JP5451491B2 - 車両 - Google Patents

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Description

本発明は、鞍乗り型の車両に関し、特に内燃機関の吸気系の改良された車両に関する。
従来から、不整地走行に適した鞍乗り型の車両として、所謂ATV(All Terrain Vehicle)は、小型軽量に構成された車体の前後に比較的大径の低圧バルーンタイヤを装備した構造である。この種の車両においては、例えば、特許文献1に示されているように、車体は、その骨格である車体フレームが、パイプ等の複数種の鋼材を用いて適宜ループ構造にて形成され、また、鋼材を複数のクロスメンバを介して結合することで、車体左右中央部において前後に長いボックス構造を構成している。このボックス構造により、エンジンやエンジン駆動力を伝達する動力伝達装置等を配置し、吸気系は不整地走行に適するように、車体フレームの上方側に位置するように構成されている。
特開2006−44583号公報
特許文献1に示された車両においては、その車両特性により、エアクリーナを車体前方寄り上部に配置する構造であるが、エアクリーナは所定の容量確保が必要な上、エアクリーナ下方に吸気通路、スロットルボディ、コネクティングチューブを配置しているため車高が高くなってしまう。特に大きな吸気容量を確保しようとすると、車高高による重心高と云う課題がある。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、エアクリーナの吸気容量を確保して、かつ他の構成部品のスペース的な制約を与えない吸気通路を備えた車両を提供することを目的とする。
前述した目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、車体フレームの中央にクランクケースから上方へシリンダが延びる内燃機関と、前記内燃機関のシリンダの前方へ接続される排気管と、前記内燃機関のシリンダの後方にスロットルボディを介して接続された吸気通路と、前記車体フレームに取り付けられてエアクリーナと、前記内燃機関で発生した出力を車輪に伝達する動力伝達装置と、前記車体フレーム上に設けられたシートと、を有する車両において、前記エアクリーナは前記シートの前方の車体フレーム上に設けられており、前記吸気通路は前記エアクリーナの出口から車体後方下がりに延びるとともに前記スロットルボディの側方を通過するように配置される第1延出部と、前記第1延出部の後端が車体内方に向かって湾曲する湾曲部と、前記スロットルボディの後方に廻りこむようにして該スロットルボディに後方から接続される第2延出部と、を有して構成され、車体フレーム上部に車幅方向略中心上を前後方向に延びるアッパーテンションパイプを備え、前記エアクリーナは、前記内燃機関のシリンダよりも車両前方かつ前記アッパーテンションパイプと側面視で重なる位置に下方膨出部を有して取り付けられ、前記第1延出部が前記アッパーテンションパイプの側方を通過し、前記第2延出部が前記アッパーテンションパイプの下方を通過するように構成されたことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の構成に加えて、前記第1延出部は、車両前方側よりも後方側の方が、空気の流路の断面積が大きく構成されていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の構成に加えて、前記湾曲部および第2延出部は、前記第1延出部よりも空気の流路の断面積が大きく構成されていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1から3の何れかに記載の構成に加えて、前記第2延出部は、空気の流路の断面積が流路下流に向かって漸次小さくなる漸次狭窄部が設けられていることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1から4の何れかに記載の構成に加えて、前記第2延出部には、スロットルボディとの接続部に対して空気流入側とは反対側に膨出する膨出部が設けられ、前記膨出部に吸気温度センサを設けたことを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求1からの何れかに記載の構成に加えて、前記アッパーテンションパイプを挟んで前記第1延出部とは反対側に排気管が配置されたことを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、車両の上面の高い位置に配置されるエアクリーナの吸気通路が、スロットルボディの側方へ廻り込むように配置されることで、スロットルボディと上部車体フレームとの間のスペースを詰めることができ、車体フレームの上に配置されるシートの位置を低く設定することができる。この結果、車両重心を低くした車両を提供することができる。
