JP4777082B2 - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents
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Description
トリプルウエル構造とは、例えば、P型シリコン基板内に、P型ウエル領域と、N型ウエル領域と、N型ウエル領域で囲まれたP型ウエル領域とが形成されている状態をいう。
そして、トリプルウエル構造を採用する理由の一つは、N型ウエル領域内に形成されたMOSトランジスタのバックバイアス電位の安定性、及び、N型ウエル領域で囲まれたP型ウエル領域内に形成されたMOSトランジスタのバックバイアス電位の安定性が確保されることにある。また、トリプルウエル構造を採用する他の理由は、P型ウエル領域及びP型シリコン基板中に発生した少数キャリヤーがMOSトランジスタ等に注入するのを抑制することにある。その結果、CMOS回路の安定動作、及び、フリップフロップ等のメモリ機能を有する回路におけるデータ保持特性の向上が達成されている。
そこで、N型ウエル領域で囲まれたP型ウエル領域の底部に接続し、N型ウエル領域を貫通して、N型ウエル領域の底部にあるP型不純物領域に達する、P型不純物が導入されている貫通領域を設けることが提案された(例えば、特許文献1)。
従って、N型ウエル領域で囲まれたP型ウエル領域に電位を供給する端子を、上記のPウエル領域内にある半導体基板の表面に配置する必要がない。そうすると、N型ウエル領域で囲まれたP型ウエル領域が大きくなることがない。
すなわち、初めに、P型シリコン基板内に、N型ウエル領域、及び、そのN型ウエル領域を貫通する、P型不純物が導入されている貫通領域を形成する工程を行う。次に、複数のP型ウエル領域をN型ウエル領域内に形成する工程を行うことにより、上記の半導体装置は形成される。
そこで、上記のN型ウエル領域内に、お互いに一定の間隔となるように上記の貫通領域が配置されているとすると、任意の形状のP型ウエル領域を、任意の位置に配置した場合に、貫通領域とP型ウエル領域が重ならない場合が想定される。その場合、P型ウエル領域のウエル電位が貫通領域を通じて供給されなくなる問題が生じる。
従って、本発明の目的は、N型ウエル領域内に配置され、P型ウエル領域と半導体基板を電気的に接続する貫通領域と、N型ウエル領域内に配置される複数のP型ウエル領域が容易に重なり電位供給路が容易に確保されるように、貫通領域が配置されている半導体装置を提供することにある。
実施例1の半導体装置は、N型ウエル領域1、N型ウエル領域1内のP型ウエル領域2a、N型ウエル領域1外のP型ウエル領域2b、貫通領域3、半導体基板4a、および、P型ウエル領域2bに電位を与える端子4bから構成されている。
P型ウエル領域2bに電位を与える端子4bは、N型ウエル領域1外のP型ウエル領域2b内に配置されている。すなわち、P型ウエル領域2bに電位を与える端子4bは半導体基板4aと電気的にオーミックに接続された場所に配置されている。また、半導体基板4aと同様の導電型の不純物が導入されている。
N型ウエル領域1は、例えば、矩形の領域である。また、N型ウエル領域1は複数のP型ウエル領域2aを含む。そして、N型ウエル領域1には、N型不純物が導入されている。
P型ウエル領域2aは矩形の領域である。また、P型ウエル領域2aはN型ウエル領域1に内包されている。すなわち、P型ウエル領域2aは、平面的にも、半導体基板の深さ方向においても、N型ウエル領域1に囲まれている。また、P型ウエル領域2aには、P型不純物が導入されている。
そして、実施例1の半導体装置は、N型ウエル領域1、N型ウエル領域1内のP型ウエル領域2a、N型ウエル領域1外のP型ウエル領域2b、貫通領域3、半導体基板4a、及び、P型ウエル領域2bに電位を与える端子4bに加え、素子分離領域5をさらに含む。
N型ウエル領域1は、半導体基板4a表面から半導体基板4aの深さ方向へ向けて形成されている。また、N型ウエル領域1の深さはP型ウエル領域2aの深さより深い。
P型ウエル領域2aは、半導体基板4a表面から半導体基板4aの深さ方向へ向けて形成されている。そして、P型ウエル領域2aは、N型ウエル領域1に内包されており、N型ウエル領域1の深さより、P型ウエル領域2aの深さは浅い。
P型ウエル領域2bは、N型ウエル領域1の外にある。そして、P型ウエル領域2bは半導体基板4a表面から半導体基板4aの深さ方向へ向けて形成されている。
