以下、図を参照しながら、この発明によるシステム、装置、プログラム、方法の一実施の形態について説明する。
[第1の実施の形態]
[第1の実施の形態のデータ通信システムの概要]
図1は、この実施の形態のデータ通信システムの概要について説明するための図である。この実施の形態のデータ通信システムは、この発明によるシステムの一実施の形態が適用されたものである。
図1に示すように、この実施の形態のデータ通信システムは、クレードル1とサーバ装置2とがインターフェイスケーブル3を通じて接続されて形成されたものである。この実施の形態においては、クレードル1とサーバ装置2とを有線により接続するものとして説明するが、クレードル1とサーバ装置2とは、所定の無線インターフェイスにしたがって無線接続するように構成することももちろん可能である。
クレードル1は、この発明による装置、プログラム、方法の一実施の形態が適用されたものであり、これに載置される種々のモバイル機器と、サーバ装置2との間で行われるデータの送受信を仲介する機能を有するものである。また、この実施の形態のクレードル1は、これに載置されたモバイル機器に対して、充電を行う機能をも有するものである。
この実施の形態において、種々のモバイル機器とクレードル1とは、給電のための接点や通信のための接点とを直接に接続する必要はなく、充電も通信も非接触で行うことができるようにしている。すなわち、充電は電磁誘導により行い、データの送受信は近距離無線通信により行うようにするが、充電処理と通信処理とが影響を及ぼし合うことが無いように、異なる周波数帯域を用いるようにしている。
なお、クレードル1に対しては、クレードル1から電力の供給を受けて自機のバッテリの充電を行うことができる機能やクレードル1との間で近距離無線通信により通信を行うことができる機能、あるいは、その両方の機能を備えた種々のモバイル機器、例えば、カメラ付き携帯電話端末、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、携帯型音楽再生装置などを載置して、クレードル1から電力の供給を受けたり、クレードル1との間で通信を行ったりすることができるようにしている。
すなわち、クレードル1は、所定のモバイル機器に専用のものではなく、種々のモバイル機器が利用することが可能な汎用のものである。また、クレードル1に対しては、1度に複数台のモバイル機器を載置して、そのそれぞれとクレードル1との間で通信を行うことができると共に、そのそれぞれのモバイル機器のバッテリに対して充電を行うことができるようにしている。
サーバ装置2は、この発明による装置、プログラム、方法の一実施の形態が適用されたものであり、詳しくは後述もするが、大容量の記録装置を備え、クレードル1を介して送信されてくる種々のモバイル機器からの蓄積データを受信して記憶保持したり、クレードル1を介してこれに載置されたモバイル機器に対して、処理の実行を指示したり、必要な情報を提供したりすることができるものである。サーバ装置2は、例えば、ハードディスクレコーダやパーソナルコンピュータ、あるいは、いわゆるホームネットワークシステムを構築する場合の専用のサーバ装置として実現されるものである。
この実施の形態のデータ通信システムにおいては、図1に示すように、例えば、カメラ付き携帯電話端末4(1)がクレードル1に載置された場合には、クレードル1を介して送信されてくるサーバ装置2からの要求に指示に応じて、カメラ付き携帯電話端末4(1)に蓄積されている新規に撮影された静止画像データを、クレードル1を介してサーバ装置2に送信して、サーバ装置2の記録装置にバックアップを取ることができるようにしている。
また、サーバ装置からの消去指示に応じて、サーバ装置2にバックアップを取るようにした静止画像データであって、カメラ付き携帯電話端末4(1)に蓄積されている静止画像データを消去することができるようにしている。この場合、バックアップするようにした全ての静止画像データを消去するのではなく、例えば、プロテクトがかけられているものや印刷マーキングが付加されているものなど、静止画像データの付随情報などにより重要な静止画像データであることが予測できるものについては、削除することなく残すことができるようにしている。
また、上述したように、消去した静止画像データについては、サーバ装置2においてバックアップを取った静止画像データに基づいて縮小画像を作成し、これをクレードル1を介してサーバ装置2からカメラ付き携帯電話端末4(1)に転送することによって、カメラ付き携帯電話端末4(1)のメモリを無駄に使用することなく、バックアップ後に消去するようにした静止画像データにはどのようなものがあるかを、カメラ付き携帯電話端末4(1)において適切に把握することができるようにしている。
なお、ここではカメラ付き携帯電話端末4(1)に蓄積されている静止画像データを扱う場合を例にしたが、モバイル機器としてデジタルビデオカメラがクレードル1に載置された場合には、動画像データが処理対象となり、新規に撮影された動画像データが、サーバ装置2にバックアップされた後に、サーバ装置2からの消去指示に応じて消去されることになる。
そして、動画像データが処理対象の場合、サーバ装置2においては、当該動画像データのダイジェスト再生を行うようにするためのダイジェスト再生用の動画像データが作成され、これがモバイル機器であるデジタルビデオカメラに戻され、サーバ装置2にバックアップした動画像データのダイジェスト版をいつでも確認することができるようにされる。
また、モバイル機器が携帯型音楽再生装置の場合には、当該携帯型音楽再生装置に蓄積されている音楽データについては、既にサーバ装置にバックアップしていたり、CD(Compact Disc)などの記録媒体に記憶保持されていたりするために、バックアップの必要が無い場合もある。このような場合には、蓄積データのバックアップは行うことなく、例えば、新たに利用可能になった音楽データの一部分の試聴を可能にするいわゆるお試し版の音楽データだけを携帯型音楽再生装置に提供するなどのこともできるようにしている。
すなわち、モバイル機器が、携帯型音楽再生装置である場合には、サーバ装置2は自機に蓄積されている音楽データの内、未だ携帯型音楽再生装置に提供したこと無い音楽データを提供するようにしたり、新たに提供可能な音楽データをインターネット上のサーバから取得してきて提供するようにしたり、それらの音楽データの一部分を提供するようにしたりするなどのことができるようにしている。
このように、通信の相手先の機器や処理対象のデータ等によって、モバイル機器に戻すための情報(モバイル機器用のデータ)は異なる。このため、サーバ装置2において、モバイル機器用のデータとしてどのようなデータを準備して戻すようにするかは、モバイル機器から転送されてくる機器属性に基づいて特定したり、サーバ装置が管理する目的とするモバイル機器への過去の送信履歴に基づいて特定するようにしたり、目的とするモバイル機器が蓄積しているデータのデータ属性に基づいて特定したり、あるいは、サーバ装置2が受け付けたユーザーからの指示入力に基づいて特定したりすることができるようにしている。
ここで、機器属性は、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、携帯電話端末等の機器の種別(種類)を示すものである。また、データ属性は、静止画像データ、動画像データ、音声データ等のデータの種別(種類)を示すものである。
このように、この実施の形態のデータ通信システムにおいては、種々のモバイル機器をクレードル1に載置するだけで(置くだけで)、(1)モバイル機器に蓄積されているデータのバックアップ、(2)モバイル機器に蓄積されているデータの消去(整理)、(3)モバイル機器への必要なデータの提供を行って、ユーザーの手を煩わせることなく、携帯電子機器を常時適切な利用可能状態を維持できるようにして、携帯電子機器の使い勝手を向上させることができるようにしている。
[データ通信システムを構成する各機器の構成例について]
次に、この実施の形態のデータ通信システムを構成する各機器の構成例について説明する。以下においては、クレードル1、サーバ装置2の構成例に加えて、クレードル1に載置されるモバイル機器の一例としてデジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラの構成例について説明することとする。
[クレードル1の構成例について]
図2は、この実施の形態のデータ通信システムで用いられるクレードル1の構成例について説明するためのブロック図である。図2に示すように、クレードル1は、制御部11と、時計回路12と、操作部13と、外部インターフェイス(以下、外部I/Fと略称する。)14aと、入出力端子14bと、無線通信部15aと、送受信アンテナ15bと、載置検出部16と、送受信制御部17と、表示部18と、充電制御部19とを備えたものである。
制御部11は、この実施の形態のクレードル1の各部を制御するものであり、CPU(Central Processing Unit)111と、ROM(Read Only Memory)112と、RAM(Random Access Memory)113と、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)やフラッシュメモリなどの不揮発性メモリ114とがCPUバス115を通じて接続されて構成されたマイクロコンピュータである。
ここで、CPU111は、後述するROM112に記憶保持されているプログラムを実行し、制御信号を形成し、これを必要とする各部に供給するなどして、クレードル1の各部を制御するようにする制御の主体となるものである。ROM112は、上述のように、CPU111において実行されるプログラムや各種の処理において必要となるデータ等が予め記憶されたものである。
また、RAM113は、主に処理の途中結果などを一時記憶したりするいわゆる作業領域として用いられるものである。また、不揮発性メモリ114は、クレードル1の電源が切られても保持しておくべきデータ、例えば、各種の設定パラメータや機能アップのための追加プログラム等の情報が記憶保持されるものである。
時計回路12は、カレンダ機能を備え、現在年月日、現在曜日、現在時刻を提供するものである。操作部13は、例えば、数字キーや各種のファンクションキーなどの操作キーを有し、ユーザーからの操作入力を受け付けて、これを電気信号に変換して制御部11に通知することができるものである。これにより、操作部13を通じて受け付けた指示入力は、電気信号として制御部11に供給され、制御部11はユーザーからの指示に応じて各部を制御し、ユーザーの指示に応じた処理を行うことができるようにしている。
入出力端14bは、外部機器との接続端部を構成するものであり、この実施の形態において、入出力端14bにはインターフェイスケーブル3を介してサーバ装置2が接続される。外部I/F14aは、自機から送出すべきデータを送出用の形式に変換したり、外部から供給されたデータを自機において処理可能な形式に変換したりするなどの機能を有するものである。無線通信部15a、送受信アンテナ15bは、当該クレードル1に載置されたモバイル機器との間において、近距離無線通信によりデータ通信を行うようにする部分である。
なお、近距離無線通信技術としては、UWB(Ultra WideBand)と呼ばれる数GHz(ギガヘルツ)といった広い帯域の電波を利用してデータを送受信する無線技術やブルートゥース(Bluetooth)などと呼ばれる短距離無線通信技術、その他の種々の近距離無線通信技術、あるいは、短距離無線通信技術を用いることが可能である。
載置検出部16は、自機にデータ通信や充電が可能なモバイル機器が載置されたか否かを検出する部分である。この載置検出部16は、電気的にモバイル機器の載置を検出することができるものである。例えば、無線通信部15aを制御して所定間隔で応答要求を送出し、これに応答してきたモバイル機器が存在する場合に、モバイル機器が載置されたと検出することができる。
この他にも、いわゆる圧電センサなどのセンサを備え、まず、当該圧電センサを通じて何らかの物体がクレードル1のモバイル機器が載置されるべき部分である載置部に載置されたこと(載置部に圧力が加わったこと)を検出した場合に、無線通信部15aを制御して応答要求を送出し、これに応答してきたモバイル機器が存在する場合に、モバイル機器が載置されたと検出したりするようにすることもできる。この場合には、常時、所定の間隔で応答要求を送信する必要はなく、何かが載置されたことを検出した場合に、通信可能なモバイル機器か否かを検出するようにすればよいので、無線通信部15a等の負荷を軽減することができる。
送受信制御部17は、無線通信部15a、送受信アンテナ15bを通じて行う載置されたモバイル機器との送受信と、外部I/F14a、入出力端14bを通じて行うサーバ装置2との送受信とを制御する。すなわち、送受信制御部17は、無線通信部15a、送受信アンテナ15bを通じて受信したモバイル機器からの情報を、外部I/F14a、入出力端14bを通じてサーバ装置に送信したり、逆に、外部I/F14a、入出力端14bを通じて受信したサーバ装置2からの情報を、無線通信部15a、送受信アンテナ15bを通じてモバイル機器に送信したりする処理を制御するものである。
このように、送受信制御部17は、モバイル機器とサーバ装置との間の通信を中継する中継制御手段としての機能を実現するものである。もちろん、送受信制御部17は、単に、無線通信部15a、送受信アンテナ15bを通じてモバイル機器とクレードル1との間で行う通信処理や、外部I/F14a、入出力端14bを通じてサーバ装置2とクレードル1との間で行う通信処理についても制御することができるものである。
なお、図2において2重線で示した送受信制御部17の機能は、CPU111において実行されるプログラム(ソフトウェア)によって、制御部11の機能として実現することも可能である。また、載置検出部16についても、圧電センサなどを用いない構成の場合には、無線通信部15a、送受信アンテナ15bを通じて通信を行うことにより、モバイル機器の載置検出を行うことができる。このため、載置検出部16の機能についてもCPU111において実行されるプログラム(ソフトウェア)によって、制御部11の機能として実現することも可能である。
表示部18は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)や有機ELパネル(Organic Electroluminescence Panel)などの表示素子と、これらのコントロール回路からなるものであり、制御部11の制御に応じて、各種のガイダンスメッセージや警告メッセージ、動作状態を示す表示など、文字、記号、絵などの種々の表示情報を表示することができるものである。
充電制御部19は、上述もしたように、クレードル1に載置されたモバイル機器に対して電磁誘導により電力を供給し、モバイル機器に搭載されたバッテリの充電を行えるようにする部分である。
そして、この実施の形態のクレードル1は、載置検出部16を通じてモバイル機器が載置されたことを検出すると、これを送受信制御部17の機能により、外部I/f14aを制御して、入出力端14bに接続するようにされているサーバ装置に通知する。
また、入出力端14b、外部I/f14aを通じてサーバ装置2から提供される指示に従って、送受信制御部17の制御により、無線通信部15a、送受信アンテナ15bを通じて、自機に載置されたモバイル機器から蓄積データの提供を受けて、これを外部I/f14aを制御して、入出力端14bに接続するようにされているサーバ装置に提供する。
また、送受信制御部17の制御により、入出力端14b、外部I/f14aを通じてサーバ装置2から提供されるデータの消去指示や書き戻しデータを受信し、これら消去指示や書き戻しデータを無線通信部15a、送受信アンテナ15bを通じて、自機に載置されたモバイル機器に送信したりすることができるようにしている。
このように、この実施の形態のクレードル1において、無線通信部15a、送受信アンテナ15bが、モバイル機器との間で通信を行うための第1の通信手段としての機能を実現し、また、外部I/F14a、入出力端14bが、サーバ装置との間で通信を行うための第2の通信手段としての機能を実現している。
また、載置検出部16が、載置検出手段としての機能を実現し、送受信制御部17が、モバイル機器が載置されたことを検出した場合にこれをサーバ装置に通知する通信制御手段としての機能と、載置されたモバイル機器とサーバ装置との間の通信を制御する中継制御手段としての機能を実現している。
[サーバ装置2の構成例について]
図3は、この実施の形態のデータ通信システムで用いられるサーバ装置2の構成例について説明するためのブロック図である。図3に示すように、サーバ装置2は、制御部21と、時計回路22と、操作部23と、リモコン信号受光部24と、外部I/F26a、入出力端26bと、送受信制御部27と、消去データ抽出部28と、書き戻しデータ作成部29と、ハードディスクドライバ30と、表示インターフェイス(以下、表示I/Fと略称する。)31aと、映像信号の出力端31bとを備えたものである。また、サーバ装置2に専用のリモコン25を利用可能な構成になっている。
制御部21は、この実施の形態のサーバ装置2の各部を制御するものであり、CPU211、ROM212、RAM213、不揮発性メモリ214が、CPUバス215を通じて接続されて構成されたマイクロコンピュータである。
ここで、CPU211は、後述するROM212に記憶保持されているプログラムを実行し、制御信号を形成し、これを必要とする各部に供給するなどして、サーバ装置2の各部を制御するようにする制御の主体となるものである。ROM212は、上述のように、CPU211において実行されるプログラムや各種の処理において必要となるデータ等が予め記憶されたものである。
また、RAM213は、主に処理の途中結果などを一時記憶したりするいわゆる作業領域として用いられるものである。また、不揮発性メモリ214は、EEPROMやフラッシュメモリなどからなるものであり、サーバ装置2の電源が切られても保持しておくべきデータ、例えば、各種の設定パラメータや機能アップのための追加プログラム等の情報が記憶保持されるものである。
時計回路22は、カレンダ機能を備え、現在年月日、現在曜日、現在時刻を提供するものである。操作部23は、例えば、数字キーや各種のファンクションキーなどの操作キーを有し、ユーザーからの操作入力を受け付けて、これを電気信号に変換して制御部21に通知することができるものである。これにより、操作部23を通じて受け付けた指示入力は、電気信号として制御部21に供給され、制御部21はユーザーからの指示に応じて各部を制御し、ユーザーの指示に応じた処理を行うことができるようにしている。
なお、操作部23は、サーバ装置2本体に設けられるものの他、数字キー、アルファベットキー、ファンクションキーなどを有するいわゆるキーボード装置としてサーバ装置2とは別体に設けられたり、いわゆるマウスなどのポインティングデバイスとして設けられたり、あるいは、それらの複数が利用可能とされる場合もある。
リモコン信号受光部24は、リモコン25からの赤外線のリモコン信号を受光し、これを電気信号に変換して制御部21に通知するものである。リモコン25は、各種の操作キーを備え、ユーザーからの操作入力を受け付けて、受け付けた操作入力に応じた赤外線のリモコン信号を形成して送出することができるものである。
このように、リモコン信号受光部24とリモコン25とにより、ユーザーは、サーバ装置2から離れた場所にいても、リモコン信号の送受可能な範囲内においては、サーバ装置2に対して指示を出し、サーバ装置2をいわゆる遠隔操作することができるようにしている。
入出力端26bは、外部機器との接続端部を構成するものであり、この実施の形態において、入出力端26bにはインターフェイスケーブル3を介してクレードル1が接続するようにされる。外部I/F26aは、自機から送出すべきデータを送出用の形式に変換したり、外部から供給されたデータを自機において処理可能な形式に変換したりするなどの機能を有するものである。
送受信制御部27は、外部I/F26a、入出力端26bを通じて、これに接続するようにされているクレードル1との間の通信処理を制御する。すなわち、自機からクレードル1やクレードル1を介してクレードル1に載置されたモバイル機器4に情報を送信する処理や、クレードル1やクレードル1を介してクレードル1に載置されたモバイル機器4から送信されてくる情報を受信する処理を制御する。
消去データ抽出部28は、クレードル1に載置されたモバイル機器から、これに蓄積されているデータ(蓄積データ)の提供を受けて、後述するハードディスクドライバ30のハードディスクにバックアップをするようにした後に、バックアップした蓄積データの中で、当該モバイル機器から消去すべきデータを抽出して特定する部分である。
具体的な抽出処理については後述もするが、蓄積データに例えばプロテクト情報や印刷マーキングなどが付加されているなど、重要な蓄積データであることが予測できるものについては残す蓄積データとして特定し、重要な蓄積データあることが予測できないものについては消去データとして特定する。
そして、消去データ抽出部28において、消去すべきデータとして特定したデータについては、クレードル1を介してモバイル機器に通知することにより、モバイル機器から削除するようにし、モバイル機器4のメモリの記憶可能容量を確保することができるようにしている。
また、書き戻しデータ作成部29は、例えば、消去データ抽出部28により抽出されて特定されて、モバイル機器4のメモリから消去するようにされたデータについて、どのような蓄積データが消去されたかをモバイル機器4でも把握できるようにするために、消去されたデータを圧縮するようにしたデータを作成して、これをモバイル機器4に戻すようにする部分である。
もちろん、消去されたデータに基づいて形成される書き戻しデータを書き戻すことに限るものではなく、モバイル機器4に対して提供すべき種々のデータから、ここでいう書き戻しデータ(提供データ)を形成してモバイル機器に提供するようにすることもできる。なお、以下においては説明を簡単にするために、主に、モバイル機器4から消去するようにされた蓄積データから書き戻しデータを作成する場合について説明する。
書き戻しデータ作成部29においては、例えば、消去するようにされた蓄積データが静止画像データである場合には、その縮小画像を書き戻しデータとして作成して準備したり、消去するようにされた蓄積データが動画像データである場合には、そのダイジェスト画像を再生するダイジェスト版の動画像データを作成して準備したり、消去するようにされた蓄積データが音楽データである場合には、例えば、音楽データの先頭部分の数秒から10秒程度の部分だけからなる短縮版の音楽データを作成して準備したりする。
なお、この実施の形態のデータ通信システムにおいては、モバイル機器4が、例えば、カメラ付き携帯電話端末、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラなどの静止画像データや動画像データを扱うものであるために、消去対象のデータに応じた書き戻しデータを作成する場合を説明したが、これに限るものではない。
上述もしたが、例えば、モバイル機器が携帯型音楽再生装置や携帯型映像音響再生装置等の場合には、これらの機器に新たに適用可能になった音楽データやAVデータを準備するようにしたり、提供可能になった音楽データやAVデータについての内容を通知するためのいわゆる告知データを準備するようにしたりする場合もある。すなわち、書き戻しデータ作成部29は、消去対象のデータに応じて形成するデータだけでなく、新たに提供可能になったデータ等をモバイル機器用に準備する機能をも有するものである。
なお、図3において、2重線で示した送受信制御部27、消去データ抽出部28、書き戻しデータ作成部29のそれぞれの機能は、CPU211において実行されるプログラム(ソフトウェア)によって、制御部21の機能として実現することも可能である。
ハードディスクドライバ(以下、HDDと略称する。)30は、ハードディスクと、ドライバとからなり、制御部21の制御に応じて、供給されるデータをハードディスクに記録したり、ハードディスクに記録されているデータを読み出したりする。
表示I/F31aは、制御部21の制御に応じて、外部のディスプレイ装置に供給する映像データを形成し、これを映像信号の出力端31bを通じて出力する部分である。従って、映像信号の出力端31bには、外部のディスプレイ装置が接続される。
そして、この実施の形態のサーバ装置2は、送受信制御部27の制御により、入出力端26b、外部I/F26aを通じて、クレードル1を介して送信されてくる載置通知を受信したり、モバイル機器からの蓄積データを受信して、これをHDD30のハードディスクに蓄積したりすることができるようにしている。
また、消去データ抽出部28で抽出して特定するようにした消去データについての消去指示や、書き戻しデータ作成部29において作成して準備した書き戻しデータを、送受信制御部27の制御により、外部I/F26a、入出力端26bを通じて送信し、クレードル1を介してこれに載置されたモバイル機器に送信することができるようにしている。
このように、この実施の形態のサーバ装置2において、外部I/F26a、入出力端26bが、通信手段としての機能を実現し、書き戻しデータ作成部29が、データ準備手段としての機能を実現するようにしている。また、送受信制御部27が、通信制御手段としての機能を実現するようにしている。
また、HDD30が、送信履歴記憶手段としての機能や、モバイル機器からの蓄積データを記憶保持する記憶手段としての機能を実現するようにしており、消去データ抽出部28と制御部21が協働することにより、消去指示形成手段としての機能を実現するようにしている。
[モバイル機器4の構成例について]
図4は、この実施の形態のデータ通信システムのクレードル1に対して載置してデータの送受と充電とを行うことが可能なモバイル機器4の構成例を説明するためのブロック図である。モバイル機器4としては、上述もしたように、カメラ付き携帯電話端末、デジタルスチルカメラ、携帯型音楽再生装置など、種々のものが考えられる。しかし、以下においては、説明を簡単にするため、モバイル機器4は、デジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラである場合を例にして説明する。
図4に示すように、この実施の形態のモバイル機器4は、制御部41と、時計回路42と、操作部43と、画像記憶部44と、無線通信部45aと、送受信アンテナ45bと、撮像部46と、送受信制御部47と、画像消去制御部48と、表示部49と、バッテリ50と、無線充電制御部51とを備えたものである。
制御部41は、この実施の形態のモバイル機器4の各部を制御するものであり、CPU411、ROM412、RAM413、不揮発性メモリ414が、CPUバス415を通じて接続されて構成されたマイクロコンピュータである。
ここで、CPU411は、後述するROM412に記憶保持されているプログラムを実行し、制御信号を形成し、これを必要とする各部に供給するなどして、モバイル機器4の各部を制御するようにする制御の主体となるものである。ROM412は、上述のように、CPU411において実行されるプログラムや各種の処理において必要となるデータ等が予め記憶されたものである。
また、RAM413は、主に処理の途中結果などを一時記憶したりするいわゆる作業領域として用いられるものである。また、不揮発性メモリ414は、EEPROMやフラッシュメモリなどからなるものであり、モバイル機器4の電源が切られても保持しておくべきデータ、例えば、各種の設定パラメータや機能アップのための追加プログラム等の情報が記憶保持されるものである。
時計回路42は、カレンダ機能を備え、現在年月日、現在曜日、現在時刻を提供するものである。操作部43は、例えば、各種の操作キー、操作ダイヤル、操作レバーを備え、ユーザーからの操作入力を受け付けて、これを電気信号に変換して制御部41に通知することができるものである。これにより、操作部43を通じて受け付けた指示入力は、電気信号として制御部41に供給され、制御部41はユーザーからの指示に応じて各部を制御し、ユーザーの指示に応じた処理を行うことができるようにしている。
画像記憶部44は、記録媒体と、ドライバ部等からなり、制御部41の制御により、後述する撮像部46を通じて撮影することにより得た静止画像データや動画像データの供給を受けて、これらを記憶保持するものである。ここで用いられる記録媒体としては、ハードディスク、半導体メモリ、DVD等の光ディスクなどの種々のものがあり、内蔵するように構成したり、着脱可能に構成したりすることが可能である。この実施の形態のモバイル機器4においては、画像記憶部44は、記録媒体として内蔵ハードディスクが用いられて構成されたものとして説明する。
無線通信部45a、送受信アンテナ45bは、クレードル1との間において、近距離無線通信によりデータ通信を行うようにする部分である。従って、無線通信部45a、送受信アンテナ45bは、クレードル1の無線通信部15a、送受信アンテナ15bと同様に、例えば、UWB(Ultra WideBand)やブルートゥース(Bluetooth)などの無線通信技術、その他の種々の近距離無線通信技術、あるいは、短距離無線通信技術を用いて、クレードル1との間で無線通信を行うことができるようにしている。
撮像部46は、対物レンズ、絞り機構、シャッター機構、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサなどの撮像素子、前処理回路等を備え、被写体の画像を電気信号として取り込んで、これをデジタル信号に変換することができるものである。ここでデジタル信号とされた静止画像データや動画像データは、上述もしたように、制御部41を通じて画像記憶部44の記録媒体に記録される。
送受信制御部47は、無線通信部45a、送受信アンテナ45bを通じて行うクレードル1との送受信を制御する。すなわち、送受信制御部47は、無線通信部45a、送受信アンテナ45bを通じてクレードル1からの情報を受信するようにしたり、制御部41において作成した送信情報などを無線通信部45a、送受信アンテナ45bを通じてクレードル1に対して送信するようにしたりする部分である。すなわち、自機とクレードル1とのデータの送受信を制御するものである。
画像消去制御部48は、詳しくは後述もするが、送受信アンテナ45b、無線通信部45aを通じて、クレードル1を介して送信されてきたサーバ装置2からのデータ消去要求を受信した場合に、受信した当該データ消去要求に基づいて、画像記憶部44の記録媒体に記録されている静止画像データや動画像データの内、消去することが指示された静止画像データや動画像データを画像記憶部44の記録媒体から消去する処理を制御するものである。
なお、図4において2重線で示した送受信制御部47、画像消去制御部48の機能は、制御部41のCPU411によって実行されるプログラム(ソフトウェア)によって、制御部41の機能として実現することも可能である。
バッテリ50は、この実施の形態のモバイル機器4の各部に供給する電力を蓄積するものである。また、無線充電制御部51は、クレードル1の充電制御部19を通じて供給される電力をバッテリ50に供給して、バッテリ50の充電処理を制御するものである。これら、充電制御部19と無線充電制御部51とが協働して、クレードル1からの電力の供給を受けてバッテリ50に充電することができるようにしている。
そして、この実施の形態のモバイル機器4は、上述もしたように、撮像部46を通じて撮像した静止画像データや動画像データを画像記憶部44に記録することができるものである。そして、画像記憶部44に記憶した種々の画像データは、自機をクレードル1に載置することにより、送受信制御部47と無線通信部45aとが機能し、クレードル1を介して、サーバ装置2に送信して、サーバ装置2のハードディスクに蓄積すること、すなわちバックアップを取ることができるようにしている。
また、送受信アンテナ45b、無線通信部45aを通じて、クレードル1を介して送信されてくるサーバ装置2からの画像データの消去要求を受信した時には、画像消去制御部48が機能して画像記憶部44を制御し、サーバ装置2にバックアップしてモバイル機器4には不必要になった画像データを画像記憶部44の記録媒体から消去して、画像記憶部44の記憶媒体の記憶容量を確保することができるようにしている。
また、送受信アンテナ45b、無線通信部45aを通じて、クレードル1を介して送信されてくるサーバ装置2からの書き戻しデータを受信した時には、送受信制御部47は、画像記憶部44を制御して、サーバ装置2からの書き戻しデータを画像記憶部44の記録媒体に記録することができるようにしている。
このように、この実施の形態のモバイル機器4は、クレードル1に載置するだけで、クレードル1を介してデータ通信を行うことにより、データのサーバ装置2へのバックアップや、サーバ装置2からの指示に応じた画像記憶部44に記憶保持されているデータの消去処理や、サーバ装置2からの書き戻しデータの画像記憶部44への記録処理を行うことができるものである。しかも同時に、自機のバッテリ50に対する充電をもクレードル1を通じて行うことができるようにされている。
[データ通信システムの動作について]
次に、この実施の形態のデータ通信システム全体の動作について、図5、図6のタイミングチャートを参照しながら説明する。図1を用いて説明したように、クレードル1とサーバ装置2とは、インターフェイスケーブル3が用いられて有線により接続されている。そして、クレードル1は、これに載置されたモバイル機器4との間においては、近距離無線通信技術が用いられて、無線により接続される。
そして、以下に説明するように、クレードル1に載置されたモバイル機器4と、クレードル1に有線接続されたサーバ装置2との間においては、クレードル1を介して通信が行われることになる。
クレードル1は、自機に電源が投入された状態にあるときには、載置検出部16の機能により、所定の間隔ごとにモバイル機器4が載置されたか否かを判断する(ステップS1)。上述もしたように、この実施の形態のクレードル1に対しては、1度に複数台のモバイル機器を載置することができるようにされており、新たなモバイル機器が載置される毎にモバイル機器が載置されたことを検出することができるようにしている。
そして、ステップS1の判断処理において、モバイル機器4は載置されていないと判断したときには、ステップS1の判断処理を繰り返し、モバイル機器の載置待ちとなる。また、ステップS1の判断処理において、モバイル機器4が載置されたと判断した場合には、クレードル1は、送受信制御部17が無線通信部15aを制御し、自機に新たに載置されたモバイル機器4に対して、機器ID問合せを送信する(ステップS2)。
モバイル機器4は、送受信アンテナ45b、無線通信部45aを通じてクレードル1からの機器ID問合せを受信すると、送受信制御部47が無線通信部45aを制御し、自機(モバイル機器4)の機器IDをクレードル1に対して送信する(ステップS3)。
クレードル1は、送受信アンテナ15b、無線通信部15aを通じて、新たに載置されたモバイル機器4からの機器IDを受信すると、送受信制御部17が外部I/F14aを制御し、モバイル機器4からの機器IDをサーバ装置2に報告する(ステップS4)。これにより、サーバ装置2は、クレードル1に対して新たなモバイル機器が載置されたことを把握する。そして、クレードル1においては、新たに載置されたモバイル機器4に対して充電の開始処理を実行する(ステップS5)。
一方、サーバ装置2は、入出力端26b、外部I/F26aを通じて、クレードル1に対して新たに載置されたモバイル機器4からの機器ID報告を受信すると、送受信制御部27が外部I/F26aを制御し、当該受信した機器IDによって特定されるモバイル機器4に対して、蓄積データの一覧リストの提供要求である蓄積データリスト要求を送信する(ステップS6)。
この蓄積データリスト要求は、クレードル1において、入出力端14b、外部I/F14aを通じて受信された後、送受信制御部17の制御により、無線通信部15a、送受信アンテナ15bを通じてモバイル機器4に対して送信される。
モバイル機器4は、送受信アンテナ45b、無線通信部45aを通じて、サーバ装置2からの蓄積データリスト要求を受信すると、制御部41が、画像記憶部44に記憶保持している画像データに基づいて蓄積データリストを形成し、これを送受信制御部47が無線通信部45aを制御して送信する(ステップS7)。
この蓄積データリストは、クレードル1において、送受信アンテナ15b、無線通信部15aを通じて受信された後、送受信制御部17の制御により、外部I/F14a、入出力端14bを通じてサーバ装置2に対して送信される。
サーバ装置2は、入出力端26b、外部I/F26aを通じて、モバイル機器4からの蓄積データリストを受信すると、制御部21は、これをHDD30のハードディスクの所定の領域に格納する(ステップS8)。そして、サーバ装置2の制御部21は、格納した蓄積データリストに基づいて、新たに蓄積されたデータの提供要求である新規蓄積データ要求を形成し、これを送受信制御部27が外部I/F26aを制御して送信する(ステップS9)。
ここで、新規蓄積データ要求は、モバイル機器4からの蓄積データリストの作成日時と、既に当該モバイル機器4から提供を受けた蓄積データの作成日時とに基づいて、未だ提供を受けていない新たに提供を受けるべきデータを特定し、その特定したデータの提供をモバイル機器4に対して要求するための情報である。
なお、新規蓄積データ要求は、例えば、作成日時がyy年mm月dd日以降の画像データの全部というように、まとめて要求するように形成することも可能であるし、例えば、各蓄積データに付加されているデータIDによって提供を受けたい画像データを特定して要求するように形成することも可能である。
