JP3718367B2 - ゴルフクラブヘッド - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
ゴルフクラブヘッドにおいて、フェース面での打点のバラツキを考慮して打点が常にスイートエリア内に収まるような慣性モーメントの設定に関する。
【0002】
【従来の技術】
既存のゴルフクラブヘッドでは、フェース面の芯を外れた打点となっても打球の特性(飛距離、方向性)を低下させないためにスイートエリアの拡大に重点が置かれている。一般に、スイートエリアは大きい程良いとされ、例えば、ターゲット方向に対して左右の方向性を改善するためには、Y軸回りの慣性モーメントのみを大きくする工夫がなされ、打球の上下方向のバラツキを抑えて弾道を安定するためには、X軸回りの慣性モーメントのみを大きくする工夫がなされている。
【0003】
また一方で、打点が常にスイートエリア内に存在するように、ゴルファーの実際の打点分布を調査してフェース面上での打点分布の傾きに合わせて通常楕円形となっているスイートエリアの長軸方向即ち慣性主軸の長手方向をこの傾きに一致させる工夫が提案されている(特開平9−14994号)。
【0004】
【発明が解決しょうとする課題】
打球の特性を良くするには確かに慣性モーメントを大きくするに越したことはないが、一方でクラブヘッドはスイングのし易さの面からヘッド重量に制約が設けられる。従って、この制限の中で打球の特性を良くするIX及びIYの値を設定するためには、前記した実際のゴルファーの打点分布の形態に合わせてスイートエリア即ち慣性主軸の方向を設定して慣性モーメントの必要値を過大にしないようにすると共に、IX、IYの値をバランス良く設定することが重要となる。
【0005】
特に、IX、IYの値のバランスが悪くて、不必要にどちらか一方の値が過大又は過小となった場合には、効果として過度に設定した方の悪影響が強調されることになる。例えば、既存のゴルフクラブヘッドでは、X軸回りの慣性モーメントがティーアップする打撃の場合には、過小であり、一方ティーアップしないでする打撃の場合には過大となっている問題がある。
【0006】
また、前記の慣性主軸の方向に関しては、ドライバーを除くゴルフクラブの全てにおいて、ゴルフプレー中の打撃は、時にティーアップするにしてもボールが地面に極めて近い位置に置かれて打撃することの頻度が多くて、一般のゴルファーの打点はフェース面のトウ〜ヒール方向に水平な分布となることが確認されていることから、スイートエリアの長軸方向即ち前記慣性主軸の方向を打点の分布方向に合わせて水平に設定することが必要となる。
【0007】
しかるに、前記特許公報(特開平9−149954)の提案は、打点分布の方向を水平面に対して10〜40°にとらえており本願の視点からは問題があると考えられる。また、同公報では各慣性モーメントの大きさが明示されておらず、打球の特性に対する効果が明確でない。
このような実状に鑑みて、本発明の目的とするところは、実際の打点領域と良く一致するスイートエリアを生ずる慣性モーメントが設定されたゴルフクラブヘッドを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するために、本発明に係わるゴルフクラブヘッドでは、ゴルフクラブヘッドを規定のライ角及びロフト角で平面上に接地した状態において、フェース面からヘッドの重心に向かう法線方向をZ軸とし、前記Z軸に垂直且つ前記平面及びフェース面に平行でフェース面のトウ〜ヒール方向に延在する軸をX軸とし、前記Z軸とX軸に直交する軸をY軸とし、原点をゴルフクラブヘッドの重心Gとした座標軸を想定した際に、ゴルフクラブヘッドのX軸回りの慣性モーメント(IX)とY軸回りの慣性モーメント(IY)との比(IY/IX)が、打撃の主体がボールをティーアップする場合が多いかまたはティーアップしない場合が多いかによってそれぞれ異なった特定の数値範囲に設定され、しかもゴルフクラブヘッドの互いに直交する3つの慣性主軸のうちでX軸とのなす角度が最も小さい慣性主軸をXY平面に投影した直線とX軸とのなす角度(θ)が、−10°≦θ≦+10°の範囲に設定されている。
【0009】
