JP4923228B2 - ステアリング・ホイール・ユニット - Google Patents

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Description

発明は請求項1の導入部分に記載されたステアリング・ホイール・ユニットに関する。
エアバッグ・モジュールは、ほとんどすべての最新の自動車のステアリング・ホイールのハブ領域の内部に収容される。本モジュールは、ハウジングと、大部分はガス発生器の形をしている膨張装置と、エアバッグとを現す。エアバッグはハウジングの内側に折り畳まれ、ハウジングを閉鎖するカバー要素が被せられている。カバー要素は多くの場合にホーンの動作表面としての役目も果たす。この場合、カバー要素は、少なくとも1つのばね要素の力に対抗してステアリング・ホイールの方へ押し下げられることが可能である。2つの基本設計がこれに関連して知られている。
一方で、固定形式でハウジングをステアリング・ホイールと接続し、軸方向に移動できるようにカバー要素をハウジングまたはステアリング・ホイールに配置することが可能である。
さらに、モジュール全体、すなわち、ハウジング、ガス発生器、エアバッグ、および、カバー要素により構成される部分組立体を軸方向に移動できるようにステアリング・ホイールに配置することが可能である。このような設計は、たとえば、一般的な特許文献1から公知である。ここでは、ハウジングを(ステアリング・カラムに関連して)軸方向に離れる方へ押す圧縮ばねがハウジング底部とステアリング・ホイールとの間に設けられている。軸方向に機能し、ばねによって引き起こされた運動を制限し、外側からの力が存在しない場合にエアバッグ・モジュールの軸方向位置を画定する位置決め手段が存在する。すなわち、ホーンが作動されているときを除いて、軸方向力は、エアバッグ・モジュールとステアリング・ホイールとの間で永続的に伝達される。
非常に高度の機能的信頼性の要求に加えて、ステアリング・ホイールにおけるエアバッグ・モジュールの位置決めは審美的な理由のため非常に正確でなければならないという要求は徐々に重要な役割を果たしている。
独国特許出願公開DE19625722A1
したがって、本発明は、非常に高度の動作信頼性に加えて、ステアリング・ホイールにおけるエアバッグ・モジュールの非常に正確な位置決めが達成されることが可能であるように一般的な形式のステアリング・ホイール・ユニットを改良する課題を設定する。
上記課題は請求項1の特徴を含んでいるステアリング・ホイールを用いて達成される。
本発明によれば、外力がない場合にステアリング・ホイールに対するエアバッグ・モジュールの軸方向位置を画定する少なくとも1つの位置決め手段に加えて、エアバッグ・モジュールとステアリング・ホイールとの間に作用し、外力がない場合に、および、エアバッグ・モジュールが押し下げられるときに無効である、すなわち、これらの状態にあるとき、エアバッグ・モジュールとステアリング・ホイールとの間で力を伝達しない少なくとも1つの保持手段が存在する。
ガス発生器が点火されるとき、非常に大きい力がエアバッグ・モジュールとステアリング・ホイールとの間に現れる可能性がある。これまでに存在していた一般的な形式のステアリング・ホイール・ユニットでは、位置決め手段は、ガス発生器が点火された場合にエアバッグ・モジュールがエアバッグに接続された状態を維持することをさらに確実にするため、位置決め手段は対応して頑強であるように設計されていた。この目的のため補強要素を設けることが多くの場合に必要であった。しかし、これは、この場合も正確な位置決めに負の効果があるか、または、製造のため必要とされる時間および費用をかなり増加させる公差の連鎖を引き起こす。
この問題は付加保持手段を用いて解決される。通常の動作状態では、これらの手段は全く影響を与えないので、正確な寸法決めに関する要件は低い。これに反して、保持手段の存在のため、軸方向位置決め手段に関する要件はこの軸方向位置決め手段の頑強さに関して低い。課題の分散のため、保持手段および位置決め手段の設計に関して妥協することは不要である。
発明による概念のさらなる利点は、好ましい実施形態の説明において後でわかるように、発明が改良された取り付けおよび取り外しの能力を可能にすることである。
発明の好ましい実施形態は、従属請求項と、さらに図面を参照して次に説明される実施形態とから生じる。
