以下、発明の実施の形態例を図面を参照して説明する。図1及び図2に示すように、本発明の実施の形態例に係るパチンコ機Pは、遊技場の島設備に設置される縦長方形状の機枠1と、機枠1に扉状に開閉自在に取り付けられた前面枠2と、前面枠2の内側に収容された遊技盤3と、前面枠2の前面に扉状に開閉自在に取り付けられ、中央に大きく開口部8が形成されたガラス扉4と、このガラス扉4の開口部8に取り付けられた透明なガラス板10と、前面枠2の下側に開閉自在に配設され、遊技球を収容する受皿5を有する前面ボード6と、前面枠2の下部に設けられた発射装置9と、前面ボード6に取り付けられたハンドル7等を具備している。さらに、ガラス扉4の上部にはスピーカ20が左右に1個ずつ取り付けられており、遊技に関する様々な効果音を発している。
また、図3に示すように、このパチンコ機Pは、背面側に、主制御処理部11と、副制御処理部を構成する演出制御処理部12a、特別図柄表示制御部12b、ランプ制御処理部12c、払出制御処理部12e、および普通図柄表示制御部12fと、発射制御処理部13と、賞球払出装置14等を備えている。続いて、図1〜図4を参照して、本実施形態に係るパチンコ機Pの構成を詳しく説明していくことにする。
遊技盤3は、その盤面に遊技領域31を有しており、前面枠2に装着した後、ガラス板10から遊技領域31を観察することができる。遊技領域31は、遊技球を滑走させるガイドレール32と遊技球規制レール33によって略円形状となるように区画形成されており、発射装置9によって打ち出された遊技球はこの遊技領域31内を流下する。また、遊技領域31内には、特別図柄表示装置17と、演出表示装置34と、スルーチャッカ21と、普通図柄表示装置22と、電動チューリップ49と、ステージ36と、第1始動入賞口(始動口)37aおよび第2始動入賞口(始動口)37bと、一般入賞口38と、アウト口39と、遊技釘(図示せず)と、風車(図示せず)と、アタッカー装置41等が設けられている。なお、第1始動入賞口37aと第2始動入賞口37bとは上下方向に間隔を空けて設けられている。
演出表示装置34は、遊技盤3の略中央部に設けられ、第1始動入賞口37aおよび第2始動入賞口37bに遊技球が入賞することを契機に行われた特別図柄に係る電子抽選の結果に基づいて所定の演出態様を表示するものであって、本実施形態では液晶表示装置が用いられている。この演出表示装置34には、所定の演出態様の一部として、特別図柄表示装置17に変動表示される特別図柄と同期をとってダミー図柄(演出図柄)が変動表示されるようになっている。
なお、この演出表示装置34には、保留球乱数が保留球乱数記憶部(メモリ)115a、115bに記憶された場合に保留表示(保留球乱数が記憶された旨の表示)を行うための表示領域が区画形成されている。つまり、この表示領域の部分が保留球表示装置34aとなっているのである。第1始動入賞口37aおよび第2始動入賞口37bに遊技球が入賞し、当該入賞により取得した特別図柄用乱数が保留球乱数として記憶されたときに主制御処理部11から出力されるコマンド(第1変動パターンコマンド)を受けると、この保留球表示装置34aに所定の保留表示態様が表示されて、リーチ等の予告が行われる場合がある。つまり、本実施形態では、保留表示を用いた先読み演出が行われるようになっているのである。
また、特別図柄表示装置17は、第1始動入賞口37aおよび第2始動入賞口37bに遊技球が入賞することを契機に行われた特別図柄に係る電子抽選の結果を表示するためのものであって、より具体的には、抽選結果を、特別図柄(数字や絵柄)を変動させた後に停止させるといった態様で表示するものである。この特別図柄表示装置17は、本実施形態では7セグメント表示器が用いられており、演出表示装置34を見ている遊技者の視界に同時に入らないように遊技盤3の右下部分に離れて設けられている。なお、本実施形態では、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことに基づく遊技よりも、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことに基づく遊技を優先して実行するようになっているので、第1始動入賞口37aと第2始動入賞口37bの両方の抽選結果を同時に表示することはない。よって、2つの始動入賞口37a、37bに遊技球が入賞したことに基づく抽選の結果を1つの特別図柄表示装置17で表示している。つまり、特別図柄表示装置17は、本発明の第1特別図柄表示装置および第2特別図柄表示装置の両方を兼ねているのである。勿論、特別図柄表示装置17を別個に2つ設けることもできることは言うまでもない。
スルーチャッカ21は、遊技球が通過可能なゲート構造を成しており、その内部には遊技球が通過したことを検知する磁気センサタイプのスルーチャッカ検知センサ46が内蔵されている。また、このスルーチャッカ21を遊技球が通過したことを契機に行われる普通図柄に係る電子抽選の結果を表示するための普通図柄表示装置22が、特別図柄表示装置17の隣に設けられている。この普通図柄表示装置22は、本実施形態では、二つのLEDランプで構成されており、普図当たりのときに一方のLEDランプが点灯し、ハズレのときには他方のLEDランプが点灯するようになっている。
電動チューリップ49は、第2始動入賞口37bの入口に設けられ、遊技盤3の面に直交する軸を中心に回動する一対の羽根部材を備えており、ソレノイドに通電がなされると一対の羽根部材が互いに離れる方向に回動して、第2始動入賞口37bの入口を拡大するようになっている。そして、電動チューリップ49が開放されない限り、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞することはない。また、ステージ36は、演出表示装置34の下方に配置されており、遊技球が転動しながら一時的に滞在する構造物である。このステージ36の中央には溝が形成されており、この溝の真下の位置には第1始動入賞口37aが配されている。そのため、溝から落下した遊技球は、高い確率で第1始動入賞口37aへと導かれる。
アタッカー装置41は、第1始動入賞口37aおよび第2始動入賞口37bに遊技球が入賞することを契機に行われる特別図柄に係る電子抽選の結果、特図当たり(大当たり)となって大当たり遊技に移行した場合に所定回数(13ラウンドまたは15ラウンド)開放される装置である。このアタッカー装置41は、水平な軸を中心として前後方向に開閉する板状の蓋部材を備えており、図示しないソレノイドを駆動することにより蓋部材が水平軸回りに回動する構成となっている。そして、蓋部材が開いた状態では遊技領域31の下部に設けられた大入賞口42が露呈され、その大入賞口42に遊技球を入賞させることができる構成となっている。
つまり、アタッカー装置41は、常態では蓋部材が大入賞口42を閉じているため、大入賞口42に遊技球が入賞することはないが、上記したように、大当たり遊技に移行すると、蓋部材が開放されて大入賞口42が露呈されるため、遊技球を大入賞口42内に入賞させることが可能となるのである。そして、大入賞口42に遊技球が入賞すると、所定個数の遊技球が賞球として遊技者に払い出される。即ち、遊技者は、大入賞口42に遊技球を入賞させることによって出玉を獲得できるのである。なお、大入賞口42は、横長な長方形の開口であり、アタッカー装置41の蓋部材は、この大入賞口42の形状とほぼ同じ形状を成している。
また、一般入賞口38に遊技球が入賞すると、所定個数の遊技球が賞球として遊技者に払い出される。そして、第1始動入賞口37a、第2始動入賞口37b、一般入賞口38、およびアタッカー装置41に入らなかった遊技球は、アウト口39から回収される。なお、第1始動入賞口37a、第2始動入賞口37b、一般入賞口38、大入賞口42の内部にはそれぞれ遊技球の通過を検知するためのセンサ43a、43b、44、45(図4参照)が設けられている。