また、請求項1に記載の発明によれば、車両の上面の高い位置に配置されるエアクリーナの吸気容量を確保しながらコンパクトに配置し、アッパーテンションパイプの上に配置されるシートの位置を低く設定できて、車両重心を低くすることができる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加えて、第1延出部は、車両前方側よりも後方側の方が、空気の流路の断面積が大きく構成されているので、第2延出部に繋がる湾曲部に向かって空気流路の乱れに伴う空気抵抗を減らすことができる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1または2の効果に加えて、第1延出部から第2延出部へ大きく曲がる空気流路であるが、湾曲部から第2延出部における流路断面積が大きく構成されることで、空気抵抗を減らすことができ、空気の流れをスムースにすることができる。したがって、吸気通路がスロットルボディの側方から後方に急カーブで湾曲することが許容され、エアクリーナとスロットルボディとの位置に係わらず車両内スペースを利用し得る吸気通路が提供できる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項1から3の効果に加えて、前記第2延出部において、空気流路断面積が流路下流に向かって漸次小さくなる漸次狭窄部を備えて構成されているので、スロットルボディに向かって空気密度を上げることができる。
請求項5に記載の発明によれば、請求項1から4の効果に加えて、吸気流が直接当たらない膨出部で吸気流の影響が少ない位置に吸気温度センナを取り付けることで、吸気エアーの温度の温度を正確に測定することができる。
請求項に記載の発明によれば、請求項1からの効果に加えて、エアクリーナ並びに吸気通路からなる吸気系と排気系とをアッパーテンションパイプを挟んで左右に配置することにより、排気管の熱を吸気系に伝わりにくくできるので、無駄な空間を空ける必要なく車体をコンパクトにでき、シート高を低く且つ車幅をコンパクトにできる。
車両の左側面図である。 車両の平面図である。 車体カバーを外した状態の車両の左側面図である。 前輪の懸架装置を説明する側面図である。 前輪の懸架装置を説明する正面図である。 車体フレームの分解斜視図である。 車体フレームの斜視図である。 車体フレームの平面図である。 車体フレームの底面図である。 車両後部の右側面図である。 吸気系および排気系並びに補器類支持部と電装品支持部の配置を示す平面配置図である。 吸気流路とスロットルボディとの接続部分およびその近傍を示す要部斜視図である。 補器類支持部の説明図である。 車両前部の左側面図である。 車両前部の右側面図である。 吸気系および排気系並びに補器類支持部と電装品支持部の配置を示す拡大平面配置図である。 車両中間部の左側面図である。 本実施形態に用いる吸気通路を取り外した単品状態を示す平面図である。 本実施形態に用いる吸気通路を取り外した単品状態を示す側面図である。
本発明の一実施形態について添付図1〜図17に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見て左右上下等を説明し、また、車両の前後、左右、上下は、運転者から見た方向に従い、図面には車両の前方をFR、後方をRR、左側をL、右側をR、上方をU、下方をD、として示す。
本実施形態は、鞍乗り型不整地走行車両であるATV(ALL Terrain Vehicle)に適応したものについて以下説明する。
本実施形態における車両10は、その側面から見た場合、図1に示されるように、車体の前部下部に前輪11を備え、この前輪11の上方にフロントフェンダ12を備え、車体の後部下部に後輪13を備え、この後輪13に上方にリヤフェンダ14を備え、前輪11の上方にステアリングハンドル15を備え、このステアリングハンドル15の前にフロント荷台16を備え、ステアリングハンドル15の後方にシート17及びリヤ荷台18を備えている。
車両10は、その上方から見た場合、図2に示されるように、ステアリングハンドル15とシート17との間に左右のステップフロア19,19を備えて、シート17に座った乗員の足をステップフロア19,19に載せることができる鞍乗りように構成されている。
また、車両10は、ステアリングシャフト63とシート17との間に配置されると共に後述するエアクリーナ23(図3参照)を覆うフロントカバー20を備える。
