)してしまうという問題があった。
そこで、本実施形態では、電動役物640aの開放制御態様(開放パターン)を設定するタイミングにおける普通図柄の確率状態(高確率状態、低確率状態)を判別し、その判別結果に基づいて電動役物640aの開放制御態様(開放パターン)を設定するように構成している。これにより、設定されている遊技状態に応じた開放パターンで電動役物640aを開放させることができる。
S2017の処理において、今回の普通図柄の抽選結果が当たりであると判別した場合は(S2017:Yes)、次に、現在の普通図柄の確率状態(高確率状態、低確率状態)を判別するために、時短カウンタ203hの値が0より大きい値であるかどうか判別し(S2018)、時短カウンタ203hの値が0より大きい値ではない(即ち、0である)、即ち、現在が普通図柄の低確率状態であると判別した場合は(S2018:No)、普通図柄の低確率状態用の開放パターンとして、0.7秒間の開放を1回実行する開放パターン「0.7秒間×1回」を設定する(S2019)。
一方、S2018の処理において、時短カウンタ203hの値が0より大きい値であると判別した場合は(S2018:Yes)、普通図柄の高確率状態用の開放パターンとして、0.8秒間の開放を1回実行する開放パターン「0.8秒間×1回」を設定する(S2020)。つまり、本実施形態では、普通図柄の高確率状態用の開放パターン(0.8秒×1回)のほうが、普通図柄の低確率状態用の開放パターン(0.7秒×1回)よりも、長い期間電動役物640aを開放させるように構成している。よって、電動役物640aの開放パターンとしては、普通図柄の高確率状態が設定されているほうが、普通図柄の低確率状態が設定されている場合よりも、遊技者に有利となる当たり遊技(第2入球口640が開放状態となる期間が長くなる)ように構成している。次いで、S2019、或いはS2020の処理において設定された開放パターンに基づいて電動役物640aの開閉制御開始を設定し(S2021)、本処理を終了する。
なお、本実施形態では、普通図柄の当否判定を行うタイミングにおける普通図柄の確率状態に基づいて普通図柄の当否判定を実行し、普通図柄の当たり遊技にて可動させる電動役物640aの開放制御態様(開放パターン)を設定するタイミングにおける普通図柄の確率状態に基づいて電動役物640aの開放パターンを設定するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、普通図柄の当否判定を行うタイミングで普通図柄の高確率状態が設定されており、且つ普通図柄の当たり遊技にて可動させる電動役物640aの開放制御態様(開放パターン)を設定するタイミングでも普通図柄の高確率状態が設定されている場合にのみ、電動役物640aがロング開放するように構成しても良いし、普通図柄の当否判定を行うタイミングで設定されている遊技状態に基づいて、電動役物640aの開放パターンを設定するように構成しても良い。
このように、本実施形態では、普図変動パターンテーブル202f(図20参照)より普図変動種別カウンタCS2の値に基づいて普図の変動パターン(変動時間)が決定される。図20に示すように、普図変動パターンテーブル202fでは、各遊技状態や普通図柄の保留球数に対応して、普通図柄の変動パターンが設定されている。確変状態(確変:電サポ有り)以外では、変動パターンは1種類であり、選択した普図変動種別カウンタの値に関わらず常に同じ変動時間が決定される。
次に、図50を参照して、本第1実施形態にて実行されるスルーゲート通過処理実行(S107)する。本処理は、タイマ割込処理(図33参照)の中で実行され、普通図柄始動口(スルーゲート)67における球の通過の有無を判断し、球の通過があった場合に、第2当たり乱数カウンタC4が示す値を取得し実行エリアに格納するための処理である。
スルーゲート通過処理(図50のS107)では、まず、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過したか否かを判定する(S2101)。ここでは、普通図柄始動口(スルーゲート)67における球の通過を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過したと判定されると(S2101:Yes)、次に、現在設定されている遊技状態が通常状態であるかを判別し(S2102)、通常状態であると判別した場合は(S2102:Yes)、通常状態が設定している状態で右打ち遊技が行われた場合であるため、発射異常を示すための報知コマンドを設定し(S2103)、S2104の処理へ移行する。
S2103の処理によって設定された報知コマンドが音声ランプ制御装置113へと出力(通知)されると、音声ランプ制御装置113側で異常報知処理が実行され、第3図柄表示装置81にて発射異常を示す第1異常報知態様(図示せず)が表示される。
一方、S2102の処理で現在の遊技状態が通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)では無いと判別した場合は(S2102:No)、次に、現在の遊技状態が潜確状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の低確率状態)であるかを判別し(S2104)、潜確状態であると判別した場合は(S2104:Yes)、発射異常を示す第2報知コマンドを設定し(S2105)、S2106の処理へ移行する。S2104の処理で確変状態では無い(潜確状態である)と判別した場合は(S2104:No)、そのままS2106の処理へ移行する。
ここで、S2105の処理によって設定された第2報知コマンドが音声ランプ制御装置113へと出力(通知)されると、音声ランプ制御装置113側で異常報知処理が実行され、第3図柄表示装置81にて発射異常を示す第2異常報知態様(図示せず)が表示される。
このように、球がスルーゲート67を通過したことを検知した場合に、右打ち遊技が実行されていると判別するように構成することで、右打ち遊技を行っているか否かを判別するための専用の検知手段(例えば、発射された球が可変表示装置ユニット80を超えた遊技領域に到達したことを検知するためのセンサ)を設ける必要が無くなるため、製造コストを削減することができる。また、右打ち遊技が行われている時点において設定されている遊技状態に応じて、発射異常を示すための報知コマンドを異ならせて設定することにより、異なる異常報知態様を容易に表示させることができる。
なお、本実施形態では、スルーゲート67を球が通過したことを検知した場合に、右打ち遊技が実行されていることを判別するように構成しているが、右打ち遊技が実行されていることを検知する構成で有ればこれ以外の構成を用いても良く、例えば、操作ハンドル51が右打ち領域に球を発射する程度の強度(操作量)で操作されたことを検知する検知手段を設けても良い。
図50に戻り説明を続ける。S2102〜S2103の処理を終えると、次に、S2104の処理が実行される。S2104では、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)を取得し、次いで、その取得した普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が4よりも大きくないか(普通図柄の保留球数が上限値に到達していないか)を判別する(S2105)。
S2105の処理で、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が4よりも大きい(上限値の4である)と判別した場合は(S2107:No)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が4よりも大きくない(3以下である)と判別した場合は(S2105:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)に1を加算し(S2106)、普図保留球数コマンド(普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)を示すためのコマンド)を設定し(S2107)、第2当たり乱数カウンタC4の値を普通図柄保留球格納エリア203cに格納し(S2108)、本処理を終了する。
次に、図51を参照して、NMI割込処理について説明をする。図51は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S2201)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出発射制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図52を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図52は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。
この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理(図52)では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S2301)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本実施形態では1秒)を実行する(S2302)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S2303)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図4参照)がオンされているか否かを判別し(S2304)、オンされていれば(S2304:Yes)、処理をS2312へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S2304:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S2305)、記憶されていなければ(S2305:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS2312へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S2305:Yes)、RAM判定値を算出し(S2306)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S2307:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS2312へ移行する。なお、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S2312の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S2312)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S2313、S2314)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAM203の初期化処理(S2313、S2314)を実行する。
また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S2313、S2314)を実行する。RAMの初期化処理(S2313、S2314)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S2313)、その後、RAM203の初期値を設定する(S2314)。RAM203の初期化処理の実行後は、S2310の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S2304:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S2305:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S2307:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S2308)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S2309)、S2310の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
次に、音声ランプ制御装置113に対して、各種演出を実行することを許可する演出許可コマンドを出力する(S2310)。その後、割込みを許可する(S2311)。そして、後述するメイン処理に移行する。
次に、図53を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図53は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では、大別して、カウンタの更新処理と、電源断時処理とが実行される。
メイン処理(図53参照)においては、まず、タイマ割込処理(図33参照)の中でRAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S2401)。具体的には、タイマ割込処理(図33参照)におけるスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、特別図柄変動処理(図34参照)や始動入賞処理(図46参照)で設定された保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。更に、この外部出力処理(図53のS2401)により、主制御装置110の各種処理にて設定された各種コマンドを音声ランプ制御装置113に送信し、第3図柄表示装置81にて表示される各種演出(変動演出、装飾演出等)を設定するための情報とする。また、大当たり制御処理(図54参照)で設定されたオープニングコマンド、ラウンド数コマンド、エンディングコマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。加えて、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(S2402)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では198)に達した際、0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
変動種別カウンタCS1の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S2403)、次いで、特別図柄の大当たり状態である場合に、音声ランプ制御装置113にて大当たり演出を実行させるためのコマンドの設定や、可変入賞装置65を開放又は閉鎖するための大当たり制御処理を実行する(S2404)。
大当たり制御処理(S2404)の詳細な内容については、図54〜図56を参照して後述するが、この大当たり制御処理(S2404)では、大当たり状態のラウンド毎に可変入賞装置65(以下、入賞口等と称す)を開放し、入賞口等(可変入賞装置65)の最大開放時間が経過したか、又は入賞口等(可変入賞装置65)に球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると入賞口等(可変入賞装置65)を閉鎖する。この入賞口等(可変入賞装置65)の開放と閉鎖とを所定ラウンド数繰り返し実行する。尚、本実施形態では、大当たり制御処理(S2404)をメイン処理において実行しているが、タイマ割込処理において実行しても良い。
次に、第2入球口640に付随する電動役物640aの開閉制御を行う電動役物開閉処理を実行する(S2405)。電動役物開閉処理では、普通図柄変動処理(図49参照)のS2021の処理によって電動役物の開閉制御開始が設定された場合に、電動役物の開閉制御を開始する。尚、この電動役物の開閉制御は、普通図柄変動処理におけるS2019の処理、S2020の処理、によって設定された期間が終了するまで継続される。
次に、第1図柄表示装置37A,37Bの表示を更新する第1図柄表示更新処理を実行する(S2406)。第1図柄表示更新処理では、第1特別図柄変動開始処理(図35のS206)または第2特別図柄変動開始処理(図41のS209)によって変動パターンが設定された場合に、その変動パターンに応じた変動表示を、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて開始する。本実施形態では、第1図柄表示装置37A,37BのLEDの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる。
なお、メイン処理は4ミリ秒毎に実行されるが、そのメイン処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、メイン処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行う。尚、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
また、第1図柄表示更新処理では、第1特別図柄変動開始処理(図35参照)または第2特別図柄変動開始処理(図41参照)によって設定された変動パターンに対応する変動時間が終了した場合に、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて実行されている変動表示を終了し、第1特別図柄変動停止処理(図39のS206参照)によって、第1特別図柄変動パターン選択処理(図37のS307参照)のS507で設定された表示態様で、停止図柄(第1図柄)を第1図柄表示装置37A,37Bに停止表示(点灯表示)する。第2特別図柄においても同様の処理によって、停止図柄(第1図柄)を第1図柄表示装置37A,37Bに停止表示(点灯表示)する。
さらに、本実施形態では、一方の特別図柄が大当たりを示す表示態様(大当たり図柄)で停止表示された場合に、他方の特別図柄を、外れを示す表示態様(外れ図柄)で停止表示させるように構成しており、そのための停止表示も実行される。
次に、第2図柄表示装置の表示を更新する第2図柄表示更新処理を実行する(S2407)。第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理(図49参照)のS2014の処理によって第2図柄の変動時間が設定された場合に、第2図柄表示装置において変動表示を開始する。これにより、第2図柄表示装置では、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。また、第2図柄表示更新処理(S2407)では、普通図柄変動処理(図49参照)のS2016の処理によって第2図柄表示装置の停止表示が設定された場合に、第2図柄表示装置において実行されている変動表示を終了し、普通図柄変動処理(図49参照)のS2012の処理またはS2013の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)を第2図柄表示装置に停止表示(点灯表示)する。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S2408)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S2408:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち今回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4m秒)が経過したか否かを判別し(S2409)、既に所定時間が経過していれば(S2409:Yes)、処理をS2401へ移行し、上述したS2401以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、今回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S2409:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S2410,S2411)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S2410)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では479、232)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S2410の処理と同一の方法によって実行する(S2411)。なお、このS2411の処理では、変動種別カウンタCS1の値と同様に普図変動種別カウンタCS2の値も更新される。
ここで、S2401〜S2407の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1、普図変動種別カウンタCS2の値についてもランダムに更新することができる。よって、特別図柄や普通図柄の抽選に関する判定値を更新するための処理内容を把握され難くすることができ、当たりに対応する判定値が取得されるタイミングを狙った不正遊技が実行されることを抑制することができる。
また、S2408の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S2408:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図51のNMI割込処理が実行されたということなので、S2412以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S2412)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S2413)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S2414)、RAM203のアクセスを禁止して(S2415)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S2408の処理は、S2401〜S2407で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS2410とS2411の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS2401の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS2401の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S2301)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S2401の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走したりすることなく正確な制御を行うことができる。
次に、図54のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり制御処理(S2404)を説明する。図54は、この大当たり制御処理(S2404)を示すフローチャートである。この大当たり制御処理(S2404)は、タイマ割込処理(図33参照)の中で実行され、パチンコ機10が特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たりに応じた各種演出を実行するための情報(コマンド)の設定や、入賞口等(特定入賞口650)を開放又は閉鎖するための処理である。
大当たり制御処理(S2404)では、まず、特別図柄の大当たりが開始されるタイミングであるかを判別する(S2501)。具体的には、第1特別図柄変動停止処理(図39のS206参照)のS810または第2特別図柄変動停止処理(図45参照)のS1509の処理が実行され、特別図柄の大当たりの開始(大当たりシナリオ)が設定されていれば、特別図柄の大当たりが開始されると判別する。S2501の処理において、特別図柄の大当たりが開始タイミングであると判別した場合には(S2501:Yes)、オープニングコマンドを設定して(S2502)、本処理を終了する。
なお、オープニングコマンドは遊技状態や大当たり種別に応じて遅延(可変)して送信するように構成してもよい。具体的には、定期的(4ms毎)に更新されるオープニングカウンタを設ける。そして、特別図柄の大当たりまたは小当たりが開始される場合に、オープニングカウンタを0に初期化して、その後、オープニングカウンタが所定値(例えば、大当たりAの場合は2500、大当たりBの場合は5000)となった場合に、オープニングコマンドを送信するようにすればよい。このようにすることで、例えば、左打ち遊技において大当たりとなった場合には、大当たりの開始までの時間を長くし、右打ち遊技において大当たりとなった場合には、大当たりの開始までの時間を短くできる。本実施形態では、左打ち遊技中に大当たりとなった場合には、大当たり遊技として右打ち遊技に切り替える必要がある。上記構成によれば、左打ち遊技において大当たりとなった場合に、右打ち遊技(大当たり遊技)に切り替える時間を十分に確保することができる。これにより、遊技者の操作負担を軽減できる。
一方、S2501の処理において、特別図柄の大当たり開始タイミングでは無いと判別した場合は(S2501:No)、次に、現在が特別図柄の大当たり中であるかを判別する(S2503)。このS2503の処理では、遊技状態格納エリア203kに記憶されている当たり遊技に関する遊技情報を読み出して判別が行われる。
特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。S2503の処理において、特別図柄の大当たり中では無いと判別した場合は(S2503:No)、そのまま本処理を終了する。一方、特別図柄の大当たり中であると判別した場合は(S2503:Yes)、次に、新たなラウンドの開始タイミングであるか判別する(S2504)。
S2504の処理において新たなラウンドの開始タイミングであると判別した場合には(S2504:Yes)、大当たり動作設定処理を実行する(S2505)。この大当たり動作設定処理(S2505)については、図55を参照して詳細を説明するが、大当たり種別に対応した開放動作シナリオに対応する処理(可変入賞装置65、及び切替部材650hの動作処理)が実行される。
ここで、図55を参照して、大当たり制御処理(図54のS2404)内の一処理である大当たり動作設定処理(S2505)について説明する。図55は、大当たり動作設定処理(S2505)の内容を示したフローチャートである。
大当たり動作設定処理(S2505)が実行されると、まず、今回の大当たりに対応して設定されている開放動作シナリオのうち、今回開始する大当たりのラウンド数に対応した開放動作が設定されている開放動作シナリオを読み込む(S2641)。大開放口の開放動作をS2641で読み込んだデータに基づいて設定し(S2642)、その後、本処理を終了する。
このように、各ラウンドの開始毎に、可変入賞装置65の各動作が設定されるので、予期せぬ電源断が大当たり遊技中に発生しても、大当たり遊技が途中で終了してしまうような不具合を抑制できる。また、詳細な説明は省略するが、本実施形態では新たなラウンドの開始タイミングであると判別した場合に(図54のS2504:Yes)、新たなラウンド遊技が実行されることを示すためのラウンドコマンドが設定されるように構成している。ここで設定されたラウンドコマンドは音声ランプ制御装置113に出力され、音声ランプ制御装置113側で実行中の大当たり遊技に対する進行状況を判別することができるように構成している。よって、主制御装置110から受信したラウンドコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmに、現在が何ラウンド目のラウンド遊技中であるかを表示することができる。
なお、本実施形態では、主制御装置110が設定するラウンドコマンドとして、実行されるラウンド遊技のラウンド数を示すための情報が含まれるラウンドコマンドを設定するように構成しているが、これに限ること無く、ラウンド遊技が新たに開始されたことを示す情報のみを含むラウンドコマンドを設定するように構成しても良い。この場合、音声ランプ制御装置113側で1回の大当たり遊技中に受信したラウンドコマンドの数を計測する手段を設け、音声ランプ制御装置113側で今回実行されるラウンド遊技が何ラウンド目であるのかを算出し、その算出結果に基づいて第3図柄表示装置81に表示するラウンド数表示の表示態様を設定するように構成しても良い。このように構成することで、主制御装置110側で設定するラウンドコマンドに含まれる情報量を削減することができるため、主制御装置110の負担を軽減することができる。
図54に戻って説明を続ける。S2504の処理において、新たなラウンドの開始タイミングではないと判別した場合には(S2504:No)、エンディング演出の開始タイミングであるか判別する(S2506)。エンディング演出の開始タイミングは、大当たり遊技における最終ラウンド(大当たりAの場合であれば16ラウンド目)が終了して開閉扉65bが閉状態にされ、球はけ時間である待機時間(本実施形態では、3秒)が経過した場合に、エンディング演出の開始タイミングであると判別する。エンディング演出の開始タイミングであると判別した場合には(S2506:Yes)、エンディングの開始を示すエンディングコマンドを設定して(S2507)、本処理を終了する。
一方、S2506の処理において、エンディング演出の開始タイミングでないと判別した場合は(S2506:No)、次に、大当たりの終了タイミングであるか否かを判別する(S2508)。なお、大当たりの終了タイミングとは、具体的には、設定したエンディング演出の終了タイミングである。S2509の処理において、大当たりの終了タイミング(エンディング演出の終了タイミング)であると判別した場合は(S2509:Yes)、大当たりの終了を設定するための大当たり終了処理を実行して(S2509)、本処理を終了する。一方、大当たり終了のタイミングではないと判別した場合には(S2508:No)、そのまま本処理を終了する。
次に、図56を参照して大当たり終了処理(S2512)の詳細について説明する。図56は、大当たり終了処理(S2512)の内容を示したフローチャートである。この大当たり終了処理(S2512)では、当選した大当たり種別に応じて特別図柄の高確率状態や、普通図柄の高確率状態を設定したりする処理が実行される。
大当たり終了処理(S2512)が実行されると、まず、今回の大当たり種別が大当たりA、或いは、大当たりBであるかどうか判別する(S2701)。今回の大当たり種別が大当たりA、或いは、大当たりBであると判別した場合には(S2701:Yes)、大当たり遊技終了後に、遊技状態として確変状態が設定される大当たり種別であるため、確変カウンタ203gの値に70を設定し(S2702)、S2703の処理に移行する。一方、S2701の処理において、今回の大当たり種別が大当たりCであると判別した場合には(S2701:No)、S2702の処理をスキップし、S2703の処理に移行する。
S2703の処理では、時短カウンタ203hの値に70を設定する(S2703)。そして、遊技状態の変更を示すコマンドを設定し(S2704)、本処理を終了する。
<第1実施形態における音声ランプ制御装置により実行される制御処理について>
次に、図57から図76を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理とがある。
まず、図57を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図57は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S4001)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S4116の電源断処理(図58参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S4002)。図58を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断の発生情報を受信すると(図58のS4113参照)、S4116の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、当該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S4116の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S4002:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS4116の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S4003)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S4006の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S4003:Yes)、S4004へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S4003:No)、S4008へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S4003:Yes)、S4004へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS4116の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S4003:No)、S4008へ移行する。
電源断処理中フラグがオンであれば(S4002:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S4117の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS4004へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S4004の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S4004)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S4005:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S4006)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S4005:No)、RAM223の異常を報知して(S4007)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
S4008の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S4008)。電源断フラグはS4117の電源断処理の実行時にオンされる(図58のS4116参照)。つまり、電源断フラグは、S4116の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS4008の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS4116の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S4008:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S4009)、RAM223の初期値を設定した後(S4010)、次いで、割込み許可を設定して(S4011)、メイン処理へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
一方、電源断フラグがオフされた状態でS4008の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS4004からS4006の処理を経由してS4008の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S4008:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS4009をスキップして、処理をS4010へ移行し、RAM223の初期値を設定する(S4010)。
なお、S4009のクリア処理をスキップするのは、S4004からS4006の処理を経由してS4008の処理へ至った場合には、S4004の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図58を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図58は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、メイン処理が開始されてから、又は、前回S4101の処理が実行されてから1ミリ秒以上が経過したか否かが判別され(S4101)、1ミリ秒以上経過していなければ(S4101:No)、S4102〜S4110の処理を行わずにS4111の処理へ移行する。S4101の処理で、1ミリ秒経過したか否かを判別するのは、S4102〜S4110が表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1ミリ秒以内)で編集する必要がないのに対して、S4111のコマンド判定処理やS4112の変動表示設定処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。S4111の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S4111の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動表示演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
S4101の処理で1ミリ秒以上経過していれば(S4101:Yes)、まず、S4103〜S4113の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信するコマンド出力処理を実行する(S4102)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS4108の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S4103)、その後電源投入報知処理を実行する(S4104)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS4105の処理へ移行する。
S4105の処理では客待ち演出が実行され、その後、保留個数表示更新処理が実行される(S4106)。客待ち演出では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。
その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S4107)。この枠ボタン入力監視・演出処理(S4107)では、詳しくは図72を参照して後述するが、演出効果を高めるために遊技者に操作される第1枠ボタン22a、或いは、第2枠ボタン22b(以下、両方の枠ボタンを総じて称する場合は、枠ボタン22と称する。)が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。この処理では、枠ボタン22の遊技者による操作が検出されると、表示制御装置114に対して枠ボタン22が操作されたことを通知する枠ボタン操作コマンドを設定する。
更に、本実施形態では、複数のボタン演出が同時に設定される場合に、ボタン演出階層記憶エリア223mの情報に基づき、優先度に応じて実行するボタン演出を異ならせる処理を実行する。また、複数のボタン演出を重複して実行する場合には、第1枠ボタン22aと第2枠ボタン22bの操作を有効に設定するための処理を実行する。
枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、次いで、ランプ編集処理を実行し(S4108)、その後、音編集・出力処理を実行する(S4109)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
S4109の処理後、液晶演出実行管理処理が実行される(S4110)。この後、S4111の処理へ移行する。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS4108のランプ編集処理が実行される。なお、S4109の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。
S4110の処理後、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理(S4111)が実行され、S4112の処理へ移行する。このコマンド判定処理(S4111)の詳細については、図59を参照して後述する。
S4112の処理では、第3図柄表示装置81において変動表示演出を表示させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し、そのコマンドを表示制御装置114に送信するために設定する処理である変動表示設定処理を実行する。この変動表示設定処理の詳細については、図67を参照して後述する。
S4112の処理が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S4113)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S4113の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S4113:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S4115)、電源断処理を実行する(S4116)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S4117)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S4113の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S4113:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S4114)、RAM223が破壊されていなければ(S4114:No)、S4101の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S4114:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図59を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S4111)について説明する。図59は、このコマンド判定処理(S4111)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S4111)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図58参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定する。以下、コマンド判定処理(S4111)の詳細を説明する。
コマンド判定処理(S4111)では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域223aから、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出して解析し、主制御装置110より特図1変動パターンコマンドを受信したか否かを判別する(S4201)。ここで、特図1変動パターンコマンドは、第1特別図柄の変動パターン(変動時間、当否判定結果)を通知するためのコマンドである。S4201の処理において、特図1変動パターンコマンドを受信したと判別された場合には(S4201:Yes)、特図1変動開始処理を実行し(S4202)、本処理を終了する。この特図1変動開始処理(S4202)の詳細については、図60を参照して後述する。
一方、S4201の処理において、特図1変動パターンコマンドを受信していないと判別した場合には(S4201:No)、主制御装置110より特図2変動パターンコマンドを受信したか否かを判別する(S4203)。なお、特図2変動パターンコマンドは、第2特別図柄の変動パターン(変動時間)を通知するためのコマンドである。
S4203の処理において、特図2変動パターンコマンドを受信したと判別した場合には(S4203:Yes)、RAM223に設けられた特図2変動開始処理を実行し(S4204)、本処理を終了する。この特図2変動開始処理(S4204)の詳細については、図61を参照して後述する。ここで抽出された変動パターン種別は、RAM223のその他メモリエリア223zに、第2特別図柄の変動パターン種別であることが識別可能な形式で記憶され、後述の変動表示設定処理(図67参照)において、表示制御装置114に対して第2特別図柄の変動表示演出の開始と、その第2特別図柄の変動表示演出の表示態様とを通知する場合(第2特別図柄の表示用変動パターンコマンドを設定する場合)に用いられる。
S4203の処理において、特図2変動パターンコマンドを受信していないと判別した場合には(S4203:No)、次に、特図1停止種別コマンド、または特図2停止種別コマンドを受信したか否かを判別する(S4205)。特図1停止種別コマンド、または特図2停止種別コマンドのいずれかを受信したと判別した場合は(S4205:Yes)、停止種別コマンド受信処理を実行し(S4206)、本処理を終了する。この停止種別コマンド受信処理(S4206)の詳細については図62を参照して後述する。
一方、S4205の処理において、特図1停止種別コマンドも、特図2停止種別コマンドも受信していないと判別した場合は(S4205:No)、主制御装置110より保留球数コマンドを受信したか判別する(S4207)。ここで、保留球数コマンドを受信したと判別した場合には(S4207:Yes)、保留球数処理(S4208)を実行し、本処理を終了する。保留球数処理(S4208)の詳細については、図63を参照して後述する。
また、S4207の処理において、保留球数コマンドを受信していないと判別した場合は(S4207:No)、主制御装置110より入賞情報コマンドを受信したか判別する(S4209)。S4209の処理において、入賞情報コマンドを受信したと判別した場合は(S4209:Yes)、今回受信した入賞情報コマンドの情報を対応する入賞情報格納エリア223bに設定し(S4210)、本処理を終了する。
S4209の処理において、入賞情報コマンドを受信していないと判別した場合は(S4209:No)、次に、主制御装置110より状態コマンドを受信したか否かを判別する(S4211)。状態コマンドを受信したと判別した場合には(S4211:Yes)、状態コマンド受信処理を実行し(S4212)、本処理を終了する。この状態コマンド受信処理(S4212)の詳細については、図64を参照して後述するが、主制御装置110から出力される状態コマンドに基づいてパチンコ機10の遊技状態(通常状態、確変状態、潜確状態)と、当たり遊技状態(大当たり中)を従状態設定エリア223kに設定する処理が実行される。
次に、S4211の処理において、状態コマンドを受信していないと判別した場合は(S4211:No)、変動停止関連コマンドを受信したかを判別する(S4213)。S4213の処理において変動停止関連コマンドを受信したと判別した場合は(S4213)、主制御装置110より受信した変動停止関連コマンドに基づき、対応する図柄停止を示す表示用コマンドを設定し(S4214)、本処理を終了する。
一方、S4213の処理において、変動停止関連コマンドを受信していないと判別した場合は(S4213:No)、当たり関連コマンドを受信したかを判別し(S4215)、当たり関連コマンドを受信したと判別した場合は(S4215:Yes)、当たり関連処理を実行し(S4216)、本処理を終了する。当たり関連処理(S4216)の詳細については、図65を参照して後述するが、特別図柄の抽選の結果、大当たりに当選した場合に実行される大当たり遊技に対応した演出表示を第3図柄表示装置81に実行させるための処理を行うものである。
S4215の処理において、当たり関連コマンドを受信していないと判別した場合には(S4215:No)、その他のコマンドに応じた処理を実行して(S4217)、本処理を終了する。S4217の処理では、その他のコマンドが、音声ランプ制御装置113で用いるコマンドであればそのコマンドに対応した処理を行い、処理結果をRAM223に記憶し、表示制御装置114で用いるコマンドであればそのコマンドを表示制御装置114に送信するように、コマンドの設定を行うものである。
以上、本実施形態の音声ランプ制御装置113にて実行されるコマンド判定処理(図59のS4111)について説明をしたが、コマンド判定処理(S4111)において、各種コマンドに対する受信の有無を判別する順序について、本実施形態に示した順序以外の順序を用いても良く、例えば、状態コマンドを受信したか否かを判別する処理を、特図1変動パターンコマンド、特図2変動パターンコマンドの何れかを受信したか否かを判別する処理よりも先に実行するよう判別順序を規定しても良い。
このように構成することで、変動パターンコマンドと状態コマンドとが同時に主制御装置110から出力される場合、即ち、主制御装置110の第1特別図柄変動開始処理(図35のS210参照)の中で、第1特別図柄変動パターン選択処理(図37のS307参照)を実行し、特図1変動パターンコマンドを設定し、その後に遊技状態が可変したことを示す状態コマンドを設定した場合であっても、音声ランプ制御装置113側で現在設定されている遊技状態を特図1変動パターンコマンドよりも先に判定することができる。
また、音声ランプ制御装置113側にて主制御装置110から出力された各種コマンドの受信順序を規定するように構成することで、主制御装置110側にて各種コマンドの出力順序を規定する必要性を低減することが可能となる。よって、主制御装置110の制御負荷を軽減させることができる。
次に、図60を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される特図1変動開始処理(S4202)について説明をする。図60は、特図1変動開始処理(S4202)を示したフローチャートである。この特図1変動開始処理(S4202)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(図59参照)の中で実行されるものであって、設定されている遊技状態に応じて第3図柄表示装置81に表示される第1特別図柄に対応する表示態様(主変動用変動パターン、従変動用変動パターン)を設定する処理が実行される。
そして、表示制御装置114は、ここで設定された表示態様(表示用コマンド)と、後述する変動表示設定処理(図67参照)にて設定された表示用変動パターンコマンドとに基づいて第3図柄表示装置81の表示領域に表示される表示態様を設定する。このように構成することで、複数の特別図柄が同時に(並行して)変動表示されるパチンコ機10において、何れか一方の特別図柄の抽選結果を示すための第3図柄の変動表示を優先的に表示することができるため、遊技者に分かり易い遊技を提供することができる。
なお、本実施形態では、遊技状態として遊技状態が設定されている場合には、入球ユニット64(図2参照)に球を流入させ、第1入球口64b1と、左第2入球口64b2とに球を入球させる左打ち遊技が行われ、特図1抽選と特図2抽選とが均等に実行されるように構成している。
この場合、第3図柄表示装置81の表示領域を均等に区画し、特図1の抽選結果の変動表示と、特図2の抽選結果の変動表示とを共に表示させる構成も考えられるが、このような構成を用いた場合、複数の変動表示(特図1変動表示、特図2変動表示)が同時に実行されてしまい、特図抽選結果が外れであることを示す変動表示(外れ変動)が頻繁に表示されることから遊技意欲が低下してしまうという問題があった。また、異なる変動速度で複数の変動表示が実行され、変動表示を注視している遊技者の目が疲労してしまうという問題があった。
これに対して、本実施形態では、特図1の抽選結果を示す変動表示を、主変動表示とし、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmに表示させ、特図2の抽選結果を示す変動表示を、従変動表示とし、3図柄表示装置81の小表示領域Dm4に実行させるように構成している。そして、従変動表示が実行される特図2変動表示を、特図2の抽選結果が所定条件(例えば、大当たり当選)を満たした場合に、主変動表示へと切り替えるように構成している。
このように構成することで、特図1抽選と特図2抽選とが均等に実行される場合において、従変動表示側の特別図柄(特図2)の外れ変動を遊技者に把握させ難くすることができるため、第3図柄表示装置81の表示画面で変動表示される変動表示回数(特図1の変動表示回数と特図2の大当たり変動表示回数とを合算した回数)に対して、大当たり当選を示す変動表示回数(特図1の大当たり変動表示回数と特図2の大当たり変動表示回数とを合算した回数)の割合を増加させることができるため、見た目上、実際の大当たり確率よりも高い確率で大当たりに当選したと思わせることができる。
また、複数の特別図柄のうち、一の特別図柄に対応する変動表示を強調して実行するように構成することで、遊技者に一の特別図柄に対応する変動表示のみを注視させることができるため、遊技者の疲労を軽減することができる。
なお、本実施形態では、通常状態中には第1特別図柄(特図1)の変動表示を主変動表示とし、確変状態、時短状態中には第2特別図柄(特図2)の変動表示を主変動表示とするように構成している。即ち、遊技状態に応じて、主変動表示とする特別図柄が可変設定するように構成している。つまり、遊技状態として確変状態、時短状態が設定されている場合には、右打ち遊技を実行することで第2入球口640に球を入球させる遊技が実行されることから、特図1抽選よりも特図2抽選のほうが実行され易くなり、特図1抽選が殆ど実行されなくなる。
よって、確変状態、時短状態中は、特図2抽選に対応する変動表示(特図2変動表示)が主変動表示となるように構成することで、実際には特図抽選が実行されているに関わらず、第3図柄表示装置81の表示画面にて変動表示が実行されない事態を発生し難くさせることができ、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
なお、本実施形態では、複数種類の特図抽選(特図1抽選、特図2抽選)が均等に実行される遊技状態である通常状態において、特図1抽選の抽選結果を示すための変動表示が主変動表示となるように設定しているが、これに限ること無く、特図2抽選の抽選結果を示すための変動表示を主変動表示としても良いし、特図1抽選と特図2抽選とで大当たりに当選した場合に付与可能な特典(大当たり遊技中に獲得可能な賞球数や大当たり遊技終了後に設定される遊技状態)を異ならせ、遊技者に有利な特典が付与され易い側の特別図柄に対応する変動表示を主変動表示として設定するように構成しても良い。
また、本実施形態では、設定される遊技状態に応じて主変動表示となる特図種別を可変設定するように構成しているが、主変動表示となる特図種別を別の条件で可変させるように構成しても良く、例えば、複数種類の特図抽選(特図1抽選、特図2抽選)が均等に実行される遊技状態であれば、特図抽選が実行されていない待機状態中に先に実行された特図抽選に対応する変動表示が主変動表示となるように構成すると良い。これにより、特図抽選の抽選条件(入球口への始動入賞)が成立したにも関わらず、先に抽選が実行された特別図柄に対応する変動表示が従変動表示に設定されており、第3図柄表示装置81の表示画面にて変動表示が実行されず遊技者に不信感を与えてしまうことを抑制することができる。さらに、遊技者が何れの特別図柄を主変動表示とするかを選択するように構成しても良い。
特図1変動開始処理(図60のS4202参照)が設定されると、まず。特図1変動開始フラグ223eをオンに設定し(S4301)、受信した特図1変動パターンコマンドから変動パターンを抽出し(S4302)、変動パターン選択テーブル222aを用いて詳細な表示態様を選択するS4303)。
次に、従状態設定エリア223kに設定(記憶)されている情報(現在の遊技状態を示す情報)を読み出して、現在の遊技状態が通常状態であるかを判別する(S4304)。S4304の処理で、現在が通常状態であると判別した場合は(S4304:Yes)、第1特別図柄の変動表示を主変動表示とするために、特図1主変動パターンを示す表示用コマンドを設定し(S4305)、本処理を終了する。
一方、S4304の処理で、現在の遊技状態が通常状態ではない(時短状態、確変状態である)と判別した場合は(S4304:No)、第2特別図柄の変動表示が主変動表示となる遊技状態であるため(第1特別図柄の変動表示が従変動表示となる遊技状態であるため)、特図1従変動パターンを示す表示用コマンドを設定し(S4306)、本処理を終了する。
ここで、特図1主変動パターンを示す表示用コマンドが設定されると、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図58参照)のコマンド出力処理(S4102参照)によって、表示制御装置114へと出力され、表示制御装置114側に記憶される。表示制御装置114は、特図1主変動パターンを示すコマンドを記憶している状態で、特図1変動に関する表示用コマンドを受信した場合には、そのコマンドに対応する表示内容が第3図柄表示装置81の主表示領域Dmに表示されるように画像データを生成する。一方、表示制御装置114が特図1従変動パターンを示すコマンドを記憶している状態で、特図1変動に関する表示用コマンドを受信した場合には、そのコマンドに対応する表示内容が第3図柄表示装置81の主表示領域Dmに表示されないように制御される。
このように、音声ランプ制御装置113側では、主変動表示と従変動表示の設定状況に関わらず、各特図変動に対応する変動演出を示す表示用コマンドを設定し、表示制御装置114側で、主変動表示と従変動表示の設定状況と、受信した表示用コマンドと、に基づいて第3図柄表示装置81の表示画面に表示させる画像データを生成するように構成することで、音声ランプ制御装置113側で主変動表示と従変動表示の設定状況を判別し、その判別結果に対応する変動演出を示す表示用コマンドを設定する処理を省くことができ、音声ランプ制御装置113の処理負荷を軽減させることができる。
