JP5034945B2 - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents
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Description
そして、P型ウエル領域以外の半導体基板からP型ウエル領域へのノイズの抑制をする必要がある半導体装置及びP型ウエル領域以外の半導体基板中の少数キャリヤー電流のP型ウエル領域への注入を抑制する必要がある半導体装置において、P型の半導体基板内のP型ウエル領域の周囲をN型ウエル領域で取り囲むトリプルウエル構造が採用されている。
そのような半導体装置の例としては、例えば、メモリ関連の半導体装置、及び、論理レベルが異なる複数の信号を扱う半導体装置等がある。
その結果、上記のようなチップ面積が増加するという問題が生じることがなく、半導体基板からのノイズ及び半導体基板中の少数キャリヤー電流の注入の防止の効果は維持しつつ、P型ウエル領域に所定の電位レベルが半導体基板から供給されている。(例えば、特許文献1)
特許文献1に記載したように、N型ウエル領域を貫通する貫通口を形成する場合には、その貫通口領域へのN型不純物の導入を行わないようにする必要がある(ケース1)。或いは、貫通口領域へ導入したN型不純物を補償するため、P型不純物を貫通口領域へ導入する必要がある(ケース2)。
そして、N型ウエル領域を貫通する貫通口を作成するために導入する不純物が、上部にあるP型ウエル表面に影響をしないようにするためには、以下の要件を満たす必要がある。ケース1の場合では、貫通口領域の境界線の外側では完全に不純物の導入を妨げない必要があり、一方、境界線の内側では完全に不純物の導入を遮断する必要がある。ケース2の場合では、上記の逆で、貫通口領域の境界線の外側では完全に不純物の導入を遮断する必要があり、一方、境界線の内側では完全に不純物の導入を妨げないようにする必要がある。
しかし、貫通口領域の境界に配置した、不純物導入防止のためのパターニングされたレジストをマスクとして、上記のようにするのは困難である。その結果、貫通口領域の境界部分において、不完全に導入された不純物がP型ウエル領域の底部からP型ウエル領域の表面までのあいだに分布する。従って、貫通口領域の境界部分のP型ウエル領域の不純物濃度は一定の濃度ではなくなる。その結果、貫通口領域の境界部分の不純物濃度の影響により、その貫通口領域の境界部分に形成されたトランジスタの特性は、トランジスタの端子間の電流リーク特性等に、悪影響を受ける。
そこで、本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、その主目的は、トランジスタの特性、例えば、端子間のリーク特性等を安定させる、トリプルウエルの構造を有する半導体装置を提供することにある。
上記の問題を解決するため、本発明に係る半導体装置は、第1導電型の半導体基板と、前記半導体基板の中に形成された第2導電型の第1ウエル領域とを備える。また、上記の半導体装置は、前記半導体基板の表面層に形成され、かつ、前記第1ウエル領域に接して形成された第1導電型の第2ウエル領域と、前記第2ウエル領域に形成された複数のトランジスタとを備える。また、上記の半導体装置は、前記第1ウエル領域を貫通して形成され、前記第2ウエルの底部において、前記第2ウエル領域と前記半導体基板とを電気的に導通する貫通口領域とを備える。そして、上記の半導体装置は、前記複数のトランジスタのうちの一部の複数のトランジスタが平面的に前記貫通口領域内に配置され、前記貫通口領域の境界が、前記一部の複数のトランジスタから、平面的にはなれて配置されていることを特徴とする。
以上より、本発明には以下の効果がある。
第1の発明によれば、半導体基板中に、第2導電型の第1ウエル領域が第1導電型の第2ウエル領域を取り囲むように配置されており、第2ウエル領域内にトランジスタが配置されている。また、第2ウエル領域の底部であって、第1ウエル領域中に半導体基板と導通する貫通口領域が形成されており、その貫通口領域の境界はトランジスタ間に一定の距離以上離れて配置されている。従って、第1の発明によれば、第2ウエル領域内のトランジスタは第1ウエル領域により、半導体基板からの電気的な影響を受けなくなるとともに、第2ウエル領域の電源を供給する貫通口領域の境からの影響も受けなくなるため、トランジスタの特性が安定した半導体装置を提供できる効果がある。
第2の発明によれば、第1の発明に係るウエル構造を有する半導体装置の製造方法を提供できる効果がある。
