JP5143402B2

JP5143402B2 - ゴルフクラブヘッド

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Publication number: JP5143402B2
Application number: JP2006320749A
Authority: JP
Inventors: タイウェンビンドゥイ; 航坂
Original assignee: Bridgestone Sports Co Ltd
Current assignee: Bridgestone Sports Co Ltd
Priority date: 2006-10-31
Filing date: 2006-11-28
Publication date: 2013-02-13
Anticipated expiration: 2026-11-28
Also published as: JP2008114007A; US7798917B2; US20080102981A1

Description

本発明はゴルフクラブヘッドに関し、特に、フェース面に形成される溝に関するものである。

ゴルフクラブのフェース面には、マーキングライン、スコアライン或いはフェースライン溝と呼ばれる溝が複数形成されている。この溝はボールのスピン量に影響する。アイアン型のゴルフクラブヘッド、とりわけウェッジの場合には、ボールのスピン量が増大するように、この溝が形成されることが望ましい。

特許文献１には溝の断面形状をＶ字型或いは台形型としたゴルフクラブが開示されている。特許文献２及び３には溝の縁（溝の側面とフェース面との境界部分）に丸みをつけたゴルフクラブヘッドが開示されている。この丸みはボールが傷つくこと（ささくれ等）を防止する効果がある。特許文献４及び５には溝の側面を単一の面とせずに、角度が異なる２つの面から構成したゴルフクラブヘッドが開示されている。なお、公式競技用のゴルフクラブヘッドでは溝の幅や深さにルール上の制約があり、公式競技での用途を考慮した場合には、そのようなルールを満たす範囲での工夫が必要である。

特開平９−１９２２７４号公報特開平９−７０４５７号公報特開平１０−１７９８２４号公報特開２００３−９３５６０号公報特開２００５−２８７５３４号公報

ここで、雨天時やラフからのショットの場合には晴天時やフェアウェイからのショットの場合と比べると、ボールのスピン量が低減する傾向にある。雨天時やラフからのショットの場合にボールのスピン量の低減を防止する方法としては、フェース面の溝の容積を大きくすることが挙げられる。溝の容積を大きくするとフェース面とボールとが噛んだ草や塵が溝内に逃げ易く、また、フェース面の排水性が向上する。

断面形状が方形の溝は、溝の幅が同じ他の断面形状を有する溝と比べると、溝の容積が最も大きくなる。しかし、溝の縁の角が立つため、ボールが傷つき易くなる。

一方、溝の断面形状をＶ字型や台形とすると、方形の場合と比べてボールが傷つくことを低減できる。しかし、溝の容積が小さくなり、雨天時やラフからのショットの場合にボールのスピン量が大きく低減する傾向にある。

特許文献４のゴルフクラブヘッドでは、溝の容積を拡大しようとすると、溝の縁の角が立ち、ボールが傷つき易くなる。特許文献５に記載のゴルフクラブヘッドでは、フェース面における溝の幅よりも溝内部の幅が広いため、加工が容易ではない。更に、溝の縁の角が立ち、ボールが傷つき易くなる。特許文献５には溝の縁に丸みをつけることも開示されているが、特許文献５の溝のように溝の縁の角度が著しく鋭角である場合、丸みをつけてもボールに傷がつき易い場合がある。