図3に車体カバーを外した状態の車両を示すように、車両10は、車体フレーム21の中央にガソリンエンジン等の内燃機関22を備え、車体フレーム21のアッパーテンションパイプ56上に備えたエアクリーナ23を備えている。このエアクリーナ23で吸入した空気を、吸気通路87を介してスロットルボディ115に導き、燃料を混合させて内燃機関22で燃焼させる。排気ガスは内燃機関22から延びる排気管24及びこの排気管24の後端に接続されているマフラー25を介して外へ排出される。
この内燃機関22にて得られた動力は、車体フレーム21の前部下部に回転自在に取付けられる前輪11及び/又は車体フレーム21の後部下部に回転自在に取付けられる後輪13に伝達される。
しがたって、車体フレーム21の前部上部に回転自在に取付けられているステアリンクシャフト63及びこのステアリングシャフト63を回転させるステアリングハンドル15により転舵させることができる。
前輪11及び後輪13が、バルーンタイヤと称する広幅で低圧の特殊タイヤであるときには、路面の凹凸を低圧のタイヤが変形して吸収し、路面が軟弱であっても広幅のタイヤで沈み込みを抑えることができるため、このような車両10は、不整地走行車両として好適な構造を備えている。
なお、内燃機関22で発生した動力は、図4に示すように、プロペラシャフトなどの動力伝達装置28で最終減速装置29へ伝達される。
そして、図5に示すように、動力は、最終減速装置29から車幅方向に延びるドライブシャフト31を介して前輪11に伝達され、前輪11が回転駆動される。
前輪懸架装置40は、図5に示すように、車体フレーム21に上端が連結され下方へ延びるフロントクッション41と、このフロントクッション41の下部から下方へ延びるナックル支持部材42と、車幅方向に延びナックル支持部材42の下部を車体フレーム21に連結するサスペンションアーム43と、ナックル支持部材42にキングピン軸44廻りに回転自在に取付けられ前輪11を支えるナックル45と、車幅方向に延びナックル45をキングピン軸44廻りに回転させるタイロッド46とからなる。
このタイロッド46は、図4に示すように、パワーステアリングユニット47の出力軸に連結されている。このパワーステアリングユニット47は、想像線で示すフロントテンションブラケット58Lにボルト48,48により、締結される。
車体フレーム21は、図6に示すように、第1クロス部53と第2クロス部55から、アッパーテンションパイプ56を取り外すことができる。これにより、内燃機関22等の車載品を載せるときに、アッパーテンションパイプ56を外しておくことで、重量物である車載品を上から車体フレーム21内へ降ろすことができる。
また、アッパーテンションパイプ56に、エアクリーナ23やバッテリ78などの補器類を支える補器類支持部77と、イグニッションコイル79などの電装品を支える電装品支持部81とを付属した。補器類、電装品などを集中配置することにより、サブアセンブリーが可能となる。また、アッパーテンションパイプ56を外すことで、補器類、電装品などを一括した車体フレーム21から外すことができ、保守、点検が容易である。
車体フレーム21の構造を、以下に詳しく説明する。
図7に示すように、車体フレーム21は、内燃機関22(図6参照)の下方を車両前後方向に通過し後部が上方へ湾曲している、左右一対のメインフレーム51L、51R(Lは乗員から見て左を示し、Rは同右を示す添え字である。以下同じように表示する)と、メインフレーム51L、51Rの前部から上方に延びるパイプ又はフレームで構成され前輪懸架装置40(図5参照)を支持する、左右の前輪懸架支持部52L、52Rと、左の前輪懸架支持部52Lから右の前輪懸架支持部52Rへ車幅方向に渡されている第1クロス部53と、左のメインフレーム51Lの後部の湾曲部54Lから右のメインフレーム51Rの後部の湾曲部54Rへ車幅方向に渡されている第2クロス部55と、内燃機関22の上方を車両前後方向に通過し、前端が前記第1クロス部53に取り外し可能に取付けられ、後端が前記第2クロス部55に取り外し可能に取付けられているアッパーテンションパイプ56と、を主要素とする構造になっている。
上記のアッパーテンションパイプ56は、後部が下向きに斜めに屈曲形成されている。また、前輪懸架支持部52Lは、メインフレーム51Lから上方へ延びるフロントパイプ部57Lと、このフロントパイプ部57Lの上部とメインフレーム51Lとに斜めに渡ってフロントパイプ部57Lを補強するフロントテンションブラケット部58Lと、からなる。前輪懸架支持部52Rも、フロントパイプ部57Rとフロントテンションブラケット部58Rとからなる。
このフロントテンションブラケット部58Lにパワーステアリングユニット 47(図4参照〉を締結する際に用いるボルト穴62,62が設けられている。前輪懸架支持部52Rも、同様のボルト穴62,62が設けられてパワーステアリングユニット47を支持する構造となっている。