この新規蓄積データ要求は、クレードル1において、入出力端14b、外部I/F14aを通じて受信された後、送受信制御部17の制御により、無線通信部15a、送受信アンテナ15bを通じてモバイル機器4に対して送信される。
モバイル機器4は、送受信アンテナ45b、無線通信部45aを通じて、サーバ装置2からの新規蓄積データ要求を受信すると、制御部41は、画像記憶部44に記憶保持している画像データから要求された新規蓄積データを抽出し、これを送受信制御部47が無線通信部45aを制御して送信する(ステップS10)。
この新規蓄積データは、クレードル1において、送受信アンテナ15b、無線通信部15aを通じて受信された後、送受信制御部17の制御により、外部I/F14a、入出力端14bを通じてサーバ装置2に対して送信される。
サーバ装置2は、入出力端26b、外部I/F26aを通じて、モバイル機器4からの新規蓄積データを受信すると、制御部21は、これをHDD30のハードディスクの所定の領域に保存する(ステップS11)。このようにして、クレードル1に載置されたモバイル機器4の画像データなどの蓄積データを、クレードル1を通じてサーバ装置2のHDD30にバックアップすることができるようにされる。
そして、図6に示す処理に進み、サーバ装置2は、取得した新規蓄積データに基づいて、モバイル機器4の画像記憶部44に記憶されている画像データの中から消去すべきデータを洗い出す、消去対象データ洗い出し処理を実行する(ステップS12)。消去対象データ洗い出し処理の詳細については後述するが、新規蓄積データである画像データのそれぞれに付加されている付加情報を確認し、削除されないようにするための削除プロテクトがかけられていたり、印刷する必要のある情報であることを予め指示しておく印刷マーキングが付加されていたり、使用回数が更新するようにされている場合には、その使用回数が所定回以上であるなど、重要な画像データであることが予測できる画像データについては、消去対象とはせず、それ以外の画像データを消去対象として特定する処理である。
この後、サーバ装置2は、ステップS12の洗い出し処理に基づいて、消去可能なものとして特定した画像データの消去を指示する蓄積データ消去要求を形成し、これを送受信制御部27が外部I/F26aを制御して送信する(ステップS13)。
この蓄積データ消去要求は、クレードル1において、入出力端14b、外部I/F14aを通じて受信された後、送受信制御部17の制御により、無線通信部15a、送受信アンテナ15bを通じてモバイル機器4に対して送信される。
モバイル機器4は、送受信アンテナ45b、無線通信部45aを通じて、サーバ装置2からの蓄積データ消去要求を受信すると、画像消去制御部48が画像記憶部44を制御して、消去が指示された画像データを画像記憶部44から消去する処理を実行する(ステップS14)。
指示された画像データの消去が終了すると、モバイル機器4の制御部41は、消去処理完了報告を形成し、これを送受信制御部47の制御により、無線通信部45a、送受信アンテナ45bを通じて送信する(ステップS15)。
この消去処理完了報告は、クレードル1において、送受信アンテナ15b、無線通信部15aを通じて受信された後、送受信制御部17の制御により、外部I/F14a、入出力端14bを通じてサーバ装置2に対して送信される。
サーバ装置2は、入出力端26b、外部I/F26aを通じて、モバイル機器4からの消去処理完了報告を受信すると、書き戻しデータ作成部29が機能し、モバイル機器4の画像記憶部44が消去するようにした画像データに基づいて、書き戻しデータを作成する。この場合、サーバ装置2の書き戻しデータ作成部29は、モバイル機器4の機器属性や、処理対象の蓄積データの種別、自機に記憶保持した蓄積データの蓄積履歴、あるいは、ユーザーからの指示入力に応じて、どのような書き戻しデータを作成するかを決定する。
ここでは、モバイル機器4がデジタルスチルカメラであることを示す機器属性が、ステップS4機器IDの報告時に報告されているものとする。この場合、書き戻しデータ作成部29は、機器属性から消去対象の蓄積データは静止画像データであると分かるので、消去対象となった蓄積データである画像データを縮小処理して、モバイル機器4に書き戻すようにする書き戻しデータを作成する(ステップS16)。この場合、書き戻しデータ作成部29は、元の画像データの数分の1〜数十分の1程度の大きさの画像データを書き戻しデータとして形成する。
そして、サーバ装置2の送受信制御部27は、外部I/F26aを制御して、モバイル機器4に送信する(ステップS17)。この書き戻しデータは、クレードル1において、入出力端14b、外部I/F14aを通じて受信された後、送受信制御部17の制御により、無線通信部15a、送受信アンテナ15bを通じてモバイル機器4に対して送信される。
モバイル機器4は、送受信アンテナ45b、無線通信部45aを通じて書き戻しデータを受信すると、制御部41は、受信した書き戻しデータを画像記憶部44に保存する(ステップS18)。この書き戻しデータは、上述のように、モバイル機器4に蓄積されていた画像データであって、サーバ装置2のHDD30にバックアップした後に消去するようにされた画像データの縮小画像である。
したがって、サーバ装置2からの書き戻しデータである縮小画像を制御部41の制御により表示部49の表示画面に表示することにより、どのような画像をサーバ装置2にバックアップした後に消去したのかを確認することができる。そして、必要がある場合には、サーバ装置2にバックアップした画像データを利用したり、また、モバイル機器4の画像記憶部44に記録して、モバイル機器4において再度利用できるようにしたりすることもできる。
そして、ステップS18の書き戻しデータの保存が終了した後、モバイル機器4の制御部41は、保存完了報告を形成し、これを送受信制御部47の制御により、無線通信部45a、送受信アンテナ45bを通じて送信する(ステップS19)。
この保存完了報告は、クレードル1において、送受信アンテナ15b、無線通信部15aを通じて受信された後、送受信制御部17の制御により、外部I/F14a、入出力端14bを通じてサーバ装置2に対して送信される。
サーバ装置2において、入出力端26b、外部I/F26aを通じて保存完了報告を受信すると、サーバ装置2の制御部21は、クレードル1に新規に載置されたモバイル機器4とのデータの送受を適切に完了したことを認識することができる。
この後、クレードル1は、充電終了処理を実行するようにし(ステップS20)、モバイル機器のバッテリが満充電となり充電処理が完了すると、図5、図6を用いて説明したこの実施の形態のデータ通信システムにおいて、新たなモバイル機器がクレードル1に載置された場合の一連の処理が完了する。
このように、この実施の形態のデータ通信システムにおいては、サーバ装置2に接続されたクレードル1に対してモバイル機器4を載置するだけで、モバイル機器4に蓄積された蓄積データをクレードル1を介してサーバ装置2に送信し、サーバ装置2のHDD30にバックアップすることができるようにしている。
また、サーバ装置2の機能により、モバイル機器4からバックアップした蓄積データの中から消去可能な消去対象データを洗い出し、サーバ機器2からモバイル機器4に対して蓄積データ消去要求を提供することにより、モバイル機器4の画像記憶部44の記憶エリアを整理して、モバイル機器4の画像記憶部44の効率的な利用を図ることができるようにしている。
さらに、モバイル機器4からサーバ装置2にバックアップすると共に、モバイル機器4から消去するようにした蓄積データに基づいて、モバイル機器4に書き戻すための書き戻しデータを作成し、これをモバイル機器4に書き戻すことができるようにしている。この書き戻しデータは、上述もしたように、蓄積データが静止画像データである場合には、その縮小画像であり、元の蓄積データよりもデータ量を圧縮するようにした情報である。これにより、モバイル機器4は、サーバ装置2にバックアップ後、消去するようにした蓄積データはどんなものがあるのかを、画像記憶部44の記憶容量を無駄に使用することなく管理することができるようにしている。
なお、クレードル1に載置されたモバイル機器4に、サーバ装置2にバックアップすべきデータが存在しない場合には、図6に示したステップS16の処理に進み、モバイル機器4に対して新たに提供可能になった情報を形成して、これを提供する処理を行うようにすることができる。すなわち、クレードル1に載置されたモバイル機器4に、サーバ装置2にバックアップすべきデータが存在しない場合には、充電処理と書き戻しデータの提供処理とを行うようにすることができるようにされる。
[送受されるデータのレイアウト例について]
次に、図5、図6を用いて説明したこの実施の形態のデータ通信システムにおいて、各機器間でやり取りされるデータのレイアウト例について説明する。
[コマンドデータのレイアウト例]
図7は、コマンドデータのレイアウト例とその具体例を説明するための図である。図7Aに示すように、各機器間で送受されるコマンドデータは、「送信先ID」、「送信元ID」、「命令や指示の内容等を示すコマンド情報」、「命令や指示の実行に必要なデータや通知すべきデータ」等からなっている。
図7Bは、図5に示したシーケンス図のステップS2でクレードル1から新たに載置されたモバイル機器4に対して送信される機器ID問合せのためのコマンドデータの一例について説明するための図である。図7Bに示すように、機器ID問合せにおいて、送信先IDには「未応答機器を示す情報」が入力され、送信元IDには「クレードル1の機器ID」が入力され、コマンドを示す情報には「機器IDの問合せであることを示す情報」が入力される。
ここで、「未応答機器を示す情報」は、クレードル1との間で未だ通信を行っていない機器を指示する情報であり、例えば、機器IDが5桁の英数字で表されるものであれば、「00000」などのように予め決められたものである。そして、送信先IDとして「未応答機器を示す情報」を受信したモバイル機器の内、クレードル1との間の通信履歴が無いモバイル機器は、自機が未応答機器であると判断し、送信されてきたコマンド情報に応じた処理、この例の場合には、機器IDの通知を行うようにすることになる。
図7Cは、図5に示したシーケンス図のステップS3で、新たにクレードル1に載置され、クレードル1との間で未だ通信を行っていないモバイル機器4が、図7Bに示した機器ID問合せコマンドを受信した場合に、当該モバイル機器4からクレードル1に送信される機器ID応答の一例を説明するための図である。
図7Cに示すように、機器ID応答において、送信先IDには「クレードル1の機器ID」が入力され、送信元IDには「モバイル機器4の機器ID」が入力され、コマンドを示す情報には、これが「機器IDの応答であることを示す情報」が入力される。これにより、クレードル1は、送信元IDによって、モバイル機器4の機器IDを知ることができる。
そして、この例の場合、機器ID応答によって、機器属性やその他の情報もモバイル機器4からクレードル1に通知される。機器属性は、上述もしたように、モバイル機器4が、デジタルスチルカメラなのか、デジタルビデオカメラなのか、携帯電話端末なのか等の機器の種別(種類)を示すものである。この機器属性により、クレードル1は、モバイル機器4がどのようなモバイル機器であり、どのようなデータを扱うものであるかを把握することができる。
なお、図5、図6に示したシーケンス図において、(1)ステップS4でクレードル1からサーバ装置2に送信される「機器ID報告」、(2)ステップS6でサーバ装置2からモバイル機器4に送信される「蓄積データリスト要求」、(3)ステップS9でサーバ装置2からモバイル機器4に送信される「新規蓄積データ要求」、(4)ステップS13において、サーバ装置2からモバイル機器4に送信される「蓄積データ消去要求」、(5)ステップS15において、モバイル機器4からサーバ装置2に送信される「消去処理終了報告」、(6)ステップS19において、モバイル機器4からサーバ装置2に送信される「保存完了報告」のそれぞれについては、図7に示した態様、すなわち、送信先ID、送信元ID、コマンド情報、その他のデータという構成で、機器間でコマンド情報の送受がなされる。
[蓄積データリストのレイアウト例]
図8は、モバイル機器4において生成され、図5に示したステップS7において、モバイル機器4からサーバ装置2に送信される蓄積データリストのレイアウト例を説明するための図である。
図8に示すように、この例の蓄積データリストの場合、蓄積データリスト全体のヘッダ情報として、送信先ID、送信元ID、データ属性、その他の情報を有するようにされている。送信先IDは、この蓄積データリストの送信先となる機器の機器IDであり、送信元IDは、この蓄積データリストを送信するモバイル機器4の機器IDである。データ属性は、この情報全体が蓄積データリストを形成していることを示すものである。その他の情報としては、当該蓄積データリストの生成日時や送信日時などの日付情報等、種々の情報が考えられる。
そして、モバイル機器4において蓄積されている情報毎に、データID、データ属性、作成日時、データサイズ、その他の情報からなる情報が形成され、全体として蓄積データリストを構成するようになっている。ここで、データIDは、各データを特定する情報であり、具体的には、各データのファイル名などに相当する。データ属性は、そのデータが、静止画像データなのか、動画像データなのか、音声データなのか、テキストデータなのか等を示す情報である。
また、作成日時は、当該蓄積データが作成された日時であるが、広く当該蓄積データがモバイル機器によって取得された日時をも含むものである。また、データサイズは、その蓄積データのサイズ(容量)である。その他の情報としては、各蓄積データに付随するメモ情報等のテキストデータ等、種々の情報を付加することが可能である。
このような蓄積データリストが、サーバ装置2からの蓄積データリスト要求に応じてモバイル機器4において作成され、図5に示したステップS7において、モバイル機器4からサーバ装置2に送信するようにされる。
これにより、サーバ装置2においては、モバイル機器4がどのような情報を蓄積しているのかを正確に把握することができるようにされる。そして、サーバ装置2は、自機に既に蓄積している当該モバイル機器4からの蓄積データや、モバイル機器4から新たに提供された蓄積データリストの各データの作成日時に基づいて、新たにモバイル機器4から提供を受ける蓄積データを特定することができるようにされる。
[蓄積データのレイアウト例]
図9は、蓄積データのレイアウト例を説明するための図である。図9に示すように、蓄積データは、ヘッダ情報部分と実データ部分とかなっている。この例において、蓄積データのヘッダ情報は、装置ID、データID、データ属性、作成日時、プロテクト情報、印刷マーク、データサイズ、使用回数、その他の情報からなっている。ここで、装置IDは、当該蓄積データを蓄積している装置を特定する情報である。データIDは、当該蓄積データを一意に特定可能なものである。
また、データ属性は、当該蓄積データが静止画像データなのか、動画像データなのか、音声データなのか等のデータの種類を示す情報である。作成日時は、当該蓄積データが作成された日時を示す情報である。また、プロテクト情報は、当該蓄積データを削除しないようにするか否かを指示するフラグ情報であり、削除しないようにプロテクトする場合には「オン」、必要に応じて削除してよい場合には「オフ」となっている情報である。
印刷マークは、上述した印刷マーキングに相当する情報であり、印刷する必要のある情報であることを予め指定しておくための情報である。また、データサイズは、当該蓄積データの大きさを示し、使用回数は、これが蓄積されているモバイル機器4において使用された回数が更新されるものである。その他の情報としては、当該蓄積データについてのコメント情報等の種々の情報を付加するようにすることが可能である。
このように、この実施の形態において、モバイル機器4に蓄積されている蓄積データは、種々の情報を有するヘッダ情報に対して、実データが付加するようにされた形式になっている。ここで、実データは、静止画像データ、動画像データ、音声データ、テキストデータ等の蓄積の対象となる主データであるが、この実施の形態においては、例えば静止画像データである。
このような蓄積データが、図5のステップS9の新規蓄積データ要求に応じて、モバイル機器4からサーバ装置2に送信されるものである。図5のステップS9において、サーバ装置2からモバイル機器4に送信される新規蓄積データ要求は、図7Aを用いて説明したように、送信先ID、送信元ID、新規蓄積データ要求であることを示すコマンド情報を有すると共に、その他のデータとして、提供を希望する蓄積データのデータID、或いは、提供を希望する蓄積データの作成日時を指示する情報などからなるものである。
なお、データIDによって提供を希望する蓄積データを指示する場合であって、提供を希望する蓄積データが複数存在する場合には、提供を希望する全ての蓄積データのデータIDをコマンドデータに含めてモバイル機器4に送信すれば良い。また、提供を希望する蓄積データの作成日時を指示する情報は、特定の1日だけを指示することもできるし、「開始日時〜終了日時」と言うように作成日時を範囲により指定することも可能である。
このようなサーバ装置2からモバイル機器4への新規蓄積データ要求に応じて、モバイル機器4は、図9に示した態様でモバイル機器の画像記憶部44などに蓄積されている蓄積データの中から、提供を要求された蓄積データを抽出して、図5に示したステップS10においてサーバ装置2に送信することになる。
[書き戻しデータのレイアウト例]
図10は、図6に示したシーケンス図のステップS16において作成され、ステップS17において、サーバ装置2からモバイル機器4に送信される書き戻しデータのレイアウト例を説明するための図である。図10に示すように、書き戻しデータは、ヘッダ情報部分と書き戻しデータ部分とからなっている。
この例において、書き戻しデータのヘッダ情報は、データID、データ属性、生成日時、データサイズ、提供先、元データID、元作成日時、元データサイズ、その他の情報からなっている。ここで、データIDは、当該書き戻しデータを一意に特定可能なものである。データ属性は、当該書き戻しデータが静止画像データか、動画像データか、音声データか等の書き戻しデータの種類を示す情報である。生成日時は、当該書き戻しデータがサーバ装置2において生成された日時を示す情報である。
データサイズは、当該書き戻しデータの大きさを示し、提供先は、当該書き戻しデータを提供する先の機器の機器IDが入力される。この実施の形態において、書き戻しデータは、蓄積データをサーバ装置2に提供したモバイル機器4に戻されるデータである。元データIDは、当該書き戻しデータの元のデータを特定するデータであり、元作成日時は、当該元のデータの作成日時を示すデータである。また、元データサイズは、当該元のデータの大きさを示す情報である。また、その他の情報は、書き戻しデータについてのコメントデータ等、種々の情報を付加するようにすることが可能である。
このように、この実施の形態において、サーバ装置2において形成され、モバイル機器4に戻すようにされる書き戻しデータは、種々の情報を有するヘッダ情報に対して、書き戻しデータが付加するようにされた形式になっている。ここで書き戻しデータは、モバイル機器4からサーバ装置2に提供された種々の蓄積データに応じて形成されるものである。
そして、この実施の形態において、モバイル機器4からサーバ装置2提供される蓄積データは上述もしたように静止画像データであり、サーバ装置2においては、モバイル機器4に提供する書き戻しデータとして、提供を受けた静止画像データの縮小画像データを形成して戻すようにしている。
これにより、上述もしたように、モバイル機器4からサーバ装置2に送信してサーバ装置2にバックアップするようにした蓄積データである静止画像データについては、図6に示したステップS13においてサーバ装置2からモバイル機器4に供給される蓄積データ消去要求に応じて消去するようにされる。
しかし、サーバ装置2にバックアップするようにされた後に、消去するようにされた静止画像データは、縮小画像データとしてサーバ装置2からモバイル機器4に戻すようにされる。これによりモバイル機器4においては、画像記憶部44の記憶容量を無駄に使用することなく、どのような蓄積データがサーバ装置2にバックアップされた後に消去されたかを管理することができる。
[書き戻し履歴のレイアウト例]
図11は、サーバ装置2において、図10を用いて説明した書き戻しデータを生成してモバイル機器4に書き戻すようにした場合に、サーバ装置2の例えばHDD30に形成される書き戻し履歴のレイアウト例を説明するための図である。図11に示すように、この例の書き戻し履歴は、書き戻し日時、書き戻し先、データID、データ属性、生成日時、データサイズ、その他の情報からなるものである。
ここで、書き戻し日時は、書き戻しデータを生成して目的とする電子機器に提供するようにした日時を示す情報であり、書き戻し先は、生成した書き戻しデータを提供した相手先の電子機器を特定する機器IDなどの情報である。また、データIDは、提供した書き戻しデータのデータIDを、データ属性は、書き戻しデータが静止画像データなのか、動画像データなのか、音声データなのか等の書き戻しデータの種類を示す情報である。
また、生成日時は、当該書き戻しデータを生成した日時を、データサイズは当該書き戻しデータの大きさをそれぞれ示す情報である。また、その他の情報としては、当該書き戻しデータについてのコメント等、種々の情報を付加することができるようにされる。
そして、図11に示したような書き戻し履歴をサーバ装置2が記憶保持しておくことにより、サーバ装置2においては、いつ、どのようなデータ属性の書き戻しデータを生成して、それをいつ、どの電子機器に書き戻すようにしたのかを正確に把握することができるようにされる。
[データ通信システムを構成する機器の動作について]
次に、図1〜図11を用いて説明したこの実施の形態のデータ通信システムを構成する各機器毎に、その動作について詳細に説明する。以下においては、この実施の形態のデータ通信システムの中心に位置するクレードル1、クレードル1を介してデータ管理を行うサーバ装置2、クレードル1に載置されるモバイル機器4の順に、各機器の動作について詳細に説明する。なお、モバイル機器4は、上述もしたようにデジタルスチルカメラであるものとする。
[クレードル1の処理について]
図12は、この実施の形態のデータ通信システムのクレードル1において行われる処理を説明するためのフローチャートである。この図12に示す処理は、クレードル1において電源が投入された状態にあるときに主に制御部11と送受信制御部17とによって実行される。なお、上述もしたように、この実施の形態のクレードル1に対しては、1度に複数のモバイル機器を載置することが可能であり、モバイル機器の載置可能最大台数分の図12に示す処理が、いわゆるマルチタスクで実行することができるようにしている。
そして、電源が投入されると、クレードル1の制御部11は、載置検出部16を制御して、モバイル機器の載置検出を開始し、モバイル機器が自機に載置されたか否かを判断する(ステップS101)。ステップS101の判断処理において載置されていないと判断したときには、モバイル機器の載置検出を繰り返すようにし、モバイル機器が載置されるのを待つ。
ステップS101の判断処理において、モバイル機器が載置されたと判断したときには、制御部11は、図7Bを用いて説明した機器ID問合せコマンドデータを形成し、これを送受信制御部17が無線通信部15a、送受信アンテナ15bを制御して、これらを通じて新たに載置されたモバイル機器4に送信する(ステップS102)。
次に、クレードル1の送受信制御部17は、送受信アンテナ15b、無線通信部15aを通じて、モバイル機器4からの図7Cを用いて説明した機器ID応答を受信するようにし、これを外部I/F14a、入出力端14bを通じてサーバ装置に報告するようにする(ステップS103)。
次に、制御部11は、充電制御部19を制御し、新たに載置されたモバイル機器4について、充電が必要か否かを確認する(ステップS104)。このステップS104の処理は、モバイル機器4のバッテリの電圧などを検出するなど、電気的な検出処理によって検出することが可能である。
そして、制御部11は、ステップS104の確認結果に基づいて、新たに載置されたモバイル機器4に対して充電が必要か否かを判断し(ステップS105)、充電が必要であると判断したときには、制御部11は、充電制御部19を制御して、新たに載置された当該モバイル機器4のバッテリに対して充電を開始させるようにする(ステップS106)。また、ステップS105の判断処理において、充電は必要ないと判断したときには、ステップS107の処理に進む。
そして、ステップS106の処理の後、あるいは、ステップS105の判断処理において、充電は必要ないと判断したときには、以降の一連の中継処理を行う。すなわち、まず、送受信制御部17は、入出力端14b、外部I/F14aを通じてサーバ装置2からの蓄積データリスト要求を受信し、これを無線通信部15a、送受信アンテナ15bを通じてモバイル機器4に送信する(ステップS107)。
次に、送受信制御部17は、送受信アンテナ15b、無線通信部15aを通じてモバイル機器4からの蓄積データリストを受信し、これを外部I/F14a、入出力端14bを通じてサーバ装置2に送信する(ステップS108)。次に、送受信制御部17は、入出力端14b、外部I/F14aを通じてサーバ装置2からの新規蓄積データ要求を受信し、これを無線通信部15a、送受信アンテナ15bを通じてモバイル機器4に送信する(ステップS109)。
次に、送受信制御部17は、送受信アンテナ15b、無線通信部15aを通じてモバイル機器4からの新規蓄積データを受信し、これを外部I/F14a、入出力端14bを通じてサーバ装置2に送信する(ステップS110)。次に、送受信制御部17は、入出力端14b、外部I/F14aを通じてサーバ装置2からの蓄積データ消去要求を受信し、これを無線通信部15a、送受信アンテナ15bを通じてモバイル機器4に送信する(ステップS111)。
次に、送受信制御部17は、送受信アンテナ15b、無線通信部15aを通じてモバイル機器4からの消去処理完了報告を受信し、これを外部I/F14a、入出力端14bを通じてサーバ装置2に送信する(ステップS112)。次に、送受信制御部17は、入出力端14b、外部I/F14aを通じてサーバ装置2からの書き戻しデータを受信し、これを無線通信部15a、送受信アンテナ15bを通じてモバイル機器4に送信する(ステップS113)。
そして、送受信制御部17は、送受信アンテナ15b、無線通信部15aを通じてモバイル機器4からの書き戻しデータ保存完了報告を受信し、これを外部I/F14a、入出力端14bを通じてサーバ装置2に送信する(ステップS114)。このように、ステップS107〜ステップS114までの処理により、サーバ装置2とモバイル機器4との間の一連の中継処理が行われる。
なお、ステップS110の蓄積データの中継処理や、ステップS113の書き戻しデータの中継処理においては、中継すべき蓄積データや書き戻しデータが多数存在する場合もあり、ステップS110、ステップS113においては、多数のデータの転送処理が行われる場合ももちろんある。
そして、クレードル1の制御部11は、充電制御部19を制御して、モバイル機器4のバッテリの充電容量を確認するようにし(ステップS115)、モバイル機器4に対する充電が完了したか否かを確認する(ステップS116)。ステップS116の確認処理において、未だ充電が完了していないと判断したときには、ステップS115からの処理を繰り返し、充電処理を続行する。ステップS116の判断処理において、モバイル機器4に対する充電が完了したと判断したときには、モバイル機器4への充電を終了するようにする所定の処理を実行し(ステップS117)、この図12に示す処理を終了する。
なお、この図12に示した例の場合には、ステップS115において充電容量を確認して、ステップS116で充電が完了したか否かを判断するようにしたが、これに限るものではない。ステップS105の判断処理において、充電が必要か否かを判断し、充電が必要でない場合には、充電処理を行っていないので、ステップS115の充電容量の確認の前に、充電実行中か否か(電力をモバイル機器4に供給しているか否か)を判断し、充電を実行していないと判断したときには、ステップS115〜ステップS117の処理を行うことなく、図12に示す処理を終了させるようにすることもできる。
[サーバ装置2の処理について]
図13は、この実施の形態のデータ通信システムのサーバ装置2において行われる処理を説明するためのフローチャートである。この図13に示す処理は、サーバ装置2において電源が投入された状態にあるときに主に制御部21と送受信制御部27とによって実行される。
電源が投入されると、サーバ装置2の送受信制御部27は、入出力端26b、外部I/F26aを通じて、クレードル1からのクレードル1に載置されたモバイル機器の機器IDを受信したか否かを判断する(ステップS201)。ステップS201の判断処理において、まだ機器IDを受信していないと判断したときには、ステップS201からの処理を繰り返し、クレードル1に載置されたモバイル機器の機器IDの受信待ちとなる。
ステップS201の判断処理において、クレードル1からの機器IDを受信したと判断したときには、クレードル1に新たにモバイル機器4が載置されたと分かるので、制御部11は、蓄積データリスト要求を生成し、これを送受信制御部27が、外部I/F26a、入出力端26bを通じて送信するようにし、クレードル1を介して、クレードル1に新たに載置されたモバイル機器4に送信するようにする(ステップS202)。
次に、送受信制御部27は、クレードル1を介して送信されてくる蓄積データリストを入出力端26b、外部I/F26aを通じて受信して、これを例えばHDD30の所定の領域に格納する(ステップS203)。そして、制御部21は、ステップS203において格納した蓄積データリストと、過去に当該モバイル機器4から提供を受けて格納している蓄積データとに基づいて、当該モバイル機器4から未だ提供を受けていない蓄積データを特定し、この特定した蓄積データの提供を要求するための新規蓄積データ要求を形成し、これを送受信制御部27が、外部I/F26aを通じて送信して、クレードル1を介してクレードル1に載置されたモバイル機器4に送信するようにする(ステップS204)。
次に、送受信制御部27は、クレードル1を介して送信されてくる新規蓄積データを入出力端26b、外部I/F26aを通じて受信して、これを例えばHDD30の所定の領域に保存する(ステップS205)。なお、モバイル機器4から送信されてくる新規蓄積データは複数存在する場合もあり、ステップS205においては、モバイル機器4からの新規蓄積データを順次に受信して、HDD30の所定の領域に保存することができるようにしている。
そして、サーバ装置2の制御部21は、HDD30の所定の領域に保存したモバイル機器4からの蓄積データの内、モバイル機器4から消去可能な蓄積データである消去対象データを洗い出す処理を実行する(ステップS206)。このステップS206における消去対象データ洗い出し処理は、詳しくは後述するが、洗い出し対象の保存した蓄積データに付加されている情報に基づいて、あるいは、当該蓄積データを解析することにより、重要な蓄積データであるか否かを予測するようにし、重要であると予測された蓄積データについては消去対象とはしないが、それ以外の蓄積データについては消去対象とするようにしている。
そして、サーバ装置2の制御部21は、ステップS205において洗い出した消去対象データをモバイル機器4の画像記憶部44から消去するようにするための蓄積データ消去要求を形成し、これを送受信制御部27に制御により、外部I/F26a、入出力端26bを通じて送信して、クレードル1を介してモバイル機器4に送信するようにする(ステップS207)。
次に、サーバ装置2の送受信制御部27は、入出力端26b、外部I/F26aを通じて、蓄積データ消去要求を送信した相手先のモバイル機器4から送信されてくる消去処理完了報告を受信するようにする(ステップS208)。この後、詳しくは後述するが、サーバ装置2の制御部21は、モバイル機器4から提供を受けてHDD30に保存すると共にモバイル機器4から消去するようにした蓄積データから、モバイル機器4に対して形式を変えて書き戻すようにする書き戻しデータ作成する(ステップS209)。
そして、サーバ装置2の送受信制御部27は、ステップS209において作成した書き戻しデータを、外部I/F26a、入出力端26bを通じて送信して、クレードル1を介してモバイル機器4に送信するようにする(ステップS210)。この後、サーバ装置2の送受信制御部27は、入出力端26b、外部I/F26aを通じて、モバイル機器4からクレードル1を介して送信されてくる書き戻しデータの保存完了報告を受信するようにして(ステップS211)、この図13に示す処理を終了する。
なお、ここでは、通信処理が支障なく、行うようにされた場合を例にして説明したが、例えば、サーバ装置2からモバイル機器4に何らかの要求を送信し、これに応答がない場合などにおいては、再度の要求の送信を行ったり、応答要求を送信したりすることができるようにされる。
例えば、ステップS208において、消去処理完了報告を所定時間内に受信しなかった場合には、蓄積データの消去処理が行われたか否かの確認要求を送信したり、ステップS211において、保存完了報告を所定時間内に受信しなかった場合には、書き戻しデータが保存されたか否かの確認要求を送信したりすることができる。そして、その応答に応じて、元の要求を再度送信するなど、適切に処理することができるようにされる。
また、バックアップすべき蓄積データが存在しない場合には、一連の処理を終了させるようにしたり、新たに利用可能になったコンテンツデータを提供するようにしたりして、一連の処理を終了させるようにすることもできる。
[消去対象データ洗い出し処理について]
次に、図13に示した処理のステップS206において行われる消去対象データの洗い出し処理について説明する。図14は、図13のステップS206において行われる消去対象データの洗い出し処理を説明するためのフローチャートである。この図14に示す処理は、サーバ装置2の制御部21において行われる処理である。
まず、制御部21は、図13に示したステップS205において取得した一連の新規蓄積データの先頭に位置付ける(ステップS2061)。そして、位置付けた新規蓄積データについて、消去対象となるか否かの判定処理を行う(ステップS2062)。このステップS2062の処理は、詳しくは後述もするが、新規蓄積データのそれぞれの付随情報に基づいて、あるいは、新規蓄積データを解析することにより、その新規蓄積データが消去対象となるか否かを判断する処理である。
この後、制御部21は、今回、消去判定処理の対象となった新規蓄積データは、ステップS205で取得して保存した最後の新規蓄積データか否かを判断する(ステップS2063)。すなわち、ステップS2063の判断処理は、ステップS205で取得した全ての新規蓄積データについて、消去判定処理が終了したか否かを判断する処理である。
ステップS2063の判断処理において、未だ全ての新規蓄積データについて、消去判定処理を行っていないと判断した時には、次の新規蓄積データに位置付け(次の新規蓄積データを処理対象とするようにし)(ステップS2064)、ステップS2062からの処理を繰り返すようにする。また、ステップS2063の判断処理において、全ての新規蓄積データについて、消去判定処理を終了したと判断した時には、この図14に示す処理を終了し、図13に示した処理に戻り、ステップS207からの処理を実行するようにする。
次に、図14のステップS2062で行われる消去判定処理について具体的に説明する。図15は、図14に示したステップS2062において行われる各新規蓄積データについての消去判定処理を説明するためのフローチャートである。クレードル1に載置されたモバイル機器4は、上述もしたようにデジタルスチルカメラであり、モバイル機器4からサーバ装置2に提供される蓄積データは静止画像データであるものとして説明する。
サーバ装置2の制御部21は、判定対象の新規蓄積データのヘッダ部の情報を確認する処理を行う。すなわち、モバイル機器4からサーバ装置2に供給される静止画像データである蓄積データは、図9を用いて説明したレイアウトのデータであり、制御部21は、まず、ヘッダ部のプロテクト情報を確認し、削除プロテクトされているか否か(プロテクト情報がオンになっているか否か)を判断する(ステップS6201)。
ステップS6201の判断処理において、削除プロテクトはされていないと判断したときには、ヘッダ部の印刷マークを確認し、印刷マーキングがあるか否かを判断する(ステップS6202)。ステップS6202の判断処理において、印刷マーキングがされていないと判断したときには、制御部21は、ヘッダ部の使用回数を確認し、読み出し回数(使用回数)が予め決められた一定回数以上か否かを判断する(ステップS6203)。
ステップS6203の判断処理において、読み出し回数が一定回数以上ではないと判断したときには、制御部21は、当該蓄積データの静止画像データについて画像認識処理を行う(ステップS6204)。このステップS6204の画像認識処理は、処理対象の静止画像データについて、輪郭認識や色認識などを行って、人物の画像が含まれるものであるかを判別できるようにする処理である。
そして、制御部21は、ステップS6204の画像認識処理の結果に基づいて、処理対象の静止画像データは、人物の顔が存在する静止画像データであるか否かを判断する(ステップS6205)。ステップS6205の判断処理において、処理対象の蓄積データ(静止画像データ)が人物の顔を含まないものであると判断したときには、当該蓄積データ(静止画像データ)は重要な情報ではないと予測し、当該静止画像データを消去画像として特定して(ステップS6206)、この図15に示した処理を終了し、図14に示した処理のステップS2063からの処理を実行する。
