JP5427895B2 - 車体側部構造 - Google Patents

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Description

本発明は、乗降口の下枠をなすサイドシルに、縦枠をなすフロントピラーやセンタピラーを接合した車体側部構造に関する。
本出願人が先に出願した特許文献1の車体側部構造では、サイドシルにセンタピラーを接合し、センタピラーのうち車室に向いているインナを下方へ延長することで、インナの延長部で、サイドシルに設けた溝状の上ビードの開口を閉じている。
しかし、特許文献1による車体側部構造は、サイドシルの上ビードの開口を閉じるために、センタピラーのインナを専用に延長する必要があり、センタピラーの構造が複雑になる。
すなわち、一般的なセンタピラーをサイドシルの中央に立設、接合した場合、サイドシルの中央の強度を高めることが課題となっていた。
同様に、フロントピラーを接合しているサイドシルの前部の強度を高めることが課題となっていた。
特願2009−176856
本発明は、センタピラーを接合しているサイドシルの中央の強度を高め、フロントピラーを接合しているサイドシルの前部の強度を高める車体側部構造を提供することを課題とする。
本発明の一面によれば、車体側部構造であって、車体の床の左右に配置され車体の前後方向に延びるサイドシルと、該サイドシルの前部からルーフまで延びるフロントピラーと、前記サイドシルの中央部から前記ルーフまで延びるセンタピラーと、を備えており、前記サイドシルは、サイドシルアウタとサイドシルインナからなり、該サイドシルアウタとサイドシルインナとで前記車体の前後方向に延びる閉断面を形成しており、前記サイドシルアウタは、車外から車室に向かうにつれて上方に傾斜する上壁部と、車外から車室に向かうにつれて下方に傾斜する下壁部と、を備えており、前記上壁部と前記下壁部のうち少なくともいずれか一方の壁部に前記サイドシルの前端から後端まで延びる上ビードを形成することで前記閉断面は多角形に形成され、上ビードは、閉断面の内方へ向けて窪むよう形成された凹部であり、該凹部を形成する側部の高さよりも、該側部に一体に形成された凹部の底部の幅が大きくなるよう形成されており、センタピラーを接合しているサイドシルの中央部の中央接合部と、フロントピラーを接合しているサイドシルの前部の前接合部のうち少なくともいずれか一方および車体の前後方向のうち少なくとも一方へ向けて所望 の長さだけ延長して凹状の上ビードの開口を閉鎖して閉断面を形成する補強部材をセンタ ーピラーとフロントピラーのうち少なくともいずれか一方とサイドシルとの間に備えている車体側部構造が提供される。
また本発明は、サイドシルアウターの下壁部の壁部にサイドシルの前端から後端まで延 びる下ビードが形成されており、下ビードは、閉断面の内方へ向けて窪むよう形成された 凹部であり、該凹部を形成する側部の高さよりも、該側部に一体に形成された前記凹部の 底部の幅が大きくなるよう形成されており、補強部材により下ビードの開口を閉鎖して閉 断面を形成するようにした。
好ましくは、前記サイドシルアウタは、前記上壁部および前記下壁部に連なり、前記車外側に位置する縦壁部に形成された横ビードを有することで、前記閉断面は多角形に形成され、前記補強部材は、前記上下のビードの前記開口及び前記横ビードの開口を閉鎖して閉断面を形成している。
好ましくは、前記補強部材は、前記サイドシルの前記前接合部よりも前記車体の後方へ向けて所望の長さだけ延長している。
好ましくは、前記補強部材は、前記サイドシルの前記中央接合部よりも前記車体の前後方向のうち少なくとも一方へ向け所望の長さだけ延長している。
好ましくは、前記サイドシルは、該サイドシルの内部に該サイドシル内を仕切るバルクヘッドを備えており、前記バルクヘッドは、前記サイドシルアウタを介して前記補強部材に重なるよう配置されている。
好ましくは、前記サイドシルは、該サイドシルの内部に該サイドシル内を仕切るバルクヘッドを備えており、前記補強部材は、前記バルクヘッドと車幅方向でラップする部位まで延長している。
好ましくは、前記バルクヘッドは、前記サイドシルアウタとの間で閉断面を形成している。
