以下、図を参照しながら、この発明によるシステム、装置、プログラム、方法の位置実施の形態について説明する。
[第1の実施の形態]
[データ通信システムの概要]
図1は、この実施の形態のデータ通信システムの概要について説明するための図である。この実施の形態のデータ通信システムは、この発明によるシステムの一実施の形態が適用されたものである。
図1に示すように、この実施の形態のデータ通信システムは、クレードル1とサーバ装置2とがインターフェイスケーブル3を通じて接続されて形成されたものである。この実施の形態においては、クレードル1とサーバ装置2とを有線により接続するものとして説明するが、クレードル1とサーバ装置2とは、所定の無線インターフェイスにしたがって無線接続するように構成することももちろん可能である。
クレードル1は、この発明による装置、プログラム、方法の一実施の形態が適用されたものであり、これに載置される種々のモバイル機器と、サーバ装置2との間で行われるデータの送受信を仲介する機能を有するものである。また、この実施の形態のクレードル1は、これに載置されたモバイル機器に対して、充電を行う機能をも有するものである。
この実施の形態において、種々のモバイル機器とクレードル1とは、給電のための接点や通信のための接点とを直接に接続する必要はなく、充電も通信も非接触で行うことができるようにしている。すなわち、充電は電磁誘導により行い、データの送受信は近距離無線通信により行うようにするが、充電処理と通信処理とが影響を及ぼし合うことが無いように、異なる周波数帯域を用いるようにしている。
なお、クレードル1に対しては、クレードル1から電力の供給を受けて自機のバッテリの充電を行うことができる機能やクレードル1との間で近距離無線通信により通信を行うことができる機能、あるいは、その両方の機能を備えた種々のモバイル機器、例えば、カメラ付き携帯電話端末、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、携帯型音楽再生装置などを載置して、クレードル1から電力の供給を受けたり、クレードル1との間で通信を行ったりすることができるようにしている。
すなわち、クレードル1は、所定のモバイル機器に専用のものではなく、種々のモバイル機器が利用することが可能な汎用のものである。また、クレードル1に対しては、1度に複数台のモバイル機器を載置して、そのそれぞれとクレードル1との間で通信を行うことができると共に、そのそれぞれのモバイル機器のバッテリに対して充電を行うことができるようにしている。
サーバ装置2は、この発明による装置、プログラム、方法の一実施の形態が適用されたものであり、詳しくは後述もするが、大容量の記録装置を備え、クレードル1を介して送信されてくる種々のモバイル機器からの蓄積データを受信して記憶保持したり、クレードル1を介してこれに載置されたモバイル機器に対して、処理の実行を指示したり、必要な情報を提供したりすることができるものである。サーバ装置2は、例えば、ハードディスクレコーダやパーソナルコンピュータ、あるいは、いわゆるホームネットワークシステムを構築する場合の専用のサーバ装置として実現されるものである。
この実施の形態のデータ通信システムにおいては、図1に示すように、例えば、カメラ付き携帯電話端末4(1)がクレードル1に載置された場合には、クレードル1を介して送信されてくるサーバ装置2からの要求に指示に応じて、カメラ付き携帯電話端末4(1)に蓄積されている新規に撮影された静止画像データを、クレードル1を介してサーバ装置2に送信して、サーバ装置2の記録装置にバックアップを取ることができるようにしている。
また、サーバ装置からの消去指示に応じて、サーバ装置2にバックアップを取るようにした静止画像データであって、カメラ付き携帯電話端末4(1)に蓄積されている静止画像データを消去することができるようにしている。この場合、バックアップするようにした全ての静止画像データを消去するのではなく、例えば、プロテクトがかけられているものや印刷マーキングが付加されているものなど、静止画像データの付随情報などにより重要な静止画像データであることが予測できるものについては、削除することなく残すことができるようにしている。
また、上述したように、消去した静止画像データについては、サーバ装置2においてバックアップを取った静止画像データに基づいて縮小画像を作成し、これをクレードル1を介してサーバ装置2からカメラ付き携帯電話端末4(1)に転送することによって、カメラ付き携帯電話端末4(1)のメモリを無駄に使用することなく、バックアップ後に消去するようにした静止画像データにはどのようなものがあるかを、カメラ付き携帯電話端末4(1)において適切に把握することができるようにしている。
なお、ここではカメラ付き携帯電話端末4(1)に蓄積されている静止画像データを扱う場合を例にしたが、モバイル機器としてデジタルビデオカメラがクレードル1に載置された場合には、動画像データが処理対象となり、新規に撮影された動画像データが、サーバ装置2にバックアップされた後に、サーバ装置2からの消去指示に応じて消去されることになる。
そして、動画像データが処理対象の場合、サーバ装置2においては、当該動画像データのダイジェスト再生を行うようにするためのダイジェスト再生用の動画像データが作成され、これがモバイル機器であるデジタルビデオカメラに戻され、サーバ装置2にバックアップした動画像データのダイジェスト版をいつでも確認することができるようにされる。
また、モバイル機器が携帯型音楽再生装置の場合には、当該携帯型音楽再生装置に蓄積されている音楽データについては、既にサーバ装置にバックアップしていたり、CD(Compact Disc)などの記録媒体に記憶保持されていたりするために、バックアップの必要が無い場合もある。このような場合には、蓄積データのバックアップは行うことなく、例えば、新たに利用可能になった音楽データの一部分の試聴を可能にするいわゆるお試し版の音楽データだけを携帯型音楽再生装置に提供するなどのこともできるようにしている。
すなわち、モバイル機器が、携帯型音楽再生装置である場合には、サーバ装置2は自機に蓄積されている音楽データの内、未だ携帯型音楽再生装置に提供したこと無い音楽データを提供するようにしたり、新たに提供可能な音楽データをインターネット上のサーバから取得してきて提供するようにしたり、それらの音楽データの一部分を提供するようにしたりするなどのことができるようにしている。
このように、通信の相手先の機器や処理対象のデータ等によって、モバイル機器に戻すための情報(モバイル機器用のデータ)は異なる。このため、サーバ装置2において、モバイル機器用のデータとしてどのようなデータを準備して戻すようにするかは、モバイル機器から転送されてくる機器属性に基づいて特定したり、サーバ装置が管理する目的とするモバイル機器への過去の送信履歴に基づいて特定するようにしたり、目的とするモバイル機器が蓄積しているデータのデータ属性に基づいて特定したり、あるいは、サーバ装置2が受け付けたユーザーからの指示入力に基づいて特定したりすることができるようにしている。
ここで、機器属性は、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、携帯電話端末等の機器の種別(種類)を示すものである。また、データ属性は、静止画像データ、動画像データ、音声データ等のデータの種別(種類)を示すものである。
このように、この実施の形態のデータ通信システムにおいては、種々のモバイル機器をクレードル1に載置するだけで(置くだけで)、(1)モバイル機器に蓄積されているデータのバックアップ、(2)モバイル機器に蓄積されているデータの消去(整理)、(3)モバイル機器への必要なデータの提供を行って、ユーザーの手を煩わせることなく、携帯電子機器を常時適切な利用可能状態を維持できるようにして、携帯電子機器の使い勝手を向上させることができるようにしている。
[データ通信システムを構成する各機器の構成例について]
次に、この実施の形態のデータ通信システムを構成する各機器の構成例について説明する。以下においては、クレードル1、サーバ装置2の構成例に加えて、クレードル1に載置されるモバイル機器の一例としてデジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラの構成例について説明することとする。
[クレードル1の構成例について]
図2は、この実施の形態のデータ通信システムで用いられるクレードル1の構成例について説明するためのブロック図である。図2に示すように、クレードル1は、制御部11と、時計回路12と、操作部13と、外部インターフェイス(以下、外部I/Fと略称する。)14aと、入出力端子14bと、無線通信部15aと、送受信アンテナ15bと、載置検出部16と、送受信制御部17と、表示部18と、充電制御部19とを備えたものである。
制御部11は、この実施の形態のクレードル1の各部を制御するものであり、CPU(Central Processing Unit)111と、ROM(Read Only Memory)112と、RAM(Random Access Memory)113と、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)やフラッシュメモリなどの不揮発性メモリ114とがCPUバス115を通じて接続されて構成されたマイクロコンピュータである。
ここで、CPU111は、後述するROM112に記憶保持されているプログラムを実行し、制御信号を形成し、これを必要とする各部に供給するなどして、クレードル1の各部を制御するようにする制御の主体となるものである。ROM112は、上述のように、CPU111において実行されるプログラムや各種の処理において必要となるデータ等が予め記憶されたものである。
また、RAM113は、主に処理の途中結果などを一時記憶したりするいわゆる作業領域として用いられるものである。また、不揮発性メモリ114は、クレードル1の電源が切られても保持しておくべきデータ、例えば、各種の設定パラメータや機能アップのための追加プログラム等の情報が記憶保持されるものである。
時計回路12は、カレンダ機能を備え、現在年月日、現在曜日、現在時刻を提供するものである。操作部13は、例えば、数字キーや各種のファンクションキーなどの操作キーを有し、ユーザーからの操作入力を受け付けて、これを電気信号に変換して制御部11に通知することができるものである。これにより、操作部13を通じて受け付けた指示入力は、電気信号として制御部11に供給され、制御部11はユーザーからの指示に応じて各部を制御し、ユーザーの指示に応じた処理を行うことができるようにしている。
入出力端14bは、外部機器との接続端部を構成するものであり、この実施の形態において、入出力端14bにはインターフェイスケーブル3を介してサーバ装置2が接続される。外部I/F14aは、自機から送出すべきデータを送出用の形式に変換したり、外部から供給されたデータを自機において処理可能な形式に変換したりするなどの機能を有するものである。無線通信部15a、送受信アンテナ15bは、当該クレードル1に載置されたモバイル機器との間において、近距離無線通信によりデータ通信を行うようにする部分である。
なお、近距離無線通信技術としては、UWB(Ultra WideBand)と呼ばれる数GHz(ギガヘルツ)といった広い帯域の電波を利用してデータを送受信する無線技術やブルートゥース(Bluetooth)などと呼ばれる短距離無線通信技術、その他の種々の近距離無線通信技術、あるいは、短距離無線通信技術を用いることが可能である。
載置検出部16は、自機にデータ通信や充電が可能なモバイル機器が載置されたか否かを検出する部分である。この載置検出部16は、電気的にモバイル機器の載置を検出することができるものである。例えば、無線通信部15aを制御して所定間隔で応答要求を送出し、これに応答してきたモバイル機器が存在する場合に、モバイル機器が載置されたと検出することができる。
この他にも、いわゆる圧電センサなどのセンサを備え、まず、当該圧電センサを通じて何らかの物体がクレードル1のモバイル機器が載置されるべき部分である載置部に載置されたこと(載置部に圧力が加わったこと)を検出した場合に、無線通信部15aを制御して応答要求を送出し、これに応答してきたモバイル機器が存在する場合に、モバイル機器が載置されたと検出したりするようにすることもできる。この場合には、常時、所定の間隔で応答要求を送信する必要はなく、何かが載置されたことを検出した場合に、通信可能なモバイル機器か否かを検出するようにすればよいので、無線通信部15a等の負荷を軽減することができる。
送受信制御部17は、無線通信部15a、送受信アンテナ15bを通じて行う載置されたモバイル機器との送受信と、外部I/F14a、入出力端14bを通じて行うサーバ装置2との送受信とを制御する。すなわち、送受信制御部17は、無線通信部15a、送受信アンテナ15bを通じて受信したモバイル機器からの情報を、外部I/F14a、入出力端14bを通じてサーバ装置に送信したり、逆に、外部I/F14a、入出力端14bを通じて受信したサーバ装置2からの情報を、無線通信部15a、送受信アンテナ15bを通じてモバイル機器に送信したりする処理を制御するものである。
このように、送受信制御部17は、モバイル機器とサーバ装置との間の通信を中継する中継制御手段としての機能を実現するものである。もちろん、送受信制御部17は、単に、無線通信部15a、送受信アンテナ15bを通じてモバイル機器とクレードル1との間で行う通信処理や、外部I/F14a、入出力端14bを通じてサーバ装置2とクレードル1との間で行う通信処理についても制御することができるものである。
なお、図2において2重線で示した送受信制御部17の機能は、CPU111において実行されるプログラム(ソフトウェア)によって、制御部11の機能として実現することも可能である。また、載置検出部16についても、圧電センサなどを用いない構成の場合には、無線通信部15a、送受信アンテナ15bを通じて通信を行うことにより、モバイル機器の載置検出を行うことができる。このため、載置検出部16の機能についてもCPU111において実行されるプログラム(ソフトウェア)によって、制御部11の機能として実現することも可能である。
表示部18は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)や有機ELパネル(Organic Electroluminescence Panel)などの表示素子と、これらのコントロール回路からなるものであり、制御部11の制御に応じて、各種のガイダンスメッセージや警告メッセージ、動作状態を示す表示など、文字、記号、絵などの種々の表示情報を表示することができるものである。
充電制御部19は、上述もしたように、クレードル1に載置されたモバイル機器に対して電磁誘導により電力を供給し、モバイル機器に搭載されたバッテリの充電を行えるようにする部分である。
そして、この実施の形態のクレードル1は、載置検出部16を通じてモバイル機器が載置されたことを検出すると、これを送受信制御部17の機能により、外部I/F14aを制御して、入出力端14bに接続するようにされているサーバ装置に通知する。
また、入出力端14b、外部I/F14aを通じてサーバ装置2から提供される指示に従って、送受信制御部17の制御により、無線通信部15a、送受信アンテナ15bを通じて、自機に載置されたモバイル機器から蓄積データの提供を受けて、これを外部I/F14aを制御して、入出力端14bに接続するようにされているサーバ装置に提供する。
また、送受信制御部17の制御により、入出力端14b、外部I/F14aを通じてサーバ装置2から提供されるデータの消去指示や書き戻しデータを受信し、これら消去指示や書き戻しデータを無線通信部15a、送受信アンテナ15bを通じて、自機に載置されたモバイル機器に送信したりすることができるようにしている。
このように、この実施の形態のクレードル1において、無線通信部15a、送受信アンテナ15bが、モバイル機器との間で通信を行うための第1の通信手段としての機能を実現し、また、外部I/F14a、入出力端14bが、サーバ装置との間で通信を行うための第2の通信手段としての機能を実現している。
また、載置検出部16が、載置検出手段としての機能を実現し、送受信制御部17が、モバイル機器が載置されたことを検出した場合にこれをサーバ装置に通知する通信制御手段としての機能と、載置されたモバイル機器とサーバ装置との間の通信を制御する中継制御手段としての機能を実現している。
[サーバ装置2の構成例について]
図3は、この実施の形態のデータ通信システムで用いられるサーバ装置2の構成例について説明するためのブロック図である。図3に示すように、サーバ装置2は、制御部21と、時計回路22と、操作部23と、リモコン信号受光部24と、外部I/F26a、入出力端26bと、送受信制御部27と、消去データ抽出部28と、書き戻しデータ作成部29と、ハードディスクドライバ30と、表示インターフェイス(以下、表示I/Fと略称する。)31aと、映像信号の出力端31bとを備えたものである。また、サーバ装置2に専用のリモコン25を利用可能な構成になっている。
制御部21は、この実施の形態のサーバ装置2の各部を制御するものであり、CPU211、ROM212、RAM213、不揮発性メモリ214が、CPUバス215を通じて接続されて構成されたマイクロコンピュータである。
ここで、CPU211は、後述するROM212に記憶保持されているプログラムを実行し、制御信号を形成し、これを必要とする各部に供給するなどして、サーバ装置2の各部を制御するようにする制御の主体となるものである。ROM212は、上述のように、CPU211において実行されるプログラムや各種の処理において必要となるデータ等が予め記憶されたものである。
また、RAM213は、主に処理の途中結果などを一時記憶したりするいわゆる作業領域として用いられるものである。また、不揮発性メモリ214は、EEPROMやフラッシュメモリなどからなるものであり、サーバ装置2の電源が切られても保持しておくべきデータ、例えば、各種の設定パラメータや機能アップのための追加プログラム等の情報が記憶保持されるものである。
時計回路22は、カレンダ機能を備え、現在年月日、現在曜日、現在時刻を提供するものである。操作部23は、例えば、数字キーや各種のファンクションキーなどの操作キーを有し、ユーザーからの操作入力を受け付けて、これを電気信号に変換して制御部21に通知することができるものである。これにより、操作部23を通じて受け付けた指示入力は、電気信号として制御部21に供給され、制御部21はユーザーからの指示に応じて各部を制御し、ユーザーの指示に応じた処理を行うことができるようにしている。
なお、操作部23は、サーバ装置2本体に設けられるものの他、数字キー、アルファベットキー、ファンクションキーなどを有するいわゆるキーボード装置としてサーバ装置2とは別体に設けられたり、いわゆるマウスなどのポインティングデバイスとして設けられたり、あるいは、それらの複数が利用可能とされる場合もある。
リモコン信号受光部24は、リモコン25からの赤外線のリモコン信号を受光し、これを電気信号に変換して制御部21に通知するものである。リモコン25は、各種の操作キーを備え、ユーザーからの操作入力を受け付けて、受け付けた操作入力に応じた赤外線のリモコン信号を形成して送出することができるものである。
このように、リモコン信号受光部24とリモコン25とにより、ユーザーは、サーバ装置2から離れた場所にいても、リモコン信号の送受可能な範囲内においては、サーバ装置2に対して指示を出し、サーバ装置2をいわゆる遠隔操作することができるようにしている。
入出力端26bは、外部機器との接続端部を構成するものであり、この実施の形態において、入出力端26bにはインターフェイスケーブル3を介してクレードル1が接続するようにされる。外部I/F26aは、自機から送出すべきデータを送出用の形式に変換したり、外部から供給されたデータを自機において処理可能な形式に変換したりするなどの機能を有するものである。
送受信制御部27は、外部I/F26a、入出力端26bを通じて、これに接続するようにされているクレードル1との間の通信処理を制御する。すなわち、自機からクレードル1やクレードル1を介してクレードル1に載置されたモバイル機器4に情報を送信する処理や、クレードル1やクレードル1を介してクレードル1に載置されたモバイル機器4から送信されてくる情報を受信する処理を制御する。
消去データ抽出部28は、クレードル1に載置されたモバイル機器から、これに蓄積されているデータ(蓄積データ)の提供を受けて、後述するハードディスクドライバ30のハードディスクにバックアップをするようにした後に、バックアップした蓄積データの中で、当該モバイル機器から消去すべきデータを抽出して特定する部分である。
具体的な抽出処理については後述もするが、蓄積データに例えばプロテクト情報や印刷マーキングなどが付加されているなど、重要な蓄積データであることが予測できるものについては残す蓄積データとして特定し、重要な蓄積データあることが予測できないものについては消去データとして特定する。
そして、消去データ抽出部28において、消去すべきデータとして特定したデータについては、クレードル1を介してモバイル機器に通知することにより、モバイル機器から削除するようにし、モバイル機器4のメモリの記憶可能容量を確保することができるようにしている。
また、書き戻しデータ作成部29は、例えば、消去データ抽出部28により抽出されて特定されて、モバイル機器4のメモリから消去するようにされたデータについて、どのような蓄積データが消去されたかをモバイル機器4でも把握できるようにするために、消去されたデータを圧縮するようにしたデータを作成して、これをモバイル機器4に戻すようにする部分である。
もちろん、消去されたデータに基づいて形成される書き戻しデータを書き戻すことに限るものではなく、モバイル機器4に対して提供すべき種々のデータから、ここでいう書き戻しデータ(提供データ)を形成してモバイル機器に提供するようにすることもできる。なお、以下においては説明を簡単にするために、主に、モバイル機器4から消去するようにされた蓄積データから書き戻しデータを作成する場合について説明する。
書き戻しデータ作成部29においては、例えば、消去するようにされた蓄積データが静止画像データである場合には、その縮小画像を書き戻しデータとして作成して準備したり、消去するようにされた蓄積データが動画像データである場合には、そのダイジェスト画像を再生するダイジェスト版の動画像データを作成して準備したり、消去するようにされた蓄積データが音楽データである場合には、例えば、音楽データの先頭部分の数秒から10秒程度の部分だけからなる短縮版の音楽データを作成して準備したりする。
なお、この実施の形態のデータ通信システムにおいては、モバイル機器4が、例えば、カメラ付き携帯電話端末、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラなどの静止画像データや動画像データを扱うものであるために、消去対象のデータに応じた書き戻しデータを作成する場合を説明したが、これに限るものではない。
上述もしたが、例えば、モバイル機器が携帯型音楽再生装置や携帯型映像音響再生装置等の場合には、これらの機器に新たに適用可能になった音楽データやAVデータを準備するようにしたり、提供可能になった音楽データやAVデータについての内容を通知するためのいわゆる告知データを準備するようにしたりする場合もある。すなわち、書き戻しデータ作成部29は、消去対象のデータに応じて形成するデータだけでなく、新たに提供可能になったデータ等をモバイル機器用に準備する機能をも有するものである。
なお、図3において、2重線で示した送受信制御部27、消去データ抽出部28、書き戻しデータ作成部29のそれぞれの機能は、CPU211において実行されるプログラム(ソフトウェア)によって、制御部21の機能として実現することも可能である。
ハードディスクドライバ(以下、HDDと略称する。)30は、ハードディスクと、ドライバとからなり、制御部21の制御に応じて、供給されるデータをハードディスクに記録したり、ハードディスクに記録されているデータを読み出したりする。
表示I/F31aは、制御部21の制御に応じて、外部のディスプレイ装置に供給する映像データを形成し、これを映像信号の出力端31bを通じて出力する部分である。従って、映像信号の出力端31bには、外部のディスプレイ装置が接続される。
そして、この実施の形態のサーバ装置2は、送受信制御部27の制御により、入出力端26b、外部I/F26aを通じて、クレードル1を介して送信されてくる載置通知を受信したり、モバイル機器からの蓄積データを受信して、これをHDD30のハードディスクに蓄積したりすることができるようにしている。
また、消去データ抽出部28で抽出して特定するようにした消去データについての消去指示や、書き戻しデータ作成部29において作成して準備した書き戻しデータを、送受信制御部27の制御により、外部I/F26a、入出力端26bを通じて送信し、クレードル1を介してこれに載置されたモバイル機器に送信することができるようにしている。
このように、この実施の形態のサーバ装置2において、外部I/F26a、入出力端26bが、通信手段としての機能を実現し、書き戻しデータ作成部29が、データ準備手段としての機能を実現するようにしている。また、送受信制御部27が、通信制御手段としての機能を実現するようにしている。
また、HDD30が、送信履歴記憶手段としての機能や、モバイル機器からの蓄積データを記憶保持する記憶手段としての機能を実現するようにしており、消去データ抽出部28と制御部21が協働することにより、消去指示形成手段としての機能を実現するようにしている。
[モバイル機器4の構成例について]
図4は、この実施の形態のデータ通信システムのクレードル1に対して載置してデータの送受と充電とを行うことが可能なモバイル機器4の構成例を説明するためのブロック図である。モバイル機器4としては、上述もしたように、カメラ付き携帯電話端末、デジタルスチルカメラ、携帯型音楽再生装置など、種々のものが考えられる。しかし、以下においては、説明を簡単にするため、モバイル機器4は、デジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラである場合を例にして説明する。
図4に示すように、この実施の形態のモバイル機器4は、制御部41と、時計回路42と、操作部43と、画像記憶部44と、無線通信部45aと、送受信アンテナ45bと、撮像部46と、送受信制御部47と、画像消去制御部48と、表示部49と、バッテリ50と、無線充電制御部51とを備えたものである。
制御部41は、この実施の形態のモバイル機器4の各部を制御するものであり、CPU411、ROM412、RAM413、不揮発性メモリ414が、CPUバス415を通じて接続されて構成されたマイクロコンピュータである。
ここで、CPU411は、後述するROM412に記憶保持されているプログラムを実行し、制御信号を形成し、これを必要とする各部に供給するなどして、モバイル機器4の各部を制御するようにする制御の主体となるものである。ROM412は、上述のように、CPU411において実行されるプログラムや各種の処理において必要となるデータ等が予め記憶されたものである。