図1A、図1B、図1C、図2A、図2B、図3A、図3B、図3C、図3D、図4A、図4B、図4C、図5A、及び、図5Bを用いて実施例1を説明する。そして、本発明の実施例1はCMOSトランジスタを有する半導体装置のトリプルウエル構造に関するものである。
はじめに、図1A、図1B、及び、図1Cを用いて従来の半導体装置の問題点の詳細を説明する。そして、図1Aは、不純物の注入深さが浅いN型ウエル領域1、トリプルウエル構造を構成するP型ウエル領域2a、トリプルウエル構造ではないP型ウエル領域2b、不純物の注入深さが深いN型ウエル領域3、P型半導体基板4、MOSトランジスタのゲート電極及びチャネル領域5、ソース及びドレイン領域6、厚い酸化膜からなる素子分離領域7、P型ウエル領域と半導体基板を導通するための貫通口領域8、及び、トリプルウエル構造ではないP型ウエル領域2bに電位を供給するウエルタップ9を示す。また、図1Bは半導体基板15とレジスト16の断面を示しており、5E15/cm3を示す等濃度線11、2.5E16/cm3を示す等濃度線12、7.5E16/cm3を示す等濃度線13、2.25E17/cm3を示す等濃度線14、半導体基板15、レジスト16、レジスト16の断面形状が斜め形状である領域を示す点線17a、17b、及び、半導体表面の一定の範囲を示す矢印18をそれぞれ示す。また、図1Cは、レジスト16が存在する領域、点線17a、17bの位置、図1Bで示した半導体表面の矢印18、その半導体表面の矢印18にそった範囲において、半導体基板15の表面の不純物濃度を示したグラフ、及び、そのグラフ中の不純物濃度を示す折れ線20、をそれぞれ示す。なお、モンテカルロ法を使用した、計算機によるシミュレーションにより、不純物分布を求めた結果に基づいて、5E15/cm3を示す等濃度線11、2.5E16/cm3を示す等濃度線12、7.5E16/cm3を示す等濃度線13、2.25E17/cm3を示す等濃度線14、及び、不純物濃度を示す折れ線20を導出した。
図1Bは、不純物の注入深さが深いN型ウエル領域3及び貫通口領域8を形成する不純物注入工程時に、不純物の注入マスクとして、その貫通口領域8の境界部分に配置されたレジスト16と半導体基板15の断面を示している。また、図1Bは、不純物の注入深さが深いN型ウエル領域3及び貫通口領域8を形成するために、不純物を半導体基板の法線方向から注入した後に、不純物が示す濃度分布を等濃度線11、12、13、及び、14で示している。さらに、図1Bの点線17aはレジスト16の端を表す。図1Bの点線17bはレジスト16の厚さが不均一な領域と均一な領域の境目を表す。また、図1Bの矢印18は図1Cのグラフに示す横方向の範囲を示す。
一方、図1Bが示す点線17aと点線17bで挟まれる領域では、レジスト16中及び半導体基板中15に、縦方向に7.5E16/cm3を示す等濃度線13で囲まれた不純物領域が存在し、その不純物領域の両側に2.5E16/cm3等濃度線12で囲まれる不純物領域が存在する。
ここで、上記のような不純物領域は以下の理由により形成される。まず、点線17aと点線17bで挟まれる領域では、レジスト16の厚さは不均一であり、徐々に厚くなっている。すなわち、レジスト16の断面形状は斜めとなっている。そうすると、レジストに衝突した不純物の注入エネルギーはレジスト16の厚さに応じて減少するため、レジスト16が充分厚い場所では、不純物は主にレジスト16にとどまるものの、レジスト16が薄い場所では、不純物は主にレジストを透過して基板に達する。そして、レジスト16により減少した注入エネルギーに応じて、不純物の半導体基板15への注入深さの平均値は異なるものとなる。従って、基板に達した不純物は、レジスト16がない領域における高濃度不純物領域がある1.5μmの深さから表面までの間に分散することになるため、縦方向の不純物領域が形成されることになる。一方、レジスト16の端の斜め部分にとどまった不純物も、斜め部分の形状に沿って分布することとなるため、レジスト16中に縦方向の不純物領域を形成することとなる。
半導体基板15の表面上にレジスト16が存在する領域であり、かつ、点線17aと点線17bで挟まれる領域以外の領域では、ほぼ、レジスト16の厚さは均一である。そうすると、不純物はレジスト中で止まり、レジスト16中に、2.25E17/cm3の等濃度線14で囲まれた、レジスト16表面から2.0μm程度の位置を中心とした帯状の高濃度不純物領域ができる。また、その高濃度不純物領域を挟むようにその上下方向には、7.5E16/cm3を示す等濃度線13、2.5E16/cm3を示す等濃度線12、及び5E15/cm3を示す等濃度線11で囲まれた不純物領域ができる。