そして、左右一対のフロントパイプ部57L、57Rの上端が、第1クロス部53で連結され、この第1クロス部53が車両前方から見て下に開く∪字パイプ部59で構成され、この∪字パイプ部59が左右のフロントパイプ部57L、57Rに連続し、左右のフロントパイプ部57L、57Rと∪字パイプ部59が一本の曲げパイプで構成されている。
左右のフロントパイプ部57L、57Rと∪字パイプ部59が一本の曲げパイプで構成されていることで、前輪懸架支持部52L、52Rの構成部品点数を削滅することができる。フロントパイプ部57L、57Rの前方側にはフロントサブパイプ59L、59Rが取付けられている。
さらに、フロントパイプ部57L、57Rに、フロントクッション41(図5参照)を取付けるフロントクッション取付部61、61が設けられている。
このフロントクッション取付部61が第1クロス部53の近傍に設けられていることで、フロントクッション41からの力は、第1クロス部53を介して車体フレーム21に円滑に伝達される。
また、ステアリングハンドル15から下へ延びるステアリングシャフト63は、図6に示す前側ステアリングシャフト軸受け部64と、後側ステアリングシャフト軸受け部65とで支承される。この前側ステアリングシャフト軸受け部64は第1クロス部53に設けられ、後側ステアリングシャフト軸受け部65は、アッパーテンションパイプ56の先端に設けられている。
そして、前側ステアリングシャフト軸受け部64に後側ステアリングシャフト軸受け部65を車両前後方向に合わせ、ボルト66、66で結合することで、軸受け構造が出来上がる。
すなわち、第1クロス部53及びアッパーテンションパイプ56の先端を巧みに利用することにより、少ない部品点数で、容易にステアリングシャフト63(図7参照)を支持することができる。
また、図7に示すように、左右のメインフレーム51L、51Rの湾曲部54L、54Rの上端から、車両後方へリヤパイプ67L、67Rが延びている。このリヤパイプ67L、67Rは、湾曲部54L、54Rの高さ方向中央から延ばされたリヤサブパイプ68L、68Rで補強されている。そして、車両側面視でリヤパイプ67L、67Rの先端が、アッパーテンションパイプ56の後場より車両前方へ延ばされている。すなわち、車両側面視でリヤパイプ67L、67Rの先端が、アッパーテンションパイプ56の後端に重なっている。
アッパーテンションパイプ56は、車体フレーム21の平面図である図8に示すように、車体中心線上に1本設けられている。このアッパーテンションパイプ56は左右2本を第1クロス部53と第2クロス部55とに渡すことは差し付けないが、1本の場合、車体フレーム21の軽量化が可能であり、また、取付けや取り外しがし易く、組み立て等の作業時間が短くなる。
また、車体フレーム21の底面図(添え字LとRは逆になる。)である図9に示すように、左右のメインフレーム51L、51Rの車幅方向の間隔(外幅〉は、中央部がW1であるのに対して前部の間隔がW2(W2<W1)及び後部の間隔W3(W3<W1)のごとく狭くなるように、左右のメインフレーム51L、51Rに前部屈曲部71及び後部屈曲部72が設けられている。
前方を狭くすることで、アライメントの調盤が容易になり、後方を狭くすることで、鞍乗り車両における、ライディング居住性の確保が容易になる。
次に、リヤクッションの取付け形態を説明する。
図10に示すように、リヤクッション73は、上部がリヤクッション取付部76に取付けられる。このリヤクッション取付部76は、第2クロス部55(図9参照)に設けられる。
このようなリヤクッション73は、燃料タンク74の車両前方を通るように、上部に対して下部が車両後方(図では右が車両前方)に位置するように斜めに配置されている。
なお、リヤクッション軸75は、図7に示すように、アッパーテンションパイプ56の後部屈曲形状に倣う。すると、リヤクッション軸75の向きに作用するリヤクッション73の負荷は、円滑にアッパーテンションパイプ56に伝達され、支承される。
また、フロントパイプ57L、57Rの上部(第1クロス部53)は、下より上が車両後方に位置するように屈曲形成されているため、フロントクッション取付部61から加えられるフロントクッション41の負荷は円滑にアッパーテンションパイプ56に伝達され、支承される。
次に、アッパーテンションパイプ56に載置する補器類や電装品の配置について詳しく説明する。
図11に示すように、ステアリングハンドル15より車両後方位置にて、アッパーテンションパイプ56に、板状の補器類支持部77が載せられ、この補器類支持部77にエアクリーナ兼バッテリ収納ボックス82が載せられている。このエアクリーナ兼バッテリ収納ボックス82は、車両後方側が、車両後方に向かうに連れて幅が狭くなるよう三角形状に絞られている。三角形状に絞られることで、乗員の足載せスペースを確保している。