本発明は、上述した従来の問題点を解決するためになされたものである。

本発明によれば、フェース面に溝が形成されたゴルフクラブヘッドにおいて、前記溝が、一対の側面と、底面とを有し、前記溝の前記一対の側面が、それぞれ、フェース面と連続する第１の面と、前記溝の深さ方向に前記第１の面と連続する第２の面と、を有し、前記一対の側面の各々の前記第１の面がなす第１角度が、前記一対の側面の各々の前記第２の面がなす第２角度よりも大きく、前記第１角度が１０度以上５０度以下であり、前記第１の面と前記フェース面との境界部分に、半径０．０５ｍｍ以上０．３ｍｍ以下の丸みが付けられており、前記溝の、３０度測定法により測定した幅Ｗｒ（ｍｍ）、及び、前記溝の断面積Ｓ（ｍｍ ² ）が、Ｓ／（Ｗｒ×０．５）×１００≧８０（％）であることを特徴とするゴルフクラブヘッドが提供される。
また、本発明によれば、フェース面に溝が形成されたゴルフクラブヘッドにおいて、前記溝の一対の側面が、それぞれ、フェース面と連続する第１の面と、前記溝の深さ方向に前記第１の面と連続する第２の面と、を有し、前記一対の側面の各々の前記第１の面がなす第１角度が、前記一対の側面の各々の前記第２の面がなす第２角度よりも大きく、前記溝は、前記第２の面が互いに連続した、無底面の溝であることを特徴とするゴルフクラブヘッドが提供される。

このゴルフクラブヘッドでは、前記一対の側面の各々の前記第１の面がなす第１角度が、前記一対の側面の各々の前記第２の面がなす第２角度よりも大きく形成される。前記溝のうち、前記第１の面の部分は、ボールに傷がつくことを防止することに寄与し、前記第２の面の部分は溝の容積確保に寄与する。よって、雨天時やラフからのショットの場合にボールのスピン量が大きく低減することを防止し、また、ボールに傷がつくことを低減することができる。

以上述べた通り、本発明によれば、雨天時やラフからのショットの場合にボールのスピン量が大きく低減することを防止し、また、ボールに傷がつくことを低減することができる。

図１（Ａ）は本発明の一実施形態に係るゴルフクラブヘッド１の外観図である。同図の例はアイアン型のゴルフクラブヘッドに本発明を適用した例を示す。本発明はボールのスピン量が多いことが要求されるゴルフクラブヘッドに好適であり、特にサンドウェッジ、ピッチングウェッジ、アプローチウェッジ等のウェッジに好適である。しかし、本発明はウッド型やユーティリティー型のゴルフクラブヘッドにも適用できる。

ゴルフクラブヘッド１は、そのフェース面１０に複数の溝２０が形成されている。本実施形態の場合、各々の溝２０はトウ−ヒール方向に延在した直線状の溝であり、各々の溝２０の配設間隔（ピッチ）は等間隔（等ピッチ）である。図１（Ｂ）は溝２０の、その長手方向（トウ−ヒール方向）に直交する方向の断面図である。本実施形態において、溝２０の断面形状は、その長手方向の両端部を除き、同じである。また、各々の溝２０の断面形状は同じである。

溝２０は一対の側面２１及び２２と、底面２３とにより形成されている。本実施形態の場合、溝２０の断面形状はその中心線ＣＬについて対称である。溝２０の一対の側面２１及び２２は、それぞれ、フェース面１０と連続する第１の面２１ａ及び２２ａと、溝２０の深さ方向に第１の面２１ａ及び２２ａと連続する第２の面２１ｂ及び２２ｂと、から構成されている。底面２３はフェース面１０と平行であり、また、第２の面２１ｂ及び２２ｂと連続している。

溝２０は底面幅Ｗｂ、深さＤ及び幅Ｗ、を有する。底面幅Ｗｂは底面２３の両端間の距離を意味する。また、深さＤはフェース面１０から底面２３までの距離を意味する。幅Ｗは溝２０の長手方向に直交する方向の幅であり、溝２０の縁間（第１の面２１ａとフェース面１０との境界部分と、第１の面２２ａとフェース面１０との境界部分との間）の距離を意味する。なお、図２（Ａ）に示すように溝２０の縁に半径ｒの丸みをつける場合は、丸みが始まる点（同図の破線位置）から幅Ｗを測定するものとする。

このような丸みはボールが傷つくこと（ささくれ等）を防止する効果があり、半径ｒは０．０５（ｍｍ）以上、０．３（ｍｍ）以下であることが好ましい。また、ボールのスピン量の点で、更に好ましくは、半径ｒは０．０５（ｍｍ）以上、０．１（ｍｍ）以下である。