また、RAM413は、主に処理の途中結果などを一時記憶したりするいわゆる作業領域として用いられるものである。また、不揮発性メモリ414は、EEPROMやフラッシュメモリなどからなるものであり、モバイル機器4の電源が切られても保持しておくべきデータ、例えば、各種の設定パラメータや機能アップのための追加プログラム等の情報が記憶保持されるものである。
時計回路42は、カレンダ機能を備え、現在年月日、現在曜日、現在時刻を提供するものである。操作部43は、例えば、各種の操作キー、操作ダイヤル、操作レバーを備え、ユーザーからの操作入力を受け付けて、これを電気信号に変換して制御部41に通知することができるものである。これにより、操作部43を通じて受け付けた指示入力は、電気信号として制御部41に供給され、制御部41はユーザーからの指示に応じて各部を制御し、ユーザーの指示に応じた処理を行うことができるようにしている。
画像記憶部44は、記録媒体と、ドライバ部等からなり、制御部41の制御により、後述する撮像部46を通じて撮影することにより得た静止画像データや動画像データの供給を受けて、これらを記憶保持するものである。ここで用いられる記録媒体としては、ハードディスク、半導体メモリ、DVD等の光ディスクなどの種々のものがあり、内蔵するように構成したり、着脱可能に構成したりすることが可能である。この実施の形態のモバイル機器4においては、画像記憶部44は、記録媒体として内蔵ハードディスクが用いられて構成されたものとして説明する。
無線通信部45a、送受信アンテナ45bは、クレードル1との間において、近距離無線通信によりデータ通信を行うようにする部分である。従って、無線通信部45a、送受信アンテナ45bは、クレードル1の無線通信部15a、送受信アンテナ15bと同様に、例えば、UWB(Ultra WideBand)やブルートゥース(Bluetooth)などの無線通信技術、その他の種々の近距離無線通信技術、あるいは、短距離無線通信技術を用いて、クレードル1との間で無線通信を行うことができるようにしている。
撮像部46は、対物レンズ、絞り機構、シャッター機構、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサなどの撮像素子、前処理回路等を備え、被写体の画像を電気信号として取り込んで、これをデジタル信号に変換することができるものである。ここでデジタル信号とされた静止画像データや動画像データは、上述もしたように、制御部41を通じて画像記憶部44の記録媒体に記録される。
送受信制御部47は、無線通信部45a、送受信アンテナ45bを通じて行うクレードル1との送受信を制御する。すなわち、送受信制御部47は、無線通信部45a、送受信アンテナ45bを通じてクレードル1からの情報を受信するようにしたり、制御部41において作成した送信情報などを無線通信部45a、送受信アンテナ45bを通じてクレードル1に対して送信するようにしたりする部分である。すなわち、自機とクレードル1とのデータの送受信を制御するものである。
画像消去制御部48は、詳しくは後述もするが、送受信アンテナ45b、無線通信部45aを通じて、クレードル1を介して送信されてきたサーバ装置2からのデータ消去要求を受信した場合に、受信した当該データ消去要求に基づいて、画像記憶部44の記録媒体に記録されている静止画像データや動画像データの内、消去することが指示された静止画像データや動画像データを画像記憶部44の記録媒体から消去する処理を制御するものである。
なお、図4において2重線で示した送受信制御部47、画像消去制御部48の機能は、制御部41のCPU411によって実行されるプログラム(ソフトウェア)によって、制御部41の機能として実現することも可能である。
バッテリ50は、この実施の形態のモバイル機器4の各部に供給する電力を蓄積するものである。また、無線充電制御部51は、クレードル1の充電制御部19を通じて供給される電力をバッテリ50に供給して、バッテリ50の充電処理を制御するものである。これら、バッテリ50と無線充電制御部51とが協働して、クレードル1からの電力の供給を受けてバッテリ50に充電することができるようにしている。
そして、この実施の形態のモバイル機器4は、上述もしたように、撮像部46を通じて撮像した静止画像データや動画像データを画像記憶部44に記録することができるものである。そして、画像記憶部44に記憶した種々の画像データは、自機をクレードル1に載置することにより、送受信制御部47と無線通信部45aとが機能し、クレードル1を介して、サーバ装置2に送信して、サーバ装置2のハードディスクに蓄積すること、すなわちバックアップを取ることができるようにしている。
また、送受信アンテナ45b、無線通信部45aを通じて、クレードル1を介して送信されてくるサーバ装置2からの画像データの消去要求を受信した時には、画像消去制御部48が機能して画像記憶部44を制御し、サーバ装置2にバックアップしてモバイル機器4には不必要になった画像データを画像記憶部44の記録媒体から消去して、画像記憶部44の記憶媒体の記憶容量を確保することができるようにしている。
また、送受信アンテナ45b、無線通信部45aを通じて、クレードル1を介して送信されてくるサーバ装置2からの書き戻しデータを受信した時には、送受信制御部47は、画像記憶部44を制御して、サーバ装置2からの書き戻しデータを画像記憶部44の記録媒体に記録することができるようにしている。
このように、この実施の形態のモバイル機器4は、クレードル1に載置するだけで、クレードル1を介してデータ通信を行うことにより、データのサーバ装置2へのバックアップや、サーバ装置2からの指示に応じた画像記憶部44に記憶保持されているデータの消去処理や、サーバ装置2からの書き戻しデータの画像記憶部44への記録処理を行うことができるものである。しかも同時に、自機のバッテリ50に対する充電をもクレードル1を通じて行うことができるようにされている。
[データ通信システムの動作について]
次に、この実施の形態のデータ通信システム全体の動作について、図5、図6のタイミングチャートを参照しながら説明する。図1を用いて説明したように、クレードル1とサーバ装置2とは、インターフェイスケーブル3が用いられて有線により接続されている。そして、クレードル1は、これに載置されたモバイル機器4との間においては、近距離無線通信技術が用いられて、無線により接続される。
そして、以下に説明するように、クレードル1に載置されたモバイル機器4と、クレードル1に有線接続されたサーバ装置2との間においては、クレードル1を介して通信が行われることになる。
クレードル1は、自機に電源が投入された状態にあるときには、載置検出部16の機能により、所定の間隔ごとにモバイル機器4が載置されたか否かを判断する(ステップS1)。上述もしたように、この実施の形態のクレードル1に対しては、1度に複数台のモバイル機器を載置することができるようにされており、新たなモバイル機器が載置される毎にモバイル機器が載置されたことを検出することができるようにしている。
そして、ステップS1の判断処理において、モバイル機器4は載置されていないと判断したときには、ステップS1の判断処理を繰り返し、モバイル機器の載置待ちとなる。また、ステップS1の判断処理において、モバイル機器4が載置されたと判断した場合には、クレードル1は、送受信制御部17が無線通信部15aを制御し、自機に新たに載置されたモバイル機器4に対して、機器ID問合せを送信する(ステップS2)。
モバイル機器4は、送受信アンテナ45b、無線通信部45aを通じてクレードル1からの機器ID問合せを受信すると、送受信制御部47が無線通信部45aを制御し、自機(モバイル機器4)の機器IDをクレードル1に対して送信する(ステップS3)。
クレードル1は、送受信アンテナ15b、無線通信部15aを通じて、新たに載置されたモバイル機器4からの機器IDを受信すると、送受信制御部17が外部I/F14aを制御し、モバイル機器4からの機器IDをサーバ装置2に報告する(ステップS4)。これにより、サーバ装置2は、クレードル1に対して新たなモバイル機器が載置されたことを把握する。そして、クレードル1においては、新たに載置されたモバイル機器4に対して充電の開始処理を実行する(ステップS5)。
一方、サーバ装置2は、入出力端26b、外部I/F26aを通じて、クレードル1に対して新たに載置されたモバイル機器4からの機器ID報告を受信すると、送受信制御部27が外部I/F26aを制御し、当該受信した機器IDによって特定されるモバイル機器4に対して、蓄積データの一覧リストの提供要求である蓄積データリスト要求を送信する(ステップS6)。
この蓄積データリスト要求は、クレードル1において、入出力端14b、外部I/F14aを通じて受信された後、送受信制御部17の制御により、無線通信部15a、送受信アンテナ15bを通じてモバイル機器4に対して送信される。
モバイル機器4は、送受信アンテナ45b、無線通信部45aを通じて、サーバ装置2からの蓄積データリスト要求を受信すると、制御部41が、画像記憶部44に記憶保持している画像データに基づいて蓄積データリストを形成し、これを送受信制御部47が無線通信部45aを制御して送信する(ステップS7)。
この蓄積データリストは、クレードル1において、送受信アンテナ15b、無線通信部15aを通じて受信された後、送受信制御部17の制御により、外部I/F14a、入出力端14bを通じてサーバ装置2に対して送信される。
サーバ装置2は、入出力端26b、外部I/F26aを通じて、モバイル機器4からの蓄積データリストを受信すると、制御部21は、これをHDD30のハードディスクの所定の領域に格納する(ステップS8)。そして、サーバ装置2の制御部21は、格納した蓄積データリストに基づいて、新たに蓄積されたデータの提供要求である新規蓄積データ要求を形成し、これを送受信制御部27が外部I/F26aを制御して送信する(ステップS9)。
ここで、新規蓄積データ要求は、モバイル機器4からの蓄積データリストの作成日時と、既に当該モバイル機器4から提供を受けた蓄積データの作成日時とに基づいて、未だ提供を受けていない新たに提供を受けるべきデータを特定し、その特定したデータの提供をモバイル機器4に対して要求するための情報である。
なお、新規蓄積データ要求は、例えば、作成日時がyy年mm月dd日以降の画像データの全部というように、まとめて要求するように形成することも可能であるし、例えば、各蓄積データに付加されているデータIDによって提供を受けたい画像データを特定して要求するように形成することも可能である。
この新規蓄積データ要求は、クレードル1において、入出力端14b、外部I/F14aを通じて受信された後、送受信制御部17の制御により、無線通信部15a、送受信アンテナ15bを通じてモバイル機器4に対して送信される。
モバイル機器4は、送受信アンテナ45b、無線通信部45aを通じて、サーバ装置2からの新規蓄積データ要求を受信すると、制御部41は、画像記憶部44に記憶保持している画像データから要求された新規蓄積データを抽出し、これを送受信制御部47が無線通信部45aを制御して送信する(ステップS10)。
この新規蓄積データは、クレードル1において、送受信アンテナ15b、無線通信部15aを通じて受信された後、送受信制御部17の制御により、外部I/F14a、入出力端14bを通じてサーバ装置2に対して送信される。
サーバ装置2は、入出力端26b、外部I/F26aを通じて、モバイル機器4からの新規蓄積データを受信すると、制御部21は、これをHDD30のハードディスクの所定の領域に保存する(ステップS11)。このようにして、クレードル1に載置されたモバイル機器4の画像データなどの蓄積データを、クレードル1を通じてサーバ装置2のHDD30にバックアップすることができるようにされる。
そして、図6に示す処理に進み、サーバ装置2は、取得した新規蓄積データに基づいて、モバイル機器4の画像記憶部44に記憶されている画像データの中から消去すべきデータを洗い出す、消去対象データ洗い出し処理を実行する(ステップS12)。消去対象データ洗い出し処理の詳細については後述するが、新規蓄積データである画像データのそれぞれに付加されている付加情報を確認し、削除されないようにするための削除プロテクトがかけられていたり、印刷する必要のある情報であることを予め指示しておく印刷マーキングが付加されていたり、使用回数が更新するようにされている場合には、その使用回数が所定回以上であるなど、重要な画像データであることが予測できる画像データについては、消去対象とはせず、それ以外の画像データを消去対象として特定する処理である。
この後、サーバ装置2は、ステップS12の洗い出し処理に基づいて、消去可能なものとして特定した画像データの消去を指示する蓄積データ消去要求を形成し、これを送受信制御部27が外部I/F26aを制御して送信する(ステップS13)。
この蓄積データ消去要求は、クレードル1において、入出力端14b、外部I/F14aを通じて受信された後、送受信制御部17の制御により、無線通信部15a、送受信アンテナ15bを通じてモバイル機器4に対して送信される。
モバイル機器4は、送受信アンテナ45b、無線通信部45aを通じて、サーバ装置2からの蓄積データ消去要求を受信すると、画像消去制御部48が画像記憶部44を制御して、消去が指示された画像データを画像記憶部44から消去する処理を実行する(ステップS14)。
指示された画像データの消去が終了すると、モバイル機器4の制御部41は、消去処理完了報告を形成し、これを送受信制御部47の制御により、無線通信部45a、送受信アンテナ45bを通じて送信する(ステップS15)。
この消去処理完了報告は、クレードル1において、送受信アンテナ15b、無線通信部15aを通じて受信された後、送受信制御部17の制御により、外部I/F14a、入出力端14bを通じてサーバ装置2に対して送信される。
サーバ装置2は、入出力端26b、外部I/F26aを通じて、モバイル機器4からの消去処理完了報告を受信すると、書き戻しデータ作成部29が機能し、モバイル機器4の画像記憶部44が消去するようにした画像データに基づいて、書き戻しデータを作成する。この場合、サーバ装置2の書き戻しデータ作成部29は、モバイル機器4の機器属性や、処理対象の蓄積データの種別、自機に記憶保持した蓄積データの蓄積履歴、あるいは、ユーザーからの指示入力に応じて、どのような書き戻しデータを作成するかを決定する。
ここでは、モバイル機器4がデジタルスチルカメラであることを示す機器属性が、ステップS4機器IDの報告時に報告されているものとする。この場合、書き戻しデータ作成部29は、機器属性から消去対象の蓄積データは静止画像データであると分かるので、消去対象となった蓄積データである画像データを縮小処理して、モバイル機器4に書き戻すようにする書き戻しデータを作成する(ステップS16)。この場合、書き戻しデータ作成部29は、元の画像データの数分の1〜数十分の1程度の大きさの画像データを書き戻しデータとして形成する。
そして、サーバ装置2の送受信制御部27は、外部I/F26aを制御して、モバイル機器4に送信する(ステップS17)。この書き戻しデータは、クレードル1において、入出力端14b、外部I/F14aを通じて受信された後、送受信制御部17の制御により、無線通信部15a、送受信アンテナ15bを通じてモバイル機器4に対して送信される。
モバイル機器4は、送受信アンテナ45b、無線通信部45aを通じて書き戻しデータを受信すると、制御部41は、受信した書き戻しデータを画像記憶部44に保存する(ステップS18)。この書き戻しデータは、上述のように、モバイル機器4に蓄積されていた画像データであって、サーバ装置2のHDD30にバックアップした後に消去するようにされた画像データの縮小画像である。
したがって、サーバ装置2からの書き戻しデータである縮小画像を制御部41の制御により表示部49の表示画面に表示することにより、どのような画像をサーバ装置2にバックアップした後に消去したのかを確認することができる。そして、必要がある場合には、サーバ装置2にバックアップした画像データを利用したり、また、モバイル機器4の画像記憶部44に記録して、モバイル機器4において再度利用できるようにしたりすることもできる。
そして、ステップS18の書き戻しデータの保存が終了した後、モバイル機器4の制御部41は、保存完了報告を形成し、これを送受信制御部47の制御により、無線通信部45a、送受信アンテナ45bを通じて送信する(ステップS19)。
この保存完了報告は、クレードル1において、送受信アンテナ15b、無線通信部15aを通じて受信された後、送受信制御部17の制御により、外部I/F14a、入出力端14bを通じてサーバ装置2に対して送信される。
サーバ装置2において、入出力端26b、外部I/F26aを通じて保存完了報告を受信すると、サーバ装置2の制御部21は、クレードル1に新規に載置されたモバイル機器4とのデータの送受を適切に完了したことを認識することができる。
この後、クレードル1は、充電終了処理を実行するようにし(ステップS20)、モバイル機器のバッテリが満充電となり充電処理が完了すると、図5、図6を用いて説明したこの実施の形態のデータ通信システムにおいて、新たなモバイル機器がクレードル1に載置された場合の一連の処理が完了する。
このように、この実施の形態のデータ通信システムにおいては、サーバ装置2に接続されたクレードル1に対してモバイル機器4を載置するだけで、モバイル機器4に蓄積された蓄積データをクレードル1を介してサーバ装置2に送信し、サーバ装置2のHDD30にバックアップすることができるようにしている。
また、サーバ装置2の機能により、モバイル機器4からバックアップした蓄積データの中から消去可能な消去対象データを洗い出し、サーバ機器2からモバイル機器4に対して蓄積データ消去要求を提供することにより、モバイル機器4の画像記憶部44の記憶エリアを整理して、モバイル機器4の画像記憶部44の効率的な利用を図ることができるようにしている。
さらに、モバイル機器4からサーバ装置2にバックアップすると共に、モバイル機器4から消去するようにした蓄積データに基づいて、モバイル機器4に書き戻すための書き戻しデータを作成し、これをモバイル機器4に書き戻すことができるようにしている。この書き戻しデータは、上述もしたように、蓄積データが静止画像データである場合には、その縮小画像であり、元の蓄積データよりもデータ量を圧縮するようにした情報である。これにより、モバイル機器4は、サーバ装置2にバックアップ後、消去するようにした蓄積データはどんなものがあるのかを、画像記憶部44の記憶容量を無駄に使用することなく管理することができるようにしている。
なお、クレードル1に載置されたモバイル機器4に、サーバ装置2にバックアップすべきデータが存在しない場合には、図6に示したステップS16の処理に進み、モバイル機器4に対して新たに提供可能になった情報を形成して、これを提供する処理を行うようにすることができる。すなわち、クレードル1に載置されたモバイル機器4に、サーバ装置2にバックアップすべきデータが存在しない場合には、充電処理と書き戻しデータの提供処理とを行うようにすることができるようにされる。
[送受されるデータのレイアウト例について]
次に、図5、図6を用いて説明したこの実施の形態のデータ通信システムにおいて、各機器間でやり取りされるデータのレイアウト例について説明する。
[コマンドデータのレイアウト例]
図7は、コマンドデータのレイアウト例とその具体例を説明するための図である。図7Aに示すように、各機器間で送受されるコマンドデータは、「送信先ID」、「送信元ID」、「命令や指示の内容等を示すコマンド情報」、「命令や指示の実行に必要なデータや通知すべきデータ」等からなっている。
図7Bは、図5に示したシーケンス図のステップS2でクレードル1から新たに載置されたモバイル機器4に対して送信される機器ID問合せのためのコマンドデータの一例について説明するための図である。図7Bに示すように、機器ID問合せにおいて、送信先IDには「未応答機器を示す情報」が入力され、送信元IDには「クレードル1の機器ID」が入力され、コマンドを示す情報には「機器IDの問合せであることを示す情報」が入力される。
ここで、「未応答機器を示す情報」は、クレードル1との間で未だ通信を行っていない機器を指示する情報であり、例えば、機器IDが5桁の英数字で表されるものであれば、「00000」などのように予め決められたものである。そして、送信先IDとして「未応答機器を示す情報」を受信したモバイル機器の内、クレードル1との間の通信履歴が無いモバイル機器は、自機が未応答機器であると判断し、送信されてきたコマンド情報に応じた処理、この例の場合には、機器IDの通知を行うようにすることになる。
図7Cは、図5に示したシーケンス図のステップS3で、新たにクレードル1に載置され、クレードル1との間で未だ通信を行っていないモバイル機器4が、図7Bに示した機器ID問合せコマンドを受信した場合に、当該モバイル機器4からクレードル1に送信される機器ID応答の一例を説明するための図である。
図7Cに示すように、機器ID応答において、送信先IDには「クレードル1の機器ID」が入力され、送信元IDには「モバイル機器4の機器ID」が入力され、コマンドを示す情報には、これが「機器IDの応答であることを示す情報」が入力される。これにより、クレードル1は、送信元IDによって、モバイル機器4の機器IDを知ることができる。
そして、この例の場合、機器ID応答によって、機器属性やその他の情報もモバイル機器4からクレードル1に通知される。機器属性は、上述もしたように、モバイル機器4が、デジタルスチルカメラなのか、デジタルビデオカメラなのか、携帯電話端末なのか等の機器の種別(種類)を示すものである。この機器属性により、クレードル1は、モバイル機器4がどのようなモバイル機器であり、どのようなデータを扱うものであるかを把握することができる。
なお、図5、図6に示したシーケンス図において、(1)ステップS4でクレードル1からサーバ装置2に送信される「機器ID報告」、(2)ステップS6でサーバ装置2からモバイル機器4に送信される「蓄積データリスト要求」、(3)ステップS9でサーバ装置2からモバイル機器4に送信される「新規蓄積データ要求」、(4)ステップS13において、サーバ装置2からモバイル機器4に送信される「蓄積データ消去要求」、(5)ステップS15において、モバイル機器4からサーバ装置2に送信される「消去処理終了報告」、(6)ステップS19において、モバイル機器4からサーバ装置2に送信される「保存完了報告」のそれぞれについては、図7に示した態様、すなわち、送信先ID、送信元ID、コマンド情報、その他のデータという構成で、機器間でコマンド情報の送受がなされる。
[蓄積データリストのレイアウト例]
図8は、モバイル機器4において生成され、図5に示したステップS7において、モバイル機器4からサーバ装置2に送信される蓄積データリストのレイアウト例を説明するための図である。
図8に示すように、この例の蓄積データリストの場合、蓄積データリスト全体のヘッダ情報として、送信先ID、送信元ID、データ属性、その他の情報を有するようにされている。送信先IDは、この蓄積データリストの送信先となる機器の機器IDであり、送信元IDは、この蓄積データリストを送信するモバイル機器4の機器IDである。データ属性は、この情報全体が蓄積データリストを形成していることを示すものである。その他の情報としては、当該蓄積データリストの生成日時や送信日時などの日付情報等、種々の情報が考えられる。
そして、モバイル機器4において蓄積されている情報毎に、データID、データ属性、作成日時、データサイズ、その他の情報からなる情報が形成され、全体として蓄積データリストを構成するようになっている。ここで、データIDは、各データを特定する情報であり、具体的には、各データのファイル名などに相当する。データ属性は、そのデータが、静止画像データなのか、動画像データなのか、音声データなのか、テキストデータなのか等を示す情報である。
また、作成日時は、当該蓄積データが作成された日時であるが、広く当該蓄積データがモバイル機器によって取得された日時をも含むものである。また、データサイズは、その蓄積データのサイズ(容量)である。その他の情報としては、各蓄積データに付随するメモ情報等のテキストデータ等、種々の情報を付加することが可能である。
このような蓄積データリストが、サーバ装置2からの蓄積データリスト要求に応じてモバイル機器4において作成され、図5に示したステップS7において、モバイル機器4からサーバ装置2に送信するようにされる。
これにより、サーバ装置2においては、モバイル機器4がどのような情報を蓄積しているのかを正確に把握することができるようにされる。そして、サーバ装置2は、自機に既に蓄積している当該モバイル機器4からの蓄積データや、モバイル機器4から新たに提供された蓄積データリストの各データの作成日時に基づいて、新たにモバイル機器4から提供を受ける蓄積データを特定することができるようにされる。
[蓄積データのレイアウト例]
図9は、蓄積データのレイアウト例を説明するための図である。図9に示すように、蓄積データは、ヘッダ情報部分と実データ部分とかなっている。この例において、蓄積データのヘッダ情報は、装置ID、データID、データ属性、作成日時、プロテクト情報、印刷マーク、データサイズ、使用回数、その他の情報からなっている。ここで、装置IDは、当該蓄積データを蓄積している装置を特定する情報である。データIDは、当該蓄積データを一意に特定可能なものである。
また、データ属性は、当該蓄積データが静止画像データなのか、動画像データなのか、音声データなのか等のデータの種類を示す情報である。作成日時は、当該蓄積データが作成された日時を示す情報である。また、プロテクト情報は、当該蓄積データを削除しないようにするか否かを指示するフラグ情報であり、削除しないようにプロテクトする場合には「オン」、必要に応じて削除してよい場合には「オフ」となっている情報である。
印刷マークは、上述した印刷マーキングに相当する情報であり、印刷する必要のある情報であることを予め指定しておくための情報である。また、データサイズは、当該蓄積データの大きさを示し、使用回数は、これが蓄積されているモバイル機器4において使用された回数が更新されるものである。その他の情報としては、当該蓄積データについてのコメント情報等の種々の情報を付加するようにすることが可能である。
このように、この実施の形態において、モバイル機器4に蓄積されている蓄積データは、種々の情報を有するヘッダ情報に対して、実データが付加するようにされた形式になっている。ここで、実データは、静止画像データ、動画像データ、音声データ、テキストデータ等の蓄積の対象となる主データであるが、この実施の形態においては、例えば静止画像データである。
このような蓄積データが、図5のステップS9の新規蓄積データ要求に応じて、モバイル機器4からサーバ装置2に送信されるものである。図5のステップS9において、サーバ装置2からモバイル機器4に送信される新規蓄積データ要求は、図7Aを用いて説明したように、送信先ID、送信元ID、新規蓄積データ要求であることを示すコマンド情報を有すると共に、その他のデータとして、提供を希望する蓄積データのデータID、或いは、提供を希望する蓄積データの作成日時を指示する情報などからなるものである。
なお、データIDによって提供を希望する蓄積データを指示する場合であって、提供を希望する蓄積データが複数存在する場合には、提供を希望する全ての蓄積データのデータIDをコマンドデータに含めてモバイル機器4に送信すれば良い。また、提供を希望する蓄積データの作成日時を指示する情報は、特定の1日だけを指示することもできるし、「開始日時〜終了日時」と言うように作成日時を範囲により指定することも可能である。