また、ステップS6201の判断処理において、削除プロテクトがされていると判断した場合と、ステップS6202の判断処理において、印刷マーキングがされていると判断した場合と、ステップS6203の判断処理において、読み出し回数が一定回数以上であると判断した場合と、ステップS6205の判断処理において、処理対象の蓄積データ(静止画像データ)が人物の顔を含むものであると判断した場合とにおいては、処理対象の新規蓄積データは重要なデータであると予測し、当該新規蓄積データを残す画像として特定して(ステップS6207)、この図15に示した処理を終了し、図14に示した処理のステップS2063からの処理を実行する。
すなわち、処理対象の新規蓄積データが削除プロテクトのかけられたものであれば、削除したくないほど重要なものであると判断することができるし、また、印刷マーキングが付され、必ず印刷するようにされている新規蓄積データについても、必ず印刷する必要があるほど重要なものであると判断することができる。
また、使用回数が予め決められた一定回数以上使用されていることを示していれば、その蓄積データは使用頻度の高い重要な蓄積データであると判断することができる。そして、静止画像データの場合、記念に残すなどの目的で人物を撮影することにより得るようにしたものが多い。そこで、蓄積データである静止画像データについて画像認識処理を行って、人物の顔が存在すると判別された静止画像データについても、重要な蓄積データであると判断することができる。
このため、上述したように、図15に示した各判断処理の何れかにおいて、処理対象の蓄積データが重要なものであると予測できた場合には、その蓄積データについては残すデータとして特定し、図15に示した各判断処理の何れにおいても、処理対象の蓄積データが重要なものであるとは予測できなかった場合には、その蓄積データについては消去するデータとして特定するようにしている。
このようにして、図13のステップS206においては、図14、図15のフローチャートを用いて説明した処理を通じて消去対象データを洗い出し、この洗い出した消去対象データをモバイル機器4から削除して、モバイル機器4の画像記憶部44の記憶容量を効率よく使用することができるようにしている。
[書き戻しデータ作成処理について]
次に、図13に示した処理のステップS209において行われる書き戻しデータ作成処理について説明する。図16は、図13のステップS209において実行される書き戻しデータの作成処理について説明するための図である。
上述もしたように、図13に示したステップS209においては、どのような形式の書き戻しデータを作成するかを決めなければならない。このため、この実施の形態のサーバ装置2の制御部21は、図13に示したステップS209においては、図16に示した処理を実行し、まず、書き戻しデータの形式を特定する処理を行う(ステップS2091)。
ここでは、図16に示したように、サーバ装置2の制御部21は、クレードル1を介して送信されてくる機器ID応答に含まれる機器属性に基づいて、あるいは、図11に示したように形成される書き戻し履歴に基づいて、あるいは、提供を受けた新規蓄積データのデータ属性に基づいて、あるいは、ユーザーからの指示入力に基づいて、書き戻すデータの形式を特定する。
すなわち、機器属性は、上述もしたように、クレードル1に載置されたモバイル機器4が、デジタルスチルカメラなのか、デジタルビデオカメラなのか、携帯型音楽再生装置なのか等、モバイル機器4の種類を示す情報である。そこで、モバイル機器4の機器属性が、デジタルスチルカメラであることを示すものである場合には、静止画像データの縮小画像を書き戻しデータとするように特定することができる。
また、モバイル機器4の機器属性が、デジタルビデオカメラであることを示すものである場合には、動画像データについてのダイジェスト版の動画像データを書き戻しデータとするように特定することができる。また、モバイル機器4の機器属性が、携帯型音楽再生装置であることを示すものである場合には、音楽データの一部を抽出するようにしたデータを書き戻しデータとするように特定することができる。
もちろん、携帯電話端末のように、静止画像データ、動画像データ、音声データの何れをも蓄積データとして記憶保持できるものも存在するし、また、デジタルスチルカメラであるが動画像データを扱えるものもあるし、デジタルビデオカメラであるが静止画像データを扱えるものも存在する。
そこで、書き戻しデータを提供する先のモバイル機器4に対して既に書き戻しデータを転送して書き戻すようにしている場合には、図11に示したように書き戻し履歴が作成されているので、この書き戻し履歴のデータ属性に基づいて、書き戻しデータの形式を特定することもできる。
すなわち、書き戻し履歴情報は、いつ、どのモバイル機器に、どのような書き戻しデータを書き戻すようにしたのかを示す情報であるので、書き戻し先のモバイル機器が特定されれば、そのモバイル機器に対して転送した書き戻しデータのデータ属性に基づいて、書き戻しデータの形式を特定することが可能となる。
したがって、書き戻し履歴のデータ属性が、静止画像データである場合には、静止画像データの縮小画像を書き戻しデータとするように特定することができる。また、書き戻し履歴のデータ属性が、動画像データであることを示すものである場合には、動画像データについてのダイジェスト版の動画像データを書き戻しデータとするように特定することができる。また、書き戻し履歴のデータ属性が、音楽データである場合には、音楽データの一部を抽出するようにしたデータを書き戻しデータとするように特定することができる。
また、モバイル機器4に蓄積されている蓄積データのデータ属性に応じて書き戻しデータの形式を特定することもできる。すなわち、蓄積データ属性が、静止画像データである場合には、静止画像データの縮小画像を書き戻しデータとするように特定することができる。また、蓄積データ属性が、動画像データであることを示すものである場合には、動画像データについてのダイジェスト版の動画像データを書き戻しデータとするように特定することができる。また、蓄積データ属性が、音楽データである場合には、音楽データの一部を抽出するようにしたデータを書き戻しデータとするように特定することができる。
この場合、モバイル機器4に蓄積されている蓄積データのデータ属性は、サーバ装置2からクレードル1を介してモバイル機器4に問合せを行うようにしてもよし、既にモバイル機器4から提供を受けている新規蓄積データのデータ属性を用いるようにしてもよい。
また、サーバ装置2が操作部23やリモコン25を通じて受け付けるユーザーからの指示入力に応じて、書き戻しデータの形式を特定するようにすることも可能である。すなわち、操作部23やリモコン25を操作することにより、書き戻しデータの形式の選択入力画面をサーバ装置2に接続されるモニタ受像機に表示し、この書き戻しデータの形式の選択入力画面と操作部23あるいはリモコン25を通じて、書き戻しデータの形式の選択入力を行うようにする。このようにして入力された書き戻しデータの形式に基づいて、制御部21が書き戻しデータの形式を特定するようにしてもよい。
そして、ステップS2091において、書き戻しデータの形式を特定した後、制御部21は、ステップS2091において特定した形式の書き戻しデータを作成する(ステップS2092)。この実施の形態において、書き戻しデータは、上述もしたように、モバイル機器4から提供を受けてHDD30に保存すると共にモバイル機器4から消去するようにした蓄積データから形式を変えた書き戻しデータ作成するようにしている。
[書き戻しデータの他の例について]
なお、この実施の形態においては、書き戻しデータは、モバイル機器4から提供を受けてHDD30に保存すると共にモバイル機器4から消去するようにした蓄積データから形成するものとして説明した。しかし、これに限るものではない。モバイル機器4に蓄積データが全く存在しない場合もあるし、また、モバイル機器が携帯音楽再生装置などの場合には、蓄積データが元々サーバ装置にあるので蓄積データのバックアップを取らないようにする場合もある。
このような場合には、書き戻しデータは、サーバ装置2がモバイル機器4から提供を受けた蓄積データから形成することはできない。そこで、例えば、モバイル機器4において新たに利用可能になったコンテンツデータのサムネイル画像やダイジェスト版の動画像データ、あるいは、試聴版の音楽データ等を書き戻しデータとして提供するようにしてもよい。
すなわち、サーバ装置2がモバイル機器4から蓄積データの提供を受けていない場合には、ステップS2091において特定するようにした書き戻しデータの形式にしたがって、モバイル機器に提供する提供データの形式を特定し、この特定した形式の提供データを書き戻しデータとして提供するようにすることができる。
例えば、ステップS2091の処理により、モバイル機器4に提供する書き戻しデータの形式がリサイズした画像データである場合には、インターネットなどを通じて新たに取得した静止画像データの縮小画像を形成して、これをモバイル機器4に提供するようにすることができる。また、モバイル機器4に提供する書き戻しデータの形式がダイジェスト版の動画像データである場合には、インターネットなどを通じて新たに取得した動画像データのダイジェスト版を形成して、これをモバイル機器4に提供するようにすることができる。また、モバイル機器4に提供する書き戻しデータの形式が音楽データの一部分のデータすなわち、試聴版の音楽データである場合には、インターネットなどを通じて新たに取得した試聴版の音楽データをモバイル機器4に提供するようにすることができる。
このように、サーバ装置2からモバイル機器4への書き戻しデータは、モバイル機器4から提供を受けた蓄積データに基づいて形成されるものだけでなく、提供可能なデータや、提供可能なデータから形成したデータ等を、書き戻しデータとしてモバイル機器4に提供することもできるようにされる。
[モバイル機器4の処理について]
図17は、この実施の形態のデータ通信システムのモバイル機器4において行われる処理を説明するためのフローチャートである。この図17に示す処理は、モバイル機器4が例えば充電モード等、クレードル1に載置され、データ通信と充電処理とを行うようにする所定のモードとされた場合に、モバイル機器4の主に制御部41と送受信制御部47と画像消去制御部48によって実行される処理である。
まず、所定のモードに切り替えられると、送受信制御部47は、送受信アンテナ45b、無線通信部45aを通じて、クレードル1からの機器ID問合せを受信したか否かを判断する(ステップS301)。ステップS301の判断処理において、機器ID問合せを受信していないと判断したときには、ステップS301からの処理を繰り返し、機器ID問合せの受信待ちとなる。
ステップS301の判断処理において、クレードル1からの機器ID問合せを受信したと判断したときには、制御部41は、自機の例えばROM412に記憶保持されている機器IDや機器属性などの必要な情報を取得し、図7Cに示したような機器ID応答を形成して、これを送受信制御部47が、無線通信部45a、送受信アンテナ45bを通じてクレードル1に送信する(ステップS302)。
そして、送受信制御部47は、送受信アンテナ45b、無線通信部45aを通じて、クレードル1を介してサーバ装置2から送信されてくる蓄積データリスト要求を受信し(ステップS303)、これに応じて制御部41が図8を用いて説明したような蓄積データリストを形成して、これを送受信制御部47が、無線通信部45a、送受信アンテナ45bを通じて送信し、クレードル1を介してサーバ装置2に送信するようにする(ステップS304)。
次に、送受信制御部47は、送受信アンテナ45b、無線通信部45aを通じて、クレードル1を介してサーバ装置2から送信されてくる新規蓄積データ要求を受信し(ステップS305)、これに応じて制御部41が図9を用いて説明したような形式の新規蓄積データを自機の画像記憶44から抽出して、これを送受信制御部47が、無線通信部45a、送受信アンテナ45bを通じて送信し、クレードル1を介してサーバ装置2に送信するようにする(ステップS306)。
次に、送受信制御部47は、送受信アンテナ45b、無線通信部45aを通じて、クレードル1を介してサーバ装置2から送信されてくる蓄積データ消去要求を受信し(ステップS307)、これに応じて制御部41が自機の画像記憶部44に記憶保持している蓄積データの内、消去が指示された蓄積データを消去する処理を実行する(ステップS308)。この後、制御部41は、消去処理完了報告を形成し、これを送受信制御部47が、無線通信部45a、送受信アンテナ45bを通じて送信し、クレードル1を介してサーバ装置2に送信するようにする(ステップS309)。
そして、送受信制御部47は、送受信アンテナ45b、無線通信部45aを通じて、クレードル1を介してサーバ装置2から送信されてくる書き戻しデータを受信し(ステップS310)、これを自機の画像記憶部44に保存する(ステップS311)。この後、制御部41は、保存完了報告を形成し、これを送受信制御部47が、無線通信部45a、送受信アンテナ45bを通じて送信し、クレードル1を介してサーバ装置2に送信するようにして(ステップS312)、この図17に示す処理を終了する。
[画像消去処理について]
図18は、図17に示した処理のステップS308において行われる画像データ消去処理(蓄積データ消去処理)について説明するためのフローチャートである。蓄積データ消去要求は、消去すべき複数の蓄積データを指示してくる場合があるので、制御部41は、画像記憶部44に記憶されている画像データ(蓄積データ)において、蓄積データ消去要求によって指示された最初の消去対象データに位置付け(ステップS801)、その消去対象データを消去する(ステップS802)。
そして、制御部41は、ステップS802において消去するようにした消去対象データが適切に消去されたか否かを判断する(ステップS803)。この判断処理は、制御部41のRAM413に更新するようにされる処理状態を示すステイタスに基づいて判断することができる。
ステップS803の判断処理において、例えば、消去対象データに削除プロテクトかかけられているなどして削除できなかった場合には、制御部41は表示部49を制御して、その旨のエラーメッセージを表示部49の表示画面に表示し(ステップS804)、この後にこの図18に示す処理を終了する。
ステップS803の判断処理において、消去対象データが適切に消去されたと判断したときには、制御部41は、消去した消去対象データが最後の消去対象データか否かを判断する(ステップS805)。ステップS805の判断処理において、今回消去した消去対象データが最後の消去対象データではないと判断したときには、制御部41は、蓄積データ消去要求に応じて、次の消去対象データを消去対象とするように位置付けて(ステップS806)、ステップS802からの処理を繰り返す。
ステップS805の判断処理において、今回消去した消去対象データが最後の消去対象データであると判断したときには、制御部41は、図18に示す処理を終了し、図17に示した処理に戻って、ステップS309からの処理を行うようにする。
[この実施の形態のまとめ]
図1〜図18を用いて説明したように、この実施の形態のデータ通信システムの場合には、種々のモバイル機器4を、サーバ装置2に接続されたクレードル1に載置するだけで、サーバ装置2がクレードル1を介してモバイル機器4にアクセスするようにして、モバイル機器4に蓄積されている蓄積データのバックアップをサーバ装置2に取るようにすると共に、バックアップした蓄積データの内、モバイル機器4の記憶部から消去可能な蓄積データを特定して、その特定した消去可能な蓄積データをモバイル機器4の記憶部から消去することにより記憶部の有効活用を図り、さらに、モバイル機器4が必要とする情報を自動的に提供することができるようにしている。
すなわち、モバイル機器4をクレードル1に載置するだけで、クレードル1とサーバ装置2とが協働してクレードル1に載置されたモバイル機器4に対して働きかけて、モバイル機器4のデータバックアップ、モバイル機器4の記憶部(メモリ)の整理、モバイル機器4への必要情報の提供までおも自動的に行うようにすることができる。したがって、モバイル機器4に蓄積されている蓄積データをバックアップするために時間や手間をかけることも無く、必要なデータについては、モバイル機器4に残すようにしたり、新たに提供するようにしたりして、モバイル機器4を十分に、また、柔軟に使いこなすことができるようしている。
なお、モバイル機器4への必要情報の提供は、上述した実施の形態のデータ通信システムにおいては、モバイル機器4からサーバ装置2にバックアップした後に、モバイル機器4の画像記憶部44から削除するようにした静止画像データから形成した縮小画像データを書き戻しデータとして作成して書き戻すようにした。しかし、これに限るものではない。
上述もしたように、モバイル機器4からサーバ装置2にバックアップする蓄積データが存在しない場合もあるし、携帯型音楽再生装置のように、携帯型音楽再生装置に蓄積されている音楽データはサーバ装置2側に既に存在するためにバックアップする必要のないものである場合もある。
このため、[書き戻しデータの他の例]として既に説明したように、サーバ装置2が、クレードル1を介して、例えば、モバイル機器4において新たに利用可能になったコンテンツデータのサムネイル画像やダイジェスト版の動画像データ、あるいは、試聴版の音楽データ等を書き戻しデータとしてモバイル機器4に提供して、モバイル機器4の格納部に格納し、当該モバイル機器4において利用可能にすることもできる。
また、どのようなデータをモバイル機器4に提供するかは、図16に示した書き戻しデータ作成処理において説明したように、モバイル機器4の機器属性、モバイル機器4の書き戻しデータの書き戻し履歴、モバイル機器4に蓄積されているデータのデータ属性、ユーザーからの指示に応じて、モバイル機器4において利用可能なデータの形式を特定し、その特定した形式のデータを提供すればよい。
[データ通信システムの変形例について]
上述した実施の形態のデータ通信システムの場合には、図5、図6を用いて説明したように、クレードル1に載置されたモバイル機器4にバックアップする蓄積データが存在するか否かの判断は、サーバ装置2からの要求に応じてモバイル機器4から提供される蓄積データリストに基づいてサーバ装置2側で行うようにした。しかし、これに限るものではない。クレードル1に載置されたモバイル機器4にバックアップする蓄積データが存在するか否かの判断をクレードル1において行うことにより、サーバ装置2の負荷を軽減すると共に、処理の迅速化を図るようにすることもできる。
この変形例のデータ通信システムも、上述したデータ通信システムと同様に、図1に示した構成を有し、クレードル1、サーバ装置2、モバイル機器4は、図2、図3、図4に示した構成を有するものである。したがって、この変形例においても、クレードル1に載置されるモバイル機器4は、デジタルスチルカメラであるものとする。そして、この変形例においての各機器の機能は、上述した実施の形態の場合とは若干異なっている。
図19は、この実施の形態のデータ通信システムの変形例について説明するためのシーケンス図である。この変形例の場合においても、クレードル1は、自機に電源が投入された状態にあるときには、載置検出部16の機能により、所定の間隔ごとにモバイル機器4が載置されたか否かを判断する(ステップS31)。この変形例においても、クレードル1に対しては、1度に複数台のモバイル機器を載置することができるようにされており、新たなモバイル機器が載置される毎にモバイル機器が載置されたことを検出することができるようにしている。
そして、ステップS31の判断処理において、モバイル機器4は載置されていないと判断したときには、ステップS31の判断処理を繰り返し、モバイル機器の載置待ちとなる。また、ステップS31の判断処理において、モバイル機器4が載置されたと判断した場合には、クレードル1は、新たに載置されたモバイル機器4に対して充電を開始する処理を行うようにする(ステップS32)。
この後、クレードル1は、送受信制御部17が無線通信部15aを制御し、自機に新たに載置されたモバイル機器4に対して、機器ID問合せを送信する(ステップS33)。モバイル機器4は、送受信アンテナ45b、無線通信部45aを通じてクレードル1からの機器ID問合せを受信すると、送受信制御部47が無線通信部45aを制御し、自機(モバイル機器4)の機器IDをクレードル1に対して送信する(ステップS34)。
クレードル1は、送受信アンテナ15b、無線通信部15aを通じて、新たに載置されたモバイル機器4からの機器IDを受信すると、制御部11が新規蓄積データ有無問合せを形成し、これを送受信制御部17の制御により、無線通信部15a、送受信アンテナ15bを通じてモバイル機器4に送信する(ステップS35)。
モバイル機器4は、送受信アンテナ45b、無線通信部45aを通じてクレードル1からの新規蓄積データ有無問い合わせを受信すると、制御部41が画像記憶部44に記憶保持されているデータを確認し、今だバックアップされてない新規蓄積データが存在するか否かを確認して、この確認結果に応じて新規蓄積データ有無応答を形成し、これを送受信制御部47が制御部41を通じて無線通信部45aを制御してクレードル1に対して送信する(ステップS36)。
なお、上述もしたように、バックアップするようにした蓄積データであっても、重要であるデータについては残すようにされる。このため、既にバックアップしたデータであって、残すようにした静止画像データについては、そのヘッダ部にバックアップ済みフラグを用意し、このバックアップ済みフラグがオンか否かに応じて、新規蓄積データとの区別を行うようにすることができる。
そして、クレードル1の制御部11は、受信したモバイル機器4からの新規蓄積データ有無応答に基づいて、バックアップすべき新規蓄積データ(新規静止画像データ)がモバイル機器4に存在するか否かを判断する(ステップS37)。このステップS37において、新規蓄積データは存在しないと判断したときには、サーバ装置2との間の通信を行うことなく、モバイル機器4への充電が完了するまで待ち状態となり(ステップS38)、ステップS38の判断処理において、充電が完了したと判断したときには、モバイル機器4に対する充電処理を終了するようにして(ステップS39)、一連のデータ通信処理を終了する。
また、ステップS37の判断処理において、新規蓄積データが存在すると判断したときには、クレードル1は、送受信アンテナ15b、無線通信部15aを通じて受信した新たに載置されたモバイル機器4からの機器IDを、送受信制御部17が外部I/F14aを制御してサーバ装置2に報告する(ステップS40)。これにより、サーバ装置2は、クレードル1に対して蓄積データを有する新たなモバイル機器が載置されたことを把握する。
このステップS40の機器IDのサーバ装置への報告後においては、図5、図6に示した処理のステップS9からステップS20までの処理が順次に行うようにされる。そして、この場合、クレードル1に載置されたモバイル機器4に新規蓄積データが存在しない場合には、クレードル1とサーバ装置2との間の通信は行われないので、サーバ装置2の負荷を軽減することができる。
[変形例のデータ通信システムを構成する機器の動作について]
次に、図19を用いて説明したこの実施の形態のデータ通信システムの変形例における各機器毎の処理について説明する。この場合においても、この変形例のデータ通信システムの中心に位置するクレードル1、クレードル1を介してデータ管理を行うサーバ装置2、クレードル1に載置されるモバイル機器4の順に、各機器の動作について詳細に説明する。
[クレードル1の処理について]
図20は、この変形例のデータ通信システムのクレードル1において行われる処理を説明するためのフローチャートである。この図20に示す処理は、クレードル1において電源が投入された状態にあるときに主に制御部11と送受信制御部17とによって実行される。なお、この変形例においても、クレードル1に対しては、1度に複数のモバイル機器を載置することが可能であり、モバイル機器の載置可能最大台数分の図20に示す処理が、いわゆるマルチタスクで実行することができるようにしている。
そして、電源が投入されると、クレードル1の制御部11は、載置検出部16を制御して、モバイル機器の載置検出を開始し、モバイル機器が自機に載置されたか否かを判断する(ステップS401)。ステップS401の判断処理において載置されていないと判断したときには、モバイル機器の載置検出を繰り返すようにし、モバイル機器が載置されるのを待つ。
ステップS401の判断処理において、モバイル機器が載置されたと判断したときには、制御部11は、充電制御部19を制御し、新たに載置されたモバイル機器4について、充電が必要か否かを確認する(ステップS402)。このステップS402の処理は、モバイル機器4のバッテリの電圧などを検出するなど、電気的な検出処理によって検出することが可能である。
そして、制御部11は、新たに載置されたモバイル機器4に対して充電が必要か否かを判断し(ステップS403)、充電が必要であると判断したときには、制御部11は、充電制御部19を制御して、新たに載置された当該モバイル機器のバッテリに対して充電を開始させるようにする(ステップS404)。また、ステップS403の判断処理において、充電は必要ないと判断したときには、ステップS405の処理に進む。
そして、ステップS404の処理の後、あるいは、ステップS403の判断処理において、充電は必要ないと判断したときには、以降の一連の中継処理を行う。すなわち、クレードル1の制御部11は、図7Bを用いて説明した機器ID問合せコマンドデータを形成し、これを送受信制御部17が無線通信部15a、送受信アンテナ15bを制御して、新たに載置されたモバイル機器4に送信する(ステップS405)。
次に、クレードル1の送受信制御部17は、送受信アンテナ15b、無線通信部15aを通じて、モバイル機器4からの図7Cを用いて説明した機器ID応答を受信するようにする(ステップS406)。この後、クレードル1の制御部11は、新規蓄積データ有無問合せを形成して、これを送受信制御部17が、無線通信部15aを制御して、モバイル機器4に送信する(ステップS407)。
そして、ステップS407において送信した新規蓄積データ有無問合せに応じて、モバイル機器4から送信されてくる新規蓄積データ有無応答を、送受信アンテナ15b、無線通信15aを通じて受信する(ステップS408)。この後、クレードル1の制御部11は、ステップS408において受信した新規蓄積データ有無応答に基づいて、新たに載置されたモバイル機器4に新規蓄積データが存在するか否かを判断する(ステップS409)。
ステップS409の判断処理において、新規蓄積データはないと判断したときには、サーバ装置2とは通信を行う必要はないので、クレードル1の制御部11は、充電制御部19を制御して、モバイル機器4のバッテリの充電容量を確認するようにし(ステップS410)、モバイル機器4に対する充電が完了したか否かを判断する(ステップS411)。
ステップS411の判断処理において、未だ充電が完了していないと判断したときには、ステップS410からの処理を繰り返し、充電処理を続行する。ステップS411の判断処理において、モバイル機器4に対する充電が完了したと判断したときには、モバイル機器4への充電を終了するようにする所定の処理を実行し(ステップS412)、この図20に示す処理を終了する。
一方、ステップS409の判断処理において、新規蓄積データが存在する判断したときには、クレードル1の送受信制御部17は、モバイル機器4から取得した機器IDを外部I/F14a、入出力端14bを通じて、サーバ装置2に報告する(ステップS413)。
この後、クレードル1の送受信制御部17は、入出力端14b、外部I/F14aを通じてサーバ装置2からの新規蓄積データ要求を受信して、これを無線通信部15a、送受信アンテナ15bを通じてモバイル機器4に送信する(ステップS414)。
次に、送受信制御部17は、送受信アンテナ15b、無線通信部15aを通じてモバイル機器4からの新規蓄積データを受信して、これを外部I/F14a、入出力端14bを通じてサーバ装置2に送信する(ステップS415)。次に、送受信制御部17は、入出力端14b、外部I/F14aを通じてサーバ装置2からの蓄積データ消去要求を受信して、これを無線通信部15a、送受信アンテナ15bを通じてモバイル機器4に送信する(ステップS416)。
次に、クレードル1の送受信制御部17は、送受信アンテナ15b、無線通信部15aを通じてモバイル機器4からの消去処理完了報告を受信して、これを外部I/F14a、入出力端14bを通じてサーバ装置2に送信する(ステップS417)。次に、送受信制御部17は、入出力端14b、外部I/F14aを通じてサーバ装置2からの書き戻しデータを受信し、これを無線通信部15a、送受信アンテナ15bを通じてモバイル機器4に送信する(ステップS418)。
そして、クレードル1の送受信制御部17は、送受信アンテナ15b、無線通信部15aを通じてモバイル機器4からの書き戻しデータ保存完了報告を受信して、これを外部I/F14a、入出力端14bを通じてサーバ装置2に送信する(ステップS419)。このように、この変形例のデータ通信システムにおいても、ステップS414〜ステップS419までの処理により、サーバ装置2とモバイル機器4との間の一連の中継処理が行われる。
なお、ステップS415の蓄積データの中継処理や、ステップS418の書き戻しデータの中継処理においては、中継すべき蓄積データや書き戻しデータが多数存在する場合もあり、ステップS415、ステップS418においては、多数のデータの転送処理が行われる場合ももちろんある。
そして、ステップS419の処理の後、クレードル1の制御部11は、ステップS410からステップS412の処理を実行するようにし、モバイル機器4のバッテリへの充電が完了したら、モバイル機器4への充電を終了するようにする所定の処理を実行して、この図20に示す処理を終了する。
なお、この図20に示した例の場合にも、ステップS410において充電容量を確認して、ステップS411で充電が完了したか否かを判断するようにしたが、これに限るものではない。ステップS403の判断処理において、充電が必要か否かを判断し、充電が必要でない場合には、充電処理を行っていないので、ステップS410の充電容量の確認の前に、充電実行中か否か(電力をモバイル機器4に供給しているか否か)を判断し、充電を実行していないと判断したときには、ステップS410〜ステップS412の処理を行うことなく、図20に示す処理を終了させるようにすることもできる。
[サーバ装置2の処理について]
図21は、この変形例のデータ通信システムのサーバ装置2において行われる処理を説明するためのフローチャートである。この図21に示す処理は、サーバ装置2において電源が投入された状態にあるときに主に制御部21と送受信制御部27とによって実行される。
電源が投入されると、サーバ装置2の送受信制御部27は、入出力端26b、外部I/F26aを通じて、クレードル1からのクレードル1に載置されたモバイル機器の機器IDを受信したか否かを判断する(ステップS501)。ステップS501の判断処理において、また機器IDを受信していないと判断したときには、ステップS501からの処理を繰り返し、クレードル1に載置されたモバイル機器の機器IDの受信待ちとなる。
ステップS501の判断処理において、クレードル1からの機器IDを受信したと判断したときには、クレードル1に新たにモバイル機器4が載置されたと分かるので、制御部11は、新規蓄積データの提供を要求するための新規蓄積データ要求を形成し、これを送受信制御部27が、外部I/F26aを通じて送信して、クレードル1を介してクレードル1に載置されたモバイル機器4に送信するようにする(ステップS502)。
次に、送受信制御部27は、クレードル1を介して送信されてくる新規蓄積データを入出力端26b、外部I/F26aを通じて受信して、これを例えばHDD30の所定の領域に保存する(ステップS503)。なお、モバイル機器4から送信されてくる新規蓄積データは複数存在する場合もあり、ステップS503においては、モバイル機器4からの新規蓄積データを順次に受信して、HDD30の所定の領域に保存することができるようにしている。
そして、サーバ装置2の制御部21は、HDD30の所定の領域に保存したモバイル機器4からの蓄積データの内、モバイル機器4から消去可能な蓄積データである消去対象データを洗い出す処理を実行する(ステップS504)。このステップS504における消去対象データ洗い出し処理は、図14、図15を用いて詳述した消去データ洗い出し処理と同じ処理である。
すなわち、ステップS504において制御部21は、洗い出し対象の保存した蓄積データに付加されている情報に基づいて、あるいは、当該蓄積データを解析することにより、重要な蓄積データであるか否かを予測するようにし、重要であると予測された蓄積データについては消去対象とはしないが、それ以外の蓄積データについては消去対象とするようにしている。
そして、サーバ装置2の制御部21は、ステップS504において洗い出した消去対象データをモバイル機器4の画像記憶部44から消去するようにするための蓄積データ消去要求を形成し、これを送受信制御部27に制御により、外部I/F26a、入出力端26bを通じて送信して、クレードル1を介してモバイル機器4に送信するようにする(ステップS505)。
次に、サーバ装置2の送受信制御部27は、入出力端26b、外部I/F26aを通じて、蓄積データ消去要求を送信した相手先のモバイル機器4から送信されてくる消去処理完了報告を受信するようにする(ステップS506)。この後、サーバ装置2の制御部21は、モバイル機器4から提供を受けてHDD30に保存すると共にモバイル機器4から消去するようにした蓄積データから、モバイル機器4に対して形式を変えて書き戻すようにする書き戻しデータ作成する(ステップS507)。
このステップS507において行われる書き戻しデータの作成処理は、図16を用いて詳述した書き戻しデータ作成処理と同じ処理である。すなわち、どのような書き戻しデータを作成すればよいか、作成する書き戻しデータの形式を特定した上で、書き戻しデータを作成する。この変形例においては、サーバ装置2にバックアップした蓄積データは静止画像データであるので、書き戻しデータの形式としては縮小画像データであることが特定され、バックアップした蓄積データから縮小画像データが形成されて、これがモバイル機器4に戻すようにされることになる。
そして、サーバ装置2の送受信制御部27は、ステップS507において作成した書き戻しデータを、外部I/F26a、入出力端26bを通じて送信して、クレードル1を介してモバイル機器4に送信するようにする(ステップS508)。この後、サーバ装置2の送受信制御部27は、入出力端26b、外部I/F26aを通じて、モバイル機器4からクレードル1を介して送信されてくる書き戻しデータの保存完了報告を受信するようにして(ステップS509)、この図21に示す処理を終了する。
なお、ここでは、通信処理が支障なく、行うようにされた場合を例にして説明したが、例えば、サーバ装置2からモバイル機器4に何らかの要求を送信し、これに応答がない場合などにおいては、再度の要求の送信を行ったり、応答要求を送信したりすることができるようにされる。
例えば、ステップS506において、消去完了報告を所定時間内に受信しなかった場合には、蓄積データの消去処理が行われたか否かの確認要求を送信したり、ステップS509において、保存完了報告を所定時間内に受信しなかった場合には、書き戻しデータが保存されたか否かの確認要求を送信したりすることができる。そして、その応答に応じて、元の要求を再度送信するなど、適切に処理することができるようにされる。
[モバイル機器4の処理について]
図22は、この変形例のデータ通信システムのモバイル機器4において行われる処理を説明するためのフローチャートである。この図22に示す処理は、モバイル機器4が例えば充電モード等、クレードル1に載置され、データ通信と充電処理とを行うようにする所定のモードとされた場合に、モバイル機器4の主に制御部41と送受信制御部47と画像消去制御部48によって実行される処理である。
まず、所定のモードに切り替えられると、送受信制御部47は、送受信アンテナ45b、無線通信部45aを通じて、クレードル1からの機器ID問合せを受信したか否かを判断する(ステップS601)。ステップS601の判断処理において、機器ID問合せを受信していないと判断したときには、ステップS601からの処理を繰り返し、機器ID問合せの受信待ちとなる。
ステップS601の判断処理において、クレードル1からの機器ID問合せを受信したと判断したときには、制御部41は、自機の例えばROM412に記憶保持されている機器IDや機器属性などの必要な情報を取得し、図7Cに示したような機器ID応答を形成して、これを送受信制御部47が、無線通信部45a、送受信アンテナ45bを通じてクレードル1に送信する(ステップS602)。
そして、送受信制御部47は、送受信アンテナ45b、無線通信部45aを通じて、クレードル1から送信されてくる新規蓄積データ有無問合せを受信し(ステップS603)、これに応じて制御部41が自己の画像記憶部44の記憶データを確認して新規蓄積データ有無応答を形成して、これを送受信制御部47が、無線通信部45a、送受信アンテナ45bを通じて送信し、クレードル1を介してサーバ装置2に送信するようにする(ステップS604)。