エアバッグ・モジュールが収容されるステアリング・ホイールのハブ領域を通る非常に概略的な断面図である。 エアバッグ・モジュールが押し下げられた図1に示された要素を示す図である。 エアバッグの膨張中の図1に示された要素を示す図である。 位置決め手段の概略的表示を含むエアバッグ・モジュールの鳥瞰図である。 取り付け板を示す図である。 ハウジングが取り付け板に保持されているとき、詳細な3次元図で図4からの領域B1を示す図である。 図6に対応する図で図4からの領域B2を示す図である。 図6に対応する図で図4からの領域B3を示す図である。 オメガばねがハウジング底部に固定され、オメガばねの2箇所が示されている下からのハウジングの3次元図である。 図9からのD1の詳細図である。 図9のハウジングおよび図5の取り付け板を示す図である。 位置決め手段の概略的な表現を含む図4に対応した図による第2の実施形態によるエアバッグ・モジュールの鳥瞰図である。 図6に対応した図で図12の領域B4を示す図である。 図13に対応した図で領域B5を示す図である。 組み立てられた状態で外側に位置している位置決め手段を示す図である。 図14aに示された要素を組み立てられていない状態で示す図である。 図12に対応した図で発明の第3の実施形態を示す図である。 図13に対応した図で図15からの領域B6を示す図である。 図13に対応した図で図15からの領域B7を示す図である。 図17に示された要素の変形を示す図である。 図17に示された要素のさらなる変形を示す図である。 ステアリング・ホイール本体に収容され、ステアリング・ホイール本体は切開図の形式で示されている図15からのエアバッグ・モジュールを示す図である。
発明は図1〜図3の概略図とさらに3つの具体的な実施形態とを参照して次により詳細に説明される。図1〜図3を参照して以下により詳細に説明される基本原理は、すべての3つの実施形態に適用される。
基本構造
図1は、ステアリング・ホイール・ユニットのハブ領域を通る縦断面図を概略的な形式で示している。このステアリング・ホイール・ユニットは、ハブ領域に凹部12を有するステアリング・ホイール本体10を含むステアリング・ホイールを現す。スポーク14はハブ領域から延在する。ステアリング・カラム16は、ハブからほぼ中心に延在する。ステアリング・カラム16の延びる方向は追従すべき軸方向またはZ方向を画定する。このZ方向と垂直に立つ平面(この平面は図1の紙面にも垂直である)はXY平面である。
凹部12の底部で、取り付け板20は、ねじ22を用いてステアリング・ホイール本体10と一体に取り付けられ、すなわち、固定式にステアリング・ホイール本体と接続されている。取り付け板がステアリング・ホイール本体の一体的な部分であることも可能であり、この可能性は公差および製造費用を削減するために役立つ可能性がある。本願において選択された定義によれば、取り付け板20および取り付け板から延在するすべてのコンポーネントはステアリング・ホイールに属していると考えられる。
エアバッグ・モジュール30は凹部12に収容されている。このエアバッグ・モジュールは、ハウジング32と、ハウジング32に収容されたエアバッグ52と、ガス発生器54とを現す。同様にエアバッグ・モジュールに属しているハウジングカバー50は、膨張するエアバッグによって既知の方式で開かれるハウジング32の出口開口部34の上に延在している。
ハウジング32のハウジング底部32aは、螺旋ばね46を用いて取り付け板20と接続されているので、エアバッグ・モジュール30、および、特にさらにハウジング32がステアリング・ホイールに接触して軸方向にこれらの螺旋ばね46の力に対抗して押し下げることが可能である。エアバッグ・モジュール30が十分に遠くまで押し下げられた場合、ホーン接点24、44が閉じられる(図2を参照のこと)。
ステアリング・ホイール、エアバッグ・モジュール、および、これらのコンポーネントの間に作用する螺旋ばねは、ステアリング・ホイール・ユニットを一体的に形成する。