このようなサーバ装置2からモバイル機器4への新規蓄積データ要求に応じて、モバイル機器4は、図9に示した態様でモバイル機器の画像記憶部44などに蓄積されている蓄積データの中から、提供を要求された蓄積データを抽出して、図5に示したステップS10においてサーバ装置2に送信することになる。
[書き戻しデータのレイアウト例]
図10は、図6に示したシーケンス図のステップS16において作成され、ステップS17において、サーバ装置2からモバイル機器4に送信される書き戻しデータのレイアウト例を説明するための図である。図10に示すように、書き戻しデータは、ヘッダ情報部分と書き戻しデータ部分とからなっている。
この例において、書き戻しデータのヘッダ情報は、データID、データ属性、生成日時、データサイズ、提供先、元データID、元作成日時、元データサイズ、その他の情報からなっている。ここで、データIDは、当該書き戻しデータを一意に特定可能なものである。データ属性は、当該書き戻しデータが静止画像データか、動画像データか、音声データか等の書き戻しデータの種類を示す情報である。生成日時は、当該書き戻しデータがサーバ装置2において生成された日時を示す情報である。
データサイズは、当該書き戻しデータの大きさを示し、提供先は、当該書き戻しデータを提供する先の機器の機器IDが入力される。この実施の形態において、書き戻しデータは、蓄積データをサーバ装置2に提供したモバイル機器4に戻されるデータである。元データIDは、当該書き戻しデータの元のデータを特定するデータであり、元作成日時は、当該元のデータの作成日時を示すデータである。また、元データサイズは、当該元のデータの大きさを示す情報である。また、その他の情報は、書き戻しデータについてのコメントデータ等、種々の情報を付加するようにすることが可能である。
このように、この実施の形態において、サーバ装置2において形成され、モバイル機器4に戻すようにされる書き戻しデータは、種々の情報を有するヘッダ情報に対して、書き戻しデータが付加するようにされた形式になっている。ここで書き戻しデータは、モバイル機器4からサーバ装置2に提供された種々の蓄積データに応じて形成されるものである。
そして、この実施の形態において、モバイル機器4からサーバ装置2提供される蓄積データは上述もしたように静止画像データであり、サーバ装置2においては、モバイル機器4に提供する書き戻しデータとして、提供を受けた静止画像データの縮小画像データを形成して戻すようにしている。
これにより、上述もしたように、モバイル機器4からサーバ装置2に送信してサーバ装置2にバックアップするようにした蓄積データである静止画像データについては、図6に示したステップS13においてサーバ装置2からモバイル機器4に供給される蓄積データ消去要求に応じて消去するようにされる。
しかし、サーバ装置2にバックアップするようにされた後に、消去するようにされた静止画像データは、縮小画像データとしてサーバ装置2からモバイル機器4に戻すようにされる。これによりモバイル機器4においては、画像記憶部44の記憶容量を無駄に使用することなく、どのような蓄積データがサーバ装置2にバックアップされた後に消去されたかを管理することができる。
[書き戻し履歴のレイアウト例]
図11は、サーバ装置2において、図10を用いて説明した書き戻しデータを生成してモバイル機器4に書き戻すようにした場合に、サーバ装置2の例えばHDD30に形成される書き戻し履歴のレイアウト例を説明するための図である。図11に示すように、この例の書き戻し履歴は、書き戻し日時、書き戻し先、データID、データ属性、生成日時、データサイズ、その他の情報からなるものである。
ここで、書き戻し日時は、書き戻しデータを生成して目的とする電子機器に提供するようにした日時を示す情報であり、書き戻し先は、生成した書き戻しデータを提供した相手先の電子機器を特定する機器IDなどの情報である。また、データIDは、提供した書き戻しデータのデータIDを、データ属性は、書き戻しデータが静止画像データなのか、動画像データなのか、音声データなのか等の書き戻しデータの種類を示す情報である。
また、生成日時は、当該書き戻しデータを生成した日時を、データサイズは当該書き戻しデータの大きさをそれぞれ示す情報である。また、その他の情報としては、当該書き戻しデータについてのコメント等、種々の情報を付加することができるようにされる。
そして、図11に示したような書き戻し履歴をサーバ装置2が記憶保持しておくことにより、サーバ装置2においては、いつ、どのようなデータ属性の書き戻しデータを生成して、それをいつ、どの電子機器に書き戻すようにしたのかを正確に把握することができるようにされる。
[データ通信システムを構成する機器の動作について]
次に、図1〜図11を用いて説明したこの実施の形態のデータ通信システムを構成する各機器毎に、その動作について詳細に説明する。以下においては、この実施の形態のデータ通信システムの中心に位置するクレードル1、クレードル1を介してデータ管理を行うサーバ装置2、クレードル1に載置されるモバイル機器4の順に、各機器の動作について詳細に説明する。なお、モバイル機器4は、上述もしたようにデジタルスチルカメラであるものとする。
[クレードル1の処理について]
図12は、この実施の形態のデータ通信システムのクレードル1において行われる処理を説明するためのフローチャートである。この図12に示す処理は、クレードル1において電源が投入された状態にあるときに主に制御部11と送受信制御部17とによって実行される。なお、上述もしたように、この実施の形態のクレードル1に対しては、1度に複数のモバイル機器を載置することが可能であり、モバイル機器の載置可能最大台数分の図12に示す処理が、いわゆるマルチタスクで実行することができるようにしている。
そして、電源が投入されると、クレードル1の制御部11は、載置検出部16を制御して、モバイル機器の載置検出を開始し、モバイル機器が自機に載置されたか否かを判断する(ステップS101)。ステップS101の判断処理において載置されていないと判断したときには、モバイル機器の載置検出を繰り返すようにし、モバイル機器が載置されるのを待つ。
ステップS101の判断処理において、モバイル機器が載置されたと判断したときには、制御部11は、図7Bを用いて説明した機器ID問合せコマンドデータを形成し、これを送受信制御部17が無線通信部15a、送受信アンテナ15bを制御して、これらを通じて新たに載置されたモバイル機器4に送信する(ステップS102)。
次に、クレードル1の送受信制御部17は、送受信アンテナ15b、無線通信部15aを通じて、モバイル機器4からの図7Cを用いて説明した機器ID応答を受信するようにし、これを外部I/F14a、入出力端14bを通じてサーバ装置2に報告するようにする(ステップS103)。
次に、制御部11は、充電制御部19を制御し、新たに載置されたモバイル機器4について、充電が必要か否かを確認する(ステップS104)。このステップS104の処理は、モバイル機器4のバッテリの電圧などを検出するなど、電気的な検出処理によって検出することが可能である。
そして、制御部11は、ステップS104の確認結果に基づいて、新たに載置されたモバイル機器4に対して充電が必要か否かを判断し(ステップS105)、充電が必要であると判断したときには、制御部11は、充電制御部19を制御して、新たに載置された当該モバイル機器4のバッテリに対して充電を開始させるようにする(ステップS106)。また、ステップS105の判断処理において、充電は必要ないと判断したときには、ステップS107の処理に進む。
そして、ステップS106の処理の後、あるいは、ステップS105の判断処理において、充電は必要ないと判断したときには、以降の一連の中継処理を行う。すなわち、まず、送受信制御部17は、入出力端14b、外部I/F14aを通じてサーバ装置2からの蓄積データリスト要求を受信し、これを無線通信部15a、送受信アンテナ15bを通じてモバイル機器4に送信する(ステップS107)。
次に、送受信制御部17は、送受信アンテナ15b、無線通信部15aを通じてモバイル機器4からの蓄積データリストを受信し、これを外部I/F14a、入出力端14bを通じてサーバ装置2に送信する(ステップS108)。次に、送受信制御部17は、入出力端14b、外部I/F14aを通じてサーバ装置2からの新規蓄積データ要求を受信し、これを無線通信部15a、送受信アンテナ15bを通じてモバイル機器4に送信する(ステップS109)。
次に、送受信制御部17は、送受信アンテナ15b、無線通信部15aを通じてモバイル機器4からの新規蓄積データを受信し、これを外部I/F14a、入出力端14bを通じてサーバ装置2に送信する(ステップS110)。次に、送受信制御部17は、入出力端14b、外部I/F14aを通じてサーバ装置2からの蓄積データ消去要求を受信し、これを無線通信部15a、送受信アンテナ15bを通じてモバイル機器4に送信する(ステップS111)。
次に、送受信制御部17は、送受信アンテナ15b、無線通信部15aを通じてモバイル機器4からの消去処理完了報告を受信し、これを外部I/F14a、入出力端14bを通じてサーバ装置2に送信する(ステップS112)。次に、送受信制御部17は、入出力端14b、外部I/F14aを通じてサーバ装置2からの書き戻しデータを受信し、これを無線通信部15a、送受信アンテナ15bを通じてモバイル機器4に送信する(ステップS113)。
そして、送受信制御部17は、送受信アンテナ15b、無線通信部15aを通じてモバイル機器4からの書き戻しデータ保存完了報告を受信し、これを外部I/F14a、入出力端14bを通じてサーバ装置2に送信する(ステップS114)。このように、ステップS107〜ステップS114までの処理により、サーバ装置2とモバイル機器4との間の一連の中継処理が行われる。
なお、ステップS110の蓄積データの中継処理や、ステップS113の書き戻しデータの中継処理においては、中継すべき蓄積データや書き戻しデータが多数存在する場合もあり、ステップS110、ステップS113においては、多数のデータの転送処理が行われる場合ももちろんある。
そして、クレードル1の制御部11は、充電制御部19を制御して、モバイル機器4のバッテリの充電容量を確認するようにし(ステップS115)、モバイル機器4に対する充電が完了したか否かを確認する(ステップS116)。ステップS116の確認処理において、未だ充電が完了していないと判断したときには、ステップS115からの処理を繰り返し、充電処理を続行する。ステップS116の判断処理において、モバイル機器4に対する充電が完了したと判断したときには、モバイル機器4への充電を終了するようにする所定の処理を実行し(ステップS117)、この図12に示す処理を終了する。
なお、この図12に示した例の場合には、ステップS115において充電容量を確認して、ステップS116で充電が完了したか否かを判断するようにしたが、これに限るものではない。ステップS105の判断処理において、充電が必要か否かを判断し、充電が必要でない場合には、充電処理を行っていないので、ステップS115の充電容量の確認の前に、充電実行中か否か(電力をモバイル機器4に供給しているか否か)を判断し、充電を実行していないと判断したときには、ステップS115〜ステップS117の処理を行うことなく、図12に示す処理を終了させるようにすることもできる。
[サーバ装置2の処理について]
図13は、この実施の形態のデータ通信システムのサーバ装置2において行われる処理を説明するためのフローチャートである。この図13に示す処理は、サーバ装置2において電源が投入された状態にあるときに主に制御部21と送受信制御部27とによって実行される。
電源が投入されると、サーバ装置2の送受信制御部27は、入出力端26b、外部I/F26aを通じて、クレードル1からのクレードル1に載置されたモバイル機器の機器IDを受信したか否かを判断する(ステップS201)。ステップS201の判断処理において、まだ機器IDを受信していないと判断したときには、ステップS201からの処理を繰り返し、クレードル1に載置されたモバイル機器の機器IDの受信待ちとなる。
ステップS201の判断処理において、クレードル1からの機器IDを受信したと判断したときには、クレードル1に新たにモバイル機器4が載置されたと分かるので、制御部11は、蓄積データリスト要求を生成し、これを送受信制御部27が、外部I/F26a、入出力端26bを通じて送信するようにし、クレードル1を介して、クレードル1に新たに載置されたモバイル機器4に送信するようにする(ステップS202)。
次に、送受信制御部27は、クレードル1を介して送信されてくる蓄積データリストを入出力端26b、外部I/F26aを通じて受信して、これを例えばHDD30の所定の領域に格納する(ステップS203)。そして、制御部21は、ステップS203において格納した蓄積データリストと、過去に当該モバイル機器4から提供を受けて格納している蓄積データとに基づいて、当該モバイル機器4から未だ提供を受けていない蓄積データを特定し、この特定した蓄積データの提供を要求するための新規蓄積データ要求を形成し、これを送受信制御部27が、外部I/F26aを通じて送信して、クレードル1を介してクレードル1に載置されたモバイル機器4に送信するようにする(ステップS204)。
次に、送受信制御部27は、クレードル1を介して送信されてくる新規蓄積データを入出力端26b、外部I/F26aを通じて受信して、これを例えばHDD30の所定の領域に保存する(ステップS205)。なお、モバイル機器4から送信されてくる新規蓄積データは複数存在する場合もあり、ステップS205においては、モバイル機器4からの新規蓄積データを順次に受信して、HDD30の所定の領域に保存することができるようにしている。
そして、サーバ装置2の制御部21は、HDD30の所定の領域に保存したモバイル機器4からの蓄積データの内、モバイル機器4から消去可能な蓄積データである消去対象データを洗い出す処理を実行する(ステップS206)。このステップS206における消去対象データ洗い出し処理は、詳しくは後述するが、洗い出し対象の保存した蓄積データに付加されている情報に基づいて、あるいは、当該蓄積データを解析することにより、重要な蓄積データであるか否かを予測するようにし、重要であると予測された蓄積データについては消去対象とはしないが、それ以外の蓄積データについては消去対象とするようにしている。
そして、サーバ装置2の制御部21は、ステップS205において洗い出した消去対象データをモバイル機器4の画像記憶部44から消去するようにするための蓄積データ消去要求を形成し、これを送受信制御部27に制御により、外部I/F26a、入出力端26bを通じて送信して、クレードル1を介してモバイル機器4に送信するようにする(ステップS207)。
次に、サーバ装置2の送受信制御部27は、入出力端26b、外部I/F26aを通じて、蓄積データ消去要求を送信した相手先のモバイル機器4から送信されてくる消去処理完了報告を受信するようにする(ステップS208)。この後、詳しくは後述するが、サーバ装置2の制御部21は、モバイル機器4から提供を受けてHDD30に保存すると共にモバイル機器4から消去するようにした蓄積データから、モバイル機器4に対して形式を変えて書き戻すようにする書き戻しデータ作成する(ステップS209)。
そして、サーバ装置2の送受信制御部27は、ステップS209において作成した書き戻しデータを、外部I/F26a、入出力端26bを通じて送信して、クレードル1を介してモバイル機器4に送信するようにする(ステップS210)。この後、サーバ装置2の送受信制御部27は、入出力端26b、外部I/F26aを通じて、モバイル機器4からクレードル1を介して送信されてくる書き戻しデータの保存完了報告を受信するようにして(ステップS211)、この図13に示す処理を終了する。
なお、ここでは、通信処理が支障なく、行うようにされた場合を例にして説明したが、例えば、サーバ装置2からモバイル機器4に何らかの要求を送信し、これに応答がない場合などにおいては、再度の要求の送信を行ったり、応答要求を送信したりすることができるようにされる。
例えば、ステップS208において、消去処理完了報告を所定時間内に受信しなかった場合には、蓄積データの消去処理が行われたか否かの確認要求を送信したり、ステップS211において、保存完了報告を所定時間内に受信しなかった場合には、書き戻しデータが保存されたか否かの確認要求を送信したりすることができる。そして、その応答に応じて、元の要求を再度送信するなど、適切に処理することができるようにされる。
また、バックアップすべき蓄積データが存在しない場合には、一連の処理を終了させるようにしたり、新たに利用可能になったコンテンツデータを提供するようにしたりして、一連の処理を終了させるようにすることもできる。
[消去対象データ洗い出し処理について]
次に、図13に示した処理のステップS206において行われる消去対象データの洗い出し処理について説明する。図14は、図13のステップS206において行われる消去対象データの洗い出し処理を説明するためのフローチャートである。この図14に示す処理は、サーバ装置2の制御部21において行われる処理である。
まず、制御部21は、図13に示したステップS205において取得した一連の新規蓄積データの先頭に位置付ける(ステップS2061)。そして、位置付けた新規蓄積データについて、消去対象となるか否かの判定処理を行う(ステップS2062)。このステップS2062の処理は、詳しくは後述もするが、新規蓄積データのそれぞれの付随情報に基づいて、あるいは、新規蓄積データを解析することにより、その新規蓄積データが消去対象となるか否かを判断する処理である。
この後、制御部21は、今回、消去判定処理の対象となった新規蓄積データは、ステップS205で取得して保存した最後の新規蓄積データか否かを判断する(ステップS2063)。すなわち、ステップS2063の判断処理は、ステップS205で取得した全ての新規蓄積データについて、消去判定処理が終了したか否かを判断する処理である。
ステップS2063の判断処理において、未だ全ての新規蓄積データについて、消去判定処理を行っていないと判断した時には、次の新規蓄積データに位置付け(次の新規蓄積データを処理対象とするようにし)(ステップS2064)、ステップS2062からの処理を繰り返すようにする。また、ステップS2063の判断処理において、全ての新規蓄積データについて、消去判定処理を終了したと判断した時には、この図14に示す処理を終了し、図13に示した処理に戻り、ステップS207からの処理を実行するようにする。
次に、図14のステップS2062で行われる消去判定処理について具体的に説明する。図15は、図14に示したステップS2062において行われる各新規蓄積データについての消去判定処理を説明するためのフローチャートである。クレードル1に載置されたモバイル機器4は、上述もしたようにデジタルスチルカメラであり、モバイル機器4からサーバ装置2に提供される蓄積データは静止画像データであるものとして説明する。
サーバ装置2の制御部21は、判定対象の新規蓄積データのヘッダ部の情報を確認する処理を行う。すなわち、モバイル機器4からサーバ装置2に供給される静止画像データである蓄積データは、図9を用いて説明したレイアウトのデータであり、制御部21は、まず、ヘッダ部のプロテクト情報を確認し、削除プロテクトされているか否か(プロテクト情報がオンになっているか否か)を判断する(ステップS6201)。
ステップS6201の判断処理において、削除プロテクトはされていないと判断したときには、ヘッダ部の印刷マークを確認し、印刷マーキングがあるか否かを判断する(ステップS6202)。ステップS6202の判断処理において、印刷マーキングがされていないと判断したときには、制御部21は、ヘッダ部の使用回数を確認し、読み出し回数(使用回数)が予め決められた一定回数以上か否かを判断する(ステップS6203)。
ステップS6203の判断処理において、読み出し回数が一定回数以上ではないと判断したときには、制御部21は、当該蓄積データの静止画像データについて画像認識処理を行う(ステップS6204)。このステップS6204の画像認識処理は、処理対象の静止画像データについて、輪郭認識や色認識などを行って、人物の画像が含まれるものであるかを判別できるようにする処理である。
そして、制御部21は、ステップS6204の画像認識処理の結果に基づいて、処理対象の静止画像データは、人物の顔が存在する静止画像データであるか否かを判断する(ステップS6205)。ステップS6205の判断処理において、処理対象の蓄積データ(静止画像データ)が人物の顔を含まないものであると判断したときには、当該蓄積データ(静止画像データ)は重要な情報ではないと予測し、当該静止画像データを消去画像として特定して(ステップS6206)、この図15に示した処理を終了し、図14に示した処理のステップS2063からの処理を実行する。
また、ステップS6201の判断処理において、削除プロテクトがされていると判断した場合と、ステップS6202の判断処理において、印刷マーキングがされていると判断した場合と、ステップS6203の判断処理において、読み出し回数が一定回数以上であると判断した場合と、ステップS6205の判断処理において、処理対象の蓄積データ(静止画像データ)が人物の顔を含むものであると判断した場合とにおいては、処理対象の新規蓄積データは重要なデータであると予測し、当該新規蓄積データを残す画像として特定して(ステップS6207)、この図15に示した処理を終了し、図14に示した処理のステップS2063からの処理を実行する。
すなわち、処理対象の新規蓄積データが削除プロテクトのかけられたものであれば、削除したくないほど重要なものであると判断することができるし、また、印刷マーキングが付され、必ず印刷するようにされている新規蓄積データについても、必ず印刷する必要があるほど重要なものであると判断することができる。
また、使用回数が予め決められた一定回数以上使用されていることを示していれば、その蓄積データは使用頻度の高い重要な蓄積データであると判断することができる。そして、静止画像データの場合、記念に残すなどの目的で人物を撮影することにより得るようにしたものが多い。そこで、蓄積データである静止画像データについて画像認識処理を行って、人物の顔が存在すると判別された静止画像データについても、重要な蓄積データであると判断することができる。
このため、上述したように、図15に示した各判断処理の何れかにおいて、処理対象の蓄積データが重要なものであると予測できた場合には、その蓄積データについては残すデータとして特定し、図15に示した各判断処理の何れにおいても、処理対象の蓄積データが重要なものであるとは予測できなかった場合には、その蓄積データについては消去するデータとして特定するようにしている。
このようにして、図13のステップS206においては、図14、図15のフローチャートを用いて説明した処理を通じて消去対象データを洗い出し、この洗い出した消去対象データをモバイル機器4から削除して、モバイル機器4の画像記憶部44の記憶容量を効率よく使用することができるようにしている。
[書き戻しデータ作成処理について]
次に、図13に示した処理のステップS209において行われる書き戻しデータ作成処理について説明する。図16は、図13のステップS209において実行される書き戻しデータの作成処理について説明するための図である。
上述もしたように、図13に示したステップS209においては、どのような形式の書き戻しデータを作成するかを決めなければならない。このため、この実施の形態のサーバ装置2の制御部21は、図13に示したステップS209においては、図16に示した処理を実行し、まず、書き戻しデータの形式を特定する処理を行う(ステップS2091)。
ここでは、図16に示したように、サーバ装置2の制御部21は、クレードル1を介して送信されてくる機器ID応答に含まれる機器属性に基づいて、あるいは、図11に示したように形成される書き戻し履歴に基づいて、あるいは、提供を受けた新規蓄積データのデータ属性に基づいて、あるいは、ユーザーからの指示入力に基づいて、書き戻すデータの形式を特定する。
すなわち、機器属性は、上述もしたように、クレードル1に載置されやモバイル機器4が、デジタルスチルカメラなのか、デジタルビデオカメラなのか、携帯型音楽再生装置なのか等、モバイル機器4の種類を示す情報である。そこで、モバイル機器4の機器属性が、デジタルスチルカメラであることを示すものである場合には、静止画像データの縮小画像を書き戻しデータとするように特定することができる。
また、モバイル機器4の機器属性が、デジタルビデオカメラであることを示すものである場合には、動画像データについてのダイジェスト版の動画像データを書き戻しデータとするように特定することができる。また、モバイル機器4の機器属性が、携帯型音楽再生装置であることを示すものである場合には、音楽データの一部を抽出するようにしたデータを書き戻しデータとするように特定することができる。
もちろん、携帯電話端末のように、静止画像データ、動画像データ、音声データの何れをも蓄積データとして記憶保持できるものも存在するし、また、デジタルスチルカメラであるが動画像データを扱えるものもあるし、デジタルビデオカメラであるが静止画像データを扱えるものも存在する。
そこで、書き戻しデータを提供する先のモバイル機器4に対して既に書き戻しデータを転送して書き戻すようにしている場合には、図11に示したように書き戻し履歴が作成されているので、この書き戻し履歴のデータ属性に基づいて、書き戻しデータの形式を特定することもできる。
すなわち、書き戻し履歴情報は、いつ、どのモバイル機器に、どのような書き戻しデータを書き戻すようにしたのかを示す情報であるので、書き戻し先のモバイル機器が特定されれば、そのモバイル機器に対して転送した書き戻しデータのデータ属性に基づいて、書き戻しデータの形式を特定することが可能となる。
したがって、書き戻し履歴のデータ属性が、静止画像データである場合には、静止画像データの縮小画像を書き戻しデータとするように特定することができる。また、書き戻し履歴のデータ属性が、動画像データであることを示すものである場合には、動画像データについてのダイジェスト版の動画像データを書き戻しデータとするように特定することができる。また、書き戻し履歴のデータ属性が、音楽データである場合には、音楽データの一部を抽出するようにしたデータを書き戻しデータとするように特定することができる。
また、モバイル機器4に蓄積されている蓄積データのデータ属性に応じて書き戻しデータの形式を特定することもできる。すなわち、蓄積データ属性が、静止画像データである場合には、静止画像データの縮小画像を書き戻しデータとするように特定することができる。また、蓄積データ属性が、動画像データであることを示すものである場合には、動画像データについてのダイジェスト版の動画像データを書き戻しデータとするように特定することができる。また、蓄積データ属性が、音楽データである場合には、音楽データの一部を抽出するようにしたデータを書き戻しデータとするように特定することができる。
この場合、モバイル機器4に蓄積されている蓄積データのデータ属性は、サーバ装置2からクレードル1を介してモバイル機器4に問合せを行うようにしてもよし、既にモバイル機器4から提供を受けている新規蓄積データのデータ属性を用いるようにしてもよい。