次に、図61を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される特図2変動開始処理(S4204)について説明をする。図61は、特図2変動開始処理(S4204)を示したフローチャートである。この特図2変動開始処理(S4204)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(図59参照)の中で実行されるものであって、設定されている遊技状態に応じて第3図柄表示装置81に表示される第2特別図柄(特図2)に対応する表示態様(主変動用変動パターン、従変動用変動パターン)を設定する処理が実行される。
そして、表示制御装置114は、ここで設定された表示態様(表示用コマンド)と、後述する変動表示設定処理(図67参照)にて設定された表示用変動パターンコマンドとに基づいて第3図柄表示装置81の表示領域に表示される表示態様を設定する。以下、特図2変動開始処理(S4204)の詳細を説明する。
特図2変動開始処理(S4204)が設定されると、まず、特図2変動開始フラグ223fをオンに設定し(S4351)、受信した特図2変動パターンコマンドから変動パターンを抽出し(S4352)、変動パターン選択テーブル222aを用いて詳細な表示態様を選択する(S4353)。
次に、従状態設定エリア223kに設定(記憶)されている情報(現在の遊技状態を示す情報)を読み出して、現在の遊技状態が通常状態であるかを判別する(S4354)。S4354の処理で、現在が通常状態では無い(通常状態、確変状態である)と判別した場合、即ち、(S4354:No)、第2特別図柄の変動表示が従となる遊技状態であるため、特図2主変動パターンを示す表示用コマンドを設定し(S4355)、本処理を終了する。
一方、S4354の処理で、遊技状態が通常状態であると判別した場合は(S4354:Yes)、第2特別図柄の変動表示が従となる遊技状態であるため(第1特別図柄の変動表示が主となる遊技状態であるため)、特図2従変動パターンを示す表示用コマンドを設定し(S4356)、本処理を終了する。
このように、第1特別図柄の変動(抽選)と、第2特別図柄の変動(抽選)とが同時に(並行)して実行される本第1実施形態のパチンコ機10において、両方の特別図柄の変動表示に対応する変動演出表示(第3図柄、第4図柄の変動表示)を、第3図柄表示装置81に同時に表示させながら、設定される遊技状態に応じて、各特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)の表示態様(表示領域の大きさや、第3図柄としての表示の有無)を可変設定するように構成することにより、現状において変動状況(抽選結果や変動回数)を注視すべき特別図柄種別を遊技者に容易に把握させることができる。
よって、複数の特別図柄種別が同時に(並行して)変動(抽選)を実行する遊技仕様を用いたとしても、遊技者に分かり難い遊技が提供されることを抑制することができる。
次に、図62を参照して音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される停止種別コマンド受信処理(S4206)について説明する。図62は、この停止種別コマンド受信処理(S4206)を示したフローチャートである。この停止種別コマンド受信処理(S4206)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(図59参照)の中で実行される。以下、停止種別コマンド受信処理(S4206)の詳細を説明する。
停止種別コマンド受信処理(S4206)では、まず、受信したコマンドに対応して、特図1停止種別コマンドを受信した場合には、特図1停止種別選択フラグ223gをオンに設定し、特図2停止種別コマンドを受信した場合には、特図2停止種別選択フラグ223iをオンに設定する(S4401)。次に、受信した特図1停止種別コマンドまたは特図2停止種別コマンドから停止種別(大当たりA〜大当たりC、外れ、リーチ外れ等)を抽出し(S4402)、本処理を終了する。
S4402の処理において抽出した停止種別は、音声ランプ制御装置113のMPU221のRAM223のその他メモリエリア223zに記憶される。なお、特図1停止種別コマンドから抽出された停止種別は、第1特別図柄の停止種別であることを識別可能に、特図2停止種別コマンドから抽出された停止種別は、第2特別図柄の停止種別であることを識別可能にそれぞれ記憶される。これにより、第1特別図柄(特図1)と第2特別図柄(特図2)とが同時に変動を開始したとしても停止種別をそれぞれ管理することが可能となり、適切な変動表示を実行することができる。
次に、図62を参照してコマンド判定処理((図59のS4111参照)にて実行される保留球数処理(S4208)の内容について説明をする。図62は、保留球数処理(S4208)を示したフローチャートである。この保留球数処理(S4208)では、保留球数が上限値である場合に、保留演出を設定するための処理を実行する。
保留球数処理(S4208)が実行されると、まず、受信したコマンド(保留球数コマンド)に対応する図柄種別(第1特別図柄、第2特別図柄、普通図柄)を抽出し(S4501)、抽出した図柄種別に対応した保留球数カウンタ(第1特別図柄保留球数カウンタ223c、第2特別図柄保留球数カウンタ223d)の値を更新し(S4502)、S4503の処理へ移行する。
S4503の処理では、現在の保留球数が上限値であるかどうか判別する(S4503)。保留球数が上限値であると判別した場合には(S4503:Yes)、保留演出が実行されるタイミングであるかどうか判別する(S4504)。具体的には、保留球数が上限に到達したことにより保留演出を実行するか否かの抽選を実行し、その抽選結果が保留演出を実行する抽選結果であるかどうかを判別する。そして、保留演出を実行するものであると判別した場合には(S4504:Yes)、保留演出を示す表示用コマンドを設定し(S4505)、保留演出カウンタ223jの値に8をセットする(S4506)。そして、その他保留に関わる処理を実行し(S4507)、本処理を終了する。一方、S4503の処理において保留球数は上限値ではないと判別した場合(S4503:No)、或いは、S4504の処理において、保留演出を実行しないと判別した場合には(S4504:No)、S4505〜S4506の処理をスキップして、S4507の処理へ移行する。
次に、図64を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される状態コマンド受信処理(S4212)について説明する。図64は、この状態コマンド受信処理(S4212)を示したフローチャートである。この状態コマンド受信処理(S4212)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(図59参照)の中で実行されるものであって、設定されている遊技状態に応じて第3図柄表示装置81に表示される表示モードを異ならせて設定するための処理を実行するものである。以下、状態コマンド受信処理(S4212)の詳細を説明する。
状態コマンド受信処理(S4212)が実行されると、まず、現在設定されている遊技状態が変更されるか否かを判別する(S4601)。ここでは、従状態設定エリア223kに設定されている遊技状態と、今回受信した状態コマンドが示す遊技状態とが、相違するか否かが判別される。S4601の処理において、遊技状態に変更があると判別した場合は(S4601:Yes)、変更後の遊技状態が通常状態であるかを判別する(S4602)。
S4602の処理において、変更後の遊技状態が通常状態であると判別した場合(今回受信した状態コマンドが通常状態を示すコマンドである場合)は(S4602:Yes)、通常状態に対応した主表示領域設定コマンドを設定し(S4603)、通常モードを示す表示用コマンドを設定し(S4604)、今回受信した状態コマンドが示す情報を従状態設定エリア223kに記憶(設定)し(S4610)、本処理を終了する。
ここで、S4603の処理、及びS4604の処理で設定されたコマンドが表示制御装置114に通知されることにより通常状態中における変動演出表示が実行されることになる。このように、本実施形態では、音声ランプ制御装置113にて、主制御装置110から出力された状態コマンドに基づいて第3図柄表示装置81の表示領域にて表示される各種表示態様の種別(モード、背景)を設定し、その種別を示すコマンドを表示制御装置114へと出力するように構成している。
このように構成することで、例えば、音声ランプ制御装置113側で設定されている遊技状態に対してそれぞれ変動演出表示の表示態様を設定する必要を無くすことが可能となる。つまり、現在設定されている遊技状態に対応する各種表示態様の種別を示すコマンド(種別コマンド)と、特別図柄の変動表示に対応する変動パターンコマンド(共通コマンド)とを表示制御装置114に出力するだけで、表示制御装置114側で受信した種別コマンドと、共通コマンドとに基づいて、現在の遊技状態と受信した変動パターンとに対応した表示態様で第3図柄表示装置81に表示させる表示データを設定することができる。よって、音声ランプ制御装置113の処理負荷を軽減させることができる。
なお、上述したように、音声ランプ制御装置113から受信した複数のコマンドを表示制御装置114側で組み合わせることにより第3図柄表示装置81に表示させる表示データを設定するように構成した場合には、表示制御装置114側から音声ランプ制御装置113側へと設定後の表示データの内容を示す情報(確認情報)を出力するように構成し、音声ランプ制御装置113側で受信した確認情報が適正であるかを判別する判別手段を設け、その判別結果が適正では無いと判別した場合に、適正な情報を示す簡易的な表示用変動パターンコマンドを設定し、既に設定されている表示データの内容を簡易的な表示データに書き換えるように構成すると良い。
このように構成することで、音声ランプ制御装置113が主制御装置110から受信した各種コマンドに対して適正な表示データが設定されなかった場合に、適正な情報を示す簡易的な表示データを設定することができ、その簡易的な表示データに基づく変動演出表示を表示することができる。よって、実際の遊技結果(特別図柄の抽選結果)とは異なる内容の変動演出表示が実行されてしまい、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。また、上述した簡易的な表示データにとしては、例えば、どの遊技状態にも対応しない特殊モード(例えば、黒背景のモード)を表示する表示データや、第4図柄の変動表示を実行する表示データといった、通常の変動演出表示にて用いる表示データよりもデータ量の少ない表示データを用いれば良い。
なお、本実施形態では、上述した構成を用いているがこれに限ること無く、音声ランプ制御装置113側で、現在の遊技状態と、受信した変動パターンとに基づいた表示用変動パターンコマンドを設定するように構成しても良い。
図64に戻り説明を続ける。S4602の処理において、変更後の遊技状態が通常状態では無いと判別した場合(今回受信した状態コマンドが通常状態を示すコマンドでは無い場合)は(S4602:No)、次いで、変更後の遊技状態が確変状態であるかを判別し(S4605)、遊技状態が確変状態である(今回受信した状態コマンドが確変状態を示すコマンドである)と判別した場合は(S4605:Yes)、確変状態に対応した主表示領域設定コマンド、即ち、第2特別図柄の抽選結果に対応した第3図柄とするコマンドを設定し(S4606)、確変モードを示す表示用コマンドを設定し(S4607)、上述したS4610の処理へ移行する。
一方、S4605の処理において、変更後の遊技状態が確変状態では無い(今回受信した状態コマンドが確変状態を示すコマンドでは無い)と判別した場合、即ち、時短状態を示す状態コマンドを受信した場合は(S4605:No)、時短状態に対応した主表示領域設定コマンドを設定し(S4608)、時短モードを示す表示用コマンドを設定し(S4609)、上述したS4610の処理へ移行する。
次に、図65を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(図59参照)内の一処理である当たり関連処理(S4220)について説明する。図65は、当たり関連処理(S4220)の内容を示したフローチャートである。この当たり関連処理(S4220)では、特別図柄の抽選の結果、大当たりに当選した場合に実行される大当たり遊技に対応した演出表示を第3図柄表示装置81に実行させるための処理を行うものであり、大当たりに当選した場合に主制御装置110から送信される様々なコマンドに対応した処理が実行される。
加えて、当たり遊技(大当たり遊技)中に獲得した賞球の数を示すための賞球数コマンドを受信した場合に、その賞球数コマンドが示す賞球数を累積し、累積結果に基づいた表示用賞球数コマンドを設定する処理が実行される。
当たり関連処理(S4220)では、まず、コマンド判定処理(図59参照)により受信したコマンドが、大当たり関連コマンドであるかを判別する(S5001)。受信したコマンドが大当たり関連コマンドであると判別した場合には(S5001:Yes)、大当たり関連処理を実行し(S5002)、その後、本処理を終了する。
ここで、図66を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される当たり関連処理(図65のS4220)内の一処理である大当たり関連処理(S5002)について説明する。図66は、大当たり関連処理(S5002)の内容を示したフローチャートである。大当たり関連処理では、大当たりに当選した場合に実行される大当たり遊技に対応した演出表示を第3図柄表示装置81に実行させるための処理を行うものであり、大当たりに当選した場合に、主制御装置110から送信される様々なコマンドに対応した処理が実行される。
大当たり関連処理(S5002)では、まず、当たり関連処理(図65のS4220)により受信した当たり関連のコマンドが、大当たり開始コマンドであるかを判別する(S5101)。受信したコマンドが大当たり開始コマンドであると判別した場合には(S5101:Yes)、表示用大当たり開始コマンドを設定し(S5102)、その後、本処理を終了する。ここで設定される表示用大当たり開始コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図53参照)のコマンド出力処理(S4102)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用大当たり開始コマンドを受信すると、大当たりの開始を示唆する演出を第3図柄表示装置81に表示する。
一方、S5101の処理において、大当たり開始コマンドを受信していないと判別した場合には(S5101:No)、次に、ラウンド数コマンドを受信したか判別する(S5103)。ラウンド数コマンドを受信したと判別した場合には(S5103:Yes)、ラウンド数に基づいて表示用ラウンド数コマンドを設定し(S5104)、その後、本処理を終了する。なお、本実施形態では主制御装置110からラウンド数コマンドとしてラウンド数を示す情報を送信しているため、受信したラウンド数コマンドに基づいて表示用ラウンド数コマンドを設定しているが、例えば、主制御装置110から送信するコマンドデータの容量を軽減するために、主制御装置110から新たなラウンドが開始されたことを示すための情報をラウンド更新コマンドとして送信する構成する場合は、音声ランプ制御装置113のRAM223にラウンド更新コマンドを受信した場合に、受信したラウンド更新コマンドの数を蓄積するラウンド数蓄積カウンタを設け、そのラウンド数蓄積カウンタの値に基づいて音声ランプ制御装置113側で現在のラウンド数を算出し、表示用ラウンド数コマンドを設定するように構成しても良い。
一方、S5103の処理において、ラウンド数コマンドを受信していないと判別した場合には(S5103:No)、次いで、エンディングコマンドを受信したか否か判別する(S5105)。エンディングコマンドを受信していないと判別した場合には(S5105:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S5105の処理において、エンディングコマンドを受信したと判別した場合には(S5105:Yes)、表示用エンディングコマンドを設定し(S5106)、本処理を終了する。
図65に戻り、説明を続ける。S5001の処理において、受信したコマンドが大当たり関連コマンドではないと判別した場合には(S5001:No)、受信したコマンドが、賞球コマンドであるか否かを判別する(S5003)。受信したコマンドが賞球コマンドではないと判別した場合には(S5003:No)、そのまま本処理を終了する。一方、受信したコマンドが、賞球コマンドであると判別した場合には(S5003:Yes)、受信したコマンドに対応する値を賞球数カウンタ(図示せず)の値に加算し(S5004)、加算した後の賞球数カウンタの値に対応した表示用賞球数コマンドを設定し(S5005)、その後、本処理を終了する。
なお、詳細な説明は省略するが、本実施形態のパチンコ機10では、状態コマンド受信処理(図64のS4212参照)において、通常状態が設定されるまでの期間(有利継続期間)中に受信した賞球数コマンドに対応する賞球数を賞球数カウンタにて累積するように構成している。そして、大当たり遊技中や潜確状態中に、賞球数カウンタの累積値に応じた賞球数が表示されるように構成している。
このように構成することで、通常状態が設定されている状態において、時短状態、或いは確変状態が設定されてから、再度通常状態が設定されるまでの期間(有利継続期間)中に獲得した球数の累計を遊技者に分かり易く報知することができる。
さらに、有利継続期間内における1回の遊技期間(大当たり遊技期間と、次の大当たり遊技が実行されるまでの時短状態期間、或いは確変状態期間とを合わせた期間)において獲得した賞球数を累積して表示するように構成しても良い。この場合、1回の遊技期間内に獲得した賞球数の累積数を履歴情報として記憶する記憶手段を設け、その記憶手段に記憶されている情報を履歴表示するように構成すると良い。
また、上述した通り、有利継続期間内に獲得した賞球数を累積表示する構成を用いる場合は、特別図柄の抽選結果が遊技者に有利となる抽選結果(大当たり)となった回数を表示したり、特別図柄の抽選結果が遊技者に有利となる抽選結果(大当たり)となった抽選確率を表示したりするように構成しても良い。
このように構成することで、有利継続期間中に実行された特別図柄の抽選結果と、有利継続期間中に獲得した賞球数と、を遊技者に分析させることが可能となり、意欲的に遊技を行わせることができる。
さらに、有利継続期間中における遊技内容(特別図柄の抽選結果)が所定条件を満たした場合に、その旨を示すための条件達成報知を実行する報知手段を設けても良く、例えば、大当たり当選するまでに実行された特別図柄抽選回数(所謂、ハマリ回数)が、所定回数(100回)を超えたことを示すための条件達成報知を実行しても良い。また、1回の有利継続期間内で獲得した賞球数が所定数(5000)を超えたことを示すための条件達成報知を実行しても良い。
次に、図67を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理(S4112)について説明する。図67は、この変動表示設定処理(S4112)を示したフローチャートである。この変動表示設定処理(図67のS4112)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図58参照)の一処理である。上述したように、変動表示設定処理(図67のS4112)は、第3図柄表示装置81において変動表示演出を表示させるために、主制御装置110より受信した第1または特図2変動パターンコマンドに基づいて、第1特別図柄または第2特別図柄の表示用変動パターンコマンド(演出パターン)を設定し、そのコマンドを表示制御装置114に送信する処理を実行する。また、抽出した停止種別(大当たりA〜大当たりC)に基づいて、その停止種別を表示制御装置114に通知するための表示用特図1または特図2停止種別コマンドを設定する処理を実行する。
変動表示設定処理(S4112)では、まず、RAM223に設けられた特図1変動開始フラグ223eがオンに設定されているか判別する(S5301)。そして、特図1変動開始フラグ223eがオフであると判別した場合には(S5301:No)、主制御装置110より特図1変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S5305の処理へ移行する。一方、特図1変動開始フラグ223eがオンであると判別した場合には(S5301:Yes)、特図1変動開始フラグ223eをオフに設定する(S5302)。そして、特図1ボタン演出設定処理(S5303)を実行する。
ここで、図68を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理(S4112)内の一処理である特図1ボタン演出設定処理(S5303)について説明する。図68は、この特図1ボタン演出設定処理(S5303)を示したフローチャートである。この特図1ボタン演出設定処理(S5303)では、今回の特図1変動の変動演出としてボタン演出を実行するか否かを判別するための処理と、ボタン演出の演出態様を設定するための処理と、が実行される。
特図1ボタン演出設定処理(S5303)では、まず、従状態設定エリア223kに記憶されている情報を読み出し、現在の遊技状態が通常状態であるかを判別する(S5401)。現在の遊技状態が通常状態ではない(確変状態、或いは、時短状態である)と判別した場合には(S5401:No)、第3図柄表示装置81の表示画面の主表示領域Dmの全面を用いた変動表示である主変動表示として、第2特別図柄(特図2)の変動表示が設定されている状態であり、第1特別図柄(特図1)の変動表示に基づくボタン演出を設定する必要が無いため、そのまま本処理を終了する。
一方、S5401の処理において、現在の遊技状態が通常状態であると判別した場合には(S5401:Yes)、特図2ボタン演出フラグ223qがオンであるかどうか判別する(S5402)。この特図2ボタン演出フラグ223qについて、詳しくは後述するが、ボタン演出態様設定処理(図71のS5303)にて特図2変動に基づいてボタン演出が設定された場合にオンに設定されるものである。S5402の処理において、特図2ボタン演出フラグ223qがオンである(S5402:Yes)、即ち、第2特別図柄の変動(特図2変動)でボタン演出が設定されている状態であると判別した場合には、新たに特図1のボタン演出を設定しないため、そのまま本処理を終了する。
一方、特図2ボタン演出フラグ223qがオンではないと判別した場合には(S5402:No)、ボタン演出選択テーブル222cを参照して今回の特図変動に対応するボタン演出を選択する(S5403)。そして、S5403の処理によってボタン演出が選択された(ボタン演出が実行可能)かを判別し(S5404)、ボタン演出の実行が可能であると判別した場合には(S5404:Yes)、実行タイミング設定処理(S5405)を実行し、本処理を終了する。一方、S5403の処理でボタン演出が選択されていないと判別された場合には(S5404:No)、S5405の処理をスキップし、そのまま本処理を終了する。
次に、図69を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される特図1ボタン演出設定処理(図68のS5303参照)内の一処理である実行タイミング設定処理(S5405)について説明する。図69は、この実行タイミング設定処理(S5405)を示したフローチャートである。この実行タイミング設定処理では、特図1ボタン演出設定処理(図68のS5303参照)にて設定されたボタン演出の実行タイミングを補正するための処理が実行される。
つまり、本実施形態のように、特図1抽選(変動)と特図2抽選(変動)とが同時に(並行して)実行されるように構成されている場合には、例えば、特図1変動に基づいて設定されたボタン演出の実行タイミングが、特図2変動が大当たりを示す表示態様で停止表示されるタイミングとなる場合があり、遊技者に意味の無いボタン演出が実行されてしまうという問題があった。また、この問題を解決するために、特図2変動の大当たり変動中、或いは、特図2の保留記憶内に大当たりを示す情報が含まれている場合には特図1変動にてボタン演出を実行しないように制限を設けてしまうと、ボタン演出の実行頻度が低下してしまい、演出効果が低下してしまうという新たな問題が発生する虞があった。
これに対して、本実施形態では、一方の特図変動(特図1変動)に対応するボタン演出を設定した場合に、他方の特図変動(特図2変動)の変動状況(抽選状況)を分析し、その分析結果に基づいて、一方の特図変動に対応するボタン演出の実行タイミングを可変させる処理を実行可能に構成している。
このように構成することで、特図2抽選で大当たりに当選した場合に、その抽選結果を遊技者に報知するタイミング(大当たり図柄の停止タイミング)を避けて特図1抽選のボタン演出を実行することができるため、ボタン演出の実行頻度が低下してしまうことを抑制することができる。また、通常とは異なるタイミングで同一態様のボタン演出が実行された場合に、遊技者に違和感を与えると共に、その違和感により大当たり(特図2抽選の大当たり)を想起させることができるため、遊技の興趣を向上させることができる。
実行タイミング設定処理(S5405)では、まず、今回の特図1抽選が大当たりであるかを判別する(S5501)。今回の特図1抽選が大当たりであると判別した場合には(S5501:No)、入賞情報格納エリア223bに格納している特図2の入賞情報の読み出しを実行する(S5502)。次に、S5502の処理において読み出した入賞情報格納エリア223bに格納されている特図2入賞情報に大当たりを示す入賞情報が含まれているか判別する(S5503)。特図2入賞情報に大当たりがあると判別した場合には(S5503:Yes)、大当たりを示す情報が含まれる入賞情報に対応する変動(特図2大当たり変動)が開始されるまでの時間を算出し(S5504)、S5505の処理に移行する。
S5505の処理では、特図2大当たり変動開始タイミングは当該変動の開始タイミングより後であるかどうか判別する(S5505)。つまり、S5505の処理では、今回実行する特図1変動に設定される変動時間が経過するタイミングと、特図2大当たり変動が開始されるタイミングとを判別し、今回実行する特図1変動に対応する変動演出(ボタン演出)の演出態様(実行タイミング)を補正する必要があるかが判別される。S5505の処理において、特図2大当たり変動の開始タイミングが、今回実行する特図1変動に設定される変動時間が経過するタイミングよりも後では無い、即ち、今回事項する特図1変動の変動時間中に、特図2大当たり変動が開始されると判別した場合は(S5505:No)、特図2大当たり変動が開始されるタイミングが、今回実行する特図1変動が開始されてから15秒以内であるかを判別する(S5506)。
このS5506の処理では、特図1変動にて設定されるボタン演出を通常のタイミング(図24参照)で実行した場合に、特図2大当たり変動と重複するかを判別するために、通常のボタン演出期間(特図1変動開始から10〜15秒)が特図2大当たり変動と重複するかが判別される。
S5506の処理で、15秒以内では無いと判別した場合は、通常のボタン演出を実行したとしても、そのボタン演出中に特図2大当たり変動が実行されることが無い場合であるため、ボタン演出選択テーブル222cに予め定められていた期間をボタン演出実行期間として設定する。一方、S5506の処理で、特図2大当たり変動の開始タイミングが15秒以内である(15秒以上である)と判別した場合には(S5506:Yes)、ボタン演出の実行タイミングを補正(可変)するための処理(S5507)が実行される。
S5507の処理では、特図2大当たり変動開始タイミングよりも前の期間にボタン演出が実行されるようにボタン演出に含まれる演出情報が補正される。そして、ボタン演出階層記憶エリアに補正後の演出態様(情報)を設定し(S5507)、特図1ボタン演出フラグ23をオンに設定し、本処理を終了する。
一方、特図2当該変動より後ではないと判別した場合には(S5505:No)、特図2大当たり変動開始タイミングは15秒以内かどうか判別する(S5506:No)、変動開始タイミングが15秒以内ではないと判別した場合には(S5506:No)、特図2大当たり変動の開始タイミングより前の期間にボタン演出実行期間を設定し(S5507)、ボタン演出階層記憶エリア223mの対応する領域にボタン演出情報を設定し(S5508)、次に特図1ボタン演出フラグ223sをオンに設定し(S5509)、本処理を終了する。一方、S5506の処理において、特図2大当たり変動開始タイミングが15秒以内ではないと判別した場合には(S5506:Yes)、ボタン演出を設定することが不可能であるため、そのまま本処理を終了する。
また、S5501の処理において、今回の特図1抽選は大当たりであると判別した場合(S5501:Yes)、或いは、S5503の処理において、特図2入賞情報に大当たりがないと判別した場合には(S5503:No)、そのまま特図1変動でのボタン演出の実行期間を設定し(S5510)、上述したS5508の処理に移行する。また、S5505の処理において、特図2大当たり変動開始タイミングは当該変動より後であると判別した場合にも(S5505:Yes)、S5510の処理を実行し、S5508の処理に移行する。
以上、説明をした通り、本実施形態における実行タイミング補正処理(S5405)では、特図1変動の実行タイミングにおいて、特図2保留が有する入賞情報(入賞情報格納エリア223bに格納されている特図2に対応する入賞情報)の中に大当たりを示す情報を有する入賞情報があるかの判別と、大当たりを示す情報を含む入賞情報に対応した特図2変動の実行(開始)タイミングの判別と、用いて、今回の特図1変動中に、特図2の大当たり変動が実行されるか、或いは、特図2の大当たり変動の開始タイミングを判別し、その判別結果に基づいて、特図1変動に対応する演出態様を設定するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、特図2大当たり変動が実行されるまでの特図2変動回数(特図2保留のうち、大当たり保留に基づく特図2変動が実行されるまでに消化される特図2保留数)を判別し、その判別結果に基づいて今回の特図1変動中に、特図2の大当たり変動が実行されるか否かを判別するように構成しても良い。
特に、本実施形態では、特図1抽選(変動)と特図2抽選(変動)と、を同時に(並行して)実行可能な遊技機において、設定される特図1の変動時間と特図2の変動時間とに大きな差異を設けること無く、均等に各特図抽選(変動)を実行させるように構成しているが、例えば、本実施形態と同様に特図1抽選(変動)と特図2抽選(変動)と、を同時に(並行して)実行可能な遊技機において、設定される遊技状態に応じて、一方の特図抽選が効率良く実行される遊技状態と、他方の特図抽選が効率良く実行される遊技状態と、を設けるために、各遊技状態において特図抽選を実行され難くする側の特図変動の変動時間として長時間(例えば、外れ変動を10分、当たり変動を4分と設定)の変動時間が設定可能となる構成を有している場合は、特図1抽選が実行され易い遊技状態において、実行中の特図2変動、或いは、次回実行される特図2抽選(変動)が大当たりであるか否かを判別するだけで、今回の特図1変動中に、特図2の大当たり変動が実行されるか否かを容易に判別することができる。
また、この場合、特図1抽選が実行され易い遊技状態において、特図1抽選の変動時間として設定される最大の時間を、実行され難い特図2抽選の抽選結果が大当たりである場合に設定される変動時間のうち、最短の時間よりも短くなるように各特図の変動時間を設定すると良い。このように構成することで、より確実に今回の特図1変動中に、特図2の大当たり変動が実行されるか否かを容易に判別することができる。
図67に戻り説明を続ける。特図1ボタン演出設定処理(S5303)を実行した後、次に、抽出した変動パターンに基づいて、第1特別図柄の表示用変動パターンコマンドを第1特別図柄の表示用変動パターンコマンドを設定し(S5304)、第1特別図柄保留球数カウンタを1減算し(S5305)、S5306の処理に移行する。一方、S5301の処理において、特図1変動開始フラグ223eがオフであると判別した場合には(S5301:No)、上述したS5302〜S5305の処理をスキップし、S5306の処理に移行する。
S5306の処理では、特図2変動開始フラグ223fがオンであるかどうか判別する(S5306)。特図2変動開始フラグ223fがオンであると判別した場合には(S5306:Yes)、特図2変動開始フラグ223fをオフに設定し(S5307)、抽出した変動パターンに基づいて、第2特別図柄の表示用変動パターンコマンドを設定し(S5308)、次に、特図2ボタン演出設定処理(S5309)を実行する。
ここで、図70を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理(S4112)内の一処理である特図2ボタン演出設定処理(S5309)について説明する。図69は、この特図2ボタン演出設定処理(S5309)を示したフローチャートである。
特図2ボタン演出設定処理(S5309)では、まず、現在の遊技状態が通常状態であるかどうか判別する(S5601)。現在の遊技状態が通常状態ではない(即ち、確変、或いは、時短状態である)と判別した場合には(S5601:No)、そのまま本処理を終了する。一方、遊技状態が通常状態であると判別した場合には(S5601:Yes)、特図1ボタン演出フラグ223sがオンであるかどうか、即ち、第1特別図柄の変動でボタン演出が実行されているかどうか判別する(S5602)。特図1ボタン演出フラグ223sがオンであると判別した場合には(S5602:Yes)、今回の第2特別図柄の抽選結果が大当たりであるかどうか判別する(S5603)。今回の第2特別図柄の抽選結果が大当たりではないと判別した場合には(S5603:No)、第2特別図柄のボタン演出を優先して実行する必要がないため、そのまま本処理を終了する。
一方、S5603の処理において、今回の第2特別図柄の抽選結果が大当たりであると判別した場合(S5603:Yes)、或いは、S5602の処理において、特図1ボタン演出フラグ223sがオンではないと判別した場合には(S5602:No)、第2特別図柄の変動においてもボタン演出を設定できるタイミングであるため、ボタン演出選択テーブル222cより今回の変動に対応するボタン演出を選択する(S5604)。
そして、次に、ボタン演出が実行可能であるかどうか判別する(S5605)。ボタン演出が実行可能ではないと判別した場合には(S5605:No)、そのまま本処理を終了する。一方、ボタン演出が実行可能であると判別した場合には(S5605:Yes)、ボタン演出態様設定処理(S5606)を実行し、本処理を終了する。
次に、図71を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される特図2ボタン演出設定処理(S5309)内の一処理であるボタン演出態様設定処理(S5606)について説明する。図71は、このボタン演出態様設定処理(S5606)を示したフローチャートである。ボタン演出態様設定処理(S5606)では、第1特別図柄と第2特別図柄のどちらの変動にもボタン演出が設定されている場合に、ボタン演出の優先度に応じてボタン演出を設定する処理を実行し、また、重複して設定できる場合にはボタン演出を設定する。
ボタン演出態様設定処理(S5606)では、まず、ボタン演出階層記憶エリア223mに設定されているボタン演出情報を読み出し(S5701)、次に、S5701の処理で読み出したボタン演出階層記憶エリア223mの最優先エリアに演出情報があるかどうか判別する(S5702)。最優先エリアに演出情報があると判別した場合には(S5702:Yes)、そのまま本処理を終了する。一方、最優先エリアに演出情報がないと判別した場合には(S5702:No)、実行中の特図1変動が大当たりであるかどうか判別する(S5703)。実行中の特図1変動が大当たりであると判別した場合には(S5703:Yes)、特図2変動でのボタン演出よりも、実行中の特図1大当たり変動が優先されるためそのまま本処理を終了する。一方、実行中の特図1変動は大当たりではないと判別した場合には(S5703:No)、S5704の処理に移行する。
S5704の処理では、今回設定された第2特別図柄のボタン演出の実行タイミングが、第1特別図柄のボタン演出期間中であるかどうか判別する(S5704)。第1特別図柄のボタン演出期間中であると判別した場合には(S5704:Yes)、その設定された第1特別図柄と第2特別図柄のボタン演出の期間が重複する期間に重複ボタン演出を設定する(S5705)。ここで設定された重複ボタン演出は、上述したように、第2特別図柄の変動結果が当たりである場合に、第1特別図柄でのボタン演出と第2特別図柄のボタン演出が重複する期間にボタン演出Cを設定する。このように構成することで、演出効果を高めることが出来る。
一方、S5704の処理において、ボタン演出の実行タイミングは、特図1のボタン演出期間中ではないと判別した場合には(S5704:No)、最優先エリアにボタン演出を設定し(S5706)、S5707の処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図72を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される枠ボタン入力監視・演出処理(S4107)について説明する。図72は、この枠ボタン入力監視・演出処理(S4107)を示したフローチャートである。この枠ボタン入力監視・演出処理(S4107)は、音声ランプ制御装置113が実行するメイン処理内で実行され、第1枠ボタン22aと第2枠ボタン22bとを用いた演出を開始や操作に対する処理を実行する。枠ボタン入力監視・演出処理(S4107)では、まずボタン演出開始処理(S5801)を実行する。
ここで、図73を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される枠ボタン入力監視・演出処理(S4107)内の一処理であるボタン演出開始処理(S5801)について説明する。図73は、このボタン演出開始処理(S5801)を示したフローチャートである。このボタン演出開始処理(S5801)では、ボタン演出階層記憶エリア223mに記憶されている各ボタン演出情報を読み出し、ボタン演出の開始タイミングである場合に、そのボタン演出を実行するための処理が実行される。また、最も高い優先度(優先度1)のボタン演出を実行する場合に、実行中のボタン演出を破棄するための処理が実行される。このような処理を実行することにより、異なる契機で設定された複数のボタン演出を、優先度に従って、適正に実行することができる。また、最も優先度の高いボタン演出(演出効果の高いボタン演出)だけは、他のボタン演出が実行されている最中であっても確実に実行させることができるため、遊技の興趣を向上させることができる。
ボタン演出開始処理(S5801)では、まず、ボタン演出階層記憶エリア223mの情報の読み出しを実行する(S5901)。次に、読み出した情報に基づいてボタン演出の開始タイミングかどうか判別する(S5902)。このS5902の処理では、複数の記憶エリア(第1階層エリア223m1〜第4階層エリア223m4)に記憶されている複数の情報を優先度の高い順に読み出すように構成している。よって、ボタン演出の実行タイミングが同一である場合には、優先度の高いボタン演出が実行されることになる。
なお、本実施形態では、ボタン演出選択テーブル222bに規定されているボタン有効期間開始タイミング(図24参照)に到達した場合に、ボタン演出の開始タイミングであると判別するように構成しているが、これに限ること無く、たとえば、ボタン有効期間開始タイミングの前後2秒(4秒間)の範囲を同一タイミングと規定して判別するように構成しても良い。このように構成することで、複数のボタン演出の開始タイミングが若干異なるように記憶されている場合に、ボタン演出が煩雑に実行されてしまうことを抑制することができる。
また、上述した内容以外にも、各ボタン演出に設定される有効期間が重複するタイミングで記憶されている複数のボタン演出を、同一タイミングで実行されるボタン演出として判別するように構成しても良い。
図73に戻り説明を続ける。S5902の処理において、ボタン演出の開始タイミングではないと判別した場合には(S5902:No)、そのまま本処理を終了する。一方、ボタン演出の開始タイミングであると判別した場合には(S5902:Yes)、今回開始されるボタン演出が、S5901の処理で読み出したボタン演出階層記憶エリア223mの情報で優先度1に設定されているものであるか判別し(S5902)、優先度1であると判別した場合には(S5903:Yes)、その他のボタン演出が実行中であるかどうか判別する(S5905)。
S5905の処理において、その他のボタン演出が実行されていると判別した場合には(S5905:Yes)、優先度1のボタン演出を優先して実行するため、その他のボタン演出に対するボタン操作を無効に設定し(S5906)、今回、無効にしたボタン演出に対応するボタン演出フラグをオフに設定し(S5907)、次に、今回の優先度1の情報に対応するボタン演出を示す表示用コマンドを設定し(S5908)、本処理を終了する。一方、S5905の処理において、その他のボタン演出が実行中ではないと判別した場合には(S5905:No)、その他のボタン演出を無効に設定する必要がないため、S5906〜S5907の処理をスキップし、S5908の処理に移行する。
一方、S5903の処理において、今回のボタン演出が優先度1ではないと判別した場合には(S5903:No)、今回の優先度に対応するボタン演出を示す表示用コマンドを設定し(S5904)、本処理を終了する。
図72に戻り説明を続ける。ボタン演出開始処理(S5801)を実行した後、次に、ボタン演出更新処理(S5802)を実行する。ここで、図74を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される枠ボタン入力監視・演出処理(S4107)内の一処理であるボタン演出更新処理(S5802)について説明する。図74は、ボタン演出更新処理(S5802)を示したフローチャートである。このボタン演出更新処理(S5802)では、ボタン有効タイマ223nの値を更新し、ボタン演出中に実行された枠ボタン22への操作に応じた表示用コマンドを設定する処理が実行される。
ボタン演出更新処理(S5802)では、まず、ボタン有効タイマ223nの値の読み出しを実行する(S6001)。次に、S6001の処理で読み出したボタン有効タイマ223nの値が0より大きい値であるかを判別する(S6002)。ボタン有効タイマ223nの値が0より大きい値ではない場合には(S6002:No)、現在が枠ボタン22への操作を有効に判別する操作有効期間では無い場合であるため、操作有効期間が設定されている場合に実行するS6002〜S6009の処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。
一方、ボタン有効タイマ223nの値が0より大きいと判別した場合には(S6002:Yes)、対応するボタン有効タイマ223nの値を1減算する(S6003)。次に、S6003の処理において減算したボタン有効タイマ223nの値が0であるか、即ち、ボタン演出の終了タイミングであるかを判別する(S6004)。ボタン有効タイマ223nの値が0ではない(即ち、0より大きい値である)と判別した場合には(S6004:No)、ボタン演出の実行中であるため、現在のボタン有効タイマ223nの値に対応する表示用コマンドを設定する(S6005)。ここで設定された表示用コマンドによって、有効期間ゲージ812a(図9(a)参照)の表示態様(残期間表示態様)が生成される。
そして、S6005の処理を終えると、後述する第2枠ボタン設定処理(S6011)に移行する。一方、S6004の処理にて、ボタン有効タイマ223nの値が0であると判別した場合には(S6004:Yes)、ボタン演出の終了タイミングであるため、対応する特別図柄のボタン演出フラグ(第1ボタン演出フラグ223p、第2ボタン演出フラグ223q)をオフに設定し(S6006)、次いで、操作済フラグ223sがオンに設定されているかを判別する(S6007)。即ち、遊技者が操作有効期間中(ボタン有効期間中)に枠ボタン22を操作条件が成立したように操作(押下)したかどうかを判別する。
具体的には、今回実行されているボタン演出の操作条件が「枠ボタン22に対して1回の操作(押下)を行う」である場合には、操作有効期間中に枠ボタン22を1回押下した場合に操作済フラグ223sがオンに設定され、操作条件が「枠ボタン22を50回操作(押下)する」である場合には、操作有効期間中に枠ボタン22を50回操作(押下)した場合に操作済フラグ223sがオンに設定される。なお、操作済フラグ223sをオンにする条件は、枠ボタン22に対する操作回数が予め定められた回数に到達した場合に成立する条件以外に、例えば、枠ボタン22を操作する毎に所定の抽選を実行し、その抽選結果が特定結果である場合に成立する条件や、枠ボタン22を連続して押下した期間が所定期間を満たした場合に成立する条件等を設定しても良い。
S6007の処理において、操作済フラグ223sがオンであると判別した場合には(S6007:Yes)、操作済に対応する表示用コマンド(ボタン演出中のボタン操作に成功したことを示す表示用コマンド)を設定し(S6008)、操作済フラグ223sをオフに設定し(S6009)、S6011の処理を実行し、本処理を終了する。S6008の処理にて設定された表示用コマンドに基づいて、表示制御装置114ではボタン演出の成功画面(例えば、図9(b)参照)に対応する画像データを生成し、第3図柄表示装置81に表示する。
一方、S6007の処理において、操作済フラグ223sがオンに設定されていないと判別した場合は(S6007:No)、未操作(操作有効期間中に操作条件が成立しない程度の操作を含む概念)に対応する表示用コマンドを設定し(S6010)、S6011の処理を実行し、本処理を終了する。ここで、S6010の処理において設定された表示コマンドに基づいて、表示制御装置114ではボタン演出の失敗画面(図10参照)に対応する画像データを生成し、第3図柄表示装置81に表示する。
次に、図75を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるボタン演出更新処理(図74のS5802参照)内の一処理である第2枠ボタン設定処理(S6011)について説明する。図75は、第2枠ボタン設定処理(S6011)を示したフローチャートである。本実施形態のパチンコ機10は、遊技者が操作可能な操作手段として、第1枠ボタン22aと、第2枠ボタン22bとを有しており、通常では第1枠ボタン22aを操作対象としたボタン演出が実行されるように構成している。そして、複数のボタン演出が重複して設定される場合に、第2枠ボタン22bを操作対象とした重複ボタン演出が実行されるように構成している。この第2枠ボタン設定処理(S6011)では、重複ボタン演出に関する第2枠ボタン22bへの各種処理が実行される。
第2枠ボタン設定処理(S6011)では、まず、ボタン演出の開始タイミングであるかを判別する。(S6101)。そして、ボタン演出の開始タイミングであると判別した場合には(S6101:Yes)、次に、重複ボタン演出の開始タイミングであるかを判別する(S6102)。重複ボタン演出の開始タイミングであると判別した場合には(S6102:Yes)、第2枠ボタン有効フラグ223rをオンに設定し(S6103)、S6104の処理に移行する。一方、S6101の処理において、ボタン演出の開始タイミングではないと判別した場合(S6101:No)、或いは、S6102の処理において重複ボタン演出の開始タイミングではないと判別した場合には(S6102:No)、第2枠ボタンを有効に設定するタイミングではないため、S6103の処理をスキップし、S6104の処理に移行する。
S6104の処理では、ボタン演出の終了タイミングであるかを判別する(S6104)。ボタン演出終了のタイミングではないと判別した場合には(S6104:No)、そのまま本処理を終了する。一方、ボタン演出の終了タイミングであると判別した場合には(S6104:Yes)、その終了タイミングが、重複ボタン演出の終了タイミングであるかを判別する(S6105)。重複ボタン演出の終了タイミングであると判別した場合には(S6105:Yes)、第2枠ボタン有効フラグ223rをオフに設定し(S6106)、ボタン演出の終了を示す表示用コマンドを設定し(S6107)、本処理を終了する。一方、S6105の処理において、重複ボタン演出の終了タイミングではないと判別した場合には(S6105:No)、第2枠ボタンを無効に設定する必要がないため、S6106の処理をスキップし、上述したS6107の処理を実行し、本処理を終了する。
図72に戻り説明を続ける。ボタン演出更新処理(S5802)を実行した後、次にボタン押下処理を実行し(S5803)、次に、ボタンに関するその他処理を実行し(S5804)、本処理を終了する。
ここで、図76を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される枠ボタン入力監視・演出処理(S4107)内の一処理であるボタン押下処理(S5803)について説明する。図76は、このボタン押下処理(S5803)を示したフローチャートである。
ボタン押下処理(S5803)では、まず、第2枠ボタン有効フラグ223rがオンであるかを判別する(S6201)。第2枠ボタン有効フラグ223rがオフであると判別した場合には(S6201:No)、第1枠ボタン22aがオンであるかどうか、即ち、第1枠ボタン22aが押下されたかどうか判別する(S6202)。第1枠ボタン22aが押下されていないと判別した場合には(S6202:No)、第1枠ボタン22aも第2枠ボタン22bも操作されていない状態であるため、そのまま本処理を終了する。一方、第2枠ボタン有効フラグ223rがオンであると判別した場合には(S6201)、第2枠ボタンが押下されたかどうか判別する(S6203)。第2枠ボタン22bが押下されていないと判別した場合には(S6203:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、第1枠ボタン22aが押下された(S6202:Yes)、或いは、第2枠ボタン22bが押下されたと判別した場合には(S6203:Yes)、対応する押下カウンタ223tの値を1加算する(S6204)。次に、S6205の処理において加算した押下カウンタ223tの値が所定値であるかどうか判別する(S6205)。ボタン押下カウンタ223tの値が所定値であると判別した場合には(S6205:Yes)、操作済フラグ223sをオンに設定し(S6206)、操作後演出に対応する表示用コマンドを設定し(S6207)、押下カウンタ223tの値を0にクリアし(S6208)、本処理を終了する。一方、押下カウンタ223tの値が所定値ではないと判別した場合には、カウンタ値に対応した表示用コマンドを設定し(S6209)、本処理を終了する。
以上、説明をした通り、本実施形態は、第1特別図柄(特図1)の抽選と、第2特別図柄(特図2)の抽選とを同時に(並行して)実行可能に構成し、且つ、第1特別図柄の抽選よりも第2特別図柄の抽選のほうが、遊技者に有利となる抽選結果(ラウンド数の多い大当たり)に当選し易くなるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、特図2の抽選のみ、抽選結果が大当たりでは無い場合の一部で大当たり遊技とは異なる特典が遊技者に付与され得る小当たり遊技が実行される小当たりに当選するように構成しても良いし、大当たり遊技の終了後に設定される遊技状態として特図2で大当たりに当選したほうが、特図1で大当たりに当選するよりも遊技者に有利な遊技状態(例えば、確変状態)が設定され易くするように構成しても良い。
この場合、設定される遊技状態に応じて抽選が実行され易い特別図柄の種別を可変可能に構成し、特定の第1遊技状態(例えば、確変状態)が設定された場合に、第2特別図柄の抽選が実行され易くなるように構成し、その第1遊技状態中に、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合は、再度第1遊技状態が設定されるように構成すると良い。
また、遊技状態として、潜確状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の低確率状態)を設定可能に構成し、潜確状態中に第2特別図柄の抽選が行われ易くするために、同様に普通図柄の低確率状態である通常状態が設定されている場合であっても、第2特別図柄の抽選が実行可能とし、通常状態では、第2特別図柄の抽選が頻繁に実行されることを抑制するために、長時間(10分)の変動時間が設定されるように構成しても良い。
しかしながら、このように構成された遊技機では、通常状態中において、効率は悪いが第2特別図柄の抽選を実行することができ、その第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合には、遊技者に有利となる抽選結果を付与してしまうという問題があった。
これに対して、通常状態が設定されている状態で第1特別図柄の抽選が所定の抽選結果(大当たりや小当たり)に当選した場合に、第2特別図柄の抽選を外れで強制停止、または仮停止するように構成すると良い。これにより、通常状態が設定されている状態では第2特別図柄が大当たりに当選しにくいよう設定することができる。
なお、上述した本第1実施形態では、大当たり当選した際に設定される大当たり種別に基づいて、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を決定しているが、これに限ること無く、大当たりに当選したことに基づいて実行される大当たり遊技中に、可変入賞装置65内に設けられた特定領域を球が通過することで、その大当たり遊技終了後に特別図柄の高確率状態が設定されるように構成しても良い。
また、本実施形態では、遊技状態として3つの遊技状態(通常状態、時短状態、確変状態)を設定可能に構成しているが、設定可能な遊技状態を4つ(通常状態、潜確状態、確変状態、時短状態にしても良いし、2つ以下にしても良い。
さらに、本第1実施形態では、通常状態において、第1特別図柄の抽選と、第2特別図柄の抽選と、を同時に実行させるように構成しているが、これ以外の構成を用いても良く、例えば、左側領域に第1入球口64b1を設け、右側領域に電動役物640aを付設した第1入球口と、電動役物640aが付設されない第2入球口640を設け、確変状態が設定される場合に右打ち遊技を行うことが遊技者に最も有利な遊技となるように構成しても良い。
このように構成した場合に、通常状態中は、上述した第1実施形態と同様に特図1変動が特図2変動よりも短い変動時間が設定され易くなるように設定し、潜確状態中は、上述した第1実施形態と同様に特図1変動よりも特図2変動のほうが短い変動時間が設定され易くなるように設定し、確変状態、時短状態は、電動役物640aを開放され易くなるように設定すると良い。
これにより、通常状態中は、左打ち遊技によって、第1特別図柄の抽選で大当たりを目指す遊技を行い、時短状態中は、右打ち遊技によって、通常状態中よりも効率良く第1特別図柄の抽選を行って大当たりを目指す遊技を行い、確変状態中は、右打ち遊技によって、通常状態よりも高確率で、且つ、効率良く第1特別図柄の抽選を行って大当たりを目指す遊技を行い、潜確状態中は、右打ち遊技によって、第2特別図柄の抽選で大当たりを目指す遊技を行わせることができる。
<第1実施形態における表示制御装置の制御処理について>
次に、図77から図91を参照して、表示制御装置114のMPU231により実行される各制御について説明する。かかるMPU231の処理としては大別して、電源投入後から繰り返し実行されるメイン処理と、音声ランプ制御装置113よりコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込処理と、画像コントローラ237より1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に送信されるV割込信号をMPU231が検出した場合に実行されるV割込処理とがある。MPU231は、通常、メイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込信号の検出に合わせて、コマンド割込処理やV割込処理を実行する。なお、コマンドの受信とV割込信号の検出とが同時に行われた場合は、コマンド受信処理を優先的に実行する。これにより、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込処理を実行させることができる。
まず、図77を参照して、表示制御装置114内のMPU231により実行されるメイン処理について説明する。図77は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理は、電源投入時の初期化処理を実行するものである。
このメイン処理の起動は、具体的には、以下の流れに従って行われる。電源装置115から表示制御装置114に対して電源が投入され、システムリセットが解除されると、MPU231は、そのハードウェア構成によって、MPU231内に設けられた命令ポインタ231aを「0000H」に設定すると共に、命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」をバスライン240に対して指定する。キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。そして、MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチし、そのフェッチした命令に応じた処理の実行を開始することで、メイン処理を起動する。
ここで、仮にシステムリセット解除後にMPU231によって最初に処理されるブートプログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合、キャラクタROM234は、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、アドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならない。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要するので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費することとなる。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、本実施形態のように、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令がNOR型ROM234dに格納されることにより、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるため、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができるので、MPU231においてメイン処理の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
以上のようにしてメイン処理が実行されると、まず、ブートプログラムによって実行されるブート処理を実行し(S8001)、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動する。