前面ボード6には、遊技球を収容するとともに、外部に排出可能な受皿5が取り付けられている。この受皿5は、遊技者が投入した遊技球を収容するだけでなく、賞球払出装置14から賞球として払い出された遊技球も収容可能となっている。また、遊技球を遊技領域31に向けて発射するための発射装置9が前面枠2の下部に取り付けられており、受皿5に収容されている遊技球がこの発射装置9に1個ずつ供給される。そして、前面ボード6の右下に取り付けられたハンドル7を回動させると、その回動量に応じた発射強度で発射装置9が遊技球を遊技領域31へと発射することができるようになっている。また、図1に示すように、受皿5の側部には、遊技者が押下操作するタッチボタン60が設けられている。
主制御処理部11は、遊技盤3の裏面に支持部材等を介して設けられている。この主制御処理部11は、CPU(Central Processing Unit)と、予め定められた制御プログラムを格納するROM(Read Only Memory)と、生成された処理情報の一時記憶及び記憶した情報の削除を行うRAM(Random Access Memory)等とにより構成されている。このCPUがROMに格納された各種プログラムやデータを読み込んで実行することにより、遊技に関する主要な処理が行われる。
具体的には、図4に示すように、始動入賞口37a、37bに遊技球が入賞したことを契機に特別図柄に係る電子抽選を行う特別図柄抽選処理部(特別図柄抽選手段)110と、この特別図柄抽選処理部110が判定した抽選結果に応じて特別図柄の種類を決定する特別図柄決定部120a、120bと、特別図柄の変動時間を決めるためのものであると共に演出態様を決めるためのコマンドである変動パターンコマンドを決定するための変動パターンコマンド決定部(変動パターンコマンド決定手段)130と、遊技モードの移行を制御する遊技モード移行制御部140と、特別図柄抽選処理部110による抽選結果の判定が特図当たり(大当たり)となった場合にアタッカー装置41(のソレノイド)を作動させて大当たり遊技に移行する大当たり遊技制御部(大当たり遊技制御手段)160と、スルーチャッカ21を遊技球が通過したことを契機に普通図柄に係る電子抽選を行う普通図柄抽選処理部170と、普通図柄の変動時間を決定する普通図柄変動時間決定部190と、電動チューリップ49の作動を制御する電動チューリップ作動制御部180とを備えて主制御処理部11は構成されている。
特別図柄抽選処理部110は、図5に示すように、周期的(例えば2ミリ秒毎)に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲で1ずつ更新させることによりソフトウェア乱数を生成する特別図柄用乱数発生部(特別図柄用乱数発生手段)111と、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことを契機に特別図柄に係る抽選を行うための第1特別図柄抽選部119aと、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことを契機に特別図柄に係る抽選を行うための第2特別図柄抽選部119bとを備えて構成されている。即ち、本実施形態において、特別図柄の抽選は、第1始動入賞口37aに入賞したことを契機に行うものと、第2始動入賞口37bに入賞したことを契機に行うものとの2つがある。
第1特別図柄抽選部119aは、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことを契機に(始動入賞口検知センサ43aからの検知信号が主制御処理部11に入力されたタイミングで)乱数を1つ取得(ラッチ)する第1特別図柄用乱数取得部(特別図柄用乱数取得手段)112aと、この第1特別図柄用乱数取得部112aが取得した乱数が特図当たりであるか否かを第1特別図柄高確率判定テーブル116aまたは第1特別図柄低確率判定テーブル117aを参照して決定する第1特別図柄当否判定部(特別図柄当否判定手段)113aと、第1特別図柄用乱数取得部112aが乱数を取得したときに特別図柄が変動中である場合に、この取得した乱数を保留球乱数として最大4個まで(別言すれば、所定個数である4個の上限まで)記憶する第1保留球乱数記憶部(保留球乱数記憶部)115aと、を備えている。ここで、第1特別図柄高確率判定テーブル116aは、第1特別図柄低確率判定テーブル117aよりも特図当たりとなる確率が高くなっている。
第2特別図柄抽選部119bも第1特別図柄抽選部119aと同様に、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことを契機に(始動入賞口検知センサ43bからの検知信号が主制御処理部11に入力されたタイミングで)乱数を1つ取得(ラッチ)する第2特別図柄用乱数取得部(特別図柄用乱数取得手段)112bと、この第2特別図柄用乱数取得部112bが取得した乱数が特図当たりであるか否かを第2特別図柄高確率判定テーブル116bまたは第2特別図柄低確率判定テーブル117bを参照して決定する第2特別図柄当否判定部(特別図柄当否判定手段)113bと、第2特別図柄用乱数取得部112bが乱数を取得したときに特別図柄が変動中である場合に、この取得した乱数を保留球乱数として最大4個まで(別言すれば、所定個数である4個の上限まで)記憶する第2保留球乱数記憶部(保留球乱数記憶部)115bと、を備えている。ここで、第2特別図柄高確率判定テーブル116bは、第2特別図柄低確率判定テーブル117bよりも特図当たりとなる確率が高くなっている。
なお、本実施形態では、第1保留球乱数記憶部115aと第2保留球乱数記憶部115bの両方に保留球乱数が記憶されている場合には、第2保留球乱数記憶部115bに記憶されている保留球乱数の方が優先して読み出されて特図当たりであるか否かの判定が行なわれ、その判定に従って遊技が進行するような制御がなされている。つまり、特別図柄抽選処理部110によって、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことに基づく遊技が、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことに基づく遊技よりも優先するような処理が行なわれているのである。
本実施形態では、特図当たりの種類として確変当たりと通常当たりがあり、さらに、確変当たりには13R確変当たりと15R確変当たりの2種類があり、通常当たりには13R通常当たりと15R確変当たりの2種類がある(詳しくは後述する)。なお、特図当たりに当選する確率は、第1特別図柄抽選部119aによる電子抽選と第2特別図柄抽選部119bによる電子抽選とで同じである。そして、この特図当たりの種類を決定するのが第1特別図柄決定部120aおよび第2特別図柄決定部120bである。つまり、第1特別図柄抽選部119aおよび第2特別図柄抽選部119bでは、取得した乱数が特図当たりであるか否かを判定するだけであり、特図当たりの種類が何であるかの決定は、第1特別図柄決定部120aおよび第2特別図柄決定部120bが行っている。
第1特別図柄決定部120aは、第1特別図柄抽選部119aによる抽選結果が特図当たりであった場合に、その特図当たりに対して特別図柄の種類を決定している。具体的には、第1特別図柄決定部120aは、13R通常当たり、13R確変当たり、15R通常当たり、および15R確変たりのそれぞれに対応した特別図柄の中から1つの特別図柄を乱数抽選して決定する。こうして、特図当たりの種類が決まるのである。このことは、第2特別図柄決定部120bについても同様である。