螺旋ばね46は、当然のことながら、ステアリング・ホイールに対して正確にエアバッグ・モジュール30の位置を画定できないので、位置決め手段が設けられることが必要である。全体でエアバッグ・モジュールは、ステアリング・ホイールに対して5自由度(3並進自由度および2回転自由度)を有するので、位置決め手段はこれに対応して設計されるべきである。厳密に1つの位置決め手段が考えられる運動方向毎に設けられる場合、一般に6つの位置決め手段が必要とされる。各位置決め手段は、2部品、すなわち、ステアリング・ホイール側の部品とモジュール側の部品とにより構成される。図1は、それぞれが軸方向位置決め、すなわち、Z方向の位置決めの役目を果たす2つの位置決め手段を示している。これらの軸方向位置決め手段の1つずつは、モジュール側の軸方向位置決め手段としての軸方向位置決めフック29を現す。断面図は、2つの軸方向位置決め手段だけを示しているが、実際には、3つの軸方向位置決め手段が通常は存在する。螺旋ばね46は、ハウジング32、したがって、ハウジングから延在する軸方向位置決め段差39を軸方向位置決めフック29に対抗して下から上方へ押すので、モジュールの軸方向位置(Z位置)は完全に画定される。ホーンの動作のため、エアバッグ・モジュール30は厳密に軸方向へ押し下げることが可能であるか、または、傾斜した形式で押し下げることが可能である。
軸方向位置決め手段の課題は大きい力を利用する必要がない軸方向位置決めだけにより構成される。このことから特に得られることは、それぞれのコンポーネントがプラスチックで製造されることが可能であり、そして、特にモジュール側の軸方向位置決め手段はハウジングと共にワンピースで製造することが可能である。
しかし、ガス発生器を作動させるとき、かなりの力が軸方向にさらに現れる。したがって、保持手段が設けられ、発生した大きい力のため、軸方向位置決め手段が破損するとき、たとえば、破壊するときであっても(図3)、エアバッグ・モジュールをステアリング・ホイールに留める。保持手段は、ステアリング・ホイール側の保持手段、すなわち、この場合には保持フック28と、モジュール側の保持手段、すなわち、この場合には保持段差38とを備える。図1および2からわかるように、保持手段は、通常の動作状態では、すなわち、力が外部からエアバッグ・モジュールに加えられていないとき(図1)、または、エアバッグ・モジュールがホーンを動作させるため下へ押されているとき、すなわち、ステアリング・ホイール側の保持手段(保持フック28)およびモジュール側の保持手段(保持段差38)が互いに接触しないとき、機能しない。すなわち、保持手段は、軸方向位置決め手段との競合に入らず、低い要件だけが厳密な寸法決めに関して設定されることが必要である。しかし、保持手段を完全にまたは部分的に金属で製造することも特に可能である。
発明の多くの利点は、添付された図4〜〜18を参照してより詳細に後述される具体的な実施形態を参照して初めて理解できる。図4〜11は第1の実施形態を示している。
第1の実施形態
図4は、非常に概略的な形式でエアバッグと、同様に概略的な形式で個別の位置決め手段の位置および機能との鳥瞰図を示している。全体で、5つの位置決め手段、すなわち、3つの純然たる位置決め手段(Z1〜Z3を用いて指定されている)と、XY位置決め手段(X1Y1を用いて示されている)と、さらにさらなるXY位置決め手段(X2として示されている)とが存在する。X位置決め手段およびXY位置決め手段は軸方向には機能しないので、非軸方向位置決め手段として指定されている。軸方向位置決め手段は、原則的に、後で再びわかるように、図1を参照して前述されているように構成されている。2つのさらなる位置決め手段X1Y1およびX2は、XY平面内でエアバッグ・モジュール30の位置を画定し、この平面内での回転を阻止するために役立つ。X1Y1位置決め手段は、モジュール側の位置決め手段としての第1の位置決めペグ60と、ステアリング・ホイール側の位置決め手段としての円形状の第1の位置決めレセプタクル64を含んでいる(図8)。X2位置決め手段は、モジュール側の位置決め手段としての第2の位置決めペグ62と、同時にステアリング・ホイール側の位置決め手段としての長円形状の第2の位置決めレセプタクルとを含んでいる。第2の位置決めレセプタクル66の長円形状は、収縮によって引き起こされる長さの差、または、温度の変化を補償するために役立つ。