好ましくは、前記バルクヘッドは、前記サイドシルアウタの縦壁部に形成された横ビードが嵌合する嵌合凹部を有しており、前記嵌合凹部の底部は、前記横ビードの底部に接触し、前記嵌合凹部以外の前記バルクヘッドの部位は、前記サイドシルアウタの縦壁部に接触している。
補強部材を中央接合部に取付けた場合、つまり、補強部材を介在させると、閉断面形状のセンタピラーの内部に連通しているビードを補強部材によって閉断面形状にすることができ、サイドシルの強度をより高めることができる。
補強部材を前接合部に取付けた場合、閉断面形状のフロントピラーの内部に連通しているビードを補強部材によって閉断面形状にすることができ、サイドシルの強度をより高めることができる。
補強部材は、ビードの開口及び横ビードの開口を閉鎖して閉断面形状を形成しているので、サイドシルの強度をより高めることができる。
補強部材は、サイドシルの前接合部よりも車両の後方へ向け所望の長さだけ延長しているので、サイドシルの強度をより高めることができるとともに、側突荷重に耐え得る領域を車両の前後方向で拡大することができる。
補強部材は、サイドシルの中央接合部よりも車両の前後方向のうち少なくとも一方へ向け所望の長さだけ延長しているので、サイドシルの強度をより高めることができるとともに、側突荷重に耐え得る領域を車両の前後方向で拡大することができる。
バルクヘッドがサイドシルアウタを介して補強部材に重なるよう配置されているので、補強部材に入力される荷重を補強部材から直接的にバルクヘッドに伝えることができ、サイドシルの強度をより高めることができる。
補強部材は、車幅方向においてバルクヘッドにラップする部位まで延長しているので、補強部材に入力される荷重を補強部材から直接的にバルクヘッドに伝えることができ、サイドシルの強度をより高めることができる。
バルクヘッドは、サイドシルアウタの壁部と、各ビードの側部とで閉断面形状を形成しているので、サイドシルの閉断面形状の数を増加させることができ、サイドシルの強度をより高めることができる。
バルクヘッドが、ビードに嵌合凹部を嵌めているとともに、ビードの底部に嵌合凹部の底部を接触させ、且つ、サイドシルアウタの縦壁部に嵌合凹部を形成した部位を接触させているので、縦壁部へ向けサイドシルアウタ内にバルクヘッドをセットすると、縦壁部に嵌合凹部を形成した部位が当接する。その結果、バルクヘッドの傾きが規制され、サイドシルアウタにバルクヘッドをセットするときのセット作業が容易になるという利点がある。
本発明の実施例1による車体側部構造を採用した車体の斜視図である。 実施例1による車体側部構造の側面図である。 図2の矢印3方向から見た図である。 図2の4−4線に沿った断面図である。 図2の5−5線に沿った断面図である。 実施例2による車体側部構造の側面図である。 実施例2による車体側部構造の斜視図である。 実施例2による車体側部構造の平面図である。 図6の9−9線に沿った断面図である。 本発明の実施例3による車体側部構造の図である。 図10に示したバルクヘッドの斜視図である。 実施例4による車体側部構造の側面図である。 図12の13−13線に沿った断面図である。 本発明の実施例5による車体側部構造の断面図である。
以下、本発明の好ましい幾つかの実施例について、添付した図面に基づいて説明する。
実施例1による車体側部構造は、図1に示すように、車両12に採用され、車両12の車室13の側壁をなすサイドボデー14に含まれ、サイドボデー14の下部であるサイドシル15と、フロントピラー16と、センタピラー17と、を備えている。
車体21は、図1、図2に示すように、左右のサイドボデー14と、サイドボデー14の上部に連なるルーフ22と、サイドボデー14の下部に連なり車室13の床をなすアンダボデー23と、車室13の前に連なるフロントボデー24と、を備える。
フロントボデー24は、車両12の正面25からアンダボデー23まで延びる左右のフロントサイドフレーム26を有する。
車体側部構造では、サイドシル15の前部27にフロントピラー16の下部31が接合され、サイドシル15の中央部33にセンタピラー17の下部35が接合されている。
次に、車体側部構造を主体に図1〜図5で説明する。
車体側部構造は、車室13の床の左右端に配置され車両12の前後方向(X軸方向)に延びるサイドシル15と、サイドシル15の前部27からルーフ22まで延びるフロントピラー16と、サイドシル15の中央部33からルーフ22まで延びるセンタピラー17と、を備える。