次に、送受信制御部47は、送受信アンテナ45b、無線通信部45aを通じて、クレードル1を介してサーバ装置2から送信されてくる新規蓄積データ要求を受信し(ステップS605)、これに応じて制御部41が図9を用いて説明したような形式の新規蓄積データを自機の画像記憶44から抽出して、これを送受信制御部47が、無線通信部45a、送受信アンテナ45bを通じて送信し、クレードル1を介してサーバ装置2に送信するようにする(ステップS606)。
次に、送受信制御部47は、送受信アンテナ45b、無線通信部45aを通じて、クレードル1を介してサーバ装置2から送信されてくる蓄積データ消去要求を受信し(ステップS607)、これに応じて制御部41が自機の画像記憶部44に記憶保持している蓄積データの内、消去が指示された蓄積データを消去する処理を実行する(ステップS608)。このステップS608で行われる蓄積データの消去処理は、図18を用いて説明した処理と同じ処理である。
この後、制御部41は、消去処理完了報告を形成し、これを送受信制御部47が、無線通信部45a、送受信アンテナ45bを通じて送信し、クレードル1を介してサーバ装置2に送信するようにする(ステップS609)。
そして、送受信制御部47は、送受信アンテナ45b、無線通信部45aを通じて、クレードル1を介してサーバ装置2から送信されてくる書き戻しデータを受信し(ステップS610)、これを自機の画像記憶部44に保存する(ステップS611)。この後、制御部41は、保存完了報告を形成し、これを送受信制御部47が、無線通信部45a、送受信アンテナ45bを通じて送信し、クレードル1を介してサーバ装置2に送信するようにして(ステップS612)、この図22に示す処理を終了する。
このように、この変形例の場合には、クレードル1に載置されたモバイル機器にサーバ装置2にバックアップする必要のある蓄積データが存在するか否かをクレードル1が確認し、存在しない場合には、サーバ装置2とは通信処理を行うことなく、モバイル機器4に対して充電処理のみを行うようにすることができる。
[その他]
なお、上述の実施の形態においては、クレードル1には1つのサーバ装置2が接続されているものとして説明したが、これに限るものではない。例えば、クレードル1をLAN(Local Aria Network)に接続したり、あるいは、クレードル1に対して、複数のサーバ装置を接続できるようにしたりしておくことにより、クレードル1に載置されるモバイル機器に応じて、蓄積データの供給先を変更するようにすることもできる。
この場合、どのサーバ装置を用いるかは、モバイル機器の機器属性などに応じて、クレードル1が決定するようにしたり、クレードル1が機器IDを用いて各サーバ装置に過去の当該モバイル機器の蓄積データをバックアップしたサーバ装置を問い合わせて特定したり、あるいは、ユーザーがクレードル1に対して直接に指示を入力したりすることにより、特定することが可能である。
また、クレードル1の機能として、モバイル機器4やサーバ装置2の時計回路の時刻合わせ行うようにすることもできる。例えば、クレードル1の時計回路12として電波時計や高性能の時計回路を用い、クレードル1の時計回路12の時刻を基準として、クレードル1に載置されたモバイル機器4の時計回路42の時刻合わせを行ったり、サーバ装置2の時計回路22の時刻合わせを行ったりすることももちろんできる。また、基準とする時刻は、サーバ装置2が提供したり、その他の機器が提供したりすることももちろん可能である。
また、クレードル1に複数のサーバ装置が接続されている場合であっても、また、上述した実施の形態のように、1台のサーバ装置が接続されている場合であっても、サーバ装置には種々のモバイル機器からの蓄積データが提供されるので、サーバ装置において、種々の条件により各モバイル機器からの蓄積データをマージして管理することもできるようにされる。
例えば、提供元が違っていても、作成日時が同じ蓄積データをまとめて管理したり、静止画像や動画像など、データの種類ごとにまとめて管理したりするなどのことができるようにされる。
また、モバイル機器としては、一例として挙げた携帯電話端末、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、携帯型音楽再生装置に限るものではない。例えば、上述もしたように、デジタルスチルカメラやカメラ付き携帯電話端末などの静止画像データを撮影する機器がモバイル機器4である場合には、撮影されて蓄積された静止画像データをクレードル1を介して、サーバ装置2に供給してバックアップすると共に、そのバックアップした静止画像データから形成した縮小画像データを書き戻しデータとして作成してモバイル機器4に戻すことができることは上述した通りである。
また、デジタルビデオカメラやカメラ付き携帯電話端末などの動画像データを撮影する機器がモバイル機器4である場合には、撮影されて蓄積された動画像データをクレードル1を介して、サーバ装置2に供給してバックアップすると共に、そのバックアップした動画像データから形成したダイジェスト版の動画データを書き戻しデータとして作成してモバイル機器4に戻すことができることは上述した通りである。
また、音楽の再生機能を備えたモバイル機器の場合には、その機器における音楽データの再生履歴情報を、クレードル1を介してサーバ装置2が収集し、当該モバイル機器のユーザーの音楽嗜好を解析し、その結果、推薦する音楽データを、クレードル1を介して当該モバイル機器に提供するようにすることも可能である。もちろん、ユーザーがサーバ装置2に対して指示した音楽データのみを当該モバイル機器に提供するようにすることも可能である。
また、電子手帳のような、種々の情報を記録、閲覧できるモバイル機器の場合には、そのモバイル機器で新たに登録されたスケジュールやメモ等の種々の情報を、クレードル1を介してサーバ装置2に提供して保存し、ユーザーが指示したデータだけを戻すようにしたりすることも可能である。この場合のユーザーの指示は、予めサーバ装置2に与えておくようにすることもできるし、サーバ装置2へのバックアップ時点において、サーバ装置2にバックアップされたデータを見て、ユーザーが選択するようにすることもできる。
また、携帯電話端末等の通信を行う機能を備えたモバイル機器の場合には、アドレス帳データ等を、クレードル1を介してサーバ装置2に自動的にバックアップするようにすることも可能である。もちろん、その他の通信情報を、クレードル1を介してサーバ装置2にバックアップすることも可能である。また、サーバ装置2に登録されている新たなアドレス帳データを、クレードル1を介してモバイル機器に提供して記録するようにし、当該モバイル機器において利用できるようにすることもできる。この場合の相互のデータ通信も、基本的には、モバイル機器4をクレードル1に載置するだけで、自動的に行うようにすることができる。
また、サーバ装置2は、クレードル1を介して、予め決められた複数のモバイル機器に対して同じ情報を提供するようにしたり、機器属性が同じモバイル機器に対しては、同じ情報を提供したりすることももちろんできる。この場合、複数のモバイル機器は、一度にクレードル1に載置されても良いし、別々のタイミングで載置するようにされてもよい。
また、サーバ装置2は、クレードル1を介してモバイル機器4から取得した種々のデータをインターネット上に公開するようにしたり、クレードル1を介してモバイル機器4から取得した種々のデータを家庭内の他の再生装置や記録再生装置に提供して再生したり、記録したりするなどのこともできるようにされる。
また、サーバ装置2は、クレードル1を通じて、モバイル機器4から情報を収集したり、モバイル機器4に情報を提供したりした場合には、その事実をネットワークに接続された他のサーバ装置に通知して、当該他のサーバ装置を通じて当該処理を行ったことを使用者に通知するなどのこともできるようにされる。
また、上述した実施の形態においては、クレードル1がモバイル機器4への充電の制御を行うようにしたが、これに限るものではない。モバイル機器4が、自ら充電処理をコントロールするようにしてももちろんよい。
また、上述した実施の形態においては、クレードル1とサーバ装置2とは別体のものとして説明したが、クレードル1とサーバ装置2とは一体に構成することもできる。また、上述した実施の形態において、サーバ装置2は、例えば、パーソナルコンピュータやホームネットワークシステムのサーバ装置などとして実現可能なものであるが、位置付けとして、クレードル1の制御装置として構成することも可能である。
[第2の実施の形態]
[第2の実施の形態のデータ通信システムの概要]
次に、第2の実施の形態のデータ通信システムについて説明する。図23は、この第2の実施の形態のデータ通信システムの概要を説明するための図である。この第2の実施の形態のデータ通信システムは、種々のモバイル機器4と、クレードル1と、サーバ装置2とを備える点は、上述した第1の実施の形態のデータ通信システムの場合と同じである。しかし、サーバ装置2がホームネットワークに接続されると共に、インターネットなどの広域ネットワークにも接続できるようにされている点が、第1のデータ通信システムと異なる点である。
すなわち、この第2の実施の形態のデータ通信システムの場合にも、図23に示すように、種々のモバイル機器4が載置されるクレードル1とサーバ装置2とはインターフェイスケーブル3を通じて接続されている。しかし、この第2の実施の形態のデータ通信システムの場合には、サーバ装置2は、ネットワークハブ5を介して、屋内に設置された種々のホーム機器、例えば、パーソナルコンピュータ(以下、PCと略称する。)6(1)、6(2)、HDD(Hard Disc Drive)レコーダ6(3)、NAS(Network Attached Storage)6(4)のそれぞれと相互にデータ等の送受を行うことができるようにしている。
また、サーバ装置2は、屋内に設置されたネットワークハブ5及びネットワークルータ7を介して、広域ネットワークであるインターネット8に接続し、インターネット8上の種々の商用サーバ装置にアクセスして、種々の情報を閲覧したり、データのダウンロードやアップロードを行ったりすることができるようにしている。
そして、上述した第1の実施の形態のデータ通信システムが、クレードル1に載置されたモバイル機器4とクレードル1に有線接続されたサーバ装置2との間で、データの送受信を行ったり、サーバ装置2からの指示に応じ、モバイル機器4の蓄積データを削除したりするようにしたのに対して、この第2の実施の形態のデータ通信システムにおいては、クレードル1に載置された種々のモバイル機器と、ホームネットワーク上のホーム機器やインターネット上の商用サーバ装置との間で、データ等の送受を行うことができるようにしている。
すなわち、この第2の実施の形態のデータ通信システムの場合には、クレードル1に載置されたモバイル機器4と、屋内に設置された種々のホーム機器(PC6(1)、6(2)、HDDレコーダ6(3)、NAS6(4)等)との間で、クレードル1及びサーバ装置2を介して、相互にデータ等の送受信を行うようにしたり、また、クレードル1に載置されたモバイル機器4と、インターネット8上の商用サーバ装置との間で、クレードル1及びサーバ装置2を介して、相互にデータ等の送受信を行うようにしたりすることができるようにしている。
また、この第2の実施の形態において、サーバ装置2は、第1の実施の形態の場合と同様に、予め設定される情報に応じて、クレードル1に載置されたモバイル機器4に蓄積されている蓄積データの消去指示を出し、モバイル機器4に蓄積されている蓄積データの整理をも行うこともできるようにしている。
なお、図23において、ネットワークハブ5は、ホームネットワーク内の各機器間の接続を行うようにするものであり、ホームネットワーク内の目的とする機器間において通信処理を行うことができるようにするものである。また、ネットワークルータ7は、この例の場合、広域ネットワークであるインターネットと、ローカルネットワークであるホームネットワークとの間に設置され、ネットワーク相互間で、送出されたパケットが正しい相手に送られるようにデータを中継するものである。
[データ通信システムを構成する各機器の構成例について]
次に、この第2の実施の形態のデータ通信システムで用いられるクレードル1、サーバ装置2、いくつかのモバイル機器、いくつかのホーム機器のそれぞれの構成例について具体的に説明する。
[クレードル1の構成例について]
この第2の実施の形態のデータ通信システムにおいても、クレードル1は、図2を用いて説明した構成を有するものであり、第1の実施の形態において説明したクレードル1と同様の機能を有するものである。すなわち、クレードル1は、これに載置されるモバイル機器4とサーバ装置2との間のデータの送受信を仲介する機能を有すると共に、自機に載置されるモバイル機器に対して充電を行う機能をも有するものである。
また、この第2の実施の形態においても、種々のモバイル機器とクレードル1とは、給電のための接点や通信のための接点とを直接に接続する必要はなく、充電も通信も非接触で行うことができるようにしている。すなわち、充電は電磁誘導により行い、データの送受信は近距離無線通信により行うようにするが、充電処理と通信処理とが影響を及ぼし合うことが無いように、異なる周波数帯域を用いるようにしている。
[サーバ装置2の構成例について]
図24は、この第2の実施の形態のデータ通信システムで用いられるサーバ装置2の構成例について説明するためのブロック図である。図24に示すように、この第2の実施の形態のサーバ装置2は、外部I/F32a及び入出力端32b、通信処理部33を備える点を除けば、図3を用いて第1の実施の形態のサーバ装置2と同様に構成されたものである。
このため、図24に示す第2の実施の形態のサーバ装置2において、図3に示した第1の実施の形態のサーバ装置2と同様に構成される部分には、同じ参照符号を付し、その部分の詳細な説明については、図3を用いて説明した通りであるので省略する。
そして、図24に示したサーバ装置2においては、外部I/F26a及び入出力端26bがクレードル1との接続端部を構成しているのに対して、外部I/F32a及び入出力端32bは、ネットワークハブ5との接続端部を構成している。これにより、外部I/F26a及び入出力端26bを通じて接続されるクレードル1に載置された種々のモバイル機器4と、外部I/F32a及び入出力端32bを通じて接続される種々のホーム機器6との間においてのデータ等の送受信の中継を行うことができるようにしている。
また、通信処理部33は、インターネット8への接続機能を実現する部分である。すなわち、通信処理部33は、制御部21の制御により、外部I/F32a及び入出力端32bを通じて、所定のインターネットプロバイダを通じてインターネット8に接続するようにし、自機からインターネット8上の商用サーバ装置に対して送信するデータを形成して送信したり、自機宛のデータを受信して自機において処理可能な形式のデータに変換して、例えば制御部21に供給して利用できるようにしたりする。
これにより、外部I/F26a及び入出力端26bを通じて接続されるクレードル1に載置された種々のモバイル機器4と、通信処理部33と外部I/F32a及び入出力端32bとを通じて接続されるインターネット8上の種々の商用サーバ装置との間においてのデータ等の送受信の中継を行うことができるようにしている。
[モバイル機器4の構成例について]
この第2の実施の形態のデータ通信システムの場合にも、第1の実施の形態のデータ通信システムの場合と同様に、クレードル1に対しては、クレードル1から電力の供給を受けて自機のバッテリの充電を行うことができる機能やクレードル1との間で近距離無線通信により通信を行うことができる機能、あるいは、その両方の機能を備えた種々のモバイル機器を載置することが可能である。
そして、モバイル機器4の具体例としては、図4に示したデジタルスチルカメラ4(2)やデジタルビデオカメラがある。また、カメラ付き携帯電話端末4(1)、携帯型音楽再生装置(携帯型オーディオプレーヤ)4(3)、携帯型映像音声再生装置(携帯型ビデオプレーヤ)4(4)等の種々のものがある。以下においては、カメラ付き携帯電話端末4(1)、携帯型音楽再生装置(携帯型オーディオプレーヤ)4(3)、携帯型映像音声再生装置(携帯型ビデオプレーヤ)4(4)のそれぞれの構成例について説明する。
[モバイル機器である携帯電話端末4(1)の構成例について]
図25は、この第2の実施の形態のデータ通信システムで用いられるモバイル機器の1つである携帯電話端末4(1)の構成例を説明するためのブロック図である。図25に示すように、この第2の実施の形態で用いられる携帯電話端末4(1)は、制御部61、コンテンツ記憶部62、キー操作部63、バッテリ64、無線充電制御部65、無線通信部66a、送受信アンテナ66b、広域通信用の送受信アンテナ71、アンテナ共用器72、受信部73、局発部74、ベースバンド処理部75、コーデック76、受話器(スピーカ)77、送話器(マイクロホン)78、送信部79、音楽再生部80、音楽出力端子81、LCD(Liquid Crystal Display)82、撮像部83を備えたものである。
まず、制御部61と、これに接続されるコンテンツ記憶部62、キー操作部63、バッテリ64、無線充電制御部65、無線通信部66a、送受信アンテナ66b、音楽再生部80、LCD82、撮像部83について説明する。
制御部61は、この第2の実施の形態で用いられるモバイル機器の1つである携帯電話端末4(1)の各部を制御するものであり、CPU611、ROM612、RAM613、不揮発性メモリ614が、CPUバス615を通じて接続されることにより形成されたマイクロコンピュータである。
ここで、CPU611は、制御の主体となるものであり、後述するROM612などに記憶保持されているプログラムを実行し、各部に供給する制御信号を形成して、これを各部に供給したり、各部からの信号を受け付けて、これを処理したりする。ROM612は、上述もしたように、CPU611によって実行される種々のプログラムやフォントデータなどの処理に必要になる各種のデータを記憶保持しているものである。
RAM613は、各種の処理において途中結果を一時記憶するなど、主に作業領域として用いられるものである。不揮発性メモリ614は、EEPROMやフラッシュメモリからなるものであり、この携帯電話端末4(1)の電源が落とされても保持しておくべき情報、例えば、各種の設定パラメータ、電話帳データ、電子メールデータ、機能追加などのために新たに提供されたプログラムなどを記憶保持するものである。
このように構成される制御部61に対しては、図25に示すように、コンテンツ記憶部62が接続されている。コンテンツ記憶部62は、記録媒体として半導体メモリを備えると共に、当該半導体メモリに対してデータを書き込んだり、当該半導体メモリからデータを読み出したりするメモリコントローラとからなるものである。
このコンテンツ記憶部62の記録媒体には、この携帯電話端末4(1)の広域通信機能を用いて、インターネットなどの広域ネットワーク上のサーバ装置からダウンロードしてくる音楽データやAV(Audio/Visual)データ、あるいは、クレードル1を介してサーバ装置2などから提供される静止画像データや動画像データを記憶保持して、利用することができるようにされる。また、後述する撮像部83を通じて撮影することにより取り込んだ被写体の画像データもコンテンツ記憶部62に記憶することができるようにされる。
なお、コンテンツ記憶部62の半導体メモリは、いわゆるカードメモリを用い、この第2の実施の形態の携帯電話端末4(1)に対して着脱可能に構成することもできる。また、半導体メモリの他にも、小型のハードディスクなどの他の記録媒体を用いる構成とすることも可能である。
また、制御部61に対しては、図25に示すように、キー操作部63が接続されている。キー操作部63は、図示しないが、いわゆるテンキー(数字キー)や各種のファクションキー、回動操作と押下操作とが可能なジョグダイヤルキーなどの複数の操作キーが設けられたものであり、ユーザーからの種々の操作入力を受け付けるものである。
そして、キー操作部63を通じて受け付けた使用者からの操作入力は、電気信号に変換されて制御部61に供給される。これにより、制御部61は、ユーザーからの指示に応じて各部を制御し、ユーザーの指示に応じた処理を行うことができるようにしている。
また、制御部61に対しては、無線充電制御部65が接続されている。無線充電制御部65は、クレードル1の充電制御部19を通じて供給される電力を、無線充電制御部65に接続されたバッテリ64に供給するなど、バッテリ64の充電処理を制御するものである。バッテリ64は、無線充電制御部65により充電が行われるようにされ、この携帯電話端末4(1)の各部に必要な電力を供給するものである。
さらに、制御部61には、無線通信部66aが接続されている。この無線通信部66aには、送受信アンテナ66bが設けられている。無線通信部66a、送受信アンテナ66bは、クレードル1との間において、近距離無線通信によりデータ通信を行うようにする部分である。
したがって、無線通信部66a、送受信アンテナ66bは、上述したクレードル1の無線通信部15a、送受信アンテナ15bと同様に、例えば、UWB(Ultra WideBand)やブルートゥース(Bluetooth)などの無線通信技術、その他の種々の近距離無線通信技術、あるいは、短距離無線通信技術を用いて、クレードル1との間で無線通信を行うことができるようにしている。
また、図25に示すように、携帯電話端末4(1)の場合、制御部61に対して、音楽再生部80が接続されている。この音楽再生部80には、制御部61によってコンテンツ記憶部62から読み出されるデータ圧縮された音楽データが供給される。音楽再生部80は、これに供給されたデータ圧縮されている音楽データを圧縮解凍してデータ圧縮前の元の音楽データを復元し、これから出力するアナログ音楽信号を形成して音楽出力端81を通じて出力する。音楽出力端81には、図25に示すように、ヘッドホン90等を接続することにより、当該ヘッドホン90等を通じて再生音声の聴取が可能になる。
なお、ここでは、音楽再生部80は、音楽データの再生処理を行うものとして説明したが、音楽データだけでなく、話音声などの種々音声データ一般の再生処理を行うことができるものである。また、音楽再生部80においては、音楽データあるいはアナログ音楽信号に対する種々の調整処理やアナログ音声信号(アナログオーディオ信号)に対する増幅処理なども行われる。
また、図25に示すように、制御部61にはLCD82が接続されている。LCD82はLCDコントローラを含むものであり、制御部61からの制御信号により制御され、種々の表示情報をLCD82の表示画面に表示させることができるものである。なお、AVデータについても、制御部61が音声データと映像データとに分離し、音声データについては音楽再生部80に、映像データについてはLCD82に供給することによって、その両方について同期を取って再生することもできるようにされる。
また、コンテンツ記憶部62に記憶保持されているクレードル1を介して提供を受けた静止画像データや動画像データについても、制御部61がこれを読み出して、圧縮解凍処理するなどの所定の処理を行ってLCD82に供給することにより、供給された静止画像データや動画像データに応じた画像をLCD82の表示画面に表示してユーザーに提供することもできるようにされる。すなわち、この携帯電話端末4(1)は、静止画像データや動画像データの再生機能をも備えたものである。
撮像部83は、カメラ機能を実現するものであり、対物レンズ、絞り機構、シャッター機構、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサなどの撮像素子、前処理回路等を備え、被写体の画像を電気信号として取り込んで、これをデジタル信号に変換することができるものである。ここでデジタル信号とされた静止画像データや動画像データは、上述もしたように、制御部61を通じてコンテンツ記憶部62に記録される。
なお、コンテンツ記憶部62に記憶された撮影画像データは、上述もしたように、制御部61を通じてLCD82に供給されて、LCD82の表示画面に表示して確認することができると共に、無線通信部66a及び送受信アンテナ66bを通じて出力し、外部機器にバックアップするなどのこともできるようにされる。
また、図25には図示しないが、制御部61には、リンガ、バイブレータ、時計回路なども接続され、制御部61の制御に応じて、音声や振動で着信や警告を伝えることもできるし、カレンダ機能を実現したり、現在時刻を通知したり、目覚まし時計機能を実現したりすることもできるようにしている。
次に、図25に示した携帯電話端末4(1)の受信系について説明する。送受信アンテナ71を通じて受信した受信信号は、アンテナ共用器72を通じて受信部73に供給される。受信部73は、受信信号が適正なレベルになるように、必要な帯域制限、AGC(Automatic Gain Control)を行なうとともに、局発部(周波数シンセサイザ)74からの信号に基づいて、受信信号の周波数を一定の周波数にするなどの処理を行って、処理後の信号をベースバンド処理部75に供給する。
ベースバンド処理部75は、受信部73からの信号をA/D(Analog/Digital)変換し、フェージングなどの影響除去や、受信した信号の種別判別、デ・インターリーブ、エラー訂正を行ない、適切な復号処理を行って、通話音声データとその他の通信データとを分離する。そして、通話音声データは、DSP(Digital Signal Processor)の構成とされたコーデック76に供給され、その他の通信データである、例えば、各種の制御情報や文字データ、あるいは、Webページデータ、音楽データ(音楽コンテンツ)などは、制御部61に供給される。
コーデック76は、ベースバンド処理部75からの音声データをD/A変換してアナログ音声信号を形成し、これをスピーカ77に供給する。スピーカ77は、コーデック76からのアナログ音声信号により駆動され、受信信号に応じた音声を放音する。
一方、ベースバンド処理部75から制御部61に供給された通信データは、この実施の形態の携帯電話端末用の制御データや文字データなどの場合には、制御部61の例えばRAM613に一時記憶されて、この携帯電話端末4(1)において使用される。また、それ以外の音楽データ等のコンテンツデータは、コンテンツ記憶部62に供給されて記憶保持され、必要に応じて読み出して利用することができるようにされる。
次に、図25に示した携帯電話端末4(1)の送信系について説明する。マイクロホン78は、収音した音声をアナログ音声信号に変換し、これをコーデック76に供給する。コーデック76は、マイクロホン78からのアナログ音声信号をA/D変換して、デジタル音声信号を形成し、これをベースバンド処理部75に供給する。
ベースバンド処理部75は、コーデック76からのデジタル音声信号を所定の符号化方式で符号化して圧縮し、所定のブロックにまとめる。またベースバンド処理部75は、制御部61を通じて供給されるキー操作部132を通じて受け付けた送信用のデジタルデータ等についても所定のブロックにまとめることができるものである。ベースバンド処理部75は、圧縮されたデジタル音声信号や制御部61からの送信用のデジタルデータをまとめ、送信部79に供給する。
送信部79は、ベースバンド処理部75からのデジタルデータから変調信号を形成し、この変調信号を所定の送信周波数に変換するために、変調信号と、局発部74からの変換用の信号とを混合して、送信用変調信号を形成する。この送信部79において形成された送信用変調信号は、アンテナ共用器72を経由して、送受信アンテナ71から送信される。
このような受信系および送信系を備えたこの実施の形態の携帯電話端末においては、待ち受け受信時(待ち受け時)においては、制御部61は、ベースバンド処理部75からの受信信号を監視することにより、自機への着信を検出する。そして、制御部61は、自機への着信を検出した場合には、図示しないリンガを制御して、呼び出し音(リンガ音)を放音したり、図示しないバイブレータを振動させたりすることにより、自機への着信を当該携帯電話端末4(1)の使用者に通知する。
そして、携帯電話端末4(1)の使用者が、この実施の形態の携帯電話端末4(1)に設けられているテンキーや各種のファンクションキーなどを有するキー操作部63に設けられている通話開始キーを押下するなどのオフフック操作を行なうことにより、着信に応答した場合には、制御部61は、送信系を通じて、接続応答を送出するなどして通信回線を接続し、前述したように、受信系、送信系の動作によって通話が可能となる。
また、この第2の実施の形態の携帯電話端末4(1)から発呼する場合には、前述のキー操作部63の通話開始キーを押下するなどのオフフック操作を行った後、キー操作部63のテンキー(ダイヤルキー)を通じて、また、予め登録された電話帳データから相手先の電話番号を選択することにより、ダイヤル動作を行なうようにする。
これにより、制御部61は、発呼要求を形成し、送信系を通じて送信することにより、目的とする相手先の電話端末との間に通信回線を接続するようにする。そして、相手先からの着信応答が返信されてきて、通信回線の接続を確認すると、前述したように、受信系、送信系の動作によって通話が可能となる。
また、この第2の実施の形態の携帯電話端末4(1)は、インターネットに接続が可能なものであり、例えば、電話会社が提供するプロバイダ機能を通じて、URL(Uniform Resource Locators)を入力して送信することにより、Webページなどの情報を得て、この情報を、制御部61を通じてLCD82に表示したり、インターネット上の目的とするサーバから音楽データ(音楽コンテンツ)をダウンロードしてコンテンツ記憶部62に記憶保持して利用できるようにしたりすることもできるようにしている。
また、この第2の実施の形態の携帯電話端末4(1)は、キー操作部63、LCD82を通じて情報を入力して、送信用の電子メールデータをEEPROM614に作成し、これをインターネットを通じて目的とする相手先のメールサーバに送信したり、また、自機宛の電子メールをメールサーバから受信してEEPROM614に格納し、これをLCD82に表示して利用したりするなどのこともできるものである。
このように、この第2の実施の形態でモバイル機器の1つとして用いられる携帯電話端末4(1)は、携帯電話ネットワークやインターネットなどの広域ネットワークを通じて、電話通信やデータ通信を行うことができる。また、携帯電話端末4(1)は、クレードル1に載置された場合には、クレードル1から電力の供給を受けて自機のバッテリ64に対して充電を行うことができると共に、詳しくは後述するが、クレードル1及びサーバ装置2を介して、ホームネットワーク上のホーム機器やインターネット上の商用サーバ装置との間でデータの送受を行うこともできるようにされる。
[携帯型音楽再生装置(携帯型オーディオプレーヤ)4(3)の構成例について]
図26は、この第2の実施の形態のデータ通信システムで用いられるモバイル機器の1つである携帯型オーディオプレーヤ4(3)の構成例を説明するためのブロック図である。図26に示すように、この第2の実施の形態で用いられる携帯型オーディオプレーヤ4(3)は、制御部101、キー操作部102、バッテリ103、無線充電制御部104、コンテンツ記憶部105、音楽再生部(音声再生部)106a、音楽出力端(音声出力端)106b、無線通信部107a、送受信アンテナ107bを備えたものである。
制御部101は、この携帯型オーディオプレーヤ4(3)の各部を制御するものであり、CPU1011、ROM1012、RAM1013、不揮発性メモリ1014が、CPUバス1015を通じて接続されることにより形成されたマイクロコンピュータである。
ここで、CPU1011は、制御の主体となるものであり、後述するROM1012などに記憶保持されているプログラムを実行し、各部に供給する制御信号を形成して、これを各部に供給したり、各部からの信号を受け付けて、これを処理したりする。ROM1012は、上述もしたように、CPU1011によって実行される種々のプログラムや処理に必要になる各種のデータを記憶保持しているものである。
RAM1013は、各種の処理において途中結果を一時記憶するなど、主に作業領域として用いられるものである。不揮発性メモリ1014は、EEPROMやフラッシュメモリからなるものであり、この携帯型オーディオプレーヤ4(3)の電源が落とされても保持しておくべき情報、例えば、各種の設定パラメータ、機能追加などのために新たに提供されたプログラムなどを記憶保持するものである。
そして、制御部101に対しては、図26に示すように、キー操作部102が接続されている。キー操作部102は、図示しないが、再生開始キー、停止キー、一時停止キー、早送りキー、早戻しキー、音量調整キー、音質調整キーなどの種々の操作キーが設けられたものであり、ユーザーからの種々の操作入力を受け付けるものである。
このキー操作部102を通じて受け付けた使用者からの操作入力は、電気信号に変換されて制御部101に供給される。これにより、制御部101は、ユーザーからの指示に応じて各部を制御し、ユーザーの指示に応じた処理を行うことができるようにしている。
また、制御部101に対しては、無線充電制御部104が接続されている。無線充電制御部104は、クレードル1の充電制御部19を通じて供給される電力を、無線充電制御部104に接続されたバッテリ103に供給するなど、バッテリ103の充電処理を制御するものである。バッテリ103は、無線充電制御部104により充電が行われるようにされ、この携帯型オーディオプレーヤ4(3)の各部に必要な電力を供給するものである。
さらに、制御部101には、コンテンツ記憶部105が接続されている。コンテンツ記憶部105は、記録媒体として例えば半導体メモリを備えると共に、当該半導体メモリに対してデータを書き込んだり、当該半導体メモリからデータを読み出したりするメモリコントローラとからなるものである。このコンテンツ記憶部105の記録媒体には、後述する無線通信部107a、送受信アンテナ107bを通じて受信する、クレードル1からの音楽データなどが記録するようにされている。
なお、コンテンツ記憶部105の記録媒体として、いわゆるカードメモリを用い、この第2の実施の形態の携帯型オーディオプレーヤ4(3)に対して着脱可能に構成することもできる。また、半導体メモリの他にも、小型のハードディスク、MD(Mini Disc(登録商標))などの光磁気ディスク、DVD(Digital Versatile Disc)等の記録可能な光ディスクなどの他の記録媒体を用いる構成とすることも可能である。
また、制御部101には、音楽再生部106aが接続されている。この音楽再生部106aには、制御部101によってコンテンツ記憶部105から読み出されるデータ圧縮された音楽データが供給される。音楽再生部106aは、これに供給されたデータ圧縮されている音楽データを圧縮解凍してデータ圧縮前の元の音楽データを復元し、これから出力するアナログ音楽信号を形成して音楽出力端106bを通じて出力する。音楽出力端106bには、図示しないが、ヘッドホンやスピーカを接続することにより、これらを通じて再生音声を放音し、ユーザーが聴取することができるようにされる。
なお、ここでは、音楽再生部106aは、音楽データの再生処理を行うものとして説明したが、音楽データだけでなく、話音声などの種々音声データ一般の再生処理を行うことができるものである。また、音楽再生部106aにおいては、音楽データあるいはアナログ音楽信号に対する種々の調整処理やアナログ音声信号に対する増幅処理なども行われる。
さらに、制御部101には、無線通信部107aが接続されている。この無線通信部107aには、送受信アンテナ107bが設けられている。無線通信部107a、送受信アンテナ107bは、クレードル1との間において、近距離無線通信によりデータ通信を行うようにする部分である。
したがって、無線通信部107a、送受信アンテナ107bは、図2を用いて上述したクレードル1の無線通信部15a、送受信アンテナ15bと同様に、例えば、UWB(Ultra WideBand)やブルートゥース(Bluetooth)などの無線通信技術、その他の種々の近距離無線通信技術、あるいは、短距離無線通信技術を用いて、クレードル1との間で無線通信を行うことができるようにしている。
このように、この第2の実施の形態の携帯型オーディオプレーヤ4(3)は、コンテンツ記憶部105に記憶保持している音楽データを再生して、再生音声をユーザーに対して提供することができるものである。また、携帯型オーディオプレーヤ4(3)は、クレードル1に載置された場合には、クレードル1から電力の供給を受けて自機のバッテリ103に対して充電を行うことができると共に、詳しくは後述するが、クレードル1及びサーバ装置2を介して、ホームネットワーク上のホーム機器やインターネット上の商用サーバ装置との間でデータの送受を行うこともできるようにされる。
[携帯型映像音声再生装置(携帯型ビデオプレーヤ)4(4)の構成例について]
図27は、この第2の実施の形態のデータ通信システムで用いられるモバイル機器の1つである携帯型ビデオプレーヤ4(4)の構成例を説明するためのブロック図である。図27に示すように、この第2の実施の形態で用いられる携帯型ビデオプレーヤ4(4)は、制御部201、キー操作部202、バッテリ203、無線充電制御部204、コンテンツ記憶部205、音楽再生部(音声再生部)206、スピーカ207、映像再生部208、表示部209、無線通信部210a、送受信アンテナ210bを備えたものである。
制御部201は、この第2の実施の形態で用いられるモバイル機器の1つである携帯型ビデオプレーヤ4(4)の各部を制御するものであり、CPU2011、ROM2012、RAM2013、不揮発性メモリ2014が、CPUバス2015を通じて接続されることにより形成されたマイクロコンピュータである。