図5は第1の実施形態の取り付け板20を示している。ここで、ステアリング・ホイール側の軸方向位置決め手段としての役目を果たす3つの軸方向位置決めフック29およびステアリング・ホイール側の保持手段としての役目を果たす2つの保持フック28と、そして、2つの位置決めレセプタクル64および66とが認められる。軸方向位置決めフックおよび保持フックは、それぞれが堅固に形成されている。図6−8は、ステアリング・ホイール側の位置決め手段がモジュール側の位置決め手段と一緒に連動する様子を示している。モジュール側の軸方向位置決め手段は、ここでは、U字型フープ74および78の裏面である軸方向位置決め段差39でもある。エアバッグ・モジュール30および取り付け板20の鏡面対称性のため(鏡像平面はXZ平面に位置している)、Z1またはZ2軸方向位置決め手段に属している2つのフープは第1のU字型フープ74として指定され、軸方向位置決め手段Z3に属しているU字型フープは第2のU字型フープ78として指定されている。
モジュール側の保持手段の形状は、次に図9および10を参照して説明される。ばねワイヤは、ハウジング底部32aに保持され、この形状のため、オメガばね68と称されることがある。このオメガばね68の端セクション68aおよび68bは、それぞれが、保持ブロック70a〜70dによって保持され、そのために、保持ブロック70a〜70dのそれぞれは溝72a〜72dを現す。この溝は、いずれの場合にも内側にあるので、オメガばね68の端セクション68a、68bは、図9に示されているように、2つの位置、すなわち、ロック状態に対応する外側位置68a’および68b’と、ロック解除状態に対応する内側位置68a’’および68b’’とを取ることが可能である。
保持ブロック70b、70dのすぐ後ろ側で、オメガばね68は、両側において、どちらも第1のU字型フープ74から延在するU字型伝達要素76の中に案内される。すなわち、オメガばね68の端セクションが外側位置から内側位置へ旋回させられるとき、対応するU字型フープの関連した軸方向位置決め段差は内方へ旋回させられる。伝達要素76は第1のU字型フープ74と共にワンピースで形成され、この第1のU字型フープの固有部分はハウジング32とワンピースで形成されている。ハウジング32は、射出成形されたプラスチック部品であり、または、プラスチックでオーバーモールドされた金属製のコアを有している。
エアバッグ・モジュールの取り付け中に、モジュールは、上方からステアリング・ホイール本体の凹部に導入され(図11)、このために、オメガばね68の端セクションはそれぞれの外側位置にある。この位置において、オメガばねの端セクションは、保持フック28の傾斜ヘッドによってやや内方へ押されるが、保持ブロック70の溝72a〜72dにスナップ式に嵌ることができる程には離れない。すなわち、取り付け工程の完了後、オメガばねの端セクションはそれぞれの元の外側位置にスナップ式に嵌る。同様に、U字型フープ74、78の軸方向位置決め段差39は、同様に傾斜を付けて形成された軸方向位置決めフック29のヘッドによって少し内向きに押され、取り付け工程の完了後にそれぞれの元の力が加えられていない初期位置へスナップ式に嵌る。取り付けられた状態で、ホーンが押し下げられないとき、軸方向位置決めフック29は(U字型フープの部品である)軸方向位置決め段差39に寄り掛かり、一方、保持フックおよび(モジュール側の保持手段を形成する)オメガばね68の端セクションは互いに接触しない。すなわち、モジュールの軸方向位置(Z位置)は、軸方向位置決めフックおよび軸方向位置決め段差によって決定されるだけである。しかし、ガス発生器が作動させられるとき、結果として生まれる力によって、軸方向位置決めフックおよび/またはフープ74、78は壊れる可能性がある。この場合、保持フック28は、オメガばね68と一体となって、エアバッグがステアリング・ホイールから分離することを妨げる。
エアバッグ・モジュール30がステアリング・ホイールから取り外されるべき場合、オメガばね68の端セクションはツールを用いてそれぞれの内側位置へ動かされ、その結果、溝72にスナップ式に嵌る。この位置では、オメガばねの端セクションは非常に内側へ離れて位置するので、もはや保持フック28と係合(ロック解除状態位置)できない。この運動中、オメガばね68の端セクションは、第1のU字型フープ74の軸方向位置決め段差39を内側へ向かって同様に旋回させる(伝達要素76の目的である)。この位置では、対応する軸方向位置決め段差39は、同様に非常に内側へ離れて位置するので、もはや軸方向位置決めフック29と係合できず(ロック解除状態)、その結果、エアバッグ・モジュール30は上方へ引き出されることが可能である。第2のU字型フープ78は取り外し位置へ旋回されないので、持ち上げて外へ出すときにエアバッグ・モジュールを僅かに傾斜させることが必要である。第2の位置決めレセプタクル66の楕円形状はこの傾斜を可能にさせる。楕円形状は、温度変化または収縮に起因した長さの差の補償のため役立ち、そして、分解中に必要とされる傾斜を可能にするため役立つ。