サイドシル15は、図3〜図5に示す通り、サイドシルアウタ37とサイドシルインナ38とで閉断面となるよう形成されている。サイドシルアウタ37は、図4に示すように車外41から車内42へ向かうにつれて上方(矢印a1の方向)へ傾斜する上壁部44と、上壁部44に対向し、車外41から車内42へ向かうにつれて下方(矢印a2の方向)へ傾斜する下壁部45と、を備えている。上下の壁部44、45のうち少なくとも上壁部44に、サイドシル15の前部27から後部46まで上ビード47を成形することで、サイドシル15の閉断面は多角形に形成されている。
下壁部45には、サイドシル15の前部27から後部46まで下ビード48が形成されている。
上下のビード47、48は、サイドシル15の外方から見て(矢印a3の方向)、閉断面の内方(矢印a4の方向)へ向けて窪むよう形成された溝状の凹部である。該凹部は、側部(溝側壁部)51,52と、底部53,54とからなり、底部53,54と対向する側は、開口61,62している。つまり、上下のビード47,48は、開口61,62を有し、側部51,52と底部53,54とからなる断面凹形状をしている。上下のビード47,48の底部53,54の幅Wtは、側部51,52の高さHt,Hbよりも大きい。
底部53、54は、側部51、52に連なり、上下の壁部44、45に平行に形成されている。側部51,52は、上下の壁部44、45に対して90゜±15゜の範囲内で傾斜しているか、若しくは上下の壁部44、45に対して直交している。
車体側部構造は、センタピラー17を接合している中央部33の中央接合部56と、フロントピラー16を接合している前部27の前接合部57とのうち少なくとも一方に、底部53に対向している開口61、底部54に対向している開口62を閉鎖して閉断面を形成する補強部材64、65を備えている。
補強部材64は中央接合部56に配置され、補強部材65は前接合部57に配置されている。
サイドシルアウタ37は、上壁部44および下壁部45に連なり、車外41側に位置している縦壁部67を有する。該縦壁部67には、上下のビード47、48と同様な凹部からなる横ビード68が形成されている。サイドシル15の閉断面は、横ビード68によりさらなる多角形に形成されている。
補強部材64、65は、上下のビード47、48及び横ビード68の開口を閉鎖して閉断面を形成している。
補強部材65は、図2に示す通り、サイドシル15の前接合部57よりも車両12の後方へ向け所望の長さLfrだけ延長している後延長部71を有している。
なお、補強部材65は、サイドシル15の前接合部57よりも車両12の前方へ向け所望の長さLffだけ延長した前延長部72を有しているが、前延長部72を省くことも可能である。
補強部材64は、図2に示す通り、サイドシル15の中央接合部56よりも車両12の前後方向のうち少なくとも一方、例えば前方向へ向け所望の長さLmfだけ延長している前延長部73を有している。また、補強部材64は、サイドシル15の中央接合部56よりも車両12の後方向へ向け所望の長さLmrだけ延長している後延長部74を有している。
補強部材64には、サイドシルアウタ37の上ビード47の開口61を閉じて上ビード47を閉断面にする上補強部77が形成されている。上補強部77は上壁部44に重なり接触して、スポット溶接による溶接部78で接合されている。
また、補強部材64には、サイドシルアウタ37の下ビード48の開口62を閉じて下ビード48を閉断面にする下補強部81が形成されている。下補強部81は、上補強部77に連続して下壁部45に重なり接触して、スポット溶接による溶接部82で接合されている。
さらに、補強部材64には、横ビード68の開口83を閉じて横ビード68を閉断面にする縦壁補強部84が形成されている。縦壁補強部84は、上・下補強部77、81に連続して縦壁部67に重なり接触して、スポット溶接による溶接部85で接合されている。
補強部材65は、補強部材64と同様であるが、条件によっては補強部材64と異なる形態でもよい。例えば、前述した前延長部72を省いてもよい。
図5に示された上ビード47は、図2に示されたサイドシル15の車体前後方向の全長と同じ長さに形成されている。上ビード47は、サイドシル15の内方(矢印a4の方向)へ向けて延びる側部51,51と、該側部51,51に一体に形成された底部53とを有する。
