JP3881740B2 - ゴルフクラブヘッドの打球面処理方法 - Google Patents
ゴルフクラブヘッドの打球面処理方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3881740B2 JP3881740B2 JP04716197A JP4716197A JP3881740B2 JP 3881740 B2 JP3881740 B2 JP 3881740B2 JP 04716197 A JP04716197 A JP 04716197A JP 4716197 A JP4716197 A JP 4716197A JP 3881740 B2 JP3881740 B2 JP 3881740B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ball
- club head
- hitting surface
- metal
- golf club
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Golf Clubs (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ゴルフプレーに用いるゴルフクラブヘッドの打球面処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ゴルフクラブのヘッドは図3に正面図として示すようにプレイ時においてボールを打つための打球面101を備え、この打球面101には、打ったボールが放物線を描いて飛び、着地点からの転がりを抑えるため、打球にスピンを与えることを目的としてスコアライン102と称する溝がソールの長手方向とほぼ平行に多数所定間隔を置いて刻まれている。
【0003】
クラブヘッドの打球面101上のスコアライン102、即ち溝については、社団法人日本ゴルフ用品協会によるルールがあり、溝の幅及び深さは、最大0.9mm及び最大0.5mm、そして溝の配置間隔については、溝幅の3倍以上で且つ1.9mmと定められている。
【0004】
打球面101にこのような溝(スコアライン102)を形成するには、切削またはプレス加工で行われ、その後ヘッドへの使用材料によっては防錆のためのメッキを施した上、打球面101の全体にブラスト処理が行われている。上記ブラスト処理は、溝加工と同様の目的で行われるものであり、通常粒径50〜200μm前後の硅砂を打球面101に対し噴射し、それによって磨硝子状の微細な凹凸面が形成される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
図4は上記溝(スコアライン102)の断面を拡大して示す断面図であるが、溝壁102Aと打球面101が交わる部分は相当シャープな角102Bを形成している。図4はV字状断面の溝であるが、U字状断面の溝の場合は打球面101と溝壁102Aとが直交する更にシャープな角102Bを形成することとなる。一方クラブヘッドはロングアイアン(3番アイアン)からショートアイアン(サンドウェッジ)に至る間約22°〜58°の範囲のロフト角度によって、各々打球面101が傾斜しているため、このようなクラブでボールを打つと、ボールの表面に打球面101と溝壁102Aとの角102Bの部分による擦り傷が容易に生じてしまう。ボールの表面に擦り傷が付いても、初心者の場合は、プレイ時に打球が目標から逸れることによりボールを紛失することが多いこともあり、多少の擦り傷など気にすることは少ないが上級者及びプロゴルファーは、このような傷は気になるもので、特にプロゴルファーの場合は通常凡そ3ホール毎に新しいボールと交換して使用しているのが現状である。
【0006】
そこで、この発明は、ボールに擦り傷を与えることが少なく、スピン量の減少も抑制したゴルフクラブヘッドの打球面を得るための打球面処理方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するため、この発明は、金属製ゴルフクラブヘッドの打球面に、ヘッドの長手方向に延びる複数本のスコアラインが刻まれたクラブヘッドの打球面に対し、大半が直径約0.3〜1mmの範囲内にある金属球を噴出することによりスコアラインの壁面と打球面が交わる角の部分に丸味を形成するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明の好適な実施例を図面を参照にして説明する。
【0009】
図1では、金属製の打球面1にスコアライン2を複数本形成したヘッドの拡大断面を示し、打球面1に多数の微小金属球を噴射することにより、凹凸粗面3を形成してある。ヘッドは凹凸粗面3が形成される部分のみを金属製とし、その他の部分を他の材料で成形することもできる。この実施例ではヘッド全体を金属で形成した。打球面1に噴射する微小金属球は、直径が約0.3〜1mmのものが大半を占め、スコアライン2と打球面1とが交わる角の部分をつぶして丸味4を形成してある。ヘッドを形成する金属材料は、鉄,ステンレス,銅及びその合金,チタン及びその合金などが好適に使用できる。また、スコアライン2、即ち溝の断面はV字状,U字状を含むものである。
【0010】
噴射する金属球は、鉄及びその合金の球,ステンレス球,ニッケル及びその合金の球,コバルト球,アルミニューム及びその合金等が使用できる。金属球の直径は、約0.3〜1mmのものを含む、即ち0.3〜1mmの範囲で粒が揃った金属球を使用することが好ましいが、これらに、より小さい粒の金属球が混じったものを使用してもよい。噴射は空気圧等の圧搾気体を使用する。噴射装置は公知の噴射装置が使用できる。気圧の例として2.0〜5kg/cm2 が好適である。金属球による噴射処理はメッキ処理の前後を問わない。気圧が2.0kg/cm2 以下だと噴射が弱く、前記丸味4を効率良く作れなくなり、また、5.0kg/cm2 以上だと噴射が強過ぎてスコアライン深さが浅くなる恐れがある。なお、ヘッド材料を軟鉄としてフェース面がメッキ処理されている等でフェース面が硬い材質の場合には、上記気圧を3〜5kg/cm2 とし、フェース面が軟鉄でメッキされていない等軟らかい材質の場合には上記気圧を2〜3kg/cm2 とするのが好ましい。
【0011】