具体的には、本発明に係わるウッドタイプのヘッドでは、請求項1乃至2に記載するように、ティーアップ頻度の多寡に応じて、慣性モーメントの比(IY/IX)の値が特定の範囲の値に設定されている。
【0010】
また、本発明に係わるアイアンクラブヘッドでは、請求項3乃至4に記載するように、ティーアップ頻度の多寡に応じて、慣性モーメントの比(IY/IX)の値がウッドタイプのクラブヘッドとは別の特定の範囲の値に設定されている。
【0011】
発明者が行ったウッドクラブの実打実験によると、明らかなミスショットを除けば、ボールをティーアップした場合とティーアップしない場合とでは、図6に示すごとく、ヘッドの上下方向の打点のバラツキに大きな差があることが確認された。また、上下方向及び左右方向のバラツキの大きさ自体が確認された。
また、この実験により、ティーアップの有無で打点の上下のバラツキ(V)と左右のバラツキ(L)との比率(L/V)が大きく異なり、ティーアップなしの場合の比率は、上下のバラツキが小さいがためにティーアップ有りの場合に比較し大きな値となることが確認された。
従って、これらの確認に基づいて、本発明のウッドタイプのヘッドでは、上下のバラツキを抑制する慣性モーメントIXと左右のバラツキを抑制する慣性モーメントIYとの比率(IY/IX)の値が、請求項1乃至2に記載するような範囲に設定されている。
【0012】
また、本願が対象とするウッドタイプのクラブは、ドライバーを除くとしているので、ティーアップするにしても極めて低い高さのティーアップでありまたフェアウエイ上のボールを打撃する頻度が極めて多くなるので、クラブ種をティーアップする場合とする際でも、この点を考慮して前記慣性主軸がXY面へ投影された直線がX軸となす角度(θ)と前記慣性モーメントの比(IX、IY)の値がそれぞれ選定されている。
【0013】
更に、従来のウッドタイプのヘッドでは、フェアウエイ上に在るボールが正常に打撃された際の打点に対してフェース面上の重心位置(スイートエリアの中心)が上位にずれているのが通常である。打球の特性上からは、このずれを出来るだけ少なくしてやるのが好ましい。一方、フェース面上の重心位置(HG)とX軸回りの慣性モーメント(IX)とは、図7に示すように良い相関関係があるのでフェース面上の重心位置(HG)を下げて前記のずれを小さくするためには慣性モーメント(IX)は出来るだけ小さな値に設定するのが望ましい。
【0014】
アイアンタイプのクラブについても実際の打点のバラツキに関して実打実験が実施された(図8)。この場合にも、ティーアップの有り無しによってヘッドの上下方向の打点のバラツキに大きな差があることが確認された。また、ティーアップなしの場合の打点の上下のバラツキ(V)と左右のバラツキ(L)との比率(L/V)は、上下のバラツキが殊に小さいために、ティーアップ有りの場合に比較して、著しく大きな値となっていることが確認された。
【0015】
従って、本発明に係るアイアンタイプのヘッドでは、上下のバラツキを抑制する慣性モーメントIXと左右のバラツキを抑制する慣性モーメントIYとの比(IY/IX)の値が、請求項3乃至4に記載の範囲に設定されている。
また特に、アイアンタイプのクラブの場合には、ティーアップの高さが総じて低いこととボールが地面上に在る場合の打撃頻度が多いことを考慮して、前記慣性主軸のXY面への投影線とX軸とのなす角度(θ)と前記慣性モーメントの比(IY/IX)の値が選定されている。
【0016】
更に、フェアウエイ上に在るボールが正常に打撃された際の打点とフェース面上の重心位置(スイートエリアの中心)とのずれを出来るだけ小さくするために、ウッドタイプのクラブの場合と同様な考え方に従って、慣性モーメントIXの値は出来るだけ小さく設定することが好ましい。
【0017】
慣性主軸の方向即ちスイートエリアの長軸方向については、本願が対象とするクラブがドライバーを除くものとされ、またゴルフプレー中の打撃が時にティーアップするにしてもボールが地面に極めて近い位置に置かれて打撃される頻度が多いとされているので、打点がフェース面のトウからヒール方向にほぼ水平な分布となることから、この打点の分布の方向に合わせてほぼ水平に設定されている。
従って、殆どの打撃がスイートエリア内で行うことが出来、打球の飛距離と方向性が向上する。