P型ウエル領域に電位を与える端子4bは、半導体基板4aの表面に形成された領域であって、P型不純物が拡散されている領域である。そして、そのP型不純物の濃度は、金属配線とオーミック接続ができる程に濃い。
素子分離領域5は、MOSトランジスタ等の半導体素子を形成する領域を絶縁分離する領域である。そして、素子分離領域5は、半導体基板4aの表面に形成された溝と、その溝に埋め込まれた絶縁物から形成されている。
図2Aによれば、P型ウエル領域2aの中心軸の方向と貫通領域3の行列状の配列における列の方向が一致している。従って、図2Aによれば、P型ウエル領域2aが貫通領域3の隙間に入り込む場合があるため、P型ウエル領域2aと貫通領域3とが重ならない場合があることがわかる。
図2Bによれば、矩形のP型ウエル領域2aの中心軸が縦方向に向いているのに対して、貫通領域3の行列状の配列おいて列方向の軸が縦方向から斜めに傾いており、上記の中心軸と上記の列方向の軸は交差する。従って、P型ウエル領域2aと貫通領域3とは、その交差部分において、P型ウエル領域2aと貫通領域3とがかならず重なることがわかる。
さらに、貫通領域3の辺又は辺の中点を結ぶ中心軸の内のいずれかの方向は、P型ウエル領域2aの辺又は中心軸の内のいずれかの方向と平行な向きであるため、P型ウエル領域2aを辺又は中心軸が縦方向に向くように配置したときに、貫通領域3とP型ウエル領域2aが重なる領域が大きくなる効果がある。
参考例1の半導体装置は、N型ウエル領域1、N型ウエル領域1内のP型ウエル領域2a、N型ウエル領域1外のP型ウエル領域2b、貫通領域3、及び、半導体基板4aから構成されている点では、実施例1の半導体装置と同様である。従って、同様な構成要素には、同様な番号を付した。
参考例1の半導体装置のN型ウエル領域1は、実施例1の半導体装置のN型ウエル領域1と同様である。
参考例1の半導体装置のP型ウエル領域2aは、実施例1の半導体装置のP型ウエル領域2aと同様である。
参考例1の半導体装置のP型ウエル領域2bは、実施例1の半導体装置のP型ウエル領域2bと同様である。
P型ウエル領域に電位を与える端子4bは、N型ウエル領域1外のP型ウエル領域2b内に配置されている。すなわち、P型ウエル領域に電位を与える端子4bは半導体基板4aと電気的にオーミックに接続された場所に配置されている。また、半導体基板4aと同様の導電型の不純物が導入されている。
そして、参考例1の半導体装置が、さらに、素子分離領域5を含む点では、実施例1の半導体装置と同様である。
参考例1の半導体装置のN型ウエル領域1は、実施例1の半導体装置のN型ウエル領域1と同様に半導体基板4aの深さ方向に形成されている。
参考例1の半導体装置のP型ウエル領域2aは、実施例1の半導体装置のP型ウエル領域2aと同様に半導体基板4aの深さ方向に形成されている。
参考例1の半導体装置の素子分離領域5は、実施例1の半導体装置の素子分離領域5と同様である。
図4Aによれば、P型ウエル領域2aの中心軸の方向と貫通領域3の行列状の配列における列の方向が一致している。従って、図4Aによれば、P型ウエル領域2aが貫通領域3の隙間に入り込む場合があるため、P型ウエル領域2aと貫通領域3とが重ならない場合があることがわかる。
図4Bによれば、矩形のP型ウエル領域2aの中心軸が垂直方向に向いているのに対して、貫通領域3の行列状の配列おいて列方向の軸が垂直方向から斜めに傾いており、上記の中心軸と上記の列方向の軸は交差する。従って、P型ウエル領域2aと貫通領域3とは、その交差部分において、P型ウエル領域2aと貫通領域3とがかならず重なることがわかる。
従って、N型ウエル領域1内に、P型ウエル領域2aを辺又は中心軸が垂直方向に向く様に配置したときに、貫通領域3とP型ウエル領域2aが重なる確率が高くなる効果がある。
比較例2の半導体装置は、N型ウエル領域1、N型ウエル領域1内のP型ウエル領域2a、N型ウエル領域1外のP型ウエル領域2b、貫通領域3、及び、半導体基板4aから構成されている点では、比較例1の半導体装置と同様である。従って、同様な構成要素には、同様な番号を付した。
比較例2の半導体装置のN型ウエル領域1は、比較例1の半導体装置のN型ウエル領域1と同様である。
比較例2の半導体装置のP型ウエル領域2aは、比較例1の半導体装置のP型ウエル領域2aと同様である。
比較例2の半導体装置のP型ウエル領域2bは、比較例1の半導体装置のP型ウエル領域2bと同様である。
P型ウエル領域に電位を与える端子4bは、N型ウエル領域1外のP型ウエル領域2b内に配置されている。すなわち、P型ウエル領域に電位を与える端子4bは半導体基板4aと電気的にオーミックに接続された場所に配置されている。また、半導体基板4aと同様の導電型の不純物が導入されている。
