JP3820436B2 - ゴルフクラブヘッド - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はアイアン型ゴルフクラブヘッドのソール部底面の形状に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
地面に置かれたゴルフボールをゴルフクラブヘッドによって打球する際にソール部が地面と接触すると、地面から抵抗が加わるためインパクトの瞬間でのヘッドスピードの低下や打球後の振り抜き感が悪くなるといった問題が生じる。
図7に示すように、ヘッドの重心71はシャフト軸線72よりもトウ側にあるために、ダウンスイングの際に加わる遠心力によってインパクト時のヘッドにはトウダウンと称される現象が起こる。図7の点線部分はトウダウンが起こっている状態である。
【0003】
しかしながら、正しい軌道でダウンスイングができなかった場合は、打球時のトウダウンが不十分となり、ヒール部が地面に食い込む場合が多く見られる。その場合、ヒール部が地面に食い込むことでソール部底面は地面からの抵抗を受け、ヒール部を中心にフェースが閉じる方向に不要な回転力が生じたり、またインパクトの瞬間にヘッドスピードが低下するなど打球時のヘッドの状態が不安定になる。そのために打球方向のばらつきや飛距離の低下、打球後の振り抜き感が悪くなるといった問題があった。
【0004】
そこでソール部の形状に様々な工夫を施して、地面との接触による抵抗を低減する手法や前記のような打球時のヒール部の地面への食い込みを防止する手法が見られるようになった。
【0005】
例えば、ソールのバージャーラウンドをリーディングエッジからトレーリングエッジまで曲率半径20mmよりも小さくし、ソールラウンドを130mmよりも小さい曲面で形成し、またバージャーラウンドをフェース側から後面側へかけて連続する2個の曲面より形成してその境界部をヘッドの長手方向に尾根状に形成することで、スイング時の地面からの抵抗を小さくしたことを特徴とするアイアン型ゴルフクラブヘッドが開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特開平2−63483号公報(第1頁、第1図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前記のソール形状は、通常のアイアンクラブヘッドに比べてバージャーラウンド及びソールラウンドの曲率半径の値が非常に小さく地面に対する接触面積が小さくなるので、トウダウンが十分でない場合でもヒール部の地面への食い込みは低減される。しかしながら、バージャーラウンドの曲率半径及びソールラウンドの曲率半径が一定であり、またその値が非常に小さいために打球時にヘッドが安定しないという問題が生じる。
【0008】
また前記のソール形状では、図8(特許文献1の第1図に基づく)に示すように、地面に置かれたゴルフボール83を打球する際には、リーディングエッジ81と地面との間に距離ができ、フェース面82ではなくリーディングエッジ81でゴルフボールボール83を打撃してしまうのでトップ打ちとなりボールが上がらず、打球方向のばらつきや飛距離の低下という問題が発生する。
【0009】
そこで、本発明は前記従来技術の問題点を解決するために、アイアン型ゴルフクラブヘッドのソール部底面の形状を工夫することで、地面から受ける抵抗を効果的に低減したアイアン型ゴルフクラブヘッドを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、アイアン型ゴルフクラブヘッドのソール部底面の曲面形状であって、トウ側スコアライン幅線とヒール側スコアライン幅線とリーディングエッジとトレーリングエッジとに囲まれた曲面におけるトウ・ヒール方向の曲率半径の値をリーディングエッジからトレーリングエッジに向かって順次小さくし、且つフェースバック方向の曲率半径の値をトウ側からヒール側に向かって順次小さくすることで、ソール部底面のフェーストウ領域を平面に近い形状とし、ソール部底面のバックヒール領域を丸みをおびた曲面となるようにしたことを特徴とするアイアン型ゴルフクラブヘッドである。トウ側スコアライン幅線からヒール側スコアライン幅線までの距離は特に限定されるものではないが、一般的には48mm〜62mm程度である。
【0011】