図1は、軟鉄(S25C)製のニッケルクロムメッキを施したサンドウェッジのヘッドに対してその打球面1に凹凸粗面3を形成したものを示し、スコアライン2の壁面2Aと打球面3が交わる角の部分が金属球の噴射によって丸味4を形成している。この図1に示すようなスコアライン2及び打球面1は、直径0.6mmのステンレス球を噴射空気圧4kg/cm2 で噴射し、噴射時間は10秒としたものである。これに対し同様のサンドウェッジの打球面101に対し直径100μmの硅砂を噴射空気圧4kg/cm2 で噴射し、噴射時間を10秒としたものは、図4に示すような形状となった。本発明に係る図1のサンドウェッジの打球面1は図4に示すサンドウェッジの打球面101に比較して、打球面1には凹凸粗面3が形成され、溝壁2Aと打球面1との角の部分が潰れて丸味4を形成していることが判る。
【0012】
図2に示すグラフは、軟鉄製のサンドウェッジの打球面1に対し噴射する金属球の粒径と打球のバックスピンの関係をスイングロボットを使用し、実打テストを行った結果を示すものである。なお、噴射条件は各粒径とも同じとした。スイングロボットによるヘッドスピードは30m/sとし、図2のグラフ中粒径0は、図4に基づき上述した条件で打球面を処理したサンドウェッジである。なおまた、符号Aで示すグラフはツーピース高スピンタイプのソリッドボールを使用した場合の結果を示し、符号Bで示すグラフはスリーピースのソリッドボールを使用した結果を示す。
【0013】
図2のグラフからも明らかなように、スコアライン2を備えた打球面1に凹凸粗面3を形成する場合に、粒径が0.3mm未満の金属球噴射の場合は、スピン効果の増加が極めて微量に止まり、粒径が0.3mm以上の金属球の噴射の場合にはボールの種類を問わずスピン効果が表れている。なおまた、噴射する金属球の粒径が0.5mmを超える場合の方が角の丸味4が帯びやすく、ボールに擦り傷がつき難いことも判明した。また、図2中、符号Aで示す高スピンタイプのボールでは、粒径が1.0mmとなるとスピン効果が減少する現象が見られる。この事実より、金属球の粒径が1.0mmを超える様になると、スコアラインの溝自体が金属球の噴射によって実質的に狭く浅い形状に変化してしまうものと考えられる。
【0014】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、金属製ゴルフクラブヘッドの打球面に、ヘッドの長手方向に延びる複数本のスコアラインが刻まれたクラブヘッドの打球面に対し、大半が直径約0.3〜1mmの範囲内にある金属球を噴出することによりスコアラインの壁面と打球面が交わる角の部分に丸味を形成したので、このように処理されたヘッドで打球をヒットしたとき、ボールに擦り傷がつき難く、バックスピンも減少することがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の好適な実施例を示すスコアライン個所の拡大断面図。
【図2】粒径とバックスピンとの関係を示すグラフ。
【図3】従来例を示す正面図。
【図4】従来例のスコアライン個所の拡大断面図。
【符号の説明】
1 打球面
2 スコアライン
2A 壁面
3 凹凸粗面
4 丸味
Claims (1)
- 金属製ゴルフクラブヘッドの打球面に、上記ヘッドの長手方向に延びる複数本のスコアラインが刻まれたクラブヘッドの打球面に対し、大半が直径約0.3〜1mmの範囲内にある金属球を噴出することによりスコアラインの壁面と打球面が交わる角の部分に丸味を形成することを特徴とするゴルフクラブヘッド打球面の処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04716197A JP3881740B2 (ja) | 1996-11-01 | 1997-02-13 | ゴルフクラブヘッドの打球面処理方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30713696 | 1996-11-01 | ||
JP8-307136 | 1996-11-01 | ||
JP04716197A JP3881740B2 (ja) | 1996-11-01 | 1997-02-13 | ゴルフクラブヘッドの打球面処理方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10179824A JPH10179824A (ja) | 1998-07-07 |
JP3881740B2 true JP3881740B2 (ja) | 2007-02-14 |
Family
ID=26387318
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP04716197A Expired - Fee Related JP3881740B2 (ja) | 1996-11-01 | 1997-02-13 | ゴルフクラブヘッドの打球面処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3881740B2 (ja) |
Families Citing this family (15)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6443856B1 (en) | 1999-11-01 | 2002-09-03 | Callaway Golf Company | Contoured scorelines for the face of a golf club |
JP5226196B2 (ja) * | 2006-08-07 | 2013-07-03 | ブリヂストンスポーツ株式会社 | ゴルフクラブヘッド |
US7798917B2 (en) * | 2006-10-31 | 2010-09-21 | Bridgestone Sports Co., Ltd. | Golf club head |
JP4917414B2 (ja) | 2006-11-28 | 2012-04-18 | ブリヂストンスポーツ株式会社 | ゴルフクラブヘッド |
JP4917415B2 (ja) | 2006-11-28 | 2012-04-18 | ブリヂストンスポーツ株式会社 | ゴルフクラブヘッド |
JP4933232B2 (ja) | 2006-11-30 | 2012-05-16 | ブリヂストンスポーツ株式会社 | ゴルフクラブヘッド |