ここで、CPU2011は、制御の主体となるものであり、後述するROM2012などに記憶保持されているプログラムを実行し、各部に供給する制御信号を形成して、これを各部に供給したり、各部からの信号を受け付けて、これを処理したりする。ROM2012は、上述もしたように、CPU2011によって実行される種々のプログラムや処理に必要になる各種のデータを記憶保持しているものである。
RAM2013は、各種の処理において途中結果を一時記憶するなど、主に作業領域として用いられるものである。不揮発性メモリ2014は、EEPROMやフラッシュメモリからなるものであり、この携帯型ビデオプレーヤ4(4)の電源が落とされても保持しておくべき情報、例えば、各種の設定パラメータ、機能追加などのために新たに提供されたプログラムなどを記憶保持するものである。
そして、制御部201に対しては、図27に示すように、キー操作部202が接続されている。キー操作部202は、図示しないが、再生開始キー、停止キー、一時停止キー、早送りキー、早戻しキー、音量調整キー、音質調整キー、画質調整キーなどの種々の操作キーが設けられたものであり、ユーザーからの種々の操作入力を受け付けるものである。
このキー操作部202を通じて受け付けた使用者からの操作入力は、電気信号に変換されて制御部201に供給される。これにより、制御部201は、ユーザーからの指示に応じて各部を制御し、ユーザーの指示に応じた処理を行うことができるようにしている。
また、制御部201に対しては、無線充電制御部204が接続されている。無線充電制御部204は、クレードル1の充電制御部19を通じて供給される電力を、無線充電制御部204に接続されたバッテリ203に供給するなど、バッテリ203の充電処理を制御するものである。バッテリ203は、無線充電制御部204により充電が行われるようにされ、この携帯型ビデオプレーヤ4(4)の各部に必要な電力を供給するものである。
さらに、制御部201には、コンテンツ記憶部205が接続されている。コンテンツ記憶部205は、記録媒体として例えば半導体メモリを備えると共に、当該半導体メモリに対してデータを書き込んだり、当該半導体メモリからデータを読み出したりするメモリコントローラとからなるものである。このコンテンツ記憶部205の記録媒体には、後述する無線通信部210a、送受信アンテナ210bを通じて受信する、クレードル1からのAV(Audio/Visual)データ(同期を取って再生すべき音声データと映像データとからなるデータ)などが記録するようにされている。
なお、コンテンツ記憶部205の記録媒体として、いわゆるカードメモリを用い、この第2の実施の形態の携帯型ビデオプレーヤ4(4)に対して着脱可能に構成することもできる。また、半導体メモリの他にも、小型のハードディスク、MD(Mini Disc(登録商標))などの光磁気ディスク、DVD(Digital Versatile Disc)等の記録可能な光ディスクなどの他の記録媒体を用いる構成とすることも可能である。
また、制御部201には、音楽再生部206と映像再生部208とが接続されている。そして、音楽再生部206にはスピーカ207が、映像再生部208には表示部209が接続されている。ここで、表示部209は、LCD(Liquid Crystal Display)や有機ELパネル(organic Electroluminescence Panel)等のいわゆる薄型の表示素子と、当該表示素子用のコントローラ回路からなるものである。
そして、キー操作部202を通じてユーザーがAVデータの再生が指示されると制御部201は、コンテンツ記憶部205から再生が指示されたAVデータを読み出し、これを音声データと映像データとに分離し、音声データは音楽再生部206に供給し、映像データは映像再生部208に供給する。なお、ここでAVデータが、所定の圧縮方式が用いられてデータ圧縮されたものとする。
音楽再生部206は、これに供給されたデータ圧縮されている音楽データを圧縮解凍してデータ圧縮前の元の音楽データを復元し、これから出力するアナログ音楽信号を形成してスピーカ207に供給する。これにより、スピーカ207からは、再生音声が放音され、ユーザーが聴取することができるようにされる。
一方、映像再生部208は、これに供給されたデータ圧縮されている映像データを圧縮解凍してデータ圧縮前の元の映像データを復元し、これから表示部209に供給するアナログ映像信号を形成して表示部209に供給する。これにより、表示部209の表示画面には、再生映像が表示され、ユーザーが観視することができるようにされる。
この場合、音楽再生部206と映像再生部208とは制御部201の制御により、再生音声と再生映像との同期を取るようにして再生するようにしている。これにより、ユーザーは、目的とするAVデータ(AVコンテンツ)を、この携帯型ビデオプレーヤ4(4)において再生し、視聴することができるようにされる。
なお、図27においては、説明を簡単にするため、音楽再生部206に対してスピーカ207が接続されているものとして説明したが、これに限るものではない。音楽再生部206に対して音楽出力端を設け、これにヘッドホンやイヤホンが接続された場合には、スピーカ207への音声信号の供給を停止し、音楽出力端に接続されたヘッドホンやイヤホンを通じて再生音声を聴取することができるように構成することもできるようにされる。
また、音楽再生部206においては、キー操作部202を通じて受け付けたユーザーからの指示入力に応じた制御部201の制御により、音楽データあるいはアナログ音楽信号に対する種々の調整処理やアナログ音声信号に対する増幅処理なども行われる。また、映像再生部208においては、キー操作部202を通じて受け付けたユーザーからの指示入力に応じた制御部201の制御により、映像データあるいはアナログ映像信号に対する種々の調整処理なども行われる。
そして、制御部201には、無線通信部210aが接続されている。この無線通信部210aには、送受信アンテナ210bが設けられている。無線通信部210a、送受信アンテナ210bは、クレードル1との間において、近距離無線通信によりデータ通信を行うようにする部分である。
したがって、無線通信部210a、送受信アンテナ210bは、図2を用いて上述したクレードル1の無線通信部15a、送受信アンテナ15bと同様に、例えば、UWB(Ultra WideBand)やブルートゥース(Bluetooth)などの無線通信技術、その他の種々の近距離無線通信技術、あるいは、短距離無線通信技術を用いて、クレードル1との間で無線通信を行うことができるようにしている。
このように、この第2の実施の形態の携帯型ビデオプレーヤ4(4)は、コンテンツ記憶部205に記憶保持しているAVデータを再生して、再生音声及び再生映像をユーザーに対して提供することができるものである。また、携帯型ビデオプレーヤ4(4)は、クレードル1に載置された場合には、クレードル1から電力の供給を受けて自機のバッテリ203に対して充電を行うことができると共に、詳しくは後述するが、クレードル1及びサーバ装置2を介して、ホームネットワーク上のホーム機器やインターネット上の商用サーバ装置との間でデータの送受を行うこともできるようにされる。
[ホーム機器6の構成例について]
次に、この第2の実施の形態のデータ通信システムにおいて、図23に示したように、ネットワークハブ5を介してサーバ装置2に接続されるホーム機器6の構成例について説明する。図23を用いて説明したように、ネットワークハブ5には、サーバ装置2の他、PC6(1)、PC6(2)、HDDレコーダ6(3)、NAS6(4)が接続されている。以下に、PC6(1)、6(2)、HDD6(3)、NAS6(4)の構成例について具体的に説明する。
[PC6(1)、6(2)の構成例について]
図28は、この第2の実施の形態において、ネットワークハブ5に接続されるPC6(1)、6(2)の構成例を説明するためのブロック図である。PCには様々な構成を有するものが存在する。しかし、ここでは説明を簡単にするため、この第2の実施の形態のデータ通信システムで用いられるPC6(1)、6(2)は、基本的な機能として、高速な情報処理機能、大容量の記憶機能、情報入力機能、情報出力機能、外部機器接続機能を備えた一般的なPCの構成を有するものとして説明する。また、以下においては、PC6(1)の構成として説明するが、PC6(2)もまた同様の構成を有するものである。
図28に示すように、この第2の実施の形態のデータ通信システムで用いられるPC6(1)は、制御部301、キー操作部302、外部I/F303a、入出力端303b、通信処理部304、ハードディスクドライブ(以下、HDDと略称する。)305、メディアドライブ306、音楽再生部(音声再生部)307、スピーカ308、映像再生部309、表示部310を備えたものである。
制御部301は、この第2の実施の形態で用いられるPC6(1)の各部を制御すると共に、種々の演算処理を高速に行うことができるものであり、CPU3011、ROM3012、RAM3013、不揮発性メモリ3014が、CPUバス3015を通じて接続されることにより形成されたマイクロコンピュータである。
ここで、CPU3011は、制御の主体となるものであり、後述するROM3012などに記憶保持されているプログラムを実行し、各部に供給する制御信号を形成して、これを各部に供給したり、各部からの信号を受け付けて、これを処理したりする。ROM3012は、上述もしたように、CPU3011によって実行される種々のプログラムや処理に必要になる各種のデータを記憶保持しているものである。
RAM3013は、各種の処理において途中結果を一時記憶するなど、主に作業領域として用いられるものである。不揮発性メモリ3014は、EEPROMやフラッシュメモリからなるものであり、PC6(1)の電源が落とされても保持しておくべき情報、例えば、各種の設定パラメータ、機能追加などのために新たに提供されたプログラムなどを記憶保持するものである。
そして、制御部301には、キー操作部302が接続されている。キー操作部302は、アルファベットキー、種々の記号キー、テンキー(数字キー)、種々のファクションキーなどを備え、ユーザーからの種々の操作入力を受け付けるものである。なお、この例において、キー操作部302は、図示しないが、いわゆるマウスなどのポインティングデバイスなどをも含んでいる。
このキー操作部302を通じて受け付けた使用者からの操作入力は、電気信号に変換されて制御部301に供給される。これにより、制御部101は、ユーザーからの指示に応じて各部を制御し、ユーザーの指示に応じた処理を行うことができるようにしている。
また、制御部301には、外部I/F303aが接続されている。この外部I/F303aには、入出力端303bが設けられている。これら外部I/F303a及び入出力端303bは、外部機器との接続端部を構成している。この第2の実施の形態においては、図23に示したように、PC6(1)の外部I/F303a及び入出力端303bには、ネットワークハブ5を介して、サーバ装置2などの種々の外部機器が接続するようにされる。
更に、制御部301には、通信処理部304が接続されている。この通信処理部304は、インターネット8への接続機能を実現する部分である。すなわち、通信処理部304は、制御部301の制御により、外部I/F303a及び入出力端303bを通じて、所定のインターネットプロバイダを通じてインターネット8に接続するようにし、自機からインターネット8上の商用サーバ装置に対して送信するデータを形成して送信したり、自機宛のデータを受信して自機において処理可能な形式のデータに変換して、例えば制御部301に供給して利用できるようにしたりする。
また、制御部301には、HDD305が接続されている。HDD305は、記録媒体として比較的に容量の大きなハードディスクを備えるとともに、当該ハードディスクに対してアクセスして、データを記録したり、目的とするデータを読み出したりするドライブ回路をも備えたものである。このHDD305のハードディスクには、例えば、インターネット8を通じてダウンロードしたり、外部機器から提供を受けたりする種々の音声データ、画像データ、AVデータ、処理の途中結果、プログラムなど種々の情報を記憶保持することができるものである。
また、制御部301には、メディアドライブ306が接続されている。このメディアドライブ306は、DVD(Digital Versatile Disc)やCD(Compact Disc)等の記録媒体が着脱可能なものである。そして、メディアドライブ306は、これに装填された記録媒体からデータを読み出して制御部301に供給したり、また、記録可能な記録媒体が装填された場合には、制御部301からのデータを当該記録可能な記録媒体に対して記録したりすることができるものである。
更に、制御部301には、音楽再生部307と映像再生部309とが接続されている。音楽再生部307にはスピーカ308が、映像再生部309には表示部310が接続されている。ここで、表示部310は、LCD(Liquid Crystal Display)、有機ELパネル(organic Electroluminescence Panel)、CRT(Cathode Ray Tube)等の表示素子と、当該表示素子用のコントローラ回路からなるものである。
音楽再生部307は、これに供給された音声データからスピーカ308に供給するアナログ音声信号を形成し、これをスピーカ308に供給する。これにより、スピーカ308からは、再生音声が放音され、ユーザーが聴取することができるようにされる。なお、音楽再生部307は、これに供給された音声データが、データ圧縮されたものである場合には、圧縮解凍処理を行ってデータ圧縮前の音声データを復元した後に、これをアナログ音声信号に変換することもできるものである。
一方、映像再生部309は、これに供給された映像データから表示部310に供給するアナログ映像信号を形成し、これを表示部310に供給する。これにより、表示部310の表示画面には、再生映像が表示され、ユーザーが観視することができるようにされる。なお、映像再生部309は、これに供給された映像データが、データ圧縮されたものである場合には、圧縮解凍処理を行ってデータ圧縮前の元の映像データを復元した後に、これをアナログ映像信号に変換することもできるものである。
そして、音声データだけを音楽再生部307を通じて再生することもできるし、映像データ(静止画像データ、動画像データ)だけを映像再生部309を通じて再生することもできる。また、AVデータの場合には、制御部301は、当該AVデータを、音声データと映像データとに分離し、音声データについては音楽再生部307に供給し、映像データに付いては映像再生部309に供給し、音楽再生部307と映像再生部309とを制御して、当該音声データと映像データとを同期を取って再生することもできるようにされる。
そして、図28に示すPC6(1)の場合には、制御部301によって、高速な情報処理機能を実現し、HDD305あるいはメディアドライブ306によって、大容量の記憶機能を実現し、キー操作部302、外部I/F303a及び入出力端303bによって、情報入力機能を実現し、音楽再生部307及ぶスピーカ308、映像再生部309及び表示部310、外部I/F303a及び入出力端303bによって、情報出力機能を実現し、また、外部I/F303a及び入出力端303bによって、外部機器接続機能を実現している。
これにより、図28に示したPC6(1)は、キー操作部302や外部I/F303a及び入出力端303bや通信処理部304及び外部I/F303aと入出力端303bを通じて入力されたデータを、制御部301において処理し、HDD305のハードディスクやメディアドライブ306に装填された記録媒体に記録したり、音声処理部307や映像処理部309を通じて再生してユーザーに提供したり、通信処理部304や外部I/F303a及び入出力端303bを通じて出力したりすることができる。
また、HDD305のハードディスクやメディアドライブ306に装填された記録媒体に記録されているデータを制御部301が読み出し、必要に応じた処理を行って、音声処理部307や映像処理部309を通じて再生してユーザーに提供したり、通信処理部304や外部I/F303a及び入出力端303bを通じて出力したりすることもできる。
そして、図28に示すPC6(1)は、外部I/F303a及び入出力端303bを通じて、外部機器との間でデータの送受を行ったり、通信処理部及び外部I/F303aと入出力端303bを通じて、インターネット8上の商用サーバ装置との間でデータの送受を行ったりすることができるようにしている。
[HDDレコーダ6(3)の構成例について]
図29は、この第2の実施の形態のデータ通信システムで用いられるHDDレコーダ6(3)の構成例を説明するためのブロック図である。図29に示すように、この第2の実施の形態のデータ通信システムで用いられるHDDレコーダ6(3)は、入出力系として、デジタル入出力端子401、デジタルインターフェース回路(以下、デジタルI/F回路と略称する。)402を備えている。
また、このHDDレコーダ6(3)は、入力系として、デジタル放送の受信アンテナ403及びデジタルチューナ404と、アナログ放送の受信アンテナ405及びアナログチューナ406とを備えている。そして、アナログチューナ406に対しては、音声処理部407、音声エンコーダ408、映像処理部409、映像エンコーダ410が設けられている。
また、出力系として、音声デコーダ421、出力音声処理部422、音声出力端子423、映像デコーダ424、出力映像処理部425、映像合成回路426、映像出力端子427を備えている。そして、データの分離/多重処理を行う多重/分離回路411を備えると共に、例えば、数百ギガバイト以上の記憶容量のハードディスクを備えたハードディスクドライブ(HDD)430を備えている。
さらに、このHDDレコーダ6(3)は、例えば、インターネットなどの広域ネットワークに接続するための通信インターフェイス回路(以下、通信I/F回路と略称する。)441を備え、後述する外部I/F463a及び入出力端463bを通じてインターネット8にアクセスし、インターネット上の商用サーバ装置との間でデータの送受を行うことができるようにしている。
また、HDDレコーダ6(3)は、当該HDD6(3)の各部を制御する制御部450を備えている。ここで、制御部450は、図29に示すように、CPU451、ROM452、RAM453、不揮発性メモリ454が、CPUバス455を通じて接続されて構成されたマイクロコンピュータである。
CPU451は、後述するROM452等に記憶されているプログラムを実行し、制御信号を形成して、これを各部に供給したり、各部からのデータを受け付けてこれを処理したりするなど、制御の主体となるものである。ROM452は、上述のように、CPU451において実行する各種のプログラムや処理に必要になる種々のデータなどを記憶保持するものである。
RAM453は、各種の処理の結果を一時記憶するなど、主に作業領域として用いられるものである。不揮発性メモリ454は、EEPROMやフラッシュメモリによって構成されたものであり、当該HDDレコーダ6(3)の電源が落とされても保持しておくべきデータ、例えば、各種の設定パラメータや処理結果、あるいは、機能強化のためにネットワーク等を通じて新たに提供されたプログラムなどが記憶保持されるものである。
また、制御部450に対しては、時計回路461、キー操作部462、外部I/F463a、リモコン信号受光部465が接続されている。ここで、時計回路461は、カレンダ機能を備え、現在年月日及び現在時刻を提供すると共に、期間の計測(カウント)が可能なものである。キー操作部462は、各種の操作キー、操作スイッチ、操作つまみなどを備え、ユーザーからの種々の操作入力(指示入力)を受け付けて、受け付けた操作入力を電気信号に変換して制御部450に供給することができるものである。
外部I/F463a、入出力端463bは、外部機器との接続端部を構成している。この外部I/F463a、入出力端463bを通じて、図23に示したように、ネットワークハブ5に接続され、当該ネットワークハブ5に接続されたサーバ装置2などの外部機器との間において、種々のデータの送受を行うことができるようにしている。
リモコン信号受光部465は、リモートコマンダ(以下、リモコンと略称する。)470からの例えば赤外線のリモコン信号を受光し、これを電気信号に変換して制御部450に供給することができるものである。なお、リモコン470は、各種の操作キーを備え、ユーザーの操作に応じた例えば赤外線の遠隔操作信号(以下、リモコン信号という。)を生成して送出するものである。
[記録時の動作について]
次に、図29に示したHDDレコーダ6(3)の基本的な動作について説明する。まず、このHDDレコーダ6(3)においてのコンテンツの記録時の動作について説明する。上述もしたように、このHDDレコーダ6(3)は、(1)デジタル入出力端子401及びデジタルI/F回路402を通じて受け付けたデジタルコンテンツと、(2)デジタルチューナ404を通じて受信、選局したデジタル放送番組と、(3)アナログチューナ406を通じて受信、選局したアナログ放送番組とを、HDD430のハードディスクに記録することができるものである。
[(1)デジタルI/F回路402を利用する場合]
まず、(1)デジタルI/F回路402を利用する場合について説明する。デジタル入出力端子401及びデジタルI/F回路402は、例えば、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers,Inc)1394規格やUSB(Universal Serial Bus)規格等に合致したものである。これらデジタル入出力端子401及びデジタルI/F回路402に対しては、同じ規格のインターフェイスを備える例えばデジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラなどの外部機器を接続することができるようにされる。
そして、デジタル入出力端子401及びデジタルI/F回路402を通じて、これに接続される外部機器からのコンテンツデータを受け付けて、これをHDD430のハードディスクに記録したり、アナログ映像信号(アナログビデオ信号)、アナログ音声信号を形成して、出力したりすることができるようにしている。なお、コンテンツデータは、静止画像データ、動画像データ、音声データ、同期を取って再生すべき音声データと映像データとからなるAVデータ等である。
ここでは外部機器からAVデータの供給を受けて処理する場合を例にして説明する。デジタル入出力端子401を通じて供給を受けたAVデータは、デジタルI/F回路402に供給される。デジタルI/F回路402は、これに供給されたAVデータについて、このHDDレコーダ6(3)が用いている方式に適合するようにフォーマット変換等の処理を施し、必要なデータがパケット化されて多重化されたいわゆるTS(Transport Stream)信号を生成して、これを多重/分離回路411に供給する。
多重/分離回路411では、更に制御信号等の解析や生成を行い、記録する形式のTS信号を形成し、これをHDD430に供給して、HDD430に内蔵されたハードディスクに記録することができるようにしている。なお、TS信号の具体例としては、例えば、コンテンツデータが、AVデータである場合には、音声データと映像データと制御データなどの付加データとがパケット化されて多重化されたものである。
また、多重/分離回路411は、デジタルI/F回路402から供給されたTS信号から音声パケットと映像パケットとを抽出し、これら抽出した音声パケットから音声ES(Elementary Stream)を形成すると共に、映像パケットから映像ESを形成する。ここで形成された音声ESは、音声デコーダ421に供給され、映像ESは映像デコーダ424に供給される。なお、各パケットには、識別子(ID)が付加するようにされており、この識別子に基づいて、上述したように、音声データや映像データ、その他の制御データなどを区別して抽出することができるようにされている。
音声デコーダ421は、これに供給された音声ESを復号化(デコード)処理して、ベースバンドの音声データを得て、これを出力音声処理部422に供給する。出力音声処理部422は、これに供給された音声データに対して、例えば、フィルタ処理、フェード処理、話速変換処理、D/A変換処理等を行って、出力すべきアナログ音声信号を形成し、これを音声出力端子423に供給する。
これにより、多重/分離回路411において、デジタルI/F回路402から供給されたTS信号から分離された音声ESに応じた音声信号が音声出力端子423を通じて出力され、当該音声出力端子423に接続されたスピーカから当該音声信号に応じた音声が放音するようにされる。
また、映像デコーダ424は、これに供給された映像ESを復号化(デコード)処理して、ベースバンドの映像データを得て、これを出力映像処理部425に供給する。出力映像処理部425は、これに供給された映像データに対してフィルタ処理等の必要な処理を施した後、処理後の映像データを映像合成回路426に供給する。
映像合成回路426は、出力映像処理部425からの映像データに対して、制御部450から供給される文字情報などの情報が存在する場合にはこれを合成する処理を行うと共に、YCデータ(色差信号)への変換処理、D/A変換処理等を行って、出力用のアナログ映像信号を形成し、これを映像出力端子427に供給する。
これにより、多重/分離回路411において、デジタルI/F回路402から供給されたTS信号から分離された映像ESに応じた映像信号が映像出力端子427を通じて出力され、当該映像出力端子427に接続されたモニタ受像機の表示画面に当該映像信号に応じた映像が表示するようにされる。
このようにして、デジタル入出力端子401及びデジタルI/F回路402を通じて受け付けたAVデータなどのコンテンツデータは、HDD430のハードディスクに記録すると共に、再生用のアナログ音声信号、再生用のアナログ映像信号を形成し、音声出力端子423、映像出力端子427を通じて外部機器に供給し、これらの当該再生用のアナログ音声信号、再生用のアナログ映像信号に応じた音声、映像を再生したりすることができるようにしている。
[(2)デジタルチューナ404を利用する場合]
次に、デジタルチューナ404を通じて受信、選局したコンテンツデータを記録したり、再生したりする場合について説明する。デジタルチューナ部404は、この第2の実施の形態においてはデジタルBS/CSチューナであり、BSデジタル放送信号、CSデジタル放送信号を受信選局することができるものである。
なお、地上波デジタルテレビ放送用のチューナ部を設けることによって、地上波デジタルテレビ放送信号についても受信選局して利用できるようにすることももちろん可能である。しかし、その場合の動作はBSデジタル放送信号やCSデジタル放送信号を受信選局する場合とほぼ同様の処理となるため、この明細書においては省略する。
受信アンテナ403において受信された衛星からのデジタル放送信号は、デジタルチューナ404に供給される。デジタルチューナ404は、制御部450から供給されるユーザーからの選局指示に応じた選局制御信号に基づいて、目的とするデジタル放送信号を受信、選局し、この受信、選局したデジタル放送信号を多重/分離回路411に供給する。
デジタル放送信号は、番組伝送路としてのチャンネル毎に、PSI(Program Specific Information)と呼ばれる選局情報や電子番組案内表を形成するためのEPG(Electronic Program Guide)データなどの種々の制御データと共に、放送番組を構成する映像データや音声データ、その他の種々のデータがパケット化され、多重化されて送信されるものであり、いわゆるTS信号の形式とされたものである。
また、各パケットのそれぞれには、識別子(ID)が付加されており、この識別子によって、PSIデータやEPGデータを抽出したり、同じ番組を構成する映像(画像)パケットや音声パケットを抽出したりすることができるようにされている。
多重/分離回路411は、デジタルチューナ404からのTS信号からPSIやEPGデータを抽出し、これを制御部450に供給して、番組の選択を可能にすると共に、電子番組案内表を形成して、これをユーザーからの指示に応じて表示するように出力し、電子番組案内表を通じての番組選択や録画予約などを可能にする。なお、PSIやEPGデータは、例えば、不揮発性メモリ454に記憶保持しておくことも可能であるし、必要に応じてHDD430のハードディスクの所定の領域に格納し、必要に応じて読み出して制御部450において利用することもできるようにされている。
また、多重/分離回路411は、選択された番組の記録が指示されている場合には、デジタルチューナ404からのTS信号からユーザーにより選択された目的とする番組のビデオパケットとオーディオパケットとを抽出して、これらと必要な制御データとからなる新たなTS信号を形成し、これをHDD430に供給してHDD430のハードディスクに記録する。
同時に、多重/分離回路部411は、デジタルチューナ404からのTS信号から抽出した目的とする番組の音声パケットから音声ESを形成して、これを音声デコーダ421に供給し、また、当該TS信号から抽出した目的とする番組の映像パケットから映像ESを形成し、これを映像デコーダ424に供給する。
以降の処理は上述もしたように、音声ESについては、音声デコーダ421において復号化処理してベースバンドの音声データを得て、これに出力音声処理部422においてフィルタ処理等の必要な処理を行うと共に、D/A変換して出力用のアナログ音声信号を形成し、これが音声出力端子423を通じて出力するようにされる。
一方、映像ESについては、映像デコーダ424において復号化処理してベースバンドの映像データを得て、これに出力映像処理部425においてフィルタ処理等の必要な処理を施す。この後、出力映像処理部425においての処理後の映像データに対して、映像合成回路426において、制御部450からの文字情報などの表示用のデータを合成し、合成後の映像データをYCデータに変換すると共に、D/A変換して出力用のアナログ映像信号を形成し、これが映像出力端子427を通じて出力するようにされる。
このように、このHDDレコーダ6(3)においては、デジタルチューナ404を通じて受信、選局したデジタル放送信号から目的とする番組の映像データと音声データとを抽出し、これをHDD430のハードディスクに記録すると共に、同時にアナログ映像信号とアナログ音声信号とを形成して、これを出力することができるようにしている。つまり、デジタル放送信号として提供される目的とする番組をHDD430のハードディスクに記録しながら、その番組を視聴することもできるようにされている。
また、上述したように、多重/分離回路411において新たに形成するようにしたTS信号をデジタルI/F回路402、デジタル入出力端子401を通じて他の機器に供給するなどのこともできる。
[アナログチューナ406を利用する場合]
次に、アナログチューナ406を通じて、アナログ信号の入力を受け付け、これをHDD430のハードディスクに記録したり、アナログ出力したりする場合の動作について説明する。なお、アナログチューナとしては、地上波のアナログテレビ放送信号を受信選局するもの、地上波のAM(Amplitude Modulation)放送、FM(Frequency Modulation)放送のラジオ放送信号を受信選局するものがある。このHDDレコーダ6(3)において、アナログチューナ406は、地上波のアナログテレビ放送信号を受信選局するものとして説明する。
すなわち、アナログチューナ406は、地上波のアナログテレビ放送信号を受信、選局して復調し、アナログ音声信号とアナログ映像信号とを得て、アナログ音声信号は音声処理部407に、アナログ映像信号は映像処理部409にそれぞれ供給する。
音声処理部407は、これに供給されたアナログ音声信号をデジタル信号である音声データに変換し、これを音声エンコーダ408と出力音声処理部422とに供給する。音声エンコーダ408は、これに供給された音声データを所定のデータ圧縮方式、例えばMPEG方式に従ってデータ圧縮処理し、音声ESを形成し、これを多重分離部411に供給する。
一方、映像処理部409は、これに供給された映像信号をYC分離処理、すなわち、輝度信号Yと色差信号Cとに分離し、これらに対してA/D変換、クロマデコード等の処理を施し、デジタルコンポーネントビデオデータ(映像データ)に変換すると共に、プリフィルタ等の各種映像信号処理を施し、処理後の映像データを映像エンコーダ410と出力映像処理部425に供給する。
なお、映像処理部409は、これに供給された映像信号から同期分離して得た水平同期信号、垂直同期信号、フィールド判別信号に基づいて、各回路ブロックにおいて必要なタイミングを提供するクロック信号、同期信号を生成し、これを各回路ブロックに供給する機能をも備えるものである。
映像エンコーダ410は、映像処理部409からの映像データを所定のデータ圧縮方式、例えばMPEG方式に従ってデータ圧縮処理し、映像ESを生成して、これを多重/分離回路411に供給する。
多重/分離回路411は、記録時においては、音声エンコーダ408からの音声ESと映像エンコーダ410からの映像ESと各種制御信号との多重化処理を行う。つまり、記録時における多重/分離回路411は、これに入力されたMPEG音声ESと、MPEG映像ESと、各種制御信号とを合わせ、多重化処理を施し、例えばMPEGシステムのTS信号を生成する。ここで生成されたTS信号が、HDD430に供給され、HDD430のハードディスクに記録される。
また、上述もしたように、音声処理部407からの音声データは、出力音声処理部422にも供給され、また、映像処理部409からの映像データは、出力映像処理部425にも供給するようにされている。そして、出力音声処理部422は、上述もしたように、これに供給された音声データをD/A変換するなどして、出力用のアナログ音声信号を形成し、これを出力する。また、出力映像処理部425は、上述もしたように、出力用のアナログ映像信号を形成し、これを映像合成回路426を介して出力することができるようにしている。
すなわち、アナログチューナ406を通じて供給されたアナログ信号をデジタル信号に変換して、これをHDD430のハードディスクに記録する処理と並行して、この記録対象の音声データや映像データを再生して出力することもできるようにしている。
もちろん、アナログチューナ406を通じて取得した信号であって、デジタル信号に変換され、多重/分離回路411において形成されたTS信号などを、デジタルI/F回路402、デジタル入出力端子401を通じて出力するなどのこともできるようにされている。
[ハードディスクからの再生について]
次に、上述のようにしてHDD430のハードディスクに記録された映像データと音声データとを再生する場合の、このHDDレコーダ6(3)の動作について説明する。制御部450の制御により、HDD430のハードディスクから再生しようとする目的とするTS信号が読み出され、これが多重/分離回路411に供給される。
再生時において、多重/分離回路411は、HDD430のハードディスクから読み出されたTS信号から、ビデオES、オーディオESの分離処理を行い、分離した音声ESを音声デコーダ421に供給し、映像ESを映像デコーダ424に供給する。
音声デコーダ421以降の処理、および、映像デコーダ424以降の処理は、例えば、デジタルチューナ404からの信号を記録する場合において説明した通りである。すなわち、音声デコーダ421は、これに供給された音声ESの復号化処理を行いベースバンドの音声データを形成し、これを出力音声処理部422に供給し、ここでフィルタ処理などの必要な処理を行った後に、D/A変換して、出力用のアナログ音声信号を形成し、これを音声出力端子423に供給する。
一方、映像デコーダ424は、これに供給された映像ESの復号化処理を行いベースバンドの映像データを形成し、これを出力映像処理部425に供給し、ここでフィルタ処理などの必要な処理を行った後に、映像合成回路426に供給する。映像合成回路426は、これに供給される映像データに対して、制御部450からの表示情報を合成するようにしたのと、YCデータへの変換、D/A変換を行って、出力用のアナログ映像信号を形成し、これを映像出力端子427に供給する。
これにより、音声出力端子423、映像出力端子427の後段に接続されたスピーカ及びモニタ受像機、或いは、スピーカ及びモニタ受像機を備えたTVセットを通じて、HDD430のハードディスクから読み出された映像データ、音声データに応じた映像、音声を出力し、これを視聴することができるようにされる。
もちろん、HDD430のハードディスクから読み出された映像データ、音声データをデジタルI/F回路402、デジタル入出力端子401を通じて出力するようにすることも可能である。
[通信インターフェイスの利用について]
また、上述もしたように、このHDDレコーダ6(3)には、通信I/F回路441が設けられており、外部I/F463a、入出力端463bを通じてネットワークルータ7に接続し、例えば、電話回線などを経由してインターネット8に接続して、インターネット上の種々の商用サーバ装置から各種のデータを取得するなどのこともできるものである。
ここで、ダウンロード可能な各種のデータとしては、映像データや音声データの他、各種のプログラムやテキストデータなどである。映像データや音声データの場合には、多重/分離回路411を通じて、HDD430のハードディスクに記録することができる。
また、多重/分離回路411と、音声デコーダ421、出力音声処理部422、オーディオ出力端子423からなるオーディオ信号の再生系と、映像デコーダ424、出力映像処理部425、映像合成回路426、映像出力端子427からなる映像信号の再生系を用いることによって、通信ネットワークを通じて取得した映像データや音声データを再生し、これらを利用することもできるようにされる。