本書において、溝の幅というときは上記の測定方法による幅Ｗを意味し、競技用ゴルフクラブヘッドの溝の幅の測定方法である、いわゆる３０度測定方法（Ｒ＆Ａ規則内規「３０度測定法」）による幅とは区別される。３０度測定法とは図２（Ｃ）に示すようにフェース面１０に対して３０度の傾きを持つ仮想線Ｌが溝２０の側面２１及び２２と接する点間を溝２０の幅（Ｗｒ）として測定するものである。以下、この３０度測定法で測定した場合の幅をルール上の幅と言う。

図２（Ａ）に示したように溝２０の縁に丸みを設けた場合には、溝２０の幅Ｗはルール上の幅Ｗｒと異なる場合がある。溝２０の縁に丸みを設けない場合には、溝２０の幅Ｗとルール上の幅Ｗｒとは一致する。なお、ルール上の幅Ｗｒは０．９（ｍｍ）以下であることが定められている。また、ルール上、溝の深さＤは０．５（ｍｍ）以下である。

図１（Ｂ）に戻り、溝２０の第１の面２１ａ及び２２ａがなす角度θ１は、第２の面２１ｂ及び２２ｂがなす角度θ２よりも大きい。角度θ１を大きくすればする程、溝２０の縁（第１の面２１ａ及び２２ａとフェース面１０との境界部分）の角度が大きくなるため、ボールが傷つくことが防止される。つまり、溝２０のうち、第１の面２１ａ及び２２ａの部分は、ボールに傷がつくことを防止することに寄与する。

次に、角度θ２が角度θ１よりも小さいことは、溝２０の容積をより大きくすることに寄与する。詳細には、溝２０の側面２１及び２２を、傾斜が異なる第１の面２１ａ及び２２ａと第２の面２１ｂ及び２２ｂとから構成することで、溝２０の側面２１及び２２を第１の面２１ａ及び２２ａのみで構成した場合と比べて、溝２０の底部側の幅を広くできる。これにより、溝２０の容積を大きくすることができる。つまり、溝２０のうち、第２の面２１ｂ及び２２ｂの部分は溝の容積確保に寄与する。

こうして本実施形態のゴルフクラブヘッド１では、雨天時やラフからのショットの場合にボールのスピン量が大きく低減することを防止し、また、ボールに傷がつくことを低減できる。

溝２０の容積は溝２０の断面積が大きければ大きい程、大きくなる。溝２０の断面積の大きさ、換言すれば、溝２０の容積の大きさを評価する指標として、本実施形態では以下に述べる断面積比率を提案する。上記の通り、競技用ゴルフクラブヘッドのルール上、深さＤは０．５（ｍｍ）以下である。従って、溝２０の縁に丸みがない場合であって、溝２０のルール上の幅Ｗｒの場合の溝２０の最大断面積は、図２（Ｂ）の右に示すようにＷｒ（ｍｍ）×０．５（ｍｍ）＝０．５・Ｗｒ（ｍｍ²）である。

そこで、この最大断面積に対する溝２０の断面積Ｓ（ｍｍ²：図２（Ｂ）の左参照）の断面積比率は溝２０の容積の大きさを評価する指標となる。断面積比率は下式（１）で表される。後述するように、この断面積比率は好ましくは７０（％）以上である。
断面積比率（％）＝Ｓ／（Ｗｒ×０．５）×１００・・・式（１）

＜溝の断面形状例＞
図３は図１（Ｂ）の例よりも角度θ１を小さくしたものである。図３の例に示すように、角度θ１を小さくすればする程、溝２０の断面積は大きくなり、溝２０の容積が大きくなる。但し、角度θ１を小さくすればする程、溝２０の縁の角度が小さくなり、ボールが傷つき易くなる。この場合は、上述した通り、溝２０の縁に丸みを付けることが望ましい。

角度θ１が５０度以下の場合、溝２０の縁に丸みを付けることが望ましく、この場合、上述したように丸みの半径ｒは０．０５（ｍｍ）以上、０．３（ｍｍ）以下であることが好ましく、更に、半径ｒは０．０５（ｍｍ）以上、０．１（ｍｍ）以下である。一方、角度θ１が余りにも小さいと、溝２０の縁に丸みをつけてもボールが傷つく場合がある。従って、角度θ１は１０度以上であることが望ましい。