US7815521B2 (en) | 2006-12-01 | 2010-10-19 | Bridgestone Sports, Co., Ltd. | Golf club head |
US7691007B2 (en) | 2007-01-04 | 2010-04-06 | Bridgestone Sports Co., Ltd. | Golf club head |
JP5380634B2 (ja) | 2007-07-24 | 2014-01-08 | ブリヂストンスポーツ株式会社 | ゴルフクラブヘッドの製造方法及びゴルフクラブヘッド |
US8814720B2 (en) * | 2008-02-20 | 2014-08-26 | Karsten Manufacturing Corporation | Golf club heads with grooves and methods of manufacture |
US8602911B2 (en) | 2008-02-20 | 2013-12-10 | Karsten Manufacturing Corporation | Golf club heads with grooves and methods of manufacture |
US7780548B2 (en) * | 2008-02-20 | 2010-08-24 | Karsten Manufacturing Corporation | Golf club heads with grooves and methods of manufacture |
JP4993629B2 (ja) | 2009-05-28 | 2012-08-08 | ダンロップスポーツ株式会社 | ゴルフクラブヘッド |
JP4993630B2 (ja) | 2009-06-03 | 2012-08-08 | ダンロップスポーツ株式会社 | ゴルフクラブヘッド |
JP4993631B2 (ja) | 2009-06-10 | 2012-08-08 | ダンロップスポーツ株式会社 | ゴルフクラブヘッド |
-
1997
- 1997-02-13 JP JP04716197A patent/JP3881740B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH10179824A (ja) | 1998-07-07 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US8118688B2 (en) | Golf club head and method for producing the same | |
JP3881740B2 (ja) | ゴルフクラブヘッドの打球面処理方法 | |
JP3901788B2 (ja) | ゴルフクラブヘッド | |
JP4856688B2 (ja) | ゴルフクラブヘッド | |
US8506420B2 (en) | Golf club head with grooves | |
US20110165963A1 (en) | Golf club head with narrow-spaced grooves | |
US8012036B2 (en) | Iron-type golf club set | |
US7473187B2 (en) | Spin milled grooves for a golf club | |
US20110111883A1 (en) | Golf club head with grooves | |
US7972222B2 (en) | Iron golf club heads and golf club sets with variable weight distribution | |
US8092319B1 (en) | Iron-type golf club head with reduced face area below the scorelines | |
US8409029B2 (en) | Golf club set | |
JP2002248183A (ja) | ゴルフクラブヘッド | |
JP3919867B2 (ja) | アイアンゴルフクラブヘッド及びアイアンゴルフクラブセット | |
JP4402807B2 (ja) | ゴルフクラブヘッド及びその製造方法 | |
JP5227448B2 (ja) | ゴルフクラブヘッドの製造方法 | |
US8016641B2 (en) | Method for manufacturing a golf club head | |
JP2000116823A (ja) | ゴルフクラブヘッド | |
JPH10118228A (ja) | ゴルフクラブヘッド打球面の凹凸粗面形成方法 | |
JP2002065911A (ja) | ゴルフクラブヘッド | |
JP2003190335A (ja) | ゴルフクラブ | |
JP2000296193A (ja) | アイアンゴルフクラブ及びアイアンゴルフクラブセット | |
JPH10234894A (ja) | ウッドクラブヘッド | |
JPH08773A (ja) | アイアンゴルフクラブセット |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20061017 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20061113 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091117 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101117 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111117 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121117 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121117 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131117 Year of fee payment: 7 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |