JP2002248183A

JP2002248183A - ゴルフクラブヘッド

Info

Publication number: JP2002248183A
Application number: JP2001050582A
Authority: JP
Inventors: Toshio Chikaraishi; 利生力石
Original assignee: Bridgestone Sports Co Ltd
Current assignee: Bridgestone Sports Co Ltd
Priority date: 2001-02-26
Filing date: 2001-02-26
Publication date: 2002-09-03

Abstract

(57)【要約】【課題】ソール部に細い溝を設けることにより、砂な
どを溝の中に取り込み排出させ、スイング中の抵抗を減
らし、ヘッドの抜けを良くする。【解決手段】ロフト角４５°以上の金属製ゴルフクラ
ブヘッドにおいて、ヘッド本体１のソール部２にフェー
ス面３に対し平行な直線状の溝部４又はフェース面３に
対して±３０°以下の傾きをもった直線状の溝部４を有
し、該溝部４が幅１〜６ｍｍ、深さ１〜５ｍｍであるよ
うに構成した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、金属製のゴルフク
ラブヘッドに関するものである。詳しくはフェース面が
平面で構成されている所謂アイアン型のゴルフクラブヘ
ッドで、かつ、ロフト角が４５°以上あるウェッジ類の
ゴルフクラブヘッドに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来のアイアンゴルフクラブヘッドのう
ち、特にロフト角が４５°以上ある所謂ウェッジと呼ば
れるようなアイアンゴルフクラブヘッドにおいては、フ
ェアウエー上のボールを打つだけでなく、芝が伸びたラ
フや砂地などのバンカーに入ったボールを打つためのも
のでもある。

【０００３】そのため、スイング中に地面との接触によ
り受けるソール面の抵抗を減少させるために、特開平０
７−２９９１６４号公報に示すような、ソール面と地面
との接触面積を減らすようにソール面に凹部を設けたゴ
ルフクラブヘッド等がある。しかし、このような発明で
は、凹部が大きいことから、かえって、バウンスが大き
くなり、抜けが悪くなってしまう。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上述した凹部付きのソ
ール面を有するゴルフクラブヘッドでは、スイング中に
おけるソール部の抵抗を十分に減少させることはできな
かった。

【０００５】そこで本発明の目的は、ソール部に細い溝
を設けることにより、タイヤの溝の如く、砂などを素早
く溝の中に取り込み排出させることによって、スイング
中における抵抗を十分に減少させるゴルフクラブヘッド
を提供するものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、本発明は、ロフト角４５°以上の金属製ゴルフクラ
ブヘッドにおいて、ヘッド本体のソール部にフェース面
に対し平行な直線状の溝部又はフェース面に対して±３
０°以下の傾きをもった直線状の溝部を有し、該溝部が
幅１〜６ｍｍ、深さ１〜５ｍｍであるように構成した。
また、ロフト角４５°以上の金属製ゴルフクラブヘッド
において、ヘッド本体のソール部に曲線で構成される溝
部を有し、該溝部が幅１〜６ｍｍ、深さ１〜５ｍｍであ
るように構成した。さらに、これらの溝部は機械加工に
よる切削加工により形成されていることが好ましいもの
である。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下に本発明の実施例について、
図面を参照にして説明する。

【０００８】本発明のゴルフクラブヘッドにおいては、
ロフト角４５°以上最大６５°まで、好ましくは４８°
以上６５°以下、さらに好ましくは５０°以上６０°以
下が良い。所謂ウェッジと呼ばれるアイアンゴルフクラ
ブヘッドである。ウェッジと呼ばれるアイアンゴルフク
ラブヘッドは芝が伸びたラフや砂地などのバンカーに入
っているボールをそこから外へ出すために最も使用する
ゴルフクラブヘッドであるためである。ラフやバンカー
などが最もソール面に抵抗を受けるためである。

【０００９】図１は、ヘッド本体１のソール部２のみを
示す底面図であり、このソール部２にフェース面３と平
行な直線状の溝部４を形成してある。この「平行」とい
う意味は、底面図上フェース面３を通るラインと溝部４
とが平行であることを意味し、フェース面３の傾斜面と
溝部４とが断面図上平行という意味ではない。この溝部
４を形成する目的は、芝や砂によって受けるソール部２
の抵抗を瞬間的に溝部４の内部に芝や砂を取り込み、抵
抗を減少させることにある。そのため、該溝部４の幅
は、１〜６ｍｍ、好ましくは１．５〜３．５ｍｍ、深さ
１〜５ｍｍ、好ましくは２〜４ｍｍが良い。溝幅が１ｍ
ｍ未満では、十分に芝や砂を取り込むことができず、６
ｍｍ以上とすると、それに合わせてソール幅も広くしな
くてはならず、かえって抵抗が増えてしまうためであ
る。また、溝深さが１ｍｍ未満では、十分に芝や砂を取
り込むことができず、５ｍｍ以上とすると、重心が高く
なってしまうためである。ここで、溝部４の幅は、図２
に示す中央縦切断端面図に示す符号ｔである。

【００１０】図１に示す実施例の溝部４は、フェース面
３と平行に形成したが、図３に示すようにフェース面３
に対して±３０°以下の傾きをもった直線のものであっ
ても良い。図３に示す実施例では、フェースセンターを
挟んで左右にフェース面３に対し一定の傾きをもった直
線状の溝部４を形成し、溝部４の全体が略Ｖ字状を形成
している。この傾斜した溝部４について、フェース面３
に対して３０°以上の角度をつけると、溝部４の長さが
十分にとれず効果が発揮しにくい。いくつにも屈曲させ
るのであれば、重なりあって、結局太い溝部４を設けた
のと同じ結果になってしまうためである。

【００１１】ソール部２の溝部４は、一本の直線で構成
されている必要はなく、複数本、好ましくは２〜３本の
直線または曲線により構成されていても良い。つまり、
図３に示したように、フェース面３のセンター位置を基
準にＶ字型に溝を設けても良い。また、Ｖ字の交点はつ
ながっていてもつながっていなくても良い。このように
複数本の溝を構成することによって取り込んだ芝や砂を
細かく分散させることによってヘッドと地面との接触に
よる抵抗を少なくし、排出することができる。勿論、傾
いた溝部４をソール部２のヒール側からトウ側まで一本
の直線で形成することもできる。

【００１２】また、ソール部２に設けた前記溝部４を、
図４に示すような曲線を含むものにしても同様の効果が
得られ、特に半径１５ｍｍ以上の曲線を有することが好
ましい。曲線にすることでソール部２のどの部分に地面
が当たってもスムースに溝部４内に取り込んだ芝や砂を
分散させ、ソール部２に受ける抵抗を少なくすることが
できる。半径１５ｍｍ以上の曲線にすることによってさ
らにソール部２の抵抗が少なくなる。なおまた、図５に
示すようにフェース面３に対する傾斜方向が異なる溝部
４を形成し、略「く」字状の溝部４を形成してもよい。
この「く」字状の溝部４は、フェースセンターで向きを
変えている。

【００１３】溝部４のヒール側やトウ側の一端にいくに
従って、溝の深さは徐々に浅くなるように形成し、この
一端側から砂などが排出され易くすることが望ましい。

【００１４】図６は、溝部４を複数本形成した例を示す
底面図である。この例では、２本の互いに平行な溝部４
をソール部２に形成した。

【００１５】溝部４の形成方法は、予め金型に溝となる
部分を形成させて鋳造して作っても良く、鍛造やプレス
成形によって溝部４を形成させても良い。溝部４の形成
方法については特に限定する必要がないが、機械加工に
よる切削によって溝部４が形成されることが好ましい。
作りやすいからである。このようにソール部２をミーリ
ングにより切削加工する場合、鍛造により製造されたゴ
ルフクラブヘッドにおいては、最初の刃の当たる場所を
平面にしておくと刃の滑りが少なくなり、最初の加工位
置がずれにくくなり好ましい。鋳造においては、さらに
回転している刃の中心がずれないように凹部特に円錐型
の凹部をソール部２に最初に刃の当たる位置に設けると
良い。

【００１６】図７ないし図９は、溝部４の各種断面形状
を示し、矩形、Ｕ字、Ｖ字の各溝部４を示し、夫々の溝
幅を示す。

【００１７】図１０は、ロフト角を説明するためのもの
であり、フェース面３の傾き具合をシャフト軸とフェー
ス面３によってできる角度を計測してロフト角としてい
る。なお、この図１０では、溝部４のフェース面３に対
する傾きについても説明している。すなわち、ゴルフク
ラブを通常のライ角にセットした場合に、ヘッドの底面
図から見て、フェース面３により構成される打球方向に
対し垂直な線に対して溝部４が±３０°以下の傾きを有
する。また、図１１は、フェース面３に平行な溝部４と
いったとき、ソール部２を見た底面図上のフェース面３
の下端を通るライン３Ｌに対して溝部４が平行になると
いうことを説明するためのものである。