ここで、図78を参照して、ブート処理(S8001)について説明する。図78は、表示制御装置114のMPU231において、メイン処理の中で実行されるブート処理(S8001)を示すフローチャートである。
上述したように、本実施形態では、MPU231によって実行される制御プログラムや固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。そしてキャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているため、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる一方、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方、NAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅いため、MPU231がNAND型フラッシュメモリ234aに格納された制御プログラムや固定値データを直接読み出して処理していては、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。そこで、本ブート処理では、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データを、DRAMによって構成されるワークRAM233に設けられたプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送し格納する処理を実行する。
具体的には、まず、上述のMPU231及びキャラクタROM234のハードウェアによる動作に基づき、システムリセット解除後にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1より読み出されバッファRAM234cにセットされたブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち、所定量だけプログラム格納エリア233aへ転送する(S8101)。ここで転送される所定量の制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれる。
そして、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第1の所定番地、即ち、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを設定する(S8102)。これにより、MPU231は、S8101の処理によってプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムの実行を開始する。
また、S8102の処理により命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの所定番地に設定することで、MPU231は、そのワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出しながら、各種処理を実行することになる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
S8102の処理により命令ポインタ231aが設定されると、続いて、その設定された命令ポインタ231aによって実行が開始される残りのブートプログラムに従って、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうちプログラム格納エリア233aに未転送である残りの制御プログラムと固定値データとを、所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bへ転送する(S8103)。具体的には、制御プログラムおよび一部の固定データを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納し、また、固定値データのうち上述の各種データテーブル(表示データテーブル、転送データテーブル)をデータテーブル格納エリア233bに転送する。
そして、ブート処理に必要なその他の処理を実行(S8104)した後、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第2の所定番地、即ち、このブート処理(図76のS8001参照)の終了後に実行すべき初期化処理(図77のS8002参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定することで(S8105)、ブートプログラムの実行を終え、本ブート処理を終了する。
このように、ブート処理(S8001)が実行されることによって、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データは、全てDRAMによって構成されたワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送され、格納される。そして、ブート処理の終了時に、命令ポインタ231aが上述の第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムや固定値データをワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムや固定値データを読み出して各種制御を行うことができるので、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、補助演出部を用いて多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
一方、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
なお、図78に示すブート処理では、S8101の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムに、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが全て含まれるように構成されているが、必ずしもこれに限られるものではなく、S8101の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムは、S8102の処理に続いて処理すべきブート処理を実行するブートプログラムの一部としてもよい。ここで転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムを全て含む制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、更に、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、プログラム格納エリア233aに格納された残り全てのブートプログラムによって、S8103〜S8105の処理を実行するようにしてもよい。
また、S8101の処理によって転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムの一部を更に所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。また、この処理によってプログラム格納エリア233aに格納された一部のブートプログラムは、更に残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を、S8101及びS8102の処理を含めて複数回繰り返した後、S8103〜S8105の処理を実行するようにしてもよい。
これにより、ブートプログラムのプログラムサイズが大きく、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが一度にプログラム格納エリア233aへ転送できなくても、MPU231はプログラム格納エリア233aに既に格納されたブートプログラムを使用して、所定量ずつプログラム格納エリア233aに転送することができる。
また、本実施形態では、第1プログラム記憶エリア234d1に、ブートプログラムのうち、システムリセット解除時にまずMPU231によって実行されるブートプログラムの一部を記憶させる場合について説明したが、全てのブートプログラムを第1プログラム記憶エリア234d1に記憶させてもよい。この場合、MPU231は、ブート処理を開始すると、S8101及びS8102の処理を行わずに、S8103〜S8105の処理を実行してもよい。これにより、ブートプログラムをプログラム格納エリア233aへ転送する処理が不要となるので、キャラクタROM234かプログラム格納エリア233aへのプログラムの転送処理回数が減るため、ブート処理の処理時間を減らすことができる。よって、ブート処理後に可能となるMPU231における補助演出部の制御の開始をより早く行うことができる。
ここで、図77の説明に戻る。ブート処理を終了すると、次いで、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに従って、初期設定処理を実行する(S8002)。具体的には、スタックポインタの値をMPU231内に設定すると共に、MPU231内のレジスタ群や、I/O装置等に対する各種の設定などを行う。また、ワークRAM233、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236の記憶をクリアする処理などが行われる。更に、ワークRAM233に各種フラグを設け、それぞれのフラグに初期値を設定する。なお、各フラグの初期値として、特に明示した場合を除き、「オフ」又は「0」が設定される。
更に、初期設定処理では、画像コントローラ237の初期設定を行った後、第3図柄表示装置81に特定の色の画像が画面全体に表示されるように、画像コントローラ237に対して、画像の描画および表示処理の実行を指示する。これにより、電源投入直後において、第3図柄表示装置81には、まず、特定の色の画像が画面全体に表示される。ここで、電源投入直後に第3図柄表示装置81の画面全体に表示される画像の色が、パチンコ機の機種に応じて異なる色となるように設定されている。これにより、製造時の工場等における動作チェックにおいて、電源投入直後に、その機種に応じた色の画像が第3図柄表示装置81に表示されるか否かを検査することで、パチンコ機10が正常に起動開始できるか否かを簡易かつ即座に判断することができる。
次いで、電源投入時主画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237に対して転送指示を送信する(S8003)。この転送指示には、電源投入時主画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスおよび最終アドレスと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時主画像エリア235aの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラ237は、この転送指示に従って、電源投入時主画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aに転送される。
そして、転送指示により示された画像データの転送が全て完了すると、画像コントローラ237は、MPU231に対して転送終了を示す転送終了信号を送信する。MPU231はこの転送終了信号を受信することにより、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握することができる。なお、画像コントローラ237は、転送指示により示された画像データの転送を全て完了した場合、画像コントローラ237の内部に設けられたレジスタまたは内蔵メモリの一部領域に、転送終了を示す転送終了情報を書き込むようにしてもよい。そして、MPU231は随時このレジスタまたは内蔵メモリの一部領域の情報を読み出し、画像コントローラ237による転送終了情報の書き込みを検出することによって、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握するようにしてもよい。
電源投入時主画像エリア235aに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。S8003の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時主画像に対応する画像データの電源投入時主画像エリア235aへの転送が終了すると、次いで、電源投入時変動画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bへ転送するように、画像コントローラに対して転送指示を送信する(S8004)。この転送指示には、電源投入時変動画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと、その画像データのデータサイズと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時変動画像エリア235bの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラは、この転送指示に従って、電源投入時変動画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bに転送される。そして、電源投入時変動画像エリア235bに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。
S8004の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時変動画像に対応する画像データの電源投入時変動画像エリア235bへの転送が終了すると、次いで、簡易画像表示フラグ233cをオンする(S8005)。これにより、簡易画像表示フラグ233cがオンの間は、後述する転送設定処理(図89(a)参照)において、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように画像コントローラ237へ転送を指示する常駐画像転送設定処理が実行される(図89(a)のS9502参照)。
また、簡易画像表示フラグ233cは、この常駐画像転送設定処理による画像コントローラ237への転送指示に基づき、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データのキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235への転送が終了するまでの間、オンに維持される。これにより、その間は、V割込処理(図79(b)参照)において、電源投入時画像(電源投入時主画像や電源投入時変動画像)(図示せず)が描画されるように、簡易コマンド判定処理(図79(b)のS8308参照)および簡易表示設定処理(図79(b)のS8309参照)が実行される。
上述したように、本パチンコ機10では、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いているため、その読み出し速度が遅いことに起因して、常駐用ビデオRAM235に格納すべき全ての画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでに多くの時間を要する。そこで、本メイン処理のように、電源が投入された後、まず先に電源投入時主画像および電源投入時変動画像をキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送し、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示することで、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。一方、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの初期化処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、初期化が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、パチンコ機10の表示制御装置114では、電源投入後に電源投入時主画像とあわせて電源投入時変動画像もキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始したことにより、第1入球口64b1、左第2入球口64b2または第2入球口640へ入球(始動入賞)があり、変動演出の開始指示が主制御装置110より音声ランプ制御装置113を介してあった場合、即ち、表示用変動パターンコマンドを受信した場合は、電源投入時変動画像をその変動演出期間中に即座に表示させ、簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、上述したように、残りの常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている間は、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示され続けるが、キャラクタROM234は読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されており、その転送に時間がかかるので、電源投入後、電源投入時主画像が表示され続ける時間も長くなる。しかしながら、本パチンコ機10では、電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送された電源投入時変動画像を用いて簡易的な変動演出を行うことができるので、電源が投入された直後、例えば、停電復帰直後などにおいて、電源投入時主画像が表示されている間であっても、遊技者に安心して遊技を行わせることができる。
S8005の処理の後、割込許可を設定し(S8006)、以後、メイン処理は電源が切断されるまで、無限ループ処理を実行する。これにより、S8006の処理によって割込許可が設定されて以降、コマンドの受信およびV割込信号の検出に従って、コマンド割込処理およびV割込処理を実行する。
次いで、図79(a)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるコマンド割込処理について説明する。図79(a)は、そのコマンド割込処理を示すフローチャートである。上述したように、音声ランプ制御装置113からコマンドを受信すると、MPU231によってコマンド割込処理が実行される。
このコマンド割込処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM233に設けられたコマンドバッファ領域に、その抽出したコマンドデータを順次格納して(S8201)、終了する。このコマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された各種コマンドは、後述するV割込処理のコマンド判定処理または簡易コマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに応じた処理が行われる。
次いで、図79(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理について説明する。図79(b)は、そのV割込処理を示すフローチャートである。このV割込処理では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納されたコマンドに対応する各種処理を実行すると共に、第3図柄表示装置81に表示させる画像を特定した上で、その画像の描画リストを作成し、その描画リストを画像コントローラ237に送信することで、画像コントローラ237に対し、その画像の描画処理および表示処理の実行を指示するものである。
上述したように、このV割込処理は、画像コントローラ237からのV割込信号が検出されることによって実行が開始される。このV割込信号は、画像コントローラ237において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成され、MPU231に対して送信される信号である。よって、このV割込信号に同期させてV割込処理を実行することにより、画像コントローラ237に対して描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
ここでは、まず、V割込処理のフローの概略について説明し、次いで、各処理の詳細について他の図面を参照して説明する。このV割込処理では、図79(b)に示すように、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンであるか否かを判別し(S8301)、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば(S8301:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していることを意味するので、電源投入時画像ではなく、通常の演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、コマンド判定処理(S8302)を実行し、次いで、表示設定処理(S8303)を実行する。
コマンド判定処理(S8302)では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された音声ランプ制御装置113からのコマンドの内容を解析し、そのコマンドに応じた処理を実行すると共に、表示用デモコマンドや表示用変動パターンコマンドが格納されていた場合は、デモ用表示データテーブル又は変動パターン種別に応じた変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定すると共に、設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに設定する。
このコマンド判定処理では、その時点でコマンドバッファ領域に格納されている全てのコマンドを解析して、処理を実行する。これは、コマンド判定処理が、V割込処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高いためである。特に、主制御装置110において、変動演出の開始が決定された場合、表示用変動パターンコマンドや表示用停止種別コマンドなどが同時にコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高い。従って、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、主制御装置110や音声ランプ制御装置113によって選定された変動演出の態様や停止種別を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるように、画像の描画を制御することができる。なお、このコマンド判定処理の詳細については、図80〜図85を参照して後述する。
表示設定処理(S8303)では、コマンド判定処理(S8302)などによって表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルの内容に基づき、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を具体的に特定する。また、処理の状況などに応じて、第3図柄表示装置81に表示すべき演出態様を決定し、その決定した演出態様に対応する表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。なお、この表示設定処理の詳細については、図86〜図88を参照して後述する。
表示設定処理が実行された後、次いで、タスク処理を実行する(S8304)。このタスク処理では、表示設定処理(S8303)もしくは簡易表示設定処理(S8309)によって特定された、第3図柄表示装置81に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次に、転送設定処理を実行する(S8305)。この転送設定処理では、簡易画像表示フラグ233cがオンである間は、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の所定エリアへ転送させる転送指示を設定する。また、簡易画像表示フラグ233cがオフである間は、転送データテーブルバッファ233eに設定される転送データテーブルの転送データ情報に基づき、画像コントローラ237に対して、所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定すると共に、音声ランプ制御装置113から連続予告コマンドや背面画像変更コマンドを受信した場合にも、画像コントローラ237に対して、連続予告演出で使用する連続予告画像の画像データや変更後の背面画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定する。なお、転送設定処理の詳細については、図89および図90を参照して後述する。
次いで、描画処理を実行する(S8306)。この描画処理では、タスク処理(S8304)で決定された、1フレームを構成する各種スプライトの種別やそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータと、転送設定処理(S8305)により設定された転送指示とから、図32に示す描画リストを生成し、描画対象バッファ情報と共に、その描画リストを画像コントローラ237に対して送信する。これにより、画像コントローラ237では、描画リストに従って、画像の描画処理を実行する(S8306)。なお、描画処理の詳細については、図91を参照して後述する。
次いで、表示制御装置114に設けられた各種カウンタの更新処理を実行する(S8307)。そして、V割込処理を終了する。S8307の処理によって更新されるカウンタとしては、例えば、停止図柄を決定するための停止図柄カウンタ(図示せず)がある。この停止図柄カウンタの値は、ワークRAM233に格納され、V割込処理が実行される度に、更新処理が行われる。そして、コマンド判定処理において、表示用停止種別コマンドの受信が検出されると、表示用停止種別コマンドにより示される停止種別(大当たりA、大当たりB、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ)に対応する停止種別テーブルと停止種別カウンタとが比較され、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄が最終的に設定される。
一方、S8301の処理において、簡易画像表示フラグ233cがオンであると判別されると(S8301:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していないことを意味するので、電源投入時画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、簡易コマンド判定処理(S8308)を実行し、次いで、簡易表示設定処理(S8309)を実行して、S8304の処理へ移行する。
次いで、図80〜図85を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述のコマンド判定処理(S8302)の詳細について説明する。まず、図80は、このコマンド判定処理を示すフローチャートである。
このコマンド判定処理では、図80に示すように、まず、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し(S8401)、未処理の新規コマンドがなければ(S8401:No)、コマンド判定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、未処理の新規コマンドがあれば(S8401:Yes)、オン状態で新規コマンドを処理したことを表示設定処理(S8303)に通知する新規コマンドフラグをオンに設定し(S8402)、次いで、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドすべてについて、そのコマンドの種別を解析する(S8403)。
そして、未処理のコマンドの中に、表示用変動パターンコマンドがあるか否かを判別する(S8404)。そして、表示用変動パターンコマンドがあれば(S8404:Yes)、変動パターンコマンド処理を実行して(S8405)、S8401の処理へ戻る。
ここで、図81(a)を参照して、変動パターンコマンド処理(S8405)の詳細について説明する。図80(a)は、変動パターンコマンド処理(S8405)を示すフローチャートである。この変動パターンコマンド処理(S8405)は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用変動パターンコマンドに対応する処理を実行するものである。
変動パターンコマンド処理では、まず、表示用変動パターンコマンドによって示される変動演出パターンに対応した変動表示データテーブルを決定し、その決定した変動表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S8501)。
ここで、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用変動パターンコマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用変動パターンコマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用変動パターンコマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S8501の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用変動パターンコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。
仮に、変動時間の長い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定してしまうと、実際には、設定した表示データテーブルよりも短い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合に、設定された変動表示データテーブルに従った変動演出を第3図柄表示装置81に表示させている最中に主制御装置110から次の表示用変動パターンコマンドを受信することとなり、別の変動表示が急に開始されてしまうので、遊技者に対して違和感を持たせるおそれがあった。
これに対し、本実施形態のように、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定することで、実際には、設定した表示データテーブルよりも長い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合であっても、後述するように、表示データテーブルバッファ233dに従った変動演出が終了したのち、主制御装置110から次の表示用パターンコマンドを受信するまでの間、デモ演出が表示されるように、表示設定処理によって、第3図柄表示装置81の表示が制御されるので、遊技者は違和感なく第3図柄表示装置81における第3図柄の変動を見続けることができる。
次いで、S8501で設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを決定してデータテーブル格納エリア233bから読み出し、それを転送データテーブルバッファ233eに設定する(S8502)。そして、S8501の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルに対応する変動パターンの変動時間を基に、その変動時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S8503)、ポインタ233fを0に初期化する(S8504)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S8505)、変動パターンコマンドを終了し、コマンド判定処理に戻る。
この変動パターンコマンド処理が実行されることにより、表示設定処理では、S8505の処理によって初期化されたポインタ233fを更新しながら、S8501の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された描画内容を抽出し、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定すると同時に、S8502の処理によって転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された転送データ情報を抽出し、設定された変動表示データテーブルにおいて必要なスプライトの画像データが、予めキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送されるように、画像コントローラ237を制御する。
また、表示設定処理では、S8503の処理によって時間データが設定された計時カウンタ233hを用いて、変動表示データテーブルで規定された変動演出の時間を計時し、変動表示データテーブルにおける変動演出が終了すると判断された場合、主制御装置110からの表示用停止種別コマンドに応じた停止図柄を第3図柄表示装置81に表示するように、その停止表示の設定を制御する。なお、例えば、遊技者が操作手段を操作したり、特別図柄の変動表示中において、別の契機で設定された演出態様に基づいて実行中の変動表示に対応する演出態様を可変させる(書き換える)ための表示用書換コマンドが出力された場合には、S8503の処理によって時間データが設定された計時カウンタ233hを用いて、変動表示データテーブルで規定された変動演出の時間を計時し、対応する変動表示データ以降のデータを書き換えるための書き換え処理が実行される。また、表示用書換コマンドを受信してから、所定期間の間隔を空けた時点から書き換え後の演出態様に基づく画像データが生成されるように構成されている。これにより、書き換え処理に要する時間を確保した上で、確実に書き換え後の演出を実行させることができる。また、上述した構成に限ること無く、例えば、特別図柄の変動開始時に音声ランプ制御装置113から出力される変動パターンコマンドに、当該変動中に実行され得る演出の全て(所定数)、即ち、遊技者に操作手段を操作させる演出態様が実行される場合には、遊技者が適正に操作手段を操作した場合に実行される演出と、遊技者が適正に操作手段を操作しなかった場合に実行される演出等、また、当該変動中に特図保留球数が上限値に到達した場合に実行される演出を示す情報を含ませておき、各演出情報に対応させた変動表示データテーブルにおいて必要なスプライトの画像データを予めキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送しておき、その後、音声ランプ制御装置113から出力される指示コマンドに基づいて、実際に第3図柄表示装置81に表示させる画像データを決定するように構成しても良い。さらに、特別図柄の変動開始時に音声ランプ制御装置113から出力される変動パターンコマンドに、当該変動中に実行され得る演出に対応する表示を異なるレイヤ(画層)にて実行させておき、各レイヤに対して遊技者に視認可能な可視状態と、遊技者が視認出来ない非可視状態とを設定制御することにより、特定の演出のみが実行されているように見せる構成としても良い。
ここで、図80の説明に戻る。S8404の処理において、表示用変動パターンコマンドがないと判別されると(S8404:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用停止種別コマンドがあるか否かを判別し(S8406)、表示用停止種別コマンドがあれば(S8406:Yes)、停止種別コマンド処理を実行して(S8407)、S8401の処理へ戻る。
ここで、図81(b)を参照して、停止種別コマンド処理(S8407)の詳細について説明する。図81(b)は、停止種別コマンド処理を示すフローチャートである。この停止種別コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用変動種別コマンドに対応する処理を実行するものである。
停止種別コマンド処理(S8407)では、まず、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報(大当たりA〜G、小当たりA〜C、リーチ外れ、完全外れ、のいずれか)に対応する停止種別テーブルを決定し(S8601)、その停止種別テーブルと、V割込処理(図79(b)参照)が実行されるたびに更新される停止種別カウンタの値とを比較して、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄を最終的に設定する(S8602)。
そして、各停止図柄毎に設けられた停止図柄判別フラグのうち、S8602の処理によって設定された停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオンすると共に、その他の停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオンに設定し(S8603)、コマンド判定処理に戻る。
ここで、上述したように、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過後において、第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定する種別情報として、S8602の処理によって設定された停止図柄からのオフセット情報(図柄オフセット情報)が記載されている。上述のタスク処理(S8304)では、変動が開始されてから所定時間が経過した後、S8603によって設定された停止図柄判別フラグからS8602の処理によって設定された停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。そして、この特定された第3図柄に対応する画像データが格納されたアドレスを特定する。第3図柄に対応する画像データは、上述したように、常駐用ビデオRAM235の第3図柄エリア235dに格納されている。
なお、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用停止種別コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用停止種別コマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用停止種別コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S8601の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用停止種別コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、停止種別が完全外れであると仮定して、停止種別テーブルを決定する。これにより、完全外れに対応する停止図柄がS8602の処理によって設定される。
仮に、「特別図柄の大当たり」に対応する停止図柄が設定されてしまうと、実際には、「特別図柄の外れ」であった場合であっても、第3図柄表示装置81には「特別図柄の大当たり」に対応する停止図柄が表示されることとなり、遊技者にパチンコ機10が「特別図柄の大当たり」となったと勘違いさせてしまい、パチンコ機10の信頼性を低下させるおそれがあった。これに対し、本実施形態のように、完全外れに対応する停止図柄が設定されることで、実際には、「特別図柄の大当たり」であれば、第3図柄表示装置81に完全外れの停止図柄が表示されても、パチンコ機10が「特別図柄の大当たり」になるので、遊技者を喜ばせることができる。
図80に戻り、説明を続ける。S8406の処理において、表示用停止種別コマンドがないと判別されると(S8406:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用オープニングコマンドがあるか否かを判別し(S8408)、表示用オープニングコマンドがあれば(S8408:Yes)、オープニングコマンド処理を実行して(S8409)、S8401の処理へ戻る。
ここで、図82(a)を参照して、オープニングコマンド処理(S8409)の詳細について説明する。図82(a)は、オープニングコマンド処理を示すフローチャートである。このオープニングコマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信したオープニングコマンドに対応する処理を実行するものである。
オープニングコマンド処理では、まず、オープニング表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する(S8701)。その後、オープニング表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに設定し(S8702)、設定したオープニング表示データテーブルを基に、時間データを計時カウンタ233hに設定する(S8703)。その後、ポインタ233fを0に初期化する(S8704)。そして、デモ表示フラグ233y、および確定表示フラグ233zをいずれもオフに設定して(S8705)、オープニングコマンドを終了し、コマンド判定処理に戻る。
図80に戻り、説明を続ける。S8408の処理において、表示用オープニングコマンドがないと判別されると(S8408:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用ラウンド数コマンドがあるか否かを判別し(S8410)、表示用ラウンド数コマンドがあれば(S8410:Yes)、ラウンド数コマンド処理を実行して(S8411)、S8401の処理へ戻る。
ここで、図82(b)を参照して、ラウンド数コマンド処理(S8411)の詳細について説明する。図82(b)は、ラウンド数コマンド処理を示すフローチャートである。このラウンド数コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用ラウンド数コマンドに対応する処理を実行するものである。
ラウンド数コマンド処理では、まず、表示用ラウンド数コマンドによって示されるラウンド数に対応したラウンド数表示データテーブルを決定し、その決定したラウンド数表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S8801)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S8802)。
そして、S8801の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたラウンド数表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S8803)、ポインタ233fを0に初期化する(S8804)。そして、デモ表示フラグ233y、および確定表示フラグ233zをいずれもオフに設定して(S8805)、ラウンド数コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
図80に戻って説明を続ける。S8410の処理において、表示用ラウンド数コマンドがないと判別されると(S8410:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用エンディングコマンドがあるか否かを判別し(S8412)、表示用エンディングコマンドがあれば(S8412:Yes)、エンディングコマンド処理を実行して(S8413)、S8401の処理へ戻る。
ここで、図83を参照して、エンディングコマンド処理(S8413)の詳細について説明する。図83は、エンディングコマンド処理を示すフローチャートである。このエンディングコマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用エンディングコマンドに対応する処理を実行するものである。
エンディングコマンド処理では、まず、表示用エンディングコマンドによって示されるエンディング演出の表示態様に対応したエンディング表示データテーブルを決定し、その決定したエンディング表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S8901)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S8902)。
次いで、S8901の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたエンディング表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S8903)、ポインタ233fを0に初期化する(S8904)。そして、デモ表示フラグ233y、および確定表示フラグ233zをいずれもオフに設定して(S8905)、エンディングコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
図80に戻り、説明を続ける。S8412の処理において、表示用エンディングコマンドがないと判別されると(S8412:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用変動停止コマンドがあるか否かを判別し(S8414)、表示用変動停止コマンドがあれば(S8414:Yes)、変動停止コマンド処理を実行して(S8415)、S8401の処理へ戻る。
ここで、図84(a)を参照して、変動停止コマンド処理(S8415)の詳細について説明する。図84(a)は、変動停止コマンド処理を示すフローチャートである。この変動停止コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用変動停止コマンドに対応する処理を実行するものである。
この表示用変動停止コマンドとは、音声ランプ制御装置113の変動表示設定処理(図66のS4112参照)において設定された表示用変動パターンコマンドの終了タイミング、即ち、主制御装置110における各特別図柄の変動パターンを設定する処理にて設定された変動パターン(変動時間)の終了タイミング(主制御装置110が停止コマンドを設定するタイミング)にて、音声ランプ制御装置113から出力される表示用停止コマンド(正常停止コマンド)と、音声ランプ制御装置113のへ変動停止処理(図59のS4214参照)にて設定された各種表示コマンドを示すものである。
上述した通り、本実施形態のパチンコ機10は、第1特別図柄の抽選(変動)と、第2特別図柄の抽選(変動)とを独立(並行)して実行可能に構成されており、さらに、一方の特別図柄が特定の抽選結果(例えば、大当たり)を示す図柄で停止(確定)表示された場合に、変動中の他方の特別図柄を、予め定められた変動パターン(変動時間)の終了の有無に関わらず、強制的に外れを示す図柄で停止表示するように構成している。
そして、音声ランプ制御装置113では主制御装置110から強制的に特別図柄の変動を停止させる際に設定されるコマンドを受信した場合に、変動停止処理(図59のS4214参照)を実行することで、特別図柄変動に対応する第3図柄、或いは第4図柄の表示態様を可変表示(強制的に停止表示される特別図柄の表示態様に対応させるように可変表示)させるための表示用コマンド(強制停止コマンド)を設定するように構成している。
なお、本実施形態では、上述した正常停止コマンドを既に受信している場合であっても、第3図柄表示装置81に第3図柄、或いは第4図柄が停止表示されていない状態であれば、後で受信した強制停止コマンドに基づく停止表示が実行されるように構成している。即ち、強制停止コマンドが、正常停止コマンドよりも優先して処理されるように構成している。これにより、主制御装置110の制御内容に対応した表示態様で第3図柄、第4図柄を確実に表示することができる。
加えて、表示用変動停止コマンドには、音声ランプ制御装置113の変動停止処理(図59のS4214参照)において設定される仮停止を示す表示コマンドも含まれており、この仮停止を示す表示コマンド(表示用仮停止コマンド)を受信した場合には、変動停止表示データとして、停止表示される図柄が若干揺動する表示データが設定されるデータテーブルが決定されるように構成している。
変動停止コマンド処理では、まず、表示用変動停止コマンドによって示される変動停止データテーブルを決定し、その決定した変動停止データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S8931)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S8932)。
次いで、S8931の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動停止データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S8933)、ポインタ233fを0に初期化する(S8934)。そして、デモ表示フラグ233y、および確定表示フラグ233zをいずれもオフに設定して(S8935)、変動停止コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
図80に戻り、説明を続ける。S8412の処理において、変動停止コマンドがないと判別されると(S8414:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用報知コマンドがあるか否かを判別し(S8416)、表示用報知コマンドがあれば(S8416:Yes)、表示用報知コマンド処理を実行して(S8417)、S8401の処理へ戻る。
ここで、図84(b)を参照して、報知コマンド処理(S8415)の詳細について説明する。図84(b)は、報知コマンド処理を示すフローチャートである。この報知コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した(表示用)報知コマンドに対応する処理を実行するものである。
この報知コマンドは、主制御装置110にて設定された各種異常状態を示すためのコマンドを音声ランプ制御装置113が受信した場合に設定される各種報知コマンドのうち、表示制御装置114に出力された表示用報知コマンドを表示制御装置114が受信した場合に実行される処理である。
報知コマンド処理では、まず、報知コマンドによって示される報知態様に対応した表示(報知)データテーブルを決定し、その決定した表示(報知)データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S8951)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S8952)。
次いで、S8951の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された表示(報知)データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S8953)、ポインタ233fを0に初期化する(S8954)。そして、デモ表示フラグ233y、および確定表示フラグ233zをいずれもオフに設定して(S8955)、報知コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
なお、本実施形態では、音声ランプ制御装置113の設定した各種報知コマンドのうち、報知対象が第3図柄表示装置81(表示装置)であることを示す表示用コマンドのみを表示制御装置114が判別するように構成しているが、これに限ること無く、表示用コマンド以外の発光用コマンドや、音声出力用コマンドや、役物駆動用コマンドといった関連コマンドも一旦受信し、表示制御装置114の処理にて設定されたデータ内容(表示態様)を示すための情報を追加した状態で、関連コマンドを対応する制御装置に出力するように構成しても良い。
図80に戻り、説明を続ける。S8416の処理において、表示用報知コマンドがないと判別されると(S8416:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、背面画像変更コマンドがあるか否かを判別し(S8418)、背面画像変更コマンドがあれば(S8418:Yes)、背面画像変更コマンド処理を実行して(S8419)、S8401の処理へ戻る。
ここで、図85(a)を参照して、背面画像変更コマンド処理(S8419)の詳細について説明する。図85(a)は、背面画像変更コマンド処理を示すフローチャートである。この背面画像変更コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した背面画像変更コマンドに対応する処理を実行するものである。
背面画像変更コマンド処理では、まず、オン状態で背面画像変更コマンドを受信したことに伴う背面画像の変更を通常画像転送設定処理(S9503)に通知する背面画像変更フラグ233wをオンに設定する(S9001)。そして、背面画像種別(背面A,B)毎に設けられた背面画像判別フラグ233xの各ビットのうち、背面画像変更コマンドによって示された背面画像種別に対応するビットをオンに設定すると共に、その他の背面画像種別に対応するビットをオフに設定して(S9002)、この背面画像変更コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
通常画像転送設定処理では、S9001の処理により設定される背面画像変更フラグ233wがオンされていることを検出すると、S9002の処理によって設定される背面画像判別フラグ233xから、変更後の背面画像種別を特定する。
また、タスク処理では、表示データテーブルに規定された背面画像の背面種別によって、背面A,Bのいずれかを表示させることが規定されていた場合、S9002によって設定された背面画像判別フラグ233xから、その時点において表示すべき背面画像種別を特定し、更に、表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定して、その背面画像の範囲に対応する画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)と、そのRAMのアドレスを特定する。
なお、遊技者が枠ボタン22を20ミリ秒以下で連続して操作することはないので、20ミリ秒以内に2以上の背面画像変更コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の背面画像変更コマンドが格納されている場合はないはずであるが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って背面画像変更コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S9002の処理では、2以上の背面画像コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、先に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグ233xをオンしてもよいし、後に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグ233xをオンしてもよい。また、任意の1の背面画像変更コマンドを抽出し、そのコマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグ233xをオンしてもよい。この背面画像の変更は、パチンコ機10における遊技価値の直接影響を与えるものではないので、パチンコ機10の特性や操作性に応じて、適宜設定するのが好ましい。
ここで、図80の説明に戻る。S8418の処理において、背面画像変更コマンドがないと判別されると(S8418:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、エラーコマンドがあるか否かを判別し(S8420)、エラーコマンドがあれば(S8420:Yes)、エラーコマンド処理を実行して(S8421)、S8401の処理へ戻る。
ここで、図85(b)を参照して、エラーコマンド処理(S8421)の詳細について説明する。図85(b)は、エラーコマンド処理を示すフローチャートである。このエラーコマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信したエラーコマンドに対応する処理を実行するものである。
エラーコマンド処理では、まず、オン状態でエラーが発生していることを示すエラー発生フラグをオンに設定する(S9101)。そして、エラー種別毎に設けられたエラー判別フラグのうち、エラーコマンドによって示されるエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンすると共に、その他のエラー判別フラグをオフに設定して(S9102)、エラーコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
表示設定処理では、S9101の処理によって設定されたエラー発生フラグに基づいて、エラーの発生を検出すると、S9102の処理によって設定されたエラー判別フラグから発生したエラー種別を判断し、そのエラー種別に対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させるように処理を実行する。
なお、2以上のエラーコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、S9102に処理では、それぞれのエラーコマンドによって示される全てのエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンに設定する。これにより、全てのエラー種別に対応する警告画像が第3図柄表示装置81に表示されるので、遊技者やホール関係者が、エラーの発生状況を正しく把握することができる。
ここで、図80の説明に戻る。S8416の処理において、エラーコマンドがないと判別されると(S8420:No)、次いで、その他の未処理のコマンドに対応する処理を実行し(S8422)、S8401の処理へ戻る。なお、S8422の処理では、音声ランプ制御装置113から出力された各種表示用コマンドに対するコマンド処理が実行される。例えば、特定の演出が実行されるタイミングを可変させるための表示用コマンドを受信した場合は、計時データに基づいて、既に変動表示データテーブルに規定されている特定の演出の実行タイミングを可変させる処理が実行される。また、特図1変動に関する第3図柄の変動表示と、特図2変動に関する第3図柄の変動表示と、の何れを主変動表示とし、何れを従変動表示とするかを示すための表示用コマンドを受信した場合は、受信したコマンドを判別し、現在実行中の設定状況(対応付け)と異なるかを判別し、異なると判別した場合は、各特図変動の変動パターンコマンドに基づいて設定される表示データテーブルを主変動表示用と従変動表示用とで切り替える処理が実行される。