また、サーバ装置2が操作部23やリモコン25を通じて受け付けるユーザーからの指示入力に応じて、書き戻しデータの形式を特定するようにすることも可能である。すなわち、操作部23やリモコン25を操作することにより、書き戻しデータの形式の選択入力画面をサーバ装置2に接続されるモニタ受像機に表示し、この書き戻しデータの形式の選択入力画面と操作部23あるいはリモコン25を通じて、書き戻しデータの形式の選択入力を行うようにする。このようにして入力された書き戻しデータの形式に基づいて、制御部21が書き戻しデータの形式を特定するようにしてもよい。
そして、ステップS2091において、書き戻しデータの形式を特定した後、制御部21は、ステップS2091において特定した形式の書き戻しデータを作成する(ステップS2092)。この実施の形態において、書き戻しデータは、上述もしたように、モバイル機器4から提供を受けてHDD30に保存すると共にモバイル機器4から消去するようにした蓄積データから形式を変えた書き戻しデータ作成するようにしている。
[書き戻しデータの他の例について]
なお、この実施の形態においては、書き戻しデータは、モバイル機器4から提供を受けてHDD30に保存すると共にモバイル機器4から消去するようにした蓄積データから形成するものとして説明した。しかし、これに限るものではない。モバイル機器4に蓄積データが全く存在しない場合もあるし、また、モバイル機器が携帯音楽再生装置などの場合には、蓄積データが元々サーバ装置にあるので蓄積データのバックアップを取らないようにする場合もある。
このような場合には、書き戻しデータは、サーバ装置2がモバイル機器4から提供を受けた蓄積データから形成することはできない。そこで、例えば、モバイル機器4において新たに利用可能になったコンテンツデータのサムネイル画像やダイジェスト版の動画像データ、あるいは、試聴版の音楽データ等を書き戻しデータとして提供するようにしてもよい。
すなわち、サーバ装置2がモバイル機器4から蓄積データの提供を受けていない場合には、ステップS2091において特定するようにした書き戻しデータの形式にしたがって、モバイル機器に提供する提供データの形式を特定し、この特定した形式の提供データを書き戻しデータとして提供するようにすることができる。
例えば、ステップS2091の処理により、モバイル機器4に提供する書き戻しデータの形式がリサイズした画像データである場合には、インターネットなどを通じて新たに取得した静止画像データの縮小画像を形成して、これをモバイル機器4に提供するようにすることができる。また、モバイル機器4に提供する書き戻しデータの形式がダイジェスト版の動画像データである場合には、インターネットなどを通じて新たに取得した動画像データのダイジェスト版を形成して、これをモバイル機器4に提供するようにすることができる。また、モバイル機器4に提供する書き戻しデータの形式が音楽データの一部分のデータすなわち、試聴版の音楽データである場合には、インターネットなどを通じて新たに取得した試聴版の音楽データをモバイル機器4に提供するようにすることができる。
このように、サーバ装置2からモバイル機器4への書き戻しデータは、モバイル機器4から提供を受けた蓄積データに基づいて形成されるものだけでなく、提供可能なデータや、提供可能なデータから形成したデータ等を、書き戻しデータとしてモバイル機器4に提供することもできるようにされる。
[モバイル機器4の処理について]
図17は、この実施の形態のデータ通信システムのモバイル機器4において行われる処理を説明するためのフローチャートである。この図17に示す処理は、モバイル機器4が例えば充電モード等、クレードル1に載置され、データ通信と充電処理とを行うようにする所定のモードとされた場合に、モバイル機器4の主に制御部41と送受信制御部47と画像消去制御部48によって実行される処理である。
まず、所定のモードに切り替えられると、送受信制御部47は、送受信アンテナ45b、無線通信部45aを通じて、クレードル1からの機器ID問合せを受信したか否かを判断する(ステップS301)。ステップS301の判断処理において、機器ID問合せを受信していないと判断したときには、ステップS301からの処理を繰り返し、機器ID問合せの受信待ちとなる。
ステップS301の判断処理において、クレードル1からの機器ID問合せを受信したと判断したときには、制御部41は、自機の例えばROM412に記憶保持されている機器IDや機器属性などの必要な情報を取得し、図7Cに示したような機器ID応答を形成して、これを送受信制御部47が、無線通信部45a、送受信アンテナ45bを通じてクレードル1に送信する(ステップS302)。
そして、送受信制御部47は、送受信アンテナ45b、無線通信部45aを通じて、クレードル1を介してサーバ装置2から送信されてくる蓄積データリスト要求を受信し(ステップS303)、これに応じて制御部41が図8を用いて説明したような蓄積データリストを形成して、これを送受信制御部47が、無線通信部45a、送受信アンテナ45bを通じて送信し、クレードル1を介してサーバ装置2に送信するようにする(ステップS304)。
次に、送受信制御部47は、送受信アンテナ45b、無線通信部45aを通じて、クレードル1を介してサーバ装置2から送信されてくる新規蓄積データ要求を受信し(ステップS305)、これに応じて制御部41が図9を用いて説明したような形式の新規蓄積データを自機の画像記憶44から抽出して、これを送受信制御部47が、無線通信部45a、送受信アンテナ45bを通じて送信し、クレードル1を介してサーバ装置2に送信するようにする(ステップS306)。
次に、送受信制御部47は、送受信アンテナ45b、無線通信部45aを通じて、クレードル1を介してサーバ装置2から送信されてくる蓄積データ消去要求を受信し(ステップS307)、これに応じて制御部41が自機の画像記憶部44に記憶保持している蓄積データの内、消去が指示された蓄積データを消去する処理を実行する(ステップS308)。この後、制御部41は、消去処理完了報告を形成し、これを送受信制御部47が、無線通信部45a、送受信アンテナ45bを通じて送信し、クレードル1を介してサーバ装置2に送信するようにする(ステップS309)。
そして、送受信制御部47は、送受信アンテナ45b、無線通信部45aを通じて、クレードル1を介してサーバ装置2から送信されてくる書き戻しデータを受信し(ステップS310)、これを自機の画像記憶部44に保存する(ステップS311)。この後、制御部41は、保存完了報告を形成し、これを送受信制御部47が、無線通信部45a、送受信アンテナ45bを通じて送信し、クレードル1を介してサーバ装置2に送信するようにして(ステップS312)、この図17に示す処理を終了する。
[画像消去処理について]
図18は、図17に示した処理のステップS308において行われる画像データ消去処理(蓄積データ消去処理)について説明するためのフローチャートである。蓄積データ消去要求は、消去すべき複数の蓄積データを指示してくる場合があるので、制御部41は、画像記憶部44に記憶されている画像データ(蓄積データ)において、蓄積データ消去要求によって指示された最初の消去対象データに位置付け(ステップS801)、その消去対象データを消去する(ステップS802)。
そして、制御部41は、ステップS802において消去するようにした消去対象データが適切に消去されたか否かを判断する(ステップS803)。この判断処理は、制御部41のRAM413に更新するようにされる処理状態を示すステイタスに基づいて判断することができる。
ステップS803の判断処理において、例えば、消去対象データに削除プロテクトかかけられているなどして削除できなかった場合には、制御部41は表示部49を制御して、その旨のエラーメッセージを表示部49の表示画面に表示し(ステップS804)、この後にこの図18に示す処理を終了する。
ステップS803の判断処理において、消去対象データが適切に消去されたと判断したときには、制御部41は、消去した消去対象データが最後の消去対象データか否かを判断する(ステップS805)。ステップS805の判断処理において、今回消去した消去対象データが最後の消去対象データではないと判断したときには、制御部41は、蓄積データ消去要求に応じて、次の消去対象データを消去対象とするように位置付けて(ステップS806)、ステップS802からの処理を繰り返す。
ステップS805の判断処理において、今回消去した消去対象データが最後の消去対象データであると判断したときには、制御部41は、図18に示す処理を終了し、図17に示した処理に戻って、ステップS309からの処理を行うようにする。
[この実施の形態のまとめ]
図1〜図18を用いて説明したように、この実施の形態のデータ通信システムの場合には、種々のモバイル機器4を、サーバ装置2に接続されたクレードル1に載置するだけで、サーバ装置2がクレードル1を介してモバイル機器4にアクセスするようにして、モバイル機器4に蓄積されている蓄積データのバックアップをサーバ装置2に取るようにすると共に、バックアップした蓄積データの内、モバイル機器4の記憶部から消去可能な蓄積データを特定して、その特定した消去可能な蓄積データをモバイル機器4の記憶部から消去することにより記憶部の有効活用を図り、さらに、モバイル機器4が必要とする情報を自動的に提供することができるようにしている。
すなわち、モバイル機器4をクレードル1に載置するだけで、クレードル1とサーバ装置2とが協働してクレードル1に載置されたモバイル機器4に対して働きかけて、モバイル機器4のデータバックアップ、モバイル機器4の記憶部(メモリ)の整理、モバイル機器4への必要情報の提供までおも自動的に行うようにすることができる。したがって、モバイル機器4に蓄積されている蓄積データをバックアップするために時間や手間をかけることも無く、必要なデータについては、モバイル機器4に残すようにしたり、新たに提供するようにしたりして、モバイル機器4を十分に、また、柔軟に使いこなすことができるようしている。
なお、モバイル機器4への必要情報の提供は、上述した実施の形態のデータ通信システムにおいては、モバイル機器4からサーバ装置2にバックアップした後に、モバイル機器4の画像記憶部44から削除するようにした静止画像データから形成した縮小画像データを書き戻しデータとして作成して書き戻すようにした。しかし、これに限るものではない。
上述もしたように、モバイル機器4からサーバ装置2にバックアップする蓄積データが存在しない場合もあるし、携帯型音楽再生装置のように、携帯型音楽再生装置に蓄積されている音楽データはサーバ装置2側に既に存在するためにバックアップする必要のないものである場合もある。
このため、[書き戻しデータの他の例]として既に説明したように、サーバ装置2が、クレードル1を介して、例えば、モバイル機器4において新たに利用可能になったコンテンツデータのサムネイル画像やダイジェスト版の動画像データ、あるいは、試聴版の音楽データ等を書き戻しデータとしてモバイル機器4に提供して、モバイル機器4の格納部に格納し、当該モバイル機器4において利用可能にすることもできる。
また、どのようなデータをモバイル機器4に提供するかは、図16に示した書き戻しデータ作成処理において説明したように、モバイル機器4の機器属性、モバイル機器4の書き戻しデータの書き戻し履歴、モバイル機器4に蓄積されているデータのデータ属性、ユーザーからの指示に応じて、モバイル機器4において利用可能なデータの形式を特定し、その特定した形式のデータを提供すればよい。
[データ通信システムの変形例について]
上述した実施の形態のデータ通信システムの場合には、図5、図6を用いて説明したように、クレードル1に載置されたモバイル機器4にバックアップする蓄積データが存在するか否かの判断は、サーバ装置2からの要求に応じてモバイル機器4から提供される蓄積データリストに基づいてサーバ装置2側で行うようにした。しかし、これに限るものではない。クレードル1に載置されたモバイル機器4にバックアップする蓄積データが存在するか否かの判断をクレードル1において行うことにより、サーバ装置2の負荷を軽減すると共に、処理の迅速化を図るようにすることもできる。
この変形例のデータ通信システムも、上述したデータ通信システムと同様に、図1に示した構成を有し、クレードル1、サーバ装置2、モバイル機器4は、図2、図3、図4に示した構成を有するものである。したがって、この変形例においても、クレードル1に載置されるモバイル機器4は、デジタルスチルカメラであるものとする。そして、この変形例においての各機器の機能は、上述した実施の形態の場合とは若干異なっている。
図19は、この実施の形態のデータ通信システムの変形例について説明するためのシーケンス図である。この変形例の場合においても、クレードル1は、自機に電源が投入された状態にあるときには、載置検出部16の機能により、所定の間隔ごとにモバイル機器4が載置されたか否かを判断する(ステップS31)。この変形例においても、クレードル1に対しては、1度に複数台のモバイル機器を載置することができるようにされており、新たなモバイル機器が載置される毎にモバイル機器が載置されたことを検出することができるようにしている。
そして、ステップS31の判断処理において、モバイル機器4は載置されていないと判断したときには、ステップS31の判断処理を繰り返し、モバイル機器の載置待ちとなる。また、ステップS31の判断処理において、モバイル機器4が載置されたと判断した場合には、クレードル1は、新たに載置されたモバイル機器4に対して充電を開始する処理を行うようにする(ステップS32)。
この後、クレードル1は、送受信制御部17が無線通信部15aを制御し、自機に新たに載置されたモバイル機器4に対して、機器ID問合せを送信する(ステップS33)。モバイル機器4は、送受信アンテナ45b、無線通信部45aを通じてクレードル1からの機器ID問合せを受信すると、送受信制御部47が無線通信部45aを制御し、自機(モバイル機器4)の機器IDをクレードル1に対して送信する(ステップS34)。
クレードル1は、送受信アンテナ15b、無線通信部15aを通じて、新たに載置されたモバイル機器4からの機器IDを受信すると、制御部11が新規蓄積データ有無問合せを形成し、これを送受信制御部17の制御により、無線通信部15a、送受信アンテナ15bを通じてモバイル機器4に送信する(ステップS35)。
モバイル機器4は、送受信アンテナ45b、無線通信部45aを通じてクレードル1からの新規蓄積データ有無問い合わせを受信すると、制御部41が画像記憶部44に記憶保持されているデータを確認し、今だバックアップされてない新規蓄積データが存在するか否かを確認して、この確認結果に応じて新規蓄積データ有無応答を形成し、これを送受信制御部47が制御部41を通じて無線通信部45aを制御してクレードル1に対して送信する(ステップS36)。
なお、上述もしたように、バックアップするようにした蓄積データであっても、重要であるデータについては残すようにされる。このため、既にバックアップしたデータであって、残すようにした静止画像データについては、そのヘッダ部にバックアップ済みフラグを用意し、このバックアップ済みフラグがオンか否かに応じて、新規蓄積データとの区別を行うようにすることができる。
そして、クレードル1の制御部11は、受信したモバイル機器4からの新規蓄積データ有無応答に基づいて、バックアップすべき新規蓄積データ(新規静止画像データ)がモバイル機器4に存在するか否かを判断する(ステップS37)。このステップS37において、新規蓄積データは存在しないと判断したときには、サーバ装置2との間の通信を行うことなく、モバイル機器4への充電が完了するまで待ち状態となり(ステップS38)、ステップS38の判断処理において、充電が完了したと判断したときには、モバイル機器4に対する充電処理を終了するようにして(ステップS39)、一連のデータ通信処理を終了する。
また、ステップS37の判断処理において、新規蓄積データが存在すると判断したときには、クレードル1は、送受信アンテナ15b、無線通信部15aを通じて受信した新たに載置されたモバイル機器4からの機器IDを、送受信制御部17が外部I/F14aを制御してサーバ装置2に報告する(ステップS40)。これにより、サーバ装置2は、クレードル1に対して蓄積データを有する新たなモバイル機器が載置されたことを把握する。
このステップS40の機器IDのサーバ装置への報告後においては、図5、図6に示した処理のステップS9からステップS20までの処理が順次に行うようにされる。そして、この場合、クレードル1に載置されたモバイル機器4に新規蓄積データが存在しない場合には、クレードル1とサーバ装置2との間の通信は行われないので、サーバ装置2の負荷を軽減することができる。
[変形例のデータ通信システムを構成する機器の動作について]
次に、図19を用いて説明したこの実施の形態のデータ通信システムの変形例における各機器毎の処理について説明する。この場合においても、この変形例のデータ通信システムの中心に位置するクレードル1、クレードル1を介してデータ管理を行うサーバ装置2、クレードル1に載置されるモバイル機器4の順に、各機器の動作について詳細に説明する。
[クレードル1の処理について]
図20は、この変形例のデータ通信システムのクレードル1において行われる処理を説明するためのフローチャートである。この図20に示す処理は、クレードル1において電源が投入された状態にあるときに主に制御部11と送受信制御部17とによって実行される。なお、この変形例においても、クレードル1に対しては、1度に複数のモバイル機器を載置することが可能であり、モバイル機器の載置可能最大台数分の図20に示す処理が、いわゆるマルチタスクで実行することができるようにしている。
そして、電源が投入されると、クレードル1の制御部11は、載置検出部16を制御して、モバイル機器の載置検出を開始し、モバイル機器が自機に載置されたか否かを判断する(ステップS401)。ステップS401の判断処理において載置されていないと判断したときには、モバイル機器の載置検出を繰り返すようにし、モバイル機器が載置されるのを待つ。
ステップS401の判断処理において、モバイル機器が載置されたと判断したときには、制御部11は、充電制御部19を制御し、新たに載置されたモバイル機器4について、充電が必要か否かを確認する(ステップS402)。このステップS402の処理は、モバイル機器4のバッテリの電圧などを検出するなど、電気的な検出処理によって検出することが可能である。
そして、制御部11は、新たに載置されたモバイル機器4に対して充電が必要か否かを判断し(ステップS403)、充電が必要であると判断したときには、制御部11は、充電制御部19を制御して、新たに載置された当該モバイル機器のバッテリに対して充電を開始させるようにする(ステップS404)。また、ステップS403の判断処理において、充電は必要ないと判断したときには、ステップS405の処理に進む。
そして、ステップS404の処理の後、あるいは、ステップS403の判断処理において、充電は必要ないと判断したときには、以降の一連の中継処理を行う。すなわち、クレードル1の制御部11は、図7Bを用いて説明した機器ID問合せコマンドデータを形成し、これを送受信制御部17が無線通信部15a、送受信アンテナ15bを制御して、新たに載置されたモバイル機器4に送信する(ステップS405)。
次に、クレードル1の送受信制御部17は、送受信アンテナ15b、無線通信部15aを通じて、モバイル機器4からの図7Cを用いて説明した機器ID応答を受信するようにする(ステップS406)。この後、クレードル1の制御部11は、新規蓄積データ有無問合せを形成して、これを送受信制御部17が、無線通信部15aを制御して、モバイル機器4に送信する(ステップS407)。
そして、ステップS407において送信した新規蓄積データ有無問合せに応じて、モバイル機器4から送信されてくる新規蓄積データ有無応答を、送受信アンテナ15b、無線通信15aを通じて受信する(ステップS408)。この後、クレードル1の制御部11は、ステップS408において受信した新規蓄積データ有無応答に基づいて、新たに載置されたモバイル機器4に新規蓄積データが存在するか否かを判断する(ステップS409)。
ステップS409の判断処理において、新規蓄積データはないと判断したときには、サーバ装置2とは通信を行う必要はないので、クレードル1の制御部11は、充電制御部19を制御して、モバイル機器4のバッテリの充電容量を確認するようにし(ステップS410)、モバイル機器4に対する充電が完了したか否かを判断する(ステップS411)。
ステップS411の判断処理において、未だ充電が完了していないと判断したときには、ステップS410からの処理を繰り返し、充電処理を続行する。ステップS411の判断処理において、モバイル機器4に対する充電が完了したと判断したときには、モバイル機器4への充電を終了するようにする所定の処理を実行し(ステップS412)、この図20に示す処理を終了する。
一方、ステップS409の判断処理において、新規蓄積データが存在する判断したときには、クレードル1の送受信制御部17は、モバイル機器4から取得した機器IDを外部I/F14a、入出力端14bを通じて、サーバ装置2に報告する(ステップS413)。
この後、クレードル1の送受信制御部17は、入出力端14b、外部I/F14aを通じてサーバ装置2からの新規蓄積データ要求を受信して、これを無線通信部15a、送受信アンテナ15bを通じてモバイル機器4に送信する(ステップS414)。
次に、送受信制御部17は、送受信アンテナ15b、無線通信部15aを通じてモバイル機器4からの新規蓄積データを受信して、これを外部I/F14a、入出力端14bを通じてサーバ装置2に送信する(ステップS415)。次に、送受信制御部17は、入出力端14b、外部I/F14aを通じてサーバ装置2からの蓄積データ消去要求を受信して、これを無線通信部15a、送受信アンテナ15bを通じてモバイル機器4に送信する(ステップS416)。
次に、クレードル1の送受信制御部17は、送受信アンテナ15b、無線通信部15aを通じてモバイル機器4からの消去処理完了報告を受信して、これを外部I/F14a、入出力端14bを通じてサーバ装置2に送信する(ステップS417)。次に、送受信制御部17は、入出力端14b、外部I/F14aを通じてサーバ装置2からの書き戻しデータを受信し、これを無線通信部15a、送受信アンテナ15bを通じてモバイル機器4に送信する(ステップS418)。
そして、クレードル1の送受信制御部17は、送受信アンテナ15b、無線通信部15aを通じてモバイル機器4からの書き戻しデータ保存完了報告を受信して、これを外部I/F14a、入出力端14bを通じてサーバ装置2に送信する(ステップS419)。このように、この変形例のデータ通信システムにおいても、ステップS414〜ステップS419までの処理により、サーバ装置2とモバイル機器4との間の一連の中継処理が行われる。
なお、ステップS415の蓄積データの中継処理や、ステップS418の書き戻しデータの中継処理においては、中継すべき蓄積データや書き戻しデータが多数存在する場合もあり、ステップS415、ステップS418においては、多数のデータの転送処理が行われる場合ももちろんある。
そして、ステップS419の処理の後、クレードル1の制御部11は、ステップS410からステップS412の処理を実行するようにし、モバイル機器4のバッテリへの充電が完了したら、モバイル機器4への充電を終了するようにする所定の処理を実行して、この図20に示す処理を終了する。
なお、この図20に示した例の場合にも、ステップS410において充電容量を確認して、ステップS411で充電が完了したか否かを判断するようにしたが、これに限るものではない。ステップS403の判断処理において、充電が必要か否かを判断し、充電が必要でない場合には、充電処理を行っていないので、ステップS410の充電容量の確認の前に、充電実行中か否か(電力をモバイル機器4に供給しているか否か)を判断し、充電を実行していないと判断したときには、ステップS410〜ステップS412の処理を行うことなく、図20に示す処理を終了させるようにすることもできる。
[サーバ装置2の処理について]
図21は、この変形例のデータ通信システムのサーバ装置2において行われる処理を説明するためのフローチャートである。この図21に示す処理は、サーバ装置2において電源が投入された状態にあるときに主に制御部21と送受信制御部27とによって実行される。
電源が投入されると、サーバ装置2の送受信制御部27は、入出力端26b、外部I/F26aを通じて、クレードル1からのクレードル1に載置されたモバイル機器の機器IDを受信したか否かを判断する(ステップS501)。ステップS501の判断処理において、また機器IDを受信していないと判断したときには、ステップS501からの処理を繰り返し、クレードル1に載置されたモバイル機器の機器IDの受信待ちとなる。
ステップS501の判断処理において、クレードル1からの機器IDを受信したと判断したときには、クレードル1に新たにモバイル機器4が載置されたと分かるので、制御部11は、新規蓄積データの提供を要求するための新規蓄積データ要求を形成し、これを送受信制御部27が、外部I/F26aを通じて送信して、クレードル1を介してクレードル1に載置されたモバイル機器4に送信するようにする(ステップS502)。
次に、送受信制御部27は、クレードル1を介して送信されてくる新規蓄積データを入出力端26b、外部I/F26aを通じて受信して、これを例えばHDD30の所定の領域に保存する(ステップS503)。なお、モバイル機器4から送信されてくる新規蓄積データは複数存在する場合もあり、ステップS503においては、モバイル機器4からの新規蓄積データを順次に受信して、HDD30の所定の領域に保存することができるようにしている。
そして、サーバ装置2の制御部21は、HDD30の所定の領域に保存したモバイル機器4からの蓄積データの内、モバイル機器4から消去可能な蓄積データである消去対象データを洗い出す処理を実行する(ステップS504)。このステップS504における消去対象データ洗い出し処理は、図14、図15を用いて詳述した消去データ洗い出し処理と同じ処理である。
すなわち、ステップS504において制御部21は、洗い出し対象の保存した蓄積データに付加されている情報に基づいて、あるいは、当該蓄積データを解析することにより、重要な蓄積データであるか否かを予測するようにし、重要であると予測された蓄積データについては消去対象とはしないが、それ以外の蓄積データについては消去対象とするようにしている。
そして、サーバ装置2の制御部21は、ステップS504において洗い出した消去対象データをモバイル機器4の画像記憶部44から消去するようにするための蓄積データ消去要求を形成し、これを送受信制御部27に制御により、外部I/F26a、入出力端26bを通じて送信して、クレードル1を介してモバイル機器4に送信するようにする(ステップS505)。
次に、サーバ装置2の送受信制御部27は、入出力端26b、外部I/F26aを通じて、蓄積データ消去要求を送信した相手先のモバイル機器4から送信されてくる消去処理完了報告を受信するようにする(ステップS506)。この後、サーバ装置2の制御部21は、モバイル機器4から提供を受けてHDD30に保存すると共にモバイル機器4から消去するようにした蓄積データから、モバイル機器4に対して形式を変えて書き戻すようにする書き戻しデータ作成する(ステップS507)。