なお、本実施形態では、第1特別図柄決定部120aより第2特別図柄決定部120bの方が15R確変当たりと15R通常当たりに対応する特別図柄が選択される確率が高くなるように設定されている。つまり、第2特別図柄抽選部119bにて特図当たりに当選した方が、第1特別図柄抽選部119aにて特図当たりに当選した場合に比べて、15R確変当たりや15R通常当たりになる確率が高くなっているのである。そのため、第2特別図柄抽選部119bの方が第1特別図柄抽選部119aより遊技者に有利である。
また、13R確変当たり、15R確変当たりに当選すると、その確変当たりに基づく大当たり遊技が終了した後には、次の特図当たりに当選するまでの間の遊技では、参照する判定テーブルとして第1特別図柄高確率判定テーブル116aおよび第2特別図柄高確率判定テーブル116bが参照されるようになっている。つまり、この遊技状態が、高確率変動状態(以下、「確変モード」という)である。一方、第1特別図柄低確率判定テーブル117aおよび第2特別図柄低確率判定テーブル117bを参照しながら遊技が行われる状態が通常状態(以下、「通常モード」という)である。確変モードでは、特図当たりに当選する確率が高いため、通常モードに比べて遊技者に有利である。なお、13R通常当たり、15R通常当たりに当選した場合には、大当たり遊技終了後は通常モードとなる。
次に、変動パターンコマンド決定部130は、図6に示すように、変動パターンコマンドの決定に用いられる変動パターン用乱数を発生させる第1変動パターン用乱数発生部131a、第2変動パターン用乱数発生部131b、および第3変動パターン用乱数発生部131cと、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことに基づいて変動パターンコマンドを決定するための第1変動パターンコマンド決定部130aと、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことに基づいて変動パターンコマンドを決定するための第2変動パターンコマンド決定部130bとを備えて構成されている。
第1変動パターン用乱数発生部131aは、周期的(例えば2ミリ秒毎)に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲(0〜4000まで)で1ずつ更新させることによりソフトウェア乱数を生成するものである。第2変動パターン用乱数発生部131b、および第3変動パターン用乱数発生部131cも同様の構成であるが、乱数の発生範囲が0〜2000である点が第1変動パターン用乱数発生部131aと相違する。
第1変動パターンコマンド決定部130aは、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことを契機に、変動パターン用乱数発生部131a〜131cにより発生した変動パターン用の乱数の中からそれぞれ1つずつ、合計3つの乱数(変動パターン用乱数a、b、c)を取得する第1変動パターン用乱数取得部132aと、この第1変動パターン用乱数取得部132aが取得した乱数を記憶する第1変動パターン用乱数記憶部133aと、変動パターン用乱数と変動パターンコマンドとが予め対応づけられて記憶された第1変動パターンコマンドテーブル(変動パターンテーブル)134aとを備えている。つまり、第1変動パターンコマンド決定部130aは、第1始動入賞口37aに遊技球が1個入賞して1つの特別図柄用乱数を取得する毎に、3つの変動パターン用乱数を取得している。
第2変動パターンコマンド決定部130bも第1変動パターンコマンド決定部130aと同様に、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことを契機に、変動パターン用乱数発生部131a〜131cにより発生した変動パターン用の乱数の中からそれぞれ1つずつ、合計3つの乱数(変動パターン用乱数a、b、c)を取得する第2変動パターン用乱数取得部132bと、この第2変動パターン用乱数取得部132bが取得した乱数を記憶する第2変動パターン用乱数記憶部133bと、変動パターン用乱数と変動パターンコマンドとが予め対応づけられて記憶された第2変動パターンコマンドテーブル(変動パターンテーブル)134bとを備えている。つまり、第2変動パターンコマンド決定部130bも、第2始動入賞口37bに遊技球が1個入賞して1つの特別図柄用乱数を取得する毎に、3つの変動パターン用乱数を取得している。
次に、第1変動パターンテーブル134aの構成の詳細を、図7〜図9を参照しながら説明する。第1変動パターンテーブル134aは、第1段階テーブルから第3段階テーブルまで3段階のテーブルで構成されており、特別図柄用乱数が特図当たりの場合とハズレの場合とで参照する第1〜第3段階テーブルは異なっている。ハズレの場合に参照される第1段階テーブルは、リーチを行うか否かを決定するためのテーブルである。一方、特図当たりの場合に参照される第1段階テーブルは、特図当たりの種類を決定するためのテーブルである。
これに対して、第2段階テーブルは、大当たりとハズレのどちらの場合もリーチの内容を決めるためのテーブルである。また、第3段階テーブルは、大当たりとハズレのどちらの場合も擬似連を何回行うかを決めるためのテーブルである。なお、擬似連とは、1回の遊技において演出図柄の変動と停止を複数回繰り返して行う演出であり、あたかも複数回の遊技が行われたかのように見せる演出のことである。そして、擬似連を回数とは、1回の遊技で演出図柄の変動と停止を繰り返し行う回数のことである。
まず、第1特別図柄用乱数取得部112aが取得した特別図柄用乱数がハズレの場合に参照されるテーブルについて説明する。ハズレ時に参照される第1段階テーブルは、保留球乱数記憶部115aに記憶されている保留球乱数の記憶数、即ち、保留記憶数が0または1のときに参照される第1段階テーブル134a−11と、保留記憶数が2のときに参照される第1段階テーブル134a−12と、保留記憶数が3のときに参照される第1段階テーブル134a−13と、保留記憶数が4のときに参照される第1段階テーブル134a−14とで構成されている。
第1段階テーブル134a−11は、変動パターン用乱数aの値と変動パターンコマンドとが対応付けられたテーブル構成を成し、変動パターン用乱数aの値が0〜499にはハズレコマンドが対応づけられ、値が500〜1249にはノーマルリーチコマンドが対応づけられ、値が1250〜4000にはスーパーリーチコマンドが対応づけられている。なお、ハズレコマンドとは、リーチが発生しない演出を選択するよう演出制御処理部12aに指令を出すためのコマンドであり、ノーマルリーチコマンドとは、ノーマルリーチが発生する演出を選択するよう演出制御処理部12aに指令を出すためのコマンドであり、スーパーリーチコマンドとは、スーパーリーチが発生する演出を選択するよう演出制御処理部12aに指令を出すためのコマンドである。
第1段階テーブル134a−12は、変動パターン用乱数aの値と変動パターンコマンドとが対応付けられたテーブル構成を成し、変動パターン用乱数aの値が0〜749にはハズレコマンドが対応づけられ、値が750〜1249にはノーマルリーチコマンドが対応づけられ、値が1250〜4000にはスーパーリーチコマンドが対応づけられている。
第1段階テーブル134a−13は、変動パターン用乱数aの値と変動パターンコマンドとが対応付けられたテーブル構成を成し、変動パターン用乱数aの値が0〜899にはハズレコマンドが対応づけられ、値が900〜1249にはノーマルリーチコマンドが対応づけられ、値が1250〜4000にはスーパーリーチコマンドが対応づけられている。
第1段階テーブル134a−14は、変動パターン用乱数aの値と変動パターンコマンドとが対応付けられたテーブル構成を成し、変動パターン用乱数aの値が0〜999にはハズレコマンドが対応づけられ、値が1000〜1249にはノーマルリーチコマンドが対応づけられ、値が1250〜4000にはスーパーリーチコマンドが対応づけられている。