また、エアクリーナ兼バッテリ収納ボックス82は、車体長手方向に延びる区画壁83で左右に区画されており、右の区画がエアクリーナ23を収納するエアクリーナ収納部84とされ、左の区画はバッテリ78及びこのバッテリ78より車両後方に配置される小電装品85を収納する電装品収納部86とされる。すなわち、アッパーテンションパイプ56に対してエアクリーナ収納部84とバッテリ78が、左右に振り分けられて、重量バランスが良好に保たれている。
すなわち、エアクリーナ兼バッテリ収納ボックス82は、1個の一体ボックスであるが、区画することで、エアクリーナ23、バッテリ78及び小電装品85を収納する多機能箱として構成されている。
また、1本のアッパーテンションパイプ56の後部に、板状の電装品支持部81が載せられている。この板状の電装品支持部81にイグニッションコイル79やACG(交流発電機用)カプラ88やチェンジスイッチカプラ89やバンクアングルセンサ107などが載せられている。
図15に示すように、メインハーネス91が電装品収納部86の下を通って、車体前後方向に延びる。
電装品収納部86には、バッテリ78が配置され、このバッテリ78の後方に小電装品85が配置されている。
小電装品85は、例えば、EPSヒューズ92、このEPSヒューズ92より車両後方に配置されるメインヒューズボックス93、このメインヒューズボックス93の車幅方向右に配置されるスタータマグネットスイッチ94、メインヒューズボックス93の車両後方に配置される燃料ポンプリレー95からなる。
エアクリーナ兼バッテリ収納ボックス82のエアクリーナ収納部84の前部に吸気口105が設けられている。この吸気口105の下には、レギュレータ106が配置され、このレギュレータ106の放熱フイン106aは上下方向に延びる形態で設けられている。吸気の流れ方向に放熱フイン106aの長手方向が合致しているため、吸気抵抗を低減することができ、放熱効率を向上させることができる。
また、エアクリーナ兼バッテリ収納ボックス82は、バッテリ82の下と、後端部82aとで、アッパーテンションパイプ56に締結固定されている。
さらに、バッテリ78のプラス端子98とEPSヒューズ92とスタータマグネットスイッチ94とはハーネス91bで繋がれており、バッテリ78のマイナス端子99に車両長手方向に延びるハーネス91cが接続される。
次に、エアクリーナ兼バッテリ収納ボックス82の形態を、左側面図と右側面図を用いて説明する。
図11、図13および図16に示すように、アッパーテンションパイプ56に、板状の補器類支持部77が載せられ、この補器類支持部77にエアクリーナ兼バッテリ収納ボックス82が載せられている。
このエアクリーナ兼バッテリ収納ボックス82にエアクリーナ23と共にバッテリ78が収納されているが、バッテリ78は、ステアリングシャフト63より車両後方で、シート17より前方で、内燃機関22のシリンダ97より前方で、エアクリーナ23の車幅方向左側方(図14では手前)に配置されている。
バッテリ78のプラス端子98とマイナス端子99は、エアクリーナ兼バッテリ収納ボックス82の上部、すなわち、リッド101の近傍に配置されている。
また、エアクリーナ兼バッテリ収納ボックス82に、小電装品85が配置されている。すなわち、小電装品85は、EPSヒューズ92、このEPSヒューズ92より車両後方に配置されるメインヒューズボックス93、このメインヒューズボックス93の下に配置されるスタータマグネットスイッチ94、メインヒューズボックス93の車両後方に配置される燃料ポンプリレー95からなる。
リッド101の下端と、その下の補器類支持部77との中間付近が、浸水上限ライン102に設定されている。なお、この浸水上限ライン102は、吸気口105(図14および図15参照)の下端に設定される。
浸水上限ライン102より上に、バッテリ78のプラス端子98とマイナス端子99や、小電装品85の大部分が配置されることで、防水性を高めることができ、バッテリ78を含む電装品を非防水タイブのもので構成することができる。
また、補器類支持部77から下ヘホースステー103が延ばされ、このホースステー103でラジエータホース104が支持される。また、エアクリーナ兼バッテリ収納ボックス82にECU117(図6参照)が配置される。
従来の多くの車両では、バッテリ78がシート17の下等に配置されており、特にセンサ等の電装品が集中しやすいエンジン廻りとバッテリ78との距離が離れてしまうため、ハーネスが長くなりがちであったが、本実施形態では、バッテリ78が内燃機関22の近傍に配置されるため、ハーネスを短くすることができる。さらに内燃機関22の近傍に小電装品85も配置できるので、小電装品85も含めてハーネスを短くすることができる。
また、本実施形態では、エアクリーナ23を収納するケースクエアクリーナ兼バッテリ収納ボックス82)にバッテリ78をも収納したので、バッテリ収納ケースを省くことができる。また、内燃機関22のシリンダより前方に、バッテリ78及エアクリーナ23を配置したので、内燃機関22の熱の影響を受けにくくすることができる。