次に、図１（Ｂ）に示した溝２０は底面２３を有するものであったが、底面２３が無い溝とすることもできる。但し、底面を設けた方が、溝の断面積を大きくし易くなる。図４は底面の無い溝１２０の断面図である。溝１２０は底面が無いことを除けば溝２０と同様の構成であり、一対の側面１２１及び１２２とにより形成されている。本実施形態の場合、溝１２０の断面形状はその中心線ＣＬについて対称である。溝１２０の一対の側面１２１及び１２２は、それぞれ、フェース面１０と連続する第１の面１２１ａ及び１２２ａと、溝１２０の深さ方向に第１の面１２１ａ及び１２２ａと連続する第２の面１２１ｂ及び１２２ｂと、から構成されている。また、溝１２０の第１の面１２１ａ及び１２２ａがなす角度θ１は、第２の面１２１ｂ及び１２２ｂがなす角度θ２よりも大きい。

図６は本発明の実施例１乃至９と、従来の溝構造を採用した比較例１乃至５とで、溝の仕様を変えてボールの損傷度（ささくれ度）とスピン量とを測定した実験の結果を示す。実験はロフト角５６度のサンドウェッジに仕様の異なる溝を形成し、ロボットマシーンにて未使用のボールを打つことにより行なった。サンドウェッジのヘッドスピードは４０ｍ／ｓである。また、晴天時でのショットの場合と雨天時及びラフからのショットの場合とを想定して、フェース面が乾いた場合（ドライ）、フェース面を水で濡れた薄い紙で覆った場合（ウェット）についてそれぞれ１０発ずつボールを打つことにした。

図６において、「溝の仕様」は比較例及び実施例の各溝の仕様を示す。「断面形状」は比較例及び実施例の溝の断面形状を示す。比較例１乃至３の「側面単一（台形）」とは図５（Ａ）に示される溝２２０の断面形状を意味し、溝２２０はその中心線について左右対称である。角度θ１は側面２２１と側面２２２とがなす角度であり、側面２２１と側面２２２とは途中で角度が変化しない単一の面である。深さＤはフェース面１０から底面２２３までの距離であり、溝２２０の幅Ｗは溝２２０の縁間の距離を意味する。

なお、比較例１乃至５及び実施例１乃至７はいずれも溝の縁に丸みを付けていないものであり（丸みの半径ｒ＝０）、従って、いずれの場合においても幅Ｗはルール上の幅Ｗｒに一致し、かつ、図６に示すように０．９（ｍｍ）としている。一方、実施例８及び９はいずれも溝の縁に丸みをつけており（丸みの半径ｒ＝０．２）、幅Ｗとルール上の幅Ｗｒは一致していない。但し、実施例８及び９のルール上の幅Ｗｒはいずれも０．９（ｍｍ）以下である。

比較例４及び５の「側面単一（Ｖ字形）」とは図５（Ｂ）に示される溝３２０の断面形状を意味し、溝３２０はその中心線について左右対称である。角度θ１は側面３２１と側面３２２とがなす角度であり、側面３２１と側面３２２とは途中で角度が変化しない単一の面である。深さＤはフェース面１０から側面３２１及び３２２の交点までの距離である。溝３２０の幅Ｗは溝３２０の縁間の距離を意味する。

実施例１乃至４及び６乃至９の「側面２段（底面あり）」とは図１（Ｂ）及び図３に示した断面形状を意味する。実施例５の「側面２段（底面なし）」とは図４に示した断面形状を意味する。

図６の「角度θ１」、「角度θ２」、「幅Ｗ」、及び「溝深さＤ」は、それぞれ図１（Ｂ）、図３及び図４（Ａ）及び（Ｂ）に示される符号に対応する寸法である。なお、「溝深さＤ」はルール上の溝深さの最大値である０．５（ｍｍ）である。「断面積Ｓ」は各溝の断面積である。「断面積比率」は上記式（１）により算出される。図６の「ピッチ」は溝と溝の間隔であり、実施例８以外はいずれも３．６０ｍｍである。