下ビード48は、サイドシル15の車体前後方向の全長と同じ長さに形成されている。下ビード48は、サイドシル15の内方(矢印a4の方向)へ向けて延びる側部52,52と、該側部52,52に一体に形成された底部54とを有する。
横ビード68は、略水平に延びてサイドシル15の車体前後方向の全長と同じ長さに形成されている。横ビード68は、サイドシル15の内方(矢印a4の方向)へ向けて延びる側部88,88と、該側部88,88に一体に形成された底部91とを有する。
サイドシルアウタ37の上壁部44、縦壁部67および下壁部45は、溶接可能なように平坦となっている。上ビード47、下ビード48および横ビード68の各底部53、54、91も平坦となっている。フロントピラー16およびセンタピラー17は、上記サイドシルアウタ37に接合されている。
センタピラー17は、図3〜図5に示す通り、アウタ部材93と、インナ部材94とからなる。アウタ部材93を断面U字状に形成し、アウタ部材93の開放部をインナ部材94で閉じることで、センタピラー17は閉断面に形成されている。
言い換えると、センタピラー17は中空である。この中空は、補強部材64が無い状態ではサイドシル15のサイドシルアウタ37に設けた上ビード47に連通する。
アウタ部材93は、センタピラー側壁部96、センタピラー前壁部97およびセンタピラー後壁部98で構成されている。
センタピラー側壁部96の下部にセンタピラー第1接合端部101(図3)が形成されており、該センタピラー第1接合端部101は、補強部材64の縦壁補強部84を介在させてサイドシルアウタ37の縦壁部67に接合されている。
また、センタピラー後壁部98の下部にセンタピラー第2接合端部102(図4)が形成されており、該センタピラー第2接合端部102は、補強部材64の上補強部77を介在させて、サイドシルアウタ37の上壁部44に接合されている。
さらに、センタピラー前壁部97の下部にセンタピラー第3接合端部103(図5)が形成されており、該センタピラー第3接合端部103は、補強部材64の上補強部77を介在させて、サイドシルアウタ37の上壁部44に接合されている。なお、センタピラー第3接合端部103はセンタピラー第2接合端部102とほぼ同様である。
センタピラー17を補強部材64に重ねたことを説明したが、フロントピラー16もセンタピラー17と同様である。
フロントピラー16は、断面U字状のアウタ部材106と、インナ部材107とからなり、閉断面からなる中空である。該中空は、補強部材65が無い状態ではサイドシルアウタ37に設けた上ビード47に連通する。
そして、アウタ部材106は、フロントピラー側壁部111、フロントピラー前壁部112およびフロントピラー後壁部113からなる。
フロントピラー側壁部111の下部にフロントピラー第1接合端部116が形成され、フロントピラー後壁部113の下部にフロントピラー第2接合端部117が形成され、センタピラー前壁部97の下部にフロントピラー第3接合端部118が形成されている。
フロントピラー第1・2・3接合端部116、117、118は、補強部材65の縦壁補強部84、上補強部77にそれぞれ接合し、縦壁補強部84、上補強部77を介在させてサイドシルアウタ37の縦壁部67、上壁部44にそれぞれ接合されている。
次に、実施例1による車体側部構造の作用を図3及び図5で説明する。
図3に示す通り、例えば、矢印Fのように荷重がサイドシル15に入力すると、荷重は補強部材64の上補強部77に矢印a6のように伝わるので、分散される。その結果、サイドシル15に伝わる荷重は小さくなり、サイドシル15の強度はより高まる。
また、荷重は、センタピラー17の内部121に位置する上ビード47を閉断面にしている補強部材64の上補強部77に矢印a6のように伝わるので、分散される。その結果、上ビード47に伝わる荷重は小さくなり、サイドシル15の強度はより高まる。
さらに、図2、図3に示す通り、荷重は、補強部材64の前延長部73及び後延長部74に矢印a6、矢印a7、矢印a8のように伝わり、分散するので、側突荷重に耐え得る領域は車両12の前後方向に拡大する。
図6〜図9は、実施例2による車体側部構造を示している。図1〜図5に示した実施例1と同様の部材、要素については、同一符号を付し説明を省略する。