このステップS507において行われる書き戻しデータの作成処理は、図16を用いて詳述した書き戻しデータ作成処理と同じ処理である。すなわち、どのような書き戻しデータを作成すればよいか、作成する書き戻しデータの形式を特定した上で、書き戻しデータを作成する。この変形例においては、サーバ装置2にバックアップした蓄積データは静止画像データであるので、書き戻しデータの形式としては縮小画像データであることが特定され、バックアップした蓄積データから縮小画像データが形成されて、これがモバイル機器4に戻すようにされることになる。
そして、サーバ装置2の送受信制御部27は、ステップS507において作成した書き戻しデータを、外部I/F26a、入出力端26bを通じて送信して、クレードル1を介してモバイル機器4に送信するようにする(ステップS508)。この後、サーバ装置2の送受信制御部27は、入出力端26b、外部I/F26aを通じて、モバイル機器4からクレードル1を介して送信されてくる書き戻しデータの保存完了報告を受信するようにして(ステップS509)、この図21に示す処理を終了する。
なお、ここでは、通信処理が支障なく、行うようにされた場合を例にして説明したが、例えば、サーバ装置2からモバイル機器4に何らかの要求を送信し、これに応答がない場合などにおいては、再度の要求の送信を行ったり、応答要求を送信したりすることができるようにされる。
例えば、ステップS506において、消去完了報告を所定時間内に受信しなかった場合には、蓄積データの消去処理が行われたか否かの確認要求を送信したり、ステップS509において、保存完了報告を所定時間内に受信しなかった場合には、書き戻しデータが保存されたか否かの確認要求を送信したりすることができる。そして、その応答に応じて、元の要求を再度送信するなど、適切に処理することができるようにされる。
[モバイル機器4の処理について]
図22は、この変形例のデータ通信システムのモバイル機器4において行われる処理を説明するためのフローチャートである。この図22に示す処理は、モバイル機器4が例えば充電モード等、クレードル1に載置され、データ通信と充電処理とを行うようにする所定のモードとされた場合に、モバイル機器4の主に制御部41と送受信制御部47と画像消去制御部48によって実行される処理である。
まず、所定のモードに切り替えられると、送受信制御部47は、送受信アンテナ45b、無線通信部45aを通じて、クレードル1からの機器ID問合せを受信したか否かを判断する(ステップS601)。ステップS601の判断処理において、機器ID問合せを受信していないと判断したときには、ステップS601からの処理を繰り返し、機器ID問合せの受信待ちとなる。
ステップS601の判断処理において、クレードル1からの機器ID問合せを受信したと判断したときには、制御部41は、自機の例えばROM412に記憶保持されている機器IDや機器属性などの必要な情報を取得し、図7Cに示したような機器ID応答を形成して、これを送受信制御部47が、無線通信部45a、送受信アンテナ45bを通じてクレードル1に送信する(ステップS602)。
そして、送受信制御部47は、送受信アンテナ45b、無線通信部45aを通じて、クレードル1から送信されてくる新規蓄積データ有無問合せを受信し(ステップS603)、これに応じて制御部41が自己の画像記憶部44の記憶データを確認して新規蓄積データ有無応答を形成して、これを送受信制御部47が、無線通信部45a、送受信アンテナ45bを通じて送信し、クレードル1を介してサーバ装置2に送信するようにする(ステップS604)。
次に、送受信制御部47は、送受信アンテナ45b、無線通信部45aを通じて、クレードル1を介してサーバ装置2から送信されてくる新規蓄積データ要求を受信し(ステップS605)、これに応じて制御部41が図9を用いて説明したような形式の新規蓄積データを自機の画像記憶44から抽出して、これを送受信制御部47が、無線通信部45a、送受信アンテナ45bを通じて送信し、クレードル1を介してサーバ装置2に送信するようにする(ステップS606)。
次に、送受信制御部47は、送受信アンテナ45b、無線通信部45aを通じて、クレードル1を介してサーバ装置2から送信されてくる蓄積データ消去要求を受信し(ステップS607)、これに応じて制御部41が自機の画像記憶部44に記憶保持している蓄積データの内、消去が指示された蓄積データを消去する処理を実行する(ステップS608)。このステップS608で行われる蓄積データの消去処理は、図18を用いて説明した処理と同じ処理である。
この後、制御部41は、消去処理完了報告を形成し、これを送受信制御部47が、無線通信部45a、送受信アンテナ45bを通じて送信し、クレードル1を介してサーバ装置2に送信するようにする(ステップS609)。
そして、送受信制御部47は、送受信アンテナ45b、無線通信部45aを通じて、クレードル1を介してサーバ装置2から送信されてくる書き戻しデータを受信し(ステップS610)、これを自機の画像記憶部44に保存する(ステップS611)。この後、制御部41は、保存完了報告を形成し、これを送受信制御部47が、無線通信部45a、送受信アンテナ45bを通じて送信し、クレードル1を介してサーバ装置2に送信するようにして(ステップS612)、この図22に示す処理を終了する。
このように、この変形例の場合には、クレードル1に載置されたモバイル機器にサーバ装置2にバックアップする必要のある蓄積データが存在するか否かをクレードル1が確認し、存在しない場合には、サーバ装置2とは通信処理を行うことなく、モバイル機器4に対して充電処理のみを行うようにすることができる。
[その他]
なお、上述の実施の形態においては、クレードル1には1つのサーバ装置2が接続されているものとして説明したが、これに限るものではない。例えば、クレードル1をLAN(Local Aria Network)に接続したり、あるいは、クレードル1に対して、複数のサーバ装置を接続できるようにしたりしておくことにより、クレードル1に載置されるモバイル機器に応じて、蓄積データの供給先を変更するようにすることもできる。
この場合、どのサーバ装置を用いるかは、モバイル機器の機器属性などに応じて、クレードル1が決定するようにしたり、クレードル1が機器IDを用いて各サーバ装置に過去の当該モバイル機器の蓄積データをバックアップしたサーバ装置を問い合わせて特定したり、あるいは、ユーザーがクレードル1に対して直接に指示を入力したりすることにより、特定することが可能である。
また、クレードル1の機能として、モバイル機器4やサーバ装置2の時計回路の時刻合わせ行うようにすることもできる。例えば、クレードル1の時計回路12として電波時計や高性能の時計回路を用い、クレードル1の時計回路12の時刻を基準として、クレードル1に載置されたモバイル機器4の時計回路42の時刻合わせを行ったり、サーバ装置2の時計回路22の時刻合わせを行ったりすることももちろんできる。また、基準とする時刻は、サーバ装置2が提供したり、その他の機器が提供したりすることももちろん可能である。
また、クレードル1に複数のサーバ装置が接続されている場合であっても、また、上述した実施の形態のように、1台のサーバ装置が接続されている場合であっても、サーバ装置には種々のモバイル機器からの蓄積データが提供されるので、サーバ装置において、種々の条件により各モバイル機器からの蓄積データをマージして管理することもできるようにされる。
例えば、提供元が違っていても、作成日時が同じ蓄積データをまとめて管理したり、静止画像や動画像など、データの種類ごとにまとめて管理したりするなどのことができるようにされる。
また、モバイル機器としては、一例として挙げた携帯電話端末、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、携帯型音楽再生装置に限るものではない。例えば、上述もしたように、デジタルスチルカメラやカメラ付き携帯電話端末などの静止画像データを撮影する機器がモバイル機器4である場合には、撮影されて蓄積された静止画像データをクレードル1を介して、サーバ装置2に供給してバックアップすると共に、そのバックアップした静止画像データから形成した縮小画像データを書き戻しデータとして作成してモバイル機器4に戻すことができることは上述した通りである。
また、デジタルビデオカメラやカメラ付き携帯電話端末などの動画像データを撮影する機器がモバイル機器4である場合には、撮影されて蓄積された動画像データをクレードル1を介して、サーバ装置2に供給してバックアップすると共に、そのバックアップした動画像データから形成したダイジェスト版の動画データを書き戻しデータとして作成してモバイル機器4に戻すことができることは上述した通りである。
また、音楽の再生機能を備えたモバイル機器の場合には、その機器における音楽データの再生履歴情報を、クレードル1を介してサーバ装置2が収集し、当該モバイル機器のユーザーの音楽嗜好を解析し、その結果、推薦する音楽データを、クレードル1を介して当該モバイル機器に提供するようにすることも可能である。もちろん、ユーザーがサーバ装置2に対して指示した音楽データのみを当該モバイル機器に提供するようにすることも可能である。
また、電子手帳のような、種々の情報を記録、閲覧できるモバイル機器の場合には、そのモバイル機器で新たに登録されたスケジュールやメモ等の種々の情報を、クレードル1を介してサーバ装置2に提供して保存し、ユーザーが指示したデータだけを戻すようにしたりすることも可能である。この場合のユーザーの指示は、予めサーバ装置2に与えておくようにすることもできるし、サーバ装置2へのバックアップ時点において、サーバ装置2にバックアップされたデータを見て、ユーザーが選択するようにすることもできる。
また、携帯電話端末等の通信を行う機能を備えたモバイル機器の場合には、アドレス帳データ等を、クレードル1を介してサーバ装置2に自動的にバックアップするようにすることも可能である。もちろん、その他の通信情報を、クレードル1を介してサーバ装置2にバックアップすることも可能である。また、サーバ装置2に登録されている新たなアドレス帳データを、クレードル1を介してモバイル機器に提供して記録するようにし、当該モバイル機器において利用できるようにすることもできる。この場合の相互のデータ通信も、基本的には、モバイル機器4をクレードル1に載置するだけで、自動的に行うようにすることができる。
また、サーバ装置2は、クレードル1を介して、予め決められた複数のモバイル機器に対して同じ情報を提供するようにしたり、機器属性が同じモバイル機器に対しては、同じ情報を提供したりすることももちろんできる。この場合、複数のモバイル機器は、一度にクレードル1に載置されても良いし、別々のタイミングで載置するようにされてもよい。
また、サーバ装置2は、クレードル1を介してモバイル機器4から取得した種々のデータをインターネット上に公開するようにしたり、クレードル1を介してモバイル機器4から取得した種々のデータを家庭内の他の再生装置や記録再生装置に提供して再生したり、記録したりするなどのこともできるようにされる。
また、サーバ装置2は、クレードル1を通じて、モバイル機器4から情報を収集したり、モバイル機器4に情報を提供したりした場合には、その事実をネットワークに接続された他のサーバ装置に通知して、当該他のサーバ装置を通じて当該処理を行ったことを使用者に通知するなどのこともできるようにされる。
また、上述した実施の形態においては、クレードル1がモバイル機器4への充電の制御を行うようにしたが、これに限るものではない。モバイル機器4が、自ら充電処理をコントロールするようにしてももちろんよい。
また、上述した実施の形態においては、クレードル1とサーバ装置2とは別体のものとして説明したが、クレードル1とサーバ装置2とは一体に構成することもできる。また、上述した実施の形態において、サーバ装置2は、例えば、パーソナルコンピュータやホームネットワークシステムのサーバ装置などとして実現可能なものであるが、位置付けとして、クレードル1の制御装置として構成することも可能である。
[第2の実施の形態]
次に、第2の実施の形態のデータ通信システムについて説明する。この第2の実施の形態のデータ通信システムもまた、図1を用いて説明した第1の実施の形態のデータ通信システムと同様に構成されるものである。すなわち、この第2の実施の形態のデータ通信システムは、図1に示したように、種々のモバイル機器4と、クレードル1と、サーバ装置2とからなるものである。
そして、この第2の実施の形態のデータ通信システムにおいても、クレードル1は、図2を用いて説明した構成を有するものである。また、サーバ装置2は、図3を用いて説明したサーバ装置とほぼ同様の構成を有するものであるが、後述もするように、通信I/Fを備え、サーバ装置2自体も、例えばインターネット上のサーバ装置にアクセスして必要なデータをダウンロードしてくるなどのことができるものである。
また、この第2の実施の形態のデータ通信システムにおいても、モバイル機器としては、携帯電話端末やデジタルスチルカメラなど種々のものを利用可能であるが、以下においては、モバイル機器4として、音楽再生機能を備えた携帯電話端末を用いる場合を例にして説明する。
そして、上述した第1の実施の形態においては、クレードル1を介して、モバイル機器4に蓄積したデータをサーバ装置2にバックアップしたり、バックアップしたデータの削除指示をサーバ装置2からモバイル機器4に送信してモバイル機器4の蓄積データを整理したり、また、バックアップしたデータについてリサイズするなどの処理を施してサーバ装置2からモバイル機器4に戻したりすることができるようにした。
これに対して、以下に説明する第2の実施の形態のデータ通信システムは、画像データや音声データ等の再生対象のコンテンツデータをやり取りするものではない。クレードル1を介して、コンテンツデータに付加されたメタデータやモバイル機器自体が有する機器情報等をモバイル機器4からサーバ装置2に提供したり、データによっては、サーバ装置2からモバイル機器4に供給したりすることによって、モバイル機器4とサーバ装置2との連携を強化し、モバイル機器4やサーバ装置2のユーザーの利便性をより向上させることができるようにするものである。
以下においては、まず、この第2の実施の形態のデータ通信システムで用いるモバイル機器である携帯電話端末4の構成と、サーバ装置2の構成とを説明し、この後、メタデータの利用態様として、(1)コンテンツデータの権利情報を利用する場合と(2)コンテンツデータのログ情報を利用する場合とを説明し、さらに、(3)モバイル機器の機器情報を利用する場合について説明する。
[モバイル機器である携帯電話端末4の構成例について]
図23は、この第2の実施の形態のデータ通信システムで用いられるモバイル機器である携帯電話端末4の構成例を説明するためのブロック図である。図23に示すように、この第2の実施の形態で用いられる携帯電話端末4は、制御部61、コンテンツ記憶部62、キー操作部63、バッテリ64、無線充電制御部65、無線通信部66a、送受信アンテナ66b、広域通信用の送受信アンテナ71、アンテナ共用器72、受信部73、局発部74、ベースバンド処理部75、コーデック76、受話器(スピーカ)77、送話器(マイクロホン)78、送信部79、音楽再生部80、音声出力端子81、LCD(Liquid Crystal Display)82を備えたものである。
まず、制御部61と、これに接続されるコンテンツ記憶部62、キー操作部63、バッテリ64、無線充電制御部65、無線通信部66a、送受信アンテナ66b、音楽再生部80、LCD82について説明する。
制御部61は、この第2の実施の形態のモバイル機器である携帯電話端末4の各部を制御するものであり、CPU611、ROM612、RAM613、不揮発性メモリ614が、CPUバス615を通じて接続されることにより形成されたマイクロコンピュータである。
ここで、CPU611は、制御の主体となるものであり、後述するROM612などに記憶保持されているプログラムを実行し、各部に供給する制御信号を形成して、これを各部に供給したり、各部からの信号を受け付けて、これを処理したりする。ROM612は、上述もしたように、CPU611によって実行される種々のプログラムやフォントデータなどの処理に必要になる各種のデータを記憶保持しているものである。
RAM613は、各種の処理において途中結果を一時記憶するなど、主に作業領域として用いられるものである。不揮発性メモリ614は、EEPROMやフラッシュメモリからなるものであり、この携帯電話端末4の電源が落とされても保持しておくべき情報、例えば、各種の設定パラメータ、電話帳データ、電子メールデータ、機能追加などのために新たに提供されたプログラムなどを記憶保持するものである。
このように構成される制御部61に対しては、図23に示すように、コンテンツ記憶部62が接続されている。コンテンツ記憶部62は、記録媒体として半導体メモリを備えると共に、当該半導体メモリに対してデータを書き込んだり、当該半導体メモリからデータを読み出したりするメモリコントローラとからなるものである。
このコンテンツ記憶部62の記録媒体には、後述もするように、この携帯電話端末4の広域通信機能を用いて、インターネットなどの広域ネットワーク上のサーバ装置からダウンロードしてくる音楽データやAV(Audio/Visual)データを記憶保持して、利用することができるようにされる。
なお、コンテンツ記憶部62の半導体メモリは、いわゆるカードメモリを用い、この実施の形態の携帯電話端末4に対して着脱可能に構成することもできる。また、半導体メモリの他にも、小型のハードディスクなどの他の記録媒体を用いる構成とすることも可能である。
また、制御部61に対しては、図23に示すように、キー操作部63が接続されている。キー操作部63は、図示しないが、いわゆるテンキー(数字キー)や各種のファクションキー、回動操作と押下操作とが可能なジョグダイヤルキーなどの複数の操作キーが設けられたものであり、ユーザーからの種々の操作入力を受け付けるものである。
そして、キー操作部63を通じて受け付けた使用者からの操作入力は、電気信号に変換されて制御部61に供給される。これにより、制御部61は、ユーザーからの指示に応じて各部を制御し、ユーザーの指示に応じた処理を行うことができるようにしている。
また、制御部61に対しては、無線充電制御部65が接続されている。無線充電制御部65は、クレードル1の充電制御部19を通じて供給される電力を、無線充電制御部65に接続されたバッテリ64に供給するなど、バッテリ64の充電処理を制御するものである。バッテリ64は、無線充電制御部65により充電が行われるようにされ、この携帯電話端末4の各部に必要な電力を供給するものである。
さらに、制御部61には、無線通信部66aが接続されている。この無線通信部66aには、送受信アンテナ66bが設けられている。無線通信部66a、送受信アンテナ66bは、クレードル1との間において、近距離無線通信によりデータ通信を行うようにする部分である。
したがって、無線通信部66a、送受信アンテナ66bは、上述したクレードル1の無線通信部15a、送受信アンテナ15bと同様に、例えば、UWB(Ultra WideBand)やブルートゥース(Bluetooth)などの無線通信技術、その他の種々の近距離無線通信技術、あるいは、短距離無線通信技術を用いて、クレードル1との間で無線通信を行うことができるようにしている。
また、この第2の実施の形態の携帯電話端末4の場合、制御部61に対して、音楽再生部80が接続されている。この音楽再生部80には、制御部61によってコンテンツ記憶部62から読み出されるデータ圧縮された音楽データが供給される。音楽再生部80は、これに供給されたデータ圧縮されている音楽データを圧縮解凍してデータ圧縮前の元の音楽データを復元し、これから出力するアナログ音楽信号を形成して音声出力端81を通じて出力する。音声出力端81には、図23に示すように、ヘッドホン90等を接続し、当該ヘッドホン90等を通じて再生音声の聴取が可能になる。
なお、ここでは、音楽再生部80は、音楽データの再生処理を行うものとして説明したが、音楽データだけでなく、話音声などの種々音声データ一般の再生処理を行うことができるものである。また、音楽再生部80においては、音楽データあるいはアナログ音楽信号に対する種々の調整処理やアナログ音声信号に対する増幅処理なども行われる。
また、図23に示すように、制御部61にはLCD82が接続されている。LCD82はLCDコントローラを含むものであり、制御部61からの制御信号により制御され、種々の表示情報をLCD82の表示画面に表示させることができるものである。なお、AVデータについても、制御部61が音声データと映像データとに分離し、音声データについては音楽再生部80に、映像データについてはLCD82に供給することによって、その両方について同期を取って再生することもできるようにされる。
また、図23には図示しないが、制御部61には、リンガ、バイブレータ、時計回路なども接続され、制御部61の制御に応じて、音声や振動で着信や警告を伝えることもできるし、カレンダ機能を実現したり、現在時刻を通知したり、目覚まし時計機能を実現したりすることもできるようにしている。
次に、図23に示した携帯電話端末4の受信系について説明する。送受信アンテナ71を通じて受信した受信信号は、アンテナ共用器72を通じて受信部73に供給される。受信部73は、受信信号が適正なレベルになるように、必要な帯域制限、AGC(Automatic Gain Control)を行なうとともに、局発部(周波数シンセサイザ)74からの信号に基づいて、受信信号の周波数を一定の周波数にするなどの処理を行って、処理後の信号をベースバンド処理部75に供給する。
ベースバンド処理部75は、受信部73からの信号をA/D(Analog/Digital)変換し、フェージングなどの影響除去や、受信した信号の種別判別、デ・インターリーブ、エラー訂正を行ない、適切な復号処理を行って、通話音声データとその他の通信データとを分離する。そして、通話音声データは、DSP(Digital Signal Processor)の構成とされたコーデック76に供給され、その他の通信データである、例えば、各種の制御情報や文字データ、あるいは、Webページデータ、音楽データ(音楽コンテンツ)などは、制御部61に供給される。
コーデック76は、ベースバンド処理部75からの音声データをD/A変換してアナログ音声信号を形成し、これをスピーカ77に供給する。スピーカ77は、コーデック76からのアナログ音声信号により駆動され、受信信号に応じた音声を放音する。
一方、ベースバンド処理部75から制御部61に供給された通信データは、この実施の形態の携帯電話端末用の制御データや文字データなどの場合には、制御部61の例えばRAM613に一時記憶されて、この携帯電話端末において使用される。また、それ以外の音楽データ等のコンテンツデータは、コンテンツ記憶部62に供給されて記憶保持され、必要に応じて読み出して利用することができるようにされる。
次に、図23に示した携帯電話端末4の送信系について説明する。マイクロホン78は、収音した音声をアナログ音声信号に変換し、これをコーデック76に供給する。コーデック76は、マイクロホン78からのアナログ音声信号をA/D変換して、デジタル音声信号を形成し、これをベースバンド処理部75に供給する。
ベースバンド処理部75は、コーデック76からのデジタル音声信号を所定の符号化方式で符号化して圧縮し、所定のブロックにまとめる。またベースバンド処理部75は、制御部61を通じて供給されるキー操作部63を通じて受け付けた送信用のデジタルデータ等についても所定のブロックにまとめることができるものである。ベースバンド処理部75は、圧縮されたデジタル音声信号や制御部61からの送信用のデジタルデータをまとめ、送信部79に供給する。
送信部79は、ベースバンド処理部75からのデジタルデータから変調信号を形成し、この変調信号を所定の送信周波数に変換するために、変調信号と、局発部74からの変換用の信号とを混合して、送信用変調信号を形成する。この送信部79において形成された送信用変調信号は、アンテナ共用器72を経由して、送受信アンテナ71から送信される。
このような受信系および送信系を備えたこの実施の形態の携帯電話端末においては、待ち受け受信時(待ち受け時)においては、制御部61は、ベースバンド処理部75からの受信信号を監視することにより、自機への着信を検出する。そして、制御部61は、自機への着信を検出した場合には、図示しないリンガを制御して、呼び出し音(リンガ音)を放音したり、図示しないバイブレータを振動させたりすることにより、自機への着信を当該携帯電話端末の使用者に通知する。
そして、携帯電話端末の使用者が、この実施の形態の携帯電話端末4に設けられているテンキーや各種のファンクションキーなどを有するキー操作部63に設けられている通話開始キーを押下するなどのオフフック操作を行なうことにより、着信に応答した場合には、制御部61は、送信系を通じて、接続応答を送出するなどして通信回線を接続し、前述したように、受信系、送信系の動作によって通話が可能となる。
また、この実施の形態の携帯電話端末から発呼する場合には、前述のキー操作部63の通話開始キーを押下するなどのオフフック操作を行った後、キー操作部63のテンキー(ダイヤルキー)を通じて、また、予め登録された電話帳データから相手先の電話番号を選択することにより、ダイヤル動作を行なうようにする。
これにより、制御部61は、発呼要求を形成し、送信系を通じて送信することにより、目的とする相手先の電話端末との間に通信回線を接続するようにする。そして、相手先からの着信応答が返信されてきて、通信回線の接続を確認すると、前述したように、受信系、送信系の動作によって通話が可能となる。
また、この実施の形態の携帯電話端末4は、インターネットに接続が可能なものであり、例えば、電話会社が提供するプロバイダ機能を通じて、URL(Uniform Resource Locators)を入力して送信することにより、Webページなどの情報を得て、この情報を、制御部61を通じてLCD82に表示したり、インターネット上の目的とするサーバから音楽データ(音楽コンテンツ)をダウンロードしてコンテンツ記憶部62に記憶保持して利用できるようにしたりすることもできるようにしている。
また、この実施の形態の携帯電話端末4は、キー操作部63、LCD82を通じて情報を入力して、送信用の電子メールデータを不揮発性メモリ614に作成し、これをインターネットを通じて目的とする相手先のメールサーバに送信したり、また、自機宛の電子メールをメールサーバから受信して不揮発性メモリ614に格納し、これをLCD82に表示して利用したりするなどのこともできるものである。
このように、この実施の形態の携帯電話端末4は、携帯電話ネットワークやインターネットなどの広域ネットワークを通じて、電話通信やデータ通信を行うことができるものである。
[サーバ装置2の構成例について]
図24は、この第2の実施の形態のデータ通信システムで用いられるサーバ装置2の構成例を説明するためのブロック図である。図24に示すように、この第2の実施の形態のサーバ装置2は、音声I/F32a、音声信号の出力端32b、通信I/F33を備える点を除けば、図3に示した第1の実施の形態のサーバ装置2と同様に構成されるものである。このため、図24に示したサーバ装置2においては、図3に示したサーバ装置2と同様に構成される部分には同じ参照符号を付し、それらの詳細な説明については省略する。