エアクリーナ兼バッテリ収納ボックス82は、図15に示すように、車両前側(図17では右側)に、吸気口105を備えている。この吸気口105の下方にレギュレータ106が配置されている。吸気が直接的にレギュレータ106に当たって、冷却する効果を発揮する。
レギュレータ106はエアクリーナ兼バッテリ収納ボックス82の前壁面に設けられたボスに、締結固定される。
次に、小電装品85の配置について補足説明する。
図16に示すように、車体左右中央に位置するアッパーテンションパイプ56に電装品支持部81が載せられ、この板状の電装品支持部81にイグニッションコイル79やACGカプラ88やチェンジスイッチカプラ89やバンクアングルセンサ107などが載せられている。
なお、板状の電装品支持部81の後部は、燃料タンク74のステー108に支持される。燃料タンク74から延びる燃料ホース109は、電装品支持部81の左縁に設けられたガイド部に支持されて、車両前方へ延びている。
電装品支持部81で燃料ホース109が支持されるが、この支持部位がアッパーテンションパイプ56に対して車幅方向左であれば、車幅方向右にメインハーネス91が配置される。燃料ホース109とメインハーネス91が、アッパーテンションパイプ56に対して左右にバランス良く配置される。
また、リヤパイプ67L、67Rの前瑞にシートキャッチャー111L、111Rが設けられ、右のシートキャッチャー111Rにメインハーネス91がクリップ112により支持される。さらに、メインハーネス91は、イグニッションコイル79の近傍位置にて、電装品支持部81にステー113を介して支持されている。このステー113はメインハーネス91が右のリヤパイプ67Rに向くように、車体長手軸に対して反時計方向に回転させ斜めに設けられている。結果、太いメインハーネス91を円滑に車幅方向に変位させることができる。
また、電装品支持部81の車両後方に燃料タンク74が配置されている。燃料タンク74から離れた位置でハーネスが配索でき、作業性が高まる。
また、電装品支持部81の後部は、第2クロス部55とアッパーテンションパイプ56の後部との結合部を覆うように、第2クロス部55に沿うように車幅方向に広がっている。この広がった部位に、本実施形態では、ACGカプラ88の後面から延びるハーネスやチェンジスイッチカプラ89の後面から延びるハーネスが載る。第2クロス部55とアッパーテンションパイプ56の後部との結合部は、溶接することにより、バリや突起が発生しやすい。しかし、結合部を電装品支持部81の後部でカバーすれば、バリや突起でハーネスや電装品などが傷む心配がない。
また、板状の電装品支持部81をリヤパイプ67Lより、車両前方へ延ばし、メインハーネス91を、リヤパイプ67Rの前端と電装品支持部81の前端とで支持させるようにした。仮に、メインハーネス91をクランク状に屈曲させながら車幅中央から車幅外側へ配索しようとすると、ハーネス長が長くなるばかりか、メインハーネスは比較的太いハーネスなので屈曲させにくく、組立性も悪いが、本実施形態では、上記構成により、メインハーネス91を強固に支持しながら、組み立て性も良い。
また、電装品支持部81の前部左部に、車体カバーを取付けるカバーステー部114が設けられている。
すなわち、電装品支持部81は、車体カバーを支持する役割をも果たす。
また、図6に示すように、電装品支持部81は、アッパーテンションパイプ56に直接支持される構成であると共に、このアッパーテンションパイプ56の上端より低い位置に段部を形成して、この段部にイグニッションコイル79等の電装品を収納するようにした。
そして、図16に示すように、アッパーテンションパイプ56に対して、一方(この例では車幅方向右側)に吸気通路87及びスロットルボディ115を配置し、他方(この例では車幅方向左側)に電装品支持部81を配置したので、スペースの有効活用が図れると共にスロットルボディ115が電装品支持部81に妨げられないので、スロットルボディ115の保守性を高めることができる。
さらに、排気管24は、板状の電装品支持部81の下に配置される。この電装品支持部81が遮熱板の役割を果たすため、イグニッションコイル79やACGカプラ88やチェンジスイッチカプラ89が熱的に保護される。
図17に示すように、リヤパイプ67Lの前端にシートキャッチャー111Lが設けられ、シートキャッチャー111Lでシート17が保持される。
さらに、イグニッションコイル79やACGカプラ88やチェンジスイッチカプラ89は、アッパーテンションパイプ56の上面より下位にあるため、シート17の下向き負荷を受ける心配がない。