図1A、図1B、及び、図1Cによれば、不純物の注入深さが深いN型ウエル領域3の中に貫通口領域8を形成するときに、半導体基板へのN型の不純物注入を、貫通口領域8の境目において、完全に遮断することはできないため、トリプルウエル構造を構成するP型ウエル領域2aの表面には図1Cのグラフに示す不純物分布が形成される。そうすると、従来のトリプルウエル構造では、貫通口領域8の境界部分と重なった、トリプルウエル構造を構成するP型ウエル領域2a中のMOSトランジスタの特性が、他のMOSトランジスタの特性と比較して不安定となる問題がある。例えば、貫通口領域8の境界部分と重なった、トリプルウエル構造を構成するP型ウエル領域2a中のMOSトランジスタの特性の内、ソース端子とドレイン端子間のリーク特性が悪化する等の問題がある。P型ウエル領域2aのP型不純物の働きは、N型不純物により相殺されるため、P型ウエル領域2a中のP型不純物濃度が低下したのと同様な状態となる。その結果、貫通口領域8の境界部分にあるP型ウエル領域2aの部分とソース及びドレイン領域6とで形成されるP−Nジャンクションの電気的な耐圧が劣化するからである。
また、P型ウエル領域の底部にある、N型ウエル領域を貫通する貫通口領域の大きさ、貫通口領域の配置場所により、P型ウエル領域への給電が不安定となり、P型ウエル領域上のトランジスタの特性が不安定となる。
さらに、深いN型ウエル領域と貫通口領域を形成するには、深いN型ウエル領域に高エネルギーでN型不純物を注入することになり、微細パターンを形成することは困難である。従って、一般的に貫通口領域の大きさはトランジタ全体の大きさと比較して大きくなることは避けがたい。そこで、特許文献1に記載したように、トランジスタの直下を避けて貫通口領域を配置すると、P型ウエル領域を貫通口領域の分だけ大きくすることになり、P型ウエル領域の小型化が困難である。
trench isolation)30、ウエルタップ32、貫通口領域の境界33、及び、MOSトランジスタ34の配置を平面的に示したものである。また、図2Aは貫通口領域25の内側にはMOSトランジスタ34を画定するフィールド領域28、MOSトランジスタ34のゲート電極29、MOSトランジスタ34、及び、ウエルタップ32の電気的な絶縁を行うSTI30が形成されていることを示す。そして、上記のN型ウエル領域はP型半導体基板21内に形成されている。P型ウエル領域23はN型ウエル領域の内側に形成されている、すなわち、N型ウエル領域に囲まれている。貫通口領域25はP型ウエル領域23aの内側に配置されており、P型ウエル領域23aとP型半導体基板21を電気的に接続する領域である。さらに、不純物の注入深さが深いN型不純物領域22及び貫通口領域25の境界領域33とMOSトランジスタ34は平面的に離間している。ここで、貫通口領域25の境界領域33とMOSトランジスタ34との距離は、図1Cに示す原点からN型不純物濃度が所定の濃度まで低下するまでの距離である。なお、所定の濃度まで低下する距離とは、N型不純物がMOSトランジスタ34に影響を与えない濃度まで低下する距離をいい、例えば、図1Cに示す原点からN型不純物濃度が約2E16/cm3に低下する点までの距離をいう。
図3A、図3B、図3C、図3D、図4A、図4B、図4C、及び、図4Dは半導体基板35、不純物の注入深さが深いN型不純物領域36、レジスト開口パターン37、STI38、レジスト開口パターン39、不純物の注入深さが浅いN型不純物領域40、ポリシリコン層及びゲート酸化膜41、レジストパターン42、MOSトランジスタのゲート電極43、MOSトランジスタのソース・ドレイン44、貫通口領域45、トリプルウエル構造を構成するP型ウエル領域46a、トリプルウエル構造を構成しないP型ウエル領域46b、レジストパターン47、及び、ウエルタップ48をそれぞれ示す。
mechanical polishing)にて除去するとSTI38が完成する。
ただし、レジスト開口パターン37が貫通口領域45を遮蔽するレジストパターン部分を有しなくても、貫通口領域45を形成することができる。その際、貫通口領域45の形成は以下のようにして行う。まず、不純物の注入深さが深いN型不純物領域36にN型不純物をイオン注入する。その際、貫通口領域45にも、N型不純物が導入される。そこで、再び、レジストを塗布し、フォトリソグラフィー工程をおこなって、貫通口領域45に対応する部分が開口されている、レジストパターンを形成し、N型不純物を補償するP型の不純物を注入する。その結果、不純物の注入深さが深いN型不純物領域36中にP型の不純物の補償により、貫通口領域45が出来上がる。