【0018】
【発明の実施形態】
本発明の実施に当たっては、先ず、適用するクラブがウッドクラブかアイアンクラブかが決められ、またプレ−中に行なう打撃の主体が、ボ−ルをティ−アップして行なう場合が多いか少ないかが想定される。ティ−アップ頻度の多寡によって、前記慣性モ−メントの比(IY/IX)及びIXが異なった値に選別される必要があるからである。
【0019】
図1乃至3に基づいて、ウッドタイプの本発明に係る実施例を説明する。
尚、本実施例においては、実績の有る既存のクラブを先ず選び、本発明によってこれを改良した例としている。
先ず、ティ−アップする場合のウッドクラブの実施例1について説明する。
但し、ティ−アップの高さは、ドライバ−のようにボ−ルを極めて高くセットしないものとする。
ベ−スとなる既存のウッドクラブとしては、前記慣性モ−メントの比が1.63である弊社の上市品3番ウッドP(商品名:pebblebeach)が選定された。
【0020】
本実施例では、慣性モ−メントの比(IY/IX)の値が、前記した実際の打撃実験により測定されたフェ−ス面の上下、左右の打点のバラツキ比率に基づいて導き出された値である1.3から1.6の範囲内に入るように、前記既存のクラブヘッドの形状をベ−スにしてその寸度形状が修正される。
また、本例はティ−アップされる場合であるので打点の上下方向のバラツキが大きく成り易く、従ってIXの値は、経験的に設定されている従来クラブの範疇の大きな値を採用することが望ましく、12以上の値とされている。
【0021】
従って、本実施例では、このような枠組みとされた慣性モ−メントの比(IY/IY)とIXの値を限界値に見立てて、前記上市品Pのヘッド形状を修正するため、特に、ヘッドの主要寸度即ちヘッドの最大高さ、ヘッド幅、フェ−ス面の長さが5乃至15mmの範囲で変更されている。
【0022】
このようにしてヘッドの主要寸度が変更された本実施例の各試作品の変更内容を以下に列記する。
試作1では、上市品Pのヘッド最大高さが10mm高く修正されている。
試作2では、ヘッド幅が10mm広く設定されている。
試作3では、ヘッド最大高さを10mm高くし、且つヘッド幅が10mm広 く設定されている。
試作4では、試作3のフェ−ス面長さが10mm広く設定されている。
試作5では、試作4のヘッド幅を更に5mm広くされている。
【0023】
次に、これらの試作品について、CAD/CAEシステムによってヘッドの特性値(フェ−ス面上の重心高さHG、フェ−スから重心までの垂直距離ZG、慣性モ−メントIX及びIY、など)が求められた。これらの値を、ヘッドのロフト角、ヘッド重量等ヘッドの寸度諸元と共に図1に示す。
【0024】
また、クラブヘッド1を規定のライ角及びロフト角で平面2上に接地した際に、フェース面4からヘッドの重心3に向かう法線方向をZ軸とし、このZ軸に垂直且つ前記平面2及びフェ−ス面4に平行でフェ−ス面のトウ5〜ヒ−ル6方向に延在する軸をX軸とし、前記Z軸とX軸に直交する軸をY軸とし、原点をヘッドの重心とした座標軸を想定した際に、ヘッドの互いに直交する3っの慣性主軸のうちX軸と成す角度が最も小さい慣性主軸をXY面に投影した直線l`(投影慣性主軸)とX軸との成す角度(θ)は(図2参照)、以下のようにして設定されている。
【0025】
即ち、本発明が対称とするクラブでの打撃形態が、ティ−アップする高さが低くまたティ−アップしない場合も相当の頻度であるとされているので、打点の分布はフェ−ス面のトウからヒ−ルにかけてほぼ地面に平行と考えて良く、従って、スイートエリアの長軸方向を打点分布に合わせるべく前記投影慣性主軸が地面即ちX軸と成す角度(θ)が、地面にほぼ平行即ち−10乃至+10度の範囲とされている。
【0026】
また、このために本実施例では、ホ−ゼル7の長さを短くすると共にホーゼルに挿着されるシャフトの先端に重り(図示省略)を付加してヒ−ル部分の重心を低くする設計手法により前記投影慣性主軸がほぼX軸に平行になるようにしている。
前記の各試作品についてCAD/CAEシステムによって算出された前記角度(θ)を図1中に示す。尚、基準とした前記上市品Pの前記角度(θ)は、元々−7.3度に設定されている。