ここで、変動パターン用乱数aの値が予め定めた1250〜4000の範囲に属する場合には、第1段階テーブル134a−11、134a−12、134a−13、134a−14の何れのテーブルであっても同一の変動パターン用乱数aに対して同一のスーパーリーチコマンドが対応付けられている。これに対して、変動パターン用乱数aの値が予め定めた1250〜4000の範囲以外の場合、即ち、変動パターン用乱数aの値が0〜1249までの範囲では、同一の変動パターン用乱数aに対して第1段階テーブル134a−11、134a−12、134a−13、134a−14の間で異なる変動パターンコマンドが対応付けられている場合があるようになっている。例えば、変動パターン用乱数aの値が800の場合、第1段階テーブル134a−12ではノーマルリーチコマンドが対応付けられているが、第1段階テーブル134a−14ではハズレコマンドが対応づけられている。なお、以下の説明において、変動パターン用乱数aの値が1250〜4000の場合を「固定値」といい、変動パターン用乱数aの値が0〜1249の場合を「固定値以外」という場合があることをここで予め断っておく。
次に、ハズレ時に参照される第2段階テーブルは、変動パターン用乱数aに対応する変動パターンコマンドがハズレコマンドである場合に参照される第2段階テーブル134a−21と、変動パターン用乱数aに対応する変動パターンコマンドがノーマルリーチコマンドである場合に参照される第2段階テーブル134a−22と、変動パターン用乱数aに対応する変動パターンコマンドがスーパーリーチコマンドである場合に参照される第2段階テーブル134a−23とで構成されている。なお、第2段階テーブル134a−21、134a−22、134a−23は、保留記憶数0〜4に対して共通である。
第2段階テーブル134a−21は、変動パターン用乱数bの値と変動パターンコマンドとが対応付けられたテーブル構成を成し、変動パターン用乱数bの値が0〜2000の何れの値でもハズレコマンドが対応づけられている。
第2段階テーブル134a−22は、変動パターン用乱数bの値と変動パターンコマンドとが対応付けられたテーブル構成を成し、変動パターン用乱数bの値が0〜999にはノーマル+1コマンドが対応づけられ、値が1000〜2000にはノーマル−1コマンドが対応づけられている。ここで、ノーマル+1コマンドとは、演出図柄が1個行き過ぎて停止する態様のノーマルリーチ演出を選択するよう演出制御処理部12aに指令を出すためのコマンドであり、ノーマル−1コマンドとは、演出図柄が1個手前で停止する態様のノーマルリーチ演出を選択するよう演出制御処理部12aに指令を出すためのコマンドである。
第2段階テーブル134a−23は、変動パターン用乱数bの値と変動パターンコマンドとが対応付けられたテーブル構成を成し、変動パターン用乱数bの値が0〜699にはSPリーチ前半ハズレコマンドが対応づけられ、値が700〜1399にはSPリーチ後半ハズレ1コマンドが対応づけられ、値が1400〜2000にはSPリーチ後半ハズレ2コマンドが対応づけられている。ここで、SPリーチ前半ハズレコマンドは、スーパーリーチの前半で終了する演出を選択するよう演出制御処理部12aに指令を出すためのコマンドであり、SPリーチ後半ハズレ1コマンドおよびSPリーチ後半ハズレ2コマンドは、スーパーリーチの後半まで発展する演出を選択するよう演出制御処理部12aに指令を出すためのコマンドである。
次に、ハズレ時に参照される第3段階テーブルは、第2段階テーブル134a−21が参照された場合に参照される第3段階テーブル134a−31と、第2段階テーブル134a−22が参照された場合に参照される第3段階テーブル134a−32と、第2段階テーブル134a−23が参照された場合に参照される第3段階テーブル134a−33とで構成されている。なお、第3段階テーブル134a−31、134a−32、134a−33は、保留記憶数0〜4に対して共通である。
第3段階テーブル134a−31は、変動パターン用乱数cの値と変動パターンコマンドとが対応付けられたテーブル構成を成し、変動パターン用乱数cの値が0〜999には擬似1ハズレコマンドが対応づけられ、値が1000〜2000には擬似2ハズレコマンドが対応づけられている。
第3段階テーブル134a−32は、変動パターン用乱数cの値と変動パターンコマンドとが対応付けられたテーブル構成を成し、変動パターン用乱数cの値が0〜999には擬似1ノーマルコマンドが対応づけられ、値が1000〜2000には擬似2ノーマルコマンドが対応づけられている。
第3段階テーブル134a−33は、変動パターン用乱数cの値と変動パターンコマンドとが対応付けられたテーブル構成を成し、変動パターン用乱数cの値が0〜699には擬似1SPリーチコマンドが対応づけられ、値が700〜1399には擬似2SPリーチコマンドが対応づけられ、値が1400〜2000には擬似3SPリーチコマンドが対応づけられている。
ここで、擬似1コマンドは、上記した擬似連回数が1回を選択するよう演出制御処理部12aに指令を出すためのコマンドであり、同様に、擬似2コマンドは擬似連回数2回、擬似3コマンドは擬似連回数3回の指令コマンドである。
続いて、第1特別図柄用乱数取得部112aが取得した特別図柄用乱数が特図当たりの場合に参照されるテーブルについて説明する。特図当たりのときに参照される第1段階テーブル134a−41は、図柄乱数の値と変動パターンコマンドとが対応付けられたテーブル構成を成しており、図柄乱数の値が0〜29には13R当たりコマンドが対応づけられ、値が30〜150には15R当たりコマンドが対応づけられている。なお、第1段階テーブル134a−41を参照して変動パターンコマンドを決定する際に用いられる乱数は、変動パターン用乱数aではなく図柄乱数である。この図柄乱数は、第1特別図柄決定部120aが特図当たりの種類を決定するために取得した乱数と同じものが用いられる。
そして、図柄乱数の値が同一であれば、第1段階テーブル134a−41を参照して決定される変動パターンコマンドは、第1特別図柄決定部120aが決定する特図当たりの種類と同じになるように整合が取れている。つまり、第1特別図柄決定部120aが、取得した図柄乱数に基づいて13R確変当たりまたは13R通常当たりを決定した場合は、変動パターンコマンド決定部130aが第1段階テーブル134a−41を参照して決定する変動パターンコマンドも13R当たりコマンドとなり、第1特別図柄決定部120aが、15R確変当たりまたは15R通常当たりを決定した場合は、変動パターンコマンドも15R当たりコマンドとなるように設定されている。
次に、特図当たり時に参照される第2段階テーブルは、図柄乱数に対応する変動パターンコマンドが13R当たりコマンドである場合に参照される第2段階テーブル134a−51と、図柄乱数に対応する変動パターンコマンドが15R当たりコマンドである場合に参照される第2段階テーブル134a−52とで構成されている。なお、第2段階テーブル134a−51、134a−52は、保留記憶数0〜4に対して共通である。
第2段階テーブル134a−51は、変動パターン用乱数bの値と変動パターンコマンドとが対応付けられたテーブル構成を成し、変動パターン用乱数bの値が0〜999にはノーマル当たりコマンドが対応づけられており、変動パターン用乱数bの値が1000〜2000にはノーマル戻り当たりコマンドが対応づけられている。ここで、ノーマル当たりコマンドとは、ノーマルリーチを経て特図当たりが表示される態様の演出を選択するよう演出制御処理部12aに指令を出すためのコマンドであり、ノーマル戻り当たりコマンドとは、ノーマルリーチを経てハズレを表示した後に特図当たりが表示される態様の演出を選択するよう演出制御処理部12aに指令を出すためのコマンドである。