そして、図24に示したサーバ装置2は、制御部21の制御により、通信I/F33を通じて公衆電話網を通じてインターネットに接続し、インターネット上の種々のサーバ装置から種々のWebページの提供を受けて、これを表示I/F31a、映像信号の出力端31bを通じてモニタ装置に供給してモニタ装置の表示画面に情報を表示したり、音楽データやAVデータ等の種々のコンテンツデータをダウンロードしてきて、HDD30に格納して、必要に応じて読み出すことにより利用したりすることもできるものである。
そして、この第2の実施の形態のサーバ装置2は、音声データの再生機能をも備えており、当該サーバ装置2において、HDD30に記憶保持している音楽データを読み出して、これを再生し、音声I/F32a、音声信号の出力端を通じて、これに接続された図示しないスピーカに供給することにより、当該スピーカから再生音声を放音し、これを聴取することもできるようにされたものである。
そして、図23に示した構成の携帯電話端末4と、図2に示した構成のクレードル1と、図24に示した構成のサーバ装置2とにより、図1に示したように構成されるこの第2の実施の形態のデータ通信システムにおいては、上述もしたように、コンテンツデータのやり取りを行うことなく、コンテンツデータに付加されているメタデータをサーバ装置2との間でやり取りしたり、携帯電話端末4の機器情報をサーバ装置2に提供したりすることにより、携帯電話端末4とサーバ装置2との連携を強化して、ユーザーにとってより使い勝手のよいデータ通信システムを実現するようにしている。
以下に、この第2の実施の形態のデータ通信システムにおいて、コンテンツデータのメタデータや携帯電話端末4の機器情報を利用する場合について具体的に説明する。
[(1)コンテンツデータの権利情報を利用する場合について]
次に、この第2の実施の形態のデータ通信システムにおいて、コンテンツデータの権利情報を利用する場合について説明する。ここでコンテンツデータの権利情報は、コンテンツデータについてのメタデータであり、各コンテンツデータについての利用資格や利用限度(利用制限)などを示す情報である。
このような権利情報を、クレードル1を通じてモバイル機器である携帯電話端末4とサーバ装置2とで送受することにより、以下に詳述するように、携帯電話端末4とサーバ装置2との間においてコンテンツデータ自体を送受することなく、同じ内容のコンテンツデータを利用できるようにするなどのことが可能になる。
[権利情報を含む蓄積データのレイアウト例]
図25は、この第2の実施の形態において、インターネット上のサーバ装置からダウンロードしてくることにより得られるデータであって、モバイル機器である携帯電話端末4のコンテンツ記憶部62やサーバ装置2のHDD30に記憶保持される権利情報が付加された蓄積データ(コンテンツデータ)について説明するための図である。なお、ここで蓄積データは音楽データ(音楽コンテンツ)である場合として説明する。
図25に示すように、ダウロードしてきて上述したように所定の記憶部に蓄積される音楽データ(蓄積データ)には、管理情報と権利情報とが付加される。管理情報は、図25に示すように、装置ID、データID、データ属性、取得日時、データサイズ、その他の情報からなるものである。ここで、装置IDは、当該蓄積データを蓄積している装置(携帯電話端末やサーバ装置など)を特定する情報である。データIDは、当該蓄積データを一意に特定可能なものである。データ属性は、当該蓄積データが静止画像データなのか、動画像データなのか、音声データなのか等のデータの種類を示す情報である。取得日時は、当該蓄積データをダウンロードしてきた日時を示す情報である。データサイズは、当該蓄積データの大きさを示す情報である。この他にもその他の情報として種々の管理情報を付加することができるようにされる。
また、権利情報は、コンテンツ特定情報、提供元情報、権利ID、権利レベル、送信済みフラグ、その他の情報からなるものである。ここで、コンテンツ特定情報は、これが付加された蓄積データ(音楽データ)が何であるかを特定するものである。すなわち、音楽データには、同じ内容の音楽データであっても、例えば、モバイル機器用のデータ圧縮されたものと、家庭などにおいて用いられる圧縮されていない高品位のものというように複数種類ある場合に、管理情報のデータIDが、どの種類のどの音楽データと言うように、データの種類を含めて音楽データ自体を一意に特定可能なものであるのに対して、コンテンツ特定情報は、どの音楽データというように、データの種類までは特定できず、いわゆる楽曲を特定できるにとどまるものである。
また、提供元情報は、当該蓄積データである音楽データの提供元を特定できる情報であり、具体的には、音楽データの配信元のサーバ装置を特定するURLなどである。そして、この第2の実施の形態において、権利IDは、これが付加された音楽データに付随する他のデータについての利用資格の有無を示すものである。また、権利レベルは、当該音楽データに付随する他のデータについての利用資格が与えられている場合に、その利用範囲や利用限度を示すものである。
権利IDと権利レベルとについて具体的に説明する。上述したように、音楽データには、同じ内容の音楽データであっても、モバイル機器用のデータ圧縮されたものと、家庭などにおいて利用可能な高品位のものというように、複数種類のデータが存在する場合がある。そして、モバイル機器において、モバイル機器用の音楽データを正規にダウンロードした場合には、同じ内容の高品位の音楽データを家庭などに設置されるパーソナルコンピュータなどのサーバ装置を通じて無償でダウンロードして利用する権利をも与えるようにすることが考えられる。逆に、家庭などに設置されるパーソナルコンピュータなどのサーバ装置を通じて正規に高品位の音楽データをダウンロードした場合には、同じ内容のモバイル機器用の音楽データをモバイル機器においてダウンロードして利用する権利をも与えるようにすることが考えられる。
このような場合に、モバイル機器用の音楽データに対しては、同じ内容の高品位の音楽データをダウンロードする際に必要になる認証コードが権利IDとして付加されると共に、どのようなデータが利用可能かを示す情報が権利レベルとして付加される。また、高品位の音楽データに対しては、同じ内容のモバイル機器用の音楽データをダウンロードする際に必要になる認証コードが権利IDとして付加されると共に、どのようなデータが利用可能かを示す情報が権利レベルとして付加される。
この場合、権利IDとしての認証コードは、複数桁の数字からなるもの、複数のアルファベット文字などからなるもの、複数の数字とアルファベット文字などが混在するものなどが用いられるが、これらを更に暗号化するなどしたものが用いられる場合もある。また、権利レベルは、例えば、高品位の音楽データの利用が可能である場合には、値「1(レベル1)」が、モバイル機器用の音楽データの利用が可能な場合には、値「2(レベル2)」が用いられるというように、利用可能とされたデータ種類(データのレベル)を区別することができるようにされる。この他、権利レベルの情報によって、ダウンロードした音楽データの再生回数やコピー回数の制限を指示するようにすることも可能である。
なお、コンテンツ特定情報、権利ID、権利レベルの各情報は、各音楽データ毎に、音楽データの提供元によって付加される情報であり、音楽データをダウンロードした場合に、当該音楽データと共に、音楽データの提供元のサーバ装置から提供されるものである。
また、図25において、権利情報に含まれる送信済みフラグは、当該蓄積データに付加されている権利情報に基づいて、後述する権利情報送信データを形成して、クレードル1を介して相手機器に送信したか否かを識別可能にするものである。この第2の実施の形態において、送信済みフラグは、権利情報を送信済みの場合には値「1」となり、未送信の場合には値「0」となるようにされる。また、権利情報としてその他の種々の情報、例えば音楽データを利用することが可能なユーザーを制限するための情報などを付加することも可能である。
[権利情報送信データのレイアウト例]
図26は、上述したように、クレードル1を介して、モバイル機器である携帯電話端末4とサーバ装置2との間において送受するようにされる権利情報送信データのレイアウト例を説明するための図である。
図26に示すように、この例の権利情報送信データは、種別、送信先、送信元、権利情報からなるものである。種別は、当該データが権利情報送信データであることを示すものである。送信先は、当該権利情報送信データを送信する先の機器を特定する情報であり、送信先の装置IDが入力するようにされる。送信元は、当該権利情報送信データを送信するようにした送信元の機器を特定する情報であり、送信元の装置IDが入力するようにされる。
そして、図26の権利情報送信データにおいて、権利情報を構成するそれぞれの情報は、図25を用いて説明した蓄積データの権利情報に基づいて形成されるものである。したがって、図26に示した権利情報送信データの権利情報を構成するコンテンツ特定情報、提供元情報、権利ID、権利レベル、その他等の各情報は、図25に示した蓄積データに付加されている権利情報の対応する情報と同じ情報である。
このように構成される図26に示した権利情報送信データが、以下に説明するように、クレードル1を介して、モバイル機器である携帯電話端末4と、家庭に設置されるサーバ装置2との間で送受するようにされる。
[権利情報を送受する場合のデータ通信システムの動作について]
次に、クレードル1を介して、モバイル機器である携帯電話端末4とサーバ装置2との間において、権利情報を送受する場合のこの第2の実施の形態のデータ通信システムの動作について、図27〜図29のタイミングチャートを参照しながら説明する。この第2の実施の形態のデータ通信システムにおいても、図1を用いて説明した第1の実施の形態のデータ通信システムの場合と同様に、クレードル1とサーバ装置2とは、インターフェイスケーブル3が用いられて有線により接続されている。
また、クレードル1は、これに載置されたモバイル機器4との間においては、近距離無線通信技術が用いられて、無線により接続される。そして、以下に説明するように、クレードル1に載置されたモバイル機器である携帯電話端末4と、クレードル1に有線接続されたサーバ装置2との間においては、クレードル1を介して通信が行われることになる。
また、モバイル機器である携帯電話端末4とサーバ装置2とのそれぞれは、自機の広域通信機能を用いて、目的とする音楽データ提供サーバ装置にアクセスし、目的とする音楽データをダウンロードしてきて、図25を用いて説明したレイアウトの蓄積データとして自機の記憶部に記憶保持している。ここで自機の記憶部は、携帯電話端末4の場合にはコンテンツ記憶部62であり、サーバ装置2の場合にはHDD30である。
すなわち、この第2の実施の形態においては、携帯電話端末4において目的とする音楽データのダウンロードを行うようにすると、携帯電話端末4には、データ圧縮されたモバイル機器用の音楽データと、これに付随する、コンテンツ特定情報、高品位の音楽データをダウンロードして利用できるようにするための権利ID、権利レベルなどの情報が提供され、これが送受信アンテナ71、アンテナ共用器72、受信部73、ベースバンド処理部75を通じて制御部61に供給され、図25に示したレイアウトに整えられて制御部61によりコンテンツ記憶部62に格納されて、利用できるようにされる。
また、この第2の実施の形態においては、サーバ装置2において目的とする音楽データのダウンロードを行うようにすると、サーバ装置2には、高品位の音楽データと、これに付随する、コンテンツ特定情報、モバイル機器用の音楽データをダウンロードして利用できるようにするための権利ID、権利レベルなどの情報が提供され、これが通信I/F33を通じて制御部21に供給され、図25に示したレイアウトに整えられて制御部21によりHDD30に格納されて、利用できるようにされる。
また、この第2の実施の形態のデータ通信システムにおいても、送受される、問い合わせ、応答、要求、報告などは、図7Aに示したレイアウトにしたがって形成されて用いられる。
そして、図27に示すように、クレードル1は、自機に電源が投入された状態にあるときには、載置検出部16の機能により、所定の間隔ごとにモバイル機器4が載置されたか否かを判断する(ステップS41)。上述もしたように、この実施の形態のクレードル1に対しては、1度に複数台のモバイル機器4を載置することができるようにされており、新たなモバイル機器4が載置される毎にモバイル機器が載置されたことを検出することができるようにしている。
ステップS41の判断処理において、モバイル機器4は載置されていないと判断したときには、ステップS41の判断処理を繰り返し、モバイル機器の載置待ちとなる。また、ステップS41の判断処理において、モバイル機器4が載置されたと判断した場合には、クレードル1は、載置されたモバイル機器4に対して充電の開始処理を実行するようにする(ステップS42)。
そして、クレードル1は、送受信制御部17が無線通信部15aを制御し、自機に新たに載置されたモバイル機器4に対して、図7Bに示した構成の機器ID問合せを送信する(ステップS43)。これに応じて、モバイル機器4は、制御部61が無線通信部66aを制御し、図7Cに示した構成の機器ID応答をクレードル1に送信する(ステップS44)。
クレードル1においては、モバイル機器4からの機器ID応答を受信すると、受信した機器IDに基づいて、自機に載置されたモバイル機器4が広域通信機能を有するものか否かを判断する(ステップS45)。広域通信機能を有するものか否かを判断するのは、当該モバイル機器4が独立してコンテンツデータのダウンロードができるものであるか否かを判断するためである。そして、機器IDは、当該機器IDの送信元の機器がどのような機器であるのかを示すものであるので、これに基づいてクレードル1は、広域通信機能を有するものか否かを判断することができる。
クレードル1は、ステップS45の判断処理において、自機に載置されたモバイル機器が広域通信機能を持たない例えばデジタルスチルカメラなどである場合には、権利情報に基づいてコンテンツデータを独自にダウンロードすることは無いので、当該モバイル機器4のバッテリの充電容量を確認して充電が完了するまで待ち状態になり(ステップS46)、充電が完了したと判断したときには、載置されたモバイル機器4のバッテリに対する充電処理を終了させて(ステップS47)、図27〜図29に示す処理を終了させる。
また、クレードル1は、ステップS45の判断処理において、自機に載置されたモバイル機器が広域通信機能を持つものであると判断したときには、図28の処理に進み、ステップS44においてモバイル機器4から通知された機器IDをサーバ装置2に報告する(ステップS48)。これにより、サーバ装置2においても報告された機器IDに基づいて、クレードル1に載置されたモバイル機器4は広域通信機能を有するもの、この第2の実施の形態においては、携帯電話端末であることを認識することができる。
サーバ装置2において、クレードル1に広域通信機能を有する携帯電話端末4が載置されたことを検出すると、サーバ装置2は、自己の通信I/F33を通じてダウンロードするようにした音楽データ(音楽コンテンツ)であって、付加されている権利情報を広域通信機能を備えたモバイル機器に送信していないものがある場合には、当該未送信の権利情報等に基づいて、図26に示したレイアウトの権利情報送信データを形成し、これをクレードル1を介してクレードル1に載置された携帯電話端末4に送信する(ステップS49)。これにより、クレードル1に載置された携帯電話端末4においては、サーバ装置2にダウンロードされた音楽データであって、自機においても利用可能なモバイル機器用の音楽データがある場合にこれを把握することができる。
なお、未送信の権利情報が存在するか否かは、図25を用いて説明したように、蓄積データである音楽データに付加されている権利情報の送信済みフラグによって判別することができる。そして、ステップS49において、未送信の権利情報を送信したときには、この第2の実施の形態のサーバ装置2においては、該当する蓄積データの権利情報の送信済みフラグには、送信済みであることを示す情報、すなわち、値「1」が書き込まれる。また、未送信の権利情報が複数ある場合には、複数の権利情報送信データが形成されて送信される。
この後、クレードル1は、自機に載置された携帯電話端末4に対して、未送信権利情報有無問い合わせを送信する(ステップS50)。未送信権利情報有無問い合わせを受信した携帯電話端末4は、自己の広域通信機能を用いてダウンロードするようにした音楽データ(音楽コンテンツ)であって、付加されている権利情報をサーバ装置2に送信していないものの有無を示す未送信権利情報有無応答を形成し、これをクレードル1に送信する(ステップS51)。なお、携帯電話端末4においても、未送信の権利情報が存在するか否かは、図25を用いて説明したように、蓄積データである音楽データに付加されている権利情報の送信済みフラグによって判別することができる。
そして、クレードル1は、自機に載置された携帯電話端末4からの未送信権利情報有無応答に基づいて、自機に載置された携帯電話端末4には、未送信権利情報が存在するか否かを判断する(ステップS52)。このステップS52の判断処理において、携帯電話端末4に未送信権利情報が存在しないと判断したときには、サーバ装置2に送信すべき権利情報が無いのであるから、クレードル1は、当該モバイル機器4のバッテリの充電容量を確認して充電が完了するまで待ち状態になり(ステップS53)、充電が完了したと判断したときには、載置されたモバイル機器4のバッテリに対する充電処理を終了させて(ステップS54)、図27〜図29に示す処理を終了させる。
また、クレードル1が、ステップS52の判断処理において、携帯電話端末4に未送信権利情報が存在すると判断したときには、図29の処理に進み、サーバ装置2に対して、携帯電話端末4に未送信権利情報が存在することを報告する(ステップS55)。未送信権利情報が携帯電話端末4に存在することが報告されたサーバ装置2においては、未送信権利情報送信要求を形成し、これをクレードル1を介して携帯電話端末4に送信する(ステップS56)。
未送信権利情報送信要求を受信した携帯電話端末4は、自機に記憶保持している蓄積データの内、送信済みフラグが送信済みになっていない(値「1」になっていない)権利情報に基づいて、図26を用いて説明したレイアウトの権利情報送信データを形成し、これをクレードル1を介してサーバ装置2に送信する(ステップS57)。これにより、サーバ装置2においては、携帯電話端末4にダウンロードされた音楽データであって、自機においても利用可能な高品位の音楽データがある場合にこれを把握することができる。
そして、ステップS57において、未送信の権利情報を送信したときには、この第2の実施の形態の携帯電話端末4においては、該当する蓄積データの権利情報の送信済みフラグには、送信済みであることを示す情報、すなわち、値「1」が書き込まれる。
そして、クレードル1は、当該モバイル機器4のバッテリの充電容量を確認して充電が完了するまで待ち状態になり(ステップS58)、充電が完了したと判断したときには、載置されたモバイル機器4のバッテリに対する充電処理を終了させて(ステップS59)、図27〜図29に示す処理を終了させる。
そして、クレードル1に載置された携帯電話端末4に対しては、図28において説明したステップS49の処理により、サーバ装置2が独自にダウンロードするようにした音楽データについての権利情報がサーバ装置2からクレードル1を介して提供され、これを管理し、サーバ装置2がダウンロードした音楽データに対応するモバイル機器用の音楽データをダウンロードして利用することができるようにされる(ステップS60)。そして、当該権利情報が利用されて目的とする音楽データがダウンロードされた場合には、確認処理を通じて、同じ音楽データの繰り替えしダウンロード(重ねての権利行使)はできないようにされる(ステップS61)。
また、サーバ装置2にたいしては、図29において説明したステップS57の処理により、携帯電話端末4が独自にダウンロードするようにした音楽データについての権利情報が携帯電話端末4からクレードル1を介して提供され、これを管理し、携帯電話端末4がダウンロードした音楽データに対応する高品位の音楽データをダウンロードして利用することができるようにされる(ステップS62)。そして、当該権利情報が利用されて目的とする音楽データがダウンロードされた場合には、確認処理を通じて、同じ音楽データの繰り替えしダウンロード(重ねての権利行使)はできないようにされる(ステップS63)。
なお、図27〜図29を用いて説明した例の場合には、サーバ装置2から携帯電話端末4への権利情報送信データの送信は、未送信権利情報の有無を確認することなく行うようにし、携帯電話端末4からサーバ装置2への権利情報の送信は、未送信権利情報があるか否かを確認し、ある場合においてのみ行うようにした。
これは、処理能力はサーバ装置2の方があり、サーバ装置2を通じてコンテンツデータのダウンロードを行う場合が多い場合を想定したためである。したがって、サーバ装置2からの権利情報送信データの送信についても、未送信権利情報が存在する場合においてのみ行うようにすることもできる。また、携帯電話端末4に未送信権利情報が存在するか否かを確認することなく、権利情報送信データの送信を行うようにすることもできる。
しかし、クレードル1において、未送信権利情報の有無を確認することによって、未送信権利情報が存在しない場合にまで、権利情報送信データの送信処理を行うことがないようにすることができるので、クレードル1において未送信権利情報の有無を確認することによって、携帯電話端末4、サーバ装置2において、不必要な処理をさせないようにすることが可能になる。
[権利情報を用いるようにする場合のクレードル1の処理について]
図30は、この第2の実施の形態のデータ通信システムにおいて、権利情報を利用する場合のクレードル1において行われる処理を説明するためのフローチャートである。この図30に示す処理は、クレードル1において電源が投入された状態にあるときに主に制御部11と送受信制御部17とによって実行される。なお、この第2の実施の形態のクレードル1に対しても、第1の実施の形態の場合と同様に、1度に複数のモバイル機器を載置することが可能であり、モバイル機器の載置可能最大台数分の図30に示す処理が、いわゆるマルチタスクで実行することができるようにしている。
そして、電源が投入されると、クレードル1の制御部11は、載置検出部16を制御して、モバイル機器の載置検出を開始し、モバイル機器が自機に載置されたか否かを判断する(ステップS4101)。ステップS4101の判断処理においてモバイル機器は載置されていないと判断したときには、モバイル機器の載置検出を繰り返すようにし、モバイル機器が載置されるのを待つ。
ステップS4101の判断処理において、モバイル機器が載置されたと判断したときには、制御部11は、充電制御部19を制御し、新たに載置されたモバイル機器4のバッテリの充電容量を確認する(ステップS4102)。このステップS4102の処理は、モバイル機器4のバッテリの電圧などを検出するなど、電気的な検出処理によって確認することが可能である。
そして、制御部11は、ステップS4102の確認結果に基づいて、新たに載置されたモバイル機器4に対して充電が必要か否かを判断し(ステップS4103)、充電が必要であると判断したときには、制御部11は、充電制御部19を制御して、新たに載置された当該モバイル機器4のバッテリに対して充電を開始させるようにする(ステップS4104)。また、ステップS4103の判断処理において、充電は必要ないと判断したときには、ステップS4105の処理に進む。
次に、制御部11は、図7Bを用いて説明した機器ID問合せコマンドデータを形成し、これを送受信制御部17が無線通信部15a、送受信アンテナ15bを制御して、これらを通じて新たに載置されたモバイル機器4に送信する(ステップS4105)。これに応じてモバイル機器4から機器ID応答が送信されてくるので、クレードル1の送受信制御部17は、送受信アンテナ15b、無線通信部15aを通じて、モバイル機器4からの図7Cを用いて説明した機器ID応答を受信する(ステップS4106)。
そして、クレードル1の制御部11は、ステップS4106で受信した機器ID応答に含まれる機器IDに基づいて、載置されたモバイル機器4が、広域通信機能を備えるものか否かを判断する(ステップS4107)。ステップS4107の判断処理において、自機に載置されたモバイル機器は、広域通信機能を備えるものではないと判断したときには、権利情報を利用することは無いので、モバイル機器のバッテリの充電容量を確認するようにし(ステップS4108)、ステップS4108の確認結果に基づいて、充電は完了したか否かを判断する(ステップS4109)。
ステップS4109の判断処理において、充電は完了してないと判断したときには、ステップS4108からの処理を繰り返し、充電が完了するまで待ち状態となる。ステップS4019の判断処理において、充電が完了したと判断したときには、制御部11は、充電制御部19を制御して、充電処理を終了させ(ステップS4110)、この図30に示す処理を終了させる。
なお、ステップS4103において充電は必要ないと判断し、ステップS4104において充電を開始するようにしなかった場合には、ステップS4108、ステップS4109の処理を通じて充電は必要ないと判断することができ、ステップS4110の処理をスルーして、この図30に示す処理を終了させることができる。
そして、ステップS4107の判断処理において、自機に載置されたモバイル機器が広域通信機能を有するものであると判断したときには、送受信制御部17は、ステップS4106において受信した機器IDを、外部I/F14a、入出力端14bを通じてサーバ装置2に報告する(ステップS4111)。この第2の実施の形態の場合、モバイル機器は携帯電話端末であるので、ステップS4111においてモバイル機器4の機器IDがサーバ装置に報告されることになる。
ステップS4111の報告に応じて、サーバ装置2からサーバ装置2が独自にダウンロードした音楽データの内、権利情報を送信していないものがある場合に、その未送信権利情報をモバイル機器である携帯電話端末4に送信してくるので、クレードル1は、これを入出力端14b、外部I/F14aを通じて受信して、無線通信部15a、送受信アンテナ15bを通じて携帯電話端末4に送信する(ステップS4112)。
そして、クレードル1の制御部11は、未送信権利情報有無問い合わせを形成し、これを送受信制御部17が無線通信部15a、送受信アンテナ15bを制御して、これらを通じて新たに載置されたモバイル機器である携帯電話端末4に送信する(ステップS4113)。
このステップS4113の問い合わせに応じて、携帯電話端末4から、未送信権利情報有無応答が送信されてくるので、クレードル1は、送受信アンテナ15b、無線通信部15aを通じて受信し(ステップS4114)、受信した未送信権利情報有無応答に基づいて、携帯電話端末4に未送信権利情報があるか否かを判断する(ステップS4115)。
ステップS4115の判断処理において、制御部11は、携帯電話端末4に未送信権利情報は無いと判断したときには、ステップS4108からの処理を行うようにし、携帯電話端末4のバッテリに対する充電処理が終了したら、この図30に示す処理を終了する。また、ステップS4115の判断処理において、携帯電話端末4に未送信権利情報があると判断したときには、クレードル1の制御部11は、未送信権利情報有りを報告する情報を形成し、これを送受信制御部17が外部I/F14a、入出力端14bを通じてサーバ装置2に送信する(ステップS4116)。