請求項2に記載の発明は、アイアン型ゴルフクラブヘッドのソール部底面の曲面形状であって、トウ側スコアライン幅線とヒール側スコアライン幅線とリーディングエッジからの距離が6mmの曲線とトレーリングエッジからの距離が3mmの曲線とに囲まれた曲面におけるトウ・ヒール方向の曲率半径の値をリーディングエッジからトレーリングエッジに向かって順次小さくし、且つフェースバック方向の曲率半径の値をトウ側からヒール側に向かって順次小さくすることで、ソール部底面のフェーストウ領域を平面に近い形状とし、ソール部底面のバックヒール領域を丸みをおびた曲面となるようにしたことを特徴とするアイアン型ゴルフクラブヘッドである。
請求項2の発明において、前記トウ側スコアライン幅線とヒール側スコアライン幅線とリーディングエッジからの距離が6mmの曲線とトレーリングエッジからの距離が3mmの曲線とに囲まれた曲面に限定したのは、後述するようにリーディングエッジ及び/又はトレーリングエッジに面取りを施したソール部の形状に対応するためである。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1は本発明のゴルフクラブヘッド1のソール部底面21を示す斜視図であり、図2及び図3はゴルフクラブヘッド1をソール部底面21側から見た図である。ソール部底面21の曲面形状を説明するために後述するようにソール部底面21上のトウ・ヒール方向に曲線A1〜曲線A4及びフェースバック方向に曲線B1〜曲線B7を設ける。
【0013】
本発明の説明に用いるトウ側スコアライン幅線とは、ライ角通りにゴルフクラブヘッドを接地した際に、地面とフェース面との両方に垂直で且つスコアラインのトウ側端部(スコアラインの長さが種々の場合は最もトウ側の端部)を通る平面とソール部底面との交線である。
ヒール側スコアライン幅線とは、ライ角通りにゴルフクラブヘッドを接地した際に、地面とフェース面との両方に垂直で且つスコアラインのヒール側端部(スコアラインの長さが種々の場合は最もヒール側の端部)を通る平面とソール部底面との交線である。
【0014】
ソール部底面側から見た場合のリーディングエッジ31及びトレーリングエッジ32の形状は、図2及び図3に示すような直線状に限らず、図4に示すような曲線状のものもある。そのような形状にも対応するために、本発明では曲線A1〜曲線A4は以下のように定める。
【0015】
図2及び図4に示すように、リーディングエッジ31とトウ側スコアライン幅線61との交点をM1、リーディングエッジ31とヒール側スコアライン幅線62との交点をM2とし、M1とM2とを結ぶ直線を基準線A0とする。基準線A0からの距離が6mmの曲線をA1とし、同じく距離が9mmの曲線をA2とする。
「リーディングエッジからの距離が6mmの曲線」とは曲線A1のことであり、「リーディングエッジからの距離が6mm以上9mm以下の領域」とは、曲線A1と曲線A2とに挟まれた領域のことである。
【0016】
トレーリングエッジ32側についても同様に、トレーリングエッジ32とトウ側スコアライン幅線61とのトウ側の交点をM3、トレーリングエッジ32とヒール側スコアライン幅線62との交点をM4とし、M3とM4とを結ぶ直線を基準線A00とする。基準線A00からの距離が6mmの曲線をA3とし、同じく距離が3mmの曲線をA4とする。
「トレーリングエッジからの距離が3mmの曲線」とは曲線A4のことであり、「トレーリングエッジからの距離が3mm以上6mm以下の領域」とは、曲線A3と曲線A4とに挟まれた領域のことである。
【0017】
曲線B1〜曲線B7は以下のように定める。トウ側スコアライン幅線61をB1、トウ側スコアライン幅線61から距離が10mmの曲線をB2、ヒール側スコアライン幅線62をB7、ヒール側スコアライン幅線62から距離が10mmの曲線をB6、曲線B2と曲線B6との中央の曲線をB4、曲線B2と曲線B4との中央の曲線をB3、曲線B4と曲線B6との中央の曲線をB5とする。従って曲線B2から曲線B6にいたるトウ・ヒール方向の領域は曲線B3、B4、B5によって四等分されている。曲線B1〜曲線B7の定め方は図4に示したリーディングエッジ31及び/又はトレーリングエッジ32が曲線状の場合でも同様である。
【0018】
ソール部底面21側から見た場合、曲線A1とA2とは平行であり、曲線A3とA4とは平行である。また曲線B1〜B7はそれぞれ平行である。曲線A1〜曲線A4及び曲線B1〜曲線B7は、図2及び図3に示すようにソール部底面21側から見た場合はそれぞれ直線となっている。