また、通信I/F回路441の機能により取得するようにした映像データや音声データをデジタルI/F回路402、デジタル入出力端子401を通じて、出力することもできるようにされている。
さらに、このHDDレコーダ6(3)において用いられるプログラムや制御データなどの提供を、ネットワークを通じて受けて、これを不揮発性メモリ454などに記録保持し、必要に応じてこれを利用するようにするなどのこともできる。
例えば、インターネットを通じて、このHDDレコーダ6(3)の機能をアップさせるようにしたり、EPGデータなどを事前に得て、予め電子番組案内表を作成したりしておくなどのこができるようにされる。
なお、この第2の実施の形態のHDDレコーダ6(3)において、音声エンコーダ、映像エンコーダは、例えば、MPEG方式のデータ圧縮方式に従って、音声データ、映像データのデータ圧縮処理を行うものであり、音声デコーダ421、映像デコーダ424は、MPEG方式でデータ圧縮されている音声ES、映像ESの復号化処理を行うものである。
このように、この第2の実施の形態のHDDレコーダ6(3)において、用いるデータ圧縮方式は、MPEG方式を用いるものとして説明したが、その他の圧縮方式を用いることも可能であるし、また、データ圧縮することなく、非圧縮のまま処理するように構成することももちろん可能である。
[他の処理部等について]
また、時計回路463は、上述もしたように、カレンダ機能を備え、現在年月日及び現在時刻を提供するものである。そして、制御部450と協働し、目的とする放送番組の予約録画機能をも実現することができるようにしている。
すなわち、キー操作部464やリモコン470を通じて、例えばEPGデータなどを通じて目的とする放送番組の録画予約情報(放送日時、放送チャンネルなどの情報)が入力されると、制御部450は、時計回路463が提供する現在時刻を監視し、録画予約情報の録画開始時刻になった場合に、各部を制御し、予約された放送番組をHDD430のハードディスクに録画するなどのことができるようにしている。
また、キー操作部464は、この第2の実施の形態のデータ通信システムで用いられるHDDレコーダ6(3)に設けられるものであり、電源のオン/オフキー、放送チャンネルの選択キー、録画開始キー、停止キー、再生開始キー、早送りキー、早戻しキー、一時停止キーなどの種々の操作キーが設けられたものである。
また、図29に示したように、制御部450には、外部I/F463a、入出力端463bが接続するようにされている。これら外部I/F463a、入出力端463bは、上述もしたように、外部機器との接続端部を構成し、ネットワークハブ5に接続された他の機器との間において、種々のデータの送受を行うことができるようにしている。
具体的な内容は後述するが、例えば、このHDDレコーダ6(3)のHDD430のハードディスクに録画したテレビ放送番組を、制御部450が読み出し、これを外部I/F463a、入出力端463bを通じて外部に出力し、ネットワークハブ5を介してサーバ装置2などに供給するなどのことができるようにしている。
[NAS6(4)の構成例について]
図30は、この第2の実施の形態のデータ通信システムで用いられるNAS6(4)の構成例を説明するためのブロック図である。NAS6(4)は、ネットワークに直接接続できるストレージ装置であり、別の言い方をすれば、当該ネットワークに接続された機器で共用されるストレージ装置である。
そして、図30に示すように、制御部501、操作部502、ハードディスクドライブ(以下、HDDという。)503、表示部504、外部I/F505a、入出力端505bを備えたものである。
制御部501は、この第2の実施の形態で用いられるNAS6(4)の各部を制御するものであり、CPU5011、ROM5012、RAM5013、不揮発性メモリ5014が、CPUバス5015を通じて接続されることにより形成されたマイクロコンピュータである。
CPU5011は、制御の主体となるものであり、後述するROM5012などに記憶保持されているプログラムを実行し、各部に供給する制御信号を形成して、これを各部に供給したり、各部からの信号を受け付けて、これを処理したりする。ROM5012は、上述もしたように、CPU5011によって実行される種々のプログラムや処理に必要になる各種のデータを記憶保持しているものである。
RAM5013は、各種の処理において途中結果を一時記憶するなど、主に作業領域として用いられるものである。不揮発性メモリ5014は、EEPROMやフラッシュメモリからなるものであり、NAS6(4)の電源が落とされても保持しておくべき情報、例えば、各種の設定パラメータ、機能追加などのために新たに提供されたプログラムなどを記憶保持するものである。
そして、制御部501に対しては、操作部502が接続されている。操作部502は、電源のオン/オフキー、種々のファンクションキーなど操作キーを備え、ユーザーからの操作入力を受け付けるものである。操作部502の電源のオン/オフキーを操作することにより、NAS6(4)の電源のオン/オフを行うことができる。
また、操作部502の種々の操作キーを通じて受け付けた使用者からの操作入力は、電気信号に変換され、制御部501に供給される。これにより、制御部501は、ユーザーからの指示に応じて各部を制御し、ユーザーの指示に応じた処理、例えば、環境設定処理などを行うことができるようにしている。
また、制御部501に対しては、HDD503、表示部504、外部I/F505aが接続されている。HDD503は、大容量のハードディスクを記録媒体として備えると共に、当該ハードディスクに対してデータを記録したり、当該ハードディスクからデータを読み出したりするハードディスクドライブを備えるものである。そして、HDD503は、制御部501の制御に応じて、制御部501からのデータをハードディスクに記録したり、ハードディスクから目的とするデータを読み出して制御部501に供給したりすることができるものである。
表示部504は、LCDや有機ELパネルなどの薄型の表示素子と、当該表示素子のコントローラとからなり、制御部501の制御により、動作状態などを表示してユーザーに通知する。また、表示部504にLED(Light Emitting Diode)などを設け、当該LEDの点灯、消灯、点滅を制御部501が制御し、LEDの状態により、動作状態などを通知するようにすることもできる。
また、外部I/F505aには入出力端505bが設けられており、これら外部I/F505aと入出力端505bとによって、外部機器との接続端部を構成している。この第2の実施の形態においては、図23に示したように、NAS6(4)の外部I/F505a及び入出力端505bには、ネットワークハブ5を介して、サーバ装置2などの種々の外部機器が接続するようにされる。
そして、この第2の実施の形態のデータ通信システムにおいて、NAS6(4)は、外部I/F505a及び入出力端505bを通じて自機宛の種々のデータを受け付けて、これを制御部501がHDD503に供給して、HDD503のハードディスクに記録するようにしたり、また、HDD503のハードディスクから目的とするデータを読み出し、これを外部I/F505a及び入出力端505bを通じて出力し、目的とする外部機器に供給したりすることができるようにしている。
[第2の実施の形態のデータ通信システムの基本的な機能について]
そして、この第2の実施の形態のデータ通信システムの場合には、上述もしたように、クレードル1は、図2に示した構成を有するものであり、このクレードル1には、図25に示した携帯電話端末4(1)、図4に示したデジタルスチルカメラ4(2)などの撮像装置、図26に示した携帯型オーディオプレーヤ4(3)、図27に示した携帯型ビデオプレーヤ4(4)等を載置することができるようにしている。
そして、クレードル1は、図24に示した構成のサーバ装置2接続され、このサーバ装置2は、ネットワークハブ5を介して、図28に示した構成のPC6(1)、6(2)や、図29に示した構成のHDDレコーダ6(3)や、図30に示した構成のNAS6(4)に接続可能とされ、これらのホーム機器との間でデータの送受を行うことができるようにされている。
また、サーバ装置2や、PC6(1)、6(2)などは、ネットワークハブ5とネットワークルータ7とを介して、インターネット8に接続し、インターネット8上の商用サーバ装置などにアクセスして、目的とするデータのダウンロードや自機が保持するデータのアップロードを行うことができるようにされている。
そして、この第2の実施の形態のデータ通信システムにおいての基本的な機能として、クレードル1に載置された種々のモバイル機器と、ネットワークハブ5に接続されたホーム機器6や、ネットワークルータ7を介して接続可能なインターネット8上の商用サーバ装置との間においてデータの送受を行えるようにしている。
図31は、この第2の実施の形態のデータ通信システムにおいて行われる基本的な処理パターンを説明するためのシーケンス図である。詳しくは後述するが、クレードル1は、自機へのモバイル機器4の載置を検出することができるものであり、モバイル機器の載置を検出すると、そのモバイル機器4に対して充電を行う処理を開始する(ステップS51)。
そして、クレードル1は、自機に載置されたモバイル機器4に対して、機器IDの問い合わせを行い(ステップS52)、これに応じて問い合わせ先のモバイル機器4からは、機器ID応答が送信されるので(ステップS53)、クレードル1は、これをサーバ装置2に中継する。
そして、サーバ装置2は、クレードル1を介して送信されてくるモバイル機器4からの機器ID応答に含まれる機器IDなどの情報に基づいて、当該モバイル機器4と、目的とするホーム機器6との間で、どのような処理を行うのかを特定する。すなわち、実行処理を特定する(ステップS54)。なお、ここでホーム機器6は、PC6(1)、6(2)、HDDレコーダ6(3)、NAS6(4)等の家庭内に設置される機器だけでなく、インターネット8上の商用サーバ装置などを含んでいる。
そして、クレードル1に載置されたモバイル機器4とホーム機器との間において実行可能な処理としては、以下に説明するパターン1とパターン2との2つのパターンがある。まず、パターン1は、モバイル機器4の蓄積データをホーム機器6にアップロードする処理である。すなわち、サーバ装置2が、機器ID応答に基づいて、モバイル機器4の蓄積データをホーム機器6にアップロードする処理を実行する処理として特定した場合、サーバ装置2は、当該モバイル機器4に対して蓄積データの送信要求を生成し、これをクレードル1を介して当該モバイル機器4に送信する(ステップS55)。
これに応じて、当該モバイル機器4は、要求された蓄積データを送信するので、クレードル1及びサーバ装置2は中継処理を行い、当該モバイル機器4からの蓄積データを目的とするホーム機器6に送信するようにする(ステップS56)。これにより、モバイル機器4から送信された蓄積データは、目的とするホーム機器6において受信され、所定の記録媒体に記録されて種々の利用ができるようにされる。
そして、蓄積データをホーム機器にアップロードした後においては、サーバ装置2からの制御により、モバイル機器4内の蓄積データを消去し、記録媒体の記憶容量を回復させる処理を行うようにすることもできる(ステップS57)。このように、モバイル機器4の蓄積データをホーム機器にアップロードする処理が、パターン1の処理である。
また、パターン2は、モバイル機器4にホーム機器6が蓄積しているデータをダウンロードする処理である。すなわち、サーバ装置2が、機器ID応答に基づいて、モバイル機器4にホーム機器6のデータをダウンロードする処理を実行する処理として特定した場合には、まず、サーバ装置2は、当該モバイル機器4の蓄積データを消去し、データの記憶容量を確保する処理を行う(ステップS58)。なお、このステップS58の処理は、モバイル機器4に十分な空き領域が存在する場合、あるいは、データの上書き記録を行う場合には行う必要は無い。
そして、サーバ装置2は、目的とするホーム機器6に対して蓄積データの送信要求を生成し、これを目的とするホーム機器6に送信する(ステップS59)。これに応じて、当該ホーム機器6からは、要求されたデータが送信されるので、クレードル1及びサーバ装置2は中継処理を行い、当該ホーム機器6からのデータを目的とするモバイル機器4に送信するようにする(ステップS60)。
これにより、ホーム機器6から送信された蓄積データは、目的とするモバイル機器4において受信され、所定の記録媒体に記録されて種々の利用ができるようにされる。このように、ホーム機器6の蓄積データをモバイル機器4にダウンロードする処理が、パターン2の処理である。
そして、図31に示したステップS54において、サーバ装置2よって行われる実行処理を特定する処理を行うためには、どのようなモバイル機器4がクレードル1に載置された場合に、どのホーム機器とどのような処理を行うのかを特定するための情報が必要になる。このため、この第2の実施の形態のデータ通信システムにおいて、サーバ装置2には、モバイル機器4とホーム機器6との間で行う処理を特定するための実行処理特定テーブルが予め用意される。
そして、実行処理特定テーブルの具体例としては、(1)モバイル機器種別に対して処理内容を登録して特定可能にしておくものと、(2)モバイル機器ごとに対して処理内容を登録して特定可能にしておくものとが考えられる。
ここで、(1)モバイル機器種別に対して処理内容を登録して特定可能にしておくものは、例えば、モバイル機器として複数の携帯電話端末が用いられる場合であっても、そのそれぞれの携帯電話端末について同じ処理を行えるようにするものである。これに対して、(2)モバイル機器ごとに対して処理内容を登録して特定可能にしておくものは、モバイル機器として複数の携帯電話端末が用いられる場合には、携帯電話端末毎に異なる処理を行えるようにするものである。
また、上述した(1)、(2)のいずれの実行処理特定テーブルを用いる場合であっても、モバイル機器やホーム機器の蓄積データに付加されたフラグ情報をも考慮して、送受するデータを特定することもできる。
以下においては、実行処理特定テーブルの具体例として、(1)モバイル機器種別に対して処理内容を登録して特定可能にしておくものと、(2)モバイル機器ごとに対して処理内容を登録して特定可能にしておくものとのそれぞれについて説明し、さらに、モバイル機器やホーム機器の蓄積データに付加されたフラグ情報をも考慮して、送受するデータを特定できるようにする場合についても具体的に説明する。
[(1)モバイル機器種別に対して処理内容を登録して特定可能にする実行処理特定テーブルの具体例について]
図32は、モバイル機器種別に対して処理内容を登録して形成する実行処理特定テーブルの具体例を説明するための図である。図32に示す実行処理特定テーブルの場合、その構成項目(構成要素)として、「モバイル機器種別」、「蓄積データ削除条件」、「転送方向」、「データ交換するホーム機器」、「転送条件等」の5つの情報を備える構成になっている。
「モバイル機器種別」は、図32に示すように、携帯型ビデオプレーヤ、携帯型オーディオプレーヤ、デジタルスチルカメラなどのモバイル機器の種類を示す情報であり、同じモバイル機器種別が重複することは無いようにされる。したがって、複数の携帯型ビデオプレーヤを用いる場合であっても、各携帯型ビデオプレーヤについて同じ処理が行うようにされることになる。
「蓄積データ削除条件」は、モバイル機器に蓄積されている蓄積データを、サーバ装置2からの制御により削除(消去)するか否かを示すと共に、削除する場合には削除(消去)の条件やタイミングを示す情報である。図32に示した例の場合、携帯型ビデオプレーヤの場合には、視聴済みの蓄積データについては削除(消去)するように、サーバ装置2が携帯型ビデオプレーヤを制御することができるようにされる。この場合の削除のタイミングは、処理内容から視聴済みの蓄積データの転送後である。
なお、この場合、携帯型ビデオプレーヤの蓄積データ(AVデータ)には、再生されて最後まで利用された場合に、視聴済みフラグが立てられるようにされており、当該視聴フラグに基づいて、視聴済みか否かを判断することができるようにされる。また、図32において、携帯型オーディオプレーヤとデジタルスチルカメラについては、蓄積データの削除(消去)を行わないことが登録されている。
また、「転送方向」は、蓄積データの転送の方向を示す情報であり、ホーム機器からモバイル機器に蓄積データを転送するのか、モバイル機器からホーム機器に蓄積データを転送するのかが示される。図32において、携帯型ビデオプレーヤと携帯型オーディオプレーヤの場合には、ホーム機器からモバイル機器にデータを提供すること(モバイル機器へのホーム機器からのデータのダウンロードを行うこと)が、デジタルスチルカメラの場合には、モバイル機器からホーム機器にデータを提供すること(モバイル機器からホーム機器へのデータのアップロードを行うこと)が登録されている。
また、「データ交換するホーム機器」は、当該モバイル機器とデータ交換を行う相手側のホーム機器を特定する情報である。図32においては、携帯型ビデオプレーヤはHDDレコーダと、携帯型オーディオプレーヤはPC1(パーソナルコンピュータ1)と、デジタルスチルカメラはPC2(パーソナルコンピュータ2)とデータ交換を行うことが登録されている。
そして、「転送条件等」が、蓄積データの転送処理に関する具体的な内容を規定する情報である。すなわち、図32に示した実行処理特定テーブルの場合、携帯型ビデオプレーヤに対しては、HDDレコーダの未転送の録画コンテンツを携帯型ビデオプレーヤの記憶容量いっぱいまで転送する処理を行うことが登録されている。
また、図32に示した例の場合、携帯型オーディオプレーヤに対しては、PC1の内容と当該携帯型オーディオプレーヤの内容との同期を取る処理を行うことが登録されている。具体的には、携帯型オーディオプレーヤに蓄積されていないオーディオデータであって、PC1に蓄積されているオーディオデータを携帯型オーディオプレーヤに転送する処理を行うことになる。
また、図32に示した例の場合、デジタルスチルカメラは、未転送の画像データをPC2に転送する処理を行うことが登録されている。なお、この場合、デジタルスチルカメラに蓄積されている画像データには、例えば、転送済みフラグが設けられ、ホーム機器への画像データの転送時に、ホーム機器に転送した画像データの転送済みフラグをオンとするようにすることにより、転送済みの画像データと未転送の画像データを当該転送済みフラグに基づいて判断することができる。
このような実行処理特定テーブルをサーバ装置2の例えば不揮発性メモリ214に予め登録しておくことにより、サーバ装置2は、クレードル1を介して送信されてくる機器ID応答に含まれる情報から、クレードル1に載置されたモバイル機器の種別(種類)を特定し、これに基づき図32に示した実行処理特定テーブルを参照することにより、当該モバイル機器について、どのような処理を行うのかを特定し、その特定した処理を行うことができるようにされる。
[(2)モバイル機器ごとに対して処理内容を登録して特定可能にする実行処理特定テーブルの具体例について]
図33は、個々のモバイル機器に対して処理内容を登録して形成する実行処理特定テーブルの具体例を説明するための図である。そして、図33Aが、サーバ装置からモバイル機器へのデータの転送処理(ホーム機器からモバイル機器へのデータのダウンロード処理)に関する実行処理特定テーブルであり、図33Bが、モバイル機器からホーム機器へのデータ転送処理(モバイル機器からホーム機器へのデータのアップロード処理)に関する実行処理特定テーブルである。
図33Aに示す実行処理特定テーブルの場合、その構成項目(構成要素)として、「モバイル機器」、「蓄積データ削除条件」、「転送元のホーム機器」、「転送条件等」の4つの情報を備える構成になっている。また、図33Bに示す実行処理特定テーブルの場合、その構成項目(構成要素)として、「モバイル機器」、「蓄積データ削除条件」、「転送先のホーム機器」、「転送条件等」の4つの情報を備える構成になっている。
図33A、Bにおいて、「モバイル機器」は、個々のモバイル機器を特定可能な、例えば、機器IDや製造番号などの各モバイル機器に固有の情報である。したがって、図33Aに示すように、携帯型ビデオプレーヤ−1、携帯型ビデオプレーヤ−2というように、同じ種類のモバイル機器が複数存在する場合に、そのそれぞれのモバイル機器を特定することができるようにされる。
また、図33A、Bにおいて、「蓄積データの削除条件」と「転送条件等」の2つの項目は、図32を用いて説明した実行処理特定テーブルの対応する項目と同じ意味の項目である。したがって、「蓄積データの削除条件」は、モバイル機器に蓄積されている蓄積データを、サーバ装置2からの制御により削除(消去)するか否かを示すと共に、削除する場合には削除(消去)の条件やタイミングを示す情報である。また、「転送条件等」は、蓄積データの転送処理に関する具体的な内容を規定する情報である。
そして、図33Aにおいて、「転送元のホーム機器」が、モバイル機器がデータの提供を受けるデータの提供元(ダウンロード元)のホーム機器を特定する情報である。また、図33Bにおいて、「転送先のホーム機器」が、モバイル機器が蓄積データをアップロードする先のホーム機器を特定する情報である。
そして、図33Aに示した実行処理特定テーブルの場合、携帯型ビデオプレーヤ−1については、視聴済みの蓄積データを削除し、HDDレコーダから携帯型ビデオプレーヤ−1に対して、未転送の録画コンテンツを携帯型ビデオプレーヤ1の記憶容量いっぱいに転送する処理を行うことが登録されている。
また、図33Aに示した実行処理特定テーブルの場合、携帯型ビデオプレーヤ−2については、蓄積データの自動削除は行わずに、PC1から携帯型ビデオプレーヤ−2に対して、未転送の「お笑い番組」があれば、これを携帯型ビデオプレーヤ−2に転送する処理を行うことが登録されている。
また、図33Bに示した実行処理特定テーブルの場合、デジタルスチルカメラについては、当該デジタルスチルカメラが蓄積している全静止画像データをPC2に転送した後、転送した静止画像データを削除する処理を行うことが登録されている。また、図33Bに示した実行処理特定テーブルの場合、デジタルビデオカメラについては、蓄積データの自動削除は行わずに、デジタルビデオカメラの未転送の動画像データをNASに転送する処理を行うことが登録されている。
このように、サーバ装置2に予め登録するようにする実行処理特定テーブルとしては、図32を用いて説明したように、モバイル機器種別ごとにその処理内容を登録するようにしておくこともできるし、図33を用いて説明したように、個々のモバイル機器毎にその処理内容を登録しておくようにすることができる。
そして、前者の場合には、同じ種類のモバイル機器を複数利用しない場合や、同じ種類のモバイル機器を複数利用する場合であっても、そのそれぞれについて同じ処理を行うようにした場合に適している。また、後者の場合には、同じ種類のモバイル機器を複数利用する場合であって、そのそれぞれ毎に異なる処理を行うようにしたい場合には適している。近年においては、家族のそれぞれが携帯電話端末などのモバイル機器を利用している場合が多く、このような状況においては、モバイル機器毎に異なる処理を行うことができるようにする後者の方式の方が適している。
また、図32の実行処理特定テーブルの場合には、転送方向を特定する情報をも備えるようにしたが、これを図33の実行処理テーブルのように、転送方向に応じて異なるテーブルとすることも可能である。これとは逆に、図33A、Bに示した2つテーブルを、転送方向を特定する情報をも備えるようにすることにより、図32に示したように、1つのテーブルとして構成することも可能である。
また、上述もしたように、モバイル機器に蓄積される蓄積データやホーム機器に蓄積される蓄積データに、目的にあったフラグ情報を付加することにより、フラグ情報を用いた処理を規定することももちろん可能である。
図34は、図32の場合と同様に、モバイル機器種別に対して処理内容を登録するようにした場合の実行処理特定テーブルにおいて、蓄積データのフラグ情報をも用いた処理内容を登録するようにした場合の例を説明するための図である。図34において、実行処理特定テーブルを構成する項目(「モバイル機器種別」、「蓄積データの削除条件」、「転送方向」、「データ交換するホーム機器」、「転送条件等」)の内容は、図32において説明した通りである。
そして、図34に示す実行処理特定テーブルの場合、「転送条件等」の内容が、蓄積データのフラグ情報を考慮したものとなっている。すなわち、図34に示す実行処理特定テーブルにおいて1番目の登録情報は、携帯型ビデオプレーヤの視聴済み蓄積データは削除し、HDDレコーダから転送フラグの立っているコンテンツを当該携帯型ビデオプレーヤに転送する処理を行うことを示すものである。
また、図34に示す実行処理特定テーブルにおいて2番目の登録情報は、デジタルスチルカメラの蓄積データの削除は行わずに、当該デジタルスチルカメラの共有フラグが立っている画像データをインターネット上の所定の写真共有サービスサーバ装置に対してアップロードする処理を行うことを示すものである。なお、アップロード先の写真共有サービスサーバ装置は、データ交換するホーム機器の欄に示されるURL(Uniform Resource Locator)によって特定することができるようにされる。
そして、この場合、モバイル機器やホーム機器に蓄積される蓄積データに対して、フラグ情報が付加される。図35は、フラグ情報を有する蓄積データのレイアウト例を説明するための図である。図35Aは、ホーム機器であるHDDレコーダの録画番組情報テーブル(蓄積データテーブル)を示し、図35Bは、モバイル機器であるデジタルスチルカメラの撮影画像情報テーブル(蓄積データテーブル)を示している。
図35Aに示すように、HDDレコーダの録画番組情報テーブルは、HDDレコーダに蓄積している録画番組についてのテーブル情報であり、データID、番組名、録画情報、転送フラグからなるものである。ここで、データIDは、コンテンツデータである録画番組を一意に特定可能な情報であり、例えば、録画番組が記録されたファイルのファイルIDに相当する。番組名は、当該録画番組の番組名であり、例えば、EPGなどの情報から取得されたものである。また、録画情報は、録画時において、制御部450や時計回路461から取得した情報であり、いつ、どのチャンネルで放送された、録画番組かを示す情報である。そして、転送フラグが、モバイル機器への転送を許可するか否かを示す情報であり、「No」の場合には転送不可を意味し、「Yes」の場合には転送可を意味する。
したがって、図34に示した実行処理特定テーブルの1番目に登録された情報に応じた処理を行う場合には、図35Aにおいて、転送フラグが立っている(「Yes」となっている)録画番組を特定し、これを携帯型ビデオプレーヤに転送する処理(ダウンロードする処理)を行うことになる。なお、転送フラグは、HDDレコーダにおいて、録画番組毎にユーザーが設定することができるようにされる。これは、録画時において予め決められた情報に基づいて設定することもできるし、録画後において設定したり、変更したりすることも可能である。
また、図35Bに示すように、デジタルスチルカメラの撮影画像情報テーブルは、デジタルスチルカメラに蓄積している画像データについてのテーブル情報であり、データID、データ形式、撮影日時、共有フラグからなるものである。ここで、データIDは、撮影されることにより得た被写体の画像データを一意に特定可能な情報であり、例えば、画像データが記録されたファイルのファイルIDに相当する。データ形式は、そのデータの形式を示すものであり、例えば、JPEG(Joint Photographic Experts Group)方式でデータ圧縮されたものである場合には「JPEG」と記録されるなど、そのデータの形式を示す情報である。また、撮影日時は、各画像データを得た日時情報(撮影を行ったときの日時情報)である。そして、共有フラグが、インターネット上の写真共有サービスサーバ装置にアップロードして一般に公開してもよいものか否かを示す情報であり、「No」の場合には共有不可を意味し、「Yes」の場合には供給可を意味する。
したがって、図34に示した実行処理特定テーブルの2番目に登録された情報に応じた処理を行う場合には、図35Bにおいて、共有フラグが立っている(「Yes」となっている)画像データを特定し、これを写真共有サービスサーバ装置にアップロードする処理を行うことになる。なお、共有フラグは、デジタルスチルカメラにおいて、ユーザーが設定することができるようにされる。これは、撮影時において予め決められた情報に基づいて設定することもできるし、撮影後において画像データ毎に設定したり、変更したりすることも可能である。
なお、図32、図33、図34を用いて説明した実行処理特定テーブルは、その一例を示したものであり、この他にも種々の項目を備えた種々の態様のテーブルを形成し、これを用いることもできる。また、図35に示した蓄積データテーブルも、その一例を示したものであり、この他にも種々の項目を備えた種々の内容の蓄積データテーブルを形成し、これを用いるようにすることもできる。また、蓄積データのヘッダ部などにフラグ情報を付加するようにして、これを用いるようにすることもできる。
[第2の実施の形態のデータ通信システムにおける処理の具体例について]
次に、この第2の実施の形態のデータ通信システムで行われる処理の具体例について詳細に説明する。以下においては、(A)ホーム機器からモバイル機器にデータを転送する場合、(B)モバイル機器からホーム機器にデータを転送する場合、(C)モバイル機器からホーム機器にデータを転送し、当該データに基づいてホーム機器で処理を行う場合、(D)モバイル機器からインターネット8上の所定の商用サーバ装置にデータをアップロードする場合のそれぞれについて説明する。
[実行処理特定テーブルの具体例について]
上述した(A)〜(D)のそれぞれの処理を実行するために、この第2の実施の形態のデータ通信システムのサーバ装置2の例えば不揮発性メモリ214には、図36に示す実行処理特定テーブルが形成される。図36は、この例において、サーバ装置2の不揮発性メモリ214に形成される実行処理特定テーブルを説明するための図である。
この例の実行処理特定テーブルは、各モバイル機器に対して処理内容が登録するようにされたものである。そして、図36に示すように、この例の実行処理特定テーブルは、構成項目として、「No.」、「モバイル機器」、「使用者ID」、「データ種別」、「蓄積データの削除条件」、「転送方向」、「データ交換するホーム機器」、「転送条件等」を有するものである。
そして、「モバイル機器」は、図33を用いて説明した実行処理特定テーブルの「モバイル機器」と同様に、各モバイル機器を特定することができる情報である。また、「蓄積データの削除条件」、「転送方向」、「データ交換するホーム機器」、「転送条件等」のそれぞれは、図32を用いて説明した実行処理特定テーブルの対応する各構成項目と同じ意味のものである。
そして、図36に示す実行処理特定テーブルにおいて、「No.」は、シーケンス番号を示すものである。また、「使用者ID」は、各モバイル機器の使用者を特定する情報である。また、「データ種別」は、転送対象のデータの種類を特定するための情報であり、「静止画像データ」、「動画像データ」、「メールデータ」、「音楽データ」などを示す情報である。
そして、図36において、「No.1」に登録された情報は、携帯型ビデオプレーヤの視聴済みデータを削除し、HDDレコーダに蓄積されている未転送の録画コンテンツ(動画データ)を携帯型ビデオプレーヤに転送する処理を行うことを指示するものである。また、「No.2」に登録された情報は、デジタルスチルカメラ1の撮影画像データ(静止画像データ)を全てNASに転送した後に、当該デジタルスチルカメラ1の撮影画像データを全て削除する処理を行うことを指示するものである。
また、「No.3」に登録された情報は、携帯電話端末1の蓄積データの削除は行うことなく、携帯電話端末1の撮影画像データ(静止画像データ)と電子メールデータとをPC1に転送し、PC1において、受信した電子メールデータのアドレス情報に基づいて、住所録を更新する処理を行うことを指示するものである。また、「No.4」に登録された情報は、携帯電話端末2の撮影画像データ(静止画像データ)を全てPC2に転送した後に、当該携帯電話端末2の撮影画像データを全て削除する処理を行うことを指示するものである。
また、「No.5」に登録された情報は、デジタルスチルカメラ2の蓄積データの削除は行うことなく、デジタルスチルカメラ2の撮影画像データ(静止画像データ)を全てインターネット8上の写真共有サービスサーバ装置に転送することを指示するものである。
以下、図36に示した実行処理特定テーブルを用いて処理を行う場合の、この第2の実施の形態のデータ通信システムにおける処理について具体的に説明する。
[(A)ホーム機器からモバイル機器にデータを転送する場合について]
まず、ホーム機器からモバイル機器にデータを転送する場合の具体例について説明する。ここでは、モバイル機器が、図27を用いて説明した携帯帯型ビデオプレーヤ4(4)であり、ホーム機器が、図29を用いて説明したHDDレコーダ6(3)である場合を例にして説明する。
図37、図38は、この例において、データ通信システム(データ通信ネットワーク)を構成する各機器の動作の概要を説明するためのシーケンス図である。図37に示すように、クレードル1は、自機に電源が投入された状態にあるときには、載置検出部16の機能により、所定の間隔ごとにモバイル機器4が載置されたか否かを判断する(ステップS61)。この第2の実施の形態においても第1の実施の形態の場合と同様に、クレードル1に対しては、1度に複数台のモバイル機器を載置することができるようにされており、新たなモバイル機器が載置される毎にモバイル機器が載置されたことを検出することができるようにしている。
そして、ステップS61の判断処理において、モバイル機器4は載置されていないと判断したときには、ステップS61の判断処理を繰り返し、モバイル機器の載置待ちとなる。また、ステップS61の判断処理において、モバイル機器4が載置されたと判断した場合には、詳しくは後述もするように、充電容量が少ないバッテリのモバイル機器に対して、充電を開始する処理を行うようにする(ステップS62)。
この後、クレードル1は、送受信制御部17が無線通信部15aを制御し、自機に新たに載置されたモバイル機器、この例の場合には図37に示すように携帯型ビデオプレーヤ4(4)に対して、機器ID問合せ要求を送信する(ステップS63)。
携帯型ビデオプレーヤ4(4)は、送受信アンテナ210b、無線通信部210aを通じてクレードル1からの機器ID問合せ要求を受信すると、制御部201が無線通信部210aを制御し、自機の不揮発性メモリ2014に記憶保持している機器IDなどの情報からなる機器ID応答を形成して送信する(ステップS64)。この機器ID応答は、クレードル1の中継により、サーバ装置2に送信される。
そして、サーバ装置2は、クレードル1を介して送信されてくる機器ID応答に含まれる情報に基づいて、クレードル1に載置されたモバイル機器は何かを特定し、その特定した情報に基づいて、図36に示した実行処理特定テーブルを参照して、実行すべき処理をも特定する(ステップS65A)。
この例の場合、クレードル1に載置されたモバイル機器は、携帯型ビデオプレーヤ4(4)であるので、サーバ装置2は、図36に示した「No.1」として登録された情報に従った処理を行うと特定する。すなわち、クレードル1に載置された携帯型ビデオプレーヤ4(4)の視聴済み動画データを消去して、記憶容量を確保した後、HDDレコーダ6(3)に蓄積されている未転送の録画コンテンツを、携帯型ビデオプレーヤ4(4)に当該携帯型ビデオプレーヤ4(4)の記憶容量いっぱいに転送する処理を行うことを特定する。
そして、サーバ装置2の制御部21は、特定した処理内容にしたがって、まず、視聴済みコンテンツの削除要求を形成し、これを送受信制御部27が、外部I/F26aを制御して、携帯型ビデオプレーヤ4(4)に送信する(ステップS66)。この視聴済みコンテンツの削除要求は、クレードル1を介して、携帯型ビデオプレーヤ4(4)に送信される。
携帯型ビデオプレーヤ4(4)の制御部201は、送受信アンテナ210b、無線通信部210aを通じて自機宛の視聴済みコンテンツの削除要求を受信すると、コンテンツ記憶部205に記憶されているコンテンツデータの内、後述もするように、視聴済みフラグがオンになっているコンテンツデータを削除する処理を実行し(ステップS67)、当該削除処理が終了した場合には、削除完了報告を形成して、これを無線通信部210a、送受信アンテナ210bを通じてサーバ装置2に対して送信する(ステップS68)。
そして、サーバ装置2の制御部21は、クレードル1を介して送信されてくる携帯型ビデオプレーヤ4(4)からの削除完了報告を入出力端26b、外部I/F26aを通じて受信すると、図38に示す処理に進み、HDDレコーダ6(3)に対して、未転送の録画済コンテンツを携帯型ビデオプレーヤ4(4)に転送することを要求する録画コンテンツ転送要求を形成し、これを送受信制御部27が、外部I/F32a、入出力端32bを通じてHDDレコーダ6(3)に送信する(ステップS69)。この録画コンテンツ転送要求は、ネットワークハブ5を介してHDDレコーダ6(3)に送信される。
HDDレコーダ6(3)は、入出力端463b、外部I/F463aを通じて、自機宛の録画コンテンツ転送要求を受信すると、制御部450は、HDD430を制御し、未転送の録画コンテンツを読み出して、これを外部I/F463a、入出力端463bを通じて携帯型ビデオプレーヤ4(4)に転送するようにする(ステップS70)。送信された録画コンテンツは、ネットワークハブ5、サーバ装置2、クレードル1を介して携帯型ビデオプレーヤ4(4)に転送される。