ステップS4116の報告に応じて、サーバ装置2からは、未送信権利情報送信要求が送信されてくるので、クレードル1は、これを入出力端14b、外部I/F14aを通じて受信して、無線通信部15a、送受信アンテナ15bを通じて携帯電話端末4に送信する(ステップS4117)。
これに応じて、モバイル機器である携帯電話端末4から、未送信権利情報が送信されてくるので、クレードル1は、送受信アンテナ15b、無線通信部15aを通じて受信すると共に、外部I/F14a、入出力端14bを通じてサーバ装置2に送信する(ステップS4118)。この後、ステップS4108からの処理を行うようにし、携帯電話端末4のバッテリに対する充電処理が終了したら、この図30に示す処理を終了する。
[権利情報を用いるようにする場合のサーバ装置2の処理について]
図31は、この第2の実施の形態のデータ通信システムにおいて、権利情報を利用する場合のサーバ装置2において行われる処理を説明するためのフローチャートである。この図31に示す処理は、サーバ装置2において電源が投入された状態にあるときに主に制御部21と送受信制御部27とによって実行される。
電源が投入されると、サーバ装置2の送受信制御部27は、入出力端26b、外部I/F26aを通じて、クレードル1からのクレードル1に載置されたモバイル機器の機器ID報告を受信したか否かを判断する(ステップS4201)。ステップS4201の判断処理において、まだ機器ID報告を受信していないと判断したときには、ステップS4201からの処理を繰り返し、クレードル1に載置されたモバイル機器の機器ID報告の受信待ちとなる。
ステップS4201の判断処理において、クレードル1からの機器ID報告を受信したと判断したときには、クレードル1に新たに広域通信機能を備えたモバイル機器4が載置されたと分かるので、制御部11は、自機において独自にダウンロードした音楽データに付加されている権利情報であって、まだモバイル機器4、この第2の実施の形態の場合には携帯電話端末4に送信していない権利情報について、図26に示した構成の権利情報送信データを形成し、これを送受信制御部27が、外部I/F26a、入出力端26bを通じて送信するようにし、クレードル1を介して、クレードル1に新たに載置された携帯電話端末4に送信するようにする(ステップS4202)。
次に、制御部21は、クレードル1から送信されてくる携帯電話端末4からの未送信権利情報があることの報告を受信したか否かを判断する(ステップS4203)。ステップS4203の判断処理において、未送信権利情報があることの報告を受信していないと判断したときには、モバイル機器からの受信すべき権利情報は存在しないと判断して、この図31に示す処理を終了する。
ステップS4203の判断処理において、未送信権利情報があることの報告を受信したと判断したときには、制御部21は、未送信権利情報送信要求を形成し、これを送受信制御部27が、外部I/F26a、入出力端26bを通じて送信し、クレードル1を通じて携帯電話端末4に送信する(ステップS4204)。
ステップS4204において送信した要求に応じて、クレードル1に載置されたモバイル機器である携帯電話端末4から、未送信権利情報(未送信の権利情報送信データ)が送信されてくるので、制御部21は、入出力端26b、外部I/F26aを通じてこれ受信し(ステップS4205)、HDD30に格納して、管理し、利用できるようにして(ステップS4206)、この図31に示す処理を終了する。
[権利情報を用いるようにする場合のモバイル機器4の処理について]
図32は、この第2の実施の形態のデータ通信システムにおいて、権利情報を利用する場合のモバイル機器である携帯電話端末4において行われる処理を説明するためのフローチャートである。この図32に示す処理は、モバイル機器である携帯電話端末4が例えば充電モード等の、クレードル1に載置され、データ通信と充電処理とを行うようにする所定のモードとされた場合に、携帯電話端末4の主に制御部61によって実行される処理である。
まず、所定のモードに切り替えられると、制御部61は、送受信アンテナ66b、無線通信部66aを通じて、クレードル1からの機器ID問合せを受信したか否かを判断する(ステップS4301)。ステップS4301の判断処理において、機器ID問合せを受信していないと判断したときには、ステップS4301からの処理を繰り返し、機器ID問合せの受信待ちとなる。
ステップS4301の判断処理において、クレードル1からの機器ID問合せを受信したと判断したときには、制御部61は、自機の例えばROM612に記憶保持されている機器IDや機器属性などの必要な情報を取得し、図7Cに示したような機器ID応答を形成して、これを無線通信部66a、送受信アンテナ66bを通じてクレードル1に送信する(ステップS4302)。
そして、制御部61は、送受信アンテナ66b、無線通信部66aを通じて、クレードル1を介して送信されてくるサーバ装置2からの未送信権利情報等を受信し(ステップS4303)、未送信権利情報を受信したときには、これを自機の例えばコンテンツ記憶部62に記録して管理し、利用できるようにする(ステップS4304)。
この後、制御部61は、送受信アンテナ66b、無線通信部66aを通じて、クレードル1を介して送信されてくるサーバ装置2からの未送信権利情報有無問い合わせを受信するようにする(ステップS4305)。そして、ステップS4305において受信した未送信権利情報有無問い合わせに応じて、自機が保持している蓄積データの権利情報に基づき、未送信権利情報有無応答を形成し、これを無線通信部66a、送受信アンテナ66bを通じて送出して、クレードル1を介してサーバ装置2に送信する(ステップS4306)。
そして、制御部61は、サーバ装置2から送信されてくる未送信権利情報送信要求を送受信アンテナ66b、無線通信部66aを通じて受信するようにして、当該未送信権利情報送信要求を受信したか否かを判断する(ステップS4307)。
ステップS4307の判断処理において、未送信権利情報送信要求を受信したと判断したときには、制御部61は、自機が保持している蓄積データの権利情報に基づき、図26に示した未送信権利情報を形成して、これを無線通信部66a、送受信アンテナ66bを通じて送出して、クレードル1を介してサーバ装置2に送信し(ステップS4308)、この図32に示す処理を終了する。
また、ステップS4307の判断処理において、未送信権利情報送信要求を受信しないと判断したときには、この例の場合、自機に送信すべき未送信権利情報は存在しないということであるので、未送信権利情報の送信処理を行うことなく、この図32に示す処理を終了する。
[権利情報を利用する場合のまとめ]
図27〜図29のタイミングチャート、及び、図30〜図32のフローチャートから分かるように、この例のデータ通信システムにおいては、クレードル1を介して、モバイル機器である携帯電話端末4と、サーバ装置2との間で、それぞれにおいて独自にダウンロードした音楽データについての権利情報を相互に送受することができる。
そして、権利情報は、上述もしたように、携帯電話端末4で正規にダウンロードしたモバイル機器用の音楽データには、高品位の音楽データを自宅などに設置された他の機器で利用する権利が付与されており、また、サーバ装置2で正規にダウンロードした高品位の音楽データには、モバイル機器用の音楽データをモバイル機器で利用する権利が付与されているものである。
したがって、これらの権利情報を携帯電話端末4とサーバ装置2との間で相互にやり取りすることにより、携帯電話端末4とサーバ装置2とで直接に音楽データのやり取りを行うことなく、同じ内容の音楽データであって、それぞれの機器にあった形式の音楽データを独立してダウンロードすることにより利用することができるようにされる。
なお、ここでは、ダウンロードするコンテンツデータが音楽データである場合を例にして説明したが、これに限るものではない。ダウンロードするコンテンツデータは、AVデータ、静止画像データ、テキストデータ、プログラムなどであってもよい。
これにより、モバイル機器と自宅のサーバ装置などとでは、処理能力などの点から同じデータやプログラムを処理できない場合に、それぞれの機器に合致したデータやプログラムを提供して利用できるようにすることができる。この場合、モバイル機器と自宅のサーバ装置などで別々に目的とするコンテンツを購入するのではなく、モバイル機器か自宅のサーバ装置などの機器のいずれか一方において目的とするデータ等を購入すれば、他方の機器においても、利用可能なデータやプログラムを利用する権利を得るようにすることができるので、新たなコンテンツの利用態様を実現することができる。
[(2)コンテンツデータのログ情報を利用する場合について]
次に、この第2の実施の形態のデータ通信システムにおいて、モバイル機器で利用されるコンテンツデータについてのログ情報を利用する場合について説明する。ここでコンテンツデータについてのログ情報は、コンテンツデータ毎に把握される利用履歴情報であり、再生回数、再生終了状態、再生終了位置、再生時間帯などの情報である。
このようなコンテンツデータについてのログ情報を、クレードル1を通じて、少なくともモバイル機器4からサーバ装置2に送信することにより、以下に詳述するように、サーバ装置2において、コンテンツデータの利用状態を正確に管理することができるようにされ、サーバ装置2を通じてのコンテンツデータの利用についても、同じコンテンツデータについてのモバイル機器4における利用と連携を取ることができるようにしている。
[ログ情報を含む蓄積データのレイアウト例]
図33は、この第2の実施の形態において、例えば、インターネット上のサーバ装置からダウンロードしてくることにより得られるデータや、サーバ装置2からクレードル1を介して提供されるデータであって、モバイル機器である携帯電話端末4のコンテンツ記憶部62に記憶保持され、ログ情報が付加される蓄積データ(コンテンツデータ)ついて説明するための図である。なお、ここで蓄積データは動画データ(動画コンテンツ)である場合として説明する。
図33に示すように、モバイル機器である携帯電話端末4のコンテンツ記憶部62に蓄積される蓄積データである動画データには、管理情報とログ情報とが付加するようにされる。管理情報は、図33に示すように、装置ID、データID、データ属性、取得日時、データサイズ、その他の情報からなるものである。
図33に示す蓄積データの場合にも、装置IDは、当該蓄積データを蓄積している装置を特定する情報である。データIDは、当該蓄積データを一意に特定可能なものである。データ属性は、当該蓄積データが静止画像データなのか、動画像データなのか、音声データなのか等のデータの種類を示す情報である。データサイズは、当該蓄積データの大きさを示す情報である。また、作成日時は、当該蓄積データを最初にコンテンツ記憶部62に記録した日時を示す情報である。この他にもその他の情報として種々の管理情報を付加することができるようにされる。
また、ログ情報は、図33に示すように、コンテンツ特定情報、再生回数、再生終了状態、再生終了位置、再生時間帯情報、その他の情報からなるものである。ここで、コンテンツ特定情報は、これが付加されたコンテンツデータが何であるか、すなわち、コンテンツデータ音楽コンテンツである場合にはその楽曲を、また、映画などの動画データである場合にはそのコンテンツ自体を一意に特定することができるものである。
また、再生回数は、当該コンテンツデータが再生された回数を示すものである。再生終了状態は、当該コンテンツデータが最後まで再生されて終了したか、途中で再生が終了したかを示す情報である。また、再生終了位置は、再生が終了するようにされたコンテンツデータ上の位置を示す情報であり、コンテンツデータの先頭からの時間やデータ量に応じたアドレスなどによって示されるものである。
また、再生時間帯情報は、例えば、1日24時間を3時間ずつ8つの時間帯に分割し、当該コンテンツデータがどの時間帯で何回再生されたかを示す情報である。なお、再生時間帯は3時間ずつの8つの時間帯に限るものではなく、4時間ずつの6つの時間帯に区切るようにしたり、あるいは、8時間ずつの3つの時間帯や午前と午後の2つの時間帯に区切るようにしたりすることももちろん可能である。
そして、図33に示した蓄積データにおいて、そのコンテンツデータである動画データが再生された場合には、制御部61の機能により、コンテンツ記憶部62が制御され、再生された動画データの再生回数、再生終了状態、再生終了位置、再生時間帯情報のそれぞれが更新される。なお、再生回数と再生時間帯情報とのそれぞれは、再生される毎に1ずつインクリメントされるものである。
このように、この例において、モバイル機器である携帯電話端末4のコンテンツ記憶部62に蓄積される蓄積データにはログ情報が付加されるので、当該蓄積データに含まれるコンテンツデータが、何回再生され、どのような終了状態にあり、終了位置はどこか、また、いつ再生される場合が多いかを正確に把握することができるようにされる。
なお、ログ情報は、図33に示したものに限るものではなく、この他の種々の情報、例えば再生日時情報、早送り、早戻し、一時停止などが行われた場合にはその履歴情報など、コンテンツデータの利用に関連する種々の履歴情報を含めるようにすることももちろん可能である。
[ログ情報送信データのレイアウト例]
図34は、上述したように、クレードル1を介して、モバイル機器である携帯電話端末4からサーバ装置2に送信されるログ情報送信データのレイアウト例を説明するための図である。
図34に示すように、この例のログ情報送信データは、種別、送信先、送信元、コンテンツ再生ログ情報からなるものである。種別は、当該データがログ情報送信データであることを示すものである。送信先は、当該ログ情報送信データを送信する先の機器を特定する情報であり、送信先の装置IDが入力するようにされる。送信元は、当該ログ情報送信データを送信するようにした送信元の機器を特定する情報であり、送信元の装置IDが入力するようにされる。
そして、コンテンツ再生ログ情報を構成するそれぞれの情報は、図33を用いて説明した蓄積データのログ情報に基づいて形成されたものである。したがって、図34に示したログ情報送信データのコンテンツ再生ログ情報を構成するコンテンツ特定情報、再生回数、再生終了状態、再生終了位置、再生時間帯、その他等の各情報は、図33に示した蓄積データに付加されているログ情報の対応する情報と同じ情報である。
このように構成される図34に示したログ情報送信データが、以下に説明するように、クレードル1を介して、少なくともモバイル機器である携帯電話端末4から家庭に設置されるサーバ装置2に対して送信するようにされる。
[ログ情報を送受する場合のデータ通信システムの動作について]
次に、クレードル1を介して、モバイル機器である携帯電話端末4からサーバ装置2に対して、コンテンツデータのログ情報を送信する場合のこの第2の実施の形態のデータ通信システムの動作について、図35タイミングチャートを参照しながら説明する。この第2の実施の形態のこの例のデータ通信システムにおいても、図1を用いて説明した第1の実施の形態のデータ通信システムの場合と同様に、クレードル1とサーバ装置2とは、インターフェイスケーブル3が用いられて有線により接続されている。
また、クレードル1は、これに載置されたモバイル機器4との間においては、近距離無線通信技術が用いられて、無線により接続される。そして、以下に説明するように、クレードル1に載置されたモバイル機器である携帯電話端末4と、クレードル1に有線接続されたサーバ装置2との間においては、クレードル1を介して通信が行われることになる。
そして、この例において、クレードル1に載置されるモバイル機器である携帯電話端末4には、そのコンテンツ記憶部62に図33を用いて説明したレイアウトの1つ以上の蓄積データが記憶保持されているものとする。このような蓄積データは、上述もしたように、携帯電話端末4が自己の広域通信機能を用いてインターネット上のサーバ装置からダウンロードしたり、あるいは、クレードル1を介してサーバ装置2から取得するようにしたりしたものである。
また、この例においても、データ通信システムにおいて送受される、問い合わせ、応答、要求、報告などは、図7Aに示したレイアウトにしたがって形成されて用いられる。
そして、図35に示すように、クレードル1は、自機に電源が投入された状態にあるときには、載置検出部16の機能により、所定の間隔ごとにモバイル機器4が載置されたか否かを判断する(ステップS71)。上述もしたように、この実施の形態のクレードル1に対しては、1度に複数台のモバイル機器4を載置することができるようにされており、新たなモバイル機器が載置される毎にモバイル機器が載置されたことを検出することができるようにしている。
ステップS71の判断処理において、モバイル機器4は載置されていないと判断したときには、ステップS71の判断処理を繰り返し、モバイル機器の載置待ちとなる。また、ステップS71の判断処理において、モバイル機器4が載置されたと判断した場合には、クレードル1は、載置されたモバイル機器である携帯電話端末4に対して充電の開始処理を実行するようにする(ステップS72)。
そして、クレードル1は、送受信制御部17が無線通信部15aを制御し、自機に新たに載置されたモバイル機器である携帯電話端末4に対して、図7Bに示した構成の機器ID問合せを送信する(ステップS73)。これに応じて、携帯電話端末4は、図7Cに示した構成の機器ID応答を送信するので(ステップS74)、クレードル1は、携帯電話端末4からの機器ID応答を受信して、これをサーバ装置2に送信する。
クレードル1に載置されたモバイル機器である携帯電話端末4の機器IDが報告されたサーバ装置2においては、コンテンツ再生ログ情報の送信要求を形成し、これをクレードル1を介して携帯電話端末4に送信する(ステップS75)。これに応じて、携帯電話端末4は、自機のコンテンツ記憶部62に記憶している各蓄積データのログ情報に基づいて、図34に示したレイアウトのログ情報送信データを形成し、これをクレードル1を介してサーバ装置2に送信する(ステップS76)。
そして、クレードル1は、携帯電話端末4からのログ情報送信データを受信して、サーバ装置2に送信する。この後、クレードル1は、モバイル機器である携帯電話端末4のバッテリの充電容量を確認して充電が完了するまで待ち状態になり(ステップS77)、充電が完了したと判断したときには、載置された携帯電話端末4のバッテリに対する充電処理を終了させて(ステップS78)、図35に示す処理を終了させる。
一方、サーバ装置2は、クレードル1を介して送信されてくるログ情報送信データを受信し、これをHDD30に格納するなどして、当該ログ情報送信データに基づいた処理を行うことができるようにされる(ステップS79)。そして、サーバ装置2で行われるログ情報送信データに基づいた処理は、例えば、コンテンツデータ毎のトータル再生回数の把握処理、コンテンツデータの途中からの再生実行処理、コンテンツデータ毎の再生時間帯の把握処理などである。
コンテンツデータ毎のトータル再生回数の把握処理は、モバイル機器である携帯電話端末4とサーバ装置2とで同じ内容のコンテンツデータを有する場合に、携帯電話端末4で把握されている再生回数と、サーバ装置2で把握されている再生回数との両方を合算したトータルの再生回数を求める処理である。これにより、各コンテンツデータについて、携帯電話端末4とサーバ装置2との双方を通じて何回利用されたのかを正確に把握することができるようにされる。
また、コンテンツデータの途中からの再生実行処理は、モバイル機器である携帯電話端末4とサーバ装置2とで同じ内容のコンテンツデータを有する場合に、携帯電話端末4からのログ情報の再生終了状態と再生終了位置とに基づいて、携帯電話端末4において再生を途中で終了したコンテンツデータを、サーバ装置2において特定し、その特定したコンテンツデータを、サーバ装置2において携帯電話端末4における終了位置から再生して利用できるようにする処理である。
これにより、携帯電話端末4で再生して利用していたコンテンツデータの再生を途中で終了させた場合であっても、サーバ装置2において、その続きから再生して利用することができる。しかも、携帯電話端末4におけるコンテンツデータ上再生終了位置は正確に把握されているので、サーバ装置2においては、ユーザーが目的とする再生終了位置を見つけ出すようにする面倒な処理を行うことなく、自動的に目的とする再生終了位置からコンテンツデータを再生させることができるようにされる。
なお、携帯電話端末4とサーバ装置2とにおいて利用されるコンテンツデータが、同じ内容であっても、携帯電話端末4とサーバ装置2とでは、データの形式等が異なっており、物理的に異なるデータサイズのものであっても、内容が同じであり、データの対応関係が把握されていれば、携帯電話端末4において把握されるコンテンツデータ上の再生終了位置からサーバ装置2において用いられるコンテンツデータ上の再生終了位置を特定することができる。
また、コンテンツデータ毎の再生時間帯の把握処理は、携帯電話端末4からのログ情報送信データの再生時間帯情報に基づいて、サーバ装置2において、コンテンツデータ毎に再生時間帯を把握することができるようにされる。これにより、各コンテンツデータについて、どの時間帯に携帯電話端末4で利用しているのかを客観的に知ることができるので、ユーザーのコンテンツデータに対する嗜好や、携帯電話端末4の利用態様を把握することができるようにされる。
[ログ情報を用いるようにする場合のクレードル1の処理について]
図36は、この第2の実施の形態のデータ通信システムにおいて、ログ情報を利用する場合のクレードル1において行われる処理を説明するためのフローチャートである。この図36に示す処理は、クレードル1において電源が投入された状態にあるときに主に制御部11と送受信制御部17とによって実行される。なお、この第2の実施の形態のクレードル1に対しても、第1の実施の形態の場合と同様に、1度に複数のモバイル機器を載置することが可能であり、モバイル機器の載置可能最大台数分の図36に示す処理が、いわゆるマルチタスクで実行することができるようにしている。
そして、電源が投入されると、クレードル1の制御部11は、載置検出部16を制御して、モバイル機器の載置検出を開始し、モバイル機器が自機に載置されたか否かを判断する(ステップS7101)。ステップS7101の判断処理において載置されていないと判断したときには、モバイル機器の載置検出を繰り返すようにし、モバイル機器が載置されるのを待つ。
ステップS7101の判断処理において、モバイル機器が載置されたと判断したときには、制御部11は、充電制御部19を制御し、新たに載置されたモバイル機器4のバッテリの充電容量を確認する(ステップS7102)。このステップS7102の処理は、モバイル機器4のバッテリの電圧などを検出するなど、電気的な検出処理によって確認することが可能である。
そして、制御部11は、ステップS7102の確認結果に基づいて、新たに載置されたモバイル機器4に対して充電が必要か否かを判断し(ステップS7103)、充電が必要であると判断したときには、制御部11は、充電制御部19を制御して、新たに載置された当該モバイル機器4のバッテリに対して充電を開始させるようにする(ステップS7104)。また、ステップS7103の判断処理において、充電は必要ないと判断したときには、ステップS7105の処理に進む。
そして、制御部11は、図7Bを用いて説明した機器ID問合せコマンドデータを形成し、これを送受信制御部17が無線通信部15a、送受信アンテナ15bを制御して、これらを通じて新たに載置されたモバイル機器4に送信する(ステップS7105)。これに応じて、モバイル機器4からは機器ID報告が送信されてくるので、クレードル1の送受信制御部17は、送受信アンテナ15b、無線通信部15aを通じて、モバイル機器4からの図7Cを用いて説明した機器ID応答を受信し、外部I/F14a、入出力端14bを通じてサーバ装置2に送信する(ステップS7106)。
機器ID応答を受信したサーバ装置2は、上述もしたように、コンテンツ再生ログ送信要求を送信してくるので、クレードル1の送受信制御部17は、入出力端14b、外部I/F14aを通じてサーバ装置2からの当該コンテンツ再生ログ送信要求を受信し、これを無線通信部15a、送受信アンテナ15bを通じて、モバイル機器4に送信する(ステップS7107)。
そして、コンテンツ再生ログ送信要求に応じて、携帯電話端末4からは、図34を用いて説明したログ情報送信データが形成されて送信されてくるので、クレードル1の送受信制御部17は、送受信アンテナ15b、無線通信部15aを通じて、モバイル機器4からの図34を用いて説明したログ情報送信データを受信し、外部I/F14a、入出力端14bを通じてサーバ装置2に送信する(ステップS7108)。
この後、クレードル1の制御部11は、充電制御部19を制御して、モバイル機器のバッテリの充電容量を確認するようにし(ステップS7109)、ステップS7109の確認結果に基づいて、充電は完了したか否かを判断する(ステップS7110)。
ステップS7110の判断処理において、充電は完了してないと判断したときには、ステップS7109からの処理を繰り返し、充電が完了するまで待ち状態となる。ステップS7110の判断処理において、充電が完了したと判断したときには、制御部11は、充電制御部19を制御して、充電処理を終了させ(ステップS7111)、この図36に示す処理を終了する。
なお、ステップS7103において充電は必要ないと判断し、ステップS7104において充電を開始するようにしなかった場合には、ステップS7109、ステップS7110の処理を通じて充電は必要ないと判断することができ、ステップS7111の処理をスルーして、この図36に示す処理を終了させることができる。
[ログ情報を用いるようにする場合のサーバ装置2の処理について]
図37は、この第2の実施の形態のデータ通信システムにおいて、ログ情報を利用する場合のサーバ装置2において行われる処理を説明するためのフローチャートである。この図37に示す処理は、サーバ装置2において電源が投入された状態にあるときに主に制御部21と送受信制御部27とによって実行される。
電源が投入されると、サーバ装置2の送受信制御部27は、入出力端26b、外部I/F26aを通じて、クレードル1からのクレードル1に載置されたモバイル機器の機器ID報告を受信したか否かを判断する(ステップS7201)。ステップS7201の判断処理において、まだ機器ID報告を受信していないと判断したときには、ステップS7201からの処理を繰り返し、クレードル1に載置されたモバイル機器の機器ID報告の受信待ちとなる。
ステップS7201の判断処理において、クレードル1からの機器ID報告を受信したと判断したときには、制御部21は、コンテンツ再生ログの送信要求を形成し、これを送受信制御部27が、外部I/F26a、入出力端26bを通じて送信し、クレードル1を通じてモバイル機器である携帯電話端末4に送信する(ステップS7202)。
ステップS7202において送信した要求に応じて、クレードル1に載置されたモバイル機器である携帯電話端末4から、ログ情報送信データ(コンテンツ再生ログ)が送信されてくるので、制御部21は、入出力端26b、外部I/F26aを通じてこれ受信するようにし(ステップS7203)、HDD30などのメモリに格納して、管理し、利用できるようにして(ステップS7204)、この図37に示す処理を終了する。