図4Aは、MOSトランジスタのゲート電極43の形成に用いるレジストパターン42を作成したところを示す図である。レジストパターン42を作成する前に、レジスト開口パターン39を除去し、ゲート酸化を行い、ポリシリコン層を堆積させ、ポリシリコン層及びゲート酸化膜41を形成する。次に、レジストを塗布し、フォトリソグラフィー工程を行って、MOSトランジスタのゲート電極43の形成に用いるレジストパターン42を作成する。
図4Dは、P型ウエル領域46bにウエルタップ48を形成したところを示す図である。ウエルタップ48を形成するには、まず、レジストを塗布し、フォトリソグラフィー工程を行うことにより、ウエルタップ48形成するためのレジストパターンを形成する。そして、そのレジストパターンをマスクにウエルタップ48形成のための不純物をイオン注入する。次に、レジストパターンを除去し、熱処理を行って、ウエルタップ48を形成する。
また、P型ウエル領域の底部にある、N型ウエル領域を貫通する貫通口領域の大きさは、MOSトランジスタを含む程に大きい。また、貫通口領域の配置場所はMOSトランジスタの直下にある。従って、貫通口領域がP−Nジャンクションに起因する空乏層の広がりにより、閉じることがなく、P型ウエル領域への給電が安定する。また、給電が安定することにより、P型ウエル領域上のトランジスタの特性が安定となる。
さらに、トランジスタの直下に貫通口領域を配置することができ、トランジスタと貫通口領域とを平面的に重ねることにより、貫通口領域を独立に設ける場合に比較して、P型ウエル領域の小型化が容易である。
なお、上記の実施例1においては、トリプルウエル構造を構成するP型ウエル領域内にMOSトランジスタが形成されており、貫通口領域の境界領域が、MOSトランジスタの特性に、悪影響を及ぼすと記載している。一方、実施例1の貫通口領域の境界領域は、MOSトランジスタ以外のトランジスタ、例えば、バイポーラトランジスタの動作にも悪影響を及ぼすことが考えられる。P型ウエル領域の貫通口の境界部分において、N型不純物の作用による、P−Nジャンクションの耐圧の低下は、バイポーラトランジスタ等に対しても、端子間のリーク特性の悪化の原因となり得るからである。そこで、実施例1のように、トランジスタと貫通口領域の境界領域を平面的に離間させることは、MOSトランジスタ以外のトランジスタに対しても有効であることはいうまでもない。
図5A、図5B、図6A、図6B、及び、図6Cを用いて、実施例2を説明する。実施例2は複数のN型MOSトランジスタがP型ウエル領域内に作成されており、貫通口領域の境界がN型MOSトランジスタの間に配置されている実施例である。
図5Aは実施例2の半導体装置の平面図であり、図5Bは実施例2の半導体装置の断面図を示す。図5Aは不純物の注入深さが深いN型不純物領域と不純物の注入深さが浅いN型不純物領域が平面的に重なっている領域50、N型MOSトランジスタ51、貫通口領域52、及び、P型ウエル領域と不純物の注入深さが深いN型不純物領域が平面的に重なっている領域53をそれぞれ示す。なお、N型MOSトランジスタ51のゲート電極、ソース・ドレイン等の構造は省略し、N型MOSトランジスタ51全体は長方形で代表した。
図5Bは、図5Aの平面図に示したA−B線における断面図であり、P型半導体基板57の表面から内部に広がる不純物の注入深さが浅いN型不純物領域56、P型半導体基板57の表面から内部に広がるP型ウエル領域54、N型不純物領域56とP型ウエル領域54の底部にある不純物の注入深さが深い不純物領域55、及び、P型ウエル領域54の底部にあって、不純物の注入深さが深い不純物領域55を貫通する貫通口領域52、及び、P型ウエル領域54上にあるN型MOSトランジスタ51をそれぞれ示す。なお、不純物の注入深さが浅いN型不純物領域56と不純物の注入深さが深い不純物領域55とはN型ウエル領域を形成し、P型ウエル領域54を取り囲んでいる。
また、MOSトランジスタ領域と貫通口領域とを重ねることができるため、別に貫通口領域を独立してとる必要はなく、MOSトランジスタ領域と貫通口領域の双方を含むP型ウエル領域54の面積を縮小することができる。