【0019】
アイアン型ゴルフクラブヘッドの中には、ダウンブローでのインパクト時にリーディングエッジが地面に突き刺さるのを防ぐ目的や意匠的な目的等でリーディングエッジに面取り加工を施したものも見られる。
また(特にソール幅が広めのヘッドにおいて)インパクトの後にトレーリングエッジと地面とが接触した際に振り抜き感が悪くなるのを防ぐ目的でトレーリングエッジに面取り加工を施したものも見られる。
前記のように面取り加工を施したヘッドについては、面取り面が平面の場合がほとんどであり、そのような面取り面を含むと曲面の曲率半径の測定は不可能である。リーディングエッジ側に施される面取り面はリーディングエッジから5mm前後のものがほとんどであるため、本発明ではリーディングエッジから6mm以上9mm以下の領域を曲率半径の測定領域とした。またトレーリングエッジ側に施される面取り面はトレーリングエッジから2mm前後のものがほとんどであるため、トレーリングエッジから3mm以上6mm以下の領域を曲率半径の測定領域とした。
【0020】
本発明で用いる曲率半径とは、前記の各曲線を一つの円弧に近似した際の前記円弧の半径である。
【0021】
前記の曲率半径の測定には、アールゲージ(株式会社 内田洋行製)を使用した。種々のアールゲージをソール部底面の測定領域の曲線(曲線A1〜曲線A4及び曲線B1〜曲線B7)と平行になるようにあてがい、ソール部底面の曲線に最も近いアールゲージの値を曲率半径の値とした。
【0022】
本発明に係るゴルフクラブヘッド1のソール部底面21の形状は、スコアライン幅6とリーディングエッジ31とトレーリングエッジ32とに囲まれた曲面において、トウ・ヒール方向の曲率半径がリーディングエッジ31からトレーリングエッジ32に向かって順次小さくなっている。前記の曲線を用いれば、曲線A1から曲線A4に向かって曲率半径が順次小さくなっている。
更にフェースバック方向の曲率半径はトウ側からヒール側に向かって順次小さくなっている。前記の曲線を用いれば、曲線B1から曲線B7に向かって曲率半径が順次小さくなっている。
【0023】
前記のような曲率半径でソール部底面21の曲面を形成すれば、図8に示す従来品とは異なり、フェーストウ領域51は平面に近い形状となりリーディングエッジ31と地面との距離が近くなるので、トップ打ちの防止に効果が見られる。
バックヒール領域52は丸みをおびた曲面となるので、打球時にトウダウンが十分でない場合でもヒール部4が地面から受ける抵抗を低減できるので、地面からの抵抗によるヘッドスピードの低下、フェースが閉じる方向に生じる不要な回転力、振り抜き感の悪さといった問題を解決できる。
【0024】
本発明では、前記の曲面において、リーディングエッジ31からの距離が6mm以上9mm以下の領域(曲線A1と曲線A2に挟まれた領域)でのトウ・ヒール方向の曲率半径の値を200mm以上280mm以下としている。前記領域内では曲線A1から曲線A2に向かって曲率半径の値は順次小さくなっていくが、前記領域内の任意の場所で曲率半径の値が200mm以上280mm以下に含まれる。
【0025】
前記の領域では曲率半径は大きければ大きいほどリーディングエッジ31側の領域がより平面に近い曲面となるので、図5(a)に示す水平なライでは、インパクト時のリーディングエッジ31と地面との距離が近くなり、トップ打ちの防止ができる。
しかし、前記の曲率半径の値を280mm以上とすると曲率半径が大き過ぎるので、図5(b)に示すつま先上がりのライでは、インパクト時にトウ部が地面に突き刺さりやすく、図5(c)に示すつま先下がりのライでは、インパクト時にヒール部が地面に突き刺さりやすくなるといったように、インパクト時にゴルフクラブヘッドが安定しないという問題を生じる。
【0026】
前記の曲率半径が小さければ小さいほどリーディングエッジ31側の領域がより丸みをおびた曲面となるので、つま先上がりのライやつま先下がりのライでの打ちやすさは向上する。しかし、前記の曲率半径の値を200mm以下とすると曲率半径が小さ過ぎ、リーディングエッジ31側の領域が必要以上に丸みをおびた曲面となるので、水平なライでは打ちにくくなる。またソール部に配分される質量が減少し、重心位置が上がるのでクラブの操作性が低下するという問題を生じる。
本発明のようにトウ・ヒール方向の曲率半径の値を200mm以上280mm以下とすれば前記のような問題は解決される。このような効果は曲率半径の値を220mm以上260mm以下とした時に特に発揮される。