ワンピース化されたオメガばねは好ましい解決策である。しかし、モジュールの片側に1つずつの2つの別個のばねワイヤを有することも可能であることが強調されるべきである。
第2の実施形態
図12〜14は発明の第2の実施形態を示している。保持手段及び軸方向位置決め手段は第1の実施形態における保持手段および軸方向位置決め手段と同様に形成されているので、ここで重ねて説明されない。第1の実施形態と比べて、XY平面内の位置決めは外側位置決め手段80、82、84を用いて実現される。モジュール側に、外側位置決め手段は、板形状セクション86、88、90を備え、ステアリング・ホイール側に適当な受承要素92、94、96を備える。取り付けられた状態のこのような板形状セクション86および受承要素92は図14aに断面図として示されている。受承要素は、基本的にU字型断面を有し、そのために第1の脚部92aの上方端から弾性アーム部92cがUの内側に延在する。第1の脚部92aと反対側に位置している第2の脚部92bの内側は、凸状の形をしている。弾性アーム部と第2の脚部との間の最短距離は、力がない状態で、板形状セクションの厚さより短いので、取り付けられた状態で、板形状セクションは第2の脚部に押し付けられ、XY平面内での位置的な固定をもたらす(図14b)。
受承要素92、94、96は、好ましくは、この目的のため、フォームフィットを用いて鋼製ホイール本体に設けられた凹部の中に位置している別個のプラスチック製要素である。フォームフィットのため役立つ要素は、側方突起部102である。中心から外れたペグ100はU字型受承要素の下側脚部に設けられ、受承要素が正しい姿勢に限りそれぞれの凹部に挿入できることを確実にする。
第3の実施形態
図15〜20は、第2の実施形態に類似しているさらなる実施形態を示している。第2の実施形態と比べて、ここでは、外側位置決め手段80、82、84は、Z方向(軸方向)に位置決めするためにも役立つ。これを実現するため、板形状セクション86、88、90の下方端はフックセクション88a、90aを備えるので(図16および17)、このようにして形成されたフックセクションは、螺旋ばね(ホーンばね)の力のため、弾性アーム部94c、96cの下方面に押し付けられる。エアバッグ・モジュールのステアリング・ホイールへの取り付け中に、アーム部は、最初に板形状セクションのフック形状端を用いて側面に押圧され、次に、元通りにスナップ式に嵌る。
オメガばねを使用してZ位置決めをロック解除することは不可能であるので、受承要素92、94、96は、たとえば、内側に押し込むことによりステアリング・ホイール本体から取り外すことが可能であり、その結果、位置決め手段が切り離されるように、ステアリング・ホイール本体に保持される。ステアリング・ホイール本体は、受承要素92、94、96が保持される凹部の領域において(たとえば、発泡材料を使用することにより)やや弾性であることもまた可能である。この場合、受承要素は、受承要素をZ方向に押すことにより、分解の目的のためステアリング・ホイール本体からスナップ式に取り出されることが可能である。新たな組立の前に、受承要素はもう一度発泡体にスナップ式に嵌め込まれることが必要である。
図18および19は、図17に示されていることの変形を示している。図18の変形では、板形状セクション90のフックセクション90bは、段差を示す受承要素96の第2の脚部96bの方に向かう。本変形の利点は、(ステアリング・ホイール・ユニット内の板形状セクションおよび受承要素のすべてのペアが好ましい同じ姿勢を有する場合に)合成された回転(図18の矢印を参照のこと)および引っ張り動作によってフックセクションをスナップ式に取り出すことが可能であることである。
図19の変形では、板形状セクションは、両側にフックセクション90a、90bを有する。この構成は、ハウジングに加えられた引き抜き力がより対称的に受承要素に伝達されるので、受承要素をステアリング・ホイール本体の発泡体からより容易に引き抜くことを可能にする。