さらに、リヤパイプ67Lと重なる位置に、ACGカプラ88やチェンジスイッチカプラ89やバンクアングルセンサ107や燃料ホース109が配置されているため、これらにシート17の下向き負荷がかかる心配が、より少なくなる上、これらの電装品の保護効果を高めることができる。さらに、電装品支持部81をシート下の狭いスペースに効率よく設け、電装品を配置することができる。
また、電装品支持部81の前部でステー113により、メインハーネス91が支持されている。電装品支持部81の下方に、スロットルボディ115が配置され、このスロットルボディ115の下方に排気管24が配置されている。
以下、本実施形態における吸気通路87およびその周辺構造についてより詳しく説明する。
図11に示すように、前掲のエアクリーナ23からは、吸気通路87が、車幅方向中央に配置されている1本のアッパーテンションパイプ56の車幅方向右側に延ばされている。
なお、図18および図19には吸気通路87を車体10から取り外した状態を図示してある。
このエアクリーナ23はシート17の前方のアッパーテンションパイプ56上に設けられており、吸気通路87はエアクリーナ23の出口から車体後方下がりに延びるとともにスロットルボディ115の側方を通過するように配置される第1延出部87aと、アッパーテンションパイプ56の下を通過しこの第1延出部87aの後端が車体内方に向かって湾曲する湾曲部87vと、スロットルボディ115の後方に廻りこむようにして該スロットルボディ115に後方から接続される第2延出部87bと、有している。すなわち、吸気通路87は、平面視で略J字を呈するようして、スロットルボディ115を囲うように巻いている構造である。
なお、吸気通路87は上方端側がエアクリーナ23に、下方端側がスロットルボディ115に取付けられるが、図18に示すように、第1延出部87aから湾曲部87vへさしかかる辺りに突設された取付け部87gを介して適宜固定される。
図14および図15(図6も参照)に示すように、エアクリーナ23は、車両10の前方側でかつ上面の高い位置に配置されている。しかし、吸気通路87が、スロットルボディ115の右側方へ廻り込むように配置されていることで、スロットルボディ115とアッパーテンションパイプ56との間に吸気通路87のためのスペースが不要であり、車体高さ方向のスペースを詰めることができた。この結果、アッパーテンションパイプ56の上に配置されるシート17の位置を低く設定することができる。また、車両重心を低く設定できる。
また、本実施形態においては、吸気通路87の第1延出部87aは、車両前方側よりも後方側の方が、空気の流路の断面積が大きく構成されている。このように、第1延出部87aが、湾曲部87vに向かって空気流路の断面積が徐々に大きく構成されることで、この第1延出部87aの流路曲がり(下方および右方向への曲がり)に伴う空気抵抗を減らすことができる。
更に、吸気通路87において、略90°で車体中央側に大きく曲がる湾曲部87vおよび曲がった後流路である第2延出部87bは、第1延出部87aよりも空気流路の断面積が大きく構成されている。
すなわち、第1延出部87aから第2延出部87bへ急激に曲がる空気流路の流路断面積が、流側よりも大きく構成されることで、急激な曲がりに伴う空気抵抗を減らすことができ、空気の流れをスムースにすることができる。
したがって、吸気通路87は、スロットルボディ115の側方から後方に急カーブで湾曲することが許容され、エアクリーナ23とスロットルボディ115との位置に係わらず車両内スペースを巧みに利用し得る構造である。
また、本実施形態においては、図12(図11および図16も参照)に示すように、吸気通路87の第2延出部87bは、その空気流路の断面積が流路下流に向かって漸次小さくなる漸次狭窄部87cを備えている。すなわち、漸次狭窄部87cは、上流側の湾曲部87vの近傍の高さH5、幅W5の大きさに対して、スロットルボディ115の接続部115aの付近の高さH6、幅W6が徐々に小さくなるように構成されている。この構造によれば、吸気通路87の曲がりくねった構造を許容すべく断面積を大きくしたことによる空気密度の低下を、スロットルボディ115に向かって空気密度を上げる。
本実施形態においては、図12(図16も参照)に示すように、第2延出部87bには、スロットルボディ115との接続部115aに対して空気流入側とは反対側に膨出する膨出部87eが設けられている。この膨出部87eには、吸気温度センサ87sが設けられている。
このように、吸気流の影響が少ない位置(吸気流が直接当たらない位置)に吸気温度センナ87sが取り付けられていることにより、吸気空気の温度を正確に測定することができる。
本実施形態においては、図14および図15に示すように、エアクリーナ23は、内燃機関22のシリンダ97よりも車両前方かつアッパーテンションパイプ56と側面視で重なる位置に下方膨出部23dを有して取り付けられている。そして、前掲のように、吸気通路87の第1延出部87aがアッパーテンションパイプ56の側方を通過し、第2延出部87bがアッパーテンションパイプ56の下方を通過するようにしてスロットルボディ115に接続されている。
また、スロットルボディ115からシリンダ97の間はコネクティングチューブ90(図17参照)によって接続されている。
これは、車両10の前方側で比較的に車体内方のスペースが取りやすい位置で、下方膨出部23dが設けられるので、エアクリーナ23の吸気容量を確保しながらコンパクトに配置でき、合わせて、前掲のごとくアッパーテンションパイプ56の上に配置されるシート17の位置を低く設定できる。
また、本実施形態では、エアクリーナ23並びに吸気通路87からなる吸気系と排気系とをアッパーテンションパイプ56を挟んで左右に配置することにより、排気管の熱を吸気系に伝わりにくくできるので、無駄な空間を空ける必要なく車体をコンパクトにできる。
以上、本発明の車両は上記実施形態の構成に何ら限定されるものではなく、種々変更できるものである。例えば、上記実施形態においては、吸気通路の下流側の断面形状が略矩形状とされたが、周りの器機との関係で適宜断面形状に設定することができる。
尚、本発明に係る吸気通路の構造は、小型車両、特に不整地走行車両に好適であるが、一般の車両に適用できるのは勿論である。
10 車両
21 車体フレーム
22 内燃機関
23 エアクリーナ
23d 下方膨出部
87 吸気通路
87a 第1延出部
87b 第2延出部
87e 膨出部
87v 湾曲部
115 スロットルボディ
115a 接続部
87s 吸気温度センサ

Claims (6)

  1. 車体フレーム(21)の中央にクランクケースから上方へシリンダ(97)が延びる内燃機関(22)と、前記内燃機関(22)のシリンダ(97)の前方へ接続される排気管(24)と、前記内燃機関(22)のシリンダ(97)の後方にスロットルボディ(115)を介して接続された吸気通路(87)と、前記車体フレーム(21)に取り付けられてエアクリーナ(23)と、前記内燃機関(22)で発生した出力を車輪(11,13)に伝達する動力伝達装置(28)と、前記車体フレーム(21)上に設けられたシート(17)と、を有する車両(10)において、
    前記エアクリーナ(23)は前記シート(17)の前方の前記車体フレーム(21)上に設けられており、前記吸気通路(87)は前記エアクリーナ(23)の出口から車体後方下がりに延びるとともに前記スロットルボディ(115)の側方を通過するように配置される第1延出部(87a)と、前記第1延出部(87a)の後端が車体内方に向かって湾曲する湾曲部(87v)と、前記スロットルボディ(115)の後方に廻りこむようにして該スロットルボディ(115)に後方から接続される第2延出部(87b)と、を有して構成され
    前記車体フレーム(21)上部に車幅方向略中心上を前後方向に延びるアッパーテンションパイプ(56)を備え、前記エアクリーナ(23)は、前記内燃機関(22)のシリンダ(97)よりも車両前方かつ前記アッパーテンションパイプ(56)と側面視で重なる位置に下方膨出部(23d)を有して取り付けられ、前記第1延出部(87a)が前記アッパーテンションパイプ(56)の側方を通過し、前記第2延出部(87b)が前記アッパーテンションパイプ(56)の下方を通過するように構成されたことを特徴とする車両(10)。
  2. 前記第1延出部(87a)は、車両前方側よりも後方側の方が、空気の流路の断面積が大きく構成されていることを特徴とする請求項1に記載の車両(10)。
  3. 前記湾曲部(87v)および第2延出部(87b)は、前記第1延出部(87a)よりも空気の流路の断面積が大きく構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の車両(10)。
  4. 前記第2延出部(87b)は、空気の流路の断面積が流路下流に向かって漸次小さくなる漸次狭窄部(87c)が設けられていることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の車両(10)。
  5. 前記第2延出部(87b)には、スロットルボディ(115)との接続部(115a)に対して空気流入側とは反対側に膨出する膨出部(87e)が設けられ、前記膨出部(87e)に吸気温度センサ(87s)を設けたことを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の車両(10)。
  6. 前記アッパーテンションパイプ(56)を挟んで前記第1延出部(87a)とは反対側に排気管(24)が配置されたことを特徴とする請求項1からの何れか1項に記載の車両(10)。
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