【0027】
前記のようにして得られた本実施例に係る各試作品については、図1の表から判るように、IY/IXの値が、全て1.3乃至1.6の範囲内に在り、またIXの値が14乃至19の大きな値の範囲に設定され、しかも前記投影慣性主軸がX軸となす角度(θ)が全て−10乃至+10度の範囲内に設定されている。
【0028】
次に、ティ−アップしない場合のウッドクラブの実施例2について説明する。
ベ−スとなる既存のウッドクラブとしては、前記実施例と同じ弊社の上市品3番ウッドP(商品名:pebblebeach)が選定されている。
本実施例2では、慣性モ−メントの比(IY/IX)の値が、前記した実際の打撃実験により測定されたフェ−ス面の上下、左右の打点のバラツキ比率に基づいて導き出された値である1.7から2.8の範囲内に入るように、前記既存のクラブヘッドの形状をベ−スにしてその寸度形状が修正される。前記慣性モ−メントの比(IY/IX)の値は、上下方向の打点のバラツキが小さくなるためIXの値を小さく設定出来ることから、前記実施例1の場合に比べ大きな値とされている。尚、本例でのIXの値は、12未満の値とされている。
【0029】
従ってまた、本実施例では、このように枠組みされた慣性モ−メントの比(IY/IY)とIXの値を限界値に見立てて、前記上市品Pのヘッド形状を修正するため、特に、ヘッドの主要寸度即ちヘッドの最大高さ、ヘッド幅、フェ−ス面の長さが5乃至15mmの範囲で変更されている。
このようにしてヘッドの主要寸度が変更された本実施例に基づく各試作品の変更内容を以下に列記する。
試作6では、上市品Pのヘッド最大高さが10mm低く修正されている。
試作7では、上市品Pのヘッド幅が10mm狭く修正されている。
試作8では、上市品Pのヘッド最大高さが10mm低くまたヘッド幅が10mm狭く修正されている。
試作9では、試作8のフェ−ス面長さが15mm長く修正されている。
【0030】
次に、これらの試作品について、CAD/CAEシステムによってヘッドの特性値(フェ−ス面上の重心高さHG、フェ−スから重心までの垂直距離ZG、慣性モ−メントIX及びIY、など)が求められた。これらの値を、ヘッドのロフト角、ヘッド重量等ヘッドの寸度諸元と共に図1に示す。
またこの場合においても、前記の投影慣性主軸がX軸との成す角(θ)は、前記と同様な設計手法が施されて、−10乃至+10度の範囲とされている。
また、図1の表から判るように、本実施例2の場合も各試作品のIY/IXの値は、全て目標の1.7から2.8の範囲内に在り、またIXの値は7乃至10の小さな範囲の値に設定されている。
【0031】
更に、上記の試作品及び別に実測した多くの市販品(比較例、図中×点で示すもの)のIY/IXとIXの値を、グラフ化したものを図3として表わすと、この図より、ティ−アップしない場合の実施例2が存在する領域は、IY/IX≦−0.46IX+7.37の式で表わされることが判る。
【0032】
次に、図4乃至5に基づいて、アイアンクラブの本発明に係る実施例を説明する。
尚、この実施例においても、実績の有る既存の上市品R(弊社市販品5番アイアンREXTAR)を選び、本発明によってこれを改良した例としている。
ティ−アップする場合のアイアンクラブを実施例3とし、ティ−アップしない場合のアイアンクラブを実施例4として説明する。
アイアンクラブの実施例においてもウッドクラブの場合と同様に慣性モ−メントの比(IY/IX)の値が、実際の打撃実験により測定されたフェ−ス面の上下、左右の打点のバラツキ比率に基づいて導き出された値の範囲内に入るように、前記既存のクラブヘッドの形状をベ−スにしてその寸度形状が修正される。即ち、実施例3の場合の前記慣性モ−メントの比(IY/IX)は、1.4から3.5とされ、実施例4の場合の前記慣性モ−メントの比(IY/IX)は、2.3から7.5とされている。
また、慣性モ−メントIXの値は、実施例3では3乃至9とされ、実施例4では1乃至5とされている。
【0033】
従って、アイアンクラブの実施例においても、前記のように枠組みとされた慣性モ−メントの比(IY/IY)とIXの値を限界値に見立てて、前記上市品Pのヘッド形状を修正するために、ヘッドの主要寸度即ちヘッドの最大高さ、ヘッド幅、フェ−ス面の長さ、及びホゼルの長さが5乃至15mmの範囲で変更されている。
