以下、図を参照しながら、この発明によるシステム、装置、プログラム、方法の位置実施の形態について説明する。
[第1の実施の形態]
[データ通信システムの概要]
図1は、この実施の形態のデータ通信システムの概要について説明するための図である。この実施の形態のデータ通信システムは、この発明によるシステムの一実施の形態が適用されたものである。
図1に示すように、この実施の形態のデータ通信システムは、クレードル1とサーバ装置2とがインターフェイスケーブル3を通じて接続されて形成されたものである。この実施の形態においては、クレードル1とサーバ装置2とを有線により接続するものとして説明するが、クレードル1とサーバ装置2とは、所定の無線インターフェイスにしたがって無線接続するように構成することももちろん可能である。
クレードル1は、この発明による装置、プログラム、方法の一実施の形態が適用されたものであり、これに載置される種々のモバイル機器と、サーバ装置2との間で行われるデータの送受信を仲介する機能を有するものである。また、この実施の形態のクレードル1は、これに載置されたモバイル機器に対して、充電を行う機能をも有するものである。
この実施の形態において、種々のモバイル機器とクレードル1とは、給電のための接点や通信のための接点とを直接に接続する必要はなく、充電も通信も非接触で行うことができるようにしている。すなわち、充電は電磁誘導により行い、データの送受信は近距離無線通信により行うようにするが、充電処理と通信処理とが影響を及ぼし合うことが無いように、異なる周波数帯域を用いるようにしている。
なお、クレードル1に対しては、クレードル1から電力の供給を受けて自機のバッテリの充電を行うことができる機能やクレードル1との間で近距離無線通信により通信を行うことができる機能、あるいは、その両方の機能を備えた種々のモバイル機器、例えば、カメラ付き携帯電話端末、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、携帯型音楽再生装置などを載置して、クレードル1から電力の供給を受けたり、クレードル1との間で通信を行ったりすることができるようにしている。
すなわち、クレードル1は、所定のモバイル機器に専用のものではなく、種々のモバイル機器が利用することが可能な汎用のものである。また、クレードル1に対しては、1度に複数台のモバイル機器を載置して、そのそれぞれとクレードル1との間で通信を行うことができると共に、そのそれぞれのモバイル機器のバッテリに対して充電を行うことができるようにしている。
サーバ装置2は、この発明による装置、プログラム、方法の一実施の形態が適用されたものであり、詳しくは後述もするが、大容量の記録装置を備え、クレードル1を介して送信されてくる種々のモバイル機器からの蓄積データを受信して記憶保持したり、クレードル1を介してこれに載置されたモバイル機器に対して、処理の実行を指示したり、必要な情報を提供したりすることができるものである。サーバ装置2は、例えば、ハードディスクレコーダやパーソナルコンピュータ、あるいは、いわゆるホームネットワークシステムを構築する場合の専用のサーバ装置として実現されるものである。
この実施の形態のデータ通信システムにおいては、図1に示すように、例えば、カメラ付き携帯電話端末4(1)がクレードル1に載置された場合には、クレードル1を介して送信されてくるサーバ装置2からの要求に指示に応じて、カメラ付き携帯電話端末4(1)に蓄積されている新規に撮影された静止画像データを、クレードル1を介してサーバ装置2に送信して、サーバ装置2の記録装置にバックアップを取ることができるようにしている。
また、サーバ装置からの消去指示に応じて、サーバ装置2にバックアップを取るようにした静止画像データであって、カメラ付き携帯電話端末4(1)に蓄積されている静止画像データを消去することができるようにしている。この場合、バックアップするようにした全ての静止画像データを消去するのではなく、例えば、プロテクトがかけられているものや印刷マーキングが付加されているものなど、静止画像データの付随情報などにより重要な静止画像データであることが予測できるものについては、削除することなく残すことができるようにしている。
また、上述したように、消去した静止画像データについては、サーバ装置2においてバックアップを取った静止画像データに基づいて縮小画像を作成し、これをクレードル1を介してサーバ装置2からカメラ付き携帯電話端末4(1)に転送することによって、カメラ付き携帯電話端末4(1)のメモリを無駄に使用することなく、バックアップ後に消去するようにした静止画像データにはどのようなものがあるかを、カメラ付き携帯電話端末4(1)において適切に把握することができるようにしている。
なお、ここではカメラ付き携帯電話端末4(1)に蓄積されている静止画像データを扱う場合を例にしたが、モバイル機器としてデジタルビデオカメラがクレードル1に載置された場合には、動画像データが処理対象となり、新規に撮影された動画像データが、サーバ装置2にバックアップされた後に、サーバ装置2からの消去指示に応じて消去されることになる。
そして、動画像データが処理対象の場合、サーバ装置2においては、当該動画像データのダイジェスト再生を行うようにするためのダイジェスト再生用の動画像データが作成され、これがモバイル機器であるデジタルビデオカメラに戻され、サーバ装置2にバックアップした動画像データのダイジェスト版をいつでも確認することができるようにされる。
また、モバイル機器が携帯型音楽再生装置の場合には、当該携帯型音楽再生装置に蓄積されている音楽データについては、既にサーバ装置にバックアップしていたり、CD(Compact Disc)などの記録媒体に記憶保持されていたりするために、バックアップの必要が無い場合もある。このような場合には、蓄積データのバックアップは行うことなく、例えば、新たに利用可能になった音楽データの一部分の試聴を可能にするいわゆるお試し版の音楽データだけを携帯型音楽再生装置に提供するなどのこともできるようにしている。
すなわち、モバイル機器が、携帯型音楽再生装置である場合には、サーバ装置2は自機に蓄積されている音楽データの内、未だ携帯型音楽再生装置に提供したこと無い音楽データを提供するようにしたり、新たに提供可能な音楽データをインターネット上のサーバから取得してきて提供するようにしたり、それらの音楽データの一部分を提供するようにしたりするなどのことができるようにしている。
このように、通信の相手先の機器や処理対象のデータ等によって、モバイル機器に戻すための情報(モバイル機器用のデータ)は異なる。このため、サーバ装置2において、モバイル機器用のデータとしてどのようなデータを準備して戻すようにするかは、モバイル機器から転送されてくる機器属性に基づいて特定したり、サーバ装置が管理する目的とするモバイル機器への過去の送信履歴に基づいて特定するようにしたり、目的とするモバイル機器が蓄積しているデータのデータ属性に基づいて特定したり、あるいは、サーバ装置2が受け付けたユーザーからの指示入力に基づいて特定したりすることができるようにしている。
ここで、機器属性は、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、携帯電話端末等の機器の種別(種類)を示すものである。また、データ属性は、静止画像データ、動画像データ、音声データ等のデータの種別(種類)を示すものである。
このように、この実施の形態のデータ通信システムにおいては、種々のモバイル機器をクレードル1に載置するだけで(置くだけで)、(1)モバイル機器に蓄積されているデータのバックアップ、(2)モバイル機器に蓄積されているデータの消去(整理)、(3)モバイル機器への必要なデータの提供を行って、ユーザーの手を煩わせることなく、携帯電子機器を常時適切な利用可能状態を維持できるようにして、携帯電子機器の使い勝手を向上させることができるようにしている。
[データ通信システムを構成する各機器の構成例について]
次に、この実施の形態のデータ通信システムを構成する各機器の構成例について説明する。以下においては、クレードル1、サーバ装置2の構成例に加えて、クレードル1に載置されるモバイル機器の一例としてデジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラの構成例について説明することとする。
[クレードル1の構成例について]
図2は、この実施の形態のデータ通信システムで用いられるクレードル1の構成例について説明するためのブロック図である。図2に示すように、クレードル1は、制御部11と、時計回路12と、操作部13と、外部インターフェイス(以下、外部I/Fと略称する。)14aと、入出力端子14bと、無線通信部15aと、送受信アンテナ15bと、載置検出部16と、送受信制御部17と、表示部18と、充電制御部19とを備えたものである。
制御部11は、この実施の形態のクレードル1の各部を制御するものであり、CPU(Central Processing Unit)111と、ROM(Read Only Memory)112と、RAM(Random Access Memory)113と、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)やフラッシュメモリなどの不揮発性メモリ114とがCPUバス115を通じて接続されて構成されたマイクロコンピュータである。
ここで、CPU111は、後述するROM112に記憶保持されているプログラムを実行し、制御信号を形成し、これを必要とする各部に供給するなどして、クレードル1の各部を制御するようにする制御の主体となるものである。ROM112は、上述のように、CPU111において実行されるプログラムや各種の処理において必要となるデータ等が予め記憶されたものである。
また、RAM113は、主に処理の途中結果などを一時記憶したりするいわゆる作業領域として用いられるものである。また、不揮発性メモリ114は、クレードル1の電源が切られても保持しておくべきデータ、例えば、各種の設定パラメータや機能アップのための追加プログラム等の情報が記憶保持されるものである。
時計回路12は、カレンダ機能を備え、現在年月日、現在曜日、現在時刻を提供するものである。操作部13は、例えば、数字キーや各種のファンクションキーなどの操作キーを有し、ユーザーからの操作入力を受け付けて、これを電気信号に変換して制御部11に通知することができるものである。これにより、操作部13を通じて受け付けた指示入力は、電気信号として制御部11に供給され、制御部11はユーザーからの指示に応じて各部を制御し、ユーザーの指示に応じた処理を行うことができるようにしている。
入出力端14bは、外部機器との接続端部を構成するものであり、この実施の形態において、入出力端14bにはインターフェイスケーブル3を介してサーバ装置2が接続される。外部I/F14aは、自機から送出すべきデータを送出用の形式に変換したり、外部から供給されたデータを自機において処理可能な形式に変換したりするなどの機能を有するものである。無線通信部15a、送受信アンテナ15bは、当該クレードル1に載置されたモバイル機器との間において、近距離無線通信によりデータ通信を行うようにする部分である。
なお、近距離無線通信技術としては、UWB(Ultra WideBand)と呼ばれる数GHz(ギガヘルツ)といった広い帯域の電波を利用してデータを送受信する無線技術やブルートゥース(Bluetooth)などと呼ばれる短距離無線通信技術、その他の種々の近距離無線通信技術、あるいは、短距離無線通信技術を用いることが可能である。
載置検出部16は、自機にデータ通信や充電が可能なモバイル機器が載置されたか否かを検出する部分である。この載置検出部16は、電気的にモバイル機器の載置を検出することができるものである。例えば、無線通信部15aを制御して所定間隔で応答要求を送出し、これに応答してきたモバイル機器が存在する場合に、モバイル機器が載置されたと検出することができる。
この他にも、いわゆる圧電センサなどのセンサを備え、まず、当該圧電センサを通じて何らかの物体がクレードル1のモバイル機器が載置されるべき部分である載置部に載置されたこと(載置部に圧力が加わったこと)を検出した場合に、無線通信部15aを制御して応答要求を送出し、これに応答してきたモバイル機器が存在する場合に、モバイル機器が載置されたと検出したりするようにすることもできる。この場合には、常時、所定の間隔で応答要求を送信する必要はなく、何かが載置されたことを検出した場合に、通信可能なモバイル機器か否かを検出するようにすればよいので、無線通信部15a等の負荷を軽減することができる。
送受信制御部17は、無線通信部15a、送受信アンテナ15bを通じて行う載置されたモバイル機器との送受信と、外部I/F14a、入出力端14bを通じて行うサーバ装置2との送受信とを制御する。すなわち、送受信制御部17は、無線通信部15a、送受信アンテナ15bを通じて受信したモバイル機器からの情報を、外部I/F14a、入出力端14bを通じてサーバ装置に送信したり、逆に、外部I/F14a、入出力端14bを通じて受信したサーバ装置2からの情報を、無線通信部15a、送受信アンテナ15bを通じてモバイル機器に送信したりする処理を制御するものである。
このように、送受信制御部17は、モバイル機器とサーバ装置との間の通信を中継する中継制御手段としての機能を実現するものである。もちろん、送受信制御部17は、単に、無線通信部15a、送受信アンテナ15bを通じてモバイル機器とクレードル1との間で行う通信処理や、外部I/F14a、入出力端14bを通じてサーバ装置2とクレードル1との間で行う通信処理についても制御することができるものである。
なお、図2において2重線で示した送受信制御部17の機能は、CPU111において実行されるプログラム(ソフトウェア)によって、制御部11の機能として実現することも可能である。また、載置検出部16についても、圧電センサなどを用いない構成の場合には、無線通信部15a、送受信アンテナ15bを通じて通信を行うことにより、モバイル機器の載置検出を行うことができる。このため、載置検出部16の機能についてもCPU111において実行されるプログラム(ソフトウェア)によって、制御部11の機能として実現することも可能である。
表示部18は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)や有機ELパネル(Organic Electroluminescence Panel)などの表示素子と、これらのコントロール回路からなるものであり、制御部11の制御に応じて、各種のガイダンスメッセージや警告メッセージ、動作状態を示す表示など、文字、記号、絵などの種々の表示情報を表示することができるものである。
充電制御部19は、上述もしたように、クレードル1に載置されたモバイル機器に対して電磁誘導により電力を供給し、モバイル機器に搭載されたバッテリの充電を行えるようにする部分である。
そして、この実施の形態のクレードル1は、載置検出部16を通じてモバイル機器が載置されたことを検出すると、これを送受信制御部17の機能により、外部I/f14aを制御して、入出力端14bに接続するようにされているサーバ装置に通知する。
また、入出力端14b、外部I/f14aを通じてサーバ装置2から提供される指示に従って、送受信制御部17の制御により、無線通信部15a、送受信アンテナ15bを通じて、自機に載置されたモバイル機器から蓄積データの提供を受けて、これを外部I/f14aを制御して、入出力端14bに接続するようにされているサーバ装置に提供する。
また、送受信制御部17の制御により、入出力端14b、外部I/f14aを通じてサーバ装置2から提供されるデータの消去指示や書き戻しデータを受信し、これら消去指示や書き戻しデータを無線通信部15a、送受信アンテナ15bを通じて、自機に載置されたモバイル機器に送信したりすることができるようにしている。
このように、この実施の形態のクレードル1において、無線通信部15a、送受信アンテナ15bが、モバイル機器との間で通信を行うための第1の通信手段としての機能を実現し、また、外部I/F14a、入出力端14bが、サーバ装置との間で通信を行うための第2の通信手段としての機能を実現している。
また、載置検出部16が、載置検出手段としての機能を実現し、送受信制御部17が、モバイル機器が載置されたことを検出した場合にこれをサーバ装置に通知する通信制御手段としての機能と、載置されたモバイル機器とサーバ装置との間の通信を制御する中継制御手段としての機能を実現している。
[サーバ装置2の構成例について]
図3は、この実施の形態のデータ通信システムで用いられるサーバ装置2の構成例について説明するためのブロック図である。図3に示すように、サーバ装置2は、制御部21と、時計回路22と、操作部23と、リモコン信号受光部24と、外部I/F26a、入出力端26bと、送受信制御部27と、消去データ抽出部28と、書き戻しデータ作成部29と、ハードディスクドライバ30と、表示インターフェイス(以下、表示I/Fと略称する。)31aと、映像信号の出力端31bとを備えたものである。また、サーバ装置2に専用のリモコン25を利用可能な構成になっている。
制御部21は、この実施の形態のサーバ装置2の各部を制御するものであり、CPU211、ROM212、RAM213、不揮発性メモリ214が、CPUバス215を通じて接続されて構成されたマイクロコンピュータである。
ここで、CPU211は、後述するROM212に記憶保持されているプログラムを実行し、制御信号を形成し、これを必要とする各部に供給するなどして、サーバ装置2の各部を制御するようにする制御の主体となるものである。ROM212は、上述のように、CPU211において実行されるプログラムや各種の処理において必要となるデータ等が予め記憶されたものである。
また、RAM213は、主に処理の途中結果などを一時記憶したりするいわゆる作業領域として用いられるものである。また、不揮発性メモリ214は、EEPROMやフラッシュメモリなどからなるものであり、サーバ装置2の電源が切られても保持しておくべきデータ、例えば、各種の設定パラメータや機能アップのための追加プログラム等の情報が記憶保持されるものである。
時計回路22は、カレンダ機能を備え、現在年月日、現在曜日、現在時刻を提供するものである。操作部23は、例えば、数字キーや各種のファンクションキーなどの操作キーを有し、ユーザーからの操作入力を受け付けて、これを電気信号に変換して制御部21に通知することができるものである。これにより、操作部23を通じて受け付けた指示入力は、電気信号として制御部21に供給され、制御部21はユーザーからの指示に応じて各部を制御し、ユーザーの指示に応じた処理を行うことができるようにしている。
なお、操作部23は、サーバ装置2本体に設けられるものの他、数字キー、アルファベットキー、ファンクションキーなどを有するいわゆるキーボード装置としてサーバ装置2とは別体に設けられたり、いわゆるマウスなどのポインティングデバイスとして設けられたり、あるいは、それらの複数が利用可能とされる場合もある。
リモコン信号受光部24は、リモコン25からの赤外線のリモコン信号を受光し、これを電気信号に変換して制御部21に通知するものである。リモコン25は、各種の操作キーを備え、ユーザーからの操作入力を受け付けて、受け付けた操作入力に応じた赤外線のリモコン信号を形成して送出することができるものである。
このように、リモコン信号受光部24とリモコン25とにより、ユーザーは、サーバ装置2から離れた場所にいても、リモコン信号の送受可能な範囲内においては、サーバ装置2に対して指示を出し、サーバ装置2をいわゆる遠隔操作することができるようにしている。
入出力端26bは、外部機器との接続端部を構成するものであり、この実施の形態において、入出力端26bにはインターフェイスケーブル3を介してクレードル1が接続するようにされる。外部I/F26aは、自機から送出すべきデータを送出用の形式に変換したり、外部から供給されたデータを自機において処理可能な形式に変換したりするなどの機能を有するものである。
送受信制御部27は、外部I/F26a、入出力端26bを通じて、これに接続するようにされているクレードル1との間の通信処理を制御する。すなわち、自機からクレードル1やクレードル1を介してクレードル1に載置されたモバイル機器4に情報を送信する処理や、クレードル1やクレードル1を介してクレードル1に載置されたモバイル機器4から送信されてくる情報を受信する処理を制御する。
消去データ抽出部28は、クレードル1に載置されたモバイル機器から、これに蓄積されているデータ(蓄積データ)の提供を受けて、後述するハードディスクドライバ30のハードディスクにバックアップをするようにした後に、バックアップした蓄積データの中で、当該モバイル機器から消去すべきデータを抽出して特定する部分である。
具体的な抽出処理については後述もするが、蓄積データに例えばプロテクト情報や印刷マーキングなどが付加されているなど、重要な蓄積データであることが予測できるものについては残す蓄積データとして特定し、重要な蓄積データあることが予測できないものについては消去データとして特定する。
そして、消去データ抽出部28において、消去すべきデータとして特定したデータについては、クレードル1を介してモバイル機器に通知することにより、モバイル機器から削除するようにし、モバイル機器4のメモリの記憶可能容量を確保することができるようにしている。
また、書き戻しデータ作成部29は、例えば、消去データ抽出部28により抽出されて特定されて、モバイル機器4のメモリから消去するようにされたデータについて、どのような蓄積データが消去されたかをモバイル機器4でも把握できるようにするために、消去されたデータを圧縮するようにしたデータを作成して、これをモバイル機器4に戻すようにする部分である。
もちろん、消去されたデータに基づいて形成される書き戻しデータを書き戻すことに限るものではなく、モバイル機器4に対して提供すべき種々のデータから、ここでいう書き戻しデータ(提供データ)を形成してモバイル機器に提供するようにすることもできる。なお、以下においては説明を簡単にするために、主に、モバイル機器4から消去するようにされた蓄積データから書き戻しデータを作成する場合について説明する。
書き戻しデータ作成部29においては、例えば、消去するようにされた蓄積データが静止画像データである場合には、その縮小画像を書き戻しデータとして作成して準備したり、消去するようにされた蓄積データが動画像データである場合には、そのダイジェスト画像を再生するダイジェスト版の動画像データを作成して準備したり、消去するようにされた蓄積データが音楽データである場合には、例えば、音楽データの先頭部分の数秒から10秒程度の部分だけからなる短縮版の音楽データを作成して準備したりする。
なお、この実施の形態のデータ通信システムにおいては、モバイル機器4が、例えば、カメラ付き携帯電話端末、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラなどの静止画像データや動画像データを扱うものであるために、消去対象のデータに応じた書き戻しデータを作成する場合を説明したが、これに限るものではない。
上述もしたが、例えば、モバイル機器が携帯型音楽再生装置や携帯型映像音響再生装置等の場合には、これらの機器に新たに適用可能になった音楽データやAVデータを準備するようにしたり、提供可能になった音楽データやAVデータについての内容を通知するためのいわゆる告知データを準備するようにしたりする場合もある。すなわち、書き戻しデータ作成部29は、消去対象のデータに応じて形成するデータだけでなく、新たに提供可能になったデータ等をモバイル機器用に準備する機能をも有するものである。
なお、図3において、2重線で示した送受信制御部27、消去データ抽出部28、書き戻しデータ作成部29のそれぞれの機能は、CPU211において実行されるプログラム(ソフトウェア)によって、制御部21の機能として実現することも可能である。
ハードディスクドライバ(以下、HDDと略称する。)30は、ハードディスクと、ドライバとからなり、制御部21の制御に応じて、供給されるデータをハードディスクに記録したり、ハードディスクに記録されているデータを読み出したりする。
表示I/F31aは、制御部21の制御に応じて、外部のディスプレイ装置に供給する映像データを形成し、これを映像信号の出力端31bを通じて出力する部分である。従って、映像信号の出力端31bには、外部のディスプレイ装置が接続される。
そして、この実施の形態のサーバ装置2は、送受信制御部27の制御により、入出力端26b、外部I/F26aを通じて、クレードル1を介して送信されてくる載置通知を受信したり、モバイル機器からの蓄積データを受信して、これをHDD30のハードディスクに蓄積したりすることができるようにしている。
また、消去データ抽出部28で抽出して特定するようにした消去データについての消去指示や、書き戻しデータ作成部29において作成して準備した書き戻しデータを、送受信制御部27の制御により、外部I/F26a、入出力端26bを通じて送信し、クレードル1を介してこれに載置されたモバイル機器に送信することができるようにしている。
このように、この実施の形態のサーバ装置2において、外部I/F26a、入出力端26bが、通信手段としての機能を実現し、書き戻しデータ作成部29が、データ準備手段としての機能を実現するようにしている。また、送受信制御部27が、通信制御手段としての機能を実現するようにしている。
また、HDD30が、送信履歴記憶手段としての機能や、モバイル機器からの蓄積データを記憶保持する記憶手段としての機能を実現するようにしており、消去データ抽出部28と制御部21が協働することにより、消去指示形成手段としての機能を実現するようにしている。
[モバイル機器4の構成例について]
図4は、この実施の形態のデータ通信システムのクレードル1に対して載置してデータの送受と充電とを行うことが可能なモバイル機器4の構成例を説明するためのブロック図である。モバイル機器4としては、上述もしたように、カメラ付き携帯電話端末、デジタルスチルカメラ、携帯型音楽再生装置など、種々のものが考えられる。しかし、以下においては、説明を簡単にするため、モバイル機器4は、デジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラである場合を例にして説明する。
図4に示すように、この実施の形態のモバイル機器4は、制御部41と、時計回路42と、操作部43と、画像記憶部44と、無線通信部45aと、送受信アンテナ45bと、撮像部46と、送受信制御部47と、画像消去制御部48と、表示部49と、バッテリ50と、無線充電制御部51とを備えたものである。
制御部41は、この実施の形態のモバイル機器4の各部を制御するものであり、CPU411、ROM412、RAM413、不揮発性メモリ414が、CPUバス415を通じて接続されて構成されたマイクロコンピュータである。
ここで、CPU411は、後述するROM412に記憶保持されているプログラムを実行し、制御信号を形成し、これを必要とする各部に供給するなどして、モバイル機器4の各部を制御するようにする制御の主体となるものである。ROM412は、上述のように、CPU411において実行されるプログラムや各種の処理において必要となるデータ等が予め記憶されたものである。
また、RAM413は、主に処理の途中結果などを一時記憶したりするいわゆる作業領域として用いられるものである。また、不揮発性メモリ414は、EEPROMやフラッシュメモリなどからなるものであり、モバイル機器4の電源が切られても保持しておくべきデータ、例えば、各種の設定パラメータや機能アップのための追加プログラム等の情報が記憶保持されるものである。
時計回路42は、カレンダ機能を備え、現在年月日、現在曜日、現在時刻を提供するものである。操作部43は、例えば、各種の操作キー、操作ダイヤル、操作レバーを備え、ユーザーからの操作入力を受け付けて、これを電気信号に変換して制御部41に通知することができるものである。これにより、操作部43を通じて受け付けた指示入力は、電気信号として制御部41に供給され、制御部41はユーザーからの指示に応じて各部を制御し、ユーザーの指示に応じた処理を行うことができるようにしている。
画像記憶部44は、記録媒体と、ドライバ部等からなり、制御部41の制御により、後述する撮像部46を通じて撮影することにより得た静止画像データや動画像データの供給を受けて、これらを記憶保持するものである。ここで用いられる記録媒体としては、ハードディスク、半導体メモリ、DVD等の光ディスクなどの種々のものがあり、内蔵するように構成したり、着脱可能に構成したりすることが可能である。この実施の形態のモバイル機器4においては、画像記憶部44は、記録媒体として内蔵ハードディスクが用いられて構成されたものとして説明する。
無線通信部45a、送受信アンテナ45bは、クレードル1との間において、近距離無線通信によりデータ通信を行うようにする部分である。従って、無線通信部45a、送受信アンテナ45bは、クレードル1の無線通信部15a、送受信アンテナ15bと同様に、例えば、UWB(Ultra WideBand)やブルートゥース(Bluetooth)などの無線通信技術、その他の種々の近距離無線通信技術、あるいは、短距離無線通信技術を用いて、クレードル1との間で無線通信を行うことができるようにしている。
撮像部46は、対物レンズ、絞り機構、シャッター機構、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサなどの撮像素子、前処理回路等を備え、被写体の画像を電気信号として取り込んで、これをデジタル信号に変換することができるものである。ここでデジタル信号とされた静止画像データや動画像データは、上述もしたように、制御部41を通じて画像記憶部44の記録媒体に記録される。
送受信制御部47は、無線通信部45a、送受信アンテナ45bを通じて行うクレードル1との送受信を制御する。すなわち、送受信制御部47は、無線通信部45a、送受信アンテナ45bを通じてクレードル1からの情報を受信するようにしたり、制御部41において作成した送信情報などを無線通信部45a、送受信アンテナ45bを通じてクレードル1に対して送信するようにしたりする部分である。すなわち、自機とクレードル1とのデータの送受信を制御するものである。
画像消去制御部48は、詳しくは後述もするが、送受信アンテナ45b、無線通信部45aを通じて、クレードル1を介して送信されてきたサーバ装置2からのデータ消去要求を受信した場合に、受信した当該データ消去要求に基づいて、画像記憶部44の記録媒体に記録されている静止画像データや動画像データの内、消去することが指示された静止画像データや動画像データを画像記憶部44の記録媒体から消去する処理を制御するものである。
なお、図4において2重線で示した送受信制御部47、画像消去制御部48の機能は、制御部41のCPU411によって実行されるプログラム(ソフトウェア)によって、制御部41の機能として実現することも可能である。
バッテリ50は、この実施の形態のモバイル機器4の各部に供給する電力を蓄積するものである。また、無線充電制御部51は、クレードル1の充電制御部19を通じて供給される電力をバッテリ50に供給して、バッテリ50の充電処理を制御するものである。これら、充電制御部19と無線充電制御部51とが協働して、クレードル1からの電力の供給を受けてバッテリ50に充電することができるようにしている。
そして、この実施の形態のモバイル機器4は、上述もしたように、撮像部46を通じて撮像した静止画像データや動画像データを画像記憶部44に記録することができるものである。そして、画像記憶部44に記憶した種々の画像データは、自機をクレードル1に載置することにより、送受信制御部47と無線通信部45aとが機能し、クレードル1を介して、サーバ装置2に送信して、サーバ装置2のハードディスクに蓄積すること、すなわちバックアップを取ることができるようにしている。
また、送受信アンテナ45b、無線通信部45aを通じて、クレードル1を介して送信されてくるサーバ装置2からの画像データの消去要求を受信した時には、画像消去制御部48が機能して画像記憶部44を制御し、サーバ装置2にバックアップしてモバイル機器4には不必要になった画像データを画像記憶部44の記録媒体から消去して、画像記憶部44の記憶媒体の記憶容量を確保することができるようにしている。
また、送受信アンテナ45b、無線通信部45aを通じて、クレードル1を介して送信されてくるサーバ装置2からの書き戻しデータを受信した時には、送受信制御部47は、画像記憶部44を制御して、サーバ装置2からの書き戻しデータを画像記憶部44の記録媒体に記録することができるようにしている。
このように、この実施の形態のモバイル機器4は、クレードル1に載置するだけで、クレードル1を介してデータ通信を行うことにより、データのサーバ装置2へのバックアップや、サーバ装置2からの指示に応じた画像記憶部44に記憶保持されているデータの消去処理や、サーバ装置2からの書き戻しデータの画像記憶部44への記録処理を行うことができるものである。しかも同時に、自機のバッテリ50に対する充電をもクレードル1を通じて行うことができるようにされている。
[データ通信システムの動作について]
次に、この実施の形態のデータ通信システム全体の動作について、図5、図6のタイミングチャートを参照しながら説明する。図1を用いて説明したように、クレードル1とサーバ装置2とは、インターフェイスケーブル3が用いられて有線により接続されている。そして、クレードル1は、これに載置されたモバイル機器4との間においては、近距離無線通信技術が用いられて、無線により接続される。
そして、以下に説明するように、クレードル1に載置されたモバイル機器4と、クレードル1に有線接続されたサーバ装置2との間においては、クレードル1を介して通信が行われることになる。
クレードル1は、自機に電源が投入された状態にあるときには、載置検出部16の機能により、所定の間隔ごとにモバイル機器4が載置されたか否かを判断する(ステップS1)。上述もしたように、この実施の形態のクレードル1に対しては、1度に複数台のモバイル機器を載置することができるようにされており、新たなモバイル機器が載置される毎にモバイル機器が載置されたことを検出することができるようにしている。
そして、ステップS1の判断処理において、モバイル機器4は載置されていないと判断したときには、ステップS1の判断処理を繰り返し、モバイル機器の載置待ちとなる。また、ステップS1の判断処理において、モバイル機器4が載置されたと判断した場合には、クレードル1は、送受信制御部17が無線通信部15aを制御し、自機に新たに載置されたモバイル機器4に対して、機器ID問合せを送信する(ステップS2)。
モバイル機器4は、送受信アンテナ45b、無線通信部45aを通じてクレードル1からの機器ID問合せを受信すると、送受信制御部47が無線通信部45aを制御し、自機(モバイル機器4)の機器IDをクレードル1に対して送信する(ステップS3)。
クレードル1は、送受信アンテナ15b、無線通信部15aを通じて、新たに載置されたモバイル機器4からの機器IDを受信すると、送受信制御部17が外部I/F14aを制御し、モバイル機器4からの機器IDをサーバ装置2に報告する(ステップS4)。これにより、サーバ装置2は、クレードル1に対して新たなモバイル機器が載置されたことを把握する。そして、クレードル1においては、新たに載置されたモバイル機器4に対して充電の開始処理を実行する(ステップS5)。
一方、サーバ装置2は、入出力端26b、外部I/F26aを通じて、クレードル1に対して新たに載置されたモバイル機器4からの機器ID報告を受信すると、送受信制御部27が外部I/F26aを制御し、当該受信した機器IDによって特定されるモバイル機器4に対して、蓄積データの一覧リストの提供要求である蓄積データリスト要求を送信する(ステップS6)。
この蓄積データリスト要求は、クレードル1において、入出力端14b、外部I/F14aを通じて受信された後、送受信制御部17の制御により、無線通信部15a、送受信アンテナ15bを通じてモバイル機器4に対して送信される。
モバイル機器4は、送受信アンテナ45b、無線通信部45aを通じて、サーバ装置2からの蓄積データリスト要求を受信すると、制御部41が、画像記憶部44に記憶保持している画像データに基づいて蓄積データリストを形成し、これを送受信制御部47が無線通信部45aを制御して送信する(ステップS7)。
この蓄積データリストは、クレードル1において、送受信アンテナ15b、無線通信部15aを通じて受信された後、送受信制御部17の制御により、外部I/F14a、入出力端14bを通じてサーバ装置2に対して送信される。
サーバ装置2は、入出力端26b、外部I/F26aを通じて、モバイル機器4からの蓄積データリストを受信すると、制御部21は、これをHDD30のハードディスクの所定の領域に格納する(ステップS8)。そして、サーバ装置2の制御部21は、格納した蓄積データリストに基づいて、新たに蓄積されたデータの提供要求である新規蓄積データ要求を形成し、これを送受信制御部27が外部I/F26aを制御して送信する(ステップS9)。
ここで、新規蓄積データ要求は、モバイル機器4からの蓄積データリストの作成日時と、既に当該モバイル機器4から提供を受けた蓄積データの作成日時とに基づいて、未だ提供を受けていない新たに提供を受けるべきデータを特定し、その特定したデータの提供をモバイル機器4に対して要求するための情報である。