図6Bは図6AのA−B線部分の断面図であり、P型半導体基板68の表面から内部に広がる不純物の注入深さが浅いN型不純物領域67、P型半導体基板68の表面から内部に広がるP型ウエル領域65、N型不純物領域67とP型ウエル領域65の底部にある不純物の注入深さが深い不純物領域66、及び、P型ウエル領域65の底部にあって、不純物の注入深さが深い不純物領域55を貫通する貫通口領域63、及び、P型ウエル領域65上にあるN型MOSトランジスタ61を示す。なお、不純物の注入深さが浅いN型不純物領域67と不純物の注入深さが深い不純物領域66とはN型ウエル領域を形成し、P型ウエル領域65を取り囲んでいる。
図6Cは図6AのC−D線部分の断面図である。そして、図6Aと図6Bとを比較すると、P型ウエル領域65が示されていない点、及び、P型ウエル領域65上にあるN型MOSトランジスタ61に代わって、不純物の注入深さが浅いN型不純物領域67上にあるP型MOSトランジスタ62が示されている点で異なる。しかし、その他の点では、図6Aは図6Bと同様である。
そして、図6A、図6B、及び、図6Cに示す実施例2の変形例はP型MOSトランジスタを貫通口領域63に含む点で、実施例2とは異なる。しかし、その他の構造、配置については、実施例2と同様である。
また、MOSトランジスタ領域と貫通口領域とを重ねることができるため、MOSトランジスタ領域と貫通口領域の双方を含むP型ウエル領域54の面積を縮小することができる。
図7及び図8を用いて実施例3を説明する。実施例3はMOSトランジスタから構成されるSRAMセルを有する半導体装置に関する実施例である。
図7は実施例3の半導体装置のSRAMセルのレイアウトについて説明する平面図である。そして、図7はワード線70、VDD線71、ビット線72、GND線73、MOSトランジスタのゲート電極74、フィールド領域75、コンタクト76、N型MOSトランジスタ77、N型MOSトランジスタ78、P型MOSトランジスタ79、P型MOSトランジスタ80、N型MOSトランジスタ81、N型MOSトランジスタ82、P型ウエル領域83、N型ウエル領域84、及び、SRAMセル85を示す。
ここで、上記の接続により、N型MOSトランジスタ78とP型MOSトランジスタ79はインバータ回路を形成する。N型MOSトランジスタ81とP型MOSトランジスタ80はインバータ回路を形成する。そして、双方のインバータ回路はクロス接続をしている。また、N型MOSトランジスタ77及びN型MOSトランジスタ82はSRAMセルのトランスファーゲートを形成する。
N型ウエル領域84とP型ウエル領域83は、平面的には列方向に長い長方形の領域であり、平面的には交互に配置されている。ここで、N型ウエル領域84の幅は、例えば、約0.5μm程度である。また、P型ウエル領域83の幅は、例えば、約0.7μm程度である。従って、N型ウエル領域84は平面的にはP型ウエル領域83に分離されている。しかし、P型ウエル領域83はN型ウエル領域84内に形成されており、N型ウエル領域84はP型ウエル領域83領域の底部のN型不純物の注入深さが深い領域により接続されている。すなわち、N型ウエル領域84はSRAMセル85を含むSRAMセルマトリックス全体を囲む領域である。
ワード線70は、配線層から構成されており、SRAMセル85を構成するN型MOSトランジスタ77のゲート電極74、及び、N型MOSトランジスタ82のゲート電極74と接続する。そして、ワード線70は、SRAMセルの記憶部分へ、N型MOSトランジスタ77及びN型MOSトランジスタ82を通じて、ビット線信号を取り込むためのデコード信号を伝える役割を果たす。
そして、図8はフィールド領域87、ゲート電極88、低電圧電源89、高電圧電源90、ビット線91、N型MOSトランジスタ92、N型MOSトランジスタ93、P型MOSトランジスタ96、P型MOSトランジスタ97、N型MOSトランジスタ98、N型MOSトランジスタ99、貫通口領域100、P型ウエル領域101及びN型ウエル領域102を示す。
そして、フィールド領域87とゲート電極88とはMOSトランジスタを構成する点は図6と同様である。また、低電圧電源89、高電圧電源90、ビット線91、N型MOSトランジスタ92、N型MOSトランジスタ93、P型MOSトランジスタ96、P型MOSトランジスタ97、N型MOSトランジスタ98、及び、N型MOSトランジスタ99はSRAMセルを構成する点は図7と同様である。