【0034】
このようにしてヘッドの主要寸度が変更された実施例3の各試作品(試作1乃至4)と実施例4の各試作品(試作7乃至12)の変更内容を以下に列記する。先ず、ティ−アップされる場合の実施例3の試作品は下記のものである。
試作1:上市品Rのフェ−ス幅が10mm高く修正されている。
試作2:試作1のフェ−ス長さが10mm短くされている。
且つ、試作1〜2は、ヘッド素材を軟鉄とされている。
試作3:上市品Rのフェ−ス幅が10mm高く修正されている。
試作4:試作3のフェ−ス長さが10mm短くされている。
且つ、試作3〜4は、ヘッド素材をアルミニウムとされている。
次に、ティ−アップされない場合とされた実施例4の試作品は下記のものであり、試作7ではフェ−ス面上の重心が低くなるように配慮されている。
試作5:フェ−ス幅が10mm狭くされている。
試作6:試作5のフェ−ス長さが10mm長くされている。
試作7:試作6のホ−ゼル長さが10mm短くされている。
且つ、試作5乃至7はヘッド素材を軟鉄とされている。
試作8乃至10は、試作5乃至7のヘッド素材をアルミニウムとしたものである。
尚、前記フェース幅とは、フェースセンターにおいて、フェース面下端から上端までの直線距離としている。
【0035】
次に、これらの試作品について、CAD/CAEシステムによってヘッドの特性値(フェ−ス面上の重心高さHG、フェ−スから重心までの垂直距離ZG、慣性モ−メントIX及びIY、など)が求められた。これらの値を、ヘッドのロフト角、ヘッド重量等ヘッドの寸度諸元と共に図4に示す。
またこの場合においても、前記の投影慣性主軸がX軸との成す角(θ)は、前記と同様な設計手法が施されて、−10度乃至+10度の範囲とされている。
【0036】
また、図4の表から判るように、実施例3の場合には、各試作品のIY/IXの値が、目標の1.4乃至3.5の範囲内でしかもIXの値が3乃至9の範囲内とされており、また、実施例4の場合には各試作品のIY/IXの値が目標の2.3乃至7.5の範囲内に在り、またIXの値が、1乃至5の範囲内の値に設定されている。
尚、これら実施例の試作品に対して別に測定した他の多くの市販品(比較例)の場合には、図5に示すように、IY/IXが3.7〜4.4、またIXが5〜8の範囲内の値となっていて、実際の打点のバラツキを適宜に抑制する慣性モ−メントの値となっていない。
【0037】
更に、上記の試作品及び前記比較例の各クラブのIY/IX及びIXの値をグラフ化した図5からわかるように、ティ−アップしない場合の実施例4が存在する領域は、IY/IX≦−1.58IX+13.15として表わされることが出来る。
【0038】
【発明の効果】
本発明に係るゴルフクラブヘッドでは、ティ−アップ頻度の多寡に応じて、慣性モ−メントの比(IY/IX)が特定の範囲の値に設定され、しかも前記の投影慣性主軸と地面にほぼ平行なヘッドのX軸との成す角度が−10度から+10度の範囲内に設定されているので、通常のプレ−ヤ−が発生するフェ−ス面上の上下、左右の打点のバラツキ分布に対応した慣性モ−メント(IX、IY)をヘッドに備えることが出来る。この結果、打球の方向性が著しく向上する。
また、フェ−ス面のスイ−トエリアが、フェ−ス面のトウからヒ−ルにかけて細長く形成されるので、通常のプレ−ヤ−の実際の打点の分布の殆どの部分がスイ−トエリアでカバ−されることとなり、殆どの打撃時にエネルギ−ロスが少なく打球の飛距離の平均値が増大する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明係るウッドタイプの実施例のヘッド諸元を示す表である。
【図2】慣性主軸の傾きを示す図である。
【図3】(IY/IX)の値とIXの値の分布を示す図である。
【図4】本発明係るアイアンタイプの実施例のヘッド諸元を示す表である。
【図5】(IY/IX)の値とIXの値の分布を示す図である。
【図6】ウッドタイプクラブでの打点のバラツキ分布を示す。
【図7】フェース面上の重心位置とIXとの相関関係を示す図である。
【図8】アイアンタイプクラブでの打点のバラツキ分布を示す。