[ログ情報を用いるようにする場合のモバイル機器4の処理について]
図38は、この第2の実施の形態のデータ通信システムにおいて、ログ情報を利用する場合のモバイル機器である携帯電話端末4において行われる処理を説明するためのフローチャートである。この図38に示す処理は、モバイル機器である携帯電話端末4が例えば充電モード等の、クレードル1に載置され、データ通信と充電処理とを行うようにする所定のモードとされた場合に、携帯電話端末4の主に制御部61によって実行される処理である。
まず、所定のモードに切り替えられると、制御部61は、送受信アンテナ66b、無線通信部66aを通じて、クレードル1からの機器ID問合せを受信したか否かを判断する(ステップS7301)。ステップS7301の判断処理において、機器ID問合せを受信していないと判断したときには、ステップS7301からの処理を繰り返し、機器ID問合せの受信待ちとなる。
ステップS7301の判断処理において、クレードル1からの機器ID問合せを受信したと判断したときには、制御部61は、自機の例えばROM612に記憶保持されている機器IDや機器属性などの必要な情報を取得し、図7Cに示したような機器ID応答を形成して、これを無線通信部66a、送受信アンテナ66bを通じてクレードル1に送信する(ステップS7302)。
そして、制御部61は、送受信アンテナ66b、無線通信部66aを通じて、クレードル1を介して送信されてくるサーバ装置2からのコンテンツ再生ログの送信要求を受信するようにする(ステップS7303)。そして、制御部61は、コンテンツ再生ログの送信要求を受信したときには、コンテンツ記憶部62に記憶保持されている各蓄積データのログ情報に基づいて、図34を用いて説明した構成のログ情報送信データを形成し、これを無線通信部66a、送受信アンテナ66bを通じて送出して、クレードル1を介してサーバ装置2に送信して(ステップS7304)、この図38の処理を終了する。
[ログ情報を利用する場合のまとめ]
図35のタイミングチャート、及び、図36〜図38のフローチャートから分かるように、この例のデータ通信システムにおいては、クレードル1を介して、モバイル機器である携帯電話端末4からサーバ装置2に対して、コンテンツデータについてのログ情報を提供することができるようにされる。
コンテンツデータについてのログ情報は、上述もしたように、コンテンツデータの再生回数、再生終了状態、再生終了位置、再生時間帯情報などからなるものであり、サーバ装置2において、各コンテンツデータのトータルの再生回数を把握したり、時間帯別の再生状況を確認したりすることができるようにされる。
また、モバイル機器4とサーバ装置2とで、同じ内容のコンテンツデータを有する場合などにおいて、モバイル機器4において再生を途中で終了させたコンテンツデータを、サーバ装置2において、ユーザーの手を煩わせることなく、その終了位置から再生させて利用することができるようにされる。すなわち、モバイル機器である携帯電話端末4とサーバ装置2とにおいて、コンテンツデータの利用について連携を取ることができるようにされる。
なお、ここでは、ダウンロードするコンテンツデータが動画像である場合を例にして説明したが、これに限るものではない。ダウンロードするコンテンツデータは、音楽データ、AVデータ、静止画像データ、テキストデータ、プログラムなどであってもよい。
また、図33〜図38を用いて説明した例は、モバイル機器である携帯電話端末4からサーバ装置2に対してコンテンツデータについてのログ情報を送信するものとして説明したが、これに限るものではない。サーバ装置2からサーバ装置2のHDD30に記憶保持している蓄積データのログ情報を形成して、クレードル1を介して携帯電話端末4に送信し、携帯電話端末4において、コンテンツデータの再生回数や再生時間帯を把握できるようにしたり、サーバ装置2で途中まで再生したコンテンツデータを、携帯電話端末4においてその続きから再生したりするなどのこともできる。
[(3)モバイル機器の機器情報を利用する場合について]
次に、この第2の実施の形態のデータ通信システムにおいて、モバイル機器の機器情報を利用する場合について説明する。ここでモバイル機器の機器情報は、モバイル機器自体の製造年月日、総動作時間、チェック情報、その他の情報や、モバイル機器に装着されたバッテリの製造年月日、充電回数、充電率(充電%)、その他の情報等からなるものである。
このようなモバイル機器の機器情報を、クレードル1を通じて、モバイル機器4からサーバ装置2に送信することにより、以下に詳述するように、サーバ装置2において、モバイル機器の状態を適切に管理し、モバイル機器自体の詳細なメンテナンス情報を提供したり、モバイル機器に装着されているバッテリの交換時期などを報知し、交換を促したりするなどのことができるようにされる。
[機器情報の送信データのレイアウト例]
図39は、機器情報等の送信データのレイアウト例について説明するための図である。モバイル機器自体の機器情報を送信するための送信データとしては、図39Aに示すように、装置ID、製造年月日、総動作時間、チェック情報、その他の情報等からなるものを用いるようにすることが考えられる。
ここで、装置IDは、当該送信データを送信する装置を特定する情報である。製造年月日は、モバイル機器の製造年月日を示す情報であり、モバイル機器である携帯電話端末4の例えばROM612に製造時に記録されたものである。総動作時間は、当該モバイル機器である携帯電話端末4に電源が投入されている期間の長さを示すものであり、電源が投入されている間において、携帯電話端末4の図示しない時計回路が計測し、不揮発性メモリ614に更新するようにしている情報である。チェック情報は、例えば、総動作時間に応じて、チェックすべき携帯電話端末4の部分を示す情報である。
また、モバイル機器に装着されたバッテリのバッテリ情報を送信するための送信データとしては、図39Bに示すように、バッテリID、製造年月日、充電回数、充電率(充電%)、その他の情報等からなるものを用いるようにすることが考えられる。
ここで、バッテリIDは、当該送信データを送信するモバイル機器に装着されている当該バッテリを特定する情報である。バッテリIDを用いるようにするのは、複数のバッテリを交互に用いるようにするなどのことも行われるためである。製造年月日は、当該バッテリの製造年月日を示す情報であり、例えば、バッテリに内蔵されるROMなどのメモリに製造時に記録されたものである。
充電回数は、当該バッテリに対して充電が行われた回数を示すものであり、当該バッテリにおいて、充電が行われたことを検出して、当該バッテリに内蔵されるROMなどのメモリに、充電が実行されるごとに更新するようにされるものである。また、充電率(充電%)は、現時点におけるバッテリの充電状態を示すものであり、100パーセントが満充電状態を示し、電力が消費されることにより、95パーセント、80パーセント、…のように低下していく情報である。この充電率は、当該バッテリの電圧等に基づいて、設定可能な情報であり、当該バッテリに内蔵されるROMなどのメモリに適宜更新されるものである。
そして、モバイル機器は、通常、バッテリが装着されて利用されるものであるので、図39Cに示すように、モバイル機器の機器情報と当該モバイル機器に装着されたバッテリのバッテリ情報との両方からなる送信データを形成して用いるようにすることもできる。図39Cにおいて、機器情報の各情報は、図39Aを用いて説明したものと同じ内容の情報であり、バッテリ情報の各情報は、図39Bを用いて説明したものと同じ内容の情報である。なお、図39Cの場合には、機器情報とバッテリ情報のその他の情報の記載を省略しているが、その他の情報がある場合には、これを含めることができる。
以下に説明するこの第2の実施の形態のデータ通信システムにおける機器情報等を利用する場合の例の説明においては、モバイル機器である携帯電話端末4は、図39Cに示した機器情報等の送信データを形成し、これをクレードル1を介してサーバ装置2に送信するものとして説明する。
[機器情報等を送受する場合のデータ通信システムの動作について]
次に、クレードル1を介して、モバイル機器である携帯電話端末4からサーバ装置2に対して、携帯電話端末4の機器情報や当該携帯電話端末4に装着されたバッテリのバッテリ情報を送信する場合のこの第2の実施の形態のデータ通信システムの動作について、図40タイミングチャートを参照しながら説明する。この第2の実施の形態のこの例のデータ通信システムにおいても、図1を用いて説明した第1の実施の形態のデータ通信システムの場合と同様に、クレードル1とサーバ装置2とは、インターフェイスケーブル3が用いられて有線により接続されている。
また、クレードル1は、これに載置されたモバイル機器4との間においては、近距離無線通信技術が用いられて、無線により接続される。そして、以下に説明するように、クレードル1に載置されたモバイル機器である携帯電話端末4と、クレードル1に有線接続されたサーバ装置4との間においては、クレードル1を介して通信が行われることになる。
また、この例においても、データ通信システムにおいて送受される、問い合わせ、応答、要求、報告などは、図7Aに示したレイアウトにしたがって形成されて用いられる。
そして、図40に示すように、クレードル1は、自機に電源が投入された状態にあるときには、載置検出部16の機能により、所定の間隔ごとにモバイル機器4が載置されたか否かを判断する(ステップS81)。上述もしたように、この実施の形態のクレードル1に対しては、1度に複数台のモバイル機器を載置することができるようにされており、新たなモバイル機器が載置される毎にモバイル機器が載置されたことを検出することができるようにしている。
ステップS81の判断処理において、モバイル機器4は載置されていないと判断したときには、ステップS81の判断処理を繰り返し、モバイル機器の載置待ちとなる。また、ステップS81の判断処理において、モバイル機器4が載置されたと判断した場合には、クレードル1は、載置されたモバイル機器である携帯電話端末4に対して充電の開始処理を実行するようにする(ステップS82)。
そして、クレードル1は、送受信制御部17が無線通信部15aを制御し、自機に新たに載置されたモバイル機器である携帯電話端末4に対して、図7Bに示した構成の機器ID問合せを送信する(ステップS83)。これに応じて、携帯電話端末4は、図7Cに示した構成の機器ID応答を送信するので(ステップS84)、クレードル1は、携帯電話端末4からの機器ID報告を受信して、これをサーバ装置2に送信する。
クレードル1に載置されたモバイル機器である携帯電話端末4の機器IDが報告されたサーバ装置2においては、機器情報等の送信要求を形成し、これをクレードル1を介して携帯電話端末4に送信する(ステップS85)。これに応じて、携帯電話端末4は、自機のROM612や不揮発性メモリ614に記憶保持されている情報や、自機に装着されているバッテリ64の内蔵メモリに記録されている情報に基づいて、図39Cに示したレイアウトの機器情報等の送信データを形成し、これをクレードル1を介してサーバ装置2に送信する(ステップS86)。
そして、クレードル1は、携帯電話端末4からの機器情報等の送信データを受信して、サーバ装置2に送信する。この後、クレードル1は、モバイル機器である携帯電話端末4のバッテリの充電容量を確認して充電が完了するまで待ち状態になり(ステップS87)、充電が完了したと判断したときには、載置された携帯電話端末4のバッテリに対する充電処理を終了させて(ステップS88)、図40に示す処理を終了させる。
一方、サーバ装置2は、クレードル1を介して送信されてくる機器情報等の送信データを受信し、これをHDD30に格納するなどして、当該機器情報等の送信データに基づいた処理を行うことができるようにされる(ステップS89)。そして、サーバ装置2で行われる機器情報の送信データに基づいた処理は、例えば、モバイル機器のメンテナンス時期の通知やメンテナンス受付先の通知、チェック部分の通知、バッテリの交換時期の通知などを行うことができるようにされる。
モバイル機器のメンテナンス時期の通知やメンテナンス受付先の通知は、機器情報等の送信データの製造年月日や総動作時間に基づいてなされるものであり、製造年月日からの総動作時間が、定められた時間以上になった場合に、メンテナンスを受ける必要があることをサーバ装置2側の機能を用いて通知するものである。この場合、製造年月日からの総動作時間が、定められた時間か否かの判断基準となる情報や、メンテナンスを受け付けるサービスセンターなどの情報は、サーバ装置2の広域通信機能を用いて、インターネット上のサーバ装置から取得することができるようにされる。
また、モバイル機器のチェック部分の通知は、機器情報等の送信データの総動作時間とチェック情報とに基づいてなされるものである。この場合、チェック情報は、消耗部品の名称や型番と、交換時期を示す総動作時間とを対応付けた情報であり、総操作時間から交換時期の到来する消耗部品をサーバ装置2側の機能を用いて通知するものである。
また、バッテリの交換時期の通知は、バッテリの充電回数に基づいてなされるものであり、充電回数が所定回数(例えば200回)を越えた場合に、サーバ装置2の機能を用いて、当該バッテリの交換を促すと共に、交換すべきバッテリの型番を通知したり、さらには、サーバ装置2の広域通信機能を用いて、当該バッテリの製造会社のホームページにアクセスし、インターネットを通じてバッテリの購入申し込みを行えるようにしたりする処理までをも含むものである。
これにより、従来、モバイル機器やバッテリにおいて、警告ランプの点灯や点滅、アラーム音などにより通知するしかなかった種々の情報を、サーバ装置2の機能を用いて詳細に通知したり、その対処方法や必要な対応までをも行うようにしたりすることができる。
[機器情報等を用いるようにする場合のクレードル1の処理について]
図41は、この第2の実施の形態のデータ通信システムにおいて、機器情報等を利用する場合のクレードル1において行われる処理を説明するためのフローチャートである。この図41に示す処理は、クレードル1において電源が投入された状態にあるときに主に制御部11と送受信制御部17とによって実行される。なお、この第2の実施の形態のクレードル1に対しても、第1の実施の形態の場合と同様に、1度に複数のモバイル機器を載置することが可能であり、モバイル機器の載置可能最大台数分の図41に示す処理が、いわゆるマルチタスクで実行することができるようにしている。
そして、電源が投入されると、クレードル1の制御部11は、載置検出部16を制御して、モバイル機器の載置検出を開始し、モバイル機器が自機に載置されたか否かを判断する(ステップS8101)。ステップS8101の判断処理において載置されていないと判断したときには、モバイル機器の載置検出を繰り返すようにし、モバイル機器が載置されるのを待つ。
ステップS8101の判断処理において、モバイル機器が載置されたと判断したときには、制御部11は、充電制御部19を制御し、新たに載置されたモバイル機器4のバッテリの充電容量を確認する(ステップS8102)。このステップS8102の処理は、モバイル機器4のバッテリの電圧などを検出するなど、電気的な検出処理によって確認することが可能である。
そして、制御部11は、ステップS8102の確認結果に基づいて、新たに載置されたモバイル機器4に対して充電が必要か否かを判断し(ステップS8103)、充電が必要であると判断したときには、制御部11は、充電制御部19を制御して、新たに載置された当該モバイル機器4のバッテリに対して充電を開始させるようにする(ステップS8104)。また、ステップS8103の判断処理において、充電は必要ないと判断したときには、ステップS8105の処理に進む。
そして、制御部11は、図7Bを用いて説明した機器ID問合せコマンドデータを形成し、これを送受信制御部17が無線通信部15a、送受信アンテナ15bを制御して、これらを通じて新たに載置されたモバイル機器4に送信する(ステップS8105)。これに応じて、モバイル機器4からは機器ID報告が送信されてくるので、クレードル1の送受信制御部17は、送受信アンテナ15b、無線通信部15aを通じて、モバイル機器4からの図7Cを用いて説明した機器ID応答を受信し、外部I/F14a、入出力端14bを通じてサーバ装置2に送信する(ステップS8106)。
機器ID応答を受信したサーバ装置2は、上述もしたように、機器情報等の送信要求を送信してくるので、クレードル1の送受信制御部17は、入出力端14b、外部I/F14aを通じてサーバ装置2からの当該機器情報等の送信要求を受信し、これを無線通信部15a、送受信アンテナ15bを通じて、モバイル機器4に送信する(ステップS8107)。
そして、機器情報等の送信要求に応じて、携帯電話端末4からは、図39Cを用いて説明した機器情報等の送信データが形成されて送信されてくるので、クレードル1の送受信制御部17は、送受信アンテナ15b、無線通信部15aを通じて、モバイル機器4からの機器情報等の送信データを受信し、これを外部I/F14a、入出力端14bを通じてサーバ装置2に送信する(ステップS8108)。
この後、クレードル1の制御部11は、充電制御部19を制御して、モバイル機器のバッテリの充電容量を確認するようにし(ステップS8109)、ステップS8109の確認結果に基づいて、充電は完了したか否かを判断する(ステップS8110)。
ステップS8110の判断処理において、充電は完了してないと判断したときには、ステップS8109からの処理を繰り返し、充電が完了するまで待ち状態となる。ステップS8110の判断処理において、充電が完了したと判断したときには、制御部11は、充電制御部19を制御して、充電処理を終了させ(ステップS8111)、この図41に示す処理を終了する。
なお、ステップS8103において充電は必要ないと判断し、ステップS8104において充電を開始するようにしなかった場合には、ステップS8109、ステップS8110の処理を通じて充電は必要ないと判断することができ、ステップS8111の処理をスルーして、この図41に示す処理を終了させることができる。
[機器情報等を用いるようにする場合のサーバ装置2の処理について]
図42は、この第2の実施の形態のデータ通信システムにおいて、機器情報を利用する場合のサーバ装置2において行われる処理を説明するためのフローチャートである。この図42に示す処理は、サーバ装置2において電源が投入された状態にあるときに主に制御部21と送受信制御部27とによって実行される。
電源が投入されると、サーバ装置2の送受信制御部27は、入出力端26b、外部I/F26aを通じて、クレードル1からのクレードル1に載置されたモバイル機器の機器ID報告を受信したか否かを判断する(ステップS8201)。ステップS8201の判断処理において、まだ機器ID報告を受信していないと判断したときには、ステップS8201からの処理を繰り返し、クレードル1に載置されたモバイル機器の機器ID報告の受信待ちとなる。
ステップS8201の判断処理において、クレードル1からの機器ID報告を受信したと判断したときには、制御部21は、機器情報等の送信要求を形成し、これを送受信制御部27が、外部I/F26a、入出力端26bを通じて送信し、クレードル1を通じてモバイル機器である携帯電話端末4に送信する(ステップS8202)。
ステップS8202において送信した要求に応じて、クレードル1に載置されたモバイル機器である携帯電話端末4から、機器情報等の送信データが送信されてくるので、制御部21は、入出力端26b、外部I/F26aを通じてこれ受信するようにし(ステップS8203)、HDD30などのメモリに格納して、管理し、利用できるようにして(ステップS8204)、この図42に示す処理を終了する。
[機器情報等を用いるようにする場合のモバイル機器4の処理について]
図43は、この第2の実施の形態のデータ通信システムにおいて、機器情報等を利用する場合のモバイル機器である携帯電話端末4において行われる処理を説明するためのフローチャートである。この図43に示す処理は、モバイル機器である携帯電話端末4が例えば充電モード等の、クレードル1に載置され、データ通信と充電処理とを行うようにする所定のモードとされた場合に、携帯電話端末4の主に制御部61によって実行される処理である。
まず、所定のモードに切り替えられると、制御部61は、送受信アンテナ66b、無線通信部66aを通じて、クレードル1からの機器ID問合せを受信したか否かを判断する(ステップS8301)。ステップS8301の判断処理において、機器ID問合せを受信していないと判断したときには、ステップS8301からの処理を繰り返し、機器ID問合せの受信待ちとなる。
ステップS8301の判断処理において、クレードル1からの機器ID問合せを受信したと判断したときには、制御部61は、自機の例えばROM612に記憶保持されている機器IDや機器属性などの必要な情報を取得し、図7Cに示したような機器ID応答を形成して、これを無線通信部66a、送受信アンテナ66bを通じてクレードル1に送信する(ステップS8302)。
そして、制御部61は、送受信アンテナ66b、無線通信部66aを通じて、クレードル1を介して送信されてくるサーバ装置2からの機器情報等の送信要求を受信するようにする(ステップS8303)。そして、制御部61は、機器情報等の送信要求を受信したときには、上述したように、自機のROM612、不揮発性メモリ614、バッテリのメモリから必要な情報を読み出し、図39Cを用いて説明した構成の機器情報等の送信データを形成し、これを無線通信部66a、送受信アンテナ66bを通じて送出して、クレードル1を介してサーバ装置2に送信して(ステップS8304)、この図43の処理を終了する。
[機器情報を利用する場合のまとめ]
図40のタイミングチャート、及び、図41〜図43のフローチャートから分かるように、この例のデータ通信システムにおいては、クレードル1を介して、モバイル機器である携帯電話端末4からサーバ装置2に対して、機器情報やバッテリ情報を提供することができるようにされる。
これにより、サーバ装置2の機能を用いて、モバイル機器やバッテリについて、より詳細なメンテナンス情報を提供したり、メンテナンスを発注したり、バッテリを購入したりすることを迅速かつ確実に行うことができるようにされる。
また、図40〜図43を用いて説明した例は、モバイル機器である携帯電話端末4からサーバ装置2に対して携帯電話端末4(バッテリも含む)についての機器情報を送信するものとして説明したが、これに限るものではない。サーバ装置2からサーバ装置2の機器情報を、クレードル1を介して携帯電話端末4に送信し、携帯電話端末4において、サーバ装置2に関する種々のメンテナンス情報をユーザーに通知するようにすることもできる。
また、モバイル機器である携帯電話端末4からサーバ装置2に対して携帯電話端末4(バッテリも含む)についての機器情報を送信し、当該機器情報をサーバ装置2において分析した結果を、クレードル1を介して携帯電話端末4に返信するようにすることもできる。このようにした場合には、携帯電話端末4側において、自機についてのメンテナンス等を迅速に行うようにすることが可能となる。
[その他]
なお、上述した第2の実施の形態のデータ通信システムにおいては、モバイル機器として携帯電話端末を用いるものとして説明したが、これに限るものではない。権利情報を利用する場合には、広域通信機能を備えたゲーム機、電子手帳、PDA(Personal Digital Assistant)等をモバイル機器4として用いるようにすることができる。
また、コンテンツについてのログ情報や機器情報等を利用する場合には、モバイル機器は広域通信機能を備えたものであってももちろんよいが、広域通信機能は特には必要なく、携帯型音楽再生機、携帯型映像音声再生機など、種々のモバイル機器を用いるようにすることができる。
そして、上述もしたように、この第2の実施の形態のデータ通信システムの場合には、コンテンツデータ自体をやり取りするのではなく、コンテンツデータに付加されたメタデータやモバイル機器等が備える機器情報等をやり取りすることによって、モバイル機器4とサーバ装置2との連携を強化し、ユーザーにとって使い勝手のよいデータ通信システムを構築することができる。
また、上述した第2の実施の形態においては、(1)権利情報を利用する場合、(2)ログ情報を利用する場合、(3)機器情報等を利用する場合の3つの例について説明したが、これら(1)〜(3)の3つの内の1つ以上の機能を実現するデータ通信システムを実現することができる。
すなわち、権利情報、ログ情報、機器情報等の全部を利用できるデータ通信システムを構築することもできるし、権利情報、ログ情報、機器情報等の内の2つを利用できるデータ通信システムを構築することもできる。
また、第1の実施の形態で説明した機能と、第2の実施の形態で説明した機能との両方を兼ね備えたデータ通信システムを構築することも可能である。
また、上述した第1、第2の実施の形態においては、クレードル1は、モバイル機器のバッテリに対する充電機能をも有するものである。そこで、クレードル1は、時計回路12を備えているので、モバイル機器が自機に載置された時刻を検出し、例えば、午前6時から午後5時までに載置された場合には、すぐに出かける可能性が高いので、急速充電処理を自動的に行うようにし、また、それ以外の時には、通常の充電処理を行うようにすることも可能である。
また、クレードル1に対して、急速充電処理を行う時間タイミングをユーザー自身が設定できるようにすることも可能である。また、サーバ装置2と協働することにより、モバイル機器の種類ごとに、急速充電処理を行う機器と想でない機器とを分けるようにしたり、また、モバイル機器毎に急速充電処理を行う時間帯を設定して管理し、その設定された通りにモバイル機器毎に充電処理を制御するようにしたりすることももちろん可能である。
1…クレードル、11…制御部、12…時計回路、13…操作部、14a…外部I/F、14b…入出力端子、15a…無線通信部、15b…送受信アンテナ、16…載置検出部、17…送受信制御部、18…表示部、19…充電制御部、2…サーバ装置、21…制御部21、22…時計回路、23…操作部、24…リモコン信号受光部、25…リモコン、26a…外部I/F、26b…入出力端、27…送受信制御部、28…消去データ抽出部、29…書き戻しデータ作成部、30…ハードディスクドライバ、31a…表示I/F、31b…映像信号の出力端、32a…音声I/F、音声出力端、33…通信I/F、4…モバイル機器、41…制御部、42…時計回路、43…操作部、44…画像記憶部、45a…無線通信部、45b…送受信アンテナ、46…撮像部、47…送受信制御部、48…画像消去制御部、49…表示部、50…バッテリ、51…無線充電制御部、61…制御部、62…コンテンツ記憶部、63…キー操作部、64…バッテリ、65…無線充電制御部、66a…無線通信部、66b…送受信アンテナ、71…広域通信用の送受信アンテナ、72…アンテナ共用器、73…受信部、74…局発部、75…ベースバンド処理部、76…コーデック、77…受話器(スピーカ)、78…送話器(マイクロホン)、79…送信部、80…音楽再生部、81…音声出力端子、82…LCD、90…ヘッドホン、111、211、411…CPU、112、212、412…ROM、113、213、413…RAM、114、215、415…不揮発性メモリ114、115…CPUバス115