なお、新規蓄積データ要求は、例えば、作成日時がyy年mm月dd日以降の画像データの全部というように、まとめて要求するように形成することも可能であるし、例えば、各蓄積データに付加されているデータIDによって提供を受けたい画像データを特定して要求するように形成することも可能である。
この新規蓄積データ要求は、クレードル1において、入出力端14b、外部I/F14aを通じて受信された後、送受信制御部17の制御により、無線通信部15a、送受信アンテナ15bを通じてモバイル機器4に対して送信される。
モバイル機器4は、送受信アンテナ45b、無線通信部45aを通じて、サーバ装置2からの新規蓄積データ要求を受信すると、制御部41は、画像記憶部44に記憶保持している画像データから要求された新規蓄積データを抽出し、これを送受信制御部47が無線通信部45aを制御して送信する(ステップS10)。
この新規蓄積データは、クレードル1において、送受信アンテナ15b、無線通信部15aを通じて受信された後、データ送受信制御部17の制御により、外部I/F14a、入出力端14bを通じてサーバ装置2に対して送信される。
サーバ装置2は、入出力端26b、外部I/F26aを通じて、モバイル機器4からの新規蓄積データを受信すると、制御部21は、これをHDD30のハードディスクの所定の領域に保存する(ステップS11)。このようにして、クレードル1に載置されたモバイル機器4の画像データなどの蓄積データを、クレードル1を通じてサーバ装置2のHDD30にバックアップすることができるようにされる。
そして、図6に示す処理に進み、サーバ装置2は、取得した新規蓄積データに基づいて、モバイル機器4の画像記憶部44に記憶されている画像データの中から消去すべきデータを洗い出す、消去対象データ洗い出し処理を実行する(ステップS12)。消去対象データ洗い出し処理の詳細については後述するが、新規蓄積データである画像データのそれぞれに付加されている付加情報を確認し、削除されないようにするための削除プロテクトがかけられていたり、印刷する必要のある情報であることを予め指示しておく印刷マーキングが付加されていたり、使用回数が更新するようにされている場合には、その使用回数が所定回以上であるなど、重要な画像データであることが予測できる画像データについては、消去対象とはせず、それ以外の画像データを消去対象として特定する処理である。
この後、サーバ装置2は、ステップS12の洗い出し処理に基づいて、消去可能なものとして特定した画像データの消去を指示する蓄積データ消去要求を形成し、これを送受信制御部27が外部I/F26aを制御して送信する(ステップS13)。
この蓄積データ消去要求は、クレードル1において、入出力端14b、外部I/F14aを通じて受信された後、送受信制御部17の制御により、無線通信部15a、送受信アンテナ15bを通じてモバイル機器4に対して送信される。
モバイル機器4は、送受信アンテナ45b、無線通信部45aを通じて、サーバ装置2からの蓄積データ消去要求を受信すると、画像消去制御部48が画像記憶部44を制御して、消去が指示された画像データを画像記憶部44から消去する処理を実行する(ステップS14)。
指示された画像データの消去が終了すると、モバイル機器4の制御部41は、消去処理完了報告を形成し、これを送受信制御部47の制御により、無線通信部45a、送受信アンテナ45bを通じて送信する(ステップS15)。
この消去処理完了報告は、クレードル1において、送受信アンテナ15b、無線通信部15aを通じて受信された後、送受信制御部17の制御により、外部I/F14a、入出力端14bを通じてサーバ装置2に対して送信される。
サーバ装置2は、入出力端26b、外部I/F26aを通じて、モバイル機器4からの消去処理完了報告を受信すると、書き戻しデータ作成部29が機能し、モバイル機器4の画像記憶部44が消去するようにした画像データに基づいて、書き戻しデータを作成する。この場合、サーバ装置2の書き戻しデータ作成部29は、モバイル機器4の機器属性や、処理対象の蓄積データの種別、自機に記憶保持した蓄積データの蓄積履歴、あるいは、ユーザーからの指示入力に応じて、どのような書き戻しデータを作成するかを決定する。
ここでは、モバイル機器4がデジタルスチルカメラであることを示す機器属性が、ステップS4機器IDの報告時に報告されているものとする。この場合、書き戻しデータ作成部29は、機器属性から消去対象の蓄積データは静止画像データであると分かるので、消去対象となった蓄積データである画像データを縮小処理して、モバイル機器4に書き戻すようにする書き戻しデータを作成する(ステップS16)。この場合、書き戻しデータ作成部29は、元の画像データの数分の1〜数十分の1程度の大きさの画像データを書き戻しデータとして形成する。
そして、サーバ装置2の送受信制御部27は、外部I/F26aを制御して、モバイル機器4に送信する(ステップS17)。この書き戻しデータは、クレードル1において、入出力端14b、外部I/F14aを通じて受信された後、送受信制御部17の制御により、無線通信部15a、送受信アンテナ15bを通じてモバイル機器4に対して送信される。
モバイル機器4は、送受信アンテナ45b、無線通信部45aを通じて書き戻しデータを受信すると、制御部41は、受信した書き戻しデータを画像記憶部44に保存する(ステップS18)。この書き戻しデータは、上述のように、モバイル機器4に蓄積されていた画像データであって、サーバ装置2のHDD30にバックアップした後に消去するようにされた画像データの縮小画像である。
したがって、サーバ装置2からの書き戻しデータである縮小画像を制御部41の制御により表示部49の表示画面に表示することにより、どのような画像をサーバ装置2にバックアップした後に消去したのかを確認することができる。そして、必要がある場合には、サーバ装置2にバックアップした画像データを利用したり、また、モバイル機器4の画像記憶部44に記録して、モバイル機器4において再度利用できるようにしたりすることもできる。
そして、ステップS18の書き戻しデータの保存が終了した後、モバイル機器4の制御部41は、保存完了報告を形成し、これを送受信制御部47の制御により、無線通信部45a、送受信アンテナ45bを通じて送信する(ステップS19)。
この保存完了報告は、クレードル1において、送受信アンテナ15b、無線通信部15aを通じて受信された後、送受信制御部17の制御により、外部I/F14a、入出力端14bを通じてサーバ装置2に対して送信される。
サーバ装置2において、入出力端26b、外部I/F26aを通じて保存完了報告を受信すると、サーバ装置2の制御部21は、クレードル1に新規に載置されたモバイル機器4とのデータの送受を適切に完了したことを認識することができる。
この後、クレードル1は、充電終了処理を実行するようにし(ステップS20)、モバイル機器のバッテリが満充電となり充電処理が完了すると、図5、図6を用いて説明したこの実施の形態のデータ通信システムにおいて、新たなモバイル機器がクレードル1に載置された場合の一連の処理が完了する。
このように、この実施の形態のデータ通信システムにおいては、サーバ装置2に接続されたクレードル1に対してモバイル機器4を載置するだけで、モバイル機器4に蓄積された蓄積データをクレードル1を介してサーバ装置2に送信し、サーバ装置2のHDD30にバックアップすることができるようにしている。
また、サーバ装置2の機能により、モバイル機器4からバックアップした蓄積データの中から消去可能な消去対象データを洗い出し、サーバ機器2からモバイル機器4に対して蓄積データ消去要求を提供することにより、モバイル機器4の画像記憶部44の記憶エリアを整理して、モバイル機器4の画像記憶部44の効率的な利用を図ることができるようにしている。
さらに、モバイル機器4からサーバ装置2にバックアップすると共に、モバイル機器4から消去するようにした蓄積データに基づいて、モバイル機器4に書き戻すための書き戻しデータを作成し、これをモバイル機器4に書き戻すことができるようにしている。この書き戻しデータは、上述もしたように、蓄積データが静止画像データである場合には、その縮小画像であり、元の蓄積データよりもデータ量を圧縮するようにした情報である。これにより、モバイル機器4は、サーバ装置2にバックアップ後、消去するようにした蓄積データはどんなものがあるのかを、画像記憶部44の記憶容量を無駄に使用することなく管理することができるようにしている。
なお、クレードル1に載置されたモバイル機器4に、サーバ装置2にバックアップすべきデータが存在しない場合には、図6に示したステップS16の処理に進み、モバイル機器4に対して新たに提供可能になった情報を形成して、これを提供する処理を行うようにすることができる。すなわち、クレードル1に載置されたモバイル機器4に、サーバ装置2にバックアップすべきデータが存在しない場合には、充電処理と書き戻しデータの提供処理とを行うようにすることができるようにされる。
[送受されるデータのレイアウト例について]
次に、図5、図6を用いて説明したこの実施の形態のデータ通信システムにおいて、各機器間でやり取りされるデータのレイアウト例について説明する。
[コマンドデータのレイアウト例]
図7は、コマンドデータのレイアウト例とその具体例を説明するための図である。図7Aに示すように、各機器間で送受されるコマンドデータは、「送信先ID」、「送信元ID」、「命令や指示の内容等を示すコマンド情報」、「命令や指示の実行に必要なデータや通知すべきデータ」等からなっている。
図7Bは、図5に示したシーケンス図のステップS2でクレードル1から新たに載置されたモバイル機器4に対して送信される機器ID問合せのためのコマンドデータの一例について説明するための図である。図7Bに示すように、機器ID問合せにおいて、送信先IDには「未応答機器を示す情報」が入力され、送信元IDには「クレードル1の機器ID」が入力され、コマンドを示す情報には「機器IDの問合せであることを示す情報」が入力される。
ここで、「未応答機器を示す情報」は、クレードル1との間で未だ通信を行っていない機器を指示する情報であり、例えば、機器IDが5桁の英数字で表されるものであれば、「00000」などのように予め決められたものである。そして、送信先IDとして「未応答機器を示す情報」を受信したモバイル機器の内、クレードル1との間の通信履歴が無いモバイル機器は、自機が未応答機器であると判断し、送信されてきたコマンド情報に応じた処理、この例の場合には、機器IDの通知を行うようにすることになる。
図7Cは、図5に示したシーケンス図のステップS3で、新たにクレードル1に載置され、クレードル1との間で未だ通信を行っていないモバイル機器4が、図7Bに示した機器ID問合せコマンドを受信した場合に、当該モバイル機器4からクレードル1に送信される機器ID応答の一例を説明するための図である。
図7Cに示すように、機器ID応答において、送信先IDには「クレードル1の機器ID」が入力され、送信元IDには「モバイル機器4の機器ID」が入力され、コマンドを示す情報には、これが「機器IDの応答であることを示す情報」が入力される。これにより、クレードル1は、送信元IDによって、モバイル機器4の機器IDを知ることができる。
そして、この例の場合、機器ID応答によって、機器属性やその他の情報もモバイル機器4からクレードル1に通知される。機器属性は、上述もしたように、モバイル機器4が、デジタルスチルカメラなのか、デジタルビデオカメラなのか、携帯電話端末なのか等の機器の種別(種類)を示すものである。この機器属性により、クレードル1は、モバイル機器4がどのようなモバイル機器であり、どのようなデータを扱うものであるかを把握することができる。
なお、図5、図6に示したシーケンス図において、(1)ステップS4でクレードル1からサーバ装置2に送信される「機器ID報告」、(2)ステップS6でサーバ装置2からモバイル機器4に送信される「蓄積データリスト要求」、(3)ステップS9でサーバ装置2からモバイル機器4に送信される「新規蓄積データ要求」、(4)ステップS13において、サーバ装置2からモバイル機器4に送信される「蓄積データ消去要求」、(5)ステップS15において、モバイル機器4からサーバ装置2に送信される「消去処理終了報告」、(6)ステップS19において、モバイル機器4からサーバ装置2に送信される「保存完了報告」のそれぞれについては、図7に示した態様、すなわち、送信先ID、送信元ID、コマンド情報、その他のデータという構成で、機器間でコマンド情報の送受がなされる。
[蓄積データリストのレイアウト例]
図8は、モバイル機器4において生成され、図5に示したステップS7において、モバイル機器4からサーバ装置2に送信される蓄積データリストのレイアウト例を説明するための図である。
図8に示すように、この例の蓄積データリストの場合、蓄積データリスト全体のヘッダ情報として、送信先ID、送信元ID、データ属性、その他の情報を有するようにされている。送信先IDは、この蓄積データリストの送信先となる機器の機器IDであり、送信元IDは、この蓄積データリストを送信するモバイル機器4の機器IDである。データ属性は、この情報全体が蓄積データリストを形成していることを示すものである。その他の情報としては、当該蓄積データリストの生成日時や送信日時などの日付情報等、種々の情報が考えられる。
そして、モバイル機器4において蓄積されている情報毎に、データID、データ属性、作成日時、データサイズ、その他の情報からなる情報が形成され、全体として蓄積データリストを構成するようになっている。ここで、データIDは、各データを特定する情報であり、具体的には、各データのファイル名などに相当する。データ属性は、そのデータが、静止画像データなのか、動画像データなのか、音声データなのか、テキストデータなのか等を示す情報である。
また、作成日時は、当該蓄積データが作成された日時であるが、広く当該蓄積データがモバイル機器によって取得された日時をも含むものである。また、データサイズは、その蓄積データのサイズ(容量)である。その他の情報としては、各蓄積データに付随するメモ情報等のテキストデータ等、種々の情報を付加することが可能である。
このような蓄積データリストが、サーバ装置2からの蓄積データリスト要求に応じてモバイル機器4において作成され、図5に示したステップS7において、モバイル機器4からサーバ装置2に送信するようにされる。
これにより、サーバ装置2においては、モバイル機器4がどのような情報を蓄積しているのかを正確に把握することができるようにされる。そして、サーバ装置2は、自機に既に蓄積している当該モバイル機器4からの蓄積データや、モバイル機器4から新たに提供された蓄積データリストの各データの作成日時に基づいて、新たにモバイル機器4から提供を受ける蓄積データを特定することができるようにされる。
[蓄積データのレイアウト例]
図9は、蓄積データのレイアウト例を説明するための図である。図9に示すように、蓄積データは、ヘッダ情報部分と実データ部分とかなっている。この例において、蓄積データのヘッダ情報は、装置ID、データID、データ属性、作成日時、プロテクト情報、印刷マーク、データサイズ、使用回数、その他の情報からなっている。ここで、装置IDは、当該蓄積データを蓄積している装置を特定する情報である。データIDは、当該蓄積データを一意に特定可能なものである。
また、データ属性は、当該蓄積データが静止画像データなのか、動画像データなのか、音声データなのか等のデータの種類を示す情報である。作成日時は、当該蓄積データが作成された日時を示す情報である。また、プロテクト情報は、当該蓄積データを削除しないようにするか否かを指示するフラグ情報であり、削除しないようにプロテクトする場合には「オン」、必要に応じて削除してよい場合には「オフ」となっている情報である。
印刷マークは、上述した印刷マーキングに相当する情報であり、印刷する必要のある情報であることを予め指定しておくための情報である。また、データサイズは、当該蓄積データの大きさを示し、使用回数は、これが蓄積されているモバイル機器4において使用された回数が更新されるものである。その他の情報としては、当該蓄積データについてのコメント情報等の種々の情報を付加するようにすることが可能である。
このように、この実施の形態において、モバイル機器4に蓄積されている蓄積データは、種々の情報を有するヘッダ情報に対して、実データが付加するようにされた形式になっている。ここで、実データは、静止画像データ、動画像データ、音声データ、テキストデータ等の蓄積の対象となる主データであるが、この実施の形態においては、例えば静止画像データである。
このような蓄積データが、図5のステップS9の新規蓄積データ要求に応じて、モバイル機器4からサーバ装置2に送信されるものである。図5のステップS9において、サーバ装置2からモバイル機器4に送信される新規蓄積データ要求は、図7Aを用いて説明したように、送信先ID、送信元ID、新規蓄積データ要求であることを示すコマンド情報を有すると共に、その他のデータとして、提供を希望する蓄積データのデータID、或いは、提供を希望する蓄積データの作成日時を指示する情報などからなるものである。
なお、データIDによって提供を希望する蓄積データを指示する場合であって、提供を希望する蓄積データが複数存在する場合には、提供を希望する全ての蓄積データのデータIDをコマンドデータに含めてモバイル機器4に送信すれば良い。また、提供を希望する蓄積データの作成日時を指示する情報は、特定の1日だけを指示することもできるし、「開始日時〜終了日時」と言うように作成日時を範囲により指定することも可能である。
このようなサーバ装置2からモバイル機器4への新規蓄積データ要求に応じて、モバイル機器4は、図9に示した態様でモバイル機器の画像記憶部44などに蓄積されている蓄積データの中から、提供を要求された蓄積データを抽出して、図5に示したステップS10においてサーバ装置2に送信することになる。
[書き戻しデータのレイアウト例]
図10は、図6に示したシーケンス図のステップS16において作成され、ステップS17において、サーバ装置2からモバイル機器4に送信される書き戻しデータのレイアウト例を説明するための図である。図10に示すように、書き戻しデータは、ヘッダ情報部分と書き戻しデータ部分とからなっている。
この例において、書き戻しデータのヘッダ情報は、データID、データ属性、生成日時、データサイズ、提供先、元データID、元作成日時、元データサイズ、その他の情報からなっている。ここで、データIDは、当該書き戻しデータを一意に特定可能なものである。データ属性は、当該書き戻しデータが静止画像データか、動画像データか、音声データか等の書き戻しデータの種類を示す情報である。生成日時は、当該書き戻しデータがサーバ装置2において生成された日時を示す情報である。
データサイズは、当該書き戻しデータの大きさを示し、提供先は、当該書き戻しデータを提供する先の機器の機器IDが入力される。この実施の形態において、書き戻しデータは、蓄積データをサーバ装置2に提供したモバイル機器4に戻されるデータである。元データIDは、当該書き戻しデータの元のデータを特定するデータであり、元作成日時は、当該元のデータの作成日時を示すデータである。また、元データサイズは、当該元のデータの大きさを示す情報である。また、その他の情報は、書き戻しデータについてのコメントデータ等、種々の情報を付加するようにすることが可能である。
このように、この実施の形態において、サーバ装置2において形成され、モバイル機器4に戻すようにされる書き戻しデータは、種々の情報を有するヘッダ情報に対して、書き戻しデータが付加するようにされた形式になっている。ここで書き戻しデータは、モバイル機器4からサーバ装置2に提供された種々の蓄積データに応じて形成されるものである。
そして、この実施の形態において、モバイル機器4からサーバ装置2提供される蓄積データは上述もしたように静止画像データであり、サーバ装置2においては、モバイル機器4に提供する書き戻しデータとして、提供を受けた静止画像データの縮小画像データを形成して戻すようにしている。
これにより、上述もしたように、モバイル機器4からサーバ装置2に送信してサーバ装置2にバックアップするようにした蓄積データである静止画像データについては、図6に示したステップS13においてサーバ装置2からモバイル機器4に供給される蓄積データ消去要求に応じて消去するようにされる。
しかし、サーバ装置2にバックアップするようにされた後に、消去するようにされた静止画像データは、縮小画像データとしてサーバ装置2からモバイル機器4に戻すようにされる。これによりモバイル機器4においては、画像記憶部44の記憶容量を無駄に使用することなく、どのような蓄積データがサーバ装置2にバックアップされた後に消去されたかを管理することができる。
[書き戻し履歴のレイアウト例]
図11は、サーバ装置2において、図10を用いて説明した書き戻しデータを生成してモバイル機器4に書き戻すようにした場合に、サーバ装置2の例えばHDD30に形成される書き戻し履歴のレイアウト例を説明するための図である。図11に示すように、この例の書き戻し履歴は、書き戻し日時、書き戻し先、データID、データ属性、生成日時、データサイズ、その他の情報からなるものである。
ここで、書き戻し日時は、書き戻しデータを生成して目的とする電子機器に提供するようにした日時を示す情報であり、書き戻し先は、生成した書き戻しデータを提供した相手先の電子機器を特定する機器IDなどの情報である。また、データIDは、提供した書き戻しデータのデータIDを、データ属性は、書き戻しデータが静止画像データなのか、動画像データなのか、音声データなのか等の書き戻しデータの種類を示す情報である。
また、生成日時は、当該書き戻しデータを生成した日時を、データサイズは当該書き戻しデータの大きさをそれぞれ示す情報である。また、その他の情報としては、当該書き戻しデータについてのコメント等、種々の情報を付加することができるようにされる。
そして、図11に示したような書き戻し履歴をサーバ装置2が記憶保持しておくことにより、サーバ装置2においては、いつ、どのようなデータ属性の書き戻しデータを生成して、それをいつ、どの電子機器に書き戻すようにしたのかを正確に把握することができるようにされる。
[データ通信システムを構成する機器の動作について]
次に、図1〜図11を用いて説明したこの実施の形態のデータ通信システムを構成する各機器毎に、その動作について詳細に説明する。以下においては、この実施の形態のデータ通信システムの中心に位置するクレードル1、クレードル1を介してデータ管理を行うサーバ装置2、クレードル1に載置されるモバイル機器4の順に、各機器の動作について詳細に説明する。なお、モバイル機器4は、上述もしたようにデジタルスチルカメラであるものとする。
[クレードル1の処理について]
図12は、この実施の形態のデータ通信システムのクレードル1において行われる処理を説明するためのフローチャートである。この図12に示す処理は、クレードル1において電源が投入された状態にあるときに主に制御部11と送受信制御部17とによって実行される。なお、上述もしたように、この実施の形態のクレードル1に対しては、1度に複数のモバイル機器を載置することが可能であり、モバイル機器の載置可能最大台数分の図12に示す処理が、いわゆるマルチタスクで実行することができるようにしている。
そして、電源が投入されると、クレードル1の制御部11は、載置検出部16を制御して、モバイル機器の載置検出を開始し、モバイル機器が自機に載置されたか否かを判断する(ステップS101)。ステップS101の判断処理において載置されていないと判断したときには、モバイル機器の載置検出を繰り返すようにし、モバイル機器が載置されるのを待つ。
ステップS101の判断処理において、モバイル機器が載置されたと判断したときには、制御部11は、図7Bを用いて説明した機器ID問合せコマンドデータを形成し、これを送受信制御部17が無線通信部15a、送受信アンテナ15bを制御して、これらを通じて新たに載置されたモバイル機器4に送信する(ステップS102)。
次に、クレードル1の送受信制御部17は、送受信アンテナ15b、無線通信部15aを通じて、モバイル機器4からの図7Cを用いて説明した機器ID応答を受信するようにし、これを外部I/F14a、入出力端14bを通じてサーバ装置に報告するようにする(ステップS103)。
次に、制御部11は、充電制御部19を制御し、新たに載置されたモバイル機器4について、充電が必要か否かを確認する(ステップS104)。このステップS104の処理は、モバイル機器4のバッテリの電圧などを検出するなど、電気的な検出処理によって検出することが可能である。
そして、制御部11は、ステップS104の確認結果に基づいて、新たに載置されたモバイル機器4に対して充電が必要か否かを判断し(ステップS105)、充電が必要であると判断したときには、制御部11は、充電制御部19を制御して、新たに載置された当該モバイル機器4のバッテリに対して充電を開始させるようにする(ステップS106)。また、ステップS105の判断処理において、充電は必要ないと判断したときには、ステップS107の処理に進む。
そして、ステップS106の処理の後、あるいは、ステップS105の判断処理において、充電は必要ないと判断したときには、以降の一連の中継処理を行う。すなわち、まず、送受信制御部17は、入出力端14b、外部I/F14aを通じてサーバ装置2からの蓄積データリスト要求を受信し、これを無線通信部15a、送受信アンテナ15bを通じてモバイル機器4に送信する(ステップS107)。
次に、送受信制御部17は、送受信アンテナ15b、無線通信部15aを通じてモバイル機器4からの蓄積データリストを受信し、これを外部I/F14a、入出力端14bを通じてサーバ装置2に送信する(ステップS108)。次に、送受信制御部17は、入出力端14b、外部I/F14aを通じてサーバ装置2からの新規蓄積データ要求を受信し、これを無線通信部15a、送受信アンテナ15bを通じてモバイル機器4に送信する(ステップS109)。
次に、送受信制御部17は、送受信アンテナ15b、無線通信部15aを通じてモバイル機器4からの新規蓄積データを受信し、これを外部I/F14a、入出力端14bを通じてサーバ装置2に送信する(ステップS110)。次に、送受信制御部17は、入出力端14b、外部I/F14aを通じてサーバ装置2からの蓄積データ消去要求を受信し、これを無線通信部15a、送受信アンテナ15bを通じてモバイル機器4に送信する(ステップS111)。
次に、送受信制御部17は、送受信アンテナ15b、無線通信部15aを通じてモバイル機器4からの消去処理完了報告を受信し、これを外部I/F14a、入出力端14bを通じてサーバ装置2に送信する(ステップS112)。次に、送受信制御部17は、入出力端14b、外部I/F14aを通じてサーバ装置2からの書き戻しデータを受信し、これを無線通信部15a、送受信アンテナ15bを通じてモバイル機器4に送信する(ステップS113)。
そして、送受信制御部17は、送受信アンテナ15b、無線通信部15aを通じてモバイル機器4からの書き戻しデータ保存完了報告を受信し、これを外部I/F14a、入出力端14bを通じてサーバ装置2に送信する(ステップS114)。このように、ステップS107〜ステップS114までの処理により、サーバ装置2とモバイル機器4との間の一連の中継処理が行われる。
なお、ステップS110の蓄積データの中継処理や、ステップS113の書き戻しデータの中継処理においては、中継すべき蓄積データや書き戻しデータが多数存在する場合もあり、ステップS110、ステップS113においては、多数のデータの転送処理が行われる場合ももちろんある。
そして、クレードル1の制御部11は、充電制御部19を制御して、モバイル機器4のバッテリの充電容量を確認するようにし(ステップS115)、モバイル機器4に対する充電が完了したか否かを確認する(ステップS116)。ステップS116の確認処理において、未だ充電が完了していないと判断したときには、ステップS115からの処理を繰り返し、充電処理を続行する。ステップS116の判断処理において、モバイル機器4に対する充電が完了したと判断したときには、モバイル機器4への充電を終了するようにする所定の処理を実行し(ステップS117)、この図12に示す処理を終了する。
なお、この図12に示した例の場合には、ステップS115において充電容量を確認して、ステップS116で充電が完了したか否かを判断するようにしたが、これに限るものではない。ステップS105の判断処理において、充電が必要か否かを判断し、充電が必要でない場合には、充電処理を行っていないので、ステップS115の充電容量の確認の前に、充電実行中か否か(電力をモバイル機器4に供給しているか否か)を判断し、充電を実行していないと判断したときには、ステップS115〜ステップS117の処理を行うことなく、図12に示す処理を終了させるようにすることもできる。
[サーバ装置2の処理について]
図13は、この実施の形態のデータ通信システムのサーバ装置2において行われる処理を説明するためのフローチャートである。この図13に示す処理は、サーバ装置2において電源が投入された状態にあるときに主に制御部21と送受信制御部27とによって実行される。
電源が投入されると、サーバ装置2の送受信制御部27は、入出力端26b、外部I/F26aを通じて、クレードル1からのクレードル1に載置されたモバイル機器の機器IDを受信したか否かを判断する(ステップS201)。ステップS201の判断処理において、まだ機器IDを受信していないと判断したときには、ステップS201からの処理を繰り返し、クレードル1に載置されたモバイル機器の機器IDの受信待ちとなる。
ステップS201の判断処理において、クレードル1からの機器IDを受信したと判断したときには、クレードル1に新たにモバイル機器4が載置されたと分かるので、制御部11は、蓄積データリスト要求を生成し、これを送受信制御部27が、外部I/F26a、入出力端26bを通じて送信するようにし、クレードル1を介して、クレードル1に新たに載置されたモバイル機器4に送信するようにする(ステップS202)。
次に、送受信制御部27は、クレードル1を介して送信されてくる蓄積データリストを入出力端26b、外部I/F26aを通じて受信して、これを例えばHDD30の所定の領域に格納する(ステップS203)。そして、制御部21は、ステップS203において格納した蓄積データリストと、過去に当該モバイル機器4から提供を受けて格納している蓄積データとに基づいて、当該モバイル機器4から未だ提供を受けていない蓄積データを特定し、この特定した蓄積データの提供を要求するための新規蓄積データ要求を形成し、これを送受信制御部27が、外部I/F26aを通じて送信して、クレードル1を介してクレードル1に載置されたモバイル機器4に送信するようにする(ステップS204)。
次に、送受信制御部27は、クレードル1を介して送信されてくる新規蓄積データを入出力端26b、外部I/F26aを通じて受信して、これを例えばHDD30の所定の領域に保存する(ステップS205)。なお、モバイル機器4から送信されてくる新規蓄積データは複数存在する場合もあり、ステップS205においては、モバイル機器4からの新規蓄積データを順次に受信して、HDD30の所定の領域に保存することができるようにしている。
そして、サーバ装置2の制御部21は、HDD30の所定の領域に保存したモバイル機器4からの蓄積データの内、モバイル機器4から消去可能な蓄積データである消去対象データを洗い出す処理を実行する(ステップS206)。このステップS206における消去対象データ洗い出し処理は、詳しくは後述するが、洗い出し対象の保存した蓄積データに付加されている情報に基づいて、あるいは、当該蓄積データを解析することにより、重要な蓄積データであるか否かを予測するようにし、重要であると予測された蓄積データについては消去対象とはしないが、それ以外の蓄積データについては消去対象とするようにしている。
そして、サーバ装置2の制御部21は、ステップS205において洗い出した消去対象データをモバイル機器4の画像記憶部44から消去するようにするための蓄積データ消去要求を形成し、これを送受信制御部27に制御により、外部I/F26a、入出力端26bを通じて送信して、クレードル1を介してモバイル機器4に送信するようにする(ステップS207)。
次に、サーバ装置2の送受信制御部27は、入出力端26b、外部I/F26aを通じて、蓄積データ消去要求を送信した相手先のモバイル機器4から送信されてくる消去処理完了報告を受信するようにする(ステップS208)。この後、詳しくは後述するが、サーバ装置2の制御部21は、モバイル機器4から提供を受けてHDD30に保存すると共にモバイル機器4から消去するようにした蓄積データから、モバイル機器4に対して形式を変えて書き戻すようにする書き戻しデータ作成する(ステップS209)。
そして、サーバ装置2の送受信制御部27は、ステップS209において作成した書き戻しデータを、外部I/F26a、入出力端26bを通じて送信して、クレードル1を介してモバイル機器4に送信するようにする(ステップS210)。この後、サーバ装置2の送受信制御部27は、入出力端26b、外部I/F26aを通じて、モバイル機器4からクレードル1を介して送信されてくる書き戻しデータの保存完了報告を受信するようにして(ステップS211)、この図13に示す処理を終了する。
なお、ここでは、通信処理が支障なく、行うようにされた場合を例にして説明したが、例えば、サーバ装置2からモバイル機器4に何らかの要求を送信し、これに応答がない場合などにおいては、再度の要求の送信を行ったり、応答要求を送信したりすることができるようにされる。
例えば、ステップS208において、消去処理完了報告を所定時間内に受信しなかった場合には、蓄積データの消去処理が行われたか否かの確認要求を送信したり、ステップS211において、保存完了報告を所定時間内に受信しなかった場合には、書き戻しデータが保存されたか否かの確認要求を送信したりすることができる。そして、その応答に応じて、元の要求を再度送信するなど、適切に処理することができるようにされる。
また、バックアップすべき蓄積データが存在しない場合には、一連の処理を終了させるようにしたり、新たに利用可能になったコンテンツデータを提供するようにしたりして、一連の処理を終了させるようにすることもできる。
[消去対象データ洗い出し処理について]
次に、図13に示した処理のステップS206において行われる消去対象データの洗い出し処理について説明する。図14は、図13のステップS206において行われる消去対象データの洗い出し処理を説明するためのフローチャートである。この図14に示す処理は、サーバ装置2の制御部21において行われる処理である。
まず、制御部21は、図13に示したステップS205において取得した一連の新規蓄積データの先頭に位置付ける(ステップS2061)。そして、位置付けた新規蓄積データについて、消去対象となるか否かの判定処理を行う(ステップS2062)。このステップS2062の処理は、詳しくは後述もするが、新規蓄積データのそれぞれの付随情報に基づいて、あるいは、新規蓄積データを解析することにより、その新規蓄積データが消去対象となるか否かを判断する処理である。
この後、制御部21は、今回、消去判定処理の対象となった新規蓄積データは、ステップS205で取得して保存した最後の新規蓄積データか否かを判断する(ステップS2063)。すなわち、ステップS2063の判断処理は、ステップS205で取得した全ての新規蓄積データについて、消去判定処理が終了したか否かを判断する処理である。
ステップS2063の判断処理において、未だ全ての新規蓄積データについて、消去判定処理を行っていないと判断した時には、次の新規蓄積データに位置付け(次の新規蓄積データを処理対象とするようにし)(ステップS2064)、ステップS2062からの処理を繰り返すようにする。また、ステップS2063の判断処理において、全ての新規蓄積データについて、消去判定処理を終了したと判断した時には、この図14に示す処理を終了し、図13に示した処理に戻り、ステップS207からの処理を実行するようにする。
次に、図14のステップS2062で行われる消去判定処理について具体的に説明する。図15は、図14に示したステップS2062において行われる各新規蓄積データについての消去判定処理を説明するためのフローチャートである。上述もしたように、クレードル1に載置されたモバイル機器4は、上述もしたようにデジタルスチルカメラであり、モバイル機器4からサーバ装置2に提供される蓄積データは静止画像データであるものとして説明する。
サーバ装置2の制御部21は、判定対象の新規蓄積データのヘッダ部の情報を確認する処理を行う。すなわち、モバイル機器4からサーバ装置2に供給される静止画像データである蓄積データは、図9を用いて説明したレイアウトのデータであり、制御部21は、まず、ヘッダ部のプロテクト情報を確認し、削除プロテクトされているか否か(プロテクト情報がオンになっているか否か)を判断する(ステップS6201)。
ステップS6201の判断処理において、削除プロテクトはされていないと判断したときには、ヘッダ部の印刷マークを確認し、印刷マーキングがあるか否かを判断する(ステップS6202)。ステップS6202の判断処理において、印刷マーキングがされていないと判断したときには、制御部21は、ヘッダ部の使用回数を確認し、読み出し回数(使用回数)が予め決められた一定回数以上か否かを判断する(ステップS6203)。