各コマンドの処理が実行された後に再び実行されるS8401の処理では、再度、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し、未処理の新規コマンドがあれば(S8401:Yes)、再びS8402〜S8422の処理を実行する。そして、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがなくなるまで、S8401〜S8422の処理が繰り返し実行され、S8401の処理で、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがないと判別されると、このコマンド判定処理を終了する。
なお、V割込処理(図79(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易コマンド判定処理(S8308)も、コマンド判定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易コマンド判定処理では、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドから、電源投入時画像を表示するのに必要なコマンド、即ち、表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドだけを抽出して、それぞれのコマンドに対応する処理である、変動パターンコマンド処理(図81(a)参照)および停止種別コマンド処理(図81(b)参照)を実行すると共に、その他のコマンドについては、そのコマンドに対応する処理を実行せずに破棄する処理を行う。
ここで、この場合に実行される、変動パターンコマンド処理(図81(a)参照)では、S8501の処理で、電源投入時変動画像の表示に対応した表示データテーブルバッファが表示データテーブルバッファ233dに設定され、また、その場合に必要となる電源投入時主画像および電源投入時変動画像の画像データは常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bに格納されているので、S8502の処理では、転送データテーブルバッファ233eにはNullデータを書き込み、その内容をクリアする処理が行われる。
次いで、図86〜図88を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の表示設定処理(S8303)の詳細について説明する。図85は、この表示設定処理を示すフローチャートである。
この表示設定処理では、図86に示すように、まず、新規コマンドフラグがオンであるか否かを判別し(S9201)、新規コマンドフラグがオンではない、即ち、オフであれば(S9201:No)、先に実行されるコマンド判定処理において新規コマンドが処理されていないと判断して、S9202〜S9204の処理をスキップし、S9205の処理へ移行する。一方、新規コマンドフラグがオンであれば(S9201:Yes)、先に実行されるコマンド判定処理において新規コマンドが処理されたと判断し、新規コマンドフラグをオフに設定した後(S9202)、S9203〜S9204の処理によって、新規コマンドに対応する処理を実行する。
S9203の処理では、エラー発生フラグがオンであるか否かを判別する(S9203)。そして、エラー発生フラグがオンであれば(S9203:Yes)、警告画像設定処理を実行する(S9204)。
ここで、図87を参照して、警告画像設定処理の詳細について説明する。図87は、警告画像設定処理を示すフローチャートである。この処理は、発生したエラーに対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる画像データを展開するための処理で、まず、エラー判別フラグを参照し、オンが設定された全てのエラー判別フラグに対応したエラーの警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる警告画像データを展開する(S9301)。
タスク処理(S8304)では、この展開された警告画像データを元に、その警告画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
そして、警告画像設定処理では、S9301の処理の後、エラー発生フラグをオフに設定して(S9302)、表示設定処理に戻る。
ここで、図86の説明に戻る。警告画像設定処理(S9204)の後、又は、S9203の処理において、エラー発生フラグがオンではない、即ち、オフであると判別されると(S9203:No)、次いで、S9205の処理へ移行する。
S9205では、ポインタ更新処理を実行する(S9205)。ここで、図88を参照して、ポインタ更新処理の詳細について説明する。図88は、ポインタ更新処理を示すフローチャートである。このポインタ更新処理は、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するポインタ233fの更新を行う処理である。
このポインタ更新処理では、まず、ポインタ233fに1を加算する(S9401)。即ち、ポインタ233fは、原則、V割込処理が実行される度に1だけ加算されるように更新処理が行われる。また、上述したように、各種データテーブルは、アドレス「0000H」には、Start情報が記載されており、それぞれのデータの実体はアドレス「0001H」以降に規定されているところ、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに格納されるのに合わせてポインタ233fの値が0に初期化された場合は、このポインタ更新処理によってその値が1に更新されるので、アドレス「0001H」から順に、それぞれのデータテーブルから実体的なデータを読み出すことができる。
S9401の処理によって、ポインタ233fの値を更新した後、次いで、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報であるか否かを判別する(S9402)。その結果、End情報であれば(S9402:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その実体データが記載されたアドレスを過ぎてポインタ233fが更新されたことを意味する。
そこで、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブルであるか否かを判別して(S9403)、デモ用表示データテーブルであれば(S9403:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されているデモ用表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S9404)、ポインタ233fを1に設定して初期化し(S9405)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、デモ用表示データテーブルの先頭から順に描画内容を展開することができるので、第3図柄表示装置81には、デモ演出を繰り返し表示させることができる。
一方、S9403の処理において、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブルでないと判別された場合は(S9403:No)、ポインタ233fの値を1だけ減算して(S9406)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、表示データテーブルバッファ233dにデモ用表示データテーブル以外の表示データテーブル、例えば、変動表示データテーブルが設定されている場合は、End情報が記載された1つ前のアドレスの描画内容が常に展開されるので、第3図柄表示装置81には、その表示データテーブルで規定される最後の画像を停止させた状態で表示させることができる。一方、S9402の処理において、更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報でなければ(S9402:No)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。
ここで、図86に戻り説明を続ける。ポインタ更新処理の後、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルから、ポインタ更新処理によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスの描画内容を取得する(S9206)。タスク処理(S8304)では、先に展開された警告画像などと共に、S9206の処理で展開された描画内容を元に、画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次いで、計時カウンタ233hの値を1だけ減算し(S9207)、減算後の計時カウンタ233hの値が0以下であるか否かを判別する(S9208)。そして、計時カウンタ233hの値が1以上である場合は(S9208:No)、そのまま表示設定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、計時カウンタ233hの値が0以下である場合は(S9208:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルに対応する演出の演出時間が経過したことを意味する。このとき、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合は、その変動表示を終了すると共に停止表示を行うタイミングであるので、確定表示フラグがオンであるか否かを確認する(S9209)。
その結果、確定表示フラグがオフであれば(S9209:No)、まだ確定表示の演出を行っておらず、確定表示の演出を行うタイミングなので、まず、確定表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定し(S9210)、次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S9211)。そして、確定表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S9212)、更に、ポインタ233fの値を0に初期化する(S9213)。そして、オン状態で確定表示演出中であることを示す確定表示フラグをオンに設定した後(S9214)、停止図柄判別フラグの内容をそのままワークRAM233に設けられた前回停止図柄判別フラグにコピーして(S9215)、V割込処理に戻る。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合などにおいて、その演出の終了に合わせて、変動演出における停止図柄の確定表示演出が第3図柄表示装置81に表示されるように、その描画内容を設定することができる。また、表示データテーブルバッファ233dに設定される表示データテーブルを確定表示データテーブルに変更するだけで、容易に、第3図柄表示装置81に表示させる演出を確定表示演出に変更することができる。そして、従来のように、別のプログラムを起動させることによって表示内容を変更する場合と比較して、プログラムが複雑かつ肥大化することなく、よって、MPU231に多大な負荷がかかることがないので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種多様な演出画像を第3図柄表示装置81に表示させることができる。
なお、S9215の処理によって設定された前回停止図柄判別フラグは、次に行われる変動演出において第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定するために用いられる。即ち、上述したように、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過するまでは、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からの図柄オフセット情報が記載されている。タスク処理(S8304)では、変動が開始されてから所定時間が経過するまで、S9215によって設定された前回停止図柄判別フラグから、1つ前に行われた変動演出の停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、S9209の処理において、確定表示フラグがオンであれば(S9209:Yes)、デモ表示フラグがオンであるか否かを判別する(S9216)。そして、デモ表示フラグがオフであれば(S9216:No)、確定表示演出の終了に伴って計時カウンタ233hの値が0以下になったことを意味するので、確定表示演出の終了から一定時間経過後に、第3図柄表示装置81にデモ演出を表示させるための処理を行う。
まず、デモ表示データテーブルを取得して表示データテーブルバッファ233dへ設定し(S9217)、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S9218)。そして、デモ表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定する(S9219)。そして、ポインタ233fを0に初期化し(S9220)、オン状態でデモ演出中であることを示すデモ表示フラグをオンに設定して(S9221)、本処理を終了し、V割込処理に戻る。
これにより、確定表示演出が終了した後に、次の変動演出開始を示す表示用変動パターンコマンドを受信しなかった場合には、自動的に、第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されるように、その描画内容を設定することができる。
S9216の処理において、デモ表示フラグがオンであれば(S9216:Yes)、確定表示演出が終了した後にデモ演出が行われ、そのデモ演出が終了したことを意味するので、そのまま表示設定処理を終了し、V割込処理に戻る。そして、この場合、次回のV割込処理の中で実行されるポインタ更新処理によって、上述したように、再びデモ演出が開始されるように、各種設定が行われるので、音声ランプ制御装置113より新たな表示用変動パターンコマンドを受信するまでは、デモ演出を繰り返し第3図柄表示装置81に表示させることができる。
なお、V割込処理(図79(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易表示設定処理(S8309)でも、表示設定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易表示設定処理では、電源投入時変動画像による変動演出の演出時間が終了した後、所定時間、表示用停止種別コマンドに基づいて設定された停止図柄に応じた電源投入時変動画像の一方の画像を停止表示させることを規定した表示データテーブルを、表示データテーブルバッファ233dに設定する処理が行われる。
次いで、図89及び図90を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の転送設定処理(S8305)の詳細について説明する。まず、図89(a)は、この転送設定処理を示すフローチャートである。
この転送設定処理では、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンか否かを判別する(S9501)。そして、簡易画像表示フラグ233cがオンであれば、(S9501:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されていないので、常駐画像転送設定処理を実行して(S9502)、転送設定処理を終了し、V割込処理へ戻る。これにより、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送させるための転送指示が設定される。なお、常駐画像転送設定処理の詳細については、図89(b)を参照して後述する。
一方、S9501の処理の結果、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば、(S9501:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている。この場合は、通常画像転送設定処理を実行し(S9503)、転送設定処理を終了して、V割込処理へ戻る。これにより、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常用ビデオRAM236に対して行われるように転送指示が設定される。なお、通常画像転送設定処理の詳細については、図90を参照して後述する。
次いで、図89(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S8305)の一処理である常駐画像転送設定処理(S9502)について説明する。図89(b)は、この常駐画像転送設定処理(S9502)を示すフローチャートである。
この常駐画像転送設定処理では、まず、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示をしているか否かを判別し(S9601)、転送指示を送信していれば(S9601:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送処理が終了したか否かを判別する(S9602)。このS9602の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を行った後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S9602の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S9602:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この常駐画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S9602:Yes)、S9603の処理へ移行する。また、S9601の処理の結果、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示を送信していない場合も(S9601:No)、S9603の処理へ移行する。
S9603の処理では、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データを転送したか否かを判別し(S9603)、未転送の常駐対象画像データがあれば(S9603:No)、その未転送の常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように、画像コントローラ237に対する転送指示を設定し(S9604)、本処理を終了する。
これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、未転送の常駐対象画像データに関する転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送することができる。なお、転送データ情報には、常駐対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、常駐用ビデオRAM235)、及び転送先(ここで転送される常駐対象画像データを格納すべき常駐用ビデオRAM235に設けられたエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して一旦バッファRAM237aに格納した後、常駐用ビデオRAM235の未使用期間中に、常駐用ビデオRAM235の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S9603の処理の結果、全ての常駐対象画像データが転送されていれば(S9603:Yes)、簡易画像表示フラグ233cをオフに設定して(S9605)、本処理を終了する。これにより、V割込処理(図79(b)参照)において、簡易コマンド判定処理(図79(b)のS8308参照)および簡易表示設定処理(図79(b)のS8309参照)ではなく、コマンド判定処理(図80〜図85参照)および表示設定処理(図86〜図88参照)が実行されるので、通常時の画像の描画が設定されることになり、第3図柄表示装置81には通常時の画像が表示される。また、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常画像転送設定処理(図90参照)により、通常用ビデオRAM236に対して行われる(図89(a)のS9501:No参照)。
MPU231は、この常駐画像転送設定処理を実行することにより、既にメイン処理の中で転送されている電源投入時主画像および電源投入時変動画像を除く、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送することができる。そして、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に転送された画像データを、電源投入中、上書きすることなく保持され続けるよう制御する。これにより、常駐画像転送設定処理によって常駐用ビデオRAM235に転送された画像データは、電源投入中、常駐用ビデオRAM235に常駐されることになる。
よって、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に転送された後、表示制御装置114は、この常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。これにより、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、背面画像や、第3図柄、キャラクタ図柄、エラーメッセージといった、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114などによって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、遊技者によって任意のタイミングで行われる種々の操作から、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
次いで、図90を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S8305)の一処理である通常画像転送設定処理(S9503)について説明する。図90は、この通常画像転送設定処理(S9503)を示すフローチャートである。
この通常画像転送設定処理では、まず、転送データテーブルバッファ233eに設定されている転送データテーブルから、先に実行された表示設定処理(S8303)のポインタ更新処理(S9205)によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスに記載された情報を取得する(S9701)。そして、取得した情報が転送データ情報であるか否かを判別し(S9702)、転送データ情報であれば(S9702:Yes)、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出して、ワークRAM233に設けられた転送データバッファに格納し(S9703)、更に、ワークRAM233に設けられ、オン状態で転送開始すべき画像データが存在することを示す転送開始フラグをオンに設定して(S9704)、S9705の処理へ移行する。
また、S9702の処理において、取得した情報が転送データ情報ではなく、Nullデータであれば(S9702:No)、S9703及びS9704の処理をスキップして、S9705の処理へ移行する。S9705の処理では、画像コントローラ237に対して、前回行われた画像データの転送が終了した後に、新たに画像データの転送指示を設定したか否かを判別し(S9705)、転送指示を設定していれば(S9705:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送が終了したか否かを判別する(S9706)。
このS9706の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定した後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S9706の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S9706:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この通常画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S9706:Yes)、S9707の処理へ移行する。また、S9705の処理の結果、前回の転送処理の終了後に、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定していない場合も(S9705:No)、S9707の処理へ移行する。
S9707の処理では、転送開始フラグがオンか否かを判別し(S9707)、転送開始フラグがオンであれば(S9707:Yes)、転送開始すべき画像データが存在しているので、転送開始フラグをオフにし(S9708)、S9703の処理によって転送データバッファに格納した各種情報によって示されるスプライトの画像データを転送対象画像データに設定した上で、S9713の処理へ移行する。一方、転送開始フラグがオンではなく、オフであれば(S9707:No)、次いで、背面画像変更フラグ233wはオンか否かを判別する(S9709)。そして、背面画像変更フラグ233wがオンではなく、オフであれば(S9709:No)、転送開始すべき画像データが存在していないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。
一方、背面画像変更フラグ233wがオンであれば(S9709:Yes)、背面画像の変更を意味するので、背面画像変更フラグ233wをオフに設定した後(S9710)、背面画像種別毎に設けられた背面画像判別フラグ233xのうち、オン状態にある背面画像判別フラグ233xに対応する背面画像の画像データを特定し、その画像データを転送対象画像データに設定する(S9711)。更に、オン状態にある背面画像判別フラグ233xに対応する背面画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを取得し(S9712)、S9713の処理へ移行する。
S9713の処理では、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に既に格納されているか否かを判別する(S9713)。このS9713の処理における判別では、格納画像データ判別フラグ233iを参照することによって行われる。即ち、転送対象画像データとされたスプライトに対応する格納状態を格納画像データ判別フラグ233iより読み出して、その格納状態が「オン」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていると判断し、格納状態が「オフ」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていないと判断する。
そして、S9713の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていれば(S9713:Yes)、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して、その画像データを転送する必要がないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。これにより、無駄に画像データがキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
一方、S9713の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていなければ(S9713:No)、その転送対象画像データの転送指示を設定する(S9714)。これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、転送対象画像データの転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、転送対象画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。なお、転送データ情報には、転送対象画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、通常用ビデオRAM236)、及び転送先(ここで転送される転送対象画像の画像データを格納すべき通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して、指定されたビデオRAM(ここでは、通常用ビデオRAM236)の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S9714の処理の後、格納画像データ判別フラグ233iを更新し(S9715)、この通常用転送設定処理を終了する。格納画像データ判別フラグ233iの更新は、上述したように、転送対象画像データとなったスプライトに対応する格納状態を「オン」に設定し、また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定することによって行われる。
このように、この通常用画像転送処理を実行することによって、先に実行されたコマンド判定処理の中で、表示用停止種別コマンドに対応する処理が実行され、その結果、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報が大当たりの停止種別であると判別された場合は、ファンファーレ演出において使用する画像データを遅滞なくキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送させることができる。また、先に実行されたコマンド判定処理の中で背面画像変更コマンドの受信に基づいて背面画像の変更が行われた場合は、その背面画像で用いられる画像データのうち、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納されていない画像データを、遅滞なく、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送させることができる。
また、本実施形態では、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに設定されるのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定される。そして、MPU231は、通常画像転送設定処理を実行することにより、転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルのポインタ233fで示されるエリアに記載されている転送データ情報に従って、画像コントローラ237に対し転送対象画像データの転送指示を設定するので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
次いで、図91を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の描画処理(S8306)の詳細について説明する。図91は、この描画処理を示すフローチャートである。
描画処理では、タスク処理(S8304)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別ならびにそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータ(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報)、及び、転送設定処理(S8305)により設定された転送指示から、描画リスト(図32)を生成する(S9801)。即ち、S9801の処理では、タスク処理(S8304)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別から、各スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを特定し、その特定された格納RAM種別とアドレスとに対して、タスク処理で決定されたそのスプライトに必要なパラメータを対応付ける。そして、各スプライトを、1フレーム分の画像の中で最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えた上で、その並び替え後のスプライト順に、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)として、スプライトの画像データが格納されている格納RAM種別ならびにアドレスおよびそのスプライトの描画に必要なパラメータを記述することで、描画リストを生成する。また、転送設定処理(S8305)により転送指示が設定された場合は、その描画リストの末尾に、転送データ情報として、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを追記する。
なお、上述したように、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
描画リストを生成すると、その生成した描画リストと、描画対象バッファフラグ233jによって特定される描画対象バッファ情報とを画像コントローラへ送信する(S9802)。ここでは、描画対象バッファフラグ233jが0である場合は、描画対象バッファ情報として第1フレームバッファ236bに描画された画像を展開するよう指示する情報を含め、描画対象バッファフラグ233jが1である場合は、描画対象バッファ情報として第2フレームバッファ236cに描画された画像を展開するよう指示する情報を含める。
画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに基づいて、その描画リストの先頭に記述されたスプライトから順に画像を描画し、それを描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファに上書きによって展開する。これにより、描画リストによって生成された1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができる。
また、描画リストに転送データ情報が含まれている場合は、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出し、その格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスまでに格納された画像データを順にキャラクタROM234から読み出してバッファRAM237aに一時的に格納した後、通常用ビデオRAM236が未使用状態にあるときを見計らって、バッファRAM237aに格納した画像データを通常用ビデオRAM236の転送先先頭アドレスによって示されるエリアに順次転送する。そして、この通常用ビデオRAM236に格納された画像データは、その後にMPU231より送信される描画リストに基づいて使用され、描画リストに従った画像の描画が行われる。
なお、画像コントローラ237は、描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファとは異なるフレームバッファから、先に展開された画像の画像情報を読み出して、駆動信号と共にその画像情報を第3図柄表示装置81に送信する。これにより、第3図柄表示装置81に対して、フレームバッファに展開した画像を表示させることができる。また、一方のフレームバッファに描画した画像を展開しながら、一方のフレームバッファから展開した画像を第3図柄表示装置81に表示させることができ、描画処理と表示処理とを同時並列的に処理することができる。
描画処理は、S9802の処理の後、描画対象バッファフラグ233jを更新する(S9803)。そして、描画処理を終了して、V割込処理に戻る。描画対象バッファフラグ233jの更新は、その値を反転させることにより、即ち、値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。
ここで、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図79(b)参照)の描画処理が実行される度に、行われることになる。これにより、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。よって、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。よって、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。なお、本第1実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示を同時並行して実行可能に構成していたが、これに限られるものではない。例えば、第1特別図柄であるか、第2特別図柄であるかに関係なく、1の変動表示が実行されている状態では、他の変動表示を実行不可能に構成してもよい。そして、保留球が存在する場合には、始動入賞が時間的に古い保留球から順番に変動表示を実行する構成としてもよい。このように構成することで、制御を単純にすることができるので、処理負荷を軽減することができる。
<第2実施形態>
次に、図92〜図109を参照して本パチンコ機10の第2実施形態について説明する。本第2実施形態では、第1実施形態に対して、実行される演出の優先後を記憶する記憶エリアの構成を変更した点と、ボタン演出以外の演出(例えば、表示演出)についても優先度を付与するように構成した点と、新たな保留図柄を獲得した場合に実行される保留演出を追加した点と、実行される演出に対する制限を遊技者が選択可能する機能を追加した点と、で相違しており、上述した相違点に対応するために、音声ランプ制御装置113の電気的構成、及び、処理内容が相違している。
上述した第1実施形態では、第1特別図柄(特図1)の抽選と、第2特別図柄(特図2)の抽選と、を同時に(並行して)実行可能とし、各特別図柄の変動演出としてボタン演出を設定可能に構成していた。そして、別の契機(特図1の変動演出を設定する契機と、特図2の変動演出を設定する契機)で設定されたボタン演出が重複して実行されてしまうことを抑制するために、ボタン演出に対して演出が実行される優先度を付与し、その付与された優先度に基づいてボタン演出を実行するように構成していた。これにより、重複したタイミングでボタン演出が設定されたとしても、優先度の高いボタン演出を優先して実行することができるため、遊技者に分かり易い演出を提供することができるものであった。
これに加え、本第2実施形態では、保留球を獲得したことを契機にボタン演出を設定可能に構成している。これにより、ボタン演出を設定し得る契機が増加するため、より多くのボタン演出を遊技者に提供することができる。
また、上述した第1実施形態では、特図1の変動演出として設定されたボタン演出(第1ボタン演出)の実行中に、特図2の変動演出として特定のボタン演出(第2ボタン演出)が実行される場合に、第1ボタン演出と第2ボタン演出とを融合した重複ボタン演出(特殊ボタン演出)を実行するように構成していた。
これに対して、本第2実施形態では、特図の変動演出として設定されるボタン演出の実行タイミングと、保留球を獲得したことに基づいて設定されるボタン演出の実行タイミングと、が重複した場合にも、重複ボタン演出(特殊ボタン演出)を実行するように構成している。これにより、特図の抽選結果を示すための変動演出が実行されている最中であっても、遊技者に対して新たな保留球を獲得しようと意欲的に遊技を行わせることができる。
さらに、本第2実施形態では、ボタン演出以外の演出(例えば、特図の変動演出中に実行される予告演出)に対しても優先度を付与するように構成している。これにより、実行タイミングが同一に設定されたボタン演出と予告演出との実行の有無を管理することができるため、遊技者に対してより分かり易い演出を提供することができる。
また、本第2実施形態では、優先度が付与された各演出に関する情報を記憶するための記憶エリアの数を増やし、且つ、遊技者が、演出の実行に用いる記憶エリアの範囲を選択できるように構成している。このように構成することで、実行される演出の質(優先度)や量を調整することができるため、個々の遊技者が所望する態様の演出を提供することができる。
<第2実施形態における演出の流れについて>
ここで、図92〜図95を参照して、本第2実施形態において実行される特徴的な演出の内容について説明をする。図92は、特別図柄の保留球数が上限数(8個)に到達した場合にボタン演出(8個保留演出)が実行される流れを示したタイミングチャートであり、図93は、特図1の変動演出としてボタン演出(ボタン演出A)の実行中に、特別図柄の保留球数が所定数に到達したことに基づいて重複ボタン演出(スーパー8個保留演出)が実行される流れを示したタイミングチャートである。そして、図94、及び図95は、特別図柄の保留球を獲得したことに基づいて実行されるボタン演出(保留演出)の演出内容を示した模式図である。
本実施形態では、第1特別図柄(特図1)の入賞情報を最大で4個保留記憶可能に構成し、第2特別図柄(特図2)の入賞情報を最大で4個保留記憶可能に構成している。そして、図2で示した通り、遊技領域の下方位置に入球ユニット64を配設し、その入球ユニット64に流入した球が、特図1の入賞情報を獲得可能な第1入球口64b1と、特図2の入賞情報を獲得可能な左第2入球口64b2とに交互に振り分けられるように構成している。
よって、入球ユニット64を狙う遊技(左打ち遊技)が行われる通常状態では、特別図柄の保留球(特図1の保留球と特図2の保留球とを合算した保留球)を最大で8個獲得し得る遊技が行われる。そして、特別図柄の保留球が8個に到達した場合に、その8個の保留球に対応して第3図柄表示装置81の副表示領域Dsに表示される保留図柄(図94(a)参照)を用いたボタン演出が実行されるように構成している。これにより、遊技者に対して特別図柄の保留記憶を8個獲得しようと意欲的に遊技を行わせることができる。
図92に示した通り、特図特図1変動と、特図2変動とが実行されており、特図保留球数(特図1保留球数と特図2保留球数とを合算した値)が「6」(特図1保留球数が「3」で、特図2保留球数が「3」)の状態で、入球ユニット64に球が流入し、第1入球口64b1に球が入球すると、特図保留球数が「7」(特図1保留球数が「4」で、特図2保留球数が「3」)となる。その後、新たな特図変動(抽選)が実行されるまでに、入球ユニット64に流入した球が左第2入球口64b2に入球すると、特図保留球数が「8」(特図1保留球数が「4」で、特図2保留球数が「4」)になる。
本実施形態では、特図保留球数が上限値(8)に到達すると、保留記憶している各入賞情報の先読み結果(獲得した入賞情報に対して、その入賞情報を用いた特図抽選が実行されるまでに行われる事前判定の結果)を遊技者に示唆するための保留演出(図94参照)が実行されるように構成されており、その保留演出において遊技者に第1枠ボタン22aを操作させるボタン演出(通常8個保留演出)が実行される。
ここで、図94を参照して、本実施形態にて実行される通常8個保留演出の演出内容について説明をする。図94(a)は、通常8個保留演出が実行された場合に表示される表示内容の一例を示した模式図で有り、図94(b)は、通常8個保留演出にて遊技者が第1枠ボタン22aを操作した後に表示される表示内容の一例を示した模式図である。
図94(a)に示した通り、通常8個保留演出が実行されると、第3図柄表示装置81の副表示領域Dsに特別図柄の保留球数を示す保留図柄h1〜h8が表示される。ここで、第3図柄表示装置81の表示画面に表示される保留図柄について説明をする。上述した第1実施形態と同様に、特図保留球数(特図1保留球数と特図2保留球数とを合算した値)は、所定数(本実施形態では上限数である「8」)に到達するまでは、主表示領域Dmの小表示領域Dm1a,Dm2aに表示される。そして、特図保留数が所定数に到達すると、図94(a)に示した通り、副表示領域Dsの小表示領域Ds1bに表示される。保留図柄h1〜h8は、保留記憶の古い順に表示されており、図示は省略するが、表示される保留図柄が特図1保留に対応する保留図柄であるか、特図2保留に対応する保留図柄であるかを遊技者が識別可能な表示態様で表示される。
本実施形態では、図2を用いて上述した通り、入球ユニット64に流入した球が特図1の入賞情報を取得可能な第1入球口64b1と、特図2の入賞情報を取得可能な左第2入球口64b2と、に交互に振り分けられるように構成されているため、遊技状態が通常状態である場合は、基本的には、特図1保留に対応する保留図柄と、特図2保留に対応する保留図柄とが交互に表示されることになる。しかしながら、特図1保留の保留球数と特図2保留球数は共に、保留記憶される上限数が設定されており、且つ、特図1変動と、特図2変動とが異なる変動時間で実行され得るように構成されている。
よって、例えば、特図1保留が3個、特図2保留が3個の状態で、特図1変動として長時間(例えば、90秒)の変動時間が設定された場合に、その長時間変動が終了するまでに、特図2変動が複数回(例えば、3回)実行される場合が発生する。このような状況になると、保留記憶されている特図保留の数が特図1と特図2とで大きく異なることになり、上述した例によれば、特図1保留「2」個、特図2保留「0」個の状況が発生する。そして、この状況で入球ユニット64に球を流入させ続け、特図保留球数を増加させると、特図1保留が上限数(4)に到達した時点で、特図2保留の値が「2」となる状況が発生する。この場合、さらに継続して入球ユニット64に球を入球させると、第1入球口64b1に球が入球しても、特図1保留球数が上限に到達していることから、新たな特図1保留球を獲得できず、連続して特図2保留球を獲得することになる。これにより、第3図柄表示装置81の表示画面の副表示領域Dsに、連続して特図2保留を示す保留図柄が表示される。
このように、特図1保留(特図1に対応する入賞情報)と特図2保留(特図2に対応する入賞情報)とを交互に獲得可能(保留記憶可能)な構成を有するパチンコ機10において、獲得している保留球数や、実行される特図変動の変動時間に応じて、保留記憶された順に表示される保留図柄が、特図1保留と特図2保留を交互に表示しない状態となったとしても、確保留図柄の表示態様を見ることにより、遊技者に対して保留図柄に対応する特別図柄の種別を容易に把握させることができ、分かり易い遊技を提供することができる。
なお、本実施形態では特図保留球数が所定数に到達した場合に、特図保留球数を示す保留図柄を用いた演出(保留演出)を実行するように構成しているが、保留演出の実行条件として別の条件を設けても良く、例えば、同一種別の特図保留を示す保留図柄が所定数(例えば2個)並んで表示された場合に保留演出を実行するように構成しても良いし、各保留図柄が示す特図種別の並び順と、保留図柄の表示数(特図保留記憶数)と、の組合せに基づいて保留演出を実行するように構成しても良い。
このように構成することで、特図1保留球数と特図2保留球数との何れかが上限数に到達した場合に、球の発射を止めてしまい、遊技の稼働が低下してしまうことを抑制することができる。
図94(a)に戻り説明を続ける。副表示領域Dsの小表示領域Ds1bに表示された保留図柄h1〜h8は、特図変動が開始される毎に、副表示領域Dsの小表示領域Ds1に形成される実行中表示領域Ds1aへとシフトし、現在実行中の特図変動に対応する保留図柄の表示態様(特図変動が実行されるまでに保留演出によって可変された表示態様)を遊技者に把握可能に表示されたまま特図変動が実行される。このように構成することにより、保留演出の演出結果と、特図変動に対応して実行される変動演出の演出結果と、を複合的に分析し、特図抽選の抽選結果を遊技者に予測させ易くすることができる。
通常8個保留演出が実行されると、副表示領域Dsの小表示領域Ds1bに表示される保留図柄h1〜h8の表示態様が、遊技者に第1枠ボタン22aを操作させることを促す準備表示態様(第1枠ボタン22aを模した表示態様)へと可変して表示される。そして、主表示領域Dmには、遊技者に対して、第1枠ボタン22aを8回操作させることを促すコメントを表示させると共に、通常8個保留演出における操作対象である第1枠ボタン22aを模したボタン812が表示される。このように表示することにより、遊技者に対して通常8個保留演出中に実行すべき遊技内容を分かり易く報知することができる。
そして、この通常8個保留演出中に遊技者が第1枠ボタン22aを押下すると、初めに保留図柄h1の表示態様が準備表示態様から示唆表示態様(図94(b)参照)へと可変表示され、次いで、保留図柄h2〜h8の順に表示態様が可変表示される。次に、図94(b)を参照して、通常8個保留演出の演出結果内容について説明をする。
通常8個保留演出では、遊技者が第1枠ボタン22aを操作した場合に、各保留図柄h1〜h8に対応する各入賞情報の先読み結果を遊技者に示唆可能な示唆表示態様が表示される。この示唆表示態様は、対象となる入賞情報に大当たりを示す情報が含まれていることを示唆するものであり、大当たりを示す情報が含まれている場合における選択のし易さが異なる複数の表示態様(色)が表示可能に構成している。
具体的には、大当たりを示す情報が含まれている場合に選択され難い(大当たり期待度が低い)順に「白→青→緑→赤」の表示態様が規定されている。つまり、通常8個保留演出の演出結果として「白」の表示態様で表示された保留図柄は、その保留図柄に対応する特図抽選にて大当たりに当選し難く、「赤」の表示態様で表示された保留図柄は、その保留図柄に対応する特図抽選にて大当たりに当選し易いように構成している。
これにより、通常8個保留演出の演出結果を、実際に特図変動が実行するまでに把握することにより、特図抽選が実行される前から特定の保留図柄(例えば、「赤」の表示態様で表示された保留図柄)に対して大当たりへの期待感を持たせて遊技を行わせることができる。よって、遊技者に対してより長い時間、大当たりへの期待感を持たせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、本実施形態の通常8個保留演出では、上述した通り、保留図柄h1〜h8の数に対応した回数分、操作手段(第1枠ボタン22a)を操作させる演出を実行するように構成しているが、第1枠ボタン22aを操作させる回数はこれに限ること無く、保留図柄の数よりも少ない回数を設定しても良いし、多い回数を設定しても良い。ここで、表示されている保留図柄の数よりも少ない回数の操作回数が設定された場合は、保留記憶されている入賞情報の先読み結果を示唆する示唆表示態様として、大当たり期待度が高い示唆表示態様が設定された順に、保留図柄h1〜h8を操作回数に対応した個数分だけ可変表示させても良いし、大当たり期待度が低い示唆表示態様が設定された順に、保留図柄h1〜h8を操作回数に対応した個数分だけ可変表示させても良い。
また、表示されている保留図柄の数よりも多い回数の操作回数が設定された場合は、1つの保留図柄の示唆表示態様を複数回可変表示させるように構成すれば良い。さらに、本実施形態では、図94(a)に示した通り、通常8個保留演出の準備表示態様として全ての保留図柄h1〜h8が同一の表示態様で表示されるように構成し、遊技者が第1枠ボタン22aを押下するまで示唆表示態様の内容を予測し難くなるように構成することで、遊技者に対して積極的に第1枠ボタン22aを押下させる演出を実行するように構成しているが、これに限ること無く、準備表示態様の表示態様によって、示唆表示態様の表示態様を遊技者に予測させることが可能な構成を用いても良く、準備表示態様の表示色を複数設定可能に構成し、表示されている準備表示態様の表示色が示唆表示態様の表示態様を示唆するように構成しても良い。例えば、準備表示態様の表示色が「緑色」である場合は、第1枠ボタン22aを押下した場合に、「緑色」または「赤色」の示唆表示態様が表示されるように構成すると良い。このように構成することで、遊技者に対して大当たりへの期待感を持たせた状態で第1枠ボタン22aを押下させることができるため、演出効果を高めることができる。
さらに、本実施形態では、各保留図柄h1〜h8の表示態様を、対応する入賞情報の先読み結果に基づいて可変表示させるように構成しているが、これに限ること無く、保留記憶されている全ての入賞情報の先読み結果に基づいて、保留図柄h1〜h8全体の表示態様を可変表示させるように構成しても良い。この場合、例えば、保留図柄h1〜h8のうち、保留図柄h1〜h4の表示態様を用いて、大当たりに当選した場合における大当たり種別(大当たり遊技終了後に設定される遊技状態や大当たり遊技のラウンド数)を示唆し、残りの保留図柄h5〜h8の表示態様を用いて、大当たり当選の期待度を示唆するように各保留図柄h1〜h8の表示態様を設定するように構成すると良い。
このように構成することで、複数個の保留図柄の表示態様を組み合わせて一つの示唆対象内容を表示することができるため、より詳細な示唆情報を遊技者に提供することができる。また、全ての保留図柄の表示態様を可変表示させることで保留演出の演出結果が遊技者に報知されることになるため、最後まで意欲的に第1枠ボタン22aを操作させることができる。
加えて、本実施形態では、通常8個保留演出において遊技者に操作させる操作手段として一つの操作手段(第1枠ボタン22a)のみを用いた例を示したが、これに限ること無く、例えば、大当たり期待度が高い示唆表示態様(赤色)が表示される保留図柄に対応する準備表示態様として、通常とは異なる操作手段(第2枠ボタン22b)を操作させることを示す準備表示態様を表示し、当該保留図柄の表示態様を可変表示させる際に、第2枠ボタン22bを操作させるように構成しても良い。これにより、一つの演出(通常8個保留演出)において、複数種類の操作手段を操作させることができるため、演出効果を高めることができる。また、操作手段の種別に応じて大当たり期待度を異ならせることができるため、遊技者に対して、どの操作手段を操作する演出が実行されるのかに興味を持たせることができる。
また、複数種類の操作手段を有するパチンコ機10において、保留図柄h1〜h8の表示態様を可変表示させる操作を受け付け可能な操作手段を遊技者が識別し難い(識別出来ない)ように設定しておき、遊技者が操作を行った操作手段に応じて、保留図柄h1〜h8の表示態様を可変表示させるか否かを決定するように構成しても良い。これにより、遊技者に対して操作を行う操作手段を選択させる楽しみを提供することができる。
次に、図93を参照して、特図変動に基づいて実行されるボタン演出と、特図保留球数に基づいて実行されるボタン演出(8個保留演出)とが重複して実行される場合における遊技内容の流れについて説明をする。図93は、特図変動に基づいて実行されるボタン演出と、特図保留球数に基づいて実行されるボタン演出(8個保留演出)とが重複して実行される場合の演出の流れを示したタイミングチャートである。なお、特図変動に基づいて実行されるボタン演出の内容については、上述した第1制御例と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
本実施形態では、図92を参照して上述した通り、特図保留球数が8個に到達した場合に、保留図柄h1〜h8を用いたボタン演出(通常8個保留演出)を実行するように構成している。これに加え、特図変動に基づいてボタン演出が実行されている間は、通常8個保留演出よりも、緩い条件(特図保留球数が7個に到達)で保留図柄h1〜h8を用いたボタン演出が実行されるように構成している。このように構成することで、特図変動に基づいてボタン演出が実行されている最中であっても、遊技者に対して継続して遊技を行わせることができる。
図93に示した通り、特図1変動に基づいてボタン演出(ボタン演出A(操作対象が第1枠ボタン22a))が実行されている最中に、特図保留球数(特図1保留の保留記憶数と特図2保留の保留記憶数とを合算した値)が7個に到達すると(図93(a)参照)、ボタン演出Aに替えて、スーパー保留演出が実行される(図95(a)参照)。ここで、図95を参照して、スーパー保留演出の演出内容について説明をする、図95(a)は、スーパー保留演出が実行された場合に表示される表示内容の一例を示した模式図であり、図95(b)は、スーパー保留演出の演出結果の一例を示した模式図である。
このスーパー保留演出は、実行中のボタン演出A(図9(a)参照)の演出態様を引き継いで実行される保留演出であって、図95(a)に示した通り、主表示領域dmにボタン演出Aと同様に寝ているキャラクタ811が表示され、そのキャラクタ811を起こすために操作手段(第2枠ボタン22b)を連打させる演出を実行する。そして、第2枠ボタン22bを押下する毎に、キャラクタ811から示唆態様811a〜811dが現れる。この示唆態様811a〜811dは、上述した通常8個保留演出と同様に、副表示領域Dsの小表示領域Ds1bに表示されている保留図柄h1〜h7に対応する入賞情報の先読み結果に基づいて設定されるものであり、各保留図柄h1〜h7の示唆表示態様を示唆する示唆態様である。
そして、第2枠ボタン22bを連打し、キャラクタ811が起き上がると、図95(b)に示した通り、示唆態様811a〜811dにて示した各種態様が保留図柄h1〜h7へと移行し、各保留図柄h1〜h7の大当たり期待度を示す示唆表示態様として表示される。このようにスーパー保留演出では、上述した通常8個保留演出に対して、示唆態様811a〜811dを表示するように構成しているため、どの保留図柄がどの示唆態様に対応するのかが分からない状態で、保留図柄h1〜h7の示唆表示態様として表示され得る表示態様(色)を事前に遊技者に報知することができる。
よって、示唆態様として大当たり期待度が高いことを示す情報(例えば、赤色)が表示された場合に、保留図柄h1〜h7の示唆表示態様が赤色で表示されることを期待しながら意欲的に第2枠ボタン22bを操作させることができる。なお、本実施形態では、示唆態様811a〜811dとして表示された全ての態様が、保留図柄h1〜h7の示唆表示態様へと移行しないように構成している。これにより、例えば、保留図柄h1〜h7に対応する入賞情報の先読み結果に基づいて設定される保留図柄の示唆表示態様として、大当たり期待度の高い表示態様が選択されなかった場合であっても、擬似的に大当たり期待度の高い表示態様(赤色)を示唆態様811として表示することができるため、演出効果を高めることができる。
また、本実施形態では、ボタン演出Aに切り替えてスーパー保留演出が実行されたことを遊技者に把握させるために、ボタン演出Aの操作対象となる操作手段(第1枠ボタン22a)と、スーパー保留演出の操作対象となる操作手段(第2枠ボタン22b)と、を異ならせるように構成しているが、これに限ること無く、何れのボタン演出も同一の操作手段が操作対象となるように構成しても良い。
このように、1のボタン演出が実行されている状態で、他のボタン演出(実行中のボタン演出よりも優先的に実行される(優先度の高い)ボタン演出)が実行される場合において、実行中のボタン演出の演出内容を引き継いだ重複(融合)演出(スーパー保留演出)を実行するように構成することにより、ボタン演出の演出内容が急に切り替わってしまい遊技者に分かり難い演出となってしまうことを抑制することができる。