携帯型ビデオプレーヤ4(4)は、送受信アンテナ210b、無線通信部210aを通じて自機宛のコンテンツデータを受信すると、制御部201は、コンテンツ記憶部205を制御して、受信した録画コンテンツを記録する処理を行う(ステップS71)。この場合、制御部201は、コンテンツ記憶部205の空き容量を監視しており(ステップS72)、空き容量が無くなったら、送信停止要求を形成して、これを無線通信部210a、送受信アンテナ210bを通じて送信する(ステップS73)。この送信停止要求は、クレードル1、サーバ装置2、ネットワークハブ5を介してHDDレコーダ6(3)送信される。
HDDレコーダ6(3)は、入出力端463b、外部I/F463aを通じて、送信停止要求を受信すると、制御部21は各部を制御し、録画コンテンツの送信処理を終了させる(ステップS74)。
そして、クレードル1は、携帯型ビデオプレーヤ4(4)のバッテリ203に対する充電が完了するまで充電処理を続行し(ステップS75)、充電が完了したと判断したときには、携帯型ビデオプレーヤ4(4)のバッテリ203に対する充電処理を終了させる(ステップS76)。
これにより、HDDレコーダ6(3)からクレードル1に載置された携帯型ビデオプレーヤ4(4)に対する録画コンテンツの転送処理が終了する。なお、録画コンテンツがHDDレコーダ6(3)に存在しない場合には、図37に示したステップS70〜ステップS74の処理は行わないようにされる。また、携帯型ビデオプレーヤ4(4)の記憶容量がいっぱいになる前に、HDDレコーダ6(3)の録画済みコンテンツを転送し終えた場合には、例えば、HDDレコーダ6(3)から携帯型ビデオプレーヤ4(4)に録画コンテンツの転送終了通知を送信した後に、ステップS74の処理が行うようにされる。
[蓄積データのレイアウト例について]
なお、この例の場合、携帯型ビデオプレーヤ4(4)のコンテンツ記憶部205に記憶保持されているコンテンツデータ(動画像データ)には、そのヘッダ部などに視聴済みフラグを付加するようにしておくことにより、サーバ装置2からの制御に応じて、視聴済みコンテンツの削除処理を行うことができる。
図39は、携帯型ビデオプレーヤ4(4)のコンテンツ記憶部205に記憶保持される蓄積データである動画像データのレイアウト例を説明するための図である。図39に示すように、当該動画像データのヘッダ部分には、装置ID、データID、データ属性、作成日時、プロテクト、データサイズ、視聴済みフラグ、その他の情報が付加される。
装置IDは、当該蓄積データを蓄積している装置を特定する情報である。データIDは、当該蓄積データを一意に特定可能なものである。データ属性は、当該蓄積データが静止画像データなのか、動画像データなのか、音声データなのか等のデータの種類を示す情報である。作成日時は、蓄積データを取得してコンテンツ記憶部205に記録した日時を示す情報である。
また、プロテクトは、例えば、プロテクトがかけら得ている場合にはオン、掛けられていない場合にはオフとなる情報であり、プロテクトがかけられている場合には、これを解除しない限り、消去することができないようにされる。データサイズは、当該蓄積データの大きさを示す情報である。
そして、視聴済みフラグは、最後まで再生されていない状態では「オフ(0)」であり、当該蓄積データを最後まで再生し終えた場合に、携帯型ビデオプレーヤ4(4)の制御部201の機能により、コンテンツ記憶部205が制御されて、「オン(1)」とされる情報である。これにより、視聴済みフラグが「オン(1)」である蓄積データを削除することにより、視聴済みコンテンツの削除処理を行うことができるようにされる。
また、この例の場合、HDDレコーダ6(3)のHDD430に記憶保持されているコンテンツデータ(動画像データ)には、そのヘッダ部などに転送済みフラグを付加するようにしておくことにより、サーバ装置2からの制御に応じて、未転送のコンテンツデータを抽出してこれをモバイル機器に転送することができる。
図40は、HDDレコーダ6(3)のHDD430に記憶保持される蓄積データである録画済みコンテンツのレイアウト例を説明するための図である。図40に示すように、当該録画済みコンテンツ(動画像データ)のヘッダ部分には、データID、データ属性、番組名、録画情報、転送済みフラグ、その他の情報が付加される。
データIDは、当該蓄積データを一意に特定可能なものである。データ属性は、当該蓄積データが静止画像データなのか、動画像データなのか、音声データなのか等のデータの種類を示す情報である。また、番組名は、当該録画済みコンテンツの番組名であり、例えば、EPGなどの情報から取得されたものである。
また、録画情報は、録画時において、制御部450や時計回路461から取得した情報であり、いつ、どのチャンネルで放送された、録画番組かを示す情報である。そして、転送済みフラグが、モバイル機器に転送したものか否かを示す情報であり、「オフ(0)」の場合には未転送を意味し、「オン(1)」の場合には転送済みを意味する。
これにより、転送済みフラグが「オフ(0)」である蓄積データを抽出して転送することにより、未転送の録画済みコンテンツだけを携帯型ビデオプレーヤ4(4)に転送することができるようにされる。この場合、録画コンテンツの転送を行った場合には、転送済みフラグが制御部450の制御により「オン(1)」に書き換えられる。
なお、例えば、転送済みフラグに替えて、例えば、既転送先1、既転送先2、既転送先3のように、当該録画コンテンツを転送した相手先の機器IDを保持するようにすれば、モバイル機器毎に転送済みか、未転送かを把握することができるので、モバイル機器毎に未転送の録画コンテンツを抽出して転送することができる。
[(A)の場合のクレードル1の動作について]
次に、図37、図38を用いて説明したホーム機器からモバイル機器にデータを転送する場合の具体例におけるクレードル1の処理について説明する。図41は、ホーム機器からモバイル機器にデータを転送する場合のクレードル1において行われる処理を説明するためのフローチャートである。
この図41に示す処理は、クレードル1において電源が投入された状態にあるときに主に制御部11と送受信制御部17とによって実行される。なお、上述もしたように、この第2の実施の形態のクレードル1に対しても、第1の実施の形態の場合と同様に、1度に複数のモバイル機器を載置することが可能であり、モバイル機器の載置可能最大台数分の図41に示す処理が、いわゆるマルチタスクで実行することができるようにしている。
そして、電源が投入されると、クレードル1の制御部11は、載置検出部16を制御して、モバイル機器の載置検出を開始し、モバイル機器が自機に載置されたか否かを判断する(ステップS3101)。ステップS3101の判断処理においてモバイル機器は載置されていないと判断したときには、モバイル機器の載置検出を繰り返すようにし、モバイル機器が載置されるのを待つ。
ステップS3101の判断処理において、モバイル機器が載置されたと判断したときには、制御部11は、充電制御部19を制御し、新たに載置されたモバイル機器4のバッテリの充電容量を確認する(ステップS3102)。このステップS3102の処理は、モバイル機器4のバッテリの電圧などを検出するなど、電気的な検出処理によって確認することが可能である。
そして、制御部11は、ステップS3102の確認結果に基づいて、新たに載置されたモバイル機器4に対して充電が必要か否かを判断し(ステップS3103)、充電が必要であると判断したときには、制御部11は、充電制御部19を制御して、新たに載置された当該モバイル機器4のバッテリに対して充電を開始させるようにする(ステップS3104)。また、ステップS3103の判断処理において、充電は必要ないと判断したときには、ステップS3105の処理に進む。
次に、制御部11は、図7Bを用いて説明した機器ID問合せコマンドデータを形成し、これを送受信制御部17が無線通信部15a、送受信アンテナ15bを制御して、これらを通じて新たに載置されたモバイル機器4(この例の場合には携帯型ビデオプレーヤ4(4))に送信する(ステップS3105)。これに応じてモバイル機器4から機器ID応答が送信されてくるので、クレードル1の送受信制御部17は、送受信アンテナ15b、無線通信部15aを通じて、モバイル機器4からの図7Cを用いて説明した機器ID応答を受信し、これを外部I/F14a、入出力端14bを通じてサーバ装置2に送信する、機器ID応答の中継処理を行う(ステップS3106)。
この後、クレードル1は、サーバ装置2とクレードル1に載置されたモバイル機器との間においての、情報の中継処理を行う(ステップS3107)。すなわち、ステップS3107においては、図37、図38を用いて説明したように、サーバ装置2とモバイル機器である携帯型ビデオプレーヤ4(4)との間において送受される、視聴済みコンテンツ削除要求、削除完了報告、録画済みコンテンツ、送信停止要求等の要求やデータ等の情報の中継処理が行われる。
そして、一連の情報の中継処理が終了すると、クレードル1の制御部11は、充電制御部19を制御してモバイル機器4のバッテリの充電容量を確認するようにし(ステップS3108)、ステップS3108の確認の結果に基づいて充電は完了したか否かを判断する(ステップS3109)。ステップS3109の判断処理において、まだ充電は完了していないと判断したときには、ステップS3108からの処理を繰り返す。
また、ステップS3109の判断処理において、充電は完了したと判断したときには、クレードル1の制御部11は、充電制御部19を制御し、充電が完了したと判断したモバイル機器4に対する充電処理を終了させ(ステップS3110)、この図41に示す処理を終了させる。
なお、ステップS3103において充電は必要ないと判断し、ステップS3104において充電を開始するようにしなかった場合には、ステップS3108、ステップS3109の処理を通じて充電は必要ないと判断することができ、ステップS3110の処理をスルーして、図41に示す処理を終了させることができる。
このように、クレードル1は、自機にモバイル機器4が載置されたことを検出した場合に、モバイル機器4から機器IDを取得し、これをサーバ装置2に通知して、サーバ装置2における処理の開始の契機を提供することができるようにしている。
[(A)の場合のサーバ装置2の動作について]
次に、図37、図38を用いて説明したホーム機器からモバイル機器にデータを転送する場合の具体例におけるサーバ装置2の処理について説明する。図42は、この第2の実施の形態のデータ通信システムのサーバ装置2が実行するメイン処理を説明するためのフローチャートであり、図43は、ホーム機器からモバイル機器にデータを転送する場合に、図42に示すステップS3205において実行される処理を説明するためのフローチャートである。そして、メイン処理である図42に示す処理は、サーバ装置2において電源が投入された状態にあるときに主に制御部21と送受信制御部27とによって実行される。
電源が投入されると、サーバ装置2の送受信制御部27は、入出力端26b、外部I/F26aを通じて、クレードル1からのクレードル1に載置されたモバイル機器の機器ID報告を受信したか否かを判断する(ステップS3201)。ステップS3201の判断処理において、まだ機器ID報告を受信していないと判断したときには、ステップS3201からの処理を繰り返し、クレードル1に載置されたモバイル機器の機器ID報告の受信待ちとなる。
ステップS3201の判断処理において、クレードル1からの機器ID報告を受信したと判断したときには、制御部21は、受信した機器ID報告に含まれる情報に基づいて、クレードル1に載置されたモバイル機器を特定し、図36を用いて説明した実行処理特定テーブルを参照する(ステップS3202)。
そして、制御部21は、実行すべき処理が、実行処理特定テーブルに登録されているか否かを判断する(ステップS3203)。ステップS3203の判断処理において、実行すべき処理が登録されていないと判断したときには、図42に示す処理を終了し、クレードル1に載置されたモバイル機器とホーム機器等との連携処理は行わず、モバイル機器に対する充電処理だけが行うようにされる。
ステップS3203の判断処理において、実行すべき処理が登録されていると判断したときには、その登録情報に基づいて実行すべき処理を特定し、連携する機器を登録するようにする(ステップS3204)。すなわち、この例の場合、クレードル1に載置されたモバイル機器は、携帯型ビデオプレーヤ4(4)であり、図36を用いて説明した実行処理特定テーブルの「No.1」に登録された情報が対応する情報である。
したがって、サーバ装置2の制御部21は、実行すべき処理は、「携帯型ビデオプレーヤ4(4)の視聴済みコンテンツを削除した後に、HDDレコーダ6(3)の録画コンテンツを当該携帯型ビデオプレーヤ4(4)に転送する処理」を実行すべき処理として特定し、連携する機器は、携帯型ビデオプレーヤ4(4)とHDDレコーダ6(3)とであることを自機の不揮発性メモリ214に登録する。
なお、連携する機器を登録するのは、クレードル1に対しては複数のモバイル機器を搭載することが可能であり、複数のモバイル機器がクレードル1に対して載置された場合であっても、連携する機器を適切に制御するためである。
そして、サーバ装置2の制御部21は、ステップS3204において特定した処理を実行する(ステップS3205)。この場合、実行すべき処理が特定されれば、そのために実行すべきサブルーチンも特定することができるようにされ、その特定されたサブルーチンがステップS3205において実行されることになる。
ステップS3205における特定した処理が終了すると、サーバ装置2の制御部21は、ステップS3204において不揮発性メモリ214に登録した連携する機器を特定する情報を消去し、図42に示す処理を終了する。
次に、図42に示した処理のステップS3205において実行される具体的な処理について説明する。図43は、この例において、サーバ装置2が実行する図42に示したメイン処理のステップS3205において実行される処理を説明するためのフローチャートである。
この場合、サーバ装置2の制御部21は、視聴済みコンテンツの消去要求を形成し、これを、送受信制御部27が外部I/F26a、入出力端26bを通じて出力する(ステップS5301)。この視聴済みコンテンツの消去要求は、クレードル1を介して、クレードル1に載置されたモバイル機器である携帯型ビデオプレーヤ4(4)に送信される。
そして、サーバ装置2の制御部21は、入出力端26b、外部I/F26aを通じて携帯型ビデオプレーヤ4(4)からの視聴済みコンテンツの削除完了通知の受信待ちとなる(ステップS3302)。このステップS3302の判断処理において、削除完了通知を受信したと判断したときには、制御部21は、録画コンテンツ転送要求を形成して、これを送受信制御部27が、外部I/F32a、入出力端32bを通じてHDDレコーダ6(3)に送信するようにする(ステップS3303)。
これに応じて、HDDレコーダ6(3)から、録画コンテンツが送信されてくるので、サーバ装置2の送受信制御部27が、入出力端32b、外部I/F32aを通じて受信して、これを外部I/F26a、入出力端26bを通じて、携帯型ビデオプレーヤ4(4)に対して送信する中継処理を行うと共に(ステップS3304)、携帯型ビデオプレーヤ4(4)から送信されてくる送信停止要求を、入出力端26b、外部I/F26aを通じて受信し、これを外部I/F32a、入出力端32bを通じて、HDDレコーダ6(3)に送信する中継処理を行って(ステップS3305)、この図43に示す処理を終了する。
このように、この例のサーバ装置2は、クレードル1にモバイル機器が載置された場合に、その載置されたモバイル機器を特定して、これに応じて実行すべき処理も特定し、連携するモバイル機器とホーム機器とを制御するようにして、目的とする処理を実行するようにしている。
[(A)の場合の携帯型ビデオプレーヤ4(4)の動作について]
次に、図37、図38を用いて説明したホーム機器からモバイル機器にデータを転送する場合の具体例における携帯型ビデオプレーヤ4(4)の処理について説明する。図44は、ホーム機器からモバイル機器にデータを転送する場合の具体例における携帯型ビデオプレーヤ4(4)の処理について説明するためのフローチャートである。
この図44に示す処理は、モバイル機器である携帯型ビデオプレーヤ4(4)が例えば充電モード等の、クレードル1に載置され、データ通信と充電処理とを行うようにする所定のモードとされた場合に、携帯型ビデオプレーヤ4(4)の主に制御部201によって実行される処理である。
まず、所定のモードに切り替えられると、制御部201は、送受信アンテナ210b、無線通信部210aを通じて、クレードル1からの機器ID問合せを受信したか否かを判断する(ステップS3401)。ステップS3401の判断処理において、機器ID問合せを受信していないと判断したときには、ステップS3401からの処理を繰り返し、機器ID問合せの受信待ちとなる。
ステップS3401の判断処理において、クレードル1からの機器ID問合せを受信したと判断したときには、制御部201は、自機の例えばROM2012に記憶保持されている機器IDや機器属性などの必要な情報を取得し、図7Cに示したような機器ID応答を形成して、これを無線通信部210a、送受信アンテナ210bを通じて送信する(ステップS3402)。この機器ID応答は、クレードル1を介してサーバ装置2に送信される。
そして、制御部201は、送受信アンテナ210b、無線通信部210aを通じて、クレードル1を介して送信されてくるサーバ装置2からの視聴済みコンテンツ削除要求を受信するようにする(ステップS3403)。そして、視聴済みコンテンツ削除要求を受信したときには、制御部201は、コンテンツ記憶部205を制御し、図39を用いて説明したように、蓄積データのヘッダ部に設けられた視聴済みフラグに基づいて、視聴済みの蓄積データ(コンテンツデータ)を削除する処理を実行する(ステップS3404)。
ステップS3404の視聴済みコンテンツの削除処理が終了したら、制御部201は、削除完了通知を形成し、これを無線通信部210a、送受信アンテナ210bを通じて送信する(ステップS3405)。この削除完了通知は、クレードル1を介してサーバ装置2に送信される。
この後、制御部201は、サーバ装置2及びクレードル1を介してHDDレコーダ6(3)から送信されてくる自機宛の録画コンテンツを、送受信アンテナ210b、無線通信部210aを通じて受信し、コンテンツ記憶部205に格納する処理を開始する(ステップS3406)。また、制御部201は、コンテンツ記憶部205の空き容量を監視する処理を行う(ステップS3407)。
ステップS3407の判断処理において、空き容量いっぱいに録画コンテンツが格納されたと判断したときには、制御部201は、送信停止要求を形成し、これを無線通信部210a、送受信アンテナ210bを通じて送信する(ステップS3408)。ここで送信された送信停止要求は、クレードル1、サーバ装置2を介して、HDDレコーダ6(3)に送信される。そして、ステップS3408において送信停止要求を送信すると、この図44に示す処理を終了する。
なお、携帯型ビデオプレーヤ4(4)のコンテンツ記憶部205の空き容量いっぱいになる前に、HDDレコーダ6(3)からの録画コンテンツの送信が終了した場合には、一定時間、録画コンテンツを受信しないことを確認して、いわゆるタイムアップにより、図44に示す処理のステップS3407、ステップS3408の処理をスルーして、図44に示す処理が終了するようにされる。
このように、この例の携帯型ビデオプレーヤ4(4)は、クレードル1に載置されるだけで、視聴済みコンテンツの削除処理を行うと共に、HDDレコーダ6(3)から録画コンテンツの提供を受けて、これをコンテンツ記憶部205に格納し、当該録画コンテンツを自機において利用する環境を整えることができるようにされる。
[(A)の場合のHDDレコーダ6(3)の動作について]
次に、図37、図38を用いて説明したホーム機器からモバイル機器にデータを転送する場合の具体例におけるHDDレコーダ6(3)の処理について説明する。図45は、ホーム機器からモバイル機器にデータを転送する場合の具体例におけるHDDレコーダ6(3)の処理について説明するためのフローチャートである。この図45に示す処理は、HDDレコーダ6(3)において、電源が投入された状態にあるときに、主に制御部450において実行される処理の1つである。
電源が投入されると、HDDレコーダ6(3)の制御部450は、入出力端463b、外部I/F463aを通じて受信する情報を監視し、自機宛の要求やデータを受信したか否かを判断する(ステップS3501)。ステップS3501の判断処理において、自機宛の要求やデータを受信していないと判断したときには、ステップS3501の処理を繰り返し、自機宛の情報の受信待ちとなる。
ステップS3501の判断処理において、自機宛の情報を受信したと判断したときには、制御部450は、受信した情報は、自機が保持する情報の送信要求か否かを判断する(ステップS3502)。ステップS3502の判断処理において、受信した情報は、自機が保持する情報の送信要求であると判断したときには、制御部450は、要求されたデータを、HDD430から読み出して、送信用のデータを形成するなどの準備を行い、当該要求されたデータの要求元への送信を開始する(ステップS3503)。
この後、制御部450は、要求元からの送信停止要求を受信するか、要求されたデータの送信が完了するまで待ち状態となる(ステップS3504)。ステップS3504において、要求元からの送信停止要求を受信した、あるいは、要求されたデータの送信が完了したと判断したときには、実行した処理(ステップS3503において開始した送信処理)を終了させ(ステップS3505)、この図45に示す処理を終了する。
また、ステップS3502の判断処理において、受信した情報は、自機が保持する情報の送信要求ではないと判断したときには、受信した情報は、自機において格納すべきデータであるか否かを判断する(ステップS3506)。このステップS3506の判断処理において、受信した情報は自機において格納すべきデータであると判断したときには、当該データを順次に受信して、これをHDD430に格納する処理を開始させる(ステップS3507)。
この後、制御部450は、自機宛のデータの受信が完了するまで(自機宛のデータを受信しなくなるまで)待ち状態となる(ステップS3508)。ステップS3508において、自機宛のデータの受信が完了したと判断したときには、制御部450は、HDD430に格納したデータの内容に基づいて、実行すべき処理がある場合には、これを実行する(ステップS3509)。なお、ステップS3509の処理は、サーバ装置2からの要求に応じて行われる場合もある。そして、ステップS3509の処理の後、実行した処理(ステップS3507において開始した受信格納処理)を終了させ(ステップS3505)、この図45に示す処理を終了する。
また、ステップS3506の判断処理において、受信した情報は自機において格納すべきデータではないと判断したときには、その受信した情報に応じた他の処理を実行し(ステップS3510)、終了条件が整ったら当該処理を終了させて(ステップS3505)、この図45に示す処理を終了させる。
このようにこの第2の実施の形態において、例えば、HDDレコーダ6(3)などのホーム機器は、データの送信要求に応じて、要求されたデータを提供することもできるし、また、格納用のコンテンツデータ等が提供された場合には、これを受信して格納し、必要に応じた処理を行うようにすることができる。
そして、この例の場合には、HDDレコーダ6(3)は、サーバ装置2からの送信要求に応じて、携帯型ビデオプレーヤ4(4)に対して録画コンテンツを提供することができるようにされる。
このように、(A)ホーム機器からモバイル機器にデータを転送する場合の例においては、携帯型ビデオプレーヤ4(4)をクレードル1に載置するだけで、サーバ装置2の制御により、携帯型ビデオプレーヤ4(4)の視聴済みコンテンツを削除して記憶領域を確保した上で、HDDレコーダ6(3)が保持する録画コンテンツを携帯型ビデオプレーヤ4(4)に転送し、携帯型ビデオプレーヤ4(4)において利用できるようにすることができる。
[(B)モバイル機器からホーム機器にデータを転送する場合について]
次に、モバイル機器からホーム機器にデータを転送する場合の具体例について説明する。ここでは、モバイル機器が、図4を用いて説明したデジタルスチルカメラ4(2)であり、ホーム機器が、図30を用いて説明したNAS6(4)である場合を例にして説明する。
図46、図47は、この例において、データ通信システムを構成する各機器の動作の概要を説明するためのシーケンス図である。図46、図47に示す例の場合にも、図37、図38を用いて説明した(A)の例の場合と同様に、モバイル機器4と、クレードル1と、サーバ2と、ホーム機器6との間で行われる処理であり、図37、図38を用いて説明した処理と同様に行われる部分には、図37、図38と同じ参照符号を付し、その部分の説明は図37、図38を用いて説明した通りであるので簡単にする。
図46において、ステップS61〜ステップS64までの処理は、図37を用いて説明した対応する処理と同様に行われるものであり、クレードル1におけるモバイル機器の載置検出と充電開始処理、及び、機器IDの問い合わせ処理である。
なお、この(B)の例の場合、モバイル機器は、複数のデジタルスチルカメラの内の第1のデジタルスチルカメラであるデジタルスチルカメラ−1であるものとして説明する。そして、この(B)の例においては、他のモバイル機器と区別すると共に、デジタルスチルカメラ−1は、図4に示した構成を有するものとして説明するため、デジタルスチルカメラ−1をデジタルスチルカメラ4(2)と記載して説明する。
そして、この例において、デジタルスチルカメラ4(2)は、送受信アンテナ45b、無線通信部45aを通じてクレードル1からの機器ID問合せ要求を受信すると、制御部41が無線通信部45aを制御し、自機の不揮発性メモリ414に記憶保持している機器IDなどの情報からなる機器ID応答を形成して送信する(ステップS64)。この機器ID応答は、クレードル1の中継により、サーバ装置2に送信される。
サーバ装置2は、クレードル1を介して送信されてくる機器ID応答に含まれる情報に基づいて、クレードル1に載置されたモバイル機器は何かを特定し、その特定した情報に基づいて、図36に示した実行処理特定テーブルを参照して、実行すべき処理をも特定する(ステップS65B)。
この例の場合、クレードル1に載置されたモバイル機器は、上述もしたように、デジタルスチルカメラ−1であるので、サーバ装置2は、図36に示した「No.2」として登録された情報に従った処理を行うと特定する。すなわち、クレードル1に載置されたデジタルスチルカメラ4(2)に蓄積されている撮影画像データを全てNAS6(4)に転送した後に、デジタルスチルカメラ4(2)に蓄積されている転送済みの撮影画像データを削除する処理を行うことを特定する。
そして、サーバ装置2の制御部21は、特定した処理内容にしたがって、まず、撮影画像データの転送要求を形成し、これを送受信制御部27が、外部I/F26aを制御して、デジタルスチルカメラ4(2)に送信する(ステップS81)。この撮影画像データの転送要求は、クレードル1を介して、デジタルスチルカメラ4(2)に送信される。
デジタルスチルカメラ4(2)の制御部41は、送受信アンテナ45b、無線通信部45aを通じて自機宛の撮影画像の転送要求を受信すると、画像記憶部44を制御し、撮影画像データを読み出し、これを送受信制御部47の制御により、無線通信部45a、送受信アンテナ45bを通じてNAS6(4)に送信するようにする(ステップS82)。そして、デジタルスチルカメラ4(2)の制御部41は、全ての撮影画像データを送信し終えたか否かを監視するようにしており(ステップS83)、全ての撮影画像データを送信し終えるまで、撮影画像データの送信を行う。
このようにして、デジタルスチルカメラ4(2)から送信される撮影画像データは、クレードル1、サーバ装置2を介して、NAS6(4)に送信される。NAS6(4)は、入出力端505b、外部I/F505aを通じて、デジタルスチルカメラ4(2)からの撮影画像データを受信し、これをHDD503の所定の格納領域に格納する(ステップS84)。
そして、デジタルスチルカメラ4(2)においては、ステップS83において、全ての撮影画像データを送信し終えたと判断したときには、制御部41は、送信終了報告を形成し、これを送受信制御部47の制御により、無線通信部45a、送受信アンテナ45bを通じてNAS6(4)に送信するようにする(ステップS85)。この送信終了報告は、クレードル1、サーバ装置2を介して、NAS6(4)に送信される。
この後、図47の処理に進み、送信終了報告を中継したサーバ装置2は、制御部21において、撮影画像削除要求を形成し、これを送受信制御部27の制御により、外部I/F26a、入出力端26bを通じてデジタルスチルカメラ4(2)に送信するようにする(ステップS86)。この撮影画像削除要求は、クレードル1を介してデジタルスチルカメラ4(2)に送信される。
デジタルスチルカメラ4(2)の制御部41は、送受信アンテナ45b、無線通信部45aを通じて自機宛の撮影画像削除要求を受信すると、制御部41が、画像記憶部44を制御し、画像記憶部44が保持している撮影画像データを削除する処理を実行する(ステップS87)。そして、当該削除処理が終了すると、制御部41は、削除終了報告を形成し、これを送受信制御部47の制御により、無線通信部45a、送受信アンテナ45bを通じてサーバ装置2に送信するようにする(ステップS82)。
そして、クレードル1は、図38に示した処理の場合と同様に、デジタルスチルカメラ4(2)のバッテリ50に対する充電が完了するまで充電処理を続行し(ステップS75)、充電が完了したと判断したときには、デジタルスチルカメラ4(2)のバッテリ50に対する充電処理を終了させる(ステップS76)。
これにより、デジタルスチルカメラ4(2)に記憶保持されている撮影画像データの全部をNAS6(4)にバックアップした後に、デジタルスチルカメラ4(2)の撮影画像データを削除し、新たに撮影を行って、新たな撮影画像データを蓄積できる環境を自動的に整えることができるようにされる。
[(B)の場合のクレードル1の動作について]
図46、図47を用いて説明したモバイル機器からホーム機器にデータを転送する場合の具体例におけるクレードル1の処理は、図41を用いて説明したホーム機器からモバイル機器にデータを転送する場合の具体例におけるクレードル1の処理とほぼ同様に行われる。
すなわち、この(B)の例のモバイル機器からホーム機器にデータを転送する場合の具体例においても、クレードル1は、載置されるモバイル機器を検出するようにし、検出した場合には、充電を開始するようにするとともに、載置されたモバイル機器に対して機器IDを問い合わせて、これに応じた機器ID応答をサーバ装置2に中継した後に、モバイル機器とサーバ装置2との間の通信の中継を行うようにする。そして、一連の中継処理が終了したら、充電処理の終了確認を行なって、充電処理を終了させるようにすることになる。
[(B)の場合のサーバ装置2の動作について]
図46、図47を用いて説明したモバイル機器からホーム機器にデータを転送する場合の具体例におけるサーバ装置2の処理は、図42を用いて説明したホーム機器からモバイル機器にデータを転送する場合の具体例におけるサーバ装置のメイン処理が行われるが、図42に示したメイン処理のステップS3205において行われる処理が異なる処理となる。
すなわち、図42を用いて説明したように、サーバ装置2においては、モバイル機器からの機器ID応答に含まれる情報に基づいて、モバイル機器を特定し、これに基づいて、図36を用いて説明した実行処理特定テーブルを参照し、実行すべき処理を特定し、連携する機器を登録する処理を行った後に、当該特定した処理を実行する。
そして、この(B)の例の場合、図42に示したステップS3205においては、図48に示す処理が実行される。すなわち、この(B)の場合、モバイル機器は、デジタルスチルカメラ−1であるので、図36に示した実行処理特定テーブルの「No.2」に登録されている情報が、実行すべき処理を示す情報となる。すなわち、クレードル1に載置されたデジタルスチルカメラ4(2)に蓄積されている撮影画像データを全てNAS6(4)に転送した後に、デジタルスチルカメラ4(2)に蓄積されている転送済みの撮影画像データを削除する処理を行うことを特定する。
そして、この場合、サーバ装置2は、制御部21が、撮影画像データの送信要求を形成し、これを送受信制御部27が、外部I/F26a、入出力端26bを通じてデジタルスチルカメラ4(2)に送信するようにする(ステップS4301)。そして、送受信制御部27は、デジタルスチルカメラ4(2)から送信される撮影画像データを、入出力端26b、外部I/F26aを受信して、外部I/F32a、入出力端32bを通じてNAS6(4)に送信する中継処理を行う(ステップS4302)。
そして、サーバ装置2に制御部21は、デジタルスチルカメラ4(2)からの送信終了報告の受信待ちとなり(ステップS4303)、送信終了報告を受信したと判断したときには、撮影画像データの削除要求を形成し、これを送受信制御部27が、外部I/F26a、入出力端26bを通じてデジタルスチルカメラ4(2)に送信するようにする(ステップS4304)。
この後、サーバ装置2に制御部21は、デジタルスチルカメラ4(2)からの削除終了報告の受信待ちとなり(ステップS4305)、送信終了報告を受信したと判断したときには、この図48に示す処理を終了する。
このように、この(B)の例のサーバ装置2もまた、クレードル1にモバイル機器が載置された場合に、その載置されたモバイル機器を特定して、これに応じて実行すべき処理も特定し、連携するモバイル機器とホーム機器とを制御するようにして、目的とする処理を実行するようにしている。
[(B)の場合のデジタルスチルカメラ4(2)の動作について]
次に、図46、図47を用いて説明したモバイル機器からホーム機器にデータを転送する場合の具体例におけるデジタルスチルカメラ4(2)の処理について説明する。図49は、モバイル機器からホーム機器にデータを転送する場合の具体例におけるデジタルスチルカメラ4(2)の処理について説明するためのフローチャートである。
この図49に示す処理は、モバイル機器であるデジタルスチルカメラ4(2)が例えば充電モード等の、クレードル1に載置され、データ通信と充電処理とを行うようにする所定のモードとされた場合に、デジタルスチルカメラ4(2)の主に制御部41、送受信制御部47によって実行される処理である。
まず、所定のモードに切り替えられると、送受信制御部47は、送受信アンテナ45b、無線通信部45aを通じて、クレードル1からの機器ID問合せを受信したか否かを判断する(ステップS4401)。ステップS4401の判断処理において、機器ID問合せを受信していないと判断したときには、ステップS4401からの処理を繰り返し、機器ID問合せの受信待ちとなる。
ステップS4401の判断処理において、クレードル1からの機器ID問合せを受信したと判断したときには、制御部201は、自機の例えばROM2012に記憶保持されている機器IDや機器属性などの必要な情報を取得し、図7Cに示したような機器ID応答を形成して、これを送受信制御部47の制御により、無線通信部45a、送受信アンテナ45bを通じて送信する(ステップS4402)。この機器ID応答は、クレードル1を介してサーバ装置2に送信される。
そして、送受信制御部47は、送受信アンテナ45b、無線通信部45aを通じて、クレードル1を介して送信されてくるサーバ装置2からの撮影画像データ転送要求を受信するようにする(ステップS4403)。そして、撮影画像データ転送要求を受信したときには、制御部201は、画像記憶部44から撮影画像データを読み出し、これを送受信制御部47の制御により、無線通信部45a、送受信アンテナ45bを通じて送信する処理を開始する(ステップS4404)。
そして、デジタルスチルカメラ4(2)の制御部41は、画像記憶部44に記憶されている撮影画像データの全部を送信するまで待ち状態となり(ステップS4405)、撮影画像データの全部を送信し終えたと判断したときには、制御部41は、送信終了報告を形成し、これを送受信制御部47の制御により、無線通信部45a、送受信アンテナ45bを通じて送信する(ステップS4406)。この送信終了報告は、クレードル1、サーバ装置2を介して、NAS6(4)にも送信される。
この後、デジタルスチルカメラ4(2)の送受信制御部47は、送受信アンテナ45b、無線通信部45aを通じて、クレードル1を介して送信されてくるサーバ装置2からの撮影画像データ削除要求を受信するようにする(ステップS4407)。そして、撮影画像データ削除要求を受信したときには、制御部41は、画像記憶部44に記憶されている撮影画像データを削除する処理を行う(ステップS4408)。
ステップS4408の撮影画像データの削除処理の後、制御部41は、削除終了報告を形成し、これを送受信制御部47の制御により、無線通信部45a、送受信アンテナ45bを通じて送信し(ステップS4409)、この図49に示す処理をする。なお、ステップS4409において送信された削除終了報告は、クレードル1を介して、サーバ装置2に送信される。
このように、この例のデジタルスチルカメラ4(2)は、クレードル1に載置されるだけで、撮影画像データをNAS6(4)にバックアップするようにし、画像記憶部44の撮影画像データを削除して、新たな撮影処理による撮影画像データを記憶可能な状態に自動的に整えることができるようにされる。
[(B)の場合のNAS6(4)の動作について]
図46、図47を用いて説明したモバイル機器からホーム機器にデータを転送する場合の具体例におけるNAS6(4)の処理は、図45を用いて説明したホーム機器からモバイル機器にデータを転送する場合の具体例におけるホーム機器であるHDDレコーダ6(3)の処理とほぼ同様に行われる。