第2段階テーブル134a−52は、変動パターン用乱数bの値と変動パターンコマンドとが対応付けられたテーブル構成を成し、変動パターン用乱数bの値が0〜699にはSPリーチ前半当たりコマンドが対応づけられ、値が700〜1399にはSPリーチ後半当たりコマンドが対応づけられ、値が1400〜2000にはSPリーチ後半逆転当たりコマンドが対応づけられている。ここで、SPリーチ前半当たりコマンドは、スーパーリーチの前半で特図当たりが表示される態様の演出を選択するよう演出制御処理部12aに指令を出すためのコマンドであり、SPリーチ後半当たりコマンドは、スーパーリーチの後半まで発展して特図当たりが表示される態様の演出を選択するよう演出制御処理部12aに指令を出すためのコマンドであり、SPリーチ後半逆転当たりコマンドは、スーパーリーチの後半まで発展してハズレを表示した後に特図当たりが表示される態様の演出を選択するよう演出制御処理部12aに指令を出すためのコマンドである。
次に、特図当たり時に参照される第3段階テーブルは、第2段階テーブル134a−51が参照された場合に参照される第3段階テーブル134a−61と、第2段階テーブル134a−52が参照された場合に参照される第3段階テーブル134a−62とで構成されている。なお、第3段階テーブル134a−61、134a−62は、保留記憶数0〜4に対して共通である。
第3段階テーブル134a−61は、変動パターン用乱数cの値と変動パターンコマンドとが対応付けられたテーブル構成を成し、変動パターン用乱数cの値が0〜999には擬似1ノーマルコマンドが対応づけられ、値が1000〜2000には擬似2ノーマルコマンドが対応づけられている。
第3段階テーブル134a−62は、変動パターン用乱数cの値と変動パターンコマンドとが対応付けられたテーブル構成を成し、変動パターン用乱数cの値が0〜699には擬似1SPリーチコマンドが対応づけられ、値が700〜1399には擬似2SPリーチコマンドが対応づけられ、値が1400〜2000には擬似3SPリーチコマンドが対応づけられている。
ここで、擬似1コマンドは、上記した擬似連回数が1回を選択するよう演出制御処理部12aに指令を出すためのコマンドであり、同様に、擬似2コマンドは擬似連回数2回、擬似3コマンドは擬似連回数3回の指令コマンドである。
なお、第2変動パターンコマンドテーブル134bは、図7〜図9に示す各テーブルと同様の構成を備えているため、ここでの説明は省略する。
次に、図4に示す大当たり遊技制御部160は、特別図柄抽選処理部110による電子抽選の結果が特図当たりとなった場合に、アタッカー装置41を作動して、大当たり遊技を提供するためのものである。本実施形態の大当たり遊技は、ラウンド遊技が13回または15回連続して連続して行なわれる構成となっている。ここで、ラウンド遊技とは、アタッカー装置41が少なくとも1回開閉し、アタッカー装置41の開放中に大入賞口42に遊技球が所定個数(9個)入賞するか、ラウンド遊技の開始から所定時間(30秒)経過するかの何れかの終了条件が成立すると終了となる遊技である。13R通常当たりと13R確変当たりに当選した場合には、ラウンド遊技が13回の大当たり遊技が提供され、15R通常当たりと15R確変当たりに当選した場合には、ラウンド遊技が15回の大当たり遊技が提供される。
次に、遊技モード移行制御部140は、遊技モードが通常モードにあるときに13R確変当たりと15R確変当たりに当選した場合には、大当たり遊技が終了すると遊技モードを確変モードに移行し、遊技モードが確変モードにあるときに、13R通常当たりと15R通常当たりに当選した場合には、大当り遊技が終了した後の遊技モードを通常モードに移行(転落)させるように、遊技モードを制御している。
普通図柄抽選処理部170は、図10に示すように、普通図柄用の乱数を発生させる普通図柄用乱数発生部171と、スルーチャッカ21を遊技球が通過したことを契機に普通図柄に係る電子抽選を行う普通図柄抽選部177とを備えて構成されている。この普通図柄抽選部177は、スルーチャッカ21を遊技球が通過したことを契機に(スルーチャッカ検知センサ46からの検知信号が主制御処理部11に入力されたタイミングで)乱数を1つ取得(ラッチ)する普通図柄用乱数取得部172と、この普通図柄用乱数取得部172が取得した乱数が普図当たりであるか否かを判定テーブルを参照して決定する普通図柄当否判定部173と、普通図柄用乱数取得部172が乱数を取得したときに普通図柄が変動中である場合に、この取得した乱数を普通図柄用の保留球乱数として記憶する普通図柄用保留球記憶部174と、判定テーブルとして、普図当たりに当選する確率が低い普通図柄低確率判定テーブル176と、この普通図柄低確率判定テーブル176よりも普図当たりに当選する確率が高い普通図柄高確率判定テーブル175とを備えている。なお、普通図柄用乱数発生部171は、特別図柄用乱数発生部111より発生する乱数は少ないが、乱数を発生させるための構成は同じである。
普通図柄変動時間決定部190は、図11に示すように、普図変動パターンコマンドの決定に用いられる普図変動パターン用乱数を発生させる変動パターン用乱数発生部191と、スルーチャッカ21を遊技球が通過したことを契機に、普図変動パターン用乱数発生部191により発生した普図変動パターン用の乱数の中から1つの乱数を取得する普図変動パターン用乱数取得部192と、この普図変動パターン用乱数取得部192が取得した乱数を上限4個まで記憶する普図変動パターン用乱数記憶部193と、普図変動パターン用乱数と変動パターンNo.とが対応づけられたテーブルが複数記憶された普図変動パターンコマンドテーブル194と、を備えている。なお、普通図柄変動時間決定部190は、スルーチャッカ21を遊技球が1個通過すると、その通過につき1つの普図変動パターン用乱数を取得する。
普図変動パターン用乱数発生部191は、周期的(例えば2ミリ秒毎)に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲(0〜4まで)で1ずつ更新させることによりソフトウェア乱数を生成するものである。
普図変動パターンコマンドテーブル194には、図示はしないが、2つの普図変動テーブルが記憶されており、それぞれのテーブルは、普図変動パターン用乱数と変動パターンNo.が予め対応づけられた構成となっている。つまり、普図変動パターン用乱数が決まると、その普図変動パターン用乱数から変動パターンNo.(普図変動パターンコマンド)が自ずと決まり、その変動パターンNo.に対応する変動時間が決まるようになっている。
2つの普図変動テーブルのうち、一方の普図変動テーブルaには、10秒の変動時間が記憶されており、他方の普図変動テーブルbには、0.6秒の変動時間が記憶されている。通常モードでは、普図変動テーブルaが参照され、確変モードでは、普図変動テーブルbが参照されるようになっている。
次に、電動チューリップ作動制御部180は、普通図柄抽選処理部170による電子抽選で普図当たりに当選した旨のコマンドに基づいて、電動チューリップ49のソレノイドに通電して開閉するよう制御している。ここで、普通図柄高確率判定テーブル175が参照されている遊技では、普通図柄抽選部177による電子抽選に当選する確率が高いため、普通図柄低確率判定テーブル176が参照されている遊技を参照する場合に比べて、電動チューリップ49が頻繁に開くため、遊技者は、遊技球をあまり減らすことなく遊技を行うことができる。
なお、電動チューリップ作動制御部180は、普通図柄高確率判定テーブル175が参照される遊技状態では、1回の普図当たりに対して、電動チューリップ49を開放時間2.9秒で2回開放するよう制御し、普通図柄低確率判定テーブル176が参照される遊技状態では、1回の普図当たりに対して、電動チューリップ49を開放時間0.2秒で1回開放するよう制御している。また、確変モードでは、普通図柄高確率判定テーブル175が参照され、通常モードでは、普通図柄低確率判定テーブル176が参照されるようになっている。