また、実行中のボタン演出よりも優先度の高いボタン演出が異なる契機(実行中のボタン演出の開始タイミングにて成立してない契機)で成立した場合であっても、その優先度の高いボタン演出を確実に実行することができるため演出効果を高めることができる。
<第2実施形態における電気的構成について>
次に、図96〜図99を参照して、第2実施形態における電気的構成について説明をする。本第2実施形態では、上述した第1実施形態に対して、音声ランプ制御装置113のMPU221のROM222及びRAM223の内容を変更している点で相違する。その他の点については、第1実施形態と同一であり、同一の要素については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図96(a)は、本第2実施形態におけるROM222の内容を模式的に示した模式図である。図96(a)に示した通り、本第2実施形態では、上述した第1実施形態に対して、保留図柄を用いた保留演出の実行の有無、及び保留演出の演出態様を設定する際に参照される保留演出選択テーブル223aaと、同一の優先度が付与された各演出を同時に実行させるか否かを判別する際に参照される同時演出可否設定領域223abと、を追加した点で相違している。それ以外の要素については同一であり、同一の要素についてはその詳細な説明を省略する。
なお、詳細な説明は省略するが、本第2実施形態では、変動パターン選択テーブル223aに規定されている各種予告演出内容にも、優先度が付与されるように構成している。これにより、上述した第1実施形態では、複数のボタン演出が重複して設定された場合に、各ボタン演出に付与されている優先度に基づいて実行するボタン演出を決定していたが、本第2実施形態では、ボタン演出に加え、特図変動に基づいて設定される各種予告演出(例えば、コメント演出、ミニキャラ演出といった、実行中の特図変動の大当たり期待度を、特図変動期間における特定期間(例えば、2〜5秒)で完結するように実行される演出)に対しても優先度が付されるように構成している。
このように構成することにより、ボタン演出と予告演出とが重複して実行されてしまい、遊技者に分かり難い演出(例えば、ボタン演出の演出結果として大当たり期待度の低い演出が表示される時点と略同タイミングで予告演出の演出結果として大当たり期待度の高い演出が表示されてしまう演出や、ボタン演出にて出現するキャラクタと同一のキャラクタが予告演出にも出現してしまい、出現したキャラクタがどの演出に対するものであるのかが分かり難くなる演出等)が実行されてしまうことをより抑制することができる。
保留演出選択テーブル223aaは、保留図柄を用いた保留演出の実行の有無、及び保留演出の演出態様を設定する際に参照されるデータテーブルであって、主制御装置110から出力される保留球数コマンドを受信した場合に実行される保留球数処理(図103のS4208)の特殊保留演出処理(図104のS4523参照)において参照される(図104のS6309)。ここで、図97を参照して、保留演出選択テーブル223aaの内容について説明をする。
図97は、本第2実施形態における保留演出選択テーブル223aaの内容を模式的に示した模式図である。図97に示した通り、保留演出選択テーブル223aaは、現在の保留球数(特図1保留球数と特図2保留球数とを合算した値)と、演出対象となる入賞情報に含まれる当否判定情報と、取得した第2演出カウンタ223vの値と、に基づいて、実行される演出パターン(保留演出の演出態様)と、優先度が規定されている。
具体的には、保留球数(特図1保留球数と特図2保留球数とを合算した値)が「1〜3」で、当否判定情報が「当たり」を示す場合であって、取得した第2演出カウンタ223vの値が「0〜39」の範囲には、「保留演出を実行しない(図97では「−」で表示)」が規定され、「40〜99」の範囲には、演出パターン「保留A」、優先度「2」が規定される。一方、当否判定情報が「外れ」を示す場合であって、取得した第2演出カウンタ223vの値が「0〜94」の範囲には、「保留演出を実行しない(図97では「−」で表示)」が規定され、「94〜99」の範囲には、演出パターン「保留A」、優先度「3」が規定される。
次に、保留球数(特図1保留球数と特図2保留球数とを合算した値)が「4〜5」で、当否判定情報が「当たり」を示す場合であって、取得した第2演出カウンタ223vの値が「0〜59」の範囲には、「保留演出を実行しない(図97では「−」で表示)」が規定され、「60〜84」の範囲には、演出パターン「保留B」、優先度「2」が規定され、「85〜99」の範囲には、演出パターン「ボタン保留A」、優先度「1」が規定されている。一方、当否判定情報が「外れ」を示す場合であって、取得した第2演出カウンタ223vの値が「0〜89」の範囲には、「保留演出を実行しない(図97では「−」で表示)」が規定され、「90〜94」の範囲には、演出パターン「保留B」、優先度「2」が規定され、「95〜99」の範囲には、演出パターン「ボタン保留A」、優先度「3」が規定されている。
最後に、保留球数(特図1保留球数と特図2保留球数とを合算した値)が「6,7」で、当否判定情報が「当たり」を示す場合であって、取得した第2演出カウンタ223vの値が「0〜29」の範囲には、「保留演出を実行しない(図97では「−」で表示)」が規定され、「30〜69」の範囲には、演出パターン「保留C」、優先度「1」が規定され、「70〜99」の範囲には、演出パターン「ボタン保留A」、優先度「3」が規定されている。一方、当否判定情報が「外れ」を示す場合であって、取得した第2演出カウンタ223vの値が「0〜79」の範囲には、「保留演出を実行しない(図97では「−」で表示)」が規定され、「80〜97」の範囲には、演出パターン「保留C」、優先度「2」が規定され、「98〜99」の範囲には、演出パターン「ボタン保留A」、優先度「1」が規定されている。
同時演出可否設定領域223abは、同一の優先度が付与された各演出を同時に実行させるか否かを判別する際に参照される記憶領域であって、パチンコ機10の電源投入時において特殊操作(演出切替操作)を行った場合に、同時演出実行の可否を示す情報が記憶される。ここで、同時演出を実行しないことを示す情報が記憶されている場合は、後述する演出階層記憶エリア群223aaのうち、第1演出階層記憶エリア223ab1(図99(a)参照)に記憶されている演出情報のみを参照した演出が実行されるよう制御される。
次に、図96(b)を参照して、本第2実施形態における音声ランプ制御装置113のRAM223の構成について説明をする。図96(b)は、第2実施形態における音声ランプ制御装置113のRAMの内容を模式的に示した模式図である。図96(b)に示した通り、本第2実施形態では、上述した第1実施形態における音声ランプ制御装置113のRAM223に対して、ボタン演出階層記憶エリア223mに替えて演出階層記憶エリア群223aaを設けた点、演出レベル記憶エリア223aeを設けた点、同時演出禁止フラグ223fを設けた点で相違している。それ以外の要素については同一であり、同一の要素については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
演出階層記憶エリア群223aaは、音声ランプ制御装置113の各種処理において設定された演出情報を、付与された優先度に応じて一時的に記憶するための記憶領域である。ここで、図98及び図99を参照して、演出階層記憶エリア群223aaの内容について説明をする。図98(a)は、演出階層記憶エリア群223aaに規定されている内容を模式的に示した模式図であり、図98(b)は、演出階層記憶エリア群223aaに規定されている各記憶エリアを模式的に示した模式図である。また、図99(a)〜(d)は、設定された演出情報を記憶する流れを説明するための模式図である。
図98(a)に示した通り、演出階層記憶エリア群223aaは、第1演出階層記憶エリア223abと、第2演出階層記憶エリア223acと、第2演出階層記憶エリア223adと、から構成されている。この各記憶エリア(223ab〜223ad)は、それぞれが異なる優先度(優先度1〜優先度4)の演出情報を記憶可能な記憶領域(エリア)を有している(図98(b)参照)。
つまり、上述した第1実施形態では、音声ランプ制御装置113の各処理にて設定された演出を示すための演出情報を記憶するための記憶領域として、ボタン演出階層記憶エリア223mを設け、優先度が「1」の演出情報を1つ、優先度が「2」の演出情報を2つ、優先度が「3」の演出情報を1つ記憶可能に構成していたのに対し、本第2実施形態では、優先度が「1」〜「4」の演出情報をそれぞれ最大で3つ記憶可能に構成している点で相違している。
次に、図99を参照して、本第2実施形態における演出情報の記憶処理の流れについて説明をする。図99(a)は、演出階層記憶エリア群223aaの第1演出階層記憶エリア223abを示し、図99(b)は演出階層記憶エリア群223aaの第2演出階層記憶エリア223acを示し、図99(c)は、演出階層記憶エリア群223aaの第1演出階層記憶エリア223adを示し、図99(d)は、音声ランプ制御装置113にて実行される演出を設定するための各処理の概念を示している。
図99に示した通り、本第2実施形態のパチンコ機10は、設定された演出情報を記憶するためのエリアを合計で12個有しており(図99(a)〜(c)参照)、優先度を付して演出情報を設定する処理を少なくとも4つ設けている(図99(d))。そして、図99(d)に示した各処理において設定された演出(優先度付き演出)は、設定された順と、付与されている優先度に応じて、各記憶エリアに格納(記憶)される。
設定された演出情報は、第1演出階層記憶エリア223ab、第2演出階層記憶エリア223ac、第3演出階層記憶エリア223adの順に、対応する優先度を示す記憶エリアに格納(記憶)されていく、つまり、例えば、優先度「2」の演出が設定された場合には、まず、第1演出階層記憶エリア223abの優先度2エリア223ab2に演出情報が記憶されているかを判別し、記憶されていない場合は、第1演出階層記憶エリア223abの優先度2エリア223ab2に演出情報が記憶される。一方、第1演出階層記憶エリア223abの優先度2エリア223ab2に演出情報が記憶されている場合は、次に第2演出階層記憶エリア223acの優先度2エリア223ac2に演出情報が記憶されているかを判別し、以降、第3演出階層記憶エリア223adに対しても同一の処理を実行する。
そして、第3演出階層記憶エリア223adの対応する優先度の記憶エリアに既に演出情報が記憶されている場合(記憶可能数を越えて演出情報が設定された場合)には、今回設定された演出情報を破棄するように構成している。なお、これに限ること無く、最も古い演出情報を判別し、その判別結果に基づいて破棄する演出情報を決定しても良いし、設定されている優先度よりも低い優先度の記憶エリアに演出情報を記憶させるように構成しても良い。この場合、例えば、設定された演出情報の優先度を、記憶された記憶エリアに対応する優先度に可変させても良いし、異なる優先度の記憶エリアに記憶された演出情報の本来の優先度を一時的に記憶しておき、本来の優先度に対応する記憶エリアの空きが発生した場合に、当該演出情報を所定の記憶領域へと記憶させるように構成しても良い。
図99(d)に示した通り、本第2実施形態では、優先度を付与可能な演出として、特図1抽選の抽選結果に基づいてボタン演出を設定可能な特図1変動用ボタン演出と、特図2変動用ボタン演出と、特図変動用表示演出と、保留変化用演出(保留演出選択テーブル222aaによって選択された各種演出)と、を有しており、それぞれの処理において、設定された演出情報を記憶可能な記憶エリアを異ならせている。具体的には、特図1変動用ボタン演出として設定されたボタン演出を示す演出情報は、第1演出階層記憶エリア223ab1の優先度1エリア〜優先度3エリアが記憶可能エリアとなり、特図2変動用ボタン演出として設定されたボタン演出を示す演出情報は、第1演出階層記憶エリア223ab及び第2演出階層記憶エリア223acの優先度1エリアから優先度4エリアが記憶可能なエリアとなる。
また、特図変動用表示演出として設定された各種予告演出を示す演出情報は、第1演出階層記憶エリア223ab〜第3演出階層記憶エリア223adの優先度2エリア〜優先度4エリアが記憶可能なエリアとなり、保留変化用演出として設定された保留演出(表示演出、ボタン演出)を示す演出情報は、第1演出階層記憶エリア223ab〜第3演出階層記憶エリア223adの優先度2エリア〜優先度4エリアが記憶可能なエリアとなる。
このように、優先度が付される各種演出の設定契機に応じて、その演出を示す演出情報が記憶される記憶領域(記憶エリア)の範囲を異ならせることにより、所定の規則性を持たせた演出を実行することができる。
同時演出禁止フラグ223aeは、同一の優先度が付与されている演出を重複して実行させない状態であることを示すためのフラグであって、同一優先度の演出を重複して実行させない状態である場合にオンに設定されるものである。この同時演出禁止フラグ223aeは、遊技者が任意に設定状況を可変することができるものであり、ボタン押下処理2(図108のS5853参照)において実行される演出レベル選択処理(図109のS6221参照)にて、遊技者の操作手段に対する操作内容に基づいて可変設定される(図109のS6605,S6606)。
このように、本実施形態では、同一優先度の演出が重複して実行されるか否かを遊技者が任意に選択できるように構成している。よって、様々な演出を体感したいと考えている遊技者は、同時演出禁止フラグ223aeをオフに設定し、シンプルな演出を体感したいと考えている遊技者は、同時演出禁止フラグ223aeをオンに設定するだけで、所望する演出が実行されるため、遊技者に適した遊技を容易に提供することができる。
なお、本実施形態では同時演出禁止フラグ223aeを用いて、演出の実行態様を2種類から選択可能に構成しているが、遊技者が任意な実行態様を選択可能な構成であれば良く、例えば、演出階層記憶エリア群223aaのうち、第1演出階層記憶エリア223abに記憶されている演出情報のみを用いた演出が実行される演出レベル(演出レベル1)と、第1演出階層記憶エリア223abと、第2演出階層記憶エリア223acに記憶されている演出情報のみを用いた演出が実行される演出レベル(演出レベル2)と、第2演出階層記憶エリア223acと第3演出階層記憶エリア223adに記憶されている演出情報を用いた演出が実行される演出レベル(演出レベル4)と、第1演出階層記憶エリア223ab〜第3演出階層記憶エリア223adのうち、優先度1エリアと優先度2エリアに記憶されている演出情報を用いた演出が実行される演出レベル(演出レベル5)と、第1演出階層記憶エリア223ab〜第3演出階層記憶エリア223adのうち、優先度3エリアと優先度4エリアに記憶されている演出情報を用いた演出が実行される演出レベル(演出レベル6)のように、複数の演出レベルの中から任意の演出レベルを遊技者が選択できるように構成しても良い。
このように構成した場合、例えば演出レベル6を選択した場合には、通常であれば、優先度の高い演出によって実行され難い演出を容易に実行させることができるため、通常とは異なる演出を遊技者に容易に提供することができ、演出効果を高めることができる。本実施形態では演出階層記憶エリア群223aaの記憶エリアを、複数の記憶エリア(第1演出階層記憶エリア223ab〜第3演出階層記憶エリア223ad)と、優先度1〜4とに区画して形成しているため、演出を実行する際に読み出す記憶エリアの範囲に制限を掛けるだけで上述した演出レベルに基づいた演出を容易に実行することができる。
なお、本実施形態では、実行される演出に対する制限内容に関わらず、演出を設定する際には同一の処理(演出態様を設定する処理)を実行するように構成し、演出態様を設定した後に、遊技者が実行させる演出の範囲(演出レベル)を可変設定したとしても、可変設定後の演出範囲(演出レベル)に対応した演出を実行することができるようにしているが、これに限ること無く、各種演出の演出態様を設定する際に、実行される演出の範囲(演出レベル)を判別し、その判別結果に基づいて演出態様の設定の有無を決定するように構成しても良い。これにより、演出態様を設定するための処理を軽減することができる。
さらに、詳細は後述するが、本実施形態では、優先度の高い演出(例えば、優先度1の演出)として、特殊演出態様が設定された場合において、その特殊演出態様に関連する優先度の低い演出(例えば、優先度4の特殊関連演出)が記憶エリアに設定されている場合に、その特殊関連演出を、その他の優先度1〜3エリアに記憶されている演出よりも優先して実行させることができるように構成している。
このように、実行頻度が低い演出(優先度の低い演出)を、優先度の高い演出に紐付けて実行可能に構成することで、単独では実行され難い演出を遊技者に提供することができ、演出効果を高めることができる。また、優先度の低い特殊関連演出の実行タイミングを、優先度の高い特殊演出の実行タイミングよりも前に補正することにより、特殊関連演出が実行された場合に、この後に特殊演出が実行されるのではと遊技者に期待感を持たせることができる。この場合、特殊演出の設定(実行)条件として、特別図柄の抽選で大当たりに当選した(する)場合に成立する条件を規定することにより、遊技者に対して、優先度の低い演出が実行された際における演出効果を高めることができる。
<第2実施形態における音声ランプ制御装置113により実行される制御処理について>
次に、図100〜図109を参照して、本第2実施形態における音声ランプ制御装置113により実行される制御処理について、上述した第1実施形態における音声ランプ制御装置113にて実行される制御処理との相違点を中心に説明を行う。本第2実施形態では、上述した第1実施形態に対して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理(図57参照)において実行されるRAMの初期値設定処理(図57のS4010参照)において、ボタン演出初期設定処理(図100のS4012参照)を追加して実行する点と、特図1変動開始処理(図60のS4202参照)に替えて、特図1変動開始処理2(図101のS4252参照)を、特図2変動開始処理(図61のS4204参照)に替えて、特図2変動開始処理2(図102のS4254参照)を、保留球数処理(図63のS4208参照)に替えて、保留球数処理2(図63のS4258参照)を、変動表示設定処理(図67のS4112参照)に替えて、変動表示設定処理2(図105のS4112参照)を、ボタン押下処理(図76のS5803参照)に替えて、ボタン押下処理2(図108のS5853参照)を、実行する点で相違している。それ以外の要素は同一であり、同一の要素についてはその詳細な説明を省略する。
まず、図100を参照して、ボタン演出初期設定処理(S4012)の内容について説明をする。図100は、ボタン演出初期設定処理(S4012)の内容を示したフローチャートである。本第2実施形態では、音声ランプ制御装置113のROM222にホール店員が操作可能で遊技者が操作不能な位置(例えば、パチンコ機10の裏面)に操作手段(演出設定スイッチ)が設けられており、この演出設定スイッチをオン状態に操作した状態でパチンコ機10の電源を投入すると、同時演出可否設定領域222aaに同時演出禁止を示す設定情報が記憶される。そして、このボタン演出初期設定処理(S4012)では、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理が実行される場合に、同時演出可否設定領域222aaに記憶されている設定情報に基づいて、同時演出の実行の有無を設定する処理が実行される。
具体的には、ボタン演出初期設定処理(S4012)が実行されると、同時演出可否設定領域222aaの設定情報を読み出し(S4031)、読み出した設定情報が同時演出禁止を示す設定情報である場合は同時演出禁止フラグをオンに設定し、同時演出を禁止する設定情報では無い場合は同時演出禁止フラグをオフに設定する(S4032)。このように構成することで、パチンコ機10における同時演出に関する初期設定状況を任意に設定することができる。
なお、本実施形態では、ホールスタッフが音声ランプ制御装置113のROM222に設けられた演出設定スイッチを操作可能に構成しているが、これに限ること無く、パチンコ機10が出荷された以降は、ホールスタッフも操作不能な位置(例えば、封止されている基盤ケースの内部)に演出設定スイッチを配置し、パチンコ機10の種別毎に同時演出の実行の有無を可変させることなく設定するように構成しても良い。この場合、例えば、同一の演出態様が実行され得るパチンコ機10であって、特別図柄の大当たり確率や、大当たり種別が異なるパチンコ機10(所謂、スペック違いのパチンコ機10)において、多数の演出を実行させたいパチンコ機10(例えば、大当たり確率が低く設定されているパチンコ機10)では、同時演出を実行可に設定し、多数の演出を実行させたくないパチンコ機10(例えば、大当たり確率が高く設定されているパチンコ機10)では、同時演出を実行不可に設定すると良い。
このように構成することで、音声ランプ制御装置113の各種演出を設定する処理の内容を変更すること無く、設計値上の特別図柄の大当たり間隔の長さに応じて実行される演出量を容易に調節することができる。また、演出設定スイッチを操作することで、同時演出の実行の有無だけでは無く、演出階層記憶エリア群223aaのうち、各種演出を実行する際の読み出し対象となる範囲も設定可能に構成しても良い。このように構成しても設計値上の特別図柄の大当たり間隔の長さに応じて実行される演出量を容易に調節することができる。
なお、上述したように、遊技者が操作不能な位置に演出設定スイッチを設け、パチンコ機10にて実行される演出量に制限を施した場合は、後述する遊技者による演出量を選択する操作(図109参照)は、制限された演出量の中で実行されるように構成すれば良い。
次に、図101を参照して、本第2実施形態における特図1変動開始処理2(図4252)の内容について説明をする。図101は、特図1変動開始処理2(図4252)の内容を示したフローチャートである。この特図1変動開始処理2(図4252)は、上述した特図1変動開始処理(図60のS4202参照)に対して、変動パターン選択テーブル222aを参照して選択された各種演出態様(予告演出等)のうち、優先度が付与されている演出態様を、演出階層記憶エリア群223aaに記憶させるための処理が実行される点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
特図1変動開始処理2(図4252)が実行されると、まず、上述した特図1変動開始処理(図60のS4202参照)と同一のS4301〜S4302の処理を実行し、次に、変動パターン選択テーブル223aを参照して、詳細な演出態様(予告演出等)を選択する(S4321)。ここで、S4321の処理では、受信した変動パターンコマンドに含まれる当否判定結果を示す情報と、変動時間を示す情報と、停止種別を示す情報と、取得した演出カウンタ(定期的に値が更新される乱数値)の値とに基づいて、様々な演出態様(予告演出の演出内容や、ボタン演出の有無)と、実行タイミングと、優先度と、が設定される。
S4321の処理を終えると、今回選択された演出態様のうち、優先度の付された演出態様(予告演出等)を抽出し(S4322)、抽出した演出態様を示す情報(演出情報)を、対応する演出階層記憶エリア(第1演出階層記憶エリア223ab〜第3演出階層記憶エリア223ad)の優先度2エリア〜優先度4エリアに設定(記憶)する(S4323)。ここで、S4322の処理で抽出された演出態様を示す演出情報が、特図変動用表示演出(図99(d)参照)となるため、その演出情報が、図99に示した通り、記憶範囲が第1演出階層記憶エリア223ab〜第3演出階層記憶エリア223adの優先度2エリア〜優先度4エリアとなる。S4323の処理を終えると、上述した特図1変動開始処理(図60のS4202参照)と同一のS4304〜S4306の処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図102を参照して、特図2変動開始処理2(S4254)の内容について説明をする。図102は、特図2変動開始処理2(S4254)の内容を示したフローチャートである。この特図2変動開始処理2(S4254)は、上述した特図2変動開始処理(図61のS4204参照)に対して、変動パターン選択テーブル222aを参照して選択された各種演出態様(予告演出等)のうち、優先度が付与されている演出態様を、演出階層記憶エリア群223aaに記憶させるための処理が実行される点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
特図2変動開始処理2(S4254)が実行されると、まず、上述した特図2変動開始処理(図61のS4204参照)と同一のS4351〜S4352の処理を実行し、次に、変動パターン選択テーブル223aを参照して、詳細な演出態様(予告演出等)を選択する(S4371)。ここで、S4371の処理では、受信した変動パターンコマンドに含まれる当否判定結果を示す情報と、変動時間を示す情報と、停止種別を示す情報と、取得した演出カウンタ(定期的に値が更新される乱数値)の値とに基づいて、様々な演出態様(予告演出の演出内容や、ボタン演出の有無)と、実行タイミングと、優先度と、が設定される。
S4371の処理を終えると、今回選択された演出態様のうち、優先度の付された演出態様(予告演出等)を抽出し(S4372)、抽出した演出態様を示す情報(演出情報)を、対応する演出階層記憶エリア(第1演出階層記憶エリア223ab〜第3演出階層記憶エリア223ad)の優先度2エリア〜優先度4エリアに設定(記憶)する(S4373)。ここで、S4372の処理で抽出された演出態様を示す演出情報が、特図変動用表示演出(図99(d)参照)となるため、その演出情報が、図99に示した通り、記憶範囲が第1演出階層記憶エリア223ab〜第3演出階層記憶エリア223adの優先度2エリア〜優先度4エリアとなる。S4373の処理を終えると、上述した特図2変動開始処理(図61のS4204参照)と同一のS4354〜S4356の処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図103を参照して、保留球数処理2(S4258)の内容について説明をする。図103は、保留球数処理2(S4258)の内容を示したフローチャートである。この保留球数処理2(S4258)は、上述した保留球数処理(図63のS4208参照)に対して、選択された保留演出を演出階層記憶エリア群223aaに記憶させる処理と、保留球数が上限値に到達していない場合において保留演出を選択する処理とを実行する点で相違している。それ以外の処理内容は同一であり、同一の処理内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
保留球数処理2(S4258)が実行されると、まず、上述した保留球数処理(図63のS4208参照)と同一のS4501〜S4504の処理を実行する。ここで、S4503の処理において、保留球数(特図保留球数)が上限値(8)では無いと判別した場合は(S4503:No)、特殊保留演出処理を実行し(S4523)、S4507の処理へ移行し、本処理を終了する。S4523にて実行される特殊保留演出処理についての詳細は図104を参照して後述するが、スーパー保留演出(図95参照)を実行するかの判別と、保留球数が上限に到達していない場合における保留演出の選択処理が実行される。
一方、S4504の処理で保留演出を実行すると判別した場合は(S4504:Yes)、次に、保留演出選択テーブル223aaを用いて保留演出の演出パターン(演出態様)を設定し(S4521)、設定した保留演出の演出態様を示す情報(演出情報)を、演出階層記憶エリア群222aaのうち、対応する記憶エリアに設定(記憶)し(S4522)、S4507の処理へ移行し、本処理を終了する。
ここで、S4521の処理で設定された演出態様を示す情報(演出情報)が、保留変化用演出(図99(d)参照)となるため、図99(d)に示した通り、その演出情報の記憶範囲が第1演出階層記憶エリア223ab〜第3演出階層記憶エリア223adの優先度2エリア〜優先度4エリアとなる。
次に、図104を参照して、特殊保留演出処理(S4523)の内容について説明をする。図104は、特殊保留演出処理(S4523)の内容を示したフローチャートである。この特殊保留演出処理(S4523)は、保留球数処理2(図103のS4258)にて保留球数が上限値(8個)では無いと判別された場合に実行される処理であって、各種保留演出の設定が行われる処理である。即ち、特図保留球数が上限値では無い場合における保留演出を設定するための処理である。
特殊保留演出処理(図4523)が実行されると、まず、特図1ボタン演出が実行中であるかを判別し(S6301)、実行中であると判別した場合は(S6301:Yes)、次いで、実行中の特図1ボタン演出が優先度1エリアに記憶されているボタン演出であるかを判別する(S6302)。ここで、実行中の特図1ボタン演出が優先度1であると判別した場合は(S6302:Yes)、その期間中に新たな保留演出を実行することが出来ないため、そのまま本処理を終了する。
一方、S6302の処理において、実行中の特図1ボタン演出が優先度1では無いと判別した場合は(S6302:No)、次に、現在の保留球数(図103のS4502にて更新した保留球数カウンタの値)が「7」であるかを判別し(S6303)、「7」であると判別した場合は(S6303:Yes)、第1演出階層記憶エリア223abの優先度1エリア223ab1に既に演出情報が記憶されているかを判別し(S6304)、演出情報が記憶されていないと判別した場合は(S6304:No)、特殊保留演出(スーパー保留演出)を示す情報(演出情報)を、第1演出階層記憶エリア223abの優先度1エリア223ab1に設定(記憶)し、本処理を終了する。
S6304の処理において、既に、第1演出階層記憶エリア223abの優先度1エリア223ab1に演出情報が記憶されていると判別した場合は(S6304:Yes)、優先して実行される演出情報が設定されている状態であるため、今回の保留演出(スーパー保留演出)を実行すること無く、本処理を終了する。また、S6301の処理において特図1ボタン演出が実行中では無い(S6301:Yes)と判別した場合、或いは、S6303の処理において、保留球数が7では無いと判別した場合(S6303:No)は、S6306の処理へ移行し、保留演出選択テーブル223aaに基づいて保留演出の実行の有無、及び、保留演出の演出態様(演出パターン)を選択(決定)する。
そして,S6306の処理の結果、保留演出を選択した場合は(S6307)、決定した保留演出を示す情報(演出情報)を、演出階層記憶エリア群223aaのうち、対応する記憶リアに設定し(S6308)、本処理を終了する。ここで、S6306の処理で設定(決定)された保留演出を示す情報(演出情報)が、保留変化用演出(図99(d)参照)となるため、図99(d)に示した通り、その演出情報の記憶範囲が第1演出階層記憶エリア223ab〜第3演出階層記憶エリア223adの優先度2エリア〜優先度4エリアとなる。
以上、説明をした通り、本第2実施形態では、他の契機で設定された各種演出の有無や内容に関わらず、各契機において各種演出を設定するように構成し、それぞれの処理において選択(設定)された各種演出が、演出階層記憶エリア群223aaに設定されるように構成し、演出階層記憶エリア群223aaに記憶されている複数の演出情報のうち、実行条件を満たしている演出のみを実行するように構成している。このように構成することで、各種演出を設定する際の判別処理(他の契機における演出設定状況を判別するための処理)を実行する必要が無くなるため、処理負荷を軽減することができる。
次に、図105を参照して、変動表示設定処理2(S4162)の内容について説明をする。図105は、変動表示設定処理2(S4162)の内容を示したフローチャートである。この変動表示設定処理2(S4162)は、変動表示設定処理(図67のS4112参照)に対して、特図1変動、或いは特図2変動に対応する変動演出の演出態様を設定するための演出態様設定処理(S5321(S5322))を実行する点で相違し、それ以外は同一である。同一の処理内容については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
ここで、図106を参照して、演出態様設定処理(S5321)の内容について説明をする。図106は、演出態様設定処理(S5321)の内容を示したフローチャートである。この演出態様設定処理(S5321)は、変動表示設定処理2(図105のS4162参照)において、特図1変動開始フラグがオンに設定されていると判別された場合(S5301:Yes)に、特図1変動に対応する変動演出の演出態様を設定するために実行され、特図2変動開始フラグがオンに設定されていると判別された場合(S5306:Yes)に、特図2変動に対応する変動演出の演出態様を設定するために実行される処理であって、各特図の変動開始タイミングにおいて、演出階層記憶エリア群223aaに記憶されている各種演出情報のうち、実行条件を満たす演出情報(優先度の高い演出情報)に基づいた演出態様を設定するための処理である。
演出態様設定処理(S5321)が実行されると、まず、演出階層記憶エリア群223aaに記憶されている演出情報を読み出し(S6401)、関連演出設定処理を実行する(S6402)。ここで、図107を参照して、関連演出設定処理(S6402)について説明をする。図107は、関連演出設定処理(S6402)の内容を示したフローチャートである。この関連演出設定処理(S6402)では、高優先度(優先度1)に設定されている演出情報に関連付けて(ひも付けて)実行する低優先度(優先度1〜4)の演出情報を決定するための処理と、高優先度(優先度1)に設定されている演出情報に関連付けて破棄する非優先度の演出情報を決定するための処理が実行される。
関連演出設定処理(S6402)が実行されると、まず、演出階層記憶エリア群223aaの第1演出階層記憶エリア223abの優先度1エリア223ab1に関連演出を有する特定演出を示す演出情報があるかを判別する(S6501)。つまり、最優先で実行される演出が、関連演出(関連付けて実行させるその他の演出、或いは、関連付けて破棄させるその他の演出)を規定している特定演出であるかを判別する。S6501の処理において、特定演出を示す演出情報が記憶されていないと判別した場合は(S6501:No)、関連演出に関する処理を行う必要が無いため、そのまま本処理を終了し、演出態様設定処理(図106のS5321)へ戻る。
一方、S6501の処理において、特定演出を示す演出情報が記憶されていると判別した場合は(S6501:Yes)、次に、特定演出に関連付いた演出情報が、演出階層記憶エリア群223aaの何れかの記憶領域に記憶されているかを判別し(S6502)、記憶されていないと判別した場合は(S6503:No)、関連演出に関する処理を行う必要が無いため、そのまま本処理を終了し、演出態様設定処理(図106のS5321)へ戻る。
S6502の処理で、特定演出に関連付いた演出情報が、演出階層記憶エリア群223aaの何れかの記憶領域に記憶されていると判別した場合は(S6502:Yes)、次いで、関連演出が、関連付けて実行されるひも付け演出であるかを判別し(S6503)、ひも付け演出であると判別した場合は(S6503:Yes)、そのひも付け演出の実行タイミングと、特定演出の実行タイミングとが重複しているかを判別する(S6504)。
ここで、ひも付け演出の実行タイミングと、特定演出の実行タイミングとが重複していると判別した場合は(S6504:Yes)、ひも付け演出の実行タイミングを、既に記憶されている実行タイミングとは異なる実行タイミングへと補正するための処理として、ひも付け演出の実行タイミングを特定演出の実行タイミングの前(5秒前)に書換えて(S6505)、ひも付け演出の優先度を1.5に設定し(S6506)、本処理を終了する。一方、S6504の処理において、ひも付け演出の実行タイミングと、特定演出の実行タイミングとが重複していないと判別した場合は(S6504)、各演出の実行タイミングを補正する必要が無いため、S6505の処理をスキップして本処理を終了する。
つまり、特定演出に規定されている関連演出のうち、ひも付け演出に対応する演出情報が記憶されている場合は、その演出情報に含まれているひも付け演出の実行タイミングを、特定演出の実行タイミングよりも前(ひも付け演出が終了してから特定演出が実行される程度のタイミング)に書換える処理を実行し、さらに、ひも付け演出に対応する演出情報に含まれる優先度を、特定演出の次に高い優先度である特殊優先度(本実施形態では1.5)に書換え設定する処理が実行される。
このように構成することで、単独では優先度の低い演出(ひも付け演出)を、優先度の高い特定演出にひも付けて実行することができるため、優先度の高い演出ばかり実行されてしまい、遊技に早期に飽きてしまうという問題を解決することができる。さらに、優先度の低いひも付け演出が、特定演出よりも先に実行されるように、実行タイミングを補正することにより、ひも付け演出が実行された場合に、この後、特定演出が実行されるのではと遊技者に思わせることができ、今後実行される演出の内容を予測させながら楽しんで遊技を行わせることができる。
また、優先度の低いひも付け演出が単独で実行された経験を有する遊技者にとっては、ひも付け演出の実行タイミングが以前と違うことを把握することで、ひも付け演出の実行タイミングが補正されていることを事前に判別することができるため、長時間遊技を行っている遊技者に優越感を与えることができる。この効果を強く奏させるためには、S6505の処理によって補正された後の実行タイミングが、単独で実行される場合に設定され得ない実行タイミングとなるように補正処理を実行すると良い。また、実行タイミングが補正されたことを示唆する示唆演出を実行するように構成しても良い。
なお、本実施形態では、ひも付け演出の終了後に特定演出を実行させるために、ひも付け演出の実行タイミングを補正する処理を実行しているが、これに限ること無く、例えば、特定演出の実行タイミングを補正(遅らせる)ように構成しても良いし、ひも付け演出の演出期間を短縮させる補正を行うことで、ひも付け演出の終了後に特定演出を実行させるように構成しても良い。また、特定演出が実行されるまでにひも付け演出が実行されれば良く、ひも付け演出の実行中に特定演出が実行されるように実行タイミングや演出期間を補正しても良い。
図107に戻り説明を続ける。S6503の処理において、ひも付け演出では無いと判別した場合(S6503:No)、即ち、演出階層記憶エリア群223aaの何れかの記憶エリアに記憶されている関連演出がひも付け演出では無いと判別した場合は、次に、関連演出が排除演出であるかを判別し(S6507)、排除演出であると判別した場合は(S6507:Yes)、排除演出に対応する演出情報を、演出階層記憶エリア群223aaの記憶エリアからクリア(破棄)し、本処理を終了する。S6507の処理で、排除演出では無いと判別した場合は(S6507:No)、S6508の処理をスキップして本処理を終了する。
上述した通り、本実施形態では異なる契機(特図1の変動演出を設定する契機、特図2の変動演出を設定する契機、保留球数が可変した場合に保留演出を設定する契機)、即ち、異なるタイミングで各種演出(ボタン演出、表示演出)が設定されるため、演出階層記憶エリア群223aaに設定されている各種演出の実行タイミングは、各契機の成立タイミングによって様々に設定される。このように不規則に設定される各種演出の演出態様、優先度、実行タイミングを判別し、実際に実行させる演出を決定することにより、各契機における演出設定処理を簡素化することができる。
また、特定の演出同士が実行されるタイミングが偶然重複した場合にのみ実行される演出態様(各演出の実行タイミング)を設定可能に構成しているため、別個独立した設定契機を複合的に用いた演出を実行することができる。よって、遊技者が容易に予測し得ない様々なパターンの演出を実行することができ、演出効果を高めることができる。
加えて、本実施形態では、上述した通り、1回の変動演出中に実行されたく無い演出の組合せを予め規定しておき、一方の演出が実行される場合に、他方の演出が排除される処理を実行するように構成しているため、遊技者に違和感や不信感を与えてしまう演出の組合せが実行されてしまうことを抑制することができる。
図106に戻り説明を続ける。S6402の処理を終えると、次に、同時演出禁止フラグ223aeがオンに設定されているかを判別し(S6403)、オンに設定されていないと判別した場合は(S6403:No)、演出階層記憶エリア群223aaの全ての記憶エリアに記憶されている演出情報を対象として演出態様を設定するためのS6404〜S6406の処理を実行し、同時演出禁止フラグ223aeがオンに設定されていると判別した場合は(S6403:Yes)、演出階層記憶エリア群223aのうち、第1演出階層記憶エリア223abに記憶されている演出情報のみを対象として演出態様を設定するためのS6407,S6408の処理を実行し、S6409の処理へ移行する。
ここで、S6404の処理では、第1演出階層記憶エリア223ab、第2演出階層記憶エリア223ac、第1演出階層記憶エリア223adに設定(記憶)されている各演出情報より各演出の演出実行期間を抽出し(S6404)、第1演出階層記憶エリア223ab、第2演出階層記憶エリア223ac、第1演出階層記憶エリア223adの順に優先度1エリアに演出情報が設定されている記憶エリアを特定し、演出実行期間が重複しないように、各優先度1エリアの演出情報に対応する演出態様を設定する(S6405)。
つまり、本実施形態では、複数の記憶エリアに対しても優先順位が規定されており、第1演出階層記憶エリア223ab、第2演出階層記憶エリア223ac、第3演出階層記憶エリア223adの順に優先順位が規定されている。よって、第1演出階層記憶エリア223abの優先度1エリア223ab1と、第2演出階層記憶エリア223acの優先度1エリア233ac1とに、実行期間が重複する演出情報が設定(記憶)されている場合には、第1演出階層記憶エリア223abの優先度1エリア223ab1に設定(記憶)されている演出情報に対応する演出態様が設定される。
一方、各記憶エリアの優先度1エリアに設定(記憶)されている演出情報に、異なる実行期間が規定されている場合は、その全ての演出情報に対応する演出態様が設定される。これにより、1回の特図変動に対応する変動演出において、まず、最も優先度の高い演出態様のみを設定する。これにより、優先的に実行すべき演出を適正に遊技者に提供することができる。なお、本実施形態では、第1演出階層記憶エリア223ab、第2演出階層記憶エリア223ac、第3演出階層記憶エリア223adの順に優先順位を規定しているが、これに限ること無く、変動演出を設定する際に、優先順位がランダムに設定されるように構成しても良い。このように構成することで、優先的に実行される演出態様を可変させることができ、興趣に富んだ遊技機を提供することができる。
S6405の処理を終えると、次に、演出実行期間が重複しないように優先度2エリア〜優先度4エリアの順に、記憶されている演出情報から実行する演出情報を選択し、選択された演出情報に対応する演出態様を設定する(S6406)。なお、この時点において、S6402の処理で設定されたひも付け演出は、他の演出情報に先立って設定される。また、S6402の処理で排除された(クリアされた)演出情報は、選択対象から排除されている。そして、S6405、及びS6406の処理で設定された各演出態様に対応した変動演出を示す表示用コマンドを設定し(S6409)、本処理を終了する。
次に、S6407の処理では、第1演出階層記憶エリア223abに設定されている情報に含まれる演出実行期間を抽出し(S6407)、優先度の高い順に演出実行期間が重複しない演出情報を選択し、選択した演出情報に対応する演出態様を設定し(S6408)、上述したS6409の処理へ移行し、本処理を終了する。
次に、図108を参照して、ボタン押下処理2(S5853)の内容について説明をする。図108は、ボタン押下処理2(S5853)の内容を示したフローチャートである。このボタン押下処理2(S5853)は、上述した第1実施形態のボタン押下処理(図76のS5803参照)に対して、演出レベル選択処理(S6221)を追加して実行するように構成した点で相違し、それ以外は同一である。同一の処理内容については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
ボタン押下処理2(S5853)が実行されると、まず、演出レベル選択処理(S6221)を実行し、その後、上述したボタン押下処理(図76のS5803参照)と同一のS6201〜S6209の処理を実行し、本処理を終了する。ここで、S6221の処理において実行される演出レベル選択処理の内容について、図109を参照して説明をする。
図109は、演出レベル選択処理(S6221)の内容を示したフローチャートである。この演出レベル選択処理(S6221)では、遊技者が実行される演出の量(レベル)を選択するための処理が実行される。本実施形態では、演出階層記憶エリア群223aaに様々な演出を示す演出情報を設定(記憶)可能にし、設定(記憶)された演出情報のうち、どの範囲に設定(記憶)された演出情報を用いて実際に実行する演出を決定するのかを遊技者が選択可能に構成している。
このように構成することで、例えば、複数の演出を様々なタイミング(重複含む)で実行させることで、賑やかな演出が実行されることを好む遊技者は、より多くの記憶エリアに設定(記憶)されている演出情報を、実行する演出を決定する際の対象とし、シンプルな演出が実行されることを好む遊技者は、少ない記憶エリアに設定(記憶)されている演出情報を、実行する演出を決定する際の対象とすることができ、各遊技者が所望する量の演出を実行させることができる。
演出レベル選択処理(S6221)が実行されると、まず、現在がデモ画面中(特図変動が実行されていない状態で待機条件(例えば、特図変動が実行されていない状態が3秒以上継続している)が成立している状態)であるかを判別し(S6601)、デモ画面中であると判別した場合は(S6601:Yes)、次に、第1枠ボタン22aがオンであるか(押下されているか)を判別する(S6602)。
S6602の処理において、第1枠ボタン22aがオンであると判別すると(S6602:Yes)、次に、第2枠ボタン22bがオンであるか(押下されているか)を判別し(S6603)、オンであると判別すると(S6603:Yes)、現在の同時演出禁止フラグ223aeの設定状況がオンであるかを判別する(S6604)。S6604の処理において、同時演出禁止フラグ223aeがオンに設定されていると判別した場合は(S6604:Yes)、同時演出禁止フラグ223aeをオフに設定し(S6605)、本処理を終了する。一方、同時演出禁止フラグ223aeがオンに設定されていない(オフに設定されている)と判別した場合は(S6604:No)、同時演出禁止フラグ223aeをオンに設定し(S6606)、本処理を終了する。
つまり、本実施形態では、遊技状態が所定状態(デモ画面中)である場合に、操作手段に対して特殊操作(第1枠ボタン22aと第2枠ボタン22bとを同時に押下する操作)を実行することにより、同時演出禁止フラグ223aeの設定を切り替えることができるように構成している。これにより、遊技者に対して所望の演出レベル(量)を容易に設定させることができる。
なお、詳細な説明は省略するが、第3図柄表示装置81の表示画面のように遊技者が容易に視認できる領域に、現在の同時演出禁止フラグ223aeの設定状況、即ち、実行される演出量(演出レベル)を示すための演出レベル情報が表示されるように構成している。これにより、実際に実行される演出の量や内容と、表示されている演出レベル情報と、に基づいて、遊技者に演出レベルを可変設定させることができる。また、デモ画面中に表示される表示態様として、演出レベルを可変設定させる方法が表示されるように構成している。これにより、遊技者に対して分かり易い遊技を提供することができる。
以上、説明をした通り、本実施形態では、上述した第1実施形態と同様に、第3図柄表示装置81の表示画面に表示させる各種演出の情報を、様々な設定契機で設定し、音声ランプ制御装置113が有する記憶手段(演出階層記憶エリア群223aa)に記憶させ、各演出の実行タイミングにおいて記憶手段に記憶されている情報に基づいて、実際に実行する演出に対応する表示用コマンドを表示制御装置114へと出力する構成を用いているが、これに限ること無く、様々な設定契機で設定された各種演出の情報を示すコマンドを、表示制御装置114へと出力し、表示制御装置114側が有する記憶手段(演出階層記憶エリア群223aaに相当する記憶手段)を記憶し、演出の実行タイミングに合わせて実行する演出を記憶手段に記憶されている情報に基づいて判別するように構成しても良い。
また、この場合、表示制御装置114側で設定された実行演出の内容を示す情報を、音声ランプ制御装置113側へ出力し、音声ランプ制御装置113側で表示制御装置114から受信した情報に基づいて、新たな演出を設定するように構成すると良い。これにより、実際に実行されている演出の状況に応じて、新たな演出を設定するか否かを判別することができる。
また、本第2実施形態では、遊技者が操作可能な操作手段として第1枠ボタン22a、第2枠ボタン22bを設けた構成を示しているが、これに限ること無く、例えば、第3図柄表示装置81の表示画面を臨む位置(表示画面の手前位置)に検出範囲が設定されるタッチセンサを用いても良い。このタッチセンサは、非接触型の検知手段であり、遊技者が検出範囲内に手を侵入させたことを検知することにより、操作されたと判別する操作手段である。
このようなタッチセンサを用いた場合には、タッチセンサの検出範囲が表示画面に臨む位置に設けられているため、例えば、第3図柄表示装置81の表示画面に、「キャラクタを触れ」とのコメントと、キャラクタとを表示させ、そのキャラクタの表示位置をタッチセンサの検出範囲と重複する位置に設定することで、遊技者に対して積極的に操作手段(タッチセンサ)を操作させることができる。
さらに、上述したタッチセンサを設けた遊技機に、第3図柄表示装置81の表示画面を覆う位置まで可変可能な装飾用可変部材を設けた場合、即ち、少なくとも、所定の第1位置(初期位置)と、第2位置(動作位置)との間を移動(可変)可能な可変部材を設け、その可変部材が、遊技者が操作手段(第1枠ボタン22a)を操作した場合に可変動作されるように構成した場合に、第2位置へと移動した装飾用可変部材が、タッチセンサの検出範囲に侵入してしまい、第1枠ボタン22aを用いたボタン演出(装飾用可変部材を可変動作させる演出)の実行中に、タッチセンサを用いたボタン演出を実行することができないという問題が発生する。
このような場合、重複して設定された各ボタン演出の演出内容のうち、一部の情報を書き換えて、重複したボタン演出を実行するように構成すると良い。具体的には、各ボタン演出を実行するタイミングにおいて、装飾用可変部材の位置や、第3図柄表示装置81の表示画面に表示されている表示内容を判別し、その判別結果に基づいて、予め定められていたボタン演出の演出態様のうち、操作対象となる操作手段や、操作手段に対する操作内容を示す情報を書き換えるように構成すると良い。これにより、第3図柄表示装置81の表示画面に表示されるボタン演出の表示態様を可変させること無く、ボタン演出を重複させて実行することができる。
なお、本実施形態では、各設定契機にて独立して各演出の演出態様(演出内容、実行タイミング、実行期間、優先順位等)を設定し、その設定された演出態様を示す情報に基づく演出を実行するように構成しているが、各設定契機にて独立して設定された演出態様の実行タイミングを、補正する実行タイミング補正処理を施した後に、実行させるように構成すると良い。このように構成することで、例えば、複数の設定契機においてボタン演出が設定され、その複数のボタン演出を重複して実行させる場合に、各ボタン演出に対応して設定される操作有効期間が0.1秒ズレている場合に、その0.1秒のズレを補正し、同時に操作有効期間が設定されるような演出を実行することができる。よって、演出効果を高めることができる。また、実際に設定された各演出の演出態様を補正するのでは無く、第3図柄表示装置81の表示画面に表示される表示態様のみを補正し、例えば、操作有効期間を遊技者に報知するための表示態様(ゲージ817a)が表示されるタイミングを同期させるように構成しても良い。
また、ボタン演出の演出態様として、上述した装飾用可変部材を可変動作させる演出態様を有する場合には、ボタン演出を実行するよりも前に、予め装飾用可変部材を初期位置に位置させるための処理(準備処理)や、装飾用可変部材が初期位置に位置しているかを判別する処理(原点確認処理)を実行する必要がある。また、装飾用可変部材が可変している状態(動作位置に位置している状態)において、当該ボタン演出が、他のボタン演出(優先度の高いボタン演出)へと切り替わってしまうと、遊技者に大きな違和感を与えてしまうと共に、第3図柄表示装置81の表示画面を覆う位置に装飾用可変部材が位置している場合であれば、他の演出の邪魔をしてしまい、パチンコ機10全体としての演出効果が著しく低下してしまうという虞があった。
よって、装飾用可変部材を可変させる演出態様が設定されるボタン演出には、高い優先順位(優先度1)が設定される。これにより、他のボタン演出の実行により、パチンコ機10全体としての演出効果が著しく低下してしまうという事態が発生すること抑制することができる。なお、上述した構成に限ること無く、装飾用可変部材を可動させる各種演出のみを複数の異なる優先度を有する別の記憶領域(可変演出記憶領域)に記憶させ、可変演出記憶領域に記憶されている演出情報を優先的に判別し、その判別結果に基づいて、演出階層記憶エリア群223aaに記憶されている各種演出の実行の有無を決定するように構成しても良い。これにより、装飾用可変部材を可変させる可変演出を、他の演出よりも優先して実行させることができると共に、可変演出の中で実行の優先順位を付与することができる。
また、上述した第1実施形態、第2実施形態では、図8を参照して説明をしたように、操作手段の操作有効期間を遊技者に報知し、その操作有効期間内に操作手段を操作させるボタン演出を設けているが、これ以外に、遊技者が操作手段を操作することに基づいて実行される特殊ボタン演出を設けても良い。具体的には、操作有効期間を遊技者に報知すること無く、ボタン演出が実行されていない期間中における一部期間に操作手段を操作した場合に、だい3図柄表示装置81の表示画面にて実行されている様々な演出態様を可変させる演出(賑やかし演出)が実行される特殊ボタン演出を設けても良い。
この場合、上述したボタン演出の実行に基づいて設定されるボタン有効タイマとは別の特殊タイマを設け、その特殊タイマにより所定期間が設定されている間に所定のボタン操作が実行されたと判別した場合に、特殊ボタン演出を実行するように構成しても良いし、各ボタン演出に対して重複させて特殊ボタン演出が実行されるように構成しても良い。上述した通り、特殊ボタン演出は、遊技者に操作有効期間を報知することが無いため、他のボタン演出と重複させて実行した場合であっても、遊技者に違和感を与えること無く重複した演出を実行することができる。
<第3実施形態>
次に、図110〜図124を参照して本パチンコ機10の第3実施形態について説明する。本第3実施形態では、第1実施形態に対して、遊技盤13の構成と、特別図柄の抽選結果に応じて設定される遊技状態の種類と、主制御装置110の構成と、音声ランプ制御装置113の構成と、が相違している。
上述した第1実施形態では、第1特別図柄(特図1)の抽選(特図1抽選)と、第2特別図柄(特図2)の抽選(特図2抽選)とが、同時に(並行して)実行されるように構成していた。これに対して本第3実施形態では、特図1抽選に対して、特図2抽選が優先して実行されるように構成している点で相違している。
そして、本第3実施形態では、特別図柄の大当たりに当選した場合に、その大当たり当選に基づいて実行される大当たり遊技の終了後に設定される遊技状態として、確変状態(次回大当たりに当選するまで)と、時短状態(大当たりに当選すること無く、特図変動が100回実行されるまで、或いは、大当たりに当選するまで)の何れかが設定されるように構成している。
つまり、大当たり遊技終了後に確変状態が設定されると、次回の大当たりに当選するまで、特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態が継続して設定されるため、確変状態が設定されると多くの賞球を獲得することができる可能性が格段に高くなるものであった。ここで、近年のパチンコ機10は、確変状態を高確率で継続させるように構成し、遊技者に対して多くの賞球を獲得させる可能性を提供することにより、遊技の射幸性が高くなることを防止する対策として、確変状態が継続する確率を低下させる(例えば、確変状態が継続する割合を65%以下にする)対策が検討されている。
このような対策を施すことにより、遊技者に賞球に対して過度な期待を持たせることのない健全なパチンコ機10を提供することが可能となるが、従来のように、確変状態が高確率(例えば、80%)で継続するパチンコ機10にて用いられていた演出(特別図柄の抽選結果を示すための演出)の中で、対策を施したパチンコ機10に用いた場合に演出効果が極端に低下してしまう演出があり、遊技者の遊技意欲を低下させてしまうという問題が発生した。
具体的に説明をすると、大当たり遊技中に、自身のキャラクタが敵のキャラクタとバトルを行い、バトルに勝利した場合に、今回の大当たり遊技終了後に確変状態が設定されることを報知するバトル演出において、確変状態が継続する割合が低下してしまうと、大当たり遊技中に実行されるバトル演出の勝率が低下してしまい、バトル演出が実行された場合における遊技者の期待感(確変状態が設定されることへの期待感)が薄れ、遊技意欲が低下してしまうという問題があった。
これに対して、本第3実施形態では、大当たり遊技が終了してから所定の終了条件(例えば、特図変動が30回実行)が成立するまでの間、バトル演出を継続させる継続バトル演出を実行し、大当たり遊技が終了してから所定の終了条件が成立するまでの期間中に大当たりに当選した場合に、バトルに勝利する演出を実行するように構成している。これにより、バトル演出にて勝利する確率を高めることができ、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
さらに、本第3実施形態では、確変大当たり(大当たり遊技終了後に確変状態が設定される大当たり)に当選した場合には、その大当たり遊技中にバトルに勝利するバトル演出を実行し、時短大当たり(大当たり遊技終了後に時短状態が設定される大当たり)に当選した場合のみ継続バトル演出を実行するように構成している。これにより、よりバトル演出にて勝利する確率を高めることができる。
加えて、継続バトル演出中に、当選した大当たりの種別に応じて継続バトルの演出結果を異ならせるように構成しており、例えば、継続バトル演出中に確変大当たりに当選した場合はバトル勝利演出を実行し、継続バトル演出中に時短大当たりに当選した場合はバトル再戦演出を実行するように構成している。これにより、継続バトル演出中に時短大当たりに当選した場合に、バトルに敗れる敗北演出が実行されることを抑制している。よって、バトル演出が実行された後に敗北演出が実行される頻度を低減させることができるため、相対的にバトル勝利の割合を高めることができる。