【００１８】ヘッド本体１の素材としては、低炭素鋼で
あるＳ２０Ｃを用い、鍛造にてゴルフクラブヘッドの形
状を成形した。ソール部２に溝部４を機械加工による切
削加工によって設けるため、ソール部２は、刃が滑りに
くいように、最初にソール部２と刃の当たる部分を平
ら、かつ垂直に当たるように作成した。このようにし
て、ピッチングサンドウェッジ用のゴルフクラブヘッド
を製造した。ロフト角は、５２°である。この時、溝幅
２ｍｍ、深さ２ｍｍとし、フェースセンターの位置でフ
ェース端より５ｍｍ後方の位置からそれぞれバック側へ
５°（飛球方向に対して９５°）ほど傾斜して溝部４を
形成するようにした。溝部４の長さは、フェースコルゲ
ーションの長さとほぼ同じで、左右にそれぞれ長さ２８
ｍｍ程度設けた。また、溝部４を構成する後方側面が、
シャフト軸に対し、上にいくほどフェース面３の後方に
７°傾いているように作成した。

【００１９】このようにして製造したゴルフクラブヘッ
ド（実施例）とソール部に溝部などの凹部を形成しない
一般的なゴルフクラブヘッド（比較例）とをそれぞれ試
打を行い感想を聞いた。その結果、ラフやバンカーでの
ゴルフクラブヘッドの抜けが良く（抵抗が少なく）、従
来のゴルフクラブヘッドに比べ、目標距離や方向が安定
していて良いという結果が得られた。

【００２０】

【発明の効果】以上説明したように、本発明は、ロフト
角４５°以上の金属製ゴルフクラブヘッドにおいて、ヘ
ッド本体のソール部にフェース面に対し平行な直線状の
溝部又はフェース面に対して±３０°以下の傾きをもっ
た直線状の溝部を有し、該溝部が幅１〜６ｍｍ、深さ１
〜５ｍｍであるため、ラフやバンカーの芝や砂などが溝
部に取り込まれ、スイング中の抵抗を少なくすることが
できる。また、ロフト角４５°以上の金属製ゴルフクラ
ブヘッドにおいて、ヘッド本体のソール部に曲線で構成
される溝部を有し、該溝部が幅１〜６ｍｍ、深さ１〜５
ｍｍのものにあっても、同様に抵抗が少なくヘッドの抜
けが良い。

【図面の簡単な説明】

【図１】ヘッドの底面図。

【図２】中央縦切断端面図。

【図３】他の例を示すヘッドの底面図。

【図４】溝部の別の形状を示す底面図。

【図５】さらに他の例を示す底面図。

【図６】溝部を複数本設けた底面図。

【図７】溝部の断面形状の一例を示す拡大断面図。

【図８】溝部の断面形状の他の例を示す拡大断面図。

【図９】溝部の断面形状のさらに別の例を示す拡大断面
図。

【図１０】ロフト角の説明図。

【図１１】フェース面と平行な溝部の説明用底面図。

【符号の説明】

１ヘッド本体２ソール部３フェース面４溝部

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】ロフト角４５°以上の金属製ゴルフクラ
ブヘッドにおいて、ヘッド本体のソール部にフェース面に対し平行な直線状
の溝部又はフェース面に対して±３０°以下の傾きをも
った直線状の溝部を有し、該溝部が幅１〜６ｍｍ、深さ１〜５ｍｍであることを特
徴とするゴルフクラブヘッド。
【請求項２】ロフト角４５°以上の金属製ゴルフクラ
ブヘッドにおいて、ヘッド本体のソール部に曲線で構成される溝部を有し、該溝部が幅１〜６ｍｍ、深さ１〜５ｍｍであることを特
徴とするゴルフクラブヘッド。
【請求項３】溝部が機械加工による切削加工により形
成されていることを特徴とする請求項１または２に記載
のゴルフクラブヘッド。