このように構成された主制御処理部11は、第1始動入賞口37aに入賞したことを契機に行われる遊技の開始のタイミング、即ち第2のタイミングで、第1変動パターンコマンド決定部130aで決定された第2変動パターンコマンドを演出制御処理部12aに送信すると共に、第1特別図柄抽選部119aによる抽選に当選した場合には第1特別図柄決定部120aで決定された特別図柄の種類に関するコマンドも演出制御処理部12aに送信している。また、保留球乱数として第1保留球乱数記憶部115aに記憶される場合には、第1変動パターンコマンド決定部130aは、保留球乱数が記憶されたタイミング、即ち第1タイミングで第1変動パターンコマンドを演出制御処理部12aに送信している。
同様に、主制御処理部11は、第2始動入賞口37bに入賞したことを契機に行われる遊技の開始のタイミング(第2タイミング)で、第2変動パターンコマンド決定部130bで決定された第2変動パターンコマンドを演出制御処理部12aに送信すると共に、第2特別図柄抽選部119bによる抽選に当選した場合には第2特別図柄決定部120bで決定された特別図柄の種類に関するコマンドも演出制御処理部12aに送信している。また、保留球乱数として第2保留球乱数記憶部115bに記憶される場合には、第2変動パターンコマンド決定部130bは、保留球乱数が記憶されたタイミング(第1タイミング)で第1変動パターンコマンドを演出制御処理部12aに送信している。
次に、第1変動パターンコマンドと第2変動パターンコマンドの構成について説明する。変動パターンコマンドは、第1段階テーブル、第2段階テーブル、および第3段階テーブルのそれぞれを参照して決定された各コマンドに基づいて生成されている。例えば、特別図柄用乱数がハズレの場合であって、変動パターン用乱数aの値が固定値(1250〜4000)である場合には、第1変動パターンコマンドは、第1段階テーブルを参照して決定されたリーチの有無、第2段階テーブルを参照して決定されたリーチの内容、第3段階テーブルを参照して決定された擬似連回数が含まれたコマンドとなり、例えば、図13に示すようなコマンドNo.7「SPリーチ前半ハズレ+擬似1」のような構成のコマンドとなる。そして、第2変動パターンコマンドも第1変動パターンコマンドと同じコマンドとなる。
ところが、変動パターン用乱数aが固定値以外の場合には、第1変動パターンコマンドは、変動パターン用乱数aの値に拘わらず、不定値コマンド(7FH)となる。これは、詳しくは後述するが、保留記憶数によって、先読み演出の内容と実際の演出との矛盾を生じないようにするためである。なお、変動パターン用乱数aが固定値以外の場合であっても、第2変動パターンコマンドは、第1段階テーブル、第2段階テーブル、および第3段階テーブルを参照して決定された各コマンドに基づいた構成となる。
続いて、主制御処理部11からの指令(コマンド)を受けて各種装置を制御する副制御処理部について説明する。副制御処理部を構成する演出制御処理部12a、特別図柄表示制御部12b、ランプ制御処理部12c、払出制御処理部12e、および普通図柄表示制御部12fは、遊技盤3の裏面に支持部材等を介して設けられており、主制御処理部11が生成した処理情報に従って、演出表示装置34やスピーカ20、その他の演出装置(LED装置など)などの制御を行う装置である。
演出制御処理部12aは、図12に示すように、処理部として、演出態様を決定するための演出態様決定部210と、この演出態様決定部210が決定した演出態様を演出表示装置34に表示するよう制御する演出表示制御部220と、先読み演出を行うか否かを抽選により決定するための先読み演出抽選部230と、先読み演出の表示を制御する先読み演出表示制御部235と、保留表示パターンを決定する保留表示パターン決定部240とを備えて構成される。また、演出制御処理部12aは、記憶部として、演出態様記憶部260を備えている。この演出態様記憶部260には、複数種類の演出パターンが記憶された演出パターンテーブル261aと、複数種類の保留表示パターンが記憶された保留表示パターンテーブル261bとが格納されている。
先読み演出抽選部230は、第1変動パターンコマンドが入力されると、その入力に係る第1変動パターンコマンドに対して先読み演出を行うか否かをランダム抽選により決定する。そのランダム抽選に当選すると、先読み演出として保留球表示装置34aに通常とは異なる保留表示パターンが表示される。
保留表示パターン決定部240は、保留球表示装置34aに表示する保留表示パターン(保留表示態様)を決定するためのものである。保留表示パターンテーブル261bには、図15に示すように、第1変動パターンコマンドの種類によって予め対応づけられた保留表示パターンが記憶されており、保留表示パターン決定部240は、第1変動パターンコマンドの入力と先読み演出抽選部230によるランダム抽選の結果とに基づいて、保留表示パターンテーブル261bを参照して保留表示パターンを決定する。
具体的には、先読み演出抽選部230の抽選でハズレの場合には、先読み予告を行わないので、第1変動パターンコマンドの種類に関係なく保留表示パターンとして「●」印を選択する。一方、先読み演出抽選部230の抽選に当選した場合には、第1変動パターンコマンドの種類によって、選択される保留表示パターンが異なる。第1変動パターンコマンドが不定値コマンド(7FH)の場合には、「★」印が選択され、第1変動パターンコマンドがSPリーチと擬似連1回が含まれたコマンドである場合には、「¥」印が選択され、第1変動パターンコマンドがSPリーチと擬似連2回が含まれたコマンドである場合には、「#」印が選択され、第1変動パターンコマンドがSPリーチと擬似連3回が含まれたコマンドである場合には、「$」印が選択されるようになっている。また、第1変動パターンコマンドが特図当たりを示すコマンドの場合、「@」印が選択される。
そして、先読み演出表示制御部235は、保留表示パターン決定部240が決定した保留表示パターンを、保留球乱数が保留球乱数記憶部に記憶されたタイミングで保留球表示装置34aに表示する。よって、遊技者は、保留球表示装置34aに表示された保留表示パターンによって、どのような演出が行われるかを事前に知ることができ、例えば、「#」印が表示されると、遊技者は、その「#」印が表示された保留球乱数に基づく遊技で、スーパーリーチが発生し、擬似連が2回発生する演出になることを知ることができる。
次に、演出パターンテーブル261aについて説明する。この演出パターンテーブル261aは、演出態様決定部210が演出態様を決定するために参照するテーブルであり、図13に示すように、ハズレのときに参照される演出パターンテーブル261a−1と、図14に示すように、特図当たりのときに参照される演出パターンテーブル261a−2とで構成されている。演出パターンテーブル261a−1、261a−2には、それぞれ第2変動パターンコマンドと演出パターンとが予め対応付けられて記憶されている。例えば、第2変動パターンコマンドがコマンドNo.2「ハズレ+疑似2」の場合には、演出パターンP3およびP4が対応づけられている。そして、演出態様決定部210は、第2変動パターンコマンドの入力を受けると、そのコマンドに対応する複数の演出パターンの中から抽選で1つの演出パターンを選択し、その選択された演出パターンを演出表示制御部220が演出表示装置34に表示するよう制御している。
ここまでの説明から、本実施形態では、第1変動パターンコマンドは、保留球乱数として保留球乱数記憶部115a、115bに記憶された第1タイミングで決定され、その決定された第1変動パターンコマンドは、先読み演出として保留表示パターンを何れにするかの決定に用いられることが分かる。一方、第2変動パターンコマンドは、遊技が開始される第2タイミングで決定され、その決定された第2変動パターンコマンドは、実際に演出表示装置34に表示する演出パターンを、図13および図14に示す複数の演出パターンP1〜P56の中から何れにするかの決定に用いられることが分かる。