ここで、図110を参照して、本第3実施形態のパチンコ機10の遊技盤13の構造について説明をする。図110は、第3実施形態におけるパチンコ機10の遊技盤13を模式的に示した正面図である。図110に示した通り、本第3実施形態におけるパチンコ機10の遊技盤13は、上述した第1実施形態におけるパチンコ機10の遊技盤13(図2参照)に対して、遊技領域の下方位置に入球ユニット64に替えて、第1入球口164を配置した点で相違している。それ以外の要素は同一であり、同一の要素については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
本第3実施形態のパチンコ機10では、遊技状態として通常状態が設定されている間は、左打ち遊技によって第1入球口164に球を入球させる遊技が行われ、特図1抽選にて大当たりを目指す遊技が実行される。そして、大当たりに当選し、遊技状態として確変状態、或いは、時短状態が設定されると、右打ち遊技によって第2入球口640に球を入球される遊技が行われる。
<第3実施形態における演出内容について>
次に、図111から図114を参照して、本第3実施形態のパチンコ機10において実行される特徴的な演出内容について説明をする。図111は、大当たり遊技中から大当たり遊技終了後の特図変動中に実行される演出の流れを示したタイミングチャートである。図111に示した通り、本実施形態では、大当たり遊技中に大当たり遊技終了後の遊技状態を遊技者に示唆するためのバトル演出(確変示唆演出)が実行され、当選した大当たりの種別に応じて、バトル演出の実行期間を異ならせ、バトル演出における演出成功率(バトル勝率)を高めるように構成し、バトル演出に対する遊技者への期待感を高めることができるように構成している。
具体的には、図111(a)に示した通り、確変大当たりに当選している場合は、その大当たり遊技中に実行されるバトル演出(図111(A)参照)にてバトルに勝利する演出(図111(B)参照)が実行される。ここで、大当たり遊技中に実行されるバトル演出の演出内容について図112を参照して説明する。
図112(a)は、バトル演出が実行される場合に表示される表示内容の一例を示した模式図であり、図112(b)は、バトル演出においてバトルに勝利した場合に表示される表示内容の一例を示した模式図である。なお、図112(a),(b)は、時短状態中に実行される表示例を示した模式図であるため、小領域Dm1、及び小領域Dm2の表示態様が時短状態を示しているが、主表示領域Dmにて実行されるバトル演出の態様は大当たり遊技中に実行されるバトル演出と同一であるため、図112(a),(b)を参照して説明をする。また、図112(a)に示した表示画面の各要素のうち、上述した第1実施形態と同一の要素については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
まず、バトル演出が実行されると、図112(a)に示した通り、勇者を模した味方のキャラクタ817と、怪獣を模した敵のキャラクタ818とがバトルを行う演出が実行される。そして、キャラクタ817の体力ゲージ817aと、キャラクタ818の体力ゲージ818aとが表示され、先に体力ゲージが0になったキャラクタが負ける演出が実行される。
主表示領域Dmの上側には、バトル演出の結果を報知するための結果報知態様として勝利報知態様Dm7と、再戦報知態様Dm8と、敗北報知態様Dm9と、が表示されている。この各報知態様Dm7〜Dm9は、バトル演出が開始された直後は図112(a)に示した通り全て表示されており、バトル演出の進展に伴って完全に否定された演出結果が発生した場合は、対応する報知態様が非表示となるように構成されている。これにより、バトル演出の演出結果(バトルの勝敗)が報知されるよりも先に遊技者がバトル演出の演出結果を予測することができる。
加えて、主表示領域Dmの左下側には、大当たり遊技中に獲得した賞球数を示すための賞球数情報が表示される賞球表示領域Dm5が形成され「1000」の値が表示されている。また、その右隣には大当たり遊技のラウンド数を示すためのラウンド数表示領域Dm6が形成され「8」の値が表示されている。なお、上述した通り、図112(a)は、時短状態中におけるバトル演出(継続バトル演出)の表示内容を示したものであるため、実際には大当たり遊技が終了している遊技状態である。
このような遊技状態において、賞球表示領域Dm5やラウンド数表示領域Dm6を表示することにより、遊技者に対して、現在が大当たり遊技中(例えば、ラウンド遊技間のインターバル期間中やエンディング期間中)と思わせることができ、実行中のバトル演出が大当たり遊技中に実行されている演出と思わせることができる。なお、図112(a)では、現在の遊技状態を分かり易く説明するために、小領域Dm1、および小領域Dm2を大きく表示しているが、実際には、遊技者が特図変動中であることを識別困難な程度の大きさで表示されている。
そして、図111(B)の時点では、図112(b)に示したバトルに勝利した演出が実行される。図112(b)では、キャラクタ818の体力ゲージ818aが0になり、キャラクタ818が敗れた演出が表示され、勝利報知態様Dm7のみが表示された状態となる。このバトル勝利演出が実行されることで、遊技状態として確変状態が設定されることを遊技者に報知している。
図111に戻り説明を続ける。バトル勝利した後は、確変状態中の演出が実行され、その確変状態中に再度大当たりに当選(時短大当たり)すると、大当たり遊技終了後も時短30回経過するまでバトル演出(継続バトル演出)が実行される(図112(a)参照)。そして、時短状態が設定されてから特図変動が30回実行されると、バトルに敗北した演出(敗北演出)が実行される(図111(C)参照)。ここで、図113(a)を参照して、バトル演出に敗北した場合の演出内容について説明をする。図113(a)は、バトル敗北時の表示内容の一例を示した模式図である。
図113(a)に示した通り、キャラクタ817の体力ゲージ817aが0になり、キャラクタ817が敗れた演出が表示され、敗北報知態様Dm9のみが表示された状態となる。このバトル敗北演出が実行されることで、遊技状態として時短状態が設定されていることが報知される。なお、本実施形態では、バトル敗北演出が実行された時点で時短状態として設定される時短100回のうち、30回が経過している時点であるため、図113(a)が表示された後は、時短状態中(図111(D)参照)の表示として、図114(b)に示した通り、時短状態の残期間を示す残時短回数表示領域Dm11に、残り時短回数として「69」の値が表示される。
上述した通り、本実施形態では、時短状態が設定されてから所定の終了条件が成立するまでの期間、バトル演出を実行するように構成しているため、バトル演出において勝利演出が実行される確率を高める(時短状態30回以内に確変大当たりに当選する確率分高める)ことができると共に、バトル演出にて敗北演出が実行された後に実行される時短回数を減らすことができるため、特別図柄の低確率状態が設定されていることが確定している状態で行われる時短遊技の期間を短くすることができ、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
図111に戻り説明を続ける。一方、図111(b)に示したように、継続バトル演出中に(時短状態が設定されてから25回転目の特図抽選にて)確変大当たりに当選すると、その確変大当たり遊技中にバトル勝利の演出が実行される(図112(b)参照)。これにより、内部的には、1度時短状態へと移行した後に(従来であれば、バトル演出にて敗北演出が実行された後に)、確変大当たりに当選した状態であるにも関わらず、バトル演出の敗北演出を実行すること無く、勝利演出のみを実行することができる。よって、バトル演出における勝利確率を相対的に高めることができる。
なお、図111(b)に示した例によれば、確変大当たりとしてラウンド数が少ない(確変大当たり(2R))に当選した例を示しているため継続バトル演出の演出結果を大当たり遊技中に表示するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、ラウンド数の多い(16R)確変大当たりに当選する場合は、先読み結果によって16ラウンド確変大当たりに当選することが判定された場合に、継続バトル演出の勝利演出と、大当たり演出と、を実行し、その後、大当たり遊技中に実行されるバトル演出にて再度勝利演出を実行するように構成しても良い。
また、16ラウンド大当たり遊技の8ラウンド目の終了後に設定されるインターバル期間を、他のインターバル期間よりも長く(例えば、1分)設定し、継続バトル演出の演出結果を前半の8ラウンド目までに報知し、その後、8ラウンド目のインターバル期間中に擬似的に特図変動を実行させる擬似演出にて大当たりに当選したことを示す演出結果を表示し、後半の8ラウンドを用いて、大当たり遊技中のバトル演出を実行するように構成しても良い。このように構成することにより、より多くの勝利演出を実行することができる。
なお、この場合、16ラウンド大当たり遊技の8ラウンド目終了後のインターバル期間を、遊技状態に応じて異ならせるように構成すると良く、例えば、確変状態が設定されている状態(継続バトル演出が実行されていない状態)では、他のインターバル期間と同様の長さのインターバル期間が設定され、時短状態が設定されている状態のみ長期間のインターバル期間が設定されるように構成すると良い。これにより、確変状態中に当選した16ラウンド確変大当たりにおいて、無用に長いインターバル期間が設定されてしまい遊技効率が低下してしまう事態を抑制することができる。
加えて、時短状態が設定されている場合において、時短状態が設定されてから特図変動30回以内に当選した16ラウンド確変大当たりのみ、長期間のインターバル期間が設定されるように構成すると尚良い。
次に、図111(b)に示した通り、継続バトル演出中(時短状態が設定されてから特図変動20回目)に時短大当たり(2R)に当選すると、継続バトル演出の演出結果として再戦演出が実行される。ここで、図113(b)を参照して、再戦演出の演出内容について説明をする。図113(b)は、バトル演出の演出結果が再戦である場合に表示される表示内容の一例を示した模式図である。図113(b)に示した通り、キャラクタ817がもう一度戦う姿勢で表示され、体力ゲージ817aが残っている状態で、再度バトル演出が実行されることを示す「もう一試合」のコマンド816が表示され、再戦報知態様Dm8が表示される。この場合、小表示領域Dm2は大当たり当選を示す「222」の表示態様が表示される。
なお、本実施形態では上述した継続バトル演出として、時短状態が設定されてから特図変動が30回実行された場合に、敗北演出が実行されるように構成しているため、継続バトル演出中は、特図変動の実行回数に応じてキャラクタ817の体力ゲージ817aが減っていく演出が実行される。そして、継続バトル演出の終了条件である時短回数30回が近づくと、図114(a)に示した表示内容が表示される。図114(a)は、継続バトル演出中に時短回数が30回目となった場合の表示内容の一例を示した模式図である。
図114(a)に示した通り、継続バトル演出中は実行された特図変動回数に応じて体力ゲージ817aが減少していき、バトルの敗北を示唆する示唆態様(図114(a)では揺れ態様で表示)で敗北報知態様Dm9が表示される。このように構成することで、体力ゲージ817aが少ない状態で時短30回目の変動を実行することができるため、遊技者に違和感無くバトルの敗北演出を実行することができる。
なお、本実施形態では、継続バトル演出(時短状態中に実行するバトル演出)の終了条件として、時短回数が30回(時短状態が設定されてからの特図変動回数が30回)となった場合を終了条件として設定しているが、これに限ること無く、終了条件が成立する特図変動回数を演出抽選手段によって可変設定するように構成しても良い。この場合、大当たり遊技終了後に設定される時短状態の継続回数として、100回以外の値(例えば、20回、50回、80回等)を設定する大当たり種別を設けるように構成すると良い。
このように構成することで、継続バトル演出が実行される期間を遊技者に把握され難くすることができると共に、継続バトル演出終了後の残時短回数を遊技者に把握され難くすることができる。
加えて、継続バトル演出が終了することが無い期間(バトル演出保証期間)を遊技者に報知する保証期間報知演出として、例えば、キャラクタ817の体力ゲージ817aが減少しない、即ち、敗北することが無い無敵モードを示す演出を実行可能に構成し、その無敵モードが継続する期間を報知するように構成しても良い。
また、本実施形態では、時短状態における特図変動回数に基づいて継続バトル演出の終了条件を設定するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、特別図柄の抽選結果が大当たり以外の一部において、大当たり遊技よりも少ない特典(大当たり遊技とは異なる特典)を遊技者に付与可能な小当たりに当選可能に構成された遊技機では、小当たり当選に基づいて(小当たり遊技実行中に)継続バトル演出の終了条件が成立するように構成すると良い。
この場合、小当たり当選時に実行される小当たり遊技として、大当たり遊技と同一の可変入賞装置65を開放動作させる小当たり遊技を実行させるように構成すると良い。このように構成することで、可変入賞装置65が開放動作されている期間中にバトルに敗北する敗北演出を実行することができるため、遊技者に対してあたかも大当たり遊技中に敗北演出が実行されたと思わせることができる。
さらに、時短状態中における特図変動回数が所定回数(例えば、30回)に到達、或いは、小当たりに当選のうち、先に成立した条件に基づいて継続バトル演出を終了させるように構成すると良い。これにより、継続バトル演出が過剰に長くなることを抑制すると共に、継続バトル演出の継続期間を不定にすることができる。
<第3実施形態における電気的構成について>
次に、図115〜図119を参照して、本第3実施形態における電気的構成について説明をする。本第3実施形態では、上述した第1実施形態に対して、主制御装置110のMPU201のROM202と、音声ランプ制御装置113のMPU221のRAM223の構成とを変更した点で相違している。
まず、図115〜図117を参照して本第3実施形態における主制御装置110のMPI201のROM202の構成について説明をする。図115は、本第3実施形態のROM202の内容を模式図に示した模式図である。図115に示した通り、本第3実施形態のROM202は、上述した第1実施形態のROM202に対して、第1当たり乱数テーブル202aに替えて、第1当たり乱数3テーブル202baを、大当たり種別選択テーブル202dに替えて大当たり種別選択3テーブル202bbを設けた点で相違し、それ以外は同一である。同一の要素については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図116は、第1当たり乱数3テーブル203baに規定されている内容を模式的に示した模式図である。図116に示した通り、第1当たり乱数3テーブル203baは、上述した第1当たり乱数テーブル203aに対して規定されている値が異なるだけであり、それ以外は同一である。具体的には、遊技状態が低確(特別図柄の低確率状態)である場合は、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が「0,1」の範囲に大当たりが規定され、遊技状態が高確(特別図柄の高確率状態)である場合は、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が「2〜11」の範囲に大当たりが規定されている。
次に、図117を参照して、大当たり種別選択3テーブル202bbの内容について説明をする。図117(a)は、大当たり種別選択3テーブル202bbに規定されている内容を模式的に示した模式図であり、図117(b)は、大当たり種別選択3テーブル202bbが有する特図1大当たり種別選択テーブル202bb1に規定されている内容を模式的に示した模式図であり、図117(c)は、大当たり種別選択3テーブル202bbが有する特図2大当たり種別選択テーブル202bb2に規定されている内容を模式的に示した模式図である。
図117(a)に示した通り、大当たり種別選択3テーブル202bbは、第1特別図柄(特図1)の抽選で大当たりに当選した場合に、その大当たり種別を選択するための特図1大当たり種別選択テーブル202bb1と、第2特別図柄(特図2)の抽選で大当たりに当選した場合に、その大当たり種別を選択するための特図2大当たり種別選択テーブル202bb2と、を有しており、大当たりに当選した特別図柄の種別に応じて異なる大当たり種別が選択されるように構成している。
特図1大当たり種別選択テーブル202bb1は、図117(b)に示した通り、3種類の大当たり種別(大当たりA〜C)が規定されているデータテーブルであって、取得した第1当たり種別カウンタC2の値に応じて各大当たり種別が規定されている。具体的には、取得した第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜49」の範囲に「大当たりA」、「50〜64」の範囲に「大当たりB」、「65〜99」の範囲に「大当たりC」が規定されている。
ここで、大当たり種別「大当たりA」は、8ラウンドの大当たり遊技が実行され、大当たり遊技終了後に確変状態が設定される大当たり種別であって、確変フラグ203baがオンに設定され、時短カウンタ203hの値に「10000」が設定される大当たり種別である。大当たり種別「大当たりB」は、16ラウンドの大当たり遊技が実行され、大当たり遊技終了後に確変状態が設定される大当たり種別であって、確変フラグ203baがオンに設定され、時短カウンタ203hの値に「10000」が設定される大当たり種別である。大当たり種別「大当たりC」は、8ラウンドの大当たり遊技が実行され、大当たり遊技終了後に時短状態が設定される大当たり種別であって、確変フラグ203baがオフに設定され、時短カウンタ203hの値に「100」が設定される大当たり種別である。
つまり、本実施形態では、特図1で大当たりに当選した場合は、65%の確率で、大当たり遊技終了後に確変状態が設定され、35%の確率で時短状態が設定される。よって、大当たり遊技中に実行されるバトル演出においてバトルに勝利(大当たり遊技中に、大当たり遊技終了後に確変状態が設定されることを報知)する確率は、最大でも65%となる。
特図2大当たり種別選択テーブル202bb2は、図117(c)に示した通り、5種類の大当たり種別(大当たりD〜H)が規定されているデータテーブルであって、取得した第1当たり種別カウンタC2の値に応じて各大当たり種別が規定されている。具体的には、取得した第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜24」の範囲に「大当たりD」、「25〜34」の範囲に「大当たりE」、「35〜64」の範囲に「大当たりF」が規定され、「65〜89」の範囲に「大当たりG」が規定され、「90〜99」の範囲に「大当たりH」が規定されている。
ここで、大当たり種別「大当たりD」は、2ラウンドの大当たり遊技が実行され、大当たり遊技終了後に確変状態が設定される大当たり種別であって、確変フラグ203baがオンに設定され、時短カウンタ203hの値に「10000」が設定される大当たり種別である。大当たり種別「大当たりE」は、上述した「大当たりA」と同一内容の大当たり種別であり、「大当たりF」は、上述した「大当たりB」と同一内容の大当たり種別である。
「大当たりG」は、2ラウンドの大当たり遊技が実行され、大当たり遊技終了後に時短状態が設定される大当たり種別であって、確変フラグ203baがオフに設定され、時短カウンタ203hの値に「100」が設定される大当たり種別であり、「大当たりH」は、上述した「大当たりC」と同一の大当たり種別である。
つまり、本実施形態では、特図2で大当たりに当選した場合も、特図1で大当たりに当選した場合と同一で65%の確率で、大当たり遊技終了後に確変状態が設定され、35%の確率で時短状態が設定される。よって、大当たり遊技中に実行されるバトル演出においてバトルに勝利(大当たり遊技中に、大当たり遊技終了後に確変状態が設定されることを報知)する確率は、最大でも65%となる。
また、遊技者に最も有利となる大当たり種別である「大当たりF」が選択される割合(30%)が、特図1における「大当たりB」(「大当たりF」と同一内容の大当たり種別)が選択される割合(15%)よりも高く設定されている。よって、特図1抽選よりも特図2抽選のほうが遊技者に有利な抽選となる。
次に、図118を参照して本第3実施形態における主制御装置110のMPU201のRAM203の構成について説明をする。図118は、本第3実施形態のRAM203に規定されている構成を模式的に示した模式図である。図118に示した通り、本第3実施形態におけるRAM203は、上述した第1実施形態のRAM203に対して、確変カウンタ203gに替えて、確変フラグ203baを設けた点で相違している。それ以外の構成が同一であり、同一の構成には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
確変フラグ203baは、特別図柄の高確率状態が設定されていることを示すためのフラグであって、特別図柄の高確率状態が設定されている場合にオンに設定されるものである。この確変フラグ203baは、大当たり遊技終了時に実行される大当たり終了処理3(図124のS2551)において、今回の大当たり種別が大当たり終了後に確変状態を設定する大当たり(「大当たりA,B,D,E,F」)である場合にオンに設定され、大当たりに当選し、大当たりを示す表示態様で特別図柄が停止表示される場合(大当たり遊技が開始される場合)にオフに設定される。
次に、図119を参照して本第3実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221のRAM223の構成について説明をする。図119は、本第3実施形態の音声ランプ制御装置113のRAM223に規定されている構成を模式的に示した模式図である。図119に示した通り、本実施形態では、上述した第1実施形態の音声ランプ制御装置113のRAM223に対して、バトル中フラグ223caを追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の要素については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
バトル中フラグ223caは、バトル演出(継続バトル演出)が実行されていることを示すためのフラグであって、バトル演出(継続バトル演出)が実行されている場合にオンに設定されるものである。このバトル中フラグ223caは、バトル演出が実行されていない状態で当選した大当たりに基づいて実行される大当たり遊技が開始される場合にオンに設定され(図128のS6704参照)、音声ランプ制御装置113にて各種演出を設定する際に、現在がバトル演出中であるかを判別するために参照される。そして、状態コマンド受信処理3(図125のS4252参照)のバトル演出更新処理(図126のS4651参照)において、バトル演出の終了条件が成立(残時短回数が70回に到達(時短状態中の特図変動回数が30回に到達))した場合に、オフに設定される(図126のS6657参照)。
<第3実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図120〜図124を参照して、本第3実施形態における主制御装置110により実行される制御処理の内容について説明をする。本第3実施形態では、第1特別図柄(特図1)の抽選(変動)と、第2特別図柄(特図2)の抽選(変動)と、が同時に(並行して)実行されず、特図2の抽選(変動)を優先して実行するように構成している点で、上述した第1実施形態における主制御装置110の制御処理と大きく相違する。それ以外の内容については同一である。よって、本第3実施形態では、上述した相違点に関する制御処理の内容についてのみ説明をし、それ以外の内容については、その説明を省略する。
まず、図120を参照して、特別図柄変動処理3(S131)の内容について説明をする。図120は、特別図柄変動処理3(S131)の内容を示したフローチャートである。この特別図柄変動処理3(S131)は、上述した特別図柄変動処理(図34のS104参照)に対して、特図1、特図2のいずれも変動中では無いと判別した場合に、特図1よりも優先して特図2の変動を開始させるための処理を実行するように構成した点と、遊技状態を更新する処理(時短中カウンタ223hの値の更新)を、特別図柄の変動開始タイミングに替えて、特別図柄の停止タイミングに実行するように構成した点で相違する。
まず、図120を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理3(S131)について説明する。図120は、この特別図柄変動処理3(S131)を示すフローチャートである。この特別図柄変動処理3(S131)は、タイマ割込処理(図238参照)の中で実行され、第1図柄表示装置37において行う特別図柄(第1図柄)の変動表示や、第3図柄表示装置81において行う第3図柄の変動表示などを制御するための処理である。
この特別図柄変動処理3では、まず、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S251)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S251:Yes)、そのまま本処理を終了する。
特別図柄の大当たり中でなければ(S251:No)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S252)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でなければ(S252:No)、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(第1特別図柄(特図1)の変動表示の保留回数N1)及び第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(第2特別図柄における変動表示の保留回数N2)を取得する(S253)。次に、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)が0よりも大きいか否かを判別し(S254)、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)が0でなければ(S254:Yes)、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)を1減算し(S255)、演算により変更された第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値を示す保留球数コマンドを設定する(S256)。ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図58参照)の外部出力処理(S2401)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値を抽出し、抽出した値をRAM223の第2特別図柄保留球数カウンタ223dに格納する。
S256の処理により保留球数コマンドを設定した後は、第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納されたデータをシフトする(S257)。S257の処理では、第2特別図柄保留球格納エリア203bの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。S257の処理が実行された後には、第2特別図柄変動開始処理3を実行し(S258)、本処理を終了する。なお、第2特別図柄変動開始処理3(S258)については、図121を参照して後述する。
一方、S254の処理において、第2特別図柄保留球数カウンタ203dの値が0であると判別された場合には(S254:No)、次に、取得した第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が0であるか判別する(S259)。第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が0であると判別した場合には(S259:No)、本処理を終了する。一方、S259の処理において、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が0でないと判別した場合には(S259:Yes)、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)を1減算し(S260)、演算により変更された第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値を示す保留球数コマンドを設定する(S261)。ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図53参照)の外部出力処理(S2401)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値を抽出し、抽出した値をRAM223の第1特別図柄保留球数カウンタ223cに格納する。
S261の処理により保留球数コマンドを設定した後は、第1特別図柄保留球格納エリア203aに格納されたデータをシフトする(S262)。S262の処理では、第1特別図柄保留球格納エリア203aの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、第1特別図柄変動開始処理3を実行する(S263)。なお、第1特別図柄変動開始処理3(S263)については、図122を参照して後述する。
一方、S252の処理において、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であれば(S252:Yes)、第1図柄表示装置37において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S264)。第1図柄表示装置37において実行される変動表示の変動時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており(変動パターンコマンドに応じて決められており)、この変動時間が経過していなければ(S264:No)、第1図柄表示装置37の表示を更新し(S265)、本処理を終了する。
一方、S264の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S264:Yes)、第1図柄表示装置37の停止図柄に対応した表示態様を設定する(S266)。停止図柄の設定は、図121及び図122を参照して後述する第2特別図柄変動開始処理3(S258)と第1特別図柄変動開始処理3(S263)とによって予め行われる。この第2特別図柄変動開始処理3(S258)、或いは、第1特別図柄変動開始処理3(S263)が実行されると、第1特別図柄保留球格納エリア203aと第2特別図柄保留球格納エリア203bとに共通して設けられた実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、特別図柄の抽選が行われる。より具体的には、特別当たり乱数カウンタC1の値に応じて特別図柄の大当たりか否かが決定されると共に、特別図柄の大当たりである場合には、特別当たり種別カウンタC2の値に応じて大当たり種別が決定される。
尚、本実施形態では、大当たりAになる場合には、第1図柄表示装置37において青色のLEDを点灯させ、大当たりBになる場合には赤色のLEDを点灯させる。また、外れである場合には赤色のLEDと緑色のLEDとを点灯させる。なお、各LEDの表示は、次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
S266の処理が終了した後は、第1図柄表示装置37の停止表示を設定する(S266)。そして、第1図柄表示装置37において実行中の変動表示が開始されたときに、第2特別図柄変動開始処理3(S258)、或いは、第1特別図柄変動開始処理3(S263)によって行われた特別図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、特別図柄の大当たりであるかを判定する(S267)。今回の抽選結果が特別図柄の大当たりであれば(S267:Yes)、大当たりシナリオを設定し、確変フラグ203baをオフに設定し、時短カウンタ203hの値を0に設定し(S268)、大当たり中フラグ203mをオンに設定する(S269)。そして、停止コマンドを設定し(S270)、本処理を終了する。
一方、S267の処理において、今回の抽選結果が大当たりではないと判別した場合には(S267:No)、遊技状態更新処理3(S271)を実行する。遊技状態更新処理3(S271)については、図123を参照して後述する。そして、停止コマンドを設定し(S270)、本処理を終了する。
次に、図121を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される第2特別図柄変動開始処理3(S258)について説明する。図121は、第2特別図柄変動開始処理3(S258)を示したフローチャートである。この第2特別図柄変動開始処理3(S258)は、タイマ割込処理(図33参照)の特別図柄変動処理3(図120参照)の中で実行される処理であり、第2特別図柄保留球格納エリア203bの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、「特別図柄の大当たり」又は「特別図柄の外れ」の抽選(当否判定)を行うと共に、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81で行われる変動演出の演出パターン(変動演出パターン)を決定するための処理である。
第2特別図柄変動開始処理3(S258)では、まず、第2特別図柄保留球格納エリア203bの実行エリアに格納されている各種データ(特別当たり乱数カウンタC1、特別当たり種別カウンタC2、変動種別カウンタCS1の各値)を取得する(S1601)。次に、現在、遊技状態が確変期間中(高確率遊技状態)であるか判別する(S1602)。なお、確変期間であるか否かの判断は、確変フラグ203baがオンであるか判別することにより実行される。この確変カウンタフラグ203aaは、大当たりA,B,D,E,Fに基づく大当たり遊技が終了したことに基づいて、オンに設定される。一方、大当たり遊技の開始に基づいて、オフに設定される。
確変中であると判別された場合には(S1602:Yes)、パチンコ機10が特別図柄の高確率状態であるので、S1603の処理に移行する。S1603の処理では、S1601の処理で取得した特別当たり乱数カウンタC1の値と、特別図柄大当たり乱数テーブル(第1当たり乱数テーブル)202aとに基づいて、特別図柄の大当たりか否かの抽選結果を取得する(S1603)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値を、特別図柄大当たり乱数テーブル(第1当たり乱数テーブル)202aに格納されている500の乱数値と1つ1つ比較する。上述したように、確変状態(特別図柄の高確率状態)における特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、「0〜9」の10個が設定されており(図15(a)参照)、第1当たり乱数カウンタC1の値と、これらの当たりとなる乱数値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。特別図柄の抽選結果を取得したら、S1605の処理へ移行する。
一方、S1602の処理において、パチンコ機10が特別図柄の通常状態(低確率状態)であると判別した場合には(S1602:No)、S1604の処理を実行する。S1604の処理では、S1601の処理で取得した第1当たり乱数カウンタC1の値と、特別図柄大当たり乱数テーブル(第1当たり乱数テーブル)202aとに基づいて、特別図柄の大当たりか否かの抽選結果を取得する(S1604)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値を、特別図柄大当たり乱数テーブル(第1当たり乱数テーブル)202aに格納されている500の乱数値と1つ1つ比較する。通常状態(特別図柄の低確率状態)における特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、「0,1」の2個が設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値と、これらの当たりとなる乱数値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。特別図柄の抽選結果を取得したら、S1605の処理へ移行する。
S1605の処理では、S1603またはS1604の処理によって取得した特別図柄の抽選結果が、特別図柄の大当たりであるか(即ち、取得している第1当たり乱数カウンタC1の値と、特別図柄大当たり乱数テーブル(第1当たり乱数テーブル)202aに設定されている判定値と一致するか)を判別し(S1605)、特別図柄の大当たりであると判別された場合には(S1605:Yes)、S1601の処理で取得した大当たり種別カウンタC2の値に基づいて、大当たり時の表示態様を設定する(S1606)。より具体的には、S1601の処理で取得した大当たり種別カウンタC2の値と、特図2大当たり種別選択テーブル202bb2に格納されている乱数値とを比較し、大当たり種別(D〜H)が何であるかを判別する。
このS1606の処理では、判別された大当たり種別に応じて、第1図柄表示装置37の表示態様(LED37aの点灯状態)が設定される。また、大当たり種別に対応した停止図柄を、第3図柄表示装置81において停止表示させるべく、大当たり種別が停止種別として設定される。
次に、大当たり時の変動パターンを決定する(S1607)。S1607の処理で変動パターンが設定されると、第1図柄表示装置37における変動演出の変動時間(表示時間)が設定されると共に、第3図柄表示装置81において大当たり図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値を確認し、停止種別選択カウンタC3の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ等の図柄変動の変動時間を決定する。なお、停止種別選択カウンタC3の数値と図柄変動の種別との関係は、通常用変動パターン選択テーブル202b1に規定されている。
なお、変動パターンにおいて、主制御装置110では、当否判定結果を報知する第3図柄の変動時間を決定し、音声ランプ制御装置113に対して通知する。音声ランプ制御装置113では、その変動時間と当否判定結果に従い、実際に第3図柄表示装置81に表示する変動表示態様の内容(変動パターン)を決定する。主制御装置110では、外れリーチの表示態様であっても、音声ランプ制御装置113では、リーチ表示態様としない外れの表示態様に同じ変動時間であれば切り替えることもできるように構成されている。これにより、多様な表示態様を表示させることができ、演出を多様化することができる。
例えば、外れ用の変動パターンとしては、「短外れ」、「長外れ」、「外れノーマルリーチ」各種、「外れスーパーリーチ」各種が規定されている。大当たりA、大当たりB、大当たりD共用の変動パターンとしては、「ノーマルリーチ」各種、「スーパーリーチ」各種が規定されている。
一方、S1605の処理において、特別図柄の外れであると判別された場合には(S1605:No)、外れ時の表示態様を設定する(S1608)。S1608の処理では、第1図柄表示装置37の表示態様を外れ図柄に対応した表示態様に設定すると共に、第2特別図柄保留球格納エリア203bの実行エリアに格納されている停止種別選択カウンタC3の値に基づいて、第3図柄表示装置81において表示する変動時間(変動パターン)を設定する。
次に、外れ時の変動パターンを決定する(S1609)。ここでは、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において外れ図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、S1608の処理と同様に、第2特別図柄保留球格納エリア203bの実行エリアに格納されている停止種別選択カウンタC3の値を確認し、停止種別選択カウンタC3の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ等の図柄変動の変動時間を決定する。
S1607の処理またはS1609の処理が終わると、次に、S1607の処理またはS1609の処理で決定した変動パターンを表示制御装置114へ通知するための変動パターンコマンドを設定する(S1610)。次いで、S1607の処理またはS1609の処理で設定された停止種別を表示制御装置114へ通知するための停止種別コマンドを設定する(S1611)。S1611の処理が終わると、特別図柄変動処理3(S131)へ戻る。
次に、図122を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される第1特別図柄変動開始処理3(S263)について説明する。図122は、第1特別図柄変動開始処理(S263)を示したフローチャートである。この第1特別図柄変動開始処理(S263)は、上述した第2特別図柄変動開始処理3(S258)に対して、処理の対象となる特別図柄の種別を特図1から特図2に変更した点で相違し、その相違点に応じて、特図2用の各種カウンタやテーブル等を、特図1用の各種カウンタやテーブル等に変更した点で相違している。それ以外の内容は同一であるため、詳細な説明を省略する。
次に、図123を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される遊技状態更新処理3(S271)について説明する。図123は、遊技状態更新処理3(S271)を示したフローチャートである。この遊技状態更新処理3(S271)は、タイマ割込処理(図33参照)の特別図柄変動処理3(図120参照)の中で実行される処理であり、時短カウンタ203hの値を減算する処理を実行し、その減算した値に基づいて、遊技状態を更新し、更新後の遊技状態を示す状態コマンドを設定するための処理である。
遊技状態更新処理3(S271)が実行されると、まず、時短カウンタ203hの値が0よりも大きいか、即ち、現在が普通図柄の高確率状態(時短状態、確変状態)であるかを判別する(S851)。時短カウンタ203hの値が0よりも大きいと判別した場合は(S851:Yes)、時短カウンタ203hの値を1減算し(S852)、減算後の時短カウンタ203hの値が0であるかを判別する(S853)。
そして、S853の処理において時短カウンタ203hの値が0であると判別した場合は(S853:Yes)、遊技状態格納エリアに対応する遊技状態を設定し(S854)、現在の遊技状態(時短カウンタ203hの値、確変フラグ203baの設定状態)を示す状態コマンドを設定し(S871)、本処理を終了する。一方、S851の処理において、時短カウンタ203hの値が0よりも大きく無い(0である)と判別した場合(S851:No)、或いは、S853の処理において、時短カウンタ203hの値が0では無い(0よりも大きい)と判別した場合(S853:No)は、そのままS871の処理へ移行する。
上述した通り、本実施形態では、大当たり遊技終了後に確変フラグ203baがオンに設定される大当たりに当選した場合は、大当たり遊技終了後に時短カウンタ203hの値として「10000」が設定され、確変フラグ203baがオンに設定されない大当たりに当選した場合は、大当たり遊技終了後に時短カウンタ203hの値として「100」が設定されるように構成している。よって、大当たり遊技終了後に確変フラグ203baがオンに設定される大当たりに当選した場合は、実質、大当たり遊技終了後から次回大当たりに当選するまで確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定され、大当たり遊技終了後に確変フラグ203baがオンに設定されない大当たりに当選した場合は、大当たり遊技終了後から、特別図柄変動が100回実行されるまで時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定されることになる。
次に、図124を参照して、大当たり終了処理3(S2551)の内容について説明をする。図124は、大当たり終了処理3(S2551)の内容を示したフローチャートである。この大当たり終了処理3(S2551)では、当選した大当たりの大当たり種別に応じて、大当たり遊技終了時に、確変フラグ203baの設定、及び時短カウンタ203hの値の設定が行われる。
大当たり終了処理3(S2551)が実行されると、まず、今回の大当たり種別が「大当たりA,B,D,E,F」であるかを判別し(S2751)、「大当たりA,B,D,E,F」であると判別した場合は(S2751:Yes)、確変フラグ203baをオンに設定し(S2752)、時短カウンタ203hの値に「10000」をセットし(S2753)、大当たり中フラグをオフに設定し(S2754)、遊技状態の変更を示すコマンド(現在の遊技状態を示すコマンド)を設定し(S2704)、本処理を終了する。一方、S2751の処理において、今回の大当たり種別が「大当たりA,B,D,E,F」では無いと判別した場合は(S2751:No)、時短カウンタ203hの値に「100」をセットし(S2755)、S2754の処理へ移行する。
<第3実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図125〜図128を参照して、本第3実施形態における音声ランプ制御装置113により実行される制御処理の内容について説明をする。本実施形態では、第1実施形態における音声ランプ制御装置113が実行する制御処理に対して、状態コマンド受信処理(図64のS4212参照)に替えて状態コマンド受信処理3(図125のS4252参照)を、特図1変動開始処理(図60のS4202参照)、及び特図2変動開始処理(図61のS4204参照)に替えて特図変動開始処理(図127のS4291参照)を、実行する点と、大当たり関連処理(図66のS5002参照)のサブルーチンとして、大当たり開始処理(図128のS4212参照)を実行する点で相違する。それ以外の処理内容は同一であるため、その詳細な説明を省略する。
まず、図125を参照して、状態コマンド受信処理3(S4252)の内容について説明をする。図125は、状態コマンド受信処理3(S4252)の内容を示したフローチャートである。この、状態コマンド受信処理3(S4252)は、上述した第1実施形態の状態コマンド受信処理(図64のS4212参照)に対して、バトル演出更新処理(S4651)を追加して実行する点で相違する。それ以外の処理内容は同一であるため、その詳細な説明を省略する。
状態コマンド受信処理3(S4252)が実行されると、まず、バトル演出更新処理を実行し(S4651)、その後、上述した状態コマンド受信処理(図64のS4212参照)と同一のS4601〜S4604の処理を実行する。ここで、S4602の処理において、遊技状態が通常状態以外に変更されたと判別した場合は(S4602:No)、次に、バトル中フラグ223caがオンに設定されているかを判別し(S4652)、オンに設定されていると判別した場合は(S4652:Yes)、バトル演出(継続バトル演出)が表示されている状態であるため、遊技状態移行に伴う表示内容の変更処理を実行すること無く、S4610の処理へ移行し、本処理を終了する。一方、S4652の処理において、バトル中フラグ223caがオンに設定されていないと判別した場合は(S4652:No)、上述した状態コマンド受信処理(図64のS4212参照)と同一のS4605〜S4610の処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図126を参照して、バトル演出更新処理(S4651)の内容について説明をする。図126は、バトル演出更新処理(S4651)の内容を示したフローチャートである。このバトル演出更新処理(S4651)では、時短状態中におけるバトル演出(継続バトル演出)において、時短回数の更新に対応させた演出態様を設定するための処理が実行される。
バトル演出更新処理(S4651)が実行されると、まず、バトル中フラグ223caがオンに設定されているかを判別し(S6651)、オンに設定されていない(オフに設定されている)と判別した場合は、バトル演出を更新することが無いため、そのまま本処理を終了する。一方、バトル中フラグ223caがオンに設定されている。即ち、現在がバトル演出中であると判別した場合は(S6651:Yes)、次に、現在が時短状態中であるかを判別する(S6652)。
このS6652の処理は、従状態設定エリア223kに設定されている遊技状態を示す情報を読み出すことにより実行される。S6652の処理において、現在が時短状態では無いと判別した場合は(S6652:No)、現在が大当たり遊技中であるため、バトル演出を更新する処理を実行する必要が無いため、そのまま本処理を終了する。現在が時短状態中であると判別した場合は(S6652:Yes)、次に、今回受信した状態コマンドに含まれている時短状態の残期間を示す情報(残時短回数を示す情報)に基づいて残時短回数の値を更新し、従状態設定エリア223kに設定する。
S6653の処理を終えると、残時短回数の値を更新した結果、残時短回数が70回に到達したかを判別し(S6654)、70回では無い、即ち、71〜99回であると判別した場合は(S6654:No)、今回設定された残時短回数に応じた体力ゲージ値を示す表示用コマンドを設定し(S6655)、本処理を終了する。ここで、S6655の処理によって設定された表示用コマンドを表示制御装置114が受信すると、図114(a)に示したように、継続バトル演出中の体力ゲージ817aの表示態様として残時短回数に対応した表示態様の画像データが生成され、第3図柄表示装置81の表示画面に表示される。
一方、S6654の処理において、残時短回数が70回に到達したと判別した場合は(S6654:Yes)、時短状態中に実行されるバトル演出(継続バトル演出)の終了条件が成立したことに基づいて、バトル敗北を示す表示用コマンドを設定し(S6656)、バトル中フラグ223caをオフに設定し(S6657)、本処理を終了する。S6656の処理で設定された表示用コマンドを表示制御装置114が受信すると、図113(a)に示した通り、バトル演出にてキャラクタ817が敗北する敗北演出が実行される。
次に、図127を参照して、特図変動開始処理(S4291)の内容について説明をする。図127は、特図変動開始処理(S4291)の内容を示したフローチャートである。この特図変動開始処理(S4291)は、上述した第1実施形態の特図1変動開始処理(図60のS4202参照)、及び特図2変動開始処理(図61のS4204参照)に替えて実行されるものである。つまり、上述した第1実施形態のパチンコ機10は、特図1抽選(変動)と、特図2抽選(変動)とが、同時に(並行して)実行されるため、各特図に対してそれぞれ変動開始処理を実行するように構成していたのに対し、本第3実施形態では、各特図抽選(変動)が同時に(並行して)実行されないように構成したため、特図変動の開始タイミングで実行する処理を特図1と特図2とで共通化している。
特図変動開始処理(S4291)が実行されると、まず、特図変動開始フラグをオンに設定し(S4371)、次いで、上述した特図2変動開始処理(図61のS4204参照)と同一のS4352及びS4353の処理を実行し、その後、今回の特図変動(抽選)が大当たりに当選しているかを判別する(S4381)。この処理では、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドに含まれている情報に基づいて大当たり当選の可否が判別される。
S4381の処理において、今回の特図変動(抽選)が大当たりに当選していないと判別した場合は(S4381:No)、そのまま本処理を終了する。一方で、今回の特図変動(抽選)が大当たりに当選していると判別した場合は(S4381:Yes)、次に、バトル中フラグ223caがオンに設定されているかを判別する(S4382)。つまり、バトル演出が実行されている最中に実行される特図変動が大当たりに当選したものであるかを判別する。
S4382の処理において、バトル中フラグ223caがオンに設定されていないと判別した場合は(S4382:No)、そのまま本処理を終了し、バトル中フラグ223caがオンに設定されていると判別した場合は(S4382:Yes)、次いで、今回当選した大当たりが時短大当たりであるかを判別し(S4383)、時短大当たりであると判別した場合は(S4383:Yes)、バトル再戦を示す表示用コマンドを設定し(S4384)、本処理を終了する。一方、S4383の処理において、時短大当たりでは無い(確変大当たりである)と判別した場合は(S4383:No)、S4384の処理をスキップして本処理を終了する。S4384の処理において設定された表示用コマンドを表示制御装置114が受信すると、図113(b)に示した再戦演出に対応する画像データが生成され、第3図柄表示装置81の表示画面に表示される。
次に、図128を参照して、大当たり開始処理(S4212)の内容について説明をする。図128は、大当たり開始処理(S4212)の内容を示したフローチャートである。この大当たり開始処理(S4212)では、大当たり遊技が開始されるタイミングにおける演出状況(バトル演出中か否か)、および、今回当選した大当たりの大当たり種別に基づいて各種設定を行う処理が実行される。
大当たり開始処理(S4212)が実行されると、まず、バトル中フラグ223caがオンに設定されているかを判別し(S6701)、オンに設定されていないと判別した場合、即ち、バトル演出期間外に大当たり遊技が実行されたと判別した場合は(S6701:No)、今回の大当たりが確変大当たりであるかを判別する(S6702)。このS6702の処理では、従状態設定エリア223kに記憶されている大当たり種別に基づいて判別が行われる。
S6702の処理において、確変大当たりであると判別した場合は(S6703:Yes)、大当たり遊技中に実行されるバトル演出の表示態様としてバトル勝利を示す表示用コマンドを設定し(S6703)、バトル中フラグ223caをオンに設定し(S6704)、S6709の処理へ移行する。一方、S6702の処理において、確変大当たりでは無い(時短大当たりである)と判別した場合は(S6702:No)、大当たり遊技中に実行されるバトル演出の表示態様としてバトル継続を示す表示用コマンドを設定し(S6705)、上述したS6704,S6709の処理を実行し、本処理を終了する。
また、S6701の処理において、バトル中フラグ223caがオンに設定されていると判別した場合は(S6701:Yes)、今回の大当たりが確変大当たりであるかを判別し(S6706)、確変大当たりであると判別した場合は(S6706;Yes)、バトル勝利を示す表示用コマンドを設定し(S6707)、S6709の処理へ移行し、S6706の処理で確変大当たりでは無いと判別した場合は(S6706:No)、バトル継続を示す表示用コマンドを設定し、S6709の処理で、表示用大当たり開始コマンドを設定し、本処理を終了する。
以上、説明をした通り、本第3実施形態では、特別図柄の大当たりに当選した場合に、その大当たり当選に基づいて実行される大当たり遊技の終了後に設定される遊技状態として、確変状態(次回大当たりに当選するまで)と、時短状態(大当たりに当選すること無く、特図変動が100回実行されるまで、或いは、大当たりに当選するまで)の何れかが設定されるように構成している。
つまり、大当たり遊技終了後に確変状態が設定されると、次回の大当たりに当選するまで、特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態が継続して設定されるため、確変状態が設定されると多くの賞球を獲得することができる可能性が格段に高くなるものであった。ここで、近年のパチンコ機10は、確変状態を高確率で継続させるように構成し、遊技者に対して多くの賞球を獲得させる可能性を提供することにより、遊技の射幸性が高くなることを防止する対策として、確変状態が継続する確率を低下させる(例えば、確変状態が継続する割合を65%以下にする)対策が検討されている。
このような対策を施すことにより、遊技者に賞球に対して過度な期待を持たせることのない健全なパチンコ機10を提供することが可能となるが、従来のように、確変状態が高確率(例えば、80%)で継続するパチンコ機10にて用いられていた演出(特別図柄の抽選結果を示すための演出)の中で、対策を施したパチンコ機10に用いた場合に演出効果が極端に低下してしまう演出があり、遊技者の遊技意欲を低下させてしまうという問題が発生した。
具体的に説明をすると、大当たり遊技中に、自身のキャラクタが敵のキャラクタとバトルを行い、バトルに勝利した場合に、今回の大当たり遊技終了後に確変状態が設定されることを報知するバトル演出において、確変状態が継続する割合が低下してしまうと、大当たり遊技中に実行されるバトル演出の勝率が低下してしまい、バトル演出が実行された場合における遊技者の期待感(確変状態が設定されることへの期待感)が薄れ、遊技意欲が低下してしまうという問題があった。
これに対して、本第3実施形態では、大当たり遊技が終了してから所定の終了条件(例えば、特図変動が30回実行)が成立するまでの間、バトル演出を継続させる継続バトル演出を実行し、大当たり遊技が終了してから所定の終了条件が成立するまでの期間中に大当たりに当選した場合に、バトルに勝利する演出を実行するように構成している。これにより、バトル演出にて勝利する確率を高めることができ、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
さらに、本第3実施形態では、確変大当たり(大当たり遊技終了後に確変状態が設定される大当たり)に当選した場合には、その大当たり遊技中にバトルに勝利するバトル演出を実行し、時短大当たり(大当たり遊技終了後に時短状態が設定される大当たり)に当選した場合のみ継続バトル演出を実行するように構成している。これにより、よりバトル演出にて勝利する確率を高めることができる。
加えて、継続バトル演出中に、当選した大当たりの種別に応じて継続バトルの演出結果を異ならせるように構成しており、例えば、継続バトル演出中に確変大当たりに当選した場合はバトル勝利演出を実行し、継続バトル演出中に時短大当たりに当選した場合はバトル再戦演出を実行するように構成している。これにより、継続バトル演出中に時短大当たりに当選した場合に、バトルに敗れる敗北演出が実行されることを抑制している。よって、バトル演出が実行された後に敗北演出が実行される頻度を低減させることができるため、相対的にバトル勝利の割合を高めることができる。
なお、本実施形態では、継続バトル演出(時短状態中に実行するバトル演出)の終了条件として、時短回数が30回(時短状態が設定されてからの特図変動回数が30回)となった場合を終了条件として設定しているが、これに限ること無く、終了条件が成立する特図変動回数を演出抽選手段によって可変設定するように構成しても良い。この場合、大当たり遊技終了後に設定される時短状態の継続回数として、100回以外の値(例えば、20回、50回、80回等)を設定する大当たり種別を設けるように構成すると良い。
このように構成することで、継続バトル演出が実行される期間を遊技者に把握され難くすることができると共に、継続バトル演出終了後の残時短回数を遊技者に把握され難くすることができる。
加えて、継続バトル演出が終了することが無い期間(バトル演出保証期間)を遊技者に報知する保証期間報知演出として、例えば、キャラクタ817の体力ゲージ817aが減少しない、即ち、敗北することが無い無敵モードを示す演出を実行可能に構成し、その無敵モードが継続する期間を報知するように構成しても良い。
また、本実施形態では、時短状態における特図変動回数に基づいて継続バトル演出の終了条件を設定するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、特別図柄の抽選結果が大当たり以外の一部において、大当たり遊技よりも少ない特典(大当たり遊技とは異なる特典)を遊技者に付与可能な小当たりに当選可能に構成された遊技機では、小当たり当選に基づいて(小当たり遊技実行中に)継続バトル演出の終了条件が成立するように構成すると良い。
この場合、小当たり当選時に実行される小当たり遊技として、大当たり遊技と同一の可変入賞装置65を開放動作させる小当たり遊技を実行させるように構成すると良い。このように構成することで、可変入賞装置65が開放動作されている期間中にバトルに敗北する敗北演出を実行することができるため、遊技者に対してあたかも大当たり遊技中に敗北演出が実行されたと思わせることができる。
さらに、時短状態中における特図変動回数が所定回数(例えば、30回)に到達、或いは、小当たりに当選のうち、先に成立した条件に基づいて継続バトル演出を終了させるように構成すると良い。これにより、継続バトル演出が過剰に長くなることを抑制すると共に、継続バトル演出の継続期間を不定にすることができる。
<第1変形例>
次に、図129から図133を参照して、上述した各実施形態における第1変形例について説明をする。上述した第1実施形態のパチンコ機10は、特図1抽選(変動)と、特図2抽選(変動)とが、同時に(並行して)実行されるため、各特図に対してそれぞれ変動開始処理を実行するように構成し、図9(a)に示した通り、何れかの特図変動(図9(a)では特図1変動)に対応する変動演出のみを第3図柄表示装置81の主表示領域Dmで表示するように構成していた。
このように構成されたパチンコ機10では、複数の特図変動に対応する変動演出が同時に第3図柄表示装置81にて実行されることが無いため、遊技者が第3図柄表示装置81にて実行される変動演出に困惑してしまう事態が発生することを抑制することができるものであったが、複数の特別図柄変動が同時に(並行して)実行されていることが分かり難く、複数の特別図柄変動が同時に(並行して)実行されるという特徴的な遊技性を遊技者が理解できないまま遊技が行われてしまうという問題があった。
これに対して、本第1変形例では、一方の特図変動を主変動表示とし、他方の特図変動を従変動表示とし、主変動表示に対応する変動演出(主変動演出)も従変動表示に対応する変動演出(従変動演出)も第3図柄表示装置81の表示画面に表示するように構成している。そして、主変動表示に対応する変動演出のほうが、従変動表示に対応する変動演出よりも、目立つように構成している。
ここで、本第1変形例における第3図柄表示装置81の表示内容について図130(a)を参照して具体的に説明をする。図130(a)は、本第1変形例における第3図柄表示装置の表示画面の表示内容を模式的に示した模式図である。図130(a)に示した通り、本第1変形例では、上述した第1実施形態の表示画面に対して、表示画面の主表示領域Dmを主変動領域Dmaと、従変動領域Dmbとを形成し、主変動領域Dmaに主変動演出を、従変動領域Dmbに従変動演出をそれぞれ実行するように構成している点で相違し、それ以外の要素は同一である。同一の要素については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図130(a)に示した通り、本第1変形例は、主変動領域Dmaのほうが従変動領域Dmbよりも大きく形成されるように構成しており、遊技者に対して主変動演出を従変動演出よりも目立たせて実行することができるように構成している。これにより、遊技者に対して実行中の複数の変動演出のうち、一方の変動演出を注視させることができる。
本第1変形例では、従変動領域Dmb側で実行される変動演出として特定の変動演出(大当たり期待度の高い変動演出(例えば、スーパーリーチ演出))が実行される場合に、主変動領域Dmaで実行されている変動演出と、従変動領域Dmbで実行される変動演出とを切り替える表示切り替え処理を実行可能に構成している。これにより、遊技者が注視すべき変動演出が実行された場合に、その変動演出を遊技者に分かり易く報知することができる。
しかしながら、従変動領域Dmb側で実行される変動演出として特定の変動演出(大当たりに当選する変動演出(例えば、スーパーリーチ))が設定された時点で、主変動領域Dmaでも(大当たりに当選する期待度の高い変動演出(例えば、スーパーリーチ))が実行されている場合は、主変動領域Dmaで実行されている変動演出が急に切り替わってしまい、遊技者に対して分かり難く演出を提供してしまうという問題があった。
また、主変動領域Dmaにて実行中の特定の変動演出が、実行され難い変動演出であって、特別図柄の抽選結果によらず最後までその演出を見たいと考えている遊技者にとっては、急に変動演出が切り替わってしまい、不満感を与えてしまう虞があった。
これに対して、本第1変形例では、主変動領域Dmaにて実行される変動演出(特図1変動演出)を実行(設定)する際に、保留記憶されている従変動領域Dmbにて実行される変動演出(特図2変動演出)に対応する入賞情報の先読み結果を判別し、大当たりに当選する入賞情報を有しているかを判別するように構成している。そして、大当たりに当選する入賞情報を有していると判別した場合には、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが特定の変動演出(例えば、外れスーパーリーチ演出)を設定し得る変動パターンコマンド(例えば、90秒の変動時間を示す外れ変動パターン)であった場合に、特定の変動演出では無く、通常の変動演出(例えば、変動時間が10秒の短時間外れ変動パターン(図18参照)に対応して設定する変動演出)を複数回実行する特殊変動演出が実行されるように構成している。
このように構成することで、主変動領域Dmaにて実行される変動演出を特図1変動演出から特図2変動演出に切り替えたとしても、切替前の主変動領域Dmaでは通常の外れ変動に対応する変動演出が実行されるだけであるため、遊技者に違和感や不満感を与えることなくスムーズに変動演出を切り替えることが出来る。
ここで、図129を参照して、本第1変形例における演出の流れについて説明をする。図129は、主変動領域Dmaと従変動領域Dmbとで変動表示される変動演出を切り替える場合における各演出の流れを示したタイミングチャートである。図129に示した通り、主変動領域Dmaにて実行される特図1変動(抽選結果が外れで、変動時間が60秒の変動)の変動演出(特図1変動演出)を設定するタイミング(図129(a)のタイミング)にて、入賞情報格納エリア223abから特図2の入賞情報を読み出し、実行中の特図2変動が大当たり変動であるか、或いは、次に変動表示が実行される特図2に対応する入賞情報が大当たり当選を示す情報を有しているかを判別する。
上述した判別の結果、次に実行される特図2変動(特図2の第2変動)に対応する特図2保留が大当たり当選を示す情報を有していると判別した場合は、特図1変動の変動演出として、変動時間が10秒の外れ変動時に選択される変動演出(短時間外れ変動演出)を擬似的に連続で実行させる特殊変動演出が設定され実行される。これにより、特図2の第2変動が実行され、主変動領域Dmaにて特図2変動演出を実行させるための演出切替タイミング(図129(b)のタイミング)において、特図1変動の変動演出として短時間外れ変動演出が実行されているため、遊技者に違和感を与えること無く変動演出を切り替えることが出来る。
また、特図1変動の変動演出を設定するタイミングにおいて、実行中の特図2変動の残変動時間や、今後実行される特図2変動の変動時間等を正確に把握しなくても、主変動領域Dmaにて特図2変動演出を実行させるための演出切替タイミング(図129(b)のタイミング)において、通常の外れ変動を実行させることができるため、変動演出を設定する際の処理を簡素化することができる。
次に、図130(b)、及び図131を参照して、主変動領域Dmaと従変動領域Dmbとで変動表示される変動演出を切り替える場合に表示される演出内容について説明をする。図130(b)は、特図1変動の変動演出が主変動領域Dmaにて実行されている時点における表示内容の一例を示した模式図であり、図131は、特図2変動の変動表示が主変動領域Dmaにて実行されている時点における表示内容の一例を示した模式図である。
図130(b)に示した通り、変動表示の切り替えタイミングより前の時点では、主変動領域Dmaにて特図1変動の変動演出(短時間外れ変動演出)が実行され、従変動領域Dmbにて特図2変動の変動演出(リーチ発生)が実行される。その後、特図2変動の変動表示がスーパーリーチに発展するタイミングになると、図131に示した通り、主変動領域Dmaにて特図2変動の変動演出が実行され、遊技者に目立たせるようにスーパーリーチ演出(表示領域内を魚が泳ぐ演出)が実行される。
一方、特図1変動の変動演出は、従変動領域Dmbへと切り替えて表示される。なお、図131に示した例では、擬似的に複数回実行される短時間外れ変動演出の1つが終了した時点を示しており、従変動領域Dmbに表示される第3図柄が仮停止態様(図131では揺動停止で表示)で表示されている。このように、擬似的に短時間外れ変動演出を複数回実行するように構成した場合、各短時間外れ変動演出の終了時点で第3図柄を仮停止態様で表示することにより、遊技者に対して、特図1変動が複数回実行されているように思わせることができる。
さらに、本第1変形例では、特図1変動演出が実行される表示位置(主表示領域Dmの左側)と、特図2変動演出が実行される表示位置(主表示領域Dmの右側)と、を可変すること無く、主変動領域Dmaと従変動領域Dmbとを可変するように構成している。このように構成することで、遊技者に対して、実行されている変動演出がどの特別図柄に対応するものであるのかを分かり易く報知することができる。なお、これに限ること無く、主変動領域Dmaの位置と、従変動領域Dmbの位置とを可変させずに、特図1変動演出の表示位置と特図2変動演出の表示位置とを可変するように構成しても良い。これにより、遊技者に対して注視すべき変動演出が実行される位置を固定することができるため、分かり易い遊技を提供することができる。
加えて、本第1変形例では、変動表示の切り替えタイミングの前後で主変動領域Dma、及び、従変動領域Dmbを同一の大きさを可変させることなく形成しているが、これに限ること無く、例えば、変動表示の切り替え後は、主変動領域Dmaを切替前よりも大きく形成し、従変動領域Dmbを切替前よりも小さく形成するように構成すると良い。これにより、切替後に主変動領域Dmaにて実行される変動演出をより強調することができ、遊技者に興味を持たせることができる。また、各変動領域の大きさを可変させる構成以外にも、例えば、各変動領域を区画するための枠態様を可変させても良く、例えば、切替後の主変動領域Dmaのみ、枠態様の色を他とは異なる赤色にしたり、枠態様の形状を他とは異なる円形状にしたりするように構成しても良い。
さらに、本第1変形例では、主変動領域Dma側にて実行される特図変動の変動演出を設定する際に、他の特図変動の入賞情報に基づいて大当たり当選の有無を判別(事前判別)し、その判別結果に基づいて変動演出の演出態様を設定するように構成しているが、これに加え、他の特図変動の入賞情報に基づいて、他の特図変動の変動時間、及び、大当たりを示す組み合わせで特図が停止表示されるタイミングや、変動演出を切り替えるタイミングを判別し、その判別結果に基づいて変動演出を設定するように構成しても良い。
<第2変形例>
次に、図132及び図133を参照して、第2変形例について説明をする。上述した第1変形例では、主変動領域Dmaと従変動領域Dmbとを形成し、各変動領域にてそれぞれ特図変動に対応する変動演出が実行されるように構成し、従変動領域Dmb側の特図変動にて特定の変動演出が実行される場合に、主変動領域Dmaで実行される変動演出に対応する特別図柄と、従変動領域Dmbで実行される変動演出に対応する特別図柄とを切り替える変動演出切替処理を実行するものであった。
これに対して、本第2変形例では、従変動領域Dmb側の特図変動にて特定の変動演出が実行される場合に、主変動領域Dmaと、従変動領域Dmbと、を融合した特殊変動領域を形成し、その特殊変動領域内で複数の特図変動に対応する変動演出を実行するように構成している点で相違している。それ以外の要素は上述した第1変形例と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
本第2変形例は、通常の変動状態では上述した第1変形例の図130(a)に示した変動表示が実行される。そして、上述した第1変形例と同様に、主変動領域Dmaにて実行される特図1変動(抽選結果が外れで、変動時間が60秒の変動)の変動演出(特図1変動演出)を設定するタイミング(図129(a)のタイミング)にて、入賞情報格納エリア223abから特図2の入賞情報を読み出し、実行中の特図2変動が大当たり変動であるか、或いは、次に変動表示が実行される特図2に対応する入賞情報が大当たり当選を示す情報を有しているかを判別する。
上述した判別の結果、次に実行される特図2変動(特図2の第2変動)に対応する特図2保留が大当たり当選を示す情報を有していると判別した場合は、図132(a)に示す特殊変動領域Dma〜Dmdを形成する。ここで、図132(a)〜図133(b)を参照して、本第2変形例における演出内容について説明をする。
図132(a)は、特殊変動領域Dma〜Dmdの表示内容を模式的に示した模式図であり、図132(b)は、特図2の大当たり変動が開始された時点における特殊変動領域Dma〜Dmdの表示内容の一例を示した模式図であり、図133(a)は、特図2の大当たり変動中の表示内容の一例を示した模式図であり、図133(b)は、特図2が大当たりを示す組み合わせで停止表示された場合の表示内容の一例を示した模式図である。
図132(a)に示した通り、特殊変動領域Dma〜Dmdは、4つの変動表示領域から形成されており、特殊変動領域Dmaに特図1変動に対応する変動演出が、特殊変動領域Dmbに特図2変動に対応する変動演出が、特殊変動領域Dmc、及び特殊変動領域Dmdに擬似的な図柄の装飾変動演出が実行されるように構成されている。そして、特殊変動領域Dma〜Dmdが形成されたことを示す「マルチリーチ」のコメントが副表示領域Dsに表示される。
その後、特殊変動領域Dma〜Dmdが表示されている状態で、特図1変動が停止表示されると、図132(b)に示した状態となる。図132(b)では、特図1変動の抽選結果が外れであることを示す表示態様「351」が特殊変動領域Dmaに表示され、特図2変動がリーチ状態であることを示すリーチ表示が特殊変動領域Dmbに表示される。また、特殊変動領域Dmc、及び特殊変動領域Dmdでは、実行中の特図2変動の大当たり期待度を示唆するための装飾変動表示が実行されており、特殊変動領域Dmcでもリーチ表示が表示されている。
加えて、特図1変動の抽選結果を示す特殊変動領域Dmaに外れ図柄が停止表示されたことに基づいて、特殊変動領域Dmaの表示領域が小さくなり、リーチ状態である特殊変動領域Dmb、及び特殊変動領域Dmcの表示領域が大きく形成される。このように、各変動領域における変動状況、および変動結果に応じて特殊変動領域Dma〜Dmdにおける各変動領域の大きさを可変させることにより、遊技者に対して注視すべき領域を分かり易く報知することができる。
その後、特図2変動表示が進行すると、図133(a)に示した通り、特殊変動領域Dmbのみがリーチ状態となり、他の変動領域では外れを示す表示態様が表示され、副表示領域Dsにて「ラストチャンス」のコメントが表示される。この状態において、特図1変動が次の変動表示が実行されているが、第3図柄表示装置81の表示画面上では、特殊変動領域Dmaにて前回の特図変動の結果が仮停止表示された状態を維持している。
このように構成することで、特図1変動が新たに実行されたとしても、特殊変動領域Dma〜Dmdを用いたマルチリーチ演出に違和感を与えることが無い。なお、新たに実行された特図1変動が大当たり当選している場合は、例えば、図133(a)に示した状態から特殊変動領域Dmaにて再度第3図柄が変動を開始する演出を実行するように構成しても良い。これにより、特殊変動領域Dma〜Dmdを用いたマルチリーチがどのような演出態様で何時まで継続するのかを遊技者に分かり難くすることができ、演出効果を高めることができる。
そして、特図2変動が大当たりを示す組合せで停止表示されると、図133(b)に示した通り、特殊変動領域Dmbの表示領域が最も大きくなり、その特殊変動領域Dmbに「大当たり」のコメントと共に、大当たりを示す第3図柄「555」が停止表示される。この状態では、実行中の特図1変動が強制的に外れ停止されるため特殊変動領域Dmaには特図1が外れ停止したことを示す「351」が表示される。
また、特殊変動領域Dmc及びDmdにて実行される装飾変動表示は、特図2変動の大当たり当選期待度を示唆するための演出態様で変動表示されると共に、特図1変動の停止タイミングと、特図2変動の停止タイミングと、の間隔に基づいて、各変動表示の変動期間が設定されるように構成している。
具体的には、特図1変動が実行されマルチリーチが表示された時点、即ち、大当たり変動となる特図2変動が開始されていない時点では、特殊変動領域Dmc及びDmdにて実行される装飾変動表示はその演出態様が設定されていない状態で変動表示される。そして、特図2の大当たり変動が実行されるタイミングで、実行中の特図1変動の残変動時間と、大当たり変動の変動時間との差を算出し、その算出結果に基づいて、特殊変動領域Dmc及びDmdにて実行される装飾変動表示の変動時間を設定する。
このように構成することで、特殊変動領域Dmaにて表示される特図1変動が停止してから、特殊変動領域Dmbにて表示される特図2変動が停止するまでの期間が短い場合も、長い場合も、遊技者に違和感を与えること無くマルチリーチ演出を実行することができる。なお、マルチリーチ演出の構成はこれに限るものではなく、例えば、実行中の特図1変動の残変動時間と、大当たり変動の変動時間との差が所定時間以内である場合には、特殊変動領域Dmc及びDmdを融合させて一つの装飾変動表示を実行するように構成しても良いし、特殊変動領域Dmcのみで装飾変動表示を実行し、特殊変動領域Dmdにミニキャラクタを出現させ、実行中のマルチリーチの大当たり期待度を示唆する示唆演出を実行するように構成しても良い。
なお、上記各変形例では、特殊変動演出(1の変動期間の間に、疑似的に複数回の短時間外れの変動パターンが連続して実行される態様の変動演出)が実行されている間も、小表示領域Dm1,Dm2に表示される第4図柄は通常通りの態様で表示されるように構成していた。即ち、特殊変動演出において、第3図柄が仮停止されている間も、特殊変動演出が実行されている特別図柄に対応する第4図柄は、変動表示を継続する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、特殊変動演出の実行中における仮停止期間に同期して、対応する第4図柄も仮停止するように制御してもよい。このように構成することで、特殊変動演出の実行中に遊技者が第4図柄を視認したとしても、特殊変動演出の実行中であるか否かを見分けることを困難にすることができる。よって、変動表示の切替タイミングの前後において、第3図柄は仮停止されているにもかかわらず、第4図柄が変動表示され続けているという不自然な表示内容になることを抑制することができるので、遊技者に違和感を抱かせてしまうことを抑制することができる。また、例えば、特殊変動演出の実行中における少なくとも仮停止期間の間は、第4図柄が視認困難となるように構成してもよい。より具体的には、例えば、第4図柄を非表示としたり、第4図柄表示領域を縮小表示したり、第4図柄表示領域(小表示領域Dm1,Dm2)が隠れる位置に所定の役物を動作させる構成としてもよい。このように構成することで、特殊変動演出の仮停止期間に第4図柄の表示態様を同期される場合よりも、第4図柄の表示制御を簡素化することができる。
また、特殊変動演出が実行されているか否かを認識困難にするための方法として、例えば、少なくとも仮停止期間の間、第4図柄表示領域周辺の背面画像を第4図柄と同色にすることで、第4図柄が変動表示されているのか停止表示されているのかを視認困難にする構成としてもよい。このように構成することで、背面画像を変更するという極めて簡素な制御により第4図柄を視認困難にすることができるので、表示制御をより簡素化することができる。また、背面画像が変更されることにより、通常とは異なる演出が実行されているかのように遊技者に感じさせることができるので、大当たりに対する期待感を高めることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。更に、例えば、主変動領域Dmaと、従変動領域Dmbとが切り替わって、特図2変動表示が主変動領域Dmaにおいて実行されている間は、表示領域が拡大された特図2変動表示の表示内容によって、第4図柄表示領域が遮蔽されるように構成してもよい。即ち、図131の例において、スーパーリーチに発展すると共に表示される魚の画像が第4図柄表示領域にも表示されるように(第4図柄の表示レイヤーよりも手前の階層のレイヤーに魚の画像を表示させるように)構成したり、「リーチ発生!!」という文字を第4図柄表示領域に表示させて第4図柄を視認困難にする構成としても良い。このように構成することで、少なくとも変動領域の切り替え後において、特殊変動演出が実行されていることを遊技者に認識困難とすることができる。更に、例えば、特殊変動演出の実行期間の間は、第4図柄表示領域の表示位置を異ならせたり、小表示領域Dm1,Dm2の配置を逆転させたりすることにより、第4図柄の意味を分かりにくくすることで、間接的に特殊変動演出の実行期間であるか否かを認識困難にしてもよい。また、第4図柄の表示態様(変動表示中であることを示す表示態様、および停止表示中であることを示す表示態様)を定期的に、又は不定期に可変させることにより、第4図柄の表示態様から、変動表示中であるのか否かを分かり難くし、間接的に特殊変動演出が実行されているのか否かを認識困難にする構成としてもよい。具体的には、例えば、図柄が変動表示を行うことで変動表示中であることを示す一方で、図柄が停止されることで停止表示中であることを示す第1の表示方法と、第4図柄表示領域の全体が白色になることで変動表示中であることを示す一方で、全体が黒色となることで停止表示中であることを示す第2の表示方法と、第4図柄表示領域の左半分が点滅することにより変動表示中であることを示す一方で、右半分が点滅することにより変動表示中であることを示す第3の表示方法と、を切り替えるように構成してもよい。これにより、特殊変動表示の実行中であるか否かを遊技者に対してより認識困難にすることができる。
上記各変形例では、第4図柄表示領域に対して特図1に対応する第4図柄と、特図2に対応する第4図柄とを別々に表示させる構成としていたが、必ずしも特図1に対応する第4図柄と特図2に対応する第4図柄との両方を表示させる必要はない。例えば、主変動領域Dmaにおいて実行されている第3図柄の変動演出に対応する第4図柄のみを第4図柄表示領域に表示させる構成としてもよい。このように構成することで、第3図柄だけでなく、第4図柄についても、遊技者が注目すべき図柄が明確となるため、遊技者の利便性を寄り向上することができる。また、表示切り替え処理が実行された後においては、特殊変動演出が実行されている側の特図とは異なる特図に対応する第4図柄のみが第4図柄表示領域に表示されることとなるため、第3図柄が仮停止されていることを、第4図柄の態様から認識することを困難にすることができる。
上記各変形例では、主変動領域Dmaにおいて特定の変動種別に対応する変動演出を実行する際に、従変動領域Dmbで変動表示が実行される特別図柄(特図2)の各保留球(入賞情報)の抽選結果を先読みし、大当たりに対応する保留球(入賞情報)が存在すると判別された場合に、主変動領域Dmaにおいて実行される変動演出を特殊変動演出に設定する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、保留球(入賞情報)の中に比較的大当たりの期待度が高い変動種別の外れ(例えば、外れスーパーリーチ等)が含まれていると判別した場合にも、所定の割合(例えば、1/5の割合)で特殊変動演出が実行される構成としてもよい。このように構成することで、特殊変動演出における仮停止期間の間に、遊技者が仮停止されている(第3図柄が揺動している)ことに気付いたとしても、大当たりが確定するわけではないため、表示切り替え処理により主変動領域Dmaで実行されている変動演出(特殊変動演出)と、従変動領域Dmbで実行されている変動演出とが切り替えられた後も、主変動領域Dmaに切り替えられた後の変動演出に最後まで注目させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
上記第2変形例では、マルチリーチ演出が実行されると、特殊変動領域Dmc,Dmdにおいて装飾変動表示を実行する構成としていた。即ち、特殊変動領域Dmaで実行される変動演出の変動停止タイミングと、特殊変動領域Dmbで実行される変動演出の停止タイミングとの間隔に応じた変動期間を設定する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、マルチリーチ演出の開始時に保留されている各保留球に基づく特図変動の変動表示期間に同期させてもよい。このように構成することで、各特殊変動領域Dma〜Dmdで実行される変動演出の変動停止期間と、第4図柄の変動停止期間とを合わせることができるので、より自然な見た目の演出態様を提供することができる。
<第1実施形態における入球ユニット64について>
次に、図134を参照して、上述した第1実施形態におけるパチンコ機10の入球ユニット64について説明をする図134(a)及び(b)は、入球ユニット64の内部の構造を模式的に示した図である。実際には、この前面側にカバー体が配置されており、そのカバー体は、内部が透視可能な部材で構成されており、渦巻き状の柄が表面に内部が透視不可能または困難な着色されており、内部が視認し難くなるように構成されている。
入球ユニット64の上部には、遊技球が入球可能な通過口が設けられており、その通過口を遊技球が通過したことを検知可能にする透過型の入球センサ64cが配置されている。通過口を通過した遊技球は、振分部材900によって、その下方に配置された第1入球口64b1と左第2入球口64b2とに交互に振り分けられる。
振分部材900は、入球した遊技球を振分部材900の収容部900aまたは900cで受ける。収容部900aで遊技球を受けた場合には、遊技球の重さにより、振分部材900は、正面視(図134(a)参照)左回りに回転して、遊技球を第1入球口64b1へと誘導する。ここで、振分部材900は、それぞれ左右周りに約30度回動可能に構成されており、収容部900aと収容部900cとの境界壁には磁石900bが設けられている。
入球ユニット64の背面側に設けられるベース体には、振分部材900の磁石900bが、通過口の中央線上の位置にベース側磁石901が配置されている。振分部材900の磁石900bとベース側磁石901とは互いに反発する極性になるように構成されている。詳細には、ベース側磁石901は、ベース体に固定された棒状の磁石で構成されており、先端部に磁極(S極またはN極)が発生するように構成されている。ベース側磁石901は、先端部を振分部材900側に向くように配置されて固定されている。
磁石900bもベース側磁石901と同様に棒状で構成された磁石で構成され、先端部がベース側磁石901側に向くように、振分部材900に固定されている。振分部材900が回動し、収容部900aと収容部900cの境界壁が真上(通過口の遊技球が約1球分入球可能な間隔の中心線上)に来る位置で、ベース側磁石901と振分部材900の磁石900bとが最も接近する(先端部同士が向かい合う)位置となる。ここで、互いの磁石は、極性が同じ(例えば、N極とN極)となるように配置されているので反発仕合、振分部材900の境界壁が真上を向く位置で停止することが無く、左右どちらかに回動した位置に維持されることとなる。
これにより、振分部材900は、磁石900bが通過口の中心線上となる位置(上方となる位置)となると、磁石900bとベース側磁石901とが反発することにより、振分部材900が左右どちらかに回転し、収容部900aと収容部900cとのどちらかが、第1入球装置64に入球してくる遊技球を受ける側(遊技機上方側)を向くようになる。よって、入球した遊技球を収容部900aと収容部900cとの何れかの収容部で受け入れることで、遊技球を第1入球口64b1または左第2入球口64b2の何れかに適切に振り分けることができる。
また、磁石900bとベース側磁石901とが反発することで、例えば、収容部900aが遊技球を受けて左に約15度回転して、遊技球を第1入球口64b1へ誘導した後に、振分部材900が右回転する(収容部900aが上方を向く)のを防止することができる。これにより、遊技球を第1入球口64b1へ誘導した後には、収容部900bが上方を向いた状態となり、次に入球ユニット64に入球した遊技球は、収容部900bが受けて、遊技球の重さにより振分部材900が右に約30度回転して、遊技球を左第2入球口64b2へ誘導する。このように、振分部材900は、入球ユニット64に入球する遊技球を第1入球口64b1と左第2入球口64b2とに交互に誘導することができる。よって、均等に第1入球口64b1と左第2入球口64b2とに遊技球を振り分けて入賞させることができ、後述する、第1入球口64b1への入賞に起因する抽選遊技(特図1抽選遊技)と左第2入球口64b2への入賞に起因する抽選遊技(特図2抽選遊技)とを効率良く実行することができる。
上述した通り、第1実施形態におけるパチンコ機10は、第1特別図柄(特図1)の抽選(変動)と、第2特別図柄(特図2)の抽選(変動)とを同時に(並行して)実行可能に構成されている。よって、入球ユニット64の通過口を通過した球が特図1抽選の実行契機となる第1入球口64b1と、特図2抽選の実行契機となる左第2入球口64b2とに交互に振り分けられるように振分部材900を設けることにより、各特別図柄の抽選(変動)を効率良く行うことができる。
なお、本第1実施形態では、入球ユニット64に流入した球(遊技領域上に形成される特定領域に流入した球)を、第1入球口64b1(特図1の抽選契機となる始動入賞口)と、左第2入球口64b2(特図2の抽選契機となる始動入賞口)と、に交互に振り分ける振分部材900(振分手段)を設けているが、これに限ること無く、第1入球口64b1と左第2入球口64b2とに異なる割合(例えば、2対1)で規則的に振り分ける振り分け手段を設けても良く、この場合、実行される特図変動の変動時間として短い変動時間が選択され易い側の特図種別に対応する入球口に対して振り分け割合が高くなるように構成すると良い。このように構成することで、各特図変動を効率良く実行することができる。
さらに、入球ユニット64に流入した球を、第1入球口64b1と第2入球口64b2と、それ以外の入球口(例えば、一般入球口63)と、に振り分け可能な振分部材900(振分手段)を設けても良い。また、本第1実施形態では、振分部材900によって振り分けられた球が確実に各入球口へ入球する構成を用いているが、これに限らず、振分部材900が各入球口に入球し得る流路へ球を振り分ける構成でも良い。
また、振分部材900によって特定の流路へ振り分けられた球が複数の入球口に入球し得るように構成しても良く、例えば、振分部材900が第1流路と、第2流路とに球を振り分け可能に構成し、第1流路へ振り分けられた球が、80%の割合で第1入球口64b1へ、10%の割合で左第2入球ユニット64b2へ、10%の割合で一般入球口63へ入球するように構成しても良い。この場合、第1流路に振り分けられた球と、第2流路に振り分けられた球と、で各入球口に入球する割合を異ならせれば良く、このような構成を用いた場合であっても、第1入球口64b1へ入球し得る(し易い)流路と、左第2入球口64b2へ入球し得る(し易い)流路とに球を振り分け可能な振分手段の概念に含まれる。
加えて、入球ユニット64に流入した球が周回可能な転動領域を設け、その転動領域に複数の通過口を形成し、各通過口を通過した球が異なる入球口(特図1抽選の契機となる第1入球口64b1、特図2抽選の契機となる左第2入球口64b2、一般入球口63)へ入球可能となるように構成しても良い。このような構成を用いた場合、転動領域を転動する球の勢いによって、転動領域を転動した球が通過する通過口を異ならせることができるため、入球ユニット64に流入した球を不規則に各通過口へ通過させることができ、遊技者に対して有利となる入球口への球の入球数が、他の入球口への球の入球数よりも多くなる可能性を持たせることができる。よって、遊技者に対して入球ユニット64に流入した球がどの通過口を通過するか、ひいては、どの入球口に入球するかを楽しませながら遊技を行わせることができる。なお、このような構成、即ち、入球ユニット64に流入した球を複数の入球口に向けて不規則に振り分ける構成も、振分手段の概念に含まれる。
また、本実施形態では、球の通過に基づいて振り分け先が可変する振分部材900を一個設けた振分手段の構成を用いているが、これに限ること無く、電気的駆動源によって定期的に振り分け先を可変させる振り分け手段を設けても良いし、複数の振り分け手段を用いて、球の振り分け先を可変させるように構成しても良い。さらに、本実施形態では、振分部材900によって振り分けられた球のみが入球可能な入球手段を設けているが、これに限ること無く、振分部材900によって振り分けられた球が入球可能な入球口を、振分部材900に振り分けられなかった球、即ち、入球ユニット64に流入しなかった球も入球可能な位置に配設しても良い。この場合、入球ユニット64に流入した球(振分部材900に振り分けられた球)のほうが、入球ユニット64に流入しなかった球よりも入球口に入球し易くなるように構成すると良い。
このように構成することで、入球ユニット64に球が流入することを期待しながら遊技領域を流下する球を注視させることができ飽きの来ない遊技を提供することができる。また、入球ユニット64に流入しなかった球も、入球口に入球する可能性があるため、入球ユニット64に流入しなかった球に対しても最後まで期待を持たせることができる。
さらに、入球ユニット64に流入した球数が所定期間内に所定個数以上となる場合に、振分手段によって、他の入球口よりも遊技者に有利となる特定入球口へと振り分けられ易くなるように構成しても良い。このように構成することで、遊技者に対して短期間で多くの球を入球ユニット64に流入させようと、意欲的に遊技(球の発射)を行わせることができる。
以上、様々な技術思想を有する振分手段(振分部材900)について説明をしたが、上述した各技術思想のそれぞれを適宜組み合わせた振分手段を設けても良い。
<第3変形例>
次に、図135〜図141を参照して、第3変形例について説明をする。上述した第3実施形態では、大当たり遊技中に実行されるバトル演出を大当たり遊技終了後に時短状態が設定される場合に、時短状態中における特図変動回数が所定回数(30回)に到達するまで継続して実行させるように構成していた。そして、時短状態中における特図変動回数が所定回数(30回)に到達した場合に、バトル演出を終了させ、時短状態に突入する演出(図114(b)参照)を実行するように構成していた。
これに対し、本第3変形例では、第2特別図柄(特図2)の抽選にて、大当たり以外の抽選結果の一部において、大当たり当選時に実行される大当たり遊技とは異なる特典が付与される小当たり遊技が実行される小当たりに当選することができるように構成している。さらに、大当たり遊技中に実行される演出(例えば、大当たり遊技のエンディング画面を表示する演出)を、大当たり遊技終了後に時短状態が設定される場合に、時短状態中において所定の終了条件(特図変動回数が所定回数(30回)に到達、或いは、特別図柄の抽選結果として所定の抽選結果(例えば、小当たり)に当選)が成立するまで継続して実行させるように構成し、終了条件が成立した後に、時短状態が設定されたことを示す時短突入演出(図135(b)参照)が実行されるように構成している。このように構成することで、終了条件が成立したタイミングで時短状態が設定されたと思わせることができる。なお、特図抽選において小当たりに当選する制御については、上述した各実施形態における大当たり当選に関する制御の対象を小当たりに変更し、当選の判定値(第1当たり乱数カウンタC1の値)を、大当たり当選に対応する範囲とは異なる範囲に設定し、小当たり遊技が実行される場合には、大当たり動作シナリオとは異なる小当たり動作シナリオ(例えば、ラウンド遊技が1ラウンドで、可変入賞装置65を開放させるラウンド遊技を行い、そのラウンド遊技のラウンド終了条件として、球が5個入賞、或いは、開放期間が0.5秒経過のうち何れかが成立)に基づいて可変入賞装置65が動作される点が相違し、それ以外は同一であるため、その詳細な説明を省略する。
さらに、本第3変形例では所定の終了条件として、成立するタイミングが不規則となる終了条件(小当たり当選)を有するように構成している。このように構成することで、内部的には一定回数の時短状態(例えば、時短100回)が設定された場合であっても、時短突入演出が実行されるタイミングによって様々な時短回数の時短状態が設定されると思わせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
ここで、図135を参照して、本第3変形例の演出内容について説明をする。図135(a)は、大当たり遊技終了後(時短状態中)に表示される大当たり遊技中に実行され得る表示態様を有する表示画面の一例を示した模式図であり、図135(b)は、時短突入画面の一例を示した模式図である。なお、各図に表示される各要素において、上述した各実施形態と同一の要素については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
図135(a)に示した通り、大当たり遊技終了後に時短状態が設定される場合には、大当たり遊技のエンディング画面にて表示されるエンディング画面が継続して表示される。このエンディング画面では、遊技者に有利な遊技状態(確変状態、時短状態、大当たり遊技状態)が連続して設定される期間(連チャン期間)において遊技者が獲得した賞球数を示す表示態様Dm5と、連チャン期間中に実行された大当たり遊技の回数を示す表示態様Dm10が表示される。なお、図135(a)で示した状態は、内部的には時短状態であるため、小表示領域Dm2に特図2変動が実行されていることを示す変動表示態様(矢印)が表示される。これにより、時短状態が設定されている状態であるにも関わらず、大当たり遊技が継続していると思わせることができる。また、図2で示した通り、時短状態中に実行される遊技と、大当たり遊技中に実行される遊技とが同一の遊技(右打ち遊技)となるように遊技盤13が構成されているため、遊技方法によって遊技者に現在の遊技状態が判別されてしまうことも無い。
次いで、時短状態中に終了条件が成立すると、図135(b)に示した通り、時短突入演出が実行される。ここで、本第3変形例では、小当たり当選によって終了条件が成立した場合に、その時点における残時短回数を判別し、判別された残時短回数がキリの良い値(例えば、下一桁が「0」)では無い場合に、実際の残時短回数を補正した補正回数を、第3図柄表示装置81の表示画面に表示するように構成している。これにより、時短突入演出が実行された場合に表示される時短回数(残時短回数)を、キリの良い値とすることができるため、時短突入演出が実行された時点を、時短状態が設定されたタイミングを思わせることができる。
図135(b)に示した図では、残時短回数表示領域Dm11に補正回数である80が表示される。そして、小表示領域Dm2では特図2が小当たり当選したことを示す「341」の表示態様が表示されている。本第3変形例では、小当たりに当選した場合と、大当たりに当選した場合とで、同一の可変入賞装置65を可変させる当たり遊技が実行されるように構成している。よって、小当たり当選に基づいて時短突入演出が実行される場合には、可変入賞装置65が可変される当たり遊技の実行に基づいて、時短突入演出が実行されることになるため、遊技者に対して、時短突入演出が実行された時点を、時短状態が設定されたタイミングを思わせることができる。
なお、本変形例では、小当たり遊技が終了した時点で図135(b)に示した時短突入演出を実行するように構成したが、これに限ることなく、小当たり当選変動や小当たり遊技開始時に時短突入演出を実行するように構成しても良い。
次に、図136を参照して、本第3変形例における電気的構成について説明をする。本第3変形例の電気的構成では、上述した第3実施形態に対して、バトル終了フラグ223caと、補正済フラグ223acbと、補正回数記憶エリア223ccを追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の要素については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。なお、本第3変形例では、大当たり遊技中に表示される表示態様のうち、大当たり遊技終了後にも表示される表示態様として「大当たりエンディング画面(図135(a)参照)」」を用いている点で、上述した第3実施形態(大当たり遊技中に表示される表示態様のうち、大当たり遊技終了後にも表示される表示態様として「バトル演出画面」を表示)と相違するが、説明の便宜上、第3実施形態で用いたフラグ名(バトル中フラグ223ba、バトル終了フラグ223ca)を用いて説明をする。即ち、本第3変形例では、バトル中フラグ223baがオンに設定されている場合に、大当たりエンディング画面(図135(a)参照)が表示されていることを示し、後述するバトル終了フラグ223caがオンに設定されている場合に、大当たりエンディング画面(図135(a)参照)の表示を終了させる条件が成立していることを示している。
バトル終了フラグ223caは、小当たり当選に基づいて終了条件が成立したことを示すためのフラグであって、小当たり当選によって終了条件が成立した場合にオンに設定される。
補正済フラグ223acbは、表示される残時短回数を補正したことを示すためのフラグであって、残時短回数を補正した場合にオンに設定される。この補正済フラグ223acbがオンに設定されることにより、特図変動の変動演出として、補正後の時短回数と、実際の時短回数との差分を調節する演出態様(補正演出態様)が実行される。
補正回数記憶エリア223ccは、残時短回数を補正した後の補正残時短回数を示す値と、補正残時短回数と実残時短回数との差分を示す値と、が記憶される記憶領域である。この補正回数記憶エリア223ccに格納されている値に基づいて、特図変動の変動演出として設定される補正演出態様が設定される。
次に、図137〜図141を参照して、本第3変形例における音声ランプ制御装置113の制御処理について説明をする。本第3変形例における音声ランプ制御装置113の制御処理では、上述した第3実施形態における声ランプ制御装置113の制御処理に対して、小当たり遊技中にける小当たり終了処理を変更した点と、バトル演出更新処理をバトル演出更新処理4に、特図変動開始処理を特図変動開始処理4に、変更した点で相違している。それ以外は同一であり、その詳細な説明を省略する。なお、上述した通り、本第3変形例では、上述した第3実施形態に対し、大当たり遊技中に表示される表示態様のうち、大当たり遊技終了後にも表示される表示態様を、「バトル演出表示」に替えて「大当たりエンディング画面表示」としている点で相違しているが、説明の便宜上、上述した第3実施形態におけるバトル演出に関する処理をそのまま転用している。本第3変形例では、バトル演出に関する処理が実行される場合に、大当たりエンディング画面に関する処理が実行される。
まず、図137を参照して小当たり終了処理4(S2571)の内容について説明をする。図137は、小当たり終了処理4(S2571)の内容を示したフローチャートである。小当たり終了処理4(S2571)が実行されると、まず、現時点がバトル演出中であるかを判別するために、バトル中フラグ223baがオンに設定されているかを判別すし(S2791)、オンであると判別した場合は(S2791:Yes)、バトル中フラグ223baをオフに設定し(S2792)、本処理を終了する。一方、オフであると判別した場合は(S2791:No)、そのまま本処理を終了する。
次に、図138を参照してバトル演出更新処理4(S4651)の内容について説明をする。図138は、バトル演出更新処理4(S4651)の内容を示したフローチャートである。このバトル演出更新処理4(S4651)では、上述したバトル演出更新処理に対して、バトル演出が実行されている間で第1終了条件(残時間回数が70に到達)が終了していないと判別した場合に(S6654:No)、バトル終了フラグ223caがオンに設定されているかを判別し(S6671)、オンであると判別した場合に(S6671:Yes)、回数補正処理(S6672)を実行する点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容についてはその詳細な説明を省略する。
次に、図139を参照して回数補正処理(S6672)のに内容について説明をする。図139は、回数補正処理(S6672)の内容を示したフローチャートである。この回数補正処理(S6672)では、バトル演出が終了した時点における残時短回数をキリの良い回数に補正するための処理が実行される。
回数補正処理(S6672)が実行されると、まず、残時間回数を抽出し(S6691)、抽出した残時短回数の下一桁が「0」であるかを判別し(S6692)、「0」であると判別した場合は(S6692:Yes)、そのまま本処理を終了する。一方、下一桁が「0」では無い(「1〜9」である)と判別した場合は(S6692:No)、残時短回数の下一桁を「0」に補正した補正回数(補正残時短回数)を設定し(S6693)、設定された補正回数を補正回数記憶エリア223ccに格納し(S6694)、補正済フラグ223acbをオンに設定し(S6695)、本処理を終了する。
次に、図140を参照して特図変動開始処理4(S4291)の内容について説明をする。図140は、特図変動開始処理4(S4291)の内容を示したフローチャートである。この特図変動開始処理4(S4291)は、上述した特図変動開始処理に対して、補正回数対応処理(S4391)を実行する点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容についてはその詳細な説明を省略する。
ここで、図141を参照して補正回数対応処理(S4391)の内容について説明をする。図141は、補正回数対応処理(S4391)の内容を示したフローチャートである。この補正回数対応処理(S4391)では、第3図柄表示装置81の表示画面に表示された残時短回数が補正残時短回数で有る場合に、補正残時短回数と、実際の残時短回数との差分を0にするための変動演出を設定するための処理が実行される。
補正回数対応処理(S4391)が実行されると、まず補正済フラグ223acbがオンに設定されているかを判別し(S6801)、オンに設定されている場合は(S6801:yes)、今回の変動時間が30秒以上であるかを判別する(S6802)。S6802の処理で30秒以上であると判別した場合は(S6802)、補正回数記憶エリア223ccに格納されている値と、実残時短回数を読み出し(S6803)、その差分を算出する(S6804)。
そして、S6804の処理で参照した差分値に対応する表示態様を設定し(S6805)、選択された表示態様に応じて、補正回数記憶エリア223ccに格納されている値(差分値)を更新し(S6806)、更新後の差分値が0であるかを判別する(S6807)。差分値が0であると判別した場合は(S6807:Yes)、これ以上、補正演出を設定する必要が無いため、補正済フラグ223acbをオフに設定し(S6808)、本処理を終了する。一方、S6801:No、S6802:No、S6807:Noと判別された場合、はそのまま本処理を終了する。
なお、S6802の処理では、今回の変動演出として、残時短回数補正演出(表示上の残時短回数の回数を実際の残時短回数に近づける演出)を実行可能か否かを判別する処理であり、本変形例では30秒以上の変動時間が設定されていることを残時短回数補正演出の実行条件としているが、これに限ること無く、変動時間の長さに応じて、残時短回数補正演出の演出態様(更新する残時短回数の値の範囲)を可変させるように構成しても良い。
以上、説明をした通り、本第3変形例では、大当たり遊技中に実行される演出(例えば、大当たり遊技のエンディング画面を表示する演出)を、大当たり遊技終了後に時短状態が設定される場合に、時短状態中において所定の終了条件(特図変動回数が所定回数(30回)に到達、或いは、特別図柄の抽選結果として所定の抽選結果(例えば、小当たり)に当選)が成立するまで継続して実行させるように構成し、終了条件が成立した後に、時短状態が設定されたことを示す時短突入演出(図135(b)参照)が実行されるように構成している。このように構成することで、終了条件が成立したタイミングで時短状態が設定されたと思わせることができる。
さらに、本第3変形例では所定の終了条件として、成立するタイミングが不規則となる終了条件(小当たり当選)を有するように構成している。このように構成することで、内部的には一定回数の時短状態(例えば、時短100回)が設定された場合であっても、時短突入演出が実行されるタイミングによって様々な時短回数の時短状態が設定されると思わせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、本第3変形例では、残時短回数を補正する場合に、実際の残時短回数よりも少ない値へと補正する補正処理を実行しているが、これに限ることなく、例えば、所定の基準値(例えば、下一桁が「0」または「5」)のうち、最も差分が少ない値へと補正する補正処理を実行しても良い。この場合、補正後の時短回数(補正残時短回数)が実際の残時短回数よりも多くなる場合があるが、この場合、特図変動の変動演出として、1回の変動演出中に表示される残時短回数の値(補正された残時短回数の値)を複数減算させる変動演出を実行するように構成すれば良い。具体的には、1回の変動演出(例えば、60秒)を2回の特図変動が実行されたように、30秒経過後に第3図柄を一旦仮停止させて、再始動させる変動演出を実行し、仮停止タイミングに合わせて表示される残時短回数の値を1減算するように構成すれば良い。これにより、違和感を与えること無く、表示上の残時短回数を実際の時短回数に近づけることができる。
また、本第3変形例では、時短状態が設定される残期間(残時短回数)を、時短突入演出によって遊技者に報知する構成を用いているが、これに限ることなく、例えば、演出態様となる遊技状態を、時短状態から確変状態へと変えて、確変状態が所定期間(例えば、100回)設定される遊技機において、確変状態が設定される残期間(残確変回数)を、確変突入演出によって報知する構成を用いても良い。
さらに、確変状態が設定されている状態で特図抽選が実行される場合に、確変状態を終了させるか否かの抽選を行う転落抽選手段を、大当たり抽選を行う大当たり抽選手段とは別に設け、確変状態が設定されている期間(例えば100回)において、第1終了条件(特図変動30回)と、第2終了条件(小当たり当選)に加え、第3条件(転落当選)の各条件の成立に応じて実行される演出態様を可変させるように構成しても良い。
この場合、例えば、第2終了条件が成立した時点で、第3条件が成立していない場合は、確変報知演出を実行し、第3条件が成立している場合は、確変報知演出に変えて上述した時短報知演出を実行するように構成すると良い。また、第2終了条件が成立した時点で、第3条件が成立していない場合は、確報知演出を実行せず、第3条件が成立している場合のみ時短報知演出を実行するように構成しても良い。
なお、本第3変形例では、大当たり遊技中に表示される表示態様のうち、大当たり遊技終了後にも表示される表示態様として「大当たりエンディング画面(図135(a))」を用いているが、遊技者に対して、現在が大当たり遊技中であると思わせる表示態様であれば良く、例えば、インターバル期間中に表示されるインターバル画面を表示しても良いし、大当たり遊技中に表示される表示態様の一部(例えば、小領域Dm5や小領域Dm6に表示される表示態様)を少なくとも有する専用の表示態様を用いても良い。
<第4変形例>
次に、上述した第3変形例におけるバトル演出に対する更なる変形例について説明をする。上述した第3変形例では、時短大当たりに当選した場合に、その大当たり遊技終了が終了してから(時短状態が設定されてから)所定の終了条件(特図変動回数が所定回数(30回)に到達、或いは、特別図柄の抽選結果として所定の抽選結果(例えば、小当たり)に当選)が成立するまでバトル演出を継続して実行するように構成し、時短状態中におけるバトル演出中に確変大当たりに当選した場合にバトルに勝利した演出(バトル勝利演出)を実行するように構成していた。このように構成することで、時短大当たり遊技の終了時点でバトルに敗北した演出(バトル敗北演出)の実行頻度を抑え、バトル演出の勝率(バトル勝利演出の実行割合)を高め、遊技者に対して演出結果に関心を持たせることが出来るようにするものであった。
しかしながら、上述した第3変形例では、時短状態中におけるバトル演出中に時短大当たりに当選した場合に、再戦演出が実行されるため、1回のバトル演出の期間が延びてしまい遊技者が演出に飽きてしまうという問題があった。また、大当たりに複数回当選したにもかかわらず、バトル演出の演出結果として勝利又は敗北が表示されず、遊技者に分かり難い演出となってしまう虞があった。
これに対して、本第4変形例では、時短状態が設定されている際に参照される変動パターン選択テーブルを、時短状態が設定されてから特図変動が30回(バトル演出の終了条件として設定されている特図変動回数)経過するまでの第1時短期間と、それ以降の第2時短期間とで異なる変動時間が選択されるように構成し、第1時短期間中において大当たりに当選した場合に、バトル演出における勝利演出期間と、確変状態中に実行される確変演出を擬似的に実行する擬似確変演出期間と、を設定可能な変動時間(30秒)が選択されるように構成している。
このように構成することで、第1時短期間中(バトル演出中)に大当たりに当選した場合に、当選した大当たりの種別(確変大当たり、時短大当たり)に関わらず、実行中のバトル演出の演出結果としてバトルに勝利する演出(バトル勝利演出)を確実に実行することができる。よって、バトル演出の勝率(バトル勝利演出の実行割合)をより高め、遊技者に対して演出結果に関心を持たせることが出来るようにすることができる。
さらに、第1時短期間中に当選した大当たりの大当たり種別に応じて異なる演出を実行するように構成している。具体的には、第1時短期間中に確変大当たり(8ラウンド、16ラウンド)に当選した場合は、上述した擬似確変演出期間中に大当たりに当選する演出を実行し、大当たり遊技へと移行する。そして、その後実行される大当たり遊技にて、新たなバトル演出(バトル勝利演出)を実行する。一方、第1時短期間中に確変大当たり(2ラウンド)に当選した場合は、その大当たり変動中において、擬似確変演出期間の後に擬似バトル演出期間が設定され、擬似確変演出期間中に大当たりに当選する演出を実行した後に、擬似バトル演出が実行され、そのバトル演出の最中に大当たり遊技が開始され、2ラウンドという短い大当たり遊技期間中に擬似バトル演出の演出結果(バトル勝利演出)を表示するように構成している。これにより、第1時短期間中に確変大当たりに当選した場合は、その確変大当たり遊技の終了までに、2回のバトル勝利演出を実行することができるため、上述した第3変形例にて用いた構成よりも、バトル演出の勝率(バトル勝利演出の実行割合)をより高め、遊技者に対して演出結果に関心を持たせることが出来るようにすることができる。
なお、本第4変形例では、第1時短期間中に大当たりに当選した場合に、大当たり種別に関わらず一定の変動時間(30秒)が選択されるように構成しているが、これに限ること無く、擬似バトル演出が実行される大当たり種別に当選した場合は、他の大当たり種別に当選した場合よりも長い変動時間、即ち、擬似バトル演出の演出期間分長い変動時間(例えば、50秒)を選択できるように構成しても良い。これにより、擬似バトル演出が実行されるまでの期間を一定期間に設定することができるため、擬似バトル演出が実行されるまでに今回当選した大当たりの大当たり種別が判別されてしまうことを抑制することができる。
一方、第1時短期間中(バトル演出中)に、時短大当たりに当選した場合は、上述した確変大当たりと同様に、その大当たり変動中に1回目のバトル勝利演出を実行し、擬似確変演出を実行する。そして、2回目のバトル演出(大当たり遊技中のバトル演出、或いは、擬似バトル演出)にて、大当たり遊技が終了してから終了条件が成立するまで継続するバトル演出が実行される。
このように構成することで、第1時短期間中に時短大当たりに当選した場合であっても、1回のバトル勝利演出を実行することができるため、バトル演出の勝率(バトル勝利演出の実行割合)をより高め、遊技者に対して演出結果に関心を持たせることが出来るようにすることができる。また、バトル演出中における大当たり当選回数に応じた回数のバトル勝利演出を実行することができるため、遊技者に違和感を与えることの無い演出を提供することができる。
ここで、詳細な説明は省略するが、擬似確変演出の演出内容について説明をする。本第4変形例では、上述した第3実施形態、及び第3変形例と同様に確変状態が設定されると、第3図柄表示装置81の表示画面にキャラクタ811が走る確変演出が実行される。擬似確変演出中は、確変状態が設定されている際に実行される演出態様のうち少なくとも一部の演出態様を含む演出(同一の演出を含む概念)が実行されると共に、その演出期間中に特図変動が複数回実行されていると思わせる擬似変動演出が実行されるように構成している。
これにより、1回の特図変動(大当たり変動)の一部期間で実行される擬似確変演出と、複数回の特図変動に跨がって実行される確変演出とを遊技者に判別させ難くすることができる。
次に、図142を参照して、本第4変形例にて用いられる変動パターンテーブルとして、確変・時短用テーブル202de2の内容について説明をする。図142は、確変・時短用テーブル202de2の内容を示した模式図である。この確変・時短用テーブル202de2は、上述した確変・時短用テーブル202e2(図19参照)に対して、時短カウンタ203hの値に基づいて参照するテーブルを異ならせた点と、変動種別カウンタCS1の各値に対応して規定される変動パターンの種類を異ならせた点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については、その詳細な説明を省略する。
具体的には、時短カウンタ203hの値が「100〜71」、即ち、時短状態が設定されてから特図変動回数が30回に到達するまでの期間(第1時短期間)であって、当否判定結果が当たり(大当たり、小当たり)の場合は、変動種別カウンタCS1の値にかかわらず変動時間が30秒の時短A大当たり変動パターンが選択され、当否判定結果が外れの場合は、変動種別カウンタCS1の値にかかわらず変動時間が0.5秒の時短A外れ変動パターンが選択されるように規定されている。
一方、時短カウンタ203hの値が「70〜1」、即ち、時短状態が設定されてから特図変動回数が30回経過後の期間(第2時短期間)であって、当否判定結果が当たり(大当たり、小当たり)の場合は、変動種別カウンタCS1の値にかかわらず変動時間が10秒の時短B大当たり変動パターンが選択され、当否判定結果が外れの場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0〜179」の範囲の場合に変動時間が2秒の時短B外れ変動パターン1が選択され、「180〜198」の範囲の場合に変動時間が5秒の時短B外れ変動パターン2が選択されるように規定されている。
本第4変形例では、上述した確変・時短用テーブル202de2を用いることにより、バトル演出が実行されている時短期間(第1時短期間)と、バトル演出が実行されない時短期間(第2時短期間)とで、異なる変動時間を選択可能に構成している。そして、第1時短期間中は、特図抽選が外れの場合に、第2時短期間よりも短い変動時間が選択され、一方、特図抽選が当たりの場合に、第2時短期間よりも長い変動時間が選択されるように構成しているため、時短状態における有利度合いを、第1時短期間と第2時短期間とで大きく異ならせることが無い。
また、本第4変形例において、第1時短期間中に小当たりに当選し、バトル演出の終了条件が成立した場合は、上述した大当たり当選時に実行される演出と同様に、一度バトル勝利演出を実行し、その後、擬似確変演出を実行し、その後に実行される擬似バトル演出にてバトルに敗北する演出まで小当たり変動中に実行されるように構成している。これにより、遊技者に違和感を与えること無く、バトル演出を終了させることができる。この場合、小当たり変動の変動時間として、他の大当たり種別に当選した場合よりも長い変動時間、即ち、擬似バトル演出の演出結果が表示されるまでの期間分長い変動時間(例えば、60秒)を選択できるように構成すると良い。
さらに、詳細な説明は省略するが、第1時短期間中に小当たりに当選し、バトル演出の終了条件が成立した場合は、その小当たり遊技終了後から第1時短期間が終了するまでの間に実行される特図変動の変動時間を、第2時短期間中に参照するデータテーブルに基づいて選択されるように構成している。これにより、バトル演出が終了したにも関わらず、バトル演出中の各種演出に対応させた変動時間が選択されてしまうことを防止することができる。
以上、第3変形例、第4変形例では、大当たりに当選した場合に、その大当たり遊技終了後に通常状態よりも有利な時短状態と、その時短状態よりも有利な確変状態と、を設定可能に構成し、確変状態と時短状態とのうち、遊技者に不利である時短状態が設定されていることを報知する演出を、時短状態が設定されてから所定の終了条件が成立してから実行するように構成していたが、これに限ること無く、小当たり当選に基づいて時短状態や確変状態を設定するように構成しても良い。
また、大当たり抽選で時短大当たりに当選した場合に設定される時短状態では、特図変動の変動時間として通常状態よりも若干短い(同一含む概念)程度の変動時間(例えば、5〜60秒)が選択され易くなるように構成し、その時短状態中に小当たり当選した場合に、特図変動の変動時間を選択する際に参照するデータテーブルを切り替えて、短い変動時間(例えば、0.5〜5秒)が選択され易くなるように構成しても良い。加えて、普通図柄の変動時間も、上述した特図の変動時間と同様に、時短状態が設定された場合よりも、時短状態中に小当たりに当選した後のほうが短い変動時間が選択され易くなるように構成すると良い。
このように構成することで、遊技者に対して、あたかも、小当たりに当選したことに基づいて時短状態が設定されたと思わせることができると共に、小当たり当選時における残時短回数が見た目上の時短回数となるため、遊技者に様々な時短回数が設定される遊技を行わせることができる。このような場合において、上述した第3変形例の技術を用いることでより遊技者に違和感の無い遊技を提供することができる。
本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。また、大当たり抽選に係る確率の組み合わせ(通称、設定と称される)が複数段階設けられ、遊技店側で設定を変更することが可能に構成されているパチンコ機として実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしてもよい。
なお、複数段階の設定が設けられているパチンコ機としては、大当たり確率の組み合わせ(低確率状態における大当たり確率と、確変状態における大当たり確率との組み合わせ)を複数段階(例えば、6段階)のいずれかに設定することが可能なものが代表例として挙げられるが、これに限られるものではない。大当たり確率の組み合わせに代えて、又は加えて、例えば、大当たりとなった場合に決定される各大当たり図柄(各大当たり種別)の割合を、設定に応じて可変させることが可能なパチンコ機として実施してもよい。即ち、設定に応じて遊技者に有利な種別の大当たりが決定される割合を可変させたり、遊技者に不利な種別の大当たりが決定される割合を可変させたりしてもよい。より具体的には、例えば、ラウンド数が多い(例えば、16ラウンドの)大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたり、ラウンド数が少ない(例えば、2ラウンドの)大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたりすることにより、設定毎の有利度合いを可変させる構成としてもよい。また、例えば、大当たり終了後に多い時短回数(例えば、100回)が付与される大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたり、少ない時短回数(例えば、0回)が付与される大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたりしてもよい。更に、大当たり終了後に有利な遊技状態(例えば、確変状態)へと移行する(若しくは移行し易い)大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたり、不利な遊技状態(例えば、通常状態)へと移行する(若しくは移行し易い)大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたりしてもよい。また、特定の設定でのみ決定される割合が大幅に高くなる(他の設定ではほぼ決定されることがない)大当たり種別を設ける構成としてもよい。具体的には、例えば、設定を1から6の6段階で設定可能に構成しておき、最も有利な設定を設定6とする。そして、設定6では、大当たりとなった場合に2%の割合でラウンド数が6ラウンドの大当たりが決定される一方で、他の設定では0.01%の割合でしか6ラウンドの大当たりが決定されない構成としてもよい。このように構成することで、大当たりが6ラウンドで終了した時点で、最も有利な設定6である可能性が極めて高くなるので、遊技者に対して大当たりのラウンド数に注目して遊技を行わせることができる。また、これに代えて、又は加えて、例えば、設定6では、大当たり終了後に66回の時短回数が付与される大当たり種別となる割合が他の設定よりも高くなるように構成してもよい。このように構成することで、時短状態が終了する回数に注目して遊技を行わせることができる。また、これらに代えて、又は加えて、例えば、大当たり遊技の実行中に他の大当たり種別とは異なる作動パターンで大入賞口(若しくは大入賞口の内部の役物等)が作動する大当たり種別を設ける構成とし、当該大当たり種別が特定の設定で決定され易くなる(決定される割合が高くなる)ように構成してもよい。また、大当たりの確率の組み合わせを設定に応じて可変させる場合において、低確率状態では、遊技者に有利な設定であるほど大当たり確率を高くする一方で、確変状態では、遊技者に不利な設定であるほど大当たり確率を高くする構成としてもよい。本構成は、特に、確変状態において、特別図柄の抽選回数が多くなる程持ち球を増加させ易い(発射された遊技球の数よりも、払い出される賞球数の方が多くなり易い)タイプの遊技機において有効である。より具体的には、例えば、確変状態が次に大当たりに当選するまで継続する構成であり、且つ、確変状態では高確率で小当たりとなるタイプの遊技機に適用することで、高設定の優位性をより高めることができる。即ち、確変状態において大当たりとなる確率が低いと、次に大当たりとなるまでの抽選回数が多くなり易いので、小当たりとなって賞球を獲得する機会も多くなる。よって、確変状態になると、次に大当たりとなるまでの間により多くの賞球を獲得し易くなるので、遊技者にとって有利となる。
また、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
上記した各実施形態、および各制御例について、その全部またはその一部を組み合わせて構成してもよい。例えば、上記第6実施形態における右可変入賞装置65の通過検出センサ228の構成を、他の実施形態に適用してもよい。例えば、上記第1実施形態に適用することで、待機状態演出の実行中におけるチャンスメーターCMのゲージ数を、開閉扉65f1の上面を流下中の遊技球の個数により正確にリンクさせることができる。より具体的には、第6実施形態における通過個数カウンタ223kを第1実施形態におけるRAM223にも設ける構成とし、第4実施形態と同一の方法で通過個数カウンタ223kの値を更新する(図87のS4211,S4212,S4219,S4220参照)。そして、待機状態演出の実行中は、通過個数カウンタ223kの値が更新される毎に、更新後のカウンタ値に対応するゲージ数になるようにチャンスメーターCMの態様を更新する。これにより、チャンスメーターCMの態様を、実際の開閉扉65f1の上面の状況に即した態様とすることができる。他の実施形態についても、同様の方法により第6実施形態の構成を転用することができる。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<特徴群A>(ボタン演出を重複させて実行するか否かを設定)
所定の優先順位に基づいて演出を実行する演出実行手段と、その演出実行手段により実行される前記演出の演出態様を設定する演出態様設定手段と、その演出態様設定手段により設定された前記演出態様を示すための態様情報を、前記優先順位が異なる複数の記憶領域に記憶させる態様情報記憶手段と、を有し、前記複数の記憶領域は、同一の前記優先順位を複数記憶可能に構成されるものであり、前記演出実行手段に複数の前記同一の優先順位に記憶されている複数の前記態様情報に対応する前記演出を実行させるか否かを設定する実行演出設定手段を有するものであることを特徴とする遊技機A1。
従来より、パチンコ機などの遊技機では、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合に、遊技者に有利となる特典遊技が実行されるものがあった。そして、抽選結果が報知されるよりも前に、抽選結果を示唆するための示唆演出を実行可能にし、抽選結果が報知されるまでの期間を遊技者に楽しませるものがあった。さらに、示唆演出として様々な演出を様々なタイミングで実行させることにより示唆演出の演出効果をより高めた遊技機が提案されていた(例えば、特開2015−12907号公報)。また、上述した構成を有する遊技機において、示唆演出として、遊技者に対して所定の操作手段を操作させる操作演出を実行することにより、遊技者参加型の示唆演出を実行させることで、遊技の興趣を向上させた遊技機がある。しかしながら、示唆演出が数多く実行されることにより、遊技意欲が低下してしまう遊技者もいることから、予め定めたルールに従って示唆演出を実行するだけでは複数の遊技者が満足する演出を実行するができず、遊技の興趣が低下してしまうという問題があった。上記した遊技機において、遊技の興趣を向上させた遊技を提供することを目的とする。
遊技機A1によれば、演出実行手段により実行される演出の演出態様を示すための態様情報が、優先順位が異なる複数の記憶領域に記憶される。そして、複数の記憶領域は、同一の優先順位の態様情報を複数記憶可能に構成されており、実行演出設定手段により、同一の優先順位に記憶されている複数の態様情報に対し、演出を実行するかが決定される。
このように構成することにより、同一の優先順位が規定される複数の記憶領域に記憶された各態様情報に対応する演出の重複実行の有無を可変設定することができる。よって、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。また、重複実行可能となるように各態様情報を設定しておき、実際に演出を実行する際に実行演出設定手段の設定内容に応じて実行される演出の態様を可変するように構成しているため、演出態様が設定される演出設定タイミングと、演設定された演出態様に基づく演出が実行される演出実行タイミングとの間隔が大きく異なる場合であっても、演出実行タイミングにおける実行演出設定手段の設定内容に応じた演出を容易に実行することができるという効果がある。
遊技機A1において、前記態様情報記憶手段は、所定の移行条件が成立した場合に、特定の前記記憶領域に記憶されている前記態様情報を、前記特定の記憶領域以外の所定記憶領域へと移行記憶させるものであることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、既に特定の記憶領域に記憶されている態様情報を、移行条件が成立した場合に、特定の記憶領域とは異なる記憶領域へと移行記憶させる。これにより、移行条件の成立の有無によって、実行される演出態様を可変させることができるため、遊技者に対して多彩な演出を提供することができ、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機A1またはA2において、前記演出態様設定手段により、前記同一の優先順位である前記演出態様が設定される場合に、前記演出態様が設定された順序を判別可能な順序判別手段と、前記複数の記憶領域に記憶されている前記態様情報を消去する消去手段と、を有し、前記消去手段は、前記演出設定手段により前記同一の優先順位が設定される前記演出態様の数が、前記同一の優先順位に対応する前記記憶領域の数よりも多く設定された場合に、前記順序判別手段の判別結果に基づいて、前記態様情報記憶手段に記憶された順序が古い前記態様情報から順に消去するものであることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A1またはA2の奏する効果に加え、同一の優先順位が設定される演出態様が、その優先順位に対応する記憶領域の数よりも多く設定された場合に、設定順序が古い演出態様から順に消去される。よって、直近に設定された演出態様に対応する演出を実行させ易くすることができるため、遊技者に違和感の無い演出を提供することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、遊技機A1の構成を用いて、同一の優先順位に対して、一の記憶領域に記憶されている態様情報に対応する演出のみを実行するように設定している場合には、直近に設定された演出態様に対応する態様情報が、一の記憶領域に記憶されるように構成し、消去手段により、その他の態様情報が消去されるように構成すると良い。
遊技機A1またはA3において、前記演出実行手段は、前記態様情報記憶手段の有する前記複数の記憶領域のうち、所定の第1記憶領域に第1態様情報が記憶され、前記特定の第1記憶領域とは異なる第2記憶領域に前記第1態様情報とは異なる特定の第2態様情報が記憶される場合に、特殊演出態様の演出を実行するものであること特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A1からA3のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、複数の記憶領域に記憶される各態様情報が、所定の組合せで記憶される場合に、特殊演出態様の演出が実行される。これにより、態様情報記憶手段により記憶領域に態様情報を記憶させる処理に対して、すでに設定された演出態様を記憶するための処理と、特殊演出態様の演出の実行条件を成立させるための処理と、二重の役割を持たせることができる。また、対応する演出が実行され難い優先順位の低い態様情報に対しても、特殊演出態様の演出を実行させるための役割を持たせることができるため、記憶された態様情報を有効活用することができる。よって、効率良く様々な演出を実行させることができるという効果がある。
遊技機A1からA4のいずれかにおいて、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段に対して所定の操作が行われたことを判別する操作判別手段と、を有し、前記演出実行手段は、少なくとも、前記操作判別手段の判別結果に基づいて演出態様が可変される操作演出を実行可能とするものであることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A1からA4の奏する効果に加え、遊技者が操作可能な操作手段が用いられる操作演出を実行することができるため、実行される演出に対して遊技者に興味を持たせることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機A5において、前記演出態様設定手段は、前記演出態様として、前記操作判別手段の判別結果を有効に判別する操作有効期間が設定される操作演出態様を設定可能なものであり、前記演出実行手段は、前記第1態様情報として、前記操作演出態様に対応する第1態様情報が前記第1記憶領域に記憶され、前記第2態様情報として、前記操作演出態様に対応する第2態様情報が前記第2記憶領域に記憶された場合に、前記特殊演出態様を実行するものであることを特徴とする遊技機6。
遊技機A6によれば、遊技機A5の奏する効果に加え、操作演出態様が複数実行される状況にて特殊演出を実行させることができるため、実行される演出に対して遊技者に興味を持たせることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機A6において、前記演出実行手段は、前記第1態様情報に対応する前記操作演出態様に設定される前記操作有効期間と、前記第2態様情報に対応する前記操作演出態様に設定される前記操作有効期間とが重複する場合に、前記特殊演出態様の演出を実行するものであり、前記特殊演出態様の演出では、前記操作演出態様を設定した演出が実行されるものであることを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、遊技機A6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、操作演出が重複して設定される場合に、特殊演出を実行させ易くすることができる。また、操作有効期間が重複して設定された場合に、操作演出として特殊演出態様の演出を実行させることができるため、操作手段を操作させる演出を継続させたまま特殊演出態様の演出を実行させることができる。よって、特殊演出態様の演出を、遊技者に違和感を与えることの無く実行することができるため、演出効果を高めることができるという効果がある。
<特徴群B>(設定契機に応じてボタン演出を記憶させる領域を変更)
所定の優先順位に基づいて演出を実行する演出実行手段と、その演出実行手段により実行される前記演出の演出態様を設定する演出態様設定手段と、その演出態様設定手段により設定された前記演出態様を示すための態様情報を、前記優先順位が異なる複数の記憶領域に記憶させる態様情報記憶手段と、を有し、前記演出態様設定手段は、前記演出態様を設定するための設定条件として、少なくとも所定の第1設定条件と、その第1設定条件とは異なる第2設定条件を有するものであり、前記態様情報記憶手段は、前記演出態様設定手段により前記演出態様が設定される場合に成立している前記設定条件に応じて、前記態様情報を記憶させる前記複数の記憶領域の範囲を異ならせているものであることを特徴とする遊技機B1。
従来より、パチンコ機などの遊技機では、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合に、遊技者に有利となる特典遊技が実行されるものがあった。そして、抽選結果が報知されるよりも前に、抽選結果を示唆するための示唆演出を実行可能にし、抽選結果が報知されるまでの期間を遊技者に楽しませるものがあった。さらに、示唆演出として様々な演出を様々なタイミングで実行させることにより示唆演出の演出効果をより高めた遊技機が提案されていた(例えば、特開2015−12907号公報)。また、様々な契機で示唆演出を設定可能に、より多くの示唆演出を実行するように構成している遊技機もある。しかしながら、様々な契機で設定された示唆演出が数多く実行されることにより、全体として煩雑な演出が実行されてしまい遊技意欲が低下してしまうという問題があった。上記した遊技機において、実行される演出によって遊技意欲が低下してしまうことを抑制し、遊技の興趣を向上させることができる遊技を提供することを目的とする。
遊技機B1によれば、第1設定条件、或いは第2設定条件が成立した場合に、演出実行手段により実行される演出の演出態様が演出態様設定手段により設定され、その設定された演出態様を示すための態様情報が、態様情報記憶手段により優先順位の異なる複数の記憶領域に記憶される。そして、演出態様が設定される場合に成立している設定条件に応じて複数の記憶領域のうち態様情報を記憶させる範囲を異ならせることができる。これにより、演出態様の設定条件に応じて、優先順位に制限を設けることができるため、複数の条件下で設定された各演出態様に基づいて実行される演出に規則性を持たせることができる。よって、煩雑な演出が実行されてしまうことを抑制することができるため、実行される演出によって遊技意欲が低下してしまうことを抑制し、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機B1において、前記複数の記憶領域は、同一の前記優先順位を複数記憶可能に構成されるものであり、前記演出実行手段に複数の前記同一の優先順位に記憶されている複数の前記態様情報に対応する前記演出を実行させるか否かを設定する実行演出設定手段を有するものであることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、演出実行手段により実行される演出の演出態様を示すための態様情報が、優先順位が異なる複数の記憶領域に記憶される。そして、複数の記憶領域は、同一の優先順位の態様情報を複数記憶可能に構成されており、実行演出設定手段により、同一の優先順位に記憶されている複数の態様情報に対し、演出を実行するかが決定される。このように構成することにより、同一の優先順位が規定される複数の記憶領域に記憶された各態様情報に対応する演出の重複実行の有無を可変設定することができる。よって、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。また、重複実行可能となるように各態様情報を設定しておき、実際に演出を実行する際に実行演出設定手段の設定内容に応じて実行される演出の態様を可変するように構成しているため、演出態様が設定される演出設定タイミングと、演設定された演出態様に基づく演出が実行される演出実行タイミングとの間隔が大きく異なる場合であっても、演出実行タイミングにおける実行演出設定手段の設定内容に応じた演出を容易に実行することができるという効果がある。
遊技機B2において、前記態様情報記憶手段は、所定の移行条件が成立した場合に、特定の前記記憶領域に記憶されている前記態様情報を、前記特定の記憶領域以外の所定記憶領域へと移行記憶させるものであることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、既に特定の記憶領域に記憶されている態様情報を、移行条件が成立した場合に、特定の記憶領域とは異なる記憶領域へと移行記憶させる。これにより、移行条件の成立の有無によって、実行される演出態様を可変させることができるため、遊技者に対して多彩な演出を提供することができ、演出効果を高めることができるという効果がある。
<特徴群C>(優先度の低い演出にプレミア演出)
所定の優先順位に基づいて予め定められた所定期間の演出を実行する演出実行手段と、その演出実行手段により実行される前記演出の演出態様を設定する演出態様設定手段と、その演出態様設定手段により設定された前記演出態様を示すための態様情報を、前記優先順位が異なる複数の記憶領域に記憶させる態様情報記憶手段と、を有し、前記演出態様設定手段は、前記演出の実行期間が重複するように前記演出態様を設定可能なものであり、所定の終了条件が成立した場合に、実行中の前記演出を、前記所定期間が経過するよりも前に終了させる演出終了手段を有するものであることを特徴とする遊技機C1。
従来より、パチンコ機などの遊技機では、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合に、遊技者に有利となる特典遊技が実行されるものがあった。そして、抽選結果が報知されるよりも前に、抽選結果を示唆するための示唆演出を実行可能にし、抽選結果が報知されるまでの期間を遊技者に楽しませるものがあった。さらに、示唆演出として様々な演出を様々なタイミングで実行させることにより示唆演出の演出効果をより高めた遊技機があり、そのような遊技機において、複数の示唆演出に優先順位を予め設定しておき、示唆演出の実行タイミングが重複した場合に、優先順位の高い示唆演出を実行することが提案されていた(例えば、特開2014−200589号公報)。このような遊技機では、予め定められた優先順位に従って示唆演出が実行されるため、例えば、演出効果の高い示唆演出に対して高い優先順位を設定することで、演出効果の低い示唆演出が実行されることによって演出効果の高い示唆演出が実行されなくなり、遊技の興趣が低下してしまうという問題を解決することができるものであった。しかしながら、予め定められた優先順位に基づいて実行する示唆演出を実行するように構成した場合には、優先順位の低い示唆演出が実行され難くなり、実行される示唆演出が単調となってしまい、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうという問題があった。上記した遊技機において、多彩な示唆演出を実行させることで遊技の興趣を向上させた遊技を提供することを目的とする。
遊技機C1によれば、演出実行手段により実行される演出の演出態様が演出態様設定手段により設定され、その設定された演出態様を示すための態様情報が、態様情報記憶手段により優先順位の異なる複数の記憶領域に記憶される。そして、演出の実行中に、終了条件が成立すると、演出終了手段により予め定められた所定期間が経過するよりも前に演出が終了される。これにより、終了条件の成立の有無によって演出の実行期間を異ならせることができ、重複した期間に設定された態様情報のうち、優先順位の低い態様情報に基づく演出を実行させ易くすることができる。よって、遊技者に対して多彩な演出を提供することができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機C1において、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段に対して所定の操作が行われたことを判別する操作判別手段と、を有し、前記操作判別手段の判別結果が所定の判別結果である場合に、前記終了条件が成立するものであることを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、遊技者が操作手段を操作することに基づいて終了条件が成立するため、演出が実行される期間を遊技者が選択可能にすることができる。よって、演出に対する遊技者の参加意欲に応じて、実行される演出の量を可変させることができるため、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機C1またはC2において、判別を実行可能な判別手段と、その判別手段の判別結果が所定の判別結果である場合に、遊技者に特典を付与可能な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を有し、前記演出態様設定手段は、少なくとも前記判別手段の判別結果が所定の判別結果である場合に設定され易い第1演出態様と、その第1演出態様よりも設定され難い第2演出態様と、を設定可能なものであり、前記態様情報記憶手段は、前記第1演出態様を示すための第1態様情報を、前記第2演出態様を示すための第2態様情報が記憶される前記記憶領域よりも、優先順位が低い記憶領域に記憶させるものであることを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C1またはC2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判別手段の判別結果が、特典遊技が実行される所定の判別結果である場合に設定され易い第1演出態様のほうが、設定され難い第2演出態様よりも優先順位が低くなるように設定される。これにより、終了条件を成立させ、実行中の演出の演出期間を短縮させたほうが、第2演出態様に対応する演出が実行され易くなる。よって、実行中の演出が早期に終了することを期待させるという新たな遊技性を提供することができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
<特徴D群>(異なる優先度の演出を紐付ける)
所定の優先順位に基づいて演出を実行する演出実行手段と、その演出実行手段により実行される前記演出の演出態様を設定する演出態様設定手段と、その演出態様設定手段により設定された前記演出態様を示すための態様情報を、前記優先順位が異なる複数の記憶領域に記憶させる態様情報記憶手段と、を有し、前記演出実行手段は、前記複数の記憶領域のうち、一の優先順位に対応する第1記憶領域に記憶される第1態様情報が所定の演出条件を満たす場合に、前記一の優先順位よりも低い他の優先順位に対応する第2記憶領域に記憶されている第2態様情報に応じた演出も関連付けて実行するものであることを特徴とする遊技機D1。
従来より、パチンコ機などの遊技機では、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合に、遊技者に有利となる特典遊技が実行されるものがあった。そして、抽選結果が報知されるよりも前に、抽選結果を示唆するための示唆演出を実行可能にし、抽選結果が報知されるまでの期間を遊技者に楽しませるものがあった。さらに、示唆演出として様々な演出を様々なタイミングで実行させることにより示唆演出の演出効果をより高めた遊技機があり、そのような遊技機において、複数の示唆演出に優先順位を予め設定しておき、示唆演出の実行タイミングが重複した場合に、優先順位の高い示唆演出を実行することが提案されていた(例えば、特開2014−200589号公報)。このような遊技機では、予め定められた優先順位に従って示唆演出が実行されるため、例えば、演出効果の高い示唆演出に対して高い優先順位を設定することで、演出効果の低い示唆演出が実行されることによって演出効果の高い示唆演出が実行されなくなり、遊技の興趣が低下してしまうという問題を解決することができるものであった。しかしながら、予め定められた優先順位に基づいて実行する示唆演出を実行するように構成した場合には、優先順位の低い示唆演出が実行され難くなり、実行される示唆演出が単調となってしまい、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうという問題があった。上記した遊技機において、多彩な示唆演出を実行させることで遊技の興趣を向上させた遊技を提供することを目的とする。
遊技機D1によれば、態様情報記憶手段により優先順位が異なる複数の記憶領域に記憶された態様情報に対応する演出が演出実行手段により優先順位に基づいて実行される。さらに、一の優先順位に対応する第1記憶領域に記憶される第1態様情報が所定の演出条件を満たす場合に、一の優先順位よりも低い他の優先順位に対応する第2記憶領域に記憶されている第2態様情報に対応する演出が関連付けて実行される。これにより、優先順位が低い演出を、優先順位の高い演出に紐付けて実行することができる。よって、遊技者に対して多様な演出を提供することができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機D1において、前記演出実行手段により前記演出が実行される期間を設定可能な演出期間設定手段を有し、前記演出期間設定手段は、前記第1態様情報に対応する第1演出が実行される第1演出期間と、前記第2態様情報に対応する第2演出が実行される第2演出期間と、を異ならせて設定するものであることを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、第1演出が実行される第1演出期間と、第2演出が実行される第2演出期間とが重複しないようにそれぞれの演出期間が演出期間設定手段により設定されるため、実行される複数の演出を遊技者に確実に報知することができ、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機D2において、判別を実行可能な判別手段と、その判別手段の判別結果が所定の判別結果である場合に、遊技者に特典を付与可能な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を有し、前記演出態様設定手段は、前記判別手段の判別結果が所定の判別結果である場合に設定され易い前記第1演出と、その第1演出よりも設定され難い前記第2演出とを少なくとも設定可能なものであることを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、遊技機D2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判別手段の判別結果が、特典遊技が実行される所定の判別結果である場合に設定され易い第1演出と設定され難い第2演出とを関連付けて実行させることができる。さらに、第2演出は単独では実行される優先順位が低い演出である。これにより、第2演出が実行された場合に、今回の第2演出の実行が、第1演出に関連付いたものであると思わせることができると共に、特典遊技が実行されることに対する期待感を高めることができる。よって、遊技の興趣を向上させることができる。
遊技機D2またはD3において、前記演出期間設定手段は、前記第2演出期間を、前記第1演出期間よりも前に設定するものであることを特徴とする遊技機D4。
遊技機D4によれば、遊技機D2またはD3の奏する効果に加え、第2演出期間が第1演出期間よりも前に設定されるため、第1演出よりも先に第2演出が実行されることになる。これにより、第2演出よりも先に第1演出が実行されてしまい、第2演出が実行された時点における遊技者への期待感が損なわれてしまうことを抑制することができる。よって、遊技者に対して継続して実行される演出を注視させることができ、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機D2からD4のいずれかにおいて、前記演出期間設定手段は、前記第1演出に関連付けて前記第2演出が実行される場合と、前記第1演出に関連付けること無く前記第2演出が実行される場合とで、前記第2演出期間が設定される期間を異ならせるものであることを特徴とする遊技機D5。
遊技機D5によれば、遊技機D2からD4のいずれかの奏する効果に加え、第2演出が実行される期間に基づいて、今回の第2演出が第1演出に関連付いて実行されたものなのか否かを予測させることが可能となるため、実行される演出に興味を持たせることができ、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
<特徴E群>(主変動演出の対象を切り替える場合に特殊演出)
第1の判別条件が成立した場合に第1判別を実行する第1判別手段と、前記第1の判別条件とは異なる第2の判別条件が成立した場合に前記第1判別とは異なる第2判別を実行する第2判別手段と、前記第1判別手段の判別結果を示すための第1演出を表示手段に所定期間実行させる第1演出実行手段と、前記第2判別手段の判別結果を示すための第2演出を前記表示手段に所定期間実行させる第2演出実行手段と、前記第1演出実行手段により実行される前記第1演出の演出態様と、前記第2演出実行手段により実行される前記第2演出の演出態様と、を設定可能な演出態様設定手段と、所定の切替条件が成立した場合に、実行中の前記第1演出を前記第2演出へと切り替える演出切替手段と、を有し、前記演出態様設定手段は、前記切替条件が成立し得る状態で実行される前記第1演出の演出態様として、特殊演出態様を設定するものであることを特徴とする遊技機C1。
従来より、パチンコ機などの遊技機では、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合に、遊技者に有利となる特典遊技が実行されるものがあった。そして、抽選結果が報知されるよりも前に、抽選結果を示唆するための示唆演出を実行可能にし、抽選結果が報知されるまでの期間を遊技者に楽しませるものがあった。さらに、示唆演出として様々な演出を様々なタイミングで実行させることにより示唆演出の演出効果をより高めた遊技機があり、そのような遊技機において、異なる契機に基づいて異なるタイミングで示唆演出を設定し、一の示唆演出が実行されている最中に他の示唆演出が実行される場合に、実行中の一の示唆演出を強制的に終了させ、他の示唆演出を実行するように構成された遊技機がある(例えば、特開2014−209952号公報)。このような遊技機では、一の示唆演出の実行中であっても、他の示唆演出の実行させることができるため、実行される演出の種類を増やし、演出効果を高めることが出来るという効果がある。しかしながら、上述した遊技機では、実行中の一の示唆演出の演出状況に関わることなく他の示唆演出を実行するように構成しているため、実行される示唆演出が急に切り替わることで遊技者を困惑させてしまい、遊技者の遊技意欲が低下してしまうという問題があった。さらに、実行中の示唆演出が所定の過程変化(例えば、ストーリー展開)を示すものであった場合には、示唆演出を切り替えてしまうことにより、所定の過程変化態様が途中で終了してしまうことから、遊技者をより困惑させてしまうという問題があった。上記した遊技機において、遊技者を困惑させること無く多彩な示唆演出を実行させることで遊技の興趣を向上させた遊技を提供することを目的とする。
遊技機E1によれば、切替条件が成立した場合に、演出切替手段により、実行中の第1演出が第2演出へと切り替えられる。そして、切替条件が成立し得る状態で実行される第1演出の演出態様として、特殊演出態様が設定される。これにより、第1演出の演出態様を特殊演出態様とし、第2演出へと切り替わる際に特殊演出態様の演出が実行されるため、遊技者を困惑させること無く多彩な示唆演出を実行させることでき、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機E1において、前記演出態様設定手段は、前記特殊演出態様として、前記第2演出の演出態様に関連する関連演出態様を設定するものであることを特徴とする遊技機E2。
遊技機E2によれば、遊技機E1の奏する効果に加え、特殊演出態様として第2演出の演出態様に関連する演出態様が設定されるため、第1演出から第2演出へと切り替わる際に遊技者を困惑させることが無く、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機E2において、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段に対して所定の操作が行われたことを判別する操作判別手段と、を有し、前記第1演出実行手段と前記第2演出実行手段とは、少なくとも、前記操作判別手段の判別結果に基づいて演出態様が可変される操作演出を実行可能なものであり、前記演出態様設定手段は、前記第2演出として前記操作演出が設定される場合に、前記第1演出の特殊演出態様として前記操作演出に対応する演出態様を設定するものであることを特徴とする遊技機E3。
遊技機E1からE3のいずれかにおいて、前記演出態様設定手段は、前記第1演出の演出態様として、前記第1判別手段の判別結果が特定の判別結果である場合に設定され易い第1演出態様と、その第1演出態様よりも設定され難い第2演出態様と、を設定可能なものであり、前記第1演出の特殊演出態様として前記第2演出態様を設定するものであることを特徴とする遊技機E4。
遊技機E4によれば、第1演出から第2演出へと切り替わる際に、実行中の第1演出の演出態様を、遊技者の興味が低い演出態様とすることができるため、実行中の第1演出が第2演出へと切り替わることにより遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができるという効果がある。
<特徴F群>(大当たり終了後に確変昇格演出を継続実行)
所定の判別を実行可能な判別手段と、その判別手段の判別結果を示すための識別情報を所定期間動的表示させる動的表示実行手段と、その動的表示実行手段により動的表示された前記識別情報が特定の表示態様で停止表示されたことに基づいて遊技者に有利となる特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、その特典遊技実行手段により実行された前記特典遊技の終了後に設定される遊技状態として、遊技者に有利となる第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも遊技者に有利となる第2遊技状態と、を設定可能な遊技状態設定手段と、を有する遊技機において、少なくとも、前記特典遊技の実行中に、演出結果として前記第2遊技状態が設定されることを報知可能な報知演出を実行可能な報知演出実行手段を有し、前記報知演出実行手段は、前記特典遊技の終了後に前記第1遊技状態が設定される前記特典遊技が終了した場合に、所定の終了条件が成立するまで前記報知演出を実行するものであることを特徴とする遊技機F1。
従来より、パチンコ機などの遊技機では、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合に、遊技者に有利となる特典遊技が実行されるものがあった。そして、特典遊技の終了後に、当たりに当選し易い有利遊技状態と、当たりに当選し難い不利遊技状態との何れかの遊技状態を設定可能に構成し、特典遊技中に、その特典遊技終了後に設定される遊技状態を示唆するための示唆演出を実行可能にすることが提案されていた(例えば、特開2014−200589号公報)。このような遊技機では、特典遊技中に特典を獲得する楽しみと、設定される遊技状態を予測する楽しみと、を一度に体感することができ、遊技の興趣を向上させることができるものであった。しかしながら、特典遊技中に実行される示唆演出によって、特典遊技終了後に設定される遊技状態が不利遊技状態であると判別できてしまった場合は、特典遊技終了後の遊技意欲を低下させてしまうという問題があった。また、有利遊技状態が設定される割合は遊技機の種類によって予め定められており、例えば、有利遊技状態が設定される割合が低く設定されている遊技機では、特典遊技中に実行される示唆演出にて、有利遊技状態が設定されることを示唆する演出を実行させ難くなり、示唆演出自体が遊技者の遊技意欲を低下させる原因となってしまうという問題があった。上記した遊技機において、遊技者の遊技意欲の低下を抑制できる演出を提供することで、遊技の興趣を向上させた遊技を提供することを目的とする。
遊技機F1によれば、報知演出実行手段により特典遊技の実行中に実行される報知演出が、第1遊技状態が設定される場合には、特典遊技が終了してから所定の終了条件が成立するまで実行される。これにより、特典遊技の終了後に第1遊技状態が設定され、その第1遊技状態中であって終了条件が成立するまでの間に、特典遊技の終了後に第2遊技状態が設定される特典遊技が実行される場合に、報知演出の演出結果として、第2遊技状態が設定されることを報知する報知態様を設定することができる。これにより、報知演出を特典遊技中のみ実行する場合に比べて、報知演出の演出結果として、第2遊技状態が設定されることを報知する報知態様が設定される割合を高くすることができる。よって、遊技者が期待感を持てる報知演出を実行することができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機F1において、前記判別手段の判別回数を計測可能な計測手段と、その計測手段により計測された判別回数が所定回数に到達したかを判別する計測判別手段と、を有し、前記終了条件は、前記計測判別手段により、前記第1遊技状態が設定されてからの前記判別回数前記所定回数に到達したと判別された場合に成立するものであることを特徴とする遊技機F2。
遊技機F2によれば、遊技機F1の奏する効果に加え、判別手段の判別回数に基づいて終了条件が成立するため、特典遊技が終了してから終了条件が成立するまでの間に、判別手段による判別を実行させることができる。よって、報知演出の演出結果として、第2遊技状態が設定されることを報知する報知態様が設定される割合を高くすることができるという効果がある。
遊技機F1またはF2において、前記動的表示実行手段により動的表示された前記識別情報が前記特定の表示態様とは異なる所定の表示態様で停止表示されたことに基づいて、前記特典遊技により遊技者に付与可能な特典とは異なる特殊特典を付与可能な特殊特典遊技を実行可能な特殊特典遊技実行手段と、前記特典遊技、或いは、前記特殊特典遊技が実行される場合に、第1状態から第2状態へと可変可能な可変手段と、を有し、前記終了条件は、前記第1遊技状態が設定されている状態で、前記特殊特典遊技が実行された場合に成立するものであることを特徴とする遊技機F3。
遊技機F3によれば、可変手段が可変される特殊特典遊技が実行された場合に終了条件が成立するため、遊技者に対して、あたかも、特典遊技が実行されたことに基づいて終了条件が成立したと思わせることができる。よって、終了条件が成立するまでの期間を特典遊技と思わせることができ、遊技者に違和感を与えること無く報知演出を実行することができるという効果がある。
遊技機F1からF3のいずれかにおいて、前記報知演出実行手段は、前記終了条件が成立するまでに、前記特典遊技実行手段により、前記第1遊技状態が設定される特典遊技が実行される場合には、その特典遊技の終了後に前記終了条件が成立するまで前記報知演出を実行するものであることを特徴とする遊技機F4。
遊技機F4によれば、遊技機F1からF3のいずれかの奏する効果に加え、報知演出が実行されている間に、第2遊技状態が設定されることを報知することが出来ない特典遊技に当選する限り、継続して報知演出を実行することができるため、報知演出の演出結果として、第2遊技状態が設定されないことを示す報知演出を実行させ難くすることができる。よって、報知演出の演出結果が、第2遊技状態が設定されることを示す報知結果となる割合を相対的に高めることができるという効果がある。
遊技機F1からF4において、前記遊技状態設定手段により前記第1遊技状態が設定された場合に、所定期間の特殊遊技を実行可能な特殊遊技実行手段と、その特殊遊技実行手段により前記特殊遊技が実行される特殊期間を設定可能な特殊期間設定手段と、その特殊期間設定手段により設定された特殊期間の残期間を判別可能な残期間判別手段と、その残期間判別手段により判別された前記特殊期間の残期間を示すための残特殊期間情報を報知可能な特殊期間報知手段と、を有し、前記特殊期間報知手段は、前記終了条件が成立した場合に前記残特殊期間情報を報知するものであることを特徴とする遊技機F5。
遊技機F5によれば、遊技機F1からF4のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、終了条件が成立し、報知演出が終了した後に、特殊期間の残期間が報知されるため、終了条件の成立タイミングに応じて残特殊期間情報が示す残期間を異ならせることができる。これにより、第1遊技状態が設定された場合に設定される特殊期間の長さを遊技者に分かり難くすることができる。よって、遊技者が予測し難い遊技を提供することができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
<特徴G群>(時短状態中の小当たり当選で時短突入演出)
所定の判別を実行可能な判別手段と、その判別手段の判別結果を示すための識別情報を所定期間動的表示させる動的表示実行手段と、その動的表示実行手段により動的表示された前記識別情報が特定の表示態様で停止表示されたことに基づいて遊技者に有利となる特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、その特典遊技実行手段により実行される前記特典遊技の終了後に設定される遊技状態として、第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも遊技者に有利となる第2遊技状態と、を少なくとも設定可能な遊技状態設定手段と、所定の演出を実行可能な演出実行手段と、を有し、前記演出実行手段は、前記遊技状態設定手段により前記第1遊技状態が設定されている場合に、前記特典遊技が終了してから第1報知条件が成立するまで第1演出を実行し、前記第1報知条件が成立したことに基づいて、前記第2遊技状態が設定されている場合のほうが、前記第1遊技状態が設定されている場合よりも実行され難い第2演出を実行するものであることを特徴とする遊技機G1。
従来より、パチンコ機などの遊技機では、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合に、遊技者に有利となる特典遊技が実行されるものがあった。そして、特典遊技の終了後に、通常状態よりも有利な第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも有利な第2遊技状態との何れかの遊技状態を所定期間設定可能に構成し、特典遊技中に、その特典遊技終了後に設定される遊技状態を示唆するための示唆演出を実行可能にすることが提案されていた(例えば、特開2014−200589号公報)。このような遊技機では、特典遊技の終了後に、第1遊技状態が設定された場合に、その第2遊技状態が設定されなかった悔しさを持ったまま所定期間遊技を行うことになり、特典遊技終了後の遊技意欲を低下させてしまうという問題があった。上記した遊技機において、遊技者の遊技意欲の低下を抑制することで、遊技の興趣を向上させた遊技を提供することを目的とする。
遊技機G1によれば、第1遊技状態が設定されたとしても、第1報知条件が成立するまでは、第1遊技状態が設定されたことを気付かせ難くすることができるため、特典遊技終了後に遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。よって、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機G1において、遊技状態設定手段により前記第1遊技状態が設定される期間を設定する期間設定手段と、その期間設定手段により設定された前記期間の残期間を判別する残期間判別手段と、を有し、前記第2演出は、少なくとも前記第1報知条件が成立した時点における前記第1遊技状態の前記残期間を報知する報知態様が含まれるものであることを特徴とする遊技機G2。
遊技機G2によれば、遊技機G1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1報知条件が成立した時点における第1遊技状態の残期間が報知されるため、第1遊技状態が設定された時点における第1遊技状態の残期間、即ち、期間設定手段により設定された期間を遊技者に把握させ難くすることができる。これにより、実際に第1遊技状態の期間として設定される種類数よりも、多くの種類数の期間が期間設定手段により設定されるものであると遊技者に思わせることができるため、多彩な遊技を提供することができるという効果がある。
遊技機G1またはG2において、前記識別情報が前記特定の表示態様とは異なる特殊表示態様で停止表示されたことに基づいて前記特典遊技とは異なる特典を遊技者に付与可能な特殊遊技を実行可能な特殊遊技実行手段を有し、前記示唆演出実行手段により前記第1演出が実行されている状態で、前記特殊遊技が実行された場合に、前記第1報知条件が成立するものであることを特徴とする遊技機G3。
遊技機G3によれば、遊技機G1またはG2の奏する効果に加え、特殊遊技が実行された場合に第1報知条件が成立するため、判別手段の判別結果によって、第1報知条件が成立するタイミングを異ならせることができる。よって、第2演出が実行されるタイミングを不規則に設定することができるため、遊技者に予測させ難い演出を実行することができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機G3において、所定の開放条件が成立した場合に、遊技球が入球困難な第1状態から、その第1状態よりも遊技球が入球し易くなる第2状態へと可変される可変入球手段を有し、前記特典遊技実行手段により前記特典遊技が実行される場合、または、前記特殊遊技実行手段により前記特殊遊技が実行される場合に、前記所定の開放条件が成立し得るものであることを特徴とする遊技機G4。
遊技機G4によれば、遊技機G3の奏する効果に加え、特典遊技或いは特殊遊技が実行される場合に、可変入球手段が第2状態へと可変されるため、特殊遊技が実行されて第1報知条件が成立した場合に、特典遊技が実行されたことに基づいて第2演出が実行されたと思わせることができる。よって、第2演出によって報知された残期間を、期間設定手段によって設定された期間(初期値)と思わせることができるため、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機G1からG4のいずれかにおいて、前記演出実行手段は、前記第1演出として、前記特典遊技中に実行される特典遊技演出の演出態様の少なくとも一部の演出態様を用いた演出を実行するものであることを特徴とする遊技機G5。
遊技機G5によれば、遊技機G1からG4のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技者に対して第1報知条件が成立するまでの期間を、特典遊技中と思わせることができるため、第1遊技状態が設定されたタイミングを分かり難くすることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。なお、遊技機G2の構成を用いる場合では、第1遊技状態が設定されたタイミングを分かり難くすることにより、今回、どの程度の期間の第1遊技状態が設定されたのかを遊技者に容易に判別させ難くすることができるという効果がる。
遊技機G2からG5のいずれかにおいて、前記第1報知条件が成立した時点における前記第1遊技状態の残期間が所定の残期間条件を満たしているかを判別する残期間条件判別手段と、その残期間条件判別手段により、前記残期間条件を満たしていないと判別した場合に、前記残期間に対して所定の補正処理を実行する残期間補正手段と、を有し、前記演出実行手段は、前記第2演出に含まれる前記報知態様を、前記残期間補正手段により補正された補正残期間を示す補正残期間報知態様に替えて実行するものであることを特徴とする遊技機G6。
遊技機G6によれば、遊技機G2からG5のいずれかの奏する効果に加え、第1報知条件が成立した時点における第1遊技状態の残期間が、残期間条件を満たしていない場合に、残期間補正手段により残期間が補正され、その補正された補正残期間を示す補正残期間報知態様が第2演出として実行される。これにより、第1遊技状態の残期間を示す値が中途半端な値である場合に、適正な値に補正した後の補正値を遊技者に報知することができる。具体的には、例えば、第1遊技状態の期間が特図変動回数に基づいて設定される場合であって、第1報知条件が成立した時点における残期間(残特図変動回数)の値が、下一桁が「0」或いは「5」では無い場合(例えば、「81」)に、補正処理を実行し、残期間の値が「0」或いは「5」となるように補正し(例えば、「80」)、その補正後の値を遊技者に報知する。これにより、遊技者に対してキリの良い値を報知することができるため、第2演出が実行されたタイミングが、第1遊技状態が設定されたタイミングであると遊技者に思わせ易くすることができるという効果がある。
上述した各遊技機のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機Z1。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
上述した各遊技機のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機Z2。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
上述した各遊技機のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機Z3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
10 パチンコ機(遊技機)
S4323 態様情報記憶手段
S5321 演出実行手段
S6222 実行演出設定手段

Claims (5)

  1. 所定の優先順位に基づいて演出を実行する演出実行手段と、
    その演出実行手段により実行される前記演出の演出態様を設定する演出態様設定手段と、
    その演出態様設定手段により設定された前記演出態様を示すための態様情報を、前記優先順位が異なる複数の記憶領域に記憶させる態様情報記憶手段と、を有し、
    前記複数の記憶領域は、同一の前記優先順位を複数記憶可能に構成されるものであり、
    前記演出実行手段は、前記同一の優先順位に記憶されている複数の前記態様情報に対応する前記演出を実行可能とするものであることを特徴とする遊技機。
  2. 前記態様情報記憶手段は、所定の移行条件が成立した場合に、特定の前記記憶領域に記憶されている前記態様情報を、前記特定の記憶領域以外の所定記憶領域へと移行記憶させるものであることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
  3. 前記演出態様設定手段により、前記同一の優先順位に対して複数の前記演出態様が設定される場合に、前記複数の演出態様が設定された順序を判別可能な順序判別手段と、
    前記複数の記憶領域に記憶されている前記態様情報を消去する消去手段と、を有し、
    前記消去手段は、前記演出態様設定手段により前記同一の優先順位に対して設定される前記演出態様の数が、前記同一の優先順位に対応する前記記憶領域の数よりも多く設定された場合に、前記順序判別手段の判別結果に基づいて、前記態様情報記憶手段に記憶された順序が古い前記態様情報から順に消去するものであることを特徴とする請求項1または2記載の遊技機。
  4. 前記演出実行手段は、前記態様情報記憶手段の有する前記複数の記憶領域のうち、所定の第1記憶領域に第1態様情報が記憶され、前記特定の第1記憶領域とは異なる第2記憶領域に前記第1態様情報とは異なる特定の第2態様情報が記憶される場合に、特殊演出態様の演出を実行するものであること特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の遊技機。
  5. 遊技者が操作可能な操作手段と、
    その操作手段に対して所定の操作が行われたことを判別する操作判別手段と、を有し、
    前記演出実行手段は、少なくとも、前記操作判別手段の判別結果に基づいて演出態様が可変される操作演出を実行可能とするものであることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の遊技機。
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