【0027】
本発明では、前記の曲面において、トレーリングエッジ32からの距離が3mm以上6mm以下の領域(曲線A3と曲線A4とに挟まれた領域)では、トウ・ヒール方向の曲率半径の値を140mm以上200mm以下としている。前記領域内では曲線A3から曲線A4に向かって曲率半径の値は順次小さくなっていくが、前記領域内の任意の場所で曲率半径の値が140mm以上200mm以下に含まれる。
【0028】
前記の曲率半径の値を200mm以上とすると曲率半径が大き過ぎるので、バックヒール領域52が平面に近い形状となり、打球時にトウダウンが十分でない場合にヒール部4が地面から受ける抵抗が大きくなるため、ヘッドスピードの低下、フェースが閉じる方向に生じる不要な回転力、振り抜き感が悪くなるという問題が生じる。
【0029】
また前記の領域における曲率半径は小さければ小さいほどバックヒール領域52がより丸みをおびた曲面となるので、つま先上がりのライやつま先下がりのライでの打ちやすさが向上すると共に、打球時にトウダウンが十分でない場合でもヒール部4が地面から受ける抵抗を低減できる。
しかし、前記の曲率半径の値を140mm以下とすると曲率半径が小さ過ぎ、バックヒール側に配分される質量が不足するのでゴルフクラブヘッドの重心がよりトウ側かつトップエッジ部側に移動するためクラブの操作性が低下するという問題を生じる。
本発明のようにトウ・ヒール方向の曲率半径の値を140mm以上200mm以下とすれば前記のような問題を解決できる。このような効果は曲率半径の値を160mm以上180mm以下とした時に特に発揮される。
【0030】
本発明では、前記の曲面において、トウ側スコアライン幅61からの距離が0mm以上10mm以下の領域(曲線B1と曲線B2とに挟まれた領域)では、フェースバック方向の曲率半径の値が60mm以上80mm以下としている。前記領域内では曲線B1から曲線B2に向かって曲率半径の値は順次小さくなっていくが、前記領域内の任意の場所で曲率半径の値が60mm以上80mm以下に含まれる。
【0031】
前記の領域における曲率半径は大きければ大きいほどヘッドのトウ側の領域がより平面に近い曲面となるので、図6(a)に示す水平なライでは、インパクト時のリーディングエッジ31と地面との距離が近くなり、トップ打ちの防止ができる。
しかし、曲率半径の値を80mm以上とすると曲率半径が大きくなりすぎ、トウ側に配分される質量が増加し、重心位置がトウ側にずれるのでクラブの操作性が低下するという問題や、図6(b)に示す打球方向が上がったライでは、リーディングエッジが地面に突き刺さりやすく、図6(c)に示す打球方向が下がったライではリーディングエッジと地面との間に距離ができ、トップ打ちになりやすいという問題を生じる。
【0032】
また前記の曲率半径の値を60mm以下とすると必要以上に丸みをおびた曲面となるので、水平なライではインパクト時にリーディングエッジと地面との間に距離ができトップ打ちになりやすいという問題を生じる。
本発明のようにフェースバック方向の曲率半径の値を60mm以上80mm以下とすれば前記のような問題を解決できる。
【0033】
また、本発明では、前記の曲面において、ヒール側スコアライン幅線62からの距離が0mm以上10mm以下の領域内(曲線B6と曲線B7とに挟まれた領域)では、フェースバック方向の曲率半径の値が10mm以上30mm以下としている。前記領域内では曲線B6から曲線B7に向かって曲率半径の値は順次小さくなっていくが、前記領域内の任意の場所で曲率半径の値が10mm以上30mm以下に含まれる。
【0034】
前記の領域における曲率半径の値を30mm以上とすると、曲率半径が大き過ぎるので、バックヒール領域52が平面に近い曲面となり、打球時にトウダウンが十分でない場合にヒール部が地面から受ける抵抗が大きくなり、ヘッドスピードの低下、フェースが閉じる方向に生じる不要な回転力、振り抜き感が悪くなるという問題が生じる。
【0035】
また前記の領域における曲率半径は小さければ小さいほどヘッドのバックヒール領域52がより丸みをおびた曲面となるので、打球時にトウダウンが十分でない場合でもヒール部4が地面から受ける抵抗を低減できるが、曲率半径の値が10mm以下のゴルフクラブヘッドは実際の製造が難しく、製造した場合でも実用性に乏しい。
本発明のようにフェースバック方向の曲率半径の値を10mm以上30mm以下とすれば前記のような問題を解決できる。