図4に説明を戻すと、特別図柄表示制御部12bは、変動パターンコマンド決定部130が決定した第2変動パターンコマンドに基づき、特別図柄表示装置17に特別図柄を所定の時間だけ変動させた後に停止させる態様で表示する。一方、普通図柄表示制御部12fは、普通図柄抽選処理部170による普通図柄に係る抽選結果のコマンドと普通図柄変動時間決定部190が決定した普通図柄の変動時間のコマンドとを受け、それらのコマンドに基づいて普通図柄表示装置22に普通図柄を所定の時間だけ変動させた後に停止させる態様で表示するよう制御している。なお、普通図柄表示制御部12fは、上記した特別図柄表示制御部12bによる表示制御と比べて表示する図柄の対象が相違するものの、表示制御の基本構成はほぼ同じである。また、ランプ制御処理部12cは、主制御処理部11からコマンドを受けて各種ランプや電飾の点灯制御を行うものである。
払出制御処理部12eは、CRユニットからの信号を受けて遊技球を遊技者に貸し出すように賞球払出装置14を制御する他、主制御処理部11からの払出指令を受けて、所定個数の賞球を遊技者に対して払い出すように賞球払出装置14を制御する。この賞球払出装置14は、遊技球を1個ずつ保持する切欠きが形成されたスプロケット(図示せず)と、このスプロケットを回転させるモータ(図示せず)とを備えて構成されている。そして、モータの回転を制御することにより、必要な数だけ賞球を払い出すことができるようになっている。具体的には、始動入賞口検知センサ43a、43b、一般入賞口検知センサ44、大入賞口検知センサ45等が遊技球の通過を検知したら、賞球払出装置14は主制御処理部11を経由して受けたコマンドに基づき遊技球を払い出す。
発射制御処理部13は、ハンドル7の回動量に応じて、発射装置9に対する作動の制御を行う装置である。より具体的に言うと、発射装置9に対して通電させたり、通電を停止したり、あるいは、通電電流を変化させるといった制御処理を行う。なお、この発射制御処理部13は、払出制御処理部12eと接続されており、CRユニットが接続されていない場合に発射停止信号が受信されるようになっている。
次に、本発明の実施の形態例に係るパチンコ機Pの遊技処理の手順について図16を参照して説明するが、第1始動入賞口37aと第2始動入賞口37bのどちらの始動入賞口に遊技球が入賞しても遊技処理の手順は同じであるため、以下では、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞した場合について説明することとする。
図16に示すように、遊技球が第1始動入賞口37aに入賞したか否かを主制御処理部11は判断する(ステップS1)。入賞した場合(ステップS1でYes)には、第1特別図柄用乱数取得部112aは特別図柄用乱数を取得し、第1変動パターン用乱数取得部132aは3つの変動パターン用乱数a、b、cを取得する(ステップS2)。なお、このステップS2にて、第1特別図柄決定部120aは、図柄乱数を取得する。次いで、特別図柄が変動中の場合(ステップS3でYes)には、特別図柄抽選処理部110は、ステップS2で取得した特別図柄用乱数を第1保留球乱数記憶部115aに記憶し、変動パターン用乱数a、b、cを第1変動パターン用乱数記憶部133aに記憶する(ステップS13)。次いで、ステップS14に進んで第1変動パターンコマンド決定処理が行われる。
この第1変動パターンコマンド決定処理では、取得した特別図柄用乱数、変動パターン用乱数a、b、c、および図柄乱数の値から、第1変動パターンコマンドテーブル134aを参照して第1変動パターンコマンドが決定される。なお、このステップS14で行われる処理の詳細は後述する。そして、この処理で決定された第1変動パターンコマンドは直ちに演出制御処理部12aに送信される。次いで、ステップS15に進んで先読み演出抽選処理が行われる。この先読み演出抽選処理では、先読み演出抽選部230が、第1変動パターンコマンドの入力に基づいて、先読み演出として保留表示パターンを通常と異なる表示にするか否かを抽選により決定する。次いで、ステップS16に進み、ステップS15の決定に従って先読み演出表示制御部235が保留球表示装置34aに所定の保留表示パターンを表示して、遊技者に保留球乱数が記憶されたことを報知する。そして、ステップS16での処理が終了すると、ステップS3の手前まで戻って、今回の入賞に係る遊技の順番が来るまで待機する。
特別図柄が変動中でなく、今回の入賞に係る遊技の処理を進めることができる場合(ステップS3でNo)には、ステップS4に進んで大当たり判定処理を行う。つまり、取得した特別図柄用乱数が特図当たりであるか否かを第1特別図柄当否判定部113aが判断する。次いで、ステップS5で第2変動パターンコマンド決定処理を行う。この第2変動パターンコマンド決定処理では、取得した変動パターン用乱数a、b、cに基づいて、上述したように変動パターンコマンドテーブル134aを参照して第2変動パターンコマンドを決定する。
次いで、ステップS6に進んで、特別図柄決定処理を行う。具体的には、ステップS4での大当たり判定処理の結果、特図当たりと判定された場合には、取得した図柄乱数から、第1特別図柄決定部120aがその特図当たりに対する特別図柄の種類を決定する。即ち、今回の遊技での特図当たりが13R通常当たり、13R確変当たり、15R通常当たり、15R確変当たりの何れであるかをこのステップS6で決定する。
次いで、ステップS7にて、演出態様決定処理を行う。このステップS7では、演出パターンテーブル261aを参照して第2変動パターンコマンドに対応する演出パターンを決定する。次いで、ステップS8で、特別図柄の変動が開始され、演出表示制御部220が演出表示装置34にステップS7で決定された演出パターンを表示する。そして、所定時間が経過すると、ステップS9に進み、特別図柄の変動が停止されると共に、それと同期して、演出パターンの表示が停止される。
次いで、停止図柄の組合せが特図当たりとなる組合せで確定している場合(ステップS10でYes)には、ステップS11に進んで、大当たり遊技が行なわれる。大当たり遊技は、特図当たりの種類が13R通常当たりと13R確変当たりの場合には、アタッカー装置41が13回のラウンド遊技が提供され、15R通常当たりと15R確変当たりの場合には、15回のラウンド遊技が提供される。
次いで、ステップS12で、特図当たりの種類に応じて大当たり遊技後の遊技モードを所定の遊技モードへと移行させる処理が行なわれる。具体的には、遊技モード移行制御部140は、13R通常当たりおよび15R通常当たりに基づく大当たり遊技が終了すると、遊技モードを通常モードに移行し、13R確変当たりおよび15R確変当たりに基づく大当たり遊技が終了すると、遊技モードを確変モードに移行する。
なお、ステップS1でNoの場合は遊技が行われることなく終了となり、ステップS10でNoの場合は、大当たり遊技が提供されることなく1回の遊技の処理が終了する。
次に、ステップS14で行われる第1変動パターンコマンド決定処理の詳細を、図17を参照しながら説明する。第1変動パターンコマンド決定処理では、まず、ステップS31にて、取得した特別図柄用乱数が特図当たりの乱数であるか否かを第1変動パターンコマンド決定部130aが確認する。特図当たりである場合(ステップS31でYes)には、ステップS33にて第1段階の変動パターンテーブルとして大当たりテーブル、即ち、第1段階テーブル134a−41を設定する。一方、ハズレである場合(ステップS31でNo)には、ステップS32にて、第1段階の変動パターンテーブルとしてハズレテーブル、即ち、第1段階テーブル134a−11、134a−12、134a−13、134a−14を設定する。
次いで、ステップS34にて、特図情報コマンド(第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことに基づくコマンドであるかを識別するための情報)、図柄情報コマンド(特図当たりの種類に関する情報)が演出制御処理部12aに送信される。
次いで、ステップS35にて、第1変動パターンコマンド決定部130aは、ステップS31の判定結果がYesであったか、即ち、特別図柄用乱数が特図当たりの乱数であると判定されたかを確認する。ステップS35でYesの場合には、ステップS38に進んで、図柄乱数と第1段階テーブル134a−41から、参照する第2段階テーブルを第2段階テーブル134a−51と第2段階テーブル134a−52の何れかに設定する。
一方、ステップS35でNoの場合には、ステップS36にて、第1変動パターンコマンド決定部130aは、変動パターン用乱数aの値が固定値であるか否かを判断する。変動パターン用乱数aが固定値以外である場合(ステップS36でNo)には、第1変動パターンコマンド決定部130aは、第1変動パターンコマンドを不定値コマンド(7FH)に決定する(ステップS43)。
これに対して、変動パターン用乱数aが固定値であった場合(ステップS36でYes)には、第1変動パターンコマンド決定部130aは、変動パターン用乱数aと第1段階テーブル134a−11、134a−12、134a−13、134a−14から、参照する第2段階テーブルを第2段階テーブル134a−21、第2段階テーブル134a−22、第2段階テーブル134a−23の中から何れかに決定する。ここで、変動パターン用乱数aが固定値の場合には、第1段階テーブル134a−11、134a−12、134a−13、134a−14の何れのテーブルを参照してもスーパーリーチコマンドが選択されるので、参照される第2段階テーブルは、第2段階テーブル134a−23となる。
次いで、ステップS39にて、変動パターン用乱数bと、取得した第2段階テーブルとから変動パターン番号1を取得すると共に、参照する第3段階テーブルを取得する。次いで、ステップS40にて、変動パターンコマンド決定部130aは、変動パターン番号1をRAMに一時的に記憶する。次いで、ステップS41にて、変動パターンコマンド決定部130aは、変動パターン用乱数cと、取得した第3段階テーブルから変動パターン番号2を取得する。次いで、ステップS42にて、変動パターンコマンド決定部130aは、ステップS39にて取得した変動パターン番号1と、ステップS41にて取得した変動パターン番号2とから、第1変動パターンコマンドを決定する。そして、ステップS44にて、変動パターンコマンド決定部130aは、決定した第1変動パターンコマンドを演出制御処理部12aに送信する。
例えば、取得した特別図柄用乱数がハズレ乱数であって、取得した変動パターン用乱数a、b、cの値がそれぞれ2000、1500、1000であり、取得した特別図柄用乱数が保留球乱数として記憶された時点での保留記憶数が2個であった場合において、第1変動パターンコマンドが決定される過程を説明する。まず、ステップS31でNoとなり、ステップS32で第1段階テーブル134a−12が設定され、ステップS35でNoとなり、ステップS36でYesとなり、ステップS37に進む。ステップS37では、変動パターン用乱数aの値が2000なので、第1段階テーブル134a−12を参照するとスーパーリーチコマンドが選択されるため、第2段階テーブルとして第2段階テーブル134a−23が設定される。
次いで、ステップS39にて、変動パターン用乱数bの値が1500なので、第2段階テーブル134a−23を参照してSPリーチ後半ハズレ2が選択され、第3段階テーブル134a−33が設定される。このSPリーチ後半ハズレ2コマンドは、ステップS40にて、変動パターン番号1としてRAMに一時記憶される。次いで、ステップS41にて、変動パターン用乱数cの値が1000なので、第3段階テーブル134a−33を参照して変動パターン番号2として擬似2SPリーチが選択される。そして、ステップS42で、変動パターン番号1である「SPリーチ後半ハズレ2」と変動パターン番号2である「擬似2SPリーチ」とからなる第1変動パターンコマンドが決定され、ステップS44にて演出制御処理部12aに出力される。
そして、この第1変動パターンコマンド「SPリーチ後半ハズレ2+擬似2SPリーチ」に基づいて、先読み演出抽選部230が先読み演出を行うか否かを抽選で決定し、先読み演出を行う場合には、第1変動パターンコマンド「SPリーチ後半ハズレ2+擬似2SPリーチ」は、SPリーチコマンドであって擬似2回のコマンドであるので、それに対応する保留表示パターン「#」印が選択され、保留球表示装置34aに「#」印が表示される(図18(c)参照)。
また、別の例を挙げると、取得した特別図柄用乱数がハズレ乱数であって、取得した変動パターン用乱数a、b、cの値がそれぞれ800、1500、1000であり、取得した特別図柄用乱数が保留球乱数として記憶された時点での保留記憶数が2個であった場合には、変動パターン用乱数aが固定値以外の値であるため、ステップS36でNoとなる。そのため、ステップS43に進み、変動パターン用乱数の値に関係なく、不定値コマンド(7FH)が第1変動パターンコマンドとして決定される。そして、この不定値コマンドに基づいて先読み演出を行う場合には、「★」印が保留球表示装置34aに表示されることとなる(図18(a)参照)。
以上説明したように、本発明の実施の形態例に係るパチンコ機によれば、変動パターン用乱数aの値が固定値であるときには、保留記憶数に関係なく常に第1変動パターンコマンドと第2変動パターンコマンドが同じコマンドとなるので、先読み演出として保留球表示装置34aに表示された保留表示パターンが「¥」であれば必ず実際の演出ではスーパーリーチで擬似連1回の演出となり、「#」であれば必ず実際の演出ではスーパーリーチで擬似連2回の演出となり、「$」であれば必ず実際の演出ではスーパーリーチで擬似連3回の演出となり、「@」であれば実際の演出では必ず特図当たりである旨が表示される。よって、例えば、保留表示パターンが「$」であったにも拘わらず、実際の演出ではノーマルリーチになるといったような矛盾は生じない。つまり、本実施形態では、保留表示パターンが「¥」、「#」、「$」、「@」の場合には、実際の演出の内容を正確に予告できるのである。
一方、変動パターン用乱数aの値が固定値以外の場合には、第1変動パターンコマンドと第2変動パターンコマンドとが保留記憶数の関係で異なるものとなる場合があるが、本実施形態では、不定値コマンドを受け取ると、先読み演出を行う決定がなされていたとしても、「★」印を保留球表示措置34aに表示するようになっている。よって、遊技者は、★印を見て、リーチになるかもしれないが、ハズレの場合もあり得るということを理解するため、保留表示の内容と実際の演出との間の矛盾はない(問題とならない)。しかも、不定値コマンドを用いることにより、制御が簡単である。
なお、図7に示す第1段階テーブル134a−11、134a−12、134a−13、134a−14に代えて、図19に示す第1段階テーブルの構成を採用することもできる。図19に示す第1段階テーブル334a−11、334a−12、334a−13、334a−14は、変動パターン用乱数aが固定値の場合に対応する変動パターンコマンドが、ハズレ、ノーマルリーチ、スーパーリーチの区別がある点で図7に示す第1段階テーブルと相違する。かかる構成によっても、変動パターン用乱数aが固定値の範囲であれば、第1変動パターンコマンドと第2変動パターンコマンドとが同一の内容となるため、正確な先読み演出が行えると共に、先読み演出の内容と実際の演出との間に矛盾が生じることはない。
また、不定値コマンドを受信したときは、先読み演出抽選部230は、常に先読み演出を行わないことを決定しても良い。つまり、不定値コマンドの場合には、保留表示パターンは常に通常の表示パターンである●印としても良い。このようにすると、保留表示が通常と異なる場合には、必ずスーパーリーチと擬似連が発生することになるため、正確な予告が可能となる。