そして、比較例2の半導体装置が、さらに、素子分離領域5を含む点では、比較例1の半導体装置と同様である。
比較例2の半導体装置のN型ウエル領域1は、比較例1の半導体装置のN型ウエル領域1と同様に半導体基板4aの深さ方向に形成されている。
比較例2の半導体装置のP型ウエル領域2aは、比較例1の半導体装置のP型ウエル領域2aと同様に半導体基板4aの深さ方向に形成されている。
比較例2の半導体装置の素子分離領域5は、比較例1の半導体装置の素子分離領域5と同様である。
従って、N型ウエル領域1内に、P型ウエル領域2aを辺又は中心軸が垂直方向に向く様に配置したときに、貫通領域3とP型ウエル領域2aが重なる確率が高くなる効果がある。
図6A、図6B、図6C、図6Dは、素子分離領域6、半導体基板7、不純物の注入深さが深いN型不純物領域8、レジスト開口パターン9、貫通領域10、レジスト開口パターン11、不純物の注入深さが浅いN型不純物領域12、N型ウエル領域内のP型ウエル領域13a、N型ウエル領域外のP型ウエル領域13b、及び、レジストパターン14を示す。なお、不純物の注入深さが深いN型不純物領域8と不純物の注入深さが浅いN型不純物領域12とは、一体としてN型ウエル領域を形成する。すなわち、このN型ウエル領域は一体として、実施例1乃至実施例3のN型ウエル領域1に相当する。
実施例4の半導体装置の製造方法によれば、N型ウエル領域が不純物の注入深さが深いN型不純物領域8と不純物の注入深さが浅いN型不純物領域12とを接続して構成されるため、P型ウエル領域13aを形成するために、N型不純物を補償するようなイオン注入量をする必要がない。すなわち、P型ウエル領域13aを形成するためのP型不純物の注入量を低く抑える効果がある。
(付記1)
第1不純物が導入された半導体基板の表面から内部に向けて形成されており、第2不純物が導入された第1領域と、
前記第1領域に内包され、第1不純物が導入された第2領域と、
前記第2領域の底部に接し、第1領域を貫通して、第1領域外の半導体基板に接続する、第1不純物が導入された貫通領域と、を備え、
前記貫通領域は行列状の配列を組んでおり、かつ、その行列状の配列に対する列方向の軸が第2領域の辺又は中心軸に対して傾くように前記行列状の配列が配置されていることを特徴とする半導体装置
(付記2)
前記貫通領域の形状が正方形状、長方形状、又は、円形状であることを特徴とする付記1に記載した半導体装置。
(付記3)
前記貫通領域の形状が正方形状または長方形状であって、
前記貫通領域の辺又は辺の中点同士を結ぶ中心軸のいずれかが前記第2領域の辺又は辺の中点同士を結ぶ中心軸のいずれかと平行な向きであることを特徴とした付記1に記載した半導体装置。
(付記4)
第1不純物が導入された半導体基板の表面から内部に向けて形成されており、第2不純物が導入された第1領域と、
前記第1領域に平面的に囲まれ、前記半導体基板の表面から内部に向けて形成されている、第1不純物が導入された第2領域と、
前記第1領域及び前記第2領域の底部から半導体基板内部に向けて形成されている、第2不純物が導入された第3領域と、
平面的に前記第3領域と重なって配置されており、前記第3領域を貫通する、第1不純物が導入された貫通領域と、を備え、
前記貫通領域の中心点が平面的に行列状の配列を組んでおり、かつ、その行列状の配列に対する列方向の軸が第2領域の辺又は中心軸に対して傾くように前記行列状の配列が配置されていることを特徴とする半導体装置。
(付記5)
第1不純物が導入された半導体基板の表面から内部に向けて形成されている第1領域に対して、平面的に重なるように、前記半導体基板の表面に、貫通領域に対応した、孤立レジストパターンを形成する工程と、
前記第1領域に対して、前記孤立レジストパターンをマスクに、イオン注入により第2不純物を導入する工程と、
前記半導体基板の表面から内部に向けて形成されており、平面的に前記第1領域に包含される第2領域に第1不純物を導入する工程と、を備え、
前記孤立レジストパターンは行列状の配列を組んでおり、かつ、前記行列状の配列に対する列方向の軸が第2領域の辺又は中心軸に対して傾くように前記行列状の配列が配置されていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
2a P型ウエル領域
2b P型ウエル領域
3 貫通領域
4a 半導体基板
4b P型ウエル領域に電位を与える端子
5、6 素子分離領域
7 半導体基板