実施例2による車体側部構造は、サイドシル15の内部にサイドシル15内を仕切るバルクヘッド131を配置している。バルクヘッド131は、サイドシルアウタ37を介して補強部材64に重なるよう配置されている。
また、サイドシル15の内部にサイドシル15内を仕切るバルクヘッド131を設けているとともに、バルクヘッド131と車幅方向でラップする部位まで補強部材64は延長している。
図9において、バルクヘッド131とサイドシルアウタ37とで閉断面を形成している。具体的には、バルクヘッド131と、サイドシルアウタ37の壁部と、上ビード47の側部51および横ビード68の側部88とで閉断面を形成している。
同様に、バルクヘッド131と、サイドシルアウタ37の壁部と、横ビード68の側部および下ビード48の側部52とで閉断面を形成している。
図7に示されているように、バルクヘッド131は、サイドシル15の長手方向に対して直交してサイドシル15内を仕切っている第1仕切り壁133および第2仕切り壁134と、第1仕切り壁133および第2仕切り壁134に一体に形成されている中央壁135とからなり、U字形状をしている。
第1仕切り壁133および第2仕切り壁134は、上下の辺、U字状の開口側の辺を直交する状態まで折り曲げて形成された上接合片136、下接合片137、横接合片138を有している。
図9に示すように、上接合片136が上ビード47に固定され、下接合片137が下ビード48に固定され、横接合片138が横ビード68に固定されることで、バルクヘッド131はサイドシル15内に固定されている。
次に、バルクヘッド131のサイドシル15への取付け要領を簡単に説明する。
まず、図7、図8に示しているように、バルクヘッド131を矢印b1で示すようにサイドシルアウタ37へ向ける。そして、図9に示すように、上ビード47と下ビード48の間にバルクヘッド131を嵌める。
続いて、バルクヘッド131を治具で仮止めし、バルクヘッド131を溶接する。溶接はスポット溶接で、上接合片136を上ビード47の底部53に、下接合片137を下ビード48の底部54に、横接合片138を横ビード68の底部91にそれぞれ溶接部141で固定する。
溶接した後は、サイドシルアウタ37と、サイドシルインナ38とを溶接部で固定する。
次に、実施例2による車体側部構造の作用を図6、図9で説明する。
実施例2の車体側部構造は、サイドシル15に荷重F2が加わると、荷重は補強部材64に伝わり、補強部材64が長手方向に延びる一方の端部143からサイドシルアウタ37を介してバルクヘッド131に伝わるので、荷重は分散される。その結果、サイドシル15に伝わる荷重はより小さくなり、サイドシル15の強度はより高まる。
実施例3に係る車体側部構造を図10、図11で説明する。図10は図9に対応する。図1〜図9に示す実施例1、2と同様の構成については、同一符号を付し説明を省略する。
図10及び図11を参照すると、実施例3による車体側部構造のバルクヘッド131Bは、横ビード68が嵌る嵌合凹部151を有している。該嵌合凹部151の底部152は、横ビード68の底部91に接触している。バルクヘッド131Bの横接合片138の第1接合片154および第2接合片155は、サイドシルアウタ37の縦壁部67に接触している。
バルクヘッド131Bの嵌合凹部151は、サイドシルアウタ37に形成された横ビード68に嵌合する形状に形成されている。第1仕切り壁133Bおよび第2仕切り壁134Bは、嵌合凹部151の底部152に横ビード68の底部91と接合される横接合片138Bを有している。
その結果、嵌合凹部151の横接合重ね部138B以外の第1接合片154および第2接合片155は、サイドシルアウタ37の縦壁部67に接触している。
次に、実施例3の車体側部構造に採用したバルクヘッド131Bの取付け要領を簡単に説明する。
まず、図8に示した実施例2と同様にバルクヘッド131Bをサイドシルアウタ37内に入れる。
続いて、図10に示すように、上ビード47と下ビード48の間にバルクヘッド131Bを嵌める。その際、横接合片138の第1接合片154及び第2接合片155がサイドシルアウタ37の縦壁部67に当接するように、バルクヘッド131Bをサイドシルアウタ37に内に嵌める。