この(B)の例の場合には、撮影画像データが、デジタルスチルカメラ4(2)からNAS6(4)に送信されるので、図45に示した処理において、ステップS3501→ステップS3502→ステップS3506→ステップS3507→ステップS3508の順に処理を行い、デジタルスチルカメラ4(2)からの撮影画像データが、NAS6(4)に送信されて、蓄積されることになる。
このように、(B)モバイル機器からホーム機器にデータを転送する場合の例においては、デジタルスチルカメラ4(2)をクレードル1に載置するだけで、サーバ装置2の制御により、デジタルスチルカメラ4(2)の撮影画像データを全てNAS6(4)にバックアップした後に、デジタルスチルカメラ4(2)の撮影画像データを削除し、新たな撮影に備えることができるようにされる。
[(C)モバイル機器からホーム機器にデータを転送し、当該データに基づいてホーム機器で処理を行う場合について]
次に、モバイル機器からホーム機器にデータを転送すると共に、ホーム機器において受信したデータに基づく処理を行う場合の具体例について説明する。ここでは、モバイル機器が、図25を用いて説明した携帯電話端末4(1)であり、ホーム機器が、図28を用いて説明したPC1(以下、PC6(1)と言う。)である場合を例にして説明する。
図50、図51は、この例において、データ通信システムを構成する各機器の動作の概要を説明するためのシーケンス図である。図50、図51に示す例の場合にも、図37、図38を用いて説明した(A)の例の場合と同様に、モバイル機器4と、クレードル1と、サーバ2と、ホーム機器6との間で行われる処理であり、図37、図38を用いて説明した処理と同様に行われる部分には、図37、図38と同じ参照符号を付し、その部分の説明は図37、図38を用いて説明した通りであるので簡単にする。
図50において、ステップS61〜ステップS64までの処理は、図37を用いて説明した対応する処理と同様に行われるものであり、クレードル1におけるモバイル機器の載置検出と充電開始処理、及び、機器IDの問い合わせ処理である。
そして、この(C)の例において、携帯電話端末4(1)は、送受信アンテナ66b、無線通信部66aを通じてクレードル1からの機器ID問合せ要求を受信すると、制御部61が無線通信部66aを制御し、自機の不揮発性メモリ614に記憶保持している機器IDなどの情報からなる機器ID応答を形成して送信する(ステップS64)。この機器ID応答は、クレードル1の中継により、サーバ装置2に送信される。
サーバ装置2は、クレードル1を介して送信されてくる機器ID応答に含まれる情報に基づいて、クレードル1に載置されたモバイル機器は何かを特定し、その特定した情報に基づいて、図36に示した実行処理特定テーブルを参照して、実行すべき処理をも特定する(ステップS65C)。
なお、この例の場合、クレードル1に載置される可能性がある携帯電話端末は複数存在しており、そのそれぞれを区別するために、機器IDだけでなく、例えば、使用者IDをも機器ID応答に含めるようにすることによって、モバイル機器とその使用者との情報から、実行すべき処理を特定するようにすることができる。このために、図36に示したように、実行処理特定テーブルにも、「使用者ID」の欄が設けられている。
したがって、同じ種類のモバイル機器であっても、その使用者に応じて、異なる処理を行うようにすることができる。もちろん、機器IDが各モバイル機器に固有の情報であれば、使用者IDを用いるまでも無く、各モバイル機器毎に異なる処理を行うようにすることができる。
そして、この例の場合、クレードル1に載置されたモバイル機器は、上述もしたように、携帯電話端末4(1)であるので、サーバ装置2は、図36に示した「No.3」として登録された情報に従った処理を行うと特定する。すなわち、クレードル1に載置された携帯電話端末4(1)に蓄積されている撮影画像データと、受信した自機宛の電子メールデータを全てPC6(1)に転送し、PC1において受信したメールデータに基づいて、不揮発性メモリ3014に記憶されている住所録を更新する処理を行うことを特定する。
そして、サーバ装置2の制御部21は、特定した処理内容にしたがって、まず、撮影画像データと電子メールデータとの転送要求(データ転送要求)を形成し、これを送受信制御部27が、外部I/F26aを制御して、携帯電話端末4(1)に送信する(ステップS81A)。この撮影画像データの転送要求は、クレードル1を介して、携帯電話端末4(1)に送信される。
携帯電話端末4(1)の制御部61は、送受信アンテナ66b、無線通信部66aを通じて自機宛のデータ転送要求を受信すると、コンテンツ記憶部62に記憶保持されている撮影画像データと、例えば、不揮発性メモリ614に記憶保持されている受信した電子メールデータとを読み出し、これらを無線通信部66a、送受信アンテナ66bを通じてPC6(1)に送信するようにする(ステップS82A)。
そして、携帯電話端末4(1)の制御部61は、撮影画像データと受信した電子メールデータとを送信し終えたか否かを監視するようにしており(ステップS83A)、全ての撮影画像データと電子メールデータとを送信し終えるまで、撮影画像データと電子メールデータとの送信を行う。
このようにして、携帯電話端末4(1)から送信される撮影画像データと電子メールデータとは、クレードル1、サーバ装置2を介して、PC6(1)に送信される。PC6(1)は、入出力端303b、外部I/F303aを通じて、携帯電話端末4(1)からの撮影画像データと電子メールデータとを受信し、これをHDD305の所定の格納領域に格納する(ステップS84A)。
そして、携帯電話端末4(1)においては、ステップS83Aにおいて、全ての撮影画像データと電子メールデータとを送信し終えたと判断したときには、制御部61は、送信終了報告を形成し、これを無線通信部66a、送受信アンテナ66bを通じてPC6(1)に送信するようにする(ステップS85A)。この送信終了報告は、クレードル1、サーバ装置2を介して、PC6(1)に送信される。
この後、図51の処理に進み、PC6(1)は、携帯電話端末4(1)からの送信終了報告を受信すると、既に受信した携帯電話端末4(1)からの電子メールデータに基づいて、不揮発性メモリ3014に作成されている住所録を更新する。具体的には、未登録の相手先の名前(名称)と、電子メールアドレスとを追加する処理を行う。
なお、既に登録されている名前と同じ名前の電子メールデータであって、異なる電子メールアドレスの電子メールデータが存在する場合には、既に存在する住所録データと置き換えるか否かの問い合わせを行い、置き換えたり、あるいは、既に存在する住所録データをそのままにして、新たなデータを追加したりするなどのことができるようにされる。また、文字の解析を行い、住所や電話番号などの情報が存在する場合には、それらの情報についても、表示してユーザーの確認を経て、住所録に登録するなどのこともできるようにされる。
そして、クレードル1は、図38に示した処理の場合と同様に、デジタルスチルカメラ4(2)のバッテリ50に対する充電が完了するまで充電処理を続行し(ステップS75)、充電が完了したと判断したときには、デジタルスチルカメラ4(2)のバッテリ50に対する充電処理を終了させる(ステップS76)。
これにより、携帯電話端末4(1)に記憶保持されている撮影画像データと電子メールデータとをPC6(1)にバックアップした後に、PC6(1)においては、受信した電子メールデータに基づいて、自己の住所録を更新することができるようにされる。
[(C)の場合のクレードル1の動作について]
図50、図51を用いて説明したモバイル機器からホーム機器にデータを転送すると共に、ホーム機器において受信したデータに基づく処理を行う場合の具体例におけるクレードル1の処理は、図41を用いて説明したホーム機器からモバイル機器にデータを転送する場合の具体例におけるクレードル1の処理とほぼ同様に行われる。
すなわち、この(C)の例のモバイル機器からホーム機器にデータを転送すると共に、ホーム機器において受信したデータに基づく処理を行う場合の具体例においても、クレードル1は、載置されるモバイル機器を検出するようにし、検出した場合には、充電を開始するようにするとともに、載置されたモバイル機器に対して機器IDを問い合わせて、これに応じた機器ID応答をサーバ装置2に中継した後に、モバイル機器とサーバ装置2との間の通信の中継を行うようにする。そして、一連の中継処理が終了したら、充電処理の終了確認を行なって、充電処理を終了させるようにすることになる。
[(C)の場合のサーバ装置2の動作について]
図50、図51を用いて説明したモバイル機器からホーム機器にデータを転送するすると共に、ホーム機器において受信したデータに基づく処理を行う場合の具体例におけるサーバ装置2の処理は、図42を用いて説明したホーム機器からモバイル機器にデータを転送する場合の具体例におけるサーバ装置のメイン処理が行われるが、図42に示したメイン処理のステップS3205において行われる処理が異なる処理となる。
すなわち、図42を用いて説明したように、サーバ装置2においては、モバイル機器からの機器ID応答に含まれる情報に基づいて、モバイル機器を特定し、これに基づいて、図36を用いて説明した実行処理特定テーブルを参照し、実行すべき処理を特定し、連携する機器を登録する処理を行った後に、当該特定した処理を実行する。
そして、この(C)の例の場合、図42に示したステップS3205においては、図52に示す処理が実行される。すなわち、この(C)の場合、モバイル機器は、携帯電話端末4(1)であるので、図36に示した実行処理特定テーブルの「No.3」に登録されている情報が、実行すべき処理を示す情報となる。すなわち、クレードル1に載置された携帯電話端末4(1)に蓄積されている撮影画像データと、受信した自機宛の電子メールデータを全てPC6(1)に転送し、PC1において受信したメールデータに基づいて、不揮発性メモリ3014に記憶されている住所録を更新する処理を行うことを特定する。
そして、この場合、サーバ装置2は、制御部21が、撮影画像データと受信した自機宛の電子メールデータとの転送要求を形成し、これを送受信制御部27が、外部I/F26a、入出力端26bを通じて携帯電話端末4(1)に送信するようにする(ステップS5301)。そして、送受信制御部27は、デジタルスチルカメラ4(2)から送信される撮影画像データと電子メールデータとを、入出力端26b、外部I/F26aを受信して、外部I/F32a、入出力端32bを通じてPC6(1)に送信する中継処理を行う(ステップS5302)。
そして、サーバ装置2に制御部21は、携帯電話端末4(1)からの送信終了報告の受信待ちとなり(ステップS5303)、送信終了報告を受信したと判断したときには、この図52の処理を終了する。
このように、この(C)の例のサーバ装置2もまた、クレードル1にモバイル機器が載置された場合に、その載置されたモバイル機器を特定して、これに応じて実行すべき処理も特定し、連携するモバイル機器とホーム機器とを制御するようにして、目的とする処理を実行するようにしている。
[(C)の場合の携帯電話端末4(1)の動作について]
次に、図50、図51を用いて説明したモバイル機器からホーム機器にデータを転送すると共に、ホーム機器において受信したデータに基づく処理を行う場合の具体例における携帯電話端末4(1)の処理について説明する。図53は、この(C)の場合の携帯電話端末4(1)の処理について説明するためのフローチャートである。
この図53に示す処理は、モバイル機器である携帯電話端末4(1)が例えば充電モード等の、クレードル1に載置され、データ通信と充電処理とを行うようにする所定のモードとされた場合に、携帯電話端末4(1)の主に制御部61によって実行される処理である。
まず、所定のモードに切り替えられると、制御部61は、送受信アンテナ66b、無線通信部66aを通じて、クレードル1からの機器ID問合せを受信したか否かを判断する(ステップS5401)。ステップS5401の判断処理において、機器ID問合せを受信していないと判断したときには、ステップS5401からの処理を繰り返し、機器ID問合せの受信待ちとなる。
ステップS5401の判断処理において、クレードル1からの機器ID問合せを受信したと判断したときには、制御部61は、自機の例えばROM612に記憶保持されている機器IDや機器属性などの必要な情報を取得し、図7Cに示したような機器ID応答を形成して、これを制御部61の制御により、無線通信部66a、送受信アンテナ66bを通じて送信する(ステップS5402)。この機器ID応答は、クレードル1を介してサーバ装置2に送信される。
そして、制御部61は、送受信アンテナ66b、無線通信部66aを通じて、クレードル1を介して送信されてくるサーバ装置2からの撮影画像データと電子メールデータとの転送要求(データ転送要求)を受信するようにする(ステップS5403)。そして、データ転送要求を受信したときには、制御部61は、コンテンツ記憶部62から撮影画像データを読み出すと共に、不揮発性メモリ614から受信した電子メールデータを読み出し、これらを制御部61の制御により、無線通信部66a、送受信アンテナ66bを通じて送信する処理を開始する(ステップS5404)。
そして、携帯電話端末4(1)の制御部61は、撮影画像データと電子メールデータとの送信完了待ちとなり(ステップS5405)、撮影画像データと電子メールデータとの送信を終えたと判断したときには、制御部61は、送信終了報告を形成し、これを無線通信部66a、送受信アンテナ66bを通じて送信し(ステップS5406)、この図53に示す処理を終了する。なお、ステップS5406において送信された送信終了報告は、クレードル1、サーバ装置2を介して、PC6(1)にも送信される。
このように、この例の携帯電話端末4(1)は、クレードル1に載置されるだけで、撮影画像データと受信した電子メールデータとをPC6(1)にバックアップすることができ、また、PC6(1)においては、携帯電話端末4(1)からの電子メールデータに基づいて、自機の住所録を更新することができるようにされる。
[(C)の場合のPC6(1)の動作について]
図50、図51を用いて説明したモバイル機器からホーム機器にデータを転送すると共に、ホーム機器において受信したデータに基づく処理を行う場合の具体例におけるPC6(1)の処理は、図45を用いて説明したホーム機器からモバイル機器にデータを転送する場合の具体例におけるホーム機器であるHDDレコーダ6(3)の処理とほぼ同様に行われる。
この(C)の例の場合には、撮影画像データが、携帯電話端末4(1)からPC6(1)に送信されるので、図45に示した処理において、ステップS3501→ステップS3502→ステップS3506→ステップS3507→ステップS3508→ステップS3509の順に処理を行い、携帯電話端末4(1)からの撮影画像データと電子メールデータとが、PC6(1)に送信されて蓄積されると共に、ステップS3509の処理により、PC1において、携帯電話端末4(1)からの電子メールデータに基づいて、住所録の更新処理が行われることになる。
このように、(C)モバイル機器からホーム機器にデータを転送し、当該データに基づいてホーム機器で処理を行う場合の例においては、携帯電話端末4(1)をクレードル1に載置するだけで、サーバ装置2の制御により、携帯電話端末4(1)の撮影画像データと電子メールデータとをPC6(1)にバックアップし、PC6(1)において、受信した電子メールデータに基づいて、PC6(1)が保持する住所録を更新することができるようにされる。
[(D)モバイル機器からインターネット8上の所定の商用サーバ装置にデータをアップロードする場合について]
次に、モバイル機器からインターネット8上の商用サーバ装置にデータをアップロードする場合の具体例について説明する。ここでは、モバイル機器が、図4を用いて説明したデジタルスチルカメラ4(2)であり、データのアップロード先の機器がインターネット8上の商用サーバ装置である写真共有サービスサーバ装置9である場合を例にして説明する。
図54、図55は、この例において、データ通信システムを構成する各機器の動作の概要を説明するためのシーケンス図である。図54、図55に示す例の場合にも、図37、図38を用いて説明した(A)の例の場合と同様に、モバイル機器4と、クレードル1と、サーバ2と、ホーム機器6に相当する写真共有サービスサーバ装置9との間で行われる処理であり、図37、図38を用いて説明した処理と同様に行われる部分には、図37、図38と同じ参照符号を付し、その部分の説明は図37、図38を用いて説明した通りであるので簡単にする。
図54において、ステップS61〜ステップS64までの処理は、図37を用いて説明した対応する処理と同様に行われるものであり、クレードル1におけるモバイル機器の載置検出と充電開始処理、及び、機器IDの問い合わせ処理である。
なお、この(D)の例の場合、モバイル機器は、複数のデジタルスチルカメラの内の第2のデジタルスチルカメラであるデジタルスチルカメラ−2であるものとして説明する。そして、この(D)の例においては、他のモバイル機器と区別すると共に、デジタルスチルカメラ−2は、図4に示した構成を有するものとして説明するため、デジタルスチルカメラ−2をデジタルスチルカメラ4(2)と記載して説明する。
そして、この例において、デジタルスチルカメラ4(2)は、送受信アンテナ45b、無線通信部45aを通じてクレードル1からの機器ID問合せ要求を受信すると、制御部41が自機の不揮発性メモリ414に記憶保持している機器IDなどの情報からなる機器ID応答を形成し、これを送受信制御部47が、無線通信部45aを制御して送信する(ステップS64)。この機器ID応答は、クレードル1の中継により、サーバ装置2に送信される。
サーバ装置2は、クレードル1を介して送信されてくる機器ID応答に含まれる情報に基づいて、クレードル1に載置されたモバイル機器は何かを特定し、その特定した情報に基づいて、図36に示した実行処理特定テーブルを参照して、実行すべき処理をも特定する(ステップS65D)。
この例の場合、クレードル1に載置されたモバイル機器は、上述もしたように、デジタルスチルカメラ−2であるので、サーバ装置2は、図36に示した「No.5」として登録された情報に従った処理を行うと特定する。すなわち、クレードル1に載置されたデジタルスチルカメラ4(2)に蓄積されている撮影画像データをインターネット8上の所定の写真共有サービスサーバ装置9に転送する(アップロードする)処理を行うことを特定する。
そして、サーバ装置2の制御部21は、特定した処理内容にしたがって、まず、撮影画像データの転送要求を形成し、これを送受信制御部27が、外部I/F26aを制御して、デジタルスチルカメラ4(2)に送信する(ステップS81B)。この撮影画像データの転送要求は、クレードル1を介して、デジタルスチルカメラ4(2)に送信される。
デジタルスチルカメラ4(2)の制御部41は、送受信アンテナ45b、無線通信部45aを通じて自機宛の撮影画像の転送要求を受信すると、画像記憶部44を制御し、撮影画像データを読み出し、これを送受信制御部47の制御により、無線通信部45a、送受信アンテナ45bを通じて、写真共有サービスサーバ装置9に送信するようにする(ステップS82B)。そして、デジタルスチルカメラ4(2)の制御部41は、送信可能な全ての撮影画像データを送信し終えたか否かを監視するようにしており(ステップS83B)、送信可能な全ての撮影画像データを送信し終えるまで、撮影画像データの送信を行う。
このようにして、デジタルスチルカメラ4(2)から送信される撮影画像データは、クレードル1を介して、サーバ装置2に送信される。サーバ装置2においては、入出力端26b、外部I/F26aを通じて、デジタルスチルカメラ4(2)からの撮影画像データを受信し、例えば、HDD30の所定の格納領域に一時記憶する(ステップS84B)。
そして、デジタルスチルカメラ4(2)においては、ステップS83Bにおいて、送信可能な全ての撮影画像データを送信し終えたと判断したときには、制御部41は、送信終了報告を形成し、これを送受信制御部47の制御により、無線通信部45a、送受信アンテナ45bを通じてサーバ装置2に送信するようにする(ステップS85B)。この送信終了報告は、クレードル1を介してサーバ装置2に送信される。
この後、図55の処理に進み、送信終了報告を受信したサーバ装置2は、図36に示した実行処理特定テーブルの「No.5」の「データ交換するホーム機器」の欄に記録されているURLを用いて、目的する写真共有サービスサーバ装置9にアクセスし、ステップS84Bにおいて一時記憶したデジタルスチルカメラ4(2)からの撮影画像データを全て、写真共有サービスサーバ装置9にアップロードする(ステップS92)。
写真共有サービスサーバ装置9は、アップロードされた撮影画像データを受信して、これを種々のユーザーが閲覧可能な態様にして、所定の格納領域に格納することにより、一般に公開する(ステップS93)。
そして、クレードル1は、図38に示した処理の場合と同様に、デジタルスチルカメラ4(2)のバッテリ50に対する充電が完了するまで充電処理を続行し(ステップS75)、充電が完了したと判断したときには、デジタルスチルカメラ4(2)のバッテリ50に対する充電処理を終了させる(ステップS76)。
これにより、デジタルスチルカメラ4(2)に記憶保持されている送信可能な全ての撮影画像データをインターネット8上の写真共有サービスサーバ装置9にアップロードして、一般のユーザーに公開することができるようにされる。
[(D)の場合のクレードル1の動作について]
図54、図55を用いて説明したモバイル機器からインターネット8上の所定のサーバ装置にデータを転送する場合の具体例におけるクレードル1の処理は、図41を用いて説明したホーム機器からモバイル機器にデータを転送する場合の具体例におけるクレードル1の処理とほぼ同様に行われる。
すなわち、この(D)の例のモバイル機器からインターネット8上の所定のサーバ装置にデータをアップロードする場合の具体例においても、クレードル1は、載置されるモバイル機器を検出するようにし、検出した場合には、充電を開始するようにするとともに、載置されたモバイル機器に対して機器IDを問い合わせて、これに応じた機器ID応答をサーバ装置2に中継した後に、モバイル機器とサーバ装置2との間の通信の中継を行うようにする。そして、一連の中継処理が終了したら、充電処理の終了確認を行なって、充電処理を終了させるようにすることになる。
[(D)の場合のサーバ装置2の動作について]
図54、図55を用いて説明したモバイル機器からインターネット8上の所定のサーバ装置にデータをアップロードする場合の具体例におけるサーバ装置2の処理は、図42を用いて説明したホーム機器からモバイル機器にデータを転送する場合の具体例におけるサーバ装置のメイン処理が行われるが、図42に示したメイン処理のステップS3205において行われる処理が異なる処理となる。
すなわち、図42を用いて説明したように、サーバ装置2においては、モバイル機器からの機器ID応答に含まれる情報に基づいて、モバイル機器を特定し、これに基づいて、図36を用いて説明した実行処理特定テーブルを参照し、実行すべき処理を特定し、連携する機器を登録する処理を行った後に、当該特定した処理を実行する。
そして、この(D)の例の場合、図42に示したステップS3205においては、図56に示す処理が実行される。すなわち、この(D)の場合、モバイル機器は、デジタルスチルカメラ−2であるので、図36に示した実行処理特定テーブルの「No.5」に登録されている情報が、実行すべき処理を示す情報となる。すなわち、クレードル1に載置されたデジタルスチルカメラ4(2)に蓄積されている撮影画像データをインターネット8上の所定の写真共有サービスサーバ装置9に転送する(アップロードする)処理を行うことを特定する。
そして、この場合、サーバ装置2は、制御部21が、撮影画像データの送信要求を形成し、これを送受信制御部27が、外部I/F26a、入出力端26bを通じてデジタルスチルカメラ4(2)に送信するようにする(ステップS7301)。そして、送受信制御部27は、デジタルスチルカメラ4(2)から送信される撮影画像データを、入出力端26b、外部I/F26aを受信して、HDD30の所定の格納領域に一時記憶する処理を開始する(ステップS7302)。
そして、サーバ装置2は、デジタルスチルカメラ4(2)からの送信終了報告の受信待ちとなり(ステップS7303)、送受信制御部27は、入出力端26b、外部I/F26aを通じて送信終了報告を受信すると、これを制御部21に通知する。
サーバ装置2は、上述もしたように、図36に示した実行処理特定テーブルの「No.5」の「データ交換するホーム機器」の欄に記録されているURLを用いて、目的する写真共有サービスサーバ装置9にアクセスし、ステップS7302において一時記憶したデジタルスチルカメラ4(2)からの撮影画像データを全て、写真共有サービスサーバ装置9にアップロードして(ステップ7304)、この図56に示す処理を終了する。
このように、この(D)の例のサーバ装置2もまた、クレードル1にモバイル機器が載置された場合に、その載置されたモバイル機器を特定して、これに応じて実行すべき処理も特定し、連携するモバイル機器とホーム機器(この例の場合にはインターネット8上の写真共有サービスサーバ装置9)とを制御するようにして、目的とする処理を実行するようにしている。
[(D)の場合のデジタルスチルカメラ4(2)の動作について]
次に、図54、図55を用いて説明したモバイル機器からホーム機器にデータをアップロードする場合の具体例におけるデジタルスチルカメラ4(2)の処理について説明する。図57は、モバイル機器からインターネット8上の商用サーバ装置にデータをアップロードする場合の具体例におけるデジタルスチルカメラ4(2)の処理について説明するためのフローチャートである。
この図57に示す処理は、モバイル機器であるデジタルスチルカメラ4(2)が例えば充電モード等の、クレードル1に載置され、データ通信と充電処理とを行うようにする所定のモードとされた場合に、デジタルスチルカメラ4(2)の主に制御部41、送受信制御部47によって実行される処理である。
まず、所定のモードに切り替えられると、送受信制御部47は、送受信アンテナ45b、無線通信部45aを通じて、クレードル1からの機器ID問合せを受信したか否かを判断する(ステップS7401)。ステップS7401の判断処理において、機器ID問合せを受信していないと判断したときには、ステップS7401からの処理を繰り返し、機器ID問合せの受信待ちとなる。
ステップS7401の判断処理において、クレードル1からの機器ID問合せを受信したと判断したときには、制御部41は、自機の例えばROM412に記憶保持されている機器IDや機器属性などの必要な情報を取得し、図7Cに示したような機器ID応答を形成して、これを送受信制御部47の制御により、無線通信部45a、送受信アンテナ45bを通じて送信する(ステップS7402)。この機器ID応答は、クレードル1を介してサーバ装置2に送信される。
そして、送受信制御部47は、送受信アンテナ45b、無線通信部45aを通じて、クレードル1を介して送信されてくるサーバ装置2からの撮影画像データ転送要求を受信するようにする(ステップS7403)。そして、撮影画像データ転送要求を受信したときには、制御部41は、画像記憶部44から撮影画像データを読み出し、これを送受信制御部47の制御により、無線通信部45a、送受信アンテナ45bを通じて送信する処理を開始する(ステップS7404)。
そして、デジタルスチルカメラ4(2)の制御部41は、画像記憶部44に記憶されている撮影画像データのうち送信可能なもの全部を送信するまで待ち状態となり(ステップS7405)、送信可能な撮影画像データの全部を送信し終えたと判断したときには、制御部41は、送信終了報告を形成し、これを送受信制御部47の制御により、無線通信部45a、送受信アンテナ45bを通じて送信し(ステップS7406)、この図57に示す処理を終了する。なお、ステップS7406において送信される送信終了報告は、クレードル1を介してサーバ装置2に送信される。
このように、この例のデジタルスチルカメラ4(2)は、クレードル1に載置されるだけで、撮影画像データを所定の写真供給サービスサーバ装置9にアップロードして、一般に公開することができるようにされる。
[(D)の場合の写真共有サービスサーバ装置9の動作について]
図54、図55を用いて説明したモバイル機器からインターネット8上の所定のサーバ装置にデータをアップロードする場合の具体例におけるアップロード先の写真共有サービスサーバ装置9の処理は、図45を用いて説明したホーム機器からモバイル機器にデータを転送する場合の具体例におけるホーム機器であるHDDレコーダ6(3)の処理とほぼ同様に行われる。
この(D)の例の場合には、撮影画像データが、デジタルスチルカメラ4(2)から写真共有サービスサーバ装置9に送信されるので、図45に示した処理において、ステップS3501→ステップS3502→ステップS3506→ステップS3507→ステップS3508→ステップS3509の順に処理を行い、デジタルスチルカメラ4(2)からの撮影画像データが、写真共有サービスサーバ装置9にアップロードされて、一般に公開することができるようにされる。
このように、(D)モバイル機器からインターネット8上の所定の商用サーバ装置にデータをアップロードする場合の例においては、デジタルスチルカメラ4(2)をクレードル1に載置するだけで、サーバ装置2の制御により、デジタルスチルカメラ4(2)の撮影画像データを写真共有サービスサーバ装置9にアップロードし、一般に公開することができるようにされる。
[その他]
なお、上述した第2の実施の形態においては、図36を用いて説明したように、機器ID等によって、各モバイル機器のそれぞれを特定できるものとして説明した。しかし、上述もしたように、クレードル1からの要求に応じて、各モバイル機器から送信される機器ID応答に、使用者IDをも含めておくことにより、モバイル機器と使用者とを認識して、実行すべき処理を特定することができる。
この場合には、サーバ装置2に設けられる実行処理特定テーブルに、図36を用いて説明したように、例えば、機器IDによって特定されるモバイル機器に対応して、使用者IDをも対応付けて登録しておくようにすればよい。
これにより、使用者に応じて、連携するホーム機器を変えることができる。例えば、家族のそれぞれが携帯電話端末や携帯型オーディオプレーヤを用いているような場合であっても、使用者毎に、データの格納先のホーム機器やデータの提供元のホーム機器を変えることができる。もちろん、使用者毎に、インターネット上の異なる商用サーバ装置からデータをダウンロードしたり、インターネット上の異なる商用サーバ装置にデータをアップロードしたりすることができる。
なお、上述した第2の実施の形態においては、携帯型ビデオプレーヤでは動画データ(AVデータを含む)を、デジタルスチルカメラやカメラ付き携帯電話端末では、静止画像データを扱うものとして説明した。
しかし、カメラ付き携帯電話端末の中には、動画を撮影可能なものもあるし、デジタルスチルカメラの中にも比較的に短い時間の動画を撮影可能なものもある。また、デジタルビデオカメラの中には、静止画像の撮影が可能なものもある。すなわち、1台のモバイル機器の中に、静止画像データと、動画像データとが混在したり、その他のデータ、例えば、メールデータなどのテキストデータなどを含んだりする場合もある。
このため、図36に示したように、実行処理特定テーブルの中に、データ種別をも設けておくことにより、扱うデータの種別(種類)に応じて、異なるホーム機器やインターネット上の商用サーバ装置との間において、データのやり取りを行うようにすることもできる。すなわち、データの種類ごとに、異なる処理を行うようにすることもできる。
例えば、カメラ付き携帯電話端末が、クレードル1に載置された場合に、静止画像データは、インターネット上の写真共有サービスサーバ装置にアップロードし、動画像データは、インターネット上の動画共有サービスサーバ装置にアップロードし、メールデータは、ホーム機器であるPC1に転送するなどということが可能になる。これは、実行処理特定テーブルの内容を変えることにより対応することができる。
また、この第2の実施の形態においては、モバイル機器とホーム機器とを特定して、種々の動作を行う場合について具体的に説明したが、モバイル機器とホーム機器(インターネット8上の商用サーバ装置も含む)との組み合わせは図36を用いて説明したように種々の組み合わせが可能である。また、送受するデータも、モバイル機器とホーム機器との組み合わせにより、種々のものとすることができる。
なお、上述した第2の実施の形態の説明から明らかなように、携帯電子機器における通信手段は、各モバイル機器の無線通信部45a、66a、107a、210a、送受信アンテナ45b、66b、107b、210bが実現し、記憶手段は、画像記憶部44、コンテンツ記憶部62、105、205が実現し、受信制御手段は、制御部41、61、101、201、送受信制御部47が実現し、利用制御手段は、制御部41、61、101、201が実現し、削除手段は、制御部41、61、101、201が実現し、準備手段は、各制御部41、61、101、201が実現し、送信制御手段は、制御部41、61、101、201、送受信制御部47が実現している。
また、クレードル装置の第1の通信手段は、無線通信部15a、送受信アンテナ15bが実現し、第2の通信手段は、外部I/F14a、入出力端14bが実現し、接続検出手段は、載置検出部16が実現し、通知制御手段は、送受信制御部17が実現し、中継制御手段は、主に送受信制御部17が実現している。
また、サーバ装置の第1の通信手段は、外部I/F26a、入出力端26bが実現し、第2の通信手段は、外部I/F32a、入出力端32bが実現し、第1の送信制御手段は、制御部21、送受信制御部27が実現し、中継制御手段は、制御部21、送受信制御部27が実現し、削除要求形成手段は、制御部21が実現し、削除要求送信制御手段は、制御部21、送受信制御部27が実現し、選択手段は、主に制御部21が実現している。
また、ホーム機器の通信手段は、各ホーム機器の外部I/F303a、463a、505a、入出力端303b、463b、505bが実現し、準備手段は、各制御部301、450、501が実現し、送信制御手段もまた、各制御部301、450、501が実現している。
また、この出願に係る方法の発明は、図31、図37〜図38、図46〜図47、図50〜図51、図54〜図55に示した一連の処理を行うものであり、その詳細は、第2の実施の形態の各フローチャートを用いて説明した内容に対応するものである。
また、クレードル装置において実行されるプログラムの発明は、図41のフローチャートを用いて説明した処理に対応するものであり、サーバ装置において実行されるプログラムの発明は、図42、図43、図48、図53を用いて説明した処理に対応するものである。
なお、上述した第1、第2の実施の形態においては、クレードル1とサーバ装置2とは別体のものとして説明したが、これに限るものではない。第1の実施の形態においても、また、第2の実施の形態においても、クレードル1とサーバ装置2とを一体に構成することももちろん可能である。
また、上述した第1、第2の実施の形態において、種々のモバイル機器4とクレードル1とは、接点を接触させることなく、充電及びデータ通信を行えるものとして説明したが、非接触に構成することは必須の要件ではない。例えば、種々のモバイル機器4とクレードル1との双方に、充電のための接点やデータ通信のための接点を設けておき、これらを通じて相互の機器が接続された場合に、充電やデータ通信を行うようにしてもよい。また、クレードル1と種々のモバイル機器4とをケーブルにより接続するように構成することも可能である。
また、データ通信は、光通信で行い、充電は上述した非接触の態様で行うようにしたりするなどのことももちろん可能である。
1…クレードル、11…制御部、12…時計回路、13…操作部、14a…外部I/F、14b…入出力端子、15a…無線通信部、15b…送受信アンテナ、16…載置検出部、17…送受信制御部、18…表示部、19…充電制御部、2…サーバ装置、21…制御部21、22…時計回路、23…操作部、24…リモコン信号受光部、25…リモコン、26a…外部I/F、26b…入出力端、27…送受信制御部、28…消去データ抽出部、29…書き戻しデータ作成部、30…ハードディスクドライバ、31a…表示I/F、31b…映像信号の出力端、32a…外部I/F、32b…入出力端、33…通信処理部、
4…モバイル機器、41…制御部、42…時計回路、43…操作部、44…画像記憶部、45a…無線通信部、45b…送受信アンテナ、46…撮像部、47…送受信制御部、48…画像消去制御部、49…表示部、50…バッテリ、51…無線充電制御部、61…制御部、62…コンテンツ記憶部、63…キー操作部、64…バッテリ、65…無線充電制御部、66a…無線通信部、66b…送受信アンテナ、71…広域通信用の送受信アンテナ、72…アンテナ共用器、73…受信部、74…局発部、75…ベースバンド処理部、76…コーデック、77…受話器(スピーカ)、78…送話器(マイクロホン)、79…送信部、80…音楽再生部、81…音声出力端子、82…LCD、83…撮像部、90…ヘッドホン、111、211、411、611…CPU、112、212、412、612…ROM、113、213、413、613…RAM、114、214、414、…614…不揮発性メモリ、115、215、415、615…CPUバス、4(1)…携帯電話端末、4(2)…デジタルスチルカメラ、4(3)…携帯型オーディオプレーヤ、4(4)…携帯型ビデオプレーヤ、6(1)、6(2)…パーソナルコンピュータ、6(3)…HDDレコーダ、6(4)…NAS