板状セクションの少なくとも1つのフックセクション90aが弾性アーム部96cの方向を向く解決策が選ばれる場合、このフックセクション90aの上方表面が、図16、17および19において認められるように、板状セクション90から斜め上方へ延びることが好ましい。弾性アーム部96cの下方面はこの傾斜に追従すべきである。この設計では、ホーンばねの力は、弾性アーム部が板状セクション90に押し付けられることを助ける。この場合、クランプ力は、板状セクションと受承要素との間のあらゆるギャップを取り除く。これは振動負荷中の雑音を回避するため非常に役に立つ。
図18および19は第3の板状セクション90および第3の受承要素96を示しているが、これは実施例として選択されているのに過ぎないことが明瞭である。第1および第2の板状セクションと第1および第2の受承要素は同じように作ることが可能である。単一のステアリング・ホイール・ユニットにおける上記変形の混在は、一般的に可能であるが、通常は好ましくない。
図20は、ステアリング・ホイール本体における受承要素の配置を示している。保持手段は、最初の2つの実施形態の場合と同じ形状を有しているので、基本的に、モジュール側の保持手段としてのオメガばねと、ステアリング・ホイール側の保持手段としての保持フックとにより構成されている。
すべての示されている実施形態は、金属ばねワイヤ(オメガばね)がステアリング・ホイール本体と接触していない通常の動作状態にあるので、ガタガタとい音が広く回避されるという利点がある。
10 ステアリング・ホイール本体
12 凹部(ハブ領域)
14 スポーク
16 ステアリング・カラム(z方向)
20 取り付け板
22 穿孔
24 下方ホーン接点
28 保持フック(ステアリング・ホイール側の保持手段)
29 軸方向位置決めフック
30 エアバッグ・モジュール
32 ハウジング
32a ハウジング底部
34 出口開口部
36 側壁
38 保持段差(モジュール側の保持手段)
39 軸方向位置決め段差(モジュール側の軸方向位置決め手段)
44 上方ホーン接点
46 螺旋ばね
50 ハウジングカバー
52 エアバッグ
54 ガス発生器
60 第1の位置決めペグ
62 第2の位置決めペグ
64 第1の位置決めレセプタクル
66 第2の位置決めレセプタクル
68 オメガばね
70 保持ブロック
72 溝
74 第1のU字型フープ
76 伝達要素
78 第2のU字型フープ
80 第1の外側位置決め手段
82 第2の外側位置決め手段
84 第3の外側位置決め手段
86 第1の板形状セクション
88 第2の板形状セクション
90 第3の板形状セクション
90a,90b フックセクション
92 第1の受承要素
92a 第1の脚部
92b 第2の脚部
92c アーム部
94 第2の受承要素
94a 第1の脚部
94b 第2の脚部
94c アーム部
96 第3の受承要素
96a 第1の脚部
96b 第2の脚部
96c アーム部
100 ペグ
102 突起部

Claims (20)

  1. ステアリング・ホイールと、前記ステアリング・ホイールのハブ領域に位置しているエアバッグ・モジュール(30)とを含み、前記エアバッグ・モジュールは、ハウジング(32)と、前記ハウジングの中に折り畳まれたエアバッグ(52)と、ガス発生器(54)とを備え、前記エアバッグ・モジュールは少なくとも1つのばね要素の力に対抗して押し下げることが可能であり、前記ステアリング・ホイールに対して前記エアバッグ・モジュールの軸方向の位置を規制する位置決め手段を有する自動車用のステアリング・ホイール・ユニットであって、
    前記位置決め手段に加えて、前記エアバッグ・モジュールと前記ステアリング・ホイールとの間で動作する少なくとも1つの保持手段(28;38,68)を備え、
    前記保持手段は、前記ステアリング・ホイール側の第1保持要素と前記エアバッグ・モジュール側の第2保持要素とを備え、
    前記第1保持要素と前記第2保持要素とは、前記エアバッグ・モジュールが押し下げられた時には、互いに機械的にコンタクトせず、
    前記位置決め手段が位置規制機能を果たせなかった時に、前記保持手段の前記第1保持要素と第2保持要素とが接触し、前記エアバッグ・モジュールを前記ステアリング・ホイールに対して保持することを特徴とするステアリング・ホイール・ユニット。
  2. 前記エアバッグ・モジュール側の前記第2保持要素は、前記ハウジングの底部に保持された少なくとも1つのばねワイヤ要素を備えることを特徴とする、請求項1に記載のステアリング・ホイール・ユニット。