ステップS6203の判断処理において、読み出し回数が一定回数以上ではないと判断したときには、制御部21は、当該蓄積データの静止画像データについて画像認識処理を行う(ステップS6204)。このステップS6204の画像認識処理は、処理対象の静止画像データについて、輪郭認識や色認識などを行って、人物の画像が含まれるものであるかを判別できるようにする処理である。
そして、制御部21は、ステップS6204の画像認識処理の結果に基づいて、処理対象の静止画像データは、人物の顔が存在する静止画像データであるか否かを判断する(ステップS6205)。ステップS6205の判断処理において、処理対象の蓄積データ(静止画像データ)が人物の顔を含まないものであると判断したときには、当該蓄積データ(静止画像データ)は重要な情報ではないと予測し、当該静止画像データを消去画像として特定して(ステップS6206)、この図15に示した処理を終了し、図14に示した処理のステップS2063からの処理を実行する。
また、ステップS6201の判断処理において、削除プロテクトがされていると判断した場合と、ステップS6202の判断処理において、印刷マーキングがされていると判断した場合と、ステップS6203の判断処理において、読み出し回数が一定回数以上であると判断した場合と、ステップS6205の判断処理において、処理対象の蓄積データ(静止画像データ)が人物の顔を含むものであると判断した場合とにおいては、処理対象の新規蓄積データは重要なデータであると予測し、当該新規蓄積データを残す画像として特定して(ステップS6207)、この図15に示した処理を終了し、図14に示した処理のステップS2063からの処理を実行する。
すなわち、処理対象の新規蓄積データが削除プロテクトのかけられたものであれば、削除したくないほど重要なものであると判断することができるし、また、印刷マーキングが付され、必ず印刷するようにされている新規蓄積データについても、必ず印刷する必要があるほど重要なものであると判断することができる。
また、使用回数が予め決められた一定回数以上使用されていることを示していれば、その蓄積データは使用頻度の高い重要な蓄積データであると判断することができる。そして、静止画像データの場合、記念に残すなどの目的で人物を撮影することにより得るようにしたものが多い。そこで、蓄積データである静止画像データについて画像認識処理を行って、人物の顔が存在すると判別された静止画像データについても、重要な蓄積データであると判断することができる。
このため、上述したように、図15に示した各判断処理の何れかにおいて、処理対象の蓄積データが重要なものであると予測できた場合には、その蓄積データについては残すデータとして特定し、図15に示した各判断処理の何れにおいても、処理対象の蓄積データが重要なものであるとは予測できなかった場合には、その蓄積データについては消去するデータとして特定するようにしている。
このようにして、図13のステップS206においては、図14、図15のフローチャートを用いて説明した処理を通じて消去対象データを洗い出し、この洗い出した消去対象データをモバイル機器4から削除して、モバイル機器4の画像記憶部44の記憶容量を効率よく使用することができるようにしている。
[書き戻しデータ作成処理について]
次に、図13に示した処理のステップS209において行われる書き戻しデータ作成処理について説明する。図16は、図13のステップS209において実行される書き戻しデータの作成処理について説明するための図である。
上述もしたように、図13に示したステップS209においては、どのような形式の書き戻しデータを作成するかを決めなければならない。このため、この実施の形態のサーバ装置2の制御部21は、図13に示したステップS209においては、図16に示した処理を実行し、まず、書き戻しデータの形式を特定する処理を行う(ステップS2091)。
ここでは、図16に示したように、サーバ装置2の制御部21は、クレードル1を介して送信されてくる機器ID応答に含まれる機器属性に基づいて、あるいは、図11に示したように形成される書き戻し履歴に基づいて、あるいは、提供を受けた新規蓄積データのデータ属性に基づいて、あるいは、ユーザーからの指示入力に基づいて、書き戻すデータの形式を特定する。
すなわち、機器属性は、上述もしたように、クレードル1に載置されたモバイル機器4が、デジタルスチルカメラなのか、デジタルビデオカメラなのか、携帯型音楽再生装置なのか等、モバイル機器4の種類を示す情報である。そこで、モバイル機器4の機器属性が、デジタルスチルカメラであることを示すものである場合には、静止画像データの縮小画像を書き戻しデータとするように特定することができる。
また、モバイル機器4の機器属性が、デジタルビデオカメラであることを示すものである場合には、動画像データについてのダイジェスト版の動画像データを書き戻しデータとするように特定することができる。また、モバイル機器4の機器属性が、携帯型音楽再生装置であることを示すものである場合には、音楽データの一部を抽出するようにしたデータを書き戻しデータとするように特定することができる。
もちろん、携帯電話端末のように、静止画像データ、動画像データ、音声データの何れをも蓄積データとして記憶保持できるものも存在するし、また、デジタルスチルカメラであるが動画像データを扱えるものもあるし、デジタルビデオカメラであるが静止画像データを扱えるものも存在する。
そこで、書き戻しデータを提供する先のモバイル機器4に対して既に書き戻しデータを転送して書き戻すようにしている場合には、図11に示したように書き戻し履歴が作成されているので、この書き戻し履歴のデータ属性に基づいて、書き戻しデータの形式を特定することもできる。
すなわち、書き戻し履歴情報は、いつ、どのモバイル機器に、どのような書き戻しデータを書き戻すようにしたのかを示す情報であるので、書き戻し先のモバイル機器が特定されれば、そのモバイル機器に対して転送した書き戻しデータのデータ属性に基づいて、書き戻しデータの形式を特定することが可能となる。
したがって、書き戻し履歴のデータ属性が、静止画像データである場合には、静止画像データの縮小画像を書き戻しデータとするように特定することができる。また、書き戻し履歴のデータ属性が、動画像データであることを示すものである場合には、動画像データについてのダイジェスト版の動画像データを書き戻しデータとするように特定することができる。また、書き戻し履歴のデータ属性が、音楽データである場合には、音楽データの一部を抽出するようにしたデータを書き戻しデータとするように特定することができる。
また、モバイル機器4に蓄積されている蓄積データのデータ属性に応じて書き戻しデータの形式を特定することもできる。すなわち、蓄積データ属性が、静止画像データである場合には、静止画像データの縮小画像を書き戻しデータとするように特定することができる。また、蓄積データ属性が、動画像データであることを示すものである場合には、動画像データについてのダイジェスト版の動画像データを書き戻しデータとするように特定することができる。また、蓄積データ属性が、音楽データである場合には、音楽データの一部を抽出するようにしたデータを書き戻しデータとするように特定することができる。
この場合、モバイル機器4に蓄積されている蓄積データのデータ属性は、サーバ装置2からクレードル1を介してモバイル機器4に問合せを行うようにしてもよし、既にモバイル機器4から提供を受けている新規蓄積データのデータ属性を用いるようにしてもよい。
また、サーバ装置2が操作部23やリモコン25を通じて受け付けるユーザーからの指示入力に応じて、書き戻しデータの形式を特定するようにすることも可能である。すなわち、操作部23やリモコン25を操作することにより、書き戻しデータの形式の選択入力画面をサーバ装置2に接続されるモニタ受像機に表示し、この書き戻しデータの形式の選択入力画面と操作部23あるいはリモコン25を通じて、書き戻しデータの形式の選択入力を行うようにする。このようにして入力された書き戻しデータの形式に基づいて、制御部21が書き戻しデータの形式を特定するようにしてもよい。
そして、ステップS2091において、書き戻しデータの形式を特定した後、制御部21は、ステップS2091において特定した形式の書き戻しデータを作成する(ステップS2092)。この実施の形態において、書き戻しデータは、上述もしたように、モバイル機器4から提供を受けてHDD30に保存すると共にモバイル機器4から消去するようにした蓄積データから形式を変えた書き戻しデータ作成するようにしている。
[書き戻しデータの他の例について]
なお、この実施の形態においては、書き戻しデータは、モバイル機器4から提供を受けてHDD30に保存すると共にモバイル機器4から消去するようにした蓄積データから形成するものとして説明した。しかし、これに限るものではない。モバイル機器4に蓄積データが全く存在しない場合もあるし、また、モバイル機器が携帯音楽再生装置などの場合には、蓄積データが元々サーバ装置にあるので蓄積データのバックアップを取らないようにする場合もある。
このような場合には、書き戻しデータは、サーバ装置2がモバイル機器4から提供を受けた蓄積データから形成することはできない。そこで、例えば、モバイル機器4において新たに利用可能になったコンテンツデータのサムネイル画像やダイジェスト版の動画像データ、あるいは、試聴版の音楽データ等を書き戻しデータとして提供するようにしてもよい。
すなわち、サーバ装置2がモバイル機器4から蓄積データの提供を受けていない場合には、ステップS2091において特定するようにした書き戻しデータの形式にしたがって、モバイル機器に提供する提供データの形式を特定し、この特定した形式の提供データを書き戻しデータとして提供するようにすることができる。
例えば、ステップS2091の処理により、モバイル機器4に提供する書き戻しデータの形式がリサイズした画像データである場合には、インターネットなどを通じて新たに取得した静止画像データの縮小画像を形成して、これをモバイル機器4に提供するようにすることができる。また、モバイル機器4に提供する書き戻しデータの形式がダイジェスト版の動画像データである場合には、インターネットなどを通じて新たに取得した動画像データのダイジェスト版を形成して、これをモバイル機器4に提供するようにすることができる。また、モバイル機器4に提供する書き戻しデータの形式が音楽データの一部分のデータすなわち、試聴版の音楽データである場合には、インターネットなどを通じて新たに取得した試聴版の音楽データをモバイル機器4に提供するようにすることができる。
このように、サーバ装置2からモバイル機器4への書き戻しデータは、モバイル機器4から提供を受けた蓄積データに基づいて形成されるものだけでなく、提供可能なデータや、提供可能なデータから形成したデータ等を、書き戻しデータとしてモバイル機器4に提供することもできるようにされる。
[モバイル機器4の処理について]
図17は、この実施の形態のデータ通信システムのモバイル機器4において行われる処理を説明するためのフローチャートである。この図17に示す処理は、モバイル機器4が例えば充電モード等、クレードル1に載置され、データ通信と充電処理とを行うようにする所定のモードとされた場合に、モバイル機器4の主に制御部41と送受信制御部47と画像消去制御部48によって実行される処理である。
まず、所定のモードに切り替えられると、送受信制御部47は、送受信アンテナ45b、無線通信部45aを通じて、クレードル1からの機器ID問合せを受信したか否かを判断する(ステップS301)。ステップS301の判断処理において、機器ID問合せを受信していないと判断したときには、ステップS301からの処理を繰り返し、機器ID問合せの受信待ちとなる。
ステップS301の判断処理において、クレードル1からの機器ID問合せを受信したと判断したときには、制御部41は、自機の例えばROM412に記憶保持されている機器IDや機器属性などの必要な情報を取得し、図7Cに示したような機器ID応答を形成して、これを送受信制御部47が、無線通信部45a、送受信アンテナ45bを通じてクレードル1に送信する(ステップS302)。
そして、送受信制御部47は、送受信アンテナ45b、無線通信部45aを通じて、クレードル1を介してサーバ装置2から送信されてくる蓄積データリスト要求を受信し(ステップS303)、これに応じて制御部41が図8を用いて説明したような蓄積データリストを形成して、これを送受信制御部47が、無線通信部45a、送受信アンテナ45bを通じて送信し、クレードル1を介してサーバ装置2に送信するようにする(ステップS304)。
次に、送受信制御部47は、送受信アンテナ45b、無線通信部45aを通じて、クレードル1を介してサーバ装置2から送信されてくる新規蓄積データ要求を受信し(ステップS305)、これに応じて制御部41が図9を用いて説明したような形式の新規蓄積データを自機の画像記憶44から抽出して、これを送受信制御部47が、無線通信部45a、送受信アンテナ45bを通じて送信し、クレードル1を介してサーバ装置2に送信するようにする(ステップS306)。
次に、送受信制御部47は、送受信アンテナ45b、無線通信部45aを通じて、クレードル1を介してサーバ装置2から送信されてくる蓄積データ消去要求を受信し(ステップS307)、これに応じて制御部41が自機の画像記憶部44に記憶保持している蓄積データの内、消去が指示された蓄積データを消去する処理を実行する(ステップS308)。この後、制御部41は、消去処理完了報告を形成し、これを送受信制御部47が、無線通信部45a、送受信アンテナ45bを通じて送信し、クレードル1を介してサーバ装置2に送信するようにする(ステップS309)。
そして、送受信制御部47は、送受信アンテナ45b、無線通信部45aを通じて、クレードル1を介してサーバ装置2から送信されてくる書き戻しデータを受信し(ステップS310)、これを自機の画像記憶部44に保存する(ステップS311)。この後、制御部41は、保存完了報告を形成し、これを送受信制御部47が、無線通信部45a、送受信アンテナ45bを通じて送信し、クレードル1を介してサーバ装置2に送信するようにして(ステップS312)、この図17に示す処理を終了する。
[画像消去処理について]
図18は、図17に示した処理のステップS308において行われる画像データ消去処理(蓄積データ消去処理)について説明するためのフローチャートである。蓄積データ消去要求は、消去すべき複数の蓄積データを指示してくる場合があるので、制御部41は、画像記憶部44に記憶されている画像データ(蓄積データ)において、蓄積データ消去要求によって指示された最初の消去対象データに位置付け(ステップS801)、その消去対象データを消去する(ステップS802)。
そして、制御部41は、ステップS802において消去するようにした消去対象データが適切に消去されたか否かを判断する(ステップS803)。この判断処理は、制御部41のRAM413に更新するようにされる処理状態を示すステイタスに基づいて判断することができる。
ステップS803の判断処理において、例えば、消去対象データに削除プロテクトかかけられているなどして削除できなかった場合には、制御部41は表示部49を制御して、その旨のエラーメッセージを表示部49の表示画面に表示し(ステップS804)、この後にこの図18に示す処理を終了する。
ステップS803の判断処理において、消去対象データが適切に消去されたと判断したときには、制御部41は、消去した消去対象データが最後の消去対象データか否かを判断する(ステップS805)。ステップS805の判断処理において、今回消去した消去対象データが最後の消去対象データではないと判断したときには、制御部41は、蓄積データ消去要求に応じて、次の消去対象データを消去対象とするように位置付けて(ステップS806)、ステップS802からの処理を繰り返す。
ステップS805の判断処理において、今回消去した消去対象データが最後の消去対象データであると判断したときには、制御部41は、図18に示す処理を終了し、図17に示した処理に戻って、ステップS309からの処理を行うようにする。
[この実施の形態のまとめ]
図1〜図18を用いて説明したように、この実施の形態のデータ通信システムの場合には、種々のモバイル機器4を、サーバ装置2に接続されたクレードル1に載置するだけで、サーバ装置2がクレードル1を介してモバイル機器4にアクセスするようにして、モバイル機器4に蓄積されている蓄積データのバックアップをサーバ装置2に取るようにすると共に、バックアップした蓄積データの内、モバイル機器4の記憶部から消去可能な蓄積データを特定して、その特定した消去可能な蓄積データをモバイル機器4の記憶部から消去することにより記憶部の有効活用を図り、さらに、モバイル機器4が必要とする情報を自動的に提供することができるようにしている。
すなわち、モバイル機器4をクレードル1に載置するだけで、クレードル1とサーバ装置2とが協働してクレードル1に載置されたモバイル機器4に対して働きかけて、モバイル機器4のデータバックアップ、モバイル機器4の記憶部(メモリ)の整理、モバイル機器4への必要情報の提供までおも自動的に行うようにすることができる。したがって、モバイル機器4に蓄積されている蓄積データをバックアップするために時間や手間をかけることも無く、必要なデータについては、モバイル機器4に残すようにしたり、新たに提供するようにしたりして、モバイル機器4を十分に、また、柔軟に使いこなすことができるようしている。
なお、モバイル機器4への必要情報の提供は、上述した実施の形態のデータ通信システムにおいては、モバイル機器4からサーバ装置2にバックアップした後に、モバイル機器4の画像記憶部44から削除するようにした静止画像データから形成した縮小画像データを書き戻しデータとして作成して書き戻すようにした。しかし、これに限るものではない。
上述もしたように、モバイル機器4からサーバ装置2にバックアップする蓄積データが存在しない場合もあるし、携帯型音楽再生装置のように、携帯型音楽再生装置に蓄積されている音楽データはサーバ装置2側に既に存在するためにバックアップする必要のないものである場合もある。
このため、[書き戻しデータの他の例]として既に説明したように、サーバ装置2が、クレードル1を介して、例えば、モバイル機器4において新たに利用可能になったコンテンツデータのサムネイル画像やダイジェスト版の動画像データ、あるいは、試聴版の音楽データ等を書き戻しデータとしてモバイル機器4に提供して、モバイル機器4の格納部に格納し、当該モバイル機器4において利用可能にすることもできる。
また、どのようなデータをモバイル機器4に提供するかは、図16に示した書き戻しデータ作成処理において説明したように、モバイル機器4の機器属性、モバイル機器4の書き戻しデータの書き戻し履歴、モバイル機器4に蓄積されているデータのデータ属性、ユーザーからの指示に応じて、モバイル機器4において利用可能なデータの形式を特定し、その特定した形式のデータを提供すればよい。
[データ通信システムの変形例について]
上述した実施の形態のデータ通信システムの場合には、図5、図6を用いて説明したように、クレードル1に載置されたモバイル機器4にバックアップする蓄積データが存在するか否かの判断は、サーバ装置2からの要求に応じてモバイル機器4から提供される蓄積データリストに基づいてサーバ装置2側で行うようにした。しかし、これに限るものではない。クレードル1に載置されたモバイル機器4にバックアップする蓄積データが存在するか否かの判断をクレードル1において行うことにより、サーバ装置2の負荷を軽減すると共に、処理の迅速化を図るようにすることもできる。
この変形例のデータ通信システムも、上述したデータ通信システムと同様に、図1に示した構成を有し、クレードル1、サーバ装置2、モバイル機器4は、図2、図3、図4に示した構成を有するものである。したがって、この変形例においても、クレードル1に載置されるモバイル機器4は、デジタルスチルカメラであるものとする。そして、この変形例においての各機器の機能は、上述した実施の形態の場合とは若干異なっている。
図19は、この実施の形態のデータ通信システムの変形例について説明するためのシーケンス図である。この変形例の場合においても、クレードル1は、自機に電源が投入された状態にあるときには、載置検出部16の機能により、所定の間隔ごとにモバイル機器4が載置されたか否かを判断する(ステップS31)。この変形例においても、クレードル1に対しては、1度に複数台のモバイル機器を載置することができるようにされており、新たなモバイル機器が載置される毎にモバイル機器が載置されたことを検出することができるようにしている。
そして、ステップS31の判断処理において、モバイル機器4は載置されていないと判断したときには、ステップS31の判断処理を繰り返し、モバイル機器の載置待ちとなる。また、ステップS31の判断処理において、モバイル機器4が載置されたと判断した場合には、クレードル1は、新たに載置されたモバイル機器4に対して充電を開始する処理を行うようにする(ステップS32)。
この後、クレードル1は、送受信制御部17が無線通信部15aを制御し、自機に新たに載置されたモバイル機器4に対して、機器ID問合せを送信する(ステップS33)。モバイル機器4は、送受信アンテナ45b、無線通信部45aを通じてクレードル1からの機器ID問合せを受信すると、送受信制御部47が無線通信部45aを制御し、自機(モバイル機器4)の機器IDをクレードル1に対して送信する(ステップS34)。
クレードル1は、送受信アンテナ15b、無線通信部15aを通じて、新たに載置されたモバイル機器4からの機器IDを受信すると、制御部11が新規蓄積データ有無問合せを形成し、これを送受信制御部17の制御により、無線通信部15a、送受信アンテナ15bを通じてモバイル機器4に送信する(ステップS35)。
モバイル機器4は、送受信アンテナ45b、無線通信部45aを通じてクレードル1からの新規蓄積データ有無問い合わせを受信すると、制御部41が画像記憶部44に記憶保持されているデータを確認し、今だバックアップされてない新規蓄積データが存在するか否かを確認して、この確認結果に応じて新規蓄積データ有無応答を形成し、これを送受信制御部47が制御部41を通じて無線通信部45aを制御してクレードル1に対して送信する(ステップS36)。
なお、上述もしたように、バックアップするようにした蓄積データであっても、重要であるデータについては残すようにされる。このため、既にバックアップしたデータであって、残すようにした静止画像データについては、そのヘッダ部にバックアップ済みフラグを用意し、このバックアップ済みフラグがオンか否かに応じて、新規蓄積データとの区別を行うようにすることができる。
そして、クレードル1の制御部11は、受信したモバイル機器4からの新規蓄積データ有無応答に基づいて、バックアップすべき新規蓄積データ(新規静止画像データ)がモバイル機器4に存在するか否かを判断する(ステップS37)。このステップS37において、新規蓄積データは存在しないと判断したときには、サーバ装置2との間の通信を行うことなく、モバイル機器4への充電が完了するまで待ち状態となり(ステップS38)、ステップS38の判断処理において、充電が完了したと判断したときには、モバイル機器4に対する充電処理を終了するようにして(ステップS39)、一連のデータ通信処理を終了する。
また、ステップS37の判断処理において、新規蓄積データが存在すると判断したときには、クレードル1は、送受信アンテナ15b、無線通信部15aを通じて受信した新たに載置されたモバイル機器4からの機器IDを、送受信制御部17が外部I/F14aを制御してサーバ装置2に報告する(ステップS40)。これにより、サーバ装置2は、クレードル1に対して蓄積データを有する新たなモバイル機器が載置されたことを把握する。
このステップS40の機器IDのサーバ装置への報告後においては、図5、図6に示した処理のステップS9からステップS20までの処理が順次に行うようにされる。そして、この場合、クレードル1に載置されたモバイル機器4に新規蓄積データが存在しない場合には、クレードル1とサーバ装置2との間の通信は行われないので、サーバ装置2の負荷を軽減することができる。
[変形例のデータ通信システムを構成する機器の動作について]
次に、図19を用いて説明したこの実施の形態のデータ通信システムの変形例における各機器毎の処理について説明する。この場合においても、この変形例のデータ通信システムの中心に位置するクレードル1、クレードル1を介してデータ管理を行うサーバ装置2、クレードル1に載置されるモバイル機器4の順に、各機器の動作について詳細に説明する。
[クレードル1の処理について]
図20は、この変形例のデータ通信システムのクレードル1において行われる処理を説明するためのフローチャートである。この図20に示す処理は、クレードル1において電源が投入された状態にあるときに主に制御部11と送受信制御部17とによって実行される。なお、この変形例においても、クレードル1に対しては、1度に複数のモバイル機器を載置することが可能であり、モバイル機器の載置可能最大台数分の図20に示す処理が、いわゆるマルチタスクで実行することができるようにしている。
そして、電源が投入されると、クレードル1の制御部11は、載置検出部16を制御して、モバイル機器の載置検出を開始し、モバイル機器が自機に載置されたか否かを判断する(ステップS401)。ステップS401の判断処理において載置されていないと判断したときには、モバイル機器の載置検出を繰り返すようにし、モバイル機器が載置されるのを待つ。
ステップS401の判断処理において、モバイル機器が載置されたと判断したときには、制御部11は、充電制御部19を制御し、新たに載置されたモバイル機器4について、充電が必要か否かを確認する(ステップS402)。このステップS402の処理は、モバイル機器4のバッテリの電圧などを検出するなど、電気的な検出処理によって検出することが可能である。
そして、制御部11は、新たに載置されたモバイル機器4に対して充電が必要か否かを判断し(ステップS403)、充電が必要であると判断したときには、制御部11は、充電制御部19を制御して、新たに載置された当該モバイル機器のバッテリに対して充電を開始させるようにする(ステップS404)。また、ステップS403の判断処理において、充電は必要ないと判断したときには、ステップS405の処理に進む。
そして、ステップS404の処理の後、あるいは、ステップS403の判断処理において、充電は必要ないと判断したときには、以降の一連の中継処理を行う。すなわち、クレードル1の制御部11は、図7Bを用いて説明した機器ID問合せコマンドデータを形成し、これを送受信制御部17が無線通信部15a、送受信アンテナ15bを制御して、新たに載置されたモバイル機器4に送信する(ステップS405)。
次に、クレードル1の送受信制御部17は、送受信アンテナ15b、無線通信部15aを通じて、モバイル機器4からの図7Cを用いて説明した機器ID応答を受信するようにする(ステップS406)。この後、クレードル1の制御部11は、新規蓄積データ有無問合せを形成して、これを送受信制御部17が、無線通信部15aを制御して、モバイル機器4に送信する(ステップS407)。
そして、ステップS407において送信した新規蓄積データ有無問合せに応じて、モバイル機器4から送信されてくる新規蓄積データ有無応答を、送受信アンテナ15b、無線通信15aを通じて受信する(ステップS408)。この後、クレードル1の制御部11は、ステップS408において受信した新規蓄積データ有無応答に基づいて、新たに載置されたモバイル機器4に新規蓄積データが存在するか否かを判断する(ステップS409)。
ステップS409の判断処理において、新規蓄積データはないと判断したときには、サーバ装置2とは通信を行う必要はないので、クレードル1の制御部11は、充電制御部19を制御して、モバイル機器4のバッテリの充電容量を確認するようにし(ステップS410)、モバイル機器4に対する充電が完了したか否かを判断する(ステップS411)。
ステップS411の判断処理において、未だ充電が完了していないと判断したときには、ステップS410からの処理を繰り返し、充電処理を続行する。ステップS411の判断処理において、モバイル機器4に対する充電が完了したと判断したときには、モバイル機器4への充電を終了するようにする所定の処理を実行し(ステップS412)、この図20に示す処理を終了する。
一方、ステップS409の判断処理において、新規蓄積データが存在する判断したときには、クレードル1の送受信制御部17は、モバイル機器4から取得した機器IDを外部I/F14a、入出力端14bを通じて、サーバ装置2に報告する(ステップS413)。
この後、クレードル1の送受信制御部17は、入出力端14b、外部I/F14aを通じてサーバ装置2からの新規蓄積データ要求を受信して、これを無線通信部15a、送受信アンテナ15bを通じてモバイル機器4に送信する(ステップS414)。
次に、送受信制御部17は、送受信アンテナ15b、無線通信部15aを通じてモバイル機器4からの新規蓄積データを受信して、これを外部I/F14a、入出力端14bを通じてサーバ装置2に送信する(ステップS415)。次に、送受信制御部17は、入出力端14b、外部I/F14aを通じてサーバ装置2からの蓄積データ消去要求を受信して、これを無線通信部15a、送受信アンテナ15bを通じてモバイル機器4に送信する(ステップS416)。
次に、クレードル1の送受信制御部17は、送受信アンテナ15b、無線通信部15aを通じてモバイル機器4からの消去処理完了報告を受信して、これを外部I/F14a、入出力端14bを通じてサーバ装置2に送信する(ステップS417)。次に、送受信制御部17は、入出力端14b、外部I/F14aを通じてサーバ装置2からの書き戻しデータを受信し、これを無線通信部15a、送受信アンテナ15bを通じてモバイル機器4に送信する(ステップS418)。
そして、クレードル1の送受信制御部17は、送受信アンテナ15b、無線通信部15aを通じてモバイル機器4からの書き戻しデータ保存完了報告を受信して、これを外部I/F14a、入出力端14bを通じてサーバ装置2に送信する(ステップS419)。このように、この変形例のデータ通信システムにおいても、ステップS414〜ステップS419までの処理により、サーバ装置2とモバイル機器4との間の一連の中継処理が行われる。
なお、ステップS415の蓄積データの中継処理や、ステップS418の書き戻しデータの中継処理においては、中継すべき蓄積データや書き戻しデータが多数存在する場合もあり、ステップS415、ステップS418においては、多数のデータの転送処理が行われる場合ももちろんある。
そして、ステップS419の処理の後、クレードル1の制御部11は、ステップS410からステップS412の処理を実行するようにし、モバイル機器4のバッテリへの充電が完了したら、モバイル機器4への充電を終了するようにする所定の処理を実行して、この図20に示す処理を終了する。
なお、この図20に示した例の場合にも、ステップS410において充電容量を確認して、ステップS411で充電が完了したか否かを判断するようにしたが、これに限るものではない。ステップS403の判断処理において、充電が必要か否かを判断し、充電が必要でない場合には、充電処理を行っていないので、ステップS410の充電容量の確認の前に、充電実行中か否か(電力をモバイル機器4に供給しているか否か)を判断し、充電を実行していないと判断したときには、ステップS410〜ステップS412の処理を行うことなく、図20に示す処理を終了させるようにすることもできる。
[サーバ装置2の処理について]
図21は、この変形例のデータ通信システムのサーバ装置2において行われる処理を説明するためのフローチャートである。この図21に示す処理は、サーバ装置2において電源が投入された状態にあるときに主に制御部21と送受信制御部27とによって実行される。
電源が投入されると、サーバ装置2の送受信制御部27は、入出力端26b、外部I/F26aを通じて、クレードル1からのクレードル1に載置されたモバイル機器の機器IDを受信したか否かを判断する(ステップS501)。ステップS501の判断処理において、また機器IDを受信していないと判断したときには、ステップS501からの処理を繰り返し、クレードル1に載置されたモバイル機器の機器IDの受信待ちとなる。
ステップS501の判断処理において、クレードル1からの機器IDを受信したと判断したときには、クレードル1に新たにモバイル機器4が載置されたと分かるので、制御部11は、新規蓄積データの提供を要求するための新規蓄積データ要求を形成し、これを送受信制御部27が、外部I/F26aを通じて送信して、クレードル1を介してクレードル1に載置されたモバイル機器4に送信するようにする(ステップS502)。
次に、送受信制御部27は、クレードル1を介して送信されてくる新規蓄積データを入出力端26b、外部I/F26aを通じて受信して、これを例えばHDD30の所定の領域に保存する(ステップS503)。なお、モバイル機器4から送信されてくる新規蓄積データは複数存在する場合もあり、ステップS503においては、モバイル機器4からの新規蓄積データを順次に受信して、HDD30の所定の領域に保存することができるようにしている。
そして、サーバ装置2の制御部21は、HDD30の所定の領域に保存したモバイル機器4からの蓄積データの内、モバイル機器4から消去可能な蓄積データである消去対象データを洗い出す処理を実行する(ステップS504)。このステップS504における消去対象データ洗い出し処理は、図14、図15を用いて詳述した消去データ洗い出し処理と同じ処理である。
すなわち、ステップS504において制御部21は、洗い出し対象の保存した蓄積データに付加されている情報に基づいて、あるいは、当該蓄積データを解析することにより、重要な蓄積データであるか否かを予測するようにし、重要であると予測された蓄積データについては消去対象とはしないが、それ以外の蓄積データについては消去対象とするようにしている。
そして、サーバ装置2の制御部21は、ステップS504において洗い出した消去対象データをモバイル機器4の画像記憶部44から消去するようにするための蓄積データ消去要求を形成し、これを送受信制御部27に制御により、外部I/F26a、入出力端26bを通じて送信して、クレードル1を介してモバイル機器4に送信するようにする(ステップS505)。
次に、サーバ装置2の送受信制御部27は、入出力端26b、外部I/F26aを通じて、蓄積データ消去要求を送信した相手先のモバイル機器4から送信されてくる消去処理完了報告を受信するようにする(ステップS506)。この後、サーバ装置2の制御部21は、モバイル機器4から提供を受けてHDD30に保存すると共にモバイル機器4から消去するようにした蓄積データから、モバイル機器4に対して形式を変えて書き戻すようにする書き戻しデータ作成する(ステップS507)。
このステップS507において行われる書き戻しデータの作成処理は、図16を用いて詳述した書き戻しデータ作成処理と同じ処理である。すなわち、どのような書き戻しデータを作成すればよいか、作成する書き戻しデータの形式を特定した上で、書き戻しデータを作成する。この変形例においては、サーバ装置2にバックアップした蓄積データは静止画像データであるので、書き戻しデータの形式としては縮小画像データであることが特定され、バックアップした蓄積データから縮小画像データが形成されて、これがモバイル機器4に戻すようにされることになる。
そして、サーバ装置2の送受信制御部27は、ステップS507において作成した書き戻しデータを、外部I/F26a、入出力端26bを通じて送信して、クレードル1を介してモバイル機器4に送信するようにする(ステップS508)。この後、サーバ装置2の送受信制御部27は、入出力端26b、外部I/F26aを通じて、モバイル機器4からクレードル1を介して送信されてくる書き戻しデータの保存完了報告を受信するようにして(ステップS509)、この図21に示す処理を終了する。
なお、ここでは、通信処理が支障なく、行うようにされた場合を例にして説明したが、例えば、サーバ装置2からモバイル機器4に何らかの要求を送信し、これに応答がない場合などにおいては、再度の要求の送信を行ったり、応答要求を送信したりすることができるようにされる。
例えば、ステップS506において、消去完了報告を所定時間内に受信しなかった場合には、蓄積データの消去処理が行われたか否かの確認要求を送信したり、ステップS509において、保存完了報告を所定時間内に受信しなかった場合には、書き戻しデータが保存されたか否かの確認要求を送信したりすることができる。そして、その応答に応じて、元の要求を再度送信するなど、適切に処理することができるようにされる。
[モバイル機器4の処理について]
図22は、この変形例のデータ通信システムのモバイル機器4において行われる処理を説明するためのフローチャートである。この図22に示す処理は、モバイル機器4が例えば充電モード等、クレードル1に載置され、データ通信と充電処理とを行うようにする所定のモードとされた場合に、モバイル機器4の主に制御部41と送受信制御部47と画像消去制御部48によって実行される処理である。
まず、所定のモードに切り替えられると、送受信制御部47は、送受信アンテナ45b、無線通信部45aを通じて、クレードル1からの機器ID問合せを受信したか否かを判断する(ステップS601)。ステップS601の判断処理において、機器ID問合せを受信していないと判断したときには、ステップS601からの処理を繰り返し、機器ID問合せの受信待ちとなる。