次に、実施例2と同様にバルクヘッド131Bに溶接を施す。さらに、縦壁部67に第1接合片154および第2接合片155を溶接部141で固定する。
その後、サイドシルアウタ37に補強部材64およびサイドシルインナ38を溶接して固定する。
このような実施例3に係る車体側部構造は、実施例2に係る車体側部構造と同様の作用、効果を発揮する。
加えて、実施例3の車体側部構造では、バルクヘッド131Bをサイドシルアウタ37に嵌め付ける際、第1接合片154および第2接合片155は、サイドシルアウタ37の縦壁部67に矢印b2のように当接することによって、バルクヘッド131Bはサイドシルアウタ37に支持される。その結果、車体の上下方向に対するバルクヘッド131Bの傾き(矢印b3の方向)は規制される。
従って、サイドシルアウタ37にバルクヘッド131Bをセットするときのセット作業が容易になる。
次に、実施例4による車体側部構造を図12及び図13で説明する。図1〜図5に示した実施例1と同様の構成については、同一符号を付し説明を省略する。
実施例4による車体側部構造は、サイドシル15の内部にサイドシル15内を仕切るバルクヘッド161がサイドシルアウタ37を介して補強部材64に重なるよう配置されている。
バルクヘッド161とサイドシルアウタ37とで閉断面が形成されている。つまり、バルクヘッド161は、サイドシルアウタ37の壁部と、上ビード47の側部51と、横ビード68の側部88とで閉断面を形成している。
同様に、バルクヘッド161は、サイドシルアウタ37の壁部と、下ビード48の側部52と、横ビード68の側部88とで閉断面を形成している。
バルクヘッド161は、仕切り壁162の周囲に、仕切り板部162に直交する接合重ね部163が形成されている。
バルクヘッド161の取付け要領は、実施例2と同様である。
なお、各ビード47、48、68の各底部53、54、91に接合重ね部163をスポット溶接の溶接部141で固定する。
このような実施例4に係る車体側部構造は、実施例2に係る車体側部構造と同様の作用、効果を発揮する。
実施例5による車体側部構造を図14で説明する。図14は図13に対応している。図1〜図5、図12、図13に示す実施例1、4と同様の構成については、同一符号を付し説明を省略する。
実施例5のバルクヘッド161Bは、横ビード68が嵌合する嵌合凹部171を有している。横ビード68の底部91と嵌合凹部171の底部172とは接触している。バルクヘッド161Bの接合部175のうち、第1接合部176および第2接合部177は、サイドシルアウタ37の縦壁部67に接触している。
バルクヘッド161Bは、仕切り壁174の周囲に、仕切り板部174に直交する接合部175が形成されている。嵌合凹部171の底部172には、接合部175aが形成されている。
その結果、縦壁部67に向いている接合部175のうち、嵌合凹部171の接合部175a以外の第1接合部176および第2接合部177は、縦壁部67に接触している。
バルクヘッド161Bの取付け要領は、実施例3と同様である。
なお、縦壁部67に第1接合部176および第2接合部177を溶接部141で固定する。
このような実施例5に係る車体側部構造は、実施例3に係る車体側部構造と同様の作用、効果を発揮する。
尚、ビードは、閉断面内方へ向けて突出した凹部であるが、逆に、凸状に形成することも可能である。この場合、バルクヘッドは、凸状に閉断面外方へ突出したビードに対し嵌合するように、凸部を形成し、嵌合凸部とする。
補強部材64では、上補強部77、下補強部81、縦壁補強部84を一体に形成しているが、それぞれを切り離して3枚の板とすることも可能である。
本発明の車体側部構造は、側突に強い車体に好適である。
12…車両、13…車室、15…サイドシル、16…フロントピラー、17…センタピラー、22…ルーフ、27…サイドシルの前部、33…サイドシルの中央部、37…サイドシルアウタ、38…サイドシルインナ、44…上壁部、45…下壁部、47…上ビード、48…下ビード、51…凹部の側部、52…凹部の側部、53,54…凹部の底部、56…中央接合部、57…前接合部、61,62…ビードの開口、64,65…補強部材、67…サイドシルアウタの縦壁部、68…横ビード、71,74…補強部材の後延長部、73…補強部材の前延長部、88…側部、91…底部、131,131B…バルクヘッド、138…横接合部、151…嵌合凹部、161…バルクヘッド、Hb,Ht…凹部の側部の高さ、Wb,Wt…凹部の底部の幅。