【0036】
【実施例】
以下、表1及び表2に本発明の実施例におけるゴルフクラブヘッドの曲線A1〜曲線A4及び曲線B1〜曲線B7の曲率半径の値を示す。
【0037】
【表1】
曲線A1〜曲線A4の曲率半径
Figure 0003820436
【0038】
【表2】
曲線B1〜曲線B7の曲率半径
Figure 0003820436
【0039】
本実施例の優位性を検証するために、実施例のゴルフクラブヘッドと表3に示す比較品1〜比較品15のゴルフクラブヘッドを用いて試打クラブを作成し、一般のゴルファー10人を対象に試打アンケートを行った。
【0040】
実施例及び比較品1〜比較品15のゴルフクラブヘッドにおける以下(a)〜(d)に説明した曲率半径の値を表3に示す。
【0041】
(a)リーディングエッジからの距離が7.5mmの曲線(曲線A1と曲線A2との中央の曲線)でのトウ・ヒール方向の曲率半径の値。
(b)トレーリングエッジからの距離が4.5mmの曲線(曲線A3と曲線A4との中央の曲線)でのトウ・ヒール方向の曲率半径の値。
(c)トウ側スコアライン幅線からの距離が5mmの曲線(曲線B1と曲線B2との中央の曲線)のフェースバック方向の曲率半径の値。
(d)ヒール側スコアライン幅線からの距離が5mmの曲線(曲線B6と曲線B7との中央の曲線)でのフェースバック方向の曲率半径の値。
【0042】
比較品1〜比較品15のソール形状については、前記(a)〜(b)の曲率半径の値しか示していないが、実施例と同様にソール部全体になだらかな曲面を形成している。
【0043】
ソール形状についての評価を明確にするために、試打クラブのクラブスペックは等しくなるように調整した。
前記クラブスペックは6番アイアンでクラブ長さ37.5インチ、ロフト角29度、ライ角61度、シャフトフレックスSR、クラブバランスD1とした。
【0044】
比較品1〜比較品4については、前記(a)の曲率半径の値が実施例とは異なっている(曲線A1〜曲線A2の領域を評価する目的)。比較品5〜比較品8については、前記(b)の曲率半径の値が実施例とは異なっている(曲線A3〜曲線A4の領域を評価する目的)。比較品9〜比較品12については、前記(c)の曲率半径の値が実施例とは異なっている(曲線B1〜曲線B2の領域を評価する目的)。比較品13〜比較品15については、前記(d)の曲率半径の値が実施例とは異なっている(曲線B6〜曲線B7の領域を評価する目的)。
【0045】
【表3】
実施例及び比較例1〜比較例15における前記(a)〜(d)の曲率半径の値
Figure 0003820436
【0046】
アンケート項目は、以下の5項目である。
1.つま先上がり、つま先下がりのライで接地した際の打ちやすさ
2.打球方向が上がったライ、打球方向が下がったライでの打ちやすさ
3.水平なライでの打ちやすさ
4.打球時の地面からの抵抗感
5.クラブの操作性
各項目は5段階評価であり、評価が高い方から5点、4点、3点、2点、1点である。各項目の結果(10人の平均点)とアンケート5項目の平均点を表4に示す。
【0047】
【表4】
アンケート結果
Figure 0003820436
【0048】
以上の結果からも分かるように、ソール部底面の曲面形状を本実施例のような曲率半径とすることで、総合的に優れたゴルフクラブヘッドとするこができる。
【0049】
本発明のソール部底面の形状は特定の番手に限らず、全てのアイアン型ゴルフクラブヘッドにおいて有効である。
【0050】
【発明の効果】
本発明のアイアン型ゴルフクラブヘッドでは、フェーストウ領域は平面に近い形状となり、トレーリングエッジと地面との距離が近くなるので、打球時のトップ打ちの防止に効果が見られる。
また、バックヒール領域は丸みをおびた曲面となるので、打球時にトウダウンが十分でない場合でもヒール部が地面から受ける抵抗を低減できるので、地面からの抵抗によるヘッドスピードの低下、フェースが閉じる方向に生じる不要な回転力、振り抜き感の悪さといった問題を解決できる。
従来のソール部の曲率半径が一定のアイアン型ゴルフクラブヘッドに比べて、効果的に地面からの抵抗を低減し、総合的に優れたアイアン型ゴルフクラブヘッドとするこができる。
【0051】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明に係るゴルフクラブヘッド示す斜視図である。
【図2】図2は本発明に係るゴルフクラブヘッドをソール部底面側から見た図である。