ステップS601の判断処理において、クレードル1からの機器ID問合せを受信したと判断したときには、制御部41は、自機の例えばROM412に記憶保持されている機器IDや機器属性などの必要な情報を取得し、図7Cに示したような機器ID応答を形成して、これを送受信制御部47が、無線通信部45a、送受信アンテナ45bを通じてクレードル1に送信する(ステップS602)。
そして、送受信制御部47は、送受信アンテナ45b、無線通信部45aを通じて、クレードル1から送信されてくる新規蓄積データ有無問合せを受信し(ステップS603)、これに応じて制御部41が自己の画像記憶部44の記憶データを確認して新規蓄積データ有無応答を形成して、これを送受信制御部47が、無線通信部45a、送受信アンテナ45bを通じて送信し、クレードル1を介してサーバ装置2に送信するようにする(ステップS604)。
次に、送受信制御部47は、送受信アンテナ45b、無線通信部45aを通じて、クレードル1を介してサーバ装置2から送信されてくる新規蓄積データ要求を受信し(ステップS605)、これに応じて制御部41が図9を用いて説明したような形式の新規蓄積データを自機の画像記憶44から抽出して、これを送受信制御部47が、無線通信部45a、送受信アンテナ45bを通じて送信し、クレードル1を介してサーバ装置2に送信するようにする(ステップS606)。
次に、送受信制御部47は、送受信アンテナ45b、無線通信部45aを通じて、クレードル1を介してサーバ装置2から送信されてくる蓄積データ消去要求を受信し(ステップS607)、これに応じて制御部41が自機の画像記憶部44に記憶保持している蓄積データの内、消去が指示された蓄積データを消去する処理を実行する(ステップS608)。このステップS608で行われる蓄積データの消去処理は、図18を用いて説明した処理と同じ処理である。
この後、制御部41は、消去処理完了報告を形成し、これを送受信制御部47が、無線通信部45a、送受信アンテナ45bを通じて送信し、クレードル1を介してサーバ装置2に送信するようにする(ステップS609)。
そして、送受信制御部47は、送受信アンテナ45b、無線通信部45aを通じて、クレードル1を介してサーバ装置2から送信されてくる書き戻しデータを受信し(ステップS610)、これを自機の画像記憶部44に保存する(ステップS611)。この後、制御部41は、保存完了報告を形成し、これを送受信制御部47が、無線通信部45a、送受信アンテナ45bを通じて送信し、クレードル1を介してサーバ装置2に送信するようにして(ステップS612)、この図22に示す処理を終了する。
このように、この変形例の場合には、クレードル1に載置されたモバイル機器にサーバ装置2にバックアップする必要のある蓄積データが存在するか否かをクレードル1が確認し、存在しない場合には、サーバ装置2とは通信処理を行うことなく、モバイル機器4に対して充電処理のみを行うようにすることができる。
[その他]
なお、上述の実施の形態においては、クレードル1には1つのサーバ装置2が接続されているものとして説明したが、これに限るものではない。例えば、クレードル1をLAN(Local Aria Network)に接続したり、あるいは、クレードル1に対して、複数のサーバ装置を接続できるようにしたりしておくことにより、クレードル1に載置されるモバイル機器に応じて、蓄積データの供給先を変更するようにすることもできる。
この場合、どのサーバ装置を用いるかは、モバイル機器の機器属性などに応じて、クレードル1が決定するようにしたり、クレードル1が機器IDを用いて各サーバ装置に過去の当該モバイル機器の蓄積データをバックアップしたサーバ装置を問い合わせて特定したり、あるいは、ユーザーがクレードル1に対して直接に指示を入力したりすることにより、特定することが可能である。
また、クレードル1の機能として、モバイル機器4やサーバ装置2の時計回路の時刻合わせ行うようにすることもできる。例えば、クレードル1の時計回路12として電波時計や高性能の時計回路を用い、クレードル1の時計回路12の時刻を基準として、クレードル1に載置されたモバイル機器4の時計回路42の時刻合わせを行ったり、サーバ装置2の時計回路22の時刻合わせを行ったりすることももちろんできる。また、基準とする時刻は、サーバ装置2が提供したり、その他の機器が提供したりすることももちろん可能である。
また、クレードル1に複数のサーバ装置が接続されている場合であっても、また、上述した実施の形態のように、1台のサーバ装置が接続されている場合であっても、サーバ装置には種々のモバイル機器からの蓄積データが提供されるので、サーバ装置において、種々の条件により各モバイル機器からの蓄積データをマージして管理することもできるようにされる。
例えば、提供元が違っていても、作成日時が同じ蓄積データをまとめて管理したり、静止画像や動画像など、データの種類ごとにまとめて管理したりするなどのことができるようにされる。
また、モバイル機器としては、一例として挙げた携帯電話端末、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、携帯型音楽再生装置に限るものではない。例えば、上述もしたように、デジタルスチルカメラやカメラ付き携帯電話端末などの静止画像データを撮影する機器がモバイル機器4である場合には、撮影されて蓄積された静止画像データをクレードル1を介して、サーバ装置2に供給してバックアップすると共に、そのバックアップした静止画像データから形成した縮小画像データを書き戻しデータとして作成してモバイル機器4に戻すことができることは上述した通りである。
また、デジタルビデオカメラやカメラ付き携帯電話端末などの動画像データを撮影する機器がモバイル機器4である場合には、撮影されて蓄積された動画像データをクレードル1を介して、サーバ装置2に供給してバックアップすると共に、そのバックアップした動画像データから形成したダイジェスト版の動画データを書き戻しデータとして作成してモバイル機器4に戻すことができることは上述した通りである。
また、音楽の再生機能を備えたモバイル機器の場合には、その機器における音楽データの再生履歴情報を、クレードル1を介してサーバ装置2が収集し、当該モバイル機器のユーザーの音楽嗜好を解析し、その結果、推薦する音楽データを、クレードル1を介して当該モバイル機器に提供するようにすることも可能である。もちろん、ユーザーがサーバ装置2に対して指示した音楽データのみを当該モバイル機器に提供するようにすることも可能である。
また、電子手帳のような、種々の情報を記録、閲覧できるモバイル機器の場合には、そのモバイル機器で新たに登録されたスケジュールやメモ等の種々の情報を、クレードル1を介してサーバ装置2に提供して保存し、ユーザーが指示したデータだけを戻すようにしたりすることも可能である。この場合のユーザーの指示は、予めサーバ装置2に与えておくようにすることもできるし、サーバ装置2へのバックアップ時点において、サーバ装置2にバックアップされたデータを見て、ユーザーが選択するようにすることもできる。
また、携帯電話端末等の通信を行う機能を備えたモバイル機器の場合には、アドレス帳データ等を、クレードル1を介してサーバ装置2に自動的にバックアップするようにすることも可能である。もちろん、その他の通信情報を、クレードル1を介してサーバ装置2にバックアップすることも可能である。また、サーバ装置2に登録されている新たなアドレス帳データを、クレードル1を介してモバイル機器に提供して記録するようにし、当該モバイル機器において利用できるようにすることもできる。この場合の相互のデータ通信も、基本的には、モバイル機器4をクレードル1に載置するだけで、自動的に行うようにすることができる。
また、サーバ装置2は、クレードル1を介して、予め決められた複数のモバイル機器に対して同じ情報を提供するようにしたり、機器属性が同じモバイル機器に対しては、同じ情報を提供したりすることももちろんできる。この場合、複数のモバイル機器は、一度にクレードル1に載置されても良いし、別々のタイミングで載置するようにされてもよい。
また、サーバ装置2は、クレードル1を介してモバイル機器4から取得した種々のデータをインターネット上に公開するようにしたり、クレードル1を介してモバイル機器4から取得した種々のデータを家庭内の他の再生装置や記録再生装置に提供して再生したり、記録したりするなどのこともできるようにされる。
また、サーバ装置2は、クレードル1を通じて、モバイル機器4から情報を収集したり、モバイル機器4に情報を提供したりした場合には、その事実をネットワークに接続された他のサーバ装置に通知して、当該他のサーバ装置を通じて当該処理を行ったことを使用者に通知するなどのこともできるようにされる。
また、上述した実施の形態においては、クレードル1がモバイル機器4への充電の制御を行うようにしたが、これに限るものではない。モバイル機器4が、自ら充電処理をコントロールするようにしてももちろんよい。
また、上述した実施の形態においては、クレードル1とサーバ装置2とは別体のものとして説明したが、クレードル1とサーバ装置2とは一体に構成することもできる。また、上述した実施の形態において、サーバ装置2は、例えば、パーソナルコンピュータやホームネットワークシステムのサーバ装置などとして実現可能なものであるが、位置付けとして、クレードル1の制御装置として構成することも可能である。
また、図12に示したフローチャートの処理を実行するプログラムが、この発明に係る転送制御プログラムである。当該プログラムを形成し、これを図2に示した構成のクレードル1のROM112に記録して制御部11のCPU111において実行可能にしておくことになる。
また、図13〜図16に示したフローチャートの処理を実行するプログラムが、この発明に係る通信制御プログラムである。当該プログラムを形成し、これを図3に示した構成のサーバ装置2のROM212に記録して制御部21のCPU211において実行可能にしておくことになる。
[第2の実施の形態]
次に、第2の実施の形態のデータ通信システムについて説明する。図23は、この第2の実施の形態のデータ通信システムの構成例を説明するための図である。図23に示すように、この第2の実施の形態のデータ通信システムもまた、図1を用いて説明した第1の実施の形態のデータ通信システムと同様に構成されるものである。
すなわち、この第2の実施の形態のデータ通信システムは、図23に示すように、種々のモバイル機器4(a)、4(b)、…と、クレードル1と、サーバ装置2とからなるものである。クレードル1とサーバ装置2とはインターフェイスケーブル3によって有線接続されている。
ここでクレードル1は、図2を用いて説明した構成を有するものである。また、サーバ装置2は、図3を用いて説明した構成を有するものである。また、モバイル機器4(a)、4(b)、…としては、例えば、図4を用いて説明したデジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラなどの撮像装置や、詳しくは後述する携帯電話端末などの種々のものを用いることができる。
そして、クレードル1は、これに載置された種々のモバイル機器4との間においては、近距離無線通信技術が用いられて、無線により接続される。そして、以下に説明するように、クレードル1に載置された種々のモバイル機器と、クレードル1に有線接続されたサーバ装置2との間においては、クレードル1を介して通信が行われることになる。
また、この第2の実施の形態のデータ通信システムにおいても、送受される問い合わせ、応答、要求、報告などは、図7Aに示したレイアウトにしたがって形成されて用いられる。
そして、上述した第1の実施の形態においては、クレードル1を介して、モバイル機器に蓄積したデータをサーバ装置2にバックアップしたり、バックアップしたデータの削除指示をサーバ装置2からモバイル機器に送信してモバイル機器の蓄積データを整理したり、また、バックアップしたデータについてリサイズするなどの処理を施してサーバ装置2からモバイル機器に戻したりすることができるようにした。
これに対して、以下に説明する第2の実施の形態のデータ通信システムは、クレードル1に載置されたモバイル機器間の連携を、クレードル1とサーバ装置2とにより強化することができるようにしている。すなわち、図23に示すように、クレードル1に載置されているモバイル機器4(a)とモバイル機器4(b)との間において、クレードル1を介して必要なデータを送受するなどのことを行うことによって、最適な機器連携を行うことができるようにしている。
以下においては、クレードル1を介して実現することができるモバイル機器間の連携として、(1)撮像装置と携帯電話端末との間で実現される画像データを用いる連携(第1の例)、(2)携帯型音楽再生機と撮像装置との間で実現される音楽データを用いる連携(第2の例)、(3)撮像装置と携帯電話端末との間で実現されるテキストデータを用いる連携(第3の例)、(4)撮像装置と携帯電話端末間で実現される画像データやこれに関連する情報を用いた連携(第4の例)のそれぞれについて具体的に説明する。
[(1)撮像装置と携帯電話端末との間で画像データを用いる連携(第1の例)について]
図24は、撮像装置と携帯電話端末との間で画像データを用いる連携を行う場合(第1の例)の概要について説明するための図である。上述したように、クレードル1に対しては、種々のモバイル機器を複数同時に載置することが可能である。このため、図24に示すように、例えば、携帯電話端末4(1)と、デジタルスチルカメラ4(2)やデジタルビデオカメラ4(3)等の撮像装置とをクレードル1に載置する場合もある。
ここで重要なことは、携帯電話端末4(1)と撮像装置とがクレードル1に対して載置されていることであり、載置のタイミングは異なっていてもよい。例えば、携帯電話端末4(1)が先にクレードル1に載置され、数時間後に撮像装置がクレードル1に載置されるような場合や、これとは逆に、撮像装置が先にクレードル1に載置され、後から携帯電話端末4(1)が載置されるような場合であってもよい。要は、携帯電話端末4(1)と撮像装置とがクレードル1に対して載置されている状況となっていればよい。
このような状況となった場合に、クレードル1に載置されている撮像装置から携帯電話端末4(1)に自動的に画像データを転送できるようにする。しかし、単に画像データを転送するだけではない。
例えば、携帯電話端末4(1)とデジタルスチルカメラ4(2)とがクレードル1に載置された場合には、サーバ装置2の機能を用いることにより、デジタルスチルカメラ1に記憶保持されている静止画像データから携帯電話端末4(1)用に縮小した(リサイズした)画像データを形成し、これを携帯電話端末4(1)に転送して利用できるようにする。
また、携帯電話端末4(1)とデジタルビデオカメラ4(3)とがクレードル1に載置された場合には、サーバ装置2の機能を用いることにより、デジタルビデオカメラ4(3)に記憶保持されている動画像データからダイジェスト版を作成し、これを携帯電話端末4(1)に転送して利用できるようにする。
このようにすることにより、携帯電話端末4(1)とデジタルスチルカメラ4(2)やデジタルビデオカメラ4(3)等の撮像装置との間で機能連携を強化し、撮像装置で撮像することにより得た静止画像データや動画像データを、形を変えて携帯電話端末4(1)に転送して利用することができるようにしている。
以下に説明する第1の例においては、携帯電話端末4(1)とデジタルスチルカメラ4(2)とが、クレードル1に載置された場合を例にして、具体的に説明する。
[モバイル機器である携帯電話端末4(1)の構成例について]
図25は、この第2の実施の形態のデータ通信システムで用いられるモバイル機器の1つである携帯電話端末4(1)の構成例を説明するためのブロック図である。図25に示すように、この第2の実施の形態で用いられる携帯電話端末4(1)は、制御部61、コンテンツ記憶部62、キー操作部63、バッテリ64、無線充電制御部65、無線通信部66a、送受信アンテナ66b、広域通信用の送受信アンテナ71、アンテナ共用器72、受信部73、局発部74、ベースバンド処理部75、コーデック76、受話器(スピーカ)77、送話器(マイクロホン)78、送信部79、音楽再生部80、音声出力端子81、LCD(Liquid Crystal Display)82を備えたものである。
まず、制御部61と、これに接続されるコンテンツ記憶部62、キー操作部63、バッテリ64、無線充電制御部65、無線通信部66a、送受信アンテナ66b、音楽再生部80、LCD82について説明する。
制御部61は、この第2の実施の形態で用いられるモバイル機器の1つである携帯電話端末4(1)の各部を制御するものであり、CPU611、ROM612、RAM613、不揮発性メモリ614が、CPUバス615を通じて接続されることにより形成されたマイクロコンピュータである。
ここで、CPU611は、制御の主体となるものであり、後述するROM612などに記憶保持されているプログラムを実行し、各部に供給する制御信号を形成して、これを各部に供給したり、各部からの信号を受け付けて、これを処理したりする。ROM612は、上述もしたように、CPU611によって実行される種々のプログラムやフォントデータなどの処理に必要になる各種のデータを記憶保持しているものである。
RAM613は、各種の処理において途中結果を一時記憶するなど、主に作業領域として用いられるものである。不揮発性メモリ614は、EEPROMやフラッシュメモリからなるものであり、この携帯電話端末4(1)の電源が落とされても保持しておくべき情報、例えば、各種の設定パラメータ、電話帳データ、電子メールデータ、機能追加などのために新たに提供されたプログラムなどを記憶保持するものである。
このように構成される制御部61に対しては、図25に示すように、コンテンツ記憶部62が接続されている。コンテンツ記憶部62は、記録媒体として半導体メモリを備えると共に、当該半導体メモリに対してデータを書き込んだり、当該半導体メモリからデータを読み出したりするメモリコントローラとからなるものである。
このコンテンツ記憶部62の記録媒体には、この携帯電話端末4(1)の広域通信機能を用いて、インターネットなどの広域ネットワーク上のサーバ装置からダウンロードしてくる音楽データやAV(Audio/Visual)データ、あるいは、クレードル1を介してサーバ装置2やモバイル機器であるデジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラからの静止画像データや動画像データを記憶保持して、利用することができるようにされる。
なお、コンテンツ記憶部62の半導体メモリは、いわゆるカードメモリを用い、この第2の実施の形態の携帯電話端末4(1)に対して着脱可能に構成することもできる。また、半導体メモリの他にも、小型のハードディスクなどの他の記録媒体を用いる構成とすることも可能である。
また、制御部61に対しては、図25に示すように、キー操作部63が接続されている。キー操作部63は、図示しないが、いわゆるテンキー(数字キー)や各種のファクションキー、回動操作と押下操作とが可能なジョグダイヤルキーなどの複数の操作キーが設けられたものであり、ユーザーからの種々の操作入力を受け付けるものである。
そして、キー操作部63を通じて受け付けた使用者からの操作入力は、電気信号に変換されて制御部61に供給される。これにより、制御部61は、ユーザーからの指示に応じて各部を制御し、ユーザーの指示に応じた処理を行うことができるようにしている。
また、制御部61に対しては、無線充電制御部65が接続されている。無線充電制御部65は、クレードル1の充電制御部19を通じて供給される電力を、無線充電制御部65に接続されたバッテリ64に供給するなど、バッテリ64の充電処理を制御するものである。バッテリ64は、無線充電制御部65により充電が行われるようにされ、この携帯電話端末の各部に必要な電力を供給するものである。
さらに、制御部61には、無線通信部66aが接続されている。この無線通信部66aには、送受信アンテナ66bが設けられている。無線通信部66a、送受信アンテナ66bは、クレードル1との間において、近距離無線通信によりデータ通信を行うようにする部分である。
したがって、無線通信部66a、送受信アンテナ66bは、上述したクレードル1の無線通信部15a、送受信アンテナ15bと同様に、例えば、UWB(Ultra WideBand)やブルートゥース(Bluetooth)などの無線通信技術、その他の種々の近距離無線通信技術、あるいは、短距離無線通信技術を用いて、クレードル1との間で無線通信を行うことができるようにしている。
また、図25に示すように、携帯電話端末4(1)の場合、制御部61に対して、音楽再生部80が接続されている。この音楽再生部80には、制御部61によってコンテンツ記憶部62から読み出されるデータ圧縮された音楽データが供給される。音楽再生部80は、これに供給されたデータ圧縮されている音楽データを圧縮解凍してデータ圧縮前の元の音楽データを復元し、これから出力するアナログ音楽信号を形成して音声出力端81を通じて出力する。音声出力端81には、図25に示すように、ヘッドホン90等を接続し、当該ヘッドホン90等を通じて再生音声の聴取が可能になる。
なお、ここでは、音楽再生部80は、音楽データの再生処理を行うものとして説明したが、音楽データだけでなく、話音声などの種々音声データ一般の再生処理を行うことができるものである。また、音楽再生部80においては、音楽データあるいはアナログ音楽信号に対する種々の調整処理やアナログ音声信号に対する増幅処理なども行われる。
また、図25に示すように、制御部61にはLCD82が接続されている。LCD82はLCDコントローラを含むものであり、制御部61からの制御信号により制御され、種々の表示情報をLCD82の表示画面に表示させることができるものである。なお、AVデータについても、制御部61が音声データと映像データとに分離し、音声データについては音楽再生部80に、映像データについてはLCD82に供給することによって、その両方について同期を取って再生することもできるようにされる。
また、コンテンツ記憶部62に記憶保持されているクレードル1を介して提供を受けた静止画像データや動画像データについても、制御部61がこれを読み出して、圧縮解凍処理するなどの所定の処理を行ってLCD82に供給することにより、供給された静止画像データや動画像データに応じた画像をLCD82の表示画面に表示してユーザーに提供することもできるようにされる。すなわち、この携帯電話端末4(1)は、静止画像データや動画像データの再生機能をも備えたものである。
また、図25には図示しないが、制御部61には、リンガ、バイブレータ、時計回路なども接続され、制御部61の制御に応じて、音声や振動で着信や警告を伝えることもできるし、カレンダ機能を実現したり、現在時刻を通知したり、目覚まし時計機能を実現したりすることもできるようにしている。
次に、図25に示した携帯電話端末4(1)の受信系について説明する。送受信アンテナ71を通じて受信した受信信号は、アンテナ共用器72を通じて受信部73に供給される。受信部73は、受信信号が適正なレベルになるように、必要な帯域制限、AGC(Automatic Gain Control)を行なうとともに、局発部(周波数シンセサイザ)74からの信号に基づいて、受信信号の周波数を一定の周波数にするなどの処理を行って、処理後の信号をベースバンド処理部75に供給する。
ベースバンド処理部75は、受信部73からの信号をA/D(Analog/Digital)変換し、フェージングなどの影響除去や、受信した信号の種別判別、デ・インターリーブ、エラー訂正を行ない、適切な復号処理を行って、通話音声データとその他の通信データとを分離する。そして、通話音声データは、DSP(Digital Signal Processor)の構成とされたコーデック76に供給され、その他の通信データである、例えば、各種の制御情報や文字データ、あるいは、Webページデータ、音楽データ(音楽コンテンツ)などは、制御部61に供給される。
コーデック76は、ベースバンド処理部75からの音声データをD/A変換してアナログ音声信号を形成し、これをスピーカ77に供給する。スピーカ77は、コーデック76からのアナログ音声信号により駆動され、受信信号に応じた音声を放音する。
一方、ベースバンド処理部75から制御部61に供給された通信データは、この実施の形態の携帯電話端末用の制御データや文字データなどの場合には、制御部61の例えばRAM613に一時記憶されて、この携帯電話端末4(1)において使用される。また、それ以外の音楽データ等のコンテンツデータは、コンテンツ記憶部62に供給されて記憶保持され、必要に応じて読み出して利用することができるようにされる。
次に、図25に示した携帯電話端末4(1)の送信系について説明する。マイクロホン78は、収音した音声をアナログ音声信号に変換し、これをコーデック76に供給する。コーデック76は、マイクロホン78からのアナログ音声信号をA/D変換して、デジタル音声信号を形成し、これをベースバンド処理部75に供給する。
ベースバンド処理部75は、コーデック76からのデジタル音声信号を所定の符号化方式で符号化して圧縮し、所定のブロックにまとめる。またベースバンド処理部75は、制御部61を通じて供給されるキー操作部63を通じて受け付けた送信用のデジタルデータ等についても所定のブロックにまとめることができるものである。ベースバンド処理部75は、圧縮されたデジタル音声信号や制御部61からの送信用のデジタルデータをまとめ、送信部79に供給する。
送信部79は、ベースバンド処理部75からのデジタルデータから変調信号を形成し、この変調信号を所定の送信周波数に変換するために、変調信号と、局発部74からの変換用の信号とを混合して、送信用変調信号を形成する。この送信部79において形成された送信用変調信号は、アンテナ共用器72を経由して、送受信アンテナ71から送信される。
このような受信系および送信系を備えたこの実施の形態の携帯電話端末においては、待ち受け受信時(待ち受け時)においては、制御部61は、ベースバンド処理部75からの受信信号を監視することにより、自機への着信を検出する。そして、制御部61は、自機への着信を検出した場合には、図示しないリンガを制御して、呼び出し音(リンガ音)を放音したり、図示しないバイブレータを振動させたりすることにより、自機への着信を当該携帯電話端末4(1)の使用者に通知する。
そして、携帯電話端末4(1)の使用者が、この実施の形態の携帯電話端末4(1)に設けられているテンキーや各種のファンクションキーなどを有するキー操作部63に設けられている通話開始キーを押下するなどのオフフック操作を行なうことにより、着信に応答した場合には、制御部61は、送信系を通じて、接続応答を送出するなどして通信回線を接続し、前述したように、受信系、送信系の動作によって通話が可能となる。
また、この実施の形態の携帯電話端末4(1)から発呼する場合には、前述のキー操作部63の通話開始キーを押下するなどのオフフック操作を行った後、キー操作部63のテンキー(ダイヤルキー)を通じて、また、予め登録された電話帳データから相手先の電話番号を選択することにより、ダイヤル動作を行なうようにする。
これにより、制御部61は、発呼要求を形成し、送信系を通じて送信することにより、目的とする相手先の電話端末との間に通信回線を接続するようにする。そして、相手先からの着信応答が返信されてきて、通信回線の接続を確認すると、前述したように、受信系、送信系の動作によって通話が可能となる。
また、この実施の形態の携帯電話端末4(1)は、インターネットに接続が可能なものであり、例えば、電話会社が提供するプロバイダ機能を通じて、URL(Uniform Resource Locators)を入力して送信することにより、Webページなどの情報を得て、この情報を、制御部61を通じてLCD82に表示したり、インターネット上の目的とするサーバから音楽データ(音楽コンテンツ)をダウンロードしてコンテンツ記憶部62に記憶保持して利用できるようにしたりすることもできるようにしている。
また、この実施の形態の携帯電話端末4は、キー操作部63、LCD82を通じて情報を入力して、送信用の電子メールデータをEEPROM614に作成し、これをインターネットを通じて目的とする相手先のメールサーバに送信したり、また、自機宛の電子メールをメールサーバから受信してEEPROM614に格納し、これをLCD82に表示して利用したりするなどのこともできるものである。
このように、この第2の実施の形態でモバイル機器の1つとして用いられる携帯電話端末4(1)は、携帯電話ネットワークやインターネットなどの広域ネットワークを通じて、電話通信やデータ通信を行うことができるものである。
[機器連携テーブルの構成例について]
次に、この第2の実施の形態のデータ通信システムにおいて、サーバ装置2の例えば不揮発性メモリ214に作成される機器関連テーブルの構成例について説明する。上述したように、クレードル1に載置された機器間において機能連携を図るために、クレードル1にどのようなモバイル機器が載置された場合に、当該モバイル機器間でどのような処理を行うようにするかが明確に決められていないと適正な処理を行うようにすることができない。
そこで、どのような2つのモバイル機器がクレードル1に載置された場合に、当該モバイル機器間でどのような処理を行うのかを特定できるようにする機器連携テーブルをサーバ装置の不揮発性メモリ214に作成するようにしている。図26は、機器連携テーブルの構成例を説明するための図である。
図26に示すように、機器連携テーブルは、シーケンス番号(No.)、連携機器である機器1および機器2、連携処理内容、プログラムIDからなるものである。シーケンス番号は、当該機器連携テーブルの何番目の登録情報かを示すものである。連携機器である機器1、機器2は、連携する機器を示す情報であり、例えば、装置IDが用いられる。連携処理内容は、連携機器である機器1と機器2との間でどのような処理を行うのかを示すものである。また、プログラムIDは、当該処理をサーバ装置2を介して行う場合に、サーバ装置2において実行するプログラムのプログラムIDを示すものである。
そして、図26に示した例の機器連携テーブルにおいて1番目の登録情報は、連携機器として、機器1が「デジタルスチルカメラ」、機器2が「携帯電話端末」であり、その連携処理の内容は、「デジタルスチルカメラ(機器1)の静止画像データをリサイズして携帯電話端末(機器2)にコピーして、携帯電話端末においてリサイズした静止画像データを利用できるように処理すること」である。そして、当該連携処理を行うために、サーバ装置2において実行されるプログラムのプログラムIDが、「PG1」ということになる。
また、図26に示した例の機器連携テーブルにおいて2番目の登録情報は、連携機器として、機器1が「デジタルビデオカメラ」、機器2が「携帯電話端末」であり、その連携処理の内容は、「デジタルビデオカメラ(機器1)の動画像データからダイジェストの動画像データを作成して携帯電話端末(機器2)にコピーして、携帯電話端末においてダイジェストの動画像データを利用できるように処理すること」である。そして、当該連携処理を行うために、サーバ装置2において実行されるプログラムのプログラムIDが、「PG2」ということになる。
そして、以下に詳述するが、サーバ装置2においては、クレードル1に複数のモバイル機器が載置された場合に、どのようなモバイル機器が載置されたかの通知をクレードル1から受けて、これに基づいて図26に示した機器連携テーブルを参照し、行うべき処理を特定して当該処理を行うようにしている。
[画像データを用いる連携を行う場合のシステムの動作について]
次に、モバイル機器として携帯電話端末4(1)とデジタルスチルカメラ4(2)とが用いられる場合であって、モバイル機器間で画像データを用いた連携を行えるようにするこの例のデータ通信システムの動作について説明する。図27〜図28は、モバイル機器間で画像データを用いた連携を行えるようにするこの例のデータ通信システムの動作について説明するためのタイミングチャートである。
なお、上述もしたように、携帯電話端末4(1)とデジタルスチルカメラ4(2)とが、クレードル1に載置されるタイミングは特に問題とならないが、ここでは説明を簡単にするために、携帯電話端末4(1)がクレードル1に載置された後に、デジタルスチルカメラ4(2)がクレードル1に載置された場合を例にして説明する。
そして、この第1の例においては、デジタルスチルカメラ4(2)の画像記憶部44には、図8を用いて説明した蓄積データリストや図9を用いて説明した蓄積データが記憶保持されている。そして、携帯電話端末4(1)のコンテンツ記憶部62には、クレードル1を介して提供される例えば図10を用いて説明した構成のリサイズされた画像データが格納されることになる。
そして、図27に示すように、クレードル1においては、自機に電源が投入された状態にあるときには、載置検出部16の機能により、所定の間隔ごとにモバイル機器4が載置されたか否かを判断し、載置されたことを検出した場合に充電開始処理を実行するようにしている(ステップS51)。
なお、上述もしたように、この第2の実施の形態のクレードル1に対しても、1度に複数台のモバイル機器を載置することができるようにされており、新たなモバイル機器が載置される毎にモバイル機器が載置されたことを検出することができるようにしている。そして、後述もするように、充電開始処理によって、充電容量が少なく充電が必要なモバイル機器のバッテリに対してのみ充電を行うようにし、充電容量が十分にあり充電する必要がないモバイル機器のバッテリに対しては充電を行わないようにしている。
そして、ステップS51の処理の後、クレードル1は、自機に載置されたことを検出したモバイル機器に対して機器IDの問い合わせを行い、これに応じてモバイル機器から送信される機器ID応答を受信してサーバ装置に送信する中継処理を行う。この例においては、上述もしたように、まず、携帯電話端末4(1)がクレードル1に載置された場合の例であるので、クレードル1は、まず、携帯電話端末4(1)に対する図7Bに示した機器ID問い合わせを形成し、これを無線通信部15a、送受信アンテナ15bを通じて携帯電話端末4(1)に対して送信する(ステップS52)。
携帯電話端末4(1)は、送受信アンテナ66b、無線通信部66aを通じてクレードル1からの機器ID問い合わせを受信すると、図7Cに示した機器ID応答を形成し、これを無線通信部66a、送受信アンテナ66bを通じて送信するので(ステップS53)、クレードル1は、送受信アンテナ15b、無線通信部15aを通じて携帯電話端末4(1)からの機器ID応答を受信し、これを外部I/F14a、入出力端14bを通じてサーバ装置2に送信する。
サーバ装置2は、クレードル1からの機器ID応答を入出力端26b、外部I/F26aを通じて受信する。このようにしてクレードル1を介して送信されてくる機器ID応答(機器ID報告)により、サーバ装置2は、クレードルに携帯電話端末4(1)が載置されたことを把握することができる。
そして、この例の場合には、携帯電話端末4(1)に続き、デジタルスチルカメラ4(2)がクレードル1に載置されるので、デジタルスチルカメラ4(2)に対する充電開始処理を実行した後に、クレードル1は、デジタルスチルカメラ4(2)に対する図7Bに示した機器ID問い合わせを形成し、これを無線通信部15a、送受信アンテナ15bを通じてデジタルスチルカメラ4(2)に対して送信する(ステップS54)。
デジタルスチルカメラ4(2)は、送受信アンテナ45b、無線通信部45aを通じてクレードル1からの機器ID問い合わせを受信すると、図7Cに示した機器ID応答を形成し、これを無線通信部45a、送受信アンテナ45bを通じて送信するので(ステップS55)、クレードルは、送受信アンテナ15b、無線通信部15aを通じてデジタルスチルカメラ4(2)からの機器ID応答を受信し、これを外部I/F14a、入出力端14bを通じてサーバ装置2に送信する。
サーバ装置2は、クレードル1からの機器ID応答を入出力端26b、外部I/F26aを通じて受信する。このようにしてクレードル1を介して送信されてくる機器ID応答(機器ID報告)により、サーバ装置2は、クレードル1にデジタルスチルカメラ4(2)が載置されたことを把握することができる。
そして、サーバ装置2においては、クレードル1に新たなモバイル機器が載置されたことを把握する毎に、制御部21により、複数のモバイル機器が載置された状態にあるか否かを判断し、複数のモバイル機器が載置された状態にある場合には、自機の不揮発性メモリ214に作成されている図26を用いて説明した機器連携テーブルを参照し、行うべき機器の連携処理を特定し、連携させる機器を登録する(ステップS56)。
具体的には、サーバ装置2の制御部21は、新たにクレードル1に載置されたモバイル機器と既にクレードル1に載置されているモバイル機器と同じ組み合わせが、参照する機器連携テーブルの連携機器欄の機器1と機器2として登録されたものと同じものがあるか否かを確認して、同じ組み合わせがある場合に、実行すべき機器の連携処理を特定して、連携させる機器を不揮発性メモリ214に登録する。