Claims (9)

  1. 車体の床の左右に配置され車体の前後方向に延びるサイドシルと、
    該サイドシルの前部からルーフまで延びるフロントピラーと、
    前記サイドシルの中央部から前記ルーフまで延びるセンタピラーと、
    を備えており、
    前記サイドシルは、サイドシルアウタとサイドシルインナからなり、該サイドシルアウタとサイドシルインナとで前記車体の前後方向に延びる閉断面を形成しており、
    前記サイドシルアウタは、車外から車室に向かうにつれて上方に傾斜する上壁部と、車外から車室に向かうにつれて下方に傾斜する下壁部と、を備えており、前記上壁部の壁部に前記サイドシルの前端から後端まで延びる上ビードを形成することで前記閉断面は多角形に形成され、
    前記上ビードは、前記閉断面の内方へ向けて窪むよう形成された凹部であり、該凹部を形成する側部の高さよりも、該側部に一体に形成された前記凹部の底部の幅が大きくなるよう形成されており、
    前記センタピラーを接合している前記サイドシルの前記中央部の中央接合部と、前記フロントピラーを接合している前記サイドシルの前記前部の前接合部のうち少なくともいずれか一方および車体の前後方向のうち少なくとも一方へ向けて所望の長さだけ延長して凹状の前記上ビードの開口を閉鎖して閉断面を形成する補強部材を前記センターピラーとフ ロントピラーのうち少なくともいずれか一方とサイドシルとの間に備えていることを特徴とする車体側部構造。
  2. 前記サイドシルアウターの下壁部の壁部に前記サイドシルの前端から後端まで延びる下 ビードが形成されており、前記下ビードは、前記閉断面の内方へ向けて窪むよう形成され た凹部であり、該凹部を形成する側部の高さよりも、該側部に一体に形成された前記凹部 の底部の幅が大きくなるよう形成されており、前記補強部材により下ビードの開口を閉鎖 して閉断面を形成するようにしたことを特徴とする請求項1記載の車体構造。
  3. 前記サイドシルアウタは、前記上壁部および前記下壁部に連なり、前記車外側に位置する縦壁部に形成された横ビードを有することで、前記閉断面は多角形に形成され、
    前記補強部材は、前記上下のビードの前記開口及び前記横ビードの開口を閉鎖して閉断面を形成している、請求項1又は2に記載の車体側部構造。
  4. 前記補強部材は、前記サイドシルの前記前接合部よりも前記車体の後方へ向けて所望の長さだけ延長している、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の車体側部構造。
  5. 前記補強部材は、前記サイドシルの前記中央接合部よりも前記車体の前後方向のうち少なくとも一方へ向け所望の長さだけ延長している、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の車体側部構造。
  6. 前記サイドシルは、該サイドシルの内部に該サイドシル内を仕切るバルクヘッドを備えており、前記バルクヘッドは、前記サイドシルアウタを介して前記補強部材に重なるよう配置されている、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の車体側部構造。
  7. 前記サイドシルは、該サイドシルの内部に該サイドシル内を仕切るバルクヘッドを備えており、
    前記補強部材は、前記バルクヘッドと車幅方向でラップする部位まで延長している、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の車体側部構造。
  8. 前記バルクヘッドは、前記サイドシルアウタとの間で閉断面を形成している、ことを特徴とする請求項6又は7に記載の車体側部構造。
  9. 前記バルクヘッドは、前記サイドシルアウタの縦壁部に形成された横ビードが嵌合する嵌合凹部を有しており、前記嵌合凹部の底部は、前記横ビードの底部に接触し、前記嵌合凹部以外の前記バルクヘッドの部位は、前記サイドシルアウタの縦壁部に接触している、ことを特徴とする請求項6又は7に記載の車体側部構造。
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