  3. 単一のワンピースばねワイヤ要素が設けられていることを特徴とする、請求項2に記載のステアリング・ホイール・ユニット。
  4. 前記少なくとも1つのばねワイヤは2つの自由端(68a,68b)を有することを特徴とする、請求項2または3に記載のステアリング・ホイール・ユニット。
  5. 前記ばねワイヤ要素は馬蹄型またはオメガ型形状であることを特徴とする、請求項3又は4に記載のステアリング・ホイール・ユニット。
  6. 前記ばねワイヤ要素の前記自由端(68a,68b)のそれぞれは、一方の位置がロック状態に対応し、もう一方の位置がロック解除状態に対応する画定された内側位置および画定された外側位置に動かされることが可能であることを特徴とする、請求項4又は5に記載のステアリング・ホイール・ユニット。
  7. 前記ばねワイヤ要素の少なくとも一方の端のロック解除状態を前記モジュール側の少なくとも1つの位置決め手段へ伝達する少なくとも1つの伝達要素(76)が存在することを特徴とする、請求項6に記載のステアリング・ホイール・ユニット。
  8. 純然たる軸方向位置決め手段および純然たる非軸方向位置決め手段が設けられていることを特徴とする、請求項8に記載のステアリング・ホイール・ユニット。
  9. 前記モジュール側の前記軸方向位置決め手段はU字型フープ(74,78)として形成されていることを特徴とする、請求項8に記載のステアリング・ホイール・ユニット。
  10. 前記ステアリング・ホイール側の前記非軸方向位置決め手段は、フォームフィットを作り出すように前記ステアリング・ホイールに保持されている少なくとも1つの受承要素(92,94,96)を備えることを特徴とする、請求項1乃至9の何れか一項に記載のステアリング・ホイール・ユニット。
  11. 前記受承要素(92,94,96)はU字型形状プロファイルを備え、それによって弾性アーム部(92c)が第1の脚部(92a)の上方端から前記U字型プロファイルの内部まで延在することを特徴とする、請求項10に記載のステアリング・ホイール・ユニット。
  12. 軸方向位置決めおよび非軸方向位置決めの両方に役立つ少なくとも1つの位置決め手段が存在することを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のステアリング・ホイール・ユニット。
  13. 前記ステアリング・ホイール側の前記位置決め手段はフォームフィットを用いて前記ステアリング・ホイールに保持されている少なくとも1つの受承要素(92,94,96)を含み、前記モジュール側の割り当てられた位置決め手段は少なくとも1つのフックセクション(88a,90a,90b)を備えることを特徴とする、請求項12に記載のステアリング・ホイール・ユニット。
  14. 前記受承要素(92,94,96)はU字型プロファイルを備え、それによって弾性アーム部(94c,96c)が第1の脚部(94a,96a)の上方端から前記U字型プロファイルの内側まで延在することを特徴とする、請求項13に記載のステアリング・ホイール・ユニット。
  15. 前記U字型プロファイルの第2の脚部(96b)の方へ向く唯一のフックセクション(90b)が存在することを特徴とする、請求項14に記載のステアリング・ホイール・ユニット。
  16. 前記U字型プロファイルの前記弾性アーム部(94c、96c)の方へ向くフックセクション(90a)が存在することを特徴とする、請求項14に記載のステアリング・ホイール・ユニット。
  17. フックセクション(88a,90a)の上方表面が前記U字型プロファイルの前記第1の脚部(94a,96a)へ向かう傾斜隆起部である、請求項16に記載のステアリング・ホイール・ユニット。
  18. 2つのフックセクション(90a,90b)が存在することを特徴とする、請求項16又は17に記載のステアリング・ホイール。
  19. 前記受承要素(92,94,96)は前記ステアリング・ホイール本体(10)に取り外し可能に保持されていることを特徴とする、請求項10乃至18のいずれか一項に記載のステアリング・ホイール・ユニット。
  20. 前記受承要素(92,94,96)は前記ステアリング・ホイール本体(10)からスナップ式に取り出されることが可能であることを特徴とする、請求項19に記載のステアリング・ホイール・ユニット。
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