なお、新たにクレードル1に載置されたモバイル機器と既にクレードル1に載置されているモバイル機器と同じ組み合わせは、新たにクレードル1に載置されたモバイル機器を機器1とし、既にクレードル1に載置されているモバイル機器を機器2とする場合と、新たにクレードル1に載置されたモバイル機器を機器2とし、既にクレードル1に載置されているモバイル機器を機器1とする場合の両方について、同じ組み合わせがあるか否かを判断することになる。また、同じ組み合わせが無い場合には、行うべき機器の連携処理は無いので以降の処理は行われない。
そして、この例の場合、クレードル1に載置されたモバイル機器は、携帯電話端末4(1)とデジタルスチルカメラ4(2)であり、その組み合わせは、図26に示した機器連携テーブルの1番目に登録された組み合わせと同じである。この場合、デジタルスチルカメラ4(2)が機器1になり、携帯電話端末4(1)が機器2になり、これがサーバ装置2の不揮発性メモリ214に登録される。また、デジタルスチルカメラ4(2)に記憶保持されている静止画像データをリサイズして携帯電話端末4(1)にコピーする処理を行うことが特定される。
そして、サーバ装置2は、デジタルスチルカメラ4(2)に対して蓄積データリストの提供を要求する蓄積データリスト要求を形成して、これを外部I/F26a、入出力端26bを通じて出力し、クレードル1を通じてデジタルスチルカメラ4(2)に送信する(ステップS57)。この場合、クレードル1は、入出力端14b、外部I/F14aを通じてサーバ装置2からの蓄積データリスト要求を受信し、これを無線通信部15a、送受信アンテナ15bを通じてデジタルスチルカメラ4(2)に送信する。
デジタルスチルカメラ4(2)は、送受信アンテナ45b、無線通信部45aを通じて、クレードル1を介して送信されてくるサーバ装置2からの蓄積データリスト要求を受信し、これに応じて、図8を用いて説明した蓄積データリストを無線通信部45a、送受信アンテナ45bを通じてサーバ装置2に対して送信する(ステップS58)。この場合、クレードル1は、送受信アンテナ15b、無線通信部15aを通じてデジタルスチルカメラ4(2)からの蓄積データリストを受信し、これを外部I/F14a、入出力端14bを通じてサーバ装置2に送信する。
サーバ装置2は、クレードル1を介して送信されてくるデジタルスチルカメラ4(2)からの蓄積データリストを、入出力端26b、外部I/F26aを通じて受信し、これを自機のHDD30の所定の領域に格納する(ステップS59)。そして、図28に示す処理に進む。
そして、サーバ装置2は、図27のステップS59において自己のHDD30に格納した蓄積データリストと、既に提供を受けて記憶保持している蓄積データリストとの差分から、まだ提供を受けていない画像データを特定し、デジタルスチルカメラ4(2)に対して新規蓄積データの提供を要求する新規蓄積データ要求を形成して、これを外部I/F14a、入出力端14bを通じて出力し、クレードル1を通じてデジタルスチルカメラ4(2)に送信する(ステップS60)。この場合、クレードル1は、入出力端14b、外部I/F14aを通じてサーバ装置2からの新規蓄積データ要求を受信し、これを無線通信部15a、送受信アンテナ15bを通じてデジタルスチルカメラ4(2)に送信する。
デジタルスチルカメラ4(2)の制御部41は、送受信アンテナ45b、無線通信部45aを通じて、クレードル1を介して送信されてくるサーバ装置2からの新規蓄積データ要求を受信し、これに応じて、まだサーバ装置2に送信していない新規蓄積データを自己の画像記憶部44から抽出し、これを無線通信部45a、送受信アンテナ45bを通じてサーバ装置2に対して送信する(ステップS61)。この場合、クレードル1は、無線通信部15a、送受信アンテナ15bを通じてデジタルスチルカメラ4(2)からの蓄積データを受信し、これを外部I/F14a、入出力端14bを通じてサーバ装置2に送信する。ここでデジタルスチルカメラ4(2)からサーバ装置2に提供される蓄積データは、図9に示した構成の画像データである。
サーバ装置2は、クレードル1を介して送信されてくるデジタルスチルカメラ4(2)からの蓄積データを、入出力端26b、外部I/F26aを通じて受信し、これを自機のHDD30の所定の領域に格納する(ステップS62)。そして、サーバ装置2の制御部21は、ステップ62においてHDD30に格納したデジタルスチルカメラ4(2)からの蓄積データである画像データをリサイズ処理することにより、携帯電話端末4(1)において利用するのに適したサイズの画像データを生成する(ステップS63)。
この後、サーバ装置2は、ステップS63において生成したリサイズ後の画像データを、外部I/F14a、入出力端14bを通じて出力し、クレードル1を通じて携帯電話端末4(1)に対して送信する(ステップS64)。ここでサーバ装置2から送信されるリサイズ後の画像データは、例えば、図10を用いて説明したものと同様のものである。
この場合、クレードル1は、入出力端14b、外部I/F14aを通じてサーバ装置2からのリサイズ後の画像データを受信し、これを無線通信部15a、送受信アンテナ15bを通じて携帯電話端末4(1)に送信する。
携帯電話端末4(1)の制御部61は、送受信アンテナ66b、無線通信部66aを通じて、クレードル1を介して送信されてくるサーバ装置2からのリサイズされた画像データを受信し、これを自己のコンテンツ記憶部62に格納し、自機において利用できるようにする(ステップS65)。
この後、クレードル1は、充電制御部19の機能により自機に載置された携帯電話端末4(1)、デジタルスチルカメラ4(2)のバッテリの充電容量を確認して、充電が完了するまで待ち状態になる(ステップS66)。そして、ステップS66において、充電が完了したと判断したときには、載置された携帯電話端末4(1)、デジタルスチルカメラ4(2)のバッテリに対する充電処理を終了させる(ステップS67)。このステップS66、ステップS67の処理は、自機に載置されたモバイル機器ごとに行われることになる。
この後、クレードル1は、携帯電話端末4(1)に対する終了確認を形成し、これを無線通信部15a、送受信アンテナ15bを通じて携帯電話端末4(1)に対して送信する(ステップS68)。
携帯電話端末4(1)は、送受信アンテナ66b、無線通信部66aを通じてクレードル1からの終了確認を受信すると、自機の動作状態を確認して、実行すべき処理を終了している場合(リサイズされた画像データの受信、格納処理を終了している場合)には、終了応答を形成し、これを無線通信部66a、送受信アンテナ66bを通じて送信するので(ステップS69)、クレードル1は、送受信アンテナ15b、無線通信部15aを通じて携帯電話端末4(1)からの終了応答を受信し、これを外部I/F14a、入出力端14bを通じてサーバ装置2に送信する。
サーバ装置2は、クレードル1からの終了応答を入出力端26b、外部I/F26aを通じて受信する。このようにしてクレードル1を介して送信されてくる携帯電話端末4(1)からの終了応答により、サーバ装置2は、携帯電話端末4(1)における一連の処理が終了したことを把握することができる。
次に、クレードル1は、デジタルスチルカメラ4(2)に対する終了確認を形成し、これを無線通信部15a、送受信アンテナ15bを通じてデジタルスチルカメラ4(2)に対して送信する(ステップS70)。
デジタルスチルカメラ(2)は、送受信アンテナ45b、無線通信部45aを通じてクレードル1からの終了確認を受信すると、自機の動作状態を確認して、実行すべき処理を終了している場合(要求されたデータの返信などの処理を終了している場合)には、終了応答を形成し、これを無線通信部45a、送受信アンテナ45bを通じて送信するので(ステップS71)、クレードル1は、送受信アンテナ15b、無線通信部15aを通じてデジタルスチルカメラ4(2)からの終了応答を受信し、これを外部I/F14a、入出力端14bを通じてサーバ装置2に送信する。
サーバ装置2は、クレードル1からの終了応答を入出力端26b、外部I/F26aを通じて受信する。このようにしてクレードル1を介して送信されてくるデジタルスチルカメラ4(2)からの終了応答により、サーバ装置2は、デジタルスチルカメラ4(2)における一連の処理が終了したことを把握することができる。
そして、この例の場合、携帯電話端末4(1)、デジタルスチルカメラ4(2)からの終了応答を受信したサーバ装置2においては、制御部21が、自己の不揮発性メモリ214に登録した連携させるモバイル機器の登録(デジタルスチルカメラ4(2)と携帯電話端末4(1)を連携させる処理を行うことの登録を消去し(ステップS72)、図27、図28に示した、デジタルスチルカメラ4(2)と携帯電話端末4(1)の連携処理を終了させる。
これにより、携帯電話端末4(1)においては、デジタルスチルカメラ4(2)で撮影されて得られた画像データであって、サーバ装置2において携帯電話端末4(1)用にリサイズされた画像データの提供を受けてコンテンツ記憶部62に格納し、これを自己のLCD82に表示させて確認するなどのことができるようにされる。すなわち、クレードル1に載置された携帯電話端末4(1)とデジタルスチルカメラ4(2)との間において連携を取ることができるようにされる。
なお、上述したように、連携させるモバイル機器を登録し、処理終了後に消去するのは、クレードル1には種々のモバイル機器が載置されるので、連携処理を行っているモバイル機器を確実に把握して、適切に連携処理を行うことができるようにするためである。
[撮像装置と携帯電話端末が連携する場合のクレードル1の処理について]
図29は、この第2の実施の形態のデータ通信システムにおいて、図27〜図28を用いて説明した撮像装置であるデジタルスチルカメラ4(2)と携帯電話端末4(1)とが連携し、デジタルスチルカメラ4(2)で撮影することにより得た静止画像データを携帯電話端末4(1)においても利用できるようにする場合にクレードル1において行われる処理を説明するためのフローチャートである。
この図29に示す処理は、クレードル1において電源が投入された状態にあるときに主に制御部11と送受信制御部17とによって実行される。なお、上述もしたように、この第2の実施の形態のクレードル1に対しても、第1の実施の形態の場合と同様に、1度に複数のモバイル機器を載置することが可能であり、モバイル機器の載置可能最大台数分の図29に示す処理が、いわゆるマルチタスクで実行することができるようにしている。
そして、電源が投入されると、クレードル1の制御部11は、載置検出部16を制御して、モバイル機器の載置検出を開始し、モバイル機器が自機に載置されたか否かを判断する(ステップS5101)。ステップS5101の判断処理においてモバイル機器は載置されていないと判断したときには、モバイル機器の載置検出を繰り返すようにし、モバイル機器が載置されるのを待つ。
ステップS5101の判断処理において、モバイル機器が載置されたと判断したときには、制御部11は、充電制御部19を制御し、新たに載置されたモバイル機器4のバッテリの充電容量を確認する(ステップS5102)。このステップS5102の処理は、モバイル機器4のバッテリの電圧などを検出するなど、電気的な検出処理によって確認することが可能である。
そして、制御部11は、ステップS5102の確認結果に基づいて、新たに載置されたモバイル機器4に対して充電が必要か否かを判断し(ステップS5103)、充電が必要であると判断したときには、制御部11は、充電制御部19を制御して、新たに載置された当該モバイル機器4のバッテリに対して充電を開始させるようにする(ステップS5104)。また、ステップS5103の判断処理において、充電は必要ないと判断したときには、ステップS5105の処理に進む。
次に、制御部11は、図7Bを用いて説明した機器ID問合せコマンドデータを形成し、これを送受信制御部17が無線通信部15a、送受信アンテナ15bを制御して、これらを通じて新たに載置されたモバイル機器4(携帯電話端末4(1)やデジタルスチルカメラ4(2))に送信する(ステップS5105)。これに応じてモバイル機器4から機器ID応答が送信されてくるので、クレードル1の送受信制御部17は、送受信アンテナ15b、無線通信部15aを通じて、モバイル機器4からの図7Cを用いて説明した機器ID応答を受信し、これを外部I/F14a、入出力端14bを通じてサーバ装置2に送信する、機器ID応答の中継処理を行う(ステップS5106)。
この後、クレードル1は、サーバ装置2とクレードル1に載置されたモバイル機器(携帯電話端末4(1)やデジタルスチルカメラ4(2))との間においての、情報の中継処理を行う(ステップS5107)。すなわち、ステップS5107においては、図27、図28を用いて説明したように、サーバ装置2と携帯電話端末4(1)、デジタルスチルカメラ4(1)との間において送受される、蓄積データリスト要求、蓄積データリスト、新規蓄積データ要求、新規蓄積データ、リサイズ画像データ等の要求やデータ等の情報の中継処理が行われる。
そして、一連の情報の中継処理が終了すると、クレードル1の制御部11は、充電制御部19を制御してモバイル機器4のバッテリの充電容量を確認するようにし(ステップS5108)、ステップS5108の確認の結果に基づいて充電は完了したか否かを判断する(ステップS5109)。ステップS5109の判断処理において、まだ充電は完了していないと判断したときには、ステップS5108からの処理を繰り返す。
また、ステップS5109の判断処理において、充電は完了したと判断したときには、クレードル1の制御部11は、充電制御部19を制御し、充電が完了したと判断したモバイル機器4に対する充電処理を終了させる(ステップS5110)。そして、クレードル1の制御部11は、充電が完了したと判断したモバイル機器4に対する終了確認を形成し、これを無線通信部15a、送受アンテナ15bを通じて当該モバイル機器4に送信する(ステップS5111)。
これに応じて当該終了確認の送信先のモバイル機器4からは、機器間の連携に関する処理が終了していれば終了応答が送信されてくるので、クレードル1の送受信制御部17は、送受信アンテナ15b、無線通信部15aを通じて、モバイル機器4からの終了応答を受信し、これを外部I/F14a、入出力端14bを通じてサーバ装置2に送信する、終了応答の中継処理を行い(ステップS5112)、この図29に示す処理を終了させる。
なお、ステップS5103において充電は必要ないと判断し、ステップS5104において充電を開始するようにしなかった場合には、ステップS5108、ステップS5109の処理を通じて充電は必要ないと判断することができ、ステップS5110の処理をスルーして、ステップS5111、ステップS5112の終了確認処理を行うようにすることができる。
このように、クレードル1は、自機にモバイル機器4が載置されたことを検出した場合に、モバイル機器4から機器IDを取得し、これをサーバ装置2に通知して、サーバ装置2における処理の開始の契機を提供することができるようにしている。
[撮像装置と携帯電話端末が連携する場合のサーバ装置2の処理について]
図30は、この第2の実施の形態のデータ通信システムにおいて、図27〜図28を用いて説明した撮像装置であるデジタルスチルカメラ4(2)と携帯電話端末4(1)とが連携し、デジタルスチルカメラ4(2)で撮影することにより得た静止画像データを携帯電話端末4(1)においても利用できるようにする場合にサーバ装置2において行われる処理を説明するためのフローチャートである。この図30に示す処理は、サーバ装置2において電源が投入された状態にあるときに主に制御部21と送受信制御部27とによって実行される処理である。
電源が投入されると、サーバ装置2の送受信制御部27は、入出力端26b、外部I/F26aを通じて、クレードル1からのクレードル1に載置されたモバイル機器の機器ID報告を受信したか否かを判断する(ステップS5201)。ステップS5201の判断処理において、まだ機器ID報告を受信していないと判断したときには、ステップS5201からの処理を繰り返し、クレードル1に載置されたモバイル機器の機器ID報告の受信待ちとなる。
ステップS5201の判断処理において、クレードル1からの機器ID報告を受信したと判断したときには、制御部21は、既に受信済みの機器IDを把握しているので、複数のモバイル機器がクレードル1に載置された状態になったか否かを判断する(ステップS5202)。ステップS5202の判断処理において、まだ複数のモバイル機器がクレードル1に載置された状態になっていない(まだ、1台しか載置されていない)と判断したときには、ステップS5201からの処理を繰り返す。
ステップS5202の判断処理において、複数のモバイル機器がクレードル1に載置されたと判断したときには、制御部21は、図26を用いて説明したように、不揮発性メモリ214に形成される機器連携テーブルを参照し(ステップS5203)、クレードル1に載置された2台のモバイル機器の組み合わせが、連携させる機器の組み合わせとして機器連携テーブルに登録されているか否かを判断する(ステップS5204)。
ステップS5204の判断処理において、クレードル1に載置された2台のモバイル機器の組み合わせが、連携させる機器の組み合わせとして機器連携テーブルに登録されていないと判断したときには、モバイル機器間で連携させる処理は存在しないので、この図30に示す処理を終了させる。
また、ステップS5204の判断処理において、クレードル1に載置された2台のモバイル機器の組み合わせが、連携させる機器の組み合わせとして機器連携テーブルに登録されていると判断したときには、参照した機器連携テーブルの情報に基づいて、クレードル1に載置されたモバイル機器間で行う連携処理を特定し、当該2台のモバイル機器を連携する機器としてサーバ装置2の不揮発性メモリ214に登録する(ステップS5205)。
この例の場合には、図24〜図28を用いて説明したように、機器1がデジタルスチルカメラ4(2)であり、機器2が携帯電話端末4(1)であるので、図26に示した1番目に登録された、「機器1の静止画像データをリサイズして機器2にコピーする処理」が実行する連携処理として特定され、機器1であるデジタルスチルカメラ4(2)と機器2である携帯電話端末4(1)とが連携する機器として不揮発性メモリ214に登録される。
そして、図30に示した処理のステップS5206以降の処理が、ステップS5205において特定された連携処理に応じた処理であり、図26に示した機器連携テーブルのプログラムIDによって特定されるプログラムによる処理となる。この例の場合、サーバ装置2の制御部21は、デジタルスチルカメラ4(2)宛の蓄積データリスト要求を形成し、これを送受信制御部27が、外部I/F26a、入出力端26bを通じて送信する(ステップS5206)。この蓄積データリスト要求は、上述もしたように、クレードル1を介して、デジタルスチルカメラ4(2)に送信される。
これに応じて、デジタルスチルカメラ4(2)からはクレードル1を介して蓄積データリストが送信されてくるので、送受信制御部27は、外部I/F26aを制御し、デジタルスチルカメラ4(2)からの蓄積データリストを受信して、これをHDD30の所定の領域に格納する(ステップS5207)。
そして、制御部21は、HDD30に格納した蓄積データリストに基づいて、デジタルスチルカメラ4(2)に、まだサーバ装置2が提供を受けていない新規蓄積データを洗い出すようにする(ステップS5208)。この実施の形態において、ステップS5208の洗い出し処理は、簡単には、先に提供を受けた蓄積データリストと、今回提供を受けた蓄積データリストの差分として新規蓄積データを把握する。
そして、制御部21は、ステップS5208の洗い出し結果に基づいて、デジタルスチルカメラ4(2)に新規蓄積データが存在するか否かを判断する(ステップS5209)。ステップS5209の判断処理において、新規蓄積データは存在しないと判断したときには、携帯電話端末4(1)に供給すべきデータが存在しないので、ステップS5215の処理に進み、ステップS5205で不揮発性メモリ214に対して行った連携機器登録を消去して(ステップS5215)、この図30の処理を終了させる。
また、ステップS5209の判断処理において、デジタルスチルカメラ4(2)に新規蓄積データが存在すると判断したときには、サーバ装置2の制御部21は、デジタルスチルカメラ4(2)宛の新規蓄積データ要求を形成し、これを送受信制御部27が、外部I/F26a、入出力端26bを通じて送信する(ステップS5210)。この新規蓄積データ要求は、上述もしたように、クレードル1を介して、デジタルスチルカメラ4(2)に送信される。
これに応じて、デジタルスチルカメラ4(2)からはクレードル1を介して新規蓄積データが送信されてくるので、送受信制御部27は、外部I/F26aを制御し、デジタルスチルカメラ4(2)からの新規蓄積データを受信して、これをHDD30の所定の領域に格納する(ステップS5211)。
そして、サーバ装置の制御部21は、書き戻しデータ作成部29の機能を用いて、デジタルスチルカメラ4(2)から提供を受けた新規蓄積データ(静止画像データ)から、携帯電話端末4(1)宛のリサイズした静止画像データを生成する(ステップS5212)。そして、送受信制御部27は、外部I/F26aを制御して、携帯電話端末4(1)宛のリサイズした静止画像データを携帯電話端末4(1)に対して送信する(ステップS5213)。この携帯電話端末4(1)宛のリサイズした静止画像データは、上述もしたように、クレードル1を介して携帯電話端末4(1)に送信される。
この後、サーバ装置2の制御部21は、連携機器である携帯電話端末4(1)とデジタルスチルカメラ4(2)からの終了応答を受信するまで待ち状態となり(ステップS5214)、携帯電話端末4(1)とデジタルスチルカメラ4(2)との両方からの終了応答を受信した場合には、ステップS5205で不揮発性メモリ214に対して行った連携機器登録を消去して(ステップS5215)、この図30の処理を終了させる。
[撮像装置と携帯電話端末が連携する場合のデジタルスチルカメラ4(2)の処理について]
図31は、この第2の実施の形態のデータ通信システムにおいて、図27〜図28を用いて説明した撮像装置であるデジタルスチルカメラ4(2)と携帯電話端末4(1)とが連携し、デジタルスチルカメラ4(2)で撮影することにより得た静止画像データを携帯電話端末4(1)においても利用できるようにする場合にデジタルスチルカメラ4(2)において行われる処理を説明するためのフローチャートである。
この図31に示す処理は、モバイル機器であるデジタルスチルカメラ4(2)が例えば充電モード等の、クレードル1に載置され、データ通信と充電処理とを行うようにする所定のモードとされた場合に、デジタルスチルカメラ4(2)の主に制御部41と送受信制御部47によって実行される処理である。
まず、所定のモードに切り替えられると、送受信制御部47は、送受信アンテナ45b、無線通信部45aを通じて、クレードル1からの機器ID問合せを受信したか否かを判断する(ステップS5301)。ステップS5301の判断処理において、機器ID問合せを受信していないと判断したときには、ステップS5301からの処理を繰り返し、機器ID問合せの受信待ちとなる。
ステップS5301の判断処理において、クレードル1からの機器ID問合せを受信したと判断したときには、制御部41は、自機の例えばROM412に記憶保持されている機器IDや機器属性などの必要な情報を取得し、図7Cに示したような機器ID応答を形成して、これを無線通信部45a、送受信アンテナ45bを通じて送信する(ステップS5302)。この機器ID応答は、クレードル1を介してサーバ装置2に送信される。
そして、送受信制御部47は、送受信アンテナ45b、無線通信部45aを通じて、クレードル1を介して送信されてくるサーバ装置2からの蓄積データリスト要求を受信するようにする(ステップS5303)。そして、蓄積データリスト要求を受信したときには、制御部41は、サーバ装置2宛の図8を用いて説明した蓄積データリスを形成し、これを送受信制御部47が、無線通信部45aを制御して送信する(ステップS5304)。この蓄積データリストも、クレードル1を介してサーバ装置2に送信される。
そして、送受信制御部47は、送受信アンテナ45b、無線通信部45aを通じて、クレードル1を介して送信されてくるサーバ装置2からの新規蓄積データ要求を受信するようにする(ステップS5305)。そして、新規蓄積データ要求を受信したときには、制御部41は、要求された新規蓄積データ(静止画像データ)を画像記憶部44から読み出し、これを送受信制御部47が、無線通信部45aを制御して送信する(ステップS5306)。この新規蓄積データも、クレードル1を介してサーバ装置2に送信される。
この後、送受信制御部47は、送受信アンテナ45b、無線通信部45aを通じて、クレードル1から送信される終了確認を受信するようにし(ステップS5307)、当該終了確認を受信したときには、連携処理が終了するまで待ち状態となり(ステップS5308)、一連の連携処理が終了していれば、制御部41は、終了応答を形成し、これを送受信制御部47が、無線通信部45aを制御して送信し(ステップS5309)、この図31の処理を終了する。
[撮像装置と携帯電話端末が連携する場合の携帯電話端末4(1)の処理について]
図32は、この第2の実施の形態のデータ通信システムにおいて、図27〜図28を用いて説明した撮像装置であるデジタルスチルカメラ4(2)と携帯電話端末4(1)とが連携し、デジタルスチルカメラ4(2)で撮影することにより得た静止画像データを携帯電話端末4(1)においても利用できるようにする場合に携帯電話端末4(1)において行われる処理を説明するためのフローチャートである。
この図32に示す処理は、モバイル機器である携帯電話端末4(1)が例えば充電モード等の、クレードル1に載置され、データ通信と充電処理とを行うようにする所定のモードとされた場合に、携帯電話端末4(1)の主に制御部61によって実行される処理である。
まず、所定のモードに切り替えられると、制御部61は、送受信アンテナ66b、無線通信部66aを通じて、クレードル1からの機器ID問合せを受信したか否かを判断する(ステップS5401)。ステップS5401の判断処理において、機器ID問合せを受信していないと判断したときには、ステップS5401からの処理を繰り返し、機器ID問合せの受信待ちとなる。
ステップS5401の判断処理において、クレードル1からの機器ID問合せを受信したと判断したときには、制御部61は、自機の例えばROM612に記憶保持されている機器IDや機器属性などの必要な情報を取得し、図7Cに示したような機器ID応答を形成して、これを無線通信部66a、送受信アンテナ66bを通じて送信する(ステップS5402)。この機器ID応答は、クレードル1を介してサーバ装置2に送信される。
そして、制御部61は、送受信アンテナ66b、無線通信部66aを通じて、クレードル1を介して送信されてくるサーバ装置2からの携帯電話端末4(1)用にリサイズされた静止画像データを受信し、これをコンテンツ記憶部62に格納する(ステップS5403)。そして、コンテンツ記憶部62に記憶した自機用にリサイズされた静止画像データを、制御部61の制御に応じて読み出して利用できるようデータの形式を整えるなどの準備を行う(ステップS5404)。
この後、制御部61は、クレードル1から送信される終了確認を送受信アンテナ66b、無線通信部66aを通じて受信するようにし(ステップS5405)、当該終了確認を受信したときには、連携処理が終了するまで待ち状態となり(ステップS5406)、一連の連携処理が終了していれば、制御部61は、終了応答を形成し、これを無線通信部66aを制御して送信し(ステップS5407)、この図32の処理を終了する。
このように、この例の場合には、撮像装置であるデジタルスチルカメラ4(2)と携帯電話端末4(1)とが連携し、デジタルスチルカメラ4(2)で撮影することにより得た静止画像データをサーバ装置2において携帯電話端末4(1)用にリサイズし、このリサイズした静止画像データを携帯電話端末4(1)に転送してコピーし、携帯電話端末4(1)においても利用することができるようにされる。
[リサイズしてコピーする画像の他の抽出例について]
図24〜図32を用いて説明したデジタルスチルカメラ4(2)で撮影することにより得た静止画像データをサーバ装置1において携帯電話端末4(1)用にリサイズし、このリサイズした静止画像データを携帯電話端末4(1)に転送してコピーし、携帯電話端末4(1)においても利用できるようにする場合において、リサイズする静止画像データは、サーバ装置2が提供を受けたことの無い、新規蓄積データを処理対象とするようにした。
しかし、これに限るものではない。図8を用いて説明したように、蓄積データリストには、蓄積データである静止画像データの作成日を示す情報も付加されているので、作成日が新しいものから、携帯電話端末4(1)に転送してコピー可能な容量分の静止画像データを抽出し、これをリサイズして携帯電話端末4(1)に転送するようにしてもよい。
この場合、携帯電話端末4(1)にリサイズされた静止画像データの全部を記憶する容量が無かった場合には、古いリサイズされた静止画像データ上に上書きするようにしてもよい。また、予め、携帯電話端末4(1)のコンテンツ記憶部62の空き容量をサーバ装置2がクレードル1を介して問い合わせておき、実際の空き容量に応じた分のリサイズした静止画像データを生成して転送するようにしてもよい。
また、デジタルスチルカメラ4(2)において撮影されて得られた静止画像データが、例えばイベントごとに分類されてフォルダにまとめられているような場合には、最新に作成されたフォルダに格納されている静止画像データをリサイズの対象とするようにすることも可能である。イベントごとに分類されている場合には、必要に応じてユーザーの選択指示に応じたグループの静止画像データをリサイズの対象とすることも可能である。
また、静止画像データには、プロテクト情報や印刷マークなども付加するようにされているので、例えば、プロテクト情報が付加された静止画像データだけをリサイズの対象としたり、印刷マークが付加された静止画像データだけをリサイズの対象としたり、あるいは、プロテクト情報と印刷マークとの両方が付加された静止画像データだけをリサイズの対象とするなど、付加されている情報に基づく優先度に応じてリサイズの対象とする静止画像データを抽出するようにすることもできる。
どのような条件の下に、リサイズする静止画像データを抽出するかについては、図26に示した機器連携テーブルの連携処理内容などに記載しておき、これに応じて処理するようにすることも可能である。
また、静止画像データをどの程度の大きさにリサイズするかは、携帯電話端末4(1)に応じて特定するようにすることも可能であるし、例えば、予めサーバ装置2に登録されたユーザーの指示に応じた大きさにリサイズするようにすることも可能である。また、デジタルスチルカメラ4(2)から携帯電話端末4(1)に対して提供する画像データを、サーバ装置2においてリサイズせずにそのまま提供することも可能である。つまり、どれだけの静止画像データを、どのようなサイズで転送するようにするかは、種々決めることができる。
[デジタルビデオカメラと携帯電話端末との連携について]
図24〜図32を用いて説明した例は、デジタルスチルカメラ4(2)で撮影することにより得た画像データ(静止画像データ)をリサイズして携帯電話端末4(1)に提供し、携帯電話端末4(1)で利用できるようにするものである。これと同様にして、デジタルビデオカメラ4(3)で撮影することにより得た動画像データをリサイズして携帯電話端末4(1)に提供し、携帯電話端末4(1)で利用できるようにすることも可能である。
この場合、動画像データは静止画像データに比べるとそのデータ量は非常に多いので、単に画像サイズ(画面サイズ)を小さくするだけでなく、動画像データから所定の方式にしたがって抽出したシーンからなるダイジェスト版を形成し、これを携帯電話端末4(1)に転送して利用できるようにすることも可能である。
ここで、ダイジェスト版の形成方法としては、デジタルビデオカメラ4(3)で撮影することにより得た動画像データのシーンチェンジ点を検出し、各シーンチェンジ点から一定時間分の区間の動画像データを連結してダイジェスト版を形成したり、音声レベルの高いシーン部分を抽出して連結してダイジェスト版を形成したりするなど種々の方法を用いることができる。
そして、デジタルビデオカメラ4(3)と携帯電話端末4(1)を動画像データの利用の点から連携させる場合であっても、その処理は、図27〜図32を用いて説明した処理とほぼ同様にして行うことができる。すなわち、図28に示したステップS61、ステップS62、ステップS64、ステップS65で扱われるデータが、静止画像データから動画像データになる点、また、ステップS63で行われるサーバ装置2におけるリサイズ処理が、動画像データのダイジェスト版の形成処理を含む点が異なる以外は、静止画像データの利用の点からデジタルスチルカメラ4(2)と携帯電話端末4(1)とを連携させる場合と同様に処理することができる。
なお、動画像データを転送する場合にも、画像サイズを変更するリサイズ処理やダイジェスト版の形成処理を行うことなく、デジタルビデオカメラ4(3)に記憶保持されている動画像データをその先頭から所定量分伝送するようにしたり、動画像データの所定の位置から、例えば、音声レベルが急に所定レベル以上になった位置から所定量分転送したりするなどのことも可能である。要は、動画像データのどの部分をどれだけ転送するようにするかは、種々決めることが可能である。
[(2)携帯型音楽再生機と撮像装置との間で音楽データを用いる連携(第2の例)について]
図33は、第2の例、すなわち、携帯型音楽再生機と撮像装置との間で音楽データを用いる連携を行う場合の概要について説明するための図である。上述したように、クレードル1に対しては、種々のモバイル機器を複数同時に載置することが可能である。このため、図33に示すように、例えば、携帯型音楽再生機4(4)や音楽再生機能付き携帯電話端末4(1)などの携帯型の音楽再生機と、デジタルスチルカメラ4(2)などの撮像装置とをクレードル1に載置する場合もある。
この例の場合においても重要なことは、音楽再生機と撮像装置とがクレードル1に対して載置されていることであり、載置のタイミングは異なっていてもよい。例えば、携帯型音楽再生機4(4)が先にクレードル1に載置され、数時間後に撮像装置がクレードル1に載置されるような場合や、これとは逆に、撮像装置が先にクレードル1に載置され、後から携帯型音楽再生機4(4)が載置されるような場合であってもよい。要は、携帯型音楽再生機と撮像装置とがクレードル1に対して載置されている状況となっていればよい。
そして、デジタルスチルカメラ4(2)等の撮像装置の中には、音楽再生機能をも備え、撮像して得た静止画像データを用いて例えばスライドショーを行う場合に、同時に音楽データをも再生して利用できるようにしているものもある。そこで、この例においては、音楽再生機と音楽再生機能を備えた撮像装置とがクレードル1に載置された場合に、音楽再生機から撮像装置に自動的に適切と考えられる音楽データを転送し、撮像装置で再生可能な音楽データを更新する。
このようにすることにより、携帯型の音楽再生機と撮像装置との間で機能連携を強化し、携帯型の音楽再生機でよく再生している音楽データを音楽再生機能付きの撮像装置においてもユーザーが直接に関与することなく自動的に利用することができるようにしている。
以下においては、携帯型の音楽再生機として音楽再生機能を備えた携帯電話端末4(1)と音楽再生機能を備えたデジタルスチルカメラ4(2)とが、クレードル1に載置された場合を例にして、具体的に説明する。
[モバイル機器である音楽再生機能を備えたデジタルスチルカメラ4(2)の構成例について]
図34は、この第2の実施の形態のデータ通信システムで用いられるモバイル機器の1つである音楽再生機能付きのデジタルスチルカメラ4(2)の構成例を説明するためのブロック図である。図34に示すように、この例のデジタルスチルカメラ4(2)は、音声再生部52、スピーカ53を備え、画像データや音楽データを記憶保持するデータ記憶部54を備える点を除けば、図4に示したモバイル機器であるデジタルスチルカメラと同様に構成されるものである。
このため、図34に示すデジタルスチルカメラ4(2)において、図4に示したモバイル機器であるデジタルスチルカメラと同様に構成される部分には同じ参照符号を付し、それらの詳細な説明については省略する。
そして、図34に示すように、この例のデジタルスチルカメラ4(2)の場合、図4に示したデジタルスチルカメラが備えていた画像記憶部44に変えて、データ記憶部54を備えるものである。このデータ記憶部54は、撮影することにより得た静止画像データや、例えば、送受信アンテナ45b、無線通信部45aを通じてサーバ装置などから提供を受ける音楽データ等を記憶保持することができるものである。
音声再生部52は、制御部21によりデータ記憶部54から読み出された音楽データの供給を受けて、これをアナログ音声信号に変換し、制御部41の制御に応じて、種々の音響調整処理や増幅処理を行って、スピーカ53に供給する音声信号を形成し、これをスピーカ53に供給する。
これにより、データ記憶部54から読み出された音楽データに応じた音楽をスピーカ53から放音して、これをユーザーが聴取することができるようにされる。なお、音楽データがデータ圧縮されたものである場合には、音声再生部52において圧縮解凍処理を行うようにすることもできるし、制御部41において行うようにすることもできる。