そこで、貫通口領域100は上下に対象な2つのSRAMセル領域を包含するように設定されている。2つのSRAMセルを包含するようにしたのは、上下のSRAMセルの特性を揃えるためである。ここで、貫通口領域100の大きさは、例えば、1.0μm×1.4μm程度の矩形である。また、N型ウエル領域101の幅は、例えば、約0.5μm程度である。また、P型ウエル領域102の幅は、例えば、約0.7μm程度である。そして、貫通口領域100の境界部分はSRAMセルを構成するMOSトランジスタ間に配置されている。さらに、貫通口領域100の境界部分とMOSトランジスタとの距離は、図1Cに示す原点からN型不純物濃度が所定の濃度まで低下するまでの距離であることが望ましい。なお、所定の濃度まで低下する距離とは、N型不純物がMOSトランジスタに影響を与えない濃度まで低下する距離をいい、例えば、図1Cに示す原点からN型不純物濃度が約2E16/cm3に低下する点までの距離をいう。
また、Nウエル領域はSRAMセルマトリック全体を含み、貫通口領域100に比較して、大きな領域を占めている。さらに、P型ウエル領域もSRAMセルのほぼ一列分の面積を占めており、貫通口領域100に比較して大きい領域を占める。一方、貫通口領域100はP型ウエル領域の一部を占めるにすぎない。従って、実施例3のトリプルウエル構造によって、半導体基板から、P型ウエル領域への少数キャリヤー電流の注入を抑制することができ、かつ、P型ウエル領域の給電を貫通口領域100から行うことができる。その結果、SRAMセルマトリックス全体は少数キャリヤー電流の注入から保護される。また、SRAMセルと貫通口領域100とは平面的に重なることが可能となるため、貫通口領域100を独立に設ける必要がなく、P型ウエル領域の面積を縮小することができる。
図9を用いて、実施例4を説明する。実施例4は実施例3と同様にSRAMセルを有する半導体装置に関する実施例であるが、SRAMセルの構造が異なるものである。
図9は実施例4の半導体装置を示す図である。そして、図9はフィールド領域105、106、ゲート電極107、108、N型ウエル領域109、P型ウエル領域110、P型MOSトランジスタ111、112、N型MOSトランジスタ113、114、115、116、貫通口領域117を示す。
所定のフィールド領域105、及び、所定のMOSトランジスタのゲート電極107、108を一定の規則に配置することにより、MOSトランジスタを一定の規則性をもって、マトリックス状態に敷きつめることができる。ゲート電極107、108とフィールド領域105、106の重なる領域にはMOSトランジスタが構成されるからである。
そして、上記のMOSトランジスタ、例えば、P型MOSトランジスタ111、112、及び、N型MOSトランジスタ113、114、115、116は、図8の太線で示したように、配線層により接続することで、SRAMセルを構成する。そして、P型MOSトランジスタ111、112はN型ウエル領域109内に配置されている。N型MOSトランジスタ103、104、105、106はP型ウエル領域110内に配置されている。なお、N型MOSトランジスタ113とP型MOSトランジスタ111はインバータ回路を形成する。N型MOSトランジスタ114とP型MOSトランジスタ112はインバータ回路を形成する。そして、双方のインバータ回路はクロス接続をしている。また、N型MOSトランジスタ115、116はSRAMセルのトランスファーゲートを形成する。
なお、実施例4のフィールド領域105は、英語のCの開口側を軸として、左右対象的に2つ並べた形状で近似される形状である。また、実施例4のフィールド領域106は、英語のCの背面側を軸として、左右対象的に2つ並べた形状で近似される形状である。そして、フィールド領域105は行方向に連続的に並べられており、フィールド領域105行を形成する。また、フィールド領域106は行方向に連続的に並べられており、フィールド領域106行を形成する。さらに、フィールド領域105行とフィールド領域106行は交互に配列されている。
ゲート電極107は隣接するフィールド領域105とフィールド領域106の双方に交差する程度の長さの棒状のパターンを含む。そして、隣接するフィールド領域105とフィールド領域106の双方に交差する向きに配置され、かつ、行方向に連続して配置されている。
貫通口領域117は4つのSRAMセルを含む四角形の形状をしており、SRAMセルを構成するMOSトランジスタ間に貫通口領域97の境界が配置されている。ここで、貫通口領域117の大きさは、例えば、1.7μm×1.7μm程度の矩形である。そして、貫通口領域117の境界はSRAMセルを構成するMOSトランジスタ間に配置されている。さらに、貫通口領域117の境界部分とMOSトランジスタとの距離は、図1cに示す原点からN型不純物濃度が所定の濃度まで低下するまでの距離であることが望ましい。なお、所定の濃度まで低下する距離とは、N型不純物がMOSトランジスタに影響を与えない濃度まで低下する距離をいい、例えば、図1cに示す原点からN型不純物濃度が約2E16/cm3に低下する点までの距離をいう。