【図3】図3は本発明に係るゴルフクラブヘッドをソール部底面側から見た図である。
【図4】図4はソール部底面側から見た際にリーディングエッジ、トレーリングエッジが曲線となるゴルフクラブヘッド示す図である。
【図5】図5(a)は水平なライを示す図であり、図5(b)はつま先上がりのライを示す図であり、図5(c)はつま先下がりのライを示す図である。
【図6】図6(a)は水平なライを示す図であり、図6(b)は打球方向上がりのライを示す図であり、図6(c)は打球方向下がりのライを示す図である。
【図7】ゴルフクラブヘッドのトウダウンを示す図である。
【図8】従来のゴルフクラブヘッドを示す図である。
【符号の説明】
1 ゴルフクラブヘッド
21 ソール部底面
31 リーディングエッジ
32 トレーリングエッジ
4 ヒール部
51 フェーストウ領域
52 バックヒール領域
61 トウ側スコアライン幅線
62 ヒール側スコアライン幅線
71 重心
72 シャフト軸線
81 リーディングエッジ
82 フェース面
83 ゴルフボール
M1 交点
M2 交点
M3 交点
M4 交点
A0 基準線
A00 基準線
A1 曲線
A2 曲線
A3 曲線
A4 曲線
B1 曲線
B2 曲線
B3 曲線
B4 曲線
B5 曲線
B6 曲線
B7 曲線

Claims (5)

  1. アイアン型ゴルフクラブヘッドのソール部底面の曲面形状であって、トウ側スコアライン幅線とヒール側スコアライン幅線とリーディングエッジとトレーリングエッジとに囲まれた曲面におけるトウ・ヒール方向の曲率半径の値をリーディングエッジからトレーリングエッジに向かって順次小さくし、且つフェースバック方向の曲率半径の値をトウ側からヒール側に向かって順次小さくすることで、ソール部底面のフェーストウ領域を平面に近い形状とし、ソール部底面のバックヒール領域を丸みをおびた曲面となるようにしたことを特徴とするアイアン型ゴルフクラブヘッド。
  2. アイアン型ゴルフクラブヘッドのソール部底面の曲面形状であって、トウ側スコアライン幅線とヒール側スコアライン幅線とリーディングエッジからの距離が6mmの曲線とトレーリングエッジからの距離が3mmの曲線とに囲まれた曲面におけるトウ・ヒール方向の曲率半径の値をリーディングエッジからトレーリングエッジに向かって順次小さくし、且つフェースバック方向の曲率半径の値をトウ側からヒール側に向かって順次小さくすることで、ソール部底面のフェーストウ領域を平面に近い形状とし、ソール部底面のバックヒール領域を丸みをおびた曲面となるようにしたことを特徴とするアイアン型ゴルフクラブヘッド。
  3. 請求項1又は2に記載のアイアン型ゴルフクラブヘッドであって、
    リーディングエッジからの距離が6mm以上9mm以下の領域内でのトウ・ヒール方向の曲率半径の値が200mm以上280mm以下であり、
    且つトレーリングエッジからの距離が3mm以上6mm以下の領域内でのトウ・ヒール方向の曲率半径の値が140mm以上200mm以下であることを特徴とするアイアン型ゴルフクラブヘッド。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載のアイアン型ゴルフクラブヘッドであって、
    前記トウ側スコアライン幅線からの距離が0mm以上10mm以下の領域内でのフェースバック方向の曲率半径の値が60mm以上80mm以下であり、
    且つ前記ヒール側スコアライン幅線からの距離が0mm以上10mm以下の領域内でのフェースバック方向の曲率半径の値が10mm以上30mm以下であることを特徴とするアイアン型ゴルフクラブヘッド。
  5. 請求項1又は2に記載のアイアン型ゴルフクラブヘッドであって、
    リーディングエッジからの距離が7.5mmの曲線でのトウ・ヒール方向の曲率半径の値が240mmであり、
    且つトレーリングエッジからの距離が4.5mmの曲線でのトウ・ヒール方向の曲率半径の値が170mmであり、
    且つトウ側スコアライン幅線からの距離が5mmの曲線でのフェースバック方向の曲率半径の値が70mmであり、
    且つヒール側スコアライン幅線からの距離が5mmの曲線でのフェースバック方向の曲率半径の値が20mm
    であることを特徴とするアイアン型ゴルフクラブヘッド。
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