そして、この例のデジタルスチルカメラ4(2)は、制御部41がデータ記憶部54に記憶保持されている静止画像データを順次に読み出して、これを表示部49に供給して表示部49の表示画面に所定時間分ずつ表示するスライドショー再生を行う場合に、制御部41がデータ記憶部54に記憶保持されている所定の音楽データを読み出して、これを音声再生部52に供給することにより、同時に音楽も再生する機能をも備えたものである。
なお、この例で用いられる音楽再生機能付きの携帯電話端末4(1)は、図25を用いて説明した携帯電話端末と同様に構成されたものである。
[蓄積データである音楽データのレイアウト例]
図35は、図25を用いて説明した構成を有するこの例のデータ通信システムで用いられる音楽再生機能付きの携帯電話端末4(1)のコンテンツ記憶部62や図34を用いて説明した構成を有するこの例のデータ通信システムで用いられるデジタルスチルカメラ4(2)のデータ記憶部54に記憶保持される蓄積データである音楽データのレイアウト例を説明するための図である。
蓄積データである音楽データは、この例の携帯電話端末4(1)の広域通信機能を用いて、インターネット上の所定のサーバ装置からダウンロードしてきたものや、送受信アンテナ66b、無線通信部66aを通じてサーバ装置2から提供されたものである。そして、図35に示すように、携帯電話端末4(1)やデジタルスチルカメラ4(2)の所定の記憶部に蓄積される音楽データ(蓄積データ)には、ヘッダ情報が付加される。
ヘッダ情報は、図35に示すように、装置ID、データID、データ属性、作成日時、データサイズ、プロテクト、使用回数、再生履歴(再生日時1、再生日時2、…)、その他の情報からなるものである。
ここで、装置IDは、当該蓄積データを蓄積している装置を特定する情報である。データIDは、当該蓄積データを一意に特定可能なものである。データ属性は、当該蓄積データが静止画像データなのか、動画像データなのか、音声データなのか等のデータの種類を示す情報である。作成日時は、当該音楽データを取得してコンテンツ記憶部62に記録した日時を示す情報である。データサイズは、当該音楽データの大きさを示す情報である。
また、プロテクトは、例えば、プロテクトがかけら得ている場合にはオン、掛けられていない場合にはオフとなる情報であり、プロテクトがかけられている場合には、これを解除しない限り、消去することができないようにされる。また、使用回数は、当該音楽データが再生される毎に、値1がインクリメントされる情報であり、何回再生されたかを把握するための情報である。また、再生履歴は、この例の場合、直近の5回分の再生日時からなるものである。
このようにヘッダ情報が付加された音楽データが、この例の音楽再生機能付き携帯電話端末4(1)のコンテンツ記憶部62やデジタルスチルカメラ4(2)のデータ記憶部54に記憶保持されている。
[蓄積データである静止画像データのレイアウト例]
図36は、図34を用いて説明した構成を有するデジタルスチルカメラ4(2)のデータ記憶部54に記憶保持される蓄積データである静止画像データのレイアウト例を説明するための図である。静止画像データは、基本的には当該デジタルスチルカメラ4(2)において撮影することにより取得したものである。この他、送受信アンテナ66b、無線通信部66aを通じてサーバ装置2から提供されたものである場合もある。
そして、図36に示すように、データ記憶部54に蓄積される静止画像データ(蓄積データ)には、ヘッダ情報が付加される。ヘッダ情報は、図36に示すように、装置ID、データID、データ属性、作成日時、プロテクト、印刷マーク、データサイズ、使用回数、その他の情報からなるものである。
印刷マーク以外の各情報は、図35を用いて説明した音楽データに付加されたヘッダ情報の対応する情報と同様のものである。そして、印刷マークは、印刷する必要のある情報であることを予め指定しておくための情報であり、この情報がオンになっている場合には、例えば、サーバ装置2に取り込まれた場合に、自動的に印刷するなどのことができるようにされる。
このようにヘッダ情報が付加された画像データが、この例のデジタルスチルカメラ4(2)のデータ記憶部54に記憶保持されている。
そして、上述もしたように、この例のデジタルスチルカメラ4(2)において、データ記憶部54に記憶保持されている静止画像データを順次に読み出して、一定時間ずつ表示部49の表示画面に表示するスライドショー再生を行う場合に、データ記憶部54に記憶保持されている音楽データが予め決められた順番で読み出されて、一定時間分ずつ再生することができるようにされる。
なお、スライドショー再生時において、再生される音楽データの再生順は、例えば、デジタルスチルカメラ4(2)の不揮発性メモリ414に登録された音楽再生順テーブルにしたがって制御される。この音楽再生順テーブルには、再生されるべき楽曲のデータID(楽曲ID)と再生時間とが登録されている。この再生時間は、ユーザーが調整することもできるようにされる。
制御部41は、当該音楽再生順テーブルに登録された順番にしたがって、音楽データをデータ記憶部54から読み出し、これを音声再生部52に供給し、音楽再生テーブルに指定された再生時間分の再生を終了すると、次の音楽データを読み出して、音声再生部52に供給するといった処理を行うことによって、スライド再生時において、音楽を再生することができるようにしている。
そして、この例のデータ通信システムにおいては、音楽再生機能付き携帯電話端末4(1)と、音楽再生機能付きデジタルスチルカメラ4(2)がクレードル1に載置された場合に、携帯電話端末4(1)においてよく利用している音楽データを、デジタルスチルカメラ4(2)にも転送して、デジタルスチルカメラ4(2)においても利用することができるようにしたものである。
[機器連携テーブルの構成例について]
そして、以下に説明するモバイル機器間において音楽データを用いた連携を行う場合にも、サーバ装置2の例えば不揮発性メモリ214に作成される機器関連テーブルの情報に従ったサーバ装置2の制御により、当該モバイル機器間の連携を実現することができる。この場合において用いられる機器関連テーブルは、図26を用いて説明したものと同様のものであるが、登録されている情報が異なる。
図37は、この例において用いられる機器連携テーブルについて説明するための図である。図37において、1番目と2番目に登録された情報は、図26に示したものと同じである。そして、この例の場合には、図37に示した機器連携テーブルの3番目に登録した情報が必要になる。
すなわち、図37に示した機器連携テーブルの3番目に登録された登録情報は、連携機器として、機器1が「携帯型音楽再生機(音楽再生機能付きの携帯電話端末を含む)」、機器2が「音楽再生機能付きのデジタルスチルカメラ」であり、その連携処理の内容は、「携帯型音楽再生機(機器1)の音楽データのうち、予め決められた条件に合致するものをデジタルスチルカメラ(機器2)にコピーすること」である。そして、当該連携処理を行うために、サーバ装置2において実行されるプログラムのプログラムIDが、「PG3」ということになる。
そして、図33に示したように、クレードル1に携帯型の音楽再生機である音楽再生機能付き携帯電話端末4(1)と、音楽再生機能付きのデジタルスチルカメラ4(2)とが載置されたことをサーバ装置2が検知した場合に、サーバ装置2は、図37に示した機器連携テーブルの3番目の登録情報にしたがって、音楽データを用いたモバイル機器間の連携処理を当該データ通信システムにおいて行うことになる。
[音楽データを用いる連携を行う場合のシステムの動作について]
次に、モバイル機器として携帯電話端末4(1)とデジタルスチルカメラ4(2)とが用いられる場合であって、モバイル機器間で音楽データを用いた連携を行えるようにするこの例のデータ通信システムの動作について説明する。図38〜図40は、モバイル機器間で音楽データを用いた連携を行えるようにするこの例のデータ通信システムの動作について説明するためのタイミングチャートである。
この例の場合にも、図27、図28を用いて説明した場合と同様に、異なるモバイル機器間において、クレードル1、サーバ装置2を通じて情報を送受するものである。そこで、説明を簡単にするため、図38〜図40において、図27、図28を用いて説明した場合と同様に行われる部分には同じ参照符号を付し、その部分の詳細な説明については、図27、図28を用いて説明した通りであるので省略する。
なお、以下においては、上述もしたように、モバイル機器は、図25を用いて説明した構成を有する音楽再生機能を備えた携帯電話端末4(1)と、図34を用いて説明した構成を有する音楽再生機能を備えたデジタルスチルカメラ4(2)とが用いられる場合を例にして説明する。なお、上述もしたように、携帯電話端末4(1)とデジタルスチルカメラ4(2)とが、クレードル1に載置されるタイミングは特に問題とならないが、ここでは説明を簡単にするために、携帯電話端末4(1)がクレードル1に載置された後に、デジタルスチルカメラ4(2)がクレードル1に載置された場合を例にして説明する。
また、この第2の例においては、少なくとも、携帯電話端末4(1)のコンテンツ記憶部62には、図35を用いて説明した音楽データが、デジタルスチルカメラ4(2)のデータ記憶部54には、図36を用いて説明した静止画像データが記憶されているものとする。
そして、図38に示しように、ステップS51〜ステップS56までの処理は、図27を用いて説明した第1の例の場合と同様に行われる。すなわち、クレードル1においては、自機にモバイル機器が載置されたことを検出すると充電を行うようにする処理(充電開始処理)実行し(ステップS51)、載置されたモバイル機器に対して、機器ID問い合わせを行う(ステップS52、ステップS54)。
機器ID問い合わせを受信したモバイル機器からは、機器ID応答が返信されてくるので(ステップS53、ステップS55)、クレードル1はこれを受信して、サーバ装置2に送信する。これにより、サーバ装置2は、クレードル1を介して送信されてくる機器ID応答(機器ID報告)に基づいて、クレードル1に載置されたモバイル機器が何かを把握することができる。
そして、サーバ装置2は、クレードル1に載置されたモバイル機器からの機器ID応答に基づいて、クレードル1に複数のモバイル機器が載置された場合に、サーバ装置2のEEPROM214に作成されている機器連携テーブルを参照し、行うべき機器の連携処理を特定し、連携させる機器を登録する(ステップS56)。
この第2の例においては、音楽再生機能付き携帯電話端末4(1)と、音楽再生機能付きデジタルスチルカメラ4(2)とがクレードル1に載置されるので、ステップS56においては、図37に示した機器関連テーブルの3番目の登録情報が用いる情報として特定される。
そして、この第2の例の場合、ステップS56においては、音楽再生機能付き携帯電話端末4(1)が機器1となり、また、音楽再生機能付きデジタルスチルカメラ4(2)が機器2となるので、機器1(携帯電話端末4(1))の音楽データの内、予め決められた条件に合致するものを、機器2(デジタルスチルカメラ4(2))にコピーする処理が行うべき連携処理内容として特定される。また、機器1として携帯電話端末4(1)が、機器2としてデジタルスチルカメラ4(2)が関連付けられてサーバ装置2の不揮発性メモリ214に登録される。なお、この例において、予め決められた条件は、再生頻度の高い音楽データをコピー対象とするものとする。
そして、この第2の例の場合、音楽データの提供元(機器1)は、携帯電話端末4(1)であるので、サーバ装置2は、携帯電話端末4(1)に対して蓄積データリストの提供を要求する蓄積データリスト要求を形成して、これを外部I/F26a、入出力端26bを通じて出力し、クレードル1を通じて携帯電話端末4(1)に送信する(ステップS81)。この場合、クレードル1は、入出力端14b、外部I/F14aを通じてサーバ装置2からの蓄積データリスト要求を受信し、これを無線通信部15a、送受信アンテナ15bを通じて携帯電話端末4(1)に送信する。
携帯電話端末4(1)は、送受信アンテナ66b、無線通信部66aを通じて、クレードル1を介して送信されてくるサーバ装置2からの蓄積データリスト要求を受信し、これに応じて、コンテンツ記憶部62に記憶保持している音楽データについての蓄積データリストを無線通信部66a、送受信アンテナ66bを通じてサーバ装置2に対して送信する(ステップS82)。
この場合、クレードル1は、送受信アンテナ15b、無線通信部15aを通じて携帯電話端末4(1)からの蓄積データリストを受信し、これを外部I/F14a、入出力端14bを通じてサーバ装置2に送信する。また、この第2の例において、音楽データについての蓄積データリストは、図35を用いて説明した音楽データのヘッダ情報に基づいて、図8を用いて説明した蓄積データリストに更に「使用回数」、「使用履歴」が加えられて形成されたものである。
サーバ装置2は、クレードル1を介して送信されてくる携帯電話端末4(1)からの蓄積データリストを、入出力端26b、外部I/F26aを通じて受信し、これを自機のHDD30の所定の領域に格納する(ステップS83)。そして、図39に示す処理に進む。
そして、第2の例の場合、サーバ装置2は、デジタルスチルカメラ4(2)に対して蓄積データリストの提供を要求する蓄積データリスト要求を形成して、これを外部I/F26a、入出力端26bを通じて出力し、クレードル1を通じてデジタルスチルカメラ4(2)に送信する(ステップS81X)。この場合、クレードル1は、入出力端14b、外部I/F14aを通じてサーバ装置2からの蓄積データリスト要求を受信し、これを無線通信部15a、送受信アンテナ15bを通じてデジタルスチルカメラ4(2)に送信する。
デジタルスチルカメラ4(2)は、送受信アンテナ45b、無線通信部45aを通じて、クレードル1を介して送信されてくるサーバ装置2からの蓄積データリスト要求を受信し、これに応じて、デジタルスチルカメラ4(2)のデータ記憶部54に記憶保持されている音楽データについての蓄積データリストであって、を無線通信部45a、送受信アンテナ45bを通じてサーバ装置2に対して送信する(ステップS82X)。
この場合、クレードル1は、送受信アンテナ15b、無線通信部15aを通じてデジタルスチルカメラ4(2)からの蓄積データリストを受信し、これを外部I/F14a、入出力端14bを通じてサーバ装置2に送信する。また、ここで送受される蓄積データリスとも、図35を用いて説明した音楽データのヘッダ情報に基づいて、図8を用いて説明した蓄積データリストに更に「使用回数」、「使用履歴」が加えられて形成されたものである。
サーバ装置2は、クレードル1を介して送信されてくるデジタルスチルカメラ4(2)からの蓄積データリストを、入出力端26b、外部I/F26aを通じて受信し、これを自機のHDD30の所定の領域に格納する(ステップS83X)。
これにより、サーバ装置2は、携帯電話端末4(1)がどのような音楽データを保持しており、デジタルスチルカメラ4(2)がどのような音楽データを保持しているのかを把握することができる。そして、サーバ装置2は、ステップS83において格納した携帯電話端末4(1)からの音楽データについての蓄積リストと、ステップS83Xにおいて格納したデジタルスチルカメラ4(2)からの音楽データについての蓄積リストとに基づいて、携帯電話端末4(1)において使用回数が多い音楽データであって、デジタルスチルカメラ4(2)が保持していない音楽データを、デジタルスチルカメラ4(2)に送信する音楽データとして特定する(ステップS84)。
そして、サーバ装置2は、携帯電話端末4(1)に対して、ステップS84において特定した音楽データの提供要求を形成して、これを外部I/F26a、入出力端26bを通じて出力し、クレードル1を通じて携帯電話端末4(1)に送信する(ステップS85)。この場合、クレードル1は、入出力端14b、外部I/F14aを通じてサーバ装置2からの音楽データ提供要求を受信し、これを無線通信部15a、送受信アンテナ15bを通じて携帯電話端末4(1)に送信する。
携帯電話端末4(1)は、送受信アンテナ66b、無線通信部66aを通じて、クレードル1を介して送信されてくるサーバ装置2からの音楽データ提供要求を受信し、これに応じて、コンテンツ記憶部62に記憶保持している要求された音楽データを抽出し、これを無線通信部66a、送受信アンテナ66bを通じてサーバ装置2に対して送信する(ステップS86)。
この場合、クレードル1は、送受信アンテナ15b、無線通信部15aを通じてデジタルスチルカメラ4(2)からの音楽データを受信し、これを外部I/F14a、入出力端14bを通じてサーバ装置2に送信する。
そして、サーバ装置2は、クレードル1を介して送信されてくる携帯電話端末4(1)からの音楽データを、入出力端26b、外部I/F26aを通じて受信し、これを自機のHDD30の所定の領域に格納する(ステップS87)。そして、サーバ装置2は、ステップS87で格納した音楽データをデジタルスチルカメラ4(2)に提供する音楽データとして、外部I/F26a、入出力端26bを通じて出力し、クレードル1を通じてデジタルスチルカメラ4(2)に送信する(ステップS88)。
この場合、クレードル1は、入出力端14b、外部I/F14aを通じてサーバ装置2からの音楽データを受信し、これを無線通信部15a、送受信アンテナ15bを通じてデジタルスチルカメラ4(2)に送信する。デジタルスチルカメラ4(2)は、送受信アンテナ45b、無線通信部45aを通じて、クレードル1を介して送信されてくるサーバ装置2からの音楽データを受信し、これをデータ記憶部54に記録して、自機においても利用可能な状態にする(ステップS89)。
この後、図40の処理に進み、第1の例の図28に示したステップS66〜ステップS72と同様の処理を行う。すなわち、クレードル1は、自機に載置されたモバイル機器に対する充電が完了した場合に当該充電処理を終了させ(ステップS66、ステップS67)、モバイル機器に対して、連携処理についての終了確認を行う(ステップS68、ステップS70)。
終了確認を受信したモバイル機器においては、自機において行うべき処理が終了していることを確認して、終了応答を送信してくるので(ステップS69、ステップS71)、クレードル1はこれを受信し、サーバ装置2に送信する。サーバ装置2においては、連携させる2つのモバイル機器からの終了応答を受信した場合には、当該連携処理は終了したと判断することができるので、図38のステップS56において行った連携機器登録を消去し(ステップS72)、音楽データを用いる一連の連携処理を終了する。
なお、この第2の例において、図39に点線で示したステップS81X、ステップS82X、ステップS83Xの処理は、必ずしも行う必要は無い。デジタルスチルカメラ4(2)が保持しているか否かに関わらず、携帯電話端末4(1)において使用頻度の高い音楽データを、携帯電話端末4(1)からデジタルスチルカメラ4(2)に転送するようにしてもよい。
[音楽再生機である携帯電話端末と音楽再生機能を備えたデジタルスチルカメラが音楽データを介在させて連携する場合のデータ通信システムの各機器の処理について]
[クレードル1における処理について]
この第2の例の場合、データ通信システムを構成する携帯電話端末4(1)、デジタルスチルカメラ4(2)、クレードル1、サーバ装置2のうち、クレードル1において行われる処理は、図29を用いて説明した第1の例のクレードル1で行われる処理と同様の処理が行われることになる。このため、ここでは、図29を参照しながら、この第2の例におけるクレードル1の処理についてまとめる。
すなわち、この第2の例におけるクレードル1もまた、自機へのモバイル機器の載置を検出し(ステップS5101)、充電を行うようにすると共に(ステップS5102〜ステップS5104)、自機に載置されたモバイル機器に対して機器ID問い合わせを行って(ステップS5105)、これに応じて送信されてくる機器ID応答をサーバ装置2に転送する(ステップS5106)。
この後、クレードル1は、サーバ装置2と自機に載置されたモバイル機器との間のデータの送受の中継を行い(ステップS5107)、一連の中継処理の終了後、充電の終了確認を行って(ステップS5108、ステップS5109)、充電処理を終了させ(ステップS5110)、モバイル機器への終了確認の送信(ステップS5111)と、モバイル機器からの終了応答のサーバ装置2への中継処理を行って(ステップS5112)、クレードル1における連携のための処理を終了する。
[サーバ装置2における処理について]
図41は、この第2の実施の形態のデータ通信システムにおいて、図38〜図40を用いて説明した音楽再生機能付き携帯電話端末4(1)と音楽再生機能付きデジタルスチルカメラ4(2)が連携し、携帯電話端末4(1)が保持する音楽データをデジタルスチルカメラ4(2)においても利用できるようにする場合にサーバ装置2において行われる処理を説明するためのフローチャートである。この図41に示す処理は、サーバ装置2において電源が投入された状態にあるときに主に制御部21と送受信制御部27とによって実行される処理である。
電源が投入されると、サーバ装置2の送受信制御部27は、入出力端26b、外部I/F26aを通じて、クレードル1からのクレードル1に載置されたモバイル機器の機器ID報告を受信したか否かを判断する(ステップS7201)。ステップS7201の判断処理において、まだ機器ID報告を受信していないと判断したときには、ステップS7201からの処理を繰り返し、クレードル1に載置されたモバイル機器の機器ID報告の受信待ちとなる。
ステップS7201の判断処理において、クレードル1からの機器ID報告を受信したと判断したときには、制御部21は、既に受信済みの機器IDを把握しているので、複数のモバイル機器がクレードル1に載置された状態になったか否かを判断する(ステップS7202)。ステップS7202の判断処理において、まだ複数のモバイル機器がクレードル1に載置された状態になっていない(まだ、1台しか載置されていない)と判断したときには、ステップS7201からの処理を繰り返す。
ステップS7202の判断処理において、複数のモバイル機器がクレードル1に載置されたと判断したときには、制御部21は、図37を用いて説明したように、不揮発性メモリ214に形成される機器連携テーブルを参照し(ステップS7203)、クレードル1に載置された2台のモバイル機器の組み合わせが、連携させる機器の組み合わせとして機器連携テーブルに登録されているか否かを判断する(ステップS7204)。
ステップS7204の判断処理において、クレードル1に載置された2台のモバイル機器の組み合わせが、連携させる機器の組み合わせとして機器連携テーブルに登録されていないと判断したときには、モバイル機器間で連携させる処理は存在しないので、この図41に示す処理を終了させる。
また、ステップS7204の判断処理において、クレードル1に載置された2台のモバイル機器の組み合わせが、連携させる機器の組み合わせとして機器連携テーブルに登録されていると判断したときには、参照した機器連携テーブルの情報に基づいて、クレードル1に載置されたモバイル機器間で行う連携処理を特定し、当該2台のモバイル機器を連携する機器としてサーバ装置2の不揮発性メモリ214に登録する(ステップS7205)。
この第2の例の場合には、図33〜図40を用いて説明したように、機器1が音楽再生機能付き携帯電話端末4(1)であり、機器2が音楽再生機能付きデジタルスチルカメラ4(2)であるので、図37に示した3番目に登録された、「機器1の音楽データのうち、予め決められた条件に合致するものを機器2にコピーする処理」が実行する連携処理として特定され、機器1である携帯電話端末4(1)と機器2であるデジタルスチルカメラ4(2)とが連携する機器として不揮発性メモリ214に登録される。
そして、図41に示した処理のステップS7206以降の処理が、ステップS7205において特定された連携処理に応じた処理であり、図37に示した機器連携テーブルのプログラムIDによって特定されるプログラムによる処理となる。この例の場合、サーバ装置2の制御部21は、携帯電話端末4(1)宛の音楽データについての蓄積データリスト要求を形成し、これを送受信制御部27が、外部I/F26a、入出力端26bを通じて送信する(ステップS7206)。この蓄積データリスト要求は、上述もしたように、クレードル1を介して、携帯電話端末4(1)に送信される。
これに応じて、携帯電話端末4(1)からはクレードル1を介して音楽データについての蓄積データリストが送信されてくるので、送受信制御部27は、外部I/F26aを制御し、携帯電話端末4(1)からの音楽データについての蓄積データリストを受信して、これをHDD30の所定の領域に格納する(ステップS7207)。
また、図41においては省略したが、図39において点線で示したステップS81X〜ステップS83Xの処理に対応し、デジタルスチルカメラ4(2)に対しても音楽データについての蓄積データリスと提供を要求し、デジタルスチルカメラ4(2)から音楽データについての蓄積データリスとの提供を受けるようにし、デジタルスチルカメラ4(2)が既に保持する音楽データをも考慮するようにしてもよい。
そして、制御部21は、HDD30に格納した音楽データの蓄積データリストに基づいて、デジタルスチルカメラ4(2)に提供すべきデータ、この第2の例の場合には、携帯電話端末4(1)において使用頻度の高い音楽データを洗い出すようにする(ステップS7208)。
そして、制御部21は、ステップS7208の洗い出し結果に基づいて、デジタルスチルカメラ4(2)に使用頻度の高い音楽データが存在するか否かを判断する(ステップS7209)。ステップS7209の判断処理において、例えば、音楽データの再生は全く行われておらず、使用頻度の高い音楽データは存在しないと判断したときには、デジタルスチルカメラ4(2)に供給すべきデータが存在しないので、ステップS7214の処理に進み、ステップS7205で不揮発性メモリ214に対して行った連携機器登録を消去して(ステップS7214)、この図41の処理を終了させる。
また、ステップS7209の判断処理において、携帯電話端末4(1)に使用頻度の高い音楽データが存在すると判断したときには、サーバ装置2の制御部21は、携帯電話端末4(1)宛の音楽データ提供要求を形成し、これを送受信制御部27が、外部I/F26a、入出力端26bを通じて送信する(ステップS7210)。この音楽データ提供要求は、上述もしたように、クレードル1を介して、携帯電話端末4(1)に送信される。
これに応じて、携帯電話端末4(1)からはクレードル1を介して音楽データが送信されてくるので、送受信制御部27は、外部I/F26aを制御し、携帯電話端末4(1)からの音楽データを受信して、これをHDD30の所定の領域に一時記憶する(ステップS7211)。
そして、送受信制御部27は、外部I/F26aを制御して、デジタルスチルカメラ4(2)宛に送信すべき一時記憶している音楽データをデジタルスチルカメラ4(2)に対して送信する(ステップS7212)。このデジタルスチルカメラ4(2)宛の音楽データは、上述もしたように、クレードル1を介してデジタルスチルカメラ4(2)に送信される。
この後、サーバ装置2の制御部21は、連携機器である携帯電話端末4(1)とデジタルスチルカメラ4(2)からの終了応答を受信するまで待ち状態となり(ステップS7213)、携帯電話端末4(1)とデジタルスチルカメラ4(2)との両方からの終了応答を受信した場合には、ステップS7205で不揮発性メモリ214に対して行った連携機器登録を消去して(ステップS7214)、この図41の処理を終了させる。
なお、ここでは、携帯電話端末4(1)からの音楽データをそのままデジタルスチルカメラ4(2)に転送するものとして説明したが、これに限るものではない。例えば、携帯電話端末4(1)で利用可能な音楽データのデータ形式と、デジタルスチルカメラ4(2)デ利用可能な音楽データのデータ形式が異なっている場合には、サーバ装置2において音楽データのデータ形式をデジタルスチルカメラ4(2)で利用可能な形式に変換した後に、デジタルスチルカメラ4(2)に供給するようにすることもできる。
ここで、音楽データのデータ形式の変換は、例えば、PCMデータから所定の圧縮方式でデータ圧縮したものに変換したり、また、用いるデータ圧縮方式を変換したりすることが含まれる。
[携帯電話端末4(1)における処理について]
図42は、この第2の実施の形態のデータ通信システムにおいて、図38〜図40を用いて説明した音楽再生機能付き携帯電話端末4(1)と音楽再生機能付きデジタルスチルカメラ4(2)が連携し、携帯電話端末4(1)が保持する音楽データをデジタルスチルカメラ4(2)においても利用できるようにする場合に携帯電話端末4(1)において行われる処理を説明するためのフローチャートである。
この図42に示す処理は、モバイル機器である携帯電話端末4(1)が例えば充電モード等の、クレードル1に載置され、データ通信と充電処理とを行うようにする所定のモードとされた場合に、携帯電話端末4(1)の主に制御部61によって実行される処理である。
まず、所定のモードに切り替えられると、制御部61は、送受信アンテナ66b、無線通信部66aを通じて、クレードル1からの機器ID問合せを受信したか否かを判断する(ステップS7301)。ステップS7301の判断処理において、機器ID問合せを受信していないと判断したときには、ステップS7301からの処理を繰り返し、機器ID問合せの受信待ちとなる。
ステップS7301の判断処理において、クレードル1からの機器ID問合せを受信したと判断したときには、制御部61は、自機の例えばROM612に記憶保持されている機器IDや機器属性などの必要な情報を取得し、図7Cに示したような機器ID応答を形成して、これを無線通信部66a、送受信アンテナ66bを通じて送信する(ステップS7302)。この機器ID応答は、クレードル1を介してサーバ装置2に送信される。
そして、制御部61は、送受信アンテナ66b、無線通信部66aを通じて、クレードル1を介して送信されてくるサーバ装置2からの音楽データについての蓄積データリスト要求を受信するようにする(ステップS7303)。そして、蓄積データリスト要求を受信したときには、制御部61は、サーバ装置2宛の蓄積データリスを形成し、これを制御部61が、無線通信部66aを制御して送信する(ステップS7304)。この蓄積データリストも、クレードル1を介してサーバ装置2に送信される。
そして、制御部61は、送受信アンテナ66b、無線通信部66aを通じて、クレードル1を介して送信されてくるサーバ装置2からの音楽データ提供要求を受信するようにする(ステップS7305)。そして、音楽データ提供要求を受信したときには、制御部61は、要求された音楽データをコンテンツ記憶部62から読み出し、これを制御部61が、無線通信部66aを制御して送信する(ステップS7306)。この音楽データも、クレードル1を介してサーバ装置2に送信される。
この後、制御部61は、送受信アンテナ66b、無線通信部66aを通じて、クレードル1から送信される終了確認を受信するようにし(ステップS7307)、当該終了確認を受信したときには、連携処理が終了するまで待ち状態となり(ステップS7308)、一連の連携処理が終了していれば、制御部61は、終了応答を形成してこれを、無線通信部45aを制御して送信し(ステップS7309)、この図42の処理を終了する。
[デジタルスチルカメラ4(2)における処理について]
図43は、この第2の実施の形態のデータ通信システムにおいて、図38〜図40を用いて説明した音楽再生機能付き携帯電話端末4(1)と音楽再生機能付きデジタルスチルカメラ4(2)が連携し、携帯電話端末4(1)が保持する音楽データをデジタルスチルカメラ4(2)においても利用できるようにする場合にデジタルスチルカメラ4(2)において行われる処理を説明するためのフローチャートである。
この図43に示す処理は、モバイル機器であるデジタルスチルカメラ4(2)が例えば充電モード等の、クレードル1に載置され、データ通信と充電処理とを行うようにする所定のモードとされた場合に、デジタルスチルカメラ4(2)の主に制御部41と送受信制御部47とによって実行される処理である。
まず、所定のモードに切り替えられると、送受信制御部47は、送受信アンテナ45b、無線通信部45aを通じて、クレードル1からの機器ID問合せを受信したか否かを判断する(ステップS7401)。ステップS7401の判断処理において、機器ID問合せを受信していないと判断したときには、ステップS7401からの処理を繰り返し、機器ID問合せの受信待ちとなる。
ステップS7401の判断処理において、クレードル1からの機器ID問合せを受信したと判断したときには、制御部41は、自機の例えばROM412に記憶保持されている機器IDや機器属性などの必要な情報を取得し、図7Cに示したような機器ID応答を形成して、これを送受信制御部47が無線通信部45a、送受信アンテナ45bを通じて送信する(ステップS7402)。この機器ID応答は、クレードル1を介してサーバ装置2に送信される。
そして、送受信制御部47は、送受信アンテナ45b、無線通信部45aを通じて、クレードル1を介して送信されてくるサーバ装置2からの音楽データを受信し、これをデータ記憶部54に格納する(ステップS7403)。そして、データ記憶部54に記憶した音楽データを、制御部41の制御に応じて読み出して利用できるようデータの形式を整えるなどの準備を行う(ステップS7404)。
この後、送受信制御部47は、クレードル1から送信される終了確認を送受信アンテナ45b、無線通信部45aを通じて受信するようにし(ステップS7405)、当該終了確認を受信したときには、連携処理が終了するまで待ち状態となり(ステップS7406)、一連の連携処理が終了していれば、制御部41は、終了応答を形成し、これを送受信制御部47が無線通信部45aを制御して送信し(ステップS7407)、この図43の処理を終了する。
このように、この第2の例の場合には、音楽再生機として用いられる携帯電話端末4(1)と音楽再生機能を備えたデジタルスチルカメラ4(2)とが連携し、携帯電話端末4(1)に利用される音楽データの内、所定の条件(上述した第2の例の場合には、携帯電話端末4(1)において使用頻度の高い音楽データ)を、ユーザーの手を煩わせることなく音楽再生機能を備えたデジタルスチルカメラ4(2)に自動的に提供し、デジタルスチルカメラ4(2)において、携帯電話端末4(1)から提供された音楽データを利用することができるようにされる。
なお、上述の説明においては、使用頻度の高い音楽データを携帯電話端末4(1)からデジタルスチルカメラ4(2)に転送するものとして説明したが、これに限るものではなく、携帯電話端末4(1)の音楽データの再生履歴に基づいて、最新に使用された音楽データをデジタルスチルカメラ4(2)に転送することも可能である。
また、使用頻度が高い音楽データが複数ある場合には、予め決められた容量分の音楽データをサーバ装置2が携帯電話端末4(1)に要求し、これに応じて送信されてくる音楽データをデジタルスチルカメラ4(2)に提供することもできる。この場合、デジタルスチルカメラ4(2)に空き容量が少ない場合には、作成日時が古い音楽データから消去するようにしたり、現在の空き容量に応じた容量分の音楽データだけを受け付けるようにしたりすることもできる。
また、サーバ装置2が、デジタルスチルカメラ4(2)のデータ記憶部54の空き容量を確認するようにした上で、サーバ装置2がデジタルスチルカメラ4(2)に対して適量の音楽データを提供するようにすることも可能である。この場合には、サーバ装置2が、デジタルスチルカメラ4(2)に対して、データ記憶部54の空き容量を問い合わせることができるようにすると共に、サーバ装置2において、デジタルスチルカメラ4(2)のデータ記憶部の空き容量と、音楽データの提供許容量とを対応付けたテーブルを用意しておき、これに応じてサーバ装置2がデジタルスチルカメラ4(2)に提供可能な音楽データのデータ量を制御することができる。
また、携帯電話端末4(1)に蓄積されている音楽データには再生履歴情報が存在するので、図38のステップS81〜ステップS83の処理により携帯電話端末4(1)からサーバ装置2に提供される蓄積データリストに当該再生履歴情報をも含めてサーバ装置に提供するようにする。
ステップS81X〜ステップS83Xの処理により、デジタルスチルカメラ4(2)に蓄積している画像データの蓄積リストの提供を受けるようにし、画像データの作成日時と一致する再生日時を有する音楽データを優先的にデジタルスチルカメラ4(2)に提供するなどのことも可能である。この他、蓄積データリストに含まれる種々の情報に基づいて、デジタルスチルカメラ4(2)に転送すべき音楽データを決めるようにすることができる。
また、サーバ装置2自身が音楽データを記憶保持している場合には、サーバ装置2が記憶保持している音楽データについても、上述した携帯電話端末4(1)からデジタルスチルカメラ4(2)に音楽データを適用する場合と同様の条件にしたがって、サーバ装置2が記憶保持している音楽データをもデジタルスチルカメラ4(2)に提供することも可能である。
[(3)撮像装置と携帯電話端末との間でテキストデータを用いる連携(第3の例)について]
図44、図45は、第3の例、すなわち、撮像装置と携帯電話端末との間でテキストデータを用いる連携を行う場合の概要について説明するための図である。上述したように、クレードル1に対しては、種々のモバイル機器を複数同時に載置することが可能である。このため、図43に示すように、例えば、携帯電話端末4(1)と、デジタルスチルカメラ4(2)とをクレードル1に載置する場合もある。