次に、「実験結果」のうち、「ささくれ度」はフェース面がドライの場合において、ショット後のボールの表面の荒れ具合を３人の評価者が目視及び触感にて観察し、１０段階で評価したものである。この実験において最もボールの表面が荒れたものを１０とし、最も荒れていないものを１とした。「スピン量」はボールの表面にマークを予め付したおき、インパクト時のボールをビデオカメラで撮影してマークの位置の変化により算出したものである。ドライ、ウェットそれぞれについて１０発のショットの平均値である。

図７（Ａ）は図６の実験結果を「角度θ１」−「ささくれ度」の関係でグラフ化したものである。角度θ１が小さいことは溝の縁の角度が小さいことを意味し、角度θ１が大きいことは溝の縁が大きいことを意味する。比較例及び実施例の双方が同様の傾向を示しており、角度θ１が小さい程、ボール表面の荒れ具合が強く、角度θ１が大きい程、ボール表面の荒れ具合が弱い。一方、溝の縁に丸みを付けた実施例８及び９では、角度θ１が略同じである比較例２、実施例１と比べると、ささくれ度が小さい。これは溝の縁に丸みを付けることが、ボールの傷つきを防止する効果があることを示している。

「ささくれ度」が８以上であると、実用上、数ホール連続して使用することが難しい程度のボール表面の荒れ具合である。従って、溝の縁に丸みをつけない場合には、角度θ１は５０度以上であることが望ましい。

図７（Ｂ）は図６の実験結果を、ドライとウェットに分けて「角度θ１」−「スピン量」の関係でグラフ化したものである。ドライの場合では比較例及び実施例の双方が同様の傾向を示している。この実験結果ではドライの場合では角度θ１に対してスピン量の大きな変化は見られない。ウェットの場合では角度θ１に対してスピン量の変化が見られるが、全体的な傾向として、比較例の場合よりも実施例の場合の方がスピン量の低下が小さいことが分かる。

角度θ１が６０度である実施例２及び角度θ１が９０度である実施例４については、角度θ１が同じく６０度、９０度である比較例３及び４よりもスピン量の低下が抑制されている。これは断面積Ｓの差が効いているものと推定される。つまり、実施例の方が同じ角度θ１の場合に、より断面積を大きくできるので、溝への水分の逃げ量が大きくなりスピン量の低下が抑制されていると考えられる。一方、比較例と実施例との差は角度θ１が１００度を越えると大差なくなっている。従って、実施例において角度θ１は１００度以下であることが望ましい。

角度θ１が略３０度である比較例２、実施例１、８及び９ではいずれもウェット時のスピン量の低下が小さい。このうち、実施例８が最もスピン量の低下が小さいが、これは実施例８の溝のピッチが比較例２、実施例１及び９よりも小さいことも影響していると考えられる。実施例９は実施例８の次にスピン量の低下が小さい。これは、幅Ｗが比較例２及び実施例１よりも大きいことも影響していると考えられる。

図７（Ｃ）は図６の実験結果を、ウエット時について「断面積比率」−「スピン量」の関係でグラフ化したものである。比較例及び実施例の双方が同様の傾向を示しており、ウェット時のスピン量と断面積比率とは相関関係がある。断面積比率が７０（％）を超えるあたりからプロット線の傾きが大きくなり、ウエット時のスピン量の向上が見られる。断面積比率が８０（％）を超えるあたりからは、プロット線の傾きが更に大きくなっている。従って、実施例において断面積比率は７０（％）以上であることが望ましく、更に望ましくは８０（％）以上である。

実施例において、断面積比率を８０（％）以上とする場合、溝の設計上、角度θ１が５０度を越えると、その実現が難しくなる。従って、断面積比率を８０（％）以上とする場合は、角度θ１を５０度以下とすることが望ましい。この場合、「ささくれ度」の観点から、溝の縁に丸みをつけることが望ましく、更に、角度θ１を１０度以上とすることが望ましい。