ゲート電極108は行方向に連続的に、連結されており、SRAMセルのワード線の役割を果たす。また、ビット線は、配線層で形成されている配線である。また、ビット線はゲート電極108間に挟まれたフィールド領域105を接続しながら、上記のワード線に平行にSRAMセル上を走る配線である。
低電圧の電源線は、配線層で形成されている配線である。また、低電圧の電源線は、ゲート電極107間に挟まれたフィールド領域106を接続しながら、ビット線及びワード線に平行にSRAMセル上を走る配線である。高電圧の電源線は、配線層で形成されている配線である。また、高電圧の電源線は、ゲート電極107間に囲まれたフィールド領域106を接続しながら、低電圧の電源線に平行にSRAMセル上を走る配線である。
また、Nウエル領域はSRAMセルマトリック全体を含み、貫通口領域117に比較して、大きな領域を占めている。さらに、P型ウエル領域もSRAMセルのほぼ一列分の面積を占めており、貫通口領域117に比較して大きい領域を占める。一方、貫通口領域117はP型ウエル領域の一部を占めるにすぎない。従って、実施例4のトリプルウエル構造によって、半導体基板から、P型ウエル領域への少数キャリヤー電流の注入を抑制することができ、かつ、P型ウエル領域の給電を貫通口領域117から行うことができる。その結果、SRAMセルマトリックス全体は少数キャリヤー電流の注入から保護される。また、SRAMセルと貫通口領域117とは平面的に重なることとなるため、貫通口領域117を独立に設ける必要がなく、P型ウエル領域の面積を縮小することができる。
第2の発明によれば、第1の発明に係るウエル構造を有する半導体装置の製造方法を提供できる効果がある。
1 不純物の注入深さが浅いN型ウエル領域
2a トリプルウエル構造を構成するP型ウエル領域
2b トリプルウエル構造ではないP型ウエル領域
3 不純物の注入深さが深いN型ウエル領域
4 P型半導体基板
5 MOSトランジスタのゲート電極及びチャネル領域
6 ソース及びドレイン領域
7 厚い酸化膜からなる素子分離領域
8 貫通口領域
9 ウエルタップ
11 5E15/cm3を示す等濃度線
12 2.5E16/cm3を示す等濃度線
13 7.5E16/cm3を示す等濃度線
14 2.25E17/cm3を示す等濃度線
15 半導体基板
16 レジスト
17a、17b 点線
18 矢印
19 不純物濃度を示したグラフ
20 不純物濃度を示す折れ線
21 P型半導体基板
22 不純物の注入深さが深いN型不純物領域
23a、23b P型ウエル領域
24 不純物の注入深さが浅いN型不純物領域
25 貫通口領域
28 MOSトランジスタを画定するフィールド領域
29 MOSトランジスタのゲート電極
30 STI(shallow trench isolation)
33 境界領域
34 MOSトランジスタ
35 半導体基板
36 不純物の注入深さが深いN型不純物領域
37、39 レジスト開口パターン
38 STI
40 不純物の注入深さが浅いN型不純物領域
41 ポリシリコン層及びゲート酸化膜
42、47 レジストパターン
43 ゲート電極
44 ソース・ドレイン
45 貫通口領域
46a、46b P型ウエル領域
47 レジストパターン
48 ウエルタップ
50 N型不純物領域と不純物の注入深さが浅いN型不純物領域が平面的に重なっている領域
51 N型MOSトランジスタ
52 貫通口領域
53 P型ウエル領域と不純物の注入深さが深いN型不純物領域が平面的に重なっている領域
54 P型ウエル領域
55 不純物の注入深さが深い不純物領域
56 N型不純物領域
57 P型半導体基板
58 平面図
59 断面図
60 不純物の注入深さが深いN型不純物領域と不純物の注入深さが浅いN型不純物領域が平面的に重なっている領域
61 N型MOSトランジスタ
62 P型MOSトランジスタ
63 貫通口領域
64 P型ウエル領域と不純物の注入深さが深いN型不純物領域が平面的に重なっている領域
65 P型ウエル領域
66 不純物の注入深さが深い不純物領域
67 N型不純物領域
68 P型半導体基板
70 ワード線
71 VDD線
72 ビット線
73 GND線
74 MOSトランジスタのゲート電極