この例の場合においても重要なことは、携帯電話端末4(1)とデジタルスチルカメラ4(2)とがクレードル1に対して載置されていることであり、載置のタイミングは異なっていてもよい。例えば、携帯電話端末4(1)が先にクレードル1に載置され、数時間後にデジタルスチルカメラ4(2)がクレードル1に載置されるような場合や、これとは逆に、デジタルスチルカメラ4(2)が先にクレードル1に載置され、後から携帯電話端末4(1)が載置されるような場合であってもよい。要は、携帯電話端末4(1)とデジタルスチルカメラ4(2)とがクレードル1に対して載置されている状況となっていればよい。
そして、デジタルスチルカメラ4(2)の中には、撮影モードとして黒板やホワイトボードに書かれた文字情報や種々の掲示板などに掲示される文字情報などを白黒画像として撮影し、白黒のコントラストをはっきりさせることにより、文字情報を明瞭に識別可能な静止画像データとして取り込むようにするメモモードを備えたものがある。
そこで、この例においては、図45に示すように、携帯電話端末4(1)とデジタルスチルカメラ4(2)とがクレードル1に載置された場合に、デジタルスチルカメラ4(2)に記憶保持されている静止画像データの内、メモモードで撮影されて得られた静止画像データ(メモ画像)をサーバ装置2が取り込み、サーバ装置2においてメモ画像中の文字を認識してテキストデータに変換し、このメモ画像に含まれる文字情報をテキスト化して得たテキストデータを携帯電話端末4(1)に転送する。
このようにすることにより、携帯電話端末4(1)とデジタルスチルカメラ4(2)との間で機能連携を強化し、デジタルスチルカメラ4(2)においてメモモードで撮影して得た静止画像データの文字情報を、携帯電話端末4(1)においてテキストデータとして利用することができる。また、静止画像データ中の文字情報をテキストデータに変換するので、データ量を格段に少なくすることができ、しかも文字情報を携帯電話端末(1)において明瞭に表示し、ユーザーに対して提供することができる。
以下においては、図44、図45に示したように、携帯電話端末4(1)とデジタルスチルカメラ4(2)とがクレードル1に載置された場合を例にして、具体的に説明する。なお、この第3の例において、携帯電話端末4(1)は、図25を用いて説明した構成を有するものであり、また、デジタルスチルカメラ4(2)は、図4あるいは図34を用いて説明した構成を有するものとして説明する。
[蓄積データである静止画像データのレイアウト例]
図46は、図4あるいは図34を用いて説明した構成を有するこの例のデータ通信システムで用いられるデジタルスチルカメラ4(2)の画像記憶部44あるいはデータ記憶部54に記憶保持される蓄積データである静止画像データのレイアウト例を説明するための図である。
蓄積データである静止画像データは、主に、デジタルスチルカメラ4(2)において撮影することにより得られるものである。また、送受信アンテナ45b、無線通信部45aを通じてクレードル1を介しサーバ装置2から提供されたものもある。そして、図46に示すように、デジタルスチルカメラ4(2)の画像記憶部44あるいはデータ記憶部54に記憶保持される蓄積データである静止画像データには、ヘッダ情報が付加される。
ヘッダ情報は、図46に示すように、装置ID、データID、データ属性、作成日時、プロテクト、印刷マーク、データサイズ、使用回数、撮影モード、その他の情報からなるものである。そして、装置ID、データID、データ属性、作成日時、プロテクト、印刷マーク、データサイズ、使用回数のそれぞれは、図9を用いて説明した画像データである蓄積データのレイアウトで説明した情報と同じ内容のものである。
そして、撮影モードが、この第3の例において用いられるようにされるものである。上述もしたように、この第3の例のデジタルスチルカメラ4(2)は、撮影モードとして、例えば、通常モードと、メモモードなどを備えたものであり、デジタルスチルカメラ4(2)の操作部43を通じてユーザーにより選択されて切り替えることができるようにされている。そして、このようにしてユーザーによって選択された撮影モードに応じて撮影処理が行うようにされ、撮影されることにより形成された静止画像データのヘッダ情報として、例えば制御部41によって撮影モードを示す情報が付加するようにされる。
したがって、画像データに付加されているヘッダ情報の撮影モードの情報により、当該画像データは、通常モードで撮影されて得られたものか、メモモードで撮影されて得られたものかを判別することができるようにされる。このようにヘッダ情報が付加された静止画像データが、デジタルスチルカメラ4(2)の画像記憶部44あるいはデータ記憶部54に記憶保持されている。
[蓄積データであるテキストデータのレイアウト例]
図47は、図25を用いて説明した構成を有する携帯電話端末4(1)のコンテンツ記憶部62に記憶保持される蓄積データであるテキストデータのレイアウト例を説明するための図である。ここでテキストデータは、上述もしたように、デジタルスチルカメラ4(2)においてメモモードで撮影されて得られた静止画像に含まれる文字情報が、サーバ装置2においてテキスト化されたものである。
そして、図47に示すように、コンテンツ記憶部62に蓄積されるテキストデータ(蓄積データ)には、ヘッダ情報が付加される。ヘッダ情報は、図47に示すように、装置ID、データID、データ属性、作成日時、プロテクト、印刷マーク、データサイズ、使用回数、提供元ID、その他の情報からなるものである。
提供元ID以外の各情報は、図9を用いて説明した画像データである蓄積データのレイアウトで説明した情報と同じ内容のものである。そして、提供元IDが、当該テキストデータの元になった静止画像データをメモモードで撮影して得たデジタルスチルカメラ4(2)を示すものである。
そして、この例のデータ通信システムにおいては、携帯電話端末4(1)とデジタルスチルカメラ4(2)とがクレードル1に載置された場合に、デジタルスチルカメラ4(2)に保持されているメモモードで撮影されて得られた静止画像データがサーバ装置2に吸い上げられ、これに含まれる文字情報がテキスト化され、これが図47に示したレイアウトで携帯電話端末4(1)のコンテンツ記憶部62に記憶保持されることになる。
[機器連携テーブルの構成例について]
そして、以下に説明するモバイル機器間においてテキストデータを用いた連携を行う場合にも、サーバ装置2の例えば不揮発性メモリ214に作成される機器関連テーブルの情報に従ったサーバ装置2の制御により、当該モバイル機器間の連携を実現することができる。この場合において用いられる機器関連テーブルは、図26、図37を用いて説明したものと同様のものであるが、登録されている情報が異なる。
図48は、この例において用いられる機器連携テーブルについて説明するための図である。図48において、1番目、2番目、3番目に登録された情報は、図37に示したものと同じである。そして、この例の場合には、図48に示した機器連携テーブルの4番目に登録した情報が必要になる。
すなわち、図48に示した機器連携テーブルの4番目に登録された登録情報は、連携機器として、機器1が「デジタルスチルカメラ」、機器2が「携帯電話端末」であり、その連携処理の内容は、「デジタルスチルカメラ(機器1)のメモ用途画像をテキスト化して携帯電話端末(機器2)に転送すること」である。そして、当該連携処理を行うために、サーバ装置2において実行されるプログラムのプログラムIDが、「PG4」ということになる。
そして、図44、図45に示したように、クレードル1に携帯電話端末4(1)と、デジタルスチルカメラ4(2)とが載置されたことをサーバ装置2が検知した場合に、サーバ装置2は、図48に示した機器連携テーブルの4番目の登録情報にしたがって、テキストデータを用いたモバイル機器間の連携処理を当該データ通信システムにおいて行うことになる。
なお、図48に示した5番目に登録されている情報は、第4の例において用いる情報であるため、その詳細については後述する。
[テキストデータを用いる連携を行う場合のシステムの動作について]
次に、モバイル機器として携帯電話端末4(1)とデジタルスチルカメラ4(2)とが用いられる場合であって、モバイル機器間でテキストデータを用いた連携を行えるようにするこの例のデータ通信システムの動作について説明する。図49、図50は、モバイル機器間でテキストデータを用いた連携を行えるようにするこの例のデータ通信システムの動作について説明するためのタイミングチャートである。
この例の場合にも、図27、図28を用いて説明した場合と同様に、異なるモバイル機器間において、クレードル1、サーバ装置2を通じて情報を送受するものである。そこで、説明を簡単にするため、図49、図50において、図27、図28を用いて説明した場合と同様に行われる部分には同じ参照符号を付し、その部分の詳細な説明については、図27、図28を用いて説明した通りであるので省略する。
なお、上述もしたように、携帯電話端末4(1)とデジタルスチルカメラ4(2)とが、クレードル1に載置されるタイミングは特に問題とならないが、ここでは説明を簡単にするために、携帯電話端末4(1)がクレードル1に載置された後に、デジタルスチルカメラ4(2)がクレードル1に載置された場合を例にして説明する。
また、この第3の例においては、デジタルスチルカメラの画像記憶部44あるいはデータ記憶部54には、図46を用いて説明したメモモードで撮影されて得られた画像データが記憶されているものとする。
この第3の例において、図49に示すステップS51〜ステップ59までの処理、及び、図50に示すステップS60〜ステップS62までの処理は、図27、図28を用いて説明した第1の例の場合と同様に行われる。すなわち、クレードル1においては、自機にモバイル機器が載置されたことを検出すると充電を行うようにする処理(充電開始処理)実行し(ステップS51)、載置されたモバイル機器に対して、機器ID問い合わせを行う(ステップS52、ステップS54)。
機器ID問い合わせを受信したモバイル機器からは、機器ID応答が返信されてくるので(ステップS53、ステップS55)、クレードル1はこれを受信して、サーバ装置2に送信する。これにより、サーバ装置2は、クレードル1を介して送信されてくる機器ID応答(機器ID報告)に基づいて、クレードル1に載置されたモバイル機器が何かを把握することができる。
そして、サーバ装置2は、クレードル1に載置されたモバイル機器からの機器ID応答に基づいて、クレードル1に複数のモバイル機器が載置された場合に、サーバ装置2のEEPROM214に作成されている機器連携テーブルを参照し、行うべき機器の連携処理を特定し、連携させる機器を登録する(ステップS56)。
この第3の例においては、携帯電話端末4(1)と、デジタルスチルカメラ4(2)とがクレードル1に載置されるので、モバイル機器の組み合わせとしては、図48に示す機器連携テーブルの1番目の登録情報と4番目の登録情報とに合致する。このような場合の対処方法としては、以下の方法がある。
(A)登録順にしたがって、複数の連携処理を行う。したがって、この例の場合、まず図48に示す1番目の登録情報に従った連携処理を行った後に、4番目の登録情報に従った処理を行う。(B)予め優先順位を設定するようにしておき、その優先順位にしたがって複数の連携処理を行う。(C)複数の連携処理が可能であることを、サーバ装置2を通じてユーザーに通知し、どの連携処理を行うか選択してもらいその選択された連携処理を行う。(D)連携させる固有のモバイル機器を特定できるようにしておき、登録情報が重複しないようにする。といった種々の方法を用いることができる。
このため、この第3の例においては、説明を簡単にするため、例えば、上記(C)の方法が取られ、図49のステップS56においては、図48に示した機器連携テーブルの4番目の登録情報が用いる登録情報として特定されるものとして説明する。
したがって、この第3の例の場合、ステップS56においては、デジタルスチルカメラ4(2)が機器1となり、また、携帯電話端末4(1)が機器2となるので、機器1(デジタルスチルカメラ4(2))のメモ用途の静止画像データから文字情報をテキスト化して形成したテキストデータを、機器2(携帯電話端末4(1))に転送する処理が行うべき連携処理内容として特定される。また、機器1としてデジタルスチルカメラ4(2)が、機器2として携帯電話端末4(1)が関連付けられてサーバ装置2の不揮発性メモリ214に登録される。
この第3の例の場合、メモ用途の静止画像データの提供元(機器1)は、デジタルスチルカメラ4(2)であるので、サーバ装置2は、デジタルスチルカメラ4(2)に対してメモモードで撮影されて得られた静止画像データについての蓄積データリストの提供を要求する蓄積データリスト要求を形成して送信する(ステップS57)。
デジタルスチルカメラ4(2)は、クレードル1を介して送信されてくるサーバ装置2からのメモモードで撮影されて得られた静止画像データについての蓄積データリスト要求を受信し、これに応じて、画像記憶部44、あるいは、データ記憶部54に記憶保持しているメモモードで撮影されて得られた静止画像データについての蓄積データリストを無線通信部45a、送受信アンテナ45bを通じてサーバ装置2に対して送信する(ステップS58)。
この第3の例において、メモモードで撮影されて得られた静止画像データについての蓄積データリストは、図46を用いて説明した蓄積データ(静止画像データ)のヘッダ情報に基づいて、図8を用いて説明した蓄積データリストに更に「撮影モード」が加えられて形成されたものである。
サーバ装置2は、クレードル1を介して送信されてくるデジタルスチルカメラ4(2)からの蓄積データリストを受信し、これを自機のHDD30の所定の領域に格納する(ステップS59)。そして、図50に示す処理に進む。
そして、この第3の例においては、サーバ装置2は、図49のステップS59において自己のHDD30に格納したメモモードで撮影して得た静止画像データについての蓄積データリストと、既に提供を受けて記憶保持しているメモモードで撮影して得た静止画像データについての蓄積データリストとの差分から、まだ提供を受けていないメモモードで撮影されて得られた静止画像データを特定し、デジタルスチルカメラ4(2)に対して新規蓄積データの提供を要求する新規蓄積データ要求を形成して、これをクレードル1を通じてデジタルスチルカメラ4(2)に送信する(ステップS60)。
デジタルスチルカメラ4(2)は、クレードル1を介して送信されてくるサーバ装置2からの新規蓄積データ要求(メモモードで撮影されて得られた静止画像データについての新規蓄積データ要求)を受信し、これに応じて、まだサーバ装置2に送信していないメモモードで撮影されて得られた静止画像データを自己の画像記憶部44あるいはデータ記憶部54から抽出し、これをサーバ装置2に対して送信する(ステップS61)。ここでデジタルスチルカメラ4(2)からサーバ装置2に提供される蓄積データは、図46に示した構成のメモモードで撮影されて得られた静止画像データである。
サーバ装置2は、クレードル1を介して送信されてくるデジタルスチルカメラ4(2)からの蓄積データ(メモモードで撮影されて得られた静止画像データ)を受信し、これを自機のHDD30の所定の領域に格納する(ステップS62)。
そして、この第3の例においては、サーバ装置2の制御部21は、例えば書き戻しデータ作成部29の機能を用い、ステップ62においてHDD30に格納したメモモードで撮影されて得られた静止画像データを分析し、当該静止画像データに含まれる文字情報(文字部分)を特定して、その特定した文字情報をテキストデータに変換する処理を行う(ステップS91)。
この後、ステップS91において変換することにより得たテキストデータから携帯電話端末4(1)に転送するテキストデータを生成し、これを外部I/F26a、入出力端26bを通じて出力する(ステップS92)。この携帯電話端末4(1)宛のテキストデータは、クレードル1の入出力端14b、外部I/F14aを通じて受信され、無線通信部15a、送受信アンテナ15bを通じて携帯電話端末4(1)に送信される。
携帯電話端末4(1)は、送受信アンテナ66b、無線通信部66aを通じて、クレードル1を介して送信されてくるサーバ装置2からのテキストデータを受信し、これを自機のコンテンツ記憶部62に記録して、自機においても利用可能な状態にする(ステップS93)。
この後、第1の例の図28に示したステップS66〜ステップS72と同様の処理を行う。すなわち、クレードル1は、自機に載置されたモバイル機器に対する充電が完了した場合に当該充電処理を終了させ(ステップS66、ステップS67)、モバイル機器に対して、連携処理についての終了確認を行う(ステップS68、ステップS70)。
終了確認を受信したモバイル機器においては、自機において行うべき処理が終了していることを確認して、終了応答を送信してくるので(ステップS69、ステップS71)、クレードル1はこれを受信し、サーバ装置2に送信する。サーバ装置2においては、連携させる2つのモバイル機器からの終了応答を受信した場合には、当該連携処理は終了したと判断することができるので、図49のステップS56において行った連携機器登録を消去し(ステップS72)、テキストデータを用いる一連の連携処理を終了する。
[携帯電話端末とデジタルスチルカメラがテキストデータを介在させて連携する場合のデータ通信システムの各機器の処理について]
[クレードル1における処理について]
この第3の例の場合、データ通信システムを構成する携帯電話端末4(1)、デジタルスチルカメラ4(2)、クレードル1、サーバ装置2のうち、クレードル1において行われる処理は、図29を用いて説明した第1の例のクレードル1で行われる処理と同様の処理が行われることになる。このため、ここでは、図29を参照しながら、この第3の例におけるクレードル1の処理についてまとめる。
すなわち、この第3の例におけるクレードル1もまた、自機へのモバイル機器の載置を検出し(ステップS5101)、充電を行うようにすると共に(ステップS5102〜ステップS5104)、自機に載置されたモバイル機器に対して機器ID問い合わせを行って(ステップS5105)、これに応じて送信されてくる機器ID応答をサーバ装置2に転送する(ステップS5106)。
この後、クレードル1は、サーバ装置2と自機に載置されたモバイル機器との間のデータの送受の中継を行い(ステップS5107)、一連の中継処理の終了後、充電の終了確認を行って(ステップS5108、ステップS5109)、充電処理を終了させ(ステップS5110)、モバイル機器への終了確認の送信(ステップS5111)と、モバイル機器からの終了応答のサーバ装置2への中継処理を行って(ステップS5112)、クレードル1における連携のための処理を終了する。
[サーバ装置2における処理について]
図51は、この第3の実施の形態のデータ通信システムにおいて、図49〜図50を用いて説明した携帯電話端末4(1)とデジタルスチルカメラ4(2)が連携し、デジタルスチルカメラ4(2)が保持するメモモードで撮影されて得られた静止画像データからテキストデータを生成し、これを携帯電話端末4(1)においても利用できるようにする場合にサーバ装置2において行われる処理を説明するためのフローチャートである。この図51に示す処理は、サーバ装置2において電源が投入された状態にあるときに主に制御部21と送受信制御部27とによって実行される処理である。
電源が投入されると、サーバ装置2の送受信制御部27は、入出力端26b、外部I/F26aを通じて、クレードル1からのクレードル1に載置されたモバイル機器の機器ID報告を受信したか否かを判断する(ステップS8201)。ステップS8201の判断処理において、まだ機器ID報告を受信していないと判断したときには、ステップS8201からの処理を繰り返し、クレードル1に載置されたモバイル機器の機器ID報告の受信待ちとなる。
ステップS8201の判断処理において、クレードル1からの機器ID報告を受信したと判断したときには、制御部21は、既に受信済みの機器IDを把握しているので、複数のモバイル機器がクレードル1に載置された状態になったか否かを判断する(ステップS8202)。ステップS8202の判断処理において、まだ複数のモバイル機器がクレードル1に載置された状態になっていない(まだ、1台しか載置されていない)と判断したときには、ステップS8201からの処理を繰り返す。
ステップS8202の判断処理において、複数のモバイル機器がクレードル1に載置されたと判断したときには、制御部21は、図48を用いて説明したように、不揮発性メモリ214に形成される機器連携テーブルを参照し(ステップS8203)、クレードル1に載置された2台のモバイル機器の組み合わせが、連携させる機器の組み合わせとして機器連携テーブルに登録されているか否かを判断する(ステップS8204)。
ステップS8204の判断処理において、クレードル1に載置された2台のモバイル機器の組み合わせが、連携させる機器の組み合わせとして機器連携テーブルに登録されていないと判断したときには、モバイル機器間で連携させる処理は存在しないので、この図51に示す処理を終了させる。
また、ステップS8204の判断処理において、クレードル1に載置された2台のモバイル機器の組み合わせが、連携させる機器の組み合わせとして機器連携テーブルに登録されていると判断したときには、参照した機器連携テーブルの情報に基づいて、クレードル1に載置されたモバイル機器間で行う連携処理を特定し、当該2台のモバイル機器を連携する機器としてサーバ装置2の不揮発性メモリ214に登録する(ステップS8205)。
この第2の例の場合には、図44〜図50を用いて説明したように、機器1がデジタルスチルカメラ4(2)であり、機器2が携帯電話端末4(1)であるので、図48に示した4番目に登録された、「機器1のメモ用途画像をテキスト化して機器2に転送する処理」が実行する連携処理として特定され、機器1であるデジタルスチルカメラ4(2)と機器2である携帯電話端末4(1)とが連携する機器として不揮発性メモリ214に登録される。
そして、図51に示した処理のステップS8206以降の処理が、ステップS8205において特定された連携処理に応じた処理であり、図48に示した機器連携テーブルのプログラムIDによって特定されるプログラムによる処理となる。この例の場合、サーバ装置2の制御部21は、デジタルスチルカメラ4(2)宛のメモモードで撮影されて得られた静止画像データについての蓄積データリスト要求を形成し、これを送受信制御部27が、外部I/F26a、入出力端26bを通じて送信する(ステップS8206)。この蓄積データリスト要求は、上述もしたように、クレードル1を介して、デジタルスチルカメラ4(2)に送信される。
これに応じて、デジタルスチルカメラ4(2)からはクレードル1を介してメモモードで撮影されて得られた静止画像データについての蓄積データリストが送信されてくるので、送受信制御部27は、外部I/F26aを制御し、デジタルスチルカメラ4(2)からのメモモードで撮影されて得られた静止画像データについての蓄積データリストを受信して、これをHDD30の所定の領域に格納する(ステップS8207)。
そして、制御部21は、HDD30に格納したメモモードで撮影されて得られた静止画像データの蓄積データリストに基づいて、新規に蓄積された静止画像データを洗い出すようにする(ステップS8208)。具体的には、既にサーバ装置2に提供されている蓄積データリストとの差分を取ることにより、新たに蓄積されたサーバ装置2において未処理の静止画像データを洗い出すことができる。
そして、制御部21は、ステップS8208の洗い出し結果に基づいて、新規蓄積データ(サーバ装置2において未処理のメモモードで撮影されて得られた静止画像データ)が存在するか否かを判断する(ステップS8209)。ステップS8209の判断処理において、例えば、メモモードでの撮影が全く行われておらず、メモモードで撮影されて得られた静止画像データは存在しないと判断したときには、携帯電話端末4(1)に供給すべきテキストデータが存在しないので、ステップS8215の処理に進み、ステップS8205で不揮発性メモリ214に対して行った連携機器登録を消去して(ステップS8215)、この図51の処理を終了させる。
また、ステップS8209の判断処理において、新規蓄積データ(サーバ装置2において未処理のメモモードで撮影されて得られた静止画像データ)が存在すると判断したときには、サーバ装置2の制御部21は、デジタルスチルカメラ4(2)宛の新規蓄積データ提供要求を形成し、これを送受信制御部27が、外部I/F26a、入出力端26bを通じて送信する(ステップS8210)。この新規蓄積データ提供要求は、上述もしたように、クレードル1を介して、デジタルスチルカメラ4(2)に送信される。
これに応じて、デジタルスチルカメラ4(2)からはクレードル1を介して新規蓄積データ(メモモードで撮影されて得られた静止画像データ)が送信されてくるので、送受信制御部27は、外部I/F26aを制御し、デジタルスチルカメラ4(2)からの新規蓄積データを受信して、これをHDD30の所定の領域に記憶する(ステップS8211)。
そして、サーバ装置2の制御部21は、HDD30に記憶したメモモードで撮影されて得られた静止画像データを分析し、当該静止画像データに含まれる文字情報(文字部分)をテキストデータに変換する(ステップS8212)。この後、送受信制御部27は、外部I/F26aを制御して、携帯電話端末4(1)宛に送信すべき変換したテキストデータを携帯電話端末4(1)に対して送信する(ステップS8213)。この携帯電話端末4(1)宛のテキストデータは、上述もしたように、クレードル1を介して携帯電話端末4(1)に送信される。
この後、サーバ装置2の制御部21は、連携機器である携帯電話端末4(1)とデジタルスチルカメラ4(2)からの終了応答を受信するまで待ち状態となり(ステップS8214)、携帯電話端末4(1)とデジタルスチルカメラ4(2)との両方からの終了応答を受信した場合には、ステップS8205で不揮発性メモリ214に対して行った連携機器登録を消去して(ステップS8215)、この図51の処理を終了させる。
[デジタルスチルカメラ4(2)における処理について]
この第3の実施の形態のデータ通信システムにおいて、図49〜図50を用いて説明した携帯電話端末4(1)とデジタルスチルカメラ4(2)が連携し、デジタルスチルカメラ4(2)が保持するメモモードで撮影されて得られた静止画像データからテキストデータを生成し、これを携帯電話端末4(1)においても利用できるようにする場合に、デジタルスチルカメラ4(2)において行われる処理は、図31を用いて説明した第1の例のデジタルスチルカメラ4(2)で行われる処理と同じである。このため、ここでは、図31を参照しながら、この第3の例におけるデジタルスチルカメラ4(2)の処理についてまとめる。
すなわち、この第3の例におけるデジタルスチルカメラ4(2)もまた、例えば充電モード等の、クレードル1に載置され、データ通信と充電処理とを行うようにする所定のモードとされた場合に、デジタルスチルカメラ4(2)の主に制御部41と送受信制御部47によって図31に示した処理を実行する。
まず、所定のモードに切り替えられると、送受信制御部47は、送受信アンテナ45b、無線通信部45aを通じて、クレードル1からの機器ID問合せの受信待ちとなる(ステップS5301)。
ステップS5301の判断処理において、クレードル1からの機器ID問合せを受信したと判断したときには、制御部41は、自機の例えばROM412に記憶保持されている機器IDや機器属性などの必要な情報を取得し、図7Cに示したような機器ID応答を形成して、これを無線通信部45a、送受信アンテナ45bを通じて送信する(ステップS5302)。この機器ID応答は、クレードル1を介してサーバ装置2に送信される。
そして、送受信制御部47は、送受信アンテナ45b、無線通信部45aを通じて、クレードル1を介して送信されてくるサーバ装置2からのメモモードで撮影されて得られた静止画像データについての蓄積データリスト要求を受信するようにする(ステップS5303)。そして、蓄積データリスト要求を受信したときには、制御部41は、サーバ装置2宛のメモモードで撮影されて得られた静止画像データについての蓄積データリスを形成し、これを送受信制御部47が、無線通信部45aを制御して送信する(ステップS5304)。この蓄積データリストも、クレードル1を介してサーバ装置2に送信される。
そして、送受信制御部47は、送受信アンテナ45b、無線通信部45aを通じて、クレードル1を介して送信されてくるサーバ装置2からの新規蓄積データ要求を受信するようにする(ステップS5305)。そして、新規蓄積データ要求を受信したときには、制御部41は、要求された新規蓄積データ(メモモードで撮影されて得られた静止画像データでまだサーバ装置に送信していないもの)を画像記憶部44から読み出し、これを送受信制御部47が、無線通信部45aを制御して送信する(ステップS5306)。この新規蓄積データも、クレードル1を介してサーバ装置2に送信される。
この後、送受信制御部47は、送受信アンテナ45b、無線通信部45aを通じて、クレードル1から送信される終了確認を受信するようにし(ステップS5307)、当該終了確認を受信したときには、連携処理が終了するまで待ち状態となり(ステップS5308)、一連の連携処理が終了していれば、制御部41は、終了応答を形成し、これを送受信制御部47が、無線通信部45aを制御して送信し(ステップS5309)、図31の処理を終了する。
このように、この第3の例において、デジタルスチルカメラ4(2)は、サーバ装置2からの要求に応じて、メモモードで撮影されて得られた静止画像データをサーバ装置2に提供する処理を行う。
[携帯電話端末4(1)における処理について]
図52は、この第3の実施の形態のデータ通信システムにおいて、図49〜図50を用いて説明した携帯電話端末4(1)とデジタルスチルカメラ4(2)が連携し、デジタルスチルカメラ4(2)が保持するメモモードで撮影されて得られた静止画像データからテキストデータを生成し、これを携帯電話端末4(1)においても利用できるようにする場合に、携帯電話端末4(1)において行われる処理を説明するためのフローチャートである。
この図52に示す処理は、モバイル機器である携帯電話端末4(1)が例えば充電モード等の、クレードル1に載置され、データ通信と充電処理とを行うようにする所定のモードとされた場合に、携帯電話端末4(1)の主に制御部61によって実行される処理である。
まず、所定のモードに切り替えられると、制御部61は、送受信アンテナ66b、無線通信部66aを通じて、クレードル1からの機器ID問合せを受信したか否かを判断する(ステップS8301)。ステップS8301の判断処理において、機器ID問合せを受信していないと判断したときには、ステップS8301からの処理を繰り返し、機器ID問合せの受信待ちとなる。
ステップS8301の判断処理において、クレードル1からの機器ID問合せを受信したと判断したときには、制御部41は、自機の例えばROM612に記憶保持されている機器IDや機器属性などの必要な情報を取得し、図7Cに示したような機器ID応答を形成して、これを制御部61が無線通信部66a、送受信アンテナ66bを通じて送信する(ステップS8302)。この機器ID応答は、クレードル1を介してサーバ装置2に送信される。
そして、制御部61は、送受信アンテナ66b、無線通信部66aを通じて、クレードル1を介して送信されてくるサーバ装置2からのテキストデータを受信し、これをコンテンツ記憶部62に格納する(ステップS8303)。そして、コンテンツ記憶部62に記憶したテキストデータを、制御部61の制御に応じて読み出して利用できるようデータの形式を整えるなどの準備を行う(ステップS8304)。
この後、制御部61は、クレードル1から送信される終了確認を送受信アンテナ66b、無線通信部66aを通じて受信するようにし(ステップS8305)、当該終了確認を受信したときには、連携処理が終了するまで待ち状態となり(ステップS8306)、一連の連携処理が終了していれば、制御部61は、終了応答を形成し、これを無線通信部45aを制御して送信し(ステップS8307)、この図52の処理を終了する。
このように、この第3の例の場合には、携帯電話端末4(1)とメモ用途の静止画像の撮影が可能なデジタルスチルカメラ4(2)とが連携し、デジタルスチルカメラ4(2)でメモモードが用いられて撮影することにより得られた静止画像データをサーバ装置2提供し、サーバ装置2において、当該静止画像データに含まれる文字情報部分をテキストデータに変換し、これを携帯電話端末4(1)に自動的に提供して、携帯電話端末4(1)において当該テキストデータを利用することができるようにされる。
[(4)撮像装置と携帯電話端末間で画像データと関連情報を用いた連携について]
図53は、第4の例、すなわち、撮像装置と携帯電話端末との間で画像データと関連情報(撮影位置データ)とを用いる連携を行う場合の概要について説明するための図である。この第4の例の場合にも、図44に示したように、例えば、携帯電話端末4(1)と、デジタルスチルカメラ4(2)とがクレードル1に載置された場合として説明する。
そして、この第4の例の場合においても重要なことは、携帯電話端末4(1)とデジタルスチルカメラ4(2)とがクレードル1に対して載置されていることであり、載置のタイミングは異なっていてもよい。例えば、携帯電話端末4(1)が先にクレードル1に載置され、数時間後にデジタルスチルカメラ4(2)がクレードル1に載置されるような場合や、これとは逆に、デジタルスチルカメラ4(2)が先にクレードル1に載置され、後から携帯電話端末4(1)が載置されるような場合であってもよい。要は、携帯電話端末4(1)とデジタルスチルカメラ4(2)とがクレードル1に対して載置されている状況となっていればよい。
そして、近年においては、GPS(Global Positioning System)などと呼ばれる全地球測位システムが一般に用いられるようになってきている。GPSは、複数の人口衛星から送信される電波を受信し、自己の現在位置を正確に測位することができるものである。そして、GPSは、カーナビゲーションシステムなどに利用されていると共に、その小型化、軽量化が進められ、携帯電話端末やデジタルスチルカメラなどの携帯型電子機器にも搭載することができるようになってきている。そして、この第4の例で用いられるデジタルスチルカメラ4(2)は、詳しくは後述するように、GPS機能が搭載され、撮影時点の現在位置を測位し、撮影することにより得た静止画像データに対して撮影位置データを付加することができるものである。
そこで、この第4の例においては、図53に示すように、携帯電話端末4(1)とデジタルスチルカメラ4(2)とがクレードル1に載置された場合に、デジタルスチルカメラ4(2)に記憶保持されている撮影位置データが付加された静止画像データをサーバ装置2が取り込む。サーバ装置は、後述するように、地図データベースを備えており、静止画像データに付加されている撮影位置データに基づいて地図データベースを参照し、その位置に存在する店や会社の名称、住所などからなる住所データを形成して、これを静止画像データに付加して携帯電話端末4(1)に転送する。
このようにすることにより、携帯電話端末4(1)とデジタルスチルカメラ4(2)との間で機能連携を強化し、デジタルスチルカメラ4(2)からの静止画像データに付加されている撮影位置データに基づいて、地図情報が存在しない携帯電話端末4(1)においても、デジタルスチルカメラ4(2)からの静止画像データと、その静止画像データにより形成される画像の所在地に関する情報を携帯電話端末4(1)において利用することができるようにされる。
[モバイル機器であるGPS機能を備えたデジタルスチルカメラ4(2)の構成例について]
図54は、この第2の実施の形態の第4の例のデータ通信システムで用いられるモバイル機器の1つであるGPS機能付きデジタルスチルカメラ4(2)の構成例を説明するためのブロック図である。図54に示すように、この例のデジタルスチルカメラ4(2)は、GPS部55a、GPS受信アンテナ55bを備えた点を除けば、図4に示したモバイル機器であるデジタルスチルカメラと同様に構成されるものである。
このため、図54に示すデジタルスチルカメラ4(2)において、図4に示したモバイル機器であるデジタルスチルカメラと同様に構成される部分には同じ参照符号を付し、それらの詳細な説明については省略する。
そして、この第4の例で用いられるデジタルスチルカメラ4(2)においては、例えば撮影時において、GPS受信アンテナ55bを通じて受信する人口衛星からの信号を、GPS部55aにおいて解析することにより現在位置データを得て、これを制御部41に供給することにより、撮影して得た静止画像データに対して撮影位置データを付加することができるものである。
したがって、この第4の例で用いられるデジタルスチルカメラ4(2)により撮影されて得られた静止画像データに付加されている撮影位置データに基づいて、撮影位置を特定することができるようにされる。
[地図情報の利用が可能なサーバ装置2の構成例について]
図55は、この第2の実施の形態の第4の例のデータ通信システムで用いられる地図情報の利用が可能なサーバ装置2の構成例を説明するためのブロック図である。図55に示すように、この例のサーバ装置2は、HDD30に地図情報を蓄積し、住所データ作成部32を備える点を除けば、図3に示したサーバ装置2と同様に構成されるものである。