以上の実験結果を踏まえると、本発明の実施例において、溝の縁に丸みをつけない場合は、角度θ１は５０度以上１００度以下、断面積比率は７０％以上であることが望ましい。角度θ２を３０度以下とすると、設計上、断面積比率を７０％以上とし易く、従って、角度θ２は３０度以下とすることが好ましい。

一方、断面積比率として８０％以上を達成するとウェット時のスピン量の低減が更に防止されるが、この場合は、角度θ１は１０度以上５０度以下とし、溝の縁に丸みをつけることが望ましい。また、角度θ２を３０度以下とすると、設計上、断面積比率を８０％以上とし易く、従って、角度θ２は３０度以下とすることが好ましく、更に好ましくは１５度以下である。

上記の実験結果ではルール上の溝幅Ｗｒが０．９（ｍｍ）以下となるように溝の仕様を設定とした。本発明のゴルフクラブヘッドを競技用に用いる場合、ルール上の溝幅Ｗｒは０．９（ｍｍ）以下とする必要がある。しかし、ルール上の溝幅Ｗｒを余り狭くすると溝の断面積も狭くなる。従って、本発明のゴルフクラブヘッドの溝の、ルール上の溝幅Ｗｒは０．６（ｍｍ）以上０．９（ｍｍ）以下であることが好ましい。

（Ａ）は本発明の一実施形態に係るゴルフクラブヘッド１の外観図、（Ｂ）は溝２０の断面図である。（Ａ）は溝２０の縁に丸みを設けた場合の説明図、（Ｂ）は断面積比率の説明図、（Ｃ）は３０度測定法の説明図である。溝の断面形状例を示す断面図である。溝の断面形状例を示す断面図である。（Ａ）及び（Ｂ）は比較例の溝の断面図である。本発明の実施例と、比較例との実験条件及び実験結果を示す図である。（Ａ）乃至（Ｃ）は本発明の実施例と、比較例との実験結果を示す図である。

符号の説明

１ゴルフクラブヘッド
１０フェース面
２０溝
２１、２２側面
２１ａ、２２ａ第１の面
２１ｂ、２２ｂ第２の面

Claims

フェース面に溝が形成されたゴルフクラブヘッドにおいて、
前記溝が、一対の側面と、底面とを有し、
前記溝の前記一対の側面が、それぞれ、
フェース面と連続する第１の面と、
前記溝の深さ方向に前記第１の面と連続する第２の面と、
を有し、
前記一対の側面の各々の前記第１の面がなす第１角度が、前記一対の側面の各々の前記第２の面がなす第２角度よりも大きく、
前記第１角度が１０度以上５０度以下であり、
前記第１の面と前記フェース面との境界部分に、半径０．０５ｍｍ以上０．３ｍｍ以下の丸みが付けられており、
前記溝の、３０度測定法により測定した幅Ｗｒ（ｍｍ）、及び、前記溝の断面積Ｓ（ｍｍ ² ）が、
Ｓ／（Ｗｒ×０．５）×１００≧８０（％）
であることを特徴とするゴルフクラブヘッド。
フェース面に溝が形成されたゴルフクラブヘッドにおいて、
前記溝の一対の側面が、それぞれ、
フェース面と連続する第１の面と、
前記溝の深さ方向に前記第１の面と連続する第２の面と、
を有し、
前記一対の側面の各々の前記第１の面がなす第１角度が、前記一対の側面の各々の前記第２の面がなす第２角度よりも大きく、
前記溝は、前記第２の面が互いに連続した、無底面の溝であることを特徴とするゴルフクラブヘッド。
前記第２角度が６８度であることを特徴とする請求項２に記載のゴルフクラブヘッド。
前記幅Ｗｒ（ｍｍ）が、０．６（ｍｍ）以上０．９（ｍｍ）以下であることを特徴とする請求項１に記載のゴルフクラブヘッド。