8 不純物の注入深さが深いN型不純物領域
9 レジスト開口パターン
10 貫通領域
11 レジスト開口パターン
12 不純物の注入深さが浅いN型不純物領域
13a N型ウエル領域内のP型ウエル領域
13b N型ウエル領域外のP型ウエル領域
14 レジストパターン
Claims (3)
- 第1導電型の第1不純物が導入された第1導電型半導体基板の表面から内部に向けて形成されており、第2導電型の第2不純物が導入された第2導電型ウエルと、
前記第2導電型ウエルに内包され、平面形状が長方形であり、第1不純物が導入された第1導電型ウエルと、
前記第1導電型ウエルの底部に接し、前記第2導電型ウエルを貫通して、前記第2導電型ウエル外の前記第1導電型半導体基板に接続する、第1不純物が導入された貫通領域と、を備え、
前記第1導電型半導体基板に電位が与えられ、
前記貫通領域は、前記第1導電型半導体基板に与えられた電位を、前記第2導電型ウエルで囲まれた前記第1導電型ウエルに供給し、
前記貫通領域は行列状の配列を組んでおり、かつ、その行列状の配列に対する列方向の軸が前記第1導電型ウエルの辺又は中心軸に対して傾くように前記行列状の配列が配置されており、
前記貫通領域の形状が正方形状または長方形状であって、
前記貫通領域の辺又は辺の中点同士を結ぶ中心軸のいずれかが前記第1導電型ウエルの辺又は辺の中点同士を結ぶ中心軸のいずれかと平行な向きであることを特徴とする半導体装置。 - 第1導電型の第1不純物が導入された第1導電型半導体基板の表面から内部に向けて形成されており、第2導電型の第2不純物が導入された第1の第2導電型ウエルと、
前記第1の第2導電型ウエルに平面的に囲まれ、平面形状が長方形であり、前記第1導電型半導体基板の表面から内部に向けて形成されている、第1不純物が導入された第1導電型ウエルと、
前記第1の第2導電型ウエル及び前記第1導電型ウエルの底部から前記第1導電型半導体基板内部に向けて形成されている、第2不純物が導入された第2の第2導電型ウエルと、
平面的に前記第2の第2導電型ウエルと重なって配置されており、前記第2の第2導電型ウエルを貫通する、第1不純物が導入された貫通領域と、を備え、
前記第1導電型半導体基板に電位が与えられ、
前記貫通領域は、前記第1導電型半導体基板に与えられた電位を、前記第1の第2導電型ウエルで囲まれた前記第1導電型ウエルに供給し、
前記貫通領域の中心点が平面的に行列状の配列を組んでおり、かつ、その行列状の配列に対する列方向の軸が前記第1導電型ウエルの辺又は中心軸に対して傾くように前記行列状の配列が配置されており、
前記貫通領域の形状が正方形状または長方形状であって、
前記貫通領域の辺又は辺の中点同士を結ぶ中心軸のいずれかが前記第1導電型ウエルの辺又は辺の中点同士を結ぶ中心軸のいずれかと平行な向きであることを特徴とする半導体装置。 - 第1導電型の第1不純物が導入された第1導電型半導体基板の表面から内部に向けて画定されている第2導電型ウエルの形成予定領域に対して、平面的に重なるように、前記第1導電型半導体基板の表面に、貫通領域に対応した、孤立レジストパターンを形成する工程と、
前記第2導電型ウエルの形成予定領域に対して、前記孤立レジストパターンをマスクに、イオン注入により第2導電型の第2不純物を導入して所定の深さに第2の第2導電型ウエルを形成する工程と、
前記第2導電型ウエルの形成予定領域に対して、イオン注入により第2不純物を導入して前記第2の第2導電型ウエルよりも浅い第1の第2導電型ウエルを形成する工程と、
前記第1導電型半導体基板の表面から内部に向けて画定されており、平面的に前記第1の第2導電型ウエルに包含される平面形状が長方形の第1導電型ウエルの形成予定領域に、第1不純物を導入して第1導電型ウエルを形成する工程と、を備え、
前記第1導電型半導体基板に電位が与えられ、
前記貫通領域は、前記第1導電型半導体基板に与えられた電位を、前記第1の第2導電型ウエルで囲まれた前記第1導電型ウエルに供給し、
前記孤立レジストパターンは行列状の配列を組んでおり、かつ、前記行列状の配列に対する列方向の軸が前記第1導電型ウエルの辺又は中心軸に対して傾くように前記行列状の配列が配置されており、
前記貫通領域の形状が正方形状または長方形状であって、
前記貫通領域の辺又は辺の中点同士を結ぶ中心軸のいずれかが前記第1導電型ウエルの辺又は辺の中点同士を結ぶ中心軸のいずれかと平行な向きであることを特徴とする半導体装置の製造方法。
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