75 フィールド領域
76 コンタクト
77、78、81、82 N型MOSトランジスタ
79、80 P型MOSトランジスタ
83 P型ウエル領域
84 N型ウエル領域
85 SRAMセル
87 フィールド領域
88 ゲート電極
89 低電圧電源
90 高電圧電源
91 ビット線
92、93、98、99 N型MOSトランジスタ92
96、97 P型MOSトランジスタ
100 貫通口領域
101 P型ウエル領域
102 N型ウエル領域
105、106 フィールド領域
107、108 ゲート電極
109 N型ウエル領域
110 P型ウエル領域
111、112 P型MOSトランジスタ
113、114、115、116 N型MOSトランジスタ
117 貫通口領域
Claims (8)
- 第1導電型の半導体基板と、
前記半導体基板の中に形成された第2導電型の第1ウエル領域と、
前記半導体基板の表面層に形成され、かつ、前記第1ウエル領域に接して形成された第1導電型の第2ウエル領域と、
前記第2ウエル領域に形成された複数のトランジスタと、
前記第1ウエル領域を貫通して形成され、前記第2ウエル領域の底部において、前記第2ウエル領域と前記半導体基板とを電気的に導通する貫通口領域とを備え、
前記複数のトランジスタのうちの一部の複数のトランジスタが平面的に前記貫通口領域内に配置され、前記貫通口領域の境界が、前記一部の複数のトランジスタから、平面的にはなれて配置されていることを特徴とする半導体装置。 - 前記貫通口領域内に配置された複数のトランジスタは、N型MOSトランジスタ及びP型MOSトランジスタを含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
- 前記第1ウエル領域は、
前記半導体基板の表面層に形成された前記第2の導電型の不純物を含む第1の不純物領域と、
前記第1の不純物領域とは別の工程により、前記第2ウエル領域の底部から前記半導体基板内に向けて形成された前記第2の導電型の不純物を含む第2の不純物領域とを備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置。 - 前記貫通口領域は、平面的に前記第1ウエル領域及び前記第2ウエル領域にまたがるように、前記第2の不純物領域内に形成されていることを特徴とする請求項3に記載の半導体装置。
- 前記トランジスタと前記貫通口領域の境は、前記第2ウエル領域の表面において、前記貫通口領域を形成するために注入した不純物の不純物濃度が、前記貫通口領域の境界における不純物濃度に比較し、所定の不純物濃度まで低下するまではなれていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の半導体装置。
- (イ)第1導電型の半導体基板を準備する工程と、
(ロ)第2導電型の不純物を前記半導体基板の第1ウエル領域に注入する工程と、
(ハ)底部が前記第1ウエル領域に接する第2ウエル領域へ第1導電型の不純物を注入する工程と、
(ニ)前記第2ウエル領域内に複数のトランジスタを形成する工程とを含む半導体装置の製造方法であって、
前記第1ウエル領域は、前記半導体基板と同電位の貫通口領域を有し、
前記複数のトランジスタのうちの一部の複数のトランジスタは、平面的に前記貫通口領域内に形成され、前記貫通口領域の境界が前記一部の複数のトランジスタから、平面的にはなれて配置されていることを特徴とする半導体装置の製造方法。 - さらに、
(ホ)前記貫通口領域に第1導電型の不純物を注入する工程を含むことを特徴とする請求項6に記載の半導体装置の製造方法。 - 第1導電型の半導体基板の表面を含む前記半導体基板内に、第2導電型の第1ウエル領域を形成する工程と、
前記半導体基板の表面を含む前記半導体基板内に、前記第1ウエル領域内に第1導電型の第2ウエル領域を形成する工程と、
前記第2ウエル領域内に複数のトランジスタを形成する工程と、
を備え、
前記第1ウエル領域を形成する際に、前記第1ウエル領域を貫通し、前記第2ウエル領域の底部と前記半導体基板とを電気的に導通する貫通口領域を形成し、
前記複数のトランジスタのうちの一部の複数のトランジスタは、平面的に前記貫通口領域内に形成され、前記貫通口領域の境界が前記一部の複数のトランジスタから、平面的にはなれて配置されていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
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