このため、図55に示すサーバ装置2において、図3に示したサーバ装置と同様に構成される部分には同じ参照符号を付し、それらの詳細な説明については省略する。
そして、この第4の例で用いられるサーバ装置2においては、HDD30に、詳細地図情報が記憶保持されている。この詳細地図情報は、経度、緯度からなる位置データと、住所データ、店名や会社名などの名称データ等の情報が対応付けられたものである。そして、この第4の例で用いられるサーバ装置2は、上述したGPS機能を備えたデジタルスチルカメラ4(2)からの撮影位置データの付加された静止画像データの提供を受けた場合に、住所データ作成部32の機能により、当該静止画像データに付加された撮影位置データに基づいてHDD30の地図情報を参照し、当該撮影位置データによって特定される位置に存在する店や会社などの名称と、その住所とからなる住所データを作成し、これを当該静止画像データに対して付すことができるものである。
これにより、後述もするように、詳細な地図情報を持たない携帯電話端末4(1)においても、デジタルスチルカメラ4(2)により撮影されて得られた静止画像データと、その静止画像データによって形成される画像が示す店や会社などの名称と、その住所とを明確に把握することができるようにされる。
以下においては、図53に示したように、モバイル機器として、図25に示した構成を有する携帯電話端末4(1)と、図54に示した構成のデジタルスチルカメラ4(2)とが、図2に示した構成を有するクレードル1に載置されると共に、このクレードル1に対しては、図55に示した構成を有するサーバ装置2がインターフェイスケーブル3を通じて接続されるものとして説明する。
[デジタルスチルカメラ4(2)で形成される静止画像データのレイアウト例]
図56は、図54を用いて説明した構成を有するこの例のデータ通信システムで用いられるデジタルスチルカメラ4(2)の画像記憶部44に記憶保持される蓄積データである静止画像データのレイアウト例を説明するための図である。
ここで蓄積データである静止画像データは、デジタルスチルカメラ4(2)において撮影することにより得られるものである。そして、図56に示すように、デジタルスチルカメラ4(2)において画像を撮影することにより得られ、画像記憶部44に記憶保持される蓄積データである静止画像データには、ヘッダ情報が付加される。
ヘッダ情報は、図56に示すように、装置ID、データID、データ属性、作成日時、プロテクト、印刷マーク、データサイズ、使用回数、位置データ、その他の情報からなるものである。そして、装置ID、データID、データ属性、作成日時、プロテクト、印刷マーク、データサイズ、使用回数のそれぞれは、図9を用いて説明した画像データである蓄積データのレイアウトで説明した情報と同様のものである。
そして、位置データが、この第4の例において用いられるようにされるものである。上述もしたように、この第4の例のデジタルスチルカメラ4(2)は、GPS機能を備えており、撮影時にGPS機能を用いて撮影位置データを取得し、これを図56に示すレイアウト例のヘッダ中に設けられる位置データ欄に格納する。これにより、当該情報が付加された静止画像データは、どこで撮影されて得られたものであるかが把握される。
[携帯電話端末に蓄積される静止画像データのレイアウト例]
図57は、この第4の例において、図25を用いて説明した構成を有する携帯電話端末4(1)がサーバ装置2から提供を受けて、コンテンツ記憶部62に記憶保持する蓄積データである静止画像データのレイアウト例を説明するための図である。
そして、図57に示すように、コンテンツ記憶部62に蓄積される静止画像データには、ヘッダ情報が付加される。ヘッダ情報は、図57に示すように、装置ID、データID、データ属性、作成日時、プロテクト、印刷マーク、データサイズ、名称、住所、その他の情報からなるものである。
図57において、装置ID、データID、データ属性、作成日時、プロテクト、印刷マーク、データサイズのそれぞれは、図9を用いて説明した画像データである蓄積データのレイアウトで説明した情報と同様のものである。そして、名称及び住所が、この第4の例において用いられるようにされるものである。
すなわち、図57に示した静止画像データのヘッダ情報として付加される名称及び住所は、デジタルスチルカメラ4(2)により撮影されて得られた静止画像データに付加されている撮影位置データ(図55の位置データ)に基づいて、サーバ装置2において詳細地図情報が参照されて付加するようにされたものである。
[機器連携テーブルの構成例について]
そして、この第4の例の場合においても、サーバ装置2の例えば不揮発性メモリ214に作成される機器関連テーブルの情報に従ったサーバ装置2の制御により、当該モバイル機器間の連携を実現することができる。この場合において用いられる機器関連テーブルは、図48を用いて説明したものと同様のものである。
図48において、1番目、2番目の登録情報は上述した第1の例で用いられ、3番目の登録情報は第2の例で用いられ、4番目の登録情報は第3の例で用いられたものである。そして、図48において、5番目の登録情報が、この第4の例で用いられるものである。
すなわち、図48に示した機器連携テーブルの5番目に登録された登録情報は、連携機器として、機器1が「GPS付デジタルスチルカメラ」、機器2が「携帯電話端末」であり、その連携処理の内容は、「GPS付デジタルスチルカメラ(機器1)の撮影画像+撮影位置データから、住所データを付加した撮影画像を形成して携帯電話端末(機器2)に転送すること」である。そして、当該連携処理を行うために、サーバ装置2において実行されるプログラムのプログラムIDが、「PG5」ということになる。
そして、この第4の例の場合には、図53を用いて説明したように、クレードル1に携帯電話端末4(1)と、デジタルスチルカメラ4(2)とが載置されたことをサーバ装置2が検知した場合に、サーバ装置2は、図48に示した機器連携テーブルの5番目の登録情報にしたがって、静止画像データに付加された撮影位置データをも考慮したモバイル機器間の連携処理を当該データ通信システムにおいて行うことになる。
[静止画像データと撮影位置データとを用いる連携を行う場合のシステムの動作について]
次に、モバイル機器として携帯電話端末4(1)とデジタルスチルカメラ4(2)とが用いられる場合であって、モバイル機器間で静止画像データと撮影位置データとを用いた連携を行えるようにするこの例のデータ通信システムの動作について説明する。図58、図59は、モバイル機器間で静止画像データと撮影位置データとを用いた連携を行えるようにするこの例のデータ通信システムの動作について説明するためのタイミングチャートである。
この例の場合にも、図27、図28を用いて説明した場合と同様に、異なるモバイル機器間において、クレードル1、サーバ装置2を通じて情報を送受するものである。そこで、説明を簡単にするため、図58、図59において、図27、図28を用いて説明した場合と同様に行われる部分には同じ参照符号を付し、その部分の詳細な説明については、図27、図28を用いて説明した通りであるので省略する。
なお、上述もしたように、携帯電話端末4(1)とデジタルスチルカメラ4(2)とが、クレードル1に載置されるタイミングは特に問題とならないが、ここでは説明を簡単にするために、携帯電話端末4(1)がクレードル1に載置された後に、デジタルスチルカメラ4(2)がクレードル1に載置された場合を例にして説明する。
また、この第4の例においては、デジタルスチルカメラ4(2)の画像記憶部44には、当該デジタルスチルカメラ4(2)で撮影されることにより得られた静止画像データに対して、当該撮影時にGPS部55aを通じて取得された撮影位置データ(位置データ)が付加された、図55を用いて説明したレイアウトの蓄積データが記憶されているものとする。
この第4の例において、図58に示すステップS51〜ステップ59までの処理、及び、図59に示すステップS60〜ステップS62までの処理は、図27、図28を用いて説明した第1の例の場合と同様に行われる。すなわち、クレードル1においては、自機にモバイル機器が載置されたことを検出すると充電を行うようにする処理(充電開始処理)実行し(ステップS51)、載置されたモバイル機器に対して、機器ID問い合わせを行う(ステップS52、ステップS54)。
機器ID問い合わせを受信したモバイル機器からは、機器ID応答が返信されてくるので(ステップS53、ステップS55)、クレードル1はこれを受信して、サーバ装置2に送信する。これにより、サーバ装置2は、クレードル1を介して送信されてくる機器ID応答(機器ID報告)に基づいて、クレードル1に載置されたモバイル機器が何かを把握することができる。
そして、サーバ装置2は、クレードル1に載置されたモバイル機器からの機器ID応答に基づいて、クレードル1に複数のモバイル機器が載置された場合に、サーバ装置2のEEPROM214に作成されている機器連携テーブルを参照し、行うべき機器の連携処理を特定し、連携させる機器を登録する(ステップS56)。
この第4の例においては、携帯電話端末4(1)と、GPS付デジタルスチルカメラ4(2)とがクレードル1に載置されるので、モバイル機器の組み合わせとしては、図48に示す機器連携テーブルの5番目の登録情報に合致する。
したがって、この第4の例の場合、ステップS56においては、GPS付デジタルスチルカメラ4(2)が機器1となり、また、携帯電話端末4(1)が機器2となるので、機器1(デジタルスチルカメラ4(2))の撮影画像(静止画像データ)と撮影位置データとから住所データを付加した撮影画像(静止画像データ)を形成して、これを機器2(携帯電話端末4(1))に転送する処理が行うべき連携処理内容として特定される。また、機器1としてGPS付デジタルスチルカメラ4(2)が、機器2として携帯電話端末4(1)が関連付けられてサーバ装置2の不揮発性メモリ214に登録される。
この第4の例の場合、撮影画像(メモ用途の静止画像データ)の提供元(機器1)は、デジタルスチルカメラ4(2)であるので、サーバ装置2は、デジタルスチルカメラ4(2)に対して撮影されて得られた静止画像データについての蓄積データリストの提供を要求する蓄積データリスト要求を形成して送信する(ステップS57)。
デジタルスチルカメラ4(2)は、クレードル1を介して送信されてくるサーバ装置2からの、撮影されて得られた静止画像データについての蓄積データリスト要求を受信し、これに応じて、画像記憶部44に記憶保持している撮影されて得られた静止画像データについての蓄積データリストを無線通信部45a、送受信アンテナ45bを通じてサーバ装置2に対して送信する(ステップS58)。
この第4の例において、撮影されて得られた静止画像データについての蓄積データリストは、図56を用いて説明した蓄積データ(静止画像データ)のヘッダ情報に基づいて、図8を用いて説明したレイアウトに従って形成されたものである。
サーバ装置2は、クレードル1を介して送信されてくるデジタルスチルカメラ4(2)からの蓄積データリストを受信し、これを自機のHDD30の所定の領域に格納する(ステップS59)。そして、図59に示す処理に進む。
そして、この第3の例においては、サーバ装置2は、図58のステップS59において自己のHDD30に格納したメモモードで撮影して得た静止画像データについての蓄積データリストと、既に提供を受けて記憶保持しているメモモードで撮影して得た静止画像データについての蓄積データリストとの差分から、まだ提供を受けていない撮影されて得られた静止画像データを特定し、デジタルスチルカメラ4(2)に対して新規蓄積データの提供を要求する新規蓄積データ要求を形成して、これをクレードル1を通じてデジタルスチルカメラ4(2)に送信する(ステップS60)。
デジタルスチルカメラ4(2)は、クレードル1を介して送信されてくるサーバ装置2からの新規蓄積データ要求(撮影されて得られた静止画像データについての新規蓄積データ要求)を受信し、これに応じて、まだサーバ装置2に送信していない撮影されて得られた静止画像データを自己の画像記憶部44から抽出し、これをサーバ装置2に対して送信する(ステップS61)。ここでデジタルスチルカメラ4(2)からサーバ装置2に提供される蓄積データは、図56に示した構成の、撮影されて得られた静止画像データである。
サーバ装置2は、クレードル1を介して送信されてくるデジタルスチルカメラ4(2)からの蓄積データ(撮影されて得られた静止画像データ)を受信し、これを自機のHDD30の所定の領域に格納する(ステップS62)。
そして、この第4の例においては、サーバ装置2の制御部21は、住所データ作成部32を制御して、ステップ62においてHDD30に格納した撮影されて得られた静止画像データに付加されている位置データ(撮影位置データ)に基づいて、HDD30に格納されている詳細地図情報を参照し、名称、住所を特定し、これを付加した静止画像データ(図57に示したレイアウトの静止画像データ)を形成する処理を行う(ステップS95)。
この後、ステップS95において形成した住所等の情報が付加された静止画像データを外部I/F26a、入出力端26bを通じて出力する(ステップSS96)。この携帯電話端末4(1)宛のテキストデータは、クレードル1の入出力端14b、外部I/F14aを通じて受信され、無線通信部15a、送受信アンテナ15bを通じて携帯電話端末4(1)に送信される。
携帯電話端末4(1)は、送受信アンテナ66b、無線通信部66aを通じて、クレードル1を介して送信されてくるサーバ装置2からの住所等が付加された静止画像データテを受信し、これを自機のコンテンツ記憶部62に記録して、自機においても利用可能な状態にする(ステップS97)。
この後、第1の例の図28に示したステップS66〜ステップS72と同様の処理を行う。すなわち、クレードル1は、自機に載置されたモバイル機器に対する充電が完了した場合に当該充電処理を終了させ(ステップS66、ステップS67)、モバイル機器に対して、連携処理についての終了確認を行う(ステップS68、ステップS70)。
終了確認を受信したモバイル機器においては、自機において行うべき処理が終了していることを確認して、終了応答を送信してくるので(ステップS69、ステップS71)、クレードル1はこれを受信し、サーバ装置2に送信する。サーバ装置2においては、連携させる2つのモバイル機器からの終了応答を受信した場合には、当該連携処理は終了したと判断することができるので、図58のステップS56において行った連携機器登録を消去し(ステップS72)、テキストデータを用いる一連の連携処理を終了する。
[携帯電話端末とデジタルスチルカメラが静止画像データと撮影位置データとを介在させて連携する場合のデータ通信システムの各機器の処理について]
[クレードル1における処理について]
この第4の例の場合もまた、上述した第3の例の場合と同様に、データ通信システムを構成する携帯電話端末4(1)、デジタルスチルカメラ4(2)、クレードル1、サーバ装置2のうち、クレードル1において行われる処理は、図29を用いて説明した第1の例のクレードル1で行われる処理と同様の処理が行われることになる。このため、ここでは、図29を参照しながら、この第4の例におけるクレードル1の処理についてまとめる。
すなわち、この第4の例におけるクレードル1もまた、自機へのモバイル機器の載置を検出し(ステップS5101)、充電を行うようにすると共に(ステップS5102〜ステップS5104)、自機に載置されたモバイル機器に対して機器ID問い合わせを行って(ステップS5105)、これに応じて送信されてくる機器ID応答をサーバ装置2に転送する(ステップS5106)。
この後、クレードル1は、サーバ装置2と自機に載置されたモバイル機器との間のデータの送受の中継を行い(ステップS5107)、一連の中継処理の終了後、充電の終了確認を行って(ステップS5108、ステップS5109)、充電処理を終了させ(ステップS5110)、モバイル機器への終了確認の送信(ステップS5111)と、モバイル機器からの終了応答のサーバ装置2への中継処理を行って(ステップS5112)、クレードル1における連携のための処理を終了する。
[サーバ装置2における処理について]
図60は、この第4の実施の形態のデータ通信システムにおいて、図58〜図59を用いて説明した携帯電話端末4(1)とデジタルスチルカメラ4(2)が連携し、デジタルスチルカメラ4(2)が保持する撮影されて得られた静止画像データとこれに付加されている撮影位置データから撮影位置に存在する店や会社などの名所と住所とを付加した静止画像データを形成し、これを携帯電話端末4(1)においても利用できるようにする場合にサーバ装置2において行われる処理を説明するためのフローチャートである。この図60に示す処理は、サーバ装置2において電源が投入された状態にあるときに主に制御部21と送受信制御部27とによって実行される処理である。
電源が投入されると、サーバ装置2の送受信制御部27は、入出力端26b、外部I/F26aを通じて、クレードル1からのクレードル1に載置されたモバイル機器の機器ID報告を受信したか否かを判断する(ステップS9201)。ステップS9201の判断処理において、まだ機器ID報告を受信していないと判断したときには、ステップS9201からの処理を繰り返し、クレードル1に載置されたモバイル機器の機器ID報告の受信待ちとなる。
ステップS9201の判断処理において、クレードル1からの機器ID報告を受信したと判断したときには、制御部21は、既に受信済みの機器IDを把握しているので、複数のモバイル機器がクレードル1に載置された状態になったか否かを判断する(ステップS9202)。ステップS9202の判断処理において、まだ複数のモバイル機器がクレードル1に載置された状態になっていない(まだ、1台しか載置されていない)と判断したときには、ステップS9201からの処理を繰り返す。
ステップS9202の判断処理において、複数のモバイル機器がクレードル1に載置されたと判断したときには、制御部21は、図48を用いて説明したように、不揮発性メモリ214に形成される機器連携テーブルを参照し(ステップS9203)、クレードル1に載置された2台のモバイル機器の組み合わせが、連携させる機器の組み合わせとして機器連携テーブルに登録されているか否かを判断する(ステップS9204)。
ステップS9204の判断処理において、クレードル1に載置された2台のモバイル機器の組み合わせが、連携させる機器の組み合わせとして機器連携テーブルに登録されていないと判断したときには、モバイル機器間で連携させる処理は存在しないので、この図60に示す処理を終了させる。
また、ステップS9204の判断処理において、クレードル1に載置された2台のモバイル機器の組み合わせが、連携させる機器の組み合わせとして機器連携テーブルに登録されていると判断したときには、参照した機器連携テーブルの情報に基づいて、クレードル1に載置されたモバイル機器間で行う連携処理を特定し、当該2台のモバイル機器を連携する機器としてサーバ装置2の不揮発性メモリ214に登録する(ステップS9205)。
この第4の例の場合には、図53〜図59を用いて説明したように、機器1がGPS付デジタルスチルカメラ4(2)であり、機器2が携帯電話端末4(1)であるので、図48に示した5番目に登録された、「GPS付デジタルスチルカメラ(機器1)の撮影画像+撮影位置データから、住所データを付加した撮影画像を形成して携帯電話端末(機器2)に転送する処理」が実行する連携処理として特定され、機器1であるGPS付デジタルスチルカメラ4(2)と機器2である携帯電話端末4(1)とが連携する機器として不揮発性メモリ214に登録される。
そして、図51に示した処理のステップS9206以降の処理が、ステップS9205において特定された連携処理に応じた処理であり、図48に示した機器連携テーブルのプログラムIDによって特定されるプログラムによる処理となる。この例の場合、サーバ装置2の制御部21は、デジタルスチルカメラ4(2)宛の、撮影されて得られた静止画像データについての蓄積データリスト要求を形成し、これを送受信制御部27が、外部I/F26a、入出力端26bを通じて送信する(ステップS9206)。この蓄積データリスト要求は、上述もしたように、クレードル1を介して、デジタルスチルカメラ4(2)に送信される。
これに応じて、デジタルスチルカメラ4(2)からはクレードル1を介して撮影されて得られた静止画像データについての蓄積データリストが送信されてくるので、送受信制御部27は、外部I/F26aを制御し、デジタルスチルカメラ4(2)からの蓄積データリストを受信して、これをHDD30の所定の領域に格納する(ステップS9207)。
そして、制御部21は、HDD30に格納した蓄積データリストに基づいて、新規に蓄積された静止画像データを洗い出すようにする(ステップS9208)。具体的には、既にサーバ装置2に提供されている蓄積データリストとの差分を取ることにより、新たに蓄積されたサーバ装置2において未処理の静止画像データを洗い出すことができる。
そして、制御部21は、ステップS9208の洗い出し結果に基づいて、新規蓄積データ(サーバ装置2において未処理の静止画像データ)が存在するか否かを判断する(ステップS9209)。ステップS9209の判断処理において、例えば、撮影が全く行われておらず、撮影されて得られた静止画像データは存在しないと判断したときには、携帯電話端末4(1)に供給すべき静止画像データが存在しないので、ステップS9215の処理に進み、ステップS9205で不揮発性メモリ214に対して行った連携機器登録を消去して(ステップS9215)、この図60の処理を終了させる。
また、ステップS9209の判断処理において、新規蓄積データ(サーバ装置2において未処理の静止画像データ)が存在すると判断したときには、サーバ装置2の制御部21は、デジタルスチルカメラ4(2)宛の新規蓄積データ提供要求を形成し、これを送受信制御部27が、外部I/F26a、入出力端26bを通じて送信する(ステップS9210)。この新規蓄積データ提供要求は、上述もしたように、クレードル1を介して、デジタルスチルカメラ4(2)に送信される。
これに応じて、デジタルスチルカメラ4(2)からはクレードル1を介して新規蓄積データ(撮影されて得られた静止画像データ)が送信されてくるので、送受信制御部27は、外部I/F26aを制御し、デジタルスチルカメラ4(2)からの新規蓄積データを受信して、これをHDD30の所定の領域に記憶する(ステップS9211)。
そして、サーバ装置2の制御部21は、住所データ作成を制御し、HDD30に記憶した撮影されて得られた静止画像データに付加されている撮影位置データに基づいて、HDD30記憶保持している詳細地図情報を参照して、撮影位置の名称、住所を特定し、これを静止画像データに付加した送信用の静止画像データを形成する(ステップS9212)。この後、送受信制御部27は、外部I/F26aを制御して、携帯電話端末4(1)宛に送信すべき静止画像データ(撮影位置の名称、住所が付加された静止画像データ)を携帯電話端末4(1)に対して送信する(ステップS9213)。この携帯電話端末4(1)宛の静止画像データは、上述もしたように、クレードル1を介して携帯電話端末4(1)に送信される。
この後、サーバ装置2の制御部21は、連携機器である携帯電話端末4(1)とデジタルスチルカメラ4(2)からの終了応答を受信するまで待ち状態となり(ステップS9214)、携帯電話端末4(1)とデジタルスチルカメラ4(2)との両方からの終了応答を受信した場合には、ステップS9205で不揮発性メモリ214に対して行った連携機器登録を消去して(ステップS9215)、この図60の処理を終了させる。
[デジタルスチルカメラ4(2)における処理について]
この第4の例のデータ通信システムにおいて、図58〜図59を用いて説明した携帯電話端末4(1)とデジタルスチルカメラ4(2)が連携し、デジタルスチルカメラ4(2)が保持する静止画像データに付加された撮影位置データから撮影位置の名称、住所を特定し、この特定した名所、住所が付加された静止画像データを携帯電話端末4(1)においても利用できるようにする場合に、デジタルスチルカメラ4(2)において行われる処理は、図31を用いて説明した第1の例のデジタルスチルカメラ4(2)で行われる処理と同じである。このため、ここでは、図31を参照しながら、この第4の例におけるデジタルスチルカメラ4(2)の処理についてまとめる。
すなわち、この第4の例におけるデジタルスチルカメラ4(2)もまた、例えば充電モード等の、クレードル1に載置され、データ通信と充電処理とを行うようにする所定のモードとされた場合に、デジタルスチルカメラ4(2)の主に制御部41と送受信制御部47によって図31に示した処理を実行する。
まず、所定のモードに切り替えられると、送受信制御部47は、送受信アンテナ45b、無線通信部45aを通じて、クレードル1からの機器ID問合せの受信待ちとなる(ステップS5301)。
ステップS5301の判断処理において、クレードル1からの機器ID問合せを受信したと判断したときには、制御部41は、自機の例えばROM412に記憶保持されている機器IDや機器属性などの必要な情報を取得し、図7Cに示したような機器ID応答を形成して、これを無線通信部45a、送受信アンテナ45bを通じて送信する(ステップS5302)。この機器ID応答は、クレードル1を介してサーバ装置2に送信される。
そして、送受信制御部47は、送受信アンテナ45b、無線通信部45aを通じて、クレードル1を介して送信されてくるサーバ装置2からの、撮影されて得られた静止画像データについての蓄積データリスト要求を受信するようにする(ステップS5303)。そして、蓄積データリスト要求を受信したときには、制御部41は、サーバ装置2宛の静止画像データについての蓄積データリスを形成し、これを送受信制御部47が、無線通信部45aを制御して送信する(ステップS5304)。この蓄積データリストも、クレードル1を介してサーバ装置2に送信される。
そして、送受信制御部47は、送受信アンテナ45b、無線通信部45aを通じて、クレードル1を介して送信されてくるサーバ装置2からの新規蓄積データ要求を受信するようにする(ステップS5305)。そして、新規蓄積データ要求を受信したときには、制御部41は、要求された新規蓄積データ(撮影されて得られた静止画像データでまだサーバ装置に送信していないもの)を画像記憶部44から読み出し、これを送受信制御部47が、無線通信部45aを制御して送信する(ステップS5306)。この新規蓄積データも、クレードル1を介してサーバ装置2に送信される。
この後、送受信制御部47は、送受信アンテナ45b、無線通信部45aを通じて、クレードル1から送信される終了確認を受信するようにし(ステップS5307)、当該終了確認を受信したときには、連携処理が終了するまで待ち状態となり(ステップS5308)、一連の連携処理が終了していれば、制御部41は、終了応答を形成し、これを送受信制御部47が、無線通信部45aを制御して送信し(ステップS5309)、図31の処理を終了する。
このように、この第4の例において、デジタルスチルカメラ4(2)は、サーバ装置2からの要求に応じて、撮影されて得られた静止画像データをサーバ装置2に提供する処理を行う。
[携帯電話端末4(1)における処理について]
図61は、この第4の実施の形態のデータ通信システムにおいて、図58〜図59を用いて説明した携帯電話端末4(1)とデジタルスチルカメラ4(2)が連携し、デジタルスチルカメラ4(2)が保持する撮影されて得られた静止画像データとこれに付加されている撮影位置データから撮影位置に存在する店や会社などの名所と住所とを付加した静止画像データを形成し、これを携帯電話端末4(1)においても利用できるようにする場合に携帯電話端末4(1)において行われる処理を説明するためのフローチャートである。
この図61に示す処理は、モバイル機器である携帯電話端末4(1)が例えば充電モード等の、クレードル1に載置され、データ通信と充電処理とを行うようにする所定のモードとされた場合に、携帯電話端末4(1)の主に制御部61によって実行される処理である。
まず、所定のモードに切り替えられると、制御部61は、送受信アンテナ66b、無線通信部66aを通じて、クレードル1からの機器ID問合せを受信したか否かを判断する(ステップS9301)。ステップS9301の判断処理において、機器ID問合せを受信していないと判断したときには、ステップS9301からの処理を繰り返し、機器ID問合せの受信待ちとなる。
ステップS9301の判断処理において、クレードル1からの機器ID問合せを受信したと判断したときには、制御部41は、自機の例えばROM612に記憶保持されている機器IDや機器属性などの必要な情報を取得し、図7Cに示したような機器ID応答を形成して、これを制御部61が無線通信部66a、送受信アンテナ66bを通じて送信する(ステップS9302)。この機器ID応答は、クレードル1を介してサーバ装置2に送信される。
そして、制御部61は、送受信アンテナ66b、無線通信部66aを通じて、クレードル1を介して送信されてくるサーバ装置2からの名称や住所が付加された静止画像データを受信し、これをコンテンツ記憶部62に格納する(ステップS9303)。そして、コンテンツ記憶部62に記憶した静止画像データを、制御部61の制御に応じて読み出して利用できるようデータの形式を整えるなどの準備を行う(ステップS9304)。
この後、制御部61は、クレードル1から送信される終了確認を送受信アンテナ66b、無線通信部66aを通じて受信するようにし(ステップS9305)、当該終了確認を受信したときには、連携処理が終了するまで待ち状態となり(ステップS9306)、一連の連携処理が終了していれば、制御部61は、終了応答を形成し、これを無線通信部45aを制御して送信し(ステップS9307)、この図61の処理を終了する。
このように、この第4の例の場合には、携帯電話端末4(1)とGPS付デジタルスチルカメラ4(2)とが連携し、デジタルスチルカメラ4(2)で撮影することにより得られた撮影位置データ付きの静止画像データをサーバ装置2提供し、サーバ装置2において、撮影位置データから、撮影場所の名称と住所とを特定し、これを静止画像データに付加して携帯電話端末4(1)に自動的に提供し、携帯電話端末4(1)において撮影場所の名称や住所が付加された静止画像を利用することができるようにされる。
すなわち、ユーザーは、携帯電話端末4(1)とGPS機能付きのデジタルスチルカメラ4(2)とをクレードル1に載置するだけで、携帯電話端末4(1)のコンテンツ記憶部62に、名称、住所、静止画像からなる住所録を自動的に作成、これを利用することができるようにされる。
このように、この第2の実施の形態のデータ通信システムの場合には、第1〜第4の例として具体的に説明したように、クレードル1に載置されるモバイル機器間で連携を取り、ユーザーの手を煩わせることなく、モバイル機器において新たな機能を利用することができるようにされる。
また、上述した第2の実施の形態の第1〜第4の例は一例であり、その他の種々のモバイル機器間の連携を行うようにすることももちろんできる。
また、上述した第2の実施の形態の第1〜第4の例は、2つのモバイル機器間の連携を行うものとして説明したが、これに限るものではない。所定の2種類のモバイル機器から情報の提供を受けて、これを1つのデータにまとめて所定のモバイル機器に提供したり、1つのモバイル機器から提供を受けた情報を、複数のモバイル機器に提供したりすることも可能である。この場合には、図26、図37、図48を用いて説明した機器連携テーブルにおいて、連携機器を3つ以上にしたり、その連携処理内容を詳細に定めたりすることにより、2以上のモバイル機器間のより複雑な連携処理をも実現することが可能である。
また、上述した第2の実施の形態において、携帯電話端末、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラなどの携帯電子機器(モバイル機器)における通信手段は、図4、図34、54に示したデジタルスチルカメラの場合には、無線通信部45a及び送受信アンテナ45bが、図25に示した携帯電話端末の場合には、無線通信部66a及び送受信アンテナ66bが実現している。
また、携帯電子機における送信制御手段、受信制御手段は、図4、図34、54に示したデジタルスチルカメラの場合には、制御部41及び送受信制御部47が、図25に示した携帯電話端末の場合には、制御部61が実現している。また、携帯電子機器における準備手段、利用制御手段は、図4、図34、54に示したデジタルスチルカメラの場合には、制御部41が、図25に示した携帯電話端末の場合には、制御部62が実現するようにしている。また、携帯電子機器における記憶手段は、図4、図34、54に示したデジタルスチルカメラの場合には、画像記憶部44あるいはデータ記憶部54が、図25に示した携帯電話端末の場合には、コンテンツ記憶部62が実現するようにしている。
また、クレードル装置における第1の通信手段は、無線通信部15a及び送受信アンテナ15bが実現し、第2の通信手段は、外部I/F14a及び入出力端14bが実現し、接続検出手段は、載置検出部16が実現し、通知制御手段、中継制御手段は、制御部11及び送受信制御部17が実現している。
また、サーバ装置における通信手段は、外部I/F26a及び入出力端26bが実現し、第1、第2の送信制御手段、第1の受信制御手段は、制御部21及び送受信制御部27が実現するようにしている。また、判別手段は、制御部21が実現し、形成手段は、制御部21、及び、必要に応じて、書き戻しデータ作成部29や住所データ作成部が実現するようにしている。
また、図29に示したフローチャートの処理を実行するプログラムが、この発明に係る転送制御プログラムである。当該プログラムを形成し、これを図2に示した構成のクレードル1のROM112に記録して制御部11のCPU111において実行可能にしておくことになる。
また、図30、図41、図51、図60のそれぞれのフローチャートの処理を実行するプログラムが、この発明に係る通信制御プログラムである。当該プログラムを形成し、これを図3に示した構成のサーバ装置2のROM212に記録して制御部21のCPU211において実行可能にしておくことになる。
また、この第2の実施の形態においても、第1の実施の形態の場合と同様に、クレードル1に対して、複数のサーバ装置を接続するようにして使い分けるようにすることも可能である。
また、上述した第2の実施の形態においては、サーバ装置2のEEPROM214に形成される機器連携テーブルの登録情報にしたがって、モバイル機器間の連携処理を行うようにした。この機器連携テーブルは、ユーザーによって適宜修正したり、追加したりすることができるようにされる。
なお、連携させるモバイル機器がある程度限られている場合には、クレードル1の製造会社などによって、基本的な連携テーブルを作成して、CD−ROMなどの記録媒体に記録して提供し、これをサーバ装置2の所定のメモリに記録して用いるようにするなどのことが可能である。すなわち、連携させるモバイル機器の組み合わせや、連携処理の内容は、予め決められる場合もあるし、ユーザーが設定できる場合もある。
また、第1の実施の形態においても、また、第2の実施の形態においても、クレードル1とサーバ装置2とを一体に構成することももちろん可能である。
また、上述した第1、第2の実施の形態において、種々のモバイル機器4とクレードル1とは、接点を接触させることなく、充電及びデータ通信を行えるものとして説明したが、非接触に構成することは必須の要件ではない。例えば、種々のモバイル機器4とクレードル1との双方に、充電のための接点やデータ通信のための接点を設けておき、これらを通じて相互の機器が接続された場合に、充電やデータ通信を行うようにしてもよい。また、クレードル1と種々のモバイル機器4とをケーブルにより接続するように構成することも可能である。
また、データ通信は、光通信で行い、充電は上述した否接触の態様で行うようにしたりするなどのことももちろん可能である。
1…クレードル、11…制御部、12…時計回路、13…操作部、14a…外部I/F、14b…入出力端子、15a…無線通信部、15b…送受信アンテナ、16…載置検出部、17…送受信制御部、18…表示部、19…充電制御部、2…サーバ装置、21…制御部21、22…時計回路、23…操作部、24…リモコン信号受光部、25…リモコン、26a…外部I/F、26b…入出力端、27…送受信制御部、28…消去データ抽出部、29…書き戻しデータ作成部、30…ハードディスクドライバ、31a…表示I/F、31b…映像信号の出力端、32…住所データ作成部、4…モバイル機器、41…制御部、42…時計回路、43…操作部、44…画像記憶部、45a…無線通信部、45b…送受信アンテナ、46…撮像部、47…送受信制御部、48…画像消去制御部、49…表示部、50…バッテリ、51…無線充電制御部、52…音声再生部、53…スピーカ、54…データ記憶部、55a…GPS部、55b…GPSアンテナ、61…制御部、62…コンテンツ記憶部、63…キー操作部、64…バッテリ、65…無線充電制御部、66a…無線通信部、66b…送受信アンテナ、71…広域通信用の送受信アンテナ、72…アンテナ共用器、73…受信部、74…局発部、75…ベースバンド処理部、76…コーデック、77…受話器(スピーカ)、78…送話器(マイクロホン)、79…送信部、80…音楽再生部、81…音声出力端子、82…LCD、90…ヘッドホン、111、211、411…CPU、112、212、412…ROM、113、213、413…RAM、114、215、415…不揮発性メモリ114、115…CPUバス115