【符号の説明】
1 クラブヘッド
2 平面
3 ヘッドの重心
4 フェ−ス面
5 トウ
6 ヒ−ル
7 ホ−ゼル
l` 投慣性主軸
Claims (4)
- 打撃の主体がボールをティーアップする場合が多いウッドタイプのゴルフクラブヘッドであって、ゴルフクラブヘッドを規定のライ角及びロフト角で平面上に接地した状態において、フェース面からヘッドの重心に向かう法線方向をZ軸とし、前記Z軸に垂直且つ前記平面及びフェース面に平行でフェース面のトウ〜ヒール方向に延在する軸をX軸とし、前記Z軸とX軸に直交する軸をY軸とし、原点をゴルフクラブヘッドの重心Gとした座標軸を想定した際に、ゴルフクラブヘッドのX軸回りの慣性モーメント(IX)とY軸回りの慣性モーメント(IY)との比(IY/IX)が、1.3≦IY/IX≦1.6の範囲に設定され、しかもゴルフクラブヘッドの互いに直交する3つの慣性主軸のうちでX軸とのなす角度が最も小さい慣性主軸をXY平面に投影した直線とX軸とのなす角度(θ)が、−10°≦θ≦+10°の範囲に設定されていることを特徴とするゴルフクラブヘッド。
- 打撃の主体がボールをティーアップしない場合が多いウッドタイプのゴルフクラブヘッドであって、ゴルフクラブヘッドを規定のライ角及びロフト角で平面上に接地した状態において、フェース面からヘッドの重心に向かう法線方向をZ軸とし、前記Z軸に垂直且つ前記平面及びフェース面に平行でフェース面のトウ〜ヒール方向に延在する軸をX軸とし、前記Z軸とX軸に直交する軸をY軸とし、原点をゴルフクラブヘッドの重心Gとした座標軸を想定した際に、ゴルフクラブヘッドのX軸回りの慣性モーメント(IX)とY軸回りの慣性モーメント(IY)との比(IY/IX)が、次式(式1)示される範囲内で且つその値が1.7≦IY/IX≦2.8の範囲内に設定され、しかもゴルフクラブヘッドの互いに直交する3つの慣性主軸のうちでX軸とのなす角度が最も小さい慣性主軸をXY平面に投影した直線とX軸とのなす角度(θ)が、−10°≦θ≦+10°の範囲に設定されていることを特徴とするゴルフクラブヘッド。
(式1) IY/IX≦−0.46×IX+7.37 - 打撃の主体がボールをティーアップする場合が多いアイアンタイプのゴルフクラブヘッドであって、ゴルフクラブヘッドを規定のライ角及びロフト角で平面上に接地した状態において、フェース面からヘッドの重心に向かう法線方向をZ軸とし、前記Z軸に垂直且つ前記平面及びフェース面に平行でフェース面のトウ〜ヒール方向に延在する軸をX軸とし、前記Z軸とX軸に直交する軸をY軸とし、原点をゴルフクラブヘッドの重心Gとした座標軸を想定した際に、ゴルフクラブヘッドのX軸回りの慣性モーメント(IX)とY軸回りの慣性モーメント(IY)との比(IY/IX)が、1.4≦IY/IX≦3.5の範囲内に設定され、しかもゴルフクラブヘッドの互いに直交する3つの慣性主軸のうちでX軸とのなす角度が最も小さい慣性主軸をXY平面に投影した直線とX軸とのなす角度(θ)が、−10°≦θ≦+10°の範囲に設定されていることを特徴とするゴルフクラブヘッド。
- 打撃の主体がボールをティーアップしない場合が多いアイアンタイプのゴルフクラブヘッドであって、ゴルフクラブヘッドを規定のライ角及びロフト角で平面上に接地した状態において、フェース面からヘッドの重心に向かう法線方向をZ軸とし、前記Z軸に垂直且つ前記平面及びフェース面に平行でフェース面のトウ〜ヒール方向に延在する軸をX軸とし、前記Z軸とX軸に直交する軸をY軸とし、原点をゴルフクラブヘッドの重心Gとした座標軸を想定した際に、ゴルフクラブヘッドのX軸回りの慣性モーメント(IX)とY軸回りの慣性モーメント(IY)との比(IY/IX)が、次式(式2)示される範囲内で且つその値が2.3≦IY/IX≦7.5の範囲内に設定され、しかもゴルフクラブヘッドの互いに直交する3つの慣性主軸のうちでX軸とのなす角度が最も小さい慣性主軸をXY平面に投影した直線とX軸とのなす角度(θ)が、−10°≦θ≦+10°の範囲に設定されていることを特徴とするゴルフクラブヘッド。
(式2) IY/IX≦−1.58×IX+13.15
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